- 1名前:きんけ 投稿日:2008/10/27(月) 01:05:17
- 武力平和の続く世界
地球連邦政府は軍部に掌握されつつあった
大衆の意見が届かず、あらぬ方向に動こうとする未来
そんな世界に警鐘を鳴らす者がいた
反連邦軍組織プレイオス
「弾圧と圧政からの解放」を目標に彼らは勝利なき戦いに身を捧げる…
機動戦士ガンダム0.5
人間らしく
- 45名前:きんけ 投稿日:2010/10/15(金) 20:05:13
- 多数のモビルスーツがパラシュートを展開させ、流星の如く地球へと降下していく。
その光景は戦争とは思えないほど、芸術的であった。
ここまでか・・・
降下の様子を感嘆の声すらあげずに眺めたシラナミが口を開いた。
「全部隊の降下を確認した。護衛部隊は母艦へと帰還せよ!」
その命令とほぼ同時にプレイオス艦隊の艦砲射撃が始まった。
敵艦隊へと伸びていくビーム砲が護衛部隊の撤退を助ける。降下作戦は終盤に差し掛かっていた。
プレイオス艦隊からの砲撃が連邦軍艦隊の周辺宙域に降り注いだ。
直撃することはないが、その弾幕にモビルスーツ隊の動きが止まった。
「ちっ、まるで戦果をあげることが出来なかった・・・」
ユワンが眉をひそめる。
クエサーの時といい今回といい、まるでプレイオスの特別攻撃隊と剣を交えることが出来ず、ユワンは歯がゆい思いをしていた。
叔父に無理を言って今作戦に参加したというのに、これでは申し訳が立たない。
「隊長、敵部隊が後退しています」
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- 46名前:きんけ 投稿日:2013/08/01(木) 00:07:18
- 両陣営の数十ものモビルスーツが降下用パラシュートを展開し、大気圏突入を果たした。パラシュートの表面は摩擦熱で赤く染まり、まるで隕石のように地球へと落ちていく。
降下中は先の戦闘が嘘であるかのように静かであった。摩擦熱から守るためにパラシュートは展開すると機体を包み込むように強制的に仰向けの姿勢へと移る。その状態では射角も広く取れず戦闘には不向きである。そして、プレイオスと連邦軍どちらも同じパラシュートを展開しているため敵味方の識別は不可能であり、レーダーも大気圏突入の際はまともに機能しない。以上のことから同士討ちを恐れ、大気圏突入の際は戦闘を行わないのが不文律となっている。
パラシュートに包まれながらもガタガタと揺れるコクピット内でロイスは静かに目を閉じていた。仰向けのまま下を見ることが許されずに落ちていく感覚にロイスは形容しがたい恐怖を感じ身震いした。
――地獄にでも向かっているのか?
死の予感。この恐怖を感じるのはロイスにとって二度目であった。
黄色い砂塵、包囲網、コクピットから黒煙を吐き機能停止する味方モビルスーツ、二年前の出来事が脳裏にフラッシュバックし思わず瞼を開いた。自分よりも高い高度に複数のパラシュートが確認できた。あのパラシュートに包まれているのが敵なのか、味方なのかロイスには分からない。
大気圏突入からおよそ二時間、パラシュートを着脱し仰向け状態をやめると、モビルスーツのメインカメラの視界は天地逆転し、地上を映しだした。長靴のようなイタリア半島が見える。この長靴の付け根部分、地球連邦軍ヨーロッパ方面軍の最大規模を誇るトレント基地へと彼らは飛び込んだ。
- 47名前:きんけ 投稿日:2014/04/26(土) 23:36:18
- 宇宙より飛来してきたプレイオスのモビルスーツに対してトレント基地より対空砲火とミサイルによる手荒い歓迎が待っていた。戦闘を行いながらの地球降下という極限状況を乗り越えた彼らに休む暇はなく、降下中の姿勢制御と回避行動に追われた。
高度が下がっていくにつれ既に地上で戦闘が発生していることを確認することが出来た。それこそがプレイオス・オーストリア支部より出撃した地上部隊である。
機動戦士ガンダム0.5
9話 CrossFire
降下中のセーメイが対空砲の直撃を受けると四散。モビルアーマー形態で飛行するガルーダの傍で赤く弾けた。
その爆発の衝撃はガルーダのコクピット内にも伝わり、シートをビリビリと震わせた。
「うっ…!少しでもこちらに注意を引き付ければ…!」
ガルーダが高度を落とすと敵にロックオンされたことを示す警告音がコクピット内に響いた。その警告を後回しに対空砲へとビームマシンガンを斉射。破壊された対空砲と塹壕を横目に右旋回。背後から迫るミサイルを振り切ると機首に内蔵されたバルカンが炸裂し、敵陣地を薙いだ。
地上へと視線を下ろすジョシュア。彼の目に二機のマキスがこちらに銃口を向けているのが見えた。マキスがビームライフルを放つよりも速くジョシュアが反応すると、ガルーダは空中でモビルスーツ形態へと変形を遂げた。右腕にジョイントされたビームマシンガンがガルーダの真下に位置する二機のマキスへと一射。一機のマキスの撃墜を確認すると、残った一機へと狙いを定めた。
黒鳥を撃ち落とさんと連射されるビームを弧を描くように回避し距離を詰めると、腰椎部より抜き放ったビームサーベルで一閃。マキスが両断され、ほどなく爆散した。
ジョシュアが仰ぎ見る。いまだに連邦軍による対空砲火で空は騒がしいままであった。
火線を掻い潜りエヴンスはトレント基地の中心よりもやや南東にずれた商業地区へと降下した。プレイオスの降下部隊を待ち構えていたマキスがエヴンスを捉え攻撃を開始する。エヴンスは跳躍し、マキスのビームを回避。空中で肩部に装備されたビームスラッガーを敵機目掛けて投擲すると、ブースターを吹かして接近する。ビームスラッガーはマキスのビームライフルを切断させ、地面へと突き刺さる。その間に距離を詰めていたエヴンスが刃をマキスへ一突き。爆散することなくその巨体は倒れこんだ。さらにセーメイに気を取られていた別のマキスを刃で薙いだ。
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- 48名前:きんけ 投稿日:2015/02/24(火) 03:15:03
- 降下部隊の中でも比較的早い段階で地上に降り立ったドラウロはトレントの北東に位置するモンテカリシオ山の稜線上に陣を取ると、アルダの索敵能力とビームスナイパーライフルの射撃性能を活かして定点射撃を敢行していた。トレント基地は山々に囲まれたアディジェ渓谷にあるため、ドラウロの位置からは基地中心部を見下ろす形となり絶好の狙撃ポイントであった。
ドラウロが息を吐きながら接眼スコープを覗くと、落ち着いて冷静に獲物を撃ち抜いていく。光条は長く細く伸びるとマキスの脇腹へと直撃。装甲は穿たれ核融合炉を貫通したのか瞬く間もなく、その場で火球となった。
一機、また一機と確実に無力化していくドラウロであったがこの働きは戦況に大きな影響を与えてはいなかった。彼が一つのターゲットを狙っている間にもトレント基地のモビルスーツ部隊がスクランブル。そして連邦宇宙軍の降下部隊が壁を作っていた。
プレイオスの降下部隊も基地中心部への侵攻を試みるが広範囲に散らばって降下してしまい一箇所に戦力を集中出来ていないこととプレイオス地上部隊の到着が遅れていることもあり、攻略できずにいた。
防衛線を破れずに倒されていくセーメイの姿に見かねてドラウロが接眼スコープから顔を話さず通信を開いた。
「こちらドラウロ。ロイスはどこにいった?」
<こちらロイス。予定降下ポイントよりも南に降りてしまった。もう少し待ってくれ>
「この状況を打破出来るなら、いくらでも待ちますとも…!」
とは言ったものの、これ以上トレント基地防衛線を突破出来ずに被害を出し続ければ先に瓦解するのはプレイオスである。座して待つような時間は大して残っていなかった。
とにかく今は一機でも多く落とす…!
