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チラシの裏 3枚目
ネタにするには微妙だけど、投下せずにはいられない。
そんなチラシの裏なヤツはこっちに
遡ること10年前、アレクサンドリア城内の図書館で調べ物をしていた時のことだった。
「…古文書に度々現れる、宝珠と呼ばれるものは アレクサンドリアの国宝、銀のペンダントとするものが有力…
しかし、あの形状を果たして珠と呼んでいいものかしらね…」
「ことりせんせーーー!」
「…! …あら、雪歩ちゃん」
ぴとぴとと、小さな子供が降りてくる。
「またむずかしいご本をよんでいたんですか?」
「ふふ…そうねぇ、ここにある本はもう全部読み尽くしちゃったわ」
「ただ、こうやって古い本に囲まれていると考えもまとまるのよね…」
「へぇ…わたし、むずかしいご本はにがてですぅ…」
腕を後ろに組み揺れる雪歩の頭にぽんぽんと手を置く。
「…雪歩ちゃん、…じゃなくて、雪歩様。
自分のことは「わたくし」ですよ、お姫様なんですから♪」
「はーい… でもね、わたくし、あの本はきょうみぶかくよませていただきました。
なんともうしましたかしら、えっと…」
「『君の小鳥になりたい』エイヴォン卿の作品ですね?」
「はい!それございますことよ!
…あの、こんな感じでいいんですか?こうきなみぶんのしゃべりかたって…」
「…お姉様を見習われた方がいいかもしれませんねー」
そして、幼い雪歩は図書館のテーブルに置かれた、目を引く大きな玉を指す。
「ねーことりせんせい!これはなんですか?」
「これは、ガイア儀…私達の住む星の模型ですね」
「がいあ…ぎ… わたし…じゃなくて、わたくしたち、
このまんまるいなかにすんでいるんですか?」
「いえ…その中じゃなく…外に住んでいるんですよ
…星には力があり、星は生命である…という学説が『石』と『召喚』を結びつけるイメージの起源となり…
…ピヨ?…あ、申し訳有りません。また悪い癖が出てしまって…」
「???」
妄想、もとい考えを巡らせながらぴよぴよと歩く小鳥。
「…ああ。申し訳ありません…どうも悪い癖が…」
「ねーねー!このまんまるいガイアぎのなかで、わたしのいえってどこにあるんですか?」
「それは…」
「じゃあこのおしろは?」
「えっと…」
「たかぎおじさんのおしろは?」
「あの、次々に言わなくても説明するから…」
「…時間の流れって、早いわねぇ…
まあ。私は相も変わらず、こんなものを集めたり研究したりしてるんですが」
「このガイア儀は…」
「古い品なのよね…。このように壊れてるんだけど、これもまた粋だなと思って
改造して天体観測の施設として使っています
ガイアの中から空を見る…なかなか悪くないものです♪」
そして、本題に入る。
「雪歩ちゃん、私は何があっても、ずっと雪歩ちゃんの味方でいるつもりですよ
何があったか、お伺いはしませんが…」
「いえ、小鳥先生……少し、話されてください」
「…そうだったんですか。春香ちゃんは…春香様はすでに…。
…解りました、雪歩ちゃん…いえ、雪歩様。
私がアレクサンドリアまでお送りしましょう。こういう時に備えて、実は地下の旧時代の機関に繋がる道を確保していたんです」
「本当ですか!?」
「ただし、魔物が出るとされているから…気をつけてね、雪歩ちゃん」
小鳥が部屋の隅にあるフタを開けると穴が。
その穴に潜ると地下道へ。
「実はこういうことに備えて、この機関の上に塔を建ててもらったんです。
いつでも逃げられるようにと」
「連結レバーを探してください。それを倒してもう片方の道へ行けば…
でもどっちも道だったかなー」
入口から二つの道が伸びている。
「それじゃボクはこっちに行く、お前はもう片方を頼んだよ」
「うん!」
うさちゃんと真が二手に分かれ道の先へ。
「ボクの行った方がレバーだったよ!お姫様、隊長さんの行った方へ行こうよ」
「は、はい…」
もう片方の、真の行った方の道へ。
蔦のような緑の植物が、ワイヤーのようにどこからかどこかへまで宙に一本通っている。
「これを引けば、『ガルガント』がこの周囲を回り続けることになります。
それに乗ってください。後はもう片方のレバーで行き先を変えますので後はアレクサンドリアへ…」
「ガルガントって…何ですか?」
「引けば解りますよ」
紐を引くと………何かがガシャリガシャリと音を立てて、ワイヤーのような植物を伝ってきた。
籠だ。…その籠を吊り下げられた本体は…
機械などではない。
「…虫ですか!?」
「ちょっと怖いけどご辛抱をお願いしますね…アハハ…」
つまりはこの蔦は遥かアレクサンドリアまで繋がっており、
レバーによりこの辺りを周回しているこの『ガルガント』という虫に吊り下げられた籠に乗っていくというのだ。
「…こ、怖いです…でも…!」
「お姉様…春香陛下にいち早くお会いしなければならないんですよね?」
「はい!!」
雪歩は迷わない。籠へと飛び乗り…真も、うさちゃんも。
「ところで何でお前までアレクサンドリアに?」
「魔の森へはアレクサンドリアが近いからね…さあ、行くよ!」
こうして一行を乗せたガルガントは一路、アレクサンドリアまで。
「ありがとうございました、先生!」
そして、一方で美希達はクレイラの町を目指し…
今、巨大な木の幹を登っていた。
「…あんなに痛めつけられても体を真っ二つにされても
フェニックスの尾ですぐに再生するなんて、ちょっと気味が悪いね」
「美希ちゃんは最後まで抵抗してた分随分こっぴどくやられてたわね…
…心臓や頭を突かれてたら本当の死が来てた所よ。」
クレイラは砂漠に立つとても巨大な一本の木で、頂上に街が形成されている。
幹は止むことの無い砂嵐の封印で守られており、
クレイラの民やブルメシアの民のようなネズミ族の一族以外は
全くもって近づくことが出来ない。
「な、何なのアレ!」
砂を使った仕掛けやトラップを越え
町までは後もう少しと言った、幹内部でそれは現れた。
「マアアアアアアアア…」
全身が砂で出来た巨大な上半身。
「魔力で動いているゴーレムかな…」
それは、魔力の篭った球が砂を持ち上げ鎧とした、『サンドゴーレム』だった。
「それなら話は早いの!」
美希はオーガニクスを頭上で振り回し、飛び上がり赤い球に一撃を加えるが…
「ォオオオオオ」
直後に巨大な腕が美希を天井に突き上げてしまう。
「う!」
跳ね返り地上へ。
「わぁぁあ…!」
その下は流砂。砂に飲まれれば下階に落とされ、戦いに復帰することは出来ない。
「掴まって!」
あずさの槍に掴まり、振り上げられなんとか窮地を脱する。
「何のために砂の体があると思ってるの。
あの赤い球は確かにコアだけど、攻撃されたら反撃くらいするわ」
「じゃあ…」
「倒すには一度体ごと攻撃して動きを止めるしかないの…ビビちゃん!」
「『ブリザラ』!」
幹の中で手に入れた『氷の杖』でビビが魔法を放つ。
コアを中心として放射状に氷の槍がが生成され、サンドゴーレムの体を隅々まで凍らせ、貫く。
「オオオオォォォ……」
サンドゴーレムが崩れ…赤い球だけが残る。
「ビ、ビビビ…」
魔力を周囲に発し、また体を作る気でいる。
「そうはさせないわ!」
あずさは槍を突き出し、コアを串刺しにし…
「さっきのお返しだよ!!」
あずさが放り投げたコアを美希が両断。
サンドゴーレムとの戦いは終了…
幹内部を抜け、太い太い枝を登っていく。
「…看板!」
「どうやらこれで到着ってことみたいですね。…ふう、みんなご苦労様」
ロープの梯子を上るとそこは…美しい町。
「これが…『クレイラ』!」
砂の流れる、緑溢れた段状の町クレイラ。
色とりどりの美しい建築物が視界に立ち並ぶ。
「!? …ど、どなたですか…?」
法衣を身に纏ったネズミ族の青年達が現れる。
「…ま、まさかアレクサンドリアじゃ…」
クレイラはその厚い砂の壁で守られているが故、
ブルメシアと分って以来100年以上、外界とは一切の連絡が途絶えた町。
そこには軍は必要ない。
ギザマルークの他にも沢山存在するブルメシアの守り神に感謝しながら生きる…
武力の一切を捨てた、平和都市なのだ。住人の気質としては全くの穏やかそのもの。
信心深い者たちが多い。
彼女らの前に現れたのはクレイラの神官だった。
「いえ…私が連れてきました」
それに対し、ネズミ族であるあずさが出る。
「あなたは…ブルメシアの方ですか…?」
「はい。ブルメシアの龍騎士あずさと申します。
…残念ながら、アレクサンドリアを止めることは出来ませんでした。」
「アレクサンドリアは…この町を狙っています。私は彼らからこのクレイラの民と、
この町に生き延びたブルメシアの民を守るため来ました」
深々と頭を下げるクレイラの神官。
「……非力な我々に代わり、申し訳ありません…。 …さあ。こちらへ」
町を見回りながら、沢山の階段を登り
木の頂上に位置するクレイラ最大の施設…聖堂へ。
「おお…あずさ!生きていたのか」
その深部では沢山の神官と巫女、そして少数のブルメシア兵とブルメシア王が。
「はい…お久しぶりです、ブルメシア王」
「いきなり聞くのも何だが…彼の…
フラットレイの手がかり、見つかったかね」
「…いえ、全く。
……やはり、すでにこの世には…」
その時だった。
「大変です!!」
「?」
「…あ、『アントリオン』様が…『アントリオン』様が!」
町の脇にある大きな流砂では、
クレイラの守り神『アントリオン』がネズミ族の子供を捕らえていた。
「アントリオン様は温厚な方であられるのに…一体これは…」
アントリオンは流砂から顔を出し、
口から飛び出た二つの大きな顎で捕らえている。
アントリオンは巨大なアリジゴクのモンスター。
掴んだ相手を砂の中に引きずり込み捕食する。
「「…あれはっ!!」」
ビビとあずさはその少年を見て叫んだ。
「た、たすけてくれーーーー!」
「今お助け致します!」
あずさは飛んだ。
「はっ!」
一跳びでアントリオンの頭へ。それを踏みつけ、ハサミのような大顎に挟まれた少年を抱きかかえ
アントリオンの頭を蹴り跳躍、元の場所へ。
「お怪我はございませんか?『パック王子』」
「! あずさ…あずさ、生きてたんだな!」
「…パック…」
「あ!?ビビじゃないか!どうしてこんなところにいるんだよ!」
かつてビビと一緒にアレクサンドリアの劇場へ忍び込んだ少年。
彼こそが、ブルメシアの王子だったのだ。
「話は後にしようよ」
「まずはこのモンスターを沈めなくては!」
「あの…あずさ殿、アントリオン様をモンスターとお呼びするのは失礼かと…」
「ゴルルルルルル」
戦闘開始。
「サンドゴーレムと同じ要領でお願いね、ビビちゃん」
「『ブリザラ』だね」
「『ブリザラ』!」
砂の中にもぐるモンスターにはこれが効果的。
氷の槍で内部から、凍てつかせつつグサリグサリと刺す。
「私は頭上から攻撃します!」
あずさはジャンプ。
「ミキも負けてばかりいられないの」
オーガニクスで硬い硬いアントリオンの装甲に一撃。
「ふんっ…!!」
サンドゴーレム戦でも同じパターンだった。
アントリオンもまた、角と化した大顎でカウンターを図る。
これを美希はオーガニクスを回転させ、大顎にぶつけて反動で回避。
「危ない危ない…」
そこにあずさの攻撃…
「はっ!!」
ミスリルスピアがアントリオンの口に落下。
そのまま口の奥をぐさりと刺し…
あずさが落下、ミスリルスピアを引き抜き戻った。
「ゴロロロロロロロ…!!」
「大分効いているみたいですね」
「けど反撃が怖いの」
「ビビが魔法を放つのを待っているわけにはいかないし…ここはミキが!!」
トランス。
「シフトブレイク!!」
短い茶の髪になった美希は頭から流れこむ特殊な魔法をまたも発動。
雷の檻にアントリオンを閉じ込め…
「はぁあ!!」
その中で幹を揺るがす巨大な爆発を起こし、アントリオンに攻撃。
しかし…アントリオンはすでに手を打っていた。
発動と同時に、砂を荒ぶらせる『サンドストーム』を起こしていたのだ。
