したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

科学と疑似科学とを判別する

1diamonds8888x:2018/04/21(土) 05:52:21 ID:JpDvA4vM
 第1掲示板にて、ID論は疑似科学か否かというテーマでkenさんと議論を続けてきましたが、そもそも両者をどう区別するのかというメタ科学的な話になりましたので、ミケさんの提案に従い第3掲示板にスレッドを立てます。

 まずは第1掲示板での関連する発言へのリンクを時系列で列挙します。1発言での文字数制限があるようですので、分割してアップします。
 URL書き込みに規制があるようですので頭に「http:」を付けて使ってください。

//6609.teacup.com/natrom/bbs/19161 投稿日:2018年 2月27日(火)05時11分41秒 Kenさん 投稿者:diamonds8888x まさに、その通りです
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19137 投稿日:2018年 2月26日(月)21時18分41秒 diamonds8888xさん 投稿者:Ken それとも今回は宗教に話が及んだからそうなったので、議論の土俵をサイエンスに限定するなら、そういうことは起こらないと考えてもよろしいでしょうか?
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19130 投稿日:2018年 2月26日(月)06時06分39秒 コナン君とは 投稿者:diamonds8888x
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19117 投稿日:2018年 2月25日(日)16時38分23秒 ダーウィンの子犬様、一蘭様、Ken様 投稿者:ゲジゲジ この3つは同時に成立します
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19116 投稿日:2018年 2月25日(日)00時37分14秒 diamonds8888xさん 投稿者:Ken はじめにタイトルについて
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19112 投稿日:2018年 2月24日(土)05時41分6秒 坊さんと衣は別なので 投稿者:diamonds8888x
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19111 投稿日:2018年 2月24日(土)05時39分40秒 コナン君、君は間違っている 投稿者:diamonds8888x
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19109 投稿日:2018年 2月24日(土)00時36分15秒 Ken様 投稿者:ゲジゲジ ダーウィニズムは「適者生存」により劣った者が淘汰されることで進化が起こると主張していません!!
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19109 投稿日:2018年 2月22日(木)23時35分47秒 それをいうなら 投稿者:Ken ダーウィニズムもまた帝国主義、植民地主義の理論武装に大いに利用されたのですが
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19069 投稿日:2018年 2月20日(火)01時39分2秒 あぁ、宗教論になっていく 投稿者:ゲジゲジ
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19063 投稿日:2018年 2月19日(月)22時47分10秒 (無題) 投稿者:GB まっとうな宗教者たちというのは、
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19061 投稿日:2018年 2月19日(月)22時37分18秒 霊魂? 投稿者:GB
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19060 投稿日:2018年 2月19日(月)21時37分17秒 複数の真実!! 投稿者:Ken
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19054 投稿日:2018年 2月19日(月)06時27分41秒 事実か公理か信仰か 投稿者:diamonds8888x
//6609.teacup.com/natrom/bbs/19053 投稿日:2018年 2月19日(月)06時21分48秒 Kenさん、複数の真実 投稿者:diamonds8888x
//6609.teacup.com/natrom/bbs/18948 投稿日:2018年 2月17日(土)03時46分25秒 ヨコからですがKen様 投稿者:ゲジゲジ もう少し問題を整理して、本質と本質でない部分とを区別して考えてみては如何でしょう?

714Ken:2020/10/10(土) 10:16:32 ID:2bVYpmOE
繰り返しになりますが、いくら言葉の定義と共通理解が重要でも、「波動」の定義がここまで問題になりますか?

光(電磁波)が波の特性を持つことは、干渉縞やドップラー効果により、量子力学以前から明らかでした。20世紀の量子力学が光の粒子性を示したことで、

〜光は粒子であり、同時に波動である

という命題が問題になったのです。ゆえに、この命題の真偽を論ずるなら光の粒子性が問題で、diamonds8888xさんとの議論が生じるなら、そこになるだろうと考えていました。それなのに、波動の方が問題になる意味が分かりません。

干渉縞を作りドップラー効果を示す光の波動性は明らかで、静止した縞模様も、繰り返しのない変化も、関係がないのではありませんか?

715diamonds8888x:2020/10/10(土) 17:01:58 ID:Qix9q/lA
>>710, >>711
「周期」について少し間違えたところもありましたので整理しておきます。

 周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
 周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period
 周期的 cyclic  (波とは周期的なものである)
 周期性 cyclicity (波は周期性を持つ)

716diamonds8888x:2020/10/10(土) 17:28:38 ID:Qix9q/lA
>>714

>静止した縞模様も、繰り返しのない変化も、関係がないのではありませんか?」

 そこは同意で、[>>711]に書いたとおりです。
> 本題のテーマでの波動は、水の波、音波、地震波、電磁波(光波)、物質波(電子波や中性子波など)、重力波、などですべて1)に属するものです。2)や3)の波動はテーマには登りませんから、2)や3)を波動に含めるか含めないかは本題のテーマには無関係でしょう。これは同意していたたけますね?

>「波動」の定義がここまで問題になりますか?

 私が知りたいのはKenさんの提案した「粒子と波動の根本的な定義」[>>687]、つまり「では波動の基本定義は何かといえば「周期性」だと思います。」[>>687]という文章で提案した定義が、具体的にどんなものを含むことになるのかです。

 [>>711]で示した3分類の中の2),3)まで含む結構広い定義を採用されたので、どこらあたりが境界線になるのかを確かめたかったのです。まあ上記の通り、本題での対象となる波動は分類1)のものだけですから、2)や3)にあまり関わるのは横道ではありますから、[>>711]に異論がなければ、特に回答せずに先に進んでいただけばいいです。

 ただ周期性が認められるか否かという基準は人によって異なりうる判断の難しい基準だと思いますので、Kenさんの現時点での具体的判断は確認しておきたいです。なので、以下には答えがほしいのです。現時点では不明、という回答でも構いません。そういうことも有りえますから。

  1.氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
  2.四季の温度変化
  3.単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
  4.電磁波の単発パルス


 以下の方は、ちと問題ありです。現時点で理解できなければ、粒子と波動の2重性に関するKenさんの見解をじっくり伺った後に議論すればよい話ではあるので、今、深く議論するつもりはありませんが、見解だけ述べておきます。なので特に回答しないで次に進んでください。もちろん、コメントしたいことがあれば歓迎します。

>干渉縞を作りドップラー効果を示す光の波動性は明らかで、

 粒子性を観測できるほどの短波長の光(電磁波)の場合、波動性を示す現象は干渉性と回折くらいでしょう。なんらかの観測現象の周期(cycle)を直接観測して確かめてはいませんから。干渉縞を作ることが波動であることの証拠だという点は同意です。ただそのことを、根本的な定義である周期性から、どのように導けばよいのかは私にはわかりません。

 ドップラー効果で、例えば赤方偏移を例にとると、光は粒子であり赤い光は青い光よりも運動量が小さいとしても説明されます。むろん光速度は光源と観測者の相対速度が違っても変化しないので、相対性理論のもとではということになります。仮に光が相対性理論における万物の上限速度cより遥かに小さい速度しか持たないとすれば、もっと単純に赤い光は青い光よりも遅い、として説明できることでしょう。

 遠ざかる光源からの光は赤くなる、という現象だけでは波動説の証拠にも粒子説の証拠にもなりません。

717Ken:2020/10/10(土) 19:38:36 ID:2bVYpmOE
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period
>周期的 cyclic  (波とは周期的なものである)
>周期性 cyclicity (波は周期性を持つ)

周期が「period」なので、私なら周期的は「periodic」、周期性は「periodicity」と、統一性をもたせた言葉をもちいるでしょうが、「cyclic」「cyclicity」でも間違いとは思いません。

>1.氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
>2.四季の温度変化
>3.単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
>4.電磁波の単発パルス

>>713の末尾で回答したつもりでしたが、これでは回答になっていないということでしょうか?

>干渉縞を作ることが波動であることの証拠だという点は同意です。ただそのことを、根本的な定義である周期性から、どのように導けばよいのかは私にはわかりません。

同じ間隔で強くなったり弱くなったりするものが、つまり周期性をもって変動するものが、2つ重なるからこそ、規則的な干渉縞ができるのではないでしょうか。2重スリット実験なら、2つの穴からの距離の差が、スクリーン上で連続的に変化するから、ある地点では強めあい、別の地点では弱めあいます。29章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_29.html)で解説されており、(29.9)式が2つの波の合成波の振幅を表します。

R = A[cos (ωt + ϕ1) + cos (ωt + ϕ2)].

この中のϕは、(29.4)の直前の段落で定義されています。

ϕ = ω(t - r/c)

rは光源(2重スリット実験の場合は穴)からの距離、cは光速なので、ω(t - r/c)は本来ならωtになるはずの位相が、ωr/cだけずれることを意味します。2重スリット実験では2つの穴からの距離がr1とr2と異なるので、それがϕ1、ϕ2という位相差になり、結局(29.9)式のcos (ωt + ϕ1)とcos (ωt + ϕ2)が、強め合ったり、弱め合ったりします。

>遠ざかる光源からの光は赤くなる、という現象だけでは波動説の証拠にも粒子説の証拠にもなりません。

「赤方偏移」は光が赤くなる事象が観測されるのではなく、発光体(天体観測なら星)に含まれる水素やヘリウム等が特定の波長を吸収して元素特有のスペクトル線のパターンを作り、そのパターンが本来あるべき位置からずれることが観測される現象です。だからドップラー効果と認識されます。

upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6a/Redshift.svg/170px-Redshift.svg.png

718diamonds8888x:2020/10/17(土) 09:47:20 ID:Qix9q/lA
>>717
-----------
>>713の末尾で回答したつもりでしたが、これでは回答になっていないということでしょうか?

 これは失礼しました。[>>713]を見落としていました。Kenさんの判断基準がおおむね理解できましたので、[>>713]の回答で結構です。

 判断基準のひとつは、如何に複雑で一見しては繰り返しが認め難くとも、それ自体が波動であると判明している音波や電磁波のようなものの合成であることが明らかならば、波動に含めるというということですね。


-----------
【周期性からの干渉縞の導き】に関するKenさんの考えは理解しました。ありがとうございました。


-----------
【トラジマ問題は】[>>716]で同意したとおりです。

 空間のみの繰り返しを波動に含めるかどうかは本題には無関係と考えますので無視しましょう。
 単に私の好奇心ゆえの質問にお付き合いくださりありがとうございました。
 この件については、空間のみの繰り返しを波動に含めていても構いませんので、Kenさんが妥協する必要は何もありません。本題で扱う波動は、空間的周期も時間的周期も含むものだけですから。


-----------
>周期が「period」なので、私なら周期的は「periodic」、周期性は「periodicity」と、統一性をもたせた言葉をもちいるでしょうが、「cyclic」「cyclicity」でも間違いとは思いません。

 私は、日本語では「周期」という同じ言葉で表されるものには、2つの異なる概念である"period"と"cycle"があるのだ、と言ったのです。ここは、きっちりと理解してください。「人」と「人の身長」との違いくらいはありますので。

[>>715]より
 周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
 周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period


-----------
>「赤方偏移」は光が赤くなる事象が観測されるのではなく

 これは失礼しました。星の光は単色光ではありませんからね。亜光速の宇宙船から単色レーザー光を発射しているとでも想定してください。おっしゃる通り単色光でなくてもスペクトル吸収線があれば、そのシフトがドップラー効果の観測事実になります。

 あー、現在では単色光によるドップラー効果も観測されています。レーザドップラ振動計とかガンマ線のメスバウアー効果がありますね。

 で、そのドップラー効果は、粒子説でも波動説でも説明できることはご理解いただけたでしょうか? そもそも量子力学ではまさに2つの考え方による説明がどちらも可能なのです。
 つまり[>>689]での「光の波動的特徴でドップラー効果が起こり」という議論は間違いです。

 もし御理解できなければ、これ以上は説明困難ですからひとまず留保して次に進みましょう。

 なお光源の相対運動による光の変化が初めて観測されたのは「1842年,オーストリアの物理学者クリスティアン・ヨハン・ドップラーが二重星の観測をしていて光の色が変化するのを発見したのが最初」とのことです。ドップラーは同時期に、音のドップラー効果も含めて定量的な式を誘導して理論的な説明をしたとのことです。
  h ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C
  h ttps://kotobank.jp/word/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C-105421
  h ttp://spaceinfo.jaxa.jp/ja/christian_doppler.html
  h ttp://www15.wind.ne.jp/~Glauben_leben/Buturi/History3.htm

 1842年は既に学界では波動説がほぼ確立していた時期で、二重星の光の色の変化をわざわざ粒子説で説明しようとした人はいなかったのではないでしょうか?

719Ken:2020/10/17(土) 14:01:28 ID:2bVYpmOE
赤方偏移/ドップラー効果の認識は留保できません。私はこれを、

〜光の粒子性と波動性が同時に観測される

ことの例に挙げているのですから。

まず私は>>689で「天文観測で遠方の銀河が赤方偏移を起こす」と述べたことを思い出してください。ここで言及したのは単色光ではなく、複数の波長からなるスペクトルの中の移動ですから、すでに「波長」という波動の属性が入っています。

diamonds8888xさんが>>718で述べられたのは、量子力学では光の粒子性と波動性が背反関係にはない、ということではありませんか? つまり、光がドップラー効果という波動的特徴を示すからといって、粒子的特徴を持つことを否定する必要がない、ということではないのでしょうか? 別の言い方をすれば、量子力学における「粒子性」は波動性と分離できないという、まさしく基準05を検証するのに持ち出した問題ではありませんか?

念のため、ファインマン物理と和英のウィキペディアで「ドップラー効果」をチェックしました。

www.feynmanlectures.caltech.edu/I_toc.html
ja.wikipedia.org/wiki/ドップラー効果
en.wikipedia.org/wiki/Doppler_effect

ファインマンでは相対論を扱う17章、メスバウアー効果を扱う23章、そして古典力学の波動理論を説明する34章で、ドップラー効果が出てきます。これらの章とウィキペディア記事に共通するのは、ドップラー効果の説明には必ず周波数(fまたはν)か波長(λ)が含まれることです。「周波数」も「波長」も、初めに波動の概念がなければ意味をなさない属性ですから、光のドップラー効果は波動的特徴と見なすべきではないのでしょうか?


>日本語では「周期」という同じ言葉で表されるものには、2つの異なる概念である"period"と"cycle"があるのだ、と言ったのです。

私が言いたかったのは、「periodic」と「cyclic」、「periodicity」と「cyclicity」は同義語ということでした。それなら、波動力学における周期は「period」で「cycle」ではありませんから、「periodic」「periodicity」の方がよいのではありませんか、と述べただけです。

720diamonds8888x:2020/10/18(日) 05:40:33 ID:Qix9q/lA
>>719
> 赤方偏移/ドップラー効果の認識は留保できません。

 わかりました。でも、この検討は長くなります。[>>718]までの説明で納得していただけないなら、さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

 実際の物理学でも歴史上でも、波動説の証拠とされたのは干渉性だけなのですから、それで十分なはずです。

> 私が言いたかったのは、

 まず、[>>712]で私の言いたかったことは御理解いただけてますか?

721diamonds8888x:2020/10/18(日) 05:41:47 ID:Qix9q/lA
>>713
 さすがにもう「波数」の【定義】は「単位長さ内の波の数(繰り返しの数)」なのだということは御理解いただけたと思いますから、以下はもう本題には不要な話ですから、飛ばして次に進めていただけばいいです。
 もちろんコメントは自由ですが、そのコメントにさらに返答する気力が残っているかどうかは不明ですから、返答はまたずに次にKenさんが進めたい話に進んでください。

【誤訳の件】

 ひとまず「誤訳」とまで評価するのは微妙なので陳謝しておきます。ただし、Kenさんの紹介文は原文の意図から微妙にずれていて私に誤解をさせた文章である点に変わりはないのです。その結果、Kenさんの紹介文は私には何を言ってるのかわかりにくい文になった点は事実です。なのでわざさわ゛原文を見直してみました。先にも述べたように英文は苦手ですから、基本的にはKenさんの紹介や翻訳を信用することにしていましたからね。
 こういうことになるから、できれば日本語の引用を使ってほしいのです。そりゃあ大学の教科書として使えるような文章が無料で読めるのは英文が多いという事情は私も知ってますけどね。たぶん日本語NativeであろうKenさんがわざわざ英文で勉強しようとする理由は、私にはわかりませんし、それ自体は自由ですけれど。日本語Nativeの私に説明するときにはもう少し気を使ってほしいというのが本音です。訳文の良し悪しで議論するなんて時間の無駄です。

 該当箇所、[>>712]の「ここで実は御紹介の英文を確認して見ましたので」以下で、2点のべています。実は1の方が重要ですが、誤訳という刺激的言葉で2の方に注意を引いてしまったかも知れません、陳謝します。

 1) 波数の定義は式(34.19)の【直前に】に登場していること。直後ではない。
 「Now it turns out to be very convenient to define a vector k, which is called the wave vector, which has a magnitude equal to the wave number, 2π/λ, and is pointed in the direction of propagation of the waves: 」

 ((余談))「波数ベクトル」が"wave vector"だとは知らなかった。実際、日本語wikiと英語wikiの両項目はほぼ直訳同士ですね。

 「波数ベクトル(k:bold)」の【定義(define)】はここで登場していて、その絶対値である「波数(k:normal)」の【定義】は「この本(ファインマン物理)を読む読者なら当然知っているはず」として扱っていて、後に至るも特に【定義はしていません】。

 Kenさんが示した「該当部分」に書いてあるのは【定義(define)】ではなくて「波数ベクトル(k:bold)」の成分(kx,ky,kz)の"significance"(意味するもの、意義)であり、定義から誘導される結果として示される意味づけ、具体的には如何なる物理量に対応するものかという説明です。

 ここで[>>712]で述べた2点目が関連してきます。

 2) "with respect to x"の意味を「距離による」とするのは不正確で、「x方向に沿った」と約すべきである。

 「距離による」の訳文だけ読めばベクトルの成分に関することだという意味は普通は読み取れません。
 もっとも私が引っかかったのはさらに3点目、「位相の変化ってなにさ?」という点もあったのですが、よく考えるとここで「位相」という言葉でも別におかしくはありません。ただ私が「位相」の使い方に不慣れだっだけでしたから、これは私の責任です。

722Ken:2020/10/19(月) 20:36:38 ID:2bVYpmOE
>さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

はい。今回、量子力学と光の正体論争の関係について述べたのは、>>685でお断りしたように、私の考えを明らかにするためですから、議論自体はあとにまわして、熱力学第2法則を先に片付けましょう。


>>721はコミュニケーションの問題を語っておられると思います。そして冒頭の1節が、まだ行き違いがあることを示すようです。

>さすがにもう「波数」の【定義】は「単位長さ内の波の数(繰り返しの数)」なのだということは御理解いただけたと思います

私は>>707でウィキペディアを参照して、波数の定義は、

>物理化学や分光学では、1/λまたはν/c
>波動力学では、2π/λ

と述べ、かつ、

1.今の議論が物理化学や分光学ではなく力学であること
2.物理化学や分光学を専攻した人でも、それに先立って力学を学んでいること

という理由を挙げ、波数の定義は「2π/λ」つまり「位相が1周する間の波の数」であるべきと主張したつもりです。その後、diamonds8888xさんから>>704>>709で、

>波数 単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

という書き込みがありました。ですが、そこには私が上に挙げた、波動力学の定義に従うべきとする理由への反論がありません。これだけでは、分光学での定義に従うことを求められるのは、無理があるのではないでしょうか?