ドラウロは不吉な考えを中断させると再び狙撃に集中した。
大気圏突入直前までエヴンスと戦闘を繰り広げていたアンドレのマキスであったが無事に基地の中心へと降下を果たした。しかし、その機体の状態はまさに満身創痍という言葉がピッタリであった。
「ぐうう!機体の調子せいだっ!」
逆噴射をかけながら着陸を試みるが減速しきれず機体が滑走路上を滑る。悪態をついてもマキスの勢いは止まらずついに機体は転倒。アンドレはコクピットの中で激しい衝撃に襲われながら200メートルほど滑走路をオーバーランするとようやく静止した。
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- 49名前:きんけ 投稿日:2017/04/24(月) 13:38:03
- 整備兵の背後、格納庫内を見やる。ハンガーに仰向けで固定されたモビルスーツに気が付くと、アンドレが歩み寄っていく。橙色の巨人。連邦地球方面軍主力モビルスーツ「エレジア」である。
「借りるぞ」
言うが早いかアンドレがエレジアのコクピットへと飛び込んだ。整備兵の困惑する声が上げたが、コクピットハッチが閉まるとそれも聞こえなくなった。機体に火を入れるとグウウンと低い唸りと共にエンジンが起動。頭部のモノアイが光輝を放ち、コクピット内のモニターが格納庫の天井を映し出している。機体のサブモニターに目をやると、機体の武装を確認した。右腕にアタッチメントされた大型ビームライフルとバックパックに二本のビームサーベルが収納されている。オーソドックスな武器だが、不満はなかった。
「格納庫から出す。下がれ!」
外部スピーカーから響くアンドレの声に呼応するように格納庫内の整備兵がエレジアから離れた。機体を起こしてハンガーから立ち上がると滑走路へと歩を進める。全長二十三メートルとマキスを凌ぐ巨体であるが、コクピット周りはマキスと大きな違いもなく初めて乗り込んだアンドレでも違和感なく操縦できている。手元のレーダーに目を落とした。北側にプレイオスの部隊が降下したのか、多くの熱源反応が見られる。大気圏に突入した時、最後に二刀流のモビルスーツは俺に止めを刺さずにその場から離れた。地上に降りる直前、機体を包み込んでいたパラシュートがパージされた際に周囲を探してもあの二刀流は見当たらなかった。プレイオスの降下地点からズレている可能性はあるが、ヤツはプレイオスの中心部隊であることは間違いない。二刀流は必ず現れるはずだ。アンドレが操縦桿をぐっと押し込み、ブースターを全開にすると、戦場へと向かった。既に上空からの降下部隊の姿はなく、対空砲火は止んでいた。
ロイスが本来の降下予定ポイントに到着した時、戦線はギリギリ保たれているような状況であった。ほとんどのセーメイが損傷しており、大破し地面に倒れこんでいる機体も少なくなかった。地上の援軍はまだなのか!混線した通信から味方の悲痛な叫びが聞こえた。宇宙と地上での連戦は機体だけでなくパイロットの精神も追い詰めていた。
「損傷が激しい機体は無理をするな。ここはエヴンスがやる!」
両腕の攻防兼用防盾を前面に構えながら、マキスへと前進。幾条かのビームを全て受け止めると、そのままの勢いでマキスへと激突した。盾内部に収納されていた刃がスライド。鈍く光ると姿勢を崩したマキスへと一閃。右腕がバターのように切断され、持っておいたビームライフルと共に建物を巻き込みながら落下した。片腕を失ったマキスは仰向けに転倒。体勢を立て直すこともせずコクピットハッチが開くと中からパイロットが這い出てくるのが見えた。パイロットは振り返ることもせずに建物の影に敗走した。
ロイスは敵からの置き土産であるビームライフルを拾い上げると左手に握りしめて一射。一筋のビームがマキスの頭部を貫いた。エヴンスとマキスのマニピュレーター規格が一緒
- 50名前:きんけ 投稿日:2017/04/24(月) 13:46:01
- なのか問題なく使用出来そうである。エヴンスが前屈みになるとホバー走行で市街地を進んでいく。数機のセーメイもエヴンスに続いた。
≪よう、来てくれたな。頼りにさせてもらうぜ≫
ドラウロからの通信が入る。声色にどこか安堵が混じっているような気もするが、ハッキリとは分からない。ロイスは眼前の戦車をビームライフルで薙ぎながら「分かった」と短く返答した。直後、後方から細くて速い針のようなビームが前方のマキスに着弾。火球へと変わったマキスを尻目にロイスはドラウロの射撃精度に感嘆した。上空、黒い神鳥が制空権を握っていた。ガルーダによる遊撃もドラウロの精密射撃に専念できる要因であった。
特攻隊三機の活躍もあって前線にも変化が見られた。面では抑え込まれていたプレイオスだが先駆するエヴンスとセーメイ部隊によって一点突破に成功。トレント基地中心部へと強引に入り込もうとする彼らに引っ張られるかのように連邦軍の前線がジリジリと下がっているのだ。河川を逆流する波のようにプレイオスのモビルスーツが細い隊列を成してジリジリと迫る。だが、彼らの前に大きな堤防が立ちふさがった。地球連邦方面軍主力モビルスーツ「エレジア」。マキスやセーメイと比較しても明らかに巨大なその機体はまさに壁となってプレイオスの行く手を阻んでいた。
ここまで来て、エレジア部隊の登場か…!歯噛みするロイスであるが、すぐさま思考を切り替えるとエヴンスを跳躍。エレジアの大型ビームライフルが何もいない空間を焼いた。
- 51名前:きんけ 投稿日:2017/05/20(土) 00:39:13
- ビリビリとコクピット内が揺れる。マキスのビームライフルともセーメイのビームカービンとも比較出来ないほどの威力であることを肌で感じたロイスが顔をしかめた。
「ッ!?」
着地と同時にアラートが鳴る。一機のエレジアがビームサーベルを構えてエヴンスへと突撃。既のところで斬撃を避けるもモノアイの機体はさらにエヴンスへと迫った。
≪見つけたぞ、二刀流!≫
「またアンタかッ!」
大気圏突入の際に最後に交戦した男の声。機体こそ違えど戦い方は同じ。我武者羅でありながら明確な殺意をもってロイスを狙っていた。
≪俺の部下はお前に殺された!俺の目の前で…ククルス宙域で!≫
「戦争だぞ!」
≪だからお前は俺の手で殺してやるってんだァ!≫
「ここで、死ねるかッ…!」
肉薄する敵機を振り払いながら肩部のビームスラッガーを投擲。弧を描いた光輪だったが、ビームサーベルの一振りによって呆気なく破壊された。胸部バルカンをばら撒くも厚い装甲を擁するエレジアには効果が見えなかった。ロイスがアンドレのエレジアの気迫に押されている間にも周囲のセーメイはエレジアの壁を破ることが出来ずに次々と落とされていく。焦りを隠しきれず汗を滲ませるロイス。アンドレの射撃を右腕の盾で防ぐもその威力に盾上部が吹き飛ぶと、破片が光を反射させてキラキラと舞った。
「なっ…!」
思わず言葉を失うロイスと対照的にアンドレは勝利を目前に咆哮した。これまで辛酸を嘗めさせられてきた悪魔は眼前で体勢を崩して地面に倒れこもうとしている。ブースターを吹かして懐に飛び込もうとするアンドレ。エレジアのビームサーベルが振り下ろされるよりも速く、両腕の盾を前面に構えるとロイスはそれをブロックした。両機の腕部が激しく衝突し、金属が軋み、悲鳴を上げている。
≪ちぃ、しぶとい!≫
止めを何とか阻止したロイスだが、マウントポジションを取られて不利な状況であることには変わりなかった。
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2 ノート探ったら出てきたので (Res : 1)
- 1名前:きんけ 投稿日:2016/08/03(水) 00:21:47
- 地球外生命体ムクロの手によって引き起こされたとされる災厄「大破壊」から500年。世界は「新・欧州連合(NEU)」と「アメリカ合衆国」の2陣営の冷戦下の中、かつての崩壊からの復興と新たなる発展へと歩み始めていた。
ヒロイック・ヴェルムント
西暦2816年6月22日。新・欧州連合首都であるハンブルクを中心に主要都市にて同時多発テロが発生。ロンドンやダブリンなどテロを未然に防いだ都市もあったが、十数もの街がテロの標的とされ無残にも多くの血が流された。NEU内では報復措置を望む声が多数派を占め、この動きに感応するかのようにNEU軍部はかねてより反NEU組織「シノーメル」の温床となっていた北アフリカ地域にてシノーメルの掃討作戦実施を宣言した。
砂上を滑るように移動する三つの人影、巻き起こる砂煙の中に霞ながらもその姿を視認する。だがそれは決して人ではなく、全長十メートルはあるであろう人型のロボット。かつて地球外生命体ムクロとの戦いのために人類が開発した機動兵器ギアトルーパーである。大破壊後、レスキュー用として復活を遂げたギアトルーパーだったが今や人類同士の争いの道具と成り下がった。
NEU制式仕様ギアトルーパーである「ディスペンス」のコクピット内、セシル・ケーニヒが砂で黄色く曇ったメインモニターからレーダーへと視線を移した。金髪がさらりと流れ柔和そうな目が僅かに細くなる。
レーダーが複数の熱源を捉えている。出撃前のブリーフィング通り、すでにNEUとシノーメルの間で戦闘が開始されているようだ。
「間もなく目的地である敵キャンプへと到着する。戦闘の準備を」
セシルの通信に対して両翼の味方機であるニアとドランがそれぞれ短く返答する。今は余計な言葉などいらない。
巨大な砂丘を超えた先、視界がパッと開け、穏やかで広い砂原が出現した。その砂原の中、数十機のギアトルーパーが入り乱れ、四方八方で火球を作っていた。
セシルのディスペンスが敵ギアトルーパー「ゲラル」を正面に捉えると右腕に構えたアサルトビームライフルの引き金を引いた。敵がマシンガンを放つよりも先、緑色の光条がゲラルの右脚を貫き、姿勢を崩した敵機が倒れ込んで砂に身体を埋める。
着地直後、別のゲラルがマシンガンを撃ちながら迫っている。アラーム音がコクピット内に鳴り響いた。
