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科学と疑似科学とを判別する(2)

1diamonds8888x:2021/03/06(土) 19:44:21 ID:Qix9q/lA
「科学と疑似科学とを判別する」のバート2です。1000件越えたら、こちらにどうぞ。

261Ken:2022/11/20(日) 22:26:49 ID:/6TLb.aE
[総括編第6回]

今回のスレッドでは、17世紀に始まる光の正体論争を論じました。最初に結論をいうと、「光粒子説」も「光波動説」も17、18世紀には基準02違反だったと、私は考えます。波動説が違反でなくなったのは19世紀で、粒子説は20世紀に違反でない形で復活しました。その歴史を語りましょう。

まず、基準02違反ではない、粒子説や波動説の証拠とは何でしょうか? 私は旧スレッドの687で「粒子は離散的なもの、波動は周期的なもの」と定義しました。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/687

光を観測して、そこに離散性を観測できれば粒子の証拠になるし、周期性を観測できれば波動の証拠になります。

まず、光の周期性が一般に認められたのは1801年のヤングの実験でした。1つの光源の光が2つのスリットを通ると、スクリーンに縞模様を作ります。これはまごうことなき周期性の現れですから、誰もが光は波動と信じるようになりました。

光の離散性が認められるのは20世紀になってからです。旧スレッドの688で述べたように、日光で日焼けしたり、光が目に見える事象は、光を離散的な「かたまり」と考え、「かたまり」の単位でもつエネルギーが、特定の範囲になければなりません。
jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/688

では、それらの観測が無かった、18世紀までの光粒子説と光波動説には、どんな証拠があったのでしょうか? 粒子説の根拠は、まず光が常に直進し、音のように障害物の背後に回り込まないことでした。衝立の反対側の人物と会話はできても姿は見えません。ゆえに光は波ではないというものです。これで分かるように、粒子説のこの根拠は離散性とは関係なく、波動説の否定にすぎません。もう1つの根拠だった光が宇宙空間を伝わる事象も、真空の宇宙には媒質がないのだから波動ではありえないという、対立説の否定でした。多くの人がこれに納得したので、この時代は粒子説が広く支持されたのです。

では18世紀までの、光波動説の根拠はなんだったのでしょうか? 一番の根拠は光同士がすり抜けることでした。例えば2人の人物が向き合って互いの顔を見るとします。特に相手の目を見るということは、相手の目からの光が自分の目に届いたということです。同時に自分の目も相手に見えているのだから、両者の目からの光は同じ軌道を反対方向に進むことになり、光が粒子なら衝突して散乱するはずというのが波動説の根拠でした。これも、粒子説という対立仮説を否定しただけです。

一方で17世紀のグリマルディは光では起こらないと考えられた回折が実は起こることを発見したといいます。またニュートンはプリズムによる分光を発見しました。今の私たちはこの2つは本来の定義による波動の証拠と知ってますが、当時の大半の人には理解されませんでした。ニュートンは自分が分光を発見し、グリマルディの発見も知ってましたが、彼は一貫して粒子説を支持しました。

結局、18世紀までの光の正体論争では、

粒子説の根拠は、波動説で説明できない現象
波動説の根拠は、粒子説で説明できない現象

であり、波動説の否定の方が強かったので粒子説が支持されるという、基準02違反をやってたことになります。

(続く)

262Ken:2022/11/27(日) 22:42:08 ID:/6TLb.aE
[総括編第7回]

基準02の違反事例として、コペルニクスの地動説と18世紀までの光の正体論争を挙げましたが、今度は継続中の論争を例にとります。私はIDで進化した可能性が最も高いのは鳥の飛行能力の獲得と考えてますが、今それは措いて、自然選択がこれをどう説明してるかを語りましょう。情報源はウィキペディアの記事です。
en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_avian_flight

ここで語られる飛行能力にいたる仮説は4つです。まず「走行モデル(Cursorial model)」では鳥の先祖は地上を走る小型恐竜で、ときどき跳躍し、跳躍時に羽毛を持つ腕をはばたいて推進力を加えていたのが、進化を重ねて飛行能力にいたったというものです。たしかに始祖鳥の骨格に地上を走る2足恐竜との共通点が多いことは指摘されてますから、そのような恐竜が鳥に進化したと考えるのは合理的です。この仮説には体の特徴という根拠があるから基準02違反ではありません。

問題はこのモデルでは力学的な無理があることで、「Cursorial model」の項目の後半でそれが語られています。足で走る動物は足で地を蹴る回数を増やし空気抵抗を減らすことで加速するので、翼を広げて跳躍すれば瞬時に減速するしバランスも保持できません。本物の飛行能力を獲得すればよいとして、それまでは跳躍も羽ばたきも障害にしかなりません。もし何かの理由で跳躍しても、翼はできるだけたたんで空気抵抗を減らすのが合理的です。加えて、走るときの前肢は交互に動くが、飛ぶときの翼は左右同じ動きをするから、後者は前者の進化の結果とは思えません。

この走行モデルの対立仮説として提唱されるのが「樹上モデル(Arboreal model)」で、ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、それを利点として進化を重ね飛行能力にいたったというものです。これなら走行モデルのような力学的な無理はありません。

では、樹上モデルの証拠はなんでしょうか? 鳥の先祖が樹上生物なら樹上生物としての特徴をもつのでしょうが、始祖鳥と構造的な共通点があるのは地上を走る2足恐竜なのです。また樹上モデルの根拠になりうる観測事象として樹上にあったことを示す巣が考えられます。恐竜の中には巣が発見されているものがありますから、明らかに樹上にあった巣がみつかり、その生物が鳥につながる構造をもっていれば樹上モデルの証拠になりますが、そんな巣は発見されてません。

結局、走行モデルの証拠に匹敵するような、樹上モデルの証拠は見つかっていないのです。鳥と同構造の翼を持つのは始祖鳥で、始祖鳥と同構造の骨格を持つのが地上を走る恐竜だから、恐竜→始祖鳥→鳥という進化のラインが想定されるのに、あえて樹上モデルを唱える理由は上記の力学にあります。

でも物証がある走行モデルに難点があるから、物証のない樹上モデルを唱えるなら、あきらかに基準02違反でしょう。

263Ken:2022/11/27(日) 22:42:47 ID:/6TLb.aE
第3の仮説は「駆け上りモデル(wing-assisted incline running)」というものです。地上を走る恐竜が捕食者に追われると木の幹を駆け上がり、その際に今の鳥とは反対に翼を羽ばたき上げて下向きの力を得たというのです。その力で足が木の幹をしっかりと捉え効率よく駆け上がることができたといいます。やがて翼と翼を動かす機構が進化して飛行能力につながったという話です。

このモデルを考えた人は頭がよいというべきでしょう。骨格から判断すれば鳥の先祖は地上を走る恐竜であるはずだが、地上生物が木に登ることはありえます。走行モデルの力学的問題も、樹上モデルの体構造の問題も解決できるのですから。

ですが、この仮説の証拠がないのも事実なのです。たとえば恐竜の足跡が残る木の化石とかあればよいのですが、見つかってません。少なくとも記事に記載はありません。

4つ目の仮説は「飛びかかりモデル(Pouncing Proavis model)」です。高い所から獲物に飛びかかった羽毛恐竜が、羽根を利用して飛びかかる動作を制御するうちに、より能動的な羽根の用い方をするようになり、ついには飛行能力をもったというものです。駆け上がりモデルと同じく、始祖鳥の骨格と一致するし力学的合理性もある理論でしょう。記事ではこれが最初に紹介されています。

ですが第2、第3の仮説と同様で、その証拠は見つかってません。これまた他の仮説の問題点を回避できるのが、この仮説を支持する理由です。

結局、飛行能力の獲得に至る4仮説を整理すると、

走行モデル:根拠は化石から分かる体構造
樹上モデル:根拠は走行モデルの力学的問題がなくなること
駆け上がりモデル:根拠は走行モデルの力学的問題も樹上モデルの体構造の問題もなくなること
飛びかかりモデル:駆け上がりモデルと同じ

となります。要するに物証があるのは走行モデルだが、力学的に無理があるので、想像を働かせて他のモデルを考えたのでしょう。ですが、基準02に照らせば走行モデルだけが違反せず、残る3つは違反してますから、樹上モデルや駆け上がりモデルを主張する人は疑似科学者ということになります。

(続く)

264とりあえず:2022/11/28(月) 22:49:18 ID:WubdfMmI
鳥の飛翔起源については別の場所で色々語り合ったことがあるので、ちょっと横からニュルっと

恐竜→始祖鳥→鳥

と言う流れで考えるから難しいのだと思います。
始祖鳥は地上生恐竜と飛翔鳥類の中間種ではなく、二次的に地上生に適応した鳥類への流れの傍流です。
まぁ、私は始祖鳥は半樹上生と思ってますが…

樹上生活に適応しているであろう鳥類と恐竜の中間的な生物でしたらミクロラプトルがいます。
地上生恐竜より湾曲した鉤爪や同系統の種より長い比率の尾、対抗した趾が構造的樹上生の証拠と言えます。

ミクロラプトルは中間種そのものではありませんがそう言う奴が実在しました。
同様の形質を持った祖先種がいたことは確実です。そいつを始祖鳥の部分に当てはめれば樹上モデルはなかなか良い仮説だと思います。

265Ken:2022/11/29(火) 21:50:33 ID:/6TLb.aE
とりあえずさんへ、
もしかすると本スレッドをよくご存じないかもしれないので、1回だけ投稿します。

この「科学と疑似科学を判別する」はdiamonds8888xさんとの1対1の意見交換の場です。私は複数の人を相手にした議論はやらないことを最初に断ってスレッドを始めました。ただしdiamonds8888xさんが誰と意見を交わすのも自由ですから、第三者の投稿はすべてdiamonds8888xさんに向けたものとみなします。

最初にそのことを指摘したうえで、例外的にとりあえずさんに回答するのは、上記の経緯をご存じないかもしれないからです。もしも今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでなく、一般問題として鳥の進化を議論されたいのでしたら、別スレッドを立ち上げられることをお勧めします。私自身が鳥の進化には関心があるので、もしかしたらそちらに参加できるかもしれません。

ただし本スレッドの総括にまだ数週間を要すると思うので、参加できるとしてもその後になるでしょう。また、今後もしdiamonds8888xさんが本スレッドに復帰されたら、そちらの対応を優先するので、なかなか参加はできないかもしれません。

もし参加できた場合には、今回の投稿を受けて、ミクロラプトルに関する2つの質問をすることになるでしょう。

(1)ミクロラプトル(または近縁種)を今の鳥の先祖と考える理由はなにか
(2)ミクロラプトル(または近縁種)を樹上生物と考える理由はなにか

正確にいうと(1)は始祖鳥よりもミクロラプトルを優先する理由です。(2)は、私のミクロラプトル理解と相反するからです。私の情報源はウィキペディアの記事で、記事の後半に「wings and flight」という項目があります。
en.wikipedia.org/wiki/Microraptor#Wings_and_flight

いくつかの段落に分かれてますが、2つめの段落に注目してください。ミクロラプトルは当初は樹上生物と考えられたという書き出しで始まりますが、最後の結論で、体構造が明らかになると、地上を走る鳥と同じもので、木登りをできるような骨格を持ってないことが分かったと語られます。参考文献として2011年と2016年の論文が紹介されてるようです。


もしも、とりあえずさんの今回の投稿がdiamonds8888xさんに向けたものでしたら、上記の提案は無視してください。

266とりあえず:2022/11/30(水) 22:02:41 ID:U4DToi3s
失礼しました。
とりあえずの横からニュルッとでた独り言として流して結構です。

鳥の飛翔の進化は私も興味があるので是非語り合いたいですね。
こちらが一段落したら別スレでも立ててチョコチョコお話ししましょう。
その時は宜しくお願いします。

267ミケ:2022/12/05(月) 23:45:26 ID:9/qn5aAA
一応、ここを読む第三者宛てのメモとして。

このスレッドはKenさんに対して、diamonds8888xさんが、科学的に正しいと考えるルールを挙げていくことになったもの。(Kenさん自身が、複数人から言われると処理しきれないと言ったため、diamonds8888xさんを指名)
ここでKenさんが述べている「基準02」とは、Kenさんにdiamonds8888xさんが科学の基準を教えてあげている中で出てきた基準の中の一つ、
基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56)
この基準は、ID論が自然選択説を否定することによってしか自説を正しいと言えないことに関連しています。

Kenさんは、理論Bを否定すること(のみ)によって理論Aを正しいとしようとするこの「基準02」と、
理論Aの予測と理論Bの予測を比較し、理論Bに当てはまらず、理論Aにより当てはまる通常の科学的な検証を区別できていなようです。
Kenさんが違反例として挙げたものの大半は後者に当たります。

この総括のあと、進化論の批判あるいは自分のID論の開陳などにつなげ、diamonds8888xさん以外の意見にも目を通し始めるのでしょうが、
上記「基準02」への誤解のように最初からねじれて理解しているパターンが随所にあるため、理解してもらうのはとても大変だと思います。

268Ken:2022/12/11(日) 22:30:33 ID:YSF90CS6
[総括編第8回]

基準03、04、06はまだ論じてませんが、基準03〜06をまとめて「論理的な矛盾を含む理論は疑似科学」とすれば、熱力学第2法則が該当するとしてよいでしょう。結局、提示されたどの基準でも、正しい科学と認知される理論を疑似科学と判定してしまいます。

でも本当に疑似科学なのか? 私はそうは思いませんし、これらの理論を研究する人や教える人も同じでしょう。それなら間違ってるのは提示された基準の方になります。

私に言わせれば、これは当然すぎることです。自然科学に限らず、人間が何かを真剣に探求する時、知恵を絞って「あの手この手」を考え、そのアプローチは非常に多様な形をとるし、時には破天荒にみえる発想をします。コペルニクスの地動説などよい例でしょう。そうやって構築されてきたのが今の知識体系で、特定のアプローチは正しい形式をふんでないから疑似科学などと言い出せば、科学探求そのものを阻害するのは明らかです。現実の問題に取り組む人は、そんな空虚な評論家的なことを言いません。

よい機会なので、ここはひとつ疑似科学の代表格とされる天地創造論を語りましょう。ただし、疑似科学としてではなく、実は合理的なメカニズムと根拠を示すことができる仮説としてです。

創造論は、意思をもつ何者かが、自分で考えたとおりの世界を作り、その世界を支配する法則を定め、その世界の生物を作るという理論ですが、これについて大半の人が気づいてないことがあります。それは、このような天地創造は奇跡でもなんでもなく、私たちの周囲の日常茶飯事ということです。

端的な例が、コンピュータ・シミュレーションが作る仮想世界です。その世界の構造も、世界を支配する法則も、プログラマが自由に決められるし、意思をもつAIを住民として住まわせることも可能です。プログラムを起動した5分後の仮想世界では、まさしく「世界5分前仮説」が実現しています。住民であるAIは、世界は昔から続いている記憶を持つでしょうが、プログラマがAI住民と交信して、実は世界は5分前に出現したという「お告げ」を降すこともできます。

むろん、世にいう天地創造論は、私たち自身の世界が神に作られたという主張ですが、私たちが仮想世界を作るのなら、私たちの世界も何者かのシミュレーションかもしれないと想像することに論理の飛躍はありません。そして、そのとおりのことを主張したのが、ティレルという人です。旧スレッドで紹介したように、この人の主張は動画で見ることができます。
www.youtube.com/watch?v=3KH95YCSP_c
www.youtube.com/watch?v=QZj1kYRT-fw

ティレルが、私たちの世界をシミュレーションと考える根拠は、量子がシミュレーション要素になってるというものでした。たしかに、私たちに既知の技術で仮想世界を作るには、離散的な要素ですべてを構成せねばならない点で、ティレルの主張には一理があります。ただし、量子のように確率の支配を受け、計算だけで状態を確定できない存在を要素にするのは、プログラミングとして可能でも稚拙すぎると思いますので、私自身はティレル説に同意しませんが、可能性は否定できません。

269Ken:2022/12/11(日) 22:31:29 ID:YSF90CS6
誤解があってはいけないので、明確にいっておきましょう。

世界が量子のような離散的な要素で構成されることは、シミュレーションであることの証明にはなりません。しかし既知の技術でシミュレーション世界を作るには、その世界は離散的な要素で作らねばなりません。だから、なぜ世界が量子でできてるのかを考えた時、シミュレーションだから、という説明は1つの候補になるということです。もしかしたら、これまでに提示された唯一の候補かもしれません。

問題は、世界が意思をもつ神に作られたとして、それは検証可能であるかです。最も説得力のある根拠になるのは、やはりお告げでしょう。プログラマからAIへの直接的な言葉でもよいのですが、すこしひねった形のメッセージを提唱したのはカール・セーガンで、彼は『コンタクト』の中で、円周率に創造主のメッセージを見つけるというプロットを用いました。円周率は、

π = 4 × (1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 + 1/9 . . .) = 3.1415926535 . . .

と、小数点以下を無限に計算できますが、計算を続けてゆくと、数字の並びの中に明確なメッセージが現れるという話です。なるほど、最も根源的に宇宙を創造した存在でもなければ、円周率の数値を操作はできないでしょう。もっとも私自身は、これはセーガンの勇み足で、全能の創造主といえども数学の結果は変えられないと思うのですが。それよりもティレルが言うように、離散的な要素が世界を構成することがコンピュータ・シミュレーションの特徴と考えるほうが、まだしも理にかなってます。

繰り返しますが、天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。そのメカニズムはシミュレーションで、その根拠は量子、というのがティレル理論です。そして肝心なことは、それなら検証可能だということです。検証不能の例として世界5分前仮説を考案した人は、考えが足りなかったというしかありません。もし厳密な反対証明は不可能という意味なら、それはそうですが、厳密な反証なら熱力学も自然選択も、その他多くの理論も反証不能です。

それにしても疑似科学の代表格とされる天地創造論が真実かもしれないなら、疑似科学と称するにふさわしい理論などありうるのでしょうか? 次回はその話をしましょう。

(続く)

270Ken:2022/12/18(日) 23:23:02 ID:royALY2s
[総括編第9回]

今回提示された基準では科学と疑似科学を判別できないとなると、本当の意味で疑似科学とみなすべき理論はあるのでしょうか? 私は、理論自体の内容でそれを決めるのは不可能と考えます。

もし疑似科学とみなすべき科学理論があるとしたら、それはペテンのたぐいでしょう。提唱者自身がその仮説を信じておらず、意図的な嘘をつくものです。むろん、提唱者が自分で信じてるかは窮極的には本人にしか分かりませんから判別は困難ですが、それでもほぼペテンとみなせる事例はあります。

1912年に発見が報告されたピルトダウン人はその典型ですね。また、歴史上何度も、永久機関を発明したと発表し、機械の実演までやる人が現れました。実物の機械を動かしたのなら、そこには何かのトリックがあるとしか考えられません。私たちが知ってる物理法則が根本から覆らない限りは。

それよりも興味深い例を紹介しましょう。

ガリレオが地動説支持を公言したのは1610年ごろですが、1616年には教会が地動説を異端と認めて主張を禁じました。もっとも1600年にはブルーノが火刑に処せられてますので、ガリレオ以前から地動説は異端だったはずです。いわゆるガリレオ裁判でガリレオが自説の撤回に追い込まれたのは1633年でした。ところが、同じ時代にユーラシア大陸の反対側では、もう1つの事件が起こっていたのです。

当時のローマ教会は世界中に宣教師を派遣して布教に努めてました。日本にもフランシス・ザビエルたちが来て、多くの信者を獲得したことは知られてますが、宣教師は中国にも送られてました。布教自体は成功しませんでしたが、西欧の科学知識とりわけ中国で重視された天文学の知識をもたらしたことで、朝廷の高官に支持者が現れました。そのことから、中国の天文学者との対立が生じ、ついに両者で技術を競うことになりました。

時は1629年。ブルーノの処刑から29年後、地動説の異端公認から13年後、そしてガリレオ裁判の4年前になります。この年の5月に日食があることが予測されており、中国の天文学者と西洋の宣教師のどちらが正確な予測をするかを比べることになったのです。結果は宣教師たちの完勝でした。日食の時刻を正確に予測したのみか「北京では二分食、華南では皆既食、長城の北では日食なし」という精密な予測を的中させ、中国の天文学者に決定的な差をつけてみせました。

私はこの話を、中公文庫世界の歴史第9巻『最後の東洋的社会』で読みました。私の蔵書では323頁にあります。残念ながら、宣教師たちがどういう計算をしたのかは、この本には書かれてませんが、今の私たちの知識体系で判断すれば、天動説でそんな予測をできるはずがありません。宣教師たちは地動説それも1609年に発表されたケプラーの法則を利用したと考えるのが妥当でしょう。ブルーノの処刑や地動説の異端認定を中国にいた宣教師も知ってたはずなのに。

ローマ教会は本国のイタリアでは権力者であり、反対意見を暴力で封じることができましたが、それが通用しない国へ行けば、自分たちが本心から信じることを頼るしかありません。ことに中国で政治闘争に敗れると、ブルーノの火焙りなど比較にならない凄惨な処刑を受けたことでしょう。窮地に立たされた宣教師たちは、地動説に運命を託したことになります。これは言い換えれば、本国では自分たちが信じてもいない天動説を唱え、万人に強制したということです。これこそペテン、疑似科学の端的な例ではありませんか。

271Ken:2022/12/18(日) 23:23:44 ID:royALY2s
もっと微妙な例を挙げます。私はBBCのミニシリーズ「The Ascent of Man」の第12話で知りました。動画が公開されてるのでリンクを貼ります。メンデルの事績が語られますが、特に動画の15分からの2分間に注目してください。
archive.org/details/theascentofman12generationupongeneration

メンデルはマメ科の植物を研究して遺伝の法則を見つけました。彼は、各個体の背丈や豆の色や形など、合計7種の特性に注目して結果を得たのですが、重要な結論に、それぞれの遺伝は独立してることがあります。たとえば背丈が高いか低いかと、豆の色が緑色か黄色かは、別個の遺伝子が支配するという結論です。

ところがメンデルの時代には知られてませんでしたが、対象のマメには7対の染色体があり、彼が観察した7種の特徴を支配する遺伝子は、すべて異なる染色体にあることが、後世あきらかになったのです。もし同じ染色体に7つのどれか2つでもあれば、メンデルが認識した遺伝子の独立性は崩れていたはずです。あるいは、もし8番目の特徴に注目したら、7つのどれかと関連が見られたはずです。ちなみに、各染色体が同数の遺伝子を含むと仮定すると、7つの遺伝子が7つの染色体に分かれる確率は、

7! / 7⁷ = 5040 / 823543 ≈ 0.006

染色体の大きさが不均一なら確率はさらに低くなります。動画では「こんな幸運を神が授けるはずがない」と言ってますが、要するにメンデルは、遺伝子が独立して働く観測結果だけを報告するという、作為的なデータ操作をした可能性が大なのです。メンデルの功績は偉大ですが、彼には疑似科学者の側面もあったことになります。

(続く)

272ミケ:2022/12/25(日) 01:54:23 ID:9/qn5aAA
メモです。「総括」が終わったあとではタイミングが遅いのと、問題の書き込みの直近に書いておきたいので。

(>>69)1629年に宣教師たちが日食の場所と時期を正確に予測できたので彼らは天動説ではなく地動説で予測したに違いない。(だから彼らは天動説を信じていなかったのだ)
→ダウト。そもそも日食については、要するに太陽と月それぞれの(地球からの見た目上の)軌道の予測であり、惑星の運行よりも予測しやすく、天動説であろうと普通に予測できていたことでした。(※1)

(>>70)メンデルが実験で用いた七つの形質を支配する遺伝子は、全部で七つある染色体のうち、すべて別々の染色体上にある。(確率的に偶然選ぶなんてありえないからメンデルは都合よく別の染色体上にあるものを選んだのだ)
→ダウト。メンデルがエンドウマメの実験で用いた七つの形質のうち、いくつかの組み合わせはそれぞれ同一の染色体上にある可能性が高い(※2)と分かっています。少なくとも1970年代には(※3)。

Kenさんの議論は、前提の時点で良く調べずに思い込みで間違っている部分が非常に多いです。

※1中国の学者と差が出たのは、ちょっと調べたところ暦法の違いによるものだそうです。用いたモデルはティコ・ブラーエの天動モデルだったようです。
※2同一の染色体であっても染色体上の離れた位置にある場合はその間で交叉が起こるので独立に近い様態を示す場合があります。
※3Kenさん紹介の動画は1970年代に製作されたものなので、製作者が専門家でなかったゆえに当時の最新知見を追い切れていなかったのかもしれません。が、動画の製作者はともかく、それを現在の知見であるかのように紹介する人に擁護の余地はありません。ちょっとは調べてほしいものです。

273ミケ:2022/12/25(日) 02:01:16 ID:9/qn5aAA
>>272にアンカーミスがありました。
言及したかったのは69ではなく>>270、70ではなく>>271でした。

274Ken:2022/12/29(木) 21:54:13 ID:royALY2s
[総括編第10回]

本スレッドの発端になったID論を語っておきましょう。地球史の中で、人類以外の何者かが、特定の進化を意図的に導いたという仮説への私の立場は、次のようになります。

正しいかもしれないし、間違いかもしれないが、疑似科学ではない。

疑似科学でない理由は説明したとおりです。正しいかどうかは、スレッドの主題を外れますが、参考資料として述べておきます。

私がIDの可能性を一番に見てるのは、鳥が飛行能力を獲得したことです。根拠は自然選択で説明するには難点があることなので、基準02が正しいならこれは疑似科学になるでしょう。しかし、先に説明したとおり、基準02が正しいとは思いませんので、鳥の進化をIDで解するのは、正否はともかくとして、真っ当な考察と考えます。

