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国際政治・世界事情

1967チバQ:2011/01/30(日) 15:43:29
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/01/post-1939.php
戦士エルバラダイ「エジプトの暗黒」を語る
The Return of the Challenger

反体制派を指導するIAEA前事務局長が、デモに加わるため死の危険を冒して帰国。その思いの丈

2011年01月28日(金)17時24分
モハメド・エルバラダイ(国際原子力機関[IAEA]前事務局長)
 エジプトで2カ月前に行われた人民議会選挙はまったくの八百長だった。ホスニ・ムバラク大統領率いる与党が圧勝し、野党が獲得した議席はたった3%だけ。信じられないことだ。

 この結果に「失望した」とアメリカ政府は述べた。正直言って、私はアメリカが「失望した」としか言えなかったことに失望した。エジプト国民の気持ちを言えば、とても失望どころではなかった。

 チュニジアで起きた「ジャスミン革命」に続いてエジプトで反政府デモが拡大するなか、ヒラリー・クリントン米国務長官はエジプト政府は「安定していて」「エジプト国民の正当な要望と関心に応える方法を探している」と語った。これを聞いて私はびっくりしたし、困惑した。彼女は、何をもって「安定している」と言うのか?

 29年間も維持されている非常事態法、30年も強権政治を行っている大統領、形ばかりの議会と独立していない司法制度の存在が「安定している」ということなのか? それを安定などとは呼ばないし、他の国で同じ状態がまかり通ることも絶対にない。エジプトにあるのは偽りの安定だ。本物の安定は、民主的な選挙によって選ばれた政府なしにはありえないのだから。

 これこそが、アメリカが中東で信頼を勝ち得ていない理由だ。エジプトの選挙に対するアメリカの反応に、人々は心から失望している。アメリカは友好国に対してダブルスタンダードで臨み、自分たちの利益にかなうからと独裁政権の味方をしている。人々はそう考えている。私たちは社会の分裂、経済の停滞、政治的な弾圧を目の当たりにしている。だが、あなたたちアメリカ人は何の声も上げてくれない。それはヨーロッパの人々も同じだ。


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