ディスペンスの足下で弾丸が弾けると土煙がセシルの視界を奪う。数歩下がろうとしたディスペンスに対して煙の中からゲラルがメイスを振りかざした。既の事でそれを回避するとアサルトビームライフルの下部に装備されたヒートブレイドで一閃。ゲラルの左腕と装備していたメイスが宙に舞う。
3 機動戦士ガンダムZERO (Res : 12)
- 1名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 03:10:32
- 17年前、地球と宇宙を混沌に導いた戦争があった。
―――「人類革命戦争」
第四次世界大戦とも呼ばれたそれは、長年圧力外交を迫った地球連合に対し、軌道スペースコロニー連合、O.S.C.F.が叩き付けた下克上であった。
地球連合に対して10分の1の兵力で無謀ともいえる戦いを挑んだO.S.C.F.。コロニー側の人間にすら勝利を信ずる者は少なかったが
しかし蓋を開けてみれば、「モビルスーツ」という新しい兵器、それを扱う「エンハンサー」というDNA操作で生み出された人間兵器を擁するO.S.C.F側が半年という期間のうちに地球側のすべてを制圧してしまった。
中でもエンハンサーの活躍は目を見張るものがあった。
外宇宙という未知の環境でも適応していくための進化の過程と銘打たれた「発展人類―エンハンサー―計画」だったが、実情は戦争のための手駒――「ウォー・キッズ」の育成に過ぎなかっのだ。
戦後すぐにこの事実を隠蔽しようとするO.S.C.F.陣営の陰謀によって研究所の存在するセクター2コロニー群「エレクトラ」ごと核ミサイルで爆破し、真実は闇に葬られてしまった。
そして、現在――宇宙共通暦[U.C.E.]0017年。
地球連合を吸収併合し人類統治の要になった「人類連合」によりもたらされてきた平和は、新たな人類の敵により終わりを迎えようとしていた…
- 5名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 06:50:25
- 訂正
×ミルクティー
○アイスティー な
暑いのに熱いもん飲んでどーすんねん
- 6名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 08:01:10
- 旧友というものは不思議なもので、何年も会ってないのにパタリと会うと昔の話をさも昨日の話のように話し込んでしまう。
今の二人もそうだった。
孤児院での話、友人達数人と悪だくみを働いたこと等、話の種は尽きない。
気付けば、二時間近くは経っていたのだろうか。
リョーマはいつの間にか眠っていた。
「あ、俺、そろそろ行かないと」
そう切り出したのはジェイドだった。
「なんだもう行くのか、もうちょっとゆっくりして行けよ」
「そういう訳にも行かないんだこれが、同僚にうるせえ女が居てね」
立ち上がるとジェイドはリョーマをぽんぽんと叩いて起こし、勘定を済ませる。
「ここであったのも何かの縁だ、番号渡しとくから、何かあったら電話くれよ」
受け取ったレシートの裏にボールペンで電話番号を書き込むと、机の上に置く。
「じゃ、また会う日までってか!」
景気良くそう言い残すと、ジェイドはドアに手を掛け
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- 7名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 08:51:52
- 最初の轟音からミハエルは自宅へと向かっていた自転車を180度転回させコロニーの端の軍港に向かった。
――どこかで見た事がある。
遠い昔に似たような光景を見た。黒くて禍々しい悪夢のようなもの。
次に何が起ころうとしているのかは分からなかったが、何をすべきかは明白だった。
――アイツを倒さないと
でもどうやって?
けたたましいサイレンがコロニー内に響き渡る頃には、軍港まであと200mの距離だった。
その時だった。
自分の横を通り過ぎる一筋の光条――爆発。
目の前にあったはずの軍港は吹き飛び、至る所から地獄のように火が噴出している。
凄まじい爆風により吹き飛ばされるが、それでもミハエルは走る。
このまま近づけば自分の命が危険に晒されるのに、そんな事は少しも気に留めなかった。
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- 8名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 10:08:31
- 「グレコ・グレイフォード、レーヴェン、出るぞ!」
間一髪のところで難を逃れたヴァリエッタから一機、MSがスクランブル発進した。
敵は一体のみ。しかし、正体不明の新種ヴェノムに対抗するは民間人の乗るジーファ。
現状集中整備中だったMSのなかで出撃できる機体といえばグレコ機のレーヴェンのみだった。
お世辞にも優勢といえる状況ではない。
《グレコ機はコロニー尾部の緊急開放ハッチにて待機、ジーファと共にヴェノムがコロニー外に出現次第、攻撃を開始してください!》
―このままヴェノムが出てこなかったら第14コロニーもろとも消し飛んでしまうかもしれない。
そうなればジェイドは助からない。ジーファという希望も失せてしまう。
グレコを含め見守るしかなかった。
――20秒後にハッチを10秒間開放する、その間にヴェノム引っ張り出せ。
かすれた声の艦長はしかし力強く、ミハエルにこう言った。
「俺一人に人類の希望が託されてるってか・・・」
――冗談みたいな話だ、ついさっきまではただの高校生だった俺なのに。
20秒のカウントの後、ミハエルはスラストペダルを奥まで踏み込み、ヴェノムを抱え込んだジーファは矢のごとき加速でハッチを突き抜ける。
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- 9名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 15:06:43
- ―――あの事故から4年と幾日が過ぎた。
第2話「新たな敵」
[U.C.E.0021 10月21日 暗礁宙域『オルセディア』]
「こちらミハエル。担当エリアの哨戒終了。」
本日も異常無し、だ。そう付け加えるとミハエルはバイザーを上げ、コンソールから取り出したドリンクチューブを口に咥える。
《ヴァリエッタ、了解。グレコやジェイドの方にも異常は見られないみたいね、帰投して》
スポーツドリンクのような味のドリンクで渇いた口を潤しながら、ミハエルはマヤに「ミハエル了解、RTB」と短く伝え、通信を終了。
ジーファはヴァリエッタに向けて暗礁宙域を縫うように飛んでいった。
あの日からミハエルはミスティのクルーとなり、ヴァリエッタと行動を共にしている。
本来軍の最高機密であるジーファに搭乗したミハエルは人類連合軍本部に召喚され、裁かれるはずであった。
しかし、この事故が明るみに出る前にミスティ陣営は「補充要員」としてミハエルを迎え入れる事にしたのだ。
もちろん、不祥事発覚による信用失墜を避けるため、という名目でもあるが、ミハエルを受け入れる事をミスティ幹部に進言したのはヴァリエッタ艦長アキツであった。
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- 11名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/01(木) 18:07:50
- ミハエル、ジェイド、グレコの3人でミッションを遂行したあとは、必ず行っている風習がある。
『だれが一番速くブリーフィングルームにたどり着けるか』
デブリーフィング後の三人の表情から、今回の勝者はグレコのようだった。
「また俺がドベかよ…これで連続三回目だぜ」
「約束は約束だ、今回もご馳走になるぞ、ジェイド」
悪態をつきながらとぼとぼと歩くジェイドに、グレコが追い討ちをかける。
最下位の者は勝者に食事を奢る。そんな事を言い出したのは誰でもない、お祭り男・ジェイドだった。
財布の中を確認し、さらに深いため息をつく。
「月末までもたねぇよ、コレじゃあ」
「そうなったらリョーマのメシでも分けてもらうんだな」
「ミハエル…冗談きついわ…」
和気藹々とした三人の姿は、食堂の奥へと消えていった。
定期哨戒任務を終えたヴァリエッタは、地球の人類連合アジア支部・香港に向けて、地球降下の準備を行っていた。
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- 12名前:きのぼりなみー 投稿日:2014/05/10(土) 23:10:06
- 『人連香港支部は、来月に開催される連合軍観艦式に向けての公開予行演習を行う事を発表しました』
「これで全部、っと」
手元の洗濯物を干し終え、ふぅ、と一息つくトウカ。
「キサカさーん!テレビのボリューム下げて!」
「大丈夫だって、ここいらじゃ住んでるのはワシ等以外に―――」
「そういう事じゃなくって!子供たちが起きちゃうでしょ!!」
観念したのか室内からニュースキャスターの声が聞こえなり室内に戻ろうと踵を返そうと振り向き、雀の編隊飛行に気付く。
飛びゆく雀たちに視線を送ると、山麓に広がる街と…
「トウカせんせー!」
ひょこっと小さな頭が視界に入った。
トウカは子供の目線と同じ高さになるようにしゃがむ。
「んー?ミツキ、さっきまで寝てたんじゃないの?」
「あんまり眠くないから起きちゃった」
「そっか」
トウカは手を伸ばし、ミツキの頭を撫でる。
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4 うぇwwwwwwるwwwwwなwwwww (Res : 7)
- 1名前:きんけ 投稿日:2009/06/21(日) 17:38:06
- >>2から本気だす
- 2名前:きんけ 投稿日:2009/12/10(木) 13:20:26
- かつて戦争があった。
人類と知的生命体ファウストとの戦いだ。
ファウストの巣窟となっていた月を奪還し、南極に集結した残党を撃破したことで一つの物語は終結した。