前述のように、飛行能力の獲得には、
(1)走行モデル
(2)樹上モデル
(3)駆け上がりモデル
(4)飛びかかりモデル
が提唱されてますが(1)は力学的な無理があり(2)は化石に見られる体構造と合わないことを説明しました。

(3)と(4)はその難点を克服するアイデアなのでしょうが、私は納得できません。

(3)についてですが、木の幹を駆け上がる補助動作なら、未発達の翼をはばたくより、幹を掴めばよいではありませんか。記事では、現存する鳥の雛にはばたきながら駆け上がるものがあると説明されてますが、完全な鳥に進化した生物の子供と、進化する前の生物を、同列に扱うのはおかしいのではないでしょうか。鳥の先祖の恐竜には、今の鳥にはない前肢があったはずです。

(4)は、この中では最も合理的だと思いますが、やはり問題があります。獲物に飛びかかるとき羽を広げれば、軌道を修正する前に減速します。このモデルを考えた人が、地上の獲物を襲う現在の猛禽類から連想したのなら、これも進化を完成させた鳥と、そうなる前の生物を混同してます。

ウィキペディアの記事にはありませんが、性選択の可能性もあります。雌へのアピールとして、大きな翼と強い筋肉を発達させることです。これ自体は雄にとっての利点にしかなりませんが、変化した遺伝子は雌にも伝わるでしょう。

275Ken:2022/12/29(木) 21:54:53 ID:royALY2s
しかし最大の問題は、木に登ったり、飛び降りたり、雌を引き付けるだけが、生活行動ではないことなのです。基本が地を走る生物なのに、その機能を犠牲にする体形の変化ではないでしょうか? 人間に置き換えてみれば分かることです。たとえば高い所から降りるのにハンググライダーがあれば役立ちますが、1日中つけたままでは生活ができません。

つまり進化途上の代償が大きすぎるということです。2本の足で走るのと、2本の腕を翼として飛ぶのでは、要求される体構造が違いすぎるので、飛行の進化は走行の劣化から始めねばなりません。

地を走るには太くて長い脚が必要ですが、他の部位の発達は空気抵抗を増やすだけです。とりわけ飛行に不可欠な、空気を押す形態の羽毛(翼)は、地を走る時は大きな空気抵抗を受けるパーツになります。一方、走るための脚は空を飛ぶときは余分な重量でしかなく、とりわけ飛行能力が未熟な段階では障害になるはずです。

走行に有利 = 長く強い脚 & 小さく柔軟な翼 = 飛行に不利
飛行に有利 = 細く軽い脚 & 大きく堅牢な翼 = 走行に不利

飛行へ向かう進化が、翼を大きく脚を小さくすることなら、飛行生物になる前に、淘汰される走行生物になってしまいます。

結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、地を走るという前提自体を外すことです。ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。しかし化石から判断される体構造では、鳥の先祖は地上を走る恐竜となってます。だからこそ知恵を絞って、駆け上がりモデルや飛びかかりモデルを考えたのでしょうが、解決案として不十分なことを説明しました。

代案としてのIDを考える理由はここにあります。IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。この点で、惑星の複雑な動きの説明を不要にするために地動説が考えられたことと共通点があります。天動説で説明が難しいなら地球が中心という前提を外せばよい。同様に、光波動説で説明が難しいなら波という前提を外せばよい。その時点では地動説や粒子説の証拠がなくても、です。では自然選択では説明が困難な事象が観測されたら? 自然選択という前提を外せばよい。それだけのことです。しかも人類が実行してきた品種改良という実例があるのですから。

IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。品種改良には、私たちに馴染みの手段がいくつもあります。

(続く)

276Ken:2022/12/31(土) 22:59:42 ID:royALY2s
[総括編第11回]

総括の最後に、diamonds8888xさんに提案したいことがあります。このスレッドがこれからも続くのなら、ご自身のスタンスを少し修正されてはどうでしょうか?

スレッドの後半に顕著になりましたが、私たちの間で話がもつれると、diamonds8888xさんは私(Ken)の不見識が原因と決め込み、罵倒を投げることが多かったと思います。私に問題があるのなら改善の努力をしますが、スレッドを省みる限りでは、むしろdiamonds8888xさんに基礎的な素養が欠落していたと思うのです。それを示す投稿を何度も目にしました。

例えば旧スレッドの795で

>エントロピー(ln[Ω])は増加することはない
>(平衡状態でなければ一般には減少する)

と書かれたのがそうです。802で「ポカです」と弁解されましたが、エントロピーが減少するなど「ものが下から上に落ちる」というのに等しく、物理の基礎を知る人なら、ポカでもそんなことを言いません。どこかの学生がこんなことを言えば、指導教官は、学生が意味も分からず公式だけを棒暗記しており、その挙句のポカと考えるでしょう。

第2法則はとりわけ難物でした。>>94にてエントロピーは

>エネルギー/温度、です。分子は正確には熱量変化

と言われ、私が>>99で、それはエントロピーではなくエントロピー変化、と指摘すると>>100

>ΔS=Δe/T
>  つまり、S=e/T でしょ?

と回答されました。これも物理的意味を理解せず、公式だけを棒暗記する典型のように私にはみえます。そもそも、エントロピーの概念がなぜ考案されたかを知ってれば、エントロピー変化とエントロピーを同義と考えるはずがありません。

この世は不均衡から均衡に向けて進むという理解が最初にあり、その「均衡」を数値化したのがエントロピーです。それなら均衡に近づくほど変化は収束することは直ちに理解されるはずではありませんか。エントロピー(S)は増大するが、エントロピー変化(ΔS)は減少し、最終到達点がSは最大でΔSはゼロの熱的死です。

たとえば、等量の0度の水と100度の水を混ぜると50度の水になります。0度と50度を混ぜると25度になります。前者の方が初期状態の不均衡は大きく、つまりエントロピーが小さく、水温を50度変化させる熱量が移動しました。一方後者は、初期状態の不均衡が小さく、つまりエントロピーが大きく、温度を25度変化させる熱量しか移動しませんでした。

Sが大きいとΔSは小さく、Sが小さいとΔSは大きいのです。エントロピーとエントロピー変化は同義どころか、不可逆変化の反対方向を示す指数にほかなりません。これが分かってないから、エントロピーが減少するなんて「ポカ」を言うのではありませんか? そういえば、過去へゆくほどエントロピー変化の勾配が大きいこともなかなか納得されませんでしたね。

277Ken:2022/12/31(土) 23:00:27 ID:royALY2s
とにかく、大学初年度で教わるような話が、さっぱり通じないケースが多すぎました。

旧スレッドで波動の定義は周期性と私がいうと、690で以下の例は該当するのかと質問がありました。

>・天体の日周運動や年周運動
>・氷河期の繰り返し
>・動かない縞模様(トラや豹の模様など)

私は692で、包括的な回答として、

>重要な点は、周期的な波動を起こすのは単振動で、単振動を起こすのは釣り合い位置からの変位に比例する復元力ということです。氷河期や縞模様の出現にそのようなメカニズムがあると明らかになれば、どちらも波動と見なせるでしょう。

と述べました。普通の学生なら、これ以上の説明は不要のはずです。なぜなら振動と波動の関係を教わってるからです。

たとえば、ばねで吊り下げたおもりの振動を考えましょう。ばね定数がkならつり合い位置からの変位xに比例した復元力kxが働きます。その力で加速度を生じ、また復元力は変位と反対方向に働くから、おもりの質量をm、加速度をaとすると、

kx = -ma

加速度は変位を時間で2度微分して得られるから、

kx = -m d²x/dt²
∴ -(k/m) x = d²x/dt²

この微分方程式の解は、

x = A cos ωt + B sin ωt ただしω = √(k/m)

という波を表す関数になります。この基礎知識があれば、私の上記の回答だけで意味が伝わるはずなのに、694を見ると明らかに伝わってない。だからトラの模様はどうだとまだ尋ねてくる。

また>>113で、私は「無限」という観測不可能の概念が力学計算で利用される例に、脱出速度の算出を挙げました。

地球の半径をR、質量をM、重力定数をGとすると、質量mの物体が地上から距離hまで登った時の位置エネルギーは、∫ GMm/x² dx で、積分範囲はRからhだから、GMm(1/R - 1/h)。

この結果にh=∞を代入すると、GMm/R。これが物体が地球に絶対戻ってこない距離の位置エネルギーで、射出時の運動エネルギーと等しくおくと、脱出速度が得られます。私は計算過程に∞が含まれるといいたかっただけなのです。こんなの高校物理ですよ。

それなのに、それに続く議論では、上限だの下限だのと見当違いの方に話が飛んでしまい、本来の意図がさっぱり通じません。なぜ通じないのかと首をひねってましたが、今おもえば、なんのことはない。脱出速度の計算方法すら知らないのですね。

最初の提案を繰り返しますが、議論の相手から期待した回答がなかったとき、相手の不見識が原因と信じ込む前に、もしかしたら教養がないのは自分かもしれないと反省してみてはどうでしょうか? スレッドをかえりみれば、思い当たるケースが見つかると思いますよ。


これにて、私の総括を終了します。

278Ken:2023/02/05(日) 21:52:20 ID:royALY2s
ログを見ると、diamonds8888xさんの最後の投稿が2022/02/20だから、もうじき1年が経ちます。私の総括が完了してからもひと月以上が経ってますし、もはや本スレッドに復帰されることは期待できません。よって、ここからは、相手のない独白になるかもしれませんが、私が言い残したことを、思いつくままに書きましょう。まず、天地創造論について言うことがあります。

創造論を支持する人の論点は一様ではありませんが、聖書の記述だから信じるという原理主義を別にすれば、最も頻繁に挙げられる根拠は、この世界は都合よくできすぎている、ということではないかと思います。

生物の発生や進化は複雑系すぎて偶然の産物とは思えないから、意思をもつ創造者がいたに違いないというのがそうです。生物の原料となる炭素、酸素、水素、窒素等の元素が、都合よくそろいすぎてるという論点もあります。

さらに、それらの元素が作られるには、物理法則に絶妙のバランスが必要になるといいます。たとえば、原子核の中で働く核力に対して電磁気力がいま少し強ければ、大半の元素が放射性物質として崩壊することでしょう。いや、その前に、それらの元素を作る核融合が容易に進行しないはずです。また、重力定数が、今より大きくても小さくても、太陽の実態と地球への影響は完全に異なるものになり、生物の発生も進化も期待できません。

かといって、それらの物理法則自体に必然性はないから、これは生命の発生を意図した創造主がそう決めたのだという主張です。物理法則が原因で、結果として生命が発生したのではなく、生命を発生させる目的が最初にあり、そこから逆算して、必要な物理法則が設定されたというわけです。

このような創造論への反論として、よく見るのが、創造主を想定しても、問題を先送りするだけというものがあります。複雑系の自然発生がありえないなら、より複雑な創造主の発生はなおさらありえない、というものです。実は、創造主が被造物より複雑であるかは議論の余地があり、たとえば、人間が作ったAIが人間より複雑で高度な知性になりうるのですが、それにしても、創造主の起源を説明できないなら、問題の解決にならないという主張は筋が通ってます。

これに対して、私たちが学校で教わる理論は、創造主(神)を想定しない形で構成されます。生物の進化を起こすのは、遺伝子の変異と、表現型に働く選択圧となってます。多様な元素の存在は、核融合と超新星と原子核崩壊で説明されます。

そして最も肝心な、物理法則が都合よすぎる事実の説明として提唱される理論に「マルチバース説」があります。私の理解が正しいなら、ビッグバンで生じたのは1つの宇宙(ユニバース)ではなく多くの宇宙(マルチバース)であり、個々のユニバースにおける物理法則は偶然の産物だが、ユニバースの数が膨大なので、中には「都合の良い」ユニバースがあってもおかしくない、というものです。ミチオ・カクの著書『Parallel Worlds』で、天文学者マーティン・リースの言葉が紹介されてるので、原文のまま引用しましょう。

"What's conventionally called 'the universe' could be just one member of an ensemble. Countless other ways may exist in which the laws are different. The universe in which we've emerged belongs to the unusual subset that permits complexity and consciousness to develop."(第1章4節)

このような事象を想定するなら、創造主を想定せずとも、観測される世界は説明されるでしょう。

279Ken:2023/02/05(日) 21:53:25 ID:royALY2s
しかし、これらを含む、現代科学が想定するあらゆる事象には、それが起こるための必須条件があります。それは、原初にエントロピー極小状態が存在したことなのです。あらゆる物理事象は、不均衡から均衡へ向かう、エントロピー増大に他ならないからです。

天地創造論は森羅万象の根源は神と考えますが、神の起源は説明できません。
現代科学は森羅万象の根源は極小エントロピーと考えますが、極小エントロピーの起源は説明できません。

天地創造論と現代科学は、同じ構造問題を内包することが理解されるでしょうか?

創造論を唱える人に「神はなぜ生じたのか」と尋ねれば、多くの場合、それは神秘の領域で、人智の及ぶところではないという回答があることでしょう。

現代科学を支持する人に「極小エントロピーはなぜ生じたのか」と尋ねたら、神秘という回答は、おそらく来ないでしょう。しかし、それを説明できないのみか、どういう研究をすれば解明されるという見通しもないなら、同じことです。

マルチバースの中の1つのユニバースでエントロピーが減少することならありえます。他のユニバースからエネルギーが入ることです。>>169で紹介された須藤の説は、つまるところ、これを言ってるのではありませんか?

しかし、私たちのユニバースがマルチバースの1つで、他のユニバースの影響を受けるのなら、私たちのユニバースだけを考えても無意味です。極小エントロピーの起源はマルチバース全体で説明されねばなりません。しかし、私が知る限りで、この問題を解決するどころか、正面から取り組んだ人すらいません。物理学の明快な説明で万人を魅了したファインマンですら、「外部からエントロピーの小さい状態が入ったかもしれない」といって、お茶を濁してます。つまり「外部」を含めた全体系の問題は、最初から匙を投げているのです。

なにも私は、天地創造論と現代科学が同じ価値しかもたないと言うのではありません。現代科学には具体事象を予測できる利点があります。熱力学第2法則も広範に応用されますから、根源的な矛盾があっても、物理や化学を学ぶ学生の必修科目になっているのです。

ただし、現代科学を受容する一方で、神の起源を説明できないという理由で創造論を排除するのは、整合性を欠くと言ってます。

280GB:2023/02/06(月) 21:55:28 ID:tid4WkII
>現代科学には具体事象を予測できる利点があります。

創造論はそれができないのは何故でしょう。そこが大事なところだと思います。

281ミケ:2023/02/06(月) 23:18:52 ID:RbySXTFU
「diamonds8888xさんとの議論を総括した」のなら、
そろそろ
他の方の意見に対して目を閉じ耳を塞いでいる状態を解除しないんですかね。

特にゲジゲジさんは>>248
「diamonds8888xさんとの議論に集中したいと言われたから、
質問への回答を4年も待っているが、
diamonds8888xさんとの議論が数か月もストップしているので、
別スレッドで回答いただけないか」
と真摯に質問をしていますが、それすら無視し続けるのでしょうか。

複数人相手では整理できないからdiamonds8888xさん以外に対して返答しない
というスタンスだったはずなのに
diamonds8888xさんが書き込んでいない現状、
しかも議論終結を自分で宣言した後でもそれを続ける理由があるのでしょうか。

282Ken:2023/02/07(火) 00:00:02 ID:royALY2s
>>280

>創造論はそれができないのは何故でしょう

正確には、今はできていない、というべきです。
もしも、ご質問の意味が、

創造論は創造論であるがゆえにできない
未来永劫できない
本質的に科学の対象になりえない

ということなら、それは私の考えとは異なります。

283GB:2023/02/07(火) 22:50:00 ID:tid4WkII
>本質的に科学の対象になりえない

そう考えています。
科学という方法論、つまり人が確認できることから論理を組み立て、修正を繰り返すというやり方の背景には、人の認識能力の限界を知るという大切な理解があります。
創造論は人の信念をもとに展開されており、客観的な事柄とは関係をもたないうえに、修正や廃棄をすることも難しい作業になります。

>正確には、今はできていない、というべきです。

ファンダメンタルな創造論、かつての創造科学、現代のインテリジェントデザイナー論、いずれも人の信念の表明と捉えるべきだと思いますし、
将来の科学が神の存在を実証するかも、なんていう主張はまるで意味がないでしょう。

284Ken:2023/02/07(火) 23:53:17 ID:royALY2s
それではお尋ねします。

私は天地創造論については>>268>>269で、またID論については>>274>>275で、それらが正しいかもしれない可能性と、具体的な検証方法を説明しました。

GBさんは、私のこれらの投稿を

(1)読んでない
(2)読んだが理解できない
(3)理解したが同意できない

このどれかに該当しますか? 理由もあわせてお聞かせください。

285GB:2023/02/08(水) 18:43:00 ID:tid4WkII
(4)読んだが同意できない、というところですね。

私は、自然理解について方法論的自然主義の立場を取っていますので。
科学と信念(信仰)の分かれ目、内容としては自然と超自然の線引きということになろうかと思います。

インテリジェントデザイナー論は、かつてイギリスで隆盛を誇った自然神学の現代版ですね。
自然神学は聖書の記述には重きを置かず、いわば造物主信仰のエキスを抽出したような思想です。
この考えを、アメリカのプロテスタント原理主義者たちが宗教色を消すために利用したわけですが、
デザイナーという自然をコントロールする意思を認めながら自然を見るという態度は、宗教的観念に基づく解釈としかいいようがないでしょう。
デザイナーという「客観的に確認も説明もできない存在」を根拠に自然の説明を試みても、「科学的」ではありえませんから。

>IDの物証は見つかりうるでしょうか? ID実行者が残した記録が見つかれば、これに優るものはないでしょう。もし過去の生物のDNAを解明できれば、異常なレベルの近親交配の証拠が見つかるかもしれません。あるいは特定の個体を優先的に繁殖させるため、去勢や不妊が施された痕跡がみつかるかもしれません。

そもそも、デザイナーを措けば、どのような生物学上の謎であれ、あらゆる解釈が可能になってしまいます。
人間のような特殊な存在は、デザイナーの意思がなければあり得るわけがない。
そのあたりから始まって、
生物の進化という奇跡というべき現象には、当然デザイナーの意思が要請される…

デザイナーを置けば何でも説明できますが、何も説明できない。
なぜなら、人が誰でも確認できる事柄を元に論理を組み立てるという科学の方法とは異なる、人の信念の領域にあるからだと思っています。

286Ken:2023/02/08(水) 21:33:52 ID:royALY2s
>>285

前半は、ID自体の可否ではなく、ID論が世界でどのように利用されてるかを述べたものと思います。それは今の議題ではありません。

ID自体の可否に言及されたのは、下の部分でしょうか?

>そもそも、デザイナーを措けば、どのような生物学上の謎であれ、あらゆる解釈が可能になってしまいます。

これは私の問いかけのポイントを外してます。私が挙げた以下のような物証が発見されたとして、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?

>人が誰でも確認できる事柄を元に論理を組み立てるという科学の方法

上記の事象(記録、近親交配、去勢等)が、そのような事柄になるとは考えられませんか?

287GB:2023/02/08(水) 21:50:11 ID:tid4WkII
>これは私の問いかけのポイントを外してます。私が挙げた以下のような物証が発見されたとして、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?


>以下のような物証が発見されたとして、

発見されていないのですから、科学の土俵には乗りません。
発見されてから、話題にしてください。

哲学的な話として捉えても、宗教ベースの展開になるでしょう。

288GB:2023/02/08(水) 22:02:05 ID:tid4WkII
というより、

・品種改良作業の記録
・極端な近親交配の証拠
・去勢や不妊処置の証拠

これらがデザイナーが行ったというということを、どのようにしたら立証できるというのでしょうか。

289GB:2023/02/08(水) 22:22:37 ID:tid4WkII
神様の意思なくして、こんな複雑極まりない自然などあり得るわけがない。

そういう強い思いが、自然神学(ID論)を含むアブラハムの宗教文化圏の特徴だと思っていますが、いかがでしょうか。

290Ken:2023/02/08(水) 22:38:30 ID:royALY2s
>発見されていないのですから、科学の土俵には乗りません。
>発見されてから、話題にしてください。

そうでしょうか?

仮説の根拠に未発見の事象が提唱されることはあるでしょう。

1915年に一般相対論が提唱されたとき、日食時に太陽の近傍に見える星の位置が普段と異なる事象が、仮説を裏付ける根拠に挙げられました。その時点では、そんな観測の記録はありませんでしたが。

その4年後に日食があり、理論の予測が裏付けられました。

科学の土俵に乗らないのは、そのような予測が行えないものではないのですか? 予測が的中するかは別の問題でしょう。

私は>>262>>263で、鳥の進化について提唱されてる仮説を列挙しましたが、「走行モデル」以外は、現時点で物証は見つかってません。それでも仮説は唱えられています。樹上の巣が見つかれば樹上モデルの証拠になる、のような説明ができればよいはずです。

>これらがデザイナーが行ったというということを、どのようにしたら立証できるというのでしょうか。

>>286で述べたことを思い出してください。

>その場合、意図的な干渉以上に合理的な解釈がありますか、ということなのですが。GBさんならどういう解釈をされますか?

291ミケ:2023/02/08(水) 22:43:43 ID:RbySXTFU
>>284
Kenさんへ質問です。

・このスレッドはもともと、diamonds8888xさん以外への返答はしないというスタンスだったはずでは(>>265参照)。他の方(GBさん)と議論を始めるのであれば、新しくスレッドを立てたほうが良いのではないですか?ここで続けるというのであれば私もKenさんに理解できるよう書き込み始めますが、他の方の書き込みを読むという宣言が欲しいところです。

・ゲジゲジさんは>>248で「diamonds8888xさんとの議論に集中したいと言われたから、質問への回答を4年も待っているが、diamonds8888xさんとの議論が数か月もストップしているので、別スレッドで回答いただけないか」と真摯に質問をしていますがこれに対してなにかリアクションは起こさないのですか。
まさかとは思いますが、「お前の質問に答えるのは別の人との議論が終わるまで待て」と言われて何年も待った人に対して、「俺の他の投稿を読めば分かるだろうから勝手に読め」などと思っていたりするのでしょうか?
せめて何らかの反応をするのが筋ではないかと思いますが。

292Ken:2023/02/08(水) 22:59:41 ID:royALY2s
>>291

スレッドの論点と無関係の問題ですが、1度だけ回答します。

GBさんに答えているのは、diamonds8888xさんの復帰はないと判断したからです。

ゲジゲジさんの質問とは、自然選択よりもIDが合理的と考える事例でした。すでに鳥の飛行能力の進化を挙げています。ゲジゲジさんに向けた発言としての回答が必要かは、ゲジゲジさんが判断されるでしょう。第三者が(つまりあなたが)口を出す筋ではありません。

私は複数相手の議論はしませんので、これ以上の回答はおこないません。

293Ken:2023/02/09(木) 21:57:57 ID:royALY2s
補足しましょう。

あらゆる理論を検証する切り口は2つあるはずです。

(1)その理論が科学の対象たりえるか
(2)その理論が事実を反映しているか

GBさんは>>285で、

>人が誰でも確認できる事柄

と言われましたが、観測による確認が不可能な理論は(1)の条件を満たさない、という意味ですよね。

私は、その点を説明をしているのです。私が挙げた「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等は、もし見つかれば誰でも確認できますから、ID論は検証可能な科学理論になります。

一方、これらが実際にみつかるかどうかで(2)が決まります。これは(1)とは切り口が異なります。

今、問題になってるのは(1)ですから、上記のような、今はないが、将来見つかるかもしれない証拠は、大切な論点です。

ということですので、質問を繰り返します。もし上記の事象が観測された場合に、GBさんなら、ID以外のどういう解釈をされますか?

294ゲジゲジ:2023/02/09(木) 22:35:28 ID:3Fgfplnc
ちょっと忙しくしていて、なかなか書き込む時間が取れません。

まず、Ken様に提案です。
今のGB様との議論が終わったら、次は私のお相手をして頂けないでしょうか?
 >私は複数相手の議論はしませんので、これ以上の回答はおこないません。
との事ですので、GB様との1対1の議論が終わったら、次は私と1対1でお願いします。

本当は私の方がGB様より先でしたが、私が書き込めないうちにGB様との議論が始まってしまったので仕方がありません。
もし上記を認めて頂けるなら、Ken様がGB様と議論されているうちに、ある程度は投稿を書き溜めておきます。


 >ゲジゲジさんの質問とは、自然選択よりもIDが合理的と考える事例でした。
 >すでに鳥の飛行能力の進化を挙げています。
たしかに挙げて頂いていますが、diamonds8888x様との議論の[総括編第10回]としてですよね。
 >私は複数相手の議論はしませんので、(略)
と仰っているのだから、上記はdiamonds8888x様に向けたコメントだったのではないですか?
diamonds8888x様が読まれるかどうかに拘わらず。

これまで私も含め、diamonds8888x様以外の人に対してコメントを返すことを頑なに拒んで来られたにも拘わらず、上記だけは私に向けたコメントでもあった、というのは筋が違うと言いますか、普通にマナーとしてどうなんでしょう?
一言、「回答にかえて」とか「参照してください」とか言ってくださっても良かったのではないですか?



