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化学・薬品産業総合スレッド

1荷主研究者:2003/12/07(日) 23:23
これまで「石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=」で扱ってきた化学系のネタを独立させます。

社団法人日本化学工業協会
http://www.nikkakyo.org/

石油化学工業協会
http://www.jpca.or.jp/

化学工業日報
http://www.chemicaldaily.co.jp/

石油化学データベース
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/new.htm

422とはずがたり:2009/07/24(金) 05:53:15
「タミフル」「リレンザ」製造元、大幅増益
インフル
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090723-OYT1T00780.htm
 【ロンドン=是枝智】新型インフルエンザの大流行を受け、治療薬「タミフル」を製造するスイスのロシュ、「リレンザ」の製造元である英グラクソ・スミスクラインの決算は大幅な増収増益となった。


 治療薬需要は今後も高い伸びが続くとみられ、欧州の製薬2社にとって新型インフルエンザが思わぬ追い風となりそうだ。

 ロシュが23日発表した2009年上半期(1〜6月)の純利益は前年同期比10・6%増の52億1300万スイス・フラン(約4600億円)に増加。タミフルの売上高は日本で前年同期の16倍、世界全体でも約3倍の10億1000万スイス・フランに達した。

 グラクソ・スミスクラインの09年4〜6月期の純利益は前年同期比11・6%増の14億3500万ポンド(約2200億円)。リレンザの生産能力を09年末までに当初予定の3倍を超える年間1億9000万個に増強する方針だ。
(2009年7月23日23時32分 読売新聞)

424とはずがたり:2009/08/10(月) 06:48:31

万有製薬、つくば研究所を大鵬薬品に売却へ
http://www.asahi.com/business/update/0808/TKY200908080219.html
2009年8月8日22時28分

 米製薬大手メルク傘下の万有製薬は8月末、つくば研究所(茨城県つくば市)を大鵬薬品工業に売却する。約8万9000平方メートルの土地と研究棟などで、売却額は非公表。大鵬薬品は埼玉県飯能市、徳島市に次ぐ国内3カ所目の新薬研究拠点として、抗がん剤開発に力を入れる。メルクは世界の研究拠点を集約化する方針を掲げていた。

425とはずがたり:2009/08/10(月) 13:04:54

久光製薬:米製薬会社を子会社化 400億円で買収へ
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090715k0000m020132000c.html

 久光製薬は14日、中枢神経や婦人科分野の医療用医薬品に強い米製薬会社、ノーベン・ファーマシューティカルズ(フロリダ州)を買収すると発表した。久光はノーベン株の4.98%を保有しているが、米国に設けた関連会社を通じて株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化する。ノーベン側も同意する見通し。

 TOBは10営業日以内に開始し、買収総額は約4億3000万ドル(約400億円)を見込んでいる。

 久光は「サロンパス」など湿布薬で国内首位。買収が成功すれば、米国での医療用医薬品の開発・製造・販売の拠点を獲得することになる。ノーベンは08年度の売上高が1億810万ドル(約100億円)、社員数は610人。久光と同様に皮膚に張って治療するホルモン治療用経皮パッチなどの張り薬技術に優れている。

 久光の中冨博隆社長は14日の会見で「両社の技術を最大限活用することで、製品開発を促進するなどの相乗効果が見込める」と話した。【大場伸也】

毎日新聞 2009年7月14日 23時14分

426とはずがたり:2009/08/10(月) 13:06:20
>>425-426

久光製薬:米製薬会社にTOB 完全子会社化へ
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090715ddm008020216000c.html

 久光製薬は14日、中枢神経や婦人科分野の医療用医薬品に強い米製薬会社、ノーベン・ファーマシューティカルズ(フロリダ州)を買収すると発表した。久光はノーベン株の4・98%を保有しているが、米国に設けた関連会社を通じて株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化する。ノーベン側も同意する見通し。

 TOBは10営業日以内に開始し、買収総額は約4億3000万ドル(約400億円)を見込んでいる。

 久光は「サロンパス」など湿布薬で国内首位。買収が成功すれば、米国での医療用医薬品の開発・製造・販売の拠点を獲得することになる。ノーベンは08年度の売上高が1億810万ドル(約100億円)、社員数は610人。久光と同様に皮膚に張って治療するホルモン治療用経皮パッチなどの張り薬技術に優れている。

 久光の中冨博隆社長は14日の会見で「両社の技術を最大限活用することで、製品開発を促進するなどの相乗効果が見込める」と話した。【大場伸也】

毎日新聞 2009年7月15日 東京朝刊

427荷主研究者:2009/08/10(月) 13:09:37

http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009081001000262.html
2009/08/10 11:08 【共同通信】
三菱ケミ、三菱レイヨン買収検討 成長分野強化で

 化学最大手の三菱ケミカルホールディングスが、合成繊維大手である三菱レイヨンの買収を検討していることが10日、明らかになった。株式公開買い付け(TOB)を実施し全株を取得する方向で、買収総額は最大2千億円規模となる見通しだ。炭素繊維などの成長分野を取り込んで事業基盤を強化する狙いがある。

 買収が実現すれば合計の連結売上高は3兆2千億円に達し、化学業界2位の住友化学(2009年3月期で1兆7882億円)を引き離す。これが引き金となって、石油化学製品の過剰供給が指摘されている化学業界の再編が加速しそうだ。

 三菱ケミカルは10日、合併・買収(M&A)に関しさまざまな検討をしていると認めつつ「(三菱レイヨン買収は)当社が発表したものではない」とコメント。三菱レイヨンも「決定事実はない」と表明した。

 三菱ケミカルは三菱化学や三菱樹脂、田辺三菱製薬を傘下に持つ。一般的な石油化学製品は中国や中東の低価格製品に押されて収益が厳しい。このため、高機能素材を中心に10年度までの3年間で2500億円規模のM&Aを実施し、成長を目指す計画を掲げてきた。

 三菱レイヨンは、自動車向けの炭素繊維や、高機能繊維の素材となるアクリル樹脂原料といった成長事業を手掛けている。これらの分野は三菱ケミカルは比較的手薄なため、買収により事業を補完できると判断したとみられる。

428とはずがたり:2009/08/10(月) 13:13:36
>>427-428
ん。

三菱ケミカル:三菱レイヨン買収へ 今秋にもTOB
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090810k0000e020022000c.html

 総合化学首位の三菱ケミカルホールディングス(HD)が合繊大手の三菱レイヨンを株式の公開買い付け(TOB)で完全子会社化する方向で検討していることが10日、明らかになった。両社はすでに協議に入っており、早ければ今秋にもTOBを実施、来春の買収完了を目指す。中東など新興国の台頭で石油化学事業の競争が激化する中、三菱ケミカルは三菱レイヨンのアクリル樹脂原料や炭素繊維などの成長事業を取り込んで、競争力の強化を図る。

 三菱ケミカルは競争激化で収益が悪化する汎用品を中心とした石油化学事業からの脱却を進めており、最大2500億円の投資資金を準備して、M&A(企業の合併・買収)案件を探ってきた。

 一方、三菱レイヨンは今年5月、約16億ドル(約1500億円)で英化学大手「ルーサイト・インターナショナル」を買収、アクリル樹脂原料で世界首位に浮上したが、業容拡大や国際競争力の強化には規模拡大や資本基盤の強化が必要となっていた。

 両社は同じ三菱系ながら現在、資本関係はない。三菱レイヨンは1950年、三菱化成工業の分割で誕生。それ以前は三菱ケミカル傘下の三菱化学と同じ会社だった。

 三菱ケミカルによる三菱レイヨンのTOBの規模は最大で2000億円となる見通し。化学業界の大型再編は97年に三井東圧化学と三井石油化学が合併、三井化学が誕生して以来13年ぶり。三菱ケミカルと三菱レイヨンの09年3月期の合計売上高は約3兆2000億円で、2位の住友化学(約1兆7000億円)を大きく引き離す。「脱石油化学」が課題なのは他の総合化学メーカーも同じで、再編の動きが広がる可能性もある。【大場伸也】

毎日新聞 2009年8月10日 10時58分(最終更新 8月10日 12時18分)

429荷主研究者:2009/08/10(月) 13:17:54
ぬん。
>>427-429
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200908100067a.nwc
三菱ケミ、三菱レイヨン買収 化学初3兆円企業へ
2009/8/10 Fuji Sankei Business i.

 総合化学最大手の三菱ケミカルホールディングスが合繊大手の三菱レイヨンを買収する方向で調整していることが10日、分かった。年内の最終合意を目指している。世界の化学業界では、汎用の石油化学製品事業で中東や中国など新興国勢が台頭しており、業界の垣根を超えた再編で競争力を強化するのが狙い。実現すれば、国内化学業界では初めて売り上げ規模が3兆円を上回る企業が誕生することになる。

 両社は来春をめどに、三菱ケミカルが株式公開買い付け(TOB)を実施して、三菱レイヨンを完全子会社する方向で調整しているもよう。買収規模は1500億〜2000億円になるとみられ、三菱レイヨン株は上場廃止になる見通しだ。

 三菱ケミカルは総合化学の三菱化学、樹脂加工を手掛ける三菱樹脂、医薬品の田辺三菱製薬の3社を傘下に置く持ち株会社で、平成21年3月期の連結売上高は2兆9090億円。三菱レイヨンは5月に、英化学大手ルーサイト・インターナショナルを買収して液晶パネルなどに使うアクリル樹脂原料のシェア(市場占有率)が世界首位となるなど高機能素材事業に強みを持つ。21年3月期の連結売上高は3450億円。

 三菱ケミカルは今回の買収で、新興国勢の安値攻勢で競争力の低下している汎用の石化製品事業から脱却し、成長分野の高機能素材事業を強化したい考え。国内化学業界では、13年ぶりの大型再編となる。

430荷主研究者:2009/08/17(月) 22:58:07

http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivjul0907782/
2009/07/30 神奈川新聞
大日本塗料の塗料製造工場が閉鎖へ/横浜

 塗料大手の大日本塗料(大阪市此花区)は、横浜市港北区の塗料製造工場を10月に閉鎖する。需要が低迷していることから拠点を集約する。約3800平方メートルの跡地は売却か賃貸を検討している。

 閉鎖するのは連結子会社「横浜デイ・エヌ・テイ・サービス(YDS)」の工場(港北区樽町3丁目)。1971年の設立で老朽化が進んでいた。生産機能は千葉県白井市の工場などに集約する。従業員は他工場で受け入れる方針。

 大日本塗料は10月、YDSを含む塗料製造の連結子会社4社をDNTサービス(大阪府東大阪市)に統合、経営の効率化も進める。

431荷主研究者:2009/08/23(日) 21:10:59

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20090821301.htm
2009年8月21日03時27分 北國新聞
受託好調、ライバルは新興国 活況続く富山の医薬品

 富山県内の医薬品業界で活況が続いている。それを支えるのが大手製薬メーカーからの受託生産の拡大だが、生産コストの安いインドや中国など新興国がライバルとして浮上。富山勢は一段の技術向上で追撃を振り切る構えで、逆に有望な市場として海外に打って出る動きも出てきた。「薬都富山」の絶好調はいつまで続くか。

 この不況下にあって数少ない好況業種である医薬品業界。「好調は来年度いっぱいは続く。すそ野が広いので、関連の産業にもまだまだ恩恵が出てくるだろう」。業界関係者は先行きにも強気だ。

 多くの製造業が不況で苦戦が続く中でも、富山の医薬品関連の伸びは一向に衰える気配がない。富山県によると、県内医薬品製造業の2009年完成予定分の設備投資は13企業17件、451億円に上り、金額で前年の2倍以上となった。

 旺盛な設備投資を後押ししているのは、受託生産の増加だ。

 05年の薬事法改正で医薬品製造の全面委託が解禁され、大手メーカーは、「安くて高品質」を誇る富山のメーカーへの委託を増やしている。大手との契約では投資金額の回収が安定的に見込め、富山側にとってもメリットは大きい。受託生産の加工賃に当たる受託生産金額は、05年の223億円から07年は287億円に増えた。

 ただ、医薬品の国内市場の見通しに対し、「今の活況は受託に支えられている。全体のパイが増えたわけじゃないから、いずれは頭打ちとなるだろう」と楽観を戒める関係者もいる。

 大手メーカーが委託を進める背景には、不景気によるコスト削減策として自社生産で効率の合わない少量生産品を下請けに回すといった側面もある。富山のメーカーはあくまで「製造所」の立場であり、大手にほかの生産地の方が効率や品質が良いと判断されれば、そちらに移される可能性もはらむ。自社生産と同様に、技術の向上が常に求められることになる。

 配置薬の第一薬品工業(富山市)は、大手製薬メーカーからの固形剤受託生産に合わせ、本社工場内の設備増強工事を行い、10月から本格稼働させる。寺田敦社長は「従来からの配置薬製造を守りつつ、受託も伸ばしていきたい」と意欲を見せる。

 受託では一定の品質を確保するため、相手メーカーから製造工程の査察や指導を受けることになる。同社は一方で、共同開発の提案を強化して完全な下請けではない受注も増やし、信頼関係を築きたい考えだ。

 医薬品製剤の原料となる原薬・中間体製造の分野では、すでにインド、中国などの新興国の技術が急速に向上している。

 化学反応による合成で原薬・中間体を製造する第一ファインケミカル(高岡市)の岡田照美社長は、「まだ技術レベルではうちが勝っているが、いずれは競争相手になってくる」と気を引き締める。

 現在、親会社である協和発酵バイオ(東京)の発酵技術を組み合わせてコストを抑えた製造法の研究を進めており、5年内の実用化を目指している。また、競合するばかりではなく、生産工程の一部をインドに委託することで効率化を図ることも検討している。

 「国内市場はすでに飽和状態だ。これからは海外で自社製品の顧客を開拓していく」。こう力を込めるのは、富士化学工業(上市町)の西田光紱社長だ。

 錠剤の製造工程を簡単にしたり、口の中で溶けやすくする賦形剤(ふけいざい)の海外展開を強化しており、数年前から技術者を直接派遣して現地企業に説明するセミナーを開催してきた。

 昨年はブラジルに新たに代理店を置き、南米での営業を進めている。米国子会社や欧州の代理店も活用し、昨年12月には米国大手の製薬メーカーから賦形剤約60トンの大規模な受注を受けた。今後は成長を続けるインドの製剤メーカーを対象とした販売に力を入れ、賦形剤の海外販売量はいずれ国内を上回る見込みだという。

 厚生労働省によると、富山県内の医薬品生産額は、07年に前年比6・0%増の4683億円で全国4位となっている。公表はまだされていないものの、08年には3位に上昇したとの観測もあり拡大傾向にあるのは間違いない。ただ、安定成長のためには、受託だけに頼らない、次の一手が求められそうだ。

432荷主研究者:2009/08/30(日) 17:51:15

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20090825305.htm
2009年8月25日05時25分 北國新聞
アステラス富山、新研究棟が起工 2011年に生産開始

 アステラス富山(富山市)の発酵技術研究棟起工式は24日、富山工場内の現地で、約80人が出席して行われた。2010年10月の完成、11年4月の生産開始を予定する。

 起工式では、アステラス製薬(東京)の竹中登一会長らが玉ぐしをささげた。中嶋欣治アステラス富山社長が「売薬の富山からバイオの富山に変わる一翼を担いたい」とあいさつ。来賓の石井隆一富山県知事、森雅志富山市長、野木森雅郁アステラス製薬社長が祝辞を述べた。

 研究棟は総工費約55億円、3階建てで延べ床面積は約9千平方メートル。日米欧の治験薬の製造、品質管理基準に対応し、発酵天然物を利用した複数の開発用原薬の製造を同時に行うことができる。

433荷主研究者:2009/08/30(日) 18:38:30

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200908270065a.nwc
2009/8/27 Fuji Sankei Business i.
化学大手各社、光触媒事業を強化 市場拡大、中長期の収益源

 大手化学メーカー各社が、光に反応して汚れ防止や除菌、防臭などの機能を発揮する光触媒事業の強化に乗り出した。汎用石油化学製品事業で中国をはじめとする新興国メーカーが台頭し、国内各社の採算性が悪化していることが背景にある。光触媒の開発で新興国勢に先行する国内各社は、市場拡大が期待できる新事業として、中長期的な収益拡大を目指す。

 住友化学は、2010年度に蛍光灯などの室内光に反応して高い効果を発揮する「可視光型光触媒」の販売を開始する。窓ガラスのくもりを抑える用途や除菌効果のある壁紙など、内装材向けとして建材メーカーに売り出す方針だ。

 現在、主流の紫外線に反応する光触媒は、住宅の外壁材などで活用されているが、紫外線量の少ない屋内での効果が弱い問題がある。同社は、「屋内で便利に使える光触媒として、生活に密着した用途で利用が広がる」と新製品に期待する。初年度の売り上げ目標を10億円にし、将来的には数十億円規模まで高める。

 昭和電工も12年をめどに可視光型光触媒の量産を始める。原料の酸化タングステンに銅イオンを加え、室内光への反応効率を高めたという。酸化チタンを原料とする従来の光触媒に比べて高価だが、需要拡大に伴う生産コストの低減を通じて将来は同程度まで価格を下げる方針だ。

 一方、宇部興産は、排水を浄化する水処理分野で光触媒事業の拡大を図る。光触媒に使う酸化チタンは水に浸すと性能が落ちる問題があったが、同社は樹脂と混ぜて作る繊維型の光触媒を開発し、水中でも除菌効果を発揮できるようにした。

 現在は工場排水の処理などが主な用途だが、今後数年内に水道水の浄化にも用途を広げる。「新分野の開拓を通じ、光触媒事業の売上高を現在の約2億円から、5年後には10億円に高める」(同社)ことを狙う。

 旭化成も先月、住宅の外壁の汚れを防ぐ塗装剤として、耐久性に優れた光触媒の販売を始めた。光触媒の塗装材として30年間の高寿命を実現したのは初めてという。

 光触媒関連の市場規模は、現在の1000億円前後から、室内用途や環境関連での需要増により、30年には2兆8000億円に拡大する見通しだ。成長分野での需要取り込みのため、光触媒の生産、販売態勢の強化は一層加速する。(山田泰弘)

434荷主研究者:2009/08/30(日) 18:41:27

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200908250073a.nwc
2009/8/25 Fuji Sankei Business i.
化学大手 エチレン提携やM&A加速 「過剰」解消 高機能分野シフト

三井化学と出光興産が、一体運営に向けて協議している三井化学のエチレン製造設備=千葉県市原市

 化学大手が、プラスチックなどの石油化学製品の基礎原料になるエチレン製造設備の再編や、M&A(企業の合併・買収)を通じ、事業の高収益化を図る動きを加速している。欧米に加え、新興国勢が台頭する中で、昨秋以降の石化製品の需要急減で業績が大幅に悪化した国内各社は、過剰な国内エチレン製造設備の解消と、利益率の高い高機能分野の強化が急務になっている。

 三井化学と出光興産は、千葉地区(千葉県市原市)で、エチレン製造設備を含むコンビナートの一体運営に向けて協議を進めている。

 当初は、5月の発表後、半年から1年かけて具体的な計画を策定する計画だったが、急速な環境変化への対応を急ぐ必要があると判断した。「話し合いを積極的に進め、9〜10月までに具体案を示したい」(三井化学の田中稔一社長)と、計画を前倒しする。

 三菱ケミカルホールディングスと旭化成も、水島地区(岡山県倉敷市)にあるエチレン製造設備を一体運営することで、今秋にも基本合意する方針だ。来年4月に共同出資会社を設立する方向で調整を進めている。

 2009年から12年までに中国を中心とするアジアと中東で、エチレンの年産能力は約2600万トン増加する見込みだ。

 一方、国内各社はこれまで、エチレンの年産能力約770万トンのうち、内需を上回る200万トン前後を海外に輸出することで、余剰生産分に対応してきた。しかし、国際競争が激化する中、価格競争力に劣る国内各社の輸出は難しくなるとみられ、抜本的な再編が不可欠な状況だ。