次の物語はその僅か二日後に始まる。
- 3名前:きんけ 投稿日:2010/06/10(木) 22:21:45
- 祥尉を回収したチェリーのウェルナーが、竜神島の格納庫に帰還したとき、格納庫内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。喝采はチェリーだけではなく負傷し気絶している祥尉にも向けられていた。
月のファウスト殲滅を目的とした「月面大規模攻勢」から、南極に降下したファウスト追撃戦までの一連の戦闘で人類、ファウストの双方は大幅に戦力を失った。独立戦隊である竜神島のウェルナー部隊も今回の戦闘だけで半数以上のパイロットを失った。どのパイロットも15歳の幼い少年たちであった。我が子達を戦場へと送り出し、生還すれば褒め称え、そして次の戦場へと送り出す。島の存亡のためとはいえ、あまりにも冷酷ではないだろうか。
頭部を失ったザウ。両腕をもぎ取られたウェルナー。脚を損傷し僚機に支えながら帰還したフェリス。いずれの機体も満身創痍でギリギリの状態であった。
「第二小隊のジョンソン・バトンだ。ただいま帰投した」
〈バトン中尉、よくご無事で!〉
艦橋の管制官が歓喜の声を挙げた。しかし、当のバトンは冷静である。
「第一格納庫内に空きがない。どこに機体を置けばいいか?」
〈そのまま第二格納庫へと移動してください。まだ幾分かのスペースが残っているはずです〉
管制官の指示通りに機体を操り、第二格納庫へと移動する。第一格納庫ほどではないが、こちらもこちらで混雑していた。
バトンは適当な場所に機体を停めると、エンジンを切って機体から降りた。
「左腕を持って行かれただけだと思っていたが…」
自機であるザウの状態を確認して、バトンが思わず呟いた。
装甲は所々剥がれ落ち、間接部は長時間の戦闘で激しく消耗していた。
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- 4名前:きんけ 投稿日:2010/06/21(月) 21:52:41
- −−−二日後−−−
「月面大規模攻勢」から「南極追撃戦」までに投入された人類軍の数は全戦力の4割とも5割とも言われており、とにかく膨大な量の人と兵器が南極大陸に集中した。そのために人類軍は戦力の分散を行い、各地の防衛体制をいち早く整える必要があった。
しかし、一連の大規模戦闘での被害は大きかった。迅速に行動できる艦隊は非常に少なく、補給と整備を必要とした戦艦でシドニー軍港はごった返していた。
竜神島は外観こそ島であるが内部は厚い装甲に覆われた戦艦である。その大きさは人類軍の軍艦など比較対象にもならないほど巨大だ。まさに動く要塞となっている島は、軍港の特別ハンガーで休息をとっていた。
島の艦橋では整備士長と副司令官の祐司がモニターを睨みながら、深刻そうに話し合っていた。
「第二エンジンは完全に停止。第一、第五エンジンは出力が低下しています」
「直るにはどれくらいかかる?」
「五百回のエンジンテストを行う必要があり、最低でも四週間かかります」
「エンジンテストは省略できないのか?」
祐司の一言に整備士長がピクリと反応した。
「お言葉ですが副司令。竜神島のエンジンには予備がなく、騙し騙し運用してきたのが現状です。安全性の確保のためにもエンジンテストは欠かせません」
「そ、そうだな…動力部の不調は島の安全に関わる。島民を危険に晒すことなど父が−−−いや、司令官が許さない」
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- 5名前:きんけ 投稿日:2010/06/26(土) 08:47:50
- 祥尉が医務室のベッドで目を覚ましたのは、あの戦闘から三日後の朝だった。
多くの人が彼の無事を祝ったが、それ以上に島は修復作業に追われていた。
南極での戦闘でコクピットから投げ出された祥尉は意識を失い、チェリーに回収されて島に帰投した。幸いにもケガは大したことなかったらしく、その日の内に外出の許可が承諾された。
「祥尉君が目を覚ましたんだって?」
シドニー基地での会議を終えて島に帰還した森永が祐司に対して問い掛けた。
「は、はい!」
「良かったじゃないか」
祐司と祥尉が友人だということは、祐司の実の父であるため、よく知っていた。
「あんなにいたウェルナー隊も今では祥尉君と北隅君だけになってしまった…」
「…そうですね」
俯き、目を閉じる祐司。目蓋の裏にはかつてのウェルナーパイロット達との記憶が蘇っていく。何も知らずに平穏な毎日を過ごしていた学校生活。ファウストの出現により戦いに明け暮れた日々。意見の相互で衝突したり、友人の死に涙したりもした。
「悪い事もありましたが、決して後悔だらけの日々ではありませんでした」
父の目を真っ直ぐ見つめる祐司。その言葉に偽りはなかった。それを感じ取ったのか森永は頷いた。
「…すまないな」
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- 6名前:きんけ 投稿日:2010/07/05(月) 07:47:59
- 海風が肌を撫で、夕日が海を朱く灼いていた。
ふと、祥尉が海辺を見ると数人の少年達が遊んでいた。
初めて祐司にウェルナーを託されたとき、それまでの世界とは何もかもが変わって途方に暮れた。でも、「ファウストを全滅させれば平和になる」そう思って戦い続けた。南極で勝利すれば全てが終わると信じていた。
まだ、何も終わっていなかったんだ。
あの少年達のように無邪気に笑える日はまだまだ来なかった。
始まりでもなかった。ここはただの通過点なんだ。
チラリと後部座席の遼一と美沙子を見る祥尉。
パイロット候補生である二人は確実に正規パイロットとして島の戦力になる。これまでは自分の事で精一杯だったけど、これからは誰も失いはしない!
- 7名前:きんけ 投稿日:2011/02/13(日) 22:23:02
- 祥尉 【生存】
01号機パイロット
部隊一の発想力と操縦センスで常に最前線で戦い抜いた。
自分を語らないため誤解されがちだが誰よりも仲間の無事を願っている。
接近戦では無類の強さを誇り、部隊内のファウスト撃破数では断トツでトップである。
統率力は優れていなかったのかウェルナー部隊の隊長に任命されることはなかった。彼自身もそれを望んでいた。
伊藤 【死亡】
02号機パイロット
データ上、祥尉に次ぐ能力の持ち主としてパイロットに任命された。
祥尉とのツインドッグでは見事な連携を見せ、今後の活躍を期待されていた。
ファウストに包囲され、島を守るために自爆を敢行。最初の戦死者となった。
戦いに対する認識が甘かったパイロット候補生にとってとても大きなショックを与えた。
宮野 【死亡】
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5 機動戦士ガンダム 〜Mission The Destroy 『TINZYU』〜 (Res : 5)
- 1名前:名無しさん 投稿日:2010/10/16(土) 17:54:22
- ―久々に夢を見た。
―親父やお袋、兄貴や妹まだ生きてた頃の夢。
―いつか失った記憶。
―何処に置いてきてしまったのだろうか。
―いや、捨ててしまったのだろうか。
―今日も俺はコントロールスティックを握る。戦いを終わらせるため。答えを見つけるために。
海面上昇、生活環境の変化から人類が宇宙に移民を始めて18年、世界は不況の末、恐慌状態に突入した。
宇宙からの輸入品に高い関税を設け、地球全体の経済の回復を図る地球連邦政府。
宇宙連合、U2はこれを越権行為と非難。関税撤廃を主張するも、連邦政府は聞く耳を持たず、とうとうU2は宣戦布告、同時に生物兵器「グエルト」の地球侵攻を開始し、2陣営の血で血を洗う戦争が始まった。
開戦から4年後。
泥沼状態の中、少しずつ戦況が動き始めた…
- 2名前:なめこ 投稿日:2010/10/16(土) 21:52:48
- 第一話「始まりのとき」
「味方のMS部隊はまだかッ!?」
日本国関東地方茨城県沿岸部。
空は隅々まで晴れ渡り、絶好の海水浴日和である。
しかし、サーフボードをつんだワゴンや家族連れのミニバンは一台も見られない。あるものと言えば連邦軍の戦車かハンヴィー。
そしていかにも海水浴場には不釣合いな装備を施した兵士が、目の前に広がる無数の怪物に向かってありったけの携行ミサイルを放っていた。
「増援はいつ来るんだと聞いている!答えろッ!!」
《最低でもあと10分は掛かる、それまで持ちこたえろ》
「クソッたれ!能無しの上層部め!!」
地面にインカムを叩きつけ、顔を上げた兵士が見たものは―――自分に迫り来る、一筋の光条だった。
《現状を報告します》
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- 3名前:なめ 投稿日:2010/10/16(土) 23:00:38
- 「増援が着たぞ!!!」
轟音に気付いた一人の兵士が碧空に映える白い機体を指差す。
「一機だけだと…俺たちも見捨てられたのか」
「いや待て、あの機体は確か…」
兵士たちは様々な気持ちで、その機体を仰ぎ見た。
1体、また1体と、次々に2丁のビームマシンガンの光芒が怪物を貫く。
その動きは連邦軍主力MSのヒュドラを軽く凌駕している。
しかし、その動きにパイロットが惑わされている訳ではない。むしろ人馬一体という形容がそのMSにとても良く当てはまる。
「・・・」
パイロットの少年は、膨大な量の敵に臆することも無い。
―こんな戦いに…
―こんな戦いに、意味などあるのだろうか。
ただひたすらと目の前の脅威を排除し続ける、もう一人の自分と対峙しながら。
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- 4名前:nameko 投稿日:2010/10/24(日) 13:07:10
- ―おい、ミハル。起きろ。
誰かが俺を呼んでいる。
どこかで聞いた声だ、だけど思い出せない。
―ミハルさーん、朝ですよー。
その話し方はお袋?