さて、鳥の飛行能力の進化ですが、ID論は全く合理的ではありません。
その理由を説明する前に、>>248のコメントを一部撤回します。

Ken様は2018年に以下の通りコメントされています。
 >ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
 >申し訳ありませんが、diamonds8888xさんとの今の議論に結論を出すことを優先させていただけますでしょうか。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、それしか今はないのです。
 >ですから、そのような議論の進め方自体を認めない方と個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立ちません。

Ken様の総括編1〜10を読んで、科学に対する考え方の根本が食い違っているように感じます。
まずはここの認識をすり合わせないと、Ken様も上記で仰っているように、個別の進化を論じても、そもそも議論が成り立たないでしょう。
つまり、GB様との議論が終わったら、科学と疑似科学を判別する基準についての議論の第2ラウンドを私とやりませんか? という提案になります。


科学理論において「P∧¬P」が認められるなんて無茶苦茶です。
反証可能性は、科学と疑似科学を見分ける基準として一般的なものです。
Ken様が
 >「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例が、特殊でもなんでもなく、
 >世にありふれていることを説明します。
といって挙げられた事例は、ほとんどが「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例ではありません。


もし私の提案を受けて頂けるなら、「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例としてKen様が挙げられた事例が該当しないことをご説明します。
Ken様にとって「目からウロコ」かもしれませんよ。

次に、「P∧¬P」つまり矛盾について。
科学理論が矛盾してはいけないのは前提ですが、一方でほとんどの理論に矛盾があるのも事実です。
またdiamonds8888x様には失礼ながら、お2人の議論では「正しい科学と間違った科学を見分けるポイント」と「科学と疑似科学を見分けるポイント」とが混同されていたように感じます。
矛盾「P∧¬P」と科学理論との関係について、整理し直した方が良いかと思います。

最後に反証可能性です。反証できない理論とはどういう理論か?
実は「P∧¬P」の応用編になります。

以上の認識を共有した上で、鳥の進化においてID論が全く合理的でない理由を説明します。
これもある意味「P∧¬P」の応用編になるでしょう。


一応、以上を予定していますが、GB様との議論の行方によっては変更するかもしれません。
今Ken様がGB様とされている議論も、上記に関連する内容がありますから。

また、>>248では「疑似科学」という言葉は使わないと申し上げましたが、Ken様ご自身が表現にこだわっていらっしゃらないようなので、私も「疑似科学」と言います。「正当な科学とは認められない科学」などと言うよりシンプルですから。


以上、長くなりましたが一言お返事を頂けると幸いです。
あとはGB様との議論が終わるまでお待ちしております。

295ゲジゲジ:2023/02/09(木) 22:55:05 ID:3Fgfplnc
GB様へ

GB様との議論が始まってしまった以上、私はお待ちしていますので、なるべく効率的に進めて頂けたらと思います。
以下、Ken様への反論のヒントになれば・・・


Ken様が[>>290]で
 >仮説の根拠に未発見の事象が提唱されることはあるでしょう。
と仰っているのは、その通りかと思います。

但し
 >1915年に一般相対論が提唱されたとき、日食時に太陽の近傍に見える星の位置が
 >普段と異なる事象が、仮説を裏付ける根拠に挙げられました。

 ・品種改良作業の記録
 ・極端な近親交配の証拠
 ・去勢や不妊処置の証拠
では証拠の性質が違うでしょう。

 >日食時に太陽の近傍に見える星の位置が普段と異なる事象
と言えば、それはもうそのまま、見える星の位置が普段と違うことを云っています。

それに対して、「品種改良作業の記録」とは具体的にどんなものでしょう?
どんな事象が発見されたら、それは「品種改良作業の記録」と見なせるのでしょうか?
言い換えると「品種改良作業の記録」であると判断するのが最も合理的な事象とは、いったいどんな事象なのでしょうか?

あとの2つも同様です。
この辺りを突っついてみられては如何でしょう?

296GB:2023/02/09(木) 23:24:16 ID:tid4WkII
Kenさん

進化理論が扱うのは生物の長い歴史です。
哺乳類だけを考えても、哺乳類型爬虫類を含めれば2億年以上の時間が経っています。
そうした時間の流れを踏まえつつ、「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等の証拠を見出すというのは、どのようにしたら可能なのか、私には理解不能です。

おそらくあなたの考える「科学」や「事実」と、進化理論が扱う「事実」にはかなりの違いがあるんじゃないかと感じます。
そのあたり、別のスレッドで一度書いたことですが、そのまま再掲してみます。

「なぜ、生物学者たちが自然選択を含む進化理論を受け入れているのか。
その理解のためには、反証主義の提唱者であるポパーの議論が参考になると思います。
要するに物理学のようなハードサイエンスと歴史を扱う科学の違いを押さえることなんですけどね。

自然選択を、人が経験し得る時間の範囲内で確認することはできますが、たとえば魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を含む変化の過程を再現・確認することは不可能です。
ポパーは、当初「自然選択という原理の可能性」は実証できても、「事後的な説明」でしかありえない進化論は反証不能な理論でしかないと考えていました。
しかしその後、考えを変えます。「進化論は、科学的研究を進めるための枠組みを提供する重要な哲学である」という風に。

リサーチプログラムという概念ですね。
物理学のようにダイレクトな実験、再現、実証はできないが、積み重なる化石の発見や遺伝子の解析といった「事実」を通して、
「どのような説明が可能か、どのような説明が最もありそうか」という緩やかな反証可能性はもっていると。
歴史を扱う科学は、物理学が扱う普遍的法則とは異なる、「別の科学的説明方法を提供する」というわけですね。」

>GBさんなら、ID以外のどういう解釈をされますか?
「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。
インテリジェントデザイナーという「人の思い」は、自然の理解には何の役にも立たないと思っていますから。

297Ken:2023/02/10(金) 00:25:54 ID:royALY2s
>>296

私に問われたのは、この点ですね。

>「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」等の証拠を見出すというのは、どのようにしたら可能なのか

まず、記録ですが、紙のように短時間で劣化する材料に記録するとは限りません。石や一部の金属(例えばゴールド)のように劣化しない材料があります。

近親交配の痕跡は、最初(>>275)に述べたようにDNAの塩基配列から判断します。染色体のそれぞれの対は、父親と母親から1体ずつ受け継ぎますから、そこに近親関係を探せばよいでしょう。ジュラシックパークで描かれたように、琥珀に封印されたDNAを復元できるかまでは分かりませんが、この場合は映画のように、恐竜をまるごと復元する必要はありません。近親関係を判定できる程度の量でよいのです。

去勢や不妊処置の痕跡も、生殖に関わる部位を観測できる材料があれば発見可能と思います。骨とは違って化石になりにくいでしょうが、始祖鳥の羽毛(蛋白質)の形状が分かるほどの化石が残るなら、ありえるのではないでしょうか。

投稿のその他の部分は、自然選択について説明されてるようですが、今の論点との関連がよく分かりません。ひとつ言いたいのは、私はなにも自然選択による進化を否定してはいない、ということです。むろん、自然選択による進化はあったでしょう。

ただし、生物の進化にはもう1つの形態があります。人類が、農作物や家畜に実行してきたことです。意図をもって進化を導くことで、つまりインテリジェントデザインです。それを実行したのが、地球史の中でホモサピエンスだけと、なぜ断言できるのですか? 現存する生物を観測して、過去の生物を想像することは、普通に行われています。鳥の進化の「駆け上がりモデル」を唱える人は、今の鳥の幼鳥の行為を参考にしています。同じことを人類の行動に適用することが問題ですか?

>「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。

これは回答になってません。まさか、何も思いつかないということですか? 人間が真剣に何かを考えるとき、そんなことがありえますか?

298GB:2023/02/10(金) 20:42:22 ID:tid4WkII
更科功氏の『化石の分子生物学』という本(講談社新書 2012)を読むと、恐竜のDNA塩基配列を調べるのも難しいようですね。
ネアンデルタールぐらいの年代なら、ペーボが示したようになんとかなるようですが。
どれだけコンタミを避けようと慎重に作業を行っても、「古代DNA」の再現は難しいということがわかって、面白い本でした。

>人類が、農作物や家畜に実行してきたことです。意図をもって進化を導くことで、つまりインテリジェントデザインです。それを実行したのが、地球史の中でホモサピエンスだけと、なぜ断言できるのですか? 現存する生物を観測して、過去の生物を想像することは、普通に行われています。鳥の進化の「駆け上がりモデル」を唱える人は、今の鳥の幼鳥の行為を参考にしています。同じことを人類の行動に適用することが問題ですか?

人類が現実に存在し、意図をもって進化(生物の変化)を導いていることは誰でも確認できるし異論もないと思いますが、さて、インテリジェントデザイナーという存在はどこにいて、どのようにして進化を導いているのでしょう。
「ホモサピエンス」だけではないと主張するなら、「ほら、これだよ」と証拠を示して、承認を求めるのが科学的方法ってもんですよね。

そこに付け加えて、私としては、デザイナー論というものはアブラハムの宗教という人間集団の一部が生み出した想念、価値観の一部でしかないという主張をしているわけです。


>>「事実」をもとにあーでもないこーでもないと探索を繰り返すだけですね。

>これは回答になってません。まさか、何も思いつかないということですか? 人間が真剣に何かを考えるとき、そんなことがありえますか?

特定の価値観から離れて自然を理解しようとすれば、次々に明らかになる客観的な事実に基づいて、あーでもないこーでもないと解釈を練るしかないと思いますよ。


さて、仕事がかなり忙しくなってきたこともあり、私はこのあたりで撤退します。
このスレッドの主旨とはズレてますしね、まぁ続けるなら別のスレの方がいいだろうと。

というわけで、ゲジゲジさん、ミケさん、よろしくお願いします。

299Ken:2023/02/10(金) 23:08:18 ID:royALY2s
撤退されるのはご自由ですが、私は私で言うべきことを言います。

私は「品種改良の記録」「極端な近親交配」「去勢や不妊」の3つを候補に挙げましたが、>>298では2番目が「難しい」と言われただけです。それも現在の技術レベルがベースになってるのでしょう。でも検証不能を理由に疑似科学と判定されるのは、現在検証できないだけでなく、そもそも原理的に検証の見込みがないもののはずです。

そして1番目と3番目は言及すらありません。

>「ホモサピエンス」だけではないと主張するなら、「ほら、これだよ」と証拠を示して、承認を求めるのが科学的方法ってもんですよね。

そういう状態を目指すのはそのとおりです。でも、今はできないからといって、疑似科学になりますか? そんなことを言えば、進化の研究に頻出する「ミッシング・リンク」も、具体的な生物の証拠を示せるまでは疑似科学でしょう。なにしろ「ミッシング」ですから。

>デザイナー論というものはアブラハムの宗教という人間集団の一部が生み出した想念、価値観の一部でしかないという主張をしているわけです

IDを宗教に利用する人がいるのと、IDが宗教であるのとは、全く別の問題です。進化論は帝国主義・植民地主義の理論武装に利用されましたが、だからといって進化論イコール帝国主義になりますか?

>このスレッドの主旨とはズレてますしね

ずれてません。IDが科学か疑似科学かを論じてきたのですから「科学と疑似科学を判別する」のテーマです。

それと、元々は>>280

>創造論はそれができないのは何故でしょう

と発言されたことから始まりましたが、私が>>268>>269で具体的に説明した天地創造論は最後まで無視されましたね。ただ、IDは創造論だと連呼されただけです。天地創造とIDは、ビッグバンと品種改良ぐらいに違うのに。

それでも、撤退を明言して撤退されるのですから、diamonds8888xさんよりは、よほどまともですね。

300ミケ:2023/02/11(土) 13:44:42 ID:RbySXTFU
ゲジゲジさんへ

私としては、>>268>>269に関して、
Kenさんが読むのであれば書いても良いかと思っていたのですが

おそらくKenさん以外のまともな論理的思考能力を持つ人は
「オムファロス」や「世界5分前仮説」に対するKenさんの考えに同意せず、
かつ>>268>>269を「オムファロス」や「世界5分前仮説」と同類のものとみなすだろうと思うこともあり
Kenさん本人にとっても読者(まだいるのか?)にとっても
ゲジゲジさんとKenさんとの質疑応答のほうが有意義のように思いますのでよろしくお願いします。

(明言して遠慮するのですから指名して返信すらしない誰かさんよりよほどまともでしょう?)

そのかわり
議論周辺の、Kenさんの事実誤認を気ままに書いていくことにします。

301Ken:2023/02/11(土) 21:12:33 ID:royALY2s
>>294

それでは、どうぞ。おっしゃりたいことをおっしゃってください。

ただ、最初にいっておくことがあります。

(1)私は複数相手の議論はやりません。つまり、以後、本スレッドではあなたにしか回答しないということです。(diamonds8888xさんが復帰しても相手にしません。)ただし、あなたが第三者と意見を交わすのは自由です。もしそれをやるなら、私への発言は冒頭で、そのことを明示ねがいます。

第三者の意見を読むことを私に求めるなら、それがあなた自身の考えでもあり、ご自身が責任をもつことを明らかにしてください。その保証として、第三者の発言は、
 1.自分の言葉で言い直す
 2.利用できる部分を自分の文章に貼り付ける
 3.すべて自分の発言とみなせる場合のみ、投稿番号を指定する
のどれかの形をとってください。2と3は負担にならないはずです。なお、このルールはdiamonds8888xさんの過去の投稿にも適用します。

(2)複数の論点があるなら、議論は個別に1つずつで願います。これまでの例では、基準のそれぞれが論点で、最初は基準01から始めました。その中で基準05が追加され、こちらを先に論じる必要があるということで、基準01を中断し、基準05に論点が移りました。このような変更はかまいませんが、複数の論点の並列進行はできません。

(3)元々は(>>248)IDの事例について聞きたいという話でしたが、>>294は基準そのものに話が拡大してるようです。テーマを維持したままdiamonds8888xさんと選手交代をするのですね。

そうなると、これまでのスレッドとくにdiamonds8888xさんの主張のどの部分を継承するのかを、まず明らかにしてください。diamonds8888xさんの基準を継承するのですか? それともご自身の基準を立てるのですか?

以上3点の検討をお願いします。

もし、ご自身の条件を設定されたいのなら、最初に提示してください。


ところで>>294で私の「マナー」を問題にされたので、以下のことを言っておきます。

ご自身のマナーについて自覚はないのですか?

私がdiamonds8888xさんと1対1の議論をするために本スレッドにいたことは承知されてましたよね?

diamonds8888xさんと意見を交わすのは自由ですが、あなたの投稿には、明らかに私に向けたものがありました。1度や2度ではありません。

>私も含め、diamonds8888x様以外の人に対してコメントを返すことを頑なに拒んで来られた

というおっしゃりよう自体が、私に回答させようとしたことを、ものがたります。

このような行為は私の倫理観と鋭く対立します。「頑なに拒んで来られた」? あたりまえです。取り決めをなし崩しにする行為など容認できません。あるいはあなたの目にはくだらない取り決めなのかもしれませんが、だから破ってよい理由になりません。さらに言えば>>294の投稿も割り込みです。GBさんとの議論が終わるまで待つべきでした。

私からは以上です。

議論の開始は、互いの条件を受け入れた時になります。

302ゲジゲジ:2023/02/14(火) 02:26:23 ID:3Fgfplnc
まずはKen様の「マナーの基準」に従えばマナー違反をしていたことをお詫びします。
申し訳ありません。

私の「マナーの基準」によれば反論はありますが、やめておきます。
一言で言えば「公開の掲示板という場での投稿におけるマナー」に対する認識の違いでしょう。
しかし「マナーの基準」についての議論を始めたらスレッドの主旨から完全に外れてしまいますし、何よりも時間と労力の無駄です。
ですから、少なくとも今後このスレッドでは、Ken様の「マナーの基準」に合わせることにします。


さて、
(1)→ 同意します。
(2)→ 同意します。

(3)
 >テーマを維持したままdiamonds8888xさんと選手交代をするのですね。
そうです。「科学と疑似科学とを判別する基準」に関する議論を私とさせて頂きたいと提案しています。

 >diamonds8888xさんの基準を継承するのですか? それともご自身の基準を立てるのですか?
diamonds8888x様の基準を継承します。当たり前です。

そもそも「diamonds8888xさんの基準」と仰ること自体が不適切ですよ。
科学と疑似科学を判別する「基準」が人によって違って良いわけがないでしょう?
diamonds8888x様が述べていたのはdiamonds8888x様の基準ではなく、科学に関する真っ当な議論をしようとする誰もが受け入れるべき「基準」です。

ですからdiamonds8888x様は、Ken様がこの「基準」を納得して受け入れられるよう、説明を尽くしていたはずです。しかしKen様の総括編1〜10を読む限り、まったく理解されないまま、diamonds8888x様は撤退されてしまいました。
だから私が後を引き継ごうと申し出たのです。

但し、「基準」自体は変わりませんが、説明の都合上、以下のように整理し直します。

基準1:反証可能性の有無
これについてはdiamonds8888x様の基準01を踏襲します。

基準2:理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
これもdiamonds8888x様の基準02を踏襲します。

基準3:矛盾との関係
これはKen様が[>>268]で述べられている通り、diamonds8888x様の基準03〜基準06をまとめて扱います。

そして一応
基準4:根拠にならないことを根拠と主張する
を挙げておきます。
これは旧掲示板で10年ほど前にShinok30様が仰っていた基準ですね。
但し、根拠にならないことを根拠と主張するとは具体的にどういうことか? と掘り下げると、恐らくは基準1〜3のいずれか、もしくは複数に抵触することになると思われます。
ですから敢えて挙げる必要はないのかもしれませんが、議論の流れによっては言及する可能性も出てくるかもしれませんので、一応、最初の段階で挙げておきます。

そして議論の順番は、基準2,基準3,基準1、(基準4)の予定です。


最後に
 >もし、ご自身の条件を設定されたいのなら、最初に提示してください。

後々で揉めたりしないために、以下をルールとして提案します。

1.相手の回答(返事)を最低1週間は待つ。
2.相手の投稿に対して1週間以内に回答(返事)をする。

1について。
しっかりした回答をしようとすれば、十分に文章を推敲したり、また色々と調べなければならない場合もあるでしょう。纏まった時間がそうそう取れるわけではないでしょうから、お互いに1週間程度は待つことにしましょう。

2について
但し一方で、効率よく議論を進めるためにも、あまり相手を待たせるのもどうかと思われます。
忙しくて時間が作れない場合は、少なくともその旨をひとこと、返信するようにしましょう。

何も断らずに1週間を超えて回答しないのは、以下の事情でできない場合に限定します。
逆に言うと、相手からの回答が1週間、少し余裕を見て10日以上途絶えた場合は、相手は以下のいずれかの状況にあるものと判断して良いということです。
そのように判断して、どうするかは自由です。

<断りなく回答を途絶えさせて良い場合>
①死亡した場合
②意識のない植物状態、または両手が不随となり通信機器の操作ができなくなった場合
③災害により自宅が倒壊するなどして、掲示板どころではない状態になった場合
④その他、突然、上記①〜③に類する状況になった場合

②〜④の場合は、半年後とか1年後とかに復帰するかもしれません。
その時に議論を再開するかどうかは、その時の状況で相談することとしましょう。


以上、如何でしょうか?

よろしければ本題に入って行きますが、私自身が今月いっぱいは結構忙しいです。
私事ですが15日締切の案件を1件、24日締切の案件を3件抱えています。
GB様との議論が数ヶ月はかかると思っていたのですが、GB様の撤退で思いの外あっさりと終わってしまいましたので・・・

というわけで2月中はボチボチ議論を始めながら、3月に入った頃から本格的に進めて行かれたらと思います。

303Ken:2023/02/14(火) 21:22:01 ID:royALY2s
>今後このスレッドでは、Ken様の「マナーの基準」に合わせることにします。

1対1を守るだけの意味ではなく、約束したことは守るという意味なら、それで結構です。

2→3→1→(4)の順序を了解しました。

1週間ルールもそれで結構です。もともと私は1〜2日で回答してきたと思いますが、なるほどdiamonds8888xさんは、断りもなく数週間もあける人でしたね。スレッドが長期化した大きな原因です。あげく撤退宣言もしないから、1年間待たされる羽目になりました。

強くお願いするのは、基準を説明するときに、必ず基準違反の具体例を挙げていただくことです。diamonds8888xさんは基準01違反の実例に「へそ理論(オムファロス)や世界五分前仮説」、基準05には「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を挙げましたが、説明が抽象的すぎて誤解と混乱を生みました。基準02違反は具体例をきく機会もありませんでした。

上の順序にしたがい、基準2違反の具体例を挙げていただくことから始まると期待します。

304ゲジゲジ:2023/02/19(日) 00:49:29 ID:bXWY2Oy2
まず申し訳ありませんが
 >基準2違反の具体例を挙げていただくことから始まると期待します。
ご期待には応じかねます。

既に[>>294]で、どのように議論を始めるか予告しておりますので、それに従って進めさせて頂きます。
 >もし私の提案を受けて頂けるなら、「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例として
 >Ken様が挙げられた事例が該当しないことをご説明します。
 >Ken様にとって「目からウロコ」かもしれませんよ。

Ken様がdiamonds8888x様と議論されていた時と大きく前提が異なるのは、私はKen様の総括編1〜10を読んで、Ken様のお考えの全体像を知った上で議論に臨めるということです。ですからKen様がどこを誤解されているのか、予め大まかには把握できています。diamonds8888x様はその点を議論しながら手探りされていました。

私としてはどういう順序で説明したらKen様にご理解いただけるのか、ずっと考えながら総括編を読んでいました。その上で、[>>294]でdiamonds8888x様から議論のお相手を引き継ぐことを提案しています。基準違反の具体例から始めるよりも、まずはKen様にご自身の誤解に気付いて頂いた方が、理解が早いと思います。


と、いうわけで本題です。

Ken様は「『Aと対立するBの否定がAの検証とされる』事例が、特殊でもなんでもなく、世にありふれている」例として以下を挙げていらっしゃいますね。
・コペルニクスの地動説
・光の粒子説
・光の波動説
・鳥の進化の樹上モデル
・鳥の進化の駆け上がりモデル
・鳥の進化の飛びかかりモデル

では、これらが「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例ではないことをご説明しましょう。

まずコペルニクスの地動説です。
Ken様の[>>259]より
 >これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、
 >太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、
 >そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。

つまり、「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の根拠であり検証です。決して天動説の否定“だけ”を検証としていません。


次に光の粒子説・波動説です。[>>261]
 >粒子説の根拠は、波動説で説明できない現象
 >波動説の根拠は、粒子説で説明できない現象
これはその通りかと思います。
しかしdiamonds8888x様は
 >*)検証になる特殊な場合はある。
と仰っていましたので、光の粒子説・波動説は対立仮説の否定が自説の検証になる特殊な例外と考えてよいでしょう。


次に鳥の進化の樹上モデルです。
[>>262]
 >(略)ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、
 >羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、それを利点として進化を重ね(略)
そう、ムササビのように木から木へ滑空する生物が存在すること、そして滑空において羽が距離を延ばしたり運動を制御できるので利点になること、が樹上モデルの根拠です。

そして[>>275]
 >結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。
 >それも、地上生物が木に登ることもある、という中途半端な形ではなく、
 >地を走るという前提自体を外すことです。
 >ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。
まったくその通りで、力学的な合理性をもつことこそ、樹上モデルの根拠なのです。
決して走行モデルの否定“だけ”が根拠ではないのです。


もうお分かりでしょう? [>>263]より・・・
鳥の進化の駆け上がりモデル
 >骨格から判断すれば鳥の先祖は地上を走る恐竜であるはずだが、
 >地上生物が木に登ることはありえます。
飛びかかりモデル
 >駆け上がりモデルと同じく、始祖鳥の骨格と一致するし力学的合理性もある理論でしょう。

それぞれ、地上生物が木に登ることがあり得ること、骨格と一致し力学的合理性があること、が根拠です。

どうもKen様は、仮説の検証や根拠は、具体的な物証や観察事実でなければならないと思われているようです。しかしそんなことはありません。「合理的に説明できる」というのは、それだけで仮説の根拠になり得ます。
以上、まずはここまで。ご質問や反論があればどうぞ。



尚、この後ですが、以下の順序で進めて行くことを想定しています。

1)Ken様が挙げた「Aと対立するBの否定がAの検証とされる」事例がそのような事例に該当しないことを説明(今ココ)

2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明

4)以上を踏まえて、どうして対立仮説の否定だけを自説の根拠にしてはいけないのか? 対立仮説の否定だけを自説の根拠にすると疑似科学になってしまうのか? を説明

305Ken:2023/02/19(日) 10:28:17 ID:royALY2s
>>304
私が挙げた基準02違反の例が、実はそれぞれに根拠があり、違反ではないという話ですね。こういう説明がされるかもとは思ってました。

直接の物証はなくても、とにかくその理論で説明できればよいということでしょうか。それなら、実は、光粒子説と光波動説も「特殊な例外」ではないのです。

光粒子説の根拠=真空を伝わる/必ず直進する

これは粒子で説明可能です。というより18世紀の知識体系では、粒子でしか説明できません。同じく、

光波動説の根拠=互いにすり抜ける

これも、波動で説明可能です。

>>304で挙げられた根拠と同じく、上も根拠になるでしょう。

しかし、基準を検証するには、違反になるものとならないものを並べ、どこで差がつくのかを知らねばなりません。ゆえに、

>2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

が必要です。私が求めたのもそれですから、次へ進んでください。例にあがるのは、私がIDで説明した鳥の進化ですか?