>その絶対値である「波数(k:normal)」の【定義】は「この本(ファインマン物理)を読む読者なら当然知っているはず」として扱っていて、後に至るも特に【定義はしていません】。

厳密な定義には、言葉よりも数式こそが意味を持ちますし、(34.19)式がその定義だと思います。

>わざわざ英文で勉強しようとする理由は、私にはわかりません

これまでの人生の行き掛かりから、直ちに引用できるのがアジモフやファインマン等の文章ばかりになったのが、自分の弱点なのは承知しています。ですから日本語での説明に心してるつもりですし、上で述べたように「波数」の説明でも誤ったとは考えていません。

1つ理解をいただきたいのは、全般に英語の記事の方が充実しているのです。例えば>>707で述べましたが、周波数の和英のウィキペディア記事を比べると、英語記事では、時間的な(temporal)周波数と空間的な(spatial)周波数が説明されていますが、日本語記事には時間的周波数しかなく、空間周波数は 「その他の周波数」で言及されるだけです。とくにこの時は静止した波模様を波動に含めるべきかという話をしていましたから、英語記事の内容が重要でした。

それと、数学や科学の歴史を語るには、明らかに英語の方が有利なのです。例えば「放物線」という日本語には、放り上げた物体の軌跡という意味が名称自体に含まれますが、実際の歴史では「parabola」が知られてから、その物理学上の意味が分かるまで2千年も経ています。「紀元前3世紀にアポロニウスが放物線を解説した」などといえば、まるでアポロニウスがニュートン力学を知ってたような印象を与えかねません。

723Ken:2020/10/25(日) 10:31:24 ID:2bVYpmOE
投稿を待つ間に、現在の論点を整理しておきます。

*熱力学の第2法則

矛盾を受容することの是非はこのスレッドで長く論じてきましたが、>>669でもまた、

>自然科学は現実をあるがままに認識するものであり、現実認識と数理的整合性が一致しない場合は前者を優先し、理論的な矛盾を容認するのではないか

という表現で問題を提議しました。熱力学第2法則が具体例です。ここでは、

〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない

という理論的整合性と、

〜あらゆる観測が、エントロピーの不可逆的な増大を示す

という現実認識の対立があり、その場合、理論的矛盾を容認して、現実認識が優先されるからこそ、第2法則は定説となってるのではないか、ということです。

実を言いますと、この問題は、>>677で、

>この法則はなんらかの基本原理から誘導されたものではない
>例えば遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能

という指摘があったことから、すこし複雑になっているのです。ここでは第2法則が、矛盾を内包する「疑似科学」ではなく、観測事実と矛盾する「間違った理論」となりうる可能性を挙げておられると思いますが、私は、現在定説として確立している理論の中には、観測によって否定することができない「反証不能」なものがいくつもあり、確率論に立脚する第2法則もその1つではと考えているのです。これは基準01に論題が戻ったときに詳しく論じることになるでしょう。


*光の粒子性と波動性

古典力学では、同じものが粒子でありかつ波動であると主張するのは、

1.同時に粒子であり波動である
2.ある時は粒子であり、ある時は波動である

のどちらの場合でも「(¬P)∧P」に該当する「疑似科学」になるといいました。そして光は、干渉縞を作ることや、交流電流が作る電磁波と同じものと分かったことで、波動であり粒子ではないという考えが定着しました。ところが量子力学が登場すると、光は離散的な「かたまり」つまり粒子と考えねばならない観測事実があり、かつ光の波動性は、粒子の存在確率が波動関数にしたがうことで説明できるので、

〜ある時代の知識体系では疑似科学だった理論が、知識体系が変わると疑似科学ではなくなる

という、diamonds8888xさんの基準による疑似科学の重要な特徴が明らかになりました。そうなると私には、

〜間違った理論とは別に疑似科学を定義することに意味があるのか?

という問題が生じます。

以上が、現時点での私の認識になります。

724diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:48:51 ID:Qix9q/lA
>>722 >>723
[>>720]のここには答えがありませんが?
>> 私が言いたかったのは、

> まず、[>>712]で私の言いたかったことは御理解いただけてますか?

 とはいえ「[>>712]で私の言いたかったこと」はちと書き損じでした。混乱させてすみません。
 [>>718,>>715 (>>710)]で私の言いたかったことです。改めて要点をはっきりと示しておきますね。

>ここは、きっちりと理解してください。「人」と「人の身長」との違いくらいはありますので。

> [>>715]より
>  周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>  周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

 「人」と「人の身長」との違い、よりは、「足(feet)」と「単位のフィート(feet)」との違い、の方がピンと来やすいでしょうか?

725diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:50:50 ID:Qix9q/lA
>>722
>という理由を挙げ、波数の定義は「2π/λ」つまり「位相が1周する間の波の数」であるべきと主張したつもりです。その後、diamonds8888xさんから>>704>>709で、

 ということはKenさんの考えでは、1/λと2π/λの違いは次のようなものであり、【両者は別の物理量である】との考えなのでしょうか?

  1/λ :「単位長さの間の波の数」 (物理化学や分光学での定義)
  2π/λ:「位相が1周する間の波の数」(波動力学での定義)

 お尋ねしますが、「位相が1周する間」とは如何なる物理量なのですか? その単位次元は時間ですか?長さですか?それとも他の単位次元ですか?


>厳密な定義には、言葉よりも数式こそが意味を持ちますし、(34.19)式がその定義だと思います。

 数式を使えば、普通の言葉を使うよりも厳密にしかも短く表現できます。しかし「意味を持つ」には数式の各変数記号の物理的意味が明確に示されているときだけです。変数記号の意味がわからなければ、数式は単なる記号の羅列でしかありません。
 だからファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

726diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:52:39 ID:Qix9q/lA
>>723
 *熱力学の第2法則について、ありがとうごさいます。

>以上が、現時点での私の認識になります。

 以上がと言われても、何もまだ説明されていないように思えるのですが?
 もう少し詳しく、お願いします。特に、

>〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない

 この推論を、前提となる事実および、そこからの推論過程を詳しくお願いします。

[>>680]
>むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 この意味を具体的にわかるようにお願いします。

727diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:56:26 ID:Qix9q/lA
>>723
 ひとつ気になりますが、「投稿を待つ間に、」の投稿とは、私が[>>720]で留保した「ドップラー効果は波動説の根拠にはならないことの説明」の投稿ですよね?
 こういう所はできれば具体的に何の投稿なのかとか書いて置いてくださると誤解のリスクが少ないと思います。

 まあ待つのも自由ですが、[>>718]までの説明も見直してみて、本当に納得できないのかどうか試してみてくださるとありがたいです。あるとき、はっと目からウロコが落ちるということもありますから。

> わかりました。でも、この検討は長くなります。[>>718]までの説明で納得していただけないなら、さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。

 まあ、もしも(万が一なのかなあ?)[>>718]までの説明で新たな理解が生まれましたら、そのときに報告してくださればそれでいいです。

728Ken:2020/10/30(金) 22:37:57 ID:2bVYpmOE
お尋ねの順に回答します。

>>724
>周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

なにも、そのことを否定してはいません。「周期的な」という形容詞や「周期性」という名詞の英訳は>>715で挙げられた「cyclic」「cyclicity」よりも、「periodic」「periodicity」の方が、物理量としての「周期」(period)と統一がとれてよいのではありませんか、と用語の提案をしただけです。私が波動を定義した「周期性」は同じ周期(period)を持つことが条件なのを思い出してください。

>>725
>だからファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

私も数式以外の言葉で説明したではありませんか。波数(k)は>>695>>702>>713を含め何度も「距離による位相変化の割合」と延べ、より明確にするために、cos (ωt - k⋅r)という数式を繰り返して出しています。>>713では、

>コサインの引数であるk⋅rは位相の変化量で、rが距離なら、kは「距離による位相変化の割合」

と説明しました。単位については>>702で「ラジアン/メーター」と書いています。


何度もお尋ねしていますが、「周期」や「波数」の定義に、なぜここまで固執されるのでしょうか? いくら共通理解が重要でも、議論に必要なものという前提があるはずです。今の論点は、

〜基準05で疑似科学と判定される理論でも、知識体系が変われば、疑似科学でなくなるのでは?

を検証することですし、その具体例として、

〜古典力学では、「光は粒子でありかつ波動である」は基準05違反だが、量子力学では違反でないのみか定説になっている

を検証しようとしています。その検証のキーとなるのは、言い換えれば上の命題を覆す可能性があるとしたら(私はあるとは思いませんが)、量子力学が明らかにした光の粒子性ではないのですか? それなのに波動性にまつわる物理量の定義をここまで問題にされるのは、光の波動性が否定される可能性を見ておられるのでしょうか?

光の波動性を示す観測事実としては、干渉縞や赤方偏移を挙げましたし、より重要な根拠として、波動理論から定量的な予測ができることがあります。私は>>687で、音の伝播を表す方程式として、

ρ∂²χ/∂t² = -dP/dρ ∙ ∂²χ/∂x²

と書きましたが、波動全般に通用する一般形に直せば、

(変位を時間で2度微分したもの) = (定数) × (変位を距離で2度微分したもの)

となります。そしてマクスウェル理論から得られる電磁波の方程式は、教科書等では、

∂²f/∂t² = (εμ) ∙ ∇²f

と3次元で表記されるのはご承知のことと思います。これはそのまま上記の一般形になっており、電磁波が波動という前提から導かれたものです。一般形の中の「定数」は伝播速度の2乗の逆数で、電磁波では、

(電気定数)×(磁気定数)

となります。ここから電磁波の速度の理論値が算出され、それがフーコーやフィゾーたちが実測した光速と一致したことから、光が電磁波と判明したのは、19世紀の科学史の重要な一場面なのです。このことはつまり、

〜光が波動である前提から導いた予測が実測で確認された

ことになり、光の波動性の強力な根拠になります。

これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? もしもそのような疑いをもっておられないのなら、「周期」や「波数」の定義をここまで問題にされることが、現在の論点とどう関連するのですか?

729Ken:2020/10/30(金) 22:38:59 ID:2bVYpmOE
>>726
>〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない
>この推論を、前提となる事実および、そこからの推論過程を詳しくお願いします。

>>680で説明したものです。

(1)エントロピーは常に増大する
(2)ゆえに過去にエントロピーの極小状態が存在した
(3)ゆえにエントロピーの極小状態が生じた
(4)ゆえに(1)と矛盾する

たとえば降雨現象が観測されるとします。雨が降る前提として、まず、水が空の高みに運ばれる必要がありますが、もしも、水が上から下に不可逆的に落ちるだけなら、そもそも雨雲を生じるはずがありません。つまり、

1.雨が降る
2.水は上から下に移動するのみ

という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。

我々の眼前でエントロピーが増大しているのは雨が降ることに、エントロピーの減少がありえないのは水の上昇がありえないことに、それぞれ対応します。

>>727
「投稿を待つ間に、」の投稿とは、私が[>>720]で留保した「ドップラー効果は波動説の根拠にはならないことの説明」の投稿ですよね?

ちがいます。>>720で、赤方偏移/ドップラー効果について、diamonds8888xさんから

>さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

と言われたことをうけ、>>722で、

>熱力学第2法則を先に片付けましょう。

と、回答しています。量子力学が光の正体論争に与えた影響についての私の考えは述べましたし、私の考えが明らかになれば、その問題より先に、第2法則から論じることを>>685で提案し、>>686で同意をいただいています。よって今は、第2法則は基準違反ではないかという私の指摘に、diamonds8888xさんが回答されるのを待っています。

730diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:35:01 ID:Qix9q/lA
>>728
 まず、ものすごく誤解されているらしき点を正したい。

>これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? 

 どこからそんな話が? 私がいつ光の波動性を否定したんですか? 私は光の波動性に疑いなどありません。以上、この話はおしまいでいいですよね?


では[>>728]の冒頭に戻って
>なにも、そのことを否定してはいません。

 なら、それをきちんと明言してから、【その上で】とか【けれども】とかで次を続けてくださるのがありがたかった。まあ、自分が当たり前と考えていることは「自分がそれを知っていることは、相手は当然に知っている」と思い込み勝ちなのは、私も同様かも知れませんから、私も気をつけようと思いますが。

 私達2人は、互いに、とてもものわかりの悪い相手なんですよ。

 ともかく「繰り返し現象そのもの」と「繰り返し現象の最小単位の時間的長さ」との違いはわかっているものとしていいのですよね? ・・・まだ心配ですね。

>「周期的な」という形容詞や「周期性」という名詞の英訳は>>715で挙げられた「cyclic」「cyclicity」よりも、「periodic」「periodicity」の方が、物理量としての「周期」(period)と統一がとれてよいのではありませんか、と用語の提案をしただけです。

 異なる概念を表すのに「統一がとれている」必要はありません。むしろ、できれば違う言葉を使いたいくらいです。そうすれば混同が避けられますからね。私は混同を避けたいから、わざわざ英語を示したのですよ。「周期」が表す2つの異なる概念を"cycle"と"period"とで区別している英語を示したのです。

>何度もお尋ねしていますが、「周期」や「波数」の定義に、なぜここまで固執されるのでしょうか? いくら共通理解が重要でも、議論に必要なものという前提があるはずです。今の論点は、

 このテーマは「今の論点」以前の問題です。議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。「繰り返し現象そのもの」と「繰り返し現象の最小単位の時間的長さ」という【まったく異なる概念】を、あたかも混同しているかのように話す相手と、まともに正確な議論ができるはずがありませんから。
 本来なら、「あっ同じ言葉でも違うよね。気をつけよう、ごめんね。」でさらっと済む話のはずなんですが。

731diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:36:21 ID:Qix9q/lA
>>728
 では本題である、私の質問[>>725,>>724]への答えに関してです。

 (波動力学での、ファインマンの書での)波数の単位は(ラジアン/メーター)とのこと了解しました。つまり単位次元は[角度/長さ]ですね。
 さて私が示した1/λの単位次元は[個数/長さ]です。分子は波の数、つまり繰り返しの数です。むろん分母は波長(繰り返しの空間的長さ)です。以下は釈迦に説法でしょうが、波長の長さでは繰り返しの数は1回なので、分子は1となっているのです。

 では再度お尋ねしますが、
 >ということはKenさんの考えでは、1/λと2π/λの違いは次のようなものであり、【両者は別の物理量である】との考えなのでしょうか?

  1/λ :「単位長さの間の波の数」 (物理化学や分光学での定義)
  2π/λ:「位相が1周する間の波の数」(波動力学での定義):単位(ラジアン/メーター)

 念を入れますが、尋ねたい要点は「【両者は別の物理量である】との考えなのか否か?」です。

 もしも同じ物理量であることを理解しているのなら、[>>722]で次のように私の定義を不適切だと判断している理由がわかりません。

>という書き込みがありました。ですが、そこには私が上に挙げた、波動力学の定義に従うべきとする理由への反論がありません。これだけでは、分光学での定義に従うことを求められるのは、無理があるのではないでしょうか?

 なお、「位相が1周する間の波の数」[>>722]という定義は「距離による位相変化の割合」[ファインマン原本の定義]とは違う概念を表すように見えるのですが? 同じ概念になるのですか?

 また2π/λの単位は(ラジアン/メーター)との答えをいただきましたが、[>>725]の問である「位相が1周する間」の単位次元は答えをいただいていません。教えてください。


 このように同義になるのかどうかを確認もしないで違う言葉を使用しているように見える点が、議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題になるのです。私の[>>725]では「位相が1周する間」と「位相が1周する間の波の数」とを混同していたように見えますし。

 なお「単位次元」を尋ねてはいても、「単位」を答えられれば「単位次元」もわかりますから咎めはしませんが、まさか「単位次元」と「単位」との違いを知らないなんてことはありませんよね? kenさんの文章を読むと、こういう失礼な疑問も湧いてしまうのですよ。本当に失礼な疑問で申し訳ないのですが。

732diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:37:59 ID:Qix9q/lA
>>729
 私の第1の問への答えはわかりました。

 第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> [>>680]
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 補足しますと、
  ・純粋数学に直接立脚というなら、そのことを第2法則の誘導過程で簡単に示してください
    そうすればKenさんの第2法則へのイメージもよりはっきりしそうですし。
    直接の意味もわかりにくい。間接的に立脚してる例とかとはどう違うのか?
  ・純粋数学に直接立脚していたら、なぜ最も否定の難しい自然科学理論になるのでしょうか?
    間接的立脚だけなら否定しやすいのですか?

  自然科学理論なんて、確実な反証ひとつで吹っ飛ぶものだと思うのですけれど。というのも言い過ぎかも知れませんが、少なくともどんな数学に立脚していようが否定の難易度に関連があるとは思えません。


 第1の問の答えに戻って
>という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。

 雨の例えはわかりやすくかったですよ。比喩以上の適切な例だったと思います。
 そして、雨の例が必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね? さすれば、よくよく突き詰めて考えれば、エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

733diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:44:47 ID:Qix9q/lA
>>729
 {[>>727]「投稿を待つ間に、」の投稿とは、}
の投稿が指すものは私の誤解でしたか。了解しました。[>>727]でお願いした配慮は、できるだけお願いしますね。

734Ken:2020/11/04(水) 23:22:33 ID:2bVYpmOE
*cycleとperiod

>異なる概念を表すのに「統一がとれている」必要はありません。むしろ、できれば違う言葉を使いたいくらいです。

diamonds8888xさんがおっしゃる2つの「周期」を統一するとは言ってません。
>周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

2つの「周期」は「cycle」と「period」でよいのです。そうではなく、私が>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよいと言ってます。この「周期性」にはperiodの方の「周期」が要素となるからです。>>687では、このように付け加えました。

>同じ間隔で同じ変化を繰り返すことです。(中略)三角関数で表現されます。

波動を定義する「周期性」は、単に繰り返せばよいのではなく、時間的であれ空間的であれ、同じ周期(period)が必要と言っています。ただ繰り返せばよいなら、それこそトラの縞模様も波動になるでしょう。そうではなく同じ周期(period)が条件だから、periodicがよいのではありませんか、と言いました。

*波数

>もしも同じ物理量であることを理解しているのなら、

本当に同じ物理量になるのですか?
diamonds8888xさんの定義は下記のものですが、

>波数 単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

これではファインマンの数式に適合しないのです。単純化のためk⋅rの代わりに1次元で表すと、

cos (ωt - kx)

という数式の中で、kの次元は[位相/長さ]でなければ、kxがラジアンに、つまりコサインの引数になりません。ωtと単位も次元も合わないではありませんか。

diamonds8888xさんが提示された定義も、何らかの根拠をもって行なわれたのでしょう。事実、ウィキペディア記事にも記載があるのですから。(ja.wikipedia.org/wiki/波数)

でも考えてみてください。ファインマンが定義する「2π/λ」では、光の波動性を論じることはできませんか? もしできるのなら、「1/λ」にこだわらず、ファインマンの定義でよいのでは? 前述のようにファインマンの講義は、カリフォルニア工大の全学生が、将来の専攻に関係なく、1・2年次で履修するもので、やがて「1/λ」を学ぶ学生でも先に「2π/λ」を知るはずなのです。

*第2法則の否定

>第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>>723でも言及しましたが、否定の難しさ、つまり反証可能性の問題を議論するのは、論題が基準01に戻ってからにしてはどうでしょうか? 今でも「熱力学第2法則」と「光の粒子性と波動性」という2つのテーマがありますし、さらにテーマを加えるとますます錯綜するのではと懸念します。ただ、いざ基準01に戻ったとき、いきなり第2法則やその他の課題が提出されたら驚かれるかもしれないと思い、先行情報として上の発言をしました。「確率論」というだけで、すんなり話が通じるいう期待もありました。

どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

*第2法則の矛盾

>エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

「エントロピー」自体が矛盾をはらむかどうかは問題にしていません。「エントロピーは不可逆的に増大する」という法則に矛盾があるといっています。どんな変化であれ、一方向にのみ不可逆的に進む変化は、初期状態がどうやって生じたのかという問題に行き着くからです。

エントロピーについては、もしかしたらそれが減少することが判明するかもしれませんが、それは今の第2法則が「間違った理論」と分かり修正されるということで、現在の、修正前の、第2法則が基準に違反する「疑似科学」であるのかとは、別の問題と考えます。

735diamonds8888x:2020/11/13(金) 20:30:00 ID:Qix9q/lA
>>734
不十分なレスで申し訳ありませんが、部分的にすぐ答えられるところだけ。

【*第2法則の否定】について

>どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

 了解です。なお、

>「エントロピー」自体が矛盾をはらむかどうかは問題にしていません。

 言葉足らずで誤解を与えてしまいました。すみません。

>「エントロピーは不可逆的に増大する」という法則に矛盾があるといっています。

 もちろん、そのことを指していました。

【2種類の「波数」の件】

>本当に同じ物理量になるのですか?

 つまり異なる物理量だとお考えなのですね。答えはYesと解釈していいのですよね?
 Yesと解釈した上で、私の考えを後ほど投稿します。何時とは約束できませんが。

>という数式の中で、kの次元は[位相/長さ]でなければ

 「位相」という次元はあまり一般的ではありませんが、御説明願えるとありがたいです。わからなければ別にいいですけど。位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べますしね。

【2種類の「周期」の件】

>2つの「周期」は「cycle」と「period」でよいのです。

 それをキチンと私に伝えてください。Kenさんがその「cycle」と「period」を理解していないように見えたので、これほどしつこく確認していたのです。失礼ですが、これまでの書き込みからは、一般的な物理概念についてのKenさんの理解の程度が、私にはまったく不明なのです。お手数でしょうが、「ちゃんと理解している」ということがキチンと私に伝わるように書いてください。

 再度確認。「cycle」は繰り返し現象そのもの。「period」とは、そのような「cycle」が持つ物理量のひとつで単位次元を持つ。理解できましたか? Y or N ?

>そうではなく、私が>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよいと言ってます。この「周期性」にはperiodの方の「周期」が要素となるからです。>>687では、このように付け加えました。

 これは私の質問への答えとは別の話で、波動に関するKenさんの説明の中の話ですよね? このような2つの別の話をくっつけるから、わかりにくいのです。御注意ください。

 まあ、今回のレスで、「>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよい」という考えは理解しました。コメントしておきますが、とてもユニークな考えなので、強調されないと「明確に同じ周期の繰り返しが認められること」というKenさん流定義の肝をつい見逃してしまうことは御容赦ください。
 はい、この点は理解しました。その上でなら「periodicity」を使うのも良い考えかも知れません。そうすればKenさん流定義の肝が誰にでも理解してもらえるかも知れません。

736Ken:2020/11/14(土) 00:35:56 ID:l3c2r2bk
>>735
一点、よろしいでしょうか?

>私の考えを後ほど投稿します。何時とは約束できませんが。
>位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べますしね。

私は>>728で、

>これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? もしもそのような疑いをもっておられないのなら、「周期」や「波数」の定義をここまで問題にされることが、現在の論点とどう関連するのですか?

