したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

汎用スレpart1

46アオイ ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/05(水) 01:43:47 ID:kILYIie6
>>37
「ええ、よろしくお願いしますアナトリアさん」
アオイの第一印象は良い人そう、というものだった
「でも、この部隊だと退屈はしなさそう・・・だと思いますよ」
実際キワモノ揃い、本場の現場軍人のような人が見たら目が点になってしまうだろう

>>38
「そうだね、私も早く慣れないといけないけどね」
まだ全員と会話できてないんだ、と小さな声で補足する
「えっ、可愛い?・・・あっ、ありがと」
似合っていると言われ、悪い気はしない。
照れたように笑うと、くるっと回転してみせる

>>41
「・・・私の顔になにかついてますか?」
なんとなく視線を感じたアオイはアストに問う

47ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/05(水) 16:51:21 ID:wf3ly/3Y
>>45

「す、すいません……」

やはりその様子に申し訳なさは感じ
口ごもりながら、そう言った
だが、助かったのも正直な所であり……
「あ、ありがとうございます」

とも、言った。
やがてロディからの提案に

「はい!そろそろ、そんな時間ですから……そうしましょう」

賛成をした。
因みに下階のレストランは、寿司屋、洋食屋、喫茶、イタリアン、中華……
更に各料理専門店がテナントとして入っている。
何処を選ぶだろうか?


>>46

「え、ええ……その、凄く可愛いと思います、なんだか軍に居るのが信じられない位に」

くるりと回って見せるアオイに
やはり照れながら、そう言った。
気恥ずかしいのだが、事実だ、こんな娘がパイロットだと言って
果たして誰が信じられるだろうか。

「あ、そ、そう言えばそろそろ、お昼の時間ですね!な、何か食べますか?」

話題をかえる様に、そう言った。
階下はレストラン街、寿司屋、洋食屋、喫茶、イタリアン、中華……
各料理専門店が、テナントとして入っている。
幅広く、好きな料理店を選べるようだ

48 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/05(水) 21:20:07 ID:Hm.EgBGU
>>43
「ありがとう」
差し出されたビニル袋を受け取るためにヒカルへと歩み寄り、差し出された荷物を受け取った
そして、渡されたその質問に対し、何も持っていない手でを掻きながら返す

「いやぁさっぱり、そんな気はするけど……」
記憶が無い以上得意かどうかなど分かるはずも無い
おそらくは本人もなんとなく分かっているのだろう、だが記憶が無い以上なんとも言えないと言った所か

「ただなんとなくあの剣は大切な物なような……だから、肌身離さず持っとこうと思って」
笑いながらそう言うと、待っている皆の下へと戻ってゆく

>>44
「何ならそれも俺が持とうか?」

一刀の元に敵を断ち、戦場を切り裂くとまで謳われた凛々しい騎士像はそこには無い。
年齢よりは少し大人びた青年が、そこに立って手を差し出しているだけだった。

「……?」
押し黙るその姿に対し首を小さく傾ける。
もしかしたら、これが騎士の本当の姿だったのかもしれない

>>46
「女の子らしい可愛らしい格好だなぁって思ったんだ」
下から上へとその視線を動かし、最後にその顔を見下ろした。
歳相応の少女らしい、可愛らしさと清楚さを合わせた服装

「軍人であったとしても歳相応、俺の『知っている子』も確かそういう格好……は……」
そこまで言ったところで口元を押さえて何かを考え込む
何かを思い出せたのではないか―――アスト自身もそう思ったのだろう。
だが、それは杞憂だったようである

「たぶん、前の俺も見たことが無かったんじゃないかな、そんな気がするんだ」

49ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/05(水) 21:50:08 ID:wf3ly/3Y
>>48

「……」

「その気持ち、解ります……家を離れても、誰かと離れても大事にしていた手放せない物ってありますよね」

アストが何を感じ
どう考えているのか?
それは、ヒカルには解らない、ただその言葉の
その気持ちは、よく解る、と

やがてヒカルもアストに合わせ、歩き

「これから階下のレストラン街で食事みたいで……何か食べたい物ってありますか?」

そう、聞いた。

50 ◆vGTe9D4z5Y:2011/10/06(木) 01:00:40 ID:dNDU53YM
>>47
「ありがと、お世辞でも嬉しいよ。でも確かに軍人っぽくはないかな。お前は服に着られているだけだって言われたのよく覚えてるもん」
まんざらでもない。ニコニコと笑いながら、返答する
「お昼かぁ……あっ、じゃあ、私は寿司屋がいいかも。日本食最近全然食べてないから」
パン食中心の生活は白米が中心だったアオイにはなかなかにつらかったようだ
特にこれから宇宙に上がるのだから、余計にそういうものからは遠ざかる
アオイは無邪気に笑顔を浮かべながらそう言った

>>48
「こっ、この格好やっぱり子供っぽかったり」
年下のヒカルから可愛いと言われるのと年上のアストから言われるのではわけが違う
童顔ぎみなアオイはわずかだが、そこがコンプレックスになっている
店員に似合っていると勧められたが、年を間違えられたのではないかと不安になってしまった
「……記憶が戻りかけたんですか?無理しないでください」
少し言葉につまったアストを見て心配そうな表情を浮かべ見つめる

51アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/06(木) 02:13:39 ID:X5diZW4w
>>43
「そうですか? 善は急げというのに……そんなことでは一人前の戦闘マシーンにはなれませんよ」

目の前の少年がおろおろしている姿は新たな性癖が目覚めそうなものだ
彼が言わんとしているのは「恥ずかしいです」ということだが、彼女にそういうことを期待するほうが間違っている

>>44
「頑張って悪鬼さん!」
表情は輪をかけてニコニコしていると言える
今の状況がよほど楽しいのか、それともそれ以外の何かがあるのか
「私は力強い男性が好きですよぉ」
間延びした声でロディを応援している
彼女からしてみたら悪鬼という伝説は同じ業界の界隈に凄いやつがいる程度のもの
いまは彼自身をいじる格好のネタ程度にしか考えていない

>>46
「私を楽しくできるように頼む」
くるくるとゆっくり、フロアの中を回るように移動する
常識のある人間からみたらアナトリアの行動は常軌を逸してるようにしか見えない

「私は私のしたいように楽しく生きたいだけ」
ぴたりと止まるとアオイに向けていままでとは少し違う妙に影のある笑顔を見せる

>>45>>47
「ご飯……確かにお腹が空いた。私はみんなが食べたいものでいいぞ
ただ脂っぽいのは遠慮したいお年頃」

食事の提案に対してそう応えた

52ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/06(木) 19:01:26 ID:IjuyMOmw
>>50

「い、いえ、お、お世辞とかではなく……そ、その……魅力的だと、思います」

後半になるたびに声が小さくなるが
確かにそう答えた、随分顔が赤いが。

「解りました!僕もお寿司が、いいです……暫く食べられそうにありませんから……」

考えは同じだったようで
階下のレストラン街へと向かう

>>51

「せ、戦闘マシーンですか!?そ、それはちょっと……」

話の接点が何処となくズレて居る彼女
それが意味する所も、本気なのか冗談なのかイマイチ解らず
焦りながら答えた。

「あ、それなら僕とアオイさんはお寿司屋さんに行くので、一緒にどうです?」

レストランの話になり、アナトリアの要望を聞いて
そう誘った。

53 ◆zwG.6Bg2jY:2011/10/06(木) 21:47:34 ID:RtN3HYLU
>>49
「……あぁ、あの剣は今の俺にとって家族さ」
振り返り、ニカリと大きく笑う
子供染みた笑顔だったが、自らの暗い境遇を見せつけない眩しさを秘めていた。

「『生まれたばかりの俺』とずっと居てくれたんだから」
比ゆ的な言葉であったが、生まれたばかり……つまりは記憶が無くしてからも、なくなる前からも共に居てくれたということだろう。
こんな事になっても持っていたということは、記憶を無くす前のアストにとってあの剣は特別で、
そして今のアストにとっても特別となった――――家族という言葉は本質を突いているかもしれない

「そうだな、何が苦手かとかも分からないから、俺は本当にどれでもいいよ」
横に並んでくれたヒカルの質問に対し、少し考え込みながら答えた
記憶が無い以上、何が嫌いで何が好きかすら分からない。
どれも初めて食べる物と言っても差支えが無いのだ、彼の言葉通りどれでも問題ないだろう

>>50
「いや、口から出ただけで思い出せたわけじゃない……心配してくれてありがとう」
ぐっとかみ締めていた奥歯から力を抜き、瞑っていた目を開いてアオイを方を見る。
心配ないと言いたげな優しいその目線を見せてそっと微笑んだ。

「ワンポイントのレースとか大人し目だし、すっきりした色合いが凄く似合ってると思ったけど……」
もう一度アオイの服装を見つめる―――やはり良く似合っている。
この服装を見立てた店員はかなりの目利きであろう、くどさの無い、それで居て無装飾では無い……良く出来たバランスだ

「うん、やっぱりそんなに子供っぽくは無いよ」

54ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/07(金) 20:03:41 ID:0JF7WmG.
>>53

「それが、アストさんの……心の拠り所、なんですね」

記憶も無くし
帰る故郷さえ自ら断ち
その中で唯一、自分を失わずに居られる
それはアストの剣は、それその物なのだろう

アストの言葉は、それを切に切に感じさせる

「お寿司屋さんに決定みたいです、行きましょう」

アストを先導するかの様に
声をかけ、階下のレストラン街まで向かう

55アナトリア ◆uTkuQH8JvI:2011/10/09(日) 00:04:18 ID:Vl/udZPw
「お寿司やさんですか……生魚はお肌に良さそうな雰囲気
ぜひご相伴に預かりましょう」
寿司の名前は聞いたことがある。しかし、実際に食べてみたことはない
ご飯の上に海産物を乗せた食べ物程度の認識

「初体験というものは、いつでも私を楽しませてくれますね」
高なる胸に足も自然と軽くなる
軽やかに皆の後ろをついていく

56 ◆maj0cqbB5s:2011/10/09(日) 01:42:52 ID:nsYUrnPo
>>51
(この人に悪鬼と呼ばれるのは、なんだか……)
普通とは違う意味でひっかかる、とロディは表情に難色を滲ませていた。

>>54
「スシか……合成魚肉のしか食ったことがないな、俺は」
預かった荷物を肩にぶら下げて、ロディも後に続いた。

57ヒカル/エリス ◆vzVlxBPoGo:2011/10/10(月) 15:01:13 ID:3HuhRFoM
>>55>>56

「お二人とも、このコロニーのお寿司は初めてなんですね」

「なら丁度いいです、行きましょう!合成魚肉じゃないので地球の物に近くって美味しいですよ」

そう言って二人を先導してゆく
階下のその場所、レストラン街の一角のそこは
和風な店の作りに、いかにもな寿司屋

暖簾を潜って、店員に人数を告げる
カウンター席に案内されると、目の前には大将ここで直に注文をするようだが……。
(メニュー、お茶、箸、醤油と醤油皿は各自の手元に)

58 ◆jclrQ5ykSY:2012/03/20(火) 21:32:08 ID:pDvmRw2g
「チッ、これも壊れてるなんて・・・」
地球――荒野にて私は、壊れた機体の修理を行っている。
二足歩行の人型兵器だ。
私は地球外の出身で、地球に降りる際にドローンと呼ばれる機体の襲撃を受けた。
一緒に来た部隊は全滅し、私だけが生き残った。
私の機体も幾つか破損し、装備していた武器の殆どが修復できない出来ない状態だ。
それに・・・

「通信機が・・・これじゃ仲間と連絡が取れないじゃない・・・」
運悪く、私の持っている通信機器の類が全てが壊れている。
しかもこれに限って修理が出来ない。
救援が呼べない状態である。
しかも私も怪我をして何処にも彷徨う事も出来ない。

「一か八か・・・届いて・・・」
私が取り出したのは一本の発煙筒。
赤い煙を出すタイプのモノだ。かなり遠くから見える。
誰が来るか解らないけど、誰も来ないよりマシだ。

59元鳳 ◆LrBYZIhU4E:2012/03/25(日) 19:55:01 ID:4sHd40qo
プロローグ『安芸之若鷹』

毛利家・・・時は戦国、毛利元就によって安芸のみならず中国に一大勢力として名を馳せた名家である。
現代では勢いを衰えさせてはいるものの、名家の威光を借りようとやって来る者達も後を絶たない為に権力はそれなりにある。
その廊下を、1人の青年が物静かに歩いていく。
白い着物に黒き羽織・・・宗家と分家が立ち会う上での、いわゆる礼装である。
「これは、元鳳殿・・・当主様よりの呼び出しですかな?」
「然り。でなくば当主の間に続きしこの回廊を渡る事はございますまい。」
簡潔な元鳳の言に、老人は軽く苦笑する。
「当主様も奥方様もお子が出来ず、苦しい身・・・労わって下され。」
「分かり申した。それでは、約束の刻に遅れますゆえ。」
そう・・・分家たる身の元鳳は本来なら宗家に用向きもなく立ち入る事は許されぬ身の上であった。
それがこうして宗家の回廊を堂々と渡れるのは、一重に宗家の事情・・・跡取りが生まれないと言う事に端を発している。
ふと、元鳳の視界の端に見慣れた風景が飛び込んで来る。
天照大神像・・・毛利家を古くから見守るとされる、日輪の象徴。
だが元鳳には、その風景が違って見えていた。
あれは「見守っている」のではなく、何かに「備えている」のではないかと・・・。
もの自体が動かぬ石像なのに何に備えるというのか、馬鹿馬鹿しい・・・理屈で否定しつつも本能がその理屈を跳ね除ける。
「どうにも慣れぬわ、この感覚だけは・・・。」
頭を横に振り、再び回廊を歩いていく。

だが元鳳はこの数日後、己の感じた違和感は正しかったと知る事となる。
皮肉にもその「敵」の襲来をもって・・・。

60シュート  ◆6d930KmJ9g:2012/03/26(月) 02:17:12 ID:yP3a8AQA
【プロローグ 『初めての機体と、続ける旅』】

あるコロニーの残骸。
そこにボロボロの宇宙船がやってきた。

「……、うーん、そろそろこの船の燃料がやばいなぁ。
装甲もボロボロだし、このまま死ぬんかねぇ。」

そう言ったその宇宙船の操縦者。
その操縦者を一言で言うなら、生きた目をしていない、これに尽きる。

「ん?」

キラリと、何かコロニーの中から見つけた。

「なんかあってくれよぉ〜、俺まだ死にたくない。」

死にたくないと行っている筈なのにこの男の音質は楽しんでいた。
そしてその光った物の近くに船を寄せるが

「あ、ぶっ壊れちまったか。」

ライトが消え、完全に暗闇になり、ハンドルも効かなくなった。

「チッ、外行って探すしかないか」

そう言って、宇宙服を着て、手動で宇宙船のハッチを開ける。

「さぁ〜て何処に………!?」

さっきのモニターには全く写っていなかった筈なのに、その目の前には
巨大な黒めのロボットがほぼ無傷で漂っていた。

「ハハッ、こりゃとんでもないお宝を見つけちまったか?」

ヘルメットの下で笑いながらその黒めのロボットに近付く。
目の前まで行くといきなりコックピットのハッチが開いた。

「うぉっ! 自動で開いた?」

そのことに驚き、警戒してコックピットに入る。

「んーと、どうすりゃいいんだ?」

とりあえずハッチを閉めて席に座る。
するといきなりモニターが映し出される。

「うぉっ、なんじゃらほい!」

そのモニターからはいきなり文字列が並ぶ。

「えっと、名前はGP-7 レオルド、GP-7の部分まで名前か、略していいな。
えっと、…………、うわぁ、めっちゃ武装多いじゃん、これ捕まるぞ。
…………、ム、変形機能あり、と、さっそく変形してみようか、このままだとヤバい。」

そう言って、変形するための項目を開く。

「えっと、右のレバーを引いて(ガコン)、そこからパネルが出てきて(ウィン)
そしてパネルをぶったたく(ドゴォ)」

すると遅いながらも少しずつ形を変えていく。
すると最終的に普通の宇宙船となんら変わりない、大きめの宇宙船の形になった。

「ホー、よく出来てるな。
さて、…………、宇宙船状態ではバルカン二門しか攻撃方法なしか。
まぁ充分だな、っていうかこのくらいじゃないと捕まるしな。
……………、これだけか、この機体自体の情報はないな」

もう一度見直すが、機体の情報は全くなかった。

「ま、いっか、ほぼ新品の宇宙船を手に入れて、そのうえ戦闘形態まであるし
滅茶苦茶設けたな。」

能天気な考え方をして、宇宙船状態のハンドルを掴む。

「さて、また旅を続けましょうか、新しい機体もつれて。」

そう言い、宇宙船を出す。
『シュート・スコット・シュナイダー』は、旅を続ける。
どんなことがあろうと。

61レオン ◆NcltM1gQ/Q:2012/03/26(月) 18:26:58 ID:fHpmSFwQ
プロローグ 朱の道
――衛星軌道上――
広がるのは暗黒の世界、その先には幾つもの星が輝いている
朱いAMから見ればどこまでも続くかのような蒼い境界が眼下に広がっている…地球だ

コンソール越しには360°に配置された10基のバルーン
既に先行している管制機と補給用の輸送機の姿も見える
管制官と思われる妙に癇に障る口振りで話しかけてくる

?「こちら、AWACSサードアイの首席通信士。コードネームはラウラだ
まぁ置いてある的を撃つだけの簡単な任務だ。精々手際よく行うように」

「了解。」
そう言われるが早いか朱いAMは両肩の主翼部分の内蔵式サイロを開き長距離ミサイルを放ちつつマシンキャノンを稼働、展開する
ブースターを吹かし朱いオーラを纏うとソレは意思を持った彗星の如く衛星軌道上を舞う
丁度元いた位置から大きく周回し終え補給機のところまでそのまま移動していた
バルーンは…健在
呆れたような声が即座に届く

ラウラ「…それは一体何のパフォーマン…」
いいかけた直後、最初に放ったミサイルの着弾を合図に
全てのバルーンが同時に破裂した

「さてと、もう帰っても良いかな。今日はスケジュールがいっぱいいっぱい何でね」
通信越しから舌打ちが聞こえる

ラウラ「ふん…いい…いや、待て!」
何やら世話しない気配だけは解る
「どうしたよ?」
ラウラ「ふぅなんだ。地球の極東支部からのスクランブル要請だ
アンノウンが現れたそうだが我々には関係のない事だ」

…極東支部?なら此処からなら首尾よくやれば演習予定の伊豆基地まで直ぐだ
輸送機にこう告げる

「実弾、満タンで。で首席通信士くん場所は?」
ラウラ「伊豆基地だ!何をする気だ?」
短く口笛をならし
「ツいてるね。丁度、次の任務地がそこなんだ。お前も『精々』頑張れよう」

輸送機からの補給はつつがなく完了し補給機から分離すると
地球の伊豆基地により近いウェーブコースを選びつつ降下を始める

62元鳳 ◆LrBYZIhU4E:2012/03/30(金) 09:10:42 ID:gAJxdHvc
緩やかな日差しの差す中で、元鳳はゆっくりと起き上がる。
毛利家にあって自分の居る部屋は、安芸の一望を見渡せる絶景。
この景色が、安芸の風が運ぶ潮の香りが元鳳には何とも心地良かった。
(この平和は・・・何時まで続いてくれるのだろう?)

最近、世界各地で戦乱の予兆とも言うべき事態が起こりつつある事は知っている。
宗家も馬鹿ではない、各パイプを使って軍や警察と連携を勧めてはいる。

だが・・・それでも敵わない程の「力」が襲って来たら?