 また、価格競争力で優位に立つ新興国メーカーや事業規模の大きい欧米メーカーに対抗するため、生産面での提携にとどまらず、経営統合による事業基盤の強化を図る動きも出始めた。

 三菱ケミカルは、鉄より軽くて強い炭素繊維や自動車などに使うアクリル樹脂原料を手がける合繊大手の三菱レイヨンの買収に向けて交渉に入っている。汎用石化製品事業からの脱却を進めると同時に、炭素繊維など高収益が期待できる高機能製品の事業を取り入れる考えだ。

 三菱ケミカルの小林喜光社長は「国内化学メーカーの国際競争力は、自動車や電機業界に比べて非常に弱い。収益性の高い高機能分野に軸足を移さなければ、生き残るのは難しい」と危機感を強調する。

 国内化学業界では、2000年に三井化学と住友化学が経営統合に乗り出したが、その後、主導権争いから03年に破談した。再編機運は一時遠のいたが、最大手の三菱ケミカルが大型再編に踏み出したことをきっかけに生産、経営体制の再編が加速する可能性は高い。(山田泰弘)

435荷主研究者:2009/08/30(日) 18:47:53

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200908190075a.nwc
2009/8/19 Fuji Sankei Business i.
ジャパンエナジー ベンゼン高値で対米輸出 年2万トン計画

米国向けベンゼンを積んだ大型タンカー=愛知県知多市のジャパンエナジー知多製油所

 新日鉱グループの石油元売り大手、ジャパンエナジーは18日、知多製油所(愛知県知多市)から米国向けに樹脂などの原料となる石油化学製品ベンゼン3000トンの輸出を開始した、と発表した。同製油所はすでに石油精製事業を取りやめており、遊休地にベンゼン専用の大型タンク(2万5500キロリットル2基)や10万トン級の大型タンカーが着桟できる出荷用の桟橋を整備した。大型船で直接、米国向けにベンゼンを大量輸出するのは石油会社では初めてで、当面、年間約2万トンを輸出する計画だ。

 ジエナジーはベンゼン輸出ではこれまで、小型船で中継して中国などアジア向けに輸出してきたが、米国のベンゼン市況が1トン当たり1106ドル(約10万5000円)と、アジアの市況の843ドルに比べて高値で推移。輸送費を差し引いても収益性が高いと判断して大量輸出に踏み切った。

 米国市場は恒常的に石油製品の精製能力が不足しており、欧州などからの輸入に依存している。ジエナジーでは今後も米国市場で旺盛な需要が続くとみており、「四半期に1〜2回のペースで米国向けにベンゼンを輸出したい」としている。

 同社は石油化学製品輸出のインフラを整備し、4月からベンゼンタンクなどの貯蔵・出荷基地を第三者に賃貸する事業も手がけており、今後は石化メーカーなどの製品輸出基地として拡大したい考えだ。

 ナフサから作るベンゼンは、ナイロン原料や合成ゴム、ウレタン、樹脂などの原料に使われる。昨年9月以降の米国発金融危機による景気低迷に伴い世界規模で需要が落ち込んでいたが、今年1〜3月で底打ちし、中国などを中心に今年4月以降は需要が急回復しているという。

436荷主研究者:2009/09/06(日) 21:15:22

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20090905304.htm
2009年9月5日03時34分 北國新聞
注射剤の生産強化 富士薬品、ライン増設

 富士薬品(さいたま市)は富山市の富山第2工場で注射剤の生産体制を強化する。受託製造の拡大に対応し、約35億円を投じてラインを増設、原料や資材を保管する自動ラック倉庫や製造用水設備も増やす。11月に完成し、来春から稼働する。

 増設する生産ラインでは、薬液を凍らせて真空乾燥させる凍結乾燥製剤をつくり、生産量は現在の年間約600万本から1千万本に増える。同社によると、凍結乾燥製剤でこれだけ大規模な設備を持つメーカーは国内でも数少ないという。

 工場には同社が開発したオゾンガスを使った自動殺菌システムも導入する。

 今後は委託メーカーからの受注増に応じて、さらに設備を増やすことを予定しており、中川正之富山工場長は「2010年以降の早期に着工したい」としている。

437荷主研究者:2009/09/06(日) 21:43:57

http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/wbg/2009/wbg0903-01.html
大日本住友製薬、米製薬会社を買収

 国内製薬7位の大日本住友製薬(以下、大日本住友)は3日、米製薬会社セプラコアの買収を正式発表した。大日本住友は2011年に米国で統合失調症の大型新薬を発売する計画で、セプラコアの販売網を活用し、米国市場でのシェア獲得を狙う。

 セプラコールは、マサチューセッツ州に本社を置き、呼吸器系や中枢神経系などの医療用医薬品に強みを持つ。直近の売上高は約1,200億円、精神神経系に詳しいMR(医療情報担当者)を1,000人以上抱える。3日から7営業日以内にTOB(株式公開買い付け)を開始、完全子会社化を目指す。買収金額は約2,500億円になる見込みである。

 大日本住友は、旧大日本製薬と旧住友製薬が2005年に合併、2009年3月期の連結売上高は2,640億円で国内製薬7位である。日本は相次ぐ薬価切り下げで市場が伸び悩んでいるため、新薬による米国進出を目指していた。主力の統合失調症新薬「ルラシドン」は、米国で臨床試験の最終段階で、2010年に販売許可を米食品医薬品局(FDA)に申請し、2011年から発売する計画で、現地に強い販売網を持つセプラコールの買収で本格的な米市場進出を果たし、早期の拡販を狙う。

 買収後の売上高は単純合算で約3,800億円と、5位の田辺三菱製薬に迫る規模となる。

 国内の製薬会社では、武田薬品工業が昨年に米バイオベンチャー、ミレニアム・ファーマシューティカルズを約9,000億円で買収したほか、第一三共はインドの後発薬大手、ランバクシー・ラボラトリーズを、塩野義製薬は米製薬会社、サイエル・ファーマをそれぞれ傘下におさめるなど、海外事業強化を急いでいる。いずれも収益を支えてきた主力薬の特許切れが背景にあり、M&Aによる海外市場進出は、準大手も含めて今後とも続きそうだ。

(参考:大日本住友製薬 ニュースリリース 2009年9月3日などより)

438荷主研究者:2009/09/06(日) 21:45:07
>>437
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=ae1WsY74nT1U&refer=jp_top_world_news
大日本住友株は急反落、米社買収で業績リスク内包−メリル証格下げ 9月4日(ブルームバーグ)

 国内製薬中堅の大日本住友製薬の株価が一時、前日比5.2%安の972円と急反落。3日に発表した米医薬品会社セプラコアの買収自体については評価する向きが多いが、セプラコアの主力製品が5年以内に特許満了を迎えるため、一部アナリストの指摘をきっかけに将来的な業績リスクにつながるとの懸念が広がった。

 メリルリンチ日本証券は3日付で、大日本住友株の目標株価を800円から840円に引き上げる一方で、投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。セプラコア(マサチューセッツ州)の売上高の88%を占めるぜんそく治療薬「ゾペネックス」や睡眠障害治療薬「ルネスタ」の2品が2014年までに特許満了を迎えることから、15年度以降のセプラコアの収益が悪化すると分析した。

 大日本住友株は3日の取引で一時8.1%高の1095円まで急騰。日経テレコンが3日午前2時すぎに大日本住友が米セプラコアを株式公開買い付け(TOB)で買収する方針を固めた、と報道したことをきっかけに幅広い投資家から買いを集めた。

 ブルームバーグ・データによると、3日朝以降に大日本住友株に対する見解を出したアナリストは6人。そのうち、日興シティグループ証券が目標株価を840円から800円に引き下げたほか、JPモルガン証券は投資判断を「中立」から「リストリクティッド」に変更した。

記事に関する記者への問い合わせ先 東京 鷺池 秀樹 Hideki Sagiike hsagiike@bloomberg.net

更新日時:2009/09/04 10:32 JST

439荷主研究者:2009/09/12(土) 20:23:12

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909110092a.nwc
2009/9/11 Fuji Sankei Business i.
旭化成など化学各社、LED関連事業を強化 高付加価値、新収益源に育成

旭化成が販売を強化するLED光源の看板パネル

 化学メーカーで、LED(発光ダイオード)関連製品の開発・販売を強化する動きが相次いでいる。LEDは省エネ効率が高く、家庭用照明器具など幅広い用途で需要の拡大が確実視されていることが背景にある。国内化学各社は、価格競争力に勝る中国やインドの新興国勢に押され、汎用の石油化学製品の採算性が急速に悪化しており、LED関連事業を新たな収益源に育成したい考えだ。

 ◆売上高30億円狙う

 信越化学工業は10日、LED照明を従来よりも明るく発光させることのできる部材を開発したと発表した。

 耐熱・耐光性に優れたシリコーン樹脂を素材に採用。強い光と150〜200度の高温を発するLEDと組み合わせられるようにした。従来使用していた素材では、こうした高輝度・高温のLEDとともに長時間使った場合、部材が劣化する難点があった。

 今後、LED照明を手がける電機メーカーなどの性能評価を受けて、2010年にも量産し、13年に30億円の売り上げを目指す。

 旭化成は20年度をめどに、独自開発したアクリル樹脂の板にLEDを組みこんだ発光型の看板パネルの売上高を現在の20倍の10億円に引き上げる。

 LED光源の看板パネルは、蛍光灯を使う従来品に比べて消費電力を4分の1以下に減らせる。厚みも3センチ以下と蛍光灯を使う製品の15〜30%に抑えられ、駅構内の狭い通路などにも取り付けることができる。

 「省エネ志向の高まりに伴い従来品からLED採用製品への切り替え需要が拡大する」(同社)と期待を寄せており、看板メーカーなどに売り込む。

 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は、来年4月以降、白色LEDの基幹部品の生産態勢を強化するほか、欧米市場でLED照明器具の販売にも乗り出す方針を明らかにしている。

 ◆省エネ効率が3倍

 三菱化学は、自然光に近い光を発する白色LEDの製造技術を持っており、「明るさだけでなく光の質が問われる室内照明での需要拡大を期待している」という。省エネ効率が一般的なLEDに比べ3倍高い製品の開発も進めるなど、最重要領域の1つとして事業強化を急いでいる。

 照明用LEDでは、昭和電工も今年4月に植物の育成に適した赤色の光を放つLED部材を開発した。野菜や果物の室内栽培用途の需要を吸い上げるのが狙いだ。

 市場調査会社の富士経済の調べでは、LEDの世界市場は08年の5352億円から12年には6363億円に拡大する見通し。化学各社は、今後も持ち前の先端技術を生かした高機能製品を投入することで、LED関連需要の取り込みを図る方針だ。

(山田泰弘)

440荷主研究者:2009/09/12(土) 20:27:19

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909090080a.nwc
2009/9/9 Fuji Sankei Business i.
昭和電工 世界最大容量の磁気ディスク 量産態勢で需要吸い上げ

 昭和電工は8日、パソコンのデータ記録に使うハードディスク駆動装置(HDD)の基幹部品である磁気ディスクで、直径2.5インチタイプとしては記録容量が世界最大となる新製品の量産を始めたと発表した。パソコンの高性能化に伴い、HDDに記録するデータ量も飛躍的に増えている。このため同社は、大容量化を進めた新製品の投入で需要の吸い上げを狙う考えだ。

 新製品は磁気をより細かく記録できるようにすることで、従来製品の1.3倍となる1枚あたり334ギガ(1ギガは10億)バイトの記録容量を実現した。直径2.5インチで記録容量が330ギガバイトを超える製品は初めて。

 同社の千葉事業所(千葉県市原市)とシンガポール工場で生産し、今後数年間で従来製品から新製品への生産切り替えを進める考えだ。

 磁気ディスクの世界市場は年間およそ8億枚前後で、そのうち25%程度のシェア(市場占有率)を握る同社は、磁気ディスクを中核事業に位置づけ、製品開発のほか生産態勢の強化にも力を入れている。

441荷主研究者:2009/09/12(土) 20:29:38

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909080075a.nwc
2009/9/8 Fuji Sankei Business i.
クラレが歯科材料の新プラント 20万セット増強へ55億円投資

 クラレは7日、虫歯治療の詰め物に使う歯科材料の新プラント(新潟県胎内市)の建設を来年10月に開始すると発表した。新プラントは当初、2008年度中の着工を予定していたが、昨秋以降の需要減を受けて計画をいったん凍結していた。同社は、今春から歯科材料の需要が上向いたことで、継続的な市場拡大を期待できると判断。需要の増加に応えるため、設備増強の計画を再開した。

 新プラントは、歯に詰める充填(じゅうてん)材と充填材を固定する接着剤の年産能力が合計110万セットで、現行プラントに比べ能力を20万セット分増強する。設備投資額は55億円で延べ床面積は9800平方メートル、12年11月の本格稼働を予定している。

 同社は、歯科材料で国内4割のトップシェアを握っており、高収益の期待できる成長分野に位置づけている。このため、今後も需要増に応じて生産能力を高める方針で、14年度以降に新プラントの年産能力を150万セットに拡張することも検討している。

 また、同社は昨年、オランダとイタリアに現地法人を設立し、欧州での直販体制を拡充した。

 新プラントはこれらの海外市場を見据えた生産拠点としての意味合いも強い。今後も国内外で生産、販売体制の整備を進め、歯科材料の事業競争力を高める方針だ。

442荷主研究者:2009/09/12(土) 20:31:18

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909070037a.nwc
2009/9/7 Fuji Sankei Business i.
旭化成 「ノンホスゲン法」 原料にCO2、排出抑制にも貢献

 化学大手の旭化成は、原料に温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を使ってCDやDVDなどの光ディスク向けポリカーボネート(PC)樹脂を製造する独自の製法「ノンホスゲン法」の海外展開を加速している。

 PC樹脂は透明度が高いのが特長で、光ディスクのほか、自動車のテールランプカバーや家電部材向けで広く使われており、今後も中国をはじめとする新興国を中心に中長期的な需要の拡大が続く見通しだ。これに加え、地球温暖化対策の意識が世界的に高まる中、CO2を原料としていることから、PC樹脂市場の拡大に合わせてノンホスゲン法の採用が世界的に拡大するとみている。

 ≪猛毒使わずコスト削減≫

 ノンホスゲン法は、CO2を他の化学物質と反応させることで一酸化炭素と酸素に分離し、最終的にPC樹脂と衣料品に使うポリスエステル繊維の原料になるエチレングリコールを生成する。通常の製造法で必要になる猛毒ガスのホスゲンを使わずに済むことに加え、原料にCO2を使うため、CO2排出量の削減にもつながる“一石二鳥”の手法といえる。環境対応に優れているだけでなく、プラントを建設する際のコストが、従来よりも割安となる利点もあるという。

 ホスゲンを使う従来の製造法では、ガス漏れを防ぐための設備や、塩素系の有毒廃棄物が含まれた排水を浄化する処理装置を備えなければならない。しかし、ホスゲンを使わなければそれらの大がかりな設備も不要となり、プラントの建設コストも抑えられるというわけだ。

 旭化成の林善夫取締役は「アルミの膜と組み合わせて作る光ディスクの製造にノンホスゲン法によるPC樹脂を使った場合、製造過程で塩素を使わないため、アルミの劣化も防げる」と、高品質の製品を作り出せるメリットを強調する。

 同社がノンホスゲン法の開発に着手したのは、1977年にさかのぼる。88年に実証プラントを稼働し、2002年には台湾の化学メーカーとの合弁プラントで商業生産にこぎつけた。

 25年の歳月をかけて実用化に成功した独自技術だが旭化成ではPC樹脂の生産は行わない。製造技術を供与して対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂メーカーと結び、ノンホスゲン法を世界に展開するという戦略だ。

 独自の優れた技術を持ちながら自らがPC樹脂生産に乗り出さないのは、後発の立場で参入するよりも、市場動向に左右されないライセンス契約で事業を展開した方が収益性が高いと判断したためだ。「環境対応に優れた製造法として世界のPC樹脂メーカーに向けて技術を広めたい」(林取締役)と意気込む。

 ≪海外展開を加速≫

 現在、ノンホスゲン法によるPC樹脂の年産能力は、世界の1割弱を占める33万5000トンに達する。海外では台湾のほか、韓国、ロシア、サウジアラビアの4カ国・地域で5プラントが稼働している。さらに2010年には、サウジアラビアで年産能力26万トンの大型プラントも加わる。林取締役は「ライセンス契約の拡大を通じ、15〜20年をめどにノンホスゲン法による生産能力を100万トン以上に高め、約25%のシェアを確保したい」としており、今後は欧州や中国の化学メーカーとも積極的に契約を結んでいく考えだ。

 生産能力増強とCO2排出量の抑制という両立させづらい課題の克服は化学メーカーの“悲願”ともなっているだけに、今後も各国で旭化成の独自製法の採用が進む見通しだ。(山田泰弘)

443荷主研究者:2009/09/12(土) 20:32:18

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909040025a.nwc
2009/9/4 Fuji Sankei Business i.
帝人など 電子機器向け「放熱材」 小型化に対応 製品開発活発化

日立化成工業が開発した熱伝導性と絶縁性を備えるシート型放熱材

 化学・合繊などの素材メーカー各社が、パソコンや携帯電話といった電子機器の過熱を防ぐ放熱材の開発・販売を強化している。ノートパソコンなど電子機器の小型化に伴い、電子部品が密集する機器の内部が高熱化するため、故障や性能の劣化を防ぐ「熱対策」の必要性が高まっているためだ。各社では繊維や樹脂加工の先端技術を活用した放熱材事業を新たな収益源の1つに育成したい考えだ。

 帝人は熱を逃すための熱伝導性が金属よりも高い炭素繊維「ラヒーマ」を樹脂と組み合わせた放熱材の実用化に向けて研究を進めている。ラヒーマは石炭由来で熱伝導性が高いピッチ系炭素繊維。この市場規模は、アクリル繊維から作る軽くて強いパン系炭素繊維の数%程度に過ぎない。しかし、電子機器の小型化に合わせて小さく複雑な形の放熱材が求められる中で、同社では「ラヒーマを使った放熱材は熱を逃す性能が高いだけでなく、金属の放熱材よりも加工がしやすい」と自信をみせている。

 ラヒーマは年間50トン規模で生産しているが、需要増に応じて将来的には数百トン規模への拡大も視野に入れている。

 合繊メーカーでは東洋紡も今春、樹脂加工を手がけるポリマテックと共同で、放熱材向けに熱伝導率の高い炭素繊維を開発した。同社は、電子部材メーカー向けに需要拡大を見込んでおり、早期の量産化を目指す方針だ。

 一方、日立化成工業は7月に熱伝導性と同時に電気を通さない絶縁性も備えたシート型放熱材「ハイセット」を開発した。1つの部材に2つの機能を持たせた製品で、機器の小型化に合わせて使用部材を減らす設計が増えていることに応える狙いがある。同社は2013年に50億円の売り上げを目標にしている。

 住友大阪セメントも電子部材メーカーの利昌工業と共同で、液状の放熱材を開発した。放熱材を部材のすき間に流し込んだ後で固められるため、細かい部品にも放熱材を密着させられるのが特徴だ。同社では「電子機器の小型化が急速に進む中で、熱対策に不可欠な放熱材は市場の拡大が見込める」とみており、今後も製品開発に注力する方針だ。

 携帯電話が多機能化し、ミニノートパソコンが人気を集めるなど、電子機器の小型・高性能化の流れは加速している。需要拡大の波に乗り遅れないよう、素材メーカーの間で放熱材の機能を強化する取り組みは今後も活発化しそうだ。(山田泰弘)

445荷主研究者:2009/09/17(木) 22:38:19

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909150013a.nwc
2009/9/15 Fuji Sankei Business i.
住化など化学・合繊各社、医薬・医療事業拡大 “安定収益”求め海外展開加速

