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国際政治・世界事情

1923チバQ:2011/01/23(日) 19:58:08
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110123/erp11012319000099-n1.htm
アイルランド首相、党首を辞任 国民不満ピークに ユーロ防衛にも影響必至
2011.1.23 18:55 (1/2ページ)

 【ロンドン=木村正人】財政危機で欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の救済を仰いだアイルランドのカウエン首相が、最大与党・共和党の党首を辞任すると発表した。欧州単一通貨ユーロを安定させるため、財政悪化国は増税や歳出削減を強いられており、失業率は上昇し、国民の不満はピークに達している。ドイツやフランスが主導するユーロ防衛にも重大な影響を及ぼしそうだ。

 同首相は22日の記者会見で「連立与党内の混乱を避けて総選挙に臨むため」と辞任の理由を説明した。超緊縮財政法案を成立させるため、3月11日の総選挙まで首相職にとどまる。世論調査では総選挙での惨敗、政権交代は必至の情勢だ。

 「ケルトの虎」と呼ばれる高度経済成長を遂げたアイルランドは2008年の金融危機で住宅市場が崩壊。銀行の不良債権が拡大して公的資金の注入を強いられた政府の財政状況が悪化した。09年の財政赤字は国内総生産(GDP)の14・4%、政府債務残高は同65・5%に達した。

 昨年、ギリシャの財政破綻で信用不安が飛び火し同年11月、EUとIMFに対し850億ユーロ(約9兆5千億円)の緊急融資を要請した。同首相は12月、児童手当の削減、2万5千人弱の公務員削減、日本の消費税に当たる付加価値税(VAT)引き上げなど、4カ年の超緊縮財政法案を議会に提出した。

 ユーロを導入するアイルランドは自国通貨の下落による輸出競争力アップを見込めないため、失業率が13・9%に上昇。最低賃金も切り下げられる見通しだ。

 共和党支持率が史上最低水準の14%前後に下落する中、同首相が国営化された大手銀行首脳とゴルフをしていた疑惑が発覚した。同首相は18日の共和党党首信任投票を乗り切ったが、マーティン外相ら閣僚の3分の1が辞任して内閣改造に失敗。しかも20日には連立を組む緑の党の要求で「3月11日、解散・総選挙」の発表に追い込まれた。

 野党側は25日に内閣不信任案を議会に提出する可能性がある。

 財政悪化国のスペイン、ギリシャ、ポルトガルでも失業率は昨年11月でそれぞれ20・6%、12・9%、11%まで悪化している。

 メルケル独首相やサルコジ仏大統領は2月のEU首脳会議で、EUとIMFによる最大7500億ユーロ(約84兆3千億円)の欧州金融安定化基金の拡大を協議するとみられている。しかし財政悪化国で国民の不満が高まり、財政再建を推進する各国政府の足元が揺らげばユーロ防衛にも大きな支障をきたしそうだ。

1924チバQ:2011/01/24(月) 22:20:00
http://mainichi.jp/select/world/news/20110125k0000m030018000c.html
ベルギー:ブリュッセルで4万人デモ 新政府早期樹立求め
 【ブリュッセル福島良典】7カ月以上にわたり内閣不在状態が続くベルギーの首都ブリュッセルで23日、約4万人の国民が新政府の早期樹立を求めてデモ行進を繰り広げた。「政治の空白」は北部オランダ語圏と南部フランス語圏の対立を背景にしており、各政党による連立協議は袋小路に入り、解決のめどは立っていない。さらに巨額の公的債務を抱え、欧州連合(EU)本部を擁するベルギーは政治、経済両面で危機に直面している。

 ベルギーでは昨年6月の総選挙以降、各党間の連立協議や有力政治家の仲介努力が断続して行われているが、言語圏の権限強化など「国の形」を巡る意見対立から、歩み寄りの道筋は見えていない。内閣不在状態は220日を超え、欧州での「新記録」を更新中。ルテルム首相率いる暫定内閣が政権の座にとどまっているが、大胆な政策決定は下しにくいのが現状だ。

 「不名誉」と銘打った23日のデモはベルギーの若者5人が企画した。デモにはオランダ語圏、フランス語圏の双方の住民らが参加。黒、黄、赤の3色のベルギー国旗を手に「何が欲しいかって? それは政府さ」「団結は力なり」などと叫び、市内を練り歩いた。

 地元メディアによると、風刺漫画家のフィリップ・ゲリュックさん(56)は、デモをベルギー名物にちなみ「ムール貝・フリット(フライドポテト)革命」につなげようと呼びかけた。デモ呼びかけ人の一人、シモン・バンデレーケンさん(23)は「これだけの人が参加した以上、政治家はきちんと応えるべきだ」と訴えた。

 デモを受け、各政党は「人々のいらだちは理解できる」「デモ隊の声に耳を傾け、連立協議を速やかに再開すべきだ」などの声明を出したが、一方で、政治危機の原因を他党に責任転嫁する発言も出るなど、各党間の相互不信の根深さも露呈した。

1925チバQ:2011/01/24(月) 22:29:52
http://www.asahi.com/international/update/0124/TKY201101240068.html
アイルランド緑の党、連立離脱 IMF・EU支援影響も2011年1月24日15時12分

 【ロンドン=伊東和貴】アイルランドの最大与党・共和党と連立を組む緑の党は23日、連立政権から離脱すると発表した。これにより与党は下院で過半数割れとなった。早期の解散総選挙を求める野党は今週中に不信任動議を提出する見通しで、3月11日に予定されている総選挙が前倒しされる可能性もある。

 アイルランドは銀行の救済費用がかさんで財政難に陥り、昨年11月に国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)などから最大850億ユーロ(9兆4千億円)の支援を受けることが決まっている。緑の党は支援の前提となる予算関連法案の成立には支持を表明しているが、法案成立前に下院が解散されれば、支援が滞る可能性もある。

 財政危機を招いたカウエン首相への反発は与党内でも強く、先週、信任投票で首相の党首続投が認められたことに反発する共和党の6閣僚が相次いで辞任。首相は内閣改造で立て直しを図ろうとしたが緑の党の反対で断念し、22日には党首を辞任した。緑の党は、共和党の党首選出を巡る混乱を批判、「我慢の限界に達した」と連立離脱の理由を説明し、早期の解散総選挙を求めている。

 共和党の支持率は10%台前半に急落しており、総選挙での惨敗は必至。昨年から、最大野党の統一アイルランド党と第2党の労働党による連立政権への交代を有力視する声が出ている。

1926チバQ:2011/01/24(月) 22:35:54
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012401000096.html
ポルトガル、野党推す大統領再選 財政難で首相与党に批判


 ポルトガルの大統領選で勝利し、Vサインするカバコシルバ氏=23日、リスボン(AP=共同)
 【リスボン共同】財政難に陥り、欧州連合(EU)などに金融支援を要請するとの観測が出ているポルトガルで、任期満了に伴う大統領選挙の投開票が23日行われ、国会の最大野党で中道右派の社会民主党が推す現職カバコシルバ氏(71)が約53%を得票、当選に必要な過半数を確保し再選を果たした。

 大統領職は象徴的性格が強いため、財政難を招いたことなどに対する有権者の批判は、ソクラテス首相率いる中道左派の与党、社会党に向かい、カバコシルバ氏には逆に有利に働いた。

 同氏は国家安定のためソクラテス政権に対して協調姿勢を取っており、首相の政権運営に直ちに大きな影響を与えることはないとみられる。

 カバコシルバ氏のほか、社会党が推すアレグレ元議会副議長(74)ら5人が立候補。昨年秋、財政再建のためにソクラテス首相が提出した2011年度の緊縮予算案の成立が危ぶまれた際、カバコシルバ氏が与野党協議の橋渡し役を果たし予算成立に貢献した実績などが評価された。

2011/01/24 09:26 【共同通信

1927チバQ:2011/01/24(月) 23:31:04
http://www.asahi.com/international/update/0124/TKY201101240449.html
「前大統領派」チュニジア民放オーナーを拘束 暫定政権2011年1月24日21時19分

. 【チュニス=貫洞欣寛】チュニジア暫定政権当局は23日、チュニジアの民間テレビ局、ハンニバルTVのオーナーとその息子を「(亡命した)ベンアリ前大統領の親族で、今回の革命についてベンアリ派に有利な情報を伝え、混乱させようとした」などとして国家反逆罪容疑で拘束した。チュニジア国営通信などが伝えた。

 ガンヌーシ首相が率いる暫定政権に対し、市民は「見せかけの改革」と強い批判を続けている。当局は同日、同TVの2人のほかに前大統領の顧問ら2人を自宅軟禁しており、ベンアリ派への厳しい対応で改革姿勢をアピールしようとしたとみられる。一方で首相は政権発足時に「これからは報道の自由を尊重する」と述べており、これに反する今回の動きに市民から反発が出る可能性がある。

 ロイター通信によると、同局は放送中止を命じられたものの、旧野党系閣僚が介入し、数時間後に放送が再開されたという。日刊紙サバハのコラムニスト、アッティア氏はロイター通信に「ハンニバルTVが特段にベンアリ寄りの報道をしていたわけではない」と述べた。

 暫定政権には、首相らベンアリ前政権を支えた旧与党・立憲民主連合(RCD)出身の閣僚が引き続き入閣。AFP通信によると、23日夜にはRCD系閣僚全員の退陣を求める数百人が、首相府前でキャンプ。24日になり、警察が催涙ガス弾を撃って追い払った。
.
http://mainichi.jp/select/world/news/20110124ddm007070097000c.html
From:チュニジア 中東揺らす、覚悟の「革命」
 全く予想していなかった。チュニジアを23年支配してきたベンアリ独裁政権の崩壊の件だ。中東担当者としては失格だが、国民に聞いても軒並み「まさかと思った」と言う未曽有の事態だ。

 民主国家なら、全国的な反政府デモや暴動が1カ月も続き、治安部隊との衝突でおよそ80人も死者が出れば、指導者は早晩、辞任することになるだろう。しかし、アラブの状況はかなり異なる。

 長期独裁政権が一般的で、政治的自由が厳しく制限されてきた。政権は秘密警察を駆使し、反政府勢力を監視・けん制する。デモが起これば大量の治安部隊を投入し鎮圧する。国民は、越えてはならない「レッドライン」の中に閉じこもる。

 その「政治的安定」ぶりは、中東情勢を考える際の前提条件だった。昨年7月に日本の外務省が出したチュニジア概況も「ベンアリ大統領は強力なリーダーシップを発揮し、近代化・西欧化を推進する一方で、社会主義運動及びイスラム過激主義運動を弾圧し、政治的安定を維持してきた」と書いている。

 だが、チュニジア各地のデモ参加者には壮年や高齢の男女も多い。守るべきものの多い彼らさえ街頭に繰り出し、催涙ガスにもひるまない。本物の覚悟を感じる。背景には、独裁への怒り、民主化への切望、弾圧を許してきた慚愧(ざんき)の念が入り交じった思いがあるようだ。

 チュニジアの「革命」は「独裁体制下の政治的安定」という「常識」を変えるのか。民主化ドミノが中東全体に広がるのか。私には、まだ分からない。ただ、予兆らしき事態も生じている。エジプトやアルジェリアなどで政府への抗議の意味を込めた焼身自殺を図る事例が連続している。

 チュニジア革命の引き金を引いた若者の焼身自殺に影響されたことは明らかだ。ヨルダン、イエメン、リビアでもチュニジアとの連帯をうたう反政府デモが起きている。

 これに加え、中東和平交渉の停滞やレバノンの政治危機など、以前から存在した中東の不安定要因が深刻化していることも気になる。この地域に大変革をもたらす環境が静かに醸成されつつあるのかもしれない。

 アラブ諸国は、状況を不安げに眺めている。リビアの最高指導者カダフィ大佐は、「親友」とされるベンアリ氏の追放に強い嫌悪感を表明した。各国は相次いで食料品の値下げを発表するなど国民懐柔に躍起だ。

 事態を注視しているのは中東政治に深く関与する米欧も同じだ。オバマ米大統領はチュニジアの民主化支援の姿勢を早期に打ち出し、クリントン国務長官は「古い支配形態は機能しない」と他の中東諸国にも変革を促した。「中東での民主化拡大を狙っている」と見る外交官もいる。

 未来の姿はまだ判然としない。だが、中東情勢が動き始めたのは、確かに思える。【和田浩明】

1928チバQ:2011/01/24(月) 23:31:43
http://mainichi.jp/select/world/news/20110124ddm002030098000c.html
イエメン:反政府デモ 大統領辞任要求 チュニジアから飛び火
 【カイロ和田浩明】アラビア半島南西部のイエメンで反政府デモが発生し、22日には首都サヌアや南部主要都市で学生や野党勢力ら数千人が集まってサレハ大統領の辞任を求めた。21年にわたって同大統領による独裁体制が続くイエメンだが、大統領を名指しした大規模な抗議活動は初めてとみられる。チュニジアでベンアリ前大統領の亡命につながった民衆蜂起が飛び火した形だ。

 現地からの報道によると、サヌアでは約2500人のデモ参加者が「アリ(サレハ大統領の名前)よ、友達のベンアリの所に行け」と叫んだ。

 イエメンでは、今回の騒乱前から、北部でのイスラム教シーア派の一派ザイド派の反乱や国際テロ組織アルカイダ系団体「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の活動、南部での分離独立運動という「三重苦」に直面してきた。高失業率や大統領周辺の腐敗、地方開発の遅れなど、国民はチュニジア同様の環境の中で苦しんでいる。

 イエメンはテロ対策で米国の支援も受ける。しかし、掃討作戦で民間人が死亡しており、反米、反政府感情は強い。AQAPは米欧を標的にした爆破テロ未遂事件も起こしており、サレハ体制の動揺は、国際テロの活発化を招く懸念もあり、民主化は「もろ刃の剣」と見る専門家もいる。

 サレハ大統領は、首都サヌアの要所に治安部隊を配備する一方、ムタワキル通産相の解任など懐柔策も発表して、「アメとムチ」を使ってデモの抑え込みを図っている。

 一方、チュニジアでの政変後、アルジェリアやヨルダンでも政権の退陣を求める抗議デモが続く。食料価格高騰を背景に1月初旬に暴動が始まったアルジェリアでは22日、首都アルジェで治安部隊とデモ参加者が衝突、少なくとも約20人が負傷した。アルカイダ系組織が活発なため、民主化がイスラム過激主義の台頭につながる可能性が指摘されている。

1929名無しさん:2011/01/24(月) 23:32:15
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012401000772.html
レバノンで連立協議開始 ハリリ氏、ヒズボラ対立
 【カイロ共同】レバノンのスレイマン大統領は24日、ハリリ連立政権崩壊を受け、新政権樹立に向けた各党との連立協議を始めた。親シリアのイスラム教シーア派組織ヒズボラ勢力は、親欧米のハリリ暫定首相の首相再任を拒否。ハリリ氏は同日、ヒズボラ主導の新政権なら参加を拒否すると表明し、早くも対立を露呈した。

 協議は25日まで続く見通し。地元紙などは、首相候補として元首相で実業家のナジブ・ミカティ氏が浮上していると伝えた。ミカティ氏は2005年、ハリリ氏の父、ラフィク・ハリリ元首相暗殺事件をきっかけに親シリアのカラミ政権が崩壊した際、約3カ月間、首相を務めた。

 レバノンでは元首相暗殺事件をめぐり、事件への関与が指摘されるヒズボラと、事件に関して国際特別法廷への協力を続けるハリリ首相らの対立が激化。ヒズボラ系閣僚が12日に辞任したため、連立政権は崩壊した。

 レバノンの大統領はキリスト教徒、首相はイスラム教スンニ派と決まっているため、大統領はスンニ派の首相候補を指名することになる。連立協議が難航し、ヒズボラとハリリ氏側の緊張が高まれば、武力衝突なども懸念される。

2011/01/24 22:08 【共同通信】

1930名無しさん:2011/01/24(月) 23:34:00
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2783226/6721274?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
イラン、活動家2人の死刑執行 09年大統領選の抗議デモに参加
2011年01月24日 18:47 発信地:テヘラン/イラン

【1月24日 AFP】イラン政府は24日、2009年に大統領選挙の結果に抗議するデモに参加した国外の反政府団体メンバー2人の死刑を執行したと発表した。米政府は2人の釈放を要求していた。

 2009年6月の大統領選挙では、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の再選が不正だとする数千人規模の抗議デモがイランで起きた。死刑執行された2人はこのデモに参加していた。

 デモ参加者の死刑執行は今回が初めて。イラン当局は2人の氏名をジャファル・カゼミ(Jafar Kazemi)とモハマド・アリ・ハジャガエイ(Mohammad Ali Hajaghaei)と発表している。

「きょう早朝、『Monafeghin(偽善者)』グループのメンバー2人の死刑を執行した」とイラン当局はウェブサイトで発表した。Monafeghinは、国外の反政府活動団体「イスラム人民戦士機構(PMOI)」を指している。

 PMOIは米国が外国テロリスト組織に認定している団体だが、米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は8月10日、今回死刑が執行された活動家2人の釈放をイラン当局に要求していた。欧州連合(EU)は2009年にPMOIのテロ組織指定を解除している。(c)AFP

1931名無しさん:2011/01/25(火) 20:05:31
http://mainichi.jp/select/world/news/20110125dde007030006000c.html
レバノン:ヒズボラ新首相有力 きょうにも指名 スンニ派は反発
 【カイロ和田浩明】イスラム教シーア派組織ヒズボラによる閣僚引き揚げでハリリ連立政権が崩壊したレバノンで、新政権樹立のための連立協議が24日始まり、ヒズボラが推す実業家、ナジブ・ミカティ氏(55)が新首相の有力候補として浮上した。スレイマン大統領(キリスト教マロン派)は25日にも新首相を指名する見通しだが、スンニ派のハリリ暫定首相はヒズボラ主導内閣への参加を拒否し、国内各地で抗議デモが始まるなど、緊張が高まっている。

 スレイマン大統領は24日、新首相候補の指名に向け国民議会(国会、128議席)の全議員との面談を始めた。地元紙デイリー・スターによると、ヒズボラが主軸の会派は57議席を保有。独立系会派の5議席と社会進歩党の7議席がヒズボラに同調し、ミカティ氏が過半数の支持を得て指名される見通しが強まっている。

 ミカティ氏は、05年2月に起きたハリリ氏の父ラフィク・ハリリ元首相暗殺事件を受けて親シリアのカラミ政権が同年4月に総辞職した後、約3カ月間首相を務め、総選挙を実施した。通信事業などで巨額の富を築き、シリアのアサド大統領に近いとされる。

 ミカティ氏は23日に立候補を表明。「全国民に協力を求める」と述べ、主要会派が参加する挙国一致内閣を作る考えを表明した。しかし、ハリリ氏は「各派が合意できる候補はいない」としてミカティ氏指名に反対。レバノン北部のトリポリや東部ベカー高原などでは24日、ハリリ氏支持派が抗議デモを展開した。

 ミカティ氏が首相に指名された場合、組閣交渉は長期化することが予想される。交渉が難航すれば、宗派間での武力衝突が起きる可能性もある。ヒズボラはシリアやイラン、ハリリ陣営はサウジアラビアや米国の支援を受けているため、レバノンの混乱は中東全域を巻き込むという懸念も持たれている。

1932チバQ:2011/01/25(火) 21:55:30
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110125-OYT1T00867.htm
バレンタイン前なのに…カカオ産地が1か月禁輸

. 【ヨハネスブルク=中西賢司】大統領選後の混乱が続く西アフリカ・コートジボワールで、国際社会が当選者と認めるアラサン・ワタラ氏(69)は24日、カカオ豆の輸出を1か月間禁止すると発表した。


 大手輸出業者は禁輸に応じる姿勢を示している。同国のカカオ豆生産量は世界の約4割を占めており、2月14日のバレンタインデーを前に、チョコレートの価格高騰が懸念される。

 米メディアなどによると、ニューヨーク市場では、昨年11月末の決選投票後、既にカカオ相場は10%以上上がっているが、24日もさらに4%上昇した。

 ワタラ氏がカカオ禁輸を表明したのは、選挙での敗北後も大統領職に居座り、国庫を握り続けるローラン・バグボ氏(65)の「カカオ輸出で得ている資金を干上がらせるため」(外交筋)だ。国家収入の約9分の1はカカオ輸出関連税とされる。

(2011年1月25日19時00分 読売新聞)

1933チバQ:2011/01/25(火) 21:56:29
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110125/erp11012517160061-n1.htm
財政再建法案成立させ、アイルランド総選挙は2月に前倒し
2011.1.25 17:14
 カウエン首相が与党・共和党の党首を辞任するなど混乱するアイルランドで24日、与野党協議が行われ、欧州連合(EU)などの緊急融資の前提となる財政再建法案を週内に成立させ、3月11日に予定されていた総選挙を2月下旬に前倒しすることで合意した。2月1日に議会が解散となり、総選挙の実施は25日とみられている。財政再建法案が宙に浮くという最悪の事態は回避された。(ロンドン 木村正人)

1934名無しさん:2011/01/25(火) 22:18:29
http://mainichi.jp/select/world/news/20110126k0000m030085000c.html
モスクワテロ:空港標的、政権に衝撃 五輪、W杯に不安も

ドモジェドボ国際空港の爆発現場 【モスクワ田中洋之】ロシアのモスクワ南郊のドモジェドボ国際空港で24日起きた自爆テロ事件は、首都の「空の玄関口」が初めて狙われたとあって、メドベージェフ政権は大きな衝撃を受けている。

 ロシア南部の北カフカスを拠点とする武装勢力は従来、地方の警察機関などを対象に散発的なテロを行ってきたが、最近は主要なインフラ設備を標的にしている。07年と09年にモスクワ発サンクトペテルブルク行きの特急、10年3月にモスクワ中心部の地下鉄駅2カ所が爆破された。同年7月には南部カバルジノ・バルカル共和国にある水力発電所が襲撃された。

 いずれも都市機能のマヒを狙ったものとみられるが、ロシアで特に保安体制が厳しい空港がテロ攻撃を受けたのは今回が初めて。モスクワは従来、北郊のシェレメチェボ空港が拠点だったが、ドモジェドボ空港は近年の改修で最新鋭の設備に生まれ変わり、日本航空や独ルフトハンザ航空など世界の主要航空会社が発着便をシェレメチェボ空港から移転させ、ロシア最大規模の空港となった。

 ドモジェドボ空港のターミナルは国内線と国際線のエリアに分かれている。爆発が起きたのは国際線の到着ロビーで、夕方の発着便が多い時間だった。ロシア人だけでなく外国人を標的とすることで、ロシアの対外的なイメージダウンを狙った可能性がある。

 ロシアは昨年末、モスクワなどでロシア系とカフカス系・中央アジア系の住民の間で民族衝突が発生した。今回のテロも、民族対立を背景にしたものとの観測が出ている。

 ロシアは今年12月に下院選、12年春に大統領選を控える。さらに12年秋に極東ウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、14年にソチ冬季オリンピック、18年にはサッカー・ワールドカップ(W杯)と国際的なイベントが目白押しだ。

 国家の威信をかけて準備を進めるメドベージェフ大統領とプーチン首相の双頭政権は、不安定材料となるテロや民族対立の抑え込みに懸命だ。しかし、いずれもプーチン前政権時代からの懸案にもかかわらず、有効な手を打つことができない。いつ暴発するか分からない「爆弾」を抱えているのが現状だ。

1935名無しさん:2011/01/25(火) 22:19:01
http://mainichi.jp/select/world/news/20110126k0000m030049000c.html
モスクワテロ:北カフカス武装組織関与の疑い 衝突泥沼化

ドモジェドボ国際空港の爆発現場 【モスクワ大前仁】モスクワ南郊のドモジェドボ国際空港で24日起きた爆破テロで、北カフカス系の武装組織の関与が疑われているのは、北カフカス地方で治安組織と反政府集団の衝突が泥沼化しているためだ。ロシア政府は同地方の経済的な自立を支援し、テロの温床となる貧困の解消に取り組もうとしているが、遅々として進んでいない。

 ロシア内務省によると、北カフカス地方では09年に治安組織の掃討作戦や武装集団のテロにより1000人以上が殺害された。10年も11月末までに700人以上が犠牲となっており、双方の衝突が止まらない。今月に入り同地方の武装組織指導者ドク・ウマロフ司令官が殺害されたとの情報が流れたが、確認されていない。

 北カフカスでは90年代から激しい独立闘争を行ったチェチェン共和国の情勢が沈静化する一方で、反政府武装活動の中心が東隣のダゲスタン共和国へ移っている。同共和国では今月14日にも車に積まれた爆弾によるテロや治安機関の掃討作戦で、7人が死亡した。昨年3月にモスクワで起きた地下鉄連続爆破テロの実行犯は、いずれもダゲスタン出身の女だったとみられている。

 ロシア政府は昨年、北カフカス地方の高い失業率が反政府闘争に結びついているとして、エネルギー、建設、観光部門を中心に130億ドルの投資計画をまとめた。しかし、政府内の調整が遅れ、投資は進んでいない。プーチン首相は今月21日、「政府組織が内部の問題を(遅れの)口実にすることは受け入れがたい」と、責任者のフロポニン大統領全権代表(北カフカス連邦管区)らを叱責した。

 ロシア国内で北カフカス系の犯行とみられるテロが相次いでいることも、ロシア系とカフカス系住民のあつれきの一因となっている。昨年12月にはカフカス系の男による殺人事件が引き金となり、ロシア系の若者集団や民族派組織がカフカス系住民を襲う暴動が発生した。メドベージェフ大統領は民族差別を自重するよう警告したが、治安機関職員でさえカフカス系住民を差別的に扱っているといわれる。

1936名無しさん:2011/01/25(火) 22:19:18
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110125k0000e040036000c.html
モスクワテロ:「またか」帰国客、表情曇らせ 成田空港

モスクワから帰国し、記者の質問に答える日航機の乗客(左端)=成田空港で2011年1月25日午前、共同 ロシア最大の国際空港・ドモジェドボ空港で24日に起きた自爆テロ事件。在モスクワ日本大使館によると、日本人の犠牲者はいない模様だが、赤の広場や聖ワシリー寺院などを巡るツアーが人気で、モスクワには多くの日本人が在住するだけに衝撃は大きい。爆発直後に同空港を出発した成田空港到着便の乗客は「またかという感じ」「早く家族に無事を伝えたい」などと話し、表情を曇らせた。

 爆発の約1時間後にドモジェドボ空港を出発した日本航空442便は午前9時ごろ、乗客29人を乗せて成田空港に到着。機内では到着の約1時間前に放送で「モスクワの空港で爆発があった」と説明があった。事件当時、乗客の大半は既に出発ロビーの搭乗ゲート付近で待機していたため爆発に気付かなかったが、ラウンジにいた一部の人は振動や物音に気付いたという。

 ◇「地震?」ドーンと鈍い音
 出張で一時帰国したモスクワ駐在の会社員、山口浩司さん(39)は「突然、ドーンという鈍い音がした。建物に何かが衝突したのか、小さな地震でも起きたのかと思っていた。テロが頻発しており、普段から地下鉄などの公共交通機関は利用しないようにしているが心配だ」と話した。

 休暇で帰国したモスクワの日本大使館職員、池上正喜さん(40)は「またかという感じ。昨年は地下鉄テロがあり、年に1回は起きている。現地に連絡してすぐに状況を確認したい」と話した。

 知人の見舞いのために訪露した愛知県犬山市の無職、稲吉義孝さん(60)は「搭乗口にいて気付かなかった。まさかという気持ちでびっくりしている。早く家族に無事を伝えたい」と不安げな様子だった。

 旅行大手の阪急交通社のツアーには事件当時、日本人33人が参加していたが、モスクワの別の空港を利用。今後のツアーについてもキャンセルなどの連絡は入っておらず、予定通り実施する。JTB広報室は「今後については、外務省の情報などを見ながら判断したい」と話している。