「・・・是非もない。」
元より安芸を守る為に、命を賭ける事を誓ったこの身。それは例え、何者であろうと例外なく戦うと言う事。
安芸の為、その民を守る為に戦う・・・その事に疑いの余地はない。

海面に光が反射し、己を照らす。
「日輪よ・・・今日も安芸が、平和でありますように。」

自然と、その口から出た言葉・・・それは願い。
平和と安芸の未来を想う、ただ1人の願いであった。

63 ◆NcltM1gQ/Q:2012/04/19(木) 22:18:43 ID:fAYZuDdQ
プロローグ 砕かれた聖剣
ある衛兵の日記より

●月●日 快晴
ジルヴィエの所属になれると聞いて歓喜して半年
確かに依然より給料は良くなった
有給も倍、ここまでは良かった
だが、あの方に腕を買われてやって来たのに
任されたのはドラ息子…もとい御子息のお守りとは…
ここ3ヶ月は、このど阿呆ぶりに付き合わされてウンザリしてきた所で新型のコンペと言う胸熱のイベントが舞い込んだ訳だ…て
ジルヴィエの面々から考えて、俺が選ばれる訳がないか…しかし、よりにもよって何故あの阿呆を選んだのか…
実の所ここまでなら、もう書く気にはなれないが天はやはり見てるんだなぁ
と思いつつコンペの成り行きを書き留めておくことにする

「俺のマクシミリオンはまだか!?」
苛立たしげに怒声が格納庫内に響く
白を基調に黒のライン。そして背中には黒い盾の意匠に銀色の映える十字架の紋章が施されたパイロットスーツ。
襟元には彼が少左の身分を示す記章が施されているのが判る

整備士の女性がパイロットの顔色を伺いながら説明してる
…良く見ると結構スタイルいいな

「落ち着いて下さい。アルバトロス様イスルギ最高のチームで挑んでいます
コンペ開始までには充分過ぎる程、余裕が有りますので…」
まだ良い終えない内に再び怒声が響く
「ええい!調整如きで手間取るチームが最高なら後で纏めてクビにしてやる!」

女性に平手を放ち、鈍い音と共に鍔付きの帽子が床に落ちる
彼女はほんの僅か身を引き帽子を落とされた程度で済み難を逃れる。プラチナブロンドの長髪が零れるように露わとなった…マブいな…

「……ぐ、くぅ〜〜ぅぅ…」

アルバトロスは女性には気にも止めず、その場で右手を庇いながら、うめき声を上げてかがみ込んでいる。どうやらさっきのは隔壁を殴った音だザマミロ
わなわなと小刻みに震えながら整備士さんを睨んでやがる
…整備士さんも逃げればいいのに

「貴様等…俺の高貴な手を…!覚えていろよ…!」

……向かってったのは医務室だな。相変わらず根性ねーな
さて、細かいとこはすっ飛ばして、いよいよコンペだ

こちらはイスルギ精鋭の自信作XFA-0。その自信に恥じない高貴な名前があるんだが…あの阿呆、土壇場でマクシミリオンにしろとかホザきやがった
マジシンデクンネーカナ
対する相手はその下請けの何たら重工のYFA-01…エクレア?エクシアン?

64 ◆NcltM1gQ/Q:2012/04/19(木) 22:19:34 ID:fAYZuDdQ
>>63の続き
まぁいい。XタイプとYタイプじゃ賭けてる資金から技術力まで違うってのに良くやろうと思うよ本当に

場所はインド洋上空にて、競合形式はいずれかが接敵次第、交戦し雌雄を決する単純なモノだ

しかし、まぁ露骨だねぇ
策敵能力も速度も有利なら勝負はもう付いてるだろコレ…

ただ…嫌な話を整備中に聞いた
エッケザックスに積まれているのが模擬戦用のレーザーでは無く
実戦用の光学兵装と実弾が積まれていると言う話だ

とは言え…実際の所、それは確認出来ずに、あっさりと決着は付いた

気付いたらエッケザックスから模擬戦での撃墜を意味する警報が鳴ってる
オペレーター曰く
エッケザックスの策敵外からのマシンキャノンの砲撃でコクピットが撃ち抜かれました〜
だってさ。そりゃそうだバカ正直に正面から挑んだに違いない…ん?策敵外!?エッケの?
俺もこの時まではまぐれ当たりかエラーの類と思っていた

…俺にとっては祝日であったが…あの方にとってはどうだろうな
問題はここからだ
「俺が!マクシミリオンが!!あんな雑種に負ける訳が無いだろう!!」

オペレーターが耳を覆うほどのデカい声で吠えながら…ブラスターとレールカノンの連結砲をやみくもにぶっ放してた
やっこさん砲撃を避けようともせず突っ込んで…すり抜けたんだよ雲みたいに
砲撃もエッケもだ
呆気に取られている内にエッケのセクシーなケツが蹴り抜かれてた
エッケから見たら上からだな。蹴りを仕掛けたのは

「なんくぁwせdrftgyふじこlp…」

…言葉にならない叫びをあげながら哀れ我らのアルバトロス卿は海の藻屑と…化してくんねーかな正味な話

65ハヤミ ユウセイ ◆JryQG.Os1Y:2012/04/26(木) 22:52:50 ID:30NKoAI6
エピローグ 「始まり」
俺は念動力に目覚めたのは14歳の頃だった
俺はDC残党に追われて逃げていた。
しかし、転んでしまい、捕まりそうになった。
だが、寸前で赤い機体に救われた。
そして、「けがはないか?」とそのパイロットから聞かれた
その時は、気が動転してたので慌ててたが、ちゃんと家まで送って貰ったの覚えている。
そして俺は思った、いつかあの人に追いついて、お礼を言うと誓った
そして、たまたま見つけた写真が地球連邦からの元だったので
追いつけるなら今しかない
こうして俺は連邦にはいった。

66ハヤミ ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2012/05/07(月) 15:16:18 ID:Q0tt89LY
兼貞なんだけどさ、名付け親には申し訳ないが
雷切の命名をさ、汲んであげようかなとは思わなかったのでしょうか?

67 ◆zwG.6Bg2jY:2012/05/07(月) 15:37:58 ID:usMqkYZ6
何がいけないんだぜ?
備前長船兼光の1本が雷切と呼ばれていたと言われているんだぜ
兼貞は兼光は名称的に似ているし、兼貞も列記とした刀の銘だと思うんだぜ。

そしてこんなことに汎用スレを使うんじゃないぜ

68工作中! ◆TfuVQD0bV6:2012/06/12(火) 21:47:32 ID:CMhl7z4Y
「ユズ、これ、凄い事になってるわね……」
「マーチ姉様!もう起きても大丈夫なの!?」

 リガシン一派の秘密基地の一角、隣では捕獲した超機人の解析が進むそのブースで、ユズはゲシュペンストTTの大がかりな改修を進めていた。
 用意されたのはガーリオンの上半身。
 これの腰ジョイントをゲシュペンストのバックパック部分の代わりに取り付けるという無茶苦茶な話である。
 ガーリオン頭部の三次元フェイズドアレイセンサーをゲシュの頭に乗せたくらい、これと比べたら可愛いものだ。

「ガーリオンのテスラドライブによって飛行能力を得たばかりか、肘から先をペイロード用ハードポイントに……」
「はい、T-LINKリッパーとスプリットミサイルを装備、コールドメタルナイフとM950マシンガンをマウントしてまだ余裕があるよ。

 そしてもう一つ」
「……この、胸の装甲剥がして搭載したのが……」
「そう、ブラスターキャノン。今のところ最強武器だね」

 どこで調達してきたのだろう、この必殺武器を。

 そしてこの時、まだ誰も、この後の出来事を予測出来なかった……

69補食中…… ◆E8ckRIIdug:2012/06/13(水) 21:37:34 ID:LAI3XbaQ
「じゃあ姉様、ジェネレーター・オンライン。テストモードでセットアップして」
「テストモード、立ち上がったわ。続いてT-LINKシステム、セーフモードで起動、テスラドライブシステムインストール開始……せめて腕が直ってからで良かったんじゃ?」
「そうしたかったんだけど、何時届くか分からないから……」

 ゲシュペンスト改め“ガーペンスト”の改修作業は少しずつ進められていた。
 まだ失われた右腕の代わりが手に入らないため、それ以外のソフトウェアを順次インストールし、チューニングする。

 シミュレータモードの設定を更新し、T-LINKシステムの出力を15%上げ、FCSをとりあえず左手用に調整しようとしたあたりで異変が起きた。

「……隣が騒がしいよう……大変隣がっ!?」
 テスト用にT-LINKシステムで増幅されたマーチの念動力が、隣の超機人の覚醒の引き金となったのだ!

「姉様っ!逃げてっ!!」
 ユズが叫ぶが、到底間にあわず捕らえられる。
 そしてそのまま超機人はガーペンストを飲み込んで、欠損部分を補う部品にしようと……

70心の中 ◆E8ckRIIdug:2012/06/17(日) 22:35:19 ID:yQZdVYLs
 それは、赤い月光に照らされた荒野。

 レディ・マーチの目の前にいるのは、古墳時代の武具に身を固めた武人である。

「我は、大国魂。
 山を荒らす不届き者、汝が魂、我が供物と「断る」……何!?」
 兜の奥の虚ろな瞳が彼女を見据え、視線が交差した。

「大国魂と言えば大国主の異名であり、大黒天即ちマハーカーラとも同一視される戦神。
 私も剣客のはしくれ、無理にでも一手所望したく」
 愛用の長曾根虎徹の鯉口を切り、すらりと抜き放った。

「妖機人の同胞め……」
「……話を聞かないから先生に負けたというのに……」
 いわゆる“蜻蛉”にも似た構えで斬り掛かる大国魂に、彼女は一瞬背中を見せ、

 次の瞬間、鳩尾に刀を突き刺したまま大国魂は吹き飛ばされた。

「人に会いては人を斬り、獣に会いては獣を、鬼を、機械を、そして神を斬る事こそ剣の……ああ、突いていたな」


「……姉様……!?」
「……ユズ、か……何がどうなった?」
「あ、あのねっ、超機人がガーペンストを襲って取り込もうとしてたら上手くいかなかったように見えたけど……」
「……それであってるわ」

 マーチが目覚めた時、既に彼女の愛機は変貌を遂げていた。

71 ◆jclrQ5ykSY:2012/07/15(日) 18:11:04 ID:Or1p6lIg
【プロローグ:戦場に咲く白き薔薇。その帰還先は嘗て惚れ込んだ地球と・・・】

「私が、ドローンに・・・」
私の過去なんて何の興味もなかった。
記憶もないし、宇宙海賊として、仲間と居て満足だったから・・・
でも、私を育て親からの話を聞き、私の考えは変わった。

『そうだエミリー・・・お前が生まれた星が荒れ果てていたのは教えたことがあったな・・・
 誰がやったのかは教えてなかったが・・・あれは、俺達があの星、あの国を攻撃していた時だった。
 ドローンが来たのもその時だったか・・・俺達が苦戦した相手を意図も簡単に・・・
 そして、国王は未完成の兵器に手を出した。その結果、惑星は死んじまった・・・
 ドローンは民を人質に取って騎士達を侵略軍に吸収したんだ。俺達は立ち去ったけどな・・・』
これが私の育て親の言葉だ。
私は、ドローンと戦った事があったらしい。
ドローンに洗脳され、宇宙海賊と戦い、宇宙海賊に拾われた。
それを聞いて、私の考えは変わった。
ドローンは地球に居る。私も地球に降りる際に襲撃を受けた。
やはりドローンとは決着をつけなければいけない。
地球に戻れば、私の記憶について何か解るかもしれない。

「レイナ、ヒツギ、レオン・・・今、戻るよ。勝手に帰ってごめんね・・・」
私はドローンの操り人形として動いていた時に着けていた仮面を身に着けて再び宇宙海賊の艦隊を去る。
育て親が持っていた設計図やデータを元に修復し、本来の姿を取り戻したスノウローズと共に・・・
仮面を付ける理由・・・
嘗てドローンの奴隷だった自分への戒め、そしてこれが過去への鍵となる事を信じて・・・
行き先は、私を拾ってくれた恩人が住む星。そして、私を信じてくれた人達が住む星。
あの美しい青い惑星に・・・

72 ◆ehmeRCjCRw:2012/07/26(木) 18:36:49 ID:cBrc0g0s
【プロローグ:蒼騎士の瞳】

一面を閉ざす闇と静寂。
天地も、昼夜すらもない、永遠の停滞を思わせる虚空の内に、小さな赤色の光が灯った。
冷え切った宇宙に出現した唯一の恒星の如きそれは、
闇の一角に、一つの輪郭を照らし出していた。

『ミリアス……ミリアス・アレイ』

低く電子的な声と共に、血のように赤い灯火が揺らぐ。
その光を総身に受けながら、身じろぎ一つせずに座しているのは、一人の青年だった。
金糸の装飾を施された蒼い外套を纏い、豪奢な鞘に覆われた直剣を、右の肩に立てかけるようにして携えている。
一言で表すならば、彼は中世の騎士のような装束に身を包んでいた。
長い黒髪の隙間からは、鋭い瞳が射抜くように声の主を睨んでいる。

「……何の用だ」

『決まっているだろう。次なる侵攻の目処が立った。
 君にも、ふたたび我らの戦列に加わってもらおう。”協力者”よ』

赤い光は二度、三度と明滅すると、一挙に膨張して弾け、
暗闇の中心に、ぽっかりと白い穴を穿った。

『よもや、拒否することなどあるまい』

ミリアスは左手に握った機械時計に目をやった。
外界への扉が開放されたのは、実に172時間ぶりであった。

『戦線に立つことでのみ、君は救うことができるのだから。
 君の同胞達と、たった一人の妹君を――』

おもむろに立ち上がると、ミリアスは扉に向かってゆっくりと歩を進める。

やがて暗闇の牢獄から脱すると、そこは殺風景な鉄色の格納庫であった。
整備用と思わしき種々のマシンが行き交う立体的なケージの中心には、
青紫の装甲に身を固めた巨人が沈黙と共に佇み、ミリアスを見下ろしている。

「……滑稽と思うか? お前も」

消灯されたその赤い双眸に向けて、ミリアスは自嘲の言葉を投げかけた。
当然にして、返ってくる言葉などない。
しかし、その物言わぬ瞳は彼の脳裏に、鮮烈な声を蘇らせる。

(力に屈し、罪無き異郷の民を蹂躙することが、兄上の正義なのですか?)

視線を逸らすことなく、瞳と瞳をかち合わせたままミリアスは呟く。

「ここで朽ちるは我が本懐に非ず……
 どうあろうと、今しばらく私に付き合ってもらおう、ヒューキャリオスよ」

そして、蒼の外套を翻しつつ、
ミリアスは開け放たれた愛機のコックピットへと身を投じた。

73名無しさん:2012/09/05(水) 14:43:22 ID:p7azO/gQ
test

74明智ライト ◆zv577ZusFQ:2012/09/11(火) 10:10:37 ID:AWazQAPI
【第5話のちょっと前の時間軸】

月面基地に甲斐が停泊してからまだ1日目の夜。

「……ふぅっ///」

シャワーを浴び終え、微妙に熱の残る火照ったカラダで
毎夜の使命であるヒトに見られたら少し恥ずかしいバストアップ運動に精を出していた薄っぺらい明智ライト大尉。
そんな無防備な日常のシーンを欧州支部からの一通のメールが水をさす。

「あの戦闘の報告をせよ……か。そんな私自身意味が良く解っていないのに。
ああ……もう。なんでそもそも私は月面に居るの?フォールド装置なんて物は実用レベルで作れていないはずよ」

やれエリートだ天才だと周りから持て囃されていても、こんな低レベルな愚痴を漏らしたい時もちゃんと有る。

こんなに非常識的、非科学的な体験をする当事者になったのは生まれて初めてだ。
こんな妙な基調な旅へ連れ出してくれた極東支部の皆様方には本当に感謝の気持ちで一杯。思わずミサイルの一発でもギフトしたいところである。

「それにしても極東の部隊。一部パイロットの個性が強すぎて指揮がまるで意味をなさなかったな。
……特にあの人。レイナ・カーマイン。なんなのよ彼女は?」

出会って一悶着有ってからずっと頭から離れないレイナ・カーマインというお嬢さんの存在。
民間人の分際で何を我が物顔で部隊の采配を?……しかも誰も彼女に意見しない。認めてしまっているのか?
いや、そんなのは有ってはならない。
これでは軍人としての威厳が。沽券に関わるでは無いか。
そんな事がライトの頭でイライラを生む要因となっている。

「……ムカつく。“ちょっと”胸が私より成長してるからと言って。
あんな民間人にあそこまで好きにさせて。全く」

8cmの差は“ちょっと”の一声では済まないはずだが。しかも単なる言い掛かり。
エリート。それも純真な天使が言いそうに無いちんけな台詞が出始める。
駄目だ、これではレイナの思う壺だ。
冷えたミルクを一気飲みして頭と身体を冷却する。やけ酒ならぬやけ牛乳。
牛乳を飲めば胸が大きくなると言う情報に踊らされている様だ。特に好きじゃ無いのか、眉を潜めている。

「でも、不本意ながら彼女が煽動すれば不思議と皆の士気が高揚していく。それは事実なのよね」

まぁそんな不思議な連中ともお別れである。明日のシャトルで甲斐より一足先にに地球へ帰還せよとの欧州支部から通達が来ているのだ。

「そうだ。出発する前にハヤセさん……。……いえ、ついでにハヤミ曹長のお見舞にも寄っておこう。
別に変では無いわよね?」

その確認は何ですか?と言っておく。

翌日の午前中、市街地への私用を許可してもらい、新鮮な見舞い用の青果セットと白い薔薇の花を携え、妙に周りを警戒し、あたふたしながら病室を訪れる明智大尉の姿が目撃されたらしい。

75レイナ&ライト ◆zv577ZusFQ:2012/09/11(火) 11:55:07 ID:AWazQAPI
【第5話序章「わたしの、最高の宿敵」】>>74
月面発地球行きシャトルの時間が迫る中、港へと天使の様な純白制服とアクセントの黒タイツという装備を身に付けた黒髪ロングでスレンダーな美少女が到着した。
なんの事は無い。ただの明智ライト大尉である。残念でした。
そんな出発間近の忙しない明智ライトに声をかける人物が現れた。

「!?……なんですか?」

「ふふふ。わざわざこのレイナ・カーマインが見送りに来てあげたのよ。もっと嬉しそうにしたらどう?」

なんと、一番珍しい人物が見送りに現れたでは無いか。
どういう意図がある?何の策略だ?と顔をしかめて警戒するライトだが二人の関係を思えば無理も無い。

「明智ライト。実は君に大切な忠告をしてやろうと思ってね。私の瞳は君の未来を見通した。そして私はこう提唱する。
……欧州へ戻ってはいけない。戻れば君は取り返しのつかない事になるわ」

「…また例の胡散臭いあれですか?そんないい加減なデタラメはよして下さい。また何の嫌がらせですか?」

レイナの言っている事を理解しようとしないライト。
実際にレイナの予知の力とその信憑性を今回の戦場で間近の位置で見ているはずなのだが、自分に干渉をするつもりなら黙っていない。
エリート部隊の名を貶す様な事を言うレイナにむしろ、腹が立ち始める。
……今回に限ってはレイナは真剣なのだが日頃の行いが災いしている。

「あの勢力に加担していたら、君はもう後に戻れなくなるんだよ。
その対処法はただひとつ。全てを捨てて私の物になりなさい。手遅れにならない内に」

「誰がそんなことを。……あなたこそ、パワーバランスの一角となりうるその存在を主要支部にマークされ続けているのを知らないのですか?
あなたこそ全ての戦力を解除し、おとなしくしているべきなのです」

レイナの上から目線の説得の仕方も悪いが、ライトも自分達の欧州支部の掲げる正義に心酔している節が有るのはいささか否定できない。
話は平行線のままどちらも動かない。
話して理解を得られないのなら後は……

「……明智ライト。次に私達が逢った時は敵同士な予感がするわね。
だからその時は全力でかかって来るがいい。限界まで泣かしてあげるわ」

「……でしょうね。あなたが今後も戦力を捨てず戦いを止めない限り、規律と秩序ある世界の為にやむを得ず武力による統制を取らざるを得ないでしょう。
あと全世界が見守る中、泣いて謝るのはあなたです」

理解を得られないのならば、後は闘争による決着しか無い。
相手を蹂躙する事で、無理矢理にでも理解を押し付けるのだ。
そうこう気に入らない者同士の火花を散らせている内に、まもなくのシャトル出発時間を知らせるアナウンスが入る。

「……では失礼します。この先も甲斐に御武運を」

「ふっ。天使の祝福は悪魔にはむしろ逆効果だわ。さっさと行きなさい」

思っても無い台詞を吐いて、ライトはシャトルへと入って行ってしまった。
レイナにはイクリプスを使ってでも強引にライトを抑える事が出来た。
しかし、そうはしなかった。むざむざ敵となるのが解っている女を行かせた。
ただのキマグレなのだろうか?