306Ken:2023/02/19(日) 17:50:42 ID:royALY2s

>>305で言ったこととは別に、鳥の進化の4仮説について確認したいことがあります。

(1)走行モデル
(2)樹上モデル
(3)駆け上がりモデル
(4)飛びかかりモデル

(2)〜(4)は、>>304で言われたように「そういうこともありうる」という話で、物証はありません。鳥の先祖が本当に樹上生活者だったのか、はばたきながら木を駆け上がったのか、高所から獲物に飛び降りたのか。いずれも想像の産物です。

しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。

それなら、走行モデルだけ唱えておればよいのではないですか?

他の3つを唱える人は、なぜそんなことをすると思いますか? まさか、他人と違うことを言ってみたいという自我の産物でもないでしょうに。

奇妙な質問に思えるかもしれませんが、ここは明示的な言葉で回答をお願いします。

307ミケ:2023/02/20(月) 01:13:45 ID:RbySXTFU
このスレッドを現在・あるいは将来読む人への参考資料として、
Kenさんがしばしば科学的事実を誤認してそれを土台に主張することがあるので
あとでゆっくり書こうと思っていたけど鳥の進化に関してもう触れられてしまっているので
取り急ぎ鳥関連に関してここに書いておきます。

・Kenさんは、鳥の飛翔の進化に関して、樹上モデルに何の証拠もない(>>265)と考えているが、事実誤認で、それぞれ証拠が挙げられている。(いわゆる論争状態)
・Kenさんは、Wikipediaの記事でミクロラプトルが樹上性ではないと結論が出ていると考えているが、事実誤認で単にWikipediaの編集上、最後に記載されているというだけ。

たとえば、Kenさんは>>265
ミクロラプトルが樹上性ではない、と考える根拠として

>最後の結論で、体構造が明らかになると、地上を走る鳥と同じもので、木登りをできるような骨格を持ってないことが分かったと語られます。

と英語版Wikipediaの記事を挙げていますが
そこで文献として挙げられている一つ目の論文
(Assessing Arboreal Adaptations of Bird Antecedents: Testing the Ecological Setting of the Origin of the Avian Flight Stroke)を読めば
ミクロラプトルが樹上性であるとする根拠や証拠が既に挙げられていることが分かります。

そのうえで、「こちらのほうが良い証拠ですよ」と新しい手法で地上性の証拠を示したのが一つ目の論文わけです。
(二つ目の論文についてはもしかしたらWikipedia編集者のミスかもしれません。一つ目の論文を引用はしていますが、地上から飛ぶならどういう経路か、がテーマであり樹上か地上かというテーマではなかったようです。)

話がそれました。要するに樹上性を支持する証拠は挙げられているわけです。
そして、上記の論文以降にも、いろいろな鳥類・爬虫類で爪の湾曲を比較し、樹上性を支持する論文は出されています。
両者は論争状態(あるいは二つの説が並立した状態)にあるわけです。
一つの論文で答えが出るわけではありません。特に化石しかない古生物の場合は。

Wikipediaでも、確定しているとは書かれていないです。
単にその段落の最後の文が地上説を支持する内容で終わっているというだけ。

化石しかない古生物の習性や身体的能力の推測・復元は、ちょっとした発見で大きく変わります。
獣脚類の姿勢がゴジラ型から天秤型になったり、腕に翼のような羽毛が付いていることが分かったり。
ヴェロキラプトルやガリミムスは、ジュラシックパーク1で描かれた姿と現在の復元図ではかなり違う姿になっています。
ミクロラプトルのように、同じ化石から、別の人が、それぞれ異なる仮説を支持する証拠を見出すこともあります。

Kenさんのような「正解を決めつけずにはいられない(示されている中に正解があると思ってしまう)」タイプには、
古生物の進化的仮説の話は特に不向きだと思います。

308ミケ:2023/02/23(木) 22:49:58 ID:9/qn5aAA
科学理論の「検証」に関して少々。

多くの学術論文の構成は、序論(Introduction)―材料・方法(Materials & Methods)―結果(Results)―考察(Discussion)―結論(Conclution)という骨組みになっています。
序論で今まで分かっていることや課題が書かれ、材料方法でそれを検証するために採られた方法が書かれ、結果でその方法で得られた結果が書かれ、結果と今まで分かっている事実等から考察・結論が導かれます。
これはつまり、多くの学術論文はその時点で、その論文に書かれている「結論」を実験や計測・解析等の物的証拠によって検証しているというわけです。
Wikipediaは誰でも編集できるがゆえに過信は禁物ですが、文献として論文が引用されている場合、おおよそ、論文となっている時点で「物的証拠がある」と予想してよいと思います。掲載にあたって査読される論文についてはよりそう言えるでしょう。
鳥の進化の各モデルについても、学術誌に掲載された論文が文献として引用されているなら、単なる想像の産物ではないということは予想が付くことです
(実際に論文を読むべきなのでミクロラプトルの樹上説についてのみコメントしましたが)。
恐竜・鳥関連の議論が続く場合、読者の皆様は参考としてください。

ここからは余談となります。
そうした論文同士で、相反するように見えることを結論としている場合があります。
たとえば始祖鳥やミクロラプトルについては、同じ化石から、樹上性を主張する論文と地上性を主張する論文と中間的であるとする論文とがあったと思います。
これは別に、矛盾が許容されているわけではありません。
個々の研究者それぞれが、それぞれの説を支持している(いわゆる論争状態)だけの話。

科学というのは、ヒトの営みなので、当然間違いもあり得ます。
そして多くの個々の研究者が携わっているものなので、「その時点でどちらかが間違いかもしれない状態の複数の説」が各々証拠ありで並立している場合があります。
しかし、データを追加し、検証作業を続けることで、いずれより確からしい方が選ばれるだろう、と期待の元、科学者たちは日々努力しています。
重要なのは、真実の可能性があるかどうかではなくて、検証できること、現時点でも検証されていること。
これはいつだったかゲジゲジさん紹介の北村雄一氏のサイト(ttp://www5b.biglobe.ne.jp/hilihili/science/thinkforscitop.html)が参考となります。

さて、インテリジェントデザインは、論文になったことがありません。検証されていないわけです。
「品種改良作業の記録」「去勢や不妊処置の証拠」も、ヒト以外のインテリジェントな存在による進化の証拠など、何一つ見つかっていません。
(※ちなみに「極端な近親交配」は、ヒト(あるいは最近だとチーター)のように極端に個体数が減る状況を経由するとおのずとそうなるのでそもそもIDを支持する証拠になりません。)

したがって、そもそも自然選択説や中立説とはそもそも並立する資格がありません。
ですから、鳥の飛翔の起源の「走行仮説」「樹上仮説」などと違って、
ID説を自然選択説と並立して教科書に載せろと言われたら、それはペテンのたぐい・疑似科学になるということになります。

これをもしKenさんが議論相手から聞いたとすると、「一般性相対性理論だってまだ得られていない証拠を根拠に〜」と言うかもしれません(>>290)。
詳しくありませんが、「水星の近日点移動を(ニュートン力学より)説明できた」とか、あるいは単純に具体的な計算式の導出法とか、別の証拠があったのでは。
そもそもここで見られる予測とは、具体的な計算式に基づいて、いつ、どんな状況で得られるかまで予測されたものであり、
「どんな証拠がどこから出てくるか全然分からないけどデザインした証拠が出てきてくれるかも」といった願望とは異なるものです。
進化論で言うなら、たとえばティクターリクの化石は、
「この時代、この地域、この地層ならばこういう特徴(それまでの両生類的魚類と魚類的両生類の中間)を持った化石が見つかるはずだ」
と予測して掘り進めて見事見つかった事例がありますが、それとは対照的ですね。

309ゲジゲジ:2023/02/25(土) 23:37:38 ID:bXWY2Oy2
まず[>>306]から。

 >しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。
 >骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。
“骨格が地上を走る2足恐竜と共通する”からといって“地上を走っていたことは確実”とは言えません。

それにそもそも、上記のような具体性のないことを仰られても、「確実」かどうかなど判断できません。

「その生物」とは何ですか?
アーケオプテリクス? ミクロラプトル? アンキオルニス?

「地上を走る2足恐竜」とは?
オルニトミムス? オヴィラプトル? ヴェロキラプトル?

「骨格が共通する」とはどこの骨の構造がどの様に共通するのですか?

例えば上に挙げた6種類は、後肢の骨格構造に以下のような共通点があります。
・大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨、指骨からなる。
・大腿骨と脛骨との間接は内側一方向にのみ曲がる構造である。
・脛骨に腓骨が付随している。
・指骨の数は指によって異なるが2個〜5個である。

こんな具合に、共通点を具体的に提示して頂かないと・・・


と、いうわけで
 >他の3つを唱える人は、なぜそんなことをすると思いますか?
 >(略)
 >ここは明示的な言葉で回答をお願いします。
に明示的に回答します。
走行モデルもまた、想像の産物に過ぎないからです。
よって、走行モデルだけ唱えていてはいけないからです。


尚、Ken様に従って「想像」という表現をしましたが、あまり適切ではありません。「推測」とか「推定」と言うべきでしょう。

根拠のない想像・妄想ではなく、いずれも根拠に基づいた推測・推定です。
走行モデルは骨格構造を根拠に、走行から飛行に至ったと推測しているのです。
樹上モデルは飛行に至る力学的合理性を根拠に、樹上から飛行に至ったと推測しているのです。
駆け上がりモデルは、そのような生態を示す現生鳥類の存在を根拠に推測しているのです。



ところで、Ken様に1つ伺いたいことがあります。
すぐに答えてくださらなくて結構です。
というより、今は答えないでください。今の論点は基準2なので。
基準2の議論が終わったら、少し予定を変更して、基準3に入る前にまた伺いたいと思いますので、それまでにお考えを纏めておいてください。


Ken様は[>>269]で
 >天地創造論や世界5分前仮説といえども、それが真相である可能性はあるのです。
と仰っています。

もし世界5分前仮説が正しいとしたら、鳥の先祖が地上を走っていたというのは間違いですよね。
鳥の先祖の化石も恐竜の化石も、5分前に作られたフェイクなのだから。
しかしKen様は[>>306]ではこう仰っています。
 >しかし、その生物が地上を走っていたことは確実なのです。
 >骨格が地上を走る2足恐竜と共通するのですから。

つまり鳥の進化を検討するにあたって、世界5分前仮説が正しい可能性を除外していませんか?
天地創造論や世界5分前仮説は、神様か外の世界のプログラマーか分かりませんが、世界を創った存在による「お告げ」によって検証できるのでしたよね?
世界を創った存在による「世界は130億年前にビッグバンによって創ったのだ」といったような「お告げ」は今のところ観察されていませんから、これらの仮説が正しい可能性は十分にあります。
にもかかわらず、なぜ検討すべき仮説の候補から、天地創造論や世界5分前仮説を排除してしまったのでしょう?

世界5分前仮説だと、この議論自体がフェイクということになり、[306]のコメント自体もフェイクということになって話がややこしくなるので、ここは「世界100年前仮説」で考えましょうか。
世界100年前仮説が正しいとすれば、私たちの議論やKen様が参照されたWikipediaの記事、そこから参照されている論文などはフェイクではありません。しかし過去の生物の化石は全てフェイクです。

鳥は進化などしていない。100年前に、初めから飛べる状態で作られた。
鳥の先祖も恐竜も過去に存在していない。化石は全て、100年前に作られたフェイク。
・・・という仮説を検討する土俵から排除してしまわれたのは、どうしてですか?

310ゲジゲジ:2023/02/25(土) 23:38:27 ID:bXWY2Oy2
さて、本題の基準2に戻ります。

[>>305]
 >直接の物証はなくても、とにかくその理論で説明できればよいということでしょうか。
 >それなら、実は、光粒子説と光波動説も「特殊な例外」ではないのです。
 >光粒子説の根拠=真空を伝わる/必ず直進する
 >これは粒子で説明可能です。(略)
 >光波動説の根拠=互いにすり抜ける
 >これも、波動で説明可能です。

たしかにそうですね。
それぞれ、対立仮説の否定だけではなく、きちんと自説を肯定する根拠が提示されています。

では[>>304]で述べた
3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明
については、思考実験をしてみましょう。

18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たか?
逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、光粒子説の根拠になり得たか?


まぁ、それは次の議題であって、まずは
2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例
ですね。

ただ[>>303]
 >強くお願いするのは、基準を説明するときに、必ず基準違反の具体例を挙げていただくことです。と言われますが、それはなかなかに無理筋の依頼であることをご理解ください。

話が逸れますが、私はあるNPO法人に関わっています。
NPO法人は法律(NPO法)で、犯罪を犯して刑務所に収監されている人や、認知症の人を理事にしてはいけないと定められています(他に暴力団関係者など)。それで私たちのNPO法人でも法律に従って、こうした人を理事にしない旨を内部規程に定めています。

しかしですね。そもそも刑務所に入っている人や認知症で正常な判断ができない人を、理事に据えるようなNPO法人があるでしょうか? 絶対にないとは言えませんが。
だいたい法律はNPOを運営するためのルールなのですから、普通はそのルールを守ってNPOは運営されます。ですからルール違反の実例を探すのは相当に困難です。


科学の基準についても同じです。基準1〜基準3は、科学的な議論を行う上でのルールのようなものです。

仮にある人が、対立する仮説Bの否定だけを根拠に、仮説Aを思い付いたとしましょう。
しかしそのままでは基準2に違反ですから、その人は仮説Aを発表しません。
仮説Aを肯定する根拠を考えたり、あるいは根拠となる事例を探したりするでしょう。
そして根拠が見付かったら、あるいは考え付いたら仮説Aを発表するでしょうから、仮説Aが発表された時点では基準2をクリアしていることになります。

ですから世の中に出回っている仮説はほとんどが基準をクリアしています。
基準違反の具体例を示すというのは、言うほど簡単なことではないのです。


というわけで、基準2違反の具体例はなんとか2つほど思い付きました。

1つは、進化論の否定だけを根拠にした創造論です。
キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。
本当にあったかどうか、その点は私の記憶が曖昧で申し訳ないのですが、とにかくこういった論法が基準2違反の疑似科学になります。

もし創造論の根拠は聖書にそう書かれているから、世界を創造した神様が語られた真実を記述したものが聖書だから、といった論法だったら、取り敢えず基準2はクリアします。
少なくとも対立仮説の否定“だけ”が根拠ではないので。
挙げられた根拠が根拠として妥当かどうか? は基準1や基準3によって判定されます。


もう1つの具体例。これは挙げるかどうか悩みましたが・・・
Ken様が2018年1月22日(火)23時28分9秒に、旧掲示板に投稿されたID論が基準2違反ですね。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。
対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠であると明言されているので。


一方で、[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、
 >自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。
つまりID論が鳥の進化をより合理的に説明できるという根拠が述べられていますから。

尚、本当にID論が合理的かどうかは、これも基準1と基準3によって判定されます。
ともかく自然選択の否定“だけ”ではなく、ID論を肯定する根拠が述べられてはいるので、基準2はクリアです。


以上、ご質問や反論があればどうぞ。
特になければ次に進みます。

311Ken:2023/02/26(日) 12:20:33 ID:royALY2s
>「その生物」とは何ですか?

ウィキペディアに記載があるのは、始祖鳥とミクロラプトルですね。
en.wikipedia.org/wiki/Origin_of_avian_flight
記事は始祖鳥を中心に語られますが、飛び掛かりモデルの項目でミクロラプトルも言及されてます。地上走行生物の身体特徴は

[始祖鳥]en.wikipedia.org/wiki/Archaeopteryx#Description
抜粋:
Archaeopteryx had many non-avian theropod dinosaur characteristics. it has a long ascending process of the ankle bone, interdental plates, an obturator process of the ischium, and long chevrons in the tail. In particular, Ostrom found that Archaeopteryx was remarkably similar to the theropod family Dromaeosauridae.

[ミクロラプトル]en.wikipedia.org/wiki/Microraptor#Wings_and_flight
抜粋:
study of its anatomy have shown that its limb proportions fall in line with modern ground birds rather than climbers, and its skeleton shows none of the expected adaptations in animals specialized for climbing trees.

>“骨格が地上を走る2足恐竜と共通する”からといって“地上を走っていたことは確実”とは言えません。
>走行モデルもまた、想像の産物に過ぎないからです。

地を走る現場の観測例はないという意味なら、そのとおりです。それこそタイムマシンを発明して過去に行かない限り、確実にいえることなどありません。そのようなスタンスでの発言なら反論はしませんが、地球史で生物が進化してきたという理論も不確実な想像になりますよ。

>今は答えないでください

尋ねておいて、そんな言い方がありますか。それなら尋ねなければよいでしょう。

この問いかけは曲解です。私は世界5分前説は正しい可能性があるといったので、正しくない可能性もむろんあります。鳥の先祖の恐竜が地上を走ってたのは、後者が前提です。

>[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。

この回答は意外でした。私のID論は基準2違反の疑似科学と主張されると思ってましたから。すると問題は1と3ですか。ではその議論の中で論証されることを期待します。でも、それならなぜ2から始めたのですか?

>キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。

矛盾があるなら、矛盾を解消するか、もしくは自然選択以外の代案を考えるかのどちらかとは思いませんか? >>268>>269で述べたように、創造論を今の私たちの知識体系で説明することはできるのです。

>18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たか?
>逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、光粒子説の根拠になり得たか?

18世紀の知識体系では「空間を動くなにものか」は、粒子と波動しか知られてませんでした。ただし、その2つ以外にないという証明もありませんでした。粒子と波動の二者択一なら、一方の否定が他方の根拠になるでしょうが、現実には、二者択一かもわからないのに、対立説の否定を自説の根拠にしてました。(例)粒子は真空を伝わりますが、真空を伝わるのは粒子という証明はありません。

>世の中に出回っている仮説はほとんどが基準をクリアしています。
>基準違反の具体例を示すというのは、言うほど簡単なことではないのです。

実際に提唱されてる理論の必要はありません。「太陽が昇る∧太陽が昇らない」の同類でよいのです。ただし、それがどういう具体事象かは尋ねますよ。

「1つの太陽が2つの座標に存在し、一方はω>0、他方はω≤0の角速度をもつ」

最低でもこの程度の具体化が必要です。

312ゲジゲジ:2023/03/02(木) 21:16:03 ID:bXWY2Oy2
 >>今は答えないでください
 >尋ねておいて、そんな言い方がありますか。それなら尋ねなければよいでしょう。

引用された箇所のすぐ次に、理由を書いているのですが・・・

+++++ 以下再掲 ++++++++
今の論点は基準2なので。
基準2の議論が終わったら、少し予定を変更して、基準3に入る前にまた伺いたいと思いますので、それまでにお考えを纏めておいてください。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

つまり今は基準2の議論をしています。具体例を挙げて、基準2違反となる場合とならない場合との違いを明らかにすることが、今の論点です。
鳥の進化の検討から世界5分前仮説を除外された理由についてやり取りを始めると、論点がずれます。今のテーマと一緒にやり取りをすれば、Ken様が[>>301]で提示されたルール
 >(2)複数の論点があるなら、議論は個別に1つずつで願います。
 >複数の論点の並列進行はできません。
に違反します。
だから基準2の議論が終わったら、その時にまた質問しますから、それまでによく考えて、考えを纏めておいてください、と申し上げています。よく考えた上での回答がほしいので、すぐには答えてほしくない質問を、敢えて今の段階でしています。



 >この問いかけは曲解です。
 >私は世界5分前説は正しい可能性があるといったので、正しくない可能性もむろんあります。
 >鳥の先祖の恐竜が地上を走ってたのは、後者が前提です。

曲解とは思いません。
なぜ、検証もしないで正しくないという前提に立たれたのですか? そして検討すべき仮説の候補から除外されたのですか? それって結局、検討の土俵から排除することと同じではないですか?
恐らく世界5分前仮説を他の仮説と同等に扱う価値はないと判断されたのではないですか? そのような判断をされたのは何故ですか? どのような「基準」に基づいて、その判断をされたのですか?
私が伺いたいのはそういう事です。

もういちど申し上げます。基準2の議論が終わったら、改めて質問しますので、それまでよく考えておいてください。熟考に熟考を重ねた上での回答を期待します。



 >>[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >この回答は意外でした。私のID論は基準2違反の疑似科学と主張されると思ってましたから。

これも、引用された箇所の前にこう書いているのですが・・・

+++++ 再掲A-1 ++++++++
Ken様が2018年1月22日(火)23時28分9秒に、旧掲示板に投稿されたID論が基準2違反ですね。
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。
対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠であると明言されているので。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

その上で、こう書いています。
+++++ 再掲A-2 ++++++++
一方で、[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアします。
 >IDの利点は、特定の変異でなぜ選択圧が働いたのかという、
 >自然選択に要求される説明の必要がなくなることです。
つまりID論が鳥の進化をより合理的に説明できるという根拠が述べられていますから。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

Ken様に理解してほしいのは、再掲A-1と再掲A-2との違いです。



 >>キリスト教原理主義系のサイトで、(略)
 >矛盾があるなら、矛盾を解消するか、もしくは自然選択以外の代案を考えるかの
 >どちらかとは思いませんか?
思いますよ。

 > >>268>>269で述べたように、創造論を今の私たちの知識体系で説明することはできるのです。
説明することができるかどうかは、基準2とは無関係です。

これも、引用された箇所の前後を含めると、こう書いています。
+++++ 再掲B-1 ++++++++
1つは、進化論の否定だけを根拠にした創造論です。
キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点(本当に矛盾かどうかは別の議論が必要ですが)などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論するものがあったように思います。
本当にあったかどうか、その点は私の記憶が曖昧で申し訳ないのですが、とにかくこういった論法が基準2違反の疑似科学になります。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

そして引用された箇所の少し後に、こう書いています。
+++++ 再掲B-2 ++++++++
もし創造論の根拠は聖書にそう書かれているから、世界を創造した神様が語られた真実を記述したものが聖書だから、といった論法だったら、取り敢えず基準2はクリアします。
少なくとも対立仮説の否定“だけ”が根拠ではないので。
+++++ 再掲ココまで ++++++++

Ken様に理解してほしいのは、再掲B-1と再掲B-2との違いです。

313ゲジゲジ:2023/03/02(木) 21:18:27 ID:bXWY2Oy2
もしかして、こう書いたら分かりやすいでしょうかね?


自然選択では説明できない進化がある。よってIDが生物の進化に介入した。
(2018年1月22日(火)23時28分9秒に述べられたID論)
  → NG

自然選択では説明できない進化がある。そのような進化はIDが目的をもって進化させたと考えると合理的に説明できる。よってIDが生物の進化に介入した。
(275で述べられたID論)
  → OK


自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → NG

自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → OK


前に挙げた事例についても、なぜOKだったか、もういちど整理してみましょうか?


地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。
  → NG

地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。一方で各惑星が太陽を周回すると想定すれば複雑な動きを考えなくてよい。よって太陽を中心に地球が周っている。
(実際にコペルニクスが提唱した仮説)
  → OK

地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。そもそも太陽神アポロは地球神ガイアより偉いので中心にいるべきである。よって太陽を中心に地球が周っている。
  → OK


鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。よって、鳥は樹上から進化した。
  → NG

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。一方で、木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに翼があれば、距離を延ばしたり運動を制御できる。よって、鳥は樹上から進化した。
(実際に提唱されている樹上モデル)
  → OK

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。一方で、木の聖霊は生物を高所へと誘うパワーを秘めている。よって、鳥は樹上から進化した。
  → OK

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。また、鳥が樹上から進化したことを示す化石は見付かっておらず、最初期の鳥類は走行に適した脚の構造をしていた。よって、鳥は地上から木に駆け上がることによって進化した。
  → NG

鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。また、鳥が樹上から進化したことを示す化石は見付かっておらず、最初期の鳥類は走行に適した脚の構造をしていた。一方で、現生鳥類の中に翼を羽ばたかせながら地上から木に登る者がいる。よって、鳥は地上から木に駆け上がることによって進化した。
(実際に提唱されている駆け上がりモデル)
  → OK


如何でしょう?
基準2に違反する仮説と、そうではない仮説との違いをご理解いただけたでしょうか?



尚、他にいくつか言及を頂いている内容がありますが、今の論点ではないので一旦保留します。
但し以下だけ、回答しておきましょう。議論の内容自体と関係ないので。

 >すると問題は1と3ですか。ではその議論の中で論証されることを期待します。
 >でも、それならなぜ2から始めたのですか?

1つずつ、納得をして頂いて、合意を取ってから進めて行く必要があると考えています。
基準2は差し当たっていちばん合意が得られやすそうなので、手始めにここから取り掛かっています。

314Ken:2023/03/03(金) 21:12:42 ID:royALY2s
>複数の論点の並列進行はできません
>に違反します。

現論点の基準2でない質問に回答してはいけないなら、質問もいけません。早くも合意を破ってるのはあなたです。

>よく考えた上での回答がほしいので、すぐには答えてほしくない質問を、敢えて今の段階でしています。
>それまでよく考えておいてください。熟考に熟考を重ねた上での回答を期待します

合意破りの弁解になってません。私がどれだけの時間をかけて考えるかは私の問題で、あなたが口を出すことではありません。私の回答の内容のみを判断すればよいのです。

>検証もしないで正しくないという前提に立たれたのですか? そして検討すべき仮説の候補から除外されたのですか?

それが誤解だといってます。

世界5分前説は、正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。そして、正しいという仮定をおくのと、正しくないという仮定をおくのでは、その後の考察が異なります。

世界5分前説が正しいなら、鳥の進化どころか、あらゆる進化の考察は無意味で、問題になるのは5分前説を説明するメカニズムでしょう。一方、正しくないなら、進化を考察する意味がでてきます。

正しいという仮定では、コンピュータ・シミュレーションというメカニズムを提示しました。そして今は正しくないという仮定の下に鳥の進化を論じ、先祖の恐竜が地上を走ってたといってます。後者の話が続いてるのは、その質問が出たからです。前者の仮定での質問があるなら回答します。

A-1とA-2との違いとは、つまり「自然選択で説明できない」だけでは違反だが「自然選択に要求される説明の必要がなくなる」と入ってれば違反でないということですか?

