したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が2900を超えています。3000を超えると投稿できなくなるよ。

第二裏ゲート

15とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:29:38 ID:UnwuTNFg
>>14
「…っ」

ダガッ、と地面が爆ぜ土砂が舞う。
青年が思いっきり跳んだせいで地を削った結果だ。
かなりの勢いでキリウ目掛け青年が突っ込んでいく。
青年を囲う様にマフラーが揺らぎ動く。

16とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:34:00 ID:gd20q.Ic
>>15
「あぁ……まだ居たの。
いや、今来たのかな」
真っ正直に動く挙動に気づいたのか。
はたまた踏み込む音に反応したのか、それに対し、腕一本を向け

「まぁ、血の気の多いこと」
黒い旋風が巻き起こし壁を形成させる。
反応速度が鈍ければ障壁に身体ごと衝突させかねない。

17とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:38:42 ID:UnwuTNFg
>>16
「サン・デジール」

右手から刃が生える。
奇妙な呪文がビッシリと刻まれた紫黒色の刃だ。
吹き荒れる瘴気を撒き散らしながら刃を風の障壁へと叩きつける。

18とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:45:37 ID:gd20q.Ic
>>17
予想していたほど手ごたえはなかったが、その攻撃を出すまでの一瞬で僅かに距離を取る。

「おぉ、お見事」
パチパチとわざとらしい拍手をするキリウ。
常人ならばその身を衝突させるであろうそれに反応したことを褒めているつもりらしい。

しかし、切り裂かれた障壁が粘液状になり、刃へと纏わりつかんと飛来する。

19とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:50:08 ID:UnwuTNFg
>>18
「うざい」

青年が左手を払うと風が巻き起こる。
やはり瘴気を孕んだ良くない類のものであるが十二分に効果を発揮する筈である。
更に右手から完全に剣が姿を現す。
厚みのある長方形の刀身に奇妙な呪文がビッシリと刻まれた紫黒色の両手剣だ。
正確には右手に集まっていた黒瘴気から這い出ている。

「刻むか」

軽々と片手で両手剣を一回振った。

20とある世界の冒険者:2012/08/25(土) 23:57:29 ID:gd20q.Ic
風に振り払われた粘液がボトボトッと音を立てて周囲に落ちる。
元より僅かな距離を取っていたせいか半歩ほど下がるだけの動作で一振りを容易く回避した。

「実に愚直。脳筋とか言われないかい?」
ふふふ、と笑うその声。大げさに肩をすくめる。
ナメきっているとしか思えない。

「でもまぁ、そこらのゴミよりはやるようで。楽しめそうではある」
足元から血とは違う液体……黒いモノが広がり始める。
およそ触れて良いものでもないだろう。

21とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:04:12 ID:NqmlJpzA
>>20
「当てりゃあ勝ちだ、脳筋も悪かあねぇ」

キリウから広がるモノにも一向に関心を示さない。
先程からくどいほど瘴気を辺りに散らしまくっている青年である。
今更相手の良からぬ何かに中てられて如何にかなることもなさそうであるが。

カッパン、と奇妙な音を立てて地面に擦り付け振り上げられた切っ先から魔刃が飛ぶ。

22とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:17:40 ID:NKCe97x2
>>21
「よほど、せまい世界を生きてきたのかねぇ。
 まさに愚かしい」
足元の黒い液体が飛沫をあげ、魔刃を防ぎきる。
防いだあとも飛沫はなおも上がり続ける。

「当てれば勝ち、大いに結構。
 私相手にあてることが出来るとは思えないけど」
すっとムゲンの方に腕を向けると宙から黒い水が発生。
渦を巻き、蛇の如き形状を成して襲い掛かってきた。

23とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:20:49 ID:NqmlJpzA
>>22
「手前が思うほど手前の世界なんぞ広いもんじゃねぇ」

棚引く黒マフラーがジグザグに動く。
見る間に青年の眼前にマフラーによる壁が出来上がった。

@そろそろ限界だー

24とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:33:21 ID:NKCe97x2
>>23
黒い蛇はそのままマフラーに衝突し、液体へと戻る。

「……っと、そろそろ"時間"か」
ギュルルル、と音を上げ足元に広がっていた水が一点に集中する。
蛇となっていた水も、先ほど吹き飛ばされた水も掌の上に集中し……

「遊びどころじゃなくなるんで、これでまぁ消えてくれ。」
黒い竜巻を巻き起こし始める。
それを投擲するようにムゲンの方へ投げ、本人は己が後方へと走り去る。

「命拾い出来たら、幸運に思うといい。」
と、台詞を残して。
掌を離れると急加速で巨大化し、巻き込まれれば無傷ではすまないような大きなものとなる。

『あ……あっ……!!』
片腕の少女は腰が抜けて動けないようだ。
助けるならば黒い竜巻を潰すなんらかの手段が必要だろうが……。
逃げるだけならば黒い竜巻の移動速度はムゲンの走る速度に比べれば遅い。容易だろう。

25とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:41:08 ID:NqmlJpzA
>>24
「…」

背の方へ剣を回す。
大地を踏みしめ腰を落とし竜巻を見据える。

「は、…この程度に幸運も不運もあるかよ」

マフラーが壁を解き、青年の右手に巻きついて手と握りを固定する。
更にそこに左手を添えた。

「おっ、らああああああああああああああああああああああああ!!!」


咆哮と共に振り下ろした両手剣から黒い波動を放ち竜巻に叩き付ける。
どうなるかは知ったことではないが、やれることはやった。

26とある世界の冒険者:2012/08/26(日) 00:51:20 ID:NKCe97x2
黒い竜巻は波動を受け、その軌道どおりに真っ二つに割れる。

『違う……!!それじゃ……!!』
それを見てハッとした様に表情が変わる少女。
確かな手ごたえは竜巻を消滅させたからという理由だと思ったがそれは違った。

何故ならその竜巻が、割れたまま二つに増えていたからだ。
より大きなモノに変わっており、それは吸魔したからだと伺える。

『逃げてっ……!!』
斬られた後、明確な意志を持ったかのようにムゲンに一直線に向かっていく2本の竜巻。
恐らくは魔力を取り込み、その方向へ追尾するような魔法も組み込まれていたという異質なもの。

となれば、この場は少女から離れるように逃げればこれ以上の犠牲は出さなくて済むだろう。
他に潰しえる手段がなければ竜巻が、その込められた魔力を使い切るまで逃げ切ればいい。

27とある世界の冒険者:2012/08/27(月) 07:37:55 ID:0SMFSdvI
【王都領海/――港町/浜辺】


早朝、薄靄が漂う未だ夏の浜辺から、一部が削げ落ちた銀色の甲殻を身に纏った化生が這い上がってくる。

「……やれやれ……ヘヴィ過ぎるぞ……。」

右腕を一振り、その身に纏った銀色の甲殻が硝子が砕ける様な音と共に掻き消え、
鮮血を思わせる真っ赤な髪の青年が倒れる。 見る者が見れば――”使った”と言う事が解る。

「(不味い、な――意識が、途切れ、る――)」

そのまま脚が縺れるように、地面に倒れ伏す。
視界と意識は、暗く、闇の底に。


――――水平線の方を見れば、巨大な「蛇」の様な死骸が浮いていた。
最も、それも後一刻もせず消え去る、幻の様なものだったが。

28とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:18:36 ID:ckcBNshM
【王国領/港町/たぶんひる】

「――さて、と……ここで良いか。」

本日は王国領の端、大海に面する港町に来ています。

「(魔力も少しは回復したし、段落も付いた……ま、怒られる事は無いだろう――)」

ふと、目が覚めた時に思った事があったので――
街のハズレで、とあるのを召喚する術式を機動する姿が一人。

29とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:32:31 ID:cqHdXqIs
ぽふんっという間の抜けた音とともに水色の髪の幼女が表れる。

「むぉ……」
帽子をかぶったままぐしぐしと目をこすっている。寝起きか。

『……zzz』
その膝の上で仲良さそうにしている一角猫。

30とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:35:12 ID:ckcBNshM
「ん……悪いな、まだ寝てたか?」

と、その様子を見て召喚術の補助に使ってた本を閉じて。

「少し、海の方に来ててな。 約束もしてたから折角だと思ったんだが……。」

眠いならまた後で呼ぶか? と聞く様な感じで。
……尚、見た目魔力に異常は無い、むしろ髪色も元に戻ってるしけん高層には見える。

31とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:41:54 ID:cqHdXqIs
「んぉ、起きたばかりでし。
 むぅ……いや、大丈夫でしけど」
と、やや気乗りしない様子で

『ふかー……』
よだれたらしとる。

「とりあえず、マングースは放っとくと50時間以上寝るから起こすでし」
『に゛ー!?』
べちっと地面に軽く落とす。
虐待のようにもみえるが、事情が事情だけにしかたないか

32とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:43:46 ID:ckcBNshM
「すまんな、昼過ぎに呼ぶべきだったか…‥、
 ……ん、まだ眠いか?」

気乗りしないのが眠気のせいなのか、と思ったようで。
繰り返し言うが見た目は平静通りである。

「もう少し起こし方を考えてやれ。
 と、言うかソレは何時起きてるんだ。」

まさか隔日で起きているのだろうか、と思いつつ、
いや行った時大体起きてるだろうと頭の中で突っ込みを入れる。

33とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:56:00 ID:cqHdXqIs
「まぁ、大丈夫でし。
 で、区切りはついたんでしか」
と鋭い一言を。
なんだかんだで伊達に歳は食っていないということだろう。

「うーん、気が向いた時に深い睡眠を取るって感じでし。
 よく分からんのでし」
『ふかー!!』
……強引に起こされてかご機嫌ナナメのようだが

『にー?にゃにゃ♪』
あたりの景色が暗い図書館でないことに気づくと喜びだした。単純か。

34とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 00:59:48 ID:ckcBNshM
「一応、な。」

濁すような返答。
本当に付いたのか、付いていないのかは解りづらい。
”本人の中では”付いたのだろうか。

「良く分からん生態だな、マングース……。」
行った時毎度起きてるのは運がいいからか、と一人納得。

「そういえば、マングースは海を見るのは初めてか。
 喜ぶと良いんだが……。」

その様子を見て笑みを浮かべる。 喜んで貰えれば何も問題は無いのだ。

35とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 01:17:10 ID:cqHdXqIs
「……むぅ、まぁそういうならそういうことにするでし」
と、腑に落ちない様子で

「まじゅーずかんとかに載ってればいいんでしが……」
メジャーな魔獣じゃないみたいで、調べられないようだ。
図書館ダンジョンで…となるとよほどの希少種なのかもしれない。

『にゃー!!』
とてとてと海の方に走っていく。
水を怖がる猫はいるらしいが、これは恐れてなんぞいないようで

36とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 01:19:13 ID:ckcBNshM
「……お前もその辺歩いてきたらどうだ?」

自分は近場の岩に座り込み、そう言う。
どうにも信用ならないが、確かめようが無い。

「ダンジョンの奥地だからな、希少種……
 或いは、固有種なのかもしれんぞ。」
何せ、見た目ツノのある猫などそうそう居ないし。

「……まぁ、中身は猫っぽくないが。」
溺れないだろうな、と思いつつもそれを眺めている。
溺れたら助けるが。

37とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 01:53:48 ID:cqHdXqIs
「まぁ、そうするでしけど……」
海を久しく見たという気の高揚よりも心配の方が強いようで
そこまで乗り気にはならないようだ。

「……意外とすごいかもしれないでしね、マングース」
と遠い目で。

『にーっ!!』
と、飛び込んだ瞬間に波が引き、ズボッと砂に頭が入った。
バカ猫の図である。

ザザーンッ
「にゃぁあああああ」
そして角のせいでちょっともがいていたところに波の追撃。
なんか可哀想なようで、和むかもしれない。

38とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 01:59:11 ID:ckcBNshM
「一段落付いた、と言っただろ?
 それにお前なら魔力に問題も無い事も解るだろう。」

見た目は、である。

「……やれやれ、波に攫われる前に助けてやるか。」

流されでもしたら大変だ、と小さく付け足して岩場から立ち上がりマングースを拾いに行く。
……そういえば、ジャケットを羽織るようにして右腕を隠しているように見えたが。

本も左腕で持っていたし。

39とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 02:13:26 ID:cqHdXqIs
「……ふぅ。」
呆れた様に1つため息をつく。

『にー……』
抱えられてから身をぶるぶると左右に振る。

「重心、ズレてるくらいは分かるでしよ」
……その見抜き方はおかしい。

40とある世界の冒険者:2012/08/29(水) 02:19:37 ID:ckcBNshM
「こら、暴れるな。」
マングースを拾い上げて波の届かない砂浜に下ろす、水掛かった。


「ん……ああ……、
 別に千切れてる訳でも無いしな、右腕なら放っとけば直る。
 今は治癒用に部分的に魔人化してるから、見せたく無いだけだ。」

怪我はしてるらしい。
血の匂いはしないg……そもそもまともな血は流れていないのだった。

41とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 21:39:22 ID:HMc30pzY
【薄暗い森】

「ヒヒヒッ…」
【聞くだけで不快になるような笑い声を発する男が一人】

(ゴシャア)
【周りには倒壊した馬車と倒れ伏す人々、そして数体のゴーレム】

42とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 21:47:33 ID:SioCpu3Q
狂気の瘴気を発す風無く棚引く長い黒マフラーを纏う黒髪の青年、ぶらり。

「こりゃまた…」

43とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 21:50:29 ID:ydhcSkPU
「森の中が騒がしいと思ってきてみれば……、
まずいところに出くわしました……」
どこからか歩いてくる白銀髪の少女
明らかにお取込み中なのをみて

44とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 21:56:15 ID:HMc30pzY
>>42>>43
「おやぁ、おぉ客人ですかぁ」
【近づく人影達に振り向き、不快になるような声で喋り出す】

「よぉこそ、かぁんげいはしませんがぁねぇ…ヒヒヒッ…」
【気味が悪い笑い声と共に恭しく礼をする】

45とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 21:58:30 ID:SioCpu3Q
>>44
「…おい、生きてるか?」

白衣の男を警戒しつつも自身から一番近い倒れているヒトに近づいていく。

46とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:01:36 ID:ydhcSkPU
>>44
(様子見ですね、ここは……)
と思いつつも、
「全て、あなたが……?」
と尋ねる。無論警戒している

47とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:04:56 ID:HMc30pzY
>>45
「おぉっと、挨拶はかぁえすのがぁ礼儀ですよぉ?」
(ズズズ)
【近づこうとするのを邪魔するようにゴーレムが立ちふさがる】

>>46
「ヒヒヒッ…見てのとぉり、とぉ答えておぉきましょおか」
【見たまんまならば原因はどう見てもこの白衣の男だろう】

48とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:07:59 ID:SioCpu3Q
>>47
「…」

右手から這い出た大剣をゴーレムに叩きつけんと振り下ろす。
それは厚みのある長方形の刀身に奇妙な呪文がビッシリと刻まれた紫黒色の両手剣。
それを片手で軽々と。

49とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:10:11 ID:ydhcSkPU
>>47
(彼はゴーレムを操っていますか……
ゴーレムはともかく、彼の戦闘力は計り知れず、
ならばここはある程度慎重に動くべきでしょう……
そして、下手に背中を見せるのも得策ではない……)
そんなことを考えるが、一言も喋らない

50とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:13:17 ID:HMc30pzY
>>48
「ヒヒヒッ…無視でぇすか、さぁみしいですねぇ」
(ガツーン)
【大剣を真っ向から受け止めるゴーレム、何やら酷く硬い】

>>49
「悠長にかぁんがえ事でぇすか、まぁいいでぇすけどねぇ」
【彼から動きはない】

51とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:20:48 ID:SioCpu3Q
>>50
「あー、硬いな」

バックステップ、剣に魔力の刃が纏わりつく。
そして再度突貫、もう一度ゴーレムへと刃を叩き込む。
今度はマジだ。

52とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:22:35 ID:ydhcSkPU
>>50
(ゴーレムの硬度は中々のもの
硬度は純粋な力で押せないこともないでしょうけど……)
そんなことを考えつつも
「いかに感情を制御できるか、ですからね……
私の場合は……」
と冷静さを装いつつも返す。

53とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:29:06 ID:HMc30pzY
>>51
「ヒヒヒッ…一途なのぉはいいこぉとですが、少し直線てぇき過ぎぃまぁすね」
(ブオーン)
【魔力の刃が迫ると同時にゴーレムの腕に障壁が展開、防御姿勢を取る】

>>52
「何もしなぁいなら帰ったほぉが賢明ですよぉ?子ぉどもの遊びではないのですぅからぁ」
【不快な声で不快な言葉を吐き散らす】

54とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:35:16 ID:SioCpu3Q
>>53
「それいいんだ、小細工すっから威力が下がる」

ガオン!と獣の咆哮の様な音を上げて剣を叩き付ける。
威力に自信でもあるのか迷いがない。

55とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:36:07 ID:ydhcSkPU
>>53
(不快な……)
「森に住んでいるが故、無関係というわけにもいかないのです
帰るもなにも、ですね……」
と言い、続けて
「それに……、この場で背を向けるのは危険でしょうに……」
と、状況を見ていう

56とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:45:51 ID:HMc30pzY
>>54
「ヒヒヒッ…そぉですか、でぇも小細工無しで倒せるほぉどその子はあまぁくないですよぉ?」
(ガキィィーーン)
【強固な装甲に加えこれまた強固な障壁でまたまた真っ向から受け止める】

>>55
「あぁなたが逃げると言ぃうのなら追いはしませんよぉ、私ぃにそぉんな趣味はないのでぇ」
【ヒヒヒッ、と不快な笑い声を響かせる】

57とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:49:04 ID:SioCpu3Q
>>56
「辛口結構、そうでないと」

バックステップ、すぐさま突貫。
振われる刃、ただし今度は二度。
速度が上がった。

58とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 22:52:28 ID:ydhcSkPU
>>55 >>56
(加勢するかはもう一人、攻撃が得意そうな人の様子を見て判断しましょう
彼が強ければ、私の補助など必要ないでしょう……
そうなるならば……、私は私の成すべきことを……
しかし……、襲い掛かってくるのならば……)
と考えつつも、再び特にしゃべらない

59とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 23:03:07 ID:HMc30pzY
>>57
「ヒヒヒッ…でぇは、ごぉじゆうに」
(ガキガキィン)
【これまた真っ向からしかも正確に受け止める】
>>58
「黙ってかぁんがえてるだぁけではなぁにもかわりませんよぉ?」
【ひたすら不快な笑い声を響かせる】




「さぁて、とはいっても私にとぉってこの時間はむぅだなんですよねぇ」
(ヒュイイーン)
【男が言うと同時に地面が輝き始める】

「そぉなれば、長居は無用でぇすね、それでは」
【男の言葉が終わり恭しく礼をすると同時に地面の輝きが一層強くなる
そして、気がつけばゴーレムも白衣の男も倒れ伏す人々も消え去る
これ程の規模の転移魔法ならばあらかじめ準備してあったのだろう】

//急に眠気が来たので失礼します!絡みありがとうございました&お疲れ様でした!

60とある世界の冒険者:2012/08/31(金) 23:59:49 ID:ydhcSkPU
>>1976
「またいずれ、機会があれば」
とあいさつして、自分もどこかへ去ったとか

61とある世界の冒険者:2012/09/01(土) 00:00:08 ID:b6yvWPig
//誤爆、申し訳ない

62とある世界の冒険者:2012/09/01(土) 00:03:27 ID:b6yvWPig
//しかし、遅れましたがお疲れ様でした!

63とある世界の冒険者:2012/09/17(月) 23:41:23 ID:sGsCvElg
【王都/住宅街/遊撃騎士団寮】

王都に新設された遊撃騎士団、と言う部隊。
基本的に其処に所属する人間は仮住まいの領に住む。


「…………はーぁ。」

そこの一角に住んでいる、青年騎士。
今日も、仕事をせずに部屋のベッドで横になっていた。

64とある世界の冒険者:2012/09/17(月) 23:48:46 ID:1g0qi9Jw
「…………ここね。」

遊撃騎士団――成り立ちからすれば、自分にも半分お似合いか。
そんな皮肉めいた事を考えながらも、扉を軽くノックする。

凛とした佇まいに、肩下まで浅葱色の直髪を流した女性は、もちろん入隊希望者などではない。
ただここに居る一人に、用があって足を運んだに過ぎない。

65とある世界の冒険者:2012/09/17(月) 23:51:49 ID:sGsCvElg

「……ん。」

ノックの音に気付き、ベッドの上で身を捩る。

「……空いてるから、書類かなんか取りに来たなら勝手に取っててって良いぜー。」

ドアの方にそう声を飛ばして、そのまま寝転がる。
ここに来るのは大概が仕事の催促に来る上司か、同僚だけのようなものだ。

66とある世界の冒険者:2012/09/17(月) 23:56:54 ID:1g0qi9Jw
「じゃあ、寝首を掻いても良いのかしら?」

小慣れた対応を見るに、毎度の事そうして来たのだろう。
変化の無い退屈な毎日。
代わる代わるだが"同じ声"を聞き、同じセリフで返す。

そうであった筈の日常が、突然の来訪者によって僅かな変化を兆す。

67とある世界の冒険者:2012/09/17(月) 23:59:16 ID:sGsCvElg
「……?」

その声に、同僚、上司では無い、と気付いたのか。

「……はぁ……どちらさんだぜ、生憎俺は寝るので忙しいんだけど――」

ベッドから渋々、と起き上がり玄関に向かい乱暴にドアを開ける。
以前ならそう、はしなかったが……今となっては、これが日常。

ただ、現状にも、周囲にも諦めを感じて、怠惰に過ごす、日常――

68とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:02:32 ID:7qS3P6kw
しかし、今。
少年の目の前には――

「……疾ッ!!」

――手刀があった。

黒の外套がまるで魔槍たるやという勢いで、少年めがけて突き込まれる。
悪戯や模擬でやっている様な"質"ではない。
      ・ ・
明らかに本気の一撃だ。

69とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:05:10 ID:1sNVgbwQ
「――ッ!!」

騎士剣は壁に放置している、魔術の媒体も暫くは触れていない。
放たれた手刀を目を見開いて察知し、半歩、横に足を動かして

「……――糞親父にクソ息子の始末でも頼まれた、暗殺者か……じゃ、なさそーだぜね。」

直線で放たれた突きを、既のところで避ける。
頬の皮が僅かに切り裂かれ、流れた血が床に落ちた。

70とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:12:04 ID:7qS3P6kw
「…………」

無機質な美人の横顔が、腕を伸ばし切った状態のままで静止。
寸斬った頬から預かった血が、指先から一滴落ちた頃。

「……寝惚けてるみたいだけれど、噂通りの力はあるみたいね。」
氷を鳴り合わせる様な声が、静かに響いた。
この声、誰かに似て――

71とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:13:55 ID:1sNVgbwQ
「ハッ、どんな噂かしれたもんじゃ――」

息を一つ吐き、苛々した様子でそう返して、相手の顔を良く見て――
その動きを止め、表情もまた強張らせる。

「……あんた、確か……リィ――……あの娘の。」

その顔には――何故、今更、と。
そんな言葉が、ありありと出ていて

72とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:17:40 ID:7qS3P6kw
「…………メルフェリアス。
メルフェリアス・"リューナ"」

血抜きの様に腕を払い、白黒の外套の中に引き戻しながら紡ぐ。
その名前は、彼にとって特別な意味を示していた。

「……そうよ。
リィフエンデの。死んだ、妹の。姉。」

叢が風で鳴る音が、よく聞こえる。

73とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:22:22 ID:1sNVgbwQ
「……………。」

息を、深く吐き出して、顔を手で覆う。
何故、どうして、何で、今になって――そんな言葉が頭の中をいくつも飛んでいく。

「……茶でも、出すぜ。 ここだと、話すにもアレだから。」

ドアを改めて開けて、なかに入るように促す。
今更になって、態々"自分の所"に来たのだ。 ……何か、用があるという事ぐらいはサッせる。

74とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:28:05 ID:7qS3P6kw
「そうね。……紅茶には煩いわよ。」

促されるまま、整然とした姿勢を崩さず我が家かと言う佇まいで中へと入っていく。
いまいちペースが掴めない。
リィフの事で尋ねて来たのだから、まずはエコーズが先に調子を崩されているのだが。

75とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:30:31 ID:1sNVgbwQ

そうして、家の中に招き割と高いであろう紅茶を淹れて、出す。
……部屋の中は簡素なものだ。

備え付けの棚と、ベッドと、テーブル。
ベッドの脇には埃の溜まったギターと、鞘に入れっぱなしの剣が放置されている。

「それで、……あー……
 ……何で今さら、俺の所に?」

紅茶をテーブルに置いて、聞きづらそうにそう聞き出す。

76とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:43:01 ID:7qS3P6kw
「……茶葉は安いけど、淹れ方はまあまあね。
……65点、といった所かしら。」

やはり自分の家であるかの様な寛ぎ方で紅茶を啜りながら、一刺し。

「そうね……私、回りくどいのは嫌いなの。
端的に言うわ……もう一度だけ、あの子に逢いたい?」

逢いたいか?そう問う言葉の裏には
望めば逢えるという、まさに魔法の様な言葉が隠されている。

77とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:44:50 ID:1sNVgbwQ
「……ま、嫌でも仕込まれたぜから」

ボソッ、と呟くそうにそう返して、またため息。

「―――――は、え……
 ……そ、りゃあ……」

その問に起こるのは、当然のように混乱。
だが、口は勝手に、己の望みを口にしようとして

78とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:48:02 ID:7qS3P6kw
「……なら、話は早いわね。」

紅茶のソーサーを左手、カップを右手に立ち上がる。
そして、壁にあった視線をゆっくりとエコーズの方へ動かしながらカップに口を着け

「私と一緒に、ソルビニアへ行くの。」
途方もない提案を口にして来た。

79とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:49:41 ID:1sNVgbwQ
「……ソルビニア、って……。」

また、事体が飲み込みきれず、嫌に乾く喉から絞り出すように声を出して、

「ちょ、ちょっと、ちょっと待っ……!
 まさか、リィフちゃんを、その――」

【生き返らせる】。
そんな、方法が、あるのか、と。

80とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:55:45 ID:7qS3P6kw
「……生き返らせられる訳ではないわ。」

心情を悟った風に続けるメルフェの表情には、陰りがあった。
自身の、今までの行いを後悔している……この場に彼女をよく知る人間が居れば、そう悟れただろう。

「ただの一度きり、逢えるだけ。
逢って、少しの間話が出来るだけ。……ただ、それだけよ。」

81とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 00:57:53 ID:1sNVgbwQ
「……一度、だけ……。」

その返答に、小さく、呟く様にして、そう漏らして。

「一度、話せる、だけ……
 ……でも、――逢える、なら……」

82とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 01:04:39 ID:7qS3P6kw
「……分かったわ。」

カップをソーサーの上に返してやり、目を瞑って一言。

「でも、すぐには発てない。
明日もう一度、ここに来るわ。それまでに――」

言葉の溜めを作り、カーテンを大きく開く。
そして窓を開け放つと、振り返って赤茶の瞳を向ける。

「あの子にするお話を、考えておく事ね。」
決して満面とは言えない、僅かな笑顔。
それを向けた後、碧黒の来訪者は窓の外へと疾いていく。

83とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 01:06:47 ID:1sNVgbwQ
「……ん……。」

小さく、頷いて。
ぐちゃぐちゃになった頭の中を纏めるかのように、頭に手を置いて。

「……あ……あ、アンタは、あの娘に――

 何て……何て、言うんだぜ?」

84とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 01:11:52 ID:7qS3P6kw
「……ごめんなさい、かしら。」

景色に溶けていく影は、最後にそんな事を言った。
霹靂の如くにやって来た来訪者は、驚きと少しの希望を落としていくのだった……。
まだ夏草の香る、昼のひと時に。

85とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 01:13:38 ID:1sNVgbwQ
「……ごめん、なさい。」

その姿を見送って、それを反芻するように繰り返して。

「……俺、は……なんて、言えば……。」

それを、探すかのように――
テーブルに突っ伏したとか。

86とある世界の冒険者:2012/09/18(火) 01:16:40 ID:7qS3P6kw
少年が彼女に逢って伝える事とは……
本人のみぞ知る所であった。

【フェードアウト】

87とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:13:29 ID:Y0bI1VUQ
-KO・JI・IN☆-


ジグザール王国王都の東の端、そこには一軒の孤児院が存在していた。
とは言っても、家主の事情か未だ孤児はおらず、無料で子供を預かるただの託児所のようなもので、基本的に夜は元々の住人しか存在しておらず、孤児院なんて名称も家主が自称しているだけのようなものである。

「〜〜〜♪」

そんな孤児院の入り口である門から見て、庭…と呼ぶにはいささか広すぎる庭の先に見える家の正面玄関から入った左側の部屋。
部屋と呼ぶにはこちらもいささか広すぎる。長いテーブルが何台もおかれ、等間隔で椅子が羅列している上に奥にはキッチンがあるという状況から考えてここは食堂なのだろう。
その食堂の中、キッチンに入り何やら鼻歌を歌いながら忙しなく動く少女がいた。

「〜〜♪」

年は14といった所だろうか、長いブロンドの髪を2つに結び、幼い顔立ちに笑みを浮かばせ小さな体で動き回る様は、さながら物語の主人公のようである。

だが彼女は物語の主人公では断じてない、ただのどこにでもいるような、一人の恋する乙女である。

「アルスさんは座ってゆっくりしていて下さいなのですよー」

その恋の対象である青年に声をかけるべく、少女はキッチンを目まぐるしく動き回っていた顔を一度食堂の方へと向けた。

88とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:16:42 ID:j4EDxAvg
「本当に何も手伝わなくて良いんすかー? ただ座ってるだけー、ってのも……」

声を掛けられた青年は普段常に持っている剣を壁の方に立て掛けて、調理場の方を覗き込む様にしている。

この春、正式に騎士団に入ったばかりであり、最近は連日連夜謎の怪物相手に剣を振るったり、
書類相手に格闘している、と聞かされている。

……が、今はそんな部分は一切見える事無く、キッチンで動いている自身の恋人を若干心配そうに見ている。

89とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:25:20 ID:Y0bI1VUQ
>>88
「いいのですっ、もう終わりましたですし」
少女は笑みのままそう青年に返しキッチンへと引き返してから、直ぐ様またキッチンから出てきた。今度はティーカップとケーキが盛り付けられたお皿が乗ったお盆を両手に。

「アルスさんは騎士様として町の皆さんのために頑張って下さってるのですよ。
姫ちゃん、その場にいないですからないですけど、アルスさんのことだからまた無茶してることだってきっとあるんですよっ」

小言のように話しながら、慣れた手つきでお盆に乗っていたカップと皿をテーブルへと置いていく。

90とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:27:22 ID:j4EDxAvg
>>89
「そうっすか……? おお、美味しそうっ!」
運ばれて来たケーキを見て、子供の用に眼を輝かせる。 こういう所は多少年経過しても変わらないのである。

「確かに荒事は多いっすけど……そこはもう、当然っすから。
 それにちゃんとした仕事で動く時は複数人っすし、言うほど無茶はしてないっすよー?」

苦笑いしながらもそう返す。 忙しい、というのは確からしい。

91とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:35:14 ID:Y0bI1VUQ
//速攻申し訳ないシャワー浴びてくる

>>90
「チーズケーキなのですよ、まだ少し暑いですし紅茶はアイスでレモンティーにしてみました」

喜ぶ青年の姿を見れたのがまた嬉しいのか、クスクスと笑いながら説明しつつ自分も席に座る。

「いえいえ、姫ちゃんが言いたいのはそういうことではなくてですね」

そう前置き、ティーカップを手にもってお先にと言うように一度口の前で掲げてから、一口煽った

「コクン…アルスさんが頑張ってるの、姫ちゃん知ってますから。
せめて姫ちゃんと二人の時は、小さなことでも甘えて欲しいのです」

そう言って少女は柔らかく笑みの質を変えた。

92とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:37:19 ID:j4EDxAvg
//いってらっしゃい!

>>91
「おお……! そういや、もう9月なんすねぇ、暑いからそんな気が……。」

ころころ、と表情を変えて唸る。 もう早いもので、秋なのである。

「ぐ、む……そ、そういうのは、あ、アレっすよ……
 こう、甘えるっていうのもまた、いや、甘えたいっすけど……」

少女の笑みに若干顔を赤くして、少ししどろもどろな様子に。
甘える所は甘えたいけど騎士として一人の男してこう、気恥ずかしい部分があるらしい。

93とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:51:49 ID:Y0bI1VUQ
//またせたただいま
>>92
「そうですねー………早く、涼しくなったらいいですね」

青年の言葉に同調するように頷く。早く、もっと涼しくなってくれればいい。
寒くなれば寒くなっただけ、きっと彼のそばに寄り添う理由が出来るから。
そんなことを考えてしまったからか、少しばかり少女の顔は朱に染まっていた。

「そうですね、アルスさんはアルスさんのままでいい、そう言ったのは姫ちゃんですし」

彼にも彼で譲れない迄は言わなくとも何かしら思うとこはあるだろう、そう理解して頷く。

「ただ、姫ちゃんが頑張る時は姫ちゃんに頑張らせて欲しいのですよ。
姫ちゃんも、アルスさんのために何かしたいですから」

だが、少女にもまた譲れないはある。

94とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 00:55:29 ID:j4EDxAvg
>>93
「こう暑いと、その、あー……あ、あんまり、くっつけ無いっすし、ね」

同じ様な事を思ったのか顔を赤くして、頬を掻きながらそう言う。
くっつく分には良いのだが、汗をかいてしまうし、ただでさえ頭が熱くなるというのに。

「……そういう言い方はずるいっすよ、姫ちゃんはー」

ぐぬぬ、と机に突っ伏す様にしてそう言う。
言い返す言葉が何も思い浮かばなかったようで

95とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:04:21 ID:Y0bI1VUQ
>>94

「ふぇっ!?いや、あの…姫ちゃんそんなこと考えて…いや考えたんですけど………うー、アルスさんも時々ズルいのですよー」

自分が考えていたことをそっくりそのまま言い当てられた気がして、どもりながら少女の顔が更に赤く染まった。
普段は自分が取る行動に照れてばかりなのに、彼は時たま不意にこんなことを言う、相変わらずの照れた顔を浮かべながら。
少女にとってはそれこそ反則ものである。

「エヘヘ、ごめんなさいなのですよ、わがまま言って」

謝罪の言葉を口にしつつも、少女の悪戯な笑みには、悪びれた様子は一つもない。

96とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:07:26 ID:j4EDxAvg
>>95
「い、いや違うっすよ!? 別に変な意味じゃなく! ただこう、……あ、あははははー……?」

慌てて誤魔化すように言ったものの、途中で言葉が切れる。
口が上手い方では無い為、誤魔化せるものではない。

「まぁ、その……疲れた時は、ちゃんと、甘えさせて貰うっすから。」

97とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:15:29 ID:Y0bI1VUQ
>>96
「うー…でも、いいのですよ」

恥ずかしそうな顔を浮かべ小さな声で呻いていた状態から一転、赤いながらも小さな笑みを浮かべた。

「アルスさんもそんな風に考えてくれてるって…やっぱり姫ちゃん、嬉しいですから」

照れを隠すように小さな笑い声を上げながら、紅茶をもう一口飲む。


「はいですっ、姫ちゃん頑張っちゃうんですよ」

頼ってばかりな気がする少女にとって、守られてばかりな気がする少女にとって。
その彼に頼られる、甘えて貰えるとは何より嬉しいことである。
それを体現するように一際大きな笑みを浮かべながら胸の前で手を合わせる。小さいながらほんのちょっとずつ成長しつつある胸の前で。

98とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:26:10 ID:j4EDxAvg
>>97
「…………だ、だから、そういうの、ずるいっすよ…・…。」

誤魔化すように言って顔を少しそむけて、紅茶を飲む。
押しには弱い、と言うのが定説である。

「けーどっ、普段はオイラがちゃんと姫ちゃんを守るっすからね!
 オイラは騎士団の騎士っすけど、姫ちゃんの騎士でも居たいっすから!」

びっ、と指を一本立てて。
全部を守れる訳ではないけれど、せめて目の前の人達と、
この何よりも大切な少女は守る騎士で居たい、と。

99とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:36:57 ID:Y0bI1VUQ
//すまねぇ今日はそろそろ限界だぜ

>>98
「エヘヘー。姫ちゃん、照れてるアルスさんを見るのも好きですから」

先ほどのしおらしさはどこへいったのか、すっかり何時もの調子を取り戻して、照れる青年を楽しそうに眺めていた。

「はいです、頼りにしてますですよ。姫ちゃんのことも、みんなのことも、それに何よりも」

青年に合わせるようにこちらは人差し指をたて、その指を青年へと向けた。

「自分のこと、守って下さいですよ。死んじゃったら、嫌ですよ?」

そういいながらも笑みは崩れない。
大丈夫だ、彼は死んだりしない。いなくなったりしない。
少女の笑みにはそんな考えが見てとれた。

100とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:41:04 ID:j4EDxAvg
//了解、乙っす!

>>99
「むぅ……普通、逆の筈なんすけどねぇ……」

男女の立場がここだけ間違っちゃ居ないか、と小声でそう漏らす。

「……ん、約束っす。
 何があっても、ちゃんと自分も守るっすよ。

 折角、帰る場所もあるっすし、ね。」

にかっ、と笑って自分より少し小さくて愛らしい恋人の頭を優しく撫でた、とか。

101とある世界の冒険者:2012/09/20(木) 01:46:03 ID:Y0bI1VUQ
//ありがとう乙

>>100
「ふぁ…エヘヘ、はいっ!姫ちゃんの隣は、何時だってアルスさんのためのものなのですよ」

愛する人の手に撫でられ、その笑みは一層幸せを表すものになりましたとさ。

FO

102とある世界の冒険者:2012/09/23(日) 23:09:20 ID:CWLWWbQk
<王都近くの森>

「……はぐ……むぐぐ……ンぐ、ハァハァハァ……!」

【森の奥深くで蠢く、黒い物体。
森の中が薄暗いお陰でその姿が良く見えない。

しかし、その何かは巨大で脈動しており、そして何かに夢中になっていることが分かる。
その大きさはまるで壁のようで、かつ何やら粘着質な音を立てている。】

103とある世界の冒険者:2012/09/23(日) 23:31:00 ID:CWLWWbQk

「う゛む……美味しく……いらな、っぐ……物はとって……!」

【ガチャ、ガチャと金属が外れるような音がし、それに続いて
ドサリと重いものが地面に落ちる音が響く。

直後に何か硬いものを削り落とすような不快な音が響く。】

104とある世界の冒険者:2012/09/23(日) 23:52:36 ID:CWLWWbQk

「……ふふ、ぐぐぅ、っはぅ……く、ぁう……!」

【どこか必死さを感じさせる声と共に巨体が波打つ。
手足の代わりともいえる無数の触手をバタつかせ、周辺の木や地面を打ち鳴らす。

それと共に聞こえるのは弾けるような水音と裂ける音。
何かを……血の通うものをむさぼり食べる音である。】

105とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 00:11:45 ID:0wKXXNHc

「…………ぅっぷ。」

【暫くすると地面を打ち鳴らす音も咀嚼音も聞こえなくなる。
その巨体の周囲には体があった場所に沿って、血が流れ草木を赤く染める。

一方で、その巨体は満足したかのように体をぶるぶると伸びでもしているかのように震わせる。】

106とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 00:33:31 ID:0wKXXNHc
FO

107とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:24:11 ID:NEYeunP.

ただただボーッと空を見上げている白銀の狼亜人種の子供。
幼い子供から少女になろうと体は、最近では少しだけ丸みから胸やお尻が大きくなっている
子供から大人への転換期。それは何かしらの喜びがあったもいいはず。
何かしらの困惑や戸惑いがあっても良いはず。
それなのに彼女は何お興味も持たず、ただただ抑揚のない目を空に向けている
虚ろで、さみしげで、何処か純粋な目を向けている

108とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:31:33 ID:X1dJpxgQ
「お人好しもほどほどに……、人は見極めないとならないということですか……
……はて……?」
森より現れる、白銀髪の少女
そして、子供の姿を捉えて、ゆっくりと近づいていく

109とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:37:12 ID:NEYeunP.
「……」
チラッとだけセリオンの方を見る少女。
その姿は、前に見た白銀の狼亜人種の子供でるたに本当によく似ている
彼女がマークⅡなのだろうか?
しかし、決定的に違うのは、彼女の方が成長をしているように見える。ほんの些細な程度ではあるが
「……」
彼女は再び空を見上げる。平淡な目は何ら光を映し出していない
それが彼女自身だと言わんばかりに

110とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:40:01 ID:X1dJpxgQ
>>109
「さて……、お久しぶりです……」
ゆっくりと近づきながら、とりあえずそう声をかけて、続けて、

「星空……、でも眺めているので……?」
とりあえず兄が探しているということは伏せつつも、
他愛もない会話から入ろうとする少女

111とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:46:58 ID:NEYeunP.
>>110
「……」
お久しぶりです、との言葉に無言で頷く
愛想がないだけで、言葉には反応するようだ

「……んーん……」
ゆっくりと首を横に振る
感情のない声でそういうとゆっくりとセリオンを見つめる
「今を探しているの」
そうとだけ言うと、今度はゆっくりとセリオンに向かって歩き始めた
月明かりから見ると、彼女の腰には拳銃がしまっているホルスターが見える。
手には持っていない為、銃弾も装填されているかは解らない

112とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:51:39 ID:X1dJpxgQ
>>111
「今……ですか……」
わかるような、わからないような、そんな感じで思案しつつも、
思案していれば接近を許しつつ、
少女に近づけば近づくほど、離れていた時と比べて、体感的に冷たく感じるかもしれない

113とある世界の冒険者:2012/09/24(月) 23:57:18 ID:NEYeunP.
「そう……」
ゆっくりと頷く
「今、私にとっての今」
まるで、冷たさなんて感じていないように近づく
今のところ敵意がないとは言え、このまま接近を許せば彼女はセリオンの目と鼻の先まで近づきそうだ

114とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:01:12 ID:HIGV0bt6
「……生きてきた時間が、自分の時間でないと……」
と解釈しつつも、少女は一歩も動かない。
近づけば近づくだけ、一応冷たさは増すのである。

115とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:08:36 ID:rDnJLLzg
「……わからない」
ニッコリと初めて一瞬だけ笑う。無邪気そうに、そして嬉しそうに
正解か間違いか判らない。
既に、セリオンの頬に手を伸ばせば当たる距離まで来ている。凄く冷たいはずセリオンの周り
しかし、この少女はそんな気配すら見せない。

「ねぇ、セリオン」
初めてセリオンの名前を呼んだ
「わからない時はどうしたらいい?」
そういって、セリオンの頬を肉球付きで狼の前足のような手で撫でようとする

116とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:15:41 ID:HIGV0bt6
「その時は、深く考えないことでしょう……、なるようになるはずです……
必要でしたら、この前の氷菓子でも食べます……?」
少女の表情が、少し柔らかくなった気がする。落ち着いた口調でそう言いつつ
撫でられる少女の頬は、人間の物とは思えないほど冷たい。のである。

117とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:21:36 ID:rDnJLLzg
「それが自分の全てでも?」
悲しそうにそう呟くようにいう。聞きづらい声のために、もしかしたら聞きそびれるかもしれない
「……」
ゆっくりと頷く。甘いものには勝てないようだ

「氷みたい」
無表情で触った感想を言う
「なんで?」
触った手を引っ込めた。霜焼けとかはしていない様だ

118とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:35:18 ID:HIGV0bt6
//これ以上は起きてられる自信が……
中途半端で申し訳ありませんが、できれば中断させていただきたい次第……

119とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 00:40:14 ID:rDnJLLzg
//わかりました! では中断しますね

120とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 21:47:41 ID:2ZMaX46E
-宿の一室にて-

「……いっきし!!!」

部屋で一息つくなり、手も覆わせずに大きなくしゃみをする金髪の少年。
左手で口元を拭い、右手で尖った髪をわしわしと掻く。

ふらりと居なくなったと思えば、急に首を傾げる様な恰好で返って来たこの男。
今まさに、弁解の途中であった。

「あー……っと。
とりあえず、俺が雪狼の討伐に出たまでは分かったよな……?」

金満家な風体の中年男性にまんまと騙され、二束三文でソルビニアまで飛ばされたシャスタ。
モンスターの討伐に大がかりな時間を費やした、というのが今までの弁明だ。

121とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 21:55:18 ID:QIDoUqj.
「……なるほど……
 ……君が姿を消したのはそのせいか……
 ……君がその程度の動物をとっとと葬れない程無力だったせいか……。」
青年が言う『雪狼』とやらは、きっと『その程度の動物』では済まされないほどのモンスターだったのだろう…。
そんなことは重々理解しているのだが、なんとなく皮肉を言わなければ気がすまないのがこの娘の性質なのである。

122とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:01:49 ID:2ZMaX46E
「……いや、まぁ……何だ。
……確かにあいつらは俺からすりゃ強かったけどよ。」

ふい、と顔に影を落として遠い目をする。
彼の得意なレンジは基本的に中距離だ。
至近距離まで狼の接近を許しては、捗る物も捗らないだろう。


「ただ、3ヶ月ぐらいで……カタは付きそうなもんだったんだよ。」
さて、時間が合わなくなってくる。
そう零すシャスタの表情は、少し哀しげだ。

123とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:07:45 ID:QIDoUqj.
「……3ヶ月……
 ……はて、君を見なくなって半年以上は経っていると思ったのだが、
 これは僕の思い違いだったのかね……?」
と、調子に乗って皮肉めいた口調で言うが、
青年の表情に陰が差している事に気がつくと表情を真剣な物に変える。

「……一体何があったのかね、その後に……?」

124とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:19:19 ID:2ZMaX46E
「…………。」

"仕事"として先を話すなら決して褒められた話ではない。
それ故、今まで言葉にするのを躊躇っていた。
しかしエリスの聞く姿勢が変わった事を察し、話を続ける決心を付ける。

「……最後の群れ、な。
多分本隊だったんだろうけど、やけに数が多くてよ。
こっちも大分と消耗しながら一週間……だったかな、そんぐらい掛かった。」

ひとつ息を吸って、間を置く。

「やっと洞窟まで追い詰めたとこだった。
……最後に居た1頭。」

グラスに溜めていた水に入った氷が、山を崩して透明な音を奏でる。

「たぶん……母親だった。
不自然にハラだけ大きくてよ。すげえ動きも鈍いんだ。」

せせら笑う様な表情を、わざと作りながら言う。
その言葉の意味する所は、一つしかない。

「俺……撃てなかった。
クライアントは毛皮が大量に欲しかった。
ケチで強欲な奴で、雌の毛皮はツヤが良くて特に好みだった。
あいつ、俺の横でずっと早く撃てっつってたな。」

そこまで言うと、シャスタの言葉が途切れる。

125とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:28:47 ID:QIDoUqj.
「…………。」
青年の語りに無言で耳を傾ける。

「……ふむ…そして、君は…撃った、と言う訳だね……。」
言葉が切れると、それを継ぐであろう内容を口にする。
決して責めるでもない、事実を確認する様な淡々とした口調で…。

126とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:34:14 ID:2ZMaX46E
「……思い切り噛まれたけどな。」

精一杯、苦笑いしながら頷く。
……それが、今の体になっている原因とも付け加えて。

動物と動物の争いに、情けなどそうそうあって堪る物ではない。
自身もヒトという動物ならば、直ぐ様に撃つべきだった。

「俺は……お袋の顔、もう覚えてねえ。
あの腹ん中のチビがもし生きてりゃ……多分同じ目に遭うんだろうな。」

127とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:44:37 ID:QIDoUqj.
「……それで、その呪いを受けたと言う訳か。」
子を守る母親の無念……
非常に強そうな類の呪いに思われる。

「……あまり気に病むな……
 ……本来呪いを受けるべきは、君の隣に居たという欲の深い豚な筈だよ。
 …あまり罪悪感を背負いすぎると、呪いを強めかねない……。」

128とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 22:51:00 ID:2ZMaX46E
「……割り切りは付けたつもりなんだけどよ。」

ほっ、と小さく息を吐き出す。
グラスの氷が、もう一度山を崩して揺れる。

「……………。」
そして少しだけ目を瞑ると。

「……報酬は突っ撥ねてやった。
その癖ケガで動けねえからこんなに時間掛かっちまって。
すまねえ……心配掛けた!」

再び目を開き、深々と頭を下げて心底から詫びた。

129とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:01:19 ID:QIDoUqj.
「………。」
頭を下げる青年に、件の魔導書を取り出し……

すっと頭上に振りかぶってそのままストンと振り下ろす。
重い魔導書のカドが青年の頭に突き刺さるのであった。

「……言いたい事は色々あるがね、
 僕からの仕置きはこれで手打ちとしておこう。」
それほど勢いをつけて振り下ろさなかったため、
魔導書アタックのダメージは『結構痛い』程度で済むだろう。

「…とにかく……君が生きていたなら良いんだ……本当に。」
不機嫌そうだった表情を解き、嬉しそうに微笑む。

「……でも、その呪いは早くなんとかしないとだね……。」

130とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:08:25 ID:2ZMaX46E
「ごっ……!?」

息の詰まった様な声と、紙が重い事を思い知らされる質量が頭に直撃。
数秒呻く程度で済むなら、出血大サービスと言った所だ。

「悪かった。」
いつもの様に喰いかかって反論しないまま、神妙に頭を上げながらもう一度。

「エリス……。」
自分の無事を笑顔で喜んでくれる少女に、胸を熱くする。

「ああ……そうだなあ。つっても、俺こういうのに詳しい奴は……」
知らないしな。と身振りで加える。
和解出来たとして、あまり手放しで喜んでいられる状況でもない。

131とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:16:15 ID:QIDoUqj.
「……許す。」
もう一度頭を下げる青年に、小声でぼそりと呟きつつ
青年の隣へと近寄って来た。

「……解呪か……
 ……僕も詳しくない分野だね……」
どうしたものか、と首を傾げつつ、青年に寄り添う。
…極度の寒がりと化した青年には、少女の低体温の体はやや冷たすぎるかもしれない。

132とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:20:54 ID:2ZMaX46E
「……だよなあ。でも治さねえと冬までに死んじまう。」

不思議と冷たくはなさそうにしながら、軽く顔を上げてエリスが凭れ易い姿勢になって。

「お前は呪う方が得意そうだしな。」
調子が戻ってきたのか、少しだけおかしそうに笑いながら言う。

133とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:27:07 ID:QIDoUqj.
「……ふむ……死ぬのか……。」
それはまずいなぁ…とかぼんやり考えながら青年に体重を預ける…

「………って死ぬのかね!?
 バカじゃないかね君!!!
 せっかく帰ってきたのに死ぬとかほんとバカだな君は!!?」
ワンテンポ遅れて事の重大さに気がつくと、
少々取り乱して理不尽に青年を馬鹿呼ばわりするのだった。

134とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:34:33 ID:2ZMaX46E
「あぁ……」
何処か懐かしむ様に迎え入れ

「い、いやちょっと待て!
アヤだ、言葉のアヤ!! 死ぬほど寒いってだけだよ!!」

取り乱す相手を宥めるにも、自分が慌てていては仕方がない。
しかし死ぬ事にされてしまっては大事なので、慌てて訂正する。


「……ん?
何かお前、いつもより温かいな……。」

軽い悶着の最中、ふとした違和感を覚えてぼんやりと呟く。

135とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:39:52 ID:QIDoUqj.
「な、なんだ…全く、紛らわしい…!!」
やや顔を赤くしてぷいっと顔を背ける。

「……ん…そうかね?
 ……寒がりな君には、僕の体すら暖かく感じるのだろうかね…?」
青年の言葉に、きょとんとして首を傾げる。

136とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:46:28 ID:2ZMaX46E
「悪かったって。」
何ともこの遣り取りが温かく思え、自然と笑みが零れる。

「……そうなのか?
思えば、誰かにちゃんと触ったり触られたりは無かったからなあ。」
旅の道中から王都へ至るまでを思い出し、納得する。
思ったより自分の呪いについてよく分かっていない様子だ。

137とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:50:27 ID:QIDoUqj.
「……ふむ……
 ……そういうことなら…僕の体で良ければ、存分に暖を取りたまえ…。」
すこし恥ずかしそうに良いながら、ぴったりと体を密着させてきた。
……少女公認の生きたホッカイロである。

138とある世界の冒険者:2012/09/25(火) 23:56:25 ID:2ZMaX46E
「有り難くそうさせて貰うぜ。」
同じく、はにかんだ様子で少し視線を逸らしながら言い

「あぁ……まだ、言ってなかったよな?俺。」
はたと思い出した風に、勿体をつけ

「ただいま。エリス。」
気障ったらしい只今を口にする。

139とある世界の冒険者:2012/09/26(水) 00:08:20 ID:imVMaUaA
「……ん、なんだね…?
 ……まだ何かあるのかね……?」
一瞬、まだ何か面倒そうな案件があるのかと身構える。

「………。
 ……おかえりなさい、シャスタ。」
そんな気障なセリフに、にこりと微笑んで言葉を返す。
再開時の不機嫌そうなツラが嘘の様な、幸せそうな笑みである。

140とある世界の冒険者:2012/09/26(水) 00:14:26 ID:TIDzujdc
「…………。」

もう一度、温かみを包む様に無言でゆっくりと抱き締める。
いや、今の彼に取ってはあらゆる意味での温もりに違いないのだ。

「……ちゃんと、体治すからな。心配すんな。」
ぶっきらぼうな口調ではあるが、優しい声で沈黙を破り。

//次あたりでカーテン閉めときますね!

141とある世界の冒険者:2012/09/26(水) 00:24:56 ID:imVMaUaA
「……君の様な低脳な人間が呪いを解けるとは到底思えないがね。
 ………だから、まぁ、僕も手伝ってやらない事も無い……。」
久々に愛する人に抱きしめられ、その感触を味わうように目を細める。
協力を申し出る際も、いちいち小憎たらしいセリフを欠かさない。

「…………。
 …ところで、そう寒がっていては夜など良く眠れないのではないかね…?
 ……今君が手にしている抱き枕など、安眠のために欠かせないと思うのだが……。」
青年の腕の中で、恥ずかしそうにもごもごと言う。
……やたら回りくどいが、少女なりのお誘いで……


//ではこの辺りで…どうもありがとうございました!

142とある世界の冒険者:2012/09/26(水) 00:28:59 ID:TIDzujdc
「……あのなあ、お前のそういう所が可愛くねえんだぞ?」
今はその憎まれ口すらを感触良く受け止め、また憎まれ口で返す。
心を許した者同士の戯れの後

「あっ、……当たり前だろ?
これだけ寒いんだ、死んで責任取れとかみっともねえこと言えねえよ。」
一瞬戸惑いはしたものの、しっかりと誘いには乗る素直でない青年なのであった。


この呪いを巡り、後日思いもよらぬ所で火が立つのは……また別のお話である。

【フェードアウト】


//こちらこそありんした!

143とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:32:18 ID:ts1aOIe2
都市伝説、どこにでも流れる、嘘か本当かわからない噂
しかし、すべてが嘘とは限らない

ここはある都市伝説の流れる森の奥
この先に進むと、霧が出始める
さらに進めば、霧は濃くなっていく

そして霧に包まれて、まわりがなにも見えなくなったかと思うと、霧が晴れ、そして
あたり一面が銀世界になっているという、そんな噂

この都市伝説は、実を言えば本当の話であり、
今宵も王都から少し離れた場所に位置する森の奥の霧の深い場所から、この場所に行くことができるだろう

この噂には実は続きがあり、入ったときに最も望んだものが、この場所に現れるという
しかし、この続きはあくまでも噂。起きるかどうかは、目にしなければわからない……

144とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:36:13 ID:ucXXar6k
マント、腰の細剣、目深に被った羽根付帽、全てが金縁に紅の騎士服姿な紫長髪の女、颯爽と。

「はて…面白い所に出るかにゃあ」

145とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:40:45 ID:ts1aOIe2
あの霧を超えた先にあるのは、一面が銀世界の、雪の降る場所
しかし、この場所には光の球のようなものが時々浮いており、どこか暖かいものである
手に取ることもできそうだ

もしもなにかを強く望むならば、もしかすればこの場所にそれが実現する……、かもしれない

146とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:45:09 ID:ucXXar6k
>>145
「んっふ〜…何とも捉え所のにゃいところだ〜ねぇ」

周囲をのんびりと見回す。
匂いでも嗅ぐように鼻を動かす。

「こんにゃ所に何かのエキスパートは居るもんかにゃ?」

女の目的は世界征服の為に猛者を勧誘する事である。

147とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:48:28 ID:ts1aOIe2
ここにはなにもない……、ように見えて、前や後ろや右や左に向かえば、
なにかがあるかもしれない
もしかすれば歩くだけでなにかがあるかもしれない

それがどこかに伝わったのか、はたまた別の理由か、女の少し先に光が集まって行く

148とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:51:04 ID:ucXXar6k
>>147
「にゃん?」

首をかしげ現象を見守る。

149とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:53:15 ID:ts1aOIe2
>>148
やがて光は集まって行き、気が付けば、黒い人の形を成した鎧ができあがっている
しかし、心なしか透けて見える

150とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 21:54:58 ID:ucXXar6k
>>149
「なんにゃ?」

近寄ってみる女。

151とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:02:54 ID:ts1aOIe2
>>150
黒い鎧の手にあたる場所に、光の球が集まって、それは黄色い剣となる
そして、それを女に向けて、ゆっくり振り下ろそうとする

152とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:04:28 ID:ucXXar6k
>>151
「にゃにゃ?」

己が柄に手をかけつつバックステップ。
相手と距離をとった。

153とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:07:01 ID:ts1aOIe2
避けた女を見て、黒い鎧は剣を置く
そして、なぜか鎧はゆっくりと、片膝を立てて地面に座るのである

154とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:12:05 ID:ucXXar6k
>>153
「んん?」

相手の意図が掴めず、構えたまま首をかしげる。

155とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:19:03 ID:ts1aOIe2
>>154
「………ワガヌシ、メイレイヲ」
突然、片言で鎧が話し始める

世界征服のためのエキスパート、そう女は望んだ
もしかすれば、この鎧は、その願望が具現化したものなのかもしれない

156とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:23:07 ID:ucXXar6k
>>155
「…ちゃうんにゃ、求めてるのはそーいうんじゃにゃい!!」

ビシィ!と片手突っ込みする女。

「そもそもMeも仕える身にゃ!
 Meが欲してるにょはマイマスターに相応しい従者にゃ!!」

157とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:25:09 ID:ts1aOIe2
「………ソノカタハ、ドチラニ……」
片言の、感情もなにもこもらない声で、鎧は語りかける

158とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:27:27 ID:ucXXar6k
>>157
「たぶん此処とは違う場所にゃんじゃにゃい?」
「見た所、此処、浮世離れしてるようにゃし」

周囲を見回す。

「似たようなところで前に武具の類を調達した事はあったんにゃけどな」

159とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:34:10 ID:ts1aOIe2
>>158
「ソウ……デスカ……、
シカシ、ワタシハ、コノバショカラヌケデルコトハカナワナイ……」
感情の籠らない……、と思いきや、すこし悔しさが紛れている口調で話す

160とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:41:30 ID:ucXXar6k
>>159
「囚われの身ってやつにゃ?」
「どーしたら抜け出ることができるんにゃ?」

161とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:45:34 ID:ts1aOIe2
>>160
「ワタシハ……、コノバショデシカ、ソンザイデキナイ……
ナゼナラバ……、ワタシハ、コノバショデノミ、ジッタイヲタモテル、
アナタノ……ノゾムモノ……」
相変わらず片言でそう話す

162とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:46:40 ID:ucXXar6k
>>161
「…んー、望むもの……にゃら此処以外の場所でも存在出来る事を望めばそーにゃらんの?」

163とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:54:02 ID:ts1aOIe2
>>162
「コノバショノヒカリ……、アナタハミタデショウカ……」
何を思ったか、そう尋ねる

164とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:55:50 ID:ucXXar6k
>>163
「にゃんだいソレ?」

首を傾げる、今日は傾げてばっかだなあ…とか思いながら。

165とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 22:59:14 ID:ts1aOIe2
>>164
「ヒカリノ……、タマ……、アタタカナ……」
この鎧に集まった光の事を指していると思われる

166とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:00:31 ID:ucXXar6k
>>165
「…あ〜、Youの姿を具現させたアレにゃ?」

167とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:07:51 ID:ts1aOIe2
>>166
「ソウ……、ソシテ、ソレハ、イツモノセカイデソンザイスルコトハデキナイ……
ユエ二、アナタガ、イツモノセカイにモドルマデ、アナタニシカツカエルコトハデキナイ……」
と答える鎧

168とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:13:20 ID:ucXXar6k
>>167
「うーむ、難しい理屈は分らんにゃあ」

考える女。

「そうなると此処にはMeの望むものはないって事ににゃる」

169とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:16:03 ID:ts1aOIe2
>>168
「デハ……、ワタシガソンザイスルヒツヨウハ……」
と、どこか悲しげな口調で言うと、鎧の体が輝き始める

170とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:20:19 ID:ucXXar6k
>>169
「Me達が求めるのは強請らず勝ち取る者にゃ」
「ただ傅くだけの者は求めてにゃい」
「Youはどうにゃん?
 相手の都合に振り回されて現れたり消えたりを望んではにゃい様にも見えたけど?」

171とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:24:34 ID:ts1aOIe2
>>170
「………ワタシハ……」
と言って、黙る鎧
虚ろながらも、少しずつ、少しずつ、この場所の支配から離れてきているのかもしれない
現に、輝きは少しずつ収まってきている

172とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:30:10 ID:ucXXar6k
>>171
「YouにMeから招待状にゃ、マイマスターの居る場所のにゃ」

ぴ、と人差し指と中指で挟みながらカードを取り出す。

「来るも来ないも、加わるも加わらないも、Youの判断にゃ」
「我らはBOC、老若男女、人も魔族も区別なく受け入れて何れは世界を統べるもの」
「Youの場に相応しいと思うにゃら来るといいにゃ」

そのカードをひらり、と器用に鎧へ飛ばす。

173とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:38:19 ID:ts1aOIe2
>>172
「……」
それを受け取る鎧。

「……例えこの地からの支配に逃れられたとしても、私には行くあてがない……
もしもこの後も私がこの姿を保てたならば、その時は助力を約束しよう」
はっきりとした、虚ろではなくなった口調で、そう返しつつ、
カードをよく見てみる

174とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:41:55 ID:ucXXar6k
>>173
カードには地図…ではなく陣が描かれている。
奇妙に光り輝くそれは羅針盤のようでもあり、一定の方向を指し示していた。
一度カードから視線を外した頃にはおそらく紅い女は消えているはずである
…すんなりと帰れるのであればだが。

175とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:50:13 ID:ts1aOIe2
>>174
望めば帰ることができる、ここはそんな場所である
故に、女は消えている

黒い鎧は、いまだ消えない
本来ならば、望んだものが元の場所に帰った時点で、
作られたものも消えるはずである

黒い鎧の、本来あってはならない自我の目覚め、己の確立
それは新たなる物語を紡ぐことになるかもしれないが、あくまでそれは別のお話

森からこの場所へはまだ一応繋がる。

176とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:51:44 ID:ucXXar6k
そんな感じでカードだけがその場に残ったそうな…紅い女のスカウトは続く。

177とある世界の冒険者:2012/10/01(月) 23:56:05 ID:ts1aOIe2
もっとも、鎧がそのあとも姿を保っていられたかはわからない

//お疲れ様でした!

178とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 20:51:09 ID:RtxLivzM
-森の奥-

「〜♪」

森の奥で何者かが歌っているようである。
その声は透き通ってはいるが幼い。

179とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:32:55 ID:v3ZuccVA
「たまには森もいいよなー、ん?」
ふらりくらりと森を彷徨う青い髪の青年
そして声が聞こえて、気付かれないように声の主を探ろうと、
近づきながら試みる

180とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:39:03 ID:RtxLivzM
「〜♪」

草木生い茂る森の中にあって不意に現れる夜空。
そこだけ背の低い草が生い茂り、中心に鎮座するは大岩。
月光に照らされ、その岩の上に座り込み、夜空見上げて歌っている。

それは魔族を彷彿させる捻れた角と尖った耳を持つ裸足の幼女…

181とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:47:59 ID:v3ZuccVA
>>180
「娘さん娘さん、どうして娘さんの耳はそんなに尖ってる?」
幼女の後ろの木陰からゆっくりと歩いて出てきて、
頭巾っぽいなにかをつけて尋ねる青年
口調は作っているのか、なんだかぎこちなく聞こえるし、
まったく似合ってもいないのはご愛嬌

182とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:53:25 ID:RtxLivzM
>>181
「!」

誰か来たと気が付き歌を止め振り向く。
そして暫し考えた後…

「……お嬢だからさー」

と答えた。

183とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:58:29 ID:v3ZuccVA
>>182
「なるほどなるほどー」
と納得(?)しつつも、続けて

「なら娘さん娘さん
どうして娘さんには角があるので?」
と続けて口調を作りながら尋ねる

184とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 21:59:35 ID:RtxLivzM
>>183
「う〜ん…わかゆえのあやまち?」

自分が何を言っているかは多分理解していないであろう口調で。

185とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:03:19 ID:v3ZuccVA
>>184
「わかゆえの過ち??」
若さ故の過ちとでも言いたいのかな、なんて思いつつも、

「なら娘さん娘さん、どうしてこんなところで歌唄う?」
と、また口調を作って尋ねてみる

186とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:04:50 ID:RtxLivzM
>>185
「うたいたかったから!」

即答だった。
まじりっ気なしの素直な一言である。

187とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:10:40 ID:v3ZuccVA
>>186
「うん、狼の面にしときゃよかったよ!」
あまりにもまじりっ気もなにもない即答だったためか、そう一人そう無駄に嘆きつつ、
頭巾を外して軽く握れば、小さく輝き、気付けば青年の手には赤い拳銃が握られている

188とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:13:49 ID:RtxLivzM
>>187
「?」

何が起きてるのか良く分からなかったようで首をかしげる。

「それなーに?」

189とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:21:08 ID:v3ZuccVA
>>188
「いわゆるあれだ、魔法の道具」
とかなり簡単に返しつつも、続けて

「この大体どんなものにでも姿を変えられる魔法の道具で、
試しにお前の変えてほしいものに変えてみようか?」
と、提案してみる

190とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:24:44 ID:RtxLivzM
>>189
「そーなのかー…ほんとっ!?」

目を輝かせる正体不明。
振る舞いは子供そのものであるが…

「えーっとね…しゃむすー!!」

しゃむすって何だろ。

191とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:28:03 ID:v3ZuccVA
「しゃ、しゃむす?
なんだそれ……?」
困惑しつつ尋ね返す

192とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:30:41 ID:RtxLivzM
>>191
「えっとね、ゆらゆらオケケちくちくキラキラわんわんが、しゃむす!!」

と言うものらしい。

193とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:33:42 ID:v3ZuccVA
>>192
「……、わ、わからん……」
形がイメージできないためか、変えられそうになく、続けて

「も、もうちょっとわかりやすく説明してくれないか……?
例えば形とかさ……」
と、なぜか慎重に尋ねてみる

194とある世界の冒険者:2012/10/05(金) 22:35:53 ID:RtxLivzM
>>193
「むー…じゃあ、らがらが!!」

これ以上詳しく説明できないらしく新たな提案。
しかし先ほどと何も変わっていない、少なくともカイサの苦労は。

195とある世界の冒険者:2012/10/07(日) 22:41:22 ID:c0LClNu2
-月の見下ろす森の奥-

草木生い茂る森の奥にぽっかりと空いた空間。
背の低い草木が生い茂り、中央に鎮座するは大岩。
頭上に月の臨める其の場所から幼い歌声が聞こえてくる。

196とある世界の冒険者:2012/10/08(月) 20:20:14 ID:csBDioXE
-月の見下ろす森の奥-

草木生い茂る森の奥にぽっかりと空いた空間。
背の低い草木が生い茂り、中央に鎮座するは大岩。
頭上に月の臨める其の場所から幼い歌声が聞こえてくる。

197とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 20:35:08 ID:X6b95Ycg
-とある噂のある森の奥-

最近王都で囁かれている噂がある。
森の奥から歌声が聞こえるのだとか。
少し前は只の歌好きが歌っているだけのことが多かったのだが…

そんな訳で草木生い茂る視界の悪い森の奥で今日も歌声が聞こえる。

198とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:00:58 ID:5hp5gVL.
「歌な……」
噂を確かめる意味でも、視界の悪い森を進む
もっとも、期待しても裏切られることが多々あったためか、特に期待してはいない

199とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:09:59 ID:X6b95Ycg
>>198
茂みを掻き分け進むと突如目の前に石造りの塔が現れた。
古くからあるのかややボロボロである。
その塔の中から歌声が聞こえる。
あまり窓が多くないので一周すればどこから聞こえるか特定できるだろう。

200とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:13:49 ID:5hp5gVL.
>>199
「あれ……」
とりあえず一周して、声の主を特定しようとしつつ、
塔があったことに、少し驚いている

201とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:15:43 ID:X6b95Ycg
>>200
「止まれ」

突如背後から声がした。

202とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:23:50 ID:5hp5gVL.
>>201
「……ん?」
声をかけられたため振り向く

203とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:27:12 ID:X6b95Ycg
>>202
「おっと、序でに振り向くなとも言った方が良かったかな」

ナイフをカイサの顔に向けて立つ男一人。
ゴツいヒップバックと特異なブーツが目を惹く走り易そうな服装の青年である。

204とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:32:36 ID:5hp5gVL.
>>203
「うわ、通り魔」
振り向けばナイフが目の前だったのに驚き、
一歩引こうとしつつポケットの青い拳銃にふれる

205とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:40:10 ID:X6b95Ycg
>>204
「動くな、こんな森の奥まで何しに来たんだZe?」

カイサの動きに合わせてナイフを動かす。
付かず離れずの間合いのまま姿勢崩さず。

206とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:46:10 ID:5hp5gVL.
>>205
「動くなって言われちゃ動けないか」
飄々とした態度を崩さない青年、拳銃は取り出さずに、
触れたままその場に止まる

「いやさ、王都での噂を聞いてな?
歌声が聞こえるとかいうさ
どんなものかと足を運んだわけだ」
と、ためらいなく目的を話す

207とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:47:54 ID:X6b95Ycg
>>206
「…そんな噂が流れてるのZe?」

溜息をつきつつも構えとかず。

「んで、お前は詮索好きを拗らせて此処まで…御苦労Ze」

208とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:52:08 ID:5hp5gVL.
>>207
「ああ、流れてる
まさかこんな塔があるとは思わなかったけどな」
塔の存在は知らなかったようで
こちらも拳銃には触れたままである

「じゃあ次はこっちが質問
なんで今俺、殺されかかってるんだ?」
なんだかんだで状況は把握していたらしく、
少し焦っているかのような口調で言う

209とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:57:10 ID:X6b95Ycg
>>208
「不用意に森の奥なんぞに来るからZe。
 森に潜んでる奴ってのはそれなりの理由があって潜んでるってこと考えるんだZe」

森の奥である。
盗賊の類が潜んでいても不思議はないわけで。

210とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 21:58:52 ID:5hp5gVL.
>>209
「んじゃあれか? あんたは俺の身ぐるみを剥ぎたいのか?」
再び飄々とした口調で尋ねる

211とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:01:12 ID:X6b95Ycg
>>210
「野郎の身ぐるみ剥いで何が楽しいのか教えて欲しいんだZe」

胡散臭そうにカイサを見、構えを解かない青年。

212とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:08:55 ID:5hp5gVL.
>>211
「ああー、確かに金や武器は手に入っても楽しくはない」
と、相変わらず余裕がありそうな口調で言う

「しかしさ、その口ぶりなら、
俺が女の子だったらさ、本当に身ぐるみ剥ぐのか?」
と、変なところが気になったのか尋ねてみる

213とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:10:17 ID:X6b95Ycg
>>212
「…お前は何も見なかった聞かなかったさっさと帰るんだZe」

質問を無視して一方的に話し終えるとナイフをしまう。
付き合いきれん、ということだろう。
なんか雰囲気に余裕ないし、神経張り詰めてるんだろう。

214とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:21:16 ID:5hp5gVL.
>>213
「塔は見たし歌声は聞いた
聞かなかったことになどできん」
さっきまでとは一転して、静かな口調になる
そして触れていた青い拳銃を、ナイフを戻したのを確認してとりだし、青年に向けようとする

「その様子から察すれば、この塔には秘密でもあるのか?
あるならば、だまって帰るのは惜しい」
真剣な口調で尋ねる

215とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:23:23 ID:X6b95Ycg
>>214
拳銃をとりだした途端、鋭い蹴りがカイサに繰り出される。
手にした拳銃ねらいであった。

「引き際知らない奴は長生き出来ないんだZe」

カイサを見るその目は冷たい。

216とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:26:15 ID:5hp5gVL.
>>215
「死ぬならそれもまたよし
しかしどうしても下がれと言うならば、下がってやらんこともない」
やたらと上から目線である
ちなみにこれは、拳銃が宙に浮いている間に放つ台詞である

217とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:27:52 ID:X6b95Ycg
>>216
「そうかいっ!」

続けて繰り出される回し蹴り。
連続攻撃である。
今度はカイサの脇目がけて横振りで繰り出された。

218とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:35:27 ID:5hp5gVL.
「んじゃ、よろしく」
赤い拳銃が落ちてくる
ただし、姿が狼のような姿になっており、青年を守るかのように落ちてくる
そして蹴りの身がわりを受ける

219とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:38:43 ID:X6b95Ycg
>>218
「妙な術を使うZe…どうしても下がれ」

軽くバックステップをして距離をとる青年。
そうしてカイサが言った台詞を言ってみる。

220とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 22:45:41 ID:5hp5gVL.
>>219
「……んじゃしょうがない、今日は下がるよ」
ぐったりしているように見える狼を抱えて、この場所から抜けようとするのであった

//抜けられたならばお疲れ様でした!

221とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 23:38:57 ID:sz61dSkA
<王都近くの草原>

「ふむ。馴染むのにはまだまだかかるか。
……一度、その兆しは見えたはずなのだがね。」

【草原にて異質な魔力を隠そうともせずに歩いているのは茶の長髪に金色の目の男性。
服は紺色で纏められており、片腕には腕輪が付けられている。

この男、以前に死亡が確認された女狩りという通り魔と生き写しかと
思われるほど、そっくりな姿をしている。……いや、本人なのだろうか。】

222とある世界の冒険者:2012/10/10(水) 23:55:22 ID:sz61dSkA

「……だが、奴も時間をかけていたが、これでは当分、見つからぬか。
全てを絶やさぬため故に――――ふむ。」

【ふと、天を仰ぐ。
その勢いで顔の部分が溶けるようにぐずりと崩れるがすぐに戻る。】

「…………それも視野に入れるべきか。」

【だが、自身の望むものが見つからないのは事実である。
そんなつもりなど全くはないが、頭に妥協の文字が浮かんだ。】

223とある世界の冒険者:2012/10/11(木) 00:16:23 ID:R3NuukzQ

「ああ、エゴノーズの嘗ての隆盛はここまで堕ちたか……。
当時と変わらぬのならば、私自らが探すことなどなかっただろうに……。」

【そうして、片手を嘆かわしいとばかりに顔に当てた。
その口ぶりはまるで彼が当事者のようである。】

「こうして、今夜もまタ私に値するかも分からン女を探し
どこの馬の骨とも知ラんものにエゴノーズの力を見せねばならんとハっ!」

【興奮してきたのか言葉に遠慮がなくなってくる。
独り言にしては喋りすぎている内容と大きすぎる声がその証である。】

224とある世界の冒険者:2012/10/11(木) 00:37:24 ID:R3NuukzQ

「……ふぅ。」

【一度、息を整えて落ち着かせる。
ここは草原である。自身の目的以外に無駄な力を使うのは避けたい。

舞い込んできた獲物が自身の目的に合致するなら問題はないのだが。】

225とある世界の冒険者:2012/10/11(木) 01:00:04 ID:R3NuukzQ

「カカ、カ……私がいればエゴノーズはこのようにならなかったのに、な。」

【よたよたと酔っ払ったかのような足取りでどこかへ行ったとか、FO】

226とある世界の冒険者:2012/10/12(金) 23:24:01 ID:ka5JaprQ
<王都近くの草原>

「……ほう。」

【黒い法衣を着た長身の男が足を止めて地に視線を落とす。
服装からして、聖職者であることは間違いないのだが、それに似合わない重圧を持っている。

そして、男が落とした視線の先には女性が倒れていた。
倒れているそばには木で出来た杖が転がっていることから恐らくは魔法使いであろう。】

「ふむ。……もしや。」

【ふと、頭によぎるものがあったのか女性の傍らに跪くようにしてしゃがみこむ。
恐らくは女性の状態を見ているのだろう。】

227とある世界の冒険者:2012/10/12(金) 23:42:02 ID:ka5JaprQ

「……魔力が欠乏している。なるほど、これが噂の〝アレ〟か。
報告として聞いていたが、実際に目にすることになるとはな。」

【と、女性の首元から手を離しながら言う。

おそらく、生きているかどうかの確認をしていたようだがそれを行う前に
彼女の魔力が枯渇といえるほどに欠乏している状態ということが分かったらしい。】

228とある世界の冒険者:2012/10/12(金) 23:48:27 ID:sx7Vct9k
>>226
「――何をしている?!」

【弟からいなくなった友人、果ては友人の妹まで探し回っている黒髪金目の少女がサルデフェクトの後方から声をかけた。
浅くない因縁から、現状をみてサルデフェクトが女に手を下したと判断したらしい】

229とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:09:14 ID:E7.Aj736

「おやおや、よもやこういう状況で現れるとはな。」

【思えば、久しぶりの再会でもある。
状況的にも、今までの背景的にもあまり良い再会とはいえないが。】

「どうやら、勘違いをされているようだが。
……君は私の言葉をどう判断するかね?」

【そして、その駆け寄ってくる剣幕から自分が手を下したと勘違いされているという
判断はすぐに出来たようだ。】

230とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:22:00 ID:ZY1t/0QA
>>229
「お前の言葉には惑わされない」
【言い訳無用とばかりに言い放ち、倒れている女性へと駆け寄る】

「また悪事を働くつもりなら、私もそれを潰すだけだ」

231とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:29:36 ID:E7.Aj736

「……実に愚かだな。
そのような素直さでは見えるものも見失ってしまうぞ?」

【好きにしろとばかりに女性から離れて、ラーナイに場を譲る。
女性の息はあるし、鼓動も聞こえる。一時的に気を失っているだけのようだ。

だが、女性は悪夢に魘されているかのような状態で苦しそうに喘いでいる。
まるで、酸素か何かが足りていないかのように。

しかし、女性の体をいくら探っても出血も無ければ、外傷すらない。】

232とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:37:08 ID:mLnO8wAA
二人が話しているところから少し離れたところに、
どこか嫌な感じがする黒い穴が開く
そこから黒い髪の青年が出現する

そして、おかしな倒れ方をしている女性のほうへ近づく
傷跡の確認のために

233とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:43:57 ID:ZY1t/0QA
>>231
「何とでも言え」
【女性の命に別状がないことにホッと胸を撫で下ろす。
が、うなされているような表情に眉を顰めた】


「(ただ気を失っている訳じゃないようだが……?
やはり何かされたのか?)」

【女性を抱えようと、両手を伸ばす】

234とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 00:53:31 ID:E7.Aj736
>>232
「……困ったものだ。
ややこしい時に限ってこちらが呼ばずともやってくるのは厄介者ばかり。」

【現れて女性の所……つまり、こちらへと駆けて来る黒い男を一瞥して。
これでは説明する手間が増えてしまう、と。】

>>233
「それならば、言わせてもらおう。
その女性はそこに置いておいた方が良い。」

【手を伸ばすラーナイへ向けて、静止の声を投げる。】

「その女性は魔力が枯渇している状態だ。
加えて、少々、厄介なものが体内に巣食っている。

ここから、王都までの道のり……彼女に負担をかけ続けさせるつもりかね?」

【草原であるため、王都から近いとはいえ距離は少々ある。
現在は命に別状は無くとも、消耗状態が続けば、どうなるかはわからない。】

235とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:05:30 ID:mLnO8wAA
>>233 >>234
「かつての、あの魔力浸食に近いものがあるな
傷跡がないあたりがな」
症状を見て、かつてのあれを思い浮かべる青年、続けて

「さて……、これはどういった手品だ?
かつての女狩りの常套手段に近い症状だが」
倒れている女と抱えようとする女を助けようとせず、
そうザルフェクトに尋ねる青年

236とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:22:52 ID:E7.Aj736
>>235
「……めぐりが悪いのはどちらも同じか。
まして片や女狩りの存在を知っているというのに、この有様だ。」

【期待はずれとでも言うように哀れむような視線を向ける。
……いや、そもそも期待はしていないのだが。】

237とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:34:18 ID:mLnO8wAA
「……女狩りの仕業だと推測するか?」
視線を感じてか、尋ね方を変える
最近、女狩りらしき者の存在や技を、その目で確認しているためであろう

238とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:44:10 ID:E7.Aj736
>>237
「そうでなければ、誰だというのだ?
……状況的に私と見るのは自然であろうが、それは些か物事が見えていない。

ま、君は先ほどから私が行ったと思っているみたいだがね。
とはいえ、彼女の状態を素早く見抜いたのは、評価できるが。」

【状況的には誰がどう見ても、この男の仕業である。
逆に男が言うように、この状況で真犯人を見抜けというほうが無茶なことだ。

だが、女狩りの存在を知っているのなら、その限りではないのだろうが。】

239とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:51:10 ID:mLnO8wAA
>>238
「あの魔法をそう何人も使えてたまるものか
わかった、信じるとしよう」
あの浸食を、女狩り以外が行えるはずがない
加えて、最近再びいわれ始めた、通り魔の話
状況だけを見ると、ザルフェクトが犯人にも見えたが
冷静になって考えてみれば、女狩りの仕業である可能性が高いと考えてのこと

240とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 01:57:17 ID:E7.Aj736

「私は実際の被害者を見るのは初めてだがね。
記事は誇張ではなく、事実を書いていたようだ。」

【来る前に既に状態は確認していたのだろう。

女狩りの被害者は須らく魔力を枯渇状態にさせられているという情報は
サルデフェクトからしてみれば、簡単に信じられるものではなかったようだ。

しかし、今回、実際に目の当たりにして理解したようだ。】

「さて、女狩りのことを知っているのならば彼女がどういう状況か理解できよう?
そして、これは記事とは違う内容だが、彼女は消耗している。

このままでは命の危機さえあろう。」

241とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 02:05:24 ID:mLnO8wAA
「……これで、今の女狩りの体が
作り物の体でないという可能性が見えてくるわけだ」
少なくとも、この技は作り物ではない
目の前の被害者の様子から察しても、である

「理解はできる、が無報酬で助ける義理はない
赤の他人が死のうが、俺には関係のないことだ」
命の危機であろうとも、まるで興味がないかのように

242とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 02:09:46 ID:E7.Aj736

「なるほど。なら、大人しく去るが良い。
この女性の治療は私が引き受けよう。どちらにせよ、君に用はない。

君も、君の用事は済んだのであろう?」

【興味がないといっているのにも関わらず、こうしてわざわざ女性の状態を
確かめにきたのは何か理由があってのことだと考えているようだ。

だが、既に女性に対して興味を無くしている様子を悟ってか
そういって、去る様に促す。】

243とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 02:18:06 ID:mLnO8wAA
「ああ、症状を見ることで、女狩りの復活に関する、
有力な情報を得ることができた」
この青年がここに来た理由が、
女狩りのあの魔法を確認するためであったことを語りつつも、

「では、頼んだ」
とだけ言い残して、青年はどこかへ去っていっな

//ではこちらも、お疲れ様でした!

244とある世界の冒険者:2012/10/13(土) 02:24:24 ID:E7.Aj736

「では、任されよう。」

【治療は出来るのかどうかはわからないが、この口ぶりからすれば出来るのだろう。
とはいえ、本当に治療をしたのか確認できないままに、邂逅は終わったとか、FO】

//お疲れ様でした!

245とある世界の冒険者:2012/10/21(日) 01:15:10 ID:xXnNuNdg
夜の帳を月明かりが照らす森。
人の立ち寄らぬ奥深く、拓けた一角に佇む一人の男。
黒いロングコートを身に纏い、束ねた長い銀髪が月明かりに煌いている。

男の前には、名前が刻まれただけの小さく簡素な墓石が一つ。
墓前に花束を添え、この地に眠る者に語りかけるように言葉を紡ぐ。
自分のこと、友人達のこと、眠る者の家族のこと。特に娘のことは丹念に話す。
返事がないことを除けば、何でもない日常会話だ。

時々、こうして話をしに来る。特に日は決めず、気が向いたときにだけ。
まるで、友人の家を訪ねるように。昔のように。

彼の生は短く、共に過ごした時もまた短かった。
しかし、真底から心許せる、唯一無二の莫逆の友であった。
死別することを覚悟はしていた。仕方ないのだと理解もしていたが、友一人救えぬ己を憎々しくも思った。
しかし、今もこうして語りかけていると、全てが嘘だったかのような錯覚に陥る。
今にも返事をしそうな、そんな気分になってしまう。
未だ完全には受け入れられていないのかもしれない。
彼の家族は全てを受け入れ、強かに生きているとういのに。

──情けないな。
自嘲気味に小さく笑い、立ち上がる。
ここに来るとどうにも感傷的になってしまう。
それでも自然と足が向くのに、悪い気はしないが。

「さて・・・そろそろ行くとするか。じゃあな、また来る」

一頻り近況を話し終えると、物言わぬ墓石にそう告げ、墓前を後にする。
秋の乾いた風が一陣走り、頷くように草木が揺れた。

FO

246とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 19:53:09 ID:nSwhT3z6
-森の奥-

「ふぅ…中々骨のある魔物で吃驚だな」
『GURURU…』

大型シャベルを携え魔石の嵌った胸甲を纏う左目に眼帯の短髪娘が
赤く光る刺青が施された巨大な黒の熊らしき魔物と対峙している。
魔物は最近村々を脅かし討伐対象に指定された存在であった。

247とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:20:02 ID:/DAB4EHQ
「なんかやるみたいだけど、悲しいがな俺は一歩遅……、と」
ガンマン調の服装の青い髪の青年がふらりと現れる……、が
現れた先に魔物を見てしまって、腰の風の短剣を抜く
ガンホルダーも身につけているが、中身は空だ

248とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:25:06 ID:nSwhT3z6
>>247
『GUO!』
「うぉっとぅっ!?」

直立歩行の魔物が鋭い鉤爪を備えた太い右腕を振るう。
眼帯娘はその一撃をスコップの腹で凌ぐが勢いに押され地面を滑って後退した。

「…流石にまともに食らったら終わるなあ、これ」

249とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:29:49 ID:/DAB4EHQ
「助けるべきなのかね……」
足音を立てないように自分の気配を感じ取られないようそおっと魔物に接近しつつ
ちなみに魔法の類は使っていない

250とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:34:53 ID:nSwhT3z6
>>249
「このこのこのぉっ!」
『GUGAAAAAAAA!!』

ガキガキガキン!
眼帯娘の猛攻によって魔物は周囲を見る余裕がない。
スコップと爪がぶつかり合って火花が散る。

251とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:38:31 ID:/DAB4EHQ
「思ったより楽に近づけたな……」
気付けば魔物の背後に、そして

「手助けぐらいはしてやるかな……」
力いっぱい短剣に込めて、後ろから熊の背中を刺そうと試みる

252とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:42:25 ID:nSwhT3z6
>>251
熊型魔物である。
はたして短剣程度の刀身でその身に効果的な一撃を加えられるのか…
刺さるには刺さるだろうが。

「うわっ!」
『GURU!!』

ガキン!と音がして何かが宙を舞う。
月明かりに反射して鈍い銀の光を放つそれはスコップだ。

「まずい!?」

253とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:52:52 ID:/DAB4EHQ
「まーないよりかマシだと思ったんだけどな、後今武器もこれしかないし……、そら!」
青年は簡単な魔法で風を起こして高く飛び上がって、
宙に舞ったスコップを空中で取ろうとしてみる

254とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 20:59:26 ID:nSwhT3z6
>>253
見事スコップを掴み取ることは出来た。

「へびゅ!」
『GAO!』

バチン、と音がして眼帯娘が軽くとばされ地面に叩きつけられ転がっていく。
使い手が使い物にならなくなった!!

255とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:02:52 ID:/DAB4EHQ
「ああ、やっぱりそうなるか」
ピンチだったのは見ていてなんとなくわかったため、妙に納得しつつも、
魔法で風を起こしたりうまく操ったりしつつも、とりあえず眼帯娘のほうへと降りていく

256とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:03:42 ID:nSwhT3z6
>>255
「きゅ〜…」

駄目だこれ、目ぇ回してる。
そして魔物はゆっくりと近づいてきている。

257とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:06:53 ID:/DAB4EHQ
「これは……、退散すべきか?」
一応短剣は刺したので引き抜いていたはずである
とりあえず娘を担ごうとし、退散の準備をしようと試みる

258とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:09:00 ID:nSwhT3z6
>>257
相手は討伐対象に指定される程には危険な魔物だ。
そうそう簡単に逃げ切れるほど動作が鈍いわけでなく。
下手に背を向けた場合、一撃であの世に持っていかれるかもしれない。

「…」

259とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:11:56 ID:/DAB4EHQ
「風の魔法が得意にしても、このままじゃ勝てる見込みはなさそうだな、うん」
腹を括ったらしい青年、両手を魔物に向ける
そして手に魔力を集中させていく
なにかする気らしい

260とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:13:23 ID:nSwhT3z6
>>259
『GUO!!』

魔物が右腕を真上から振り下ろす!!

261とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:17:33 ID:/DAB4EHQ
スコップを前もって娘の後ろに置いていて、今は手はがら空き、そして

「吹き飛べッ!!!」
一歩下がって青年の両手から魔力による風が吹き荒れる
それは規模はそれほど大きくはないにしても竜巻となって、
熊と発生位置近くにある熊の右手をまとめて飲み込まんと襲い掛かる

262とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:20:09 ID:nSwhT3z6
>>261
『GU!』

巨体が宙を舞うと言う事こそないが、その体制を崩し後退させること位は十分にできた。

『RURURURU…』

どう対処しようかと、魔物が四足を着く。
これで安定性は格段に上がり、風で体勢を崩すのは困難になった。
加えて四足で疾走するため危険度は上がったわけで。

263とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:24:01 ID:/DAB4EHQ
「今だ!」
後退している間の一瞬の隙をついて、今度こそ娘やらスコップやらを担ごうとし、
離脱体制を取ろうとする

相手の次の行動よりも早く、風を駆使してどこかに飛んで逃げようと考えている

264とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:27:55 ID:nSwhT3z6
>>263
「いやちょっと逃げるのは…」

意識を取り戻したらしい眼帯娘。
制止の意を込めてか右手を突き出す。
膝立ちで大丈夫とは言いにくそうだが。

『GA!!』

間の悪い事に魔物が軽く跳び、此方へと躍りかかる。
全身をバネにしての跳躍は思った以上に速い。

265とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:34:17 ID:/DAB4EHQ
「目が覚めたか、じゃ任せる!」
意識を取り戻したのを確認するや否や、相手の言葉を遮るようにそう言い放ち、
スコップだけ足元に置いて身軽になったのを利用して、
自分の足元に小さな竜巻を起こして、そのまま飛び上がって
さらに風を起こして空中に舞い上がるだけ舞い上がる
遮っての事なので、反応は上回ったと願いたいが……

266とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:38:15 ID:nSwhT3z6
>>265
「変わり身早っ!!」

ズガン!!

カイサは逃げ切れた。
が、眼帯娘は膝立ちであった。
そこから回避というのはなかなかに難しいだろう、普通。

結果、カイサの足元では大地を陥没させ土煙を上げてカイサを見上げる魔物の姿。
スコップは着地の勢いで吹っ飛ばされたのか少し離れたところを転がった。

267とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:41:55 ID:/DAB4EHQ
「いやー悪いな 今日は武器が無いに等しくてさ」
要するに娘を見捨てたのであった
とりあえず風を調整しながら、
魔物がすぐに近づいてこれなさそうな位置に着地しようとする

一応、完全に見捨てる気はないのかもしれない

268とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:45:12 ID:nSwhT3z6
>>267
その謝罪に答える者はいない。
多分下敷きになったと思われる。
魔物の姿しかみえていないのだからして。

『RURURU…』

269とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:50:48 ID:/DAB4EHQ
「ん、思ったより早かったな
まあそれもそうか」
えらく冷めた視線でそれを見つつも、魔物と充分な距離を開けられるようなところ、
せめて一分は稼げそうなところへと着地
そして再び魔力を溜めはじめる、先ほどとはくらべものにならないほどの魔力を

ただし、宙を浮いての移動のため、青年の着地位置の大まかな位置はわかるわけで

270とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 21:57:25 ID:nSwhT3z6
>>269
一分ともなると相当遠くである。
森の中でそこまで離れようとすると木々にまぎれて地上の相手の姿など見えなくなるだろう。
戦うつもりならどうしたって相手の範囲になってしまう。

271とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:02:32 ID:/DAB4EHQ
「で、着地してからちょっとずつちょっとずつ近づいていくと」
魔力を溜めつつも、少しずつ接近することに
ただし両手近くに魔力を集中させているため、今は自由に風を起こせない

272とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:08:49 ID:nSwhT3z6
>>271
近づくにつれ元の場所で魔力の高まりを感じる。
何が起こっているやら。

273とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:11:43 ID:/DAB4EHQ
「……増援か、あるいは……」
なんて考えつつも、魔力を溜めるイメージを崩さず、
木陰よりこっそりと、今の戦況を覗くことに

274とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:14:15 ID:nSwhT3z6
>>273
刹那、ぶっ放されたのは風の刃。
放ったのは奇妙な刺青が禍々しく発光している魔物の腕の一振りであった。

275とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:21:03 ID:/DAB4EHQ
「……おいこれ、逃げたほうがいいんじゃないか……?」
ただでさえ本調子でない上に、相手は刃も放てる
下敷きとなった娘を戦力として数えないとすると、
自分だけで勝てる見込みはないと考えるわけで

しかし、とりあえず集めた魔力は解放する気でいる
リスク承知で、魔物の正面に立つ
そして、両手を再び向けて詠唱を開始する

276とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:24:21 ID:nSwhT3z6
>>275
姿を晒した途端、容赦なく放たれる飛ぶ刃。
決まって振われるは右腕だ。

277とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:28:59 ID:/DAB4EHQ
「……!」
土煙を上げて、木々を吹き飛ばしながら、魔物に大型の竜巻が襲う
木々の枝等のゴミが中に含まれつつあるため、直撃するだけでも傷を負うかもしれない

そんな竜巻の向かう先は、魔物の右腕

278とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:33:48 ID:nSwhT3z6
>>277
発光した刺青が何かしらの強化を果たしているのか抵抗は長かった。
竜巻にのまれるもぎこちないながら腕は振るわれ続ける。
狙いこそ出鱈目だが一発一発の範囲は広い。

が、攻撃は数発で中断された。
竜巻で態勢が不安定になっていた所に真下から魔砲が放たれたのだ。

『!?』

279とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:36:40 ID:/DAB4EHQ
「うぐっ!」
竜巻を放ったせいもあり風の刃がかすって、
傷を負いつつも、

「真下……、ということは」
痛みを感じつつも、もしやと思いながら

280とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:43:20 ID:nSwhT3z6
>>279
「魔砲『紅』いいいいいいいいいいいいい!!」

天に向かって線状の光が昇る。
竜巻と相まって魔物が宙へと吹き飛ばされつつある。

「ったく死ぬかと思った!!」

紅い魔石を右手に握りしめ、
土だらけになりながら眼帯娘が出てきた。

281とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:46:29 ID:/DAB4EHQ
「あー、やっぱり生きてたか……」
ふらつきつつも、そう言いつつ
そのまま吹き飛ぶなりなんなりしてくれたら、なんて思いながらも、
その様子を見守る

282とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:52:18 ID:nSwhT3z6
>>281
流石にそうはいかない。
ボロボロになりながらも魔物は落ちてきた。
地面に強かに打ちつけられ痛手は負ったはずである。

「…あー、魔力たいしてないのに…どうすっかなあ」

ボロボロなのは眼帯娘も一緒である。

283とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 22:56:27 ID:/DAB4EHQ
>>282
「……攻撃するなら使うか?」
差し出したのは風魔力付きの短剣

284とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:00:20 ID:nSwhT3z6
>>283
「あれ、それ大魔術師師匠のモノじゃないですか」

なんで持ってるんです?と言いながら周囲を見回す。

「いや、僕はあっちが使い慣れてるんで!」

竜巻で巻き上げられ、
魔物と同タイミングで少し離れたところに落ちて地に突き刺さった得物へと駆ける。
魔物もゆっくりとだが起き上った。

285とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:02:41 ID:/DAB4EHQ
「まあいろいろあってな
けどその話をするよりも先に」
短剣を構える
自爆でもさせない限り効果的なダメージを与えるのは厳しそうではあるが

286とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:12:19 ID:nSwhT3z6
>>285
「さって、どうするかな…もうジリ貧だし!」

スコップを引き抜いて構える。
ギラン、とスコップの先端が光る。

「うーん、じゃあ自爆させれば?」

287とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:13:22 ID:/DAB4EHQ
>>286
「俺の今の唯一の武器なのにか?」
もったいないな、なんて思いながら

288とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:16:19 ID:nSwhT3z6
>>287
「あー、それね、爆発するっていっても短剣そのものが爆発するんじゃないから」

解説しつつ繰り出された魔物の一撃をいなす。

「っとぉ…ようは魔力反応なんだけど、魔力が反発しあって爆発するの」

289とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:19:12 ID:/DAB4EHQ
「あー、なるほど、それなら安心かもしれない」
それを聞くと、あっさりと短剣を魔物に放り投げる
そして魔物のところまで短剣が行くと、短剣に風系の強化魔法をかける

290とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:21:46 ID:nSwhT3z6
>>289
ズガン!と短剣が爆発する。
威力は強い。
握っていたらゆびが吹っ飛んでいる事は想像に難くない…

『GUGYAAAAAAAAAA!?』
「はい、隙あり」

勢いよく駆け出し、全体重を乗せてスコップが振り下ろされる。
ザン、と音がして魔物の右腕が断たれた。
と、同時に魔物の身体が塵と化して消えていった。

291とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:24:14 ID:/DAB4EHQ
「最後はなんともあっけないというかなんというか……
まあいわゆるロマンの恐ろしさは理解した」
塵となって消えた魔物のほうへと近づいて

292とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:25:50 ID:nSwhT3z6
>>291
残ったのは魔物の右腕だけである…少々細くなった気がしないでもないが。

「ふぅ…やっと終わった。そして目当てのものゲットだぁ」

その場に座り込む眼帯娘。

293とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:27:50 ID:/DAB4EHQ
「んじゃ、俺は武器を回収と」
短剣を回収しつつも、続けて

「その右腕が欲しかったのか?」
と力尽きたようにそのばに倒れこみながらも尋ねてみる

294とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:30:37 ID:nSwhT3z6
>>293
「そー、これ良い武器になるらしんいだ」

地面に転がっている右腕。
鋭い鉤爪を備え、赤い刺青が刻まれている。
禍々しい…

295とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:35:38 ID:/DAB4EHQ
「へえ、まあ確かに風の刃物作り出したりしてたからな
それにしても……」
なんとも言えない禍々しさを感じる青年

「ところでそれ、どんな武器になるんだ?」
ふと気になったのか尋ねてみる

296とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:48:14 ID:nSwhT3z6
>>295
「ん…さあ?」

首を傾げる。
てんで理解していない。

297とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:51:40 ID:/DAB4EHQ
「どんな武器の種類になるかわからないのか?」
傾げられて聞き返す

298とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:53:14 ID:nSwhT3z6
>>297
「聞いたのは便利で強力な武器って事ぐらいだからなあ…
 どんなのでも扱う自信あったから気にしてなかったよ」

スコップをメイン武器にしているだけはある発言であった。

299とある世界の冒険者:2012/10/28(日) 23:58:45 ID:/DAB4EHQ
「クエストかなにかか
それにしても……」
クエストかなにかのためにで腕を手に入れに来ていたのであろうと思ったが、

「どんなのにで行き着いたのが……、スコップなのか?」
不思議そうに尋ねる

300とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:02:49 ID:fJ7l2zoM
>>299
「いや、親切な人が教えてくれた。
 クエスト自体は魔物討伐だったよ?」

完全に個人的な情報であった。

「そうだよ?よく見てよー
 斬れて、刺せて、叩けて、握りの位置が横だから、
 腕から武器へ遠心力をダイレクトに伝えられるんだよ?
 その上、攻撃の受け流しも可能!
 まさに斧槍としては一級品だねえ…」

301とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:10:58 ID:sDF.1.3.
「親切な人か、なるほど
で、それを使って誰が武器を作るんだ?」
なん尋ねてみるが

「とりあえずよく見てみるか」
スコップをよく見つつ、その話を聞いて、

「これ、どこにでもあるただのスコップじゃない気がするんだが……」
話を聞いた上でそう言う
普通のスコップで斬るなんて聞いたことがなかったため

302とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:14:44 ID:fJ7l2zoM
>>301
「僕が。話だとそのまま武器にはなるらしいから僕用に加工する」

にー、と笑う。

「作られてから100年経ってるからね、魔術的にはそれで十分な強化がされてるらしいよ」

303とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:20:47 ID:sDF.1.3.
「加工できるのか、武器には困らなさそうだなー」
感心しつつもにっこりと笑い返しつつも

「100年!? 年期入ってるんだな……」
驚いた様子で、さらに続けて

「そういえば、自称大魔術師さんがそんなこと言ってたな
手になじませればなじませるだけ、ちょっとずつ武器が成長するとかなんとか」
と思い出しながら言う

304とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:24:22 ID:fJ7l2zoM
「そ、僕はそんな現象を術で再現出来る。
 そのスコップは勿体無いから加工してないんだけどね」

カイサが会話の内容をどこまで覚えているか不明であるが、
自称大魔術師が言っていた娘というのが目の前の眼帯娘である。

「こっちの腕は帰って練霊しちゃおっかな」

305とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:32:53 ID:sDF.1.3.
「まー100年物だしな、勿体ないのはわからなくもない」
なんて言いつつも、続けて

「その技術を使えるということは……、
大魔術師がいろいろ足りないから餓鬼と言っていた女の子か」
それなりに会話の内容は覚えているらしく、思い出したように

「腕はどんな武器になっているのやら」
練霊すると言うことで、どんな物になるのか空想を膨らませる

306とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:35:13 ID:fJ7l2zoM
>>305
「さーて、生ものは悪くならないうちに加工加工…」

腕を拾い帰る眼帯娘。
後日、この腕がとんでもない猛威を振るったり振らなかったり、Fo

307とある世界の冒険者:2012/10/29(月) 00:36:47 ID:sDF.1.3.
「それは魚かて
んじゃまたなー」
ゆっくりと立ち上がりつつ、そう言いふらりと去って行ったとか

308とある世界の冒険者:2012/10/30(火) 23:34:21 ID:cBvGzrso
<王都近くの草原>

【静まり返った草原に大きな影が一つ。
それは、黄金色の塊である。ぷよぷよとしていて、まるでぷにぷに種のようだ。

大きさとしては大人2人が十分は入れるほどの大きさである。
中から時折、呼吸をしているような水泡が立つが、動くことはなく鎮座し続ける。

そして、奇妙なことに周辺は甘い香りに包まれている。】

309とある世界の冒険者:2012/10/30(火) 23:54:45 ID:pisysrqM
「……これは何だろう?」

蒼い髪をポニーテールにした、恐らく高校生。
黒いブーツが印象的なその恰好は、戦闘を想定された物だと考えられる。
そんな娘が、妙な金塊を帰り際に発見。

好奇心が勝って近づいているのが、今だ。

310とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 00:16:09 ID:jrfV5fAI

「……。」

【中々に綺麗な色をしているが、動く様子はない。
だが、周囲に甘い香りを漂わせている原因はこの塊だろう。】

311とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 00:30:34 ID:iNrUsX9.
「この匂い……蜂蜜?」

甘味処の屋台を見れば、一度は足を止める程度に甘いものは好きだ。
故にその形状・色・匂いから規格外の大きさではあるがそう判断したらしい。

「何でこんな所に……。」
その様体は不気味にも感じ得る物で、警戒しながら近付いていく。

312とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 00:45:57 ID:jrfV5fAI

【その存在に気づいたのかその塊がぶるんと動く。
移動をするわけでなく、その場で震えただけであるが。】

「…………ふふっ。」

【不意に、どこからか笑い声が聞こえた気がする。
無邪気な子供の様な少女の声である。

しかし、その塊の内部を窺い知ることはできない。】

313とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 00:47:46 ID:iNrUsX9.
「……!」

その笑い声は、甘い匂いと相反して不気味に感じた。
自然に構える事を強いられながら、辺りを見渡す。

「だ、誰だ……っ!?」

314とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 00:56:48 ID:jrfV5fAI

「ここ、ですよぉ?こーこ?」

【むせ返る様な甘い匂いを漂わせながら、黄金色が震える。
次の瞬間、その塊から蜂蜜が溢れるようにして飛び出す。

もちろん、ルーノを狙っているのは言うまでもない。
しかし、蜂蜜であることを考えれば、当たったところで大したことはないと考えられる。

だが、その粘液のような性質から考えて、当たればそれは自身の動きの妨げになるであろう。】

315とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:00:21 ID:iNrUsX9.
「……!」

溢れる蜂蜜は、本能的にその体を下がらせた。
ひとまず距離を置き、相手を睨む。

内心、冷や汗を落とした。
あのまま不用心に近付いていれば、迫撃でしか戦えない自分は半分ほどの力しか出せなくなる。

「魔物……!
何を企んでるんだ……!?」

316とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:08:58 ID:jrfV5fAI

「…………。」

【魔物という言葉に反応したか、その塊に動きが見える。
具体的には内側から何かがせり上がっていくようなものである。

まるで、蛹を破ろうとする蝶の様に。
そして、内部に居たそれが塊から姿を現す。】

「…………ん〜。」

【出てきたのは蜂蜜に塗れた先が黒く染まっている金髪の少女である。それも中学生くらいだ。
黄色いシャツに黒いスカートを蜂蜜できらきらと輝かせ、腰にはぐるりと空き瓶が下げられている。

その姿は湯浴みを終えたような風情だ。】

317とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:12:14 ID:iNrUsX9.
「…ひ、人……!?」

亜人めいた何かが出てくると予想していたが、それは見事に裏切られる。
自分より少し下ぐらいの少女ではないか。

いや。人の姿を騙る魔物かもしれない。
退治屋の家系として生まれた限りは、疑うべき点であった。

「こんな所で、何をしてたの?」
構えは解かぬまま、浸っていた少女に声を投げる。

318とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:20:55 ID:jrfV5fAI

「んー……。」

【ぐっと伸びをしながら、ルーノの方へ視線を送る。
そして、笑顔だった顔をさらに緩めた。】

「そうですねー、お昼寝と待ち伏せ……かな?」

【人懐っこい笑顔と甘えるような声で述べる。
表面上は敵意やそういうマイナスな印象は皆無である。

なお、蜂蜜の塊はまだ崩れておらず、少女の下半身部分は
まだ、蜂蜜に浸かっている。】

319とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:27:01 ID:iNrUsX9.
「…………。」

綺麗な花には・とは兄がよく言う台詞だ。
依然、警戒が晴れる理由にはならない。

「待ち伏せ?」
時折蜂蜜へ視線を落としながら、問う様に反復する。

320とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:31:02 ID:z6bqiEsI

甘ったるい匂いの漂う宵の草原に。

一瞬、ひやり、と酷く、冷たい空気が漂う。
……はて、何か精霊でも通ったろうか。

321とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:36:52 ID:jrfV5fAI
>>319
「あれ?お姉さん、分からないんですか?」

【笑顔のまま、あざとく首をコテンと傾げてみせる。
体に纏わり付いた蜂蜜が月明かりを反射し、妖しげな雰囲気を放つ。】

「……ふふっ、お姉さんは今、ちょうちょ……何ですよ?」

【それを言い終わると同時に下半身を覆う蜂蜜の塊から硬質化した蜂蜜の塊が打ち出される。
完全にルーノを獲物と見定めている。

どうやら、蜂蜜そのものを操れるらしい。】

>>320
「……んー?」

【打ち出した後のルーノのアクションを確認せぬままに、その冷たい雰囲気を
首を動かして、たどろうとしている。】

322とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:40:34 ID:iNrUsX9.
>320
「……?」

眼を鋭めて、その気配を負うが

>321
「な……!」

やはり、敵。
認識をはっきりとさせたまま、しかし先程の気配が故に蜂蜜を避けず

「せいっ!!」
左足を軸に、右足を斜め上に蹴り上げる。
目標は無論、その軌道に重なるであろう固まった蜂蜜の塊だ。

323とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:43:33 ID:z6bqiEsI
>>321-322
「――どうにも甘ったるい匂いがすると思ったら。」

冷たい気配は一人と一体が探ったその直後にはその直ぐ傍に居て。

「こんな所に花の化生とはね。
 面白い所に、面白い物がある物だよ。」

翻るのは白黒、モノトーンのコート。
メヤズが首を向け、ルーのが視線を尖めた場所に、金色の髪の男が居た。

324とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:49:36 ID:jrfV5fAI
>>322
「……んん?」

【蜂蜜の塊は見事に蹴り上げられて軌道を変えられてしまう。
それに気づき、気配を追う視線を改めてルーノへと向けた。】

「あはっ、元気がいい……ですね。小鳥みたい。」

【手を口元に当てて、クスクスと笑う。
その手からはツーッと蜂蜜が垂れ落ち、足元の塊へと消える。】

>>323
「お兄さんも……」

【少しだけ姿勢をしゃがませると自身の足元にある蜂蜜の塊へ腕を差し込む。
とぷん、という音共に腕は蜂蜜へと沈み込む。】

「……食べますか?」

【そして、腕を引き上げて蜂蜜を掬い上げる。
溢れんばかりに掬われたそれは手から、とろりとろりと流れ落ちる。】

325とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:55:12 ID:iNrUsX9.
>323
「(あれ……この間の……?)」

以前会った金髪の男性を視界に掠めながら……

>324
「(どうしよう……蹴り込むべきか……それとも……。)」

蹴りを入れた塊は、水より比重の強いものだ。
確かな重量を感じながら、再び構え直す。

「蝶よりは強いつもりだよ、ルーノは!」
あの蜂蜜は、固める事も出来る。
それは先程分かった。
元々は液体であるもの。迂闊に肉薄すべきかどうかは考えかねる。

326とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 01:57:26 ID:z6bqiEsI
>>324-325
「そうだね、場合によってはご同伴に預かっても良いかな? 但し――」

掬い上げられた蜂蜜と、零れ落ちるそれ、
戦闘に思考を巡らせるルーノを視界の端に入れて

「君が、”使える”かどうか見定めてから。」


ぱちん、と指を鳴らす。
共に、男の足元からメヤズと、その周囲までが急速に――凍てつく。

327とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:04:20 ID:jrfV5fAI
>>325-6
「ふふ、なら絡めとって……あれ?」

【ルーノに対して、蜂蜜を飛ばそうとするが異変に気づいたらしく
それを取りやめて、自身と足元の蜂蜜へと視線を移す。

気が付けば、凍てつき固まりつつある自身の蜂蜜。
この蜂蜜は自身の魔力で生み出しているものだが、法則はある程度、同じだ。

つまり、熱せられれば溶け、冷やされれば固まる性質がある。】

「お兄さん、面白い力を持ってますね。」

【しかし、凍てついた先から蜂蜜がどろりどろりと溢れていく。
流れる水は凍らないというが、それは蜂蜜にも当てはまるのだろうか。】

328とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:08:53 ID:iNrUsX9.
>326>327
「……成程!」

カロンの力で地が凍り、状況を確認するなり駆け出す。
本物の蜂蜜であれば、ある程度の対処は出来る筈。

リスクを覚悟し、懐へ飛び込む。

329とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:12:36 ID:z6bqiEsI
>>327
「君のそれも特異で面白い物だと思うよ。
 ――ふふ、蜂蜜を媒介に、自らも、か。」

凍て付かず流れる蜂蜜を見て、楽しそうに口元を歪めて、
続けざまにもう一度指を鳴らして、凍て付いた大地を続けざまに砕かせて。

「では、こうするとどうだい?」

砕かれたそれが弾け、水流となる。
足元は水浸しに、彼の魔力であり一部であるそれは、蜂蜜を飲み込むように流れて。

330とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:12:50 ID:z6bqiEsI
//>>327-328やね

331とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:20:36 ID:jrfV5fAI
>>328
【こちらはルーノの行動に対して無防備もいいところである。
しかし、現在はカロンが色々と力を行使している所為で、近づくのは危険だ。

それを振り切れば、メヤズに手痛い一撃を食らわすことが出来るであろうが。】

>>329
「んー、ダメです。足りません。」

【水流によって蜂蜜は確かに流れたがその膨大な量で構成される塊を
全て押し流すのは無理だったらしい。

一応、水流によって削られた岩の様に少しは削られているが、それでもまだまだである。】

「それに、今は邪魔しないで欲しいですねー。
せぇっかく、ちょうちょが落ちてきたんですから。」

【もちろん、ルーノのことである。
彼女からすれば、ご馳走を前にお預けを食らわされたようなものなのだろう。】

332とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:27:55 ID:iNrUsX9.
>329>331
「うわっと…!?」

足元を這う水流に、思わず飛び退く。
流石に足場ままならぬ状態で足を使うなど、捕まえてくださいと言っている様な物だ。
それに対する対処もまだ甘い。

「(あの人に任せる……?
でも、敵の目の前で逃げ出すのは……!)」
兄であるスーノならば実践に基づいて理性的な判断を取るのであろう。
しかしそういった物が不足しているルーノは、いまいち判断が下せない。
故に、思考で足が止まる。

333とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:28:39 ID:z6bqiEsI
>>331-332
「成る程ね。 構成量から鑑みて水流には強い、と。」

”実験結果”に満足したかの様に淡く笑みを浮かべて、
男はその場から動くことなく、また指を鳴らす。

「ああ、それなら気にしなくて良い。
 ――これが済んだら、幾らでも上げるさ、食事をね。」

ぱちん、ぱちん。
二度、指が鳴ると流れていた筈の流水が突如土塊の柱へと変異する。

土剋水。 土は水を濁し、その流れを堰き止め自らへと取り込む。
蜂蜜が何で構成されいようと「液体」としての性質を持つならば、それは濁り、留まり、食らわれる。

「その為には――この場所の整備が必要だね。」

四方八方から競りでた土塊は天井のない牢の様に。
メヤズを囲み――迫り出す土塊の一部はルーノを持ち上げ、「檻」の外へと放り出す。

334とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:37:08 ID:jrfV5fAI
>>332-3
「んふふ、それも無駄ですよー?」

【液体のまま、流れ落ちればそれは土へと取り込まれてしまうだろう。
しかし、それを黙ってみているつもりは無い様だ。

蜂蜜を硬質化させて、食らわれまいとし、蜂蜜を自身の下へと戻す。】

「あらー?」

【そして、自身を取り囲む土柱を見渡す。】

335とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:40:47 ID:iNrUsX9.
>333>334
「っ、あぶな……!!」

宙返りする様に土塊を蹴り、完成に任せて回転を済ませてから着地する。
任せるか否かを考えていたが、これでは手が出せない状態にある。
無理無理に手を出す必要のある状態でも無いのかもしれないが。

336とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:45:25 ID:z6bqiEsI
>>334-335
「ふむ、まだ手があるみたいだけれど――
 これは持ち帰って研究した方が速いかな?」

ぱちん、また指が鳴る。
取り囲んだ土塊の柱の間々に生じるのは半透明な黒鉄の壁。

土生金、地より組み上げた魔力が金属性の魔力となり、壁を造り、
それは檻から大きな鳥籠の様に。

「金生水――金属の表面に大気が触れ、水を生じさせる。
 君の蜂蜜がどれぐらいの量の水量、水流に耐えられるか、を実験するのも悪くないね。」

指を鳴らす準備。
半透明な黒鉄の表面には、既に幾つかの水分が生じる。

ルーノから見ればそれは、やり過ぎ――
否、防衛ではなく、むしろ此方が襲撃を掛けているようにしか最早見えない。

337とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:53:37 ID:jrfV5fAI
>>335-6
「……はぁ。」

【諦めか何なのか一度、大きなため息をつくと自身を蜂蜜へと沈めた。
最初にあった待ち伏せの形。黄金色の塊の状態である。

どうあっても、この状況を打開することは出来そうにないのだが。】

338とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 02:58:22 ID:iNrUsX9.
>336>337
「こ、これ……」

思わず、小さく声が漏れる。
ルーノ=ニグラは退治屋の家系だ。人に害を為す魔物は滅さねばならない。
そして自身がそうされかけた様に、あの少女は何人もの人を喰らっただろう。

「……ッ!」

しかし、この状況。
人の形をした者が、虐げられている。
外からは見えないが、力によって捻じ伏せられようとしている。

「ちょ……」
ルーノ=二グラは退治屋の家系だ。兄でさえ、似た様な傲慢は振り翳してきている。
しかし……


「ちょっと、待って!!」
その未熟足り得る甘さは、今の状況を良しとしなかった。
カロンと檻の中のメヤズの間に立ち、カロンに向かって両手を広げる。

339とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:01:37 ID:z6bqiEsI
>>337-338
「ん、……ああ、流石に檻が強固過ぎたかな?」

蜂蜜の塊の様な姿になったメヤズを見遣って、
今更ふと気付いたかの様にそう漏らして、

「まぁ、これはこれで良いかな。
 連れ戻って"説得"と研究とをしてあげれば――」

そうしてまた指を鳴らす準備、するのは先程言った金生水か、
はたまた別の奇術魔術か。

「へぇ……何かな?
 何か、気に掛かる所でもあるかい? ――ルーノ=ニグラ。」

目の前に立ち塞がった少女に、上げた腕を下ろす。

340とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:08:38 ID:jrfV5fAI
>>338-9
【こぽり、こぽりと塊の中で少女は鎮座。だが、何も行わないわけではない。
どういうわけか次の攻撃がこない間に準備を始める。

だが、それは長い時間を要すものではない。
言えば、ルーノがカロンを止めたこの僅かな間で十分なものだ。】

「…………ふふっ」

【少女のほうの魔力が強まった次の瞬間、その牢の様なあるいは
鳥かごのような自身を閉じ込めるそれから蜂蜜が噴出す。

あくまで牢であり、鳥かごである。完全に密閉しなかったのが仇となったのだろう。】

//い や だ !

341とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:14:55 ID:iNrUsX9.
>339
「説得とか……研究とか、そういうのは、おかしい……!」

並ならぬ力を持つのは、闘技場で痛い程身に染みている。
しかし、カロンがそれ程の力を持つからこそ今の状況に納得できなかった。

「悪い事したなら、追い返せば良いだけじゃないか!
あなたは強いんでしょ!? なら出来るじゃないか!!
なのにそんな事するんなら、ルーノはここを退かない!!」

利発そうな表情を、怒りに近い色に染めて言う。
幼稚な言葉だが、それを冗談で言っている風でもない。

>340
「あ……!」

噴水の様に噴き上げた蜂蜜に、視線が上がる。
すべきではない筈なのに、その心には安堵めいた物があった。

342とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:18:54 ID:z6bqiEsI
>>340
「――ふむ、成る程ね。
 容量は魔力の続く限り生成出来る訳か。自身の体液をベースにしているのか、とも思ったけれど。

 ……益々、面白いね。 ”欲”しくなったよ、その力も――君も。」

男が底冷えのする笑みを浮かべる。 人で無く、魔で無く、聖でも無い、純粋な、力の覇道。
――溢れ出したそれも蜂蜜、つまり「液体」であるならば、

その性質を持つのならば対処は簡単だ。

流してやれば良い。
蜂蜜よりも甘く蕩ける、痺れるような、それを。

指を鳴らす準備を、顔には冷たい笑みを浮かべ――

>>341
「――ふぅん?」

その動きを、止める。

「面白い事を言うね、君は退治屋の家系だろう?
 その君が、人間を既に何十人、或いは何百人犠牲にしているであろう化物を庇う、と?」

立ち塞がる少女に言葉を飛ばす。
優しい声色で、言い聞かせる様に、

「それに、元々彼女とは君が事を構えていたんだろう?
 それは仕事として魔を打ち滅ぼす為――つまり、仕事として彼女を殺す、或いは消す為の物だ。

 その君が彼女を、庇う。 ”やり過ぎ”だからと言う理由で?
 ――それは矛盾じゃないのかい? 君の、いや君の仕事、魔を払う退治屋として、大きな矛盾だ。」

だが、その言葉の全ては、
彼女の全てを否定するように。

343とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:29:11 ID:jrfV5fAI
>>341-2
「とろーり……とろり、とろり、とろり……。」

【飛び出した蜂蜜が空中で一つにまとまり、着地する頃には元の塊に。
着地をしても蜂蜜の性質ゆえか、とくに大きな衝撃は起きていない。】

「とろり、とろーり……とろり、とろり、とろーり……。」

【まるでうわ言、まるで呪文の様に子守唄を思わせる声色で喋り続ける。
蜂蜜の塊の中に彼女が居ることは明白だが、次の手は打ってあるようだ。

現に蜂蜜の中からでも、彼女の魔力を感じとることができる。
というよりも、この蜂蜜自身も彼女の魔力そのものといえる代物だ。】

344とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:37:06 ID:iNrUsX9.
>342>343
「確かに二グラ家は退治屋として生計を立ててる……
父さんも母さんも、立派な退治屋だ……誇りに思ってる……!」

怒りの感情が改めて形を為すと、語気が強まって行く。

「でも、払う事と殺す事は一緒じゃない!!
今だって、追い返す事ができればそれで良かった……!
無為な殺生が退治屋だって言うんなら、ルーノは退治屋なんかじゃなくて良い!」

警戒はすれど、それは双方に最低限の被害で終わらせる為。
真っ直ぐにカロンへと告げる最中、その異変は起こった。


「ルーノはただ……――    ――……ッ!!?」
今までで一番に口調を強めて言葉を吐こうとした瞬間だった。
全身が爆ぜそうな程、強い鼓動に襲われた。

息が詰まり、盾となっていた体がくずおれる。
何が起こったのか分からない。そういった表情で胸元を押さえ

「………っ!!」
そのまま、王都へと全速力で駆け出す。
理屈で戦えないと思ったのでも、庇う気が無くなったのでもない。
ただこれ以上、ここにいてはいけない。

本能がそう命じたのだった。
その姿は、あっと言う間に王都へ向かって消えて行った……。

345とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:41:43 ID:z6bqiEsI

>>344
「同じだよ、同じだとも。
 君は一度払えば化物が改心して二度としないとでも? ――有り得ないね。

 いいや、君も理解している筈だ。 ヒトと化物は解り合う事は不可能だ。
 襲い、喰らい、怨みが生じ、滅し合う、殺し合う。 それを理解しているからこそ君も力を求めるんだろう?

 君の其れはヒトも、化物をも、両方を滅ぼす物だ。」

尚も愉しむ様に否定の言葉を重ねて――

>>343
「二兎を追うものは――かな。」

ルーノに向けていた視線と言葉を一度外して、
指を鳴らす準備をしていた右手がびきり、と異様な音を放つ。

魔力で作り上げられたその塊、魔力そのものとなった少女。
ならば、やる事は簡単だ。 文字通り"喰"べてしまおう、――力は自分に、身と心、その根本は支配下に。

男の瞳は鮮血を思い浮かばせる紅色に染まって。

「……"ドレイン――」

右手は、歪に――

「ん――……へぇ。 これは、これは。」

――ルーノから感じた力の鼓動に、視線をそちらに。
どうにも――不味い、と言うか、異様な空気が、周囲に漂う。

メヤズが逃げ果せるなら、ここが機会か。

346とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:49:38 ID:jrfV5fAI
>>344-5
「とろーり、とろーり……。」

【蜂蜜の中からにゅっと何かがせり出す。
それは蜂蜜に塗れているが、瓶である。それも何も入っていないものだ。

とくに魔導具という類ではないらしく、ごく普通のものだ。】

「とろり、とろり、とろり、とろ――――。」

【そして、その中に蜂蜜が入っていく。だが、様子がおかしい。
明らかに瓶の許容量を越えた蜂蜜が入っているというのに、瓶には何も起こらないのだ。

そして、瓶の中に蜂蜜を全て収めた瞬間――――。

…………パリン、と小さく瓶の割れる音がしたかと思うと、瓶内部の蜂蜜が全て消えうせた。
もちろん、メヤズの姿もない。少々、手間がかかっていたが、あれも転移の一種なのだろう。

だが、この行動は逆に言えば、これ以上の対峙はまずいと判断した結果である。】

//お疲れ様でした!

347とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:53:29 ID:z6bqiEsI
>>346
「――簡易転移。
 狭量に見えて中々応用の効く能力だね。」

それを妨害する事も無く、その様を見送って。

「ふ、ふふふ、良いね、楽しくなって来た。 
 味も、魔力も覚えさせて貰った事だし――

 ゆっくりと、愉しもうかな?
 勿論、逃しはしないけれど。」


"転移"と言うのは余程大規模な物で無ければそう遠方には逃れられない。
上手く隠れ果せても何処かに居る、という事であり、探そうと思えばそれは可能なのだろう。

だが、そうはせず。
傍に居るのならば聞こえる様、草原に響く声でそう言って、


ぱちり。
また指を慣らし、その姿を虚へと消した。

348とある世界の冒険者:2012/10/31(水) 03:59:26 ID:jrfV5fAI

【そのことを裏付けるかのように、周辺にはまだ甘い香りが漂っていたとか、FO】

//長い時間、お付き合いいただき、お二人ともありがとうございました!

349とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:16:57 ID:pqXOFae6
【王都・レイヴンズネスト】

此処は王都の中規模ギルド、レイヴンズネストの本拠地。
夜毎、ルール毎に行われる格闘場での催しなどでその名前を知る者は少なくない

(;´_ゝ`)「うおおおおおお! 全く弾通らねえええええええええ!」

(´<_`;)「マズいぞ兄者、対モンスター特化の俺達の装備じゃ人工物には歯が立たん!」

(;´_ゝ`)「どうしてこうなった!どうしてこうなった!」

( ´_ゝ`)「あ、俺の借金が返済間に合わなかったからだ」

(*´_ゝ`)「てへぺろ!」

怒りの魔神『フンガァアアアアアアア!!』

( _ゝ(#)「バルザック!?」

(´<_`;)「兄者ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

只今の見世物:レイヴンズネストランカーと巨大ゴーレムのエキシビジョンマッチ

350とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:21:07 ID:paRAjei.
>>349
「…なんだかな」

客席近くで歩きながらその様子を眺める輩一匹。
腰に刃の潰れた長剣を吊るす三白眼な黒髪の青年である。

「つーか、此処レイヴンズネストじゃねーか…どっかで見たことあると思ったら」

351とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:32:10 ID:pqXOFae6
>>350

かなり高位のゴーレムに対し、それなりに立ち回っているので闘い慣れている様子は伺える
しかし、彼らの言うとおり武器が悪い。恐らく、勝利でこの戦いが終わることはないだろう

「こんばんは……」

不意に、後ろから声をかけられる
しかし後ろには誰もいない。まるで篝火に当てられ延びた影から発せられたようにも聞こえただろう

「奥の突き当たりを左に、直ぐ右手に見える螺旋階段を上った先にある赤い扉を三回叩いて」

「待っているわ……」

352とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:36:34 ID:paRAjei.
>>351
「……」

うずうずしている、戦いたいらしい。
が、当初の目的と離れるので頭を振って雑念を追い払う。

「幽霊かっつーの…いや、びびってねえよ…ちげぇって」

ぶつぶつと呟きながら指示通りに動きだす。
そして赤い扉の前に。

「…折角だから俺はこの赤い扉を選ぶぜ?」

353とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:52:59 ID:pqXOFae6
>>352

(#´_ゝ`)「くらえっ! わが必殺の魔砲【チェストブレイク】!!」

(´<_`)「おぉ!利いてるぞ兄者!」

( _ゝ)「しまっ反動軽減用の胸当て忘れぐふぁぁぁ!!」
(´<_`;)「またかよ兄者ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

赤い扉が開くと、其処には幾人ものギルドメンバーと思われる者達がたむろしている


エレノア(名前変わりました)「ふふ……ごめんなさい、アケローンにはこういう触媒の仕方もあるから……」

ソウゴ『ギルドメンバーじゃあ無いのか。まあ俺には関係ないな』

リーチマン「ほう、君もとうとう所帯を持つのか。おめでとう」

ジャック「はは……いやぁ、ありがとうございます」

リーチマン「っと……エンチャントが切れそうだ、少し魔力を追加しよう」

ジャック「この距離からあの融合ゴーレムを操作……ですか。相変わらずですね」

リーチマン「目が見えなくなってから、見えるモノも増えたというだけさ」

エレノア「どうぞ好きな場所に座って……歓迎、するから」

354とある世界の冒険者:2012/11/04(日) 23:57:06 ID:paRAjei.
>>353
「賑やかだな、結構なこった。
 ああ、このままで良い…態々置手紙するくらいだ、何が知りたい?」

周囲を一瞥して一言。
そして立ったまま言葉を続ける。

355とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:05:51 ID:wmzgi1CU
>>354

特等席らしく、一際高い位置にあるそこはギルドメンバー専用といった感じだ


リーチマン「一応気になる話なのでね、レイヴンズネストのランカーである程度話を共用させてもらう」

レイヴンズネストのランカー、今は布で眼を覆った盲目の戦士が口を開く
しかしその顔はムゲンの方を向かず、椅子に深々座り闘技場に片手を掲げている奇妙な構えのままで、だが

リーチマン「まずは、エレノア嬢が関わった謎の怪物、それについて知っていることを教えて貰いたい」

リーチマン「我々もやっかいごとに首を突っ込みやすい体質でね、それに【狂気】まで食らうほどの悪食はそうそうお目にかからない」

リーチマン「敵はなるべく、知っておきたい。頼めるかな」

356とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:14:19 ID:zczym1gk
>>355
「やれやれ…百聞は一見に如かずって言うよな。
 加えて俺は説明下手だ。
 だから悪いが実際に見てもらう。
 現物に耐えられないなら此の先の話は無意味、だからな」

目を閉じ、ふぅ、と息を吐く。
青年が身体のチカラを抜くと、その内側から狂気が漏れ出る。
否、狂気だけではない、恨み辛み、恐怖、悲しみ、絶望、ありとあらゆる負の感情だ。
それが質量と粘性をもって周囲に拡散される。
粘性のせいか其れが無作為に部屋の外へと漏れることはないが…
心得のない場合、中に居るものは堪ったものではないだろう。

357とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:32:08 ID:wmzgi1CU
>>356

「…………」

『へぇ、こりゃあまた、とんでもねえな』

「成る程、これが…………」

意外にも、その場にいた幾人ものギルドメンバーは皆がそれを直視し、吟味していた
ジャック、と呼ばれている青年はエレノアと同じ反応を
ソウゴ、と呼ばれた青年の周りではそれらが浄化されるような、明らかな過剰反応さえ示して

リーチマン「……確かに、荒事や怪奇事に馴れた我々から見ても明らかに異常だな」

リーチマン「それなりに馴れたもの、耐性を持つもの、場数を踏んだものを選んでおいて良かった」

(;´_ゝ`)「あー疲れた疲れ……」

( ´_ゝ`)

( _ゝ)「エンッ!」

(´<_`;)「出落ちか兄者ぁぁぁぁ!?」

リーチマン「……で、それを君が出せる理由も含めて教えてもらえるか」

358とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:43:36 ID:zczym1gk
>>357
「いやはや中規模ギルドともなると手練が多くて心強いな」

感心している台詞だが全く感情が籠ってない。
波が引くように負の感情が退いていく。

「そうじゃねーのも居るみたいだが、俺としてはそっちの方が人間らしいと安心できるな。
 っと、出せる理由か?簡単だ、憑かれてるからな」

出落ち連中にこそ価値があると其の言葉には幾ばくかの感情があった。
退いた負は青年へと戻らず空いている椅子へと集まり形を成した。

『憑かれているなんて言い方はないと思うなぁ。
 共生とか、協力関係とか、一心同体、運命の出会いとか』
「うっせぇ」

そうして軽口と共に現れたのは長い黒髪で目を覆い黒いスーツに身を固める男装の女。

359とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:53:21 ID:wmzgi1CU
>>358

リーチマン「はっきり言ってしまえば、まともな人間自体上のランカーには少ないからね」

ジャック「あ〜、まあ、普通じゃないですわな」

ソウゴ『生まれつきだしなぁ。気にしてねえや』

つまりは訳ありだらけのギルドということだ
伊達に日常に程遠い修羅場ばかりに叩き落とされてはいないのである

リーチマン「メタだな……」

ジャック「まあ、魔人だの道化師だのスイーツだの、変な奴しか相手にしてませんしね」

エレノア「化け物呼ばわりは……もう馴れたものね」

( _ゝ)ホメラレタキガスル

(´<_`;)「落ち着け兄者! 出落ちは結局出番の無さの証でしかないぞ!」

現れた女性にはさすがに驚きの声が上がる
とはいえ荒事を起こす気も無いだろうと、まだ皆平静は保てていた

リーチマン「これはこれは……親近感のわく来客だな」

リーチマン「憑かれている……ね。それは幽体に近い存在なのか?」

360とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 00:59:38 ID:zczym1gk
>>359
『親近感?それはそうだろうね』
口元から笑っている事が伺える。

「ああ、怨霊の其れに近いかもしれないな。
 ただコイツ等は怨霊ほど発生の仕方が難しくないというか…あー…」
『端的に言ってしまえばネガティブな思いと魔力が反応し生じる自然現象。
 それが溜まりに溜まると私達になるね』
「てぇ事らしい」

361とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 22:44:37 ID:wmzgi1CU
>>360
エレノア「目が見えないから……?」

ジャック「いや、つうか何でヒルさん見えないのに分かったんだ? 外見」

リーチマン「今説明すると少し長くなる、彼らの話を聞こう」

しばらく考えるような素振りを見せる者多数

ソウゴ『……今の意味分かったか?』

ラウノ「はっはっは、胃の中ぶちまけないようにするので精一杯だからなにが何やら」

意味を分かっていないもの少数

ジャック「……精霊や精霊天使の例もあるから、命や自我の自然発生には全く疑問はない」

ジャック「でもそんなものから産まれたものを宿して、あんたは大丈夫なのか?」

ジャック「いや、その……良くないものを持つ身としては、それが日常やその他諸々、被害を及ぼすものだと思い込んでるからかも知れないけど、な」

エレノア「兄さん……」

362とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 22:52:29 ID:zczym1gk
>>361
『いやいや、外見という意味ではないよ』



「…いや、良くないものつってもよ」

ボリボリと後頭部を掻きながら青年。
何やら不思議そうに。

「今感じさせたようなネガティブな思いってのは誰にでもあるもんだろ?
 ぶっちゃけ、それがねえ奴の方が不自然極まりねえわけだろうし…
 大なり小なりってのはあるかもしんねえけど、俺は至って健康だぞ?」

『くっくっく、いやはや、君らの懸念は尤もだし。
 私自身そういった疑問を抱かない事はない。
 だがこの通りでね?』

愉快そうに女が続ける。

363とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 23:00:24 ID:wmzgi1CU
>>362

エレノア「じゃあ……何が似ているのかしら?」

小首を傾げると、絹のようになめらかな長い金髪がさらりと揺れる

ジャック「まあ……そりゃあそうだけどさ」

(´<_` )「普通に考えて【たっぷり煮詰めた結果具象化した負の感情】なんて厄ネタ、身に仕込んで平気の平左なんてのは少なからず俺たちの界隈じゃ正常とは呼べないだろうな」

( _ゝ)オレモヘイキジャナイ

ジャック「ただでさえ憑依ってのは、肉体のキャパシティ超えて魂入れてるようなもんだし……うぅむ」

ラウノ(あーしんど)

リーチマン「考えられるのは二つ」

リーチマン「一つは器の君が異常……この場合、特殊な体質で特別頑丈、もしくは憑依型シャーマンの才能に満ち満ちているという意味、か」

リーチマン「中身の亡霊くん……仮にね……が、特別憑依に特化した何らかの形をしているか、か?」

364とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 23:16:50 ID:zczym1gk
>>363
『そうだね、君等は私の過去に似ているよ、と言っても私に過去なんてないのだけれど』

問答のようなことをいう。


「いや知らねえよ、んな事。兎に角俺は別に何ともねえんだから」
『さあ、如何なのだろうね?私のもそこら辺の事情はさっぱりだ』
「事実として俺は此処に居るんだからそーいう事だろ?」
『彼としてはムゲンの耐性が私達への対抗策になると思っているんじゃないか?』
「あ?…いや、別にそんな面倒な事を解明しなくても方法別にあるだろうよ」

365とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 23:24:19 ID:wmzgi1CU
>>364

エレノア「よく……分からないわ」

抽象的なことは頭が痛くなる、そんな顔をして


リーチマン「いや、君の耐性に何か魔導的なものが関わっているなら、だ」

リーチマン「そこに転がっている兄者やうずくまっているラウノ、弟者にもそれらに対抗しうる可能性が生まれると考えただけだよ」

リーチマン「彼らも相応に腕は立つはずだ、耐性さえあれば逃げるという選択肢が生まれ、命を奪われる心配はまずなくなる。だろう?」

ジャック「あぁ、いやさ、申し訳ないね。俺達魔術師って生き物は、まず法則ありきで語るもんだから仕方ないのさ」

ジャック「とりあえず俺達が理解しようとしてる方向が悪いようなら、そちらの話からまず聞かせてくれ。そっちのが実用性はありそうだ」

ソウゴ『俺の耐性と似たようなもんだろ? 多分』

ラウノ「片っ端から浄化してるってこと? それはないんじゃあないかなぁ……多分」

エレノア「その方法を……私達は知りたいの」

366とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 23:33:57 ID:zczym1gk
>>365
「簡単だって、目には目を歯には歯をってな。
 故にネガティブにはネガティブをってな」

『簡単な理屈にしてしまえば其の一言なのだけれどね。
 ネガティブを媒介にしたチカラというのは、
 揃いも揃って使い続けることで何かしらの問題が起きる。
 白が黒に染まるように、この世界に住まうものの大抵がその現象に見舞われる。
 ならば初めから黒く染まっていれば良い訳だが…』

「連中が湧き出した頃から妙な剣がアッチコッチに落ちてるんだよ。
 それを拾ってからか、俺が連中に対抗出来るようになったのは」

『そして私がこの世界に生じたのも時期的にはその頃だ』

367とある世界の冒険者:2012/11/05(月) 23:48:29 ID:wmzgi1CU
>>366

エレノア「あ……!」

彼女は思い返す。自身の武装では明確なダメージを与えられなかった怪物が、一撃で切り払われた光景を
つまりは相性、それも【具象化した負】に同質の物をぶつけるという結論だったわけだ

リーチマン「……ふむ。では、その剣を用いることが攻撃面では一番の対策か」

ジャック「ネガティブにはネガティブねぇ……個人的にゃご先祖様の呪いみたいなこの狂気じゃ、まだ足らないってのかね」

リーチマン「ははは、モットーが友達百人な女の子と、最近婚約が決まった幸せボーイがそんなこと言っちゃいけないな」

ジャック「それ関係あるんすか!?」

エレノア「アケローン、そうなの?」

アケローンは手のひらを横に振り、「知らない」のジェスチャーをしている

エレノア「そう……」

リーチマン「足らないというよりは、種類の違いとも取れるがね」

リーチマン「狂気は±どちらでも計れはしないが、あれは明確なマイナスだ」

ジャック「プラスな狂気……イヤな響き」

リーチマン「失礼、続けて」

368とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:03:17 ID:eDtfJB7M
>>367
「あー、いやその、盛り上がってる所悪いんだが…
 俺が拾った剣ってのはコレなんだよ、うん」

ぽい、と無造作に放り出したのは懐から取り出した短剣だ。
真っ黒な刀身に奇怪な古そうな呪文が刻まれている。

「で、俺が戦闘でそっちのネーちゃんに見せてたのは又別モノ。
 作りの確りした魔力増幅器って所かな。
 最初は拾ったこれで相手してたんだよ、死ぬ思いして。
 で、コイツ。サンと出会ってからは同質のチカラをぶつけてる日々、と」

『私には短剣に掘られている意味は全く分からない。
 只この短剣で私達の纏い放つ負の瘴気を掃う事が出来るのは事実だ。
 しかし如何せん効果範囲が狭すぎてね、結局私を使う方が安全なんだ』

「さっき言ってたろ?俺かコイツのどっちか、もしくは両方が変ってよ。
 だから万人に使えそうな対抗策で俺達が知っているのは、
 俺達が出会う切っ掛けになった此の短剣しかねえ」

369とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:13:15 ID:7sFo3UvU
>>368

リーチマン「ふむ。纏めよう」

1:自然現象たる怪物に対抗するには、短剣を使うか同質の負をぶつけるかの二択

2:結局ムゲンとサンの共生関係の因果は不明

3:短剣を解明し量産、もしくは大量に拾えば、一般人でも対抗は可能かもしれない

ジャック「こんなとこですかね?」

リーチマン「とりあえず命題はこの短剣を解明するくらいか……」

リーチマン「ラウノ、掴んでみてくれないか」

ラウノ「うぇっ、俺ですか?」

リーチマン「結局負に強いのはムゲンとやらの体質なのかどうか分からない、だが私では多分耐え抜ける可能性もある」

リーチマン「ここはほら、耐性0の君が一般人代表として、よろしく」

ラウノ「別に短剣がヤバい訳じゃないでしょうにさ……」

ラウノはそう言いながらも恐る恐るナイフを掴む。
彼らの話が本当ならば、ナイフ所持が負を払う抵抗力の要になるやもしれないが……

リーチマン「ゼオ、いるんだろう?」

リーチマン「呪文の解明は君に任せるよ。私では時間がかかりすぎるだろうしね」

『出来るかどうかは知らんぞ』

リーチマン「試すだけ試さないと立場がないよ……たとえ解明不可能でも、やるのが我々という人種だ」

370とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:17:16 ID:eDtfJB7M
>>369
ラウノが掴んだところで特に変化はない。
短剣から妙なチカラが流れ込んでくることもない。
ただ…妙に温かい気がする、気がするだけなんだが。

「他にも誰かいたのか?」
『の、ようだね』

こりゃホント頼もしーわ、と青年。
興味深そうに周囲を見回す負の女。

371とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:28:53 ID:7sFo3UvU
>>370

リーチマン「どうだい?」

ラウノ「熱っぽい……いや、あったかい感じはしますけど、発熱してるかと言われたら違うし……」

ジャック「破魔の力みたいなのでもあるんですかね?」

リーチマン「どうかな。とりあえず呪文は複数の手段で書き写して解析に回そう」


リーチマン「きっと彼のことだから、君達が万が一にでも敵対及び害のある存在なら、奇襲して消すつもりだったのだろう」

リーチマン「ギルド最強の男がわざわざ、おせっかいなことだよ」

ゼオ「悪かったな。取り越し苦労はむしろ歓迎すべきことではなかったか?」

どこからともなく、影から抜け出すように現れた黒衣の男
くるりと見回し、呟くように言葉を発した

ゼオ「ソウゴ、エレノア、イルマ」

ゼオ「以上、本案件に参加するギルドメンバーだ」

ソウゴ『あいよ』

エレノア「はい」

ゼオ「イルマには追って連絡する。解析に興味がある奴以外は解散しろ、以上だ」

リーチマン「おい、イルマは今此処にはいないんだぞ?」

ゼオ「後々合流させるといった。手に負えないと判断したら追加で出す」

リーチマン「確かに、きつめの仕事を与えてやれとは言ったが……大丈夫か? こんな得体の知れない話に」

ゼオ「問題はない」

ゼオ「短剣は……借りるわけにはいかない可能性があるな。そこら中に転がっているのか、奴らの腹の中にでもあるのか?」

372とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:35:05 ID:eDtfJB7M
>>371
「いや、かまわねーよ、俺としてはそんくらいの警戒が無い方がかえって怖い」
『正直私を制御せずに外に出した時は正気を疑ったんだがね…』
「だってよー、こー、なんか、挑戦したくなったんだよ」
『君は子供か』
「まだ成人してねーかんな、俺」

『少なくとも其れを媒介にして私達が発生しているようではないしね。
 と言うか私達は殺されると塵になって辺りを汚染して消えるから何も残らない。 
 だから落ちているんじゃないかな…何故落ちているのだろうね?』
「知らねえって…」

373とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:42:31 ID:7sFo3UvU
>>372

ゼオ「そういうことだ」

リーチマン「良くも悪くも正直というのは感心だがね……」

ゼオ「抑制及び滅却が可能というだけでこの短剣には多岐に渡る用途が生まれる」

ゼオ「それが人為的なものなら、制御というそれなりの役割がつくものだが……」

ゼオ「とりあえず、【お前が何故この案件に関わることになったか】【語り部らしき男の正体は何か】【自然発生を事前に探知できる手段はあるか】、これだけ教えろ」

リーチマン「用心深いね」

ゼオ「お前が甘すぎるんだ」

ゼオ「しかし、自然現象……か」

374とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 00:55:16 ID:eDtfJB7M
>>373
「関わることになった理由?」

ふむ、と一拍置く。

「あー…俺、自警団やってんだ。モーントロートって王都自警団。
 で、まあ、森も其れなりに色んなのがいるからってんで、見回りをしてたら出たんだよ連中が。
 で、偶々拾った短剣が良い感じに効果あったんでコリャ俺がやるっきゃねえと」

如何にも嘘っぽい。
目の前の青年は振る舞いからしても正義感溢れるタイプとは言い難い。

「語り部の野郎の正体は俺も知らねえよ。
 それこそ酒場なり王都内なりで話を聞いたらどうだ?
 色々聞けるぜ?曰く伝説を知る男とか、曰く災いを予言するものとか」

『発生は如何言う訳か王国、それも王都周辺が多いようだね。
 かく言う私も王都近くで生じたようだが…
 探知そのものは不可能ではないよ。
 ただ高い場所でかなり集中しなければならないし、
 結局同族を感じる術を使っているから私を使ってムゲンがやるしかない』

375とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 01:07:44 ID:7sFo3UvU
>>374

ゼオ「成る程な、参考になった」

リーチマン(これは軽く暗殺フラグ立ったな……)

信用はしていないが、あえてボロを出しやすくさせるためにここは指摘せずに話を進める

エレノア「彼は普通に街中に現れるの……?」

あの様子だと敵のような味方のような、曖昧な感覚だったので少々意外で

ゼオ「お前と同じ存在を探すだけなら、用途を限定すれば探知魔法を構成することは理論上可能だが」

ゼオ「個体ごとに違う、魔力の波長に引っかからない、その他理由があるなら……そうだな、不可能だ」

つまりメタ的に駄目なら諦めますよという意思表示

376とある世界の冒険者:2012/11/06(火) 01:14:59 ID:eDtfJB7M
>>375
「参考になったか、そりゃよかったよ」

協力的なんだかそうじゃないんだか。
青年にも何やら思惑ってものはあるらしい。

『さて、ね。
 私も他の同類の事を詳しく知っているわけではないよ。
 なにせ生じてからさして時間も経っていない上に敵対関係を築いているからね。
 ただ探知そのものが不可能とは思えない。
 私の波長でも感じてみるかい?事例があれば術の構築も容易いと思うけれど』

377とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 20:44:02 ID:TgbSU1.Y
王都近くの草原

「……やれやれ」

【カラフルな巨鳥に寄りかかりながら夜空を見上げている、剣士っぽい少年がいる】

378とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 20:50:39 ID:i.AMtUJ6
「なんかお疲れって感じだなー」
少年の後ろからそんな声がする

379とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:00:26 ID:TgbSU1.Y
>>378
「よお」
【夜空を見上げたまま、ヒラヒラと手を振り挨拶する】

「お疲れっつーか、現在進行形」
【言いながら、でかい欠伸をひとつ】

380とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:05:38 ID:i.AMtUJ6
「よっ、眠たそうだなー」
欠伸につられて欠伸をしてしまいながらも、

「っと、またどうしてそんな疲れてんだ?
なにもしてないように見える今も疲れが蓄積し続けてるらしいけど」
と、話が食い違う可能性もあるが興味本位で尋ねてみる

381とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:18:31 ID:TgbSU1.Y
>>380
【リスタの背を支えている巨鳥は既に夢の中。
羽と体温はふわふわぬくぬくだ】

「天体観測。
受けるクエストまちがったぜ」

【ぐっと体を伸ばした勢いで、夜空を指差した。
チラリと星が流れる】

382とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:23:28 ID:i.AMtUJ6
>>381
「クエストなのか!?」
そんなクエストがあるのかと言わんばかりに驚きつつも、指差された夜空を見上げてみる

「少しの時間ならともかく、長い時間見続けるとなると飽きそうだなー
せっかくだし、よいっと」
夜空を見上げながらも、腰のホルダーと思わしき物から、赤い拳銃と青い拳銃を取り出して、
地面に置くと二つの拳銃はそれぞれ赤と青の狼に

「ん、流れ星か?」
流れた星を見て

383とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:35:42 ID:TgbSU1.Y
>>382
「今夜の流星の数で占いするんだと。
余所見はできねえし、バッカスの2階からじゃぁ明るすぎてよく見えねえときた」
【掻い摘んで説明する】
「せっかくだし、あんたも何か願い事でもしたら?」
【……も?】

384とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 21:57:06 ID:i.AMtUJ6
>>383
「流星星占いか、なかなか洒落てるな
まあ、余所見できないってのは、な……」
でも自分はしないだろう、そんなことを思いながらも、

「そうだなー、せっかくだし新しい出会いでも……、ん?」
願い事を言おうとした矢先に、も、と言うのが聞こえて

「あんたはなにか頼んだのか?」
とやはり興味本位で尋ねる

385とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:05:13 ID:TgbSU1.Y
>>384
「洒落てるっつーか古臭いっつーか。
まあ、星占いも需要あんだろな」

【キラリと瞬きながら星が流れる】

「依頼主に説明聞いてたら"あたしの代わりにお願いしてきて"って孫からも依頼されてな」

【ご丁寧に、気色悪い幼女の声まねをする】

386とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:07:04 ID:i.AMtUJ6
>>385
「古臭い、そんなに新しい占いあったっけか

387とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:10:29 ID:i.AMtUJ6
>>386 ぎゃーッ!途中送信!!!
特に詳しいわけでもなく、そんなことを言いつつも

「なんと他力本願、そんなので願い事が叶うのか?
あとその孫とやらはそんな声だと認識するぞ」
と、疑うように言う

388とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:14:55 ID:TgbSU1.Y
>>386
「少女向け雑誌、っての?
あーゆーのには新作占いが常に登場してるぜ。
紅茶占い色占い、プニプニ占いとかな」
【男には理解しがたいものである】

「まっ、依頼主のはそういう系じゃないけどさ。
だからこそサボれないワケ」

389とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:17:39 ID:i.AMtUJ6
「魔物を使うのかー、想像の域を軽く超えてったな」
案の定理解できていない様子の青年である、続けて

「雑誌系じゃないとなると、それを職にでもしてる系の依頼主なのか?」
と尋ねてみる

390とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:31:29 ID:TgbSU1.Y
>>389
「"その日最初に会ったプニプニとその反応で1日の運勢が決まる!"んだと」

【さすが雑誌レベルの占い。信憑性の欠片もない】

「ああ、たぶんな。
本職じゃなくても片手間じゃぁない、って感じだった。
クエスト受注前に面接あったし」

【なんと】

391とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:41:12 ID:i.AMtUJ6
>>390
「哀れプ二プ二……」
同情の念を一人プ二プ二へと送る青年
一応魔物のはずなのに……

「反応と運勢あたり気になるな」
が気を取り直して食いつくのであった

「面接!? なにを基準にしてるんだ……」
忍耐力はいる気がするが、それと言って必要な技能があるようにも思えない観察
それを青年は疑問に思うのである

392とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 22:56:22 ID:TgbSU1.Y
>>391
「花占いみたいなのだったら、今頃きっとプニプニ保護令がでてるだろうな」

【言いながら、ふと想像する。
純真爛漫な少女たちが、至る所で"スキ""キライ"と言いながらプニプニを殴る光景を】

「知識がないと意味がないんだと。
ま、その分高額なんだけどな」
【どうやら問答試験だったらしい】

「例えば……あの星。
あれとこっちの星が真っ直ぐ並んだら大雨注意。
そっちで連続して星が流れたら、近いうちに嵐が来る。


【夜空を指差し、解説する】

「ちなみに、アレがプニプニ座な」

393とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:06:20 ID:i.AMtUJ6
>>392
「うわ……、確かに……」
それを想像しながら、いろいろと考えを張り巡らせてしまった青年、続けて

「そして、なんとなく人間社会の裏の部分を垣間見てしまった気がするな……」
物凄く引きつった表情で言う

「ああなるほど、というよりか星占いらしいし、ある意味当たり前か」
納得した様子である、そして解説を聞きながらも、知識を少し取り込むことに、続けて

「そんなのもあるとは、また」
なぜかプ二プ二座に見入る青年

394とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:16:27 ID:TgbSU1.Y
>>393
【リスタの想像は、破片となったプニプニのそばで占い結果に喜ぶ少女の図で終わった】

「……無邪気って、時に恐怖だよな」
【背中を走る悪寒に、呟く】

「生き物ならまだいい方さ。
あっちは騎士剣座、その下が羽ペン座。
何でもありだ」
【夜空を指し、肩をすくめる剣士。
確かに知識はあるらしい】

395とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:25:33 ID:i.AMtUJ6
「だな……」
寒気を覚えながら言う青年

「言われるとそう見えるのがすごいな」
普段星座を意識して夜空を見上げたりしない青年
そのせいか、どこか物珍しげである

「しかし詳しいんだな、星座」
ふとそう思い言う青年、プニプニ座に視線を戻しながら

396とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:31:40 ID:TgbSU1.Y
>>395
「ん?本で読んだからな。
思ってたより読み応えあったぞ」

【至極単純な答えが返る。
魔法系ならともかく、剣士で本を読むらしい】

「ってか、あんた眠くならねえ?」

397とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:43:46 ID:i.AMtUJ6
「ああ、本か」
と納得しつつも

「小説と言うより、百科辞典みたいな図鑑みたいなのか?」
と尋ねつつも、続けて

「なぜかプニプニ座を眺めるだけで一時間はつぶせそうだ」
眠たくはないらしい
ついでにプニプニ座が気にいったらしい

398とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:52:09 ID:TgbSU1.Y
>>397
「辞典も小説も一通りだな。
神話とかもあったし、今回活きた星の読み方とかも」
【つまり、手当たり次第読んだということだ】

「そこまでプニプニ座が気に入ったのか?!」

【驚きの声を上げる】

399とある世界の冒険者:2012/11/23(金) 23:59:34 ID:i.AMtUJ6
「辞典はあんま読まないな、小説は読むけど」
話を聞いて、ふとこんなことを思う

「図書館の本とかか? 読み漁るのは」
手当たり次第といわれてそう思う青年、続けて

「なんかもうさ、生涯のパートナーはプニプニでいい気がしてきたよ」
口調からでは冗談なのか本気なのかわからない

400とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:09:51 ID:Zk335mgQ
>>399
「辞典も面白いぞ、雑学ありーの論議ありーので」
【だが、ふつうは読むものじゃない】

「あいつ等が聞いたらどんな顔するか」
【冗談とも本気ともつかない言葉に、思わず吹き出す】

「じゃあいいこと教えてやるよ。
星座は季節で変わるだろ?
でもプニプニ座は、いつでも見れるんだぜ」

401とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:19:53 ID:fXhs.VXU
「そう言われれば読みたくなる気もするなー
辞典で楽しむとかは考えたことなかった、ああ」
一人頷きつつも、続けて

「あいつら……、プニプニかその飼い主を指してると考えるべきか?」
吹き出しているのを気にせず尋ねてみる

「いつでもか、いいこと聞いた
夜空を見れば疲れが取れるな、季節問わず」
プニプニ座は本気で気にいっているらしく、
口調も真剣なものだったりする

402とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:28:36 ID:Zk335mgQ
>>401
「楽しくない本はないからな!」
【きっぱり】

「ああ、いつもプニプニ連れてる知り合いがいるんだ。
なんてーか、パートナーって感じでさ。
やってみたら、あんたも躾られるかもしれないぜ。
もっとも……」
【星が流れる夜空を見上げたまま、ニヤリと笑みを浮かべて続ける】
「星座がパートナーってのも、スケールでかいと思うけどな」

403とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:36:07 ID:fXhs.VXU
>>402
「即答なのか……」
驚くが、続けて

「賢者にでもなれるんじゃないか?
そこまで本好きならさ」
となんとなく言う

「プニプニを躾るか……
でもこいつらで手一杯なんだよな……」
青年の足元で眠る、二匹の狼を見て

「まあパートナーはやっぱり人間がいいよな、
と時間を置くと思うわけだ」
そして結局そこに行き着く青年、続けて

「星座のプニプニは本当好きだけどな、なぜか」
という

404とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:47:10 ID:Zk335mgQ
>>403
「んー、やっぱ主役の定番は剣士っしょ」
【剣士の格好は、読んだ本に感化されたものらしい】

「もしかしたら、獣人のプニプニ版とかいるかもしれないぜ?」
【ちなみに、ずっと夜空を見上げるため狼に気付いていない】

「お気に入りが見つかってよかったな。
プニプニ座の神話を読んだら、きっと吹き出すぞ」

405とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 00:55:50 ID:fXhs.VXU
「剣士が主役か、ならガンマンは何役になる?」
不意にそんな質問を投げかけつつも

「いや人だけどさ、人だけどさ……」
想像して見る、そして

「……普通のほうがマシに思えるな」
なにを想像したのやら

「神話、んなもんあるのか!?」
ほかの魔物とは違うなにかを感じた気がした青年

406とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 01:05:48 ID:Zk335mgQ
>>405
「そうだなあ……。参謀、は違うか。
頼りになる相棒ポジションとかどうだい?
凄腕の銃使いがでる盗賊組の話もあるしな」
【ナントカ三世とか、と例をだす】

「神話っつーか由来……こじつけってヤツ。
月が旨そうに見えたプニプニが助走をつけてジャンプした結果、空に張り付いたんだと」

407とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 01:14:26 ID:fXhs.VXU
「ああ、あの一味か
そういえばいたな、相棒ポジションの」
思い出したように、続けて

「主役の剣士と相棒ポジとのことガンマン
あと仲間にいりそうなポジションはなんだろうか」
また変な方向に頭を使おうとしつつも

「ダメだ、信じる気が起きない」
こじつけといわれて納得する青年であった

408とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 01:22:47 ID:Zk335mgQ
>>407
「そうだなあ、シスターとかどうだ?
優しく回復魔法で癒してくれるとかさあ。
女の子にしてほしいといえば回復だろ、やっぱさ」
【定番だ】

「信じる奴なんかいねーよ。
木の実ほしさに木へ体当たりするプニプニならいるかもな」
【カラカラ笑いながらいう】

409とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 01:28:36 ID:fXhs.VXU
「まあお約束だよな、でもそれがいい」
と理解を示しつつも、

「ああー、まあそれは言えてるかもな」
と苦笑しつつも言いつつも

「っと、だいぶ話し込んだな、そろそろ行くか
星空の下の独特な雰囲気とか言うのは楽しめなかったけど、まあ楽しかったぞ、またな!」
狼2匹を連れて、どこかに去っていくのであった

//眠気がもう限界……
というわけでお疲れ様でした!

410とある世界の冒険者:2012/11/24(土) 01:33:59 ID:Zk335mgQ
>>409
「ああ、またな」

【夜空を見上げたまま、ひらひらと手を振っておくる】


「そいや名前きいてないよな……まぁいいか」

【その後、静かに流星を探していたそうなFo】
//乙!

411とある世界の冒険者:2012/12/12(水) 21:38:27 ID:3Apbbehk
-森の奥-

カカン!
木に何か固いものが勢い良く突き刺さる乾いた音が響く。
それは定期的に聞こえる…

412とある世界の冒険者:2012/12/15(土) 23:55:27 ID:B5nYKVgU
<王都近くの森>

「……。」

【森の奥にて息を潜めているのはボロボロの金髪の少年だ。
森で〝のみ〟の生活が長いのか身に着けているものはあちらこちらが破れたり解れたりしている。

浮浪者と言っても差し支えは無い。もっとも、ここはそんな安全な場所ではないのだが。】

413とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 00:15:13 ID:5wEr09O6

「…………ん、何だ?」

【茂みに潜んでいた少年が周囲に意識を集中させる。

王都から森へと拠点を移した少年は依然とは比べ物にならないほどに
色々な気配に対して敏感になっている。

物音はもちろん、かすかな動きや匂いに至るまでである。
それは森で生きるための必要最低限の能力だ。】

414とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 00:34:13 ID:5wEr09O6

「(……蜂蜜?)」

【敏感に感じ取ったのが匂いである。
それは森の中であれば、もしかすれば感じとれるかもしれない香りである、

しかし、少年がいる場所は蜂蜜とは無縁であるし、第一、今は冬である。
誰かが作為的に蜂蜜を出さない限り、香るはずが無い。

そんな季節はずれも甚だしい香りを感じとっていた、とか。FO】

415とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:02:10 ID:5wEr09O6
<王都近くの草原>

「嗚呼、なんと素晴らしく心地よい夜か。
蹂躙し、恐怖を振りまくにはちょうど良かろう。」

【ため息が出るほど、感嘆したような声を漏らすのは騎士の姿。
重そうな鎧をものともせずに金属の音を響かせながら、夜を歩く。

姿こそは騎士で人型であるが、その髪の色や肌の色……何より醸し出す雰囲気が人のそれではない。
口にしている言葉の物騒さからも仮に人であったとしても普通ではないことが窺える。】

416とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:23:21 ID:MkvcbuG.
「恐怖、どのような恐怖をお与えになるので?」
どこからか聞こえる声

417とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:32:47 ID:QaxgCF1g
「恐怖を振り撒く……聞き捨てならないな」

茶色いミドルヘア、緑色の瞳の優男な顔立ちをした青年が歩いてくる

手には騎士剣を持ち

418とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:32:53 ID:5wEr09O6

「……恐怖に種類があろうか。」

【聞こえる声に足を止めて、ボソリと呟く。
そんな呟きまでも聞こえてしまうほどに静かで澄んだ夜である。】

「否。得る環境が違うのみで、それは平等で……差異など無し。」

【芝居がかっていると言えるほど大げさに且つ高らかに宣言する。
その言葉には一点の曇りも無い。】

419とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:35:53 ID:MkvcbuG.
「恐怖の根本は、皆同じと……
人を脅す恐怖も、未知の現象への恐怖も、同じと、そういうことをおっしゃりたいので?」
声の主はカヴァルを警戒しているのか、姿を見せない

420とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:41:26 ID:QaxgCF1g
「………これから、何をするつもりだい?」

青年は険しい表情になり、問い掛ける

「答えによっては、僕も、大切な物(妹)を守るため………それなりの対応をしなくてはならないからね」

と、騎士剣とその鞘を持ちそう言って

421とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:41:48 ID:5wEr09O6
>>417
「……聞き捨てならぬ、か。」

【その言葉をふんと鼻であしらいそちらに視線を向ける。
目は薄く濁った金色であるが、魔力は感じない。】

「それならば、どうする?……人間。」

【どこか不遜さと尊大さを感じさせる口調で問いかける。
自身が人間ではないと自ら告白しているような言葉である。】

>>419
「……愚問だ。
ならば、問おう。恐怖を分類しようとするその理由を。」

【こちらからすれば、恐怖を分けようとする、あるいは恐怖を形容しようとする
未だに姿を見せない声の主の考えに興味を持ったようだ。】

422とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:50:58 ID:MkvcbuG.
>>420-421
「理由ですか、あるとするなら力で脅すことで生じる恐怖は、
僕が見ていて面白くないからですよ」
声の主は自分本位で物事を考えるらしい

423とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 01:56:43 ID:QaxgCF1g
>>420
「………人間ではない、か………君を王都に入れる訳には行かないようだ………」

そう呟き、警戒する

>>421
「君は、何者だい?」

と、声の主にも警戒しながら語りかける

424とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:01:32 ID:5wEr09O6
>>420>>423
「我から身を守りたいのならば、答えは一つ。
…………我が神聖なる夜を侵さぬことだ。」

【剣に手がかかると、こちらも警戒の構えを取る。
一応、騎士というのは形だけではないようだ。こちらも腰に剣が差してある。

何をするわけでもない。
この騎士が行うことといえば、夜を蹂躙するだけ、恐怖を撒くだけである。】

「そうすれば、我と二度と会うことはあるまい。」

【つまり、この騎士姿の活動時間は夜であるということであり
仮に犠牲者が出るとすればそれは夜に出歩いている者である。

逆を取れば、夜にさえ出歩かなければこの騎士と遭遇することはないということだ。】

>>422
「ふん。何かと思えばただの享楽か。」

【理由を聞いて少し残念そうな……期待外れと言わんばかりに顔を顰める。】

「何と浅ましく、下らない。
……なるほど、見かけによらないとは言ったものだ。」

【ため息をつき、言葉を吐き捨てる。
いつかどこかでそんな言葉を聞いた事があったようでヴァッシュを見て腑に落ちたようだ。】

425とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:07:29 ID:MkvcbuG.
>>423
「僕は彼とは違った意味で、気が向けば恐怖を振りまくもの
危害は加えませんのでご心配なきよう」
姿が見えないというのは、時に性質が悪い

>>424
「僕に似た考えも持つ人物がいる……
いてもおかしくありませんか」
声は間を置きながらそういう、続けて

「ではこちらからも、あなたはなぜ恐怖を振りまくのかをお聞きしましょうか」
質問返しをする声

426とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:13:13 ID:QaxgCF1g
>>424
「………何のためにそのような事を行う?」

青年は問う

>>425
「そうか………」

その答えに一言、呟いて、目の前の騎士に視線を向ける

427とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:21:28 ID:5wEr09O6
>>425
「……未だ姿を見せぬ者が言うとは滑稽だな。」

【言動の噛み合っていないヴァッシュが滑稽に見えるようだ。
姿を見せない者が〝危害を加えない〟と言っても信用できるわけが無いからである。

不意打ちが飛んでくる可能性も否定は出来ないからだ。】

「我が夜を侵し、邪魔をする者がいるならば蹂躙する。それだけの話だ。」

【夜を神聖視している部分があるらしい。
簡潔に言えば、この騎士の視界に入ったから、である。】

>>426
「昼を謳歌する者が夜に踏み入るからだ。貪欲なる者よ。
夜を歩くというならば、夜に馴染むがいい。」

【金属音を鳴らしながら、手をそちらに向けた。】

「それが出来ぬのならば、夜に踏み入るな。
それはそなた達の領域ではない。」

428とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:31:08 ID:MkvcbuG.
>>426
「簡単に信じ込みますね、
そちらの方のいう通り、不意打ちする可能性もないとは言い切れないというのに」
姿を見せない以上、疑われても当然
そう思う節はあるようで

>>427
「ええ、確かに矛盾していますね」
いともあっさりと認める、続けて

「恐怖という感情を他者に植え付けるのは、
夜に出歩くものを減らすためというわけですか」
と言われて、しばらく思案した後に、

「そうであるとするなら、確かにあなたのその考えでは、
恐怖に分類わけなど不必要ですね
恐怖など、ただの道具でしかないという風にしか見えてこないのですから」
そもそも声の考えが当たっているかどうかすらわからない
推測でものをいう声

429とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:35:26 ID:QaxgCF1g
>>427
「確かに人は夜に眠る、しかし、だからと言って夜が君の物と言うのは傲慢ではないか?」

また険しくなる表情

「昼が我々の物ではないように、夜は別に君の物ではない………そんな理由で襲われる人々はたまったものではないな……」

430とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:38:03 ID:QaxgCF1g
>>428
「心配無いさ、ただ、警戒の役割分担さ」

涼しい顔で言う

「言っておくけど、こう見えて僕は元騎士、不意打ちは通用しないよ」

それ騎士関係無いと思うけどね

431とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:47:07 ID:5wEr09O6
>>428-9
「……やはり、人間は浅ましく不愉快。
道理に逆らい全てを支配しようとするとは、浅はかだ。

昼と夜を繋ぎ、それぞれの活動を邪魔するとは……。」

【何を指していっているのかは非常に分かりにくい。
ただ、分かるのはこの夜に2人が存在していることが不愉快であるということだ。】

「やはり、黙っていられん。貴様らに恐怖を与えよう……!」

【その瞬間、金属の冷たい音が響き、腰に差された剣が抜かれた。
特にこれといった特徴は無いロングソードである。】

432とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 02:53:20 ID:MkvcbuG.
>>430
「元と言えども、騎士殿でありましたか
訓練を受けた身でいらっしゃるのであれば、
確かに僕だけの力では万に一つの勝ち目もなさそうです」
自虐的に返す、声を聞いただけだと不意打ちをする意思はなさそうである

>>431
「恐怖を道具としか見ないあなたも不愉快ですけどね
僕もあなたと戦う必要があるのであれば、姿をお見せしましょうか」
口ではそういうも、戦闘慣れしていそうな騎士を見ると、
自分のような素人がでる必要はないのでは、と思うのであった

433とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 03:00:44 ID:QaxgCF1g
>>431
「………やはり、そう来るか………」

と、呟くと剣に手をかけて抜こうとする、が………

「そうか、レオナは眠ったか……」
何かと会話して止まる

「どうやら妹が君に襲われる心配も無くなったみたいだ………僕はこれで失礼するよ」

と、去り出します

「一度、魔に堕ちた身、僕はあくまでも正義の味方では無いのでね、では」

そう言って去っていきました。このシスコンめ

\\落ちますね~、お疲れ様でした~

434とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 03:05:46 ID:5wEr09O6
>>432-3
「……賢明な判断だ。
我が夜から消え去るというのなら、深追いはしまい。」

【今にも噛み殺しそうだった雰囲気が解ける。

あくまでも夜を邪魔するものに対して容赦はしないというだけで
応じて去るというのなら、手は出さないようだ。

一応ながら、彼は快楽殺人者ではない。】

「ならば、1人……か。」

【未だ姿の見えぬヴァッシュを指して。
剣を扱うこの人型にとって一対一はかなりやりやすい。

フィデルが去ったのはある意味で幸運である。】

//お疲れ様でした!

435とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 03:18:39 ID:MkvcbuG.
>>433
「僕をゾンビとおっしゃったあの方のお兄さんでしたか」
と言いつつ見送った

>>434
「まあ、あなたが人を殺すのであれば、
僕も霊と出会う確率が上がってそれはそれで好都合」
いきなり不謹慎なことを言い出す青年、続けて

「しかし今恐怖を人に与えようにも、もうすぐ日も暮れる
故にこれ以上僕が起きている必要は皆無です」
さらに続けて

「というわけでどうぞご自由に、
幾らでも好きなだけ気が済むまで人を殺していただいて結構です
無論、好きなように夜を楽しんでいただいても」

「僕たちが対立することがあるとすれば、それはきっと
僕が夜に、人々を恐怖に陥れようとする時ですね」
と言ったのを最後に、声が途絶えた

//さすがに限界なのでこのあたりで
お疲れ様でした!

436とある世界の冒険者:2012/12/16(日) 03:26:04 ID:5wEr09O6

「ふん、結局は最後まで姿は見せず、か。」

【最初から最後まで姿を見せなかったヴァッシュに対し呆れた様に。】

「人間とは……分からぬものだ。」

【抜いていた剣を涼やかな音と共に鞘の中へと納めると
自身も去って行ったとか、FO】

//おつかれさまでした。

437とある世界の冒険者:2012/12/25(火) 18:09:24 ID:1jz8FCYY
割り込み失礼します。

ども、今話題のドリームカジノのアフィ坊っす。

みなさんには“業者”とよく呼ばれますwww

こちらにも事情がありますゆえ…

http://dreamonlinecasino.com/

兎にも角にも一度お試しあれ。

438とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:21:37 ID:TsbQNEJ2
【王都/繁華街】

「ふへー……美味しかったなー。」

夜の繁華街、デート……と言うか食事を終え帰り道。
大分仲良くなった猫娘、とデート紛い、と言うかデートの帰り道である。

439とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:24:19 ID:2jd335SQ
「ふふふ、おいしかったですね。
 ……また来ましょうねー…。」
にっこりと微笑んで上機嫌な猫娘。
あれから関係を深め、すっかり仲良くなった二人なのであった。

440とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:34:22 ID:TsbQNEJ2
「うんっ! 
 はぁ、にしても結構遅くなっちゃったなー……家まで送った方がいいかな?」

空を見上げて。
星が一杯で、大分遅い。
……まぁ、こういうのは聞くべきではないが。

441とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:39:09 ID:2jd335SQ
「うん、それじゃお願いしようかな?
 …家は分かるよね、学校の女子寮。」
酒も少々飲んだため、顔がほんのり火照っている。
何度か送って貰ったこともあるため、場所は大体分かるはずである。

442とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:40:58 ID:TsbQNEJ2
「ん、覚えてるから問題無しっ!
 ……にしてもやっぱり、ティティスってそんなにお酒強くないよなー。」

ほんのり赤いティティスを見て、
横を歩きながらそんな事を言う。

443とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:44:29 ID:2jd335SQ
「…えー、そんな事ないと思うけどなー…?
 ……レビッツ君が強すぎるんです…っ!」
くすくす笑いながら言い返す。
しっぽをくねくねさせつつ、少年の隣に寄り添って歩く。

444とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:45:56 ID:TsbQNEJ2
「あーほらまた酔ってるしー……。
 っていうか俺は何か酔わないんだから仕方ないだろーっ。」

体質的に何杯飲んでも酔わないらしい少年。
今回もティティスに付き合い結構飲んでいたが、シラフだ。

445とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:50:08 ID:2jd335SQ
「…ふふふふ…酔っ払った方が楽しいからいいんですー…!」
若干おぼつかない足取りで、家路へと…。

女子寮はもうそろそろ到着する頃である。

446とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 01:51:26 ID:TsbQNEJ2
「その感覚だけは解んないんだよなぁ……、
 あ、ティティス、もうそろそろ着くぞー?」

ふらふらしてるティティスがどっか行かないように、自然とテを握って。
気付けば女子寮は目の前である。

447とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:01:22 ID:2jd335SQ
「うん、送ってくれてありがとう、レビッツ君…!」
門の前で、おもむろに少年のそばに寄り…
……頬へと口づけする。

…最近は別れ際にはいつもこんな感じである。
意味合い的には、親しい友人への挨拶…程度のスキンシップなのだろう。

448とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:04:20 ID:TsbQNEJ2
「っ……!!
 だ、だからティティスっ! こういうのはあのっ、もっとさー……!?」

そして毎度毎度、この様な反応である。
顔を真っ赤にして手足をバタバタさせる、……照れすぎな気もする。

449とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:13:04 ID:2jd335SQ
「……んー?
 …もっと、なんですかー?」
顔を離すと、ふふふ、と微笑む。

「……もっと激しいのがお好みです?
 …もう、レビッツ君はー……!」
と、言ってからかう猫娘。

「…じゃ、おやすみなさい……
 ……と言いたいところですけど、
 レビッツ君私の部屋に寄っていきません?
 家で一人居ても、退屈ですし……。」

450とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:14:06 ID:TsbQNEJ2
「こ、こういうのはっ!もっとちゃんとした相手じゃないと駄目だろー!?」

激しいの、辺りでうがーっ、とそう吠える。
初心、と言うか何だ、純真か。

「ん、部屋……って、良いのか?
 何かティティスそのまま寝ちゃいそうだけど……。」

451とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:23:37 ID:2jd335SQ
「ふふふ。私、そんな人今は居ないって言ったじゃないですか。」
色恋沙汰の話も、何度かあがる事もあったが、
どうやら今はそういう相手は居ない様子。
…昔どんな遍歴をたどってきたのかは、いつもはぐらかして教えないのだが。

「…んー、良いですよー。
 寝ちゃったら、レビッツ君介抱して下さいね♪」
と、言って少年の手を引いて部屋へと招き入れるのであった。

452とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:25:24 ID:TsbQNEJ2
「だ、だったら俺にもしちゃダメだろっ!?」
わたわた、とまだ慌てた様子。
貞操観念が強い田舎者である。

「全くもー……、
 部屋でお酒飲む、とかは無しだからな。」

と、言いつつも招かれるままあがる。
部屋に入ること事態は、始めてではない。

453とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:32:15 ID:2jd335SQ
「えー、なんでですか?
 …お別れのキスくらい、この辺りでは別に珍しくもないのですよ?」
慌てる少年の様子を楽しんでいる様子の猫娘。
そして、部屋の中へと…。

部屋の中は、以前来たときと同じように
決して広くはないが、小奇麗に片付いた女の子の部屋である。

「……え、ダメなの…!!?」
と、ショックを受けた様子。
…案の定飲むつもりだった様だ。

454とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:36:22 ID:TsbQNEJ2
「や、珍しいだろっ……!?
 だって、だって俺ティティス以外にされた事無いし……!」

友達が少ない、と言うわけではない。
が、ティティスにだけである、そんなものは。

「いやダメだろっ!?
 絶対倒れるんだから!」

455とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:50:14 ID:2jd335SQ
「ふふふ。
 そんなこと言って、昔故郷のお姉さん達にされてたんじゃないですかー…?」
確か故郷では、年上の女性にひそかに人気だった…
という話を聞いた事がある。

「ここ、私の部屋ですから倒れても問題ないですよー?
 …レビッツ君介抱してくれますし…!」
勝手に少年の介抱をあてにする猫娘…。
そして、結局酒の瓶(ごく少量のマタタビを利かせたマタタビ酒)
を持ってきてしまう。

//すみません、このあたりで限界のようです…
また後日続きをば…!!

456とある世界の冒険者:2012/12/30(日) 02:52:40 ID:TsbQNEJ2
「キスとかはっ!されてないってばっ!
 せーぜー頭撫でられたり程度だよっ!」

後は抱きしめられたり、である。

「むー……たっく、もー、仕方ないな……。」

渋々、といった様子でそれを承諾する少年。
もはや呆れ気味である、

//領海っ! 乙!

457とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:13:32 ID:0qeQFwzY
第三>>520より

「……着替え…どうするかのぅ……?」
『まぁなんとかしておくのじゃ、そちよ。
 …余は風呂に入る、よきにはからえ。』
勝手なことを抜かしつつ、裏口へと向かうのであった。

458とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:17:56 ID:c1CvueK2
「おーいバスタオルぐらい持っていけー
なにかあったらこの前渡した拳銃から連絡くれたら飛んでいくかも」
バスタオルを投げる青髪の青年
そしてそう続ける

裏口付近の仕切りに簡単な脱衣所もどき
扉の先にはすだれで外と仕切られたドラム缶風呂があったりもする

459とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:31:33 ID:0qeQFwzY
「ほぅ、これに入ればいいのかや?
 ……小さい風呂じゃが、なんか楽しそうじゃのぅ。」
脱衣所でするすると無防備に服を脱ぎ捨てると、
ざぼんとドラム缶風呂に飛び込む。

「……はぁー……温かいのぅー……。」
ドラム缶の中で、小麦粉やら油やらをすすぎ落とす。
正直湯船に油が浮いてなんとなく気持ち悪いが、
しかし先ほどまでの状況に比べれば大分マシになったようだ。

460とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:35:42 ID:c1CvueK2
「さてと、一波乱あったけども
俺は俺でやるべきことをしておくか」
ミトの入浴中に、調理場にて小麦粉で吸い込ませた油を雑巾で拭いたり、
さきほどミトがつくったからあげの衣を、下味をしみこませた肉にからめたりしている

461とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:37:21 ID:0qeQFwzY
そして入浴することしばらく……
そろそろあがってくる頃だが、着替えはどうするのだろうか。

「…すまなかったのぅ、良い湯だったのじゃ。」
脱衣所から再び小屋の中へ入ってきた少女は…
…バスタオル一枚の姿なのであった。

462とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:41:54 ID:c1CvueK2
>>461
「……予感はしてたよ、うんしていたよ
俺がバスタオル投げた時点で、大方予想はついてたよ、でもさ……」
予測していたといえども、実際にそんな恰好を見てしまうと、
思わずミトから目をそらしてしまう青年であった

調理場の油はきちんと拭き取られている

463とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:52:51 ID:0qeQFwzY
「…し、仕方ないじゃろう……服はないのじゃし……
 ……でも、これなら別に何も見えないと思うし、問題ないのじゃよ…?」
少女は大事なところを隠した気になってはいるものの、
そうはいっても薄布一枚で覆った程度では色々と心もとない。

464とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:56:03 ID:c1CvueK2
「まあそれもそうか……
とりあえず、着てきた服ぐらいは洗っておこうか?」
納得してしまう青年も青年であった
そしてそう尋ねつつも、

「あ、微妙に作業は進めておいたぞ」
見れば鶏肉に絡められた衣
卵や片栗粉でつくったあの衣である

465とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 01:59:36 ID:0qeQFwzY
「すまぬのぅ…お願いしてもよいかのぅ?」

「ふむ、もはや料理どころじゃないのぅ。ほっほっほ。
 ……あとは、それを揚げれば完成かや…?」

466とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 02:13:19 ID:c1CvueK2
「了解」
平然を装っているように見えて、
そのいろいろな意味でのミトの恰好の際どさに、動揺していたりもするのであるが
視線が泳いでいるのがその証拠でも

「確かにそうだよな
迂闊に酒場で行わなくて正解だったかも」
酒場で油をこぼしたりしていたら……、なんていろいろ考える青年

「それじゃあ簡単に洗ってくるか
勝手に揚げるなよー」
と言い残して、服を取りに行こうとする青年

467とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 02:16:29 ID:0qeQFwzY
『全く…こんな状況でも、何も思わぬのかや…?
 ……堅物じゃのぅ、ふふふふ…。』
動揺を隠す青年に気づいているのやらいないのやら…
楽しげに笑みをこぼす精霊様なのだった。

(…………。)
勝手に揚げるな……とは言われたが…
なぜかバスタオルのうえからエプロン装着。
半裸エプロン状態で、油を熱し始める……。

468とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 02:21:45 ID:c1CvueK2
(俺も男の子だもの、そっち系じゃないもの
動揺したって仕方ない、よな)
内心そんなことを思いつつも、そそくさと服を洗おうと、
洗面器にお湯を入れたり、服を濯いだりしている青年

当然、ミトの勝手な行動には気づいていない

469とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 20:36:19 ID:0qeQFwzY
しばらくすると、厨房からばちばちと油が跳ねる音が……。
勝手に揚げ始めてしまったようだが、正直不安である…。

470とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 20:42:47 ID:0OUiJdaE
「よし、あとは干しておいたら……
おい、ちょっとまて」
さっと洗い終えたころ、油の跳ねる音が聞こえる青年

洗濯した服を手に、音のするほうへと進む

471とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 20:44:27 ID:0qeQFwzY
「みぎゃあーー!!
 あつっ、あついっっ!!!
 …どうしたらいいのじゃぁ!!?」
油が跳ねまくってパニック状態の少女がそこに…。
半裸エプロンでキャーキャーと騒ぎまくっているのであった。

472とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 20:47:52 ID:0OUiJdaE
「………」
その光景に唖然としてしまった青年
洗濯物を干しに行っていると、いろんな意味で手遅れになりそうに思えた青年は、
テーブルに洗濯物を置いて、急いで調理場のほうへと

「落ち着いて落ち着いて!
とりあえず離れて!」
向かう最中にそう声をかける

473とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 20:51:20 ID:0qeQFwzY
「でも肉が!肉が!!」
油の中には揚がっている最中の鶏肉が浮いている。
パニック状態の少女が青年の言葉が耳に入らず、
鶏肉を取り出そうとやっきになるやら、跳ねた油の熱さに飛び跳ねるやら…

474とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:02:29 ID:0OUiJdaE
「引き継ぐから離れて落ち着いて!
パニックになっていたら出来るものもできなくなるから!」
調理場に入ってきて、焦りが混じった口調で

475とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:04:41 ID:0qeQFwzY
>>474
「あわわわわっっ…!!?」
なんやかんやで、ようやく調理場から逃げていく。
鶏肉は、もう結構こんがりしてきてしまっている

476とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:10:12 ID:0OUiJdaE
「さて、なんとかしよう……熱ッ!」
油が飛び散ってそれが手にあたったりしつつも、
急いで器を取り出してきて、こんがりしてしまったからあげをそちらに移し替える
もう火は通っているはず、と青年は思っている

477とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:18:56 ID:0qeQFwzY
「すまないのじゃ、すまないのじゃ…
 ちょ、ちょっと油を温めすぎたのかや……?」
おろおろと慌てて見守る少女……。

478とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:27:29 ID:0OUiJdaE
「温度の微調整が大事だからな、揚げ物は
後でいろいろまとめたレシピ渡すけども」
ありがた迷惑かもしれないことを言いつつも、

「さてと、それじゃあ続きを……」
手際よく何度もからあげを入れたり出したりする青年
そしてしばらくして……

「よしできあがり!」
なんとかそれっぽくできあがったからあげ

479とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:29:26 ID:0qeQFwzY
「……無事できたかや……?
 ……一安心じゃよ……。」
いろいろあったが、それなりなモノが完成し、ひとまず胸をなでおろす。

『それで、もう食ってもいいのかや?』
すっかり腹ペコな精霊様なのであった。
いろいろトラブル起こしておいていい気なものである。

480とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:33:12 ID:0OUiJdaE
「ああ疲れた……」
そして力尽きた様子の青年

「それじゃからあげ運んでくれー
その間に俺は服を干さなければ」
一応ミトの服も洗濯したらしく
テーブルに置きっぱなしになっていることを思い出し
そしてテーブルのほうへと向かおうとする

481とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:34:31 ID:0qeQFwzY
>>480
「了解じゃよ、服任せたぞよ。
 ……すまぬのぅ…。」
…少女の下着やらなんやらを青年に完全に任せてしまうのも、
実に無防備である……。

482とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:39:05 ID:0OUiJdaE
「わりと大変だから今回限りだぞ……?
あ、その間にからあげ運んだり任せる」
下着云々に関しては、別に気にしていなさそうな青年……
そして服を一つずつ、ハ
ンガーなどを駆使して玄関ちかくの日のあたるところに干している青年

483とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:41:19 ID:0qeQFwzY
「しかし今日はどうやって帰ろうかのぅ…。
 …いっそここに泊まっていくかや。
 ……しかし布団も何も無いのでは、ちとこの季節はつらいのぅ……。」

484とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:42:51 ID:0OUiJdaE
「寝袋なら用意できるけども……
って、泊まる気なのか?」
聞き流そうにも聞き流せなかった青年、いろいろな意味で
服のほうを干し終えて

485とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:46:14 ID:0qeQFwzY
「寝袋かや!一回そういうので寝てみたかったのじゃ…!」
慣れない体験に心を躍らせる少女…。

「でも、今からじゃ服乾かないじゃろう…?
 ……あんな濡れたの着て帰ったら、風邪引いてしまうのぅ…」

486とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:53:05 ID:0OUiJdaE
「小屋で寝袋というのもまたあれだけどな……
まあ部屋別にすれば問題ないか」
と呟きつつも、炎系の魔法が使えれば、などと考えているのであった

「というより、帰る必要はないのか?」
そう続けて尋ねる青年

「冬が嫌いになりそうだ……
もうそれはあとで考えよう、今は食べよう」
テーブルには、作りおかれたと思われるポテトサラダや
お米だったりが用意されていた

487とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:56:48 ID:0qeQFwzY
「まだ休み中だし、一人暮らしじゃしのぅ…?
 家を空けていても誰も困りはせぬよ、ほっほっほ。」

「と、いうか、からあげを食べねばな!
 ちょっとてこずったが、ついに完成じゃのぅ…!!」

488とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 21:59:15 ID:0OUiJdaE
「なるほどな……」
いろいろとげっそりしつつも、

「いろいろあったな、長かった……
お箸も置いていることだし、適当につっついてくれ」
からあげは小分けしていないのであった

489とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:02:25 ID:0qeQFwzY
「ほっほっほ。まぁそなたも食うのじゃ……へっくし!!」
半裸なままでいるため、少々身体が冷え込んでしまっている様子。

「…それでは、いただきますじゃ。
 ……うむ、うまいではないかや!!」
若干揚げすぎな感もある空揚げを口に放り込む…。
味の方は満足な様である。

490とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:06:49 ID:0OUiJdaE
>>489
「……上着貸そうか?」
ようやく一息ついて、自分の今の服装を見直してみて、
上着ぐらいなら貸せると思って

「曲りなりにも人に作ってもらったからあげはまた違った味だ……、うん……」
感傷深げにからあげを口に運ぶ青年

491とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:09:34 ID:0qeQFwzY
「い、良いかや…?
 ……流石に、ちと冷えてきたのじゃ……ふぇっくしょい!!」

『…まぁ、それなりの味じゃのぅ。ほっほっほ。
 そちももっと食うがよいぞ。どれ、あーん…!』
空揚げ一個取ったかと思うと、青年の口元へと近づけてくる…。

492とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:15:32 ID:0OUiJdaE
「あいよっと
確かに寒いな……」
上着を脱いだなら、それを手渡す青年
そして薄着となった

「ん? あ、なるほど」
口元に近づけられたからあげを食べてしまおうと

493とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:19:11 ID:0qeQFwzY
「……そなたが寒くなってしまうのぅ……。
 …やっぱりこのままでいいのじゃ。
 これ食べたら、早いところ寝袋に入ってしまうとするかのぅ…。」
寒そうな姿の青年に、やっぱり上着をつき返す。

『……むぅ…反応が薄いのぅ……。
 ……つまらぬ奴じゃな……!』
何かしらのリアクションを楽しみにしていた様だが、
全く反応を示さない青年にがっかりした様子…。

494とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:23:23 ID:0OUiJdaE
「いやいや、別にどうってことないよ
どう考えてもミトのほうが寒そうだし」
つき返されても渡そうとする青年

「いや……、夢見ていてもいざやられるとなんとも……
それよりあーん返し!」
今度は青年のほうからからあげを口元に近づけてくる

495とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:30:17 ID:0qeQFwzY
「……むむ…では、とっとと食べてしまって寝るとするかや…?」
結局上着を借りて羽織る。
バスタオル一枚のうえにジャケットというなんとも奇妙な格好に…。

『…はむ……うむ、うまい。』
「……そなたら…一体なにをやっておるのじゃ……。
 …わらわの身体を勝手に使って妙なことをするでない……。」
精霊様の戯れに、気恥ずかしさで少々顔を赤らめる少女なのであった。

……そんなこんなで食事は進み、あらかた片付いていく。

496とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:34:43 ID:0OUiJdaE
「まあバスタオル一枚よりはよっぽど……」
なんて呟きつつも、

「いや、あーんのしあいっこ
ミトもやってみるか?」
なんて尋ねたりしつつも、いつもよりちょっとだけ騒がしい食事を楽しむ青年であった

497とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:38:50 ID:0qeQFwzY
「わ、わらわはそんな事せぬ…!!」
こういう事は恥ずかしがるのに、
バスタオル姿はあんまり気にしない…
そのあたりのバランスがよくわかんなかったりする。

そんなこんなで食事も終わり、後片付けもあらかた済ます。

「……そんじゃ、ここで寝てっても良いかのぅ…?」
『…くくく……同じ寝袋で、一緒に寝るとするかや……?』

498とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:43:26 ID:0OUiJdaE
「わからないな、本当……」
無防備なのかどうなのか理解に苦しむ青年

そして後片付けも済んだあとに、

「ああ、別に構わない
あ、宿賃銅貨5枚な」
と冗談交じりにミトに返したりしつつも、

「はっはっは、ご冗談を」
精霊の提案をさりげなく断ろうとする青年

499とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:47:37 ID:0qeQFwzY
「銅貨5枚…それはちと安すぎないかや?
 …金貨3枚くらいは払うのじゃ、色々と世話になったしのぅ。」
いきなり価格が跳ね上がる。
…貴族の娘には、それくらいたいした事ないのである…。


「…ま、まったくじゃ!冗談もほどほどにせい!!」
『くくく……なんじゃ、つまらぬのぅ……。』

500とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 22:51:18 ID:0OUiJdaE
「えっ、いやいや冗談だから!」
冗談の一言が金貨になるとは思わずに

「俺が床で眠るだけで、いろいろと拗れず済むのであれば安いもの……!」
青年もさすがにそれはまずいと判断しており

501とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:01:38 ID:0qeQFwzY
「……いやいや、遠慮するでないぞよ?
 …この小屋を借りるのにも、結構かかったじゃろうに。」

「……もしや、寝袋は一つしかないのかや?」
『と、なると…やはり一緒に寝たほうが良いのぅ、フフフフ……。』

502とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:06:02 ID:0OUiJdaE
「ああ確かに金かかっている……
貰うのはちょっとばかし気が引けるけども……」
貰おうか貰わないかで揺れている青年

「普段俺が使っている寝袋だから仕方ない
宿泊なんて想定してなかったわけだしさ……」
いろいろと想定外のことが起こっており、そう返す青年

「いやまずいだろ、いろいろと」
冷静に考えてそう返す青年

503とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:13:05 ID:0qeQFwzY
「良いからもらっておくのじゃよ、遠慮するでない。」
『それとも、金以外のモノで返して欲しいかや…?
 …ふふふ、なんでも言うてみるがよいぞ。』

「…そ、そうじゃのぅ…流石に、わらわもちと恥ずかしい…。」
ほぼ裸で男性と同衾するのである、
少し、どころかもっと恥ずかしがっても良い。
『……余は一向にかまわぬがのぅ?フフフフ……。』

504とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:19:55 ID:0OUiJdaE
「金以外で返してほしいもの……」
暫し思案して、

「なら後日手作りからあげを!」
またからあげであった……

「俺のほうも割と気恥ずかしいもので
ま、俺はどこでも眠れるから気にするな」
精霊の提案を蹴りつつも言う青年

505とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:25:17 ID:0qeQFwzY
「ま、またからあげかや???
 ……よっぽど空揚げ好きなのじゃのぅ…。
 …まぁ、いいのじゃが…どうせだったら、別のモノを作ってこようかの…?」

『…ふむ、まぁそうじゃろうと思ったが、つまらぬのぅ…フフフ……。』
「……一緒に寝て、何するつもりじゃこやつは……!
 …それはそうと、すまぬのぅ……
 ……もし風邪引いてしまったら申し訳ないのぅ……?」
と、いいつつも、他にどうしようもないので寝袋へともぐりこむ。

506とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:28:18 ID:0OUiJdaE
「へぇ、作れるのか?」
なんて尋ねつつも、

「つまらなくて結構だとも……
俺はそれなりに頑丈なつもりだから気にするな!」
椅子に座りながらもにっこりとしていう青年

507とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:32:00 ID:0qeQFwzY
「今日の応用じゃ!
 …なんとか作ってみるのじゃ…!!」

「……それじゃ…寝るとするかのぅ…?
 ……お休みじゃ…!」
バスタオルを取り出して放り投げる。
……寝袋の中では完全に全裸の様だ…。

508とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:37:34 ID:0OUiJdaE
「まあ頑張って、怪我だけはしないようにな」
なんて返しつつも、

「ああ、お休み……
なんか無防備だな……」
あくびをしつつもそう呟くと、
今日の騒がしくも賑やかだったかもしれない一日を振り返るのであった

509とある世界の冒険者:2013/01/01(火) 23:41:42 ID:0qeQFwzY
「……むにゃ…すぴー…zzZ」
しばらくすると、幸せそうな寝息が聞こえてくる…。
無防備な格好とは言え熟睡している様である。

510とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 21:38:42 ID:PduuAwH.
<王都近くの森>

「……何だ、この…………!」

【ボロボロの衣服やリュックを身に着けた金髪の少年が呟く。
だが、別に何か起こっているわけでもないし、少年の身に危険が降りかかっているわけではない。

しかし、少年が動揺をしているのには一つだけ理由が存在する。
それは、少年の周辺に漂っている〝匂い〟である。濃厚で噎せ返るような甘い匂いだ。

もちろん、こんな森の中ではそんな匂いが漂うはずは無い。】

511とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 21:43:44 ID:JqFV9ty6
「夜の森・・・木の葉の隙間から見える満天の星空・・・」
【薄青髪の少女が森の中を散歩している】
「むぅ・・・甘くていい匂いが・・・」
【甘い匂いに釣られて匂いの方向にふらふらと歩いて行く】

512とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 21:49:43 ID:PduuAwH.

「……ん?」

【そんな散歩をしている姿を発見すると茂みへと隠れた。
流石にこのような怪しい状況で正面から会う気は無い様だ。】

「(…………。)」

【茂みに息を潜めてやってくるレイヤを待ち構える。警戒している点は一つ。
レイヤがこのあり得ない匂いを漂わせている存在ではないのか、と。

依然として甘い匂いは強い。しかも、段々と何の匂いかがはっきりとしてくる。
この香りは蜂蜜である。甘く濃厚でとろけるような……。】

513とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 21:56:09 ID:JqFV9ty6
>>512
「・・・匂いのもとは・・・この辺・・・かな?」
「それにしてもこんな森の真ん中で甘い香りがするとは・・・」
【光魔法で辺りを照らして匂いのもとを探している】

514とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:00:37 ID:PduuAwH.

「(…………来るなら、来い……。)」

【恐怖からか自然と息が荒くなり、手が震え始める。
しかし、覚悟は決めているらしく、自身の服を探りナイフを取り出そうとする。

だが、暴漢を撃退するにはあまりにも貧弱な武器である。】

「(ん、違う……のか?)」

【ナイフを出しかけたところで、その手が止まる。
なぜなら、匂いの元を探しているレイヤの姿を見たからである。

つまりは、彼女も自分と同じ状況というわけだ。
と、言うことはビィバードとレイヤ以外にこの場には誰か居るということになる。

無論、レイヤはそれを知る由も無いが。】

515とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:03:38 ID:JqFV9ty6
>>514
「ん・・・何処にもなさそうだけど・・・」
【匂いの元をキョロキョロ探しているようだ】

516とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:10:39 ID:PduuAwH.

「(……なら、さっさと……。)」

【とりあえず、目の前の女性は脅威ではなさそうと認識。
それならば、とこの場から離脱するためにナイフを収めようとする。】

「…………っ?!」

【しかし、手元が狂ったのかナイフを収め損ねてしまいナイフが手から毀れる。
そのナイフは茂みから飛び出し、どさりと音を立てて地面へと落ちた。

そのミスは〝自分がここに居る〟との証明に他ならない。】

517とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:15:03 ID:JqFV9ty6
>>516
「・・!?」
【ビクっとしたような顔をして物音がした方を向く】
「・・・ナ・・・・ナイフ!?」
【警戒したような顔をしてそーっと腰から剣を抜く】

518とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:24:26 ID:PduuAwH.

「…………。」

【剣を抜いたのを見るとこちらも警戒の色を露にする。
茂みから出ていないため、まだ姿は見られていないだろう。

しかし、下手をすれば先手を取られる可能性がある。

逃げても良いが、ナイフは重要な武器であるため、失いたくは無い。
よって、少年がとった行動は……。】

「…………っ!」

【茂みから飛び出し、ナイフを拾いつつ別の茂みに飛び込むという行動だ。
だが、そこ行動はレイヤの位置が分かっていないため、ある意味では賭けである。

獣の様なスピードで茂みの外へと飛び出した。】

519とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:29:19 ID:JqFV9ty6
>>518
「・・・何っ!?」
【突然ガサッと茂みが揺れたので即座に振り向く】
【しかし彼の姿を見ることは出来なかったようだ】

520とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:35:46 ID:PduuAwH.

「…………。」

【何とか見つからずにナイフを回収した少年。
しかし、安心は出来ないため、即座に逃げようとするが足が止まった。

なぜなら……。】


「あれ?お姉さん?……こんなところで何をしているんですかぁ?」

【レイヤに声をかける少女の姿に気づいたからである。
毛先のみが黒い金髪の少女はニコニコとした笑みを湛え、レイヤに問いかける。

蜂蜜の香りが更に強くなった……気がする。】

521とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:50:46 ID:JqFV9ty6
>>520
「?」
【少女の方を向く】
「・・・ちょっと散歩してただけ」

522とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:57:29 ID:6A0IomuM
「今日はどのような怪現象に出会えるのでしょうか……、おや?」
『匂い……?』
怪現象を探し求めて森を散策する青年
背後には、霊感かその類の能力を得ているならば、女性騎士の霊が見える
それぞれ見知った人物や、怪しげな人物を見つけたりして足を止める

523とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 22:59:41 ID:PduuAwH.

「(…………あいつ、か?)」

【立ち去ろうとしていた少年だが、何を思ったのか立ち去らず。
そのまま、二人の邂逅を茂みから観察している。】

「あ、そうですかー。
でも、こんな夜に散歩って危険じゃありません?

ほら、夜の森で襲われたって事件は珍しくないでしょ?」

【首をかしげ、人懐っこい笑みのままで問いかける。
自分には関係ないと言う口調であるが、寧ろ、この少女のほうが襲われる可能性が大きいだろう。

このように、レイヤの前に現れた少女は少々、不気味である。
それは服装にも表れており、彼女の腰には大量の空き瓶が下げられている。オシャレではないだろうに。】

524とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:08:41 ID:JqFV9ty6
>>523
「うーん・・・たまにそういう話聞くけどねぇ・・・」
【少し首を傾げて言う】

525とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:17:56 ID:6A0IomuM
(怪奇現象というわけではなさそうです)
話を聞いていてそう感じた青年
騎士の霊と共に、茂みに紛れて様子を見ることに

526とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:23:27 ID:PduuAwH.
>>524
「ほら、例えばおかしいと思いません?
今、とっても甘い……甘〜い香りがしてますよね?

……こんな、人と出会えることが珍しい森でこんな匂いがすると思いますかね?
ほら、ほーら……甘い、甘い……蜂蜜の…………〝ねぇ、甘いものは好き?〟」

【まるで、歌うように呪うように甘ったるさを持ったネコ撫で声で問いかける。
話に全く脈絡がない上に尋ねたことといえば、他愛も無い世間話レベルである。

だが、やはり少女は異質である。】

>>525
【少女は未だに気づいていないようだ。無論、茂みに居る少年もだ。
だが、かすかに聞こえる少女とレイヤの会話を聞いても少女がおかしいのは明らかである。】

527とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:39:25 ID:JqFV9ty6
>>526
「・・・甘い物は大好きだけど」
【やや困ったような口調で】

528とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:41:54 ID:6A0IomuM
>>526
(僕はクマでもなければカブトムシでもありませんので、
匂いに釣られるなんてことはありませんが……)
気付かれていないのをいいことに、会話に耳を傾けることをやめない青年

(カブトムシは匂いに釣られて捕まえられる
嫌な予感がしますね……)
茂みからの様子見を続けつつも、
少女を警戒しているらしい青年

529とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:54:20 ID:PduuAwH.
>>527
「あ、そうですか!……あぁ、良かった〜。」

【その答えに笑顔を更に強め、安心したような口調で言う。
大きくため息をつき、嬉しそうにしている様は無邪気な少女そのものだ。】

「なら!なら、お腹い〜っぱい、ご馳走してあげますね!」

【そういうと、甘い香りが更に強くなる。
濃い過ぎる甘い香りは寧ろ、不愉快になるとも言うが、今の状況はまさにソレだ。】

>>528
【少女はなにやら、楽しそうにそして心底安心したように甘いものをご馳走する、と。
人懐っこい笑みと無邪気な動作。それはごく自然なものであり、作為的なものではない。

しかし、そのままの意味ではないことが容易に想像がつく。

そんな少女の姿から離れた箇所、もっと言えばカイサが潜む茂みの近くの茂みが
一瞬だけ、何かを反射して鈍く輝いた。もちろん、少女は気づいていないが。】

530とある世界の冒険者:2013/01/02(水) 23:56:38 ID:JqFV9ty6
>>529
「・・・何か嫌な予感がする」
【むんむんと広がる蜂蜜の匂いに流石の甘党も少し不快感を感じつつ】

531とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:00:19 ID:Lof62/ZQ
>>529
(?)
黒い髪の中性的な容姿の青年、反射に気づく
違和感を友に様子見を続けるが

532とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:10:09 ID:XSvXRBIY
>>530>>531
「そんなこと……ないですよー?
ほら、私に任せて。……たくさん、たっぷり、お腹いっぱい……。」

【手を口元に当てて、くすくすと笑う。
暗がりではよく見えないが、よく見ると腰にある空き瓶に黄金色の液体が溜まり始めている。

この状況下で見ればどう見ても蜂蜜である。】

「あぁ……良いですねぇ!この黄金色、このとろけるような甘い香り……!」

【そして、いきなりその瓶に指を突っ込んで引き上げた。
とろりとした蜂蜜が指に纏わりつき、月明かりを反射してきらきらと輝く。】

「……んぅ……む……んん、っふぅ、ふふふふ……。」

【その指を口に運び、舐る。その蜂蜜の感覚を確かめるように。
そして、その様は見た目が中等部生とは思えないほどに妖艶である。】

「では早速、ご馳――――?!」

【と、何か行動をしようとしたその瞬間に一条が奔った。
間一髪のところで少女は避け、その一条は木に突き刺さった。それはナイフである。

見れば、茂みのところからナイフを投げたであろう少年が呆然としてそのさまを眺めていた。】

533とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:18:10 ID:E6kcS0s6
>>532
「・・・ナイフ!?」
【すかさず剣を抜いてナイフが飛んで来た方向に構える】

534とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:20:29 ID:Lof62/ZQ
>>532
(おや、なんという反射神経)
少女の避ける様を見て、そう感心しつつも、
特に身構える真似はしない青年

535とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:26:56 ID:XSvXRBIY
>>533-4
「……あぁ、ようやく見つけましたぁ……お兄さん?」

【ビィバードの姿を見ると、歓喜の声とともにため息を漏らす。
どうやら、この少女がここに居た理由はビィバードが目的だったらしい。

かというビィバードは蛇ににらまれた蛙の様に硬直している。
恐らくはナイフが唯一の武装で、それが避けられたことがショックなのだろう。

そして、今や丸腰である。狙われたらビィバードはまず助からない。】

「ん〜、ナイフを人に投げるなんて、危ないじゃないですか。
それにお姉さんも剣を抜くなんて、危なすぎますよぉ?

私はただ、ただ、こうして蜂蜜をご馳走してあげるだけですのに……。」

【こぽり、こぽりと音を立てて瓶に蜂蜜が満たされていく。
恐らくはこれが少女の持つ力なのだろう。】

536とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:32:28 ID:E6kcS0s6
>>535
「・・・それはちょっとやり過ぎたかも」
【腰に剣をしまう】
「でその瓶は・・・・」
【腰の瓶を指差す】
//次レスちょっと遅くなります

537とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:34:27 ID:Lof62/ZQ
>>535
「最近の縁もあることですし、
少しぐらいは、手助けしましょうか」
少女がビィバードやレイアに意識を傾けていると思わしきこのタイミングで、
青年の右手の指先から、魔力で構成された糸が伸びる
ビィバードのナイフに伸びて、糸がそれに巻きつこうとしている

巻きつけたならば、そのまま巻きついていき、やがては糸ごとナイフを引き寄せようとするだろう

538とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 00:48:24 ID:XSvXRBIY
>>536-7
「でっすから、みんなにご馳走するためですよぉ。」

【甘えるような声を出しながら媚びる様に。
すると、瓶の内の1つの中の蜂蜜がぷかりと球体になって浮き上がる。

それは少女に追従するようにしてぷかぷかと浮かび始めた。】

「んんぅ?どうやら、他にもいるみたいですねぇ。」

【ナイフへと巻きつこうとする糸に気づいたようだ。
断ち切れはしなかったものの、これで存在がばれてしまった。】

539とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:02:32 ID:E6kcS0s6
>>538
「ふーん・・・じゃあ一本くれるの?」
【目をキラキラさせる。さっきも言ったが甘い物には目がないようだ】

540とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:03:26 ID:Lof62/ZQ
>>538
「やはり気付かれてしまいましたか、まあ当然でしょう」
茂みより出てくるのは、黒い髪の中性的な容姿の青年
その際に、なんらかの物体をそこに置いている
霊感がその類のなんらかの力を持つならば、姿を捉えられる女性騎士の霊

「あ、僕、こう見えても少し塩辛い食べ物が好みでして
醤油なんて最高だと思いませんか?」
にっこりとしながらも、ご馳走になる気はないらしい青年

そして糸と共にナイフを手元に引き寄せる

541とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:11:12 ID:XSvXRBIY
>>539
「あげますよ……たっぷりと、浴びるように。」

【指示を出すように少女の指が動いた。
すると、ぷかぷかと浮いていた蜂蜜がレイヤの方へと飛んでいく。

その蜂蜜は少女によって水魔法の様に液体のまま形を保って飛んでいく。
無論、触れれば蜂蜜特有のねっとりと絡みつくような感覚があるだろう。

それがそれなりの早さを以てレイヤの方へと。】

>>540
「なら、お兄さんにも素晴らしさを分からせてあげますよー。」

【既に腰に下げた複数の瓶に蜂蜜は溜まっている。
蜂蜜を〝教え込む〟準備は万端のようだ。】

「と、思いましたが……先にお仕事の方を済ませて起きましょうかー。」

【くすくすと笑うとビィバードのほうへと視線を向ける。
そして、瓶の中の蜂蜜を複数展開すると、それをビィバードのほうへと飛ばした。】

542とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:25:03 ID:E6kcS0s6
>>541
「・・・でもそんなに沢山要らないのよねぇ」
【浮いた蜂蜜を見ながら】

543とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:30:16 ID:Lof62/ZQ
>>541
「では僕はそのお礼に、塩辛い物の素晴らしさを分からせてあげましょうか」
別にそんな能力を持っているわけでもないが、

「はて仕事、ですか?
せめてナイフを返したいな、なんて思っているわけですが」
しかし庇うなどの真似はしない青年

544とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:37:36 ID:XSvXRBIY
>>542
「大丈夫ですよ、勝手にご馳走させてあげますから。」

【ビィバードへ向けて蜂蜜を飛ばした後にそちらへ振り返りながら微笑んで。

その言葉通りと言ったところか、レイヤの近くに蜂蜜の球体が寄ると
その球体がパチン、とはじけて中の蜂蜜がレイヤに向けて飛び散ろうと。】

>>543
「そう。大事な大事な、お仕事です。」

【弾むような声で蜂蜜を飛ばした後に、満足そうに言う。
蜂蜜はビィバードのほうへと飛んで行き……。】

「……っ、うわ、ちょ……何だ、コレ……!」

【ビィバードの元で弾けた。ビィバードも避けようと体を捻るが
蜂蜜は複数存在したため、それも適わず。

蜂蜜がビィバードに向けて飛び散ると、あっという間に広がりビィバードを拘束した。
液体の性質を持ちながらも、固体を形成しているため、脱出は困難らしい。

それを証拠に身をよじるもビィバードは脱出できない様子。】

545とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:40:02 ID:Lof62/ZQ
>>544
「良ければお聞かせ願えませんか?」
気付くかどうかはともかく、騎士の霊が少しずつ消えていく
そんな中で、そう質問する青年

546とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:45:15 ID:XSvXRBIY
>>545
「あは、そんな都合のいい話があるわけないじゃないですかー。」

【くすくすと今度は嘲笑するように笑いながら。
当然、お仕事の内容は言うつもりは無いらしい。

というか、この状況こそが仕事の内容である気がしなくも無いが。】

「さーて、お兄さんは甘いものが嫌いでつまらないから、そろそろ帰りましょうかねー。
代わりに家でこっちのお兄さんと甘ーく過ごしますよ、んふふ。」

【どうやら、目的はビィバードの捕獲で間違いはなさそうだ。
そして、2人を諦めて離脱を画策しているようだが……。】

547とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 01:53:43 ID:Lof62/ZQ
>>546
「ふふふ、なるほどです……」
少女の発言で、察する青年

「では僕は、自身の判断で動かせていただきましょうか」
そして女性の霊が消えきったころに、青年の魔力の質が変化

「というわけで
……憑依魔術・鬼火」
青年の手の平に青白い炎が出現
熱を発するそれは、拘束の原因と思わしき、ビィバードの蜂蜜へと飛んでいく

548とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:03:07 ID:XSvXRBIY
>>547
「あれ〜?お兄さん、面白い人ですね。」

【青白い火が飛んでいくのを見ると、こちらも追加で蜂蜜を飛ばした。
熱を加えられれば、蜂蜜は柔らかくなるため、脱出が容易になる。

とはいえ、それは固体の場合の話である。
ビィバードの拘束する蜂蜜は性質が液体であるため、蜂蜜が溶け出すほどの
熱を加えなければならない。

しかし、それほどの火力を加えれば、ビィバードに危害が加わってしまう。
ゆっくりと熱を加え続ければ、それが可能だが、目の前の少女はそれを良しとはしないだろう。】

「そうやって助けるなら、最初の私が蜂蜜を飛ばしたときに防げばよかったのにぃ。」

【こちらとしても、てっきりビィバードには興味の無いものだと思っていた様子。
それは、こちらがビィバードを拘束した際に手を出さなかったことからも明らかだ。

だが、打って変わって今度はビィバードを助けようとするヴァッシュが不思議でたまらない様子。】

549とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:14:58 ID:Lof62/ZQ
>>548
「袖振り合うも多生の縁、というじゃないですか」
なんて軽口を叩きつつも、

「というのは半分ほど冗談ですが、彼があなたに連れ去られたものなら、
いつの日か僕やほかの人にまで飛び火が飛んできそうな気がしまして
別に彼を殺すだけというのであれば、手を引いたかもしれませんが」
両手に青い火、曰く鬼火を作り出しながらもいう青年

要するに、阻止したいのはビィバードが連れ去られることの阻止であって、
その過程は気にしないらしい

鬼火が一つになっていく
その青い輝きも増している

550とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:22:55 ID:XSvXRBIY
>>549
「なーんだ、お兄さんはいい人なんですね。」

【後頭部の辺りで両腕を組みながら意外そうにしている。
ビィバードを見捨てるようなことをしているため、善人とは思っていなかった様子。

でも、理由はどうあれ結果的にビィバードを助ける方向に動いているのを見てそう判断。】

「でもぉ、良いんですか?
私の蜂蜜がとろけちゃうほど強い火なのに、それを使ったら……焼け死んじゃいますよ?

……あ、それとも、ここでこのお兄さんを壊しちゃうんですか?
お兄さんの言葉って要するに私にこのお兄さんを渡さなければ良いってことですもんねー。

んふふ、今のうちに前言撤回です♪」

【本人を目の前にして物騒な会話を繰り広げているが、構う様子は無い。

そして、ヴァッシュが助けるとは言わなかったこと、殺せば手を引くといった言葉から
ヴァッシュ自らが手を下そうとしているのではないか、と。】

551とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:28:19 ID:B7wunxpc

「……ねぇ、貴女――何してるの?」

と、その場に場違いな声が響く。
高く幼い、少女の様な声。

声の方を向けば、声の主は白く長い髪を三つ編みに一つでまとめた少女。

その少女がメヤズ――否、ビィバードを見ていた。

552とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:30:11 ID:Lof62/ZQ
>>550
「善人……ふふふ、ご冗談を」
下手をすると人殺しになるにも関わらず、
青年はなぜか平然を装う
そして、作業的に右手に巨大な炎を移しながらも、
ビィバードのほうへとゆっくりと近づいていき

「ところで拘束されているご本人さん、
あなたのご意見をお聞かせ願いたいものですが」
そしてそう尋ねるのであった
左手にまた鬼火を作り出しながら

553とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:39:40 ID:XSvXRBIY
>>551
「こんばんは。
何って、そうですねー……お仕事、ですよぉ。」

【首をコテンと小動物の様にかしげながら、その言葉に答える。
この言葉だけでは分かりにくいが、状況把握は容易い。

ビィバードなる少年がこの少女の力によって捕獲されている、ただそれだけだ。】

>>552
「死にたくないに決まっ――――むぐ、う、んー!……んっー!」

【何か言おうとしたが、それは少女の操る蜂蜜が口に張り付いたことで阻止される。
とはいえ、ビィバードを殺すわけには行かないらしく、鼻までは塞いでいないが。】

「お兄さんは黙って置いてください。
言いたいことがあるなら、あとでたっぷり聞いてあげますから。

お茶菓子は……そうですねー……蜂蜜たっぷりのホットケーキとか。もちろんはバターはいりませんけど。」

【既にビィバードを捕らえた後のことを考えている模様。】

554とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:41:44 ID:B7wunxpc
>>553
「そっかぁ、お仕事かぁ。」

それを聞いて、少女が納得したかの様に頷きながら近づいて来る。
肌寒い季節に茶色のコートを羽織、腰の辺りでは三つ編みを纏めている黒いリボンが揺れている。

「でも、ビィくんは私の友達なんだー、
 だから、離してくれる?」

ひょい、と娘の前に無防備に踊りでて、そう言う。

555とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:47:35 ID:Lof62/ZQ
>>553
「死にたくない、ですか
しかし、今ここで生きながらえても、自分を消されたりしたものならば、
生きていたってしかたないと思いません?」
青年がゆっくりとビィバードに近づくにつれて、

右手の鬼火が発する熱が蜂蜜へと届く

少しずつ、確実に巨大になっていくそれは、発する熱の温度の上昇を伴う

そして、常に青年は左手に通常の火の玉サイズの炎を作り出す

>>554
傍から見ればビィバードを殺そうとしている青年もいる

556とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:50:48 ID:XSvXRBIY
>>554
「んー……でも、私もお仕事なんですよぉ。……そうだ!
なら、ちょっとだけ貸してくれませんか?

どうしても、このお兄さんの力が必要なんですよー。
もちろん、失くしたり壊したりしませんから。約束しますよぉ?」

【こんなボロボロな少年のどこにそんな要素があるのかは不明だが
とりあえず、嘘は言っていないようだ。

アリーサからビィバードを奪う気は無い。ただ、ちょっと貸してくれれば良い、と。】

>>555
「あは、やっぱり、お兄さんは外道さんでしたね。
でも、いいですよ、そういう人は私も大好きです。」

【と、蜂蜜を操りビィバードを迫る炎から遠ざけようとする。
もしも、蜂蜜が溶け落ちてしまえば、ビィバードは焼かれてしまうわけだが。】

557とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 02:53:40 ID:B7wunxpc
>>555
「そこの人も、その危ない炎、消そ?」

無防備な少女が男の方を向いてそう言う。
その表情は笑顔、この場に釣り合わぬ程の、可憐な笑顔。

口調は軽く、矢張り場にそぐわぬ者。

>>556
「んー……ビィくんはどうしたい?」

くるり、少女が囚われたビィバードの方を見て問う。
唇に指を当て、少し心配そうに、眉を下げて。

「ビィくんがヤなら、私が手伝ってあげる。
 ね?」

558とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:01:05 ID:Lof62/ZQ
>>556
「あなたと僕って、案外似ているのかもしれませんねー
こう、軽口を叩きながらもきっちりと、成すべきことを成そうとするところは」
実は青年の手から巨大な鬼火は動いていなかったりする
先ほどから常に青年と共にあるその鬼火は、今のところ熱を発するのみ

自分を遮る蜂蜜は、容赦なく左手の鬼火を飛ばして溶かそうとしてくる

そしてうまく自溶かすことができたならば、
また鬼火を作り出して、今度はそれでビィバードの口元の蜂蜜を、
一瞬だけでも溶かそうとする

>>557
「ふふ、それはあなたと彼次第ですね
別に僕は彼があの娘さんの手に渡らなければ、どんな手を使っても構わないのですから」
消す気はないらしい青年
手段は問わないらしい……

559とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:08:58 ID:XSvXRBIY
>>557-8
「無駄ですよぉ、だってお兄さんは喋れな――――。」

【くすくすと笑いながらビィバードの方へと視線を移す。】

「だから、死にたくねぇって!
それに、あんなのに狙われるくらいなら、その用ってのを早く終わら――っ、むぐぐ……!」

【ヴァッシュによって口元の蜂蜜が溶かされたため、ほんの少しだが喋ることが適う。
もちろん、すぐにメヤズによってふさがれてしまったが。】

「むむ、油断しちゃいました。……でも、私にとってはプラスだったかもですねー。」

【んふふ、と妖しく微笑みながら。

要するに先ほどのビィバードの言い分は〝死にたくない〟ことと
〝ヴァッシュみたいなのに狙われるならメヤズの用を済ませたい〟ということである。

つまりは、自身の安全が保障されるならメヤズに協力してもいいということである。

普段はそう簡単に人を信じないのだが、身の安全を天秤にかけられたらそちらに傾いてしまうようで。】

560とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:12:41 ID:B7wunxpc
>>558-559
「……そか、解ったっ!」

ビィバードの言を聞き、うん、と頷いて一度メヤズを向いて。

「お姉さん、ビィくんのお口、外してあげて?
 あ、でも勝手に行っちゃヤだよ? ビィくんが心配だもの。

 で、お兄さんは――」

メヤズに手を合わせ頭を下げて、
可愛らしく”お願い”をした後にヴァッシュの方に身体をくるりと回して。


「私が、遊んであげるね?」

たん、とその場で軽くステップ。
――ヴァッシュの周囲の足場を隆起させ、石壁で囲む。
足場は陥没し、周囲は背の高い――一気に5mは作られただろうか――石壁で囲まれる。

561とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:18:05 ID:Lof62/ZQ
>>559
「さてと、僕の作戦を……
あれ?」
いろいろと考えていたようであるが、見事足場を崩されて身動きとれず

>>560
「後悔しても知りませんよ?
僕なりの策略を無下にした娘さん?」
どうやらビィバードを燃やす以外の策があったらしい青年
しかし時すでに遅し、二対一では分が悪すぎた
そしていろいろと諦めたらしい青年

562とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:21:40 ID:XSvXRBIY
>>560-1
「分かりました。…………んふふ。」

【お願いされては仕方がないとばかりにビィバードの口を外す。
だが、体の拘束は解かずにそのままにしておく。】

「いやいや、お兄さんは幸せですねー。あんな子に慕われて……ふふふ。」

【ボソリと独り言めいたことを言って、くすくすと笑う。
アリーサとヴァッシュの衝突を見守るのだろうか。】

563とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:25:21 ID:B7wunxpc
>>561
「ごめんね? 今はおにーさんの事はどうでもいいんだ?」

たん、たん、とその場で二回ステップ。
迫り出した石壁達はヴァッシュの周囲360度を覆う様にして、

最後に少女が指を鳴らすと天井に当たる部分を黒色の鉄板が覆い即席の"檻"が出来上がる。

「だから、そこでじっとしててね?
 あんまり動いたら危ないからっ。」

大容量の魔力が必要であろう作業を簡単に終えて、檻に閉じ込めたヴァッシュに言葉を飛ばす。
とは言え厚さも50cmはあろうかという石の壁、聞こえているかどうかは怪しいものだが。

>>562
「はい、おーわーりっ!」

そうしてメヤズに向き直り長い三つ編みを揺らしてビィバードへと近付く。

「ビィくん、もう大丈夫だよっ!
 アリサが怖い人閉じ込めちゃったから!」

ぶいっ、と指でピースを作ってにこりと笑う。
学徒が教師、或いは親に褒めて、と言うように。

564とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:29:49 ID:Lof62/ZQ
>>562
「いやはや本当に……
じゃあ彼女らの用が済むまで、僕らはのんびりお話でもしてます?」
手がないわけでもなかった
しかし、自分が手を下す必要がなくなった、それは事実であった
そして火の玉両手にくつろぎながら

どういう手品か、メヤズの脳内に語りかけようとしている様子であるが……?

>>563
「まあ後悔だけはしないように
あ、僕これでも耳がいいので、外からの声もちゃんと聞こえてますよ?」
これまたどういう手品か聞こえている様子
同じく脳内の直接語りかけようとしている

565とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:36:42 ID:XSvXRBIY
>>563
「あ、あぁ。……ありがとう。」

【生返事で心ここに在らずと言う感じでアリーサの言葉に答える。
おそらく、アリーサのやったことが凄すぎて、呆気に取られているようだ。】

「んふふ、怖いですね、ホント。」

【目の前で行われたことにこちらも、相手にしなくて良かったとばかりに。】

>>564
「お兄さんも結構、しぶといですねー。
そういう話され方をしたのは生まれて初めてですよ。」

【生きてる年数で言えばアリーサの次ぐらいに位置しそうな少女がそんなことを。
とはいえ、そこまで驚いていないのは、やはり少女が普通ではないと言う証拠だ。】

566とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:41:13 ID:B7wunxpc
>>564
「うるさいよ、おにーさん。」

脳内に聞こえる言葉に少しムッとして。
その動作のみで、男を囲う壁が四方から迫る。

黙れ、さもなくば、と言う事なのだろう。

「私に、そう言う風に話しかけていいのは、カロンさんだけなの。
 解ったらしーっ……ね?」

>>565
「えへへ、驚いた?
 これでもアリサ、結構凄いんだよっ。」

言いながらえい、とからかうようにビィバードの頬を突っ突く。
その表情は変わらず楽しげで。

「それでおねーさん、ビィくん何処連れてくの?
 あ、私も付いてって良い? おねーさんも"ばけもの"?」

かと思えばメヤズに矢継ぎ早に質問を投げ掛ける。
そうして流れでメヤズに付いて行こうとまでしている。

567とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:42:58 ID:Lof62/ZQ
>>565
「だって話し相手もいないですし暇じゃないですかー
一人こんな牢屋でなにをしろと」
今の青年の状況を見るからに、危害を加えることは不可能のはず
青年にとっては、ある意味もっとも安全な状況であると言えるだろう

もっとも、それはメヤズに対してのみなのかもしれないが

>>566
「ふふふ……」
微かに苛立ちを含む笑い声
それを機に、声は聞こえなくなったらしい

568とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:52:43 ID:XSvXRBIY
>>566
「……んぅっ!」

【頬を突かれてくぐもった声を上げる。そして、少しだけムッとして。
拘束されているのだから、そうやってからかわれても抵抗できないのである。】

「お仕事なんで言えませんし、出来れば付いていって欲しくはないんですよー。
でも、あの言葉に嘘はありませんよ?

このお兄さんを借りるだけで失くしたり壊したりはしません。
ちゃんと、無事に返しますし!……だから、貸してください。ね?」

【流石に仕事であるため、アリーサを連れて行くことは無理なようだ。
いきなり、難しいことなのは分かりきってはいるが信じて欲しいと手を合わせてお願いする。】

>>567
「んふふ、朝までは辛いでしょうが、我慢すれば誰かが助けてくれますって。
もちろん、私も牢屋の中に居るお兄さんをどうにかしようなんて思ってませんから。」

【それだと、色々と違反になりますからね、と口元に手を当てながらくすくすと笑う。
いつでも手を下せるのに、手を下さないということである。

尤も、それはアリーサも同じだろうが。】

569とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 03:56:17 ID:B7wunxpc
>>567
「”じっとしてたら”、朝には溶けるよ?
 そこまで魔力込めて無いから。」

言い方に強調された部分があった。
察するに、下手に動きを見せればその限りでは無い、という事だろう。

>>568
「あは、ぷにぷにっ。」

その反応に可笑しそうにくすくすと笑って。

「えー……ビィくんはそれで良い?
 ビィくんが良いなら、私はこのおねーさん信じちゃうよ?」

と、ビィバードの方を向いて。
ここで彼女に嫌だ、と言えば、どうなるのか。

570とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:00:55 ID:Lof62/ZQ
>>568
「さすがに朝まではちょっと……、皆さんが朝までいらっしゃるのであれば別としてですけどね」
頃合いを見て脱出する気でもあった青年
そして、自分が攻撃されないことを良いことに

「そういえば、甘い物のあなたに質問が
甘いものと相性がよろしいものについて一つ、教えていただきたいのです」
そしてそう続ける青年

>>569
「なるほどです、仕方ありませんね
では」
一瞬だけ声が聞こえて、すぐに聞こえなくなった

571とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:07:21 ID:XSvXRBIY
>>569
「そ、そうだな、それで……良い。」

【少し気の進まない部分もあるようだが、それで良いようだ。
実は嫌だと拒否することもビィバードからしてみれば難しくは無い。

まして、アリーサを味方に付けられるため、仮にメヤズと対峙することになっても
そこまで、絶望的な状況ではないだろう。

だが、ビィバードはある意味でメヤズの誘いに乗る理由があった。

実は以前に、アリーサの家に連れて行かれそうになったことがあり、もしここで断ろうなら
メヤズが撃退され、アリーサに捕まって家に連れて行かれるのが容易に想像できるからである。

それならば、身の安全が保障されている上で、返して貰えるメヤズのほうに乗る方がいいと考えたようだ。】

>>570
「甘いものと相性がいいのは甘いものですよー。当たり前じゃないですか。
あ、それとホットケーキがいいですね。バターを乗っけない奴ですよ?」

【相当の甘党らしく甘いものwith甘いものが良いらしい。
そして、ホットケーキをあげたが、これは単にメヤズの好物なのだろう。

自身が蜂蜜を扱うためか、蜂蜜と相性が良い食べ物が好きなのかもしれない。】

572とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:10:56 ID:B7wunxpc
>>570
「……♪」

静かになったのに気をよくしたか、ステップを一度。
……何か仕込んだようだが、定かではない。

>>571
「そかっ、解ったっ!」

それで良い、と言うビィバードに対し、それを素直に受け取って。

「えーっとじゃあ……お姉さんっ。
 ビィくんの事よろしくねー? 

 あ、そうだお姉さんの名前はっ? 私、アリーサ=ヴィットヴェルっ!」

ぱ、と今度はメヤズの方に興味がいったのか。

573とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:14:22 ID:Lof62/ZQ
>>571
「ふむふむなるほどです、甘いものに甘いものですか
あ、蜂蜜とホイップクリームという組み合わせが浮かびあがりました」
割と真剣に思案していた青年

「蜂蜜ホットケーキ……、それは戻ったら真っ先に試してみましょう
バター抜きとのことですけど、バターは甘い部類に入りません?」
気になってか尋ねてみる青年

>>572
(僕も手は打っています、
そう、なぜなら今の僕は……)
この青年は殺されてもゴキブリのごとく生き延びそうである
ひっそり心の中で、そう思いつつも

「嫌な予感がしたのです」
こちらは完全な独り言であった

574とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:21:12 ID:XSvXRBIY
>>572
「私?私はメヤズ=イェノーですよ。
ええ、お兄さんは大切にお借りしますねぇ。」

【こちらも自己紹介をし、ビィバードをまるで骨董品の様な扱いをして。
丁寧に扱われていることは間違いないが、モノ扱いである。】

「ちょっとだけなんだろ。
……ほら、早く行って、さっさと終わらせて帰らせてくれ。

もう、拘束されたままって言うのも辛いしさ。」

【と、早く行くように急かす。
本来はソコまで気が進まないことであるため、早々に終わらせたいようだ。】

>>573
「それは中々、美味しいですよー。
…………え?ホットケーキにバターを?お兄さん、正気ですか?

あんなものをホットケーキに入れるくらいなら、シロップをかけたほうがマシです。」

【どうやら、バターは甘い甘くない以前にメヤズ自身が好きではないのかもしれない。】

575とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:22:44 ID:B7wunxpc
>>574
「メヤズっ、メヤズおねーさんっ!
 あ、怪我させたりしちゃったらー……怒るよ?」

ぴっ、とそこだけ指を立てて指摘して。
自身はくるーりとその場で回って。

「じゃね、ビィくんっ。
 あ、戻って来たら今度はお家来てね!」

ひょい、と自身が作った石壁の上に乗って、手をフル。

576とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:29:18 ID:Lof62/ZQ
>>574
「そうですかー、確かに見た目もよさそうで美味しそうな感じもしそうですし
そちらのほうは、またいつの日か報告するかもしれないとして……」
そしてバターの話に移り変わって

「ホットケーキにシロップですか……、
そういえばバターは砂糖的な甘さがなかったような気が」
なんて返しつつも、

「シロップがマシ……、シロップも十分甘いような気がするのですが……
シロップつながりでかき氷、は苦手でしょうか?」
話を聞いていると、甘い物がなんでも好きではなさそう、
そんなことをぼんやりと考える青年

577とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:34:20 ID:XSvXRBIY
>>575
「はい、それはもちろん♪」

【アリーサに劣らない人懐っこい笑みを浮かべて一点の曇りも無く言う。
それと同時にビィバードの拘束が解除された。】

「てて……あぁ、まぁ……その考えておく。」

【急に拘束が解けて、尻餅をついてしまった体を起こしながら曖昧な返事。
流石に、YESとはいえなかったようだ。】

>>576
「シロップは蜂蜜まがいで嫌いなだけですよ。
シロップを食べるくらいなら、蜂蜜を食べますよ。」

【メヤズからすれば、バターとシロップは天秤にかけられるレベルで嫌いらしい。
要するには蜂蜜が大好きというだけの話である。】


「じゃあ、皆さん。お騒がせしましたー。
閉じ込められた人は居ましたけど、誰も怪我しなくて良かったですねぇ。」

【と、余り気持ちがこもっていない声でそんな事を言うとビィバードを
連れてその場から去っていく。

この後、もちろん言葉通りビィバードは無事に帰ってきたらしい。しかし……FO】

//皆さん、こんなにも遅くまでお付き合いありがとうございました。お疲れ様でした!

578とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:36:36 ID:B7wunxpc
>>577
「ん、じゃねー、ばいばーいっ!」

ふりふり、石壁に座ったまま手を振って見送って。

「……私もかーえーろっと!
 あれ? そう言えば”メヤズ”、ってカロンさんから何か……

 ま、いいやっ。」

ひょい、と降りて。
石壁をそのままに歩き去って行った。

579とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:40:34 ID:Lof62/ZQ
>>577
「暇潰しに付き合っていただいてどうもですー
次に遭う時もこうしてのんびりと話せるといいですねぇ」
微妙に淡々と言いつつも、

(さて、邪魔が入ったせいで、
ビィちゃん、と呼ばれていた彼の救出もしくは始末が出来なかったわけです……
まあ別に僕には関係ないですけどね)
そんなことを思うのであった
そしてこの後の青年の行方はご想像にお任せする

//お疲れ様でした!!

580とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:55:00 ID:B7wunxpc







                  / ̄ ̄ \
                  __ノ `⌒   \
                    (●).(● )    |          (まさか隕石の欠片、ってー事もねーだろうが……)
                 | L      u. |
               , =二ニニヽ、   |
             /  二 ヽ、`,┘   | -┐        (一応、どっかの機関か何か行くときは此奴も持ってってみるかね―――――)
             /   -、 }、j┘  イ .l  ̄:`' ー- 、
              /    /{_/  ̄ ,´_ノii : : : : : : : : :ヽ
           /__  ノ : \  /: : : : ii: : : : : : : : : : : '、
          / : : : : :ヾ、.ii : : : b| : :: : : : ii: : : : : :/ : : : : : :'
          : : : : : : : :/ ii: : : :||: : : : : : :d : : : : r : : : : : : : :i
        ,' : : : : : : : / : b: : : || : :: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
        ,' : : : : : : : ハ.S.T .T.||:O.:.K: :O.: : : : : | : : : : : : : :|
        ,' : : : : : : : /. ハ.D.O.K||K.:O : I : : : : : : | : : : : : : : :|
      / : : : : : : :./ :/ V: : : : ||: :: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|

581とある世界の冒険者:2013/01/03(木) 04:55:14 ID:B7wunxpc
//誤爆ですぅ

582とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 22:25:54 ID:EHVXWkNQ
<王都近くの森>

「……あ゛、あ゛……もっど、もっとぉぉ゛……!」

【森の中で脈動し、咆哮する黒い塊が1つ。
それは、5〜6メートルは優にある塊で、スライム質らしく不自然なほどに弾力に富んでいる。

だが、スライムの様に体内は透明というわけではない。
体内には黒い灰汁の様なものが不気味に浮かんでおり、それが体内で流転している。
さらに、この塊の周辺には死臭が漂い、周辺に住む動物が逃げ出していくほどである。

口からは体内を巡る液体が溢れ、それが泥の様になって地面に落ちる。】

583とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 22:32:08 ID:eUgny6xw
如何見ても只の雌鶏と思いきや何か縫い包み風なトリが湧いて出た。

「コケッ」

逃げ出しもせず目の前の塊を見ている。

584とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 22:40:34 ID:EHVXWkNQ

「ん゛んぅぅぅ……。」

【ぶるり、とその巨体が波打ったかと思うと泥がぼとりと地面に落ちる。
その泥からは本体と同じく、死の香りが振りまかれる。

そして、その巨体がこちらを見ている鶏の方へと〝向いた〟
もちろん、この巨体を振り向かせるのはこの一瞬では不可能なことである。

向いたのは、その目である。しかも、その目は体中に埋まっている青い球体だ。
不浄の塊といえるボッカボッカの中で、この目だけが唯一、綺麗な青い輝きを放つ。】

「……、マ゛ェ……旨――だなぁ……?」

【そして、塊の一部が横に裂ける。それは紛れもなく口である。
しかし、それは明らかに無理やり作ったものであり、形もぐずぐずである。

その口から舌足らずとも言い難い言葉が漏れる。
紛れもなく目の前の鶏をエサとして認識している言葉だ。】

585とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 22:45:27 ID:eUgny6xw
>>584
「コケ」

右足を軸に左足で半円を地に描く。
そんな足捌きをみせ構えらしきものをとる面妖雌鶏。
ヤル気らしい、対格差が半端ないと思うのだが。

586とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 22:55:03 ID:EHVXWkNQ

「…………あが、ゴハン……!!」

【見た目や言動どおり、それほど知能の高い存在ではない。
それでも、この圧倒的な体格差は理解できているようだ。

その体格差はボッカボッカにとってはそのまま、戦力差につながっているらしい。

巨体が背伸びでもするかのようにぐっと上に体を引き伸ばす。すると……。
その体が黒い壁となって鶏のほうへと倒れていく。ちょっとした建物の崩落に等しい。

もちろん、潰されてしまえば圧死は確実だろう。
だが、巨体の所為か倒れてくると判断できてから完全に倒れてしまうまでの間が長い。

これならば、裂けることはそこまで難しくはない。
まして、鶏の様な小柄で小回りの利く動きが出来るのなら、容易に避ける事が出来るであろう。】

587とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:00:08 ID:eUgny6xw
>>586
しかし鶏は迫る壁を認識しながらも動かない!
否、特徴的な呼吸を行うと弾かれる様にその左足を振りぬいた。

「コォォォォォケッ!!」

ズガン!と振りぬいた足先から魔力陣が放たれ、そのまま壁と激突する。
放たれたのは視認出来る衝撃波、そんな代物であった。

588とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:08:41 ID:EHVXWkNQ

「……んっ、ぶぅ゛……!?」

【その衝撃波が巨体にヒットすると、まるで水に音叉を浸けた時の様に
波紋がその柔らかい体に広がり、伝播していく。

その勢いで倒れかけていた体が僅かながら押し戻されてしまう。
さらに、衝撃波の余韻が体を巡り、ゆっくりと後退するように押し戻されていく。】

「ぐ、ぅげぇぇぇぁぁ――――!」

【だが、そんな衝撃をまともに貰ってしまったため、その巨体の口から泥が吐き出される。
それは、滝の様に降り注ぎ、蹴りを終えたあとの鶏へと襲い掛かる。】

589とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:12:04 ID:eUgny6xw
>>588
「ケコ!」

降り注ぐ泥を嫌い、トンと軽く跳ねて、その場で空中回し蹴り。
今度は風が吹き荒れ泥を周囲に四散させようと。
小さい身体に、でっかいパワーを搭載した奇怪な鶏は戦い慣れしていた。

590とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:21:01 ID:EHVXWkNQ

「…………ごふっ、ぅ゛ふっ……!」

【歪な口から死の泥を撒く黒い巨体。
先ほどの泥は衝撃によって溢れたものであって、鶏を攻撃するためのものではない。

泥は鶏によって四散し、森のあちらこちらに飛び散ってしまう。
死臭が広がり、さらに森が汚染されていく。】

「ぅ、ぐぐぐ……魔力、美マ゛そう……。」

【そういうと巨体のある意味、下半身に当たる部分全体から大量の何かが落ちる音。
みれば、それは大量の触手である。もちろん、ボッカボッカの体と同じ性質を持つものだ。

特徴的なのは先がフック状になっており、何かを引っ掛けるのに適していそうな形状である。】

591とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:23:20 ID:eUgny6xw
>>590
「…コケケ」

カチン、と左足に付けた環を打ち鳴らす鶏。
コゥコゥと音を立て足環が輝きだす。

592とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:28:55 ID:EHVXWkNQ

「……もっどォ、もっと……ゴハンを!くれ゛えェェェェ――――!」

【夥しい数の触手を展開し、確実に捕らえようと鶏へと迫る。
ここまでの戦い方で分かることであるが、この巨体は基本的に物量で押し切る戦術を取っている。

というよりも、このような戦い方しか出来ないのだろう。
だが、この巨体でその戦法はある意味で効果的なものである。

この巨体の存在そのものの異様さと放つ死臭の不愉快さなど、対象の判断を削ぐ要素を持っているからだ。】

593とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:32:09 ID:eUgny6xw
>>592
「ケェェェェェッ!!」

閃光に包まれ鶏が姿を変える。
それと同時に周囲に吹き荒れる嵐と見紛う程の風。

「コッ!」

そして蹴爪部分に刃を持つトリコロールカラーの煌びやかな鎧に身を包んだ雌鶏が跳躍した。
鎧姿の鶏が空を舞う、何だこれ。

594とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:38:37 ID:EHVXWkNQ

「…………っろ、まだ……まぁダ……ッ!」

【嵐めいた風によって触手が一瞬、押しのけられてしまう。
しかし、伊達に物量で押し切る戦い方を行っていない。

矢継ぎに触手が放たれ、その後を追うようにして次の触手が放たれる。
触手の波状攻撃であり、生半可な攻撃では押し切れそうにはない。

宙へと身を置いたときが好奇とばかりに大量の触手が迫る。
捕らえられれば、そのまま一気に体内へと引きずり込まれてしまうだろう。】

595とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:41:47 ID:eUgny6xw
>>594
鶏である、その上鎧を着こんでいる。
本来なら飛べる筈のない其れは案の定、自由落下し触手に捕らわれ―

「コケェ!!」

る前に飛んだ、そりゃもう見事なまでに翼を広げ戦闘機の如く。
天高く舞い上がり上へ上へと。

596とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:47:12 ID:EHVXWkNQ

「…………っ?!」

【触手で捕らえたかと思ったが、その思惑は外れ触手は空を切る。
触手はある程度の長さは可変できるとは言え、伸びる度合いには限界が存在する。

地面を走り回る敵ならば、まだ捕らえられる余地はあるが
空中を飛び回る敵となれば、流石にお手上げである。

青い目が恨めしそうに空を飛ぶ鎧の鶏を見つめているような気がする。】

597とある世界の冒険者:2013/01/10(木) 23:54:45 ID:eUgny6xw
>>596
何時までも宙を駆け上がるかと思われたが突如その動きに変化が訪れる。
クルクルと身体を回し、きりもみ状態になり、そのまま向きを地上に変え落ちていく。
速度を増し、回転を増し、身体に這わせた魔力が形を変え光り輝く槍となって。

目標、ボッカボッカ。
己が身を弾として放たれる一撃は着弾した時の衝撃波こそ最大の武器だ。

598とある世界の冒険者:2013/01/11(金) 00:08:21 ID:BLvoNzlI

「……んん?」

【こちらに向けて落ちてくる鶏が目に入る。
すると、大量の触手をあらぬ方向へと伸ばした。それは手近な木である。

大量の触手が木に巻きついたかと思うと、木がメキメキと乾いた音を立てて
根元の辺りからへし折れてしまう。その巨体に見合った怪力といえよう。

ただし、大量の触手を用いているが。】

「る、るる…………ぅぅあああぁぁ!!」

【不出来な口から咆哮が発せられ、その木が石の様に軽々と投げ飛ばされてしまう。
目標はこちらに向けて突進してきている鶏に他ならない。

鶏を撃退できれば、御の字。それが出来ずとも、その攻撃を弱められれば十分である。
何せ、こちらはゼラチン質の体を持つ存在であるため、少々の衝撃では壊れない。】

599とある世界の冒険者:2013/01/11(金) 00:12:45 ID:byHmeSec
>>598
ガッ、ツン!
木と特攻鶏が激突。
甲高い音を立てて双方があらぬ方向に吹っ飛んでいく。
勢いは止まらずそのまま鶏は彼方へと突き進んでいったのだった…そして帰ってこなかった。

600とある世界の冒険者:2013/01/11(金) 00:19:44 ID:BLvoNzlI

「……んぐ……っっ、ぶぁぁっ?!」

【鶏を弾き飛ばすことには成功したが、その衝撃で吹き飛んできた木が
ボッカボッカの体に突き刺さってしまった。

木によって文字通り地面に縫い付けられている状態だ。
しかし、ゼラチン質な体を持つため、その内、抜けられるのであろうが。

そして、その衝撃に溜まらず、泥をどぷり、と吐き出した。

結局、ご飯にもありつけず、労力と泥を浪費しただけで残ったのは
ボッカボッカによって汚染された森だけだったとか、FO】

//終了、ですかね?お疲れ様でした!

601とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 22:27:55 ID:lDjAVjB6
森の中にある泉

一人の白銀の狼亜人の少女が空をみあげてたっている

602とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:15:55 ID:hDGqyuuU
>>601
「今日もなしか……ん?」

【やや疲れ気味な様子の黒髪金目の少女が、森の奥から現れた。
マーク2に気付くと、怖がらせないように無言でそっと近付く】

603とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:28:52 ID:lDjAVjB6
ぴくりと狼の耳がラーナイに向いた
「………誰か………いる……の?」
手には釣りざおをもっており、もう一方の手には桶を持っている

604とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:34:21 ID:hDGqyuuU
>>603
「やあ、こんばんは。
こんな時間に魚釣りか?」

【すこしの距離を開けたところで足を止める。
なるべく穏やかにと心掛けながらマーク2に挨拶する】

605とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:35:55 ID:lDjAVjB6
「そう………だよ」
コクりと頷いた

「あなた………は……?」
ラーナイが何をしているのか気になっているようだ

606とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:42:34 ID:hDGqyuuU
>>605
「あぁ、私は少し遠出をしていてね。
ちょうど戻ってきたところだ」

【言いながら肩をすくめた】

「釣りは、好きなのか?」

607とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:50:02 ID:lDjAVjB6
>>606
「好き………懐か……しい……?」
好きと言った後に懐かしい
彼女の見た目の年齢では10代に見える
懐かしいとの言葉を使うにはまだ早い気がする

608とある世界の冒険者:2013/01/12(土) 23:55:56 ID:hDGqyuuU
>>607
「懐かしい?
昔、誰かと魚釣りをしていたのか?」

【その場に腰をおろすと、かすかな違和感ともいえる疑問を、素直に尋ねた】

609とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:05:37 ID:OIFj0YC2
//すまない、眠気に勝てそうもないのでココで中断させてくれ

610とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:06:36 ID:pg8AhTkQ
>>608
「わから……ない……」
首を傾げてる
「誰かが……横にい……て……一緒にした……」
ピチピチと跳ねる桶の中の魚
「懐か………しい……誰かわから……ない」

611とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:11:25 ID:g8fbVbqs
「………」
黒いワンピースにカーディガンという、
そんな恰好の、白銀髪の少女が、ふとよりつく

612とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:25:12 ID:pg8AhTkQ
>>611
小さく会釈するマークII
手には桶と釣りざおを持っている

「こん……ば……んは」

613とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:29:14 ID:g8fbVbqs
>>612
「あ、こんばんはです……」
見覚えある姿を見つけて、小さく会釈した後に、

「釣り……、をしてらしたので?」
と続けて尋ねてみる

614とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:43:58 ID:pg8AhTkQ
>>613
コクりと頷いた
「懐か……しい……の何か……わから……ないけど……懐かしい……」

手をグーパーグーパーとしている

615とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 00:53:35 ID:g8fbVbqs
「懐かしいという感覚はあっても、
誰かと釣りをした覚えがあっても、
共に釣りをした人がわからない、と……」
しばらく思案する少女
記憶喪失かなにかなのか、なども可能性とて考えつつも

616とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:07:45 ID:T6w0DT.I
「う…………ん」
コクりとゆっくり頷いた。
彼女自身、何か考えていたのか結構の間があった
「懐か……し……い。不思議」
そういって、セリオンにちかよる

617とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:14:38 ID:g8fbVbqs
>>617
「……」
少女もまた、色々と、色々と思い返す
そして

「どうしました……?
また、一緒に釣りでもします……?」
近づいてくるマーク2に向かって、小さく微笑み、
そしてそう尋ねてみる
少女の付くはなぜだか冷たい

618とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:20:09 ID:T6w0DT.I
「………ん」
桶の中身を見せる
中には一匹の魚が入っている
「おすそ……わけ……」
どうやらセリオンに挙げたいようだ

「違うの……をし……たい」
どうやら、違う遊びをしたいようだ

619とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:25:30 ID:g8fbVbqs
>>618
「私に……、
ありがとうございます……」
どこか感傷深くそう言いつつも、

「違う遊び……、何します……?」
とりあえず尋ねてみる

620とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:29:05 ID:T6w0DT.I
「……きて」
そのまま、ゆっくり歩き始めた

暫く歩くと、小さな細長い木箱が見つかる
「…………」
それを開け始めるマークⅡ。中には黒い袋に入った小さめの物

621とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:34:26 ID:g8fbVbqs
>>620
「……?」
マーク2のあとを、ゆっくりと歩いて追う少女

「……これは……?」
黒い袋が見えて

622とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:39:44 ID:T6w0DT.I
「…………銃」
中には二連縱式の銃。恐らくショットガン
簡易的な折りたたみ式のストックで小さくしており、銃身は普通サイズより小さめ
狩りというよりは戦闘に適している改造をされている
「……弾……」
中に入っていた銃弾をいくつか取り出すマークⅡ

何かよからぬことでもするのだろうか?

623とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:44:48 ID:g8fbVbqs
「……狩りに出かけると……?
それとも、別の……」
銃の改造に気づいていないらしい少女
しかし嫌な予感も少しだけしていた

624とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:50:57 ID:T6w0DT.I
「……かり………いこ」
銃をもって、マークⅡは歩き始めた

何をかるのだろうか?

625とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 01:54:46 ID:g8fbVbqs
「……なにを、狩るので?」
人でないことを祈りつつも尋ねつつ、
少女も漂う冷気を取り込んでいく

626とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:01:47 ID:T6w0DT.I
「…………くま?」
決めてなかったようだ
そして、ショットガンでも殺せるかどうかの生き物を設定している
無謀である

「何……か……る?」
首をかしげて聞いてくる

627とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:08:31 ID:g8fbVbqs
>>626
「くま……、ですか……」
しばらく思案したあとに、

「不可能ではないかもしれませんが、
安全面を問われると……」
思案していう

「安全に行くなら、鳥でも借ります……?」
と提案してみる

628とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:20:32 ID:T6w0DT.I
「そう……する」
素直に従うマークⅡ

「とり……」
鳥を探し始めた

629とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:25:55 ID:g8fbVbqs
>>628
(くまに遭遇しなければいいのですが……
遭遇したなら……)
時期的にくまはいない……、と自分に言い聞かせたりしつつも、
きょろきょろと鳥を探してみる

630とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:30:44 ID:T6w0DT.I
夜間に鳥はいないようだ
茂みが揺れ、何か居る様だ

茂みに向かって銃を構えるマークⅡ

//奇数なら狼の魔物、偶数なら兎、00なら人間

631とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:32:54 ID:g8fbVbqs
「………」
手には氷、トゲのない氷を持っていた

632とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:39:16 ID:T6w0DT.I
可愛らしい兎が一匹出てきた
「……」
銃に一発弾丸を込めている。撃つ気満々のマークⅡ
止めるなら今のうちだろう

633とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:40:53 ID:g8fbVbqs
「……お好きに」
それが野生の兎であるのなら、
少女に止める理由は存在しなかった

634とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:49:08 ID:T6w0DT.I
一発の銃声が鳴り響く
バシュッという音が引びく
どうやら、弾丸は地面位あたったようで、うさぎには当たらなかったようだ

「だめ……だった……」
そういうと、ショットガンを中折れし薬莢を取り出す
中に弾丸を装填し安全装置をかける
銃口を地面に向けた状態でセリオンにわたす
「つぎ……せりおん……」

635とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 02:57:26 ID:g8fbVbqs
「私、ですか……
射撃は苦手ですけど……」
右手でショットガンを受け取り、兎に、それを向ける
安全装置も外しておく
そして一瞬、うまく狙いがつけられたので、引きがねを引く少女

636とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:00:52 ID:T6w0DT.I
見事、うさぎに命中して赤い血が辺りに飛び散る
「す……ごい」
そのまま、仕留めた兎の所に近づく

「いっ……ぱつ……」
そのまま、うさぎの足を縄で縛る。その姿はまるで手馴れている猟師、あるいは軍人のように

637とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:04:40 ID:g8fbVbqs
「……ただのまぐれですよ……」
躊躇いは一切感じられなかった
そして安全装置をかけておく

「……縄の結び方……誰かに、教わったので?」
心当たりもあってか尋ねてみる

638とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:10:37 ID:T6w0DT.I
「わから………ない」
そういって、結び終えた後に逆さまにして、兎の首を切って血抜きを始めた

「でも……しっている……知らない……けど知って……いる」
知らないのに知っている。何処か意味深ではあるが、記憶喪失と仮定すれば納得出来ることでもある

639とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:17:29 ID:g8fbVbqs
「つまり体が覚えていらっしゃる、と……」
記憶喪失の線で、とりあえずは納得しておくことに

(処理は彼女に任せて、私は……)
周囲の警戒をする少女
少女付近の冷気が強まる

640とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:22:01 ID:T6w0DT.I
ガサガサと周りから聞こえる
どうやら日の臭いを嗅いでかきたのか、狼タイプの魔物が軟体kいるのかもしれない
それほど強くない魔物だが、数でこられると厄介である
「…………」
ショットガンにたまを込めるマークⅡ
今度は二発込める。狩りをするのではなく、彼女なりの戦闘体制なのだろう

641とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:27:06 ID:g8fbVbqs
「………予感が的中、ですか」
気配のするほうに、冷気を集中させる少女
冷気が集まっている場所に、形作られていくつらら

642とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:30:16 ID:T6w0DT.I
「セリオン……」
そういって、銃口を茂みにむける
「走る」
発砲と同時に、泉の方に走り始める
「こっち!」

狼タイプの魔物は銃声でひるんでいる

643とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:34:05 ID:g8fbVbqs
「!」
マーク2を追って、泉に向かう

644とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:42:30 ID:T6w0DT.I
時々、後ろを振り向いて射撃
茂みから怯む音が五ヶ所位からする

「…多い……」

泉に出ると、反転して伏せて銃にたまを込める
「ここなら……戦い……やすい」
人が手入れをしている御蔭か視界が少し晴れており、少なくとも魔物の数が男体化ぐらいは判別つくだろう
伏せながら、射撃をしようとしている

茂みからは何時でも魔物が飛びだしてきそうだ

645とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:47:42 ID:g8fbVbqs
「………」
目の前に、先の鋭いツララを作りだす
複数作り出したそれは、少女のまわりを囲うように浮いている

と同時に、少女やマーク2の付近の冷気も強まる

646とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:50:35 ID:T6w0DT.I
魔物は最初に三匹此方に走ってきた
一匹に対してショットガンを発砲して倒した

二匹がセリオンに向かって直進してきた。
口を大きく開けて今にも食い殺さんと
しかし足が早いが、直進であり、落ち着いて対処すれば問題なく倒せるであろう

647とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 03:56:36 ID:g8fbVbqs
「………」
自分に向かってきた二匹の狼の口めがけて、
風に乗せて、先が刃物のように鋭いツララを飛ばす

喉ごと狼達を、それで貫く気なのかもしれない

648とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 04:02:11 ID:T6w0DT.I
一匹は避けることもできずに、狼タイプのモンスターは貫かれた
もう一匹も避けようとしたが、そのまま、体に直撃し、虫の息となっている
遠くで鳴き声が響くと、ほかの狼型のモンスターは森の奥に向かって走り出した
「………おわった」
その場で横になるマーク 
「止まって……いく?」
セリオンに止まるかどうか聞くマークⅡ

//次で終わります

649とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 04:05:36 ID:g8fbVbqs
「そうですね……、遅いですし……」
また魔物に襲われるなんてことになったら、
そんなことを思って

//了解ですー

650とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 04:11:49 ID:T6w0DT.I
「じゃあ……一緒にねよ」
そういって、小屋の中に入るマークⅡ

寝床は客室とマークⅡの部屋があり、どちらで寝るかはセリオンの自由である。

//すみません……寝ます。 お休みです

651とある世界の冒険者:2013/01/13(日) 04:14:35 ID:g8fbVbqs
「よろしいので……?」
どちらで眠りについたのか……
それは少女のみぞ知る
//お疲れ様でした!

652とある世界の冒険者:2013/01/19(土) 23:27:36 ID:qzqNKfzY
第4汎用>>1292より

「俺の誕生日?俺は6月6日だよ。
 ……ハイクオリティなお返し、期待してますよ……フフフフ…。」
と、微妙にハードルを上げてくる青年なのであった。

653とある世界の冒険者:2013/01/19(土) 23:33:49 ID:lRQ6cj1w
>>652
「6月6日………不吉。」
誕生日を聞いてポツリとそんなことを呟く。
縁起でもない

「……期待しておいて…お返しはこれに負けないのにするよ……」
自信がありそうな顔でそう言っている少女。
すでに何を送るか考えているみたいだ

654とある世界の冒険者:2013/01/19(土) 23:39:18 ID:qzqNKfzY
「……もう一個6がつけば完璧だったのにな…。」

「…と、言うと……次は何のコスプレを……。」
青年的にはまたもコスプレさせる気だ…!
そんな目論見を執事の前で呟いてしまうのであった。

655とある世界の冒険者:2013/01/19(土) 23:55:25 ID:lRQ6cj1w
『……ケーキのほうを用意してきます。お二人ともお飲み物は紅茶でよろしいですね?
………………その後、詳しいことを聞かせてもらおうか、フェムト殿。』
「え……フ、フランツ?物騒なことはだめだよ?」
無言で座っていた甲冑がおもむろに立ち上がり台所に向かう。
………なんか最後辺り声が低くなってたけど

656とある世界の冒険者:2013/01/19(土) 23:59:09 ID:qzqNKfzY
「あぁ、はい紅茶でお願いします。
 ……そして…えーっと、私何かマズい事口走りましたっけ、執事殿……!?」
執事の声から殺気の様なモノが……。
改めて背筋が凍る思いをする青年なのであった。

657とある世界の冒険者:2013/01/20(日) 00:05:15 ID:2CLIwHAY
「…………コスプレが、じゃない?
………ああ見えて過保護だから……」
台所にいるフランツに聞こえないようにひそひそ声で話す少女

658とある世界の冒険者:2013/01/20(日) 00:15:37 ID:DUDLKmdE
「……ですよねー……。
 …ケーキ食べた後、俺の血祭りショーとかが始まったりしませんよね……。」
微妙に生きた心地がしない青年、
冷や汗をかきながらケーキを待つ…。

659とある世界の冒険者:2013/01/20(日) 00:22:33 ID:2CLIwHAY
『フェムト様がお嬢様の大事なお友達である限り、危害を加えようとは思いません。
………反省はしてもらいますが。』
そう言いながらこちらにやってくる甲冑。その手にはショートケーキと紅茶が入ったカップが乗ったトレイがある。
ホールサイズではなく、一人用に予めカットされたものだ。

660とある世界の冒険者:2013/01/20(日) 00:23:59 ID:DUDLKmdE
「……ほ、本当…?
 無事に帰して貰えるのね……!?」
執事の言葉に、ホッと胸をなでおろす…。
ただ、反省という言葉が気がかりだが……。

661とある世界の冒険者:2013/01/20(日) 00:36:46 ID:2CLIwHAY
「フランツ………本当にやめてね?」
『ええ、それはもちろん。殺伐としたことなんてするわけがないじゃないですか』
その言葉とは裏腹にいつの間にか腰にピストルが入ったガンベルトが装着されている。
拳銃から魔力を発しているあたり、明らかにそこらにあるようなものではない。

そんなこんなありながらケーキと紅茶を配っていく執事。
「…………」
自分が怒られるわけではないのに、いつフランツが喋るのかとビクビクしてる少女。

662とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:10:01 ID:3H5rOyvM
>>661
「ははは…いやぁ、もう本当に反省しておりますとも……。
 ……せっかくの誕生日ですし、その、流血沙汰とかはホント勘弁ですよ……??」
(そしてその腰のブツは、どう見ても茶道具とか
 そういうモノには見えないですけど一体なんなんでしょうね…www)
なぜか持ち出された銃をチラチラと見つつ、冷や汗を流す青年。
執事の手が腰に伸ばされたものなら、すぐさま土下座へと飛び込める構え…!

663とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:13:49 ID:6oV9amf.
>>662
『………とりあえず、ケーキを食べるか、説教を先に済ませるかどうします……?』
テーブルにお茶とケーキを並べたあと、そうフェムトに尋ねる。

「…………」
相変わらずビクビクしている少女

664とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:19:36 ID:3H5rOyvM
「えーっと…ケーキを食べて、そのまま解散ってコースは……
 ないですよね、すみません、すみません……!!」

「…そ、それじゃ……ちゃちゃっと説教からやっちゃって下さい…!」

665とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:24:59 ID:6oV9amf.
『ふむ……それでは、』
一度咳払い。そして

『………念のため、聞いておきますが、コスプレとは女性に如何わしい服を着せた挙句………
その……事を致すことで合っていますよね?』
原理は分からないが顔のあたりが赤くなりながらそんなことを言う。

「…………?」
言いたいことがわかっていないのか目を点にして首を傾げている少女

666とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:29:56 ID:3H5rOyvM
「いやぁ、如何わしい服とは限りませんよ、
 今回は若干如何わしかったかもしれませんが…」
いつも通り言わなくてもいい情報もペラペラと言ってしまう。

「………って、ええ!?
 …こ、事を致すって……
 ……そんな事はまだ…じゃなかった、断じてしておりませんとも!!」
執事の問いに混乱気味の青年。
…なるほど、そこまでを疑っているのなら、銃を持ち出されても無理は無い…。

667とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:37:35 ID:6oV9amf.
『こ、今回は若干如何わしかった……!?
お嬢様が押しに弱いとはいえ、けしからんことですよ!』
人差し指を前に出して『めっ』と言う。

『まだ……!?アンナ様からはお友達と聞いていたのですが……
よもやそういう"お友達"になるかもしれないと?』
「……二人共なんの話してるの?」
ちょっとした言葉に過剰反応する甲冑と二人の言っていることがいまいちわかっていない少女

668とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 21:51:37 ID:3H5rOyvM
「はい、全くもってけしからんかったです!
 …あ、いえ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
一体どういう意味のけしからんなのやら…。

「え、えーっと…と、とりあえずはお友達ですよ、今は…!
 ……と、とりあえずこの話題はこの辺りにして、ケーキ食べましょうよ…!!」
いろいろと余計な言葉を挟みつつも、ひとまずこの場はなんとか治めようと…。

669とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:02:31 ID:6oV9amf.
『言いたいことはまだありますが……お嬢様を待たせるのも喜ばしくないので、そろそろいただきましょう。』
「………♪」
その言葉と共にケーキを食べだす少女。
よほど待っていたのか。

ケーキはいいところから買ってきたのか、甘過ぎない生クリームがいちごの甘さを殺しておらず十分に美味しい。
紅茶も執事の腕いいのだろう。香り高く、下手な人間が入れたものより美味しい。
ちなみにアンナはフランツが持ってきた牛乳と砂糖をたっぷり入れて飲んでいる。

670とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:07:17 ID:3H5rOyvM
「……ははは……そうしましょう、そうしましょう…!」
ひとまずこの場は生き延びた…!
と、安堵の息を漏らす青年なのであった。
そしてケーキを一口…。
紅茶の方は、青年はストレートで。

「……んー、うまいですねコレ!
 …そしてさすがは執事と言った所ですかね…紅茶も美味しい…。」

671とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:15:29 ID:6oV9amf.
『それは当然です。
何百年と仕えてきたこの体。当主に紅茶を出す回数など数知れないですから!』
ほめられて嬉しいのかちょっとテンション高くなっている。

「……しあわせ。」
そんな光景を見て、もぐもぐとケーキを食べている途中にポツリとそう呟いている。

672とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:21:39 ID:3H5rOyvM
「…なるほどねぇ…そりゃ年季も入ってるわなぁ……。」
しみじみと呟きつつ、紅茶をもう一口。
そしてケーキももう一口。

「……そしてアンナはなんていうか、マイペースだなぁ。」

673とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:29:43 ID:6oV9amf.
『……まぁ、ありがとうとは言われても美味しいとは中々言われないもので、
喜ばしいことです。』

「んー?そんなに?」
紅茶を飲もうと息をフーフー吹きながら

674とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:42:26 ID:3H5rOyvM
「いやはや…やはり執事たるもの、
 茶は美味しく淹れれる方がいいもんなぁ…。」

「…ま、まぁ…それなりに…。
 ちなみに…さっきまでこっちで執事さんと話してた事、聞いてたりした…?」
(…聞こえててもきっとあんまり意味は分かってないかもなぁ…)

675とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:47:04 ID:6oV9amf.
『……話は変わりますが、フェムト様も結構な生まれだとお嬢様から聞きました。
その口ぶりだと執事がいないか、いても美味しく入れられなさそうに聞こえるのですが…』

「聞こえてたけど………。
………事を致すってなに?」
『知らなくていいことです。』
速攻で口を挟んでくる甲冑に頬をふくらませて無言の抗議をしている。

676とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 22:58:41 ID:3H5rOyvM
「……まぁ、ちょっとだけ名のある魔法使いの家柄でね。
 いやぁ、お手伝いさんは何人か居るし、淹れてくれる茶は美味しいよ。
 ……けど、あんたの淹れた茶は、中々なもんだ、って事さ。」

「……あー、それは所謂男女の…」
説明しようとしたところで、執事の制止がぴしゃりと入る。
「……すみません、知らなくていいそうです……。」

677とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 23:11:25 ID:6oV9amf.
『家の名前は……いえ、聞かないほうがいいですね。
そう言った家の付き合いではなく一人の友人として、お嬢様に接して欲しいので。
それと、紅茶の腕前に関してはもっと言ってくれると嬉しいです。』
それほど紅茶褒められるの嬉しいか

「………あとで教えて。
フランツはなんか教えてくれないこと多いから…。」
フェムトの近くまで来たあと、耳元でそう呟く。
そのフランツはめっちゃこっち見てます。

678とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 23:30:10 ID:3H5rOyvM
「はははは……
 そんじゃ、せっかくだしまた茶を飲みに遊びに来ようかね。」

(無知な少女のお願い…と、いうのもまた萌えるシチュエーションですねハイ。)
「…えーっと、どの程度まで教えれば……
 ……いえ、やっぱダメです。執事さんの視線が怖いです。」

679とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 23:35:04 ID:6oV9amf.
『まぁ、普段はお屋敷にいるので次来るときに私がいないのは残念ですが……』

「………なんで。
別に"事を致す"くらい教えてくれてもいいのに」
耳元で抗議している少女。顔が近い。
フランツはなおもジッとフェムトを見ていますね。

680とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 23:44:21 ID:3H5rOyvM
「…あぁ、そうか…。
 …執事さんはこっちにはあんまり来ないの?誕生日のときとかくらい…?」

「…おk、わかった…じゃ、後でこっそりと参考書を貸してしんぜよう…。」
こっそりと耳打ちを返す…。
渡そうと思っているのは、普段からよく読んでいる魔導書…の表紙で偽装した官能小説なのである。

681とある世界の冒険者:2013/01/27(日) 23:53:30 ID:6oV9amf.
『そうですね。忙しい中、無理を言ってここまで来ましたので……。
元々、お嬢様の誕生日が年末年始と被ってまして。』

「参考書?……わかった。」
まさか下世話な話をしているとは思っておらず、それでいいかと納得して元の場所に戻り、紅茶を飲み干す。
フェムトからアンナが離れていくのを見て、甲冑は無言でよくやった!と親指を上に立てる。

682とある世界の冒険者:2013/01/28(月) 00:03:29 ID:ep85vmXg
(……と、いう事は……
 …今度遊びに来れば、今度こそ二人っきりでどうのこうの……。)
そして青年の脳内で繰り広げられるよこしまな妄想。

「ははは……。」
(…しかし執事さん…
 …俺が渡そうとしているのは、保健体育の教科書なんて生易しいものではないのですぜ……。)
親指を立てる執事に、苦笑する青年…。
銃まで持ち出されて説教されておきながら、懲りない事である。

683とある世界の冒険者:2013/01/28(月) 00:11:50 ID:kNLf8KlU
『………何を考えているのですか?』
フェムトの考えを感じ取ったのか、冷たい声でそう問いかける甲冑。

「参考書……大学のかな?」
嬉しそうにしながらのんきにケーキをぱくつき、完食している少女。

684とある世界の冒険者:2013/01/28(月) 00:16:15 ID:ep85vmXg
「い、いえ!!やましいことは何も……!!!」
…実際はやましい事だらけである。
そんなこんなでケーキもあらかた片付いてきた。

(……でも実際のところ、どの程度まで知識があるのだろうか…。)
いきなり読ませたら刺激が強すぎるのかなぁ…などと思いつつも、
しかしそれもまた一興とか考える青年……。

//……すみません、そろそろ寝なければ…今日はこの辺りで落ちます!

685とある世界の冒険者:2013/01/28(月) 00:16:17 ID:kNLf8KlU
【すいませんちょっと眠気が限界なんで中断していいすか?】

686とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:02:45 ID:1lbztVwg
『お嬢様は純情故、フェムト様を困らせることもあるかと思いますが……
間違いは絶対に起こさぬようにしてください。』
淡々とそんなことを言っているが、その言葉には気迫がこもっている。

「……暗くなってきたね。」
紅茶のおかわりをもらい、小さい窓から見える外を見て
すでに外はもう、真っ暗だ。

687とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:14:29 ID:af/gnP2Q
「いえいえ困る事なんて…むしろいつも楽しませて貰ってますよ、ハイ…。」
執事の気迫にハハハ、と乾いた笑いを浮かべる青年…。
(……間違いなんて……むしろ起こせるもんなら起こしてみたいですけど……!)
そして脳内では相変わらずなのであった。

「…ほんとだ、もうこんな時間か……。
 ……そろそろおいとました方が良いかな……?」

688とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:21:17 ID:1lbztVwg
『明日の用事もあるでしょうし、長居は避けたほうがいいかと』
まぁ、そろそろ帰ったほうがいいよさそうな時間だ。

「むー……」
こちらの方は不満気ではあるが

689とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:26:51 ID:af/gnP2Q
「そうですね、結構長いしちゃったし、今日のところは……。
 …あれ、アンナはもっと一緒に居たかったり……?」
不満げな少女の様子にニヤニヤと…。

690とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:31:01 ID:1lbztVwg
「それは……だって、こうやって家族以外に祝われたの初めてだし…」
『……………』
恥ずかしそうに内心を語っている少女とその後ろでオーラがガンガンでてる鎧。
同じ言葉でも、対応は両極端だ。

691とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:36:54 ID:af/gnP2Q
「フフフ……
 しかし俺は執事さんに呪われそうな気がしてきたからやっぱこの辺りで帰るよ…。」
執事の重いプレッシャーには打ち勝てず、今日はこの辺りで退散する事に…。

「そんじゃ、改めて誕生日おめでとう、アンナ。
 …また今度、どこか遊びに行くなりなんなりしようか…!」

692とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:41:13 ID:1lbztVwg
「……フランツはそんな事………そんなこと…………」
身内を庇おうとするも、言葉が見つからず、だんまりを決める。

「…送って行こうか?」
『えっ』
おもむろに立ち上がってフェムトに近づく。
鎧はなんか、唖然としてる。

693とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:45:45 ID:af/gnP2Q
「えっ」
青年もしばし唖然。

「あっはっは…女の子に送って貰うってのもなんか変だけど……
 …えーと……それじゃぁ、お願いしようかな……?
 …せっかくお嬢さんもこう言ってる事ですし、いい…ですよね執事さん……?」
一応横目で執事の様子を確認…。
送って貰えるならこんなに美味しい事はない!
が、ヘタしたら執事に捻り殺されるかも知れない……。

694とある世界の冒険者:2013/02/04(月) 23:57:45 ID:1lbztVwg
『…………』
しばし沈黙している鎧
何を考えているかは全くわからない。

「…………フランツ……ダメ?」
『……はぁ、私と一緒であればよろしいですよ』
「…やった」
根負けしたわけではないが、二人を気持ちを汲み取ってそれを許可する鎧。

695とある世界の冒険者:2013/02/05(火) 00:03:16 ID:HsUFlAlw
(よっしゃ!!OK出た!!
 あれ、でも執事さんも来るんですかコレ……!!!?)
「ハハハ……そんじゃ、ま…行きましょうか。
 …えーっと、お邪魔しました……!」
まさかの執事の監視付き…
だが、まぁそれでも良しとしよう。
少女の部屋を出て、青年の家へと向かうのであった。

//度々申し訳ないですが、今日はこの辺りが限界のようです…
 おやすみなさいです!

696とある世界の冒険者:2013/02/05(火) 00:25:36 ID:K4LcWbrA
『暗い中、主の愛娘を一人で見送らせる執事がどこにいるのですか……』
なんか不満気そうなフェムトに一言物申し、一緒に外に出て行く。
後ろについていくのが、怪しくてしょうがない。

「〜〜♫」
少女はそんなことも気にせず、フェムトの隣に並ぶようにして歩いている。

697とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:12:59 ID:x1q6vIZQ
>>696
「…ははは……そりゃそうですよね……。」
(……当然っちゃ当然だが、全然信用されてない……!)
しかし自分も執事の立場だったら着いていくだろうなぁ…と思う青年なのであった。

(…まぁ、監視つきとは言えアンナの見送り……
 ……美味しいシチュエーションであることは違いない…!)
そんなことを考えつつも、アンナと共に青年の家へと向かう。
既に夜も更けた大通り…冬真っ盛りな王都の夜は突き刺す様な寒さである。

698とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:21:14 ID:bE5cVqTQ
「………寒い。」
かじかんだ指先を温めるように息を手に吐きながら指先をすり合わせている。

699とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:28:39 ID:x1q6vIZQ
「…いやぁ、こんな寒いのに見送りとかすまないねぇ…。
 ……しかもアンナの家からだとちょっと遠いんだよね、俺ん家。」
(……ここでかじかんだ手をそっと握る……!
 ………と、執事に殺されるな、確実に……。)

700とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:35:05 ID:bE5cVqTQ
「……フェムトの家がどんなのか、ちょっと興味があるから……
遠くても、寒くても我慢するよ……。」
相変わらず、寒そうに両手をすりあわせながら。
……まぁ、後ろからガシャンガシャンと音を立てながら歩く鎧がいれば雰囲気もクソもあったものじゃないだろう。

「……フェムトは、寒くない?」

701とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:40:48 ID:x1q6vIZQ
「んー、俺ん家は……
 まぁ、古いだけでそんなに珍しいもんでもないけどね?」

「…流石に寒いねぇ、今日は……。」
と、白い息を吐きながら言う。
…後ろの執事は寒さとかは大丈夫なのだろうか……などと疑問に思いつつ。

702とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:50:08 ID:bE5cVqTQ
「……そんなの、見てみなきゃわからないよ……僕の実家より大きいかもしれないし。」

「……………えいっ。」
名案を閃いたようにふふっと小さく笑ったあとフェムトの手をとって握る。
『お、お嬢様?』
無論、それを見ている鎧は戸惑っています。

703とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 21:58:14 ID:x1q6vIZQ
「………!?」
(…待て、落ち着け俺……
 ……一旦状況を整理するんだ。
 …この感触……お嬢様'sハンドで間違いないようですねこれは。)

「……え、えーと……
 …………アハハハハ……。」
気恥ずかしいやらうれしいやらなんやらの青年。
…後方の執事を若干警戒しつつも、やや遠慮がちにその手を握り返すのであった。

704とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:05:30 ID:bE5cVqTQ
「………こうすれば温かい。」
手を握りながら嬉しそうに笑って歩いている少女。
その手は、豆や傷が一切無く柔らかい。冒険者とは思えないほどに。
あと相当冷たい。

『…………ハァ』
後ろにいる鎧の表情は相変わらず窺い知れない。
にも関わらず、今回はなんか呆れてるようにも見える。

705とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:09:23 ID:x1q6vIZQ
「……あー、でもアンナの手は冷たいなぁ……。
 ……柔らかいけど……。」
(……フハハハハハ!スベスベだ!!やわらけぇ!!!)
ぎゅっと手を握ってその感触を(こっそり)堪能。
青年の体温(平熱)が少女の手に伝わってそれなりに温かい。

706とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:14:53 ID:bE5cVqTQ
「……冷えやすいから………
僕と違ってフェムトの手は温かいね………」
フェムトに負けないようにこちらも強く握り返し。
…強くというのは彼女の感覚であり、さほど強くはないのだが……。

707とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:25:28 ID:x1q6vIZQ
「……いやぁ、でも何か握ってたら暖まってきたよ…。」
滅多に体験した事のない美味しいシチュエーション…
正直舞い上がりっぱなしの青年なのであった。

「…え、えーと…そろそろ俺ん家だね…。」
……そんなこんなでしばらく進み、王都の街並みからやや外れ区域へと。
道の先には、かなり古びた家が見えてくる。

708とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:34:55 ID:bE5cVqTQ
「僕も暖まって、もう寒くないよ……
………もうちょっと近づけばもっと温まるかな…」
相手がどんな心境かも露知らず、体を寄せてくる少女。
軽く腕が触れる程度であるが、もうちょっと寄せれば……

「ん……あれ?」
空いた手で古びた家を指さして。

709とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 22:43:40 ID:x1q6vIZQ
(ちょ、ちょーっと待ったアンナさん…!?
 ……流石に無防備すぎやしませんかね!!?)
少女の体が接近…
もう少しでいろいろと接触しそうに…!

「そ、そうそう!アレが俺ん家なのよ!
 ……いやぁ、見た通りボロ家でしょ、送ってくれてありがとね!!」
動揺をごまかすように手を離すと家の門へと駆け寄る。
…好機をモノにできない青年なのであった!

古びた屋敷はコケや蔓に覆われており、
立派な造りの門には竜の紋章が刻まれている。

710とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:00:25 ID:bE5cVqTQ
「あ………寒い」
手が離れて名残惜しそうにそんなことを言っている。
その一方でフランツは安堵の息を吐いている。

「……むー、そんなあっさり帰らなくてもいいのに………!」
逃げるように帰っていった青年の背中にそう言った後、フェムトを追いかけようと……
『お嬢様?まさか追いかけようと思ってませんよね?』
「………せ、せめて門の前で手を振るくらい…!」
さすがに鎧が止めましたがそれを不服とした少女が粘っている。
気づけば門の前で鎧と少女が口論しているシュールな光景に。

711とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:06:34 ID:x1q6vIZQ
(…………。
 「あ、じゃぁ今日は俺ん家泊まってく?」→おk
 そして始まるあんなことやこんなことや……)
揉める少女と執事を横目に、脳内シミュレート開始。

「…こほん…あー、今日は夜も遅いし執事さんも心配だろうからさ、
 また今度改めて俺ん家に遊びにおいでよ。
 ……なんかお菓子でもご馳走するからさ。」
如何わしい妄想はいったん引っ込めておいて、
この程度の提案にしておくのであった。

712とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:16:23 ID:bE5cVqTQ
「ほんとに!約束だよ!」
『………お嬢様…』
さっきまでふくれっ面で口論してたのに一転して嬉しそうにしながら腕をブンブン振ってる少女。
その隣りには頭を抑えている鎧がいますね

713とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:19:04 ID:x1q6vIZQ
「あははは…おk、約束約束…!
 …いつでも暇なときにおいでよ。」
ぶんぶんと少女に手を振り返す青年。

(…フフフフ……悪いな執事……!!)
そして鎧に対してニヤリと…。

714とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:27:25 ID:bE5cVqTQ
「暇な時………うん。わかった。」
まだ腕をブンブン降っている少女
………帰る気あるのか?

『……………』
そっちをジーっとみている甲冑。
なんというか、すごい悔しそうだ。

715とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:33:31 ID:x1q6vIZQ
「…えーっと……それじゃ、おやすみアンナ。
 ちゃんとまっすぐ家に帰るんだよ?
 ……執事さんいるから大丈夫だと思うけど。」
健気に手を振り続ける少女に別れを告げる。
…一応、帰っていくまでは見送ろうと。

716とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:42:33 ID:bE5cVqTQ
『お嬢様、フェムト様が言うように今日はもう……』
「………むー……またね、フェムト。」
執事にも諭されたからか、名残惜しそうに何度か振り返りながら帰っていく。

717とある世界の冒険者:2013/02/11(月) 23:50:14 ID:x1q6vIZQ
「そんじゃねー……!」
(……あぁ、もう可愛いですなぁ……。)
名残惜しそうに去っていく少女に手を振り見送る…。
少女の姿が見えなくなるまで、やたらと緩んだ笑顔で見送り続けていたそうな。

718とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 21:39:01 ID:6R18IrtI
-ゲシェンク-

草原に建てられたドデカい豆腐ハウス。
『身を護る為の魔法を万人に』という目的の為に最近発足した機関の施設である。
正門前には警備のヒトも立っている、兼受け付けなのだろう。

719とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 21:43:02 ID:KFzCWNUE
「………ここかぁ!」
その豆腐ハウスを目を輝かせて見上げているボロボロのジャケットを羽織った青年。
早速、中に入るために受付に近づいていく。

720とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 21:50:02 ID:6R18IrtI
>>719
番人「ん、誰だ?客か?」

番人が普通の反応で迎えてくれる。
身なりが多少ボロボロでも気にしてない。

721とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 21:54:31 ID:KFzCWNUE
>>720
(あのナイフ野郎のせいで酷い目にあったからなぁ……機を見て新しいの買おう。)
「ああ、ここにお世話になりたいって思ってる。
一応、招待状も持ってるぜ。」
そう言って招待状をわたそうと。

722とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 21:56:01 ID:6R18IrtI
>>721
番人「ほう?いいぞ、通りな」

招待状を確認し門を開ける番人。
いたって普通の対応である。
どうやらまともな機関かもしれない。

723とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:00:44 ID:KFzCWNUE
>>722
「ん、おつかれ。」
番兵に労いの言葉をかけた後、その中に早速入っていく。

(で、どこに行きゃいいんだろう………)
そして、番兵に道を尋ねるタイミングも逃す。

724とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:01:33 ID:6R18IrtI
>>723
大丈夫だ。
建物にはパッと見、一つしか入口がない。

725とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:05:22 ID:KFzCWNUE
>>724
(…………アレか?アレでいいのか?ま、間違ってたら謝ればいいか!)
あまり深く考えずにその入口に向かって歩いていく。
無論、ドアも勢い良く……とまでは行かなくともためらいなく開けるつもりだ。

726とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:12:38 ID:6R18IrtI
>>725
これまた普通に両開きで開く。

「いらっしゃいませー」

サービスカウンターがあって対応する職員であろう白衣の女性が居る。
なんというか病院みたいだ。

727とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:16:31 ID:KFzCWNUE
>>726
(………普通だなぁ。これなら大丈夫そうだな。)
「えーと、初めてここに来たんだけど、どこに行けばいいですかね?」
そういう組織とは思えない雰囲気に拍子抜けしながらも白衣の女性に道を尋ねる。

728とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:21:18 ID:6R18IrtI
>>727
「あ、とう機関のご利用は初めてですね?
 でしたら幾つか説明をさせていただきます。
 その上で、とう機関をご利用になるか判断していただきます」

729とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:24:45 ID:KFzCWNUE
>>728
「ああ、うん。説明お願い…します。」
なんか難しそうな話をされそうだなぁとビクビクしている。

730とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:30:22 ID:6R18IrtI
>>729
「先ず当機関をご利用していただいて得られる能力の話からさせていただきます」
「誠に申し訳ありませんが当機関ではお客様に任意の能力を付与させる事は出来ません」
「詳しい原理は機密の為明かせませんが、
 当機関の能力開発はお客様の資質を基盤に行っています。
 その為、お客様に負担のない安全な能力発現をお約束している訳です」

731とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:33:42 ID:KFzCWNUE
>>730
「………自分のやりたいことと違うことしかできないこともあると。」
(つまり、侵負に対抗できる力を得られないかもしれないのか……)
足りない頭で、話を理解しようとしている。

732とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:36:07 ID:6R18IrtI
>>731
「はい、ただ方向性として『身を護る為の魔法』であることは保障できますので。
 極端な話、手から唐揚げが際限なく出てくる等と云う事はありません」

それはそれで身を護るのに使えるかもしれないが。

733とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:42:11 ID:KFzCWNUE
>>732
「身を守る為の魔法……でも、ここを紹介してくれた人はチョップで衝撃波出してたぜ。」
(なぜ唐揚げ限定なんだ?笑っちゃうじゃねーか!)
真面目な話の途中で不意に出てきた冗談に笑いをこらえ、プルプル震えながらそう尋ねる。

734とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 22:46:37 ID:6R18IrtI
>>733
「そうですね、気質によるものなのか下っ端の私には判断しかねますが…
 攻撃色の強い身の守り方もある、と捉えるといいのではないでしょうか。
 手ぶらより剣を持ち歩く方が襲いかかってくる相手も少なくなる、といった具合に」

735とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 23:04:33 ID:KFzCWNUE
>>734
「防衛のための戦力と。なる程。」
納得したかのように話を促し

736とある世界の冒険者:2013/02/17(日) 23:13:55 ID:6R18IrtI
>>735
「それでは次に施術に関する話を…」

とまあそんな感じで話は続くのだ、時間的にもまた次回。

737とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 20:51:36 ID:ItaDjgx2
>>736
「施術……?頭開いたり、体掻っ捌いたりするのか?」
それは手術である。

738とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 20:55:03 ID:L00uRj1o
>>737
「流石に頭は開きません。
 ただ、小さな魔石を身体の何処かに埋め込む事になりますが…
 ああ、一度なら取り外すことは出来ます。
 ですが再度の施術は不可能となりますね。
 また埋め込む場所もヒトによって違うようです」

739とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 20:58:21 ID:ItaDjgx2
>>738
「………?わざわざ取り外す物好きもいるのか……まぁいいや。
んで、埋め込む場所が違うのも素質とやらと関係してると。」

740とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:00:26 ID:L00uRj1o
>>739
「その通りです。
 ええと、施術には三日ほど期間をいただきます。
 これは施術後の経過を調べる期間も含めてです」

741とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:04:44 ID:ItaDjgx2
>>740
「3日ねぇ………。
自分がどんな力を使えるかってのも、やっぱそんぐらいかかるか?」

742とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:06:55 ID:L00uRj1o
>>741
「そういった事柄を含めての三日とお考えください」

743とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:11:48 ID:ItaDjgx2
>>742
「…………わかった。
しばらく、お世話になります。」
やはり、魔法を使えるという誘惑には勝てず、お世話になることを決意する。
……打ち勝つ必要のない誘惑ではあるのだが。

744とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:19:11 ID:L00uRj1o
>>743
「畏まりました。
 ええと、今からの施術でよろしいですか?」

745とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:21:28 ID:ItaDjgx2
>>744
「ああ、うん。
しばらく帰ってこなくても大丈夫そうだし。」

746とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:25:32 ID:L00uRj1o
>>745
「それでは所定の手続きを…」

てな感じで施術で得たものがなんであろうと文句言いません的な内容の契約書にサインさせられたり、
ちょっとの待ち時間でいざ施術と相成り、
床に怪しげな魔法陣が光り浮かぶ部屋で医者っぽい魔術師に施術を施されたり、
儀式っぽい施術中に意識を失って半日後…

ビートは病室のベットで横になっていた。

747とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:28:26 ID:ItaDjgx2
>>746
「………ん。」
とりあえず、上半だけ起き上がって魔石がどこに埋め込まれたか確認しようと。

748とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:28:54 ID:L00uRj1o
>>747
パッと見、見当たらない…何処だ

749とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:32:02 ID:ItaDjgx2
>>748
(………内臓……心臓とかか……?
手術痕とかあるのかね。)
今度は手術の後、どこに包帯とかが巻かれてるかを探す。
背中にあるのなら確認のしようがないのだが。

750とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:33:48 ID:L00uRj1o
>>749
包帯が巻かれているのはビートが此処に来る前に怪我した手の甲ぐらいである。
どっちの甲だったか中身が忘れているのはご了承ください。

751とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:36:14 ID:ItaDjgx2
>>750
(……こっちの腕は………ただ単に治療か。
まぁ、その内医者が来るだろ。)
自力で見つけることを諦め、誰か来るまで横になる。

752とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:38:44 ID:L00uRj1o
>>751
「さあ、おきたまえビート君」

唐突にガラリ、と扉を開け白衣を纏った黒髪の男が現れた。

「おや?目覚めていたのか。計算より3秒ほど早いな」

753とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:42:14 ID:ItaDjgx2
>>752
「あんたは……施術してくれた人か?」
とりあえず、上半身だけ起き上がってあくびを一度してから尋ねる。

754とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:43:51 ID:L00uRj1o
>>753
「いや違う。施術は基本、部下が担当している。
 ああ、自己紹介が遅れたね。ゲシェンクの所長、ユベルだ」

755とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:47:56 ID:ItaDjgx2
>>754
「ああ、俺はビート・バーランドだ。
こうやって患者に一人一人挨拶しに来るのか?」
そう言って、とりあえず、立ち上がってみようとする。

756とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:48:58 ID:L00uRj1o
>>755
ユベル「いいや、君は渡り手だからね。少々興味があった」

普通に立ち上がれる。
別に身体に違和感はない。

757とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:54:26 ID:ItaDjgx2
>>756
「………そんなに有名なんか、俺。」
(そういえば、ここの紹介状渡してくれた人も俺のこと知ってたなぁ。)
そういった後に続けて

「あれ?俺にどんな能力があるかとか、まだわからない?」
と、聞いてみる。
俗物である。

758とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:56:54 ID:L00uRj1o
>>757
「それを今から調べる。ついてきたまえ」

そう言って歩き出す白衣の男。
連れ出された場所は、真っ白な隔離部屋のような場所。
一人そこに入れられる。
中は広く、二階層分の高さがある。
上の方に室内を見下ろせるであろう窓があった。
暫くすると窓のところに白衣の男の姿。

759とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 21:58:42 ID:ItaDjgx2
>>758
「……んで、何やるんだ?」
やけに大げさだなぁとか内心思いつつ、ウォームアップのため跳躍運動をしている。

760とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:01:14 ID:L00uRj1o
>>759
「なに、ただチカラを使おうと念じればいい。
 自ずと必要な術式などが頭に浮かぶ筈だ。
 施術で得られたチカラは生理現象に近いのでね」

如何やら念じるだけで術は発動するようだ。
何が起こるやら。

761とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:04:21 ID:ItaDjgx2
>>760
「ういうい。」
心を空白にして、医者が言ってたように体の内に眠っているチカラを呼び覚ますように力を使おうと

762とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:07:23 ID:L00uRj1o
>>761
ゾワゾワと全身の毛が逆立つような悪寒が走った後、変化が現れる。
怪我した手の甲が焼けるように熱い。
しまいには本当に炎が吹き荒れその腕を覆う。
黒い炎だ。

@そうは問屋がおろさねえ!

763とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:12:43 ID:ItaDjgx2
>>762
(……!?あっつ!あっつい!)
「ええっ!?ちょ、オイ、なんだこれ!!」
自分がやっていることではあるが、右腕が焼けるように……焼けているのを目の当たりにして慌てているがそれを止めることはできず。

764とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:15:42 ID:L00uRj1o
>>763
ぶすん…
唐突に炎上し、唐突に炎が収まる。
そして現れる能力。

…虎の前足になっていた。
何かどこかで見たことがあるような……あ、怪我を負わせた憎いあん畜生にソックリ。

@ぐへへっ、そうそう思い通り上手くいくものか…

765とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:19:39 ID:ItaDjgx2
>>764
「…………えっ。」
確かに、侵負に対抗できそうではあるが、まさかのあの虎の前足に変化。
予想外の変化に目を丸くしている。

766とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:22:17 ID:L00uRj1o
>>765
「ふむ、変身能力かな?中々無い発現の仕方だが…」

白衣の男の声が響く。
どうやら部屋の中と外でやり取りはできるようだが…

ぱんぱかぱーん!腕が虎の前足になる程度の能力をゲットである。

767とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:25:25 ID:ItaDjgx2
>>766
「………おい、これだけか。おい。
ビーム出ろよ。この際火の玉でもいいや。なんか手からでろよ!!こんなんいらねぇよ!」
ブンブンと虎の腕を振りながら己の腕に文句を言っている。

768とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:28:21 ID:L00uRj1o
>>767
でねえよ、そんなもん!てな具合だ。

「ふうむ、まあ得たチカラは魔術とも近しい。
 鍛錬を積めば変化もあるだろう……多分」

変化したところで爪が伸びるとかそんぐらいじゃあなかろうかと思える。

769とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:32:06 ID:ItaDjgx2
>>768
「………んで、調べるのはこんだけか?他にも調べんのか?」
自分のハードルが高すぎたのかはわからんが、理想のものより相当低いものだったのが気に入らないらしく、
不貞腐れたように地面に胡座をかいている。
なんつーか子供だ。

770とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:35:46 ID:L00uRj1o
>>769
「暫くそのままチカラを使い続けてくれ。
 モノによっては時間の経過で危険な状態に陥ったりという可能性もあるからね。
 …まあ、そのチカラは十中八九何も起きないと思うが」

そんな訳で暫く放置されるようだ。

771とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:41:25 ID:ItaDjgx2
>>770
「……あいよ。
考えてみりゃあ黒い炎が腕を包んでたんだよなぁ。なんかあってもいいだろうに。」
不貞腐れながらもあぐらの体制のまま、返事をする。
なんだかんだいって虎の腕の可動域を調べたり、軽く振って感触を確かめたりしてる。

772とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:44:50 ID:L00uRj1o
>>771
こうして時間は過ぎ去る。
結果としてモノが握れなくなったというデメリットだけ判明するに至った。

「ふむ…これにて今日の工程は終了だ。
 一日様子を見て今後の事を決めるといい」

白衣の男はそう告げる。
とりあえず施設内は自由に歩き回れるようだ。

773とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:50:50 ID:ItaDjgx2
>>772
「……りょーかい。」
来るまでとは打って変わって項垂れながらそういう。
ずーんと落ち込みんでいるのが一目でわかる。

「……………。」
こんな暗い気持ちじゃ寝るにも寝れず、適当に歩き回ることにする。

774とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:53:37 ID:L00uRj1o
>>773
沈んだ気持ちで歩き回っていたら中庭に出た。

「おや?ビート君じゃないか」

落ち着いた感じの男の声がする。

775とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 22:56:50 ID:ItaDjgx2
>>774
「ん、あんたは………」
沈んだ気持ちをごまかすように引きつった笑いを浮かべながらあたりを見回す。

776とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:01:14 ID:L00uRj1o
>>775
「や、施術の方は済んだみたいだね」
『…』

近づいてきたのは、全てを断つ魔刃を振った手刀から放つ背の高い金髪碧眼の青年だった。
相変わらず、その横には、ウェーブがかった豊な黒い長髪と引き込まれる様な黒い瞳を持つ女性がいた。

777とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:05:15 ID:ItaDjgx2
>>776
「終わったぜ………うん、思ってたより地味だったな。」
(ここも、俺の能力も、何もかもだ!)
黒く淀んだ感情を悟られることがないように笑いながら。

778とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:07:37 ID:L00uRj1o
>>777
「まあ確かに最初はそんな感想さ。
 僕も初めて能力を使った時は羊皮紙一つ満足に切れなかったしなあ」
『…』
「ああ、イージスなんか人差し指大の障壁しか展開できなかったんだよ?」
『!』

ぽかぽかとイージスと呼ばれた女性が青年を叩く。

779とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:17:15 ID:ItaDjgx2
>>778
「使い込めばマシにはなると。わかった。
あんたらほどじゃないにしろ、使えるようにはするさ。」
そう言っているものの、心中は尚も穏やかではない。
その可能性は曖昧な言葉を加えながらも既に言われているのだ。おまけに暴走とかとも無縁のようだし。
なんというか、嫉妬しているのである。いろんなもんに。

「んむ……その子と親密そうだな。ただの相棒でも無さそうだし……恋人かなんか?」
やけに無神経にもそんなことを聞き出そうと

780とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:20:23 ID:L00uRj1o
>>779
『!!』

今度はビートにポカポカ攻撃がっ

「いや、そんな艶っぽいものじゃない。
 相棒というのが一番適切だと思っているよ」

そんな姿を微笑ましく青年はみている。
止める気ねーのか。

781とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:28:34 ID:ItaDjgx2
>>780
「いや、スマンスマン。でも、アンタこいつにつきっきりで、てっきりホの字かと。」
こんな女の子がポカポカ殴ってきても(ベルとの殴り合いの時に比べれば全然)痛くないので、ヤバそうなところだけ、片手で防ぎ。

「んー、俗っぽいことだけど、そういうこと考えないのか?
こんな綺麗な子が相棒で。」
そうやって防ぎながら青年にそんなことを訪ね。

782とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:39:00 ID:L00uRj1o
>>781
『…!』

今度は障壁を展開してそれで殴ってきた。
どこかの魔女のように其れが飛んでこないだけましかもしれない。
ものすごく硬いけどな!

「考えるも何も、イージスは男の子だよ?」

783とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:44:09 ID:ItaDjgx2
>>782
「ははは……そんあはずグヘェ!」
よそ見をしているところに突如重い一撃が飛んできて大きく仰け反ったあと、二発目を恐れて逃げ出すように距離を取り出す。

「………殴ってきた理由って性別間違えたからか?」
とんでもない誤解をしてたみたいで、それを双方に確認をとる。

784とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:46:14 ID:L00uRj1o
>>783
ぼかぁっ!
そして青年に繰り出される障壁パンチ。

「いや、冗談ぐへぇ!?」

青年も大地に転がった。
イージスはプンスカと擬音を発しながら去って行った。

「うーん、ついからかいたくなるんだよねえ」

785とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:52:30 ID:ItaDjgx2
>>784
「……あんなに怒らなくてもいいのに…」
性別気にするなら髪剃れよとか失礼なことをなおも考えながら。

「…………ああいうのって汎用性あって便利そうだねぇ……。」
障壁魔法しか使えないとか言ってなんだかんだでうまくやってる知り合いの魔女を思い浮かべながら、去っていくイージスを見てそうつぶやく。

786とある世界の冒険者:2013/02/19(火) 23:57:28 ID:L00uRj1o
>>785
「そうだね。防寒にも役立ちそうだし、雨の日も傘をさす必要がない」

使い方が実にみみっちい。

「それと念のため言っておくと見た目通り、イージスは女の子だからね」

787とある世界の冒険者:2013/02/20(水) 00:04:07 ID:DyJ/kpgI
>>786
「戦闘するにしてって意味だよ。
日常で使えるにも越したことはねーけど。」
こんどそんなことできるのか、ベルに聞いてみようとか思いつつ。

「……ありゃ、そうなのか。
んで、実際どうなんだ?あいつがいない今、話してもいいと思うけど。」

788とある世界の冒険者:2013/02/20(水) 00:05:39 ID:FymfBzrk
>>787
「ああ、そっちの意味かい?どうなんだろうね、戦うのは基本僕の役目だし」
「それと実際も何も言った通りさ。兄妹で恋愛感情も何もないだろう?」

789とある世界の冒険者:2013/02/20(水) 00:12:54 ID:DyJ/kpgI
>>788
「それでもだ。よくわかんない能力得た身としては羨ましいんだよ。」
自らの愚痴も交えてそんなことを言っている。

「ありゃま、兄妹だったか……こりゃ失敬。」
(んー、これ以上突っ込むのはやめとっか。髪の色とか、厄介な話が絡んでくるかもしれんし。)

790とある世界の冒険者:2013/02/20(水) 00:15:42 ID:FymfBzrk
>>789
「さて、そろそろ戻るかな。
 フォローもしておかないと明日以降が怖い」

起き上がるとやれやれと頭を悩ませる青年。
身から出た錆。自業自得。

「君も割り当てられた部屋に帰って休んだほうがいいよ?」

そう言って去って行った。
そんな感じで今日はここまで。

791とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:15:20 ID:BLsa3IxM
クエスト名:怪物の住む村を焼き払え
内容:王都の外れのある村にて、人間が怪物へと形を変えたという報告が寄せられた
諸君にはこの報告の真偽を確かめてほしい

万一この噂が真実だった場合は、村の人間を一人残らず殺害せよ
これも平和のためだ

報酬 : 金貨10枚
―――― 受注しました ――――
王都から森をいくつか超えた先に、その村は存在した
村では炎を纏った一人の怪物が暴れていて、そこに住む村人は皆逃げまどう
怪物は、確かに実在したのだ

//乱入歓迎クエストです
迷い込んだ形でもクエストを受けた形でも野次馬でも、
お好きなコースをお選びいただければ

792とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:19:54 ID:wKqfEVls
溶接面の様な仮面と分厚い篭手や具足から神父服を纏ったゴーレムに見える大男が
銀鎖に包まれた漆黒の棺を軽々背負って訪れる。

「……」

双子月はジェスタとペローマを祀る神官拳士、降臨。
教会もお金がないと運営できないのだ。

793とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:25:03 ID:BLsa3IxM
>>792
『うわー!』
『こっちに来るな化け物ー!』

炎を纏う魔物は、人間の顔ほどはあるだろう火の玉を作り出しては、無造作に投げる
村は瞬く間に炎に包まれていく

ヴァントには気づいていない様子、奇襲をかけるならこのタイミングか

794とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:27:57 ID:OAim//BM
「………胸糞悪いなぁ」
左肩をマントで覆い隠した軽鎧の青年
どんな依頼であっても稼ぎの都合上、受けざるを得なかったのだ。

諸事情で乗り込むのは遅れてしまったが。

795とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:35:03 ID:wKqfEVls
>>793
「…」

のっそのっそと大男が歩き出す。
左腕で棺を吊り下げているので右手だけが空いている。
その手を火の魔物が投げつける火の玉に向ける。

ブィン、と音がして白い光が火の玉に照射される。
マグイキネシス、魔力による念動波。
術者が片手で持てる程度の対象を引き寄せたり、突き放したり出来る。
火の玉が比較的強力な魔法でないなら魔術的なものを引き寄せることも可能だ。

796とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:47:28 ID:BLsa3IxM
>>794
「……グググ……」
どこからか湧いてきたらしい、もう一体の炎を纏った怪物
炎に包まれた腕を、青年へと振り下ろす

>>795
炎の球は、その目論み通り大男の元へと引き寄せられていく
「グググ……」
炎の球を再び作り出して、大男にそれを放つ怪物
大男に気づいたらしい

797とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:49:54 ID:wKqfEVls
>>796
「キャッチ」

と言いながら引き寄せた火球を放たれた一撃に向け。

「リリース」

投げ返す。

798とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 21:54:20 ID:OAim//BM
>>796
「………うおっと!あっぶね!」
右手で左側の腰元に差したありふれた片手剣を引きぬくとともに怪物の攻撃を受け流す。
そしてその返しで相手を逆袈裟斬りにせんと剣を振り上げる!

799とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:05:59 ID:BLsa3IxM
>>797
「グググ……」
火炎の直撃を受ける怪物
しかし、火炎は怪物の炎に触れると、
それに溶け込むようにして同化してしまう

怪物はゆっくりとヴァントのほうへと近づいてくる
怪物は村人たちからは遠ざかっているようだ

>>798
「グググググ……」
後ろへと押される怪物
接近戦は不利だとでも認識したのか、
人の顔ほどの火炎を作り出し始める

800とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:11:15 ID:wKqfEVls
>>799
「検証と行こう」

ドガシャ!と音を立てて棺が地面に落ちる。
観音開きの蓋が開くと中から無数の黒腕が伸び出る。

「行け」

神官が一言呟くと複数の黒腕が怪物目掛け四方から迫る。

801とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:17:13 ID:OAim//BM
>>799
「………ッ。時間稼ぎか!」
相手が後退して火炎を産み始めている。このまま突っ込めばもろとも焼かれてしまうかもしれない。
ただ、杖を持ったほうが威力があるとはいえ剣を持ったままでもある程度の魔法は使える。さすれば、向こうの攻撃を待つ理由もない。

拳ほどの水球を5、6個作り出し、風の魔法を用いて高速で射出する。
狙うは手足などの末端。相手の体勢を崩して火球の放つ方向を逸らさせるため。

802とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:20:59 ID:BLsa3IxM
>>800
「グググググ……!」
動きは鈍いらしく、腕を避けることができないらしい怪物
直撃は間逃れないだろう
>>801
「……グググッ!」
水を受けて苦しみながら、大きな音を立てて倒れる怪物
火炎は不完全であったせいで消え去る
水が弱点なのかもしれない

803とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:24:02 ID:wKqfEVls
>>802
黒い腕が怪物を捉え地面に叩き伏せる。

「…さて真偽の程は」

大男が怪物へと歩みよる。
地面に陣を展開し、魔術的な捜査開始。
ヒトが変じたものなら何かしらの痕跡が残っているだろうと踏んで。

804とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:25:38 ID:OAim//BM
>>802
「ん、こいつは儲けもんだな。とどめを刺して、探索かね。」
倒れてる化け物の胴体らしき部分に向けて剣を突き刺そうとする

805とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:33:27 ID:BLsa3IxM
>>803
怪物の体に一か所だけ、異様なほどに魔力が高いところが存在した
この怪物のそれは、胸のあたりである

>>804
「グググググ……!」
体が炎をあげて燃え上がったかと思うと、
そこに残されていたのは剣と、
色のない小さな魔石が残されているだけであった

806とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:34:40 ID:wKqfEVls
>>805
「ん」

分厚い篭手を其処に近づけマグイキネシス。
取れたりするんかな、と。

807とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:39:13 ID:OAim//BM
>>805
「なんだこれは……魔石?
……なんだか、きな臭い感じがしてきたなぁ。」
死体が燃えたことや人には生成していないであろう魔石が出てきたことを怪しく思いながらも小さな魔石を拾い上げる。

(――とりあえず、住民に話を聞く必要があるか………。)
そう結論づけて、悲鳴が上がっているところに向かっていく。

808とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:47:12 ID:BLsa3IxM
>>806
怪物が弱っていたせいか、はたまた別の理由か
石はヴァントの手元へと
石の中では炎が燃え上がっていて、あたりを照らす

そして、それを取り出された怪物は、気付けば人と化していた
酷いやけどを負った、そんな姿の人に

>>807
『ひ、人が……化け物に……』
足を竦ませた村人が一人、そこにはいた
もう少し進めば、もっと大勢の村人がいるかもしれない

809とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:51:24 ID:OAim//BM
>>808
(………錯乱してそうだ。こいつに話を聞いても、信用できねぇ……。
仕方ない。もうちょっと進むか。)
依頼の都合上、早く逃げろと言うこともできず、怯えた村人を放置して村の中に進んでいく。

810とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 22:52:10 ID:wKqfEVls
>>808
「…む、生きているか?」

下手に自身の魔法をかけても回復は難しいだろうと黒い腕によって棺へと移動させる。
適切な処置ができる場があれば恩の字なのだが…

811とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:01:05 ID:BLsa3IxM
>>809
『うわ、わわわ……
グググググ……』
放置された人の手足から、炎が燃え上がりだす
さきほどの化け物の姿へと近づいているのだ
目を血走らせて、視界に入った人間、デズモンドに忍び寄る

一方で、もう少し先から声が聞こえてきた
人が集まっているのであろうか

>>810
「が、おれ……は、なん……で……」
かすれた声を出す、火傷を負った人
声からして男性であったのだろうか
そして意識は遠のいていくのであった

812とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:03:50 ID:wKqfEVls
>>811
「… (不味いな…これは村の方でも起きているのか?)」

棺を引きずりながら村へと。
中にヒトを入れているため攻撃には使えないので少し困る神官。

813とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:06:50 ID:OAim//BM
>>811
「……あっちか!」
(さっきのことから考えると剣よりは魔法が効く!
杖に持ち替えるべきだな。)
剣を鞘に収め、マントの裏に仕込まれた短めの、先端に緑色の魔法石がついた杖を右手に持ち、急いで先を進んでいく。
向こう側の声に気を取られていて、背後の声には気付いていない。

814とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:15:21 ID:BLsa3IxM
>>812
『ど、どうなってるんだ……?』
『そんな、どうして……』
村では、集団で固まって避難しようとしている村人のうち数名に、変化が生じていた
さきほどの怪物に似た炎、それが手足から噴き出ていた

>>813
ヴァント同様に、目の前には怪物化していく人々という光景が
彼と一つ違うのは、背後から熱気が感じられて、足音が聞こえる点だ

815とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:18:19 ID:wKqfEVls
>>814
「…魔石だ!それを持っているものは今すぐそれを捨てろ!!」

願わくば、単に所持しているものであるなら対策は簡単だと。
この変異が何かの陰謀か奇病で内から生じてしまうものだと厄介だが…

816とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:24:27 ID:OAim//BM
>>814
「どういうことだありゃ―――くッ!」
話を聞くべきと思っていた村人の手足から炎が噴出して唖然としているところに背後からの熱気。
その熱気とは裏腹に背筋に冷たいものを感じるとともに振り返りつつおそらくこっちに放たれているであろう火炎を打ち消すために水球を乱射する!

「……ッ!…………ッ!」

817とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:30:44 ID:BLsa3IxM
>>815
『魔石……?』
『一体どういう……』
村人の反応を見るからに、
内から生じる類のものであることがうかがえる
そして村人は次々と化け物へと、その姿を近づけていく

>>816
『グガガガガガ……!」
水球によって火炎は打ち消されて、
背後から忍び寄っていたらしい化け物も、
輝きを無くした魔石を残して消え去っていた

『熱い、熱いィィィィ!』
次々に村人たちは怪物へとその姿を近づけていく
今だ予兆の見られない村人も見受けられるが……?

818とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:35:14 ID:wKqfEVls
>>817
「むう…」

全てを救う事は出来ない。
が、そう割り切ることこそ悪である!!

「マグイキネシス!!」

こうなりゃ一か八かである。
変異途中の村人の胸部目掛け魔力念動波乱れ撃ち。

819とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:41:20 ID:OAim//BM
>>817
「……ふぅ…ふぅ……。」
(まずい、下手こけない状況だ。………どうする?)
息を整えつつ、この化け物がどんどん増えていく状況を打開するための手段を考える。
そうして思い至った結論は………

「………ハイドロディザスター!」
それは範囲魔法によって化け物も"住民も"いっぺんにまとめて攻撃する乱暴な手段であった。
杖をかざすと目の前に直径5m程の魔法陣が出現。
そこから水の濁流が溢れでて、避難している村人ごと、化け物を飲み込もうとする!
あくまで水の塊なので、村人にぶち当たっても直ちに生命に異常は現れないレベルではあるが。

820とある世界の冒険者:2013/02/22(金) 23:56:48 ID:IogY8PFs
>>818
現段階での村人の総数は50
うち男女問わず10代以下であった村人5人から、
魔石を取り出すことに成功する
子ども達はそれぞれ手や足、顔などに火傷を負っているものの、
命に別状は見られなかった

魔石の中ではやはり、炎が燃え上がっている
しかし、その輝きはさきほどの怪物から回収した石に比べると暗い
そして残りの村人はすべて化け物と化してしまった

>>819
そして化け物たちはハイドロディザスターによって、まとめて始末される
それぞれが輝きを失った石を残して
子ども達もそれを受けて、彼らは気絶するのであっ

821とある世界の冒険者:2013/02/23(土) 00:02:11 ID:g/iP3/6Y
>>820
「…すまん」

救えなかった者たちに謝罪を述べる大男。

「誰か、彼の手当てを頼む」

棺の男を任せ魔石の解析を始めようと、地に陣を展開。
輝きの暗い魔石を一つ置いてみる。

「この地で何が起きている…?」

@そろそろ寝るぜぃ

822とある世界の冒険者:2013/02/23(土) 00:08:33 ID:PxOojpXo
>>820
「………終わった……のか?」
(さて、住民は全員始末しなきゃならん話しなんだが…………。
"始末した"って話でいいだろう。この子たちは偶然ここで寝てた哀れな子供ってことで。)
とりあえず、倒れた子どもたちが本当に生きているか確認しようと

>>821
「……苦手分野だ。どっちみち、病院には連れて行きたい。
怖いのはこの火傷からの感染症、そういう知識はないんでな。」
そうヴァントに伝えた後、気絶した子どもたちに簡易的な治療魔法を使う。
怪我を消すようなシロモノでなく、単に体の抵抗力を僅かに増やすような水魔法の初級のものであるが。

823とある世界の冒険者:2013/02/23(土) 00:15:10 ID:TUIKU9rI
>>821
魔石から感じられる魔力
その魔力は人に浸食する魔力であった

//了解、お疲れ様でした!

>>822
一応脈はあるようで、すやすやと眠りについている様子
子どもを連れて行くのも、捨てていくのも自由
今この村には、二人と子どもしかいないのだから

824とある世界の冒険者:2013/02/23(土) 00:26:47 ID:PxOojpXo
>>823
(………金を貰わずにこの子たちを孤児院に預けるか、子供を放っておいて金をいただくか。
言うまでもねぇな。こういう奴を見捨てたら、俺は何のために金を稼いでるのかわからなくなっちまう……!)
自身の夢のためにも、この子達を見話せるわけがなく、風の魔法で片っ端から持ち上げていき、ゼイゼイと息を上げながら運んでいく。

その後、デズモンドは報酬を受け取らず、孤児院に子供を届けに行った……
【眠気が……限界です。落ちます。】

825とある世界の冒険者:2013/02/23(土) 00:38:55 ID:TUIKU9rI
>>824
その子達がどうなったかは、また次の機会に

//了解、お疲れ様でした!

826とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 22:38:57 ID:48Goi4iY
<王都近くの草原>

「……っ、この辺りまで来れば。」

【左腕に赤い装具をつけた金髪の少年が足を止めた。
どうやら、それなりの距離を走ったらしく、息が切れている。

服装はいつものものであるが、以前と比べて多少綺麗になっている。
というのも、様々な事情から先ほどまで病院におり、そこから逃げ出してきたからだ。】

「畜生……!この、俺が……また、あんな場所に……。」

【息を切らしながら、手を強く握りこみ、悔しそうに恨み言を吐く。もちろん、病院のことだ。
幼い頃から病院に入ることが多かったビィバードにとって見れば、病院は苦い思い出しかない場所だ。】

827とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 22:47:53 ID:cdaBOzyg
>>826
「あれ・・・?あの赤い装具・・・」
【薄青い髪の少女が草原を散歩している】

「・・・前戦ったあいつかな・・・?」

828とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 22:56:34 ID:48Goi4iY

「(とりあえず、早く戻らねぇとな……。)」

【ひとしきり、恨み言やら愚痴を吐き終えると大きく息を吐いた。
整理がついた訳など無いが、戻る必要があるからだ。】

「…………っ!」

【そして、再び歩みだそうとしたときに目の前にレイヤが見えて
ため息、あるいは舌打ちのように声を漏らした。】

829とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:00:20 ID:UFGH90S6
>>828
「・・・・」
【一瞬沈黙する、そしてビィバードの顔を見つめ直す】

「ま・・・またやるつもりなの・・・?」

830とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:07:47 ID:48Goi4iY

「やらねぇよ……!こっちだって必死なんだ。
オマエなんかの相手をしてたら、下手すりゃこっちが困るんだよ!」

【相変わらず、今にも襲い掛かりそうな獣の様な荒さであるが
以前とは違い、仕掛けるつもりは毛頭無い様だ。】

「……さっさと帰れ。うろちょろすんな。」

831とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:16:02 ID:UFGH90S6
>>830
「ふーん、必死なのか・・・」
「で、何に必死なの?」
【さっきの緊張感は何処かへ飛んで行ったようだ】

832とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:24:32 ID:48Goi4iY

「……チ。切り替わりの早いな。
要するにはあの後、大変だったんだよ。」

【襲わないと分かった途端に態度が戻るレイヤを恨めしそうに睨んだ。
何がとは言わない。あの後とはレイヤが去ったあとの話のことであろう。】

「ともかく、帰るんだから邪魔をすんな……!」

833とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:38:46 ID:UFGH90S6
>>832
「じゃあ何が大変だったと・・・?」
「あと帰るって何処に・・・」
【態度を緩めたかと思うと今度は質問攻めである】

834とある世界の冒険者:2013/02/24(日) 23:48:16 ID:48Goi4iY

「…………おい、気が変わってもいいか?」

【あくまでも以前は戦っていたもの同士である。
というより、こちらが通り魔のごとく襲い掛かったといっても良いだろう。

そんな相手に質問攻めを続ければ、流石にいらいらしてくるのは当たり前だ。
まして、まともに言葉を交わすのはこれが最初である。つまり、初対面に等しい。

仮にビィバードでなくても、初対面の相手に根掘り葉掘り尋ねるのは失礼である。】

「それとも、わざと俺にそうやってンのか、オマエ?」

【段々とビィバードの態度が以前と同じような方向へと変わり始める。
普段から、魔力が多い体であるが、その魔力の流れが強くなり始める。】

835とある世界の冒険者:2013/02/25(月) 00:15:18 ID:P/LU29x6
//20分以上経ちましたので、寝落ちと判断してお先に失礼します。
//お疲れ様でした。

836とある世界の冒険者:2013/02/26(火) 22:24:46 ID:TIDPTxIU
<王都近くの草原>

「……近頃は夜も暖かい、でござる。」

【腰辺りの長さで仕立てた和服にズボンというちぐはぐな服装をした男が王都へ向けて歩く。
腰には剣と刀が一本ずつ差してあり、これまたちぐはぐである。】

「しっかし、今日の依頼は楽でした、でござる。」

【どうやら、仕事帰りらしい。
見た目からして、剣を扱う職であろうが、少々、頼りない印象である。】

837とある世界の冒険者:2013/02/26(火) 22:39:41 ID:TIDPTxIU

「とりあえずは平和に帰って……紅茶でも飲みたい、でござる。
……そういえば、あの和菓子屋は、確か……。」

【ぼんやりと足を進めながら、片手を顎の辺りに当てて思案している。
履き物はネオベイのものかと思いきや、普通の靴である。】

838とある世界の冒険者:2013/02/26(火) 23:25:32 ID:TIDPTxIU
FO

839とある世界の冒険者:2013/03/13(水) 22:59:15 ID:rlfvevMo
<王都近くの草原>

「んふふー。」

【金髪の少女が草原にある岩場に座っている。
腰には空き瓶が無数に付けられており、少女といえど、不気味である。

だが、極めて少女は楽しそうに岩場に座ったまま、足をぶらぶらと遊ばせている。
そして、不思議なことに、少女の周辺には甘い香りが立ち込めている。】

「それにしても……いつまで、裏でコソコソ動き回るんでしょうねー。
準備はそろそろ、整っていても良さそうなのに。」

840とある世界の冒険者:2013/03/13(水) 23:28:14 ID:rlfvevMo
FO

841とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:13:49 ID:x6dmmiN.
クエスト名:骨まで愛して
内容:魔境『王都付近の村』からの依頼だ。
    最近村の近くの廃砦にネクロマンサーが住み着き村の少女を攫っているらしい
    何でも死んだ嫁さんを生き返らせるための儀式を行っているらしいんだ
    気の毒だがここは別の方法で嫁さんと再会させた方が皆幸せじゃないか?
報酬:それ相応の価値を持った宝石(通貨として使用可能)


 受注しました ▼


―――― 伝説の魔境 『王都付近の村』近く 廃砦 ―――――

大量虐殺から放火まで悲劇なら何でもござれ、な王都付近の村
今回はそんな悲劇の地近くの砦(ここも血生臭い場所に違いない)でのお仕事である

依頼を受けた冒険者はひとまず村人の案内の元、廃砦に辿り着いた

842とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:18:58 ID:5xtEVG72
「王都での記念すべき初仕事だべや〜。
 ……でも、なんかおっかない場所だべな…?」
依頼を受けてこの地にやってきた、駆け出し冒険者の少女。
故郷の田舎からはるばる王都に繰り出し、
今日が冒険者としての記念すべき第一歩である。
……しかし、初っ端からなんとなく恐ろしげな仕事を受けてしまった様な。

843とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:34:21 ID:x6dmmiN.
>>842
「王都クエストデビュー戦って事か。 こういうのは最初が肝心だから何とか成功させたいね」

リュネンの呟きに答えたのは同じクエストの参加者、
リュネンと同じ年ぐらいのヤケに傷跡が目立つ顔をした青年だった
とりあえず砦に乗り込んで何とか無双ばりの働きをする前に軽く作戦を立てようと
砦付近の森で身をひそめている参加者たち

「討伐対象がネクロマンサーだからある程度どう立ち回ればいいか見えるんじゃないかな」
「という訳で問題。 ネクロマンサーの戦い方と言えば何が思いつく?」

844とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:36:41 ID:KpivzipM
>>843
「クフフッ、燃やせばいいのデす。全て燃やせば」

物騒なことを言いながら遅れて登場したのは
黒の修道衣を纏い目深に被ったベールと長い前髪で目を覆う猫背で背の低い女

845とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:39:34 ID:5xtEVG72
「あ、どうも〜!今日はどうもよろしくお願いします!」
同じ参加者である青年に、元気良く挨拶。


「そうですね〜…??
 ネクロマンサーって、死体を操ったりしてくるんですよね?
 …なら、火責めとかが有効そうな気がします!」

846とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:44:00 ID:OqDJ7k0.
>>843
「……死体は火葬すれば手っ取り早いのでは」

遅れて登場する、黒い髪の中性的な容姿の青年
背後には霊感の類が備わっていれば騎士の霊の姿を捉えられる

847とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:48:04 ID:77fCTP.E
>>843-846
「火を使う…って言ってるけど…心配だなぁ…」
「…まあ何とかなるかな」

薄青い髪に白い服の少女が現れる。
言動からして炎技は使えなさそうである。

848とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:49:58 ID:x6dmmiN.
>>844-847
「うん。 やっぱり死体を操るし炎系中心だよね」
「ゾンビにスケルトンに…… この規模の砦なら流石にゾンビドラゴンは無さそうだ」

「ところで『全て燃やせば』が別の意味に聞こえたけど気のせいだよね」

まさか砦ごと焼き尽くす気ではないだろうな、と
多分ぶっ壊しても問題ないだろうが森も焼けたら必然と依頼主がいる村まで巻き添えだ
ただ働き云々どころか自分達が新しいクエスト対象になるに違いない

「しかしランクに対して妙に集まったね 砦への攻め方だけど正面突破でもしちゃう?」

849とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:53:23 ID:5xtEVG72
「賛成です!
 正面から正々堂々、ネクロマンサーさんを懲らしめにいきましょうぜ!!」
The・無策!!
駆け出し初心者冒険者故か、慎重さが足りないのであった。

850とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:54:39 ID:77fCTP.E
>>848
「やっぱり…炎中心かぁ」
「せめて迷惑にならない程度に支援ぐらいはさせてもらおうかな…?」

「正面突破でも奇襲攻撃でも何でもいいんじゃないのー?」

本人は支援主体と考えているようで戦法を考えはしていないようだ。

851とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 20:59:58 ID:KpivzipM
>>848
「この人数ですから陽動作戦でもいいのデは?
 裏口の一つや二つあるデしょうし。
 正面から堂々と行くものと裏から行くものに分ければいいかと…」

852とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:02:36 ID:OqDJ7k0.
>>848
「ただの正面突破では浮かばれない魂が増えるのではと
そしてそのせいで僕らはタダ働きです」
ただの正面突破では少女を巻き込む可能性もあると遠回しにやんわりと

853とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:09:00 ID:x6dmmiN.
>>849-852
「陽動かけた方が無難だね。 人数的に表3人 裏2人、その逆でもありかもしれない」
「希望制にしようか。 表の陽動係希望者は挙手で」

エピスの言葉に頷き、自分の言葉と共に挙手する青年
能力的に潜入よりも陽動の方が向いているんだろう、と考えての結果だ

854とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:12:41 ID:77fCTP.E
「どっちでもいいけど…余った方でー」

きょろきょろと全員の様子を見ている。

855とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:12:53 ID:5xtEVG72
「はいはい!そんじゃ、私表からいきます!!」
と、元気良く挙手。
…性格的にも、陽動の方が合っているだろう。

856とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:14:34 ID:KpivzipM
>>853
「クフフッ、騒ぐのは皆さんにお任せしたいデす」

ジメジメした感じは裏工作とかそういう方面向きなのかもしれない修道女。

857とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:16:34 ID:OqDJ7k0.
>>853
「僕は裏方に回りますよ
影から隙を伺うタイプですので」
派手に立ち回るのはあまり得意でないため挙手しない青年

858とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:23:34 ID:x6dmmiN.
>>854-857
「表希望者二人、裏希望者二人か」
「相手の数がわからない以上陽動係は多目に、という訳で……」

結果、陽動係としてレイヤ、リュネン、ディフ
裏方にはエピスとヴァッシュが回る事になった
妥当と言えば妥当か

「攻め込むのには陽動作戦くらいで十分か?」

859とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:27:21 ID:5xtEVG72
「んー、私は他には思い浮かばないですねー…?」

860とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:29:18 ID:KpivzipM
>>858
「クフフ、砦の詳細など分からないのデしょう?
 なればこれ位でやるしか無いのデすよ…
 因みに裏口を確認してから作戦開始デすからね」

861とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:30:29 ID:77fCTP.E
>>858
「表かー…まあ一応できることはやろうかな」

本人はとりあえず周囲に合わせようと思っているようだが。

「…とりあえず自己紹介ぐらいしとかない?」
「お互いの名前が分かっている方がやりやすいかもしれないし」

「私はレイヤ、よろしくね」

862とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:33:58 ID:OqDJ7k0.
>>858
「僕も作戦といったものは思い浮かびません
こちらの判断で臨機応変に対応しますよ」

863す、すまん時間の都合的に自己紹介については……:2013/03/14(木) 21:44:32 ID:x6dmmiN.
>>859-862
「よし、それじゃあ」


「……お互いの幸運を祈って」


――― 表チーム

>>859 >>861

自己紹介を終え、砦の前へと向かう三人
塀の上では弓を携え、侵入者がいないかと辺りをぎらぎらと見つめるスケルトンが四、五体
正面の門は老朽化故に崩れてしまっているため、入る事自体は簡単にできそうだ

「………もう少し愛嬌がある顔だった気がするんだけどな。 別の骨だから仕方ないか」

「ところで二人共、準備はいい?」

――――裏チーム
>>860 >>862
表チームが陽動出来る事を願い、裏口を探す二人
裏口こそは無かったが、正面の門とは別に塀に穴が空いており注意の目さえ来なければ入る事ができそうだ
恐らくネクロマンサーが潜んでいるであろう、灰色苔付豆腐ハウスからの距離も近い

864とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:47:58 ID:KpivzipM
>>863
「ふぅむ、如何にもな穴デすが…
 見張りの気配がないのは存在に気が付いていないからデしょうか?」

首を傾げる修道女。

「如何したものやら」

865とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:48:27 ID:77fCTP.E
>>863
「うん、一応大丈夫(小声)」

両手に腰に差していた剣を持ち、スケルトンの様子をうかがっている。

866とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:48:33 ID:5xtEVG72
「あ、申し送れました!私はリュネン=コンラート。
 …皆さんよろしくお願いします!」
自己紹介を終えて、任務開始…。

身を潜めて正門近くへと接近。
「…うわぁ…ホントに骨が動いてる…!
 …私、死霊術って見るの初めてなんですよー…!」
ひそひそと声を潜めつつも、どことなくテンションが高い。

「…ええ、大丈夫です!いつでも行けますよ〜。」

867とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:56:12 ID:OqDJ7k0.
>>864
「確かに如何にもな……問題は見張りがどこに潜んでいるでしょうか」
うーんと唸りながらも

「向こうの動きに一つ、合わせてみますか……
どこに隠れているかわかったものじゃありませんしね」
陽動に合わせて行動を開始するつもりの青年

868とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 21:59:51 ID:KpivzipM
>>867
「それも手デすね…ふむ、万が一を考えてもう一つ仕込んデおきましょう」

ごそごそと袖から鈍く光る黒っぽい小石をとりだし、
卵を割るようにしてその小石を砕いた。
何か黒い靄のようなものが一瞬生じて消えていく。

「クフフ」

869とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:05:59 ID:OqDJ7k0.
>>868
「仕込みは多いに越したことはない、ですか
でしたら僕も一つ」
肩より下げていた黒い鞄より、一見なんの変哲もない人形を取り出し、
それを適当な目立たない場所に座らせておく

870とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:14:07 ID:x6dmmiN.
―――表チーム
>>865-866
「……それじゃあ、行くよ!」

懐から銀色の半液体の何かを取り出したかと思うと、次の瞬間銀色の槌を手に持つ青年
そして次の瞬間、まだ破壊されず残っている鉄製の扉に槌をめり込ませ、派手な音を経て破壊
辺りを徘徊する屍達の視線を一気に集めた

「死にたい奴だけかかって…… あ、いやもう皆死んでたね」

砦の中庭でうろうろしていたゾンビが数体、塀の上で弓を構えていたスケルトン数体
全員を敵に回すことに成功したようだ
表チームの面々それぞれに向け弓を引き、大量の矢が発射された

>>867-869
正面の方から鉄の板が盛大に倒れるような音が聞こえた
どうやら表チームの面々が行動を開始したようで、塀の上のスケルトンたちが正面の方に集まっていく
普通の人間と違って向こうはただ動いているだけの屍、陽動である事なんて思いつきもしていないだろう

が、二人のうちどちらかの耳がいいのなら
塀に開いた穴の向こう側から正面へ向かっているのとはまた別の、『カラン』という音が聞こえてくるだろう

871とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:14:13 ID:tRf5wE3M
美少女エロ画像

http://tutlyuyhk.blog.fc2.com/

872とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:17:34 ID:KpivzipM
>>870
「ン?攻撃開始というところデしょうか…此方も行きますか」

耳はそんなに良い方ではない修道女。
警戒はしつつも穴へと向かう。

873とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:21:42 ID:5xtEVG72
「おっけーい!!」
元気な掛け声と共に、
古びたショートソードとスモールシールドを構えてディフの後を続く。

「さぁこいゾンビにスケルトンども!」
自分の方に飛んできた矢を盾で防ぎつつ、魔法の詠唱を始める。
当初のプラン通り、火で攻めるつもりなのだろう。
少女へ火の魔力が集中していくのが感じられる。

874とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:24:18 ID:OqDJ7k0.
>>870-871
「ええ、そうですね……
……音?」
背後の霊が音を捉える
霊体であっても音は聞こえるらしい
青年は薄くなっていく霊にそれを伝えられて、小声でぽつりとつぶやきつつ、
警戒を強めて穴へと進む

875とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:25:06 ID:OqDJ7k0.
>>874
安価ミス
>>870-872

876とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:27:35 ID:77fCTP.E
>>870
「とりあえず防がないと…」
「アイスウォール」
手を突き出すと掌から六角形の氷の防壁を展開、矢を受け止める。

「続けてアイシクルボム!」

近くにいたスケルトン2,3体に対して氷球を放つ。
これには衝撃が加わると冷気が拡散することにより擬似的な爆発をする性質がある。

877とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:39:00 ID:x6dmmiN.
―――表チーム
>>873>>>876
「ファイア!」

こちらも近くにいたゾンビに着火、そして鈍器で殴りつけた
レイヤの防御のおかげで三人に矢が届く事はなさそうだ

そして、スケルトン三体、ゾンビ一体を早速潰すことができたが
建物内からまたゾンビとスケルトンが出現
そのうち一体が丸くて黒い球体を持ってこちらへ特攻…… ひょっとしたら、ではないがアレは爆弾ではないだろうか

―――――裏チーム
>>872>>874
穴を潜り抜けようとした二人のうちどちらかに、今まさに鉄の刃が振り下ろされた
ヴァッシュが警戒してくれたおかげで恐らく大きな傷を負う事はないだろうが、ひょっとしたら喰らうかもしれない
見るとここで待ち伏せていたであろう、三匹の剣を持ったスケルトンがいた

878とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:44:47 ID:5xtEVG72
≪万物に遍く火の精よ、我が呼び声に応じよ…≫
詠唱するのは、一般的に広く使われる簡単な火の精霊魔法。
簡単な分、詠唱者の魔力に大きく左右される奥の深い基本魔法である。

≪…闇夜を照らすその強き炎にて、あいつ等を焼き払えっ!!≫
詠唱を終えると、魔力が凝縮され、熱く滾る火球と化す。
(………あっ、しまった。)
それは炎の矢となり……あろうことか、爆弾を抱えたゾンビめがけて一直線に飛来!

879とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:45:06 ID:77fCTP.E
>>877
「大きくて黒い球体…良ければただの鉄球、悪ければ爆弾か」

「もし爆弾ならこれで誘爆を誘えるかなー?」
「クリスタルナイフ!」

爆弾を持つゾンビに向かって氷の刃を放つ。
標的は足。バランスを崩すのを狙っていることは言うまでもない。

880とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:48:03 ID:KpivzipM
>>877
「のぉぅっ!?」

咄嗟に後ろに跳ね、ベールを犠牲にしながらも回避に成功する修道女。
しかし尻もちをついた。

「グフッ…やっぱり潜んでいましたか、なれば!!」

左手を正面に翳し放つは黒い波動。
微風程度の圧しか生じないそれは、
大音量の地の底から響く怨嗟の声を伴って放たれる。

「陽動その2と行きましょう、本命はソロソロ堕ちてくるデしょうし!」

881とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 22:53:41 ID:OqDJ7k0.
>>877
「ッ……!」
こちらに振り下ろされた刃の反応にわずかに遅れてしまう
刃は青年の肩を掠らせる

「痛ッ……僕のしたことが、陽動など性に合わないというのに
憑依、続けて憑依魔法鬼火!」
消えかけていた霊が消滅すると同時に、青年の魔力の質が変化する
そして両手に手のひらサイズの青白く熱を発する球を作り出し、
それらをスケルトンに向けて放つ

882とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 23:03:20 ID:x6dmmiN.
――――表チーム
>>878-879
リュネンの炎よりもレイヤの氷の刃の方が発動までに素早かった
足が見事に破壊され、前のめりに倒れるボムスケルトン
だがしかしそれでもリュネンの火球が着火、そして爆破

「……おー、GJ 今ので結構吹っ飛んだよ」

その爆風に巻き込まれ、新しく出てきたスケルトンやゾンビの殆どが土に帰った
しかしまだまだ、塀の上やら小屋で待機していたのやらが出てきた

――――裏チーム
>>880-881
ヴァッシュの放った球体がスケルトンの一つにぶち当たり、灰と化した
そしてエピスの黒い波動を一身に受ける、スケルトン二体
しかしエピスに接近し、再び剣を喰らわそうと試みている

883とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 23:06:59 ID:5xtEVG72
「あ、あはははは!結果オーライって奴…?」
よもや爆弾の爆発に巻き込まれるか…?とも思ったが、
大惨事とはならず、むしろ敵の大多数を吹っ飛ばす結果となったようだ。

「よーし、次、いきますよー…!」
剣を振りかざし、残ったアンデッドどもへと駆け寄る。
…お次は接近戦で片付けるつもりの様だ。

884とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 23:10:06 ID:KpivzipM
>>882
表の騒ぎに乗じて塀の上へと一直線に下降する存在が一つ。
それは大きな青白い炎で塀へと着弾すると衝撃波と共に青い焔を周囲にまんべんなく散らす。
それは魔力で練り上げられた業火。
物理的に飛び火し延焼が広がることこそないが、
魔術的に動く存在には十分すぎる程の焼き討ちとなるはずである。
上空からの接近に気付かれ着地に失敗しなければの話だが。


同刻、青い炎の塊を呼び出した張本人こと死霊術師の修道女は…

「のわわわわ」

カサカサと忙しなく手足を動かし這いつくばって逃げ回る。
正面切っての戦い?一番苦手だばっきゃろい!!

885とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 23:18:16 ID:OqDJ7k0.
>>882 >>884
(なにかが近づいてきている……?
これは……)
「……憑依解除」
宣言すると同時に青年の体から弾き出される、騎士の幽霊
そして青年の指から二体のスケルトンに向かって伸びる、魔力で構成された糸
エピスの近くで糸を操り、それをスケルトンに巻きつけさせようと試みる
例え一瞬でも時間さえ稼げれば十分と思って

886とある世界の冒険者:2013/03/14(木) 23:32:33 ID:x6dmmiN.
>>883-885
「リュネンさんちょっとスト……」

何かが飛んでくるのを察知しリュネンを止めようとした青年
しかし少し遅かった
直感的に銀色の槌を体に密着させ炎から庇うように体を曲げた
物理的な威力がない分、冒険者三名はひとまず無傷
しかし、砦の地上でうごめいていた屍達は消滅し、元の屍と帰って行った

骨が蠢きあう音は消え、静かになった砦
一先ずはネクロマンサーのしもべであるスケルトンやゾンビの殲滅に成功した
しかし未だ姿を見せないネクロマンサー。 依頼を達成するためにはどうも中に入る必要があるが

今回は一先ず、FOである

887とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:32:52 ID:P8i6ulKQ
第一裏ゲート>>897からの続き

「………侵負…そんな……。」
右腕に虎からの攻撃を受けていた以上、それを認めるしかなく下を向き

「…まさか、俺も化け物になったんですか!?」
頭の中がグチャグチャになりながら壮年にそう問い詰めて

888とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:35:49 ID:a9/CL1kc
>>887
「言ったろう?意思は無い、と。
 つまり構成が似通っているということだ。
 現時点で君が侵負になるという事はないだろう…予測でしかないがね」

889とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:43:08 ID:P8i6ulKQ
>>888
「…つまり正確には侵負じゃないと」
変化させた右腕をじっと見て

890とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:48:54 ID:a9/CL1kc
>>889
「今のところは、だ。
 それが何時、君に害をなすかは予想できないよ」

891とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:56:06 ID:P8i6ulKQ
>>890
「……できる限り早く取っ払うべきって事か。
侵負に対抗できるやら魔法が使えるやら聞いてたから期待したんだけどなぁ……。」
(……ん?侵負に対抗できる力ってつまり侵負で侵負に対抗って意味なのか?)
あの兄妹の力も侵負が関わってんのかと推測しつつ右腕を元に戻す

「でもなぁ……俺その研究所から追われてるんだよね…」
そう言った後になんで研究所から出る羽目になったのかを話す

892とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 21:57:22 ID:a9/CL1kc
>>891
「もう私には何が何だか分からないな…
 ゲシェンクも怪しいし、ムゲンは一体何をやっているんだ」

うむむ、と唸る壮年。
確かに分からない事が多すぎる。

893とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:05:25 ID:P8i6ulKQ
>>892
「……ムゲンに事情を聞きたいんだが、アイツが何時何処にいるかわかんねぇしなぁ…」
研究所には戻れない以上、情報を握ってるのはムゲン達しかいない。
故に見つけなければならないのだが……

「…情報がないなら、どうすればいいんですかね……。
合宿やるなら、参加しますよ…。」

894とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:11:26 ID:a9/CL1kc
>>893
「話を聞いていたかい?
 君がいつ何時どうなるか保証できない、そう言ったんだよ?
 言わば君は何時爆発するかも分からない爆弾のようなもので、
 その状態で合宿に参加なんて…出来る訳がないだろう。
 理由まで説明する必要はないね?」

895とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:21:40 ID:P8i6ulKQ
>>894
「……ともすれば、出来る限り王都に行かないほうがいいですね。」
なんでいつも行動が裏目に出るのかと、深くため息を付いて。

「…最悪、侵負が暴れないうちに俺が死ぬべきなんでしょうけど……。
俺って、渡り手ですし、ヒロに全責任を背負わせるわけにも行かないし……」
最悪を避けるための手段を口にした後に現状の危うさを実感して、未練たらしくそれをすべきでない理由を口にしだし

896とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:30:50 ID:a9/CL1kc
>>895
「私としては君が現時点で渡り手たる適性を失っていないかが心配なんだが…」

897とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:36:26 ID:P8i6ulKQ
>>896
「……とりあえず、ヒロに頼んであの剣をまた握らせてもらおうかね!」
(………冷静に考えれば俺が渡り手じゃなくなればこうやって親身になってくれる理由もないんじゃないのか!?)
口振りの割りには表情はやけに焦った様子で別れも告げずに塾から去ろうと

898とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:39:43 ID:a9/CL1kc
>>897
「それがいいと思う。
 兎も角…君を一人で行動させる訳にはいかないから少し待っていてくれ」

そんなビートを引き留める壮年。

899とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:43:05 ID:P8i6ulKQ
>>898
「………わかった。」
一人で向かった結果虎に殺られかけた以上、壮年が誰かを連れて来るまで待たざるを得なかった

900とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:52:46 ID:a9/CL1kc
>>899
暫くして…

壮年「いや、待った、落ち着くんだ、少し冷静に…」
ベル「こぉんの大ボケェェェェェエエエエエエエエエエ!!!」

ガシャン!とけたたましい音と共に扉があけ放たれ魔女が現れた!

ベル「勝手に出て行った挙句に渡り手じゃあ無くなったですってぇぇええええええええ!!」
壮年「いや、それはまだ決まったわけじゃ…」

901とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:56:28 ID:P8i6ulKQ
>>900
「……いや、その…………。」
ベルの勢いに気圧されて思わず後ずさりする。

「……それを確かめに行こうかって…」
挨拶をしなかったこと、渡り手じゃなくなったかもしれないことなど、後ろめたいことが積み重なって強気に出れず

902とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 22:59:57 ID:a9/CL1kc
>>901
ベル「調べるまでもないわよ、このトウヘンボク!!」

すっぱーん!と目にもとまらぬ速さでハリセンが叩き込まれる!

ベル「対侵負用の武器が侵負紛いに扱える訳ないでしょうが!そうよね、ドゥクス!!」
壮年「いやまあ理屈からいえばそうなんだが…」

903とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:07:10 ID:P8i6ulKQ
>>902
「グワーッ!」
頭にハリセンが叩きこまれ、前のめりになり

「……そりゃあそうか。
でも、ケジメをつける為にも確かめては見たいが…」

904とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:14:47 ID:a9/CL1kc
>>903
ベル「そんでヒロを泣かせる気?」
壮年「…むむ」
ベル「んな分かり切った事するくらいならその腕切り落とす方法考えんのよ!」

905とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:22:09 ID:P8i6ulKQ
>>904
「腕を切り落とすだと!?格闘家としての人生を諦めろっていうのかよ!
そんなことするなら色んな物無視して研究所に乗り込んだほうがまだいいわ!」
腕を斬れと言われればなんでそんなことをしなきゃいけないんだと逆上しだし

906とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:27:51 ID:a9/CL1kc
>>905
ベル
「…何熱くなってんのよ、何も物理的に切れってんじゃないの」
壮年
「確かに侵負は魔術的な構成要素が強い、
 それだけを取り除くというのは不可能な話ではないとは思うが…」
ベル
「そうなると必要なのは情報よ。
 アンタ…少しは心当たりないの?
 ムゲンやゲシェンクって連中と接触して収穫ゼロって事はないでしょ?」

907とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:38:26 ID:P8i6ulKQ
>>906
「………スマン、冷静になれてなかった。」
ベルたちのの反応で正気を取り戻し、頭を下げ

「……あいつらの話だと体の何処かに魔石を埋め込んでるって言ってたな。
あとはこの腕が、一度襲われた虎の侵負に、ちょうどここに攻撃食らったってことか。
…具体的な解決策は出せない。ごめん。」
右手の甲を左手で軽く叩いて

908とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:41:08 ID:a9/CL1kc
>>907
ベル
「他には?敵の名前とか…」
壮年
「我々は侵負の事を知らない。
 ましてや対抗策も剣の存在を知っているだけだ。
 渡り手などの言葉も剣の情報でしか得られていない」

909とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:53:43 ID:P8i6ulKQ
>>908
「ええと…研究所、ゲシェンクの所長はユベルって名前だったか。闇の魔法っぽいの使ってた。
それと虎の侵負はやけに硬かったが、単に対侵負用の武器がなかったからだろうな。
現に研究所の所属の兄妹は普通に有効打与えてたし。」

「その兄妹は兄は真空波出す力で、妹はベルみたいに障壁張る能力だったか。
妹の名前はイージス、兄の名前は忘れた。」
とりあえず、敵になるかもしれない輩を片っ端から挙げて見ることに
主にゲシェンクの事についてだが

「あとは……ジグザルザー?んーと、なんか違う気がするが、侵負を片っ端から排除する無人スーツが…」
そういった後に無言になった後、顔が真っ青になる

910とある世界の冒険者:2013/03/17(日) 23:55:36 ID:a9/CL1kc
>>909
ベル「…ん、どしたのよ?」

顔色の変化に首をかしげる。

911とある世界の冒険者:2013/03/18(月) 00:00:29 ID:icnIiToI
>>910
「……ムゲンにそいつ釣るために侵負のダミー仕込まれたことがあったんだが、その時にちょっとな…。
あいつに狙われたら、間違い無く死ぬ。侵負だったら誰彼かまわず襲うらしいし…。」
あの時に見た太刀筋を思い出しながら

912とある世界の冒険者:2013/03/18(月) 00:07:42 ID:oX5C2i2s
>>911
ベル「…うっわ、それヤバい」
壮年「事態は思ったより深刻そうだな」

酷い事になった…次回に続く。

913とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 20:45:51 ID:pOlyLzWM
>>912
「具足とか色々つけてたでっかいのが有利に立ち会えてたけど………空飛んで逃げてたな。
少なくとも俺じゃあ無理だ。逃げることも時間稼ぎも……な。」
自分自身が情けなく感じ、頭を右手で抑えながらため息を付いて

「……だから、移動する回数はできるだけ減らしたいんだが……むしろこれから何をすればいいのやら…」

914とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 20:51:46 ID:899PZ5is
>>913
壮年「ううむ…」
魔女「んー…」

悩む二人、中々いい案は浮かんでこない。

915とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 20:58:43 ID:pOlyLzWM
>>914
「正直な話、俺達よりも侵負に詳しそうなムゲンに聞くのが一番な気がしてきた……。」
いくら考えても打開できる方法が思い浮かばず、ガクンと項垂れて

916とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:00:33 ID:899PZ5is
>>915
ベル「つーかさぁ、アイツはアイツで何処から侵負ネタ拾ってきてたのかしらね?」
壮年「…確かに。未知の敵だからこそ厄介な訳だが、彼は妙に精通しているような気もする」

917とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:06:43 ID:pOlyLzWM
>>916
「……研究所に乗り込んだ事を考えると怪しいところに突っ込んで情報収集はしてそうだな。
まぁ、少なくとも敵では無さそうだけど…。」
そういった後に思い出したかのように

「レラールさんとか狩人らしい女の子……んーと、名前忘れた。
まぁ、知り合いも多そうだったな。うん。」
と言う

918とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:10:13 ID:899PZ5is
>>917
壮年「レラールは共通の知人だが…」
ベル「狩人らしい?女の子…いや、なんで狩人らしい、なのよ。ハッキリなさいよ」

919とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:18:55 ID:pOlyLzWM
>>918
「いや、実際に狩人かどうかはわからんかったし……。
あと具足つけた大男もいたけど……」

920とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:21:56 ID:899PZ5is
>>919
ベル「んん?なによそれ」
壮年「具足をつけた大男…いやぼんやりし過ぎてて像が浮かばないな」

921とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:28:35 ID:pOlyLzWM
>>920
「…………神父っぽい服装っだったな。他はどんな特徴か忘れた。」

922とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:36:25 ID:899PZ5is
>>921
壮年「神父……彼か?」
ベル「ゴツイ具足の神父、間違いないないわね」

923とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:46:41 ID:pOlyLzWM
>>922
「ん、そいつも知ってるってんならムゲンが特別顔が広いって訳でもないのか。
……でも、あいつはやけに侵負に詳しいと。」
そう言ってしばらく思案した後に、

「………あいつもヒロのことを大事に思っているらしいし、せっかくの渡り手がこんなザマなら、手を貸してくれるかもしれないな。
それか、俺のことを見捨てるかのどっちかだけど、今のままじゃ埒があかないし。」
と、ため息を付いたあとにいう。

924とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:51:54 ID:899PZ5is
>>923
壮年「いや、まあ、なんというか…」
ベル「知ってる顔だけど知人ってわけじゃあないし、どっちかと言うと敵?」
壮年「…見解の相違という奴なのだろうけどなぁ」

何やら確執があるようで。

ベル「いや、間違いなく見捨てる」
壮年「ああ、君は男だから間違いなく見捨てるな、彼は」

そしてムゲンのビートへの対応をきっぱり言い切る。

925とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 21:57:20 ID:pOlyLzWM
>>924
「うへぇ、打つ手無しかぁ………。」
両手で頭を抱え出す。

「……最悪、腕が無くなるにしろ侵負はどうにかしないとなぁ…。」

926とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:00:44 ID:899PZ5is
>>925
ベル「馬鹿ね、そこで何でそうなるのよ」
壮年「教会所属の彼らが我々の知らない何かを知っているのは間違いないだろう」
ベル「だったら聞きに行くしかないじゃない、好き嫌いとか言ってる場合?」
壮年「それに厳密には我々私塾勢ではない君なら彼らも邪険にはしないんじゃないか?」

927とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:12:16 ID:pOlyLzWM
>>926
(渡り手じゃ無くなったとか散々怒っても面倒見てくれるなんてなぁ……良い奴らだな。)
「………まぁ、なんだ。
……ありがとうございます。」
深々と一礼をして

「……そういえば、その場所ってどこにあるんだ?」

928とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:16:13 ID:899PZ5is
>>927
ベル「何よ行き成りお礼なんて……気持ち悪っ!」
壮年「ははは…ああ、教会の場所は王都の中心街だ。そこに行けば分るさ」

深底気味悪そうに言う魔女と苦笑する壮年。

929とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:25:31 ID:pOlyLzWM
>>928
「…なんだよ、さすがにそこまで面倒見てくれる奴に感謝しないほど、礼儀知らずじゃないぜ?」
そんなにおかしいのかと不機嫌そうな声になり

「……それじゃあ王都まで一緒に来てくれないか?
エンカウントしたらまず勝てない奴がゴロゴロいるから一人で動きたくねぇ。
さすがに街中じゃ誰も動かないだろうし。王都からは一人で動く。」
一度咳払いをしたあと、そう話を切り出す。

930とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:27:37 ID:899PZ5is
>>929
壮年「まあまあ…そういうことなら腕利きを呼んだ方がいいだろう」
ベル「そーね、少なくとも私は嫌よ。危険なの判ってるし」

壮年「少し待っていてくれ、呼んでくるよ」

そういうと壮年は教室を出て行った。

931とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:33:16 ID:pOlyLzWM
>>930
「言っちゃ悪いだろうけど、初めて塾に来る前に俺もベルも、ボッコボコにされてるもんなぁ。
と、なると誰が来るのやら…。」
一度背伸びをして、誰かが来るまで適当にのんびりしようと

932とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:37:08 ID:899PZ5is
>>931
壮年「連れてきたよ」
眼鏡の青年「どうも」
ベル「あら、これ以上ないのが来たじゃない」

右腰に魔銃を吊り下げ森私塾制服を着た黒縁眼鏡な黒髪の青年がやってきた。

青年「やあ、ベル。久しぶりだ」
ベル「ほんとね、何か噂はチラホラ聞くわよエルンスト」

933とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:45:53 ID:pOlyLzWM
>>932
(…銃かぁ。やっぱ、強くなるには武器とかいるんかねぇ…。)
連れて来られた人物の腰元をチラッと見てそんなことを思い。
…ビートには銃と魔獣の区別がついてない様子である。

「……えーと、よろしく。」
エルンストと言われてる人物に軽く会釈する。

934とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 22:58:38 ID:899PZ5is
>>933
眼鏡「よろしく。簡単に現状を教えてくれるかい?」

青年は柔和な笑みを浮かべビートに問う。

ベル
「あら、意外にリアクション薄いわね。
 アンタが強化合宿受ける理由になった凄腕の一人だって言うのに」

935とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 23:11:55 ID:pOlyLzWM
>>934
「………いや、すっかり忘れてた。ムゲンとコンビ組んでたのってコイツ……この人って言ったほうがいいのか?」
ベル達から聞いた話……合宿で即殺されてたが、今では大活躍している話をやっとこさ思い出す。

「……まぁ、腕に侵負みたいなものが付いて一時的にでも渡り手じゃなくなったから、それをどうにかしようと情報を得るために王都に向かおうと思ってるんだけど、
今の状況だと、いろんな奴に命狙われてて、下手したら死ぬかもしれないんで、護衛してもらいたいなって……」
簡単に、現在がいかにやばいかと、なんで呼ばれたのかを説明する。

936とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 23:16:26 ID:899PZ5is
>>935
眼鏡「いや、好きに呼んでくれていい」
ベル「じゃあ眼鏡」
眼鏡「ベルにそんな風に呼ばれたことあったかな?」

ムゲンと違い、根がまじめそうである。

眼鏡「成程、平たく言えば王都までの護衛か」
ベル「まあ、ささっとやってきてよ、私も頼みたいことあるし」
眼鏡「委細承知」

937とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 23:23:01 ID:pOlyLzWM
>>936
「んじゃあ……エルンスト、でいいな。」
ムゲンと違って付き合いやすそうだな、とか失礼なことを思いつつ。

「そんじゃ、早速出発しようぜ。早く用事を済ませたほうがよさそうだし。」
とりあえずこの腕をどうにかしたいので、出来る限り早く終わらせようと考え、立ち上がって外に出ようと。

938とある世界の冒険者:2013/03/23(土) 23:26:13 ID:899PZ5is
>>937
さてさてどうなるやら、次回に続く

939とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:18:45 ID:OjxNJC72
>>937
「さて王都までの道のりはそんなに長くはないんだけどな…」

私塾を出、森を歩く。
周囲の視界は悪い。

940とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:25:49 ID:2dL9xWLI
>>939
「まぁ、確実に襲われるわけじゃ無いしな。
エルンストの出番がないに越したことは無いんだが………」
(こんだけ視界が悪いと、もし襲うにしても場所も限られるだろうし、空から来るならともかく茂みから来るなら音で気付くだろ……)
茂みから何かが飛びてしてくるかどうか、耳を澄ませながら周囲を歩く。

941とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:30:35 ID:OjxNJC72
ズガコン!

突如吹っ飛び出てくる黒い異形。
一対の翼とゴムの様な質感の黒い肌を持つ顔のない異形のヒトガタだった。

「やれやれ…鬱陶しい奴だぜ」

遅れて現れるのは鬼を模した面を付け黒い洋服の上から白の和服を着崩すヒトガタだった。

942とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:35:41 ID:2dL9xWLI
>>941
「早速お出ましか……侵負相手って下手な奴より厄介じゃないか?」
そう言ってめんどくさそうに頭を掻いた後、何かを思いついたかのような顔になり

(………おんなじ侵負ってんならこれだって有効打になる…よな。)
一般的な武道の構えをすると共に右腕を侵負に変化させて

943とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:40:32 ID:OjxNJC72
>>942
『うん?なんだお前ら』
「…そっちこそ何だい?」

吹っ飛び出てきたヒトガタは仰向けになって動かない。

『俺か?見りゃあ分かるだろ。そっちの兄ちゃんと同じもんよ』
「…彼は人間だよ」
『んんぅ?んなこたあねえだろ、キュウキの眷属かなんかじゃねえのか?』

944とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:47:05 ID:2dL9xWLI
>>943
「俺はまぁ侵負ではないが……それっぽいのが腕についてるだけで。」

「キュウキ?誰のことだかさっぱりだな………。
……もしかして、虎っぽい侵負の事か?」
自身の変化させた右腕をチラッと見て
たしかあの虎、自身の名前を名乗っていたはずだ。
名前を覚える気はなかったが

945とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 21:50:27 ID:OjxNJC72
>>944
『ほら、やっぱ知ってんじゃあねえか』
「…キュウキ?…それがあの侵負の名、か」
『なんだ、結構手ぇ出してるんだなアイツ、そっちのニンゲンも奴を知ってるのか』
「まあね、にしても名があるのは知らなかったな、重要な手掛かりになる」
『けっけっけ、そりゃ名ってのは魔術的にウィークポイント足りえるかんなあ』

『にしても奴の眷属でもないのに其の気を発してるのは解せねえな』

946とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:00:39 ID:2dL9xWLI
>>945
「……別に名前知らなくてもいいんじゃないのか?
身体的特徴ですぐわかるだろうし。」
(エルンストもキュウキを追っているのか?だから、この護衛に乗ったのかね……)
その気というのは間違いなくキュウキの物のことだろう。
だが、何があったかをペラペラ話していいのかと少し考え……
(………侵負側の視点から見れば、もしかしたら他の連中とは違う情報が得れるかも……別に話してもいいか)
「いや、確かに奴の攻撃が右手にあたったのは事実だが、ちょっと違うな。
ゲシェンクって所で魔法使えるようにしてもらえたらこうなったんだ。」
と、結論づけ、侵負に対し簡易的に経緯を話す

947とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:06:06 ID:OjxNJC72
「…ビート、僕達は侵負の事を何も知らない。
 名前から得られる情報だってゼロじゃあないんだ。
 連中の情報は何であれ欲しい。少し慎重になっておいたほうがいいと思うよ」

やや呆れ気味に青年は言う。

『ほぅ?そいつは面白い話だな。
 そんな風にチカラを拡散できるのは…ふむふむ』

何か思い当たるのか思案顔。

948とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:14:18 ID:2dL9xWLI
「……名前が体を表すって事か?
まぁ、すまんな、俺には教養が足りてないんだ。」

「………何か知ってそうな顔だな。面白くもなんともない話でそんな考えるか?」
ヒトガタに向かってそう呼びかけて

949とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:28:14 ID:OjxNJC72
>>948
『そりゃあ知ってるぜ?だが教えてやる義理はねえ』

そういって踵を返す。
背を向ける刹那、吹っ飛ばした異形をぶった切って。
断たれた異形は塵となって消えかけ、急に収縮し黒い石となった。

「!」
『まあ、情報料だ、とっとけよ』
「殺生石を残されてもね…」
『くははっ!それすら残せねんだろ、今のニンゲンはよぅ』

そういって去って行った。

『うぉなんだてめえ!?噂の辻斬りか!!』

そして離れたところで戦いの音がし始めた。

950とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:37:51 ID:2dL9xWLI
>>949
「………その石、研究材料でもなんでもいいからもらっとこうぜ?」
ヒトガタが去った後にその黒い石を元に戻した右腕で拾い上げて

「………噂のジグザルザーだったか、そんな侵負専用の辻斬りが向こうにいるな。
次に狙われるのは間違い無く俺だし、あいつを助けるのも兼ねて撃退したいが……俺が敵う相手じゃない…行けるか?」
戦闘音、あのヒトガタの発言からその先の相手を察して。
無論、自分では敵う相手ではないので、エルンストに行けるかどうか聞いてみる。

951とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:41:00 ID:OjxNJC72
>>950
「優先すべきは王都へ行くこと。
 障害はああいった連中。
 だったら無視して進むべきだろう? 
 連中が共倒れしてくれれば儲けものだ」

何を馬鹿な事を、と。

「ビート、目的意識は確りと持っておくべきだ。
 あれもこれもと目移りした結果がその虎の手だと戒めておくべきじゃないかい?」

952とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:51:49 ID:2dL9xWLI
>>951
「いや、あの仮面被った奴はともかく、もう片方は確実に敵に回るから……
……だったら倒せる時にジグザルザーは倒したいんだが……グググ…。」
(エルンストの言うことはわかるが、わかるけどよぉ!
なら一人で行くか!?無理だ!勝てるわけない!だが、あいつを見捨てるのも……!)
しばらくどうするか、唸りに唸った後、ため息を付き、

「……わかった。アイツを無視して王都に向かうよ。
俺だけで行っても無意味、エルンストも動かないんじゃな…」
と、観念したかのように言う。

953とある世界の冒険者:2013/03/26(火) 22:53:50 ID:OjxNJC72
>>952
「ああ、今が倒せる時、とは思えないからね」

そんな訳で王都までは大した障害もなくたどり着いたのだった。
次回へ続く。

954とある世界の冒険者:2013/03/30(土) 23:23:13 ID:7hRjPtRE
<王都近くの草原>

「んー、そろそろ始めるとのことですが、調整は終わってるんでしょうかねー?」

【草原の一角にある岩場に座ったまま、楽しそうにしているのは毛先のみが黒い金髪の少女。
見た目からしては中等部くらいの学生といったところである。
服は上下共に動きやすい服装なのだが、大量の空き瓶をぶら下げており、少々不気味だ。

欲しいものを待ち望む子供の様に足をブラブラと遊ばせている。】

955とある世界の冒険者:2013/03/30(土) 23:37:49 ID:7hRjPtRE

「ま、おじいさんの言葉を信じましょうかっ。」

【楽しそうに声を弾ませながら、岩からぴょこんと飛び降りると
着地したところで、うんと伸びをする。】

「ふふ、それに私は私で今晩のご飯を探さないといけませんしねー。」

【口元に手を当てて、クスクスと笑う。
すると、心なしか少女の周辺から甘い香りが漂い始めた。】

956とある世界の冒険者:2013/03/30(土) 23:56:01 ID:7hRjPtRE
【そして、どこかへと歩いていったとか、FO】

957とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 22:38:40 ID:/9qumpfQ
<王都近くの草原>

「ンン……何だ、コレェ……?」

【最近、出没を続ける黒い芋虫上の物体。
大きさは4メートルはあり、ただ目的もなく進行を続けるという。

しかし、その巨体で移動しているというのに、出現場所は安定しない。
体はぷにぷに種に似た粘着質に富むもので、また粘液に覆われている。

さらに、時折、体から湧き出るようにして黒い泥が放出される。
その泥は死臭を湛え、撒き散らされ、周囲を汚染していく。

そんな、芋虫状の物体の前には大きな岩。ちょうど、進行を阻む形で存在している。】

958とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 22:48:48 ID:VLbtAfW2
「(あれが……兄さんが噂に聞いたって言う……!)」

背高の叢の中に隠れる、白いリボンに青いポニーテールの少女。
その眼は未知との邂逅に見開かれており、動揺が見て取れる。
視線の先といえば勿論、この平凡平坦な原を進む黒い異形を他において無い。

959とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 22:49:15 ID:hQsSHALc
>>957
「触らぬ神にたたりなしっていうけどさ、これはどうしたもんかね……」
あるクエストの帰りであった、腰に拳銃二丁をぶら下げた青い髪の青年
王都への近道と草原に寄ったのが運の尽きであったようで、
目の前には周囲を汚染する芋虫と、進行を阻む形で存在する岩

(泥を食らうとまずそうだな……、さてどうしたもんか)
その物体から少し距離を置き、回り道をするか力づくで押し通るか思案しつつも、
暫し様子見することにする

960とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 22:56:45 ID:/9qumpfQ
>>958-9
「……んぁー……コレ、固い……タブン。」

【こんな不出来な生物でも、言葉をもてるだけの知能は存在している。
そして、その巨体を自ら起こした。

すると、その体で生成したと思われる牙状のものと口が現れるがどちらも不恰好。

動物程度なら、咀嚼できそうだが、岩ともなれば話は別だ。
だが、このまま岩をどうにか出来なければ、この芋虫状の何かは進行できない。

この巨体で、体当たりでもすれば動かせそうではあるが、どう見てもそんな事は出来そうにない体だ。
また、今のところであるが2人の存在には気づいていない。】

961とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:00:08 ID:VLbtAfW2
>>959
「……!」

不意に影が見えた事に驚くが、少ししてそれは安堵に変わる。
あの様な大型だ。もし戦闘になったとして他に敵が在れば命取りに為り得る。
しかし、今の所はそうでも無さそうであった。

>>960
「(喋ってる……?
知能があるんだ……。)」

気配や臭気から、あまり良い印象は持てない。
その上で知能を持っていれば、今暫くの動き次第では戦わねばならない。
腹の上で握らせていた拳が、益々硬くなる。

962とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:08:31 ID:hQsSHALc
>>961
(誰かに見られている……のか?)
不意に視線を感じた気がした青年
しかしあたりを見渡してもそれらしき影は見当たらない

>>960
(こっちには気づいていないか……)
距離を置こうと後ずさりする青年
万一戦闘になったときに備えて、腰の拳銃に手を添えておく

963とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:12:25 ID:/9qumpfQ
>>961-2
「ンン……オマエ、出来る?フゥん、そう……。」

【と、不意に〝誰かに問いかける〟ような声色で話し始めた。
もちろん、この時点では2人に気づいてはない。加えて近くに何かがいる気配もない。

だが、この芋虫状の巨体は〝そこに誰かがいる〟様に話している。】

「流石、このボッカボッカのトモダチ……出来が違う!」

【言い回しが実に人間臭い。そして、突然現れた固有名詞。
どうやら、今話しているこの巨体は「ボッカボッカ」という名前らしい。】

「じゃあ、頼ん――――、ン゛ぇ――――!」

【頼むように声を上げようとした瞬間、喉が潰れたような声を上げて、口ががぱり、と大きく開けられた。
元はぷにぷに種の体であるため、伸縮性に富み、開く幅も非常に広い。大人程度なら丸呑みに出来るほど。

本来ならば、そこには口と言う大穴が存在しているはずである。

しかし、そこに在ったのは――――――――巨大な目。眼球だ。

それがその口を埋めるように嵌っている。】

964とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:21:16 ID:VLbtAfW2
>>962>>963
「(あれは一体……。
あの人と話している様子じゃな――

【バキッ……!!】

「……!!」

思案している内に、足元への集中が疎かになった様だ。
足を動かした瞬間、運悪く枝を踏みつけ、乾いた音が鳴った。
これはまずい、と少女は身を強張らせて姿勢を低くする。

965とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:29:31 ID:hQsSHALc
>>963
(視線は感じどもほかに人がいるとは……)
出方に注意すべき相手が目の前にいるために、
その目付きは険しく、なにかを探るかのよう

>>964
(ッ、誰だ!?)
声に出すと気付かれる、故に青年は無言で振り向くも、やはり人はいない
しかし目の前のあれはそのせいで、隠れられなかった青年に気づくかもしれない
そんな予感がよぎる

966とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:36:34 ID:/9qumpfQ
>>964-5
「……うぃ――――ほ、ほほ――!」

【口の中に現れた目が、ぎょろりと、その音の方向へと目を動かす。

目が現れた途端に、声もまるで下手糞な弦楽器の様に不愉快な高音へと変わり
言っていることも、わけのわからない言葉へと変わった。

すると、一度、目が引っ込んだ。】

「す――え、れれ――!」

【奇妙な金きり声と共に、再び体から目玉が出現する。位置はルーノを目の前とする形。
つまり、このまま直進すれば枝の鳴った方向、すなわちルーノの居る場所へとたどり着く。

そう、この生物に前後左右は存在しない。
ごぼりと泥を体から噴出させると、その枝の鳴った方向へと進行を始める。

先ほどまでとは違う巨大な目玉と共に。】

967とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:43:35 ID:VLbtAfW2
>>965>>966
「(くっ……見つかった……!)」

内心で自身を責めつつ、腹を括る。
大きく息を吸い込み、金切り声に目を細めた後……

「……!」

止まれ、と言わんばかりに両手を広げて叢から飛び出した。
カイサからすれば、無謀な行動とも取れるだろう。

覚悟を決めた表情は緊張で強張っている。
その青い束ね髪だけが風に揺れるのみだ。

968とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:50:54 ID:hQsSHALc
>>966
向こうが気付いたのはこちらではなくここにいたらしいもう一人の少女
あの化け物、こちらには気づいていないのだろうか……?

>>967
(……)
あの化け物がこちらに気づいていない以上は、
このまま王都へ向かうのが得策であろう
あの少女との接点もないし、正義の味方を気取るわけでもない
しかし……

「……くらえッ!」
腰にぶら下げていた拳銃を取り出して、怪物に向けて発砲する
怪物の大きさからすれば石ころのような魔弾が放たれる

969とある世界の冒険者:2013/04/02(火) 23:59:47 ID:/9qumpfQ
>>967-8
「ふぃ――ん――ぢぃぢぃ――!」

【わけのわからない言葉と共に、飛び出てきたルーノに気づくと進行が止まる。
体の一部が小さく膨れると、そこが破裂し泥が噴出する。

その巨大な目をぱちくりとさせ、それは驚いているようにも見える。】

「ふ――にぃげ――りぃ、りぃりぃ――!」

【しかし、その姿を見るとその瞳だけをぐにゃりと歪めて笑いの形を作る。
それと同時に、その目玉に夥しい量の赤い魔力が集中し始める。

あまりにも多すぎるその魔力はあふれ出し、その目から毀れだす。それはまるで涙の様に。
そして、その赤さは血の様に。不気味な泣き笑い。】


「…………!」

【だが、カイサの放つ魔弾によって、一瞬、瞳の位置がずれる。
もちろん、その魔弾はダメージを与えることなく、体の中へと消えていく。

しかし、その瞳の位置がルーノからずれた瞬間、その瞳から赤い光が放たれる。
それは螺旋を描きながら、照射され、それは木へとたどり着いた。

すると、その木が強風にでも吹かれたかのように枝や葉をざわざわと揺らしたかと思うと
その幹を見る見るうちに曲げていく。

やがて、耐え切れずに幹が折れると、そこから上を吸い込みその目玉へと収めた。】

970とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:04:51 ID:Utmki2lQ
>>968>>969
「くっ……!」

その異形と言うに相応しい振る舞い。
敵と判断し切れた訳でなくとも、背筋を走る物がある。
どうか、悪い魔物でありませんように……

「……!」

その願いは、一瞬で吹き消された。
発砲、光線。
そして今まさに吸い込まれる大樹。

「やらなきゃ……!」
漸くと相手を敵と判断し、身構える。
我が性分ながら、一度先手を打たせなければ敵と判断できないのは困りものだ。

>>968
「……ありがとう!!」

銃声のした方へと声を投げ、一つ力強く礼を言う。

971とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:10:24 ID:LE/uX0cs
>>969
「さて……これで俺も当事者になったわけか」
弾丸は少なくとも相手の注意を向けるのに役立ったと言えるだろうか
早計だったといえなくもないが……

向こうの様子を見て拳銃を構え直し、体制を整える

>>970
「ん、気にするな」
と短く返しつつも、戦力として密かに期待している青年であった

972とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:18:29 ID:g8tu0bdg
>>970-1
「…………。」

【瞳がぎょろり、ぎょろりと2人を言ったり来たり。
すると、カイサの方へと向けたところで視点が固まった。それと同時に再び目に魔力が滾る。

目玉全体が赤い光に覆われていく。
そして、目玉全体がまるで水面のようにゆらゆらと揺れ始める。】

「き――ぃ――ぃ、ぃぃ――!」

【ガラスを引っかいたような声と共に、少しだけ身を仰け反らす。
その後、カイサの方に倒れこむようにして勢いをつけた。

すると、目玉からにゅ、と木の幹が覗く。
その瞬間、その木が矢の様にカイサに向けた発射させられる。無論、先ほど吸い込んだ木だ。】

973とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:23:31 ID:Utmki2lQ
>>972
「ルーノは、ルーノ=二グラ……助かったよ!
他は後で!」

利発そうな声色でそう言うと、一気に駆け出して距離を稼ぐ。
その最中、少女の黒いブーツを中心に淡青色の光が沸き……

>>972
「霧氷……脚ッ!!」

カイサと異形を結ぶ直線距離のややカイサ寄り。
その点に、ルーノが辿り着いていた。

魔力の籠った右足を、裂帛の一声と共に大きく振り抜く。
氷を纏った足が斧の様に木の"槍"に向けて叩き付けられた。

974とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:30:18 ID:LE/uX0cs
>>972
「こっちに来るか……!?」
拳銃二丁を瞬時に重ね合わせてそれらが輝きを放つ
するとそれは盾の形を取ろうとして形が変っていく
しかし瞬時に変化するわけではない、その木自体になにか変化が生じなければ、
青年はそれに直撃するであろう

>>973
「ッ……」
応答しようとして自分のほうへと向かってくる木
そしてルーノが足を叩きつけている
一瞬だけでも木の動きに変化が生じれば間に合う、と心の中でそう思いながらも

975とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:37:59 ID:g8tu0bdg
>>973
「…………。」

【いきなり訪れた氷の斧に目玉がぎょろりと動く。

蹴りを叩き付けられた木は何事もなく、勢いをそのままに進路を変えられて
地面に浅い角度で突き刺さった。

どうやら、純粋に木を打ち出しただけで何も手は加えていないようだ。】

>>974
「ぢ――しぃき――け、けけ――!」

【もちろん、次の攻撃の矛先はルーノである。しかし、突然、目玉は口の中へと消えた。

と思ったら、その目玉のいない口から死臭を放つ黒い泥がルーノに向けて吐き出された。
泥とはいっても、それは今までこの黒い塊が食したものの成れの果て。

ぷにぷに種であるため、肉を消化する器官を持たないのである。
つまり、この泥は消化できなかったものが溜まり、腐敗し、半液状化したものだ。】

976とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:43:47 ID:Utmki2lQ
>>974>>975
「好し……ッ!!」

反動で湿った草の上を滑りながら、確かな手応えを感じる。
が、露で必要以上に惰力の付いた体では……

「うわあッ!?」
黒い塊を避けられぬまま浴びてしまう結果となった。

977とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:47:32 ID:LE/uX0cs
>>975
「すまない……!」
安心したのもつかの間、今度は泥を吐いてくる
しかし次の標的はこちらではないらしく

(距離的には間に合うか……?)
青年は手に持った盾でその泥からルーノを庇おうと試みる

978とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 00:55:04 ID:g8tu0bdg
>>976-7
「ふ――にぃ、にぃにぃ――!」

【泥を吐き出した口から目玉が再び現れる。
もちろん、その泥には直接的な毒物の様なものは含まれていない。
ただ、死臭に塗れた物を浴びせられたのである。精神衛生的に非常に悪く、不快であることは言うまでもない。

そして、現れた目玉は既に歪んだ笑い、そして、血の様に赤い光を帯びている。
すると、その赤い光が螺旋状に照射された。例の物体を吸い込んでしまうあの光である。

体内に取り込まれてしまえば、自分もあの泥の仲間入りだ。】

「うぃ――は――ちぃちぃ――!」

【だが、それは前へと躍り出たカイサによって阻まれてしまう。
だが、それによって、照射の対象はカイサ……もとい、それを守る盾である。

木をへし折ってしまうほどの吸収力である。とはいえ、光の照射は見た目に反して遅い。
上手くすれば、反応できる程度の早さである。】

979とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:02:26 ID:Utmki2lQ
>>977
「こちらこそ……!」

盾に庇われた事も重ねて告げると、一度口を紡ぐ。
腕は立てど年頃の娘。その様な匂いに慣れている筈も無く。

「(これは……。)
離れて! 紅蓮ッ……!」
光の質は先程の攻撃であらかた理解は出来ている。
しかし不明な点……魔法であればどうなるのか?

反射的に対処を試行すべく、カイサに声を掛けてその側面から左足を振るう。
虚空を蹴ったかに思われたその足先から、拳大の火球が眼に向けて飛んで行った。

980とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:09:44 ID:LE/uX0cs
>>978
「……あとで洗わなきゃな」
匂いは青年の鼻につく、しかしそうも言ってられない

「!」
光の照射と声を聞き、
機敏な動きで照射から逃れつつ、魔法の射線からも逃れる

981とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:17:03 ID:g8tu0bdg
>>979-980
【その光が盾に届かん距離まで迫ったときに、ルーノの足から放たれた火球が眼球へと迫る。
もちろん、光を照射しているため、その火球は光に触れた。

すると、触れたところで光が突然進行を止め、火球を自身のほうへと引き寄せ始めた。】

「ぱ――い――にぃ、にぃにぃ――!」

【目玉にそれが吸い込まれると、瞳が笑いに歪みかけるが、それが点になる。
すると、悲鳴にも似た金切り声を挙げながら、その芋虫状の体を震わせている。

よく見れば、体の中で何かが燃えている。
恐らくは、消化できないが腐敗もしていないものであろう。どうやら、それに引火したらしい。

体のあちらこちらが小さく膨らみ、それが破裂すると焦げ臭い匂いと共に黒い煙を放っている。
おそらく、ただの魔法弾なら平気だったのだろう。だが、それが体内で燃え広がるとは予想しているはずもない。】

982とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:20:26 ID:Utmki2lQ
>>981
「……!」

その変化は、傍目からでもよく分かる物だった。
繊維を消化し切るのは異形の胃でも中々骨が折れるのか。
そんな事を考えながら、今度こそ確かな手応えを手に入れる。

>>980
「火に弱い!」

立ち上る黒煙を睨みながらカイサへ言うのと、少女から魔力の流れを感じるのはほぼ同時。
今度は左足から橙の燐光が放たれ、それが強さを増して全身へと行き渡って行く。

983とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:30:56 ID:LE/uX0cs
>>981 >>982
「……なるほどな」
火に関連した魔法を使うことができない青年
しかし魔力に熱を持たせる術はあった

青年の持つ盾がまた輝いたかと思うと、
それは異臭を放つものの、巨大な銃口を持った一丁の銃へと変化する
そしてその銃口に集まりだす魔力

984とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:35:40 ID:g8tu0bdg
>>982-3
「ぱ――い――にぃ、にぃにぃ――!へ――ぃ――ぴぃ、ぴぃぴぃ――!」

【痛みを訴えるように助けを求めるように金きり声を挙げながら
体内から燃やされていく、芋虫状の生物。

ついには目玉が口の中へと引っ込んでしまう。

もはや、体内で煙が充満しているのか、体が膨らむ間もなく
一度開いた穴は開きっぱなしで煙が上がり続ける。】

「ぢ――しぃき――け、…………あ、レ、トモダ、んんんグ、熱――、あツ……ぅぇぇ、ぇ……!」

【目玉が引っ込むと最初に邂逅したときの様な知性ある言葉で悲鳴を上げ始めた。
もちろん、カイサが銃口に溜めている魔力に気づくはずもない。

仮に気づいたとしても、対抗する術もない。】

985とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:41:42 ID:Utmki2lQ
>>983>>984
「燃えてるの、今だけかもしれないよ……。
一気に行こう……!」
好機と見て、またカイサの攻勢が整っているのを見て、勝負にでる。

「はああぁぁぁ……!」
胆の籠った声と共に、左足にその場で円を描かせた。
そこに滾る火炎の球が生み出される。
中空で産声を上げたそれは、重力に従って落下を始めた。

「紅蓮……」
スローモーの様に景色が流れる中、その左足を"ゆっくりと"火球に合わせ

「砲ッ!!」
狂う事無く真っ直ぐに、黒の魔物へ向けて蹴り飛ばした。

986とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:50:30 ID:LE/uX0cs
>>984-985
「……ああッ!」
ルーノの火炎に続くようにして魔物に、その巨大な銃口を向ける
それは明滅を繰り返しながらも輝きを増していく

「……焼き尽くせ!」
両手持ちのその銃の巨大な引き金を引く
するとそこから魔物に向かい一直線に放たれる、熱を伴った魔力の塊
炎にも匹敵するほどの熱量を伴い、狂うことなくそれは魔物のほうへと放たれた

987とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:54:01 ID:g8tu0bdg

【それらが当たった瞬間、それに呼応するようにして火が一気に燃え広がった。
外と内、両方から燃やされて熱と痛みに悶え苦しむ芋虫状の生物。

巨体を波打たせ、もがき、のた打ち回る。
カイサが撃った魔力塊によって、圧倒的な熱と共に穴が開き、さらに炎に曝されているためその巨体は徐々に縮んでいく。】

「トモダチ……ぎ、ぃ――――な、なにを、ぉぉぉぅぅ――ぇ……っぐぇ、っぷ……!」

【その間際、やはり何かに話しかけるような口調で言葉を続けるボッカボッカ。
そして、やがて、限界が来たのか口から極度に熱せられた泥を吐き出し、力なくその身を地面へと横たえた。

黒煙とその焼かれる臭いは、あたかも人の死の様なソレだ。】

988とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 01:59:33 ID:Utmki2lQ
>>986>>987
「や、やった……!?」

振り抜いたままの姿勢から、徐々に佇まいを戻すルーノ。
小さく息を吐き出して異形の様相を見守る。
その最中で聞こえた言葉――

「……とも、だち…?」
心の芯に、細い針が立った様に感じた。
茫然と、ボッカボッカに視線を向けている。

989とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 02:04:38 ID:LE/uX0cs
>>987
「……ダメだ」
魔力を消費することから自身に襲い掛かる疲労感
片膝を立て座り込むも、視線は今だ魔物から外さない

「……」
同情するわけでもなく、心を痛めるわけでもなく、
その瞳に宿る色は今だ警戒の色であった

990とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 02:12:24 ID:g8tu0bdg

【燃えていくそのぷにぷに種によく似た体。
絶命しているのか、既に喋ることがなくなったボッカボッカ。

苦しむ様子もなく、ただただ、焼かれていくのみだ。


そうして、燃え始めて暫く経ったころに奇妙なものが現れた。
燃え盛る炎に揺られて、微かに見えるのは真っ黒い塊だ。

だが、先ほどのぷにぷに種のような体というよりはゴツゴツとした岩の様に見える。
それが、揺らめく炎から垣間見ることが出来る。】

991とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 02:24:43 ID:Utmki2lQ
>>989>>990
「あ……。」
カイサに掛け寄ろうとして、自らの足が前に向かない事に気付く。
魔法の勢いで解けたリボンが地に落ち、真っ直ぐな青髪が虚しく靡く。

例えば、可能性が一つ生まれるとする。

それは疑念となり、少し成長して返ってくる。
例えば疑念を浮かべたとする。
それは葛藤となり、また少し成長して睨みつけてくる。
例えば葛藤を泳がせるとする。
それは後悔となり、また少し成長して鎌首を擡げる。
例えば後悔を抱えるとする。
それは自責となり、大きく成長して牙を剥く。
例えば自責に囚われるとする。
それは苦痛となり、大きく成長して喉笛を噛み千切る。

他でも無い、己に。

何を考えたのかは分からない。
何を想像したのかは知る由も無い。

しかし思考の蛇に囚われた少女は、それを切り払うナイフを持っていなかった。

「……ご、めん……ごめん……っ!!」

故に、その場に居続ける事は出来なかった。
誰に向けたか分からない様な詫び言を告げると、そのまま駆け出して行った……。

/長文投げつけてお先に失礼するスタイル!スマセン!

992とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 02:34:44 ID:LE/uX0cs
>>990
「……なんだあれ?」
それに触れようにも炎が邪魔をする
立つにしても力がうまく入らないでいた

「……」
一撃を放った銃は二丁の拳銃の姿に変化していた
疲労感に潰されそうになるも、ここで意識を失うわけにはいかず
ふらつきながらも体に鞭打ち立ち上がる

>>991
「……ありがとな」
なにに苦しんだのかを知る由はなく、状況故に詮索もできない
しかし確かなことがあるとすれば、
彼女の助力なしではあの怪物に一矢報いることができなかったということだろう

弱々しく呟くように礼を言う青年であった

993とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 02:46:18 ID:g8tu0bdg

【炎の中で揺らめくソレ。
蛇につかまれ、絡め取られてしまった少女の言葉の中でそれは浮かび上がる。】

「…………ク、ケケ――――ケ、ケ……ケケケ……。」

【そして、調子が外れた異質な笑いが炎の中から響く。
まるで、先ほどの彼女の疑念を葛藤を後悔を自責を、そして苦痛をあざ笑うかのように。

そして、ゆらめく炎の奥で立ち上がるカイサに気づいたらしくその黒い塊が反応をした。
その塊がゆっくりとゆっくりと、回転をしていく。嘲笑は続く。】

「――――ケケ、け、ケケケケケ……――――!」

【そして、回転し終わり、現れたのは〝あの目玉〟である。
目玉の周囲は何か岩の様なもので覆われている。炎から身を守っているのだろう。

瞳を不気味に笑いの形に歪め、嘲笑っている。
すると、嘲笑い続けている状態で段々とだが、その目玉が透け始め、明滅を始める。

そして、最後に赤い光が迸ったかと思うと、その目玉は跡形もなく消えてしまっていた。
残っているのは耳にこびりつくようなあの嘲笑だけ。】

994とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 03:02:50 ID:LE/uX0cs
>>993
「……なんていうか、俺もまだまだっていうか」
あの魔物はトモダチ、と呼んでいたのだろうか、あれを……

あの目玉の正体を知る術は今のところあるはずもなく、青年があれの正体を知るわけでもない
そうして青年一人を残して誰もいなくなり空虚と化した草原になびく風
その風切りの音の心地よさよりも、耳にまとわりついてくる、なにもかも見通す悪魔のような
笑い声をあげていた目玉から感じられた不快感のほうが上回る

「……さてと、行くか」
どちらにしても今は眠りたかった
ため息を一つつくと、王都に向かって一人歩き出した

//私もこれにて失礼、皆様お疲れ様でした!

995とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 03:07:21 ID:g8tu0bdg

【その後も火の勢いは収まることのなく、目玉の消えたそれは静かに燃え尽きたとか、FO】

//お疲れ様です。お二人とも長々とお付き合いいただき、ありがとうございましたー!

996とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 21:25:30 ID:0TkEDF1g
【王都郊外/荒地】


【既に夜更け近い、王都領と帝都領の境目に聳える雪山】
【その堆い標高故に甲龍や鎧虫、果ては幻獣類が住まうとされるその山頂】

【その場に異音と、血風を纏う紅き影と、邪鬼を孕む蒼影が踊っていた】
【視認できぬ程の速さで動く二つの影と共に地は雪と共に融解し、天は轟音と共に裂ける】

【異常な光景が、生まれていた】

997とある世界の冒険者:2013/04/03(水) 22:40:43 ID:0TkEDF1g

【……四刻、過ぎた】
【山を覆っていた雪は大地と共に殆どが融解し、僅かにあった木々は破壊し尽くされていた】

【周囲に残るのは膨大な破壊の爪痕と、悍ましい瘴気】
【そしてその中心に立っていたのは】

「《――》」

【蒼く輝く、聖光と邪気を纏った、蒼い悪魔の、姿だった――】

998とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 21:36:53 ID:CFh/QzhU
-森の奥-

巨大な生物等によって蹂躙された様な木々のある場所。
そんな場所に大きな黒い卵があった。
それは時折表面に光線を走らせ、ぐぉん、と音を発する。

999とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 21:52:41 ID:eP0kfCLc
「それはそれは随分久しぶりな気がします……
ここに訪れるのも……」
森を散策していてふと見つけた黒い卵
しかしその中身は知らない
少女はほんの気まぐれからこの場所に足を踏み入れていた

1000とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 21:59:10 ID:CFh/QzhU
>>999
「だが重要な局面ではある」

古の民族衣装と仮面を纏う薄紅色の紋様が褐色の肌に刻まれている白長髪の女が
ゆったりと現れる。

1001とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:00:45 ID:tDhpuMLY
>>998
「……何だろこの卵?」

森を散歩していたら偶然卵を発見した少女。

1002とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:02:10 ID:eP0kfCLc
>>1000
「重要な局面……?
……あれ、あなたは……?」
白銀髪でワンピース姿の少女、その周囲に立ったなら感じるかもしれない肌寒さ
言っている意味が掴み兼ねて聞き返す

1003とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:06:10 ID:CFh/QzhU
>>1001>>1002
「この地は既に脅威に晒されている。
 故にこのような存在が幾つも現れ始める…
 乗り遅れれば再起は成しえないだろう」

そう言いながら卵に触れる女。
卵は触れられた所から淡い光の波紋を卵の表面に走らせるだけだ。

1004とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:08:27 ID:tDhpuMLY
>>1003
「脅威……?」
「……これもそうなの…?」

しゃがんで卵をじーっと見る。

1005とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:13:51 ID:eP0kfCLc
>>1003
「脅威……」
漠然とながらそれに遭遇したことはあった
不本意ではあったが

1006とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:16:35 ID:CFh/QzhU
>>1004>>1005
「逆だ。この存在はそれをよしとしないからこそ此処にある」
「しかし目覚めんな?働き掛けが足りぬか…?」

1007とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:24:02 ID:tDhpuMLY
>>1006
「………つまりこれがその脅威をどうにかする…」
「って解釈をすればいいの?」

軽くつんつんつついてみる。

1008とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:32:49 ID:eP0kfCLc
>>1003
「……」
よく目にしていたために、少しだけ愛着がわいていた少女
故にそっと目を閉じ触れてみることに
もしかするとそれによって卵に息づいている存在に気づけるかもしれない、と考えて

1009とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:36:11 ID:CFh/QzhU
>>1007>>1008
ドクン、と力強い鼓動が感じられる。

「うーむ、H.E.R.Oたる器だと思ったが…勘違いやもしれぬ。我も劣った。」

1010とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:39:10 ID:tDhpuMLY
>>1009
「見た感じもうすぐ孵りそうなんだけどなぁ………」

両手を軽く卵に乗せる。

1011とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:43:29 ID:eP0kfCLc
>>1009
「……見てみたいです、ね」
好奇心と愛着から、気が向けばこの場所に訪れていた少女
故に孵化する瞬間をできるなら見てみたかった

1012とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:45:39 ID:CFh/QzhU
>>1010>>1011
誰が触れようとも卵の表面には光の波紋が広がるばかり。

「うーむ、恰好つけて出てきた我の面目丸つぶれだ」

1013とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:47:45 ID:tDhpuMLY
>>1012
「……つまり生まれる条件とかを知ってるの?」

ふと思ったことを質問する。

1014とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 22:52:19 ID:eP0kfCLc
>>1012
「……卵が怪物にでも襲われれば目覚めるのでしょうか……?」
卵を眺めつつも思案する少女

1015とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:02:47 ID:CFh/QzhU
>>1013>>1014
「ぬう…誰かこの卵から雄々しい勇者を呼び出す術を知らんのか」

此処には知らないものばっかりだった。

1016とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:06:42 ID:tDhpuMLY
>>1015
「………分からないなぁ」
「ガツーンと衝撃を与えたりする程度では割れなさそうだし………」

彼女なりに思考を巡らせているようだ。

1017とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:08:59 ID:eP0kfCLc
>>1015
「定期的に見にきてはいるのですが……
温めたりしてみればあるいは……?」
そんな風に思考を巡らせつつも

「……その時が来るまで気長に待つしかない気もしますが……」
そこに行き着くのだった

1018とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:13:02 ID:CFh/QzhU
>>1016>>1017
「ええい、今日は帰るか…何か条件が足らぬことだけは確かだ。
 足らぬものはソレを知るモノに聞くしかあるまい」

1019とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:19:02 ID:tDhpuMLY
>>1018
「条件………どうすれば……」
「誰も知らないのかな……?」

1020とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:20:42 ID:eP0kfCLc
>>1018
「……そもそも常識に当てはめて
卵が自然発生したとは思えない……」
ぼんやりと思案しながらも

「……親が卵を温めるというのはよく聞く話です
そういった類なのでは……?」
知らないなりに思考を伸ばす少女であった

1021とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:23:58 ID:CFh/QzhU
>>1019>>1020
「温めるといってもな…この大きさだぞ?」

ぺしぺしと卵をたたく。
正直こんなのを包み込めるのはヒトが見上げるほどの体躯を持つ生物だろう。

1022とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:27:27 ID:tDhpuMLY
>>1021
「……つまりドラゴンか何かの卵なのかな?」
「少なくとも10m以上はあるような……」

1023とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:30:57 ID:eP0kfCLc
>>1021
「確かに巨大ですね……
ヒトよりはるかに巨大な生物でなければ、きっと不可能です……
例えば……ドラゴンですとか……」
巨大で卵を産みそうな生物と問われてそう連想する少女
竜ならば巨大という条件は満たせるし、記憶では卵も産む

「……なんにしても、卵の親ないし巨大生物を探し出さないことには……
事は進まないのかも、しれませんね……」
もう一度卵に触れながらも、ぽつりと

1024とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:36:16 ID:CFh/QzhU
>>1022>>1023
「ええい、探せ若人!そうしてこの卵を孵すのだ!!」

1025とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:38:42 ID:tDhpuMLY
>>1024
「えっ……そんなこと突然言われても……」

困ったような顔をする少女。

1026とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:42:51 ID:eP0kfCLc
>>1024
「それは時間や気温との兼ね合いですね……
これから暑くなるといいますし……」
ついでに探す気らしい、続けて

「向こうからやってきてもらえれば、手っ取り早いのですが……」
と呟く

1027とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:43:40 ID:CFh/QzhU
>>1025>>1026
「よし任せた、我は他の事をするぞ」

そういって女は去っていったのだった…

1028とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:46:27 ID:tDhpuMLY
>>1027
「うーん……何だか厄介なことに巻き込まれたような………」

そのままその場を立ち去る。

1029とある世界の冒険者:2013/04/07(日) 23:48:05 ID:eP0kfCLc
>>1027
「……また来ますよ」
とだけ言い残してこの場から立ち去った

//お疲れ様でした!

1030とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:23:03 ID:Ymzs2f/A
【王都郊外/森林】

「「かんぱーい」」

【かちん、と森林、血の匂いと破壊の爪痕が漂う一角でそんな言葉が交わされた】

mob槍「二人でもガルルガさん行けるもんだな、あ、そっち焼けた?」
「まぁ、ガルルガさんならなぁ……まだだわ、酒呑もう、酒。」


【直ぐ横には解体された黒飛竜、真ん中に焚き火と串に突き刺した肉をはさみ】
【リオソウル装備に脇に大槍を置いた男と、ディアブロス装備に脇に大槌を置いた男が、酒を呑んでいる】

1031とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:29:54 ID:Ymzs2f/A

mob槍「今頃ハーレンはコテージ(購入した)でしっぽりかー。
      クソッ!壁なぐっt……此処野外だわ、ガルルガ肉うめぇ」

【串にさした肉を食いながら悪態を付く茶髪】
【mobだ何だ言いながら実力は確かだったりするのである】

「と、言うかお前はそんなにヤりたいなら娼館でも行けよ。」
mob槍「ラブロマンスがしてぇんだよ!!」

【尚、どちらも三十歳過ぎである】

1032とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:35:02 ID:mZGs.QwQ
「……道に迷った……。
 ……ここはどこだ……?」
ふらりと近くを通りかかる戦闘ホムンクルスの少女。
訳あってこんな森の奥まで迷い込んできてしまった。

「……む、ヒトがいるのだ…。」
近くでキャンプ中の二人の姿に気がつくと、がさがさと茂みを掻き分けて近寄ってくる。

1033とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:37:07 ID:Ymzs2f/A

「あ、どうもこんばんわ。」
mob槍「うぉぅびっくりした。」

【茂みをかき分けた先に居たのは】
【物々しい鎧を纏った茶髪と銀髪の男二人】
【銀髪の男の方は、左眼に巨大な爪で付けられた様な傷跡がある】

「こんな時間に……って事は、迷子かな?」
mob槍「褐色少女ktkr」
「黙れ悪影響。」

1034とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:41:49 ID:mZGs.QwQ
「私もびっくりした。
 こんなところに人間がいるとは思わなかったのだ。
 それはそうとこんばんわ。」
体についた葉っぱなどを手で払いながら、淡々と喋る。

「うむ、まさに迷子。
 とあるヒト…というか、なんというかを追っていたらこんなとこまで来てしまった。
 何かヒトっぽい、人形みたいなヤツを見なかったか?」
あくまで淡々と、二人をじーっと青い瞳で見ながら聞いてくる。

1035とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:43:39 ID:Ymzs2f/A
「はいこんばんわ、こんな時間に歩いたら危ないよ」
mob槍「怪しいオッサンに襲われるぜグヘヘヘヘヘ」

【明らかに茶髪が怪しいオッサンである】

「人形……は、心当たりが無いかな。」
mob槍「どーすんべ、俺火の番するから送る?」
「俺確定かよ。」

【どうやら、心当たりは内容である】

1036とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:51:09 ID:mZGs.QwQ
「大丈夫なのだ。
 襲われても対応できる。
 私は戦闘用ホムンクルスだからな。」
「…どういう意味で襲うつもりなのかは知らないが。」
怖がるでもドン引くでもなく、真顔で対応する少女なのであった。

「…そうか、見ていないか。
 私の同胞らしき奴だったから、気になったのだが…まぁいい。」
ふむ、と少し残念そうな様子。

「では帰還するとしたいのだが……
 ……王都への道、教えてはいただけないか?」
…やはり迷子なのであった。

1037とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:53:35 ID:Ymzs2f/A
「……おい」
mob槍「正直すいませんでした」

【何か反省している】
【多分ドンびくと思ってたのだろう】

「同胞……ああ、ホムンなんちゃら」

mob槍「人造人間だっつの魔法音痴。

     はいはい、じゃあこのラ《ガオーーーーッ!!》……mob槍が王都までお送りします」

【名乗ろうとした瞬間に何か雄叫びが聞こえた】
【とりあえずmob槍と呼べば良さそうである】

1038とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 00:57:06 ID:mZGs.QwQ
「…何を謝る?」
無表情でくいっと小首を傾げる少女。

「あれは私と同じ系列……
 ……でも、何故今の時代に……。」
すこし思案に暮れる少女であった。

「送っていってくれるのか?
 …よろしく頼む。槍の人。」
道を教えてもらえれば一人で行けるのだが…
なんとなく好意に甘えることにした。

1039とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:00:19 ID:Ymzs2f/A
mob槍「いやね、違うのよ。
     こう、アレよ、あの、ちょっと若い女の子からかいたかったの、オジサン」

【何やら深く反省しているようである】

「魔法関連は良く解らないかな。
 ……ああ、暗いし何かあったらアレだから、気を付けて。」

mob槍「大丈夫だべ、俺いるし」
「念の為、だよ」

【かぽ、とカブトを被る槍の人】
【二人は……ハンターなのだろうか、近くには骨になった飛竜が居る】

1040とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:06:23 ID:mZGs.QwQ
「ふむ、構わないのだ。
 私でよければ存分にからかうと良い。」
とは言うものの、なんか反応に乏しいのでからかってもあんまり面白くない。

「すまないな。大丈夫だ、私は夜目が利くのだ。」

「……あれは貴方達がやったのか?」
日流の亡骸が目に入り、興味を持って聞いてみる。

1041とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:08:47 ID:Ymzs2f/A
mob槍「ちゃうねん!オッサンはな、オッサンはなー」
「落ち着けよ。」

【何がどうしたんだこの人は】

「……あぁ、うん、酔った勢いで狩りに行って。」
mob槍「ガルルガ先生ぐらいなら楽勝やで(ドッヤァァァl」

【事も無げに言う銀髪と】
【ドヤ顔ダブルスマイルの茶髪】

1042とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:11:36 ID:mZGs.QwQ
「何がちゃうんや?」
なんとなく、方言をまねして返してみるのであった。

「酔った勢いで、か。
 …やるな、槍の人とその仲間。」
ほほぅ、と無表情ながら感嘆した様子の少女。
二人の呼び方は適当極まりない。

1043とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:13:48 ID:Ymzs2f/A
mob槍「こうね、初な反応が……欲しいの!」

【だ、そうです、方言どこいった】

「あ、ヴォルケンです。」
mob槍「俺はラ《ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオッ》mob槍です」

【名乗れない】

1044とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:17:19 ID:mZGs.QwQ
「……初な反応と言っても……。」
うーん…と首をかしげて考えこんでしまう。
「……すまない……その要求にはこたえられそうもないのだ……。」
そして、申し訳なさそうにうなだれる。

「ヴォルケンか。把握した。
 ちなみに私はサァラン=シミュラクレン。
 ひとつよろしく、槍の人とヴォルケン。」
槍の人はもうそのままで記憶されてしまいそうだ。

1045とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:19:00 ID:Ymzs2f/A
「困らせんなよ。 だからお前その年で……」
mob槍「止めて!死ぬ!」

【色々大変なようである】

「サァランちゃん、ね。 よろしく。」
mob槍「ああうん、槍の人です、はい」

【折れた、速い】

1046とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:22:58 ID:mZGs.QwQ
「生娘をひっかけるのなら、
 こんな森の奥より繁華街の方が向いていると思うのだ。」
と、至極もっともな意見が少女の口から出る。

「ちなみに、具体的にどういった反応を期待していたのだ?
 後学のために聞かせてもらいたい。」
…変なところで勉強熱心なのであった

1047とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:27:09 ID:Ymzs2f/A
「いや、こいつチキンだから」
mob槍「殺すぞ」
「やってみろ」

【……口喧嘩が多いお二人】


mob槍「そりゃもうね、『もうっ、や、やめてくださいっ!』みたいなね!? みたいなね!?」


【うわぁ】

1048とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:30:13 ID:mZGs.QwQ
「…鶏肉…?
 ……ああ、なるほど。臆病者を指す言葉か。
 それはそうと落ち着くのだ、ヴォルケンと槍の人。」
淡々と二人をなだめる少女。

「…………。」
槍の人の演技を無言でじっと聞く…。

「……ごめんなさいなのだ……。」
なんだか知らないが申し訳なさそうに謝る少女…
やらせておいてこの仕打ちである。

1049とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:31:36 ID:Ymzs2f/A

「…………。」

mob槍「……いや、あのさ、俺が悪かったからさ、止めない? この空気。」

「……あの、アレだ。
 その……うん。」

mob槍「止めない!?」

【やめない】

1050とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:37:09 ID:mZGs.QwQ
「……うん……
 …その……すまなかったのだ……」
止まらない!!

「しかし…そういう反応の方が人間にはウケが良いのか?」

1051とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:37:52 ID:Ymzs2f/A
mob槍「止めてください、もう勘弁してください!」

【哀れな三十代である】

mob槍「そりゃあねぇ、もうね、俺とかそれだけでご飯参拝行けるわ」
「お前子供の前で何言ってんだ」

1052とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:41:14 ID:mZGs.QwQ
「…その、ごめんなさい……。」
容赦ない…!

「子供、と言っても、私は人造生命体だから子供も何もないのだよ?
 見た目は、どちらかと言えば子供なのだが…。」
整った顔立ちの小柄な体型……。
きっと製作者は結構な変態だ、と伺わせる造形である。

1053とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:43:59 ID:Ymzs2f/A
mob槍「死んで良い?」
「生きろ。」

【そのレベル】

mob槍「合法ロリ!? やっべぇワンちゃん!?」
「阿呆か。 ……しかしコレをつくるって言うと、まるで変態だな。」

【言いおった】

1054とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:47:24 ID:mZGs.QwQ
「ダメだ。死ぬとか言うな。」
活かさず殺さず…と、言うわけではないが。

「合法ロリ…とは何だ?」
と、首を傾げる。
まさに、自分自身のことである。

「…確かに、私の創造者…初代マスターは、言ってしまえば極度の変態的なお方だった。
 たまに私ですら眉をひそめざるを得ないほどの……。」
そして、あっさりと肯定するのであった。

1055とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:51:09 ID:Ymzs2f/A
mob槍「死こそが救い、ウゴゴゴゴ…」
【ラスボスの様な事を言い始めた】

「ああうん、気にしなくていいよ。」
【いいらしい】

「……魔術師、ってのはやっぱり気違いばっかりか。」
mob槍「お前の魔法嫌いはもうアレルギーレベルよな。」

1056とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:56:39 ID:mZGs.QwQ
「よせ。死んでも救いなんてないぞ。」

「……?
 分かった。気にしない。」
言われるまま、素直に気にしないことにするのであった。

「正確には魔術師ではなく、魔導技師なのだ。似たようなものだが。
 槍の人は魔法が嫌いなのか?
 では、私のような魔法生命体も嫌いか…?」

「気違いというのがある意味正しい、のだろう…。
 …あの方はあまりにも狂ってしまった…だから、私の手で殺したのだ。」
なにやら物騒な過去があったりするらしい。

1057とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 01:59:04 ID:Ymzs2f/A
mob槍「いや、槍の人は魔法好きよ、魔法使いじゃないけど。」

「ああ、俺がね、ちょっと魔術師とか魔法使いとか、そう言うの嫌いで。
 だからって別に君の事は嫌いではないけど。」

【……なにか事情があるのだおるか】

「結末は何処も一緒、か。」
mob槍「救われねぇなぁ」

1058とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:03:02 ID:mZGs.QwQ
「あ、間違えた。
 ヴォルケンのほうか、魔法嫌いは。」

「……そうか。私の存在が不快だったら申し訳なかったところだが…。
 …しかしなぜ魔法を嫌うのだ…?」
遠慮なくずけずけと聞いて来るのであった。

「初代マスターは変態でありこそすれ、はじめは良い人だったのだ…。
 ……何故、あんな事になってしまったのか未だに良く分からない。」

1059とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:04:20 ID:Ymzs2f/A
「ああ、うん、魔法使えないのよ。 俺。 先天性魔力認識障害、だっけ。」
mob槍「ただ魔法使えないんじゃくて魔力そのものが認識出来ないらしいのよ、難儀よなー。」

【それはまた難儀である】

mob槍「まぁ人間年取りゃどっか狂うもんだよね」
「軽いわ」

1060とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:07:20 ID:mZGs.QwQ
「なるほど。それでか。」
ふむ、と軽く頷き納得した様子。

「まぁ…そういうものかもしれないな。
 人間というものは年と共に劣化が著しくなる…
 不便な生き物なのだ。」
老いることのない様に作られた少女にとっては、そう思えるのであった。

1061とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:08:13 ID:Ymzs2f/A
「何か変換? されれば見えるんだけどねぇ、胡散臭くてしょうがない。」
mob槍「俺はお前が胡散臭い!」

【どっちもどっち】


mob槍「脳味噌物理的に壊れるからねー」
「殴っても壊れるしね」

【それは別】

1062とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:14:26 ID:mZGs.QwQ
「ふむ。よく分からない病だな…?」
と、少女も首を傾げる。
…頭が良いわけではないので、詳しい事は良く分からない。

「殴れば壊れるのは当然なのだ。
 私も殴られれば壊れる。
 ……体は大切にするべきだな。」

1063とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:15:45 ID:Ymzs2f/A
「まぁ、俺も良くわかんないし、気にしなくていいよ。」

【単なる病気である】

「そうだねぇ……何もない方が、一番だよ」
mob槍「俺等が言ってもアレだけどな」

1064とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:18:44 ID:mZGs.QwQ
「そうか…?
 …なら…これも気にしない。」
こくん、と頷く少女。
素直に言われたとおり、気にしないことにするのであった。

「ただ、私は壊れてもある程度は修理が効くのだ。
 ……だから荒い使い方も大丈夫。」
と、ちょっと得意げ。
なんとも便利な人造生命体である。

1065とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:19:58 ID:Ymzs2f/A
「ああ、そういうのは止めといた方が良いと思うよ。」

得意げにする少女に一言忠告。

「壊れたら、誰かが泣くよ。 俺達みたいな人種以外は。」
mob槍「まー俺等は所詮mobだからね、うん、アレ?泣けてきた。」

1066とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:22:15 ID:mZGs.QwQ
「泣く必要はないのだ。
 元々は、そういう目的で作られた。」
人の代わりに危険な任務に赴く…そんな戦闘ホムンクルスなのである。

「…モブ……?
 ……モブとは何だ?槍の人の階級か何かか?」
これまた首を傾げて聞いて来るのであった。

1067とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:28:38 ID:Ymzs2f/A
mob槍「あ、じゃあ俺が泣くわ! 女の娘死んだらアカン!」
「まぁ、ホム云々解んない俺からしたら普通の女の子だしねぇ。」

【変わった人達である】


mob槍「あー……その他大勢、って事かな。 何処にでも居る、替えの聞く、凡人共?」
「実力的にも能力的にも、性格的にも、ね。」

1068とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:35:45 ID:mZGs.QwQ
「だから、泣く必要は無いと…
 …壊れても修理できるからよっぽどの損傷を受けない限りは死なないし…。」
困惑気味の少女なのであった。

「死んだところで作り直せば…
 ……と、そうは行かないか。もう初代マスターは居ないしな。」
なんにせよ、死生観が普通の人とはだいぶズレているようである。

「…良くは分からないが…。
 貴方達は凡人とは言いがたいと思うのだ。
 ……そこの鳥竜の亡骸が、良い証拠。」
と、竜の骨を指差して言う。

1069とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:37:20 ID:Ymzs2f/A
mob槍「大人はね、子供が怪我したら泣くのよ。」

mob槍「子供を護って戰いに出んのが立派な大人の仕事なのよ、俺等はまぁ、アレだけど。」
【槍の人が急に真面目な表情になって、そんな事を】

「ああうん、アレは鍛えたハンターなら割と普通。」
mob槍「ガルルガ先生よえーしな。」

1070とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:40:22 ID:mZGs.QwQ
「…ふむ。でも、私は子供では……。」
と、なおも食い下がるが…

「いや、私の心配をしてくれている点に関しては…素直にありがたく思う。
 ありがとう、槍の人。」
と、言ってぺこりと頭を下げる。

「…そうなのか?
 しかし、誰にでも狩れるような輩とも思えないのだ…。」

1071とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:45:20 ID:Ymzs2f/A
mob槍「宜しい。  んじゃそろそろ送るべさ、くれーわ!」
「あいよ。 んじゃサァランちゃん、こっちね。」

【兜のバイザーらしき物を下げて、前を進んでいく】
【……よく解らない二人だ】

mob槍「ああ、あの先生ね、ワンパなのよ行動。」
「ビビると直ぐ巣に戻るしなー」

【等と言いつつ、先を歩いて行くのだった……】

//ここらでFO!おっつありっした!

1072とある世界の冒険者:2013/04/08(月) 02:49:16 ID:mZGs.QwQ
「うむ。よろしく頼む。」
再びぺこり、と頭を下げ、
二人の後をてくてくとついていくのであった。

//ありがとうございましたー!

1073とある世界の冒険者:2013/04/10(水) 00:17:07 ID:AbDt7wyQ
【王国領森林】

「……ト、ト、ト。
 ンーム……矢張り杖ハ面倒デースネェ」

『介助犬でも付けるかい、おじいさん』
「HAHAHAHA、焼イテアゲマショーカ」

【森を往くのは杖をついた似非外国人と】
【その横を往く青い毛並みが綺麗な柴犬】

1074とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 21:58:47 ID:Fxk6hUEY
<王都近くの草原>

「ン、ン、ンン――――――。」

【シルクハットに、陰陽太極図の仮面を付け、黄土色のコートを羽織った男性が居る。
先ほどから草原をあちらこちら歩き回っており、非常に不審な動きを見せている。】

「ポイントは…………ふむ。」

【そして、男の周囲には様々な魔力が渦巻いている。】

1075とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 22:15:14 ID:Fxk6hUEY

「この辺と……ア――――――。」

【ふと考えるように草原の遠くの方を見ながら、指をくるくると回す。
間延びした声で、暫し指の運動を続けていたが、突然その動きを止め、指をパチンと鳴らした。

すると、一瞬、その鳴らした指が赤く光った。】

「……そうだな、あっちの方か。」

【くるりと踵を返して、別の方向へと歩き出す。】

1076とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 22:33:17 ID:IKHtTisI
「…………。」

フラフラと、歩む影が見える。
月明かりに照らされて、ちらりと赤いドレスが写った。

1077とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 22:53:02 ID:Fxk6hUEY

「この辺を押さえておけば、良いだろうがね――――――ェ。
…………おい、どう思う?」

【赤く光る手はそのままに空に言葉を投げた。
言葉が返ってきている様子はないが、それに対して頷いている。】

「……何か居るって?ンン―――――?」

【何かに指摘されて、フィトリアに気づいたらしく、そちらのほうへと振り返る。】

1078とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 22:55:37 ID:IKHtTisI
「…………。」

両手に麦の入った袋を抱え、道を歩く少女。
美しく波打った金の長髪に、赤い瞳。
憂いを帯びたその表情は、何処か儚げでもある。

一言も発さぬまま、王都へ向かって歩みを進めている。

1079とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:09:51 ID:Fxk6hUEY

「オ――――ィ、オイオイ……。」

【仮面の所為で表情は窺えないのだが、本人はそんな表情の
乏しいような人物ではないらしい。】

「こんな夜更けに女たァ、何とも勇気のあることだ。
……あん?消さなくて良いのかって――――ェ、余計なことを言うンじゃねぇっての!」

【誰かに何かを突っ込まれて、それに対して返す。
そのお陰か、この男がそういう人物であることを図らずも示してしまう。】

1080とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:17:35 ID:IKHtTisI
「………――。」

ふと聞こえた声に、足が止まる。
麻袋を両手に抱えたまま、ゆっくりとそちらを向く少女。

「……あ……。」

元々がそういう表情なので分かり辛いが、少し驚いている様子。
そしてふい、と視線を戻すと王都へとまた歩き出す。

1081とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:28:10 ID:Fxk6hUEY

「…………ったく、ほら、バレちまったじゃねぇか。
こういうのはバレない内にヤるのがベストだって――――ェのに。」

【仮面に手を当てて、やれやれといわんばかりに。
どうやら、気づかれていなければ、通り魔的に何かをされていたのだろう。】

「……なら、きっちり〝消して〟おきますかねぇ。
この俺がどういう人物か分かっちまったみたいだし。」

【なにやら、勝手に話が進んでいる。
それも、とびっきりの悪い方向へと。】

1082とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:29:53 ID:IKHtTisI
「え……。」

消して、という言葉が聞こえて今度こそ身が竦む。
嫌が応にも視線が外せなくなり、表情が曇る。

「…………。
(逃げ……ないと……。)」

警戒した様子を示しながら、麦の袋を強く抱き締めて数歩後ずさる。

1083とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:42:16 ID:Fxk6hUEY

「……ン――――?」

【シルクハットを被りなおし、居住まいを正す。
そして、その怯えた様子を見て、わざとらしいまでに首をかしげた。】

「オ――――――ィ、オ――――ィ、オイオイ……。」

【そして、呆れた様に軽薄に間延びした声を漏らし、ため息を吐いた。】

「まさかとは思うが、今更、怖いとか止めて、何て思ってないだろうな――ァ?
見るに、オマエは王都に住んでいるンだろう?」

【赤く光る手でそちらを指で差して、その指を挑発するようにくるくると回す。】

1084とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:45:48 ID:IKHtTisI
「…………。」

首を二度横に振り、後ずさる。
下手に所在を明かすのは命取り……兄の様な人にそう教わった。

彼女が嘘を吐く事が上手いか下手かは別にして。

「来ない……で……。」

怖いとも止めてとも言わなかった。
しかし、その口からは確かに拒絶の言葉を零していた。

1085とある世界の冒険者:2013/04/13(土) 23:53:26 ID:Fxk6hUEY

「へぇ―――――?」

【太極図の仮面に手を添えながら、覗き込むように。
無機質な仮面をしているというのに、その仮面の下では喜色に溢れる声を発している。

そのアンバランスさが不気味さにより一層の拍車をかける。】

「王都の外ってのはな?危険なんだよ、分かるか?ン?
獣もいれば、魔物もいる、挙句には屑みたいな奴やオレみたいなのもいる……。」

【その言葉に従うつもりはなく、離れる距離を縮めるようにして、一歩一歩近づいていく。】

「この辺にいる奴なら、そんなの承知済みだよなァ〜〜〜〜〜?
ってぇ――――、ことは!ここでヤられたとしても、文句は言えねぇワケだ。そうだろ?」

【むちゃくちゃな理論ではあるものの、夜に王都の外に出歩くのは危険だということは
一般にも周知の事実である。結局のところ、運がいいか悪いか。

この邂逅の場合は後者なのは言うまでもないが。】

1086とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:03:16 ID:wVcImlnE
「……。」

ぞくり、と背筋を怖気が走る。
どうしてこんな事になるのか。そうも思った。
一度や二度の話ではないにしろ、辟易する程にそういった目に遭ってもいない。

「……来ないで……こっちに来ないで……!」

少しだけ声色を強めて、拒絶する。
弱弱しい警戒のもと、一歩一歩距離が詰められている。

1087とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:09:35 ID:qUUWALyc

「あぁ――――――ン?
……ッは、イヤだね。こっちはこっちで仕事なンだよ。

どうしてもイヤなら、オレに気づかれる前に逃げりゃ〜〜良かったんだよ。
まっ、そんな事は無理だよなァ?要するには運がなかったってことだ、諦めな。」

【こう近づかれてみると、意外と大きなこの男。
その警戒が、その拒絶が大きく見せているのかもしれないが。】

「ん、あぁ、そうそう。一つ安心させてやるよ。
オレは仕事柄、派手に動いちゃいけね――――ェ、タイプでね。

〝悲鳴〟があがる様な痛ッ〜〜〜〜ぁいコトはしねぇから。」

【そういうと赤く光っているほうとは別の手を叩いた。
すると、そこが青く輝き始める。】

1088とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:13:58 ID:wVcImlnE
「……違う……違うの……。」

何が違うのか。
そういうつもりで出歩いていたのではない、と言いたいのか。

いずれにしても、現実はそうでない。
襲われている者と襲っている者が居る。
それが事実であり、現実だ。

「……っ……!」
とうとう手にしていた麦袋を取り落とし、懸命に敵へと背を向けて駆け出す。

1089とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:25:27 ID:qUUWALyc

「違わ、ねぇなァ――――――!!」

【その駆け出すのと同時にこちらも駆け出した。
手には青い光を溜めたままである。すると、手の辺りでなにやらパキパキと音が立つ。

それは空気が凍りつくような音を連想させられる。
見る余裕があるかは定かではないが、その手からは白い霧の様なものがさらさらと流れて。】

「さっさと当たった方が後々のタメだぜ〜〜〜〜〜〜?」

【そういうとその手に溜めた青い光を放った。
それはフィトリアの方へと向かっていく。寒々しい冷気をまとって。

着弾すれば、それがどうなるかは容易に想像がつく。
間違いなく、これは氷の力だ。】

1090とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:34:39 ID:wVcImlnE
「……っ……!」

ドクン、と心臓が鼓動を強める。
全身の血流が加速していくのを感じる。
足は逃げるという強い意思の元に駆ける。

「あ……っ……!」

しかし、飛び掛かる青白い光を避けんとした時。
バランスを崩して大きく滑る様に倒れ込んだ。

1091とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:42:48 ID:qUUWALyc

「悪運の割りには、早かったな。」

【倒れこんだことによって、青い光はフィトリアを通り過ぎて
少し、遠くの地面へと着弾した。

すると、着弾したところから氷がメキメキと音を立てて形成されていく。
それは一瞬のうちに柱を作り出し、草原のオブジェクトとなった。

悲鳴を上げる暇もないとはこのことを差していたのだろう。】

1092とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:46:49 ID:wVcImlnE
「……っ……。」

草を毟る様にして掻き、慌ただしく立ち上がって駆け出す。
その惨状は見るまでもなく、当たれば死ぬ。それだけの事だ。

そう、追いつかれれば死ぬ。
避けられなくとも死ぬ。

死と隣り合わせた局面に、心臓がまた跳ねる。

1093とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 00:56:13 ID:qUUWALyc

「あー、あー、あー……気にすンなァ。
あんな感じになっちまうだけだ。

ンでも、ちゃんと砕いてやっから、心配するな?な――――ァ?」

【そして、青い光が再び手へと宿る。
それは先ほどよりも更に青く、更に冷たく、手からあふれ出ている。

既に足は止めており、その光を向けている。
倒れている相手に当てればいいだけ。容易いことだ。】

1094とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:04:01 ID:wVcImlnE
「やめて……これ以上は……!」

縺れた足では、再びもんどりうつのも時間の問題だ。
落とした麻袋は、弾みで破けてしまっている。

祈る様にそれを握りながら、眼を強く瞑る。
先程から動悸が止まらない。


――殺シテヤリタイ

そう急かす心が、止まらない。
自らを殺そうとする相手を切り刻む快感。
それが目の前にぶら下がっている。

衝動が体を突いて弾けだしそうな程、止まらない。

駄目だ。
これ以上、相手が自身を殺す事を望めば……

ゆっくりと、片手が懐の中に伸びる。

1095とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:13:31 ID:qUUWALyc

「これ以上も以下もねぇ――――――よっっ!!
死ぬ、それだけだ、オマエは……死ぬんだよ!!」

【青い光を纏った腕を振り上げて、相手に宣告をする。
白い粉のようになった冷気が空気の中へと溶けていく。

仮面の下で声を荒げて、仮面の外で無機質に。】

「んじゃ、これで終わりってことで。」

【その青い光を無造作にフィトリアへと投げつけた。】

1096とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:17:29 ID:wVcImlnE
「………!!」

見開く眼が、青白い色に塗り潰される。

殺したい。
殺せる。
殺す。

心がまた、歪んで行く。
嘗て往来の男性を、道行く女性を、リッチの少女を
それらを切り伏せた時の様に、歪んでいく。


「…………殺、す。」

そう零した瞬間、赤いドレスの姿が掻き消えた。

1097とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:23:43 ID:qUUWALyc

「ン、ン、ン――――――――ン?」

【冷気を投げつけたその瞬間、こちらもはたと気づいたように顔を上げた。
そして、仮面の中で疑問を浮かべている。

この男は〝本職〟である。様々な経験はもちろんのこと様々な気配に触れてきている。
それゆえに目の前の少女の変化をより正確に感じとることができる。

掻き消えた赤いドレスがあるからではなく「殺す」という言葉を投げかけられたからでもない。
少女から発せられる明確な殺意の変化に気づいているのである。】

「ア――――ァ、ァ、こいつは追い込みすぎたかもなァ。」

【勝利を確信した直後だというのに、すぐさまに居住まいを臨戦態勢を正した。】

1098とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:27:53 ID:wVcImlnE
「…………。」

数歩ほど横にずれた位置。
いつの間にか手にした麻袋の残骸。

それを外套の様に纏って、そこへ立っていた。

「……貴方が……いけない、のよ……。」
口元を苦悶に歪ませながら、粗末なナイフを片手に握って。

1099とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:37:04 ID:qUUWALyc

「そぉ――――だな。俺は悪い。ンなァことは知ってる。
でも、そういうオマエも大したモンだけどな――――――――ァ?

要するには俺は罠に嵌められたワケだ。いや、見事にかかっちまったぜェ……。
そこまで、殺意を隠せる奴はそういねぇ〜〜〜〜よ。」

【ナイフを握って自身に対するフィトリアを強く指で指して。
そして、両手を広げながら、大げさに肩をすくめる。】


「どーせ、そうやって何人もヤってきたんだろぉ――――が!
いや、ホント、見事な殺人鬼っぷりだ、俺でもそんなスキルはねぇよ。」

【ぱち、ぱち、ぱち、と乾いた拍手を送る。
挑発なのか何なのか、言葉を並べ立てている。】

1100とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:41:28 ID:wVcImlnE
「……ッ……!
貴方には……分からない……。」

片手で、頭を抑える。
実際の所、罠に嵌めたも同然……しかし、弁明が許されるのならば彼女はこう言うだろう。
"殺したくない"と。

「殺したくないと……いくら望んでも…………。
体が……肉を裂く事を求める、この、気持ちが……!!」

呻く様な、歓喜にわななく様な、どちらとも付かない声。
一際に頭を強く抱えて、即席フードの奥でくぐもった声を出す。

1101とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:54:44 ID:qUUWALyc

「ふ――――ん、それで、こういうことか?
ほぉ、そりゃまた、面白い、面白い、面白いっ!」

【仮面で表情は窺えないが、その声は喜色に溢れていることが分かる。
焚き付けるような拍手を更に続けて。】

「殺したくねぇと望む、ねぇ?」

【そして、突然拍手を止めると腕を組み、大げさに首をかしげた。
仮面の下でフィトリアの状態を見ながら、訝しげに。】


「なァ――――らっ!そのナイフは何だ!そのフードにした切れ端はなんだ!
要ォするには、顔を隠してんだろ?俺みたいに?殺しても大丈夫なように!!

それがありゃ、顔を隠してくれるもんなァ?仮に現場を見られてもすぐにアンタだとはわからねぇ。
〝殺しをしてもいいような準備〟をしている奴が殺したくないだってェ――――――?

…………フ、ハハ、ハハハァ――――ハハハハハ――――ァ!
傑作、傑作……こいつぁ、傑作だ、ぁハハハ!」

【すると堪えられないとばかりに笑いが飛び出した。
明確に自身を殺そうとするものを前にして、ここまで笑えるのは、やはり彼も違うということである。】

1102とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 01:59:58 ID:wVcImlnE
「……やっぱり……分からない……ッ……!
……ぐっ……うぅ……!!」

尤もだ。
フィトリアは間違いなく、殺されたくないから今の様な手段を講じた。
何故か? 簡単だ。殺せなくなってしまうからだ。

「…私、は……殺したく……なんか……!」

殺したくない。でも抗えない。
だったら顔を隠すしかない。

それは暗に、衝動に抗う事を諦めたと告げるも同じである。
真っ向から否定された事など、今に一度も無いが。

1103とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:15:17 ID:qUUWALyc

「分からねぇ、ンじゃねぇ――――よ。オマエは分かりたくねぇだけだ。
殺すってのは昔から言われてきたダメな筆頭だもンなァ〜〜〜〜?

そんなことを自分がヤりたがっている、求めている、欲しがっている……。
ンなことを分かっちまったら、自分が〝本物〟になっちまうモンなァ??ン――――ぅ?」

【指をずいっと力強く向けた。
それを職とし、行ってきた〝本物〟だからこそいえることである。

普通の一般人ではこうは言えまい。】


「けど、勝手に顔を隠しちまったように!ナイフを持ったように!
それで、この俺を殺してみたいと思ったようにっっ!

……オマエは、オマエの根っこの部分は受け入れちまってンだよォ――――!」

1104とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:21:41 ID:wVcImlnE
「…………!!」

違う。
この殺意さえ無ければ、私は人として全うな道を歩める筈だ。
受け入れてなどいない。ただ抗えないだけなんだ。
違う、違う、違う。

「あ、あ……!」
だから時々で良い。
時々で良いからこの衝動を解放してあげれば良い。
それがバレさえしなければ、私は人で居られる。
受け入れてなどいない。仕方なくしている事なんだ。

違う、違う、違う。

「ああああああああああ!!!」
――違う!!

その姿が、真っ直ぐにそちらへと距離を詰める。
しかし、散々揺さ振った後だからか、避けた時よりは随分動きが遅い……と感じる。

1105とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:30:23 ID:qUUWALyc

「……そーか、そうか、そうか!
ふん、それでこの俺を刺してみろ!刺して切り裂いて、素直になってみろォ――――!

ほら、ほーら、来いよ!来い、来い……この俺を殺してみやがれッ!!」

【両手を広げ、その手を迎え入れるように激しく動かす。
もちろん、殺されてもいいなんて、思ってもいない。明らかな挑発である。

揺さぶりをかけたのは全て、この挑発のためである。
焚き付けて、分けもわからなくして、自身に向かわせることが最大の狙いである。】

1106とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:37:28 ID:wVcImlnE
「……殺す……殺す、殺す、殺す――!!」

だが、負い目を感じている彼女にとって効果覿面。
前後不覚になり、中途半端に衝動へ呑まれたままクツロォに襲い掛かる。

「あ゙ああぁぁッ!!」

可憐な少女の姿から出るとは思えない、獣の様な咆哮と共にナイフを突きだす。
しかし混乱した状態で繰り出されるそれは、決して見切れないレベルではない。

1107とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:45:40 ID:qUUWALyc

「――――――良い子だ。」

【ナイフを振るいに来たその部分に氷の壁を展開する。
あえて避けることをせずに、壁を作ったとはいえ、それを受け止めようとする。

もちろん、見切れぬものではないため、その大振りの攻撃をかわし、懐に入り込むことも出来ただろうに。】


「さぁ――――て、起きる時間だ。」

【防御は氷の壁に任せ、その後ろでポツリと呟く。】

1108とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:50:34 ID:wVcImlnE
「殺す……ッ!!」

氷壁に対して、十文字の斬り込みを入れる。
なぞった様に見えたナイフは、いとも簡単に氷を切り裂く。

精神こそ未熟であれ、全くと油断できる腕前では無さそうだ。
一旦後方に飛び、姿勢を低くする切り裂き魔。

1109とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 02:59:08 ID:qUUWALyc

「オ――――ィ、オイオイ……。腕前だけは良ィみテェだなぁ?
何人、ヤってそうなったんだ?5人か、10人か?

……そォれとも、両手じゃ、もう足りネェンじゃねぇ――――かぁぁ?」

【一度、左手と右手をパンと合わせる。傍目にはただの手拍子か合図にしか見えない。
すると、再び、氷の壁が現れる。

それは先ほどよりも分厚いもので、先ほどの様にナイフで切り裂くのは難しそうである。
とはいえ、氷の壁という点では同じようなものに見えるのだが。】

1110とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:05:17 ID:wVcImlnE
「…………。」

言う通り、もう両手には足りない程、人を殺めていた。
そこまで殺しても尚、殺人衝動に抗おうとしているのだ。
本当に人を殺したくないからこそ。

「……ッ!!」

ガリッ、と大きな削音がして氷に刃が突き立てられる。
それと同時に、その体が宙へと浮く。
刃の柄を足掛かりにすると、更にその上へと跳躍。

壁の上端に片足の爪先を掛け、もう一つの足で壁の上っ面を踏ん張りながらナイフを引き抜く。
そのまま転身し、勢いを乗せたままクツロォの方へとナイフを構えて降る。

一瞬の判断に、軽業師の様な慣れた挙動。
身一つで殺し続けて来たからか、それは矛盾した存在にしては"出来過ぎた"挙動だった。

1111とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:15:40 ID:qUUWALyc

「〝上だ!〟」

【その判断を感心する前に行動を起こした。
判断を誤れば、こちらが無残にもその刃に甘んじてしまうからである。

だが、その点でもこちらも負けてはいない。
そもそも、壁を正面に作った時点で相手がそれを超える手段は限られる。

〝あえて自身に向かわせる〟ような行動を取るのだから、その辺りの対策も余念はない。

〝何か〟に向けて一喝をすると被っていたシルクハットが空中に浮いたかと思うと勝手に裏返る。
手品士が扱っているかのように動くその帽子が裏返り、その穴がフィトリアの方向に向いたかと思うと
そこから、溢れるようにして緑色と茶色が広がる。

それは紛れもなく〝木〟である。
その木は意思を持っているかの様にクツロォを上からの襲撃から守るためにその体を広げていく。】

1112とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:25:22 ID:wVcImlnE
「……ッ!」

壁を越えて行くまでは良かった。
しかし、そこから先の手段は読み切れる筈も無い。
戦法が割れ易いフィトリアと違って、相手は魔法を使える。

「…………。」

万一でもなく、この木は自分の足を絡め取り得る物だろう。
深追いはせず、木を蹴った反動で一度離れた地面へと着地する。

「……ハァ、ハァ……!」
フードの奥の表情を、苦しそうな物にしながら。

1113とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:34:52 ID:qUUWALyc

「ン、ン、オォ――――?」

【地面へと再び、戻るフィトリアを視線で追う。
そして、そのフードの奥の表情を察すると仮面の奥でニヤリと笑みを浮かべた。】

「苦しいだろうなァ、悔しいだろうなァ――――?
餌が目の前にぶら下がってンのに、そいつに牙が届かないってェのはよォ―――――!」

【木を生やした帽子は宙にふよふよと浮かんだままである。
なおも挑発めいたセリフを吐きながら、その衝動を煽ろうと。】

「〝ほら、行って来い。〟」

【〝何か〟にそう命じると冷たい風、冷気が吹いた。
それは瞬間的なもの。春一番の様な強いが短いものである。】

1114とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:38:15 ID:wVcImlnE
「……ッ……!」

今なお、自身の心と衝動とで葛藤を続けるばかり。
頭を押さえ、息の詰まる様な感覚。

相手が仕掛ける前に、体が動いた。
即ち、今出せる速度で王都へと転身する事。

それは衝動が取った行動でも心が取った行動でも無い。
生き物として本能的にこの場から退く事を望んでだ。

1115とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:47:30 ID:qUUWALyc

「あぁ――――――――ン?」

【少々、予想外の行動に納得のいかない声を上げた。
先ほどの様に言葉で挑発して、大振りの攻撃をさせるのが狙いだったらしい。

しかし、それは叶わずそのまま逃げていくフィトリアに反応が一瞬、遅れた。】


「チィ、まだ〝生きていた〟か…………ふん、逃げ切れると思うのかねェ〜〜〜?」

【不本意ながらもチェイサーという異名が付いてしまうほどの人間だ。
執念深く、追い詰めていき、仕留める。】

「よし、行くぞ、ア――――――あ゛ぁ?!」

【何かをしようとしていたようだが、トラブルらしく、それも叶わない。
身軽なフィトリアなら、容易に距離を離せるほどにこの男は、出遅れている。】

1116とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 03:51:10 ID:wVcImlnE
「……いや、嫌だ……!」

最早、混乱した頭では何が嫌なのか分かっていない。
しかしながら、脇目も振らず駆け抜けたその行動が功を奏した。
難ありながらも、逃げる事には成功した様だ……。

しかし、随分とちぐはぐな殺人鬼だった。
殺しの技術はクツロォ始め歴戦の殺し屋と肩を並べる程だ。
並の人間で囲った所で三枚におろされるのが落ちだろう。

だが精神の方はと言うと、ただの暴力の塊と内気な少女が同化した様な珍妙さ。
"面白い"獲物ではあったであろう。

1117とある世界の冒険者:2013/04/14(日) 12:55:06 ID:qUUWALyc

「ア゛――――……はぁぁ。」

【何かの所為で追うことが出来ず、結局、取り逃がしてしまう結果に。
それを受けて、フィトリアが消えていった方向をぼうっと眺めるとため息を吐いた。

狙っていた獲物を取り逃がすこと、それはクツロォの嫌うことの1つである。
なぜならば、仕事上、自分の情報が漏れてしまいやすいからである。】


「まぁ〝契約違反〟じゃネ――――ぇか。
どんな時でも束縛はしないが俺の傍にいる、だったか。

ん〜〜〜〜〜〜、この傍ってのを指定しなかったのは、やっぱミスったなァ――――。
けど、マァ……あんなの忘れるはずもねぇしな。

ンじゃ、あ――――――、帰るか、うん、帰る帰る。」

【ぼそぼそと独り言を言っていたかと思えば、突如として光がクツロォを包む。
すると、次の瞬間には消えていたとか、FO】

//寝落ちしてしまってごめんなさい。改めてお疲れ様でした!

1118siko:2013/04/15(月) 05:52:06 ID:QHgJ2jsM
なかっち 動画
http://www.youtube.com/watch?v=z2qK2lhk9O0s



みんなで選ぶニコ生重大事件 2012
http://vote1.fc2.com/browse/16615334/2/
2012年 ニコ生MVP
http://blog.with2.net/vote/?m=va&amp;id=103374&amp;bm=
2012年ニコ生事件簿ベスト10
http://niconama.doorblog.jp/archives/21097592.html


生放送の配信者がFME切り忘れプライベートを晒す羽目に 放送後に取った行動とは?
http://getnews.jp/archives/227112
FME切り忘れた生主が放送終了後、驚愕の行動
http://niconama.doorblog.jp/archives/9369466.html
台湾誌
http://www.ettoday.net/news/20120625/64810.htm

1119とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:22:10 ID:tk89k1lA
-森の奥-

「待ちやがれええええええええええ!!」
『!』

草木生い茂る最近何かと物騒な森の奥。
男の怒声と木々を切り裂く破砕音が周囲に響きわたる。
バ、と勢いよく茂みから跳び出るは蜥蜴の頭蓋を被り皮の服を纏う裸足の黒髪赤眼褐色児。
次いで携えたネオベイ刀だけは立派な素浪人風の男であった。

1120とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:26:27 ID:ewSLqlrU
>>1119
「………?」

2人が追いかけ合っている所にちょうど散歩していた少女。

「………まーた物騒なことかぁ………」

1121とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:29:13 ID:tk89k1lA
>>1120
「ちょこまかやってんじゃあ…ねぇっ!!」
『!』

素浪人が抜刀すると周囲の木々が無差別に切り刻まれる。
しかしその見えない斬撃を褐色児は宙に跳ね一回転して回避、そのまま駆け逃げ続ける。
ちなみに無差別に刻んでいるのでとばっちりがレイヤにくる。

1122とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:38:58 ID:ewSLqlrU
>>1121
「ちょっ……危な…!」

素早く危険を察知、そして回避。

「………ちょっと何やってるの!?」

1123とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:47:29 ID:tk89k1lA
>>1122
「んん?何だ餓鬼か…どいてろ、こちとら竜狩で忙しいんだ!!」
『ぜぃぜぃ…』

動きが止まる二人。
どうやらいまやっとレイヤの存在に気がついたようで。

1124とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 21:58:10 ID:ewSLqlrU
>>1123
「………竜狩り……?ドラゴンなんてどこにもいないけど………」

「……それでも誰がいるか分からない森でそんなの振り回したら危ないでしょ………」

1125とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:01:22 ID:tk89k1lA
>>1124
「其処に居るだろうが!これ見よがしに骨まで被ってよぉ!!」
『ウガガ』

びしいっ!と褐色児を抜いた刀で指し示す素浪人。
そして片手を上げて『竜でーす』と宣言しているような褐色児。

1126とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:09:43 ID:ewSLqlrU
>>1125
「……確かに竜の骨みたいなの被ってるけど……まあたまにそういう竜人とかもあるか……」

「……で、何の為にやってるの?………かなりノリがいい竜だけど」

1127とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:13:06 ID:tk89k1lA
>>1126
「コイツ等のせいでここ等の魔力流が安定しねえんだよ。
 魔力流が安定しないって事は魔法がまともに使えなくなるって事だ。
 困るだろ?」

『ギーガー』

素浪人の回答に、不満があるのかそんな様子で鳴く褐色児。

1128とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:20:56 ID:ewSLqlrU
>>1127
「………ふーん………」
「で、やっつけたら元に戻るって訳?」

竜と男を交互に見ながら言う。

1129とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:22:25 ID:tk89k1lA
>>1128
「おうよ、だからこうして斬ろうとしてんだろうが」
『グルルゥ!』

そんなことすんなよ!と褐色児が猛抗議しているような気がする。

1130とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:42:14 ID:ewSLqlrU
>>1129
「………どうしようか………」

そちら側につこうとするが流石に抵抗はある模様。

1131とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:44:39 ID:tk89k1lA
>>1130
『…』

ダ、と思いっきり褐色児がかけて森の奥へと消えた。

「あ、やべっ……くそが」

タイミングを逸し、取り逃す素浪人。

1132とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 22:57:44 ID:ewSLqlrU
>>1131
「あっ……逃げた!?」

一瞬目を離した隙に逃げられたようだ。

1133とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 23:00:11 ID:tk89k1lA
>>1132
「あー…仕方ねえ、出直すか」

頭をかく素浪人。

1134とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 23:10:23 ID:ewSLqlrU
>>1133
「………もしかしたら私が割り込んだかもしれない………ごめんなさい」

頭を下げて謝る。

1135とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 23:11:51 ID:tk89k1lA
>>1134
「…へっ、たかが餓鬼一人居たぐらいで結果が左右されるかよ」
「次があらあな、きにすんじゃねーぞ」

そう言うと素浪人は去っていったのだった…

1136とある世界の冒険者:2013/05/20(月) 23:15:58 ID:ewSLqlrU
>>1135
「………あ………うん………」

去って行く男に声をかけるが無論届かず、そのまま王都の方へと帰って行く。

1137とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 21:15:09 ID:8PBwA3RE
-とある噂のある森の奥-

視界の悪い森の奥で今日も何かが潜んでいる。
草木生い茂る森にぽっかりと空いた空間。
背の低い草木が生い茂り、中央に大岩が鎮座し、頭上に月の臨める場所。

薄汚れ所々擦り切れた革の服を着、眼の下には濃いクマ、半端に長い耳を持つ短髪の少女が其処に居た。

「お腹空いたわ」

1138とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 21:38:52 ID:CMrN09qw
>>1137
ん?誰か居るのか?
【青髪青目の青年が歩いてくる】

1139とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 21:41:43 ID:8PBwA3RE
>>1138
「あんまり美味しそうじゃないなぁ……まあいいわ、ちょっと齧らせて欲しいんだけど」

ゆらり、と少女がマグロに近づく。

1140とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 21:49:56 ID:CMrN09qw
>>1139
断る
【バックステップ】
これでもかじってろ
つ【焼きそばパン】

1141とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 21:56:08 ID:8PBwA3RE
>>1140
ボコボコと粘ついた気泡の弾ける音と共に少女の足元から現れるソレ。
赤と黒を綯い交ぜにしたヘドロの様でヒトの胴を簡単に握れそうなほど大きな手、
それに不釣り合いなほど細く、そして醜くく長い歪んだ二の腕が付随している。
その怪腕が焼きそばパンを掴むと瞬時に焼きそばパンが腐り消えた。

「…足しになんないのよね」

1142とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:01:05 ID:CMrN09qw
>>1141
ちっ何なんだ!
【またバックステップ】

1143とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:05:13 ID:8PBwA3RE
>>1142
「べっつにぃ…ただのチェンジリングよ、忌み子よ、だから?」

ゴボボボボ!と巨大な腕が3本、少女の足元から這い出る。
ゆらゆらと鎌首をもたげる蛇のように動き、マグロを狙っているかのように。

1144とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:09:21 ID:CMrN09qw
>>1143
何だよェンジリングに忌み子って!意味わかんねぇよ!
【距離を取ろうとする】

1145とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:10:15 ID:CMrN09qw
あ、11時までに切り上げたいですー

1146とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:11:26 ID:8PBwA3RE
>>1144
「…無知は罪……ちょっと齧らせなさいって、死にゃあしないんだから」

1147とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:16:01 ID:CMrN09qw
>>1146
知らねえもんは知らねえんだよ!
まあ、かじられることには慣れてるけどよ
【その姿でその台詞は・・・】

1148とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:17:31 ID:8PBwA3RE
>>1147
「じゃあ遠慮なく」

台詞に違和感とかそういうのを感じる前に
グワ、と3本の腕がマグロに伸び鷲掴みを試みる。

1149とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:24:21 ID:CMrN09qw
>>1148
うわ気持ちわりぃっ!
【逃げる魚】

1150とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:26:48 ID:8PBwA3RE
>>1149
「…ちっ」

空振りする腕。
少女はその場から動かない。

「逃げるなんて卑怯じゃない」

1151とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:30:13 ID:CMrN09qw
>>1150
卑怯とかそんな問題じゃないだろ…
【呆れ顔】

1152とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:37:20 ID:8PBwA3RE
>>1151
「全く、齧らせる気がないならそう言いなさい。
 お腹空いてるんだから無駄に動きたくないの」

1153とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:48:47 ID:CMrN09qw
>>1152
かじるってその腕でつかむことかよ…
【呆れたように】

1154とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:51:15 ID:8PBwA3RE
>>1153
「腕の様な口なのよ」

1155とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 22:56:16 ID:CMrN09qw
>>1154
かじられるのは構わんが
腐るのはごめんだ
【さっき焼きそばパンが腐ったのを見ての発言】

1156とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:01:12 ID:8PBwA3RE
>>1155
「あれはパンに魔力が殆ど無いのがいけないだけ」
「大丈夫よ、人間だったら数日身体がだるい程度で切り上げられるし」

1157とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:04:57 ID:CMrN09qw
>>1156
何だよ、魔力をすいとるだけか・・・
【少し安心した魚】

1158とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:06:44 ID:8PBwA3RE
>>1157
「他に何があるっていうの…」

やれやれ、と首を振る。

1159とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:13:31 ID:CMrN09qw
>>1158
そのままの意味だよ
肉をかじるとか

1160とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:14:21 ID:8PBwA3RE
>>1159
「ああ、それすると後処理面倒じゃない」

@きりあげるのだ

1161とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:19:57 ID:CMrN09qw
>>1160
したことあんのかよ
【呆れたように】

1162とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:20:53 ID:8PBwA3RE
「ふふふふふふ……」

怪しい笑いが周囲に響いた…今日は此処まで

1163とある世界の冒険者:2013/05/21(火) 23:29:55 ID:CMrN09qw
・・・
【黒い霧になって消えた】

1164とある世界の冒険者:2013/05/25(土) 22:40:46 ID:m0IHH4Tw
-いままでのあらすじ-

悲しい歌声に誘われて出会ったのは宙に浮く全身鎧。
よく分からないヒト探しを始めて森の奥へと…

そして目の前に突如現れたのはヒトの骨を使って造形したような虫の集団であった。

『ギャギャガ!』
『ギギギギ』
『ギチチチチチ』

1165とある世界の冒険者:2013/05/25(土) 22:46:22 ID:p6dBHmxo
>>1164
「本当に見つけられるのかな、そんなにうまく」
森と言っても広いはず
そんなことを考えていると虫の集団に出くわしてしまう

「!」
そして何の前触れもなく出現した虫の集団に腰を抜かしかけるも、
とっさの判断で木陰へと走って逃げることに
それはどこか追い風を受けているかのような速さだ

1166とある世界の冒険者:2013/05/25(土) 22:49:57 ID:m0IHH4Tw
>>1165
『ギャギャ!』
『ギー!』
『ギチッ』

そんな動きに触発されたのか虫共がリミルを追いかけ…

「ブゥィンッ!」

駆け抜けるようにして交差した全身鎧を通り過ぎるとバラバラになってしまう。
一瞬にして全身鎧が屠ったらしい。

1167とある世界の冒険者:2013/05/25(土) 22:57:49 ID:p6dBHmxo
>>1166
「……!?」
一瞬なにが起こったのかわからなかった
が、全身鎧が自身よりも前に出ていることに気づき、
鎧がバラバラにしたのであろうことに気付く

「あ、ありがと……」
礼を言いつつも、警戒を強め弓を構えつつ歩みを再開する
味方につければなかなか頼もしい鎧……などと思いながらも、
自身との力の差があり過ぎることにも気づいてしまった

1168とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 21:42:17 ID:9KBtaH2o
>>1167
「…ビィィン」

返事らしきものを返す鎧。
暫く先導するように前を行く、が唐突に地に降りてリミルを伸ばした右腕で制した。
進行方向から何か大型の獣がこちらへ向かってくるようだが…?

1169とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 21:44:25 ID:.zakiK/M
>>1168
「……」
立ち止まると息を飲み、
弓を構える少女

1170とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 21:49:04 ID:9KBtaH2o
>>1169
?『さてさて、オレの相手に相応しいかとは思えねえ奴が居るもんだ』

のそりのそり、と月明かりの下に姿を現すのは翼を持った虎の化物。
その顔は妙に人間くさく、表情豊かだ…酷くゲス顔で。

鎧「リィィィィンッ!!」

鎧が今までになく高い音と光を発する。
其処には明らかな闘争心が見て取れた。

1171とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 21:50:04 ID:S7FXQpV2
>>1168
「(何かがいる…………?)」

腰に差した2本の剣に手をかける少女。
いつ頃からいたことやら。

1172とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 21:56:11 ID:.zakiK/M
>>1170>>1171
「……虎さんはどうしてここにいるの?
ううん、虎さんは誰かを傷つけるつもり?」
虎の吐き気を催しそうなほどのゲス顔に相手という言葉
鎧の火を見るより明らかな闘争心
それを受けて少女もまた目付きが鋭くなる

1173とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:01:41 ID:9KBtaH2o
>>1171>>1172
虎「悪ぃなガキんちょ共。
  少しでもオレ達に関わりそうなので潰せそうなのは潰すことにしてんだ」

ベロリ、と自身の爪を舐めて虎が喋る。

虎「寝起きの剣とガキ二匹、ちょろいぜ!!」

ブン、と虎が前足を振るう。
凄まじい威力の三本線が爪の軌跡を縫って放たれた。

鎧「ブォン!!」

鎧がリミル等を庇う様に前へ出て腕を交差し攻撃を受ける。
しかし攻撃は一度でおさまらず二、三と続く!!

1174とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:09:46 ID:S7FXQpV2
>>1173
「………ほいっ」

衝撃波を右へ左へよけて行く。

「スノーカッター!」

巨大な雪の結晶を何枚も生成、それを手裏剣のように投げる。

1175とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:13:16 ID:XIGfq/Y.
>>1173
「……」
虎は確かに言った、潰すと
鎧は少女を庇うようにして前に出たお陰で少女が傷を負うことはなかった
しかし、このままでは鎧がまずいことになりかねない

「……」
矢を一本、虎に向けて放つ
追い風を受けて弾丸の如きスピードを伴いそれは虎へと向かう

1176とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:16:34 ID:9KBtaH2o
>>1174>>1175
ガキガキガキィン!!

虎『ギャハハハハハハ!予想通り!狙い通り!楽勝じゃねえかああああああ!!!』

攻撃は確実に相手にあたった。
だというのにその全てが弾かれるという常軌を逸した展開。
その間も相手の攻撃は止まず、鎧も構えのまま徐々に押され後退し始める!

1177とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:25:03 ID:S7FXQpV2
>>1176
「効いてない……!?」
「(……つまり何かの守りでも……!?)」

「(相手は無限に攻撃してくる……これじゃあどうにもできない………どうすれば……)」

1178とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:27:03 ID:XIGfq/Y.
>>1176>>1177
「……」
狩りでそれなりに戦闘経験を積んでいる少女
それ故の勘か、はたまた本能か、自分だけでは敵を出し抜けないことを悟る
このままでは3人仲良く全滅、人助けという目的も、弟を見つけるという目的も果たせない
であるならば……

「……こっち!」
攻撃の合間を見計らい、鎧の脇から虎の背後に回り込もうと
それはまさに人ならざるスピードだ、なんらかの魔法を使用したのだろう

1179とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:29:59 ID:9KBtaH2o
>>1177
虎「オラオラさっさとくたばりやがれ!!」

ジャジャジャ、と魔刃が飛んでくる!

>>1178
虎「んん?」
鎧「グィンッ!?」

鎧が猛攻に耐えきれず倒れるのとほぼ同時のタイミングだった。
虎は動きが緩慢で回り込みには成功する!

1180とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:34:07 ID:S7FXQpV2
>>1179
「そうだ………リフレクトアイス!」

目の前に正方形の反射板を展開する。

1181とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:39:31 ID:XIGfq/Y.
>>1179
「これなら……!」
虎の背後より木製の矢を連続で数本放つ少女
矢は3本は一直線に虎のほうに進み、
もう3本は不自然な軌道の変化をし足元のほうに進む

1182とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:47:16 ID:9KBtaH2o
>>1180
が、いとも簡単に刻まれる!
これが時間をかけて設置した強固なものなら別の展開もあったかわからないが…

>>1181
ガガガガガガキン!
全弾命中……が、その全てが弾かれる。
相手に一撃足りとも触れられないという奇怪な現象は頑としてその効果が揺るがない。

虎「ぐははっ!今度はこっちのぶべらあ!?」

そんな虎の頭に何かが突っ込んでぶつかった。

鶏「…コケッ」
虎「な、なん?イダダダダダダダダ!?」

ドタタタタタタタ、と虎の頭に着地した
如何見ても只の雌鶏と思いきや何か縫い包み風なトリが嘴を連続で叩き込む。
虎の動きが封じられている……

1183とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:54:17 ID:S7FXQpV2
「っ……!?」

障壁は粉砕、しかしそれも予測していたのか素早く横へと倒れて回避する。

だが隙だらけではある。

1184とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 22:56:47 ID:XIGfq/Y.
>>1182
「!」
突然何の前触れもなく表れた雌鳥に驚きながらも、
すぐに虎に隙ができたことに気づく

少し余裕ができたと思えば鎧が大変なことになっていることに気づき、

「……鎧さん、大丈夫!?」
虎の動きが止められている隙を見計らって鎧に駆け寄って

1185とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:10:05 ID:9KBtaH2o
>>1183
しかし虎は今や鶏の餌食!

>>1184
鎧「ブオン…」
?「問題ない、表面に傷で来てるだけだから磨けば…と言ってるね」

と鎧の上、木の中から声がする。

1186とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:16:22 ID:S7FXQpV2
>>1185
「うぅ………」
ふらふらと立ち上がる。

「鶏………!?」
「トラが鶏にやられてる……!?」


「………そして誰の声……?」

1187とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:19:17 ID:XIGfq/Y.
>>1185
「磨くって……これで磨けるの?」
鞄を漁って取り出すのは、
日ごろ少女が武器の手入れなどに使用しているやすり

1188とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:28:51 ID:9KBtaH2o
>>1186>>1187
鎧「ミィィィ……ン」
?「いや、何か別のがいいなって困ってるね」

ガサリ、と木から下りてきたのは
左手に鹿革製の手袋をはめている以外飾りっ気の無い黒髪の狩人風娘。

虎「くそいいかげんにしやがれえええええええ!!」
鶏「コケッ!?」

虎がついに鶏を振りほどいた!でもダメ!!

虎「んぎゃああああああああああああああああ!?」
男「オラ何ガキ虐めてんだよ、この三下あああああああああああああああああ!!」

ガスンガスンとその脇腹を蹴り続ける存在が現れたのだ。
狂気の瘴気を発し風無く棚引く長い黒マフラーを纏う三白眼な黒髪の青年である。

1189とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:38:13 ID:S7FXQpV2
>>1188


「………何…!?」

虎を蹴りまくる男に少しびっくりしているようだ。

1190とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:43:54 ID:XIGfq/Y.
>>1188>>1189
「別の……?
例えばどんなので磨くべきだと思う?」
狭い知識しか持たない少女がそう聞き返しつつも、

「……あれれ、人増えてる……?」
一応助っ人のおかげで助かった……のかもしれない
このまま目的を果たすべく奥へと進もうにも、鎧が放っておけないし
そもそもあの虎のような化け物が現れた時に、このままの状態だと対処できない

1191とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:48:40 ID:9KBtaH2o
>>1189>>1190
鎧「ビィィン…」
狩人娘「んだね……ええと、布で丁寧に?めんどくさいね」

会話が成り立っているのか分からないが狩人娘が鎧の声の後に続く。

虎「うげえええ、おぼえてやがれえええええええええ!!!」
青年「おとといきやがれ!」
鶏「コケコッ!」

半泣きで逃げていく虎…
青年と鶏がいじめっ子に見える。

1192とある世界の冒険者:2013/05/26(日) 23:58:44 ID:S7FXQpV2
>>1191
「………あんなに攻撃が効かなかったトラがボコボコに………」
「……どうなってるの…………?」

逃げて行く虎を呆気にとられながら見ている。

1193とある世界の冒険者:2013/05/27(月) 00:00:35 ID:qrBKQubY
>>1191
「布……布……」
鞄を探っていると運よく見つかり、
鎧の傷にそれを丁寧に擦りつけながらも

「……ところで、あの虎はなんだったの?
それにお姉さん達は一体?」
鎧にかまけていたせいで虎が逃げてたことに気付くのが遅れる少女
困惑気味に狩人娘に尋ねてみる

1194とある世界の冒険者:2013/05/27(月) 00:05:50 ID:V1u3HdHU
>>1192
青年「俺が凄いからだ」
鶏「ケケッ!」

ドゲシ、と鶏が青年をける。

青年「いってぇ!?…なんだよ、嘘は言ってねえぞ」

>>1193
狩人娘「ふっふっふ、私達はねえ…」



といった感じで今日は此処まで

1195とある世界の冒険者:2013/06/01(土) 23:45:59 ID:Y00vlwY2
>>1194
「私達は……?」
鎧を磨きつつも息を飲んで

1196とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:22:13 ID:R9oFc4gI
<王都近くの草原>

「あ――――ァ、ケア完了……って、ことで。」

【森のほうから歩いてきたのは陰陽太極図の仮面を被り、黄土のコートを着た人間だ。
顔が見えない装備を行い、加えてコートを着て、肌を晒さない出で立ちは少々、奇妙である。

そして、彼の周囲には様々な魔力が渦巻いているように感じとることができる。】

1197とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:34:08 ID:2mbA1T/2
「…………。」

魔力を誘蛾灯として、それに寄せられるが如く近付いて来る足音。
不規則なリズムで音を刻むそれは、金髪に緋色の女性の姿を連れて来た。

1198とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:37:07 ID:jsJ7mrdA

「……〜♪」

奇妙な集まりに奇妙な人影が通る。
黒いコートに、買い物袋を提げた、何処か幸薄そうな青年。

だが彼を知る物が一番奇妙に思うのは、
そんな彼が鼻歌を歌い仏頂面を期限良さげにして歩いている、という事だった。

1199とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:38:10 ID:R9oFc4gI
>>1197-8
「アァ――――ンン?
……オィオィ、こっちはちゃんと条件を呑んでるンだぜ?

妙な言いがかりはやめて欲しいンだがねぇ〜〜〜〜。」

【唐突に、喋りだす太極図の仮面。
彼の傍には誰もいないはずなのだが、それでも何かが傍にいるかのように。

こちらに近づく人間たちに気づいているのか否かは不明である。】

1200とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:41:10 ID:2mbA1T/2
>>1198>>1199
「……!」

虚ろ色にくすんだ瞳で俯いていた表情が、一変して弾かれる様に持ち上がる。
そしてかくや視界にと言う所で、気配を閉ざして木の裏へと身をやつした。
生と死の境界すら曖昧な程に、娘の気配が消える。

1201とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:42:47 ID:jsJ7mrdA
>>1199-200
「……ん。」

【ふと鼻歌を止めて太極図の男に一度目線をやる】
【春先は終わったのに怪人に遭遇したのは二度目である】

「……へぇ。」

【が、それよりも】
【青年が興味を惹かれたのは娘の方であったようで】

【表情を喜色から仏頂面へと変えて、一声を漏らした】

1202とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:47:55 ID:R9oFc4gI
>>1200-1
「ン、ン、ン――――――ゥ?」

【その刹那めいた挙動をこの仮面の男が読み取れたか。
そんなことは意に介さないと言う様に、仮面の表面をガリガリと掻く。

そして、手を自身の頭にそっと当てるとポン、と手品の如くシルクハットが乗った。】


「まぁ〜〜〜〜、なんだ、夜にぁ珍しいってところか?……ん?」

【手を再び、仮面のほうへとやりながら。】

1203とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:55:00 ID:2mbA1T/2
>>1201>>1202
「(……っ、私……何、を……)」

離れなければ、という意思とは無防備にも足を運んだ一瞬。
我に返ると二人もの人に囲まれていた。
咄嗟に隠れたは良いものの、決して良い状況ではない。

訳無い訳もなく、己は今気軽に人と顔を合わせて良い状況ではないのだから。

1204とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 22:57:31 ID:jsJ7mrdA
>>1202
「夜ですから、あんまり珍しくも無いんじゃないでしょうか」

【と、間の抜けたと言うか】
【緊張感の無い返しが青年の方から帰って来る】

【……ケーキ屋の物と思わしき買い物袋を手に提げているのが、なんというかミスマッチだ】

>>1203
《―――……ケヒッ?》
「……仕掛けて来たら好きにしな、ケーキは泡の中にしまわせて貰うけど」

【娘の気配を察して入るが】
【別に此方から何をしよう、という訳でもない】

【だってそんな貴方切り裂き魔でもあるまいし】

1205とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:04:14 ID:R9oFc4gI
>>1203
【その姿は見覚えのあるものである。
シルクハットに仮面を被るというその格好の奇抜さからではない。

それは以前に対峙したソレだからである。
そして、本人が認めているかどうかは否として……今や同類だ。】


「…………。」

【彼女に気づいているのかどうかは分からない。
何せ、仮面をつけているため、視線や表情がまったく読めないからだ。】

>>1204
「ほ――――ぅ、そいつぁ面白い、面白い。
〝アンタら〟にとっちゃ、こういう状況は珍しくネ――――ェ、と?」

【その言葉にわざとらしく首を捻った。
とはいえ、おそらくは既に答えは出ているのだろうが。】

1206とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:08:10 ID:2mbA1T/2
>>1204>>1205
「…………
(ど、どうすれば……良いの……)。」

眼を瞑り、数多の感情を堪える。
自らの正体を明かしてから、まともに眠れた例など無い。
彼女の姿とその名は、今や多くの人間が知る所となった。

極めて特異な精神性を持つ彼女は、今は"まとも"な状態で居た。

1207とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:11:07 ID:jsJ7mrdA
>>1205
「まぁどういう訳か巻き込まれ易いので。
 僕としては、王都がどうなろうが人が死のうが割とどうでも良いんですが」

【この世界に置いて唯一絶対大事な物は少ない】
【愛しのお嬢様とのその家族+若干ニ、三名の友人、以上である】

《――ケヒッ、ヒヒッ》
「こっちはまぁ、する側ですし。」

【虚空から嘲り笑いの声が聞こえる】
【それは魔物か、はたまた、別のか】

>>1206
《ケ――――》
「焚き付けるのは面倒だからやめなよ、戰うの、僕だし。」

【娘の心内をあざける様な笑い声が僅かに聞こえる】
【この場には三人しか居ないのは確かのはずだが】

1208とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:18:55 ID:R9oFc4gI
>>1206-7
「ふ――――ぅん、それじゃあ、テメェらは俺には興味ねぇ、と?
そういうことで、良いんだよな――――――ァ?」

【言葉を向けた方向はもちろん、レイジのほうである。
彼の言動からして自分には興味がなさそうと踏んだようだ。】


「奇遇だ。俺も〝する側〟でな〜〜〜〜ぁ。
生憎とテメェらには興味がねぇんだわ。……ってことで、さっさと去って貰えんかねぇ??

こっちとしちゃ、やる事があるんだわ。」

【もちろん、こちらも特に興味はないらしい。
仮にやる気があっても、こちらにはメリット一つないからである。】

1209とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:23:21 ID:2mbA1T/2
>>1207-8
「……」
絹に油が染む様に、草臥れ果てた心にその嘲る笑みが溶ける。
狂人と人間の両端で揺れる心は、その笑みを堪え切れず

「違う……。
違う……私は……――ッ!」
心の声が口から大仰に漏れている事にも気付かず

「……っ!!」
眼を見開いて両手で口を覆うも、時既に遅し。

1210とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:26:27 ID:jsJ7mrdA
>>1208
「まぁ、貴方には無いんですけど」

【と、娘が隠れている方に視線をやって】

「――今日は少しだけ、気分が良くて」

【自分は、何をする訳でも無いが】
【ケーキの入った袋を透明な「泡」に乗せて何処かへと飛ばした】

>>1209
《――ケ、ケ、ケヒッ、ヒヒヒッ!》
「……寄らば斬る、寄らねば斬らぬ、――かな」

【まぁ、煽ってといて何だとは思うけど】
【そんな事を独りつぶやいて】

「"グリムリーパー"」

【傍らに歪の魔鎌を喚び出す】

1211とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:32:08 ID:R9oFc4gI
>>1209
「なァ――――ンだ、やっぱりテメェか。」

【無機質な仮面が草むらを見据えた。その声には喜色が。
草むらに隠れていた存在は知っていたようだが、特定はできていなかったようだ。

だが、彼の口振り的には算段が付いていたようにも聞こえる。】


「腑抜け切ってて、誰だか分からねぇレベルだったぜ。
ン〜〜〜〜まぁ、もう少し我慢して隠れていればよかったンだがよ――――ォ。」

>>1210
「ハハハ、これまた面白ェ――――なァ。
人畜無害を装っても、一皮剥けば、戦う気が満々ってか!

さッッすが〝どうでもいい〟とだけ言い放っただけのことはあるなァ〜〜〜〜?」

【そちらに指を向けながら、仮面の下で大いに笑う。】

1212とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:39:11 ID:2mbA1T/2
>>1210
「……来、ないで……。」

身を竦める。
実際、彼女は戦えない訳ではない。
今まで犯した罪は、彼女の体で彼女の手で行ったものだ。
衝動に身を任せねば出来ぬ、という訳ではない。

だが"今"の彼女からすれば戦う理由が無い。
ただただ罪の意識を強く抱えた心がそこにあるだけだ。

>>1211
「……っ、なん、で……。」

気配は完全に殺しているつもりでいた、のは己だけ。
だがここまで不安定な心でその様な事が出来る道理は無いのだ。

だとすれば、逃げるしかない。
逃げるしかないのに、蛇に睨まれた蛙の様にその場から動けずに居た。

1213とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:41:53 ID:jsJ7mrdA
>>1211
「自衛、ですよ」

【表情が歪む】
【薄ら笑いに、だが】

《――ケ、ヒヒヒヒッ》

【そして漏れる、笑い声】

>>1212
「別に、僕からは何も仕掛けませんよ。 "切裂き魔《ザ・リッパー》"じゃあるまいし」

【手元の鎌をくるりと廻して】

「唯、悪霊と似たような気配と言うか、そういったものがしたので
 自衛手段を出しておこうかな、と」

【白々しくもそう言い切る】
【まぁ、実際彼本人はそうなのだが】

1214とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:49:01 ID:R9oFc4gI
>>1212
「ア、ア―――――ァ……悪いがもう引っかかんねぇなぁ。
あっちも見る限りじゃ、そういうのに引っかかるタマじゃなさそうだしよォ。

……ってワケで、さっさと出しちまった方が良いンじゃねぇかァ?」

【どうやら、彼女がネコを被っていると思っているらしい。
それは以前、自身がやられた手口だからである。】

>>1213
「俺としちゃぁ、さっさとお帰り願いたいんだがネェ〜〜〜〜?
やる気もナンもねぇなら、邪魔でしょうがねぇんでなぁ。

なァるほど、要するには正当防衛っていう口実がいるってわけかァ。
良いネェ、そういう賢さは嫌いじゃね――――ェよ?

正当防衛、セイトーボウエー…………くくっ。」

【先ほどからあくまでも自分から仕掛ける気は無いと強調するレイジを見てそんなことを。
その白々しさが逆に素直に思えてくるほどに。】

1215とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:55:42 ID:2mbA1T/2
>>1213>>1214
「…………嘘。
……貴方……同じ、臭い……。」

声は震えているものの、レイジの言葉を強く否定する言葉で返す娘。
彼女を形作るのは、三つ。
類稀な殺人衝動と、理解る人間に理解る強い血の匂い、そして控え目な只の村娘。

三つの内にどれを嗅いで彼女が左様な言葉を投げ掛けたのかは、言うまでも無いだろう。


「違う……そんな事……する、つもりじゃ……!」

クツロォの言葉に、半ば声色を強めて本人なりに怒鳴る様な声で言う。
しかし、どう言えどネコを被っているに等しい部分はある。
元々は細い花瓶程度しかない彼女の心の鉢は、溢れ切らんとしていた。

『……あー……君たち、あまり虐めてくれないであげて貰えるかな……?』
不意に、別の声……掠れていが立った男の声が三人へと聞こえた。

1216とある世界の冒険者:2013/06/02(日) 23:58:19 ID:jsJ7mrdA
>>1214
「ええ、仕方ないですよね。
 あちら側から仕掛けて来た場合、は」

【くるり】
【鎌を持っていない手を翳す】

【その手は――"義手"】
【"動く筈の無い義手が動いている"】

【その手には、仮面】

>>1215
「別に僕は何もしてませんよ、何かされれば、自衛はすつるもりでしたけど」

【仏頂面、表情を一切変えぬままに】

1217とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:05:19 ID:eAIDwWCg
>>1215
「オ――――ィ、オイオイ、変な言いがかりはやめてくれ。
こっちはどちらかといえば、被害者なんだぜェ〜〜〜〜?」

【それは以前の事を指してである。

確かに彼は襲われているが、その原因を作ったのも彼女の行動を強化させたのも
こいつの言動によるものなので、自業自得に近いのだが。】

>>1216
「けど、それっていっちばん性質が悪くねぇ〜〜〜〜か?
だって、逃げるわけでもなければ、ヤるわけでもねぇ……ただそこに突っ立っておくだけ。

ヤる側からすりゃ、目の前にご馳走ぶら下げられてンのにお預け食らってるようなモンだぜ?
要するに、そりゃセイトーボウエーを誘発させようってことだろ?

いやぁ、最近の輩は知恵が回るだけに厄介だねェ――――。」

【ぱち、ぱち、ぱち、と乾いた拍手を行う。】

1218とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:10:37 ID:5z2Vb1BA
>>1216>>1217
「……パガ……ニー、ニ………。」
見知った顔から声が掛かった安心感……とは曰く言い難い様子で、現れた人物の方へと倒れ伏す。

『……おぉっと……。
いやはや……申し訳無いねぇ……。
この子は少々気難しいんだ……君たちの些細な言動も……傷足り得るんだよ……。』

小さく咳払いをして、気を失ったフィトリアをそのまま受け止める。
そして二人へ対して、柔和さを感じさせる、しかし低く掠れた声で言った。

1219とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:13:03 ID:rZPFtevc
>>1217
「言わせて貰いますと、そもそも誰かを襲って何かしよう、と言う考えがどうかと思いますよ。
 それにヤる以上はヤられる覚悟もして貰わないと、割に合わないでしょう、色々」

【確かに、とは思う】
【殺しに掛かっている以上殺されても文句は癒えまい】

>>1218
《……ヨケイナ事ヲ》
「と、言われましても。

 僕は"直接は一切話し掛けてませんから"。
 一人で悩んで一人で倒れられても、ですね」

【言い得て妙である】
【確かにこの男、会話は怪しげな仮面の男とするばかりで】
【娘に直接何か話しかけたりはしなかった】

【この男は、だが】

1220とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:21:23 ID:eAIDwWCg
>>1218
「ン、ン……つまり、アレはネコを被ってるわけじゃネェ――――と?
さっきまでの怯えきっていたのは演技ではなく、そいつの素、だと?」

【見知った人間の顔を見て、倒れたところからある程度の予想は立てているが確認のために。
てっきり、今の今まで、彼女は演技はしていたと考えていたらしく。】

>>1219
「もちろん。
ま、それに漬け込むアンタも大概だと思うがなぁ〜〜〜〜?」

【大いに肩をすくめて、ため息を吐く。
表情は読み取れないが、その仮面の下では呆れていることだろう。】

1221とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:24:27 ID:5z2Vb1BA
>>1219
「……ああ、静粛に頼むよ……そこの坊や。
私が言いたいのはそうじゃない……よ。」

ボロボロの外套に纏われたその姿が、ゆっくりと指先を擡げた。

>>1220
「んんー……?
そうだねぇ…………そうだよ。
フィトリア……あのどちらもが、フィトリアだとも……。」

男……と思しき声が、何故だか愉快そうに投げ掛かる。

「ああするまでに……いくら掛かったか……。」

1222とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:27:06 ID:rZPFtevc
>>1220
「あくまで、正当防衛ですよ」

【しれっ、とした様子】
【表情は仏頂面のまま変わらない】

>>1221
「……。」
【はぁ、と小さく息を漏らす】

「"此方側"で切った張ったが厭なら素直に首でも吊ればいいものを。」

【鎌をふっ、と消して】
【手に出した仮面を握り砕く】

1223とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:32:54 ID:eAIDwWCg
>>1221
「なァるほど、なるほど、なるほど……!
そいつぁ、面白い。本当に面白ェ――――なァ〜〜〜〜!」

【ぱちぱち、と先ほどよりも短い間隔の拍手。
レイジに向けたものとは違う〝感情の乗った〟拍手である。

彼女がネコを被っていたわけではないと言う事実がこの男にとって
どう面白いのかは非常に不可解なものだが。】


>>1222
「ア、ア、ア〜〜〜〜、ご立派な考えだねぇ、ホント。」

【再び、仮面に手をやって、それをガリガリと引っかきながら。】

1224とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:36:27 ID:5z2Vb1BA
>>1222
「そう……そうだよそうすれば良い。
でもそれは出来ない事なんだよ…………。
何故かって……? 簡単さ、彼女は"普通"だからねぇ……。
他の娘と同じ様に、健やかに、恋などして長々生きたいんだよ……。」

向けた手を、大仰な動作でゆっくりと天へ掲げながら。
今一と、言いたい事が伝わって来ない。

>>1223
「言った通りだよ……彼女はどちらも本心だ……
普通に生きたくても生きられないし、殺したくても殺せない……奇奇怪怪な事だろう……?」

ローブの奥がくつくつと笑う。
暗くて顔はよく見えないが、伸ばした腕は過剰なまでに痩せ細っている。

1225とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:42:13 ID:rZPFtevc
>>1223-1224
「言い訳ですね。」

「"普通"、だなんて言葉は何にもならない。
 どれだけ平穏を望もうと一度殺せば唯の殺人者。」

「其の癖して一丁前に"普通"だの、"平和"だの。
 烏滸がましいを通り越して滑稽ですよ。」

「死ぬか、"こっち"での幸せを見つけるしか無い。
 ……――あぁ、駄目だな、今日は、喋り過ぎるや」

【はぁ、と溜息を吐いて】
【ふらり、と居なくなった】

1226とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:44:54 ID:eAIDwWCg
>>1224
「いいね、いいねぇ――――ェ、そういう未熟な卵って〜〜のは!」

【無機質な仮面の下で声を高ぶらせながら。
その未熟さや抱えるジレンマが〝好み〟らしい。】


……ふぅ。ンで、テメェがその諸悪の根源ってコトでオォ――――ケィ?」

【くつくつと震わせていた肩を止めると、そちらのほうに仮面を向けて尋ねる。】

>>1225
「くく、くくくっ……そいつぁ、自虐ってことでいいのかネェ?」

【既に居なくなってしまったレイジに向けて、そんな言葉を言った。
無論、その言葉には喜色が満ち溢れていたとか。】

1227とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 00:51:56 ID:5z2Vb1BA
>>1225
「クフ、フフフ……
それを彼女は望んでいるけどねェ……!
でもねぇ、出来る訳が無いじゃないか……。私の下に居る限りは……!

フフフフ……」

掲げていた手は顔元にゆっくり降りる。
そして、彼の言葉が一つ一つ出てくる度にその低い笑みは濃くなって行く。


>>1226
「クハハ……!
あぁ、とても愉快だよ……そして御名答……!
殺意を植え付けるのも、中々楽ではない……しかし私に取っては何よりの興味でね……!
ク、フフ、フフフ……失礼するよ……フフフ……」

大袈裟に手を広げて、声を一際に喜色へ彩る。
そして、そのまま"普通の"娘を抱いて森の奥へと消えて行った。

1228とある世界の冒険者:2013/06/03(月) 01:01:05 ID:eAIDwWCg
>>1227
「なァるほど、こいつぁ良い収穫になったぜ。
やはり、ケアってのは大事だなァ〜〜〜〜。」

【同じく、仮面はそのままに喜色を堪えた声をあげる。
そして、そのまま去っていくパガニーニを見送った。】


「フフフ、こりゃ、久々に……くくく。

――――――珍しいか?まぁ、人間に興味を持つなんてのは久々だもんなァ。
最近はずっと、あんたらに興味が移りっぱなしだったからよォ〜〜〜〜。

えぇ?趣味が悪いって?そういうんじゃねぇよ〝ディエスタ〟」

【去った後に何かと会話をしていたクツロォだったとか、FO】

//了解、お疲れ様でした!

1229とある世界の冒険者:2013/06/04(火) 00:33:28 ID:QuJc8Gfc
<王都近くの森>

「ハァ、ハァ……っくっしょォ……!」

【絞り出すような声と共に、フラフラと森を歩くのは金髪の少年だ。
ボロボロの青いコートを身にまとっていたはずだが、今やソレもない。

左腕を覆うように付けられた赤い装具はドス黒く染まり
時折、魔力が流れるたびにぐにゃり、ぐにゃりと歪に形を変えていく。】


「俺は……俺は……帰らッ……ねぇ、あんな――――暗い、所にはぁ……!」

1230とある世界の冒険者:2013/06/04(火) 00:33:39 ID:pNyawJ1.
【王都郊外/森林】

「……。」

夜更けの森林。
其処に一人の娘が居た。

緑色の長く美しい髪に、
赤色の模様が彩られた、華美なドレススカートを纏って。

「――だから、言ったのにぃ」

その足下に倒れ伏す冒険者を見下ろしながら。
娘が居た。

1231とある世界の冒険者:2013/06/04(火) 00:34:49 ID:QuJc8Gfc
//退散します

1232とある世界の冒険者:2013/06/04(火) 00:35:00 ID:pNyawJ1.
//サーッセカブリマシタ退却シャッス!!

1233とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:11:24 ID:BHk/I4fk
-王都 某便利屋にて-


「で。どーすんのよ。」
と口を開くのは、生意気そうな表情をした橙髪の女児である。
先日の状況からして、ミラナは暫く動けない。

となると、否が応にも行動人数は制限される。
もともと人手が多い方では無いが、これでは尚の事際立つだろう。

しかし、このまま相手の策に対して手を拱くだけというのも出来た事ではなかった。

1234とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:16:15 ID:u/ZG/6RY

「ミラナの治療に関してはアテがある。
 此方の戦力に関しても、知り合いに連絡を付けて置いた。
 手を拱いていて次はお前や、目を覚まさないミルダが何かされたら不味いからな。
 相手側の情報も、集めている。 ――今度は攻める番だ。」

黒に、裏地に紅をあしらったコートを身に纏い、
手元に魔力補給用の煙草を燻らせた青年がそれに答える。

知り合い、がきになるが。

1235とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:22:56 ID:BHk/I4fk
「アタシはそんなにヤワじゃないわよ。」
と口では言うものの、自身がもし、もしイリュージョンと闘う事になれば一番不利なのは確実である。
それはミラナとミルダを含めても揺るがず、自覚もある。だが……

「そもそも、あれ本当にジジイがやったワケ?
……アタシさ、そりゃあの中では一番付き合い短いけど……
ジジイはあれで、ミラナの事……可愛がってたし……」

服の袖に手を入れ、未だ信じられないと言った困った表情で視線を逸らす。
ミラナもまだろくに話が聞ける状態ではないし、どうにも合点が行かなかった。

1236とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:27:00 ID:u/ZG/6RY
「万が一、がある。
 相性的にも優っている訳でも無いだろう?」
燻らせていた魔力煙草を灰皿で消し潰し、そう言う。
実力差、経験差、共に大きい。 ……経験で言えば、自分が優っている訳でも無いが。


「あの術は、イリュージョンの物だ。 確実にな。
 ……俺が思っている通りなら――

 それぐらい、どうとでもなるだろうな、アッチは」

1237とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:32:04 ID:BHk/I4fk
「……冗談よ。」
フイっとつんけんする様な仕草を取り

「あのマルエスって奴、相当ヤバいのばっか近くに居るみたいだから。
その上でジジイときたら流石にアンタとアタシだけじゃ辛いわ。」
すぐさま、真剣な表情に戻っている。

「それは、ジジイが操られてるって事で良いのよね?」

1238とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:35:20 ID:u/ZG/6RY
「解ってるなら、良い。
 ……無茶はしてくれるな。」
これ以上、胃痛が増えては堪らない、と。

「手は増やしてある。
 数には数……と言う訳でも無いがな」
他人を利用する事も覚えたらしく、そう一方的に言って。

「ああ。
 ――お前達には悪いが、"最悪"も覚悟しておいてくれ」

1239とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:42:57 ID:BHk/I4fk
「蠱毒のキルシェ、氷嵐のグラシオン、狂狼のデュナメスって並びだけでも大概だわ。
アタシらがまとまって一人がやっとよ。」
はぁ、と苦い溜め息を吐いて椅子の背を鳴かせる。

「……一つ気になるんだけど。良い?
あんまり言いたかないんだけど。」

1240とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:45:10 ID:u/ZG/6RY
「気負いすぎるな、別に一人で遣り合う訳じゃない。
 態々、一対一でやってやる義理も無いしな

 ……それに、二人までならどうにかならん事も無いさ」
ふぅ、と息を吐いて。珈琲を啜る。

「……? どうした」

1241とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:47:51 ID:BHk/I4fk
「2対1でも怪しいもんよ。向こうだって一対一でやるとは限らないし。
特にアイツ。蟲使い。アイツだけは別格でヤバいわ……。」

「…………。」
暫し言うのを躊躇った様子でソファを揺らして虚空を眺めていたが……

「ミルダがそうなってる可能性って、無いの?」
意を決した様に呟く。

1242とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:52:24 ID:u/ZG/6RY
「その時になればやるだけだ。
 今更ガタガタ言っても始まらんよ」
考えた所でどうなる訳でも無いだろうし、と。


「在る、だろうな。
 ――と、なると今頃はあちら側か、ミラナが狙われているか」

此方としては予想の範囲内の出来事のようで。
何か手でも売っているかのように。

1243とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:55:46 ID:BHk/I4fk
「まっ、アタシもいつまでも只のチビだと思われても困るし。」
流して遊ばせていた、ウェーブの橙髪を腕で掴む。
そして白いリボンを取り出して

「ミラナは心配無いわよ。護衛もついてるし。」
きゅっと絹の強擦れ音を立てながら、橙を一本に束ねた。

1244とある世界の冒険者:2013/06/07(金) 23:59:38 ID:u/ZG/6RY
「頼りにはしてるさ。
 その時になったら、背中は預けよう」
珈琲を飲み終え、空になったカップを影手に洗い場に運ばせる。

「一応、此方でも手配してある。
 親玉が来たら面倒だろうが……」
と、言葉を区切って立ち上がって。


「ユンヌ。
 ……ミルダが――イリュージョンも、だが。

 "そう"なった時、――覚悟して、やれるか?」

1245とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:04:46 ID:ebTv0aIk
「任せなさいって事よ。」
口元を生意気に緩ませる。結んだ手をそのままに。

「……当たり前でしょ、何言ってんの。
アタシが好きなのはいつものアイツらよ。そうじゃなかったら、どこから見ても腹立つだけだわ。」
半分ほど瞼を落とし、女児らしからぬ低く据えた声で言う。
それは、覚悟の表れがひしひしと伝わってくる程に。

「とりあえずじゃあ、ミラナが襲われた場所に戻ってみる?」

1246とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:08:37 ID:tP4S.6Os
「ああ――頼むな」
最も、全力で戦えばそうも言ってられないのだが。

「なら、良いさ。
 (――極力、汚れ仕事は被りたい所だがな)」
此方であれば心配は無いな、と胸中で結論付けて

「そうするとしよう。 ――"行くぞ"」
肯定を返して、家を出る

1247とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:17:58 ID:ebTv0aIk
「……だからアンタは、余計な気なんて遣うんじゃないわよ。」
開く扉、木の軋む音に合わせて小さくそう言った。

「任せて、アタシが案内するから。」
"ラグズ"と声高に言うと、ユンヌの体が光に包まれる。

1248とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:20:11 ID:tP4S.6Os
「…………ああ、頼む」
小さく、曖昧な苦笑を返しそう言う。
性分なのだろう、こればかりは。

「(――――”カロン”、聞こえてるな?)」
『――――』

それを横目に、近くて遠い協力者に語り掛ける。
……調査は、此方にやらせた方が良い。

1249とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:26:48 ID:ebTv0aIk
「さ、行くわよ!!」

橙の小鳥と化したユンヌが、先陣を切って進んで行く。
目指すは森の中心部。

以前、連中が誰がしかと事を構えた古城がある場所だ。

1250とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:27:51 ID:tP4S.6Os
「(さて……)」
背から躊躇う事なく黒銀の翼を展開し、飛翔。

先導されるがまま、古城へと辿り着く。

1251とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:34:28 ID:ebTv0aIk
「……さて、と。"ベオク"。」

空を駆る二人だ。さほどに時間は要さなかった。
今までと同じ、時が止まったかの様な城が佇んでおり……

「で、開かないと。ハイハイ。」
無論、彼ら彼女らの道を妨げる。

1252とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:38:15 ID:tP4S.6Os
「……――カロン!」
開かぬ扉を前に、虚空へと声を飛ばす。
人の名の様だが。


『やれやれ、とことん利用するつもりだね、君は』
何処から声が帰ると共に、目の前の空間にビット――
槍の穂先の様な物が現出し、目の前の扉に触れる。


用途は術式が有れば、それの解析と強制呪解。
不可ならば破壊、術式が無ければ、掘削による破壊だ。

1253とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:49:20 ID:ebTv0aIk
術を壊す術、に対して何らかの抵抗が見られたものの……
扉はすぐさま元あるべき使命を果たす。

大口を開けて二人を迎え入れる中は、真っ暗な闇だった。

「……誰だか知らないけど、アンタに似て無茶苦茶ね。」
腰に手を当てて息を吐きつつ、前身。

1254とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 00:54:02 ID:tP4S.6Os
「まぁ、な」
此処でも曖昧に返し、同じく全身。
手元に魔術による強い照明を生み出しユンヌの前を行く。


「(索敵、警戒――序に周辺の術式と熱源解析も頼む)」
『(……やれやれ)』

声の主に念話で指示を飛ばし、
自身も周囲の術式と魔力反応を探知しながら、奥へ。

1255とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:04:26 ID:ebTv0aIk
「……しっかし暗いわねぇ。」

溜め息を吐いて悠長にしているのは、恐らくユンヌだけだろう。
恐らく、灯りで”散らしている”ジャキもまだ気付いてはいない。

しかし、索敵を巡らせているカロンには徐々に見えて来る。
視界に表すならば、闇色の闇。作られた魔力の闇色。
微細な黒の魔力が形を為して、靄となっているのである。

それはひとたび動き出せば、二人を簡単に危険へと貶められる程に。
一つ一つが細かいが、故に極めて気付き辛く、そして夥しい。

1256とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:12:19 ID:tP4S.6Os
「唯の闇、では無さそうだな」

ユンヌ用の照明を中に浮かべ、先を進む。
何も警戒をしていない訳では無い、何よりも彼には、”其れ等を見通す生来の浄眼”があるのだから。
普段は、魔力節約のために切っているが、"今であれば"それは。


「――さてユンヌ、少し眼を瞑れ」
全てを見通す双眸となる。
そうして一度立ち止まり、手元の灯を強めて"合図"を送る。

『この分野で僕に勝ろうだなんて、
 些か驕りが過ぎるね?』

だん、と闇の中の空間に生成されるのは白い魔力板。
ユンヌとジャキの四方を囲むようにそれが突如創りだされ、

『――あゝ、光あれ』

退魔、破邪に特効作用を持つ強い光を放つ。
勿論闇の性質は――解析済みだ。

1257とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:23:23 ID:ebTv0aIk
「…………。」

事が起こった。
それだけは察せられた。
今自分に出来る事は、おとなしく眼を瞑るばかりだ。

四方を囲み十字を為して放たれた光。
それは闇を文字通り掻き消す聖の十字架であった。

眩い光が暫く辺りを包み続けた後……

「……へぇー、こういう事も出来るのね。
ちょっとはできんじゃない。」
薄ら寂れた古城の内装が露わにされた。

1258とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:26:16 ID:tP4S.6Os
「腹ただしいが、あっちは俺より応用が効いてな」

光対策で何時の間にか右腕に聖骸布を巻いて。
創りだされた魔力板は役目を終え、スゥッと消えていく。

「さて……ああいう詰まらん仕掛けがあった以上、
 何か、はありそうだが」

闇が晴れた所で引続き探索を続ける。
何か痕跡でも残っていれば、と思うが。

1259とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:29:40 ID:ebTv0aIk
「そうみたいね。
アンタ、光苦手そうだし。」

意地悪そうな笑みで歩いていたが、特にこれと言った変化は無い。
とはいえここは城。
並ならぬ大きさ故、調べる所はいくらでもある。

問題は何処へ行くか、だが……。

1260とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:34:37 ID:tP4S.6Os
「"今は"然程問題でも無いんだが……
 気分的にな」

どうにも、相容れない部分がある、と。

「馬鹿と何とかは高い所が……と、言うが。
 先ずは下から調べるか。

 地下室でも有れば、当たりだ」

ユンヌに付いて来るように促し、城の下部へ向かう。
玉座の間、とも考えたが……移動範囲内であれば索敵すれば良いし、

現状でも、カロンに城全体の索敵を続けさせている。
下から、上へ昇るのが帰りも速いだろう。

1261とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:50:10 ID:ebTv0aIk
「ま、あんだけ色々されちゃねぇ……?」
調子の悪そうにするジャキを見たら見たで、機嫌が良さそうだ。

『そんな所探さなくたってさぁ、呼んだら出てくるけどねぇ?』
「……ッ!?」

途端、不意に声が降りた。
だが索敵の範囲に反応は無い。
しかし、その声は全員にしっかりと聞こえてくる筈だ。

1262とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 01:56:39 ID:tP4S.6Os
「ユンヌ、良い。」
警戒を示すユンヌに対し、言い竦める様に言葉を飛ばして

「(――浄眼で見ても反応は無し、
  カロンの索敵にもこっちの索敵にも反応無し、となると――)」

両の目に蒼い灯を灯らせ、右腕に巻いた聖骸布を魔力ではためかせる。
限定念話で、カロンにだけ情報を伝えて。

「態々此方に声を掛けて、次の演目か何かでも決まったか?
 石人形でも作って人形遊びでもしてみるか、マルエス」

虚空に要るか居ないかの存在に声を飛ばす。

1263とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:05:04 ID:ebTv0aIk
「………。」

以前、一度喰わされた事がある。
下手な手を打って足は引っ張るまいと閉口す。

『おや、名前を憶えてくれるとは嬉しいね。
いいや? 僕はお礼を言いに来ただけだよ。』

1264とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:08:40 ID:tP4S.6Os
「物覚えは良い方でな。
 それに、色々と調べさせて貰った、 随分やらかしているみたいじゃないか」

互い互いしか知覚出来ぬ空中回線を使い、指示を飛ばす。
この場に存在するのは――ユンヌと自分の二人だけだ。

「さて、礼を言われるような事をした覚えは無いがな。
 ミラナか、ミルダか、それともイリュージョンの事か?」

1265とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:16:56 ID:ebTv0aIk
「…………。」
ピクリと耳だけが動き、しかし眼は瞑ったまま。
繋がりはしっかりと受け止めている様だ。

『良い恐怖だったよ……
あれだけ 愚 図 だと、さぞ怖いんだろうね。ふふ……御馳走様。』

ツギハギだらけの体をローブに隠し、いつの間にかその"悪童"は前方に立っていた。

1266とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:23:59 ID:tP4S.6Os
「(――仕掛ける、まだ手は出すな)」
それだけを、ユンヌに言い放って。


「そうか、まぁ……アレは怖がりだからな
 とは言え、お前よりは数百倍はマシだろうがな」

会話は続く。
売り言葉に買い言葉で返すようにしながらも、"別"の合図を送って。

『魔人遣いの荒い――』

前方に悪童が現れた瞬間、
それを見計らったかの様に”城全体”が何かに覆われる。
其れは半球状の、魔導、物理の両結界。
光/闇属性の複合障壁と一種の咒式によって造られた分厚い"鉄"の壁だ。
勿論、これで捕らえられるとも逃がさないとも思ってはいない。

相手が此方が思うような存在であれば、何をしようとも無意味だ。
どころか、城全体を囲った事で外からの何か、が切れ目の前から消える事もあるだろう。

「(だが)」
『(――それで予測は付けられる)』

1267とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:31:14 ID:ebTv0aIk
「(……了解。)」
小さく念を返し、身動き一つしない。
正確に言うと、できないのだ。
目の前でミラナの事を小ばかにされてしまっていては。

『君が言うかなぁ?
それとも、目の前で殺してあげた方が良いかい?
自分を慕ってくれる、莫迦な精霊をさ……ふふ、ふふふ♪』

「……ッ!!」

1268とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:37:57 ID:tP4S.6Os
「ユンヌ。」
言い竦める。
自らも内で、暴走寸前の魔力を滾らせながら。

「お前には出来んだろ。 
 お前"程度"には誰も殺せない。

 精々が抵抗しない女子供を怖がらせて殺すのが一杯だろう。
 難儀な趣味だな、他者の恐怖を糧にしないと行けないのは」

やれやれ、と大袈裟に肩を落として馬鹿にするように。

1269とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:45:51 ID:ebTv0aIk
「で、も……!!」

『趣味? まさかぁ。
教えてあげるよ、ジャキ=カルレオン。
僕の行動は僕の存在そのものだ。僕がした事の後に僕が居る。

ふふ……当たり前じゃない? ねぇ。
君達を殺した所で残るのは悲哀だけ。それは恐怖じゃない。
だが君達に寄り添う物があれば……それを失うのはれっきとした恐怖や不安だろう?
そして、力が弱ければ弱い程強い恐怖を抱く……。』
大仰な動作で両手を広げ、くるりと後ろを向く。

『実に合理的だろう?
特にそうだなぁ……君の依代なんかは、案外脆そうだよねぇ。
っ、ふふ。ああいう子って結構繊細なんだよねぇ。』
そして首だけをそちらへ向け、嘲る様な、見下ろす様な笑みで。

1270とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 02:52:20 ID:tP4S.6Os
「ユンヌ。」
竦める声から、優しく言い聞かせるような声にして。


「長々と語ってくれた所悪いが、要するにサディズムが転じた変態の一種だろう。
 王都で馬鹿をやって捕まった変態魔導師と何も変わらん、嗜好のベクトル程度か?」

鼻で笑い、手をヒラヒラと振るう。
大仰な動作に対し最小限の、且つ嘲笑するように。

「愚図を集めて猿山の大将気取り。
 他人の恐怖が無ければ自分の存在すら確認出来ず、
 他者を利用しなければ何者をも得る事が出来ない。
 他者を嘲らなければ自分を保っていられない。

 ――ああ、哀れで惨めだな、同情してやろうか? ――悪餓鬼。」

1271とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:11:02 ID:ebTv0aIk
「だって……だってコイツ……!!」

『寡黙だって聞いてたけど、よく喋るね?
ふふ、もしかして怒ってるの……?』
挑発に対して、尚も挑発で返し続ける少年。
否、少年と言うにはそれは邪悪すぎた。

『はは、確かにねぇ。
でも無と有とは元々そういう物じゃないか。
無は無だと分かった時点で無じゃないんだよ。無と言う有さ。
僕は総てを無にしたいんだよ。面白そうだろ?』

悪戯を考え付いた子供の様に、はたまたこちら側を求む様な口調で続ける。

1272とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:19:35 ID:tP4S.6Os
「喜ぶだけだ、この手合いはな
 ……お前が相手をする価値も無いよ」
隣に居る少女の頭を優しく撫で、直ぐに話して。

「情報は古いらしいな、それは大分と昔の話だ」
言い終え、軽く一息付くように息を吐いて。


「では、俺はそれを否定し続けよう。
 お前の前にただ存在し続ける事でお前のそれを否定しよう。

 在り続ける事でお前の望む何もかもを破却し、
 お前の動く何もかもを否定しよう。

 俺がお前を、本当の無にしてやる。
 ――ああ、個人的に、此方の方が酷く愉快そうだ

 何より、お前の顔が歪むのは実に、な」

1273とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:28:51 ID:ebTv0aIk
「こんな奴なんかに……ッ、ミラナが……!」

歯軋りの音が、仄かに粘りを得た水の音を交える。

『ク、フフ……アハハハ……♪
そうか、成程。
それは楽しみだ……是非ともお願いしようかな。ジャキ君。
じゃあ、僕は言いたい事も言えたし、面白い事も聞けたし……さようならするとしようかな。』

そう言うと、少年の姿が一瞬にして掻き消える。
魔力の籠が役割を果たさなかったと言う事は……

1274とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:34:10 ID:tP4S.6Os
「……」
ぽん、ぽん、と軽く頭を撫でる。
優しい言葉を掛けたいけれど、自分では、意味が無いから

「ああ、楽しみにしていると良い。
 暫くは退屈させない事を約束してやろう」

そう言って消える姿を見送り、
ユンヌの頭から怒られる前に手を離し。

「――それで、どうだカロン」

『ああ、一応観測はしておいたよ。
 にしても何だい? 今の冗長な問答は』

ふ、と。
消える少年とは真逆に突如として現れるモノトーンコートに金色の髪の男。
その後ろには……


壁|混)

何か居る。

1275とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:40:15 ID:ebTv0aIk
「……あああもう!!!」

事の状況関わらず、収まりがついた瞬間床をしこたまに殴りつける。
抜ける程、石畳が轟音を立てて割れるが、それ所ではない。

「  」
そして、例のと目が合う。

1276とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:44:07 ID:tP4S.6Os
「落ち着け、とりあえずこれで奴の解析は済んだ。
 甚だ不愉快だったが、恐らく楽しむ為に行動するとなれば行動も予測出来る。」

其れを横目に、息を一つ吐いて。

「……で、どうだったんだ」
『ああ、そうだね――』

沈黙を保っていた"もう一人"は、
悪童が発生してからそれ以降、その解析に能力の全てを向けていた。
手の抜き具合もあろうが、それによって――マルエスが"何か"は解るだろう。

――何せ、彼の力は。


壁|混)「ああ、うん、邪魔しないから、続けて、どうぞ?」

アレと同質なのだから。
尚そのアレは誰にも気付かれる事無く柱の裏に居た模様。

1277とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:53:49 ID:ebTv0aIk
「……ああぁ……腹立つ……。」
しかしながら、怒り心頭は暫くおさまりが付きそうにない。

断定には遠いものの、ある程度は分かった。
それは彼の言う通り"無"である事。

有った筈、居た筈なのに何も"無"かった。

「なにアレ……」

1278とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 03:59:44 ID:tP4S.6Os
『――ま、アレと同じで、概念体か、無意識集合体か。
 唯、やろうと思えば”どうとでもなる”だろうね。

 幸運にも僕、特に僕の形質はアレと相性が良い。
 良かったねぇ、ジャキ、僕の力を借りれて』

「契約分の仕事は果たせ。
 そうすれば、此方も契約は果たす」

モノトーンコートの男には、アレを。
”無”を完全な”無”とせしめる秘策が在るようで。


壁| 混)「いやさぁ、酒場でgdってたんだけどね?
       何かおもしれー事やってるなーって思ったらフェストゥム的な?