76名無しさん:2012/09/17(月) 19:51:00 ID:dmF7Ms1g
ガンダムAGE

77エミリー  ◆jclrQ5ykSY:2012/10/07(日) 01:39:13 ID:FanSUbfA
【アメリカにて】

「そんな・・・!!」
地球へ帰還し、地球連邦のアメリカ軍にスカウトされた私は第77小隊と呼ばれる部隊で活動していた。
私はその司令官からある報告を受けた。

『月面基地にて、ナイト(騎士)の様な未確認部隊が現れた。
 ナイトは月面基地を襲い、増援に駆けつけたカーマイン隊も返り討ちにあっている。
 カーマイン隊は撤退し、殿を勤めたレイナ・カーマインは重傷を負っているらしい。』

私は衝撃を受けた。最初に地球に降りて、私はレイナに拾われた。
レイナが居なければ、私は何も無い地で朽ち果てていただろう・・・
レイナは命の恩人だ。行っても、何が出来るかなんて解らない。でも・・・行かないと絶対に後悔する・・・!!

レイナたちは伊豆に向かっているらしい。
私も輸送機にスノウローズを載せて発進させる。
行き先は勿論、レイナ達の屋敷だ!!

78大川 健二 ◆Iny/TRXDyU:2012/10/07(日) 12:47:14 ID:ot2vtlHM
【プロローグ:出撃せよ!! 次元警察ブライン! 明日の世界達のために!!】
ある何処ともしれぬ次元

その何もない、異様な空間の中で、ある建造物があった

そしてそのなかでは…

「大川 健二君、本日つけで、君は試作バトルスーツ、ブラインの装着者として志願し
今ここで、次元警察ブラインの称号を与える!、いいね?」
「はい!」

一人の老人が、目の前にいる青年に謎のブレスレットを渡す

「これは?」
「それは君が次元警察官ブラインになる為の変身ツールだ。
まだ試作品とはいえ、その能力は充分、危険だ、そのために、君は常に変身するために
ここ、次元警察本部に変身申請を出す必要がある、異論はないね?」
「はい!!、了解しました!」
「よろしい」

青年がブレスレットを身に着けるのを見るとその男性が満足気に頷き、あるモニターを取り出す

「知っていると思うが、君の任務は次元犯罪組織ゲルシャドーの拠点を見つけ出すことだ
そのバトルスーツは先ほどもいったようにまだ試作品、幾ら強くてもまだまだやつらを壊滅させるには程遠い」
「…わかってます」
青年はギリリと歯を鳴らす

そして男性がモニターにある世界の地球を写す

「…この地球は!?」
「この世界の地球、そこは昔、君がいた世界の地球ととっても似ている。
人型兵器もあるという点以外、ほとんど君のいた世界と同じだ」
「ひ、人型兵器があるのですか!?」
「うむ、種族も人間が基本、唯一違うのは他の色々な者から狙われているという点だ」
「他の色々な者!?」

その言葉にケンジはとても驚いた

「うむ、しかしこの地球を狙う者はすべてもともと、この次元にいたもの。
つまりそれがこの地球の定めだ、言っている意味は…わかるね?」
「…はい、その歴史に介入するな…ということでしょう?」

と、俯きながらケンジは言う

「うむ、酷なことだがな、われわれはゲルシャドーとの戦い以外で介入してはならん
その結果がどうなるかは…わかるな?」
「…はい、了解…しました…」

と、言うとケンジは敬礼する

「うむ…ではついてきたまえ」
「ハイッ!」

次へ

79大川 健二 ◆Iny/TRXDyU:2012/10/07(日) 13:00:04 ID:ot2vtlHM
そこは、格納庫のような場所だった

「ここは…」

ケンジは周りをキョロキョロと見渡すが

「なにをしている!、こっちだ」
「はっ、はいっ!」

上司の呼び声にこたえて走る

そしてついた場所にあったのは…

「これは…ラーメン屋台?」

そう、手で引っ張るタイプのラーメンの屋台だった

「君のいく地球でのカムフラージュだ。
副業として、このラーメン屋台で働くことを命じる
食材は自動的に送られるから心配しなくもいい」
「わ、わかりましたが…」

「それと…ブレスレットの赤いボタンを押してみろ」
「ハッ!」

返事をすると、ブレスレットを見て、そこに付いている、赤いボタンをおす

すると見る見るうちに屋台の形が変わってフライトユニットとなる

「えっ!?、まさか…」
「うむ、これはブラインが次元を移動するためのメカ
表の姿はラーメン屋台、しかし実態はブラインのフライトユニット、「シャインブライト」だ!!」

と、上司は勢いを受けていう

「さぁ、君も変身したまえ!」
「わかりました!」

そういうと、ケンジはブレスレットを頭上に掲げて叫ぶ

「次元転換!!、ブライン!!」

と、叫ぶと同時にブレスレットから光が降り注ぎ、ケンジの体を包み始める!!

そして少し経つと光がはじけ、その銀色と青色に光るメタルボディが現れる

「さぁ出撃せよ!、次元警察官ブライン!、明日の世界達のために!!」

「はい!!」

そういうと、ブラインはシャインブライトに乗る

そして次元が裂ける

「それでは!、任務にいきます!!」

と、言うとともに、シャインブライトは、そのジェットのようなものをふかして次元の裂け目に入っていく

「頑張ってくるんだ…ブライン、大川 健二、…次元警察官よ」

80【1】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:17:38 ID:276WmNrY
【外伝「月を斬る剣」】

「ミリア・フローレンス・シュヴァルツァー? ……ええ、覚えておりますよ。
 私の弟子の中でも、あの子ほど奇特な者も居ませんでしたからな」

そう語るのは、東京の町田で小さな剣術道場を営んでいる老人。名を三輪重家といった。
襖一枚隔てて、道場に通う子供達のかけ声が聞こえてくる中、頭に白いものしか残っていないほどの齢を重ねた彼は、
湯気を立てる茶で喉と唇を潤し、

「思い出しますな……あの頃を。あなたもご存じだからここに来たのでしょう? 私がディヴァイン・クルセイダーズの一員だったことを。
 はは、年甲斐もなく大はしゃぎをしたものです。とはいえ、私は一度も戦場に出たことはありませんでしたがね。
 私があの組織でやっていたのは、AMに乗るパイロット達に剣を教えることでした。
 …………ええ、仰るとおり、銃器の類が発達している反面格闘戦が不得手なAMでの戦闘では格闘戦に移ること自体が稀なことでしたし、
 格闘戦を主眼とする機体……特機の戦闘においては一撃必殺を重んじる示現流が主流でした。
 私が教えていたパイロット達は、近接戦闘にも対応できるようになった、ガーリオンの量産機に乗っていた子らだったのです。
 ……いえ、乗るために育成されていたパイロット達、と言った方が正しいでしょうな。
 将来的にそういった機体が量産されることを見越して、ゾルダーク総帥は私にそのパイロット達に剣を教えることをお命じになったのです。
 …………いいえ、そういった者は私だけでは、もちろんありませんでしたよ。他にも色々な先生方が居りました。
 洋の東西と武器を問わず、このために総帥は様々な道場の先生をお集めになったようです。
 そういった中で、私が担当した子らに学ばせたのは、柳生新陰流でした。……ええ、江戸柳生の方です。柳生宗矩の」

三輪老人は記憶を引っ張り出すかのように、顔と目線を斜め上に持って行く。

「選抜された子らだったらしく、皆素直で、私の教えをよく聞き、守ってくれました。そしてその中に居たのが、彼女……ミリアです。
 まだ十五という幼い歳なのに家族をエアロゲイターに殺されて孤独の身となり、復讐の炎を燃やしてクルセイダーズに入隊……悲しいことですが、
 組織にはそういった者は珍しくありませんでした。ですが彼女の才能は違っていました」

顔を戻した三輪老人の顔には、わずかな興奮が宿っていた。

「非凡な剣を振るう子でした。十五の娘が、そのような域に至れるのかと疑問に思われるでしょうが、これだけははっきりと言えます。
 彼女は天才でした。スポンジが水を吸うように、とはあのことを言うのでしょうな。加えて熱心な子で、暇を見ては剣を振るっていました。
 …………ええ、そうでしょうな。しかし、彼女の目的と合致する習い事で、なおかつ自分の性に合っているとなれば、楽しさもあったと思いますぞ?
 ……はは、ばれてしまいましたか。ええ、私も彼女に剣を教えるのが楽しみになっていましたよ。
 他人の子ではありましたが、時折孫を見るような目で見ていた自分も居たことは否めませんよ。お恥ずかしい話です」

照れくさそうにする三輪老人の後ろには、剣道着姿の青年の遺影が置かれた仏壇があった。

81【2】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:19:30 ID:276WmNrY

「ともあれ、そんな日々が続いておりましたが、ある日、弟子達の腕がどこまで上がっているかを見るために、試合を組んだことがありました。
 まあ良くある稽古試合ですな。その中でミリアともう一人、アベルという青年が試合をしたのですが、このアベルが奇妙な負け方をしました。
 新陰流は活人剣(かつにんけん)……ここでいう「活人剣」は剣術の上での語句で、
 世に溢れる勧善懲悪ものの小説などで知られる心構えとしての「活人剣(かつじんけん)」と字は同じですが意味が違い、
 相手を誘って相手に先に打たせ、その動きを読んで「後の先」、つまりはカウンターですが、これを叩き込むことが肝要とされています。待ちの剣術なわけですな。
 そんなわけですので、新陰流を学んだ者同士が戦う際、基本的に「先に必殺の意をもって動いた方が不利」であります。
 ですが、相手も待ちかまえて動かないと、待っていても埒が明かない。そのための撹乱の技もあり、そういった技の中に必殺の一撃を紛れ込ませて先手を打ち、
 勝つことも可能でありますので、一概に先に動いた方が負けるかというとそうでもありません。
 前置きが長くなりましたが、「先に動いた方が負ける確率が高い」というのが皆の共通認識であったことだけは覚えておいてください。
 そうした認識があって、私も他の弟子達も、ミリアとアベルの試合も先に行われた数試合のように、剣によるかけひきが行われる、そう、思っていたのです。
 ですが、結果はそうではありませんでした。
 試合が始まり、ミリアとアベルがやや斜めの正眼に構えたまま相手の剣がぎりぎり届かないくらいの間合いに至ってすぐ、ミリアが踏み込みました。
 そして次の瞬間には、ミリアの竹刀がアベルの胴を打っていました」

三輪老人は手振りを使って、その時の様子を表現する。

「それだけなら、ミリアのスピード勝ちのように聞こえるでしょう。
 しかし先に述べたように、新陰流を学ぶ者にとって、相手が先に仕掛けてくるというのはまたとない好機なのです。
 ミリアの相手をしたアベルも、特別不出来な者ではなく、むしろ優秀な方だったのですが、何故かその時アベルは正眼に構えたまま棒立ちで負けてしまったのです。
 奇妙に思った私はアベルを呼び、何故棒立ちだったのか? と問いました。その問いに対し、アベルはこう答えました。「何もかもが見えなかった」と。
 ショックを受けている様子の彼を休ませ、全ての稽古試合が終わった後、弟子達を部屋に帰した私はミリア一人に残るように言い、
 アベルとの試合で何をしたかを問いました。するとミリアは、「試してみたかったことがあったので、それをやった」と答えました。
 何でも彼女が言うには、今まで剣を習ってきて、何度か試合をしてわかったことだが、剣を持って向き合う際、
 相手と剣には独特の「気」のようなものが感じられる。打ち込んでくるときなどは、それが顕著に感じられる。
 相手の打ち込みを受ける際、視覚、聴覚による情報はもちろんであるが、この「気」を肌で感じてそれに反応しているふしがあることに気がついた。
 ならば、その攻撃の際の膨れあがる「気」を消し、出来る限り素早く打ち込めば、自分と剣は不可視の剣となるのではないか、と」

話し相手が失笑を禁じ得ないことに気がついた三輪老人は、つられるように微笑みを返したが、すぐに真面目な顔になって、

「ええ、あなたが今お感じになったように、私も「そんなバカな」と思いました。私も剣を握ってそろそろ四十余年になろうかという歳、
 ミリアの言う打ち込みの際の大きくなる「気」のことはよくわかっておりますし、あれを受けて体が反応している、というのも頷ける話です。
 ですがその「気」を消す、などということを言い始めたのはミリアが初めてでした。アベルの言うことを疑うつもりはなかったのですが、どうにも信じられませんでした。
 当然、失笑を堪えて変な顔になった私に、ミリアはふくれっ面で抗議し、「疑うのなら見せてやる」と言い、自分の竹刀を引っ掴みました。
 私も道場にあった竹刀を持ち、ミリアの言う「不可視の剣」とやらを受けてみるか、と軽い気持ちで彼女と向き合って」

テーブルの上で組まれていた三輪老人の手、その左手が、右手首をさすった。

82【3】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:20:13 ID:276WmNrY

「それから一分も経たないうちに、その「不可視の剣」の威力をまざまざと見せつけられました。
 結果はアベルとほぼ同じ。ミリアの剣に対応できないまま、棒立ちで右の小手をとられました。
 …………ええ、「見えなかった」のです。ミリアはもともと小柄な娘で、剣も力よりは早さを売りにしている剣士でしたが、
 それを差し引いてもあの「見えない」というのはひどく奇妙なものでした。
 何せ、目の前にいた相手が瞬きするかしないかの、本当に短い刹那に姿が消えて、自分に剣を当てたのですからね。
 得意げな表情のミリアを、しばらく呆然と眺めていましたよ」

その時のことを思い出しているのか、三輪老人は小さく笑った。

「その後も何度か彼女の剣を試しましたが、結果は全て同じでした。
 彼女の剣筋どころか、姿さえ見えなくなった私を剣で捉えることなど、彼女にとっては容易なことだったでしょう。
 私はミリアの「不可視の剣」を認めました。認めざるを得ませんでした。
 …………ええ、仰るとおり、私がミリアを始めとする弟子達に剣を教えたのは、あくまでAMでの格闘戦にその技術を使うためです。
 ですので、私は上層部の方に無理を言って、彼女の「不可視の剣」が機上での戦闘で使えるのかどうかを試しました。
 結果は驚くべきもので、ミリアの操るガーリオンも、その姿を消しました。
 機体のセンサー、モニター類は彼女の機体がそこに居ると合唱しておりましたが、それでも見えなかったのです」

弟子の編み出した技で倒される師匠としての自分を語る三輪老人であったが、その顔は晴れやかで、どこか嬉しそうだった。

「ミリアの「不可視の剣」はそんな不思議で凄まじい技でした。
 心が平静で澄み渡り、敵からどんな攻撃を受けてもそれに対応し、即座に「後の先」を打ち込むことが出来るような心の境地を「水月」と呼びますが、
 その境地に至ったいかなる剣豪でも、ミリアの「不可視の剣」を受けては冷静ではいられますまい。
 ゆえに私は「不可視の剣」を「水月」を斬る剣、「斬月剣」と呼んではどうか、とミリアに勧めましたが、ミリアは難しい顔をして唸った後、
 「どちらかというと自分の剣は暗殺剣っぽいから、そんな必殺技みたいな名前は相応しくない。だから、「新月剣」と名付けることにする。
 ほら、新月の夜には閃く白刃が見えない的な話があるだろう」と言って、「不可視の剣」を「新月剣」と呼ぶことに決めたようでした」

自分の剣を学んだ者に、自分を超える傑物が出た。三輪老人は、それを喜ばしく思うタイプの人間であった。

「その後、他の弟子達と同様にミリアはAM用の日本刀が装備されたガーリオンに乗って各地を転戦しましたが、運悪く遠くに離れている時に、
 あのアイドネウス島の事件が起こり、彼女はゾルダーク総帥と運命を共にすることは出来ませんでした。
 ですが私に言わせれば、それは幸運なことです。あなたがここに来たということは、彼女はまだ生きているのでしょう?
 だから話を聞きに来た。違いますか? …………なるほど。もし見つかったら、何卒、良きにはかられますよう、お願い申し上げます。
 あの子は連邦に対して収まりきれぬ怒りを抱いておりますが、それは逆に言えば、家族想いの優しい子であるということ。
 あのような子が復讐の炎に身を焦がすことなどは、本来あってはならぬことなのです。
 怨みを飲み込み、世のため人のためにミリアが「新月剣」を振るうようになるのでしたら、それはこの老いぼれにとって、最上の冥土の土産になりましょう」

83【4】 ◆Tg./UqnJ52:2012/11/16(金) 08:20:59 ID:276WmNrY
【外伝「月を斬る剣」:余談】

「ふう……」

三輪剣術道場から出てきて、そんな吐息ともつかぬ声を漏らしたのは、黒色の軍服にこれまた黒色の軍装マントを羽織った、長い銀髪の女性。
年の頃は二十そこらといったところだが、同年代の市井の女性とは違った空気を持つ。
無論、その服装の影響もあるのだろうが、それだけでないこともまた、確かだった。

「年寄りの話は長くなりがちだな。まあ、おかげで興味深い話も聞けたし、良しとするが……」

ちらりと女性が目を向けた先には、黒塗りのいかにもな車と、その側に立っている、腰まで届くほどに長い、薄い赤色の髪が印象的な、
十代後半ほどに見える小柄な人物。
車の横に立っているその人物は、柔和な微笑みを女性に向けていたが、対する女性は呆れたような顔で額に手を当て、

「如月博士、長くなるから先に帰れと私は言ったはずだが?」
「ホテルに帰ったところで、話し相手の特尉が居ないのですから、結局暇になります。
 ですがこうして待っていれば、少なくとも帰る途上の特尉を拾える分、多く話せる。
 実に合理的な理由だとは思いませんか?」
「やれやれ……私は女性週刊誌の代わりか?」
「まさか! 安全保障委員会直属部隊の隊長を女性週刊誌の代わり扱いなどできませんよ。
 そんなことをしたら私の脳天に突然穴が空く怪事件が起こるじゃないですか!」
「君とは一度、うちの部隊をどう思っているか、よく話し合う必要があるようだな?」
「そうですか? まあ私としては、特尉と話せる話題が増えて嬉しいですけどね」
「君を喜ばすために言ったわけではないぞ。念のために言っておくが」

呆れと困りを7:3くらいに混ぜ込んだ複雑な顔をしつつ、「特尉」は黒塗りの車の助手席に乗り込んだ。
相変わらずの微笑みを見せていた、如月博士と呼ばれた人物もそれに倣って運転席につく。

