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チラシの裏 3枚目

987im@s fantasy9 第二章 第三十六話 3/3:2009/12/24(木) 04:07:55 ID:KmlzUA/s0
「…行って、くれるね」
「はいなの」

「積もる話もあるだろう。律子君との話が終わったら、私の元に来てくれ『ブリ』
 地龍の門から、君達を外へ導こう」

そう言うと高木王は昇降機から出て行った。




「…いや、私から特に話したいことっていうのもないんだけど…」
律子は頭を掻く。

「あんた達はあるの?」
「最近どんな感じ?」


ひとさし指をこめかみに当てる。
「そーねぇ。
 …他劇団が大変な騒ぎになってる」
「他?」


「劇場街にアトリエがあるの知ってる?」
「確か…『FOUNTAIN OF ELLIE』?」
「そ、そこの『絵理』。トレノとリンドブルム、二つの街で活躍する876劇団の花形…
 あんたと伊織に次ぐ、リンドブルムのアイドルね。」
「確かトレノでステラツィオってコインを集めてる『石川』って人がやってるんだよね」


「ええ。そこの絵理が…トレノで誘拐された。」
「!?」

ブルメシアへ行ったが最後消息不明扱いであろう美希、
それ以前に魔の森で石になって最期を迎えたとされる伊織、
それだけでなく、絵理さえも消えてしまった。

「アレクサンドリア兵によるものじゃないか、って噂は立ってるけど
 よく解らないわ。アンタたちも気をつけることね… さ、昇降機に乗りましょうか」

長い長い、リンドブルム地下への昇降機に乗る。



「私はちょっと一休み…」
壁によりかかり、律子は眠る。

「…」
ちらりと律子の方を見て、寝ているのを確認し…
ドリルは美希に言葉を。


「…ね…ね、美希ちゃん」
「ん?」

「外側の大陸って…あの、外側の大陸だよね」
「うん。霧の大陸の北にある、世界の4大陸の一つだよ
 凄く少ないけど、その大陸のモンスターも霧の大陸にやってきているみたいなの」

「…凄く強いモンスターがいるって聞いたよ…?」
「噂だけどね。あっちの大陸には人が住んでいない分、モンスターが進化し放題だって聞いたよ」
「そう、なんだ…」

覗き込む。
「怖いの?」

目を閉じる。
「ううん。そうじゃないよ?けど…
 けど、もし美希ちゃんがそこで危険な目にあったら私…」
手を後ろに組む。
「…その…」

美希はその様子を見て口を歪ませた。
「ああー…ドリル、もしかしてミキのこと心配してくれてるの?」

その瞬間、顔を真っ赤にする。
「ふぇ!?」
「ありがと、ドリル♪」

口を尖らせる。
「ち、違うよ!? その、だって美希ちゃんがいなかったらその…
 お、お姫様にはガードが必要じゃない!?だ、だからその…」
性格上、言うはずもない言葉を発してしまう始末。


「いいのいいの♪しっかり守っちゃうからね」
抱き寄せる。
「………うん…お願い…」
真がいたら絶対止めていたであろう。


ビビが呆然と見ていることも気づかず。
「(そっちの近況はよく解りましたよ、っと)」
律子が心の内でにやにやしていることも気づかず。

二人は到着まで、見つめ合うのだった。




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