 日本航空は成田−ドモジェドボ間で週2往復の定期便を通常通り運航する。【山田泰正、斎川瞳、池田知広】

1937名無しさん:2011/01/25(火) 22:24:13
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110125/erp11012513240052-n1.htm
男3人を手配 自爆テロ犯?の頭部発見 重傷・重体40人
2011.1.25 13:22 (1/2ページ)
 【モスクワ=佐藤貴生】ロシア非常事態省によると、モスクワ南部にある同国最大のドモジェドボ空港で24日起きた爆弾テロ事件により、35人が死亡、約180人が負傷した。約40人が重傷もしくは重体で、犠牲者が増える恐れもある。イタル・タス通信によると、捜査当局は空港内の監視カメラに映っていた不審な男3人を手配したもようだ。最新設備が整った「空の玄関」がテロに見舞われ、ロシア政府は大きな衝撃を受けている。

 爆発が起きたのは24日午後4時半(日本時間同10時半)すぎ。現場は出迎えの人々が待つ国際線の到着ロビー周辺で、多数の利用客で混雑していた。爆発物には殺傷能力を高めるために金属片が詰められていたとの情報もある。現場では自爆テロ犯のものとみられる頭部が見つかり、捜査当局で性別も含めて身元確認を進めている。

 イタル・タス通信は当局筋の情報として、爆発前に不審な男3人が金属探知機のない出入り口から空港内に入るところが監視カメラに映っており、この3人を手配したと伝えた。

 別の当局筋は手口などから、反政府武装勢力の拠点がある南部の北カフカス地方出身者の犯行との見方を示していたが、手配された3人が同地方出身かどうかは確認されていない。

 同空港では出迎えの人々はチェックを受けずに到着ロビーまで行くことができるため、警戒態勢の不備が今後、問題になりそうだ。

 国営ロシアテレビは、動画投稿サイトのユーチューブに投稿された爆発の瞬間の映像を放映した。荷物を受け取り空港の外へと向かう旅客の前で赤い閃光(せんこう)が走り、一斉に逃げ出す人々の様子が映っていた。

 また、現場に居合わせた人々が撮影した事件直後の映像では、白煙が立ち込める中で多数の人が血まみれで倒れていたり、負傷者が痛みで叫び声を上げたりしている光景が映し出され、爆発の威力のすさまじさをうかがわせた。テロにより英国人2人が死亡、フランス人やドイツ人ら外国人数人が負傷したもようだ。

 同空港には爆発の約1時間前、成田発の日本航空機が到着しており、在モスクワ日本大使館などで邦人に被害がなかったかを調べている。これまでのところ、邦人の被害は確認されていない。

 ロシア大統領府によると、メドベージェフ大統領は25日に予定していたスイス・ダボスでの世界経済フォーラムへの出発を延期、捜査の陣頭指揮に当たる。大統領は連邦保安局(FSB)を中心に、他の空港や主要な公共交通機関での警戒態勢を強化するよう指示した。

1938チバQ:2011/01/26(水) 22:46:22
http://www.asahi.com/international/update/0125/TKY201101250402.html
カカオ禁輸、居座る大統領を兵糧攻め…コートジボワール2011年1月26日8時22分
 【ナイロビ=古谷祐伸】カカオ豆を世界で最も多く生産しているアフリカ西部コートジボワールで24日、カカオ豆の輸出を禁止する措置が始まった。昨年から同国で続く政争の打開策だ。国際市場での価格は24日、5カ月ぶりの高値を付けた。

 昨年11月の同国の大統領選で、選挙管理委員会や国際社会は野党指導者のワタラ元首相が当選したと認定した。ワタラ氏は内閣も発足させたが、現職バグボ氏は負けを認めず、軍や警察の支援を受けて大統領職に居座っている。バグボ氏を平和的に辞めさせようとの国内外の努力は難航している。

 その打開策としてワタラ氏が打ち出したのがカカオ豆輸出禁止令。同国の生産量は世界の3割を占め、2009年には25億3千万ドル(2085億円)を稼いだ。ここからの税収がバグボ氏の資金源だからだ。ロイター通信などによると、24日から1カ月間、新たに売買が決まったカカオ豆の輸出を禁止する。違反業者は国際的な制裁を受ける。

 カカオ豆の流通に影響が出るとの観測から、先物市場は高騰した。AP通信によると、ロンドン国際金融先物取引所のカカオ豆先物価格は24日、昨年8月前半以来の高値となる1トンあたり2223ポンド(29万3千円)になった。昨年11月は1770ポンド(23万3千円)だった。

 問題はワタラ氏が実質的に国土を支配しておらず、違反者への強制力がないこと。商売は続き、値段だけが上がるのでは逆効果となる。米政府は禁輸令への支持を表明した。同国のカカオ豆の15%を買ってきた実績がある農業ビジネス大手カーギル社(米国)も同日、購入を停止した。国内外でどれだけ多くの同調者が出るか、注目されている。

1939チバQ:2011/01/26(水) 22:48:29
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20110126ddm003030029000c.html
クローズアップ2011:チュニジア政変波及 民主化要求、触発
 ◇アラブ市民、ネットで自信
 北アフリカ・チュニジア政変を受け、周辺諸国に市民の反政府デモが拡大している。強固とみられたベンアリ独裁政権を倒したのが市民の力だったことで、同じく独裁体制下にある市民が「自信」を持ち始めた形だ。親米アラブの動揺に米国は、表面的には民主化を歓迎しながらも、イスラム過激派の台頭を警戒するなど難しいかじ取りを迫られている。【カイロ和田浩明、ワシントン草野和彦】

 チュニジアのベンアリ政権崩壊後、アラブで「民主化ドミノ」の予兆が生まれた。チュニジア政変のきっかけが青年の焼身自殺だったことからエジプトやアルジェリア、サウジアラビアで焼身自殺が相次ぎ、大規模な反政府デモもエジプト、イエメン、ヨルダン、アルジェリアで続く。25日、エジプトでは全国各地で計数万人規模のデモが行われ、首都カイロでは市民が治安部隊と衝突し、催涙ガスも使用される近年まれな騒ぎとなった。

 ◆不満に共通点

 こうしたアラブ市民の不満の裏には、当局の腐敗▽政治的自由の制限▽若年層の高失業率−−など、この地域共通の問題がある。チュニジアの状況は「遠いところにあるわけではない」(アラブ連盟のムーサ事務局長)のだ。

 チュニジア政変について、米カーネギー国際平和研究所中東センターのポール・サレム所長は、「政治指導者が中間層や貧困層を抑圧するというアラブで一般的だった力のバランスが変わった」と指摘。「市民が力を持ちうることにアラブ諸国が気づいた」と言う。

 インターネットの普及で市民の意識が変化している状況はアラブに共通で、それだけに指導者の警戒感も強い。政府は食料品の値下げや減税、雇用創出を約束。その一方で治安部隊を動員してデモ警戒にあたり、「アメとムチ」を使って民主化波及の阻止に躍起だ。

 王制を敷くヨルダンはデモがあっても王制自体は揺るがないとみられることや、部族社会の残るイエメンでは部族長の姿勢次第で事態が大きく変わることなど各国で事情は異なり、行方を予測することは困難だ。

1940チバQ:2011/01/26(水) 22:48:50
◆エジプト焦点

 今後の展開を占う上で注目されるのはエジプトだ。アブルゲイト外相は「波及はない」と断言。エジプトはチュニジアと比べメディアの自由度が高く、政府への抗議デモも以前から行われているため一定のガス抜きはできており「簡単に政権が倒れるとは考えにくい」(外交筋)。一方で、非常事態令が約30年にわたり施行され、29年間のムバラク政権への国民の不満は相当鬱積し、インターネット上では民主化を求める議論も活発だ。

 9月の大統領選挙ではムバラク大統領の次男、ガマル氏が有力候補として取りざたされ、「権力の世襲だ」との批判も強い。チュニジア政変に刺激された野党勢力は攻勢を強めそうで、ムバラク大統領の出方次第では今後、国民の不満が爆発する可能性もある。

 ◇米は過激派台頭警戒
 民主化推進を外交の柱としている米国だが、アラブ・イスラム社会では深刻なジレンマに直面している。この地域での民主化は、イスラム過激派を台頭させ反米政権を誕生させる可能性をはらむためだ。

 チュニジアのベンアリ政権崩壊から4日後の今月18日、オバマ大統領はエジプトのムバラク大統領と電話で協議した。ホワイトハウスによると、オバマ大統領は「米国は、チュニジアで自由で公正な選挙を求める」と伝えたが、今年9月に控えるエジプト大統領選には言及しなかった。

 米外交問題評議会のスティーブン・クック上級研究員はオバマ大統領の電話協議の意図について、チュニジア同様の自由選挙を「今はエジプトに表だって要請するつもりはないとのシグナル」と分析する。

 オバマ政権の慎重姿勢の背景に「ハマス・ショック」があるのは間違いない。01年米同時多発テロ後、ブッシュ前政権は中東民主化を推進した。だがそれは06年のパレスチナ評議会選挙で、イスラム原理主義組織ハマスの大勝利を招いた。エジプトの民主化が、事実上の最大野党・穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団の勢力拡大につながることを米国は警戒している。

 また、クック氏によると、米国にとっては、チュニジアよりエジプトやヨルダン、アルジェリアのほうが「対テロで非常に重要な同盟国」だ。特にイスラエルと国交があるエジプトとヨルダンは、中東和平交渉でも重要な役割を果たしてきた。この両国で民主化によって、反イスラエル勢力が伸長するのは避けたいところだ。

 クリントン国務長官はチュニジア政変前日の今月13日、訪問先カタールで演説し、強い調子で中東の経済・社会改革を求めた。

 だが実際にはオバマ政権は、チュニジア政変後も、アラブ諸国に改革を促してはいない。イスラム過激派の台頭を警戒しながら徐々に民主化を求めるべきだとみているようだ。

1941チバQ:2011/01/27(木) 23:33:15
http://www.asahi.com/international/update/0127/TKY201101270446.html
エジプト反政府デモ続く エルバラダイ氏、退陣促す2011年1月27日22時52分
 【カイロ=北川学】ムバラク大統領の辞任を求めるエジプトの反政府デモは発生から3日目の27日、同国東部のイスマイリアやスエズなど各地で衝突が続いた。デモの主催者は、イスラム教の金曜礼拝が行われる28日にも大規模な抗議行動を呼びかけており、緊張が高まっている。

 また、エジプトの民主化を求める国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏は27日、滞在先のウィーンでロイター通信に「ムバラク氏は30年も国家に尽くした」と述べて退陣を促し、自らも帰国して28日の抗議行動に加わる意向を明かした。

 ロイター通信によると、スエズでは27日朝、デモ隊が警官の詰め所に火を放つなどした。イスマイリアでは600人ほどのデモ隊と治安部隊が衝突。中東の衛星テレビ、アルジャジーラはこの3日間で6人が死亡、全国で1200人が拘束されたと伝えた。

 首都カイロでは、これまでのところ大きな衝突は報じられていないが、デモを主催するグループ「4月6日運動」は、28日の金曜礼拝後に大規模な抗議活動を予定。「フェイスブック」を通じて参加を呼びかけている。

 エルバラダイ氏は2005年にノーベル平和賞を受賞し、国内でも知名度が高まりつつある。大統領選出馬への意欲もにじませており、同氏が公然とムバラク大統領の退陣を口にして帰国することで、反政府デモが勢いづく可能性もある。

 一方、27日はイエメンの首都サヌアでも長く政権にとどまるサレハ大統領の退陣を求める反政府デモがあり、ロイター通信によると約1万6千人が参加した。治安部隊との衝突は伝えられていない。

1942チバQ:2011/01/27(木) 23:40:02
http://mainichi.jp/select/world/news/20110126ddm007030086000c.html
モスクワ空港テロ:反政府闘争、泥沼化 北カフカス、経済支援進まず
 【モスクワ大前仁】モスクワ南郊のドモジェドボ国際空港で24日起きた爆破テロで、北カフカス系の武装組織の関与が疑われているのは、北カフカス地方で治安組織と反政府集団の衝突が泥沼化しているためだ。ロシア政府は同地方の経済的な自立を支援し、テロの温床となる貧困の解消に取り組もうとしているが、遅々として進んでいない。

 ロシア内務省によると、北カフカス地方では09年に治安組織の掃討作戦や武装集団のテロにより1000人以上が殺害された。10年も11月末までに700人以上が犠牲となっており、双方の衝突が止まらない。今月に入り同地方の武装組織指導者ドク・ウマロフ司令官が殺害されたとの情報が流れたが、確認されていない。

 北カフカスでは90年代から激しい独立闘争を行ったチェチェン共和国の情勢が沈静化する一方、反政府武装活動の中心が東隣のダゲスタン共和国へ移っている。同共和国では今月14日にも車に積まれた爆弾によるテロや治安機関の掃討作戦で、7人が死亡した。昨年3月にモスクワで起きた地下鉄連続爆破テロの実行犯は、いずれもダゲスタン出身の女だったとみられている。

 ロシア政府は昨年、北カフカス地方の高い失業率が反政府闘争に結びついているとして、エネルギー、建設、観光部門を中心に130億ドルの投資計画をまとめた。しかし、政府内の調整が遅れ、投資は進んでいない。プーチン首相は今月21日、「政府組織が内部の問題を(遅れの)口実にすることは受け入れがたい」と、責任者のフロポニン大統領全権代表(北カフカス連邦管区)らを叱責した。

 ロシア国内で北カフカス系の犯行とみられるテロが相次いでいることもロシア系とカフカス系住民のあつれきの一因となっている。昨年12月にはカフカス系の男による殺人事件が引き金となり、ロシア系の若者集団や民族派組織がカフカス系住民を襲う暴動が発生。メドベージェフ大統領は民族差別を自重するよう警告したが、治安機関職員でさえカフカス系住民を差別的に扱っているといわれる。

1943チバQ:2011/01/28(金) 23:03:10
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110129k0000m030137000c.html
エジプト:「ムバラク政権は去れ」金曜礼拝者の叫び

カイロ近郊ギザのモスク近くで発生した反政府デモで、催涙ガスから逃げ出す人々=2011年1月28日、和田浩明撮影 【カイロ和田浩明】ムバラク政権打倒を叫ぶ大規模な反政府デモが発生した28日。金曜礼拝が行われたカイロ近郊ギザのモスク(イスラム礼拝所)では、礼拝が終わったとたん、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」の声が数千人の礼拝者から上がり、すぐに「ムバラク政権は去れ」の叫びに変わった。

 同モスクは、エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が訪れるとの情報があったため、昼過ぎにはすでに大量の治安部隊が周囲を取り囲んだ。普段は30分ほどだという説教がこの日は15分で終わり、礼拝が始まる。本来、礼拝では靴を脱ぐはずだが、きょうははいたままの人が目立つ。「緊急時だけ許される」(60代男性カイロ市民)対応だという。

 数千人がイスラム教の聖地メッカに向かって地面に頭をこすり付けて祈る中、目つきの鋭い私服の男たちが立ったままで周囲をうかがった。治安関係者と見られる。

 礼拝が終わると、参加者らは口々に神をたたえ、すぐに、叫びは「ムバラクは去れ」の大合唱に。エジプト国旗や反政府スローガンが書かれた紙を持った男たちは、モスク敷地の入り口に詰めていた治安要員ともみ合いながら行進を始めた。

 すぐに治安当局が催涙ガス弾を発射し放水するが、人々はひるまない。放水に向かって「もっとかけろ」と叫ぶ若い男もいた。市内中心部のタハリール広場に続々と向かい始めた。

1944チバQ:2011/01/28(金) 23:04:10
http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY201101280488.html
エジプト全土でデモ エルバラダイ氏を治安当局が包囲(1/2ページ)2011年1月28日21時17分
 【カイロ=北川学、貫洞欣寛】ムバラク大統領の退陣を要求する反政府デモが続くエジプトで28日午後(日本時間同夜)、イスラム教の金曜礼拝後の「怒りの金曜日」と名付けた大規模な抗議行動が全土で始まり、各地で千人を超える規模のデモが起き、治安当局と衝突した。治安当局は首都カイロなどのモスク(イスラム礼拝所)周辺に大量の治安要員を配置して警戒を強化しており、25日に始まった反政府デモは最大の山場を迎えた。

 カイロ近郊ギザでのデモには数千人が参加、制圧に乗り出した治安当局が空中に向けてゴム弾や催涙弾を発射、放水銃も使われた。衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ギザのデモに国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏が参加、同氏の周囲を複数の治安当局者が取り囲み、移動を阻止したという。

 一方、カイロの大統領官邸近くにも、市民が集まっているという。国内最大の野党勢力「ムスリム同胞団」も全土でデモへの参加を訴えている。

 エジプト当局は28日未明からインターネットと携帯電話を遮断した。デモを呼びかけた市民グループ「4月6日運動」のフェイスブックのファンページには8万人以上が登録しているが、当局はデモを阻止するため、市民らが連絡を取り合えないよう通信の制限に踏み切ったようだ。また、ムスリム同胞団の幹部らを相次いで逮捕し、デモの規模拡大を防ごうとした。

 AFP通信などによると、シナイ半島の町シェイクズウェイドでは27日、一部デモ参加者と治安部隊との間で銃撃戦が起き、青年1人が頭を撃たれて死亡した。警察署に向けて2発のロケット弾が発射された。被害の程度は不明。同通信は、デモが始まった25日以来、市民と治安当局の双方で7人が死亡し、100人以上が負傷したと伝えている。

 さらに、アルジャジーラによると、北部アレクサンドリアでは治安部隊に投石したデモ参加者に対し、複数の部隊員が催涙弾の発射を拒んだという。

 AFP通信は、デモが始まった25日から27日までに市民5人、治安部隊員2人の計7人が死亡し、100人以上が負傷したと伝えているが、28日のデモを受けて死傷者が増える恐れもある。

 エジプト当局は同日未明からインターネットと携帯電話を遮断した。デモを呼びかけた市民グループ「4月6日運動」のフェイスブックのファンページには8万人以上が登録しているが、当局はデモを阻止するため、市民らが連絡を取り合えないよう通信の制限に踏み切ったようだ。

 当局はさらに、国内最大の野党勢力「ムスリム同胞団」の幹部らを相次いで逮捕し、デモの規模拡大を防ごうとした。これに対し、ムスリム同胞団は全土でデモへの参加を訴えた。

 一方、政権側はこれまでのところデモに対する反応を示していない。辞任を求められているムバラク大統領本人はデモが始まって以来、公には姿を見せていない。

1945チバQ:2011/01/28(金) 23:05:57
http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY201101280156.html
エルバラダイ氏帰国、デモ支持 エジプト、ネット遮断も2011年1月28日12時8分

. 【カイロ=北川学】エジプトの民主化を訴える国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏が27日夜、滞在先のウィーンから帰国した。同氏はカイロ国際空港で「エジプトは危機的状況にある。政権は人々の声を聞くべきだ。変革は後戻りできない」などと述べ、ムバラク大統領の退陣を求めるデモを支持する考えを改めて強調、自身も参加する意向を表明した。

 30年にわたって権力の座に座るムバラク氏の退陣を求めるデモがエジプト各地に拡大する中、28日にはイスラム教の金曜礼拝後に大規模な抗議活動が予定されている。民主化指導者として市民の支持を集めつつあるエルバラダイ氏の帰国で、抗議活動が一層勢いづく可能性がある。

 反政府デモは27日、同国東部でデモ隊と治安部隊が銃撃戦を展開するなど、発生から3日たっても沈静化の兆しが見えない。AFP通信などによると、シナイ半島の町シェイクズウェイドで、一部デモ参加者と治安部隊との間で銃撃戦が起き、青年1人が頭を撃たれて死亡した。警察署に向け2発のロケット弾が発射され、1発は近くの医療施設を直撃した。死傷者などが出ているかは不明だ。

 また、国営テレビによると、東部スエズではデモ隊が警察署に放火し、警察官10人が負傷した。

 カイロ市内などでは28日未明からインターネットが利用できない状態となっている。デモ情報の伝達手段になっている「フェイスブック」を市民が使うのを防ぐため当局が規制を強めたと見られる。

 一方、ムバラク大統領の与党・国民民主党のシェリフ幹事長は27日夜に記者会見し、「大統領は今後も政治、経済改革を進めていく。それは国民の利益となるものだ」と述べて、ムバラク氏の辞任の可能性を否定した。
.

1946チバQ:2011/01/28(金) 23:08:19
http://www.afpbb.com/article/politics/2783696/6739507?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
エルバラダイ氏「変革率いる用意ある」、デモ死者7人に エジプト
2011年01月28日 07:58 発信地:カイロ/エジプト
【1月28日 AFP】(写真追加)エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求める大規模な反政府デモが3日目に突入した27日、ノーベル平和賞受賞者のモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)元国際原子力機関(IAEA)事務局長がオーストリア・ウィーン(Vienna)からエジプト・カイロ(Cairo)に到着し、イスラム教の金曜礼拝後に計画されている大規模抗議活動に参加する意向を表明した。

 これより先、同氏はウィーンで記者団に対し、求められれば「変革」を率いる用意があると話している。

 エジプトでの反政府デモはここ30年で最大規模に拡大している。これまでにデモ参加者5人、警官2人の計7人が死亡、100人以上が負傷した。治安当局がAFPに語ったところによると、デモ開始から約1000人が身柄を拘束された。

 警備強化により、カイロ中心部での大規模デモは阻止されているが、スエズ(Suez)やイスマイリア(Ismailiya)などの都市で警察とデモ隊との衝突が発生している。シナイ(Sinai)半島の町シェイクズウェイド(Sheikh Zuweid)では、デモ参加者1人が警官によって射殺された。(c)AFP/Mona Salem

1947チバQ:2011/01/28(金) 23:08:46
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011012802000028.html
エジプト、デモ収束せず エルバラダイ氏も参加へ
2011年1月28日 朝刊

 【カイロ=内田康】エジプト各地では二十七日、ムバラク大統領(82)の退陣を求める反政府デモが続き、北部イスマイリア、スエズなどでデモ隊と警官隊が衝突した。AFP通信によると、シナイ半島北部のシェイクゾエドのデモで、参加者の男性(22)が警官隊に頭を撃たれて死亡した。これまでに全土で拘束されたデモ参加者は千人を超えた。三日目に突入したデモは収束する気配がない。

 サウジアラビア資本の衛星放送アルアラビーヤは二十七日、エジプト検察当局が、デモ参加者四十人を体制転覆を図った罪で起訴したと伝えた。

 イスマイリア、スエズではデモ隊が投石し、警官隊が催涙ガスなどで鎮圧を図っている。スエズでは同日朝、デモ隊が警察署に火を放ったが、部分焼にとどまった。

 各地のデモを主導する市民団体「四月六日運動」は新たな声明で、イスラム教の休日の金曜日にあたる二十八日に再び大規模なデモを行うと発表した。「ムバラク体制による占領が終了するまで、抗議を続ける」と訴えている。インターネット上の会員制交流サイト「フェースブック」を通じ、賛同者は数万人規模に増えている。

 二十七日夜に帰国予定のエジプト出身でウィーン在住の国際原子力機関(IAEA)前事務局長エルバラダイ氏(68)は、ロイター通信に二十八日のデモに参加する意向を示した上で、「ムバラク大統領が引退する時が来た」と述べた。

 エルバラダイ氏は、核不拡散体制強化を進めたとして二〇〇五年にノーベル平和賞を受賞した。エジプトの政治改革を訴え、今秋の大統領選に出馬の意欲を見せたこともある。

1948チバQ:2011/01/29(土) 00:51:03
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011012890115908.html
エジプトでネット接続障害 当局がデモ警戒で規制か、報道規制も強化
2011年1月28日 11時59分

 【カイロ=清水俊郎】エジプトのムバラク大統領(82)退陣を求める反政府デモが相次ぐ同国で27日深夜、インターネットの重大な接続障害が始まった。カイロなど広範囲で、ホテルや民家、携帯電話でネットにつながりにくい状態が28日未明も続いている。

 チュニジア政変でも使われた交流サイト「フェースブック」と簡易ブログ「ツイッター」を通じ、イスラム教の安息日にあたる金曜日の28日に大規模デモの開催が呼び掛けられており、エジプト当局が何らかの規制をした可能性がある。

 25日に始まった各地のデモは激しさを増し、AFP通信によると東部シェイクズウェイドでデモ隊がロケット弾2発を発射。警察署を狙ったとみられるが、弾は近くの医療施設に当たった。けが人はなかった。

 これに先立ち、デモに参加した遊牧民の男性(22)が警官隊に頭を撃たれ死亡。各地のデモの死者は少なくとも5人になった。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、北部スエズでは27日深夜もデモ隊と警官隊の激しい衝突が続いた。

 反政府勢力に支持されているエジプト出身の国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏(68)は同日夜、自宅のあるウィーンからカイロに帰国。空港で28日のデモに参加する意向を示し、「政府はデモ隊への暴力はやめるべきだ」と訴えた。

 一方、ムバラク大統領率いる国民民主党(NDP)は27日午後、記者会見し「若者たち(デモ隊)と話し合う用意はある」と述べた。ただ、政府は一連のデモを禁じ、報道規制も強化。カイロ中心部でデモを取材していた日本テレビカイロ支局のエジプト人男性助手(42)が26日、治安当局に拘束され、27日深夜の時点でも釈放されていない。同支局は在カイロ日本大使館に釈放に向け協力を求めた。

(中日新聞)

1949チバQ:2011/01/29(土) 10:11:26
http://www.asahi.com/international/update/0129/TKY201101290111.html
エジプトデモ、最大イスラム団体も動く 政府は幹部拘束(1/2ページ)2011年1月29日7時39分
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. 【カイロ=貫洞欣寛】各地に広がったエジプトの反政府デモで、最大の野党勢力、ムスリム同胞団の動きが目立ち始めた。これまでのデモ参加者はネットでつながった若者たちが中心とされてきたが、28日のデモには同胞団メンバーが積極的に加わったとみられる。伝統的な宗教ネットワークを持つ同胞団の参加がデモの規模拡大につながった。

 エジプト治安当局は27日夜から28日朝にかけ、同胞団の政治局員や元国会議員ら幹部少なくとも20人を拘束。さらに各地で末端活動家の拘束にも乗り出した模様だ。エジプト最大のイスラム団体である同胞団は、イスラムの伝統的価値観に沿った穏健な社会改革を求めており、テロによる政権転覆を図るアルカイダなどのイスラム過激派を強く批判している。

 同胞団の活動を支えるのは、貧しい人々への生活支援など幅広い社会活動を通じた草の根の組織網だ。病院なども独自に経営しており、福祉団体としての側面も持っている。エジプトでは憲法で宗教政党の結成が禁止されているため、「無所属」のかたちで団員を立候補させる戦略を採り、2005年の総選挙では88議席を獲得した。

 ムバラク政権側の同胞団への警戒心は強く、昨年11月の総選挙では、治安機関による同胞団系候補の団員らの拘束が相次いだ。同胞団は選挙戦途中から「政権側に抗議する」として選挙をボイコットし、全議席を失うことになった。結果的に議会は与党・国民民主党(NDP)がほぼ独占した。

 エジプトでは各野党や市民団体などは発達しておらず、まともな大衆組織を持つのは自由に活動できるNDPと、宗教ネットワークを通じた草の根組織を持つ同胞団しかないとされる。その同胞団が議会での足場を失ったことで、政治に今後どう関与していくのかも注目されていた。

 政治が機能不全の状況で起きた今回のデモは、「フェイスブック」などネットで行動を呼びかけた若者らが中心となり始まった。28日のデモは、都心部だけでなく貧しい人々が暮らす地域など各地の裏通りにあるモスクで同時多発的に始まっており、同胞団が加わったとみられる。

 NDPのシェリフ幹事長は27日、「平和的に行動する若者に敬意を表する。ムバラク大統領は常に大衆の声に耳を傾ける」と、「ネット世代」の行動を持ち上げる一方で、「言論の自由を利用して混乱を作り出そうとする勢力がいる」と同胞団を批判。ネット世代と同胞団の両者の離反を誘おうと躍起になっている。

1950チバQ:2011/01/29(土) 10:19:11
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011012902000025.html
エルバラダイ氏 国内評価 いまひとつ
2011年1月29日 朝刊