でも、自然選択で説明できないという理由で代案を考えるなら、その代案は自然選択で説明する必要がないものに決まってるではありませんか。A-1とA-2は同じことをいってると思いませんか?

315ゲジゲジ:2023/03/09(木) 02:16:12 ID:.HOIJOVk
まずは基準2に決着を付けることを優先しましょう。

[>>312]と[>>313]で具体例を挙げましたが、どこまで納得できて、どこからどこまでが納得できないのか明示していただけますか?

 >自然選択で説明できないという理由で代案を考えるなら、
 >その代案は自然選択で説明する必要がないものに決まってるではありませんか。
 >A-1とA-2は同じことをいってると思いませんか?

納得がいかないのはA-1とA-2だけでよろしいでしょうか?
B-1とB-2は納得されましたか?
[313]で挙げた例はいかがでしょう?

1つ1つ確認しながら進めたいので、よろしくお願いします。

316Ken:2023/03/10(金) 00:18:07 ID:royALY2s
結論からいえば、NGとされた例は、OKとされた例の論点を含んでます。

[B-1とB-2]
聖書の記述に基づくのは両者共通です。B-2はそれをいってるだけですが、B-1はさらに対立仮設である自然選択を否定するという補強をしてます。OKにしやすいのはむしろB-1でしょう。

>>313の例もB-1とB-2のように記号化してもらうと便利なのですが、とにかく説明します。

>自然選択では説明できない進化がある。よってIDが生物の進化に介入した。 → NG
>自然選択では説明できない進化がある。そのような進化はIDが目的をもって進化させたと考えると合理的に説明できる。よってIDが生物の進化に介入した。 → OK

「ID」自体が目的をもって進化させるという意味ですから、後者がOKなら前者もOKのはずです。

>自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。 → NG
>自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。 → OK

B-1とB-2と同じですね。「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた」なら「聖書は神様ご自身の言葉」ではありませんか。前者のみをNGにする理由がありません。

余談ですが、聖書を神が書いたという主張はありません。神の直筆は十戒やダニエル書の壁書などだけで、聖書自体は神の啓示を受けた人々(モーセ、イザヤ、エゼキエル、エズラ他)が書いたとされてます。人間が書いたものだから不完全なことは(私が知る限り)信仰を持つ人も承知してます。

>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。 → NG
>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。一方で各惑星が太陽を周回すると想定すれば複雑な動きを考えなくてよい。よって太陽を中心に地球が周っている。 → OK

「地球が中心では複雑だから太陽が中心」といえば、そこには当然「太陽が中心なら複雑ではない」が含まれます。言わずとも分かることを端折ってるにすぎません。

鳥の進化の樹上モデルも同様です。NGとされた例も、樹上モデルの力学的考察が前提です。そもそもそういう考察が無ければ「樹上モデル」という具体論にならず、単に「走行モデルは間違い」といえるだけです。

列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。基準2の定義を「馬鹿でも分かる親切な説明になってないのは疑似科学」に変更されますか?

最後の例だけはロジックが異なります。現存する鳥の例を挙げるのは、駆け上がりモデルの根拠ではなく、補強にすぎません。現存する例が見つからないから疑似科学というなら、進化の仮説は疑似科学だらけになってしまいます。

317ゲジゲジ:2023/03/11(土) 01:53:25 ID:.HOIJOVk
 >結論からいえば、NGとされた例は、OKとされた例の論点を含んでます。

どうやら、「NGとした例がOKとした例の論点を含んでいるか否か?」に議論の論点は集約されそうですね。


===== 以下、前置き =====

さて[>>304]で、以下の順序で議論を進める予定と申し上げました。

2)実際に対立仮説の否定だけを根拠にした仮説(疑似科学になる)の具体例

3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明

4)以上を踏まえて、どうして対立仮説の否定だけを自説の根拠にしてはいけないのか? 対立仮説の否定だけを自説の根拠にすると疑似科学になってしまうのか? を説明

具体例を挙げましたが納得が頂けませんでしたので、挙げた具体例について説明が必要になりました。
が、その説明は4)で想定していた内容になります。
しかも、その答えはKen様のコメントの中にあります。
というわけで、予定を変更して2)の次に4)をご説明します。


 >313の例もB-1とB-2のように記号化してもらうと便利なのですが、

失礼しました。
正直なところ、[313]で挙げた具体例に反論されて、そこからの議論が必要になるとは想定していませんでした。
議論になると想定していたら、議論の中で提示しやすいように記号化するのですが、私の考えが甘かったです。


 >列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。
 >基準2の定義を「馬鹿でも分かる親切な説明になってないのは疑似科学」に変更されますか?

Ken様向けの説明として、それもよいかもしれませんね。
率直に申し上げて、「深読み」しすぎです。
せっかく疑似科学になる例を挙げているのに、わざわざ疑似科学にならないように解釈されるのですから・・・


どこから説明するか悩みましたが、鳥の進化の樹上モデルと、天動説/地動説に基づいて説明しましょう。
他の例も基本的に同じですから。

318ゲジゲジ:2023/03/11(土) 01:54:21 ID:.HOIJOVk
===== ココから本題 =====

 >>鳥の進化の走行モデルでは、翼を広げると走行の障害になり、走行に適した脚は重くて飛行の障害になる。よって、鳥は樹上から進化した。  → NG
 >NGとされた例も、樹上モデルの力学的考察が前提です。

前提ではありません。どこにも樹上モデルの力学的考察など書いてないですよね。

 >そもそもそういう考察が無ければ「樹上モデル」という具体論にならず、単に「走行モデルは間違い」といえるだけです。

その通りです。だからこの例はNGなんです。

つまり、走行モデルの否定だけで、樹上モデルの力学的考察なしに樹上モデルを提唱したら、それは疑似科学になりますよ、というのが基準2なのです。
別の言い方をすると、走行モデルの否定“だけ”を根拠に樹上モデルを提唱したら疑似科学、ということです。

もちろん、実際に提唱されている樹上モデルは力学的考察を前提にしていますよ。だから基準2違反ではないのです。


 >>地球を中心に天体が周っていると考えると複雑な系になる。よって太陽を中心に地球が周っている。 → NG
 >「地球が中心では複雑だから太陽が中心」といえば、そこには当然「太陽が中心なら複雑ではない」が含まれます。言わずとも分かることを端折ってるにすぎません。

「地球が中心では複雑だから」といって、「太陽が中心なら複雑ではない」とは言えません。
「地球が中心では複雑だから」から言えることは、「地球は中心ではない」ということだけです。

地球が中心であることを否定しただけなら、月を中心としたモデルだってあり得ます。木星とか土星を中心としたモデルだってあり得るでしょう。
そもそも地球も星々も動いていない、動いているように見えるのは幻覚か錯覚、という「天地不動説」だってあるかもしれません。
あるいは、ある時は太陽が中心となり、またある時は地球が中心となる、といったモデルも考えられます。

ではコペルニクスはなぜ、月を中心にしなかったのでしょうか? 木星を中心にしなかったのでしょうか? あるいはなぜ、「天地不動説」を提唱しなかったのでしょうか?
言うまでもありません。月や木星を中心にしたモデルでは、恐らく地球を中心にする以上に複雑になってしまうでしょう。「天地不動説」では、天体が動いているように見える幻覚や錯覚の仕組みが全く説明できません。
太陽を中心にすれば複雑にならなかったからこそ、コペルニクスは地動説を提唱したのです。

つまり、地球中心の否定だけで、太陽を中心にすれば複雑ではないということを言わずに地動説を提唱したら、それは疑似科学になりますよ、というのが基準2です。
別の言い方をすると、天動説の否定“だけ”を根拠に地動説を提唱したら疑似科学、ということです。


取り敢えず以上です。他の例も同じように考えてみてください。
まだ納得の行かない点はありますか?


===== 以下、余談 =====

 >>神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
 >余談ですが、聖書を神が書いたという主張はありません。神の直筆は十戒やダニエル書の壁書などだけで、聖書自体は神の啓示を受けた人々(モーセ、イザヤ、エゼキエル、エズラ他)が書いたとされてます。

「神様が」が主語、「創った」が述語、「世界を」が目的語です。
「5000年ほど前に」と「聖書に書かれた通りの手順で」は「創った」に係る修飾語句です。
つまり「神様が聖書を書かれた」とは言っていません。

319Ken:2023/03/11(土) 11:32:21 ID:royALY2s
なるほど、おっしゃる意味が分かりましたよ。

仮説を考える人は、その結論にいたる道をたどってるはずであり、その道が基準違反かどうかを判定すると思ってましたが、そうではない。別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。

言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、自説にストーリーがないからですね。

そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。どうやって「樹上モデル」や「太陽が中心」といった発想にいたるのでしょうか。たとえば、コンピュータをそういう形で樹上モデルに到達させるには、どういうプログラムを書けばよいのでしょうね。あなた自身は、基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?

おっしゃるような基準2なら、たしかに、世間で流布されてる違反例を見つけるのは不可能でしょう。本スレッドの原因になったID論も、本サイトの名称に含まれる創造論も、人為選択であれ、神の超能力であれ、とにかく何かのストーリーを想定します。ただ、物証がない弱点を補強するため、対立仮説の否定を材料にしてるだけですから。

それにdiamonds8888xさんの基準を継承するといわれましたが、ほんとうに「基準02」と同じという確信がありますか? はたして、現実に唱えられてる理論には無用の基準だったのでしょうか? 現在だけの話ではありません。近代科学成立前の時代を含め、おっしゃるような基準2に違反する事例などなかったはずです。

では、天地創造論もID論も、世に流布するものや私が説明したものは、基準2はクリアする、でよろしいですね。

320ゲジゲジ:2023/03/14(火) 23:02:43 ID:St9PUH7Q
どうしてここまで嚙み合わないのかと思ったのですが、どうやら基準以前に問題がありそうです。どうも基準を適用する対象が異なっているようです。

 >(略)別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。
その通りです。

 >(略)対立仮説の否定で済ませるのは、(略)自説にストーリーがないからですね。
なるほど、そういう言い方もできますね。同意します。


さて、問題はここからです。

 >そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。(略)
 >基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?
さあ? 思考プロセスのことなど考えてもみませんでした。言われてみれば、そんな発想は相当に無理がありますね。

 >おっしゃるような基準2なら、たしかに、世間で流布されてる違反例を見つけるのは不可能でしょう。
難しいとは言いましたが、不可能とは言っていません。[>>312]で挙げた[A-1]と[B-1]は違反例です。[B-1]は実際に世間で流布されている違反例です。

 >ほんとうに「基準02」と同じという確信がありますか?
完全に同じかと言われるとdiamonds8888x様に確認が取れない以上なんとも言えませんが、少なくとも「いい線」まで同じである確信はあります。

 >はたして、現実に唱えられてる理論には無用の基準だったのでしょうか?
現実に唱えられている理論に有用な基準です。

 >近代科学成立前の時代を含め、おっしゃるような基準2に違反する事例などなかったはずです。
ありました。

 >(略)世に流布するものや私が説明したものは、基準2はクリアする、でよろしいですね。
よくありません。


「基準2」については恐らく合意できたのですよ。それなのになぜ? と思って考えてみた結果が冒頭の通りです。

と、いうわけで、いったん基準の話は中断します。基準以前のところ、そもそも基準を何に適用するのか? という点を確認しましょう。

私事ですみませんが、今週いっぱいはまた忙しいです。1週間以内には続きを書きますが、それまでお待ち頂いても、ここまでの内容で回答を頂いても構いません。

結論だけ申し上げておきます。
Ken様は「思考のプロセス」に基準を適用されていたようですが、私は思考のプロセスなどある意味どうでもよく、「主張のロジック」を基準に基づいて判定しています。

321Ken:2023/03/15(水) 00:17:12 ID:royALY2s
>[>>312]で挙げた[A-1]と[B-1]は違反例です。[B-1]は実際に世間で流布されている違反例です。

[A-1]と[A-2]は同じだと>>314で述べました。[B-1]の要点は以下の部分ですね。

〜キリスト教原理主義系のサイトで、自然選択説の矛盾点などを色々と指摘した上で、だから神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創ったのが正しい・・・と結論する〜

どの原理主義サイトをご覧になったのか知りませんが、ぜひそのサイトをもう1度チェックしてください。創造論を信じる理由は聖書であって、自然選択の矛盾点は補強材料だと分かるはずです。それなら[B-2]と同じでしょう。

322Ken:2023/03/15(水) 22:18:34 ID:royALY2s
よく見れば、私の指摘に納得されてるではありませんか。

>言われてみれば、そんな発想は相当に無理がありますね。

そのとおりです。自然選択を否定しても、自然選択の具体イメージが消えるだけで、天地創造の具体イメージは生じません。天地創造の具体イメージを与えるのは聖書またはそれに類する記述です。

まして、おっしゃるようなキリスト教原理主義なら、聖書の記述が思考の元になってるはずです。極端な原理主義なら聖書を根拠に挙げておわりでしょうが、中には補強のために自然選択を否定する場合もあるでしょう。でも、それは補強であって根幹ではありません。

もしかしたら、そのサイトの特定の記事は、自然選択の難点を指摘することに特化してるかもしれず、その記事だけをみれば、基準2違反に見えるかもしれません。でもサイト全体の趣旨をみれば、必ず、天地創造の具体イメージを与える、聖書のような文書を根拠にしてるはずです。まずは、そのサイトを紹介してください。

おっしゃるような基準2に反対はしませんが、基準2に違反する発想は、やりたくてもできないと言ってます。

323ゲジゲジ:2023/03/16(木) 20:38:28 ID:St9PUH7Q
時間がないので少しだけ。


+++++ 以下再掲 ++++++++
自然選択説には矛盾点がある。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → NG

自然選択説には矛盾点がある。一方で聖書には神様が世界を創られた経緯が書いてあり、聖書は神様ご自身の言葉である。よって、神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。
  → OK
+++++ 再掲ココまで ++++++++


「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。


要するにNG例はこう主張しているのです。
世界は聖書の記述通りに創られた。なぜなら進化論は間違っているからである。

対してOK例はこういう主張です。
世界は聖書の記述通りに創られた。なぜなら聖書は世界を創った神様ご本人の言葉だからである。

OK例は聖書が正しいとするストーリーがありますが、NG例にはそれがありません。


来週以降、もう少し丁寧に解説します。

324Ken:2023/03/16(木) 23:41:12 ID:royALY2s
>「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。

いや、どう考えても創造論の根拠は聖書でしょう。(ティレルのような例外は別です。)

聖書を信じる根拠はむろん聖書ではありません。それを信じる人にとっては、現実に観察される事象が聖書の記述で合理的に説明されるのです。

例えば1963年に亡くなったC.S.ルイスという英国の作家がいます。この人はキリスト教について分かりやすい解説をしたことで知られてますが「Mere Christianity」という著書の最初の数章で、彼が神を信じる理由は人間の精神作用だと述べてます。人間は、良いことと悪いことを区別し、たとえ自分に不利になっても、良いことをせねばならないという意識を持ってるというのです。でも、自分や子孫の不利になることを「良いこと」と思うのは、進化の法則に反するではないか。そうなると「神が自分に似せて人を作った」という聖書の記述が説得力をもってくる、というわけです。

ルイス説が正しいかは問題ではありません。信仰をもつ人は、そのように自分で観察できる事象に基づいてバイブルを聖典とみなし、その聖典に書かれた創造論を信じてるのだと言っておきます。Mere Christianityはオンラインで公開されてるので、関心があればチェックしてみてください。
archive.org/details/merechristianity00lewi_1/mode/2up

来週以降で結構ですが、何よりも、自然選択を否定するだけでの根拠で、創造論が正しいと言ってるサイトの紹介をお願いします。

325Ken:2023/03/19(日) 13:40:35 ID:royALY2s
この文章は意味が通ってないと思います。
   ↓

>「神様が5000年ほど前に聖書に書かれた通りの手順で世界を創った。」という理論の根拠は、聖書ではあり得ませんよ。それだと「聖書の根拠は聖書」という主張になってしまいます。

よく考えてください。神が、

初日に光を作り昼と夜を分けた
2日目に空と水と地を分けた
3日目に植物を作った
4日目に日と月と星を作った
5日目に水中生物と飛行生物を作った
6日目に人を含む陸上生物を作った

というステップで世界を創造したという説の情報源は創世記の第1章です。「聖書に書かれた通りの手順」は、上記のステップを言い換えただけで、特定の文書の記述を根拠に、特定の事象があった、といってるだけです。

「聖書の根拠は聖書」とはまったく異なるロジックなのが分かりますか?


「なぜ聖書の記述を信じるのか?」

という問いに、

「聖書だから」

と回答するなら、おっしゃるような論理ループに落ちるでしょう。

326ゲジゲジ:2023/03/23(木) 22:28:48 ID:e9kexqF.
お待たせしました。

まず、もういちど論点を整理しましょう。

基準2:理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
これについてはお互いの認識が一致しましたよね。

[>>319]
 >別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。
 >言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、
 >自説にストーリーがないからですね。
このご発言に私も同意しました。

 >そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。(略)
 >基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?
つまり、そのような思考プロセスは不可能であろうというご指摘ですね。
このご指摘についても私は同意しました。

その上でKen様は、そもそも不可能な、やりたくてもできない思考を敢えて禁止するような基準が必要なのか? そんな基準に意味があるのか? 不可能な思考なのだから、過去から現在に至るまで基準に違反するような事例はあり得ないではないか? と仰っているものと認識しています。

私としてはこの点に同意ができず、[>>320]で、思考のプロセスなどある意味どうでもよく、「主張のロジック」を基準に基づいて判定するのだ、と申し上げました。


つまり論点は以下の③です。
① 対立仮説の否定だけで自説の根拠を述べないのは疑似科学(基準2違反)⇒ 合意
② 対立仮説の否定だけで自説の根拠を想定しない思考プロセスなど不可能 ⇒ 合意
③ やりたくてもできないのだから基準2違反はあり得ない。よって基準は無意味。⇒ 不合意


さて、③の論点について説明するために、基準2違反の具体例として「新しい地球の創造論」を挙げました。
しかしKen様からは、「新しい地球の創造論」は対立仮説である進化論の否定だけを根拠にはしていない、聖書の記述がこの世界の様々な観察事実を合理的に説明できると考えられることが根拠である(と当人たちは信じている)、という反論がありました。

しかし本来の論点は上記の③です。
Ken様が仰るように創造論が進化論の否定だけを根拠とはしていなかったとして、それは私が挙げた具体例が適切ではなかった、というだけの事です。
従って、創造論の根拠は何か? という論点は余談に過ぎません。


というわけで
===== 以下、余談 =====
[>>322]
 >まずは、そのサイトを紹介してください。
記憶にあったのは『創造論再評価』というサイトでしたが、ずいぶん前に閉鎖されています。
・世界は聖書の創世記にあるように7日間で作られた。
・昔は大量の水の層が地球を覆っていた。
・その水が雨となって「ノアの洪水」が起こり、やがて地球内部に吸収された。
・洪水の時に大陸が時速50〜70キロメートルという速度で現在の位置まで移動した。
こうした「仮説」を唱えていたのですが、その根拠を読んだ記憶がありません。

このサイトは今はありませんが、似たようなサイトがないか調べてみました。
ttps://www.gotquestions.org/Japanese/Japanese-creation-evolution.html
ttps://www.christiantoday.co.jp/articles/12706/20140128/creationist-ken-ham.htm

前者は創造論を明確に主張はしていませんが、進化論の否定をして、創造論こそが正しいと匂わせています。
後者はとにかく聖書に書かれている文字通りが正しいのだと主張しています。

どちらも私には、創造論が正しい根拠を述べているようには読み取れません。

327ゲジゲジ:2023/03/23(木) 22:29:40 ID:e9kexqF.
===== ココから本題 =====

以前にdiamonds8888x様が「間違って疑似科学を提唱してしまうことはあり得る」というような事を仰っていましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?
また、基準を理解することによって、疑似科学を提唱してしまった人に忠告をして、疑似科学ではなくなるように理論を修正するようアドバイスする事ができる、といったような事も仰っていました。

私もdiamonds8888x様の一言一句を覚えているわけではありませんが、上記のような内容だったと記憶しています。該当のコメントを探すのは大変なのでご勘弁願いたいですが、最初の「基準01」が提示されるよりも前だったかと思います。


さて、ここから何が言えるかというと、
【本質的に同じ理論であっても、提唱のしかたによって、疑似科学になったりならなかったりする場合がある】
という事です。

更に言うと、
【基準は提唱のしかたに適用される】
という事です。


樹上モデルの力学的な考察のプロセスなしに、走行モデルの否定だけで樹上説を発想するのは無理があるでしょう。
しかし樹上モデルの力学的な考察を言わずに、走行モデルの否定だけで樹上説を主張する事は容易にできてしまいます。

太陽中心のモデルなら複雑にならないという考察を経ないで、天動説だと複雑だというだけで地動説に行き着くのは無理でしょう。
しかし天動説の複雑さだけを述べて地動説を主張する事は容易です。

容易だからこそ、本当は色々な思考プロセスがあったとしても、うっかりそれを言うのを忘れて、対立仮説の否定だけを根拠に自説を主張してしまう可能性はあり得ます。そして、その場合にその主張は疑似科学になります。

あるいは、その思考プロセスを述べる事を忘れないための戒めとして、基準2があるという事もできると思います。また、うっかり疑似科学を提唱してしまった人に対して、きちんと仮説の思考プロセスを述べるよう促す事で、その仮説が疑似科学でなくなるようアドバイスができます。


===== 結論 =====
③ やりたくてもできないのだから基準2違反はあり得ない? よって基準は無意味?
   ↓
思考する事はできなくても、主張する事は容易にできる。
よって間違えて疑似科学を主張してしまわないために、また間違えて疑似科学を主張してしまった人に疑似科学ではなくなるようアドバイスするために、基準2は有効。

<ポイント再掲>
基準は思考プロセスではなく、主張のロジックに適用される。

【つづく】


続きは以下を予定しています。2〜3日中には投稿しようと思います。それまでお待ち頂いても、ここまででコメント頂いても構いません。

・実際に基準2違反になりがちなケースはどういうケースか?
・diamonds8888x様が敢えて基準2を提示された理由(私の推測ですが)

328Ken:2023/03/25(土) 00:36:48 ID:1if/XLUo
まず「本題」の方から。

つまり、基準違反になる「自説にストーリーがない」とは、提唱者の脳内にストーリーがないという意味ではなく、脳内のストーリーを言葉で十分に説明してない、という意味ですか? それなら、私が>>316で述べた

>列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。

と同じではないのですか。

そもそも、説明が十分であるかは聞く側の知見で異なります。鳥の進化を例にとると、

〜走行モデルに力学的な無理があるから樹上モデルが正しい〜

とAが語り、Bには十分な説明だが、Cには不十分ということがあるでしょう。ムササビの生態を知ってるAとBには樹上モデルの力学は自明だが、初心者のCには懇切な説明が必要というように。すると、Aの理論はBには疑似科学ではないが、Cには疑似科学になるのですか? いったい、どれほどの初心者までカバーするのですか?

それに、十分な説明とは、どこまで掘り下げるのでしょうか。例えば、樹上モデルの力学を、

〜樹上からジャンプすると大気による揚力が生じる〜

と説明したとします。でも、これでは「なぜ大気が揚力を生じるのか」の説明が欠けてます。説明抜きで樹上モデルを唱える代わりに、説明抜きで大気の揚力を唱えただけだから、基準違反にはかわらず、

〜空気の分子が運動している〜

と、さらなる説明が必要になります。しかし今度は「なぜ空気の分子が運動するのか」が説明されてません。そこで

〜太陽の輻射エネルギーが分子の運動エネルギーに変換される〜

と説明すれば、次は「なぜ電磁波が分子の運動を起こすのか」と来ます。いったいどこまでゆけば疑似科学でなくなるのでしょうか? 原子の振る舞いを支配する量子力学までいたるのですか? でも、鳥の進化を語る人が、そこまでの説明をするでしょうか。あなた自身ならやりますか?