住友化学傘下の大日本住友製薬の英ロンドンの開発拠点。国内化学・合繊各社は、医薬・医療事業の海外展開を急いでいる=大日本住友製薬提供

 化学・合繊メーカーがM&A(企業の合併・買収)や新製品の投入などを通じて医薬品や医療機器を扱う医薬・医療事業で海外展開を加速している。汎用の石油化学製品や繊維が中国などの新興国メーカーに押されて採算が悪化するなか、各社は、市況に左右されにくく高収益が期待できる医薬・医療分野で事業規模を拡大し、経営体質の強化を図りたい考えだ。

 住友化学は9月、医薬事業子会社の大日本住友製薬による買収を通じ、米製薬会社のセプラコール(マサチューセッツ州)を子会社化すると発表した。買収金額が26億ドル(約2354億円)に上る大型M&Aで医薬事業の拡大を狙う。

 住友化学は、市況に左右されやすい石化部門が、売り上げ全体の5割以上を占めている。将来的にはこれを4割程度に低減する方針で、医薬事業の売り上げ規模拡大は不可欠だ。このため、中枢神経系などの医療用医薬品に強みがあり、強固な販売網を持つセプラコールを傘下に収めることで、「米国市場に本格進出し、事業基盤の強化を加速する」(同社)考えだ。

 旭化成も9月、医療機器メーカーのミスズ・サンメディカルHDと共同で心不全患者の体内に埋め込む人工心臓の「エヴァハート」の米国での臨床試験の許可を受けた。同製品は、欧州では2011年度、米国では15年度に発売する予定で20年度の海外売り上げ250億円を目標に掲げており、「市場規模が最も大きい米国で臨床試験にこぎ着けたのは大きな節目」(旭化成)と力を込める。同社は今後、腎臓病患者の人工透析に使う人工腎臓でも中国や欧州での需要拡大に対応し、生産能力の増強を進める考えだ。

 合繊メーカーも医薬・医療事業を強化する動きが相次いでいる。帝人は、呼吸器系患者の在宅医療に使用する酸素濃縮器を、11年をめどに欧米市場に投入する計画だ。

 クラレも虫歯治療の詰め物に使う歯科材料の欧州での販売拡大に向けて、生産態勢の増強に乗り出した。55億円を投じ、12年11月をめどに生産能力を2割以上高める。

 各社に共通するのは、安定した収益を見込める医薬・医療事業の拡大をはかり、世界展開を強化する戦略だ。国内市場が人口減の影響で頭打ちとなる中、成長を期待できる海外市場に照準を合わせた各社の取り組みが今後も活発化する見通しだ。(山田泰弘)

447荷主研究者:2009/09/22(火) 21:15:43

http://news.shikoku-np.co.jp/kagawa/economy/200909/20090901000127.htm
2009/09/01 10:26 四国新聞
帝国製薬(東かがわ市)とテルモが業務提携

 帝国製薬(香川県東かがわ市)とテルモ(東京)は31日、がんなどの痛み(がん性疼痛[とうつう])を和らげる医療用麻薬製剤において、国内の開発、製造、販売に関する包括業務提携を行うことで基本合意したと発表した。帝国製薬が主に開発、製造を行い、テルモが独占販売する。

 貼付剤大手の帝国製薬は、経皮吸収技術の応用と「痛みからの解放」を商品開発の中核に位置付け、麻薬製剤の開発、製造事業を展開。業務提携に基づき、経口剤と貼付剤の2種類の麻薬製剤について、医薬品認可の取得など市場投入準備を進める。

 テルモが、がん性疼痛の緩和領域に事業参入するのは初めて。同社は「がんの痛みに対するケアはまだ十分とは言えず、薬剤市場において今後の拡大が期待される分野」としている。

449荷主研究者:2009/09/27(日) 23:15:46

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200909250011a.nwc
2009/9/25 Fuji Sankei Business i.
化学大手 環境技術の開発加速 温室ガス削減へCO2原料化

出荷に向けて運ばれる製鉄用コークス。三菱化学は、石炭を蒸し焼きにする過程でも発生するコークス炉ガスを樹脂原料にする技術を開発している=香川県坂出市の坂出事業所

 大手化学メーカーが、温室効果ガスの排出を抑制するため、二酸化炭素(CO2)やメタンを樹脂原料とする技術開発を進めている。

 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学が石炭を蒸し焼きにした際に発生するコークス炉ガス(COG)をプロピレンの原料に利用しようとしているほか、三井化学もCO2から樹脂原料を製造するため技術を開発している。石油を原料として使う化学業界は、製造過程で多くのCO2を排出する。各社とも排出を抑制できる環境対応技術が、競争力を高める上で不可欠と判断しており、新技術の開発、普及で収益拡大を目指す。

 ≪副産物を活用≫

 三菱化学は、石炭を製鉄用コークスに加工する際に副産物として発生するCOGを使い、自動車部材などに使う樹脂の原料となるプロピレンを生産する技術開発を進めている。COGの成分の約6割は水素だが、メタンも約3割を占める。このうち水素はボイラー燃料などとして利用。一方、温室効果ガスであるメタンは触媒と反応させる過程を経てプロピレンにする。通常は石油を原料とするが、COGの活用により製造工程を減らすことで、プロピレン製造時のCO2排出量を抑制できる。

 三菱化学は坂出事業所(香川県坂出市)と、傘下の関西熱化学の加古川工場(兵庫県加古川市)でコークスを生産しており、年産能力は合計640万トン。コークスをフル生産した場合、30万トンのプロピレンを副産物のガスから作り出すことができ、石油を原料とする場合に比べて、年間22万トンのCO2を削減できるという。事業化に向けて、水島事業所(岡山県倉敷市)内に実証プラントを作ることも検討している。

 三井化学もCO2から樹脂原料となるメタノールを作る技術の早期の事業化を目指している。4月に、大阪工場(大阪府高石市)内に建設した年産能力100トンの実証プラントを稼働した。CO2排出量の多さに困っている企業が多いことから需要の広がりを期待できるとし、「今後、具体的な実用化の方向性を早急に詰める」(田中稔一社長)考えだ。

 ≪PC樹脂製造に≫

 一方、旭化成はCO2を原料に、CDやDVDなどの光ディスクに使うポリカーボネート(PC)樹脂を製造する独自製法をすでに実用化している。製造技術を付与し、対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂の製造メーカーと結んでいる。

 PC樹脂を製造するには、通常は猛毒ガスのホスゲンも原料に使うが、旭化成の製造法では、より安全なエチレンオキサイドとビスフェノールAを使える利点もある。旭化成の製造法によるPC樹脂の年産能力は現在、世界の1割弱を占める33万5000トンで、同社はライセンス契約を拡大し、2015〜20年をめどに100万トン以上に高めたい考えだ。(山田泰弘)

450荷主研究者:2009/09/27(日) 23:17:11

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820090911aaaa.html
2009年09月11日 日刊工業新聞
旭化成ケミカルズ、サウジで石化事業−200億円投資

 旭化成ケミカルズはサウジアラビアで検討している同国石油精製・石油化学最大手、サウジ基礎産業公社(SABIC、サビック)との石油化学事業に約200億円を投資する。

 現在、旭化成ケミカルズとSABICは2013年のプラント稼働を目指して企業化調査を行っており、年内にも基本合意する見通し。旭化成ケミカルズが中東地域に進出するのは初めてとなる。

 計画では旭化成ケミカルズが開発したプロパンガスからアクリル樹脂などに使うアクリロニトリル(AN)を製造するプラントを13年までに建設する。生産能力は年20万トン。両社が共同出資で合弁会社を設立して事業を運営する。

 旭化成ケミカルズはタイの石油精製・石油化学最大手のタイ石油公社(PTT)とも同じ枠組みでAN事業を進めている。そのためサウジアラビアの投資額もタイと同額の約200億円になる公算が大きい。

451荷主研究者:2009/09/27(日) 23:17:54

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820090911aaab.html
2009年09月11日 日刊工業新聞
三井化学、植物性原料から化学品量産する技術開発に着手

 三井化学は遺伝子操作した大腸菌を使い、木質などの植物性原料から化学品を量産する技術の開発に着手した。すでに茂原分工場(千葉県茂原市)内の研究施設で実験を重ねており、早ければ1年以内に生体触媒を使い化学品を量産する技術を確立する。同技術を使えば、植物性原料から自動車部材など幅広い用途に使うプロピレンの原料となるイソプロピルアルコールが生産できるほか、生分解性樹脂に使うポリ乳酸も作れるようになる。同社は技術的な難易度や市場性などから複数の生体触媒に優先順位を付けて、量産化に向けた実験を進める。

 大腸菌を使って、植物性原料から化学品を作る技術が確立すれば、石油など化石資源に依存してきた化学産業にとって大きな転換点となる。

452荷主研究者:2009/09/27(日) 23:18:39

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820090910cbau.html
2009年09月10日 日刊工業新聞
旭化成ワッカーシリコーン、茨城・明野に車用開発拠点

 旭化成ワッカーシリコーン(東京都千代田区、二宮聖社長、03・3291・2281)は、同社の明野工場(茨城県筑西市)に自動車用シリコーン開発センター(ACES)を開設した。将来的に自動車の需要増加が見込めるアジア地域の中核的な開発拠点とすることで、大手自動車や部品メーカーとの連携を強化する。同開発センターには折半出資する独ワッカーの人員も加わる。独ワッカーのアジア戦略上、重要な拠点となる。

 独ワッカーは中国の上海市などにも事業拠点を持つが、シリコーンの自動車用途の拡大に伴い、自動車産業の中心である日本国内にアジア地域の戦略的拠点を構築する必要があると判断した。今後、大手自動車メーカーや部品メーカーへ技術情報を発信することで、新規顧客の獲得を目指す。また顧客への技術支援をこれまで以上に密接に行い、メーカーとの連携をさらに強化していく方針。

453荷主研究者:2009/09/27(日) 23:25:35

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820090827cbad.html
2009年08月27日 日刊工業新聞
タテホ化学、電磁鋼板用酸化マグネシウムの生産能力2割増強

 タテホ化学工業(兵庫県赤穂市、湊哲則社長、0791・42・5041)は、2010年度内に酸化マグネシウムの生産能力を現行比2割引き上げる。同社の酸化マグネシウムは発電所の変圧器などに使われる高級電磁鋼板用。今後、中国、インド、中東などで電力インフラ整備が見込まれるため、生産能力を増強し、旺盛な需要に対応する。

 酸化マグネシウムの生産能力増強は2008―10年度の設備投資計画の一環として行う。本社工場の焼成工程などを増強する。すでに終えた水酸化マグネシウムの能力増強と合わせて、総投資額は3年間で10億円。同社の酸化マグネシウムは方向性電磁鋼板用の絶縁被膜形成に用いられる。方向性電磁鋼板は、鋼板中の結晶の向きが一定方向にそろった電磁鋼板で、変圧器に用いた場合は電力損失を低減できるのが特徴。同社は方向性電磁鋼板用の酸化マグネシウムではトップシェア。

454荷主研究者:2009/10/04(日) 03:54:11

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910020012a.nwc
2009/10/2 Fuji Sankei Business i.
昭和電工、三菱ケミなど化学各社 急ぐグループ再編 収益力確保

昭和電工は、工業ガス事業のアジア展開拡大に向けて意思の決定の迅速化を狙い、傘下の昭和炭酸を完全子会社化する=東京都港区の昭和電工本社

 化学メーカーの間で、子会社の集約や完全子会社化によるグループ内再編の動きが一段と加速している。不況による需要減に加え、中国など新興国メーカーの攻勢を受けて収益性が大幅に悪化しているためだ。経営効率化を通じ、各社は「競争力強化につなげる」としている。

 昭和電工は今年12月、食品や溶接に使う液化炭酸ガスや窒素など工業ガスを販売する子会社の昭和炭酸を完全子会社化する計画だ。

 昭和電工は昭和炭酸の株式の50.1%を保有しており、これまで炭酸ガス原料の供給や、窒素や酸素の販売委託などを行っていた。

 出資拡大に踏み切ることで、「経営の意思決定を速めて成長の続く中国を中心としたアジア地域での事業拡大を目指していく」(同社)という。

 持分法適用会社の日本合成化学工業を9月に連結子会社化したのが三菱ケミカルホールディングス。液晶ディスプレー用フィルムをはじめ需要増が見込める高機能樹脂を製造する日本合成化学と研究・開発面で連携を強化する狙いがある。

 旭化成も2010年度末までに、人工透析装置などの医療機器の開発・製造を手がける子会社のメテクの完全子会社化に踏み切る。高齢化社会での市場拡大が見込める医療・医薬関連事業で開発力を高める考えだ。

 これに対して、三井化学は7月、子会社である三井化学ファインと三井東圧無機薬品を合併した。三井化学ファインがヘアカラー原料を販売する一方、三井東圧は塩酸などの工業用薬品を製造、販売してきたが、今後は存続会社の三井化学ファインがこうした事業を扱う。

 両社で対象地域の重なる営業拠点を統合し、固定費を中心に年間9000万円のコスト削減を図る。

 三井化学は不採算製品からの撤退とともに、グループ内再編も進めることで「あらゆる収益改善策を徹底する」方針だ。

 化学業界では、三菱ケミカルと旭化成が生産能力過剰が指摘される石化製品の基礎原料であるエチレン製造設備の一体運営に向けて調整を進めるなど、収益改善のための抜本的な対策を急いでいる。

 全体の市況が落ち込む中で業績回復を図るには、「コスト削減や経営判断の迅速化が欠かせない」(化学大手)。子会社の集約や資本関係の見直しなど、グループ内の再編を急ぐ動きは今後も相次ぎそうだ。(山田泰弘)

455荷主研究者:2009/10/04(日) 04:04:01

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820091002aaac.html
2009年10月02日 日刊工業新聞
ダイセル、ポリエチレン製ギ酸ドラムをリサイクル

 ダイセル化学工業は今月上旬から北海道でポリエチレン製のギ酸空ドラムのリサイクル事業を始める。酪農家の飼料用添加物のギ酸の空ドラムを配達時の戻り便で回収し、北海道砂川市に4500万円を投じて整備した工場で洗浄・再利用する。再利用できないドラム缶は破砕し、再生ペレットとして道内で販売する。当面回収率85%、再利用率70%を目指す。過去に販売し、農場に放置されているドラム缶も2019年までに完全回収する。

 同社は酪農家が大型サイロに蓄える飼料の添加物として、子会社のダイセルファインケム(東京都中央区)を通じてギ酸をドラム缶で販売している。現在の販売量は年間1700トンで、ドラムにして年間約7000本。国内で製造したギ酸を自社で充填(じゅうてん)してドラム缶ごと売る事業モデルがここ10年続いていた。空になったドラムが農場に放置されるケースが増え、地元の農家・農協などから回収のニーズが強まっていた。

456荷主研究者:2009/10/04(日) 04:06:01

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020090929ceah.html
2009年09月29日 日刊工業新聞
旭化成クラレ、医療機器開発・製造のメテクを子会社化

 旭化成クラレメディカル(東京都千代田区、吉田安幸社長、03・3296・3750)は28日、医療機器開発・製造のメテク(東京都板橋区、辻剛社長、03・3965・0241)を子会社化すると発表した。10月1日付でメテク株式を追加取得し、出資比率を15%から68%に引き上げる。さらに2011年3月までに残りの全株式を取得し、完全子会社化する予定。取得額は非公表。

 メテクは経営体制を取締役制から執行役員制に変更。社長を含めてボードメンバーの過半数を旭化成クラレメディカルが派遣する。

 メテクは小型ポンプ技術を核に、血液透析・腹膜透析や輸液ポンプ、血液浄化装置分野で、大手医療機器メーカーからのOEM(相手先ブランド)受託生産を軸に成長してきた。

 09年6月期売上高は31億円。海外展開を加速するには旭化成クラレメディカルとの統合的運営が有効と判断した。子会社化後もOEM受託生産は継続する。

457荷主研究者:2009/10/10(土) 18:05:25

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2009/10/06 建設新聞
南相馬市・藤倉ゴム工業
小高工場建設へ近く施工者選定
約4300㎡、来年10月完成へ

 藤倉ゴム工業(東京都品川区西五反田2丁目11の20 社長・中光好氏)は、福島県南相馬市の「小高工場」(仮称)建設計画について、その施工者を設計・施工方式で選定するため、中央・地元3社程度からの提案内容を検討した結果、近く決定作業に入る。

 今回の計画は、現在、ゴルフ用カーボンシャフトのテストフィールドとして使用している南相馬市小高区行津地内の約13万6、000㎡の敷地に、小高工場を建設し原町工場(福島県南相馬市)で稼働しているゴルフ用カーボンシャフト製造設備を移転し、さらに、大宮工場(さいたま市大宮区)で稼働している産業用資材製造設備の一部を原町工場に移転させるもの。

 小高工場の施設規模は約4、300㎡が見込まれ、今後、設計作業を経て、来年早々の着工、来年10月ごろの完成が予定されている。

2009/10/06付1面に掲載

458荷主研究者:2009/10/10(土) 18:44:52

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910060069a.nwc
2009/10/6 Fuji Sankei Business i.
三菱化学、病院向け新サービス 歩行データ分析し健康管理

 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は2日、歩くリズムや歩数など、人の動きを小型の携帯機器で計測・分析する健康管理データサービスの提供を8日から始めると発表した。高齢者の健康状態の把握や歩行が困難になるパーキンソン病の治療など幅広い用途での普及を目指し、医療関連の研究機関や病院などに売り込みをかける。

 サービスの名称は「見守りゲイト」で、人の動きを感知できる小型携帯機器=写真=を使い、この機器をベルトにつけた人の歩数や歩く勢いを0.01秒ごとに計測し、蓄積したデータを三菱化学が分析して病院などに提供する仕組み。病院側はコンピューターに表示されるグラフで、歩数の増減や歩行の乱れを簡単に確認できる。

 同サービスを利用すれば、例えば健康状態が歩き方にあらわれるパーキンソン病の患者が、治療薬を飲んだ場合の効き目が把握しやすくなり、適切な薬の種類や量を決められるという。

 同サービスは、同社が石油化学製品の開発で培った数値分析技術を応用し、電車や自動車に乗っているときの振動を除き、歩行データだけを正確に測定できるのが特長。同社は「脳梗塞(こうそく)などで歩行が困難になった人のリハビリにも便利に使える」と利用拡大に期待を寄せており、計測機器の小型・軽量化やデータ解析技術の向上をさらに進め、サービスの質を一段と高める考えだ。

 同社は、医薬・医療関連事業の強化を経営方針に掲げており、今回のサービスもその一環だ。

 今後は国内に続き、欧米でもサービスを展開する方針で、2014年度に同サービスで30億円程度の売り上げを目指す。

459荷主研究者:2009/10/10(土) 18:53:29

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180009a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】三菱化学 50年後見据え エコ技術を「創造」

石油化学製品の基礎原料となるエチレンを国内最大規模で清算する三菱化学の鹿島事業所=茨城県神栖市

 化学最大手の三菱化学は、1934年に三菱鉱業(現三菱マテリアル)と旭硝子の折半出資により設立された日本タール工業が前身の旧三菱化成と、56年に発足した旧三菱油化が94年10月に合併して誕生した。内需の低迷や輸入品の流入に対応して価格競争力をつけるのを目的に合併に踏み切った。

 34年当時の三菱本社社長は、現在の三菱グループの基礎を作ったと言われる三菱4代目社長の岩崎小弥太。事業ごとの分社化を進め、日本タール工業以外にも、17年に三菱造船(三菱重工業)、18年に三菱商事、19年に三菱銀行、33年に新興人絹(現三菱レイヨン)などを相次ぎ設立。重化学工業を主軸に「技術の三菱」を作っていった。