アントリオンの意識が途切れるその間際にすべての力を振り絞り、地面を揺るがす。
激しい地震と、砂嵐。
「うあぁああ…!!」
「んう…」
美希達は瀕死に陥る。
「美希姉…ちゃん!」
砂に埋もれながらもビビはトランス。
「ま、待ってビビ…!」
美希の言葉は届かず。
「『ブリザラ』!!」
2倍速の高速詠唱で連続魔法を唱え、
1度目でアントリオンを氷漬けにし、2度目で粉砕する。
だが。
「あ…………ごめん、つい。
…アントリオンはもう、美希姉ちゃんの攻撃で死んでたんだよね」
…ビビはここで冷静になった。
トランス1回が無駄になってしまった。
「美希ちゃん、大丈夫?…けど………参ったわー」
「ごめん、美希姉ちゃん…」
「いや、いいよ…ビビがそれだけ必死になってくれたんだから」
しかし…この戦闘で2人がトランスを使いきったことは大きな問題。
トランスは感情次第でいつでもなれるものでもないからだ。
…トランスは奥の手。
3人中2人がそれを使えないとなると…もしもの時に底力が出ない。
だが終わったことは仕方ない。
ひとまずは脚を引きずり、宿へ。
「あずさ殿…」
「はい」
宿につくとなにやら神官があずさを呼び出し、外で話している。
美希は階段に寝そべりながらその様子を見ている。
「解りました」
「…美希ちゃん、ビビちゃん。私達は聖堂で儀式を行ってくるから
ここで待っていなさい」
「儀式?」
あずさはベッドに美希を横たえる。
「クレイラを守る砂嵐を強めるための儀式よ。アレクサンドリアに入り込まれないようにね」
「…何が起こるか解らない、ミキも行くよ…」
「何が起こるか解らないからじっとしていて欲しいの。
いざという時は呼ぶから…今は眠っておくことよ?」
じゃあね、と一言残しあずさは宿を去り、聖堂へ。
「…それでは、始めましょうか」
「クレイラの、平和を願って。」
聖堂の中には、6人の巫女。
あずさが混じり7人で、
取り付けられた宝珠の力を引き出すハープの演奏とともに舞うもの。
「では。『永遠の豊穣』」
「…」
美希とビビはベッドに横になりながら、窓から外を眺めている。
「………」
ドリルはアレクサンドリアに行って無事なのだろうか。
真はあの国からどういった扱いを受けているのか。
「…美希ちゃん!!」
暫くして、あずさが慌てた様子で入ってきた。
「戦闘の準備は出来る!?」
「…え」
「…切れたの、儀式に使うハープの弦が…
…もうじき砂嵐が、止んでしまうの!!」
「自分から帰って来るとは、いい心がけね 雪歩」
アレクサンドリア城、女王の私室にて雪歩王女は春香女王、ののとワーの取り囲む中に一人いた。
「可愛いあなたの言うことなら何でも聞いてあげる…
何か聞きたいことがあるんでしょう?」
雪歩は一歩前へ。
「姉様。…ブルメシアを滅ぼしたのはどうしてですか」
「姫様といえど、女王陛下に向かって無礼デスよ」
「無礼ですヨ!」
春香は口元を吊り上げるだけ。
「…いいのよ。 …そうね、それは誤解よ…雪歩。
ブルメシアのネズミ達がアレクサンドリアを滅ぼそうと画策していたの。
だから私達から先手を打った…私だってあんなことはしたくなかったのよ?」
…ネズミども。雪歩にはその言葉で十分だった。
「…。 その言葉、信じてよいのでしょうか」
「あらあら…悲しいわ…姉である私を信じてくれないの」
「陛下…私も混ぜて頂いて構いませんか?このお芝居に」
銀髪、長身、切れ長の赤き目。
…そこに現れたのは、貴音だった。
「お芝居?」
「左様です、とても美しいお芝居
白馬に乗った貴族の男と…見目麗しき王女の悲恋の物語。」
「王女はその美しき肌に悲しみの色を湛えたまま、
百年の眠りに落ちるのです」
段を登り、雪歩に詰め寄る貴音。
「…!?」
雪歩は後ずさる。
「…あなたは…どこかで!!」
「私と貴方様が出会うことは、運命付けられていたようですね
さ、私の可愛い小鳥…私の元へおいでなさい」
貴音は右手に魔力を込め…
「そして私が…」
左手を背中に回し、顔を耳元に近づける。
「夢幻の世界へいざないましょう…」
そして魔力のこもった手で頬から首、胸をなでると…
「う……」
…雪歩はそのまま、意識を失い…全ての力を失い、眠りにつくのだった。
「思った通り…寝顔がとても素敵ですよ」
お忍びの服の、開いた胸の谷間に鼻血が滴る。
「フン…手をかけさせてくれたわね、小娘め…」
貴音がにやけている中、春香は声のトーンを落とし…
「のの!ワー!召喚獣抽出の儀式に取り掛かりなさい!」
妹を置き去りにし、どこかへ去るのだった。
ビックバイパー型番表及びメタリオン星系惑星一覧
型番と作品対応表
BP-456Y 初代
BP-8332 沙羅曼蛇
BP-827Z Ⅱ
BP-5963 Ⅲ
公式で不明 Ⅳ
BP-827Z 外伝
BP-592A ソーラーアサルト
T-301 B/R Ⅴ
BP-456Y ネメシス
BP-456Y ネメシスⅡ
Advanced LEV(地球制) アヌビス
型番不明(地球制) スカイガールズ
メタリオン星系惑星表
恒星:メタリオン
惑星:
グラディウス:グラディウス帝国
ラティス:ラティス王国
ラーズ:無国籍
アイネアス:無国籍
キルケ:無国籍
ラウィニア:無国籍
オデュッセウス:無国籍
サード:グラディウス帝国
シン:新バクテリアン帝国
ラミレス:新バクテリアン帝国
ニューアース:グラディウス帝国
「ほんと…砂嵐が収まったの!」
「大変なことになったわ…この町を守るものが何もない!」
「ボクたちで守ろうよ、クレイラを!」
「……そうね…」
クレイラの町を出て、はしごを下りクレイラの幹へ。
内部の流砂を抜け、下ると橋…そこで待ち受けていたのは
「…あなたが来たのね、やっぱり」
蒼い長髪、鋭い眼光、携えた長剣。
「如月千早!」
ブルメシアで大敗を喫した相手…アレクサンドリアの女将軍だった。
「…なるほど。ブルメシアの者がいたから砂嵐に入れたというわけね」
「何をしに来たの…?もしクレイラを滅ぼすつもりなら、そうはさせないの!」
「春香様はブルメシアの宝珠をご所望なさっているのであり…
クレイラの民の命をお求めではないのよ。
…解ったら退くことですね。ここには残存する戦力が存在しないから…」
千早が後ろを振り返ると高い声が聞こえる。
「彼女たちでなく、私一人でこの先に向かうことにしたのです」
背後を見せた千早にあずさは突きにかかるが…
「千早さまっ!」
「…」
深紅の装飾を煌かせ、赤銅の剣はあずさの槍を勢いよく吹き飛ばした。
「あ…!!」
「抵抗戦力がないから私は一人で行くことにしたのですよ
人命と宝珠、どちらが大事かよく考えなさい」
「…」
答えなど知れたことだった。
一同が黙っていた…… その時だった。
「タイヘンだーー!!ビビ!」
「パック!?」
背後から現れたのは聖堂に保護されたパック王子。
「……ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ… …急いで!!急いで町に戻ってくれよ!」
「どうしたの?」
「アレクサンドリア軍なら目の前よ、あなたこそ…」
「違うんだ!! アレクサンドリア軍は地上からじゃない!!
『空からやってきたんだ』!今…みんなを襲ってる!」
「えええ!?」
「そんな…!」
美希もビビも言葉が出ず。
…しかし……次の瞬間にはからだが動いていた。
「それが狙いでしたか…
人命か宝珠か…?ええ、そういうお答えでしたか ………最低の将軍ですね!」
「…!?」
目を丸くする千早にはき捨て、あずさも来た道を戻り始めた。
「………」
「千早様…一体これは」
「…………春香様…」
「あああああああああああああああ!!」
「いやあああああああああああ!!」
「助けてぇぇえええええええ!!」
「ママああああああああああああああ!!」
様子を見に離れた町はすでに惨劇の様相だった。
「わっほい」「わっほい」「わっほい」
「わっほい」「わっほい」「わっほい」
空から降り注ぐは光の玉。
その玉ひとつひとつが地につくと同時に姿を変え、黒魔道士となる。
「この前のと形態が違う!」
黒魔道士の魔道衣が異なる…金の装飾のついたものに変わっている。
「みんなを殺させはしない!」
美希はオーガニクスを投げ、黒魔道士を一度に一気に倒そうとするが…
「え!?」
一人も倒せていない。
頑丈に出来ているようだ。
「そんなぁ…!」
「『サンダラ』」
「『ファイラ』」
巨大な雷と、炎の渦が上から下から襲う。
「やぁぁあ!!」
「何なの…この魔法の強さ…」
あずさは槍で黒魔道士を一突き。
「は!!」
貫通させ、もう一人の黒魔道士をその先端で一突き。
なぎ払って壁に叩きつける。
「聖堂の方へ急ごう!」
「うん…!」
「危ないわ、ビビちゃん!」
「覚悟おおお!!」
斬りかかってきたのはアレクサンドリア兵。
「ぎぇええええええええ!!」
喉を串刺しにすると女性特有の高い声が極限まで高まり、それとともに首が取れる。
「ああああ、ああああああああああああああ!!」
錯乱状態に陥った女兵が斬りかかる。
美希はオーガニクスの峰で兜を叩き気絶させる。
「死ねえええええええ!!」
「やあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
階段の上で叫び声。
見ると女兵がクレイラの女性を斬り殺していた。
「この…!!」
美希が走るより先にビビがブリザラで女兵を粉砕する。
「あああ…逃げる場所がなくなってしまいました!どうすれば…」
民間人が階段から降りてくる。
「…上へ行くの!!」
美希は手をとり誘導。しかし…
「覚悟しろ!!」
女兵が繋いだ女性の手を切断。
「あああああああああ」
激痛とともにバランスを崩し階段から転げ落ちたところを黒魔道士が焼き払う。
「ああ、ああああああああ………ああああああああああ!!!!」
のた打ち回り炭になる女性。
「……!!」
オーガニクスを振り回し二人を吹き飛ばす。
「おかーーさ…!!」
親を戦火の中探しに来た子供のあどけない顔を刃が貫通…目を伏せる。
「あなたたち…!!」
あずさは槍を投げて女兵の心臓を刺す。
「………わ、私たちは一体どうすれば…!」
上っていくとまた民間人の女性二人。
「わっほい」
「わっほい」
下からは黒魔道士。
「いたぞ!!」
上からはアレクサンドリア兵。
「右へ行って!!」
「はい!!」
つり橋を渡り向こうへ走っていく。
「……危ない!!」
「わっほい」
黒魔道士のファイラが橋を焼き切る。
「きゃああああああああああ!!」
一人は対岸に掴まったものの、もう一人は転落…
「ぎぇあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
落ちた先は…血まみれの兵士たちの群れ。
ぐしゃり、ずしゃり、ざくりという背後の音…
意識が途切れることすら許されずばらばらにされていったのだった。
「…あ、あああ…」
「楽になるがいい!」
女兵が剣を取り出し、女性の手の甲に刺す。
「やあああああああああああああああああああああああああ!!!」
「やめて!!」
美希は飛び出し、尻尾をぶら下がる橋の跡に引っ掛け、もう片方の手で女性の手をつかむ。
「よいしょっと…!」
持ち上げ、壁を連続で蹴り女兵を攻撃。
「上へ…上へ!!行かなくちゃ…!!」
こうして、逃げる人々を保護しながら敵を倒し、安全場所である聖堂へと向かったが…
助けられたのは結局女性一人と子供達だけ。ひとまずは聖堂へ連れて行く。
「さぁ、早く!!走って!」
入り口までは来た。だが
「わっほい」
「わっほい」
「わっほい」
聖堂を取り囲むように空から飛来してきたのは黒魔道士達。
「きゃあ!!」
前からも、右からも、下からの階段も黒魔道士。
魔法を放つと…
「わああああん!!!」
子供の体が一瞬にして焼かれ
「いやぁぁぁあ!!」
女性の体を氷がグサリと貫通
「ああああああああああああ…!!」
子供は放り投げられ、クレイラの空へとまっさかさま。
「………」
残った子供は一人。
このまま、誰も救えないのか…?