「…………で、成果はどうでした?」
「面白い話は聞けたが、これまでと同じさ。消息不明。そろそろ諦める時期に来ているのかも知れんな、ミリア・シュヴァルツァーの捜索は」
「元トロイエ隊、とか元教導隊、とかのネームバリューがありませんしねぇ。
 知る人ぞ知ると言うか、マイナーな人物のようですし」
「しかし、その「知る人」から得られる情報にはほぼ誤差がない。彼女の師匠からのお墨付きも今日、得た。
 彼女の「特殊な技」……師によると「新月剣」という名だそうだが、その存在と効果は確かなようだ」
「にわかには信じられませんがねぇ、姿が消える、だなんて。錯覚の類なんでしょ、それ?」
「おそらくな。だがその錯覚は彼女に対した全員が経験したことであるし、その全員が彼女に敗北している点から見ても、強力な技能であることは疑いようがない。
 ……ああくそ、喉から手が出るほど欲しい人材だ」
「特尉の人材好きも変わりませんねぇ」
「やかましい、ほっとけ。そしていいからとっと出せ。腹が減った」
「はいはい」

はい、は一回でいい、と特尉が如月博士を小突くのと同時に、二人の乗った車は町並みに消えていった。
甲斐が地球に戻る少し前の話であった。

84ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/06(水) 14:32:36 ID:5O2EALSo
【プロローグ:継ぎ接ぎの爆撃機】
この世の何処にでもある戦場 何処にでもある前線 何処にでもある野戦飛行場
発着場には、その日戦闘を終えたPTたちが次々と帰ってきた

また一機 味方のPTが帰ってきた、装甲のあちこちには銃創が開けられ 所々剥がれ落ち 間接は火花を散らす
よほど集中砲火を浴びたのだろう、だが当のパイロットは何時もの事と気にも留めていない

ラーズアングリフ・ドロワナ 彼の機体、幾度となく出撃と被弾を繰り返し、そのたびに違う系統の装甲を無理やり貼り付けて使い続けてきた、継ぎ接ぎだらけの爆撃機

「ふぃ・・・」
機体をメカニックに預けて機体から降りる、そして共に生還した仲間とフィスト・バンプで喜びを分かち合う

「ニック 今日は敵の真っ只中に突っ込んでアヴェンジャーをぶち込んだんだ、貸しは高いぜ」
屈託のない笑みを浮かべるのは背の高い白人、名はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル
火力支援が主な任務だガ、その度胸と技術、そして多少の運を駆使してそれ以上の活躍を見せる、この部隊のエースだ

明日は非番、これから最寄の酒場まで繰り出して、気の知れた仲間と酒を呑み、歌姫に色目を使い、カードでギャンブル
だが、そんな楽しみは、上官直々の出頭命令により霧散してしまうことになる

――――
「は? 転属命令・・・ですか?」
丸めてロッカーにぶち込んでいたよれよれの軍服に身を包み この基地で一番のお偉いさんの下にはせ参じたゼバスチャンは、突然の辞令に素っ頓狂な声を上げた
書類には、ここから遥か遠くに位置する島国、日本の伊豆基地への転属を命ずる等の一文が記されていた

「ですが・・・何故自分が?」
腑に落ちない。確かにこの基地では特に戦果を挙げるエースと呼べる存在だろう
だが入隊以来昇進に恵まれず、齢37で階級は軍曹である

言ってしまえば星の数ほども居る一下士官なのだ、ソレをわざわざ引っ張ってくるとは・・・
その質問にボスは肩をすくめるばかり、詳細な理由は分からないらしい

だが命令は命令だ、部下は黙って命令に従うのみ

――――
数日後、慣れ親しんだ戦場との別れ
これから始まるのは今までとはまったく異なる環境、異なる仲間、不安は山ほどあるが、ソレもまたいい経験だ

「アバヨ野郎ども!! 寂しくなるなぁ 死んだら地獄で会おうぜ!!」
見送りに来た友人達に挨拶を済ませ、継ぎ接ぎの爆撃機は一路 日本を目指して飛び立った

85メグたち、そのころ ◆E8ckRIIdug:2013/02/20(水) 21:59:54 ID:0ZowkPtk
 皆が会議室でブラインの話を聞いている頃、別室では……

「では博士、こちらでしばらくお待ち下さい」
「タイデグリー中尉はしばらくかかると思いますので」
「……分かりました……

 あら?はじめまして」

 メグがレミーの指示で待たされる事になった部屋には、既に怪しげな虚無僧がいた。

「やや、ウィルマース博士ですな。
 拙僧はタイデグリー中尉から博士の供をするよう頼まれた、参願(さんがん)と言う者で御座る」
「そうですか。わざわざありがとう御座います。

 と言う事は、レミーを待たず諏訪に行ってもいいのね!」

 そう言う事になりそうである。

86レオンのその頃 ◆NcltM1gQ/Q:2013/02/21(木) 22:44:50 ID:8a4ROJWI
ゲルシャドー撃退後あたり某所

「アンノウンからの攻撃が相次いでるってのに何で俺はこんな所に居るのかねぇ…?」

月面での軍事行動を連邦政府に問われ事実上の解体を言い渡され
イサムとの繋がりが強いとされる人物は監視付きの謹慎処分とされていた
珍しく今回は背広姿である
デスクには始末書の山があり椅子にもたれかかり隣でキーボードを軽快に叩く丸眼鏡の背広姿の男に話し掛ける…が
直後に男はデスクから取り出したUSBメモリを落としてしまう
すぐさまソレを拾い上げて男に差し出す。袖の下に仕込んだ同型のUSBとすり替えて

レオン「ほい」

男はソレを『確認』したのちレオンに返礼する

「貴方の事は知りませんが…拾ってくれてありがとうございます」

手慣れた手つきで差し替え再びキーボードを叩く
一方のレオンはタブレットを取り出して画面に目をやる
内容は月面での攻防の後のレイナ達の処遇についてである

(…今回に関しては某高所からの圧力により不問とはされたが、欧州支部からはより強い警戒が懸念される…か)

タブレットをしまうレオンを横目に男が話しかける
作業は続けたままだ

「そうでした。貴方にどう関係があるかは知りませんが明智氏がアンノウンを撃退したらしいですね。ひとまず部隊に欠員はなしとか…」

レオン「…へぇ。最近はホントに物騒だな」

そっけない風をするがつまりは全員無事…と言うことだ

87 ◆ehmeRCjCRw:2013/02/21(木) 23:20:50 ID:mH.gTu92
自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

自分の思い通りにいかないと人のロールにケチ付けまくる人格破綻者の糞野郎 ◆NcltM1gQ/Qをよろしく!!!!!!!!!!!

88ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/23(土) 22:16:10 ID:m2oThc9I
伊豆基地に接近してくる機影が一つ

「アレが極東、伊豆基地か・・・長かったなぁ」
ソレは何処にでも居る一下士官の乗る爆撃機だった

なにやら自分が到着する前にアンノウン(?)とドンパチがあったらしいが、伊豆の基地が無事と言うことは無事撃退ができたと言うことだろう
決して居心地がいいとは言えないコクピットの中、手元の資料に目を通していたが、そろそろ基地に呼びかけないと防衛システムのような何かで撃ち落されそうで怖いので

「通信開始っと・・・あー あー 伊豆基地へ、こちら今日付けで配置転換されたゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹である そちらの着陸位置を知らせ」
基地に向けて通信を行った

どうやらちゃんと話しは通っているようだった、基地からは着陸コースを指定するデータが転送されてくる行き先は・・・格納庫のようだ

――――――場面転換 格納庫へ――――――――

昨日まではなかった新しい機体がやってきた
ソレは恐らくラーズアングリフと呼ばれる機体・・・なのだろう

普通軍属についていなくても、PTの知識があれば、機体の判別などそう難しいものではない
何故恐らく・・・なのだろうと不確定な物言いをしたのか? ソレはその機体が余りにも歪であるからである

アノ機体の右足辺りの装甲は アレはガーリオンの物ではないだろうか?
腰の分厚い追加装甲は ゲシュペンストmk-2改タイプCのソレではないだろうか?

他にも細部を見れば、そこにあるのは他系列の物ばかり、よく見てみれば一部グルンガストのような特機のパーツをも組み込み
そのパーツを赤や黄で注意と書かれたテープでグルグル巻きにしてある、どう見ても正規の修理を行ってこなかった代物

傍目から見ればポンコツ、継ぎ接ぎのイメージをもたれること請け合いな機体が、彼に宛がわれたハンガーに納まった
ラーズアングリフ・ドロワナ 伊豆基地に到着である

89 ◆zwG.6Bg2jY:2013/02/24(日) 01:51:06 ID:SVuPn4po
>>88
>「通信開始っと・・・あー あー 伊豆基地へ、こちら今日付けで配置転換されたゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹である そちらの着陸位置を知らせ」

『こちら伊豆基地航空管制……そちらを確認した、C滑走路への着陸を許可する。以後送信したデータを元にこちらの指示に従え』
通信に対して出てきたのは航空管制の人間だった、当然といえば当然の話だが。
その男の言葉を示す通り、昼間でも視認できるほど強力な光を放つ進入灯がルートを提示してくる
C滑走路は格納庫に最も近い、なにやらその近くに巨大なドックも見え、そこには既に戦艦が停泊しているようだ。
あれはセバスチャンが配属された部隊のものと見て間違いないだろう



一方その頃、部隊へと新たに編入してくる人物を迎えるためヒツギは格納庫に立っていた。
事前に受けた情報によると、まず名前はゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹
前は支援爆撃を主とする後方部隊に所属していたらしい

搭乗機はその前部隊の方向性に則り、ラーズアングリフに大型の実弾兵器を追加した代物とのことだ。
だがそんな事前情報は無しにしても『一目で分かる』とのことだったが・・・

「『ゼバスチャン』変わった名前・・・なのか?
 白髪のスタイリッシュなスーツ姿のジェントルメン、こうモノクルも付いてますみたいな」
それはセバスチャンだと突込みが飛んできてもおかしくない発想だ
実弾で後方支援というのも中々渋い、そこもヒツギが年配の方イメージを持つ要因になっているのだろう。



>昨日まではなかった新しい機体がやってきた

「お、来た!・・・か?」
一瞬にして語尾が怪しくなったのはやってきた機体の姿が起因していた。
自分が乗っている機体も決して趣味がいいとは言えないのだが、これは別の方向性でぶっ飛んでいた。

>右足辺りの装甲は アレはガーリオンの物
>腰の分厚い追加装甲は ゲシュペンストmk-2改タイプCのソレ
>他系列の物ばかり、よく見てみれば一部グルンガストのような特機のパーツをも組み込み

全体的にチグハグしているのだ、形状と左右非対称さがその印象を与え

>そのパーツを赤や黄で注意と書かれたテープでグルグル巻きにしてある、どう見ても正規の修理を行ってこなかった代物

それらを固定しているのであろうテープがさらに異彩を助長している
確かに書類をくれた担当が笑いながら『見れば分かる』と言ったのが頷ける。
無理やりに改修を続けて言った結果、同一の固体は絶対に作れないと言ってもいい領域になってしまっている
ずんぐりむっくりの体系と背負った巨大な砲塔がくラーズアングリフだと教えてくれるが、これはいい意味でも悪い意味でも一発で識別が可能だ。

「・・・フランケン」
ヒツギがその姿を見、称するように呟いた

90 ◆h9Hr5c.eFE:2013/02/24(日) 02:33:19 ID:XUbZy4Yk
>>88
「なによアレ。どんなのが入ってくるかと思えば、継ぎ接ぎだらけの出来損ないじゃん」
どうやら、その異質な容貌はマヤの美観には合わなかったようだ。
率直すぎる感想に対し、彼女の傍らに立つつばめは申し訳なさそうな苦笑いで応じた。
何故彼女達三人がこの場に居るのかといえば、軍による機体の査定を受けるために、たまたまこの格納庫を使用していたためである。
現在は静香が風姫に乗り込んで各部の仕様を説明している。
続く焔姫のシステムチェックに備え、マヤは既にLDMLスーツへの着替えを済ませていた。
ピンクのハイレグレオタードにキャットガーター等の扇情的な装飾、兎の耳のようなヘッドマウントデバイスを身に付けたその姿はバニーガールさながらであり、
必然的に周囲の目を引いているのだが、等の本人はまるで気にする様子もなく、腕組みしながら大型コンテナに寄りかかっていた。
「構造材がまちまちの増加装甲に、図面を引いて割り出したとは思えないあの形状…
あれって、現地回収を繰り返した結果導き出されたバランスなんでしょうか?
パイロットさんにとってはあれが最適解なんでしょうか? 気になります!」
マヤとは対照的に、つばめ(こちらは平服である)は嬉々としてラーズアングリフを眺めていた。
メカニックとしての経験も備えるつばめにとって、その左右非対称の武骨なフォルムは興味深いものらしかった。
夢見る乙女のごとく目をキラキラさせている戦友の姿に溜め息を一つ吐くと、マヤはコックピットらしき場所に注目した。
「乗り手が出てくるみたいよ?
ま、好き好んでああいう機体に乗る奴なんて、どうせネクラで悪人面の兵隊やくざに決まってるけど……」

91ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/24(日) 03:49:28 ID:Z/6gILz.
>>89-90
「はいはいよっと・・・向こうだな」

着陸態勢にはいるラーズアングリフ 
視界の先には、立派な戦艦が鎮座していた。あれが自分の配属される戦艦である甲斐だろう

「あんな綺麗な戦艦に・・・これで大丈夫・・・だよな うん きっとメイビー」
ドロワナって継ぎ接ぎだもんなぁと、一抹の不安を覚えながらも、強引に納得して考えないことにした

何はともあれ格納庫に入り、コクピットが開く
降りてきたパイロットのイメージと実際のギャップは ヒツギが100% マヤが50%といったところだろうか?

身長191cm 体重99kgという高身長にガッシリとした体格 金髪を短く刈り込み 軍服は長年クリーニングに出してきていないことが一目瞭然なぐらいよれよれと
正にセバスチャンという名前から連想される人物にはかすりもしていない、堂々たる軍人がそこにはあった

そして出迎えだろうか? まだ少年といっても差し支えないほどの彼に背筋を正し、敬礼をすると

「本日付でこの伊豆基地に配属されました ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹でぇあります!! 以後よろしくお願い致します!!」
大きな声で ハキハキと自己紹介を行った、厳つい顔といい これだけを見れば厳格な職業軍人っぽく見えなくもないのだガ

「まぁそういうわけだ、仲良くやろうぜ少年 出迎えご苦労」
急に姿勢を崩し、屈託のない笑みを浮かべながら 少年の方をポンポンと叩こうと手を上げた

>>90
そしてあたりにキョロキョロと視線を向けていたら こちらを見ている少女が2人目に入った
しかもそのうちの1人はなんともセクシーなスーツを着ているではないか

「♪〜 こいつは目の毒だなぁ ひょっとして俺への歓迎の印かい? だが少なくても5年以上は経ってからもう一度来てくれ」
口笛を一つ、その悩ましい姿に笑みを浮かべるが、残念なことに自分のストライクゾーンに入るには、若すぎたようだ

もっとも入ったから何だという話ではあるが

「俺はここにむるまえ、後方支援を担当していたんだガ・・・性に合わなくてねぇ、一報いただけば最前線まで出張って火力支援を行うもんだから
 ただでさえ重装甲のラーズアングリフでも捌ききるのは至難の業」

「だから現地のメカニックに無理行ってパッチアーマーを取り付けてもらったってワケ
 確かに見てくれも悪いし、テープで止めるなんてパワープレイも入っているが、これが意外と動きやすいんだぜ」
きっとこれを受け持ったメカニックは職人と呼んでも差し支えない腕だったのだろう

他系列の装甲を無理やりくっつけながらも、全体の動きを損なわない、機械化の進んだ今、良い意味でも 悪い意味でも 旧時代的【職人】の作品と言えるだろう

「何はともあれ今日から仲間だ よろしく頼むよ少女たち」

92 ◆zwG.6Bg2jY:2013/02/24(日) 20:03:18 ID:SVuPn4po
>>90
>「なによアレ。どんなのが入ってくるかと思えば、継ぎ接ぎだらけの出来損ないじゃん」

「流用できそうなパーツを片っ端から取り付けていったってことは
 それだけ長く継続して使われている=生還率高しって証明でもあるし、出来損ないって訳じゃなさそうだけどな」
思いのほか痛烈なコメントを残すマヤとは対照的に、ヒツギはその姿から機体の経験値を導き出した
あれらのパーツを無理を承知で組み合わせるということは、それだけ資材が不足しているということ。
不恰好でこそあれど、そんな中でも改修を受ける立場であったあの機体は歴戦の勇士といっても過言ではない・・・というのがヒツギの見解だった

「よくあるだろ、傷は勲章みたいな?」
カラッとした笑顔に茶目っ気のあるウィンクを混ぜて短くまとめてきた。
もっともこの見方ができたのは視野が広いというわけではなく、ヒツギの性格や趣向にも同一の方向性が見受けられるからというのが大きな理由だろう
結構な肉体系として、もしかしたら変な部分が共鳴したのかもしれない。

>マヤは既にLDMLスーツへの着替えを済ませていた。
>ピンクのハイレグレオタードにキャットガーター等の扇情的な装飾、兎の耳のようなヘッドマウントデバイスを身に付けたその姿はバニーガールさながらであり、

「っていうかその格好寒くないのかよ、そのスーツって皮1枚みたいだったはずだろ」
バツが悪そうに頭を掻きながらヒツギは尋ねる。
ここで「はず」という言葉が出てくるのは、彼が視線だけは絶対に合わせようとはしないからであった。
本人は照れを隠しているのだろうが、いくら平常心を取り繕うとも羞恥からほんの少し赤くなった頬は隠せていない。
年相応なのか、それともこういったことにヒツギ自身が免疫がないのか・・・

>「乗り手が出てくるみたいよ?
>ま、好き好んでああいう機体に乗る奴なんて、どうせネクラで悪人面の兵隊やくざに決まってるけど……」

「っとそうだった、いっけね忘れるところだった」
マヤの言葉で自分がなぜこんな所にいるのかを思い出し、ヒツギは気を引き締めた。
・・・内心はマヤと自分の予想、どちらがあっているか地味に勝負事にしていたりもしたのだが

>>91
>身長191cm 体重99kgという高身長にガッシリとした体格 金髪を短く刈り込み 軍服は長年クリーニングに出してきていないことが一目瞭然なぐらいよれよれ

なるほどそっちか!とヒツギは意味もなく頷いた。
名前のイメージに囚われていたけれど機体を考えればタンクトップが似合う屈強な軍人が出てきてもおかしくはない
そして方向性としてはマヤの勝利だ、自分で勝手にやってたことだが微妙に悔しくもある。
忘れないうちにと、ヒツギはゼバスチャンと合流したという連絡を送っておいた

>「本日付でこの伊豆基地に配属されました ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹でぇあります!! 以後よろしくお願い致します!!」

「こちらはヒツギ・ハヤセ少尉であります!ようこそ伊豆基地へ!!」
そんなゼバスチャンにつられる様にヒツギも張りのある声と共に四肢をピンと伸ばし敬礼を行った。
だが直後にその表情は緩み、ニィっと歯を出して悪戯っぽさも残る笑顔に変わる。

その顔つきはまだ未成年であろう独特の幼さを持っていたが
差し出された手を、よくよく見るとその体は一介の軍人と比較しても良いほどに鍛えられている。
引き締まり硬く詰まった手の筋肉と独特の傷や豆から、手を強く握りこむような・・・
所謂格闘技をやっているであろうことも推測できるだろう。