と問いかけ、diamonds8888xさんから>>730で、

>私は光の波動性に疑いなどありません。

と回答がありました。ですが、この回答では私の質問の前半部分にしか答えておられません。もしも光の波動性に疑いをもっておられないのなら、波動理論にまつわる用語にここまで固執される必要があるのでしょうか? 同じく>>730で、

>議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。

と言われていますが、私は、そもそも波動理論は今の議論で取り扱うことなのか、と思っているのです。何度も繰り返していますが、私たちの論点は、

〜光は粒子であり、かつ波動である

という、古典力学では基準違反とされる理論が、量子力学では肯定されるのか、それとも量子力学においても否定されるのか、という点にあります。そしてもし否定されるのなら、

1.光の粒子性が否定される
2.光の波動性が否定される

のどちらか、もしくは両方が起こるはずです。そしてdiamonds8888xさんが光の波動性に疑いを持っておられないのなら、2の問題はそれで決着で、あとは1が残るだけではありませんか。ですから、粒子に関連する概念を私が正しく使っているかを検証しようというのなら、まだ分かりますが、波動にまつわる概念をここまで問題にする意味が分かりません。もしも波動理論への私の理解に問題があるのなら、基準05の検証をする上で問題が明らかになったときに、それを論じればよいのではありませんか?

それと、そもそも、>>685>>686で、

〜熱力学第2法則が論理矛盾を含む基準05違反ではないか

という問題から先に片付け、粒子と波動の問題は、その次にしようという合意がありました。ここは、たとえ私の波動理論理解に疑念があったとしても、まずは第2法則から論じることをお願いしたいと思います。

737Ken:2020/11/14(土) 00:57:48 ID:l3c2r2bk
1つ尋ねるのを忘れました。>>735の冒頭で、

>了解です

と言われたのは、議論をするのは基準01に戻ったときでよいが、私の考えは今説明してほしい、と言われたのでしょうか? それとも私からの説明も基準01に戻ったときでよい、と言われたのですか?

もしも今、説明を求められるのなら説明しますが、複数の論点を同時に議論するのは避けてくださるようにお願いします。

738diamonds8888x:2020/11/16(月) 05:34:35 ID:Qix9q/lA
>>737 前者です。今はKenさんの考えをきちんと理解したいのです。

>もしも今、説明を求められるのなら説明しますが、複数の論点を同時に議論するのは避けてくださるようにお願いします。

 御説明に対して理解できない点は質問しますよ。それを複数の論点と感じるかどうかは知りませんが、「複数の論点にするな」という一言で答えを拒まれても困ります。

739diamonds8888x:2020/11/16(月) 06:06:33 ID:Qix9q/lA
>>736
 私達2人は、互いに、とてもものわかりの悪い相手なんですよ。自分がいつも科学を考察している言葉をそのまま出しても通じないことが多々あることは既に互いに思い知っているでしょう? 自分がいつも使う言葉を一旦考え直してみて文章にする必要を私はひしひしと感じて実行しています。Kenさんはやってないでしょ? やっていたなら、わずか4-5時間でレスを投稿できるはずがありません。ご再考願いたい。

 以下、お気を悪くする表現もあるとは思いますが、以上の点を踏まえて御容赦願いたい。礼儀をかなぐり捨ててはっきり書かないと伝わらないこともあるようですから。ということで、次の投稿は推敲中ですので、よろしくお願いします。

 私の投稿を待つ間に、>>736を再考したり、付け加えたり、私に通じやすく改訂したり、ということは大いにやってください。Kenさんの柔軟性と自己変革能力と学習意欲に期待しています。

740Ken:2020/11/16(月) 23:51:15 ID:l3c2r2bk
>>738
>前者です。今はKenさんの考えをきちんと理解したいのです。

それでは、熱力学第2法則(及びいくつかの理論)が反証不能と考える理由と述べます。複数の投稿を数日かけて行なうと思います。

>御説明に対して理解できない点は質問しますよ。それを複数の論点と感じるかどうかは知りませんが

私は「質問」と「議論」の違いをこのように理解しています。

質問:相手の考えを明らかにするのが目的
議論:自分の考えを出し、必要なら相手の考えを変えさせるのが目的

量子力学が光の正体論争に与えた影響を説明する際にも、>>685で質問はよいが議論をするのは待ってくださいと頼み、>>686で了承をいただきました。そして私が>>687>>689で説明した後、diamonds8888xさんから、

「氷河期やトラの縞模様は波動なのか」
「波数の定義はなにか」

といったような発言がありました。このあたりまでは質問でしたし、私は、

「同じ周期が観測されないから波動ではない」
「波数はcos (ωt - k⋅r)のkでk=2π/λ」

と回答しました。ところが、その後、

「波数の定義は1/λではないのか」
「2π/λも1/λも同じ物理量ではないのか」

のような発言が出ると、これは私の考えをたずねる質問なのか、それともdiamonds8888xさんの考えを述べる議論なのか分からなくなってきたのです。それでも

「波数の定義は2π/λを用いるべき」
「2π/λと1/λは異なると思う」

と回答すると、>>735で、

「位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べます」

と言われるに及んで、これはもはや質問ではなく議論だと思いました。私の回答が明らかになれば、質問の目的は達せられたはずで、私が波動理論を正しく理解しているかはこの段階では問題になりません。私が誤っているなら、議論の中で問題にすればよいことで、その議論は第2法則の「矛盾」問題を片付けてからというのが、合意事項のはずです。

それでも、今されているのが「質問」であって「議論」ではない、と言われるのでしたら、私としては、「質問をするのも、第2法則を片付けた後にしてください」と答えるしかありません。diamonds8888xさんの「質問」に答えないと言ってるのでないことは、言うに及びません。

741Ken:2020/11/16(月) 23:55:15 ID:l3c2r2bk
>>739
> >>736を再考したり、付け加えたり、私に通じやすく改訂したり、ということは大いにやってください。

お言葉に甘え、少し付け加えます。

「周期性」とか「波数」とかいった、言葉の定義が問題になっていますが、このような問題を解決する最善の方法は、数式を用いることです。最初からそうしていれば、ここまで錯綜することはなかったでしょう。

>>725ではdiamonds8888xさんから、

>ファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

という指摘がありましたが、問題は数式と言葉のどちらが主でどちらが従なのかということでしょう。私は、特に物理学のような知識体系にあっては数式が「主」、言葉が「従」だと思います。ファインマン講義は、大学教養課程の学生に向けたものですから、通常の議論以上に言葉の説明に力を入れていますが、そのファインマンも、シンポジウムや投稿論文で同様の説明法を用いたとは想像できません。

特に私たちが問題にしている量子力学においては、数式の言葉への優越が顕著になります。例えば、量子が示す波動性とは存在確率のことだと言いました。でも「確率」は果たして物理量でしょうか? ただの抽象的な数学概念ではありませんか? 少なくとも日常的な言葉で表現できる物理量ではないでしょう。

それでも量子は抽象的な数式で表現するのだ、とファインマンが主張してるのが、例えば37章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_37.html)の5節です。「37–5 The interference of electron waves」の最後から4つ目の「Yet, surprisingly」で始まる段落で、量子の数式は水の波と同じであると。原文の「The mathematics is the same as that we had for the water waves!」に注目してください。mathematicsを斜字体にして文末に「!」を付けることで、力を込めてこの点を強調しています。なぜ量子は波なのか? それは波と同じ数式に従うからです。それ以外の、日常的な言語を用いての説明は、さすがのファインマンにもできるとは思えません。

こう考えると、最初に>>687で波動を定義したとき、「周期性」などというよりも、

波動とは、cos (ωt - k⋅r)または同じことを指数形にしたe i(ωt - k⋅r)で表されるもの

と定義して、「周期性」のような言語表現は補足説明として出せばよかったと、今となっては反省しています。>>687でも「三角関数で表現される」と付加しましたが、より強く、数式を前面に出していれば、その後のやり取りの多くは不要だったはずです。

ゆえに、これからも定義の問題を論じるなら、極力、数式で表現することを推奨します。それで大抵の問題は片付くでしょう。

742Ken:2020/11/18(水) 00:19:59 ID:l3c2r2bk
では、熱力学第2法則の反証可能性を語ります。まず一般論から始めます。

そもそも、ある理論への「反証」が現れたとき、科学はどう応じるのでしょうか? 私たちはよく、「定説でも1つの反証で崩れる」などと耳にしますが、本当にそうでしょうか? 科学史の1事例で考察してみます。その事例とは元素周期表の歴史です。以下の文章の情報源はアジモフの2書、「Asimov's Guide to Science」と「Noble Gases」で、周期表の考案者メンデレーフの事績を語ります。

メンデレーフは当時知られていた元素を原子量の順に並べることから始めました。このようにです。

水素、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、燐、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、(以下略)

見てのとおり、ヘリウム以下の貴ガスはまだ知られていません。こう並べると、元素の1原子が結合できる原子数を表す「原子価」が規則的に増減し、同じ原子価が何度も現れます。ここからメンデレーフは、現在の周期表の起源を考案したのです。1869年のことでした。

元素周期表は広範な支持を得ました。最大の利点は未知の元素を予言したことで、例えばカリウムと同じ周期にアルミニウムやシリコンの同族元素があると予言し、そのとおりに1875年にガリウムが、1886年にはゲルマニウムが発見されました。1879年のスカンディウムの発見も周期表が予測したものでした。

大成功した周期表ですが、問題が2つありました。

1つは「順序を守らない元素」の存在です。原子量127.6のテルルは126.9のヨウ素より後に来るはずですが、原子価ではテルルはセレンの同族で、臭素の同族のヨウ素の前に来ます。同じく、コバルトの原子量58.9はニッケルの58.7より大きいのに、原子価ではコバルトが先に来ます。元々メンデレーフが元素を並べる基準は原子量しかなかったのだから、これは矛盾で、当時は誰も説明できませんでした。

でも、説明できないなら、それはメンデレーフ理論への反証ではないのでしょうか?

メンデレーフ自身も、1894年に発見が報告されたアルゴンは新元素と認めませんでした。アルゴンは史上初めて確認された原子価=0の元素で、そのことも疑惑を生んだのでしょう。実在するなら原子価=0のアルゴンは塩素とカリウムの間に入るはずだが、アルゴンの原子量40.0はカリウムの39.1より大きかったのです。メンデレーフは観測されたのは新元素ではなく「N₃」だろうと主張しました。酸素原子が3つでオゾン(O₃)を作るように、窒素原子3つの化合物というのです。

第2の問題は、周期表のある地点から、元素の化学特性が変わらなくなることでした。ランタンはイットリウムの同族ですが、ランタンの後もイットリウムの同族元素が続くのです。後に「レアアース」と呼ばれるこれらの元素も説明がつかないから、メンデレーフ理論への反証だったはずです。

今の私たちは、その後の歴史を知ってます。20世紀に電子殻の構造が解明され、原子価は原子量で決まるものでないこと、電子殻は必ずしも順番に埋まるわけではないことから、「順序を守らない元素」もレアアースも説明されるようになりました。ですが、その解明がなされたのは1910年代から20年代で、メンデレーフ理論の半世紀も後のことです。その半世紀の間、この理論にはいくつもの反証があったわけですが、当時の人は理論を棄却しませんでした。反証を反証とは考えなかったのです。

では当時の人は、どう考えたのか?

一見矛盾に見える事例も、いつか説明されると信じて、反証と見なすことを拒絶したのでしょう。では、もし彼らが反証と見なすことがあるなら、何が必要だったのでしょうか?

矛盾を説明する理論は現れないと確信することです。これは「反証」の重要なポイントです。反証を反証とみなすには、矛盾を説明する理論は存在しないことが条件になるのです。

以上の説明を基盤に、熱力学第2法則の反証可能性を語ります。

(続く)

743Ken:2020/11/19(木) 00:34:49 ID:l3c2r2bk
熱力学第2法則は確率論に立脚するので、まずは確率論の反証可能性から語ります。

双六で用いる普通のサイコロがあると考えてください。このサイコロを振って「1」の目が出る確率は1/6ですから、600回振れば100回前後、6000回振れば1000回前後は「1」の目が出ることが、確率の法則から予測されます。

では、もしサイコロを6000回振って、すべて「1」が出たら? その事実を反証と見なして、私たちは確率の法則を否定するでしょうか?

絶対にそうはならないはずです。その場合は、なにかの原因があるはずと、私たちは考えるでしょう。サイコロ自体がいかさまであるのか。サイコロ師がよほど特殊な振り方をしたのか。サイコロでもサイコロ師でもない、何か環境的な原因があるのか。そういうことを考えて、原因を探すはずなのです。

問題はここからです。一定の努力を傾け時間をかけて探しても、原因が見つからないときは、どうするのでしょうか? もはや特別の原因はないと結論して、確率の法則を否定しますか?

できないはずです。数学理論を実事象の観測だけで否定することなどできません。数学理論を覆せるのは数学理論しかなく、サイコロの目のような物理現象では否定されません。よって「1」ばかりが出る原因を永久に探し続けるはずなのです。これは、言い換えれば、「このような事象が観測されたら、確率の法則は反証される」という事象を、具体的に想像できないということです。よって、確率の法則は反証不能になります。

(続く)

744Ken:2020/11/20(金) 00:19:53 ID:l3c2r2bk
さて、熱力学第2法則ですが、まずはこの法則を解説します。非常に初歩的で冗長なものになりますが、我慢してください。私(Ken)自身が第2法則を正しく理解してるかを検証するために読んでいただいても結構です。

ここに3つのボールがあるとします。区別のため「A」「B」「C」と名前を入れます。3つのボールをある高さから落下させ、そこに開いた箱を3つ置きます。箱には「1」「2」「3」と番号を付けましょう。ボールがどの箱に入る確率も同じ、つまり1/3です。

実験を繰り返せば、3つが同じ箱に入ることも、別の箱に分かれることもあるでしょう。その確率はどうなるでしょうか? その計算には、3つが同じ箱に入る場合と別の箱に分かれる場合が、それぞれ何通りあるかを数えます。

同じ箱に入る場合は3通りあります。
[1]ABC [2]空 [3]空
[1]空 [2]ABC [3]空
[1]空 [2]空 [3]ABC

別の箱に分かれる場合は6通りあります。
[1]A [2]B [3]C
[1]A [2]C [3]A
[1]B [2]A [3]C
[1]B [2]C [3]A
[1]C [2]A [3]B
[1]C [2]B [3]A

ゆえに、同じ箱にまとまる確率は、別の箱に分かれる確率の半分になります。この、同じ箱にまとまるのがエントロピーが小さい状態、別の箱に分かれるのが大きい状態です。つまりエントロピーが増大するとは、確率の大きな状態になることです。

わずか3つのボールと箱でもエントロピーが小さい状態は大きい状態の1/2の確率ですが、ボールと箱が4つならこれが1/6になります。ボールと箱が5つなら1/24、6つなら1/120とエントロピーが小さい状態は生じにくくなり、ボールと箱が100あると、156桁もある数値分の1という奇跡のような確率になります。しかし実際の熱力学現象での分子や原子の数は到底こんなものではありません。

例えば水の分子量は18ですから、わずか18ccの水の分子の数は6.02 × 10²³。こんな数だと上記の確率を電卓ではもう計算できません。ましてや浴槽を満たす水では? 海の水では? それどころか宇宙全体の素粒子なら? こう考えると、エントロピーが減少するとは、サイコロの目が6000回すべて1になることをはるかに極端にしたものと納得されるでしょう。熱力学第2法則は確率論そのものなのです。

では、もしエントロピーが減るように見える現象が観測されたら? 例えばコップの水に垂らしたインクが拡散せず逆に1点に集まるとか。あるいは高温の物体と低温の物体が接触し、高温側がさらに熱く、低温側が一層冷たくなるとか。私たちはそれを見て、第2法則が反証されたと考えますか?

考えないでしょう。例えば冷蔵庫は熱を低温側から高温側へ移動させますが、一見エントロピーが減ったようでも、冷蔵庫を動かす電力を作る発電所で燃料を燃やし、石油や石炭の内部エネルギーを散じており、結局エントロピーは増大しています。私たちはそのような理由を探すはずです。

そして、サイコロと同じで、問題はここからです。冷蔵庫の場合のような理由を探しても見つからない時は、第2法則が反証されたと考えますか?

考えません。確率論そのものである第2法則は、確率論自体を否定しない限り、否定できません。一見、反証に見える事象でも、必ずあるはずの理由の探求が永遠に続くだけで、「こういう事象が観測されたら第2法則は否定される」という事象を想像できません。よって反証不能です。

(続く)

745Ken:2020/11/21(土) 11:43:34 ID:l3c2r2bk
まだ終わりではありません。次はメンデルの法則を考えましょう。19世紀のメンデルがマメ科の植物を観察して得た結論です。優性遺伝子と劣性遺伝子が交配すると、「子」の世代ではすべて優性遺伝子の表現型が現れ、「孫」の世代では3対1で優性が現れるといいます。これも確率の法則に立脚したもので、「孫」の世代が受け継ぐ遺伝子の組み合わせには、

[1]父親から優性、母親から優性
[2]父親から優性、母親から劣性
[3]父親から劣性、母親から優性
[4]父親から劣性、母親から劣性

の4通りがあり、[4]の場合のみ劣性遺伝子の表現型を示すからです。高校(中学でしたか?)の授業で教える、基本中の基本です。

では、メンデルの法則の反証とはどんなものでしょうか? 「孫」の世代が3対1ではなく2対1になる事象が、十分なサンプル数で観測されたら、反証になりますか?

ならないはずです。やはりサイコロやエントロピーと同様に、そうなる原因が探索されるでしょう。その形質に影響する遺伝子が複数あるのか。遺伝子以外の環境的要因が働いているのか。そして、結局サイコロやエントロピーと同じ問題に行き着きます。法則どおりにならない原因を発見できなかったとき、どうするかです。

結局メンデルの法則も事情は同じです。確率の法則を数学の問題として否定しないことには、メンデルの法則を否定はできず、原因の探索が無限に続くだけです。

サイコロ、エントロピー、遺伝という3つの事例にまつわる法則を考察し、事象の観測だけでは反証できないことを述べてきました。3つとも確率論に立脚しているのが理由ですが、実のところ、確率論とは関係のない法則でも、結局は同じ問題に行き着くのです。

どんな法則であれ、一見、反証と思える事象が観測されても、実はそれを説明する理由があるかもしれません。(いかさまサイコロのように)。そんな理由はないことを明らかにしなければ、反証を反証として受け入れることができません。これこそ、最初に持ち出した元素周期表で起こったことで、新しいレアアースがどれだけ見つかっても、それを説明する理由が、つまり後世の電子殻理論のようなものが、存在しないといえなければ、反証はできないことになります。その法則が確率論に立脚していようが、いまいが。

ですが、「存在しない」ことを証明するのは「悪魔の証明」です。誰にもできません。そして、ここまでくると、反証不能な理論の数は著しく増大するのです。

(続く)

746Ken:2020/11/21(土) 21:36:47 ID:l3c2r2bk
ID論が「疑似科学」とされる理由の1つが反証不能といわれます。以前に紹介した記事で、ドーキンスもそれを言ってます。

www.theguardian.com/science/2005/sep/01/schools.research

「それに比べて」とドーキンスは続けます。「進化は反証可能である。もし先カンブリア時代のウサギの化石が見つかったら進化は反証される」という言葉を紹介しています。

しかし、以前に言ったことの繰り返しですが、このような言い方は論理の歪曲で、ドーキンスこそ疑似科学者ではないかと、私が疑う理由なのです。IDと進化を対比させても意味がありません。進化とは生物種が時間的経過の中で変わることですが、IDはそれを否定しないからです。

IDの対立仮説は進化ではなく自然選択です。過去の進化の一部に注目し、自然選択と人為的干渉のどちらが合理的に説明するかを問うのがID論です。ドーキンスがIDを反証不能と論難するなら、彼は進化ではなく自然選択が反証可能と言わねばなりません。

でも、自然選択は反証可能ですか?

反証可能と思う人は、反証になりそうな具体事象と、それが現実になった場面を想像してみるべきです。そのとき自分は自然選択を否定するかと。

工場の煤煙のせいで黒い蛾が増えたというおなじみの話があります。町並が黒くなり、蛾の黒い色が保護色となって、捕食されにくくなったと。では、もし、町並が黒くなる中で白い蛾が増えたら、自然選択は反証されるでしょうか?

されないはずです。そもそも保護色だけが繁殖に有利とは限らず、孔雀の羽のように目立つことも有利になりうるから、蛾でも同じ想像をする人が現れるでしょう。また、色自体は要因ではなく、蛾の体内に何らかの化学物質が生じ、それが代謝の効率を高めたり、特定の病気への耐性を強めたので、白い色はその物質の副産物という想像がなされるかもしれません。とくに、煤煙が起こす健康障害への耐性を強める物質なら、煤煙と時間的に符合した形で白い蛾が増えるはずです。

そのような事情は一切ないと結論されて、初めて自然選択は反証されるのです。でもそんなことが可能ですか? 「先カンブリア時代のウサギ」に該当する、自然選択を反証する事象とはどういうものでしょうか?