「余談」の方にもコメントします。

>前者は創造論を明確に主張はしていませんが、進化論の否定をして、創造論こそが正しいと匂わせています。

原文の方を読みました。べつに進化論を否定してません。進化論を理由に神を否定するのは誤りとはいってます。

>後者はとにかく聖書に書かれている文字通りが正しいのだと主張しています。

では基準2に沿ってるではありませんか。

329ゲジゲジ:2023/03/26(日) 22:32:49 ID:1hpPc2HA
 >つまり、基準違反になる「自説にストーリーがない」とは、
 >提唱者の脳内にストーリーがないという意味ではなく、
 >脳内のストーリーを言葉で十分に説明してない、という意味ですか?
その通りです。
より正確に言えば、提唱者の脳内にストーリーがあるか否かに関係なく、とにかくストーリーが十分に説明されていない、という事です。後で述べるつもりですが、実際に提唱者の脳内にストーリーがない場合もあり得ます。

 >それなら、私が>>316で述べた
  >>列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。
 >と同じではないのですか。
違います。

まず地動説を例にとりましょう。

===== [>>318]より再掲 =====
「地球が中心では複雑だから」といって、「太陽が中心なら複雑ではない」とは言えません。
「地球が中心では複雑だから」から言えることは、「地球は中心ではない」ということだけです。

地球が中心であることを否定しただけなら、月を中心としたモデルだってあり得ます。木星とか土星を中心としたモデルだってあり得るでしょう。
そもそも地球も星々も動いていない、動いているように見えるのは幻覚か錯覚、という「天地不動説」だってあるかもしれません。
あるいは、ある時は太陽が中心となり、またある時は地球が中心となる、といったモデルも考えられます。

ではコペルニクスはなぜ、月を中心にしなかったのでしょうか? 木星を中心にしなかったのでしょうか? あるいはなぜ、「天地不動説」を提唱しなかったのでしょうか?
言うまでもありません。月や木星を中心にしたモデルでは、恐らく地球を中心にする以上に複雑になってしまうでしょう。「天地不動説」では、天体が動いているように見える幻覚や錯覚の仕組みが全く説明できません。
太陽を中心にすれば複雑にならなかったからこそ、コペルニクスは地動説を提唱したのです。
===== 再掲ココまで =====

さて、Ken様は[>>319]で
 >別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。
 >言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、
 >自説にストーリーがないからですね。
と仰いました。

なぜ別の道を否定するだけではダメなのかといえば、別の1つの道(地球が中心)を否定しても、それ以外の道は無数にあり得るからです。ですから自身が提唱する結論(太陽が中心)を主張するなら、その結論が正しいとする道(ストーリー・根拠)を語る必要があるのです。


鳥の樹上モデルではどうでしょうか?

 >〜走行モデルに力学的な無理があるから樹上モデルが正しい〜

走行モデルに力学的な無理があるというだけなら、駆け上がりモデルもあり得ます。飛びかかりモデルもあり得ます。

走行・ジャンプモデルなんていうのもあり得ますね。
普段は翼をたたんで走行して、障害物や段差があった時に翼を広げてジャンプするのです。それによって障害物や段差、あるいは川などを飛び越えることができれば、外敵から逃げ切る可能性が高くなります。

高山モデルもあるかもしれません。
鳥の先祖は高山に棲んでいて、崖を跳び上がったり崖から飛び降りたりするのに翼を使うのです。

あるいはまた、求愛ジャンプモデル。
求愛の際にジャンプして、滞空時間が長い方が異性にモテるのです。ですから滞空時間が長くなる方向に進化して、やがて完全に飛行できるようになった、と考えるのです。

虫捕りモデルもあり得ます。
餌となる飛んでいる昆虫を翼でたたき落とすのです。翼が大きくて力強く羽ばたけた方が、より効率的に虫をたたけるでしょう。


こんな具合に、走行モデルの否定だけなら対立仮説は無数にあり得ます。その中で樹上モデルを主張するなら、樹上モデルに至るストーリー、即ち樹上モデルが正しいとする根拠が必要、というのが基準2です。

330ゲジゲジ:2023/03/26(日) 22:35:13 ID:1hpPc2HA
さて、[327]では続きとして
・実際に基準2違反になりがちなケースはどういうケースか?
・diamonds8888x様が敢えて基準2を提示された理由(私の推測ですが)
を述べると申し上げましたが、予定を変更して、以下を先にご説明します。


===== [>>310]より再掲 =====
では[>>304]で述べた
3)光の粒子説・波動説を例に、対立仮説の否定だけを自説の検証としてよい特殊な場合というのは、どういう場合なのか説明
については、思考実験をしてみましょう。

18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たか?
逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、光粒子説の根拠になり得たか?
===== 再掲ココまで =====

いちど「次はこうする」と申し上げておきながら変更が多いかとは思いますが、Ken様の回答を踏まえた上で、より効果的に説明する順序を考えた上でのことですので悪しからず。


というわけで、まず結論から言ってしまいましょう。

18世紀の知識体系において、もし「光が真空を伝わる/必ず直進する」が否定されたとしたら、それは光波動説の根拠になり得たと考えられます。
逆にもし「光が互いにすり抜ける」が否定されたとしたら、それは光粒子説の根拠になり得たと考えられます。

では、なぜそう考えられるのか? なぜ他の道を否定するだけで、自説のストーリーを述べなくてよいのか?


Ken様はこのように仰っていましたよね。
[>>311]
 >18世紀の知識体系では「空間を動くなにものか」は、粒子と波動しか知られてませんでした。
 >ただし、その2つ以外にないという証明もありませんでした。
 >粒子と波動の二者択一なら、一方の否定が他方の根拠になるでしょうが、
 >現実には、二者択一かもわからないのに、対立説の否定を自説の根拠にしてました。

しかし現実問題として18世紀の知識体系で、粒子と波動以外に第三の「空間を動くなにものか」は想定する事さえ困難だったのではないでしょうか? 「2つ以外にない」という事を証明するのは「悪魔の証明」です。「ない」事は証明できませんが、粒子と波動の2つ以外に思い付く事さえできないのであれば、それは実質的に「2つ以外にない」と考えるしかありません。

従って18世紀の知識体系において事実上、光の正体は粒子か波動かの二者択一でした。そして二者択一であれば、一方の道を否定できれば、自分の道をたどるストーリーを敢えて述べなくても、自説が正しいという結論を導くことができます。

つまり考え得る仮説の選択肢が限定されている場合は、自説のストーリーを述べなくても基準2に違反しない例外と言えます。
逆に言えば、天動説を否定した地動説であれ、鳥の進化の走行モデルを否定した樹上モデルであれ、他に無数の仮説があり得る場合は、自説に至る根拠を述べなければならない、というのが基準2です。

331Ken:2023/03/27(月) 22:24:10 ID:LLAvBpbg
>>329

私が>>328で指摘したのは以下の点ですよ。

説明(ストーリー)が語られないのは、必要もないほど自明だからではないのか?

鳥の進化の例でいうと、

〜走行モデルには力学的な無理があるから、樹上モデルが正しい〜

は違反と言われますが、樹上モデルの力学的合理性は明らかだから、ことさら言及してないだけでは、という場合です。つまり「樹上モデル」という言葉の中に、ムササビのように樹上からジャンプし、大気の揚力を利用して滑空する意味が含まれるから、わざわざの説明がない、ということです。

そのような「言わなくても分かる」という主張は認められないというなら、それはそれで1つの基準でしょう。ゆえに、

〜走行モデルには力学的な無理があるから、大気の揚力を利用する樹上モデルが正しい〜

と言い直すとします。しかし、主張には必ず説明をつけるべきとなると、上の例でも違反例です。なぜなら「大気の揚力」という言葉だけがあり、揚力がなぜ働くかの説明がないからです。

そうなると、>>328で述べたように、

〜揚力がはたらくのは、空気の分子が運動してるから〜
〜空気の分子が運動するのは、太陽の輻射エネルギーが分子の運動エネルギーに変換されるから〜
〜太陽の輻射エネルギーが分子の運動エネルギーに変換されるのは、電磁波が荷電粒子を動かすから〜
   ・
   ・

と、どこまでも理由を掘り下げてゆかねばならず、結局は量子力学の話になるのでしょう。脳内ストーリーにおいてはそうあるべきかもしれませんが、実際の言葉に出すとき、尋ねられる前に、そこまでの説明をやるのですか? あなたご自身が樹上モデルを提唱するとして、そんなことをやりますか、というのが>>328の問いかけです。

>>330

18世紀には、粒子でも波動でもない第3の存在を想定することはできなかったのは、そのとおりです。すくなくとも観測された事象はこの2つでした。そして、今の自然選択とIDにも同じ関係が成立します。

生物の進化を起こす事象は、繁殖に有利な特徴をもつ個体がもたない個体を淘汰する自然選択と、意図をもつ干渉者による品種改良の2つしか観測されてません。ゆえに、自然選択の否定がIDの肯定につながるではないか、というのが、当初からの私のID論になります。

332ゲジゲジ:2023/03/30(木) 03:30:44 ID:RZSOBCoY
[>>328]

 >>列挙されたNG例に問題があるなら、説明が少し不親切なことでしょうか。
 >と同じではないのですか。
[329]で違います、と申し上げました。

Ken様が仰っているのは「揚力が発生する」ということですよね。「力学的合理性」とは違うのではないでしょう?
「揚力が発生する」ことは自明ですよ。しかしそれは「前提」であって、樹上モデルがストーリーとしているのは「樹上モデルにおいて揚力が発生することは力学的合理性がある」ということではないですか?


[>>331]
 >説明(ストーリー)が語られないのは、必要もないほど自明だからではないのか?
 >〜走行モデルには力学的な無理があるから、樹上モデルが正しい〜
 >は違反と言われますが、(略)
 >つまり「樹上モデル」という言葉の中に、ムササビのように樹上からジャンプし、
 >大気の揚力を利用して滑空する意味が含まれるから、わざわざの説明がない、ということです。
 >そのような「言わなくても分かる」という主張は(略)

「ムササビのように樹上からジャンプし、大気の揚力を利用して滑空すること」は力学的合理性があるのですか? どのように合理的ですか? それは「言わなくても分かる」ほど自明なことですか?


 >〜走行モデルには力学的な無理があるから、大気の揚力を利用する樹上モデルが正しい〜

「大気の揚力を利用する樹上モデルは力学的に合理的である」ことは言うまでもなく自明なことですか?


少し考えて頂きたいので、今回は取り敢えずこの辺にしておきます。


===== 以下、余談 =====
 >と、どこまでも理由を掘り下げてゆかねばならず、結局は量子力学の話になるのでしょう。
 >(略)あなたご自身が樹上モデルを提唱するとして、そんなことをやりますか

樹上で揚力がはたらくことを説明したいのだったら、私だったら少し高い位置(といっても2メートルぐらい)から紙飛行機を飛ばします。掲示板で議論している時だったら、紙飛行機の折り方を説明しているサイトを調べて紹介します。
鳥の進化を語る上で「揚力がはたらく」ということさえ分かれば、原理に関する知見など不要です。

333Ken:2023/03/30(木) 22:03:57 ID:LLAvBpbg
脳内にストーリーがあることは納得されてるのですよね。それを言葉に出して説明しないから疑似科学になるのだと。

でも言葉に出しての説明がどこまで必要かは、聞き手に依るとは思いませんか? 一を聞いて十を知る人もいれば、百万言を費やしても説得できない人もいるのが人間です。

鳥の進化を考察する中で「樹上モデル」と聞くだけで、ムササビを想起して理解する人はいるはずです。私自身も、細部を知るため記事を読みましたが、「arboreal model」という名称だけで、基幹の想像はできましたよ。あるいは「大気の揚力」まで聞いて納得する人もいるが、これでもまだ納得できない人もいることでしょう。要するに人の問題ではありませんか。

また紙飛行機を見ただけで、樹上モデルを納得する人はいるでしょう。でも、紙飛行機の滑空を脊椎動物に応用できるのかと、疑問に思う人もいるはずです。材料、形状、重量、動作のすべてが異なる対象に応用するには、揚力の働きから理解せねばなりません。

紙飛行機を浮かせる揚力でも、脊椎動物には不足ということがありえます。紙飛行機なら飛ぶが、始祖鳥は飛べないということです。ということは、紙飛行機のモデルを鳥の進化に応用するには、どのような条件でどれだけの揚力が生じるかを考えねばならず、そのためには、揚力がなぜ働くのかを、つまり空気の分子運動を理解せねばなりません。

さらに、鳥が発生した環境に、空気の分子運動がどの程度あったかを判断するには、なぜ空気の分子が運動するかを知らねばなりません。このように、掘り下げが必要なのです。そうは思いませんか?

以上の理由により、

*ストーリーは、必ず言葉に出して説明するのか
*どこまで深い掘り下げを行うのか

と尋ねました。

334ゲジゲジ:2023/04/06(木) 23:18:25 ID:e9kexqF.
私事ですが、また忙しくなっておりまして、なかなか書き込む時間が取れずにいます。自分から提案した「1週間ルール」はなんとか守るようにしますが、投稿間隔が空いてしまうことをご容赦ください。

 >*ストーリーは、必ず言葉に出して説明するのか
必ず言葉に出して説明する必要があります。

 >*どこまで深い掘り下げを行うのか
基準2違反にならないためには、どこまで深い掘り下げを行う必要があるのか? という意味なら、特に掘り下げる必要はありません。鳥の樹上モデルで言えば、「力学的に合理的だから」とだけ言えばよいです。それで納得がいかない人は質問してきますから。

基準2をクリアした上で、疑似科学ではなくなった上で、どこまで掘り下げなければいけないかといえば、永遠に掘り下げ続けなければなりません。

 >また紙飛行機を見ただけで、樹上モデルを納得する人はいるでしょう。
 >でも、紙飛行機の滑空を脊椎動物に応用できるのかと、疑問に思う人もいるはずです。
 >材料、形状、重量、動作のすべてが異なる対象に応用するには、
 >揚力の働きから理解せねばなりません。

仰る通りです。
が、揚力の働きを理解しただけでは、恐らく不十分です。そもそも樹上モデルに納得しない人は、揚力を理解していないから納得していないとは限りませんよ。

ムササビが樹上から滑空できるからといって、始祖鳥やミクロラプトルが滑空できたとは限りません。両者は身体の構造が異なるからです。特にムササビの皮膜と鳥類の翼では、アスペクト比がかなり違うと思います。


[>>331]
 >説明(ストーリー)が語られないのは、必要もないほど自明だからではないのか?
 >〜走行モデルには力学的な無理があるから、樹上モデルが正しい〜
 >は違反と言われますが、(略)
 >つまり「樹上モデル」という言葉の中に、ムササビのように樹上からジャンプし、
 >大気の揚力を利用して滑空する意味が含まれるから、わざわざの説明がない、ということです。
 >そのような「言わなくても分かる」という主張は(略)

樹上モデルの力学的合理性は自明どころか、樹上モデルもまた、力学的に無理があるかもしれないのです。ですから樹上モデルのストーリーを検証する必要があります。検証はどこまで掘り下げても十分ということはありません。

ストーリーを言わなければ、検証する取っ掛かり、掘り下げる取っ掛かりがつかめません。ですから言葉に出す必要があるのです。

335Ken:2023/04/07(金) 21:36:21 ID:royALY2s
>>334

要するに仮説を提唱する人が、自分の説には合理性があると言葉に出せば、基準2をクリアするのですか? また、掘り下げる必要がないとは、つまり主張される「合理性」が本当に合理的かは問題にはならない、ということですか?

でも、それこそ自明のことをわざわざ言わせてるだけではないのでしょうか。どんな仮説であれ、提唱者自身は合理性があると信じてるに決まってるではありませんか。しかも本当に合理的かは問題ではないなら、基準2に何の意味がありますか。

>>302では、

>科学に関する真っ当な議論をしようとする誰もが受け入れるべき「基準」

と言われました。ということは、これは普遍的な基準であり、提唱者が、自説には合理性があるという発言をしないと、万人が疑似科学と見なすのですか?

そんな事例があるのでしょうか? ある人がある仮説を唱えながら、その説には合理性があると言葉に出して言わなかったという理由で、その仮説が疑似科学と見なされたということが。

336ゲジゲジ:2023/04/13(木) 22:08:14 ID:ex5oLAt.
 >自分の説には合理性があると言葉に出せば、基準2をクリアするのですか?
クリアしません。合理性があることの根拠を述べなければ。

以前、Ken様ご自身がこう仰っていましたよね。
[>>252]
 >このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、
 >少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。

今、論点になっているストーリーというのは、つまりは仮説に至る帰納なり演繹なりのプロセスです。「自説は合理的だから正しい」と主張したところで、それは「正しいから正しい」と言っているのと本質的に変わらないでしょう。


鳥の進化モデルの例では「力学的合理性」という言葉が出て来たので分かり難くなっているかもしれません。
(1)鳥の進化の樹上モデルは合理性がある
(2)鳥の進化の樹上モデルは力学的合理性がある

(1)と(2)は紛らわしいですが、論理構造が異なっていることにお気付きでしょうか? (1)は何の根拠もなく、ただ樹上モデルが合理的だと言っているだけです。(2)は力学的な観点における合理性を根拠に、そこから演繹的に樹上モデルを導き出したストーリーがあります。

(1)は検証の取っ掛かりがありません。それに対して(2)は、まずは力学的な観点で検証すればよいことが分かります。更に、仮に力学的に合理的だからといって、他の観察事実も踏まえた上で樹上モデルが合理的といえるのか、といった観点でも検証できるでしょう。
よって(1)は疑似科学、(2)は疑似科学ではありません。


 >また、掘り下げる必要がないとは、つまり主張される「合理性」が本当に合理的かは
 >問題にはならない、ということですか?

もちろん、問題になります。しかしそれって「基準3」なんですよ。

辞書を引くと、「合理的」とは「論理や道理にかなっているさま」とあります。「基準3」は仮説と矛盾との関係ですが、矛盾だらけの仮説が合理的であるわけがありませんよね。合理的でなければならないということは、矛盾がないか、または矛盾が少ないストーリーでなければならない、ということです。
また、仮説は検証できなければなりませんが、これは「基準1」です。

「基準3」と「基準1」は後々の論点ですから今は深入りしませんが、要するに仮説に至るストーリーというのは合理的で検証可能でなければならないわけです。しかしそれ以前に、そもそもストーリー自体を言わなかったら話にならないでしょう? というのが「基準2」なわけです。


 >それこそ自明のことをわざわざ言わせてるだけではないのでしょうか。

言わなくてもいいほど自明だったら、恐らく言っても疑似科学です。なぜなら検証する意味がないので「基準1」に違反です。とはいえ、「基準2」はそこまで求めてはいません。


 >どんな仮説であれ、提唱者自身は合理性があると信じてるに決まってるではありませんか

鳥の進化の樹上モデルを提唱者自身が合理的だと信じていることは自明でしょう。しかし樹上モデルに力学的合理性があることは決して自明ではありませんよ。


 >しかも本当に合理的かは問題ではないなら、基準2に何の意味がありますか。

率直なところ、基準2は必要ないと思っています。上で述べた通り、「基準2」違反は必然的に「基準1」と「基準3」にも違反しますから、敢えて「基準2」を別立てで設ける意味があるのかといえば、甚だ疑問です。
しかしだからこそ、なぜdiamonds8888x様が敢えて「基準02」として提示されたのかがポイントとなるでしょう。

337ゲジゲジ:2023/04/13(木) 22:09:36 ID:ex5oLAt.
さて、そもそもの経緯を振り返ってみましょう。

Ken様が第1掲示板に初めていらっしゃったのは、もう10年以上前でしたよね。
鳥の進化は自然選択では説明できない、ということを根拠に、ID論を主張されていました。
私も含め何人かが自然選択で説明可能であると反論しましたが、それに納得されたのかどうか明言されないまま、掲示板から撤退されました。

余談ですが、当時は樹上モデルを前提に主張を展開されていましたよね。
鳥の先祖は小型で軽量だから骨格にかかる応力は小さい。だから樹上から飛び降りた際の衝撃は大したことがないので、翼で揚力を発生させる意味がない、といったことを仰っていました。
そしてdiamonds8888x様から、飛び降りた際の衝撃は応力ではなく運動エネルギーだから、応力を理由に翼に意味がないとは言えない、といった反論がなされていました。

その後、たしか6年ほど経って、また第1掲示板に戻っていらっしゃいましたよね。
そこでは自然選択では説明できない進化の実態がある、ということを根拠にID論を主張されました。今度は自然選択で説明できない進化とは何なのか、具体的には明言されませんでした。
もしトウモロコシが、ヒトが品種改良したということが知られずに発見されたら、果たして自然選択で説明できるのか? といった思考実験を提示されたりしました。


本来であれば、鳥の進化が自然選択で説明できない進化の具体例であることを(つまり10年前の皆さんの説明は納得されなかったことを)明示された上で、ID論であればそれがいかに合理的に説明できるのか、を述べられるべきだったでしょう。

しかしそうはされずに、逆に2018年1月22日(火)23時28分9秒の投稿で
 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。
と仰っています。
つまり対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠で、ストーリーは“ない”と明言されてしまっています。


以上の経緯を踏まえて、diamonds8888x様は敢えて、対立仮説の否定だけで自説を肯定するストーリーを述べなければ疑似科学になるという「基準02」を提示されたのだと思います。
結局、Ken様がID論に至るストーリーを語られたのは2022/12/29(木)21:54:53の[>>275]でした。


[>>335]
 >そんな事例があるのでしょうか?
 >ある人がある仮説を唱えながら、その説には合理性があると言葉に出して言わなかった
 >という理由で、その仮説が疑似科学と見なされたということが。

2017年〜2018年頃にKen様が第1掲示板で語られていたID論が、正にその事例です。

あと、私としては「聖書に書いてある通りの手順で世界が作られたと主張する創造論」がその事例だと考えていますが、恐らくKen様は納得されないでしょう。
Ken様に納得してもらうにはどう説明したらよいかというのも悩ましいところですが、そもそも本来の論点ではなく派生した論点なので、どこまで説明に労力をかけるべきか、というのも悩みどころです。

338Ken:2023/04/14(金) 23:06:58 ID:vBaeMFMg
>>336
>(1)鳥の進化の樹上モデルは合理性がある
>(2)鳥の進化の樹上モデルは力学的合理性がある

(2)は「力学的」とあるから基準をパスするが、(1)はそれがないから疑似科学ですか?

でも、考えてみてください。鳥は樹上で進化したという主張から始まる、以下のような質疑応答を想定します。

1.鳥は樹上で進化した  →  なぜ鳥は樹上で進化したと考えるのか?
2.樹上モデルは合理的  →  なぜ樹上モデルは合理的なのか?
3.樹上モデルの力学が合理的  →  なぜ樹上モデルの力学が合理的なのか?
4.大気の揚力が働く  →  なぜ大気の揚力が働くのか?
5.空気の分子が運動する  →  なぜ空気の分子が運動するのか?
6.輻射エネルギーが運動エネルギーになる  →  なぜ輻射エネルギーが運動エネルギーになるのか?
7.電磁波が荷電粒子を動かす  →  なぜ電磁波が荷電粒子を動かすのか?
8.電気力が働く  →  なぜ電気力が働くのか?
  ・
  ・
  ・

最初の主張から始まって、質問があり、それに答えると次の質問があるという形式で、掘り下げが進みます。1→2→3→4→・・・と、内容は違えど、同じ形式の応答が進むのです。それぞれの質疑応答は、それぞれの段階で、掘り下げに必要なものです。

なぜ、ことさら2と3の間で、科学と疑似科学を分ける境界線をひくのでしょうか?
なぜ2の主張は問われる前に説明が必要だが、3は問われるのを待てばよいのですか?

>率直なところ、基準2は必要ないと思っています。

??????
では、なぜ基準として挙げたのですか?
diamonds8888xさんが基準02を出した理由なら、当人に尋ねればよいではありませんか。なぜ私を相手にそれを持ち出すのですか?

>>337
>対立仮説(自然選択)の否定“だけ”が根拠で、ストーリーは“ない”と明言されてしまっています。

引用された私の発言を見てください。ストーリーがないとは言ってません。

>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。

ないのはストーリーではなく証拠です。そこには、基準02にひっかかるのは、物証がない仮説だろうという想定があります。>>259>>261>>262>>263で挙げた例も、すべてストーリーはあるが物証がない仮説です。私はストーリーのない理論など発想しようがないと言ってるのですよ。

ということで、あらためて尋ねます。ストーリーがないという理由で、疑似科学と呼ばれる実例は、世のどこにあるのでしょうか?

そもそも、対立説を否定してるだけ、と世で批判される理論は、本当にストーリーがないという意味なのでしょうか? 何度か紹介したドーキンスの寄稿文を見てください。

www.theguardian.com/science/2005/sep/01/schools.research

たとえば、12番目の段落のこの部分です。

The equivalent evidential demand of creationism would be a complete cinematic record of God's behaviour

「ない」と言ってるのは、ストーリーではなく物証でしょう。

ご自身が、基準02を誤解されてるとは思いませんか?

339ゲジゲジ:2023/04/20(木) 22:15:52 ID:syCVGEcM
今、論点は、「ストーリー」か「物証」か? になったと認識しています。

ちょっと色々と調べたり、調べた内容を纏めたりしています。[338]の投稿から明日で1週間ですが申し訳ありません。もう少し時間をください。

とはいえ、せっかく書き込むので本来の論点からしたら余談を・・・


 >??????
 >では、なぜ基準として挙げたのですか?
 >diamonds8888xさんが基準02を出した理由なら、当人に尋ねればよいではありませんか。
 >なぜ私を相手にそれを持ち出すのですか?

diamonds8888xさんが基準02を出した理由を、私が知りたがっていると思われるのですか?
もし[337]を読まれた上でこの質問をされているなら、もっとよく読んでから投稿してください、と言いたいところです。

本来は基準1と基準3があれば十分ですが、Ken様がその手前の所で、自説のストーリーを述べられなかったから、敢えてdiamonds8888x様は基準02を出したのだろうと申し上げています。
そして、私自身も同様に考えているから、基準2を挙げています。

340Ken:2023/04/21(金) 00:06:11 ID:vBaeMFMg
>>339

それはおかしいでしょう。

基準2が不要なものなら、私がストーリーを述べようが述べまいが、本スレッドに無関係ではないですか。本当にストーリーがないと信じてるなら、信じていればよいのです。投稿にあらわれない限り、私は気にしません。

ときには余談もよいですが、無駄な脇道に時間をかけるのはやめてください。

わざわざ基準2を最初にもってきたから、よほど重要なものかと思いましたが。では、基準2は撤回されますか?

341ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:02:17 ID:wwD.RUUk
まずは話が逸れますが「evidence」について・・・

==== 英和辞典より ======
evidence
証拠、根拠、裏付け、証明

==== 英英辞典より ======
evidence
facts or signs that show clearly that something exists or is true

==== 国語辞典より ======
根拠:
物事が存在するための理由となるもの。存在の理由。

証拠:
事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。

物証:
物的証拠の略。

物的証拠:
裁判で、検証物・文書など、物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの。

==================

以上を前提に、Ken様が紹介されたドーキンスの寄稿文を見てみましょう。

たしかに、[>>338]で引用されている文章は「神の行動の完全な映画的な記録」と述べていますから、「evidence」は「物的な証拠」のニュアンスがやや強いかもしれません。
しかしその前の段落を読むと、創造論者が化石記録の不足を根拠に進化論を否定している旨が書かれています。従って当該文章は、創造論側の「進化論の物的証拠が不足している」という指摘に対する反論として書かれた一文であると解釈することができます。

他の箇所では、例えば8段落目と18段落目でこう言っています。

If ID really were a scientific theory, positive evidence for it, gathered through research, would fill peer-reviewed scientific journals.

These come from areas such as geology, paleontology, comparative anatomy, physiology, biochemistry, ethology, biogeography, embryology and - increasingly nowadays - molecular genetics.

「物証=物」が科学雑誌を埋める、というのはおかしいですよね。この場合の「evidence」は創造論を肯定する理論とか現象の報告と解するべきでしょう。
また、地質学の地層や古生物学の化石は「物証」でしょうけれど、比較解剖学や集団遺伝学は統計的なデータなどが「evidence」として扱われるはずです。



これらのことから、「evidence」は「物証」ではなく「証拠」、もしくは「根拠」と訳すのが適切でしょう。ドーキンスが「創造論にはない」と主張している「evidence」は、「物証」すなわち「物の証拠」に限定されると解釈しなければならない理由はないのです。


私は[>>304]で以下のように申し上げました。

 >Ken様の[>>259]より
  >>これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、
  >>太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、
  >>そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。
 >つまり、「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の根拠であり検証です。
 >決して天動説の否定“だけ”を検証としていません。
 (略)
 >次に鳥の進化の樹上モデルです。
 (略)
 >そして[>>275]
  >>結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。
 >まったくその通りで、力学的な合理性をもつことこそ、樹上モデルの根拠なのです。
 >決して走行モデルの否定“だけ”が根拠ではないのです。


ここでいう「根拠」を「証拠」、もしくは「evidence」と読み替えても意味は通ります。

つまり、地動説なら「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の「evidence」です。力学的合理性をもつことが樹上モデルの「evidence」です。「evidence」は「物証」とは限りません。

342ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:03:34 ID:wwD.RUUk
次は「ストーリー」についてです。

そもそも最初に「ストーリー」という言い方をされたのはKen様でしたよね。

[>>319]
 >仮説を考える人は、その結論にいたる道をたどってるはずであり、
 >その道が基準違反かどうかを判定すると思ってましたが、そうではない。
 >別の道を否定するだけで、自分は何の道もたどらず結論にいたるのが基準2違反ですか。

 >言い換えれば、対立仮説の否定で済ませるのは、自説に物証がないからではなく、
 >自説にストーリーがないからですね。

それに私も同意しました。
[>>320]
  >>(略)対立仮説の否定で済ませるのは、(略)自説にストーリーがないからですね。
 >なるほど、そういう言い方もできますね。同意します。


さて、「ストーリー」とは、仮説の結論に至る道筋です。以下は[338]ではスルーされてしまっていますが、重要なポイントなので再掲します。

===== 以下、[>>336]より再掲 =====
以前、Ken様ご自身がこう仰っていましたよね。
[>>252]
 >このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、
 >少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。

今、論点になっているストーリーというのは、つまりは仮説に至る帰納なり演繹なりのプロセスです。
===== 再掲ココまで =====

即ち、「ストーリー」とはより正確に言えば、何らかの根拠(観察事象や既知の理論)に基づいて仮説を導いた思考のプロセスです。従って「ストーリー」があるのであれば、必ずそこには根拠となった事象や理論があるはずなのです。そしてその根拠となった事象や理論は、仮説が提唱された後には、その仮説を裏付ける「evidence」の1つとなるはずです。


もし、Ken様が仰った「ストーリー」が上記の意味でないのであれば、[>>320]での同意を撤回します。その後の私の投稿の「ストーリー」という語句は、「根拠に基づく思考のプロセス」と読み替えてください。そしてKen様の仰った「ストーリー」の意味を教えて頂きたいと思います。


さて、Ken様は、こうも仰っています。
 >[>>319]
 >自説にストーリーがないからですね。
 >そんな思考プロセスが現実に可能ですかね。(略)
 >基準違反の覚悟があれば、そんな発想をできると思いますか?

 [>>338]
 >ないのはストーリーではなく証拠です。
 >そこには、基準02にひっかかるのは、物証がない仮説だろうという想定があります。
 > >>259>>261>>262>>263で挙げた例も、すべてストーリーはあるが物証がない仮説です。
 >私はストーリーのない理論など発想しようがないと言ってるのですよ。

ストーリーがあるということは根拠があるということですし、根拠があるということは「evidence」があるということです。Ken様が挙げられた仮説はすべて、「物証」はありませんが「evidence」はある仮説です。

そもそもストーリーのない理論を発想することは不可能でしょうけれど、根拠のないストーリーもまた、発送することは不可能ではないでしょうか? 単に「こうだといいなぁと思うから」などと言ったところで科学的仮説にはなり得ないですよね?

もし、Ken様の仰った「ストーリー」が「根拠に基づく思考のプロセス」のことではなく、根拠に基づかない「ストーリー」があり得るのだとすれば、その具体例を教えて頂きたいです。



【まとめ】
ストーリーとは、根拠に基づいて仮説を導く思考のプロセスである。
よって、ストーリーがあるということは根拠があるということ。ストーリーがないということは根拠がないということ。
そして、その根拠は仮説の「evidence」の1つとなる。従ってストーリーがあるなら「evidence」がある。「evidence」とは仮説が正しいことを裏付ける「証拠」であって、「物証」に限定されない。


【質問再掲】
1.
Ken様が仰った「ストーリー」が根拠に基づいて仮説を導くプロセスのことでないとしたら、「ストーリー」の意味を教えてください。

2.
根拠に基づかずに仮説を導く「ストーリー」があり得るとお考えでしたら、その具体例を教えてください。

343ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:06:45 ID:wwD.RUUk
[>>338]
 >>>336
 >>(1)鳥の進化の樹上モデルは合理性がある
 >>(2)鳥の進化の樹上モデルは力学的合理性がある
 >(2)は「力学的」とあるから基準をパスするが、(1)はそれがないから疑似科学ですか?

結果を表面的にだけ見ればそういうことになりますが、「力学的」と入るか否かによって意味がまるで違っていることをご説明していますよね。


 >でも、考えてみてください。
 >鳥は樹上で進化したという主張から始まる、以下のような質疑応答を想定します。
 >(略)

Ken様も考えてみてください。


まず「合理的」という言葉ですが、これはコンピューターの「0か1か」みたいな言葉ではないですよね。
矛盾だらけの理論より、矛盾が少ない理論の方が合理的と言えます。
少ないとはいえ矛盾がある理論よりも、矛盾がまったくない理論の方が合理的です。
複雑怪奇な理論よりも、シンプルな理論の方が合理的です。

では複雑怪奇だけれど矛盾がない理論と、シンプルだけれど矛盾がある理論とでは、どちらが合理的でしょうか?
これは理論の内容によってケースバイケースでしょう。
また、本質的な所で矛盾があるか、枝葉末節での矛盾かによっても異なってきます。

要するに、「合理的」とか「合理性」というのは相対的な指標だということです。絶対的な「合理性」などというものは恐らくない、ということです。


また、「力学的合理性」という言葉は[>>275]で出てきています。
 >結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。(略)
 >ムササビのような樹上生活者がジャンプする生活様式にこそ、飛行へいたる道があるでしょう。

具体的には[>>262]で書かれていますね。
 >ムササビのように木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、
 >羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できるので、
 >それを利点として進化を重ね飛行能力にいたったというものです。
 >これなら走行モデルのような力学的な無理はありません。

則ち「力学的合理性」とは、「木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、羽根があれば距離を延ばしたり運動を制御できること」だと解釈できますね。


それともう1つ。
 >1.鳥は樹上で進化した
とありますが、これは樹上モデル仮説の内容ですね。但し「1.樹上モデル」と言い換えたのでは意味が通りませんから、「1.樹上モデルは正しい」と言い換えるべきでしょう。

344ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:07:59 ID:wwD.RUUk
以上を前提として・・・

1.樹上モデルは正しい  →  なぜ樹上モデルは正しいと考えるのか?
2.樹上モデルは合理的

2a.樹上モデルが合理的だったら、樹上モデルは正しいか?
2b.樹上モデルが合理的でなかったら、樹上モデルは正しくないか?

きちんと論じようとすると、そもそも科学の仮説が「正しい」とはどういうことか? その定義から始めなければなりませんが、少なくとも合理的な仮説の方が、合理的でない仮説よりは正しい可能性が高いとは言えます。一方、合理的でない仮説が正しいはずはありませんね。

つまり2が成立すれば必ず1は成立し、もし2が成立しなければ必ず1は成立しません。2と1は、ほとんど同じことを言い換えているに過ぎないとも言えます。また、2には樹上モデルの何がどのように合理的なのか、具体性がありません。従って仮説そのものの合理性を主張したところで、それでは仮説が正しい「evidence」にはなりません。


2.樹上モデルは合理的  →  なぜ樹上モデルは合理的なのか?
3.樹上モデルの力学が合理的

3a.樹上モデルの力学が合理的だったら、樹上モデルは合理的か?
3b.樹上モデルの力学が合理的でなかったら、樹上モデルは合理的でないか?

鳥の先祖が木から木へ飛び移ったり地上に落下するときに、翼があることで距離を延ばしたり運動を制御できたりしたら、樹上モデルは合理的と言えるでしょうか?
既にKen様も指摘されているように、鳥の先祖の脚の構造は走行モデルを示唆しているように見えます。樹上モデルは足の構造が矛盾しています。
更に、木から木へ飛び移ったり木から地上に滑空するには、まず木に登らなければなりません。鳥の先祖は木に登れたのでしょうか? 木に登れるような身体の構造をしていたでしょうか?
鳥の進化がテーマだったら深く突っ込んで議論するところですが、要するに力学的に合理的だからといって、樹上モデルの仮説そのものが合理的であるとは限らないのです。

では樹上モデルの力学が合理的でなかったら、鳥の先祖が木から木へ飛び移ったり地上に落下したりするときに、翼によって距離を延ばしたり運動を制御できなかったとしたら、樹上モデルは合理的ではないのでしょうか?
合理性というものが相対的な指標であることを踏まえると、樹上から飛び降りる際に空気抵抗で落下速度を緩めることができるだけでも、走行モデルや他のモデルに比べて合理的である可能性はあります。

つまり、3が成立しても2が成立するとは限らず、また3が成立しなくても2が成立する可能性があります。よって3は「検証すべき2のevidence」です。


3.樹上モデルの力学が合理的  →  なぜ樹上モデルの力学が合理的なのか?
4.大気の揚力が働く

4a.大気の揚力が働くと樹上モデルの力学は合理的か?
4b.大気の揚力が働かなかったら、樹上モデルの力学は合理的でないのか?

大気の揚力が働いたとしても、果たして鳥の先祖が滑空できたかどうか疑問です。体重や重心、体重に対する翼の面積、アスペクト比・・・。それらを前提にした場合、滑空するにはどれくらいの初速度が必要か? 鳥の先祖の脚力で、その初速を得るほど力強くジャンプできるのか?
こうした点を総合的に検討しないと、揚力が働いたからといって樹上モデルが力学的に合理的かどうかは何とも言えないでしょう。

一方、4bの方は必ず成立するような気がします。
いずれにしても、4が成立しても必ずしも3が成立するとは言えません。4は「検証すべき3のevidence」です。


4.大気の揚力が働く  →  なぜ大気の揚力が働くのか?
5.空気の分子が運動する

5a.空気の分子が運動すると、大気の揚力が働くのか?
5b.空気の分子が運動しないと、大気の揚力は働かないのか?
  ・
  ・
  ・


さて、
 >なぜ、ことさら2と3の間で、科学と疑似科学を分ける境界線をひくのでしょうか?
 >なぜ2の主張は問われる前に説明が必要だが、3は問われるのを待てばよいのですか?

2→1が成立することは自明ですが、3→2が成立することは自明ではないからです。

このことは[>>336]で回答済みだったのですが、スルーされたようでしたので少し詳しくコメントしました。

  >>それこそ自明のことをわざわざ言わせてるだけではないのでしょうか。
 >言わなくてもいいほど自明だったら、恐らく言っても疑似科学です。なぜなら検証する意味が
 >ないので「基準1」に違反です。とはいえ、「基準2」はそこまで求めてはいません。
  >>どんな仮説であれ、提唱者自身は合理性があると信じてるに決まってるではありませんか
 >鳥の進化の樹上モデルを提唱者自身が合理的だと信じていることは自明でしょう。
 >しかし樹上モデルに力学的合理性があることは決して自明ではありませんよ。

345ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:08:31 ID:wwD.RUUk
最後に余談に対するコメントに対して

[>>340]
 >基準2が不要なものなら、私がストーリーを述べようが述べまいが、
 >本スレッドに無関係ではないですか。

基準2が不要だなどと言っていませんよ。
一般論として基準2は不要だが、Ken様がストーリーを述べなかったから本スレッドにおいては必要だと言っています。
diamonds8888x様もそのように考えたからこそ、基準02として提示されたのだろうと申し上げています。


 >わざわざ基準2を最初にもってきたから、よほど重要なものかと思いましたが。
 >では、基準2は撤回されますか?
撤回するわけがないでしょう?
本スレッドにおいて基準2は重要です。
diamonds8888x様も重要だと考えていたと推測します。

346Ken:2023/04/27(木) 23:32:03 ID:vBaeMFMg
ちょっと待ってください。私には「余談」と片付ける話とは思えません。

基準2が不要である理由として、>>336にて、

>「基準2」違反は必然的に「基準1」と「基準3」にも違反します

と言われました。それなら、1と3があればよいはずです。なぜ、わざわざ別項目を立てるのですか?

まずは、この点を説明してください。

上記が説明されたら基準2の内容に関して問題点となることを、あらかじめ挙げておきます。

>「物証=物」が科学雑誌を埋める、というのはおかしいですよね。

どこがおかしいのですか? まさしく映像記録のような物証の報告が科学雑誌にない、と言ってるではありませんか。物証の報告がないのは物証がないから、というのが彼の論旨でしょう。

>比較解剖学や集団遺伝学は統計的なデータなどが「evidence」として扱われるはずです。

統計的なデータとは物証を集めて整理したものです。統計解析なしで物証だけ提示することはあっても、物証なしで統計解析をすることはありません。要するに統計解析とは「物証がありますよ」という主張にほかなりません。

どちらも問題になるのは物証の有無のはずです。

しかし、最も重要な問題点は以下の部分です。

>1.樹上モデルは正しい  →  なぜ樹上モデルは正しいと考えるのか?
>2.樹上モデルは合理的
>つまり2が成立すれば必ず1は成立し、もし2が成立しなければ必ず1は成立しません。

2の成立は1の成立を必然的には導きません。合理的な説明は樹上モデルの他にもあるかもしれませんから。

347Lurker:2023/04/28(金) 00:16:39 ID:???
底の抜けたバケツに水を入れるのは徒労感が強いですね

348ゲジゲジ:2023/04/29(土) 08:04:18 ID:wwD.RUUk
 >ちょっと待ってください。私には「余談」と片付ける話とは思えません。

余談で片付けてなどいませんよ。

****** 以下[>>339]より再掲 *************
とはいえ、せっかく書き込むので本来の論点からしたら余談を・・・
 >??????
 >では、なぜ基準として挙げたのですか?
 >diamonds8888xさんが基準02を出した理由なら、当人に尋ねればよいではありませんか。
 >なぜ私を相手にそれを持ち出すのですか?
diamonds8888xさんが基準02を出した理由を、私が知りたがっていると思われるのですか?
もし[337]を読まれた上でこの質問をされているなら、もっとよく読んでから投稿してください、と言いたいところです。
****** 再掲ココまで *************

「よく読んでから投稿してください」というのが余談と申し上げました。


****** 以下[>>336]より再掲 ************
率直なところ、基準2は必要ないと思っています。上で述べた通り、「基準2」違反は必然的に「基準1」と「基準3」にも違反しますから、敢えて「基準2」を別立てで設ける意味があるのかといえば、甚だ疑問です。
しかしだからこそ、なぜdiamonds8888x様が敢えて「基準02」として提示されたのかがポイントとなるでしょう。
****** 再掲ココまで *************

ポイント、すなわち「重要な点」だと申し上げています。


 >基準2が不要である理由として、>>336にて、
  >>「基準2」違反は必然的に「基準1」と「基準3」にも違反します
 >と言われました。それなら、1と3があればよいはずです。
 >なぜ、わざわざ別項目を立てるのですか?
 >まずは、この点を説明してください。

説明済みです。よく読んでください。その上で、理解できない点や納得のいかない点があったら、具体的に質問してください。




 >上記が説明されたら基準2の内容に関して問題点となることを、あらかじめ挙げておきます。
説明済みですから以下にコメントします。


 >まさしく映像記録のような物証の報告が科学雑誌にない、と言ってるではありませんか。

****** 以下[>>341]より再掲 ************
If ID really were a scientific theory, positive evidence for it, gathered through research, would fill peer-reviewed scientific journals.
****** 再掲ココまで *************

言っていないではありませんか!


****** 以下[>>341]より再掲 ************
==== 英和辞典より ======
evidence
証拠、根拠、裏付け、証明

==== 英英辞典より ======
evidence
facts or signs that show clearly that something exists or is true

==== 国語辞典より ======
根拠:
物事が存在するための理由となるもの。存在の理由。

証拠:
事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。

物証:
物的証拠の略。

物的証拠:
裁判で、検証物・文書など、物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの。
****** 再掲ココまで *************

科学の仮説において「evidence」が「物証」でなければならない理由をお答えください。




 >しかし、最も重要な問題点は以下の部分です。
  >>1.樹上モデルは正しい  →  なぜ樹上モデルは正しいと考えるのか?
  >>2.樹上モデルは合理的
  >>つまり2が成立すれば必ず1は成立し、もし2が成立しなければ必ず1は成立しません。
 >2の成立は1の成立を必然的には導きません。
 >合理的な説明は樹上モデルの他にもあるかもしれませんから。

導きます。よく読んでください。
そして、大して重要な問題点ではありません。(「evidence」の定義の方がはるかに重要)

349Ken:2023/04/29(土) 13:30:45 ID:vBaeMFMg
>説明済みです。よく読んでください。その上で、理解できない点や納得のいかない点があったら、具体的に質問してください。

私がストーリーのない主張を述べたのが原因ですか? たとえそうだとしても、それは必然的に基準1と3によって疑似科学と判定されるのですよね。それなら別項目を挙げる必要などないでしょう、と言ってます。

A1:奇数を2で割り切ることはできない
A2:10より大きい奇数を2で割り切ることはできない

B1:生命の発生は30億年前より新しいことはない
B2:生命の発生は20億年前より新しいことはない

A2とB2はどちらも正しく、これに違反する主張は正しくないと判定されることでしょう。しかし、A2とB2に違反する主張は、必然的にA1とB1に違反するのだから、すでにA1とB1があるなら、どこの誰がA2やB2を独立した判定基準に設定しますか?

>言っていないではありませんか!

これはドーキンスの文章を私とは異なる解釈をされてるのですか?

The equivalent evidential demand of creationism would be a complete cinematic record of God's behaviour

創造論の証拠に求められるもの(evidential demand)は、神の行為の完全な記録映像と言ってますよ。記録映像は物証ではないと言われてるのでしょうか?

1つ忠告しますが、本スレッドのような議論の中で、言葉の解釈を辞書に頼るのは、やめたほうがよいです。たとえばこれらの例ですが、

>証拠:
>事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。
>物証:
>物的証拠の略。

見れば分かるように、抽象的な言葉を別の抽象表現で置き換えてるだけです。本当の説明は具体例であるべきです。私は物証の具体例として記録映像や、あなたが物証ではないと言われた統計解析を挙げました。

>科学の仮説において「evidence」が「物証」でなければならない理由をお答えください。

科学理論の価値を決するのは、現実の観測だからです。手間とコストをかけて実験を行う理由はそこにあるのでは? ともあれ、あなたが物証ではないevidenceの例に挙げたのは、いずれも物証です。はじめに問題にされた私の発言ですが、

>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。

最初にどう解釈されたかはともかく、私の意が物証にあることは、その後の展開で明らかなはずですよね。

>導きます。よく読んでください。

よく読むのはこの部分ですか?

>少なくとも合理的な仮説の方が、合理的でない仮説よりは正しい可能性が高いとは言えます。

それはそうです。でも合理的な仮説が複数あったら、その中の1つをただちに結論とすることはできません。鳥の進化の説明が樹上モデルで決着しないのは、他の説にも一定の合理性があると考えられてるからでしょう。加えて、私はIDにも合理性があるといってます。

あなたが樹上モデル以外の諸説やIDを合理的と考えるかは、今の問題ではありません。合理性のある説明が複数ある場合の対応を論じてるだけですから。

350ゲジゲジ:2023/04/30(日) 15:15:53 ID:wwD.RUUk
 >私がストーリーのない主張を述べたのが原因ですか? たとえそうだとしても、
 >それは必然的に基準1と3によって疑似科学と判定されるのですよね。
 >それなら別項目を挙げる必要などないでしょう、と言ってます。

私が本スレッドに参加している目的は、Ken様に科学と疑似科学との違いを理解して頂くことにあります。diamonds8888x様が本スレッドを立ち上げたのも、それが目的だったと判断しています。

そもそもはKen様の、「ID論を疑似科学扱いするのは『ID論は疑似科学という結論』ありきなのではないか」という疑問に端を発しているものです。そうではない、ということを説明するために、科学と疑似科学とを区別するいくつかの「基準」を提示しているわけです。

一方でKen様としては、提示された「基準」が本来の科学をも疑似科学と誤認定してしまうのではないか? よって結局のところ、「基準」はダブルスタンダードで適用されるのではないか? という懸念があって、それを「検証」されようとしているのですよね?

基準2(diamonds8888x様が提示した基準02)については、diamonds8888x様との議論がなされないまま、Ken様なりの「検証」がなされ、本来の科学を疑似科学認定してしまうという「結論」が導かれました。[>>259]、[>>261]、[>>262]、[>>263]

基準2違反が必然的に基準1と基準3にも違反するので一般論としては基準2は不要であったとしても、ken様に科学と疑似科学との違いを理解して頂く上で、上記の誤解を解いて頂くことは非常に重要だと考えています。

同様のことはミケ様も指摘されています。決して私の「独りよがり」の見解ではない、ということを示すために参考までに・・・

==== 以下、ミケ様の投稿[>>267]より引用 ======
基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/56)
この基準は、ID論が自然選択説を否定することによってしか自説を正しいと言えないことに関連しています。

Kenさんは、理論Bを否定すること(のみ)によって理論Aを正しいとしようとするこの「基準02」と、
理論Aの予測と理論Bの予測を比較し、理論Bに当てはまらず、理論Aにより当てはまる通常の科学的な検証を区別できていなようです。
Kenさんが違反例として挙げたものの大半は後者に当たります。
==== 引用ココまで ======

この説明でKen様が納得されるかどうか分かりませんが、納得されなくても理解して頂きたい。あまりこの論点に時間を割きたくありません。今、最も重要な論点は次ですから。

【結論】
Ken様がストーリーのない主張を述べられたので、科学と疑似科学の違いを理解して頂くために、基準2を説明することは重要だと判断しています。

351ゲジゲジ:2023/04/30(日) 15:16:56 ID:wwD.RUUk
色々と論点が拡散しそうになっていますから、最も重要な1点に絞りたいと思います。


「物証」の定義を教えてください。
同じ質問をもう少し突っ込んで言うと、「物証」と「物証ではない根拠・証拠」とを判別する基準を教えてください。


質問の背景をご説明します。
統計データが「物証を集めて整理したもの」という理由で「物証」であるならば、コペルニクスの地動説モデルも鳥の樹上モデルも「物証」になるのではないか、ということです。

地動説モデルは何もない所からポンっと出てきた発想ではありません。天体の観測データがあって、それらのデータを太陽を中心としたモデルにしたらシンプルに合理的に説明できたということです。まさに「物証を集めて整理したもの」ではありませんか? 天動説とは言わば「整理の仕方」が違っていただけで。

鳥の樹上モデルも同様です。樹上モデルを提唱している研究者は、例えば始祖鳥やミクロラプトルの化石といった「物証」から体重を推定したり翼のアスペクト比を計測したりして、そのデータを現生鳥類やムササビといった生きている「物証」のデータと比較するなどして、鳥の先祖が滑空や羽ばたき飛行ができた可能性を探っているはずです。まさに「物証を集めて整理したもの」を根拠にしているとは言えませんか?

統計データが「物証」で、これらが「物証」ではないとするならば、それを見分ける基準は何か? というのが質問の意図です。



論点を絞ったので以下は余談になりますが・・・

==== 以下、余談だけれど論点に関連 ======

 >これはドーキンスの文章を私とは異なる解釈をされてるのですか?
The equivalent evidential demand of creationism would be a complete cinematic record of God's behaviour
 >創造論の証拠に求められるもの(evidential demand)は、神の行為の完全な記録映像と言ってますよ。記録映像は物証ではないと言われてるのでしょうか?

