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国際政治・世界事情

1362チバQ:2010/05/08(土) 11:46:12
http://mainichi.jp/select/world/news/20100427ddm007030008000c.html
再生をかけて:’10英総選挙・第2部/1 揺らぐ米との蜜月
 ◇国際影響力陰り「中級国家に」
 米政府高官の説明に失笑が漏れた。昨年9月、ロンドンでのセミナー。高官は「みなさんの意見をお聞きし、今後の政策に役立てたい」と語りかけた。米国はその10日前に東欧へのミサイル防衛(MD)配備計画見直しを発表。英国との事前協議はなかったとされ、高官訪問の狙いが英国側の不満緩和にあるのは見え透いていた。

 チャーチル元首相が1946年の「鉄のカーテン」演説で「特別な関係」と呼んだ英米関係が揺らぎ始めた。英国では、オバマ政権が英国に十分な関心を払っていないとの不満が噴出している。

 その不満を単純化するなら、英兵179人の犠牲者を出した対米追随のイラク戦争は何のためだったのかという自問だ。BBC記者を長年務めたマーティン・ベル元下院議員は「『特別な関係』という幻想がブレア前首相をイラク参戦へ走らせた。幻想から覚めて、われわれは衰退する中級国家になったことに気づいた」と話す。

 英国にとってイラク戦争は、大英帝国の終えんを自覚したスエズ動乱(1956年)での屈辱の撤兵以来の失態に位置づけられる。その後遺症は尾を引き、下院外交委員会は3月の報告書で、イラク戦争は「英国の評価と国益を大きく傷つけた」と分析している。

 英国の「いら立ち」に接すると、ある米当局者の言葉を思い出す。彼は米外交の実利的側面をこう説明した。「同盟国が『米国善意銀行』に巨額の投資をしても、金利はゼロで、預金はすぐに底をつく」。ブッシュ前政権が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除した際、日本が反発したことへの回答だった。

 片務的な日米同盟に比べ、英米間には情報・軍事面などで双方向につながる強固な土台がある。同盟関係には浮き沈みもつきものだ。しかし、見逃せないのは、米国の戦略的関心が中国やインドの台頭により大西洋から太平洋へシフトするという構造的変化が起きていることである。

 ミリバンド外相は「G2(米中)の世界で傍観者になってはいけない。多極化世界では規模と結束が物を言う。強い欧州の中での強い英国が必要だ」と語る。欧州連合(EU)での存在感をテコに、米国への影響力を確保するという戦略だ。しかし、英国はEU内で仏独の後塵(こうじん)を拝し、「オバマ政権は仏独との関係強化を志向している」(英外務省当局者)との指摘は強い。

 英外交は戦後、米国との「特別な関係」を基盤に「パンチ・アバブ・ザ・ウエート」(実力以上の影響力)を行使してきた。経済危機の中で進む今総選挙では外交は焦点になっていないが、どの政党が勝利しても、「米国との距離」の調整と外交戦略の練り直しを迫られることになる。【ロンドン笠原敏彦】

    ◇  ◇

 さまざまな分野で世界をリードしてきた英国が、激変する国際環境の中で苦闘している。総選挙に合わせ、新たな針路を探り始めたその姿を報告する。=つづく


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