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汎用スレpart1

118アカリ ◆Tg./UqnJ52:2013/03/06(水) 04:43:02 ID:G/Z7c93E
>>113
怒りにまかせて羽交い締めにされたままじたばたしていたアカリの耳に、引いた様子のヒツギの声が聞こえてきた。
その声に反応したアカリは、一旦暴れるのをやめ、

「……ヒツギ少尉ですか。どうしたもこうしたもありませんよ!
頭痛が激しいから医務室に行って薬もらって、薬飲んでから仮眠しようと思ったら、そこかしこであのわめき声が聞こえてくるんですよ!
それが弱ってる頭に突き刺さってきてもう〜っっっっ!!! って感じなんです! 最低でも一言言わないと気が済まないんです!!」

弱り目に祟り目を食らって、アカリはひどくイラついているようだ。
ヒツギに話したことで少し鬱憤を晴らしたのか、暴れなくはなったが、それでも怒りは収まっていないらしい。
これほど怒気を発してはかえって頭痛が酷くなりそうなものだが、そんなの関係ないとばかりの荒れようである。

>>111,>>112>>114
そんな大荒れのアカリの前に、30㎝も身長差のある大男が現れた。
その如何にもな体格の男……ゼバスチャンの威容に、彼なら何とかしてくれるという安心感を得たのか、羽交い締めにしていた整備員がアカリから離れる。
ゼバスチャンはアカリが個人間の喧嘩にラプターを持ち出そうとしたことを窘め、アカリの行動を止めるべく胸ぐらを掴もうとしてきたが、
目の前の威容にまったく怯んでいない様子のアカリが、自由になった手でその手をパシンと払いのけた。

「触んないでよ! いきなり横から出てきて何なのよ、アンタ!」

190㎝を超える身長……は珍しいにしても、アカリの前の職場でも体格の良い男性兵士は多く、
彼らの中でPTパイロットとして働いていた彼女にとって、ゼバスチャンの体格は何ら障害に感じることは無いようで、
不審機の可能性が高いことや、どうも本人が撃墜を望んでいるらしいことを理由にゼバスチャンにも噛みつきかけたが、
どうやら管制官がアイザックへの連絡を遅らせてしまったらしいことが無線機からの五味中尉の話でわかり、
噛みつきかけた口を閉じた。

「…………どうやら、アンタの言うとおり、「喧嘩」になったみたいね。確かにこれに機体を持ち出すわけにはいかないわ」

そう言って、アカリはゼバスチャンの前から立ち去り、ラプターの方には向かわず、着陸してきた輸送機の方へと歩き出した。
売り言葉に買い言葉的な展開で生じた不審機疑惑は晴れたが、まだはた迷惑な大声に関する話は終わっていない。
その大声も管制官の連絡遅延に起因するという、情状酌量の余地があるものだが、それで許せるほどアカリは人間が出来ていなかった。
着陸してきた輸送機はオンボロのようで、ハッチが中々開かない様子だったが、アカリの意識はそちらではなく、出てくるであろうアイザックにしか向いていない。
顔を拝んだらどうしてくれよう。機関銃のような文句を叩きつけてやろうか。それとも、挨拶代わりに右手を叩き込んでやろうか。

「……………………はぁ?」

大声の仕返し的な意味でアイザックの登場を待ちわびていたアカリがそんな声を上げたのは、件の相手がいきなり土下座をしてきたからだった。
しかも土下座だけならまだしも、謝罪の言葉までおまけに付いてきた。なんだこれは、とアカリの思考は大いに混乱する。
先ほどまで激しい口喧嘩をしてきた相手が、顔をつきあわせるなり土下座。いきなりすぎて、逆におちょくられてるのかとも思う。
だが、真意はどうあれガチ謝罪の態勢の人間をこれ以上責めるのもアレだし、土下座に毒気を抜かれていたしで、アカリの怒気はみるみるうちに萎んでいった。

「……えー、あー、うん…………いくら連絡が来ないからって、手当たり次第のチャンネルにわめき散らすのはどうかと思うよ……うん…………」

そんな彼女に言えるのは、先ほどまでの勢いを完全に失った、引き気味のそんな言葉だけ……。


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