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うぇwwwwwwるwwwwwなwwwww
1
:
きんけ
:2009/06/21(日) 17:38:06
>>2
から本気だす
2
:
きんけ
:2009/12/10(木) 13:20:26
かつて戦争があった。
人類と知的生命体ファウストとの戦いだ。
ファウストの巣窟となっていた月を奪還し、南極に集結した残党を撃破したことで一つの物語は終結した。
次の物語はその僅か二日後に始まる。
3
:
きんけ
:2010/06/10(木) 22:21:45
祥尉を回収したチェリーのウェルナーが、竜神島の格納庫に帰還したとき、格納庫内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。喝采はチェリーだけではなく負傷し気絶している祥尉にも向けられていた。
月のファウスト殲滅を目的とした「月面大規模攻勢」から、南極に降下したファウスト追撃戦までの一連の戦闘で人類、ファウストの双方は大幅に戦力を失った。独立戦隊である竜神島のウェルナー部隊も今回の戦闘だけで半数以上のパイロットを失った。どのパイロットも15歳の幼い少年たちであった。我が子達を戦場へと送り出し、生還すれば褒め称え、そして次の戦場へと送り出す。島の存亡のためとはいえ、あまりにも冷酷ではないだろうか。
頭部を失ったザウ。両腕をもぎ取られたウェルナー。脚を損傷し僚機に支えながら帰還したフェリス。いずれの機体も満身創痍でギリギリの状態であった。
「第二小隊のジョンソン・バトンだ。ただいま帰投した」
〈バトン中尉、よくご無事で!〉
艦橋の管制官が歓喜の声を挙げた。しかし、当のバトンは冷静である。
「第一格納庫内に空きがない。どこに機体を置けばいいか?」
〈そのまま第二格納庫へと移動してください。まだ幾分かのスペースが残っているはずです〉
管制官の指示通りに機体を操り、第二格納庫へと移動する。第一格納庫ほどではないが、こちらもこちらで混雑していた。
バトンは適当な場所に機体を停めると、エンジンを切って機体から降りた。
「左腕を持って行かれただけだと思っていたが…」
自機であるザウの状態を確認して、バトンが思わず呟いた。
装甲は所々剥がれ落ち、間接部は長時間の戦闘で激しく消耗していた。
「おーい。俺の機体の整備は、いつ取り掛かれる?」
「すみませんバトン中尉。人手が足らず、早急に取り掛かるのは難しいかと…」
「いや、気にするな。−−−それにしても、スゴい機体の数だな」
「はい。艦隊も被害に遭って、四分の一が沈みましたからね」
「母艦を失った部隊が押し寄せてるのか…」
メカニックマンとバトンは互いに格納庫の混沌とした風景に目を細めた。
紅き空ウェルナー2
4
:
きんけ
:2010/06/21(月) 21:52:41
−−−二日後−−−
「月面大規模攻勢」から「南極追撃戦」までに投入された人類軍の数は全戦力の4割とも5割とも言われており、とにかく膨大な量の人と兵器が南極大陸に集中した。そのために人類軍は戦力の分散を行い、各地の防衛体制をいち早く整える必要があった。
しかし、一連の大規模戦闘での被害は大きかった。迅速に行動できる艦隊は非常に少なく、補給と整備を必要とした戦艦でシドニー軍港はごった返していた。
竜神島は外観こそ島であるが内部は厚い装甲に覆われた戦艦である。その大きさは人類軍の軍艦など比較対象にもならないほど巨大だ。まさに動く要塞となっている島は、軍港の特別ハンガーで休息をとっていた。
島の艦橋では整備士長と副司令官の祐司がモニターを睨みながら、深刻そうに話し合っていた。
「第二エンジンは完全に停止。第一、第五エンジンは出力が低下しています」
「直るにはどれくらいかかる?」
「五百回のエンジンテストを行う必要があり、最低でも四週間かかります」
「エンジンテストは省略できないのか?」
祐司の一言に整備士長がピクリと反応した。
「お言葉ですが副司令。竜神島のエンジンには予備がなく、騙し騙し運用してきたのが現状です。安全性の確保のためにもエンジンテストは欠かせません」
