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4
:
スコール
:2010/08/09(月) 22:41:03
「ゆめおちっ!」
もちろん若葉の非力さでは俺を起こすなんてことはでき……
「はっ!?」
「賢にぃ、起きた?やったぁ」
「若葉、今、なんて言った?悪いけど、もう一回言ってくれ」
体勢を変え、若葉を引きはがそうとするがなかなかロックが固く、はずれない。しょうがなく、首を折って若葉に話しかける。俺の頭には瞬間、様々な映像が飛び込んできた。どれも裸、裸、裸……。服着た画像を寄越せ!
「さっき、聞き慣れない言葉を聞いたからさぁ。悪いけどもう一回言って?」
「えっ?賢にぃ、起きたって」
胸の辺りに抱きつき、若葉はしきりに頬をこすりつけてくる。まるで猫のようだった。
「じゃなくて、その前」
若葉の様子の可愛さに思わず、小さな頭に手が伸びる。頭を撫でるとくすぐったいのか、体を丸め、さらに猫になった。ついでにロックもはずれたので、若葉と正面から向き合う。
「第一回大神家、家族会議ー」
やる気の無い声を出しているが内心とても焦っている。背中は脂汗でしめってることだろう。それほどまでにダメージがあった。
そこからなんであんなことを言ったのか、聞き出した内容はこうだ。
ドラマを見ていると(後半)主人公の友達のカップルが同棲するアパートの場面になった。主人公がそこへ訪ねていくと二人はちょうど一緒に入浴中であった。その場面を見て、「私もしたい!」となったそうだ。
「だからって、なんで俺と?」
「だってぇ……いいじゃん。とにかく、一緒に入って!」
そういいつつ、自分の服に手をかける若葉。
「だーっめ!。無理だよ。俺、母ちゃんに怒られるから」
「やだやだ。入りたい」
服を脱ごうとする若葉とそれを阻止しようとする俺の追いかけっこが始まる。テーブルを越え、腕を掴むと若葉は逃げようとじたばたする。両腕を掴み、向かい合い、目線を同じ高さに合わせると、やっと動きが止まった。
「……頼む。母さん帰ってきたら、母さんと一緒に入ってくれ」
真剣なお願いに対し、頬をふくらませる若葉。
「やだ。賢にぃと入るの。……私、いらない子?」
「へっ?」
突然のことに気の抜けた返事しか返すことが出来なかった。若葉は顔をふせた。
「私、賢にぃのおかげで毎日楽しいよ。お母さんも優しいし、時々遊びに来てくれる賢にぃの友達もみんな遊んでくれる。学校でもね、前よりもたくさん友達出来たんだよ。お父さんとお母さんが死んじゃって、とっても悲しくて、お姉さんたちにいじめられたけど、賢にぃが助けてくれたんだよ。だからね、賢にぃに喜んでもらいたくて。お話の中で二人は楽しそうで。だから……」
そこまで言って、若葉は止まった。止められた。俺に抱きしめられたからだ。俺は両腕を離すと包み込むように若葉を抱きしめていた。そうしなくちゃいけない、そうしたいという強制力が俺の体を突き動かした。首元で鼻水をすするのがわかった。耳元に水滴がついた感触もあった。
「……わかった。俺達は兄妹だからな……。若葉、兄ちゃんの背中、流してくれる?」
「……うん。流す」
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