       アレだろうね、彼はきっと我々は私によって痛みを理解したとか、そういう感じのアレだろうね」

相変わらず言っている事は支離滅裂だが、
怒り心頭をぶつけるには良いかもしれない。

1279とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 04:05:23 ID:ebTv0aIk
「……とりあえず、色々情報は掴んだんでしょ?
帰りましょ。ったく、アタシ道案内しか出来なかったじゃない……」

ぶつぶつと、一人ごちりながら結局混沌との接触は諦めて城の入り口へ歩き出す。
だが、一応はこれで一歩前進と言った所だ。
後は如何にしてイルの足取りを掴むか……そこが問題であった。

1280とある世界の冒険者:2013/06/08(土) 04:12:39 ID:tP4S.6Os
「ああ、……気にするな、隣に居てくれたお陰で俺でも虚勢が晴れたよ」

ぽん、と軽く肩を叩き、
少女と共に古城を後にするのであった……。








『……無から存在を生成、か。
 ふふ――貴方ならそれも出来るんでしょう?』

( 混)「ん? メンドイしやらん。
     世界法則に反してまたぞろ叩かれるのも癪だしな。

     ただまぁ……」


『……?』


 カ ッ
( 混 )「どうなるかはナカ・ジーン次第って事だな!!」


【FO】

1281とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:29:21 ID:vY.ZBUdI
-王都 とある小さなカフェにて-

「……すみません、もう大丈夫ですから……」
『寝てろって言っても聞かないのよ、コイツ。』

自宅にもいつ息がかかるか知れぬと踏んだ二人は、会う場所を移す事にした。
何の変哲もなく、珈琲もそれなりな味の喫茶店。
娘二人は、並んでテーブルの向こう側の人物へと話す。

内容は、勿論今後についてだ。

1282とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:35:03 ID:dNYI/2MA

「良いさ、ジッとしていられないのは解る。
 ……が、今話た通り――特に進展はないぞ、殆どな」

少女たちの向かいの席に座るのは黒い薄手のコートを羽織った青年。
緑色の髪を少し逆立て、以前解った事実を少女二人に伝え終え、珈琲を一口。

1283とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:41:49 ID:vY.ZBUdI
「そうですか……。
でも……またあの少年に遭ったんですよね……?」

おおまかな話はユンヌから聞いている。
しかし、彼女の煮え立った頭でどこまで説明出来ていたかは定かでない。

『とにかく、どうにかしてジジイをおびき出さないと話になんないわ。
ミルダも全然口利ける状態じゃないし。』

1284とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:44:42 ID:dNYI/2MA
「ああ、そうだな。
 今回は誰かさんが暴走をしなかったお陰で大分と調べられた。」

飲みきったカップをかちゃり、と置いて。
嫌味、とは言わないまでも自制するように釘を指して。

「さて、な。
 どの道、あちらから来るとは思うが。
 一度手を出した玩具を途中で放り投げる程大人でもないだろう、アレは」

1285とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:50:15 ID:vY.ZBUdI
『あぁ゙!?
あによそれ、アタシに喧嘩売ってんの!?』

実際、よく堪えたと言える。
無論ジャキの制止があってこそなのだが、得体の知れぬ敵に突っ込みでもしたら厄介が二つほど増えていただろう。

「なら……。
今度は、私が"正しく"囮になります。」

しばし曖昧な返答を返していたのは、頭の中に考えを巡らせていたからか。
意を決した様子でジャキとユンヌを見て、はっきりと告げた。

1286とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:53:18 ID:dNYI/2MA
「褒めてるんだ。
 ……良く、耐えてくれたな。」

コートの下から煙草(非合法魔力補充薬)を取り出し、咥える。
以前マルエスと接触した際はミラナが突っ込んだから、懸念はしていたらしい。

「止めろ、……と、俺が言ってもどうせ聞かないか。

 ユンヌが良いなら、好きにしろ。
 俺もミルダと、爺が此方に攻めて来た時の治療法を考えんとならんしな。」

1287とある世界の冒険者:2013/06/21(金) 23:57:07 ID:vY.ZBUdI
『はぁ?

……あ、あぁ……あんがと。』
柄にもなく、素直に礼を述べるのと

『でもミラナ、ダメよ。
あの厄介な紋が消えたとは言え、アンタだって万全じゃないんだから。』
それはそれ、とばかりにミラナを制止する。

「……有難うございます、ジャキさん。
ユンヌ……このまま待ってても……イリュージョンさんは助けられないよ……。
私、頑張るから……。」

1288とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:00:25 ID:JM.XDicI
「(助ける、か)」
口元で煙草(違)の煙を燻らせながら、それを聞いて何か思う事があったか、
少し目を細めて。

「で。
 自分で作戦を提案した以上、何か考えはあるんだろうな。

 ……あぁ、それと、ユンヌの説得は自分でやれ。
 其処は手を貸さんぞ。」

1289とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:12:08 ID:cV8nGRKM
『……あに考えてんの?』
訝しげな表情で、機微を悟る女児。

「大丈夫です、それは自分で……。
ええ、気になったんですが……相手は今まで、基本的に少ない人数でした……。
ですから、私はそのお城に結界を作ります……。
耳があるかもしれないので、詳しくはお話できませんが……。」

ともあれ、ミラナはミラナなりに考えがあるらしい。
もともと防性の魔術に関しては他の精霊を遥かに凌駕する非凡さだ。
こうやって考えを固めさえすれば、その言葉は逞しくも聞こえる。

1290とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:15:39 ID:JM.XDicI
「何でも無いさ、別に無茶をしようっていうんじゃない」
ただ、汚れ役をやるならば自分が、と過ぎっただけ。
この二人は、汚れるには少し無垢すぎる。

「……解った。
 此方からも……まぁ、お前は解からんだろうが、"二人"付ける。
 適当に呼べば手伝いぐらいはするだろうから、活用してくれ」

役目を終えて灰に成りつつある煙草(違)を掌で握り潰してそう言う。
何時までも保護者面もしていられないが、……護衛は念の為、だ。

1291とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:24:05 ID:cV8nGRKM
『アンタがそう言ってしなかった試し無いと思うんだけどね。』
と、余所を向いて嫌味を一つ返す。

「……すみません、それには及びません……
と言うより、その結界術は完成まで私しかその場に居られませんから。」
しかし、遠慮がちな笑顔を浮かべて言うミラナ。
高位な結界術な上でミラナほど特異な魔力の持ち主でしか出来ない物。
それは余程の大掛かりと言っても過言では無さそうだ。

兎にも角にもそれ程までの覚悟を以て臨む所存らしい。

「結界が張れたら、すぐに合図を出しますから……それまでは。」

1292とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:26:48 ID:JM.XDicI
「こっちの心配をしてる暇があったら、ミラナの心配をしてやれ」
軽くそう返し、視線をミラナに戻す。

「そうか。
 なら、好きにしろ。」

必要無いなら無いで良いか、と。
素っ気無くも思える返事を返し、席を立つ。

1293とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:31:08 ID:cV8nGRKM
『ハッ、もう諦めたわよ。
あいつああ見えて頑固だし。』

ユンヌが言うのならば、そうなのだろう。
ジャキも確かにその片鱗を伺う部分は幾らかあった筈だ。

「はい、頼りにしています。」
ふ、と柔和な笑みに変わって言う。
贔屓こそ本人の中にあるかも知れないが、その場での最前をジャキが尽くしてくれよう事を、彼女は心より信じているからだ。

1294とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:33:15 ID:JM.XDicI
「ああ、知ってるさ。」
知ってるが故に、"彼女は傍に置けない"のだから。


「俺は爺と、あの悪童を叱り付ける方法でも上手いこと準備している。 
 何かあったら、之で連絡しろ。」

テーブルに置くのは、小型の連絡魔具。
改良に改良を重ね、王都領地内なら多少のノイズはあれど結構な距離が届くらしい。

1295とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:37:46 ID:cV8nGRKM
『……なら良いわよ。
とりあえず、今回はあいつに任せるし。……アタシも。』

ユンヌの内心では、あまり今回の事に対して貢献できていないと言う心境が強い。
かと言って、ある意味ではミラナよりこちらの方が理性的だ。
今の所無茶はしない分、安心して見てはいられるが。

「分かりました。
……あ、あの。ジャキさん……。」
受け取ったのが連絡魔具という事に気付き、両手で持ったままおずおずと視線を上げます。

1296とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:40:00 ID:JM.XDicI
「……お前も、無茶はするなよ。
 居るだけで、充分支えになってるさ。」

主に、ミラナの。
頼れる人が居るのは素晴らしい事だ。

「……? ああ、使えなかったか……?
 一応、マナバッテリー式だが……」

1297とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:47:04 ID:cV8nGRKM
『アタシは無理を道理にする女よ?』
貧相な体躯で言うと、子供の背伸びにしか聞こえないのがキズだが。
腕を組みながら得意そうにしている。

「いえ、その……あの……


お高い物だと思われますので……その……。」
忘れられがちだが、彼女は極めて貧乏だ。
精霊体ゆえ、あまり食事が重要でないのは幸い。

しかし一日でパン一つなどという生活もザラなのである。
占い師があまり儲からないというのもある意味では平和なのだが。

1298とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:49:05 ID:JM.XDicI
「それも、知ってるさ。
 だから、言うんだ。」

ぽん、と得意そうにするユンヌの頭に軽く撫で、直ぐ話す。

「…………自費作成だ、無駄な気を回すな。」
ハァ、と一つ大きく溜息。

1299とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:52:25 ID:cV8nGRKM
『だったら子供扱いすんじゃないわよーッ!!!』
ガ―っと吼えて両手を広げ、頭上の腕を跳ねる。
その様は主張と見事に相反しているのであった。

「そ、それでもやはり自費ですし……。」
試しにランジェリーショップや高級料理店などに放り込んだら、卒倒するのではなかろうか。

1300とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 00:54:55 ID:JM.XDicI
「ああ、丁度良い位置に頭があって、ついな。」
くく、と小さく笑って。

「どうせ仕送り以外には使い道の無い金だ、素直に受け取れ。
 余り受け取るのを拒否しても、失礼になるぞ。」

金に頓着の無い化け物。
どんどん人間離れ、世俗離れしていく気がする。

1301とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:04:47 ID:cV8nGRKM
『ぐぬぬぅ〜……!』
頬を膨らませて唸る橙色。

「あっ……ええと……その……
すみ……  じゃないや……有難う、ございます。」
失礼に当たると言われれば確かにそうで。
言われるままに受け取り、深々とお辞儀をする。

1302とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:09:08 ID:JM.XDicI
「唸るな、褒めてるのは本当だよ。」
小さく笑いを零す、今度は撫でない。

「良し。
 ……じゃあ俺は行く、無茶はしても、無理はしないようにな。」

どの口が、と云うような台詞を残し。
テーブルに代金を置いてさろうとする。

1303とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:13:21 ID:cV8nGRKM
『……わーってるわよ。
アンタがアタシらの事をちゃんと理解してくれてるのはよーく分かってる。
だからアタシも、アンタなら…………なーんてね。』
明後日を向いた平坦な表情で言う。

「……有難うございます。
ジャキさんも、お気をつけて。」
そして、その後ろで慎ましく見送る娘。

1304とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:17:43 ID:JM.XDicI
「ふ、……。」
それを横目に、口の端をゆるく釣り上げて。


「俺の心配をする余裕があるなら、大丈夫そうだな。 ――また、後でな。」

見送りに笑顔で応え、店を出る。
足取りは軽く、先ずは、の目的に対し準備を続けるのであった。

1305とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:26:21 ID:cV8nGRKM
『……あによキザな奴ね。』
知ってたけど、と付け加えて。

「……。」
店を出るまでお辞儀で見送った後、程なくして自分も店を出たという。
果たしてミラナは、この大舞台に立ち回る事が出来るのか……。

そして、未だ醒めぬミルダとイリュージョン。
その時ユンヌは……。

【フェードアウト】

1306こんにちは:2013/06/22(土) 01:31:48 ID:DrXthgJ6
こんにちは
当公司の新しい店は開業します。

http://ay.lc/46
http://ay.lc/47
http://ay.lc/48
http://ay.lc/49
http://ay.lc/4a

1307とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:43:27 ID:cV8nGRKM
-ホワイトトランク……ではなく雪子の自室にて-

「今日はパパもママも居ないの……なんちゃって。」
いきなりな挨拶と同時に、自室へと入る金髪眼鏡に割とグラマラスな娘。
冗談にならなそうな冗談と共に、恋を迎える。

恋にとっては恋人の部屋と言うある意味で背筋の凍るシチュエーションである。
しかし待って欲しい。
珈琲に関する書物が100冊を超え、その他にも勉学に関する本が30冊以上。
それらを収める大きく無骨な机に、素朴な木造のチェスト。無論これは珈琲の木。
わざわざ加工が面倒な木材を使って作らせるあたりもやはりおかしい。

総じて、女の子の部屋と言うには微妙な所である。
ある意味、多少は緊張が薄れて良いかもしれない。

1308とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:48:02 ID:JM.XDicI

「あのね、雪子ちゃん? 俺がいっくらマダオだからってそういう冗談はダメだって何d……うわぁ。」

若干の冷や汗をかきながら帽子を取って部屋に入る何処と無くダメな雰囲気の青年。
別に女性の部屋に入るのは初めてでもないし、仕事上で何度もそういった経験はある。

が、それはそれ、これはこれ。
今回は別件もあるし覚悟して来よう、と思ってきた所にその冗談。
若干表情をひきつらせて入るが……

表情が固まり、変な声(うわぁ)が出たのは別の要因である。

1309とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:54:20 ID:cV8nGRKM
「雪子は、恋なら良いよ……。」
この手の冗談は本当に身が持たないからやめて欲しい。
作っているのがバレバレな声である事がまだ救いである。

「凄いでしょ!
この書籍はあの珈琲の聖地、グラニエ・バルテ山の麓で売ってる――」
と、いつもの調子である。長いから割愛せざるを得ないが。
カップなども飾ってはいるが、可愛さより質感と高貴さに重点を置かれているのである種殺風景だ。

箪笥からはみ出る私服と、ベッドだけがやたらと可愛く見える。
しかしこれも周囲の状況から起こる錯覚で、一般女子が持つ至って普通の女物である。

1310とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 01:57:36 ID:JM.XDicI
「わー、すげー、どうせなら本気で言われt……いややっぱいいや、ダメージがデカすぎる。」
若干反撃を試みるも、心が折れる。
本気で言われた日には裸足で逃げ出す事になるだろう。

「ああ、そういやお仕事で行った事あるなぁ、あの辺。
 危うく落っことされそうになったっけなぁ、生きてたけど」
流石にこの辺りは慣れた物であり、聞き流しつつトランクを入ってきたドアの横に置く。

「(んーまぁ、……でもやっぱ女の子はしてるよねぇ)」
部屋をちらり、と見回す。
じろじろ見回さずとも全部把握出来るのは元の職業上である。
一種の職業病とも言う。

1311とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:04:30 ID:cV8nGRKM
「ふふふん♪」
そしてこういう時は、決まって腰に手を当ててすまし顔なのである。
ここ数日で何回してやられたか。
その度にシュガート君の胃酸が増えるので止めてあげてほしい。

「それでそれで、今日は何の用?」
両手を机の上に付き、顔を笑顔で近づけて問う雪子。
今回は場所こそ雪子のテリトリーだが、事の発端はそうでなかった。

1312とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:07:22 ID:JM.XDicI
「(ああくそ可愛いなぁ小岩井さん)」
してやられながらも悪い気はしないので、
誤魔化す様に苦笑い。
尚シュガート君は最近闇の珈琲魔術に手を出したそうです。

「ん、あー、うん。
 ちょーっと……真面目なお話、かな?」
置いたトランクの上に腰掛けて、少し頬を掻いて。

はて、彼の、真面目な話と言うと、
余り良い予感はしないが。

1313とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:10:17 ID:cV8nGRKM
「真面目な話?」
きょと、と真顔に戻って眼鏡の位置を戻す。

「ふんふん、さて何でしょー。」
改まって膝に手を置き、正座する娘。
こう切り出す事には、余程な事だろうとは察したからである。

1314とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:13:47 ID:JM.XDicI
「ああ、一応言っとくけど危ない話、とかキナ臭い話じゃないからね?
 そっち関連はうん、この間全部片付けた、って連絡あったし。」

が、一番大きな可能性は最初に、呆気無く否定される。
小さく戸籍一回消えたけど、と言ったのが気になったが。

「どっちかっていうと……うん。
 これからー……の話になる、かな?」

片手を上着のポケットに入れて、
もう片方の手を口元に当てて、少し、唸るようにして、ソウイウ。

1315とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:17:28 ID:cV8nGRKM
「……本当に?
なら信じる。」
笑顔で頷いたまま、次の言葉を待つ。
彼女もまた、やにわに疑う事は止めつつあった。

「これから?
明日デートしよう!とかそんな感じかしら?」
何処が良いかなぁ、と一人呟きながら、こちらもまた俯いて考える様子。

1316とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:19:40 ID:JM.XDicI
「ん、雪子ちゃんには嘘は吐かないよ、俺。」
まぁシュガートやミューには平気で吐くが。
唯一の"身内"と成り得る女性には出来る限りつきたくないのは、本当である。


「あ、それも良いなぁ、じゃなくて。
 んーっと、……雪子ちゃんは今まだ、大学生、……だよね?」

一瞬自分もそっちを考えだすがはた、と正気に戻って。
何やら、アタリマエのことを聞いてくる。

1317とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:25:42 ID:cV8nGRKM
「私も、恋には嘘吐いてないからね?」
元々、こうやって冗談は言えど人とは開けっ広げに付き合いたい性分だ。
そういう意味で、恋が心を開いてくれるのは嬉しくあった。

「へ?
うん、そうよ? 来年卒業だけど。」
当り障りの無い質問が急に飛んできたもので、きょとんと首を傾げる。

1318とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:28:59 ID:JM.XDicI
「ん、アリガト☆ いやぁ、やっぱ嘘は無くしたいよねぇ、……っと」
嘘吐きがこんな事を言う。
こほん、と咳払いして話を戻して。


「そっか、来年、かぁ……。
 んじゃあ、来年からは自分の珈琲屋さんの店長目指して頑張るー、って感じだよね?」

自分が大学に行かなかったからか、詳しい年齢を若干忘却しているからか、
そんなに速いかぁ、と軽くつぶやいて、今度はそう聞いてくる。……なんだろうか?

1319とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:34:06 ID:cV8nGRKM
「方便なら、雪子さんは許しちゃいます!」
などの軽く宣うが

「うんうん、そうよ?
その頃にはもう、寧も私の手は要らないだろうし……でも恋、本当にどうしたの?」
今更ながらの質問。
そして不審な挙動。
流石に雪子も敏い方だ。何か改まった事を言おうとしているのには気付く。

1320とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:36:07 ID:JM.XDicI
「んー、どうした、って訳じゃあないんだけど。」

まさか発破を掛けられた、とも言えまい。
改まった様に息を吸って、一度吐き出して。

「……雪子ちゃん。」

何時もの、だらしなく、何処かダメな雰囲気を感じさせる表情でなく、
少しの人間と、その奥は彼女だけが知る、ムトウレンとして、真剣に雪子を見て、名を呼ぶ。

1321とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:40:19 ID:cV8nGRKM
「……あ、うん。」

気圧されたのか、少しだけ背を引いて姿勢を正し

「なに? 恋。」
碧の双眸で真っ直ぐと、レンを見据える。
窓の外で、夏を待つ緑がさわさわと揺れた。

1322とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:44:55 ID:JM.XDicI
「――雪子ちゃんが、さ。」

真剣に見詰めたまま、二の句を告げる。
らしくもなく何時ぶりかに、緊張で手に汗を握って。

「大学、ちゃんと卒業して、落ち着いたら、さ。

  ――結婚、して貰える、かな。」

言葉を、言い切る。
今まで放った幾万の虚言より自分にとっては数百倍重い一言を、絞りだす。

1323とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:51:08 ID:cV8nGRKM
「………。」
言葉を待つ娘も、いつしか掌に緊張の汗が滲み

「…え……っ……。」
一瞬、体の感覚が全て吹きとぶ様な錯覚を覚えた。
まるで、浮遊しているかの様な。

外を吹く風の音の方が、余程よく聞こえる。

……今、何て?

1324とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 02:55:37 ID:JM.XDicI
「……幸せにする、っていうか、その。
 一緒に幸せになる自信とか、側で支えられる自信、ってのは、ちょっと不安かも、しんないけどさ。」

引き締めた表情のまま、仮面を外して、
用意した言葉でなく自分の、自分だけの言葉で。

「……雪子ちゃんをさ、他の奴に渡したく無い、なって。
 うん、だから……プロポーズ……になる、かな?」

あ、ははと。
緊張を誤魔化すように乾いた笑いを零して。

答えを待つ。

1325とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:02:53 ID:cV8nGRKM
「………あ、その。」

自身はさんざんからかったが、言われ慣れている筈も無い。
眼を白黒させながら、唇をわななかせ

「え、ちょっと……参った、な……
い、いきなりそう言うの言われると、私ちょ、ちょっと……」

「照れるし……あの……。」
どこか浮いた表情でぎこちない笑顔を作り、そっぽを向く。
言うに及ばず、顔がとれたての珈琲豆ぐらい赤い。

1326とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:06:38 ID:JM.XDicI
「んっと……やっぱ唐突過ぎたかな?」
逸っちゃったなぁ、失敗失敗、と。
そう続けて頭を掻いて。

「今返事出来ないならさ、今度とか、雪子ちゃんの答えが決まったら、でいいよ。
 今回は貴重な可愛く照れてる雪子ちゃんが見れたしねぇ」

余所を向く雪子の顔を確りと目に焼き付けて、
眼福眼福なんて言いながら言った本人も顔がわずかに赤い。
仮面が無いからか、ポーカーフェイスが崩れている。

1327とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:10:53 ID:cV8nGRKM
「……ちょ、いや、あの……
嬉しいし、断るつもりも……あの、無いんだけど……。」

それだけは、驚いていても何とか告げられる。
少しは考えもしたが、やはり本人からストレートに告げられるのとは話が別で。
普段こういった事を強いていると気付けば、少しは冗談もマシになるだろうか。

「あ、あのちょっと……恋、立てないんだけど……。」
あまりの事に腰まで抜かす始末なのだから。

1328とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:15:51 ID:JM.XDicI
「や、そんな無理に答えなくても……大丈夫?」

ごまかし笑いを続けながらも、完全に力が抜けてしまった様子の雪子に、
くっ、と含み笑いを漏らして。

「どんだけ驚いたのさ、雪子ちゃん。
 ……ちょっとごめんね、っと」

立てない様子の雪子をひょい、と抱き上げる。
懸糸傀儡を操るだけあって力はあるのか、割と軽々と持ち上げられてしまった。

1329とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:19:51 ID:cV8nGRKM
「……ご、ごめん……
ごめんわたし、その……折角恋が言ってくれたのに……」

抱き上げられるまま、まだ暫く呆けていたが

「……あの、……うまく返せなくて……」
あまりの驚きの勢いからか、涙ぐむまでの始末。
余程に驚き、そして嬉しさも十二分に大きいのだろう。

1330とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:23:31 ID:JM.XDicI
「あーあーあーあー、良いよ良いよ別に。
 俺としては雪子ちゃんがちゃんと聞いてくれただけで、万々歳だし?」

抱き上げた雪子をベッドの上に降ろし、
恐る恐る……だが、前よりは距離を近く感じさせるふうに、頭を撫でて。

「って、ウェイッ!?(;0w0)
 泣かないで小岩井さんっ!? 謝るし、なんならなかったことにするしっ!?」

大慌て。
ポーカーフェイスは何処かに消えたらしい。

1331とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:32:32 ID:cV8nGRKM
「うぅ……私のバカぁ……。
って、無かった事にはしないでよぉ……!」

ショックの大きさから自己嫌悪に陥る勢いまでである。
確かに嬉しく受け入れてはいるだろうし、3分ほどそっとしておいた方が良いかもしれない……。

1332とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 03:34:27 ID:JM.XDicI
「ああっ!? しない、しないから落ち着いてっ!?
 あー、えっと、……えー、ほら、大丈夫、大丈夫だから、さ」

泣き出す雪子にてんやわんや、といった感じで。
ぎゅ、と雪子の上半身を起こして、抱く様に。

1333とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:11:05 ID:YysKOaSo
「はぁー……。」

暫し額を押さえ、言葉という様な言葉が見つからない状態で俯く。
このタイミングで沈黙されてしまったら、恋としては気が気で無いだろう。

1334とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:12:46 ID:JM.XDicI
「……落ち……着いた、かな?」

苦笑いを浮かべつつ、雪子の体を離して。
内心は嵐の如くだろう。

1335とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:20:37 ID:YysKOaSo
「………うん。えっと。」

返事はするが、返答を返した訳ではない。
一先ず落ち着かせる為に、自分で自分に返事を返したのだ。

「……け、結婚……するんだよね?」
そして、改めて確認。
四方や嘘と疑っていれば、こんなに狼狽はすまいが。

1336とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:22:44 ID:JM.XDicI
「そか、良かった。」
軽く笑って、少し離れ。
床に置いたトランクの上に座って。


「……うん、雪子ちゃんが受け入れてくれるんなら、だけど。」
その問に、もう一度真剣な表情で言葉を返す。

1337とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:30:23 ID:YysKOaSo
「……う、受け入れるも何も……
最初に言いだしたの私だし……。」

あぐ、と息を呑んで顔を上げ

「で、でもちょっと恋は腹括ってないんだろうなぁ……とか思って
その、あの何ていうか……ちょっと、半分? 半分はほんとなんだけどからかったって言うか……あの……。」
自身もその気あれど、優柔不断していたのは同じ様だ。
ある意味、身から出た錆と言うか。
今は炎と言った方が正しいか。

1338とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:32:46 ID:JM.XDicI
「あー、それはそうだけど……
 あれはまぁ、冗談の延長だし?」

暗に、今回は冗談でも何でも無い、と言って。

「んー……発破掛けられちゃって、らしくもなく
 ちょーっとムカってなった勢いもあるかなぁ……

 あぁ、大丈夫だから、別に、ね?」

ピンクの髪のマダオ視点では未だ可愛らしい娘を思い出し、
苦笑いを漏らした後、言葉に詰まる様子の雪子をフォローするように。

1339とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:36:16 ID:YysKOaSo
「……うぇ……。
もしかして、コニエが何か……。」

彼女、苦手な所はあるも雪子とは基本的に仲が良い。
加えてミューはあの様であるし、吹き込んだと言えば。

「……あー……うん。
でも、私は……本当に一緒になりたいよ?」

1340とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:39:31 ID:JM.XDicI
「ちょーっと、ね?
 大した事じゃなかったけど」

本当に、大した事ではなかった。
けども、何となく火が付いた、謂わば切欠である。


「……えーっと、……オッケー、って事、かな?」
少し気恥ずかしそうに、そう問い返す。

1341とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:43:13 ID:YysKOaSo
「……全く、あの子は……
あー……なにか、がなったりしなかった……?」
そんなレベルではない。口調は完全にヤクザか何かだ。

「…………不束者ですが。」
言ってしまった、と言わんばかりに顔を膝に埋める。

1342とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:46:15 ID:JM.XDicI
「んー? ちょっと可愛らしく、はなってたかな」
けらけら、と笑ってそう言う。当人は気にして無い様子である。


「………………あ、はは。
 なんだろね、自分で言っといてなんだけど、すっげー恥ずいわ、これ……。」
空笑いを漏らし、ニヤつく顔を手で覆い隠してそう漏らす。

1343とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:49:18 ID:YysKOaSo
「……。」
だが今はコニエの事よりも(失礼ながら)自分の事である。

「……わ、私だって恥ずかしいわよ……!」
軽く脇を絞めたまま、目を瞑って両手を振る。
素でこの様な仕草が出てしまう程度には、飾っている余裕などない。

1344とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:52:00 ID:JM.XDicI
「照れてる雪子ちゃんは、ちょっと貴重だよねぇ
 ……ちょっとごめんね」

こっちは少しだけ、余裕が出て来たのか。
闇雲に振られた雪子の手をすっ、と取って、自分の方に引き寄せる。

1345とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:53:13 ID:YysKOaSo
「……え? あっ…!」

動きが加えられるなど露ほどにも思わず。
手を引かれるまま、その体は恋の方へと。
張り裂けそうな鼓動が知れてしまうので、遠慮したい所ではあったが……。

1346とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:55:37 ID:JM.XDicI
引き寄せた体を壊れ物でも扱うかのように優しく、抱く様にして。

「……――。」

互いの心臓の鼓動が重なるほどに体を近付けたまま、
今度は自分から雪子の唇を奪う。

1347とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 22:57:43 ID:YysKOaSo
「……っ……!?
……ん……。」

今度こそ、心臓が止まりそうになった。
零まで縮まった距離で齎される、小さな温かさと大きな暖かさ。
それは次第に、雪子の瞼を伏せさせた。

1348とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:01:21 ID:JM.XDicI
密着する身体から、この嘘吐きの青年も、
酷く緊張して、鼓動を速く、熱くしてしまっている事が解る。

「――――……っ。」
そして、少しして触れるだけのキスが終わって。

「……はは、なんだろね、これ。
 ……すっげぇ、幸せ。」

照れた笑顔で、そんな当たり前の事を言った。

1349とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:06:50 ID:YysKOaSo
「…………。」
暫し、呆けた様な表情。
その心は何処にあるのか。……と思った瞬間

「大好きっ!」
子供めいた台詞と共に、腕を回して満面の笑みで抱き着く。
勿論、顔は真っ赤なままだ。

1350とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:09:28 ID:JM.XDicI
「わ、と。」
娘の体を受け止めて、自分も手を腰に回して。

「いや、やっぱストレートに言われると照れちゃうねぇ」
そんな事を言いながらも表情は緩みきって、互いの鼓動を感じる様に。

1351とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:12:22 ID:YysKOaSo
「もうっ、今更何言われたって驚かないんだからね。」

互いの気持ちが漸く、飾りなく繋がった。
そう感じた娘は、細く眼を閉じて幸せへと浸る。

1352とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:15:00 ID:JM.XDicI
「あっはは、それは残念、照れた顔はあんまり見れそうに無いかなー?」

冗談めかしてそう言って、手に感じる温かな感覚と、
耳に届く心地いい声に、自然と目を閉じて。

「……まぁ、これから、幾らでも見れる、かな」
先へ思いを馳せる。
もうきっと、この日溜まりか逃げることはないから。

1353とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:24:55 ID:YysKOaSo
「当たり前じゃない!
……もう、奥さんと旦那さんなんだからね……。」

力強く抱き着いた拍子に、髪を留めていたリボンが解ける。
そして、艶やかな金髪がふわりと重力に従って降りた。

1354とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:27:06 ID:JM.XDicI
「……ん、そうだね。」

応えるように強く抱き締めて。
ふと外したリボンが視界に入る。

「お、そっちも可愛い。」

1355とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:33:52 ID:YysKOaSo
「髪、切っちゃおうかなぁ?」

などと、些細な事を口にして見せる。
思えば、そうした言葉の遣り取りをする時間も……今までは恐らくなかった。
どちらかが本当の言葉では無かったからだ。

1356とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:36:00 ID:JM.XDicI
「んー……俺は今のも好きかなぁ。
 短いのも見てみたい気もするけど……」

心も、体も今までよりもずぅっと近く。
ただの「他愛ない会話」を続ける青年の顔は、本当に、楽しそうだ。

1357とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:44:04 ID:YysKOaSo
「えぇ、でも邪魔くない?
って言っても、私にしか分からないか……。
結構大変なのよ、シャンプーなんか2回だし、髪油はすぐ切れるし。」

猫が喉を鳴らす様に、嬉々としてその様子を話す。
数か月前にしてみれば、互いにとって信じられない光景である。
しかし、二人ならではと言った雰囲気も醸していて。

1358とある世界の冒険者:2013/06/22(土) 23:46:27 ID:JM.XDicI
「女の子の長い髪ー、って男から見たら魅力の一つだったりするよー?
 まぁ、俺は雪子ちゃんなら何でもイイっちゃ良いけど、手入れ大変なのはなんか解るしね」

どうせなら色んな髪型見てみたいかなぁ、と付け加えて。
片方の手で、雪子の髪を軽く流すように触れる、以前なら触れようともしなかった、曰く汚れた手で。

1359とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:00:32 ID:G6nXmORY
「手入れが大変だからこそ、なのかしら。
うーん……短いのは似合わないとも思うんだけどね……。」

枝毛など無いか、と慎ましく聞きながら問答を繰り返す。
この他愛ない時間こそが、青年の渇望した日向……なのだろうか。

1360とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:02:42 ID:fMPCefmg
「それもあるけど、長い髪って女の子、ってイメージあるかなぁ、俺。
 雪子ちゃんは……んー、どうだろ、軽くアップにしてみるとか? 綺麗なんだし」

手入れされている髪を、気儘に弄る。
その小さな所作の一つ一つに、幾年掛けて培った冷たい仮面を、溶かす。

1361とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:06:29 ID:G6nXmORY
「……それはちょっと古いんじゃない?
アップか……ずーっとポニーテールだったし、ちょっと遊んでみようかな。
ね、恋がプロデュースしてよ!」

時折擽ったそうにしながら、陽の如き言葉を投げかける。
人はほんの些細な切っ掛けで変わる事が出来る。そう勇気づけられる様だった。

1362とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:12:23 ID:fMPCefmg
「そう? そういうのは結構変わんないイメージだと思うけどなー……
 お、良いよ良いよー? かるーくウェーブ掛けたりとかも良いかも……?」

髪を弄りながら、色々と考えを巡らせる。
髪型でイメージも変わるし、一緒に買い物でも行って服なんか買うのもいいかも、と考えて。

1363とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:17:04 ID:G6nXmORY
「ウェーブ……という事は癖抜かなきゃいけないかしら?」

元々、結構癖っ毛な娘。
ポニーにしているのも流していると癖が目立つからという部分はある。
敢えて真っ直ぐにしてみるのも良いかもしれない。

1364とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:19:14 ID:fMPCefmg
「一回そうしてみても良いかもね―?
 癖っ毛の場合は、手入れしないと直ぐ戻っちゃうけど。

くるくる、指に雪子の髪の毛を巻いて。
少し遊んだ後、するりと逃がして弄ぶように。

「あぁ、でもポニーの雪子ちゃんもやっぱ好きなんだよなぁ、明るい感じして。」

1365とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:24:55 ID:G6nXmORY
「私!って言うとやっぱりちょっと癖掛かってる方が良い?」

身内で言えば、ちょっと内巻きなアムルぐらいで、
他は皆真っ直ぐと言える髪の毛だ。
男性も含めるならば不幸なワカメ頭が居るが、女性では雪子のみ。

「うーん、やっぱりアイデンティティは大事かしら!」

1366とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:28:51 ID:fMPCefmg
「んー……かな?
 見慣れた感じもあるし、……安心する。」

ぎゅ、とちょっとだけ抱き締める力を強め、
何処か嬉しそうにそう言う。

「そうだねぇ、俺でいえばこのダメンな雰囲気とか?」

それは アイデンティティと ちがう

1367とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:36:16 ID:G6nXmORY
「えへへ、じゃあそうしよう。」
現状維持。
簡単そうに見えて中々難しい事である。

「あーっ、また自分の事嘘吐いてる!」
と、背から抱き留められる形になり、ぴしりと人差し指を掲げる。

1368とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:38:29 ID:fMPCefmg
「遊び半分で色々する分には、いいかもね」
髪から手を離して、そんな事を言うが。

「んぇ? ……今は嘘吐いたつもりなかったけど……?」
きょとん、と首をかしげる。
はて、何か言っただろうか、今。

1369とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:44:41 ID:G6nXmORY
「痛まない程度にやろっと。
ねね、今度一緒に買い物とかする時に!」

「恋はダメじゃない!私が保証します!」
まるで姉にでもなったかの様な口調で、頬を膨らませて言う。
しかし恰好からすればまるで、兄を庇う妹の様だ。

1370とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 00:48:23 ID:fMPCefmg
「そだねー、服とかも見てみる?
 これから夏も本番だし、夏服とか。」

「…………っ、くく。」
腕の中で頬を膨らませる娘に、
小さく、堪え切れないと言った感じで笑いを漏らす。
何が可笑しかったのだろうか。

1371とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:00:06 ID:G6nXmORY
「お、いいですねー。
じゃあ水着とか一緒に買ってみちゃったり?」

「あー!
ちょっと、何よぉ。何で笑うのよー!?」
突き出した指をぶんぶんと前後に振りながら、猛抗議。

1372とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:03:05 ID:fMPCefmg
「あぁ、良いねぇ、海……クラーチさんとかラヴァーさん……
 Mr.ギャルゲとか、ブンヤちゃん、ああ、カルドンも誘ったり?」

まだ見ぬ未来の光景に思いを馳せて、少し気を抜いて。

「あぁ、いや、可愛いなって……っと……!」
その隙が悲劇(?)を生んだ。
暴れる雪子に、バランスを、崩して。

1373とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:08:39 ID:G6nXmORY
「……まずいじゃない、あと一か月も無いわよ!?」

ハッとした瞬間であったが、今はそう言った茶番めいている場合ではない。

「きゃっ……!?」
バランスを崩すが互いの運動神経により、何とか直撃は回避した。
しかし、互いの距離は近く……また、抱き合うとは違う様な体勢で。

「……あ……。」

1374とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:10:12 ID:fMPCefmg
「……………。」

雪子を、丁度ベッドの上に押し倒す様な体勢。
覆い被さり、密着はしていないものの、それは下手を打てば

抱き合うよりも、余程恥ずかしい。

1375とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:14:52 ID:G6nXmORY
「…………。」

これはまるで、曰く言い難い状況になる三歩手前ではないか。
気まずい沈黙が、二人を包む……。

1376とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:18:11 ID:fMPCefmg
「ぁ……っと。」

声を絞り出す。
この状況は不味い。

彼女は、大切にすると決めているのだし。
何よりプロポーズを申し込んだその日に不貞を働くなどと、と頭の中を巡らせる。

1377とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:23:04 ID:G6nXmORY
「……さっ。」
小さく声が出て

「さあ!そろそろご飯の支度しないと!!」
と、わざとらしい程の大声で言って青年を跳ね飛ばす。
結構痛い。


――その頃窓の外では――
『ブッダシット!両方ともいくじなしさんですよこれは……!
どうしましょうねダーリン!(小声)』

いつから見ていようとも、碧の暗殺者から授かった潜伏術と恋の余裕の無さから最後まで気付かれまい。
未来の旦那が良しとすればだが。

1378とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:26:03 ID:fMPCefmg
「あいたーっ!?」

ずでーん、と大袈裟に跳ね飛ばされ転がる青年。
まぁ、あのままだと、理性が挫けそうだったから渡りに船だったのだが。


――窓の外――

『あー、そうだな……最終手段はツテ使ってそういう道具使うかだが……
 雪子ちゃん辺り、うまい具合にけしかけりゃ暴走するんじゃねーか?(小声)』

新作ひみつ道具、もとい魔具で気配隠蔽するという厳重っぷり。
こっちもこっちで楽しんでいるのであった。

1379とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:29:29 ID:G6nXmORY
「……よ、よーし!
今日きょ、今日は何にしましょうかねー……おほほほ……♪」

言う横顔は、全然余裕が無い。
心拍数が先程の比ではないぐらい跳ね上がっている。

――外――

「全く、メグメグもとんだいやらしガールですねぇ!
しかしディーノ君、今日はもうお開きの様ですので撤収しましょう!(シュバッ」

……然し、最近の佳乃はと言うとエージェントぶりが益々際立っている。
このまま二代目碧雷とかになりはしない物だろうか。

1380とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:32:21 ID:fMPCefmg
「たた……お食事だけ、ご同伴に与ろう、かなー?
 うん、……うん、今のはなしで、うん。」

自分に言い聞かせるようにそう言って。
そういえば住む場所もちゃんと決めなきゃな、と意識を逸らしつつ。

――外――

『ああいう娘は多分切欠あればガッツンとって経験がだn……はえーなオイ』

逃げ出す自信の彼女に感嘆の声を漏らして。
逃げるように後を追うのだった。

1381とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:36:32 ID:G6nXmORY
「あ、うん……。
え、えーと……何、食べたい?」

……結局、その日は悪い意味でなくぎこちなかった。
夕飯の買い出しに行き、食事を頂くまでの間は……だが。

ともあれ、恋は一大の契りを愛しの相手と結ぶ事が出来た……のである。
それで良し。きっと良し。

1382とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 01:38:10 ID:fMPCefmg
「んー……」

一瞬、雪子ちゃん、なんて冗談が浮かんだが。
この状況でそれは、不味い、色々と、色々と。

「雪子ちゃんが作ったものならなんでもいい……かな?」

にへら、とごまかし笑いを零して。
今掌にある幸せを喜ぶのだった。

1383とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 10:35:11 ID:/wYlJVkY

◆ そこそこ王都から離れた村からの クエストです

【依頼名】安眠妨害者の駆除
【依頼主】寝不足な村民
【ランク】C
【達成条件】安眠を妨害するアイツを撃退、もしくは駆除
【報酬】金貨数枚 村特産スイカジュース
【内容】
村の畑を荒らす魔物が現れた……
まだそれだけならいい、問題はそいつの鳴き声だ!
夜中もキーキーキーキーうるさくて寝れやしねえ!
このままだとストレスでおっ死んじまう! 何とかしてくれぇ!!!


――――― 受注しました ――――――

という訳で、基本的にひどい扱いしか受けないジグザール王国の村にやってきたわけである
スイカの名産地であるその村の畑には結界の魔法やら害獣妨害の魔法やら柵やらがはられており、
荒らされている畑はセキュリティーの甘かったいくつかの畑だけ
しかし気のせいか、村民の目の下に隈のような物ができている

依頼を受けた冒険者は、村に入ると依頼書に書かれていた集合場所である広場に向かった
そこには依頼人らしきガタイのいい男と、その男から愚痴を聞かされておりゲンナリした表情を浮かべる冒険者と思われる白髪の青年が立っていた

1384とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 10:45:29 ID:PzwAJ6TQ
>>1383

【訪れたのは黒髪の、マントに身を包んだ青年である。】
【大剣と思われる重々しい剣が、なんと腰にささっている。】

・・(ここでいいんだよな・・?)

【帽子を深くかぶり、腕を組む】

1385とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 10:52:23 ID:/wYlJVkY
>>1384
『それによぉ、何だって近頃の小娘の服装はあんなに太腿が……』
『俺が若い頃にはあんなにピチピチな…… 全くもってけしからん』

「………あ、あー  他のクエスト受注者がきたみたいですよ?」

『あ? ……ああ、ようやく来たか!』

ノーマンスの姿を見て、ようやく愚痴から解放されたとほっとしたような表情を浮かべる青年と
腕を組み、これまた寝不足だと思える顔をしたおっさん
ここで間違いは無いようだ

1386とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 10:57:00 ID:M6be.01g
「確かこの辺かな?」

丸めた地図を片手に空を飛んで来た少女。

1387ノーマンス:2013/06/23(日) 11:00:52 ID:PzwAJ6TQ
>>1385

・・・・依頼主はお前でいいんだよな・・?
依頼の要件は・・? 具体的にどうしてほしい?

【こつこつ、と足音鳴らし二人に近づいて、愚痴を続けていたおっさんに問いかける。】

1388とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:06:30 ID:/wYlJVkY
>>1386
「……おっ」

空を飛んできた少女に気付き、軽く会釈
話しこそはあんまりしたことないが、クエストで何度か共闘したため面識はある

>>1386-1837
『ああ!お前さんの目がフシアナじゃなければそうだろうよ!!』
『もう一人来たしちゃっちゃと説明する!この村の近くにある森の中にいるやたらキーキーうるさい魔獣を追っ払うか殺してくれ!以上!』


「……え、これで終わり?」

『ああ! それ以外になんかあっか!?』

1389ノーマンス:2013/06/23(日) 11:13:11 ID:PzwAJ6TQ
>>1386

・・分かった。

【依頼内容を把握した。こく、とうなずき】

>>1386>>1388

あっと、・・俺はノーマンス。よろしく頼む。

【他の二人に軽い自己紹介と挨拶をした】

1390とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:23:29 ID:M6be.01g
>>1388
「こんにちは………何処かで見たような……」

彼女も彼に面識があるようだ。名前とかは忘れたか知らないだろうが。

>>1389
「……あ、私はレイヤ、よろしくね」

こちらも軽く自己紹介。

1391とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:24:24 ID:/wYlJVkY
>>1389
「……これでいいのかな」


「その相手の特徴とかは?」

『逃げるのがやたらめったら上手い奴だからな! ただアイツのキーキーうるさい声を聞けば一発でわかる!』
『後スイカの噛んだ後から結構でかい化け物だな!』

>>1389-1390
「あ、これはご丁寧に……」

「僕の名前はディフ=エンス、なんて呼んでも構わないよ」

1392ノーマンス:2013/06/23(日) 11:30:03 ID:PzwAJ6TQ
>>1391

つまり、キーキーうるさい化け物だろ・・?

依頼主、スイカ一個持っていくぞ。これで釣れるかも知れない。

【比較的無事なスイカをナップザックに詰め込んで】

>>1390>>1391

レイヤとディフ・・、覚えた。
森ってどこにあるか分かるか?・・

1393とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:43:08 ID:M6be.01g
>>1391>>1392
「……じゃあディフって呼ぶね」


「キーキーうるさい………その声で眠れないっていうこと?」

ふとクエスト名に『安眠妨害者』と書かれていたことを思い出す。

「森……?あまり周囲は見てなかったなぁ……」

1394とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:44:37 ID:/wYlJVkY
>>1392
『ああ、いいぞ 畑の主だって一個くらい無くなった所で気付きやしないだろうさ』

「自分のじゃないんだ……」

他人のスイカを勝手に持っていかせる、悪い依頼人だった
問題が起きたら依頼人に擦り付けよう

>>1393
『ああそうだ!アイツ毎晩毎晩キーキーキーキー……』
『一体何の恨みがあるって言うんだよ!!』


>>1392-1393
「森は確か、南東の方だったかな」
「村に来た時周辺探索したけど化け物が隠れそうな森と言えばそこしかなかったよ」


そんなわけで森の中へ移動したわけである
森の中へと進んでいくうちにキーキーと目障りな音が聞こえてきた
恐らくと言うか間違いなく、依頼の化け物だろう

「確かにこれが夜聞こえてくるとなるとストレスで発狂しそうだね」

1395ノーマンス:2013/06/23(日) 11:50:04 ID:PzwAJ6TQ
>>1394>>1393

・・耳が痛くなるな・・。

【持ってきたスイカを取り出して抱えるように辺りを散策。】
【鳴き声が聞こえるということは近くにいるのだろう。】

・・、(出てきそうにないならスイカを仕掛けるが・・、)

1396とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 11:55:42 ID:M6be.01g
>>1394
「た……確かにうるさい……」
「でも近くにいるってことだよね………」

何かが現れないかと周囲をキョロキョロと。

1397とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:02:30 ID:/wYlJVkY
>>1395-1396
「……向こうが出てくるのを待つよりも仕掛けて油断させた方がいい感じだね」

今のままだとどこから出てくるかわからず、下手したら不意打ちを喰らうかもしれない
こっちにはおびき寄せるための罠もあるのだしそれを使った方がいいだろう

1398ノーマンス:2013/06/23(日) 12:08:02 ID:PzwAJ6TQ
>>1397

なら・・、

【スイカを軽く凍らせてボーリングのように転がし・・、止まった先、遠隔魔法で地べたとスイカを氷で接着させる。】
【食べられるが凍っているゆえに歯が食い込みにくい。もって変えるには氷を剥がさなければならない。】

【離れたところから様子を伺う】

1399とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:14:40 ID:M6be.01g
>>1397
「とりあえずあそこにおびき寄せれればいいけど……」

「でも何処から出てくるか分からないしなぁ……」

何か出てこないかと周囲を見渡す。

1400とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:19:56 ID:/wYlJVkY
>>1398-1399
レイヤの肩をたたき、ノーマンスの後について身を隠す青年
少しの間耳障りなキーキーが聞こえてきたが、やがて地響きとともに
その化け物が姿を現した

「巨大な虫……? い、いや虫っぽいけど下級ドラゴン種?」

例の化け物の正体は虫によく似た、下級ドラゴンだった
背中の羽を揺らし耳障りなキーキー音をたてながらスイカに近づいて行く

1401ノーマンス:2013/06/23(日) 12:27:54 ID:PzwAJ6TQ
>>1400

もう少し待とう・・。

【竜が悪戦苦闘すれば表面の氷は溶けるだろう。】
【溶けた水は、かじりついたみずみずしいスイカの果汁と合わさり無駄にジューシーなものとなる。】

いまだ・・!

【遠隔魔法を用い、かじりつき歯が食い込んだところで凍らせて、地面から離れられなくする】

1402とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:34:24 ID:M6be.01g
>>1400
「………ドラゴン?虫?」

奇妙な姿の竜に少し警戒している様子。

1403とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:38:11 ID:/wYlJVkY
>>1401-1402
ドラゴンの刃が凍ったスイカに食い込み、そして取れなくなった
スイカからの果汁は美味しいが、それでも冷たい物がずっと口に張り付いているこれはあんまり嬉しくない状況
そのまま前足で剥がそうとし……

≪  !!!!!  ≫

ノーマンスの氷魔法が、見事に決まり地面から離れなくなった
ノーマンスに引き続き青年も右手に魔力を集中させ飛び出してきた
そのまま叩けば冒険者チームの快勝……  だったのだが

≪  !!  ≫


大きく羽を揺らし、そしてあの耳触りの不和協音が聞こえてきた
最初の内は小さい音だったが、そこから一気にボリュームが上がったように音が跳ね上がった
耳がジンジンと痛み、立ち眩みを起こすほどに

1404ノーマンス:2013/06/23(日) 12:41:40 ID:PzwAJ6TQ
>>1403

!!!ぐぁッ・・!

【後は討伐するだけ・・のはずが、とんでもない鳴き声に耳を抑えその場でうずくまる】

1405とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:48:19 ID:M6be.01g
>>1403
「っ……………!?」

言葉にならないほどうるさい音に耳を塞いで引き下がる。

1406とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 12:53:44 ID:/wYlJVkY
>>1404-1405
「あ、頭が……!」

とっさに耳を押さえたが、それでも頭がかなり痛い
足元がおぼつかない青年


≪ ! !―――≫

そして邪魔者がいなくなったことを良い事に、貼りつかれた地面から逃れようとジタバタとするドラゴン
下級だけあって力は弱い、しかしそう長く持たないだろう

1407ノーマンス:2013/06/23(日) 12:59:17 ID:PzwAJ6TQ
>>1406

ッ糞がッ…!

【氷の小さい刃を生成しドラゴンへ投擲。】
【一瞬でも声を緩まると信じてダンと地面踏み込み接近を試みる。】

1408とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:02:55 ID:M6be.01g
>>1406
「……ス、スノーカッター…!!」

音に耐えつつ手の平程の雪の結晶を作り出して手裏剣のようにドラゴンに投げつける。

1409とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:14:36 ID:/wYlJVkY
>>1407-1408
ノーマンスの氷の刃で気が逸れ、一時的に声が鳴りやんだ
そして次の瞬間のレイヤの雪の結晶である。

このドラゴン、虫との合いの子だけあって防御面はかなり低い
しかも氷である。 両者が苦手としている物だ
今度は羽からではなく口から、耳障りな悲鳴を上げた

「泣きっ面に蜂とばかりの、サンダラ!」

氷の手裏剣から体の内部へ直接雷が流れ込み、ビクリと痙攣を起こすドラゴン

「今の動けない内に、攻撃を!」

1410ノーマンス:2013/06/23(日) 13:17:53 ID:PzwAJ6TQ
>>1409

よっしゃッ・・!
はッ・・!!

【腰に携えたバスターソードで居合い抜くように、その頭部を凪ぎ払おうとして】

1411とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:25:31 ID:M6be.01g
>>1409
「フロストアロー!」

長さ5,60cmはある氷の針を作り出し、魔力を纏わせ矢のように高速射出する。

1412とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:30:25 ID:/wYlJVkY
>>1410-1411
ノーマンスの薙ぎ払いと、レイヤによる苦手な属性の魔法
生命力がそこそこ高いドラゴン種と言えども倒れるには十分な物だった

「…… 終わったみたい、だね」

1413とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:32:03 ID:M6be.01g
>>1412
「……1匹だけなのかな………?」

まだ仲間がいることを警戒し、周りの様子を見ている。

1414ノーマンス:2013/06/23(日) 13:45:53 ID:PzwAJ6TQ
>>1412

・・ふぅ・・。

【耳をとんとんとしながら、レイヤと同じように辺り見回し】

1415とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 13:52:14 ID:/wYlJVkY
>>1413-1414
他に仲間はいないようだ
あのサイズのドラゴンが何匹もいたらスイカ畑は全滅
いやそれよりも先に村人が発狂するだろう

「うぅ、まだ頭がガンガンするよ……」

「依頼とは無関係な輩に絡まれないうちに帰ろうか。 証拠を切り取って……」

ナイフで虫ドラゴンの羽を切り取り、討伐した証として持っている事にしたようだ
後は村に帰るだけである

その後、無事に村に辿り着いて依頼人に証拠を提示
無事に依頼は達成された

1416ノーマンス:2013/06/23(日) 13:58:28 ID:PzwAJ6TQ
>>1415

・・スイカも一ついただくよ、

【ノーマンスは報酬の他にスイカも一つ受け取った。】
【彼は数刻滞在してからたちさるのだろう・・】

/おつかれ・・さま?

1417とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 21:41:54 ID:82dpyKI6
<王都近くの草原>

「…………。」

【ずり、ずり、と何かを引きずる音。引きずっているのは金髪の少年だ。
引きずっているのは黒い柱の様なもの。それの先端を辿っていけば、それが少年の左腕であることが簡単に分かる。

その巨大な腕は心臓の様に脈動し、不気味に蠢いている。
そして、その腕が伸びている左肩には巨大な目玉が埋まっていた。】

1418とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 21:59:24 ID:RbyRW0U.
「……凄い変質した魔力。
こっち……!?」

儀礼用に見えるが、機能は決して損なわない白い鎧。
それを纏った翠髪の剣士が、不穏な魔力の元へ駆ける。

1419とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:05:40 ID:82dpyKI6
>>1418
「…………。」

【時折、呻くような声を上げているが、特に言葉は発していない。
また、足取りもその左腕が重いという所為があるのだろうが、ふらふらと覚束ない。

目的地があるのかどうかも分からず、ただただ歩いている。】

1420とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:09:56 ID:RbyRW0U.
>>1419
「……あれね……!」
不規則に揺れる影が、やがて月明かりで晴れる。
最初はその魔力から、人型の異形を想像していた。

「……う……っ……。」
しかしその姿はあまりにも人間であり、あまりにも人間でない。

「止まって。」
若干の気後れはありながらも、ビィバードの前へと躍り出た剣士。

1421とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:17:03 ID:82dpyKI6

『……なんだ、お前は。』

【前にクェスが出ると、それに反応して言葉を発する。
ソレと同時に、左肩に埋まっている目玉がそちらをぎょろりと見据えた。

……どこかで見たことがあるかのような、ある意味で既視感。】

『……お前もそうか……お前もお前もおまえもッッ!
また、邪魔をするのか――――俺をあの暗がりに、戻し、っ!』

【言われて、足が止まったが変異していない右手で苦しむようにして、頭を抱える。】

1422とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:26:00 ID:RbyRW0U.
「……この感じ……。」

やはり、間違いでは無かったのか。

以前、確かに自分は似た雰囲気と相対した。
それは忘れるには、時間が経ってなさすぎる。

「まだ……意識はある……?」
しかし前に寄生されていた男よりは、言葉口がはっきりとしている。
自我はあるのか? 
戦闘態勢を構える体とは裏腹。頭の中では疑惑が渦巻いていた。

1423とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:41:32 ID:82dpyKI6

『邪魔をするって言うんなら……消えろ……!』

【そういうとその左腕を一気に、後ろに引いた。
その変異した左腕は固いものではなく、柔らかいもので触手のような弾力を持っていると分かる。

そのまま、片足を前に出し、思い切り踏み込んだ。それと同時に魔力が迸る。
どうやら、足元が魔力によって強化された。】

「俺から……離れろぉぉっっ!」

【すると、その強化された足で踏み込んだ勢いで、その長い左腕がムチの様に振るわれる。
だが、その太さはムチといえるものではなく、人間の腕が二回りほど大きくなったものである。

さながら、小さい丸太のようだ。】

1424とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:46:07 ID:RbyRW0U.
「ま、待っ――!」

ふと感じた違和感。
しかしそれを待ってくれる程、悠長な相手ではない。
丸太の様な腕は気付いた時には眼前に迫り、制止を説く暇すら無かった。

「うああぁぁっ!?」
鈍く鉄を打つ音がして、その体がいとも簡単に吹き飛ばされる。
葉枝を折って飛ばされた体が、一本の大木に当たって止まった。

「う……くっ……!」

1425とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 22:56:33 ID:82dpyKI6

『…………はぁ、はぁ……!』

【鎧ごとと彼女を飛ばし、不恰好に垂れ下がる腕をそのままに息を荒げる。
一方で左肩に埋まっている目はその飛んでいく姿を見ると、瞳を笑いの形にゆがめた。】

『……ぐっ、ぅ……何だ今のは……どうしちまったんだ……俺の俺の!』

【左腕を押さえながら、まるで自分が何をしているか分かっていないというような言葉を吐く。
一方で、左腕の先端部分がぐずぐずとゆがみながら、変形を始める。】

1426とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:01:09 ID:RbyRW0U.
「ぐ……ぅ……。」

鎧で軽減されていても、かなりの衝撃だ。
視界の端に散る白いノイズを飛ばしながら、何とか立ち上がる。

「あなた……やっぱり、意識が……?」

1427とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:09:42 ID:82dpyKI6

『うぅ、くっ……まただ……また、現れやがったなァッッ!』

【左腕を押さえ苦しむような素振りを見せていたが、再び女性が
声をかけるとそちらのほうへと視線をやり、憤怒の言葉を吐く。

その目は片方が赤く染まりつつある。
そして、そうこうしているうちに左腕の変異が止まる。
見れば、腕の先端部分が、まるでヒルの口の様に変化している。】

『……はぁ、はぁ……消えろ、消えろ……もう、来るんじゃ――――!』

【歩みを進めながら、左腕を引くと腕が巻き取られるようにして、縮んでいく。
先ほどまでの長さがうその様に今度は、通常と何ら変わらない長さまで縮まった。

もちろん、先端はヒルの口の様に硬質化した魔力が牙の如く整列している。】


「――――――ねえええぇぇぇぇっっっ!!!」

【怒号と共に、その腕をクェスに向けて伸ばした。】

1428とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:14:43 ID:RbyRW0U.
「………!!」

今度は、予兆から行動を察する事が出来た。
軋む体に鞭を打ち、その突撃を横っ跳びに避ける。
後ろには樹。威力は身を以て知っている。

必要以上に大きく避けたクェスは、樹を三本ほど隔てた場所へと着地した。

「(急がないと……この子もあの人みたいに……!)」
最早、迷っている猶予は無い。
豪奢な装飾を施された白い鞘から美しい直剣を引き抜く。
そして意を決したかの様に正眼で構えると、魔力を全身へと巡らせた。

1429とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:22:36 ID:82dpyKI6

『…………!』

【腕はそのまま、クェスを捕らえることなく背後の木に激突する。
鈍い音が響き渡り衝撃で、木の葉がぱらぱらと落ちる。

そして、恐らくヒルの口の様に変化した部分が木に食い込んだのか中々、引き抜けない。
腕を戻そうとする素振りは見せるが、腕がぴんと張るだけである。】


『…………!』

【一方で左肩に埋まっている目は剣を構えるクェスを見据えている。
すると、その目玉全体が水面の様にゆらゆらと揺れ始める。】

1430とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:26:18 ID:RbyRW0U.
「……やああっ!!」

裂帛の気迫を込めた、直剣の一撃。
伸びきった腕の根に近い部分へと、諸手で剣を振り下ろす。
先程の弾力だ。生半可な力では弾かれてしまう。

「……貴方は、"同じ"よね……。」
剣を振り抜き様に、目玉へと視線を向けて睨んだ。

1431とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:38:04 ID:82dpyKI6

『…………っ?!』

【腕に直接、剣を振り下ろされ、腕が断ち切れるのではなく
その衝撃にビィバードの体勢が崩れた。

その瞬間、メキメキと音を立てて、木に食い込んでいた腕が外れる。
見れば、ヒル状になった部分が見事に木の幹の一部を食いちぎっている。】


『……同じ、そう、か……。』

【〝ビィバードの口〟からその言葉に対する答えが返される。
すると、間を置かずして、その揺らめいた目から赤い光がクェスに向けて照射される。

腕の根のほうに一撃を加えたということは、目玉との位置は非常に近い。

とはいえ、その速度はそこまで速くは無い。】

1432とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:41:32 ID:RbyRW0U.
「……やっぱり……取り付かれて……!」

だが、今度は事情が違う。
見た所と言うしかないのが心許無いが、それでも体躯を保ってはいる。
だとしたら、このまま放っておく事がどの様な事態の帰結を示すか、はっきりと分かる。

「……っ……!」
鎧の一部……肩ほどの部分がその照射を受けるも、体そのものに当たる事は避けられた。

1433とある世界の冒険者:2013/06/23(日) 23:55:42 ID:82dpyKI6

『…………はぁ、はぁ……!』

【苦しそうに息を吐き、喘ぐ少年。
腕はまたも、自分の下へと戻りつつある。このままでは危険なことはいうまでもない。

そして、肩の部分にその光が当たると当てられた部分に赤い粘着質の魔力の糸が付着する。
それはあっという間に、その光が当たった部分を拘束しようと、糸がまるでミミズの様に蠢く。

目玉はというと、その様を見て瞳を再び、歪ませた。嘲笑。】

1434とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:04:02 ID:knZF43eg
「くっ……!
(お祖父ちゃん……ごめん……。)」

すぐさまの起点で、自ら鎧の肩部分を外す。
当然であると言えば当然だが、その行動には大きな重みがあった。

彼女が身に纏う鎧と剣は、嘗て殺された祖父の形見だ。
それを敵の為すがまま手放すのは、己の未熟。

「……っ!」
内心で強く唇を噛むと、そのまま片手で剣を構えて駆け出す。
先程の様子なら、懐で細かい動きをさせる様にして大振りを封じれば……勝機はある。
加えて、異形を彼から引き剥がす手段を掴めるかもしれない。

1435とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:22:16 ID:3EWSqMMU

『…………しつ、こい……!』

【痺れを切らし始めているのか、ヒル状の口はそのままに。
足を踏み込み、腕に力を籠めると、その腕を勢い良く振るう。

それは周囲を一掃するための大振りな攻撃である。
恐らく、ビィバードの知識などを生かしているのだろうが、生かすにしては
あまりにビィバードには戦闘の経験が足りない。

一方で、外された鎧の一部は既に赤い魔力で包みこまれ、まるで繭の様になっている。】

//バックストーリーが

1436とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:28:05 ID:knZF43eg
「……ウィンドミル……!」

剣を持つ手に捻りを加えて、一挙に跳躍。
ビィバードの頭上を飛び抜けるままに、縦に一回転の剣閃。
その剣筋は、確かに眼を狙って放たれていた。

「しつこいわよ……貴方が元に戻るまで……!」
爛々とした意思を瞳に燃やし、正義の心で異形と、それに操られる青年へと背を向ける。
着地した体勢のまま。

1437とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:35:59 ID:3EWSqMMU

『…………!』

【その剣筋が目玉を捉えると、ビィバードが2,3歩後ずさった。
振った腕に体が持っていかれて、少々バランスが崩れたようだ。

そして、目玉には見事に縦の一閃が入る。
その瞬間、その一閃に沿って目玉が裂け、内側からどぽり、と赤い液体が毀れだす。

普通に考えれば、血液だが、コレは違う。それは魔力が飽和するほどに溶けきった液体である。
非常に純度が高く、質のいい魔力だ。】

1438とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:44:27 ID:knZF43eg
「……。」

いける。クェスは内心でそう確信した。
ビィバードの反応を見るに痛覚まで囚われてはいない。

だとすれば苦痛などの精神的負荷を与えず、助け出す事が出来るのではないか。

「……行くわよ……!」
再び剣を掲げ、ビィバードへと迫る。

1439とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:51:54 ID:3EWSqMMU

『…………。』

【裂けた目玉から、赤い液体がどろどろと流れ続ける。
ここまで、流れ続けると、血まで混じっているのではないかと心配になるほどに。

ビィバードの動きは止まっている。目玉の支配が途切れたからなのだろうか。


――――――ケラケラ……ケラケラ


ビィバードを助け出そうと、剣を振るう娘の背後より。
耳にざらつく、不愉快な――――嘲笑が。】

1440とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 00:56:35 ID:knZF43eg
「(耳を貸しちゃ駄目よ……今は、出来る事を……!!)」

「はあぁぁ……ッ!!」
ぐんと距離を詰め、裂けた目玉に向けて手を伸ばす。
それは、剣を持つ手ではなく……左手のガントレッド。

「全部……私の力で!!」
クェスの考えは、こうだ。
あの赤い液体が高濃度の魔力流動体という事は、以前の対峙で分かって居た。
ならばその魔力を無理矢理消費して、枯渇させようとしているのだ。

「退けるッ!!!」
その掛け声と共に、片手に持つ剣が変形。
グリップと鍔の部分が伸び、刃が縦半分に3センチほど分かれた。
空いた隙間からは、光の魔力がバーナーの様に迸っている。

1441とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:01:41 ID:3EWSqMMU

『…………。』

【クェスが目玉に向けて、手を伸ばそうとしたその目の前で
その目玉が急速に茶色に染まり、花が枯れるようにして萎んでいく。


――――ケラケラケラケラ、ケラケラケラ


嘲笑が一層、強まったその瞬間、ぐぃと後ろに引き戻される感覚。
明らかにクェスの両肩を何かが掴んだ。】

1442とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:08:23 ID:knZF43eg
「な……ッ……!?」

不意に後ろへと掛かる重力。
何が起こったか分からぬまま、背後へどうにか視線を巡らせて覗き見る。

1443とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:18:17 ID:3EWSqMMU

【そこには赤い液体の水溜りがあるのだが、そこが少しばかり隆起している。
完全なわけではないが、その赤い液体が塊と化しているようだ。

そして、その表面には大量の目玉が浮かび上がり、それぞれが嘲笑を浮かべている。
クェスを掴んでいたのはソコから伸びた触手である。

その肩を掴んだ状態のまま、触手をがさらに伸びる。
腰に、足に、腕に……あらゆる場所に伸ばして、クェスを拘束しようと触手が動く。】

1444とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:28:07 ID:knZF43eg
「まさか……あの液体その物が……!?
…ッ、くぅ……っ…!」

視界が捉えた瞬間には、体中を赤い触手に囚われる。
締め上げられる苦痛に、しかし剣は取り落とさぬ様抵抗を続ける。

1445とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:43:03 ID:3EWSqMMU

『…………。』

【目玉は赤い魔力の中に埋まったまま、嘲笑を続ける。
触手はどちらかといえば、クラゲなどあの手のものに近い。

抵抗を続けるクェスを見ると、その塊と化しつつある赤い液体が大きく脈動する。
すると、触手にポンプから水が送られるがごとく、どくり、と赤い液体が送り込まれ、その部分に沿って触手が膨らむ。

つまり、その液体が通っている箇所の圧力が上がるというわけである。】

『……良、い……場所、だ……。アレ、は。』

【ビィバードの声ではない何かが語る声。
それは恐らく、その目玉のものであろう。様々な生物への寄生を経て声を出す手段を会得したのだろうか。

おそらく、アレと指しているのはビィバードのことだろう。】

1446とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 01:56:19 ID:knZF43eg
「あ……!
ぐ…っ、う……あぁぁ……!!」

鎖で締め上げられる様な痛みに、眼をきつく瞑って唸り声を上げる。
そして抵抗が難しくなった体は、まず剣を手放した。

「…ゆる、さない……!
人を……弄ぶなんて……ッ!!」
未だ正義に燃える瞳をうっすらと開き、聞こえた声に対して反論を投げ掛ける。
……しかし、このままではまずい。

1447とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:07:28 ID:3EWSqMMU

『…………約束は、やく、そく。』

【何とも不可解な言葉を抵抗が薄くなる娘に向けて零すと
触手で拘束したまま、一度、触手をしならせ、そのまま娘を思い切り、木に叩きつけようと。

単純に殺してしまうのであれば、このまま拘束を続ければ良い話なのだが。】

1448とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:11:01 ID:m9K7oilo
「っ…………!!」

しなり、蠢いた触手目掛け、
思いも寄らぬ方向から、魔力の篭った弾丸が放たれる。
それは、騎士の娘を縛る触手を撃ち抜き、解放せんとする。

1449とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:14:40 ID:knZF43eg
「あなたを斃して……絶対……ッ……
…っ……あ……!!」

無抵抗に、宙へと浮かされる体。
……その刹那、体が正しい重力を取り戻す感覚。

単に動きが頂点に達したからか、銃で触手が撃ち抜かれたからかは分からない。
前者であれば木へと叩き付けられ、後者ならば"引っ掛かる"程度で済むだろう。

1450とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:19:07 ID:3EWSqMMU

『…………。』

【触手を打ち抜かれてしまい、クェスを木に叩きつけることは適わなかった。
すると、その刹那その塊がどろりと再び液体に戻る。

そうして、そのまま、液体が既に裂けて枯れてしまった目玉……ひいてはビィバードの体内へと戻った。
すると、まるで意識を取り戻したかのように、ビィバードが苦しそうな呻き声を挙げ始める。】

1451とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:22:51 ID:m9K7oilo
「う……動くな……!」

銃弾を放ったのは褐色の肌に白い髪。
紅いスカーフマフラーを巻いた少年、手には魔銃を持ち、

「う、うごくと……あ、当てる……!」

震えていた。
情けなく震えて、銃を向けていた。

1452とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:29:49 ID:knZF43eg
「……ぐっ……!
ぁ…………。」

鈍い音がして、鎧姿の娘が地を滑る。
頭を幹に引っ掛けた様で、ティアラが砕けて翠の髪がはさりと降りた。
そして伏せたままの姿で悔しげにガントレットが土を握るが……。

「……――」
そこから力が抜け、動かなくなった。

1453とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:36:36 ID:3EWSqMMU

『…………。』

【目玉が体内へと入ると、裂けていた部分が見る見るうちに赤い魔力によって修繕されていく。
ビィバードは依然として苦しそうなままである。それはまるで、悪い夢に魘されているようだ。

そうして、再び、肩には元の巨大な目玉が現れた。
それは倒れたクェスを見据えるが、特に何もする様子は無い。

つまりは〝見逃されている〟ということだ。先ほど、言った〝約束〟が関係しているのだろうか。

一方で、銃をこちらに向けている少年のほうにも目をぎょろりと動かして。】

1454とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:39:49 ID:m9K7oilo
「……っ!」

目玉に睨まれ、小さく悲鳴をあげる。
が、震える体に力をいれて地面を蹴って

「ご、ごめんなさいっ……!」
断りをいれて身体を抱き上げて、脚を魔力でブースト。

「……っっ!」

娘の身体を抱き上げ、一目散に逃げ出すのだった。

1455とある世界の冒険者:2013/06/24(月) 02:54:04 ID:3EWSqMMU

『…………な、何だ、これは。』

【皆が逃げ、静寂を取り戻したころにビィバードが声を挙げた。
まるで、記憶喪失の様に何をしたのか分かっていないという風情で。】


「――――――カカカ。」

【そして、そのビィバードの姿を監視する一つの小さな影があったとか、FO】

//お疲れ様でした!

1456とある世界の冒険者:2013/06/25(火) 00:25:25 ID:CWdWmFQc
<王都近くの草原>

「ふぅん、雛ちゃんの経過は良好、なんでしょうねぇ。」

【毛先が黒の金髪を持つ少女が、森のほうから帰ってくる。
彼女の足元には地面を何かで引きずった跡が、付いており、それは森の奥に続いている。】

1457とある世界の冒険者:2013/06/25(火) 00:46:47 ID:CWdWmFQc

「この分だと、もう少しで私の仕事も終わりそうですねー。
ふふふ、いい結果が期待できそうですねぇ。」

【彼女からは、虫を誘う花の如く、なにやら甘い匂いが漂っている。】

1458とある世界の冒険者:2013/06/25(火) 01:08:47 ID:CWdWmFQc
FO

1459とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 22:58:21 ID:LcF2zHe2
【ゼオ宅/ボブ家の部屋】

「……はぁ」
〈……むぅ〉

『何を唸ってんのさ君等、お客さんだよ』
「ボブも居ないですし、メノウも帰らないのですし、なのに”勝手に動くな”なのですよ? 唸りも……お客ですか?」

図書館辺りを探していて出会った犬ころに連れられて、やってきたのはゼオ宅、ボブ一家の部屋。
通された居間らしき部屋には水晶の様な水色の長い髪の少女と、琥珀色の髪を短いポニーにした少女。

どちらも――メノウの姉妹だ。

1460とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 22:59:19 ID:B2Z9flWY
-王都近郊の森 大きな洞穴の近く-

「…………――ッ!」

夜の森に、一定のリズムで乾いた音が刻まれる。
スコップを扱った事が無い人間でなければ、それなりに近付くを穴を掘る音だと言うのが分かる。

「………――!」

掘るは、白いブラウスに黒のプリーズ。そして地味な服とは反対に燃える様な赤毛を持つ娘。
いつもポニーにしている髪をアップにして、眼鏡を外して穴を掘っている。
その表情はやや詰まらなさそうながら。

「……………ハァ。
……本当に出るの?これ……。
……かれこれ2時間は掘ってるんだけど。」

こんな時分に穴を空ける事そのものに意義がある訳でなく、何か土の中に眠る物を探している風だ。

1461とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 22:59:44 ID:LcF2zHe2
//場所変えますね、失礼しました

1462とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 22:59:51 ID:B2Z9flWY
//ウワーカブッタゴメンニゲル

1463とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:23:53 ID:LcF2zHe2

「…………妙な、音が……。」

ふらふら、と音に惹かれて現れたのは長い赤スカーフを巻いた少年。
褐色の肌に、腰にガンベルトを巻いて、茂みを掻き分けて現れた。

1464とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:32:03 ID:B2Z9flWY
「……つ……。」

定期的に、不平が口から漏れる。
レアアースの発掘など、こんな手作業で行える物なのか。
眉唾物だとは思ったがものの、仕事で実入りが良いとなれば受けずには居られない。

ある種で病気じみたその性分が、現状を引き起こしていた。

「……あぁ………暑い……。」
インバネスは枝に引っ掛け、袖で汗を拭う。
その姿はクォヴレーからもよく見えるだろう。

1465とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:33:24 ID:LcF2zHe2
「……。」

その様子を見て、腰に巻いたガンベルトのポーチを漁る。
この暑いのに、大変だろう、アレでは。

「………あの、……」

そう思い、控えめに声を掛ける。
いや、当人は普通に声を欠けてるのだが、一般的には控えめなのだ、それは。

1466とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:38:41 ID:B2Z9flWY
「…………。」
ザグッ、と大きなシャベルが地面へと突き立つ音がする。

目元を今一度拭い、額の上に掛けてあった眼鏡を下ろす。
そしてブリッジを押し上げて位置を整えてから一言。

「……何。」
初対面とは言えぬほど、無愛想な声だ。
普通は、多少なり声を作ったりなどする物だが……。
この娘から、それらの気配り等は一切感じられなかった。

1467とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:41:55 ID:LcF2zHe2
「」ビクッ
不機嫌そうな声に若干ビビる少年。
少し大人びて見えるが、15である。

「……その、汗、凄いみたいだから、良かったら、これ……。」

そうしてポーチから取り出し差し出すのはハンドタオルと、水筒に入った水。
銃の訓練用に持ってきた物だが、師匠にドタキャンされてしまったのだ。

1468とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:45:25 ID:B2Z9flWY
「……。」

彼の控え目な声掛けを彼の普通とするならば、
娘の不機嫌そうな返答も、娘の普通。
釣り眼がちな瞳からは、あまり活発でないにしろ勝気な様子が感じ取れる。
    タ ダ
「……無料よね?」
僅かにその瞳が疑いを見せた後、声で問う。

1469とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:47:21 ID:LcF2zHe2
「……!」

こくこく、と頭を縦に振る。
めっそうもない、こんな事でお金をとるつもりはない。

確かに自分も裕福とはいえないが、心まで貧しくは無いつもりである。
つもりである。

1470とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:57:08 ID:B2Z9flWY
「…………じゃあ、頂くわ。」
そう言うと、差し出された水をまず受け取る。

眼を閉じて水筒を開き、やや勢い良く中身を飲むが……

『人の好意を疑うのは、聊か人としてどうかと思いますが?』
と、不意に男の陽気な声。

「……煩いわね。飲んだ後に言われたら払わないといけないじゃない。」
それに対して、薄目を開きながらさも当然の様に答える。
しかし、男の声はすれども姿は見えず。これほどまではっきりと聞こえているのに。

1471とある世界の冒険者:2013/06/28(金) 23:59:11 ID:LcF2zHe2
「……!?」
ビクッ、と傍目で分かる程に困惑する少年。
一応練習の成果で反射的に腰の銃に手を掛けるが残念それは弾切れ中だ。

「……知り合い、です、か……?」

ビビリながら聞くな。

1472とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:05:41 ID:SxoTJbMg
「…………ハリス。」
『おや、驚かせてしまいましたか。これはすみません-_-』

明らかに狼狽した様子の少年を見て、溜め息を一つ。
そうして誰かを呼ぶ声がしたと思えば、ナタリーの頭上に緑の平面が浮かぶ。

『どうも初めまして。私はナタリーのサポートを務めますハリスと申します。
以後お見知りおきを^v^』

平面の上に描画された線が、表情の形を作った。

1473とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:06:56 ID:WVcxJHGQ
「……は、はぁ……。」
ビビりながら、頷く。
口元はスカーフで隠れているが、内心心臓がバックバクである。

「(……あんまり、詳しく、聞かないほうが、いいよね)」

先生も、人に深入りするなといってたし。
そう思って黙っておく。

1474とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:18:10 ID:SxoTJbMg
『ちなみに私はインテリジェンスマジックですので^-^
あと、コミュニケーションが不足しがちなナタリーの代弁とも言いますか・ω<』
ナタリーと違い、かなり陽気で喋り好きな様だ。
平面に描画された表情はコロコロと変わる。
正直、横柄とも取れる態度のナタリーと違って話し易い。

「…………。」
一方で水筒の水を平らげた娘は、また穴を掘り始めた。

1475とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:19:25 ID:WVcxJHGQ
「いんてりじぇんす……凄いん、ですね」
はぁー、と今度は関心の一息。
何というか、素直な少年だ。


「……あの、……手伝い、ますか?」
と、また作業を再開した娘にそう問いかける。
邪魔である。

1476とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:31:11 ID:SxoTJbMg
『ええ、照れございます//∀//』
「…………チッ。」
何で舌打ちしたんだろう。

「……手伝ってくれた所で、分け前は出ないわよ。」
手が増える分には歓迎。
しかしそれも己がリスクを負わない分に限り……である。
金を稼ぐ為にはあまり手段を問わない、このナナリーの敬遠されがちな所である。

1477とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:33:14 ID:WVcxJHGQ
「」ビクッ
舌打ちにビビる少年。
ヘタレか。

「あ、別に……大丈夫、です。」
何となく大変だなぁ、と思っただけなので。
師匠と慕う人にも言われるが、基本、お人好しなのだ。

1478とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:45:26 ID:SxoTJbMg
「…………。」
『おやおや^-^』
神経が通ってないとは言え、ハリスはこうまで余裕である。

「……なら手伝って。
…………反対側から。シャベルは予備のがそこ。」
あしらいがち(そのつもりは無い)な口調で指差す先には、ボロのシャベルがあった。
因みに、彼女の使う物はそれよりボロい。正直いつ折れてもおかしく無い程だ。
親切な少年のお陰で、作業は捗りそうだ。

1479とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:47:51 ID:WVcxJHGQ
「あ……はい。」
ボロのシャベルを拾い、穴の方へ赴く。

「(……構成分析、鉄製――
  ……魔力循環、硬度強化、切味強化……)」

軽いエンチャントを施して、作業を手伝う。
こういう事が上手いから魔術師になれといわれるのだが本人に自覚は無い。

1480とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:55:34 ID:SxoTJbMg
「…………。」
かくして珍妙な二人の穴掘りは始まった訳だが


「………。」
何故だろうか。

「………………。」
手は止める事が無いながらも、視線はクォヴレーに横目で送られている。
その鋭さから、刺さる様に感じる程だ。
一体彼が何をしたと言うのか。

1481とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 00:58:11 ID:WVcxJHGQ
「……………。」
無心に穴を掘る。
こういう単純作業は嫌いではない、銃の引き金を引くのにも似た充足感を感じる。

が。

「(……怖い)」

怖い。
恐らく年上と思わしき娘に睨まれ続けている。
何だかもう逃げ出したい気分になってくる。

1482とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:03:02 ID:SxoTJbMg
「…………ねえ。」

終いには声を掛けられた。
因みに彼女は身長こそ平均より少し低いぐらいだが、成人を控えた娘である。
それ以上に感じる只ならぬオーラが恐怖感を増す。

何なのだろうか。
これはまさか、クォヴレーを埋める為の穴でしたとでも言い出すのだろうか。
怖い。

1483とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:05:57 ID:WVcxJHGQ
「」ビクッ

穴を掘る手を止める。
嫌な想像が頭を駆け巡る、ついでに先生のだから言ったのに、という言葉も。
確かに、綺麗な人だなと思って近付かなかった訳ではない。

しかしタオルとかを渡したのは普通に善意での事だし、

「……う、埋めないでください(小声)」

埋められる様な事をした覚えは無い。
怖がりながらそっちを向いた、ひとりごとは小声で相手に聞こえなかったのが幸いだろう。

1484とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:19:16 ID:SxoTJbMg
「…………何。聞こえないわ。」
目敏い。何か口元で零していたのだけはしっかり見咎めていた。

「……まぁ、良いわ。
…………何が目的なの?」
視線を緩めはせず、腕を動かしたまま。

1485とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:22:00 ID:WVcxJHGQ
「な、なんでもないです……!」
慌てて、否定する。
だっておっかないから、必死になってしまうのだ。

「……………?
 え、と…………。」

質問の意図が掴めない様子で、
シャベルの手を止めたまま。

1486とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:27:13 ID:SxoTJbMg
「…………。」
そう、とも言わずに一旦閉口して

「……リスクもなく手伝うだなんて……。
…………悪いけど私には、何か企んでる様にしか見えない。」
それはひどく、冷たく澱んだ言葉だった。

1487とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:31:42 ID:WVcxJHGQ
「……え、と……」
戸惑い気味に、じゃあ、と小さく言って

「……穴を、掘りたい、気分でした、から」
自分でもよく解らない理由を口にした。
単純に、大変そうだな、そう思っただけだったから。

1488とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:45:30 ID:SxoTJbMg
「…………ふざけないで。」
子供だまし。彼女はそう感じた。

「…………それで答えになってるつもりなの?」
少年には窺い知れぬが、彼女は人を疑い過ぎる理由を抱えていた。
ディフの様に身分の知れた人間なら兎も角、初対面の人間に対する警戒が強すぎるまである。
そういった理由から、心無い言葉も平気で投げ掛けられてしまうのだ。

1489とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:50:19 ID:WVcxJHGQ
「」ビクゥッ
冷たい、拒絶の声に明らかに怯える。
見た目で15、6に見えない事も無いが、気の弱い十四歳である。

「…………ぇ、あ……」
しどろもどろの状態で、助けを求める様に周囲を見た後、
誰も居ない事を悟り。

「……じゃあ、えっと、……信じなくて、いい、です」
単純作業に逃げる。
シャベルを持って、無心に掘る事に決めたのだ。
何か言い訳を、とも思ったが思い付かなかったが、

一度手伝うと決めた事を放り出して逃げ出すのも、何だか違う、と思ってしまったのだ。

1490とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 01:58:06 ID:SxoTJbMg
「…………。」
ほんの小さく、溜め息を吐く音が聞こえた。
クォヴレーの煮え切らない態度に対してと、誰へも告げぬ自分への嫌悪からだ。

「……そう。」
短い返答の後にスコップが何かの手応えを得る。
少しだけ目の色が変わり、それをすぐさま拾い上げた。

「………あった。……苦労掛けさせて。」
そして愛おしげに懐に仕舞うと、再び元の表情に戻る。

「……見つかったから。じゃ。」
終いには取り付く島も無い返答を告げると、穴から這い出てインバネスを羽織る。
そして再び汗を拭うと、シャベルをそのままにして早足で去って行く。

……あの様な人間も居る物なのだな、と色々な意味で思える出来事だった……。

1491とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 02:00:10 ID:WVcxJHGQ
「…………ぁ。」
ぽつん、とその場に取り残される。
別に、お礼を期待していた訳でもないし、
彼女に対する弁明を恐怖から諦めたのは自己の責任だ。

なので、それに関しては良い。
というより元より気にするタイプではない。

ないのだが。

「……あの、シャベル……。」

このシャベルは、どうすればいいのだろうか。

1492とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 02:04:03 ID:SxoTJbMg
【シャベルはもとより綺麗な物ではない。
本人も自分が使った物を放っていったからして、そこへ置いておいても問題は無いだろう……】

1493とある世界の冒険者:2013/06/29(土) 02:07:28 ID:WVcxJHGQ
「…………え、っと。」
「……とりあえず、戻ってきた時様に、分り易い所に置いて、書き置き……。」

と、律儀に。
そんな事をしてから。

「……もう少しどっかで、銃の練習、しようかな。」

ふらふらー、と深夜の森に歩いて行くのだった。

1494とある世界の冒険者:2013/07/01(月) 22:41:05 ID:A./g1nz6
【王都郊外/草原】

『じゃ、休憩にしようか』
「…………。」ゼーハーゼーハーゼーハー


王都郊外、月が照らす街道から少しそれた場所にある開けた草原。
そこで大の字になって倒れるのは褐色の肌、白い紙に赤いスカーフを巻いた少年。

それをつめたーい、目で見下ろすのは厚手の黒コートを羽織った陰気そうな青年だ。
周囲に漂う硝煙と、木で作られた木偶に開いた穴で、銃の特訓をしていたのであろうことが伺える。

1495とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:14:42 ID:RGhnpmaI
-続き!-

森の中で湧いて出た巨大モンスター。
ビートは吹っ飛ばされ、武者は撃たれ、
序にモンスターは「ガオオン」と調子に乗って天見て吠えた。

敢えて言おう、ピンチだ!!

1496とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:21:24 ID:BuWy8oIQ

「…………っ!」

目の前の鎧武者の兜の下に呆気に取られながらも。
右腕に持つ魔導銃に魔力を込めて魔獣目掛け放つ。

闇属性の魔力弾。当たれば相手を貫き抉る強力な弾丸だ。
当たれば、だが。

左腕のアウトマチック式拳銃は鎧武者目掛け、乱雑に引き金が引かれる。
集弾性が悪く、威力も低いアウトマチックだが皮膚に直撃すれば肌を貫く程度の威力はある。

1497とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:23:28 ID:uwG5WNgw
「……ゲホ………ッ!うえぇぇ……。」
視界と聴覚を奪われた隙に跳ね飛ばされ、ぼろぼろなビート。
すでに五感には問題ないのだが、跳ね飛ばされたダメージがでかいのだろう、
辛そうに、木にもたれかかっている状態だ。戦える状態とは思えない。

1498とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:27:21 ID:RGhnpmaI
>>1496
女武者「っ!」

横へと跳ぶ鎧武者姿の女。
跳びざまに短刀を抜き、放つ。
狙いは拳銃、殺気は無し。
まあ何で自分が撃たれてるか皆目見当が付いていないので戸惑い半分。
因みに巨大雑魚に放った弾はカイーン、と高い音を立てて弾かれた。
酷い話である。

>>1497
クエスト仲間である武者は新たに現れた存在に撃たれている。
巨大雑魚は調子に乗っているらしく悠然と村へと歩き出した…あ、これ村やばいんじゃあないかい?

1499とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:30:27 ID:BuWy8oIQ
「……っ!」

別段戦闘経験が豊富な訳でも無い少年は短刀を避ける事も出来ず、
難なくと言うか当然の様に拳銃を弾かれ、取り落とす。
アウトマチック式拳銃は精密機械だ、恐らくもう使えないだろう。

……どうやら此方の少年は鎧武者の方を敵か何かと誤解しているようである。

「(銃が効かない……)」

=自分には無理、である。
銃は自分の基本武装で有り最強装備でもある。
其れが効かなければ無理、勝てない、不可能だ。

早い話が。

「(……っ!)」

倒れているビートに駆け寄り、抱き起こして逃げる準備をするぐらいしか出来ない。

1500とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:38:36 ID:uwG5WNgw
>>1498
>>1499
(………待て、アレが村に行ってんじゃねーか……!)
「だぁ……この…やろう………待てよ……」
ヨロヨロと、胸を抑えながら立ち上がり、息を荒げながら侵負に追いつこうと一歩一歩歩みを進めている。
無論、追いつくはずもない。

1501とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:40:53 ID:RGhnpmaI
>>1499>>1500
女武者「……」

兜を拾い上げかぶり直す女武者。
巨大雑魚は悠然と村へと向かい続ける。
クエスト失敗というレベルでは済まなくなってきた。

1502とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:45:28 ID:BuWy8oIQ
>>1500
「っ……その、身体じゃ……!」

ふらふらと歩く青年に駆け寄って身体を支える様にして。
確かにあの稚魚はどうにかしなければ、だが蛮勇で突っ込んで死ぬ訳にもいけない。

冷静に戦力差を考えても勝てる訳が無いのだ。
村とクエストの事は仕方ないが、現実どうしようも出来ないのだから仕方ない。

1503とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:51:05 ID:uwG5WNgw
>>1501
>>1502
「無茶…じゃねぇ………ゲホッ……ゲホッ!」
支えてきた手を強引に振り払うと突如むせて口元を抑える。
口元を抑えた手に付着していたのは血、撥ねられた拍子に体の内部をやられたのだろう。

「……俺が止めなきゃ……誰が………止めるんだよ…!」
それでも、遅い足取りで侵負に追いつこうと必死な状態で歩く。
切り落とした侵負の尻尾をを浄化しようと考えていないくらいには何も見えていない状態だ。

1504とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 22:57:11 ID:RGhnpmaI
>>1502>>1503
そんな二人を追い抜くようにして何かが巨大雑魚にかっ飛んでいく。
それは巨大雑魚の背中に深々と突き刺さる。

巨雑「ぐがあああああああああああああ!?」

巨大雑魚が此方へと向き直る。
背に刺さったのは矢、である。
ガシャンガシャン、とビート達に近づく金属音。

女武者「…」

面頬を外し矢じりを舐めあげ弓をつがえる。
ヒョゥ、と風を切って第二射が巨大雑魚の顔面を捉えた。

1505とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:03:03 ID:BuWy8oIQ
「……っ!」
吐き出した血に顔を困惑に染める。
医療の知識等無いが不味い状況だ、と言うのは分かった。

「……っ、ごめんなさい……お願いします……!」

ぐい、と。
走り急ごうとするビートを担ぎ上げるようにして。
鎧武者にその場を任せて逃亡しようとする、行き先は病院だ。

1506とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:09:52 ID:uwG5WNgw
>>1054
>>1505
「……ウヴェア!?」
担ぎあげられた瞬間に胸が圧迫されたのかすごく変な声を上げた後、胸元に左手を当てる。
……肋骨あたりが血の原因だろうか。

「………この野……郎………せめ………て……。」
担がれてもなお侵負の方に右手を向けて一撃を加えようとしていたのだが、
気力が切れたのか右腕がだらりと下がる。息自体はいてるので死んではいないだろうが、辛そうだ。

1507とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:12:43 ID:RGhnpmaI
>>1505>>1506
これは病院行きである…そのあと村がどうなったのかは知る由もない。

クエスト失敗!!

1508とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:14:50 ID:BuWy8oIQ
「(…………無理なものは――)」

一瞬の躊躇い。
魔導銃に手を伸ばしかけるも。

「(……"無理"だ……!)」

逃げる。
ボロボロの青年と、半人前以下の自分。
居てもたしには、なるまい。

【FO】

1509とある世界の冒険者:2013/07/06(土) 23:22:54 ID:uwG5WNgw
「……………」
(俺は………何もできないのか……強くなっても………!!)
病院に担ぎ込まれていく途中、暗くなっていく意識の中でそう思っているのであった……

【FO】

1510とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:25:52 ID:bneCawE6
<王都近くの草原>

「とうとう、終わったんですねー。
とりあえず、雛ちゃんの調整が終わった状態だったから良かったみたいですけど。」

【毛先のみが黒い金髪の少女が、草原の岩場に座り込んで楽しげに独り言を漏らす。

こんな時間の草原に一人でこうして、出向いているという点だけを見ても不自然だというのに
少女の腰の辺りには大量の空き瓶が下げられている。

加えて、少女の周辺からは何やら甘い香りが漂っている。】

1511とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:49:14 ID:vWRnmYko
「あれだ……間違いない……!」

紺色の髪をポニーテールにした娘が、その香りと姿に気付く。
黒いブーツで草を踏み締め、その根源へ向けて駆けた。

「見付けたっ!」
言葉通り、それはメヤズを探しているかの様な口調だった。

1512とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:54:17 ID:bneCawE6

「ん?お姉さん……だぁれ?」

【現れた女性に顔を向けると、実に人懐っこい笑みを貼り付けたまま首を傾げる。
もちろん、メヤズからすれば、彼女は見覚えが無い。】

「私は多分、お姉さんのこと知りませんけどー?」

【もしくは単に忘れているだけか。】

1513とある世界の冒険者:2013/07/07(日) 23:58:07 ID:vWRnmYko
「……覚えて、ないのか?」

紺色のポニーテールに、白いリボン。
そしてその学生服の様な恰好……。

「ルーノは、覚えてる。
あの時あんなに危ない眼に遭ったのに、まだこんな事をしてるの?」
真っ直ぐな瞳でそちらを見て、歩み寄りながら。

1514とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:06:06 ID:Kp8ifsXU

「……ああ、お姉さんは。」

【それを聞いて思い出したようだ。
その顔に張り付いたかのような笑みが尚更、強くなったような気がした。】

「でも、こうして生きてますよー?」

【何のことはないとばかりに、本人はけろっとした様子である。
やはり、こんな年若い少女がそういうことをやっているのだから、精神も普通ではない。

近づくほどに甘い香りは濃く、強さを増してくる。】

1515とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:12:40 ID:/fwFViqE
>>1514
んお?お前さんはいつぞやの
【大槌背負った青年が歩いてくる】

1516とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:15:00 ID:VkbR3fPM
「……止める気は、無い?
本当に死んじゃうかもしれないよ。」

身構えた姿勢のまま、拳を握る。
できれば、戦いたくない。
未だそういう甘さを持って、この娘はメヤズと相対して居る。

尤も、その理屈が通る相手かどうかは図れぬままに。

1517とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:21:40 ID:Kp8ifsXU
>>1515
「んー……今日は知らない人がたくさんですねー。」

【どうやら、ルーノと同じくこちらも覚えていないようだ。
にこにこと張り付いたかのような笑みはそのままであるが。】

>>1516
「あー、お姉さんはそういう人、でしたっけ?」

【その身構えた姿、拳を握る姿に小首をかしげた。
だが、敵意を持っているのは明らかである。それを判断すると腰の空き瓶に魔力が流れる。

それと同時に空き瓶の中に黄金色の液体が溜まり始めた。】

「…………お姉さんこそ、死にますよ?」

【ふぅ、と呆れたかのようなため息が吐き出された。】

1518とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:28:02 ID:VkbR3fPM
>>1517
「……ルーノは死なない。
あなたに悪い事もさせない……。
誰であろうと、死んじゃったら終わりなんだ……そんなの、嫌だ!」

魔法を行使しようとする姿に、眼をきつく瞑って言う。
あくまで邪魔はする。そう言う様に聞こえた。

事を起こす前に、自ら身を呈して止めて見せると。

1519とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:36:09 ID:/fwFViqE
>>1517
おいおい・・・覚えて無いのかよ…
【呆れたように】

1520とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:43:20 ID:Kp8ifsXU
>>1518
「……そうですねー……お姉さんが5年早かった考え直したかも。」

【うーん、と自身の記憶を探るように顎に手を当てながら言う。
どうやら、メヤズにとって何かが変わった時が存在したらしい。】

「でも、もう遅いですね。
だって、もう私は……悪いことをし続けましたから。」

【にこり、と一層笑みを強める。
だが、今までと違う点として、その笑みの中にある種の諦めが垣間見れるところだ。】

>>1519
「ええ、本当に。
別に何かした覚えもされた覚えもありませんからねー。」

【呆れられても覚えていないのだから仕方が無いとばかりに肩をすくめる。

おそらく、何かされた方なのだろうが、それでも覚えていないとなると
そのような誰彼かを気にしていられる状況ではなかったのかもしれない。】

1521とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:54:15 ID:/fwFViqE
>>1520
まぁ忘れたもんは仕方ねぇ
【結構あっさり諦める】

1522とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 00:55:41 ID:VkbR3fPM
>>1520
「……ッ……!」
悪い事をし続けた……その言葉を聞いた瞬間、頭にノイズが走る。

「ち、違う……遅くなんか……。」
何かへと耐える様にしながら、苦悶の表情でメヤズへと訴え掛ける。

1523とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:07:28 ID:Kp8ifsXU
>>1521
「……で、お兄さんもそっちのお姉さんと同じですか?」

【にっこりと笑顔を堪えた顔で尋ねる。
同じということはルーノと同じく、自分の邪魔をするのか、ということである。】

>>1522
「……ああ、いや遅くも無かったですねー。
初めから、無理なことでした。……だって、私は〝壊れてますから〟」

【ある意味で開き直りか、狂気めいた笑顔を浮かべた。
そして、どこからともなく杖の様なものを取り出す。

それはどこからどう見ても、蜂蜜を救い上げるための棒……ハニーマドラーだ。】

1524とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:10:15 ID:/fwFViqE
>>1523
いや、同じ・・・ではないな【少し考えてからそう答えた】

1525とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:21:33 ID:VkbR3fPM
>>1523
「壊れて……って……そんな……!」

自身への諦めめいた言葉をメヤズが口にする度、ノイズが酷くなる。
記憶の何処かが、その感覚を知っていると告げる。

しかしこの何の変哲も無い娘にそれは、全く与り知らぬ所。
誰だ、誰がそれを感じたのか。
訳も分からないまま……"誰か"が割り込んでくる感覚があった。

「ル、ルーノは……
"違う……妾は……狂った人共を……"」

「……ッ!?
う、うわああぁぁぁ!!」
一瞬その声が低く唸る様な物になったが……すぐに我へと返って逃げ出した。
止める……と言っていたがそれも叶わないと言った程の苦悶の表情で。

1526とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:27:13 ID:Kp8ifsXU
>>1524
「へぇ。では、何なんでしょう?
あまり、回りくどいのは私は好きじゃないですよー?」

【中々、言葉が進まないDDDの様子に呆れた様にため息を吐く。
そうしている間にも瓶には蜂蜜が湧き出るようにして溜まっていく。】

>>1523
「…………んー?」

【その明らかに動揺をしている様子を見て、ハニーマドラーを仕舞った。
壊れている、とは正に言葉通りだ。

でなければ、こんな少女が今まで生き残れるはずが無い。】

「ああ、なんだ。お姉さんも壊れていたんですね?」

【自身を止める、と息巻いていた少女があっさりと逃げ出したのを見て。
無論、その低くうなるような声を聞き逃しているはずは無く。】

1527とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:29:47 ID:/fwFViqE
>>1526
いや用はない
すまん、邪魔したな
【そう言うと去っていった】

1528とある世界の冒険者:2013/07/08(月) 01:44:52 ID:Kp8ifsXU

「あらま……何ともつかめない人ですねー。」

【首を傾げる。これは本当の意味での疑問であろう。
そんな動作をすると去って行く彼を見送ったとか、FO】

//お疲れ様でした!

1529とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:20:07 ID:hdrZr/cg
-王都内 とある宿にて-

「ったく、こう毎日毎日暑くちゃなあ……!」

と、ソファに身を投げ出しながら言うは尖った金髪の青年。
一先ずは平凡な日常の中に今はあり、久々に二人の時間を過ごしていたのだ。

……但し、彼の取る部屋はお世辞にも高いとは言えず、冷房設備も整っていない。

1530とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:34:53 ID:sxYsodE.
「……………。」
青年の傍らには、暑苦しい黒ローブを着込んだ少女が…
そんな格好だというのに、青年とは対照的に涼しい顔で読書に耽っている。

「…暑い暑いうるさいのだよ、君は。
 ……余計暑苦しくなるのが分からないのかね……?」
涼しげな顔で皮肉を呟くものだから、憎たらしさも倍増である。

……実は、こっそり自分だけ氷の魔石を使って少女の周囲だけ冷たくしているのである。

1531とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:44:59 ID:hdrZr/cg
「な事言ったって暑いもんは暑いんだよ!
ったく、こっちはやっと呪いが解けて人肌並だと思ったのによ……。」

ぶつくさと文句を言う青年は、勿論その事実には気付いていない。
タンクトップ一枚という薄着でも、なんとか汗が滲まない程度な模様。

「あぁ……所でよ、店、今日も開いてなかったぜ。
一体何なんだか、マカロフの野郎。」

暑いと言っていても仕方ないのは確かなので、別の話題を切り出す。
マカロフの店から追い返されたあの日からはや数日。
彼女の経営している店は、あれから一度も「OPEN」の札が掛かった事は無かった。

1532とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 22:54:10 ID:sxYsodE.
「……ああ……あれは解けたのか……ふーん……。」
興味なさげにそっけなく返すが、内心呪いが解けてほっとしているのであった。

「………?
 …どうしたのだろう……彼女……。
 ……体調でも崩したのだろうか……?」
この後、またあの店にでも行こうか…などと考えていた矢先にこの話。
少々心配げな表情を浮かべる。

1533とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:02:18 ID:hdrZr/cg
「なんだよ悪いか?
ああいや……悪いなあー、暫くはあんまり抱き締めてやれねえかもな。」
と、素っ気ない態度に意地悪そうな顔をして返す青年。

「さあなあ、あいつの考えてる事は……」
【ドン、ドンドンッ!】

自身も悩ましげな表情を浮かべた後、はっと我に返る。
部屋の扉が、不意に聊か乱暴な音でノックされたからだ。

「な、何だあ?」

1534とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:06:30 ID:sxYsodE.
>>1533
「……………。
 ……………それは困る………。」
意地悪な物言いに、しばらくじとーっと睨み返した後、顔を伏せてぼそりと呟くのであった。

「………?
 客のようだね……急ぎの様だが……一体誰だね……?」
部屋の入り口へと歩み、ドアを開けようと……。

1535とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:13:06 ID:hdrZr/cg
>>1534
「……う。
な、何でお前今日に限ってそんな……。」
反論でも飛んで来ると思っただけに、喰わされた様に少し狼狽し

「さあなあ……っておわ!?」
『え、エリスちゃん……シャスタ君……!!』

凄い勢いで入って来たのは、長い金髪に弦楽器の髪飾りを付けた女性……
二人とも良く知るメアリーその人である。
因みに、ドアを開け放った拍子で二人のうち一人は床に転がっているが。

1536とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:19:02 ID:sxYsodE.
>>1535
「……わっ……!?
 ……メアリーじゃないか……どうしたのだね、そんなに慌てて……?」
勢い良く開いたドアの向こうには、二人の良く知る人物。
…なにやら尋常ならざる慌てようの様だが……?

1537とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:27:05 ID:hdrZr/cg
>>1536
「いっつつ……おいこら、何すんだメアリーこの野郎!!
……? メアリー?」

怒りのまま声を荒げていた青年も、彼女の様子がおかしい事に気付く。
メアリーは入って来たままの姿勢でくずおれると、眼を見開いたままに震えている。

『助けて……助けて……!
このままじゃ……パガニーニが……わたし……また……!
嫌……もうあんな世界に……戻りたくない……!』

歯が鳴る程に身を震わせながら、自身をかき抱き言葉をぽつぽつと落とす。

1538とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:34:17 ID:sxYsodE.
「……待ちたまえシャスタ、何か様子がおかしい……。」
声を荒げる青年を制し、メアリーの傍らへと。

「……落ち着きたまえ……一体何があったのかね……?」
震えるメアリーの背を擦り、落ち着かせようと…。

1539とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:48:06 ID:hdrZr/cg
『……アイツが……アイツが……!』
首を小刻みに、かつ何度も横に振りながら。
尋常でなく狼狽えた様子だ。
普段、何かに怖がる様子などとではとても比べ様が無い。

「アイツ……?
まさか、例の切り裂き魔じゃ……!?」
確かに、彼女は一度被害者の第一発見者となった事がある。
その口封じでもされたのか……ならばよく逃げ切れた物だ。

〔そりゃ無いね、あの切り裂き魔はもう、暫くは表に出ないだろうさ。
おやおや、あんたん家は随分と賑やかなんだねぇ。〕
更にその予想を否定する、また新たな声……この声は、マカロフ?

1540とある世界の冒険者:2013/07/20(土) 23:53:17 ID:sxYsodE.
「……大丈夫、大丈夫だメアリー……
 ……何があったのかね……アイツとは一体誰なのだね……?」
尋常ならざるメアリーの怯え方に、一体何があったのだろうか…と、考えを巡らせる。
…すぐに思いつくのは、一連の切り裂き魔の件で何かあったのだろうか、という事だが。

「………おや……マカロフ……?
 ……貴女まで、一体どうしたのだね……?」

1541とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:04:24 ID:LaNX89V.
『パガニーニ……あいつが……
わたしを……また、"骨董品"に……!』

ここまで言葉が出て、漸く以前の話と繋がる。
……しかし、繋がり方が妙だ。
彼女の話振りでは、"あいつ"は既に死んでいるという風な言葉だった。

「何だよもう、分かる様に順番に話せよッ!」
軽いパニックの様な状態になっている青年。
確かに、日常に在って二つも非日常が飛び込んで来れば当然か。

〔オーケィ、分かる様に説明してあげるよ。
メアリーが怯えてる胸糞悪い悪党……そいつを叩きに行くのさ。
何たって、例の切り裂き魔もご一緒みたいだからね。〕
「叩きに行く……って、俺らがか!?」
〔当たり前じゃないかい、あんた達もこのまま放っておくつもりは無いんだろう?〕

1542とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:11:12 ID:Z62sdH9s
「……メアリー、あいつというのは……
 ……そいつはもう、いないんじゃ……?」


「……そいつ等を叩く、というのには全く依存はない……。
 ……が、正直僕も何が起きているのか良く分からないのだが……。
 …彼女の話によると、そいつというのはもう死んだ筈では……。」

1543とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:22:10 ID:LaNX89V.
〔簡単な話さ。生きてたって事だよ。
そいつの仏さんを確認した奴は、実際の所ここには居ないしね。
そうだろ? メアリー。〕
『そう、だけど……
でも、そん、な……。』

「……いや、ちょっと待てよ。
俺そんな話聞いてねえけど……。」
エリスですら把握し切れていない話が、メアリーの深い事情を知らぬ青年に分かろう筈も無かった。

1544とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:27:54 ID:Z62sdH9s
「……なるほど……。
 ……まぁ、そもそも細かい事情などどうでも良いか……。」

「……君は……黙ってついてくれば良い。
 ………要は昔メアリーに酷い事してたヤツがまだ生きてた、というだけらしい。
 ……そいつを地獄に送り返す、ただそれだけだよ……。」
そう青年にざっと説明すると、魔道書を手にしてマカロフに向き直る。

「…それで…早速行くのかね……?
 ……そいつは、今何処に……?」

1545とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:36:28 ID:va4aEwsE
「悪いな。遅れた」
言葉通りに遅れてやってきたのは、上下赤いレザーのジャケットとパンツという出で立ちの茶髪の男。
二人は覚えているだろうか。あの王都での事件の日、彼もまたあの場に居たことを。

1546とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:37:00 ID:LaNX89V.
「んな……ッ!?
お前そんな乱暴な……!」
〔はいはい、行かないんならエリスちゃんは一人で危険に晒される羽目になるけど?〕
「な事させるか、俺も行くに決まってんだろう!!」
『み、みんな……』
〔ただし、アンタはここで留守番だよ。メアリー。
……で、手段だけど……どうやらそのパガニーニ、身寄りの無い女を集めてるらしいんだよ。
だから、私らもそこに乗り込む……運び屋に金を握らせてね。〕

「いや、女って。俺は男……
………ま、まさか……」
一連の話を聞くに、全員で突入するには条件が合わない。
という事は、つまり現状唯一の男性である青年は……。

1547とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:39:37 ID:Z62sdH9s
「………。
 ……大体把握した。
 …まぁ、黙ってさえいれば…身なり次第で、それなりに……。」
上から下まで嘗め回すように青年を見つめ、なにやらうんうんと頷く…。
…女装させるつもり気満々である。

1548とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:44:24 ID:LaNX89V.
>>1545
〔罰金は、私の店に一杯つけとくからね。〕
「んだよどいつもこいつもドカドカ人の宿に!!
って、お前いつかの……お前も、このヤマに乗せられてんのか?」

1人女装させられようとしていた所に、新たな来訪者。
男だと分かり、この件に関わるとなると女装は必至。
少し安心感を得たのは密にしておく所である。

>>1547
「お、お前マジで言ってんのか……!?
じ、女装だぞ!? 女装!!」

口で否定はするも、友人の安全ともなれば避けられる手立てなど無い。
半ば観念した様子で、しかし文句は言う。

1549とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:53:44 ID:Z62sdH9s
>>1545
「……君は……。
 ……もしや君も女装を……?」
話の論点はそこではない。

>>1548
「……マジで言っているのだよ……。
 …じゃないと一緒に行けないじゃん。」
…果たして真面目に言っているのやら、それとも正直なところ面白半分なのやら…

1550とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 00:58:00 ID:va4aEwsE
>>1548
「そいつは勘弁願いたいな」
フッと笑みを浮かべて。

「乗せられたんじゃない。乗ったのさ。やらないといけないことがあってな」
腕を組み、壁に背を預けながら言う。

>>1549
「まぁ……そうなってしまうな。本意ではないが仕方ないだろう」
少し困ったような表情で苦笑を浮かべながら。
どうやら彼は渋々ながらも女装の件は承諾済みのようだ。

1551とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:05:25 ID:LaNX89V.
>>1549
「ちっくしょ、やりゃ良いんだろ、やりゃ!?
…………俺だって、こないだみたいなのは御免なんだよ……。」

嘗て一人でエリスを行かせた事による後悔が蘇り、背中を後押しした。
……勿論、女装をしたくないという気持ちは大いにあるが。

『……二人とも……気を付けて……本当に……。』

>>1550
〔ま、怪我の借りでチャラにしとくさ。〕
クスクスと笑う赤髪と

「ったく、皆してワケアリかよ……。
おいメアリー、ちゃんと聞かせて貰うからな。」
『う、うん…………。』
悪態を吐く金髪と、おどおどした様子の金髪。

1552とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:10:44 ID:Z62sdH9s
>>1550
>>1551
「……ふむ……人数は申し分ないな……。
 ……あとは、女装の出来次第、と言っても過言ではないだろう。」
…それは過言である。

「……早速作業にとりかかろう、マカロフ!!
 今回も、衣装とか用意してあるのだろうね…!?」
…変にテンションが高い少女なのであった。

1553とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:14:15 ID:va4aEwsE
>>1151-1152
「…………」
暫しの間、三人のやりとりを見守るように見詰め

「……マカロフ。本当に大丈夫なのか、このメンツで」
眉間の辺りを抑えながら溜め息一つ。
懸念されても仕方ないね。

1554とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:25:14 ID:LaNX89V.
>>1552
〔ウィ・マドモワゼル。
任せておくれよ、一通り持って来てある。〕
と言うマカロフは、大きな鞄をどさりと目の前に置く。

「お前!相方を女装させる事に抵抗無いのかよ!?」
そして、どうにもその様子が無さそうなエリスに突っ込む金髪。

>>1553
〔まぁ、少なくとも並ではないさ。切り裂き魔とやり合って息がある程度にはね。
…………アンタの探し人には、ちょいと劣るけどね。〕
本当はあの子も連れて行くつもりだったんだけど、と耳打ちしてメアリーの方を向く。

『……。』
言われる方は、闘いなどもってのほかと言う様子だ。

1555とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:34:28 ID:Z62sdH9s
>>1553
「……少々不安だが我慢したまえ。
 …まぁ、君が思っているより使える男だ、これは。」
と言ってシャスタを指差す。
……本当に不安に見えるのは、少女の方だろうが……。

>>1554
「なんだね。女装の一つや二つ、減るもんじゃないのだ。別にいいだろう。
 ……それともあれかね、僕の男装が見たければそれはまた今度だ。」
……そういう問題では断じてない。

1556とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:41:01 ID:va4aEwsE
>>1534
「……アレがか?」
同じくメアリーに視線をやり、率直な感想を。

「まぁ…フィトリアもとても戦えそうもないような奴だったし、似たようなものか…」

>>1555
「まぁ…俺としては目的を果たせれば何でもいいがな。自分の身を自分で守れる奴ならそれでいい」
指さされたシャスタを見やりながら。

1557とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:48:35 ID:LaNX89V.
>>1555
「増えちゃ困るんだよ!!
それと、これって何だこれって!
俺だってやる時はやんだよ!!」

まるで三下の様な台詞を連ねる金髪。
エリスとエースの二人に反論するも、余計に悪化しかねない勢いである。

>>1556
〔…………パガニーニと会えば分かる事だから先に言っておくよ。
あれが、"骨董品"さ……。牙の抜けたね。〕

〔さぁて、それじゃおめかししてあげようかね。
エリスちゃん、シャスタは頼んだよ?〕
そうして一呼吸置くと、意地の悪い笑みを浮かべて。

1558とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 01:56:10 ID:Z62sdH9s
>>1556
「……ふふ……僕は、よっぽどの事が無ければ死なない……。
 …あと、アレは僕が守るから、君こそ自分の身を案じたまえ。」
と、不敵な笑みを浮かべる少女。
そして相変わらずシャスタの扱いがなんというか軽い。

>>1557
「任せたまえ、マカロフ。」
ぐっと親指を立てると、青年の腕を掴む。

「行くぞシャスタ。
 ……心配するな、全力をつくす…!」

1559とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:06:52 ID:va4aEwsE
>>1557
「成る程。そういうことか」
得心いった様子でメアリーを見やり

「気乗りはしないが…仕方あるまいな。この上から着れるもので頼むぞ」
大きく溜息を吐きながら。

>>1568
「なら問題は無さそうだな」
満足そうに笑み、シャスタを連れていく姿を見送る。

1560とある世界の冒険者:2013/07/21(日) 02:12:17 ID:LaNX89V.
>>1558>>1559
「まっ、待て!?
まだ心の準備が!おい、聞いてんのかエリス!おーい……!!」

叫び虚しく奥の部屋にエリスと消えて行くシャスタ。
そして、マカロフも支度に取り掛かる。

〔はいはい、任せておきなよ。
ちょっと暑いかもしれないけどね……。〕

こうして、四人は敵の懐に飛び込む事になったのであった……。

『…………。』
恐怖に打ち負けるままの一人を残して。

【つづく】

1561とある世界の冒険者:2013/08/04(日) 20:53:30 ID:mUd.w/mM
-草原-

背中の開いたドレスから覗く羽とウェーブボブから覗く狼耳が特徴的な色白紅目の黒髪少女が
ぶらり草原を行く。

「…最近妙なのが多すぎよね?」
『キィキィ』

その傍らには掌サイズのデフォルメされた蝙蝠が舞っている。

1562とある世界の冒険者:2013/08/09(金) 23:08:29 ID:M0Nd3UwE
<王都の路地裏>

「…………夜になれば涼しいな。」

【真っ暗な王都の路地裏。
昼間に光が当たらないそこは夜になると幾分か涼しくなる。

そんな路地裏に息を殺すようにして、潜んでいるのは金髪の少年だ。
青いコートを体に巻きつけている。

いたるところがボロボロだったり、汚れていたりいるが特徴的なのは首にある黒い痣だ。】

1563とある世界の冒険者:2013/08/09(金) 23:38:03 ID:M0Nd3UwE

「…………どうにかしなきゃな、色々と。」

【ふと自身の左手に視線を落として呟いた。
その左腕には赤い装具が付けられている。

どういう装具なのかは分からないが、わざわざ付けている以上
少年にとっては重要なものなのだろう。】

1564とある世界の冒険者:2013/08/09(金) 23:51:29 ID:pr2ND.mQ
「…………。」
古びた兎人形を抱えた青髪の少女が、路地裏を通りかかる。
なにやら奇妙な装具を見つめる少年の姿に気がつくと、
一体何をしているのだろうか…といった訝しげな表情でじろじろ視線を向けてくる。

1565とある世界の冒険者:2013/08/09(金) 23:56:42 ID:M0Nd3UwE

「…………!」

【その視線を敏感に感じとると、そちらのほうに視線を向ける。
それから、間を置かずして路地裏の物陰に身を隠した。

隠れる際に何かを蹴飛ばしたらしく、それが路地裏の地面に落ちて
がらがらと少々、派手な音を立てた。

異常なまでの警戒心と反応である。】

1566とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:01:22 ID:C63p0A0Y
「………!」
路地裏に響く大きな音にびくっとして、兎人形に顔を隠す。

「…………。」
恐る恐る人形から顔を出し、再び少年の様子を伺う…。

1567とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:07:40 ID:Sn4FjYJE

「…………っ。」

【同じく路地裏の物陰から様子を窺う少年。

レトロからは、大きめの木箱の様なものから少しだけ体を出して
様子を窺う少年の姿を見ることが出来るだろう。】

「(……なんだ、アレ。)」

【そして、少年から見れば人形で顔を隠すレトロの姿である。
隠れるにしてもあまりにも隠れられていないその姿に首をかしげた。】

1568とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:12:06 ID:C63p0A0Y
無表情のままじーっと見詰め合う事数秒……

「………。」
『それで身を隠したつもりか。バレバレだぞ。
 と、レトロ様はおっしゃっております。
 一体何をそんなに怯えていらっしゃるのですか……?』
突如、少女の抱える兎人形が口を開き、甲高い声で喋り始めた。

1569とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:19:10 ID:Sn4FjYJE

「…………っ、うわっ?!」

【その静寂が兎の人形によって破られる。
その予想外の展開に驚き、情けない声を上げると思わず尻餅をついてしまった。

警戒心は非常に強いのだが、それは臆病あってのものである。】

1570とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:26:05 ID:C63p0A0Y
「………?」
『……何をそんなに怯えているのか、
 レトロ様は非常に疑問に思われております。
 後ろめたい事でもあるのですか、貴方……?』
首を傾げて人形を抱きながら、てくてくと少年に近づいていく。

1571とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:38:58 ID:Sn4FjYJE

「……っ、来るな……。」

【人形が喋りだすという妙な展開に先ほど尻餅をついてしまった。
おそらく、その時の所為か腰が抜けて立てないらしい。

普段ならば、一目散に逃げるのだろうが。】

1572とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:44:03 ID:C63p0A0Y
「………。」
目の前まで来ると、座り込んで少年の顔を覗きこむ。
不機嫌そうなジト目の仏頂面が少年の目の前に……。

1573とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:54:33 ID:Sn4FjYJE

「……っ、な、なんだよ……!」

【手を動かして、ずりずりと後ろに下がる。
加えて、顔を覗き込まれてビクリと体を震わせた。

やはり、この少年は非常に臆病である。】

1574とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 00:58:38 ID:C63p0A0Y
「………。」
『何をそんなに震えているのでしょう、もしかして怖いのですか?
 ……レトロ様みたいなちんちくりんな女子に怯えるなんt……ごふぁっ!!』
持ち主に対する不敬な発言を口にした直後、兎人形の腹にグーパンが容赦なく突き刺さる。

1575とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:06:12 ID:Sn4FjYJE

「……う、うるせぇな……!」

【図星、なのは言うまでも無い。
王都といえど穏やかな人間ばかりではないのは知っている。

まして、彼の場合はそれについて既に経験済みだからだ。】

「って、何やってンだよ、アンタ。」

【急に人形を殴りつけた少女に思わず、ツッコミを入れた。】

1576とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:10:07 ID:C63p0A0Y
「………。」
すっ、と立ち上がり、少年を見下ろす…。
無表情ながら、なんとなく舐めてる様な雰囲気が感じられる。

『……げふぅ……これはレトロ様流のスキンシップですので、お気になさらず……。』
結構な勢いで殴られていたが、兎人形は大して堪えてはいない様だ。

「………。」
『というか、貴方こそこんな所で何をやっているのか、レトロ様は疑問に思われております。』

1577とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:19:16 ID:Sn4FjYJE

「……別に。
…………まぁ、その住んでるだけだ。」

【何をやっているというわけでもない。
ただ路地裏に住んでいるだけなのだから。】

1578とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:24:54 ID:C63p0A0Y
「………?」
『住んでいる?こんな所にでございますか?
 ははぁ、つまり貴方は浮浪者、という事なのですね。
 可哀想、とレトロ様は率直な感想を抱いております。』

1579とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:32:21 ID:Sn4FjYJE

「……うるせぇよ。」

【余計なお世話だと言わんばかりにセリフを吐く。

浮浪者ということも正しいのだが、口に出して言われると
あまり、いい気分はしない。】

1580とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:36:15 ID:C63p0A0Y
「…………。」
『それもそうですね、お邪魔をして申し訳ありません。
 ほらレトロ様、あんまり露骨に哀れむのは失礼でございますよ?』
じーっと眺めるだけ眺めると、兎人形に促されて立ち上がる……。

1581とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:44:47 ID:Sn4FjYJE

「…………邪魔だと思うなら、帰れよ!」

【精一杯、凄んでみる。
流石に女性に馬鹿にされっぱなしというのは彼にとっても癪なのだろう】

1582とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:48:43 ID:C63p0A0Y
「…………。」
踵を返してその場を去ろうとする背中に、少年の声が突き刺さる…
すると、何を思ったのか再び振り返って少年の元へ歩み寄る。


「………。」
『ああいけません……。
 レトロ様は捻くれたお方なので、
 そう凄まれると意地になって余計帰る気を無くしてしまわれます……。』

1583とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 01:56:00 ID:Sn4FjYJE

「……それなら、居ろよ。
別に路地裏で良いって言うンならな。」

【天邪鬼ならば、とあえて思っても無い〝居ろ〟という言葉を言う。
さらに、ここが路地裏ということを強調する。】

1584とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:00:50 ID:C63p0A0Y
「…………。」
こくん、と頷くと、少年の横に座り込む。
……一体何を考えているのやら……。

『……あぁ申し訳ございません……。
 ……こうなるともうレトロ様の行動は予測不能でございます……。』

1585とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:09:51 ID:Sn4FjYJE

「…な、なんだよ!居ろって言ったんだから、帰れよ!」

【いきなり隣に座られ、ぎょっとしつつも何とか
虚勢を張って、レトロに文句を言ってみる。】

1586とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:13:05 ID:C63p0A0Y
「…………。」
少年の声に全く耳を貸さず、
鞄からパンを取り出してもくもくと食べ始めた。

1587とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:23:14 ID:Sn4FjYJE

「……もういいよ、好きにしろよ。」

【そういうと体育座りの様な姿勢になる。
もう知らない、と背を向けられないのは彼の警戒心からだろう。】

「…………。」

【恐らく、もう動けるはずなのだが逃げないのは何かあるのだろうか】

1588とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:29:02 ID:C63p0A0Y
「…………。」
半分ほどパンを平らげると、
再びじろじろと少年にガンを飛ばしてくる。

『お前こそどっかいけばいいじゃん、とレトロ様は申しております。
 ……どうかレトロ様の勝手な振る舞いをお許しください……。』

1589とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:37:54 ID:Sn4FjYJE

「……な、なんだよ……。」

【その視線にたじろいでしまう。
路地裏に住んでいるのだから、言われる筋合いは無い。

……といえれば、いいのだがやはり言えない。】

1590とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:40:58 ID:C63p0A0Y
「…………。」
『言いたいことがあるならはっきり言え、とレトロ様はおっしゃっております。
 ……でもレトロ様、貴女も致命的なまでに無口なクセに何をおっしゃりますか?
 ………ごふっっ!!!』
兎人形からツッコミが入ると、
人形の腹に再び少女の拳がエグイ角度で突き刺さる。

1591とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 02:54:05 ID:Sn4FjYJE

「……別に。」

【やはり言うわけでも無い。
無口というわけでもないのだが。】

「……ともかく、それ食ったらどこか行けよ。」

【と、半分ほどなくなったパンに視線を落とす。】

1592とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 03:27:29 ID:Sn4FjYJE
//30分以上、経ったので落ちたと判断してお先に失礼しますね。

1593こんにちは,:2013/08/10(土) 11:34:52 ID:o7.yn22Q
こんにちは,
予約します
当日商品を出しました
4-7日到着します。
よろしくお願いします
http://www.jps98.com
http://www.bagv5.com

1594とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 22:16:41 ID:Sn4FjYJE
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

1595とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 22:35:41 ID:Sn4FjYJE
FO

1596とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 23:02:38 ID:Sn4FjYJE
<王都近くの草原>

「……へぇ、あの子もしぶといですねー。」

【岩場に座り込んでいるのは毛先のみが黒い金髪の少女である。
上下の服共に軽装なのだが、腰の部分を一周するようにして空き瓶が提げられている。

特に目の前に誰も居ないが、誰かに話しかけているように言葉を発している。】

1597とある世界の冒険者:2013/08/10(土) 23:39:18 ID:Sn4FjYJE

「と、いうことは私の仕事も残ってるということですねー。
……おじいさんも予想外なんじゃないですかね、きっと。」

【んー、と無邪気な子供の様に腕を組み、首を傾げる。】

1598とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 00:03:53 ID:uBL8Yq7k
FO

1599とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 20:49:14 ID:jMSP9vPk
火山に祭られた火の神を開放し、宿に戻って一泊。
…朝、町は昨日と打って変わって、真夏の陽気が戻っているのが感じられた。
太陽は燦々と照りつけ、また、付近の火山活動が再開し、温暖な気候が戻ってきたのである。

そんなこんなで、今日は海に繰り出してみよう…という事に。

1600とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:00:56 ID:/iKx4aD.
「………夏だねぇ……」
輝く太陽、白い入道雲などを見上げながらそんなことを言っている少女。
まだ着替えてなく、ハンドバック片手に着替える場所を探している様子

1601とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:11:49 ID:jMSP9vPk
「いやぁ、一時はどうなる事かと思ったけどね、
 こうしていい感じに夏っぽくなってくれて良かったね…!」
絶好な海水浴日和なだけでなく、
先日までの気候不良のせいで観光客は殆ど居なく、ビーチは非常に空いているのであった。

「……何はともあれ、泳がないとね……フフフフ……。
 ………とりあえず、どの辺りで着替えよっかね……?」

1602とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:20:29 ID:/iKx4aD.
「……これだったら帰ったあとの温泉とかにも期待できそうだね。
思い出もたくさんできそう。」

「………着替える場所が何処かにあるといいんだけど……
さすがに外で着替えるのはできないし………。」
あたりを見回して、何処かに着替えられそうなところがあるか探して
最悪一度宿に戻って水着を着てから戻ってくるつもりだ

1603とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:25:02 ID:jMSP9vPk
「……うーん……でも、人は全然居ないし……
 あの辺りの岩の陰とかでも大丈夫じゃない……?
 ……周りは俺が見張ってるしさ。」
そう言って近くの大きな岩を指差す。
裏に回れば、いい具合に陰になって目立たないが……。

1604とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:37:42 ID:/iKx4aD.
「…………フェムト、覗かないよね……?
誰かに見られるよりも、フェムトに見られる方が恥ずかしいんだけど……。」
隠れられるようにも見える岩をみて、早く海に入りたかった以上、妥協しようとも考えたが
一番の懸念事項をフェムトに言い

1605とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:41:02 ID:jMSP9vPk
(……生着替え……覗き……それは男のロマン……)
一瞬邪まな考えが脳内を巡る……。

「……ダイジョウブダイジョウブ。信じなさいって。
 ってか、なんで他の人より俺の方が恥ずかしいのさー……!」

1606とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 21:52:24 ID:/iKx4aD.
「………だって、フェムトと僕は……恋人同士だし………。
意識しちゃうよ………。」
照れた様子でそう言いながらそそくさと岩の裏に逃げるように歩き。

「だから、絶対に覗かないでよね?」
そして岩の裏から顔だけだしてそれだけ言った後、ゴソゴソと着替え始める。

……布が擦れる音や、何かキツそうな声なごがそのうち聞こえてくるだろう。

1607とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 22:10:00 ID:jMSP9vPk
「……あはは……ま、そういうもんか……。」
(……やっぱ可愛いなぁ……。)
恋人の愛らしい仕草に和みながら、
(本当は覗きたい衝動をどうにか抑えて)岩場の警護に当たるのであった。

(………。)
途中、聞こえる悩ましい声や音……。
理性を保つのも大変である。

1608とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 22:17:16 ID:/iKx4aD.
暫くの間、そんな理性を削るような声が聞こえてくるだろうがやがて

「………あ、あれ……っ!?むぐぐ………!
……いたた……っ!と、届かない……!」
……と、なにやら苦戦しているような声に変わりだす。

1609とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 22:23:17 ID:jMSP9vPk
「…………。」
(苦しそうな声を上げるアンナ
 ↓
 俺は純粋に心配してる体で思わず岩場の裏に回る
 ↓
 ラッキーなハプニング
 ………うむ、完璧なプランニング……)


「……だ、大丈夫?アンナ……??」
脳内でのシミュレーションとは裏腹に、
岩場の表から声をかける程度に留まるチキンなのであった。

1610とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 22:32:51 ID:/iKx4aD.
「あ、え、フェムト……!
だ、大丈夫………、大丈夫だから……!」
「ちょっと……体が硬くて………!背中に手が……あだだ………!」
下手に心配されないように、事情を話し。
……要は、水着を切れていない状態の様子。

1611とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 22:53:05 ID:jMSP9vPk
「…………。」
一瞬沈黙。
……そして……

「……だ……大丈夫かーーい……!?」
勢いに任せて行ってしまった!覗きに!

1612とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:06:37 ID:/iKx4aD.
どうやら水色の無地で揃えたビキニに白色のパレオを組み合わせた格好のようだ。
体が硬いようで、背中に手が届いてなく結果としてビキニのトップが付けれない模様。
……背中を見せてる状態なので肝心なものは見えてないが。

「……あ……………」
一番の問題は目があってしまっているということか、
大方、大声に反応して振り返ったのだろう。

何が起きてるのかわかってない様子で硬直してる。
………その顔は徐々に赤くなっているが

1613とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:15:05 ID:jMSP9vPk
「……あ、えーっと……大丈夫カナー、なんて……。」
(水色ですねハイ、シンプルながら非常に魅力的だと思います。
 ……それなりの露出のビキニというのも実に言いと思いますよ、ハイ)
勢いで来てしまったモノの、目が合って非常に気まずい……
しかし、背中だけとは言え良いモノが見れたのであった。

(……よし!……どうしよう……。)
完全にこの後の事を考えていないのであった。

1614とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:30:12 ID:/iKx4aD.
「………………ふぇむと……!?」
(な、なんでフェムトかここに………!?さっき覗かないって言ったのに……!!
や、でも恋人同士だし心配してきてくれたんだよね……苦しそうな声とか出しちゃってたから………)
(だったら……手伝ってもらった方がいいよね………!だって結べるかわからないし……!)
目があって気まずいどころか軽いパニックになっている様子。
無理やり納得しようとするうちにどんどん斜め上の方向に思考が向かっていき……

「だ、だったら………!ちょっとコレ、手伝ってくれるかな……?
背中の紐が結べなくて………これが結べたら終わりなんだけど………!」
……と、フェムトにムチャぶりをしだす。

1615とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:34:42 ID:jMSP9vPk
「…………。
 はい、頑張ります。死力を尽くして結びます。」
(い、意外な反応……!!!!
 ……落ち着け!落ち着け俺!!
 決して手を滑らせてハプニングなんて起すんじゃぁないぞ!?)
あまりにも予想外な反応に、動揺を隠し切れない青年。
ふらふらと怪しい足取りで、少女の背後へと……

「……で、では……失礼します……。」
なるべく前を覗き込まない様にするのに多大な努力を払いつつ、
震える手で紐を手に取り、結ぼうとするが……。

1616とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:42:26 ID:/iKx4aD.
「………………ッ!!」
両手で胸元を押さえて顔どころか首筋まで赤くして堪えている状態。
結ぶのにじゃまにならないようにある程度力は抑えているが、体が震えていてうまく結びにくいと思うのかもしれない。

1617とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:46:58 ID:jMSP9vPk
(……な、なんか……うまく結べない……。)
ただ結ぶだけの作業なのに、手が震えるやらなんやらで手間取るばかり……。

「……アンナって……肌綺麗だね……。」
とかなんとか、ぼそりと呟く。
きめの細かい女性の素肌、こうも近くでまじまじと見る機会もそうはない…

1618とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:52:07 ID:/iKx4aD.
「……………ひぁ……」
こっちはこっちで背中からのこそばゆい感覚にくすぐったそうな声を漏らしながらも耐えている様子。

「……そ、そう?」
恥ずかしさをごまかすように乾いた笑いとともにそう返す
昨日の戦いでの擦り傷とかのあとはあっても古傷と見えるような物はない。
ぐう線触れてしまったところからも見た目だけではない肌の細やかさや滑らかさを感じることができるだろう

1619とある世界の冒険者:2013/08/11(日) 23:59:04 ID:jMSP9vPk
(……日焼け止めとか塗ったりするのかな……。)
結んでいる途中で、どうしても肌に手は触れたり……。

「……えーと…これでおっけーかな?
 ……途中で解けたりしないといいけど…!」
(……それはそれでアリですけどね。)
そんなこんなで、ようやく結び終えるのであった。

1620とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:04:31 ID:GS4rT7Ds
「……………。」
友人から日焼け止めは絶対に塗るように………と言われていたのだが、
こんなハプニングがあったからかすっかり頭のなかから飛んでしまっている様子。

「………終わった?ちゃんと結んでくれた?」
顔を真赤にして、結び終わっても微動だにしないでいる

1621とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:07:15 ID:Vly.Ml96
「うん、大丈夫大丈夫。
 ……ほら、もう動いても大丈夫だよ、あはは。」
顔を赤くする少女も、また魅力的……。

「ところでさ、日焼け止めとかは塗らなくていいの……?」
(じゃあついでにフェムト塗って→俺得
 ………いやぁさすがにそこまでは行きませんよねぇー!!)

1622とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:13:28 ID:GS4rT7Ds
「…………忘れてた。」
顔を赤くしたままハンドバックを漁り、日焼け止めを取り出す。
そして、日焼け止め液を手につける前に大事なことに気づく

「…………背中に手が届かないんだった………」
……つまり、また第三者の手が必要になること。
そして、その第三者とはフェムト以外いないわけで………

「えっと……フェムト………悪いんだけど……」

1623とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:17:58 ID:Vly.Ml96
「……はい、了解です。
 誠心誠意、心をこめて塗らさせて頂きます。」
(…え、いいのですかコレ。塗りますよ?それはもう塗りたくりますよ!?)
……あまりにうまくいきすぎな展開に、
流石に青年の脳内はパンク寸前。

「で、で、では……
 えーと、ひとまずうつぶせに寝て頂けますか……?」
動揺を隠し切れない声で言いながら、
ひとまずパラソルの下に引いたマットまで手を引いて連れてくる。

1624とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:24:46 ID:GS4rT7Ds
「…………うん、よろしく。」
こちらも非常に恥ずかしいが、日焼けすると女の子には辛いと聞いたので背に腹は代えられない。

「……うつ伏せに?わ、わかった……。」
こちらも緊張した様子でマットの上にうつ伏せになる。

1625とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:31:11 ID:Vly.Ml96
(……で、でも正直どうやりゃいいんだ、こんなん……???)
ひとまず薬液を手に出し……

「え、えーーーと!失礼します!!」
(……こ、こうするしかあるまい……!)
うつ伏せに寝る少女の上に馬乗りに跨ると、
背中に日焼け止めを塗りこんでいく。
正直素晴らしいまでの役得なのだが、
手つきがやらしくて嫌われたりしないだろうか…などと不安にもなったり。
もっと気兼ねなくこういう事をやれたら良いのに……。

「ちなみに世の中には日焼け止め魔法(闇属性)なんて便利なモノもあるんだってねー
 ……それさえ覚えれば、こんな時もベンリ……!!」
とかなんとか適当な話題で気を紛らわしつつ……
少女の背中にやや遠慮がちに塗っていくのであった。

1626とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:41:43 ID:GS4rT7Ds
「……うみゅぅ……ぬるぬるして…あふっ……くすぐったくて……変な感じ……。」
手つきとかそういう以前にオイルを体に塗られること自体始めての様で非常にくすぐったそうだ。
………馬乗りにされてることには頭が回ってない模様。
上から見下ろした時の横乳やら誇っている少女の感触やら恥ずかしそうに俯いている姿やら真っ赤に染まった首筋やら色々と色っぽいものを感じるかもしれない

「……魔法で太陽の光をシャットアウトするんだね……ひゃふ………。
…………できるかも……んん……しれない……ふぁあ……。」
くすぐったい感覚から気を紛らわそうと関係無さそうな話に乗っかっていく。

1627とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 00:52:41 ID:Vly.Ml96
(………すごくえろいです……。)
少女の豊満な胸なら、うつ伏せに寝かせたときにいい具合にはみ出るのは当然…。
ぬるぬるとした感触を介しての少女の体は、直に触るよりもえろえろに感じる。
……くすぐったいだけなのだろうが、少女の漏らす声が耳をくすぐり、頭がおかしくなりそうだ。

(……ど、どこまで塗ればいいんだコレ)
「………い、いやだったらすぐに言ってよ……?」
そう予防線を張りつつ……
できるだけ満遍なく、日焼け止めを塗りこんでいく。
背中が塗り終わると、うなじ、肩、太腿の後面……

1628とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:06:42 ID:GS4rT7Ds
「…………ひぅ……やっぱり変な感覚……。
恥ずかしいからなのかな……んやぁ…………でも嫌いじゃないかも……。」
フェムトが危うい状態にあるのにも気づかず、そんなことを恥ずかしそうに口にしている。

「う、後ろ側だけで大丈夫だから……!
……んあ………はぁ………あふぅ……ひゃふ!?」
相変わらず悩ましい声を出しながら我慢している。
……うなじあたりを触られた時に大きく反応したように見えたが気のせいだろう。きっとそう。

1629とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:10:37 ID:Vly.Ml96
「…………。」
なんだろう…この子はものすごい敏感なのだろうか……
悩ましげな声を聞きながら、そんな事を考えてひたすら悶々とするのであった。

(……なんか、この辺の反応が……。)
良い反応があった事に気付き、もう一度うなじを責め始める……。
…本来の目的を見失いかけている…!!

1630とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:24:06 ID:GS4rT7Ds
(………フェムトの貸してくれた本のあの子みたいに変な声出しちゃってる……。
変なのかな……僕………おかしくなっちゃったのかな……?)
自分自身、変な声がでているのに疑問を感じているようで、できるかぎり声を出さないように努力するが……。

「………ひぁあう!?
にゃ、ま……待ってフェムト……ひぃう!」
項を触られたらあっさり声を出した。駄目だこりゃ。

1631とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:28:46 ID:Vly.Ml96
「……へぇー……ここ、弱いんだ、アンナ……。」
執拗にうなじを責めたり、他の場所ももう一度塗りこんでみたり……
さらに、わき腹にも手を伸ばして塗りこみ始める。
……自分でも悪乗りが過ぎるというのは分かっているが…
しかし、歯止めが利かないのであった……!

1632とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:40:27 ID:GS4rT7Ds
「……んやぁ……ひぅ…弱いとかじゃなくて………んぁ…恥ずかしくて……あぅ…。」
フェムトに触られているという恥ずかしさと触られている感触の2つが相まって息も絶え絶えになっている状態。
脇腹を触られた時にも反応は示しているが、項を触られた時に比べると少し反応が薄いと感じるかも

「フェ、フェムト………もう……じゅうぶんだから………くぅん……。」
抵抗しようとしたが気が抜けきって力が抜けてしまっている状態、立ち上がることだってろくにできない状態になっていた。
無理やり止めさせるという選択肢が取れない以上、気が済むまで耐えるしかなかった……。

1633とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:51:09 ID:Vly.Ml96
「……ほ、ほら……なんかアンナ力入らないみたいだしさ……?
 ……やっぱり、俺がある程度塗ってあげないと……」
脇腹に伸ばした手を、そのまま前に……
腹の辺りを少し浮かせ、少女の腹部にも日焼け止めを塗り始め……

1634とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 01:59:33 ID:GS4rT7Ds
「………前は僕がやるから……ひゃふ………!」
お腹まわりにも筋肉が付いているからか女の子にしては重いのだが、まぁ浮かせるくらいはできるだろう。
恥ずかしそうにしながらも力が入らない以上黙ってされるしかないわけで……

1635とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:04:44 ID:Vly.Ml96
「…………。」
(……そうさ…いけるぜフェムト!このままやれるとこまでやっちまえよ!!!)
VS
(ダメだ!調子に乗りすぎだ、フェムト!今なら間に合う、早く手を引くんだ!!!)
↑現在の青年の思考状況。
二つの相反する思考が脳内アルマゲドンを繰り広げているのであった。

ひとまず……せっかくなので腹部くらいはやってしまおうと。
後ろから抱きかかえる様な格好で、少女の腹に塗りたくる…!

1636とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:15:44 ID:GS4rT7Ds
「……フェ、フェムトォ……ひゃぃ!!
そんなに塗らなくても大丈夫………うぅ……!」
お腹あたりを触られまくれ、恥ずかしさがピークに
心臓がバクバクと鳴り、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ……!

1637とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:25:28 ID:Vly.Ml96
「………こ、こんなもんかな……?」
(……い、いかん……流石にやりすぎ…ってかもう手遅れじゃないだろうなこれ…!?)
ようやく、青年の責めが止まる。
少女の身体から手を離して立ち上がると、
さっきまでの行為が夢だったのではないか、と思えて頭がぼーっとしてくる。

1638とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:31:22 ID:GS4rT7Ds
「………はふ…………あぅ……。」
責めから開放されてもうつ伏せになったまま動こうとしない。息を整えようと深呼吸をしようとはしているが。
恥ずかしさやらなんやら、頭のなかがいっぱいになっている様子だ。
しばらくは、立つこともできないだろう。

1639とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:38:40 ID:Vly.Ml96
「……え、えーっと……大丈夫、アンナ……?
 ………そ、その、やりすぎちゃったかな……ごめん……。」
うずくまっている少女の背中を軽く擦りながら声をかける……。
まだ手に残る、少女の身体の柔らかさ。
耳に残るのは、少女の甘い声……。


//すみません、今日はこの辺りで限界の様で…ありがとうございました!

1640とある世界の冒険者:2013/08/12(月) 02:56:42 ID:GS4rT7Ds
「……ふぅ………他人にオイル塗ってもらうってのはこんなかんじなんだ……。
……今度から自分でやるようにしよう………。」
息を整えながらそう後悔した様子で言うのであった。
……まだ立ち上がるには時間がかかりそうな様子だ

【了解です!】

1641とある世界の冒険者:2013/08/22(木) 00:56:26 ID:yuxAmogA
「…………。」
真夏の炎天下の海辺、
色白の細い体を太陽の元へ晒しつつ、ぼーっと座って海を眺める青年の姿。
…その傍らには、水色のビキニ姿の美少女が。

絶好の海水浴日和というのに、青年は何やら放心状態で海を眺めるばかり……。
それもそのはず、ついさっきまで勢いに任せて何やら刺激的すぎる体験をしたばかり。

1642とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 00:12:41 ID:tN.C0bto
「…………えっと……おまたせ。」
しばらく息を整えた後、自分で残りの塗ってない箇所をサンオイルを塗り青年に話しかける少女。
直前までの出来事があるからか、いつもより少しだけ距離があるように思える。

1643とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 00:18:34 ID:WHmWMVUk
「………っ!」
少女に声をかけられ、放心状態から我に返る。
距離があるのは当然……突然あんな事してしまったのだし。

「……え、えーと……それじゃ、泳ぎに行ってみよっかね……?」
と、言いつつ、改めて水着姿の少女をしげしげと眺める。

「……いやぁ…それにしても、似合ってるなぁアンナ……。」
シンプルながらも涼しげなビキニ……
パレオ付きとはいえ、いつもより遥かに露出の多いその姿は眩しくてたまらない。

1644とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 00:32:10 ID:tN.C0bto
「………う、うん……今は泳ぎたい気分……。」
(泳いでいないとさっきのことばかり考えるから……。)
そう言ってトテトテと海に入ろうと歩みをすすめる。
………波に足先が触れた瞬間にさっと後ろに下がりましたが

「……もう少し露出が少ないほうが良かったけど………。
………露出は多いほうが受けがいいって言われて……。」

1645とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 00:41:13 ID:WHmWMVUk
少女の後に続いて海へと向かう。
キラキラと光る波が寄せては返し、澄んだ海の底には鮮やかな珊瑚が見える。
広いビーチには海水浴客はほとんどおらず、貸切同然の様である。


「……いや!ばっちりだ!!
 少なくとも俺の受けは完璧ですよ、はい…!」
若干先ほどの出来事の動揺が残っているものの、
ひとまずテンションだけでもあげていこうと……。

1646とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 00:56:42 ID:tN.C0bto
「……これなら広々と泳げそうだね……」
海の冷たさに慣れたのか海に入っていきやがて足がつかないところまで泳いでいく。
どうやらカナズチではないみたいだ。

「え、えっと……そう言われると嬉しいかな………。」
この水着が原因で先ほどの出来事が起きたこともあるが、フェムトには喜ばれてる。
結果的に嬉しさ半分戸惑い半分の心境で軽く笑んで。

1647とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 01:02:54 ID:WHmWMVUk
「………。」
水着姿で微笑む少女に、一瞬我を忘れて見入ってしまう。

「……あはは、やっぱ可愛いなぁアンナは。」
少し赤面しながらこちらも笑い返し、
少女を追って青年も海の中へと。

体力に自信の無い青年であるが、泳ぐ事自体はできるようである。

1648とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 01:26:47 ID:tN.C0bto
「…………そ、それよりも海を楽しもうよ。
せっかくの旅行なんだし………」
と、恥ずかしそうに言ってそれを誤魔化すかのように海に潜っていく。
……思ったより深く潜っているあたり慣れているのか。

1649とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 01:30:02 ID:WHmWMVUk
「そ、そうだね……ははは。」
思いっきり息を吸い込むと、少女に続いて海に潜る。

海中は、美しい珊瑚礁と、その間を泳ぐ鮮やかな魚の群れで幻想的な光景が広がっている。

1650とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 01:45:43 ID:tN.C0bto
「…………♪」
その美しい光景を見て目を輝かせて眺めている。

……が、息が続かなくなったのが急いで息継ぎをしようと戻っていく。

1651とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 01:53:20 ID:WHmWMVUk
(……うーん、綺麗だなぁ……
 ……そして水中を舞うアンナもまた美しいですねハイ。)
珊瑚や魚……と、いうより少女に目を奪われっぱなしな青年であった。

そして、青年も息継ぎに海面へと……

「………ごはっっ!!?
 ……あ、足つった……!!!」
前の出来事もあって、ろくに準備運動してなかったツケが。
情けない悲鳴をあげながら、ばしゃばしゃと海面でもがくのであった。

1652とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 02:05:05 ID:tN.C0bto
「………ぷはぁ!!
綺麗だね……フェム……フェムト!?」
海面に顔を出して木次しながらフェムトに話しかけると何故か溺れているのを見つけて
正面から首に手を回して半身だけ抱きかかえるようにし、岸に向かって泳ごうとするが苦戦しておる様子。
それもそのはず、溺れた人間の救助方法など知らないのだから。

1653とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 02:14:40 ID:WHmWMVUk
「……い、いててて……うわっぷ……!?」
青年は青年で、混乱してもがくばかり……
岸に連れてくのも一苦労だが、なんとか陸に引き上げられる。

「……げほ、げほっ……いたたた……。」
少し水を飲んでしまい咳き込んだりと、色々と情けないのであった。

//そして今日はこの辺りで…ありがとうございやした!

1654とある世界の冒険者:2013/08/23(金) 02:21:44 ID:tN.C0bto
「くぅ……ふぅ………疲れた……。
だ、大丈夫………?」
必死に泳いで岸に上げ、息を荒げながら四つん這いで息を整えて
どう見ても溺れていたフェムトにそう声をかける。
肉体的疲労もそうだが、目の前で溺れられて精神的疲労も相当なものである。

【了解です!】

1655とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 00:14:47 ID:iEcE8T.I
「……げほっ、げほっ……!
 ……い、いやぁ……ごめんアンナ……。」
ついついはしゃぎすぎて情けない姿を見せてしまった。
咳き込みながら少々へこむ青年であった。

1656とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 00:35:50 ID:KHNBoBSk
「………あんまり無茶しないでよね……ふぅ。」
とりあえず無事な様子を見て安心したようにそういう。
息も整ってきたのかそう言いながら砂浜に体育座りになり。

「それにしても綺麗だったね…………。……さっきの海。」

1657とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 00:43:27 ID:iEcE8T.I
「いやぁ…なんか変にテンション上がっちゃって……ごめんごめん。」
そう言いつつ、少女の隣に青年も座る。

「そうだねー。つい数日前までは信じられない光景だねこりゃ。
 ……いやぁ、でもほんと来て良かったよ。」
海の方を眺めながら笑みを浮かべる。

(……そしてアンナさんも随分綺麗ですね、ハイ……。)
……海を眺めつつも、ちらちらと横目で水着姿の少女に目を泳がすのであった。

1658とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 00:54:21 ID:KHNBoBSk
「………暖かくなって夏だなって実感できるよね…………。
……もっと長い間寒いままだったら、お魚たちが死んじゃったかもしれないね……。
本当に良かった………僕達が何とか出来て。」
横目でチラチラと見られているのに気付かずフェムトと同じよう海に視線を向けて。

1659とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 00:59:54 ID:iEcE8T.I
>>1658
「……………。
 ……う、うん……ほんとそうだねぇ……。」
(……いやぁ……一瞬本気で目が奪われてしまった……。)
ほんの一瞬、少女の姿に見とれてぼーっとする青年であった。

「それにこうして二人で海水浴にも来れたし……。
 ……あと、念願のアンナの水着姿も見れたし……!」

1660とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:10:29 ID:KHNBoBSk
「………僕の水着が見たかったのはもうわかってるから。」
再三言われた言葉であるが、なれない様子で自分の髪を弄り。

「…‥それに、またどこかに行くよね?」
そう決まってる、というような口ぶりで軽く笑みながら

1661とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:18:55 ID:iEcE8T.I
「……あはは、可愛いなぁアンナは。
 …ほんとアンナとこうして付き合えるなんて、俺は幸せだよ全く。」
照れた様子の少女に笑みを漏らしながら言う。

「……うん、勿論……!
 ……今度は何処にいこっかな……。」
また再びこうして二人で時間を共有できるなら、何処へでも…
次の行き先を、ああでもないこうでもないと思い浮かべる青年であった。

1662とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:33:23 ID:KHNBoBSk
「………僕も、フェムトと知りあえて本当に幸せ。
……本当にたくさんのことを教えてもらって、胸をいっぱいにしてもらって…………。」
自分も幸せだったと言葉を返しているうちに更に恥ずかしくなって俯きながらも最後まで言い切り。

「……夏が終わったら秋だけど…………うーん。」
秋に何をするか、と考えを絞り込んでも特に何も思い浮かばない様子。
事実、二人で出かけるような出来事は秋には殆ど無い。

1663とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:43:58 ID:iEcE8T.I
「……あはは……
 …そんな、こっちこそ……ありがとう、アンナ。」
少女の言葉に、気恥ずかしそうに微笑み顔を赤らめる。

「秋かぁ、それだったら……やっぱ紅葉かな…!」

1664とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:47:46 ID:KHNBoBSk
「…………えっと………も、もう一度海入る?」
お互いにどぎまぎしている状態だったが、それを撃ち切るかのようにそう提案しつつ立ち上がって

「………紅葉……王都の辺だと僕の村あたりよりは少ないからね……。
綺麗な所で見るには少しは外に行かないとね……。」

1665とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 01:55:17 ID:iEcE8T.I
「アンナの村かぁ、そこは紅葉綺麗なの?
 ……ちょっと行ってみるのもいいなぁ。」
と、少女の故郷に思いをめぐらすが…
(……あ…でもそうなるとアンナの実家に顔合わせないとか……。)
そういう懸念事項もあったりするのであった。

「……そ、そうだね……いこっか……
 ………でも、その前に……」
少女に続いて立ち上がる。
……が、ふいに海へ行こうとする少女の手をとって引き寄せ……

「………んっ……!」
身体を抱き寄せると、そのまま顔を近づけて唇を奪う。

1666とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:11:45 ID:KHNBoBSk
「……本当にきれいなのは人の手が入ってない山の中。
村は山の麓で、もう少し登らないといい景色が見られない…………。」

「ん………何、フェム―――んむ……!?」
手を取られて振り向いた瞬間に引き寄せられ、口をふさがれて大きく目を開いて驚き。
かといって何かしらの抵抗もしないでただ周囲に人がいるか見回しているのであった。

1667とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:19:34 ID:iEcE8T.I
「…………ん……。
 ……ふは………」
唇を押し当て、しばらくして息を継ぐ。

「……だ、大丈夫……
 ………誰も見てないよ、海水浴客ぜんぜんいないし……。」
辺りを気にする少女にそう言うものの、
自分も衝動的に行動したため、今更回りが気になって恥ずかしくなるのであった。

1668とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:33:16 ID:KHNBoBSk
「………それでもこんな堂々として……フェムトの馬鹿………。」
開放された後、本当に誰も居ないか確認したあとで不機嫌そうな様子でそういう。
……さすがに目立つところでするのは抵抗があるみたいだ。

1669とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:40:06 ID:iEcE8T.I
「……ご、ごめんよ……!
 ……ほんとゴメン……!」
不機嫌そうな様子に、慌てて謝る青年。

「……あんな事言われるとさ……つい……。」
直前の小っ恥ずかしい会話のやりとりに当てられ、
つい衝動的に行動に出てしまったわけである。

1670とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:51:53 ID:KHNBoBSk
「………もう……フェムトは………相変わらずエッチだよね……。」
先ほどの会話で確かに変な気に中てられたのは事実なのでそれだけ言うと再び笑顔に戻ってフェムトの手をとって

「……ん、それじゃあ海に行こうよ。
………今度は溺れないでよね……?」
と言って軽く浅瀬まで向かっていく。

1671とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 02:56:12 ID:iEcE8T.I
「………否定はしないです、ハイ……。」
バツが悪そうに笑みを漏らすと、
少女の手を握り返す。

「……うん、いこっか……!」
少女と共に、再び海へと……。

//そして今日もこんな所で……ありがとうございました…!

1672とある世界の冒険者:2013/08/25(日) 03:03:57 ID:KHNBoBSk
「〜〜〜♪」
手を繋いだまま泳いでいく少女。
慣れた様子で両足がつかないところよりも少し遠いところまで泳ぐ。

そうして手を離すと一気に息を吸ってから潜っていく。
そこから見える景色を考えて目を輝かせながら

1673とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 01:25:02 ID:XtqbcFr.
そこそこに海水浴を楽しみ、一旦宿へと帰った二人。
泳ぐ、というのは結構疲れる…
体力がない青年は特に、ぐったりと体が重いのであった。

と、言うわけで、疲れを癒すため、宿の近くの温泉に行ってみようという事に…。

1674とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 01:31:48 ID:XzqlfJxw
「……ふぅ………楽しかったね、フェムト。」
こちらもひと泳ぎした、と言った感じの少女。
疲れてはいるのだろうがまだまだ余裕といった表情。どこにそんな元気が有り余っているのだろうか。

「次は温泉……だよね。
どっちの方向だっけ?」
その距離感は肩が触れるか触れないかという近い距離だが手はつないでない模様。

1675とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 01:44:30 ID:XtqbcFr.
「いやぁ……海水浴なんて何年ぶりだろう。
 ……楽しかったけど、結構疲れたなぁ。」
いい歳して結構はしゃいでしまったため、疲労感もそこそこ。

「……えーっと、こっちかな?」
と、少女の手をとって歩き出す。

……少し歩くと、地元民のみならず旅行者向けにも整備された公衆浴場が。

「……もうちょっと先に、知る人ぞ知る秘湯があるみたいだけど……
 ………山登るみたいだし、今日はここかな。」
本音を言えば青年は秘湯に行って見たい。
……なぜなら、そっちは混浴らしいのだ……!
でも今日は色々ありすぎたし、普通の温泉に入るので充分である。

1676とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 01:51:49 ID:XzqlfJxw
「僕もクタクタだよ。お風呂入ってご飯食べたら眠くなっちゃいそう。
………でもすぐ寝るのはもったいない気がする。」
そう楽しげに笑いながら手を引かれて歩いてく

「………むむむ……秘湯……でも今日は疲れてるしこっちにせざるをえないよね……。」
その秘湯が混浴であることを知らないのか興味津々といったところ。

1677とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:02:40 ID:XtqbcFr.
なお、温泉は例によって火山活動が弱まっていた際、湯が沸かなくなって使えなかったのだが、
再び豊富に湯が湧き出してきて入れるようになった様子。
そんな感じなので、旅行客はそんなに居なく、地元民がちらほら居る程度。

「くっ……俺としても秘湯には絶対チャレンジしてみたい……
 ……けど、こっちも中々広くて綺麗でいい温泉みたいだしね…。
 露天風呂は海を眺めながら入れるらしいしさ。
 ……とりあえず行ってみようか。」
そんなこんなで、少女の手を引いて浴場内へと。
中は男湯・女湯で区切られており、一旦ここで二人は別れる。

ひとまず脱衣所で服を脱ぎ、温泉へと…。

1678とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:08:59 ID:XzqlfJxw
「……それじゃあフェムト。
……………わかってると思うけど、覗かないでよね?」
そう言ってフェムトと別れ、浴場内に入る。

脱衣所で服を脱ぎ、大きめのタオルを体に巻いて体を隠して温泉内へと向かっていく……

1679とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:22:11 ID:XtqbcFr.
「こ、公衆浴場だしそんな事しないって…!!」
そうでなければ覗いたのだろうか……。
まぁ、そんなこんなで温泉へと。

体を洗い、なかなか広い湯船へと体を沈めると
疲れがじんわりと癒されていくのを感じる。
ほんの少し硫黄臭いのが、天然の温泉である事を示している。

1680とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:28:24 ID:XzqlfJxw
「………はふぅ………。」
湯船に浸かると海に入って冷えていた体が末端から暖められる感触を感じて目を閉じながら心地よさそうな声を上げ
疲労感もあり思わず眠りそうになるが気を持ち直して軽く頬を叩いて眠気を覚まし

(……フェムトも向こう側にいるんだよね………?
………本当に覗いてないといいけど。)
そんな失礼なことを思いながら男湯がある方角を見て。

1681とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:40:31 ID:XtqbcFr.
男湯と女湯の間の壁には、上部に隙間が空いており、
向こう側に声をかければ聞こえそうである。


「………おーい、アンナー…聞こえるー……?」
と、思っていた矢先、さっそく青年の声が向こうから響いてきた。

1682とある世界の冒険者:2013/08/28(水) 02:43:04 ID:XzqlfJxw

「………フェムト?
……何かあったの?大丈夫?」
向こう側からフェムトの声が聞こえ、そう返事を返す。
周囲の迷惑かとも考えたが、オフロに入っててご機嫌で、そのあたりまで頭が回っていない。

1683◇★当社URL::2013/08/28(水) 17:33:05 ID:kUk1x5V6
◆★当社URL:
http://50r.cn/ibRmjV

http://50r.cn/7eZQmJ

http://50r.cn/zRmb7A

http://50r.cn/vRuv3F

http://50r.cn/NqJIUA

1684とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 22:31:21 ID:S9j4dvU.
<王都近くの草原>

「……そろそろ時間ですね」

【手持ちの時計を懐に収めると呟く。
その姿は女性で今の時期には肌寒くなりつつある半袖のジャケットを羽織っている。

髪は銀色で綺麗な三つ編みに整えてある。】

1685とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 22:50:24 ID:XHJ8ykdE
>>1684

「ふむ。一人歩きは――ちと感心せんな、我輩」

そんな声――男の声だ――がどこからか聞こえた。
敵意はない声色で、少し見渡してみればその声の主はすぐにでも見つけられるだろう。
小銃を肩から提げた、金髪の男だ。

「もっとも、このご時勢……強い女性というものは珍しくも無いが」

あまりそうは見えんな、と。
だんだんと近づきながら、男は楽しげに話しかけてくる。

1686とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 22:57:19 ID:S9j4dvU.

「……っ、感心しないのは同感です。
それは、男性である貴方にも言えることでしょうね。」

【いきなり声をかけられたためか、警戒を露にしながら。
一人歩きが危険なことは十分に承知しているようである。】


「それと……腕試しも力比べもするつもりはありませんが。」

【声の主のほうへと振り向いて、そちらに視線を向ける。
その視線は明らかな警戒を抱いており、それを隠すつもりは無い様だ。

ある意味では警告とも取れるかもしれない。】

1687とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:00:51 ID:XHJ8ykdE
>>1686

「我輩は腕に自信があるのでな」

もう長いことヤクザ稼業だ。
自衛していくぐらいの力は十分にある。そう、認識している。
規格外の化物になんか襲われたらひとたまりもないが――。

「おお、結構新鮮な反応をするな。いや良い」

「こう見えて我輩、愛する家内もいる、極めて善良な市民だ。そう怖い顔をするのはいただけんなぁ」

ざりざりと顎の無精ひげを撫でて、レヴェスの反応を楽しむようにして笑う。

1688とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:10:23 ID:S9j4dvU.

「……まぁ、妥当でしょう。
そうでなければ、こんな時間に出歩くはずがない。」

【極めて冷静な様子で述べながら、視線を何度か彷徨わせて。
彷徨う視線はワーガの服装だったり、武装だったりに向けられる。

向こうが何もしないうちに相手を把握しておこうとしているのだろうか。】

「なるほど。ならば――――。」

【その彷徨わせていた視線を断ち切るようにふっと目を閉じた。】

「善良というならば、今すぐに立ち去りなさい。
助けや心配が不要なのは貴方も、この状況ならば分かるはず。

まして〝家族〟がいるならば〝私〟が目的ではないはずです。」

【警戒が今度は明らかな警告へと変わった。
とはいえ、警告を破ったところでそう無碍に他者を傷つけるような女性には見えないが。】

1689とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:16:24 ID:XHJ8ykdE
>>1688

「んー……」

なるほど道理だ。
お互い通り過ぎていくのが最も安全であり最適解だろう。
ただし――。

「我輩は心配性でな」

「我輩なんかにそこまで警戒する仔リスをこのままにしておいていいものかどうか」

右手を顎から外し、腰の辺りに。
注意深く見ていたレヴェスなら気づいただろうが、彼のベルトには何かが収まったケースがぶら下がっている。
形からして拳銃だろう。また。反対側の腰には鞘に収まった剣があるのもわかる。

1690とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:24:00 ID:S9j4dvU.

「…………まぁ、いいでしょう。
見た目で判断して、痛い目を見るよりは余程、良いと思いますけどね。

例え、〝仔リス〟でも内には毒を秘めてないとは言い切れません。」

【一瞬、軽く目を細めて抗議でもするかのような視線に。
恐らくは自身を指して、仔リスと言った件についてであろうが。

しかし、そこは冷静か特に目立ったリアクションをすることなく言葉を続ける。】

「まして、そこまで周到な武装した人間が近づくのを見て、警戒するな、とでも?」

【どうやら、武装についても気づいてはいたようだ。
とはいえ、あくまでも理解したのは武装しているということであり、その詳細な内容までは定かではない。】

1691とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:30:05 ID:XHJ8ykdE
>>1690

「おお――戯れの手慰め程度であったが、認識を改めねばなぁ」

男は非常に楽しそうだ。
先程から笑いっぱなしである。

「うむ。実に道理よな。見てくれに惑わされてはいかん。警戒は無くてはならんものだ」

「――果たして擬態はどちらであろうなぁ。目に見える脅威を見せる我輩と、無防備を装うそちらとに」

彼が手を伸ばしているのは拳銃の方。
上着の裾で隠れているので詳しくわからないが、グリップのやや上のところに這わせている。

1692とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:36:56 ID:S9j4dvU.

「……〝無防備〟とは言ってませんけどね。」

【素直なのか裏を返せば、そうではないという言葉を告げる。
彼女の服装は上は特徴的な半袖のジャケットであり、下は膝下ほどまで長さがあるスカートだ。

ジャケットにしろスカートにしろ隠そうと思えば、武装は隠せる。】

「敵対するつもりはない、のですが?
それに、先ほど貴方もそういったはず。」

【ワーガの一挙一動に警戒をめぐらせている。
もちろん、武器のほうへと手を伸ばしているのだから、余計に。】

1693とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:44:29 ID:XHJ8ykdE
>>1692

「おお、そうであったな」

失礼、と彼は腰から手を外す。
それから再び顎に手をやって、ヒゲを撫でた。

「敵対するつもりはないが、ついな」

「実に惜しい。我輩が未婚であれば間違いなく求婚したであろう」

家内はあれはあんな風に見えて嫉妬深くてな、と愉快げに話す。

「張り詰めた鋼線のように油断がなく、打てば響くように言葉が返る」

「その理屈っぽさは自己防衛的であると同時に君へとたどり着くまでの障壁であり、他者を傷つける刃でもある」

さぞ男から言い寄られることだろう。
彼はそう言う。彼はどうにも口達者というか、口が減らないというか……。

「うむ。このまま互いに名無しでいるのは惜しい。名前ぐらいは教えてもらえるだろう?」

「我輩の名はワーガ・ハイネ・コデアール」

そして、最終的には名乗りを上げた。
さてどう返す?

1694とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:51:07 ID:S9j4dvU.

「……その感情は徒労です。」

【さも、当然の様に返す。
例え、求婚されてもそれには応じないと言うことであろう。

だが、暗にそう示すだけでそれは終わった。
〝言わずとも理解できるだろう〟とのことなのだろうか。】

「私は騎士と言う訳ではない。ありません、が――――良いでしょう。
――――私はレヴェス=スリス。」

【ここで名を名乗らなくても何ら不思議ではない。
しかし、彼女は悩む素振りを見せることなくワーガへと名乗った。】

1695とある世界の冒険者:2013/09/06(金) 23:56:35 ID:XHJ8ykdE
>>1694

「――うむ。良い名だ」

小さく反芻して覚えた。
昔のようにナンパして回っていた頃とは違うが――。
見ていたくなる人物だ。彼は胸中でそう思う。

「今度は違う形での縁もあるだろう」

「その折には、もう少し落ち着いた話が出来るといいものであるな。では失礼」

彼はようやく、レヴェスとは反対側に歩を進みだしたのだった。

1696とある世界の冒険者:2013/09/07(土) 00:00:50 ID:1joPRKE6

「…………。」

【その歩き出した彼を見送る。
もちろん、気の利いた言葉や仕草をするわけでも――――。】

「一つだけ。……聞いてもいいでしょうか?」

【かと思いきや、歩き出したワーガの背に質問を投げかけた。】

1697とある世界の冒険者:2013/09/07(土) 00:25:22 ID:1joPRKE6
//20分以上反応がないので落ちたと判断して、お先に失礼します。
//お疲れ様でした!