 日本タール工業は、35年に黒崎工場(現黒崎事業所)操業後、36年に日本化成工業に社名を変更。三菱広報委員会が発行した「マンスリーみつびし」(99年10月号)によると、「化成とは中国の古典の『易経』をもとにした小弥太の造語で、宇宙万物の生成発展を意味している」という。

 その後、53年に東邦化学工業を合併し、四日市工場(三重県四日市市)に変更。64年に水島(岡山県倉敷市)、69年に坂出(香川県坂出市)、78年に鹿島などに相次ぎ工場を建設し、石油化学トップの地位の礎を築く。石油化学製品の基礎原料となる、エチレンの年間の生産能力は約130万トンと国内最大規模を誇る。

 現在は、小林喜光社長のもと「大収縮に即応し、構造改革、創造・飛躍を加速」を基本コンセプトに据え、設備投資の圧縮や、石油化学の再構築を進めている。「中東や中国の大型プラント設立で、国内で汎用樹脂を生産するのはもはや限界」(小林社長)というのが、その理由だ。

岡山県水島事業所のエチレン製造設備

 ただ、縮小の中でも、30〜50年後の地球環境を視野に取り組む「地球快適化インスティテュート」を持ち株会社の三菱ケミカルホールディングスが今年4月に設立。「環境・資源・エネルギー」「水・食糧」「健康」をテーマに、事業化への道筋を探る組織を作った。「短期的な成果を期待するような組織ではない」ときっぱりいうものの、「21世紀、22世紀は化学の時代」を具現化してほしいとの願望も垣間見られる。また、原料を植物に含まれる、でんぷんの発酵技術を活用してできる「コハク酸」を利用するプラスチック樹脂の量産にもめどをつけている。

 社長室の水槽に、4匹のカエルを飼い始め、そこには会社と業界を「変える」という決意を込めている。

460荷主研究者:2009/10/10(土) 18:54:09

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180008a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】住友化学 海外進出で先鞭 中東に一大拠点

サウジアラムコとの合弁で建設したサウジアラビアにある「ラービグ」。17平方キロメートルの大規模プラント

 1913年、愛媛県新居浜の別子銅山で銅の製錬の際に生じる排ガスの中から、有害な亜硫酸ガスを除去し、それを原料に肥料を製造したのが住友化学の始まりだ。58年に愛媛工場で石油化学製品の基礎原料となるエチレンの製造設備を稼働させ、石油化学事業に進出した。現在は、石油化学事業については、千葉の京葉臨海工業地帯に位置する千葉工場に集約している。

 一方、海外展開については、同業他社よりも早く、84年にシンガポールにコンビナートを形成。日本の化学メーカーの海外進出の先鞭(せんべん)をつけたといわれる。現在は、自動車バンパーに使われる高品質樹脂などを生産し、中国をはじめとするアジア地域に供給している。

 なかでも、「当社始まって以来の非常に大きな存在になる」(米倉弘昌会長)と期待をかけるのが今年3月末に稼働を開始した、中東の石油化学コンビナート「ペトロラービグ」。

 当初予想の2倍に膨れあがった総額1兆円を、サウジアラビアの国営企業「サウジ・アラムコ」などと合弁で投じた。エチレン生産だけでも、1プラントで日本の総生産量の約2割をまかなう。生産量は年130万トンと世界最大級。中東のカントリーリスクを指摘する向きもあるが、スケールメリットに加え、ナフサでなく、安いエタンガスを原料に、汎用樹脂を生産するため、コストメリットが高い。この稼働が始まったことで、「世界3極体制」が構築された。国内依存からの脱却で、生き残りを目指す計画だ。

住友化学の千葉工場。年38万トンのエチレンを製造している=千葉県市原市

 また、技術力にも定評がある。同社が開発した「プロピレンオキサイド(PO)単産法プロセス」は、製造工程で副産物を発生させずに、塗料、接着剤などの原料となるPOのみを生産することを可能にした。塩素を含む廃棄物や排水が発生しないメリットも併せ持つ。同技術を用いた生産設備は、2003年から千葉工場で稼働を開始した。このほか、塩酸を塩素に転換する過程においても、従来の15分の1のエネルギーで生成できる技術を確立している。

 CSR(企業の社会的責任)活動においては、防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」が有名だ。需要国のアフリカで現地生産し、雇用も確保。米国のTIME誌において「世界一クールな技術」と絶賛された。

 同社は現在、100を超えるグループ会社とともに、基礎化学、石油化学、精密化学、情報電子化学、農業化学、医薬品の6つの事業分野にわたり、幅広い製品をグローバルに提供している。

461荷主研究者:2009/10/10(土) 18:54:42

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180007a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】三井化学 排出CO2を原料に変える挑戦

三井化学の大阪工場。現在、二酸化炭素からプラスチック原料を作る実証実験を進めている=大阪府高石市

 三井化学の前身は、1933年に東洋高圧工業(のちの三井東圧化学)が福岡県大牟田市に化学肥料の硫安を製造したことに始まる。97年に三井石油化学工業と合併し現体制となった。

 三井系の総合化学メーカーで、国内では三菱化学に次ぎ、住友化学・旭化成とほぼ同規模の2位級。製薬などを持つ他のメーカーと違い石油化学の比重が高いのが特徴だ。

 この三井化学が、石油化学事業を手がけたのが、日本の石油化学発祥の地といわれる岩国大竹工場(山口県)で58年に石油化学製品の基礎原料となるエチレンを生産してから。

 その3年前に、三井グループ7社と興亜石油により日本初の石油化学メーカー、三井石油化学工業が設立された。

 岩国大竹工場の生産品は、フラフープの素材などに使用され、爆発的に売れたポリエチレンなど創業時の主力10プラントは92年までに稼働をやめた。

 現在の主力工場は、58年に東洋高圧工業が創業を開始した大阪工場(大阪府高石市)、67年の三井石油化学工業の千葉工場(現市原工場)など。

 「技術の三井」と呼ばれ、開発力に定評があるのは、同業他社も認めるところ。

三井化学の大牟田工場。プラスチックメガネレンズの原料などを生産している=福岡県大牟田市

 三井化学は50年代初頭にドイツのチーグラー博士により発明された、化学反応で必要な成分を効率よく取り出す技術(触媒)を導入し、世界に先駆けて常圧法ポリエチレンの商業生産を開始。以来、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの触媒開発において、世界の主導的役割を担ってきた。

 加えて今、最も注目されているのが、工場から排出される二酸化炭素(CO2)から、樹脂などの原料であるメタノールを生産する「世界初」の実験設備を完成させたこと。

 同社は、大阪工場に今年3月に実証実験設備を完成。年産100トン程度を生産し、事業化のめどをつける考え。「化学技術の力で、無用なものを有用なものに転換する新しい価値を創り出せることを示す意味でも挑戦する」と船越良幸専務は事業化に強い決意をにじませる。商用化には、さまざまな課題にも直面するが、二酸化炭素を原料とする石油化学製品は「電機、自動車など環境経営を標榜(ひょうぼう)する企業からの受注」(化学業界関係者)が期待できるうえ、三井化学にとっても大きな武器となるはずだ。

462荷主研究者:2009/10/10(土) 18:55:21

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180006a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】旭化成 「多角化の相乗効果」で道拓く

水島にあるスチレンモノマー生産設備。重合し、できる樹脂は食品容器などに使われる=岡山県倉敷市

 旭化成は、1922年に設立されたレーヨン製造の「旭絹織」(滋賀県)と、「日本窒素肥料」のアンモニア合成工場(宮崎県延岡市)が出発点。ともに創業者の野口遵(したがう)が欧州から導入した技術が基礎となった。野口は、明治中期に東京帝国大学を卒業しながら官僚や財閥系企業への道を選ばず、日本の化学工業を独自に切り開いていったことでも有名だ。33年に2つの事業を統合し、「旭ベンベルグ絹糸」が誕生。さらなる合併を経て46年に「旭化成工業」に社名を変更した。

 多角化の相乗効果で発展するのが同社のお家芸。戦前にレーヨンの市価が暴落し他社が打撃を受けた際も、繊維と化学技術を融合し「ベンベルグ」という独特の人絹を造っていたおかげで、不況の影響を軽微にとどめた。

 戦後は海外技術を積極的に取り入れ「サランラップ」などの食品包装材や「ヘーベルハウス」ブランドの住宅など新規分野を開拓している。

 そのなかでも石油化学製品の基礎原料となるエチレンとともに、同社の石油化学事業を代表するのが、アクリル繊維や、自動車のサイドミラー、家電製品などに使われるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂の原料となるAN(アクリロニトリル)。62年に川崎製造所(川崎市川崎区)で年5万トン程度で稼働を開始。69年には水島製造所(岡山県倉敷市)でも生産を始めた。

主に繊維を生産する旭化成の延岡工場。市役所も気に入り、ガイドブックに掲載している=宮崎県延岡市(撮影:山下博久・旭化成マイクロシステム延岡事業所長)

 発色の良さ、保温性の高さなどで、ウールの代替としてのみならず、セーター、毛布、カーテン、カーペットなどでも使われ始めた。日本の繊維が華やいでいた時期に、日本の繊維産業をリードし支えた。現在は、ポリエステル繊維に需要を奪われているが、代わりにABS樹脂の原料としての需要が伸びている。75年には、韓国の石油化学発祥の地、ウルサンにおいて、政府主導で発足した東西石油化学に5割出資し子会社化。川崎、水島とともに現在は、3拠点で合計年75万トンを生産し、世界2位メーカーとなった。

 2010年末には、タイでAN原料としてガス田から出るプロパンを使って生産する新たな設備も稼働。これにより、生産量は95万トンに増える見通しで、世界首位級の規模となる。高い技術力を有するAN生産法で、世界マーケットをリードしていく考えだ。

463荷主研究者:2009/10/10(土) 18:55:56

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180005a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】東ソー たゆまぬ設備投資 地域に貢献

東ソー四日市事業。トヨタ自動車に近い立地を生かし、さらなる事業拡大をもくろむ=三重県四日市市

 東ソーは1935年に「近代的一大理想工場」を目指し、「日本曹達工業」(現トクヤマ)から独立した創業者の岩佐徳三郎が工場用地や従業員の確保などに奔走し、「東洋曹達工業」として山口県周南市で事業を開始した。以来、ソーダ、塩化物といったソーダ工業をはじめ、臭素、リン酸、セメントなど無機化学を中心として発展を遂げてきた。50年代には、石油が石炭に代わる安価な燃料となり、化学製品原料の主流に。

 この流れに対応するために、68年に同社などの出資で新大協和石油化学を四日市市に設立。塩化ビニール樹脂原料、レジ袋の原料などのポリエチレン、合成ゴムといった製品を生産し、石油化学分野への参入を果たした。

 創業の地である南陽事業所は、日本で最も歴史のある塩ビ原料(モノマー)工場と最新設備が混在する。単一工場としては国内最大級の300万平方メートル(東京ドーム約65個分)の敷地を持つ巨大事業所。今では、アジア最大の電気分解設備を持ち、塩とナフサ(粗製ガソリン)から塩化ビニール樹脂を一貫生産する「ビニールチェーン」事業では国内トップクラスの競争力を確保する。塩化ビニール樹脂は、上下水道パイプや建材といった用途に使われているほか、耐久性や防湿性の高さも手伝い、仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のバッグの素材としても使われている。

 一方で、南陽事業所は需要の中心である都心部から距離があり、輸送コストがかかるなどの課題もあったが、海外に目を向ければ、上海や韓国などに近いというメリットも。

東ソーの主力事業。塩化ビニール樹脂の製造プラント。=山口県周南市

 また、同社がユニークな点は、石油化学製品の基礎原料であるエチレンを生産しつつ、アジア最大級の購入も手掛けている点。現在は50万トンを四日市で安定生産し、60万トンを購入している。生産したエチレンを、塩化ビニール樹脂の原料として自社で消費しているのがその理由だ。

 国内設備投資がここ10年で2000億円と国内化学大手で最大なのも特徴。四日市や南陽の競争力強化もあるが、地域貢献の側面も大きい。

 周南市への納税額の1割強が東ソーグループだ。昨年には、四日市において、自動車の排ガス処理触媒などに使うゼオライトの高級品と、電子部品や歯科材料などに用いるジルコニア粉末の製造設備を新設した。

 オレフィン事業部の営業部長に就任した池田悦哉氏は「国内の産業を支えているという自負はある。今後は、弁当に例えるなら汎用品の白米をベースに、自社でしかつくれない特殊品をおかずに、特選幕の内弁当のような事業にしていきたい」と力を込める。

464荷主研究者:2009/10/10(土) 18:56:32

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180004a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】宇部興産 品質に定評 高度成長を下支え

宇部興産のナイロン原料製造プラント。昼と夜でまったく違う顔を見せる=山口県宇部市

 宇部興産は、創業者の渡辺祐策が「沖ノ山炭鉱組合」を1897年に宇部村(現山口県宇部市)に設立したことに始まる。同組合は、地元の地縁・血縁者が出資する「宇部式匿名組合」方式で設立された。資金を出しあって石炭を堀り、利益を蓄積して次の投資に当てることで企業規模と地域発展を同時に進める「共存同栄」をモットーとした。

 その後、1923年に「いずれは掘り尽くす有限の石炭を、無限の工業の価値に展開し、地域に長く繁栄をもたらそう」という意気込みのもと、石炭、機械につぐ3本目の柱として宇部セメント株式会社が発足した。

 同社が石油化学分野に進出したのは33年。化学肥料の硫安の生産に着手した。当時の硫安は、ほぼ全量が輸入品だったため、自社炭鉱の炭をガス化して硫安をつくろうという構想が進出のきっかけとなった。熱量の低い自社炭の活用は困難を極めたが、血のにじむような苦労の末、黒い石炭から白い硫安をつくり出すことに成功したという。

 現行体制になったのは42年。沖ノ山炭鉱、宇部窒素工業、宇部セメント製造、宇部鉄工所の4社が合併して宇部興産になった。

 56年には、今も化学事業の柱として同社の屋台骨を支える、ナイロン繊維やタイヤ原料となるカプロラクタムの生産を開始した。

宇部興産が生産するナイロン原料の生産設備=大阪府・堺市

 今では、世界第2位の位置につけ、同社の売上高の約2割を占めるまでに成長。会社が安定的なキャッシュフローを得るための「下支えの役割」(青木幸美ラクタムビジネスユニット長)を担っている。

 生産拠点は宇部、堺(堺市)、タイ、スペイン。今では、繊維需要は、ポリエステルにその地位を奪われつつあるが、イタリアの高級ブランド「プラダ」「フェリージ」のバッグや、生めんの厚手袋、釣り糸、カーペット素材などに使われるなど、用途は幅広い。綿やシルクなどの肌触りを保ちつつ、強度があることから、高度成長期には、世界を席巻した日本の繊維産業を後方支援した。

 経済不況の影響で、2008年の需要は前年比1割程度落ち込み、380万トン程度となっている。昨年11月からの3カ月間は、「大手との取引がゼロ」(青木ユニット長)になるほどだった。しかしながら、02年以降に撤退や生産能力縮小が相次ぐなか、宇部興産は、生産規模を維持。「UBE」ブランドは、品質にも定評があることで、市場で確たるポジションを得ている。

465荷主研究者:2009/10/10(土) 18:57:07

http://www.business-i.jp/news/culture-page/news/200907180003a.nwc
2009/7/18 Fuji Sankei Business i.
【プラントの肖像】昭和電工 「悲願」エチレン工場 成長の礎

昭和電工の川崎事業所にあるアンモニア製造プラント=川崎市

 昭和初期にできた化学肥料とアルミ精錬の会社が合併して発足したのが昭和電工。今年6月に創立70周年を迎えた。

 同社が石油化学事業に参入したのは1959年から。日本石油化学のエチレンセンター(川崎市)から原料供給を受け、レジ袋やシャンプー容器などに使われる高密度ポリエチレンの生産を始めた。

 当初から、石油化学製品の基礎原料となるエチレンの生産に意欲を示していたが、住友、三井、三菱などを育てたい通商産業省(現経済産業省)から認可が下りなかったといわれている。

通産省の許可がなかなか下りなかったが、悲願がかない1969年に大分でエチレン製造設備を完成させた=大分市

 ようやく、悲願がかなったのは69年。いくつかの候補地の中から大分を選択した。

 73年の第1次石油危機による原料価格高騰で、石油化学事業の将来性に疑問が出始めたなか、主力の大分コンビナートの第2期増設に踏み切り、総合化学メーカーとしての基礎を築いた。

 この増設は、通産省が生産調整を各社に通達していたなかでの強行策で、波紋を呼んだ。

 現在は、総合化学大手の一角に数えられているが、電子・情報材料など高収益の事業に注力するなど事業を再構築。89年に、自社の電気分解技術を生かし、ハードディスク事業に参入。2004年には、台湾のハードディスクメーカー「トレース」を連結子会社化したことで、生産能力と密度記録向上の技術で世界トップを誇り、外販メーカーとしては世界トップクラスのシェアを有することとなった。

 ■ツアー・写真集…人気集める工場鑑賞

 通常、工場見学は、小学生などの社会科見学としてしか開放しておらず、周辺や高速道路などからしか見られないのが実情だ。しかも工場周辺は特に、見学者を想定した歩道があるわけでもなく、あくまでも産業用道路の場合が多い。危険も伴うため、特に掲載した化学メーカーの生産設備を見るのは難しい。

 ただ、化学以外の業界を見渡せば工場見学を開催している例もあり、新日本製鉄の君津製鉄所、JFEスチールの千葉地区などが典型だ。

 そんな中、唯一見られるのが昭和電工の川崎地区の生産設備。といっても、「工場夜景ジャングルクルーズ」と題して、船の上から京浜工業地帯の夜景を運河から眺めることができるというもの。7、8月の予約はすでに一杯となるなど、人気を誇っている。

 また、工場のプラントがライトアップされた風景を集めた写真集「工場萌(も)え」も発売されている。東京書籍から2冊出ており、いずれも1900円(税別)。初級、中級、上級編の工場鑑賞デートの誘い方を紹介しており、読み物としても面白い。工場見学に行くかたわら、本を持参してもいいかも。

468荷主研究者:2009/10/18(日) 03:04:34

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020091015aaad.html
2009年10月15日 日刊工業新聞
東洋紡、医薬品開発・製造の一貫受託事業に参入

 東洋紡は医薬品の開発・製造の一貫受託事業に参入した。子会社の東洋紡ジーンアナリシス(大阪市北区、曽我部行博社長、06・6348・3789)が国内外の新薬メーカーや商社、大学から抗体医薬品、バイオ医薬品の開発受託を数件受注した。新薬メーカー側は治験、認可を経て2015年をめどに商品化を目指す。東洋紡は治験向けの原薬製造や量産時の製剤も自社グループで可能な強みを生かし、開発から製造までを一貫受託する事業モデルの確立につなげる。

 東洋紡ジーンアナリシスは08年、抗体医薬の一貫受注を狙いオランダ・クルセル(南ホラント州)のもつたんぱく質高生産ベクター技術「STAR」を導入した。抗体医薬は一般的に投与量が多く、いかに安く大量製造するかが課題。それには抗体から高発現クローンを取得する必要があるが、STARを使うと平均3カ月間で取得できるため、開発期間を短縮でき、コスト低減も可能。

471荷主研究者:2009/10/23(金) 00:47:26

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20091021304.htm
2009年10月21日04時55分 北國新聞
原薬製造設備を着工 高岡の第一ファインケミカル

 第一ファインケミカル(高岡市)は20日、本社敷地内で原薬の新たな製造設備を着工した。製薬大手の第一三共(東京)から製造技術の移転を受け、止血剤などに用いられる「トラネキサム酸」を供給する契約を結んだ。約50億円を投じ、2011年春の完成を目指す。

 第一三共は拠点再編の一環として、「トラネキサム酸」を生産する100%子会社、第一三共プロファーマ(東京)静岡工場の譲渡を決定し、代替拠点を探していた。原薬の供給実績などから第一ファインケミカルが浮上し、同社も製品群の拡充が原薬事業の強化につながると判断。両社で製造移管基本契約を交わした。

