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汎用スレpart1
125
:
◆zv577ZusFQ
:2013/04/03(水) 08:19:55 ID:ILu9o3xg
【桃饅頭と蛇の牙〜推理編〜】
伊豆での苦い戦いからおよそ丸一日あまりが経過したころ。現在時刻は夜の20時を過ぎたあたりだろうか。
レイナ達一行を乗せたアルプ・トラウムは無事に日本列島を脱出し、ダミーの情報を織り混ぜたステルス潜航にて連邦軍の追撃から逃れていた。
流石に決死の脱出ともあって艦内のクルー達も疲弊し、更に緊張感を持ちながら暗い海に潜み続けるというストレスも合わさり次第にぐだぐだムードになっていた。
「はぁ……まったく。だらしないわね。主の御前だというのに、私は逆にお前達の図太さに敬意を表するよ」
艦長席である無駄にゴージャスな玉座にふんぞり返っているレイナもどうも出来ない状況に退屈していた。
カナメの秘密の治療を受けて、昼間まで自室で死に体となって休んでいたが今は何とも無かったかの様に君臨している。
「ああ……イクリプス、お茶ー」
気だるそうに従者を呼ぶ。先程から息をする様に紅茶ばかり飲んでいる。
「17回目のお代わりをどうぞ。しかし……お嬢様。あまりにカフェインを摂取し過ぎるのは御身に毒ですが、よろしいので?」
一瞬にしてレイナの傍にティーポットを持ち駆け付ける爽やか華麗な使用人。
へたり始めた艦内クルーの中で唯一普段通りと言った所か。底が知れない。
卓逸したスキルにより注がれた芳醇なアールグレイの芳香がブリッジに広がる。
「今何時よ……あ〜あのちびっ子、まさか私をオチョクッテルのか?」
レイナはリリー・スノウフェイルの言い残した言葉を前向きに信じ、秘匿通信が来るのを今か今かと律儀に待っていた。
向こう側からご指名を受けたバルクレイスの通信機能を中継し、このブリッジに繋がる様に既に設定してある。
これがハッタリだったなら、本当におめでたい娘だと笑われているかも知れない。
「20時10分でございます。……では、退屈しのぎに例の暗号の解読等をなされてはいかがでしょうか?」
『桃饅頭』に『蛇の牙』この二つのワードを覚えておけと言い残したリリー。
レイナはこれを何かしらの暗号だと読み取り、起床後しばらく考えていたのだが……
「ふっ。そんなものはとうに飽きた。……全然わからんからね」
3分ぐらい考えてみたものも、早々に手詰まりし、興味が失せたらしい。
しかし、失せたと割り切りたいものも、実際は顔を膨れさせ少し恥ずかしそうに歯噛みするレイナであった。
そして今のところ、都合良く未来のヴィジョンが見える訳でも無い。
何とかこれを読み解いておき、出題者にドヤ顔を見せ付けてやりたいのだが。
「カナメはこの肝心な時に丸一日ずっと寝てるし……。」
こういう時に頼りたい知識人のカナメさんはブリッジには居ない。
只今、自室で無防備に爆睡中である。睡眠欲が完全に満たされぬ状態の彼女を起こすのは至難の技だ。
というか唯我独尊のレイナであろうと気が引ける。眠りを妨げたら何をされるか解ったモノじゃ無いらしい。
「ねぇ?……誰か何とかしなさいよぉ?」
仕舞いには無茶振りが発令される。
しかし、疲弊して頭が良く回らないメイド達は揃って頭を捻る。どうやら彼女達には期待出来ないらしい。
誰かレイナの知識欲を満たせる者は……
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