そう思われたとき。
「はぁあ!」
黒魔道士の首がボロリ。
「ふんっ!!」
腹に一刺し。
「てあああ!!」
肩からわき腹までを両断。
「ここは私が守る!早く行ってくれ!」
現れたのは、巨大な斧を振り回す薄黄色の鎧を纏った男。
「あなたは…!」
その鎧、その技、その顔。
…あずさが忘れるはずはなかった。彼こそ、長きに渡りあずさが探し続けた…
フラットレイその人だった。
「あずさ…!早く中に!」
「……私はここに残ります、美希ちゃんたちは中へ!」
敵を警戒しながら、鎧越しに背中を合わせる。
「…ずっと探していたんですよ、フラットレイさんのこと」
「……」
「10の山を越え、10の川を渡り…。最後に聞いたのは…あなたが死んだという噂。
あれから、どこへ行っていたのですか…?」
「………旅の途中パック王子に導かれ、ようやくこの場所までたどり着くことができました」
「…そうだったのですか」
「あなたが見つかって本当によかった…これから、クレイラを護りきったら二人でブルメシアを守って頂けますね…?」
幾年にも及ぶあずさの中の気持ちが、氷解していく。
しかし。
「…すまない。俺は…あなたを思い出せないんだ」
「……え?」
あずさは笑顔のまま。
「…覚えていないんです。…何も。…フラットレイという名前も、パック王子に言われて名乗っているだけ」
顔が…張り付く。
「……冗談ですよね?もう、フラットレイさんったら…」
「それ以外、何も思い出せないんです。…すみません」
表情が一瞬にして洗い流されたあずさは強く肩をつかむ。
「冗談はおよしください!私を覚えていないというのですか!?
ブルメシアのあずさです!龍騎士をしていた、あなたの…!!」
「すみません…俺、もう……何も」
「嘘だって言ってください…お願いです、…フラットレイさん…」
その目をまっすぐに視線が射る。……その目は悲しみしか帯びていない。
「……」
肩をつかむ力が抜ける。
その場にあずさは…崩れ落ちた。
そんな時だった。
「あずさ!!」
聖堂から青い髪の女性が現れる。
…如月千早。
そして声がしたのはその後ろ……美希とビビのものだった。
「千早将軍が……後ろから回ってて!!今宝珠を盗まれたの!
立ってよ!!止めなきゃ!!」
千早は立ち止まった。
「逃がさないよ!」
あずさを起こした美希はすぐに戦闘態勢を取る。
「逃がさない…? ブルメシアで私に敗れたことを忘れたの」
あずさも漸く立ち上がる。
「忘れる忘れないではないわ…
ブルメシアに続きクレイラまでもこんなにしておいて」
「ただで済むとは思わないでください!!」
あずさが光に包まれる。
「…そこの金髪の子だけでなくあなたもトランス能力を…!」
紫がかった光の柱があずさを包み込み…
鎧を深くかぶった、伝説の龍騎士の姿へと変化させる。
ブルメシアから、クレイラまでの道のりを経て再び千早との戦闘は…
こうして再び幕を開ける。
しかし…それはまたもむなしい結果に終わるのだった。
「は…!!」
ジャンプ攻撃を仕掛けに、いつも以上の高度に飛び上がったあずさは…
「一発!!」
槍を千早に突き刺し、気の力で戻し…
「もう一発!!」
もう一回放ち
「最後!!」
落下して千早に突き刺す。
「……どうです」
少しはダメージを稼ぐことは出来た。しかし…
「あなたの周りを見てみることですね」
…見ると、あずさが戻った地上には千早以外誰も立っていなかった。
折れた木の根元に叩きつけられたビビ、
折れた斧の刃を手にしたままうつぶせに倒れたフラットレイ、
千早の足元で血を流し倒れる美希。
「……!」
美希から奪った道具袋をあずさの足元に投げ捨てる。
「手持ちの道具も立て続けの戦闘で切らしていたらしく… もう、あなただけですよ」
敗色が濃厚…いや、確定的。
「そんな…」
「フラットレイという龍騎士は非常に残念でした。
あんな脆い斧でなかったなら、私と対等に戦えたかもしれなかったというのに」
赤銅色の剣をあずさの眼前に掲げる。
「この私の鍛え上げられた肉体と、剣術と、『聖魔法』
そしてこの『宝剣・セイブザクイーン』がある限り私に敗北は存在しません」
千早の体が揺らめき…
「!!」
千早の眼前に一瞬にして跳躍、ミスリルスピアが粉々に砕け散る。
そしてもう一振り。
「…あ……!!」
片脚に激痛と出血…あずさはがくりと膝をつく。
「これであなたも戦闘不能。」
それでもあずさは渾身の力で千早の服の裾を握る。
「…終わりですよ」
振り払うと、ここ聖堂を除いた町の殲滅を終了した黒魔道士が集まってくる。
「もう私を追うなど考えないこと」
黒魔道士が光の玉になる。
その光の玉に千早は吸収され、空へと立ち上っていく。
「……う」
美希が起きる。
「……あずさ」
「…追わなきゃ… 千早将軍を…」
黒魔道士たちが光になって撤収していく。
あずさは脚を引きずり……その光に飛び込む。
「…ミキも行くよ」
ビビを連れ、光の中へ。
一方…クレイラの上空では黒魔道士を放った張本人が扇子を扇いでいた。
王宮所有の飛空艇レッドローズの先端から大樹を見下ろすリボンの少女。
「光の玉が戻ってくる… どうやら目的は果たしたようね」
そして彼女は青黒い宝玉を手に持つと…
「では、始めましょうか
この道具に込めた…あの子の体から取り出したばかりの『この力』を使って」
それを空に掲げるのだった。
「さぁ、私にその力を見せておくれ…召喚獣『オーディン』」
青黒い宝玉が眩い光を放ち……
「おお…!」
空に一直線に光を放った。
遥かなる雲海へとその光が吸い込まれていくと……
僅かな間をおいて、雲海から黄金色の筋が地に下りる。
雲海が分かたれたのだ。
『召喚獣』。
人々が願い、伝え、
そしていつしか忘れていった強大なる伝説。
契約主の声に呼応し幾百年の遥かなる忘却の闇から
8本脚の馬に跨った深き黒の甲冑がここに帰ってきた。
空を、悠々と垂直に駆け下りていく騎士の手には……
それは長い…長い、神槍『グングニル』。
彼は腕を引き、力を込めるとそれは妖しい紫の光に包まれ…幾重もの雲めがけてそれを放つ。
雲を一直線につらぬき、出来た穴の下には緑…クレイラ。
グングニルの槍は巨木クレイラを刺し貫く。
音もしない。まっすぐに、大樹は槍を受け入れ…
一瞬にして真っ赤に染まる。
…爆ぜる。
ひとつの都市を支える巨大な木が…焼かれた。…いや、弾けた。
無数の、細かな火花となって。
地上の一面を、巨大な穴へ変えて。
それを見届けるとオーディンは帰っていく。雲の中へ。遥かなる、人々の伝承の中へ。
「ふ、ふふふ…あはは、ははははははははははははは…!!!」
何もなくなった空には、春香の声がこだまする…それだけだった。
「み、美希姉ちゃん…」
「……クレイラが……!」
「…そんな…… そんな」
黒魔道士が光の玉になって詰められたポッドから飛び出た美希たちは、空から眺めた惨状に愕然とした。
「…あれが……『召喚魔法』」
立て続けのショックにあずさは最早動くことすら出来ない。
…美希とビビだけで動くことに。
だが、この場所からなら千早にばれずに春香の元へ行き倒すことが出来るかもしれない。
「……ん?」
しかし動こうとして早々、美希は気配を感じる。
階段の上の扉を叩く音…女兵だ。
影に隠れる。
「千早様、陛下がお待ちです」
現れたのは千早だった。
「ええ。今すぐに…」
「では、お伝えしてきますね」
扉から出て、手すりに手をかけ空を眺める千早。
「……」
見下ろすと、黒魔道士たちがポッドから戻り整列している。
「私達は、所詮あのような人形達と同じなのね…」
「?」
美希はプロペラの回る音から注意深く千早の声を捉える。
「召喚魔法…あれを使って春香様は霧の大陸を掌握するつもりなのね。
恐ろしいものを手にしてしまった…
…クレイラを消滅させる意味まであったのかしら…
一体どうなされたっていうの、春香様は。」
「……道具である私が考えても仕方のないことね。」
千早は通路を渡り、春香の待つブリッジへ。
美希はそれを確認すると素早く、足音を立てぬようにその後ろを走る。
そして…扉に耳をつけ、ブリッジの様子に耳を澄ます。
「春香様、只今戻りました」
「遅いわよ千早ちゃん 例のものは。」
「こちらに。」
「おお…これよ、これ! これこそがブルメシアを倒した証、
4つの宝珠『クリスタル』のひとつ…!ふふふ、あはは、はははははは…!!」
「…労いの言葉もなし…か」
「…ところで、春香様」
「何?早く出て行ってくれないかしら」
「…ひとつだけお聞かせいただきたいのですが」
「…雪歩様がお城に戻られたそうですね。抽出の儀式も終わりになったようですが…
雪歩様は一体今…」
「眠ってるわよ、地下でね。
儀式も終わったことだし、あの子はもう用済み」
「…といいますと」
「城に戻ったらあの子を始末する。
表向きには盗賊どもに浚われたまま殺されたことにしておきましょう
バレたならリンドブルムへのスパイとしての処分に変更。
全く世話の焼ける子だったわ…」
「………? ご冗談としては笑えませんよ、春香様」
「何?私がこの場で冗談を言うとでも…?さ、早く自室に戻って
黒魔道士は先に城に戻すように」
「…!!!」
美希は全速力で走り、あずさの元へ。
「…あずさ!あずさ!」
「………何」
「春香女王が…春香女王が、ドリルを始末するつもりなの!」
「ドリル…?」
ビビが答え
「雪…」
美希が遮る。
「ミキの仲間だよ!!」
ブルメシアの民のアレクサンドリアへの感情を考慮した結果であり…本心でもある。
大切な仲間を、好きになった子を。
殺させるわけにはいかない。
「黒魔道士は城に戻るんだよね、それなら…!」
3人はもう一度、ポッドの中へ。
光の玉となり、空へと飛んでいく…行き先は。
「うぉおおおおおおおお!!何でボク達が
アレクサンドリア兵に追われなきゃならないんだあああ!!」
「それはこっちの台詞!
伊織ちゃん助けるつもりが何で協力した隊長さんのせいで捕まることに…」
「リンドブルム公の命令とは言えお前達はれっきとしたアレクサンドリアの犯罪者なんだよ!
ボクは何もしてないいいいい!!」
女兵達から追われ、塔を駆け登るは脱走者・真。
アレクサンドリアに着いたものの、ののとワーに捕まり空中独房に閉じ込められていたのだ。
「…わ!?」
抜け出したところで光の玉が飛来。
「ひゃ…?」
「きゃ!」
「うわあ!」
美希、あずさ、ビビの3人が現れる。
「美希ちゃん!」
「美希!?」
「まこっさん!」
「…お前達、どうしてここにいる!さては…」
「言ってる場合じゃないの!! ここはアレクサンドリア城だよね!?」
「え?ああ…そうだけど」
「早くしないと…!急がないとならないの!」
「美希ちゃん、一体何があったの?」
「どうしてうさちゃんがいるのか解らないけど…とにかく!この城中をくまなく探さなきゃ…
ドリルが殺されちゃうんだよ!」
「!? 雪歩様が…? ば、バカな…そんなことが」
掴み掛かる。
「この目を見ても嘘だって思う!?