1698とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:12:57 ID:s5lcbtf.
【ある日の続き】

「つまり……メノウちゃんがいなくなったのは……」
【メノウの姉妹である子たちに聞いた話を纏めるように呟く、黒髪金目の少女】

1699とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:17:00 ID:s5ZJoQh2

『……父さん……ボブが死ぬ、ってわかったから、ですね。
 ――本当は、私達だって、……嫌で、嫌で、仕方ないのに。』
《……ぇぅ》

少しだけ、空気が気まずくなる。
二人の少女が明らかに方を落としているからである。

1700とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:27:05 ID:s5lcbtf.
>>1699
「……素直だなあ、メノウちゃんは」
【困りと悲しみ、そしてほんの少しの羨ましさが混ざった笑みを浮かべ、ポツリと呟く】

「でも――だからこそ早く止めないと。
メノウちゃんなら、絶対話を聞いてくれる」
【信じて疑わない、そんな口調で言い切り、辺りを見回した】

1701とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:28:26 ID:s5ZJoQh2
>>1700
『……だと、いいのですけれど。』
《ぁ、反応が……》

歩きながら、ため息を吐く少女と、
手に持った杖にぽう、と赤色の光を灯す少女。

……何か――周囲の、温度が、高い。

1702とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:37:45 ID:s5lcbtf.
>>1701
「反応?!どっちからだ――っ!?」

【尋ねたその時、俄かに上がった温度に慌てて身構える
心当たりはただ一人――】

「――メノウちゃんっ!」

1703とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:39:29 ID:s5ZJoQh2
《ぇ、ぇと、……!》

ばっ、と少女、ヒスイが杖を持ったまま――上を、向く。

『っ……めのう姉さんッ!』
そこには、グリーフに乗った黒いゴシックドレスの少女の姿。
手には赤々と輝く杖を持ち、三人を見下ろしている。

1704とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:52:18 ID:s5lcbtf.
>>1703
「メノウちゃん……!」

【一触即発。
そんな単語が思い浮かぶメノウの様子に、思わず暑さ以外の汗が頬を伝う。
そして、従者よろしくメノウに従うグリフたちへ視線を移した】

「……そこの3匹。
私は、メノウちゃんを止めたい。止めるべきだと思っている。
君たちは、主の意志に従うことが彼女の為になると本気で思っているのか?」

1705とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 00:57:41 ID:s5ZJoQh2
<……愚問だな、我等は主につき従う物。 主が全てを要らない、と言うのならば……それに従うのみよ>

頭上のヒッポグリフがそう良い、見下ろす。
……その声は普段ラーナイと話していた、優しいものではない。
気高く、主にのみ仕える幻獣のものだ。


<ダイヤ、ヒスイ。 主は言っている。
 ……"かまわないで"、と。 解ったら――>

『メノウ姉さんっ! こんな事っ!父さんが――』
《だ、だいやちゃんっ……!》

金剛石の色の髪の少女が頭上の少女になにごとかを叫ぶ。
それを聞くや、頭上のメノウの顔が、ゆがむ。

1706とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 01:18:24 ID:s5lcbtf.
>>1705
【グリフの答えは予想していたのだろう。
視線を外さないまま、小さく頷いた】

「わかった。
私の大事なモノを守るためだ、全力でむかうぞ」
【着けていたペンダントを、力いっぱい引っ張ってはずす。
同時に現れるのは、ボブのそれとは違うものの、同じ魔族を示す翼だ】

1707とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 01:20:26 ID:s5ZJoQh2
「―――――っ!!!」

その翼を見て、メノウの表情がかぁっ、と赤くなる。
それは、激情だ。 激情に駆られ、杖を振り上げる。

『…?…! ヒスイっ!』
《う、うんっ!》

――太陽が、降ってくる。
小さな、太陽が。

1708とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 01:41:21 ID:s5lcbtf.
>>1707
「……!」
【ダイヤたちの声を聞きながら、直撃を避けるため勢いよく空へと舞い上がる】

「――……」
【呪文と共に素早く魔法陣を描く。
仄かに黒い光を放つ魔法陣から、闇色の雷球がメノウへと放たれた】

1709とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 01:44:20 ID:s5ZJoQh2
>>1708
《ふっ……!》
降り注いだ太陽は展開された翡翠色の魔法陣に防がれ、消滅。
だが周囲の木々に余波で、強い火が燃え移って。

<クアァァァァ―――ッ!!>
雷珠はヒッポグリフが巻き起こす暴風の弾丸により、迎撃。
背の少女はまた剣を振り上げて――

『エクスッ――カリ、バーンッ!!』
頭上に作った小さな太陽を剣の光波に撃ちぬかれ、隙を晒す。

『ラーナイさんっ、メノウ姉さんは自分で戦った事、あんまりないんです、だから――』

今のうちだ、と。

1710とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:01:47 ID:s5lcbtf.
>>1709
「ありがとう!」
【早口ながらもダイヤへ礼をいい、再び手早く魔法陣を描く。
戦いに馴れていない相手なら、スピードが鍵になる。
続いて書いた魔法陣も闇色、しかし纏う光は濃い赤】

「食らい尽くせ――――……イフリータ、バンクエット!」

【呪文と魔法陣が完成すると同時に、魔法陣から闇色の魔力が竜を姿でメノウに食らいつかんと飛び向かった】

1711とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:03:55 ID:s5ZJoQh2
>>1710
魔力の龍が、メノウに向かう。
ヒッポグリフは間に合わない、暴風を起こしたラグがある、が。

≪ゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!≫

びりびり、と耳を劈く咆哮が龍を掻き消す。
咆哮の方角を見れば――黒龍だ、災龍とも称される、黒龍が何時の間にか地に居る。

『ヘイロン、貴方まで……きゃっ!?』
足元ではダイヤが、その黒龍の脚に、転がされている。
……不味い、もう一体、どこかに居る。

1712とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:30:55 ID:s5lcbtf.
>>1711
「なっ……!?」
【多少の加減はしたとはいえ、咆哮ひとつで魔法がかき消されたのをみて、思わず一瞬動きがとまる】

「(黒竜……!)」
【もう一体を探す時間も、ダイヤたちを庇う時間もない。
それに、迷う時間は即ち相手への隙に繋がる】

「(……一か八か!)」

【急いで魔法陣を描き、強く目をつむる。
完成した魔法陣から放たれるのは、強く眩い雷光だった】

1713とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:35:07 ID:s5ZJoQh2
>>1712
忘れては、いけない。
普段は頓珍漢だったり気が抜けていたりはするが。

メノウが従える四体は、そのどれもが――幻獣、神獣の類なのだ。

「……ぁ……!」

メノウが吹き飛ばされる妹を見て何事か思ったのか、声――と言うよりは、
呼吸音を出して、下を見下ろすが。

≪ギャゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!!≫

黒龍がラーナイ目掛け、翼を飛撃たかせ、
ヒッポグリフがメノウと自身を暴風で多い――来校を防ぐ。

1714とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:46:26 ID:s5lcbtf.
>>1713
【せめてメノウの目だけでも封じられればと考えたが、それも叶わず。
光をかき消す風に体勢を崩されぬよう、腕を十字にして体を庇う】

「……っ!」
【せめてダイヤたちが体勢を整えるまで時間を稼ぎたい。
むしろ助けに行きたいが、それはあまりにもデメリットが大きかった】

1715とある世界の冒険者:2013/09/15(日) 02:47:00 ID:s5ZJoQh2
//はいぼくもげんかいですちゅーだんです

1716とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 22:38:07 ID:Z3Usdua2
>>1714
「………っ!!」

竜の足元に転がるダイヤ、防御に専念するラーナイと、ヒスイ。
その二人の様子を見てメノウが、なにごとかを二体に、指示する。

――攻撃が、止まった。
ヒッポグリフと黒龍はラーナイ達三人を、静かに見ている。

1717とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 22:51:57 ID:X8TCDyk.
>>1716
「っ、……?」

【攻撃がやんだ瞬間を好機とみて、勢いよく翼を羽ばたかせる。
向かう先はもちろん――ダイヤのもと】

「大丈夫か、ダイヤちゃん!」

【急いでダイヤの体を抱きかかえ、声をかける。】

1718とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 22:55:22 ID:Z3Usdua2
>>1717
『問題、無いですっ!』
抱きかかえらればっ、と起きて片手にしていた聖剣に付いていた血を払う。
どうやら黒龍に蹴飛ばされた時に相手側にも傷を付けたようである。
……刃毀れも一切していないのは、流石あの杖と同じシリーズ、といった所だろうか。

《め……メノウねえさ……!》
「……っ!」

――そして、上空のヒッポグリフと少女、黒龍は。
暴風と業火を伴い、一目散に飛び去って、言った。

1719とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:09:03 ID:X8TCDyk.
>>1718
「……よかった」
【元気があるような様子に、心底ホッとしたらしい。
肩に入っていた力が目に見えて抜ける。
だが、それもつかの間。
背で聞こえた声と羽音に慌てて振り返った】

「待つんだ、メノウちゃんっ!」

【慌てて大声で名前を呼ぶ】
「駄目だ、メノウちゃん……逃げたら駄目だっ!」
【声が届くのを信じて、ひたすら大声で呼びかける】

1720とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:12:23 ID:Z3Usdua2
>>1719
「……っ!」

メノウは一度だけ、そちらを振り向いて――
そのまま、飛び去っていった、グリフの背に乗って。

『……ああ、もうっ!』
《……ぇぅ》

ダイヤは剣をがん、と地面に叩きつけ、ヒスイは杖にしがみついたまま小さく、声を漏らす。

1721とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:23:24 ID:X8TCDyk.
>>1720
「…………」
【ただ黙ったまま小さくなる姿を見上げる。
そして、その姿が完全に見えなくなってから再びダイヤたちへ振り返った】

「……さっきの黒竜も、メノウちゃんの使い魔か?」

1722とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:26:52 ID:Z3Usdua2
>>1721
『……小さい、黒龍を見た事がありますか?
 ヘイロン……あの娘の、本当の姿です』

確か図書館でメノウの周りをぱたぱた飛び回る子龍が居た筈だ。
おそらく、アレだろう。 グリフも平時は鷹の姿をしていたし。

1723とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:35:46 ID:X8TCDyk.
>>1722
「ああ、そういえば……」
【思い出したらしく、合点がいったと頷いた】

「さて、ダイヤちゃんたちの怪我を治してメノウちゃんを追わないとな」
【ラーナイの首の後ろでパチンと金具が音を立てて閉じる。
ペンダントが首の定位置におさまると同時に、背の翼もかききえた】

1724とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:38:44 ID:Z3Usdua2
>>1733
『ガルム……は、こっちに居ますけど、もう一匹。
 リーヴァも、あっちに居ますから……』
戦力差は、絶望的だろう。
幻獣、神獣クラスの使い魔がもう一体、おまけにメノウ単体でも、精神状態が相まって手がつけられない。

『そう、ですね……ほっとけないですから』

1725とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:49:29 ID:X8TCDyk.
>>1724
「少しでも話を聞いてもらえたら……」

【はあ、とため息をつく。
とにかく語りかけるしか手が思いつかない】

1726とある世界の冒険者:2013/09/18(水) 23:53:45 ID:Z3Usdua2
>>1725
『……念話もシャットアウトされてますからね。
 ボブの話なら聞くんでしょうけれど。』

はぁ、と溜息を吐いて。

『……とりあえず傷を直したら、少し戻りましょうか。
 ラーナイさんも疲れたでしょうし、私も、少し』

1727とある世界の冒険者:2013/09/19(木) 00:06:16 ID:LQo9kE8Y
>>1726
「そうだね」
【傷を癒やすことには頷くも、自分は動くことを考える】

「……そういえば、ボブさんもいなくなったんだったな。
ボブさんを探す方が……いや、逆効果かも……」

【思考はすっかり堂々巡りだ】

1728とある世界の冒険者:2013/09/19(木) 00:08:52 ID:cwSD4XCg
>>1727
『とりあえずは、行きましょう。
 ……疲れたまま動いても堂々巡りですから、行きましょう、ヒスイ』
《う、うん…………だいじょうぶかな、メノウねえさん》


そうして、先導するダイヤに導かれ、一先ずは帰宅路をたどる。
……少女の心は何時になれば時ほぐせるのかな……。

1729とある世界の冒険者:2013/09/19(木) 00:09:07 ID:cwSD4XCg
//あ、FOで

1730とある世界の冒険者:2013/09/19(木) 00:20:13 ID:LQo9kE8Y
>>1728
「(次は、絶対――)」

【決意を新たに、一度戻るラーナイだったそうなFo】

1731とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:17:43 ID:cNCiJB46
【ジグザール王国/新設遊撃騎士隊執務室】

「……うへー。」
『あら、情けない声ですこと、武勇を上げても書類は苦手ですのね。』
「ああいや、ちょっと腹減ったなってぐらいだから、そういう訳じゃないよ。」


先日、とは言えもう今年の3月になるが――に新設された、王都内外部の危険に「迅速に」対応する為の遊撃騎士隊。
その執務室、と名ばかりのデスクワーク用の雑務室、そこに軽装鎧の青年と、金髪の女性が一人。
どうやら休憩中のようである。

尚、この遊撃騎士隊だが……民間の情報で直ぐに出撃出来るように、と。
一般人の出入りもある程度自由であり、嫁持ち、彼女持ちの騎士に時偶奥方だの恋人だのが忘れ物等を届けに来る事も、多々ある。

1732とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:23:26 ID:qPnAIH2U
二人の騎士が雑務に追われる中、執務室のドアが控えめに、
しかし二人には聞こえる程度の音をたててノックされた。

「ごめんくださいー」

扉の向こうからは、齢10代程の少女の声が聞こえてくる。

1733とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:28:01 ID:cNCiJB46
『あら、どなた?』
と、声を聞きつけてドアの方に向かう長い金髪の女性だったが。

「と……、良いよセシリア、多分俺のお客さん。
 はーい、今行くっすよー。」

『……む。』

青年に声を掛けられ、不満気に止まる。
そして青年が若干、というか分かり易く嬉しそうにドアを開ける。

1734とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:33:38 ID:.NGL1xCw
>>1733

開けられたドアにぶつからないよう、少し引いた位置に立っていた少女。

青年が目線を下げないと見落としてしまいそうなほど小柄な少女は

チャームポイントである二つに括られたブロンドの髪を小さく揺らしながら

嬉しそうな笑みを浮かべて青年を見上げていた。

「こんにちはなのですよ、アルスさん!」

1735とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:38:21 ID:cNCiJB46
>>1734
「ん、こんにちわっす、姫ちゃん。」

こちらも思わず(職務中なのに)緩んだ笑みを浮かべて少女にそう返す。
王国騎士団の形相鎧を着た青年はやっぱりいつもよりも大人びて見える。

「また、お弁当届けに来てくれたんすか?」
『……。』ムスー

一方嬉しそうにする青年の背後では金髪の女性がそちらを一瞥した後椅子に座りなおしていた。
まったく、といったかんじである。

1736とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:44:36 ID:.NGL1xCw
>>1735
「はいですよ!街にすむ皆さんのためにがんばってくれてるんですから。
沢山精をつけないと」

そう言って自信気に両手に提げていた弁当の入った巾着袋を掲げ、一際大きく微笑む。

そこでもう一人の人物の様子に気づいたのか、青年の横の隙間から女性へ顔をむけ、

苦笑いとともに頭を下げる。

「ごめんなさい、急に押しかけてしまって」

この謝罪も、おそらくいつものことなのだろう。

年も20を越え、少しは周りを見るようになったのか。他者に対しては基本的に変な口癖を使うのも控えるようになっていた。

1737とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:47:30 ID:cNCiJB46
>>1736
「姫ちゃんのその言葉だけど何日だって頑張れるっすよ、俺は。」

お弁当箱を受け取って、嬉しそうにそう返す。
こんなやり取りも何時もの事である、きっと。

『気にしませんわ、体力を付けるのも重要ですもの。
 ……た、だ! イチャイチャして仕事を忘れないでいてくれれば良いんですけどっ!』

姫乃にそう返し、アルスを少し睨みつけた後ふんっ、とそっぽを向く。
……勤務態度に怒っている訳ではなく、アルスに対していつもああなのだそうである。

1738とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:54:42 ID:.NGL1xCw
>>1737
「だったら、毎日でも言ってあげるんですよ」

青年がそう言ってくれるのが嬉しいからこそ、少女もまた毎日弁当を作ることが何の苦にもならないのだった。

どう見てもおしかけ女房なのだが、そこに全く気づいていないあたり相当浮かれているのは言うまでもないことだろう。

「あはは、大丈夫ですよ。アルスさんはまじめですから」

そう信じて疑わないように答える。自身が彼女の怒りを助長させる一端を担っていることを少女は知らない。

1739とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 00:58:22 ID:cNCiJB46
>>1738
「おお、それじゃあ元気百倍っすね! あ、折角だから休憩室で一緒に食べてくっすか?」

にこにこ、と言いながら。
尚周囲の同僚(男)からは殺意の覇道が飛び交っている。

『……それは良かった、ですわねっ!』
「セシリア何怒ってるんだ?」
『何でもありませんわっ!』

尚、この女性。
同僚内ではアルスに叶わない恋慕を寄せてるだのなんだのと噂されている。

1740とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:05:13 ID:.NGL1xCw
>>1739
「え、いいのでしょうか。アルスさんやみなさんもお仕事中ですし、姫ちゃん、お邪魔じゃないですか?」

そう遠慮がちに訊ねるも、少女自身の表情は一緒に食べたいと明らかに言っていた。

言うまでもないことではあるのだが、

周囲の同僚たちがこの自身と青年の会話をどう思っているかなど、気づく由もなかった。

(あの人もいっつもアルスさんを怒ってるですよ・・・姫ちゃんなにか悪いことしちゃったんでしょうか・・・)


(口調をちゃんと治せてなかったでしょうか)

見当違いの理由で自分の責任を疑っていた

1741とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:07:12 ID:cNCiJB46
>>1740
「全然大丈夫っすよ、自分の分の書類仕事は今終わった所っすから。」

自信のデスク(ちょっと整理整頓されてない)を指差し、そう言う。
机の上にはまとめ終わった書類が雑多に乗っている。

『風紀は乱さないで欲しいものですわねー』
「しない、って。 セシリアも良い人見付ければ良いのに、何なら紹介……」
『結構、ですっ!!』

尚、主な原因は青年である。
青年に悪気が1ピースも無いのが性質が悪いが。

1742とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:14:53 ID:.NGL1xCw
>>1741
「あ・・・・・・そうですか。大丈夫なら、ご一緒したいですけど」

青年の机を見て状態を理解するが、この場でそれを咎めていいものかと考え、やめておく。

アルスにも騎士としての立場があるだろう。それを考えると、同僚の前で恋人の女の子に叱られるというのもなんとも情けなく見えると思えた。

そこまで考えて、サラッと自身を恋人と形容したのが恥ずかしくなって少し顔が赤くなる。

が、青年は絶賛同僚の女性を怒らせているところで、気づかれる前にいつもの笑顔に戻した。

1743とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:16:53 ID:cNCiJB46
>>1742
「じゃ、一緒に行くっすよー、あ、姫ちゃんの分のお弁当ってあるっすか?」

無いなら半分こでも、と言う青年。
……書類仕事は苦手だ、何時だかぼやいていた、デスクワーク派ではなさそうである、確かに。

『……仲が良いことですこと。』
女性はそれに気付いたようで、そっぽを向きながらそう漏らしたとか。

1744とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:21:36 ID:.NGL1xCw
>>1743
「はいです。姫ちゃんもこの後、いつものとこでお弁当食べて鍛錬しようと思ってましたですから」

そういって背負ったリュックをぽんぽんと叩く。

机の整理に関してはお弁当を食べながら言えばいいだろう。

「では、外で待ってますですよ。みなさん、お騒がせしてすいませんでした」

そう判断し、いまだ仕事を続ける同僚たちに頭を下げて、執務室の外で青年を待っていることにする。

1745とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:29:28 ID:JNHR.Wj6
>>1744
「じゃ、そうするっすよー。  あ、休憩入ります!」

嬉しそうに言い、同僚たちに声を掛けて軽く机を片付ける、雑だが。
なお、同僚達からの殺意が界王拳三十倍である、気づかないが。

『一時間で戻ることですわね、遅刻は許しませんわよ。』
「弁えてるって、それじゃ、後で。」

……そうして、恋人に若干のお小言を言われつつ、
戻ってきた時に同僚に嫌味を言われたりするのであった、王都は今日、平和だったそうな。


【時間がアレなのでそろそろFO】

1746とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 01:32:01 ID:.NGL1xCw
>>174
恋人に軽く説教をしながら弁当を食べた後、別れ一人になった時に言い過ぎただろうかと後悔したのも

また言うまでもないことだった。

FO

1747とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 23:39:20 ID:qcySQwaM
<王都近くの草原>

「いやはや、懲りないものだ。何度、来ても結果は同じだというのに。
……まして、こちらでは確認のしようが無いのだから性質が悪い。」

【王都から出てきたのは黒い法衣を纏った男性だ。
首からはしゃれこうべを提げ、その髪は後ろで1つにまとめられている。

服装からして聖職者であろうが、その佇まいや雰囲気は重苦しい。】

1748とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 23:49:42 ID:pn9kEzRs
>>1747
「あふぅ……」
『(´・ω・)、』

【空飛ぶ子竜型の石像を連れたショタが、でかいあくびをしながら歩いてきた。
その背にはでかいリュックを背負っている】

1749とある世界の冒険者:2013/09/20(金) 23:54:22 ID:qcySQwaM

「……ふむ。」

【その姿を見つけると足を止めた。
別に何かあるワケでもないのだろうが、子供が歩いていたからであろう。

また、時間が時間である。足を止めたのは警戒でもあるのだろう。】

//おサルさん!

1750とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:01:19 ID:5I1Cn0lA
>>1749
「ガっちゃんねむい〜」
『(`・ω・)b』

【眠そうな顔でぽてぽて歩いている姿は年相応だ。どうやら石像に話しかけているらしい。
しばらく歩いていたが、真夜中(子供時間)に外で立ち尽くす黒づくめのあやしい男に気づいて、足を止めた】

「……んんんー?だれー?」
『(゚Д゚)』
【眠そうだとはいえ、不躾極まりない!】

1751とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:09:09 ID:C5hmzf2E

「さて。誰であろうな。
いや、誰であることはさほど重要ではないだろう。」

【失礼な物言いをされたとて、それに対し不快さを抱いている様子は無い。
子供相手だからなのだろうか、それとも単にこの男の性格なのだろうか。

冷静かつ子供相手には向けるべきではない威圧感を持っている。】

「重要なのは互いが互いにとって有害か否か……ということではないかな?」

【別に名乗る必要はないと言う旨の発言だが、妙に遠まわしで理解がしにくい言い回しである。】

//たしかにそうですねー

1752とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:14:08 ID:5I1Cn0lA
>>1751
【普段なら怒ったりビビったりするであろうサルの態度だが、幸か不幸か半分夢の国の住人であるショタにはあまり通じていないようだ】

「んー……そうなの?」
【大あくびをしながら、大きく伸びをする。
この書き込み時間末尾0なら、服の影に見覚えのある石が見えるだろう】

1753とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:17:44 ID:6gY/NCxg
「あの糞餓鬼。どこ行きやがったんだ?」
悪態をつけながら二人の方を歩いてくる一人の男の影
ボサボサ頭に顔の半分は包帯をまいており、トレンチコートを羽織っている異様な男性
包帯からはややはみ出ている火傷の後
誰かを探していたのか、意図せず二人に近づく
「なんだ?」
少年とサルデフェクトの二人を見て呟く

1754とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:27:58 ID:C5hmzf2E
>>1752
「随分と寝不足のようだが。
……こんな時間までこの草原で眠っていたのかね?」

【それに対し、残念がる様子も不審がる様子も無い。
なぜならば、彼のこの雰囲気は意図的に出している者では無いからだ。

服の影から石が覗いていたのだろうが、暗い所為か気づいていない。】

>>1753
「私に聞かれてもな。
……だが、こちらの少年は迷子なのやもしれんぞ?

もしくは君が探しているその〝クソガキ〟なのかもしれん」

【その悪態は聞かれていたらしく、少年を紹介するかのように
手を動かして少年の方を見るように促した。】

1755とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:45:44 ID:6gY/NCxg
「……」
月明かりの中でサルデフェクトの姿を見る。何処か苦々しい口元の表情に恨みを持ったような目線、サルデフェクトを見ないようにしている
もし、サルデフェクトが視線や人の表情に敏感ならわかるはずだ。
彼の恨みが聖職者の服に向けられている事を

「で?アンタ、こんな所で何をしているんだ?」
視線や感情を紛らわすように質問し、タバコを口に加える

1756とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:46:25 ID:5I1Cn0lA
>>1753
「またふえたー」
『(゚ω゚)ノ』

【新しい登場者に挨拶どころか不躾なことを眠そうな声でいうショタ。
石像は、短い腕を上げて挨拶する】

>>1754
「んーん、今まで寝てたー」
『(こくこく)』
【目をこすりながら申告するショタ。
隣で石像が肯定的に頷いた】

1757とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:51:33 ID:6gY/NCxg
>>1756
「ん」
適当に手を上げて挨拶を済ませる
顔半分までまいた包帯とボサボサの頭はちょっとしたB級ホラー小説の怪物に見えなくもない
「ボウズ、眠いのか?」

1758とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 00:55:18 ID:C5hmzf2E
>>1755
「おやおや、こちらの少年には無関心か。
……それとも、私のほうに関心があるのかな?」

【くくく、と喉の奥を鳴らすように低く笑う。
表情や視線を読み取ったのか、それとも単なる嫌味かは判別が難しい。】

「一応、質問には答えておこう。
何をしているも何も私はただ、自分の寺院に帰るだけだ。

こちらの少年に会ったのはただの偶然。」

【紛れもない真実である。
嘘も何も無い。しかし、少しばかり嬉しそうである。】

>>1756
「やれやれ。身の丈を弁えたまえ。
君の様な少年がこのような時間に出歩いていては危険であろう?

死に急ぎたいか、自分によっぽどの自信があるのならば別だがね。」

【人を圧しつぶしてしまいそうな雰囲気を持っているのにも関わらず常識はあるようだ。
このような道徳を持っているのは彼が聖職者である証でもある。】

1759とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 01:11:19 ID:5I1Cn0lA
>>1757
「ねむいけどがんばるー」
【大あくびしながらこたえる。
どうやらこれから出掛けるらしい】


>>1758
「だいじよーぶ、すぐそこだしガっちゃんいるし」
『(`・ω・´)』

【石像はどうやらボディーガードも兼ねているらしい】

1760とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 01:18:21 ID:6gY/NCxg

>>1758
「……はん」
嫌味と表情や視線を読み取った事に軽蔑感を持っているようだ。
しかし、それをサルデフェクトに向ける事は無い

「半分正解だ。だが、知り合ったばかりのお前自身には興味はない。」
そういうと口にくわえたタバコに火を付ける。目線を合わせる事もない

「そうか……」
何処と無く安堵した表情を浮かべる。悪態をついているとはいえ、子供は心配なのであろう

「寺院ね……近いのか?」
サルデフェクトを見つめる。まるで何かを探っていいるようにも見える。

>>1759
「早く寝ないとちびのままだぞ?」
見下ろす感じでショタを見つめる高身長
180はありそうな身長である

1761とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 01:27:17 ID:C5hmzf2E
>>1759
「なるほど。それは実に頼もしい。
それならば、仮に襲われたとしても問題はないと言うわけだ。」

【なにやら脅かすような言い回しをする。
もちろん、頼もしいというのも何もかも皮肉である。

だが、相手は子供であるためそれが伝わるかは怪しい。】

>>1760
「それについては私も同感だ。
救いを求める者ならば、まだしも……見知らぬ者に興味は無い。」

【もちろん、とその発言に頷いた。
だが、聖職者としてはまともらしく無碍にしない場合もあるようだ。】

「おやおや、私には興味が無かったのではないのかな?
それとも、救いを求めるというのかね?」

【言ったそばから自身に興味を示すような言動に尚更に嫌味たらしく。】

1762とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 01:29:44 ID:5I1Cn0lA
>>1760
「いつもねてるもん。
今日だけだもん」
『(こくこく)』

【眠そうにそういうショタは、見た目10歳前後。
まだ成長期には少し早い頃合だ】

1763とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 01:45:33 ID:6gY/NCxg
>>1761
「いいや、ただ知りたいだけさ。こう見えて探偵なんでね。この辺の地図を書き直したら便利だろ?」
探偵には見えない風貌だが、彼の行動から人を探る行為などはなれているらしく納得できる部分がある

「まぁ、あんたが悪いことをしていたら別だがな?」
サルデフェクトの服装を見て嫌味っぽく笑う。

「救いね……あぁくそ……くそったれ」
小さく呟く独り言。もしサルデフェクトが耳にしたら気がつくかもしれない
その言葉の対象が聖職者自身に向いているという事に



>>1762
「その今日だけが致命的になったりな」
タバコを吸い、ニヒルに笑いながら言う

1764とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:02:55 ID:C5hmzf2E
>>1763
「おや、探偵か。どおりでコソコソとしていると思ったよ。
それに探偵というのならば、いずれ会うことも会うやもしれん。

こちらとしては会いたくはないのだがね。」

【肩をすくめるようにして。
これではまるで、悪いことをしていると告白しているようなものだ。

だが、暗に示すだけで直接的には言わない。】

「どうやら、君は主に恨みでもあるらしい。
以前に見放されでもしたのかね?」

1765とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:07:20 ID:5I1Cn0lA
>>1761
「でしょー!」
『(`・ω・´)b』

【半分ねたまま胸を張る。
皮肉が通じていないようだ!】
「おじさんもよるにあるいてへーきなの?」


>>1763
「タバコの方がせもじゅみょーもちぢむって、じっちゃがいってたもん」
【寝ぼけ眼でこたえる。
呂律が回っていない故に幼さ1.5倍増しだ】

1766とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:15:44 ID:6gY/NCxg
>>1764
「そりゃどうも、こっちも会いたくないね。これであったらお前さんで4人目だ」
その告白を綺麗に受け取ったようだ



「いいや、見放されたりはしてないさ。いや、見放してくれたおかげかもな」
クスッと笑う
その笑いは何処か哀愁が漂う笑い。それともう一つ狂気じみた笑いにも見える

「あんたは、どんなのを見せてくれるのかな?」

>>1765
「そりゃ良かった。さっさと死んで楽になりたいからな」
冗談半分本音半分といった感じの言葉
子供でも分かりそうである

「つか、もう寝ろ。こっちまで眠くなる」

1767とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:20:11 ID:C5hmzf2E
>>1765
「……君は何より睡眠が必要なのかも知れんな。」
【ほぼ夢現状態の少年に、やれやれと首を振る。】

「これでも腕には覚えがあるのでな。
昔に異端狩りとして活動していたのが功を奏したのだろう。」

【聖職者は聖職者でも魔を〝狩る〟方として活動していた時期があったらしい。】

>>1766
「良い方向に働いたのなら、主はちゃんとなされていたようだ。」

【くくく、と低く笑う。
聖職者のはずなのだが、そこまで神を崇拝しているわけではないようだ。

最低限の礼儀はあるが、敬虔な聖職者という印象ではない。】

1768とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:29:47 ID:6gY/NCxg
>>1767
「どうやら、お前さんはまだまともらしいな」
そこまで神を崇拝していない姿に何故か何度している

//次で終わり?

1769とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:32:11 ID:5I1Cn0lA
>>1766、1767
【大人たちの話をきいていたが、やはり大きな欠伸をひとつ。
だんだん眠気が強くなってきたらしい】

「そろそろいこ、ガっちゃん。
いっぱいいるといーねぇ」
『(こくこく)』
【目的の場所を目指して、眠い目を擦りながらあるいていったそうなFO】

1770とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:32:17 ID:6gY/NCxg
>>1767
「どうやら、お前さんはまだまともらしいな」
そこまで神を崇拝していない姿に何故か何度している

//次で終わり?

1771とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:32:56 ID:6gY/NCxg
二重投稿すまない……OTZ

1772とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:34:04 ID:6gY/NCxg
>>1768>>1770
×何度
○安堵

眠気がががが

1773とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:39:32 ID:C5hmzf2E
>>1770
「少々、認識が違うようだな。
まさか、まともに扱われるとは考えもしなかった。」

【どうやら、自分がまともでないと知っているらしい。
つまり、それが神に対する冒涜ともわかっているのである。】

「では、私はそろそろ帰るとしよう。寺院の者が待っているのでな。」

【そういうと踵を返し、静かに帰って言ったとか、FO】

//眠気もあるみたいなので、終わりにしましょう。お疲れ様でした!

1774とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 02:44:18 ID:uY9CA7E6
>>1773
「色々あるんだよ色々とな……」
そう言って王都に帰った
子供を探すのは明日にするようだ
その子供は先に探偵の家に帰っていたのだった

//すまぬ店長すまぬ

1775とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:02:25 ID:jZvtdQfY
-とある洞窟の入り口-

「あまり手荒な真似はしたくないからさ、結界の解除法を教えてくれないかなぁ?」

20代前半ほどの黒髪の青年が笑顔で洞窟の入り口の守護者へ語りかける。
右手に携えた真っ赤な刃の刀を守護者の喉下へ突き付けながら。
どう見てもまずい雰囲気だ。

1776とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:05:32 ID:Ew/b5yuI
赤い頭巾を目深に被り左手にはバスケットを持ち編上げブーツを履いた金髪碧眼の娘がぶらり。

「…ん」

思いもよらぬ光景に出くわし眉間にしわを寄せ立ち止った。

1777とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:09:14 ID:jZvtdQfY
>>1776
「答えるくらいなら死ぬ、かぁ。素晴らしい忠誠心だね。でも――」

答えようとしない守護者から青年は一歩下がり刀を納める。諦めたのだろうか。
まだ娘には気がついていないようではあるが。

1778とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:13:40 ID:Ew/b5yuI
>>1777
「…」

見ぬ振りして御祖母さんの家に行くべきか、それとも、
と考えがまとまらぬまま片足が動く。
結果、用意してあったかのように片足の着地地点に枯れた小枝。
パキッと思いの外周囲に伝わる音を奏でた。

「…む」

1779とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:23:01 ID:jZvtdQfY
>>1778
「おっと、人が来ちゃったみたいだね」

枝の音が届き、見られている事に気付いたようだ。
その虚を突こうとしたのか守護者が剣を手に突進するが、

「物騒だなぁ」

そう言い、指をパチンと鳴らすと地面に貼られていた符が光り、
銀色の飾り紐のようなモノが守護者を拘束する。

「仕方ない、出直すとしようかな。君にはもう用はないよ」

守護者にそう微笑むと再度指を鳴らす。
それが発動キーだったのか飾り紐が一瞬で燃え上がり守護者を炎が包む。

1780とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:28:44 ID:Ew/b5yuI
>>1779
「…むぅ」

娘が一連の流れにうんざりした様な溜息を漏らし右腕を振るう。
その一振りで放たれたのは一陣の風。
火が消えるかどうかは分かったものではないが。

1781とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:33:45 ID:jZvtdQfY
>>1780
守護者を包んでいた炎は消えまだ生きてはいるようだが、助かりそうには見えない。

「生焼け、か。酷い事をするなぁ。このまま焼け死んだ方がきっと楽だったのに」

クスクスと青年は笑う。

1782とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:36:24 ID:Ew/b5yuI
>>1781
「……」

それを君が言うのか、と非難を込めた視線をダンゼイに向けつつ守護者へと歩み寄る。

「…」

そして右手がバスケットの中へと。

1783とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:38:51 ID:jZvtdQfY
>>1782
「おっと、余計なマネはしないでもらえるかな」

赤頭巾へ向き直り笑みを浮かべる青年。
刀に手をかけてはおらず、一見すると無手のようではあるが。

1784とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:42:02 ID:Ew/b5yuI
>>1783
「…」

そんなダンゼイを半ば無視しつつ右手を引き抜く。
その手に握られていたのは…小ぶりな斧。

1785とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:46:08 ID:jZvtdQfY
>>1784
「へぇ、やる気かい?困ったなぁ、僕は争いごとは苦手なんだけどなぁ」

そう言いながら青年は右手を上着のポケットへ忍ばせる。
左手は不自然に指を折っては戻しを繰り返している。何かの印だろうか。

1786とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:50:34 ID:Ew/b5yuI
>>1785
「怨め」

そのままヒュン、と斧を守護者へと振り下ろした。
振り下ろされた一撃の重みは其の姿からは随分とかけ離れているものだ。

1787とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:56:08 ID:jZvtdQfY
>>1786
斧がトドメの一撃となり守護者は完全に絶命する。

「随分優しいんだねぇ。感動したよ」
クスクスと青年は笑う。
印を結ぶのはやめたようだが右手はまだポケットに入れたままだ。

1788とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 21:59:20 ID:Ew/b5yuI
>>1787
「…」

そのまま返す刀で斧をダンゼイに躊躇なくブン投げる。
ツバメ返し、とまでは言わないが
これまた不自然なほどのチカラ任せで可能にした早技であった。

1789とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:04:30 ID:jZvtdQfY
>>1788
「『守護八陣』」
右手をポケットから引き抜くと同時に護符を8枚投げると光の壁が形成され斧を弾く。
それでもギリギリで止めたのか光の壁は衝撃で砕け散り、護符も全て青白い火に包まれ灰になった。

「参ったね、とっておきの護符だったんだけどなぁ」
そう言いながら青年は今度はズボンのポケットへ右手を入れる。

1790とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:06:52 ID:Ew/b5yuI
>>1789
斧は弾かれあらぬ方向に飛んで行った…あれを取りに行くのはチョッと手間だ。

「…」

再度バスケットへと手を伸ばす娘。
今度は何が出てくるやら。

1791とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:16:51 ID:jZvtdQfY
>>1790
「君と1対1で闘うのは骨が折れそうだなぁ。
ここらが潮時かな」
そう言って数歩後退する青年。
逃亡する気だろうか。

1792とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:18:38 ID:Ew/b5yuI
>>1791
すらり、と今度は鉈が出てきた。
序にサンドイッチの欠片もポロリ。

「……」

じー、とダンゼイを見据え動かない娘。

1793とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:23:31 ID:jZvtdQfY
>>1792
「それじゃ、またどこかで」
そう言ってポケットから抜いた右手で何かを地面に叩き付けると強烈な閃光が走り、
青年の姿が消えた。

1794とある世界の冒険者:2013/09/21(土) 22:24:19 ID:Ew/b5yuI
>>1793
「!」

目がチカチカしたそうな、Fo

1795とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:07:34 ID:5PlY1Cjw
【ジグザール王国/王都/イシュタール教会】

「ごめんなさいコートニーさん、結局こんな時間になっちゃって。」

そう言って丁寧に清掃された教会に娘を招くのは金色の長い髪に、
清純さと無垢さを感じさせる白い法衣を纏った、可愛らしい少女。

マフラーを作るという事でお呼ばれしたのだが、教会のお仕事やかんやをやっているとこんな時間になったのである。

1796とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:18:57 ID:VISBYFI6
「いえいえ、大丈夫ですよ!
こうやっておじゃましてしまってるのは私の方ですし!」
茶髪のセミロング、薄手の服に灰色のカーディガンを合わせたラフな格好の少女。
そう申し訳なさそうにハンドバック片手に彼女にいい。

バックの中身は言うまでもなく毛糸やらなんやら。それだけではなく、基礎以外のことも教えてもらおうと予習も済ませている。
この日に備えて色々とやってきており、相当気合を入れている模様。

1797とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:24:20 ID:5PlY1Cjw
「そう言ってもらえると、ちょっとだけ安心します。」
口元を抑えて可愛らしく笑って、少女を中に招く。
教会内は綺麗に清掃されており、大きなステンドグラスと、パイプオルガンがある。

「私のお部屋、こっちです。
 ……と言っても、ちゃんと住んでるのは私ぐらいなんですけど。」

えへへ、と少し恥ずかしそうに笑って教会内を先導していく。
教会の子供達、と言うのは近くの民家の子や、孤児院の子供達だそうである。

1798とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:35:57 ID:VISBYFI6
「………うわぁ………!
こんないいものがあると、手入れするのだって一苦労でしょうしね……。」
教会内のスタンドグラスに圧倒されて、下手に教会内のものを汚したり壊したりしないように必要以上に気をつけながら歩いている。

「と言うと一人で夜を過ごすんですか?少し危ないと思いますよ……。」
これだけ愛らしい彼女がひとりきりでは悪いやつに狙われてしまうのではないか。
そんな懸念を感じ、そう真剣な様子を見せつつ言う。

1799とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:38:29 ID:5PlY1Cjw
「流石にステンドグラスやパイプオルガンは一週間に一回ぐらいですから、
 実は言う程大変じゃないんですよ?」
くすくす、と笑ってそう言う。確かに一度に掃除、は難しそうだ。

「大丈夫ですよ、ご近所の皆さんも優しい方々が多いですし、
 教会に来る方は何かあったら守ってくれる、って言ってくれますしね。」
それはおそらく八割ぐらいが悪い奴である。
この娘はそんな事を気にしてはいなさそうだが。

1800とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:53:23 ID:VISBYFI6
「それでもその一度の手入れが手間が掛かりそうに思えて……。
パイプオルガンとか繊細そうで、集中して手入れしないと音色が変わっちゃいそうですし……。
それ以上にステンドグラスはヘタしたら手入れ中に落ちちゃうかもって考えるととても……。」


「……………まぁ、本当に何かあればクレドくんとかも守ってくれるでしょうし、大丈夫でしょうね。」
口だけ言っておいて、いざとなったら見捨てる人が大半だと思っても、それを口にはしないでおいた。
クレドくんが彼女のことを思っている理由がわかっているからだ。

1801とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 00:58:09 ID:5PlY1Cjw
「あー、パイプオルガンは確かにちょっと大変ですねー、
 調律もしなきゃいけないですし……ガラスは、掃除する時クレドくんが手伝いに来てくれるんですよ。
 オルガンはジャキくんも来てくれますし♪」

「ふふっ、クレドくん、優しいですから。
 ……あ、この部屋ですね、狭い所ですけど、どうぞ♪」
本当にいいお友達を持ったなぁ、と行った風に言う。
すごく嬉しそうなのだが何故か悲しくなるのはどうしてだろうか。

招かれた部屋は年頃の女の子らしい部屋だった。
ベッドに、青系の小物が多かったり、可愛らしい人形があったり洋服棚があったり。

女子力の高さが伺える。

1802とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:11:08 ID:VISBYFI6
「はぁ、なんだかんだ言ってクレドくんも手伝ってるじゃないですか。
……ジャキくんってどんな人なんですか?セータープレゼントしたとかいう。」
あれだけ心配していたが、実際危ないことはさせていなかったクレドくんの思いやりに苦笑いし
しそて前にも話題に出ていたジャキ、という人に関心がいく。この人を惚れさせる人なのだから余程の人なのだろう。

「……いい友達なのは見ていればわかりますよ。
うん………見ていれば。」
彼女の言葉はクレドくんとは友達どまりであることを宣言しているようにも思えて。
彼を応援している身としては、ほんのちょっぴりだけ虚しい気持ちになった。

「それじゃあ……お邪魔しまーす………。」
(あぁ……似合うなぁ………小物とかあるし、女の子っぽいよなぁ……。)
女子力の高い部屋に入っていき、どことなく敗北感を味わうことになる。

……実際女の子っぽいコーデや部屋には憧れはしているのだが、自分に自信がない結果実行できないのだ。

1803とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:17:57 ID:5PlY1Cjw
「ステンドグラスは”どうしても危ないからダメだ”って言って聞いてくれないんですもん。」
むぅ、とちょっとだけ頬をふくらませて。……確かに危なっかしい所はあるかもしれない。

「? ジャキくんですか? えっと……
 ……すごくかっこよくていじっぱりで、優しい人ですよ♪」
なんともまぁ嬉しそうに語るもので、笑顔が眩しいぐらいである。

「はい、中学校から一緒なんですよ?
 ジャキくんと一緒に学校祭で遊んだり、回ったりもしましたよー。」
ここでも一緒である。
流石にこの時はそこまでの対抗心は無かったであろうが。

「あ、適当にかけちゃってくださいっ、
 今糸とか、針とか私も出しちゃいますから。」

棚を開けて、何やら取り出している様子。
整理整頓もバッチリだ。

1804とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:35:00 ID:VISBYFI6
「そりゃあ、危ないものは危ないですよ。
落ちたら一大事なんですから。クレドくんもそうだとは思いますけどなにか対策してるでしょうし」
アリーサを諌めるように。彼女が張り切りすぎると危ないことになるかもしれないし。

「かっこ良くて意地っ張りで優しい人………うーん……。」
ツンデレ?と心のなかでひらめくが、それを行ってもわからないであろうし、黙っておく。

「はえー……ずっと一緒なんですねぇ………。」
そして彼女がクレドくんに振り向かなかったことを考えると相当来るものがある。
アリーサちゃんでさえ結ばれていないのだからなおさらだ。

「あ、糸はこっちで用意しましたから!
さすがにそこまでお世話になるわけには行きませんよ!」
そう言いつつ、球体に巻かれた黒い毛糸をバックから取り出す。
まぁ、よくあるような太さの毛糸である。無難だ。

1805とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:41:04 ID:5PlY1Cjw
「一応梯子使ってますし、落ちないようにしてますよ?」
落ちないようにしていても落ちる時は落ちるものである。
こうぽやっ、としていると心配になってしまう。

「けど可愛い所もあるんですよ?
 妹さんとか、弟くんにはすごく優しいですし♪」
上機嫌で語る様子はまさしく恋する乙女そのものである。

「はいっ♪ クレドくんも、ジャキくんも、私の大切な人なんです。」
にっこり笑って言うその姿は可憐ではあるが、残酷である。
主にクレドに。

「ふふ、材料とかは自分で揃えた方が気持ち籠もりますもんねー、
 私が買ったのは二人分と、後予備にしちゃいましょうか。」

1806とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:50:33 ID:VISBYFI6
「梯子使っていても傍目から見たら危ないようにも見えるんですよ。
まぁ、ステンドグラスはクレドくんのほうに任せても大丈夫だと思いますよ。」

「……だから優しいって言ったんですねぇ。なるほど………。」
ほうほう、となんだかひとりでに納得している。
……この辞典で彼がツンデレなのだと確信した模様。

「………おそらく一生一緒にいるんでしょうねぇ。」
それが幸運なのか不幸なのかは別として、そうしみじみと

「手作りと称するなら最初から最後まで自分の手でやるべきですからね!
無地一色になりますけど、とりあえず形にはしてみようかと!」

1807とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 01:54:17 ID:5PlY1Cjw
「んー、けどクレドくんもお勉強忙しいですし、
 あんまり頼っちゃいけないと思うんです。」
できることはじぶんでやらないと、と言って笑う。
強い人である。

「それに、何だかんだ世話焼きさんなんです。
 困ったなぁ、って想ってる時に限って来てくれて♪」
コートニーも年頃の娘なら解るだろう。
これは確かに、あの一本気なクレドが無理と察するわけだ。

「そうなったら、とっても素敵ですよねぇ。」
ほんわか、やんわりとした笑顔で。

「無地一色だと……茶色や、赤色。
 暖色が暖かそうでいいかもしれませんねl,後は……ねずみいろとか。」

1808とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:07:53 ID:VISBYFI6
「それでも、ですよ。アリーサちゃんだってクレドくんのためになっていますしね。
クレドくんだって恩返しがしたいんだと思いますよ」
何を持ってクレドくんのためになっているかは言えない。
言ったら終わる。クレドくんが

「…………なるほど。いい男(ヒト)なんでしょうね。その人は。」
そう言われるとこうまでべた惚れなのもわかってくる。クレドくんに勝ち目がないことも。
それでも、クレドくんの見方である立場から降りる気はまだないが。

「うーん……兄さんは地味なのが好きなんですよねぇ……色合いが。
そうしたら灰色とかになりますかねぇ。モノクロの服を好んでたので黒にしましたけど、失敗しましたかねぇ……。」
うーん、と毛糸を片手に唸っている。

1809とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:09:38 ID:5PlY1Cjw
「んー……コートニーさんがそう言うなら……、
 けどクレドくん、無茶しちゃう所あるからなぁ。」
うーん、と唸りながら針に糸を通したり。
クレドからすればアリーナが、なのだが。

「はい、とっても。」
自信満々である。

「んー、モノクロトーンなら黒で大丈夫なんじゃないでしょうか? 
 温かみのある色ですし……それに、手作り、ってだけでも充分ですよっ」

1810とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:18:12 ID:VISBYFI6
「クレドくんの様子からするとアリーナちゃんが無茶するように思えましたけど?」
様はお互いに自分のことがわかってないだけなんじゃないかと、第三者であるコートニーは指摘する。
………この様子ではジャキ、という人でさえ無茶をするのではないかとあらぬ疑いをかけている。

「そうですかねぇ………そうですよね!
とりあえずは作ってみましょう!」
そう言って気合を入れていざマフラーを作ろうと気合を入れるも………

「………にゅー…………。」
針に意図を通すところから苦戦している模様。
予習はしてきたが、こういうところでさえ実践はしていなかった。

1811とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:21:38 ID:5PlY1Cjw
「そんな事ないですよー? 意外と体力あるんですからっ」
きょとん、と首をかしげた後ガッツポーズ、可愛いな畜生。
一度聞いておいた方がいいかもしれない、色々。

「はいっ、がんばりましょーっ!
 ……糸通し貸します?」

くすくす、と笑いながら差し出す。
持っててよかった文明の利器。

1812とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:29:26 ID:VISBYFI6
「それでもクレドくんからしたら無茶してるように見えるんでしょうね。
この前あった時にも諌められてましたし。」
あざとい、と感じる程でもなく、可愛い。そう素直に思えるほど彼女の仕草は愛らしかった。
女性としての敗北を認めざるをえないのであった。

「ん、そういえばジャキさんはアリーナちゃんにはどう映るんですか?
やっぱり、無茶しているように思えるんですか?」
糸通しに集中しながら送付と思ったことを訪ねてみる。
ろくに考えずに発言してしまい、内心ではこの質問、失敗した!と悔やんでいるが

「………お、お願いします…………。」
……結局糸を通すことができず、頭を下げてお願いするのであった。くっそ情けない

1813とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:31:29 ID:5PlY1Cjw
「んー……そう、なんでしょうか?
心配、掛けちゃってるのかなぁ。」
うぅん、と唸って考える。
こういうのは当人の意識の問題だけに難しいのである。

「ジャキくんはー……そうですね、ジャキくんこそ無茶するタイプだと思いますよ?
ほんとはボロボロなのに、こっちの心配ばっかりしてるんですもんっ」
器用に糸を編みながら、つーん、とちょっと怒った様子でそう言う。
この二人が無茶してない、というのは件の彼の所為ではなかろうか。

「ふふっ、がんばりましょーね、コートニーちゃん。」

1814とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:42:59 ID:VISBYFI6
「……でも、お互いに心配する関係なのも悪くはないと思うんですよ。
お節介とも取れますけど、善意からの行動ですもんね。」
実際、行けるかどうかなんて本人にすらわからない問題だが、お互いに気を使える関係であること自体はいいことだと思い、そう声をかけてみる。
クレドとアリーナの二人の関係の問題は、本当にダメだって言わないと無茶でもやろうとすることだろうか。

「………本当に心配しているのなら一度くらいガツンといったほうがいいと思うんですけどね。
無理をする人は自分が無理をした結果どうなるかをわかってない人がほとんどなんですから!」
まるでそれが実体験であるかのように不機嫌な様子でそう言っている。

「……よしっ!できた!
頑張りましょうか!」
……糸通し使ってようやくできたのに成し遂げたような様子でそう言って早速マフラーを編みにかかろうとしたのであった。
編み方の本を見ながら

1815とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:46:15 ID:5PlY1Cjw
「ふふ、そうですね。
そういうお友達って、すごく貴重で、大切ですもん。」
にこにこ、とほんとうに嬉しそうに話す。
自分にそういう相手が、相手にそういう相手が居る事が嬉しくてたまらない、といった感じだ。

「言って聞いてくれれば良いんですけど……
 全く、本当ですよっ!」
激おこプンプン丸である、可愛らしい。

「ゆっくり、頑張りましょうね。
 まだまだ冬まで時間はありますから、……確実に、ですっ!」

えいえい、おー! とやりつつ、
先ずはマフラーの編み方辺りから丁寧に教えるのであった。
……尚この後はむちゃする男談義に花が咲いたとか。

1816とある世界の冒険者:2013/09/23(月) 02:50:11 ID:VISBYFI6
【FO】

1817とある世界の冒険者:2013/10/16(水) 20:23:38 ID:FMErojrA
-クエスト発注所-

最近王都周辺で目玉がくり抜かれて死んでいる獣や魔物が多数発見されていた。
初めは蝙蝠、野ウサギなどの小型の獣であったそれが
何時しか野犬、熊、魔獣となっていくのにさほど時間はかからなかった。
そしてついにヒトが餌食となる。
老若男女問わず発生しだしたそれに対応するようクエストが大々的に発せられたのだが…

此処はクエスト発注所。
物騒な話には大金が動く、集合場所に集まった面々とは。

1818とある世界の冒険者:2013/10/16(水) 20:55:12 ID:FMErojrA
FO

1819とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 21:50:47 ID:Q8rXjlL.
「あとは名前……名前、浄化……浄化………負の力に対するんだから勝ちとか……いや、これじゃないな。
ちょっと語呂が悪いし、これで決まらなかったらダサすぎる。」
咄嗟に決めた名前ではなくしっかりとした名前を考えつつ、じりじりと斬り合っている二人に近づいていく。
狙うは二人が仕切りなおした時、今近づいてはボロクソになるだけだろう。

「負の反対は勝ちとかじゃなくて……正と負、うん、そうだな。
………うん、そうしよう名前も決まった。」
あとは機を待つだけ、右腕に魔力を集中させておそらく最後であろうチャンスを待つ。

1820とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 21:59:55 ID:n5pz6X6o
「(魔法無しに出来る事…… ……二人同時に邪魔する事は、まず不可能)」

「(邪魔できるのは剣刀士さん、ただ一人だ)」

魔力が尽き、侵負への唯一の攻撃手段を失った。
だが、静かに自分のできる事を見据える青年

目の前では剣で鬩ぎ合う二人、今のところ介入できない

「(今のところベターなのは、剣刀士さんがベルさんの得物を叩き落とす事、次にいいのはそれの逆だ)」
「(最悪なのは、そういう過程なしで決着がつく場合 ……二人とも死なせたくない)」

1821とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 22:04:15 ID:MPao1jZE
>>1819>>1820
二人の剣撃は続く。
隙らしい隙は待って作れるか微妙だ…

1822とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 22:17:56 ID:Q8rXjlL.
単身ではおそらく近づいてもただやられるであろうことを考えると一手がほしいのも事実。
だが、ディフの様子を考えると剣士を引きつけてもらうのは無論、時間稼ぎも厳しそうであった

「………すまん、ディフ。ほんの一瞬でいい。隙、作ってくれるか?」
それでも、頼まざるを得なかった。
理由はただひとつ。己の実力不足。

「わずかでも意識がそっちに向いてくれればいいんだ。死にに行けとか言ってるわけじゃない。
結局やれることなんて、突っ込んで殴ることぐらいの俺じゃあどうしようもないんだ。頼む。」
そう言いつつそのわずかに作られるかもしれない隙が来るのを待つ。

1823とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 22:33:53 ID:n5pz6X6o
>>1821-1822
「……………」

待てども待てども、介入できそうな隙を与えてくれない二人
決着がつくのも遠い昔、それもその時には取り返しのつかない事になっていそうだ

現バディであるビートも同様の事を感じているのだろう
気配的に止めを刺すための前準備は終わった、そもそも隙を作る係ではない

「………あの二人がいるのに随分と無茶を言ってくれるねビート君」
「だけど僕も、病院のお世話になる覚悟はできた ………腕の切断面が綺麗であることを祈ろう」

腕を一本二本犠牲にする覚悟ができた、短剣を構える
願わくば、短剣の守護霊の加護があらんことを

「―――――― !」

身を低くし、二人の戦闘に突っ込んでいく
幸いにも、隙を窺うため見ているうちに目が馴れてきた
ベルの斬撃を剣刀士が防ぎ、一度弾く そのタイミングを狙う

第二撃目が来る前に、二人の間に自分の体を突っ込む
剣刀士の足にもたれるように、ベルの斬撃を防ぐように短剣を頭上に
そしてもし防ぐことができたら、足を前につきだしベルの足を押す
そして同時に背で剣刀士のバランスを、崩そうとした

1824とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 22:38:00 ID:MPao1jZE
>>1822>>1823
ズズン!

ディフが覚悟を決め戦いの渦中へと身を投じたタイミングで大地が揺れた。

剣刀士「な!」
ベル「!?」

二人のバランスが崩れる。

1825とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 22:56:58 ID:Q8rXjlL.
(何が何だかよくわからないが………今だ!!)
地面が揺れたことの驚きよりも二人に隙が生まれたことへの意識が大きかった。
魔力をできる限り右腕に集め、迷わずにベルに突っ込んでいく。無論、剣士に邪魔されるかもしれないが……

「"そっち"は任せた!」
それはディフにどうにかしてもらおう。全力でベルをどうにかするべきだ。
故に心を一度空にし、代わりに事象と、名前と、動きをひたすらに頭に浮かべる。

「お前の中で蝕んでる侵負!!
聞こえてんなら………消えろ!!!」
ベルに突っ込みながらまるで呪文を唱えるようにそう言う。
右腕は魔力光を放つほどに魔力がつぎ込まれていて。


「正拳、入魂!!」
そして、その言葉とともに魔力を集中させた右腕で、ストレートを放つ!

1826とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:02:13 ID:n5pz6X6o
>>1824-1825
「(―――――! せいこう、し、た………!)」

心臓が早鐘を打ち始める、腕一本どころか幸いにも無傷だ
問題は自分が混ざろうが混ざらなかろうがまったく問題なかったんじゃないかと思える点、そこはつぶろう

1827とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:03:07 ID:MPao1jZE
>>1825>>1826
ベル「っ!!」

腕を交差させビートの一撃を受ける魔女。
叩き込んだ個所から魔力光が魔女の身体表面を駆け抜けていく。

ベル「な、なんだこれはぁっ!!」

ビシビシと音を立てて纏っていた瘴気が乾き剥がれ落ちるペンキのようにその身から消えていく。
負が無力化され只の魔力となって周囲に拡散しているようであった。

1828とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:15:29 ID:Q8rXjlL.
「………っ……どうだ……!」
(……あ、これやべぇ………魔力なくなるってこういう感覚なんだな………。)
過剰に魔力を使ったからか、魔力切れを起こし、
初めての経験からか軽い症状にもかかわらず大きくよろける。

だが、ベルの様子を見て成功を確信しつつ様子を見ている。

1829とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:18:05 ID:n5pz6X6o
>>1827-1828
「(ビート君の方も成功した、だけれど……)」

「(……さっきの事もある、多分今が一番…… 気を抜いちゃいけない場面だ)」

あのタイミングがよすぎる地震、あれが故意の物だとしたら
成功したそのタイミングで仕掛けてくるかもしれない
そうじゃないとしても、気を抜いているであろう今は奇襲をかけるには一番のいいタイミングであるはず

1830とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:24:26 ID:MPao1jZE
>>1828>>1829
ベル「げほっ…あー……あったまいったぁ…」

コンコンと己のこめかみを小突く。
どうやら元に戻ったようでその姿もいつものものに戻っている。

ベル「ってビート後ろっ!!」
剣刀士「くそっ!!」

ディフの予想は正しかった。
ただ相手が仕掛けたのがビートが浄化をせんと
拳を叩き込んだタイミングであったということだけが不幸であった。

黒い傘、その先端は槍のように尖っており易々と鎧を打ち抜いた。
ビートをかばう為、彼を押しのけ自らがその場に立っていた剣刀士の鎧を。

1831とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:34:26 ID:Q8rXjlL.
「……よかった、うまくいった………って後ろ―――うおっ!?」
元の姿に戻ったのを確認して安心するのもつかの間、
振り向こうとする前に押しのけられて大きくよろめく。

そして、おそらく自分をかばったであろう剣刀士が代わりに攻撃を受けているのを見てしまう

1832とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:41:30 ID:n5pz6X6o
>>1830-1831
「――――――!!」

剣刀士の鎧を貫く黒い傘
見覚えがないはずがない、今さっき見たばかりなのだ

「ビート君!! 急いで、浄化してくれ!!」

「間違いなく、侵食しているぞ!!」


青銅製の短剣を手に、この傘の持ち主を探す
自分だけじゃない、もはやビートも魔力切れ
ベルも戦えるかどうか不明、剣刀士に至っては最早頼れない

ビートの後方に、強い視線を突きつける

1833とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:43:07 ID:MPao1jZE
仮面が鎧が、剣刀士としての装備が全て爆ぜ消える。
糸の切れた人形のようにそのまま膝から崩れ落ちる…

ベル「ドムス!!」
侵姫「あらあら…千載一遇の機会を台無しにしてくれるなんて」

皆から大分離れた場所に黒いドレスに身を包んだ黒長髪の女が現れる。

ベル
「アンタ…まさかずっと居たわけ!」

侵姫
「当然でしょう。目的は目覚めかけの『竜』を殺す事だったもの。
 貴女を侵負にしようとしてのはあくまでその過程で目的ではなかったのよ」

1834とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:49:13 ID:Q8rXjlL.
「ちょ、ちょっと待って。
浄化するには魔力が……」
左手で頭を抑えながらディフにいう。
魔力は自然と回復するものだと認識していたからか、こういう時どうすればいいのかというのがわかっていない。

「………なるほど、アレが言ってのはこういうことか。」
……だが、実際余裕があったとしてもすぐに浄化はできないだろう。
ベルをああした存在がいるのだから隙を晒せば一発であの世行きだろう。

視線を上げてドレス姿の女に目を向けつつ小声でつぶやく。
余裕はないが、それを隠すように鋭い視線で威嚇するように。

1835とある世界の冒険者:2013/10/20(日) 23:58:30 ID:n5pz6X6o
>>1833-1834
「………そして、あえなく失敗したっていう訳だ」
「何のことかはわからないけど『竜』が目覚めた、不意打ちも失敗した」

怪我人を庇うように、三人の前に立ち短剣を構える
そう、不意打ちは失敗した しかしだからなんだろうか
こっちの方が数が多いとはいえ力量差は歴然、しかも絶不調である

1836とある世界の冒険者:2013/10/21(月) 00:05:06 ID:Ntb4lCRM
>>1834>>1835
ズズン!とまた大地が揺れた。

侵姫
「もう、流石に準備なしで彼女の相手は骨が折れるでしょうし
 …仕方がないわ、今日は大人しく引き下がりましょう」

侵姫が消えると同時に周囲の風景も崩壊してく。
今度は本当に去ったようである。

ベル「…待ちなさ―ぐぅ」

魔女が膝をつく。
身体にかなりの負担がかかっていたようである。

1837とある世界の冒険者:2013/10/21(月) 00:19:14 ID:ZalP7huk
「………はぁ、助かった。」
相手が消え去るのを待つと大きく息を吐きながら大の字で地面に仰向けに倒れ込む
正直、勝ち目はないと思っていた。撤退してくれてほんとうに助かった。

「……なぁ、大丈夫か?
まぁ、あれだけ動き回ったんだから無理してて当たり前か。」
地面に倒れ込んだまま、ベルにそう話しかける。
口ぶりはともかく、声色などからして本当に心配しているのは確かだ。

1838とある世界の冒険者:2013/10/21(月) 00:22:24 ID:.KKT6sXE
>>1835-1836


「………『彼女』?」

ここにいる女性と言えばベルとドムス、ともに敵ではないはず
明らかに地震の源を指していた。


「(考える時間がほしい、しかし状況がそれを許さない)」

懐からハンカチを取り出すと、ドムスの傷口に当てる
そして抱きかかえると、塾生、もしくは講師がいるだろう場所に足を向ける

「……魔力切れの状態だときついかもしれないけど、ベルさんは任せたよ」

1839とある世界の冒険者:2013/10/21(月) 00:34:00 ID:Ntb4lCRM
とそんな感じで次回に続く。

1840とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 21:21:42 ID:U8SGRW5k
見る間に周囲の風景があるべきものに戻っていく。

エルフ「ん、逃げたかぁ」
リヒテン「たはは…あれだけ派手にやりゃあ逃げるだろ…フツー」
フォンベル「つーか全然気がつかなかったな。殆どが留守にしていたのも大きいとは思うが」

その場には褐色の肌に銀の髪が映える赤眼の女エルフを筆頭に、
改悪された神父服を纏い煙草を銜えているサングラスの男と
古びた黒ローブを外套の様に羽織るオッサンが居た。

1841とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 21:32:29 ID:Vx8blBzs
>>1838
>>1840
「…………あぁ、後で追いつく。」
実際、傷を癒やすにも一番近い塾に行くべきなのだろう
体に少しでも余裕ができたら自分も向かおうと心に決めてディフにそう言って

「…………本当にいなくなったっぽいな、良かったよかった。
………うげっ、お前いるんかい。」
風景画元に戻ったのに気づくと安心したように息を吐いて
そしてリヒテンと目が会うやいなやめんどくさそうな表情とともにそんなことを言う

1842とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 21:38:12 ID:G8XGq8No
>>1840-1841
「………!」

陰鬱とした風景が消え、元の穏やかな私塾に戻った
その中で今一番見つけたかった人の姿を見て、すぐにそこに駆け付けた

「フォンベルさん!怪我人がいます! 今すぐ治療を……!!」

1843とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 21:42:29 ID:U8SGRW5k
>>1841
リヒテン「うるせぇ燃やすぞこの半人前が」

ツカツカとビート前に歩み寄る。

リヒテン「おい、魔女。随分と無茶な事をしてたみたいだな」
ベル「そうね、今回ばかりはしくじった」

魔女はふらつきながらも立ち上がる。

1844とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 21:44:49 ID:U8SGRW5k
>>1842
フォンベル「怪我人?」
エルフ「いや、怪我はしていないな。…もっと深刻だ」
ドムス「ええ、怪我だけなら未だよかった」

隻眼が立ち上がる。
その身体に傷はない。
纏わりつくような瘴気も感じられない。

1845とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:00:45 ID:G8XGq8No
>>1844
「傷がない……? け、けれど……」

確かに目の前で、剣刀士を身に宿したドムスが貫かれた
実際に鎧が砕け散る様子も、はっきりと見たのだ

「……… その深刻って、あの傘のせいで侵食されているという事?」
「それともあの剣刀士さんが危ないって言う事?」

1846とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:02:28 ID:Vx8blBzs
>>1842
>>1843
「燃やせるもんなら燃やして………今の俺なら燃やせるか。」
リヒテンの言葉に反抗していたが、自分でも残念だったのは自覚しており、認めるような言葉とともに押し黙る。

「………無茶?無茶ってなんだよ。
てっきりお前がアレに騙されたんだと思ったんだが。」

1847とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:05:10 ID:U8SGRW5k
>>1845
エルフ「その存在が確認できない」
ドムス「ええ…死んでしまった」
フォンベル「まじかよ…色々聞きたいことがあったんだぜ!?」

>>1846
リヒテン「この魔女が騙される?ありえねえ」
ベル「迂闊と言う他無いわ。やっぱり内側に潜んでるものなのね連中は」

1848とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:17:54 ID:Vx8blBzs
>>1847
「………つまり利用しようとしたってことか?侵負を。
お前なぁ、使いこなせてなかった俺が言うのも何だけど、暴走したら洒落なんねぇんだぞ?」
ベルの言葉を聞いて呆れたような口ぶりでブーメラン発言を行い
(それとも俺ならともかく、自分ならできるって思ってたんだろうかね?)

「………俺をかばわなければ良かっただろうに。」
剣刀士が死んだという言葉を聞いて、ポツリと言葉を漏らす。、
なんで自分をかばったのだろうか、俺がうまくやれていたら死なないで済んだのではないだろうかと後悔しながら

1849とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:24:44 ID:G8XGq8No
>>1847-1848
「…………そん,な………」

表情が、一気に暗くなった
剣刀士とはそんなに親しい仲ではない、そもそも数回しか有った事のない人間だった
対侵負の術式を得る途中に乱入してきた、
大型酸妖蟲と戦う直前どうすればいいか示した
ベルを始めに追い込んだ時、自分達を無視して止めを刺そうとした
恐らく自分達を信用してなかったのだろうし、信じて待つこともしてくれなかった
だが、最後の最後にはビートを庇ったのだ、どういう意図だったかは最早知らぬところだが

「……… ドムスさん」
「君の方は、大丈夫か? 少なくとも全く影響がないようには見えないけど」

もはやどうしようもない後悔の感情を締め出し、 思考を今に向ける
剣刀士が死んでしまったのなら最早どうしようもない、死者を蘇らせる魔法なんてないのだから
それならば、前に進むべきだろうと

1850とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:32:05 ID:U8SGRW5k
>>1848
ベル
「知ろうとしたのよ。敵を知り己を知れば
 …あー……リベンジしちゃる!!」

懲りてなかった。

リヒテン「おいおい…いやまあ発想は悪くねえけどよ」

>>1849
ドムス「問題ない範囲だよ。彼女が庇ってくれたおかげ」
フォンベル「だが貴重な情報は失われたわけだ。対侵魔道具のヒントが」
エルフ「つまり限られた人員で事に当たるしかない…昔と変わらないな」

1851とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:38:01 ID:Vx8blBzs
>>1850
「………もう一度暴走して、俺の知らんところで誰かに殺されても知らねぇぞ?
今回だって、あんにゃろうが不意打ちしてきたし危ないなんてもんじゃなかったんだから。」
はぁ、と溜息をついて

「侵負をもって侵負を制すってことだろ、でも危なくねぇか?
それに俺が侵負宿したときは殺しにかかってきたじゃねぇか。止めねぇのかよ。」
ふと気になったことを口に出しつつ上半身だけ起き上がり

1852とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:51:24 ID:G8XGq8No
>>1850-1851
「(…………しかも、その事がだんだん増えていっている気がする)」

謎を探れど探れど余計にわからない事が増え、やる事が増えていく始末
しかももうすぐ侵負とBOCの全面戦争、勝率を上げるために自分達もおそらく参戦する必要があるはず
心許ない

「………あの、そういえば……こちらの方は?」

今更だが、自分と初対面のエルフがいる事に気付いた
銀髪のエルフの女性、確か知り合いにはいなかったはず
記憶生理の途中で、火水神社で見たあの映像と侵負を殺生石に変えたあの女性がよぎったが

1853とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 22:58:27 ID:U8SGRW5k
>>1851
リヒテン「魔女ってなんだか知ってるか?」
ベル「私達はね、悪意の塊飼ってるようなもんなのよ。対価として得ているのが魔術の才能」
リヒテン「んで、魔女と俺らは同盟関係だな、今はだが」
ベル「侵負騒ぎが終わったらまた魔女狩りでもするのかしら?」
リヒテン「そりゃするぜ、度合によるがな」

ゴゴゴゴ… 妙な緊張感が二人の間に走る。

>>1852
エルフ「私か?アルリアナ高司祭のヘルテンツァーだ」
フォンベル「対侵負のエキスパートって所だ。バーさんの知り合いだな」
ベル「アッテネお婆ちゃんの?」

1854とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:14:54 ID:G8XGq8No
>>1853
「対侵負エキスパート? それならキ…………」
「黒ドレスを着たあの鬼婦人が『あの女』と呼んでたのは」

だとすると、目の前の女性が二度に渡る地震、というより空間を揺るがしたアレをやった張本人
高司祭とだけあってなかなかの実力者だ

「……助けてくれて、ありがとうございます。 おかげでベルさんが救出でき、難を逃れる事ができました」

「それはそうとナチュラルに話入ってるけど休んだ方がいいんじゃないかな三人共」

確か戦闘終わってぶっ倒れた三人、魔力切れに侵食疲れ、ドムスは大丈夫かもしれないが
それとさりげなく自分も魔力切れ、ビートほどではないが少し疲れた

1855とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:21:34 ID:Vx8blBzs
>>1853
「へぇ、魔女っつっても他の人間と変わんないように見えたけど、そんなんだったんか。
正直、あのばあちゃんに魔法教えてもらったのが魔女を自称してるだけかと思ってたわ。」


「………魔女の家のメンツを見るからに、そんなことしなくても大丈夫だと思うんだけどなぁ。
実は俺の知らない奴に暴れまわってる奴がいた、なんて事があったとしても今は温厚な奴ばかりだし。」
そう緊迫した雰囲気の二人に向かってのんきな様子で言っている。
協会が手出しをしなければ対立することもないだろう、という確信を持ちながら。

1856とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:24:14 ID:U8SGRW5k
>>1854
ヘルテ「ん、くるしゅーない」

ディフの言葉に軽〜く応える。
…あれ、本当に実力者か?

ベル「ふっふっふ、甘いわ。弱っている今だからこそ奴も弱っている筈!!」
ドムス「…その奴っていうのはキミの中の侵負だよね」
リヒテン「あー…マジでやる気かよ?」
ベル「分からないことが多すぎるんだし、こうなったら直接分からない奴に聞けばいい!」
ヘルテ「うん、その理屈は正しい」

>>1855
リヒテン「はん。魔女なんざ探せばいくらでもいるんだぜ」

1857とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:36:45 ID:Vx8blBzs
>>1856
「そうなのか?悪意の塊を飼いならすなんて相当難しいように思えるんだけど。
ヘタしたら侵負で暴走したベルみたいにその悪意の塊に押しつぶされて………ああ、なるほどな。」
そこまで言ったところでようやく理解した。
つまり、悪い魔女がいるからこそ魔女をどうにかしようと思っているのだろう。
ただ、ベルと牽制しあっていたのを見ると恐らく魔女であれば、善悪関係なく片っ端から手出しする気なのだろう。

リヒテンのことを極端な考えの持ち主のように思っているが、侵負を腕にあった時に殺されかけた時点でそうビートの中では確定している。

「ただまぁ、アレだ。重要なのは魔女かどうかじゃなくていいやつか悪いやつかだろ。」

1858とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:37:22 ID:G8XGq8No
>>1856-1857
「(止めた方がいいかもしれない だけど止めても無駄な気がする)」

やる気満々のベルを止められるだろうか、
少なくとも自分にそんな力なさそうだし他の方々も止めそうにない
せめてもの対策にビートを魔石で回復させるべきか


「……ん? 今ベルさんの中に侵負がいるって言ったよね?」
「その侵負って向こうから話かけたりする?」

1859とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:41:41 ID:U8SGRW5k
>>1857
リヒテン
「その良い、悪いは誰が判断するんだ?
 まさか個人レベルでモノ言ってんじゃあ、あるまいな?
 善悪なんざ立ち位置で変わるんだよ」

>>1858
ベル
「ええ、チカラが欲しいか的な事を抜かしてたわ。
 とりあえず目の前の侵負女ぶん殴りたかったから『当然!』って答えたけど」
リヒテン
「完全に騙されてるじゃねーか!!」
ベル
「うっさい馬鹿!溺れるモノは藁をも掴むってやつなのよ!!」
フォンベル
「……いやまあ、そういうもんだよな、うん」

1860とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:55:18 ID:Vx8blBzs
>>1859
「でもその理屈が正しいとしても良い奴か悪い奴か判断しようとしないのは立ち位置なんか関係ない悪だ。」
むっとした表情でリヒテンのことを見据えて
青いのもいいところの感情論だが、少なくとも本人はそれが正しいと信じている。

1861とある世界の冒険者:2013/10/25(金) 23:56:43 ID:G8XGq8No
>>1859-1860
「フォンベルさん、僕上手く説明できないけどそういうものではないと思う」

「力が……干しイカ? 自分の姿を想像してみてくれとか、そういう事は言われなかったの?」

対侵負の術式を怖がっていた辺り、その線の物だろうと推測していた
だが薄々、ベルの中にいる存在とはまた違う物だと思うのだ
少なくとも力が欲しいなんて聞かれてないし気が付いたら協力してくれてた

1862とある世界の冒険者:2013/10/26(土) 00:02:26 ID:Py0s9wjk
>>1860
リヒテン「あ?そりゃ俺が判断してねえとでも言ってんのか?」
ヘルテ「まあ、リヒテンはうち等の中じゃあチィーっと融通利かないかもなー」
リヒテン「んげ、そりゃないぜヘルテの姉さん。俺だってちゃーんと最低限の白黒判断はしてらあな」
ヘルテ「ホントに最低限だよねえ…」

ヘルテ
「で、如何すんだい?どうやら魔女の中の侵負をとっちめる方向らしいけど」
リヒテン
「俺はパスだ。如何いう方法にせよ相手のフィールドに態々踏み込む危険は冒さねえ。
 それに他の奴がしくじって表に出てきたのが負の魔女だったらその場で燃やす準備がいるだろ?」

>>1861
フォンベル「なぬ?」
ベル「んー…?そういうのは全く。頭の中に黒山羊の半獣人みたいな姿で現れたわよ」

1863とある世界の冒険者:2013/10/26(土) 00:18:31 ID:9ima7ooY
「………ちぃと、で済むもんかねぇ。」
第三者の言葉があったからか、気が抜けた様子でそういうのであった。

「魔力が補充できたら別に構わないぜ。そのための力だ。
よいしょっと………こうなったら最後までやってやるさ。」
そう言いながらようやく起き上がる。
起き上がるときのダルそうな表情からしてまだまだ疲れているのだろう。

「とりあえず一旦寝たい。疲れた。」

1864とある世界の冒険者:2013/10/26(土) 00:23:29 ID:vMqeYRqI
>>1862-1863
断言できる情報はないが、間違いなく自分の中にいる『相棒』は侵負ではなさそうだ
最初から完成されてる、ベルの中の侵負は

「………そもそも、リヒテンさんが反応しない時点で侵食はされてなさそうか」


「ビート君が行くんなら僕も行くっきゃないよね」
「一人で行かせるのは不安だし調べたい事もあるし」

1865とある世界の冒険者:2013/10/26(土) 00:24:48 ID:Py0s9wjk
>>1863>>1864
ベル
「休んだら休んだだけ手ごわくなるでしょうが!
 アンタは寝てなさい、私はその間に手懐けてくる!」

ビートを置いていく気らしい。

ドムス
「休憩すべきなのは分かってるんだけどね。今回はそれが駄目なんだもんなあ」

そんな感じで次回に続く!!

1866とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:27:58 ID:ip1mFz5A
>>1865
「わーったよ、そんだけやりたいならやればいいさ。
ただし、暴走しそうになった時点で介入するからな?」
放っておく選択肢はないのか、頭をボリボリ掻きながら
と言っても魔力が尽きている現状ではあまり意味が無いのだが。

「まぁそういうことだから、ベルがやばそうだったらGOサイン頼む。ぶん殴って止める。
…………正直二度目が今できるかは怪しいけど。」

1867とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:31:41 ID:VA800h6I
>>1865-1866
「……GOサイン、出せるかなそもそも」

今回の話の流れ的に、ベルの精神世界?的な場所に行くわけだが
そうなったらどうGOサインを出せばいいんだろうか

「ベルさん、僕に関しては参加OK?」

1868とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:36:29 ID:mGUy2KKY
>>1866>>1867
ベル「御好きにどうぞ…といっても実際の所、大人数では行けないのよね」

フォンベル「まあ自分の中に他人を招き入れるわけだからな、その負担は無茶苦茶なもんだ」
ベル「加えてソレ用の道具が残り少ないのよね…せいぜい行けて3人かしら?」

ヘルテ「そうすると誰が行くかだな」
ドムス「んー…」
リヒテン「さっきも言ったが俺はパスだ」

1869とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:46:45 ID:ip1mFz5A
>>1868
「余力のある人間が行くべきなんだろうが………。
やっぱり侵負に対抗できる人間が行くべきだろうな。もちろん立候補で。」
とりあえず三人そろわなさそうだな、と心の片隅で思い

「人数に余裕があるなら俺は行くぞ。ベルが頑張ってる間休めば少しは元気になるだろうし。」

1870とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:50:18 ID:VA800h6I
>>1868-1869
その三人のうち一人は自分でほぼ確定、
出発までに少しでも体力と魔力を回復しておこうと地面に座ると、魔力回復のポーションの蓋を開け口にする
甘いのに苦い、という常時飲みたいとは思えない味であった

「……一応浄化できる人間は表に何人か残るわけだし、ビート君が行っても問題は無さそうではあるね」

ポイッ、とビートに向け自分の飲んでいるポーションと同じ物をキャッチしやすいように投げる

1871とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 21:55:02 ID:mGUy2KKY
>>1869>>1870
ドムス「んじゃ、残りは僕ってことで」

フォンベル「いいんじゃねえの?」
ヘルテ「…ん、それでいいよ。寧ろそうすべきかもしれない」
リヒテン「そりゃどういうこった?」
ヘルテ「まあ、色々と思うところがあるのさ」

ベル「んじゃ、さっそくこれ飲んで。その間に陣を描くわ」
ドムス「何このドロッとした緑色の液体…くんくん……青臭い!青汁っ!?」

手渡された謎の液体にげんなりする隻眼であった。
無論ビートとディフも飲まなければならないのだろう…

1872とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:03:52 ID:ip1mFz5A
>>1870
「………んぁ?なんだこれ。飲めってことか?
………まずい……が、なんだか体がこれを欲してるような変な感覚、クッソまずいのに」
薬独特の嫌な味に顔をしかめつつポーションを一気飲みする。ちびちび飲むと長く味あわないといけないし
正直いってまずいが、魔力が枯渇しているゔビートにとって必要だと体がわかってるのか無事に飲み干す。早い

「………んで、次はこれか。
あー、臭いはアレだが味は良いとか、そういうたぐいであってくれよ………!」
今度渡されたのは明らかに不味そうな液体、ドロッとしているのもヤバそうだ。
味はともかくポーションで潤った喉で一気に飲み干せるかとも思ったが、これも一気飲みしないときついと感じたのか一気飲みしようと大きくカップを傾ける。

1873とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:07:14 ID:VA800h6I
>>1871-1872
「………数年前の事を思えばまだ、かなりまともな物だね、うん」

とある知人が味も見た目もクレイジーな物を出して来ていた時代を思えば、まだ耐えられる
しかしこれまた決しておいしくない、それでも顔色を変えずさっさと胃の中に流し込む

1874とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:08:19 ID:mGUy2KKY
>>1872>>1873
ドムス「…んー…苦い、やっぱ薬草系かぁ」
ベル「薬草の類は一切入ってないわよ」
ドムス「……へ?」

しかめっ面でちびちびと飲んでいた隻眼が動きを止める。

ドムス「………待って言わな―
ベル「それ全部蟲を潰したやつだから」
ドムス「ぎゃあああああああああああああああ!!!」

叫ぶ隻眼。
にやりと笑う魔女。

ベル「さあサッサと全部飲みなさいな」
ドムス「ナニコレヒドイ」

1875とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:16:45 ID:ip1mFz5A
>>1874
「………………」
飲んでいる途中で言われるのと全部口に含んだあとに暴露されるのどちらがまともなのだろうか。
少なくともどちらも不幸であることが確かだ。

「…………………。」
飲み干したのか中身が空になっているが、飲み干しているようには見えない。
なぜなら顔が青ざめたまま口元をずっと手で抑えているからだ。
故に一言も喋れない。

1876とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:22:27 ID:VA800h6I
>>1874-1875
「…………え、えーっと…… ア、アハハハ……」

横を向けば今にも吐きそうなビート、前を見たら薬の成分を知って絶望しているドムス
この地獄絵図を収める力が青年に眠っているはずもなく、
ただただ無力に笑うしか道は無かった 何かと一緒に飲んだら無効化されるかもわからんから手出しもできないし

ちなみに蟲の類は一時期貴重な蛋白質源としていた事もあったし、
今も冒険者食としてたまーにお世話になる事があるためそんなに抵抗は無かった

1877とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:28:37 ID:mGUy2KKY
>>1875>>1876
ベル
「ほらほら陣も描き終えたわよ。
 今から呪文の詠唱も始めるから唱え終えるまでに飲み干さないと、
 私の世界に足を踏み入れるのはディフ一人って事ね」

ドムス
「…お゛お゛……気のせいかもしれないけど
 侵負の影響下から完全に脱してないんじゃあないのかな、ベルは」

そう呻きながらも隻眼は残りの液体を飲みこむ。
飲み込んだ後、悶え鳥肌を立てて地面を転がっていた。

1878とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:36:33 ID:ip1mFz5A
>>1877
「……………んぐ……けほっけほっ。
あぁ……最悪だ、全部飲んでやったぞ。」
吐き出しそうになったものを無理やり飲み込み、咳き込む。

「まぁ、いざとなったらパンチを叩き込めばいいだろ。
ベルがやめる気無いし、最後までやるしかないさ。」

1879とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:42:01 ID:VA800h6I
>>1877-1878
「………僕は抜け出せてると思うけどなぁ」

前に軽口を叩いたらブチギレながら腹パンされた事を思い出した
そっから考えるに薬の原材料をさらりと言うぐらい軽々しくやってのけるぐらい余裕でしそうだ
そんな事口に出したら何されるかわからないため言えないが

1880とある世界の冒険者:2013/10/29(火) 22:46:15 ID:mGUy2KKY
薬を飲み終え、呪文の詠唱が終わると皆の視界が揺らぐ。
…意識が途切れる、次に目覚めたときには……次回に続く!!

1881とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 03:30:57 ID:5D5UEmho
冒険者の少女、リュナンの住む部屋…
異世界からやってきたという少年と最近同棲を始めたのだが、
少年が部屋へと帰ってくると、なにやら部屋の中の灯りが全て消されて真っ暗である…。

1882とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 03:39:10 ID:KI76A1LE
【そこへクエストから戻った少年が入る……】
(ガチャッ)リュネンさーん、ただいま帰りまs…!?
あれ、灯り消えてる……

【相変わらずさんを付けている、こうしないとなんだか落ち着かないそうだ、まあ今はそんな事に関係はない
真っ暗な部屋に多少の戸惑いを見せる少年、何も知らないのだからしょうがないだろう】

1883とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 03:43:06 ID:5D5UEmho
部屋の中は薄暗く、娘の返事も無い……。
不審に思いながらもリビングへと足を進めると、
急に小さなろうそくの明かりが一つだけ灯る。

「……ふふふふ……
 ………トリック・オア・トリート……!!」
灯りに照らされて浮かび上がるのは、
ベッタベタな吸血鬼コスに身を包んだ娘。

……ベタなハロウィン演出をするために、
わざわざ一人で暗い部屋で待機していた様である。

1884とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 03:59:56 ID:KI76A1LE
ぉぉぉぉぉ……………おおおぉぉぉ………(ふるふる
可愛いです、リュネンさん(ニッコリ
【満面の笑みを浮かべる少年、身体の疲れが何処かへ消えていくのを感じる
とても感激している様でその目にはうっすらと涙が………え涙?え?】

ああ、お菓子ですね…どうぞ好きなだけ(どさどさ
街の子供達に配ってたお菓子と同じものですけど……とても好評でしたよ
【リュックから大量の菓子類が出てくる、チョコレートやクッキー、キャンディなど】

こんなの初めてですよ……もう最高ですね

//ちょっとSafariが繋がらず遅れました

1885とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 04:05:01 ID:5D5UEmho
「……あははは……どうかなコレ?
 ………可愛いかな……?」
と、慣れないコスプレに少々恥ずかしげ。

「……って、何も泣かなくても……!
 あ、ちゃんとお菓子あるなんて用意いいねぇ。
 ……イタズラの方でも良かったんだけどね、ふふふ。」
とか何とか言いながら、お菓子を受け取ってさっそく幾つか頬張る。

「それはそうと遅くまでお疲れ……
 ……パンプキンパイとか、かぼちゃシチューとか作っておいたよ……!」
そう言いながら、シチューのナベを温めなおす。
テーブルの上には、いかにもハロウィンな感じの食べ物が幾つか。

1886とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 04:22:44 ID:qfSA/7qU
いやあ今迄こんな事無くって……如何せん一緒に祝える人がいなかったですし……
学校の休み時間はいつも寝たふりしている様なやつだったので、あはは…
イタズラですかあ?それは用意してないのですよ………後、コスプレ可愛いですよ
【なんだろうこのカップル………爆発すればいいのに……とか思う中の人、それぐらい甘い気がする】

あ、ありがとうございます……いい匂いですね……
【温まってきた鍋からとても良い匂いが漂ってくる】

1887とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 04:30:02 ID:5D5UEmho
「……えー、そうなの?
 もったいないなぁ、せっかくのイベントなんだから楽しまないとさ……!
 はい、どうぞ召し上がれ。」
温かく、いい香りを漂わせるシチューを少年に差出し、にっこりと微笑む。


「……そう、似合ってる?良かったー……。
 ……あんまりこういう格好したこと無かったからさー。
 でも、せっかくだから他にも色々買っちゃったり……。」
黒マントの下にゴスっぽい服装。
……マントの下は、そこそこ露出が多かったり。

1888とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 04:48:21 ID:qfSA/7qU
そうですよね……今年からありとあらゆるイベントをこなしますよ
はい、いただきます!
【今年のイベントなんてもう片手で数えられる程度しかないが……
スプーンでシチューを掬い、大きく一口、かぼちゃの甘さがいい】

おいひいですよ(もぐもぐ……ゴクン
え、他にも?…………ブフッ!ゴフ……ゴホゴホ
【結構露出多めのゴス衣装を見て吹き出す、幸い口からは何も飛んでいないみたいだ】

かなり似合ってますけど、外ではやめておいた方がいいかと思います、はい
【またシチューを食べ進める】

1889とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 04:53:28 ID:5D5UEmho
「ふふふ、クリスマスとか楽しみにしてるからね、プレゼントとか…!」
シチューを食べる少年を眺めつつ、幸せそうに微笑む。

「あはは、結構見えるもんねコレ……。
 ……外では確かに恥ずかしいかも。
 でも、こういうイベントのときくらいはいいかもねー……?」

1890とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 05:03:06 ID:qfSA/7qU
まあ後はそういう格好をした自分の責任ですからねー
もう何も言いません

あープレゼントですかー………あ、忘れてました(ゴソゴソ
これ、どうぞ
【真っ白な箱に赤いリボン、プレゼントのテンプレの様な箱を取り出す、
が、これはいわゆる『びっくり箱』と言われる代物で、開けようとしてリボンを解くと人形が飛び出る仕組みだ
随分分かり易い様に感じるが、引っかかるだろうか?】

1891とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 05:09:24 ID:5D5UEmho
「え、なにプレゼント?
 ……わー、ありがとう……!
 一体なんだろう……?」
無警戒に箱を受け取り、いそいそと開け始め…。

「……うぎゃっ!!?」
飛び出た人形の仕組みに、面白い様にひっかかって驚く娘であった。

1892とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 05:15:34 ID:qfSA/7qU
〜〜〜〜〜〜ッ!
【見事に引っかかる様子を見て笑いながら悶絶する少年、さっきとは全く違う涙が頬を伝う】

ハァ、ハァ、フゥ……ごめんなさいごめんなさい、面白くてちょっと……
大丈夫ですか?
【気休めに頭を撫でる少年、もう遅い気がする】

1893とある世界の冒険者:2013/11/01(金) 07:04:54 ID:DKVI42DI
//(´;ω;`)ミトさん寝落ちですか?

1894とある世界の冒険者:2013/11/05(火) 23:38:43 ID:DpZi/yFE
-王都 市場-
多くの人々で賑わう市場。昼時ということもあり、活気に溢れている。

「あとは……卵とミルクか」
そんな市場をくすんだ金髪に褐色肌の青年が歩いている。
メモを片手に野菜が詰まった紙袋を抱え、買い物中のようである。

1895とある世界の冒険者:2013/11/05(火) 23:49:15 ID:KvObLPz2
「あとは……えっと、タマゴと牛乳……」
大家族の買い物を一手に任される少女……いや、「少女」と「女性」の境目辺りだろうか。
質素な衣服と布の大きな買い物袋に似合わない、美しい金色の髪を風に吹かせつつ、メモ書きを読んでいる。

「ユリちゃん、また一日で大瓶飲み切っちゃうんだから……こっちの農家さんが安いんだったっけ……?」
左手に持った袋の中身はかなりの量の食材である、相当な重量があるように思えるが平然と持ち上げている。
それよりメモに集中し過ぎており、周りに注意が行かない方が危ない。

1896とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:00:50 ID:i3ZXnOSk
「たまの休日だっていうのに……人使いの荒い…」
軽く溜息を吐きつつボヤく。
こちらも大家族、買い物の量は必然多くなり、男手が必要になる。
普段は父母が担当しているが、生憎と今日は忙しいらしく彼に任された。

「(お…あの小手良いな…)」
ふと、はす向かいの防具屋に飾られている小手に眼が止まり、そちらへ視線が移る。
当然、正面に対する注意は散漫になりーー

1897とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:09:31 ID:k1kUW7bQ
「私もちょっとは飲んでるけど、もう毎日買ってる気がする……」
身長は年齢相応には伸びているようだ。最近の悩みは身長より体重らしい。
周りに流されて食事の時間が定まらないのが原因だとか、勿論そんなに太ってるわけでもないのだが。

「ユリちゃんが色々と討伐してお金稼いでるから大丈夫だけど、これだと…………ひゃう!?」
そして、ごっつんこである。

1898とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:18:22 ID:i3ZXnOSk
「おっと…!?」
ゴツッ!という良い音がした。恐らくキラの頭の方が痛い。

「大丈夫か?…って、あぁ!!」
体格が良いためコケることはなかったが、ぶつかった衝撃で紙袋からりんごが落下。
コロコロと転がり始める。

1899とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:26:04 ID:k1kUW7bQ
「いたたた……ごめんなさい、ちょっと買う物を探して、て……」
こちらは転んでカバンを落としつつ。大丈夫だ、中身は問題ない。

「あっ!……風、こっちに吹いて!」
スッと腕を前に出し、りんごの転がる足元に突風を吹かせる、これでりんごはこちらに転がってくる……



はずだった。ちょっと風速が強すぎる。おかげで逆方向にすごいスピードで転がっていく。

「わ、わわわわ!?風止まってー!?」
止めたらそのまま慣性で転がっていった。

1900とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:39:04 ID:i3ZXnOSk
「ちょ…!? っとぉぉぉ!!」
反対に転がったりんごをヘッドスライディングで何とかキャッチ。

「ふぅ…良かった……。悪かっ…」
ホッとした様子で埃を払いながら立ち上がり、改めて謝ろうと向き直ったところで

「……キラ? 久しぶりだな」
ようやく旧友とわかったらしい。

1901とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:44:55 ID:k1kUW7bQ
「ご、ごめんなさい、普段は上手く行くのに……今日調子悪いのかな」
むしろ絶好調過ぎて問題だ。
日々成長する魔力に、若干振り回されている感じだった。

「とにかく荷物が無事で、よか…………あれ?」
言いながら自分の荷物を持ち上げたところで、気付く。

1902とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 00:55:20 ID:i3ZXnOSk
「元気そうだな、相変わらず。
 キラも買い物か?」
りんごが割れていないのを確認し、紙袋に詰め直して。

「あ…ぶつかったとこ、怪我とかしてないか?」
そう言いつつ、ぶつかったであろう額に触れる。
血は繋がっていないがロディの弟。
顔立ちは全然違うはずなのだが、やはり何処か、雰囲気が似ている。

1903とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:04:04 ID:k1kUW7bQ
「ん、うん、お姉さんにお使い頼まれてて、ね」
すっかりクレファーナ一家に馴染んだようだ。
他の何にも影響されずにミレイユにだけ馴染んでくれればいいのだが。

「だいじょぶだいじょぶ、これくらいなら…………っ」
少し息を呑む、随分と前の事なのに、頭に、心に残っている思い出。
長い間体を封印されていた苦しさも忘れるような、多くの事を体験したコトを。

1904とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:08:15 ID:i3ZXnOSk
「そうか? ならいいけど」
見たところ怪我も無さそうだ、と手を引っ込める。

「お互い、家族が多いと大変だな」
キラの心情など知る筈もなく、お互いの大荷物を見て苦笑を浮かべる。

「他にまだ何か買うものあるのか?」

1905とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:17:04 ID:k1kUW7bQ
「……私のところは、ちょっと普通じゃないしね」
色々と思うことはあったが、まずは置いておこう、と気持ちを切り替え返答する。
精霊なり妖精なりドラゴンなり、ちょっとどころではなくかなり変な家族構成だ。
……このメンバーが共同生活を送っている光景も、不可思議なものだが。

「あ、そうそう、卵と牛乳なの、牛乳はあっちの方だからすぐなんだけど……」
卵はあんまり行ったこと無いから、とちょっと困り顔。

1906とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:24:53 ID:i3ZXnOSk
「ウチも大概だけどな」
人間、亜人、ハーフエルフ、元生体兵器、龍に犬。
家族構成のカオスさなら同レベルである。

「卵と牛乳? なら丁度良いな、俺も同じものを買う予定なんだ」
と、買い物メモを見せて。

「ついでだし一緒に行こうか。
 卵も安くて良いとこを知ってる」
そう言い、キラの分の荷物も持ち上げる。
人並み以上の膂力は健在なようだ。

1907とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:33:08 ID:k1kUW7bQ
「……お互い、大変だね?」
気持ちを共有できる友人というのは、とても大切である。
似たような立場の相手だと、自然と素直な話も出来るものだ。

「そうなんだ、調度良かったかなっ……あ、それなら大丈夫……だけど、お任せしちゃおうかな?」
そう、意外とカバンが軽かったのである。

「ちょっと特別な素材で作ったカバンでね、私のお気に入りなの」
一家が得意な「風」の力を込めた魔法の糸玉で縫い上げたカバンらしい。
荷物を多く入れても軽く持ち上げられる、便利な代物だ。材料費もそこそこかかったらしい。

1908とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:42:35 ID:i3ZXnOSk
「まぁ、悪くはないけどな」
フッと笑みを浮かべて。
出会った当初に比べると、口調も雰囲気も随分と柔らかくなったものだ。

「へぇ……便利だな。
 まぁ女の子が沢山買い物するにはこういうのがいるかもな」
鞄を肩に掛け、再び歩き出す。
まずはキラの知っている牛乳屋から。

1909とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:49:20 ID:k1kUW7bQ
「うん、私もねっ」
感情豊かになったのは、キラも同じくだ。
凍てついた心を溶かしたのは「家族」だけでは無かったのかもしれない。

「こういうアイデアを思い付くのってすごいと思うんだ、私」
発案者は言うまでもなくユリだ。
何故自分で作らないのか、面倒だからである。

「こっちに行って……あ、居た居た」
牛乳を売る農家だ。別に普通の農家だ。胸が大きい美人さんであること以外は

1910とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 01:58:53 ID:i3ZXnOSk
「…………」
何か言うでもなく、ただ微笑を浮かべて見返すだけ。
なお他意はないもよう。

「確かにな。ウチの家族にも得意な奴がいるけど、凄いと思うよ」
俺はそういうのは苦手だから、と苦笑して。

「待ってるから買ってきてくれるか?」
と自分の分の牛乳代を手渡して。
反応が薄いのは多分、見慣れているからだろう。どっちをかは言わないが。

1911とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:06:19 ID:k1kUW7bQ
「……やっぱり、なんだか私達似てるのかな?」
そして、似てるから引き合わせられたのかな、とは特に言葉に出さず思うだけ。

「これの技術料?とかで結構お使いを頼まれちゃうんだけどね……」
表情を崩しながら一言。買い物のついでだからそこまで辛くはないと足しつつ苦笑い。

「うん、任せておいて…………うん」
彼女も大きいのは見慣れている 居るのだが

(やっぱりこの牛乳、凄いんだろうなぁ……!)
表情で何を考えてるかはだいたい筒抜けだ

1912とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:11:47 ID:i3ZXnOSk
「…あぁ、かもな」
小さく頷いて同意する。

「ハハハッ。随分としっかりしてるみたいだな、その子は」
自分の弟と重ね合わせて笑いながら。

「……(何と言うか…女子は大変だな)」
その様子を見てむしろ同情するのはどうなのか。

1913とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:20:38 ID:k1kUW7bQ
大きな瓶を二つ手に入れつつ、戻ってきた

「……こんなに久しぶりなのに、ついこの間会ったみたいな、気がするな」
とても不思議な感じだ、と一言。時間感覚は少し常人とはズレているかもしれないが、あくまでも今は普通の人間だ。

「色々な意味で、しっかりした「妹」だよ……本当にね」
年齢的には本来の姉より近いので結構会話もするのだとか。
話の内容は半分ほど理解出来ていないようだが。

「?……あ、次買いに行こっか、早くしないと牛乳悪くな……」
早くしないと、で少し考えてしまう。早くしたら、この時間もすぐに過ぎ去ってしまうのではないか、と。

1914とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:30:06 ID:i3ZXnOSk
「ありがとう」
瓶を受け取り、自分の紙袋とキラの鞄に一本ずつ入れる。

「あぁ…そうだな。確かに、そんな気がするよ」
それに同意して頷く。
あの事件からもう4年経つ。長い時間が過ぎたが、昨日も会ったところのような感覚だ。

「すっかりお姉さんだな」
からかうように笑いながら。

「ん、そうだな。卵も買わないと」
キラの心情を知ってか知らずか、再び歩きはじめる。

1915とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:37:10 ID:k1kUW7bQ
「…………お姉さん、か……」
自分自身もあまり自覚していなかったが、この歳月は少女から女性へと移り変わるだけの成長を促してくれた。
背だって伸びた、先程はちょっと困ったが、胸だって、ちょっとは……

「…………(……なんでだろう、私、今……帰りたく、ない)」
無言で着いていくが、頭の中は様々な感情が走り回っている。
これは、なんなんだろう。よくわからない、きもち。

「……ね、ねぇ、時間があるなら……ちょっと、休憩していかない?!」
思わず大きな声が出てしまった、言葉を発してから恥ずかしがる。

1916とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:43:59 ID:i3ZXnOSk
「……」
キラの考えていることなど露とも知らず、淡々と目的地に向かう。

「ん? あぁ…構わないけど。
 そうだな…少しお茶にでもするか」
振り返ってそう返し、進行方向を変える。
喫茶店にでも行くのだろうか。

1917とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:49:47 ID:k1kUW7bQ
「あ、で、でも牛乳悪くなっちゃうし、卵売り切れちゃうかもしれないし、それにそれに……あと、えと……」
後先考えずに行動してしまうのは「相棒」でもあった「兄」の影響だろうか。
兄なら後悔もせずに突っ走るだろうが、彼女はそうも行かずあたふたしてしまう。

「……大丈夫?その、用事……とか、無い?」
心配症なのも、まるで変わらない。気が弱い、という訳でも無いのだが。

1918とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 02:54:50 ID:i3ZXnOSk
「夏ならまだしも、この時期なら数時間ほっといても大丈夫だろ。
 特に用事があるわけでも急ぐわけでもないし、キラがいいならカフェに行くけど」
微笑ましそうにその様子を見つめ、そう言う。

「それとも、キラは用事とかあるのか?」

1919とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:00:19 ID:k1kUW7bQ
「えっ、私は…………」
そういえば、いつも暇してる妖精と精霊、それとドラゴンが何か新しい物を買っていた気がする。
でもそれは、またゆっくり遊べるだろう。

「私は、大丈夫。全然、問題ないよ」
今日は三人で遊んでてね、みんな。

「それに、卵ならきっと村でも買えるかもしれないから……」
と、最後の台詞は聞こえない程度の小声で。

1920とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:05:31 ID:i3ZXnOSk
「なら行こうか。鮮度が心配なら冷やしといて貰うさ」
そう言って笑い、また歩き出す。

そうして暫く歩き、着いたのがーー

「この時間なら居るだろ」
カフェ・ブルーコメット。
ロディが働いている喫茶店である。

1921とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:09:55 ID:k1kUW7bQ
(で、でもなぁ……リミルちゃん結構勝負事強いから、二人だと相手しきれないかもだし……)
と、色々考え事をしながら進んできたら店名に意識を向けることなく店の前まで来てしまった。

「それじゃ、ちょっとだけ休憩して……うんっ」
きっとこの扉を開けた直後に、また様々な感情が蘇るのだろう。

1922とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:17:33 ID:i3ZXnOSk
そうして店内に足を踏み入れるとーー

『いらっしゃいま…あれ。ルトラ…とキラ!?』
出迎えたのは、カフェの制服に身を包んだロディ。
小さかった背は随分と伸び、童顔だった顔は中性的な顔立ちに成長している。

「よう。買い物中にたまたま会ってな」
そして普通に挨拶する弟。無知って恐い。

1923とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:23:46 ID:k1kUW7bQ
「……ふぇ、っえ!?え、えと、お久しぶりです!?」
何故敬語が出たかは分からないが、動揺はどうしようもなかった。

(わ、わわ、私っ、なんでこんな言葉遣いに……!?)
更に忙しくなる脳内、サラマンダーもビックリな回転速度で思考がぐるぐる回っていく。
何を思えばいいのか、どんな感情を引き出せばいいのか、それすら分からなくなっていく。

1924とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:32:27 ID:i3ZXnOSk
『うん、久しぶりだねー!
 キラ、随分大人びたんじゃない?』
一方、当の本人はニコニコしながらこの調子である。
無自覚って恐い。

『まぁ立ち話もなんだし、席に案内するよ』

「あぁ、頼む」
ロディに案内され、カウンター席へと通される。

1925とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:41:15 ID:k1kUW7bQ
「え、えっと、そちらも変わらずお元気で……あわわわ」
もう何を言えばいいか分かったものじゃない、でもこんな時にこそ平常心を保とうと……保とうと……

「はいぃっ!」
そっちは出口だ。

(ううん、落ち着いて私、普段通りを心がけていればいいの、リミルちゃんが言ってた言葉……)
言葉を思い出すのはいいがそっちは出口だ。
まっすぐ進んでいるがそっちは出口だ。

1926とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:46:11 ID:i3ZXnOSk
「キラ、何処行くんだ。帰るのか」
苦笑しながら手を取って。

『う、うん。(何でこんなにガチガチなんだろう…)
 と、とりあえずご注文は?』
やや首を傾げながらも注文を取る。

「僕はカフェオレで。
 キラはどうする?」

1927とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:51:21 ID:k1kUW7bQ
「……あ、こ、こっちは出口だね、まだ何も飲んでないもんね、うん」
180度向きを変えて元通りだ。心にも少しづつは余裕が出てきた。

「私は、私も……うん、私もカフェオレ、ミルク多めでお願いしますっ」
一緒なら手間もかからないだろうと思ったので、である。
それ以上でもそれ以下でもない、本当にだ。

1928とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 03:56:57 ID:i3ZXnOSk
『ん、了解。ちょっと待っててね』
笑顔でそう言い、豆を挽き始める。

「ここのコーヒーは美味いぞ。期待していい」
な、と兄に話題を振る。

『手前味噌だけど、そうだね。
 でもあんまり期待され過ぎても緊張するなぁ…』
苦笑しながらコリコリと手回しミルで豆を挽き続ける。

1929とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 04:01:49 ID:k1kUW7bQ
「楽しみに、待ってるね?」
少し固めの笑顔、まだ緊張は抜けきっていないか。

「…………(変わった、な……)」
視線を膝の上に置いた手元に落としながら、そう思った。
色々なことが、変わっている。そう思った時に思わずため息が出てしまった。

1930とある世界の冒険者:2013/11/06(水) 04:08:07 ID:i3ZXnOSk
「…どうかしたか?」
ジッとキラを見つめて。
流石に様子がおかしいらしいということに気付いたらしい。

『悩み事なら聞くよ? ルトラが』
クスリと笑いながら豆をドリッパーに移す。

「僕がかよ…まぁ聞くけど」
ジト目で兄を見て。

1931とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:06:46 ID:sfuSTznM
大学受験のための勉強を教えてもらおうとフェムトに教えを請うことししたロマノフ。
無論、教えてもらう場所となれば必然と自宅になるわけで……

「………えっと、よろしく、お願いします……?」
自室にフェムトを招き、かしこまったほうがいいのか、ラフなままでいいのかわからず、曖昧な感じで早速教えてもらおうと。
この前借りた参考書だけじゃなく、明らかに本の量が増えている。
明らかに張り切り過ぎである。

1932とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:15:35 ID:rJJFUB56
「あぁ……そんなにかしこまらなくても大丈夫……ははは。
 ……まぁ、俺も簡単なのくらいしか教えられないけど……。」
少女に釣られてなんとなくかしこまって隣に座りつつ、
周りに積まれた本を見回し、軽く圧倒された様子。

「……ははぁ…すごい量の本だなぁ……。
 ……やっぱアンナは真面目だなぁ……。」

1933とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:30:11 ID:sfuSTznM
「でも、フェムトがあそこに行けたのは事実だから……頼りにしてるよ。
えっと……この本の量は……フェムトの言ってることがわかるように予習するために買ったんだけど………ちょっと買いすぎたかな。」
自分でも、積み上げるほどの本はさすがに過剰だと今更感じてるのか、はぁと溜息を付く。
買っておいて放置している本がない、なんてことがないのが彼女が真面目である証拠なのだろう。

「……えっと、それじゃあまずはここを教えて欲しいんだけど………。」
早速、参考書の1ページを開いてその一箇所をフェムトに見せる。疑問点は予めまとめていたようだ。
問題としては、少し難しいがこれを解けるようにはなってほしい、と言ったレベルだろうか。

1934とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:39:18 ID:rJJFUB56
「……これ全部やりきるのは……さすがに無理じゃない?
 いくつかに絞ってやりきった方が効率いいとは思うなぁ。」

「あ、はいはいな。
 ……えーっと………。
 ……………………。」
少女に示された問題を前に、じっと固まる青年。
……本当に大丈夫だろうか……。

「………ごほん……。
 えーと、大丈夫大丈夫……
 久しぶりだと、思い出すのにちょっと時間が、ね……はははは。」
とかなんとか言い訳した後、少女に教え始めるのであった。

……少々大まかでざっくりとした教え方だが、
まぁわかりやすいといえば分かりやすい……。

1935とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:46:34 ID:sfuSTznM
「……今更だけど、僕もそう思う。つい、勢いで買っちゃって………。」
浅く広くより、金銭的に少ない数にまとめたほうが良かったと、今更通関している。

「………ん、なるほど……。」
硬直したときは一抹の不安を感じたが、その後の説明に対して納得した様子で頷いて
ざっくりとした教え方であっても、要所要所がわかればそれで理解できているので、なんだかんだでうまく出来ている。

1936とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:50:58 ID:rJJFUB56
しばらくの間、案外真面目に勉強を進める二人。
青年も前図書館で約束したとおり、メリハリをつけてやる時は集中してやるようである。

「……懐かしいなぁ……
 ……よく昔の俺はこんなん我慢して勉強したもんだよ……。」
とかなんとか、勉強の合間にしみじみと……。

1937とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 02:59:04 ID:sfuSTznM
この前の勉強会が大惨事だったので、だらけながら
お互いに集中が切れないうちにたくさん学ぼうとフェムトに教えてもらううちに時間が過ぎていく。

「………知るってことは大事なことだと思うよ……。
まぁ、こういうことはあまり役に立たないかもしれないけど……。」
一息ついた様子で、総言葉を返す。

1938とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 03:06:29 ID:rJJFUB56
(…………。
 ……家庭教師というのも、考えてみれば中々美味しいシチュエーションですね、はい。)
勉強の最中、そんな事をふと脳裏に浮かべたりする、相変わらずな青年なのであった。



「うーん、まぁ確かにあんまり役に立たないかも、だけど……
 ……でも意外な場所で役に立ったりとか、人生何があるか分からんよねー……。」

「……よーし、もう少し……次のところまでやったら、一旦休憩にしないかい?」

1939とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 03:14:21 ID:sfuSTznM
「……古代文明とか、その辺だったら遺跡を調べるときに役に立ちそう。
もちろん、現代歴史じゃなくて考古学まで遡らないといけないけど。」


「……ん、そうだね。適度に休憩したほうが勉強は捗るし。」
少し集中が切れてきたのか、軽く背伸びをしたのち、勉強に励むのであった。

1940とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 03:19:48 ID:rJJFUB56
「……お菓子も買ってきといたし………
 ……頭疲れてきたら甘いモノですよ、はい。
 さぁて、それじゃまぁちゃちゃっとやってしまおうか。」
と、残り数ページに取り掛かる二人。

1941とある世界の冒険者:2013/12/10(火) 03:21:23 ID:sfuSTznM
「………お菓子……!」
お菓子という言葉に惹かれたのか気合を入れて取り組んでいく。
先程よりペースが上がっているのは気のせいだろう。多分。

1942とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 16:33:01 ID:/A6ubPkc
――山中奥地、川沿いにあるとあるログハウス付近。

前の晩、つまりは大晦日において、彼女の家でささやかなパーティが開かれた。
六魔女+一名によってのどんちゃん騒ぎで、朝になってお開きになる頃には数名がゾンビ(飲みすぎ的な意味で)になっていたのである。

かくいう彼女、シズルもまたそのゾンビの一人であった。
お開きになった後、ずっと寝続けていたのだが、おきてみてもまだ具合が悪い。
そんなわけで、魔力が活性化する、綺麗な川の中で気分を覚醒させることにしたらしい。

「……これ水死体よねぇ〜。あと、誰かに見られたら恥ずかしいわ」

一応、川岸に飼い犬の赤い猛犬を置いてはいる。
が、冷たい川の中に全裸の女性が浮いているというのは、なんともサスペンスな情景である。
川の流れに乗って彼女が流されないのは、彼女のちょっとした魔法であると思いねぇ。

1943とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 16:52:42 ID:pYIkVjJk

水にぷかぷか、と浮かぶ女性の耳にがしゃり、がしゃりと。
少し目立つ金属鎧の足音が聞こえて来る。

こんな時分……こんな日に、ハンターだろうか。
時間帯からして、仕事帰り、と言った所だろうが。

……このままだといろいろ見られる、のではないだろうか。

1944とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 16:59:04 ID:/A6ubPkc
>>1943


「あらあら……」

犬がほえたので、近くに人がいることを察する。
仕方なしに川から這い上がると、肌に残る水を集めて川へと離す。
そうしてから、用意した服を着ていく……のだが、何分この人は鈍いしとろい。

「この辺りまで人が来るのは、珍しいんだけどねぇ〜。それともカルディーネあたりが忘れ物したかしら」

しかも、犬にそんな事を離しかけながら、だ。
どっきり目撃ぐらいは十分に可能性としてありえたのだった。

1945とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:01:42 ID:pYIkVjJk

狗の吠え声に気付いたのか、足音が近付いてくる。
がしゃり、がしゃり、……そう言えば聞き慣れた様な足音の様な気もするが。

「何かこっちに……って、あ。」

やがてその姿が木陰から出て来る。何度か会ったような、どうでもいい様な槌の男。
鎧こそ別の物……というか大分壊れているように見えるが、槌背負ってるし、声からしても本人だろう。

1946とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:07:30 ID:/A6ubPkc
>>1945

「あら〜……間に合わなかったかしら?」

ほぼ下着姿であった。
裸ではないのでセーフ、となぜか判断したのか、とりあえずそのまま着続けるが。
少しの間をおいて、いつものゆったりとしたローブ姿となる。

「あらああら。気にしちゃったかしら?」

ころころと、そうからかうようにして笑う。

1947とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:10:21 ID:pYIkVjJk
>>1946
「……。」
直ぐに目を逸し、着替えを見ない様に。
甲のバイザーもあって、そこまで綺麗に見えてはいなかったろうが。

「……いや、すみませんどうも。
 水浴び中とは露思わずに。」

若干の間を置いた後、他所を向きながらそう声を掛けてくる。
まぁ、もともと意識されるような相手ではあるまいし、この歳になって妙に意識をしてハズカシイものだが。

「忘年会か何かの酔い覚まし、でしたかね。
 邪魔しちゃって、どうも。」

1948とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:21:56 ID:/A6ubPkc
>>1974

「幸運でした、って言葉が言えるようになれれば良いのだけれどね〜」

「あなたには、難しいかしらね〜」

どうぞ、と家の中に入るように促す。
ここまできたなら一休みぐらいしていけ、ということであるらしい。

「人には寒かったでしょう〜?」

今からだが、彼女は家に入ると暖炉に火をつけた。
彼女や、同じ水系統の魔術、氷を扱うリトスなんかは、異様に寒さの耐性が強い。
シズルの場合は、恐らくセイレーンやウンディーネ何かとの因子が多かったせいだろう。
氷の中に閉じ込められるレベルで無い限り、寒さは基本的に平気だ。
そのため、自分ひとりの場合は家の中でも暖炉を使うことは無い。来客用だ。

1949とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:26:00 ID:pYIkVjJk
>>1948
「同僚の馬鹿共なら言うかもしれませんが。」
「失礼の方が先立ちますよ、叩き落とされても文句言えないですし。」

きっと金髪や、モブ顔だったら馬鹿みたいに喜んでいるのだろう、と。
自分も、運が良かったと思わない訳ではないが……何というか、「ああ」と言うのがあるものである。

「ついさっきまでは死ぬ程熱かった所ですけど……と。
 すみません、態々。」

一応、招かれて無碍に断るのも失礼にあたるので。
火には当たっていく事にしたようだ。

「(……あぁ、焦げ臭く無いかな。)」

なにせ年越しはナナテオ夫婦に焦がされながら、だったものであるから。
お陰で鎧もボコボコだ。

1950とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:32:19 ID:/A6ubPkc
>>1949

「それとも、私じゃ興奮しないのかしら〜? あらあら、ごめんなさい。冗談よ〜?」

鎧がボコボコなのに関しては、あえて何も言わないでいた。
好き好んでそんな環境下に身を置くならば、それが勲章だろうと考えているのだ。
下手な心配や気遣いは、彼らへの侮辱であるのかもしれない、と。

「素人の真似事で悪いけれど」

どうやらお茶を用意したらしい。
芳醇な紅茶の香りが、部屋いっぱいに広がるようなソレだ。

「カルディーネからの贈り物なの。あの子らしいわよね〜」

品の良いティーカップをテーブルにおいて、にこにこと彼を見る。

1951とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:37:09 ID:pYIkVjJk
>>1950
「いや、興奮しなかったら多分病気なんじゃないでしょうか。」
「何が、とは言いませんけど。」

凹んだ兜を脱ぎ、床に適当に置く。
爪痕で開くことの無い片目と白に近い銀色の短く切り揃えられた髪、無骨な顔。
先ほどまで仕事中であった事もあってか生傷が目立つ。

「ああ、大丈夫です。そんな味とかは解らないですし。」
言ってから、それはそれで失礼だっただろうかと思い直す。
……が、まぁ、事実なので取り繕い用もなかった。

「木属性の魔女さんでしたっけ。 
 そっちは、得意そうですよね。」

いただきます、と一言置いてから飲み始める。
そう言えば、仕事あがりなのに一人だったようだが。

1952とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:42:47 ID:/A6ubPkc
>>1951

「……クスクス。隠すのが不器用ね」

どこか愉快げにに彼女は笑う。
もともとおしゃべりが好きなのだろう。些細なことでも、彼女はこうして喜んで笑う。

「そう。品種改良の真似っこなんかしててね。見ててほほえましくなっちゃう」

「同い年ではあるんだけれどね〜。どうしても精神には開きがあるから」

まぜこぜのキメラに近い存在同士ではあるが、当然別種。
なので、こころの成長の度合いも違う。

(……毎度おもうけど、難しいお仕事ね〜)

もう一人は、といいそうになって口をつむぐ。
一人かけた、全員帰らなかった、そんなのは、彼らの世界では当たり前のことだ。
言葉にして、気まずくなるのが嫌だった。

1953とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:46:59 ID:pYIkVjJk
>>1952

「良く言われますよ、同僚に。」

きっと器用でもなければ、馬鹿にもなり切れないタイプなのだろう。
以前酒場で会った金髪の青年や、普段居る槍の男とくらべてみると、よくわかる。

「まぁ、可愛らしいんじゃないでしょうか。」
「こういう風に、魔法の平和な使い方とかも出来ますし。」

音を立てずに紅茶を啜る。マナーはあるようだ。
無骨な分、結構意外。

「……あぁ、まぁ、何というか。
 もう一人はちょっと今病院でして。

 ちょっと、まぁ、焦げちゃって。」

それはちょっとまぁ、なのだろうか。
無事っぽいが。

1954とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 17:57:41 ID:/A6ubPkc
>>1953

「身体は小さいけど、あの子が一番かわいいお嫁さんになると思うわ〜?」

尽くすタイプだろう、と勝手な分析。
本人からしてみれば、余計なお世話もいいところだろうが。

「あら。そうなの。でも、無事なら良いことね」

とりあえず、最悪のことではなかったらしい。
彼女は小さく、安堵のため息をもらした。

1955とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:03:18 ID:pYIkVjJk
>>1954
「それはまた。 ……相手を見つける所からでしょうけど。」

あの体だと、ちょっと特殊な趣味になるんじゃなかろうか、と思い。
同僚が特殊な趣味だったし後で万が一がないように締めておこう、と思うのだった。

「骨は砕けて無かったみたいですし、まぁ魔法と合わせれば一週間で治る程度ですしね。
 年末年始は結構稼ぎ時ですから、休むのもアレですし。」

まぁ、別に稼いでやる事も無いんですが、と最後に付け加えて。
ちなみに相方の方は「王都の一等地に一軒家買うわ」と言っていたらしい。

1956とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:09:56 ID:/A6ubPkc
>>1955

「そうねぇ。彼女も不器用だからね〜」

根本、見た目も思考もやや幼い彼女は異性に興味があるのかが問題である。
長命の身体なので、無くたって別に問題はないが、潤いの話だ。

「軽いみたいね。……そういえば、あなたはどうかしら〜?」

火傷ぐらいはしているのだろうか、と首をかしげる。

1957とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:11:50 ID:pYIkVjJk
>>1956

「魔女さん達だと、まぁ……容姿で困る、って事はない、でしょうけど。」

数回しか会ってない大樹の魔女だったかの彼女も、可愛らしい子供だな、と思った事はある。
それは目の前の女性もそうだし、あの事件で顔を合わせた全員がそうだが。

「あー……鎧の下はお察し、という事で。」

兜だけ脱いで鎧を脱がないと思えば。
なんのことはなく此方も黒焦げなのだろうか。

1958とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:21:42 ID:/A6ubPkc
>>1957

「私が癒す〜、なんてのはおせっかいかしら?」

魔力による水を指先に集中させる。
治癒効果の大きいもので、大幅に今追っている怪我を修復するのに効果的だ。

「まぁ、無理に、とは言えないわね〜」

怪我は自然治癒と決めている人も、いるかもしれないし。

1959とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:25:20 ID:pYIkVjJk
>>1958

「……ん、じゃあ、まぁ。」

面倒を掛けさせるのもどうかな、とは思ったが。
この身体のまま明日の猿の相手も面倒なのは事実。

「……、お願いしていいですかね。
 速く治るに越した事はないですし。」

魔法治療は(と言うか魔法が)嫌いだが。
まぁ、魔女さんにされる分なら良いだろう。

「あ、鎧脱いだ方がいいですかね、多分大分エグい事になってますけど。」

1960とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:29:57 ID:/A6ubPkc
>>1959

「平気よ〜」

怪我を見るのは、得意ではない。
遠い記憶の中で、ぼろぼろで戦った誰かを思い出してしまいそうだから。

「ほら……どうかしら?」

指先に集まった水を射出する。
身体に当たってはじけたそれは、複雑な幾何学模様を生じさせて消滅。
そうしてみると、怪我の一部が治っている。
怪我の程度が激しいものは、やや改善にとどまっているようだ。

1961とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:34:01 ID:pYIkVjJk
>>1960
「あ、はい。」

便利だなぁ、とつい口を付いて出る。
治療、と言えば薬をぶっ掛けるか痛み止めぶっさすかのどちらかだから。

「……はー…・・・やっぱ凄いですね、魔女さん。」
表情は余り変わらないが多少楽になったようで。
手を開き、閉じて、感覚を確かめている

1962とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:37:10 ID:/A6ubPkc
>>1961

「魔女だもの。このぐらいはね〜」

どこか自慢げだが、自嘲も含まれている。
職業としての魔女ではなく、生物としてすでに魔女。
それがどれだけ歪んでいることなのか。

「とにかく、それで楽になったら、私も嬉しいわ〜?」

手を合わせて、にこにことそう言う。

1963とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:42:13 ID:pYIkVjJk
>>1962

「魔法が使える、ってだけで凄いですしね、俺からしたら。
 後、それ普通に人のために使えるのも。」

先天性魔力欠乏症、というらしい。
魔力の流れを認識出来ず、体内で魔力を作る事も出来ず、
一部の魔道具からは拒絶反応すら出される。

原因不明の一種の奇病である。
まぁ、魔法が使えない意外に害があるか、と言われれば無いが、

「すみませんね、手間掛けさせちゃって。」「

1964とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:49:33 ID:/A6ubPkc
>>1963

「ふふ。いいのよ〜」

手間だなんて、とぱたぱた手を振る。
本人からしてみれば、本当にたいした労力でもないのだろう。
完全に魔法が扱えない人物と、息をするように魔法を行使する二人が同時に存在しているのは、なんだか妙な話だ。

「それで。もう少しゆっくりしていくのかしら〜?」

それならお夕飯もご馳走するは、なんて提案をして……FO

//ではこの辺りで! 乙でした。

1965とある世界の冒険者:2014/01/01(水) 18:53:24 ID:pYIkVjJk
>>1694

「あー……。」
断ろうかな、とも考えたが。
今帰って一人で酒を飲む、というのも、アレだ。

「……じゃあ、折角なんで。
 偶には。」

だから、少しだけゆっくりしていこう。


『FO』

1966とある世界の冒険者:2014/01/11(土) 23:53:06 ID:lU9TCNDk
「……はっ、せいっ!」
王都から少し離れた平原にある平原にて身体に魔力を纏わせて拳を振るっている青年がいる。
時折右腕に魔力を集中させ、拳をふるって魔力弾をうちはなったりと、魔法と拳法を絡めた拳術の型の練習をしているようにも見える。

傍目から見ればその動きは綺麗に見えるのだが、本人からしたら気に入らないのか首を傾げては動きを再開している。

1967とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 00:32:27 ID:vLEvRojM
>>1966
「あー、眠れない……」
熱心に特訓する青年を欠伸しながら横切ったのは
金髪青目のまだ幼そうな女の子

「……綺麗で見せてくれるねぇ、ちょっと見ていこ」
が、熱心に修練するその姿に魅了されたのか、
不意に立ち止まって振り向く少女

1968とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 00:49:42 ID:e/1CFsGU
暫くの間、ただひたすらに演武を続けていた青年。
地面に手をつきながらの上段回し蹴りを放った際に偶然少女のことに気づいたようで、一旦動きを止めると

「………あー、なんだ。つまんないと思うぜ?」

と、どこか困った様子で言う。

1969とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 00:54:35 ID:vLEvRojM
>>1968
「え? 誰かに見せるために練習してたわけじゃなかったの?」
首を小さく傾げ、さも不思議そうにしている少女

1970とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 01:01:26 ID:e/1CFsGU
>>1969
「そんなに器用な真似できるわけ無いだろ……、見せる気があるなら王都の広場で金とって見せもんにしてるわ。」
はぁ、とため息を吐いて動きを再開する青年。
ただ、その動きは動作を確認するようにゆっくりとしたものになっている。

「んで、こんな遅くに何してんだ?
夜道は危険だぜ?色々と。」

1971とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 01:16:17 ID:vLEvRojM
>>1970
「ふーん、あたしは流れる川みたいで綺麗だと思うけどなぁ
それこそお金取れるレベルだよ、うん」
少女にとってはそれなりに価値のあるものらしく、
動きを再開する青年の姿をまじまじと眺めている

「……んー、どうしても眠れなくて」
あはは、とはにかむ少女

「……おにーさんと一緒にいたら多分大丈夫だよ
大丈夫じゃなかったら……、その時はその時だよ」
やはり能天気に振る舞っている少女
楽天的すぎる気もする

1972とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 01:28:10 ID:e/1CFsGU
>>1971
「そ、そういう風に言われるとだな……調子に乗るからやめてくれ。」
そう言ってるが、実際悪い気分であないのだろう。照れている。
その格闘術の動きは、見る人が見れば複数の武術を組み合わせているのだとわかるだろう。
だが、武術の動きとは裏腹にそれに合わせている魔術は拙いようにしか見えない。
なにせ、使っている魔術は魔力弾か、魔力弾の先端を尖らせて放つだけのちょっと応用したようなものしか使っていないのだから。

「……眠れないのはいいにしても俺に頼るのはオススメしないぞ。
はっきり言って、弱いからな俺。」
自分で行っては世話ないだろう

1973とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 01:41:14 ID:vLEvRojM
>>1972
「いいじゃん調子に乗ったって
別に今調子に乗ったって死んだりしないだろうし」
照れる青年に対して無邪気に笑って返す少女

「それにしても、おにーさんの動きって形があるよね
本能のままに暴れてるわけじゃなくて、理性に裏付けされた動き」
格闘術に関する知識は皆無らしい少女
だが、本能的に感じるものがあったらしく

「むー、頼りないなぁ
女の子一人ぐらい体を張って守るぐらい言ってくれたらいいのに」
唇を尖らせていう少女

1974とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 01:54:36 ID:e/1CFsGU
>>1973
「………一応、命に関わってる事柄に足突っ込んでるからなぁ……。
だから、こうやって鍛えてるわけだし……っと!。」
軽口を叩きながらも動きは止めておらず、左ジャブからの一歩踏み込んで右のフィニッシュブロー、
その勢いを殺さずにローリングソバットを繰り出し、半月状に変化して刃物のようになっている魔力を放つ。
……攻撃を避けられたことを考えていない当たり、連携としては二流であったりする。

「実戦になったら何も考えられないからな。こうやって体に染み込ませてるワケだ。」
実際、コンマ一秒が命取りになる世界で反射というものはこれ以上ないくらい必要な物だった。
その中でも冷静でいられる人間が本当に強い人間なのだろうが、そうなるにはセンスとか経験がいるのだろう。ビートはそう考えていた。

「言えるほど強くないんだよ。申し訳ないけど。
多人数に囲まれたら組み付かれてボコボコにされるだろうし、剣持った相手ってだけでもリーチでも殺傷力でも負けるし。」
夢のない話である。

1975とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 02:14:48 ID:vLEvRojM
>>1974
「……なんだか、おにーさんも大変そうだねぇ
体を鍛えてるってことは、強い人とも戦うことになるんだろうし」
技が綺麗に流れる様を眺めながら

「あー、確かに相手を壊すことで頭がいっぱいになっちゃうよねぇ」
うんうんと頷きながら言う少女

「……負けるのが前提なんだ
おにーさんって、もしかして戦うは嫌い?」
にこっ、と青年を見つめていう少女

1976とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 02:27:06 ID:e/1CFsGU
「ほんと、大変だよ。俺だって死にたくないし。」
だからこそこうやって鍛えているのだろう。意味があるかは別として。

「いや、戦うことは嫌いじゃないぜ?そもそも嫌いならこんなことにゃなってないし。
………ただ、俺自身の力が小さいってのには気付いてるだけだ。」
ネガティブになっているだけなのか、本当に弱いのか。
ただ、確実に負けている回数が多いのはわかるだろう。

「でも、負けて舐められて、そんで終わりなのが気に食わないからなっと!……あれ。」
そう言って先ほどと同じ連携をしたのだが、最後の魔術が成功せず、放たれなかった。
それを見て、首を傾げている。締まらない。

1977とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 02:42:33 ID:vLEvRojM
「死にたくない、死にたくないために鍛えるかぁ」
少女は考え込むような素振りを見せると

「おにーさんは、この世に未練があるんだね
それとも、単に死ぬのが怖いだけ?」
相変わらずの、どこか間の抜けた明るい口調でそう質問する少女

「ふーん、嫌いじゃないか……
でも、別に大好きって感じでもなさそうだね」
青年が力が小さいと感じていると聞いて、少女はそう返す

「それはなんとなくわかる、あたしも負けっぱなしは癪に障るもん
ま、それっばっかりを気にするってこともしないけどね」
魔術が失敗すると、ドンマイと青年の背中をぽん、と叩く少女

1978とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 02:54:48 ID:e/1CFsGU
「だれでも、痛いのは嫌に決まってんだろ……死ぬのは尚更。
未練なんて、考えれば後からいくらでも湧いてくるもんだよ。」
はぁ、とため息を吐いてそう言う。
なんというか、みみっちい。

「そりゃあ、勝てないものを好きにゃなれないさ。
でも、俺にはもうこれしかないもんでな、ダメだとわかったらあとは老人めいて死ぬのを待つだけだ。」

「負けて負けて、助けられてばっかじゃ情けなくなってくるんだよ。
って、慰めはいいわ!うまくできてないからこうやってるだけだかんな!」
恥ずかしいのかそう言いつつ少女から距離を取る。
そして今度はまるで自信より巨大な人間の頭を狙うかのように上空に向かってパンチや蹴りを繰り出していく。
動きは流暢であなくなるが、一発一発から魔力球が放たれている。
対空とかそういう動きなのだろう。

1979とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 03:17:59 ID:vLEvRojM
「そうなのかな? あたしは全力を尽くして死ねるのなら幸せだと思うけど
死後の世界なんてのがあるとするなら、なおさらに」
さして生に執着していないかのような口振りである

「……これしかない、かぁ
ほかの道を見つける気はないんだ?」

「戦うことに一々プライドを掛けてるんだ
……あたしにはよくわからないや」
顎を手に当てながら思案しつつ

「うわひどい、せっかく天使なあたしがわざわざ慰めてあげたのに
お礼の一つも言ってくれないなんて」
にやにやといたずらっぽく笑いながらも、また青年を眺めている少女
自分で天使とは言っているものの、そんなことを自分で言っているあたりお察しである

1980とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 03:38:36 ID:e/1CFsGU
「……なんというか、童話の世界の話じゃないんだ。
死ぬなんて考えたくもねぇよ。」
少女の口ぶりに呆れた様子である。

「いや、もうこれしかない。
この道を諦めたら、今までの俺の何もかもを否定することになっちまうからな。
意地だけでやってるようなもんだけどな。」
……それ以外の道を閉ざしているようにも見える。
自身は気づいていない様子だが、意図的に。

「ああ?天使なら天使らしく羽でも生やして空でも飛んでろよ。」
そう、暴言を吐きつつ鍛錬をするのであったのだが。

「……すまん、なんか調子狂うからもう帰るわ。
お前ももう帰ったほうがいいぜ。」
困った様子でそう言うと、とっとと王都に帰っていくのであった。

【眠気が限界です……ご相手ありがとうございました!】

1981とある世界の冒険者:2014/01/12(日) 03:44:35 ID:vLEvRojM
>>1980
「人それぞれってことなんだろうねぇ」
などと言いつつも

「難しい話だね」

「……むっ、いいし、別に
言われなくても帰ってやるよだ!」
拗ねてどこかへ行ってしまったという

//了解、お疲れ様でした!

1982とある世界の冒険者:2014/01/13(月) 00:15:05 ID:7r.Ha1EQ
「せいっ!はぁっ!」
王都から少し外れた草原で武術の鍛錬に励んでいる青年の姿がある。
蹴り、殴り、そしてその連携の合間で使われるの魔術の内………魔術がお粗末なところ以外はある程度洗礼されたものだろう。

……魔術に対して思うところがあるようで、時折殴る動作とともに魔力弾を出しては首を傾げていたりする。

1983とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:10:39 ID:AJgxELbA
<王都近くの草原>

「…………ふむ、この辺ならよかろうね!」

【夜の草原を歩くは魔女帽を深々と被り、妙にゴツいコートを身に纏う人型。
かなり、小柄であり、子供あるいは少女に見える。

サイズの合わないコートの袖を振りながら、やってきたのは草原の開けた場所である。】

1984とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:14:57 ID:9wmnmUHw
>>1983
「子供……?」

そんな少女を見つけたのは、一人の金髪の男だ。
優男風の顔立ちをしているが、その身に染み付くのは血と硝煙である。
今晩は、たまたま通りかかっただけのことではあるが……。

(まぁ、毎度その考えで火傷をしておるがな)

ともあれ、遠巻きに観察してみることに。

1985とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:18:01 ID:AJgxELbA
>>1984
「やっぱりアレね、たまにはこう……羽を伸ばさなきゃぁネ!」

【きょろきょろと周囲を窺い、安全を確認する。

顔は帽子の下、コートの中に隠れてしまっているため、表情は分からないものの
その様子からしては非常に楽しそうである。目もさぞ輝いているのだろう。】

「……ふふ、さぁ!カモンだよ、ヴェルちゃん!」

【コートの袖の中で指がパチン、と鳴る。
すると、ドルーゼの目の前に小さな転移陣が現れ、光が小さな噴水の様に溢れる。

かと思ったのも束の間、あっという間に光は消えてしまった。
だが、何か光を纏ったものが地面に落ちたようである。】

1986とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:25:44 ID:9wmnmUHw
>>1985


「召喚の類か」

やはり見た目では信用ならん、と小さく嘆息。
夜中の女子供の一人歩きを目撃しては、なんとなく気を揉むのだが……。
杞憂でなかった試しはない。

「うむ。大丈夫そうだが……まぁ念のためだ」

とりあえず、姿を現してみることに。
隠れるでもなく、近づいてみる。

1987とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:31:12 ID:AJgxELbA

「…………ハッ!」

【近づかれるとコートの袖の余った部分が猫の尻尾の如く、ふわりと浮き上がる。
どういう仕組みかはさておき、近づいてくるワーガには気づいたようだ。】

「ムム、誰も居ないかと思ってたのに、ちょっと誤算ね!」

【袖を振り乱しながら、そちらへと振り返る。
声からして、女性のようであるがいまいち分かり難い。】

「でも別に良いや。話せば分かるって言う―――――と、と。」

【と、その最中、地面がゆっくりと隆起をし始める。
何かが下から地面を押し上げているようだ。

隆起の範囲の広さからその地面を押し上げている存在の規模を窺い知ることができる。
しかし、ドルーゼは全く以て動揺していないことから想定の範囲内なのだろう。】

1988とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:34:34 ID:9wmnmUHw
>>1987

「カブラカンの類でも呼び出したかね、お嬢さん?」

小さな地震に少々面食らう。
カブラカンは冗談にしても、巨大なもぐら辺りだろうか。
ぜんぜん突拍子も無いような怪物でもこの際納得するしかないが。

「夜道は危ないよ、と我輩も言いたいのだが、それではなぁ」

自衛手段としては申し分ない魔法を使うようで、と苦笑する。

1989とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:44:30 ID:AJgxELbA

「さっきから、危険が危ないとか……いくら物騒って言っても考え偏りすぎネ!」

【ビシッと揺れる地面に居ながらも器用にバランスを取りつつ。
別にワーガが来たから、これを呼び出したわけでも夜道で不安だから出したわけでもないようだ。】

「……で、ヴェルちゃんももうちょっとズレてくれないと。
そこだと私達も吹っ飛んじゃうね……そもそも真上に私たち居るしさー。」

【〝ヴェルちゃん〟なるものに話しかけるドルーゼ。すると、地面の隆起が止んだ。
そして、程なくして少しはなれたところで隆起が始まる。

やがて、押し上げられた地面が限界に達し、割れる。
そして、その存在がようやく地面の下から確認できるように……。】

「キュ、キュオォオオーーーーン」

【妙な鳴き声と共に地面から出てきたのは大木の様に太い何かだ。
先端の部分はスクリューの様な歪な形になっている。色は銀色である。

……よーく見ると、それは〝イカ〟であることがわかる。
どうやら、まだ地面から完全に抜け出してないらしい。何せ、触手などはまだ見えない。】

1990とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:49:49 ID:9wmnmUHw
>>1989

「ぬぐっ!? 海鮮!?」

激しく動揺。イカですよ、海の幸ですよ。
それが地面から這い出てきたんですよ、頭はドリルだし。
何か見てはいけない類のもののような。

「いや大したものだ……」

イカから目を離せず、思わずそんな声が漏れた。

1991とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 22:58:16 ID:AJgxELbA

「このドルーゼの相棒であるヴェルちゃんを海鮮呼ばわりとは何事か!
確かに普通のイカよりも美味しい……ってか珍味ってことで評判のある種類だけどさ!」

【砂漠が広がるとある地域……とある場所では砂漠に適応した珍妙な生物が居るという。
……そんな話があったような、無かったような。

とりあえず、特殊な環境下に生息しているイカであることには間違いないだろう。

すると、ヴェルちゃんなるイカは徐々に地面からせり出してくる。
……かなり大きい。姿を現せば、5〜6メートルくらいはあるだろう。
それに加えて、触手があるのだから全長を考えれば、とてつもない規模のイカである。

しかし、ヴェルちゃんは目玉を覗かせたところでピタリ、と動きを止めてしまい
地面から抜け出ようとしなくなってしまった。】

1992とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:00:55 ID:9wmnmUHw
>>1991

「本当に食材だとう!?」

叫んでばっかりな気がする。
いやはや、世界は広い。

「動かんようだが……」

あんまり寒いところはイカも嫌いなんじゃないかと、覗かせた巨大な目玉に視線をやりながら言う。

1993とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:04:48 ID:AJgxELbA

「でも、下処理がめんどいらしいネ!
ほら、何せ土と水じゃ勝手が全然、違うからさー。」

【つまり、このイカは属性で区分すると土らしい。
ノーマルなイカと清清しいまでに正反対である。】

「……あー、ユーが居るからだろうね。ヴェルちゃんは人見知りだからね。」

【と、ワーガの方を指差して言う。
イカにも人見知りとかそういうのがあるらしい。ドルーゼ曰く。】

1994とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:07:03 ID:9wmnmUHw
>>1993

「……しかし、サマナーだと思ったが、テイマーだったか」

てっきり召喚生物の類だと思ったが、と一人ごちる。

「そうか。イカも人見知りする時代か」

イカと仲良くなって何かいいことがあるだろうか、と腕を組む。
そうでなくても、獣は鉄や火薬の匂いを嫌うというし、それにまみれた自分を警戒するのも当然か。

1995とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:14:24 ID:AJgxELbA

「……まぁね。
いや、今日は久々にヴェルちゃんを解放して羽を伸ばさせてやろうってね。

普段は私の家の水槽で窮屈に暮らしてるからさ。
……あ、ヴェルちゃんは水に入れると縮む性質を持ってるからね?」

【土に入れれば膨らみ、水に入れれば縮む……そんな不思議なイカだ。
つまりは水に居る状態はヴェルちゃんにとっても不本意な状態……ストレスが溜まるのだろう。

だから、こうして時々、解放しているようだが大きさが大きさなだけあってか
時間と場所を選ぶ必要がある。それゆえにこのような状況になっている。】

1996とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:20:45 ID:9wmnmUHw
>>1955

「なかなか珍妙な生物であるな……」

ともかく、おとなしくしている分には無害だろう。
これで暴れられたら、見過ごせなくなっていただろうが。

「んむ。まぁ、なんだ。邪魔をしたな」

「そのイカのストレスを精々発散させてやってくれるといい。ついでに名乗ろう。我輩はワーガ・ハイネ・コデアール」

「縁があれば、また出会うこともあろう。それではな」

とりあえず、このイカがいる限り少女の無事はほぼ保障されると判断。
手をひらひらと振って、この場から退散するのであった。

//時間も近いのでこれにて!

1997とある世界の冒険者:2014/01/14(火) 23:25:12 ID:AJgxELbA

「まぁ、そう大したことじゃないから問題ない!
うむうむ……ちなみに私はドルーゼね!覚えておくと良いよ。」

【と名乗り返すが会話の中で散々、自分のことを言っているため
ドルーゼの自己紹介にはそこまで意味は無い。ついでに言えばヴェルちゃんも。】

「ユーこそ、夜道には気をつけるんだよ!」

【と、何ともその身に不釣合いなことを言いつつ、見送ったとか、FO】

//了解、お疲れ様でしたー!

1998とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 20:48:25 ID:AfjyhL6w

「のわああああああああああああああ!!!」

夜の森の中に叫び声と、何か重い物が動く音が木霊した
本来なら街道に出ないはずの牛が鉄製の鎧を身に着けたような姿をした
体高3mのモンスター、そしてそれに追われる茶髪の十代の少年
服装を見る限り冒険者に見えるが、武器を持っていない
よく見ると牛の身に着けている鎧と鎧の間に長剣が突き刺さっていた

1999とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 20:59:12 ID:odMlSevY
「………。」
『ひぃぃ寒い……すっかり遅くなってしまいましたねぇ、レトロ様。』
通りかかったのは、モコモコのコートやらマフラーやらを着込んだ、青い髪の小柄な少女。
手にしたボロボロの兎人形が、きーきーと喋っている。

王都から少し離れた町まで届け物のバイトをしてきたところだが、
届け先の老婆の家で茶をご馳走になっていたら、すっかりと遅い時間に……。

「………?」
『おや、なんでしょう……。
 なにやら悲鳴の様なモノが聞こえませんか、レトロ様……?』
そんな少女の耳に、なにやら悲鳴が聞こえてくる。
興味本位で、悲鳴の聞こえたほうへと足を向けてみると……。
そこにはなにやらモンスターと、それに襲われている少年の姿。

2000とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:07:13 ID:AfjyhL6w
>>1999
「ファイアボール!!ファイアボール!!あくそ全然効いちゃいねー!!!!」

少年の手から火球が発射され、牛型のモンスターに直撃
的が大きいため当てるのはすごく容易である、ただ相手にダメージを与えられる事はまず無理だろう
下手な攻撃は相手の怒りを煽るだけである

「ちょ!そろそろ足が死ぬ!ヘルプ!誰かヘルプミー!!!!」

2001とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:08:53 ID:yb0dFHgQ
「エッサ、ホイサ、エッサホイ…ってなんスかね、ありゃ」

フルークガスト製の丁稚前掛けを纏い額にバンダナを巻いたツンツン頭の若者が、
右肩に大荷物を担いで通りかかる。

2002とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:11:25 ID:odMlSevY
「…………。」
必死にモンスターに抗う少年を、ぽけーーっと見つめる少女……。

『いや、見てる場合ですかレトロ様!!!
 ほら、あの御方も助けを求めておられますよ!!?』
そんな少女を窘める兎人形の声にハッと我に返り、
ようやく助ける気になったのか、魔物に向かって駆け出すのであった。

「…………!!」
自分の倍はあろうかというモンスター目掛けて勢い良く飛ぶと、鋭い蹴りを横っ腹に食らわそうと。
小柄な少女の一撃は魔物にとっては軽いだろうが、しかし鋭さは充分……!

2003とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:22:26 ID:AfjyhL6w
>>2001
巨大な牛のモンスターに追われている、見た目駆け出し冒険者の図
王都ではよく見慣れた構図、少年が無茶な依頼を受けたのかそれともちょっかいを出したのか
魔物がなかなか出ない街道にいるという事はそのどっちかだろう

>>2002
「お助けええ…… あぁっ!?」
『ブモッ!?』

少年にとってはまさに天の助け、牛型モンスターにとっては邪魔な奴
急激な方向転換により無理にブレーキをかけ、レトロの方に頭を向けた
生半可な攻撃を何度も食らわし続けた少年よりもレトロの方が脅威と感じたのか
それともイラついたのか
いずれにしても少年から標準を外す事には成功した

『ブモ…… ブモォ……!』

が、レトロを襲う気満々になったようで足を動かす
突進の準備だ!

2004とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:31:02 ID:yb0dFHgQ
「やれやれ…どういう経緯かは知らないっすけどっ!」

荷物をその場におろし、
タタン、と二三のステップであっという間に牛へと詰め寄り。

「んじゃ先ずは探るっすよ」

パシーーンッと小気味いい音を立てて相手へ平手打ち。
瞬間、触れた相手の身体表面全体に一種の魔力波を流す。
それ自体は殺傷性皆無の魔力波なのだが…
何らかの形でこの魔力波が無効化されない場合、次手からが本番だ。

2005とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:31:03 ID:odMlSevY
「………。」
『ひっ!こっち来ますよレトロ様!!』
モンスターの気を少年から逸らす事には成功した様だが、
いかんせん少女の蹴りでは巨大な牛の魔物には大したダメージにはならない。
小柄な少女では、その突進を喰らえば骨の1,2本では済まされないだろう……
が、少女は無謀にも引く様子を見せない。

と、おもむろに懐から小さな掌サイズの人形を取り出し魔力を与えると……
みるみる人形は巨大化し、隆々とした大柄の体躯の、不気味なマネキン人形へと変貌していく。
その手には、一薙ぎで大木も切り倒してしまいそうな大曲剣。
「………。」
≪………フシューー……。
 ………フシュー………。≫
マネキン人形は少女の前に立ちふさがり、牛の突進を受け止める構えだ。

2006とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:39:30 ID:AfjyhL6w
>>2005
『ブモオオオオオオオオオオオオ!!!』

「ちょ……! ちょ、まてえええええ!!!」

雄たけびをあげレトロに突っ込む牛モンスター
後ろでこっそり少年が逃げようとしていたが、突っ込む先が女の子と知るや否や
後ろ脚にしがみつき止めようとした
だがしかし人間と魔物の身体能力の違いから全くの無意味!
牛を止める事はできなかった

『モ………!』
「ガァ!?」

しかしレトロがマネキン人形を巨大化させ、さらにマネキン人形が牛を無事受け止める事に成功した
其れでもなお突っ切ろうと足を踏ん張る牛、直撃した瞬間後ろ脚が跳ねたため
体全身が牛の足やら地面やらに叩きつけられたが何とか少年は抑えようとしている

>>2005
レトロがマネキン人形で抑えたことにより、簡単に平手内に成功した
しかし鉄の鎧に阻まれそれ自体にはダメージを受けていない様子だ
だが、鎧を着こんでいるからと言って特に特殊な力を持っていない
魔力の波を打ち消す能力さえもないが不安げに身じろいだ気がする

2007とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:44:46 ID:odMlSevY
≪………グ……ゴゴゴゴ………。≫
マネキン人形は牛と比べれば身体は小さい、
が、そのムッキムキな見た目通り、力は結構なものである様だ。
押さえ込んだ牛をがっちりと掴んで離さない。
その力をさらに込めて、牛を押し返そうと……。

「………。」
『ああ、後ろの御方……ご無事でしょうか……?』
マネキン人形を操るのに必死な様子の少女の腕の中で、
少年を心配して不安げな声を漏らす兎人形。

2008とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:47:54 ID:yb0dFHgQ
>>2005>>2006
「…いよし、都合よく止まってくれたんは好機っす」

次いで二度目の動作。
平手打ちを見舞った右手で相手に触れ何かを引っぺがすように手を引く。
魔術もしくは聴覚に優れたものならミリリ、と何かが剥がれた様な音を聞いたかもしれない。

「『魔壊』ッ!!」

そして間髪いれず繰り出される魔力を纏った左の拳。
よくある魔力の籠った一撃だが…
先の動作で引っぺがしたのはこの魔拳への耐性である。
結果として一撃の威力は並はずれたものとなり相手への衝撃も
人間の繰り出す一撃から巨人の繰り出す一撃へと早変わり。

2009とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 21:57:42 ID:AfjyhL6w
>>2007-2008
レトロの人形が動こうとする牛をしっかりと固定してくれていた
後ろ脚を必死に引っ張る少年も、地面に叩きつけられたが何とか無事そうである
さらにレトロの人形の手助けをするために、そして自分が動きやすいように
身を屈めて牛の胴の下に潜り込み、足を推そうとした

少年の考えでは、牛の動きを鈍くすることによりマネキンにかかる負荷を少なくし
手で持っている剣で一刀両断してもらうつもりだった
こっからならマネキンの動きだって見えるはずであるので避けるのに支障はないだろう

だが、少年の立場からはバンダナの男の姿は見えない 近づいた事にも気付いていない
そしてバンダナの男もまた牛の巨体が邪魔して少年がどこにいるかわからないだろう

かくして、巨人の繰り出すような一撃が放たれた


『ブ、ブモォ…… オ、オオ……!』

巨人のような一撃で鎧が粉々になり、牛が白目を剥いて口から血を吐いた
一瞬牛が縮んだような気がする、上の方向から予想外の攻撃には耐えられなかったのだろう
ところで攻撃を放った瞬間何かが潰れる音を聞いたような気がするが

2010とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:00:05 ID:yb0dFHgQ
>>2009
「やーれやれ、ちとやりすぎた気がしないでもないっすが…
 って何か妙な音がしたような……気のせいっすかね?」

その割には目が泳いでいるが。

2011とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:05:30 ID:odMlSevY
男の一撃により、魔物は倒れた様である。
一件落着、となにやら満足げな様子の少女。
役目を終えたマネキンはたちどころに元の掌サイズへと戻って動かなくなる。


「………。」
『……ほっ……どうやら無事に片付いた様でございますねぇ……?
 ……おや、ところであの御方の姿が見えませんが……。』
兎人形が心配する横で……
少女はなにやら倒れた牛をじっと見つめたまま。

「……………。」
その視線は、牛の、さらに下の方へと注がれている様である。

2012とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:09:48 ID:AfjyhL6w
>>2010-2011
立ったまま気絶している牛の胴の下の方から、少年の半身が見えた
地面に伏しているが時折ぴくり、ぴくりと動いているため少なくとも生きているだろう

と、ここで牛がゆらりと倒れた
体を支える事ができなくなったのだろう、少年が再び下敷きになってしまった

2013とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:12:30 ID:yb0dFHgQ
>>2011>>2012
「…とおぅっ!!」

魔拳ではなく魔893キックを繰り出し牛を蹴り飛ばす。

「………あー…どうしたもんだかっす」

2014とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:13:08 ID:odMlSevY
「…………………………。」




『「………。」じゃないですよ見てる場合じゃないでしょうレトロ様!!
 ほらさっさと助けてあげてくださいまったく!!!』
兎人形に窘められ、しぶしb……ようやく動き出す少女。
もう一度マネキン人形を呼び出して、牛の巨体をなんとかどかそうと……。

2015とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:20:27 ID:AfjyhL6w
>>2013-2014
するまでも無く、牛がバンダナ男の手によって吹っ飛ばされた
そこらかしこに元鉄の鎧の破片をまき散らし、木にぶつかって停止する牛
鎧と鎧の間に突き刺さっていた剣が、倒れている少年の首のすぐ近くに突き刺さった

「―――――うわああああああああ!!!???」

突き刺さる直前に半分地面に埋まっていた体を動かし、かなりオーバーに這い出る
近くの木にぶつかるまで後退すると、首を抑えて震える

「や、あびっくりした!!後数ミリ!!数ミリで突き刺さってたわ!!」

2016とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:24:08 ID:odMlSevY
「…………。」
『あぁ……良かった、生きていらっしゃいました……。』
オーバーなリアクションを取る少年とは対照的に、
無表情でじっと少年を見つめる少女……何を考えているのやら、さっぱりだ。
兎人形は、きーきーと甲高い声で心配してくれていた様である。

2017とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:24:13 ID:yb0dFHgQ
>>2015
「あー…まあ、刺さってないしセーフって事でいいんじゃないっすか」

さっきから自分のやってる事が一々何かを巻き起こしているので
内心穏やかじゃない男。

2018とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:30:56 ID:AfjyhL6w
>>2016-2017
「な、なんとかなぁ 体全身クソ痛てぇけど……」
「まっ 助けてくれてサンキューなっ!」

牛の巨体に押しつぶされる事二回、それにしては元気そうである
体の埃を払うと突き刺さった剣に近づき、引っこ抜こうとする

「あー、しかし本当にびっくりしたなぁ さっきのもあんだけど何となく剣で突いた奴があんな化け物なんてな」
「魔法も効かねーし物分投げても怯みもしない、本気で死ぬかと思ったわ」

ケラケラと笑いながら、死ぬ一歩手前だったとは思えぬ雰囲気で剣を引っ張る少年

2019とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:32:56 ID:yb0dFHgQ
>>2018
「何となくで魔物に刃向けるってどういう神経っすか…」

驚くやら呆れるやらで顔をしかめる男。

2020とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:36:28 ID:odMlSevY
「………。」
『いえいえ、貴方様とレトロ様と、あとあちらの方がご無事で何よりで御座います。』

「………。」
『なんとなくでケンカ売るならもっと身の丈にあったヤツにしとけよな、とレトロ様はおっしゃっております……。
 ……少々物言いがぶっきらぼうでは御座いますが、レトロ様にしてはまぁまぁまともな意見だとは思いますね。
 もうちょっと、優しそうなモンスターから挑んで見たほうがよろしかったのでは……?』

2021とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:42:02 ID:AfjyhL6w
>>2019-2020
「ちが、ちげーよ!! 攻撃魔法の練習でそこら辺にある岩に放ったつもりがアイツのケツだったんだよ!」
「あんな倒しても実入りが無さそうな奴狙わねーよ! 素材が金になるとかならまだわかんだけど!」

バンダナ男には呆れられ、レトロには身の丈に合わない敵とは戦わない方がいいと戒められ
慌てて弁解する少年、だが魔物のケツが岩に見えたというのもどうなんだろうか
ちなみに牛だが味は大味で人気が無く、雄であるため乳牛にもなれず、
鎧の鉄も加工が難しく加工してもそんなに使えるもんではないためあんまり売れない
皮だけは需要があるのだが、はぎ取る技術が必要で少なくとも少年は持っていない様で

2022とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:46:45 ID:odMlSevY
「………。」
『まずはアレだ、目医者にでも行って来い。と、レトロ様はおっしゃっております。
 ……申し訳ありません、レトロ様は口が悪くて……。
 ま、そういう勘違いは、誰にだってあることですし、あまり気を落とさないで……!』
と、可愛げの無い言葉で追い討ちする少女と、
慌てて慰める兎人形。

2023とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:48:01 ID:yb0dFHgQ
>>2021
「はぁ、そうっすか…まー確かに皮ぐらいしか需要ないっすからねえ」

そう言いながら皮剥ぎ用のナイフを腰から取り出すフルークガストの店員。

「自分も使いの途中でこんな事しててもあんまし給料に響かないんすけども」

2024とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 22:58:27 ID:AfjyhL6w
>>2022
「う…… この姉ちゃん見た目は可愛いのに口がやたらめったらわりーな……」
「それに正論だし始末がわりー」

レトロの言葉が胸にグサリと突き刺さり、ひきつった笑顔で剣を引き抜こうとする少年
今度は左右に動かし、突き刺さった穴を広げて何とか引き抜く事が出来た

「よっしゃ、よーやく引っこ抜けたなぁ」

>>2023
「ああ、そうだな! ………え、そーなのか?」

良くわからず金にならないとか言っていたようである
ナイフを取り出したバンダナ男をぽかんと見る

「鎧は見たまんま溶かしてあれこれできなさそうだと思ってたし肉も需要なさそうだと思ってたんだけどよ…・・」

2025とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:04:28 ID:yb0dFHgQ
>>2024
「そーなんす。
 つっても他の部分が使いにくいんでやっぱ嫌煙されがちっすね」

あれよあれよと解体していく。

「使わない部分は地に帰すのがベターっすね」

右手で大地に触れ左手でちょんと突けば、
ボカンと地が爆ぜて穴が開く。

「さー、埋めるっす」

2026とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:08:48 ID:odMlSevY
>>2024
「………。」
『いえいえ、今回はアレとしても、大抵の場合レトロ様の意見は正論とは程遠い横暴なモノだったりします、はい。
 なので、あまり気にはなさらぬよう……。
 それに、レトロ様だって無表情で全く喋らない人格破綻者でございますよ……?
 ……げふっっ!!!!』
そんな兎の物言いに、少女から制裁の腹パンが下される。

「………。」
『……ところでお前、名前は?とレトロ様はお尋ねになっております。
 ちなみにこの御方は我が主のレトロ=アンテ様、そしてこのわたくしはレトロ様の従僕、ポステと申します。』

2027とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:18:18 ID:AfjyhL6w
>>2026
「ちょ、姉さーん!? 確かに言い方ひどかったけどいきなり腹パンは……」
「いや文句ないですはい」

ポステへの無慈悲な暴力に抗議しようとするが、よくよく考えたら目の前の少女、
あの牛の鎧に蹴り喰らわして少しだがダメージ与えたのだった
下手したら腕力が向こうの方が上かもしれないと思い慌てて取り下げる

「俺の名前はバル=ライト! まぁ見た目通り駆け出し冒険者だな!」
「そのうち名をあげるつもりだ、よろしくなレトロちゃん」

>>2025
「あのデカブツを倒して革だけじゃあやってらんねーな、間違いなく」
「しっかしさっきの攻撃といい、いい魔法使えるな アレが間にいたけど結構響いたぜ?」

聞きようによっては嫌味に感じるかもしれないが、声色から単純に感心しているだけのようである

2028とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:23:55 ID:odMlSevY
「…………。」
『……ちゃん付け……?
 ……レトロ様と呼べ、レトロ様と……
 などとレトロ様はおっしゃっておりますが、全く気にしないで結構で御座いますバル様……。
 むしろ安易に様付けなどしたら、この御方は余計調子に乗りますので……。
 それはそうと、どうかよろしくお願いしますバル様。』
兎の言葉通り、無駄に横暴な性格な様である。
黙っていれば人形の様な可憐な少女ではあるのだが……。

2029とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:37:42 ID:yb0dFHgQ
>>2027
「まあちょいとした切っ掛けで発見した術式っす。
 まだ発展途上なんすよねー…っと、そろそろ失礼するっす。
 あ、皮持って帰れないんですきにするといいっすよ、んじゃ」

そういうと店員は荷物を担いで去って行った…

2030とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:44:49 ID:AfjyhL6w
>>2029
「おぅ、助けてくれてサンキュウな! ……にしても革かぁ」
「俺なーんもしてねぇから持って帰るわけにはいかんよな」

>>2028
「ええー! 様よかちゃんの方が似合うと思うぜ?見た目も可愛いんだしさ」

「………ところで革残していったけど、レトロちゃんが全部もっていってくんねーか?」
「俺今言った通りなーんもしてねぇから受け取れねぇんだよ」

と、レトロに皮を渡そうとする意向を見せる少年
自分のせいでこんな事になったのにこれを売るなんて腹の居心地が悪いんだろう

2031とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:49:42 ID:odMlSevY
>>2029
「…………。」
『ああ、どうもお疲れ様でしたバンダナの人……。』
ひらひらと手を振って見送る少女であった。

>>2030
「………。」
『ああ!迂闊に褒めると、この御方はすぐに調子に乗りますよ……!?』
相変わらず無表情な少女だが、ほんのりと頬を赤く染めるのであった。

「………。」
『革?革なんて美味しくないしいらん……、とレトロ様は……
 ……せっかくのご好意を申し訳ありません……。
 レトロ様はモノの価値が分からない御馬鹿さんですので……。』
と、受け取る気は無い様子……。

2032とある世界の冒険者:2014/01/15(水) 23:57:16 ID:AfjyhL6w
>>2031
「でもよー、俺こんなんで手に入った金なんか嫌だぜ?」
「棚ぼたっていう言葉あるけどさなんかださいっつーか……」

皮を手に入るまでに自分がやった事と言えば牛に潰されたり意味もないのに後ろ脚を引っ張ったくらいである
金を使う時に何か脳裏によみがえりそうである

「……あ!そうだ!この革売った金で一緒にお茶しねーか!?」
「そうすれば礼にもなるし!うん!それがいいな!」

2033とある世界の冒険者:2014/01/16(木) 00:01:44 ID:qjOdFiz6
>>2032
「………。」
『茶か。よしそれで行こう。
 と、レトロ様は即刻食いつきました……。
 遠慮の欠片もありません、はい。』
少年の申し出に、こくんと即刻頷く。

「………。」
『相変わらずレトロ様は食い意地が張っておりますね……。
 申し訳ございませんバル様、なにやら気を使わせてしまって……。』

2034とある世界の冒険者:2014/01/16(木) 00:06:04 ID:ALGshUBQ
>>2083
「っしゃ!そうと決まれば早速……」
「あー、でも今からじゃおせーよな? 俺は別に平気だけどレトロちゃんはどうかしんないし、また今度にするかー」

他人から得た金で茶に誘い成功して喜ぶ男の図
可愛い女の子とお茶、レトロの目が無ければ小躍りしている所である

「予定が空いている日に、なっ」

2035とある世界の冒険者:2014/01/16(木) 00:10:12 ID:qjOdFiz6
「………。」
じゅるり、と意地汚い音が心なしか聞こえた様な……。
目一杯スイーツを食い漁ろうと目論む、遠慮の欠片も無い少女なのであった。
そんな少女に、やれやれとため息をつく兎人形。

「………。」
『レトロ様は丁度バイトも終わって暇を持て余しておりますが、 如何いたしましょう……?
 もちろん、日を改めてでも問題は御座いませんね、基本的に暇人でございますから。
 ……まぁ、ひとまず王都の方へと戻ると致しましょうか。』

2036とある世界の冒険者:2014/01/16(木) 00:13:51 ID:ALGshUBQ
>>2035
「可愛い女の子が夜道歩いてたら攫われるかもしんねーから暇でも日を改めようぜ」
「あっ 攫われ願望があるんなら俺がやるから!」

と、軽口をたたきながらレトロを守るように先導し王都に向かう少年
先の戦闘で自分よりもレトロの方が強いだろうことがはっきりしているというのに
ええかっこしいである

//FO?

2037とある世界の冒険者:2014/01/16(木) 00:17:08 ID:qjOdFiz6
「…………。」
……じっと少年を見たかと思うと、一瞬鼻で笑った様な……。
『……へっ……やれるもんならやってみな……
 ……と、レトロ様はおっしゃっております……。
 しかし、攫ったところでとてつもなくめんどくさいですので、わたくしとしてもオススメはできません、ハイ。』

そんなこんなで、王都へと戻る二人と一匹(?)。
後日お茶しにいく約束を交わすと、今日は一旦別れるのであった。

//ですかねー、こんなところで……!