 「トラネキサム酸」は、出血の抑制や美白効果を持ち、医薬品、化粧品などに配合され、需要が拡大しているという。

 製造設備は、鉄筋4階建てで延べ床面積は約6千平方メートル。日米欧の医薬品の製造、品質管理基準(GMP)に対応させる。年間の製造量については、両社は非公開としている。

472荷主研究者:2009/10/23(金) 00:48:04

http://www.kensetsu-sinbun.co.jp/menu/きょうの建設情報.htm
2009/10/20 建設新聞
いわき市 荒川化学工業
化学製品製造・小名浜工場の増築計画
S4F延べ1950㎡ 来年7月着工へ

 荒川化学工業(大阪市中央区平野町1丁目3の7 社長・末村長弘氏)は、福島県いわき市にある小名浜工場の増築を計画し、22年7月の着工を目指す方針だ。

 ロジン(松脂)関連化学製品(製紙用薬品、印刷インキ、塗料用樹脂等)の製造・販売を行っている同社は、独自に開発した超淡色ロジンが優れた特長を有し、医療用粘着剤や鉛フリーはんだ用フラックス、プラスチック用添加剤など付加価値の高い分野で使用され、需要が増加していることから、小名浜工場に超淡色ロジンの生産設備を新設することにしたもの。

 計画によると、いわき市泉町下川字大剣399の5地内の用地4450㎡に、S4F延べ1950㎡の施設を建設、内部にバッチ式高圧反応設備1系列を設置する。

 22年7月の着工、23年6月の完成を目指す方針で、投資額は約30億円、生産能力は年間当たり約2、500㌧をそれぞれ見込んでいる。

2009/10/20付1面に掲載。

473とはずがたり:2009/10/28(水) 10:48:43

<花王>3月期業績予想を下方修正 エコナなどが影響
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091027-00000148-mai-bus_all
10月27日22時40分配信 毎日新聞

<花王>3月期業績予想を下方修正 エコナなどが影響
会見する花王の尾崎元規社長=東京証券取引所で2009年10月27日午後3時43分、長谷川直亮撮影
 花王は27日、10年3月期の当期(最終)利益予想を当初見込みの560億円から410億円に下方修正した。節約志向の強まりで高額化粧品の販売が低迷しているほか、円高で海外事業の利益が圧迫されるのが主因という。また発がん性物質に分解される可能性のある成分が含まれていたとして、食用油など「エコナ」シリーズの販売を停止したことも影響している。

 花王は同日発表した09年9月中間決算で、特定保健用食品(特保)の表示許可の失効を届け出た「エコナ」関連商品の販売中止により、消費者や小売店への対応などで計59億円の損失を計上。尾崎元規社長は会見で、消費者に不安を抱かせたことを改めて謝罪するとともに、「損失処理のピークは越えたと思う」と述べた。【高橋昌紀】

最終更新:10月27日23時25分

福島消費者相は29日の閣議後の記者会見で、消費者庁内に「食品SOS対応プロジェクト」を発足させ、消費者の不安解消に取り組む考えを明らかにした。9/29
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1070808775/651

花王:「エコナ」関連10製品、特保失効
特保許可が失効した花王の「エコナクッキングオイル」
10/8
エコナ:温度管理見直し含有量10分の1に 花王
9/17
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1070808775/673

474荷主研究者:2009/10/31(土) 16:10:54

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910210020a.nwc
2009/10/21 Fuji Sankei Business i.
リチウムイオン電池部材 エコカー特需で各社増産態勢

日立化成工業が車載用リチウムイオン電池部材の負極材を生産する山崎事業所=茨城県ひたちなか市

 化学メーカー各社が、リチウムイオン電池部材の生産態勢の強化を急いでいる。リチウムイオン電池は現在、携帯電話やノートパソコン向けを中心に普及しているが、今後は電気自動車(EV)など、エコカー向け市場の拡大が確実視されている。各社は、将来の需要増に備え、早急に増産態勢を整える考えだ。

 日立化成工業は20日、車載用のリチウムイオン電池部材事業に参入すると発表した。同社の山崎事業所(茨城県ひたちなか市)に生産ラインを新設し、11月にリチウムイオン電池の主要部材である負極材の量産を始める。2010年1月にも市場投入し、12年度以降にシェア45%を目指す。

 同社は、ノートパソコンなど電子機器用リチウムイオン電池の負極材ではシェア45%の世界最大手。さらに今回、自動車用にも事業を拡大することで、「15年度に負極材全体で売上高300億円を目指す」という。

 車載用リチウムイオン電池部材では、昭和電工も4月に負極材の販売を始めた。大容量のリチウムイオン電池が必要になるEV向けの部材として、国内外の自動車メーカーに売り込み、12年度に80億円の売り上げを目標に掲げる。

 同社は需要増に対応し、生産能力の増強も進める計画だ。20億円を投じて大町事業所(長野県大町市)の生産設備を増設し、負極材の年産能力を現在の1000トンから12年までに3000トンに高める。

 三菱ケミカルホールディングスは今月、同じくリチウムイオン電池の主要部材である正極材の生産を開始。傘下の三菱化学の水島事業所(岡山県倉敷市)で年産能力600トンの生産設備を稼働させた。

 リチウムイオン電池の主要部材では、負極材、正極材のほかに、電解液とセパレーターがある。三菱ケミカルでは、すでにセパレーター、負極材、電解液の3つを手がけており、今回の正極材への参入により主要4部材を生産する世界唯一のメーカーとなった。

 今後は、「4部材を組み合わせて性能を確認できる利点をいかし、各部材を拡販していく」(同社)方針だ。

 セパレーターで世界最大手の旭化成も宮崎県日向市に工場を新設するとともに、既存工場の能力を増強して10年春までに年産能力を現在の1.3倍の2億平方メートルに高める。同社はセパレーターで世界の約5割のシェアを占めており、生産能力を引き上げてさらに競争力を高める考えだ。

 リチウムイオン電池部材市場は成長期待が大きいが、参入ラッシュで価格競争の激化も予想されている。勝ち残るには、生産能力の増強に加えて、生産コストをどれだけ抑制できるかも、カギとなりそうだ。(山田泰弘)

475荷主研究者:2009/10/31(土) 16:20:03
>>284
昭和電工も横浜事業所でのボーキサイト精製を中止。
日本軽金属も同様に国内でのボーキサイト精製を中止するはずで、日本国内でボーキサイトを精製するメーカーは無くなる。

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910190036a.nwc
2009/10/19 Fuji Sankei Business i.
ボーキサイト精製、来春中止 住友化学

 住友化学は、愛媛工場(愛媛県新居浜市)で行っているボーキサイトの精製を2010年4月をめどに打ち切り、精製時にかすとして出る赤泥(せきでい)の海洋投棄も取りやめる。年間約50万トンの赤泥を高知県沖で投棄処分しているが、海洋汚染防止に向けた国際条約で15年までにボーキサイト残渣(ざんさ)の海洋投入禁止が決まっているため、早期中止に踏み切る。

 ボーキサイトは、発光ダイオード(LED)基板や液晶ガラス基板の原料などに幅広く使われるアルミナ製品の原料。ボーキサイトを精製して中間原料の水酸化アルミニウムを造る過程で出る赤泥は、海外では陸地に埋めて処分しているが、日本では用地不足のため、政府も海洋投棄を容認してきた。

476荷主研究者:2009/10/31(土) 16:26:26

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200910170029a.nwc
2009/10/17 Fuji Sankei Business i.
化学・合繊、「水」に活路 東レなど、海外展開を加速

 化学・合繊メーカーが水処理ビジネスの海外展開を加速している。東レがアルジェリアで海水を淡水化する世界最大のプラント向けに水処理膜を受注したほか、旭化成は中国で工場排水の再利用サービス事業に参入した。人口増や新興国の経済成長で生活用水や工業用水の需要は世界的に急増しており、収益拡大の好機とみているためだ。世界の水関連市場で日本企業は「水メジャー」と呼ばれる欧州企業の後塵(こうじん)を拝しているが、得意の先端技術をてこに猛追し、「和製メジャー」を目指す。

 ≪濾過技術売り込み≫

 アルジェリアの新プラントは2011年に稼働する予定で、1日当たりの造水量は50万立方メートルと、現在稼働している中で最大のイスラエルにあるプラントの1.5倍の規模を誇る。東レは来年度にも海水を濾過(ろか)する高性能な「逆浸透膜」を納入する。水不足が深刻なアルジェリアでは、政府が海水を淡水化して生活用水などに利用する計画に力を入れており、東レの水処理膜が採用されるのは今回で3件目。合計の受注金額は約40億円に上る。

 同社は水処理市場の拡大に対応するため、生産能力の増強にも乗り出した。10年4月の稼働を目指して75億円を投じ、中国・北京に現地企業との合弁で水処理膜工場の建設を進めている。水処理事業で15年に売上高1000億円以上、営業利益100億円以上を達成する計画で、「水不足が深刻な中東や中国で大型受注を狙っていく」(幹部)方針だ。

 旭化成も6月、フィリピン・マニラで来春に稼働予定の水道水浄化プラントで水処理膜を受注。三菱レイヨンも3月、中国湖北省の水処理プラント向けに、雑菌やバクテリアを取り除くストロー状の糸を使った「精密濾過膜」を受注した。同プラントは、汚れを分解する微生物の含まれた泥水と、精密濾過膜を組み合わせて水を浄化する「活性汚泥処理」方式では世界最大だ。

 ≪欧州メジャー追撃≫

 急拡大する水関連ビジネス市場で、水処理膜などの部材供給が中心の日本企業は後れをとっている。このため、化学・合繊メーカーでは、事業領域を拡大する動きも出始めた。

 旭化成は今春、中国江蘇省で工場排水を再利用するプラントの管理・運営事業に乗り出しており、数年内に水処理事業の売り上げ規模を現在の3倍の300億円に引き上げる考えだ。8月に水処理事業で中国に進出した帝人は、工場排水を微生物で分解する装置の販売に加え、今後は継続的に収益を確保できる装置の運営・管理に乗り出すことも検討している。

 化学・合繊メーカーは主力の汎用樹脂や繊維製品が新興国メーカーに押され、採算が悪化しているだけに、水ビジネスをどれだけ大きく育てられるかが焦点となりそうだ。(山田泰弘)

477荷主研究者:2009/10/31(土) 17:29:06

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20091030305.htm
2009年10月30日03時24分更新 北國新聞
インフル治療薬原薬、年間1千万人分生産 富山化学、富山工場を改修

 富士フイルムホールディングスの子会社である富山化学工業(東京)は29日までに、富山市の富山工場の改修に着手した。新型インフルエンザの治療薬として開発を進める「T―705」の原薬を生産するためで、十数億円をかけ、来年6月までに工場の一部を改修し、年間1千万人分の生産能力を持つラインを構築する。

 T―705の原薬生産については当初、富山市に新工場を建設する計画もあったが、世界的な新型インフルエンザの流行を受け、早期の生産体制構築を優先した。

 T―705について同社は同日、最終段階となる第3段階の臨床試験を開始したと発表。来春までに症例を分析し、来年中に製造販売承認を国に申請する方針で、再来年の発売を目指す。承認されれば国産では塩野義製薬、第一三共に次ぐ3番目の治療薬となる。

 T―705は既に少数の患者に対する臨床実験で治療薬としての効果を確認。新型インフルエンザについても動物実験で効果を確認した。ウイルスの増殖を防ぐため、新型インフルエンザがタミフルなど既存の薬に耐性を持ったとしても効果が期待できるという。

478荷主研究者:2009/10/31(土) 18:49:37

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=13720&catid=303
2008年11月11日付 宮崎日日新聞
選択と集中 1…世界展開
■最先端の生産基地に

 旭化成最大の生産拠点である延岡・日向地区工場群では、2006年1月に人工腎臓工場を増設して以来、世界市場で最先端を行く工場の新・増設が続く。現在までその数は12工場。ほとんどは操業約70年の歴史を経て撤収した再生繊維・レーヨン工場の跡地を活用する。

 生み出す製品群は人工腎臓のほか、ウイルス除去フィルター、液晶パネル製造部品、LSI関連部品など、いずれも世界市場でトップもしくは2位に立つ戦略商品だ。

 なぜ延岡に最先端工場の立地が続くのか―。グループ内の新規事業立地決定までの流れでその理由が理解できる。

 工場を新・増設する場合、延岡のほか、静岡県富士市、滋賀県守山市などの国内や国外の工場群の中から一つ一つ場所を選んで投資費用を細かく分析。各地区を比較検討した上で最終的に持ち株会社の取締役と事業会社の社長で構成するグループ経営会議で意思決定する。この流れの中で最重視されるのが基礎的な投資部分、いわゆるインフラコストだ。

 社長の蛭田史郎(66)は「延岡には豊富な水、電力資源、質の高い労働力という経営インフラがあるのが強みだ」と説く。グループ発祥以来85年間、創業者の野口遵が獲得した水量豊富な五ケ瀬川水系の水利権、恒富地区にある高さ180メートルの巨大な煙突に象徴される自家発電群、地元で「会社」と言えば旭化成だけを意味する企業城下町としての特性など、工業集積地としての歴史があるがゆえに、延岡が立地点として選択されている、ということになる。

   ■      □

 最先端工場の新規立地が始まった06年以前を見ても旭化成の事業構造はここ20―30年間で劇的に変化した。

 延岡地区の工業製品出荷額に占める製品別割合では、75年に64・7%、85年には48・3%だった繊維は、06年に12・8%にまで低下。逆にLSIなどのエレクトロニクスが85年の1・1%から33・8%へと拡大し、さらに人工腎臓などのメディカル部門とともに成長を続ける。

 背景には、70年代の2度にわたる石油危機によるエネルギー価格の高騰、90年代前半のバブル経済崩壊を経た国内市場の飽和、さらには冷戦構造の終結に伴うグローバル市場の出現など複雑な要因が密接に絡み合う。

 経営環境が激変する中で、旭化成が目指したのが「低コスト体質への変化」と「技術開発による世界展開」だった。これこそが、人的資源の集約が避けられない繊維部門から世界市場で戦える製品製造へと移行する構造転換の本質である。

 売上高の3割をアジアを中心にした海外へ転じ、まったく新しいグローバル企業体に転換した旭化成。生産拠点として選ばれた県北地域もまた変化を迫られつつある。(敬称略)

     ▼

 構造転換によってグローバル企業へと進化した旭化成。世界市場に対応するための事業の選択と集中は、グループ内だけでなく、企業城下町である延岡市などの県北地域や協力企業群にまで波動となって変化をもたらしている。第1部「選択と集中」では、構造転換を果たした旭化成の変化そのものを中心に追う。

【写真】旭化成最大の生産拠点である延岡地区工場群。国内市場の飽和に伴う構造転換で世界最先端の生産基地に生まれ変わった

479荷主研究者:2009/10/31(土) 18:50:22

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=13721&catid=303
2008年11月12日付 宮崎日日新聞
選択と集中 2…荒療治
■不振部門丸ごと譲渡

 旭化成の創始者・野口遵が延岡市の愛宕地区で1922(大正11)年にアンモニア合成を始めて以来、グループの歴史は事業の多角化に彩られている。戦前は、生み出されたアンモニアで再生繊維ベンベルグを生産。さらには繊維レーヨン原料のカセイソーダも製造し、副産物の塩素、酸素を火薬原料の硝酸や人工調味料の化学合成に使った。

 戦後も61年から24年間社長を務めた宮崎輝の下で「三種の新規」と呼ばれる住宅、化学繊維、合成ゴムのほか医薬、電子部品へ次々と新規事業を広げ、会社の規模を拡大。多角化戦略を推し進めた宮崎の口癖は「何が何でもやり通せ」だったという。

   □      ■

 中興の祖と呼ばれる宮崎が推進した拡大成長路線から旭化成は90年代末、大きくかじを切る。85年のプラザ合意に伴う円高、93年のバブル崩壊と金融不安による厳しい経営環境の中、「負の遺産の整理」と「選び抜かれた多角化」による選択と集中を始めたのだ。

 その先鞭(せんべん)をつけたのが99年1月に発表された食品部門の日本たばこ産業への事業譲渡だ。系列8社と本社の不振部門を従業員約1千人を含めて丸ごと売り渡す、という荒療治だった。

 「単純な撤退ではなく事業を売るというのは初めての経験だった。会社の揺るぎない構造転換への決意を感じ、衝撃を受けた」。当時、延岡支社勤労課長として人員再配置で労働組合との折衝などに奔走した上荷田洋一(55)=現・同支社総務部長=は振り返る。延岡の子会社・旭食材、佐土原町の日本食材加工も譲渡対象になっていた。

 全社的にはこの間、経営本体の刷新も矢継ぎ早に実施された。2000年4月には一定以上の利益を上げる事業を見極める経営指標「EVA」(経済付加価値)を導入し、規模拡大路線と決別。03年10月には経営判断の迅速化などのために繊維、エレクトロニクス、化学、医療など各事業会社と持ち株会社による分社化を進めた。

 県内関連では2000年の門川ソーイング閉鎖、01年の日向医薬工場閉鎖が相次いだ。1995年から中止していた地元高校生採用は構造転換が完了した後の07年春まで再開されなかった。当時、延岡・日向地区で約7千人だった正社員数は3千人にまで圧縮した。

 改革ともリストラとも表現される旭化成の構造転換。中でも県北にとって1933年以来操業を続けていたレーヨン工場の撤収は、地域に衝撃を与えた一つの事件だった。(敬称略)

【写真】野口遵が創業して以来、旭化成は85年の時を刻む。その歴史は事業の多角化に彩られてきた

480荷主研究者:2009/10/31(土) 18:54:54

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=13725&catid=303
2008年11月16日付 宮崎日日新聞
選択と集中 6…エレクトロニクス
■繊維に代わり急成長

 繊維事業に代わり、旭化成延岡地区で急成長したのがエレクトロニクス事業である。1990年代から工場立地や生産能力の増強が相次ぎ、延岡全体の工業出荷額の3割以上を占めており、圧倒的な存在感を示している。

 けん引するのは93年から稼働する岡富地区の高密度集積回路(LSI)の生産拠点「電子部品生産センター第二製造部」。生産量は当初比で15倍に拡大。2010年度まで五カ年の新中期経営計画は、研究開発や設備投資を進める重点分野に位置づける。

 車載向け製品などでのさらなる成長を見込む。製造全体を統括する電子部品生産センター長の市原格(51)は「長期的に現在の2倍の生産能力を目指す」と力を込める。

   □      ■

 化学工業の旭化成が全くの異分野だったエレクトロニクス事業に参入したのは1971(昭和46)年。多角化戦略の一環だった。当初はケミカル分野などの技術を応用した製品が中心だったが、家電製品・部品分野の成長を見越し、門外漢のLSIにも参入することになった。

 後発メーカーとして取り組んだのが、発注者の要望に応じて設計し、少量生産する小型LSIだった。90年代初頭は先行大手が手がけていなかった分野で、携帯電話普及による需要増が見込まれていた。進出先として、岡富地区にあった旧レーヨン工場従業員向け寄宿舎の用地が選ばれたのだった。

 首都圏などの消費地から遠く物流コストが高くつくのが延岡地区事業の難点とされるが、LSIは堅調な成長を続ける。その要因の一つが、売値に対する1%未満という物流コストの低さだ。

 LSIは大きな製品でも長方形の長い方の辺が約3センチ程度。最小のものは2ミリ四方。大量の製品を段ボールに詰めて空輸可能で、製品1個当たりの経済的な付加価値が高い。一方、繊維、ケミカル製品は、容積や重量が大きく、コンテナ輸送が必要。物流コストが売値の1、2割を占めるのが通常である。

 新規事業の進出先を決める際、旭化成グループは人件費や水、電力費などの用益費を踏まえた費用対効果を精査した上で最終決定する。関係者の多くは「厳しい選択と集中が進んだ結果として、延岡には組立・加工型の工場が集積した」ととらえる。