 【カイロ=内田康】エジプト全土で二十八日に繰り広げられた大規模な反政府デモに、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)前事務局長のエルバラダイ氏(68)も参加した。ノーベル平和賞も受賞して国際的な知名度は抜群。だが、昨年二月に一時帰国したものの、生活拠点はウィーンのままで、母国での評価は決して高くはない。民主化を求める市民団体には批判的な意見もあり、同氏がデモの先頭に立ち、国の指導的な地位に就けるかどうかは不透明だ。

 二十七日に急きょ帰国したエルバラダイ氏。ムバラク大統領(82)の長期政権を非難する市民団体「キファーヤ(もうたくさん)」幹部のイスファク氏は「エルバラダイはエジプトで何かしたのか? デモが始まった二十五日は海外にいて、成功したら戻ってきた。彼のことは話したくない」と不快感を隠さず、まくしたてた。

 エルバラダイ氏は、IAEA事務局長退任後、エジプトに凱旋(がいせん)帰国し、支持者らから熱烈な歓迎を受けた。一時は来年秋の大統領選出馬に意欲を示したが、選挙制度にも阻まれ、表舞台に姿を見せることは少なかった。

 エジプトの大統領選は事実上、与党・国民民主党(NDP)議員らの推薦を得なければ立候補できず、独立系候補に厳しい制度だ。同氏や支持者は憲法改正を求めたものの、NDPは改正に応じず、出馬は困難な状態にあった。

 エルバラダイ氏は一時帰国した二月に街頭で演説し、当初はキファーヤなどの団体も演説への市民動員に協力。だが、政府系メディアは一斉に「エルバラダイは海外生活が長く、エジプトのことを何も知らない貴族だ」などと批判キャンペーンを展開し始め、同氏の活動は尻すぼみになっていた。

1951チバQ:2011/01/29(土) 10:23:22
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20110129ddm003030092000c.html
クローズアップ2011:エジプトデモ、地域への影響大 揺れるアラブの重鎮
 デモ隊と治安部隊が衝突した28日のエジプト。揺れ動く「アラブの重鎮」の行方に国際社会の関心が集まっている。この国は長年、アラブの政治・文化の中心地で、アラブの潮流を生んできたためだ。約30年に及ぶムバラク長期政権が倒れた場合、アラブ民主化の起点になる可能性がある一方、反体制派に明確な指導者が見当たらないのも事実。反政府デモでリーダーが生まれるかどうかが焦点の一つだ。【カイロ和田浩明】

 ◇数千人「ムバラク政権は去れ」
 28日、金曜礼拝が行われたカイロ近郊ギザのモスク(イスラム礼拝所)。エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が訪れるとの情報があったため、昼過ぎにはすでに大量の治安部隊が周囲を取り囲んだ。

 普段は30分ほどの説教が15分で終わり礼拝が始まる。本来、礼拝では靴を脱ぐはずだが、この日は履いたままの人が目立つ。「緊急時だけ許される」(60代男性カイロ市民)対応だ。

 数千人がイスラム教の聖地メッカに向かって地面に頭をこすり付けて祈る中、目つきの鋭い私服の男たちが立ったままで周囲をうかがった。治安関係者と見られる。礼拝が終わると、「アラー・アクバル(神は偉大なり)」の声が数千人の礼拝者から上がり、すぐに「ムバラク政権は去れ」の叫びに変わった。

 エジプト国旗や反政府スローガンが書かれた紙を持った男たちは、モスク敷地の入り口に詰めていた治安要員ともみ合いながら行進を始めた。治安当局が催涙ガス弾を発射し放水するが、人々はひるまない。放水に向かって「もっとかけろ」と叫ぶ若い男もいた。

 エジプトの動揺は他のアラブ諸国に比べ、地域に与える影響が極めて大きい。エジプトは1922年に英国から独立。52年の王制打倒のクーデターを経て56年に就任したナセル大統領(18〜70年)が唱えた汎(はん)アラブ主義はシリアやイラク、リビアに影響した。

 人口は約8300万人でアラブ最大。映画や文学は盛んで、アラブ人唯一のノーベル文学賞受賞者、ナギーブ・マフフーズ氏もエジプト人だ。

 また、中東和平での存在感は大きい。79年にはアラブで最初にイスラエルと平和条約を締結し、その後アラブ諸国に広まった現実路線に道を開いた。イスラム主義の流れもエジプトで生まれた。

 30年近いムバラク大統領の強権支配による「安定」は今、インターネットの影響などもあり揺れている。「アラブの重鎮」を自任してきた現体制が崩壊すれば、その衝撃波がアラブ全域に広がるのは必至だ。

 ◇反政府側、指導者不在
 ムバラク大統領は約30年に及ぶ強権統治でライバルを排除してきた。そのためイランの民衆革命(79年)を指導したホメイニ師のようなカリスマ指導者は、エジプト野党陣営には見当たらない。デモ参加者も若者が目立ち、独裁者を追放したチュニジア型運動に至るかさえ疑問視する専門家も少なくない。

 今回のデモを呼びかけたのは08年春にインターネット上で組織されたグループ「4月6日運動」だ。創設者の一人、アハマド・マヘル氏(30)は毎日新聞の取材に、リーダー不在を認め、ムバラク政権を批判するエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長(68)を候補として挙げた。

 エルバラダイ氏はノーベル平和賞も受賞し国際的知名度は抜群だ。しかし、エジプト国内、特に都市部以外での知名度は高くない。インターネット上で政権批判はするが、街頭での支持集めの頻度は低い。頻繁な外遊もあって「どこにいるのか」と皮肉られることもしばしばだ。

 05年11〜12月の人民議会(国会)選挙で穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は系列議員が議席の2割を獲得、事実上の最大野党になった。しかし、昨年11〜12月の総選挙では事実上全議席を失った。慈善事業などで高い組織力を誇るが、政党としては非合法であることや、イスラム過激派組織との思想的なつながりを懸念する声もある。

 野党ガッド党の創設者、アイマン・ヌール氏は05年9月の大統領選で次点になったが、得票率では5選を決めたムバラク大統領に水をあけられ、政治的影響力は限定的だ。独立系地元紙「アルマスリ・アルヨウム」のマグディ・ガラド編集長は「デモには指導者がおらずインターネットが指導しているようなもの。ムバラク大統領が国民に直接語りかければ騒乱は収束に向かう」と見ている。

1952チバQ:2011/01/29(土) 10:23:38
 ◇30年支配、政治的民主化遅れ
 ホスニ・ムバラク大統領(82)は81年、サダト大統領(当時)の暗殺を受け副大統領から大統領に就任した。サダト大統領暗殺後に発令した「非常事態宣言」は現在も継続している。「どんな理由でも捕まえることができる」と言われる法令で、大統領はこれを基に集会や報道の自由を制限し、イスラム主義者や野党関係者を抑圧してきた。

 一方、民主化にも一定理解を示し、エジプト・メディアはアラブでは比較的自由な報道をしている。しかし、大統領選では野党候補に厳しい立候補条件を付けるなど、政治的な民主化は遅れている。

 外交では米国との関係を重視。最近は確実な経済成長を実現している。【田中龍士】

 ◇外務省が対策室
 外務省は28日夜、エジプトなどアラブ諸国で起きている反政府デモを受け、関係国の状況把握や邦人の安全確保にあたる対策室を設置したと発表した。伴野豊副外相が室長を務める。また、前原誠司外相は28日の記者会見で一連のデモについて「死傷者が出ていることは憂慮すべき事態だ」と指摘した。

1953チバQ:2011/01/29(土) 10:25:40
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110129/mds1101290136003-n1.htm
若者の怒りが爆発 言論封殺の代償
2011.1.29 01:35 (1/2ページ)
 【カイロ=大内清】「アラブの盟主」を自任するエジプトで拡大した反政府デモは、強権支配と引き換えにとりあえずの安定を保ってきた長期政権の土台を大きく揺さぶっている。しかし、チュニジアの政変に触発されて、既存の体制にノーを突きつける多くの市民、とりわけ若者の怒りが体制打倒に行き着いたとしても、その後の受け皿を持たず、爆発したエネルギーがもたらす結果は不透明さを増している。

 若者を中心とした民衆の怒りが爆発したのは、ムバラク大統領とその与党・国民民主党(NDP)が反対勢力の影響力をそぐことに力を注ぐ一方、若者らの政治参加の機会を奪ってきた結果といえる。

 治安当局は繰り返し、「(デモに対し)断固とした措置を取る」と警告していたが、デモは拡大の一途をたどっており、ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモに対し、政権側は何ら具体的な収拾策を示せずにいる。

 今後は、いまのところ軍の動向にも注目が集まっているが、28日には与党NDPの有力議員がカタールの衛星ニュース局アルジャジーラに対し、「治安部隊が革命を止めることはできない。大統領だけが、この事態を収拾することができる」と述べ、政権側が「先例のない改革」に着手する必要があると強調。ムバラク大統領に距離を置き始めたとも受け止められる発言を行った。

 大統領は、今年秋に予定される大統領選挙で6選を狙っているとも、次男ガマール氏への「権力世襲」を狙っているとも言われてきたが、仮に今回の大規模抗議デモを乗り切ったとしても、もはや“ムバラク王朝”の継続に与党内からも支持が得られるかどうか微妙な情勢となっている。

 ムバラク政権は2000年以降、経済自由化路線を加速させ、その結果、貧富の格差の拡大と、物価の上昇が続いた。国内総生産(GDP)の成長率は一定の水準を保ったが、そこから取り残された大部分の国民の不満と閉(へい)塞(そく)感は高まり、とりわけ失業問題が深刻な上に政治的な声を封じられた若者たちの怒りに火がついた。

1954チバQ:2011/01/29(土) 10:26:41
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110126/mds1101262111038-n1.htm
エジプト反政府デモ 若者らの怒り 明確な方向性持たぬ危うさも
2011.1.26 21:06 (1/2ページ)

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カイロでは反政府デモ隊と治安部隊が衝突を繰り返した=25日(ロイター)
 エジプト全土で25日発生した大規模な反政府デモで、首都カイロ中心部のタハリール広場は、市内各地から集結したデモ隊で埋め尽くされた。若者を中心としたそのエネルギーはしかし、明確な方向性を持たない危うさもはらんでいる。

 アラビア語で「解放」を意味する同広場。政府庁舎や国会などに近いことから、この日は早朝から厳戒態勢が敷かれた。午後、市内の数カ所で発生したデモは、規模を拡大させながら広場に向かって行進。最終的にその人数は1万人以上に達し、一部は治安部隊と衝突した。

 「チュニジアに続け! エジプトに革命を起こせ」

 治安部隊が発射した催涙弾のガスが立ちこめる中、ウェブデザイナーのムハンマド・ヤヒヤさん(32)は興奮しながらこう気勢を上げた。デモ参加者は、口々にムバラク大統領やその一族を非難した。

 衝突のどさくさにまぎれ、エジプトの高級子弟が多く通い「特権階級」の象徴でもある米国系大学の旧キャンパスに投石する者もいた。「アッラー・アクバル(神は偉大なり)!」と叫び、治安部隊に突入していく若者の姿もあった。

 今回のデモは、若者を中心とする複数のグループがインターネットなどを通じて呼びかけたことを機に発生。既存の野党勢力はそれに“便乗”した色合いが濃いが、それぞれに記者会見を開くなどして存在感の誇示に努めた。

 公式には表明していないものの、高い動員力を持つ非合法のイスラム主義組織ムスリム同胞団からも多数のメンバーがデモに参加した。内務省は同胞団がデモを扇動したと非難している。

 デモ参加者がムバラク政権の長期支配や失業問題などへの怒りを共有している半面、デモ現場では「イスラエルを倒せ!」「米国を倒せ!」といったスローガンも目立つなど、さまざまな思惑が混入しているのも事実だ。今回のデモで自信をつけた民衆のエネルギーが向かう方向はいまだ見えてこない。(カイロ 大内清)

1955チバQ:2011/01/29(土) 10:41:20
http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY201101280561.html
チュニジア暫定政権、旧与党系の閣僚を更迭2011年1月29日0時50分

. 【カイロ=貫洞欣寛】チュニジア暫定連立政権のガンヌーシ首相は27日、外務、内務、国防の主要ポストからベンアリ前政権時代の与党・立憲民主連合(RCD)系の閣僚を更迭する内閣改造を発表した。チュニジアでは、1999年から首相の座にあるガンヌーシ氏らRCD系閣僚の総退陣を求めるデモが連日続いており、これに対応したものとみられる。

 だが、暫定政権に対するデモは28日も発生。AFP通信によると、ガンヌーシ氏の事務所付近で投石したデモ隊に対し、治安部隊が催涙弾を発射したという。
.

1956チバQ:2011/01/30(日) 11:25:37
http://www.asahi.com/international/update/0129/TKY201101290358.html
エジプト、事実上の無政府状態 軍が治安維持にあたらず2011年1月30日1時18分

 【カイロ=貫洞欣寛、石合力】ムバラク大統領の辞任を求めてエジプト全土に広がっている民衆デモは29日、政府の外出禁止令を無視する形で継続、首都カイロでは略奪が起きるなど、事実上無政府状態に陥った。カイロ中心部などには、軍兵士が戦車などとともに多数配置されているが、治安維持には当たっていない。

 ムバラク氏は同日夕(日本時間30日未明)、副大統領に側近で軍出身のオマル・スレイマン情報長官を充てると発表した。1981年の大統領就任以来、ムバラク氏が副大統領職を置くのは初めて。9月の大統領選に向けた事実上の後継指名といえる。新内閣の首相には、アハメド・シャフィク前民間航空相を指名した。

 カイロ・タハリール広場での抗議デモの参加者の一部からは、スレイマン氏の人事を歓迎する歓声が上がった。一方、ムバラク氏側近による後継を望まず、大統領の即時辞任を求める意見もあり、デモが沈静化するかはなお不透明だ。

 AFP通信によると、民主化指導者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は同日、「抗議はムバラク氏が退陣するまで続くだろう」と述べた。エジプト出身の宗教指導者でスンニ派に大きな影響力を持つカラダウィ師も同日、ムバラク氏の即時辞任を求めた。

 デモは5日目の29日、政府の外出禁止令が午後4時から午前8時に拡大された後も続き、タハリール広場には5万人以上が集まり大統領の辞任を要求。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、29日までにカイロ、アレクサンドリア、スエズなどで少なくとも計120人が死亡、1千人を超す負傷者が出た。

 29日午後現在、カイロ中心部やアレクサンドリアなどでは、これまでデモの規制に当たっていた制服警察官の姿がほとんど見られなくなった。デモ隊との衝突回避のため、一部地域から警官が撤収したとの見方も出ている。治安の空白化に伴って、商店の略奪や放火、強盗なども相次ぎ、都市部では混乱状態が広がっている。交通整理の警官もほとんど見られない。

 軍は政府関係施設などの警備に当たっているものの、犯罪抑止やデモの制圧には、ほとんど関与していない模様だ。

 28日早朝から途絶えていたインターネット、携帯電話網のうち、携帯は29日午前、徐々に接続を再開した。インターネットが再開されれば、フェイスブックなどを通じた呼びかけでデモの勢いがさらに増すことも予想される。

 世界的な観光地として人気があるカイロ中心部のエジプト考古学博物館と、近郊ギザの3大ピラミッド地区は29日、閉鎖された。

1957チバQ:2011/01/30(日) 11:28:39
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011012902000180.html
エジプト、内閣すげ替え ムバラク大統領、退陣は拒否
2011年1月29日 夕刊

 【カイロ=清水俊郎】エジプトの大規模な反政府デモは二十八日夜に激しさを増し、参加者の一部が暴徒化して各地で放火や略奪を重ねた。ムバラク大統領(82)は二十九日未明に国営テレビで演説し、ナジフ首相率いる内閣を総辞職させ、同日中に新内閣を発足させる方針を発表。自らは「政治と経済の改革を続ける」と述べ、高まる退陣要求を拒否した。内閣のすげ替えで事態乗り切りを図ろうという狙いだが、抗議行動が収束に向かう気配はみられず、ムバラク政権は重大局面を迎えた。 

 デモ隊と警官隊の衝突は深夜も続き、AFP通信によると、北部スエズで十三人、カイロで五人など全国で少なくとも二十人が死亡、数百人が負傷した。

 陸軍は、治安回復のため特に混乱の激しいカイロとスエズ、北部アレクサンドリアの三都市に出動。ただ、二十九日未明(日本時間同日朝)も政府が前日に発令した夜間外出禁止令を無視して多数の市民が街頭に残っている。

 カイロの与党国民民主党(NDP)本部ビルは放火で炎上し、暴徒たちが次々と高級家具などを持ち出した。

 中東の衛星放送アルジャジーラによると、古代エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクで知られるカイロの考古学博物館も略奪の被害に遭っている。

 全国の警察施設数十カ所が放火され、カイロ北部では鉄道線路が持ち去られる盗難被害が相次いだ。

 クウェート航空や米デルタ航空など一部の航空会社がカイロ便の運航を当面見合わせる方針を決定。エジプトの主要産業である観光に打撃を与える恐れも出てきた。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011012902000179.html
カイロ、無政府状態 略奪横行、与党本部も炎上
2011年1月29日 夕刊


 【カイロ=内田康】ナイルのほとりでオレンジ色の炎が建物を燃やし続け、銃声が響き渡る。あちこちで略奪が横行し、「アラー(神)は偉大なり」と叫ぶデモ行進は止まらない。二十八日夜、夜間外出禁止令の発令にもかかわらず、エジプトで起きた大規模な反政府デモ。悠久の文明を誇る首都カイロは、放火された与党NDP本部ビルまでも略奪の対象になるなど、無政府状態に陥っている。

 ナイル川の河畔にある高級ショッピングセンターは燃えていた。周辺に数百人が集まり歓声をあげている。黒煙の中をぬって男たちが次々と店内から食器や衣類、布団を盗み出している。周囲には警察官も兵士もいない。

 撮影を始めると、興奮した数人に囲まれた。「何をやってるんだ、貴様」。血走った目に殺意を感じ、「好きに処分してくれ」とカメラを差し出すと、ようやく解放された。

 川の対岸でデモ隊が行進を始めた。千人はいるようだ。「ムバラクはやめろ。エジプトは永遠だ」と気勢をあげている。付近の警官隊は、もはや止めようともしない。

 ズッドーン。突然、ごう音が響く。街に入った戦車が砲弾を発射したらしい。上空では、バリバリと音を響かせ、ヘリコプターが旋回している。

 パン、パン、パン。夜十時をすぎたころ、遠くで乾いた銃声が聞こえ始めた。ここ数日、聞き続けた催涙弾の発射音とは明らかに違う。暴徒と化した人々を狙って、治安部隊は実弾の使用を始めたようだ。

 焼けただれた警察車両があちこちで放置された道を眺めながら、同行のエジプト人助手(37)が、涙交じりにつぶやいた。

 「これがデモ隊が求めた自由なんですか」

1958チバQ:2011/01/30(日) 11:51:59
http://mainichi.jp/select/world/news/20110130ddm003030108000c.html
クローズアップ2011:エジプト反政府デモ、3シナリオ ムバラク大統領、今後は
 約30年にわたり強権的支配を続けるムバラク・エジプト大統領は29日未明の演説で、退陣を事実上拒否し全閣僚更迭と政治、経済改革の公約で事態収拾を図った。しかし、国民には現政権への不満が根強く、同日も反政府デモが首都カイロや北部アレクサンドリアで続き、事態収拾のめどは立っていない。今後、ムバラク大統領はどう出るのか。三つのシナリオを検証した。【カイロ和田浩明】

 <1>留任

 ◇「軍頼り」可能性高く
 同国では、ナセル元大統領が心臓発作で急死(70年)、サダト前大統領はイスラム過激派に暗殺(81年)されるまで、前任者2人は終身権力の座にとどまった。中東の指導者が自分から権力を手放すのはまれなだけに、ムバラク大統領の場合も、このシナリオが最も可能性が高い。

 本人も29日の演説で「国家を守る大統領の責任」を強調、退陣には一切触れなかった。

 しかし、国内各地で続く反政府デモや騒乱参加者の要求はあくまで「ムバラク退陣」。新内閣もムバラク体制を支えてきた与党国民民主党のメンバーが中核を占めるとみられる。退陣要求が収まらない中、国軍の力に頼り、事態収拾を図る可能性は高い。その場合、国民からさらに反発が高まるのは必至で、国際社会からの批判も避けられない。

 <2>一時権限委譲

 ◇「約束」果たせず
 エジプト憲法82条は、「一時的な障害」が発生した場合、大統領は権限を副大統領か首相に委譲することが可能と定めている。病気などで職務執行が困難になった場合を想定した条文で、昨年3月にムバラク氏がドイツで胆のう除去手術を受けた際にナジフ首相が権限を代行した。

 この条文を基に権限委譲を行うことで、退陣要求を一時的にかわすことはできる。しかし、最高権力者以外のかじ取りでは、大統領が約束した民主化や失業・貧困対策など強力なリーダーシップが求められる施策の実施は困難だ。

 また、憲法84条では大統領が不在になるか恒久的な職務執行不能状態に陥った場合は、人民議会(国会)議長が暫定的に大統領代行になり60日以内の選挙実施を定めている。しかし、ムバラク氏の辞任か深刻な健康問題を想定している以上、考えにくい展開だ。

 <3>自発的退陣

 ◇「身に危険」回避か
 自ら身を引いてアラブ圏では極めてまれな「英断による勇退」を断行し、歴史に名を残すという選択肢も理論上は存在する。しかし、独裁国家で権力を手放すことは身の危険につながる。新政権によって独裁時代の人権侵害や汚職の罪を問われる可能性もあるためだ。

 イスラエルに占領されていたシナイ半島の返還に結びついたとされる第4次中東戦争当時に空軍司令官を務め「英雄」とたたえられるムバラク氏は、出身母体の軍部の掌握に注意を払ってきた。

 エジプトにおける「権力の源泉」である軍部は、現時点では大統領に対する忠誠を示しており、最後に軍が引導を渡したチュニジア型のシナリオの可能性は低い。

1959チバQ:2011/01/30(日) 11:52:14

 ◇米国「立ち位置」難しく 人権重視/中東戦略で依存
 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は28日、エジプトのムバラク大統領に電話で直接、民主化促進を求めたことを明らかにしたが、一方でデモ参加者への暴力を非難する言葉は慎重に避けた。中東戦略を親米独裁政権に頼り続ける米国の苦境が浮き彫りになっている。

 「米国は人権のために立ち上がる」「米国とエジプトは緊密な協力関係にある」。オバマ大統領が28日にホワイトハウスで発表した声明には、米国の立ち位置の難しさが凝縮されていた。

 エジプトは、米国の同盟国イスラエルと平和条約を結んだ最初のアラブ国家。またイスラム過激派を封じ込め、イランの核開発に反対するなど、米国の国益にかなった極めて重要な国だ。その価値の高さは、米国の外国政府への援助額では4番目となる年間15億ドル(1230億円)以上の経済・軍事支援が示している。だがムバラク政権が転覆した場合、新政権にも従来通りの親米政策を期待できるかの保証はない。イスラム原理主義の影響が強まることは米国の悪夢だ。その不安が、オバマ大統領の慎重な姿勢に表れている。

 また、ムバラク政権への肩入れが露呈すれば、反政府デモの矛先が米国に向かいかねないとの懸念もあり、政権と一定の距離を置いていることをアピールする必要もある。

 そのためクリントン国務長官は28日、エジプト政府による通信手段の遮断を「前例のない措置だ」と指摘、改善を求めた。ギブス大統領報道官も対エジプト支援の見直しを検討していることを表明した。エジプトへの対応を巡る苦悩は、歴代米政権がイスラエルの安全保障と中東でのエネルギー確保を優先するあまり、市民を抑圧する独裁政権を支え続けてきた、米国の中東政策の問題点を表している。

1960チバQ:2011/01/30(日) 12:07:05
http://mytown.asahi.com/areanews/chiba/TKY201101290299.html
エジプトへ搭乗手続きもしたのに… 突然のツアー中止も
2011年1月30日


エジプトへのツアーがキャンセルになり、機内に積み込まれていた荷物の受け取りを待つ人たち=成田空港


 エジプト全土で大規模なデモが起き、外務省がエジプトへの渡航延期勧告を出したことを受け、29日、旅行会社各社は、成田空港を午後に出発する便からエジプトへのツアーを中止し始めた。空港ロビーには、すでに搭乗手続きを済ませた客が多数集まり、突然の中止に驚き、残念がる声が聞こえた。

 8泊10日の「エジプト、ナイルの船旅」ツアーを企画した旅行会社によると、29日までに4人キャンセルが出たが、残る10人は成田空港に到着し、午後1時半発のカイロ直行便エジプト航空に乗る搭乗手続きを済ませていた。だが午前11時すぎ、本社から空港内にいた添乗員らにツアー中止の知らせが届き、あわてて客に中止を知らせたという。客は、すでに航空機に積み込まれた預け荷物を受け取るため、午後2時すぎまで空港で待つことになった。

 水戸市の公務員、古田輝子さん(64)は車で成田に到着。「楽しみにしていたので残念だけど、こればかりは仕方がない」と話し、「デモで初めて、ムバラク政権が30年も続いていることや貧富の差がそこまであることを知り驚いた。住民の不満がたまってきて、爆発したのだろう。これを機会にいい方向にいってくれれば」と話した。夫の敏城さん(65)は「残念だが、ピラミッドがなくなるわけではない。来年以降にまた旅行を計画したい」と話していた。

 エジプト航空によると、外務省の渡航延期勧告が流れてから、ほぼすべての日本の旅行会社のツアーがキャンセルになったという。突然のキャンセルで、一度積み込んだ荷物を下ろす作業に追われ、出発便は約40分遅れで成田空港を出発した。(高橋友佳理)
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1961チバQ:2011/01/30(日) 12:07:51
http://mainichi.jp/select/world/news/20110130ddm007030104000c.html
エジプト:反政府デモ 近隣各国、波及を警戒 中東和平への影響も懸念
 エジプトの反政府デモ拡大に周辺諸国が懸念を深めている。シリアやイランなどエジプト同様に強権統治を続けてきた政権は自国への波及を警戒。パレスチナとの和平問題を抱えるイスラエルはエジプトの政権転覆が自国の安全保障に直結する事態を懸念している。【カイロ和田浩明、エルサレム花岡洋二、テヘラン鵜塚健】

 ◆イスラエル

 イスラエルにとってエジプトは、79年にアラブ世界で最初に平和条約を結んだ安全保障上極めて重要な隣国だ。政府は公式発言を控えているが、動向に最大限の注意を払っているのは間違いない。

 イスラエルの国防関係者は、エジプトの体制変革が「安保政策の革命的な見直し」をもたらす可能性を警告する。イスラエルが中東で平和条約を結ぶ国はエジプトとヨルダン。ほかはレバノン、イランなど「敵国」に囲まれている。長く友好関係にあったトルコとも08年末のガザ侵攻後、関係が悪化。その中でこれまで「軍がエジプト以外に集中できた」利点は大きいと国防関係者は指摘する。

 エジプトはパレスチナとの中東和平交渉でも仲介役を果たしてきた。現体制維持が望ましいのは明白だ。

 デモに参加したエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長やイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が政権を握れば、両国関係が危うくなるとの見方が強い。エルバラダイ氏はIAEA時代、核政策でイスラエルに厳しく、イランに甘かったと、地元紙がコラムで批判した。

 一方、反政府デモの影響がイスラエル国内や占領地へ波及することへの懸念もある。地元メディアによると、パレスチナ系住民の多い東エルサレムでは、ユダヤ人との経済格差や入植住宅建設を巡り散発的に起きていたデモが一気に大規模化する恐れがあるという。

 ◆イラン

 イラン政府がエジプト情勢に関し、難しい対応を迫られている。メフマンパラスト外務報道官は29日、「エジプト政府が国民の要望を聞くことが望ましい。治安部隊は暴力で応じるのをやめるべきだ」とコメントした。しかし、イラン政府自らが09年6月の大統領選後、反政府運動を弾圧した過去を抱え、エジプトの反政府デモを強く支持すれば自国でのデモを再び招きかねないため、慎重な姿勢を崩していない。

