4.2.3.6. 民主党政権の終焉
小選挙区制導入に代表される「政治改革」の申し子であり、自民党政治に不満を持つ層やかつての左派あるいは社会民主主義者の「希望」としての民主党政権は
① 中韓両国との関係改善に失敗
② デフレと円高による国内不況
③ 東日本大震災に対する対応への不満
により、任期末期には国民の支持を失っていた。
「新しい」左派的市民運動団体が求められていた。
そのような状況の中で、これまでの市民運動とは「全く関係のない」新しい学生運動の形として、マスコミやリベラル・左派(特に学者)から称賛された団体として「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動:Students Emergency Action for Liberal Democracy-s)がある 。
しかし、既に述べたように、「ヘイト(スピーチ・クライム)」は、在日朝鮮人保護の文脈で語られてきたことから、普遍的な「集団に対する名誉棄損」といったものではなく、日本人から在日朝鮮人に対して『のみ』存在するという「ガラパゴス」的な言説空間が生まれた。しかし、外国の例から見て「ヘイトスピーチ/クライム」としか表現しようのない言動は、在日朝鮮人の側からもなされている。有名な例として
① 「あなたたちが強姦して産ませた子供が在日韓国朝鮮人 」(辛淑玉女史)
② 「拉致問題の発覚で初めて堂々と『被害者となれる』チャンスが巡ってきた 」(同上)
③ 「生粋の日本人なら何人でも殺そうと思った 」(2013年5月の生野区通り魔事件)
④ 日本寺院に油をまき、文化財保護法違反等の疑いに問われた事件
⑤ 「しばき隊リンチ事件」
というものがある。
このように、我が国の中選挙区制において、主要政党数がデュヴェルジェの法則が示唆する「6」とはならない理由として、
① 定数が「5」でない(定数が「3」又は「4」)選挙区が存在したこと
② 当時の自民党の派閥が中選挙区制を勝ち抜くため「党中党」として機能していたこと
③ 自民党が過半数を制するためには同一選挙区で複数候補の当選が必要
という理由が挙げられる。
派閥政治華やかなりし当時、総理大臣(自民党総裁)として求められる条件として、一般的にいわれていたのは
① 派閥の領袖
② 主要閣僚(外相、蔵相、通産相)のうち2つ
③ 自民党三役のうち幹事長を含む2役
であった。
この条件から逆算すれば、総理・総裁「候補」として認知されるためには、
① 派閥の領袖(又は派閥の次期領袖として認知されている)
② 主要閣僚経験(財務(旧大蔵)、外務、経産(旧通産)いずれかの経験)
③ 自民党三役(特に幹事長又は政調会長)
のいずれか1つを満たすことが最低限の条件であろうと思われる。該当する職の経験数が増えれば増える程「有力候補」として認知されていく(特に政調会長と主要閣僚の両方を歴任した者は「将来の総理総裁候補」として見込みのある者である可能性が高い)。