 世界シェアの7割を占める携帯電話部品の磁気センサーも延岡地区が唯一の生産地。重量が軽いドライタイプの人工腎臓組立工場も生産開始した。物流面の不利を克服した高付加価値工場群へと色彩は強まりつつある。(敬称略)

【写真】小型の電子部品は、フィルムで保護した上でリールに巻き付けるなどの方法で出荷。大量の製品を段ボールに収納して空輸するため、物流コストが低く抑えられる

481荷主研究者:2009/10/31(土) 18:55:33

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=13727&catid=303
2008年11月18日付 宮崎日日新聞
選択と集中 7…ハイポア進出
■県北の活性化に期待

 日向市の細島工業港に面した広大な工業団地・細島4区に、旭化成が世界シェア5割でトップを走る電池用材料「ハイポア」の新工場進出が明らかになったのは今年2月。団地が造成されて34年目での出来事だった。

 細島4区は、国内製造業の海外シフトなどの影響で企業誘致が進まず、敷地の大部分が未使用のままだった。その広大な遊休地問題の解決が前進し、先月30日の着工式に立ち会った日向市長の黒木健二(65)は「地域経済活性化の大きなインパクトになる」と期待を込めた。

 フィルム状製品のハイポアは、携帯電話やノートパソコン用のリチウム電池の電子部材として用いられる。化学部門で研究開発され、1977(昭和52)年から販売開始。関連機器の普及とともに世界的な需要が拡大し、2000年以降の出荷高は年間10―15%の勢いで急速に伸びている。

 リチウム電池を搭載するハイブリッド車や電気自動車にも供給される「環境型」製品でもあり、今後は爆発的な市場拡大も予測される。着工式で旭化成ケミカルズ専務の山添勝彦(54)は「トップシェアの地位をさらに強くするのが使命。市場をリードするために日向の成功は欠かせない」と語った。

   ■      □

 ハイポアの大規模展開を視野に入れる旭化成は07年春ごろから守山工場(滋賀県)に次ぐ第二の生産拠点の調査を開始。第一ラインを進出後に急激な需要増があり得るため、新ラインをすぐに拡張できるかが重視された。

 延岡市の岡富地区には01年に撤退した旧レーヨン工場跡地に人工腎臓工場が相次いで進出し、まとまった土地は残っていなかった。広大な遊休地のある細島四区が急浮上したのだった。

 細島4区の土地面積72・3ヘクタールのうち、旭化成は40ヘクタールを所有する。ハイポア工場進出計画は、このうち29ヘクタールの活用を予定。第一ラインが完成しても、大半の造成地は残される。市場動向を見据えながら、第2、3の生産ラインを増設することが可能である。

 操業開始とともに、地元を中心に約70人を新規採用する予定。工場の機械化、省力化の流れの中、かつてのような大量の雇用拡大がある訳ではないが、有効求人倍率が低迷する県北地域にとって、増設への期待は大きい。優れた人材の域外流出を防ぐため、地元自治体の延岡、日向市は、新卒者を送り出す地元工業高校との連携に力を入れ始めている。(敬称略)

【写真】工場進出が決まった日向市の工業団地・細島4区。リチウム電池の需要増にスピーディーに対応できる敷地の拡張性が立地の決め手になった

482荷主研究者:2009/10/31(土) 19:26:16
ここからは化学産業スレに貼るかね。

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14817&catid=350
2009年2月6日付 宮崎日日新聞
15…アンモニア合成
■石灰窒素捨てる決意

 世界で初めてアンモニア合成に成功したのは、後にノーベル賞を受賞するドイツの化学者フリッツ・ハーバーであった。

 現在約9兆円(2007年)の売上高を誇る世界屈指の総合化学メーカー・BASFの支援を受けカール・ボッシュとともに研究、1911(明治44)年には合成試験工場を建設し、第一世界大戦が勃発(ぼっぱつ)した14(大正3)年には、ついにアンモニア合成による化学肥料を販売するまでに至った。

 化学工業上、アンモニアは極めて重要な物質だ。化学肥料の原料となるばかりでなく、硝酸を化学変化させることで爆薬を製造することが可能になる。アンモニア合成の成功で同盟国側のドイツ軍部は、当時の火薬原料であったチリ産硝石を輸入調達する必要がなくなり、大戦終結が18年まで長引く遠因になったといわれる。

 逆に連合国側は、火薬原料確保のため合成アンモニアの国産化を国が奨励するようになった。その一つが旭化成の創業者・野口遵が延岡工場に技術導入したイタリアの化学者ルイギ・カザレーが開発したカザレー式アンモニア合成法だったのである。

   □   ■

 1921(大正10)年、洋行先のイタリアでカザレー式の導入を決定する以前から、野口はアンモニア合成に強い関心を寄せていた。

 その7年前に出版した自著「工業上より見たる空中窒素固定法」で、最新情報としてハーバーの合成試験着手を紹介。4種類の窒素固定法のうちアンモニア合成を「航空船」と例える一方で、自らが熊本県水俣市などで工業化していた石灰窒素を「蒸気船」とした上で「不遠(とおからず)将来に於(お)いて石灰窒素を凌駕(りょうが)せんとするの勢(いきおい)を示す」と断じている。

 苦労を経て作り上げた石灰窒素の主力工場である熊本県八代市の鏡工場を、野口は延岡工場建設の3年後にあっさりと見限るが、この著書を書いた時点で既に石灰窒素を捨ててアンモニア合成に転換する決意を固めていたのかもしれない。

 さて、洋行の話である。同年2月にマルセイユへ到着した一行は、14年前に石灰窒素の特許を譲り受けたイタリアへ向かう。その途中に偶然、カザレーの話を聞きつけた。早速、試験合成していた工場へ出掛けるとアンモニアのにおいがぷんぷんしている。野口は「これは出来るに違いない」と直感が働いた。貧弱な装置だったが、思い切って「いちかばちかで」(本人談)買うことに決めた。

【写真】カザレー式アンモニア合成法を発明したルイギ・カザレー。カザレーの工場に出向いた野口はアンモニアのにおいがぷんぷんしているのを肌で感じて「これは出来る」と特許購入を即決した

483荷主研究者:2009/10/31(土) 19:27:09

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14864&catid=350
2009年2月7日付 宮崎日日新聞
16…カザレー法
■言い値で特許を購入

 わずか一代で旧財閥に匹敵する企業グループを築いた野口遵は、内面的にも決してひとくくりに表現できない人物であった。60銭の麦わら帽子とニッケル製の時計鎖を愛用し、汽車賃の過払いには自ら駅の窓口で抗議して取り返すような男だったのに、洋行先のローマではカザレー式アンモニア合成法の特許をルイギ・カザレーの言い値である100万円(現在の約10億円)で購入を決めてしまう。

 2週間以内に予約金10万円を支払うことになり、大阪の本社に野口は「果たしてうまく行くか否かはなお研究を要するが、もし買わずに他人が買えば、この発明の実用化で会社はつぶれる。100万円でつぶれるのだ」と少々脅しを込めて打電した。戦前の総合商社・鈴木商店もカザレー法に関心を示していたからだ。

 契約を済ませた野口ら一行3人は1921(大正10)年の春、意気揚々と帰国した。この旅で野口はローマのスニア・ビスコーザ社を訪ねてレーヨン工場も視察。数点の見本を日本に持ち帰っている。

   □   ■

 「長峰与一、柿原政一郎、山本弥右衛門さんたちです」。野口の七回忌を記念した延岡工場関係者の座談会で、初代延岡市長の仲田又次郎はカザレー式アンモニア合成工場建設当時の地元協力者として3人の名前を挙げている。

 長峰与一とは本県1区(宮崎、児湯、南那珂三郡)選出の衆院議員で、五ケ瀬川の水力発電を開発し、工場を誘致しようとした人物である。長峰は1919年春に野口の後見人である中橋徳五郎に会い、協力を要請。政界の重鎮でもあった中橋は原敬内閣に文相として入閣したのを機に日本窒素肥料会長職を前年、退いたばかりであった。

 この時、中橋から「僕の関係していた会社に野口という非常にやり手がいる。彼に会って話してみないか」と紹介された。さらに野口を訪ねたところ、早速日之影町の立地予定地を調査することになり、翌年5月には発電会社「五ケ瀬川電力」が設立された。

 その会社の社長には長峰の兄伊作が就任したが、取締役には宮崎銀行頭取の大崎敬方のほか、後に有力な工場建設協力者となる山本弥右衛門が取締役に入っている。山本は旧恒富村平原の大地主で、長峰とは旧制宮崎中で同級生の間柄であった。

 柿原政一郎は高鍋町出身で、1920年5月の総選挙では長峰と同じ選挙区から立候補し当選した。当時、野口が自宅を構えていた広島で土地開発などにも携わり、そこで野口と接点が生まれたといわれている。

【写真】旭化成創業の地である愛宕地区工場群の正門。進出当初は延岡工場と呼ばれ、後には薬品工場という名称で市民に親しまれた

484荷主研究者:2009/10/31(土) 19:27:59

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14903&catid=350
2009年2月8日付 宮崎日日新聞
17…立地の経緯
■柿原政一郎協力願う

 なぜ旭化成が延岡市に立地することになったのだろうか。北川、祝子川、五ケ瀬川、大瀬川の4つの大河が延岡湾に流れ込む世界的にもまれな地理的特殊性ゆえに、創業者の野口遵が目をつけたからだとする説もある。しかし、それを裏付ける資料は何も残っていないし、野口が日記を記すような性格ではなかったことも手伝って不明確な部分が今も多く残る。

 ところで延岡にアンモニア合成工場を建設する前後、野口は広島市に自宅を構えていた。地元に一大化学工場を建設する野望を持っていたからだが、豊富な水量の太田川の水利権を獲得したにもかかわらず、結局地元には発電所も工場も造らなかった。

 地元財界に冷遇され中国5県の電力統合という目標が頓挫したからにほかならない。水利権はその後、付き合いのあった島根県の電力会社にあっさりと売り渡した。

 旭化成の延岡進出に関しても野口の合理主義を少しだけ頭の片隅に置いて考えた方がいいだろう。本県出身の衆院議員だった長峰与一の要請を受け1920(大正9)年に着工した日之影町の五ケ瀬川発電所の場合もそうだ。

 本県工業振興のための電力開発であることは知っていたはずだが、野口は当初、熊本県八代市の鏡工場への送電を予定していた。そこから一転して延岡進出へと気持ちが傾いたのは、一人の男の説得によるものだった。

   □   ■

 野口がアンモニア合成法の特許を取得する前後、県内では県外への送電反対運動がうねりとなって起こっていた。その政府対策委員を務めていたのが柿原政一郎であった。

 高鍋町出身である柿原の履歴は興味深い。東京帝大哲学科を中退後、同郷で孤児救済に生涯を捧げた石井十次のつてで倉敷紡績に入社。岡山県で新聞社経営などに携わった後、20(同9)年5月の総選挙に立候補し、当選している。広島では臨海埋め立て地の再開発で活躍した人物でもある。

 財団法人・正幸会が出版した「柿原政一郎」によると、地元財界にまったく相手にされなかった広島時代の不遇を知っている柿原は野口を訪ね、腹を割って話した。「真に腰を入れて宮崎で事業を始めてくれたら…」と考え、用地、電力、工場労力の調達に全面協力するむねを伝えた。

 延岡に新規立地するよりも既存の鏡工場を拡張してアンモニア合成工場を建設した方が電力、労力的に見てもコストを抑えられるのは誰の目から見ても明らかであった。野口は「鏡か延岡か」で迷っていたのである。

【写真】延岡市の旭化成愛宕地区工場群には1923年に建設された当時のれんが造りのアンモニア合成工場跡が今も残る。85年の歳月を経た建造物は倉庫などに使われているが「産業遺産」と呼ぶにふさわしい

485荷主研究者:2009/10/31(土) 19:29:01

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14904&catid=350
2009年2月10日付 宮崎日日新聞
18…立地変更
■八代から延岡に即決

 カザレー式アンモニア合成法の開発者であるルイギ・カザレーと正式契約を結ぶため、野口遵は1921(大正10)年、再び渡欧した。12月には契約書に調印し、翌年いよいよ野口の事業を総合化学工業へと飛躍させる工場の建設に着手することになる。

 アンモニア合成工場は当初、カーバイドから石灰窒素、硫酸アンモニウムを一貫製造していた熊本県八代市の鏡工場に建設する予定だった。旧鏡町と旧文政村の中間地点にある約35ヘクタールの広大な空き地を建設予定地とし、カザレーと技術移転で合意した翌年3月10日には起工式を行う運びとなっていたのである。

 しかし、野口は鏡での工場建設を取りやめた。式典に野口が出席することを知った住民が、会社側に環境問題で補償を求めたためだと言われるが、用地を確保していた割にはあまりにもあっけない。中止の判断は起工式の直前、もしくは当日だった可能性もあるが、一転して野口は延岡進出へとかじを切る。しかも即決に近い状況だった。

 合成工場創業当初から旭化成に勤務した市山幸作著の「創魂 野口遵」によると、野口は鏡での建設中止を決意した同じ月の、おそらく15日から18日の間に工場の敷地選定のために延岡へ乗り込んだ。後に初代延岡工場長を務めた谷口喬一を事前に派遣し、立地先を港のある土々呂や門川まで広げて具体的な予算も含めた調査をさせていた。この用意周到ぶりを見ると、鏡での立地をやめる以前から野口が延岡進出を検討していたと考えた方が合点がいく。

   □   ■

 延岡を訪ねた野口を旧恒富村平原の大地主で村議会議員の山本弥右衛門が出迎えた。野口の日本窒素肥料と共同出資で五ケ瀬川発電所の建設を進めていた本県選出衆院議員の長峰与一と、旧制宮崎中では同級で親友の間柄である。その縁があっての面会だったと推測される。

 山本はまず延岡藩最後の藩主である内藤政挙が経営していた延岡電気所へと案内する。内藤家所有の日平銅山(現延岡市北方町)で利用した余剰電力を延岡市街地へ送っていた電力会社だが、ここで所長を務めていた笠原鷲太郎と話し合った。内容は不明だが、延岡電気所は工場建設中に配電で野口に協力する。

 さらに恒富村役場では別の村議も加わって愛宕山の展望所へ登り、町並みを一望した。この時、野口は持っていたステッキで現在の愛宕地区工場群付近にぐるりと輪を描き、「これくらいの土地が欲しい」と言った。

【写真】野口は当時は珍しい自動車に地元の名士を乗せて愛宕山(右奥)のふもとまで行き、見晴らしのいい場所へ登った。そこでステッキで輪を描きつつ「これくらい土地が欲しい」と言った(手前は旭化成恒富地区工場群)

486荷主研究者:2009/10/31(土) 19:29:52

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14944&catid=350
2009年2月11日付 宮崎日日新聞
19…恒富村議会
■住民説得し用地買収

 愛宕山の上で野口遵は「これくらいの土地が欲しい」とステッキで示し「村で責任を持って買収してくれ」と言ったが、同行した恒富村議会議員の山本弥右衛門ら地元の名士たちは即答できなかった。あまりにも性急な要請に不意を突かれたのだろう。結局、野口の宿泊先の吉野屋旅館(延岡市南町)で夕食まで付き合い、引き受けることを決めた。

 気の早い野口は大阪の日本窒素肥料本社へと急ぎ、1922(大正11)年3月26日の取締役会で延岡工場の建設を正式決定した。その後、大気中の窒素と水を原料とするアンモニア合成で「空気が薄くなる」などのうわさが広まったにもかかわらず、恒富村議会の議員らは住民を説得して約65ヘクタールの立地予定地の買収をわずか4カ月でまとめてしまう。

 この時代の恒富村議会の顔ぶれを見ると、市町村議の社会的地位が現代と比較にならないほど高かったことに驚かされる。一例を挙げれば、延岡電気所の所長を兼任していた笠原鷲太郎は東京帝大を卒業後、内藤家に請われて日平銅山をはじめとする産業振興に尽くし衆人の尊敬を集めていたし、三宅忠己は宮崎銀行頭取を務めた人物である。

 ほとんどは延岡藩主を務めた内藤家が1899(明治32)年まで開塾していた私塾・亮天社の塾生だった点も特筆に値する。脱亜論を唱えた福沢諭吉の慶應義塾に18歳まで籍を置き、公私ともに福沢の薫陶を受けた最後の藩主内藤政挙によって産業人としての高度な実学を徹底的にたたき込まれた人々だった。

   □   ■

 1922年8月、日本窒素肥料は延岡で国内初のアンモニア合成工場建設に着手する。現場を指揮したのはわずか37歳の工場長谷口喬一であった。野口が「あの時の大将は谷口君」と振り返る通り、工場建設のほとんどを谷口に任せきりにしている。

 新興企業である日本窒素肥料の技術陣は若い世代で占められていた。旭化成社史によると、33(昭和8)年の時点では100人を超す大卒・高工卒の技術者が集まり、うち60人が延岡で働いていた。野口は若い技術者と議論することを好み、時に自由に任せ、時に直接指示していた。戦後、旭化成中興の祖と呼ばれた宮崎輝が直接若い社員を動かして建材事業などの「三種の新規」を立ち上げた話をほうふつとさせる。

 アンモニア合成工場は23年10月までに完成した。基礎化学品であるアンモニアを空気と水で大量に製造することを真っ先に可能にしたことで野口は事業界の巨人への階段を上り詰めることになる。

【写真】1923年、延岡に完成した日本窒素肥料アンモニア合成工場。用地買収を4カ月で終わらせたのをはじめ、亮天社で教育を受けた旧恒富村のリーダーたちが積極的に野口遵に協力した(写真は旭化成提供)

487荷主研究者:2009/10/31(土) 19:30:46

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=14970&catid=350
2009年2月13日付 宮崎日日新聞
20…事業多角化
■合成工場がきっかけ

 アンモニア合成工場の建設現場には、技術移転元であるカザレー社からイタリア人技術者が派遣された。発明者であるルイギ・カザレーも1923(大正12)年9月に延岡を訪ね、完成を見届けた11月まで滞在している。カザレーらの宿泊用として野口遵の日本窒素肥料は洋風木造施設を建てたが、この建物が「向陽倶楽部」である。

 化学工業上極めて重要な化学物質であるアンモニアをただ同然の空気中の窒素と、水を分解した水素による合成に成功したことは、化学肥料である硫酸アンモニウムの生産コストを従来の半分にしただけでなく、水の電気分解によって生まれる酸素を使った硝酸や硫酸、火薬など事業が芋づる式に多角化するきっかけをつくった。

 延岡で軌道に乗ったアンモニア合成工場を、野口は26(昭和元)年には熊本県水俣に設置。さらにその5年後には朝鮮半島で、巨大なダム開発で豊富な電力を得ることによって「可及的に低廉良質なものをつくる」という信念をアンモニア合成による化学肥料の大量製造で実現した。この過程を見ると延岡が試験プラントのような役割を果たしていたことも分かる。以来、戦後も含めて延岡は多くの新製品の試験生産の基地となり、旭化成80年史の表現を借りれば、グループの「心のふるさと」になった。

   □   ■

 カザレー式合成法の技術移転を正式契約するために22(大正11)年に渡欧した際、野口はドイツでグランツシュトフ社から再生繊維・レーヨンの製造特許権を取得している。

 旭化成のもう一つの祖業とも言える繊維事業をさかのぼると、滋賀県の琵琶湖畔で20年に操業を開始した旭人造絹糸にたどり着く。技術的に未熟だったがために翌年には操業停止に追い込まれたが、関西財界のあっせんで日本綿花(現・双日)の社長喜多又蔵と野口がスポンサーとなり新会社・旭絹織として事業を再開することになった。ちなみに喜多と野口は後に経営上で意見対立、喜多が29(昭和4)年に退任、経営権は野口が握っている。