「・・・っと先に断って置かないと行けないことがあるんだ。
 実は今、数時間前に起こったアンノウンによる襲撃事件についての情報を関係者から聞いている最中で
 本当ならもうちょっと上の部隊指揮官やら艦長やらが出てくる予定だったんだけど出払っててさ。」
なるほど確かに、基地内が少し慌しいと思ったらそういうことだったらしい。
ただ出迎えにしては、既にパイロットが搭乗していることが伺えるヒュッケがスタンバイをしていて物騒だったり
こういった事に慣れているようには見えない少年が対応に出向いていたりするのはそのアクシデントが原因のようだ。

93ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/24(日) 20:35:43 ID:biyYEwF2
「さてと、見に行きますか。」
アスト博士に、搬入機のメンテを変わりにやれと、言われたので
喜んで、行くことにしたユウセイ。
(正直言って、あの空間息苦しかったし。)
(大将や、河嶋大佐には、また今度聞けばいいか。)
そんなことを思いながら、行くと
「………何だ、あれ?」
ゲシュペンストのC型、ガーリオンのパーツ
そして、グルンガストの、パーツまで
「どうしたら、ああなるんだ?」
ユウセイにしては、まともなツッコミ
「えっと、この機体のパイロットさん居ますか?」
「メンテをするんで、テープ外すのと」
「出来れば、無理矢理付けた、パーツの場所を教えてくれると助かる」
「交換とかも、考えるから少し時間をくれ。」
「それと、ヒツギ、出来れば、メンテ手伝ってくれると良いけど、どう?」
流石に、こんなにゴテゴテした機体を相手すんのは大変なんで、応援を求める。

94五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/24(日) 22:04:05 ID:o5Tq.RUE
「や、もう来てたか」
 やや遅れて、一人の士官が駆け寄ってきた。

「当基地所属、五味淳一中尉だ。
 本当は甲斐の士官が来るはずなんだが、ちょっとタイミングが悪いみたいでな……」
 五味はそのあたりは全く知らない。

95ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/24(日) 22:52:34 ID:Z/6gILz.
>>92
「おっと 少尉殿で有りましたか これは失礼を」

自分よりも一回りは年齢が下な少年が仕官であることには、多少なりとも驚きの声をあげたものの
最低限の敬語を使うのみで姿勢を正したりはしなかった

差し出された手に応じるように握手をしてみれば、なるほど 少年ではあるが決して若造ではないようだ
それなりの修羅場を潜り抜け、実力をも伴って仕官の道を歩んできたのだろう、ケツで椅子を磨いているだけだった前の上官に紹介してやりたい気分だ

「何者かの襲撃を受けたことまでは、すでに把握しています・・・が その詳細まではこちらの耳には入ってきていません
 そのアンノウンとは先の戦争、エアロゲイダーのようなどこぞから来たかも分からぬような連中で・・・?」

少し眉間に皺を寄せながら質問してくる、あの時の戦争ではたくさんの友人を失った
アノ戦いの再来ともなれば、否応にも緊張が走る

「この後すぐにでもお偉いさんに出頭をと考えていたが、関係者から事情を聴いているとなると、少し時間を置いたほうがいいようですな
 自分も有事に備えてスクランブルに備えていましょう」

>>93
ハヤセと話をしていると、向こうからもう一人誰かがやってくる
見たところ目の前のハヤセよりは年上、だがこれもまた自分よりも年下の男

「なんだあれって? 酷いなぁ、だれがどうみたってラーズアングリフじゃないか」
きっとどう見てもラーズアングリフに見えないから言ったんだろうけど

「俺がコイツのパイロットだ、ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹 以後よろしく頼む
 俺自身はコイツの何がどう変わっているのかよく分からないんでな、現地のメカニックにデータをもらってきたんだ」

そういってユウセイにデータを見せる
そこには全装甲の85%が別のパーツである上に、左腕にいたっては丸々量産ヒュッケバインの物を取り付けられていた(しかもそのパーツを覆う装甲もまた別系統のもの)

「テープを外すのは別にいいんだが・・・交換か、純正パーツだけだと脆いんだよなぁ」

腕を組みながらさらりと問題発言、重装甲で有名なラーズアングリフの装甲を脆いと一蹴する 
それだけ特攻が多く、被弾前提の戦いをしてきたが故の物言いであった

「ついさっき、アンノウンに襲撃されて、動ける機体はスクランブル待機しているらしいし、時間がかかるならまた今度にしてくれ
 ADテープはこれからこの基地へと届く予定だから、ソレを使ってくれ」

その言葉通り、いくらも時間が経たないうちに、伸縮性と耐久性に優れた巨大なテープが届くであろう

>>94
「ゼバスチャン・クルト・ヴェルナー・リューデル軍曹であります、基地襲撃の件は、すでに把握しています」
やってきた男、少年少女だらけの格納庫で、やっと見かけた同年代の男に敬礼をする

「兎に角災難でしたな、DCだけでも厄介だと言うのに、この上意味の分からん連中まで乱入してくるとは
 本当はすぐにでも艦長にお目通りをと考えていたのですが、関係者による情報提供はどの程度かかるでしょうか?」

96五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/24(日) 23:11:19 ID:o5Tq.RUE
>>95
「いやまったく……敵も味方もよく分からなくて……
 分かりやすいのは彼(ヒツギ)くらいだ」
 少なくとも中尉の視点では、今いる中ではヒツギが一番まともである。実は巻き込まれた現場を見てた訳だし。

「……ここだけの話、さらに怪しげな“協力者”が現れてな……偉いさんはそっちの話を聞いてるんだ。
 後、元大佐が暗殺されたとか」

 つまり、何も分からないも同然である。

97ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/25(月) 14:29:58 ID:zHtnw9Hs
>>93
「中尉。どうも、」
適当に、挨拶を済ませる。


>>94
>>「何だあれって、酷いなぁどこからどうみても、ラーズアングリフじゃないか」
「えっと、ラーズアングリフ?」
いや、頭とか見れば解りますけど、問題は、
ゴテゴテしすぎなんだよ。醜いんだよ。
ラーズアングリフが、可哀想だ。
>>「俺が、こいつのパイロットだ。※中略〜現地のメカニックにデータを貰ってきたんだ。」
「自分は、ハヤミユウセイであります。データ有り難うございます。」
「早速、拝見 …………何だこれ?」
全体の85%が、別物?しかも、量産型のヒュッゲをそのまま?
(はぁ、参ったな。)
「取りあえず、まぁ今やれることは、」
「ヒュッゲバインの腕を変えましょう。今ある、奴でゲシュペンストのC型を使います。」
「左右をパージして、接続その上にADテープを」
「他のパーツもテープを戻し、パーツだけ必要な奴だけ変えましょう。」
「それなら、半日で終わります。どうでしょう?軍曹」
そういい、セバスチャン軍曹に、提案する

98五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/25(月) 23:07:57 ID:r0KERC3k
 その時、メグと虚無僧が格納庫を通りかかり、
「わー、英語で言うパッチワーク、独語ならフリッケライね?」
「メアリ・シェリーの言うフランケンシュタイン'sクリーチャーで御座るな」
 ひどい言われようである。
>>97
「簡単に言うなよ。それを半日で終わらせるほどの余力はこの基地には無いから」 
 後ろに回ってユウセイの頭を小突こうとする。
「まぁ、そこまで変えるならいっそ新しいのを持ってきた方が早くないか?」
 それが出来るくらいなら既にやっているだろうが……

>>92
「ああ、ヒツギ・ハヤセさん……ですね……

 レイナの事、よろしくお願い致します」
 そう言いながらヒツギに頭を下げるメグであった。

99 ◆h9Hr5c.eFE:2013/02/26(火) 15:13:56 ID:wv95jXP.
>>91
「あん? なんでこのあたしがあんたみたいなムサいオッサンを歓迎しなきゃいけないわけ?
勘違いも甚だしいってのよ」
顎を上げ、思いきり侮蔑の視線を投げ掛けるマヤ。
年上相手だろうと一切ブレがない。
その横でつばめが申し訳なさそうに縮こまりつつ、会釈を返した。
「……や、やっぱり、現地改修を施された結果なんですね。参考になります」
奇跡のバランスで纏め上げられた機体は、否応なしにタフさと継戦能力の高さを匂わせる。
ちょっとやそっとのダメージや悪環境などはものともしないであろう。
つばめは瞠目しつつも、一方で実際に整備や修理をするとなると大変そうだと感じていた。
複数メーカー、複数機の部品が入り交じっているのであれば、小さな基地では部品のストックが揃わない可能性もある。
裏を返せば、それは整備や補給が満足に受けられない状況に対し、進んで適応していった結果とも言えるのだろうか。

>>92
「ふーん……なんか、よくわかんない。そういう考え。
あたしは焔姫が、ああやっていつでもピカピカじゃないとヤだしさ」
遠方のハンガーに固定されている焔姫を見やるマヤ。
その視線からは、愛機に対する思い入れの深さが感じられる。
恐らくその点だけは、ゼバスチャンとの共通項と見ていいだろう。

(壊れるたびにピカピカに戻すのは私のお仕事なんですけどね……)
つばめは苦笑しつつ誰にも気付かれないよう小さく溜め息を吐いた。

100アイザック ◆Iny/TRXDyU:2013/02/26(火) 20:05:17 ID:RkP1BtGg
ふと皆は気付く、さっきから無線が鳴っている事に

『いい加減返事をしやがれ!!
こちらアイザック・越前伍長、KOT機体と共に転勤してきた整備士だゴラァ!!』

通信を開いてきたのはそんな怒声。
外を見ると、機体一機分の大きさの輸送機が見える
男だとはわかるが、どことなく声が甲高い為、おかしさが沸いてくる。

というかモブ共がその声で爆笑している

101ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/26(火) 21:03:35 ID:EkGyBus.
>>98
「ですよねぇ。」
(やっぱ、アスト研究所並には無理か。)
五味中尉のツツく攻撃を、ものともせず、というより、ツツいた中尉が痛そう。
「じゃあ、責めてヒュッゲバインを、ゲシュペンストタイプCに変えましょう。」
「残りは、余裕のあるときに。」
再提案してみる。
>>100
「さてと、パーツの確認してきますね。」
無線は、スルーで、そぞくさといったん格納庫を後にする。

102 ◆zwG.6Bg2jY:2013/02/26(火) 21:34:30 ID:enDoEQYM
>>93
ヒツギはユウセイをジト目で睨み付けた、ヒツギは見て分かる通り職務中である
目が「後にするか俺以外にしてくれ」と訴えかけてきているのが分かるだろう

>>99
「うーん、鉛筆をそのままの形で使う人も居るけど、握りやすいように削ったり折れたら繋ぎ合わせたりって人も居るだろ?
 でもだからって大切に扱ってないって訳じゃない、折れた鉛筆を繋ぎ合わせて使うなんてよほどの愛が必要だしな」
ここで鉛筆が出てくるのは流石学生と言うべきだろうか。

「だからあれはあれで、言葉を借りるなら『ピカピカ』なんじゃねぇかな
 方向性はちょっと違うかもしれないけど」
まとめた後に、自分の発言に対して今一うまく伝えられないと頭を傾ける
もう少し頭がよければ分かりやすく伝えられたかもしれないが、ヒツギにはこれが精一杯であった

>>95
「あー・・・少尉って言ってもこれはこう、叩き上げ?ちょっと違うか」
握られていないほうの手をぶんぶんと振り、自身の階級について否定的な行動を示す

「俺は試作機のパイロットなんだ、元民間人」
先ほどこういった事情になれていなさそうとは言ったが、ヒツギは慣れていない所かまともな軍人ですらなかった。
ヒツギは自身の境遇について説明を始める。
パイロットスクールに通っており、そこの代表として基地での演習に参加する予定だったこと
タイミング悪くその場をアンノウンに襲撃され、一部関係者のみに公開している最中だった試作機を動かしてしまったこと
運が良いのか悪いのか、自分にしか使えなくなってしまったこと。

「ただそういう機体に乗る以上、無階級のままだと内外に示しがつかない。
 多分俺が考えてるよりも深い事情があるんだろうけれど、そんなこんなで少尉まで吹っ飛ばされたんだ
 だから階級とか気にしないくれよ、事情を知ってる人は大体気にしないし」

>そのアンノウンとは先の戦争、エアロゲイダーのようなどこぞから来たかも分からぬような連中で・・・?」

「そこらへんの説明は後で受けると思う、外にも中にも敵が居るから色々とごっちゃになってるんだ」
中の敵はDCの残党と見て間違いないだろう、そして外・・・ということはエアロゲイダーという例えは遠からずということか。
だがその2つだけだと『ごっちゃになって』という表現はおかしい、つまり外の敵は1つではないと捕らえるのが妥当である

>自分も有事に備えてスクランブルに備えていましょう」

「それは大丈夫、待機の数は足りてるはずだ
 ただちょっとだけ待っててくれないか、一応もう一人来る予定なんだが・・・」

>>98
>レイナの事、よろしくお願い致します」

「え、レイナ?」
突然現れて突然そんなことを言い出した少女に面食らっているのがすぐ分かる。

「あ、あぁ・・・」
反射的に返事はしたものの、その答えは歯切れが悪い。
レイナが倒れた原因はヒツギにあり、そのことが突っかかりになってしまっているのは当然のことだろう

「・・・俺に何ができるかって話だけど、俺は何かができる存在になりたい、とは・・・思ってる」
目を伏せたままで相変わらず歯切れが悪い言葉だが、それは否定的な言葉ではなかった。
わずかだが、その小さな呟きには確かな意思が込められていた

「じゃなくて中尉、もう一人来るって言ってた・・・えーっと確か・・・」

>>100
>こちらアイザック・越前伍長、KOT機体と共に転勤してきた整備士だゴラァ!!』

「そう、アイザック!!・・・って、え?」
彼の悩みを見事に解消してくれた声、聞けばそこらじゅうから流れてくるではないか。

「・・・どうやら到着したみたいだ、もう少し待とう」
ため息交じりに待ち人の到来を迎えることを伝えた

103アイザック ◆Iny/TRXDyU:2013/02/26(火) 21:53:35 ID:RkP1BtGg
>>101
『ちょっ、マジお願いします!
誰か入る許可ください!』

切羽詰まった声で呼びかける

>>102
『こんなことなら上官を殴ったりするんじゃなかった方がよかったかもしれない…』

そんな呟きが聞こえてくる

104五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/26(火) 22:06:19 ID:i0RnIwiM
>>100
「おっと、そうだった」
 他の士官や管制官や諸々と受け入れ準備を始める。
>>101
「後でパイロット本人と相談しな。とりあえず場所空けてくれ」
 行っちゃった。
>>102
「あなたがレイナにとって特別な存在だという事は存じております。
 ただ、レイナはあんな人ですからその事を半ば無意識に気付かないでいようとするんです。
 忘れないで下さい。彼女が“女の子”だという事を」
 ここで一度言葉を切る。
「男には無理でもやらなくてはならない事があるのは存じています。
 でも、女はそう言うわけにはいかないんです。だから、せめて、側にいてあげて下さい」

 ここで、虚無僧がヒツギに助け船。
「こういう長い話は、頭と終わりだけ聞いていれば内容の六割はわかるで御座るよ」

105ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/27(水) 00:15:13 ID:DuMGFhs2
>>96>>98
「敵か味方かも分からない・・・か
 オマケに怪しい協力者、もう何が分からないか分からないってやつですなぁ」

なんとも煮え切らない答えに渋い顔をする

「元大佐といわれても自分には誰だか分かりませんな
 佐官なんぞ星の数ほども居ますし、元が着いちゃ最悪星の数よりも多いかもしれません」

しかも今日赴任してきたばかりの自分からすれば、佐官は下板前線基地のお偉いさんぐらいしか知り合いが居ない
などと考えていると、格納庫を通りかかる女性と籠をかぶった怪しい何者かが通りがけに何か言ってきた

「ヘイヘイ コイツはドロワナって立派な名前があるんだ、好き勝手呼んでくれるなよ」
そんな2人に指差して訂正を求めた

>>97-98>>101

「今のところ、挿げ替えた腕に問題は起こっていないが、必要ならばお願いしようか?」
提案に乗ろうとしたが、五味中尉のことばによりソレは難しいようだ

「同じタイプCならば、腕にマシンキャノンがついていたはずだなぁ・・・アレを使えるようにしてらおうかな?
 流石に重装甲の腕に弾薬まで乗せたら重量過多になっちまいそうだがな」

そして新しい機体を云々という五味中尉に対しては

「その提案は嬉しいですが、このドロワナは自分にとって非常に思いいれのある機体なんです
 せめて大破して修理できなくなるまでは、コイツに載せてください」

そう言って提案を拒否した

>>99
なんかものすごい勢いでこちらを見下げている少女 だがその物言いに激昂することもなく、むしろ手を顎に当てて
「これが噂に名高き日本の『ツンデレ』か・・・うん 悪くない」

一つ頷きそんな物言い、的外れ? いいえわざとやっているのです
「確か基本形は頬を赤らめつつ最初の文字を二階続けた後、最後に『だから』をつけることと有ったが・・・アレはきっと応用編だろうな」

少女に臆することなく 少し意地の悪い笑みを浮かべながら言ってみる

「こんな継ぎ接ぎを参考になるといってくれるなんてね、きっと現地のメカニックがむせび泣くだろうな」

>>101
「あ・・・えぇと・・・ご苦労様?」

なんか無線で喚いている男が居るので、普通に労をねぎらった
というか自分も今日赴任してきたので、メカニックを何処に向かわせればいいのかが分かりません

>>102
「民間人が試作機のパイロット・・・ソレは一体どこのジャパニメーションだい?」

しかも出世街道に関しては完全に負けているというオマケつき 負けだけにオマケ・・・ナンチテ
とりあえずエライ苦労を重ねてきたことはよく分かった

「軍人としちゃ階級は絶対的なものだガ、お前さんが気にするなと言うのなら容赦はせんよ、気兼ねなく少年と呼ばせてもらおう」

そして今回戦ったというアンノウンについての説明が入る だがどうにも話が難しすぎて 自分の脳の処理を超えてしまった
「・・・う〜ん よく分からんが敵っぽいことは確かなようだな まぁ戦わねばらならんのなら、やつらは俺らの敵だ」

106アカリ ◆Tg./UqnJ52:2013/02/27(水) 12:35:40 ID:UtS.4aBs
>>100
「……………………………………………………」

軍用のほとんどの周波数帯でアイザックという男がわめき散らしている中、
凄まじい不機嫌オーラを漂わせてアカリがセバスチャンたちの居る格納庫に現れた。
軍服の上着を脱ぎ、下ろした髪の所々が跳ねているという、仮眠室からそのまま出てきたような状態の彼女は、
手近な整備中の71式戦車にツカツカと歩いていくと、戦車を整備していた整備員たちに通信機を使えるかを訊いた。
整備員達は始め、アカリの姿を見て、作業の邪魔だから適当にあしらおうと考えたが、
すぐに彼女の放つドス黒いオーラに気付き、慌てて戦車の中から通信機のマイクを取り出して彼女に渡した。
「ありがとう」と表面上は穏やかな調子でマイクを受け取ったアカリは、アイザックに通信を繋ぐように頼む。
蛇に睨まれた蛙と化した整備員が通信を繋いだことを告げると、アカリは深く息を吸って、

「やっっっっっっっかましいのよ、このアホンダラァァアァッ!!!
 管制塔の指示に従って着陸、格納庫前までタキシング、これくらいフライトシムやってる小学生でも理解できるわよ!!!
 管制塔からの指示が聞こえないの!? それとも指示が出てないの!?
 出てないのならアンタ、正規のフライトプランで飛んでる機体じゃないってことよ!! 不審機なの!!
 高射砲で撃ち落としてやりましょうか!!?」