いや、声の太さは親父や兄貴に似たところがある。
―もう!お兄!いい加減にしてよ!
…まさか。
「だぁぁぁめんどくせぇ!!!早く起きろってんだクソボケ!!!!!」
「うわぁぁっ!」
テーブルクロス引きの要領で引っ張られたベッドシーツごと、ミハル・カトウは床に叩きつけられた。
痛む背中を擦りながら見上げた先には―
「イダチ!何すんだよ!」
「それはこっちの台詞だっつーの!昼寝かと思ったら朝まで寝やがって、こっちはこの冷た〜い床で一晩過ごす羽目になったんだぞ!」
同僚、シュンスケ・イダチは半泣きで床を指差し檄を飛ばす。
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- 5名前:なめこ 投稿日:2010/10/24(日) 14:42:49
- どこか修学旅行気分が抜けない少年3人組と対照に、司令室は物々しい雰囲気に包まれていた。
《それで、どの程度の被害を我々は被っているのだ?》
《日本の茨城県、ブラジルのサンパウロ、イギリスもイギリス海峡からロンドンに向けて侵攻してきましたが、すべて撃退に成功しています》
地底ケーブル通信を用いた多数の中継モニターには、いかにもな服装をし、勲章をぶら下げた軍幹部の人々が映し出されている。
中でも一際大きな髭を生やした男は《そうか》と呟くと、手元のキセルを咥えては離す。
最近のU2のグエルトによる強行偵察は目に余るものがあり、形成逆転を恐れている人間も現れ始めた。
次第に恐怖は幹部にも感染し始め、戦艦の建造や新型MS「パペットプロジェクト」のテスト機の実験を実戦と平行して行うまでに至った。
冷戦状態だった戦争が少しずつ動き始めたのだ。
かくして、「パペットプロジェクト」の試験先に選ばれたここ―群馬県の邑楽基地も、例外的に幹部会議に参加しているのだった。
《それで、試験機のテストは良好か?アキツ君》
「ええ、異常といったものはこれといって見当たりません。戦績も上々です」
顎鬚を生やした基地指令アキツは、凛々しい表情で返答した
《そうか、では引き続き頼むぞ》
「了解しました」
すぐさまモニターは暗転、会議は終了。司令室も重苦しい空気から開放された。
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6 機動戦士ガンダム ブラックアウト (Res : 18)
- 1名前:スコール 投稿日:2008/11/12(水) 00:49:16
- 念願の宇宙へ域を広げた人類。
しかし、その直後に起こった戦争。
幾度もの戦争。
人間は血に飢えていた。
苦しみを乗り越えて、人間に残ったものは戦争をするための技術だけだった。
そして、過ちにまた手を染める。
西暦.2309
第3次大戦が終わった後50年。
各地の復興もままならないというのに死の商人たちの暗躍で戦火が燃え上がろうとしていた。
大戦後に大国の合意によって作られた地球連邦。
しかし、そのやり方は発展途上国を自国の支配下に置き圧政をしくというものだった。
広がる反発意識。
50年という月日で蓄積された怨恨が、そして爆発した。
大国内で同時期に多発するテロ。
そして、人型白兵戦用兵器モビルスーツ(MS)がテロリスト勢力の中に現れたとき、人々は確信した「新たな戦争が始まった」と
- 12名前:スコール 投稿日:2009/01/31(土) 12:25:23
- 「う、ウォォォ!」
ガンダムが手に握っていたビームサーベルの柄にゼフィロキアのビームが命中した。
強烈な発光とともにサーベルに収められていたエネルギーが奔流となって2機を襲った。
ガンダムの胸部装甲は焼け焦げ、ゼフィロキアもネビルの咄嗟の判断で腕を差し出してなかったら、ガンダムと同じ状況に陥っていただろう。
ゼフィロキアはコックピットのダメージが少なかったため、吹き飛ばされ、ある程度ガンダムから離れたところで体勢を立て直した。
しかしガンダムはそのまま落下していき、背部から地面に墜落した。
ビルに落下したらしく、コンクリートの粉で砂煙が立ち上っている。
ゼフィロキアは、ガンダムが立ち上がらないことを確認するとどこかへ去っていった。
連邦軍の最新鋭機を蹴散らした所属不明機。この報せは連邦の情報統制の甲斐なく世界を飛び回った。途中いくらか脚色されたり、故意の情報操作が行なわれ、ただでさえ頭を抱えている連邦軍首脳部をさらに困らせる形となった。知識人たちの意見は新たなテロリスト勢力の出現としてまとまった。
だが、この騒動の中、もっとも困っているのはアナハイムだった。アナハイムの倉庫からゼフィロキアが現れたのは、コロニー内の監視モニターが録画しているので、言い逃れ出来ず(最初から言い逃れする気はなかった)、1部の人間に「死の商人」としての1面を曝け出してしまい、社会からの糾弾という最悪の事態を避けるためのマスメディアへの口止め料、エージェントの派遣など、かさむ出費はコロニー1基の修理に肩を並べるほどのものだった
- 13名前:スコール 投稿日:2009/04/19(日) 20:15:04
- 暗い。
何も見えない。何も聞こえない。
見えるものが全て暗黒なのか?空気の振動をかき消すような防音装置が用意されているのか?
ただ俺のそこで椅子に座っていた。
気づいたら、この部屋で両腕両足を固定されていた。
起きてから何分経っただろうか。
藻掻きはした。しかし、椅子すら微動だにしなかった。
記憶を探る。学校、異変、級友ネビル=セラブロ、倉庫……ガンダム。
思い返してみれば不可思議なことだらけだ。
何故あの時、コロニーに、襲撃があった?
何故ネビルはあの倉庫にゼフィロキアが置いてあることを知っていた?なおかつ、まるで手足のよう
に動かせた?