早くして!!『雪歩王女』が死んじゃってもいいの!」
「でも……誰にだよ」
「時間がないの!早く!」
真の手を取り、美希は走り出す。
「いたぞ!!脱走者の真隊長だ!」
十字通路。うさちゃんは通路を走ってくる兵士達を鉄格子で塞ぐ。
「それじゃ!美希ちゃん、
ボクは伊織ちゃんを助けに行って来るから!」
「え?えー…うん!ありがとう!」
走り出す。
「一体あれから何があったんだ…?」
「脱走者ってことは捕まってたんだよね 何か解らない?」
「何が…」
城内を探索しながらあれこれと探す。
「ドリルの言ってたことはホントだったってこと。…千早将軍とも二度戦ったよ」
「千早と!?生きて帰れるわけが…」
「でも倒してもいないよ 見逃したんだと思う…今の所2回も負けてるの。何か方法ない?」
城の上層部に潜入。
「千早を倒す方法?」
「うん」
「それなら任せろよ!ボク千早を倒したことがあるんだから!…昔」
「!? …でも昔だよね」
「けど千早のことは大体解ってる。倒す方法もおおよそ見当がつくよ …道具を使うんだ」
「この中にある道具で何とかなる?」
戦闘用にはおおよそ使えないものばかりが入った道具を見せる。
「……これだな!これがあれば倒せるはずだ」
取り出したものは。
それから10分後。地下室にて、眠り続けるドリルの体の左右でへたりこむののとワー。
「ふう、召喚獣取り出しは疲れたデスよ」
「長い長い…どれだけ召喚獣を持ってたですカ」
「でもこれで、全部終了。 陛下の喜ぶ顔が待ち遠しいデスよー」
「…ののー、誰か来たですヨ?」
「デス?」
「ドリルーーーーーーーーーー!」
「雪歩さまああああ!」
「雪歩お姉ちゃん!」
地下の螺旋階段の下…秘密の部屋に、彼らは到達した。
「誰デス(です)かー(カー)!?」
俺は朝早く目覚めた。休日だと言うのに
とりあえずテレビを付けてみた。すると…
キャスター「皆さん…今までお世話になりました…グスッ」
何だ、どう言う事だ
エリカ「ちょっとたてじん!大変よ!」
陣「え?何が?」
栞「ニュース見ていないんですか?」
陣「だから何?」
エリカ「それがさ…」
(地球が滅びると言う事を話す)
陣「なーにー!?嘘だ!!」
栞「本当ですよ…NA○Aもそう言っていますから…」
陣「ぬー…分かった!これは夢だ。ちょっとみんなを呼んできてくれ」
(5分後)
陣「と言う訳だ、みんな精一杯殴ってくれ」
5、4、3、2、1、すたと
一同「それそれそれ!」
陣「…まだ覚めない。もっと殴ってくれ」
シャドウ「カオスッ、ブラストォ!」
ドガーン!
陣「ぎゃー」
リョウ「覇王翔吼拳!!」
ドガーン!
陣「ぐぽぉ」
ざんねん!じんのぼうけんはこれでおわってしまった!
栞「建山さん…先に死んでしまったんですか…」
こ れ は S S な の か …
2 0 1 2
「う、うう… どうせもう召喚獣は全部取り出した後だからもう手遅れデスよー!」
「ざまーみろですヨー!」
この二人は魔力を片方に集中させて放つ『二人がけ』の使い手…
集中させられた方を攻撃すれば難なく魔法を防ぐことが可能。
全裸の、赤リボンと青リボンの小人は脱兎のごとく逃げ出していった。
「そんなの要らない!ミキが欲しいのは…!!」
そして、広い儀式の間の石の祭壇へ。
「ドリル……! ドリル!」
抱き起こす。
…声をかけるが…全く反応がない。
「姫様ああああああ…うわぁぁ…どうしてこんなことに…」
白いその胸に手を当てると…脈動と僅かに上下しているのを感じる。
「…暖かいし呼吸もしてる…
けど目が覚める保障はないから…安全な場所まで運ばなきゃ!
…戦闘は3人に任せていい!?」
「…仕方ないな」
「うん!」
「解ったわ!」
3人が先を行き、美希がその後になって扉を出る。
行く時にも通ってきた、薄暗い螺旋階段を登っていく。
降りるのと登るのとでは段違い。
ドリルを抱きかかえながら、一段一段確実に、急ぎながら登っていく。
「間に合って…!ドリル…ドリル!」
頭の中がそれ以外にない。
階段を登りきり、紐を引くと暖炉から女王の間へと出る。
「…ここに寝かせよう」
ソファーにドリルを寝かせる。
「……………」
美希から表情が消えた。
「…さっきから、静かだな 美希らしくもない。」
「………うん」
「今…わかったの
感情の…怒りや悲しみが極限を超えると…何も湧かなくなるってこと
涙すら、出ない……」
体が震え、首を振るばかりで…彼女は何もしない。
「ミキがついていれば…
ミキがついていればこんなことには……
こんな…こんなことには!!」
…美希の叫びがむなしく響いたかと思うと、
今度は靴音が聞こえてきた。
靴音は6つ…3人。
「ここデスよー」
「さっさとやっつけるですヨ」
ののとワー。そして…
「まさかあなた達がここまで侵入していたとは」
長い髪、鋭い目つき、豊かな胸元、鞘に納まった宝剣。
「千早…!」
「真。盗賊ふぜいとつるんだ挙句に、春香様の御部屋にまで…?
あなたは一体何を考えているの」
「千早!!お前こそ、一体自分が何をしているかわかっているのか!?
アレクサンドリアに居たんだろう!」
「真の言っていることって、時々よく解らなくなるわ…」
千早は顔を背け、息をつき手をひらひらと動かすだけ。
真の怒りが頂点に達する。
「千早ァ!!表へ出ろォォォォォォォ!!」
「表へ出るのは貴方でしょう…?
それに…こんな場所で戦えるわけがないじゃない。
私の剣はブルメシア城を破壊する威力を持っているのよ
のの、ワー!」
「ワカリマシター!」
「直ちに!」
部屋の隅に移動すると二人は魔法を唱え…
5人を特殊な空間へと連れ去る。
そこは風雨の吹きすさぶ荒野。
枯れ草以外生えぬ、崖を臨むヒビ割れた乾いた大地と
灰に染まった空からは氷雨と雷鳴。
そこはまさに地の果てだった。
「最早一片の情もかけるに値しない…あなた達をここで殺す!」
千早との決着の時がやってきた。
「『雷鳴剣』!!」
まずは近づき、猛り狂う雷の龍でビビを焼く。
「わぁぁあ…!!」
「負けませんよ!!」
あずさは空高くジャンプ。
「千早!!目を覚ませ!」
飛び上がり、体重をかけて一撃を見舞う。
「目を覚ますのはそっちよ!」
腕を狙い剣を振るう。
「う、ああああ…!?」
腕から突然力が抜けていく。…腕が、重い。
「これが『パワーブレイク』よ
私はブレイク系の剣術4種をマスターしている…真、あなたはどうだったかしら!」
剣を下から上へ払い、真を上空へ払い上げる。
「覚悟っ!」
あずさの槍がそのタイミングで千早の肩に命中。
「く…」
引き抜き元の位置へ戻ったところへ…
「ブルメシアの民よ、あなたには特別にこの魔法で葬って差し上げましょう」
大気が振動し、風が巻き起こる。
手をかざす。
「!?」
蒼く白い光が突如として地から湧き上がり、
「ふあぁぁあああ…!!!」
あずさを天高く突き上げていく。
するとどうだ。同じような大きさの、青白いすさまじい勢いの光が四方八方から集まってゆくではないか。
あずさの体に向かって。
真っ青な光の集合体が…あずさを包んでいた。
「『ホーリー』!!」
巨大な球を成した光が結合…大爆発。
視界全てが真っ白に染まる。
曇天を一気に吹き飛ばす。
声の一つも発することが出来ず。
そこに…あずさの体はなかった。
「…」
真っ白になった視界のまま、美希はオーガニクスを振り回し千早を斬るが…
「『ショック』!!」
青白い光を纏った剣からの衝撃で美希は吹き飛ばされ、そのまま崖へと。
「まだ…ボクは戦える!」
「ボクもだぞ!!」
ビビと真は立ち上がる。
しかし…
「諦めが悪いことね」
『ケアルラ』で回復…
千早の余裕は揺らぐことがない。
「…はぁ、は…」
美希が崖から登ってくる。
「やっぱりボク達だけじゃ辛いな…」
「秘策!! 秘策を使おうよ、まこっさん!」
千早はセイブザクイーンに力を込める。
「何をするつもりかは解らないけど…その前にこの剣で皆斬り伏せるわ」
真も横に剣を構える。
「長い間使っていなかった技だが… 千早、君に勝つためにまた使う!!」
美希が真とビビに合流。
「やってみなさい!!」
千早が飛び上がった。
「嗚呼ああああああああああああああ!!」
気合を込め
「はああああああああああ…!」
剣を下に構え
「ああああああああああああ…!!!」
徐々に持ち上げ真横へ。
「……!!」
真上まで持ち上げた時。
「は!!」
「てやああああああああああああ!!」
飛び降りてきた千早と、真の剣が激突。
「!!」
千早は剣を受け止められ…
「……!」
剣撃の勢いが心臓に直に伝わり…
「!?」
千早の豊かな胸から、二つの丸い何かがこぼれ出る。
ゴトン。
真ん丸い物体は胸から飛び出…乾いた大地を叩く。
「…!?」
美希は唖然とする。
「……」
真は千早を見つめる。…地平線より真っ直ぐになった、千早の体を。
「…くっ………」
ビビは丸い物体を指差す。
「あれは…魔石だよ!」
巨大な青い宝石二つ。
身に着けた道具の特殊能力を体に定着させるには使い込むことが必要。
だが…その定着した能力を発動させるには、魔石力という力が必要なのだ。
何故魔石力というかといえば…その力が、魔石の装備により高めることが可能であるからだ。
あらゆる能力低下や病が通用しない、ダメージが少ない、魔力も体力も高い、攻撃力も高い。
それほどまでに強力な特殊能力の数々を、一人の人間の内に秘めることは困難。
それでも不可能とされていなかったのは、それが彼女が恐ろしく強い剣士であるから。
…だがこうして、魔石の力で千早はその持ち前のトップクラスの能力を更に磐石のものとしていたわけなのだ。
「………こ、……こんなものがなくたって」
千早の声が震える。
「私は!!」
その姿勢に真は涙を堪えられなかった。
自分は何も疑わずにこれまで生きてきた。ただただ、二人の王女…時代が変わってからは
女王陛下とその妹をお守りすることだけを考え、剣の腕を鍛えてきた。
何も、疑うことなく。
何も、知ることなく。
だから、何も知らなくとも幸せだった。苦しむこともなかった。
だが…千早は違う。自分よりも女王春香の近くにいて、女王の変貌を恐らく間近で知ってしまったのだろう。
それでも彼女は…彼女は全く忠義を止めなかった。宝剣セイブザクイーンを任された者であるから。
自分がアレクサンドリアの将軍であるから。女王陛下に仕える剣士であるから。
けれどこれは間違いだ。ただ一言、胸から魔石を無くしてなお戦う千早に言葉をかける。
「千早…」
「…自分を偽るのは、やめるんだ。」
誤解が… 生じた。
「真ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「うわ、千早将軍ちっぱいなの!」
美希が畳み掛ける。
「ボクは見てない、見てない…」
魔石を最初に指摘した人物は知らないフリ。
「あああああああああ…!!!」
千早は飛び上がり、最強最大の剣技を放つ。
「美希!!今だ…アレを使え!」
美希の体を上空へ放り投げる。
「『クライムハザード』!!」
ビビと真に向かい、剣から激しい深紅の衝撃波が発生。
辺り一面を切り刻み、地を散り散りにして吹き飛ばし…
辺りには、どこまでも続く暗闇に、土の柱が数本立つのみとなった。
「はああああああああああああああ!!」
空に、真っ赤なひらひらとしたものが舞い散る中……
美希は落下。一瞬にして巨大な四角推の何かを持ったまま、
千早に覆いかぶさる。
「んんんんんんんんんんんんんんーーーーーーーーーーーーー!!!」
大きな四角推の中でじたばたする千早に被せたもの。それは…
「『テント』!!」
テントだった。
自分でもこの作戦がうまく行ったことが不思議だった。
こんな、空中にいる一瞬で一叩きしただけでテントセットが一瞬にして…
「建った!?」
「建たないわ!?建つわけないし…」
涼のようなことを言いながら千早は…
「…!!!」
千早はテントの中で倒れた。
そう。ただのテントではなかった。
護衛用なのか何かわからないが、テントの中によく入っている…
特殊な蛇、『毒沈黙暗闇へび』が入っていたのだ。
「……!!」
口から息が出来ない、毒が回る、目が見えない。何故こんなものがテントに付属されているのか?
本当にそんなことがあるから世の中は不思議である。
「………」
魔石を失い、多くの特殊能力を失った千早にこの攻撃はクリーンヒット。
見事に3つの症状に苛まれることとなった。
「ふんっ!」
テントの中でもがく千早から万能薬を盗む。
「…!!」
テントを切り刻み、千早が姿を現す。
喋れない、目が見えない、感覚が鈍る。この状態なら…
倒せる。
飛び降りざまに、撒き散らしたフェニックスの尾で復活した仲間達と共に。
「…やったか…」
「す、すごい…どうやって」
「……私だって、まだ…!!」
ホーリーに吹き飛ばされ倒れたもののフェニックスの尾の力で蘇り
遠くから槍を引きずりやってきたあずさも加わり…
4対1.