 イランでは09年の大統領選後に開票結果への疑念から大規模なデモが発生。政府は強硬手段で臨み、死傷者を出したうえ多数の関係者を拘束したため、反政府運動は表面上、下火になった。しかし、昨年12月以降の政府による補助金削減で、ガソリンやパンなどの物価が上昇。09年は主に中間所得層による民主化デモだったが、アフマディネジャド政権の支持基盤である貧困層にまで不満が広がり始め、新たな形のデモも懸念される。

 イランと同様の地域大国エジプトで、進行中のデモが体制転覆などの事態につながれば、イランでも現実味を帯びてくるため、警戒を強めている。

 ◆アラブ諸国

 チュニジア、エジプトと続いたアラブ長期独裁政権の動揺をアラブ諸国は懸念を持って見つめている。

 サウジアラビアで長年情報長官を務めたトゥルキ王子はエジプトで反政府騒乱が始まった翌日の26日、エジプト情勢について「どこに行くか分からない」と発言。国民の要求を理解できるかどうかが指導者にとって重要と語った。

 民意把握の重要性は、王族が権力を独占してきたサウジアラビアや、権力世襲で長期独裁体制が続くシリアなどにとり人ごとではない。チュニジアやエジプトで強権支配に大きな「ノー」が一般国民から突きつけられた今、従来通り「政治的安定」で独裁を正当化し、常態化した権力世襲を行えば、自国民の怒りを買う。

 サウジアラビアはアブドラ国王が80代と高齢のうえ病気療養中で、弟で後継のスルタン皇太子も同じく80代で健康問題を抱える。保守的なイスラム教の一派ワッハーブ派を国教とし、基本的人権の規制や高失業率で若年層の不満は積もっているとみられる。

 また、00年にアサド大統領が父親から政権を事実上受け継いだシリアでは、28日に「インターネットと携帯電話を規制」との報道があった。当局は否定したが、チュニジアやエジプトでの反政府騒乱はオンラインの情報交換が触媒となっており、以前からネット規制を行ってきたシリアがこうした施策を取っても不思議はない。治安体制も「エジプトでの騒乱後、相当に強化された」(米民間情報機関)という。

1962チバQ:2011/01/30(日) 12:08:31
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/01/30/kiji/K20110130000149350.html
ツタンカーメンあわや炎上…人間の盾で死守

28日、エジプトの首都カイロで反政府デモの参加者に囲まれる装甲車
Photo By 共同
 エジプトの反政府デモは28日、ムバラク政権始まって以来の最大規模に拡大した。首都カイロでは数万人が参加し一部が暴徒化。旧市街にある警察詰め所などはほとんどが放火され各地で略奪が起きた。ツタンカーメン王の黄金のマスクなどが収蔵されているエジプト考古学博物館もあわや延焼の危険もあった。この騒乱でこれまでに少なくとも70人以上が死亡。また、外務省は29日、邦人の渡航延期を勧告した。

 ムバラク大統領は29日未明(日本時間同日朝)、テレビ演説で「治安維持のためにあらゆる措置を取る」と反政府デモを抑え込む考えを示し退陣要求を拒否した。首都カイロ中心部では同日、数千人が反政府デモを再開、北部アレクサンドリアや北東部でもデモが始まった。

 大統領はナジフ内閣の閣僚全員の更迭を発表したが国民の不満は収まらず窮地に立たされている。大統領は29日、新たな首相を任命し新内閣が発足する。

 フランス公共ラジオなどによると、28日のデモには数万人が参加。この日だけで治安部隊との衝突でカイロや北東部スエズなどで40人以上が死亡。負傷者は1000人を超えた。

 28日夜には全土に夜間外出禁止令が発令されたが多くのデモ参加者がこれを無視。一部は暴徒化し、カイロでは旧市街にある警察詰め所などに放火、各地で略奪が起き、炎上した与党、国民民主党(NDP)本部ビルは炎と黒煙を上げた。

 また、NDP本部に隣接する、ツタンカーメン王のマスクや古代ファラオ(王)のミイラなどが収蔵されるエジプト考古学博物館は、延焼の危険性もあったが軍や市民らが守り炎上せずに済んだ。しかし、ロイター通信が伝えた国営テレビの報道によると、エジプト考古学最高評議会の事務局長は、同博物館に28日夜、暴徒が押し入り、収蔵品のミイラ2体が壊されたと述べた。

 同国には駐在員ら日本人約1000人が居住し約2000人の日本人団体旅行客も滞在。カイロ日本人学校校長の延本利明さん(56)は「ナイル川の橋で催涙弾が次々と打ち上げられていた」と驚きの声を上げ、伊藤忠商事カイロ事務所長の伊藤寿宏さん(51)は「エジプトに来る出張は延期してもらった。事務所の一時閉鎖も考えないと」と心配そうに話した。
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[ 2011年1月30日 06:00

1963チバQ:2011/01/30(日) 12:09:55
http://mainichi.jp/select/world/news/20110130ddm007030135000c.html
NEWS25時:ナイジェリア 宗教対立で200人死亡
 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(本部ニューヨーク)は29日までに、ナイジェリア中部プラトー州で昨年12月24日に連続爆発が起きた後、同州で宗教・民族対立を背景とした衝突が続き、200人以上が死亡したとする声明を発表した。

 一方、同国からの報道によると、北東部ボルノ州マイドゥグリで28日、バイクに乗った男らが銃を乱射、少なくとも5人が死亡した。死者には今年4月に行われる州知事選の候補者も含まれる。

 ナイジェリアは北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が多く、プラトー州では両教徒間の衝突がたびたび発生している。【共同】

1964チバQ:2011/01/30(日) 12:17:59
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110129/mds1101290023000-n1.htm
同胞団参加で新局面 政権崩壊に備え“場所取り”も
2011.1.29 00:22

エジプト各地で28日、バツ印を付けたムバラク大統領のポスターなどを掲げる大規模な反政府デモが起きた(AP)
 【カイロ=大内清】反政府デモが続くエジプトは混迷の度を深めている。同国の非合法イスラム主義組織、ムスリム同胞団が28日の金曜礼拝後のデモに参加し、エジプトの反政府デモは新たな局面を迎えた。金曜礼拝でデモ参加者の宗教心が高揚、治安部隊との衝突が激化した格好だ。

 また、緊急帰国しデモに参加したエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長も「(ムバラク政権が崩壊すれば)政権移行を主導する用意がある」と語るなど、今後の政治プロセスで主役となることへの野心を隠さない。

 既存の野党勢力もデモ参加を表明し、ムバラク政権が崩壊した場合に備えた“場所取り”を始めた。今後は各政治勢力間で、デモの主導権をめぐる争いも本格化しそうだ。

 当局による監視を受け、しばしば弾圧の対象ともなってきたムスリム同胞団は今回のデモで、メンバーが個人で参加するのは容認する半面、組織としては静観する姿勢を示してきた。当局をいたずらに刺激し、さらなる摘発を受けることを警戒してのことだ。

 しかし、組織としてデモへの参加を決めたということは、政権側との全面対立も辞さない方向に方針転換したことを意味する。治安当局は同胞団の参加表明直後の27日夜、指導部の主要メンバーら少なくとも20人を逮捕した。

 「イスラムこそが解決だ」をスローガンとする同胞団のメンバーは弁護士や医師などのエリート層出身者が多いものの、慈善活動などを通じて貧困層にも浸透している。

 今回の一連のデモに対しては、庶民レベルで冷ややかな目を向ける人も多かったが、同胞団が貧困層をも動員し始めれば、さらに拡大・先鋭化する可能性もある。

1965チバQ:2011/01/30(日) 12:18:37
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110129/mds1101291206011-n1.htm
「革命だ、革命だ」略奪品奪い合い
2011.1.29 12:04
28日深夜、カイロ中心部近くではショッピングモールが焼き討ちに遭い、若者が商品を略奪した(大内清撮影) 
 【カイロ=大内清】エジプトの首都カイロ中心部に近いナイル川沿いのショッピングモール。週末になると富裕層の買い物客でにぎわう店内は28日深夜、暴徒化したデモ隊による放火で炎に包まれていた。

 「お前は取り過ぎだ。少しこっちに寄こせ!」「ふざけるな!」。数百人の群衆が取り巻くモール前。デモ参加者同士が略奪品を奪い合い、殴り合っていた。いすや机などの事務用品、くつ、洋服…。デモ隊は手当たり次第に商品を運び出す。中には装飾用の植木を担いでいる者もいる。

 暴徒は住民が避難して無人となったモール上階のアパートにも押し入り、室内の家具や食料品をベランダから次々と投げ捨てていた。集まった群衆がそれらに群がる。

 軍が投入され、夜間外出禁止令が出されたばかりであるにもかかわらず、付近には軍はおろか警察官の姿もない。略奪に加わっていた若者の一人は「革命だ、革命だ」と叫び、略奪品を詰めたゴミ袋を抱えて走り去った。付近では時折、銃声も響いた。同様の略奪は全国各地で発生した。

 エジプトはこれまで、中東諸国ではもっとも安全な国のひとつといわれてきた。その理由のひとつが強大な警察力だ。

 だが、デモ鎮圧に大量の治安部隊を動員した結果、政府は略奪行為さえ取り締まれないことを露呈。遠巻きに略奪を見ていた男性(56)は「こんなことがエジプトで起きるなんて」と深いため息をついた。政府への国民の信頼は地に落ちた。

1966チバQ:2011/01/30(日) 15:39:32
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2783838/6749606
エジプト、副大統領と首相の指名後もデモ続く 死者100人超える
2011年01月30日 14:34 発信地:カイロ/エジプト
【1月30日 AFP】(一部更新)エジプト全土で続く反政府デモで退陣を要求されているホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領(82)は29日、副大統領にオマル・スレイマン(Omar Suleiman)情報庁長官(75)を指名した。ムバラク氏が副大統領を置いたのは1981年の大統領就任後初めて。

 またムバラク大統領の指示で内閣は総辞職。大統領は政治・経済の改革を約束し、アハメド・シャフィク(Ahmed Shafiq)前民間航空相(69)を新首相に指名し組閣を命じたが、大統領の強権支配に対する抗議行動は収まらず5日目に突入した。
 
 治安当局および医療関係者らによると、28日には62人が死亡し、一連のデモで最も死者の多い日となった。また29日には33人が死亡し、デモが始まった25日以降、5日間での死者は少なくとも102人となった。負傷者は数千人と報じられている。

 目撃者によると29日は、デモの参加者が警察署を焼き払おうとしたカイロ南方140キロの都市ベニスエフ(Beni Sueif)で10人が死亡し、これまでの同地の死者は計22人となった。そのほかカイロで3人、パレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区と境界を接するラファ(Rafah)で3人、スエズ運河西岸のイスマイリア(Ismailia)で5人が死亡した。

 即日、宣誓を行い就任したスレイマン副大統領は軍のキャリア組で、イスラエルとパレスチナの和平交渉に対するエジプトの関与を長年、情報庁長官として率いてきたほか、成功はしていないがパレスチナの内部抗争の仲介にも努めてきた。

 一方、シャフィク首相は野党陣営も含めたエジプトのエリート層の間で尊敬を集めている人物で、ムバラク大統領の後継者として名前を挙げられることも多い。

 しかし現在、エジプトに帰国し、反政府陣営の指導者として存在感を強めているモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)元国際原子力機関(IAEA)事務局長は、副大統領と新首相の指名だけでは十分でないと批判した。エルバラダイ氏はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)で、「ムバラク大統領とその政権には今すぐエジプトから出て行くべきだ。それがエジプトにとっても、大統領にとってもより良いことだろう」と述べた。

 97年から内相を務め、広く反感をもたれているハビブ・イブラヒム・アドリ(Habib Ibrahim El Adly)前内相が新内閣に入るかどうかも現地では注目されている。(c)AFP/Jailan Zayan

1967チバQ:2011/01/30(日) 15:43:29
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/01/post-1939.php
戦士エルバラダイ「エジプトの暗黒」を語る
The Return of the Challenger

反体制派を指導するIAEA前事務局長が、デモに加わるため死の危険を冒して帰国。その思いの丈

2011年01月28日(金)17時24分
モハメド・エルバラダイ(国際原子力機関[IAEA]前事務局長)
 エジプトで2カ月前に行われた人民議会選挙はまったくの八百長だった。ホスニ・ムバラク大統領率いる与党が圧勝し、野党が獲得した議席はたった3%だけ。信じられないことだ。

 この結果に「失望した」とアメリカ政府は述べた。正直言って、私はアメリカが「失望した」としか言えなかったことに失望した。エジプト国民の気持ちを言えば、とても失望どころではなかった。

 チュニジアで起きた「ジャスミン革命」に続いてエジプトで反政府デモが拡大するなか、ヒラリー・クリントン米国務長官はエジプト政府は「安定していて」「エジプト国民の正当な要望と関心に応える方法を探している」と語った。これを聞いて私はびっくりしたし、困惑した。彼女は、何をもって「安定している」と言うのか?

 29年間も維持されている非常事態法、30年も強権政治を行っている大統領、形ばかりの議会と独立していない司法制度の存在が「安定している」ということなのか? それを安定などとは呼ばないし、他の国で同じ状態がまかり通ることも絶対にない。エジプトにあるのは偽りの安定だ。本物の安定は、民主的な選挙によって選ばれた政府なしにはありえないのだから。

 これこそが、アメリカが中東で信頼を勝ち得ていない理由だ。エジプトの選挙に対するアメリカの反応に、人々は心から失望している。アメリカは友好国に対してダブルスタンダードで臨み、自分たちの利益にかなうからと独裁政権の味方をしている。人々はそう考えている。私たちは社会の分裂、経済の停滞、政治的な弾圧を目の当たりにしている。だが、あなたたちアメリカ人は何の声も上げてくれない。それはヨーロッパの人々も同じだ。

1968チバQ:2011/01/30(日) 15:43:59
エジプトにはリベラル派や市場経済派もいる
 エジプト政府は国民の要求に答えられる道を模索している、と言う人には「もう遅すぎる!」と言いたい。これはもう現実主義の政治ですらない。チュニジアで起きたことや、その前にイランで起きたことを見れば、国民が自由な選挙で選んだ政府でない限り安定は得られないと普通は気付く。

 欧米にいるあなた方は、アラブ世界には独裁政治かイスラム教のジハード(聖戦)主義しか選択肢はないと信じ込まされている。それはまったくの間違いだ。エジプトに関して言えば、非宗教的な人、リベラルな人、市場経済を重視する人を含む実に多様な人間が存在する。あなた方がチャンスをくれたら、彼らは現代的で穏健な政府を自らの手で選ぶことだろう。彼らは心から世界の国々に追いつきたいと考えている。

 反体制派のイスラム教徒を国際テロ組織アルカイダと同一視するのでなく、もっとよく見てほしい。歴史を振り返ると、イスラム教は預言者ムハンマドの死後20〜30年ほどで政治的に利用されはじめた。支配者には絶対的な権力があり、神に対してのみ責任を負うと解釈されるようになったのだ。支配者にとっては実に都合のよい解釈だ。

 ほんの数週間前、エジプトの超保守的なイスラム教団体の指導者がファトワ(宗教令)を出した。ホスニ・ムバラク大統領に対する民衆の反感を煽ったことを「懺悔」せよと私に求め、さもなければ支配者には私を殺す権利があると断じるものだった。こうした動きは私たちを暗黒時代へと押しやる。これに対して、エジプト政府が抗議や非難の声を一言でも上げただろうか? ノーだ。

カイロに戻り、街頭に立って思いを届ける
 それでも私は、平和的な手段で変化を起こせるという希望を抱いていた。エジプトのような国では、抜本的な民主改革を求める文書に署名をするのは容易なことではない。しかし何百万という人々がそれを実行した。政府といえば「見ざる言わざる」を貫き、私たちを無視している。

 その結果、エジプトの若者たちは我慢の限界を超えた。エジプトでこの数日間起きている事態は彼らが計画したものだ。私がエジプトを離れていたのは、それが私の声を世界に届ける唯一の手段だったからだ。国内にいれば、私は地元メディアから完全に排除される。だが私はカイロに戻り、街頭に立つ。ほかの選択肢などないからだ。あの場所にいる多くの人々が、事態が悪い方向に進まないことを祈っている。だが今のところ、そうした私たちの思いは政府に届いていないようだ。

 ムバラク政権と協力することは日に日に難しくなっている。平和的な政権移譲すら、もはや多くのエジプト人にとっては選択肢ではない。ムバラクは30年も政権に居座り、もう82歳、今や変革の時だと人々は考えている。新たなスタートこそが唯一の選択肢だ。

 今の混乱状態がいつまで続くか私も分からない。チュニジアと同じく、エジプトには大統領と国民以外の勢力も存在する。しかし中立を保っている軍は今後もその立場を貫くだろう。兵士や将校だってエジプト国民の一部だ。彼らは国民の不満を理解しているし、国を守りたいと思っている。

 エジプト国民は恐怖の壁を打ち破った。一度そうなったら、彼らを止めることはできない。

1969チバQ:2011/01/30(日) 15:50:59
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2011012900273
国際地位向上狙うカザフスタン=中央アジアの盟主、経済成長続く−冬季アジア大会
 第7回冬季アジア大会の開催国カザフスタンは、旧ソ連から独立した中央アジア諸国の盟主を自認し、日本の約7倍に及ぶ国土を持つ。近年の急速な経済成長を背景に、大会招致を実現した。アジア大会は、国際社会での存在感を高める国家戦略の一こまでもある。
 首都アスタナの中心部には高さ105メートルの塔「バイテレク」が立つ。同国のシンボルタワーから市街を見下ろすと、広大な敷地に整然と配置された大統領官邸や政府施設、ビジネスセンター、複合娯楽施設など、国の富を注ぎ込んだ真新しい建物群に圧倒される。
 同国の経済は石油やウラニウムなど豊富な天然資源に支えられ、2007年まで前年比8〜10%台の成長を続けた。リーマン・ショックで一時は落ち込んだが、昨年は6%台(見込み)に回復。日本の投資会社に勤めるカザフスタン人のキリル・イエルモシキン氏は「安定的な成長で(競技会場の新設などに)多額の投資ができた。こうした規模の大会を開催できるのは、中央アジアではカザフだけ」と胸を張る。
 14年冬季五輪招致では、最終選考に残れなかったものの同国からアルマトイが立候補した。在日カザフスタン大使館はホームページで「(今回の冬季アジア大会で)最新の競技インフラを整え、大規模な競技会開催の経験を得れば、冬季五輪などハイレベルな国際競技大会への立候補に有益だ」としている。(アスタナ時事)(2011/01/29-18:50)

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スーダン南部住民投票、99%近くが独立賛成
2011年01月30日 20:37 発信地:ジュバ/スーダン
【1月30日 AFP】スーダン南部の中心都市ジュバ(Juba)で30日、今月9〜15日に行われたスーダン南部の分離・独立の是非を問う住民投票の暫定結果を発表する式典が行われ、全体の99%近くがスーダン独立に賛成したことが明らかになった。

 式典での発表によると南部の投票率は99%、うち独立賛成が99.57%と圧倒した。南部で投票した人のうち独立に賛成しなかったのは1万6129人だけだった。

 外国で投票した人の99%、スーダン北部に住む南部出身者の58%が独立に賛成した。スーダン南部投票管理委員会(Southern Sudan Referendum Commission)のウェブサイトによると全投票数は385万1994票。開票率は100%で、全体の98.83%がスーダン南部の独立に賛成した。

 スーダン南部投票管理委員会のモハメド・ハリル・イブラヒム(Mohamed Khalil Ibrahim)委員長は、「たった今発表した結果によって状況は変わる。つまりスーダンは1つの国ではなく、2つの国になる」と宣言した。

■内戦当時の南部指導者の墓地で式典

 式典はスーダン内戦の南部側の指導者で2005年に死亡したジョン・ガラン(John Garang)元スーダン暫定政府第1副大統領の墓地で行われ、サルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)第1副大統領兼スーダン南部自治政府大統領も出席した。

 ガラン氏は、アフリカ系・キリスト教徒主体の南部と、アラブ系・イスラム教徒主体の北部との20年に及ぶ紛争を終結させた2005年の包括和平合意が締結された直後、ヘリコプター事故で死亡した。今回の住民投票は、この合意の履行の総仕上げだった。

 式典開始に祈祷を行った聖公会のダニエル・デン(Daniel Deng)主教は、「私が今捧げている祈りはスーダン南部の人びとが55年間待ち望んできた、国の祈りだ。この国、南スーダンの名に祝福あれ」と述べた。式典には南部の指導者のほか外交官も出席した。

 スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領はすでに北部は住民投票の結果を尊重する意向を表明している。バシル大統領は今月上旬、世界で193番目の国になるという南部の決断を「新たな始まり」と呼び、北部と南部が2つの国として「兄弟のような関係」を築いていけることを願うと述べた。(c)AFP/Peter Martell

1972チバQ:2011/01/30(日) 23:47:17
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110130/mds1101302223016-n1.htm
政権退陣求めデモ スーダン、警官と学生衝突
2011.1.30 22:22
 スーダンの首都ハルツームで30日、政権退陣を求める学生のデモが起き警察隊と衝突、警察側は催涙ガスを発射するなどし、複数の学生を逮捕した。ロイター通信が伝えた。

 学生はインターネットの交流サイトを通じ「スーダン国民はもう黙っていない」などと反政府デモを呼び掛けた。近隣のエジプトやチュニジアの情勢に触発された動きとみられる。

 30日には南部の分離独立の是非を問う住民投票の暫定結果が発表され、南部が独立に向かうことが決まった。(共同)

1973チバQ:2011/01/31(月) 22:28:28
http://mainichi.jp/select/world/news/20110131ddm007030065000c.html
エジプト:大統領、「腹心中の腹心」を副大統領に 退陣後の保身図る
 【カイロ和田浩明】エジプトのムバラク大統領が29日、オマル・スレイマン情報長官を副大統領に任命、アハメド・シャフィク前民間航空相を新首相に指名し組閣を指示した背景には、腹心を要職に配して当座の権力基盤を維持し、万一退陣を迫られた際には、自身の身を守る意図があるとみられる。

 ◇中東和平担当、米の信頼厚く
 スレイマン氏は長年ムバラク大統領に仕えた「腹心中の腹心」(カイロ大のハッサン・ナファ教授)。中東和平交渉の案件やイスラエルとの関係を一手に引き受けており、「アブルゲイト外相が、自分は外交をやらせてもらえないと嘆いたほど」(中東駐在経験のある外交筋)だ。エジプトの最大援助国である米国の信頼も厚い。

 一方、シャフィク氏は空軍出身で、大統領に近いといわれ、「国民の人気も悪くない」(カイロ市民)との評価だ。自身も空軍出身のムバラク大統領が、いわば子飼いの元軍人を内閣の要に据えることで、国軍の支持を確保し、国内の治安維持強化を図る狙いがあるとみられる。

 スレイマン氏が対外関係を、シャフィク氏が内務をつかさどる意図がにじむ人事だ。

 エジプト憲法は大統領の職務遂行が一時的に困難になった場合、副大統領に権限を委譲することができると定めている。

 その場合、「最も信頼できる相手に後事を託すため、スレイマン氏を選んだと言える」(ナファ教授)。ムバラク大統領は82歳と高齢で、昨年3月にドイツで胆のう除去手術を受けるなど、健康問題が度々指摘されている。しかし、29日未明の演説で退陣を事実上拒否し、権力委譲の気配は今のところ見えない。

 ◇退陣求めて結集、騒乱続く可能性
 デモ参加者の間では、スレイマン、シャフィク両氏とも大統領側の人間と見られている。

 デモ側は「ムバラク退陣」で結集しているだけに、「今回の刷新人事に納得する可能性は低い」(外交筋)とみられ、反政府騒乱は今後も続く可能性が高い。

 ◇欧米、安定望み黙認 「アラブ世襲」に脅威
 【カイロ樋口直樹】ムバラク体制の根幹を揺るがすエジプトの反政府騒乱の矛先は、ムバラク大統領本人だけでなく、後継者と目されてきた次男ガマル氏にも向けられた。ムバラク政権で初めての副大統領にスレイマン情報長官が就任したため、ガマル氏への世襲の可能性はほとんどなくなった。チュニジアから始まった長期独裁政権に対する抗議行動は、世襲を常としてきたアラブ諸国の「王朝」継承にとって最大の脅威になっている。

 ムバラク大統領が副大統領指名を決めた29日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、ガマル氏のロンドン到着を報じた。国外逃亡を想起させたが、エジプト国営テレビは否定している。今年9月の大統領選への出馬が取りざたされてきた同氏にとって、騒乱は致命的な痛手となった。

 中東アラブ諸国、とりわけ親欧米国での世襲は、欧米政権からも大目に見られてきた。民主化や自由化の障害である半面、政権や治安の安定によって欧米の利権を維持しやすい側面もあったからだ。だが、中東における米国の最大の同盟国エジプトで、世襲を完全に拒否する民主化要求が起こったため、欧米も対応を根本的に見直す必要に迫られている。

 アラブ諸国では反米的なシリアで00年、長期政権だったハフェズ・アサド前大統領から、息子バッシャール・アサド現大統領への世襲に成功したのが記憶に新しい。だが、78年からサレハ大統領が率いるイエメンでは最近、反政府デモが発生。後継者と目される息子アハメド・サレハ共和国防衛隊司令官の立場が揺らいでいる。

 リビアでも最高指導者カダフィ大佐の後継者に2人の息子の名前が上がっている。大佐は2人を競わせている格好だが、うち改革派を自負する次男のセイフ・アル・イスラム氏の伸長ぶりが目立つ。改革の旗を振ることで世襲批判をかわす狙いもありそうだ。

1974チバQ:2011/01/31(月) 22:29:58
http://www.asahi.com/international/update/0130/TKY201101300302.html
国民信頼の「軍」前面 事態収拾狙い、ムバラク大統領(1/2ページ)
2011年1月30日23時42分
  
 【カイロ=貫洞欣寛】エジプトの民衆デモに追いつめられたムバラク大統領が29日、在任30年で初めて副大統領を任命した。側近で陸軍出身の情報長官オマル・スレイマン氏。生活苦にあえぐ庶民から批判が相次ぐなか、自らの出身母体で国民の信頼を受ける「軍」を前面に出して、事態収拾を図る狙いとみられる。

 エジプト軍は第4次中東戦争(1973年)で「宿敵」だったイスラエル軍を苦しめた過去があり、国民に銃口を向けたこともないことから、庶民らの支持が今も根強い。

 ムバラク氏はスレイマン氏を副大統領に任命するとともに、首相も経済テクノクラートのナジフ氏から空軍出身のシャフィク前民間航空相に交代させた。ナジフ氏ら「経済派」を切り捨てて腐敗や不平等に対する庶民の批判をかわし、出身母体である軍への依存を強める狙いがある。

 スレイマン氏は、中東和平交渉ではムバラク氏の名代として関係各国との交渉を繰り返し、事実上のナンバー2としてムバラク氏に仕えてきた。国民の間では知名度が高く、「財界とのつながりが薄く清潔で、能力の高い切れ者」という印象が持たれている。日本で言えば、元警察庁長官で「カミソリ」の異名で知られた故・後藤田正晴氏のイメージに近い。

 一方、9月に予定されている大統領選について、エジプトでは(1)ムバラク氏続投(2)次男ガマル氏への権力継承(3)側近スレイマン氏への後継指名、の三つのシナリオの可能性がささやかれていた。今回のスレイマン氏の副大統領任命は、事実上の後継指名と受け止められている。

 エジプトの体制内では2004年のナジフ内閣発足後、銀行員だったガマル氏や、同国最大の鉄鋼会社長のアフマド・エッズ国民民主党(与党)組織委員長ら財界出身者が力を握り、国営企業の民営化や市場開放、規制緩和など日本の「小泉改革」に似た経済開放政策を進めていた。

 これにより、国内総生産は年4〜7%の伸びを見せて新たな富裕層が生まれる一方、庶民の暮らしぶりは変わらなかった。インフレや拡大する貧富の差、政権の腐敗、「政商」の暗躍に批判が高まっていた。ムバラク大統領の辞任を求める民衆デモ参加者の多くは貧しく、失業や生活苦が怒りの背景にある。

