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機動戦士ガンダム ブラックアウト
13
:
スコール
:2009/04/19(日) 20:15:04
暗い。
何も見えない。何も聞こえない。
見えるものが全て暗黒なのか?空気の振動をかき消すような防音装置が用意されているのか?
ただ俺のそこで椅子に座っていた。
気づいたら、この部屋で両腕両足を固定されていた。
起きてから何分経っただろうか。
藻掻きはした。しかし、椅子すら微動だにしなかった。
記憶を探る。学校、異変、級友ネビル=セラブロ、倉庫……ガンダム。
思い返してみれば不可思議なことだらけだ。
何故あの時、コロニーに、襲撃があった?
何故ネビルはあの倉庫にゼフィロキアが置いてあることを知っていた?なおかつ、まるで手足のよう
に動かせた?
いや、冷静になれ。ネビルはどこかの組織と連絡を取っていたし、俺も……。俺が放ったビームは連
邦軍のMSに当たっていた。
俺はビデオゲームを思い出し、敵の行動を予測し、予測先に照準を合わして、時間を計算して、トリ
ガーを引いただけだ。
誰でもできることをしただけだ。
ならば、MSの操縦というのも案外簡単なのかもしれない。
ネビルはマニュアルも手にしていた。
では、疑問はコロニーの襲撃目的と、ネビルの所属しているらしい組織。
最後の衝撃で気を失ってしまったから、ここがどこなのかはわからない。
ただ、ひとつわかることがある。
じたばたしても、無駄だって事だ。
そこまで行き着いたところで俺は目を閉じた。
何も見えないなら視覚など無駄だ。
そして体の力を抜いた。
行動全てが無駄ならば……どうにでもなってくれ。
そして意識が落ちていく。ゆっくりと。
「艦長……代理、警戒宙域、抜けました」
ブリッジ。5つあるオペレーター席には2人のオペレーター。
一段上がったところにあり、全ての情報を逐次モニターできる指令席には女性が座っていた。
艦長代理。ジャネット=ムェルダーだった。
「そう、警戒態勢解除、ついでステルスモード」
オペレーターが復唱し、ディスプレイがレッドからブルーに切り替わる。
ジャネットの右後ろには男が立っていた。
何をするでもなく、起立の姿勢でオペレーター達の仕事をただ、見ている。
男はネビル=セラブロだ。
ネビルはジャネットに呼ばれていた。
問題を起こしたからだ。
任務外行動。
一歩間違えば、この艦の存在がばれ、上役達の命令によってこの艦ものともクルーは全員心中しなけ
ればならなかったかもしれない。
それが必要な行動や、情状酌量が認められるような事ならお咎め無しだったかもしれない。ジャネッ
トはそういう艦長代理だった。
だが残念ながらこれは完全にネビルのミス、いや理解不能の行動。
椅子を回転させ、ネビルに体を向けるジャネット。その表情は苦虫を噛みつぶしたように歪んでいる
。眉間にしわが寄り、誰が見ても爆発寸前とわかるだろう。
「ネビル、あなたに与えられた任務は?」
その声は、どこまでも落ち着き、どこまでも冷たく、低い。
対するネビルはまるで涼しい顔をしている。
「はい。僕が与えられたのは連邦軍の監視、そして有事の際にゼフィロキアを回収することです」
当然、と、まるで臆さないネビル。
もちろん間違ったことは言ってないので、それは正しい。
こめかみをひくつかせたもののジャネットは未だ小康状態だ。
「あなたは問題行動を咎められここに呼ばれました。それは理解してる?」
「はい」
即答だった。
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