「…!」
黙っていても頭がクラクラする。
「行くの…!!」
美希はトランス。
「ボクも負けてられないな!」
真もトランス。
二重攻撃でトドメを計る。
「『シフトブレイク』!!」
電撃の檻で包み込み大爆発。
「はぁぁぁぁ…『アーマーブレイク』!」
相手の防御を突き崩す強力な一撃で斬り上げる。
「…!!」
上空へ飛んだ千早を…追撃。
「はぁぁあ!!」
スイフトアタック。何発も何発も攻撃…
「いけぇ!!」
交差させた一撃で地面にたたきつける。
だが
「…!」
目が見えなくてもどこにいるかははっきりと解る。
その瞬間、千早のとっさの剣を食らい突き飛ばされる。
「『サンダラ』!!」
着地した千早をビビが雷の攻撃で追撃。
「最後ですよ…!!」
飛び上がったあずさが、倒れる千早に最後の一撃。
「…くっ!!」
地面は崩壊。
千早が闇の底に落ちたところで…
「何が起こったデス!?」
「解らないですヨー!?」
空間が元に。
そこには、女王の間のカーペットに倒れる千早の姿があるだけだった。
「まさか、私が……こんな、戦法で…」
「…。」
膝をつき立ち上がろうとする千早に真は近づく。
「ボクと千早が最初に戦った時も屋外だった。
正面きったら勝てるわけがないボクはチャンスを求めて逃げていたんだけど…
その最中、千早が蛇を踏んで、噛まれたんだっけね…
春香様が駆けつけたけど、そこにはすでに倒れた千早と
立っているボクがいて、蛇がいたんだと言っても信じてもらえなくて。
…うやむやのまま、それでボクは千早に勝った功績でプルート隊長になった」
「…今回のはそれとは比べ物にならないほど強い蛇だったのに、
よくあれだけ耐えたね」
「…同情されているのかしら、私」
「そんな言い方しなくたっていいじゃないか。
………それより。」
真は目を向ける。背後のソファーに。
「あそこで倒れてるのが誰か、わからないわけじゃないでしょ!!」
美希は肩を掴む。
「…まさか」
千早は駆け寄る。
「………雪歩様!?」
そこには、意識を無くし魔法で眠り続けるドリル…雪歩王女の姿が。
「…真。どうやら、私達には道は一つしかないみたいね」
「…」
振り向く。
「春香様は、雪歩様を殺すおつもりだったのよ」
「………誰かの陰謀じゃ…!?」
「いえ…あの人自ら。
……自分の妹様を手にかけるなんて。」
「ブルメシアの民よ
私は…取り返しのつかない過ちを行ってしまった」
「…当たり前です
私は、あなたをそう簡単には許せませんから…」
あずさは背を向ける。
「…けれど。
…その、アレクサンドリアの犠牲になろうとしている
雪歩王女…この子だけは助けることは出来ない?
ブルメシア侵攻を止めようとしたって聞いたの…。」
「…はい。そのつもりですよ
…雪歩様、私が……今、お助け致します」
膝をつき、同じ高さになると
眠る雪歩に額をつけ……千早は魔法を唱えはじめる。
「そう簡単にわたののワーさんの魔法は解けないデスよー!」
もう一回。
「そっと瞳を閉じたって無駄ですヨー!」
魔力が尽きかけている。
最後に念を押し……もう一回。
「……だから、無駄だと…」
その瞬間。
「…ん、…ぅう…ん…………」
「ドリル!!」
「雪歩姉ちゃん!」
「雪歩様!!」
目をこすると…ぱちりとまばたき。
ドリルが……目を覚ました。
「……ドリル…」
「美希…ちゃん!?…真ちゃん、狩猟祭のあずささん……
……これは、一体」
辺りを見回していると…
「………何を騒がしい…」
奥から、真っ赤なドレスの少女が姿を現した。
「は、春香女王!こいつらがデスね…」
「こいつらが逆らって、雪歩王女を目覚めさせたですヨー!」
「…姉様!」
ドリルは立ち上がる。
「起きちゃったのね…残念。
…眠ったままなら、まだ何も知らずにいれたのに。
のの、ワー。処刑部屋へ雪歩を連れて行きなさい
この子を一刻も早く処刑するの」
千早は拳を握る。
「春香様!!」
「…千早ちゃん。どうしたの」
「そのご命令、どうかお取り下げ下さい
何ゆえご自分の妹様を、こうして手にかけなければならないのです!!」
「…私に指図するの?」
「私は弟を事故で亡くした身…
ご姉妹をこうして事故で手にかけるなど、あってはならないこと!!」
「……ボクも、その命令には従えません」
真も春香の前へ。
「…ついさっきまで敵味方だった者たちが手を組むっていうの…?
面白い。…噛み千切ってあげなさい、『バンダースナッチ』」
強力な獣の魔物が女王の間に押しかける。
「待ちなさい…春香様… 春香!!」
「…お姉様…!」
「…」
春香はそのまま、振り向かずに立ち去っていった。
「…」
千早は剣を、あずさは槍を構える。
「ここは私に任せ、その暖炉の裏口から脱出しなさい!
旧時代の遺跡に繋がっているはず!」
「私達は死にません、さあ、早く!」
「…」
真は千早の背中を見て躊躇したまま。
「行こうよまこっさん…!
千早…さんの言うことを聞くのはシャクだけど、
こうなったからには危ないよ!」
スイッチを押し、暖炉の裏に逃げる。
「…あ、ああ…!」
「さぁ、来なさい!私達が相手になるわ…!」
「さて。どれくらいの敵を倒すことになるんでしょうね…」
「長期戦は覚悟した方がいいかと」
現れた巨大な魔のプードル『バンダースナッチ』。
蛇につけられた一時的な病の回復した千早は大技でバンダースナッチをまず処理に回る。
「『ショック』!!」
衝撃を与える位置を変化…敵の体内へ送り込む。
バンダースナッチを内部から爆発させ、一撃の内に撃破。
「次は黒魔道士ね…」
「これも任せてください」
踏み込み衝撃を発する『ストックブレイク』で一瞬で撃破。
これでも城を破壊せぬように手加減している。
…二人の、マラソンマッチは始まったばかり。
「ドリル!行こ!」
「え…う、うん…!」
手を引っ張り、暖炉から続く地下への螺旋階段を下りていく4人。
「降りるのはいいんだけど、ここから城外に出られるの?」
「うん!その下は旧時代の遺跡、ガルガン・ルーに繋がっているの」
「それじゃ急がないとね!」
ぐるりぐるりと冷たい石の階段を降り続け…
ドリルの寝ていた部屋の扉…最下層はすぐそこまで来ていた。
その時。
「…」
真が立ち止まった。
「真…ちゃん?」
「まこっさん!何してるの!?早くしないと…!」
「果たして、ボクはここにいていいんだろうか…」
いや、答えはもう出ていた。
「自らの故郷を滅ぼされても尚、姫様を助けるべく力を貸してくれたあずささん」
「自らが忠誠を誓った陛下に剣を向け、ボク達を逃がしてくれた千早…」
「…そうだ。ボクがいるべきは、ここじゃないんだ!」
「…まこっさん?」
「ボクがここで一緒に逃げては、騎士の名が廃る」
今、雪歩王女の手をとっているのは誰か。
今、雪歩王女のためにもっとも真剣になっているのは誰か。
…雪歩王女の言葉すらも信じられず、自分で考えずに結果姫を危険に遭わせたのは誰か。
真は、長い金髪の少女の瞳を見つめる。
「美希!君に頼みがある!」
拳を握り、話すは決意。
「この先のガルガント機関を使いトレノへ行き、
小鳥先生に事の次第を話して欲しい!
先生ならきっと、これからのことについていい案をくれるはずだと思う!」
その言葉は、すぐさま美希の心に届いた。
「…うん!」
…嬉しかった。
「まこっさん!その心意気、しかと受け取ったの!…お姫様は、ミキに任せて!」
「ボ…ボクも、やれるだけやってみる!」
そして真もまた嬉しかった。
「ああ…! 頼み申したぞ、美希殿!ビビ殿!」
それを最後に二人は目を合わせることなく。
互いに背を向け、走り出した。
「行こう!」
「美希ちゃん…私…」
「黙ってる暇はないの!」
「私、みんなをこんなに…」
「そうだよ!みんな、美希のために戦ってくれてる!
ブルメシアを滅ぼされたあずさも、小さいのに頑張ってくれてるビビも、
さっきまで敵だったのにこうやって体を張ってくれてる千早さんも!
…みんな、ドリルのために必死になってるの!」
「…美希ちゃんも…?」
「…」
どん、と自分の胸を叩く。
「…うん!」
手を握る。
「あずささーーーん!!」
「!」
「千早ーーーーーー!!」
「…!」
階段を登る真。階段の上段では、バンダースナッチの大群と戦うあずさと千早が。
「アレクサンドリア軍プルート隊隊長・菊地真!
誉れ高き御両名に助太刀したく、只今はせ参じました!」
背中を合わせた二人は微笑む。
「真、挨拶はあと…行くわよ!」
「…新型の黒魔道士!」
壁側面の扉からは杖を携えた新型黒魔道士が大挙して現れる。
「『サンダラ』!」
全体化した強力な魔法で一網打尽。
階段を崩し、道を塞ぐ。
「この先だね…」
ドリルが眠っていたのとは逆方向の扉を潜ると階段。
それを降りると、霧が立ち込める層に出た。
「これが旧時代の交通手段!?」
「うん!これでトレノにまで…あっ!」
進むと突如として、前方の床がせり上がり壁になる。
「!」
振り向くと後ろも。
「!」
檻の完成。
「「わたのの(ワー)さんは可愛い!」」
「わたののさんは罠がうまい!」
「わたワーさんは出来る子!」
ぴょんぴょんと跳ねながら現れたのは宮廷魔術士ののとワー。
「あなた達は…!」
「同じ罠に引っかかるなんてお姫様も案外ドジデスねー」
「陛下も結構ドジなところありますけどネー」
「言っておきますけど、この壁は魔法も吸収する超硬質素材デス」
「軍隊が押し寄せてもただじゃ壊れませんヨー」
「「Do-Dai」」
スッ、と腰に手を当ててやや得意げな二人。
…もう、なす術もないのか。
そんなとき。
「すってーん!」
「わぁぁ!」
パシンという音でくるりと回転、転ぶののに
何かの輝きに目が眩み、転ぶワー。
背後から現れたのは…
「全くアンタったらバカなんだから!」
「やっと追いついたよー!」
長い耳と、オデコの持ち主。伊織&うさちゃん。
「! 間に合ったんだ!」
「アンタの仲間と、お姫様も協力してくれたそうじゃない。
ひとまずお姫様、お礼言っておくわ
あと頭の硬いあの男隊長にも言っとくべきかしら?」
「デコちゃーーーん!」
「何ぼさっとしてんのよ!早く行きなさい!
追っ手が来たらこの罠で食い止めとくから」
「うん!さ、ドリル、捕まってー!」
「あ。うん…!」
ドリルは背中にしがみつき、美希は猛ダッシュで階段を駆け下りる。
ガルガントまではもう少し。
「…何よ美希ったらデレーっとしちゃって ま、いいけどね…」
「……あの3人は捕まった?全く、余計なことをしてくれちゃって…」
春香は扇子を仰ぐ。
「……けどあの子がペンダントを持ってまた逃げたとなると大変ね…
何とかして取り返さなければ」
「どうするんデスか?」
「一石二鳥のいい手があるの…さあ。次に向かいましょうか」
本を置き、女王の間をあとにする。
本には何かのリスト。赤い丸で、ある二人が囲われた…謎のリスト。
「もっと早く目をつけとけばよかった…」
「うんしょ、よいしょ…てい!」
岩壁を破壊…光が差し込む。
「…ここ、どこ?」
美希達は、今の今まで土の中をさまよっていたのだ。
彼女らが移動手段として用いた巨虫ガルガントが
天敵たる、ミミズのような魔物のラルヴァに追われ…
暴走しトレノを通り過ぎてしまったのだ。
ラルヴァとの戦いは2回。
ドリル達がアレクサンドリア城へ向かうときは大人しい形態
『ラルヴァ・ラーヴァ』だった。
だが、そこでドリル達に倒されたことにより
ラルヴァは変異…『ラルヴァ・イマーゴ』となり一行に襲い掛かってきたのだ。
ガルガントに放り出された一行は土の中をさまよった末、
ドリルがどこからか取り出したスコップにより漸く、地上へとたどり着いたのだ。
「…」
野草の生い茂る、そこは崖…。
そこは大きな滝が虹をかける、リンドブルム付近の渓谷。
「…文献で見たことがあるよ 『ピナックルロックス』…だと、思う…」
「ピナックル…どこかで聞いたことがあるかも」
記憶の糸を手繰り寄せてみる。
「…もしかして」
「ブモオオオオオオオオオオオオ!」
鳴き声。
「狩猟祭の時あずさと一緒に戦った『ザグナル』の生息地!?」
世界で有数の、凶暴なモンスターが棲む場所としても有名。
もっとも、人々の中での世界は、霧の大陸のみなのだが。
「…大変なところに来ちゃったね」
「でも、千早を倒した今のミキ達なら大丈夫だよ」
などと言っていると。
「美希姉ちゃん、ドリル姉ちゃん!見て、あれ…!」
目の前に…崖の先の、空中に突然何者かが現れた。
エプロン姿にフライパンを持った、
髪を後ろで纏めた茶髪の女性。
「……何なの、このオバサン…」
ドリルを庇うように前に立つ。これまでに何度か強者とは戦っている。
例え地に脚をつけていたとしても、只者でないことは一目瞭然。
纏う空気が違う。
「いやどう見ても私16歳だから。」
「ねぇゆっきー。
あなた、自分に力がないと悲観してない?