 当時としては最新鋭のドイツ式製造工程に工場を一新し、24(大正13)年に操業が開始された。高品質のレーヨンは市場で好評を博した上、競合するメーカーが帝国人造絹糸(現・帝人)しかなかったこともあり、作れば売れる状況だった。野口は新工場の建設を延岡市(旧岡富村)に決定し、26年8月には祝子川の用水路開削などについて県から許可を得た。

【写真】工場完成を見届けてイタリアへと帰国するカザレーのために野口ら幹部は1923年11月10日に送別会を開き、旧旭化成向陽倶楽部前で記念撮影をした。前列中央にカザレーが座り、右隣に野口、左には番頭格である市川誠次が並んでいる(旭化成延岡支社提供)

488荷主研究者:2009/10/31(土) 19:31:23

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=15034&catid=350
2009年2月14日付 宮崎日日新聞
21…3町村合併
■円満進出の「副産物」

 大量に生産していたアンモニアを原料にする再生繊維・ベンベルグに目を付けた野口遵は1928(昭和3)年、米国に渡りドイツ・ベンベルグ社と特許権導入の契約を結んだ。当初は、この年の6月に建設に着手した朝鮮半島の興南工場に隣接して造る腹づもりだった。しかしその後、興南の水質が繊維産業に向かないことが分かり、延岡へと方向転換する。

 滋賀県でレーヨン工場を展開していた野口が買収した旧岡富村の水田約40ヘクタールは、27(同2)年の昭和金融恐慌などの影響で手つかずとなっていた。しかし、ベンベルグ工場はアンモニア合成工場に隣接する旧恒富村に建設することになる。

 野口はレーヨン事業を、日本綿花の喜多又蔵と共同経営する旭絹織で展開していた。しかし同じ繊維にもかかわらず喜多とそりの合わなかった野口は29(同4)年4月、別会社の日本ベンベルグ絹糸を設立して事業を始める。

 同年12月には延岡を訪れて岡富、恒富両村の有志を前に「排水と原料の問題で岡富では困る」と理由を説明しているが、もともと岡富の土地は旭絹織が買収したものであり、物理的に岡富への立地は不可能だった。だが、地元ではその経緯をよく理解していなかったようである。

 恒富側は大喜びして土地の無償提供を引き受けてしまう。しかし、一転して買収費用30万円を捻出(ねんしゅつ)できないことが分かり融資を申し出たところ、野口は「よろしい、お貸ししましょう。しかし、来年の3月までに(延岡町、恒富村、岡富村の)3町村の合併ができたら、お祝いにみんな差し上げます」と言った。

   □   ■

 一方、恒富に横取りされたと受け取った岡富の有志8人は年が明けた元旦、大分県別府市の別荘に野口を訪ね直訴する。気の毒に思った延岡町長の小田彦太郎、東海村長の甲斐伊佐男も同行していた。しかし、立地が変更するわけがなく岡富の有志は納得せぬまま去った。その後、残された小田と甲斐に対して、野口は合併の話を打ち明け「合併すれば工場がどこにできても同じだ」と語った。

 旧岡富村が財政的に困窮していたことを野口は見抜いていたのだろう。延岡町長の小田らに合併の打診を受けた岡富村はこの話に乗る。買収資金の30万円がのどから手が出るほど欲しい恒富村の事情もあり、同年4月に工都・延岡市の土台となる新延岡町が誕生したのである。ちなみに、この合併の経緯があるが故に初代延岡市長である仲田又次郎は野口を「延岡の母」と表現した。

【写真】野口が経営参画した旭絹織が1926年に買収した旧岡富村の敷地にはレーヨン工場が進出する。旭化成の事業撤退から10年が経過しようとしている現在も当時の建物が残る

489荷主研究者:2009/10/31(土) 19:49:15

http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=18289&catid=346
2009年6月25日付 宮崎日日新聞
メード・イン・延岡8…経済情勢

■「世界照準」変わらず

 世界経済の悪化で経営の足元が揺らいだ旭化成は、2010年度を最終年度とする中期経営計画の見直しも迫られた。東京都内で実施したその説明会で、記者からの質問は水島地区(岡山県倉敷市)工場にある石油化学コンビナートの再編の行方に集中した。

 4月には住友化学が、サウジアラビア国営企業と合弁で世界最大級の石油化学原料の製造プラントを本格稼働。安価な製品が市場に出回るとの憶測もある中、旭化成も三菱ケミカルホールディングスと生産設備の運営統合に踏み切る。同時不況をきっかけに世界の化学メーカーは今、業界再編の渦中にある。

 石油危機、バブル崩壊など経営環境が激変するたびに事業構造を転換してきた旭化成。今回は汎用品である石油化学製品を経営資源集中の選択から外し、05年にはグループの総営業利益のうち約40%を占めた化学部門の比率を10年後には25%にまで圧縮する戦略を描く。

 一方で社長の蛭田史郎(67)は「エレクトロニクス分野、医薬、医療領域の拡大とグローバル化は今後も変わらない」と言い切る。

 岡富地区で製造する人工腎臓を軸とした透析事業の拡大や、日向市に工場を置くリチウムイオンバッテリーセパレーターのハイブリッドカーへの参入…。旭化成にとって戦略上不可欠な製造拠点となった延岡・日向地区の事業を成長させ、各分野の営業利益構成を15年には均衡させる狙いがある。

    □    ■

 創業者の野口遵が1922(大正11)年に化学肥料用のアンモニアを合成し始めて以来、旭化成は化学原料から繊維、ラップ、電子、医療へと芋づる式に事業を多角化し、市場を世界に求めて総合製造メーカーへと変化してきた。

 発祥の地としての歴史がやがて90年が経過しようとしている延岡でも、祖業である再生繊維・レーヨンの工場跡地にはここ数年、最新鋭の生産拠点の立地が相次いだ。

 その製品群の大半は世界市場で1位、もしくは2位に位置する戦略商品だ。加速する経済のグローバル化を象徴するように延岡は今も姿を変え続ける。 (敬称略)

 【第5部の参考資料】旭化成80年史、宮崎輝追想録、図解旭化成

 ▽お礼
 1面連載の「旭化成構造転換の波動」はこれで終わります。取材に協力していただいた関係者に感謝します。【取材班】延岡支社=森耕一郎、押川真基、堀口佳菜子▽文化部=杉田亨一

【写真】旭化成発祥の地である延岡。旭化成がグローバル化を加速させる中、戦略上不可欠な生産拠点としてその姿は変化し続けている

490荷主研究者:2009/11/03(火) 03:06:37

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910310053a.nwc
2009/10/31 Fuji Sankei Business i.
ゼオン、川越事業所閉鎖へ

 日本ゼオンは30日、自動車部品向けの特殊ゴム材料を生産する子会社の川越事業所(埼玉県川島町)について、操業を2010年6月末に停止し、11年3月をめどに閉鎖すると発表した。同材料の生産は大津事業所(大津市)に集約する。

 国内の自動車生産が低調なことなどが理由。川越事業所の従業員28人の雇用は、日本ゼオングループ内の配置転換により維持する方針という。

491荷主研究者:2009/11/03(火) 03:07:44

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200910290026a.nwc
2009/10/29 Fuji Sankei Business i.
旭化成など化学・繊維 医療への進出加速 汎用品頭打ち、成長分野に活路

 化学・繊維メーカーが、医療分野への進出を強めている。旭化成は透析治療に欠かせない人工腎臓の販売を強化するため、韓国に現地法人を設立し、11月から販売を開始する。帝人は睡眠時無呼吸症候群(SAS)用治療装置の販売強化を目的に、装置の販売や検診サービスを手がけるグループ会社2社を合併させた。汎用樹脂や繊維など、主力製品の需要が頭打ちとなり採算が悪化するなか、成長が見込まれる分野に積極進出することで、経営の安定化を図る。

 旭化成が設立した新会社「韓国旭化成メディカルトレーディング」(ソウル)は、資本金が10億ウォン(約8000万円)で、医療機器子会社の旭化成クラレメディカル(東京都千代田区)が全額を出資した。

 人工腎臓は、血液を体外にいったん出し、尿素などの老廃物を「中空糸膜」と呼ぶ特殊なフィルターで除いて体内へ戻す装置。旭化成によると、韓国には透析治療が必要な慢性腎不全の患者が約5万人おり、毎年8%ずつ増えるとみられている。従来の代理店経由の販売と並行し、新会社が医療機関に直接売り込むことで、需要に応える。

 旭化成クラレメディカルは、欧州などの販売を強化するため、今年5月に米国の医療機器メーカー、ネクスステージと提携。10月には、人工腎臓を含む医療機器を製造を行うメテク(東京都板橋区)を子会社化している。

 一方、帝人傘下で医薬品や医療機器の開発・販売を行う帝人ファーマ(東京都千代田区)は、10月1日付でSAS治療装置の販売や診療サービスを行う全額出資子会社の新潟スリープラボ(新潟市)と帝人在宅医療(東京都千代田区)を合併させた。

 SASは潜在患者が多く、治療装置を使った在宅医療ニーズが高まっている。合併により、関連組織の運営一体化や機動力の向上を図る。これらの施策により、装置の年間売上高を、現在の数十億円から3年後には約150億円に増やす計画だ。

 このほか、クラレ傘下のクラレメディカル(東京都千代田区)も、骨の移植が必要になった際に使う人工骨の国内製造販売承認を7月に取得し、人工骨市場への参入を視野に入れる。

 医療分野は、化学メーカーにとって繊維事業などで培った技術を生かせるほか、原材料価格高騰の影響を受けにくく、経営の安定化に寄与するため、今後も進出に拍車がかかりそうだ。

492とはずがたり:2009/11/06(金) 16:24:00

円高で目減り、製薬2社が減収 武田は11年ぶり
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110501000741.html

 製薬大手4社の2009年9月中間連結決算が5日出そろった。円高で海外売上高が目減りしたことが響き、武田薬品工業とエーザイの2社が減収となった。

 武田の中間期での減収は1998年以来、11年ぶり。円高が516億円のマイナス要因となり、売上高は前年同期比6・4%減の7554億円にとどまった。エーザイの売上高は1・0%減の3949億円。

 最大市場である米国の景気に回復傾向が出てきたのを背景に、4社とも主力製品の販売は堅調。アステラス製薬は泌尿器系の治療薬が順調に伸びて増収を確保し、第一三共はインドの製薬会社を買収した効果も加わって大幅増収となった。

 一方、純利益は円高の影響を吸収しきれなかったアステラスと第一三共が減少。前年同期に米製薬会社の買収関連費用がかさんだ武田と、米国での自社販売を増やしたエーザイは増益となり、明暗が分かれた。
2009/11/05 18:19 【共同通信】

493荷主研究者:2009/11/11(水) 23:15:57

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200911050049.html
'09/11/5 中国新聞
三井化学で爆発 民家も被害<動画あり>
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 4日午後1時35分ごろ、下関市彦島迫町7丁目、下関三井化学の三フッ化窒素(NF3)工場から出火、引き続き3回の爆発が起きた。爆風に吹き飛ばされた下請け会社従業員河島正明さん(29)=下関市新垢田西町=ら工場関係者2人と、近くの民家を修理していた男性(40)の5人が軽いけがをした。市によると、周囲の民家37棟に屋根の一部や瓦が吹き飛ぶなどの被害が及び、車約30台の窓ガラスが割れるなどした。

 有害なNF3ガスが工場外に漏れたため、市は近隣の約430世帯・約1200人に自主避難を呼び掛け、33人が公民館などに避難した。小中学校と幼稚園計5施設は一時、子どもを待機させた。

 同社によると、NF3は半導体工場で機械の洗浄に使われる。高濃度で吸い込めば、呼吸困難やめまいを起こす可能性があるが、市は健康被害の報告はないとしている。

 動画はこちら

【写真説明】化学工場の爆発で被害を受けた家(4日午後3時56分、下関市)

494荷主研究者:2009/11/11(水) 23:16:40

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20091106/CK2009110602000185.html
2009年11月6日 中日新聞
日油武豊工場爆発で社側謝罪会見

記者会見の冒頭、謝罪する日油の水野和広所長(中央)ら=武豊町の日油武豊工場で

 武豊町北小松谷の化学メーカー、日油(本社東京)の愛知事業所武豊工場で、死者1人を出した4日の爆発事故。一夜明けた5日、同社は会見を開くとともに、幹部が地元の町役場を訪れるなど対応に追われた。2000年の爆発事故では住民も被害を受けただけに、地元からはあらためて安全の確立を求める声が上がった。

■工場は■
 「死者を出すような事故を起こし、申し訳ない」−。この日午前、同事業所で開かれた会社側の会見。冒頭、水野和広所長ら5人が神妙な面持ちで頭を下げた。

 同社は火薬の生産では全国有数のシェアを占め、武豊工場はその主力工場。今回の事故を受け、エアバッグに使う火薬の製造をストップした。水野所長は「ある程度事故の原因を説明できるようになるまでは操業できないだろう」と、当面停止する考えを示した。

 この日昼すぎ、同事業所の幹部は武豊町役場を訪れて事故のてん末を説明。夕方には、大池弘一社長も東京から駆けつけ、籾山芳輝町長に謝罪した。

 「大変迷惑をおかけした」と話した大池社長に、籾山町長が「あってはならないことが起きて遺憾に思う。一度事業のすべてを検証し直し、国の基準以上の安全確認をしてほしい」と要望したという。

■地元は■
 住民にとって事故は他人事でない。工場正門そばに住む主婦天木敏子さん(43)=同町甚田=は「ここに家を構えた以上、簡単に引っ越すことはできない。事故のないように気をつけてほしい」とくぎを刺す。

 「以前の爆発事故では工場の人が謝罪に出向いてくれた。今回はそれほど大きな被害はなかったし…」と語った工場南の同町原田、無職古川義章さん(65)のように、比較的冷静な受け止めも多いが、町役場には4日夜の事故直後から、火災現場を尋ねる住民の電話が20件ほど寄せられたという。

 町は当面、同事業所から調査結果の報告を待つことになる。今後の対応は、00年の爆発事故を受けて発足した近隣市町と住民、消防署、同事業所でつくる「火薬類施設安全対策連絡協議会」で意見を集約、要望書を提出することを検討している。

 (石井紀代美、村井麻那)

498荷主研究者:2009/11/11(水) 23:28:18

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911060058a.nwc
2009/11/6 Fuji Sankei Business i.
アステラス、愛知の研究所を閉鎖へ

 アステラス製薬は5日、バイオ医薬品の研究所がある清須事業場(愛知県清須市)を2012年度中に閉鎖すると発表した。

 研究所の機能と約50人のスタッフは、11年度までにつくば研究センター(茨城県つくば市)に移転する。同センターに約70億円を投じて実験設備などをつくり、研究機能を集約することで新薬開発を強化する方針だ。

499荷主研究者:2009/11/11(水) 23:29:34

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911030007a.nwc
2009/11/3 Fuji Sankei Business i.
三井化学、シノペックと合弁工場建設 中国浸透へ事業拡大第1弾

中国石油化工(シノペック)との合併工場建設を発表した三井化学の田中稔一社長=2日、東京都港区

 三井化学は2日、中国石油化学最大手の中国石油化工(シノペック、北京市)と合弁で、自動車部品や家電製品の原料に使う高機能素材を生産する2工場を、上海市に建設すると発表した。シノペックの負担分を含む投資額は600億円で、両社の負担割合は今後詰める。原料調達力や販売力のあるシノペックと組むことで、自動車や家電の工場が多く、素材需要の中長期的な拡大が見込まれる中国市場への浸透を図る。

 生産するのは、主に自動車のヘッドランプや液晶フィルムの原料として利用されるフェノールと、自動車の窓枠や配管に使う合成ゴム原料のEPT(エチレンプロピレンゴム)だ。

 このうち、フェノール工場の投資額は400億円で、2013年4〜6月に稼働し、生産能力は年25万トン。三井化学は、フェノールで世界第2位のシェアを持つほか、フェノールから作られる製品を数多く開発、生産している。新工場建設で、シノペックの分も含む生産能力は約130万トンになる。

 一方、EPT工場には200億円を投じる。13年10〜12月に稼働を開始し、年7.5万トンの生産能力を持つ。新工場と合わせた生産能力は年17万5000トンになる。

 三井化学は、1986年に自動車のシートや建材に用いるウレタン原料の技術提供を始めて以来、シノペックと深い関係にある。今年1月には、フェノールの関連製品であるビスフェノールAの合弁工場を稼働させている。

 4月には、中国事業を拡大する覚書を締結し、今回の2工場建設は、その第1弾に位置づけられる。

                  ◇
【予報図】

 ■高付加価値製品に資源集中

 「これでフェノールは早期にシェアトップになれる」。三井化学の田中稔一社長は、2日の会見で今回の合弁工場建設について説明し、シノペックと組む意義を強調した。

 日本の総合化学メーカーは、主力の石油化学分野で圧倒的な価格競争力を持つ中東勢の脅威にさらされている。そんな中で、三井化学はフェノールやEPTを含め、高いシェアを持つ高付加価値製品に経営資源を集中し、競争が激化する業界での生き残りを図ろうとしている。

 シノペックは三菱ケミカルホールディングスとも今年4月に提携し、10年中にもビスフェノールAの合弁生産に乗り出す。日本メーカーは、日本の高い技術を取り込みたい同社から、「天秤(てんびん)」にかけられる可能性もある。

 しかし、シノペックは19兆円の売上高を誇り、圧倒的な販売力や原料調達力を持つ理想的なパートナーでもある。

 国内市場が頭打ちの日本メーカーにとっては、技術を吸収されてでも、中国という巨大な成長市場に食い込みたいのが本音だ。中国企業と連携し、事業拡大を図る動きは、今後も続く見通しだ。(井田通人)

502荷主研究者:2009/11/14(土) 15:44:47

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911100073a.nwc
2009/11/10 Fuji Sankei Business i.
住化、サウジプラント本格稼働 国内設備に過剰感、集約も

 住友化学がサウジアラビアの国営企業サウジ・アラムコと共同で同国西部のラービグに建設していた巨大石油化学プラントが8日、本格稼働を始めた。新プラントは、石油精製のほか、精製過程で生じたガスを原料に石油化学製品を製造し、中国やインドへ輸出する。原油の産出地にあることや、精製と石化の一体化による低コストを武器に需要拡大が見込まれるアジア市場への攻勢を強める。同市場で競争が激化するのは必至なほか、国内の生産設備集約化が浮上してくる可能性もある。

 新プラントは、住友化学とアラムコが各37.5%を出資する合弁会社「ペトロ・ラービグ」が総事業費約1兆円をかけ建設した。石化製品の基礎原料であるエチレンの生産能力は年130万トンと世界最大級で、日本国内のプラントの2〜3倍に達する。将来的には欧州への輸出も視野に入れている。今後はエチレン増産に加え、樹脂など誘導品の生産にも乗り出す方針で、2014年第3四半期(7〜9月)までの操業開始を予定している。

 住友化学は、国内では千葉県市原市でエチレンプラントを運営しており、今後、国内は高機能品、サウジは汎用品を主に製造することで事業の効率化を図る。ただ、圧倒的な価格競争力を持つ巨大プラントの稼働に伴い、国内プラントの競争力が低下することも予想され、国内設備の過剰感が強まり、生産能力見直しへの圧力が強まる可能性もある。

503荷主研究者:2009/11/22(日) 18:27:43

http://www.lnews.jp/2009/11/34446.html
2009年11月18日 LNEWS
三菱ガス化学/モノメチルホルムアミドの新規事業化を決定

三菱ガス化学は11月18日、モノメチルホルムアミド(NMF)の新規事業化を決めたと発表した。

新潟市の新潟工場のジメチルホルムアミド(DMF)生産設備(設備能力3万8000トン/年)の一部を転用し、NMF/DMF切替運転により2010年春から年産7500トンの生産を開始する。

