[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
不定期更新系ラブコメ「もうそうっ!」きのミー版
6
:
きのみ
:2010/02/18(木) 16:09:07
【2週目】
1
「ほんじゃいって来るわ」
9月の始め、周囲の木々の色が赤色に変わる季節。
なんだかんだ言って結局3分の1しか終わってない宿題をバッグに詰めて、俺は家を出る。
車庫裏に止めてある自転車のペダルに足をかけたとき、ドアからもう一人、ランドセルを背負った小さい女の子が出てきた。
「いってきます。お義母さん」
「車に気を付けるのよー!」
何故か実子である俺より気遣われてることを不思議に思ったが、割とどうでも良かった。
―小野瀬 若葉(おのせわかば)。
8月の終わりに出会った、不幸な少女。
彼女は先週から半ば強引に家に居候することになったのだ。
「賢にぃ、行ってきます!」
いつの間にか俺の事を「賢にぃ」と呼ぶようになったおさげ髪の少女―若葉は、手を振りながら隣家の角を曲がり、やがて見えなくなった。
俺の通う私立活志(かっし)学園高校は、俺の住む鈴原市の隣、志賀沼町に存在する。
もともと志賀沼町は広大な土地の割りに人口密度が少ない町だったので、その土地の3分の2以上を学校の敷地として買い取った。らしい。
私立だからなのか、というのは知らないが割と変わった校風であり、『生徒の意思を尊重する。』というのがこの学校の教育方針である。
そのため部活動もサークル含め50以上あり、カート部に至っては校内にサーキットが存在するくらいだ。
そんな学校なので、校内にも駅が三箇所ある。
『次はー活志学園校舎前ー』
周囲の学生がぞろぞろと降り、俺もそれに続く。
防犯のため、三箇所ある校内の駅の自動改札はすべて警備が強化されている。
入るのにも特殊な定期券が必要であり、外部者は学校から特別に発行されたパスを使用しないと校内に立ち入ることはできない。
そんな厳重な門を通り抜けると、コンビニからちょうど二人の見慣れた友人がでてきた。
「お!賢也じゃねーか!」
先に声をかけてきた見た目ヤンキー中身もヤンキーなのが播磨 智樹(はりまともき)。
俺と同じクラスの幼馴染であり、成績も俺と同じく底辺よりも底を行く末期レベルだが、
なぜが運動神経は抜群であり、カート部のエースをやっている。
「おはよー智樹、それと…えーと、豚?」
「俺豚じゃねーし!」
といってもやはりその巨体から、豚を連想してしまう彼が岸上 邦久(きしがみくにひさ)。
俺や智樹と同じく小学生からの付き合いである。成績は中の中。
これでも昔は智樹と同じく運動神経抜群だったのだが、どこで道を踏み外したか
オタクの道に進んでしまい、今では2次元至上主義者と化している。
「んでもって賢也さぁ、宿題終わってねえよな?」
「俺が宿題全部やる確立とか宝くじで3億当てるより低いぞ、智樹」
いや、それよりあるか…
懸賞でビデオカメラ当てるくらいの確立かね?
「宿題やってないとかバロスwwwwww」
「なぁ、豚ってしゃべるっけ?」
「ああ、それ国の開発機関が生み出した豚だから取りあえず人語は話すみたい」
「だから豚じゃねーし!」
そんな代わり映えしない、いつもの風景。
変革を求める時もあるが、やはり俺はこの日常に満足しているのかもしれない。
そんなことを考えてると、5分前を示す予鈴が鳴った
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板