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チラシの裏 3枚目
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大声で話されたそれを、ドリルは残された体力でまとめあげた。
「さぁ、来たわね …話してごらんなさい」
「まず…『発端』」
「うん」
「『協力』」
「うん」
「…『沈黙』」
「ええ…最後は?」
ここまでの流れは一つである。
帝国と戦う反乱軍の男、フリオニールらが
ヨーゼフという、娘を持つ男と共に雪原の洞窟へ向かい
目的の物、女神のベルを入手するが
裏切り者ボーゲンの罠でヨーゼフが帰らぬ人になるが
フリオニールはそれを娘に告げることなく町を去っていったというもの。
残されたのは二つ。
何も言わず去ったのは後ろめたい気持ちからである『人間』
何も言わず去ったのは帝国と戦う姿勢をして娘に報いる『英雄』
「…『英雄』です」
彼女は選んだ。
「へぇ…?」
「私ならばそうします
…私がもし大きな責を負うことになった時
私は…行動で、責任を果たしたい それが…王女の務めです」
雷帝は見下ろしてその話を聞いていた。
「…うん。いいでしょ、『正解』。
…それより、私は聞きたいことがあるの。
召喚魔法の危険性を知った上で…使いたいかどうかを」
「…文献でそのことは」
「本じゃないのよ
もう『現代で』『実際に』『大惨事を引き起こした』のよ。
…『あなたの召喚獣によって』ね…」
美希はそのことを告げていなかった。
「…!?」
「ブルメシアの国民が逃げ込んだ、幻の砂の都クレイラ。
あれね…滅んだのよ オーディンのグングニルでね。」
「そんな…」
「行ってみりゃ解るわよ あそこには何にもありゃしない
沢山の命が失われたわ…あなたがアレクサンドリアに戻ったせいでね」
「ふざけないで!ドリルが悪いわけじゃない!
ドリルは春香を止めるために!」
「そんな言葉でクレイラの人たちが浮かばれると思ってるワケ?
甘すぎんのよ。
行かなかったら犠牲は抑えられたのは事実なんだから。
何ならナイフでも持ってって、会うなり春香を刺した方がよかったんじゃない?」
「………」
「…さ、その時が来たわよ 『行動で報いること』
召喚魔法を手にしてしまったわよ?……あとはアンタで考えること。」
稲光と共に雷帝は宝石になり消えていき…
「…はい」
ピナックルロックスの出口が開かれた。
「…」
美希たちも後を追おうとするが…
「………ねえ美希姉ちゃん」
「ん?」
ビビが声をかけてきた。
「あれって本当に正解だったのかなぁ」
「『人間』と『英雄』?ビビならもう少し迷ってるの?」
「うん」
「…ミキはどっちでもないと思うな」
「え?」
「人間だとか英雄だとか、そんなの後の時代の人たちが言ってるだけでしょ?
そんなことなんて、その当人にしかわからないことだと思うよ」
「…うん」
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