アイザックの怒声に相当おかんむりの様子で、普段の彼女からはまったく想像できないような怒鳴り声をあげている。

107アイザック ◆Iny/TRXDyU:2013/02/27(水) 16:39:36 ID:R1uNQXy2
>>106
『んだとゴラァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!
小学生でもできるだとぉ!?、このアバズレが!、理解できてもやることは出来んだろうがボケェエエエ!!
指示が飛んできたのがついさっきなんじゃあ!!』

こちらも怒声で返す。
単語の意味が一部間違ってもいるが。

『おうおう!、撃ち落としてみ…いや、撃ち落とされてもむしろこれ作ったやつらからすればむしろ万々歳か…。
俺が怪我するのは問題になるだろうが機体に関してはむしろありがたいかもしれないな』

と、言う言葉がアカリの耳に入ってくる

『まぁいいや、これより入港します』

その言葉と同時に輸送機が入ってくる。

108ユウセイ  ◆JryQG.Os1Y:2013/02/27(水) 16:58:07 ID:uR7TGx6g
>>10
「ええ、出来れば、下手すれば、そこだけ集中攻撃食らいますよ?」
「了解しました。では」
パーツの付け替えの用意をする。
>>106
「クレマチ伍長?どうしました?」
あんまりにも、念がドス黒い。
そして、
「…………怖っ」

怒鳴った瞬間に、耳を塞いだけど、なおうるさい。
>>107
「お前も、叫ぶなぁ!!」
そんな、若干キレた叫びが、ユウセイから、繰り出され。
基地で、よく響いた。

109五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/27(水) 21:49:30 ID:QenNyhJ2
>>106-107
「いちいち騒ぐなっ!!」
 その他大勢を代表して一喝、後は普通に着陸した輸送機を誘導して所定の位置に着けた。


「……そういや、PTキャリアはまだか」
 リリーのヒュッケバインの回収班に預けたキャリアは実は伊豆基地に帰っては来たが、残骸を納めたカーゴを機密エリアに降ろすのに手間取っている、らしい。

>>105
 それはそれとして少女と虚無僧は、
「ごめんなさい、こういうのには詳しくないので」
「ご無礼仕った、なにしろ拙僧らはたまたま呼ばれてきた民間人で御座ってな」
 素直に謝ったが、
(泥縄みたいだ)と、若干名が思ったのはみんなの秘密である。

110アカリ ◆Tg./UqnJ52:2013/02/27(水) 21:52:47 ID:UtS.4aBs
>>107
「ハアアアアアアッッッッ!!?
 理解出来てもやれないですってェ!? そりゃアンタにはやれないでしょうよ!!
 市街戦やってまだ一時間かそこらしか経ってない微妙な状態の基地に向かって無線でわめくような、
 ノータリンのクソ馬鹿にはね!!!
 アンタみたいなクソ馬鹿の貧相なお手々が、輸送機なんて上等なものを動かしてると思うと怖気が走るわ!!
 それに何ですって!? 指示が今来たばかり!? ウソつくんじゃないわよこのスットコドッコイ!!
 イラついた根性無しの豚がピーピーわめき始める前に、普通は指示が出るはずよ!!
 少なくともこの基地の管制はそんな指示漏らしなんてアホなことやらかさないわ!!
 それが無いってことは、アンタやっぱり…………ってぇ、あンのクソ馬鹿、無線切りやがったわね……!!」

ノイズしか返してこなくなった通信機のマイクを整備員に押しつけるように返したアカリは、戦車を降りてまたツカツカと歩き始めた。
その先には、フライヤーモードで駐機しているビルトラプター。もしや、と青ざめた整備員が小走りでアカリを追いかけ、

「お、おいおいクレマチ伍長、そんな怖い顔して何処に行くんだ?」
「決まってるでしょう。道理を弁えないクソ馬鹿の乗ってる輸送機を撃ち落としに行くんですよ。
 どう考えても不審機ですし…………相手もそれを望んでるようなこと言ってましたし」
「ま、待て! 今、確か越前だか越後だかわからんが、そんな感じの名前の整備員が一人、
 ここに転属になってるのを思い出したんだ!」
「……だから、なんです?」

歩みを止めたアカリが、視線だけを横に並んだ整備員に向ける。
地獄の釜の底を映したような彼女の瞳に射貫かれ、整備員は思わず「ヒッ」と悲鳴を上げたが、
そのまままた歩き始めたアカリを、なけなしの勇気を振り絞って後ろから羽交い締めにした。

「止めないで下さい!! 私の……いえ、基地の安全と平和のために、私にあの馬鹿を撃たせてください!!!」
「わかったから! 後で俺らがきつーく言っとくから!! だから止めてくれぇ!」

ほとんど嘆願に近い声を上げた整備員は、集まって話しているセバスチャンたちに向かって振り向き、

「あんた達、この子の仲間だろう!? 頼むから一緒にこの子を止めてくれ!!
 でないと、味方殺しが一人出ちまう!!」

やっぱり嘆願めいたことを言った。

111五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/02/27(水) 22:50:09 ID:QenNyhJ2
>>110
『クレマチ伍長、もう終わったぞ』
 無線機から返事があった。
『その輸送機は今着陸させたからな、泣こうが喚こうが。
 ただまぁ、色々連絡が行き届いていないのは確かだから航空管制の方にはこっちから苦情の文面を送付しておく』
 スピーカーの向こうでは(これぐらいにしておけ)という顔をしながら。

112ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/02/28(木) 00:57:47 ID:rDKjn6gc
>>108
「ビーム上等レールガン上等、被弾が怖くて空が飛べるかってんだ その為に追加装甲を貼り付けてんだから」
集中砲火もなんのその 腕が捥げようとも、スーパーアヴェンジャーを前線に送り届けることが出来ればそれでいい

「あいよ 頼んだ」
何はともあれ、腕の付け替えを行う少年に言った

>>109
「うむ、分かればよろしい」

大仰に頷く、名前には拘りが有るようです
パッチワークじゃ格好がつかないし、フッケライは独語だし似合ってるけど・・・ねぇ 軽くタイムリーだし

「ヒツギ君といい、民間人がおおいねぇ 珍しいことだ」

ここは軍の基地だろうに、これだけの民間人が基地内を歩き回り、人によっては機体を乗りこなして戦闘をこなす
自分とてそれほど基地を渡り歩いたわけではないが、これは稀有な存在だと言えよう

>>106-107>>110
(こりゃ前線基地よりもタフな職場っぽいな)

なんか今しがたやってきたメカニックと、ブチギレ少女が口喧嘩 喧しさで前板前線基地に敵う場所は無いと思っていたが
どうやら上には上が居たらしい だが喧嘩はまだしも、機体を持ち出そうとするのは頂けない

羽交い絞めにされているらしい少女の前に立つ大男 アカリの身長がデータで162cmだそうなので、身長差は30cm近くになる

「お譲ちゃんよぅ・・・」

笑みを消し、厳つい顔で目一杯眉を怒らせ 右手でアカリの胸倉を掴みあげようと手を伸ばす

「喧嘩は素手までにしておきな テメェ軍人だろう? 戦いのスペシャリストがトリガーを引く相手間違えてんじゃねぇよ」

ドスの効いた声でお説教

113 ◆zwG.6Bg2jY:2013/03/03(日) 17:42:01 ID:5ohGx/So
>>105
>「民間人が試作機のパイロット・・・ソレは一体どこのジャパニメーションだい?」

「それをいい始めると極東は試作機を強く作りすぎる節があるしなぁ」
技術の誇示かそういう気質なのか理由は分からないが、極東の試作機はコストを度外視して最新鋭の技術を盛り込んで作る場合が多い
彼の機体などまさにその典型・・・ではあるが、いくら格納庫を見渡しても『完全な新型』は見当たらない

「生憎その試作機はぶっ壊しちゃって修理中で、今はあれだけどな」
ヒツギが指差した先には赤と黒で塗られたゲシュペンストの姿があった。
姿かたちこそ一般的な量産型ゲシュMrk-IIと同じだが、通常より分厚い装甲と胸につけられたブラスターキャノンらしきハッチからSタイプに改造されていることが伺える
しかしそんなものを差し置いて目に映るのは右足の巨大なブレード
足と一体化しているそれは折りたたみナイフのように収納している(つもり)にも関わらず刃の大半が大きく食み出ている。
後は左腕の取り付けられたブレード、これらの兵装からヒツギのバトルスタイルを感じ取ることができるだろう

>「・・・う〜ん よく分からんが敵っぽいことは確かなようだな まぁ戦わねばらならんのなら、やつらは俺らの敵だ」

「あぁ、組織としての目的や全容が見えているのはDC残党だけ・・・
 そもそも敵同士に繋がりがあるかすら分かってないから、気楽に〜なんてのはちょっと言えないんだよな」
最新鋭の戦艦を使用している時点で普通の部隊ではないと分かっただろうが、ここはまさに最前線
「それでもなるようにしかならないけどな」

>「軍人としちゃ階級は絶対的なものだガ、お前さんが気にするなと言うのなら容赦はせんよ、気兼ねなく少年と呼ばせてもらおう」

「おう、よろしく頼むぜ・・・ゼバスチャン?」
訝しげな表情を見せたのは純粋に名前がちょっと長いなと感じたからだった。
大抵の場合から、ゼバスチャンにもニックネームがあると踏んだのか、あえて尋ねるような呼び方をする。

>>106>>107
ヒツギから珍しく吃驚した表情が飛び出した、アカリがここまで大きな声を出すなんて思ってもいなかったのだろう。

「ちょいちょいストップストップ!喧嘩すんなって!!」
二人の間に割って入り、宥めるように両腕を広げてブロックする

「何をそんなイラついてんだよアカリン、落ち着けって」

114アイザック ◆Iny/TRXDyU:2013/03/03(日) 19:56:43 ID:c4CooP0A
>>108-113
着陸した輸送機、しかしいつまでたっても運転手が下りてこない

ガァン!ガァン!ガァン!

と、いう音が輸送機の入り口から聞こえてくる

見ると音の回数だけ入口の扉に足でけった跡が見える

そして…

ドッガァン!!

その扉が吹き飛ぶ
人の仕業ならどういう脚力してんだって言わざるを得ない

吹き飛ぶと言っても前のめりで30cmほどだが鋼鉄の扉である

「このクソ輸送機が!、扉の開け閉め位できるようにしろよ!!」

と、暴言がそこから降りてきた人間から聞こえてくる

察するにどうやら扉が故障かなにかで開かなかったようだ

「ちぃっ…」

と、言うと皆に視線を移す

「この伊豆基地に本日付で配属されることになったアイザック・越前伍長であります!!
整備士として、精一杯がんばります!、以後、よろしくお願いします!!」

大きな声、という程ではないがハッキリと、聞きやすく、スラスラと言う、が
声が妙に高いのがおかしく感じる

髪は丸刈り、思っていたより肉体軍人のような体、歳は26歳なのにどことなく渋く感じる
声が妙に高くなければイメージはもっと違ったのかもしれない

>>110
そしてアカリに目を向けるとツカツカを歩いて、目の前にたつ

「……………………先ほど、相手になさった方ですね?」

どことなく気押しされるような雰囲気を発しているが、次の瞬間

「申し訳ございませんでした!!」

土下座してきた、もう一度言おう、なんの前触れもなく土下座してきた

「ここに来る前の連絡等、先ほどの暴言。
数々の無礼を働いてしまい、本当に申し訳ございませんでした!
いかなる罰も受ける所存でございます!!」

どうやら非は認めているもよう
誠心誠意で謝っているのも心理学等がなくとも一瞬で分かる

115ユウセイ ◆JryQG.Os1Y:2013/03/03(日) 21:46:23 ID:Y6M5gLVY
>>112
「了解しました。お任せください」
(スーパーアヴェンジャーどうやら、ターミナスキャノンと同じ仕組みっぽいけど)
(それを、前線に届けるって、余程の突撃好きなんだな。俺がいえた義理じゃないが)
>>110
「さてと、鎮静剤は、ドコに閉まってあるのかな?」
鎮静剤をついでに用意してしまおう。そう思ったユウセイだった。
>>114
「大丈夫かな?」
そう思った数秒後。
「扉をぶち壊した?」
からの、土下座。潔い土下座
(ほっといて、Cタイプのパーツ探そ。)
大人しく、パーツの用意をする。ユウセイでした

116五味中尉 ◆E8ckRIIdug:2013/03/03(日) 22:51:31 ID:7f7RJpRM
>>114
「……当基地所属、五味淳一中尉だ。
 まあ、よろしく頼むよ」
 物凄い土下座に若干引きつりつつ。

 その間に滑走路の担当者がわらわらと出てきて、輸送機を所定の場所に動かし始めた。


「……五味中尉、竹富大尉が探してましたよ」
「あ、そうか……」

 というわけで、彼は今度こそ行ってしまった。忙しいので仕方がない。

117ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/03/05(火) 22:00:27 ID:8Vn2x64U
>>113
「試作機をバンスカ排出できるだけの技術と金が有るってか、羨ましいことだ」
前線基地じゃ物資がねぇ金がねぇでピィピィ言っていたが、金はあるところにはあると言うことか

「待てよ? つまりここに居れば寄り強力な大砲も作ってもらえるのか?」

だとしたらやる気も出てくるというものだ
よりよい火器はよりよい火力支援と刺激的な快楽を与えてくれる、ちょっとここのボスにでもおねだりしてみよう

「また襲ってくるようならば、スーパーアヴェンジャーで物理的に抹消してやるだけさ
 俺のことは好きに呼んでくれ、名前からくる愛称は『ゼップ』だが『ゼバス』でもいいし、アジア系の友人からは『ゼバっさん』とかも呼ばれていた」

そして上官だのメカニックだのが皆さん戻っていったようなので

「さてと、そろそろボスの暇も出来た頃かな? 少し挨拶にいってこよう」
と格納庫を出て新しいボスへと挨拶に向かうのであった

118アカリ ◆Tg./UqnJ52:2013/03/06(水) 04:43:02 ID:G/Z7c93E
>>113
怒りにまかせて羽交い締めにされたままじたばたしていたアカリの耳に、引いた様子のヒツギの声が聞こえてきた。
その声に反応したアカリは、一旦暴れるのをやめ、

「……ヒツギ少尉ですか。どうしたもこうしたもありませんよ!
頭痛が激しいから医務室に行って薬もらって、薬飲んでから仮眠しようと思ったら、そこかしこであのわめき声が聞こえてくるんですよ!
それが弱ってる頭に突き刺さってきてもう〜っっっっ!!! って感じなんです! 最低でも一言言わないと気が済まないんです!!」

弱り目に祟り目を食らって、アカリはひどくイラついているようだ。
ヒツギに話したことで少し鬱憤を晴らしたのか、暴れなくはなったが、それでも怒りは収まっていないらしい。
これほど怒気を発してはかえって頭痛が酷くなりそうなものだが、そんなの関係ないとばかりの荒れようである。

>>111,>>112>>114
そんな大荒れのアカリの前に、30㎝も身長差のある大男が現れた。
その如何にもな体格の男……ゼバスチャンの威容に、彼なら何とかしてくれるという安心感を得たのか、羽交い締めにしていた整備員がアカリから離れる。
ゼバスチャンはアカリが個人間の喧嘩にラプターを持ち出そうとしたことを窘め、アカリの行動を止めるべく胸ぐらを掴もうとしてきたが、
目の前の威容にまったく怯んでいない様子のアカリが、自由になった手でその手をパシンと払いのけた。

「触んないでよ! いきなり横から出てきて何なのよ、アンタ!」

190㎝を超える身長……は珍しいにしても、アカリの前の職場でも体格の良い男性兵士は多く、
彼らの中でPTパイロットとして働いていた彼女にとって、ゼバスチャンの体格は何ら障害に感じることは無いようで、
不審機の可能性が高いことや、どうも本人が撃墜を望んでいるらしいことを理由にゼバスチャンにも噛みつきかけたが、
どうやら管制官がアイザックへの連絡を遅らせてしまったらしいことが無線機からの五味中尉の話でわかり、
噛みつきかけた口を閉じた。

「…………どうやら、アンタの言うとおり、「喧嘩」になったみたいね。確かにこれに機体を持ち出すわけにはいかないわ」

そう言って、アカリはゼバスチャンの前から立ち去り、ラプターの方には向かわず、着陸してきた輸送機の方へと歩き出した。
売り言葉に買い言葉的な展開で生じた不審機疑惑は晴れたが、まだはた迷惑な大声に関する話は終わっていない。
その大声も管制官の連絡遅延に起因するという、情状酌量の余地があるものだが、それで許せるほどアカリは人間が出来ていなかった。
着陸してきた輸送機はオンボロのようで、ハッチが中々開かない様子だったが、アカリの意識はそちらではなく、出てくるであろうアイザックにしか向いていない。
顔を拝んだらどうしてくれよう。機関銃のような文句を叩きつけてやろうか。それとも、挨拶代わりに右手を叩き込んでやろうか。

「……………………はぁ?」

大声の仕返し的な意味でアイザックの登場を待ちわびていたアカリがそんな声を上げたのは、件の相手がいきなり土下座をしてきたからだった。
しかも土下座だけならまだしも、謝罪の言葉までおまけに付いてきた。なんだこれは、とアカリの思考は大いに混乱する。
先ほどまで激しい口喧嘩をしてきた相手が、顔をつきあわせるなり土下座。いきなりすぎて、逆におちょくられてるのかとも思う。
だが、真意はどうあれガチ謝罪の態勢の人間をこれ以上責めるのもアレだし、土下座に毒気を抜かれていたしで、アカリの怒気はみるみるうちに萎んでいった。

「……えー、あー、うん…………いくら連絡が来ないからって、手当たり次第のチャンネルにわめき散らすのはどうかと思うよ……うん…………」

そんな彼女に言えるのは、先ほどまでの勢いを完全に失った、引き気味のそんな言葉だけ……。

119 ◆zwG.6Bg2jY:2013/03/06(水) 23:56:50 ID:2fp5vwO2
>>114>>115
越前の妙なテンションと共にアカリの興奮も妙な感じで駄々下がりして行き、空気も一緒に妙に有耶無耶した状態になってしまっている

(こんな中で話し切り出すのかよ・・・ハードル高いぜ)
整備班の新人として来たこともあり、大半の説明は整備士長がやってくれるだろうが
こんな状態の越前にわざわざ近づこうとする物好きはそう居ないはずだ・・・訂正、いたら変わって欲しいくらいだ。

アカリと喧嘩に発展する様子も無さそうだし、仕事は仕事だと見えないようにため息を吐いてから越前へと近づいた

「ヒツギ・ハヤセ少尉です、ようこそ伊豆基地へ。ただ俺はパイロットだから整備士の案内は出来ないんだ
 詳しい話は整備士長に聞いてくれると助かる、だから今のところは・・・あいつに聞いておいてくれ」
ヒツギが指差した先にいたのはパーツを探しているユウセイであった。
それに『この場』を任せられそうだという(一方的な)理由もある、決してヒツギは早く帰りたいという訳ではない、本当だよ?
実際には正当な理由もあった
整備士としても働けることもありヒツギよりはこの職場に、さらにEOT研究も手伝っているという事であの機体への対応も詳しいはずだ。

「別に投げ出してるわけじゃないぜ?俺はちょっと技術畑はわからないんだ・・・
 だからあいつに説明を受けるのが1番だ、それにユウセイならEOT研究者と親しいからあの機体の解析もすぐに手をつけられるだろうよ」