「そ、そうだな…動力部の不調は島の安全に関わる。島民を危険に晒すことなど父が−−−いや、司令官が許さない」
整備士長の勢いに押され、祐司はたじろいだ。
抜けるような青い空には太陽が高い位置でジリジリと地上を焼いていた。
軍人で溢れかえるシドニー軍港の売店から男女の子供が荷物を抱えながら出てきた。
二人は売店の前に駐車しておいたジープの後部座席に荷物を置くと、キーを回した。エンジンがうねりをあげた。
「まったく…俺たちはパイロット候補生だってのに…」
開口一番、山本遼一が不満を漏らした。
「腐らないの。買い出しだって立派な仕事よ」
助手席の落合美沙子がオレンジジュースを飲みながら言う。それでも尚、遼一は納得できずにいた。
「ほとんどの先輩がファウストにやられたんだぞ!仇討ちくらいさせてくれよ!」
「亡くしすぎて…今は何も考えたくないのよ、きっと…」
「…チッ」
遼一の舌打ちは軍艦の汽笛にかき消された。
5
:
きんけ
:2010/06/26(土) 08:47:50
祥尉が医務室のベッドで目を覚ましたのは、あの戦闘から三日後の朝だった。
多くの人が彼の無事を祝ったが、それ以上に島は修復作業に追われていた。
南極での戦闘でコクピットから投げ出された祥尉は意識を失い、チェリーに回収されて島に帰投した。幸いにもケガは大したことなかったらしく、その日の内に外出の許可が承諾された。
「祥尉君が目を覚ましたんだって?」
シドニー基地での会議を終えて島に帰還した森永が祐司に対して問い掛けた。
「は、はい!」
「良かったじゃないか」
祐司と祥尉が友人だということは、祐司の実の父であるため、よく知っていた。
「あんなにいたウェルナー隊も今では祥尉君と北隅君だけになってしまった…」
「…そうですね」
俯き、目を閉じる祐司。目蓋の裏にはかつてのウェルナーパイロット達との記憶が蘇っていく。何も知らずに平穏な毎日を過ごしていた学校生活。ファウストの出現により戦いに明け暮れた日々。意見の相互で衝突したり、友人の死に涙したりもした。
「悪い事もありましたが、決して後悔だらけの日々ではありませんでした」
父の目を真っ直ぐ見つめる祐司。その言葉に偽りはなかった。それを感じ取ったのか森永は頷いた。
「…すまないな」
ぼそりとこぼした森永。そして一呼吸置いて森永が申し訳なさそうに言い放った。
「艦隊を編成してインドネシアに出発することが決まった。島もそれに参加することになった」
「それではついに…」
「ああ。アジアを奪還する」
相変わらず軍人でごった返している売店から、荷物を抱えて出て来た遼一と美沙子。しかし今日は二人だけではなかった。その背後には祥尉とチェリーの姿があった。四人がジープに乗り込む。
「本当にありがとうございます。チェリーさん」
荷物を足下に置くと、遼一が運転席のチェリーに対して礼を言った。
「島の所属じゃない俺の機体を整備してくれたしね。恩返しはしないと」
柔和な笑顔でチェリーは答えた。
「祥尉先輩。身体の調子はどうですか?」
美沙子は後部シートからグイッと身を乗り出して助手席の祥尉の様子を伺う。
「ああ、問題ないよ」
「目を覚ましたその日に退院して、外出できるなんてスゴい体力ですね」
「体だけは丈夫でね…少ない取り柄だよ」
チェリーがアクセルを踏み込んで、ジープが発進する。
海岸線の道路は交通量もまばらで、すれ違う車は全て軍用車両であった。
6
:
きんけ
:2010/07/05(月) 07:47:59
海風が肌を撫で、夕日が海を朱く灼いていた。
ふと、祥尉が海辺を見ると数人の少年達が遊んでいた。
初めて祐司にウェルナーを託されたとき、それまでの世界とは何もかもが変わって途方に暮れた。でも、「ファウストを全滅させれば平和になる」そう思って戦い続けた。南極で勝利すれば全てが終わると信じていた。
まだ、何も終わっていなかったんだ。
あの少年達のように無邪気に笑える日はまだまだ来なかった。
始まりでもなかった。ここはただの通過点なんだ。
チラリと後部座席の遼一と美沙子を見る祥尉。
パイロット候補生である二人は確実に正規パイロットとして島の戦力になる。これまでは自分の事で精一杯だったけど、これからは誰も失いはしない!