結局ここでも周期表や第2法則やメンデルの法則と同じことが起こります。一見、反証に見える事象があっても、別の理由があってそうなるだけかもしれず、そのような理由は「ない」ことを証明しなければ、つまり「悪魔の証明」をやらなければ、反証とは見なされません。

(続く)

747Ken:2020/11/22(日) 21:56:28 ID:l3c2r2bk
私は以前に、クォークやモノポールのような素粒子の存在を反証できるかと尋ね、結局は保留になったはずです。しかし第2法則や自然選択と比べれば、素粒子の反証はまだ望みがあるように思えます。なぜなら対象となる素粒子に具体的な特徴があるからです。

例えば、ゲルマンが提唱したクォークなら端数の電荷という特徴があり、クォークの実観測を試みた人は端数電荷を探したといいます。存在証明はそれでよいとして、反証はどうやるのか。私には思いつきませんが、もしかしたら背理的に証明できるかもしれません。つまり陽子や中性子の内部に端数電荷が実在するなら起こりえない現象を見つけるのです。それがどんな現象なのか想像もつきませんが、一般論としては、具体的な特徴があるほど背反現象を見つける望みが出ます。

でも、反証が反証でないことを示す理由、たとえば、

*本当はエントロピーが増えてるのに減ってるように見える
*本当は自然選択で白い蛾が増えてるのに、自然選択に逆らってるように見える

このような、具体的な特徴が何もないものに、どうやって背反現象を想定できるでしょうか?


それとも、「反証」とはそこまで厳密なものではなく、「矛盾があるかもしれない」程度でも、反証と考えるのですか? 例えば、熱が低温から高温に移動することが観測され、かつ冷蔵庫のような明らかな理由が見つからない場合は、それが見つかるまでは反証と考えるのですか?

でも、そこまで反証の定義をゆるめるなら、今度はあらゆる理論が反証可能になり、反証の意味がなくなりませんか? 早い話が、天地創造論も反証可能です。『創世記』を読むと、神は昼と夜を分ける光を2度創造したことになります。初日に昼夜を分け、その後、天と地を作り、植物を作った後、4日目にもう1度昼夜を分ける光を作り、それから動物を作ったとあります。いかに全能の神でも、既に分かれている昼と夜を、どうやって分けられますか。そこを突けば反証になります。

反証可能性に関して、私がいま語れるのは、以上です。あと、ブラックホール内部を考察する問題も、まだ決着してないはずです。最初に断ったように、基準01に戻った時の予備情報として一連の投稿をしました。

748diamonds8888x:2020/11/28(土) 09:51:47 ID:Qix9q/lA
>>741>>747
 詳しい説明をありがとうございます。Kenさんの基本的考え方がかなり理解できたように思います。そのいくつかは私の基本的考え方とは重要な点で食い違いがあるわけですが、簡単な説明では、そこを私の考え方で解釈してしまって誤解することがあるというわけです。これはKenさんが私の文章を解釈する時でも同じでしょうから、互いに気をつけましょう。

 上記の食い違いのいくつかは、Kenさんに改めてもらわないと、それ以上の議論はできないくらいのものです。それは、研究者などが普通に科学的考察をする際の方法とは、ずれています。

 さて私の理解したところ、以下の論点があるようです。
 1)【定義の問題(自然科学の中の数学)】
 2)【熱力学の基本】
 3)【反証の実際(硬い核の問題)】

 3は(硬い核の問題)と呼ばれていますが、誠実に考え、なおかつ人に説明しようとすると、なかなか難しい問題です。ひとまず留保。
 「基準01に戻った時の予備情報として一連の投稿をしました [>>747]」とのことですから、Kenさんも今は留保のつもりだと思いますが。

 ただし研究者などが普通に科学的考察をする際には、自動的に「これまでに積み上げられた科学的知見」は正しいものとして考えます。そういうことだと思っておくのが実用的だと思いますね。

 1と2はどちらも、自然科学の中の数学ないし数式の位置付けの問題が関連していますね。基本的な私の認識として、数式とは自然科学の内容を表現するための言葉のひとつです。ちょうどグラフや表と同じように。Kenさんはどうも、数式は言葉以上のものと考えている節が感じられますが、これは誤解ですか?

 というところで、少しずつですが別発言にて。

749diamonds8888x:2020/11/28(土) 15:33:28 ID:Qix9q/lA
>>741 【定義の問題(自然科学の中の数学)】
>ゆえに、これからも定義の問題を論じるなら、極力、数式で表現することを推奨します。それで大抵の問題は片付くでしょう。

 そうですか、了解です。では私の考える波数の定義を厳密に数式だけで表現します。あっと「波数」だけは自然言語に見えますが、こればっかりはねえ。

   波数=η/ζ

 これで【私の言いたかったことが、よーーーくご理解いただけたのでしたら】、とても嬉しいのですが。


 念の為に申し添えますが、特に【】内はいわゆる掛詞(二重表現)を含んでいます。表(おもて)の表現だけの理解でも構わないですけれど。

750diamonds8888x:2020/11/28(土) 15:44:17 ID:Qix9q/lA
>>743, >>744, >>745 【熱力学の基本】

 差し障りのある問題ではありませんが、ここで論じられている「熱力学」は「統計力学」と呼ばれるもので、それ以前の初期の「熱力学」、クラウジウスが創始した「熱力学」は別の土台に基づき、別の数学を使っています。もちろん、以上は御存知のことでしょう。とは思うけどねえ・・、そう思い込んで違ってたことも多々あるから、一応、初耳だったとしたら、見栄なんかはらないではっきりそう言っておいてくださいね。【ちゃんとY/Nで答えてください】

 もしお持ちならば、「統計力学」なしの「熱力学」についての知見や見解も御披露いただけるとありがたいです。

 以下はほんの触りを紹介しています。
[tps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6#%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86%E5%B1%95%E9%96%8B]

 本格的にはネットにも色々ありますし、標準的教科書も色々あります。

751diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:24:39 ID:Qix9q/lA
>>743, >>744, >>745 【熱力学の基本】
わたしの理解した点いくつか、のうちの一つ。

 [>>726]での私の問いへの答えはよくわかりました。

> [>>680]
> >むしろ2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>  この意味を具体的にわかるようにお願いします。

 Kenさんの考えはよくわかりました。そしてそれは、決定的な点で、研究者などが普通に科学的考察をする際の方法とは異なっています。はっきり言えば、間違った考えです。

752diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:28:14 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 >>742>>747 で提起されている【反証の実際】は、なかなか手ごわいものでポパー理論を絶対と考えると解決できないだろうと思います。実際、だから現在、ポパー理論は科学哲学者の間では評判が悪いとかいう話です。
 いわゆる「線引き問題」「境界設定問題」についてのたぶん最新の解説を見つけましたので、メモしておきます。長文で見つけたばかりなので、私は全部は目を通してはいません。

tps://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/243232/1/sst.8.5.pdf
Title 境界設定問題はどのように概念化されるべきか
Author(s) 伊勢田, 哲治
Citation 科学・技術研究 = Studies in Science and Technology (2019),8(1): 5-12


 で、普通に科学的に経験論の基本で考えてどうなのかと。以下、つれづれなるままに断片的な思考です。もしや楽しい練習問題にできるのかも知れませんし。

 「原子量に基づくメンデレーフ理論」は実際に反証され否定されている。
 そう言えば「ニュートン力学」も実際に反証され否定されている。忘れがちだけど。
 しかし、「〜の条件ではニュートン力学は成立する」という理論は今でも正しい。
 その意味では「メンデルの法則」も実際に反証され否定されている。
 ああ、その意味では「ダーウィンの唱えた進化理論」もでした。
  私自身もそんなことブログに書いてたと思うし、更科功の本では、はっきりそう書いてあった。

 「もし先カンブリア時代のウサギの化石が見つかったら進化は反証される」とは言うものの、それらしきものが見つかったとしても、それが確かに「先カンブリア時代のウサギの化石」なのかどうかを事実として確認するのはなかなか難しいであろう。
 科学的観測というのは簡単ではありません。火星の運河とかポリウォーターとか、観測間違いによる混乱は有名なものだけでも数多く、無名なものなら世界中の実験室や観測施設で日常茶飯事でしょう。
 けれども困難と不可能とは超巨大数と無限くらい違う。その間には暗くて深い河がある。


 いや、これだけだと禅問答みたい。でも経験論的科学の何たるかがわかっている人ならば、この禅問答の言わんとするところはわかるはず。

753diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:30:26 ID:Qix9q/lA
>>752
 なお【反証の実際】とその難しさについては、Kenさんとの間では一旦保留ということになっています。

 [>>734,>>735, ]
--------------
>第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>>723でも言及しましたが、否定の難しさ、つまり反証可能性の問題を議論するのは、論題が基準01に戻ってからにしてはどうでしょうか?
 ----------
>どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

 了解です。
--------------

754Ken:2020/11/28(土) 21:04:57 ID:l3c2r2bk
繰り返しになりますが、お願いしたように、論点は1つずつ片付けましょう。今は3つの論点が「やりかけ」になっており、議論する順序は、

1.エントロピーが不可逆的に増大するという理論は、基準05違反ではないか?
2.光は粒子でも波動でもあるという理論は、古典力学では基準05違反だが、量子力学で違反でなくなったのでは?
3.エントロピーが不可逆的に増大するという理論は、反証不能ではないか?

3は基準01に関連するので、1と2の直後に論じるべきかは、2つが終わってから決めましょう。

なお、>>749>>750で指摘されたことと質問されたことは、それぞれ上記の2と3に関連すると思われますので、それらが論点になったときに回答します。そのときには、これらの指摘と質問が論点とどう関わるのかと尋ねることから始めます。

ただし、>>748>>751 で指摘されたことが、もし

〜数式は自然科学を表現する1方法で、自然科学理論の正否を支配するものではない

と言われているのなら、これはおそらく1の論点と関連するでしょう。「(¬P)∧P」を否定する基準05は、まさしく、

〜数理的にありえないことは、実事象でもありえない

と言っているように思えるからです。

755diamonds8888x:2020/11/29(日) 11:17:33 ID:Qix9q/lA
>>740>>747
【質問と議論】
 以下のコメントを読むのが不十分でKenさんの考えの基本的部分をまたまた誤解してることが判明したので私見を述べます。

[>>740]
> 質問:相手の考えを明らかにするのが目的
> 議論:自分の考えを出し、必要なら相手の考えを変えさせるのが目的

 はい、同意します。

> 「位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べます」

> と言われるに及んで、これはもはや質問ではなく議論だと思いました。私の回答が明らかになれば、質問の目的は達せられたはずで、私が波動理論を正しく理解しているかはこの段階では問題になりません。私が誤っているなら、議論の中で問題にすればよいことで、その議論は第2法則の「矛盾」問題を片付けてからというのが、合意事項のはずです。

 私の認識では、この問題は「波動理論を正しく理解しているか」というレベルではなく、「物理化学で使われる用語(概念)が共通な言葉になっているのかどうか」というレベルの問題です。それどころかKenさんの概念があまりにひどく間違っていて話にならないわけで・・。


 でもそうですね。わかりました。どうせ、ここで私が位相についての正統派解釈を書いても、素直に受け入れるはずありませんよねえええ。しゃあない。
 了解です。Kenさんが如何にして、どこでどう間違えているかの議論になっちゃいそうですし、確かに上記の議論の定義に入りそうですからねえええ。これくらい互いに物分りが悪い相手同士だと思い知りました。

 了解です。波数と位相の話は二人の間では保留としましょう。

 それに、もう少し見解を拝聴したほうが、全体像がより理解できそうですからね。

756diamonds8888x:2020/11/29(日) 11:25:39 ID:Qix9q/lA
>>755
【信頼性の問題】
[>>736]
>>議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。

> と言われていますが、私は、そもそも波動理論は今の議論で取り扱うことなのか、と思っているのです。何度も繰り返していますが、私たちの論点は、

 ここの後半の推論はまったく理解できません。なぜそうなのかは、[>>755]で述べたレベル認識の違いによると思われます。まあ、光の二重性の議論に入ったときにでも改めて解説してください。

 たぶんKenさんも私の「レベル認識の違い」の意図がピンときてないので、私の感覚が理解できないことは想像できますから、何を説明したらいいのやら困惑するとは思いますが、すみませんねえ。

757diamonds8888x:2020/11/29(日) 14:12:30 ID:Qix9q/lA
>>754

 1-3の順は、Kenさんがそうしたいなら了解です。ロバは違う場所では水を飲みたがらないから。ただ、いくつか確認と、防備メモ、ないし後の参考の予備知識として私の認識をメモしておきます。

 3は扱う対象の科学理論は1と同じだけれど、論点が反証可能性の困難さ、私の言葉での【反証の実際(硬い核の問題)】なので1とは別個に論じるということですね? はい、深く同意します。1-3の中では、たぶん一番ややこしいと思います。

 1と2は私の言葉で、今、改めて表現すれば【矛盾とエセ矛盾】とでも言う問題です。基準05、すなわち論理法則における矛盾律の自然科学理論における位置づけということにもなるでしょう。これは論点は同じだけれど対象の科学理論ので、まずは熱力学からということですね。 なら了解です。

 御指摘の私の質問コメント4つが1-3のどこに当てはまるのかですが、私の質問意図としては1-3とは別ないしは重なるテーマが適切というものもあります。

>>749 波動とは何か、波動の持つ物理量には何があるか :2関連。広くは議論の前の基本。
   「科学理論の中の数式の位置づけ」に含まれるが、より限定的範囲
>>750 「科学理論の中の数式の位置づけ」  :1-3すべての土台となる基本
>>748 3つありますが?
 1)【定義の問題(自然科学の中の数学)】 :[>>749]と同じ
 2)【熱力学の基本】  :1と3
 3)【反証の実際(硬い核の問題)】 :3のテーマそのもの
>>751 「科学の中の数式の位置づけ」 :1-3すべての土台となる基本


 最後に、1-3は疑問形になっていますが、現時点双方の見解は以下の通りと認識しています。私がKenさんの見解を誤解してたら御指摘を。

 1.Kenさん;違反している  私;違反していない

 2.Kenさん;Yes
   私;二重性の意味を明確にすべし。
    「同時に粒子としても波動としても観測される」 古典論でも量子論でも違反
    「ある場合は粒子として別の場合は波動として観測される」
      古典論でも量子論でも違反しない。量子論では観測事実と一致する。

 3.Kenさん;反証不能  私;反証可能。>>742>>747の例もすべて反証可能。


【以下は単なる防備メモなので気にしないでくださいね】
>「(¬P)∧P」を否定する基準05は、まさしく、
>〜数理的にありえないことは、実事象でもありえないと言っているように思えるからです。

 なるほど、ますます症状がわかってきました。「論理法則における矛盾律の自然科学理論における位置づけ」の問題なのですが、もっと基本的土台である「科学の中の論理法則の位置づけ」の問題の具体例ですね。広くは「科学の中の数式の位置づけ」の具体例というわけですか。

758diamonds8888x:2020/11/29(日) 17:15:19 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学以来、科学理論は仮説演繹法で証明ないし検証されることが多くなり、演繹部分における数学の比重が大きくなりました。そのため、数式こそ科学理論の本質だと勘違いする論を目にすることも多いのですが、んなわけないよ。

 仮説演繹法は大きく、仮説、推論、結論、の3つのステップからなります。そして結論の正しさを観測により検証し、その観測事実を証拠として仮説は正しいと結論するのです。ここで推論の正しさは数学で証明済みの定理のみが使われていることで示します。つまり言うなれば、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。

 仮説演繹法による検証を反映して、ニュートン以来の科学理論そのものも3つの部分から成り立つものがほとんどとなりました。万有引力の法則を例に取れば、
  仮説 2つの物体間にはF=G*m1*m2/r^2 の力が働く
  推論 ある条件、例えば太陽の周りを地球が公転している場合の軌道計算
  結論 太陽を焦点のひとつとする周期1年の楕円軌道を描く

 この場合だと多くの人は仮説の部分だけが万有引力理論であり、推論と結論の部分は「理論から予想される現象の予測であり、理論そのものではない」と認識するかも知れませんし、まあそれが、ある意味では正論です。
 しかしこれが量子力学や熱力学となると、推論部分で結構高度な数学を長々と使わねばならないため、教科書でも数式を使う推論部分が非常に分厚くなります。なので「推論部分も理論の一部である、いや大部分である。多くの部分を占めるのだから核心部分である」と考えたくもなろうというものです。しかしいかに長かろうと多くの部分を占めていようと、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。その意味では、理論の一部と言うならともかく、核心部分ではありません。

 では具体的に、水素原子核の周囲の電子の運動の理論を見てみましょう。
  仮説0 電子の状態は存在確率(観測される確率)の平方根である波動関数で示される 
  仮説 電子の波動関数φは、ih(d/dt)φ=H(φ) を満たす
       (若干不正確な表記で失礼)
  推論 水素原子核の周囲の電子の波動関数の計算
  結論 s,p,d,f,等の軌道となる (いわゆる球面波動関数です)

 並べれば万有引力の法則との対応は明らかですが、色々と実際的な違いもあってこの明らかさが見えにくいのも確かです。その色々と実際的な違いをいくつか挙げれば。

 ・仮説0が日常感覚とかけ離れていて理解しにくい。
 ・各段階ひとつひとつが、万有引力の法則と比べて、ともかく長くてややこしい。
 ・実はここの結論は、そのまま観測事実として確かめることはできない。
   電子スペクトルとか様々な現象から推論する。換言すれば、
   上記結論を仮説においての仮説演繹法で実際の現象を導くことが必要


 ひとまず、ここまで

759Ken:2020/12/01(火) 23:32:48 ID:l3c2r2bk
>1-3の順は、Kenさんがそうしたいなら了解です。

順序は合意に基づいていることを思い出してください。


>御指摘の私の質問コメント4つが1-3のどこに当てはまるのかですが

この後に続く部分はそれで結構ですが、どうしても明確にしておきたいことがあります。議論の中の各論点が、議論の目的に関連していることを保証してほしいのです。例えば、diamonds8888xさんは、

>「同時に粒子としても波動としても観測される」 古典論でも量子論でも違反

と言われますが、これは私への明確な反論になります。私は、光が示す波動的特性に、

[A] 干渉縞を作る / ドップラー効果を示す / 波動理論が導く速度で伝播する

を挙げ、一方、光の粒子的特徴として、光が、

[B] 日焼けを起こす / 目に見える / 写真を写す

ことを挙げ、[A]の特徴を、[B]のように目で見たり写真に写せることが、同時に観測されることだといいました。私の論点を崩すのなら、

(1)Aのどれも波動の特徴ではない
(2)Bのどれも粒子の特徴ではない

すくなくとも、このどちらか1つを論証する必要があるはずです。ですから、

>波動とは何か、波動の持つ物理量には何があるか

このようなことを論点にされるのなら、それは(1)を論証し、[A]が光の特徴だという主張を否定するのが目的であり、「波数」の定義もそのために必要なのだと、あらかじめ保証していただきたいと思います。それは、つまり、(1)を論証する過程で、必ず「波数」が現れることを意味します。


それでは、最初の論題、エントロピーが不可逆的に増大するという熱力学第2法則は、基準05に違反しないという主張の根拠を説明していただけますでしょうか?

760diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:34:43 ID:Qix9q/lA
>>759

 単に状況確認と忘備録として2人の見解を示しただけであって、議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。私はまだKenさんの見解を十分に理解していないと思っていますから、>>758に書いた私の見解を、Kenさんにも理解していただけるように、さらに詳しく説明する自信がまつたくありませんので。

>順序は合意に基づいていることを思い出してください。

 以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません。しかし、ともかく[>>758]では私は合意しました。

761diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:37:22 ID:Qix9q/lA
>>759

 単に状況確認と忘備録として2人の見解を示しただけであって、議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。私はまだKenさんの見解を十分に理解していないと思っていますから、>>758に書いた私の見解を、Kenさんにも理解していただけるように、さらに詳しく説明する自信がまつたくありませんので。

>順序は合意に基づいていることを思い出してください。

 以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません。しかし、ともかく[>>758]では私は合意しました。

762diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:39:39 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
【まず訂正】>>758 で3ステップに分けた中の「推論」は「演繹」とします。その方が、この部分は数学なんだということが忘れにくいでしょう。


 >>743>>743 における問題は、熱力学(統計力学)というよりもむしろ、「確率論の中の数学と自然科学」という問題だと、私は気が付きました。確率論を学習したり応用したり考察したりする場合に、数学プロパーの人でもない限りはサイコロなどの具体例を使って考えます。そのために数学の部分(仮説と演繹の世界)と自然科学の部分(経験と観測の世界)とを混同してしまうというわけです。

例1)
第1ステップ 1-6の目の出る確率が全て等しいサイコロを用意する
第2ステップ 600回振って1の出る回数を計算する ;演繹
  その結果 100回付近での各回数の確率が正規分布で得られる ;演繹予測結果
第3ステップ 実際に600回振って1の出た回数を数える ;検証

 これでは、物であるサイコロを用意するとか、実際に600回振ってとか数学ならぬ自然科学での操作が含まれてしまっています。もっと数学らしくしましょう。

例2)
第1ステップ 1-6の目の出る事象の確率が全て等しいとする ;仮定または公理
第2ステップ 600回振って1の出る回数を計算する ;演繹
  その結果 100回付近での各回数の確率が正規分布で得られる ;演繹予測結果
第3ステップ いやいや、「その結果」までで数学は終わりですよ(^_^)

 この比較を見れば分かる人にはもう数学と自然科学との混同という意味は一目瞭然ですから、ひとまずここまでとしてもいいのですが、ちょっと第1ステップの比較を考えてみましょう。

 後者は典型的な数学における仮定をおく形になっていますが、前者では「用意する」などと日常的な、すなわち数学ならざる作業になっています。これはまさに自然科学的操作であって、「どうやって確率の等しいサイコロを用意するのか?」「用意したサイコロの目の出る確率が等しいことはどうやって保証するのか?」という疑問が生じるわけです。生じない人は・・・考えがあまーーーい。

 そして「サイコロを用意する」という操作を自然科学的操作と意識して、現実に近いものに表現すれば、次のようになります。

例3)
第1ステップ 1-6の目の出る確率が全て等しくなるであろうようにサイコロを作る
第2ステップ 既述と同様 ;演繹
  その結果 既述と同様 ;演繹予測結果
第3ステップ 既述と同様 ;検証

 第3ステップはまさしく作ったサイコロが思惑どおりに確率が全て等しくできたかどうかを確認検証しているのです。では第1ステップでは、「確率が全て等しくなるであろう」ものの作成法をどう決めるのでしょうか? それは色々と考えられます。
 例えば、全体が均質で正確な立方体となっていて、各面の摩擦とかも等しい、とか、「ともかく各面が区別し難く作れば確率も等しくなるだろう」という一種の「理論」に基づいて作ります。
 別法では例えば、作り方を試行錯誤して、上記3ステップによる検証を繰り返しながら調整していくという方法もありますね。

 で、次のような例も考えられます。
例4)
第1ステップ サイコロを用意した。1-6の目の出る確率は不明。なのでこの確率をPi (i=1-6) とする。
第2ステップ 既述と同様 ;演繹
  その結果 既述と同様 ;演繹予測結果
第3ステップ Pi を推測 ;測定値を求める

 いやいや、この例4はよくやられてますね。放射性元素の壊変定数の測定とか、素粒子の寿命の測定とか、所定量の薬物を100匹のねずみに与えた時に何匹死ぬかとか、色々。当然ながら、測定値には誤差があります。

 ひとまず、ここまで。

763Ken:2020/12/04(金) 23:05:48 ID:l3c2r2bk
>以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません

時間が経ちすぎていて投稿番号まで思い出せませんが、基準01を保留して基準05を先にするのは、diamonds8888xさんの提案だったはずです。また、基準05の中で、光の粒子性/波動性より先に熱力学第2法則を片付けることは、>>685で私が提案し、>>686で同意をいただきました。よって、これらの合意に従うと、私が>>754で述べた1、2、3の順序になるはずです。

>議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。

私としては、今の時点で言えることは言い尽くしたと思っていますが、まだ足りないということでしょうか?

たとえば、>>757で、

>1.Kenさん;違反している  私;違反していない

と、1の論点に関するdiamonds8888xさんの意見を表明しておられるということは、私の問題提議を承知されているからではないのですか?

論点1についての私の見解は、>>674につきます。念のために補足するなら、ここでは、熱力学第2法則が間違っているかは問題にしていません。そのことは>>680でも述べました。もしも第2法則が間違っており、エントロピーの減少がありうるなら、第2法則は当然、基準05違反ではなくなります。

そうではなくて、エントロピーが減少することはない、とする現在の理論、あらゆる教科書に載っている今の第2法則が基準05違反ではありませんかと、問いかけています。>>734で述べたように、

>どんな変化であれ、一方向にのみ不可逆的に進む変化は、初期状態がどうやって生じたのかという問題に行き着く

からです。ファインマンが46章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_46.html)の5節で問題にしているのも、その初期状態であったはずの「秩序」つまり\エントロピーが小さい状態だと思います。以下は「46–5 Order and entropy」の4つ目の段落からの抜粋です。

Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.
(訳)では不可逆性の本質は何か? それは秩序が無秩序に変わることだが、秩序の起源を知らずに、それを理解することはできない。

764Ken:2020/12/05(土) 13:25:56 ID:l3c2r2bk
>>763

ファインマンの原文は明確ですが、逐語的に日本語に置き換えても、あまり良文にはなりませんね。原文の意図を考慮した翻訳にします。

(原文)
Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.

(訳)
では、不可逆変化とは何を意味するのか? それは秩序から無秩序への変化のことだ。ただし、元々の秩序がなぜ生じたかを明らかにしないと、不可逆性を理解できたとはいえない。

「元々の秩序」が、私がいう「エントロピーの極小状態」のことです。

765diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:31:52 ID:Qix9q/lA
>>763
 基準05を先にするのはdiamonds8888xの希望であり、熱力学第2法則を先にするのはenさんの希望である、と言いたいのですね。了解しました。

>と、1の論点に関するdiamonds8888xさんの意見を表明しておられるということは、私の問題提議を承知されているからではないのですか?

 違・い・ま・す。単に現時点での両者の見解を明確にしただけです。議論というのは、さらに詳しくなぜそう主張するかに入らないと議論ではありません。だってあの表明だけでは相手には何もわからないではありませんか。

**) 以下は1の熱力学についての議論に入るかも知れませんが・・。

>私としては、今の時点で言えることは言い尽くしたと思っていますが、まだ足りないということでしょうか?

 なら私の答えも[>>677]で言い尽くしたと思っていますが、[>>677]ではまだ足りないということでしょうか?

>もしも第2法則が間違っており、エントロピーの減少がありうるなら、第2法則は当然、基準05違反ではなくなります。

 ちょっと本当に言いたいことがわかりにくい文章ですが・・・、何を口走ったことになるのか理解してないとも思える文章ですが・・・。
 【--ほらやっぱり違反してないでしょ?--】
 Kenさんのこの文章の論理は[>>677]で私が書いたことと似ていますけどね。

 どうせこれだけではわからんでしょうから、説明は考慮中として。ふむ、私にとっては論点が増えたということになったのですね。別発言にて説明します。今のまとめですね。

766diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:32:57 ID:Qix9q/lA
>>765
 熱力学第2法則の理解に疑問が生じたのでそこまで遡る説明をお願いしたのですが、そこで色々と論点が出てきました。以下です。

a) 熱力学第2法則の初期条件問題(Kenさん提起)
b) 数学と自然科学の関係(第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚するか)
c) 実体とその物理量との違いなどなど(区別してくれよ)

 まあcは直接には光の粒子説波動説に関連ですから後回しにするとして、bは基本的問題です。bもcもKenさんの理解方法が微妙に正統派から外れている点なので、ここを正さないと基準問題についても自分の理解のどこがおかしいのかがわからないでしょう。
 柔らかくというか公平に言えば、自分の理解のどこが私や他の自然科学者達の理解と違いの由来であるのかが理解できないでしょう。

 Kenさんはbやcでの自分の理解が常識であり議論するようなものではないと思いこんでいるので、興味が薄いのでしょう。そして自分の目下の興味の焦点であるaを速く進めたいと思うわけでしょう。
 bやcでの自分の理解が常識だと言うなら、私や普通の自然科学に興味の深い人のならば、基準05こそ常識で「矛盾のある理論も提出可能」などあきれて見はなすのが普通です。

 まあaも本質は熱力学ではなくて起源問題とでもいうべきものですけどね。[>>764]で紹介していただいた「ファインマンの原文は明確」ということには同意しますが、まさにファインマンは起源問題を未解決問題として提起しているということです。起源問題はどの分野でもよくあることです。はるか昔から。

 まずは、Kenさんとの間ではここから行きますか。

767diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:35:08 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
【波数1/λと2π/λ(1)】
 波数の定義問題を片付けておきましょう。これは高校物理の波動や単振動、もしくは高校数学の三角関数のところをしっかりと理解していれば、へんな誤解などしないはずの問題です。こんな基本的なことをないがしろにしておいて量子論を論じようなどとはおこがましいにも程があります。

 波動は単振動および等速円運動と密接な関係にあり、数学的にほぼ同じように扱えることは高校物理でも高校数学でも教えられています。[*Ref.1,2]。これら3つの運動における物理量を対比してみましょう。

  速度(velocity)   [長さ/時間]  角速度  [角度/時間]
  振動数(frequency) [回数/時間]  角振動数 [角度/時間]
  周波数(frequency) [回数/時間]  角周波数 [角度/時間]

 さて、周波数と角周波数との違いは例えばwikipediaの記事では「通常の周波数を単純に 2π 倍したもの」「即ち、2π 秒あたりの回転数」と書かれています。[*Ref.3]。確かにそういう見方もできますが、別の見方を紹介しましょう。あるいはこちらの見方の方がわかりやすい人もいるでょう。以下、周波数は振動数と同義語なので振動数だけに統一します。

  定義:角速度、角振動数、振動数とは単位時間あたりに進んだ角度である。

 これらの値が異なるのは角度の単位が異なるものを使っているからです。よく知られている角度の3つの単位を示します。
   1)度数(degree)  1回転を360度と定義
   2)ラジアン(radian) 1回転を2πと定義
   3)回転(cycle)  1回転を1と定義

 以上で話はおしまいです。分かる人にとっては。まあ回転(物理量)と角度(物理量)とが同じものという発想をなかなか受け入れられない頭の硬い人も多いのかも知れませんから、もう少し丁寧に。

 角度(座標位置)=0から出発して450度回転したとしましょう。これを各単位で表せば、
   1) 450 度
   2) 2.5 ラジアン
   3) 1.25 回

 さらに450度回転したのが1秒間でだとすれば角速度となって
   1) 450 deg/s
   2) 2.5 radian/s
   3) 1.25 cycles/s (Hz. cps, rps)

 いずれも角度という物理量を時間という物理量で割ったものであり、違いは分子である角度の単位だけです。そして特に2)のラジアン単位で表現したものを角周波数と呼びます。
 なお 3)に出てくるHz以外の単位は、cps(cycles per second), rps(rounds per second)です。rpm(rounds per minute)はrpsよりもよく使われるようです。

 さて波数についても同様です。1/λも2π/λも角度という物理量を長さという物理量で割ったものであり、違いは分子である角度の単位だけです。


-----参照-----
  Ref.1) h**p://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/hadou/hadou.html
   わかりやすい高校物理の部屋 波動
  Ref.2) h**p://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/tann/tannsinn.html
   わかりやすい高校物理の部屋 単振動
  Ref.3) h**ps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%92%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0
   角周波数は通常の周波数を単純に 2π 倍したものに過ぎない。即ち、2π 秒あたりの回転数である。
  Ref.4) h**p://fujisawa.phys.titech.ac.jp/fujisawa/PhysCText-Wave10pt.pdf
   波数とは、長さ2πのなかにいくつの波があるかを表した量で、波長λ
   角周波数とは、時間2πのなかにいくつの波があるかを表した量で、周波数f
  Ref.5) h**ps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E6%95%B0
   つまり、1 波長分の波を 1 個と数えたとき、波数 k は単位長さ当たりの波の個数を 2π 倍したものに相当する。このとき、k=2π/λ は角波数 (angular wavenumber) と呼ばれる。

768diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:38:40 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
>>767
【波数1/λと2π/λ(2)】

 さてファインマンの「距離による位相変化の割合」とは何を意味するのでしょうか。「位相」という量は高校物理の波動の項でも、高校数学の三角関数でも教えられているものですが、wikipediaにも「位相」の記事があります。wikipediaの記事では「波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。通常は角度(単位は「度」または「ラジアン」)で表される。」としています。

 三角関数では、 F(t)=sin(ωt+θ) でのθが位相で0〜360度の値を取ります。言ってみれば、F(t)を回転角と想定した場合に回転数で表した場合の小数部分です。つまり、回転角を1回転で割った余りですね。もっとも議論の都合上、0〜360度の範囲を越えた値も許して使うこともあり、そうなると位相とは回転角そのものとも言えます。ファインマンはどうも後者の意図で位相という言葉を使っている気配が感じられますが、いずれにせよ「波数は距離による位相変化の割合」「周波数や角周波数は時間による位相変化の割合」という表現もおかしくはないということです。

 もとい、「〜による位相変化の割合」という表現も「単位〜あたりの回転数(波の数や繰り返しの数)」という表現と、内容は一致しているのです。

769Ken:2020/12/13(日) 17:47:35 ID:l3c2r2bk
>>765>>766の文面から、論点1(diamonds8888xさんのいうa?)から始める合意があると納得していただいたと思いますので、私へのお尋ねがあったことに回答しておきます。

>なら私の答えも[>>677]で言い尽くしたと思っていますが、[>>677]ではまだ足りないということでしょうか?

初めに、最も基本的な点から。私は>>680で、「間違った理論」と「疑似科学」は異なると述べました。また>>669では過去や現在の論争の例を挙げ、それぞれの論争の中で、一方の説を主張する人は、対立説を現実を反映しない「間違った理論」と考えたが、疑似科学とは考えなかった、と述べました。この点には同意をいただけると思います。つまり、

〜たとえ間違った理論でも、基準に違反する疑似科学とは限らない

という基本認識が、まずあります。そして>>674で、私は、熱力学第2法則が論理的矛盾を含む基準05ではないかと問題提議をしました。それへの回答が>>677ということですが、diamonds8888xさんが第2法則を間違った理論と考えるという部分は、上記の理由により今の論点にはなりません。

問題は、基準05違反ではない、と主張されている部分です。そして理由として挙げられたのは、次の2つの条件が成立する場合だと思います。

p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた。これは仮定u0に反する。
p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた。

そして続く部分でこの2つが説明されています。

>p2-2はつまり仮定u0が成立しない。つまり閉鎖系である宇宙というものが存在しないことになります。これは宇宙が無限であれば、可能かも知れません。p2-3はつまり、過去が無限に続いているという我々のなんとなくの考えが、実は間違い

これに対して私は>>680で、そのような条件は、

1.現実に観測されていない
2.それ以前にイメージの具体化ができない

と述べました。だからといってp2-2)、p2-3)の条件が絶対に不可能とは主張しません。私が言いたかったのは、そのような架空の条件を仮定することで第2法則が基準違反でないといえるのなら、diamonds8888xさんが>>568で基準05違反の例に挙げられた、

・太陽は東から昇る。かつ西から昇る
・この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

これらもまた基準違反でなくなるのでは、ということです。具体例として>>680で、プランク定数が十分に大きくなれば、矛が盾を貫いた状態と貫かない状態が並立すると述べました。しかし、考えてみたら、それよりはるかに強力な、どれだけ不合理な事象でも可能になる、万能の条件を仮定することができるのです。

つまり、もしこの世が、リチャード・ティレルが主張するような、コンピュータ・シミュレーションによる仮想世界だったら、という仮定です。

そんな仮想世界なら、太陽が2つ昇ることも、貫いた状態と貫かない状態が同時にあることも、むろん時間が逆行してエントロピーが減ることも、すべて可能です。だって、そういうプログラムを書けばよいのですから。

ティレルは、量子がピクセルの特徴を持つことを、この世が仮想世界と考える理由にしていますが、私は賛同できませんし、おそらくdiamonds8888xさんも賛同されないでしょう。つまり仮想世界を仮定する理由はない、ということです。

同じことはp2-2)とp2-3)にもいえます。これらの仮定が仮想世界よりも現実的と考える理由はありません。むしろ、シミュレーションによる仮想世界自体は、私たちの周囲にありふれていることを思えば、ティレルの仮定の方がまだしも現実的というものです。

よって、>>677を読む限りでは、「エントロピーが不可逆的に増大する」と「太陽が東からも西からも昇る」の、一方のみが基準05違反とは考えられません。私は>>680でそれを言ったのであり、それへの回答を待っているのが現状です。

770Ken:2020/12/14(月) 23:28:00 ID:l3c2r2bk
ここまでの経緯を整理しておきます。

初めに、>>353でdiamonds8888xさんから、疑似科学の基準が1つ提示されました。

基準05:P∧¬Pは間違いである

私は、基準05に違反する理論の実例を求め、>>568で2つの例が示されました。整理の便宜上、理論A、理論Bと呼びます。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

その後、>>674で私は、基準05違反の理論はもう1つあるのではと尋ねました。

C:エントロピーは不可逆的に増大する

A、Bとは異なり、Cは世間一般で正しいとされ、教科書に載っている理論ですが、基準05の切り口では、Cもまた違反ではないかというものです。

これに対して、>>677でdiamonds8888xさんから、2つの指摘がありました。1つは、理論Cつまり熱力学第2法則は間違っているというものです。でも、これは今の論点ではありません。私は、基準違反の例になるかと尋ねているのですから。AとBも、間違った理論のはずですが、基準違反の例に挙げられています。

もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた(宇宙が無限)
p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた(過去は無限に続いていない)

ですが、このどちらも、現実観測にもとづかない、想像の産物です。それでも、絶対にありえないという否定証明がない限り、条件を仮定してもよいといわれるのかもしれません。しかし、架空の条件でもよいのなら、ほかにも設定できる条件があります。仮にp2-4)と呼称します。

p2-4) この世は、コンピュータ・シミュレーションが作った仮想世界

パソコンショップで売られているパッケージソフトやオンラインゲームに見るように、仮想世界では、あらゆるファンタジーや不合理事象が可能です。太陽が2つ東と西から昇るくらい簡単です。

p2-2)、p2-3)、p2-4)の3条件をすべて認めるなら、おっしゃるようにCの理論は、基準05に違反しません。ただし、基準05違反の例に挙げられたAとBも違反ではなくなりますし、おそらく基準05違反の例は空想することもできなくなるでしょう。言い換えれば、基準05には存在理由がなくなるのです。

p2-2)、p2-3)、p2-4)をすべて否定するなら、A、Bだけでなく、Cも基準05違反です。つまり、エントロピーは不可逆的に増大するという現在の定説は、疑似科学ということになります。

もしも、AとBは基準違反だがCは違反ではないと主張されるのなら、p2-2)とp2-3)の条件は仮定してもよいが、p2-4)を仮定してはいけない、と主張する必要が生じます。私の今の問いかけは、そんな主張が可能ですか、というものです。コンピュータが作る仮想世界は、私たちが日常的に目撃しており、具体性と現実性の両面で、むしろp2-4)こそ仮定が許されるではないか、と思うからです。

771ゲジゲジ:2020/12/18(金) 01:50:20 ID:yB/Gw6h2
久しぶりにヨコから失礼します。
個人的に忙しかったのもありますが、私は物理には詳しくないので黙っていました。
自分の認識が間違っていると、余計な発言をして却って議論を混乱させてしまいかねないので。
しかしここ最近の議論を拝見していて、自分の認識が間違っていない事をほぼ確信できましたので書き込みます。(ただし間違っていたらすみません。)


【熱力学の第2法則】
失礼ながら、私から見てもDiamonds888x様の[>>677]は分かり難いです。
今から読み返すと分かりますが、最初に読んだ時は何を仰りたいのかちょっと疑問でした。

熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
>その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

つまり、そもそも熱力学第2法則が「証明された範囲を超えた領域での現象」を問題にしなければ、基準05違反にならない、という事ですよね。
そして、その後に語られている「p0」〜「p2-3」は、「証明された範囲を超えた領域での現象」に対するDiamonds888x様のお考えであって、「なぜ基準05に違反しないのか」という論点からすると、言わば「余談」に近いですよね。
しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。


さて、私が注目しているお2人のやり取りがこちら。
[>>729]
>1.雨が降る
>2.水は上から下に移動するのみ
>という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。
>我々の眼前でエントロピーが増大しているのは雨が降ることに、エントロピーの減少がありえないのは水の上昇がありえないことに、それぞれ対応します。

[>>732]
>雨の例えはわかりやすくかったですよ。比喩以上の適切な例だったと思います。
>そして、雨の例が必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね?
>さすれば、よくよく突き詰めて考えれば、エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

Diamonds888x様はあっさり「必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね?」と仰っていますが、ここを本当に突き詰めたら良いのではないでしょうか?
Ken様は「雨が降る」、「水は上から下に移動するのみ」は基準5に違反すると考えているのか???

もし違反すると考えているなら、議論はそこからでしょうし、もし考えていないなら、ではこれらと熱力学第2法則は何が違うのか? ですね。
私からすれば3つとも矛盾はありませんし、矛盾がないとする理由も同じです。
一言でいえば「理論のスコープ」というか、その理論が「何を語っているか」、「どこまでを語っているか」という、ただそれだけの事だと思います。
恐らくDiamonds888x様も一緒ですよね。

772ゲジゲジ:2020/12/18(金) 01:50:59 ID:yB/Gw6h2
【隠れた、しかし非常に重要な論点】
もう一つ、特にKen様の769と770から、重要な論点が見えてきました。
Diamonds888x様もお気付きでしょうが、つまり「¬P∧P」というのがどういう事なのか、ここに至ってもまだ、お2人の認識が一致していないようです。いや、間違いなく一致していませんね。
今まで議論が嚙み合わないわけです。

私が気になったKen様のコメントを挙げておきます。

[>>625]
>(3)粒子と波動は背反関係にある
>私は、18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか、と思っています。
  ↓
基準05に違反しませんよね。もしかしたら今の論点ではない、別の基準によって疑似科学になるかもしれませんが、少なくとも基準05には違反しないはずです。


[>>631]
>粒子と波動の背反関係を否定すれば、それはすなわち「¬P∧P」状態があると主張することだから、基準05違反になるのではありませんか?
>18世紀の知識体系の中で粒子と波動の背反関係を否定すれば、それは「¬P∧P」状態になるからではないのですか?
  ↓
違いますよね。上記の通りで。


[>>638]
>AとBの2つの穴があり、同じ電子がAを通りかつBを通ったと言ったら、古典力学しか知らない人には、まさしく言葉遊び、マザーグースのたぐいに思えたに違いありません。
>でもそれは実現することが分かりました。
  ↓
量子力学はよく分かりませんが・・・
「Aを通ればBは通らない」、「Bを通ればAは通らない」すなわち「Aを通る」と「Bを通る」は背反関係にある。
その前提で、「同じ電子が同時にAを通りかつBを通る」。
こんな事が実現するのでしょうか?


