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チラシの裏 3枚目
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一方…クレイラの上空では黒魔道士を放った張本人が扇子を扇いでいた。
王宮所有の飛空艇レッドローズの先端から大樹を見下ろすリボンの少女。
「光の玉が戻ってくる… どうやら目的は果たしたようね」
そして彼女は青黒い宝玉を手に持つと…
「では、始めましょうか
この道具に込めた…あの子の体から取り出したばかりの『この力』を使って」
それを空に掲げるのだった。
「さぁ、私にその力を見せておくれ…召喚獣『オーディン』」
青黒い宝玉が眩い光を放ち……
「おお…!」
空に一直線に光を放った。
遥かなる雲海へとその光が吸い込まれていくと……
僅かな間をおいて、雲海から黄金色の筋が地に下りる。
雲海が分かたれたのだ。
『召喚獣』。
人々が願い、伝え、
そしていつしか忘れていった強大なる伝説。
契約主の声に呼応し幾百年の遥かなる忘却の闇から
8本脚の馬に跨った深き黒の甲冑がここに帰ってきた。
空を、悠々と垂直に駆け下りていく騎士の手には……
それは長い…長い、神槍『グングニル』。
彼は腕を引き、力を込めるとそれは妖しい紫の光に包まれ…幾重もの雲めがけてそれを放つ。
雲を一直線につらぬき、出来た穴の下には緑…クレイラ。
グングニルの槍は巨木クレイラを刺し貫く。
音もしない。まっすぐに、大樹は槍を受け入れ…
一瞬にして真っ赤に染まる。
…爆ぜる。
ひとつの都市を支える巨大な木が…焼かれた。…いや、弾けた。
無数の、細かな火花となって。
地上の一面を、巨大な穴へ変えて。
それを見届けるとオーディンは帰っていく。雲の中へ。遥かなる、人々の伝承の中へ。
「ふ、ふふふ…あはは、ははははははははははははは…!!!」
何もなくなった空には、春香の声がこだまする…それだけだった。
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