強くなりたいと、力が欲しいと…」
ドリルへの言葉だった。
「…はい
ひとつ、お尋ね致します」
「…」
「…あなたは、人間ではありませんね
世に名高き召喚獣…『雷帝マイ』では…?」
そう言うと…
強烈な光と共に、マイは姿を変えた。
ひらひらとした衣装を身に纏った、雷帝の姿に。
「いかにも」
「…力が欲しいなら、私のレッスンを勝ち抜いてみせることね」
「如何なる内容ですか」
その目に迷いはない。
「今から、ピナックルロックスの各地に私の分身を置いておくわ
5人それぞれに会うと物語を聞くことが出来ている。
ただし1つはニセモノ
正しい4つを選び、繋げて私に聞かせなさい」
そう言うと、雷帝マイは姿を消した。
「いい? 1つは偽りだからね」
ピナックルロックスを駆ける。
ザグナルなどのモンスターと戦いながら、あちこちを探し回る。
…つもりだったが。
「センパーーーーーイ!」
「ゆきほセンパーーーーイ!」
「こっちでーーーーーす!」
「はやくーーーーー!!」
マイの分身は声が大きい。
自分から存在を主張してきた。
というより…ドリルがよく笛で呼びつけているあのモーグリだった。
ドリルは気絶寸前。
だが召喚魔法を手に入れるため…
必死で、分身したモーグリのアイ達の話を聞く。
「それじゃー話しますね!」
大声で話されたそれを、ドリルは残された体力でまとめあげた。
「さぁ、来たわね …話してごらんなさい」
「まず…『発端』」
「うん」
「『協力』」
「うん」
「…『沈黙』」
「ええ…最後は?」
ここまでの流れは一つである。
帝国と戦う反乱軍の男、フリオニールらが
ヨーゼフという、娘を持つ男と共に雪原の洞窟へ向かい
目的の物、女神のベルを入手するが
裏切り者ボーゲンの罠でヨーゼフが帰らぬ人になるが
フリオニールはそれを娘に告げることなく町を去っていったというもの。
残されたのは二つ。
何も言わず去ったのは後ろめたい気持ちからである『人間』
何も言わず去ったのは帝国と戦う姿勢をして娘に報いる『英雄』
「…『英雄』です」
彼女は選んだ。
「へぇ…?」
「私ならばそうします
…私がもし大きな責を負うことになった時
私は…行動で、責任を果たしたい それが…王女の務めです」
雷帝は見下ろしてその話を聞いていた。
「…うん。いいでしょ、『正解』。
…それより、私は聞きたいことがあるの。
召喚魔法の危険性を知った上で…使いたいかどうかを」
「…文献でそのことは」
「本じゃないのよ
もう『現代で』『実際に』『大惨事を引き起こした』のよ。
…『あなたの召喚獣によって』ね…」
美希はそのことを告げていなかった。
「…!?」
「ブルメシアの国民が逃げ込んだ、幻の砂の都クレイラ。
あれね…滅んだのよ オーディンのグングニルでね。」
「そんな…」
「行ってみりゃ解るわよ あそこには何にもありゃしない
沢山の命が失われたわ…あなたがアレクサンドリアに戻ったせいでね」
「ふざけないで!ドリルが悪いわけじゃない!
ドリルは春香を止めるために!」
「そんな言葉でクレイラの人たちが浮かばれると思ってるワケ?
甘すぎんのよ。
行かなかったら犠牲は抑えられたのは事実なんだから。
何ならナイフでも持ってって、会うなり春香を刺した方がよかったんじゃない?」
「………」
「…さ、その時が来たわよ 『行動で報いること』
召喚魔法を手にしてしまったわよ?……あとはアンタで考えること。」
稲光と共に雷帝は宝石になり消えていき…
「…はい」
ピナックルロックスの出口が開かれた。
「…」
美希たちも後を追おうとするが…
「………ねえ美希姉ちゃん」
「ん?」
ビビが声をかけてきた。
「あれって本当に正解だったのかなぁ」
「『人間』と『英雄』?ビビならもう少し迷ってるの?」
「うん」
「…ミキはどっちでもないと思うな」
「え?」
「人間だとか英雄だとか、そんなの後の時代の人たちが言ってるだけでしょ?
そんなことなんて、その当人にしかわからないことだと思うよ」
「…うん」
「アンタ意外に冴えてるのね」
空から声。
「…やっぱり」
「大事なのは物語を集め、作ろうと努力したその姿よ
その結果、あの子は召喚魔法を使いこなせるようになったんだから。
あの子を支えることね …人一人の心で強大すぎる力を使う…召喚士を」
「…ミキは一人の女の子を守るだけだよ」
そしてピナックルロックスを出…リンドブルムへ。
「…?」
赤い飛空艇がちょうど、リンドブルムに入港しようとしていた。
…赤?
「……あれは!!」
「…レッド…ローズ………!!」
アレクサンドリア…春香だった。
走り出す。
暗雲が立ち込める中…
次々に火の手があがっていくリンドブルム。
あちらから爆発、こちらから爆発。
黒魔道士が内部で暴れているのだろう。
「…クレイラの時のパターンだよ…!?
この後にすることは…!!」
レッドローズが城との距離を開けると…
辺り一面が揺らぎはじめる。
光の渦に包まれて、それは現れた。
伝説のモンスター…バリアの塔で戦士達を飲み込もうとした巨大な口。
大国リンドブルムの上から下までを覆う…『アトモス』
バランスの悪く、口だけが異様に肥大化したモンスターの顔。
ガバリと口を開けると…中は異空間。
「あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
リンドブルムを吸い込みはじめる。
人々の叫び声さえ、それの前にはかき消される。
重力物体199.
城壁を次々に剥ぎ取り、中の兵士もろとも中の空間へ連れ去る。
遠く遠く、時空の果てに。
「…待って、今召喚する!!」
「この距離じゃ私も何ともしようがないわ…今回はあきらめることね」
一つの都市が、まるごと召喚獣により崩壊させられてゆく様。
「…そんな…!!」
最早どうすることもできない。
戦力の大半を失った、哀れな都市を残し……
アトモスは、光の渦となって消えていった。
「…そん…な」
グラディウスの企業紹介
ガイカニクス・ファイアー・アームズ
グラディウスにおける軍事産業の老舗でおそらく最古参。
最大手でありグラディウス政府とは強いつながりを持っている。
ビックバイパーの主砲であるエネルギーカノン『ウィザーク』の開発も担当。
ウォーバーズ・ハイパーソン
グラディウスでは複葉機時代から飛行機、戦闘機を作っていた老舗。
現在は宇宙船を開発、生産している。
トムソン・アタック・マスターズ
ウォーバーズ・ハイパーソンの砲弾部門が独立した部品メーカー。
現在もインテリジェント砲弾の開発、生産を行っている。
ブッタラフ・アーカイブス
グラディウスにおける老舗の宇宙船のエンジン開発メーカー。
ビックバイパーが登場するまでグラディウス空軍は同社の戦闘機を使っていた。
ドグ・アンド・ライズセン・ロボッツ
最先端のロボットロニクス会社。
工業用のロボットを中心に開発、生産している。
デメトリクソン・カノーネ
グラディウスで武器の開発、生産を主に行っている会社。
艦船用の大出力レーザーカノンは同社の専売特許でもある。
クーディック・ランサー・アンド・シールズ
ラティスとのポスウェル防衛戦争後に設立された新しい軍需企業。
同社ではインテリジェント砲弾、亜光速ミサイルの開発
宇宙戦闘機の部品を開発、生産および現在グラディウス空軍の
主力戦闘機となっているビックバイパーの生産を行っている。
ちなみに開発者全員が戦争未経験者。
ドミニク・レア・ウォートーイズ
宇宙戦闘機のレーザー測距儀のシェア100%を誇る電子機器メーカー。
画期的な演算処理能力を持った射撃管制装置を作れる技術を持つ。
シムズ・ストライク・デリバリー
クーディック・ランサー・アンド・シールズの下請けで
ビックバイパーをライセンス生産をしていたミサイル兵装メーカー。
ビックバイパーの後継機となるメタリオンを制作することになる。
「姉様…どうしてこんな……」
訪れたリンドブルム都市部は壊滅状態だった。
あちらこちらから火の手と煙。
通りには機能を停止した黒魔道士達が民衆に殴られている。
兵士が剣を持ちリンドブルムの民を威圧している。
「……これが召喚獣の威力か
我々は、手にしてはいけない力を手にしてしまったのか…?」
かつて千早に指揮されていた女兵達も、それに気づかざるを得ないようだった。
リンドブルム城にまずは行く必要がある。
高木王が現在どうなっているのか、確かめなければ。
「ビビ、もしかしたら今の状況で城に行くと怪しまれるかもしれないよ
ここに、残ってて欲しいの」
ビビの低い肩をぽんと叩く。
「ええ!?でも、ボク…」
「ビビっちゃ駄目だよ、ビビ。ここで待っていれば大丈夫だから!」
「ビビ君、少しの間だから…我慢しててね?」
そして二人はリンドブルム巨大城へ。
「……おお、美希君に萩原君か『ブリ』」
真っ黒なブリ虫…高木王はテラスから外を眺めていた。
「…見た『ブリ』かね、リンドブルムの惨状を」
「はい。…召喚獣は、私の体から取り出されたものです
…申し訳、ありません」
「…いや。それは前々から解っていた『ブリ』よ…君に美希君を浚わせたのは、
君を戦争利用しようとする春香君から君を逃がすためでもあったしな『ブリ』
君が気にすることではない。」
城の隅々までを、アレクサンドリア兵が闊歩している。
「………君達に話したいことは、他でもない
この戦いのこれからについてだ『ブリ』」
美希は真剣な目つきになる。
「…これから。」
「うむ」
「黒魔法を自在に操る…アレクサンドリアの主力兵器『黒魔道士』
彼らが一体どこからやってきたのか、君らは知っている『ブリ』かね」
「ダリ?」
「いやいや、そういうことではない『ブリ』。誰が黒魔道士を発明したかだよ」
三角帽子、ローブ、厚手の手袋。
心を持たないかのような彼らはどこからやってきたのか。
「実は極秘の調査で明らかになった事実『ブリ』だが、
アレクサンドリア女王である春香君の元に『ブリ』、ある時期から一人の
武器商人を名乗る女性が現れた『ブリ』らしくてね」
「…ある時期…」
「今から2年前のことなのだが」
「…………2年…前…」
「…ドリル?」
「2年前…確か……(…千早ちゃんの弟君が…)」
「そう。その女性は春香君の前に連れて来た『ブリ』のだよ、
物言わぬ、生まれたばかりの魔法人形を。それが…」
「…黒魔道士……」
「現在より小さな形をしていたとされている『ブリ』がね。
その技術を伝えられた頃から春香君は変わり始めたとも言われている『ブリ』
そしてその黒魔道士を伝えた女性は…」
「四条貴音という」
その名をすぐに刻んだ。…いや、否が応にも刻まれた。
「…どんな人なの」
「長身で、透き通る雪のような白い肌を持つ。すみれ色の眼をして…
腰まで届く白銀の髪をなびかせた女性だという『ブリ』」
「それってまさか…」
「まさか…!」
美希はブルメシアで会っていた。
ドリルも…アレクサンドリアで会っていた。
顔を見合わせた…その時だった。
「こら美希ーーーーーーーー!!」
怒号。
振り向くとそこには、ビビを抱きかかえた律子の姿。
「この子置いてっちゃ駄目でしょ!?