2038とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 22:31:24 ID:xv806rjg
〜 王都 とある飲食店 〜

『いらっしゃいませー!』

赤毛でそばかすがある元気の良さそうな女の店員が出迎えてくれた
日を改めて、お茶するためにやってきた飲食店である
店内はごてごてとした装飾はないが清潔感があり、明るい店内だ

「それじゃレトロちゃん!好きなもん注文してってくれよ!」
「革が結構量あったからそこそこ懐あったかいし、さ! ……クーポン券もあるし(ボソッ」

2039とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 22:40:40 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『プリンアラモードとチョコパフェ(特大)とモンブランとフルーツタルトと白玉餡蜜とアールグレイ
 ………を、お願いします………。』
少年に言われる間も無く、即刻大量の注文……!
遠慮する気が微塵も感じられないのであった。
……しかも、小柄な体でこれを食べきれるのだろうか……。


「………。」
『えーと……申し訳ありませんバル様……。
 ……先日も申し上げたとおり、レトロ様は遠慮の欠片も無い御方で御座いまして……。』

2040とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 22:45:03 ID:xv806rjg
>>2039
『!?』
「!?」

『…………か、かしこまりましたー』

滞りなく、立て板に水が流れるようにすらすらと出てきた注文に
三者三様、二者二様の驚きを見せる二人
しかし店員の方はバルよりも明らかに早く立ち直り、注文をメモした

「……うわ、マジで…… い、いや!でもダイエットとか言って食う量抑えるよりかは健康的だよなー!アハハハ!ハハハ!」
「あ、俺はコーヒーで、ブラックね」

2041とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 22:50:18 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『私あんまり太らない体質だし。
 ……とか、レトロ様は腹立たしい事をおっしゃっております。』
今日も相変わらず表情ひとつ変える気配の無い仏頂面である。
少年が注文すると、くいっと首をかしげ……

「………?」
『バルは何も食べないのか?遠慮する事はないぞ。
 と、レトロ様はおっしゃっております。
 ……遠慮するな、って奢られている貴女の吐く台詞ではございませんよ……!』

2042とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 22:56:39 ID:xv806rjg
>>2041
「な〜るほど、世の中の女性が羨む体質なワケか!」
「遠慮するってか俺の金だけど…… んじゃあこのカツサンド頼むわ」

そう店員に告げると、どこかバルを少し憐れむ目で見て厨房へと入っていく店員
チョコレートクッキーのような、甘い匂いを残して去って行った

「んー? そういやレトロちゃん遠慮するなって俺には言ったけど飯は食わねーのか?」
「今注文したのって確かスイーツ系だろ?」

2043とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:02:43 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『……今はおやつ。別腹。ご飯は後でちゃんと食べる。
 と、レトロ様はおっしゃっております。
 ……別腹というのは謎のシステムでございますよね。』
そう言いながら、店内を軽く見回す。

「………。」
『しかし、なかなか良い店だな。
 と、レトロ様は感心しております。
 確かに良い雰囲気でございますね、スイーツも期待が持てそうでございます。』
店員の少女が残していった甘い香りが鼻を擽り、
注文した菓子へと期待を膨らませるのであった。

2044とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:11:16 ID:xv806rjg
>>2043
「そういや女子って甘いもんならいくらでも食うよなー………」
「俺はあんまり甘いもん食べられねーからちょっぴり羨ましいな」

突っ込みを放置してどこか遠い目、これが男同士の会話なら
今までの会話で『デブ』という単語が何度も使われているだろう
だがバルはその薄い人生経験ながら女性にそれは言っちゃいけないことだと体感していた
例え頭によぎったとしてもだ

「へへっ!最近見つけた店なんだぜ! 酒場で料理に付き合ったらチラシ貰ってさ」
「そん時の味が忘れられなかったからこうして着てみたんだ なっメイリッサちゃん!客呼び込む俺っていい奴だろ?」

『はいはい、感謝してますよ−っと! こちらコーヒーとアールグレイになります。』

2045とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:20:06 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『おや、バル様は甘いモノが苦手なので……?
 ……レトロ様は、信じられんとおっしゃっておりますね、
 この御方はスイーツ(笑)大好きで御座いますから。』

「………。」
『おっと、どうも有難う御座います。』
紅茶が運ばれてくると、ぺこりと軽く頭を下げる。
そしてティーカップを手に取ってまずはその香りを堪能。

2046とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:31:15 ID:xv806rjg
>>2045
「女の子と話合わせるために何度か食べてるんだけどよー、生クリームに負けたりチョコレートに負けたりしちゃってさぁ」
「俺はこう口の中がひりひりするくらい辛ぇもんが好きだぜ ……そういや甘党の逆って辛党だっけな」

レトロに信じられないという態度を取られ、思わず情けない顔を浮かべる
辛い物が好きな分甘い物へ耐性が無いらしい

「そのおかげで女の子とスイーツデートもできないしさぁ、何とか矯正できんもんかね……」
「あれメイリッサちゃん、こんなもん注文してなかったぜ?」
『んー? ああ、それ? サービスサービス、せっかくお客さん連れてきてくれたんだからさ』
「………フォーク二本あるけどこの量で二人前?」
『もちよ』

レトロがアールグレイから漂う柑橘系の爽やかな匂いを堪能していると、
目の前にコーヒーカップほどの大きさの小さいホールの、レアチーズケーキが置かれた
真ん中にミントが飾られお洒落な作りである。 しかし一人でもちょっと満足しそうにない大きさなのに二人前とは

2047とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:39:17 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『人の好みはそれぞれだからな。無理せず好きな物を食えば良い。
 と、レトロ様はおっしゃっております。
 そうは言っても、レトロ様は食べすぎだと思います。』
とか何とか言ってると、なにやら注文に無いケーキが目の前に……。

「………!」
『レトロ様はその迸る食欲を抑えきれない様子です……。』
心なしか、瞳が輝いている様子……。

「………。」
『食べていいか!?
 と、尋ねられておられますね……。
 ちゃんとバル様の分もとっておくのですよ?
 ……あ……でも、バル様甘いものは苦手ですが……どうしましょう?』

2048とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:48:08 ID:xv806rjg
>>2047
「んー、折角出されてみたんだし俺もちょっと食べてみてーな」
「多分こうやってフォークで分けるもんだなぁ、ナイフもついてきてねーし」

と、フォークでちょっとレトロの分を分け始める少年
気持ちレトロの分多目に、自分の分少な目に
だがそれでも物足りない量ではある、が

何だろうこのシチュエーション 一つの小さなケーキを仲良く取り分ける
恋人同士ならちょっと楽しそうである 問題は二人はそんな間柄ではないのだが

2049とある世界の冒険者:2014/01/17(金) 23:53:53 ID:qkrjnh7Q
「………。」
『レアチーズケーキと言うのは、
 程よく酸味も効いておりますし甘いのが苦手な方でもわりと受け入れやすい方かもしれませんね。
 ……ああ、これはどうもご丁寧に……。
 ……ってレトロ様がっつきすぎですよ!!』
切り分けられたケーキを、さっそく一欠けら口に放り込む。

「………!!」
口に広がるチーズの風味と甘み……思わず瞳を輝かせる。

2050とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:05:28 ID:OQVvhLdg
>>2049
「ん…… そうだな 生クリームたっぷりのショートケーキよかずいぶんと おおっ!?」

飛びつかん勢いでレアチーズケーキを口に入れたレトロに驚きの表情を見せる
だが次の瞬間無表情だった顔の瞳が輝いたのを見て、そっと顔を緩ませる

「……本当に甘い物が好きなんだなぁ」

そう言ったやり取りをしていると、注文した品が完成したようで次々と運ばれてくる
先ず最初にカツサンド、続いてモンブラン、プリンアラモード、チョコパフェ、フルーツタルトと白玉餡蜜
食べ終えた辺りを見計らって運んできてくれた

2051とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:12:32 ID:GiHYfSEs
レアチーズケーキに舌鼓を打った後も、
次々と運ばれてくるスイーツをあっという間に平らげていく。
どれもこれも好評の様で、無表情とはいえ満足げな雰囲気をかもし出す少女なのであった。
一体小さな体のどこにそんなに入ると言うのだろうか。

「………。」
しばらく堪能していると、
おもむろに自分のフルーツタルトを一欠けら、フォークに刺して少年の眼前へ突き出してきた。

『ああ、どうやらこれはお裾分けのつもりの様で御座います。
 バル様、甘いモノが苦手という事でしたが……
 ……ほんとにそんなにダメなのか、ためしに食ってみろ……とレトロ様はおっしゃっておりますね。』

2052とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:25:33 ID:OQVvhLdg
>>2051
「……んあ?」

甘いもんをガツガツと食べるのを直視したら胸焼けがしそうだと、ちょっと視線を逸らしながらカツサンドを食べていると
目の前にフォークがぶっ刺さったフルーツタルトが差し出された
フルーツタルトとレトロ、交互に見ると横からレトロが説明してくれた

「おおっ! ありがとうなレトロちゃん!」
「んー、生クリームついてないしこれならギリいけそうかなぁ、果物系はあんまり苦手意識感じてねーし」

と、恐る恐ると口に運ぶ少年
一口食べてみて今度は普通に口に運ぶ おいしそう、といえばおいしそうに食べているのだが

2053とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:29:40 ID:GiHYfSEs
「………。」
とりあえずは美味しそうに食べている少年に満足気……。
フォークは少女が普通に使っていたものだが、そういうのはあんまり気にしないらしい。

「………。」
今度はあんみつの白玉をひとつ差し出してくる。
……なんだか知らないが餌付けが楽しくなってきたのだろうか。

2054とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:33:19 ID:OQVvhLdg
>>2053
「白玉もまだまだ許容範囲内 サンキュな」

と、パクリ
モグモグと咀嚼し、ふと考え込むような顔に
そして次の瞬間、このフォークはレトロが元々使っていた物だという事を思い出し
そこから自分も食べたという事は

グッ、と無言でガッツポーズをする少年

2055とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:41:34 ID:GiHYfSEs
「………。」
楽しくなってきたまま止まらない少女。
時折自分も食べながら、他のスイーツも一口ずつひょいひょいと少年に突き出してくる……。
そんな事を繰り返しているうちに大量のスイーツは跡形も無く消え去るのであった。

「………。」
『どうだ、スイーツ好きになったか?
 と、レトロ様はおっしゃっております。
 ……まぁ、そんな昨日の今日で苦手なものは克服できないとは思いますが……。』

2056とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:45:37 ID:OQVvhLdg
>>2055
「……プリンアラモードのゾーンでばてそうになってチョコパフェで陥落しそうになった うっぷ」

味よりもシチュエーションにバグバグと酔っていたため、気が付いたら苦手なチョコクリームをしこたま食べてしまい
ちょっと気分が悪そうである しかしここで吐いたりするのは男の恥、顔だけでも平気そうに見せる

「んー、やっぱりすぐには治らねえな それに辛いものが食べて−から慣れてもすぐに元通りになっちゃうなぁ」
「注文はこれくらいでいいかレトロちゃん?」

と、伝票を目の前でぶーらぶらさせながら

2057とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:48:42 ID:GiHYfSEs
>>2056
「………。」
紅茶を一口飲んで、こくんとうなづく。
流石にあれだけ食べれば満足らしい。

「………。」
『レトロ様は大変満足された様で御座います。
 ご馳走になってしまって本当に申し訳ありません、バル様……しかもあんな大量に。
 ……尚、レトロ様はまた来ようとおっしゃっておりますが……
 流石に次はおごりではないですよレトロ様。』

2058とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:52:58 ID:OQVvhLdg
>>2057
「いやいや、元々助けてもらった恩もあるからこんぐらい払って当然!」
「それに俺男なんだからどーんと奢らせてくれよレトロちゃん!」

「………そう何度もどーんとは無理だろうけどよぉ」

今回は革が売れたから元々の所持金と合わせて払えるのだが、
普段では絶対無理である クエストでいうDランク相当の技術を持ち合わせていない少年にとっては特に

若干伝票を前にして顔が蒼くなっているが、それは無視してもいいし反応しても無理して流されるだろう

2059とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 00:59:41 ID:GiHYfSEs
「………。」
『このお店、レトロ様も大変気に入られた様で御座います。
 是非ともまた来たいそうでございますよ、バル様。』
伝票に青ざめる少年を横目に、満足気に腹を軽く擦るのであった。

「…………。」
『ところで、レトロ様は早くも晩御飯の心配をしております。
 ほんとバカみたいな食欲ですね、レトロ様は。
 ……もしバル様がよろしければ、晩御飯もご一緒に如何でしょうか……?
 レトロ様も一人で食べるよりはそちらの方が楽しい様でございます。
 ……あ、もちろん奢りでなくて結構でございますよ!』
と、早くも夕飯のお誘いが。

2060とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 01:05:17 ID:OQVvhLdg
>>2059
『よかった! それじゃあ次も腕を振るって待ってるからね!』

レジの赤毛の少女が嬉しそうに笑い、少年へと同乗している視線を浴びせつつ
クーポンを受け取り無事清算、あの料にしては安いが決して安くない値段を払った少年だった

「………! え、夕飯も一緒にしてくれんの!? 行く行く!これは断る理由ないっしょ!」

しかし青ざめていた少年も夕飯の誘いを受け即座に復活、ハイテンションに戻った
最後の餌付けからこの夕飯のお誘い、これ完全に脈ありなんじゃね!?と一人浮かれているのであった

//そろそろFO?

2061とある世界の冒険者:2014/01/18(土) 01:11:40 ID:GiHYfSEs
「………。」
『どうもご馳走様でございました、
 また寄らせて頂きますのでどうぞよろしくお願いします。』
レジの少女にひらひらと手を振り、喫茶店を後に。

「………。」
『とは言え、夕飯時までまだ時間がありますし、
 少し街で時間を潰してから……と、レトロ様は提案なさっております。
 ……とりあえず、参りましょうか。』
浮かれる少年であったが、少女の方はまだ、丁度いい遊び相手が出来た、くらいの認識なのだった。
それはそうと、二人で繁華街の方へと向かうのであった。

//ですかね、このあたりで…どうも有難う御座いました!

2062とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 19:36:05 ID:FUTn9Ugo
  〜 森 〜

「………前会った時は、ここで鍛錬していたはず」
「いつもばったり会っていたからいざ探すとなるとどこに行けばいいかわからなくなるわね……」

夜の王都近くの森の中、冒険者の鍛錬場としてよく使われる場所で誰かを探すようにきょろきょろ見渡すのは
コートに身を包んだ黒い長髪の少女

2063とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 19:38:35 ID:hbZn0kQk

「……? リアラ……?」

と、少年を探していると後方から声を掛けられる。
振り向いた先に居たのは、探していた相手だろう少年。

薄褐色の肌に白色の髪、ガンベルトは何時見ても「見た目だけなら」、である。

2064とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 19:46:21 ID:FUTn9Ugo
>>2063

「………あら」

「こんばんは、クォヴレー君」
「ここなら会えるんじゃないかと思ってきてみたのだけれど…… 正解だったようね」

幸運にも、すぐに探していた相手が見つかった
黒い髪をなびかせ振り返ると、クォヴレーと向き直る少女

2065とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 19:50:53 ID:hbZn0kQk
「あ、うん……訓練、しようと思って」

毎日熱心な事である。
これで結果が振るえばいう事はないのだが。

「けど、会える、って……」
「……何か、用事?」

不思議そうに、口元を赤いマフラーで隠しながら。
この間の怒らせた事かなと、内心思ったり。

2066とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 19:59:13 ID:FUTn9Ugo
>>2065
「………………」

ポケットに手を突っ込むと、無言でクォヴレーに何かを差し出した
ピンクのチェック柄の包装紙に包まれ、リボンがラッピングされた
立方形の箱のような物
持ってみると軽く、中に何か入ってるようだ

だが日が日であるし、中身が何なのかは大体予想がつくはずだ

2067とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:04:14 ID:hbZn0kQk
>>2066
「……?……」
取り敢えずは差し出されたそれを受け取り、何だろうと思いつつ。
軽く重さやらを確かめてはみるものの。

「……!……ぁ、えっと……」
流石に気付く今日の日付、が……

「か、髪が伸びる奴じゃ……?」
学習したので確認した。こないだひどいめにあったし。

2068とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:10:37 ID:FUTn9Ugo
>>2067
「……違うわよ、今回は私の自作品 魔法薬の類は入ってないわよ」
「何なら私が先に毒見する? 一個しかないから毒見したらそれだけで終わるけど」

クォヴレーに疑われたためか、それともあの時の事を思い出したのか
顔は相変わらず無表情のままだが、声からはどこかムッとしたような感情が呼びとれる

「………前あげたチョコだけで済まそうと、少し考えたけれど」
「クォヴレー君にはちょっと世話になったし、流石にあれだけじゃ無礼よね」

2069とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:14:43 ID:hbZn0kQk
>>2068
「あ、変な意味じゃ、なくて……!」
「怒らせた、みたいだったから……!」

慌てて弁明をする少年、前のが結構効いたらしい。
まぁ原因はこっちにあるのだが……。

「……えっと、じゃあそういう、ことなら」
「……って、手作り?」

2070とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:29:06 ID:FUTn9Ugo
>>2069
「何の事か理解しかねるわね、クォヴレー君」

アカン、前会った時のあれによくにたオーラが出始めた
これ以上深入りは厳禁だ、蛇が出そうである

「………………」
「前は…… そういう話、だったでしょ?」

2071とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:31:20 ID:hbZn0kQk
>>2070
「……はい」

察した少年、あの後先生も言っていた。
女性に胸の話題は厳禁、特に小さい人には……と。

「……ぁ、うん……」
「……ぇ、っと」

赤くなった顔をマフラーで隠して、ちょっと沈黙。
……なんだか意図せずに桃色のムードである、ぺっ。

2072とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:41:01 ID:FUTn9Ugo
>>2071
「…………………………」

真っ赤になったクォヴレーを見て、少女は、そっと顔をそむけた
普段ならからかいの一つでも飛んでくるはずだが、妙な沈黙が起きた

「………それじゃあ、用事も済んだ所だし 私、帰るわね」

沈黙の後、ようやく口を開くと出てきたのは帰るの言葉
クォヴレーの返事を聞かず、そっと背を向けた

2073とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:44:55 ID:hbZn0kQk
>>2072
「あ、ぇっと、ちょっ、り、リアラ……!?」

からかいが飛んで来ないのに余計に戸惑う。
既に顔は真っ赤である、いつもの事だが。

「その、……! ぎ、義理とか言ってくれないと、
 変な、誤解が、……あれだから、その、もうちょっと話……!」

そしてわたわたとしながら引き止める。
もう少し格好つかないものか。

2074とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:52:33 ID:FUTn9Ugo
>>2073
「………義理チョコよ」


「多分」

クォヴレーの問いかけに答えてくれた
だが妙に間が空いて自信なさげな回答が

2075とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 20:55:27 ID:hbZn0kQk
>>2074
「……義理……」

顔が赤いまま、ほっとしたのかざんねんやら。
何とも言いがたい表情だったが……。


「……多分……取ってくれないと、
 ……嫌われてはいない、って勘違い、する。」

ちょっとだけ、顔を引き締めてそっちを見つめて言葉を返す。
尚マフラーで隠れているが顔は茹蛸だ。

2076とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:01:37 ID:FUTn9Ugo
>>2075
「………………」

背中越しであるが、何故かため息をつかれた そんな気がする
背を向けたまま歩き去ろうとしていた足が止まり、振り返った

「別に嫌ってはなんていないわよ クォヴレー君?」

せめてものからかっているというポーズ、からかうような笑みを浮かべた

2077とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:04:41 ID:hbZn0kQk
>>2076
「ぅ、そういう意味じゃ、なくて……はぁ」

向き合って、相手の笑顔なんかを見ると恥ずかしくなるらしく、
今度はこちらが顔を背ける番になってしまった。

「……あけていい? 折角だから、居る内に」 

自身の手の包みを指して、どうせなら、と。

2078とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:07:50 ID:FUTn9Ugo
>>2077
「………… ええ、期待しているようないい物じゃないかもしれないけど」

それでもいいなら、と
歩みを再びクォヴレーに向けた

2079とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:09:22 ID:FUTn9Ugo
//おっと書き忘れ!

>>2077
包装紙の中身は、ココアパウダーに包まれた丸いトリュフチョコだった
チョコは甘く、ココアパウダーがちょっぴり苦い そんなお味である

2080とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:14:52 ID:hbZn0kQk
>>2078-2079
「……」
「……あむ」

包みを開けて箱からチョコを取り出して、一口。
勿論しっかり味わってから飲み込んで……。

「……うん、凄く、美味しい」
「ありがとう、リアラ」

表情を綻ばせて、柔らかい笑顔をそちらに向ける。
どうやら少年の好みには合っていたようだ。

2081とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:20:22 ID:FUTn9Ugo
>>2080
「………そう言われると、作ったかいもある、というものね」

自分の料理を褒められて、悪い気はしない
ほほえみ返して、お礼を素直に受け取った

「それじゃあ、今度こそ用件も済んだし私はこれで」
「クォヴレー君、ホワイトデー楽しみにしているわよ?」

2082とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:22:27 ID:hbZn0kQk
>>2081
「うん……また食べたい、かも」

意外と甘いものが好きなの。
チョコをもうひとつ口に運びながらそんなことを。

「あ……良かったら、街まで、送るよ」
「ホワイトデーはちゃんと返すけど……それ以外にも、うれしかったし」

2083とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:29:21 ID:FUTn9Ugo
>>2082
「クォヴレー君…… 今のは口説いていると認識しても」
「いえ貴方の場合は素ね恐らく」

聞きようによっちゃあ口説いているように聞こえる言葉だった
特に今は顔を赤面したりしてない

「それなら、エスコート頼むわよ、クォヴレー君」

2084とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:33:57 ID:hbZn0kQk
>>2083
「……ううん」
「今のは、口説いてる」

……真面目な表情で、リアラの方を見て。
……顔立ちが整っていて、見た目も「格好良い」と言える、情けなさが欠点の子からそれを取ると……?

2085とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:39:49 ID:FUTn9Ugo
>>2084
「………………え?」

赤くなるクォヴレー そうでなくても、クォヴレーの反応を楽しもうと
そう思っていた、完全に油断していた

チョコレートを差し出す時も、差し出されてクォヴレーが照れている時も
褒められたときも、顔をそむけたりする動作は見せたが
それでも表情を崩さずにいた そんな少女が初めて、顔を赤く染めた

「………クォ、ヴレー……くん?」

2086とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:42:06 ID:hbZn0kQk
>>2085
「……チョコ貰って、嬉しかったし」
「…………その、リアラが可愛かったから、つい」

口元が赤いのがばれない様に顔をマフラーで隠すようにして、
チョコをとりあえずばコートポケットにしまい、リアラに近付いて。

「……街か、家までエスコート、するよ」

そっと手を握ろうと。
バレンタインの魔力である。

2087とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:49:28 ID:FUTn9Ugo
>>2086
「……………」

真っ赤になった顔を伏せていた
顔を隠したい、何より、相手を見れない

手を無抵抗で握られた

「……バッカスの、酒場まで」
「お願い……… できる、かしら」

2088とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:51:38 ID:hbZn0kQk
>>2087
「……」

顔を伏せるリアラにちょっとだけ優越感を感じて、
チョコの事や、普段との違いに可愛いなぁ、と思ってしまって、

ふと先生が女の子を口説く云々の話をしていた時に言っていた言葉を思い出して

「……仰せのままに、お姫様。」

少女の手を握り、王都への道を歩いていく。
いかん、これは、危険だ。

2089とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 21:58:17 ID:FUTn9Ugo
>>2088
「……………」

いつもだったら、本当に平常時だったら
鼻で笑ってそれで終わり、それで終わりだった

だがいつもと雰囲気が違うクォヴレーに、完全に呑まれた
コクリ、と頷くとクォヴレーに手を引かれ、クォヴレーの後ろについて行く
手は柔らかくて、やけに小さかった

2090とある世界の冒険者:2014/02/14(金) 22:00:29 ID:hbZn0kQk
>>2089
「……♪」

そのまま少女の手を引いたまま、バッカスへと連れて行くのだった。
……この日、この時間帯のそれは旗から見れば絶対に「デート」に見えたのは……

まぁ言うまでもないだろう……。

【FO】

2091とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:05:01 ID:y8Xxwrhw
――王都 『永崎屋』

恋人達の日、バレンタイン。
その手の行事に疎い彼女だが、今年は話が違う。

「ふっふっふっはっぴーばれんたいん……といっても、私達ぐらいの歳になると改まるもんじゃないんじゃよなぁ」

すでに同じ屋根の下に住むようになっている有様だし。
今更バレンタインといったところで、という気はする様子であった。
……勿論、用意していないわけではない。

2092とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:05:49 ID:y8Xxwrhw
――王都 『永崎屋』

恋人達の日、バレンタイン。
その手の行事に疎い彼女だが、今年は話が違う。

「ふっふっふっはっぴーばれんたいん……といっても、私達ぐらいの歳になると改まるもんじゃないんじゃよなぁ」

すでに同じ屋根の下に住むようになっている有様だし。
今更バレンタインといったところで、という気はする様子であった。
……勿論、用意していないわけではない。

2093とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:14:29 ID:a9Nozobs

「……ふむ、バレンタイン。そういえば久しく聞いてなかったでござるな。
もちろん、目にすることはあったでござるが、話題にすることがなかったでござるよ。」

【彼は生まれはジグザールであるため、まぁ、バレンタインについては知っている。
しかし、一時、ネオベイに飛んでいるため、そういったことからは離れていたのだろう。

改めて、バレンタインということを意識すると、懐かしい思いへと駆られる。】

「…………まぁ、今の拙者らからすれば重要でござる……のかな?」

2094とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:20:07 ID:y8Xxwrhw
>>2093

「とりあえずチョコをプレゼントする風習じゃったなぁ」

というわけで、差出たるは日本酒チョコ。
ラッピングもされてないし市販品だが、そこは許して欲しいところ。

「少々色気が無いのは承知しとるんじゃが」

何分どうすればいいのかわからなったので、とのこと。

2095とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:26:30 ID:a9Nozobs

「うむ、かたじけない、でござる。」

【差し出されたそれを恭しく受け取った。
もう少し色気のあるリアクションをすればよいのだが。

色気が無いのは、こちらも同様らしい。】

「と、いうことは拙者は改めて愛の告白を受けた、ということでござるなぁ。」

【バレンタインとはいわゆるそういう事である。
女性がチョコレートを意中の男性に渡して告白する。俗にはそんな日である。

尤も、既に恋人……もとい同棲状態の二人にそれが適用されるのかは疑問だが。】

2096とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:31:18 ID:y8Xxwrhw
>>2095

「なるほど。考えてみればそうじゃったな」

チョコレートを贈る日、という認識で止まっていた様子。
愛の告白の意味合いもあるということを失念していたらしい。

「銜えて渡したほうがよかったりしたじゃろか」

自分の唇を指差して、そう悪戯っぽく笑う。

2097とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:36:52 ID:a9Nozobs

「おや。奇遇でござるなぁ。」

【そのいつもの悪戯っぽさに、こちらは驚いたような声を上げた。
そうして、ゴソゴソと自身の懐を探る。】

「いや、なに。ホワイトデーを先取るつもりではないでござるが
以前、クエストで一緒になった者から、教わったことがあってな。

まぁ、つまるところは目には目を、チョコにはチョコを。でござる。」

【と言って取り出したのは細長い棒状のチョコレートであった。
かなり、細長く作っており、まるでお箸のようである。

何やら、刹忠は刹忠で、ちょっとした〝遊び〟を考えていたらしい。】

2098とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:41:53 ID:y8Xxwrhw
>>2097

「むむ、いわゆるぎゃくちょこじゃな?」

まさか用意してくるとは、と驚いた様子。
形状を見てみれば細長いチョコプレッツェルだろうか?

「頓狂な形状じゃなぁ……ん、む。何か企んでるんじゃろか」

刹忠が何か考えていることに気づき、少しわくわくした様子。

2099とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:49:57 ID:a9Nozobs

「おお、そういえばそういう言葉もあったでござるな。
ならば、その逆チョコと考えて貰ってよいでござる。

……っと、ちょっと逸れてしまったでござるな。
これは、要するにはゲーム、遊びでござる。」

【そういうと一度、わざとらしく咳払いをして一呼吸。
どういう遊びかについて説明するのだろう。】

「このチョコレートの片方の端を拙者が。もう片方の端を鐘殿が咥えるでござる。
これが、このゲームをやる前の……定位置、でござる。」

【実際にチョコを使って示しながら説明をしていく。】

「ゲームが始まったら、お互いに咥えているところからチョコを食べ進めるでござる。
先に口を外してしまった方が負けでござるよ。……ふふ、簡単でござろう?」

【と、説明を終えた。いわゆるポッキーゲームをやろう!ということである。
中々に恥ずかしい遊びを教わってきたものだ。】

2100とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:52:20 ID:y8Xxwrhw
>>2099

「おお、思ったより積極的な遊びじゃな」

遊びというかキスの口実というか。
ともかく了承。ここで受けねばカップルじゃないのだ。

「ん〜。ほうほお?(こうじゃな?)」

というわけでチョコを咥えてみた。
キス顔が迫ってくるというのも何だか間抜けに見えそうなものなのだがどうなんだろう。

2101とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 22:58:17 ID:a9Nozobs

「こういうのも一興、でござるよ。」

【くく、と楽しそうに笑いながらこちらも片方を口に咥えた。
二人が両端を咥えると、距離はそのチョコの長さ分しかないため、非常に近い。】

「へあ、いふへほある(では、行くでござる)」

【と、少々、間抜けな声を上げてゲームの開始を宣言する。
すると、口から離さないように注意しながら、少しずつだが食べ始めた。】

2102とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:04:25 ID:y8Xxwrhw
>>2101

(随分恥ずかしい遊びじゃな〜)

内心そう思い、なんとなく赤面するも始まったものは仕方が無い。
こちらもさくさくと小さく食べ進めていく。
チョコは甘く、味は申し分ないが――。

(……段々迫っていく、っていうのが恥ずかしいんじゃなぁ9

味なんか気にしていられなかったりして。

2103とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:12:16 ID:a9Nozobs

「(……これは中々。)」

【自分で提案しておきながら、非常に恥ずかしい遊びであるということを改めて認知。
話に聞くだけと、実際にやってみるのとでは大きな違いがあったようだ。

ところ、このポッキーゲームは意外と難しいのである。

何せ、二人が同時に食べ進めるのだから、チョコが落ちる可能性もあるし
はたまた、片方の噛む力によって、チョコが折れてしまうことだってある。】


「(……そして、意外と近い、でござる。)」

【そんなチョコの状態にも気を配りつつも、思ったよりも近い距離にある顔に少し動揺。】

2104とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:14:58 ID:y8Xxwrhw
>>2103

「んん……」

チョコを落とさぬように気を使うせいで、時折艶かしい声が漏れる。
顔が近いのもあいまって、何やらプレッシャーになったりするかもしれない。

(……これ、やっぱりそのままいったら接吻なんじゃよなぁ。妙に時間かかる分どきどきしちゃうんじゃよ)

決心したタイミングとズレるので、このゲームでキスまでいく場合は心の準備が出来ないままということになる。
なので、別にキスに抵抗があるわけでもなくてもドキドキするのであった。

2105とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:20:38 ID:a9Nozobs

「…………。」

【こちらとて神経を使っているのは同じである。
相手との呼吸を合わせる必要があるため、恥ずかしいながらに永崎の口元の方をじっと見ている。

なんというか遊びだというのに、若干、剣士としての真剣さが現れてしまっている。】

「(……ん、大分、近いでござるな。)」

【かなり時間がかかっているが、それでも両者が初めての割には、上手に出来ている。
段々と、お互いの間隔が狭まってきた。

このポッキーゲームは逆を返せば〝チョコを食べなければキスできない〟なので
ある意味でちょっとした焦らし、のようでもある。】

2106とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:26:28 ID:y8Xxwrhw
>>2105

(む〜……)

さくさく。
慎重に、ゆっくりと、なんだかもどかしく距離が縮まっていく。
お互いの吐息が何となく顔にかかるぐらいだろうか。そうなると、また羞恥が加速するわけで。

(……む)

――もうそろそろ、秒読み段階だろうか。

2107とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:32:49 ID:a9Nozobs

「…………。」

【ようやく。お互いの唇が触れ合いそうになる距離までたどり着く。
無論、顔もこの上なく近い。相手の体温を感じれるほどの距離だ。

そうして、お互いの唇が触れるか触れないかの距離まで縮まったその瞬間――――。】

「……っ。」

【一瞬、刹忠の口元がにこりと吊り上ったかと思うと
片手を永崎の背に回して、こちらに抱き寄せようとする。

もちろん、それと同時に唇も奪おうと。】

2108とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:35:49 ID:y8Xxwrhw
>>2107


「んんっ!?」

背中に手を回されて抱き寄せられ、そのまま唇が奪われる。
今までに無い情熱的さではないだろうか。

「ん、む……」

チョコの甘い香りが口の中に広がってる最中のキスは、どうにも思考を蕩けさせる。
目つきも酔ったときのように目尻が下がるのを自覚出来るほど。

2109とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:43:04 ID:a9Nozobs

「……ん。」

【今日はらしくない行動ばかりを取っている似非侍。
実はバレンタイン、というイベントに一番、影響されてしまっているのかもしれない。

甘い味、香りのキスであるが唇同士が触れ合うだけのものである。
抱き寄せていないほうの手で愛しげに永崎の髪を梳くように指で撫で下ろす。

そうして、唇を離した。……少々、長いものであった。】


「ふふ、無事にゲームは成功、でござるな。……そして、甘い。」

【唇を離して若干のしたり顔でいう。
とはいうものの、こちらも全くの余裕というわけではなく、少しばかり顔は赤い。】

2110とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:48:02 ID:y8Xxwrhw
>>2109

「何というか、どきどきしちゃったんじゃよ」

自分の胸に手を当てて、早鐘を打っているのを確認するように。
このどきどきも、決して不快なものではなくて。

「んふふ。恥ずかしいけど、ラブラブな感じがして悪くないもんじゃな」

髪を手櫛で梳かれているのも恋人同士ならではか。
絵に描いたように繰り広げられるそれに、彼女はどこか満足げであった。

2111とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:54:02 ID:a9Nozobs

「いやぁ、なんというかこうも色々と上手くいくとは思わなかったでござるよ。
教えてくれたあの御仁には感謝しておかねばなるまい、でござる。」

【ふぅ、と自身を落ち着けるように息を吐き出す。

上手くいったというのは恋人同士の遊びという意味でもあるし、このゲームを遂行できたという意味でもある。
初回で、折れずに食べきることが出来たのは、中々に凄いのではなかろうか。】

「しかし、こういった趣向も悪くない、でござるな。
正直、拙者もなんというか、胸が高鳴ってしまったでござる。」

【満足しているのはこちらも同じようだ。
余興のつもりで行ったポッキーゲームは予想以上の効果を生んだらしい。】

2112とある世界の冒険者:2014/02/15(土) 23:59:43 ID:y8Xxwrhw
>>2111

ビギナーズラックというものだろうか。
あるいは案外、二人の相性が非常に良いのかもしれない。

「雰囲気的に所謂”えっちなきす”もされそうでどきどきしたんじゃよ」

バレンタインのプレゼントは〜ということかと、とも。

「男女のいろはもよく知らんのじゃが、いやいやなかなかこの手のものはすごい恥ずかしいものはったな……」

おおお、と自らの両肩を撫でる。

2113とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:07:18 ID:XvQTgHBU

「……むむ、そうであった、かな。」

【と、ここで少しばかりの動揺を見せた。

刹忠としてはポッキーゲーム中に不意に抱き寄せてキスをするという悪戯が
今回でいえば、全てだったらしくその後のことは全く考えていなかったようだ。

すると急に恥ずかしさがこみ上げてきたのか、わざとらしく数回、咳払いをして誤魔化そうと。】

「拙者とて、知っているわけではない。
だが、鐘殿とならば、手探りでもやっていけよう……さっきのゲームの様に。」

【ふぅ、と再び息を吐き出す。そして、永崎のほうへと視線をやって。
さらりと言っているが、内容は実にとんでもないことである。】

2114とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:13:16 ID:tozxtAP.
>>2113

「手探りで……」

妙に生々しい表現だ。
再び赤面したのを、袖で隠してしまう。

「こほん。……あ、そうじゃ」

とりあえず話題を変えようと思ったのだろう、思い出したように手のひらを叩く。

「4月から丁稚さんが来ることになったんじゃよ」

「威厳があるようにしとかんといかんわけじゃな」

丁稚の奉公先は怖くておっかないぐらいじゃないと、と彼女は言う。

2115とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:17:57 ID:XvQTgHBU

「……な、なるほど。んまぁ、ともかく、良いことでござろう。
一人より二人、二人より三人……でござるからな。

まして、鐘殿からすれば仕事仲間が増えることでござるから
色々と負担が軽くなるでござるなぁ!」

【その話題の変更に乗っかる。

以前から話は聞いていたため、丁稚の重要さはそれなりに分かっている。
それがようやく、来るようになるというのだから、喜ばないはずは無い。】

2116とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:26:53 ID:tozxtAP.
>>2115

「負担……は増えるんじゃよなぁ」

丁稚は右も左もわからぬ小僧なのだ。
厳しく仕事を教えてやって、時折飴をくれてやらねばならない。
で、仕事を教える都合、鞭担当が鐘で――。

「というわけで、何じゃな。甘やかさん程度に気にかけてやってほしいんじゃよ」

飴担当は刹忠ということになる。
なんだか役割が逆転した構図になるが、致し方ない。

2117とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:32:55 ID:XvQTgHBU

「でも、それは仕事を覚えるまでの話でござろう?
最初のヤマさえ越えてくれれば、それなりに負担は減りそうな気もするが。」

【とはいうものの、こちらは経営に関してはてんで素人である。

永崎の家に住むようになって、その仕事を何度か見ることはあれど
その全てまでは把握し切れていない。】

「心得たでござるよ。
まぁ、どちらも無理をして不自然になり過ぎないようにせねばなるまい、でござる。」

【出来るかどうかは置いておいて、その提案を受け入れた。】

2118とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:37:39 ID:tozxtAP.
>>2117

「まぁそうじゃなぁ。仕事を覚えてくれれば負担も減るんじゃよな」

「とりあえずゆくゆくは将来の番頭さんになってほしいところじゃな」

営業その他を任せて、自分は職人に徹するというのが理想らしい。
となると、飴担当には読み書きそろばんぐらいは教えてあげられるようになってもらいたい。

「……刹忠は出来たじゃろうか」

さりげなく呼び捨てしながら、読み書きと基本的な計算ができるかたずねる。

2119とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:42:21 ID:XvQTgHBU

「鐘殿、それは少々、拙者を見くびり過ぎでござるよ。
読み書きと計算が出来なければ、どうやってクエストを生業にするでござるよ?」

【あくまでクエストを生業としているこの青年。
例えば、字を使えなければ、コミュニケーションが取れない場合もあるし
そもそもクエストを受けることが出来ない。

また、計算が出来なければ報酬を正しく受け取ることさえも出来ない。
そういう意味では、基本的な能力は備わっているとはいえる。】

「……ああ。それがネオベイ語というのならば、少々、話は変わってくるでござるな。」

【永崎がネオベイ語しか扱えず、仕事もずぅっと使うならば話は別である。
ちなみに呼び捨てにされたことは、大して気に留めていない。】

2120とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:47:45 ID:tozxtAP.
>>2119

「……それもそうじゃな。いや申し訳ないんじゃよ」

ぺこりと頭を垂れる。
こちらで商売するにあたって、勿論使うのはジグザール語である。

「んむ。となるとこれの扱いはできるじゃろか」

よいせ、と立ち上がって店舗スペースからなにやら取り出してきた。
そう、便利な計算機、そろばんである。

「なかなか愉快な音がなるがこれで計算するんじゃよ」

じゃかじゃかとそれを軽く振って。

2121とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 00:53:22 ID:XvQTgHBU

「分かってくれたら、良いんでござるよ。
…………むう、そろばん……で、ござるか。」

【そろばんを目にすると少し、たじろいだ。
一応、そろばんがどういう道具で何をするための物なのかは知っているようである。

だが、リアクションからして満足に使えないのだろう。】

「正直、縁が無かった、でござるな、それには。」

2122とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 01:01:43 ID:tozxtAP.
>>2121

「んむ。ではこれも有る程度覚えてもらうんじゃよ」

奉公先の女主人の旦那がそろばんもまともに出来ぬのではという理屈。
また、刹忠が丁稚にそろばんを教えることができればより良い。

「まぁ別にそこまで難しいもんじゃないんじゃよ。剣を扱うしなやかさがあればなおさらじゃな」

多少指先に集中力がいるが、と何でも無いかのように言う。

「……んと。話変えておいてなんじゃが、随分と色気のない話をしてしまったんじゃな」

「この際じゃし大人の時間じゃ。こうして二人きりの時間もその内減るかと思えば、の」

お酒でももってこよう、と不意打ちで刹忠の頬に口付けをして酒を取りにいったとか。

//そろそろ限界なのでこれでFOで!

2123とある世界の冒険者:2014/02/16(日) 01:10:47 ID:XvQTgHBU

「……むむ、頑張るでござる。」

【まぁ、武道が出来るのだから物覚えは悪くないはずだ。
とはいえ、それとそろばん能力、ひいては計算能力は別物だろうが。】

「言われてみれば、丁稚が来てしまえば3人での生活でござるな。
くく、そういう意味では楽しみが減――――っ?!」

【涼しげな笑みを浮かべながら、悪戯っぽく言おうとしたが今回は先手を打たれる。
キスをされたことに呆気に取られ、その箇所に軽く手を置いていたとか、FO】

//了解です!長々と、ありがとうございました!

2124とある世界の冒険者:2014/02/24(月) 23:33:04 ID:BdW.TtGE
<王都近くの森・出口>

「ふふふ、ロックオンした獲物は逃さない〜ってね!
……けど、これだけあれば実に良いものが作れそーだ……くく。」

【魔女帽にゴツいコートを羽織った小柄な人型が森の出口周辺をうろうろと。
魔女帽とコートのおかげで、その表情はおろか性別さえも窺えない。

また、魔女帽の先端部分が魔法的な光で輝いている。夜道であるため明かりを確保するためである。
背には何やら籠が背負われており、その中には何やら、色々なものが詰め込まれている。】

2125とある世界の冒険者:2014/02/24(月) 23:52:44 ID:g5bdVOxc

「……あらぁ……?」
「こんな時間から、森にお散歩ぉ……? 変わった人も居るのねぇ……」

ふと、森の奥から人影が歩いて来る。
頭に着けた大きな朱く、長いリボン、幾何学的な刺繍が入った暖色のスカート。
碧色の髪と小さく揺らしている、妙齢――20歳手前頃の女性だろうか。

2126とある世界の冒険者:2014/02/24(月) 23:52:48 ID:BdW.TtGE

「それに今から、準備をすればホワイトデーには間に合いそうだ……!」

【どうやら、何かの準備をするための材料を仕入れに来ていたようだ。

控えるイベントはホワイトデー。いわゆる、バレンタインのお返しをする日のことである。
返すものとして一般的なのはお菓子であるが、当然、森の中にクッキーやらキャンディが転がっているわけではない。】

「……いや、たまには露骨に攻めてみるのも悪くない……かも。

あー……いや、あからさま過ぎても、それはそれで何ていうかがっついてるみたいで警戒されそうだし〜
そもそも、そんなことをしたら、そこらに居るドーブツな男と変わらないから、ナシだね。」

【日はそれほど近くないが、来る日のことについて?悩む。
そもそも、この人型はバレンタインを本当に貰っていたのだろうか。】

2127とある世界の冒険者:2014/02/24(月) 23:55:46 ID:BdW.TtGE
>>2125
「散歩?……散歩とは失礼なッ!
このドルーゼは、来るイベントに備えての準備をしていたのだよ!」

【ぶつぶつ、ぶつぶつと独り言を実に表現豊かに身振りを交えて言っていたが
その声に気づくと、そちらに勢いよく振り返った。

背には籠が背負われており、何やら薬草やら、動物の一部分やら色々と詰め込んである。】

2128とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 00:01:24 ID:wx1zT8ZA
>>2127
「ふぅん……けどその薬草、碌な使い方できなかったと思うけどぉ……」

籠の方をちら、と見てそんな事を言う娘。
気怠げに髪を手でイジる姿には妙な色気がある。
……ハイライトの薄い瞳がそう見せるのだろうか……。

2129とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 00:07:51 ID:WMXRBrnM

「ふふふ、何にせよ、腕次第ってことさ!料理みたいなものね!」

【がさがさと自身の背にある箱を揺らして見せながら。

帽子とコートによって、この人型の顔はほぼ窺えない状態である。
しかし、まるで観察するような視線が、そちらには注がれている。】

「そして、私に散歩って聞くことはおジョーさんは散歩なのかね?!」

【なお、コートはこの人型には大きすぎるようで、袖やら裾が余ってしまっている。
特に袖のあまりは、直すことはしていないようで垂れ下がってしまっている。】

2130とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 00:13:41 ID:wx1zT8ZA

「そ。 ……ま、どーでもいいけどぉ……」

籠から視線を外し、指に髪を巻き付けたりして弄る。
碧色の髪は巻き付いてはすぐ離れて、重力に従い垂れる。
長さは腰辺りまでもある……。

「教えてあーげなぁい……、悪いことしてたのかもねぇ……」

くすくす。
口元を手で隠しながら何が可笑しいのか笑いながらそう返す。

2131とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 00:19:25 ID:WMXRBrnM

「(……ワカメとか昆布の海草ってあんな感じだよね。
うむむ、料理って言った所為か、変なフィルターがかかってるカンジ……。)」

【普段ならば、そこそこの反応を見せるはずであるが、今回はそれほどでもない。
イメージの所為もあるが、あくまでも女性が好きなだけであり、色気とかはそれほど関係ないのである。】

「ケチなおジョーさんだが、寛大なドルーゼはそれを許すのである!
でも……悪いことかぁ……気になるなぁー……。」

【ぐっとサムズアップして気前のいい感じの発言をする。
しかし、直後、そっぽを向いたかと思うと、時折、ちらちらとそちらを見る。

気になる物は気になるのである。】

2132とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 00:21:28 ID:wx1zT8ZA

「……ねぇ、何か失礼な事考えてなぁい?」

ハイライトの薄い瞳が半目になって娘を睨む。
目敏い、……と言うよりは被害妄想気味……?

「ひ、み、つ。 ……うふふふ。
 だぁいじょうぶよぉ、誰か怪我する訳じゃあ……無いもの。」

2133とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 22:15:11 ID:WMXRBrnM
<王都近くの草原>

【静かで寒々しい夜の草原。この時期だからであろうか、月光も多少、冷たく感じる。
そんな夜の草原に不意にカン、カンと軽やかな音が響き渡る。

しかし、その音を発する原因は姿を見せない。
そして、何度かその音がしたかと思うと、突然、草原に赤く光る熱を帯びた線が走り始めた。
それは、何かの意思に動かされるようにして、円の形を描いている。】

2134とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 22:47:45 ID:WMXRBrnM

【暫く、円を描くために走る線。
やがて、端と端が結びつき、その線は円となった。

その瞬間――――その円から炎が上がった。
煌々と空を目指して、燃え上がる炎はさながら、召喚陣である。

カンカンという金属を叩くような音は既に止んでおり、かわりに馬の嘶きが辺りに響く。
燃える炎の中から、ゆっくりとその頭が、首が、足が姿を現す。

…………それは燃える馬だ。というよりも炎が馬の形を取っている。
そして、揺らめく馬に乗っているのは騎士の格好をした人型である。】

2135とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 23:01:00 ID:WMXRBrnM

【乗っているのは騎士の姿。
しかし、頭部のみはむき出しである。金髪だが、まるで死人の様に色は抜け落ちてしまっている。
また、肌の色も青白く、とても人間とは思えない様子だ。】

「……愛しき我がティロズよ。今宵も存分に蹂躙しようぞ。」

【その人型が口を開く。まるで自身の妻に話しかけるような優しい口調だ。
しかし、その開かれた口からは、やはり人間ではないのか鋭利に尖った牙が覗く。】

2136とある世界の冒険者:2014/02/25(火) 23:13:47 ID:WMXRBrnM
FO

2137とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:33:54 ID:PV.mdUvk
-薄暗い森-

王国領ではあるが日帰りするにはギリギリという距離から、
あまり人が立ち入らないとある森の中。
一応この森でしか採取が出来ない木の実や薬草類もあるため、
採取の依頼を受けた冒険者や調合材料を取りに来た薬屋等が定期的に訪れるのだが、
最近その森へ行った者たちがいつまでたっても帰って来ないという。

そして人が帰って来なくなり始めた頃から森の奥にひっそりと佇む館から、
高密度の魔力が感知されており調査に向かう者もいたようだが当然その者たちも戻らないという。

そんな不穏な噂の流れる館の前に黒塗りの金属に金色の装飾が施された双剣を背負った青年が
館を見上げるように立っている。

2138とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:37:21 ID:2EGC8TSM

( 混)「じけんの よかん だ!」

ふいよふいよ、と空中を浮きながら現れたのは何だか白いまんじゅう。
そう、奴こそは王都七不思議の一つ暗黒まんじゅう大魔王である。

2139とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:40:42 ID:PV.mdUvk
>>2138
「アンタまだこの辺うろついてんのか・・・」

暗黒まんじゅう大魔王を見、苦々しげに言う青年。
どうやらこの暗黒以下略を見知った人間のようだ。
顔はフードですっぽりと覆われよく見えないが。

2140とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:43:18 ID:2EGC8TSM
>>2138
( 混)「ラスボスとエンカウントする、って新しくないかね」

きゅむんっ、と気の抜けた効果音を出しつつ着地。
一体その饅頭ボディは何でできているのか、綿か、綿100%なのか。

( 混)「後ほら、イベント無いから自分で起こしたいじゃん? けどほら、暴れるとまた問題がな?」

一体何と話しているのだ。

( 混)「地の文かな」

!?

2141とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:47:14 ID:PV.mdUvk
>>2140
「相変わらず何言ってんのかワケわかんねぇな・・・」

ハァ、と溜め息をつく青年。

「じゃあこの森に立ち入った人間が行方不明になってるってのは
アンタの仕業じゃなさそうだな、アンタが絡んでたらこの森ごと無くなってそうだ」

肩をすくめて言う青年。
暗以下略にビビるような素振りも警戒するような素振りもない。

2142とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:50:45 ID:2EGC8TSM
>>2141
( 混)「理解してはいけない、ネタキャラになるぞ!」

あ、自覚あったんですね。
ネタキャラnギャー

( 混)「ふんむ。 俺はここ最近はちょっと時空の穴開けたぐらいしかしとらんな。
     と、言うかやるなら森じゃなくて土地ごとやるわ、ダイクロフト的に。」

館の方を見て空中で胡座をかく。
不思議パワーでわかったりしないんですか。

2143とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:55:41 ID:PV.mdUvk
>>2142
「十分とんでもないことしてんな・・・。
アンタの仕業じゃないんならやっぱ中入ってみないとわからんな」

そう言って青年も館の方を見る。
数年前までは人が住んでおりその痕跡がまだ残っているが、
外観は廃墟化が進んでいるようで盗人以外は好き好んで入りそうになさそうだ。
強大な魔力が感知された事もあるようだが今は魔力どころか人や魔物の気配すらない。

2144とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 00:57:58 ID:2EGC8TSM
>>2143
( 混)「うん、ちょっと魔物とか出て騎士とか困ってる」
おいてめー。

( 混)「ふぅんむ、俺がちょっかい出すのも面白そうだが……、
     ようし今日はサポートキャラとしてお前にくっついて行ってやろう。」

ありがた迷惑とはこの事だ。
おいやめろ、空間に手ぇ突っ込んで何を出す気d……

( 混)「この、しゃもじでな!」

――それは90cm余りの、しゃもじだった。

2145とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:01:24 ID:PV.mdUvk
>>2144
「この世で最も過酷な職業だろうな、騎士だの軍だのは。
最近そういう連中狙った事件もちょくちょく耳にするしな」

騎士に知り合いはいないが軽く同情する青年。

「へーそりゃ助かるね」

物凄く棒読みで青年は言うとしゃもじはスルーし館の中へ入って行く。

2146とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:04:14 ID:2EGC8TSM
>>2145
( 混)「特に王都はな、うん。王都は特異点だから。」

その原因の一部が何を言うか。

( 混)「まぁ安心しろ、直接手を出したりはしないからな。
     精々突撃隣の晩御飯だ。」

解る言語で言って欲しいものである。
そして何故しゃもじに乗って飛行しているのか。

2147とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:08:14 ID:PV.mdUvk
>>2146
「ま、そのおかげっていうのか王都の連中の練度は妙に高いんだがな」

館へ入ると当然の事ながら真っ暗で何も見えず、
おまけにかなり埃っぽい。

「成る程な。俺じゃないとダメだって言われた理由が何となくわかったぜ。
アンタも別に何も見えないってワケじゃないだろ?このまま明かりなしで行くぞ」

真っ暗な中を普通に歩いていく青年。

2148とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:11:15 ID:2EGC8TSM
>>2147
( 混)「うむ、王都のボウケンシャーは世界基準で見たらレベルが高めだ、俺程じゃないが。」

お前と比べるな。
……埃も暗闇も全く気にした様子が無いのは流石魔王か。

( 混)「蝙蝠の生き成りか何かだったか、お前は。
     まぁ俺は魔王なので闇とか関係無いが。」

しゃもじフライング。

2149とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:15:41 ID:PV.mdUvk
>>2148
「アンタと比べるなっての」

呆れた様子で言う。

「あぁ、コウモリの怪物と融合してるからな。
見える見えない以前に目付いてるのかも怪しいしな」

そんな冗談を言いつつ館の1階を一部屋ずつ調べくまなく探索する。

2150とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:18:02 ID:2EGC8TSM
>>2149
( 混)「はっはっは、あいあむ魔王。」

知ってます。

( 混)「ヴァンパイア……いや、ヴァンピールに近いか。
     後蝙蝠は一応目ぇ付いてるのが多いぞ、発達してないだけで。」

ドアを開ける度にヨネスケデスゥー!と謎の効果音を発すしゃもじ。
なんやねん。

2151とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:23:43 ID:PV.mdUvk
>>2150
「あぁ、ついでに大体のコウモリは虫とか果物しか食わないな。
残念ながら俺は血を吸うタイプだから殆ど吸血鬼みたいなもんだ。
不死性はないけど目立った弱点もないけどな」

効果音にうるせぇなと思いつつ1階は全て調べたが何もない。
次は2階を調べるつもりなのか階段があった玄関ホールへ向かう。

2152とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:28:56 ID:2EGC8TSM
>>2151
( 混)「蝙蝠が吸血鬼の眷属と言うのは何処から来たのか……。
     まぁ串刺公の家の辺りによく蝙蝠が飛んでたからなんだが。」

夢のない話である。
魔王はたまーにチラッ、室内を見たりはしているがしゃもじに載ってる以外は特に何も無く。

( 混)「むふん。 そろそろ何か起きる頃合いか。」

2153とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:32:39 ID:PV.mdUvk
>>2152
「物騒なこった・・・待て、少し黙ってろ」

暗黒大福お化けを制止し、
何かに聞き耳を立てるかのように玄関ホールで止まる青年。

2154とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:34:38 ID:2EGC8TSM
>>2153
( 混)「さぁてはて。」

しゃもじも黙る。
この大魔王、既に何かに気付いているのか。

余裕そうな様子で空中を寝転がっている。

2155とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:49:22 ID:PV.mdUvk
>>2154
「・・・・下だ」

そう言って玄関ホール中央の絨毯を捲ると周りの床とは色の違う床が見える。

2156とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:51:07 ID:2EGC8TSM
>>2155
( 混)「まぁこういう場では定番だな」

似たような場所に何度も来た覚えがあるのか、
そもそも定番と言っていいほどにそんな事があるのが問題だが

( 混)「で、どうするヴァンピール。 進むかね?」

2157とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 01:55:18 ID:PV.mdUvk
>>2156
「進むしかないだろ。
行方不明になった連中はともかく魔力の正体は突き止めろって言われてるしな」

そう言って床板を持ち上げ、地下フロアへの階段を露にする。

2158とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:03:34 ID:2EGC8TSM
>>2157
( 混)「はっはっは。 そういう冒険心溢れる奴は好きだぞおいたんは。」

持ち上げた床板をひょい、と奪って他所へどかす。
そしてすいーっと中の方h……待て、しゃもじ置いてくのか。

2159とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:08:42 ID:PV.mdUvk
>>2158
「冒険したいワケじゃないんだっての」

階段を下りて行く青年。
螺旋階段のようだが思った以上に長い。

2160とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:12:25 ID:2EGC8TSM
>>2159

( 混)「冒険心は忘れちゃいかんぞ、いつになってもな。」

ふよーん、と先に進んでいく大魔王、だが途中で止まり


( 混)「螺旋階段を早く降りる方法って知ってるか!」

おい、やめろ、止せ、こっちを見るんじゃない。

2161とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:17:52 ID:PV.mdUvk
>>2160
「やめろ、絶対にやめろ」

察した青年。
別にダチョウ的なアレではない。

2162とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:19:37 ID:2EGC8TSM
>>2161
( 混)「ちっ。」

舌打ち、何をするつもりだった。
いや、言わなくて良い、怖いから。

( 混)「然し無駄に長いのもアレだしな、車輪でも付けるか、足に」

2163とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:25:07 ID:PV.mdUvk
>>2162
「その必要はなさそうだ」

最深部に着いたようで階段が終わる。
地上部より何故か明るい広間になっておりその中央には・・・。

「成る程な、人が帰って来なくなるわけだ」

荷物から取り出した光り輝くオーブを部屋の中央へ投げ込むと、
人骨で組み上げられた巨大な杯のようなモノが照らし出される。

2164とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:31:23 ID:2EGC8TSM
>>2163
( 混)「人は何時の世、何時の界でも杯を求めるか。」

ちょっとだけシリアスモード。
空中で脚を組んで見下ろす。

( 混)「さてどうする、ぶち壊すか持ち帰るかね。」

2165とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:35:26 ID:PV.mdUvk
>>2164
「まぁ、奇跡の象徴みたいなモンだからな」

巨大な杯を見上げて言う。
使い捨てられた後なのか杯からは何の魔力も感じられない。

「持ち帰るのは無理だな、せめてもの供養にぶっ壊すかって言いたい所だが、
何の目的で作られたのかわかるまでは放置した方が良さそうだな」

2166とある世界の冒険者:2014/02/27(木) 02:38:04 ID:2EGC8TSM
>>2165
( 混)「バカバカしい事だ、輝かん御霊を幾ら注いでも満たされんというに。」
( 混)「それで満ちる杯は粗悪品だ。 が、まぁイベントの気配がして悪くない。」

結局良いものなのか悪いものなのか。
多分真面目に調べればひと目でこいつなら解るだろうが、しないだろう。

( 混)「このパターンだと後ろから誰かが来るか、のパターンだがな!」

なんてことをいう。

2167とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:07:30 ID:ksz6vOjU
<王都・永崎屋>

【永崎屋に住み始めた奇妙な和服を纏う男、刹忠。

最近では住まわせて貰っている永崎屋を手伝っているのだが、この男の本業はクエスターだ。
依頼を受け、その依頼を遂行することで報酬として、金品を貰うのである。

そのため、彼が仕事に出て行った日は帰りの時間が定まらない。
……とはいう物の今日に限っては、いくらなんでも遅い。

まして、今回のクエストは夜間のものではなかったはずだ。
こうまで遅いと……良からぬ想像が頭によぎってしまうのは仕方がない。……そんな状況である。】

2168とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:16:59 ID:b1HUUKR.
>>2167

「んーむ……」

流石に夕食の時間は過ぎてしまった。
刹忠がクエストに出る日は、帰りが不規則になるため、無駄になる恐れもあり基本的に彼の分の夕食は事前に用意しない。
帰ってきて余裕があれば作るが、そうでない時間帯なら屋台で適当に買ってきなさい、という暗黙の了解である。
冷たいかもしれないが、そこはできるだけ無駄を生じさせたくない商人の考えである。
――そのため、今日もその夕食無し、の日になるのだが。

「どうもそれだけじゃなさそうじゃなぁ」

そもそも今日は遅くても夕方には終わるという話だった。
だから夕食は二人で取れそうだと考えていたのだが、ちょっと雲行きが怪しい。

「二頭立て馬車の如く未亡人になるとまでは思わんにしろ……ふーむ」

念のため、緊急箱を確認。
仕事柄結構傷を作ることもあるので、薬の類の用意はあるが、さてはて。

2169とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:25:54 ID:ksz6vOjU

【不意に、扉に何かがぶつかる音――――そしてすぐに、とん、とん……と戸が叩かれる。

扉の向こうが刹忠なのかどうか確証は持てないが、その戸を叩く音は弱弱しい。
まるで、幼子が叩いているかのようである。

…………嫌な予感は的中してしまったのかもしれない。】

2170とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:30:34 ID:b1HUUKR.
>>2169

「……むぅ」

自力で扉が開けられないほどきついのだろうか、と扉を開ける。
ちなみに、店舗スペースと住居スペースは中で繋がっているが、一応両方ともに入り口がある。
居住スペースへの入り口はつまるところ裏口にあたる。なのでこの場合裏口である。

「寒そうじゃな?」

開口一番、とりあえずかまかけ。
寒いと答えれば大きく出血した疑いが強く、暑いと答えればどこかを強く打って骨でも折れているか毒を受けている可能性がある。

2171とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:43:35 ID:ksz6vOjU

「…………ふぅ〜。」

【永崎の姿を見つけると、一瞬、ほっとしたようなそんな表情を見せる。
そして、扉に寄りかかっていた自身の体を起こした。

見れば、和服が袈裟状に裂けている……まるで、剣か何かで切られたような。】

「ただいま、でござる、よ……鐘殿。遅くなってしまった。
そうでござるな……少し、冷えるでござる。」

【当然、服がそうであれば刹忠の体もその通りに裂けている。
一応、包帯が巻かれているようだが、気休め程度の応急処置のようだ。

証拠に止血の措置も十分ではないようで、包帯が赤く滲んでいる。】

2172とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 22:52:09 ID:b1HUUKR.
>>2171

「……ま、立って歩いて帰ってこれるなら十分じゃな」

「ほれ早く」

そんなわけで、刹忠の身体を支えながら居間にへと通す。
外見より力があるらしい彼女は、バランスを崩す刹忠に引きずられて……ということもなさそうである。

「なんじゃ粗末な包帯じゃな……」

緊急箱からガーゼと包帯、消毒液、絆創膏を取り出す。
染みるなんてもんじゃないが我慢してもらおう。

「我慢せい?」

巻かれていた包帯を外し、ガーゼで血をぬぐう。
消毒液に浸したガーゼを傷口に押し当て、絆創膏できつく止める。
そしてそこに包帯をぐるぐる巻いて結ぶ。

「……まぁ一番は医者に行くことじゃな」

その前に、体温を上げてやったほうが楽だろうと思うので、火鉢に炭を追加。
自らは服を脱いで、襦袢姿で刹忠に抱きついた。
人肌で暖めてやろうということらしい。

2173とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:02:35 ID:ksz6vOjU

「……少々、時間が……かかってしまったでござるよ。」

【彼女の言うとおり、よく歩いて帰ったものである。
だが、そこそこに体力を消耗しているのか支えられている最中も変なところで躓きかけるなど危なっかしい。】

「ふ、ふふ、すごいでござるなぁ、鐘殿……は―――――ッ!っ、ぅ――――!」

【なんて暢気なことを言っている間に、傷口にガーゼを当てられて思わず声を詰まらせる。
これだけ、派手なキズである。沁みないはずはない。

とはいえ、流石に子供ではないため、暴れだすことは無く包帯を巻かれている。
キズは広範囲にわたっているため、ほとんど上半身は包帯でぐるぐる巻き状態だ。】

「そう、でござるなぁ……む……か、鐘殿?!」

【セリフからは何の脈絡もなく、服を脱がれ、そして抱きついてきた永崎に戸惑いを隠せない。
ワケもわかっていないが、動くことも出来ないため、そのまま永崎のされるがままに。】

2174とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:06:37 ID:b1HUUKR.
>>2173

「こうして抱擁してやるのも手当ての内じゃ」

どこか悪戯っぽく笑いながら、その体制で刹忠の頭を撫でる。
良く帰ってきてくれた、そう言うかのように、。

「素直に医者に向かえばよかったろうに、わざわざ私のところまで来たのじゃろ、ばかもの」

「まぁ、これぐらい、剣士には勲章なんじゃろ? 私の手の傷や火傷と同じじゃな」

すぐに良くなるから、気を楽にしなさい、と。

2175とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:18:58 ID:ksz6vOjU

「むぅ、それならばそうと言って欲しかったでござるよ……。」

【と、大人しく頭をなでられながら。
なんというか何時もとは立場が逆である。】

「何を、言う。拙者の帰ってくる場所は、ここでござるよ……。
それに、鐘殿が……待ってくれているでござるよ。」

【そも、こういう関係になったときの永崎の言葉であろう。

最後の力となってくれる人が居る、己の帰ってくるべき場所。
律儀にも、その言葉通りに彼は帰ってきたのである。】

「――――うむ。とは、いえ……余り傷は負いたくない、でござるよ。」

2176とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:24:04 ID:b1HUUKR.
>>2175

「本当に、おおばかものじゃな――」

殆ど涙目になりながら、彼女はそう笑いながら言う。
傷はそこまで大したことではなさそうだ――勿論、油断はならないが。

「傷を作って帰ってきて、それいて余計惚れさせるんじゃから、油断のならないたらしさんじゃ」

「んむ。傷を負ってもらうのは出来るだけ勘弁してもらいたいもんじゃ。心配で胸が張り裂けそうになる」

傷を負いたくない、というのには同意する。
傷は名誉かもしれないが、そんな事を言って死んでしまっては意味がない。

2177とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:36:28 ID:ksz6vOjU

「約束を果たすのは男の務め……そう、教わったでござるよ。
けれど、拙者はおおばかものでござ、るな。」

【と、少し冷えている手で永崎の顔に優しく触れて。】

「ここまで、心配をさせてしまった……で、ござる。
まだまだ、拙者の腕は足りない、でござるよ……。」

【涙を浮かべている永崎に気づいたのだろう。
加えて、本人も意識していた傷を負わないということをしてしまったのだからバツは悪い。

永崎の顔を見ながら、困ったような申し訳なさそうな表情を浮かべる。】

2178とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:40:07 ID:b1HUUKR.
>>2177

「……手、冷たいんじゃな」

自分の頬を撫でるその手をとって、自分の手のひらで包み込む。
じんわりとした人肌の温もりが伝わってくるだろう。

「やっぱ血が足りんのじゃよなぁ……。それにこれも応急手当にすぎんし」

「……医者に来てもらうべきじゃろか。どうじゃろう」

大丈夫そうか、と改めて刹忠に聞く。
キツそうなら、医者を呼ぼうということらしい。

2179とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:49:55 ID:ksz6vOjU

「鐘殿は、温かいでござるよ。」

【目を軽く閉じて、その包まれる感覚に身を委ねる。
安心したような、そんな安らかな表情である。】

「……ふむ、念のため呼んだ方が……良いでござろう。
然るべき処置を受けて、回復せねば……鐘殿の手を煩わせてしまう……で、ござる。」

【ちゃんと家に帰ってきたからなのか、そんな極々、当たり前のことを述べる。
一応、大丈夫ということの様なのだが、不安材料は消そうとのことであろう。】

2180とある世界の冒険者:2014/03/01(土) 23:55:10 ID:b1HUUKR.
>>2179

「ん。わかったんじゃよ」

多少名残惜しそうに、抱擁を止めて、先ほど脱いだ服に袖を通す。
不器用さんは帯が締められない……というより苦労するが、流石になれたものだ。当たり前だが。

「では、お医者さんを呼びにいってくるんじゃよ。しばらく火鉢にあたるんじゃよ?」

そういって、彼女は外へと出る。

――

「戻ったんじゃよー」

しばらくの間をおいて、結果として、医者は来た。
頼りなさげな、年若いなよなよした見た目の外見ではあるが、一応れっきとした医者である。
さて、刹忠はどんな様子で待っていたのだろうか?

2181とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:00:53 ID:jP5j7SuY

「……う、む。戻った、でござるか……。」

【火鉢に当たるような格好にはなっているものの、背を壁に預けた状態である。

また、規模の広い傷であるためだからなのか、そこから発熱しているらしく
出る前よりも少々、辛そうな様子。もちろん、傷みもあるため、額には脂汗が浮かんでいる。】

2182とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:12:14 ID:dqp21UH2
>>2181

「なるほど。わかりやすいけが人ですネェ」

医者はよいせ、と刹忠に遠慮なく触診していく。
無論、怪我の度合いを見るためだ。包帯を外し、ガーゼを外す。せっかくしたのだが仕方ない。

「ふむ……見た感じ内臓は外れてるでしょう」

「まぁせっかくなので縫っていきますかネ」

医者は鞄からごそごそと専用の針と糸を取り出す。
これで傷口をちまちまと縫い合わせていくのだ。

「飲み薬も出しておくので毎食後に服用してくださいネ? ああ、ちなみに糸は傷が塞がったら溶けて消えます」

「魔法って便利ですよねぇ。僕よくわかんないんですけど。ああ、そうそう。無茶はしないことですね。しばらく戦場には出ないように」

餅は餅屋で、あっという間に傷口を縫い合わせてしまった。
彼は世間話もそこそこに、およそ必要なことを全てやったのである。

2183とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:17:02 ID:jP5j7SuY

「……うむ、うむ。」

【医者の言う言葉に頷いたり、首を振ったり。
特に医者が苦手とかそういうことはないようで、ちゃんと反応を返す。】

「……っ、確かに便利でござる。そして、薬を飲む、でござるな?
…………ふむ、心得た。」

【そして、処方された薬や縫い合わされた傷のことなど一つ一つ確認していく。
律儀というか心配性というか……。】

2184とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:28:48 ID:dqp21UH2
>>2183

「……熱心ですねぇ、アナタ」

医者は目を丸くして驚いたように言う。
怪我がつきものな冒険者には大雑把な人間も多く、そういう人ばかり診てきたのだという。

「あ。そうだ。いや、あんまり言いたくないんですがネ?」

途中、医者は何か思い出したかのように手のひらを叩く。
それから、言いづらいことでもあるらしい。
医者は鐘にも聞いて欲しいからと刹忠の隣に座るよう促すと、おもむろに切り出した。

「……お二人とも若く健全な恋人だとお見受けしますが、だからこそ忠告したいことがあるんです」

「そりゃ簡単に開くほど柔な処置はしていませんが、物事には限度がありましてーあー」

ごほん、と医者は咳払いをする。

「”お盛んに”はならないようお願いしますよ。本当に。冗談じゃないんですよ。いるんですよ! ああもう医者として馬鹿らしいやら悲しいやらなんですよ?」

「……くふ。んむ。心得た」

恋人同士ですがすごく健全な関係です、とわざわざ告白する理由もなく。
鐘はくすくすと笑いながら頷くのみであった。
医者はくれぐれもお大事に、と言い残してふらふらと出て行ったが、最後に名刺をくれた。
「ニパレノール」という名の医者らしい。何かあれば病院でこいつを呼び出せ、という意味だろう。

2185とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:35:47 ID:jP5j7SuY

「……ふむ、なるほど。同じく心得た、でござるよ。」

【熱心に話を聴いていたが、思わぬところへの忠告に一瞬、反応が遅れる。
刹忠からすれば、思いもよらない忠告である。何せ、お盛んになったことがないのだから。
もちろん、健全であることには違いはないのだが。

そんな感じで永崎に続く形で、こちらもうんうんと首を縦に振った。】

「うむ。こんな遅くにかたじけない。感謝するでござるよ。」

【と、最後に去っていく医者に向けて、感謝の言葉を述べて見送った。】

2186とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:39:28 ID:dqp21UH2
>>2185

「面白い先生じゃったなぁ」

何が面白いのやら、先ほどからころころと笑っている。
とりあえず刹忠の怪我に大事なくて安心したのと、医者の最後の忠告が気に入ったのだろう。

「考えても見れば、お互いに裸体も見ているのに不思議なもんじゃな」

「ま、気にするようなことでもないじゃろ」

ありがたい忠告も受け取ったことだしの、と。

2187とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:46:36 ID:jP5j7SuY

「うむ。しかし、腕は確かでござったよ。」

【アレコレと処置をされたためか、先ほどよりは大分、楽になっているようだ。】

「確かに、同じ湯船へと浸かった仲でござる。
それにバレンタインのときも、でござるな。」

【思い返してみれば、色々とやってはいる。実に恋人らしいことばかりだ。
しかし、医者の忠告にあったそれだけは不思議とやっていないのである。】

2188とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:52:01 ID:dqp21UH2
>>2187

「ま、何よりじゃな」

しばらく寝ていれば完全に回復もするだろう。
……彼女の仕事風景をのんびりと見るいい機会になるかもしれない。

「平たく言えば子作りじゃからなぁ。タイミングというものが……」

腕を組んで小さくうなる。

2189とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 00:56:09 ID:jP5j7SuY

「……クエストも当分の間はお預けでござるよ。」

【少し残念そうにしながら、ため息を吐く。

稼いでくることができないと言うのもあるが、剣の腕を試せる場を
取られたようなものであるため、それなりに残念なことである。】

「つまりは、まだその時ではない、ということなのでござろうな。」

【タイミングを逃しているのは、自分の可能性もあるのだが
何とも好意的な解釈をして。】

2190とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:00:02 ID:dqp21UH2
>>2189

「なあに、そろばんでも練習するんじゃよ」

刹忠にはまだ見ぬ丁稚にそろばん技能を”教える”という任務が待っている。
それまでにそろばんをマスターしてもらわなければならない。

「しかし丁稚さんが来てからではいざと思っても難しくなるのもまた事実」

「となればこんげ……」

なにやら真面目に考えたのがかえって恥ずかしくなったのか、赤面して何でも無い、とぱたぱた手を振る。
貴重な自爆シーンであった。

2191とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:06:26 ID:jP5j7SuY

「ふむ、そうであった。
……ということはネオベイ語ももう少し、マスターしておいた方が良いのでござろうか。」

【考えてみれば、丁稚がどのような人物かは全く知らない。
例えば、永崎屋ということでネオベイ人の丁稚を出されていれば、細かいところで疎通が出来ない可能性がある。】

「確かにそうでござ――――……ふふ、鐘殿が良ければ良いかもしれない、でござるなぁ。」

【そんな光景をちょっと微笑ましく感じたようで、柔らかな笑みを浮かべながらそんなことを。
永崎が焦っている分、こちらが妙に落ち着いている。】

2192とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:11:43 ID:dqp21UH2
>>2191

「んむ。いい心掛けじゃな」

ネオベイ語をマスターしよう。
その発想は、今しがた自爆した鐘がエスケープ先にするのにふさわし……

「……ぬ、ぐ、ぅぅ」

が、回り込まれた。
恥ずかしさのあまり袖で顔を隠してしまう。

2193とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:18:08 ID:jP5j7SuY

「何も、そこまで恥じらわずとも良いであろうに、でござる。
どちらにせよ、いずれはお互いが通る道でござるよ。」

【袖で顔を隠してしまった永崎を見て、困ったように肩をすくめる。
医者の処置……というか縫合というのはすごいもののようだ。】

「ならば、丁稚がこちらに来る日を確認せねばなるまいな。」

【これではまるで、時限装置だ。
つまり、丁稚がここに来るまでには……――――ということである。

日数が決まってしまう分、そのあたりの事がまざまざと感じられてしまう。】

2194とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:23:18 ID:dqp21UH2
>>2193

「一気に生々しく感じて、どうにも……」

その場のムードに流されて、ならまだいいのだが。
時間がありませんから、近いうちがいいですね、なんて予定のように考えると、どうにも恥ずかしいのだという。

「そう。まるで、まるで私が期待してるけだものさんみたいで恥ずかしいんじゃよ」

「……その、はしたない娘だと、思われたくない、んじゃよ」

なおも袖で顔を隠して、恥ずかしそうにしながら言う。

2195とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:33:17 ID:jP5j7SuY

「はしたない、なんて思わないでござるよ。

それに、でござる。拙者も少し思うところが出来てしまってなぁ。
縁起でもないことなのは分かっているでござるが、今回の件で拙者も思い知ったでござるよ。」

【それは自分ひとりだけだったときとは違う命の重みである。
決して、一人のときに軽視していたわけではない。

だが、こうして帰る場所、待つ人が出来てしまうと、その重みは計り知れない。】

「だから、なんというかヘンテコかもしれないでござるが、予定というのもアリではないかな、と。」

2196とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:39:24 ID:dqp21UH2
>>2195

「……ん、む。わかっ。わか、ったんじゃよ」

しかし、日を決めてしまうといざその日が訪れた時、本気で抵抗するかもしれない。
何故かそれだけは嫌だと思うらしい。理屈ではない世界の話であった。

「今月、のどこかで、は合意しておく。ん、じゃ、が……」

「……ムードを、きちんと作って、それから、誘うこと。約束じゃからな」

今月のどこか、刹忠がなにやら作戦を練って挑めと言う。

「……ええい! けが人はさっさとねるんじゃよ!」

……恥ずかしさのあまり寝床つくりに入るのだった。

//ではこれにて! おつありでした!

2197とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 01:49:21 ID:jP5j7SuY

「んーむ……ちょっと自分にハードルを課しすぎたかもしれん、でござる。」

【提案したは良いものの、こちらだって初めてである。
まして、修行などのおかげで女気はほとんどなく、ナンパすらしたことのない青年である。

それをムードを作って、誘えというのだから、初めてにしていきなりハードルが高い。】

「わ、分かった!分かったでござるよ。
(……むむ、さて。これはどうしたものでござろうか……。)」

【思わぬ試練が舞い込んできた。
どのように立ち回るのが正解か、と怪我を治しながらも考える日々が続いたとか、FO】

//はい。こちらでもありがとうございました!

2198とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:30:24 ID:CsRseT4E
【王都/森林奥/――大分早めの独り花見】


「…………ふぅ。」

木々の合間から月光の差す森林の、少し奥地。
開けた場所に既に花開いた桜の木が一つ。 周りの木は未だにちらほらとしか付いていないのに、

その桜はこの時期に既に大きく、綺麗な華を咲かせていた。


「(少し早めの花見酒、も、悪くない、か)」

それを眺めて、別の木に寄り掛かり手酌で酒を飲むコートの男が一人。
左手にぶら下がっている筈の技師は無く、足元には日本酒の瓶。

右手には「それ」が注がれたお猪口を持っている。
風情はあるが、寂しい事だ。

2199とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:36:57 ID:dqp21UH2

「あら。桜があるのね……面白いところを見つけたわね、スプライト」

不意に、女の声が聞こえた。
あるいはかつて、昔聞いたことがあったような、記憶にひっかかる声だ。

「いくらなんでも早すぎる気がするけど、妙なものね」

ベージュのコートに、ツバの広いハットを被った女だ。
少々小柄な人物で、ランプが頭についている杖を突きながらやってきた。
彼女は左手を、タバコでも摘むような形にして、そこに向けて話しかけていた。

2200とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:42:27 ID:CsRseT4E

「…………。」

はて、どこかでその声を聞いたような、と男は思う。
以前病院に通い様子を見ていた娘、何時頃からだったか居なくなったのだけを知って、それ以降はぱたりと会わなくなった、

そんな娘が居たような、と過る。
が、記憶の中の娘は森の、況してや夜更けの奥地に来る手合いではなかったろう、と思い

「(無いな)」

そんな事を思いながら、酒を一口。

「……この辺りは、毎年ですよ。」
「昔に、豊穣の精霊が立ち寄った場所らしくて。」

声の方に視線は向けず、ゆらゆらと風に揺れる桜を見ながら、
娘の方を向くでもなくそう言葉を投げた。

2201とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:46:56 ID:dqp21UH2
>>2200

「あら、先客がいたのね。スプライト、教えてくれてもよかったのに。ノッカーも、意地悪しないの」

杖を突きながら、彼女は隣にへとやってきた。
どういうつもりなのか、恐らく彼女は考えてもいないだろう。桜に近づきたかっただけに違いない。

「立ち寄っただけで? 何年も? 非常識な話ね」

桜を見上げ、目を細める。

2202とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:51:00 ID:CsRseT4E
>>2201
「(杖、か)」

身体の悪い手合いなのか、とも思う。
まぁ左腕が肩から先無い自分の言えた事では無いのだが、そう思いつつ横目で女を見る。

……が、ハット帽の所為か顔を見る事は叶わなかった。

「精霊なんて非常識な物ですよ。特に大仰な名前が付いてる方々は。
 ……けど、少し早目にこうして花見酒が楽しめるなら、非常識も悪く無いと思いますよ。」

月光に照らされて淡く、光っている様にも見えるその桜の花々。
小さな風にひらひら、と葉花は揺れて時折ひらひら、と花弁が散って舞い落ちる。

2203とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 21:56:37 ID:dqp21UH2
>>2202

「そうね。少々幻想的だし」

タバコを摘むようにしていた左手を、不意に開く。
そしてそれを、鳥でも羽ばたかせるように伸ばした。

「ところで、あなた、どこかで会ったかしら。何となく、記憶に引っかかるのだけれど」

「あいにく、私記憶力に自信がないの。あなたのほうで、覚えてないかしらね」

ハットを取って、そちらを見やる。

2204とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:00:36 ID:CsRseT4E
>>2203

「(……同じタイプ、かな)」

鳥を飛ばす様な、動作。
居ない相手との会話。 何処か、いないものに憑かれてる己に似た何かを感じる。
……それも相手の顔を見れば、はっきりした事なのだが。


「―――――」

「……そう、だね。 会った事は在ると思うよ、きっと。」

帽子を取った先の明らかに知っている姿。
何時の間にだか疎遠になってそれきりになった、自分にとってはそう珍しくもない相手。

2205とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:06:16 ID:dqp21UH2
>>2203

「やっぱり? じゃあ、十代の頃の知り合いね、きっと」

相手が自分の存在を思い出したので、帽子を被りなおす。
それから、また左手を伸ばすと、先ほどのようにタバコを摘むような手つきにして、引っ込めた。

「名前も覚えてるかしら。私は、パメラ。パメラ・プリュデマルシェ」

「どういう縁での知り合いだったかしらね」

本当に、覚えてないから、と彼女は苦笑を零した。

2206とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:09:53 ID:CsRseT4E
>>2205

「そうだね。 それぐらいかな。」

お猪口の酒を飲み干して、足元に落とす。
何も無いのに何かがあるように、それが空中で一度静止した後、ことりと地面に置かれた。

「どういう、縁か。」
「そうだね、……病院で会って、少し話して」

そして右手でコートのポケットを漁って煙草を取り出して、
火も付けずにそれを銜え……自然に、火を灯させる。

「……それぐらいかな。
 本当に、それぐらいの関係だったよ。」

2207とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:14:53 ID:dqp21UH2
>>2206

「ああ、入院してた頃ね」

彼女は、あの時の記憶の大半を失っている。
まだそう遠い過去ではないはずなのに、もう数十年も前のように感じるのだった。

「そう? じゃあ、話し相手ぐらいだったのね、きっと」

「あなたが覚えてくれていて、嬉しいわ。私、友達がいないから」

それから、レイジがタバコをすいだすのを見て、彼女は悪戯でも思いついたような笑みを浮かべた。

「ね、ね、良ければ一本、くれないかしら」

2208とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:19:26 ID:CsRseT4E
>>2207
「そうだね、……僕もあの頃は、良く怪我をしてたから。」

一方、此方にとってはそう遠く無い記憶。
あの時期は特に、数少ない友人や屋敷の人以外とは話す事も少なかったから。

「話し相手……って程度にもなるのかな」

「本当に、他愛ない話しかしなかったと思うから」

煙を吐き出してそう返す。……その折に、娘の言葉を聞いて。

「良いけど。 ……吸える?」

銜え煙草のままポケットから煙草の箱を取り出し、そちらへ。
銘柄は……「HUNTER」とある。

2209とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:20:59 ID:dqp21UH2
>>2208

2210とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:23:41 ID:dqp21UH2
//おっと失礼途中送信

>>2208

「他愛の無い話をする仲が、話し相手なのと違う?」

「あら、平気よ。私ももう大人だからね」

くすくすと笑いながら、左手を一度開いて、払うような仕草をしてから、箱から一本取り出す。
恐る恐る咥えて、左手の人差し指から炎を点し、点火。

「んん……けほっけほっ。あはは、なるほど、咽るものなのね」

何度も咳き込みながら、それでも楽しそうにしている。

2211とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:26:39 ID:CsRseT4E
>>2210

「……そう、かもね」

「無理しない方が良いよ、……完治してるならともかく」

そうは言うが止めはしない。銜えて、火を付けて
……咽るまでも見守って。

「……色々、楽しんでるみたいで良かったよ」
「新鮮かい、世界は。」

それを見て、知る物なら珍しく笑顔を浮かべる。
忘れられても、あの暗い顔よりは余程良いと思ったから。

2212とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:35:17 ID:dqp21UH2
>>2211

「ええ、楽しんでるわ。青春を取り戻そうってね」

「まぁ、悪党どもを灰の中に沈める青春っていうのも、滑稽な話だけど」

過去に誘拐されて、彼女は身体の一部を失った。
そして、彼女は、そんなことをする悪党を漏れなく灰にするということをある日思い立ったのだ。
先天的に炎魔術の才能があった彼女には、決して努力できない夢でもなかったのである。

「タバコってファッショナブルよね。似合うでしょう、この格好に」

探偵にでも見えるかしら、と楽しげにわざとハットを深く被ってみたり、はしゃいだ様子でいる。

2213とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:38:09 ID:CsRseT4E
>>2212

「……良いことだと思うよ」

「やりたい事をやれないより、よっぽど有意義だ」
「僕が知ってたパメラ、って娘より、ずっと楽しそうに見える」

自分はそもそも青春が無かったな、と思いを馳せる。
売られて、拾われて、居場所が出来て、そこに尽くして。
……時たま戦って、今もその流れと、小さな呪いの様なものを抱えている。

「はは、……クールな大人の女性には、似合うかもしれないね。」
「ちゃんと吸えたら、の話だけど。」

2214とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:44:31 ID:dqp21UH2
>>2213

「そう? そうね、記憶が残らないぐらいだもの。病院暮らしは、本当に楽しくなかったんだと思うわ」

何回も咽ながら、それでも煙を体内に取り入れようとしている。
……これでは、彼女には喫煙の習慣はつかないかもしれない。

「けほっ。もう、吸えなくたって、吹かしていても格好はつくでしょう?」

「こうやって、咥えタバコするの、ちょっとだけ憧れてたの」

今度は吸わず、唇ではさむだけに。

2215とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:48:10 ID:CsRseT4E
>>2214

「暗い顔、してたからね。 ……ああ、それと煙を吸うんじゃなくて、吸った後に空気を吸うんだよ、こうやって……」

覚えない方が良いんじゃないかな、と思いつつも、見せて教える。
煙草なんて身体は汚くなるし周りの迷惑だし、やらないに越したことは無いのだが。

「ふふ、そうだね。」

「……大人っぽいから?」

自分が始めたのは……、なんとなく、だったろうか。
給料の使い道が無かった、からかもしれない。

2216とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:52:38 ID:dqp21UH2
>>2215

「あれ? あはは、何か勘違いしてたみたいね。何よ、初めてだったの」

見よう見まねで、やってみる。
……しかし、正しい方法でやったところで咽るばかり。慣れるのに時間が必要なようだ。

「そうね。大人っぽく見えるし、何より強そうに見えるわね」

「私、結構本が好きでね。かっこいい女の魔術師が、タバコの火で空中にルーン文字を刻んで魔法を使うの」

だから、憧れていたと、楽しげに話す。

2217とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 22:56:55 ID:CsRseT4E
>>2216

「……吸ってればその内慣れるよ。 吸わない方が良いと思うけどね、臭い付くし。」

楽しそうに、微笑みを浮かべながらその様子を眺める。
胸に一抹の寂したなんて、らしくない物を感じながら。

「強そう……は、どうだろうね」

「ああ……相性が良さそうだもんね、実際結構居るらしいよ、煙草を触媒にする人も。」

本が好きなのは、知っていた。
良く読んでいたのを、見た気がする。 それ以外にやる事が無い、と言っていたような気も、するけど。

2218とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:01:53 ID:dqp21UH2
>>2217

「そうねぇ。タバコを無理なく買える経済力になったら、慣れるほど買ってみようかしらね」

「ふふ。臭いがつくのは、女には問題かもね。覚えとくわ」

駆け出しも駆け出しの賞金稼ぎだ。
また、地味なクエストもこなしていることも多いので、賞金稼ぎ一本というわけでもない。

「憧れるわね。いつかおぼえてみようかしら」

今のところ、道具は杖だ。
また、道具がなくては使えないというわけでもないが、魔術・魔法の類はけれん味が実際に効果を及ぼすことも、無い話ではないのだ。

2219とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:10:21 ID:CsRseT4E
>>2218

「……煙草の臭いがする女の人が好きな人も居るけどね。」
「吸わないのに越した事は、無いさ」

自分がその範囲に入るかどうかは別だけど。
そんな事を言いつつ、自身は煙草の煙を燻らせる。

「…………クエスト、まだ数はこなして無いんだ?」

なら、と少し思う。
忘れられていても、少しばかりの縁があったから、ほんのすこしだけ、そう思った。

2220とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:13:16 ID:dqp21UH2
>>2219

「そう? ふふ、変わった人もいるのね。ええ、そうね。身体に悪いって話だもの」

でも、それを医者が吸ってたのはなぜかしらと、くすくす笑う。
医者という身分であっても抗いがたい、魅力があるのでしょうと彼女は心底おかしそうに笑っていた。

「ええそうね。大したことはできてないわ」

「賞金稼ぎもやってるけど、小物しか捕まえたことないし」

駆け出しの新参者は辛いわよね、と。

2221とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:18:17 ID:CsRseT4E
>>2220

「……医者の不摂生、って奴だよ。
 ……そういえば狸顔の先生も吸ってたっけ。」

【(医 ´∀`)←こんなの】
まぁ、病院の空気清浄魔具近くで吸ってた自分が言えた事ではない。

「……良かったら」
「慣れるまで、手伝おうか?」

――傭兵、と言う仕事は思っている以上に黒くて、汚い。
見知った顔であった少女がその中で、穢される可能性があるのは少しだけ嫌だ、と思った。


「……お節介かも、しれないけどね。」

まして、歩き出そうとしている彼女が、そうなるのは。

2222とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:33:07 ID:dqp21UH2
>>2221

「あら、手伝ってくれるの?」

「そうね、助かるわ。駆け出しが一番危ないって、言ってる人がいたもの」

素直に、その提案を受け入れる。
そして彼女は、感情的ではあったが、先達の言うことを大人しく聞くことはするようだった。
また、彼女の幻覚、幻聴、妄想の類を知っている人間がしばらく傍についているというのは、確かに必要なことだたかもしれない。

2223とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:36:26 ID:CsRseT4E
>>2222

「……そう、だね。 痛い目を見ると、こうなったりもするから、怖いよ、傭兵とか、そういうのは。」

自身の無い左腕を指して、そう言う。
最も自分のこれは愚行の代償だが、それをわざわざ言う事も無い。


「じゃあ、一応名乗っとこう、かな……僕は、レイジ。」
「君がちゃんと、一人でやっていける様になるまでは……傍で手伝う事を、約束するよ。」

せめて、一人でしっかり戦えるようになるまでは。
彼女が忘れていても自分が彼女を覚えているから、少しだけ、彼女を守ろう。

2224とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:45:25 ID:dqp21UH2
>>2223

「そうね、義手義足が増えるのはいいものじゃないわね」

これ以上身体を欠損するのは、ちょっと耐えられないかもしれない。
どんどん作り物に置き換えていったら、もう人形になってしまうからだ。

「レイジ――ああ、懐かしい響き。やっぱり、私はあなたと会っていたのね」

「あなたも、私の杖になってくれるのね。優しい人がいて、嬉しいわ」

過去からは考えられないような、柔らかな微笑を浮かべた。

2225とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:48:50 ID:CsRseT4E
>>2224

「僕も君も、もう何個か無いしね。」

ブラックジョーク。
……何個か、と言ったが左腕以外は付いているように見えるが。

「…………そういうんじゃ、ないさ」
「ただ……何処か、似てたかな、って思ったから」

境遇と言うか、雰囲気と言うか。 
いやきっと彼女から見れば自分は生温い日溜りに居たのだろうけれど。

「……どうせなら怪我してほしくない、それだけだよ」

娘のその笑みを見て、心から思う。
「ああ、良かった」と。 ――どうなったのかだけは、気になっていたから。

2226とある世界の冒険者:2014/03/02(日) 23:58:25 ID:dqp21UH2
>>2225

「そうね。生身じゃないのは大変だから」

しばらくタバコをふかしていたが、そろそろ短くなってきた。
頃合と察したのだろう、彼女は中空にソレを放り投げて――。
杖を持つ右手を、弧を描いて落ちていくタバコに向けて、小さい火の玉を放つ。
それに反応して、彼女の右腕が淡く赤く発光し――気がつけば、タバコは跡形も無く消えていた。
無論、他に燃え移らせる下手は打たない。

「ふふ。そうね、怪我は、私も嫌よ」

「でも、ついて回るものだけれどね。仕方ないわ」

2227とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:01:37 ID:VgJwhG8M
>>2226

「……今のは、様になってるかもね。」

目を細めて、笑って。
そう言えば昔読んだ小説か何かに、あんなふうな――

放り投げた煙草を燃え尽きさせるような、そんな魔術師が居たっけ、と。
あれは、男だったけれど。

「無しで済ませるに越した事は無いよ」
「その為にも……ま、がんばろうか、色々。」

2228とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:08:29 ID:cuSVCrns
>>2227

「あら、そう?」

サマになっているといわれ、素直に喜ぶ。

「ふふ。頼りにしてるわ。……あら、センセ、って呼んだほうが、いいかしら」

そう。教えてもらうというのであれば、レイジは師になる。
師には、相応の呼び方がある。
その中でも、何故か彼女はそんな呼び方をチョイスしたのだった。

2229とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:11:18 ID:VgJwhG8M
>>2228
「……」

「っ、く、くくっ、くっ……はは」

聞いて、少しの間の後。
右手で口元を抑えて、笑い出す。

「(せんせい、だって)」
「(……弟子はアルスくん一人で充分だって、いうのに、それも、パメラが)」

「っ、ははっ、っ……はー……まぁ、君の好きに呼んでいいよ」
「先生でも、レイジでもね」

2230とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:17:34 ID:cuSVCrns
>>2229

「な、何がおかしいのよ」

急に笑い出したレイジに驚いた様子を見せる。
そんなに変だったかしら、と若干発言を後悔したり。

「そう? まぁ、そうね。教えてもらう人を呼び捨ては、あんまりよね」

「だから、うん。よろしくね、先生」

……ただ、とりあえず、先生呼びで決定したらしい。

2231とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:22:41 ID:VgJwhG8M
>>2230

「……君にまで、そう呼ばれるとは思ってなくてさ」

くく、とまだ笑いを堪えるように。
はぁ、と一度深く息を吐き出して。

「……うん。 とは言っても魔術はからきしだから。
 戦い方ぐらいしか、教えられないけどね。」

少し、擽ったそうに呼び名を受け入れる。
ああ、なんておかしいんだろう。

2232とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:26:08 ID:cuSVCrns
>>2231

「……なら、ナイフ術でも教えてもらいたいわね」

衣服のどこかに、常にナイフを隠すようにしている。
咄嗟の隠し武器の意味合いもあるし、どうしようもないときの自刃用でもある。
ただ、もっているだけで、別に使う方法は知らないのであった・

「ただ、ちょっと足周りは普通にはいかないわね」

義足は、生身のようにかるがると動かない。
これも魔力で動いてるモノであるため、全く何のコントロールもできないソレとは異なるが。
それでも、生身と比べたら若干の差はあった。

2233とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:29:02 ID:VgJwhG8M
>>2232

「……刃物は得意分野、かな」
「あんまり良い使い方ではないけど」

ナイフ、短剣、小刀。
……どれも得意な部類だ、好んで使うのは、槍になるけれど。

「そうだね……となると、ナイフは守りって割り切った方が良いかもしれない。
 魔術が主なら、誰かと組んで、基本は寄らせなければいいから。」

2234とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:40:54 ID:cuSVCrns
>>2233

「ええ。もとよりそのつもりだったしね」

ナイフは、緊急時用のものだ。
それ以外は、自分の魔術で事足りるはずだから。

「ふふ。なら早速――といいたいところだけど、この後予定があるの」

「普段は、バッカスにいると思うから」

その時に、と彼女は微笑みかけると、踵を返した。

「それじゃあ、またね。先生。タバコありがとう」

杖を突きながら歩き出し、左手を挙げてひらひらと振って去っていくのだった。・

2235とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 00:46:10 ID:VgJwhG8M
>>2234

「魔術は……本ぐらいは、探しておくよ」

何せ自分は吹き飛ばすか、斬り裂くかの二択の魔術。
どちらも自分の根源を流出させているに過ぎないし、魔術とも呼べない。

「バッカス、か」

酒場も行ってるんだな、と。
何処か、嬉しいような気持ちに。

「――ああ、お休み、パメラ。」

そして、そのまま少女を見送って。

《――――笑ッテルナ、タノシイノカ?》
「――ああ、そうだね、久々に、とても。」

また一人、花見酒――。

【FO】

2236とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 22:19:06 ID:kHg7fssQ
――― とある森の中

ジグザール王国王都から少し離れた、森の奥
若い木々から急に年老いた木が目立つようになり、霧が立ち込める
木々の葉が生い茂っているため光を通さないが、唯一葉が無く光が差し込む場所にその剣はあった

古びた大理石の台座に刺された、一本の剣
蔓がまきつくほど長い年月がかかっているのにも関わらず、刃こぼれも錆も無く
幻想的な光を放っていた

そんな剣に近づく、一人の青年
剣を見てしばし立ち止まり、剣に手をかけた
長い年月がきざまれた剣の封印が、今解かれようと……

「…… よし抜けない!」

……解かれなかった

2237とある世界の冒険者:2014/03/03(月) 23:00:17 ID:kHg7fssQ
FO

2238とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 21:36:58 ID:KgwaKMdk
王都の中にあるありふれたアパート
その一室にて二人によるささやかなパーティが行われていた。
その内容は……少女の合格祝い。見事第一志望を射止めたのである。

「………フェムトのおかげだよ……ほんとうに嬉しい……!」
パーティといっても、せいぜいがホールケーキと飲み物くらいのものであるが、それは問題ではない。
……要は合格居合というのを口実にこうやって集まりたかったのだ。
喜びを青年と分かち合いたいのか、幸せそうな笑みを浮かべている。

「これで、一緒に大学に行けるね……!」

2239とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 21:41:14 ID:gHBfwH9g
「いやぁ、おめでとうアンナ。
 よくがんばったよ、ほんと……。
 俺もほんと嬉しいよ……!」
今日のために焼いたケーキやら焼き菓子やらをテーブルに並べて、
青年もとても幸せそうな様子である。
ちなみに合格発表の掲示を見に行った時は、
本人そっちのけで泣き出したりして非常に恥ずかしかったり……。

「あー、ついにアンナと一緒に学校に……!」
夢にまで見た彼女と一緒に通学……!
その幸せな光景を想像しては、一人ぐっとガッツポーズ。

2240とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 21:51:25 ID:KgwaKMdk
「うん。頑張ったよ……フェムトも嬉しかった?
………うん、嬉しいよね。さすがに、あそこまでの反応をされると……ね。」
合格だとわかった瞬間に泣きたくなったのはこっちも同じなのだが、
フェムトが泣き出すとタイミングを失ってしまったという裏話があったり。

「……僕も、一緒に行けるのは……嬉しい。」
そんなフェムトの様子を見ていて、嬉しそうに微笑んでいる。

「……………♪」
そして、気になっていたのかフェムトの作ったお菓子を目を輝かせて見ている。
……手を出していないあたり待てをいわてた犬のようだ。

2241とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 21:59:39 ID:gHBfwH9g
「いやぁ、あれはその、忘れてください……はい……。」
いい歳の男が泣き崩れて他の受験生からドン引きされたのであった……。

「はぁー、楽しみだなぁ……。
 ……一緒に登校したり……一緒にお昼なんかしたり……。」
学校サボりがちな青年も、これで多少は真面目に学校へ行きだす事だろう。

「……さて、それじゃ早速……。」
待ちきれない様子の少女をちらりと見ると、ケーキを……

「……入学の手続きの資料とかに目を通しましょうか……!」
ケーキを切り分けるかと思いきや、
学校から貰った茶封筒を手に取る。
……にやにやと意地の悪い笑みを浮かべ、完全にからかっている。

2242とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 22:08:11 ID:KgwaKMdk
「えーと……その………嬉しかったよ?」
実際、泣き崩れてしまわれるとその時はなんとも言い難いものはあったのだが、
そこまで喜ばれると悪い気はしないようで。

「………あんまりべったりだと目立つかもしれないし、節度を保たないとね……。」

「…………うん。」
ケーキを食べるのかとおもいきやお預けをくらい、しょんぼりとした表情に。
実際、片付けなければいけないものの一つなので、そっちじゃないとも言うこともできないのだ。

2243とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 22:15:22 ID:gHBfwH9g
「あー、いやぁ……あははは。
 ……そう言って貰えるなら良かった……。」
と、恥ずかしそうに頭をかく。

「……ま、まぁそうだね、あんまりあからさまは良くないよね……。」

「……えーっと、まずは……
 ……うん、これはしっかり読んでおかないとだね……。
 ちょっと時間がかかりそうだな……。」
封筒からブ厚い入学手続きの書類を取り出し、目を通し始め……

「って、うそうそ!!
 今日はお祝いだしこういうのは無しだって……!
 はい、ケーキ。今日も力作だよ……!」
笑いながら、しょんぼりする少女の頭を軽く撫でて、書類は一旦置いておく。
そして、ようやくケーキを切り分けて少女に差し出すのであった。

2244とある世界の冒険者:2014/03/10(月) 22:26:36 ID:KgwaKMdk
「……えっと、大学には僕の友達もいるし……。
だから、その……学校の中は……ごめんね。」

「……………。」
しばらくしょんぼりとなったままフェムトを見ていたのだが……。

「………!
え、えっと……いただきます!」
頭を撫でられてくすぐったそうにした後、ケーキを差し出されるとよおどうれしいのか笑顔を輝かせる。
幸せそうにケーキを食べるのであった。

2245とある世界の冒険者:2014/03/11(火) 22:01:40 ID:Fj/MknMs
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

2246とある世界の冒険者:2014/03/11(火) 22:16:28 ID:Fj/MknMs

「例えるのなら、届かないところにねこじゃらしがある感じ……いや。
ねこじゃらしがあるというのに、自分の目の前に来るまでは遊ばぬ誇り高き家ネコのような感じ……むむ。」

【首を捻り悩んでいるのは、この店の店長でもある黒ネコだ。
何に悩んでいるのかは分からないが、こんな感じで悩めるので今はお客がいない。】

2247とある世界の冒険者:2014/03/11(火) 22:26:39 ID:Fj/MknMs
FO

2248とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:11:54 ID:7lJFFQZ2
>>2244
しばらく二人でケーキや菓子を堪能。
これからの大学生活についてあれこれ談笑したりして、楽しげな時間を過ごす。

「……なんだかんだで俺等の関係も結構続いてるよねー。
 ……そろそろ……お互いの親に挨拶くらいには行かないとかなー……。」
話もひと段落したところで、ふと切り出す青年。

2249とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:22:07 ID:j/PG5JxE
「……僕も、それは考えてた。
その……父さんたちにもだけど、フランツにもそろそろ説明するべきだと思う。」
家族との話をするに至っての一番の懸念事項を口にする。
フェムトとフランツの相性ははっきり言って良くないだろうが、それでも仲良くするのが一番だろう。

「それに、フェムトの父さんも気になってたんだ……。
……フェムトの家には一度も入ったこともないんだもん……。」

2250とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:26:52 ID:7lJFFQZ2
「うーん、そうだねぇ……
 ……避けては通れない道だよね……。
 今度、会いに行こうか……。」
その時の執事の姿を想像して、少々気が重くなる……
が、いつかは行かなければならないし、これが良い機会だろう。

「んー、そうだね、今度招待するよ。
 ……親父は多分アンナの事気に入ってくれると思うよ。」
問題なのは、恐らくもう一人……
メイド長がどんな反応をするやら、とこっちはこっちで不安なのであった。

2251とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:35:51 ID:j/PG5JxE
「父さんが止めなければフランツも強く言えないから大丈夫だとは思うけど……。
その、フランツとできれば仲良くしてほしいの。口煩いと思うかもしれないけど、いい人……じゃなくていい幽霊だから。
……僕も、仲良く慣れるように頑張るから………ね?」
できれば、フランツと仲良く慣れるように口添えしておく。
出会いが良くなかっただけで二人が険悪な雰囲気になってほしくないのである。

「うん、楽しみにしてるね………!
……おめかししたほうがいいのかな……。
自分一人だと限度があるからフランツにも来てもらわないと………!」
招待されると聞いて気合を入れるのであった。
……一人じゃできないというあたり、おめかしと言っても相当気合の入れたものになるのだろうか。

2252とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:38:34 ID:7lJFFQZ2
「ん、分かった……俺としても面倒事はごめんだし、穏便に行くよ……。
 ……あれ、ってかあの人幽霊なの……!?」

「いやぁ、そんなに気張らなくても良いよ。
 良いけど……でもおめかししたアンナは見たいのでやっぱり全力でお願いします。
 ……あぁ、そして執事さんも来るのか……大丈夫かなぁ……。」
メイド長vs執事……今から目に浮かぶ様な気がしてならないのであった。

2253とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:49:32 ID:j/PG5JxE
「えっと………それに限りなく近い存在なのは確かなはず。
正確に言うとリビングアーマーだけど、魔物のとは違って生前から秘術で鎧に魂を写したらしくて……。」
つまり、魔物に限りなく近い何かと言いたいのだが、だったら何かと言われれば答えられない微妙な存在をどう言おうか悩んで

「………フェムトの父さんの前に出ることになるから、気合い入れないと……!
えーと、会うのが嫌ならフランツに頼んで一人で行くことにしても……用事伝えたらフランツも一緒に来るだろうから無理だね。」
あはは、と申し訳無さそうに笑って。
先にこっちの家に行って仲直りを優先すべきなんだろうか。

2254とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 00:53:19 ID:7lJFFQZ2
「あー、なるほど。それでいつも鎧姿なんだ……。
 ……常に全身武装の危ない御方かと思っていたよ……。
 しかしなんでまたそんな人が執事なんかやってるの……?」

「うーむ、まぁ結局はいつか顔会わせするんだし。
 ……仕方ないかなぁ。
 それじゃ、まずは俺の方からそっちに行く感じにした方がいいかな……?」

2255とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:01:31 ID:j/PG5JxE
「…………なんでだろうね。
父さんの話を聞く限り初代の頃から使えてるらしいんだけど……理由は聞いてないんだ。」
知らないのか、思案しているような顔で首を傾げる。
と言うより気にならなかったのか。

「……ごめんね。手間かけさせて。
一度も顔を合わせてないから、僕の方から行ったほうがいいんだろうけど……。」

2256とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:06:59 ID:7lJFFQZ2
「へぇ、なんか凄い長生きなんだなぁ。
 それほど忠誠心が強いって事か……なんとなく納得。」
初代から仕えているということは、ロマノフ家とはどんな関係かは詳しくは分からないが、
その忠誠心は本物に間違いない。
……一族の一人娘に虫が付けば、厳しい目で見られるのも仕方ない、と言う事か。

「んー、良いって良いって。
 どうせ両方に行くことになるんだしさ。
 ……ああ、しかしこれで断固交際反対なんてされたらどうしよう……。」

2257とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:14:48 ID:j/PG5JxE
「あんまり自分のことを話してくれないからあんまりわからないんだ……。
……その、話の種になりそうなこともわからなくて、ごめん。」

「……フランツはともかく、父さんと母さんは反対しないと思うよ。
えーと……その………フェムトと気が合うと思うから」
自分のほうであれば問題無いという彼女の顔はなんだか複雑そうだ。
……親への評価をするのに間があったように思えるが。

2258とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:17:18 ID:7lJFFQZ2
「謎多き執事なんだな……。
 ……ま、なんとかまるーく収めますよ、ははは……。」

「んー、そうかなぁ?そうならいいんだけど……。」
(ってかなんかちょっと間があったな……。
 ……って事はやっぱり一筋縄じゃいかないんかなー……?)
と、勘繰ったり……。

2259とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:22:33 ID:j/PG5JxE
「……そうしてくれると、嬉しいな。」
といっても、丸く収まるか不安なのであった。

「フェムトの父さんは……体育系なんだっけ。
……気に入ってもらえるってフェムトは言ってたけど、大丈夫かな……?」
実際、どのあたりが気に入るのだろうかと思っているのであった。
……フェムトが勘ぐっているのには気付いていない様子。

2260とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:28:42 ID:7lJFFQZ2
「親父は……俺と同じ魔法使いのはずなんだけどなぁ……。
 ……怪我して一線を引いたとか言ってるけど、嘘みたいにピンピンしてるよ……。
 まぁアンナみたいな子なら断る理由は無いと思うよ。
 ヴァーミリオン家の相手としても、家柄も申し分ないと思うし……。
 ……あー、そう言えば……やっぱりロマノフ家も、貴族の一人娘を易々と嫁には出さないかなぁ……?
 かと言って、こっちも家柄を途絶えさせる訳にはいかないし……。」
と、家柄の問題もふと思い出す。

2261とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:36:04 ID:j/PG5JxE
「……古傷が痛むのかな。元気なのは何よりだと思うよ。」
とりあえず、反対する理由がないと聞いて、一安心。
……それはつまり結婚まで一直線とも言えるのだが、気づいてはない。

「…………家系……そうだよね。子供も産まなきゃいけないしそれは大事だよね……。
多分、フランツは同じこと考えてると思う。
………父さんたちは、そのあたりの考えはよくわからない……。」
と、すこし未来のことを想像したのか、顔を少し赤らめてうつむく。
……どんなことを想像したのかは、ご想像にお任せします。

2262とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:43:04 ID:7lJFFQZ2
「うん……膝に矢を受けたらしいんだけど、まぁ元気だね……。
 ありゃ長生きするわ……。」


「うーん、そういったことも考えないといけないよねー。」
(……そして顔が赤いですよアンナさん。
 ……子供も〜あたりから赤いですね、はい。)
こんな事ばっかり目ざとく気づく青年……。

2263とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:49:24 ID:j/PG5JxE
「………それでも僕達が結婚するとなると僕の嫁入りになるのかな。
僕の家は、歴史はあっても今はもう力がないから。」
顔が赤くなっているのをごまかしつつ、そう言葉を返す。

「………もしそうなったら、跡取りも必要だから結婚も後押しされると思う。
フェムトの家も一人っ子らしいしそちらからも来るかな。」
自分でも顔が赤くなっているのがわかっているのか頬に手を当てている。
……赤くなるなら言わなければいいのに。

2264とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 01:54:39 ID:7lJFFQZ2
「んー、そうだねぇ。
 俺の家系も、跡取りは必要だし……。
 結婚相手が見つかるのは喜ばしいことだね。
 ……ま、まぁ、結婚とかはやっぱりちょっと先の話になるけどね……?
 ……少なくとも二人とも大学卒業してから、だよね……!」
結婚まで話が及ぶと、青年も少々気恥ずかしくなってきて顔を赤らめるのであった。

2265とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:01:25 ID:j/PG5JxE
「………うん。さすがに大学に二人共いるのに子供なんて出来たら大騒ぎだからね……!
だから、結婚も跡取りの話もだいぶ後になると思う。」
顔を真赤にしてそう言っているのであった。
……おそらく子作りとかもしばらくする気はないのだろう。

2266とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:03:44 ID:7lJFFQZ2
「学生結婚ってのも、わりといるけどね……?
 ……ってかアンナなんだか顔が赤いですよ……?」
ニヤニヤしながら少女をからかい始めた……!

2267とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:11:15 ID:j/PG5JxE
「………僕達はともかく父さんたちが認めないと思うよ。
学生での結婚なんて早すぎるもん……!!」
からかわれているとは知らずに顔を真赤にして反論している。
顔が真っ赤なのは起こっているからというより恥ずかしいからであろう。さっきも赤かったし。

2268とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:15:15 ID:7lJFFQZ2
「あはは、それは確かに、そうだなぁ……。」
確かに学生のうちから結婚は早すぎる。
……結婚はしないまでも、あれこれやれる事は楽しみたかったりはするが……。

「……それに、学生のうちから子供なんて出来ちゃったら大変ですしね……?」
意地悪く笑みを浮かべながら、少女の反応を楽しむ。
……こういう話題は、さらに恥ずかしがる事を分かって言っているのであった。

2269とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:24:35 ID:j/PG5JxE
「…………そ、そうだよ……そういうことしちゃいけないんだよ……!」
実際考えている通りの問答だったが、自分の口で言うのはそれはそれで恥ずかしいのであった。

「だから、エッチな事は結婚するまで禁止!
……できちゃったら、困るもん。」
顔が赤いのも隠さずに、そう力強くいうのであった。

2270とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:26:38 ID:7lJFFQZ2
「う……ほ、本当に禁止……?
 ……じ、実際の所……アンナが大学生になったら……そういうことも少しずつ……。」
と、ショックを受けた様子の青年……。
ぼそぼそと、それはもう正直に心の内を打ち明けていく……。

2271とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:35:10 ID:j/PG5JxE
「……………き、禁止だよ!
禁止!赤ちゃんできちゃうかもしれないもん!」
一瞬言葉に詰まるもそのあと必死にそう言った。
といっても、一瞬困ったような表情はしていた。さすがに禁止は言いすぎたか、と言いたげのような……

「ふぇ……フェムトがそんなにエッチなこと考えてるとは思わなかったよ……!
いや、エッチなのは知ってたけどそこまでしたいなんて……!」

2272とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:39:22 ID:7lJFFQZ2
「子供は……出来ないようにする方法は幾つかあるんだけどなぁ……。」
それでも行為に及ぶ以上、出来てしまう可能性はついて回るのは確かだが……。

「……す、好きな人としたいってのは、ごく自然な感情だし……!
 正直、夏のあの時とか自分を抑えるのに必死でした、ハイ……。」

2273とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:47:22 ID:j/PG5JxE
「……出来ないからするとかそういうのじゃなくて………
そもそもこ、子作りなのに子供をつくろうとしないというのは本末転倒だと思うよ……!」
実際間違っていないにしても極端な考えであった。

「……あ、あの時は………フェムトも暴走してたよね……!
わ、悪いのは僕じゃなくてフェムトだよ!」

2274とある世界の冒険者:2014/03/12(水) 02:50:35 ID:7lJFFQZ2
「いえいえ……
 ……あの行為は、二人の関係をより深めるという重要な効果があるそうなんですよ……!
 詳しくは、前貸した小説なんかにも書いてあったかと……。」

「い、いや……まぁ、確かに私が悪かったです……ごめんなさい……!」

2275とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 21:54:39 ID:aTr6zEBk

「………よし」

エレナの家の前で何やら気合を込め、呼び鈴を鳴らす。
前回はもらう側、今回はあげる側である。

バレンタイデーからちょうど一ヵ月後、ホワイトデー
ハッキリ言ってバレンタイデー以上におかし屋とその他の陰謀を感じる日ではある。
だが、イベントに参加するからには関係ない そもそも貰いっぱなしというのは心苦しい物なのである

2276とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 22:03:49 ID:VbYeicRo
>>2275

がちゃり、と扉が開かれる。
開いたのは彼女本人ではない。彼女の部屋の本棚からはるばる延びていると思われる、骸骨の腕だ。
ディフの驚きを予想してるのかいないのか、骸骨の腕はディフを招き入れると、リビングに向かうようにちょいちょいと指差した。

「……実際便利」

そんな風な呟きが、ひょっとしたら聞こえたかもしれない。
何やら手が離せないことをしているのだろうか? 何やら良い香りが漂ってくるのに気がつくだろう。

2277とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 22:15:22 ID:aTr6zEBk
>>2276
「  」

「え、ええ?」

扉を開けたら恋人の姿…… ではなく、骸骨の腕
それもやたらと長い、骸骨の腕
エレナの奇天烈な行動には慣れたつもりではあったが、今回は言葉を失う程度におどろかされた

「……あ、あぁ リビングに行けばいいんだね ……うん、ありがとう」

色々と言いたいことが頭に浮かんだのだがそれを言うべき相手は今姿が見えないため、
骸骨の腕に礼を言ってリビングにあがりこんだ

2278とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 22:37:38 ID:VbYeicRo
>>2277

「いらっしゃい」

リビングに入ると、食事の準備が出来ていた。
香ばしい香りは焦げたチーズのものか。テーブルの上に置かれていたのは、ラザニアである。
それとサラダに白ワイン。なんだかんだで彼女の手料理が出てきたのだ。

「ワインは少々奮発した。バレンタインのレストランには及ばないかもしれないけど」

彼女は小さく微笑んで、席に着くとディフを向かいに座るよう促した。

//すまん書き込めてなかった

2279とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 22:48:11 ID:aTr6zEBk
>>2278
「お邪魔するよー いい匂いがすると思ったらラザニアか」
「あのレストラン確かに美味しいけれどやっぱりエレナのご飯が一番だよ」

と、歯に浮くようなセリフを言いながら促されるままに席に座った
ふざけてる?いいえ素です

「ところでエレナ、扉をあけてくれた骸骨の腕だけど……」

//こっちもやった事あるから気にしないで

2280とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 22:54:07 ID:VbYeicRo
>>2279

「……なかなか恥ずかしいことを言う。作家の彼氏だけはある」

澄ました顔で評価されてしまった。

「ああ、私の召喚術の一環。便利」

例の”死神之書”で呼び出すソレの応用だ。

2281とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:03:40 ID:aTr6zEBk
>>2280
「え?臭かった?」

そして本人は素で言っているため評価されてもキョトン、とするのであった

「骸骨の腕だから多分召喚魔法で呼び出された物だとは思ってたよ」
「………正直久しぶりにおどろかされた」

2282とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:07:21 ID:VbYeicRo
>>2281

「そうね。少し――でも、悪い気はしない」

ともかく目の前の食事だ。
召し上がれ、とラザニアを半分に切り分け、ディフの皿にのせる。

「そう? そんな気はなかったけど、そういうことなら顔が見たかった」

2283とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:10:43 ID:aTr6zEBk
>>2282
「慣れてたつもりだけど今回不意打ちだったしさ 近くに骸骨本人がいるならまだしも腕だけだったから」
「でも次からは大丈夫だと思うけど…… うん、ありがとう」

取り分けてくれたラザニアを口に運ぶと、うん、と頷き顔がほころんだ

「……そういえば、仕事の方は順調?」

2284とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:15:01 ID:VbYeicRo
>>2283

「順調――。とりあえずは」

とりあえず余裕を持って推移しているとか。
それでも、締め切り前になると追い込みが始まるのだが。

「そっちは、大丈夫?」

辛くなったら、剣を捨てることも重要な決断だ、と。

2285とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:21:18 ID:aTr6zEBk
>>2284
「よかった、予定キツイのに時間とらせてたらどうしようかと思ってたよ」

一応、来る前にはアポを取ってから来ているのだが
それでも不安なところは不安の様で

「僕の方はぼちぼちかな? これと言って怪我してないし」
「少なくともまだ剣を捨てる…… というか冒険者をやめるつもりはないかな」

少なくとも学校を卒業するまでは冒険稼業を続けるつもりだ、と
そうでもないと金が貯められないしバイトは色々トラウマがあるし

2286とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:26:04 ID:VbYeicRo
>>2285

「――そういえば、ディフは学生だった」

ぽん、と掌を打って。
それにしても、なかなかの苦学生っぷりではないだろうか。

「学校……。きっとディフは、今日みたいな日は妬まれてしまうのね」

さぁ飲んで飲んで、とグラスにワインを注いでいく。
彼女も当然何口か口にしており、何となく頬に朱が差しているのがわかる。

2287とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:35:22 ID:aTr6zEBk
>>2286
「学生やってる時間よりも冒険者やってる時間の方が長そうだけどね……」

学校が終わったらすぐにクエスト発注所へ、休みの日も基本的に冒険稼業
これで学生と言えるのかと、本人も自己紹介の時には冒険者としか名乗ってない、らしい

「バレンタインとかホワイトデーとかクリスマスが近いと首のあたりがいつもピリピリするよ、主に殺気のせいで」

翌日がピークで次第に納まってくんだけど、明日土曜日でよかった と
獣のような眼光で殺気を放ってくるらしい

そして、エレナに薦められるがままワインを口に運んだ
酒は強い方であるが、こっちもちょっと紅い

2288とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:40:22 ID:VbYeicRo
>>2287

「私と外歩いてるところを見られたら、どうなるか――気になるかも」

級友から見れば、どこか陰のある年上の女性と仲良さげに歩いているという構図に有る。
さらにそのまま接吻なんてしているところを見られたら――!

「うん。今度のデートは楽しみ」

精一杯のおしゃれをしよう、と何やら意気込む。

2289とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:50:55 ID:aTr6zEBk
>>2288
「……生き残れるかな、その翌日」

祝い事の翌日というだけで殺気立つのだ、奴らは
もしそれが目の前で行われたら本当に手が出そうだ

「あ、そうだ ホワイトデーの話題が出たし……」
「えっと、ハッピーホワイトデー?」

そうして、青いリボンに包装された10㌢ほどの箱を取り出し、エレナに差し出す

2290とある世界の冒険者:2014/03/14(金) 23:56:26 ID:VbYeicRo
>>2289

「……頑張って」

あまりにも無責任な一言であった。
幸せを見せびらかしたいといったところなのか。

「首飾りかしら……?」

受け取って、しげしげと包装紙を眺める。
別に透けて見えるわけじゃないだろうに。

2291とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:03:15 ID:W9.lHSoE
>>2290
「エレナー、投げっぱなしすぎるよー………」

冒険者やってると言えども他の人と比べてずば抜けて強いわけじゃないから
人数差で完全に押されてしまう
つまり襲われる=敗北確定である

「残念ながらそこまでいい物じゃない…… って透視中?」

首飾りは確か去年のクリスマスプレゼント、渡すにはまだ日が早い
箱を揺らすと何かが動くような気配を感じ、中から小さい音楽が聞こえる

2292とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:09:51 ID:jr/42.SA
>>2291

「その時は、たくさん、慰めてあげる」

一体何をどうするつもりなのやら。
半目でそんな事を言うのだから、何を考えているのかわかりゃしない。

「超能力は持ち合わせてない。……あけても?」

まだ食事の途中では、ありますが。

2293とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:18:49 ID:W9.lHSoE
>>2292
「そっちの意味でしか聞こえない…… いや、元々そっちの意味だけ?」

この流れ、その発言、そしてあの目付き
慰めると言えども隠語の方にしか聞こえない、本当に慰めてくれるんならごめんなさい

「うん ……食事の後に、ね」

2294とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:24:55 ID:jr/42.SA
>>2293

「……ディフが望むままに」

そのまま意味深さを重ねるのだった。
さてどっちの意味のつもりだったのか。これでもう藪の中だ。

「それもそうね。……われながら良い出来だし。ながら食べは不健全」

「ディフが卒業したら――どこか、二人で暮らせる場所が欲しいかもしれない」

この家はお父さんもいますし。
今お父さんは何をしているのか? 社会復帰したエレナ父のお仕事は、基本的に夜中の勤務なのである。

2295とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:31:48 ID:W9.lHSoE
>>2294
「………その時考えよう」

藪の中ならそのまま放置を決め込んだ
深入りするのは、よくない

「……王都内か、それ以外だったら王都から離れた場所にね」
「王都周辺の治安の悪さは正直いただけないし」

王都内自体、かなりの頻度で事件が起きてるし
その結果村が被害被るパターンが多い、経験論だ

「で、おじさんと離れるの寂しいだろうから間違いなく王都内にだね」

2296とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:37:46 ID:jr/42.SA
>>2295

「慎ましい集合住宅で、近所でいいと思う……」

それだけの資金力は、実はある。
プチブレイク中の作家である彼女には、いまいちもてあますぐらいのお金があるのだ。

「うん。なんだかんだ、お父さんと離れるのは……ね」

長い間生き別れていたのだ。
折角会えているのを、手放す気にはならない。
近々再婚するかもしれないという話もあるのだが、変な方向に転びそうな気がして怖いとは彼女談。
どうもラヴァッツィ家というのは薄幸の血筋らしいのだ。

2297とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:42:09 ID:W9.lHSoE
>>2296
「……あんまり顔をあわせてないけど、おじさんもおじさんで青春してるんだね……」

「卒業後でお金もないしそんなところだろうね けど結構遠い先の話だなぁ…」

早くて後三年後の話、遠いようで近く、近いようで遠いそんな話

「と、ごちそう様」

2298とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:47:33 ID:jr/42.SA
>>2297

「……ただのジョークかもしれないけどね」

というかその方が信じられる、とかなんとか。
何やら思うところあるらしい。

「おそまつさまでした……」

ディフが食べ終えるのに少し遅れて、自分も食べきる。
なかなか大きめに作ったラザニアだったのが、案外食べてしまえるものだ。
お皿を洗ってくる、と彼女は言うと、プレゼントを若干気にするそぶりをしながらもキッチンへ消える。

2299とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:51:32 ID:W9.lHSoE
>>2298
「手伝うよ せっかくのホワイトデーなのに任せっきりじゃ悪いし」

それにリビングでぼけーっとエレナが戻ってくるのを待つのも暇であるし
何よりいち早く終わらせてプレゼントの開帳と行きたい

2300とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 00:59:04 ID:jr/42.SA
>>2299

「おお。優しい旦那さんになれるね?」

妙な感心の仕方をしつつ、何やら楽しげに洗物。
普段の何気ない家事も、若い男女が肩を寄せ合ってこなすだけで花が咲くようである。

――

というわけで。
改めてプレゼントに相対することになる。

「……では、あけてみても」

よろしいか、と確認。

2301とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 01:05:33 ID:W9.lHSoE
>>2300

「駄目だと言える理由がないよ……」

むしろ、あけてみて とエレナに促し
喜んでもらえるか内心ドキドキである

箱を開けてみると、薄い青色の金属製の球体が入っていた
エレナが其れを拾い上げると、振動に反応して球体から静かで落ち着いた雰囲気の音楽が流れ出すだろう

「……オルゴールボール、って言う物なんだ」
「単純に花とかお菓子とかあげようとも思ったんだけど、何となく残る物をあげたくて」

2302とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 01:11:44 ID:jr/42.SA
>>2301

「……なかなかおしゃれね」

掌の中で転がして、その穏やかな音楽に目を細める。

「巧妙な細工みたいね。……ありがとう。大切にする」

そう言って微笑み、愛しげにそのボールを軽く握る仕草を見せた。

2303とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 01:14:58 ID:W9.lHSoE
>>2302

「真ん丸に見えるけど自分で動かそうとしない限り転がらないらしいから、ちょっと傾いた場所に置いても大丈夫らしいよ」
「どういう仕組みかはわからないけど。 ……喜んでもらえてうれしいよ」

と、自分の贈り物を転がすエレナに微笑みかけ、自分も音楽に耳を傾ける

2304とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 01:22:45 ID:jr/42.SA
>>2303

「部屋においておこう。執筆中のリフレッシュにいいかもしれない」

テーブルの上において、指でつついて転がす。
新しいものだからなのだろうが、なんとなくそれだけでも楽しかったり。

「センスがいいのね、ディフ」

それから、花が咲いたような笑顔でそんなことを言うのだった――fo

2305とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 01:26:11 ID:W9.lHSoE
>>2304
恋人の満足そうな顔を見て、満たされた青年だった

FO

2306とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 21:57:48 ID:xnagpvOw
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

2307とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:07:11 ID:jr/42.SA
>>2306

「考えてみれば一番安直なのにやったことなかったにゃ。とうっ! もんすたーはんたー、あんり!」

いつものように梁から飛び降りてきたのは、赤い竜の素材で作られたと思わしき鎧を参考に厚紙で作ったソレで武装したアンリである。
えらい七面倒な話だが、流石に鎧兜、それも竜素材を用意するほどコスプレに命はかけていなかった。

「問題はだにゃ。アンリにハンティングできるようなやからがいねぇーってことなんだけどにゃ」

何やら凝った細工のテーブルナイフを大剣に見立て、えいさとカウンター上で素振り。

2308とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:13:53 ID:xnagpvOw

「うむ。先にオペラ歌手みたいなのが出てきたしにゃ。
にゃにゃ、この構図だと狩られるのはもしや……吾輩かっ?!」

【ズオオ、と両手を広げてよく分からないファイティングポーズ。
最早、梁から飛び降りてくることに突っ込まないのは回数の賜物だ。慣れって怖い。】

「あるいは秘書兼マスコット兼店員兼セキュリティと新たな境地に……?!」

【もはや、器用とか言う問題でも無い。
いや、実際、セキュリティ以外はこなしているため、器用以外の何者でもないのだが。】

2309とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:24:31 ID:jr/42.SA
>>2308

「むりだにゃー。確かにアンリは人の無意識部分を可視化することでするすると家屋に侵入すっけどにゃ」

最近やってないけど。
悪戯妖精というより、もう殆どブラウニーと化していた。どちらかといえばアンリはピクシーだが。

「泥棒の撃退となったら、やっぱり刃物でぐっさりなんだろーけど、一番都合のいいのが首でにゃ?……本当にハントしちまうのは妖精的に問題がにゃー」

それ以外に何かできないか、となればできないことはないだろう。
しかし、咄嗟に一番やりやすいのがそれなのだ。

「にゃにゃにゃ。テンチョーをハントするのは……テーブルナイフじゃとりあげられるのがオチだにゃー」

持ち上げる力はあるが、振り回すだけの力は難しい。

2310とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:29:57 ID:xnagpvOw

「確かにデッドオアアライブだったら、デッドだにゃ。
流石に泥棒相手にデッドはやりすぎだと思う、吾輩。」

【それもそうであると首を縦に振って肯定。
泥棒程度で殺してしまうと確かに問題ありだ。悪評どころではない。】

「それにアンリの場合だと吾輩のハント能力を開花させてしまうかもしれにゃいし。」

【一応、こいつもネコであるので狩りの素質は持っている。
人の要素が入っているため、夢中になることは無いがネコじゃらしに心が躍るのだ。

アンリがちょこまかと動けば、そういう状態になってしまうかもしれない。】

2311とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:36:29 ID:jr/42.SA
>>2310

「世の中恐ろしいもんでだにゃ? グリフォンすら八つ裂きにしちまうようなピクシー兵団がいるらしいにゃ」

ぶるり、とわざとらしく身体を震わせる。
妖精のみんながみんなコイツのような奴ばっかりではないということである。

「にゃにゃ。確かにアンリはネズミサイズだものにゃ」

ちょこまか動き回られたら、ネズミを仕留めたくなってしまうかもしれない。
とりあえず、危ないのでテーブルナイフはおきました。どこからもってきたんでしょうね。

2312とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:40:52 ID:xnagpvOw

「でっかい一撃よりも小さい一撃を無数に貰う方がキツいかもにゃ。
吾輩みたいな体格だと一たまりもなさそうだにゃ。」

【幸い?そういう過激な妖精には出会ったことが無いため、いまいち想像は出来ない。
しかし、アンリの様子からなんとなくでも、そのおぞましさは伝わったようだ。】

「うむ。こう見えてもネコにゃからすばしっこいんにゃぜ?
にゃが、そこらのにゃんことは違うから、理性は失わにゃい!」

【しゅしゅ、と素振りの音を口で出しながら、シャドーボクシング。】

2313とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:50:34 ID:jr/42.SA
>>2312

「まぁアンリも詳しくは知らんけどにゃ……にゃー。そういえば同族が泥棒に入ったときの対策考えてなかったにゃー」

と、アンリは深刻そうに言うが……。
アンリがしてきた泥棒を思い出してみよう。そろーりと進入して、ビスケットの一枚でも失敬して満足して去っていくのだ。

「…………………放置でいっかにゃー」

よっぽど悪意ある妖精じゃなければ、放置しておいた方が幸運でも運んでくれそうな気がしたのだ。

「にゃにゃ。中々決まってるにゃー」

ぱちぱちとその様子を見ながら小さく拍手。

2314とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 22:58:47 ID:xnagpvOw

「アンリみたいなのが侵入……。
にゃにゃ、キャッチして羽ペンの羽の部分でくすぐりの刑にゃね。」

【どこからともなく、羽ペンを取り出して構える。
もっぱらアンリ(小さな生き物)への反撃用のウェポンである。

要するには悪戯坊主を懲らしめるような、そんな感じだ。】

『実際に影がいるから、シャドーボクシングって単語は変に感じるにゃね。』

【にゅうっと影が半身を起こして、そんな事を言う。
本体と同一の思考、感覚、体であるため、少々、不気味である。】

2315とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:11:11 ID:jr/42.SA
>>2314

「にゃにゃ。アンリはかつて、胡椒の入ったコップを逆さにして閉じ込められたことがあるにゃー」

遠い目。
殆どあれは毒殺だったとか。

「にゃー。そういえば分身みたいなのできたにゃね」

影のことを分身だと認識している様子。
間違ってはいないのかもしれないが。

2316とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:15:26 ID:xnagpvOw

「それはきついにゃ。
体の色んな部分がひりひりして、脱出しても後が大変にゃ。」

【仮に自分に置き換えてみれば、容易に想像ができる。
加えて、このもこもこの体毛の所為でアンリよりも悲惨なことになりかねない。】

『うむ。そう思ってもらって差し支えないにゃ。
あそこでうだうだ言ってるのも、吾輩もどっちも吾輩にゃ。』

【なんとなく習得してしまった影を操る魔法。
しかも偶発的に生まれたものだから、人に教えることも出来ないし解除も分からないのである。

とはいえ、ほぼ分身と思って良い。
なぜなら、互いに感覚を共有しているからである。】

2317とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:21:35 ID:jr/42.SA
>>2316

「というか鼻水と涙で呼吸困難にゃー……いやぁ、ひどい目に合った」

見つかったら制裁を受けるのが悪戯のスリルだけど、とかなんとか。
最近めっきり悪さをしてないので、”昔はやんちゃしててね……”なんて文句から始まる思い出を振り返るような雰囲気を出していた。

「これが本当の影分身にゃねー。案外便利そうにゃ」

マルチタスクが捗るというのは、なかなかいいことなんじゃないだろうか。

2318とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:29:08 ID:xnagpvOw

「にゃにゃにゃ、最近じゃアレにゃね。アダルティーな雰囲気を持つようになったにゃ。」

【最初にあった頃に比べれば、随分と大人な雰囲気を醸し出すようになった、と。
秘書や店の経営に関することを任かされていれば、嫌でもなりそうではある。】

「いや、本当に便利にゃのよ、これが。」
『うむ。本当ににゃ。特にこれが一番、便利にゃよ!』

【そういうと影が完全に実体化すると、本体にひょいと飛び乗った。】

「『これで、高いところにあるものがラクラクにゃっ!』」

【ドヤッと言う様にさながら組み体操をしている学生の様な表情。
確かにネコであるため、この小さな体というのが色んな部分で足を引っ張るのである。

しかし、どこかズレている気がしないでもない。】

2319とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:33:24 ID:jr/42.SA
>>2318

「そろそろ体長倍になんねーかにゃー。そうすればもう少しオトナな感じになるにゃね。悪戯はもう無理になりそうにゃけど」

妖精としての位階が一つ上がれば、それに応じて身体も変わる。
アンリもかつては今の半分の大きさであった。
もっとも、毎回身体が大きくなるかといえば、話は別だが。

「にゃるほど……飛べればいいんだがにゃ……猫にはそういうわけにもいかんわけにゃ」

自分が飛べるので、高さの障害はそこまで気になったことがなかった。

2320とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:38:37 ID:xnagpvOw

「にゃにゃ、アンリに追い越されてしまう日も遠くはにゃのか……!?」

【ぐぬぬ、と恨めしそうにアンリの方を眺めながら言う。
残念ながら、こちらにはそんな機能は無い。

食べれば大きくなるかもしれないが、縦よりは横に伸びてしまう可能性の方が高いだろう。】

「うむ。飛べても、それはあくまでジャンプであって、浮遊や飛行ではにゃいね。」

【ひょい、と影が飛び降りそのまま普通の影となって地面に同化する。】

2321とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:46:27 ID:jr/42.SA
>>2320

「いやー、妖精のランクアップって簡単にはおこんねーことでにゃー」

明日明後日に起こりうるものではないとか。
人知れず見ているナニモノかの胸三寸なのだ、と本当なのか嘘なのかよくわからないことを自慢げに語る。
多分、条件はアンリ自身もいまいち理解していないのだろう。

「身体が小さいと苦労するにゃー。本当に」

しみじみと。

2322とある世界の冒険者:2014/03/15(土) 23:51:45 ID:xnagpvOw

「頻繁に起こってたら、いくら種族の差とはいえ酷いにゃ!!
……てか、考えた突然、大きくなるなんて結構、不便なんじゃね?」

【(血涙)ではないが、そんな言葉が加わりそうな勢いで。

そして、ふと思いついた疑問をぶつける。特にアンリの様な妖精種は飛行を行うため
体が一夜にして変わるなどしていたら、結構危険なことなのではないか、と。】

「うむ。アンリが偶に使う巨大化薬を飲みたいくらいにゃ、吾輩。」

2323とある世界の冒険者:2014/03/16(日) 00:06:34 ID:Z/UydfAA
>>2322

「んまぁそうにゃね。自分に合わせた生活道具全部ご破算になるわけにゃし」

自分の場合はまだいい。
御伽噺の中には、突然人間大になって大弱りとなった妖精が出てくる。

「飛んでいる最中に身体が変わるわけじゃなけりゃ、まぁなんとかなるにゃ。そっちについては」

「……飛んでいる最中にゃったら、ファンタジー補正に期待するしかないにゃー」

何とも危険の残る成長であることか。

「にゃにゃ。確かに大きい店長は見てみたいかもにゃー」

2324とある世界の冒険者:2014/03/16(日) 00:21:28 ID:1q9K9Q3U

「とんでる最中だったら、アレにゃ進化をキャンセルするボタンを使うにゃ!」

【ぽんぽんとカウンターを叩いて、ボタンを押すような仕草を見せる。
なぜ、ボタンなのかと言えば、多くは語らない。】

「にゃにゃにゃ、大きくなったら正に吾輩は無敵!
そして、大きなボデーであらゆるものを包み込んでやるにゃよ!」

【確かにこの体で文字通り包み込まれれば気持ち良さそうである。
さながら、ふわふわのベッドだ。】

2325とある世界の冒険者:2014/03/16(日) 00:24:25 ID:Z/UydfAA
>>2324

「B連打にゃね!」

そして何故か乗るアンリ。

「にゃにゃ。それは面白そうだにゃ。店長ベッドで眠るのは楽しそうにゃ」

「よし、後日一本調達するにゃー!」

店長化け猫化計画が突如爆誕した瞬間であった。
果たして何倍にまでチャオウスは膨れ上がることになるのだろうか。

「そうと決まったらちょいとアンリは部屋にだにゃ……」

テーブルナイフを回収すると、ふよふよと部屋に戻って言ったとか。

//ではこれにて

2326とある世界の冒険者:2014/03/16(日) 00:31:25 ID:1q9K9Q3U

「にゃにゃ……確かに大きくはなりたいにゃがなんというか自爆しそうなくらいに
大きくなるのは勘弁願いたいにゃ。

……ってか今のアンリなら十分、吾輩をベッドに出来るんじゃ……?」

【少々、不穏な雰囲気を感じとったようではりきるアンリに釘を刺しておく。
おそらく、背が高くとかではなく風船の様になった自分が頭をよぎったのだろう。】

「うむ。ま、まぁ、お手柔らかに……にゃ。」

【期待と不安が入り混じった様子でアンリを見送ったとか、FO】

//了解。お疲れ様でした!

2327とある世界の冒険者:2014/03/16(日) 00:31:26 ID:1q9K9Q3U

「にゃにゃ……確かに大きくはなりたいにゃがなんというか自爆しそうなくらいに
大きくなるのは勘弁願いたいにゃ。

……ってか今のアンリなら十分、吾輩をベッドに出来るんじゃ……?」

【少々、不穏な雰囲気を感じとったようではりきるアンリに釘を刺しておく。
おそらく、背が高くとかではなく風船の様になった自分が頭をよぎったのだろう。】

「うむ。ま、まぁ、お手柔らかに……にゃ。」

【期待と不安が入り混じった様子でアンリを見送ったとか、FO】

//了解。お疲れ様でした!

2328とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 21:34:55 ID:6BerZY9s
<王都郊外・サルデフェクト寺院>

【マアスーメを迎え入れてから、それなりに時が経った。
とはいえ、そこまで彼女が望んでいたであろう展開には恐らくなっていない。

寺院で行うことと言えば、基本的には正に家政婦とかが行うような雑務ばかりである。
また、そのような雑務などの場合は大体、トレアの姿もある。

そういう意味では非常にやりにくいことが多かったであろう。
マアスーメの望みに近いものとしてはザーとの〝散歩〟の際に、対峙する獣や魔物くらいである。

そんなある種、退屈ともいえる日々を崩したのが、ザーが不意にかけた声であった。


「……マアスーメ、今日の消灯時間後に私の部屋に来い。少々、相手になってもらう。」


聖職者という職業柄か寺院を運営しているからか、彼は時間には厳しいほうである。
そのため、消灯時間後の行動は例外を除いて許されることは無かった。

まして、彼の私室に呼ばれることはこれが初めてである。さて……。】

2329とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 21:52:35 ID:6kbk8ork
>>2328

以前可能性を捨てたので、少々驚く命令だったが――。
このぐらいでは彼女の表情を崩すには至らない。彼女は恭しく頭を垂れて、はいと頷くのみだ。

――

しかし、その時の承諾と、彼女が行う準備の温度差は相当なものである。
彼女は彼の注文を、要するに夜伽をしろと認識したのだ。
何か仕事ならば、その場で言えばいい。わざわざ”消灯時間後に、私室で”でしか行えない命令。
つまりは、彼女を”使う”ということであり、彼女はそれをそもそも拒むつもりもなかった。

「……われながら派手」

彼女は部屋で香を焚いていた。東国では、程度が強ければ媚薬だとされるものだ。
ザー・サルデフェクトという男は、如何にもな悪人のような面をしていながら、時折全うな聖職者としての面を覗かせる時もあった。
そんな彼が、何らかの原因によって、自分を抱きたいのだ、というような旨の命令をしてきたからには、自分は最大限彼を興奮させなければならない。
彼女はそんな風に考え、今自分が出来る最大の準備を行おうとしているのだ。
身を清めるのは勿論、こうして香を焚き、人が興奮するような香りを自信に纏わせる。
それから、度数の強い酒をほんの少し、自分でも摂取し、彼女の肌に朱を刺す。
化粧は下品にならぬよう、自然に、しかし自分の美が目立つように行う。
衣服は、ほんの少し自分の肌が透けてしまうような服の上から、上着を羽織る。

「……で、一応」

避妊具を、忘れることはあってはならない。
時と場合にもよるのだが、今身重になるのは流石に避けておきたかったが、命令如何ではそれは敵わぬかもしれない。彼女はそれも覚悟する。

「よし」

準備を終え、意を決し、彼女は私室を出て、廊下を渡り、ザーの私室の前にたどり着く。
彼女はドアを三回、丁寧にノックする。

「私です」

2330とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 21:58:35 ID:6BerZY9s

「……入れ。」

【中から、普段とそれほど変わりの無い声色で部屋の主が答えた。
それほど浮ついた様子は見受けられない。……これから行為が行われるというのにえらく冷静だ。

あるいは、いざ始まるとなると燃え上がり始めるのだろうか。
もしかすれば、普段とは違うザーを目撃することになるかもしれない。

色んな意味で彼のこの態度は何とも想像を掻き立てられるものである。】

2331とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:06:05 ID:6kbk8ork
>>2330

(何かストレスでもあったのだろうか)

いつもと変わらぬように見えたのだが、と彼女は考えながら、部屋にへと入る。
入ったならば一礼して、それから上着を脱ぐ。露になるのは、その白のベビードール以外身に着けていない彼女の姿である。
透けるので、隠す場所も隠せていないというシロモノで、実のところ、彼女も着用には勇気を要した。
抵抗がないといっても、なんだかんだでこれまで実用する機会もなく、生娘だからだ。

「……私程度で、よろしければ。喜んで身を捧げましょう」

とりあえず、緊張は顔に出さず、そんな口上を述べる。

2332とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:18:01 ID:6BerZY9s

【その部屋。入ればそこは書斎の様な内装である。
壁に沿うようにして取り付けられている本棚には夥しい量の本が納められている。
そして、そこに納められている本も少々、奇妙な点がある。

今の彼女がどこまで気づけるかは定かでは無いが、お堅い本だけでなく
小説や詩歌集の様な一般大衆向けの本も多く、蔵書されている。

部屋の中央付近には簡素なテーブルに椅子。
そして、部屋の片隅にはそれほど大きくも無いベッドがぽつんと置いてある。

……下手をすればマアスーメに提供している部屋よりも狭い。】


「…………なるほど。ほう、香まで付けて来ているのか。」

【立ち上がると、無言のまま彼女の姿を改めてしっかりと見る。
その視線は普段と変わらない威圧と重圧に満ちたそれである。

とてもではないが、興奮しているようには見えない。】

「ふふ、これは楽しめそうだ。……こちらに来るが良い。」

2333とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:23:56 ID:6kbk8ork
>>2332

(相変わらずの鉄面皮……)

少しぐらい見とれた様子を見せてもいいのに、と彼女は小さく思う。
その発想が、まだまだ自分が未熟だと思ってしまうので、思考の隅にへと追いやるが。

「はい。お楽しみ、いただけるかと」

丁寧な足取りで近づいていく。
ところで、彼は部屋のどこにいるのだろう。椅子に座っているのか、ベッドに腰掛けているのか。
あるいはただ、部屋の真ん中にでも立っているのか。

2334とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:31:42 ID:6BerZY9s

「随分と気合が入っているな……それも良かろう。」

【こちらに来るマアスーメを誘導するように部屋を移動し、自身はベッドへと腰掛けた。】

「ああ、君はとりあえず私の足元だ。」

【このままマアスーメを隣に……というわけではなく、自身の足元を差した。
足元となるため、どうしても彼のところで跪くような体勢が強制される。

もちろん、見上げれば腰掛けたザーが見える位置だ。】

2335とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:36:23 ID:6kbk8ork
>>2334

(……流石に、身体が強張る)

緊張を意識していないつもりでも、身体は如実に反応する。
それらを誤魔化し、表面に見せず、彼の足元で跪いた。

(いやな、よかん)

跪いた途端、彼女は何かを感じ取ったらしい。
彼女の頬に、冷や汗が一滴流れていく。
まるで、今自分のいる場所が蟻地獄だと判明したような、流砂の中にいるような、そんな感覚だ。

2336とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:46:09 ID:6BerZY9s

「……何を緊張している?私はまだ何も言っていないぞ?」

【彼女の緊張をどうやら見透かしたらしく、そんな言葉を。
普段にもまして、一挙一動が見られてしまっているのだ。気づかないはずが無い。

もしかすれば、その冷や汗さえも……。】

「さて。それでは、私の下に穿いている者を全て脱がせて貰おうか。
……奇妙な頼みだとは思うが、それはこちらも承知している。」

【すると、次に彼の口から発せられた言葉は下半身にあるもの全て取れ、とのことだ。
まるで、ムードという物がない。キスくらいしても良いのではなかろうか。

それとも〝使う〟という言葉通りのことをしようとしているのだろうか。】

2337とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 22:53:53 ID:6kbk8ork
>>2336

(まだ、決め付けるのは、早い……)

「……はい」

”使われる”のには問題はない。それだけなら、足元が頼りないような感覚はしない。
心臓が早鐘を打つのは、これが何かの罠に感じるからだ。
彼女は視界の、ちょっとした違和感で感じ取り、そんな感覚に囚われているのである。
しかし、命令された以上、もう引き返せない。
言われた通り、彼の下衣をゆっくりと、丁寧に脱がしていく。

2338とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:08:14 ID:6BerZY9s

「…………。」

【脱がされる直前、薄くだが彼の口元に笑みが現れた。

彼の下半身が徐々に明らかになっていく。別に変わったところは何も無いように見える。
さて、仮に彼がマアスーメに対し、興奮していれば真っ先に目が行くものがあるはずだ。

しかし、それは視界のうちに入ってこない。まだ、不完全なのだろうか。
それとも、異常なほどに貧相なものなのだろうか。……否、そのどれでもない。

いくら探せど、下半身を弄れど、それは現れない。そう〝無い〟のだ。

――――――彼には男性の象徴が存在しない。

いや、正確に言えば〝もう〟存在しない。と言ったところか。
何せ、本来ならある位置には、何とも痛々しげな痕が残っているからである。

また、それだけではない。
露出した下半身にも夥しい量のキズが刻まれている。加えて、ろくな処置がされていなかったらしく
その全てが痕として残っており、まるで体中に虫が這っているかのようである。】

2339とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:14:23 ID:6kbk8ork
>>2338

「………………」

やっぱり、という言葉を飲み込む。
彼の態度、そして違和感、それによって彼女はこれを推測していた。
推測していた分、目に見えた狼狽はしない。しないが、思考はすぐにまとまらない。
そしてその様子を見せるのも、狐の矜持に関わる――!

(これは、頓知だ――)

そして、これはさらに、ザーが笑ってしまうことになるのだろうが。
彼女はこんなところで、妙な意地が出た。何としてでも、彼に性的な興奮を覚えさせてやろう、といったものだろうか。

「大丈夫です。私は、取るに足らぬ生娘では、ありますが」

「……お喜び、いただけるよう、尽力しますので」

何も無いソコに触れながら、ゆっくりと身を腰を浮かせる。
視界が上がっていき、彼の顔を見つめ、潤んだ瞳を見せながら、接吻にまでもちこもうと、している。

止めないとこのままキスするつもりらしいのだが、さてどうするか。

2340とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:27:01 ID:6BerZY9s

「いやはや。随分と多くを身に付けたものだ。
曝け出しているようで、実に多くを守っている。さしずめ、鎧と言った所かな。

…………ふふ。さて、何を守っているのやら。」

【結果として、それは許されなかった。

すぅっと、一瞬にして体をスライドさせて、マアスーメの体勢をひっくり返そうと。
彼の上に乗っているという不安定な状況であるため、成功すればマアスーメの視界は反転する。

つまりは次の瞬間には天井を見上げているというわけである。ベッドに仰向けに転がされて。】

2341とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:31:58 ID:6kbk8ork
>>2340

「……っ?」

一瞬、何が起きたのかわからなかった。
だが、どうも転がされたらしいということを、一寸遅れて理解する。

「出すぎたマネを、したでしょうか」

それとも、ただ自分の身体に触れるほうが彼の好みか、とも少し思うのだが――。
彼女はなんとなく、もう一つ推測を立てていた。
自分がこうなるのを理解しておきながら、最初からそんなつもりは、まるでなかったと――!

(い、意地が悪い……というより、弄ばれ……ッ!)

脳が理解を拒む。
というか、それを完全に認識したら、ただの小娘に戻りそうだった。
狐としての矜持を護るためにも、そんな無様は晒せなかった。

2342とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:46:18 ID:6BerZY9s

「とんでもない。出すぎたとしても、今回はこちらに非がある。
伝達は簡潔かつ明確に……随分と基本的なことを怠っていたものだ。」

【くくく、と低く笑いながらそんな事を。
マアスーメを見てもぴくりとも反応しなかった表情が澄ました笑みに歪む。

そして、それを隠そうともしていない。】

「ああ、だが君の行動は実に正しい。出すぎているかどうかは
…………最初からはみ出しているのだから、出すぎているも何も無かろう?」

【マアスーメの想像通りだ。彼に最初からそんなつもりはない。
また、彼が曖昧な命令を下したのも〝わざと〟かもしれない。

そう、彼は私室に呼んで何をするかは明確には言っていなかった。
話をするとも、夜伽をするとも……。

完全なトラップ。それも状況から考えうるセオリーを最大限に利用した……。】

2343とある世界の冒険者:2014/03/18(火) 23:53:56 ID:6kbk8ork
>>2342

「……負けた気がします」

なので、少しは潔く。
負けは負けでも負け方というのがある。敗戦処理は大事だ。
狐の矜持を守るためには、それもまた全力でやらねばならない。

「私は、賢明ではありません。頭無くては動けぬ手足です」

「ですが、これはわかります。……これは、”わざと”ですね。尚且つ、私がこうするのを”知って”いましたね」

「真意を、お聞かせ願えますか。あなたの、性器が無いのを私に教えた理由も、含めて」

今回のことの理由の一つでももぎ取っていくこと。
それが彼女の考えた、一番いい負け方である。ただプライドをズタズタにされて何も得ず帰るわけにはいかないのだ。

2344とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:07:10 ID:OY3fJXJA

「勝ち負けは置いておこう。だが、賢明ではない……果たして、そうかな?
愚かではあるが、賢明であるには違いが無かろう。

流石に〝そこまで〟期待されるのは予想外であった。
化粧に、香に、衣装に。……あぁ、後は酒かな。生娘がよく整えたものだな。」

【バッチリと整えたマアスーメは見た目だけで言えば、普段とは別人である。
それほどの変化に、彼が気づかぬはずは無い。

いくら、命令とはいえ自主的にここまでするものなのかと感心さえも見せている。】

「何、真意というほど大きいものではない。
仕えるからには主人のことを良く知っておいた方が君も動きやすいであろう?

故に私のことについて、詳しく話す機会を設けても良いだろうと思ったわけだ。」

2345とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:13:28 ID:3R45FokI
>>2344

(……しまっ)

何を言っても墓穴になりつつある。
彼女は再び唇を噛む想いだった。自分のここまでの行動までは、”予想外”だった。
そんなことを言われてしまうと、もう自分の先走りでしかないのだ。
狙っての行動だったと、彼女が言ったように認めてくれれば、まだよかったのだが。

「はい。でも、少しだけ、わかったことがあります……あなたは意地悪です」

頭が急に冷えていくような感覚。
そうなればそうなるだけ、自分の今の格好が恥ずかしくなるのだが、今更脱ぎ捨てた上着を纏うのはもっと恥ずかしい。
いっそ、フリでもいいから欲情してくれさえすれば、とすら思うのだった。

2346とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:23:55 ID:OY3fJXJA

「おや、今更気づいたのかね?
どうやら、灯台下暗しという言葉は正確らしい。」

【その言葉を否定すらしない。彼の行動には迷いなどは無いのである。
また、性質が悪いのはその自分の行動の善悪を理解したうえで、行動しているのだ。

なので、ここまで弄んだにも関わらず、彼に罪悪感を持っている様子は微塵も無い。】

「それとも、形だけでも抱かれることを期待していたのかね?
……いや、答えは聞くまい。

だが、仮に期待していたとして、そちらの方が真実を知ったとき、より惨めではないかな?
その間の出来事が全て、戯れにも劣る真似事だった、というのだぞ?

それを知ってしまえば、今の君の状況の非ではあるまい。」

【それは先ほどの接吻を受け入れたときの話だ。
アレを受け入れれば、間違いなくその先にまで進んでいたのは確実であろう。

まして、あのときのマアスーメは意地を張っていた、のだから。
それが全て徒労であったと知ったときのダメージは計り知れないだろう。】

2347とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:30:46 ID:3R45FokI
>>2346

「……ですが、私好みです」

そう返すのがやっとだ。
底が見えず、背筋がぞくぞくとするようなカリスマに溢れている彼に、不満は無い。
ただ、相対すると、少々こうして恥ずかしくなるぐらいだ。十分許容範囲である。
……彼女は自分を説得している。人はこれを防衛行動という。勿論、顔に出さないが。

「……私の女としての身体に、一定の評価が与えられたと、その時は解釈しただろうと思います」

さてどっちがマシなのやら。
彼女は自分の思考が混濁してきていて、どっちが良かったのか、もう判断がつかずにいた。

2348とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:40:00 ID:OY3fJXJA

「……よろしい。」

【こんなことで折れてもらっては困ると言わんばかりに。
好意的に解釈すれば、これも彼がマアスーメを試した、ということなのだろう。

どちらかと言えば、戯れの感が強いが。】

「そうか。……くく、実に優秀だな。体と同じく、心までも真っ直ぐだとは。」

【その清清しいまでの忠誠心に感服している。
恐らく、今までも似たようなことがあったのかもしれない。

現に少し語られた中にもこの寺院を出入りしていたものの話はあったからだ。】

2349とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:48:36 ID:3R45FokI
>>2348

「……は」

いつまでも寝ているわけにもいかない。
彼女はようやく決心いったように、よいせと身体を起こした。
ずっと天井とにらめっこしているのにも飽きたところだ。

「……」

幾つも言葉が浮かぶが、飲み込んでいく。
今は、言葉を選んでいるだけの頭が働かない。なので、何か言ったら余計墓穴の可能性がある。
沈黙は金だ。普段は銀を取るが、今は金を取る。

//ではこの辺りで

2350とある世界の冒険者:2014/03/19(水) 00:57:03 ID:OY3fJXJA

「…………。」

【その姿を見て、こちらも下半身に改めて服を纏う。
さて、話の流れで行けば、ここからがメイン……のはずである。

傷のこともそうであるし、去勢をしてしまっている理由など話すことはたくさんある。
確かに、話の内容もディープなものであるため、この深夜という選択は必然だったのだろう。】

「さて、そろそろ本題へと入ろうか、マアスーメよ。」

【妙に楽しそうにしていたのはどこへやら。
いつの間にか、あの聖職者とは思えない重圧に塗れた重苦しい雰囲気に戻っていた。】

//了解です。お疲れ様でした!

2351とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 22:12:30 ID:VlBojDBo
>>2350

「……は」

こちらも努めて冷静でいるように思考をクールダウンさせる。
自分が今ベビードールというエロ下着しか身に着けていないのは、お互いに問題だろうと彼女は考えた。
正直わざわざ身に纏うのは恥ずかしくはあるのだが、この格好を続けるよりはマシのはず。
何より、シリアスな話をするらしいというのにその格好はいくらなんでもという常識が彼女をちくちくといぢめるのだ。

「聞かせて、いただきます……」

ベッドから立ち上がり、脱ぎ捨てた上着を拾い上げて身に纏う。
これで、頭は完全に切り替わった。はずである。彼がいぢめないかぎり。

2352とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 22:24:30 ID:jvqgaBxY

「……おや、折角の〝勝負服〟だと言うのに勿体無い。」

【身に纏う様子に、くつくつとからかう様に低く笑う。
また、わざわざ勝負服と強調するのだから、何とも性質の悪い。

これで聖職者なのだから、なおのことである。】

「さて。では、私の生まれからだ。

以前に少し触れたように私は聖職を担う家で誕生した。
また、私の家系の聖職は少々、特殊でな。

〝信仰よりも救済〟を掲げ、全てを救済するために様々な宗教の教えを取り込もうとするものだった。
そのため、いわゆる模倣が多く、純粋なる宗教家や信者からは爪弾きにされていた。」

【さて、とそちらを正面にすると口を開き始める。
この辺りの話はマアスーメも少しばかりは聞いたことがあるであろう。実に稀有な家なのである。】

2353とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 22:30:48 ID:VlBojDBo
>>2352

「――――ッ!」

折角冷めた頭がまた恥ずかしさで熱くなる。
視界が赤くなり、ついでに顔も赤くなる――拳を振り上げての抗議ぐらいなら、しそうだった。
し、実際しようと思ったのかもしれない。右手を堅く握るところまでは、したが。

(――”彼女”は怒らない)

が、ギリギリで何かを思い出し、それが緊急冷却装置と化して拳を解いた。
彼はそれすら織り込み済みだったと見えて、彼女の顔がくるくる変わるのを愉しみながらも話し出したように見えた。

「……ええ。ここの案内を受けている時に、伺いました」

2354とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 22:42:07 ID:jvqgaBxY

「……ふふっ。」

【実に彼女にしては珍しいリアクションだが、突かない。
ただ、口元に薄い笑みを浮かべて、鼻を鳴らすようにして笑うだけだ。

〝予想通り〟……そんな反応だったのだろう。】

「だが、私の家はそれを貫いた。そして誕生した私をすぐに祝福し、教育を施した。
いわゆる英才教育という物だ。何せ、私は長子でもあったからな。

そして、私はその〝信仰よりも救済を〟という家訓を体現する存在として組み立てられ始めた。


―――――〝ありとあらゆるものを救済する存在〟

それが、私に生まれ以て与えられた方向性だ。
我が家は意識していなかったようだが、つまるところ……」

【神である。と。聖職を担う家で神に等しい存在を目指そうとしていたのが彼の家のようだ。
つまり、彼の家は聖職でありながら、神を信じていなかったということになる。

どうやら、彼の家は初めから歪んでいたらしい。】

2355とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 22:47:51 ID:VlBojDBo
>>2354

「……」

もしも自分がその家に意見できる立場に存在したのなら、宗教という形はとらなかっただろうと考える。
人を助けてやりたいのが何事よりも優先するならば、一番有効なのは金銭だろうという発想だ。
自分が稼いだ金で、人に施しをしても角はそれほど立たない。
であるなら、商売人になるのが話が早いだろうという発想だ。

しかし、彼らはあくまでも宗教としての立場をとった。
そのためにその信仰の形は捻くれ歪み、神の家に神は座していないという奇妙な形が出来た。
それで――そんな環境に、生まれた子供の成れの果てが、目の前のいぢわる魔王というわけだ。

(……私好みじゃなければどうにかしているところ)

2356とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:01:27 ID:jvqgaBxY

「滑稽であろう?これほどの冒涜が赦されたのだ。
そして、幼少より私は数多に存在する宗教を学び始めた。

学ぶというよりは修行であった。また、座学だけではない。

とある聖職の中には神の名の下に、制裁を与えることができる物がある。
主に、霊体や魔物といった異形を駆逐するためのものだ。

そのため、その様な物とも戦うことができる肉体や精神を作る必要があった。
例えるのならば、正しく兵隊の訓練の様なことも行っていた。」

【彼がこのようになってしまった原因は間違いなく家であろう。
しかし、この教育が本当に成功していたら、それはそれで真っ当であったかもしれない。
曲がりなりにも聖職を学んでいるので、それを極めれば善人になるのは至極、妥当であろう。

しかし、彼は違う。善人と呼べるものではなく、また聖職らしからぬ雰囲気を纏う。

色々とまぜこぜにしてしまった結果、生まれてしまったキメラなのかもしれないが
もしかすれば、さらに別の要因があるのかもしれない。】

2357とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:12:53 ID:VlBojDBo
>>2356

「……」

そう。それだけなら、きっと、目の前のいぢわる魔王は生まれなかった。そう思いたい。
何かがあった。彼にはきっと、確かに善人であった時代があり、彼女が興味を持たなかったであろう人物が存在していたはずだ。
何かが起きたからこそ、彼はこんなにもいぢわるになり、その結果として、彼女は懇願してまでこんなところにいるのである。

「何かを、取り零したのですね」

救済を掲げる人間が絶望する時は列挙できる暇もないほど事例があるだろう。
目の前の人を救えなかった時か。あるいは、それ以上に。
救うはずのものを、自分が壊してしまった時だろうか。

2358とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:23:06 ID:jvqgaBxY

「…………君は実に優秀だ。」

【マアスーメの言葉にその通りだと軽く首を縦に振る。】

「そう。それを知るまでは私は上手く組み立てられていた。
肉体的な鍛錬や精神的な修練は幸いにもこなす事ができたのでな。

一つだ。私は属性魔法を扱うことができない。
良い才能もあれば、悪い才能もある。私は属性魔法に関しての才能はゼロに等しかった。

それにより私は当時の師から破門された。
ありとあらゆる宗教を学ぶために、様々なところを点々としていたのでね。」

【おそらくはそういう魔を退治する方面の聖職であろう。
確かに彼女と少しばかり対峙した際も彼が使ったのは退魔の力を帯びた無属性魔法であった。

また、その魔法も同じような形ばかりである。
もしかすれば、元々、魔法に関してはそこまで才能が無いのかもしれない。】

2359とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:28:33 ID:VlBojDBo
>>2358

「……」

魔術、ところによっては”魔”という考えが触れるらしく”奇跡”と言い換えることもあるそうだが
ともかく、それらの神秘を行使するのを最大の手段とする組織であれば、劣等性扱いの上の破門も仕方が無いか。
別段その組織が非情だとか、そういう話ではなく、魚に陸で生きろと言っているような、根本的なところで噛み合っていないだけなのだろう。

「……それが原因で、何かが起こったのですか」

ただ、それだけで取りこぼしたということにはならない。
その破門は、彼に何かよくない影響を与えたのだ。

2360とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:37:35 ID:jvqgaBxY

「実に簡単な話だ。
私は恥として扱われ、家系から追い出されてしまった。

万能ではなかったからだ。私に与えられた方向性は私が万能でないことを良しとしなかった。
だから、私は用済みとなり、我が家系は次代へと希望を託そうとした。

つまるところは私の子供だな。」

【そういえば、去勢についての話が出てこなかった。
しかし、どうやら、彼は子を為していたようである。つまりは結婚していたようだ。

だが、彼からは一切、その妻や子供と言った影を感じない。】

2361とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:47:21 ID:VlBojDBo
>>2360

「……万能でなければ、恥ですか」

呆れた話だ。
思わずそんな表情が彼女に浮かぶ。
自分自身、一般的な出生とは大幅に異なる。今では母体も、理由も不明な組織だが、確かに自分は大きな機関に教育を受けた。
教育だったのか、製造だったのかも、最早思い出せないが――。
「神童計画」その名前だけは、覚えている。そして、神童なんていう、なんとも大層な冠をつけるからには、製造か教育する存在は、万能を求めても良いはずだった。
しかし、実際は、特定の得意属性に特化した複数の子供達が誕生したわけである。
彼らが力を合わせれば、確かに万能だったのかもしれないが。さて。それを個人に求められるのかどうか。

「その、話に、子供をつき合わせたくなかったと?」

親としての感情が彼にあったとしたら、止めたのだろうか。

2362とある世界の冒険者:2014/03/20(木) 23:57:02 ID:jvqgaBxY

「いや、子供に関しては当時は何とも思わなかった。
当時の私にとっては結婚を行い、子を為すことは自身がその存在にいたるための踏み台にしかなかった。
そして、それを乗り越えた私には去勢が行われた。

紛れも無い我が子を抱いた妻を目の前にしても、私は手を伸ばすことさえしなかった。」

【子供に対し、あるいは妻に対し、何も感じなかった、と。
それが彼からそのような影を感じない要因だ。初めから、何も思っていない。興味が無い。】

「そして、その破門が……恥さらしとして追い出されたことが私を変えた。
私はその師のところに出向き、その師と弟子を皆殺しにした。

さらに、我が家系をも根絶やしにした。無論、家族もだ。」

【恐らくは初めての挫折。そして、初めてにしては大きすぎる挫折だ。
それは当時の彼から生きる意味を奪ったに等しかったのだろう。

それゆえに彼は大きく反発し、それが最悪の行いとして表れたのである。】

2363とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:03:43 ID:0d73YfD6
>>2362

「……後悔、しているのですか」

彼女はその殺された子供に、何かを重ねた。
彼女の好きな御伽噺。あるいは伝説。それの、哀れな子供の姿と、似ていたから。

(……)

後悔しているのか、と聞いてみたが、後悔していたらこうなるだろうか?
後悔というよりは、もっと違う、何かがあったような――

2364とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:14:12 ID:FN537Ee.

「……後悔していない。と、言っても信じては貰えぬだろう。
何せ、今の話は現在の私が記憶を辿って構築した話だ。

当時の私は全てを失ったショックで我を失い、気づいたときには全てを壊しつくしていたのだから。」

【大きすぎる反動だ。しかし、それは彼が非常に真面目で敬虔な聖職者であったことが窺える。
おそらく、属性魔法に関しても諦めはしなかったのだろう。

自身に才能が無いと分かっても、必死に掴もうと努力をし続けた。
しかし、いくら努力をしても、それらは甲斐なく自身から零れ落ちていったのだ。】

2365とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:24:46 ID:0d73YfD6
>>2364

「……そこは、後悔しているというべきところでしょうね」

「風帝の子は、殺されるのを望んでいたわけじゃ、ありませんから」

彼の子供のことだ。
紛争になるのを恐れられ、子供の内に殺された哀れな子供。
彼女の固有能力にも、その名はついている。

「失礼。出すぎたことを言いました……どうぞ、続きを」

2366とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:54:40 ID:FN537Ee.