7
:
きんけ
:2011/02/13(日) 22:23:02
祥尉 【生存】
01号機パイロット
部隊一の発想力と操縦センスで常に最前線で戦い抜いた。
自分を語らないため誤解されがちだが誰よりも仲間の無事を願っている。
接近戦では無類の強さを誇り、部隊内のファウスト撃破数では断トツでトップである。
統率力は優れていなかったのかウェルナー部隊の隊長に任命されることはなかった。彼自身もそれを望んでいた。
伊藤 【死亡】
02号機パイロット
データ上、祥尉に次ぐ能力の持ち主としてパイロットに任命された。
祥尉とのツインドッグでは見事な連携を見せ、今後の活躍を期待されていた。
ファウストに包囲され、島を守るために自爆を敢行。最初の戦死者となった。
戦いに対する認識が甘かったパイロット候補生にとってとても大きなショックを与えた。
宮野 【死亡】
03号機パイロット
射撃の腕は一流で、中〜遠距離での戦闘を主に担当していた。
決してスタンドプレイに走ることなく献身的な働きで仲間から信頼されていた。
南極へと降下する際に仲間のピンチに単独で先行。ファウストを道連れに戦死した。
周囲からの評価は高いが本人は隊長として多くの戦死者を出していることに悩んでいた。
北隅 【死亡?→生存】
04号機パイロット
正義だとか人類のためではなく生き残るために戦う。
オールレンジでの戦闘が可能な機体に搭乗していたが彼は主に砲撃として運用していた。
次々と倒れていく仲間の姿を見て徐々に追い込まれていくと、東京撤退戦でファウストに侵食され意識を失う。
植物人間となり、このまま回復しないと思われていたが南極追撃戦の最中に突然覚醒。出撃すると島のピンチを救った。
山口 【死亡】
05号機パイロット
格闘タイプの機体に乗り、前線で壁としての役割を果たした。
常に穏やかで部隊内ではバランサーとして機能。
操縦センスが良くないことは自負しており、自主訓練は怠らなかった。
南極追撃戦でコアを守るファウストの攻撃を受けて死亡。
彼の残した武器のおかげで祥尉がコアを破壊することができた。
藤谷 【死亡】
06号機パイロット
部隊内のムードメーカ。
本来は砲撃支援が主な役割なのだが熱しやすい性格上、前線に出てくる事が多かった。
月面での作戦中、ファウストマザータイプの放った砲撃に巻き込まれて死亡した。
砲撃の命中率は良くなかったが、効果的に弾幕を張ることできるため前線からの評価は良かった。
大熊 【死亡】
07号機パイロット
前線要員として最後にパイロットに任命された。
祥尉や山口のように常に前線に張るようなタイプではなく状況に応じてレンジを変えて攻撃するのが得意だった。
南極に降下した際、仲間と分断されてしまう。善戦するも最後はファウストに包囲されて自爆。
武器を使わず機体の拳にエネルギーを溜めて戦うことを好んでいたため、機体は常にボロボロで整備士によく迷惑をかけた。
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