リンドブルム兵にいじめられてたわよ、黒魔道士と勘違いされて」
「あ!律子ボス…ごめんなの」
「美希姉ちゃん…酷いよ…」
「ごめんね、ビビ」
「大丈夫だった…?」
「ったくもう。…何か、大事な話?」
律子も加わる。
「…続ける『ブリ』よ
君達も知っているようだが、どうやら貴音というその女性は
トレノを別荘としているようだが、本拠地は不明らしい『ブリ』のだ」
「…トレノに張ればいいってこと?」
「そろそろ我々が勘付くとは読んでいるだろうね
おめおめと姿を現すはずもないだろう『ブリ』。
そして、彼女はどうやら…『北の空』へ飛んでいく『ブリ』らしいのだよ。」
「銀の龍に乗って?」
「…見たのかね!?」
「うん。あの方角は間違いないの」
「…まぁその通り『ブリ』だ。銀の龍に跨り北の空へと飛んでいっている
だが、北の方角には町などないはずなのだよ。…海しか、ないはず『ブリ』」
「…ということは!」
「うむ。『外側の大陸』だろう『ブリ』
彼女は春香君に現在も協力を続け、多大な物資の提供を行っているようだ『ブリ』
召喚獣の扱い方もその一つといわれているね…つまり」
「「…つまり、その四条さん(貴音)を倒せば!」」
外側の大陸、銀の龍…貴音。
目的が、はっきりした。
「…うむ。そういうことだ『ブリ』。
…あいにく、外側の大陸への入り口は見つかっていない…。
だが、世界を旅する者に出会うことが出来れば、きっと見つかるはず『ブリ』だよ」
「世界を…?」
「食を求めて世界を旅する者が、我々の知る中に一人いたはず『ブリ』だ。」
二人は宙を見上げ、記憶を手繰り寄せる。
「狩猟祭の…!」
「『やよい君』と言ったね。
世界を旅する彼女ならきっと、外側の大陸への行き方を知っているはず『ブリ』。
探してみてくれたまえ」
新たなる大陸。
一連の流れが一つの区切りを見せ、
世界をまたにかけた戦いが、ここに始まろうとしていた。
「…行って、くれるね」
「はいなの」
「積もる話もあるだろう。律子君との話が終わったら、私の元に来てくれ『ブリ』
地龍の門から、君達を外へ導こう」
そう言うと高木王は昇降機から出て行った。
「…いや、私から特に話したいことっていうのもないんだけど…」
律子は頭を掻く。
「あんた達はあるの?」
「最近どんな感じ?」
ひとさし指をこめかみに当てる。
「そーねぇ。
…他劇団が大変な騒ぎになってる」
「他?」
「劇場街にアトリエがあるの知ってる?」
「確か…『FOUNTAIN OF ELLIE』?」
「そ、そこの『絵理』。トレノとリンドブルム、二つの街で活躍する876劇団の花形…
あんたと伊織に次ぐ、リンドブルムのアイドルね。」
「確かトレノでステラツィオってコインを集めてる『石川』って人がやってるんだよね」
「ええ。そこの絵理が…トレノで誘拐された。」
「!?」
ブルメシアへ行ったが最後消息不明扱いであろう美希、
それ以前に魔の森で石になって最期を迎えたとされる伊織、
それだけでなく、絵理さえも消えてしまった。
「アレクサンドリア兵によるものじゃないか、って噂は立ってるけど
よく解らないわ。アンタたちも気をつけることね… さ、昇降機に乗りましょうか」
長い長い、リンドブルム地下への昇降機に乗る。
「私はちょっと一休み…」
壁によりかかり、律子は眠る。
「…」
ちらりと律子の方を見て、寝ているのを確認し…
ドリルは美希に言葉を。
「…ね…ね、美希ちゃん」
「ん?」
「外側の大陸って…あの、外側の大陸だよね」
「うん。霧の大陸の北にある、世界の4大陸の一つだよ
凄く少ないけど、その大陸のモンスターも霧の大陸にやってきているみたいなの」
「…凄く強いモンスターがいるって聞いたよ…?」
「噂だけどね。あっちの大陸には人が住んでいない分、モンスターが進化し放題だって聞いたよ」
「そう、なんだ…」
覗き込む。
「怖いの?」
目を閉じる。
「ううん。そうじゃないよ?けど…
けど、もし美希ちゃんがそこで危険な目にあったら私…」
手を後ろに組む。
「…その…」
美希はその様子を見て口を歪ませた。
「ああー…ドリル、もしかしてミキのこと心配してくれてるの?」
その瞬間、顔を真っ赤にする。
「ふぇ!?」
「ありがと、ドリル♪」
口を尖らせる。
「ち、違うよ!? その、だって美希ちゃんがいなかったらその…
お、お姫様にはガードが必要じゃない!?だ、だからその…」
性格上、言うはずもない言葉を発してしまう始末。
「いいのいいの♪しっかり守っちゃうからね」
抱き寄せる。
「………うん…お願い…」
真がいたら絶対止めていたであろう。
ビビが呆然と見ていることも気づかず。
「(そっちの近況はよく解りましたよ、っと)」
律子が心の内でにやにやしていることも気づかず。
二人は到着まで、見つめ合うのだった。
するべきことは決まった。
貴音を倒すこと。
貴音を倒すために、貴音に会うこと。
貴音に会うために、外側の大陸へ向かうこと。
外側の大陸へ向かうために…やよいに会うこと。
しかしやよいは一体どこにいるのか?
見当もつかないまま…
「さぁ、私が食い止めている間にトロッコに乗り、地龍の門まで行くのだ『ブリ』!」
高木王にリンドブルムを任せ、地龍の門へ向かうのだった。
「さて。皆が心配するだろうし、私もここで戻らせてもらおうかしらね」
「律子ボス、ミキ達のことは心配じゃないの?」
「心配するような心許ないあんたならそもそも魔の森で
行かせたりしなかったわよ さ。行った行った」
「…ね、律子ボス」
「何?」
「やよいに会える場所、何か見当はつくの?」
「それくらい自分で考えなさいよ…
って言いたいけど。…まぁ…私だったら多分『ク族の沼』を当たるかな」
「そっか…やよいってク族の一員みたいだったもんね」
ク族はモンスターを食して青魔法を習得する特殊な種族。
同族に会えばきっと行方がわかるはず。
リンドブルムからブルメシアのギザマルークの洞窟までの道のりまでの途中に存在する
ク族の沼。
虫の鳴き声と、げろげろというカエルの鳴き声がこだまする場所だ。
湿気で軋む木の橋を渡ると、高く高く生い茂る草むら。
「な、何かでそうで怖いよ…」
ドリルの頭をぽんと撫で、美希が先頭となって草の中を分け入る。
前へと進んでいくと…開けた場所に出る。
浅い水溜りだ。
カエル達の住処。
そこに飛び込み、カエルをダイビングキャッチする少女の姿があった。
「うっうーーー!!」
ほかでもない。
狩猟祭にて圧倒的強さを見せ付けた…やよいだった。
「ゲォーロ、ゲォーロ!」
巨大なカエル、『ギガントード』が飛び上がり、やよいを踏み潰しにかかる。
だがやよいは片手のフォークでそれを串刺しにし…
ぱくりと口に運びたいらげた。
「!!!」
軟体モンスター『アイロネート』も当然のように平らげる。
「えへへ、ごちそうさまでした!」
いくつかのカエルを残して満腹に。
ドリルはとてとてと歩くやよいに声をかけてみる。
「や…やよいちゃん?」
くるりと振り向く。
「? はい!」
「私達のこと、覚えてないかな…
リンドブルムの狩猟祭で会ったことあるんだけど…」
やよいはぐいっと上半身を下げ、伸ばした腕を反らすガルウィング式挨拶で応える。
「はい!もちろん覚えてますよ!
えっと!美希さんに、雪歩さんに、ビビさんですよね!」
意外や意外。
「覚えてたの…」
「あんなに大勢の人の前にいくことってあまりなかったんです…
その、何か恥ずかしいことでもしちゃってたかなーって…」
「ううん。そんなことはなくて…
あのね、やよいちゃん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「外側の大陸の入り口、ですか?」
「…知らない?」
やよいは辺りをきょろきょろと見回すと…
「…私、知ってますよ! ちょっとこっちについて来てくださいね!」
ドリルの手を取り、やよいはさくさくと歩いていってしまう。
美希とビビもそれについていき…草むらをずっとずっと先へ。
「こんなところに、道があったなんて…」
ずんずんと、力強く進んでいくと……
開けた場所に出た。
「!」
黒い石造りの、地下へ続く階段。
「これ…本物じゃないよね……」
囲いの上には、ガーゴイルを模した石像が2体。
人の住まぬ未知なる世界…異大陸への入口と言われても…
信じられる気はする。
ひとまず入ってみないことには。
「…」
しかし足元を見る。
泥が凹み……真新しい足跡を形作っている。
それは、泥の跡となって石の床の上へ…階段へ。
「………ドリル。ビビ。戦いの準備しとくようにね」
二人は頷く。
「多分この先に行けば外側の大陸なんだよね? 案内ありがとね」
しかしやよいはついて行く。
「いえ!私もご一緒させてもらいます!
皆さんが心配なんです。……多分、誰かいると思いますし…」
「…ごめんね、やよい…」
フォークを構えたやよいも加わり、階段を下りていく。
「ここ、一体何があるの?モンスターとか?」
「モンスターはもちろんですけど… ちょっと複雑かもです…」
カンテラで照らしながら階段を下りていくと…そこは暗い暗い、洞窟…。
地の底まで続く広大な闇に、石の橋がかけられどこまでも続いていた。
「手、離さないようにしてくださいね!」
やよいを先頭に、ドリル、美希、ビビの順。
「!」
そして早くもカンテラが役目を終える。
火が消えた? いや、違う…
洞窟内のたいまつが一斉に火をともし始めたのだ。
美希の手に握られた手に、力がこもる。ドリルの側ではない…
「美希姉ちゃん… さっきから、辺りが全然何があるかボクにも解らないんだよ」
「…どういうこと?」
「…強い魔力がこの辺りにあって……全然、ボクの感覚が利かなくなっちゃったんだ…」
「…強……!?」
言い終われなかった。
バレては仕方ない、とばかりに。
遥か上から、何かが落下してきた。
「!!」
ガゴッ。
ガタガタガタガタガタガタガタ。
細い細い…機械のような、骨のような馬車だ。
或いは、馬車化した骨なのか。
巨大なモンスターの骨と思しき物が、脚の代わりに車輪をつけ…
その手についた指でがっしりと橋を掴み、前へと走りだしてくる。
それに乗るは、人二人分はあろうかというサイズの鎧…
手には顔を模した盾と…巨大な槍。
「ひゃああああああああああああああ!?」
謎のモンスター兵器『アーモデュラハン』。
「美希さん……あの…いきなり見たことのないモンスターが出ちゃいました…」
「逃げるしかないの!!」
気を失ったドリルをおぶり、美希は逃げる。
「あ、あわわわ…」
全速力でビビも逃げる。
「……う、あ… はっ!?」
ドリルが目を覚ます。
「ご、ごめん…!」
美希の腕から飛び降り、4人で走り出す。
激しく…脆く。橋が…崩れていく。
後戻りが利かなくなってしまった。
「確かこの前方は…」
駆け下りていくと…
「と、とまってください!!」
止まらざるを得ない。
…そこには、ぐるんぐるんと左右に揺れる錆び付いた鎌があったのだから。
だが、立ち止まったせいで…
「!!」
「ビビ!!」
アーモデュラハンに追いつかれた。
ビビを串刺しにしようと槍を振るうが…
美希は握ったビビの腕を振り上げ、後方に放り投げる。
ビビは着地。
戦闘が始まる。
アーモデュラハンはまず手始めに『サンダラ』を唱えた。
美希たちめがけ貫くような雷が降り注ぎ、辺りを雷撃の海に変える。
「う…!!」
高い魔力の生み出す威力は大きい。
「このっ…!」
美希は怯まず、縦に回転しアーモデュラハンの馬車を斬りあげる『ヴォルテックス』で攻撃。
「この魔力に対抗しないと…!」
ビビは魔力を『溜める』。
「こんな所で負けてられません!!」
やよいはフォークでアーモデュラハンの馬車を一突き。
しかしアーモデュラハンも黙ってはいない。
「…え!?」
盾を掲げたと思ったら、何と4人の足元に闇が出現…
「クカカカカカカカカ」
鎌を振り下ろした。
美希に…すり抜ける。
ビビに…すり抜ける。
やよいに…すり抜ける。
ドリルは…
「………!!」
すり抜ける。しかし…
何かを取られた。ぐわりと喉元から心臓部までをすり抜けながら刈り取られ…
突如として倒れる。
「……!!!」
全体に対し、ある種の生物的条件により死を与える『デス』の特殊版のようだ。
専門的には『レベル5デス』と区別される。
「フェニックスの尾!!」
美希の処置により、何とかドリルは一命を取り留める。
「ご、ごめんね…」
「せっかく王女を殺せたと思ったのに!!」
突然、声が空間にこだまする。
…アーモデュラハンからだ。
「!?」
まるでモンスターのものではない。
「消えてしまいなさい!」
再び闇の穴が足元に開く。
「今度は『本物』よ!!」
美希に向かい鎌。
「あ…」
魂の動きを止められる。…美希がバタリと倒れる。
「美希ちゃんっ!!!」
嘆いている暇はない。処置を施すなら倒してからが正しい。
「『ファイラ』!」
溜めた魔力で強化された炎の魔法をアーモデュラハンに。
「熱…い…!!」
鋼鉄の鎧であるアーモデュラハンには堪えるらしい。
「『べろちょろ』!!」
やよいが首に下げているカエルを洞窟の闇に高く高く放り上げると……
「けろろん♪」
べろちょろと呼ばれたカエルは巨大化してアーモデュラハンを押しつぶした。
「げふっ…!!」
やはり本体を狙うのが一番のよう。
「よくも美希ちゃんを…!!」
そしてドリルの追撃。
「…はぁぁぁ!!!」
紫の光に包まれ……
突然ドリルが金髪になり…レオタードのような、肢体にぴったりと張り付いた、胸元のセクシーな衣装に変身。
…トランスだった。
「これが私の…」
据え付けられた鎌を蹴り、飛び上がり…洞窟を照らす太陽となる。
「初めての召喚魔法!」
腕を上へ向かいかざすと、アーモデュラハンのそれとは比べものにならない魔力が集中……
手に雷帝マイのそれのような、杖が出現する。
召喚するのではなく、召喚主と一体化して放つ。
これにより、威力を自在にコントロールすることが可能となったのだ。
「『裁きの雷』!!」
杖を勢いよく放り投げる。
一直線に青白い稲光で線を描き杖はアーモデュラハンに吸い寄せられ…
「はぁああああああああああ……!!!!」
巨大な雷エネルギーを辺りに撒き散らし崩壊。
橋が…完全に崩れる。
「掴まって…!」
「は、はい!!」
「うわぁぁ…」
宙に浮いたドリルはそのまま、美希を抱えたやよいと、ビビを掴み暗闇の宙を疾走…
橋の先まで移動したのだった。
「…」
トランス解除。
そしてフェニックスの尾を美希に与える。
「ん…うーん………」
惜しくもトランス姿を見ることは叶わず。美希は息を吹き返した。
「美希ちゃん!」
「ドリル…… あの、鎧のモンスターは…?」
ひとまずは、安全と言える場所まで到達したらしい。
強力なモンスターはこの先いない…しかし、洞窟としてはここからが本番…
彼女達は、海底の地中深くまで来たに過ぎないのだ。
よく戦争モノって矢印でどう侵攻したかを示すよね
エリ「まあそれ以外に示せる便利なものがないからな」
あれ大好きなんだよねwなんていうか、大戦略って感じでw
アルド「俺はそう思わないぜ」
はぁ…信長の野望の内政システムと大戦略の兵器数、BGMと
提督の決断のようないつどこに攻め込むかが自分で決められるゲームがあればなあ…
あかぎ「好きねぇ…」
大好きw
うちの酒豪、酒飲みキャラ(擬人化除く)
アルド・トラバニ(普通)
エリ・カサモト(酒豪)
ロジーナ(酒豪)
シャーリィ(酒豪)
イツ花(普通〜酒豪?)