「……ふふ。
そして、私は私の様な善でも少しの刺激で悪がへと転換すると理解した。」

【珍しく自身の言葉を遮るような言葉を発したマアスーメにくすりと。】

//遅れてすいません。

2367とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 00:59:57 ID:0d73YfD6
>>2366

「……」

そして、それがどう今にへと繋がるのか。
重要なのは、ソコだ。
――押し黙って、次につむがれる言葉を待つ。

2368とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:04:55 ID:FN537Ee.

「ああ。無論、私が善と言う過程の話であるがね。
だが、間違いなく善としての教育を受けてきたため問題は無かろう。

……では、善が悪に変わるとすれば、逆も在ると考えるのが当然であろう?」

【つまりは悪から善へ。
例えば、極悪人が改心し、憲兵などになるといったことであろう。

自身の様な例があるとするならば、その逆もありえる考えるのは道理だ。】

2369とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:08:05 ID:0d73YfD6
>>2368

「……風帝の子を殺した張本人の将軍も、風帝の後継者として君臨し、善政を敷きました。その通りかと」

悪が善に転じうるのは、ありえることだ。
彼女は頷いた。

「あなたは、悪人を善人にひっくり返そうとしているの、ですか」

そのためのこの場所で、そのための組織なのか。
そしてそれが彼の持つ野望なのだろうか。

「……」

が、ちょっと噛み合わない気がしている。

2370とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:13:10 ID:FN537Ee.

「……違う。私が知りたいのはその本質だ。

人の本質は善であるのか悪であるのか……あるいは両方か。
私はその答えを求めている。

性善説や性悪説といった説が蔓延る中で結局はどうなのか。


…………答えを得たい。」

【善が悪に変わろうと悪が善に変わろうと、そんなことはどうでも良い。
彼が求めるのは人間の本質そのものだ。

人間の本質を善と悪に分けるならば、どちらに該当するのか。
あるいは該当しない場合、その本質は何なのか。

それを求めて、ここに居るようだ。】

2371とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:18:10 ID:0d73YfD6
>>2370

「――ッ、それ、は」

思い当たる、節がある。
その本質とやらの正体が、ではない。それを追い求めること。
その答えが出せるとしたら、という領域。あるいは、存在。

(”根源””原初の渦”……何にしても)

簡単にたどり着ける境地ではない。
もしかしたら、他の手段でも答えは出せるのかもしれない。

「……いえ。どこまでも、喜んで、お供いたしましょう」

――が、主君がソコに向けて歩んでいこうというのなら。
忠臣であり、狐である自分は、後をついていくだけだ。

//ではそろそろ時間もいっぱいいっぱいなのでこれにて。

2372とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 01:28:06 ID:FN537Ee.

「……よろしい。
やはり、私の見込みどおりだ、君は。

そのためには〝秩序が外れた世界〟が必要だ。外からの思惑が何一つ無い原初の世界。
そこに置かれた生物は一体、どのような本質をみせるか。

……これが私の長年の命題だ。」

【何とも馬鹿らしい野望だ。
そんなあるかどうかも分からない辿り付けるかどうかも分からない物のためにここまでの事を。

だが、たどり着けるかどうか分からない道ならば、彼は過去に歩んでいるのだ。
もっとも、途中から叩き落されてしまっているのだが。

それゆえなのか、その途方も無い道を歩み、そして辿り着こうと言う。
その言葉に一切の迷いは無い。

その意志は本当に辿り着いてしまうのではないか、と思わせられるものだったとか、FO】

2373とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:27:06 ID:FN537Ee.
<王都近くの草原>

【何も無いはずの草原だが何かが焦げたような匂いとぱちぱち、と何かが焼ける音が響く。

と思うと、空中に一つ火の玉が現れた。その火の玉はそのまま地面へと落ちる。
火の玉が落ちると、あらかじめ油でも敷いていたかのように一気に燃え広がった。】

2374とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:29:52 ID:rqSHZSiw
紅い炎の様なボサボサの長髪に
其処から覗く一対の角と太い眉が目を引く150?程度の娘が

「……火事だああああああああああああ!いやっほおおおおおおおおおおい!!!」

草原を散歩していたのだがドタバタと駆け寄ってきた。

2375とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:38:30 ID:FN537Ee.

【燃え広がった火はごうっと音を立てて、立ち上っていく。
燃え方は自然現象のソレではなく、何らかの意思が介入している。

すると、上へと燃え広がった火はそのまま何やら形を取る。

それは、ゲートだ。火でできたゲートがあっという間に出来上がる。】

2376とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:39:43 ID:rqSHZSiw
>>2375
「…うぉー……なんぞこれ」

どうやら大規模に燃え広がりそうにもないので傍観を決め込む娘。
アホみたいにゲートを見上げている。

2377とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:48:19 ID:FN537Ee.

【ゲート状に燃える炎は強さを増す。
しかし、ゲートの形を取ったところからは燃え広がらないようだ。

そのまま何事も無く、終わり、これは単なる悪戯か何か…………では、もちろん無かった。

不意に聞こえてくるのは馬の蹄の音、嘶きである。
だが、周囲を見回しても馬の姿は無い。遠くのほうにも馬らしき影は無い。

また、こんな時間であるため、行商人の馬車が通るわけでもない。だが、馬の気配はある。】

「…………何だ。また、不届き者が居るのか。」

【その気配が濃くなった頃に聞こえるのは低い声である。
すると、目の前のゲートがごうっと燃え盛ったかと思うと、それらは姿を現した。

燃え盛る炎の体を持つ馬と、それに跨る騎士の姿だ。
もちろん、騎士は鎧を纏っているのだが、何故だか頭部はむき出しである。

しかし、妙に青白い肌や色が抜けたようになっている金色の髪の毛など人外を思わせる要素がある。】

2378とある世界の冒険者:2014/03/21(金) 23:53:28 ID:rqSHZSiw
>>2377
「何か出たっ!?誰だお前っ!?
 あっ!私はベルジェ=フランだっ!
 名乗ったぞっ!さあそっちも名乗れっ!!!」

びしぃっ!と相手を指さし捲し立てる姦しいの。

2379とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:03:31 ID:Hh//.Wl.

「……喧しい。静かな夜を汚す痴れ者が。」

【馬の嘶きと、炎の燃え盛るごう、という音。
そして、この騎士姿は何とも威圧的である。

何やら、捲くし立てるベルジェを見て、実に不快そうな反応を見せた。】

「貴様らは日がある時に、騒げば良い。
日が無くなれば、そこからは我らの様な夜の種族の時間だ。出る幕は無い。」

【そういうと手をひらり、と動かす。
すると、ゲートの火が操られるようにして、周囲に飛び散っていく。】

2380とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:08:11 ID:JZ82VTwY
>>2379
「痴れ者だとぅ!?…それどーいう意味だっけ!ど忘れしたぁっ!!」

一般人の4割増しぐらいの声を基本で喋る馬鹿相手には
的確な指摘であろうが…まあ、馬鹿なので。

「種族に昼も夜もあるかぁっ!火を矢鱈と周囲に飛ばすんじゃあないっ!!」

ピシピシと何かが固まるような音がそこかしこでしだす。

2381とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:18:03 ID:Hh//.Wl.

「もう良い。この夜と共に貴様も蹂躙してくれよう。」

【そういうと馬に乗ったままで腰にある剣を抜いた。
別に妖刀とか魔剣とかそういった類のものではないようで、普通の剣だ。

そして、周囲に飛ばされた火は燃え広がらず、ゲートの火と同じくその場に留まる。】

「カヴァル=ドラーハ……参る。」

【小さく呟くと同時に跨る炎の馬に合図を送る。
炎で形作られているが、それはほぼ実際の馬に等しい。

主人に合図を送られ、駆け出そうと準備を始める。】

2382とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:25:15 ID:JZ82VTwY
>>2381
「ぬ、やるのか?やるんだなっ!のぞむところだあああああああああああっ!!!」

ゴ、と音を立てて娘の周囲に炎が吹き荒れる。
草木を焦がす事もなく、だ。
ガシャシャジャキン!と音を立ててその両腕が鋼鉄で覆われ両の甲から剣が生える。

2383とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:29:27 ID:Hh//.Wl.

「……同じ属性か。良かろう。」

【馬のほうは臨戦態勢である。
そして、ベルジェが出す炎を見て、少し驚いたような素振り。

同じ属性の者と戦うことは少ないのかもしれない。】

「……行くぞ。ティロズ。」

【馬の名前であろうか。その名前を呼ぶと馬が大きく嘶いた。
そして、地面を軽やかに蹴りながら、ベルジェへと迫る。

馬の上では、カヴァルは剣を大きく振りかぶっている。
炎で作られた馬であるため、接触するだけでも惨事になりかねない。】

2384とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:35:34 ID:JZ82VTwY
>>2383
「ふんぬあっ!!」

跳躍し、馬の背丈を軽々とこえ、相手に向かって甲の剣二本を振り下ろす。
相手へと向かう跳躍で距離は確かに縮まるがどう考えても剣の間合いには程遠い。
が、それは甲の剣が振り下ろしと共に伸びなかった場合の話。
甲の剣はカヴァルへと至るほどの長さを持って振り下ろされた!!

2385とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:39:22 ID:Hh//.Wl.

「……っ?!」

【がきん、と剣同士が衝突し、擦れあう金属音。
カヴァルはその攻撃を防いだというのであろうか。

予想外の攻撃であったことは確かなようで、剣はカヴァルの手から
零れ落ちて地面に突き刺さった。

そして、見るとカヴァルの首が無くなっている。
先ほどの剣戟によって斬りおとされてしまったのであろうか。】

2386とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:42:52 ID:JZ82VTwY
>>2385
「おお、凄いな私っ!こうして王都の平和は人知れず守られたのだっ!!
 うはははははっ!!!」

両腕がヒトのものへと戻り、腰に手を当て高笑い。
周囲?見てません。

2387とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:47:46 ID:Hh//.Wl.

「…………。」

【命令するものがいなくなった馬はそのまま見当違いの方向へ……だが、馬はもちろん
首が無くなったその体すらも未だに倒れることは無い。

すると、小さな羽音の様なものが微かに聞こえかと思えば
何かが背後から急速に近づくような気配。

近づいているのは、紛れもなく落としたはずの首だ。
それが牙を剥き出しにして、食いつこうと背後から迫っているのである。

狙うはベルジェの首筋あるいは肩の辺りである。】

2388とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:51:17 ID:JZ82VTwY
>>2387
「ほへ?」

気の抜けた声をバックにして首筋へ噛みつく事は出来るだろう。
ただ、噛みつけた=歯を食い込ませる事が出来た、とはならない。
ガキン!と石にでも噛みついたような衝撃が来るはずである。
まあ、石をも噛み砕くチカラがあるなら問題ないのだが…

2389とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 00:57:11 ID:Hh//.Wl.

「……っ、なるほど。」

【噛み付いた感触で自分では噛めぬと分かったらしく、それは離れた。
と、同時に馬とソレに乗った首から下の体が旋回を始める。
よくみれば、その切断面から黒い煙様なものが上がっている。

また、ベルジェに噛み付こうとしたソレは首である。
ただし、先ほどと違うのは耳が肥大化し、それを翼の様にして飛行している点だ。

剣を落としているため、扱えないが片手を指揮者の様に振るっている。
その手には魔力が宿っており、先ほどから考えて扱う属性は火であろう。】

2390とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:00:30 ID:JZ82VTwY
>>2389
「ふっはっはっ!私は其処らのニンゲンよりチョットばかり硬いぞっ!
 齧ってみたければ竜の一匹でも連れてくるんだなっ!!」

相手に呼応する様に両手に炎を生じ構える娘。

「ジンガイリュージョをなめるなぁっ!!!」

2391とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:05:41 ID:Hh//.Wl.

「……仕方があるまいな。」

【迫りながら、魔力を持った手を振り上げるどの胴体。
そして、手から火球ではなくて、火炎を放出した。

移動しながら火炎放射をしているようなものなので、範囲は広く
また周囲のへの影響は強い。

それを避けるためか首は空中を高く飛ぶ。
首が空中に逃れると同時に始めに周囲に飛び散らせた火が勢いを増す。】

2392とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:09:58 ID:JZ82VTwY
>>2391
「炎操っ!!」

その場にとどまり炎を纏った両の手を突き出す。
自身の魔力強度の及ぶ範囲で周囲の炎を操り自らのほうへと集め始める。
周囲の被害を最小に抑える気なのだろう。

2393とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:17:44 ID:Hh//.Wl.

「…………。」

【空中から見ると、その様は良くわかる。
カヴァルの胴体が放った火炎はベルジェの力によって、集まりつつあった。

しかし、それは空中を羽ばたく首からすれば位置を教えていることに他ならない。
すると、頭部はちょうどベルジェの上辺りに来ると、口から勢いよく血を吐き出した。

それは自身の属性を付加した血液であり、血液が付着した箇所が燃えるのである。】

2394とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:19:09 ID:JZ82VTwY
>>2393
「んあ?のわああああああああああああ!?!!?」

娘が燃えだした。
集めた炎も制御を失ったのか周囲で炎を上げ始める。
こうして完全に炎にのまれ娘の姿が消える。

2395とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:26:33 ID:Hh//.Wl.

「……まさか。」

【あっさりと火に飲み込まれてしまった娘を見て、首が胴体と再び一体化する。
だが、その燃える様子を見ても、にわかには信じられないといったリアクションだ。】

「リュージョ……分からぬが仮に〝竜の血族〟ならばこれで終わりではあるまい。
我が牙も通さぬ体……我が炎ごときで尽きる身ではなかろうに。」

【油断はしない。それは彼女が人外の類であることが分かっているからだ。
また、同じ火属性を扱うものである。火にはある程度、耐性があるはずだ、と。】

2396とある世界の冒険者:2014/03/22(土) 01:48:23 ID:Hh//.Wl.
//20分経ちましたので、お先に失礼します。お疲れ様でした!

2397とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 00:23:27 ID:4iZIeuPo
「………さて、前に大口叩いたわけだけどひとつ問題があった。」
イシュカを連れて王都を歩く一人の青年。
いつものように軽鎧に左肩を隠すようにマントを羽織った出で立ちだ。
その表情は……あんまり芳しくなさそうだ。

「その……なんだ。
俺の妹があってみてから家族にするか考えるんだとさ。
……すまんな。」
右手で困った等に自身の頭を掻きつつそう告げるのであった。
つまり歩いている先は……デズモンドの実家ということだろうか。

2398とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 00:32:15 ID:.QmeK9.s
「……いえ、無理を言ったのは私のほうですから」

なんでもないように笑って見せたのは、
長袖の白いセーターに身を包んだ、小柄な少女だった

少女はデズモンドの後ろをテクテクとついていく
時折、少女にとって目新しいモノが視界を横切ったが、
彼女は見向きもしなかった。
口では笑っているが、内心は不安なのだろうか

2399とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 00:44:26 ID:4iZIeuPo
「……まぁ、俺のツケをお前に支払わせちまっただけだ。
埋め合わせは、何かの形でする。」
イシュカの何でもなさそうに振る舞った態度と、その後の緊張しているかのような様子を見て申し訳無さそうにそういうのであった。

「まぁ、ここが俺の家だ。
……と言っても借り物だから我が家って言うには微妙だけどな」
そして、辿り着いたのは小さな一軒家
見たところ一階建てで部屋もだいたい3つくらいの小さなものだろう。
質よりも安さを意識しているであろうそれは見栄えははっきり言って貧相なものになっている。

2400とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 00:52:20 ID:.QmeK9.s
「埋め合わせだなんて、そんな……
……感謝すべきは、わたしのほうなのに」

俯いてしまう少女。デズモンドともう一人の少女がいなければ、
今少女はこうして歩くことすらままならなかった
その事実が変わることは永遠になく、少女もまた胸に刻み込み続ける。

「……本当にいいんですか? わたしが……その、お邪魔して」

狭い家に自分が世話になればさらに家が狭くなりかねない
そんな、失礼とも取られかねない気遣いを少女はする

2401とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 01:10:58 ID:4iZIeuPo
「まぁ、お互いに譲り合っちゃあ世話ないか。
ここはお互いに感謝するってことでどうだ。」
さすがに何度もこんなやりとりをしていてはイシュカに嫌がられるかもしれない。
暗い雰囲気になる前に、早めに会話を切り上げるのであった。

「ああ、そんなことなら別に構わないさ。
一人増えるくらいだったら、むしろ歓迎すると思うぞ。」
そう言いつつ、頭を撫でる。
どこか、不安そうにも見えたから。安心させるように

「そんじゃ、入るぞ……。
うい、ただいまー!」
何はともあれ入ってみなければ妹と話すこともできないと早速扉を開けて中に入っていく。
鍵が開いていたことから中に人が入るのだろうか。返事はないが。

2402とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 01:19:31 ID:.QmeK9.s
「なるほど、名案です」

少女はこくり、と頷いて賛成する
身勝手にも、気分が幾分軽くなったようで
それは足取りに現れた

「……はい」

少女は歩きながらではあるが、目を閉じ、デズモンドの優しさに甘えた

「えっと、お邪魔、します……」

音を極力立てないように配慮しながら、
恐る恐るデズモンドらの家へ足を踏み入れる
さながら泥棒のようだ

2403とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 01:30:03 ID:4iZIeuPo
そこにはデズモンドと違って茶髪の小柄な少女がそこにいた。
テーブルに座っていて、いかにも話す気満々といったところ

「………えーと、コートニー?」
『私が寛大なことに感謝してくださいよ、兄さん。
事情も話さずに女の子を追い出そうなんて、考えていませんからね。』
穏やかそうに見える顔つきであるが、表情は険しい。
故に、今、この少女が本気で怒っているとわかるだろう。

『えーと、不出来な兄がお世話になってます。コートニーといいます。
機嫌が悪いのは兄さんのせいなので、気にしないでください。』
そして、イシュカに向き直るとどう接したものかわからなさそうな、困惑した様子でそう話を切り出す。

2404とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 01:50:31 ID:.QmeK9.s
「……」

険しい表情に、少女は思わず身じろぎする
が、すぐに佇まいを整えて、目の前の小柄な少女と向き合う

「コートニーさん、です……ね
ええっと、わたしは、イシュカといいます」

少女もまた、どう接すればいいのか決めかねていた
まして、少女は頼む側の人間だ

「……遠慮は、なさらなくても……構いません
無理を言おうとしているのは、わたし、ですから」

時折生じる不自然な間は、言葉を慎重に選んでいることの現れだった
間が生じているものの、視線は決してコートニーの目から外さない

2405とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 02:05:46 ID:4iZIeuPo
しばらく険しい表情のままイシュカを見ていたコートニーであったが……
観念したようにため息をつくと困り果てたように

『……なんと言いましょうか。
怒るにしてもあなた……イシュカちゃんに怒ることはないですもんね。
変な事言ったのは兄さんですし、イシュカちゃんってすごいいい子そうだし。』
と言って元々の穏やかそうな顔に戻るのであった。
といっても、ごきげんなんてものではなく、複雑そうなものが見え隠れしているが

『と言うより何があったんですか。
婚約なんてものじゃなくて、同棲でもない。家族になるなんて相当なものがあったんでしょうよ。』
「……えーと、その……だな。」
事情を話せと問い詰めるコートニーに対してたじろぎつつ、チラッとイシュカのことを見るデズモンド。
傍目から見れば情けないだろうが、一応これでも"本当のことを話していいのか"ということを確認するためのことだ。
許可無く話すには……少し悲しすぎる話だから。

2406とある世界の冒険者:2014/03/28(金) 02:22:55 ID:.QmeK9.s
「……そう、でしょうか」

いい子、と言われても、少女はピンと来なかったらしく、そうぽつりと漏らす
少女は悪い子、と言うモノをよくは知らなかった

デズモンドの合図を受け取り、少女は小さく頷き、合図を返した
注視しなければ気づけないぐらい、小さな頷き

「……有り体にいえば、居場所を失いました」

簡潔に、今自分が置かれている状況を、少女はコートニーに伝えた
言って、俯いてしまった

2407とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 01:57:01 ID:RQrXbmCQ
『えーと、私の友達と同じような雰囲気がするんです。
なんか騙されやすそうな、私が付いていないと!って思わせるようなそういう雰囲気。
そんな空気纏える人に悪い人はいませんからね!』
実際、自身でもどう説明すればいいのかわからないようで、そんな曖昧な言葉を返す。
ただ、それは本心であることには変わりないようだ。

『あー……すいません。事情がわからなかったもので。』
居場所を失ったとだけ聞いて事情を察したのか困り果てた様子の少女
察した内容と事実とは結構な差がありはしたが、それ以上聞く気は無いようだ

『……話はわかりました。
家族になるかどうかは別としても何かしてあげたほうがいいですよね。
家も、まだまだ余裕はありますからね。』
事情を察してくれたのか、諦めたようにそんなことを言っている少女。

2408とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 02:12:47 ID:37fbp06.
「だ、騙されやすそう……」

無知故に色々苦労したことをふと思い出して、苦笑いしつつも

「……ありがとうございます、コートニーさん」

曇り一つない笑顔を浮かべて、精一杯に感謝の心を伝えた

「……できる限り働いてお金は稼ぎますし、当然ですが家の手伝いもします
迷惑は、極力掛けないようにするつもりです」

王都に来て、改めてお金の大切さを思い知ったために、
少女はそう言った

「ありがとうございます、本当に……」

頭を下げて、少女は改めて感謝した

2409とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 02:24:31 ID:RQrXbmCQ
「…………まぁ間違っちゃいないな。」
『その純真さは、決して買うこの出来無い利点ですからね!
正直な話……そういう純真さは私も欲しいのです。』
そんなに深刻な欠点でもないと思っているようで、逆に羨ましがっている。
隣の芝は青く見えるのだ。

『いやいや、そんなに張り切らなくてもいいですよイシュカちゃん!、
………この子本当にどうやってひっかけてきたんですか、兄さん。』
「色々あったからな。
……と言うより引っ掛けるだなんて言うなよ、人聞きが悪い。」
自身の予想以上にいい子だったイシュカの様子を見て、予めストップおかけておく。
こういうタイプは働き過ぎると知っているのだ。

デズモンドとイシュカの体格差を見てるのに関係を疑うコートニーも大概である。

『と言う訳でよろしくお願いしますね、イシュカちゃん!
……同棲してる時点で、家族みたいなものですが。』

2410とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 02:34:48 ID:37fbp06.
「……そう、でしょうか」

困惑する素振りを見せつつも

「わたしは逆に、お二人が羨ましいです
わたしよりも沢山の知識を持ってますから」

少女もまた、隣の芝生は青く見えるらしい

「本当に、優しい人たちです……
……引っ掛ける?」

知らない言葉だったのか、少女はきょとんとした

「はい、……コートニーさん
……家族なら、コートニーお姉さん?
……なら、デズモンドお兄さん?」

相変わらず少女の感性はどこかずれていたようで
そんな風に言って悩んでいる

2411とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 02:53:27 ID:RQrXbmCQ
『私なんてまだまだですよ!
ですから、イシュカちゃんもその内私くらい賢くなれますよ!』
年齢と体格がそぐわない事に気づいていないので年齢通りの体格だと思っているコートニー
まだまだ発展途上だと考えているようだ。

『……や、引っ掛けるって……いや、なんでもないですよ!』
「ああ、なんでもないさ!深い意味は無い!」
デズモンドはともかくコートニーはイシュカが無垢であるとわかっていなかったようで二人してごまかそうとしだす。
……それと同時にデズモンドを怪しそうな目で見たコートニーであるが。

『あ、だったらおねぇちゃんとか呼んで欲しいです!
私、妹欲しかったんです!』
「……………コートニー、お前なぁ……。
俺のことは前と同じように呼ぶといいさ。関係は変わっても態度まで変えんでいい。」
家族になるのはともかくとか言っていたのだが、それはそれということらしい。

2412とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:03:19 ID:37fbp06.
「……ふふ、だといいですね
デズモンドさんたちのお陰で、せっかく人並みの時間を得られたわけですから」

かつての特異な力のせいで体格と年齢にズレは生じているが、
その感性は環境のせいもあって体格相応だったりする

「……? そうなのですか……?
あとで、調べてみようかな……」

とりあえずごまかされた少女

「はい、おねぇちゃん……ちょっと、照れちゃいます」

初めての経験だからか、ほんのりと白い頬を赤らめる

「デズモンドさんは、これまで通りデズモンドさんでいいんですね
わかりました、デズモンドさん」

と、デズモンドにはいつも通り名前呼びの少女だった

2413とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:14:24 ID:RQrXbmCQ
『………兄さん、イシュカちゃんってただならない事情持ってるんじゃ……』
「悪いが、ノーコメントだ。」
イシュカの言動を怪しく思ったコートニーであるが、デズモンドにはぐらかされて不満気な様子。

「…………。」
いざ調べようとした時にストップサイン出せばいいやとか思ってる青年。
いま辞めさせようとすると話しがややこしくなるから。

『………………お、おおー。』
おねぇちゃんと呼ばれて顔がニヤついている少女。
これ頼めば家族になれんじゃねって思うくらいちょろい。

「おう、これからよろしくな。」

2414とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:25:45 ID:37fbp06.
「別に、大したことじゃありませんから」

屈託のない笑顔を浮かべて、なんでもないように
もうすべては終わったことだ

「改めて、よろしくお願いしますね
おねぇちゃん、デズモンドさん」

少女自身、家族になろうと言われている割に、
改まった口調を崩そうとしなかったりする
つまるところ、少女もまた壁を感じていたのだ

2415とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:42:29 ID:RQrXbmCQ
『………む、むぅ……そう言われると踏み込めませんね。』
本人からそう言われれば無理に聞くこともできず複雑そうに見て。

「んー、なんか家族というにはもうちょいラフな感じでもいいと思うけどなぁ。
お互い初対面だから仕方ないにしても、な。」
『私は普段からこうですけど……まぁもうちょっと砕けた感じで接しますか!
イシュカちゃんを愛で……スキンシップは後でするとして。』
堅苦しさを感じつつもお互い敬語で話す為これが普通なのかとも思ってしまうデズモンド。
……コートニーがなんか不穏な言葉を発しているが。

『……まぁ、それはそれとしてご飯にしましょう!
イシュカちゃんも減ってるでしょうし、腕によりをかけて作りますよ!』
何はともあれ歓迎すべきだろうと、立ち上がって腕まくりとともにそういうコートニーであった。

2416とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:50:33 ID:37fbp06.
「……スキンシップ、ですか
お、お手柔らかに……」

後にいろんな意味で少女は彼らと打ち解けて、
口調も砕けたものへと移ろいでいくのだろうが、それはまた別のお話

「あ……、わたしもお手伝いさせてください
お世話になりっぱなしというのは、やはり気が引けますし」

手伝う気満々の少女だった

2417とある世界の冒険者:2014/03/29(土) 03:55:36 ID:RQrXbmCQ
『ふっふっふ、そんな変な意味はありませんよ?』
その不敵そうに笑っている表情からは全然信用出来ない。

『お、それじゃあ早速お願いします!
兄さんはなにか食べたいのあります?』
「いや、好きなのでいいや。
何ならイシュカの好きなの作っていいし。」
一人増えただけなのに一気に家が賑やかになる。
家族と思ってくれてるのかそうじゃないかは別として、これ程嬉しいものはない、デズモンドであった………。

【FO】

2418とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:03:08 ID:58xoOfaw
<王都近くの草原>

「……く、全く厄介な力を……!」

【銀の三つ編みに半袖のジャケットを羽織った女性が音も無く走る。
……というよりは撤退しているといった表現が正しいであろうか。

後ろから追っ手が来る様子は無いので、上手く逃げ切ったのだろうか。

彼女の服は何やら黄色に濁ったどろりとした液体が付着しており、それらは甘い香りを放っている。
少々、色などは異質であるものの、どうやら蜂蜜らしい。】

2419とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:17:35 ID:7D0kAkNM

「――力の波動を感じてみれば」
「……矢張り、俺ではそう出会えんか。――無事か?」

そんな女の前に、以前見た、青いコートの男が舞い降りる。
その背中には黒色の、鴉を思わせる大きな翼が広がっており、羽根がひらひらと地面に舞い落ちている――。

2420とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:18:24 ID:FOPNQvRc
「ん、なにやらいい匂いが!
でもこの匂いに引き寄せられる私ってカブトムシ?」

匂いを嗅ぎつけて、ポニーテール姿の少女が歩いてきた
すると、そこには見覚えのある女性の姿

「……なにかありました?」

その異様な姿を見て、少女はどこか心配そうに声をかけた

2421とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:25:56 ID:58xoOfaw
>>2419
「……遅れは取りませんでした。
……いえ、〝幸いにも〟と付けた方が正しいでしょうね。」

【男……加えて女性の姿を認めると足を止めた。
そして、足の魔力を解除して、地面に足をつける。

どうやら、音をさせないために僅かに浮遊した状態で走っていたようだ。】

>>2420
「…………端的に言えば、通り魔です。
複雑と言えば複雑な事情ですが、とりあえずはその様に理解した方がいいでしょう。」

【付着している液体は少々、見た目が異常の蜂蜜というだけらしく
何らかの変化を見せることは無い。】

2422とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:29:29 ID:7D0kAkNM
>>2420
視界の端に、見知らぬ男がいる。

青いコート、碧色の髪、背には魔力で生成されたと見える黒翼。

……気質の人間ではなさそうだ。

>>2421
「そうか、……一先ずは無事で何より、だ」
「――今から行っても、出逢えんか、……難儀な身だ。」

黒翼を一度羽撃かせて消しては、『空間に』手を突っ込む。
……時空魔法の一種、空間保存の物だろうが――

「……良ければ使ってくれ、変なものは入っていない。」

液体の入った小瓶を取り出して渡す。
一般的な、魔力回復系のポーションだ。

2423とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:38:44 ID:FOPNQvRc
>>2421
「通り魔……それは大変です、なにせ人に危害を加えるわけですし
いっそ懲らしめたほうが……いえ、なんでもありません」

目の前の女性の追いつめられようを見て、少女は言葉を飲み込む
一人で向かって敵いそうになかった


>>2422
(……強そう、凄そう、怖そう)

少女は彼を見て、感想を抱いた

「……でも、悪い人じゃなさそう
だって、人助けをしているわけだし……はっ!?」

途中から思考が口に出てしまっていたらしい少女

2424とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:43:40 ID:58xoOfaw
>>2422
「……〝彼女〟はもしかすれば物事の分別がついていない可能性があります。
様子は大分変わっています。……正に噂通りになりつつありますね。」

【噂と言うのは例の〝蜂蜜の怪物〟である。
つまりは本当に怪物の様な状態になっている、ということらしい。

この場合は理性的か否か、を指す。】

「受け取っておきましょう。お気遣い感謝します。」

【素直にポーションを受け取った。
ちなみに蜂蜜を少しばかり浴びているくらいで外傷は無いらしい。】

>>2423
「全くです。……ですが、不用意な進撃は命にかかわります。
……貴方とて例外ではありません。

この時点で尻込みをするような者が、こんな時間に出歩くべきでは無いでしょう。」

【少々、厳しい物言いではあるものの、それはソフィアを気遣ってのものである。
この時間ともなれば王都の外はほとんど魔窟のようなものである。】

2425とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:48:14 ID:7D0kAkNM
>>2423
「……声に出ているぞ」

く、と小さく口の端を歪めてそう言う。
悪人、では無い。……ようだ。

雰囲気は剣呑としたものだが、ソフィアに敵意を向けて来る事も無い。

>>2424
「……行き着く先は、そんな所だろうな。」
「……話しても無意味、か。矢張り。」

強制的に理性を取り戻させる方法が無い、――訳ではない。
が、八割型その後に「壊れる」。元の阿弥陀だ。

2426とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 00:56:08 ID:FOPNQvRc
>>2424
「……い、いえ、別に、その通り魔に恐怖したわけじゃありませんからね!?
む、向こうから向かってきたならば、魔法で煮て食ってやりますとも、ええ!」

目が泳ぎまくっているあたり、強がりが入っていることは明らかだ

「まあ、自分から喧嘩を売るかと言えば……
……難しいところではありますけど」


>>2425
「……やっぱり!?
強そうだとか怖そうだとか凄そうってところも声に出てました!?」

少女は焦りを覚えて、余計なことまで口走った

2427とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:04:15 ID:58xoOfaw
>>2425
「少なくとも以前はそうではなかったはずです。
彼女も彼女の法則にしたがって、行動していたことには間違いないでしょう。

しかし、どこかで何かが狂った……と推測します。」

【確かに噂と彼女の出現時期とは微妙に差がある。

もちろん、以前の段階でも通り魔であったことには変わりは無いのだが
今現在の暴走状態ではなかった。】

>>2426
「……売らない方がいいでしょう。買われたら終わりです。
きっと無残なことになるでしょう。

アレに襲われた後は壊され尽くしていますから。」

【どうやら、襲われて手に掛かったが最期、容赦なく破壊されてしまうらしい。
それはもちろん、人であっても物であっても同様なのだろう。】

2428とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:24:10 ID:FOPNQvRc
>>2427
「……こ、壊されつくされる、ですか
痛そうです、顔を歪めそうなぐらい、失神するぐらい」

少女の顔がみるみる青ざめる

「……そういえばその通り魔さん、昼間も活動してたりしますか?」

なにか思うところでもあったのか、少女はそんな質問を投げかける

2429とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:25:07 ID:7D0kAkNM
>>2426
「そこは出ていないが……まぁいい」
「その癖は、直した方が良いかもな」

俺は気にしないが、と一つ付け加えて。

>>2427
「ああ、そう聞いている。
 ……何かの影響を受けた、か。 或いは上がすげ変わったか、……まぁ、前者だろうな。」

「とは言え」
「殺ることは、あまり変わらないが。」

言って、目を細める。
周囲の魔力を探っているようだが――

2430とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:28:06 ID:FOPNQvRc
「……そーですね、気をつけます
軽い女の子だって思われたくありませんし」

といいながらも、気にしないと言われて

「……あはは、ありがとうございます」

と控えめに笑って見せた

2431とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:41:43 ID:58xoOfaw
>>2428
「……昼間にも現れるかもしれませんね。
以前はそんなことはほぼ無かったようですが、最早わかりません。」

【もう一人の男に言っているように行動パターンが変化している。
そのため、以前の知識ではもう通用しないのである。】

>>2429
「彼女はもう現れないかと。
……こちらも一矢は報いていますので。」

【魔力を探っているらしい彼に声をかける。
彼女の言うとおり、あるのは残存している魔力くらいである。

一つは彼女独特の蜂蜜魔法、もう一つは雷の魔法である。レヴェスのものであろう。】

2432とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:46:12 ID:7D0kAkNM
>>2430
「相手に不快感を与える、かもしれんな」
「――兎角、今日は帰ると良い。」

「万が一、この話の”通り魔”に出会っても」
「この時間では助けもコないだろう。」

>>2431
「……いや、――魔力の波形を覚えておきたかった」
「次に何かあった時に、出逢える様に、な」

細めた目を閉じて、魔力の残滓を"覚える"。
はちみつ魔法の波形と、レヴェすの雷電の残滓。

次は、見逃さない。
天運があれば、だが。

2433とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 01:59:14 ID:FOPNQvRc
>>2431
「……もし昼間にも現れたなら、人が大勢襲われそうですね
そうなったら、大勢の人が……」

言って、少女はまた顔を青ざめさせた

「……でも、もし夜中にも活動して、昼間にも活動するとなると
いつ、寝るんでしょうね?」

またずれたことを言う少女

>>2432
「ああ、不快感ですか……不快感
……はい、気をつけます、ごめんなさい」

落ち込み謝罪しつつも

「……まあ、今通り魔は身動きできないようですし、
逃げるにはちょうどいいタイミングなのかもしれませんが……」

悩むような素振りを見せたかと思うと

「……少しでも、情報は仕入れておきたいという自分もいるわけでして
ほら、お二人の話を覚えておけば、私が襲われた時に役に立ちそうですし」

2434とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 02:14:37 ID:58xoOfaw
>>2432-3
「なるほど。……彼女は特徴的な魔法です。
一度でも感じることができれば、忘れることは無いでしょう。」

【納得したように呟いた。

特殊な魔法ゆえにただでさえ分かりやすいのだから
その波長を掴んでしまえば、探すことも容易であろう。】

「……さて。そろそろ、私は行かなければならないので。
お二人とも……特に貴女はよく気をつけて、帰るように。」

【ソフィアのほうにチラリと目を送ると、踵を返して去っていた、FO】

//ちょっと限界なので、お先に失礼します、お疲れ様でした!

2435とある世界の冒険者:2014/03/30(日) 02:30:30 ID:FOPNQvRc
「……はい、そうですね、気を付けます
ではお二人とも、さようならです」

釘を刺されながらも、そう言い残して少女もまたどこかへ去って行った

//了解、お疲れ様でした!

2436とある世界の冒険者:2014/04/09(水) 23:02:31 ID:rapB5T9Q
<王都近くの草原>

「……いやはや、どいつもこいつも熟す前に枯れてしまうとは。
だが、アレだけは成功と言っておこうかの。

幸いにも彼奴の力はわしとよく馴染む……。」

【紺色の和装をした腰の曲がった老人が一人歩く。
杖をついて歩いているが、それほど足取りは重くは無い。

妙なところと言えば、老人はまるで死人の様に青白く、体毛が一切存在しない。
また、シワだらけの顔についている目は落ち窪んでおり、まるで黒い穴だ。】

2437とある世界の冒険者:2014/04/09(水) 23:13:55 ID:rapB5T9Q
FO

2438とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 01:55:06 ID:jnhfUxs2
【王都/裏通り入り口付近/"何でも屋" Devil Must Die】

王都裏通りの奥へと続いていく、明るい広場との境界。
その間に立つかの奥まった所に、電魔石の装飾をされた看板が下げられた二階建の事務所がある。

Devil Must Die《悪魔に死を》。
曰くその事務所の主は蒼銀の悪魔であり、人に仇なす化外を喰らい殺す、「魔王」であるとか。
曰く、その事務所の主は血も涙も無く道理に反すれば身内であれ容赦無く殺害するだとか。
曰く、それに狙われて生き残った者は片手で足りる、だとか。

何時の間にかそんな噂が立つ、不気味な場所となっていた。

……電魔石の傾向看板は、その話を嘲笑うかの様にぴかぴかと、輝いている。
さながら、誘蛾灯のように。

2439とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:04:23 ID:OjDnPuP6
こん、こん。


雰囲気に似つかわしくない、丁寧なノック音。
きっちりと1秒掛けて自身の来訪を示す。

どの様な場所か分かっていてなお、この様子。
邪気の記憶を辿れば、すぐ誰か分かるだろう。

「御免下さい。」

声を聴けば、姿まで浮かぶ様だった。

2440とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:08:44 ID:jnhfUxs2

≪合言葉は?≫

ドアのノックに一度、却って来たのは無機質な合成音声。
機会的な……人形、ゴーレム、魔導兵器を思わせる様な音声だったが。

「ナチャ、良い。」
「……随分と珍しいのが来たものだ。開いているから、好きに入ってくれ。」

次いで、聞き慣れた……幾許か低くなった声が帰って来る。
同時にかちり、と鍵の外れる音の後に扉が音を立ててきぃ、と開く。

ドアの隙間からは壁に掛けられた蒼いコート、多様な魔具が見えた。

2441とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:16:33 ID:OjDnPuP6
「……お邪魔致します。」

扉の開く気配を察し、僅かに横へと動く。
そして90度のお辞儀をしてから入室。

遠目にも変わらず、朱色の和服に白鞘、白い肌に黒髪のよく似合う美人が見える。

「履き物は、脱がなくても宜しいですか?」
しかし相変わらず、変な所でネオベイ感の抜けない人物だ。

2442とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:22:56 ID:jnhfUxs2

内装は、僅かばかりに威圧感がある。
壁に掛けられた絵画や、調度品、……部屋の隅にある自動演奏魔具。

書類をしまっておくのだろう棚と、現在進行形で脚が放り出されている事務机。
壁には劔、手甲、脚甲、大鎌、或いはスーツケースや盾の様にも見える魔具の数数。

心臓の弱い物が入れば、腰を抜かすのではないだろうか。

「”こっち”は洋室作りだ、履いたままで良い。」
「……それで? 随分久し振りだな、メガデウス以来か。」

目的の人物は事務机に脚を放り出して、読んでいたのだろう何かの書類の束を机に放って。

「てっきり、リーチマンと一緒になったか旅を続けているのか、とでも思っていたが。」
「何か、用事でもあるのか。 ……遠峰。」

碧色の髪と蒼色の瞳をそちらに向けて、そんな事を問う。

2443とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:30:23 ID:OjDnPuP6
「……。」

もとより、異国文化はどちらかと言えば興味の対象。
はしたなくない程度に視線を巡らせた後、あ、そうでしたか。と返答する。

思えばメガデウスと交戦状態にあった時も、躊躇なく船から水面へ飛び降りたりもした。
華奢な見た目に反して据わった胆である事だ。

「遅れ馳せながら、お久し振りです。邪気殿。
少し、背が伸びられましたか?」
旧知との再会で嬉しそうに顔を綻ばせ、頭を下げる。

「いえ、ヒル殿とはあれきり。
私も、私が為さねばならぬ事がありましたから。」

2444とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:36:02 ID:jnhfUxs2
「……上には、和室もあるがな。」

娘には言っていないが、半分はネオベイの血が流れている。
日本刀を使うのも其れが所以の様な所もあるし、畳や日本文化事態は、嫌いでないらしく。

「自分では分からんさ、比べる相手もそう居ない。」
「元々、低い訳でもなかったしな。」

目寸で170超、と言った所か。座っているからはっきりはしないが。
今の格好は鄢の無地シャツに青いジーンズ、トレードマークの様なコートは以前佩いていた日本刀近くに掛けられている。

「なんだ、リーチマンはフられたか。」
口の端を僅かにだけ釣り上げて、皮肉げな言葉を投げて。
事務机から脚だけをおろして。

「……それに関連した依頼なら、此処で聞く。」
「個人的に訪ねに来たなら、奥の客間にでも案内するが?」

此処は普通の話をするには向かん、と。
壁に掛けられた魔具を見渡して。

2445とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:51:12 ID:OjDnPuP6
「本当ですか?」

顔が喜色を示した気がする。
椅子にでも正座する程、生粋の日本人なのだから猶更か。

「ふふ、では背が伸びられましたね、と断言しておきます。」
袖ごと手を口に当て、クスクスと笑む。

「ヒル殿には、私が未熟な故……父の面影を重ねていたのかも知れません。
ですが、それももう無いでしょう。」

彼女もまたネオベイへと戻り、色々と片付けて来た。

「久方ぶりに王都へと戻って参りましたので、噂を辿って訪ねて参りました。
お仕事でなければ、ご迷惑でしたか?」

2446とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 02:55:58 ID:jnhfUxs2
「……落ち着くからな、畳は。」

とは言え、最近は利用してないが。
掃除こそ使い魔にやらせているものの、二階に上がる事事態少ない。

「そう言うなら、そうなんだろうな。」
肩を落としてそう返す。
社交的、にはなったが、何処か、以前と違う雰囲気も、する。

「…………可哀想になって来たな。」
知らぬ所で一刀両断、別にどうとも思わないのだが。
アレなら瘤付きとは言え引く手は数多であろうし。

「噂、か。碌な噂でも無いだろうに良く尋ねる気になったものだ。」
「……どうせ、今晩は暇をしていた、茶でも出そう。」

椅子を立ち上がると、どういう仕掛けか奥のドアが音も立てず静かに、勝手に開く。
奥の方には廊下と、扉、階段。

先導するように、ジャキは二階へと上がっていった。

2447とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:14:28 ID:OjDnPuP6
「ええ、あの匂いを嗅ぐだけで心が落ち着きます。」

一度ネオベイに戻ってしまっただけあり、直ぐに恋しくなってしまっていけない。

「そちらも、色々と難儀されて来た様ですね。」
その雰囲気を察してか察せずか、そんな事を言い

「……可哀想、とは?」
はて、と首を傾げながら。
想いを明かされたとはいえ、男性と交際する気などあの時の夢路には考えられぬ事。
故に。

「有難く頂戴致します。」
先導に続き、草履を鳴らしてしずしずと上がって行く。

2448とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:21:03 ID:jnhfUxs2
「……こういう血なら、歓迎なんだがな。」

望郷の念。今は違う父母が居るとは言え忘れる訳もないものだ。

「別に、なんて事は無い事だ。」
「何て事の無い、よくある話があった、それだけの事だ。」
階段を上がりながら、一瞬何処か遠くを見て。

「いや、良い。多分言っても解らんだろう。」
「その手の話には、無縁だろうしな。」

そんな物は自分も、だが。
”彼女等”については会わす顔が無い、それ以外にも、そうだが。

「適当に座っていろ、菓子でも持って来る。」

二階の廊下、突き当り。
そこだけ異質な襖を開くと広めの畳、木造の和室が有る。

部屋の真中には囲炉裏まである始末だった。

2449とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:25:51 ID:OjDnPuP6
「……邪気殿?」
想い馳せる様子に、首を傾げる。

「では、左様に。」
これ以上は追及しない、という意味合い。
静かに後ろを追って行き。

「はて……。」

「これは……風情がありますね。
良いのですか? いきなり訪ねたにも関わらず、ここまでしていただいて。」
持て成しは嬉しくもあるが、やはり少々遠慮してしまう様子。

2450とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:29:36 ID:jnhfUxs2
「父……ああ、孤児院で無い方の、だが。」
「ネオベイ人だった、……何度か日本にも行った事がある。」

最初に一度、それ以降は暇を見て一年に一度。
墓参りと、父の友人への連絡も兼ねて。 ……龍でひとっ飛びだ。

「時空魔術の序に空間を拡張して……分からんか。
 別に良い、大して使っても居ないしな。」

それだけを言い残して、一度階下へと降りて行く。
部屋内は見回してみれば掛け軸や……写真立て等がある。

だが、人気が無い。
本当に余り使ってはいないようだ。

2451とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:37:16 ID:OjDnPuP6
「……まあ。
では邪気殿とは同じ邦の血が流れていたのですね。」

雰囲気は感じつつも、驚いた表情を見せる。
確証が持てなかったが故、半分忘れていたのだろう。

「あ、いえ。絡繰りの事ではなく……
折角の暇なのですから、私などにあまりお気遣い頂かなくとも良いのですよ?」

写真立て。
やはり人模様が気になってしまうのは人間の常である。
無礼ながらもちらりと視線をやった。

2452とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:40:21 ID:jnhfUxs2
「半分、だがな」

今はその件で錬魄刀という物が使えないか、と言うのを試しているのだが。
その事については、割愛。


……部屋の端、棚に置かれた写真立て。
そこには碧色の髪の穏やかな顔をした女性と、何処かジャキに似た顔立ちの男が写っている。。

ただ、その表情はジャキに似つかぬ朗らかな顔をしているが。
女性の腹が膨らんでいるのを見るに、……恐らく、この写真は……。

2453とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:48:54 ID:OjDnPuP6
「……御両親、ですか?」

自分の家に、全くと関係無い夫婦の写真など置いたりは滅多にしないだろう。
夢路がそういった質問を寄越すには、十分だった。

2454とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:51:54 ID:jnhfUxs2

「ネオベイの、父親の実家に遺っていた一枚だけだがな。」

背後で襖が綴じられる音。茶菓子を持って戻って来たようだ。
……盆に乗せられた急須と茶碗、……と、芋羊羹。

以前は、精霊の娘二人が客人として来ていたからそれ様に用意していた甘味と、
個人的な来客……孤児院の、は余り来ないが……様の物だ。

「本来なら飾るのも烏滸がましいがな。」
「……茶菓子は羊羹で良かったか。」

茶碗と羊羹の乗った皿を置いて、自身も座る。
流石に正座ではなく胡座だが、

2455とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 03:59:25 ID:OjDnPuP6
「……実家、ですか……。」

小さく眼を瞑って、幾度か思案する様子を見せる。
その瞳は、どこか憂いを帯びたようだった。

邪気の言葉からして、恐らく両親はもう居ない。
そして、最近の事ながら、自身を最も変えた出来事を想い出したからだ。

「頂きます。
昔話を、一つ。宜しいですか?」
哀しみを仄かに湛えた笑みを浮かべながら、皿を取り。

2456とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:03:53 ID:jnhfUxs2
「……俺が殺した。」
「父も母も、……弟もな。」

言い終えて、茶を一口。
その後に下らない話だ、と加えて羊羹を齧る。

多くを語る気は無さそうだ。
今は、別の家族が居るという事もあるし。

「気の利いた事は言えん。
 話すなら、好きにしろ。」

何処か素っ気無く、瞑目したままそんな返し。

2457とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:12:59 ID:OjDnPuP6
「……そうでしたね。」

小さく茶を啜り、息を吐く。
眼を瞑り、何を頭の中に巡らせるのか。

「…………。」
一瞬の沈黙の後、静かに眼を開いて話始める。

「……私も、父をこの手で殺めました。」

2458とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:15:11 ID:jnhfUxs2
「……俺には今、家族が居る。」
「忘れる気は無いが、引き摺る気は無い。」

それに関しては。
引き摺っていては、喜びもしないだろうと、父の友人に言われたから。

「……、……。」
瞑目したまま、何も言葉を発さずに。
静かに二の句を待つ。

2459とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:21:27 ID:OjDnPuP6
「……そうすべきですね。
立ち止まっていては、何れ何も見えなくなってしまいますから。」

「…………私は嘗て、目の前で父を殺されました。
御神薙という、武家の家の者に。」

早速と、食い違う。
自ら殺した父は、嘗て御神薙 樹という女侍に殺されたと話す夢路。

2460とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:25:23 ID:jnhfUxs2
「……父さんや、母さんに失礼だからな……。」

この場合は、孤児院の、を指すのだろう。
尚、父母には良く会っている。兄妹と時間が合わないだけで。

「…………。」

続きを促す事も、何か言う事もしない。
が、聞いては、いてくれているようだ。

2461とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:31:52 ID:OjDnPuP6
「…………家族とは、良い物ですね。」


「私が一度ここに赴いた時は、復讐に憑りつかれた悪鬼の様でした。」

その様な素振りは己から見せた風は無い。
しかし、胸中は常にそればかりを考えていたのだろう。

「私はメガデウスの一件を終えた後、樹殿に会いに行きました。
本当に、父を殺めたかどうか。」

ひと呼吸置き、話を進める。

「答えは、是でした。
私は命を賭し、彼女に剣で挑みました。
復讐で濁った剣……結果はお伝えするまででなく、さんたるものでしたが。」

2462とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:33:40 ID:jnhfUxs2
「…………復讐か。」

そこで、思う所があったのか漸く口を開く。
下らない、とも解る、とも言わないが。

何か、思う所が、あったのだろうか。

2463とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:45:24 ID:OjDnPuP6
「父を殺した相手を黙って見過ごせる程、私の心は凍えておりません。」

首を小さく横へと振ると、続きを語る。

「……ですが、樹殿は真実を明かされました。
父は己の打った妖刀に憑かれ、母を手に掛けた後……私を……。」
顔に浮かぶ憂いの色が強くなる。
あまり、話していて気分が良さそうな風ではない。

2464とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:47:40 ID:jnhfUxs2
「……。」

それに対しても、沈黙を保つ。
聞いて、何を思うのかは表情からは伺えない。

「……もう良い。」
だが、憂いが強くなり始めた頃合いに少し強めの口調で、言葉が発される。

「…………終わらせたのなら、良いだろう。」
「なら、立ち止まるな、……今自分で言った事だ。

2465とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:51:03 ID:OjDnPuP6
     いえ   
「…… 否 。
父は、生きておりました。
私は真実を知る為に故郷へと戻り……そして、遭いました。」

コク、と息を呑みこんで続ける。

「父の骸を操り尚も生きる、悪しき妖刀と。」

2466とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 04:56:06 ID:jnhfUxs2
「……良いと言った。」

それが解らぬ程、間抜けでは無い。
妖刀なら自身も先日、譲り受けた。

だから知っている。
それが時としてどんな悲劇を産むのか、も。

その呪いは、血を吸えば吸う程に強い事を。

「始末は、付けたんだろう。」

だから、この場にいて、この話をしていて。
自然、蒼の眼が感情の流れを読み取って。

分からない程間抜けでは男は、なかった。

2467とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:00:21 ID:OjDnPuP6
「……最後に、父に遭えました。
『大きくなった』と笑顔で言って下さいました。
……私には、それで十分です。」

憂いを帯びた表情は、そのまま悲しみに暮れる事は無かった。
彼女にとって良い離別となったのだろう。

小さく己の手を握り、穏やかな表情からは少しの涙も流れた様子は無い。

2468とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:02:16 ID:jnhfUxs2
「……。」

結局最後まで聞き終えて、一息。
何を思うのかは、察せそうになかった。

「……。」
だが、胡座から立ち上がり、対面から少し乗り出して、
以前より大きく力強くなった右手をぽん、と夢路の頭の上に置いて。

「……頑張ったな。」
それだけを言って、手を離した。

2469とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:07:40 ID:OjDnPuP6
「……はい。」

後ろ暗さが、まるで無くなった様な表情をしていた。
遠峯の業を一身に背負いながらも。

どの様な旅であったか、邪気には想像もつかない。
だがきっと、良い旅だったのだろう。

2470とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:10:58 ID:jnhfUxs2
「……。」

その表情を見て、表情を僅かに緩ませる。
安心した様な、寂しさを覚えた様な、そんな表情(カオ)。

自分には、無い物を見るような。

「……茶の替えが居るな、少し、冷めてしまった。」

だがそれを深く悟らせる事はせずに。
ふ、と目線を逸らして。

2471とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:16:20 ID:OjDnPuP6
「……そうですか、美味しいですよ?」

冷めた茶をゆっくりと飲み干し、器を置く。

「……邪気殿も、少し変わられましたね。」

2472とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:19:16 ID:jnhfUxs2
「……なら良い、がな。」

自身は羊羹を一口。
甘いものは好きではないが、……茶には合う。

「それは、」
ふと、言葉に詰まったように。
何かが過ったかのような、素振り。

「……そうかもしれんな。」
「良くも、悪くも、だが。」

2473とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:28:51 ID:OjDnPuP6
「結構なお味でした。」

茶請けも頂き終え、すっと掌で皿を押す。

「……無礼を承知で申し上げるならば……
哀しい気が、以前にも増して強くなっています。
己が、そうあるべきの望む風に。」

2474とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:37:12 ID:jnhfUxs2
「……お粗末様。」

影が蠢き、器用に回収する。

「……。」
沈黙。眼を開いて、何処か遠くを見て。
自身の茶碗と皿をも陰に沈めて。


「遠峰。一つ質問だ。」
その後に、皮肉げな笑みを浮かべて。
その表情は何処か可笑しそうにも見える。


「”親しい友人を守る為に、親しい友人を殺す”。」
「”殺さなければ親しい友人が殺されていた、或いは利用されていた”。」

「――そんな奴を、どう思う?」

そして、そんな笑みを浮かべたまま、そんな事を。

2475とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:45:05 ID:OjDnPuP6
「やはり、几帳面ですね。邪気殿は。」
と、几帳面の塊の様な人間が言う。

「……はい。」
ただならぬ質問である事は、その様子から予想出来た。

「最低です。」
その上で、きっぱりと言い切る夢路。
眼を静かに閉じ、続きを述べる。

「他の可能性を当たらず、謂れの無い責務に囚われて相手を殺めて解決しようなどとは。
惰弱も烏滸がましい限りです。」
その顔は、威厳を湛えたかの様な表情をしている。

「ですが、業を背負う覚悟があったのだろうと、私はその方を、そこだけは信じています。」

ふぅ、と小さく溜め息を吐いた後に、困った様な笑みを浮かべて小さく首を傾け
「私も、同じですから。」
こう言った。

2476とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 05:50:32 ID:jnhfUxs2
「……違うな、間違ってるよ、遠峰。」

言い切った娘を、嘲るかの様に笑い、天井を見上げる。
その蒼い瞳には隠せぬ空虚が写っていた。

「そいつに――覚悟等無かった。」
「言を尽くし駄目だった、を言い訳にして楽な方に逃げただけだ。」

「その後に向き合う覚悟も持たず、一面的な正しさに取り憑かれ」
「相手の事を理解しようとせず、それを解し尚破壊を選んだ、愚図だ。」

言い切る。それが当然、それ以外は認めないかのように。

「――それに。」
「そんな事が出来るような奴は、”誰だって殺す”。」

「親でも、兄弟でも、他の友人でも。」
「”数が多い方を守る”、なんて理由で。」


「誰だって、殺せるんだ。」
「……喩え話だがな。」

2477とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:05:15 ID:OjDnPuP6
「邪気殿。」
一度きょとりとしたが、再び眼を閉じて畏まる。

「嘘はいけません。」
眼を開き、澱みない目付きで真っ直ぐに見る。

「答えが欲しいのなら、私は何度でも申し上げます。
ええ、何も知らないからこそ、何度でも申し上げます。」

――生きている限りは、きっと止まらないの。
言葉が一つ、フラッシュバックする。

「貴方は、間違って居ないと。
なるべくして、背負うべくして、貴方は背負ったのだと。」
――狡いけど……誰かに悪い子になって貰わないといけないの。

先程とは逆に、今度は夢路が立ち上がる。

「際の際まで、迷われた筈です。
本当にこれで良いのか、本当に自分は正しいのか。」
――だから、ごめんなさい。ジャキ君


「……不安でしたね、邪気さん。」
――ありがとう。

邪気の頭の上に、白磁の様な白い手が置かれていた。

2478とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:12:30 ID:jnhfUxs2
「……。」
「……やめてくれ。」

手を振り払う様に、ゆっくりと除けて。
その表情には、出会った頃の様な物が垣間見えた。

自分を許すまいと、自分こそを呪おうと。
他の何者にもその呪いを振り撒かんとする、利他的、排自的な制震構造。

「俺は、そんな”いいもの”じゃない。」
「俺は、そんな綺麗な物じゃない。」

――その奥に、コールタールの様に黒く濁り溜まった。
触れるだけで息絶えてしまいそうな、悍ましい物に無理やりに蓋をしたような、歪んで禍々しい心。

「俺は……」
「俺は、……化外《バケモノ》だ。」

相対する誰よりも自分の方が大きな力を持っていた。
相対する誰よりも、自分の方が全てを呪い、憎んでいる。

一部を振り切って、前を向いて此処に居るが、消えた訳ではない。
こびりついた言葉と笑顔が離れず、それは。

「……頼むから、俺を赦す様な言葉を、吐くな。」

また、呪いを産んでしまいそうになる。

2479とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:20:51 ID:OjDnPuP6
「なりません。」

凛々しい声が、刺す様に言う。
求めど求めど叶わず、拒む事でもとより無かった物にしようとも。
欲しいという事実は変えられない。

「それに、私ではありませんから。
貴方を赦すのは貴方でしかありません。
悔しい限りですが、私が出来るほんの些細な事は」

邪気の俯いた顔に、影が落ちる。
背に手が回るのを感じるだろう。

「こうして、貴方が自分を赦す事を見守るだけです。」
肩に、小さな顔が添えられているのが分かる。

2480とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:27:12 ID:jnhfUxs2
「……やめてくれ、遠峰。」
「頼むから、やめてくれ……。」

小さく震える様な声で言って、少年――青年の身体が離れる。
殺しているのだ、何度も何度も、何度も。何人も。

生命を弄んでさえいる。
奪って、造って、大勢の人間を守る為だのと言って、人の意思を書き換えているのだ。

「そんな価値は、無い。俺に。」
「……これ以上は、無いんだ。」
「どうせ、それも、自分で、……壊す……、俺は……。」

【――ジャキ・カルレオンという男は、強い】
【戦闘で言えば並ぶ者は王都と帝都を探して、片手指で足りるだろう】

【だが】
【呪いを抱え込んだその心は一点だけ――酷く、脆い】

2481とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:33:01 ID:OjDnPuP6
「止めません。」

尚も毅然とした様子で、首を横に振る。

「壊れてしまうのなら、何度でも作れば良いんです。
貴方だけで壊せない、貴方の価値を。
それでも自棄になってしまう様なら、私が止めて差し上げます。」

「私、とても強いですから。」

2482とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:38:05 ID:jnhfUxs2
「……っ、……もう、良い、解ったから。」

する、と回された腕を解くようにして。
抱擁かが逃れて、佇まいを直す。

……其の顔を、僅かばかり変化した異形の右手で覆って。

「解って、いる。」
「……赦す事が、必要なのは、解って、いるから……。」

一度、やった事だ。それこそ、ネオベイの、あの場所で。
真理と心理を垣間見て、戻って来たのだから。

ただ。

「……そう、簡単では、無い……。」
「……時間が、要るさ……。」

何よりも殺した、と言う事実がこびり付いてしまっている。
だから、自分の中で確証が持てないでいる。


”いつか自分は全部をまた皆殺しにするのではないか”という子供染みた――否。
経験談に基づいた、強迫観念。

2483とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:41:53 ID:OjDnPuP6
「…………。」
ふぅ、と小さく溜め息を吐いて正座で居直る。

「ええ。邪気殿の背負っている物は、きっと私より重いのでしょう。
故に、切っ掛けも必要だと思いました。
余計な事をしたのなら、申し訳ありません。」

「ですが、悪い事ばかり考えないで下さい。
哀しくなってしまいます。」

2484とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:47:31 ID:jnhfUxs2
「……済まない、妙な真似をさせたな。」
抱擁の事についてか、佇まいを直して。

「別に……唯、俺が弱いだけだ。」
「……もっと、力が必要だな、矢張り。」

眼を細めて、右腕を握る。
もっと、余計な事を考えなくとも――否。
弱い自分をも破壊してしまえる、圧倒的な、力を、切に。


「癖だ、許せ。」
「……それに、俺に構っている時間があったら、旅でも満喫すると良い。」

「今度は、憂いは無いんだろうしな。」

調子をいくばくか取り戻したか、落ち着いた様子で。

2485とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:54:05 ID:OjDnPuP6
「邪気殿が弱いと思われるのは、独りで居るのに慣れ過ぎているからだと思います。」
コホン、と小さく窘める様に言うと、すっと立ち上がり

「ええ、折角ですし。」
裾の埃を丁寧な動作で払い、邪気の方を向き

「このお部屋をよく見させて頂こうと思います。」

などと宣うのであった。
その後は言うに違わず、気が済むまで真剣な面持ちで和室の隅から隅までを探索していたそうな……。

2486とある世界の冒険者:2014/04/23(水) 06:56:29 ID:jnhfUxs2
「側に置く相手は、俺より強い相手、と決めている。 男も……女、そういう相手もな。」
精神的に、はともかく物理的にそんなものは先程言ったが肩指で足りる。と言うか居ない。

「……。」
ふぅ、と肩を落として、溜息一つを吐いて。


「……好きにしろ。」
少し呆れ気味に、それを眺めるのであった。

2487とある世界の冒険者:2014/04/25(金) 23:27:59 ID:tehUOZP6
王都近くの草原

青い肌をした10代位の少女が草原ですーすーと寝息をたてている

2488とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:24:46 ID:O8ZtK9Lc
-王都内 某アパート-

「…………」
リビングのソファに座り、静かに雑誌を読み耽る赤髪の女性。
本日仕事は非番。出かける予定も無いので髪は下ろしてある。

2489とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:31:14 ID:zZH38W.I
「……………。」

ガチャリ、扉の開く音。
そして、次に駆け足が聞こえない事と、能天気な声が飛んでこない事。
アルディーナではない。
寧ろ丁寧なまでに扉の閉まる音がした。

買い出しに出掛けていたユーノが帰って来たのだ。
麻の擦れる音がする。
結構な大荷物の様だが。

2490とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:33:17 ID:O8ZtK9Lc
「ん……。お帰り、ユーちゃん」
雑誌から顔を上げ、玄関の方へ視線を向ける。

2491とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:40:57 ID:zZH38W.I
「………あ……」
しかし、音の主はユーノではなかった。
そもそも、漏れた声も性別からまるきり違っている。

「や、やあ……ただいま。
……で、良いのかな……?」
少し短めの銀髪に、薔薇を思わせる様な真っ赤な瞳。
逞しい体躯ながらも身に纏う雰囲気はとても柔和。

唐突に、脈絡も無く、数年ぶりの再会だった。

2492とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:43:38 ID:O8ZtK9Lc
「……?」
その姿を視認するや固まり

「…………!?」
驚愕に目を見開き

「!!?!??!」
最終的に混乱する。

2493とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 00:55:17 ID:zZH38W.I
「………――」

久し振りの帰途。
緊張していたのか、小さく息を吐き出して言う。

「ただいま。」
ぎこちない笑みとともに、疑い様の無い、彼がハリスだと分かる位置まで男性は歩み寄って来た。

2494とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:01:07 ID:/Du1f/Co
「あっ……え…あの……うぇ……?」
喉から出てくるのは意味の無い、言葉にすらなっていないものだけ。
口をパクパクさせて混乱するばかりである。

2495とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:12:22 ID:zZH38W.I
「……ユーノに会ったよ。
ひとしきり泣かれて、怒られて、喜ばれてね。
買い物を増やすから、もう少し遅くなる……と言伝を頼まれた。」

そんな様子を知ってか知らずか、ハリスは悠々と語る。
そこは問題じゃない、何故ハリスがここに居るかが問題なのだ。

「…………有難う。
……君達のお陰で、ユーノは不自由無く暮らせて居た様だ。
一生を以ても、感謝し切れない。」
あろう事か感極まってギゼラを抱き留めるなど、問題中の問題なのだ。

2496とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:16:47 ID:MLwMs2M6
「…………!!?!?!!??!?」
混乱した頭に更なる追撃。
情報を処理しきれない脳はオーバーヒートを通り越して逆に冷静さを取り戻させる。
そして冷静になった意識であることに気がついた。

「…………!!!」
バッと抱きしめられた身体を離し、凄まじい速度で自室へ駆け抜ける。

2497とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:27:20 ID:zZH38W.I
「あっ……、ギ、ギゼラ君……?」

急に機敏になったギゼラを見送る形になり、しばし首を傾げる。

「……??」
今度はこちらが混乱する番である。
が、己が与えたものにすればごく軽い物だろう。

2498とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:30:54 ID:X7gbxRRk
ドッタンバッタンと大きな音を鳴らし、再び凄まじい速度で戻ってきた。

「はぁ……はぁ……」
息を切らせつつ、しっかり身なりを整えて。
ノーメイク+ノーヘアメイク+部屋着コンボであった先程とはえらい違いである。

2499とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:47:39 ID:zZH38W.I
「………あ……」

しばし、声にならない声を上げて茫然。
この鈍い男には、到底分からないだろう。

「うん。」
が、何か言わねばと思ったのか小さく咳払いをして

「大人になったんだな、とても。」
そんな事を宣う。

2500とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:55:49 ID:.ImXzECI
「そ、そんなことは!!」
やや顔を赤らめ、食い気味に否定する。

「その……。……お帰りなさい、ハリスさん」
色々と問いたいことは多いが、まずは帰郷を素直に祝うことにした。

2501とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 01:58:34 ID:zZH38W.I
「……ああ。
また、借りを作って来てしまった。」
ふ、とネオベイでの日々を、眼を閉じて思い返す。

「便りの一つも出すべきだったとは思ったが、いても経ってもいられなくてね。」
と、まるで子供の様な言い訳をし、少し気恥しそうに笑う。

2502とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:08:47 ID:aesqrJJ2
「ともあれ、ご無事なようで何よりです」
ここにきてようやく、ホッとした様子で表情を崩す。

「思っていたより随分と早いお帰りでしたが……?」
星噛製の義肢は高い。それも凄まじく。
数年でその分を支払うのは並大抵のことではないが……。

2503とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:15:13 ID:zZH38W.I
「無事……そうだな。よくも、無事であった物だ……。」

なかなかに苛烈な仕事だった。
ポテンシャル任せに無茶を打った事も一度や二度ではない。
そしてそうしなければならない闇に身を置いていた筈だが……

「案外、悪い人ではなかったな。」
ふ、と質問に答えず遠い眼をしながら。

2504とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:30:08 ID:7X9XZpA2
「……?」
意味を図りかねて首を傾げる。

ハリス裏下院に加わった直後に起きた争乱。
あの最中、対する四家を裏切り裏下院に与した男がいた。
が、それすらも敵味方を欺くためのものであり、男の目的は星噛の義肢製造技術を得ることであった。
紆余曲折あり星噛の技を手にした男は、幾人かの義肢の為に裏下院に与していた者達を引き込み、内部から崩した。
その後、争乱が一先ずの集結を迎えてからは義肢のメンテナンス方法を教えていたのだった。

2505とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:40:37 ID:zZH38W.I
「負けて貰った、としか言い様がないな。」

苦笑交じりに、肩をすくめる。

堕花は、霙の鶴の一声によって暫し大きな動きを控える事になる。
霙不在の折、当主を務めていた垂鈴は未だ葛藤している様だった。
裏下院の中でもより閉塞的な家系だった為、その後の顛末を知る者は少ない。

2506とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:45:46 ID:LLt1bWS.
「はぁ……」
よくわからないが、色々とあったのだろうと追求の言葉は飲み込んだ。

「とりあえず、ユーちゃんを待ちましょうか。
 コーヒーと紅茶、どっちがよろしいですか?」
テーブルの椅子を引いて座るのを促しながら。

2507とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:55:00 ID:zZH38W.I
「…………。」
彼女らも裏の社会に身を置くとは言え、妄りに言い触らす訳にはいかない。
ギゼラには申し訳無いが、ここは閉口を選ぶ他無かった。

「そうだな、紅茶を――」

促されるまま腰掛け、紅茶を頼もうとした刹那


『それともア・タ・シ?』
かぱ、と天板が開いて黄緑色の何かが出て来た気がする。

2508とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 02:58:37 ID:YNra65gg
「紅茶ですね。少しお待ちを」
何事も無かったかのようにポットを火にかけ、準備を始める。

「アルも紅茶でいいな?」
完全なスルー。紛うこと無きスルー。

2509とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:03:45 ID:zZH38W.I
「よ、よろしく頼んだ……。」
飛び出て来たアルと、それの的確な処理に驚くハリスである。

『お砂糖は三杯でよろぴこ!』
ひらり、と宙返りで床へと着地し、Yの字のポーズを取る。

2510とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:07:22 ID:YNra65gg
「さ、どうぞ」
暫しして出来上がった紅茶をテーブルに並べる。
ハリスの好みはわからないのでミルクと砂糖は別で。
なお、アルのものには天然塩が大匙3杯入っている。

2511とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:14:49 ID:zZH38W.I
「有難う、頂きます。」
落ち着いた様子で、カップを手に取る。
どうやらそのままが好みらしい……かと思えば、数口飲んだ後にミルクを入れたりなどしている。
意外にこだわる方なのだろうか。

『ギゼラちゃんギゼラちゃん。』
カップをひょいと持ち上げ、眼を細めて耳打ちする。
往々にしてこういう表情をするアルはろくな事を言わない。

『もうチューした?』
たとえば、さっき入れた天然塩はやはり唐辛子にするべきだったかと思わせる程度には。

2512とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:20:19 ID:5rBqEapM
「…………ッ!!」
噴き出してムセそうになるのを何とか押し止めて嚥下し

「死ね」
冷めきった眼でそう言うと、近くにあった(買ったはいいけど辛過ぎて誰も使わなくなったほぼ新品の)デスソースの瓶を手に取り、口を開かせて流し込んだ。
容赦のよの字もない。

2513とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:31:44 ID:zZH38W.I
『ほむっ!』
流石にここまで直接的な行動に出るとは思って無かったらしい。
浅はかである。
『おおおおじゃすとみーーーーーと!!?』
その後彼女がどうしたかは言う間でもなく、機関車の様に外へと走り去って行った。

「ははは、相変わらず仲が良いんだな。ギゼラ君とアルは。」
そんな2人のやりとりを微笑ましげに眺めるハリス。
どちらかと言えば今日は比較的物理方面でもない攻撃なのでマシな方である。

2514とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:35:34 ID:hO7FWz2o
「そのまま海に還ればいいのに」
ハイライトの消えた瞳でボソッと呟く。コワイ!

「…………。まぁ、出来の悪い妹のようものですから」
暫しの間を置いて溜め息混じりにそう答える。

2515とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:53:35 ID:zZH38W.I
「(怒ると怖いんだな。)」
おおらかな気持ちで2度頷く。

「他の人より遠慮が無いって事は、そういう事なんだろう。」
先程はギゼラに大人になったと言ったが、ハリスもそうと言えばそうである。
2人を見ていた目線などは、お父さんに近い様な感じがある。

『た、大変やぁ……!
アルねぇがすごい勢いで外に走って……!
あ。あんちゃんお帰りー!』
「ああ、ユーノもお帰り。」
と話している間に、アルと擦れ違いで帰って来るユーノ。

2516とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 03:58:15 ID:WBypxJo6
「アレは遠慮を知らなさすぎです」
三白眼で紅茶を啜り。

「お帰り、ユーちゃん。アレは放っておいて大丈夫だよ。戸締まりはしっかりね」
締め出すつもりか。

2517とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 04:06:03 ID:zZH38W.I
「ああいうのも、ある意味では女性らしささ。」
どうどう、と諌める様に言い。

『ギゼラねぇ、ただいま!
うん、鍵はちゃあんと閉めとるよ♪』
そしてあっさりとした返答。日常茶飯事なのか。

2518とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 04:09:03 ID:WBypxJo6
「そうでしょうか……」
たまの非番だというのに妙に疲れた。大きな溜め息が出る。

「ん。ユーちゃんも紅茶でいいかな?
 ハリスさんはお代わりはどうです?」
再び席を立ちつつ。

2519とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 04:21:53 ID:zZH38W.I
「きっと、二人のその遣り取りも……ユーノの支えになってくれていただろうから。」
心底、安堵した様子の表情で言う。

「え?
ええよええよ、ギゼラねぇはすわっとって!
うちがやるから♪」
再び席を立ったギゼラを、背を押して着席させる。

「ゆっくりしとって。な?」
と、意味ありげにウインク。
余計な気を回してしまうのは、アルから覚えてしまったのだろうか。
だとしたら嘆かわしい事だ。

2520とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 04:26:53 ID:WBypxJo6
「だと良いんですけどね……」
溜め息混じりの笑みを零し。

「ん、そ、そう? じゃあ、お願いしようかな…?」
アルと違って直接的ではない分、しっかり伝わっていないらしい。

こうして、数年ぶりの再会は和やかに終わったのだった。

2521とある世界の冒険者:2014/05/09(金) 04:35:26 ID:zZH38W.I
「違いないさ、随分明るく、社交的になった。」
少なくとも、ユーノがまだ自分の肩ほども身長が無かった時などは……買い物に一人でなどとても行けなかっただろう。


『フンフンフフーン……♪』

アルのやり方が強引なだけで、気付くか気付かない程度が普通……なのだ、きっと。

そしてギゼラは、後にハリスの過去を知る事になるのであった……。


【フェードアウト】

2522とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:23:00 ID:YCrzUaG6
ー壬銅家 仁八の私室ー

「…………」
庭向きの襖を開け、キセル片手に花見酒をする男。
この数年で髭を生やし、更に貫禄が出てきた。

2523とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:35:31 ID:QBYcn24.
「仁八さん、おらはるー?」

たすたす、と草履の擦れる音が聞こえる。
と共に、仁八を呼ぶ、やや安い鈴が鳴る様な声。

確かこの声は、壬銅に遣える唐草家の一人娘の声だ。

もう何年も何処か行った切りだった筈なのだが……?

2524とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:37:24 ID:qx7IZCsw
「んー」
生返事をしつつ煙を吹かす。
何というか、だらしない。全体的に。

2525とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:43:18 ID:QBYcn24.
「おひさしゅー。」
ひらひらと手を振って挨拶する、倭人形の様な前髪ぱっつんの金髪に、眼鏡の娘。
その胸は豊満であった。

「ええニュースと悪いニュース持って帰って来てんけど、どっちから聞く?
はれ、ていうかお嬢は?」
夕暮は現在敷地内には居ない。
壬銅の家柄に関わる事で、儚と一緒に外出している最中である。

2526とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:49:15 ID:zBPUOD0E
「…………誰だっけ」
顔を見るなり。酷い。

「まぁ冗談は置いといてだ。
 お嬢なら出てるぜ。折角だし悪い方から聞こうかね」
カン、とキセルの灰を落として居ずまいを正す。

2527とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 01:58:46 ID:QBYcn24.
「やーもー仁八さんたら、上手やわぁ♪
それとも何? あてさんのカラダに訊きたいからそんな事を……」

艶めき顔を作りながら、そんな冗談を交え

「しゃーろね。あてさん見て来たもん。」
知ってたのか。なら訊くなと言いたい所だが

「……奥橋波、知ってはるやんね?
あそこのボンボンが、壬銅……お嬢と見合いさせ言うとる。
断ったらえらい事にならはるんやって。」
表情が一変。眼鏡の位置を戻しながら、真剣な表情で言う。
奥橋波とは、壬銅とも縁のある豪族だ。
家勢の崩れつつある壬銅を脅し、息女である夕暮を娶る……分かり易い程に汚いやり口だ。

2528とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:02:16 ID:3elxLmUU
「へーへーそうね」
適当に流しつつ報告を聞き

「へぇ……。で、良い方ってのは?」
またサラリと流した。あれ?

2529とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:05:26 ID:QBYcn24.
「なんや、連れへんなぁー。」
むぅ、と頬を膨らませて

「それはやね……」

「あてさんが帰って来た事でしたー♪」
次いで続ける。お前もお前だな。

2530とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:11:30 ID:UqzRlXeo
「」
これにはさしもの仁八も絶句である。

「んじゃ、俺はもう寝っから」
大きな溜め息と共にそう言い、出て行けと手を振る。
え?それだけ?

2531とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:16:46 ID:QBYcn24.
「って、わあ、ちょお待ちいな!」
冗談の多い仁八の事だから、本気で流している訳ではないと思っていた。
が、この反応……少し違いそうだと思い狼狽する。

「……ええのん?
お嬢、行きたくも無い嫁に行かされるかもしれへんねんで?」

2532とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:21:33 ID:./vNn2So
「良いも悪いも、決めるのはお嬢で俺じゃあねぇだろ。
 俺は後見人で、当主不在の折には代理だが、お嬢本人じゃねぇんだ。
 まずは本人に意思確認しねぇことには、俺ら従者がウダウダ言ってても仕方ねぇだろう」
襖を閉め、布団を敷きながら。
言っていることは至極最も、正論である。

2533とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:42:29 ID:QBYcn24.
「ばっ……」
うぐ、と息を呑んで

「だってあのお嬢やで?
ほんまに嫌や思ても、家の事背負って頷くしかあれへんやん……。
その場に姐(儚)さんもおった言うのに。」
襖の外でぺち、と何かが何かに当たる音がした。

2534とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 02:48:59 ID:icDxVPA2
「お前の気持ちもわからんわけじゃねぇが……」
一つ、大きな溜め息つき。

「お嬢ももう子供じゃねぇんだ。俺らもいつまでも保護者面してるわけにもいかねぇ。
 当主を名乗るからにはそれなりの責任も伴う。
 決めるのはアイツだ……ん?」
言い切ったところで音に気付き、襖を開く。

2535とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:01:59 ID:QBYcn24.
『そういうこと。』
「あててて………き、厳しわぁ……。」

襖を開くと、いつもと変わらぬ調子で居る弧雨が居た。
その左腕は肘から先を曲げて擡げられている。

その横に、頭を押さえて蹲っている鳩子の姿があった。

『どうも、こんばんは先輩。』
にこ、と穏やかな笑みで弧雨が挨拶をした。

2536とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:09:22 ID:TNxYnMY2
「なんだ、てめぇか」
襖を開けきり迎え入れる。

「で、お前は何用だ?」
頭を掻きつつ。話が終わったならもう寝たいとでも言いたげである。

2537とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:18:37 ID:QBYcn24.
『どうもハトちゃんの詰めが甘いみたいなんで、捕捉すべきかなと。』
「きゅうこ。はととちゃう。」

『何と言うべきか、御大がその場に居たならあらゆる智謀で断れると思うんですよ。
それが致せていないと言う事は、何かがおかしい。
それに、こちらに戻るという報せが送られて来ない。これはどうでしょう?
先輩。ひと悶着ふた悶着あるかも知れませんよ。』
「………!」
弧雨が言葉を終えた後、鳩子がはっとする。
そして、答えを求める様に仁八を見た。

「そもそもあてさんでも分かるぐらい、お嬢は仁八さんが\べちんっ/
『お黙りよ。』

2538とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:28:41 ID:XjYcy61A
「あぁ、そうだな」
弧雨の話を聞いて頷く。
しかしそれだけだと言うことは、鳩子の話を聞いた段階でそこに思い至っていたということだろう。

「が、それがわかったところでこっちからはどうしようもねぇ。少なくとも今はな。
 何にせよ向こうさんが動いてこなきゃこっちも身動きとりようがねぇしな」
と欠伸を混じらせつつ。
どうにも先程から呑気というか、他人事のようである。

2539とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:36:49 ID:QBYcn24.
『ええ、その通りです。』
ひらり、と手を広げて言う弧雨。
その表情からなおも笑みは消えぬままに。

「ちょっ……剣持!?」
『先輩は主衛なんですから、いざと言う時にだけ動いて貰わないと。』
「しゃあけど、そないな時間……」
『ああもう、仕方ない子だ。
…仕方がないので、僕は鳩子を連れて奥橋波城下に"お散歩"してきます。
あ、お土産があるならお早めにお願いしますね、先輩。』
ひらひらと右手を揺らしながら、狼狽したり驚いたりとする鳩子の頭を左手でぐいっと下げる。

『……取り敢えず"これ"で良いですか?』
ある意味で挑発の様に取れる風な言葉を、仁八にしか聞こえぬ風に言った。

2540とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:48:19 ID:/47Rt98w
「おう、そうしてくれ。
 俺ぁさっさと寝たい」
頭を掻きつつ生返事。本当にどうしたんだ。

「…………」
それには返事せず、頭巾を取り手櫛で髪をかきあげる。

2541とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 03:54:28 ID:QBYcn24.
『じゃ、そういう事でー。』
「あ、こら。剣持離し!あてさんまだ何も返事してへんし仁八さんも……って、うひゃぁ!?
ここ、こら!姦通で訴えてまうで!?こらー!」

そんな様子を気に掛けたか掛けていないかも分からない風な弧雨。
そして、ややよろしくない抱き抱え方をされて連れて行かれる鳩子。

……辺りには、笹の擦れる音が聞こえる廊下だけが残っている。

2542とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 04:00:12 ID:NxZxm8ZU
「……さて。面倒なことになりやがったな…」
そう呟きながら行灯の火を小さくし、寝間着に着替えて布団に入る。
そのまますぐに寝入ってしまったとか。

2543とある世界の冒険者:2014/05/11(日) 04:15:15 ID:QBYcn24.
-奥橋波城-
『う……、ゲホ、ごほ、ごほっ……!』
「姉さん……!! …く……っ……!」
[困りますなぁ、ご隠居。
私は当主とお話をしているのです。割って入っていただいては話が進まないではありませんか……。]
『……ゆ、う…………私…は、良い………から……』
[おやおや、まだ喋りますか……。
仕方ありません。私としても暴力は"大嫌い"なのですが……]
「……ッ、ま、待って下さい……!!」
[うぅん……?]
『………ッ……ゆ、ゆ……う……。』

「……っ……

私が、婚約を受ければ……
壬銅には……姉さんには手を出さないで頂けるんですね……?」
『……!』
[ほ、ほ。勿論です……!
しかし、私は仮初の愛は許せません故……「受け、ます。」
[おぉ?]
『ゆ、夕………っ……!』

「……その婚約、お受け致します。
奥橋波様にも……誠心誠意尽くさせて、頂きます。
……あ…………ッ……。…… ……あ、いを……もって……。」

[く、く、く……!]
「………………っ……。」

[お二方それぞれ、部屋へお連れしなさい。]

【フェードアウト】

2544とある世界の冒険者:2014/05/12(月) 23:34:24 ID:I1QJl9qo
<王都の路地裏>

「……チ、これで3回目……今日も安定、しねぇな……!」

【路地裏に這い蹲るようにして倒れているのは金髪の少年だ。
ぼろぼろの衣服を纏っているが、左腕に付けられた赤い装具が異彩を放つ。

見るからに苦しそうな様子で、立ち上がれないほどらしい。

また、少年の周囲には非常に濃い魔力が充満している。
見れば、少年の周辺には濃度が高すぎて、白く輝く液体と化した魔力が飛び散っている。】

2545とある世界の冒険者:2014/05/12(月) 23:51:30 ID:VsEDIQLc
「…………。」

魔力に惹かれてか、路地裏に黒く高い影が伸びる。
影の持ち主は、口元まであるモスグリーンの外套を羽織った上品に金髪を波打たせた女性。
切れ長で半目に開かれた瞳は、見ようによっては冷たい印象を与えさせる。

2546とある世界の冒険者:2014/05/12(月) 23:52:24 ID:I1QJl9qo

「……流れがおかしいのか……こいつが弱ってきているのか……。」

【自身の左腕の装具をぺしぺしと恨めしそうに叩く。
もちろん、それで劇的に良くなるわけは無く、魔力の流れはおかしいままだ。

彼は魔法をつかえないと言うのに魔力が生成され続けると言う中々に稀有な症状を持つ人間なのである。

そのため、左腕の装具はその溜まった魔力を放出するためのものなのだが、最近は妙に魔力が溜まるサイクルが
早いらしく魔力の放出する回数、量共に普段より多いらしい。】

2547とある世界の冒険者:2014/05/12(月) 23:56:37 ID:I1QJl9qo
>>2545
「……いや、こいつが弱ることは……。」

【未だに地面に倒れこみ、時折、痛みに身体を捩じらせている。
普段ならば、そんな影には瞬時に気づき、逃走を算段するのだが、今回は違う。

このような自分ではどうしようもない状態であるため、当然、反応も遅れるのである。】

「……っ、また、こんな場所に……。」

【よって、彼が気づいたのはその影が伸びてから少し経った後だ。
すなわち、そちらが何かしようとしていたのなら、それをほとんど許してしまっている。】

2548とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:10:42 ID:D4QJJBfE
>>2547
「…………。」
コツ、コツとブーツが石畳を叩く音が響く。

「…………貴方。」
平坦なトーンと共に、ビィバードの肩に手が置かれる感覚。
そして相手の反応を伺う様に沈黙する女性。
剣呑な雰囲気が路地裏に流れる。

2549とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:16:40 ID:Om9ifW.c

「……っ!」

【肩に手を置かれたと同時にびくりと震えた。
よく見ると、首筋の辺りになにやら黒い痣が見えた。……何とも嫌な感じだ。

同時に左腕から魔力が霧となって、噴出する。そして、再び崩れ落ちそうに。

どうやら、魔力の放出と言うこの行為は苦痛を伴うらしい。
本来、放出できない魔力を無理矢理放出しているのだから、当然である。】

「……っ、な、なんだ、よ……!」

【振り払いたいが、振り払えるだけの力はない。
本来、魔力の放出がはじめるときは人目の付かないところに移動するのである。】

2550とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:21:17 ID:D4QJJBfE
「何って………。」

言いすがら、崩れ落ちそうになるビィバードを自分の方へと引っ張る。
首筋の痣は、目敏く見つけた様だ。しばし沈黙し

「……そんな様子では、声を掛けてくれと言っている様な物……。」
至極冷静な様子で言う女性。
そしてこの装いと雰囲気から、お世辞にも堅気には見えない。
確かに美人の類ではあるが、例えば果物屋で商売するには向かないだろう。

2551とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:27:55 ID:Om9ifW.c

「……だから、ここを選ん、でるんだが……よ……!」

【抵抗はしない。というよりも出来ない。
引っ張られるとそのままに移動をさせられてしまう。

今回は取り分け魔力の量が多いため、感知されたが普段はここまで
周囲に完全に分かるほど、魔力を振りまくことはない。

首筋の痣はビィバード本人では確認できない位置にある。
殴られたとかそういう類の痣でないことは明白であろう。】

「……気に、しないでくれ……少し、経ったら収まる、から……。」

【この魔力の放出は自分では止められない。
自身の中の魔力の量が正常に戻るまで、稼動し続けるのである。】

2552とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:32:17 ID:D4QJJBfE
「…………ここはまだ路地が近いわ。
…………こっち。」

肩を貸す様にして、入り組んだ裏路地の奥へとビィバードを先導していく。
その際、さり気無く痣に触れてみる。

「……今日は"ろくなの"が居ない。
あの場に留まるのは危険だと思うけど……?」

2553とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:41:30 ID:Om9ifW.c

【その痣に触れた瞬間、静電気が走るように異質な感覚が指から伝わっていく。
別に何かしらの攻撃を加えられたわけでは無いが、それはやがて、頭の中に一つのイメージとして姿を現す。

それは暗闇を目蓋にぽっかりと開いた巨大な目だ。幻聴かどこからとも無く聞こえるのはキリキリと甲高い嘲笑。
そして、その目は異様だが瞳の形をぐにゃりと歪めて笑みの形を作った――――……

……そこでイメージは途切れる。】


「っ……う、分かったよ……。」

【一方で痣を触れられても何の反応もせず、彼女の言葉に観念したのか大人しく先導されていく。
触れられたとしても、感覚がないと言うことなのだろうか。

それとも、単に気づかなかっただけなのだろうか。】

2554とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:47:00 ID:D4QJJBfE
「(………何か、"居る"。)」

少しだけ口元を外套に潜らせ、先のイメージを頭の中で反芻する様に思い出す。
あの様な認識を送り込んでくるなど、到底ただの痣とは思えない。

それに対するビィバードの反応が至極薄い事もまた、疑問を持つ原因となった。

「……いつからそんな状態だったの?
それも、一度や二度じゃない様子……。」

2555とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 00:53:20 ID:Om9ifW.c

【巨大な目が現れて、嘲笑の音と共に瞳が笑いに歪んでいく。
……まるで悪夢か何かの様なイメージである。

そこに意思があるのかどうかはいまいち、不明瞭ではあるが。】

「…………ずっとだよ。俺はそういう、病気なん、だっ。」

【路地裏を縄張りとしているのはいつかは分からないものの
この症状については生まれたときからあったものらしい。

そして、同時に首筋にある痣は彼の意思とは離れたところにあることが分かる。
痣に触れられた後で、そのように問いかけられれば痣について答えるだろう。

そうしないということは痣については、もしかすれば認識していない可能性もある。】

2556とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:01:02 ID:D4QJJBfE
「(……何かの術にしては程度が低すぎるわ……悪戯レベル。
だったら……?)」
しかし、いまいちその正体には理解が及んでいない様だ。

「…………そう。

……あなた、首に墨か何かが付いているわ。
………それとも、できものかしら。黒子にしては大きいし……。」
ボソ、とそれとなく存在に触れる。

2557とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:08:10 ID:Om9ifW.c

「ん、ん……首……?」

【魔力の噴出が収まり始め、少年も割と楽になってきたようだ。
その指摘を受けて、首の辺りを気にする程度には。

すると、手で首の辺りをぺたぺたと探るように触り始めた。
そして、その問題の痣に……触れた。】

「……何も、無ぇ……気がするが。」

【確かに痣に触れたが、彼には先ほどのイメージは流れなかったらしい。
何事も無かったかのように、むしろきょとんとした様子だ。

仮にあのイメージが警告か何かであったとするならば、彼は寄生されているというのだろうか。
〝宿主〟には気づかれない方が都合が良いのは明白だ。】

2558とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:19:46 ID:D4QJJBfE
「………気がするだけ。
……私が嘘を吐く理由、無いでしょ。」

雰囲気も相俟って半ば脅しの様に言う女性。
本人は全く以てそのつもりは無い。

(どうしよう……何か変な魔法に掛けられていたら。
でもあまり体の事を言うのは気が引けるな……気分を悪くしなければ良いけど)
と、人知れず気を揉んでいたりするのだ。
見た目のせいで大層に誤解されがちだが。

2559とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:24:19 ID:Om9ifW.c

「……ま、まぁ……そう、だけど……。」

【親に叱られた子供の様に言葉がどんどん尻すぼみに。
完全にその醸し出す雰囲気によって、本人の意思とは違うように取られているようだ。

どうやら、彼が性質の悪い悪戯をしているという可能性も消えたようだ。
ようやく、魔力の放出が完全に収まる。】

2560とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:30:15 ID:D4QJJBfE
「………悪性新生種だったらどうするの。」
是非なく確認して貰う為に、とっておきに悪い病名を出す。

(分からないな……困った。魔法を使うのはともかく……魔術には詳しくないもの)
「……これ。貸してあげるから。」
割らないでね、と付け加えながらビィバードに手渡したのは鏡。
携行するものの中では少し大きめなサイズだ。

2561とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:40:44 ID:Om9ifW.c

「……いや、まぁ……その……。」

【こちらもなんだか良くわからないままに、鏡を渡されてしまう。
彼としては持病の方の調子が今、悪いためそれどころではないのかもしれない。

なので、そういわれても、いまいち実感がないらしい。】

「……これ、か……確かに……汚れにも、見えるけど。」

【勧められるがまま、鏡を使ってそのあざの位置を確認しようと。

だが、路地裏と言う環境であり、そして鏡を使ってみているという状況である。
そのため、痣は確認できたものの、それが本当に痣だとは思っていないようだ。

一方、痣の方には妙な動きは無い。
他者が触れればイメージを流し込むが、それ以外は特に動かないようだ。】

2562とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:49:07 ID:D4QJJBfE
「…………もう一度見せて。」

言うが早いか、背後へと回り込む。
違和感の正体ははっきりとさせておかねば、いずれ禍根を残す事になるかもしれない。
ともすれば、彼を"掃除"せねばならないという事も……。

(……ごめんね。)
心の中で詫びつつ、再び手を触れてみる。
彼も敢えてこの様な場を選んだ事から、人との関わりは避けたいのだろう。
それに踏み込んでいる事を、申し訳なく思い。

2563とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 01:58:57 ID:Om9ifW.c

「……そ、そんなもう、別に……。」

【と反論をしてみようとするが、向こうの行動が早い。
言い終わるか終わらないかの家に後ろに回りこまれ、その痣に触れられてしまう。】


【頭の中でカメラのフラッシュの様な強い光がしたかと思えば再びあの笑いが聞こえてくる。
ケラケラと甲高く不気味な声。光が消えると同時に、先ほどの巨大な目玉が現れた。

先ほどと同じようにぐにゃりと瞳が歪んでいく。
先ほどと若干、違うのはイメージがより明確なものになっている点だ。

目玉は暗闇にぼんやりと浮かんでいるかのようだったが
今度は何か真っ白い柱の様なものにへばりついているかのような光景が流れ込む。】

2564とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:02:56 ID:D4QJJBfE
「…………ッ……」

頭の中で、イメージが鮮明に過ぎる。

この場合はイメージというより、意識に直接情報を塗り込まれているに近い。
ヴァニラはそう思い、この謎の痣に対する警戒を深めて行く。

目玉。目玉……目玉の化け物……?
抽象的だが、へばりついているというイメージが"彼"だったとしたら……?

「……これは……」
痣から手を離し、誰にともなつ呟く。
嫌な笑い声が、まだ聞こえる様な気がした。

2565とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:10:03 ID:Om9ifW.c

【もしも、その考えが正解だとすればもしかすればアクセスしすぎても危険なのかもしれない。

イメージが明確になるということは、送る側の力も強くなっているということに等しい。
乗っ取られるということはないであろうが、何か影響が出てもおかしくは無い。】

「……どう、した……?やっぱり、何か〝ヘン〟なのか……?」

【一方でビィバードは何かを感じとったらしく、恐る恐ると言った具合だが尋ねる。
少しであるが、彼の中の魔力がまたしても強くなりつつある。】

2566とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:21:54 ID:D4QJJBfE
「…………。」
少しだけ、困った様に眉を下げたが前髪に隠れて気付かれないだろう。
表情に乏しいというのは、便利なのか不便なのか。

「………ええ。ヘンよ。」
(…………しまった。ごめん。)
言った後に、ストレートに言い過ぎたと思った。
そして、じわじわと餅の様に膨れて行く魔力に警戒を少し強める。

2567とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:34:43 ID:Om9ifW.c

「…………そう、か。」

【そういうと一度、鏡で見た痣の場所に手を置いてみる。
だが、やはり、何も感じることは無い様だ。】

「……なぁ。強くなりたい、ってヘンかな?」

【ふぅ、とため息の様に息を吐く。
本人は落ち着いている様子だが、魔力はマグマの様に煮えている。

そして、唐突にそれこそ妙なことを尋ねた。】

2568とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:44:27 ID:D4QJJBfE
「…………。」
感情を映さない瞳が、一度閉じられる。
彼の尋ねた言葉に対する返答を考えていた。

「……目的を教えてくれたら、はっきり答えられる。」
通りを抜ける風に薔薇の香りが乗って、言葉が返って来る。
ビィバードの言葉が曖昧に過ぎたのではない。

「ただ、変じゃないわ。……なるべくなら、強い方が良い。」
初めて、少しだけ穏やかな表情をしながら。

2569とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:52:05 ID:Om9ifW.c

「…………目的がそれなんだ。
お前も分かるだろ……ああいう病気の身体なんだ、俺は。」

【強くなることが目的なのである。
やはり、関係しているのは自分の体のこと……更には生い立ちだろう。】

「それに痣のこと……心当たりがないわけじゃないんだ。」

2570とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 02:58:27 ID:D4QJJBfE
「…………そうね。
……健常な人間でない事は……分かる。」

「……それは、劣等感?
……それとも虚栄? 強くなれば治ると言うならそうすれば良い。
でも、そうじゃなければ……時間を無駄にするわ。」
すっぱりとそれに対して否定に近い弁を述べる女性。
しかし、言いたい事としては目的をしっかりと持った方が強さに向き易い……と言う事なのだが。

(……ちゃんと伝わったかなぁ。)
という風に、本人もコミュニケーションに自信は無いのである。

「……良いの?私にそれを話して。
…………貴方の都合の良い風になるとは限らないのよ。」

2571とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:13:05 ID:Om9ifW.c

「そうか……そう、だよな。
使い道がないと……そりゃぁ、ダメか。」

【小さくフッと、自嘲するように笑った。
他者に笑顔めいたものを見せるのは、久しぶりなのである。】

「良いんだ。元から都合よくなったことなんてねぇし。

……少し前にヘンな奴らにこの装具とか体……はわからねぇけど、弄られたんだ。
俺が強くなりたい、なんて言ったから。」

【さらに自嘲の色を強めるとぽつりぽつりと言葉を繋ぎ始める。】

「だから、この装具には本来、いらない魔弾を作って発射する機能がついてる。
そして、俺は〝ヘンな生き物〟に身体を乗っ取られていたらしいんだ。」

【その部分は自分でも覚えていないと。
だが、取り付かれ王都の近辺で無差別に暴れていた時期もあった、と聞いている。

〝どうして〟呪縛が解けたのか、その辺も分かっていない、と。】

2572とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:23:27 ID:D4QJJBfE
「……強くなる事が難しい事は……貴方が一番よく分かってるはず。
だから……理解して。」

外套を再び口元まで上げ、片手で丁寧に編み込んだ金髪を流す。

「…………目的が無かったと見抜かれたのね……
……そして、利用された……と。」
同情するでもなく蔑むでもなく、ただ淡々と自身の考えを述べる。

「ヘンな……生き物?」
所が、最後の言葉で明らかに声色が変わる。
謎の痣、頭の中に侵入して来る不可解な目玉の異形、そして記憶の曖昧なビィバード。
偶然と片付ける程には、出来過ぎている。

2573とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:32:23 ID:Om9ifW.c

「ヘンな、生き物……ってことしか俺も分からない。
けど、下手をしたら取り殺されていたかもしれない、って。」

【それほどまでに深く彼は意識を乗っ取られていたようだ。
詳しく聞かされていないのは、もしかすれば彼に対する配慮の結果なのかもしれない。

だが、気になるのはそこまで深く侵食されていたのに彼が正気に戻った点だ。
しかも、そのヘンな生き物だけを取り除いて。】

「だから。……そのお前が言う痣って、そのときのだと思うんだ。」

2574とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:38:25 ID:D4QJJBfE
「…………本当の事を、知る必要がある。」
(……もしかして……まだ何も解決していない……いえ、もしくは……)

頭の中である可能性に思い至る。
それが偶然の産物でなければ、まだ彼は鳥籠の雛と言った所だろう。

「……あなたにとって残酷かもしれない。
…………私はあなたの痣に触れた瞬間、目玉の異形を見たの。
そんな状態で……全て事が済んだとは………考え難い。おかしさはあなたも感じている。」

2575とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:47:01 ID:Om9ifW.c

「……まだ、俺の中に居るって、ことか……。その目玉の異形、ってやつが。
でも、それなら、どうして〝痣〟になっているんだろうな。

〝痣〟になってなけりゃ、お前が察することもなかったのによ。」

【自身の痣の部分を触れながら、落ち着いた様子で。
何時もと比べれば、非常に大人しい。魔力だけは煮えているというのに。

ふとそんな疑問が頭を巡った。
意識を乗っ取るほど強い力を持つなら、隠れて身体に潜むことも出来るのでは、と。

何故、わざわざ痣という外からでも見えてしまうものが現れているのか。】

2576とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 03:54:13 ID:D4QJJBfE
「……宿を探しているんじゃないかしら。」
(もしくは……"なりそこなって"いるか……
……でもそんな事は疑問でも……私の口からは言える勇気が無い。)

「意識が重なる様な感覚があったから……
…………私も長々触れていたら取りつかれていたかも。」
言いつつ、懐を漁って瓶筒を取り出し

「…………喉、乾いたでしょ。沢山喋って。」
水だけど、と付け加えつつそれをビィバードに手渡す。

2577とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 04:00:39 ID:Om9ifW.c

「……なら、もう触れない方が、いいな。」

【と、ボロボロのコートの襟を立てて、その痣を隠すように。

本当にこちらは取り付かれていると気づく要素は無かったようだ。
寄生されているのなら、もっと明確に見てもおかしくないはずなのに。】

「……そう、か。」

【手渡されたソレを受け取ると、それに口をつけて喉を潤す。
今のビィバードはいつもの彼に比べれば、かなり大人しい。

もしかすれば、こちらも口に出さないだけで色々と察しているのかもしれない。】

2578とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 04:08:57 ID:D4QJJBfE
「…………。」

色々と考え得る所はある。
しかし、不安とする"何か"はビィバードの中に居て、手が出せない。
もどかしくも、手出しの出来る所は限られている。

「…………。」
ビィバードの頭に、ゆっくりと手が置かれる感覚がある。

「……難くなる……とは言ったわ。でも……」
頭が撫でられる感覚が、伝わって来るだろう。

「…………諦めなければ、強くはなれる。」

2579とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 04:27:16 ID:Om9ifW.c

「…………ああ。ありがとう。」

【極めて自然にお礼の言葉が出てきた。
彼からすれば、このことはほぼありえないことに等しいのに。

また、撫でられるその感触が心地いいのか目を一度、閉じた。】

「そう、だな。
……もしも、俺が乗っ取られたら……その時は。」

【皆までは言わないが、言おうとしていることは分かりやすいだろう。
やはり、色々と察している。

左腕がぴくり、と動いた。】

2580とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 04:34:40 ID:D4QJJBfE
「……………そういう事、言わないで。
……哀しくなるわ。」

暫しして手を離しながら、そう呟く。
しかし、覚悟が出来ていない訳ではなかった。

寧ろ、並大抵の手合いよりは出来易くなってしまっている。
そこをも呪いながら、彼女はそう言った。

「……どうしたの……?」
左腕が脈動の様に動いた事へ、疑問を投げかける。

2581とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 21:55:10 ID:Om9ifW.c

「……ん?いや……――――っ!」

【自分の腕が脈動したことに気づいていないようで、その問いかけに対して
こちらも疑問を露にしようとしたその瞬間、今まで滾っていた魔力が装具に収束していく。

そして――――――。】

『ヤメ、ロ……。』

【左腕が瞬時に動き、装具がヴァニティへと突きつけられた。
彼が言うには〝いらない魔弾の発射機能の付いた〟装具である。

その言葉は彼のものだが、彼の意思によるものではないことは明らかである。】

2582とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:05:00 ID:D4QJJBfE
「…………――」

突き付けた腕が、女性の前髪を俄かに揺らす。
その瞳は突然の挙動に動揺するでもなく、ただただ装具の方を見ていた。

「…………どうして?」

薔薇が刻まれた銃を抜くでもなく、装具の射程から身を逸らすでもなく、ただただ訊いた。

2583とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:16:19 ID:Om9ifW.c

『……ヒツ、ヨウ……。』

【口を動かしにくそうにしながら言葉を述べる。
恐らく、乗っ取られているような状態なのだろう。

目に見える形で、魔力が収束していく。白く輝く魔力が路地裏を明るく照らす。】

『…………!』

【だが、何があったのかその収束した魔力は液体となって地面に流れ落ちた。】

2584とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:24:31 ID:D4QJJBfE
「…………主語と説明が足りてない。」

ぐい、と口元までずれ落ちた外套を上げて答える。
これがビィバードでない事は分かる……というより、一番"会いたかった"相手かもしれない。
情報を素直に答えるかどうかは分からないが、まずは普通に問うてみた。

「(……こちらもこちらで、妙……一体どうなっているの……)」

収束した魔力は、形で言えば発散されている。
しかしその様は、"彼"がしたかった形の様には思えない。頭の中で首を傾げる。

2585とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:36:58 ID:Om9ifW.c

『……ココマデ。ゲン、カイ。』

【カタコトとした出来損ないのゴーレムの様な言葉を発している。
言葉の意味は良くわからない。】

『……セツメイ、は……ソト……。』

【ビィバードの足元に白く輝く液体が広がっていく。】

2586とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:40:10 ID:D4QJJBfE
「な…………!
待って、外って…………」

珍しく、あからさまに狼狽した様子を見せるヴァニラ。
足元に広がってゆく白い液体を、食い入る様に見つめている。

2587とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:50:43 ID:Om9ifW.c

『…………。』

【すると魔力の揺らぎも収まって、沈黙する。】

「……っ!」

【ハッと気がついたように顔を上げる。
今度はビィバードの意識であることに間違いない。

自分の居場所を確かめるように首を振った。】

2588とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 22:54:17 ID:D4QJJBfE
「……………。」

ビィバードの目の前には、思案顔のヴァニラが居た。

「…………音として認識出来た言葉は……あれだけ……
本当に……それが全て……?」
ブツブツと、何か考え込む様子を見せる。

ヴァニラは"彼"の様子が気になっていた。
確かに"彼"はビィバードの中に居る。だが、ただ寄生しているにしてはどうにも様子がおかしい。
その事について、頭を巡らせているのだ。

2589とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:02:58 ID:Om9ifW.c

「ん……。」

【気がついたときには、まだ目の前にヴァニティの姿。
時間がそれほど経っていないことが理解できる。

ともあれば、大体、察することができる。】

「…………もしかして、痣のせいか?」

2590とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:06:45 ID:D4QJJBfE
「……………――。」

声にして返答は返さず。ただ頷いた。


「(寄生………いえ……共生……?
そもそも人に寄生するのは何故……? 自分だけでは生きられないからだとして……
なら、彼を選んだ理由は何……?)」

2591とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:20:23 ID:Om9ifW.c

「……そうか。それは何か言ってたのか?」

【気になるのはそこである。
軽くではあるが、意識を失っていたため、仮にそれが何を
話していたかは分からない。

まして、気がついたときにヴァニティは思案顔であった。
何かあったと思うのは自然であろう。】

2592とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:26:24 ID:D4QJJBfE
「…………何かが必要だと言っていたわ。
……説明は……外、とも。……多分。
私に分かるのは……それだけ。」

無表情だが、少し困惑している風なのが伝わって来る。
彼女自身も情報が整理し切れていた訳ではない。
ならば、"彼"言葉の全てを聞いていたとしても有力な手掛かりにはならない。

2593とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:35:48 ID:Om9ifW.c

「……そうか。多分、外って、王都の外だと思う。
俺が乗っ取られたときも王都の中には入ってこなかったって言ってたし。」

【困惑しているヴァニティを見て、自分も思案。
乗っ取られていた状況の話を聞いた中から、思い当たることについて述べてみる。】

「……でも、……その、それって、罠なんじゃ……ないかな?」

2594とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:43:34 ID:D4QJJBfE
「…………分からない。
……ただ、ここで手薬煉を引いていても……良い事になる?」

(最悪……彼が本当に乗っ取られたとしたら……
………化け物と見なされて、良い様にはされない…………。
私が近くに居れば"まだ"良いけれど………そんな保障もない。)

と、ここで独白を止める。
先程から、彼と"彼"が頭の中で混同していてややこしい。

「………あ……。
……ヴァニラ、よ……。名前。」
なので、今更ながらも自己紹介らしい。

2595とある世界の冒険者:2014/05/13(火) 23:51:17 ID:Om9ifW.c

「……じゃあ、行くって言うことか。」

【行くな、とは言わない。
恐らく、自分が止めても止まらないことが分かっているからだ。】

「…………ビィバード=ネスト、だ。」

【こちらも自己紹介をする。
初対面で彼は中々、自分について開示しようとはしない。

だが、それをしていることはとても珍しい。】

2596とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:02:54 ID:mF.njvxg
「………ええ。」

今度は言葉に出し、仕草と併せて意思を伝えた。

「………ネスト君ね。」
その珍しさに気付く事は勿論無いが、名を呼び、小さく眼を瞑る。

2597とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:08:47 ID:ici1kxhQ

「…………。」

【それを聞くと少し悩むような素振りを見せる。
名前を呼ばれて、それを確かめるようにこちらも頷く。

悩んでいる内容は恐らく、そのヴァニラと一緒に……。】

2598とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:15:08 ID:mF.njvxg
「…………。」
(嘘を言ってごめんなさい。)

心の中で、一言詫びる。
ヴァニラとは言わば偽名であり、本名ではない。
そもそも"虚栄"と名乗る自らのそれが本名なのかと言われればそれもまた疑問だが。

「…………どうしたの?」
悩む様子が伝わって来たのか、或いは察しているのか。
相変わらず読めない表情のまま、ビィバードに問う。

2599とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:27:06 ID:ici1kxhQ

「いや、その……着いていった方がいいのかな、って。」

【少し、遠慮気味にそう口にする。
自分のこととはいえ、どう動けばよいのか分からないのだろう。

まして、自分では戦力にならない。
仮に戦闘になったとなれば、自分は足手まといになりかね無いからだ。】

2600とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:32:53 ID:mF.njvxg
「……………止めて。」

ここまでの言葉は、無感情であれど冷静であれど、冷徹ではなかった。
しかし、今出たそれは今までの物とは全くの別。

不意に路地裏の空気が凍り付く様に、緊張が走る。

「…………死んだらどうするの。」

2601とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:41:26 ID:ici1kxhQ

「…………う。」

【その空気の変わりように流石にこちらも察したようだ。
思わず、尻込みしてしまうほどに。というか怯えも混じる。】

「……わ、わかった。」

【それで、それでも行きたい、と言えるほどの度胸は彼には無かった。
その空気に気圧されるがままに、首を縦に振った。】

2602とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 00:45:32 ID:mF.njvxg
「…………我儘よ、私の。
……貴方を守れる自信が無い。ただそれだけの。」

本当は、一緒に行きたかった。
否、行くべきであった。
彼自身が知らねばならぬ事なのだ、それを自分一人で動いてどうする。

為を思うなら共に行くべきだ。
しかし……彼を危険に晒す様な事は、選びたくなかった。

2603とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:06:38 ID:ici1kxhQ

「……いや、良いんだ。俺も自信が無いから。」

【首を振って、それに応える。
まして、先ほどの様に意識を失う可能性もある。

すなわち、ヴァニラの言い分は正しいと思っている。】

2604とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:12:56 ID:mF.njvxg
「……………ごめんなさい。」

憂う様な声色で、詫び言を告げる。
ビィバード自身が納得していたとしても、やはり本人としてはすっきりしない様だ。

2605とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:26:59 ID:ici1kxhQ

「…………良いんだ。謝らなくて。」

【ふぅ、と息を吐いて自分の装具を見つめる。

いくらぶっきらぼうでも自分のせいで、こうなっているともなると
流石に罪悪感めいたものも湧いてくるようである。

とはいえ、大して魔力に揺らぎはない。】

2606とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:38:39 ID:mF.njvxg
「…………。」

暫く何かを考える様に黙り込んでいた……が。


「明朝、8時。
……街道を西に逸れた森に向かうわ。」

どういう意図があったかは分からない。
しかし、彼女は自身の赴く場所を伝えてから

「……じゃあ、今日はこれで。」
身を翻す。去る様だ。

2607とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:42:21 ID:ici1kxhQ

「…………え。」

【彼女の口から飛び出した言葉に困惑する。

これでは、ついてこいと言っているようなものである。
そして、それはめぐりの悪い彼でもわかるほどだ。】

「……分かった。……その、色々とありがとう。」

【いつもなら面と向かって言うことのないお礼の言葉。
それを身を翻した彼女に聞こえるように述べた。

…………彼も覚悟を決めるときが来たようである。
去っていくその背にお礼の言葉をかけると、そのまま見送ったとか、FO】

//こんな感じですかね。途中、返信が遅れてしまった部分が多々あってすいませんでした。
//お疲れ様でした!

2608とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:45:40 ID:mF.njvxg
「……………お休み、ネスト君。」

その言葉を背中に受けると、振り向かずに一言。
そして、夜の闇に溶ける様にその姿は消えて行った……。

//いえいえなんのおきにせず、お疲れ様でした!

2609とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 01:59:15 ID:ici1kxhQ
<?????>

「ほほう。あの小童に居るお前さんに接触したものが現れた、と。」

【とある一室に、低くしゃがれた声が響く。それはどこか喜色に彩られている。
こつこつと余り規則正しくない乾いた音をさせながら、それは瓶を手に取った。

どうやら中身はかなり少なくなっているようである。
そして、それを〝暗闇〟へと垂らした。】


「だが、実に都合が良いではないか。その様子では誘い込めた、のであろう?
そうすれば、お前の教育も時期に終わるということ……そしてようやく準備も整うという物。

……カカカ、期待しておくとしようか。

……ふん、案ずるな。こっちの教育は今日で終わりよ。お前さんも大分、覚えてきたであろう?
すぐには声や形は出てこないと思うが、それは時期に出来るようになる。

いや、お前さんの学習能力ならば、それほど時間は必要ないであろうな。」

【そして、暗闇に向けて全てを垂れ流し終わると、その瓶をテーブルへと置いた。
暗闇は芋虫の様にぐねぐねと蠢き、その横では髑髏が笑っていた。

そして、空になったその瓶には〝メヤズ=イェノー〟と書かれたラベルが貼ってあったとか、FO】

2610とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:22:33 ID:mF.njvxg
-王都 ミラナの家-

「……はー……だる。
寝不足は辛いわぁー……」

きちんと整頓され、家主の性格が表れるかの様な控え目な家。
そんな中、ふてぶてしくも部屋の真ん中でごろごろとする橙髪の女児の姿があった。

因みに、現在ミラナは外出中。
先日の話を聞いた事と邪気が来訪するという事もあり、進んで買い物に出ているのだそうな。

2611とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:25:07 ID:ytzV1lq2

りん、と。
そんな家に呼び鈴の音が響く。

はて、誰だろうか……とは言っても来客なんてものは限られるであろうが。

2612とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:37:27 ID:mF.njvxg
「開いてるわよー。」

他人の家であるにも関わらず、この遠慮の無さ。
外で鈴を鳴らす青年にも、今家に居るのが誰だけなのかはっきり分かるだろう。

2613とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:40:56 ID:ytzV1lq2
「……邪魔するぞ。」
「なんだ、ミラナは居ないのか?」

ぎぃ、とドアを開けて……出迎えが無い事に家主の不在に気付く。
いや、それも失礼な話だが、まぁゆんぬだし、と言う考え。

「土産を持って来た、冷蔵魔具はあるか?」
と、割と有名なケーキ屋の袋を提げて、奥まで入って来る。

2614とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:44:10 ID:mF.njvxg
「買い物。
羊皮紙裏表4枚分ぐらいだから、しばらく帰って来ないわよ。」

お前は鬼か。
まるで休日のお父さんの様に寝そべっているユンヌの姿があった。

「ん。」
ぴ、と右の方を指差す。
簡素な木箱タイプ……多分安物である。

2615とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:46:34 ID:ytzV1lq2
「…………、
 今度から買い物の時は言え。」

荷物持ちも買い物も、手伝えばすぐである。
やれ、とは言っても無駄なので言わないが。

「…………、
 ……いや、そこまでは過保護過ぎか。」

一瞬、家具系の魔具類でも作って何か理由を託けて渡すべきか、なんて考えたが
流石にやめておいて、ケーキを木箱に入れておく。

2616とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:52:31 ID:mF.njvxg
「今回は自発的よ。
これ言っちゃいけないけど、あんな事の後だからあまり刺激はしたくないって。」

言っちゃいけない事をへいへいと言う女児。
互いの間柄があるからこそ言える事でもあるが。

「さて、じゃ……ぱぱっとやっちゃいましょうか。
お茶会はその後。」

木箱に入れたのを確認した後、後ろ頭に手を組んで起き上る。

2617とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 02:55:15 ID:ytzV1lq2
「……、腫れ物か俺は。」
「そう何度も、ボロは出さんさ。」

こうでなくてはならない、と自身に言い聞かせ。
表面上はすっかり元に戻った。 ……傷んだ髪の色以外。

「……ああ。」

何処か気不味そうな様子で答えて、ユンヌの方を見る。

2618とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:07:23 ID:mF.njvxg
「実際腫れて剥れてたでしょ?
ま、あの子もそういうの下手だしお互い様よねぇ。」

やれやれ、と言った様子で邪気の正面まで歩いて行く。

「……やり方は分かってるわよね?」
敢えてそれを察しながらも、淡々と続ける。

2619とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:10:05 ID:ytzV1lq2
「無様な真似はもうしない。」

無様とまで言い切るか。
溜息を吐きながら、正面に来た娘から目を……逸らす。


「………………、ああ。」

若干の間の後、見下ろすように目線を合わせ。

2620とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:20:39 ID:mF.njvxg
「ブザマねぇ……?
アタシは、カッコつけてるアンタより恰好付いてると思ったけど。」
とすまし顔で眼を瞑り

「……行くわよ。」
静かな声で言うと、右手を差し出す。

2621とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:22:50 ID:ytzV1lq2
「……、無様だろう、あんなもの。
 アレは、人に見せるものじゃあない。」

まぁ性格からして見せても家族……、
それこそ、心の底から信用している相手だけだったろう。


「……ああ。」
覚悟を決めた様子で差し出された手を右手で、握る。
……少し、震えているが。

2622とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:31:51 ID:mF.njvxg
「……アタシ人じゃないけど?」
屁理屈を言ってごまかす。
気を紛らわせようとしての事だろう。

「…………。」
手を握られたのを確認して、すぅっと息を吸い

「……汝、望むべし。
ユンヌ・オーヴェル・ギネヴィア・イエラス・オラート・アルコイリスとの契約を。
……汝、臨むべし。
永遠に穢れなく、轟焔の如き怒りを半にし、その身に宿さんと。

テ・エレスタ・ジュネリエン・ヴィ・ラーグナ・アルコイリス……。」
契りの文言を呟くユンヌと、手で繋がった邪気。
二人の体が橙色の燐光を帯びる。
そして、彼女の魔力が流れ込み……己の魔力が流れてゆくのを感じる。

2623とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:34:03 ID:ytzV1lq2
「……屁理屈を、言うな。」
久々に、皮肉げな笑みを浮かべて。
小さく手を震わせながら。


「……――っ。」
どくん、と魔力で動いている筈の心臓が酷く脈打つ。
記憶が、フラッシュバックする。「彼女」と契約した時の。

比翼と、……そう言いながら、千切らせた彼女の記憶が。

その所為か、手に汗が滲み、魔力が僅かに乱れる。

2624とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:39:06 ID:mF.njvxg
「………――
其の怒りは我なり。其の怒りは汝なり。
……其の力は"乗り越える為"の力なり。」

邪気の動揺を察して、一節を声色を強めて言う。
乗り越える為の力。
嘗てミラナを苦境から救った力。
そして今度は、別れを乗り越える為の力。

2625とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:40:53 ID:ytzV1lq2
「っ……はっ……、」

努めて魔力と、精神を落ち着かせながら、それに応える。
呼吸を繰り返しながら普段ろくにかきもしない、汗をかく。

「っ、ふ―――――。」
やがて、段々と魔力が落ち着いてくる。
……感じる魔力の中には、最後に"喰"らった、「彼女」の物がある。

2626とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:49:08 ID:mF.njvxg
「………誓いなさい、ジャキ・カルレオン。
……アタシとの契約、破らないわよね?」

その魔力は感じつつも、丁寧な言葉は止める。
最後は彼女らしい言い草で、誓いを求めた。

2627とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 03:53:15 ID:ytzV1lq2
「……――ああ。」
「俺は……、――俺は、破らない。」

喉が渇きを訴え、脳が警鐘を鳴らす。
【やめろ、どうせ同じ事になるだけだ】
【今度は死体が二つに増える事になる】

「汝の怒りを、我が怒りに。」
「穢れ無き轟焔を、我が心血に。」

それを抑え付ける様に、僅かに表情を歪めて。
【どうせそうなら今壊してしまえ】
【所詮それぐらいしか出来ないのだから】

「ここに、誓う。
 ……汝と共に万難辛苦を乗り越えん事を――。」

自らも、契約の言葉を誓った。

2628とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:03:38 ID:mF.njvxg
「……――」

二人の体が、ジャキの意識が橙色の光に包まれる。

ぼんやりと宙を漂う中、彼は見た。

彼女が笑っているのを。

今この時を満足げに、笑っているのを。


意識が、現実へ引き戻されていく。短い時間だ。

「契約、完了ね。」
目の前には、ユンヌが居た。

2629とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:05:45 ID:ytzV1lq2
「――――――――あ。」

……ふっ、と自身の中の彼女の魔力が。
消える。

同時に、それが誘発していた呪詛の、「ごく一部」も。
まるで、終わったかのように。


「……、……ああ。」
「……妙な感じ、だがな。」

少しだけ呆然としたようにした後、少し頭を振って。

2630とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:09:07 ID:mF.njvxg
「はー、しゃあないから死なないでおいてあげるわ。」

契約が終わった事をユンヌも感じ、ぐっと伸びながら皮肉を吐いた。

「で、スッキリした?」
という問いかけには、答えるだろうか。
なにせ、扉の前に先程からずっと気配があるのだから。

2631とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:13:37 ID:ytzV1lq2
「……ああ。」
「傍に居てくれ。……居ないのは、寂しいからな。」

ふぅ、と息を一つ吐いて。
"普段の様子で"、素直に。

「少しだけ――少しだけ、だが。」
「……最後に、どんな顔をしていたかは、思い出したよ。」

小さく……普段見せる少し作ったような笑いとは違う、
巣箱に居る時に見せるような柔らかい笑顔を浮かべた。

2632とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:24:44 ID:mF.njvxg
「……て、照れる事言うんじゃないわよ!?」
がーっと吼える様を見せ、ジャキを睨み

「……そ。」
その様子に、つられて笑顔になった。



『……――のー……』
ふと話を終えると、玄関から声が聞こえる……気がする。

2633とある世界の冒険者:2014/05/14(水) 04:31:11 ID:ytzV1lq2
「いや、何だろうな。 ……少し、すっきりしたから解ったんだが。」
と、笑顔になったユンヌを見て、何が可笑しいのかくつくつ笑って。

「どうにも俺は、自分で思っているよりも、お前達が大切だったらしい。」
「ああ、本当に、ミラナも、お前も、……ミルダも、あの爺でさえも。」

可笑しいのは自分だったのか、笑いながらそんな事を。


「と――――ミラナか?」
一頻り可笑しそうにした後、声に気付いて。

2634とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:13:18 ID:hyx3k2b2
『あのー…………
  開けて、ください……。』


何度か呼んでいたのだろうか。
少し疲れた様子で、玄関から声が聞こえる。

そういえばユンヌが大量の買い物を頼んだとか言っていた様な……。

2635とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:16:28 ID:vIIwn4PA

「ああ……すまん、今開ける。」

人の家で自分がこういうのも変だが、ユンヌは行かないだろうし。
ドアの方へ向かって行って。

「おかえり、……悪いな、立ち往生させたか?」

ドアを開ける。 ……なんだか表情がすっきりしている。

2636とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:23:06 ID:MfRCRCIg
『い、いえ…………その、30分ぐらいですし……ありがとうございます。』

30分もよく辛抱強く待ったものだ。
しかも自分の家であるのに。

兎にも角にも、銀の長髪を後ろで小さく束ねた飴色の瞳の少女が大荷物で立っていた。

『……終わりましたか?』
表情の明るさを悟り、ミラナは荷物を持ったまま小さく首を傾げた。

2637とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:27:18 ID:vIIwn4PA

「……大声で呼べ、大馬鹿者。」

呆れ半分、感謝半分に。
一つ溜息を吐いてそう言う。

「……ああ、終わったよ。
 これで、ユンヌが消える事も無い。

 ……重いだろう、寄越せ。」

ミラナ達でも余り見ないような――ミラナ達は知らないだろうが、
巣箱、と。 そう呼ぶ場所でしかしないような、本当に柔らかい笑顔を浮かべて、そう言う。

そして荷物をひょい、と取っては中にはいるように促して。

2638とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:32:38 ID:eEBZvBkM
「すみません、大事な時でしたし……お邪魔はしたくありませんでした。」
ユンヌの契約に関しては気になっていたところ。
事が済んだと分かるまで水は差さずにおこうと考えたらしい。
が、彼女らしく自己犠牲な気の遣い方である。

「そうですか……良かっ……あ………」
こちらも幾らか貫禄のついた笑みを浮かべた後、少し慌てた様な表情で後を追う様に家へ入る。
因みに、入った時に鍵はちゃんとしておいた。

こういう所はユンヌも見習うべきである。

2639とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:36:31 ID:vIIwn4PA
「気を遣い過ぎだ。 俺が使わせてるのかもしれんがな。」

荷物を軽々と持って先程ユンヌと話していた居間の方へ、
ケーキは冷蔵魔具に入れてあるから良いとして、他はどうしようか。

「ユンヌに上げられたから勝手に上がらせて貰ってるが……、
 別に、妙な事はしていないから安心しろ。」

慌てた様子のミラナに、小さく笑いを零してそう言う。
なんだか、少し、変わった。

「ユンヌ、ミラナが戻ったぞ。」

2640とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:48:44 ID:C4.dxYsU
「いえ、その、そういう性分なので……。」
おずおずとした様子。
有事の時は凛とした態度を見せる様になったが、普段はやはりこうである。

「ふふ、邪気さんがそんな事しないのは知ってます。」
口元に手を当て、上品に笑いながら言う。
彼女もまた、心にゆとりが出来たというか。

「ユンヌ?」
いない。
先ほどまで居た位置には、ちょうど菓子をつまんでいた皿が置いてあるのみである。

2641とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:53:52 ID:vIIwn4PA
「まぁ、いいがな。 ……これは何処へ置けば良い?」

荷物を持ちながら、とりあえず居間に来たはいいものの。
何が入っているかも知らぬままであるし。

「どうかな。一応俺も男だぞ。」
少しは警戒しろ、と軽く言い竦めて……
返事が無いのに、部屋を見渡す。

「……何処か行くなら一言掛けていけばいいものを。
 無駄に心配するだろうに。」

繋がったレイラインで、異常が無いのは解っているし魔力探知を掛ければ居場所もわかる。
ので、大事には思わないが。

2642とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:58:50 ID:dXN1jWfU
「あ、キッチンの前で結構です……。
後は私がやりますから。」
にこ、と微笑みながら。
しかし結構な重さ。見た目通りの力なら絶対に持てないだろう。

「邪気さんはしませんよ。」
確信というか、信頼と言うか。
最近はもはや吹っ切れた風に好意をぶつけてくる節がある。困った物だ。

「何処に行ったんだろう……留守番はするからって言ってたのに……。」
言葉通り、留守番”まで”はしたのである。
因みに今頃は街道をうろうろしつつ、甘味に手を出している最中。自由である。

2643とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:03:30 ID:vIIwn4PA
「そういうなら良いが……、
 手伝いが必要なら、何時でも言え。」
見た目通りでないのは知っている、が。
そういう問題ではない。

「……一応性欲はあるんだがな。」
ふぅ、と呆れ気味の溜息と共にキッチンまで荷物を運んで、下ろす。
魔力が臨界まであふれている時はそうでもないが、平時は、別だ。

「さてな、何処ぞでケーキでも食べているんだろう。
 ……全く、あいつの分もしっかり買っておいたんだが。」

2644とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:13:52 ID:ow/RRgZk
「……はい、その時は。」
少し悩んだ後に返答。
素直に頼れる事もまた、強さである。

「えっ……。」
意外、という様な表情。
それも恥じる風も無く、本当に意外と言った風でもある。

「……ユンヌ、何か言っていましたか?」
と聞く声は少し遠慮がち。
契約したと言う事は、辛い出来事を思い出させてしまったという事だ。

2645とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:21:08 ID:vIIwn4PA
「それでいい。 ……、
 お前等は放っておくとまた何事かあるとも限らんからな。」
ふっ、と笑んだ後に皮肉一つ。


「…………なんだその顔は。」
此方は若干の間の後に、顔を少し顰めて。

「仕事で、魔力を充実させている時は精神性が人から乖離するから、そういうのは無いがな。」
「……気を抜いてる時や、仕事が無い時だとか、それこそ実家に居る時は、成る可く人間で居るようにしてるしな……、」
「食欲や、睡眠欲は身体の造りが大分変化しているから、薄いが……」

「女を見て、そういう欲求を持つ事ぐらいは普通にある。」
人を賢者か何かか、とでも思っているのか、と言った風に。


「ん……、少し、また怒らせてはしまったようだが、な」
「――すっきりは、できたよ。勘違いでなければ、仲直りもな。」

2646とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:32:56 ID:EjcHNNmw
「もう……平和でいいです。
これじゃちっとも人間らしくありません。」
困った様な笑みを浮かべて言う。

「……成程……
人と、それ以外の体が切り替わってる様な感じなんですか……?」
きょと、と首を傾げて。

「…………。」
あ、頷いたこいつ。

「……ユンヌも素直じゃありませんから。
本当、そういう所は私に似なくても…………。」
再び困った風な……しかし、どこか心地よさそうな笑みを浮かべて。

2647とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:39:08 ID:vIIwn4PA
「くく、……そう、だな。
 だから、余り心配は掛けないでくれよ。」
手を伸ばし、ミラナの頭を撫でて、そう言う。
完全に妹に対する扱いだ。

「そう、だな。 それが一番近いだろう、魔力が無い時は殆ど普通の人間、……"以下"の状態だしな。」
元々、彼の身体は最初の一件で――、一度死んでいる。それを無理矢理魔力で動かして……、
メガデウスの件や、ミラナの知らぬカロンの件、幾度かの戦いの中で再度死んだ事により、化物と化している訳だが、……。

本来の彼の身体は全身を瘴気で汚染され、一人では杖無しで歩くも儘ならない状態の物、に近いのである。

「…………あのな、この際だから言っておくが。
 お前等……お前にもユンヌにも、そういう感情を抱いた事はある。
 もう少し慎み、と言うか……警戒を持つべきだ、お前等は。」
顔を顰めたまま、若干、と言うか確実に少し怒った様子で、お説教を。

2648とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:47:28 ID:RHHepHqs
「…………。」
そう、邪気はそう言って慰めてくれる。
その意識のズレは心地よくあり、時に歯痒くもあった。

「以下……ですか……。」
胸中複雑である。
自分が巻き込んだ大事件は確かにあるが、命まで危うげる物ではなかった。
しかし、自分が力になれなかった事件ならいくつでもある。

「えっ……あっ……えっ……えええ……?
あの、ごめんなさい……その……。
わ、私……別にその様に……女性的な魅力も無い……と思っていた物ですから……。」
そういう感情を抱いた事がある……ここまで話をして何か分からぬほど馬鹿ではない。
狼狽しながら、ひたすら頭を下げる。顔を真っ赤にして。

2649とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 22:52:54 ID:vIIwn4PA

「ああ、……周期的に魔力が枯渇する日があるんだが、
 その時は家の外に出るのも儘成らん。」

今更隠しても仕方あるまい、と思って序に言っておく。
まぁ、そう言った日は大概パスカヴィルに家の事をさせて引き篭もっているらしいが。
……噂の限りであれば、今も定期的に沸く異界存在に対処している、とか。


「…………。」
じと眼で、慌てる様子のミラナを見た後に、大きく溜息を吐いて。

「世の女が聞いたら殺されかねんな……、本当に。」
「お前等は少し自分の容姿に自覚を持て、俺相手にも、他にも、だ。」

2650とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:01:52 ID:Rv45X9cM
「…………。」
曖昧な吐息で合わせ、考え込む。
そういう時に、傍に居て世話ができれば……と。

「いえ、あの……だって……そういう事は……
あまり言われた事……ありませんし。」

否である。
実際の所、ナンパに近い事は数度受けている。
しかしながらミラナ自身が全くそう捉えてはいないのだ。
天然モノの悪女なのではなかろうか。

2651とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:06:20 ID:vIIwn4PA
「ま、こればかりはな、どうにもならん。
 黙って家で寝てるに限る。」

……聞いても流石にその日は言わないだろう。
ともすれば、自宅で勝手にぶっ倒れている、というのもありそうだ。


「そういう台詞を吐く女は大体、無自覚に断ってるものだがな。
 友人にも似たようなのが居るが……死屍累々だぞ、あれは。」

何処ぞのシスターの顔を思い浮かべて、もう一度溜息。
せっかくの出会いをフイにするな、というのに……まぁ、あっちの件はもう片付いたが。

2652とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:15:11 ID:LIaitx42
「……一人で大丈夫なんですか……?」
と、質問出来ただけでも上出来、だろうか。

「……だとしたら私、とても悪い事をしているのでしょうか……。
……自覚してお断りした方が良いんですか……・?」

聞くんじゃない。一番答え辛いだろ。

2653とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:17:30 ID:vIIwn4PA
「そうなる日は、ある程度は予測出来るからな……、事前に準備してれば問題無い。」
突然そうなる事もあるが、一応常に準備はしてるしな。
なんて、付け加えて。


「…………。」

間。
恐らくはなにか、邪気の中で色々な思考が飛んでいるのだろう。

「……お前が相手を気に入らないなら、そうしろ。」

そしてかなりの間の後にそれだけの言葉を。
あ、めぇ逸らした。

2654とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:27:45 ID:cCz2lXjc
「成程、周期があるんですね。
それなら対策は取り易そうです。」
少し安心した様子で胸を撫で下ろし

「…………あっ。」
少し目を見開いて、その様子を注視。

「邪気さん、今何か他の回答を持っていますね……っ?」
くる、と邪気の顔の先に回り込んで顔が近い止せ。

2655とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:32:17 ID:vIIwn4PA
「そういう事だ、 ……ならないに越した事は無い、がな。」
本当に突然来る、という事も稀にある。
稀に――だが。


「……断られる男の方はダメージがでかいだろうな、と思っただけだ、他意は無い。」
すす、と目線を逸らしてソファに逃げるように座る。

2656とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:37:30 ID:p.bB8hTk
「……でもそれが難しかったから、対策を講じているんですよね?」
口元に手を当て、小さく首を傾げ

「いいえ、あの間は怪しいです。
邪気さんは隠し事がお得意ですし……!」

パタパタと追う様にしてソファの縁へと。

2657とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:45:04 ID:vIIwn4PA
「まぁ、な。」
勿論、ある程度の対策はしている。
常に魔力を充足させる様に、とも思っている……、
が、そううまくはいかない。

「知らん。知ってても応えん。」
「と、言うか今答えただろう、充分だろう、ケーキでも喰ってろ。」

食い物を餌にする人。

2658とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:49:27 ID:VWR/JZ72
「何かあった時には、邪気さんも私を頼ってくれると嬉しいです。」
と、ほんの少し、悟られない程度に憂いを含んだ笑顔で言う。
恐らく、頼られないであろう……という憂いを含んだ。

「何か足りない気が……え、ケーキですか……?
そ、それは是非頂きます……!」

しかし、あな悲しや貧乏精霊。
好奇心は甘味に負け、その後しばしのお茶会で追究を免れたのであった……。

2659とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 23:51:15 ID:vIIwn4PA
「……ああ、そうだな。」
が、返って来たのは予想の外の返答。

「お前にも……ユンヌにも。
 これからは、少し、凭れ掛からせてもらおうかな。」
穏やかな表情で、瞼を伏せて。フイにそんなことを言う。


「ああ、美味いのを買ってきたから……
 ユンヌにも残しておいてやれよ。」

そして、ケーキに食いつく精霊の娘を見て。
楽しそうな笑みを浮かべるのであった。

2660とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:43:25 ID:GXJMnO8A
-王都 裏路地の某便利屋-

「もし。」

戸を叩く音が、昼下がりに一つ。
スラムの裏側で聴ける事も稀な、凛とした女性の声である。

黒い髪を束ね、朱染めの袴を着た侍然とした線の細い娘。
それが、この店にどの様な用事なのだろうか。

2661とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:46:49 ID:EakOd2xc

『合言葉は?』
と、ドアから一度帰るのは無機質な魔道具の声。
冷たく威圧的な印象のあるその声の後に。

「ナチャ、良い。……けほ……開いている、好きに入ってくれ。」

聞き慣れた声が咳交じりに響き、鍵が開き招くようにドアがひとりでに開いた。

2662とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:54:17 ID:HRPV8HIs
「開けご……コホン、結構でしたか。」
玄関前で咳払いをし、扉へと向き直る。

「突然申し訳ありません、お邪魔致します。」
そして促されるまま、中へと入って行く。

2663とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:57:58 ID:EakOd2xc
「家に財宝は無い。」
聞こえた茶目っ気を含んだ言葉にそう返す。
開いた先には出会った当初の様な傷んだ赤い髪の青年が、椅子に座っていて。

「構わんさ、今日は外に出る用事もなかったからな……」
椅子から立ち上がり、奥の応接間までへと取り敢えず通す。
夢路が落ち着いて話したいなら二階の和室まで行くつもりではあるが。

「だが、珍しいな……どうしたんだ?」

2664とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:07:14 ID:SaGPV22g
「し、失礼しました。」
少しばかりはにかみ、聞き咎められていた事を恥じ。

「いえ、ごあいさつに上がらないといけないと思いまして。
……実は、お世話になった縁の家に向かう為、ネオベイに一度戻る事にしたのです。」

応接室について行きながら、歩み語る。

2665とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:11:05 ID:nTaD76HQ
「遠峰は、妙な所で子供のようだな」
くく、と小さく笑うその雰囲気は少し明るい、が……、
そんな印象と裏腹に、足取は本の僅かにふらついているようにも見える。

「ネオベイに? ……ああ、そうか、此方にいる理由もそう無いだろうしな……、」
「然し律儀な事だな、気にせずとも良いだろうに」

二人分の緑茶を影の使い魔に用意させて、やはり和室へ。
此方の方が普通に話す分には落ち着くだろう。

2666とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:20:56 ID:WlQ7yh5g
「こ、子供とは……
……邪気殿?」
小さく首を傾げる。彼女も言って達人の域。
その様な仕草に気付かぬ筈もない。

「ここは大変落ち着きますが……
今回は急を要するのです。私もどうしても力になりたく思っています。
ですが……知人に声を掛けぬのは、聊か情が薄いという物でしょう。」
和室に通され、やはり正座をしながら真剣な表情で言う。

2667とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:28:08 ID:nTaD76HQ
「ん……?ああ……何、周期的な物でな」
「少し休めば何てことの無い疲労だよ」
別段、隠す事でも無いのか、苦笑いでそう言う。
……そう言えば、メガデウスの件でも時折酷く辛そうにしていたが、それだろうか。

「ふ、む」
話を聞いて少し考える様な仕草。
湯呑みに入れた緑茶を一口飲んで……。

「……そう言えば、俺も少し日本に用事があったな……。」

思い出したかの様にそう言う。
とってつけた様だが、歴とした事実である。

2668とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:30:37 ID:T1gnjKJs
「……疲労と言うよりは、消耗、に見えますね。」
すっ、と目が細まる。
こういう時の夢路は油断がならない。

「そうなのですか?
……いえ、不思議でもありませんね。邪気殿も元々ネオベイの生まれなのですから。」
クスリと口元に袖を当て、笑みを零す。

2669とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:37:05 ID:nTaD76HQ
「あー、……そう、だな……」
一瞬の躊躇い、目線を逸らしたが「遠峰な良いか」、と呟いて。

「俺の心臓は魔力で「ここで最大級の権限を持つのは閣下と僕だ、覚えておくんだな!!」動いていてな、偶に魔力が減る時期が来ると、今もこうなる」
メガデウスの時は何も対策をしていなかったから魔法を使う度に心臓が止まっていた、と言うのも最早昔の事だが、と。
やけに素直に白状した。

「ああ、墓参りと……小父さんに、挨拶をな」
「年に一度か二度は、必ず顔を出す様に言われている」
少し気恥ずかしそうに、目を伏せて。
……これから「小父さん」と言う単語が出るのは、中々シュールだ。

2670とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:38:04 ID:nTaD76HQ
//別のとこの書き込みが混じったw

「あー、……そう、だな……」
一瞬の躊躇い、目線を逸らしたが「遠峰な良いか」、と呟いて。

「俺の心臓は魔力で動いていてな、偶に魔力が減る時期が来ると、今もこうなる」
メガデウスの時は何も対策をしていなかったから魔法を使う度に心臓が止まっていた、と言うのも最早昔の事だが、と。
やけに素直に白状した。

「ああ、墓参りと……小父さんに、挨拶をな」
「年に一度か二度は、必ず顔を出す様に言われている」
少し気恥ずかしそうに、目を伏せて。
……これから「小父さん」と言う単語が出るのは、中々シュールだ。

2671とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:43:31 ID:I5QwubaM
「成程。
つまり今は魔力の生成が追い付かず、体全体の機能を損なっている……と。」
少し思案する様子を見せて

「なら丁度良いですね。
何かあっては大変ですし、道すがらは御一緒致します。
奥橋波領は海路だけで行けますし、好都合です。」

2672とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:48:56 ID:nTaD76HQ
「そう言うこと、だな……魔術は使っても二割、と言った所か」
「まぁそう言う時の為の刀やら徒手だがな」
この状態でも並の人間や妖魔相手なら千来ようが負ける事は無い、は本人の弁。

「ああ、折角だしな」
「そちらの事でも、俺が何か手伝えることが有れば手伝おう」
何せ知識は広い方だ、荒事も……話に聞く八岐大蛇やらが出て来なければ、まぁ。
死ぬことはあるまい。

2673とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:54:45 ID:vssyZRco
「使ってしまえば回復が遅くなるのでは……?」

「いえ、こちらは結構です。
私はあくまで客将……あまり表立った動きもできません。
邪気殿にあらぬ疑いが掛っても困ります。お気持ちだけで。」
そう告げる瞳は決意の光が宿っている。
今回は、どうしても内輪でカタを付けねばならぬらしい。

2674とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 01:01:49 ID:nTaD76HQ
「使わないに越した事は無いが、な」

「人の厚意は受け取っておけ。……とは言うが、聞かんだろうしな。」
「出来る限りは俺からは手を出さん事にはしておくよ、目の前で何かあるでも無い限りはな」
ヨモギ饅頭を齧りながら、少し恍けた様子にそう言って。
内心では、こういう場合は往々にして何か起こる物だがな、なんて事を考える。

「(まぁ、オイエソウドウに余り首を突っ込んでも良くは無いし……程々にしておくか)」

助けられても、2、3度。それとなくだろうな。
そんなことを考えながら使い魔に茶のお代わりを入れされる。

2675とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 01:11:15 ID:0EcVJVdU
「邪気殿はお墓参りが本懐なのですから、ご自愛ください。」
眼を瞑って言う、邪気に負けず劣らずの頑固者。

「そもそも体調が悪い時に手を出すべきではありません。
荒事が起こると決まった訳でもありませんし、己の本懐を遂げて下さい。」

正座しながらきぱ、と話す夢路であった。
とにもかくにも、奇妙な旅路が出来上がったそうな……。

2676とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 01:14:47 ID:nTaD76HQ
「解ってるさ、俺も自分から厄介に首を突っ込む気はない」
言外に向こうから来た場合は別だが、という言葉を含ませながら。

「……墓参りと顔を出しに行くだけだから本懐、と言うほどの事でも無い気がするが……」
「まぁ、いいか」

以前は行きが一人、帰りが二人だった旅路。
今度は行きが二人だが……さて、帰りは、どうなっていることやら。

2677とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:08:25 ID:lJAjHvKM
――テヴェレ市 テヴェレ学園 水車管理人小屋

テヴェレ学園の敷地は冗談じゃない程広い。
学園で用いる水源としては川があり、この川の力を用いる水車を活用して、粉を挽いたりするわけだ。
……あくまで、教材としてだが。粉屋さんの仕事は、流石に学園の外。
ここは、自然の力を活用するあれこれの例の一つとしての水車である。
なので、せっかくの水車の力も必ずしも活用されているのは言い難いのだ。

「覚えることがおおいのね〜……」

水辺に住みたい。
そんなわがままで、彼女――シズルというが――は、教員用寮ではなくて、この場所を住居にしてもらったのである。
となれば、自然水車の管理をしなければならず、畑違いの分野の勉強も必要になる。
講師としてカルディーネの姿が見えることも、あったりなかったり。
今、彼女は、カルディーネに作ってもらった教本をもとに、勉強の最中である。

2678とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:11:18 ID:BoA6Tf8s

そんな水車小屋に、こんこん、とノックの音が響く。
生徒だろうか? にしては来訪が遅すぎる時間帯だ。

「すみません魔女さん、起きてます?」

ノックの後に聞こえたのは、聞き慣れた低いが良く通る男の声。
最近、教員として採用され先に採用された槍っぽい人と共に狩人科やら何やらで働いている青年の声だ。

2679とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:25:28 ID:lJAjHvKM
>>2678

「はい?」

勉強を中断して立ち上がり、そっと扉を開ける。
急な来客に、彼女のペットである犬が反応したが、見たことのある顔だとわかると、大あくびをして顔を背けた。

「あら、あらあら……どうなされました〜?」

二人の顔を交互に見て、そう尋ねる。

2680とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:27:32 ID:BoA6Tf8s
>>2679

「ああ、いや、どうも。」

ドアを開けた先に居たのは、銀色の短髪の男。
以前、色々とゴタゴタがあった挙句……の、方の、大槌の男だ。

槍の人の方は何処か遠くの叫び声だったのかもしれない(表記ミス)。

「お暇でしたら、……あー、少し酒でも、と思ったんですが。」

2681とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:40:42 ID:lJAjHvKM
>>2680

「あら。ふふ、ちょうど一息つこうと思ったところなの〜」

「さ、入って〜」

穏やかな微笑みを浮かべて、中へ招き入れる。
それから、机の上が散らかっているのを思い出すと、慌てて片付けに入って。

「あらあらあら……ごめんなさいね〜」

「結構、先生って覚えることが多くて……っと」

簡単に物をまとめて、机の上を空ける。
それから、席につくように促して、自分はその対面に座る。

「それで、お酒って……ふふ、何かいいのでももってきてくれたのかしら?」

2682とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:43:37 ID:BoA6Tf8s
>>2681

「ああいや、忙しいなら日を改めますけど。」

ドアから覗いた机の上の資料が見えたのか、
片手に紙袋を提げたままそんな事を言うが。

「そう、ですね。 俺も、教えるのが上手い方じゃないんで、
 口も上手くは無いですし。」

教官先生(槍の人)と比べストイックでスパルタンな事もあってか生徒人気は今一だったりする。
ある種の一部での人気は高いが。

「まぁ、……引退した元同僚にちょっと都合してもらって。
 結構良い物らしいです。」

2683とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:46:28 ID:lJAjHvKM
>>2682

「他人行儀なこといわないの〜」

めっ、と口元に人差し指を当てる仕草をして。

「じゃあ、乾杯といきましょうか?」

ぱんぱん、と手を叩くと綺麗なグラスが机の上にまで現れる。
ということはなく、結局立ち上がって取りに行く。
魔女と言えど、彼女らのように専門家されて細分化されたのでは、専門外は素人同然というケースも珍しくない。

「それで、私を酔わせにきて、何のつもりかしら〜?」

ふふ、と挑発的な笑みをもって、空のグラスを二つ、机の上において。

2684とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:52:32 ID:BoA6Tf8s
>>2683

「仕事のじゃまをするのは悪いですし、ねぇ。」
「俺もランス……あれ、言えた……の奴に邪魔されると、鬱陶しいですし。」

おそらく槍の人の名前の一部を口にして。
要するに親しき仲にも礼儀あり、というのを言いたいのだろう。

「別に、変な意味はありませんけど。」
「デートのお誘いぐらいは、ムードのある所でしよう、かと。」

酒瓶――高級なワインだろうか? それと、カルパスなんかを紙袋から取り出して。
実際にはその会った元同僚に色々と相談した結果、「ムードぐらい作れこの脳みそハンマー野郎」、と罵られたのだが。

2685とある世界の冒険者:2014/06/19(木) 23:56:37 ID:lJAjHvKM
>>2684

「あら。初耳ね〜」

名前まんまだな、という感想は飲み込んだ。
その場にいないからこそ、失礼なことを言うのはよくない。

「まぁ、どのみちタイミングは良いほうだったわよ〜」

「あら。デートプランでも出しに来てくれたのかしら〜。少し照れちゃうわね〜」

胸に手をあてて、もう片手をぱたぱた振る。
照れる、という割には嬉しそうな表情をしていて。

2686とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:00:57 ID:9QgCroQk
>>2685
「渾名、ですけどね、本名無駄に長いですし。」

そう言えば地方貴族の息子だとか履歴書に書いてあったような。
まぁ此の場ではどうでもいいことだが。

「情けない話、同僚に色々聞いて立てた計画なんですが。」
「どうも、女っ気が無かったもので。」

何て事を言いながら取り出すのは、何処か……王都だろうか?
高級そうなレストランの、招待券に見える。

2687とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:15:34 ID:TjFU9d1g
>>2686

「あら。素敵なディナーへご招待、といったところかしら」

「そうね。こういうところで愛を囁かれるのが、女性の一つの夢かしら。ふふ、少しありきたりだけれど」

そのありきたりを、経験することが難しい出自だ。
そんな夢想を抱くのにすら、かなりの年数を要した。

「でも、それだけじゃあまだまだよ?」

「ふふ、期待してるわよ〜」

きゅぽん、とワインのコルクを引き抜いて、グラスに注いでいく。

「ふふ、はい、どうぞ」

2688とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:20:50 ID:9QgCroQk
>>2687

「まぁ……そんな感じ、かと。」

「いや、正直俺はその、今日の流れで、もう一回告白しようかな、と思ってたんですが。」

それを同僚に言った所上記の台詞と共にジェノサイド的な蹴撃を喰らった、らしい。
見た感じ一切怪我無いのを見るに避けたのだろう。

「……善処はしますね。」

仏頂面のまま、少し唸って。

「あ、これはどうも。」

2689とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:23:54 ID:TjFU9d1g
>>2688

「あら。ここでも、ひねれば素敵よ?」

もう少しすれば、この川辺でホタルが飛び交うようになる。
幻想的なホタルの光に包まれて、というのは、中々ロマンティックだ。

「ふふ。でも、さしあたってはその日を期待してるからね〜」

どんなプロポーズを受けるのか。
内心非常に楽しみなのだった。

「ふふ。かんぱーい♥」

自分にも注ぐと、そっとグラスをぶつけて。

2690とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:28:23 ID:9QgCroQk
>>2689

「撚る程の頭が無いのが問題でして。」

何て言いながら若干肩を落とす。
前から学が無い、魔力が無い、とはよく言っている。

「最低限、期待ハズレにはならないようにしますよ。」
「魔女さんの事、好きですし。」

何て言いながら受け取ったグラスをぶつけ、小さく音を鳴らす。
こういう台詞はふいうちだ。

2691とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:31:38 ID:TjFU9d1g
>>2690

「あら。私も、あなたのことは大好きよ〜?」

不意打ちに動揺することなく、微笑みを持って返答する。
それも、大好きときたものだ。プロポーズだなんだというのは、口実にかこつけてロマンスを求めているようなものだろう。

「いい殺し文句も、期待してるから〜」

口説き文句も、それなりのを用意しておけ。
そんな要求であった。

2692とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:38:16 ID:9QgCroQk
>>2691

「……魔女さんの、一時の勘違いとかじゃない事を祈りますよ、本当に。」

こちらは苦笑い。色々と不安はあったりする。
ハンターをやめたのもそうだし、これからの教師もそうだし、寿命の違いもそうだし、えとせとら。

「…………善処します。」

だいぶと、まがあった。

2693とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:45:48 ID:TjFU9d1g
>>2692

「勘違いだっていうなら、一生の勘違いだったら素敵ね〜」

ワインをぐーっと飲んでいく。
なかなか大胆な飲みっぷりだった。

「ええ。がんばって♥」

グラス半分ほど飲んだだけだが、何となく身体は上気している。
口ぶりや態度に変化はなく、問題ない範疇ではあるが。

2694とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:50:26 ID:9QgCroQk
>>2693

「結構、ペース速いですけど大丈夫ですか?」

話しを少しを逸らして。
度数は、そこそこ強いワインだが。

「あんまり、期待しないでくださいね。」
「そりゃあまぁ、がんばりはしますが。」

2695とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:52:39 ID:TjFU9d1g
>>2694

「あら、平気よ〜。このぐらい」

「少し顔に出やすいかもしれないわね〜」

疲れもあるし、魔力の循環の都合でもその辺りは少しだけ影響がある。

「あら、期待させてくれないとだめじゃない〜」

「ふふ。まぁ、あんまり意地悪はしないで待ってあげるわ」

ほら、飲んで飲んでと促して。
二人の夜は、もう少しだけ続きそうだ。

//ではこんなところで!