「そういうわけで後は任せた」

>>117>>118
>「待てよ? つまりここに居れば寄り強力な大砲も作ってもらえるのか?」

「あー、一応プランを提示すれば可能じゃねぇかな
 あそこのアルブレードなんかもパイロットが兵装プラン作って実現したものだし」
ヒツギが指差したのはアルブレードカスタム・・・トンファーに刀、ブーメランと盛り沢山な機体である。
内心ではアレは例外な気がしなくもないが、まぁ言ってる事やってる事にそう違いはないはずだ

>「さてと、そろそろボスの暇も出来た頃かな? 少し挨拶にいってこよう」

「ちょい待ちゼップ、場所分からないだろ・・・って待てって!」
そそくさと格納庫から出て行こうとするその背中に向かって声をかける

>「……えー、あー、うん…………いくら連絡が来ないからって、手当たり次第のチャンネルにわめき散らすのはどうかと思うよ……うん…………」

「あーそうだ、アカリンも今から部屋で休むんだったら途中まで一緒に行こうぜ」
ヒツギなりの気遣いという奴か、体調が悪くテンションも沈み始めているということもあって
あの状態で1人で部屋まで向かうのは何処となく可哀想に思えたのかもしれない。

「知ってると思うけれどリリー少尉達は今会議室で話を聞いてるはずだ
 時間的にもそろそろ終わってもいい頃合だと思うけどな・・・」

120 ◆JryQG.Os1Y:2013/03/08(金) 23:10:50 ID:5mYsDptc
>>118
「ええ、可能ですよ。プランさえ決めれば。」
そう答える。ユウセイ
>>「ちょっと挨拶に行ってこよ。」
「ちょっと待ってください。」
そう、引き留める。ユウセイ
「現在、第一会議場で、かなり重要な会議に参加しているはずです。」
「会議が終わったら、こっちにアスト・カーマイン博士が来る予定なので少し待ってください」


>>919
>>「だから今は・・・彼奴に聞いてくれ。」
(此処で、俺に回すか!!!)
>>「そう言うことで、後は任せた」
(おいっ!)
この、重い空気の中。彼に話せと。
(まぁ、仕事だししょうがない。)
そう、思い諦めることにした。
「ハヤミ・ユウセイです。まぁ、EOTは、実を言うとあんまり得意ではないです。」
「未知すぎると、言うのもあるが、制御が大変ですからね。」
「取りあえず、アスト博士が来てからにしてくれるとありがたいです。」
(アスト博士、お願いですから早く来てください)
心から、そう願った

121ゼバスチャン ◆oR45XRwhpI:2013/03/12(火) 01:14:16 ID:Ikq43GOI
>>114>>118
「通りすがりの新参者だ!!」

胸倉を掴もうとした手は払われてしまったので、腕を組んで堂々と宣言する
そしてにやりと笑うと

「喧嘩するなら上手くやりな、殴り合いまではレクリエーションで済ませられるからなw」

輸送機に向かう伍長に、煽るような一言を贈ったものの、輸送機の喧嘩相手が光の速さでドゲザかましたものだから
楽しいレクリエーションにはならなかったようだ

「だが顔つき合わせて速攻ドゲザじゃリアクション困るよなぁ・・・うん 俺だってああなる」

よって2人を他人事のように眺めるに留まったわけである
何はともあれやってきたアイザックとやらは自分とほぼ同時に多方面から召集されたメンバーらしい

「何はともあれヨロシクアイザック伍長 俺はゼバスチャン軍曹だ、俺もついさっき招集されたばっかりの同期らしい
 以後よろしく頼むよ伍長・・・聞いてるよね?」

絶賛ドゲザ中のアイザックに挨拶するも、ちゃんと聞こえているかちょっと不安なところもある
整備士というからには、きっとお世話になることも多いだろう
何せドロワナの被弾率はそこいらの特機並であるゆえ

>>119-120
プランさえ提示すればもっと素敵な砲も付けてくれる
その言葉に、厳つい顔がパァァ・・・と輝く そりゃもう顔の周りにお花が散るぐらい晴れやかな笑み

「ソレならば早速図面を引いてみるか、いっそのこと弾頭をドエライ高性能な金属にしてみようか?
 オリハルコルニウムとか・・・いや流石にコストが嵩み過ぎるか?」

「口径でっかくして・・・火薬も増やして・・・あぁもう、想像しただけで指がムズムズしてきたw」

実に幸せそうな顔をして物騒なことを言うオッサン、前線基地では自他共に認めるトリガーハッピーであったが
伊豆基地ではその名は届いてないだろう しかし危ない人であることは用意に感じ取れる

うきうきしながら格納庫を出ようとしたが、2人に呼び止められる
「えぇ? そりゃ艦長室なんて・・・その・・・何処だ?」

そういえば場所を聞いてなかったような気もする、何時門も前線基地のつもりで向かおうとしていたのだ
きっと2人が呼び止めていなかったら迷子になっていたことだろう

「そのアスト博士ってのがドンナ人かは知らんけど、その人を待てばいいってか オーケイそれじゃ待とうじゃないか」
それに今だ会議も終わってないらしい、こりゃ相当行き詰っているのだろうと判断、厄介ごとには首を突っ込まないようにしましょう

「だがその間暇だな、そこおユウセイもヒツギ君も整備士なんだろ? 何か手伝えることはないか?
 前線仕込だガ、メンテナンスの手伝いぐらいは出来るぞ」

何もしないよりは機体を弄っていたほうが時間が潰せる、そう考えて2人に手伝いを申し出た

122メグと虚無僧 ◆E8ckRIIdug:2013/03/12(火) 21:37:39 ID:tzGCTJH6
 しかし、そんな騒ぎの殆どを意に介さないのが約二名。

「博士、そろそろ……」
「……そうね、でも、その前に……」

>>119
「……ヒツギさん、私たちはもう行きます。
 でも、レイナのこと、くれぐれもよろしくお願いしますね」
 ヒツギの手をとり、頭を下げ、そして少女は行ってしまった。
 怪しい虚無僧を引き連れて。

123k:2013/03/13(水) 23:41:25 ID:aRUZTGJ.
美少女エロ画像

ht tp://tutlyuyhk.blog.fc2.com/

124??? ◆bV24.n3MM2:2013/04/01(月) 22:52:50 ID:HUZK0IQc
ホロスクリーンに浮かぶ「VOICE ONLY」の文字。
その一文と対面するようにして、銀髪の男が一人佇んでいた。
「搬出作業に滞りなく――03は本日中に、極東牡鹿基地へと到着するでしょう」
そこは、六方を正方形に区切られた白一色の空間だった。
壁にも床にも汚れの一つさえなく、男と彼が向かい合うスクリーンを除いては、如何なるオブジェクトも配されてはいない。
過度に清潔な、無機的な空間。
銀髪の男の後ろ姿は、そんな景色に寸分の違和感もなく溶け込んでいた。
「いいだろう。これで名実ともに、フェイズ4への移行が果たされることとなる」
しわがれた声がスクリーンから染み出し、壁に反響する。
「引き返せぬ所まで来たか……」
「何を今更。我らが悲願、必ずや果たしてみせよう」
また別の声が二つ。
スクリーンの向こうには、三つの影が身を潜めているようだった。
銀髪の男は微かに口角を吊り上げ、彼らに告げる。
「開戦の時は間もなくです。共に最後の猶予を楽しむとしましょう。
己が『子』の壮健と成長を祈りながらね……」

125 ◆zv577ZusFQ:2013/04/03(水) 08:19:55 ID:ILu9o3xg
【桃饅頭と蛇の牙〜推理編〜】


伊豆での苦い戦いからおよそ丸一日あまりが経過したころ。現在時刻は夜の20時を過ぎたあたりだろうか。

レイナ達一行を乗せたアルプ・トラウムは無事に日本列島を脱出し、ダミーの情報を織り混ぜたステルス潜航にて連邦軍の追撃から逃れていた。
流石に決死の脱出ともあって艦内のクルー達も疲弊し、更に緊張感を持ちながら暗い海に潜み続けるというストレスも合わさり次第にぐだぐだムードになっていた。

「はぁ……まったく。だらしないわね。主の御前だというのに、私は逆にお前達の図太さに敬意を表するよ」

艦長席である無駄にゴージャスな玉座にふんぞり返っているレイナもどうも出来ない状況に退屈していた。
カナメの秘密の治療を受けて、昼間まで自室で死に体となって休んでいたが今は何とも無かったかの様に君臨している。

「ああ……イクリプス、お茶ー」

気だるそうに従者を呼ぶ。先程から息をする様に紅茶ばかり飲んでいる。

「17回目のお代わりをどうぞ。しかし……お嬢様。あまりにカフェインを摂取し過ぎるのは御身に毒ですが、よろしいので?」

一瞬にしてレイナの傍にティーポットを持ち駆け付ける爽やか華麗な使用人。
へたり始めた艦内クルーの中で唯一普段通りと言った所か。底が知れない。
卓逸したスキルにより注がれた芳醇なアールグレイの芳香がブリッジに広がる。

「今何時よ……あ〜あのちびっ子、まさか私をオチョクッテルのか?」

レイナはリリー・スノウフェイルの言い残した言葉を前向きに信じ、秘匿通信が来るのを今か今かと律儀に待っていた。
向こう側からご指名を受けたバルクレイスの通信機能を中継し、このブリッジに繋がる様に既に設定してある。
これがハッタリだったなら、本当におめでたい娘だと笑われているかも知れない。

「20時10分でございます。……では、退屈しのぎに例の暗号の解読等をなされてはいかがでしょうか?」

『桃饅頭』に『蛇の牙』この二つのワードを覚えておけと言い残したリリー。
レイナはこれを何かしらの暗号だと読み取り、起床後しばらく考えていたのだが……

「ふっ。そんなものはとうに飽きた。……全然わからんからね」

3分ぐらい考えてみたものも、早々に手詰まりし、興味が失せたらしい。
しかし、失せたと割り切りたいものも、実際は顔を膨れさせ少し恥ずかしそうに歯噛みするレイナであった。
そして今のところ、都合良く未来のヴィジョンが見える訳でも無い。
何とかこれを読み解いておき、出題者にドヤ顔を見せ付けてやりたいのだが。

「カナメはこの肝心な時に丸一日ずっと寝てるし……。」

こういう時に頼りたい知識人のカナメさんはブリッジには居ない。
只今、自室で無防備に爆睡中である。睡眠欲が完全に満たされぬ状態の彼女を起こすのは至難の技だ。
というか唯我独尊のレイナであろうと気が引ける。眠りを妨げたら何をされるか解ったモノじゃ無いらしい。

「ねぇ?……誰か何とかしなさいよぉ?」

仕舞いには無茶振りが発令される。
しかし、疲弊して頭が良く回らないメイド達は揃って頭を捻る。どうやら彼女達には期待出来ないらしい。
誰かレイナの知識欲を満たせる者は……

126 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/03(水) 20:30:15 ID:c3Pkrb/U
>>125
レイナの無茶振りが発令されてからさらに十分ほどが経った頃、バルクレイスの通信システムに何かのファイルが転送され始めた。
十数のサーバーを介し、百を超えるダミーを噛ませながら送られてきたのは、二つのパスワードでロックのかかった圧縮ファイルであった。
ファイル名は「百合の花より」と書かれているが……。

127 ◆zv577ZusFQ:2013/04/04(木) 07:59:00 ID:jSpRvemM
>>126
「お嬢様。どうやら先方から連絡が来たみたいです。どうなさいますか?」

手をこまねいていただけの良くない状況にようやく動きが見られたようだ。
発信元は解らないが、バルクレイスの通信機能に巧妙に取り入り何らかのデータファイルを置き去りにしたらしい。
もし開けば何らかの罠に掛かってしまう恐れが有る為に、メイド達はレイナの元に圧縮されたその謎のファイルを転送し、開けるべきか否か決定権を委ねる。

「誘いに乗ってあげようじゃないか。ふむ……百合の花か……痛い題名ね?」

そのファイル名は『百合の花より』となっていた。
レイナは怪訝な表情で文句をつけたが、お前がそれを言うなよ!とツッコミたくなる者も中には居たかもしれない。
さっそく中身を見てやろうとファイルを操作する。

「何よ、開かないじゃない。……はぁ?パスワードだと……?」

だが、ロックが掛けられているらしく連打しようともファイルは開かない。
一瞬イラッとしたレイナだったが、すぐに解除方法に見当がついた。
今、その繊細な指先はパスワードのキーを入力しているところだ。

「生意気だわ……難しく考えて過ぎたじゃないか。別に謎解きをさせようとしてた訳じゃ無いのか」

あの時リリーから聞いていた『桃饅頭』及び『蛇の牙』の二つの言葉をパスワードとして入力した。

「さぁ、何をしてくれるのかしらね?」

果たしてこれでロックは解けるだろうか?

128 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/04(木) 13:08:43 ID:Hlyu4TuA
>>127
レイナの思った通り、「桃饅頭」と「蛇の牙」の二つのワードで、ファイルの封は解けた。
中身は文書ファイルと暗号通信用のデータファイルの二つで、文書ファイルには「始めにお読み下さい」という名前が付けられている。
その誘導に従って文書ファイルを開けば、雪だるまのレイアウトが為された文書が表示されることだろう。
そこには、

「拝啓
カーマインご一行様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、先日通信でチラッと申し上げました、そちらと取引をしたいという方へのご案内をさせていただきます。
今回ご紹介する取引相手は、地球連邦軍第16特殊作戦群第3大隊「シャドウ・ウルブズ」 隊長、尼子統久特尉です。
彼女はあなた方が敵対することになった連邦の軍人ではありますが、所謂裏仕事に従事する人間であり、
利害が一致すれば反地球連邦組織とも取引をするという、まーブラックなお方です。
彼女からは一言、「持ちかけたい取引がある」としか聞いていないので、その内容まではわかりませんが、あなた方の力を借りたいということは確かなようです。
胡散臭いお話なのは重々承知の上ですが、もし興味がお有りでしたら、添付されているデータファイルを読み込んでいただき、
システムの誘導に従って通信を開いてください。尼子特尉への直通回線になっていることと思います。
それでは、良き逃避行を。
敬具」

と書かれている。

129 ◆zv577ZusFQ:2013/04/04(木) 14:57:34 ID:jSpRvemM
>>128
「正解の様ね?」

ファイルのロックは思惑通りに解除された様であり、中身には添付ファイルが二つ付けられていた。

「……ふむ。やはりあの娘か」

レイナはまず一つ目のファイルを開放。中身は文書だった様であり、雪だるまのプリントからして恐らく作成者はリリー・スノウフェイルと思われる。
ちなみに、あの時、お互い不気味な感応を体験しあったリリーに対して色々と思うところは有るものも、目覚めてからまだ誰にも打ち明けてはいない。

「シャドウ・ウルブズの尼子統久ね。全く……何者かはよく知らないけれどそいつとちびっ子が密な繋がりが有るという事は……」

シャドウ・ウルブズ隊とやらは連邦軍の暗部とも言える部隊らしい。それが反逆者連中と取り引きなどとは、軍内部にどう言う真意があるのだろうか?

(あの悪魔の組織の……情報を持っているかも知れない。もしくは……もっと短絡的に。それらと繋がる明確なパイプを…!)

無意識に感情が昂る。紅き目が爛々と濁っていくのが解る。
全て文書を読み終えたレイナは考えるまでも無くリリーの示した通りに尼子統久へとコンタクトを試みる。

「…さて。善からぬ事を始めようか」

平静を保とうと紅茶を飲みつつ、堂々と相手の応答を待つレイナ。

130統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/04(木) 17:15:15 ID:Hlyu4TuA
>>129
ややあって、相手から反応があった。
どこかの執務室のような場所を背景にして通信ウィンドウに現れた人物は、銀細工のような髪と黒い軍服が対照的な女性。
尼子統久。レイナの言うところの、「善からぬ事」の相手である。

『やあ、今晩は。そして、はじめまして、だな。レイナ・カーマイン嬢。私は尼子統久。第16特殊作戦群第3大隊長を務めている。
……ふむ、破天荒な人物と聞いていたが、まったくその通りのようだな?
罠の可能性も有ったろうに、リリーの奴がメッセージを送ってから十分と経っていないぞ。
まあ、こちらとしても話が早くて助かるがね……』

そう言ってから、統久はくっくっく、と喉を鳴らすような笑い声をたてた。

131 ◆zv577ZusFQ:2013/04/04(木) 18:48:20 ID:jSpRvemM
>>130
【『やあ、今晩は。そして、はじめまして、だな。レイナ・カーマイン嬢。私は尼子統久。第16特殊作戦群第3大隊長を務めている。
……ふむ、破天荒な人物と聞いていたが、まったくその通りのようだな?』】

「いかにも。私が夜より暗き魔の王レイナ・カーマインだ。はじめましてという事で良いだろうな尼子特尉殿」

御存じの様に大変ふてぶてしい。ちなみに統久なんて名前なのでてっきり男性だと思っていた様だ。

【『罠の可能性も有ったろうに、リリーの奴がメッセージを送ってから十分と経っていないぞ。
まあ、こちらとしても話が早くて助かるがね……』】

「時間を無駄にしてまで悩むのは好きじゃ無いのよ。という訳で本題を言ってもらえるかしら?」

が、実際に警戒心が無い訳でも無い。
通信だが、対局してみた事でレイナは尼子統久から底知れない念波を感じ取った。
念動力に覚醒こそしていないが、予知能力の副産物で感知する力は常人よりも遥かに優れているせいだ。
そして尼子統久のそれはユウセイのモノが赤ん坊程度に思える程のモノであった。

132統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/04(木) 19:54:24 ID:Hlyu4TuA
>>131
レイナが自分の「念」を感じ取っているのを知っている素振りは、統久からは今のところ見られない。
「時間を無駄にしたくない」というレイナの答えに、満足そうな笑みと頷きを返すだけだ。

『そうだな。時は金なり、というやつだ。では早速だが本題に入らせてもらおう。
超機人、という存在を知っているか? 古代に作られた特機としか言いようのない兵器であり、同時に意志を持つ超常の存在だ。
これの一つが青ヶ島の南東沖70kmにある無人島に封じられている。
君らにこれの封印を解くための手助けをしてもらいたい』

デスクの上で手を組みながら――卓上通信機に向かって話しているのだろう――少し見下ろしたような表情で、統久は説明を続ける。
彼女によると、現在、彼女の部隊は制御不能となった兵器を追って日本近海にまで来ているが、
これまで交戦してきたデータから部隊の火力ではどうにもしがたいことが判明しており、今回の超機人の封印解除はその状況の打破を狙ったものだという。
LTR機構の研究によれば、超機人は操者が強力な念動力者であればあるほど、その力を乗算的に増す。
であれば、強い念動力者である統久が超機人を操れば、大きな力を得られることは明白。

『何せ、私がT−LINKにコンタクトすると、いつもいつもシステムがオーバーロードを起こすのだからな』

そう言って、統久は笑った。それは自虐的なそれではなく、まったくの自賛のそれであった。

『だが封印を解くにあたって問題がひとつある。どうやらその島、封印を守るために戦闘メカを召喚してくるらしいのだ。
部隊による排除も考えたが、暴走兵器を放っておいてそれにあたるのも本末転倒な話。そこで、君らの出番というわけだ。
その作戦の間、君らを連邦の目から隠すのは当然のこととして、それに加えて報酬も出そう。
報酬は君たちが望むだけの物資。前払いで用意しよう。……と言っても、あまり特殊なのは持ち合わせていないし、無限ではない。
ただ、各重工系の純正部品や通常の武器弾薬、それと水と食料か。そのあたりならば一ヶ月半戦っていられるだけの備蓄がこちらにはある。
もちろん、作戦にあたり、修理や休養が必要ならば、それを十分に得られるだけの時間も与える。
……どうだね? エンジェルフェザー及び甲斐部隊と交戦し、疲弊した君らにとっては、魅力的な提案だと思うが?』