グラディウス軍人第五版陸宙軍佐官追加版
バイパー「年末にこれかい」
陸軍
ブラン・ホルテン元帥 23歳
ハロルド・ワイルディング大将 49歳
グリフィン・レインウォーター大将 50歳
フレデリック・レーガン大将 47歳
トーマス・バーシティ中将 51歳
アルベルト・アダンティ中将 50歳
アルバート・シュライヒャー中将 33歳
アーチボルド・バルフ中将 39歳
ジェフ・バッセル少将 38歳
モーゼス・バートン特別少将 22歳
マーカス・キャビンディッシュ少将 26歳
チャールズ・トーチ少将 30歳
ウォーラス・モス少将 48歳
バジリウス・デーニッツ大佐 40歳
アーデルベルト・ヘルモルト大佐 33歳
エーミル・クンツ大佐 37歳
ゴットリープ・トレッチェル中佐 33歳
エリク・ケーニンガー中佐 29歳
ニクラス・アイスラー中佐 31歳
ウルリッヒ・ブフナー少佐 29歳
ダーフィト・ロスラー少佐 25歳
レオポルト・カント少佐 22歳
クルト・ゲーラー少佐 27歳
エメリナ・レインウォーター大尉 21歳
エレノエーレ・ベレスフォード少佐 24歳
アンネローズ・ビッグコア=ニーベルング上等兵 17歳
ベルナルド・パオローニ一等兵 18歳
ルゼロ・アゴロッティ一等兵 18歳
テオドロ・トッティ一等兵 21歳
サンティノ・カッポネッラ曹長 32歳
シモーネ・ガンベリニ伍長 28歳
アルフォンス・ベリーニ一等兵 20歳
ルチアーノ・チッコリーニ上等兵 27歳
ステファノ・ボナッツェーリ伍長 28歳
テオドリコ・カッポネッラ上等兵 30歳
ミケーレ・カッポネッラ軍曹 27歳
ヴァレンティーナ・カッポネッラ二等兵 22歳
宙軍
マンフリッド・ベレスフォード大将 59歳
クラナス・ランフォード大将 23歳
ナルヴィック・ルフラン大将 25歳
クロン・ベイル中将 61歳
オーラフ・ヴァーノン中将 41歳
ライオネル・アッカースン中将 52歳
ジャック・トンプソン中将 55歳
ヤコブ・フルシチョフ少将 67歳
ルーベン・イングラム少将 38歳
エメライン・ベンジャミン少将 47歳
マンフレッド・ボールドウィン少将 46歳
カルロ・ダリエンツォ大佐 32歳
ヴャチェフェラフ・ラブダノフ大佐 39歳
キリル・ザハロフ大佐 38歳
スタニスラフ・マシコフ大佐 37歳
アレッシオ・スコット中佐 32歳
ヴィンチェンツォ・スキアーヴィ中佐 33歳
シグーネ・ハットネン中佐 21歳
シルパ・クーセラ中佐 22歳
シヴィ・ニスカヴァラ中佐 25歳
エレーヌ・ロード少佐 22歳
ドナティアン・ルクレール少佐 28歳
ニコラス・ヴェルジュ少佐 27歳
シャルル・ドゥムジョ少佐 24歳
アリセ・ベンジャミン大尉 21歳
ヴィットーリオ・レッティエーリ中佐 32歳
アドリアノ・カンパーノ少佐 30歳
ニノ・インフォミュラ少佐 35歳
トンマーゾ・ガットー大尉 27歳
アルステーデ・ビッグコア=ニーベルング特務大尉 18歳
クーニグンデ・ビッグコア=ニーベルング特務大尉 18歳
マルグリート・ビッグコア=ニーベルング特務少尉 17歳
グラディウス軍人大六版空軍佐官追加版
空軍
アルヴァ・ユンカース大将 23歳
ヴィンチェンツォ・ルガース大将 55歳
ディアス・ユンカース中将 21歳
アドリアナ・ベチン中将 51歳
ハスキー・ハルバート中将 50歳
ゴーチェ・ベルトラン中将 49歳
ジェルヴェ・ブラシェール中将 57歳
エヴラール・ダルコ少将 51歳
ジョニー・ガーランド少将 45歳
エドワード・オレステス少将 59歳
フリッツ・パーペン少将 56歳
クラウス・ケッセル少将 41歳
エマニュエル・コロー少将 38歳
ソール・オルティス大佐 40歳
ローデリヒ・ゲッヴェルス大佐 37歳
リューディ・ヴィルケンシュトゥーク中佐 33歳
ディーター・アルブレヒト中佐 33歳
アマデウス・フォルト中佐 32歳
ライムント・タンホイザー中佐 31歳
ジョゼッフォ・マネンテ少佐 30歳
エリコ・ロベッキ少佐 30歳
ワディム・シテイン少佐 29歳
アンドレイ・スネシコフ少佐 29歳
ボリス・ドルゴフ少佐 28歳
ノーナ・ラフマニナ大尉 25歳
リューシャ・ブチェンコワ大尉 24歳
セバスティアン・ハルバーゲン中尉 27歳
スタファン・ヘンネル中尉 28歳
ラミ・ニュメリン少尉 21歳
〜この作品を見る前に〜
・パクリネタ満載です
・理解できないネタもあるかも知れません
・転載はなるべくやめてください。恥ずかしいので
以上の事を理解した上での閲覧をおねがいしまー↑
ドボンレース@1
(SMAPのソフトバンクのCMっぽく)
Ev'rybody's doin' a brand new dance now.
(DOBON, baby, do the loco-motion.)
My little baby sister can do it with ease,
It's easier than learnin' your ABC's,
So DOBON! DOBON! do the loco-motion with me!
(全員ベルトコンベアーの上を走る)
ウィーン(プールの扉が開く
実況「さあ始まりましたドボンレース!先頭は 建山、美坂!そして 水城も頑張っている!
ベルトコンベヤーのスピードはどんどん上がっていく!
足を止めれば背後のプールに ドボンしてしまうこの恐怖との闘い!
ドン!
たてじん「グポォ!?」
実況「おっとシャドウが建山に手を掛けた!」
ドボーン!
実況「落ちた〜!それでは来年に向けて 一言!」
たてじん「おいら達は、税金の無駄使いと天下りを根絶します!」
エリカ「…どうやって?」
栞「いや絶対無理ですって…」
建山刑事の事件簿
セリカ「だからあたしはやってないわよ!」
シャドウ「黙れ!貴様がやったことは分かっているんだ!」
リョウ「待て!ここは建山に任せよう!」
シャドウ「何!?あの伝説の刑事建山に!?」
(BGM:Deep Impactのサビの部分)
セリカ「( ゚д゚)」
建山「…」
セリカ「だからあたしはやっていないって…」
建山「ドン!」(机を思いっきり叩く
セリカ「ヒィィィ!」
建山「やった!ハエ潰した!」
一同「ズコーッ!」
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γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン.....
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
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_ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''! i;;;〜−ヽ_ii_i=n_ [l h__
/==H=ロロ-.γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ
¶:::-幵-冂::( ( |l | ) )=HロΠ=_Π
Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
Д日lTl,,..:''''" ""'''ー-┬ーr--〜''"" :::Д日lT::::
FH=n.:::::' | | :::FL日l」:::::
ロΠ=:::::.:. ノ 从 ゝ .::田:/==Д::
口=Π田:::. .::::Γ| ‡∩:::::
Γ| ‡∩Π::.... ...:::Eヨ::日lTlロ::::
Д日lTlロ_Π::::....... ...::::::::田:凵Π_=H:::
=Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl
ドボンレース@2
(SMAPのソフトバンクのCMっぽく)
Ev'rybody's doin' a brand new dance now.
(DOBON, baby, do the loco-motion.)
My little baby sister can do it with ease,
It's easier than learnin' your ABC's,
So DOBON! DOBON! do the loco-motion with me!
(全員ベルトコンベアーの上を走る)
ウィーン(プールの扉が開く
実況「早くも 攻防が始まる秋のドボンレース。
足元ベルトコンベヤーのスピードが上がる中背後のプールに落ちるのは…」
ドン!
でっていう「ホワァ!」
実況「あっと!シャドウがヨッシーを押した!バランスを崩す!」
ドボーン!
実況「ヨッシードボン!ドボンはでっていうことヨッシー!来年からの売りは?」
でっていう(来年からボクがメンバーの中のリーダーになりマス!)
たてじん「え?お前が?」
でっていう(今度からこのメンバーの名前はラーメン&ワッフル隊になりマス!)
沙都子「(´゚ω゚):;*.ブッ」
セリカ「ククク…」
タクシー
クド「タクシー!」
トミー「アイヨー!!!!!!」
クド「わふぅぅぅぅぅぅぅぅ!!??」
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γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン.....
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
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_ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''! i;;;〜−ヽ_ii_i=n_ [l h__
/==H=ロロ-.γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ
¶:::-幵-冂::( ( |l | ) )=HロΠ=_Π
Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
Д日lTl,,..:''''" ""'''ー-┬ーr--〜''"" :::Д日lT::::
FH=n.:::::' | | :::FL日l」:::::
ロΠ=:::::.:. ノ 从 ゝ .::田:/==Д::
口=Π田:::. .::::Γ| ‡∩:::::
Γ| ‡∩Π::.... ...:::Eヨ::日lTlロ::::
Д日lTlロ_Π::::....... ...::::::::田:凵Π_=H:::
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建山タクシー TEL トゥース-ワカチコ-ランランルー
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