 国営テレビによると、エッズ氏は29日に離党し、失脚した。空港から出国しようとして当局に止められたとの情報もある。ガマル氏も政治的影響力を失ったとみられる。

 それでも、デモはやむ気配がない。カイロ中心部のタハリール広場では30日午前、数千人が集まっていた。前夜から泊まり込んだ人々だ。

 弁護士ムスタファさん(29)は「スレイマン氏は清潔で有能な人物だ。でも問題は彼じゃない。国民が自由に選挙で代表を選べない政治システムそのものが問題なんだ。ムバラクが去って政治システムが変わるまで、デモをやめない」と話した。

 エジプト当局は30日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラに対し、同国内での取材活動などの禁止を命じた。反政府デモの生中継を封じるためと見られる。カイロでは同日午後1時(日本時間午後8時)すぎ、同局が視聴できなくなった。

1976チバQ:2011/02/01(火) 00:03:36
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110131-OYT1T01128.htm
エジプト野党勢力とエルバラダイ氏の連携不透明
 【カイロ=久保健一】反体制デモが続くエジプトの民主化を求めているムハンマド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は30日、米CNNテレビとのインタビューで、ムバラク大統領の退陣後、国内野党勢力が結集し、民主憲法制定を担う、暫定的な「挙国一致政府」を樹立すべきだとの考えを示した。


 だが、野党勢力は、欧米流の民主主義を志向する世俗派グループからイスラム教系の組織まで、さまざまな政治集団が割拠する寄り合い所帯で、エルバラダイ氏を軸に糾合できるかどうかは、現時点で不透明だ。

 エルバラダイ氏はインタビューで、「国民の70%が挙国一致政府樹立を支持している」との見方を示した。

 会員制交流サイト「フェースブック」を駆使し、街頭デモを先導してきた、都市の若者を中心とした緩やかな連帯組織「4月6日運動」にも、エルバラダイ氏を野党勢力指導者に推す声は強いとみられる。

 野党勢力内にエルバラダイ氏以外の有力指導者が見当たらない中、ムバラク大統領退陣後の暫定政府を率いるのは「欧米流の民主主義を知るのはエルバラダイ氏だけだ」(観光ガイドのムハンマド・アブドルラゼックさん=40=)という声が市民の間で高まっている。

 AP通信によると、エジプト最大のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」幹部は31日、ムバラク大統領退陣を求め、全野党勢力を結集させる「委員会」の設立を呼びかけた。エルバラダイ氏の「挙国一致政府」構想に呼応しながら、連携を図る動きと言える。同胞団はこれまで反体制デモと距離を置いてきたが、柔軟姿勢に転じたものだ。

 一方、国際機関トップとして長く国外生活をしていた同氏に「エジプトを率いる資格はない」(政府職員アイマン・ユーセフさん=52=)とする反発も根強い。エルバラダイ氏自身も、支持を集めきれない現状を率直に認めている。

(2011年1月31日22時29分 読売新聞)

1977チバQ:2011/02/01(火) 00:04:38
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110131/mds1101312010011-n1.htm
反政府勢力、1日に100万人規模の行進計画 エルバラダイ氏「後戻りない」
2011.1.31 22:09

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30日、エジプトの首都カイロでムバラク大統領退陣を求める横断幕を掲げるデモ参加者(ロイター)
 【カイロ=大内清】エジプトのムバラク政権打倒を訴える抗議運動は31日で開始から7日目を迎え、反政府勢力側は無期限のゼネストや百万人規模の大規模デモを呼び掛けている。次期大統領を目指すエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は政権退陣までデモを続けるよう訴えているが、反政府勢力ではエルバラダイ氏への評価が分かれている。

 デモ参加者は夜間外出禁止令を無視、首都カイロ中心部のタハリール広場で寝泊まりし、デモを続けている。1月30日夜、広場に現れたエルバラダイ氏は「われわれの始めたことは後戻りできない」と訴えた。

 フランス通信(AFP)によると、抗議デモの中心グループは1日に、カイロ市内で百万人規模の行進を計画。また、1月30日に北東部スエズで始まった無期限のゼネストを全土に広げようと画策している。

 ムバラク大統領は国民の不満を和らげようと30日、シャフィク新首相に対して、物価高騰や失業対策などの緊急経済政策を実施するよう指示。一方で、夜間外出禁止令の開始時間を1時間繰り上げて、午後3時からにするとしており、主要都市に配備された軍の戦車などが今後、どのように動くかも焦点となる。

 反政府勢力は、国際的知名度の高いエルバラダイ氏を政権側との交渉役にしようとしたが、主要野党の一部が反発。政権打倒の共闘態勢では一致しているものの、同氏支持をめぐっては分裂しているのが現状だ。

1978チバQ:2011/02/01(火) 00:05:56
http://mainichi.jp/select/world/news/20110201k0000m030093000c.html
イスラエル:ムバラク政権の支持呼びかけ エジプト情勢で
 【エルサレム花岡洋二】エジプト情勢を巡り、イスラエル政府は31日までに、中東全域を安定させるためにムバラク政権への批判を控えるよう、欧米諸国に働きかけた。イスラエル紙ハーレツが報じた。イスラエルにとり、エジプトはアラブ世界で最初(79年)に平和条約を結んだ、安全保障上で極めて重要な隣国で、その体制維持を望む“本音”が浮き彫りになった。

 また、イスラエルのペレス大統領が31日、エルサレムで行われた式典あいさつでエジプト情勢に初めて言及。ムバラク大統領について「敬意を持ち続けている。行いがすべて正しかったとは言わないが、中東での平和を保ってくれたことに関して感謝している」と、擁護した。

 ハーレツ紙の取材に応じたイスラエル政府高官によると、同国外務省は、米国や欧州数カ国のほか、カナダ、中国、ロシアなど十数カ国にある大使館を通じ、エジプト政権が安定することの重要性を各国政府に説いた。

 また高官は同紙に「米国と欧州各国は世論に引きずられ、真の国益を考えていない。たとえムバラク政権に批判的だとしても、友人たちに孤立感を持たせてはならない」と語った。他の“友人”として、親米国のサウジアラビアとヨルダンの名を挙げた。

 イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「30年続いた平和な2国関係を持続することが私たちの目標だ」と閣議で発言。しかし踏み込んだ発言を個別にしないよう、閣僚に指示していた。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011013102000172.html
エジプト対応 米、英との連携確認
2011年1月31日 夕刊

 【ワシントン=嶋田昭浩】緊迫が続くエジプト情勢をめぐり、オバマ米大統領は三十日、キャメロン英首相と電話で会談し、対応について緊密に連携していくことで一致した。

 オバマ大統領は、二十九日にもトルコのエルドアン首相、イスラエルのネタニヤフ首相、サウジアラビアのアブドラ国王と相次いで電話で協議。ホワイトハウスによると、大統領は、エジプトに集会・結社・言論の自由など基本的人権が保障され、国民の希望に応える政権へ平和裏に移行することが必要との認識を強調した。

 一方、野党・共和党のベイナー米下院議長は、三十日のFOXテレビの番組で「米政府は今のところ、緊迫した状況にかなりうまく対処していると思う」とオバマ大統領の姿勢を評価。同党のマケイン上院議員は、CNNテレビで、一九八九年に中国当局が民主化運動を弾圧した天安門事件を引き合いに「『カイロの天安門』を許すことはできない」と述べ、反政府デモへの武力行使をやめるようエジプト政府に求めた。

1979チバQ:2011/02/01(火) 00:06:57
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110131/fnc11013121240015-n1.htm
日本企業のアフリカ・中東、欧州戦略の重要拠点
2011.1.31 21:22
 エジプトについて、日本企業の多くは「アフリカ戦略を進める上での重要な拠点」(双日の佐藤洋二副社長)などとして戦略的に位置づけてきた。東芝が3月にも中東・アフリカで最大の液晶テレビ生産に乗り出すほか、トヨタ自動車と豊田通商もスポーツ用多目的車(SUV)の組み立てを計画するなど、エジプトに生産拠点を設ける動きも相次いでいる。

 エジプトの人口は約8千万人。アラブ諸国では最も多く、アフリカ諸国の中でもナイジェリアに次ぐ市場規模がある。日本貿易振興機構(ジェトロ)は「エジプト市場だけではなく、アフリカの玄関口、さらには欧州市場も狙える利点がある」とエジプトへの投資が拡大する背景を分析。欧州向け製品の生産拠点とされた東欧諸国は最近、人件費が上昇しており、それに代わってエジプトやモロッコなどが注目されているという事情もある。

 エジプトはアラブ諸国の中でも数少ない親米派で、イスラエルとも国交がある。「中東和平で重要な役割を果たしてきた」(三菱商事の上田良一副社長)という経緯もあり、政治リスクが少ないことが日本企業にとっては魅力だった。


http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110131/biz11013121310038-n1.htm
日産、スズキ、大塚HDなど相次ぎ現地工場操業停止
2011.1.31 21:29
 日産自動車とスズキ、大塚ホールディングス(HD)の3社は31日、エジプト工場の操業を停止したことを明らかにした。同国の反政府デモで治安が悪化し、従業員の安全を優先する。現地に進出する日本企業の間で、出張自粛などの動きが広がっており、騒乱が長引けば事業に支障が出る懸念もある。

 日産が操業を止めたのは首都カイロ近郊のギザにある車両組み立て工場で、30日から1週間程度の予定で休止する方針だ。同工場ではスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」や乗用車「サニー」などを年約1万台生産している。現地にいる駐在員4人に対し、国外に避難するよう指示した。

 日産は「現在のところ、従業員や工場の設備に被害は出ていないが、安全を確保したい。短期間の操業停止で済めば事業への影響は軽微」という。

 スズキもカイロ郊外の工場を30日から当面の間、休業する。同工場は小型商用車を年間約7500台生産し、同国内で販売している。トヨタ自動車は同国への出張を停止した。

 自動車メーカー以外でも、大塚HDがカイロ近郊の医薬品工場の操業を30日から一時中止し、事態の沈静化を待つ構えだ。

 エジプトの電機メーカーと液晶テレビ製造販売の合弁会社を設立したばかりの東芝は出張者7人を順次帰国させる方針。現地では「店が閉まっているため、販売も止まっている」(村岡富美雄副社長)。ただ、3月の稼働開始を目指して建設中のテレビ工場については、「騒動の中心地から遠く、生産計画に影響はない」(同)とみている。 

 東京電力子会社の東電設計は、給電や太陽光発電などのコンサルティングでカイロなどに21人が駐在している。「電子メールが使えないなど現地の情報が取りにくい」(東京電力)状況で、自宅やホテルなどに待機を指示し、帰国させることも検討する。

1980チバQ:2011/02/01(火) 00:08:43
http://mainichi.jp/select/world/news/20110201k0000m030088000c.html

エジプト:1日に100万人デモ 野党勢力らが宣言

【カイロ樋口直樹】大規模な反政府デモが続くエジプトで、ムバラク大統領の退陣を求める野党勢力らのデモ隊は31日、無期限のゼネストを呼びかけ、デモ開始から1週間の節目に当たる2月1日に100万人規模のデモ行進を実施すると宣言した。ムバラク大統領は汚職の追放やインフレ対策などを約束したが、沈静化の気配はみられない。

 大統領は31日、新内閣を発足させた。主要閣僚のうち内相や財務相などを事実上更迭し新内閣には参加させなかった。一方、タンタウィ国防相は副首相兼務に昇格し、アブルゲイト外相は留任した。アドリ前内相はデモ隊に強硬姿勢を取ったとして、反体制派が解任を要求していた。ロイター通信によると、一連のデモの死者は138人に達した。

 一方、AFP通信によると、治安当局は31日、中東の衛星テレビ・アルジャジーラの英語サービスの記者6人を一時、拘束した。

 カイロ中心部のタハリール広場では31日にかけ数百人のデモ参加者が夜間外出禁止令を無視し野宿して抗議。夜が明けると数万人が集まり、新内閣の布陣を「変わらぬ顔ぶれ」などと非難した。

 一方、北東部スエズでも約1000人が抗議行動を繰り広げた。

 カイロ市内などでは31日、一時撤収していた警官が任務に戻った。しかし学校や銀行、証券取引所などは閉鎖したままで、夜間外出禁止令は同日から「午後3時〜午前8時」に拡大された。市民らは日中デモに参加、夜間は自警に参加し、疲労も見え始めている。

1981チバQ:2011/02/01(火) 00:10:56
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aQrEd1.91Ssc

「あらゆる手立て使って早期脱出」エジプト政情不安で対応迫られる商社
1月31日(ブルームバーグ):エジプトでの反政府デモによる政情不安に対して現地に駐在員を派遣している商社各社は社員やその家族らの安全確保に努める一方、周辺の産油国まで混乱が広がり事態が深刻化した場合のビジネスへの影響を懸念している。

  丸紅の園部成政常務執行役員は31日の決算会見の席上で、記者から駐在員らへの対応策を問われると、駐在3人とその家族6人をエジプト国外に脱出させると説明し、「現地は非常に混乱しておりまだ脱出は確認していないが、あらゆる手立てを使って早期脱出を図るべく努力している」と述べた。

  三菱商事は、エジプト・カイロにある駐在事務所を30日に閉鎖し、駐在員を自宅待機にさせたという。双日の佐藤洋二副社長も決算会見で駐在員の家族をエジプト国外への脱出の検討をしていると話した。

  エジプトの首都カイロ中心部では夜間外出禁止令にもかかわらずムバラク大統領の退陣を求めるデモが6日目も続いた。野党の指導者らから暫定大統領に就任するよう求められているエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は、CNNの番組「ファリード・ザカリアのGPS」のインタビューで、現大統領について「向こう数日」内に出国しなければならなくなるだろうと述べた。

  三菱商の上田良一副社長は31日の決算会見の席で「今後、中東が非常に不安定になることは原油価格を含めて大きなインパクトが出てくることが予想される。世界経済に与える影響には十分注視していきたい」と語った。同社は、エジプトで地下鉄車両等の納入や化学品関係の取引があるが、「営業に大きなインパクトがすぐに出てくるわけではない」と言う。

  丸紅のエジプトでの事業は、穀物やナフサなどの化学品の貿易が中心。園部氏は、収益への影響について「現時点では大きな影響は出ないと思っている」と指摘。ただ「スエズ運河が運航できなくなった場合などの非常事態には当然ながら原油市場に影響が出る」と述べ、事態が深刻化した場合の懸念を示した。

  双日はエジプトの石油権益に31億円投資しているが、同事業への影響は出ていないという。

  野村証券金融市場調査部コモディティ調査課の大越龍文シニアエコノミストらは31日付のリポートで、チュニジアとエジプトの原油生産量はそれほど大きくなく世界の原油市場に与える影響は大きくないとした上で、「アルジェリア、リビア、サウジアラビアなどの周辺の主要産油国へ混乱が波及すれば原油供給に支障が生じかねない」などと指摘した。

1982チバQ:2011/02/01(火) 00:11:30
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110201k0000m030027000c.html
エジプト:エルバラダイ氏の求心力焦点に 反政府デモ

 【カイロ和田浩明】エジプトで続く反政府デモで、前国際原子力機関(IAEA)事務局長、エルバラダイ氏(68)の反政府勢力内での求心力が焦点となってきた。反政府グループは「ムバラク政権打倒」では一致しているものの基本政策ではバラバラ。各グループには、同氏の知名度を利用してとにかく政権を倒し、その後の選挙で主導権を握ろうとの思惑も見え隠れする。

 一連の反政府デモを主導してきたグループ「4月6日運動」の創立者の一人、アハマド・マヘル氏は30日、毎日新聞にエルバラダイ氏は「有力な首相候補」と述べたが、大統領候補としては言及しなかった。

 また、エルバラダイ氏の支援組織として昨年発足した「変革を求める国民協会(NAC)」の世話役、ハッサン・ナファ氏も取材に「彼は強力な指導者候補だが、候補者は彼だけではない」と語った。一部には、反政府各派がエルバラダイ氏を交渉役とすることで一致したとの報道があるが、ナファ氏によると、30日の民主化勢力の会合でその案を協議したが結局、合意に至らなかったという。

 マヘル、ナファ両氏の発言は、民主化勢力がエルバラダイ氏支持で一致していないことを示唆している。

 一方、エジプトで最大の反政府勢力は穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」だ。政治的には非合法化されているが、慈善事業などを通じ都市部から農村部まで細かなネットワークを作っている。昨年11月の人民議会(国会)選挙前に、ムスリム同胞団はエルバラダイ氏との連携姿勢を示した。同胞団のガマル・ナセル報道担当は、エルバラダイ氏を「野党勢力の代表として推す」と暫定指導に前向きの姿勢を見せた。

 ただ、過去の選挙戦で「イスラムこそ解決策」と宗教色の強いスローガンを掲げてきただけに、世俗(非宗教)派の反政府デモ参加者の間には、距離を置く人も目立つ。また、「ムバラク打倒」ではエルバラダイ氏と共闘しつつあるが、同氏が志向する欧米型民主主義と政策面でどこまで折り合えるかは未知数だ。

 30日にタハリール広場に姿を見せ参加者に語りかけたエルバラダイ氏について、デモ参加者は、「カリスマ性がない」(ハニー・サイードさん=40歳建設会社経営)▽「デモが始まって6日目に現場に来た。もうすこし早い方がよかった」(マルワ・フセインさん=33歳女性ジャーナリスト)−−といった声もある。ほぼ全員が、「今はムバラク政権打倒に集中すべきだ。リーダーは、自分たちの手で、民主的選挙で選びたい」と語った。

1983チバQ:2011/02/01(火) 00:18:49
http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201101310049.html
焦点:混乱続くエジプト、「ムバラク政権後」も視界不良2011年1月31日

. [カイロ 30日 ロイター] エジプトで約30年にわたって権力を掌握してきたムバラク大統領だが、退陣を求めるデモは収拾の兆しを見せておらず、アラブ最大の人口を抱える域内大国に君臨してきた権力者は窮地に追い詰められている。

 ムバラク大統領は29日、空席だった副大統領にオマル・スレイマン情報長官を据え、空軍出身のシャフィク民間航空相を新首相に指名。息子ガマル氏への権力継承は事実上断念する格好となった。 

 また、新内閣では経済・政治改革の実行を約束したものの、首都カイロなどでは、不満の収まらない多くの市民が外出禁止令を無視してデモを続行。ムバラク大統領の退陣を求める姿勢を崩していない。

 しかし、この先にエジプトがどこに向かうのか、ムバラク大統領の約束した改革が国民の切望する真の変革につながるのかどうか、明確な方向はいまだはっきりとは見えない。

 ムバラク大統領は権力の座にとどまるのか、それとも退陣するのか。変化はあるのかないのか。エジプトは新たな自由や民主主義の時代に向かうのか、それとも、結局何も変わらないのか。

 今回のデモによる死者はエジプト全土で100人を上回ったが、ムバラク大統領は、いかなる代償を払ってでも権力の座を失わない姿勢を見せている。30日にはカイロ上空を戦闘機が旋回し、市街地には戦車部隊が出動するなど、デモ鎮圧のための威嚇として武力を誇示した。

 一方、デモ参加者らは「自由、民主主義、変化」を訴えており、30年続いた独裁的な政権から、ムバラク大統領が今回要職に登用した軍部の腹心らに禅譲されることは望んでいない。

 エジプト軍は世界でも10本の指に入る46万8000人以上の兵力を有しており、1952年のエジプト革命以降、権力の中枢であり続けている。また、エジプト・イスラエル平和条約が結ばれた1979年からは、米軍から年間13億ドルの支援を受けている。

 ムバラク大統領は今回、軍部の腹心を政府要職に就けるなど、最後のとりでとして軍部に頼る姿勢を明確にした。しかし、専門家の多くは、過去30年拒んできた副大統領の指名は、むしろ権力の衰退だととらえている。もはやムバラク大統領にはこれまで謳歌してきた独裁的な権力はなく、軍部主導の権力継承に向かう可能性があるとの見方だ。

 エクスクルーシブ・アナリシスのファイサル・イタニ氏は「軍部は窮地に追い込まれており、大統領についてどうするか決断しようとしている」と指摘。「ムバラク大統領を負担とみなしているが、べンアリ(チュニジア前大統領)のように逃亡させたくはないと考えている可能性がある」と述べた。

 一方で、エジプトの民衆は、武力による威嚇にもひるむ気配を見せていない。首都カイロでは、略奪や破壊行為も発生するなど混乱しており、フセイン政権崩壊後のバクダッドや内戦時のベイルート、今月に政変が起きたチュニジアを思い起こさせる。

 ムバラク政権下で30年間保たれてきた治安がわずか数日で崩れたことで、治安当局の秩序維持能力には大きな疑問が生じた。チュニジアと同様、エジプトでは増大する若者人口の多くが失業中で、特権階級による抑圧に不満を抱えており、支配階級内での単なる入れ替えではなく、既存勢力の完全な一掃を求めている。

 専門家らはエジプトの政治の将来像について、影響力の強い穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を排除することは不可能だとみる。

 ただ、ムスリム同胞団は当局との長い対立の歴史から、反政府デモへの肩入れには慎重であり、もし勢力を伸ばし過ぎれば、イスラム勢力主導の政権発足を懸念する西側諸国の圧力を受けた政府から激しい弾圧を受けるリスクもある。また、多くのアラブ諸国のイスラム系組織と同様、国家の統治には及び腰であり、自由で公正な選挙、法の支配や新憲法などの政治改革を戦略の中心に据えている。

 しかし、それこそが反政府デモを続けるエジプト国民の総意であるようにも見える。

1984チバQ:2011/02/01(火) 00:19:37
http://www.afpbb.com/article/politics/2784000/6753273
イスラム政党指導者が20年ぶり帰国、新政権参加に意欲 チュニジア
2011年01月31日 13:59 発信地:チュニス/チュニジア

【1月31日 AFP】22年にわたって亡命生活を送っていたチュニジアのイスラム政党「ナフダ(Ennahda)」指導者のラシド・ガンヌーシ(Rached Ghannouchi)氏が30日、旧体制崩壊を受けて帰国し、暫定政権に参加する意志があるとAFPの取材に語った。

 ガンヌーシ氏は、次期大統領選挙に同党から候補者を出す考えはないが、暫定政権に参加する意志はあると述べ、政治活動へ意欲を見せた。同氏は1989年、ジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領の弾圧を逃れて国外に亡命していた。

 30日、首都チュニス(Tunis)の空港にはオリーブの枝や花束、イスラム教の聖典コーラン(Koran)などを手に支持者らが集まり、ガンヌーシ氏の帰国を歓迎した。(c)

1985チバQ:2011/02/01(火) 00:31:43
http://www.asahi.com/international/update/0131/TKY201101300331.html
エルバラダイ氏を軸に政権模索 エジプト最大野党など2011年1月31日3時16分
. 【カイロ=石合力、貫洞欣寛】ムバラク大統領の辞任を求める民衆デモが全土に広がっているエジプトで、インターネットを通じて抗議行動を呼びかけた市民グループや最大野党勢力ムスリム同胞団が、民主化指導者でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を軸に野党勢力の結集に乗りだした。両組織の関係者が30日、朝日新聞の取材に明らかにした。

 デモは6日目の30日もカイロ中心部にあるタハリール広場などに数万人規模の市民が集結し、沈静化していない。エルバラダイ氏はムバラク氏の即時退陣を求めており、野党側は同氏を軸に野党勢力を結集した暫定政権の樹立を模索し始めた。

 ネット系の野党グループ「4月6日運動」の広報担当者は朝日新聞に対し「我々はエルバラダイ氏を暫定大統領に推薦している。(大統領選の立候補を制限した)憲法を改正し、総選挙や大統領選を実施するまで半年から1年を想定している」と語った。ムスリム同胞団のエリヤン報道担当も朝日新聞に対し「野党勢力がエルバラダイ氏を選べば、我々は支持する」と語った。両組織ともエルバラダイ氏による野党勢力と現政権との交渉の可能性は否定した。

 エルバラダイ氏は、中東の衛星テレビ、アルジャジーラに対し、ムバラク氏によるスレイマン副大統領の任命について「解決策にはならない。エジプト国民が求めているのはムバラク氏が退陣することだ」と指摘。「民主的な憲法と公正な選挙を準備するための暫定的な救国政権づくりを進めるべきだ」と述べた。エルバラダイ氏は30日夕、デモに参加するためタハリール広場に向かった。

 一連のデモの死者は全土で150人を超えた。警察・治安部隊が姿を消した首都カイロ市内では、同国の平日に当たる30日も大半の商店やレストラン、銀行などが営業を停止。無政府状態が続いている。住民らが自警団を組織し、軍と協力する形で治安回復に当たっている。

 米政府が自国民に国外退避を勧告したほか、トルコ政府は自国民の救援機を出すなど、外国人のエジプト脱出の動きが加速している。

 ムバラク政権がデモ阻止目的で始めたインターネットの接続停止は、30日現在も続いている。エジプト国内からのホテル予約、航空機予約などができない状況だ。
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1986チバQ:2011/02/01(火) 22:15:32
http://www.asahi.com/international/update/0201/TKY201102010529.html
100万人行進へ、カイロに市民結集 軍は静観の構え(1/2ページ)
2011年2月1日22時6分
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 【カイロ=貫洞欣寛、玉川透】ムバラク大統領の退陣を求める抗議行動が激化しているエジプトで、野党勢力が呼びかけた「100万人行進」に向け、カイロ中心部は1日、各地から数十万人単位の市民らが続々と集まった。軍は市内に展開しているものの、デモ隊に対し武力行使をしないとの声明を出し、静観する構えだ。スレイマン副大統領は事態打開のため、野党勢力との対話を模索する姿勢を見せているが、野党勢力は拒否しており、事態は緊迫度を増している。

 野党勢力が「100万人行進」の目的地としているカイロ・タハリール広場周辺は、コンクリート製のバリケードが設置されているうえ、多数の兵士が戦車などとともに配置されている。兵士が検問を実施、爆発物や銃器などの持ち込みに目を光らせているが、デモ参加者の広場への通行を阻止していない。

 デモ前夜の1月31日、エジプト軍の報道官は「市民は正当な要求を掲げており、平和的に行動する限り軍は発砲しない」との声明を出した。野党勢力から「軍は市民側についた」と歓迎する声が出る一方、「軍がつくったバリケードを越えて大統領府への行進などを始めれば発砲するとの脅し」(元空軍将校)との見方もあり、デモに対する軍の動向が、今後の情勢を大きく左右しそうだ。

 エジプト国内の鉄道は運休し、カイロと各都市を結ぶ幹線道路も閉鎖されているが、人々は続々と押し寄せている。

 スレイマン副大統領は31日夜のテレビ演説で「すべての野党勢力との対話を始め、憲法や法制度の改正について検討する」と語り、昨年11〜12月に行われた総選挙についても、不服申し立てがあった選挙区で選挙をやり直すと述べた。この総選挙では野党候補に対する警察の干渉が激しく、「不正選挙」との批判が相次いでいた。発言は事態収拾を探るための妥協案と見られる。

 これに対し、カイロ中心部でデモを続けるムスリム同胞団や「4月6日運動」など複数の野党勢力は朝日新聞の取材に「求めるのは大統領の辞任であり、対話には応じない」と明言した。

 野党勢力の中には、1日のデモでタハリール広場から、大統領府に向かうことや、別の日に大統領府前でデモをすることを呼びかけるグループもあり、さらに緊張が高まる可能性もある。

 一方、米国のウィスナー元駐エジプト大使が31日、カイロ入りした。AFP通信などによると、ムバラク大統領と面会する意向だという。

 緊迫した情勢が続くなか、「ポスト・ムバラク」をにらんだ動きも新たに浮上した。

 元エジプト外相でアラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長は31日、「次の時代への平和的な権力移譲が必要だ」と述べ、ムバラク大統領に退陣を要求。「アラブ連盟での任期はあと2カ月で終わる。同じ職に戻るつもりはない」と語り、近くエジプト政界に復帰する可能性を示唆した。

 イスラエルへの批判的な発言などで大衆に人気があるムーサ氏が政界復帰すれば、国際原子力機関(IAEA)前事務局長で民主化運動指導者のエルバラダイ氏と並んで政局の核となる可能性がある。

