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科学と疑似科学とを判別する(2)

341ゲジゲジ:2023/04/27(木) 03:02:17 ID:wwD.RUUk
まずは話が逸れますが「evidence」について・・・

==== 英和辞典より ======
evidence
証拠、根拠、裏付け、証明

==== 英英辞典より ======
evidence
facts or signs that show clearly that something exists or is true

==== 国語辞典より ======
根拠:
物事が存在するための理由となるもの。存在の理由。

証拠:
事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。

物証:
物的証拠の略。

物的証拠:
裁判で、検証物・文書など、物の存在・形態・状況が証拠資料とされるもの。

==================

以上を前提に、Ken様が紹介されたドーキンスの寄稿文を見てみましょう。

たしかに、[>>338]で引用されている文章は「神の行動の完全な映画的な記録」と述べていますから、「evidence」は「物的な証拠」のニュアンスがやや強いかもしれません。
しかしその前の段落を読むと、創造論者が化石記録の不足を根拠に進化論を否定している旨が書かれています。従って当該文章は、創造論側の「進化論の物的証拠が不足している」という指摘に対する反論として書かれた一文であると解釈することができます。

他の箇所では、例えば8段落目と18段落目でこう言っています。

If ID really were a scientific theory, positive evidence for it, gathered through research, would fill peer-reviewed scientific journals.

These come from areas such as geology, paleontology, comparative anatomy, physiology, biochemistry, ethology, biogeography, embryology and - increasingly nowadays - molecular genetics.

「物証=物」が科学雑誌を埋める、というのはおかしいですよね。この場合の「evidence」は創造論を肯定する理論とか現象の報告と解するべきでしょう。
また、地質学の地層や古生物学の化石は「物証」でしょうけれど、比較解剖学や集団遺伝学は統計的なデータなどが「evidence」として扱われるはずです。



これらのことから、「evidence」は「物証」ではなく「証拠」、もしくは「根拠」と訳すのが適切でしょう。ドーキンスが「創造論にはない」と主張している「evidence」は、「物証」すなわち「物の証拠」に限定されると解釈しなければならない理由はないのです。


私は[>>304]で以下のように申し上げました。

 >Ken様の[>>259]より
  >>これに対してコペルニクスは、地球を中心に据えるからそんな複雑な系になるので、
  >>太陽が中心で各惑星は太陽を単純に周回すると考えれば、
  >>そんな複雑な動きを考えなくてもよいと主張しました。
 >つまり、「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の根拠であり検証です。
 >決して天動説の否定“だけ”を検証としていません。
 (略)
 >次に鳥の進化の樹上モデルです。
 (略)
 >そして[>>275]
  >>結局、力学的な合理性をもつ説明は、樹上モデルなのです。
 >まったくその通りで、力学的な合理性をもつことこそ、樹上モデルの根拠なのです。
 >決して走行モデルの否定“だけ”が根拠ではないのです。


ここでいう「根拠」を「証拠」、もしくは「evidence」と読み替えても意味は通ります。

つまり、地動説なら「複雑な動きを考えなくてもよい」ことが地動説の「evidence」です。力学的合理性をもつことが樹上モデルの「evidence」です。「evidence」は「物証」とは限りません。


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