133 ◆zv577ZusFQ:2013/04/05(金) 08:49:20 ID:4X0YwjwY
>>132
【『そうだな。時は金なり、というやつだ。では早速だが本題に入らせてもらおう。
超機人、という存在を知っているか? 古代に作られた特機としか言いようのない兵器であり、同時に意志を持つ超常の存在だ。」】

「ああ。一人、詳しい知人が居てね。昔はよく聞かされていたものだよ」

メグの事である。耳にタコが出来るぐらいに超機人の伝承やら持論やらを聞かされている内にレイナも興味がそそられ、それはいつしか自ら掘り起こしてやろうと動くまでに至っている。
前の二上山の一件がそれである。

【『これの一つが青ヶ島の南東沖70kmにある無人島に封じられている。
君らにこれの封印を解くための手助けをしてもらいたい』】

「……ふぅん。あなたがそれの操者になろうって魂胆なのね?」

頬杖をついてつまらなさげに聞いている。おいしい所を譲らなければならないのだから無理も無い。

【『何せ、私がT−LINKにコンタクトすると、いつもいつもシステムがオーバーロードを起こすのだからな』】

「確かに強大な力を持っているわね。持たざる者の身でも解る。でも、強大故に……あなたには危険を感じずにいられないわ」

率直に思っている事を伝える。
この段階で既にレイナには一つの未来が視えており、その超機人が敵に回る事を予見していた。
それに普通に考えて尼子統久は連邦軍。このままでは、いずれ直接対決をするかも知れない相手だ。そんな者に強力な力を与えてやるわけには行かないのだが……。

【『だが封印を解くにあたって問題がひとつある。どうやらその島、封印を守るために戦闘メカを召喚してくるらしいのだ。
部隊による排除も考えたが、暴走兵器を放っておいてそれにあたるのも本末転倒な話。そこで、君らの出番というわけだ。
その作戦の間、君らを連邦の目から隠すのは当然のこととして、それに加えて報酬も出そう。
報酬は君たちが望むだけの物資。前払いで用意しよう。……と言っても、あまり特殊なのは持ち合わせていないし、無限ではない。
ただ、各重工系の純正部品や通常の武器弾薬、それと水と食料か。そのあたりならば一ヶ月半戦っていられるだけの備蓄がこちらにはある。
もちろん、作戦にあたり、修理や休養が必要ならば、それを十分に得られるだけの時間も与える。
……どうだね? エンジェルフェザー及び甲斐部隊と交戦し、疲弊した君らにとっては、魅力的な提案だと思うが?』】

「いいわ。乗ってあげるよ、尼子統久。……たたし私が欲しいのは“情報”もよ。……リリー・スノウフェイルと“仲が良く”、裏仕事に精通してるらしいあなたに聞きたい事が有るわ」

だが、普通の思考を持ち得ていないレイナはあえて危険を承知でこの話に乗る。
無論、貰う物に遠慮はしない。

134統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/05(金) 14:40:15 ID:tu6Sbsrg
>>133
レイナが何かの超感覚でこちらの力を感じ取っていたという告白に、統久は少し驚いたような顔を見せ、それから「なるほど、なるほど」と2、3回頷いた。

『強大で危険、か。ああ、その認識はまったく間違っていない。私が君の立場でもそう思ったろう。だが必要以上に恐れることもあるまい?
私は確かに他の人間には無い力を持っているが、それでも人間だ。変なものを食べれば腹を壊すし、普通に風邪も引く。
あのゴリラに一番近い人間であるところのゼンガー・ゾンボルトでさえ、眉間に9mm弾を食らえば死ぬのだ。
いくら力を持っていたところで、人間である以上、個人でやれることなどたかが知れている。そう身構えないでもらいたい』

このままでは感知系の能力を持った相手との交渉はやりにくい。
レイナとの会談でそれを悟った統久は、密かに自分の念動力を隠す方法を探そう、と決心した。
だが、その威圧を受けてなお、レイナは統久の話に乗る、と言ってきた。
これだけ見れば結果オーライであるのだが、レイナはそこに妙な注文を付けてきた。

『……ふむ、情報か。しかし、リリーと「仲が良い」ときたか。ふふふ…………いや、すまない。
まさかあれが、私との関係を話さずにいたとは思いもよらなかったものでな』

何故か、子供のように嬉しそうな笑みを漏らす統久。

『思ったよりも横着者なのかも知れんな、あれは。……ああ、レイナ嬢、一つ訂正させてもらおう。
リリーとはな、「仲が良い」などという関係ではない。あれは私の義理の妹だ。
他人同士の懇意で繋がっているのではなく、より上位の、「家族愛」で繋がっている関係だ』

人差し指をピンと立てて、統久はさらっと言ってのけた。
彼女の口元は不敵に笑いながらも、瞳は家族を見るときのような穏やかさを湛えている。

『そして、あれの義理の姉としての立場と、シャドウ・ウルブズ隊長としての立場を併せた上で、君の求めに返答を出そう。
君が何の情報を求めているかは、何となく見当は付く。だが、ここでイエスかノーかを判断することはできない。
君が求める情報によって変わってくるし……何より、こんな通信の場で話すことでも無かろう?』

135 ◆zv577ZusFQ:2013/04/05(金) 18:34:50 ID:4X0YwjwY
>>134
【『思ったよりも横着者なのかも知れんな、あれは。……ああ、レイナ嬢、一つ訂正させてもらおう。
リリーとはな、「仲が良い」などという関係ではない。あれは私の義理の妹だ。
他人同士の懇意で繋がっているのではなく、より上位の、「家族愛」で繋がっている関係だ』】

「そうか……。あなたも姉だったのね。それを見抜けなかった私もまだまだだな」

尼子統久が笑っている。きっと妹が可愛らしくて仕方ないのだろう。姉とはそういうものだ。レイナはそういう認識を持っている。
そして少し彼女に親近感を持った様だ。

【『そして、あれの義理の姉としての立場と、シャドウ・ウルブズ隊長としての立場を併せた上で、君の求めに返答を出そう。
君が何の情報を求めているかは、何となく見当は付く。だが、ここでイエスかノーかを判断することはできない。
君が求める情報によって変わってくるし……何より、こんな通信の場で話すことでも無かろう?』】

「……見当が付いてしまうのか。わかった承知したわ」

どうやら尼子統久の反応からして何か持っているのは確かだろう。
勿論、レイナもクルー達の前でする話では無いと思っている。

136統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/05(金) 19:16:16 ID:tu6Sbsrg
>>135
『まだまだなどと。君はあまりあれとは関わっていなかったのだし、仮に少しばかりの親交があったとて、
あれのポーカーフェイスを見破るのも難儀だ。気に病む必要も無かろう。
ともあれ、引き受けて貰えるようで何よりだ。今から合流ポイントの座標を送る』

そう言って、統久は画面の横にある何かを操作し始めた。
二呼吸分の間を置いて、統久との通信回線から座標が送られてくる。八丈島の東100kmの地点のようだ。

『その地点に800m級の艦が浮いているから、その艦に横付けしてくれ。うちの部隊の艦だ。
それと、艦の近く……そうだな、半径50km圏内のあたりまで来たら、連邦軍に対する警戒は解いて良い。
委員会特例A条項の適用範囲だ。この範囲内ならば、連邦軍による監視衛星やレーダー等の探査干渉は受けない』

送られてきた座標から50km圏内が青い円で囲まれる。これが統久の言っていた「連邦の目から逃れる」術なのだろう。

『では、艦のほうで会おう。航行の安全を祈っている』

そう言い残し、統久との通信は切れた。

137 ◆zv577ZusFQ:2013/04/06(土) 04:32:42 ID:TScAcUzo
>>136
【『では、艦のほうで会おう。航行の安全を祈っている』】

「フッ。そちらにも超機人の御加護があらんことを」

そうして尼子統久からの通信はきれいさっぱりと途絶えた。

「そうと決まればすぐに出発だな。イクリプス、進路を八丈島へとれ。これよりアルプ・トラウムは尼子統久と合流し、作戦行動に移る。いいわね?」

「「「イエス・ユア・マジェスティ!」」」

向かうべき進路をビシッと指指し、それに元気良く従者達一同は答える。
主が独断で決めた事だが、誰もが皆、だらけていたスタイルを仕事モードに切り替えていた。

「ん……ふわあぁ……おはよ?……なに、どしたの……ん?」

その皆のやる気ムードに水を指す様な間抜けな欠伸と共に眠り姫となっていたカナメ・ライブラもブリッジへ上がって来た。
まだ寝惚けている様な感じであり、ぼけーっと突っ立っている。……しかもパジャマのシャツがはだけてて非常に際どい。
今までは女性所帯だったから全く気にしなかったのだろうが今は。

「あのね……遅いわよカナメ。私達は連邦軍のとある部隊と取引したのよ。
それで今まさに、合流ポイントに向かうところさ」

「……ふ〜ん。まぁ……頑張り過ぎない様に……zz…適当にでいいんじゃない?」

興味無さげといった所か。レイナの決めた事に口出しするつもりは無いようだ。
まぁ……単純に聞くのが面倒で適当に答えた可能性も有るが。
自身の席に座ってまだ寝そうな感じだ。

「聞いてんの……もう。取り敢えず、気を取り直して出発よ、みんな♪」

すっかり脱力してしまったが、気を取り直して再び仲間達を煽動する。

138 ◆zv577ZusFQ:2013/04/07(日) 14:24:27 ID:puqonlrk
>>136
「見えてるわね?あれが依頼主の艦よ」

八丈島付近で構えている尼子統久の艦に接近する黒い影。
密約に従いこの場にやって来た反逆者達の旗艦アルプ・トラウムである。
尼子統久の艦隊50km以内の距離では警戒を解いても大丈夫だと言う尼子統久の言葉を信じ、ステルス潜航していた所を浮上させ、その高機動が売りのシャープなる艦体を御披露目する。

「攻撃は来ない事になっているからあちらさんの艦に横付けして頂戴。なんて……生意気な艦。凄く大きいわね」

イクリプスが操舵する艦は、速やかにスムーズにぴったりと尼子統久の母艦へと並列並びになる。
実際に横付けしてみると一層、向こうの艦の大きさが良く解る。なんと300meter程のアルプ・トラウムの倍以上はあった。
レイナはその解りやすいスケールのでかさにまずいちゃもんをつける。

「むすぅっ……物欲しそうな顔やめてよ、レイナ。あれだけおっきいのは今のところ用意出来ないからね。主に私の気力面で。
んにゃ……それにーあんまりおっきいと歩くの超面積臭いよー?ブリッジまで遠いとタイヘン。きっと途中で迷って疲れて諦めちゃうわ」

また無茶振りされそうな嫌な予感を背中側から感じたカナメはムクッとレイナの方を向いて予め釘を刺しておいた。

「いや、必死に拒否しなくても別に造り直せとか言うつもりは無いわよ。性能ならウチのも全然負けてないさ。でしょ?」

製作者とそんな会話を交わしながらレイナは先方の対応を待つ。

139 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/07(日) 20:27:11 ID:MXPK2yY6
>>138
大型水陸両用強甲戦艦「ヴィグリーズ」。
空母を四隅に配置し、その中央に巨大な砲台をはめ込んだようなその威容は、全長847mにも及ぶ。それが海上に浮かぶ様は、まさに水の要塞の如きものであった。
前部と後部に2連装衝撃砲が3門設置されているのを始めとして、副砲塔やCIWS類も充実しており、何より中央ブロックの頂点にその巨体を晒している、
巨大すぎるその特装砲が、この戦艦の火力の、異常なまでの高さを容易に想起させた。
知識の有る者が見れば、その特装砲が重金属粒子砲「メタルジェノサイダー」であることが解るだろう。
月をバックにした狼のシルエットというデザインのエンブレムを頂く、その恐るべき艦は一種の威圧を放っていたが、今回、この艦はレイナたちの敵ではない。
その証拠にそれらの砲はアルプ・トラウムが接近してきても沈黙を守っている。

『到着したか。では艦尾側にまわってくれ。そこに物資の用意をさせてある。……ああ、艦の形が対称的だから混乱するかな?
天辺の砲が向いていない方が艦尾だ。
あと、可能ならばこちらに乗艦してきてくれ。物資の搬入に時間がかかるだろうし、茶の一杯でもご馳走しよう。「お話」もあることだしな。
護衛の類を連れてくるのも構わんぞ。それくらいで臍を曲げるような器の小ささではないつもりだ』

アルプ・トラウムが静止したのとほぼ同時に、ヴィグリーズの統久から通信が入る。
どうやら物資の搬入の間に茶でも飲みながら話をしようということのようであるが、今の統久はただの取引相手に過ぎない。
相手の悪意を警戒してこの話を断るか、相手の善意を信じて話に乗るかはレイナの自由であるが……。

140 ◆zv577ZusFQ:2013/04/07(日) 20:59:14 ID:puqonlrk
>>139
【『到着したか。では艦尾側にまわってくれ。そこに物資の用意をさせてある。……ああ、艦の形が対称的だから混乱するかな?
天辺の砲が向いていない方が艦尾だ。
あと、可能ならばこちらに乗艦してきてくれ。物資の搬入に時間がかかるだろうし、茶の一杯でもご馳走しよう。「お話」もあることだしな。
護衛の類を連れてくるのも構わんぞ。それくらいで臍を曲げるような器の小ささではないつもりだ』】

アルプ・トラウムは尼子恒久の誘導に従い向こうの艦尾に移動する。

「ご招待をお受けするわ。ではイクリプスは艦で備えさせる。物資の引き取りとかをやっておいてね?
代わりにヒツギ、レオンハルトは私をあちらまで護衛しなさい。
カナメは……って。また寝てるし」

「だって……めんどいもん。いってら〜……ZZZZ」

「言うと思ったわよ」

親友の拒否によって、向こうに乗り込むメンバー2人が選定される。
その実尼子統久と言う人間を直に見て感じ取って貰おうとのオーダーであった。

「ならば、フォローミーガイズ♪」

さっさと席を立ち上がり眷属どもを引き連れてシャドウ・ウルブズ母艦ヴィグリーズへと向かう。

141 ◆zwG.6Bg2jY:2013/04/07(日) 23:01:17 ID:ym4cZCc2
>>140
>「ご招待をお受けするわ。ではイクリプスは艦で備えさせる。物資の引き取りとかをやっておいてね?
>代わりにヒツギ、レオンハルトは私をあちらまで護衛しなさい。

「分かった」

レイナの言葉に頷くヒツギ
ブリッヂに呼び出され連邦の戦艦と接触するという説明を受けた際には驚いたが
詳細を聞けば連邦ひいてはSKと別基軸の特務部隊だそうで、それなりに友好的らしく何らかの取引を行うとの事らしい

「ああ、武器はいらないよ」

拳銃の一丁でも持っていけばどうかと聞いてきたメイドに対して断る種の言葉を返す
銃器は確かに強力だが、手に持って使用する武器よりは素手の方がヒツギにとっては遥かに戦いやすい。
しかしながら、そんな理由だけでヒツギは首を横に振ったわけではなかった。

取引の相手が『尼子統久』だったからこそだ
彼女とは化け物が街を襲った際に助けてくれたという地味な面識がある。
ヒツギの眼・・・というよりは直感で彼女は罠にはめるような事はしてこない人物だと判断していた

>「ならば、フォローミーガイズ♪」

「おう、行こう」

レイナの後に続くように、ヴィグリーズへと向かう

142 ◆NcltM1gQ/Q:2013/04/08(月) 22:35:10 ID:xwMaIMD6
>>140>>141

「りょーかい」

ヒツギの応答に続くレオン
武装を断るヒツギを見て首を傾げる
出掛ける間際にヒツギのズボンのポケットにバナナを忍ばせる…今は気付いていないようだ

>「ならば、フォローミーガイズ♪」

「ああ。…で、二人とも聞きたいことがあるんだが」

ヒツギとは逆サイドでレイナを挟んで話し掛ける

「単刀直入に…尼子統久ってどんな印象だ?」

報告だけは聞いてはいたが不透明な点が多い
リスクを押してレイナに協力する見返りをレイナが持ち合わせているのだろうか?

143 ◆zv577ZusFQ:2013/04/09(火) 08:23:05 ID:EUJXcfds
>>142>>141
【「単刀直入に…尼子統久ってどんな印象だ?」】

「そうねぇ……。真意は知った事じゃないけれど強く賢い女だよ。ふふん何て言ったってこの私に目を付けたんだから、良く状況が見えている。
それに……だ。何となくだけれど尼子統久には親近感を感じるわね」

向かう合間にレオンハルトからの質問に何気無く応える。
頭に思っていた事をパパッと口にしただけなので根拠は薄いかもしれない。
ただ、今のところはレイナ達と事を交えるつもりは向こう側にも無いだろう。
それについてはあまり心配していない。

(……大事な用事も有るしね)

加えて尼子統久からはとある情報を聞き出さなければならない。
それはレイナの今後の指針を左右する程に重要な物であり、リスクを侵してでも接触する他無かった。


さぁそろそろ着く頃だろうか。二人のナイト(ただし武器はバナナ)で両脇を磐石に固めた麗しい御令嬢(見た目)が気品の有る堂々とした足取りでアウェイの相手艦ヴィグリーズへとやって来た。

144 ◆zwG.6Bg2jY:2013/04/09(火) 18:39:29 ID:eaCF.OMw
>>142>>143
>「単刀直入に…尼子統久ってどんな印象だ?」

「前に小田原が襲われたことがあったろ?、その時ちょうどあけっちと丁度現場にいてさ
 運送してきた機体までの足を貸してくれたことがあったんだ」

あの時の状況を思い出す。
偶然にも現場にいた2人は住民の避難誘導を手伝った後、リリー少尉のコールで機体が近くまで運送されてきた事を知った。
そこまで向かう足に困っていた時、同じくリリー少尉の案で車で迎えに来てくれたのが件の『尼子統久』だ。
その後ジェットコースターのような手荒な運転を楽しんだ(?)が、ライトは安全運転をしてくれと顔を青くしていた

「あの時はかなり無茶な運転してたけど、状況を考えれば事故るよりも潰される危険性のほうが高かったしな
 そういう意味ではリスクの管理が確りしてるし、多分だけど無駄なことは挟まないようなサバサバした・・・軍人気質の強いタイプかもしれない」

となるとこちらに接触するリスクを天秤にかけた結果、こちらの交渉を受ける気になったということだろうか
逆に罠である可能性も否定できないが・・・だったら最初から戦艦ごと沈めてしまえばいい話
レイナの身柄が欲しいという可能性もあるけれど、それだったら最初からシンプルに銃を突きつければいい

何かが彼女の琴線に触れたのかも知れない
こちらが彼女に出せるであろうものがほとんどない以上、その渦中にあるものは『興味』・・・だろうか

ちなみにヒツギはまったくバナナに気づいていない、拳銃ではなくバナナを下げているというBIGなBOSSもびっくりである

145 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/10(水) 05:47:00 ID:khuDekL2
>>140-144
レイナ達が話していると、アルプ・トラウムとの接舷部に一人の女性が歩いてきた。
黒色に染められた連邦軍の制服に身を包んだ、眼鏡の女性だ。海上ゆえの強めの風に、ダークブラウンのポニーテールがはためいている。
女性はレイナ達の前まで来ると、ピッと敬礼して、

「レイナ・カーマイン様ご一行ですね? 私は尼子統久特尉の秘書官、ユージン・フォートセリア中尉です。
私が艦内の応接室までご案内させていただきます。今日は少し風が出ておりますので、足下にはご注意下さい。
では、こちらへ」

くるりと踵を返すと、女性、ユージンは艦の中央部に向かって甲板の上を歩き出す。
彼女についていけば、応接室で待つ統久の元へたどり着けるのだろう。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板