その文章ではドーキンスはそう言っていますよ。
しかしこの文章では、
If ID really were a scientific theory, positive evidence for it, gathered through research, would fill peer-reviewed scientific journals.
研究を通じて収集された肯定的な「evidence」としか言っていませんよ。


結局、Ken様が提示された上の文章の「神の行為の完全な記録映像」が、この寄稿文の全体に掛かるのか、当該文章の「evidential demand」だけに掛かるのか、の解釈の違いです。
私は当該文章だけに掛かると解釈していますし、その理由は[>>341]で述べている通りです。

即ち、「evidence」を「物証」と訳すのは間違いではないですか? と申し上げていました。


が・・・

ここに来て、そもそも「物証」の定義が私とKen様とで異なっている可能性が濃厚になってきました。で、上記の質問につながります。



==== 以下余談(?) ======
以下は上の論点の展開次第によって、余談になるかもしれませんし、関連する重要な論点になるかもしれません。忘れないように今の段階で挙げておきます。

 >本当の説明は具体例であるべきです。
なぜ本当の説明は具体例であるべきなのか?
恐らく、
 >科学理論の価値を決するのは、現実の観測だからです。
と回答されると思いますが・・・

  >>科学の仮説において「evidence」が「物証」でなければならない理由をお答えください。
 >科学理論の価値を決するのは、現実の観測だからです。
どうして科学理論の価値を決するのが現実の観測だと、科学の仮説において「evidence」は「物証」でなければならないのか?


==== 以下余談 ======
これは今のところ完全に余談です。後々に重要な論点になるかもしれませんし、まったくどうでもいい話になるかもしれません。どちらに転ぶかちょっと予測がつきません。

 >よく読むのはこの部分ですか?
  >>少なくとも合理的な仮説の方が、合理的でない仮説よりは正しい可能性が高いとは言えます。

もっと全体を読んでください。[>>332]辺りからの流れを確認してください。
そもそも何の話をしているのか? 何に対する説明として書いているのか?

 >それはそうです。
 >でも合理的な仮説が複数あったら、その中の1つをただちに結論とすることはできません。
 >鳥の進化の説明が樹上モデルで決着しないのは、
 >他の説にも一定の合理性があると考えられてるからでしょう。
仰ることには100パーセント同意します。しかし本論点には無関係です。

 >加えて、私はIDにも合理性があるといってます。
仰ることに同意はしませんが理解はします。しかし本論点には無関係です。

 >合理性のある説明が複数ある場合の対応を論じてるだけですから。
本論点において、合理性のある説明が複数ある場合の対応を論じるべきではありません。

352Ken:2023/04/30(日) 21:45:45 ID:vBaeMFMg
>>350

>上記の誤解を解いて頂くことは非常に重要だと考えています。

ですから、基準2違反が必然的に1と3の違反につながるなら、1と3を論じる過程で、私の「誤解」が明らかになるはずでしょう。ストーリーがないから対立説の否定で済ませる行為は、1と3の違反になるのですよね。

それなら、なぜ1と3を論じる中で、今の話をしないのですか?

生命の発生は30億年以上前という主張の説明過程で、少なくとも20億年以上前と論じるのはよいですよ。でも30億年以上前という基準を立てたあとで、20億年以上前を別個の基準に立てる意味はないではありませんか。

>>351

まず、仰るような地動説と樹上モデルの「物証」を、記録映像と同列に見なすことはできません。状況証拠と物的証拠以上の違いがあります。

地動説については、以下のことも留意してください。

まず、地動説のシンプルさは正しさの根拠にならないことです。どんな分野でも、よりシンプルな理論が確立されたら望ましいでしょうけど、それだけで正しい理由にはなりません。

次に、観測データの整理といっても、私たちが利用する統計手法とは、信頼性が異なります。統計解析で導かれる結論は、信頼性が数値評価されますよね。たとえば「P社のワクチンはCOVID-19の重症化防止に有効か」という課題に対し、「本当は有効ではないのに、サンプルの偏りのせいで有効とされてしまう確率は5%以下」というような結論を出します。5%を有意と考えるかは人によって違っていても、5%であることは同意されます。

さらに、詳しく話すと長くなりますが、16世紀の地動説には、当時の知見では説明できない矛盾があったのですよ。観測される物証に依るなら、むしろ「地動説は誤り」という結論が妥当でした。それでも「天動説は複雑」という理由で、地動説は提唱されたのです。

樹上モデルについては、肝心なことを忘れておられます。

>鳥の先祖が滑空や羽ばたき飛行ができた可能性を探っているはずです。

それは当然のことです。羽ばたいて飛行する生物の先祖は、その機能を未熟な形で有したことでしょう。でも、問題はそこにはありません。そのような機能をどういう進化をたどって獲得したのか、という点にあります。樹上モデルを唱えるなら、始祖鳥やミクロラプトルが飛行できた物証ではなく、樹上生活をしていた物証が必要です。

>私は当該文章だけに掛かると解釈していますし、その理由は[>>341]で述べている通りです。

>>341の説明でも理由が分かりません。

>「物証=物」が科学雑誌を埋める、というのはおかしいですよね。

物証の報告が科学雑誌を埋める、という話のどこがおかしいのでしょうか?

>どうして科学理論の価値を決するのが現実の観測だと、科学の仮説において「evidence」は「物証」でなければならないのか?

物証とは現実に観測される事象ではありませんか。統計解析を含むあらゆる考察も、はじめに物証が必要です。逆に尋ねますが、物証から出発しない「evidence」の例を挙げられますか?

>仰ることには100パーセント同意します。しかし本論点には無関係です。

なぜですか? 複数の候補の1つに過ぎないのに、何のストーリーもなく、その1つを選ぶのは、基準2違反ではないのですか?

353Ken:2023/05/01(月) 01:53:52 ID:vBaeMFMg
錯綜してきたので整理します。基準2が提示されたそもそもの原因は、私のこの発言でした。

>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。

ここでの「証拠」という言葉をストーリーと解されたことから始まったのですね。これに対して、私は2つの点を指摘しました。

1点目は、ここでの「証拠」は>>259から>>263にかけて論じたような物証の意味であること。
2点目は、ストーリーのない理論など発想のしようがないこと。

1については同意を得られたものと思います。もし「証拠」という言葉が辞書的にストーリーと定義されるとしても、それなら用語を変えればよいだけです。最初の発言を、

>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す物証はありません。

と言い直しても一向にかまいません。

残るは2ですが、「ストーリーがないという理由で疑似科学と判定されてる理論」がどこにあるのか、という問いかけへの回答がまだありません。最初の私の発言はそうではないのだから、それ以外の事例が必要です。

事例を挙げられないのなら、基準2に違反する理論など発想不可能であり、したがって基準2には存在の意味がないという考えを続けるしかありません。

基準2の内容に深入りするよりも、この点に注力すべきです。

354ゲジゲジ:2023/05/02(火) 07:17:07 ID:wwD.RUUk
 >>上記の誤解を解いて頂くことは非常に重要だと考えています。
 >ですから、基準2違反が必然的に1と3の違反につながるなら、1と3を論じる過程で、
 >私の「誤解」が明らかになるはずでしょう。
 >ストーリーがないから対立説の否定で済ませる行為は、1と3の違反になるのですよね。
 >それなら、なぜ1と3を論じる中で、今の話をしないのですか?

こういう説明では如何でしょう?

そもそも各「基準」は以下のようなものです。

==== [>>302]より =====
基準1:反証可能性の有無
これについてはdiamonds8888x様の基準01を踏襲します。

基準2:理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
これもdiamonds8888x様の基準02を踏襲します。

基準3:矛盾との関係
これはKen様が[>>268]で述べられている通り、diamonds8888x様の基準03〜基準06をまとめて扱います。
==== 再掲ココまで =====

基準1は、仮説の内容(その内容には述べられたストーリーを含む)に反証可能性があるか? が論点になります。

基準3は、仮説の内容(その内容には述べられたストーリーを含む)に矛盾があるかないか? そして矛盾がある場合にどうするか? が論点になります。

そして基準2は、そもそもストーリーが述べられなければダメだ、というのが論点です。

基準2違反は必然的に基準1と3の違反につながりますが、論じる論点がそれぞれ異なるのです。もしKen様がストーリーを述べられていれば、基準2は基準1か基準3のどちらかを論じる際に話の「余談」として、「おまけの話」として論じれば良かったわけです。しかしKen様がストーリーを述べられなかったので、論点の異なる基準2は別立てで説明する必要があった、ということです。

それに現状を見てください。
基準2は「ストーリーがなければダメだ」と言っているだけなのですよ。にもかかわらず、そこからさまざまな論点が派生して錯綜しているではありませんか!
これを基準1や基準3の中で扱っていたら、どうなっていたと思います? もう、あちらの論点とこちらの論点とがグチャグチャになって、収拾がつかなくなるとは思われませんか?

私も基準2を敢えて別立てにした段階ではここまで考えてはいませんでしたが、今の議論の状況を見る限り、やはり基準2を別立てにしていて正解だったと思うし、別立てにしなければならなかったと思います。

如何でしょう? この説明では納得頂けるでしょうか?
気が付いたらいつの間にか、複数の論点を同時並行で扱うという「ルール違反」状態に陥っていますね。まずはこの論点「基準2を別立てにしたのはなぜか?」を片付けましょう。

【結論】
Ken様がストーリーのない主張を述べられたので、論点の異なる基準2は、敢えて別立てにして説明する必要がありました。

355Ken:2023/05/02(火) 21:02:41 ID:vBaeMFMg
>これを基準1や基準3の中で扱っていたら、どうなっていたと思います? もう、あちらの論点とこちらの論点とがグチャグチャになって、収拾がつかなくなるとは思われませんか?

基本論題としては1または3の中で、ステップの1つとして、ストーリーの問題を集中的に論じればよいのです。

また、基準2の論題をこのまま続けるにせよ「グチャグチャ」になってる現状を収拾するために、>>353で提案をしました。

>「ストーリーがないという理由で疑似科学と判定されてる理論」がどこにあるのか、という問いかけへの回答がまだありません。最初の私の発言はそうではないのだから、それ以外の事例が必要です。

まずは、この回答をされてはいかがでしょうか。

356ゲジゲジ:2023/05/04(木) 00:10:58 ID:wwD.RUUk
 >基本論題としては1または3の中で、ステップの1つとして、
 >ストーリーの問題を集中的に論じればよいのです。

でも基準2は基準1とも基準3とも「別物」ですよ。
基準1と基準3は、ストーリーがある事を前提に、その内容が問われるのですから。

[>>349]
 >A1:奇数を2で割り切ることはできない
 >A2:10より大きい奇数を2で割り切ることはできない
 >B1:生命の発生は30億年前より新しいことはない
 >B2:生命の発生は20億年前より新しいことはない

ちょっと例が適切ではないと思います。A1もA2も同じ「2で割り切れるか」という基準です。B1とB2は同じ「時間軸」という基準です。

例えるなら・・・
 基準1:家には柱がないといけない(ないと潰れてしまうから)
 基準3:家には屋根がないといけない(ないと雨をしのげないから)
 基準2:家がないといけない
といった感じでしょうか?
家そのものがなければ、柱も屋根もあるはずがないので、必然的に基準1と3にも違反です。しかし、それぞれは全く異なる基準です。とはいえ、基準は互いに関連しているのですけれどね。柱がなければ屋根を支えられないし、屋根がなければ柱が雨に濡れて腐ってしまうかもしれない。


Ken様がどうしても基準2を基準1か基準3のステップの1つとしたいなら、それでも構いませんけれどね。[>>302]で申し上げた通り、基準2の次は基準3をやる予定ですから、[>>304]から始まった基準2の議論は、基準3のステップの1つと思ってください。
[>>336]の以下の文章は、次のように読み替えてください。

【元の文章】
しかしだからこそ、なぜdiamonds8888x様が敢えて「基準02」として提示されたのかがポイントとなるでしょう。

【読み替え】
しかしだからこそ、なぜ基準3の中で1つのステップとして集中的に扱う必要があるのか、がポイントとなるでしょう。


私は基準3とは別立ての基準2として続けます。この論点「なぜ基準2を別立てにするか」については合意が得られないままでも、この先の議論にあまり影響しないと思いますので。


【この論点で重要なこと】
私が[>>336]で上記のように述べた意図は以下です。

もし、Ken様がストーリーを語っていたら、特に基準2を論じる必要はなかったし、論じるにしてもサラリと済ませれば良かった。しかしKen様がストーリーを語らなかったので、基準2をしっかり議論する必要があった。

357ゲジゲジ:2023/05/04(木) 00:11:37 ID:wwD.RUUk
[>>353]
せっかく整理して頂いたのにすみませんが、その整理は間違っています。

 >基準2が提示されたそもそもの原因は、私のこの発言でした。
  >>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ここでの「証拠」という言葉をストーリーと解されたことから始まったのですね。

まずここから違います。

[>>338]
 >引用された私の発言を見てください。ストーリーがないとは言ってません。
  >>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ないのはストーリーではなく証拠です。
 >そこには、基準02にひっかかるのは、物証がない仮説だろうという想定があります。

私の方も上記に直接反論しませんでしたので、誤解させてしまったかもしれません。
私が問題視したのは、その次の発言です。

 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。

ID仮説を提唱する理由は「自然選択では説明できない進化がある」というだけだと仰っています。つまりID仮説を肯定する物証もなければ物証以外の証拠もなければ、ストーリーもない、と私は読み取りました。

そして実際にストーリーを述べられませんでしたよね。物証にせよストーリーにせよ「ない」と発言されたことは言わば「ダメ押し」です。そのような発言をされたからというよりも、ストーリーが述べられなかったという事実が、基準2を提示したそもそもの原因です。

Ken様が2017年〜2018年頃にかけて語られていたID論は基準2違反ですが、[>>275]で述べられているID論は基準2をクリアしていると申し上げたのを覚えていらっしゃいますか?
[>>310]、[>>313]


 >残るは2ですが、「ストーリーがないという理由で疑似科学と判定されてる理論」がどこにあるのか、という問いかけへの回答がまだありません。
 >最初の私の発言はそうではないのだから、それ以外の事例が必要です。

[>>337]で回答している通りです。
 >2017年〜2018年頃にKen様が第1掲示板で語られていたID論が、正にその事例です。

最初のKen様の発言は直接的には関係ありません。ストーリーを述べられなかったのだから「ストーリーがないという理由で疑似科学と判定されてる理論」です。実際に明言はされていないかもしれませんが、少なくとも私の他にdiamonds8888x様、ミケ様、GB様はKen様のID論を疑似科学と判定していると思いますよ。


===========
話しが変わりますが、Ken様の考える「物証」の定義が[>>352]を読んでも全く分かりません。

因みに私の考える「物証」の定義は以下です。
==== 国語辞典より ======
裁判で、検証物・文書など、物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの。
================

基本は裁判での証拠資料ですが、科学に流用するならば、後半の「物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの」という定義でしょう。従って、統計データは「物の存在・形態・状況」ではないので、「物証」ではありません。

しかしKen様の定義では「物証を集めて整理したもの」という理由で「物証」だと仰る。そして辞書の定義に頼ってはいけないと仰るわけです。
それでKen様の考える「物証」が分からないので[>>351]で質問しました。

ところが回答頂いた[>>352]ですが、

 >まず、仰るような地動説と樹上モデルの「物証」を、記録映像と同列に見なすことはできません。

結局、地動説と樹上モデルの「物証」は、「記録映像と同列に見なすことはできない物証」なのですか?
それとも、記録映像と同列に見なすことはできないから「物証」ではない、のですか?


 >次に、観測データの整理といっても、私たちが利用する統計手法とは、信頼性が異なります。

即ち「物証」とは、「『物証そのもの』と『物証そのものを整理して得られたデータ』のうち『信頼性』が高いもの」という定義なのですか?
だとすると信頼性が高いか低いかは、誰が何の基準で判定するのですか?

 >物証とは現実に観測される事象ではありませんか。
 >統計解析を含むあらゆる考察も、はじめに物証が必要です。
 >逆に尋ねますが、物証から出発しない「evidence」の例を挙げられますか?

はじめに物証があれば「物証」なのだったら、コペルニクスの地動説も鳥の樹上モデルも、Ken様のID論も「物証」があるでしょう? 直接的な「物証」はなかったとしても、少なくとも間接的な「物証」はありますよ。


結局のところ、Ken様の仰る「物証」とは、いったいなんなのですか???

358Ken:2023/05/04(木) 08:55:00 ID:vBaeMFMg
>基準1:家には柱がないといけない(ないと潰れてしまうから)
>基準3:家には屋根がないといけない(ないと雨をしのげないから)
>基準2:家がないといけない

私は2を考えなくてもよいとはいってません。しかし、2つの法則があり、一方が必然的に他方を導くなら、2つを同じ階層に置くのは合理性がないと思います。

私は人生の一時期をプログラマとして過ごしました。あるプログラムの中でXという条件が成立するかをチェックする必要があり、Xの成立には条件Aと条件Bの成立が必要とします。

AとBが完全に独立した内容なら、Xの検証プロセスから、まずAをチェックする関数をコールし、チェックをクリアしたことを示す値が帰れば、次にBをチェックする関数をコールするでしょう。

しかし、AとBが従属関係にあり、Aをクリアするには論理的にBをクリアせねばならないのなら、XからAをコールし、AからBをコールします。BはAの中の1項目なのです。

AとBを同じ階層においてもプログラムは走りますよ。でもそこには合理性がなく、そのようなプログラミングはバグの温床になるのです。真っ当な技術者ならそんな作り方はしません。

>Ken様がどうしても基準2を基準1か基準3のステップの1つとしたいなら、それでも構いませんけれどね。

私がどうしたいかではなく、合理性というものを考えてほしいのです。


>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。

この「直接の証拠」が物証を意味することを、ずっと説明してきたではありませんか。>>259>>263で挙げたのが、すべて物証がない事例であることは明らかなはずです。

>実際にストーリーを述べられませんでしたよね

私は、IDとは人類が行う品種改良と同じものであると、最初から言ってます。それが私のストーリーです。それ以上の詳しい説明にならなかったのは、基準02違反とは物証の不在を意味するのだろうと考えたので、物証の不在が疑似科学にはならないことからまず示すべきと考えたからです。>>259>>263がそれに該当します。

ある主張を、ストーリーがないという理由で疑似科学と称するなら、本当にストーリーがないのか、その時点でまだ語ってないだけなのかを、確認するべきと思いませんか?

>地動説と樹上モデルの「物証」は〜〜〜記録映像と同列に見なすことはできないから「物証」ではない、のですか?

同列にみなせないのは、そもそも証拠になってないからです。

地動説がシンプルであることは、地動説を支持する理由になりません。シンプルな理論で多くの事象が説明できれば望ましいというだけです。樹上モデルの「物証」に挙げられた例も同様です。樹上モデルの証拠とは鳥の先祖が樹上生活者だったことを示すものであり、飛行していたことを示すものではありません。

>「物証」とは、「『物証そのもの』と『物証そのものを整理して得られたデータ』のうち『信頼性』が高いもの」という定義なのですか?

違います。統計解析の特徴は、そこに人の解釈が入らない、という点にあります。例えば、

P社のワクチンが有効でない確率は5%以下 → P社のワクチンは有効

「P社のワクチンは有効」は、1つの推論であり、同じデータから「まだ有効とはいえない」と考える人がいるかもしれません。しかし「5%以下」という有意性は、観測されるデータと確立された計算過程で必ず導かれることなのです。そこに人の解釈は入りません。ですから、現物の観測つまり物証と同じことだと言ってます。

359ゲジゲジ:2023/05/07(日) 00:36:39 ID:wwD.RUUk
 >>Ken様がどうしても基準2を基準1か基準3のステップの1つとしたいなら、それでも構いませんけれどね。

 >私がどうしたいかではなく、合理性というものを考えてほしいのです。

では言い直しましょう。
Ken様がどうしても基準2を基準1か基準3のステップの1つとすることに合理性があると仰りたいなら、それでも構いませんけれどね。


 >AとBが完全に独立した内容なら、(略)
 >(略)AとBが従属関係にあり、Aをクリアするには論理的にBをクリアせねばならないのなら、

基準1、2、3はそれぞれ独立した内容ですよ。基準1と3をクリアするのに基準2をクリアせねばならないからといって、従属関係にあるとは限りません。
プログラムの例の方が分かりやすければ、以下のような例は如何でしょう?


入力された値を以下の基準でチェックして、基準をクリアすれば「OK」、クリアしなければ「NG」と出力するプログラムを考えます。
 基準1:入力された値は偶数でなければいけない
 基準3:入力された値は10以上でなければいけない
 基準2:入力された値は数値でなければいけない

本来の基準2の趣旨からすると、このプログラム例の基準2は、「値が入力されなければいけない」になるのかもしれません。

私がプログラムを作るなら、まず2をコールして、2をクリアしたら1と3をコールするようにするでしょう。2をクリアしなかったら、1と3は走らせることなく「NG」を出力します。わざわざ1や3を走らせて、そこから2をコールするような構成にはしません。


そしてもうひとつ、私たちが行っている議論をプログラムに喩えるなら、私たちはプログラムを走らせているのではありません。
私はプログラムのコードを1行ずつ、どんな処理をしているのか解説・説明をしています。

Ken様は基準が正当な科学を疑似科学と誤認定してしまわないかどうか「検証」されているのですよね。プログラムに喩えるなら、プログラムが誤った出力を出してしまわないかどうか、単体試験をやっているのではありませんか? 単体試験は1つずつ、個別に行うのではありませんか?

360ゲジゲジ:2023/05/07(日) 00:37:36 ID:wwD.RUUk
 >>人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >この「直接の証拠」が物証を意味することを、ずっと説明してきたではありませんか。

===== [>>357]より再掲 ====
私の方も上記に直接反論しませんでしたので、誤解させてしまったかもしれません。
私が問題視したのは、その次の発言です。

 >人間以外の存在が地球生物の進化に干渉したことを示す直接の証拠はありません。
 >ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、
 >それしか今はないのです。

ID仮説を提唱する理由は「自然選択では説明できない進化がある」というだけだと仰っています。つまりID仮説を肯定する物証もなければ物証以外の証拠もなければ、ストーリーもない、と私は読み取りました。
===== 再掲ココまで ====

証拠がないと仰ったことを問題視していません。その次の文の「(自然選択の否定しか)理由がない」と仰ったことを問題視しています。

 >>>259>>263で挙げたのが、すべて物証がない事例であることは明らかなはずです。

辞書の定義の「物証」がないことが明らかであることには同意します。
==== 国語辞典より再掲 ======
裁判で、検証物・文書など、物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの。
================

Ken様の考える「物証」がなんなのか分からないので、明らかかどうか分かりかねます。特に「物証」と「物証でない証拠」との違いが分かりません。



 >>実際にストーリーを述べられませんでしたよね
 >私は、IDとは人類が行う品種改良と同じものであると、最初から言ってます。
 >それが私のストーリーです。

それではストーリーになっていません。ID論の説明をしているだけではないですか。

==== [>>336][>>342]より再掲 ====
以前、Ken様ご自身がこう仰っていましたよね。
[>>252]
 >このように、観測事象から帰納するか、既知の理論から演繹するか、
 >少なくともどちらか一方を根拠に、仮説は提唱されるわけです。

今、論点になっているストーリーというのは、つまりは仮説に至る帰納なり演繹なりのプロセスです。
===== 再掲ココまで =====

ここで言っているストーリーとは、何らかの根拠(観察事象や既知の理論)に基づいて仮説を導いた思考のプロセスです。従ってストーリーには必ず、根拠となった事象や理論があるはずなのです。
 >IDとは人類が行う品種改良と同じものである
この文章のどこにも、根拠となった事象や理論が含まれていないではありませんか?


 >それ以上の詳しい説明にならなかったのは、基準02違反とは物証の不在を意味するのだろうと考えたので、物証の不在が疑似科学にはならないことからまず示すべきと考えたからです。

それはdiamonds8888x様から科学と疑似科学とを判別する基準があるのだと言われて、基準の議論を始めた後のことでしょう? 私が指摘しているのは基準の議論を始める前のことですよ。自然選択では説明できない進化の実態があると言いながら、その進化が何なのかも明言されなかったではないですか。


 >ある主張を、ストーリーがないという理由で疑似科学と称するなら、本当にストーリーがないのか、その時点でまだ語ってないだけなのかを、確認するべきと思いませんか?

==== [>>327]より再掲 ====
容易だからこそ、本当は色々な思考プロセスがあったとしても、うっかりそれを言うのを忘れて、対立仮説の否定だけを根拠に自説を主張してしまう可能性はあり得ます。そして、その場合にその主張は疑似科学になります。

あるいは、その思考プロセスを述べる事を忘れないための戒めとして、基準2があるという事もできると思います。また、うっかり疑似科学を提唱してしまった人に対して、きちんと仮説の思考プロセスを述べるよう促す事で、その仮説が疑似科学でなくなるようアドバイスができます。
==========

==== [>>329]より再掲 ====
 >つまり、基準違反になる「自説にストーリーがない」とは、
 >提唱者の脳内にストーリーがないという意味ではなく、
 >脳内のストーリーを言葉で十分に説明してない、という意味ですか?
その通りです。
より正確に言えば、提唱者の脳内にストーリーがあるか否かに関係なく、とにかくストーリーが十分に説明されていない、という事です。
==========

正確に言えば、ストーリーがないから疑似科学なのではなくて、ストーリーを語らないから疑似科学だと申し上げています。


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