NMFは主に電子材料向けに使われるほか、医薬・農薬の合成における抽出溶媒、塗料用溶剤などとして幅広く使われている。今後、電子材料向けを中心に年率10〜15%の需要拡大が見込まれる。

同社は、需要の伸びが期待できるNMFをメチルアミン系製品のラインナップに加えることで、国内唯一のメチルアミンメーカーとして事業強化を図る考えだ。

506荷主研究者:2009/11/22(日) 20:30:57

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200911040009a.nwc
2009/11/4 Fuji Sankei Business i.
次世代太陽電池 先陣争い 三菱化学・東レなど、事業化急ぐ

材料に樹脂フィルムを使った三菱化学の有機薄膜太陽電池。薄く柔らかいために、曲面にも使用できる

 化学や合繊メーカー各社が、次世代型の有機薄膜太陽電池分野に相次ぎ参入し、開発を活発化させている。素材に柔らかい樹脂フィルムを使う同太陽電池は、設置やデザインの自由度が高いうえに、コスト低減も期待できるなど、市場が大きく拡大する可能性を秘めているためだ。発電効率が低いという課題が残されているものの、各社とも成長分野と位置付けて事業化を急ぐ方針だ。

 三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は、有機薄膜太陽電池の出荷を来年中に開始し、2015年度には本格的な量産に移行する計画だ。同社が開発中の製品は、厚さが1ミリ程度の樹脂フィルム(ポリエステルなど)に発電機能を持つ有機化合物を溶かした液体を塗布し、製造する。印刷技術を応用し、効率的な生産が可能になるため、既存の太陽電池に比べて大幅な低価格化を実現できる見通し。

 同社は今春、技術開発の進展をうけて有機薄膜太陽電池事業を担当する専門部署「OPV(有機太陽電池)事業推進室」を立ち上げた。今後は自動車のルーフ部に設置し、エアコンの電力源にするなどの用途開発にも力を入れる。

 一方、合繊各社は、将来性をにらみ同太陽電池用の材料開発を強化している。

 帝人は、今年度中に子会社の帝人デュポンフィルムを通じ、有機薄膜太陽電池に使う樹脂フィルムの販売を始める。データ保存用テープ向けを中心に、世界シェアの9割以上を握るPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムを、今後は有機薄膜太陽電池の材料として売り込む。PENフィルムは、食品包装材などに使うPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムよりも、強度や耐熱性などに優れるという。この点をアピールし、材料として採用を働きかける。

 東レも今春、有機薄膜太陽電池の発電に使用する素材を開発した。携帯電話やノートパソコンの電力源としての活用を見込み、15年をめどに実用化する計画だ。住友化学も12〜13年の事業化に向けて発電素材の開発を進めている。同社では「フィルムに塗る有機化合物を透明にすれば、窓に張って使うといったことも可能になる」と用途の広がりに期待する。

 有機薄膜太陽電池は発電効率が5、6%台にとどまるというネックを抱えるが、現行のシリコン型と共存する形で徐々に普及するとの見方がされている。再生可能エネルギーの利用促進の流れもあって、将来的に市場が膨らむのは確実。それだけに各社は、いかに先鞭(せんべん)をつけるかに躍起だ。(山田泰弘)

507荷主研究者:2009/11/22(日) 20:45:57

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911200062a.nwc
2009/11/20 Fuji Sankei Business i.
ナフサ免税見直し、反対姿勢強調 石油化学工業協会会長

 石油化学工業協会の藤吉建二会長は19日の記者会見で、政府税制調査会の租税特別措置の抜本見直しで、石油化学製品の原料となるナフサの免税措置が対象になっていることについて、「石化産業の存立基盤を脅かす」などとして、課税に反対する立場を強調した。

 ナフサは化学繊維や合成洗剤などの原料として幅広く使われている。このため、国はナフサに対する揮発油税と石油石炭税について免税措置を取っている。

 石化協は19日に理事会を開き、課税に反対する緊急決議を採択した。

 決議では、海外で工業原料に課税している国はないことや、石油化学製品は国民生活に幅広く浸透していて、課税に伴う価格上昇は大きな影響を及ぼすことなどを指摘。その上で、「課税は産業、雇用などの実態を理解しておらず、全く受け入れられない」としている。

509荷主研究者:2009/11/22(日) 21:10:35
>>508
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200911200020a.nwc
2009/11/20 Fuji Sankei Business i.
三菱ケミカル 国際競争へ武器 三菱レイヨン買収発表

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/industry/200911200020a2.jpg

 総合化学国内最大手の三菱ケミカルホールディングスは19日、合成繊維大手の三菱レイヨンを買収すると発表した。株式公開買い付け(TOB)を実施し、来年3月までに完全子会社化する。買収額は2000億円前後になる見通し。液晶テレビの材料などに使うアクリル樹脂原料など高付加価値製品を持つ三菱レイヨンを傘下に収めることで、事業領域を広げるとともに国際競争力を高め、石油化学製品で高い価格競争力を持つ中国勢や中東勢に対抗する。

 両社は同じ三菱系だが、資本関係はない。公開買い付けは来年2月上旬までに始め、議決権の過半数の取得を成立条件とする。買い付け価格は普通株1株あたり3 80円。完全子会社化に伴い、三菱レイヨンは上場廃止となる見通し。買収の結果、2009年3月期に約2兆9000億円だった三菱ケミカルの連結売上高は約3兆5000億円となり、国内2位の住友化学(約1兆7800億円)を大きく引き離す。

 同日の会見で、三菱ケミカルの小林喜光社長は、規模の拡大やコスト削減などのシナジー効果に加え、「グローバル競争への準備を加速する上で大きな意味があり、高機能、高付加価値品も強化できる」と、経営統合の意義を強調。三菱レイヨンの鎌原正直社長も「中長期にグローバル展開で大きな投資を控えており(三菱ケミカル傘下に入るのは)心強い」と述べた。

 国内の化学各社は、石化製品の中国などアジア向け輸出を収益の柱としているが、汎用品を中心に低価格攻勢をかける中国や中東に市場を奪われつつある。さらに、サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコと住友化学が1兆円をかけて建設した巨大石油化学プラントが、今月8日に本格稼働したこともあり、国内生産設備の過剰感が強まるのは避けられない。このため化学各社は国内設備の統廃合を検討する一方、収益力のある高機能品に事業領域を広げる動きが活発化している。

 一方、合繊各社は、低収益の合成繊維から、アクリル樹脂原料などの高付加価値品に経営の軸足を移し、海外展開を加速している。三菱レイヨンもアクリル樹脂のシェア拡大などを目指し、今年5月に英化学大手のルーサイト・インターナショナルを1500億円で買収したほか、8月にはサウジアラビア基礎産業公社との合弁によるアクリル樹脂原料工場の建設を決めた。ただ、買収費用などで財務基盤が悪化し、立て直しが急務となっていた。

 再編による規模拡大では独化学大手のBASFなど欧米勢が先行し、三菱ケミカルの売上高は、三菱レイヨンを傘下に収めても世界6位にとどまる。グローバル競争を意識した今回の買収は、化学業界にとどまらず、業界の垣根を越えた大規模な再編に日本企業を駆り立てる可能性もある。(井田通人)

510荷主研究者:2009/11/22(日) 21:34:18
>>508-510
売上高でデュポンを抜くというのは >>508 でも触れたように「和製デュポン」構想が日本の化学業界、繊維業界の悲願(三井グループの悲願とも言えるが…)であっただけに感慨深い。しかし、BASFやダウの背中はまだまだ遠い。まずは世界のトップ5入りが目標か。
住友化学と三井化学が合併していれば、2009年3月期の連結売上高の合算で約3兆3千億円であり、ちょうど今回の三菱ケミカル+三菱レイヨン並みになる。改めて三井住友化学が実現しなかったことが日本の化学業界の再編が世界に対し周回遅れとなったと思わざるを得ない。まぁ住友化学は合併に失敗したことで、ラービグへの投資と言う単独でも世界で生き残る果敢な戦略を打ち出しただけに、今年のラービグの本格稼働がどのような結果を出すか、興味深いところだ。

http://knak.cocolog-nifty.com/blog/
三菱ケミカルHDの小林社長は、「三菱レイヨンの参画により、三菱ケミカルグループの連結売上高は3兆5000億円、世界の化学会社の中ではデュポンを抜き、SABICに次いで第6位となる。レイヨンのMMA事業や炭素繊維・複合材、水処理事業、スペシャリティケミカル事業など、次世代コア事業を一体的に運営することによりコストで30億円、事業面で70億円、計100億円のシナジーが実現できる」と強調した。

世界の化学メーカーの売上高(三菱ケミ資料)
1 BASF  7.8兆円
2 Dow Chemical  6.0
3 LyondellBasell  4.9
4 Bayer  4.1
5 SABIC  3.9
6 三菱ケミカル+三菱レイヨン  3.5
7 DuPont  2.7
8 Evonik Industries(Degussa)  2.0
9 Akzo Nobel  1.9
10 住友化学  1.7
11 Air Liquid  1.6

511とはずがたり:2009/11/22(日) 21:57:14
アンチ三菱にして自称三井住友化学若しくは三井東圧化学っぽく三井東レ化学現実期成同盟会長の俺としても,まあ三菱ケミの東京田辺製薬辺りからの積極的な再編は高く評価して安定株主(w)になってるでね。

517荷主研究者:2009/11/29(日) 21:58:41

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200911270004a.nwc
2009/11/27 Fuji Sankei Business i.
素材各社 リチウムイオン電池部材事業 耐久性追求、有望市場を開拓

 素材各社がリチウムイオン電池部材事業への新規参入や生産能力増強の動きを加速させている。リチウムイオン電池は電力を保つ特性に優れ、現在では携帯電話やノートパソコンを中心に採用されている。今後はさらに電気自動車(EV)や、ハイブリッド車(HV)などエコカー向けの需要増が見込まれる。このため、各社とも課題の電池の安全性や耐久性を追求して部材の開発にしのぎを削っている。

 リチウムイオン電池の主要部材は正極材、負極材、セパレーター、電解液の4つに分けられる。このうち電解液事業に新たに乗り出すのは昭和電工だ。米化学メーカーと共同で、電池に用いた際に過充電による発火の危険性が低く、充放電の繰り返しによる劣化も少ない電解液を開発。2010年に電池メーカーなどに対し試作品の出荷を始め、12年までに量産に踏み切る。

 同社は今年4月から負極材の販売も開始している。「出足は好調」(同社)といい、年間生産能力を現在の1000トンから12年までに3000トンに高める。さらに正極材の展開も視野に入れており、電池関連事業の年間売上高を、現在の50億円から20年には600億円にまで伸ばしたい考えだ。

 日鉱金属は磯原工場(茨城県北茨城市)に正極材の製造設備を建設、6月に稼働させた。すでに電池メーカーにサンプル出荷しており、数年以内に本格量産に入る方針だ。

 同社の正極材を使うと、従来品に比べて寿命が長く、ショートの危険性も低いという。磯原工場の製造設備は年間300トンの生産能力を持つ。それでも能力増強のためのスペースを確保しており、将来は少なくとも2500トンに拡大する計画だ。

 一方、東レは東燃ゼネラル石油と提携してセパレーターの製造・販売に乗り出す。東燃ゼネラル傘下で合成樹脂フィルムを製造する東燃機能膜(栃木県那須塩原市)に東レが出資し、10年1月に新会社を発足させる予定だ。東燃ゼネラルはセパレーターで世界トップクラスの約20%のシェアを誇る。東レは事業化にあたり、実績のある東燃ゼネラルとの提携が最善と判断した。両社は技術力を持ち寄り、耐久性や耐熱性などに優れたセパレーターを開発する。

 調査会社の富士経済によると、自動車用のリチウムイオン電池市場は、08年の104億円から14年には2兆2500億円にまで拡大するとしている。(中村智隆)

518荷主研究者:2009/12/07(月) 01:08:52

http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200912040011a.nwc
2009/12/4 Fuji Sankei Business i.
「後発薬」国内市場に外資続々 普及に弾みも業界再編の火種

 特許切れの新薬(先発薬)と同じ成分を使う後発薬の国内市場で、外資進出の動きが加速している。製薬世界最大手の米ファイザー日本法人が来年にも参入するほか、後発薬世界最大手のテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(イスラエル)も来年1月から本格的に市場開拓に乗り出す。日本では、安価な後発薬の普及が欧米より遅れ、市場拡大の余地が大きいと判断したためで、外資の攻勢で普及に弾みがつきそうだ。

 ファイザーはインドの後発薬メーカーと提携し、今春から米国で、今秋からは欧州で後発薬の販売を始めた。日本法人でも今年9月に、専門部署「エスタブリッシュ製品事業部門」を設置し、特許が切れた自社製品の販売てこ入れとともに他社製品の後発薬の投入を目指して準備を進めている。後発薬は来年から販売承認を申請し、承認が得られ次第売り出す方針だ。

 松森浩士エスタブリッシュ製品事業部門長は「ファイザーの経験と信頼をもとに大切に育て供給して医療に貢献することで、日本の顧客・利害関係者の信頼を確立する」と意気込みをみせる。

 売上高約1兆円のテバも昨年11月に、国内中堅製薬会社の興和と折半出資して合弁会社「興和テバ」を設立し、来年1月に本格的に営業を開始する。新会社では2015年までに国内後発薬市場でシェア10%、売上高1000億円を達成する計画だ。

 後発薬で世界2位の独サンドも9月に、遺伝子組み換え技術を使って開発したバイオ医薬品の後発薬を日本で初めて発売した。バイオ医薬品は副作用が少なく、同社は日本市場攻略の切り札として拡販を目指している。

 後発薬は先発薬に比べて研究開発費がかからないことから、薬価が大幅に安くなるのが特長だ。先進国では、医療費抑制のために後発薬の利用を促進し、日本でも、厚生労働省が医療用医薬品に占める後発薬の数量シェアを04年度の16%から12年度には30%以上に引き上げる目標を掲げ、普及を後押ししてきた。

 それでも、日本は数量シェアが5割以上の国もある欧米に比べれば出遅れているのが実情で、成長の余地が大きいが、国内の後発薬メーカーは経営規模が小さく40社以上がひしめくだけに、外資参入の波は業界再編を引き起こす可能性もある。(本田誠)

519荷主研究者:2009/12/14(月) 00:48:31

http://kumanichi.com/news/local/main/20091211004.shtml
2009年12月11日 熊本日日新聞
菊陽町拠点に偏光板保護フィルム 富士フイルム

液晶ディスプレー用の偏光板保護フィルムを製造する富士フイルム九州のライン。11日に6ライン目が稼働する(富士フイルム提供)

 富士フイルム(東京)は10日、液晶ディスプレー用の偏光板保護フィルムを生産する子会社、富士フイルム九州(菊陽町)の第3工場に増設していた第2ラインを11日に稼働させる、と発表した。これによって同九州の全3工場6ラインが完成。年3億平方メートルの生産能力が整った。

 富士フイルムは偏光板保護フィルムの世界市場で8割のシェアを持つ。同社の国内3つの偏光板保護フィルム工場の中でも、菊陽町はグループ生産量の4割超を担う最大の拠点となる。富士フイルム九州は、液晶ディスプレーの普及が急速に進む中国やインドなど東アジア向け製品の供給拠点として、2006年10月に1工場1ラインで操業を開始。これまでに1100億円を投じ、生産ラインを順次拡大してきた。

 当初は08年8月の全ライン稼働を計画していたが、世界的な景気後退で受注が急減し、稼働開始を見合わせてきた。同12月〜ことし1月の国内3拠点の工場稼働率は生産能力の5割まで低下したが、以降は受注が戻り、直近は8割程度に回復しているという。

 富士フイルムは、テレビやパソコン用液晶ディスプレーの世界需要は今後2年間で3割増えると予測。「中長期的にフィルム需要はさらに拡大する」(広報部)とみている。(松本敦)

520荷主研究者:2009/12/14(月) 23:00:44

http://www.sankeibiz.jp/business/news/091208/bsc0912080506007-n1.htm
2009.12.8 05:00 Fuji Sankei Business i.
【次代への一歩】旭化成(1)分散型施設で水メジャーに対抗

 旭化成は創業以来、石油化学や繊維などの素材だけでなく、医薬品や住宅といった消費者向けの事業にも手を広げ、企業規模を拡大してきた。技術力を生かし、新事業創造に挑む姿勢は今も健在。次代の経営を支える“主役候補”が続々と生まれている。

 世界の工場と呼ばれる中国。江蘇省蘇州市には、電子産業を中心に多くの日系企業が進出しており工場が密集する。今年3月、同市でプリント基板などを製造するソニーケミカル&インフォメーションデバイスの工場敷地内で、新しい廃水リサイクル設備が稼働した。

 ◆濾過膜シェア世界2位

 設備内部には、直径16センチ、長さ2メートルの筒状をした「中空糸膜モジュール」が約50個並べられている。モジュール内部を廃水が通り抜ける際、特殊な濾過(ろか)膜が不純物を取り除き、きれいな水を生み出す。

 電子部品工場では、薬品を洗い流すため、高品質の水を大量に使う。これまでは廃水を濾過し、川に放流していたが、新設備を追加することで、さらに品質が上がり、再利用できるようになった。

 この設備を手がけたのが旭化成だ。

 濾過膜には繊維の製造技術が応用されており、その技術力に絶対的な自信を持つ。水処理用濾過膜では世界2位となる18%のシェアを握る。

 ソニーケミカルの設備はリサイクル能力が1日1900トン。過去には1日1万トン以上の能力を持つ設備の納入実績もあり、けして大規模とはいえない。だが最重要市場の中国を攻略する上で、きわめて重要な使命を担っている。

 実は、この設備の所有者はソニーケミカルではなく、旭化成。設置後の運用も一切同社が取り仕切っている。その代わり、きれいになった水を工業用水として買ってもらうのだ。

 旭化成の濾過膜は耐久性にも優れている。ただ耐久性が良いことは、濾過膜の交換期間を延ばす。交換需要は減り、ビジネス拡大が難しくなる。そこで継続して収入を確保でき「膜の技術を生かせる新しいビジネスを考えた」(小宮強介・旭化成ケミカルズ取締役)。そこから設備の売り切りではない、成功報酬型サービスが生まれた。

 顧客企業にもサービス導入のメリットはある。廃水をリサイクルする場合、これまでほとんどの工場が必要な設備を購入し、運用も自らしていた。これだと設備償却後のコスト負担が軽くなる半面、水処理に詳しい人材育成に時間がかかる。それなら必要な業務をすべて外部に任せた方が生産に集中できる。もちろん、工業用水の購入量も減らせる。

 ◆水不足で潜在需要

 新興国の経済成長を背景に、天然資源の不足が危惧(きぐ)されるなか、水も例外ではない。特に中国は深刻な水不足に直面しており、リサイクル需要は高まる一方。廃水リサイクルは、定着していない分だけ、潜在市場は大きい。

 水処理分野では、仏スエズなど、水メジャーと呼ばれる欧米の巨大企業が大規模な上下水場を運営し、中国を含め世界的に事業を拡大している。水ビジネスの世界市場は100兆円ともいわれ、これらインフラの建設・運営が大半を占める。これに対し、濾過膜の占める割合は1%程度。旭化成といえども、事業規模は水メジャーに大きく見劣りする。

 しかし、サービス化によって、同社が廃水リサイクル設備の設置数を増やし、一手に管理できれば、水メジャーの施設に匹敵する“小規模分散型”ネットワークとなる。

 これまでにない廃水リサイクル事業を展開することで「水メジャーに挑むパスポートをとる」(同)考えだ。(井田通人)

                   ◇

【会社概要】旭化成

 1931年創業の総合化学メーカー。石油化学や繊維などの素材に限らず、医薬品や住宅など、幅広い事業を手がける。現在は持ち株会社の下、9事業会社を傘下に置く。資本金は1033億8900万円で、社長は蛭田史郎氏。2010年3月期の連結売上高見通しは1兆4370億円。連結従業員数は2万4244人。


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