いや、冷静になれ。ネビルはどこかの組織と連絡を取っていたし、俺も……。俺が放ったビームは連
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- 14名前:スコール 投稿日:2010/08/13(金) 12:45:11
- 読み返した
誤字脱字、多すぎ
ちゃんと設定まとめる
どっかの故事に習うとしよう
>>15から本気出す
- 15名前:スクネ 投稿日:2010/10/01(金) 22:47:03
- ネビル達が乗っているのは輸送艦に見せかけた宇宙空母だった。船体後部につけられているコンテナの1つには回収したゼフェロキアがエンジニアから補給を受けている。また、他のコンテナには、その気になればこの艦内だけでMSを組み上げることが可能な程の量の物質や遠隔操作の無人攻撃機、コンテナにカモフラージュされた砲塔が隠れている。
ブリッジには艦内権限がトップの艦長代行ジャネットと、艦の運行を担うオペレーターがチーフ・オペレーターのトルエン=グーフィールド以下4名が働いていた。警戒態勢が解除されるとそそくさと2名のオペレーターが退出した。彼らはこの時間、非勤務時間なので当たり前の行動だった。しかし、誰が見ても怒りに当てられる前に逃げ出したのは明らかだ。そして、彼らの行動が正解だったのも。
ジャネットはネビルの方に向けていた椅子を元に戻した。片肘をつき、こめかみを押さえる。
「何か理由があるのなら、今言いなさい」
静かに言い放ったが、今にも爆発しそうな火薬庫の気配が、背中から漂っている。
トルエンが作業の手を止め、1段上がったところにあるキャプテンデスクを心配そうに見つめた。トルエンのオペレーターデスクからでは、ジャネットの表情は見えない。
「勘です。根拠のないものを感じました」
オペレーター全員の手が止まった。
ネビルの表情は先程から変わらず、不気味な程に自然な笑顔を張りつけたままだ。声色は真剣そのものであった。
「クライアントは条件に情報漏洩の禁止を挙げています。なのに、あなたの行動によりゼフェロキアの存在が一般市民にまで知られ、危うくこの艦の存在まで露呈するような事態になりました。まして、独断で民間人を収容して」
「今後の活動を円滑に行うためには彼が必要だと感じました」
ジャネットの両手がデスクに叩きつけられる。椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がると、人差し指をネビルの眼前に突きつけた。
「散々勝手な真似をしておいて、英雄気取りか。ネビル=セラブロ!」
目尻がつり上がり、並の大人でも圧倒されそうな圧力がネビルに向けられていた。
「無期限謹慎を言い渡します。M-03にて通達があるまで自習をしてなさい」
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- 16名前:スクネ 投稿日:2010/10/01(金) 23:07:28
- 「なんだ、チーフ」
「警戒態勢を抜けたとして、依然連邦は探査の手を強めている。探知されたときに素早く手を打つため、パイロットは動けるようにしておいた方が良い」
「ソウイチローがいる。彼はMSも動かせる」
「ではバイパーは誰が動かすんだ」
「攻撃機と言っても所詮は警戒機の上位互換。MS戦の役には立たない」
そこで、ネビルが手を挙げた。
「チーフの言う通りです。確かに勝手な行動をしましたが、フェイズを円滑に進めるためには僕の力が必要ですよ」
デスクから通路の扉前まで移動していたネビルが割って入った。
「これは決定だ、チーフ。ミーコ、ソウイチローにチュートリアルを送っておいてくれ。それと、艦内権限もパイロットクラスへ変更」
「は、はい。了解しました」
相手をする気がなかったようで、ネビルの発言は無視された。ネビルは呆れたように肩をすくめると、通路へ出ていった。
突然名前を呼ばれ驚いたようだったが、ミーコ=サカザキは律儀に敬礼で返すと、艦内情報にアクセスを開始した。
「完了です。ソウイチローは現在、バイパーのメンテナンス中でコンテナにいます。念のため、自室へのコールをかけておきました」
「ありがとう。では引き続き、作業をしてくれ。今日中に出発してフェイズ2に入りたい。すぐに戻る」
それだけ言うと、ジャネットは足早に出ていった。
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- 17名前:スクネ 投稿日:2010/10/03(日) 11:10:53
- ――欄外の落書き――
ここまで推敲などはしていない。
誤字・脱字の指摘があれば是非受けたい
――終わり――
「上役達が何も言ってこない……いったい彼は……」
無重力下では安全に移動するため、壁から出たグリップを利用する。グリップは一定距離間で巡回するのでそれに掴まって移動するのだ。そのグリップを左手で掴みながら、ジャネットは右手をこめかみに当てた。
「おかしい。どういうことだか調べないと」
彼女が向かっているのはM階層だ。ネビルが謹慎を言い渡された03号室のある場所だ。深部にあり、自習室が並んでいる。つまり、隔離された捕虜などの収容室だ。
グリップからグリップへ、慣れた手つきで移動していた。T字路に差し掛かり、三角跳びの要領で曲がろうと壁を蹴ると、向かいから人影が飛び出した。ぶつからないよう、後ろ手でグリップを掴み、体を安定させ、空中で静止した。
「キャプテンジャネット」
呼びかけてきた人影はソウイチローだった。手には電子端末を持っている。部屋の情報端末と同期してあるのだろう。
「これはいったいどういうことです?契約書にも依頼にもこんなこと書いてありませんでした」
ソウイチローは止まるとき、天井のグリップを利用したため、ジャネットからは見上げる形だ。手に持った持った電子端末を操作すると、ディスプレイがソウイチロー側からジャネット側へ入れ替わった。それを突き出すようにしている。そこにはミーコが送ったチュートリアルファイルと任務の追加、及び権限開放の旨が書かれた文書が映されている。
「緊急処置よ。パイロットは今自由に動けないの」
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- 18名前:スクネ 投稿日:2010/10/23(土) 21:58:28
- 「こんなところで油売ってていいのか?ソウイチローのやつはどっか行っちまうし」
コンテナの壁にゼフェロキアは掛けられていた。動かないよう拘束具をつけられた姿は、訪れた島で縛り付けにされたガリヴァーのようでもある。その機体には数人のエンジニアと作業機械がたかっている。多脚の作業機械はまさに蜘蛛といった形状で、エンジニア達からはアラクネなどと
呼ばれている。先程の戦闘でゼフェロキアがダメージを受けた箇所の修理は終わっていた。現在は塗料の塗布や潤滑油を差すなど調整にあたる作業が始まっている。
「あいつどうしたって言うんだ?すごい慌ててたぞ?」
エンジニアはキャットウォークの上からゼフェロキアと膝の上の情報端末を交互に観察している。彼はここ、3番コンテナで情報技術を担当していて、エンジニア共通のえんじ色のつなぎの上に置かれた情報端末の画面にはプログラム言語が淀みなく流れている。目を離すべき作業ではないスペルチェックで時折ゼフェロキアに目を向けるのは、さも作業しているという体を演じる彼なりのカモフラージュのようだ。
「お前と話してたみたいだし、何か知らないのか?おい、聞いてるのか?ネビル」
彼がこうもしつこく聞くのはソウイチローと彼が面識があったからだ。ヴァイパーの置かれている2番コンテナのエンジニアと共同でバグチェックをしたことがあり、そのときソウイチローも一緒に手伝っていた。また直接、情報端末のカスタマイズをソウイチローに教えたこともある。彼は地球から2番目に遠いコロニー2で農作物の管理を生業としている弟をソウイチローの姿から思い出していて、つい心配をしてしまっていた。ソウイチローは彼を知らない。3番コンテナといえばネビルのゼフェロキアが置かれているぐらいにしか印象が無かった。
エンジニアの斜め後ろ、壁に寄りかかり、腕を組み、ネビルはゼフェロキアの姿を静かに見ていた。エンジニアに話しかけられても反応がない。
「やっと始まりましたよ。ここからです。全ては」
口を開きはしたが意味のわからないことを言うので思わずエンジニアは振り返った。しかしネビルは出口に向かって移動し始めたところで、エンジニアがその姿を認めたときには靴の裏しか見えなかった。
「……なんだってんだ?」
数秒その姿を見た後、考えるのをあきらめるように作業に戻った。彼が作ったゼフェロキア専用自動スペルチェックツールによってプログラムから計12個の記述ミスが見つかっていた。
- 1名前:きんけ 投稿日:2008/11/24(月) 22:47:09
- 人からの反応は、とても大事なので立ててみた。
使い方は任せる。
- 26名前:スコール 投稿日:2009/03/27(金) 18:17:46
- ここに書き込むのも久しぶりだ
リレー計画はstop中
さて
たぶん新しいスレ立ち上げて恋愛物を書くことになると思う
いつものように萎えて書かないかもしれない
というわけでスコールが書く恋愛物が嫌いなやつは言ってくれ。やめるから
今まで書いてきたやつの欠片でだいたい予想できると思う
- 27名前:名無しさん 投稿日:2009/05/10(日) 20:23:42
- また書きたくなってので設定だけでも置いとくか
人類の宇宙進出が本格的になってきたとき、一つの障害が人類の前に立ちふさがった
「地球外生命体ファウスト」
漆黒の体から伸びる幾重もの触手と放れてるエネルギー弾の前に人類は多大なる被害を被ってきた
最初のファウスト奇襲からおよそ18年後。
物語は日本軍の一人の軍人から始まる…
- 28名前:スコール 投稿日:2009/07/18(土) 17:40:38
- 久しぶりなのだ
結局、何も書いてない・・・(汗
夏休み中になんか書きたい
- 29名前:スコール 投稿日:2009/08/07(金) 18:08:42
- 魔法学園もの。が俺のダイナモをギュンギュン刺激している
ただ、伏線的なものを考えすぎて思うようにストーリーが進まない
さらには登場キャラの設定もうまくいかない
っつうことでなんか、ネタぷりーず
(ストーリーを要求しても無理だから、キャラ設定を頼む
参考として)
- 30名前:きんけ 投稿日:2010/10/17(日) 10:41:15
- 状況確認。
【プレイオス】
反連邦軍意識の高い東欧諸国を守るべくイタリア北部のトレント基地を攻撃する作戦を発動。
ロイス・ナウサン
トレント基地攻撃部隊として地球に降下。
降下後はシラナミより指揮権を受け継ぐことに。
ドラウロ・バーン
トレント基地攻撃部隊として地球に降下。
ジョシュア・ラングリア
トレント基地攻撃部隊として地球に降下。
大気圏内を飛行可能な数少ない機体のため、降下後の働きに期待されている。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 31名前:スクネ 投稿日:2010/10/20(水) 01:01:12
- 意見求む。
前に、傭兵たちの物語を書こうと思い立った。しかし、戦争の裏側を映したいと思っても、なかなか手が行き届かない。知識不足、想像力不足、時間不足、ここら辺が理由となってるのだけど。
ここに書き込んだのは協力を仰ぎたいから。
ガンダム書いてるのもいいんだけど、あれってガンダムって名前を冠した別作品だから、虚しさが付きまとうのよね。
Xperiaで書いてるから、あまりドバッと情報が出せない。
世界観の構築、設定の骨子がまだ整ってない空想段階だから、設定についての意見を求めるというより、アイデアを求めるスタンスです。
とりあえず、現状の大まかな考え。
・奇跡的に社会主義が生き残っている世界の中、経済大国ロシアの元、急成長を遂げた中国が周辺の利権を狙って武力行使を始める。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 32名前:スクネ 投稿日:2010/10/20(水) 18:52:37
- 寝る前の変なテンションで行動するべきではないな。
>>31は無かったことにしてくれ。
8 SSとかSSとかSSとか (Res : 10)
- 1名前:きのみ 投稿日:2008/12/07(日) 21:52:05
- タイトルの通り
SSとか自作外伝とか、書いてみてみて!って感じです。
うん。
- 4名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:41:03
- 「ゆめおちっ!」
もちろん若葉の非力さでは俺を起こすなんてことはでき……
「はっ!?」
「賢にぃ、起きた?やったぁ」
「若葉、今、なんて言った?悪いけど、もう一回言ってくれ」
体勢を変え、若葉を引きはがそうとするがなかなかロックが固く、はずれない。しょうがなく、首を折って若葉に話しかける。俺の頭には瞬間、様々な映像が飛び込んできた。どれも裸、裸、裸……。服着た画像を寄越せ!