1987チバQ:2011/02/01(火) 22:18:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011020102000187.html
エジプト、混乱収束は不透明 デモ隊に指導者不在
2011年2月1日 夕刊

 【カイロ=内田康】エジプトで続く反政府デモで、スレイマン副大統領は三十一日、「すべての政治勢力」と協議し、混乱収束に向けた打開策を探る姿勢を示した。米国の意向も受けた軟化路線だが、この試みで、デモが収束する保証はない。

 デモに関与する野党、市民団体は多数あって必ずしもまとまっていないうえ、デモ隊に強い影響力がある指導者も存在しないからだ。

 デモ呼び掛けの中心となった「四月六日運動」は、インターネットを駆使する若い活動家の団体。ただ、全体を指揮する有力な代表の下に集結した団体ではなく、政党のような結束力はない。ムバラク政権が交渉相手の一つと想定しているのかは不明だが、政権側との交渉の席につくには似つかわしくないグループといえそうだ。

 既成の野党勢力は、今回のデモで主導的役割は果たしておらず、むしろ勢力拡大を狙ってデモに乗じた感が強い。イスラム原理主義勢力あり、宗教色を嫌う社会主義政党ありと、お互い相いれない水と油の関係にある。知名度のある国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏を統一代表に推す動きもあるが、これもまとまっていない。そもそも街頭に繰り出した多くの人々は、政党の意向など関係なしに動いた無党派だ。

 政権側は、自由な選挙の実現につながる憲法改正などを議題に掲げたが、秋に任期満了を迎えるムバラク大統領が、次の選挙に出るのかといった肝心な点には触れていない。デモ隊が協議を見守るために街頭から引き揚げると予測するのは、現状では難しい。

1988チバQ:2011/02/02(水) 00:25:20
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2784135/6761421?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
エジプト、「百万人の行進」始まる
2011年02月01日 20:23 発信地:カイロ/エジプト

【2月1日 AFP】(一部更新、写真追加)ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求める反政府デモが8日目を迎えた1日、これまでで最大規模の抗議行動に向けて人びとが集まっている。

 現地時間1日午後2時(日本時間同日午後8時)過ぎには首都カイロ(Cairo)の抗議デモの中心地、タハリール(Tahrir)広場は大群衆で埋め尽くされた。

■早朝から大勢の人が

 タハリール広場は1日早朝の時点ですでに数千人規模のデモ参加者であふれかえっていた。デモ参加者たちは1日、「百万人の行進」を首都とアレクサンドリア(Alexandria)で行い、ムバラク政権の退陣を求める。

 デモ参加者の多くは、タハリール広場で前日の夜を過ごした。戦車や軍部隊が広場を包囲するなか、広場に設営された数十のテントや草むらで多くの人びとが仮眠をとった。

 デモ参加者に発砲しないとの姿勢を表明した軍は、広場に入ろうとする人びとの身分証確認と身体検査を行っている。また、広場入口では、デモ隊側も独自の身分証確認をして、私服警官が広場に入り込むのを阻止しようとしていた。

■沸き立つ広場

 ジャケットにネクタイ、ジーンズという姿で広場にいた弁護士のオサマ・アラム(Osama Alam)さん(43)は「わたしは死ぬまでここにいる。もしここでわたしが死んだとしても、家族全員がわたしのことを誇りに思うだろう。エジプト国民が求めているのはこれ(抗議行動)なんだ」と語った。

「ムバラク大統領の棺(ひつぎ)」の作り物を抱えたデモ参加者がわきを通り抜ける中、別の年配の男性は、「この革命はどの政党にも、イスラムグループにも、あらゆる勢力にも属さない。エジプトの貧しき人びとの革命だ。ムバラクとその仲間は金を盗み職を盗んだ。貧しき人びとには職も家もない。そして警官に殴られる。犬のように扱われる。ムバラクは独裁者だ」と語った。

 広場の交差点には、信号機からムバラク大統領の人形が吊され、顔の部分には「首を落とせ」と書き込まれていた。

■各地で当局が交通封鎖か

 一方、地中海沿岸のアレクサンドリア(Alexandria)では、「百万人の行進」が予定されるなか、抗議デモを阻止しようと国営鉄道が止まり、主要道路が封鎖された。

 カイロからアレクサンドリアへ向かう主要道路を通行していたAFP特派員によると、軍がカイロに入る車両を止めており、100台以上のトラックや車が道路脇に停車していたという。また、運転手の1人が軍兵士に苦情を言ったところ、兵士は威嚇射撃を行い、市民らに下がるように命じたという。

■ムバラク氏が米元大使と会談か

 エジプトの最大野党・ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)は、ムバラク体制が崩壊するまでデモの継続を呼びかけている。また、エジプトの重要な同盟国である米国も、ムバラク大統領に対し、危機回避のためにさらなる行動をとるよう求めた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は1日、フランク・ワイズナー(Frank Wisner)元駐エジプト米大使が、ムバラク大統領と会談する予定だと報じた。

■反政府デモの死者は300人 国連推計

 一方、国連人権高等弁務官事務所(United Nations High Commissioner for Human Rights)は同日、エジプトの反政府デモでこれまでに300人が死亡したとの推定を発表した。(c)AFP/Charles Onians

1989チバQ:2011/02/02(水) 00:55:38
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011020100928
ヨルダン国王、首相交代命じる=野党は「改革できない」と反発
 【カイロ時事】ヨルダンのアブドラ国王は1日、リファイ首相に代えて、マルフ・バヒト元首相を後継首相に指名、新内閣の組閣を命じた。
 エジプトでムバラク大統領の退陣を求める反政府デモが激化する中、ヨルダンでもイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」などが主導する首相辞任要求デモが多発していた。エジプト情勢に危機感を抱いた国王が先手を打った格好だ。
 ヨルダンの野党勢力は、王制廃止といった体制転換ではなく、政治、経済などの改革を求めている。しかし、バヒト氏は過去に首相や情報機関の長官を務めた人物。AFP通信によると、ムスリム同胞団は、バヒト氏は「改革ができる人物ではない」と反発した。
 リファイ首相はこれまでのデモを受け、公務員給与や年金支給額の引き上げなどを発表したが、野党側は不十分だと批判していた。(2011/02/01-23:51)

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1990チバQ:2011/02/02(水) 22:06:04
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110203k0000m030074000c.html
エジプト:「ムバラク後」行方は国軍次第 

カイロのタハリール広場に集まった大勢の人たち=2011年2月2日、AP ムバラク・エジプト大統領の次期大統領選不出馬表明で、30年に及ぶ強権体制は終焉(しゅうえん)し、「ムバラク後」を見据えた動きが加速する。デモを展開してきた反政府グループや現政権の屋台骨である国軍は今後どう出るのか。市民が望む「民主化」をかなえる新指導者は登場するのか。混迷する「アラブの盟主」の行方を検証した。【カイロ和田浩明、樋口直樹】

 ムバラク大統領の次期大統領選への不出馬宣言から一夜明けた2日。カイロのタハリール広場には数千人が残り、即時退陣要求を続けていた。無職のアブアンマルさん(45)は「政権の抑圧装置は機能中だ。9月の大統領選まで待てば報復が始まる」と語り、「ムバラクを辞めさせるのが肝心」と述べた。反政府側は当面、デモを継続するとみられる。

 一方、同日朝はカイロ市内の複数地点で数百〜数千人のムバラク支持者もデモを展開した。支持派のタクシー運転手、サイード・イブラヒムさん(46)は「大統領はデモ隊の望みをかなえようとしている」と語り、デモ隊を「裏切り者だ」と批判した。

 また、デモに参加しない一般市民には不安の声も聞かれる。少数派のキリスト教徒のビデオ編集者、ムニールさん(30)は「変革は歓迎だけど、ムバラクが今去れば国が混乱する。イスラム原理主義者が出てくるかも」と懸念する。それぞれの立場によって、大統領不出馬宣言の受け止め方も違っているのだ。

 米国が望む「秩序ある移行」を実現するには、国軍の動向が鍵。騒乱後に副大統領、首相、副首相の要職を確保し、不出馬宣言にも影響力を行使した形跡がある。元陸軍少将で、アハラム政治戦略研究所の軍事問題専門家、ムハンマド・カドリ・サイード氏は「軍は今、国民を保護する側に回っている。今後、反政府側の要求を大統領に伝える役割を果たすのでは」と分析した。

 ◇大統領候補に関心高まる
 ムバラク政権の終焉が確実になったことで、次期大統領選候補と目される顔ぶれに関心が集まっている。ムバラク大統領が事実上の後継候補として副大統領に据えたオマール・スレイマン前情報長官(75)に対し、反政府デモに参加したモハメド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長(68)▽アムル・ムーサ・アラブ連盟事務局長(74)▽野党「ガッド党」の創設者、アイマン・ヌール氏−−らの名前が挙がっている。

 スレイマン氏は情報機関のトップとして、複雑な中東和平交渉や対テロ対策に従事。米国の信頼が厚く、イスラエルとも太いパイプを持つ。軍部が大統領候補として重視する軍歴を持っていることも強みだ。現政権の中枢にいただけに、政権の継続性を嫌う人々からの受けはよくない。

 スレイマン氏の対極にいるのがエルバラダイ氏だ。ムバラク政権と厳しく対峙(たいじ)するが、国際的な知名度とは裏腹に国内基盤は強くない。カイロ出身ながら国外での生活が長く、欧米的な価値観はエジプトの伝統的な価値観と一致しないところもあるといわれる。

 エジプトやアラブ諸国の人気では、ムーサ氏が抜群だ。01年にアラブ連盟の事務局長に就任。前回05年の大統領選挙時にも有力候補として名前が挙がったが、立候補を見送った。人気の理由は、米国やイスラエルへの率直な批判姿勢にある。

 ガッド党のヌール氏は若手を代表する指導者として知名度が高く、米国とのパイプも持つ。宗教勢力と一定の距離を置き、政教分離を掲げている。

 最大の野党勢力は穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」。慈善事業などで高い組織力を誇る。

1991チバQ:2011/02/02(水) 22:06:16
 ◇野党は憲法改正要求 大統領選前
 ムバラク大統領は、野党側が求める憲法改正に応じる姿勢を示している。焦点は、大統領選挙の立候補資格規定(76条)と多選可能規定(77条)だ。

 エジプトの大統領候補として名前が挙がる野党側のエルバラダイ氏、与党側のスレイマン副大統領は、現在の憲法では立候補が困難。憲法76条によると、政党所属候補の場合、5年以上存続し、人民議会(国会)か大統領の助言機関の諮問評議会に3%以上の議席を有する政党の幹部を1年以上務めている必要がある。無所属の場合は、国政、県政レベルの議員250人以上の支持を得る必要がある。

 憲法改正要求のもう一つの焦点は、多選禁止規定の導入だ。77条が大統領の任期を6年と定めているが上限はなく、ムバラク長期政権につながった。

 改正の発議は大統領か国会議員の3分の1の賛成で行われる。さらに、国会での予備審議で2分の1、本審議で3分の2の賛成を得て国民投票にかけられる。

 野党勢力は立候補規定緩和など憲法改正を要求、政府側も応じる姿勢。中東の衛星放送アルアラビーヤによると、人民議会(国会)のスルール議長は2日、「70日以内の(改正)完了が可能」と語っている。

毎日新聞 2011年2月2日 21時24分(最終更新 2月2日 21時35分)

1992チバQ:2011/02/02(水) 22:06:56
http://mainichi.jp/select/world/news/20110203k0000m030060000c.html
イエメン:大統領が不出馬表明 デモやり過ごす作戦?
 【エルサレム花岡洋二】大規模な反政府デモで揺れるイエメンのサレハ大統領が2日、13年の次期大統領選への出馬を断念する意向を表明したが、野党は予定通り3日に首都サヌアでデモを実施すると宣言した。大規模デモを一時的にやり過ごす作戦だと見透かされているためで、抗議行動が収束するかは微妙な情勢だ。

 サレハ大統領は北イエメン時代を含めると既に32年間、最高権力者である大統領を務めている。憲法によれば任期が切れる13年以降は選挙に出馬できないが、大統領率いる与党・国民全体会議に規定の改正を求める動きがある。ロイター通信によると、サレハ大統領は2日、国会議員や軍幹部に「(任期)延長も(息子への)禅譲もない」と語った。

 さらに大統領は「(野党と)挙国一致の連立政権を組む」と約束し、3日以降に予定されたすべての抗議デモの中止を求めた。しかし最大野党でイスラム主義のイエメン改革党幹部は、連立の提案を歓迎しつつも、デモは実施すると発表した。

 イエメンでは、チュニジアやエジプトでの反政府デモに呼応し、大統領の退陣や貧富の格差解消を求める大規模デモが続いている。大統領はこれまでに公務員や軍人の昇給を約束していた。

毎日新聞 2011年2月2日 20時40分(最終更新 2月2日 20時49分)

1993チバQ:2011/02/02(水) 22:08:18
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110202-OYT1T00900.htm
米政権、原理主義組織の政権入り容認か
 【ワシントン=山口香子】オバマ米大統領は1日に発表した声明で、エジプトの政権移行に向けて、「幅広い声や野党勢力を参加させねばならない」と強調した。


 オバマ政権は、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の政権入りに反対しない姿勢を示している。

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は1日、米政権が中東専門家との会議で、同胞団との交渉も「秩序ある移行」の過程だと認識を示したと伝えた。すでに仲介者を通じて接触したとの報道もある。

 同胞団は2005年の人民議会(国会)選で88議席を拡大したが、「選挙時がピークで、その後取り締まりを受けて弱体化した」(カーネギー国際平和財団のマリーナ・オッタウェイ氏)と指摘され、オバマ政権は「政権入りしても勢力は限定的」と見ている可能性もある。

(2011年2月2日20時19分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110202-OYT1T00479.htm
米大統領、エジプトの政権即時移行求める

 エジプトのムバラク大統領(82)は1日午後11時ごろ(日本時間2日午前6時ごろ)、国営テレビを通じて演説し、今年9月に予定される大統領選に立候補しない意向を明らかにした。

 演説を受けて、オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで声明を発表し、「秩序ある移行は、今始まらなければならない」と述べ、すぐに政権移行プロセスに着手するよう求めた。

 オバマ米大統領は、ムバラク大統領が大統領選への出馬断念を発表した後、約30分間同大統領と電話で会談した。

 声明で、「(ムバラク氏は)現状の継続は不可能で、変化が必要なことを理解している」と述べた。エジプト軍に対し、変革が平和的に進むよう尽力を求めた。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1日、9月の大統領選まで政権を担う「移行政府」の早期発足が望ましいとする米政権幹部の発言を報道。エジプト国内各派の代表で構成し、軍の支持を受けた政府を求める立場を伝えた。(ワシントン、山口香子)

(2011年2月2日15時47分 読売新聞)

1994チバQ:2011/02/02(水) 22:09:23
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110202-OYT1T00138.htm
ムバラク大統領、出馬断念…独裁体制に幕引き

 エジプトのムバラク大統領(82)は1日午後11時ごろ(日本時間2日午前6時ごろ)、国営テレビを通じて演説し、今年9月に予定される大統領選に立候補しない意向を明らかにした。

 連日の退陣要求デモで、約30年間事実上の独裁体制を維持してきた大統領は引退表明に追い込まれた。野党勢力は即時退陣要求を崩しておらず、事態が収束に向かうかどうかは不透明だ。演説を受けて、オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで声明を発表し、「秩序ある移行は、今始まらなければならない」と述べ、すぐに政権移行プロセスに着手するよう求めた。

 ムバラク大統領は演説で「私は誓って、次の大統領選に出るつもりはない」と述べる一方、即時の退陣要求には応じない姿勢を強調した。

 「残り数か月は平和的な権力移行のために尽力する」と公約し、大統領選の立候補要件を厳しく制限する憲法条項の見直しを人民議会(国会)に要請していることを明らかにした。憲法の規定では、野党や無所属の候補の立候補がほぼ不可能な状態になっており、憲法改正を要求する野党勢力に大きく譲歩したものだ。大統領は現在、5期目。政権の幕引きを自ら明確にすることによって、事態沈静化を図った。

 だが、野党勢力の最大組織「ムスリム同胞団」の最高指導者ムハンマド・バディア氏は読売新聞の取材に応じ、「国民の要求にこたえた決断ではない。大統領が辞めない限り、対話には応じない」と述べた。また、野党勢力の結集を目指すノーベル平和賞受賞者のムハンマド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は、米CNNテレビに対し、「(演説に)失望した。国民を欺いている」と述べて大統領を批判し、改めて即時辞任を求めた。

(2011年2月2日11時14分 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081229-507405/news/20110202-OYT1T00318.htm
時間稼ぎ・ウソつき…政権手放さず、怒りと失望
 【カイロ=工藤武人】エジプトのムバラク大統領が1日夜、次期大統領選への不出馬を表明したのを受け、反体制デモの拠点であるタハリール広場には怒りと失望が充満した。

 1日午後11時頃、広場に面したビルに設置された大きなスクリーンに大統領のテレビ演説が映し出されると、1000人以上のデモ参加者の多くが駆け寄り、くぎ付けになった。

 演説後、デモ隊は拳を突き上げながら、「大統領を倒せ」、「ウソつき」などと声を合わせて叫んだ。市内に住む薬剤師ムハンマド・アブドラさん(30)は「大統領は時間を稼ぎたいだけ。我々はだまされない」と9月まで政権の座にとどまる意向を表明した大統領を非難した。20代の会社員女性は「ムバラクに期待するのは、すぐに大統領を辞めることだけ」と話し、失望感をあらわにした。

(2011年2月2日10時42分 読売新聞)

1995チバQ:2011/02/02(水) 22:16:26
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110202/mds11020209550014-n1.htm
元外相のアラブ連盟ムーサ事務局長、大統領選出馬を検討
2011.2.2 09:53

 アラブ連盟のムーサ事務局長は米東部時間1日、米CNNテレビとのインタビューで、9月のエジプト大統領選への出馬を「今後数週間、真剣に検討する」と述べた。ムーサ氏はエジプトの元外相で、政界復帰への意欲を示していた。

 ムーサ氏は、同選挙への不出馬を表明したムバラク大統領が即時退陣に踏み込まなかったことに、不満を抱くエジプト国民が存在すると指摘。「これで十分かどうかが今後2、3日間の焦点となる」と語った。(共同)

1996チバQ:2011/02/02(水) 22:17:03
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110201/mds1102010028001-n1.htm
大規模デモはなぜ起きたのか 政治停滞・格差拡大に怒り爆発 
2011.2.1 00:27 (1/2ページ)

30日、エジプトの首都カイロでムバラク大統領退陣を求める横断幕を掲げるデモ参加者(ロイター)
 【カイロ=大内清】発生から7日目となったエジプトでの大規模デモと騒乱。何が市民をこれほど怒らせているのか。中東各国で政権崩壊のドミノ現象が起きるのだろうか。

     ◇

 「選挙? そんなの一度も行ったことないよ」

 エジプトの首都カイロに住むタクシー運転手、アハマドさん(31)は言う。「投票したって、何も変わらないさ」

 ムバラク氏はサダト前大統領が暗殺された1981年、副大統領から大統領に就任した。以降、自身が発令した非常事態令を継続したまま、野党勢力やイスラム過激派勢力を取り締まる強権体制を築き上げた。

 ただ、政府批判ができないわけではない。独立系新聞も発行されているほか、複数政党参加の選挙制度も導入されている。

 しかし、あくまでも管理された自由・民主主義にすぎない。政権側が脅威になると判断した勢力には、メンバーの大量拘束などの強権が発動される。票の操作も常態化している。

 「政府を批判しても何も変わらない」「投票をしても同じ」。アハマドさんが吐露したような閉塞(へいそく)感がまずは国民を覆っていた。

 こうした沈滞ムードが漂う社会に「怒り」や「ねたみ」の種がまかれるような事態が起きた。2000年代以降の経済自由化路線の加速がもたらしたものだ。

 4%以上の経済成長率を続けながらも、富は、新たに出現したビジネス界の特権層や支配層に集中。貧困層は取り残されたままで貧富の格差が拡大していく。経済自由化路線を主導したのが、ムバラク氏の次男ガマール氏らビジネス界出身の政治家たちだった。

 今秋の大統領選が近づくにつれ、ムバラク氏がそんなガマール氏への「権力世襲」をもくろんでいるとの観測が広く国民に浸透し、長期政権への反発とあいまって怒りを増幅させた。

 そんなときに起きたのがチュニジアの政変である。23年間にわたるベンアリ長期政権が1月14日、民衆デモによって崩壊した。

 同じような社会構造を持つチュニジアで起きた「ジャスミン革命」が、閉塞感に覆われていたエジプト国民に「自分たちもできるかもしれない」との希望を抱かせ、社会に充満していた怒りが点火、デモはあっという間に広がっていった。

 アラブでは国ごとに事情が異なり、政治体制もさまざまだ。しかし域内大国エジプトの長期政権さえも倒れてしまうという事態になると、同様の問題を抱える近隣の国々に波及する可能性は決して小さくない。

1997チバQ:2011/02/02(水) 22:22:24
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110202/mds11020221330019-n1.htm
中東首脳、ドミノ懸念し神経尖らす
2011.2.2 21:32 (1/2ページ)
 【カイロ=黒沢潤】長期独裁政権が崩壊したチュニジアに続き、エジプトでも民衆デモによって大統領が退陣表明に追い込まれるなど、中東諸国で「民主化のドミノ現象」の波及を恐れ、近隣諸国の首脳が懸命の対応に追われている。

 2日、2013年の次期大統領選への出馬取りやめを表明したイエメンのサレハ大統領は、「国家のために(退陣を)決断した。国益は個人の利益に勝る」と述べた。大統領は息子への権力継承も否定し、反政府勢力と挙国一致内閣を樹立する考えを示した。

 北イエメン時代を含め、32年間にわたって長期独裁体制を敷いているサレハ氏は、チュニジアやエジプトなどでの民衆デモを踏まえ、国外追放など最悪の事態を回避したい意向だ。

 1日のAP通信によれば、インターネットの交流サイト「フェースブック」の閲覧が“公的”に禁じられているシリアで4、5の両日、反政府デモを実施するとの呼び掛けがフェースブックや短文投稿サイト「ツイッター」でなされている。アサド大統領はこれに対し1日付の米ウォールストリート・ジャーナル紙上で、「チュニジアとエジプトで起こったことが(シリアでも)起きる前に人々の改革要求に応えなければ、全く手遅れになる」と、率直な懸念を表明した。

 反政府デモが続発しているヨルダンで1日、国民から経済政策に関して批判されていたリファイ首相を更迭したアブドラ国王は、後任のマルフ・バヒト元首相に組閣を命じた。事態悪化に危機感を深めた国王が先手を打った形だが、イスラム主義組織ムスリム同胞団の幹部は「バヒト氏は真の改革者ではない」と批判しており、今後も大規模抗議デモが続きそうだ。

 パレスチナ自治政府も同日、07年10月から無期延期されていた地方選を「できるだけ早い時期」に実施する方針を示した。パレスチナ自治区ではこれまで抗議デモは起きていないが、自治政府幹部の腐敗や汚職、イスラエルとの和平交渉が進展していないことに住民の不満が高まっている。

1998チバQ:2011/02/02(水) 22:31:30
http://www.asahi.com/special/meastdemo/TKY201102010593.html
カイロ行進、盛り上がれない コプト教徒の町・死者の町2011年2月2日0時50分

 【カイロ=北川学、玉川透】エジプトの野党勢力が呼びかけた「100万人行進」で沸いた1日の首都カイロ。その騒がしさをよそに、少数派のコプト教徒や、極貧層が暮らす「死者の町」は静まりかえっていた。30年にわたるムバラク大統領の在任中、ひっそりと暮らしてきた人々は、固唾(かたず)をのんで政変の行方を見守っていた。

 ■コプトの町

 カイロの下町、ショブラ地区。原始キリスト教の名残を伝えるコプト教の中心地は異様な静けさに包まれた。

 我々にはデモではなく、時間が必要だ――。前日の1月31日、地元の若者たちが、デモへの参加自制を呼びかけるビラを同地区にまいた。28日のデモに参加したコプト教徒が多数負傷、略奪や放火が横行し、ゼネストで銀行や病院などが閉鎖するなど人びとの暮らしを脅かしたことに憤りを感じたからだという。

 コプト教徒の警備員レダさん(36)もビラを読んで、デモ参加を見送った。「ムバラク政権は打倒すべきだが、平和的に問題を解決してこそ、真の革命だ。政府も、秋の大統領選までに何らかの変化を打ち出すだろう。それまで見守りたい」と話す。

 同地区の教会関係者も「教会が指示したわけではないが、住民同士の連帯が強いためデモに参加する人はほとんどないだろう」と言う。

 民衆デモが起きた当初、十分な安全を確保してくれない治安・警察当局に対するコプト教徒の不満が、野党系のイスラム教徒や民主化を求める市民と結びつき、政権打倒の一翼を担うと期待された。

 だが、ムバラク政権が倒れれば、最大野党勢力のムスリム同胞団などイスラム勢力が政治の中心に躍り出る可能性が高まる。そうなれば、少数派のコプト教徒は、新たな試練に直面する――。そんなジレンマが、彼らに慎重な姿勢を余儀なくさせている。

 60代のコプト教徒の男性は「ムスリム同胞団は信用できない。彼らが政権に就いて生活がむちゃくちゃになるぐらいなら、ムバラク政権のままの方がマシだ」と漏らす。

 コプト教徒の元軍人ファイズさん(60)も「イスラム教徒とは今もうまくやっている。急ぎすぎては何も良いことはない」と話した。

 ■死者の町

 路上に放置された生ゴミが異臭を放ち、野良犬がうろつく。カイロ東部イマーム・シャファイ地区は、市内で最も貧しい場所のひとつだ。50万人もの住民が、13世紀以降に造られた墓地に暮らす。別名「死者の町」とも呼ばれる。

 「何しに来たんだ!」。自警団を組織して道路を封鎖していた10人ほどの若者が、鋭い目つきで記者が乗った車をにらみつけた。ナイフや刀を持った者もいる。

 無職レファトさん(50)の「家」を訪ねた。外壁の扉を開けると、中庭の奥に大理石の墓石が11基あった。墓地の所有者に頼まれ、25年前から墓守をしながら暮らす。

 扉の脇にある3畳ほどの部屋の壁に、ジャンパーが2枚掛けてある。電気、ガス、水道はなく、唯一の家電製品の14型テレビは、拾ってきた車用のバッテリーで見る。

 12年前に足の手術が失敗し、石工職人の仕事ができなくなった。松葉づえが手放せず、社会保障省から支給される月額70エジプトポンド(約975円)の年金が頼りだ。「独身だから何とか食えるけど、年をとったら不安。政府には増額をお願いしたい。もしも体が丈夫ならデモに駆けつけるのだが……」

 反政府デモが始まったのは1月25日。地区ではこれまで一度も抗議活動は起きていない。無職アフマドさん(55)は、「みんな日々を生きるだけで精いっぱい。ムバラク政権は貧困対策を何もしなかったが、我々にはデモに行く余裕もないんだよ」と嘆いた。

     ◇

 〈エジプトのコプト教徒〉コプト教は、紀元1世紀ごろからエジプトで独自の教義を発展させた東方教会系のキリスト教の一派。信者はエジプト人口(約8千万人)の約1割を占めるとされる。豚肉食や飲酒が許され、菜食だけが認められる断食などイスラム教徒とは異なる生活習慣を持つ。エジプト国民の大半を占めるイスラム教徒との間には教義の違いや少数派の権利などをめぐり潜在的なあつれきがあり、散発的な衝突が続いてきた。

 2000年1月には、南部の町で焼き打ちなどがありコプト教徒約20人が死亡。昨年1月には、コプト教徒を狙った銃の乱射事件で7人が死亡。今年1月1日には北部アレクサンドリアのコプト教会前で自爆テロがあり、20人以上が犠牲になった。

1999チバQ:2011/02/02(水) 22:31:51
http://www.asahi.com/international/update/0202/TKY201102020432.html
投石・こん棒 エジプトの大規模デモ隊と大統領派衝突2011年2月2日22時3分
  
