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チラシの裏 3枚目

969im@s fantasy9 第二章 第三十一話 1/4:2009/12/15(火) 01:14:27 ID:x6Dj6vYg0
「う、うう… どうせもう召喚獣は全部取り出した後だからもう手遅れデスよー!」
「ざまーみろですヨー!」

この二人は魔力を片方に集中させて放つ『二人がけ』の使い手…
集中させられた方を攻撃すれば難なく魔法を防ぐことが可能。

全裸の、赤リボンと青リボンの小人は脱兎のごとく逃げ出していった。
「そんなの要らない!ミキが欲しいのは…!!」



そして、広い儀式の間の石の祭壇へ。
「ドリル……! ドリル!」
抱き起こす。
…声をかけるが…全く反応がない。
「姫様ああああああ…うわぁぁ…どうしてこんなことに…」


白いその胸に手を当てると…脈動と僅かに上下しているのを感じる。
「…暖かいし呼吸もしてる…
 けど目が覚める保障はないから…安全な場所まで運ばなきゃ!
 …戦闘は3人に任せていい!?」
「…仕方ないな」
「うん!」
「解ったわ!」

3人が先を行き、美希がその後になって扉を出る。



行く時にも通ってきた、薄暗い螺旋階段を登っていく。
降りるのと登るのとでは段違い。
ドリルを抱きかかえながら、一段一段確実に、急ぎながら登っていく。


「間に合って…!ドリル…ドリル!」
頭の中がそれ以外にない。


階段を登りきり、紐を引くと暖炉から女王の間へと出る。

「…ここに寝かせよう」
ソファーにドリルを寝かせる。


「……………」
美希から表情が消えた。

「…さっきから、静かだな 美希らしくもない。」
「………うん」



「今…わかったの
 感情の…怒りや悲しみが極限を超えると…何も湧かなくなるってこと
 涙すら、出ない……」

体が震え、首を振るばかりで…彼女は何もしない。

「ミキがついていれば…
 ミキがついていればこんなことには……
 こんな…こんなことには!!」



…美希の叫びがむなしく響いたかと思うと、
今度は靴音が聞こえてきた。
靴音は6つ…3人。
「ここデスよー」
「さっさとやっつけるですヨ」

ののとワー。そして…


「まさかあなた達がここまで侵入していたとは」
長い髪、鋭い目つき、豊かな胸元、鞘に納まった宝剣。



「千早…!」
「真。盗賊ふぜいとつるんだ挙句に、春香様の御部屋にまで…?
 あなたは一体何を考えているの」


「千早!!お前こそ、一体自分が何をしているかわかっているのか!?
 アレクサンドリアに居たんだろう!」
「真の言っていることって、時々よく解らなくなるわ…」
千早は顔を背け、息をつき手をひらひらと動かすだけ。

真の怒りが頂点に達する。
「千早ァ!!表へ出ろォォォォォォォ!!」




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