「さっき、聞き慣れない言葉を聞いたからさぁ。悪いけどもう一回言って?」
「えっ?賢にぃ、起きたって」
胸の辺りに抱きつき、若葉はしきりに頬をこすりつけてくる。まるで猫のようだった。
「じゃなくて、その前」
若葉の様子の可愛さに思わず、小さな頭に手が伸びる。頭を撫でるとくすぐったいのか、体を丸め、さらに猫になった。ついでにロックもはずれたので、若葉と正面から向き合う。
「第一回大神家、家族会議ー」
やる気の無い声を出しているが内心とても焦っている。背中は脂汗でしめってることだろう。それほどまでにダメージがあった。
そこからなんであんなことを言ったのか、聞き出した内容はこうだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 5名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:42:01
- 「ゆめおちっ!」
浴室には俺が先に入った。脱衣所も一緒に入ることはせず、先に俺が服を脱いだ。腰にはもちろんタオルがかけてある。しかし、ともするとすぐさまスカイツリーが完成しそうだ。腰だけでは足らないと思い、顔にも巻いて目隠ししてある。だが、逆に妄想が蠢き、腰にはMt.チョモランマがそびえ立ちそうになった。
「なぁー!もうこうなりゃ自棄だ!」
顔に巻いてあるタオルの結び目を荒々しく外すと、壁に叩きつけるように投げ捨てる。背水の陣だ。兄と妹の絆を見せつけてやるんだ。
「どうしたぉ?」
「なっなんでもないぞ−。って、はっ!」
兄の苦労も知らず、無邪気にドアを開け、入ってくる妹。その体にタオルは
「無い!」
「何が?」
「Noooooo!」
自分の目をつぶす勢いで目隠しを作る。俺は何も見てない。俺は何も見てない。俺は何も見てない。最近、肉付きが良くなってきたなぁ、と思ったらやっぱり自己主張を始めた平山も、その上に小さくのっていたピンクの果実も。ほっそりとした腰のラインも、綺麗な肌も、ちょっと赤くなった頬も、黒目がちの大きな目も、ツヤのある綺麗な髪も、まだ一本の毛も生えていないパイパ
「Yooooooo!Shit!Oh,my gosh!Son of a bitch!」
タイル張りの壁に額を打ち付けると、そこから赤い血が筋のを作った。そう、ピンクの筋ま
「Fuck!Fuck!Fuck!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 6名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:43:04
- 「ゆめおちっ!」
「わかった。確認しよう。俺は若葉のお兄ちゃんだ」
「そうだよ。賢にぃは……若葉の大好きなお兄ちゃん!」
「……ありがとう。俺にはその気持ちが痛い」
若葉には俺の顔に巻いていたタオルで体を隠して撤退してもらい、今はバスタオルを体に巻いている。体を直視できないため、俺は項垂れるようにして目を手で隠し、若葉はその隣に座っている。いつまでもこうしてはいられない。時間がかかればかかるほど、俺には不利な状況になってくる。親が帰ってくるまでがタイムリミットだ。
「若葉、じゃあまず頭を洗おう」
「うん」
うなずいて、若葉は椅子を動かし俺の目の前に座る。膝と膝の間辺りだ。
「若葉……?」
「はい。どうぞ」
これは、つまり、俺に洗えと?趣旨が変わってきてないか?
「まぁ、いいか」
手のひらに若葉のお気に入りであるという母と一緒のシャンプーを取ると、髪に染みこませるように頭を撫で、ゆっくりと泡立たせ始めた。
「賢にぃ、くすぐったいよぉ」
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- 7名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:43:37
- 「ゆめおちっ!」
「ねぇ、賢にぃ。ここに何か付いてるよ?」
「Yooooooo!」
ギュッてした。若葉が俺のポークビッツをギュッて。おー、にぎにぎ。にぎにぎされたら俺のはエレク
「触っちゃらめえぇぇぇぇ!」
危ない。後何秒かで、噴火しているところだった。火山が噴火するということは物理的な災害の他に、航空網の遮断という政治的な災害も引き起こすのだ。
「ごめんな。でも、そこは触っちゃいけないんだ。兄ちゃんとの約束だよ」
「どうしてぇ?」
「まぁ、いいから」
無理矢理納得させ、俺は椅子を引いて若葉との距離を離すことにした。
「俺が頭を洗っている最中、これ以上近づいちゃ駄目だよ」
「えぇー」
「はい、スタート!」
うらめしそうな表情でこちらを睨んでくるが、甘やかすことはできない。竜虎のごとくにらみ合いながら時間は進んでいく。気を抜いたら負けだ。もし次何かあれば、俺は理性を保てる自信がない。若葉には悪いが心を鬼にするしかないようだ。
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- 8名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:44:09
- 「ゆめおちっ!」
「…け……けん……賢也、起きなさい。学校、遅れるわよ」
そう母に声をかけられた時、俺は眠っていた。
そういえば、昨日は夜更かしをしてしまい、朝目覚め、顔を洗った後も倦怠感に体を支配されていた。朝食のパンを食べた後、俺はテーブルに突っ伏して眠ってしまったらしい。
そうか。さっきのは……夢か。
「ファーストキスは夢の味か……」
知らぬ間に笑みを浮かべている自分が居た。とても良い、夢をみた。あれは夢じゃなきゃいけないのだと思う。あの夢がもし、現実だったら。もし彼女が現実に居たとしたら、俺はつまり。たった一人の妹に、たった一人の可愛い、大切な妹に恋をしてしまう。
向かいの席に誰かが座る。自分の二の腕を枕に寝ていた俺は顔を上げて誰が座ったか、確認しなければならなかった。
「賢にぃ。どうしたの?眠いの?一緒に学校行こうよ」
あぁ。
「……小野瀬……若葉?」
「何言ってるの?賢にぃ。小野瀬って、誰?私は大神だよ?大神 若葉だよ?」
あぁ。世の中は厳しい。現実は甘くない。俺達はそういう冷たい世界で生活をしている。そして今日も誰かが泣くし、いつか目の前の大切な人を泣かせる日も来るだろう。現実は厳しく、でもほんの少し甘い。
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- 9名前:スコール 投稿日:2010/08/09(月) 22:47:21
- 一日で、まとめる時間もなく、やっつけで書き上げた。
キャラは崩壊してるだろう。
それと同じくらい文章も崩壊している。
しかし、私はくじけない
いけ、いけ、がんこちゃーん
感想とかを是非、言って欲しい
誤字脱字、文章のおかしなところの指摘も是非してくれ
- 10名前:スコール 投稿日:2010/08/10(火) 23:57:37
- 今読み返してみたら、若葉ちゃん敬語じゃん。
全然キャラ違うじゃん。全然って事はないか?