[>>680]
>ご存知のように、量子の世界では、ある物体がある障壁を貫通した状態としなかった状態が並立します(トンネル効果)。
  ↓
本当ですか?
Wikipediaには「ある確率で粒子は障壁を貫通する。」と書いてあります。
つまり「貫通した状態としなかった状態が並立」はしていません。


[>>723]
>古典力学では、同じものが粒子でありかつ波動であると主張するのは、
>1.同時に粒子であり波動である
>2.ある時は粒子であり、ある時は波動である
>のどちらの場合でも「(¬P)∧P」に該当する「疑似科学」になるといいました。
  ↓
古典力学において、「2.ある時は粒子であり、ある時は波動である」は「(¬P)∧P」に該当しません。
古典力学において「ある時は粒子である時は波動である存在」など全く荒唐無稽な発想で、他の基準に違反して「疑似科学」になったかもしれませんが、少なくとも基準05には違反しないはずです。



[>>769][>>770]
>太陽が2つ昇ることも、貫いた状態と貫かない状態が同時にあることも、むろん時間が逆行してエントロピーが減ることも、すべて可能です。
>太陽が2つ東と西から昇るくらい簡単です。
  ↓
太陽が2つ東と西から昇ることは「¬P∧P」ではないし、時間が逆行してエントロピーが減ることも「¬P∧P」ではありませんよね。
貫いた状態と貫かない状態が同時にあることは、Ken様がイメージしている状態は恐らく「¬P∧P」ではないです。


[>>769][>>770]
>だって、そういうプログラムを書けばよいのですから。
>パソコンショップで売られているパッケージソフトやオンラインゲームに見るように、仮想世界では、あらゆるファンタジーや不合理事象が可能です。
  ↓
「¬P∧P」になるような挙動を起こすプログラムなど不可能ですよ。
そんなプログラムは、書く事はできるかもしれませんが、動かしたら、いや動かそうとしたら、エラーが出て止まります。
この世界が仮想世界かどうかは分かりませんが、仮想世界で「¬P∧P」を起こす事は不可能です。



ここからは私の推測ですが、どうやらKen様が想定している「¬P∧P」とは、こういう現象のようです。
矛と盾でいえば、矛も盾も分子(もしくは原子)の集合なわけですから・・・
例えば矛を構成する分子のうちの一部が、盾を構成する分子と分子の間を通って、盾の後ろ側に貫通する。矛を構成する分子の残りの部分は、盾の分子の間を貫通しない。

言葉の綾みたいなもので、こんな状態を「貫きかつ貫かない」と言っても日常会話では間違いではないのでしょうが・・・
しかし矛のある部分が盾を貫き、別のある部分が貫いていないのだから、「¬P∧P」には該当しません。

773diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:02:03 ID:Qix9q/lA
>>771
ゲジゲジさん、ありがとうございました。参考になりました。

> 熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
> >その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

 まさに、そのとおりです。

> しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。

 なるほど、言われてみれば確かにその方向にずれていますね。参考になりました。

[>>770]の発言は、そういう勘違いによるものなんですねえ。
> もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

 「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というだけでは具体性に欠けると思って、例えばの例示をしたつもりだったのですが、「余談」だったかも知れませんねえ。理論の適用範囲ということで説明をすべきだったのでしょうねえ。

774diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:13:06 ID:Qix9q/lA
>>772
 量子力学に関しては一筋縄ではいかないと思います。観測とは何かなどというややこしい問題さえあって、古典的な観測事実の概念が揺らいでいるとも感じられる議論が専門家の間でもあるくらいなので。ただ私は個人見解として、どこまで古典的な観測事実の概念で押し通せるかという考え方で行くようにしています。以下は、その観点からの見解ですが。

 波と粒子の2重性とか混合状態とかいうものは観測されていない時の状態であって、観測された途端にいずれかの固有状態に収縮する、ということになっています。この言明を素直に考えれば、2重性とか混合状態とかいうものは観測されないのであり、それゆえ例えば「光が同時に波と粒子として観測されることはない」という言明は量子力学においても事実であると言えます。
 俗に言えば、「仮想的状態なんだから何でもありで、観測されたら矛盾になるような状態でもあっていいよ」となるんじゃないのかな、とも思うのです。

 むろんこれは、「量子力学の理論体系の中では矛盾が許容されている」という意味ではありません。そのような意味で基準05に違反する理論体系は論理というものの性質としてありえないのです。単に、観測上は存在しえない状態でも、観測されない状態では存在すると仮定すれば、論理上うまくいく、ということですね。

 似たようなことが確率論にもあると、私は考えます。確率とは「起きることの予想」でしかないので現実に観測することはできません。観測できるのは「同じ条件でN回試行(実験・観測・測定)した時の観測結果aが得られた回数n」といった統計的事実です。この統計事実から確率を予想します。で、数学的な確率というのは無限回試行した時の統計値ですから、有限時間では観測不可能です。

 こういう事情があのでボーッとしてると「矛盾が許される」とか「パラドックスである」とかいうキャッチコピーを鵜呑みにしやすいのですよね。

775diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:18:45 ID:Qix9q/lA
>>769,>>770

 ゲジゲジさん[>>771]のおかげで食い違いの部分がはっきりしましたので、以下を引用します。
-------------
【熱力学の第2法則】
失礼ながら、私から見てもDiamonds888x様の[>>677]は分かり難いです。
今から読み返すと分かりますが、最初に読んだ時は何を仰りたいのかちょっと疑問でした。

熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
>その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

つまり、そもそも熱力学第2法則が「証明された範囲を超えた領域での現象」を問題にしなければ、基準05違反にならない、という事ですよね。
そして、その後に語られている「p0」〜「p2-3」は、「証明された範囲を超えた領域での現象」に対するDiamonds888x様のお考えであって、「なぜ基準05に違反しないのか」という論点からすると、言わば「余談」に近いですよね。
しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。
-------------

 さて以下の2つの発言には、私とKenさんとの基準05に対する認識の違いが現れています。

[>>770]より
> もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

[>>769]より
> 問題は、基準05違反ではない、と主張されている部分です。そして理由として挙げられたのは、次の2つの条件が成立する場合だと思います。

 「次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない」というのは私の主張ではありません。「Cは基準05違反ではない」ことは「次の2つの条件」の成立や不成立には無関係です。当然ながら「次の2つの条件が成立する場合」というのは「基準05違反ではない理由」ではありません。


 この認識の違いがどんなものかは、上記[>>771]の引用で示されていますが、Kenさんにはよくわからないかも知れませんから、詳しくは別発言にて。

776Ken:2020/12/20(日) 21:33:13 ID:l3c2r2bk
diamonds8888xさんに1つお願いがあります。

1対1の議論をするために立ち上げた本スレッドで、私以外の投稿者ともやり取りをされるのなら、各投稿の冒頭に、その投稿がだれに宛てたものかを明記していただけませんでしょうか? たとえば>>768などはそうしておられるようですし。

参照されている投稿番号から判断して、>>773>>774>>775のうちでは、最後の>>775のみが私に宛てた発言と読み取れますが、それでよいですか?

その>>775の末尾に、「別発言にて」とありますので、私はdiamonds8888xさんの次の投稿を待てばよいわけですね?

777diamonds8888x:2020/12/25(金) 05:53:37 ID:Qix9q/lA
>>776
>参照されている投稿番号から判断して、>>773>>774>>775のうちでは、最後の>>775のみが私に宛てた発言と読み取れますが、それでよいですか?

 そのとおりです。冒頭にどの発言への返信かが書かれていますから、わかるはずですよ。

778diamonds8888x:2020/12/25(金) 05:55:35 ID:Qix9q/lA
>>755,>>776
迂遠に見えるかも知れませんが、以下の話から始めます。

 天動説から地動説への転回のようなコペルニクス的転回が起きたのだから、現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返るかも知れない、という考えがあります。しかし実際のところは、現在の基本的な科学理論が根本的に否定されるなどということを本気で信じている科学者はいないでしょう。もちろんニュートン力学が相対性理論となったような改善や進歩はありえます。また量子力学はマクロの物理学の常識を覆してはいますが、マクロ現象に古典的物理学が適用できることを否定してはいません。「現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返る」というのは実際はありえないのですが、その理由をきちんと説明してみましょう。
  (今回、考えてみて、そうだったのかと思いついたものです)

 まずコペルニクス以降のコペルニクス的転回と言えそうな例をいくつか挙げてみます。

 進化論: 生物種は普遍=>生物は進化する
 大陸移動説: 地質時代的時間では大陸は移動し分裂し合体する
 星雲遠方説: 星雲は銀河系内=>星雲は銀河系外の遥か遠くに

 いずれも科学的視点から(科学者の視点から)見れば、実は次の3段階の経緯をたどっています。2つの対立仮説をAとBとします。
 第1期 仮説Aが信じられていて仮説Bは思いつかれてもいない。
 第2期 仮説Bが提唱され、どちらかに決めるには観測事実が不足し、両説での論争が続く
 第3期 観測事実が十分に得られ、仮説Bが正しいと決定される

 天動説vs地動説の場合、原始時代は第1期で直感的に大地は動かず天体は動くと考えられていましたが、早くも古代ギリシャで地動説が提唱されました。wikipediakの「進化論」の記事によれば、地動説と同じくらい古くから生物種が変化するという考えは生まれていたようです。ゆえに第2期も長いのですが、天文学とは異なりほとんど観測事実というものが得られませんでしたから、まともな論争というのはやはり西洋近代に始まると見てもいいでしょう。星雲遠方説の場合は、前提として星々が太陽と同じ恒星だとわかっていなくてはなりません。そしてこの時代では当初から近い可能性もも遠い可能性も可能であることは天文学者たちにはわかっていたでしょうから、第1期というものはなかったと考えていいでしょう。

 いずれの場合でも第3期では十分な観測事実の集積により仮説Bが正しく仮説Aでは観測事実の集積に矛盾することが判明しているのですから、それが覆るにはこの「十分な観測事実の集積」が実は間違いだった場合にしかあり得ないのです。

 こうして第3期の仮説Bが覆ることはあり得ないのですが、さらに精密な観測事実、または新たな領域での観測事実が得られた場合に、仮説Bが修正されて仮説B’が登場することはよくあります。この場合、仮説Bはより正確な仮説B’の近似という位置づけになります。

 ニュートン力学は相対性理論により否定されたのではなく、相対速度が光速より十分に遅い場合には十分に正確な近似理論となりました。マクロの古典力学は量子力学により否定されたのではなく、大きさや質量が大きい場合の近似理論となったのです。言い換えると、光速に近い速度の世界や非常に小さく軽い粒子の世界へと観測の範囲が広がり、そこでは従来の理論は成り立たないことがわかったということです。すなわち、従来の理論(ニュートン力学や古典力学)はこれまで観測されてきた世界では観測事実と一致する正しい理論だが、新しく見えてきた世界では観測事実と一致しない理論であるとわかってきたのです。

 また進化論や大陸移動説の場合は、非常にゆっくりと進行する現象についての観測が困難であり、長期間の変化の世界が知られていなかったために仮説Aがなんとなく信じられていたけれど、それが次第にわかってきて仮説Bが正しいとわかってきたのです。

【続く】

779Ken:2020/12/25(金) 23:17:17 ID:l3c2r2bk
>>778

「続く」で終わっているので、すべての投稿を待つべきかとも思いましたが、どうしても気にかかる点があるので、この段階で意見をはさみます。私の懸念が杞憂であるなら、この投稿は無視してください。

(1)何度か繰り返していますが、基準05違反ではと私が問題提議しているのは、世の中の教科書に載っている今の熱力学第2法則です。>>763の後半部でもそういってます。もしも、ニュートン力学が相対論に修正されたように、第2法則も修正されるとdiamonds8888xさんが論じておられるなら、ここでは修正前の第2法則が問題なのだと分かってください。それがdiamonds8888xさんの考えとは異なる理論であってもです。

>>677では、

>遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能

と言われましたが、今の第2法則は、そんなことはいっていません。今の第2法則が、エントロピーが減少する状況として挙げているのは、対象領域が閉鎖系でない場合のみで、ファインマンが46章5節で言ってるのもそのことです。もし、仮に、

>素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていた(>>677

としても、それは今の第2法則が修正されるということで、修正前の今の第2法則が基準違反かどうかとは別の問題と思えるのですが、いかがですか?


(2)これも繰り返し述べていますが、ある理論が「間違ってること」と「疑似科学であること」は異なるはずです。間違ってるからといって疑似科学とは限らないし、疑似科学でも間違った結論をだすとは限りません。後者の例として、まだ第3掲示板に移る前に、「太陽神アポロは大地神ガイアよりも神格が高いから中央に鎮座するはず」という理由で地動説を唱えるのは、結論は正しくても疑似科学という例を挙げました。2018年 3月 2日の投稿で、翌日にはdiamonds8888xさんの同意をいただきました。

相対論登場前のニュートン力学を挙げておられますが、ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が解消したのではありません。ニュートン力学では物体の質量は不変なので、力に比例した加速度が必ず生じ、速度はどこまでも大きくなります。このこと自体は「(¬P)∧P」に該当する論理矛盾を含みません。ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。


私がこの段階で口をはさんだ理由は、diamonds8888xさんのここまでの投稿を見る限りでは、やはり、

1.現在の第2法則を対象にしていない
2.基準違反かではなく、間違ってるという話になっている

と思われるからです。これが私の杞憂であり、私の問題提議に対応して話を進めておられるなら、どうぞ続けてください。

780diamonds8888x:2020/12/26(土) 07:42:34 ID:Qix9q/lA
>>779
>「続く」で終わっているので、すべての投稿を待つべきかとも思いましたが、

 いえいえ、このように「気にかかる点」には早めに意見をはさんでいただく方がありがたいですよ。ことらも修正ができますから。

>ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が〜ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。

 まさにその通り。この例だとよくおわかりなのですね。熱力学第2法則の件も同じことなのですけどね。熱力学第2法則の場合は「それとは異なる観測事実があることが予想される」という違いはありますが。もっと強く言えば「論理的に考えると、それとは異なる観測事実があるはず、あったはずである」となりますね。

>ここでは修正前の第2法則が問題なのだと分かってください。

>>素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていた(>>677

>としても、それは今の第2法則が修正されるということで、修正前の今の第2法則が基準違反かどうかとは別の問題と思えるのですが、いかがですか?

 懸念と問題意識は了解しました。では確認のためにお尋ねしますが、「今の第2法則」が基準違反と疑う点を再度まとめてください。「今の第2法則」が直接には関わっていない遠い過去(例えばビックバン以前)のことが理由に関わっていたと思いましたが?

781diamonds8888x:2020/12/26(土) 07:44:06 ID:Qix9q/lA
>>778
 さて生物の自然発生説の否定も典型的な対立仮説の転回ですが、これはネズミなどでの否定、蛆虫などでの否定、微生物での否定、と段階的に進んだので、急激なコペルニクス的転回という印象は受けないかもしれません。しかしwikipediakの「自然発生説」の記事に概説してあるように、やはり直感的な観察からの理論があった第1期から第2期、第3期へと進んでいます。

 ところが自然発生の否定は、生物の存在自体と矛盾します。生物が親からしか生まれないのならば、最初の生物はどうやって生まれたのかという問題が出てくるのです。生物に関しては、この起源問題にはラマルクがうまい理論を提唱しました。つまり、最初の最も原始的生物は自然発生し、それ以降は親から子が生まれつつ複雑な生物へと進化してきたという理論です。この理論は現在でも認められていて、無機物からの生命誕生の具体的過程を知るべく多くの研究が行われています。

 この場合、自然発生するのは、まさに生命と非生命との境界物といえるような「自己複製体」とでもいうべきものと考えられていて、パスツールが実験的に証明したような微生物の自然発生の否定は今でも覆ってはいません。自然発生できるような生命にはいまだ未知の条件があり、現在のほとんどすべての生物はその条件には合致せず自然発生できないのです。

 まとめると、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の生物には自然発生するものはいない
  ・過去には未だ未知の生物の自然発生が起きた

 同様に、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の世界では熱力学第2法則は正しい
     (熱力学第2法則に反する現象は観測されていない)
  ・遠い過去には熱力学第2法則が破れたことがある
     (熱力学第2法則に反する現象が起きた)


 さてKenさんの「熱力学第2法則は基準05に違反」という疑いには、理論・観測事実・正しい・矛盾、という概念の混乱が見られるように思えますので、その点を次のコメントでまとめてみようと思います。実は上記の私の文でも「正しい」「矛盾する」「理論」などの言葉を多義的に使っているのですが、そこは文脈で意味が通ると思っています。ただ文脈を判断する基準が違う人には誤解を与えることもあるでしょうが、そこまで気を使うのも難しいですのでご容赦を。


【続く】

782Ken:2020/12/26(土) 14:21:30 ID:l3c2r2bk
>>780

>「今の第2法則」が基準違反と疑う点を再度まとめてください。「今の第2法則」が直接には関わっていない遠い過去(例えばビックバン以前)のことが理由に関わっていたと思いましたが?

その答えは簡単です。今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。diamonds8888xさんは>>677で、第2法則は、

>なんらかの基本原理から誘導されたものではない

と言われました。その趣旨は、これまでと異なる観測事実があれば、第2法則は否定されるという意味だと思います。むろん、私は>>744で述べたように、確率の法則を否定しない限り第2法則は否定できないと考えますが、それ自体は論点3で議論することでしょう。

今の論点1は現在の第2法則が対象です。つまり第2法則を反証する観測事実はないことが前提になるわけで、そうなると、「なんらかの基本原理から誘導されたものではない」ことが、まさしく、いかなる物理条件でも第2法則が成立するという理論構成になるはずです。

お分かりでしょうか? 「このような物理条件のもとでは第2法則が成立しない」という物理条件を想定できない、ということです。

783diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:17:42 ID:Qix9q/lA
>>780,>>779
 「今の第2法則」が基準違反と疑う点の一つとして以下の御発言が要約になっていると思いますが、そう理解してよろしいですか?
-------------------------
[>>743]
>よって、確率の法則は反証不能になります。

[>>744]
>ここに3つのボールがあるとします。区別のため「A」「B」「C」と名前を入れます。3つのボールをある高さから落下させ、そこに開いた箱を3つ置きます。箱には「1」「2」「3」と番号を付けましょう。ボールがどの箱に入る確率も同じ、つまり1/3です。

>ゆえに、同じ箱にまとまる確率は、別の箱に分かれる確率の半分になります。この、同じ箱にまとまるのがエントロピーが小さい状態、別の箱に分かれるのが大きい状態です。つまりエントロピーが増大するとは、確率の大きな状態になることです。

>確率論そのものである第2法則は、確率論自体を否定しない限り、否定できません。
-------------------------

 さらに上記は[>>680]での以下の発言の具体的説明となっていますね?

>むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 さらに[>>680]では、「今の第2法則」が基準違反と疑う点の別の一つが述べられています。
-------------------------
>第2法則には、観測事実との矛盾ではなく、

> (1)エントロピーは常に増大する
> (2)ゆえに過去にエントロピーの極小状態が存在した
> (3)ゆえにエントロピーの極小状態が生じた
> (4)ゆえに(1)と矛盾する

> という、論理的な自己矛盾(=疑似科学)があるのです。
-------------------------

 実は[>>778][>>781]の議論は、この2番めの理由に焦点を当てたもので1番目の確率論の話とは関係がありません。そこは御理解ください。


 kenさんが「今の第2法則」が基準違反と疑う点が、上記2つであるなら、それに沿って議論を進めます。

784diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:26:58 ID:Qix9q/lA
>>780,>>779
 [>>783]で紹介したKenさんの説明の前振りとして以下の御発言がありますが賛同する点をコメントしておきます。

>>723
>ここでは第2法則が、矛盾を内包する「疑似科学」ではなく、観測事実と矛盾する「間違った理論」となりうる可能性を挙げておられると思いますが、私は、現在定説として確立している理論の中には、観測によって否定することができない「反証不能」なものがいくつもあり、確率論に立脚する第2法則もその1つではと考えているのです。これは基準01に論題が戻ったときに詳しく論じることになるでしょう。

diamonds8888xによる要約
 1)「疑似科学」とは矛盾を内包する理論のことである
 2)「間違った理論」とは観測事実と矛盾する理論のことである
 3)第2法則は確率論に立脚する
 4)第2法則は、観測によって否定することができない

diamonds8888xのコメント
 1,2 の2つの概念を区別するのは大いに賛成で、用語をそのように定義することに異議はありません。1,2の区別について同意できることは大いに喜ばしいです。([>>682]でも同意してましたね)。
 3もその通りです。ただし、確率論だけに立脚しているのではないことは述べておきます。ゆえに熱力学第2法則は決して「確率論そのもの」ではありません。熱力学第2法則は自然法則であって、数学理論でもなく数学の定理でもありません。
 そして4は誤りです。[>>743][>>744]の推論のどこに誤りがあるのかは後ほど説明します。

785diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:30:30 ID:Qix9q/lA
>>782
読みましたが回答は後ほど。>>783,>>784,は>>782を読む前のものですので、そのおつもりでお読みください。

786Ken:2020/12/26(土) 16:18:12 ID:l3c2r2bk
1点だけ。

>>783

>kenさんが「今の第2法則」が基準違反と疑う点が、上記2つであるなら、それに沿って議論を進めます。

2つのうち「反証不可能」は論点3の論題です。よって、まず論点1で第2法則の「不可逆性」の矛盾を論じ、次に論点2で光の粒子性と波動性が同時に観測されるかを論じ、その後に論点3で第2法則の、というより私がこれまでに挙げた各理論の、反証可能性を論じるのが、合意された順序になることをご理解ください。私がこれまでに挙げた各理論とは、

1.ブラックホール内部の事象
2.クォークやモノポールの存在
3.確率の法則
4.熱力学第2法則
5.メンデルの法則
6.自然選択

これ以外にも探せばいくらでもあるとは思いますが。

787diamonds8888x:2020/12/27(日) 08:30:12 ID:Qix9q/lA
>>786
 熱力学第2法則(エントロピーが不可逆的に増大する)に関しては次の2つの異なる論点があるとの認識だと言うことですね? 私から見るとどちらも[>>680]で登場したもので、kenさんが別のものと認識しているのかどうかも不明でしたが、明確に異なる論点として認識されていることがわかり良かったです。

 [>>754]の論点1(基準05違反)
   私の発言[>>783]の最初の「基準違反と疑う点の一つ」に該当
  kenさんによるその理由[>>680][>>782]の(diamonds8888xによる)要約
   1)過去にエントロピーの極小状態が存在したはずだが、極小状態が出現するには
    エントロピー減少が起きなければならず、第2法則と矛盾する
   2)第2法則には成立条件の制限がなく「遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってる」

 [>>754]の論点3(反証不能)
   私の発言[>>783]の2番目の「基準違反と疑う点の別の一つ」に該当
  kenさんによるその理由[(>>680),>>743,>>744]の(diamonds8888xによる)要約
   熱力学第2法則は確率論そのものである
   確率論という純粋数学は反証できない
   ゆえに熱力学第2法則は反証できない

 この認識で間違いなければ、ご要望通り、なるべく論点1(基準05違反)の範囲で述べますが、説明の都合上どおしても論点3関連事項に触れざるを得ないこともありえますから御了承ください。
 なお[>>783]でことわった通り、[>>778][>>781]の議論はまさに前者の論点1(基準05違反)に関するものであることは、御理解いただけてますか?

788Ken:2020/12/27(日) 12:02:43 ID:l3c2r2bk
>>787

>[>>778][>>781]の議論はまさに前者の論点1(基準05違反)に関するものであることは、御理解いただけてますか?

>>778は、ある理論が正しいか間違っているかをどう決めるのかを論題にしていると思われます。すると基準05に関連する話ではないように私には見えます。基準05は、ある理論が内部的な自己矛盾を含むかが問題なので、正しいか間違っているか、つまり現実を反映するかしないかとは、別の問題だからです。

>>781は起源問題を扱っている点で、論点1に対応していると思います。ただし、生物の自然発生とエントロピーの減少を同列に扱えるのか、私には疑問です。生物の自然発生も、閉鎖系のエントロピー減少も、そのような事象がこれまで観測されたことがないという点では同じでしょう。

ですが、エントロピーが減少するには、「奇跡」という表現でも到底追いつかない確率が必要なことが、数理的に証明されています。生物の自然発生に同じことがいえるのでしょうか? なによりも、DNAは親から子に複製されるだけでなく、多様な原因で変異することが現実に確認されています。それなら、偶然の変異により、生物を作るDNAを生じることもありえるでしょう。

789Ken:2020/12/27(日) 12:30:22 ID:l3c2r2bk
1点追加します。

熱力学第2法則が基準05違反の例になるかを考察するときには、diamonds8888xさんが基準違反の具体例に挙げられた2つの理論との対比も考えてください。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

もしも>>781で、エントロピーの減少も生物の自然発生も、今のところ観測例がないだけで、起こらないとは言い切れないと主張しておられるのなら、上のAとBは絶対に起こらないといえるのかが問題になるでしょう。

>>769>>770で述べたように、AもBも、シミュレーションが作る仮想世界なら容易に実現できるのです。よって、エントロピーの減少を可能にするどのような条件を想定しようと、その想定条件が、すくなくとも仮想世界よりは現実的であると論証する必要があるはずです。

790diamonds8888x:2020/12/27(日) 15:17:57 ID:Qix9q/lA
>>788
>>778は〜基準05に関連する話ではないように私には見えます〜

 まあ、これは前振りですからね。この3件は起源問題ではありませんから論点1ではありません。どちらかと言えば、kenさんも「天動説から地動説への転回のようなコペルニクス的転回が起きたのだから、現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返るかも知れない」という考えを持ってるのではないかと疑ったもので、前振りとしただけなのです。
 その意味では余談とも言えますけど、>>778には概ね同意するか否かくらいは教えてもらえると嬉しいですね。後の参考にできますから。

>>781は起源問題を扱っている点で、論点1に対応〜同列に扱えるのか、私には疑問です。〜

 そりゃ全て同一に扱える問題などありませんよ。起源問題を扱っている点が同列だと御理解いただけば十分です。では[>>781]はまた参照して使います。

>ですが、エントロピーが減少するには、「奇跡」という表現でも〜〜

 起源現象とでも言いましょうか、エントロピーの減少や生物の自然発生のメカニズムが【現在の科学の知見では】考えにくいかどうかは関係ありません。「論理的には起源現象は存在するはずだ」という点がポイントなのでしょう? だからこそ、存在するはずの起源現象を否定する理論は自己矛盾しているというのがkenさんの推論だったのでしょう?
 推論の構造は両者とも全く同じではありませんか。

 私が提案したエントロピーの減少問題の回避案は「今の熱力学第2法則」の矛盾とは関係ないとのことでしたが、ならばkenさんの示した自然発生のメカニズムだって「パスツールの自然発生否定理論」の矛盾とは関係ない、ですよね?

791diamonds8888x:2020/12/27(日) 15:19:30 ID:Qix9q/lA
>>789
 以降の説明で示しますが、起源問題と基準05との関係は、AやBとは本質が違います。まあ、どう違うかを示す段階で対比することになるでしょう。そこは明示するようにしましょう。

 えーと、kenさんの考えは[>>787]のまとめで合っている、という点はよろしいのですね?

792Ken:2020/12/27(日) 17:34:00 ID:l3c2r2bk
>>790

>>778には概ね同意するか否かくらいは教えてもらえると嬉しいですね。

>>778のポイントはこの部分でしょうか?↓

>こうして第3期の仮説Bが覆ることはあり得ないのですが、さらに精密な観測事実、または新たな領域での観測事実が得られた場合に、仮説Bが修正されて仮説B’が登場することはよくあります。この場合、仮説Bはより正確な仮説B’の近似という位置づけになります。

こういう話になると、「否定」と「修正」がどう異なるのかを論じねばならなくなります。1つの具体例を挙げますので、考察してみられてはどうでしょうか。

20世紀の初めにハッブルが、遠方の銀河が距離に比例して遠ざかることを発見し、宇宙は膨張するという理論が現れました。そして、その後ずっと論争されたのは、宇宙は永遠に膨張するという「開いた宇宙説」と、宇宙はいずれ収縮に転じるという「閉じた宇宙説」でした。1992年に亡くなったアジモフの解説書でも、この両説が紹介されています。両説に共通するのは、宇宙の膨張は重力のせいで減速しているという点で、対立するのは、膨張速度がいつかはゼロになるのか、それとも距離の拡大で重力が先に減衰し、速度がゼロにはならないのでは、という点でした。

ところがアジモフの死後、21世紀直前になって、新しい事実が観測されました。宇宙の膨張は減速しておらず、逆に加速しているというのです。これはそれまでの理論の「修正」なのでしょうか? 膨張が減速するという従来の理論は、加速するという新しい理論の「近似」ですか?

私には修正ではなく「否定」に思えるのですが。

ただし、この問題はdiamonds8888xさんが言われるように、現時点では「余談」だと思います。上の発言に回答されてもけっこうですが、それに対して私がさらに回答するかは分からないと、承知してください。


>>791

>kenさんの考えは[>>787]のまとめで合っている、という点はよろしいのですね?

よいと思いますが、論点3で基準01つまり反証可能性を論じるときには、私が>>786で列挙した各理論を反証する具体事象とはどういうものかを、まず尋ねます。まず具体例を出し、それからそれぞれの事象が反証である理由を説明するという形をとっていただけますか?

793Ken:2020/12/28(月) 14:18:59 ID:l3c2r2bk
>>790

>推論の構造は両者とも全く同じではありませんか。

そもそもパスツールは何を証明しようとしたのかが問題でしょう。これは私の理解ですが、当時は、長時間放置したスープに微生物が生じる現象などが、自然発生の実例とされていたのが、それは実例ではないことを証明したのがパスツールの実験ではないのでしょうか。要するに、自然発生が日常的に起こるという理論に根拠がないことを示したのであって、自然発生がありえないという証明ではないはずです。

閉鎖系のエントロピーが減少することはありえない、という熱力学第2法則とは、その点が異なると思います。

もしも、パスツールが、生物が自然に生じることはありえないと主張したのなら、たしかにこれも基準05違反です。

794diamonds8888x:2020/12/30(水) 17:22:05 ID:Qix9q/lA
>>792,>>787,>>786
では論点1のエントロピー極小状態の起源問題について述べます。

 まず[>>750]でも述べた2つの熱力学(thermodynamics)を説明します。これは見通しをよくするためです。カルノーサイクルの研究に始まりクラウジウスにより確立された熱力学をマクロ熱力学と呼び、第2法則と分子集団の状態の確率との関係を明らかにした熱力学を統計熱力学と呼んで区別することにします。本来なら単に熱力学と言えば前者を指すのですけど、前者のことをよく知らないらしいkenさんと話が通じやすくするために「マクロ熱力学」として「統計熱力学」と区別します。

 マクロ熱力学ではエントロピー(慣用的に記号Sとする)は次のように定義されます。(クラウジウス,1856年)。
  S=Q/T Q:熱量 T:温度

 第2法則の前に熱力学第1法則(エネルギー保存則)が確立しましたが、これはつまりは熱と力学的仕事とが相互変換しうるという定量的観測事実の確定に他なりません。(マイヤー、ジュール、ヘルムホルツ,1843-1847年)。まさしく「熱(thermo)の力学(dynamics)」の誕生です。そして理想気体では熱エネルギーと気体分子の運動エネルギーとが等価であることが理論的に導かれています。

 「統計熱力学」はボルツマン、マクスウェル、ギブス等により発展させられたもので、上記のようにマクロに定義されたエントロピーSとミクロな状態数分布を結びつけました。そしてミクロな分子運動に確率論を応用して第2法則を説明しました。

 このスレッドの本論にとっては、上記のポイントは「マクロ熱力学」は確率論は使っていませんから、論点3は問題になりませんが、論点1の起源問題は持っているということです。

【続く】

795diamonds8888x:2020/12/30(水) 17:32:58 ID:Qix9q/lA
>>794
マクロ熱力学の第2法則
 エントロピー(S=Q/T)は増加することはない
  (平衡状態でなければ一般には減少する)
 起源問題:全宇宙のエントロピー最小状態の起源は?

統計熱力学の第2法則
 エントロピー(ln[Ω])は増加することはない :Ωは状態の数 (注)
  (平衡状態でなければ一般には減少する)
 起源問題:全宇宙のエントロピー最小状態の起源は?

自然発生の否定
 生物は自然発生しない
 起源問題:世界最初の生物の起源は?


 どのテーマでも論理構造は同じで、「Sn=>S(n+d) (d>=0)の変化しか起きない」という理論が「最初のS0以前も成り立つ」と主張すると矛盾が起きます。矛盾を解消するには、たぶん以下の2つしかありません。
 1a) S0以前はずーーっとS0だった(時間無限と仮定)
 1b) S0は世界の始まりと共に誕生した(時間有限と仮定)
 2) この理論はS0以前には破れていた

 1a,1bは真偽のつけ難い話なので考えないことにして、2と考えるのが妥当です。というか論理的必然と言ってもいいでしょう。
 逆に言えば「最初のS0以前も成り立つ」と主張するような無茶は誰もしません。もちろん統計熱力学の第2法則もそうです。しかしこの点にkenさんは異議を唱えています[>>782,>>793]。

熱力学第2法則については
>その答えは簡単です。今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。
>閉鎖系のエントロピーが減少することはありえない、という熱力学第2法則とは、その点が異なると思います。

自然発生の否定については
>自然発生が日常的に起こるという理論に根拠がないことを示したのであって、自然発生がありえないという証明ではないはずです。


 まとめると、「熱力学第2法則は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件が入っていれば、基準05には違反していないというのはkenさんの考えでもあるのですよね?


(注) ln[Ω]とQ/Tとを区別して、前者を統計力学的エントロピー、後者を熱力学的エントロピーと呼ぶことがあります。統計力学的エントロピーと熱力学的エントロピーとが同じ量であると主張するのがボルツマンの原理と呼ばれる仮定です。

796Ken:2020/12/30(水) 19:38:39 ID:l3c2r2bk
>>795

>「熱力学第2法則は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件が入っていれば、基準05には違反していないというのはkenさんの考えでもあるのですよね?

たしかに、それが私の考えです。さらに言えば「遠い過去」という制約条件も不要と思います。遠い過去だろうが、未来だろうが、私たちが生きる今の時代だろうが、私が>>674で紹介した小説で、人工知能が発見したとされる

〜エントロピーを減らす方法

を具体的な理論として提示できるのなら、第2法則は基準05違反ではありません。その方法が今の教科書に載っている熱力学と矛盾しない、というのが唯一の条件です。

そんな方法を提案できるのなら、(もし私が選考委員だったら)ノーベル賞の3つ4つを贈呈しますが、とにかく、お考えをおきかせください。

797Ken:2020/12/30(水) 19:49:34 ID:l3c2r2bk
すみません。1つ言い忘れました。>>796では

>その方法が今の教科書に載っている熱力学と矛盾しない、というのが唯一の条件です。

といいましたが、条件はもう1つあります。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

エントロピーの減少は起こりえても、この2つの事象は起こらないという、そういう理論であるのも条件です。むろん、私の頭には仮想世界があるわけですが、要するに、エントロピーを減少させる条件とは、AやBを起こす条件よりも、現実的でなければなりません。

798 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:45:12 ID:Qix9q/lA
>>795,(>>796,>>797)

 では、マクロ熱力学でも統計熱力学でも、「"エントロピー減少の禁止則"は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件は入っているということを説明します。正確にはどちらの理論も「"エントロピー減少の禁止則"の適用範囲としてあらゆるすべての世界を想定していることはない」ということです。

 要は[>>782]の以下の認識がポイントです。
>今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。

 こんな硬直した解釈は普通の人の会話でも、科学者による法則の解釈でもやりません。この解釈がなされるとすれば数学か純粋論理の世界か法律の解釈くらいじゃないでしょうか? 数学においてならこれが正しい解釈ではあります。それも文脈によっては必ずしも正しいとも限りませんが。

 自然科学の法則というのはひとつの仮定だというのは現代では常識と言ってもよい世界中の科学者の共通認識です。多くの法則はひとまず適用範囲の制限など付けないで提唱されます。つまりあらゆる範囲で、というか可能な限り広い範囲で適用できるという形で提唱されます。けれどもちろん、何らかの適用範囲はあるかも知れないというのも常識的な共通認識であり、それを確認するためにさま様な検証実験や研究が行われているのです。重力や静電気力の逆2乗則なども現在でも検証が行われていて、近距離ではどうだとか遠距離ではどうだとか、はては宇宙史的時間では重力定数が変化しているのではないかとか、適用範囲の確認が考えられているのです。

 以上の例はkenさんの認識では「(ある条件下では)間違っているか否かの検証」であって基準05違反にはならないということなのでしょう。それは私も同意します。

 またその理論の範囲では基準05違反の矛盾はなく、観測事実も説明できている複数の理論を組み合わせると整合性がなくなるという場合もあります。例えば量子力学と一般相対性理論とを統一した量子重力理論の構築は未だなされていません。これは両理論が働く領域では、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえないことを示しています。
 しかしこのことをもって、量子力学や一般相対性理論に基準05違反の矛盾があると解釈する科学者はいません。量子力学と一般相対性理論とは相矛盾する、くらいの表現はするでしょうけれど。

 起源問題というのは、"エントロピー減少の禁止則"や"エントロピー減生物の自然発生の禁止則"が「エントロピー最小状態や最初の生物以前にも時間は続いていた」という理論と整合性がないという問題なのです。この場合、あまりにはっきりとわかりやすいので、素人でもすぐに思いつくというのが、量子力学と一般相対性理論とが相矛盾するという問題との違いにはなります。

 これでわかりましたか? この状況を「熱力学の第2法則(を掲げた理論)そのものが基準05違反の矛盾を含む」と認識する科学者はいません。

 なお、>>770の、A理論、B理論、との違いは御自分で考えてみてください。ヒントは起源問題をP∧¬Pの形式で表現してみることですね。A理論とB理論はそのままP∧¬Pの形式だから基準05違反は明らかなのですけどね。

余談) 数学や記号論理学では∀xというのはまさしくあらゆるxを指しますが、実はその前に対象とする全体集合を設定します。例えば実数の集合とか論理式の集合とかです。対象とする全体集合が実数であるときには∀xと書かれていてもxに複素数は含まれません。
 自然科学では数学ほど明示的に全体集合を示しませんし、そもそも定まっているわけでもありません。科学の進歩による観測事実の集積により、理論が適用される全体集合そのものが広がったり限定されたりするものです。

799 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:59:56 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学や相対性理論は1人の人がほぼ全てを作り上げたので誕生の歴史も一言で済むほどにわかりやすいのですが、熱力学や量子力学は何人もの科学者が長期間にわたって少しずつ作り上げたものなので、歴史も複雑ですし理論の全貌もいくつものバージョンが重なり理解が難しくなっている面があります。

 統計熱力学の内容も含めた歴史については以下が適切なようです。
 [〜tp://www.amsd.mech.tohoku.ac.jp/Thermoacoustics/contents04.html]
  富永昭氏による「誕生と変遷にまなぶ平衡系の熱力学」
   『誕生と変遷にまなぶ熱力学の基礎』内田老鶴圃(2003/11/01)
 各章の終りに「まとめ」という節がありますので、それだけ読めば大まかな流れがわかると思います。

 wikipediaの次の項が参考になります。
 「熱力学の年表」 事項だけなので、その意味がわかっていないと使いづらいかも
 「カロリック説」 熱学から熱力学の歴史が詳しい
 「熱」 統計力学ではない熱力学の概要

 さて統計力学は確率論という数学を使っていますが、他の科学理論同様に、ある数学を使えるためにはいくつかの仮定をおいています。その一番基本的なものが「衝突する分子の位置と速度の間には相関がない」つまりは「分子運動はランダムである」という仮定でwikiの「分子的混沌」の記事に記載されています。ここからボルツマンのH定理が証明されますが、これは統計力学における熱力学第2法則そのものです。wikiの「H定理」の記事参照。またエルゴード仮説というものもあります。wikiの「エルゴード理論」の記事参照。
 初期の統計力学は気体分子運動論の試みであり、これは気体分子集団の熱力学的振る舞いをニュートン力学から誘導しようという試みだったのですが、そこにランダム性の仮定を取り入れて確率論を適用することにより、個々の運動を追跡するなどという超多体系では無茶な方法を使わなくても済むようになったわけです。

 御承知の人も多いでしょうが、ニュートン力学も量子力学も時間反転対称性があり時間の向きを区別できません。にもかかわらず、分子の超多体系にニュートン力学を適用している統計熱力学でエントロピー非減少則を導けるのは、上記の「分子的混沌」の仮説を使っているからです。これまでに人類が観測できている熱現象などからは、仮説演繹法により「分子的混沌」の仮説は正しいと考えられるのですが、ニュートン力学や量子力学からは導くことはできていませんし、たぶんならかの条件を入れて時間反転対称性を破らない限り導くことはできないでしょう。kenさん流に言えば、「の第2法則はニュートン力学と矛盾するから基準05違反だ」ということになりましょうかねえ。

 起源問題なんぞよりも、こちらの時間の矢の問題のほうが、よほど重要な問題なのです。

800Ken:2021/01/01(金) 19:33:40 ID:l3c2r2bk
>>798

まず、尋ねられていることに回答します。

>A理論、B理論、との違いは御自分で考えてみてください。ヒントは起源問題をP∧¬Pの形式で表現してみることですね。

Pに該当するのは、エントロピーが減少することはないという法則です。では、¬Pは何かといえば、エントロピーが現実に増大していることでしょう。

diamonds8888xさんは>>795で、エントロピーは、

>平衡状態でなければ一般には減少する

と言われました。そのとおりで、第2法則が存在しても、熱平衡状態だけが続くのなら、起源問題は生じません。ですが、観測される現実は平衡状態ではないのだから、起源問題が生じます。


>>798のそれ以外の部分は、エントロピーがどうすれば減少するのかという私の問いかけには答えず、相対論と量子論の例などを挙げて、今でも整合のとれない部分がある、と言われているようです。相対論と量子論の不整合部分はよく知りませんが、もしも上に挙げた例のように、論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反でしょう。現実の科学者がそう思っているかどうかは、本スレッドの論点ではありません。


熱力学第2法則が対象としない範囲があるといわれるなら、対象か対象でないかを決める基準を提示されるべきでしょう。たとえば>>778で挙げられたニュートン力学と相対論の対比は、論点1(基準05)からは余談なのでしょうけど、2つの理論の対象範囲を分けるのは、速度が大きいか小さいかという基準を挙げておられます。

なお、理論には対象とする領域があるといわれるのなら、基準違反の例に挙げられたAとBも、仮想世界が対象なら基準違反にはなりません。それなら、第2法則もAもBも、違反になる対象領域とならない対象領域がある点で同じです。むしろ「第2法則が対象にしない」というだけの正体不明の領域よりも、実例がある仮想世界の方がよほど具体的かつ現実的と、私には思えるのですが。

801Ken:2021/01/02(土) 00:27:17 ID:l3c2r2bk
>>800

いやあ、私としたことが・・・

>>795で誤って記述された第2法則を、そのまま引用してしまいました。

>エントロピー(S=Q/T)は増加することはない
>エントロピー(ln[Ω])は増加することはない
>(平衡状態でなければ一般には減少する)

もちろん、正しくは、

エントロピーは減少することはない
(平衡状態でなければ一般には増加する)

です。

ひょっとして、私の理解を試すための、ひっかけ問題だったのでしょうか?