 【カイロ=貫洞欣寛】反ムバラク政権デモの続いていたカイロ中心部タハリール広場周辺で、反ムバラク派とムバラク支持者のデモ隊の間で2日午後2時(日本時間午後9時)すぎ、衝突があった。私服の警官らが反ムバラク派を襲っているとの情報がある。衛星テレビアルジャジーラなどによると、投石やこん棒を使った乱闘が広がり、多数の負傷者が出ている模様だ。

 広場周辺に展開しているエジプト軍は、午後2時半現在、衝突を制止していない。

 タハリール広場やカイロ西部モハンデシーン地区などではこの日、ムバラク支持者らが続々と集まり、デモを始めていた。モハンデシーン地区からは数千人のムバラク支持のデモ隊が徒歩で衝突が起きている中心部方面に向かっており、騒乱がさらに拡大する可能性もある。

 午後2時半すぎにはカイロ中心部のにある朝日新聞中東アフリカ総局からも、複数の銃声らしき音が聞こえた。

 エジプトの治安状況を巡っては、こうした騒乱の発生が懸念されており、米国政府は1日、緊急要員を除く駐エジプト大使館全員の国外待避を決めている。

2000チバQ:2011/02/02(水) 22:33:28
http://www.asahi.com/international/update/0201/TKY201102010561.html
ロシア語の歌、演奏に罰金 グルジア政権、ひっそり警告2011年2月2日5時41分
 【モスクワ=副島英樹】ロシア語の歌は罰金。インタファクス通信によると、2008年夏にロシアと軍事衝突したグルジアのサアカシュビリ政権が、レストランでロシア語の歌の演奏をひそかに禁止したと、グルジアの独立系テレビが報じた。

 有名レストランの経営者たちが財務省に呼び出され、ロシア語の歌を演奏すると500ラリ(約2万3千円)の罰金を科すと警告された。「政権からの指示」であることを口外しないよう念を押されたという。

 音楽関係者らは反発。「もし法律のレベルで禁止すれば、グルジアは世界中の笑いものになる。そうでなくてもナンセンスだ」と、グルジアの著名な歌手は同テレビ局に語ったという。

2001チバQ:2011/02/02(水) 22:33:47
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110202k0000m030049000c.html
カザフスタン:大統領選繰り上げ提案 民主化アピールか
 【モスクワ田中洋之】ソ連時代末期から権力を維持するカザフスタンのナザルバエフ大統領(70)が、12年末の任期満了前に繰り上げ大統領選を実施する考えを示した。支持者から出ていた国民投票による任期延長を拒否し、選挙の洗礼を受けることで「非民主的な政権」とする欧米諸国の批判をかわす狙いがあるとみられる。

 ナザルバエフ大統領を巡っては、国民投票により任期を2020年まで延長する動きが昨年末から浮上。支持団体が500万人以上の署名を集め、国会は1月14日、国民投票実施のための憲法改正案を採択した。これに対し大統領は31日、同案を違憲とする憲法評議会の判断を受け、国民投票の取りやめと、繰り上げ大統領選の実施を表明した。

 カザフでは95年の国民投票でナザルバエフ大統領の任期が00年まで延長された経緯がある。大統領は今回、選挙を回避しないことで対外的に「民主主義」をアピールする狙いがあるとみられる。繰り上げ大統領選は今春に行われる見通しで、ナザルバエフ氏の当選が確実視されている。

 ナザルバエフ氏は95年の新憲法下で99年と05年の大統領選で当選。憲法は3選を禁止しているが、07年の改憲で同氏に限り3選禁止が除外され、事実上の「終身大統領」に道を開いたとして欧米から批判されていた。

 カザフ大統領の任期は現在7年だが、次期から5年に短縮される。

毎日新聞 2011年2月1日 19時16分

2002チバQ:2011/02/02(水) 22:34:49
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110202/erp11020222230007-n1.htm
独裁、貧困、過激主義…エジプト注視する中央アジア
2011.2.2 22:22 (1/2ページ)
 【モスクワ=佐藤貴生】エジプトの反政府デモが勢いを増すなか、国内人口の大多数がイスラム教徒である中央アジア5カ国の政権は、事態の推移を注視している。長期化する独裁や貧困が蔓(まん)延(えん)している点でエジプトと類似点もあり、反政府運動の飛び火を阻止するかのような動きも現れた。

 カザフスタンで1990年から大統領の座にあるナザルバエフ氏は先月31日、来年末の任期切れを前に、大統領選を繰り上げ実施する方針を表明した。

 同国議会はこの約2週間前、同氏の任期を2020年まで延長することの可否を問う国民投票を行う法案を可決したばかりだった。大統領自らが複数の候補者による選挙実施にかじを切る姿勢を強調し、独裁への批判を回避する狙いがうかがえる。

 同国の大統領補佐官は2日、「エジプトは人口の半数が1日2ドルで暮らしている。私たちの90年代中盤の状況だ」とし、反政府運動が波及することは「あり得ない」と強調した。

 地下資源が豊富なカザフスタンは、貧困層が1割にとどまる中央アジアの“優等生”で、タジキスタンでは6割、キルギスでは4割が貧困にあえいでいる(米中央情報局=CIA=調べ)。

 さらに、両国とウズベキスタンの3カ国の国境が入り組んでいるフェルガナ盆地にはイスラム過激派の武装勢力の拠点があり、アフガニスタンの麻薬密売を資金源に勢力を拡大しているとも伝えられる。

 ウズベキスタン、タジキスタンでは90年代前半から大統領が居座る独裁体制が続き、キルギスでは昨年、大統領が反政府暴動で国外に亡命するなど政情不安が続いている。

 モスクワ国立大のシズディコワ教授は中央アジアの情勢について、「権力側と社会との関係は危機的状況にあり、エジプト情勢は即座に波及しないとしても、長期的には影響を与えるのではないか」とし、どの国に“民主化ドミノ”が波及しても不思議ではない、との見方を示した。

2003チバQ:2011/02/02(水) 23:56:25
http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2011/01/post-197.php
首脳の給与明細
2011年01月24日(月)14時13分
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 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が今月、フェースブックに自分の給与明細をアップして話題になっている。経費などは当然、政府によって負担されているはずだが、月給は手取りで4200ドル(約35万円)だった。イスラエルでは現在、国会議員と政府高官などが給料アップを求めており、ネタニヤフは公表の理由を、「完全な透明性を示すことに決めた」と説明している。

 報道では、ネタニヤフは世界のリーダーたちに比べて薄給だという。では世界のリーダーたちはどれくらいの給料をもらっているのか。

 英エコノミスト誌などを参考に見ると、世界でもっとも給料をもらっているリーダーは、シンガポールのリー・シェンロン首相だ。その額は、218万ドル(約1億8000万円)。シンガポールでは、政府の汚職を防止するために公務員の給料は非常に高く設定されていて、首相の給料も高い。また「総選挙がある度に公務員の給料が増加する」と、知人のあるシンガポール人教師は言う。とにかく、これが一党独裁が続くシンガポールのやり方だ。

 アメリカのバラク・オバマ大統領が年収40万ドル(約3300万円)であることを考えると、リー首相の給料は半端なく高い。それ以外で高い順で見ると、フランスのニコラ・サルコジ大統領が約34万ドル(約2600万円)、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は約30万ドル(約2500万円)、イギリスのデービッド・キャメロン首相は約23万ドル(約1900万円)、ロシアのプーチン首相が約12万ドル(約1000万)となっているようだ。ちなみにアフガニスタンのハミド・カルザイ大統領が約6300ドル(約50万円)、インドのマンモハン・シン首相が約4100ドル(約34万円)ほど。インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は年収が約12万ドル(約1000万円)で、警察などの賃上げに関して行なった23日の記者会見で、「私の給料はここ6、7年上がっていない」と語った。

 国によって物価が違うので単純に順位を付けることはできない。ただシンガポールのリー首相が世界の政治指導者の中でもっとも高給取りであることと、イスラエルのネタニヤフ首相が給料を上げてほしいと切望していることだけは間違いない。

ーー編集部・山田敏弘

2004チバQ:2011/02/02(水) 23:57:19
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/02/post-1942.php
エジプト危機に震え上がるイスラエル
Israel Worried As Mubarak Teeters

アラブ世界との橋渡し役であるエジプトが政権崩壊すれば、中東でユダヤ国家の孤立が深まる

2011年02月01日(火)18時17分
ベン・リンフィールド

崖っぷち イスラエルのネタニヤフ首相にとってエジプトは頼れる味方だったが Ammar Awad-Reuters

 エジプトのホスニ・ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモの様子を、イスラエル人は固唾をのんで見守っている。ユダヤ国家であるイスラエルにとって平和条約を交わしたエジプトは、アラブ世界における頼れる盟友と言っていい。

 ムバラク政権の崩壊は「イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、湾岸諸国、ヨーロッパやアメリカにとって大惨事になる」と、イスラエルの元駐エジプト大使エリ・シャケドは言う。「我々の友人の中で、この最悪のシナリオで得をする者などいない」

 イスラエル政府が事態を深刻に考えていることは、デモについてのコメントを控えるよう閣僚らに指示していたことからもうかがえる。1月31日になって初めて、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が「イスラム主義組織による支配への懸念」を示した。

 イスラエルにとってムバラクはアラブ世界における穏健派の要となる存在で、アラブ諸国への橋渡し役だった。「79年に平和条約を結んでからずっとエジプトは戦略的な同盟国だ」と、イスラエル当局者は語る。「我々には共有の利益が多い。隣国同士であり、同じ中東地域にあって、同じ課題に直面している」

 エジプトとイスラエルは79年以来、どんな戦争や危機が起きても平和条約を遵守してきた。両国はともに、パレスチナ自治区ガザを実効支配しているイスラム過激派ハマスや、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを憎悪している。中東におけるイランの影響力拡大も懸念している。

「ムバラク政権の基盤は崩れていないと、我々は考えている。政権が倒されることはないだろう。それでも今後の展開には不確かな要素が多い」と、前述のイスラエル当局者は言う。

アメリカの中東政策は見当違いだった
 有識者らが心配するのは、事実上の最大野党であるイスラム原理主義勢力「ムスリム同砲団」など、平和条約に反対する勢力がムバラクの後を継ぐことだ。「反体制派が政権に就いたら最悪だ」と、シャケドは言う。「彼らは真っ先にイスラエルとの関係を断つだろう。労働組合や学生、イスラム過激派からの支持を拡大し、反政府勢力を団結させるためだ」

 それでも、ムバラク政権の終わりが必ずしも平和条約の終わりを意味する訳ではないと、イスラエル当局者らは言う。「今のところありそうにもないが、ムバラク政権が倒れた場合でも、政権に就くのがイスラム過激派だとは限らない。アメリカの協力やイスラエルとの平和条約が、エジプトにとって戦略的価値があると理解している勢力になるかもしれない」

 多くのイスラエル人は、エジプト国民がムバラクに反旗を翻すことはないだろうと思っていた。ネタニヤフの元側近であるザルマン・ショバルによれば「エジプト国民は総じて、暴力行為を働こうとは思わない平和的な人々だ。それでもアメリカは不安に思っているはずだ。中東に対する自分たちの態度や理解が全体的に間違っていたのではないか、と」

 中でも、中東地域の不安定さを解決するにはパレスチナ問題が鍵だと信じ、そこに労力を注ぎ過ぎたことがアメリカの間違いだったとショバルは指摘する。「パレスチナとイスラエルの問題は、中東安定化要因の1つでさえないことが改めて証明された。チュニジアやエジプト、アルジェリアで起きていることは中東和平とは何の関係もない」

 今回の騒乱はイスラエルにとって盟友エジプトを失う危険性だけでなく、アメリカ外交の過ちという二重の不安をかき立てるものになった。

2005チバQ:2011/02/02(水) 23:58:02
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2011/02/post-282.php
エジプト:軍とイスラム勢力にまつわる「誤解」
2011年02月02日(水)12時03分
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 一週間前、エジプトの反ムバーラク勢力が「怒りの日」に結集したときには、こうも急速に事態が展開するとは予想できなかった。3日ごとに組織される数十万規模のデモ、外出禁止にも従わず終日ムバーラク退陣を叫ぶ若者。米政権も現政権を見限り、30年間のムバーラク大統領の治世は終焉を迎えつつある。

 「ムバーラク政権の独裁に反対する民衆に、軍も共感し、反政府勢力のムバーラク下ろしが勢いを増しているが、野党のなかで最も強力なイスラーム主義のムスリム同胞団が新体制下で支配的になり、イランのようになるから危険だ」――。これまでの報道振りをまとめると、こんな感じだろう。だが、このロジックに強い違和感を覚える。

 第一は、軍に対する認識である。ムバーラク政権は、52年以来続いてきた紛うことなき軍事政権である。52年の共和制革命を担った主役として、以来軍は支配層の中核にあった。ムバーラク批判が強まるにつれて、軍が真っ先に考えたことは、ムバーラクとともに心中はするものか、ということだっただろう。特に、近年ムバーラクが息子ガマールを後継者として重用してきたことから、支配層の間で、ビジネス界を中心とするガマールの支持基盤と、過去半世紀以上支配エリートの座に君臨してきた軍との間で、相克が生まれていた。

 ムバーラクとガマールが去ったとしても、支配エリートとしての軍の特権を失わないように、どう振舞うべきか。それが、民衆の反感を買わないデモ対応につながった。そう考えると、結局のところ、今のエジプトで起きていることは、支配層が「しっぽ」ならぬ「頭」だけ切って、生き延びていこうとしているように見える。軍や警察が姿を消すと略奪が起きるよ、というのも、存在意義をアピールする材料だ。

 政権交替にまつわる妥協と調整が、旧態依然としたエリート間調整の域を出ないように見えるのに対して、今回の動乱で新しいのは、反政府デモのあり方だ。イスラエルや米政治家の一部は、「ムバーラクが倒れたらムスリム同胞団が出てきて、反米・反イスラエルに転ずる」と危機感を煽っているが、今、デモで掲げられるスローガンに反米、反イスラエルは一切出てこない。イスラーム色よりも世俗的、左派的色彩が前面に打ち出されている。

 逆にこの反政府運動は、ムスリム同胞団を含めた既存の野党、政治勢力と距離を置いているようだ。デモ中心となる「4月6日運動」とは、2008年に始まった、緩やかな無党派反政府ネットワークだが、彼らは昨年の人民議会選挙で既存野党に共闘を呼びかけられたが、どことも共闘せず、選挙にも参加しなかった。反ムバーラクであると同時に、既存の政党のあり方にも疑義を投げかけているところが、この運動の新しいところである。なので、反政府運動の拡大=ムスリム同胞団の強さ、ということには、決してならない。
 
 政権打倒を求める民衆パワーは、東欧の民主化革命や一年半前に民主化を求めたイランの緑の運動にように、これまでのアラブ世界にはまれな新しい市民運動である。だが、転覆後の政権作りには、これまでと変わらず、国内政治エリートの特権維持と、地政学上の利害関係を第一に考える欧米諸国の外交政策が、決定要因として機能している。この動乱と熱狂、興奮は、新しいワインを古い袋に入れて収拾されるのだろうか

2006チバQ:2011/02/02(水) 23:59:28
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/02/post-1943.php
独裁の悪夢を覚ますエジプトの怒り
Rage Against the Regime

ネット世代の怒りと新手の抗議が30年間にわたる堕落と抑圧を続けてきたムバラクの独裁体制を追い詰める

2011年02月02日(水)10時51分
ババク・デガンピシェ(ベイルート支局長)、クリストファー・ディッキー(中東総局長)、マイク・ジリオ

燃え広がる怒り 抗議活動に加わった市民は罵声と投石、さらには火炎瓶で治安部隊に立ち向かった Reuters
[2011年2月 9日号掲載]

 エジプトと21世紀の世界をつなぐ通信インフラが1つ、また1つとダウンした。ツイッター、フェースブック、そして最後はすべてのインターネット接続が遮断された。ショートメールも使えなくなり、エジプト全土で無数の携帯電話が不通になった。

 それでも、先週初めから続く抗議行動と暴動は止まらなかった。高齢のホスニ・ムバラク大統領の退陣を求める無数の若者たちは、1月28日を「怒りの日」に定め、国中から支援者を集めた。その中には、政府から非合法化された後も強力な組織を維持する穏健派勢力のムスリム同胞団も含まれる。

 デモの予定時刻が近づくと、政府はあらゆる手段を使って民衆の分断を図り、外部の世界とのつながりを断とうとした。

 そしてデモ決行の時が来た。昼の金曜礼拝の直後、数万人がエジプト全土の街頭に繰り出した。当局は警棒とゴム弾で鎮圧にかかり、通りにはナイル川の朝もやよりも厚い催涙ガスの煙が立ち込めた。

 だが抗議の嵐はやまなかった。カイロでは、05年のノーベル平和賞受賞者で平和的な民主化を呼び掛けていたモハメド・エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長に治安部隊が放水を浴びせ掛けた。警官隊に包囲されたエルバラダイは支持者と共に1時間以上モスクに押し込められた後、当局の手で自宅に軟禁されたもようだ。

 カイロの他のデモ隊は警官隊の追跡を逃れながら、罵声と投石、時には火炎瓶を投げ込んで応戦した。これに対して警官隊は大量の催涙ガス弾を乱射。その一部はデモ隊の真ん中に着弾し、一部は川に沈んであぶくと煙を吐き出した。

 夕方になると2つの大人数のデモ隊がカイロ中心部のタハリール広場で合流。近くにはエジプト考古学博物館やインターコンチネンタル・ホテル、アメリカ大使館がある場所だ。

 ここで突然、警官隊が引き揚げ、代わりに軍隊が現れた。エジプト全土に午後6時以降の夜間外出禁止令が敷かれたのだ。

 実際のところ、軍の兵士は警官や治安部隊に比べ、民衆からの信頼がずっと厚い。だが、お目付け役が軍に交代した後も、デモが終わることはなかった。

2007チバQ:2011/02/03(木) 23:07:54
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19380520110203
エジプトの大統領支持派と反体制派の対立深刻化、欧州が懸念表明
2011年 02月 3日 22:21 JST
 [カイロ/パリ 3日 ロイター] 混乱の続くエジプトでは3日、首都カイロのタハリール広場で大統領支持派が反体制派に向けて発砲、少なくとも5人が死亡した。反体制派は、あらためて大統領退陣を要求した。
 英、独、仏、伊、スペインの5カ国首脳が共同声明を発表し、エジプト情勢悪化に懸念を表明した。

 3日の衝突は、現地時間午前4時(0200GMT、日本時間午前11時)ごろ始まった。

 現場から生中継された映像では、激しい銃撃が1時間以上にわたって続き、倒れた人が引きずられる姿が映し出された。大統領派・反体制派の双方が投石し、周辺には黒煙が立ち込めた。

 ムバラク大統領は1日のテレビ演説で9月に辞任する意向を表明。その後、軍はデモ隊に撤収を呼びかけているが、大統領の即時辞任を求める反体制派の多くは、抗議活動を継続していた。

 エジプト保健相は、大統領支持派と反体制派の衝突での死者は5人、負傷者836人と発表した。

 反体制派は、大統領支持派との衝突を受け態度を硬化。ムバラク大統領が退陣するまで抗議を続ける姿勢をあらためて示した。

 ある反体制派の草の根運動グループのスポークスマンは、アルジャジーラに対し「きのう(2日)の出来事は、われわれのムバラク打倒の決意をますます固くした」としたうえで「きのう、そしていまもタハリール広場で続いている事を受け、体制側の誰とも交渉するつもりはない」と述べた。

<政府は関与否定>

 エジプト内閣は3日、大統領支持派の反体制派への攻撃を扇動したとの説を否定し、攻撃の背後にある事実を調査する方針を示した。 内閣の報道官はロイターに「政府扇動説はまったくの作り話。そんなことをすれば、鎮静化というわれわれの目標は台無しになる」と語り、政府は大統領支持派の攻撃に驚いていると述べた。国営テレビも、シャフィック首相が調査する方針を示したと伝えた。

 <エルバラダイ氏とムスリム同胞団、政府の協議に応じず>

 反体制派の非合法組織、ムスリム同胞団は3日、アルジャジーラを通じて声明を発表し、ムバラク大統領とその政府の退陣を要求。

 「われわれは、この体制の退陣を要求し、すべての会派のための挙国一致政府の設立を求める」と表明した。

 シャフィック首相は、反体制派に協議を申し出た。アルジャジーラとその他メディアの報道では、合法政党の新ワフド党など、一部会派が同意したもよう。

 しかし、エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長とムスリム同胞団は、ロイターに対し、政府の呼びかけを拒否したことを明らかにした。

 エルバラダイ氏は、ロイターの電話取材に対し「われわれは協議を拒否した。いかなる協議も、ムバラク大統領の退任とタハリール広場の安全確保が条件だ」と述べた。 非合法組織ムスリム同胞団の元議員、モハメド・アルベルタギ氏は、ムスリム同胞団はエルバラダイ氏が示した条件を支持する、としたうえで「それに加えて、われわれは協議の結果をいっさい拒否する」と述べた。

 <欧州5カ国首脳が懸念表明>

 こうしたなか、フランス、ドイツ、英国、イタリア、スペインの5カ国首脳が共同声明を発表し、エジプトの状況に懸念を示すとともに早急な権力移行を求めた。 フランス大統領府が発表した声明で5カ国首脳は「エジプト情勢が悪化していることを非常に懸念している。移行プロセスを今始める必要がある」と述べた。

2008チバQ:2011/02/03(木) 23:08:30
http://mainichi.jp/select/world/news/20110204k0000m030095000c.html
エジプトデモ:「革命」高揚感消え 市民に新たな分断

タハリール広場の入り口を守る反政府派の人々。2日に発生した親ムバラク派との投石の応酬で数百人もの人々が負傷した=2011年2月3日午前10時、樋口直樹撮影 【カイロ樋口直樹】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求める抗議デモ隊の牙城、カイロ中心部のタハリール(解放)広場は3日、大統領支持派と繰り広げた激しい衝突の結果、戦場の様相を示していた。わずか2日前に広場を包んでいた「革命」への高揚感は消え、怒りと憎悪と疑心に支配されていた。ムバラク氏の事実上の引退宣言で収束に向かうともみられた混乱は、市民の間に新たな分断を生み出している。

 広場に向かう道は、こぶし大の石やレンガの切れ端、火炎瓶の残骸で埋まっていた。こん棒を持って広場の入り口に立ちふさがる教師、ムハンマドさん(35)と土木労働者、アシュラフさん(33)はいずれも、大統領支持派の投石で頭にけがをしながら、広場に向かう人々に厳しい視線を向けていた。

 「おかしなやつらが入り込むのを防いでいる。彼ら(大統領支持派)は故意に混乱を起こそうとしている」。ムハンマドさんがこう語ると、仲間は「ムバラク(大統領)が辞めるまで、タハリールを守り抜く」と悲壮な表情で語った。

 一口に親ムバラク派と言っても内実はさまざまだ。現政権下で甘い汁を吸ってきた取り巻きから、空軍司令官だったムバラク氏と共に中東戦争を戦った退役軍人、政治手腕を評価する人々まで幅広い。だが、その背後に、巻き返しを図ろうとする政権側の意向が隠されていることは間違いない。

 「この身分証明書を見ろ。やっぱり私服警官だったんだ」。血まみれの中年男を取り囲む人の輪から怒りの声が上がる。リンチに遭って顔を真っ赤に腫らせた男は、うつむいたまま何も言わない。「いや、おれは関係ない。身分証を見てくれ」。疑いをかけられた別の男が必死で「ぬれぎぬ」を訴える。誰の目もギラギラしている。

 広場にこもる地元ジャーナリスト、ナハスさん(41)は衝突が始まった2日午後、20代とみられるムバラク派の若者が、反政府派に捕まるところを目撃した。「なぜ我々を攻撃するのか」との問いに、男は「50エジプトポンド(約800円)を渡され、メシを食わせてもらってデモに参加した」と語り、政権側からカネで釣られたことを認めたという。

 また、教育問題に取り組む非政府組織(NGO)メンバーのシュリーンさん(37)によると、労働省で働くいとこの家族(50代女性)は、ムバラク氏の「引退宣言」の直前に上司から電話で、「大統領への忠誠を示すため(親ムバラク派の)デモに参加せよ」と命令された。拒否すると、「あしたから職を失うぞ」と脅され、やむなく参加したという。

 だが、親ムバラク派デモ参加者のすべてが「動員」されたわけではない。

 「私は昨日まであちら側にいた。でも、これ以上の混乱は望まない」。地元紙記者のマフムード・カラハさん(33)は2日、大統領支持派の中に身を置いていた。「大統領は昨夜、今期限りの引退を表明した。混乱を収拾すべき時だ」と言う。

 反政府側には「今すぐ大統領を辞任させなければ、どんな巻き返しと弾圧があるか分からない」との強い不信感がある。「我々の恐れは現実のものになろうとしている」。反対派の一人が太いため息をついた。

2009チバQ:2011/02/03(木) 23:09:14
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011020302000023.html
エジプト二分 事態深刻 「解放」の広場 入り乱れ
2011年2月3日 朝刊


 【カイロ=清水俊郎】ムバラク大統領(82)の退陣を求める反政府デモが続くエジプト各地で、二日に一斉蜂起した大統領支持派は、反政府デモの中心地、首都カイロのタハリール広場でデモの排除を試みている。石が飛び交い、激しく棒で殴り合うなど、エジプトの混乱は国民同士の衝突という新たな事態に発展した。

 「私たちは政権の維持を求める」。中東の衛星放送アルジャジーラによると、大統領支持派は同日朝、全国で数万人が同時多発的に行進を開始した。カイロでは複数の集団が、反政府デモの参加者でごった返すタハリール広場を目指した。

 広場に昼すぎに到着し反政府デモとにらみ合いとなったが、一方が投石したのを機に双方入り乱れる乱闘状態に突入。地面に引き倒した相手を数人で取り囲み、殴る蹴るの暴行を加える場面も見られた。

 「もうデモはやめてくれ」。日常生活の回復を求め、ラクダや馬を連れて広場に乗り込んだ集団もいた。カイロ郊外のピラミッド周辺の砂漠で観光客を動物に乗せて歩く業者たちで、デモの長期化による外国人観光客の減少に抗議しているとみられる。

 一方、反政府デモの参加者はアルジャジーラに「政府が広場にギャングを派遣した」と抗議。前日の大規模デモが平和裏に終わっただけに、二日は女性や子どもの参加者も多く、広場は騒然とした雰囲気になった。

 タハリール広場が反政府デモと大統領支持派の攻防の舞台になったのは、政治と経済、文化の重要施設に囲まれたこの国の象徴的な場所だからだ。

 一連の反政府デモでは、二日目の一月二十六日に群衆が広場への突入を目指し、警官隊が催涙弾とゴム弾で応戦。近くの与党国民民主党(NDP)本部が、放火で三日間燃え続ける惨事となった。

 先週末から警察がデモの規制を断念。デモ隊が自分たちで広場に出入りする人の身分証明書と手荷物を確認して、不測の事態に備えていたところだった。

   ×  ×

 タハリールはアラビア語で「解放」の意。十九世紀の指導者の家族の名にちなみイスマエーレーヤ広場と呼ばれていたが、一九五二年のエジプト革命で改名された。

 周囲にはツタンカーメン王の黄金の仮面で知られるエジプト考古学博物館や、財務省、内務省のあるモガンマア(政府総合庁舎)、高級ホテル街がある。

 広場には七七年の政変や二〇〇三年のイラク戦争の際も大勢の市民が集まった。市内の高校の歴史教師オマールさん(45)は「タハリールは国民の自由の象徴」と話しており、今回は国の行方を左右する舞台となっている。

2010チバQ:2011/02/03(木) 23:10:39
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110203/mds11020318520011-n1.htm
外国メディアも続々と被害 親ムバラク派の標的? 
2011.2.3 18:49


3日、カイロ市内でムバラク大統領支持派の市民と衝突、負傷した反政府デモ参加の市民ら(ロイター)
 【カイロ=大内清】エジプトの騒乱の取材にあたっている外国メディア関係者が、親ムバラク派による暴行を受けるケースが相次いでいる。