今回、馬鹿にしようと思って書いて見たけど、得られたものがあって驚いている。
書いている内にどんどんキャラが平坦化されていく。
同年代の賢也はまだしも、小学生設定の若葉は気づくと成長して、賢也と同年代になってしまう。
ちゃんと設定まとめて書かないと駄目だな
9 不定期更新系ラブコメ「もうそうっ!」きのミー版 (Res : 8)
- 1名前:きのミー@俺 投稿日:2010/02/17(水) 01:54:47
- がんばるゆ!
- 2名前:名無しさん 投稿日:2010/02/18(木) 14:05:27
- 【prologue】
−8月の終わり。
夏休みということで順調に健康的な生活リズムを破壊していた俺は、今日も蝉の鳴き声で目が覚めたまではよかったが、
同時に風邪をひいたような気だるさが俺を襲ったのだった。
布団はちゃんとかけた筈だが…?
とりあえず、リモコン内臓の室温計を見てみる。
「…あー。」
どうやら俺の体に異常は無いらしい。
摂氏40度。
夜暑い時は大抵、冷房をつけて寝る俺だが
今回は何故か設定が『暖房』になっていた上、
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- 4名前:なまえかくのわすれてたよ 投稿日:2010/02/18(木) 14:25:36
- 【一週目】
−さあ、どうしたものか…
俺の目の前で大泣きというよりはただただ自然な感じで、
一人の女の子が泣いていた。
突然だけど自己紹介。
プロローグでは忙しすぎて挨拶する暇無かったしな。
俺の名前は大神 賢也(おおがみ けんや)。
今を生きるクールな高校二年生だ。以後お見知りおきを。
ほんでもって話は30分前に遡る−
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- 5名前:木の実@俺 投稿日:2010/02/18(木) 14:46:25
- 「やあ君!どうしたんだいっ!」
俺はいつも通りのクールな口調で目の前の泣き虫女神に話しかけた。
「あ…!お兄ちゃん!」
「ああ!君の優しい笑顔を取り戻しに来たぞ!」
少女はすぐさま笑顔を取り戻し、そして俺に抱きついてくる。
「お兄ちゃーん!!!」
「はっはっは!!」
―うむ、いつ思い返しても完璧だ。
授業中、いつも不時の事態に少女に出会う。というシチュで妄想をしていた俺にとって
この現状を目の前にしても特に臆することも無かった。
これはシナリオ156『泣く少女を慰める』に該当するケースであると判断した俺は
何を疑う事もなく少女に話かける。
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- 6名前:きのみ 投稿日:2010/02/18(木) 16:09:07
- 【2週目】
1
「ほんじゃいって来るわ」
9月の始め、周囲の木々の色が赤色に変わる季節。
なんだかんだ言って結局3分の1しか終わってない宿題をバッグに詰めて、俺は家を出る。
車庫裏に止めてある自転車のペダルに足をかけたとき、ドアからもう一人、ランドセルを背負った小さい女の子が出てきた。
「いってきます。お義母さん」
「車に気を付けるのよー!」
何故か実子である俺より気遣われてることを不思議に思ったが、割とどうでも良かった。
―小野瀬 若葉(おのせわかば)。
8月の終わりに出会った、不幸な少女。
彼女は先週から半ば強引に家に居候することになったのだ。
「賢にぃ、行ってきます!」
いつの間にか俺の事を「賢にぃ」と呼ぶようになったおさげ髪の少女―若葉は、手を振りながら隣家の角を曲がり、やがて見えなくなった。
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- 7名前:きのみ 投稿日:2010/02/18(木) 16:18:45
- 2
場所は教室。
校長の長ったらしい話ともども始業式は幕を閉じ、今はホームルームの時間と称して夏休みの課題を先生が回収している。
もっとも俺含む少数は宿題なんぞやってないのでHRなんぞあってないようなものである。
―そんなこんなで放課後。
「賢也ったら、また宿題だしてないの!?」
その声の主は柚菜か…
「やろうとは思ったけどね、寝て起きたら8月31日だった。うん」
「そんな小学生じみた言い訳久々に聞いたわ…」
もちろんちゃんと8月分の記憶は残っている。
念のために言っておくが。
「ねぇ聞いてよ楓!またコイツ宿題やってないし!」
「大神君、やるものはちゃんとやらなきゃダメだよ」
そう俺を諭すのは衣川 楓(きぬがわかえで)。
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- 8名前:きのなめこ 投稿日:2010/07/21(水) 01:50:54
- 3
家路に着いた俺は、裏の納屋に愛車を収納した。
親は両親共働きの上、父は単身赴任の身なので半日で学校が終わった時は大体、家には俺しかいない。
当然今まで昼食も自分で調達せざるを得なかった。
まぁ、基本的にコンビニ弁当かカップラーメンなんだが。
「正直言って、体に悪いよなあ…」
そうぼやきながら玄関のドアを開くと、台所の方からだろうか、甘辛い香りが漂ってくる。
「あれ、母さん帰ってたのか」
ん?でも駐車場に車は無かったぞ…
「あ、賢にぃお帰りなさい!」
「えっ?若葉お前料理できたんだ!すげーな…」
なんて出来のいい小学生なんだ…。
「昨日の夕食で余った豚肉をちょっと焼いただけなんですけどね」
彼女ははにかみながら、焼肉に千切りにしたキャベツを添えて、食卓の上に運ぶ
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- 1名前:スコール 投稿日:2009/02/21(土) 23:15:05
- リレー小説の提案、参加者募集、設定の公開、意見交換等
リレー小説の下準備に用いてください
- 2名前:スコール 投稿日:2009/02/21(土) 23:15:46
- 時代=現代
主な舞台=学園=スクール
世界観=地球にとてもよく似ている世界。しかし、似て非なるところがあった。ある学者が学会に提出 した魔術理論。最初は妄想と相手にされなかった魔力が、実際に魔石が発見され立証されてし まう。多方面に利用でき、また無限の可能性を秘める魔力。それが軍部に目をつけられるのに 時間はかからなかった。そして、先進国は他国よりも多くの魔石を得ようと10代の少年少女を 対象に、効果的に魔力を操り、そしてその力で他国から魔石を奪う兵士を育成しようと「スク ール」を設立する。
タブー=キャラの復活はなし(例、このキャラは気に入ってるから無理矢理生き返らせよう)
他の人に自分が思い描く続きを伝えてはならない
方向=固定は主人公の学園生活から第1ヒロインに会うまで。そこから先は自由。第1ヒロインに会う状 況も自由
人物設定=主人公は常識のある、冷静だが根の優しい心を持った熱血漢。「スクール」の育成する「特 殊兵(魔力のエキスパート)」に憧れ、スクールに入学する。
第1ヒロインは幼い頃から実験などの関係で軍の研究施設で暮らし、世間離れしている。ま た、実験と調整の結果、体内に魔力を宿すことのできるプロトタイプ。
基本的に、目的は小説を書くことではなく、他人の文を受け、自分が一番面白いと思う続きを考えること。
そのため、設定も最小限。この設定の公開から何日間か、間を取るので、どうしても嫌な部分がある場合、その期間の内に言ってくれ。それ以外で変更は無い。
魔石は、その中に莫大な魔力を宿した鉱物(注、魔力の保有量は有限)
魔力とは、技術の応用でどのような形でも扱うことのできるエネルギー。魔力を単純に化石燃料に置き換えると、人間は何百年間も太陽無しで生きられる計算になる。
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- 3名前:スコール 投稿日:2009/02/21(土) 23:18:00
- 時代=現代
主な舞台=学園=スクール
世界観=地球にとてもよく似ている世界。しかし、似て非なるところがあった。ある学者が学会に提出
した魔術理論。最初は妄想と相手にされなかった魔力が、実際に魔石が発見され立証されてしまう。多
方面に利用でき、また無限の可能性を秘める魔力。それが軍部に目をつけられるのに時間はかからなか
った。そして、先進国は他国よりも多くの魔石を得ようと10代の少年少女を対象に、効果的に魔力を操
り、そしてその力で他国から魔石を奪う兵士を育成しようと「スクール」を設立する。
タブー=キャラの復活はなし(例、このキャラは気に入ってるから無理矢理生き返らせよう)
他の人に自分が思い描く続きを伝えてはならない
方向=固定は主人公の学園生活から第1ヒロインに会うまで。そこから先は自由。第1ヒロインに会う状
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