802diamonds8888x:2021/01/28(木) 05:54:17 ID:Qix9q/lA
>>801
 失礼しました。私のポカです。どうも右左の選択とか2者択一で勘違いすることが多くて自戒が必要ですね。


>>800
 うーん、「基準05に違反する理論」の具体的実体がずれているのが誤解のポイントですね。このことを頭において、よく私の書いた意図を読み取ってください。Kenさんの「基準05に違反する理論」のイメージぱ間違いですからね。お願いですから、自分の理解が間違っていることを前提に考えてください。
 「基準05に違反する理論」の具体的意味はKenさんの考えている具体的意味とは違うのですよ。

1) >では、¬Pは何かといえば、エントロピーが現実に増大していることでしょう。

 「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。(実は宇宙全体のエントロピー総量の観測なんて誰もしていませんけどね)。
 質問の意図は、熱力学第2法則、またはそこから導かれる定理を、P∧¬Pの形式できちんと表現しなさいと言うことです。曖昧さなく正確にね。できるもんならですけど。
 もしできなれれば、それは熱力学第2法則が基準05に違反していないことを意味します。

2) >>>798のそれ以外の部分は、エントロピーがどうすれば減少するのかという私の問いかけには答えず、

 熱力学第2法則が基準05に違反するか否かを決めるには、そんなものに答える必要がないからです。これもKenさんの誤解のポイントですね。

3) >もしも上に挙げた例のように、論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反でしょう。

 「論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反」というのはその通りです。しかし[>>798]では「論理的に両立できない理論が2つあるのに、その両方が正しいと主張する」ことを正当化してはいません。「これは両理論が働く領域では、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえないことを示しています。」と書いています。片方だけで十分な領域ではどちらも観測事実と一致しています。

4) >熱力学第2法則が対象としない範囲があるといわれるなら、対象か対象でないかを決める基準を提示されるべきでしょう。

 それが人間業では不可能だというのが>>798の趣旨です。人は未だ観測も想像もできなかった世界や条件を理論に組み込むことはできません。ゆえに「すべての」と言っていたとしても、それは実際には真の∀ではありえないのです。
 あー、ちょっと哲学的に響いたきらいはありますが、考えればこれが真実だとわかるでしょう。人は無限を認識することはできないのです。あー、かえって難しいかなあ。困ったもんだ。

 ではニュートン力学と相対性理論を例にしてみましょうか。 (続く)

803Ken:2021/01/28(木) 23:12:49 ID:l3c2r2bk
>>802

(続く)で終わっているので一連の投稿を待つべきかと思いましたが、私に問われている部分には答えておくのがよいでしょう。

>質問の意図は、熱力学第2法則、またはそこから導かれる定理を、P∧¬Pの形式できちんと表現しなさいと言うことです。

起源問題の性質は、>>674で初めて持ち出してから何度も論じてきたので明らかになっていると思いましたが。
では、このように表現したらどうでしょうか?

P:エントロピーが減ることはない → エントロピーの極小状態(ファインマンがいう「秩序の起源」)は生じ得ない
¬P:エントロピーが増大している → エントロピーの極小状態が過去に存在した → エントロピーの極小状態が生じた

ちなみに、ビッグバンの元になったとされる「cosmic egg」(日本語では何と言いますか?「宇宙卵」?)は、宇宙の全エネルギーが集中した、まさしくエントロピーの極小状態でしょう。そういうものが生じ得ないというのが、第2法則のはずです。

>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

??1つの例外もなく、あらゆる観測で確認される事実を理論としたのではないのですか?

>>795の記述がポカであるなら、

〜平衡状態でなければエントロピーは増大する

という理論があるというのが、diamonds8888xさんの真意だと思います。そして私たちの世界が平衡状態にないことは明らかでしょう。熱平衡状態(=熱的死)のもとでは、一切の事象は起こらず、本スレッドで議論している私たちだって存在できないのですから。

ゆえに、エントロピーは増大している、という理論があると考えます。

それに、そもそも「理論」か「事実」かはともかくとして、

*エントロピーが減ることはない
*エントロピーが増大している

という両方の主張をする人は多くいるし、両方が記述された教科書も世にあふれています。それが基準05違反ではないかというのが私の問題提議なのです。一方が「理論」で他方が「事実」であるからといって、両者がPと¬Pの関係にあってよい、というのは基準05で否定されるのではありませんか?

804diamonds8888x:2021/01/29(金) 06:42:41 ID:Qix9q/lA
>>803
 また拙速なレスを・・。せめて2-3日くらいじっくり推敲した方がいいですよ。
 私も拙速に返すので失礼な表現が増えますが御容赦を。
 明らかに異なる概念をどうしてそうも混同するかなあ??

>P:エ 〜(以下略)

 これって命題ではなくて推論過程ではありませんか。やり直し。


>>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

>??1つの例外もなく、あらゆる観測で確認される事実を理論としたのではないのですか?

 そうですよ。だから同じものだとでも?!!
 公理から正しい論理に従って導いたものが定理です。でも公理と定理とは別の命題です。

 (それ以前の)あらゆる観測で確認される事実に反しない理論が組み立てられ、理論は未だ観測されていない事実をも予測します。
 (それ以降に)観測される事実が予測と一致することで理論の正しさが検証されます。

 本当に理論と事実を混同して平気なの??!!

805Ken:2021/01/29(金) 22:30:16 ID:l3c2r2bk
>>804

>これって命題ではなくて推論過程ではありませんか。やり直し。

命題はPと¬Pのそれぞれの行の最後に示し、説明として推論過程も書きましたが、それではだめですか?
では、推論過程を省略して結論のみ書きます。

P:エントロピーの極小状態は生じえない
¬P:エントロピーの極小状態は生じる(現に生じた)

>本当に理論と事実を混同して平気なの??!!

理論と事実を混同したのではなく、

>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

という、diamonds8888xさんの主張に、

「いや、それは理論でしょう」

と反論したはずなのですが。

>>795の記述から、

〜平衡状態でなければエントロピーは増大する

という理論には、同意をいただけるはずです。そこに、

〜この世界は平衡状態にはない

という観測事実が加わることで、

〜この世界のエントロピーは増大している

という理論が得られます。>>803の文章は、そうなってませんか?

もう1つ付け加えれば、エントロピーが増大するという理論があるからこそ、その理論にもとづいて、遠い未来に宇宙は熱的死にいたるという予測がされているのではないのでしょうか?

806名無しさん:2021/01/31(日) 05:40:02 ID:Qix9q/lA
>>800,>>802
 理論と観測事実の区別をよーく考えながら、以下を読んでください。

【矛盾と間違いの違い】 {以下のn1について最後に述べた(*)}
 1つの理論の中では「P∧¬P」という命題は存在できません。
 1つの理論A(の予測)が観測事実n1と食い違う場合、理論Aは間違いとされます。
  (命題群Aと命題群n1を同時に主張すれば矛盾となるが、理論Aは矛盾していない)
 2つの理論A,B(の予測)が食い違う場合、A,Bを同時に主張する理論は矛盾しています。でも理論Aは矛盾していませんし、理論Bも矛盾していません。

 定量的観測事実では測定誤差があるので、理論Aの予測と理論Bの予測と観測事実n1が互いに区別しにくいことがあります。例えば高精度測定では理論Aの予測値と観測値n1との差がわかるが、極めて値が近いとき、理論Aは近似理論と呼ばれて、実用範囲で正しいとみなすこともあります。

【ニュートン力学】
 ではニュートン力学と相対性理論を例にしてみましょうか。以下では、2つの理論の違いがもっとも際立つ部分を公理とみなしています。そして多くの予測のうちのひとつを例示しました。

 ニュートン力学
  ・相対速度の異なる座標系同士はガリレイ変換で変換される {公理}
  ・運動量は、p=mv {定理}
 特殊相対性理論
  ・相対速度の異なる座標系同士はローレンツ変換で変換される {公理}
  ・運動量は、p=mv/(1-(v/c)^2) {定理}

 万有引力の法則
  ・2つの質点間の重力は、F∝m1*m2/r^2 {公理}
 一般相対性理論
  ・重力は空間の曲率で表せる(式は略) {公理}
  ・2つの質点間の重力は〜(略)  {定理}

 ニュートン力学は「P∧¬P」という命題は含んでおらず矛盾していません。しかしその予測は様々な観測事実と「矛盾して」います。これは「ニュートン力学が矛盾している」のではなく、間違っている(観測事実と一致しない)のです。

長文なので続きは別コメントで[>>807]


(*) 命題群n1は観測事実n1を表現した命題です。そして命題群Aと命題群n1を同時に主張する理論A'は、理論Aとは異なり矛盾します。命題群Aはむろん、理論Aを成しているすべての命題を指しています。

807diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:42:31 ID:Qix9q/lA
[>>806](失礼、私のコメントです)からの続き。

【熱力学第2法則】
 では熱力学に行きましょうか。わかりやすいように統計熱力学とマクロ熱力学[>>795]を共に示しましょう。2つの区別はさすがにもう理解してますよね? 調べればわかることですし。

 マクロ熱力学
  ・エントロピー(S=Q/T)は減少することはない(第2法則) {公理}
    (これは経験則と言える )第2法則
    (ニュートンの作用反作用則や運動方程式が経験則と言えるように)
 統計熱力学
  ・系の各状態Ωのそれぞれの実現確率は等しい {公理}
    (分子的混沌の仮定[>>790])
  ・エントロピー(ln[Ω])は減少することはない(第2法則) {定理}
    (ln[Ω]がQ/Tに一致するというのも定理のひとつでしょう)

【ここからが大事だよ】
 さてどちらの第2法則にしても現時点では矛盾するような観測事実はありません。しかし遠い過去を想定すると矛盾が出てくるというのが起源問題です。整理すると遠い過去については以下のケースが考えられます。

 a1) 過去のどの時点でも第2法則が成立する(無限の過去まで)
 a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
 b1) 過去は無限である(世界は無限の過去から存在していた)
 b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

 ご覧のように、{a1.a2}は互いに対立する公理であり、ある理論ではどちらかひとつしか採用できません。さもないと基準05に違反します。{b1,b2}についても同様にどちらかひとつしか採用できません。しかし{a1.a2}のどちらかひとつと{b1,b2}のどちらかひとつは同時に主張できます。

 しかし少し考えればわかりますが、{a1.a2}と{b1,b2}との組み合わせでa1とb1を組み合わせた理論(同時に主張する理論)は矛盾しており基準05に違反します。残り3通りの組み合わせによる理論は矛盾していませんので基準05はパスします。
 そして熱力学第2法則自体は{a1.a2}および{b1,b2}のいずれも主張してはいませんので、基準05はパスしています。

 なおa1はいわゆる(時間的な)斉一性原理と呼ばれるものです(Ref; wikipedia「自然の斉一性」)。斉一性原理には時間的なものと空間的なものとがありますが、どちらも破れる可能性があることは、現代(20世紀以降)ではよく認識されています。


 以上、きちんと整理して考えればいいだけですが、整理できない自称論理的人間のkenさんの間違った反論が予想できそうになってきた。整理できない理由のひとつが見えてきた。
 まあ具体例は示したので、理論と観測事実の区別などの原則を抽象的にまとめてみましょう==>(続く)

808diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:44:17 ID:Qix9q/lA
>>806,>>807
 理論と観測事実の区別などの原則を抽象的にまとめてみました。

【理論とは】
理論: 一群の正しい命題の集まり。公理とおよび、定理とその推論過程から成る。
定理: 他の正しい命題から正しい論理法則により推論された命題
公理: 定理ではないが、理論の中で正しいとみなされている命題
  つまり、理論の中では公理を推論することはできない(証明できない)

 以上の理論の典型的なものは数学理論です。そして自然科学理論も性質は、まさに数学理論そのものです。理論と言えば例えば法理論や宗教的理論(宗教内部での理論)などもあり、それなりに正しい論理法則が使われているはずですが、数学理論や自然科学理論ほどに厳密なものではなさそうです、たぶん。

 さて上記の「正しい命題」とはあくまでもひとつの理論の中で「正しいさされている命題」の意味であって、他の理論の中では正しくないこともありますし、観測事実に比べて正しくないこともあります。
 そしてひとつの理論の中で、命題Pが「正しい命題」ならば、その否定¬Pは「正しくない命題」となります。ここで基準05そのものである「¬(P∧¬P);矛盾の否定」は推論に使われる正しい論理法則のひとつなので、公理の中で矛盾がない限りは定理には矛盾は生じません。
 そして公理の中で矛盾がある理論は、まさに基準05違反であり、正しい数学理論や正しい自然科学理論としては採用されません。(法理論や宗教的理論では知らないよ)。

【自然科学理論では公理はどのように決められるか】
 1)観測事実を抽象的にまとめて公理にする
 2)観測事実を推論できそうな命題を公理にする

 1の例は、天球上の太陽や恒星の日周則・年周則、振り子の等時性、気体の状態方程式、メンデレーフの周期律、(エネルギー保存則、マクロ熱力学の第2法則)などがあります。
 2の例は、プトレマイオスの法則、ケプラーの法則、ニートンの万有引力の法則、相対性理論、統計熱力学の第2法則などがあります。
 実のところ1と2の違いは「観測事実と公理との関係がすぐに簡単にわかるかどうか」という違いなので、区別しにくいこともあるでしょう。

【理論の対象や適用範囲は公理で決まる】

 数学理論では公理で指定される対象は無定義用語とされ、公理によってその性質が決まるものです。幾何学理論なら点・線など、自然数理論なら0や1などの自然数、集合論なら集合です。そして適用範囲は対象の性質みたいなものなので特に決めることもありません。・・としておきましょう。

 自然科学理論では対象は実在する何かです。適用範囲とは対象が存在する場所や時間や環境条件などですが、一般にはすべてを明確に規定することはありません。だからといって、「これこれの場所や時間では間違っているはずだから基準05違反だ」などと言うのは揚げ足取りの典型です。
 自然科学理論の公理は既知の観測事実と一致するように作られます。未知の観測事実と一致するかどうかは将来の観測に委ねるのであり、一致しなければ、その範囲では間違いと判明するだけです。

 起源問題のように、ある範囲では間違いとなる可能性が示唆される場合もあります。しかしそれは理論が矛盾を含んでいるのではなく、その範囲では適用できない可能性があるというだけのことなのです。


 まったく・・単純で基本的なことだけに同じことを繰り返して説明するだけになっていそう。

809diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:52:48 ID:Qix9q/lA
>>805
>>795の記述から、〜(中略)〜
>〜>>803の文章は、そうなってませんか?

 なってますよ。まさしく理論と事実を混同している文章です。あまりに平然と混同していてこちらの頭がおかしくなりそうです。

 先のコメントをよく読んで考えてくださいね。[>>806,>>807,>>808]
 同じ記号で命題、事実、理論と使い分けている部分がありますが、これは同じ内容ではあっても違う概念だからこそ、使い分けているのです。そこをきちんと読み取ってください。

810diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:01:08 ID:Qix9q/lA
>>805

>P:エントロピーの極小状態は生じえない
>¬P:エントロピーの極小状態は生じる(現に生じた)

 ここは厳密にいかないとKenさんは勘違いのポイントがわからないでしょうから厳密に。「(現に生じた)」なんてのは観測事実であって理論の中にはありません。

 それを除けば上記でOKです。
 さて、この2つを同時に主張する命題が熱力学理論の一体どこで主張されているのですか? 「熱力学に別の理論を付け加えたり組み合わせたりした理論」を持ち出さないようにね。

 先のコメントをよく読んで考えてくださいね。[>>806,>>807,>>808]
 先のコメントでは主に、命題・理論・事実の違いに焦点を当てていますが、[>>805]の文章では公理と定理と推論過程を混同していますね。

811diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:12:16 ID:Qix9q/lA
>>800,>>798 【整合性の件】
 量子力学と一般相対性理論との整合性の件ですが。

 そもそも[>>798]の趣旨は冒頭の部分「〜どちらの理論も「"エントロピー減少の禁止則"の適用範囲としてあらゆるすべての世界を想定していることはない」〜」なのですが、理解できてますか? 挙げたのはすべてその例示です。量子力学と一般相対性理論との整合性の件もそうです。

 量子力学と一般相対性理論とを共に使わなくては予測ができないような観測事実の領域については、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえない、つまり間違っているかも知れません。でも量子力学のみで予測可能な範囲では現時点では量子力学は正しいし、一般相対性理論も同様です。

 【そして大事な点は】、いずれにせよ両理論とも単独では基準05はパスしていることです。熱力学第2法則も同様です。

 なお量子力学と一般相対性理論との整合性については、「量子力学と一般相対性理論とを組み合わせた理論を未だにうまく作ることができていない」というのが正確なようです。もしできていれば、後は観測の仕事だけのはずですが、こちらは未だ理論家の仕事のようですから。まあ、詳しくは私も知りませんが。

 なお念の為に、量子力学と特殊相対性理論とはバンバン組み合わせて使われています。

812diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:21:20 ID:Qix9q/lA
>>810,>>805
> ここは厳密にいかないとKenさんは勘違いのポイントがわからないでしょうから厳密に。「(現に生じた)」なんてのは観測事実であって理論の中にはありません。

 いやはや観測事実でさえありませんでしたね。もとの意図は「エントロピーの極小状態は、過去に生じたはずだ」という過去の事実の推論でしかありません。それも採用した公理を曖昧にしていますから、正しい推論でもありません。

 「エントロピーの極小状態が現に生じた」なんて観測事実が未だにないからこそ、熱力学第2法則は正しいとされているのですからね。

813diamonds8888x:2021/01/31(日) 09:59:17 ID:Qix9q/lA
 過去発言のkenさんの勘違い部分をいくつか。当面の議論に関係あったりなかったりはしますが忘れそうなので。絡み合ってたりするし。

======
>>803
>一方が「理論」で他方が「事実」であるからといって、両者がPと¬Pの関係にあってよい、というのは基準05で否定されるのではありませんか?

 [>>779]では理解してたはずなのに。
>相対論登場前のニュートン力学を挙げておられますが、ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が解消したのではありません。ニュートン力学では物体の質量は不変なので、力に比例した加速度が必ず生じ、速度はどこまでも大きくなります。このこと自体は「(¬P)∧P」に該当する論理矛盾を含みません。ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。

 一方が「理論」で他方が「事実」であれば、両者がPと¬Pの関係にあれば理論が間違いとなるだけでしょう?

======
>>789
>>769>>770で述べたように、AもBも、シミュレーションが作る仮想世界なら容易に実現できるのです。

 できません。ひとつの仮想世界は、その世界の自然法則に沿って構築されるのであり、そこには矛盾はありえません。もちろん、異なる仮想世界同士では自然法則は互いに異なります。

 [>>723]のように緩んだ解釈はだめですよ。
 {「2.ある時は粒子であり、ある時は波動である」が基準05違反という主張。ゲジゲジさんも[>>772]で指摘。}

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
   別の日に昇なら構わない。
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない
   別の時刻で異なる結果は構わない。

 日によって太陽の昇る方向が違うという現象なら、仮想世界でなくても三体問題になっているような惑星系なら起きることが予想できます。
 ある日には貫かれなかったのが次の日には貫けたという現象だって現実に起こりえます。それはちっとも矛盾ではない。

======
>>780
>つまり第2法則を反証する観測事実はないことが前提になるわけで、そうなると、「なんらかの基本原理から誘導されたものではない」ことが、まさしく、いかなる物理条件でも第2法則が成立するという理論構成になるはずです。

 「第2法則を反証する観測事実はない」というのは既知の観測の範囲内に決まっているでしょうよ。「いかなる物理条件でも」なんて条件はありませんよ。何を混乱したことを・・。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板