 報道によると、米CNNテレビの人気キャスター、アンダーソン・クーパーさんが2日、首都カイロ市内で親ムバラク大統領派のデモを取材中に頭を殴られ、同行のクルーらも被害を受けた。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤの記者も親ムバラク派を取材中に負傷し、撮影機材を破壊された。

 米国の著名女性ジャーナリスト、クリスティアン・アマンプールさんは、カイロで乗っていた車を群衆に囲まれ、車のガラスが割られる被害に遭った。

 カイロ中心部のタハリール広場付近で、日本の男性フリーカメラマン2人が2日に親ムバラク派から殴られるなどしたとの情報もあり、在カイロ日本大使館が確認を急いでいる。

 エジプト当局は反政府デモが激化した1月28日から今月2日まで、インターネットを遮断して厳しい情報統制を図ってきた。

 だが、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラやアルアラビーヤをはじめとする外国メディアは連日、エジプト情勢を詳報。政府は報道に神経をとがらせており、国営テレビを通じ「アルジャジーラは嘘ばかりだ」などと非難している。

 外国人記者が標的になっているのかどうかは不明だが、親ムバラク派の多くが当局の意向をくみ、取材活動を妨害しようとしている可能性は否定できない。

2011チバQ:2011/02/03(木) 23:11:54
http://www.afpbb.com/article/politics/2784379/6768171
イエメン、首都で反政府派と大統領派が数万人ずつデモ
2011年02月03日 20:10 発信地:サヌア/イエメン
【2月3日 AFP】チュニジアの政変をきっかけに中東や北アフリカで政府への抗議行動が広がる中、反政府デモが続くイエメンでも3日、首都サヌア(Sanaa)の大学で「怒りの日」と題し、長期政権を維持してきたアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領の退陣を求める数万人規模の大きな集会が行われた。

 一方、AFP特派員によると、反政府デモの主催者は当初、市中心部のタハリール(Al-Tahrir)広場での集合を予定していたが、ほぼ同じ数の大統領の支持者たちが、中には武装した者も含めてこの広場を埋め尽くしたため、予定していた場所の変更を急遽余儀なくされた。主催者たちは早朝から車で通りを走り、新たな場所を拡声器で告げながら、変更は「与党と武装した彼らの一派がタハリールを占拠しているためだ」と非難してまわった。

 変更後の場所となった大学には午前中のうちに数万人が集まった。一方、2キロしか離れていないタハリール広場の大統領派も同数程度に膨れ上がった。

 先日から退陣要求を突きつけられているサレハ大統領は2日、次期は続投しないと宣言し、また終身大統領制を可能にする憲法改正案を凍結すると表明した。さらに世襲制にも反対すると述べ、批判派の間で憶測されている息子アフメド・サレハ(Ahmed Saleh)氏への権力継承を行わない意向を明らかにした。現在息子のアフメド氏はイエメン軍のエリート部隊の司令官を務めている。(c)AFP/Hammoud Mounassar and Jamal al-Jaberi

2012チバQ:2011/02/03(木) 23:17:37
http://www.asahi.com/international/update/0203/TKY201102030514.html
イタリア、ホテル滞在税導入を否決 政権崩壊の可能性2011年2月3日23時7分
. 【ローマ=南島信也】イタリア議会の上下院合同委員会は3日、全土のホテルで滞在税を徴収することなどを盛り込んだ税制改革法案を否決した。同法案は連立与党の一角、北部同盟が連立離脱を示唆して成立を強く求めていた。北部同盟が離脱すればベルルスコーニ政権の崩壊は不可避で、早期総選挙の可能性が出てきた。

 滞在税はホテルに宿泊する観光客から1泊につき50セント〜5ユーロ(56〜560円)を徴収するというもの。税額はホテルの格付けによって異なり、税収は各地方自治体の歳入に組み込まれるとしていた。首都ローマ市では1月1日から1泊につき2〜3ユーロの滞在税の徴収を始めている。

 イタリアには年間4200万人の観光客が訪れるだけに、観光業界が法案に強く反発。イタリア統一150周年にあたる3月17日にすべてのホテルを閉鎖し、宿泊予約も受け付けない方針を打ち出していた。

 ベルルスコーニ首相率いる与党「自由の国民」(PDL)と連立を組む地域主義政党「北部同盟」は法案が成立しない場合、連立離脱も辞さない構えを見せていた。ベルルスコーニ政権は下院でかろうじて過半数を維持している状態で、政権の命運は北部同盟の今後の動向に左右されることになった。
.

2013チバQ:2011/02/03(木) 23:38:40
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110203/mds11020300460001-n1.htm
【エジプト騒乱】
“暫定政権”のシナリオは…まとまらぬ反政府勢力 副大統領主体、軍部介入も
2011.2.3 00:45 (1/3ページ)

2日、エジプト・カイロ中心部のタハリール広場で、野党勢力(上)と衝突するラクダや馬に乗った大統領支持派(AP)
 エジプトのムバラク大統領が任期限りでの退陣を表明したが、反ムバラク派と親ムバラク派の衝突が起きるなど、混乱が沈静化するめどは立っていない。今後、選挙までの“暫定政権”の形態としては、(1)エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長などの反政府勢力主体(2)ムバラク大統領かスレイマン副大統領を軸とする現体制の存続(3)国民から信頼されている軍の介入−の3つのシナリオが想定される。

 今秋の退陣を表明したムバラク大統領に対し、野党勢力はムバラク氏が即時に退陣するまでは対話に応じないと強調している。

 反政府勢力の軸になるとの見方があるのがエルバラダイ氏だ。しかし国際的知名度はあっても、外国での活動が長かった同氏の国内での人気はパッとしない。

 当初は反政府勢力側の交渉役を任される方向でまとまりかけたが、主導権争いの中で一部野党が反発、広範な支持を得るには至っていない。2005年の大統領選に出馬し国内では知名度の高い野党、ガッド党代表、ヌール氏を推す声も出てきた。

 さらに、エジプト元外相でアラブ連盟事務局長のムーサ氏も、エジプト政界への復帰に意欲を示す。

 ムバラク氏が即時退陣を拒否した背景には、米欧などの諸外国がエジプトの急速な体制転換は望まないだろうという読みのほか、こうした反政府勢力の足並みの乱れもある。

 2日にはムバラク大統領を支持する集会が国内各地で開かれている。これ以上の混乱を望まない一般市民の声が反映されている可能性もある。さらに一部野党は同日、スレイマン副大統領との対話を受け入れる姿勢を見せ始めた。

 こうした中、(1)ムバラク大統領が演説した通り自らが大統領選まで続投する(2)ムバラク氏が即時退陣に追い込まれても、混乱回避を名目に、側近のスレイマン氏が暫定大統領に就任する−というシナリオもまだ残っている。

 一方で反政府勢力は、イスラム教の金曜礼拝がある4日を「追放の金曜日」と呼び、先週の「怒りの金曜日」同様、大規模デモを呼びかけている。一気にムバラク大統領を辞任、亡命に追い込もうという作戦だ。

 親ムバラク派との衝突激化も懸念される事態に、目下、静観を決め込んでいる軍がどう動くのか。

 軍の制服組トップ、アーナーン参謀総長はマレン米統合参謀本部議長と連絡を取り合っているともいわれる。米国は長年、エジプトへの軍事支援を行っており、双方の軍のパイプは太い。

 軍部は現在のところ中立姿勢を貫いてはいるが、混乱が拡大すれば、自らの手で暫定政権樹立に乗り出す可能性も否定できない。

 こうした中、エルバラダイ氏が(1)軍人と民間人からなる、民主化移行のための委員会を設置する(2)スレイマン副大統領を暫定大統領とする新政権が上下両院を解散して新憲法を準備する−など、折衷案ともいうべき腹案を持っているとも報じられている。(カイロ 大内清)

2014チバQ:2011/02/03(木) 23:39:12
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110203/mds11020300050000-n1.htm
親ムバラク派の怪
2011.2.3 00:04 (1/2ページ)
 【カイロ=黒沢潤】エジプト・カイロのタハリール広場周辺で2日午後、数万人規模の反政府デモ参加者と衝突した親ムバラク派は数千人に達した。同派は与党・国民民主党(NDP)の支持者ら体制派とみられる。同派について、デモを主導する市民グループ「4月6日運動」の幹部はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラに対し、「NDP党員や裕福なビジネスマン層が金銭で雇い入れた“荒くれ者”たちだ」などと語った。

 この集団は、反政府デモ参加者との衝突を回避するため広場前で待機していた戦車部隊を迂(う)回(かい)する形で広場に行進。両派は、軍の車両が展開されていない路上で激しく衝突。エジプトメディアによれば、銃声も聞こえ、数十人が負傷したもようだ。

 親ムバラク派の中には、ピラミッドのあるカイロ郊外のギザ周辺から、ラクダやラバ、馬など十数頭に乗って同広場にたどりついた男たちの姿も。エジプトの主な国家収入の1つである観光産業が、連日続く民衆蜂起で打撃を受けていることに憤慨したものとみられる。

 中東の衛星テレビ局アルアラビーヤは、親ムバラク派の規模がカイロ市内だけで、1万人規模に達したと伝えた。エジプト国内では数万人規模となり、各地で反政府デモ参加者らと衝突しているとみられる。全土での負傷者数などは不明。軍の介在なしにこのまま両派の衝突が続けば、社会機能がまひし、市民生活に深刻な影響を及ぼす可能性もある。

 ロイター通信によれば、軍は反政府デモ参加者らに対し、「(ムバラク大統領退陣という)当初の目的は達成されたはずだ。ただちに現場を離れ、自宅に戻れ」などと、繰り返し警告を発している。

2015チバQ:2011/02/03(木) 23:39:41
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110202/mds11020222240021-n1.htm
退陣の裏側で何が…「内」と「外」から“引導”
2011.2.2 22:16

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1日夜、国営テレビで演説し、退陣を表明するエジプトのムバラク大統領(ロイター)
 【カイロ=黒沢潤】エジプトのムバラク大統領は1日夜、約30年にわたる独裁政権に終止符を打つことを表明した。軍がデモ参加者への武力行使を拒絶し中立な立場を取ったことに加え、米政権が大統領に“引退”を勧めたことが背景にあったもようだ。

 「去れ、去れ、ムバラク」「お前は絞首刑の対象だ」−。20万人の市民たちで埋め尽くされたカイロのタハリール広場では、大勢の若者らが大統領の演説直前、口々にこう絶叫した。

 紺色の背広姿、相手の目を射抜くような鋭い視線。広場に設けられた臨時スクリーンに、かつてイスラエルと戦った元空軍司令官の姿が映し出されると、若者たちは思わず息をのんだ。

 「この国で生まれた私は、この地で死ぬ。人は去りゆけど国は残る。エジプトよ、永遠なれ−」

 大統領の退陣決断には、自らの政権基盤だった軍の態度が影響しているとの指摘もある。軍は1日のデモを前に、「平和的な手段による表現の自由はすべての人が持つ権利だ。武力行使はしない」と言明。これを裏付けるように、広場前に陣取った戦車部隊は、「夜間外出禁止令」を無視して広場になだれ込む市民を事実上、“黙認”した。

 英紙サンデー・タイムズは、軍出身のスレイマン副大統領もムバラク氏に騒乱の長期化回避のために退陣を迫ったと報じている。

 一方、AP通信によるとオバマ米大統領が1月31日、ムバラク氏と個人的にも親しいフランク・ワイズナー元駐エジプト米大使をカイロに派遣、「そろそろ“終焉のとき”ではないか」と退陣を促したという。

 軍と米国という「内」と「外」の政権基盤から“引導”を渡されたことで、大統領は30年にもわたる独裁政権への「幕引き」を決断したとみられている。

2016チバQ:2011/02/04(金) 22:09:41
http://mainichi.jp/select/world/news/20110205k0000m030115000c.html
エジプト:野党足並みに乱れ
 【カイロ和田浩明】エジプトでムバラク大統領の退陣要求を強める野党勢力は、一部を除いて政府側の対話提案に慎重な姿勢を取っている。だが反大統領派が結集するカイロ中心部のタハリール広場に姿を見せる幹部も目立たず、デモ隊との共闘姿勢も見えにくい状況だ。

 9月引退を表明したムバラク大統領や、事実上実権を掌握したと見られるスレイマン副大統領は、犬猿の仲だった穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を含め全政治勢力との対話を提案している。

 これに対し、高い組織力を持ち、昨年11月の総選挙で全議席を失うまでは事実上の最大野党だった「同胞団」や、今回の騒乱前から「同胞団」と共闘姿勢を見せていたエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は「ムバラク退陣まで対話拒否」の姿勢だ。

 一方、スレイマン副大統領は、一部勢力と3日に対話を行ったと表明。反大統領デモを主導したグループ「4月6日運動」などとみられ、野党側の足並みの乱れも見られる。地元紙によると、既成野党のワフド党は、ムバラク氏の引退表明を「歓迎」し、一時は政府との協議を検討したが、2日に大統領支持派が反大統領派を攻撃した事件を受けて「対話拒否」に戻った。

 タハリール広場のデモ隊の間では「我々はムバラク排除に集中すべきだ」(40代男性)との声が目立ち、野党勢力の動きへの関心は必ずしも強くない。

 エルバラダイ氏は30日に同広場に姿を見せたが、演説を短時間で切り上げた。ワフド党は騒乱開始から10日目の3日になって、ようやく幹部会による広場でのデモ参加を議決した。野党勢力と「現場」との距離が目立っている

2017チバQ:2011/02/04(金) 22:12:34
>>1191
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110204/mds11020421150018-n1.htm
ニジェール大統領選決選へ 民政移管に向け
2011.2.4 21:14
 昨年2月に軍事クーデターが起きた西アフリカ・ニジェールからの報道によると、1月31日に行われた同国大統領選で、選挙管理委員会は4日までに、有力野党候補のイスフ氏とウマル元首相の上位2人の間で決選投票が実施されると発表した。決選投票は3月12日の予定。

 大統領選は民政移管に向けたもので、10人が立候補。選管によると、大半の開票が終了した段階で過半数を得票した候補はいなかった。

 ウマル氏はクーデターで大統領を解任されたタンジャ氏の下で、2007年6月から09年9月まで首相を務めた。今回、第3位だったアマドゥ元首相ら複数の候補がウマル氏支持に回る見通しで、決選投票ではウマル氏有利とみられている。(共同)

2018チバQ:2011/02/04(金) 22:14:15
>>1712>>1989
http://www.asahi.com/international/update/0204/TKY201102040437.htmlヨルダン国王、イスラム組織と会談 強まる政府批判受け2011年2月4日20時4分

 【アンマン=井上道夫】ヨルダンのアブドラ国王は3日、国内のイスラム組織「ムスリム同胞団」や同組織系の政党「イスラム行動戦線」(IAF)の幹部と会談し、政治改革の進め方について意見を交わした。国営ペトラ通信が伝えた。

 チュニジアの政変やエジプトの反政府デモに誘発され、ヨルダンでも政府の腐敗や経済政策を批判する市民デモが続いており、野党勢力の同胞団側も政府批判を強めている。

 これに対し、議会の解散権や首相の任命権を持つ国王は今月に入り、リファイ首相を事実上更迭し、後任のバヒート氏に「目に見える形の政治改革」を断行するよう指示。自らも同胞団と対話することで、国民に改革姿勢をアピールする狙いとみられる。

 国王は、同胞団側との会談で、「一部で個人の利益が公共の利益に優先されてきた」と述べ、これまでの政治改革が成果をあげていないこと認め、今後、官僚や政治家の汚職について、厳正に対処すると断言。さらに、同胞団側が求める選挙法改正についても国民全体の合意が得られるよう議論を始める必要があると述べ、柔軟な姿勢を示した。

2019チバQ:2011/02/04(金) 22:16:56
http://mainichi.jp/select/world/news/20110204dde001030010000c.html
エジプト:混乱、ムバラク大統領強気 「公職うんざり」でも「すぐ辞められぬ」
 ◇「追放の金曜」緊張
 【カイロ樋口直樹】今年9月のエジプト大統領選への不出馬を表明したムバラク大統領(82)は3日、「長年の公職にうんざりしている。すぐに辞任したいが、国家が混乱に陥る恐れがあるため、それはできない」と述べ、改めて即時退陣を拒否した。米ABCテレビに答えた。大統領は亡命の可能性も否定した。4日のイスラム教の金曜礼拝後に「追放の金曜日」と銘打った大規模デモを予定している反大統領派は同日までの辞任を求めており、情勢は緊迫の度を強めている。

 ムバラク氏は、国軍部隊に厳重に守られたカイロの大統領宮殿で取材に応じた。1日深夜の事実上の引退宣言以来、インタビューに応じたのは初めて。

 ABCが報じた要約によると、13人の死者を出した2日からの反大統領派と大統領支持派の衝突を巡り、ムバラク大統領は政府の責任を否定する一方、最大の野党勢力である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を非難。「エジプト人同士の戦いを見たくはない」と述べた。

 反大統領派の批判には「気にしない」と語った。

 取材には、後継者と目されていた次男ガマル氏(47)も同席。ムバラク氏は「息子に後継させようとは全く思っていない」と話した。

 「早期の政権移行」を求める最大の同盟国・米国に裏切られたと思うか、との質問にムバラク氏は、オバマ米大統領を「とてもよい人物だ」と表現。早期引退を促された際、オバマ氏に「あなたはエジプトの文化も、私が今辞任したら何が起こるかも理解していない」と話したことを明らかにした。

 ◇副大統領「選挙前倒しも」
 一方、ムバラク氏が息子の代わりに事実上の後継者に選んだスレイマン副大統領(75)は3日、国営テレビのインタビューに答えた。大統領選を「8月か9月に行う」と述べ、選挙を可能な限り早期に実施すると強調した。

 また、ムバラク氏が厳しく批判してきたムスリム同胞団に政府との協議に応じるよう呼びかけたことや、反大統領派デモに実力を行使しないよう軍部に命じたことを明らかにした。非合法化されている同胞団への対話の公式提案は極めて異例。ただ、同胞団はムバラク氏の辞任まで交渉に応じない構えだ。

毎日新聞 2011年2月4日 東京夕刊

2020チバQ:2011/02/04(金) 22:26:51
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110204-OYT1T01020.htm
「決別の金曜」数万人デモ、エジプト緊張山場に

4日、カイロで、タハリール広場に向かう反体制デモ参加者を調べる兵士たち=AP 【カイロ=田尾茂樹】エジプトのムバラク大統領の辞任を求め、反体制派が「決別の金曜日」と銘打って呼び掛けたデモが4日、カイロ中心部で行われ、同日午後までに参加者は数万人に達した。

 同日は、国際原子力機関(IAEA)前事務局長のムハンマド・エルバラダイ氏が大統領に突きつけた辞任期限でもある。反体制派は大統領の即時辞任を政権との対話の条件としており、エジプト政情の緊張は最大の山場を迎えた。

 中心部タハリール広場では、夜間外出禁止令を無視して泊まり込みを続けた数千人に加え、早朝から続々と集まった市民が「ムバラクを倒せ」「今日が最後の日だ」と叫んだ。国営テレビによると、同日午前には広場にタンタウィ副首相兼国防相が姿を見せ、反体制派に対話を呼び掛けた。

 反体制派は広場につながる主要な道路にバリケードを築き、夜通し検問を実施。大統領派の広場への接近を阻止している。これまでデモを静観してきた軍は、兵士が数メートル間隔で広場を取り囲み、反体制派のデモ参加者の身分証をチェックするなど、警戒態勢を敷いている。大統領支持派が攻勢を強める可能性もある。

(2011年2月4日22時17分 読売新聞)

http://mainichi.jp/select/world/news/20110205k0000m030116000c.html
エジプト:軍と内務省の確執浮上
 【カイロ和田浩明】エジプトの治安維持にあたる国軍と内務省の間の確執が浮上している。軍出身のスレイマン副大統領は3日、内務省管轄の治安部隊や警察による反大統領デモへの強硬な対応に不満を表明。空軍司令官だったシャフィク首相もアドリ前内相の処罰の可能性に言及し、ワグディ内相に「平和的なデモは邪魔すべきでない」とクギをさした。

 デモ発生当初、治安維持を担当していた内務省は弾圧したが事態収拾に失敗。その後、大統領命令で国軍が展開した。地元メディアなどによると、アドリ氏はこれに反発し現場から部隊引き揚げを命じた疑惑がある。

 内務省は警察や治安部隊を駆使して野党勢力の暴力的弾圧を長年続けてきた。「軍内部にはこうした手法に嫌悪感がある」と指摘する専門家もいる。ムバラク大統領が1月29日に全閣僚を更迭し、副大統領、首相、副首相が軍出身者で固められ、軍側の政治力が強まった形になった。

 しかし、2日に起きた大統領支持派による反大統領派の攻撃は、治安当局や与党の関係者が扇動した疑いも出ており、国軍と内務省の確執は今後も続く可能性がある。

2021チバQ:2011/02/04(金) 22:27:31
http://mainichi.jp/select/today/news/20110205k0000m030112000c.html
エジプト:米の「後継工作」加速…スレイマン氏軸に
2011年2月4日 21時56分

 【カイロ和田浩明】エジプトの反大統領派は4日、各地で「追放の金曜日」と銘打った大規模デモを実施し、カイロ中心部のタハリール広場には数万人が集結した。デモ隊はムバラク大統領を即時退陣に追い込む構えで、大統領支持派との緊張も高まっている。先月25日のデモに始まった混乱は既に11日目に突入し、「ムバラク後」を見据えた米国の「後継工作」も加速。燃えさかる反大統領運動の背後で、政治的駆け引きが本格化してきた。

 ◇金曜デモ、期待感あふれ
 反大統領派の拠点と化したタハリール広場。4日はイスラム教の金曜礼拝があり、人々の気分は自然と高揚する。突然、国歌を斉唱する声が聞こえてきた。朝から続々と詰めかけ、入り口では手荷物検査などを待つ長蛇の列ができた。

 若者、老人、女性、親子連れ……。あらゆる階層の顔が見える。記者が警備の兵士にパスポートを提示すると、笑顔で肩をたたかれた。数回のチェックを受けて、ようやく広場に入った。2日の大統領支持派による攻撃で負傷したのか、顔や頭に包帯を巻く人がいる。疲れ切ってしまい、芝生の上で眠り込む人も多い。

 「人々は自由のために、ここに集まった。政府は国民の声を聞くべきだ」。礼拝が始まり、イスラム教の宗教指導者が説教を始めると、広場は巨大なモスク(礼拝所)に一変した。人々は聖地メッカ(サウジアラビア)の方角を向き整然と並んで、ただ祈る。感極まり、おえつする男性も。静寂を破るのは、スピーカーから流れる聖典コーランの引用と、上空を旋回する軍ヘリコプターの爆音だけだ。

 反大統領派の要求はムバラク大統領の「即時退陣」。しかし、大統領は3日、国軍に厳重に守られたカイロ市内の大統領宮殿で米メディアと会見し、要求には応じない考えを改めて強調した。

 混乱を早期に収拾したい米国は「ムバラク後」のシナリオについて、エジプト政府高官と調整を進めている。ロイター通信によると、米当局者は3日、ムバラク大統領の即時退陣を含む「複数のシナリオ」をエジプト当局と協議していると明言した。大統領側近のスレイマン副大統領率いる暫定政権に権限を移譲させる案を、エジプト側と検討しているとの報道もある。

 ホワイトハウスはこの報道の正否を確認していないが、米国家安全保障会議(NSC)のビーター報道官は「オバマ大統領は今こそ平和的な権限移譲を始める時だと話している」と語った。

 ムバラク大統領の側近で事実上の後継者と目されるスレイマン副大統領は、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」に対し、非合法化の解除提案を含む対話や、野党側が要求する憲法改正の受け入れを表明して、事態打開を模索している。

 だが、反大統領派の不信感は根深く、スレイマン副大統領は「(ムバラク大統領と)同じシステムの人間。受け入れられない」(40代女性教員)との見方が大半だ。配管工のアハマド・アブドルアミさん(38)は「子供たちが自由に歩ける国にしたい。それまでここを離れない」と話した。

 午後1時(日本時間午後8時)前。礼拝が終わると、広場は「変化」への期待感に満たされた。人々は「メルハル(去れ)」「バーテル(偽物め)」と叫び、拳を突き上げて、デモが始まった。

 「民衆の力で独裁政権を倒せるとチュニジアから学んだ」。医師のアハメド・ナグラさん(29)はそう言って、「ムバラク大統領は威厳を保つことしか考えていない。国民の尊厳などお構いなしだ」と吐き捨てるように言った。「ムバラクが去らなければ同じことが続く。即時退陣しかない」

 国営テレビによると、タンタウィ国防相がタハリール広場を訪れ、状況を視察した。大統領支持派の姿はみえない。だが投石に備えてヘルメットをかぶる人もいる。広場に展開している国軍部隊は有刺鉄線を設置するなどして、警戒を強めた。

 4日のカイロのデモで主催グループはタハリール広場のほか、国営テレビ局や人民議会(国会)にも参集するよう呼び掛けた。英BBCによると、同広場から約12キロ離れた大統領宮殿まで行進する構えも見せており、エジプトの緊張は最高度に達している。

2022チバQ:2011/02/04(金) 22:28:06
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110204/mds11020422030020-n1.htm
次期大統領を狙う注目候補 最有力はスレイマン副大統領
2011.2.4 22:00 (1/2ページ)

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3日、国営テレビのインタビューに答えるエジプトのスレイマン副大統領(ロイター)
 【カイロ=黒沢潤、大内清】エジプトのムバラク大統領が今秋までに予定される大統領選への不出馬を表明したことを受け、次期大統領が誰になるのか注目されている。

 大統領選に向けては今後70日間かけて、独立系候補の出馬を事実上、不可能にしている現憲法の改正手続きを上下両院で実施。選挙実施は8、9月の見通し。

 次期大統領の最有力候補は、現副大統領のオマル・スレイマン氏(74)だ。軍出身で諜報機関の総合情報庁長官を長く務めたほか、対米・イスラエル外交でも要の役割を果たしてきた。国内外の情勢への視野も広く、米国の信頼も厚い。

 スレイマン氏に対抗しうる人物は存在するのか。

 「もし誰かが私に役割を与えるなら、私はできることをする」。元エジプト外相で、アラブ連盟事務局長のアムル・ムーサ氏(74)は2日、中東の衛星テレビ局アルアラビーヤとの会見で、大統領選への野心を隠さなかった。

 外相時代に見せたイスラエルへの毅然とした姿勢や、当意即妙の受け答えで国民からの受けも良く、「オレはムーサが大好き。イスラエルなんか大嫌いだ」との歌が流行したほど。米国とアラブ諸国との橋渡し役を務められるとの期待もあり、2005年の大統領選では“待望論”が出た。

 同様に外交畑を歩んできた国際原子力機関(IAEA)前事務局長のムハンマド・エルバラダイ氏(68)も意欲満々だ。事務局長時代の05年にノーベル平和賞を受賞し、国際的知名度は抜群。米国がムバラク氏と距離を取り始める一方、エルバラダイ氏と接近しつつあるとの見方もある。

 ただ、非合法の穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団と一時、共闘姿勢を示したことなどから米国の警戒感が強まっているとされ、迷走気味でもある。

 前回選で民主化運動グループの後押しを受け、「旋風」を起こしたガッド党党首、アイマン・ヌール氏(46)の名前も取り沙汰される。選挙後に投獄された経験もあるヌール氏は民主化運動のシンボルの一人。若者層の期待は高い。

 さらに、ダークホースとして名前が挙がるのが、1999年にエジプトで3人目のノーベル賞(化学賞)を受賞したアハマド・ズウェイル氏(64)。カリフォルニア工科大で教壇に立った経験を持ち、エジプトの教育改革を訴えるなど、政治・社会問題で積極的に発言している。1日には居住先の米国から急きょ帰国すると発表し、注目された。

 このほか、政局全体のカギを握る人物として、軍参謀総長のサミー・アーナーン氏も注目される。米国防総省とのつながりが深く、フランスやロシアへの留学経験もあり、国際感覚に優れていると指摘される。


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