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日本茶掲示板同窓会

84キラーカーン:2017/07/01(土) 01:12:27
 ここで、現在との比較のため、55年体制下における自民党総裁に求められる条件を振り返ることとしたい。

 派閥政治華やかなりし当時、総理大臣(自民党総裁)として求められる条件として、一般的にいわれていたのは
① 派閥の領袖
② 主要閣僚(外相、蔵相、通産相)のうち2つ
③ 自民党三役のうち幹事長を含む2役
であった。

この条件から逆算すれば、総理・総裁「候補」として認知されるためには、
① 派閥の領袖(又は派閥の次期領袖として認知されている)
② 主要閣僚経験(財務(旧大蔵)、外務、経産(旧通産)いずれかの経験)
③ 自民党三役(特に幹事長又は政調会長)
のいずれか1つを満たすことが最低限の条件であろうと思われる。該当する職の経験数が増えれば増える程「有力候補」として認知されていく(特に政調会長と主要閣僚の両方を歴任した者は「将来の総理総裁候補」として見込みのある者である可能性が高い)。

 この3条件「すべてを満たさない(派閥領袖ではない、主要閣僚経験なし、三役経験なし)」自民党総裁経験者は、福田康夫氏の他には、小泉元首相(厚相2回)と海部元首相(文相2回)のみであった。(この他にも、3条件が「部分的」に欠けている例はあるが、全て欠けている例はない )。

 例えば、小泉総理の後の総理・総裁候補として認知され、実際に小泉総理退任後、相次いで自民党総裁となった「麻垣康三」の中で、福田康夫氏以外の3名は後者の「候補」として認知される3条件(緩和された総理・総裁のための3条件)を満たしている。特に、麻生氏は「事実上」総理・総裁のための3条件を満たしている(既に述べたように、麻生氏は外相を2期経験(内閣改造を挟んで留任)しているため)。

 その他の例でいえば、異例の状況下で総理に就任した鈴木善幸及び宇野宗佑両氏の場合でも、鈴木善幸氏は複数回の三役(総務会長 )経験があり、宇野氏には主要閣僚経験については完全に満たしていた(通産、外務両大臣の就任経験)。

 小選挙区制導入や省庁再編に伴う内閣官房及び自民党執行部の比重が増してきたこと、就中、総理・総裁の比重が増してきたことは、これまでの総理・総裁になるための「出世街道」を変化させてきている。その象徴が内閣官房長官の「重要閣僚化」である。自民党執行部への権力集中と「党高政低」といわれる状況が相まって、自民党では党総裁の比重が増す一方、小泉総裁以後の自民党執行部では、幹事長の重みが低下する傾向もみられる 。また、政府側では、内閣官房の比重が増し、その結果、内閣官房を所掌する内閣官房長官の存在感が高まってきている。

 このように、総理への権力集中により、政府が総理(兼与党(第一)党首)一人で代表されるような状態になることは、議院内閣制と雖も「大統領制化」への道を歩んでいるともいえる。


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