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日本茶掲示板同窓会

85キラーカーン:2017/07/03(月) 00:53:49
6.2.2.3. 野党時代(谷垣総裁時代)の自民党
6.2.2.3.1. 政治家としての谷垣氏
 自民党の野党時代(民主党政権時代)の自民党総裁は「麻垣康三」の中でただ一人総理・総裁の印綬を帯びていなかった谷垣氏であった。野党転落という自民党の「冬の時代」を乗り切るためには、「麻垣康三」の一人として、かねてから(総理)総裁候補として認知され、かつ、その4人の中でただ一人自民党総裁に就任していない谷垣氏を総裁に選出し、自民党の立て直しを図るべきであるというのは組織防衛上も合理的な判断である。

 谷垣氏は宏池会所属 であり、弁護士資格も有することから、一般的には「リベラル派」の政治家として語られている。谷垣氏が自民党の中では「リベラル」であること自体は間違いではないと思われる。しかし、谷垣総裁時代の自民党の政策は、(最大)与党民主党との差異を際立たせようとしたのか、自民党改憲案というような「右寄り」なものも谷垣総裁時代に策定された。

 「リベラル」といわれる谷垣氏自身も母方の祖父が影佐貞昭陸軍中将 であり、靖国神社や伊勢神宮の参拝も行っている。また、外国人参政権には消極的であり、法務大臣時代には死刑執行も命じている。このように、自民党内では「リベラル」であっても民主党的な「リベラル」とは一線を画している。

6.2.2.3.2. 自民党総裁としての谷垣氏
 谷垣氏は、(衆議院第一党ですらない)野党 という「自民党冬の時代」の総裁としてよく自民党を纏めていた。また、谷垣氏は、3年の長きにわたって主要閣僚の一角である財務大臣を務めるなど、閣僚歴も豊富であり、政治家として有能であったのは間違いない。しかし、「麻垣康三」の中で、安倍、麻生両氏ほどの「華」はなく、第二次安倍政権においても総裁経験者でありながら、法務大臣や幹事長に「甘んじている」という点も「地味な政治家」 という印象を強化する。

 谷垣氏が総裁であった野党時代の三年間、谷垣氏が期待通りに手堅く自民党を纏めている一方、政権の座に就いた民主党は、これまで述べたように、政権運営能力の未熟さをさらけ出して、国民の支持を失いつつあった。そのような民主党への支持率下落傾向の中、谷垣総裁の下で行われた2010年の参議院通常選挙において改選第一党の座を奪回した。その結果、参議院で与党が過半数を割り込むという「ねじれ国会」が再現され、自民党の意向を無視して法案が可決できる状況ではなくなった。この参議院選挙の勝利で、自民党は来るべき衆議院総選挙における政権奪回の足掛かりをつかんだ。

 このように、谷垣氏は地味な印象を与える政治家であるが、豊富な入閣歴や政調会長経験もあるように、政策に強い「有能な守りの政治家」である。谷垣氏はその能力を期待通りに発揮し、野党時代の自民党を率いる上で必要とされた自民党が耐えるべき時に党の統率を保って耐えることができた。この点は、大正時代において、原敬政友会総裁の前で「苦節十年」を耐えきった加藤高明憲政会総裁に匹敵する政治家といってよいくらいである。

 加藤高明は総理となってから、第二次大隈内閣時代の開戦外交の失敗の汚名をそそぎ、憲政会は政友会に続く政権担当可能な政党の地位を確立したが、谷垣氏は、加藤高明と異なり、総理の印綬を帯びることは(現時点まで)なく、現在、自身の自転車事故による負傷療養中であり、政治家としての復活の目途は立っていないため、首相としての谷垣氏の能力は評価することはできない。恐らく、谷垣氏は、このまま、「総理になれなかった自民党総裁」としてなお残すことになる可能性が極めて高い。

 小泉氏や安倍氏或いは麻生氏のような見かけの派手さはないが、政権奪回を目指す野党第一党総裁として求められる場面で求められる能力をしっかり発揮したという点は正当に評価されるべき政治家である。


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