2696とある世界の冒険者:2014/06/20(金) 00:54:54 ID:9QgCroQk
>>2695

「無理しちゃダメですよ。」

「魔女さんとはいえ、二日酔いはするんでしょうし。」

こちらは至って平素な顔、元が強いのだろう。

「苦手なんですよ、こういうの。」

「ああ、どうも。」

そんな感じで、何かいい雰囲気で二人で晩酌するのであった。

2697とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 22:27:53 ID:kGr/5Zb.
――某国 某地域

何の因果か、君たちは今ゴブリン達の砦の前にいる。
彼らはある日突然街道を粗末な木の柵で封鎖し、さらに塔を建設して射手を置いた。
軍隊が蹴散らすべき案件であるが、規模は未だ小さいために冒険者に話が回ってきたのだ。

「あっはっは。こりゃ笑うしかないな」

適当な遮蔽物に身を隠し、自棄の笑いを起こす金髪の男。
彼はライフルで散発的に応戦するが、効果は芳しくない。
というのも、ゴブリン・アーチャーらが休みなく射かけてくるおかげで、顔が出せないのだ。

2698とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 22:36:12 ID:uwFAXRm2
「さぁて、この中に弓でぶち抜かれても大丈夫な不死身野郎はいるのかね?」
左肩から先をマントで覆い隠し、腰にショートソードと杖を刺した男が、同じように遮蔽物に身を隠している。
時折、機を見ては氷魔法をゴブリンに向けてはなっているが、常に遮蔽物に身を隠していないといけない以上、狙いがあまりつけられないでいる。

「どうするよ!このままじゃあジリ貧だぜ!
一旦引いて、追撃舞台が飛んできたところを叩くか?
いっそのこと引いて、軍隊に身を任せるのもアリだけどな!」
お手上げと言わんばかりに右手をひらひら振って、他の冒険者に意見を尋ねる。

2699とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 22:45:28 ID:kGr/5Zb.
>>2698

「火炎魔法で派手にいきたいがな」

自分は使えない。
あるいは、彼は爆弾をもっているが、投擲するには遠すぎるし、安全も確保できない。
冒険者と砦との距離は、そんなもどかしい距離間である。
遮蔽がなければ戦いになったかどうかも怪しいものだ。

「確かにこのままだとどうすることもできんな」

撤退も視野にいれるべきだろうか。

2700とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 22:53:07 ID:uwFAXRm2
「乱戦に持ち込めりゃあコッチのもんなんだがなぁ……。」
実際、弓が無意味になる距離であればまだどうにか出来るのだ。
質であればこちらが優っているだろうから。
……それでも数の問題は拭えないが。

「俺が氷の壁を作って、それを盾に前進するって戦法もあるがなぁ。
弓兵の攻撃しか凌げねぇし、攻め手が減る。分の悪いかけになるな。」

2701とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 22:58:46 ID:kGr/5Zb.
>>2700

「ふむ……」

「いや、意外といけるかもしれん」

懐から取り出して、爆弾を見せる。
氷の壁で矢を防ぎ、投擲可能距離にまで詰めたら爆弾を投擲する。
相手はパニックに陥り、いくらでも攻めようはあるというわけだ。

「……が、視界が悪くなるのはな」

数で劣っているのに、視界が悪くなるのは危険だ。
乱戦になって、背中を槍で刺された、では救えない。

2702とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:07:18 ID:kySzdIGY
「はぁ…キリがない!何処からこんなに出てくるの……」

壁に隠れつつ、隙間から時々鋭い氷の針やら何やらを放つ少女。
弾足が速く、狙撃向きのものだ。

「軽くビームでも撃ちこみたいけど、この状況じゃまず溜められないなぁ……」

如何せん狭い場所に隠れているため、チャージするのにも一苦労。
しかも下手すれば衝撃で安全地帯を吹っ飛ばすことにもなりかねない。

2703とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:22:55 ID:kGr/5Zb.
>>2702

ゴブリンは数だけは非常に多い。
今回のように、遮蔽から隠れての不確かな射撃による応戦だと、思うように数も減らせない有様だ。

「いやはや、まいったなこれは」

少数の冒険者じゃどうにもならないような気がしてきた。
壁を張りながら後退するべきだろうか。

2704とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:26:24 ID:uwFAXRm2
>>2701-2702
「……ああ、爆弾があるのか。それなら相手をパニックにさせるのはできるな。」
無論、それなりのリスクはあるが、目を潰れる程度だ。
逃げるにしても降り注ぐ矢をどうにかする必要がある。ならいっその事攻めに転じるべきだろう。

「視界が悪くなるにしても、イチかバチかでやって見る価値はありそうだ。
弓兵さえどうにかできれば、まだやりようはある。」
自分が人間である以上、不意を突かれればすなわち致命傷になりかねない。
が、問題は常に降ってくる矢であって、量自体であればまだどうにかなるレベルなのだ。
勿論、相応に運が絡んでくることになるが。

「……なぁ、アンタはなんか打開する案とか、高範囲攻撃とかできた……ってレイヤか。
んーと、パニックが起きて、この降り注ぐ矢が一時的に収まったとしたらなんかできるか?」
他の冒険者にも声をかけたら偶然にも顔見知りの人物。
とりあえず打開できる庵があるか訪ねてみる。

2705とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:32:36 ID:kGr/5Zb.
>>2704

「ふむ、では、吾輩は爆弾を投擲した後にまた遮蔽に隠れながらライフルで支援するとしよう」

「効果確認後に、抜刀突進というのも考えたが、どうやらそういうわけにもいかなさそうだ」

とんとん、と腰から吊っている剣の柄を叩く。
クエストで抜くことがめったにない、宝刀と化してきた剣だ。

「だが、あの策を爆破し、弓兵を無力化しても、中にどんなのがいるのやら……」

姿が見えない、相手の兵力は未知数だ。

2706とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:42:26 ID:kySzdIGY
>>2703-2704
「うーん……まあ、できないこともないけど……」
「ちょっと今の状況じゃあ……」

流石に雨霰のごとく降り注ぐ矢の中に飛び出すなど、殺されに行くも同然だ。
無茶して死ぬよりは撤退、ということも少し頭に浮かべてる。

「…………あ、ちょっと良いアイデアが」

……と、ふと何やら思いついた様子。
少なくとも、役に立つことを祈る。

2707とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:50:44 ID:kGr/5Zb.
>>2706

「ほう。何をする気だね?」

自分の貴重な爆弾を消費しなくていいなら、それは喜ばしいことだ。
別段後生大事に抱えるべきものでもないが、コストは可能なら低く抑えたい。

「……む」

遮蔽に弾かれ続けるゴブリンの矢が、偶然転がってきた。
鏃は、大体の場合彼らは石や骨を加工したものを使うが――。

「何だ、これは」

骨とも鉱物とも取れぬ、奇妙な黒から紺色の鏃であった。

2708とある世界の冒険者:2014/06/26(木) 23:52:36 ID:uwFAXRm2
>>2705
「これで中にゴブリンシャーマンの群れがいたとしたら、笑って許せよ!」
砦にまだまだ戦力を残している、というのは考えないようにしている。
……そこまでの戦力があるのであれば軍隊にどうにかしてもらうべきだろうし。

「っと、レイヤ。いいアイデアがあるのか?
隙を作れって話であれば問題はない。攻撃もしばらくであればどうにか出来る。
……だが、俺達の考えは完璧じゃないからな。お前の提案も聞くぜ。あんまり長くなるのはゴメンだが。」
なにか思いついた様子のレイヤを見て、いざ実行しようとするのを止めて反しを聞こうと。

2709とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:05:44 ID:ZEDh2NXc
>>2707-2708
「いや、目潰しをすればどうにかならないかなぁ……って」

……むしろこちらが隙を作る側という提案だった。

「────それで、その隙に一気に攻め込むって感じだけど、どう?」

要するに、光で目眩ましをして、その間に一気に叩き込もうという提案。
ついでに自分も目を眩ませないように、と軽く忠告。

2710とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:10:16 ID:e.lRsP5k
>>2708

「群れはともかく、一匹や二匹いてもおかしくはないな」

とはいえ、遠隔攻撃手段があるなら塔から攻撃するはずである。
魔法の飽和攻撃なら、矢では崩せぬ遮蔽物も吹き飛ばせるのだから。
となれば、シャーマンクラスはいないかもしれない。

「……”ホプリタイ”クラスならいるかもしれんがな」

鎧で身を固め、盾と槍で武装した姿からホプリタイ。
その力は、見た目以上だ。群れでいれば、厄介である。

>>2709

「スタンか。面白い、それでいこう」

「となれば、爆弾も併用するか。この際出し惜しみは無しだ」

閃光の効果確認後、隙をついて爆弾を投げる。
これで、かなりの混乱を向こうに与えることができるはずだ。

2711とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:17:33 ID:9CvQo7T6
>>2709-2710
「入玉戦法か、うまく行けば一度に戦う敵が減るな。
……どのみちリスクが有るのなら、リターンが大きそうな方にかけるのがいいか!」
よし、と気合を入れて剣を手に取り

「レイヤは魔法込みの前衛、そっちはライフル持ちだから……オレは前衛か。
合図は任せたぞ。」
今か今かと待った後……

「っしゃあ!行くぞ!」
爆弾が投げ込まれた後、敵陣に向かって一気に駆け出していく。

2712とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:29:48 ID:ZEDh2NXc
>>2710-2711
「……それじゃあ行くよ!」

という声と同時に数発の光弾が放たれる。それぞれ別方向に飛び、
ある程度時間が経つと次々と破裂、凄まじい閃光を巻き起こす。

光が収まったことを確認すると2本の剣に手を掛け、デズモンドの後を行く。
上空からの奇襲もできないことはないが、ここは敢えてである。

2713とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:35:48 ID:e.lRsP5k
>>2711-2712

閃光によって目がつぶされたゴブリンは、一同の接近と、ワーガによる爆弾の投擲に対応できなかった。
投げ込まれた爆弾は、にわか仕込みの柵や塔を倒壊させ、火の手が上がる。
あっという間にパニックになるゴブリン達だったが、少しだけ、毛色の違う存在がいた。

「……ライダーか!」

巨大な、黒から紺の体色をしたムカデに跨ったゴブリン騎兵である。
防火性にすぐれるそのムカデの甲殻で出来た鎧によって、その個体は火にあぶられることもなく。
そして、槍を手に突進してきたのだ。前衛である都合、デズモンドに襲いかかることになる。

2714とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 00:44:07 ID:9CvQo7T6
>>2712-2713
「切り込むッ!」
ショートソードを片手に突っ込んでいく。
右手のみの剣技であるが、達人の領域とまでは行かずとも十分な腕前がある。
不意を疲れなければ傷つくこともないだろう。

「生憎、騎兵の扱いなら、慣れてるもんでな!
ムカデじゃなくて、相手は馬だったが!」
そう言って一旦剣を地面に突き刺し、杖を右手に持つ。
魔力刃を杖から作り出し、近くのゴブリンの一匹を切り伏せた後、

「突き抜けろ、クリスタルランサー!!」
簡易的な詠唱とともに杖を振り降ろす。
地面に魔法陣が出現。つららめいた氷の針が飛び出す!
狙いはもちろん、ライダーが騎乗しているムカデ。
奴の進路上に魔法陣を配置してまずムカデから狙う算段だ。

2715とある世界の冒険者:2014/06/27(金) 01:06:57 ID:e.lRsP5k
>>2714

腹部の柔らかいところを氷柱によって串刺しにされたムカデはその場で文字通り釘づけとなる。
鎧をまとったゴブリンは降りて、槍で迫ろうとするが、そう上手くいくはずもなく、ワーガの狙撃に倒れることとなる。

「さて、骨のありそうなのはソレだけなようだな」

――弓兵、騎兵を失い完全に優位を失ったゴブリン達は、一部が散り散りに逃げ、それでも残った一部は組織的な退却を行った。
ゴブリンの割に、知能が高い者がいるのだろう。追撃して殲滅できない以上、あの部族がまた勢力を拡大すれば、より凶悪になるに違いない。
……しかし、そうなれば、今度こそ軍隊の出番というわけだ。
冒険者にまでお鉢が回ってくることは、恐らくないだろう。

「……あとは、火消しか」

ここは街道の上である。
後片付けはともかく、消火活動ぐらいはしなければならない。

「やれやれ、だ……」

//では、これにて〆で

2716とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:18:24 ID:RL1FTlAw
<王都近くの草原>

「……最近は内部で動きが出ているようですね。
いえ、どちらかと言えば、舞い込んできた……と言うのが正しいのでしょうか。」

【とある方向を向いていたのは銀の三つ編みに半袖のジャケットを羽織った女性である。
独り言をポツポツと吐き終えると、ため息と共にその方向から視線を外す。】

2717とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:22:01 ID:XUYp1KEY

「あっれー?」

と、そんな女性に声が掛かる。
何処かで聞いたような声で、暫く聞かなかった声だ。

「レーヴェスさんじゃーん、おっひさー。」

振り向いた先に居たのは黒いスーツ姿にハット帽、下は白のワイシャツ――といった出で立ちの、いつだかのマダオ。

2718とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:26:01 ID:RL1FTlAw

「…………、レンでしたか。お久しぶりですね。」

【そちらに振り返って、姿を確認すると特に感慨深げも無い声で述べた。
女性の割には相変わらずの鉄面皮である。

関係からすれば、友人……に近しい存在であるはずだというのに。
いや、彼女からすれば、数度、顔を合わせた仲という程度なのだろうが。】

2719とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:26:59 ID:XUYp1KEY

「や、どーもどもー、元気そうで何よりで。」

片手にはトランクケース、また何かのしごとの帰りといったところだろうか。

「レヴェすさんはまーた難しいけどおきれいな顔して悩み事?」
「マダオでよければもう何でも効きますよ、ええ」

2720とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:31:57 ID:RL1FTlAw

「……見習いとはいえ技術者は考えることが多いもので。」

【"今は"こんな状態であるため、言葉に動揺することは無い。

事実ではあるものの、これは真実ではない。彼女には少しばかり大きなものがある。
いつぞやの人身売買の組織をまだ気にかけているのだろうか。

そうだとしても、彼女がその組織に拘る理由など無さそうである。】

2721とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:35:49 ID:XUYp1KEY

「ありゃりゃ、フられちゃった……と、こんなコトばっか言ってたらまた怒られちゃうか。」

けらけらと以前と変わりない、もとい少し晴れ晴れとしたような笑いを見せて、
スーツの胸ポケットからたばこを取り出してみたり。

「あんまり抱え込みすぎてもお肌にどくだよー? 綺麗なんだしー」

2722とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:44:27 ID:RL1FTlAw

「……相変わらずで何よりですね。
でも、毒だと知っていても手中に収めなければいけないこともあります。

非合理的ながらも合理的と言う、実に破綻した論理ではありますが。」

【ふぅ、と変わらぬレンの様子にため息を吐いてみせる。
どうやら、彼女は矛盾を抱えているようだ。"何を"とは言わないが。】

2723とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:55:09 ID:XUYp1KEY

「そんなもんじゃないのかなー、人生って。」
「一々悩みすぎてちゃ髪質とかに響いちゃうよ―?」

「折り合い、付けてかないとね、そういう世界で生きるんなら。」

まるで自身はもうその世界から脚を洗った、かのような言い方。

2724とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 21:59:28 ID:RL1FTlAw

「無論。……そうしています。
その辺りについては言われるまでも無いでしょう。」

【"一々"悩んではない、と。
もしかすれば、彼女の悩みというのは、特定のことが主となっているのかもしれない。】

「それに、たくさんの悩みを抱えるほど、私はお人好しではありませんし、優しくもありません。」

2725とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:07:10 ID:XUYp1KEY

「またまたぁ」
「レヴェスさんんって、かなりお人好しの部類でしょ?」

否定する娘に対し、けらけらと可笑しそうに笑って。

「優しいし、お人好しだし、悩みぃだよ、間違いないね」

2726とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:24:52 ID:RL1FTlAw

「……そうではないと思いますが。
あまり、根拠の無いことを言うのはやめていただきたいですね。」

【あくまでも、自分はそうではないと突き通す。
基本的にこの女性は一度、主張したことは曲げない。】

2727とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:26:44 ID:XUYp1KEY

「そこんとこ認めてかないとさー」
「多分、レヴェスさんこの先で、ぽっきり折れるよ?」

んー、と伸びをして、見透かすようにそう言って。

「硬くしすぎた分脆くなるなんて、よっくあるはなしだし」

2728とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:43:07 ID:RL1FTlAw

「折れませんよ。そう簡単に私は折れません。
折れないからこそ、こうして主張ができるのです、レン。」

【ある意味では自己暗示に近いものかもしれない。
とはいえ、彼女はまだそんな折れる段階ではないのだろうが。】

2729とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:44:41 ID:XUYp1KEY

「んじゃ、堕ちたら慰めてあげよっかなー?
 レヴェスさんの泣いてる顔ってなんかもうすごいたまらないだろーしっ!」

うんうん、とおちゃらけた様子で頷いてそう言う。
そんな時は来るのやら・

2730とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 22:58:08 ID:RL1FTlAw

「ふん。そんなことはまずないでしょうね。」

【その言葉を聞くと鼻であしらう。
絶対にそんな事はないとでも思っているのだろう。

どういう理由かは分からないが、彼女は相当な自信に包まれているらしい。
でなければ、こうして独りではやっていない。】

2731とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:02:18 ID:XUYp1KEY

「くっくっく、どうだろうねぇ……?」
にたにた、と意地の悪い、と言うか気持ち悪い笑みを浮かべて。

「案外レヴェスさんって囚われのヒロイン似合いそうだけどなー」

2732とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:20:50 ID:RL1FTlAw

「……その意見はいかがな物でしょうか。」

【じとり、と視線が少しきついものに変わる。
囚われのヒロインということは負けている姿が似合うということ。

遠まわしに"弱そう"といわれたと感じたのだろう。良い気分はしなかったようだ。】

2733とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:25:19 ID:XUYp1KEY

「ああいやいや、睨まないでって!?」
「俺もうパンピーなんだからさー、かんべんかんべんだよっ」

あわあわ、と手を慌てて動かして降伏のサイン。

「弱そうとかそういうんじゃなくて、こう」
「……キャラ的に?」

2734とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:31:37 ID:RL1FTlAw

「……結局、同じじゃないですか。
能力としては確かに劣るものはあるかもしれませんが、それだけに油断はしません。

それに仮に囚われたとすれば、それは私にとっては死と同義です。」

【要するには独りで行動をしているため、囚われるということはそういうことである。
仮に囚われのヒロインだとしても、それを救いに来る仲間あるいはヒーローはいない、と。】

2735とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:35:46 ID:XUYp1KEY

「いやいやいやレヴェスさんっ、そこはほらさぁ!」
「折角かわいいんだからっ、こう……恋人とまでいわなくとも!」

「こう……イイナカノヒトとかいないの!?」

2736とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:40:45 ID:RL1FTlAw

「いません。
以前、言ったようにそのような話は断っているので。」

【なんの迷うことも無く、言い切った。

ここまで澱みなく言い切れるのは、いい人がどうこうというよりも彼女にとって
恋人とかそれに近しいポジションの人物は必要ないと考えているのかもしれない。

すなわち、恋愛についてはそもそも眼中に無いのだろう。】

2737とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:46:20 ID:XUYp1KEY

「うーん……勿体無いっ!!」
「マダオが既婚じゃなかったら声欠けてるのにぃっ」

にがーい顔をしながらそんな事を言って身悶えする。

……ん? 今何か気になるワードが。

2738とある世界の冒険者:2014/06/29(日) 23:52:28 ID:RL1FTlAw

「以前、それに近い形で声をかけてきたような気がしますが。」

【確かナンパならお断りです、というフレーズを彼にも言ったような気がする、と。
レンが表現するように見た目だけならば、それなりのものを持っているのかもしれない。】

「おや。レンは既婚者でしたか。
……ならば、尚更、私にアレコレと声をかけるのは良くないのではありませんか?」

【独身か既婚かなんて聞いたことは無い。
ゆえに、元々、既婚者であったと考えているようである。】

2739とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:01:55 ID:XIqD8BIA

「そりゃあだってその頃マダオはマダオだもの?」
「そりゃ美人さん居たら手当たり次第に声も掛けるよ、うん」

うんうん、と頷くマダオ。
その頃っていうか今も。

「うん、このあいだー、ねー。」
「今は新婚旅行行く準備中? みたいな」

2740とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:08:29 ID:iRww83Rg

「なるほど。最近のことでしたか……それはおめでとうございます。
それならば、あまりこんな所でお話をしていると心配されるのでは?」

【祝福の言葉を述べつつ、そんなことを気にする。
それに仮に目撃されてしまったときに誤解されるのも何だか悪い気がするからだ。】

2741とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:12:04 ID:XIqD8BIA

「ん? あー、大丈夫大丈夫……って訳でもないけど、ねぇ。
 浮気するって思われてないだろうし、しないし問題ナッシングっ」

けらけら、といつもの調子で大笑い。
そしてトランクを担ぎ直して。

「ま、レヴェスさんと俺がイイナカって誤解されるのも怖いし」
「今日はここらでお暇しよっかな?」

2742とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:20:17 ID:iRww83Rg

「……レンでも、その方には頭が上がらないというわけですか。
しっかりと掴まれてしまったわけですね。」

【ふふ、と小さく息を吐き出すようにして、微笑んだ。
どこか飄々としていて、掴みどころの無い彼でも、伴侶には頭が上がらないと思うと少し可笑しかったようだ。】

「ええ。心配させるのも心苦しいですからね。
いつか、その彼女に会ってみたいものです。」

【そして、そんなレンの伴侶に会ってみたい、と思いつつ。】

2743とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:22:43 ID:XIqD8BIA

「……うん、そだねぇ」

と。
何だか、困った様な嬉しそうな。
今までレヴェスが見た事の無いような表情を浮かべて。

「今度紹介するよ、俺の友達ーって。
 多分雪子ちゃんも……喜ぶと思うし?」

嫉妬はしないだろうなー、なんて事を呟いて。

2744とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:33:05 ID:iRww83Rg

「レンがよろしいのでしたら、その時はお言葉に甘えましょう。
もちろん、あまり邪魔をしても好ましくないと思われるので、すぐに済ませますが。」

【無論、二人の仲を邪魔するつもりは毛頭ない。
これはあくまでも彼女の好奇心によるものだ。そのため、それが満たされればすぐに終わる、と。】

2745とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:42:06 ID:XIqD8BIA

「やや、その時はお茶……じゃなくて珈琲かなぁ。
 でも飲んでってよ、歓迎する歓迎する。」
けらけらと笑いながら、ふぅー、と息を吐いて。


「そんじゃね、レヴェスさん」
「また誤嚥があればー」

なんていいながら、あるいていくのだった。

2746とある世界の冒険者:2014/06/30(月) 00:46:58 ID:iRww83Rg

「歓迎していただけるのならば、嬉しいですね。
(……珈琲が好きな方、なんでしょうか?)」

【わざわざお茶を珈琲に言い直したところから、そんな予想がよぎる。
また、一つ知りたいことが増えてしまった。】

「ええ。帰り道には気をつけてくださいね、レン。」

【そういって去っていくレンを見送ったとか、FO】

//こんなところで!お疲れ様でした。

2747とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 21:52:50 ID:JMYQy.mM
――王都 『永崎屋』

この日、店主たる永崎鐘は寄合に参加していた。
店を刹忠と、丁稚であるキャルヴィン・フィルボッツに託していったのだが……。
それはつまり、この男二人だけで過ごさなければならないということを示していた。

「……」

そして、なお事態を悪くしているのは、彼が良くも悪くも”優秀”であるということだ。
当初危惧された、店舗スペース内の清掃も、鐘が直接指導したところ、概ねのコツを掴み、今日まで一つもガラスを割ることなくやってのけたのだ。
今も、器用に掃除しているところである。――刹忠は、カウンターで彼を監督する必要があることになっているはずだ。

「これは、くたびれますね」

年相応には見えない、早熟な少年。
それがキャルヴィンという子供であった。

2748とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:01:28 ID:qaNMJO4s

「でも、拙者より飲み込みが早いでござるよ、キャルヴィン殿。」

【正直言って、彼の働きぶりは監督役?である刹忠より大分、優秀だ。
少なくとも飲み込みの速さ、失敗の少なさと言う点では、彼を大きく凌いでいる。

そのため、どちらかといえば褒めることが多い刹忠であった。】

2749とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:05:22 ID:JMYQy.mM
>>2748

「ありがとうございます、旦那様」

褒められると、彼は実際嬉しそうに笑みを浮かべてお礼を言う。
ここだけは、彼が子供だとわかる珍しいところだ。

「こういうのは、生まれて拠って立つ所が大きいと聞きます」

彼は多くを期待されない商家の三男。
そのためだろう。彼が奇妙なほどに、この手の雑務に向いた才能を見せるのは。

2750とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:14:56 ID:qaNMJO4s

「はは、その呼び方はどうにも慣れないでござるなぁ。」

【旦那様、と呼ばれると何だかむず痒そうな照れ笑いを。
旦那、と呼ばれるのも様付けされるのもどちらも彼からすればなれないことである。

それは年下の少年から呼ばれるにしても変わらないことであった。】

「何でもそつなくこなせるというのは、生まれて……というよりは
キャルヴィン殿の才だと拙者は思う、でござるよ。

拙者はと言えば、剣を振ることぐらいしか才は無かったでござるし。」

2751とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:24:21 ID:JMYQy.mM
>>2750

「慣れませんと、女将様に叱られますよ……っと」

一度止めた掃除の手を再開させる。
およそ半分終わったところなので、もう半分に取り掛かるところだ。
陳列されたガラスの小物や食器類をどかし、拭いて、ガラスをソレ用の布で磨く。
そうしてから、床にモップをかけて、といった流れである。
ただし、専用のケースに収められて陳列されている部分に関しては、丁稚の自分はそもそも足を踏み入れてならないスペースである。
そこは、本当に高級品であり、鐘という職人の技術の見せ札ということでもある。
彼に信用がないから、というよりは、自分と客以外の誰にも触られてはならないといったところである。

「何でもそつなくこなせるわけじゃ、ないですよ。算術は苦手です」

読み書きは問題なく習熟していってるが、ことソロバンが少し苦手であった。
それでも、算数嫌いになることなく、根気よく取り組もうと発想をするのが子供らしからぬところである。

「剣を振うことができれば――最低限は、困らなさそうですよね」

自分にはできない事だ。
彼は作業を続けながら、ため息をつく。

2752とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:39:45 ID:qaNMJO4s

「んー、鐘殿は拙者がキャルヴィン殿に何と言うか軽く見られてはいけないと
思っているんでござろうな。

拙者的にはキャルヴィン殿はそんな見方をする人ではないと思うのでござるが。」

【彼は永崎の様に、ちゃんとしているわけではない。
元を辿れば今日どころか明日すらも分からぬままに過ごすいわば風来坊だ。

それゆえに商会関係のことなどはいまいち、馴染めていない。
いわば、感覚で動くこと判断することが多いため、キャルヴィンについても同様らしい。】

「正直、そこは得意であってほしかったでござるよ。
拙者もそろばんは苦手でござる……教えておいてなんではござるけど。」

【一応、そろばんを教える主な担当は彼である。
だが、彼もそれほどそろばんが特異と言うわけではなかった。】

2753とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:49:10 ID:JMYQy.mM
>>2752

「軽く見るとは、とんでもないですね」

「人には見た目以上から伝わること以上の歴史があると聞きます。旦那様もそうなのでしょう」

商売人の娘が婿にする相手には、冒険者出身とは聊か奇妙な話である。
元々何か商売をやっていて、何らかのきっかけで冒険者に転身した者が出戻ってきた、というケースもあるにはあるが……。
刹忠のように、急に変わったことのある人物は、そう多くないだろう。
刹忠は、言ってみれば、小規模ながら逆玉なのだ。

「……では、ともに精進しましょう」

内々でやろうとせずに、外部から講師を求めた方が刹忠にもよかったりするのかもしれない。
鐘に提案してみるのも手だろう。

2754とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:54:51 ID:qaNMJO4s

「そう大げさな物はないでござるがなー。
まぁ、拙者としては、もう少し力を抜いて欲しいかもしれないでござる。

キャルヴィン殿も、いつもそんな感じだと疲れないでござるか?」

【キャルヴィンは早熟で優秀だ。
それだけに何とも真面目すぎるきらいがあると彼は言う。

要するにもう少し――まぁ、慣れてきてからでいいが――フランクになれないものか、と。】

「はは、これではどちらが上なのかわからんでござるなぁ。」

【後頭部の辺りに手を置いて、困った笑みを浮かべる。
確かに年の違いはあるが、しっかりしているといえるのはどう見てもキャルヴィンのほうだ。】

2755とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 22:54:51 ID:qaNMJO4s

「そう大げさな物はないでござるがなー。
まぁ、拙者としては、もう少し力を抜いて欲しいかもしれないでござる。

キャルヴィン殿も、いつもそんな感じだと疲れないでござるか?」

【キャルヴィンは早熟で優秀だ。
それだけに何とも真面目すぎるきらいがあると彼は言う。

要するにもう少し――まぁ、慣れてきてからでいいが――フランクになれないものか、と。】

「はは、これではどちらが上なのかわからんでござるなぁ。」

【後頭部の辺りに手を置いて、困った笑みを浮かべる。
確かに年の違いはあるが、しっかりしているといえるのはどう見てもキャルヴィンのほうだ。】

2756とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:02:35 ID:JMYQy.mM
>>2755

「お言葉は嬉しいんですが……十年待ってください」

ここに身分の差が出る。丁稚よりはマシな立ち位置にならないと、店の旦那と気さくに話す関係になるに適当でない。
来年以降の受け入れの際に、そういうところははっきりしておかないと、後々困るのである。

「それは勿論、旦那様ですよ」

「女将様から聞いてますよ。身一つで口説き落としたのだとか。少し羨ましいです」

それこそ十年後、目標にしているという。

2757とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:11:20 ID:qaNMJO4s

「……仕方がないでござるな。
鐘殿の逆鱗に触れて、追い出されて困るのはキャルヴィン殿でござるし。」

【あくまでも、彼の希望である。それが叶わぬものだとは分かっていたようである。
そのため、大人しく引き下がった。】

「"今は"でござるけど。
この先どうなるかは、誰にも分からんでござる。」

【彼の野望を少なからず、感じとっているかそんな事を述べた。】

「はは、口説き落とした、とは拙者も言われたものでござるなぁ。
別に狙って、とかそんなものではないでござるよ、鐘殿とは。いつの間にかそうなったでござる。」

【出会いを重ねるうちに親密になったと言える。
それが偶然であれ、何であれ、彼に意図は無かったようであるが。】

2758とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:23:55 ID:JMYQy.mM
>>2757

「そうかもしれませんね」

彼は職人になるわけではなく、商人だ。
で、あるため、将来的には独立するが、工芸品店を営むというわけでもない。……という予定である。

「二人の仲が良いと、僕も安心できますよ」

店のムードが最悪。
そんなことがこれから先起こるかどうか不明にしろ、自分の年齢が一桁なうちはやめてほしいとは彼の願いである。

2759とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:30:15 ID:qaNMJO4s

「では、キャルヴィン殿のためにも仲良くしないといけないでござるなぁ。」

【実際はキャルヴィンが心配するまでもなく、2人は仲の良いままであろう。
むしろ、仲がよすぎて、キャルヴィンが気まずくなるくらいに。

下手をすれば、キャルヴィンの前でちょっとした惚気を炸裂させることがあるのだ。】

2760とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:43:05 ID:JMYQy.mM
>>2759

「ええ、お願いしますね。僕への小遣いよりは、大事なことです」

基本、丁稚は無給である。
時折気まぐれで与えられるお駄賃が、彼の給料なのだ。

「……っと。終わりました」

そして、話しながらのため少々能率は下がったが、無事に一仕事終える。
そのタイミングで、鐘も帰ってきたようだった。

「おや、綺麗になっておるもんじゃな。よくやったの、キャル坊」

「あ、女将さん。ありがとうございます」

帰ってきた彼女は上機嫌で彼の頭を撫で上げると、次の仕事を言い渡す。
彼は元気よく返事をし、掃除道具を片付けた後に外に飛び出していった。
仕事は、寄合に参加していたある大きな商人の蔵の整理に人員が必要という事で、各店の下働きを派遣するよう求められたのに応じたところだ。
そこでは、一晩の寝るところと、食べ物、それから、丁稚にはお小遣いが出る仕組みになっている。丁稚以上の人間には、お酒だ。

「ふふ。久しぶりに、今晩は二人きりじゃなー」

楽しげに、そう言ってほほ笑んだ。

2761とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:50:09 ID:qaNMJO4s

「拙者が仲良くしておけば、お小遣いも上がるかもしれんでござるなぁ。
……うんうん、よく出来ているでござる。これならば、鐘殿も――――やや。」

【褒める、と言おうとしたところで本人が帰ってきた。
出迎えの挨拶を軽く述べて、永崎の言葉に少し注意を向けた。

そして、彼の期待通りの言葉を言う永崎にちょっと安心している。
これで仕事ができていないとあれば、ある意味で、これは彼にも責任はある。】

「……おお。そういわれてみれば、そうでござるなぁ。
キャルヴィン殿が来てから騒がしく……なるとは思っていたがそうではなかったでござるな。

いやはや、キャルヴィン殿はどうにも真面目すぎる、でござるよ。」

【丁稚としては実にいい人物である。
だが、その年の少年としては、相応しくない。】

2762とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 23:58:58 ID:JMYQy.mM
>>2761

「困りものでじゃなー……。フィルボッツは幼少より油断ならぬ血筋、と脅かされたものじゃが、想像以上じゃ」

三男ともなると、あれぐらい縮こまってしまう程の競争がある世界。
大きな商家ともなると、そうなってしまうものなのか。
彼でああなら、長男は一体どのような人物なのか、想像もつかない。

「買収でもされんようにされたいものじゃな」

よいせ、と自分もカウンターに。
客を迎えるところで肩を寄せ合っていちゃついているような状況だが、気にすることもない。
この時間帯はあまり客がくるわけでもない。

「キャル坊は一日帰ってこんわけじゃし、少ししたら閉めてしまおうかの」

だいぶ疲れて帰ってくるだろうから、明日の仕事は軽めにしてやろう、と意地悪い笑みを浮かべて企んで。

2763とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:09:41 ID:yFWTvow2

「いずれはもう少し、力を抜くときが来て欲しいでござるよ。
まぁ、当分は無理であることは拙者も承知しているでござるが。」

【カウンターに来る永崎を見て、適当にスペースを空けた。
思えば、こうして肩を寄せ合うのも久々ではないか、などとぼんやりと考えつつ。】

「これも修行の一つ。
キャルヴィン殿には頑張って貰わねばなるまい。」

【仕事を休みにしてはやらないことを可哀想などとは言うことはない。
どちらかと言えば、彼もそのようなことを経験してきた側であるからだ。】

「あぁ、鐘殿もお疲れ様でござったな。何か有用なお話はあったでござるか?」

【労いの言葉をかけつつ、成果?について尋ねた。】

2764とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:16:23 ID:67Bhot9M
>>2763

「まぁ、どうも特別扱いしたくなるのが人情ではあるんじゃがなー」

「来年も採るなら、示しがつくようにせんとな」

丁稚に大きな差があるようなことは問題だ。
年齢や年数の違いで多少変わることはあるだろうが、そこのラインを超えるわけにもいかない。

「ああ。近々飲食店がオープンするそうなんじゃが、ウチがグラスなんかの食器を収めることになったんじゃよ」

「ま、おまけみたいなもんじゃな。これが一番うれしいのは大工と、内装屋じゃから」

比較的大きな商談になりそうだ、とのことだ。

2765とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:26:42 ID:yFWTvow2

「おお。それはまた、朗報でござるなぁ。
…………拙者も、頑張らねばなるまいて。」

【今は丁稚の教育もあるため、ほとんどこちらに注力している。
だが、未だに空いている時はクエストに出かけることがあるのである。

もちろん、その規模は小さいものになってきたが。
だが、彼の中で、それももう長くは無いであろうと薄々、気付いてるようだ。】

2766とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:31:31 ID:67Bhot9M
>>2765

「頼れる男が出張ると有利になる事もあるわけじゃしなー」

「少ししたら、交渉事なんかには同席してもらおうかと考えているんじゃよ」

穏やかな微笑みで、そんなたくらみを暴露する。
刹忠の覚えるべきこと、習得する必要がある技術はまだまだ追加されそうだ……。

「……っと。うむ。閉めてしまおう」

とてとてと駆け出し、外の札を閉店とし、カーテンを閉める。
それから、刹忠に店舗スペースから居間にへと入るよう伝え、自分もそちらに向かう。

「うむ。キャル坊と違って、私の愛しい旦那様には……」

「こうしてねぎらってやることが出来るのが、嬉しいところじゃな」

不意打ちで、ぎゅうと抱き着いた。

2767とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:48:14 ID:yFWTvow2

「ややや、どんどん増えていくでござるなぁ……。」

【自身のやることが増えていく。これは嬉しい反面少し考えないといけない部分である。
つまりは、やがては自分が剣を捨てねばならないときが来るのではないか、という……。

いや、本人は予測しているのだが、やはりそれは親しんだものか踏ん切りがつかないのである。】

「ふふ。それは拙者のセリフでござるよ。
キャルヴィン殿にこのようなことは出来ぬでござるから。」

【抱きつかれて、不意は突かれたがそこまでうろたえることは無かった。
そうすると、微笑んで永崎の頭を撫でる。その髪を梳く様にするすると。】

2768とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 00:52:16 ID:67Bhot9M
>>2767

「ま、覚悟してもらう他ないんじゃなー」

撫でられると、より嬉しげに微笑んで。
剣については――話し合う日が、いずれ必要になるだろう。

「ふふ、今日は久しぶりに一緒にお風呂にでも入るんじゃよー」

「その前に、食事じゃな。すぐ準備するんじゃよー」

背伸びをして、刹忠の頬に口づけをすると、手早くエプロンを巻いて厨房へと向かったとか。

//ではこんなところで!

2769とある世界の冒険者:2014/07/08(火) 01:01:19 ID:yFWTvow2

「うむ。そうするとしよう、でござる。」

【一つ頷いて返事。
剣のことについてはある程度、心は決めているのだが。】

「心得た。疲れた店主のお背中を流すでござるよ!」

【今日は彼が永崎を洗うというのだろうか。
そんなことを冗談っぽく言いながら、厨房へといく永崎を見送ったとか、FO】

//了解です。お疲れ様でした!

2770とある世界の冒険者:2014/07/11(金) 23:18:40 ID:62Z3fzxE
【ある日ある時森のなか】

「確かこっちに……」
【黒髪金目の少女が、王都近くの森をうろうろしている】

2771とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 00:09:19 ID:pBwVRKns
>>2770
【FO】

2772とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:04:29 ID:tK.58FY.
――森林 奥地 カルディーネ居住エリア

「なーんか、妙な感じになってきたの」

見た目は殆ど変らぬこの森だが、大木の魔女は風向きや獣たちの様子から何となく感じ取ったらしい。
今朝から、森の鎮護の存在ともいえる武装したゾンビ達、『ブルノ師団』が東へ西へと忙しく出動しているのを確認した。
それから、一時間程前に、よせばいいのにスヴェルが面白がって空を飛び、トランペットを演奏したりもしていた。

「お祭り騒ぎだけど、陽気なおまつりじゃなさそうなの」

興奮状態の、巨大なクマ――爪にはルーン文字が光る、神秘を得たクマだ――を宥めつつ、ログハウスのテラスから外を見る。

2773とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:07:38 ID:pqELsf/E

外を見てみれば、森の木々や虫が不自然にざわめいている。
――それもその筈だ。 最初に聞こえたのは二時間程前だったろうか。

大きな、……種別までは判断が付かぬが、「龍」の遠吠えである。
竜ではなく、「龍」。 一般には知られていない事だが、この違いは大きい。

先ず単純に力の総量が違う。 「龍」とは魔術や神秘を行使する、ある種人間や精霊より高位の存在であり、
一部地方ではそれは災害であったり伝承であったり、までに達している。


……そんな聞きなれぬ「龍」の遠吠えが、何故かこの森林奥地に、先程からこだましているのだ。

2774とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:15:50 ID:tK.58FY.
>>2773

「あちゃー……」

正体を察知する。これは極めて危険だ。
すでに近隣の集落には退避の準備が急ピッチで進められているところだろう。
王国軍の姿も、そう遅くないうちに確認できるだろう。
――まさしく災害としか言いようがないドラゴン。そんなものが近づいてくる。

「役所に任せた方がよさそうなの」

こうなっては、魔女であっても簡単に太刀打ちはできない。
大人しく、退避準備だけ進めておく。鳥類の小屋の鍵を外し、獣らにも逃がす準備を始めた。

2775とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:20:05 ID:pqELsf/E
>>2774

こういった場合は軍が到着するまで討伐であったり……あるいは撃退であったり、避難までの時間稼ぎであったり、だとか。
そういう仕事を狩人……俗にいうハンターの上位者が請け負っている筈だ。近隣村にも小さいがギルドはあったろう。

今回も然り。規模にもよるが恐らくハンターが出動して時間稼ぎはしている事だろう。
唸り声の様な遠吠えはそれ等の戦闘によるもの、もある筈だ。

……が、得てして現実は英雄譚の様には行かない。
名声と勝利を夢見て古龍の撃退等を請け負ってしまったハンターの生存率は5%を切っている、と言えば分かり易いだろうか。

魔女はともかくとして、鼻の良い動物達は気付くだろう。
龍の遠吠えのする方角から、錆びた鉄の匂いと、焼け焦げた匂い。

そして、鉄と爪牙が打ち合い、響く合うような音が。

2776とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:30:30 ID:tK.58FY.
>>2775

「だああああ。もう、どこの馬鹿が戦ってやがるっていうんですかもう!」

獣たちがしきりに騒ぐ。
それは、どうにも戦闘を行っている存在がいるということだ。
国軍やブルノ師団が激突したなら、人数的にもっと大きな音が出て、こちらまで聞こえる。
それ以下ということは、かなりの少数か、あるいは単独での戦闘だ。

「えーい、お前ら、避難経路Cで逃げるです! スタンピードにならんようにしろです!」

「お前とおまえは、私と出撃ィ!」

自慢の鎧霊に跨り、偽魔剣と呼ばれる鳥を肩に乗せ、音のする方へと向かう。

2777とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:35:21 ID:pqELsf/E
>>2776

音の方へと向かう魔女と獣達。
……――進めば聞こえて来るのは龍の唸り声と、咆哮。
遠目に見えるその龍は茶褐色の龍鱗、四肢や関節部には大きな毛を生やし、後方に大きな角を生やした威厳ある姿。

龍の脚元には「犠牲者」であろうハンター達の死体が転がっている、その数は、7つ。
恐らくは偶然か仕事か、近場の村ギルドに居た、高名か正義に駆られた哀れな犠牲者だろう。

転がった死体――鎧の隙間からは、「植物」が生えている。
見間違いでもなく、「死体から植物が生えている」のだ。

当然、古龍には大きなキズは、ない。
四肢に切傷や、ボウガンの弾丸が打ち込まれた後はあるが、それだけだ。

血こそ流しているものの弱った様子は一切無く、悠然と自身の「進路」の邪魔をしている人間――
一人生き残っている、槍と大盾持ちのハンターを睨めつけている。

2778とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:44:00 ID:tK.58FY.
>>2777

「――むむむ」

状況は悪い。
自分も飛び込んでみたが、とりあえず戦ってどうにかなりそうな相手ではないのはわかった。
それなりに興奮しているだろうが、戦ってどうにもならんので、ネゴシエイションするしかない。
大木の魔女の得意技はモンスターテイムだ。それはつまり、人の言葉通じぬ生命との交渉である。
死体から植物を生やすのはこのドラゴンの力だと推測されるが、そういうことなら、それなりに自然を愛し、敬意を表している生き物のはずだ。

『森が荒れる』『帰ってはもらえないか』『要求はあるか』

とりあえず、それぐらいのことを伝えて、返事を待つ。
それから、ドラゴンの前に立つ人間には、普通に人の言葉で話しかける。

「おい、そこのお前、逃げるですよ」

2779とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:50:13 ID:pqELsf/E
>>2778

「――――いやね、俺もね、すごい逃げたいの、もうすっごい逃げたいの。」

と、返って来たのは何処かで聞いたような声。
また鎧が違うので解らなかったが、「いつもの人」だ、槍と大盾からも解る。
……が、清流の良い人であるアレとは違ってアホな仕事は請けないタイプに見えたが。

今回は何故だか、古龍撃退――あるいは時間稼ぎの依頼を請けてしまっていたようである。

「ただね、あの、ちょっと色々事情があってね、あの、逃げるに逃げれないというか。」
「ここで逃げるとちょっと村が死ぬっていうかハンター業なのでそれはちょっとsyレならんしょというかあの危ないですクマさん。」
「っていうかあれ、これ幻聴?やばくね?」

言動は相変わらず支離滅裂だが……どうやら、だいぶ朦朧としているか集中しているかなのか、
魔女の事には気付いていないようだ。、

一方、龍の方の返答はといえば、単純だ。

曰く、近隣の村の者が村の開拓を推し進め、その結果古龍の塒を突ついてしまい、
眠っていた所を起こされてしまった、故に怒って村に「文句」を言いに行こうとしたが、道中狩人に邪魔をされた。

無理やり進もうとするとちくちく刺されて痛かったので、自然の道理に従って退けた。
一匹しぶといので、寝起きなのもあって余計にちょっとイライラしている、という。


――要するに、寝起きの機嫌が悪い古龍が暴れているだけ、という状況だ。
人間側からすれば、たまったものではないが。

2780とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 23:55:48 ID:tK.58FY.
>>2779

『私が』『代わりに交渉する』『塒の位置を教えてほしい』『それをもとに、辞めるように伝える』
『そこの者も』『下がらせる』『引いてほしい』

――向こうはそこまで激しい怒りに震えているわけではない。
その事実にひとまずほっとする。
だが、時間はない。さっさと古龍が引かなければ、国軍の斥候が到着し、状況を伝えられたら、国を挙げての大討伐だ!
この森の被害がどれぐらい広がるか、考えただけでも背筋が凍える。

「おいお前! 下がらないとなんなら私が殺します!」

「こっち、こい!」

狩人には、激しい口調で以て言う。

2781とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:00:53 ID:LRHvpvhg
>>2780

古龍は小さな魔女、そして目の前の狩人の方を一瞥して、
自身が追い払った羽虫の方も再度一瞥して、小さく唸る。

唸り声から伝わる「それ」を訳せば、こうだ。
自分は今機嫌が悪いが、人間が沢山来るのは面倒だ。
なのでそちらがどうにかするなら帰っても良い、  ……が。

「いや、下がりたいのは山々なんですけどねクマさんや」
「ちょっとあの脚に蔦が絡んでて動けないと言うか一歩でも動くと多分噛まれるというか」

羽虫は別である、という。
一匹の羽虫を払ったらこいつに思い切り喉元を突かれたのがちょっぴり痛かった、ので。
帰るのはいいが、これをどうにかしてからの方が良い、という。


……尚――伝承にある古龍、というものたちは、基本的に傲慢である事が多い。

2782とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:05:39 ID:ZQCCqHR6
>>2781

『了解した』

――交渉成立!
今この瞬間、国を救ったも同然の女になった瞬間であった。
脳内ニュース速報がいくつも流れるが、いけない。お仕事お仕事。

「んじゃ、そりゃ、こーするしか」

偽魔剣を剣に変化させる。
変化したソレは、空中で激しく回転して、狩人にまとわりついた蔦を切断していく。

「んで、はむし……?」

2783とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:11:52 ID:LRHvpvhg
>>2782
≪…………≫

す、と「はむし」の単語に古龍が首を向ける。
視線の先には……


「あ、鶴とれt……てないね、うん取れて無いね!」
「あ、でもこれはこれで足止め出来てる俺、仕事果たしてる、やったねヴォルケン。」

羽虫(=人間)。
片手には槍、片手には大盾。 盾が目立つが、
喉元を突くには丁度良さそうな槍を持っている。

古龍が小さく唸り、転がった死体からずるずると、植物を肥大化させていく。
それはめきめきと成長し、尖った枝を持つ樹木のようになっている。

「ちょ、てめ、……――幾ら古龍でも死体弄りとかこれはお前俺でも喉突くレベル……!」

あ、羽虫ってこいつだ。

2784とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:20:19 ID:ZQCCqHR6
>>2783

「うっせー! おめーのせいで人の死体なんかいくらでも増えそうなんですよ、今!」

仕方ない。
背後を取っている分優位なので、鎧霊君に後ろから羽交い絞めにしてもらいます。
彼は縁が金色になるまで育ったかなり上位の鎧霊なので、簡単には解けない。

「それにどのみち生き物なんか死んだら土の養分です。遅いか早いかの違いしかねーんですから怒んないで……っと!」

そのまま、ずるずると引きずらせる。正気に戻ってくれるかしら。

2785とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:27:30 ID:LRHvpvhg
>>2784
「いやいやいやいや!あいつ等ね!まだ二十歳の奴とか居たの!ちょっとはしゃいじゃっただけなの!」
「おま、そりゃ古龍相手はバカかと思ってね!?しゃーねーなーと思ったら全く知らないの出て来てね!?」

ずるずる、ずるずる。そこそも重いが引き摺られて行く青年。

「けどお前、だからってお前、何も俺が生き残る事無いじゃないの!?頑張った結果がこれだよ!?」
「気の良い奴等やってん!お前、それをお前――ちょっと起こされただけで大暴れって、畜生かよ!」
「おい古龍ちょっと聞いてる!?リッスン!ヘイ!寝起きの大暴れに、毎度毎度付き合わされる人間の身になれよこの治外法権共――」

と、ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てていたが傷か何かが開いたのか吐血して黙る。
既に戦闘の後、ボロボロもボロボロの良いところだ。

≪…………≫

一方、古龍の方は引き摺られて行く人間を不満気に見ている。
古龍からすれば、自分に傷を付けた相手だ、持っていかれるのは不満、自分で始末したいところなのだろう。

2786とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:31:46 ID:ZQCCqHR6
>>2785

『連れて行くことを許してほしい』

とりあえず、重ねて龍には伝えるしかない。
地味にこれは魔力をガリガリ削られるのだが、仕方がない。

「ふー……黙ったですねぇ」

狩人が気絶してくれたので、やりやすくなった。
鎧霊には担ぎ上げてもらって、蔦を切ったきり突き刺さったままの魔剣君には変身を解除してもらって、飛んでついてくるよう伝える。

「クマぐらいつれてくりゃよかったですねえ……」

青年を鎧霊が担ぎ上げる都合、自分は降りて歩くしかない。
ぶつくさ文句を言いながら、彼女はログハウスに戻り、青年の手当てをしながら、逃がした獣達を呼び戻す合図を行う。

2787とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:34:25 ID:LRHvpvhg
>>2786

≪…………≫

古龍は不満気な様子……が、やがて何か思い付いたのか、低く唸る。
すると死体から伸びた蔓達が男の持っていた槍、大盾、甲を引き剥がすようにして。

『戻る』『ヒト達に今度は起こすなと伝えておけ』『二度寝する』。

と。 魔女の魔術を真似たのか、拙い念話でそう告げ奥地へと踵を返す。
蔓と枝の生えた死体達はひょこひょことそれにつられる様に起き上がって、不気味にもその状態のま龍に付いて行くのだった……。


一方、槍男……いや、槍が無いのでもうただのハンターだろう。
ハンターは担ぎ上げられながら、小さくうめき声を上げる。

2788とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:44:50 ID:ZQCCqHR6
>>2787

ログハウスで治療をしながら、彼女はため息交じりに愚痴る。
生きた心地がしなかったとか、何であんなもん起こすんだ、とか。
そして、これから、原因となった村への交渉……いや、交渉にもならない通告をしなければならない。

「あー……もう。応じてくれなきゃ、最悪、生贄兼ねてあの龍に嫁入りも提案せざるをえませんでしたからねー」

「それもだめだったらどうすればいいのかもうわかんねーし、受け容れられたら何されっかわかんねーし……あーもう」

治療技術と治癒魔法で、とりあえず何とかなりそうだ。
意識も回復するだろう。体力さえあれば。

2789とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:49:19 ID:LRHvpvhg
>>2788

……暫く治療をしていると、兜を剥ぎ取られたハンターが目を開け、がばり、と勢い付いて起き上がる。
周囲の状況を把握しようと周囲を見渡した後、槍と大盾、加え兜が無いのを察して――

「……っべー、完全にトんでた。」
「………あー。」

掌で顔を覆い、項垂れた。

「いや、なんかあの……サーセンっした……。」

とりあえず先ずご迷惑を掛けた魔女さんに謝っておいた。
いや、いろいろ考える事とやる事はあるが、先ずは。

2790とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 00:57:04 ID:ZQCCqHR6
>>2789

「――あんたは自分の仕事をしたです。謝まる必要はねーんのと違いますか」

ゆっくり休め、と頭を撫でる。
子供程度の体格しかないくせに、彼女の表情は母ともいうべきそれであった。

「あぁー……っと。ヴァローネの奴に仲介たのまねーと……」

例の村に伝えるために、何者もしらない子供の自分じゃ話にならない。
話を持っていくための、ある程度の地位の人間と、代理人が必要だった。
前者はともかく、後者はどうしたものか。

2791とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:01:05 ID:LRHvpvhg
>>2790

「……してねーのと一緒ですわな、これじゃあ。」
「ガキ止めるのに出てってこれじゃあ、なぁ……あー、クソ、ハーレンとかヴォルケンならもうちょいマシにやったろうに。」
「いや、あの二人なら死んでもやったか……?けど俺死にたくねぇしなぁ、クソ……。」

顔を、良く見ると無骨な手で覆ったまま大きく溜息を吐き出す。
錯乱している時にも何か言っていたようだが、請けた理由はそこだろうか。

「ああ、いや、俺行きますわ、そんぐらい。」
「あのー……森の賢者的な人仲介して話通した、的に。」

長ったらしい前髪を顔を覆っていた手でそのままかきあげて、そう言う。
確かに古龍撃退の、恐らくはリーダーを任せられるであろうハンターであるしそこそこの地位はあるだろうが。

「後は、うん、アレですわな、うん、ホラ。」
「ご遺族の方にね、ちょっと殴られる闇系の仕事がね、あるから。」

2792とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:07:25 ID:ZQCCqHR6
>>2791

「――んじゃ、頼むですよ。あー、ただ、まー……ヴァローネの奴にも一応同席してもらうです」

「あれはあれで、大したもんです」

本人がやるというのだ。是非もない。
目の前の人物が確かに、一番適任であった。
ただし、まともに動いて喋られるという前提もあるが。

「動けんなら、そうしろです。傷も説得力になりそうですからね」

「ただ、辛いなら――逃げることの手伝いぐらいはするですよ」

どうしても辛いなら。
そんな選択肢もある。それを忘れるな、と。

2793とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:12:03 ID:LRHvpvhg
>>2792
「いやいやいや、一応ね、うん、責任あるからね」
「そらお前ワイ将多分にうんこ成分入ってるけどもそこはね、大人だからね、仕事はね、うん。」

よっこいしょ、と言いながら立ち上がって除けられていた荷物から何か小瓶を取り出す。
取り出したるは身体に悪そうなま緑の液体が並々と入った薬瓶、所謂回復薬G(劇薬麻薬)である。

「しかしまわりこまれてしまった!」
やっている場合ではない。
と、言うか案外余裕そうだ、大丈夫なのだろうか。

「……いや、ね。ほら、オジサンね、もうオッサンだからね。」
「ホラ、後メイン盾なのに生き残っちゃったから、そこは、ホラ、…………あるから、そういうの。」

薬瓶の蓋を開け、良い年したオッサンが目から液体を零しながらそう言う。
……察するに――村を守ろうとした若い衆に経験の長いこれが付いて行って……だろう。

責任にも、なるだろうか。

2794とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:18:10 ID:ZQCCqHR6
>>2793

「すとっぷ。覚悟は結構。思うようにやれです」

「そこに文句はねーんですけど」

服用しようとしている薬に問題がある。
薬は本職でないので詳しくないが、やばそうなのはわかる。

「気付け薬が必要です? そういうことなら、こっちにしてもらいたいもんですね」

棚から、飲料用の瓶を一本取り出して、栓を開ける。
香りは特にしない。味も特にしないが……。

「ま、気合入れんなら、そんなもんに頼らずとも安心なこれで」

「一応、身体にいいもんだけが入ってるです」

2795とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:21:10 ID:LRHvpvhg
>>2794
「いや、大丈夫大丈夫、ハンター皆飲んでるから。」
「あ、でも貰える物は貰うんでざーっす。」

瓶に蓋をして戻す。カルディーネは聞いた事も無いだろうが……、
ハンターが戦闘中に使うような薬――特に上位の物は要するに痛覚を麻痺させたり血流を止めたり、
ぶっちゃけ猛毒であったりする。

「いや、でも、ホント、アレっすわ。」
「何か気付かない間に六魔女さん? に助けられててマジ申し訳無いっすわー、っていうかあれ?」

「魔女さん交渉して済むなら俺いらなくn……あれ、無駄死させた俺?推定有罪?」

ぐい、と渡された瓶を礼を言った後に飲み干し、乾いた笑いと共にそんな事を。
相当キてるな、これは。

2796とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:24:50 ID:ZQCCqHR6
>>2795

「あんたたちが止めてなければ、向かう事もしなかったし、交渉もできたか不明です」

「無駄死にじゃない。それは確かです」

薬のすり替えを目論んだのにあっけなく失敗。
ち、と舌うち。自然派の彼女としては、無茶無謀なモノの摂取は見たくなかったのか。

「んじゃ、えーと。とりあえず件の村からの交渉からいってこいです」

「途中でヴァローネと合流してくださいネ……と」

用意した手紙を、手ごろな鳥を呼んで運ばせる。
とりあえず、逃がした獣たちは全員戻ってきたのが確認できた。よしとする。

//んではここらで。乙っしたー!

2797とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 01:27:36 ID:LRHvpvhg
>>2796

「……いや、何か気ぃ使わせちゃってねー、ホント!」

「いやすいませんね何か!ホント割とどうしようもなくて!」

空になった瓶を置いて、肩を落として大きく息を吐いて、
鳥が飛び立ったのを見て再度顔を覆う。

「あ、すんません魔女さん、ちょっと一分ください。」
「少し泣きますわ、俺。」

……その後、静かに泣いたオッサンは、一分後には、何時もに戻っていたとか。

//おつしたー

2798とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:27:32 ID:U8Tk1UtY
<王都近くの草原>

【いつからか流れ始めた噂がある。
それは、既に存在しないはずの通り魔――――蜂蜜の怪物……の亡霊について、だ。

無論、彼女は"本当に"死んでいるため、蘇るはずなどは無い。
だが、目撃情報は増える一方である。しかし、最近、それらしき犠牲者の姿が出てきた。

……つまり、亡霊ではないかもしれないのである。

噂では、その怪物は本物と遜色ない甘い香りを漂わせていた……とか。
噂では、その怪物は暗くてよく見えず、まるで影のようだった……とか。

そんな噂が広がるこの王都の外にある草原……なんとなく風の香りも甘い……気がする。】

2799とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:35:06 ID:ZQCCqHR6
>>2798

「どうも、妙な話であるな」

革の鎧に身を包んだ、無精ひげの目立つ金髪の男がふらふらとやってきた。
蜂蜜の化生は、一度だけ遭遇したことがあったはずだ。
あの時は、とりあえず相手にならんと逃げたが、後の噂でいなくなったと聞いた。

しかし、現実はこうして、噂話はまた復活している。
それに興味が沸いて、やってきたのだが――。

「ふーむ」

小銃なんかを握ってきたはいいが、妙な気配を感じるばかりで何も見えない。

2800とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:35:13 ID:MI4t/3FQ
「…とまあそんな噂を耳にしてきたはいいものの」

薄汚れた革服を着、眼下に濃いクマ、
半端に長い耳と小さな二つの角を持つ短髪の少女が森より這い出る。

「明らかに噂の人物って前にちょっかいかけたやつよねえ?」

2801とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:47:41 ID:U8Tk1UtY

「…………。」

【いつの間にか……いつの間にかその噂の姿は現れていた。
月明かりの下で、それは少女のシルエットを作っていた。

人のシルエットだが、何ともその動きは人らしくない。
壊れた振り子の様に体が左右にゆれ、時折、震えるような素振りを見せる。

……その動きはいわゆるアンデッドに近い。

少し遠いため、そのシルエットしか姿は窺えない。……なるほど、亡霊のようではある。
すると、少し涼しい夜風に明確に甘い香りが混じった。そして、その甘い香りは蜂蜜の香り。

……だが、それに混じるようにして腐臭にも似た悪臭が微かに香る。】

2802とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:50:47 ID:MI4t/3FQ
>>2799
「…なんか噂に引っかかったのが他にもいるみたいね……ま、いいわ」

あまり興味がなさそうにワーガを一瞥。

>>2801
「ん?腐臭ぅ?……汚染した部分が他の部分も駄目にした?まさかね」

とりあえず近寄ってみることに。

2803とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 22:55:08 ID:ZQCCqHR6
>>2800

「おや、吾輩と同じ趣味人か?」

わざわざ噂を頼りにやってきたのだ。
誰かからお金がもらえるわけではない、だから趣味人だと。

「せいぜい確かめると――おや?」

話していると、件の存在がやってきたようだ。
油断なく、彼は小銃を構える。

>>2801

「――まずは小手調べといこう」

躊躇なく引き金を引く。
狙いは頭だ。これで倒れるは考えてもいないが――。
一応、急所を狙うのはセオリーである。
ボルトを起こしながら出方を見るとする。

2804とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:01:20 ID:U8Tk1UtY
>>2802-3
「…………。」

【ゆらゆらと揺れるそれはまるで的。
ノイエが近寄る最中に引き金が引かれる。

そしてそれは、狙い通り頭にヒットした。その瞬間――――。】


「――――、――っ゛……ィ、ぃ゛ダイ゛よ゛おお゛おおお゛おォ゛ォォォォ!!」


【絶叫。少女の声で、それが木霊した頭を両手で抱えながら
壊れたおもちゃの様に頭を振っている。

これで、彼女が少なくとも"人間ではないこと"が分かった。】

2805とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:04:56 ID:ZQCCqHR6
>>2804

「ワハハハ! 予想通り、死なんな!」

そんなことだろうとはわかりきっていた。
わかりきっていたが、隙だらけなので、今度は心臓部分に狙いを定めて発砲し、直ちにボルトを起こす。
少なくとも、弾丸は向こうの身体を突き抜けて、傷を与える。
ということは、少なくともダメージにはなるということだ。近づかれるまでは、撃ち続けるのもいいかもしれないという判断である。

2806とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:06:10 ID:MI4t/3FQ
>>2803
「噂の発生原因かもしんなくてね、ちょっと見に来たの」

ぶっきらぼうに答える。

>>2804
「あらまあ、物理弾がそんなに効くの?取りあえず喰わせろぉっ!!」

振るう右手に呼応して出現するは、
赤と黒を綯い交ぜにしたヘドロの様で不釣り合いなほど細く、
そして醜くく長い歪んだ二の腕が付随しているヒトの胴を簡単に握れそうなほど大きな手。
ソレがボコボコと粘ついた気泡の弾ける音と共に少女の足元から現れる。

現れた怪腕はメヤズっぽい何かに躍りかかる。

2807とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:13:54 ID:U8Tk1UtY

「……イダイ゛……アアア゛アアア゛――――ぁ!」

【心臓の辺りを狙った銃弾も見事に、命中する。
その銃弾の形どおりに身体に穴が開いたその瞬間、溶けるようにして少女の体が崩れ落ちた。

つまり、ノイエの腕は空を切ることになる。

すると、姿が見えない中、甘い香りがさらに強くなる。

"本物"と同じ……魔法の性質上、何か仕掛けてくる際には必ずその蜂蜜の香りが強くなるのだ。
今回はそれに腐臭も混じっているが。】

2808とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:17:57 ID:ZQCCqHR6
>>2806

「ほほう?」

目の前のお化けの原因か、と興味深げにノイエを見る。

「それなら、責任をとってもらわんとな」

そう冗談めかして言い、メヤズに視線を戻す――と、消えた。

>>2807

「む……」

油断なく小銃を構えつつ、いつでも魔法が使えるように構えておく。
さしあたって、必要なのは防御のための土魔術か。
足元を確かめつつ、目と耳、そして鼻でもって様子を探る。

2809とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:19:44 ID:MI4t/3FQ
>>2807
「はっ、相変わらずねえ…まあ、アタシも大して変わっちゃいないんだけども!!」
『ヲガァ!!』

複数の怪腕が少女の足元より縺れ合いながら湧いて出る。
綯交ぜになったそれが、
赤と黒を綯い交ぜにしたヘドロに巨大なヒトの腕と口をくっつけたような2m超えの化物へと転じた。

>>2808
「あの程度の干渉じゃあ死ぬはずなかったんだけどねえ?
 たぶん誰か別の奴の仕業と思うわよ?」

2810とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:26:37 ID:U8Tk1UtY
>>2808-9
【気配を探る。香りを探る。
そういう意味では、彼女を特定する方法は簡単なのかもしれない。

すると、ふわりと甘ったるい風が二人の頬を撫でる……背後から。】

「酷い、ひどい……ヒトたち、です、ね……。
私を、虐、めて、……そん、なに、たのしい?」

2811とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:34:06 ID:ZQCCqHR6
>>2809

「――なら、好奇心の代償といったところ、であろうなぁ」

「それならば吾輩も同罪というわけだ。お手伝いしようではないか、お嬢さん」

軽口を叩いて、にいと笑みを浮かべる。
キザで軟派な印象を与えるが、こんなでも彼は妻帯者である。

>>2810

「――いいや、吾輩の繊細の心は張り裂けそう――だ!」

素早く振り向いて、特に狙いを定めずに発砲する。
真後ろにいるならば身体のどこかに当たるだろうが、そうでなければ空を切るだけだ。
ボルトを起こしつつ、視界で声と匂いの主を探す。

2812とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:35:18 ID:MI4t/3FQ
>>2810>>2811
「はっ、前から言ってるでしょうが。アタシはお腹がすいてるだけよ!!」
『ヲ゛!!』

ノイエ自身の目で確認もせず、
化け物の腕がメヤズへと振り下ろされる。

「また汚染されてみるぅ!?」

2813とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:47:15 ID:U8Tk1UtY

「甘いものが、スキなんです。
……とっても、好きなんです……好き、なんです。甘いものが――――。」

【銃撃を受けるその身体。だが、穴が開くだけである。
……身体はまるで粘度の様に手ごたえがほぼ皆無だ。

そして、間髪いれず振り下ろされる腕が直撃――――は、しなかった。】

「……っ――――ぇ゛……!」

【振り下ろされた腕を避けるようにして、体が動く。
すると、孔雀の様に、その後ろから黒い触手が何本も現れた。

それは振り下ろされた直後の怪物の腕へと容赦なく突き刺されようとしている。
そして、すぐ近くにまで来て、ようやくわかった事がある。

月明かりによって、黒いシルエットとなっていたのではなく、彼女は真っ黒なのだ。
ただの黒いヒトを模した塊。……言えば、泥人形の様なものだ。】

2814とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:54:38 ID:MI4t/3FQ
>>2813
『ゴァ』
「ん…あらら、流石にそこまで染めた覚えはないわ、何処の誰にやられたんだか」

動きの鈍い化物の腕に攻撃が達する。
易々とその腕は貫かれるが…
触手が爆ぜでもしない限り化物にの腕の動きに支障はない。
ずるりと腕を引くと断たれたところからくっ付き腕の引き抜きに成功する。
物理攻撃は効き目が薄そうだ。

2815とある世界の冒険者:2014/07/13(日) 23:55:56 ID:ZQCCqHR6
>>2813

「ふーむ……効かんと、なれば」

「薄まってもらおうか!」

ターゲットは自分ではなく、ノイエの呼び出した腕にある。
なので、心置きなく魔法を撃つことにした――水魔法だ。

「はらいっぱいくらえい!」

三本の、激しい勢いの水流が突如として中空に出現し、メヤズに殺到する。

2816とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:04:37 ID:0l404Exs
>>2814
【触手がぷつぷつと引き抜かれていく。
たいした動揺もないままに目標を失った触手はとかげの尻尾の様にうねる。】

「やっぱり、あの時、助けられなければ良かった。
ン、ン……アア、甘いものは好き?ネェ、甘いものが好きなんで――――!」

【壊れた機械の様に似たような言葉を反芻する。
どうやら、この黒い塊はメヤズを模しているが、完全ではないらしい。】

>>2815
【そんなことをしている間に三本の水流がこの黒い塊を飲み込んだ。
……かのように見えたが、それは吸い寄せられるようにして、黒い身体の一転に集中させられる。

そして、それはそのまま飲み込まれていった。だが、どう考えても飲める量でもないし
そもそも、当てた部位が口かどうかも怪しい。

水流が止み、その箇所が露になる。それは――――巨大な目玉であった。】

2817とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:09:41 ID:hSP72zKM
>>2816
「五月蝿い」
『ガァッ!!』

手を大きく開き怪物が掃う様にして腕を水平に振るった。
攻撃範囲が広がったので避けるのはきっと難しい…筈。

2818とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:14:07 ID:JjJwVpwQ
>>2816

「――でえい、無茶苦茶な見た目しおって、邪神気取りか!」

露出した目玉に、おまけといわんばかりにもう一本の水流を出現させ、叩きつける。
先ほどのように吸収されてしまえば意味がないが、過激な目薬ぐらいにはなるかもしれないという期待もある。

「これは、逃げるべきか?」

敵う相手なのか、自信がなくなってきた。

2819とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:20:18 ID:0l404Exs
>>2817
【巨大な目玉はメヤズに収まりきるものではない。
先ほどの触手がまとまり、巨大なこぶの様なものを形成しているのである。

そこに巨大な目玉が出現している。
そして、そこに向けて腕が振るわれた……すると、目玉が不自然に揺らぐ。
次の瞬間には、先ほどワーガが放った3本の水流が振るわれる腕に思い切り注がれる。】

>>2818
【見るに目玉はものを吸収し、そしてそれを吐き出すことができるようだ。
しかも、つまり、半端な攻撃は逆にこの目玉の攻撃手段を増やしてしまうことになる。

……どうやら、噂されていた蜂蜜の怪物は復活していなかったらしい。
それは、蜂蜜の怪物の姿を象る別の生物?であった。】

2820とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:23:35 ID:avKazuSk

「…………、」
「……矢張り、か。」

被害の及ばぬ上空にて。
球体に近い貌となった「闇」の上に乗って場を見下ろすは蒼いコートに赤銅色の燃え盛る長剣を持った、赫髪の男。

「(死人が蘇る訳も無し)」
「(休暇中に出て来て、無駄足だったか)」

応戦する様子の人間と、低級そうな化外を見下ろし銜えた煙草を吐き捨てる。
擬態も解けたようだし、手を出す必要も無さそうだが、監視は続けるとしよう。

2821とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:24:39 ID:JjJwVpwQ
>>2819

「……吸収の性質だと?」

考える。この手の存在は、吸収限界量を超えてなお吸わせ続けてパンクさせるか
あるいは、吸収不可能な一撃を与えるか。これに尽きる。
しかし、現段階では、何が吸収できて、何が吸収できないのか、わからない。
先ほどから撃っていた銃弾も、同じ速度でそのまま発射できるとしたら、かなり恐ろしい。

「ハハハ。打つ手なしだ。逃げる!」

掌に長方形の石英の塊を呼び出し、それを地面になぐりつける。
石英はたちまちの内に爆発し、白煙と化す。煙幕だ。
視界を潰し、ついでに、巨大な目玉をこの煙で燻すのを目的としつつ、背を向けて走り出す。

2822とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:27:43 ID:hSP72zKM
>>2819
ワーガの水流で怪物の腕がぶっちぎれる。

「鬱陶しい…」
『ガァ』

もよもよと腕の断面がうねり泡立ちぶっちぎれた部分を再生中。

「周囲もまとめて攻撃しないと当たらなそうね」

2823とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:36:55 ID:0l404Exs
>>2820
【そちらに気付いていないのかよくわからないが、何か仕掛ける様子は無い。
低級そうな化外と評したが、はたして本当にそうなのだろうか。

人間の姿を真似、声を真似、あまつさえその性質まで真似る。
それはその辺りの化け物で出来ることではあるまい。】

>>2821
【煙幕によって、その目玉は包み込まれてしまう。
それを吹き飛ばせるだけの風の力の様な物はもっていないらしい。

そのため、あっさりと逃げられてしまう。
というよりも、この目玉自体に追いかけるつまりはほとんどないらしい。

そして、その砂埃が晴れる頃には目玉はどこかに消失し、元の黒い少女の姿があった。】

>>2822
「やっぱり、あの時、死ねばよかったんだ。誰も助けてくれなんて頼んでいないのに。
ん?あれ?もう、死んでいるんでしたっけ、私?」

【目や鼻のない顔で、よくわからない言葉を並び立てる。
再生中に攻撃することはしようとしていない。別に戦うことが目的ではないのだろうか。】

2824とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:39:57 ID:hSP72zKM
>>2823
「さあ?アンタがどうなったかなんて知る由もない。
 とりあえずそのまま混乱してなさいな」

ある程度噂の何かは理解できた。
あまり派手に動き回ると他の不都合が湧いて出そうなので少女は化物と共にその場を退いた…

2825とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:44:10 ID:avKazuSk
>>2823-2824
「(化外の方は去った、冒険者の方も逃げた)」
「(と、なれば)」

遺ったのは目玉一匹。
――目玉。 噂に聞いた話に一つある。
そこから関連性を辿り、「どことつながっているか」を思い出す事は難しく無い、となれば。

「――妙な噂が立ってもなんだ。」
「どのみち、こうするに限る。」

握り潰すに限る、と自身の内で決定し、
何でも無い事かのように赤銅色の焔剣を振るい、黒い少女の周囲の地表を焼き古賀さんとする。」

2826とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:52:42 ID:0l404Exs
>>2824-5
「――――あ、あ゛アア゛アア、あ゛づ……あつい……あつい゛あつい……!」

【周囲が焼かれ始めると、金切り声を上げて、その場に倒れる。
そして、その熱さにのた打ち回り、苦しむ。

"ヒトの身体"では耐えられない熱で身体を焼かれるのだ。苦しくないはずはない。】

「つ、ぃ――――あつい、あ゛つい……あつ――――また、ですか。ジャキさん。」

【焼き焦げていく地表の中で不意にのた打ち回る動きが止まる。
そして、上半身だけを起こして、ジャキの方を見ながら、そんな言葉を漏らした。

まるで、本当に彼女が生き返ったかのような言葉である。】

2827とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:57:48 ID:avKazuSk
>>2826

二発目。
少女の言葉を聞いて直後に炎剣を振るい、先程より勢いを増した豪火を地表に叩きつける。

「(目の前の"これ"が俺が蘇生した贋作のメヤズ=イェノ―であれ)」
「("何者かが別部位から復活させた同位体"か何かであれ)」

更にもう一振り、地表を焦がし天にまで立ち昇る灼熱が極小範囲を焦がす。

「(後で確かめれば良いだけの話だ)」
「(用意した学籍なんかは無駄になるが――)」

最も、自身の名を知っている以上は贋作の彼女か、
或いは蜂蜜を介してそれとリンクしている可能性は高いだろう。

なんて思いながら、トドメとばかりに三発目、作り上げた炎塊を叩きつけた。

2828とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:06:54 ID:0l404Exs

「――――――。」

【襲う炎に飲み込まれ、もはや、声もしなくなった……かと思われたが。
既に苦しんで地面に伏している状態の黒い少女のお腹から、赤紫色の光が輝いている。

見れば、その炎はその黒いメヤズに直撃している様子は無い。
その怪しく輝く光の中へと吸い込まれていっているようだ。

同時におなかは、まるで子を宿しているかのように膨らんでいる。
それは二発目も三発目も飲み込んでいった。】

2829とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:13:00 ID:avKazuSk

「(魔法吸収――線は見えたか)」

それについての情報も、ある。
あれだけ騒げば嫌でも情報は入って来る、というものだ。
そして、それと共に自分の中で「黒」が誰か、と言うのがハッキリする。

――共に、攻略法もだ。
簡単な話、魔法がダメなら殺る事は一つ。

「汚染しろ。」

打ち込んだ魔力の炎を変換。何に? ――自分以外の全ての存在に対し、猛毒であるもの。
人の身体を呪い精霊を蝕み獣を狂わせる、いわゆる【瘴気】に、だ。
それがどうゆう存在であれ、より不快魔性――例えば魔族だとか、そういう存在なければ動きは大小阻害される。

同時に、手に持った赤銅色の剣に纏う炎を消して、投擲。
こちらは簡単。 東方技術である"キ"。 この場合は体外――物質に纏わせる、"外氣功"を纏った投擲攻撃だ。

2830とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:31:38 ID:avKazuSk
//反応が無いので寝落ちor放棄と判断、乙っしたー

2831とある世界の冒険者:2014/07/16(水) 23:45:29 ID:GZfqjiqM
――森林奥地 カルディーネ居住エリア

さて、例の古龍の行動による騒ぎは、驚いたことに、ハンター達の一個部隊が壊滅するだけにとどまった。
何らかの理由により、古龍は巣に戻り、再び眠りにへとついた。
出動した王国軍はしばらくの後に撤収し、冒険者やハンター達は、限定的に発生したスタンピードの対処を行い、急速に事態は収束していった。
――直接の原因となった、開拓の拡大についても話がついたところだ。

「……やっぱ何もないのが一番ですねえ」

ログハウスのテラスから、鳥に餌をあげながら微睡む、幼い少女が一人。
このほんの子供ぐらいにしか見えない魔女が、古龍と交渉したということは、誰も知らない。

2832とある世界の冒険者:2014/07/16(水) 23:50:27 ID:xCzlskb6

そんな風に小鳥と戯れていると、見知った……と、言うには微妙だが。
何処かで見た様な鎧――今日は武器は背負ってないが――が、視界の端に映る。

背中には大槍と大盾の代わりに大きなバックパックを背負い、気付けば森の奥の方……、
とは言え先日の古龍の塒に近付き過ぎない様な所を、何度か往復している様な様子だ。

武器も持たずに何をしているのだろうか。
ましてや、当人である以上そう来たくも無い場所になっているだろうに。

2833とある世界の冒険者:2014/07/16(水) 23:58:35 ID:GZfqjiqM
>>2832

「まだ怪我も治ってねーだろうに何をうろうろしてるんですかね」

とりあえず、声をかけて手を振ってみる。
どう応えるかは、本人に任せる。

「というより医者にはいったんですかねえ、あいつ」

小鳥に話しかけながら、あくびをひとつ。

2834とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:01:15 ID:4IPDaMbY
>>2833

mob槍「あ、ちゃーっす、魔女さんちゃーっす、その節あざーっす!」

と、軽快に手を振って答える。視力が良ければ鎧……、
恐らく今日は最低限の物だろう、関節の節目から包帯が見えた。
怪我を押して何かをしている、という感じになるが。

mob槍「サーッセン!ちょっと物音煩いと思うんですけどアレ、後で菓子折り的なの持ってくんでお許し下さいボルガ博士!」

妙な調子で言い終えた後は、また行ったり来たり……、
バックパックからスコップを取り出したり、何やら木の板を突っ込んだりしているが、樵のまね事だろうか。

2835とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:12:22 ID:w6wd4dhY
>>2834

「勝手に木を伐採されるのは……」

しかし、それはそもそも一人じゃ無理な仕事である。
となると、倒木なんかを集めて加工している?

「だーもう、何か妙なことしてるんじゃねーでしょうね」

身軽にテラスから飛び越えて、ルーンの文様が爪に輝くクマに跨り、そちらに向かう。

2836とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:16:12 ID:4IPDaMbY
>>2853

森の奥の方……少し広けた場所。
丁度、あの古龍と戦ってた、もとい蹂躙されていた場所の程近く。

そこに幾つかの、盛り上がった土の上に突き刺された木の板と、拉げた状態の武器が有った。
木の板は上部が十字状に交差する様に紐で括りつけられているのを見るに……かなり粗末だが、墓だろうか?

流石に蹂躙されていた場所その物には、まだ古龍の残り香が残っているので、近付けない。
なのでここに作ったのだろう、と言う装いだ。 ……最も墓の下には何も無いだろうが。

なにせ、植物とかして古龍の巣に引き連れられて行った事だし。

2837とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:21:32 ID:w6wd4dhY
>>2836

「――墓ですか」

しかし――と彼女はわずかに唇をかんだ。
死者を悼むのに異論はない。それは必要なことだろうとは思う。
だが、場所が問題だった。なぜここなのか。だ。

「それらの武具が遺品なら、遺族に返却するのが筋だと思うですよ」

「それから、ちゃんとした墓地には作れないんです?」

きちんと管理する人間がいる、教会所有の墓地や霊園に弔うのが筋だろう。
彼女はハンターの世界には詳しくないため、そう思うのだが――。

2838とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:30:42 ID:4IPDaMbY
>>2837

mob槍「や、あるだけの遺品だとか、……そういうのはちゃんと返して村の方にあるんですがね、はい。」
mob槍「つっても死体が持ってかれちゃったんで、仕事行く前に言ってギルド置いてかせた私物ですけど。」

間の抜けた掛け声と共に一本の武器……ヤケに綺麗に磨かれている大剣――、
それを粗末な墓に突き立て終え、槍の男が魔女の方を向いて言う。

mob槍「で、あのー……遺族の方々の方は"こんな武器なんぞ見たくも無い"、ってな感じで。」

曰く、こんな仕事に付いたからあんな死に方をしたのだ、とか。
壊れた武器を見ていても、気が滅入るだけだ、とか。そういう反応だった、と言う。
……分からない話でも無い、災害に呑み込まれ死んだ、なんてものを現実として受け入れるのは辛い物があるだろう。

mob槍「んであの、人間としての墓はあるんで、ハンターとしての墓、みたいな。」
mob槍「俺はもう最後の最後でカカカッととんずらこいちゃったんでアレだけど、こいつ等はすげぇ頑張ってたんで。」

mob槍「それ讃える意味でもー……って言うアレです、はい。」

先ほどの一本で最後だったのか、十字の墓に持参していたのだろう短剣で名前を彫り入れ、満足気に頷く。

mob槍「いやもう邪魔なら撤去しますけどね!今クマに殴られたら死ぬんで!無理サポシ!」

2839とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:35:29 ID:w6wd4dhY
>>2838

ふむ、と考える。
目的はわかった。要するに、アレに立ち向かったという事実を称える記念碑に近い。
となれば、そこに生前の彼らの武具があるのは自然だ。
しかし、森の中、管理する人間も無しに……というのでは、早晩、その記念碑は崩れる。

「……ウチの敷地なら、陽気な墓守つきですよ?」

「長持ちはすると思いますがね」

というわけで、完成直後で悪いが移築の提案。

2840とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:42:05 ID:4IPDaMbY
>>2839

mob槍「つっても森ですしね、In The Forest、風化待ったなしっすわ!俺の存在と同じように!」

定期的に手入れに来るつもりのようではあるが、限界はあるだろう。
ついこの間入った教職のしごともあるだろうし、何よりそこまで暇でもないだろう。

mob槍「まぁハンターなんてアホな仕事選んだこいつ等が悪いみたいな所もあるみたいな? だからその辺しょうがないみたいな?」

と、勝手に納得する様子を見せていたが、
魔女の言葉を聞き表情(兜で見えないが)を変えて。

mob槍「いやいやいや、迷惑の掛け重ねじゃないですか魔女さんや」
mob槍「古龍の件然りでこれまでお願いしちゃった俺何すればいいんすか、奴隷になればいいんですか魔女さんや」

慌ててそこまではしてくれなくていい、と言った反応。
というよりもこれ以上迷惑をかけすぎるのもどうか、という対応であろう。

2841とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:45:29 ID:w6wd4dhY
>>2840

「ちゃんと残せなければ、オメーの自己満足でしかねーんですよ」

「そんな無責任な弔いなんかあってたまるかってんです」

口をとがらせる。
無理やりにでも場所を移させるつもりだろう。

「風化して、何もなくなって――そんで後悔するのは、何十年後かのオメーでしょうに」

2842とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:49:26 ID:4IPDaMbY
>>2841

「……まぁ、こう言うんは自己満八割ですし」

「俺がもうちょいマシなハンターだったら、死体ぐらいは取りに行ったんですがねぇ。」

視線を森の奥地へ、と向けながらそんな事を言う。
言いはするが、……そんな事は絶対にしないだろう、片割れの方と違って、ある種理性的な人間ではある。

「――恥の上塗りって奴ですな、うん、物悲しい。」
「くそう魔女さんの言葉は的確に1d10出して来るなー、……んじゃちょっとあの、移転させて貰っていいですかね!」

少しだけ感じさせた、真面目な様子も何処かへ投げ捨てて。
何時ものネジ外れた様子で先程突き刺したばかりの大剣を軽々と引き抜く。

2843とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:56:25 ID:w6wd4dhY
>>2842

「この辺でなんかやるならお伺いでも立てるべきでしたねー」

さて、となれば敷地を決めなければならない。
畑のスペースにほど近い、小高い丘に立派な林檎の木がシンボルのように立っているが――。
その根本がちょうどよさそうだと、彼女は考える。

「ま、とりあえず適当に手伝わせるです」

じきに鎧霊や、力仕事が出来る獣達を使って、それなりのものが出来上がる。
――時間を見て、石碑を建てようとも、彼女は言った。

//ではこんなとkろおだー。

2844とある世界の冒険者:2014/07/17(木) 00:58:55 ID:4IPDaMbY
>>2843

「古龍言うても人間で何とかなるのとならんの居ますからねー」
「今回はならんパティーンだった、ってだけっすわ、うん。」

そこは仕方ない――と割り切っているのか、いないのか。
次々と武器を引き抜いて、のんきな様子でそう言う。

「ファッ!? ……ああ、魔女さんか、魔女さんのかこれ」
「やばいわー、急に鎧霊とかクマ来ると流石に食われると思うわー」

と、クマにビビりながらも、自己満足のそれを進めるのであった。

2845とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 22:39:16 ID:andpoX5c
<王都近くの草原>

「……理解しがたいですね。リスクが高すぎる。」

【空中から降りてきたのは銀の三つ編みに半袖のジャケットを羽織った女性だ。
地面に降り立つなり、悪態にも似た言葉を吐いた。】

2846とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 22:56:31 ID:uluDiPwY
「…なんだぁ?」

がさり、と草の中から起き上がる影一つ。
口元まで隠れる襟付きの黒い拘束衣を纏う異様に白い肌で紅い目の小柄なヒトガタだ。

「ねみぃ」

寝ぼけ眼である。

2847とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:09:54 ID:andpoX5c

「…………っ。」

【当然ながら、警戒を露にする。
それもすぐさま、戦闘に移れるような、そんな体勢だ。】

2848とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:17:13 ID:uluDiPwY
>>2847
「あ?んだよ…今腹減ってないんだけどなぁ」

気だるそうに、しかし明らかに交戦的な笑みを浮かべる。

「お前人間か?人間だよなあ?まあそうじゃなくても食えりゃあなんでもいいけどさあ!!」

2849とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:26:41 ID:andpoX5c

「言葉を話せるだけで、獣と同一ですか……何とも、代わり映えのない。
…………穏便に行きたいものなんですけどね。」

【はぁ、とため息を一つ。
獣に襲われるのは悲しいことに慣れてしまっているのだ。

今回はその獣が偶々、言葉を喋るだけ……取るに足らないことである。】

2850とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:31:05 ID:uluDiPwY
>>2849
「あはは、安い挑発だなあ……ざっけんなよてめえっ!!」

煽り耐性ゼロの白いやつが跳躍する。
跳躍の高さはヒトのそれを軽く超え、レヴェスを頭から踏みつぶす勢いで落ちてくる!

2851とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:42:06 ID:andpoX5c

「挑発する気など全くなかったのですが……いやはや。」

【自身の足元に何かを落とすと、そこから飛び退いた。
彼女も身体能力を魔力で補っているのか、人外のような動きである。

自身がいた場所に落としたのは雷属性を纏わせた鉄の杭である。
触れれば、たちまち周囲に雷撃が広がり、痺れさせるといったものだ。

殺傷能力……というよりは動きを止めることに重点を置いた設置魔具である。】

2852とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:43:51 ID:uluDiPwY
>>2851
「ほべぎゃっ!?」

狙いは正確。
思い通りの位置に勢いよく着地し罠にかかる白いの。
立っていられないらしく転がる。

2853とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:51:20 ID:andpoX5c

「…………。」

【飛び退いたその先で、ふわりと宙に浮いた。
本来は着地と同時に砂煙が巻き上がってもおかしくないくらいの勢いであったが
彼女はそれを空中に浮くことによって、ゼロにする。

うっかり、対象を見失わないためである。

そして、そのまま逃げる――――のではなく、更に鉄の杭を手にする。
同じく、雷属性の魔力を込めると、それを足に向けて投擲した。

さらに、足を潰して自身の逃走をより確実のものにしようと言う魂胆である。】

2854とある世界の冒険者:2014/07/18(金) 23:57:07 ID:uluDiPwY
>>2853
「調子に…のんなぁっ!!」

投擲された杭が宙で弾かれる。
弾いたのは白いのから生えたらしい尾。
蛇のそれに似た尾の先端に細かな刺の並ぶ針を持つ尾だ。
それが八本。
伸びて杭を弾いたもの以外はユラユラと陽炎のようにうねっている。

「…ちょっと驚いたじゃあないか」

効果は一瞬だったのか確りとした足取りで立つ。

2855とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 00:14:29 ID:SYtpJ36g

「……調子に乗るもなにも、仕掛けてきたのは貴方でしょうに。

それにしても……なるほど。
獣のようだ、という印象に間違いはなかったようですね。」

【さながら伝説に聞く妖狐の類か、と。】

「……どうやら、分は悪そうですね。」

2856とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 00:17:54 ID:yI7Duv2w
>>2855
「ああ?ふっかけてきたのはそっちだろうがよぉ…
 まあいいや、なんか痺れて気分萎えた、帰る」

尾が互いに巻き付き一本の太い尾へと転じ、消える。

「あー、なんかウマイ兎でも落ちてねえかなー」

踵を返すと森へと去っていった…

2857とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 00:35:57 ID:SYtpJ36g

「……そうですか。
それならば、私も追うつもりはありません。」

【森へと去っていく、人型をちゃんと去るまで警戒を怠らない。】

「(…………何故、人間かどうかを確認したのでしょうか。)」

【ふと、そんな疑問が後から湧き出て、それがしばらく頭から離れなかったとか、FO】

//お疲れ様でした!

2858とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 22:56:41 ID:OiANAuzA
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

2859とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:04:23 ID:87NGOuNU
>>2858

「あー……くっそ、世間のジャリ達はサマーなバケーションにゃー」

今日のコスプレは和風ウェイトレス。
和服モドキの上に白いエプロンを重ねたものだ。

「冷たい甘味はやっぱり定番にゃねー。結構出たんじゃにゃ?」

いやまったく夏は金が動くぜ、とカウンターの上で8の字飛行

2860とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:12:11 ID:OiANAuzA

「イエス、イエス。たっぷり出たにゃね、それこそ。
あのミントのは、意外と好評で吾輩もびっくりしたにゃよ。」

【前回の話し合いから、辛いものと甘いものを出すことに決定した。
一方は辛さを追求したもの……そして、冷たい甘味はミントを使用したものだ。

そして思いのほか、好評らしい。】

2861とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:17:55 ID:87NGOuNU
>>2860

「広告戦術により順調にお客も増えているにゃ」

ぐ、と親指を立てて。
帳簿を小さい身体で日夜にらめっこしているアンリには感動もひとしおらしい。

「ひと段落したら、バイト連中もつれて一泊二日ぐらいの旅行には行けるぐらいの金がたまるかもしれんにゃー」

ふっふっ、と腕を組んで得意げに笑い。

2862とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:34:48 ID:OiANAuzA

「旅行にゃか……ちなみにアンリは行って見たいとこあるにゃ?」

【旅行と聞いて、そんなことを考える。
考えてみれば、そのような慰安旅行らしいことはほとんどしたことない。

だから、アンリがどのようなところに興味を持つのかというのは気になるようだ。】

2863とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:43:46 ID:87NGOuNU
>>2862

「んー。店長の故郷? ネコの国にゃっけ」

こちらは興味本位。
ネコだらけということなら、ネコ妖精(つけ耳だが)である自分にも入国資格がある、という理屈らしい。

「あとは、あれにゃね。妖精の秘境。アンリ自身も場所は知らぬ、妖精の女王が住まう妖精の王国にゃねー」

「噂によれば上位妖精から最上位妖精のみが場所を教えられるという清浄なる地。まさにアヴァロンなのにゃ」

もう一つは、旅行には適さない伝説の地だった。
こいつ、あんまりレジャーに詳しくないぞ。

2864とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 23:56:46 ID:OiANAuzA

「我が故郷は別に排他主義じゃにゃいからね。
別にアンリに耳がついてなくても、十分に資格はあるにゃよ。」

【ネコの国は割りとオープンなのだ。
ただ、入国の仕方……というか、そこのゲートを開く手段が特殊なのである。】

「……にゃー、それこそ色々と厳しそうにゃ。
不法侵入とかで捕まって、煮たり焼いたりされた挙句、海の藻屑になるとかにゃい?」

2865とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 00:01:16 ID:UqR3b7Sw
>>2864

「旅行は結構できそうにゃね。店長みたいなのがいっぱいいるんにゃろか」

想像して、愉快な絵面になったのか空中でお腹を抱えて笑う。
一体何を妄想したのやら。

「にゃー……ま、基本的に不法入国はキビシーという噂にゃ」

「ただ、例外として、人間の、それも少年は妖精の守護する戦士として育てられるケースもあるって話にゃ」

おとぎ話クラスの伝説だが、と笑いすぎで痛くなったお腹をさすりながら言う。

2866とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 00:20:30 ID:Dy9KKKKM

「にゃにゃー、複雑な気分な吾輩。
ちなみに、吾輩は故郷の中でも珍しいタイプの獣人にゃから、そんないないにゃ。

いるのは、やっぱりオーソドックスな人間の体型に獣っぽい頭の獣人か
あるいは完全にネコか、喋れるネコ……って感じかにゃ。」

【忘れてはならないのはチャオウスは珍しいタイプの獣人であるということである。
また、出生など細かい部分は自身も知らない……実はミステリアスな存在なのだ。】

「……にゃー、吾輩は安心にゃが……ちょいと不安な人がいるにゃね。」

2867とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 00:29:37 ID:UqR3b7Sw
>>2866

「にゃにゃ。珍しいのかにゃ」

まさかの希少種。
もう少しチャオウスの知能が獣寄りだったら、珍獣扱いでペットにでもされかねなかったのかも。

「まー妖精の国はそもそも実在すっかわかんにゃーしにゃー」

「あー。エレーネの奴は北国に列車で旅行につれていってもらったとかいってたにゃー」

流石は玉の輿妖精というべきか。なかなかいい思いをしているらしかった。
それとは無縁の、ちまちま労働する妖精とは距離も空こうというものだ。

2868とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 00:49:19 ID:Dy9KKKKM

「うむ。吾輩もよくは分からないんだけどにゃ。
獣人形態なのに、背丈がネコっていうのは吾輩の故郷では珍しいにゃ。

いわゆる……突然変異種ってやつ?」

【どうやら珍しいらしい。
とはいえ、それは本人の周りに自分と同じ種類がいなかっただけと言う話。】

「まぁ、吾輩の生まれもよくわからにゃいから、謎は山積みにゃのよね。
……にゃにゃ?彼奴はそんなにいいところだったかにゃ?」

2869とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 00:56:46 ID:UqR3b7Sw
>>2868

「にゃるほど。突然変異にゃー」

ふんふんと手を叩く。

「これで店長が大型なソレにゃったら討伐対象になりかねんにゃ。もんすたーをはんてぃん、にゃ」

ぶん、とエア大剣を素振り。

「エレーネの奴の嫁ぎ先……でいーんかにゃあれ……は、帝国貴族にゃぜ? 大金持ちだにゃ」

「南瓜のお化けの嫁入りというのは怪談の領域だにゃー。アンリ編集のジグザール霊異記でも執筆しちゃろかにゃまったく」

ジグザールに伝わる不思議な話を集めて編集する本、そんなものがあれば売れそうだという。
アンリにはアイデアはあるが、いかんせん、そんなことをする時間もなければ、集中力もなかった。

2870とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 01:11:17 ID:Dy9KKKKM

「にゃにゃにゃ、我が故郷には巨大なネコの伝説があったりするにゃから
あながち、突然変異で生まれるなんてことも無きにしも非ず。」

【突然変異が多いのだろうか……ともあれ、そんな伝説がある辺り
意外とネコの国と言うのは深遠な国なのかもしれない。】

「にゃぬ……そういわれてみれば、そんなことを話していたような気が……!
それにしても……にゃー、貴族に嫁いだわけにゃか。

毎日、上等なネコ缶が食べられると思うとわくわくするにゃね。」

2871とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 01:13:52 ID:UqR3b7Sw
>>2870

「んじゃあ、まじもんのキャットでフェアリーもいるかもしれんのかにゃ!」

カチューシャによらない、猫耳の生えた小さな妖精。
そんなのが飛び交う泉があれば、それはそれは幻想的だろうと想像する。

「みんなアンリみたいなのだったら大変にゃろうけど」

それが全員いたずら好きなら、もう手におえない。

「高級ネコ缶にゃー。やっぱ魚が贅沢に使われるんにゃろか」

「……魚料理? にゃにゃ。何かひらめいたかもしれんにゃ。ちょっとこもるにゃー!」

何を企んだのか、何やら急いで部屋に消えたとか。

//ではこんなところで。乙でしたー

2872とある世界の冒険者:2014/07/21(月) 01:34:22 ID:Dy9KKKKM

「にゃー、それはそれで賑やかで楽しそうな部分もあるけどにゃー」

【こちらはこちらで結構、ファンタジックな想像をしているのかもしれない。
周囲に飛ぶ妖精もアンリならば、いいかもしれない、と。】

「多分、魚の切り方が大きいんにゃろうにゃー。
……んにゃ?もしかして、新メニューかにゃ?」

【基本的に追うことはしない。

メニュー開発の際は一緒に行うことも多いが、その大元となるアイデアに関しては
個人間で出すことが多く、他者の意見に左右されるのは危険だからである。

それゆえに、疑問は生じるもののそのまま見送るのであった、FO】

//了解です。お疲れ様でした!

2873とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 21:38:03 ID:Y.KbtGjo
<王都のどっかスターキャッツカフェ内>

【明かりはぶら下がるランタンのみ。木製の薄暗くレトロな雰囲気を醸し出す店内。】
【カウンターに立つは黒布を巻いた二足歩行で尾にリボンをつけた小さな渋めの黒ネコ。

店内の隅にはネコ耳をつけた2m弱の大男の人形があるが気にしてはいけない。
そしてカウンターの目立つ箇所に"酒場のマスター"とサインされたカードが飾られている。】

2874とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 21:46:29 ID:17MzCnxY
カランコロン

「ねこの森には帰れない なくした夢はもどらない ……ってね」

「こんばんは、まだやっているかしら?」

店の名前で何かしらを思い出したのか、何かの歌の一節を口遊みながら
長い黒髪の冒険者風の少女が来店

2875とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 21:53:45 ID:Y.KbtGjo

「故郷から手紙は届いたのかにゃ?
いえす、イエス……我がカフェは絶賛稼働中にゃよ。」

【ぐっ、とサムズアップのような動作を見せるが生憎と肉球なので出来ていない。】

2876とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 21:59:12 ID:17MzCnxY
>>2875
「残念ながら 歌の通り場所も帰り道も忘れてしまったから帰れないけれど」
「………少し気ままに歩きすぎたわね」

それじゃあ何かいただこうか、と客がいない事をいい事にチャオウスの近くに座り
店内にメニューがないか視線だけで探してみる

2877とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:07:20 ID:Y.KbtGjo

「にゃらば、羽を休めると良いにゃ。止まり木くらいにはなるにゃよ?」

【そういって差し出したのは猫の形をしたメニューとネコ耳である。
さも当然の様に渡されるが、中々に不可思議なサービスである。】

NORMAL
チキンドリア
ハンバーグ
ナスとキノコのミートパスタ
ロールキャベツ
サラダ(ネオベイ風&ゴマだれ)
プリン・ア・ラモード
激辛カレーライス
ミントアイスクリーム

CAT
ネコ缶
ネコ缶バーグ
ホネポテト
カツオ出汁のクリームパスタ
マタタビティー
ニボシクッキー
マタタビジュース
マタタビ酒
マタタビクリームケーキ

CHALLENGE(挑戦メニュー)
ブラックハーブティー(無料) ※完食者が出ました。
20年物マタタビドリンク ※完食者が出ました。

※メニュー変更の可能性あり。

2878とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:16:47 ID:17MzCnxY
>>2877
「羽を休めて随分長い事になってるけれど、もうほとんど巣の状態ね」
「そもそも他の所に渡る気力がもう沸かないわよ ………夜だし、そうガッツリとは……」

まだ若いと言うのにどこか年寄り臭い事を言って、メニューに目を通す
チキンドリアとハンバーグを素通りし、パスタで目を止める

「ナスとキノコのミートパスタを。 これだけで充分ね」
「……このチャレンジメニューのマタタビドリンクって?」

2879とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:28:34 ID:Y.KbtGjo

「それならば、大いに馴染むと良いにゃよ。
少なくとも、我がこの店は吾輩がいる限りはずっと、ここにあるにゃ。」

「かしこまりました、れーでぃ。
ん、それはだにゃ、我が故郷から持ってきた20年熟成させたマタタビのエキスを砂糖水で割ったものにゃ。

ご要望とあらば、砂糖水をサイダーに変えることも出来るにゃよ。」

【注文を承るとチャオウスの影がゆらゆらと蠢きだす。
やがて、それは普通に立ち上がった。つまりは影が実体化した。

そして、それが店の奥のほうへと消えていった。調理担当は影らしい。】

「普通のドリンクと違うのはマタタビの濃度がすっごい濃いにゃよ。

マタタビは滋養強壮の効果があってにゃ。それがあまりに濃いモンだから人によっては
まさしく、ネコにまたたびを与えたときの様な状態になることもあるにゃ。」

2880とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:32:05 ID:17MzCnxY
>>2879
「…………パスタのみでお願いするわ、私がチャレンジできる代物じゃない」

ネコにまたたびを与えた時の状態がどのような状態かはわからないが、
滋養強壮は多分、いい意味はないんだろう、チャレンジ料理である事からも
そしてメニューと一緒に渡された猫耳を両手でもつ

「……ところで、これは?」

2881とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:40:29 ID:Y.KbtGjo

「まぁ、へろへろになった客もいるし、そうじゃにゃい客もいるし
……なんつーか、ばくち?」

【個人による違いがかなり、大きいらしい。
泥酔するような状態になるとすれば、そんなリスクは冒さない方がいいだろう。】

「それはサービスのネコ耳にゃ。……もちろん、返して貰うけど。

ここはいわゆるネコのカフェ……お客にもそんな雰囲気を味わって貰おうと
ネコ耳をつけることを推奨しているにゃ。……あ、ちなみに柄がいやなら、たくさんあるにゃよ?」

【がらり、とカウンターの下のほうから木の箱を取り出した。
中には大量の、そして、様々な種類の柄のネコ耳が入っている。】

2882とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:47:11 ID:17MzCnxY
>>2881
「要するにお酒と似たような物ね。 未成年だし今回呑まないでおくわよ」
「……成人したからと言って呑むかはわからないけれど」

一人だし帰り道がヘロヘロになった時が怖いしで結局呑まない気がする
まぁチャレンジメニューだ、多分飲まなくてもいいだろう

「サービス…… …………」

何となく、木の箱の中から黒い猫耳を取り出し見つめてみる
そういう店だし今は店主しかいない、頭に乗っけてみてもいいかと
頭にはめ、左右に首を振ってみる

「…………」
「…………こ、こっちもやめておくわ、今回……… いえ、次回、も………」

何となく楽しい気持ちになった、が同時に誰かが入って来た時の事を考えると恥ずかしい
モゴモゴと言いつつ、猫耳を外し木の箱に入れた

2883とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:52:00 ID:Y.KbtGjo

「……にゃにゃ、残念にゃね。」

【耳折れが特徴的な種類の様に耳をしゅんと下げてみせる。中々に器用だ。
だが、何かに気付いたようなリアクションをすると、カウンター下を漁る。】

「もしかして、ネコ耳は嫌いにゃったか?!
髭や尻尾……肉球な手足になれる手袋とかサンダルとかもあるんにゃぜ?」

【出して来たのは耳以外のネコグッズである。
仮に全て付ければ、さぞ立派なネコのコスプレが出来上がることだろう。】

2884とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 22:59:09 ID:17MzCnxY
>>2883
「違うわよ 単純に猫のコスプレをするのが、小恥ずかしいだけ……」
「……… というよりも、猫耳だけかと思ったら随分と……」

出てきたグッズは随分と種類があるものだ、尻尾に髭に手足、全部種類別だろう
生憎恥ずかしくてつけられそうにない、が

「…………それじゃあ、尻尾だけつけようかしら」

だが先ほどシュンとなった店長を思い出すと何もつけないでいる事に罪悪感を覚えた
知人が入ってきたら咄嗟に隠せる、入り口から陰になる形でつければいい
そう思ってクロねこの尻尾を持った

2885とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 23:15:51 ID:Y.KbtGjo

「にゃにゃ、汝は尻尾が良いにゃか。

見ての通り、ベルトにネコの尻尾がついているようなものにゃから
特に迷うことなく、付けることができると思うにゃよ。」

【おお、と尻尾を手に取ったことに手を叩いた。
幸い、尻尾をつけることにそんな苦心はしないであろう。】

『ちなみに、魔力が流れるようになっていて、つけると勝手に尻尾がうねうね動く仕様にゃ。』

【そういいながら、戻ってきたのはパスタの皿を持った影である。】

2886とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 23:21:29 ID:17MzCnxY
>>2885
「尻尾がいいと言うよりも…… まぁ、いいわ」
「腰よりも少し上になるけれど………」

爆弾とか、銃とか、そう言った物騒な物が詰まったベルトの少し上に猫しっぽ付のベルトを装着する
誰か来た時はコートの下に隠せばいい、そう思ったら尻尾が動き出した

「……隠しやすいと思ったら、猫耳よりも少し厄介なものになったわね」

これ上手く隠せるだろうか、コート大き目だから隠れる事を祈ろう
そう思うと腹のあたりに撒きつく尻尾、そして運ばれてきたパスタ

「あら、ありがとう ……それじゃあ、いただきます」

2887とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 23:42:52 ID:Y.KbtGjo

「ん?いや、耳も最近は魔力を導入したにゃから、動くにゃよ?」

【どうやら、髭とか肉球の手袋とかの方が正解だったらしい。】

『まぁ、最初はそんな感じにゃよねー。
でも、何回か来て、慣れてきたら馴染む客は結構いるにゃよ。

最初はお堅い人でもいつの間にか「にゃんにゃん」言うようになってくれたし。』

【最後は語尾に「にゃ」をつけることもあるようだ。
もっとも、そこまで浸かってしまう客は稀なのかもしれない。なじむ客はいても。

そんな感じでネコカフェの時は過ぎて入ったとか、FO】

//すみませんが、そろそろ限界なのでここで落ちます。お相手ありがとうございました!

2888とある世界の冒険者:2014/07/24(木) 23:45:43 ID:17MzCnxY
>>2887
「……髭は耳以上に恥ずかしいし手袋は隠しようがないじゃない……」

店に入った時点である意味詰んでたのだ、妥協策尻尾が一番だったが
そして自分はそんな客になれるとは到底思わず、知り合いが来ない事を祈りつつ
料理を口に運ぶ少女だった

//了解です、お疲れ様でしたー!

2889とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:13:16 ID:xRqltql6
【森 - 奥地 - 】

宵も更け静かな森林の奥地を歩く一人の人間の姿があった。
ぱっと見て解るハンター鎧に身を包……まず、最低限の防具だけを纏い、トレードマークの槍も盾も無いが、
mobだの槍だの盾だの、と呼ばれている三十路過ぎのハンターの男、である。

手には王都の菓子屋の袋、を提げて、淀みなく暗い道を歩く。

随分と時間も遅くなってしまったが、先日の礼を改めてしに、大木の魔女と呼ばれる少女の所にやってきたのだった。

2890とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:27:19 ID:zl6bcVgY
>>2889

彼女のログハウスにたどり着くと、昼寝をしていた、ルーンの文字の輝く爪を持ったクマが小さく吠えた。
それが呼び鈴替わりになり、玄関の扉からカルディーネが顔を出す。

「最近良く来るですねえ。まあ、入れです」

ちょいちょいと手招きして、中に招き入れる。

「それで、少しは落ち着いたです?」

リビングに通し、席に座らせて、お茶なんかを用意しながらそう尋ねた。

2891とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:32:06 ID:xRqltql6
>>2890
「ファッ!?」
熊の鳴き声にビビるハンター、こんなでも一流であるが凄いビビる。

「あ、ちゃーっす、いやね、あの、改めてお礼にね?」
買い物袋を見せて一礼。その辺ちゃんとしてなかった。

「ああまぁ、村の人達も納得……は、してないですけどね、ええまぁうん」
「とりあえずは自然の災害だったみたいな感じになったザウルス、……あ、これ粗品ですがどうぞお収めください魔女様。」

通されて席に座りつつ、袋を差し出す。
何が隙かは解らなかったので無難にケーキである。

2892とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:38:52 ID:zl6bcVgY
>>2891

「くるしゅうないですよ。おや、茶うけですか」

丁度いい、と台所からナイフとお皿をもってきて、この場で切り分けてしまう。
それをそれぞれ皿に盛りつけて。彼女の手作りらしい木製のフォークで召し上がれ。

「……んーむ。私もそろそろ森から抜け出たほうがいーんですかねえ」

「あ、いや。ダメです。あいつらを捨てるのはできねーです」

こんなところにいるとお菓子も手に入らない。
かといって里に出るのは、お友達の種類や数の多さから困難であった。

2893とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:44:34 ID:xRqltql6
>>2892

「いやいやいや、ナインデッドにファーストライブなんでもうそれはそれは」
「末代までこう、感謝を捧げるような感じでね?」

肝心な所を曖昧にぼかしている辺りいい加減である。
ダメ男っぷりが際立つというもの。

「何だったらデリバリーしますで魔女さんゲッッヘッヘ」
何故下衆になるのか。

「いやホントそのぐらいの御礼はね、してしかるべきなんで、墓とか。」

2894とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:54:28 ID:zl6bcVgY
>>2893

「大げさですねえ。私がしたいと思っただけですよ」

謙遜ではなく、本心なのだろう。
言葉に緊張感はなく、ケーキを口に運ぶと子供らしい笑みを浮かべて。

「こんな甘いのは久々ですねえ。たまにはいいもんです」

2895とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 22:58:10 ID:xRqltql6
>>2894

「あー、その言葉とその笑顔だけで救われた甲斐あるわー」
「むしろ死んだ奴等も浮かばれる勢いだわ―。」

死んだ奴等はそれでいいのだろうか。
今日は珍しく兜も無いので表情がまるわかりである。

「そらもうそこそこ良いの買って来ましたんでね、ええ」
「ヴォルケンからアレ、魔女さんスゲーとか聞いてたんでもうそこはね、失礼の無いようにね、みたいなね?」

2896とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:11:14 ID:zl6bcVgY
>>2895

「そうでしょうそうでしょう。カルディーネと愉快な家族が墓守で不満なんかいわせねーです。この上無い名誉ですよ」

えっへん、と誇るように。
彼女の自慢は、彼女と心を通わせた獣達である。

「スゲーっていうのはくるしゅうない評価なんですがね、私らみたいなのは魔術師として見たら二流なんです」

「研鑽をロクにしてねーですからね。隠居人にはそこまで必要じゃねーからなんですが」

「学者タイプのリトスとか、生涯勉強を絵にしたようなリスティルとかがむしろ特殊なんじゃねーですか」

競争社会じゃあ話にはならないですね、とゆるゆる首を振って。

2897とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:15:44 ID:xRqltql6
>>2896

「いやいや、仰る通りでござる、こんだけ自然豊かでロリキャワな魔女さんに墓守とかね!」
「むしろ俺がされたいわ!(願望)」

何だこいつ。
発言で何もかもが台無しになっている。

「三流から見たら一流に見えるんですがなそれが、俺も術は三流ですやし。」
「あー、確かに学校でもなんかめっさ勉強してますわー」

うんうんと頷いてケーキを食う。
貴方それ自分で持ってきた奴ですよね?

「いやまぁ競争社会の落伍者はワイ将も同じですけどね、mobですし。」
何だその理論。 と、言うか今更だが「モブ」ってなんだ。

2898とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:23:52 ID:zl6bcVgY
>>2897

「ロリいうなです」

自分がお子様体形なのは、認めているとはいえ悔しいところらしい。
シズルみたいになりたかった、とは本人の弁。

「オメーが魔術師としても大成したらこの世呪うです」

「結局のところ、専門分野で成長を続けるには、他の何かを犠牲にし続けるってことですからね」

「魔法剣士は器用貧乏。すごく頑張って器用万能――専門家には一手落ち。それが世界のバランスです」

2899とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:26:14 ID:xRqltql6
>>2898

「じゃあキャワだけにしときますね!」
「つってもアレ、需要はありますって、街くりだしゃもう一発っすわ。」

それだと意味が解らなくなる。
と、言うか一発ってなんだ、どういう意味だ。

「あー……確かに。」
「ハンターは全部ある程度出来なきゃとは言え、アレ、ヴォルケンとかホラ。」

「人間性とか犠牲にしてる部分あるし、多少はね?」
同僚に酷い言い草だ。

「……まぁそれぶっ壊して強いのとかもオルランドゥですけどね。」

2900とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:28:34 ID:zl6bcVgY
>>2899

「下品なやつぁ嫌いですよ?」

ふふふ、と黒い笑みを浮かべて。
妙な迫力のあるエフェクトが見えたりするかも。

「そんなところを犠牲にする奴も中にはいるでしょうねぇ」

「んで、そういう奴もたまにいるんですが、そんなやつは世界の修正に呑まれて消えろです」

け、とやさぐれた風に肩を竦めて。

2901とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:30:44 ID:xRqltql6
>>2900

「サーッセ、サーッセン!!」
「いや、ちゃうねんですわ、あのね、普通に魔女さんと話してるとホラ、アレですやん?」
「真面目モードのスイッチ入りそうになるんでこう、こっちでね?」

そのスイッチ入れた方が良いんじゃなかろうか。
と、言うか二択しか無いんだろうか。

「ヴォルケンとかアレ、キチガイですからね、それであの魔女さんとかくたばらないかなあいつ。」
只の愚痴である。

2902とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:38:35 ID:zl6bcVgY
>>2901

「ふざけたやつよりは好きですがね」

やれやれ、とケーキを口に運ぶ。

「シズルとー、ですか。のんびりした風に見えて結構……ですからねあいつは」

本人にも自覚していない腹黒さがあるのではないか。
そんな風に彼女は指摘する。

「まー何しろ水ですからね。智謀や策略、陰謀なんかと関連付けられて話されることも多い属性です」

「甘く見てたら痛い目見ることになるです」

2903とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:40:31 ID:xRqltql6
>>2902

「えー……じゃあアレですかね」
「真面目に話した方が良いですかね、ちょっとアレ、絡み辛くなると思うんですけど。」

今でも充分絡み辛い人種ではある。

「とらえどころが無いとか、裏返せば毒とか、良く有りますわな。」
「けどそれ言ったら大木とかも自然は怖い、で甘く見たら痛いのは一緒……ハッ」


墓穴。  いや、多分こいつ自分から行った。

2904とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:48:45 ID:zl6bcVgY
>>2903

「沈黙が続くのも好きじゃねーですね」

何もないなら帰れ、って多分言うだろうし、と。

「雄大で包容力はありながらも厳しく人を試す。成長とか力強さですね、土は」

ふふふ、と少し自慢げに。
成長と力の自分の属性には少なからず誇りもあるようだ。

「言うなれば母のような存在ですよ私は!」

2905とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:51:25 ID:xRqltql6
>>2904

「人付き合いって難しいなぁ畜生!」

多分それは普通の事である。

「ああ、……確かに。」

と、なんでか納得した様子。
またぞろふざけるのか、と思ったがそんな事は無いようである。

「正直すっげぇ助かりましたし、助けられた時も墓作ってた時も」
「なんつーか…うん、ああ言う風に言ってくれるだけ大分救われました、いや、本当に。」

と、改めて深々と頭を下げる。

2906とある世界の冒険者:2014/07/26(土) 23:59:29 ID:zl6bcVgY
>>2905

「わかってるじゃねーですか。いいんですよお礼なんて。私の大きさがわかれば」

手をぱたぱた振って、愉快げに笑う。
母のように強く大きな存在だ、こんな表現はあまりしたことがない彼女だったが、自分で言ってなかなか気に入った様子で。

「ま、いまんところ寡婦みたいなもんですがねー」

コブ(獣たちのことである)つきでも構わんと言ってくれるオジサマはいないものか、なんて冗談めかして言う。

2907とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 00:02:21 ID:6CeJIzKc
>>2906

「いや、今回はネタじゃなくて本当な奴で」
「実際ああ言うんで精神的にダメになって死ぬハンターって結構居るんですわ。」

染み染み、とお茶に口を付けてそう言う。
解らない話でもない、PTSDの様な物だろう。

「俺で良けりゃ全っ然もうアタックするんですけどね、これもマジな奴で!」
「ジッサイ=魔女さん可愛いインシデントですしおすし!」

びっ、と親指立てて言う。 ……これは無いだろう。

2908とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 00:05:34 ID:CM/rribw
>>2907

「まあそういう仕事でしょうしねえ」

知識としては知っている。
そしてそのことについては、割り切るしかないとも思っていて。

「ははは。若造じゃ相手になんねーですよ。人間じゃだめです」

少なくとも長命種じゃなければ、と。
その辺りのことは、気にする性質であるらしい。

2909とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 00:09:34 ID:6CeJIzKc
>>2908

「俺も昔、一緒にやってた奴なった事ありまして」
「最後は”皆の所に行きます”で首吊ってドーンですわ。」

俺もそうなってたかも、なんて笑いながら言う。
冗談めかしてはいるが、多分、真実も混じってるだろう。

「でーすよねー!連敗記録更新中ファッキンジーザスおのれクライシス!」

知ってた、と言わんばかりにお手上げ。
何かもうこういう方向性になりつつある。

2910とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 00:15:25 ID:CM/rribw
>>2909

「笑える話じゃーねーですね」

「やっぱり、まだ辛いです? ……ま、なんだ。気のすむまでゆっくりしてけばいいです」

ゆるゆると首を振って、嘆息。
もうすこし時間が必要らしいと、察したのか。

「そこは悪いけど他あたれしかいえねーですが」

こればっかりは別問題であった。

//ではこのあたりで

2911とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 00:19:36 ID:6CeJIzKc
>>2910

「酒の肴にゃなるんですけどね」
ブラックジョークな話、になってしまうが。

「あー……あ、いや、三十路過ぎて情けない話、何かどうにも涙腺がね。」

年かなぁ、と冗談めかして言う槍男。
表情は笑っている、がというやつだ。

「ですよねー……どっかに居ないかなぁ運命のGIRL。」

2912とある世界の冒険者:2017/01/22(日) 23:17:04 ID:Vm8lkfdw
王都北東の森‐鬼門‐

バスン!と大きく重い音が周囲に響き渡る。
次いで空高く跳ね上がる何か。

『RUGAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

水をたっぷり口に含んでから放ったような咆哮が木霊する。

此処は王都北東に位置する森。
本来であれば静か過ぎる位で少し不気味な雰囲気漂う場であった。
だが今となっては木々は薙ぎ倒され、周囲は腐臭漂う泥に塗れ、
先ほどから響き渡るのは巨大な何かの蠢く音と水っぽい咆哮。

少し離れた位置からでも見て取れるそれは泥の塊。
目と口と腕らしきものがある以外は止め止めとなく流れ出る泥で構成され、
木々よりも遥かに大きいそれは動く度に周囲に泥をまき散らしている。
飛び散る泥は例外なく腐臭を放ち、放っておけば此の地を汚染するのは明白だった。

そして先ほどからソレは幾度となく両腕を振りかぶり度々何かを宙へと叩き上げていた。

「っっ!?」

スパーン、と小気味いい音を立てて又何かが宙を舞った。
中止してみればそれがヒトの姿。
加えて女と呼べそうな容姿のものだと分かるだろう。


早朝、ワイバーンを駆り巨大な汚泥の化け物を見つけた乙女はソレが向かう先にあるモノの危機を救わんとすぐさま攻撃に出た。
だが決着はあっさりと着く。
ワイバーン、グランツ種が放つ巨獣をも屠った一撃を喰らい汚泥の一部を吹き飛ばされた化け物のカウンター。
振りかぶった左手から放たれた泥の塊が攻撃直後のワイバーンに命中、これを撃墜。
化け物の動きに攻撃を食らった前との違いはなく、墜落したワイバーンへとゆっくり近づいて行く間にその身体は完全に形状を戻していた。
大きく振り上げられた化け物の右腕は先端があからさまに硬質化し、地に臥すワイバーン目がけ振り下ろされんとしていた。
刹那、化け物の身体が大きな爆発によって一瞬ぐらつく。
「…大した打撃にはなっていな――がはっ!?」
乙女の持ち出したスクロールより放たれた魔法の一撃は化け物の攻撃をワイバーンから乙女へと変えただけだった。
地を抉るようにして振り放たれた一撃によって乙女がいとも容易く宙を舞う。
たった一撃で装備品などバラバラのグチャグチャになって周囲へ散った。

2913置きレス用RP:2017/01/22(日) 23:29:28 ID:Vm8lkfdw
「…げふっ」

最初の一撃をもらってから数分。
何度たたき飛ばされたか皆目見当もつかなくなっていたがそれでも乙女は生きていた。

「やけに頑丈じゃあないか、私は…」

ずるり、ずるり、と巨大な化け物が刻一刻と近づいているのは察しているが、
地に勢い良く叩き付けられた身体は然程いうことを聞かない。
出血はしている、だが骨が折れているとかそういうことはなさそうだな、
などといやに冷静に判断できている自身がいることに軽い驚きがあった。
周囲の汚泥と倒木で自身の位置は分かりにくい筈なのだが、
正確に詰め寄ってくるあの化け物は一体何なんだろうか…と考える。

「…いや、考えたところで起死回生の術はないか」

現状、徒手空拳である。
そもそも通常の武器があの巨体、加えてゲル状に近いソレに効果があるとも思えなかった。

2914とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 00:08:53 ID:cKG.7TFY
>>2912
王都北東の森‐鬼門‐

咆哮の方角を見つめる
「あそこか!!」
泥の化け物を視認したのち、現状で最も近い側面に移る様に移動。
持ち込んできた対ゴーレム用大型魔銃に火魔属性の大型弾丸を装填し、地面に置きショルダーストック部分に岩を置く

そして自身は抱き抱える様に持ち、アイアンサイトで覗き込む
「距離約3km」
「速度0.24」
「風速0.5」
狙撃に必要な計算を頭で構築していく

口径は役20mm
敵の能力こそ不明だが、この口径なら当たれば只では済まないはずだ。

「流石に頭は狙いずらいな」
頭部を狙うにはまだ、この銃の癖を知らないので難しい。
なので、泥の化け物の膝に狙いを定める。この部位なら狙撃が失敗しても他の部位に当たる可能性や
着弾し体制を崩せば、乙女に撤退のチャンスを与える為である

「まだ生きていてくれよラピュセル……」

乙女が宙を舞い、倒れている
化け物が乙女の元に向かう前に引き金を引く
辺りに砲撃に近い音が鳴り響くと同時に弾丸は精確に化け物の膝へと吸い込まれるように向かっているが、ややブレがある

「チッ!次!」
装填時に魔銃特有の硝煙と魔石の焦げた臭いが辺りに漂う
そして、次段を装填。次は氷魔法の弾丸を装填するのであった。

2915置きレス用RP:2017/01/23(月) 00:39:03 ID:lr2ojvI6
>>2914
しかしブレがあろうが相手は巨大。
大雑把でも狙えば当たる。
問題は化け物の形状が泥の塊に目と口と腕らしきものがあるだけということだ。
膝に当たる部分は…ない。

着弾した弾丸はグズリ、と化け物の中にめり込み…
若干めり込ませた周囲を赤く染めたがすぐに流れ出ている泥に覆われ見えなくなった。
着弾後に爆発するタイプの方が効果を発揮しただろうか?
そもそも相手がデカすぎで、対ゴーレム用大型銃の攻撃すら点での攻撃になっている。
シャキンが知る由もないがグランツ種の竜巻にも似たブレスを喰らっても平然としている輩である。
物理的に駆逐するならば過剰なまでの火力が必要なのは明白だった。

2916とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 01:18:41 ID:cKG.7TFY
>>2915
「なるほどね……読み間違えたか」
通常レベルの火魔弾での攻撃が聞かない、相手が人型レベルの機構を有していない事
だが其れよりも有益だったのは、この攻撃でこの銃の癖が分かったことだ
「なら、こっちの弾種だな」
鞄の中から新たな弾丸を取り出す。それはワイバーン落としと名高い弾丸
高濃度火炎魔法榴弾
一発の弾丸に火属性の魔石の粉を大量に詰め込み、弾頭全体に火属性の魔法を幾度も掛けた高価な弾丸
着弾すればその爆発から竜騎士すら落とせる魔弾
それゆえ、弾頭が二倍になって居る事や、距離こそ飛ぶが、長距離になればなるほど、その分の計算式が複雑で扱い辛い弾丸

其れを先ほど装填した氷魔弾と榴弾を交換する
「先ずは目玉」

先ほどより身構えて狙いを付ける
そして、再び引き金を引く

辺りに轟音と共に、赤く美しい魔石が燃える時の火花が立ち込める

その弾丸は化け物の目の付近に向かい進んでいる

2917置きレス用RP:2017/01/23(月) 21:08:35 ID:lr2ojvI6
>>2916
着弾、炸裂、大爆発、そして立ち込める黒煙…


間髪入れずその煙を切り裂いてシャキンへと高速で飛びかかってくる汚泥!
化け物の左手から振るわれることで放たれるそれは、
前述の通り、象程もある大きさのグランツ種ワイバーンを
一撃で仕留めるほどの速度と範囲を誇り、
それ故に着弾した際の威力も半端ない!!

確かにシャキンの放った一撃は化け物に命中した。
しかし、それは化け物の右腕によって阻まれ、右腕の一部を吹き飛ばしただけとなった。
流石に化け物も何が脅威であるか位、察している。
既に標的はシャキンへと切り替わっており、黒煙を振り払いながら巨体が完全にそちらへと向いた。
そして化け物の身体は欠損しても比較的高速で元に戻る。
汚泥を避け、尚且つ再生前に次の一撃を放つ…
小型の銃では威力が足りない、大型のガトリング砲でもなければ不可能か!?

2918とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 22:21:14 ID:cKG.7TFY
>>2917

「っ!?」
化け物から放たれる高速弾。
煙が空を切ったことに反応し即座に銃と共に化け物の側面へと走って逃げ始める。

弾丸は大きくシャキンからそれて着弾。再シャキンは草むらに隠れて狙撃体勢に移る

化け物の攻撃は確かに強い。シャキンの現行の火器では到底不可能な象程もある大きさのグランツ種ワイバーンを
一撃で仕留めるほどの速度と範囲
だがそれはあくまで中近距離戦闘での話である

化け物との距離は3km。それは超が付く遠距離戦である
象ほどの大きさのグランツ種ワイバーンですら3kmという距離の前ではコイン程度の大きさになる
それに精密に当てると言う行為。それは適当に弾を撃てばいいわけでは無い
剣や盾に鎧に魔法や銃。それら人間の英知が生み出した物の一つ

物理数学

そしてそれらから生み出された数々の数式

これによって可能とされる

3kmという距離はシャキンにとって、唯一の防具なのである。
無論、この理が化け物に通じるかと言うと、そうでは無い。通じれば化け物では無くなる
この化け物もこの遠距離戦に馴れてしまえばもしくは……

「ラピュセル、何で動かない」
シャキンは焦っていた。化け物の気が剃れたのは計算通り。反撃もある程度予想済み

しかし、最大の懸念であるのはラピュセルであった。彼女が逃げてもらわなければ、現状の戦闘も意味がなさなくなる

或いは、重傷か若しくは……

(次でラピュセルが動かなければ、危険だがやるしかない)
草原からの銃口は化け物の目に狙いをつけ引き金を引く

弾種は先ほどと同じ高濃度火炎魔法榴弾

現行の最大火力は此れのみ。
今は此れでしか渡り合えない

弾丸はまたも化け物の目に向かって狂いなく放たれるのであった

2919置きレス用RP:2017/01/23(月) 22:34:29 ID:lr2ojvI6
>>2918
着弾、炸裂、大爆発、そして立ち込める黒煙…

しかし次の動きがない。
黒煙が周囲に立ち込め視界が非常に悪い。
が、微かに空気の揺れる音。
ハタとそれに気づき音のするほうを向けば着弾地点。
黒煙の奥、何かが光を放っている。

ゴッ!と空気を焼く音。
黒煙を穿ち吹き飛ばして化け物の口から熱線が照射される。
某巨神兵のソレに似た熱線は着弾時に爆発こそしないが大地を抉り真っすぐシャキンへと向かってくる!
純粋かつ高威力の魔力の前では物理現象の干渉など無いにも等しい。
人間の英知を蹴散らすが如く、膨大な魔力によって活動し周囲を見回す化け物の一撃は瞬時にシャキンの居る場へと到達した!

2920とある世界の冒険者:2017/01/23(月) 23:25:04 ID:cKG.7TFY

>>2917
黒煙の中から微かに光る物を確認した瞬間。
(マズイ……!!)
すんでの所で回避が出来た。
すぐさまその場から銃器と共に離脱した
地面を真っ直ぐとえぐりながら進む光線。そしてその後を溶解した地面を確認する
「…………」
如何するか悩んでいた。
相手は此方の遠距離攻撃に対応し始めている
このまま化け物との狙撃合戦をしていては、明らかにジリ貧だ
それではラピュセルが死んでしまうかもしれないし、もしかしたらもう……
(掛けに出るか)

鞄から軍用の救急医療パックを取出して肩にかけ、リボルバーライフルに氷魔法の属性が付いた冷凍弾を装填し
「っ!!」
そのまま、ラピュセルの元に走り抜ける。
敵を目で追いながら攻撃の気配がすれば止まり、ライフルで攻撃
多少は怯んでくれることを祈りながら攻撃を避ける。もしくは隠れる。
今の距離なら、泥の弾丸も魔法光線のまだどちらの攻撃の差も無い。ならば木々の間を走り抜けつつ、草むらに身を隠してラピュセルに駆け寄り、治療
そのまま、化け物の気を何かで引いて

後は王都の城塞兵器で何とか駆逐するしかない
シャキンは賭けにでた!

2921置きレス用RP:2017/01/23(月) 23:55:47 ID:lr2ojvI6
>>2920
シャキンが乙女のもとに駆け寄る上で問題が幾つかある。

まず周囲の状況だ。
化け物の行動で森は壊滅状態。
無数に散らばる倒木と撒き散らされた腐臭漂う大量の汚泥で真面な足場など幾つもない。

次いで化け物の索敵能力である。
シャキンの初撃からシャキンの位置を割り出すまでの感覚がやけに短いとは思えなかったろうか。
二発目もそうである。身を隠していたはずのシャキンの位置へとほぼ正確に熱線は迫った。
攻撃範囲が広く、一瞬の間があったとはいえ全力で避けなければ何れも直撃のコースである。

そして最終的な問題。
乙女の正確な位置、である。
シャキンが目に出来たのは最善でも乙女の落下地点を遠目に確認した程度だろう。
目星を其処につけ駆けるとなれば当然化け物へは接近することになる。

シャキンが駆け始めある程度化け物へと接近するまで化け物は動かなかった。
シャキンは不自然にも思うだろう、だが乙女を救うと決めた以上駆けるのだろう。
だが、それこそ化け物の狙い。
どうにも遠距離ではすばしっこく避ける相手を仕留めるのはどうすればいいのか。
答えはひどく単純だ。
点や線で駄目なら面で攻撃すればいい。
自身の身体はある程度なら自由に形状を変えられるのだ。
特に自身のこの両腕はその点に特化している。

幸運にもシャキンは駆ける先に地に臥すヒトらしきものを見つけた。
が、それと同時に自身の周囲が急に薄暗くなったことにも気が付いた。
影だ。自分や乙女を含めかなりの距離に影ができている。
見上げれば化け物が両腕を合わせ振り上げている。
その先端はハエ叩きの様に幅広くなっている。
結論から言おう、この攻撃は並の人間の運動能力では避けられない。
瞬間移動かそれに類する移動方法でも持たない限り確実に叩き潰される範囲にシャキンは居る。

それが理解出来た時、シャキンはどう動くのだろうか?
ありったけの弾を化け物へと打ち込むのか?
乙女へと駆け寄りその身を挺してかばうのか?
それとも化け物が思いもつかない方法でその攻撃を弾き事なきを得るのか?



そのどれもが果たされる前に化け物が仰け反りその両腕を自身の後ろへと落とす事になる。
乾いた一発の銃声によって。

2922とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 21:05:42 ID:1ZDz6cc2
>>2921
森は壊滅状態。無数に散らばる倒木と撒き散らされた腐臭漂う大量の汚泥で真面な足場など幾つもない。
しかしシャキンは馴れた足取りでそれらを渡りながら走っていた。

いや、実際馴れているのだ。こことは違う環境で

――イルタ会戦

この化け物が生み出したこの状況が、辺り一面に展開していたあの戦況

いや、まだこの化け物の方が温情がある。何せ、あの会戦では今のシャキンの様な動きをしていれば即撃ち殺される

一人でも的、二人以上で固まればそれは範囲魔法の格好の的。
其れをあの化け物がしてこない訳がない。警戒しつつ前進する

化け物の察知能力に関しては、あらかた考えはあった。此方側が丸見えであると言う事も
誤算と言えば、あの熱線だ。あの攻撃が地面を張ってくれていたから良かったが、これ以上の狙撃合戦をしてしまえばアレを直接照準されれば……シャキンは死んでいたであろう。

そして最終的な問題の解決
化け物への接近

化け物がどういう思考をしているのかは分からないが、少なくとも今の乙女は釣り餌と認識されているであろう
ならばこちらは其れにかかる魚だ。
だがタダで係る程、シャキンは馬鹿では無い。
そもそも狙撃手が遠距離戦という自分の独断場から中近距離戦という相手のフィールドに向かう理由が無い
例え、乙女が瀕死の重傷だったとしてもそこから感情に駆られて走り出す程の人間が狙撃手に勤まるわけがない

理想を考えつつ、現実的な策を実行する

シャキンは走りながら作業を行う

一つは救急治療パックに大き目の石ころを詰め込む作業

そして、もう一つは銃弾が入っている鞄から、一見調理器具の様な木の枝が付いた代物に対して8発以上の高濃度火炎魔法榴弾を括りつける作業

ジャガイモ砕きと呼ばれる調理器具に似た手榴弾に高濃度火炎魔法榴弾を括りつけて
即席の結束手榴弾。正規品ならば中型重装甲ゴーレムすら破壊が可能ではあるが、あくまで即席
爆発、威力とも賭けに出るしかない一品
シャキンにとっては最後の切り札である

走りながら地に臥すヒト――恐らく乙女であろう――らしきものを見つけた瞬間、手に持っていた救急治療パックを其処に投げる
中身は瓶ばかりであり、地面に触れたら割れる。しかし、それと同時に中に入っている魔法薬
レイヴンと共に魔法店や錬金術店から『拝借』した物品
中規模の魔法障壁を展開させる魔法薬瓶と回復魔法薬瓶
同時に割れてしまえば、其処は魔法障壁が展開と同時に回復魔法が障壁内部に充満する。
つまり、一度だけ、それも一人だけ、もしかしたらあの化け物の攻撃を何とか防ぐかもしれない。
其れがシャキンの最後の賭けであった

ラピュセルには生きてもらわなければならなかった。この異変を解決できる人物として
レイヴンと共に解決してもらわなければならない。だからこそ、生きてもらわなければならないのだ

ほぼ投げたと同時に自身の周囲が急に薄暗くなったこと、化け物が両腕を合わせ振り上げ、その先端はハエ叩きの様に幅広くなっている事
それらが如何でも良かった。どんな攻撃が来ようと、自分は助からないのだ。
ならば一矢報いる。即席の結束手榴弾のピンを抜き投げようとした時だった

化け物が仰け反りその両腕を自身の後ろへと落とす事、そしてそれが予想外の乾いた一発の銃声によって引き起こされたのだ

一瞬だけ唖然としたが、そのままシャキンは即席の結束手榴弾を化け物の顔に投げつけた

2923置きレス用RP:2017/01/24(火) 21:54:54 ID:CrvpZqW6
>>2922
シャキンが投げつけた結束手榴弾は見事に化け物の顔を吹き飛ばす。
だが、その身体は崩壊せず失われた顔の部分の再生が始まろうとしている。

?『どうでございましょう?』
??「ああ、とりあえずコレでいい。量産出来るか?」
?『無論にございます』
??「狼の魔女は良い術式を教えてくれたものだ」
?『左様で』

この状況下にて何やら世間話のようなものをしながら通りかかるものがいる。

??
「しかし何だな、銃では駄目なのか?」

『量産、となりますと只の金属では付与に問題が。
 かと言って魔鉄類をこの状況下で用意するのは些か現実的ではないかと』
??
「木であるだけで、付与が容易なのであったか?」

『然り。現状入手が一番容易いものでもありますな。
 無論霊木を探し出し使えばより強力な魔道具となりましょう』
??
「まあいい、この弩で十分だろう。」

身体を包む様に折畳まれた翼が重厚な黒クロークに見える
捻れた角と尖った耳を持つ黒髪短髪の女が弩を弄んでいる。
白い翼の生えたぶかぶかのフード付き金縁黒ローブを
深々と纏う地から僅かに浮き漂うヒトガタがその横に付き従い何やら弩の説明をしていた。

2924とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 22:11:42 ID:1ZDz6cc2
>>2923
完全に倒せていない様子を確認し、そのまま銃器をもって腰をかがめる
「……」
静かにそっとこちらに気を取られない様に動き始める

二人の人影。何だっていいし、どうだっていい。
少なくとも今は敵ではないし、味方でもない
現状は取り敢えずラピュセルを救出するだけだ。

此方に興味を取られない様に静かに匍匐前進しラピュセルの方に向かい始める

端から見れば先ほどの戦闘と爆発で死んだ死体にも見える。
但し夜間と泥だらけで此方を視認できるかが問題だが……

2925置きレス用RP:2017/01/24(火) 22:24:02 ID:CrvpZqW6
>>2924
?「…ふむ、アレか」
??『既に手は回しておいたのですが…殆どが戦闘の余波で消えてしまったようで』

シャキンの事には気が付いていないかもしれない二人。
しかし、シャキンによって作り出された障壁は目立つ。
そも二人の目的も乙女であったようで…

獣「…ガウ!」
大男「…」

身体の所々から陽炎のように黒い炎が揺らめいている
目の部分を古呪文が刻まれている布で覆っている黒い獣と、
顔を古呪文の刻まれた金属の板で覆う上半身裸の筋骨隆々なヒトガタ。
肌は黒く背中に携えた大剣から常に黒い炎を思わせる魔力が溢れ出ている。
それが乙女の直ぐ傍に立っていた。

?「確保だ」
??『承知』

2926とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 22:41:26 ID:1ZDz6cc2
>>2923
そのままゆっくりと弾倉を確認する。
リボルバーライフルの弾丸がまだ多少残っている

カービンライフルは先の対ゴーレム用大型魔銃の場所に置いてきてしまった。

ゆっくりと全員の視線から外れる様に動き、そのままゆっくりと泥を拭わず銃を構える。
もはや動きが暗殺者と同じである。

狙いは司令塔になっている二人の存在

照準を合わせて、ただただ的を狙うかのような視線を向ける

2927置きレス用RP:2017/01/24(火) 22:50:10 ID:CrvpZqW6
>>2926
ローブ「礼も言わず、あまつさえ窮地を救った相手に銃を向けるとは、無礼が過ぎるぞニンゲン」
女「よい、所詮は只の鉛玉だ。狙撃手とは警戒心が強いものよ」

くっくっく、と楽し気に女が笑う。
シャキンの存在に気が付いていたようだ。
そんなやり取りをしている間に獣と大男が時間が経ち消えかけている障壁を砕き、
大男が乙女を救い上げた。

ローブ「…やはり『ソウル』が枯渇しておりますな」
女「当然だろう?ダメージがそのまま『ソウル』の消費になるのだ、よく耐えたほうだ」

2928やり直し受付してます:2017/01/24(火) 23:17:23 ID:1ZDz6cc2
>>2927
「お前らは違うな」
そう一言言うと、一瞬、振り向いたと同時に大男が救い上げた瞬間。何の迷いもなく大男と獣の頭に銃弾を撃ち込む。
撃ち込んだ瞬間、魔法が展開し鋭い大口径の氷魔法が大男と狼の頭に向かう。

「……クソッタレの語り部が」
そう呟くと
ロープと女の方に向けて照準を固めてすぐさま射撃。
同様に、ロープと女に向けて大口径の氷魔法の弾丸が撃ち込まれる。

2929置きレス用RP:2017/01/24(火) 23:28:49 ID:CrvpZqW6
>>2928
大男と獣が撃たれ霞のように消える。
当然、乙女は地に落ちた。
乙女「へぶっ!」

カエルが潰れた様な声が漏れたぞ、乙女から。

そして飛来する弾丸。
だが女が手を翳すと障壁が生み出され、いとも容易く大口径の弾が止められた。

ローブ「…アレと同一視されるのは些か屈辱ですな」
女「くははっ、胡散臭さなら貴様も引けはとらんだろうな!」
ローブ「それにしても撃ちますか。御屋形様、やはり救うのは『ソウル』のヒトガタだけでよかったのでは」
女「抑えろ、人間のやる事に一々目くじらを立てた所で如何となるものでもない。それよりもだ」
ローブ「ふむ…無駄な小競り合いのせいで折角の時間稼ぎも無駄となりましたな?」
女「人間、せいぜいあがけよ。貴様が招いた落ち度だ、これは」

先ほどまでの比較的穏やかな感じはなりを潜め、女が冷たく言い放つ。
同時に水っぽい咆哮。
化け物がその活動を再開したのだ。

2930とある世界の冒険者:2017/01/24(火) 23:44:31 ID:1ZDz6cc2
>>2927
銃弾が防がれ、今度は出来立てほやほやの銀の弾でもお見舞いしようかと考えたが如何やら終わったようだ。
ロープや女からの言葉なぞ、聞いていなかった。
否、初めから眼中になかった。こいつらが語り部で無い以上は只仲間を誘拐しようとした敵なのだ

敵の言葉なんぞに一々反応する義理なんぞ無い、それがシャキンの思想でもあった。

「たく、クソったれが」
乙女を抱きかかえる。活動を再開した化け物が迫ってきている

残念ながら身体検査も脈拍も図っていられないのだ

「すこし揺れるぞ」

そう言いながら走りつつ口笛を鳴らして、此処までこれた馬をおびき寄せる。此方の方が速度が上だ

後は城門まで逃げ切るだけだ
そこから今までのお返しとばかりに城塞兵器をお見舞いしてやる

そう思いつつ走るのであった

2931置きレス用RP:2017/01/24(火) 23:50:58 ID:CrvpZqW6
>>2930
だが…乙女を抱え馬を呼び更にはこの場から離脱する。
全てハイそうですか、と化け物が許すわけもなかった。
そも馬が来るまでに化け物が攻勢に出る。
攻撃方法は先ほどと同じ。
そもそも詰みの状態から抜け出ていなかったのに無駄に戦いを続けた結果である。
今度こそ乙女諸共ペシャンコだろう。

2932とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 00:24:37 ID:RXrhaWfM
>>2927
「はやい……!!」

先ほどと同じ攻撃
詰んでいるこの状況で足掻く事が出来ない
出来る事と言えば乙女を外に投げて、彼女だけが助かるのを祈るしかない

「じゃぁな!!ラピュセル!またどこかでな」

乙女を投げた。火事場の馬鹿力と言うべきか結構勢いよくとばした

「……これが結末か」
押しつぶされるであろう未来。苦し紛れにリボルバーライフルに残った最後の一発を化け物に向けては放った
走馬灯など無かった。答え何て判らなかった。ただただ死を受け入れるだけだった

2933置きレス用RP:2017/01/25(水) 00:34:21 ID:UXdeuEkw
>>2932
乙女「へぶぅっ!」

乙女今日二度目の乙女らしからぬ発声。
顕現当初の神秘性は何処に行ったのやら。
ついでに破れかぶれに馬鹿力で投げたところで焼け石に水。
攻撃の範囲は如何足掻いても常人では何ともし難い広さだった。

だが、化け物も存在を忘れていたソレが窮地を救う。

グランツ「GAAAAAAAAAAAA!!!」
ローブ「ほう、やりますなあ」

ワイバーン、グランツが宙より放った熱線にも匹敵する雷撃。
それが化け物の片腕を削ぐ!!

女「やれやれ、一応何とかしたか。なら此方も目的を果たさねば」

騒ぎに紛れ女は乙女の傍らに立っていた。
弩に新たな弾を込めて。

2934とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 00:52:27 ID:RXrhaWfM
>>2933
「……」
ただただ、茫然と立ち尽くしていた
そして死んでいない事だけが解り、取り敢えずは一旦引き弾丸を装填する

「……何だこれ」
どの勢力が敵でどの勢力が味方なのか判らない
いや、そもそも情報が圧倒的に足らないのだ。
あの化け物に対しても、そしてこのロープと女に対しても
語り部や乙女に対しても

(何に俺は片足を突っ込んだんだ?)
様々な事を考えるうちに頭が痛くなってきた。いっそレイヴンにこの状況を丸投げしてやろうかとすら思える
アイツならこういった状況も慣れてるだろうし、理解も早いだろう
あと、情報も集めているだろうし

(抜けたい……)
焼け石に水程度の弾丸を化け物の目に向けて放ちつつそう思うのであった。

2935置きレス用RP:2017/01/25(水) 20:25:58 ID:UXdeuEkw
>>2934
乙女「シャキン殿…今後も弾は要る。……無駄撃ちは控えるべきだ」

シャキンが判断力を失い、自棄になっているのを弱り切った乙女が立ち上がり制する。
額や左腕から流れる血は、回復魔法を受けたにもかかわらず治っていない。

女が弩の一撃を化け物目がけ放つ。
放たれた石らしき塊が化け物に当たりパァン!と乾いた銃声にも似た音を響かせる。
そして先ほど同様に化け物がその身体を大きくのけぞらした。

ローブ「もっともな意見ですな…おや、立てますか」
女「大したものだ、主も従者も悪くない」

ズズン、と少し離れたところにワイバーンが堕ちた。
乙女同様、深手を負い、その身体で無理をしたらしい。

ローブ「おいニンゲン、さっきの回復薬は?…いや、そこで呆けていろ」

ローブがふよりふよりとワイバーンに近づいていく。
女は女で乙女に近寄っていく。
化け物に動きがない。

2936とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 22:54:57 ID:RXrhaWfM
>>2935

「……あぁそうだな」
乙女が立ち上がった事、傷が癒えていない事。心配事は多々ある
だが、死んではいない。それだけは良かった
リボルバーライフルに銃弾を装填して後ろに下がる。

女とロープが戦っている姿を見ながら今までの事を考える。

半身不随で生きる屍だった。其れが気が付けば全盛期と同じ体力に戻っていた
そして旧友のレイヴンが来たかと思えば王都があんな状況になった状態。
酒場に何とか辿りついたかと思えば、今度は語り部とそこから生まれたラピュセル
――そしてリグレットの炎獣

何が何だかわからない。何故彼女が獣に?

様々な事が複雑に絡みついている

今回も、この敵も、この女とローブの奴もだ。
乙女を助けるべく駆けつけたが、得意の狙撃戦では苦戦し、一か八かの即席結束手榴弾も効果なし
だが、こいつらの持っている武器は効果絶大だ。

だが、そもそもこいつ等はなんだ?

なぜ乙女を攫おうとした?
その目的は?
信用ならない語り部だが、こいつ等もまた未だに敵か味方か判らない。

魔藥取締り局やマフィア相手に抗争している警備隊なら分かるのかもしれないが
生憎こちとら只の軍人だ。女とローブが敵か味方かを見破るすべなど持っていいない

だが乙女の関係者か其れを知るものである事は確かだ。

どう動くか。最善手が全て裏目に出た今となっては答えは無い。

――ローブ「おいニンゲン、さっきの回復薬は?…いや、そこで呆けていろ」

「……ないよ、あれが一度きりだ」

あんな回復薬、そうそう持てる筈が無い。あの回復薬と魔法障壁の瓶も錬金術師の店やら魔法薬店から持ってきたものだ
其れも、偶然、偶々であ。
どちらも本来の値段なら、シャキンの給料の5〜8倍ほどの値段である
こんな状況で寧ろ、良く残っていた方だ
今あるの何てせいぜい本当の軍用医療品のみ――つまり痛み止めと包帯が少々と針と糸程度である

「呆けていろか……そうさせてもらうよ」
皮肉に対して素直に受け取る。実際、変な事をして周りを混乱させるよりかは万倍もマシだ

動きが無い化け物に目をやる。自身が長期戦覚悟で戦った相手があんなにあっさりと動かなくなった。
こいつ等は何なのだろうか……?
疑問が大きくなる

「さっきはすまなかったな、撃ったりして」
言葉を投げる。拾われるか、無視されるか、あるいは罵声か皮肉か
まぁ、どれが帰って来ようとも、対して差がないと思う

2937置きレス用RP:2017/01/25(水) 23:10:45 ID:UXdeuEkw
>>2936
女「ああ、問題ないぞ狙撃手。貴様は腕はいい、後は武器だな?」

そういいながら女は自身の巨大な左鉤爪を露わにする。
その爪先につままれているのは、ゆらゆら揺れる青白い炎と錯覚するような輝きを放つ魔石だった。

女「使え『ソウル』の女」
乙女「?…いや、如何しろというのだ?」
女「ん?貴様、自身が何であるか知らんのか?」
乙女「そういう貴女は私のことに詳しいようだが…」
女「貴様自身のことは知らんよ、私が知っているのは『ソウル』の事だ」

魔石は女から乙女に手渡された。

ローブ「ふむ、貴様は良き働きをした、これからも精進しろ」
ワイバーン「…GURURU」

ローブが何やら呪文を唱えるとワイバーンの傷が多少は癒える。
しかし本調子には程遠いようだ。
グズリ、と化け物がその動きを再開しようとしている。

2938とある世界の冒険者:2017/01/25(水) 23:30:50 ID:RXrhaWfM
>>2935
「あぁ……ありがとう」
一瞬の驚き。想定した言葉と違って純粋に驚いたようだ

「あの化け物、20mmが聞かないとはね……今度はいっそ次は30mmの銃でも特注してみるかね」
呟くように言う。
20mmですら、対ゴーレムとしては大型の魔銃
もの陰に隠れようと物陰ごと破壊する銃なのだ

30mm――そこまで行くと銃では無く砲の部類である
多少無茶をすれば3km以上の狙撃もできなくはないだろう。
但し、撃った直後に体が無事であればの話だが。

ゆらゆら揺れる青白い炎と錯覚するような輝きを放つ魔石
そして、ソウルという言葉
「……ソウル?魂?」
乙女より先に疑問を口にしてしまう

ローブが何やら呪文を唱えるとワイバーンの傷が多少は癒えていく中で

グズリ、と化け物がその動きを再開しようとしているのを見つける

「クソッタレ、あれまだ生きてるのかよ」
化け物の動きを見て反射的に銃を構える。
ここまでの再生持ちだと、もう230mm攻城用大型魔法でも打ち込んでやりたくなる

2939置きレス用RP:2017/01/26(木) 00:06:49 ID:2JIUBbps
>>2938

「くっくっく、未だそんなことを言っているのか?きいていないというのは少々語弊がある。
 単純に当たっておらんのだよ、狙撃手。貴様の攻撃は。
 あれは膨大な魔力を鎧として纏った存在と言っていい。目に見える部分は全て、な」

化け物が動き出すのを見て女が常人の右腕で弩を構え、異形の左腕で器用に弾を番える。
その状況下、ローブがとうとうと語りだす。

ローブ「我らは便宜上そう呼んでいる。お前の言う魂も『ソウル』ではあろうな」
乙女「…私は何なのだ?いや、自分がどういうものかは理解しているつもりなのだが」

ローブ
「では理解は早かろう。見た目こそ血を流すヒトのようであるがその実、
 お前は非実体である精霊に近い存在だ。
 流す血が地に落ちる前に消えているだろう?
 周囲がお前の状態を把握できるようにそれらしく見せているだけなのだ。
 実際のところ、お前の身体に血は流れていない。
 いま目に映っているお前の姿は一種の幻覚みたいなものだ」
 傷ついた姿になっているのは単純にお前の『ソウル』が枯渇しかけているからだ。
 そのまま『ソウル』が無くなればお前は霞のように消えるだろう」
乙女
「…成程、回復魔法がいまいち効いていないのはそういうことなのか」
ローブ
「回復魔法の大半は当人の自然治癒力を異常な速度で進めるものだ。
 となれば代謝も何もないお前の身体に使ったところで意味もない。
 高位の術ともなればまた違う結果もあるかもしれんがな…
 現状最も確実にお前の身体を癒すのは失われた『ソウル』の補充だ」
乙女
「『ソウル』の補充…この石を使うということか?」

2940とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 00:25:10 ID:j602t0Z2
>>2939

「……わるかったな、理解が悪くて。こちとら一般人なんだ」
ため息をつきながら大きく肩を落としつつ、女の言葉を返す。
女の言う通りならば、なるほど確かに全て合点が行く。ネタや仕掛けが分かれば、案外大したことは無い。

ただ、シャキンは一般人なのだ。軍人ではあるものの、そのほぼ全てが対人戦闘である。このような化け物は専門外なのだ
計算は出来るが、推理は出来ない。
もしかしたら、この化け物への対処法が戦った中に隠れていたのかもしれない。
しかし、それでも其れを汲み取れるかは経験と知識と才能が物を言う。
単純にシャキンにはそのどれもが欠けていたのだ
女が戦っているのを少し見つめたのち、ローブの方を見る


ローブの話を聞いている。今後の仲間であるラピュセルの行動と回復方法。知らなければならない。
今後の対策の為にも、勉強できるうちは勉強するのが得策だ

なにより、もう仲間を失いたくないのだ

2941置きレス用RP:2017/01/26(木) 20:31:06 ID:2JIUBbps
>>2940

「だが、狙撃手。貴様は戦士だろう?
 命のやり取りの場においてその言い訳は通じない。
 死ぬ為に戦うというならそれでも構わんがな?」

化け物が動き出した、だというのに女は手近の倒木に腰を下ろしくつろぎ始めた。

ローブ「さて、もう一つ試させてもらおうか?『ソウル』の女」
乙女「試す?」
ローブ
「自らの益のない戦いに身を投じる気概や良し。
 故に御屋形様はお前の手助けをしろと私に言われた。
 しかし、お前達が今回の騒ぎの元凶を突き止めるに至るか私は甚だ疑問だ。
 先程の件も含めてな」
乙女
「…何をすればいい」
ローブ
「アレに一撃食らわせてみろ。無論有効打を」
乙女
「徒手空拳なのだが」
ローブ
「……本来であればそれで十分のはずだ、お前の在りようでは。
 だが、必要なら此れを使うがいい」

そう言ってローブが手渡したのは木剣だった。

乙女「…素材が木に見えるのだが」
ローブ「馬鹿を言え、ヤドリギだぞ」
乙女「……いやだから木ではないか!?」

さて、こんなもので如何有効打を与えろというのか…考えなければ

2942とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 21:24:14 ID:j602t0Z2
>>2941

「戦士では無く、兵士……いや、まぁ言い訳だな確かに」

戦士の様に自らの力で駆け上がる存在では無く、使い潰される存在の兵士
実際、自身も使い潰された存在、だがそれは言い訳にしかならない。
死ぬために戦う奴等居ない。生きる為に戦うのだ。
其れが人間相手か化け物相手かの差

其れだけだ

「全く、退役してから正論を言われるなんて想像してなかったよ」

バツが悪そうに苦笑いを浮かべる

動き出した化け物。しかし、それを如何する事も今は出来ない。
現状の火器では有効打らしき有効打は打てなかった。
いや、戦えた武器はある。だがそれは3km先に置いて来たのだ。

「……武器を置いて来るんじゃなかった」
ぼそりと呟く
仮にあったとしても、比較的有効だった銃弾は全て手榴弾にくっつけたのだ
手が無い

そして、その後にローブと乙女の会話を聞いて
「……」

知識は無い。それでも解る事は有る。
(ラピュセル、怒って良いんだぞそれ。つかキレて良いんだぞ?)

武器がまさかの木剣。

「なぁ、あー……」
もしもの為に予備の武器があれば借りたかったが、そう言えば名前を聞いていなかった事を思い出した。
かと言って、名を名乗る雰囲気でもなければ状態でもない。
バツが悪そうに頭を掻く

「……武器貸してくれないか」
やや主語を濁しつつ、頼んでみる。とは言っても恐らく無理であろうと予想は付いている

(がんばれラピュセル。すまんが、俺は無力だ)

2943置きレス用RP:2017/01/26(木) 21:59:20 ID:2JIUBbps
>>2942
女「うん?これか?…これを貸すと答えを教えているようなものだからなあ?」
ローブ「御屋形様、既にそれが答えを言っているようなものなのですが」
女「そんな事はなかろう?少なくともこれが何であるか知るまい」
乙女「魔道具である、と言う事ぐらいしか分からないな」
女「そうだな、魔道具だ」
乙女「……ううむ」

悩む中、ついに化け物が動く!
話し合っている中、一つに集まっているシャキンら目がけ、右パンチ!!

乙女「って、攻撃する以前の問題だ!!」
女「防がんと全員ぺしゃんこだぞ?」
乙女「ああもうなにがなんだかああああああああああああああ!!!!」

肉体的にも精神的にも限界に近かった乙女が吠えた。
りきんだせいで持っていた魔石が握り砕かれる。

乙女「だあああああああああああああああああああああああ!!!!!」

乙女の姿が一瞬にしてヒーターシールドを構える戦士のそれへと変わる。
右手に携えているのは木剣だが。
注目すべきはその構え突き出した盾より発生した障壁。
よほど強力なのか凄まじい体格差をものともせず化け物の拳を見事に止めた。

女「そうそう、その感じだ」
乙女「どの感じなのだ!?」

2944とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 22:20:33 ID:j602t0Z2
>>2943

「なるほど、魔道具か……あーなるほど、分からん」
肩をすくめて諦める。

「まぁ少なくともそれが体内の魔力を吸うとか体の魔力を元にしてとかの部類なら、俺には扱えないし、触れられないし、下手したら死ぬな」
シャキンは元々、魔法適性が低く、日常生活ならともかくとして、子供でも出来るファイヤーボール等の超初級魔法すら使えないのだ
定期的に魔法藥を飲んで日常生活を送っていた時代もある
流石に現在では日常生活ではそんな事は無いが、流石に上位レベルでの体内魔力に依存する魔道具等は触った途端に激しい動機が走る
厄介な体質である

「すまんな、ラピュセル。如何にかしてやりたいが、如何も出来ないんだ」
現行の火器では足手まとい
しかも、残弾もやや厳しい
ラピュセルに賭けるしかないのだ

「いいぞ、ラピュセル。その調子だ!」
乙女の姿が一瞬にしてヒーターシールドを構える戦士のそれへと変わったのを見てやや驚いたが、精霊の一種だと考えるとなるほど合点が行く。
回復して元に戻りつつあるのだろう

「……その感じ……らしいぞ?」
近接武器は専門外なので適当な相槌を入れて濁し始める

2945置きレス用RP:2017/01/26(木) 22:28:38 ID:2JIUBbps
>>2944
女「女子供でも使えるように設計させたものだ。自身の身を守るためにな」

化け物をのけ反らせるほどの威力を誇りながらである。

女「弾こそやや特殊ではあるがな。まあ普段こんな巨体とは対峙する前に逃げるだろう?」

弩、それ単体で一定の機能を有している、ということらしい。
弾はおそらくその効果を更に高めるのではないかとも思われる。

乙女「いやもう何が!?」
ローブ「冷静になれ、女。貴様はアレが放つ一撃を止めた、それはどういった理屈だ?」
乙女「り、理屈!?」

異形の二人はこの状況を楽しんでいる。
化け物は熱線の一撃を加えようと準備に入った!!

2946とある世界の冒険者:2017/01/26(木) 23:01:49 ID:j602t0Z2
>>2945

「なるほど、理念や設計思想としては最高だな。それに整備性と生産性に頑丈と来たらいいのだが」

高威力の武器でありながら、女子供にでも使えれるほどの反動。弩特有の生産性と整備性の高さも素晴らしい

だが懸念もある

「……問題は相手が先に気が付いて、対応が遅れた時だな。この化け物、3kmは余裕で攻撃範囲だぞ?現に俺と3kmでの狙撃戦を繰り広げたぞ?」

たしかに女の言う通である。こんな化け物が現れたら、先ずは逃げる。しかし、もし相手が先に気が付いたら?
この弩は強いが、シャキンの記憶が確かなら弩の有効射程距離は大よそ60m
もし有効射程距離が他の弩と大差なければ……
せめて、100mの射程距離は欲しいと考えてしまう

そして、もし通常の狙撃戦を知っている人物なら3kmという言葉に、失笑を浮かべるだろう。
何せ、狙撃の最長記録は2.6km。それも超が付くほどのエリート狙撃手が専用のスコープを別注しさらに観測手も計算が得意な種族から選抜しての結果だ

ハッタリと取れる言葉でもある。

「何にせよ、素晴らしい武器だな。その弩は」
どんな機構にせよ弾にせよ、兵器としての有効性を無数に含んだこの弩は、間違いなく傑作である。
市場に流れれば、間違いなく買い手が文字通り山ほど着く


「攻撃が来るぞ。その熱線は注意しろ!」
と叫ぶ

2947置きレス用RP:2017/01/26(木) 23:25:01 ID:2JIUBbps
>>2946

「だからこそ軍隊というものが存在しているわけだろうに。
 誰も彼もが武器を取って戦う世の中など笑えもしない。
 デカ物の存在に気が付かぬ戦うための職業など意味もない。
 故にそのIFは無意味だ。
 それと個人的に私は銃が嫌いだ。射程が長いものほどな。
 互いに命を奪い合うなら相手の存在を感じる距離でやらねばならぬ。
 相手の息遣い、においまでもを感じ取って、それでもなお奪い合えるなら奪い合え。
 引き金一つで一方的に相手を?本来命のやり取りというのはそういうものではない…
 まあ、個人的な意見であるがな?」

そこらの倒木に降りかかった汚泥目がけ、ただの石をつがえて女が弩を撃った。
石は泥にめり込んだ。
有効射程50m程度の普通の弩の挙動。
先ほどまでと使い方は変わっていない。
女の話が事実であるなら化け物に放った弾は特殊であるが弩にこそ真価がある。
ではこれは一体どういうことなのか。

乙女「いや無理だ流石にさっきみたいに防げる気がしないというかさっきのもまぐれだああああ!!!」

乙女も錯乱している。
化け物の熱戦は万全を期するつもりか溜めが長い!!

2948とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 00:46:11 ID:6iRju3oQ
>>2945

「あぁ、そうだな」
困りながら合図地を打つ。
適当に売ったのではない、ただ純粋に困ったのだ

まず、まさか此処まで白熱した意見が出てくるとは思って居なかったのだ
そもそも、女子供が使えると聞いて商隊への護身用と想像していたが如何やら違ったようだ。

そして、銃への女個人の思想を聞いて更に困る。
シャキンとしては武器にここまで高潔な思想を持ったことが無いのだ。

戦争があり、それに生き残るための手段の一つに銃があるだけなのだ

シャキンに理念や思想があるならば、それは現場特有の思想の一つ

――理屈や方法はどうでもいい!今日を生き残るための武器をくれ!!

此れだけだ

しかし、それを言う程この現状で空気が読めていないわけでは無い。

言った所でどうしようも無いのだ。下手をしたら火に油を注ぐだけになってしまう。

敵でも味方でもない奴が敵になるのだけは防ぎたい。

そこらの倒木に降りかかった汚泥目がけ、ただの石をつがえて女が弩を撃ったのを見つめる

何をどうするのか。何が起きるのか。見当もつかないのだ

ただただじっと見ているだけだ。


「乙女、がんばれ!お前にしかできない事だ!!」
割と本心九割である。残り一割はやや死を悟り始めてるが

2949置きレス用RP:2017/01/27(金) 21:40:51 ID:RtCT7XFs
乙女「考えろ考えろ…ええと……」

目の前の敵は単純な火力では倒せない。
目に見える部分は全て魔力の鎧。
今更だがゴーレムに該当する魔法生物。
つまりは内部に核を持っている筈だ。
しかし有効打になったのは弩の一撃。
貫通して核に当たった?
今、目の前で撃たれたソレは標準的な弩の性能を示している。
魔力の鎧を抜くほどのものではない。
だと言うのに敵には十分すぎる威力を発揮している。
付与されている魔術は武器の性能を強化する類のものではない…

私の在りようであれば徒手空拳でも如何にかなる、と彼らは言った。
確かに攻撃は防げた。
防御の魔法など簡単なものしか知らないが単純な障壁であれば砕かれていた筈だ。
だがそうはならなかった…いや、あの時、私は攻撃を防ごうとしただろうか?
……違う、私は相手の攻撃を打ち砕こうとした!
盾という形にはなっていたが、守るためのものではなかった、寧ろ攻勢に出るための一撃。

根本的な勘違いだ。
ともすれば見方を変えれば何かが見えてくる筈だ。

そう言えば『ソウル』が何なのかもハッキリとは理解していない。
魂なども含む、ということはもっと大雑把な括り、総合的な何か。
が、おそらく物理的な肉体は含まれていない。
そして手渡されたのは木の剣。
殴りつけるためのものではないのは明白。
ヤドリギで出来ているとか言っていたようだが…ん?ヤドリギ?

神話において何モノにも傷つけられない神を殺したのはヤドリギの武器ではなかったか。
傷つかなくなった神を祝い、他の神々がモノを投げつける娯楽にふけっていた所、
神を傷つけぬ契約を交わしていないヤドリギが刺さる、といった話だった筈だ。
この場合、神に与えられた祝福は他のモノにとっての呪いである訳で……

乙女「つまりなんだ、私が繰り出すべき攻撃は…こういう事かあああああああああああ!!!」

化け物が今まさに一撃を放たんとした時、乙女が振るった木剣から斬撃が飛ぶ!!
魔術によって生み出された一撃は化け物へ直撃、その身体を大きくのけ反らせ熱線発射を中断させた。

乙女「即効性の呪術!これが答えか!!」

2950とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 22:37:27 ID:6iRju3oQ
>>2949
「おぉ……」
魔術によって生み出された一撃は化け物へ直撃、その身体を大きくのけ反らせ熱線発射を中断させた。
ラピュセルが放った攻撃が敵に見事に当たった証拠だ

――即効性の呪術!これが答えか!!

どうやら、乙女の中で答えが出たようだ。
しかし、それが答えなのか否かは女やローブしか知らない。
其方の顔色や様子を伺う

「……まるで師匠と弟子の稽古だな」
ぼそりと呟く。

余裕を浮かべている女の姿も、そして其処から考える様に言うローブの姿

そして悪戦苦闘し、今答えを見つけた乙女の姿。平時なら微笑ましい光景に見える
しかし実際、今は非常事態であり、乙女が有効打を与えているその化け物につい数十分前には殺されかけたのだ
世の中分からない物である。


――女やローブはラピュセルにとっては味方なのではないのだろうか
そういった疑問が浮かび上がる。
しかし、如何なのだろうか、本当の所は分からない。
それでも、彼女らはラピュセルだけにでも味方をしてやってほしい。
そういった思いがある


それにしてもどうやって答えを導き出したのか後で聞いてやろう

2951置きレス用RP:2017/01/27(金) 22:48:41 ID:RtCT7XFs
>>2950
乙女「よし、次で決め…う………あれ?」

がくん、と乙女が膝から崩れ落ちる。
同時に鎧が消え、いつもの姿に戻る。

乙女「……か、身体が動かない」
女「『ソウル』が又枯渇したな」
乙女「ん、な…」

ローブ
「銃弾、魔弾、最終的に物理的干渉を威力の基盤とする攻撃では様々なものが障害となる。
 今回の場合は相手のサイズが大きな障害だ。
 だが魔術的干渉の場合、基本障害となるのは同じ魔術。
 当たれば確実に効果を発揮する。
 次に問題となるのは呪いの対象だろう。
 呪いとは対象の『何か』に干渉する魔術。
 通常、『何か』に重きが置かれ様々な呪術が生まれているわけだが…
 だがある魔術系統は『何か』を考えるのではなく、対象に『ソウル』を選び出す術を見つけた。
 これが如何なる存在にも当たれば効果をもたらす攻撃方法と精錬されたわけだ」
乙女
「……、いや、解説は後にして欲しいのだが」
ローブ
「ならん、興が乗ってきた。今喋る」

2952とある世界の冒険者:2017/01/27(金) 23:24:31 ID:6iRju3oQ
>>2950

「おい、大丈夫か?」
駆け寄ろうとしたが、歩みを止めた。
乙女の回復方法は特殊なのである。通常方法での回復は意味が無い

――女「『ソウル』が又枯渇したな」
ソウル、精霊に近い乙女が回復するための唯一の手段。

石以外にソウルの回復方法はあるのだろうか?
呪術関連となると、相手からの吸い取り
若しくは生贄が必要なのだろうか

ローブの解説に耳を傾ける

正直な所、分からないのが大半である

これは別にローブの教え方が悪いとかでは無い。シャキンの知識不足が原因なのである
学びが無いが何とか点と点を線で結ぼうと必死に行う

(つまり、『何か』に対して呪術は共振を与えるのか……?)
(いや、それとも元々呪術とはその『何か』に攻撃を与える方法で、ソウルはその核心。そして今回の攻撃は、呪術の鋭利発展型という事か?)

うんうんと唸りながらローブの言葉からどういう事かを考えている。

自分では使えないのに、こう言った事は考える癖があるようだ

2953置きレス用RP:2017/01/27(金) 23:59:56 ID:RtCT7XFs
>>2952
女「兎にも角にもレギオン、納得したな?」
ローブ「承りました、メンシュハイトノイ、我らが主よ」
女「では、これにて終いだ。いつまでもアレを放置する意味はないな?」

やおら女が立ち上がる。
そしてゆっくりと自らを覆っていた羽を広げる。
二対の黒翼と巨大な左鉤爪に捻れた角と尖った耳を持つ黒髪短髪の女、それが化け物を見据えた。
受けて立つように化け物が両腕を交差、一体化させ振り下ろす!
この速度では、のけ反らせるぐらいで攻撃を回避できない!!

ノイ
「失せろ下郎。そしてその身をもって貴様の主に知らすがいい。
 自らの足で我が前へとその身を晒し戦えとなあ!!」

突き出した異形の左腕から展開ぶっ放された魔砲は、
振り下ろされた腕を最初に果ては化け物の全てを吹き飛ばした。

レギオン「では『ソウル』の女、ラピュセル。我が主の命により、好みを一旦お前に預けよう」
乙女「………じゃあまずアノ魔石が欲しいのだが」
レギオン「そう易々と作り出せるものでもないのでな、飯を食い寝れば『ソウル』も幾らか戻る」
乙女「…回復魔法がきかない分、ヒトの体より不便じゃあないか?」
レギオン「ヒトが数回死ぬ打撃を食らって離界しないのだから差し引きプラスだろう」

こうして胡散臭い仲間と新たな術を得、ワイバーンに背負われ乙女は無事帰還する事が出来たそうな。
因みに主の窮地を救った忠犬ならぬ忠竜のワイバーンは『ロヤリテート』という名が与えられた。

2954とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 00:14:15 ID:4i4Yw.42
>>2950
最後に彼らは名前を名乗った。律儀にもお互いの名をだ
これは恐らく長い付き合いになるかも知れないという事だろう

少なくとも、それにシャキンが含まれたはいないのかもしれないが


――「失せろ下郎。そしてその身をもって貴様の主に知らすがいい。
 自らの足で我が前へとその身を晒し戦えとなあ!!」

あの化け物を作った。もしくは操っている存在が居る
もし、これがダース単位できたら?下手をしたらグロス単位で居るのかもしれない。

寒気にも似た悪寒が体を走る

(武装の強化が必要だな)
この状況、銃の実用性よりも強大な何かが必要となるな。情報が必要だ、あらゆる面で情報が必要だ

「……あんにゃろう置いていきやがった」
ワイバーンに背負われ乙女をみてぼそりと呟く

「仕方ない、こっちも帰るか」
武器と馬を回収して帰る。暫くは王都の武器を幾つかかっぱらっておこうと心に誓うシャキンであった


その後、あんな事件が起きるとは知らずに……

2955???の独り言:2017/01/31(火) 00:12:50 ID:XXLFArbQ
-???-

「…さてさて、現界はどうなっていますやら、いやはや口惜しいですねえ今回ばかりは」

黒一色の世界でソレは呟く。

「筆舌に尽くしがたい様々な物語が生まれているんでしょうねえ…
 あー、勿体ない勿体ない、後世の誰にも語られることなく埋もれ消えていく物語の数々!!
 出来損ない共の中に記録として残すなんて殊勝なやつがいるとは思えませんしねえ。
 まあ、出来損ない共が勝手に動くのは想定内。
 物語の乙女がいい線行くのもまあ、予定調和となるんでしょうねえ。
 ですが二冊分とはいえ今回の騒動を考えればチカラ及ばずでしょう。
 アノ二人には悪いですがこうもトッ散らかってしまった以上私の望む物語を続けることは不可能。
 舞台の白紙撤回もやぶさかではないんですよねえ…
 次に私が顕現する頃にはジグザールが過去の物語になっていることでしょう。
 冷静さを欠いていたせいで懸念材料を残したままなのが痛いですが、
 龍脈によほどの変動がない限り封印が解かれることもありませんしねえ。
 万が一城が大地ごと宙に浮かんだなんてことでもない限り!はっはっはっはぁ!」

愉快そうにソレは笑う。
笑っている己自身が一番愉快な存在に成り下がっているとも知らずに……

2956とある世界の冒険者:2017/02/14(火) 22:55:11 ID:XAC77g/.


 王都――裏路地
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「――駐屯地まで、ここから一本道。」
「騎士達が掃討してくれたから、今は獣は居ない。」
「駐屯地についたら、そこでアルス・ストラグルを頼れ、良いな?」

<う、うん、ありがとうお兄ちゃん……!>
「礼は良い。 ――走れ!」

裏路地から赤いリボンを付けた少女が飛び出て、走りだす。
表通りは獣達の死体でひどい腐臭だが、何事も起きなければ少女の脚でも5分とせず駐屯地に付くだろう。


そして――


「―――――。」

少女が飛び出た路地裏から響き渡る銃声、獣声。
アウトマチック式と思われる銃が連続して弾丸を吐き出す音、44口径特有の炸裂音と衝撃音。

魔術光と殴打音、またアウトマチック式拳銃の連射音。 獣の悲鳴。

……音が収まるまで、1〜2分と掛からなかっただろうか。
そこから加えて1分、路地裏から青年の姿が現れる。

銀混じりの白髪、瘴気を避けるための口元までを覆う長い紅マフラー。
腰に巻きつけられたガンベルトと二丁の"最新改良型”アウトマチック式拳銃。
同様にガンベルトに収められた刺突用の杭<スパイク>が付けられた近接用ショットガン二丁。
取り回しの良い44口径の六連装回転拳銃二丁、背中には狙撃用のロングレンジライフル一丁。


「……ふ、ぅ。」
「あの女の子を追わないと……。」

「……ごめんなさい、埋葬は、後でします。」

硝煙の匂いと血の匂いを染み付かせた青年が、多くの武装を身に纏い、そこに居た。
今路地裏を除けば――さぞショッキングな光景が広がっているだろう。

2957とある世界の冒険者:2017/02/16(木) 19:28:05 ID:7ked.le6
>>2956
それは、クォヴレーが逃げた女の子を追い掛けている途中のことだった。路地の一本から、不意に虫の羽音が聞こえてくる。ブブブブブ、という蜂の羽音だ。

――蜂。クォヴレーにとっては、ある日を境に消えてしまったとある少女を思い起こさせる虫。
王都では蜂などさして珍しくもないし、街中でも頻繁に見掛けるのだから、この辺りに巣を作っていたところで何ら不思議ではない。
だが、路地から飛び出してきた一匹の蜂の姿は街中では決して見ないが、しかしクォヴレーのよく見知った特徴的なフォルムであった。

その蜂は不規則な動きで飛びながら、クォヴレーが向かおうとしていた方向へと進んでいく。まるで何かへと導くかのように。

2958とある世界の冒険者:2017/02/18(土) 11:33:56 ID:ymqHm0Yo

「―――。」

以前に見た――そう。
混濁した記憶の中に確かに記録のあるその虫にふっと脚を止める。
いつだかから見なくなった蜂、以前は良く会っていたものの朧気な姿を想起させるもの。


「……方向は同じ。」
「なら……。」

今は非常事態。本来なら虫の一匹程度は無視するべきだ。
だが、「なにかあっては」という考えからか、その脚は蜂を追うことを決めた。

2959とある世界の冒険者:2017/02/18(土) 22:49:20 ID:tKbOS8rg
蜂を追い掛けた先に着いた少し拓けた十字路の中央は、ダンス会場だった。
十数体の“獣”のなり損ない達――人と呼ぶには歪で、“獣”と呼ぶには中途半端で、獣と呼ぶには醜悪だ――と、一つの人影が踊(たたか)っている。

人影はタイトなライダーススーツを着こんだシルエットから女性であることが伺い知れるが、顔は蜂を模した面を着けていて見えない。
同様に、体の各所には蜂を連想させる黄と黒の縞模様のプロテクターを装備している。
両手には槍というには柄が短く穂先が長い、剣というには柄が長く刀身が短い、なんとも言えない半端な武器。
その武器で時には刺し、時には切り、何かを背後に庇うように立ち回っているのがわかる。そして、チラリと先程の少女がつけていた赤いリボンが見えているのも。

クォヴレー追ってきた蜂はその人物目掛けて飛んでいく。

2960とある世界の冒険者:2017/02/22(水) 00:00:32 ID:baUFHlNg

「……!」

仮面の女性が持った赤いリボン、それは間違いなく自分が見送った少女のものだった。
目は良い方で、この距離であればハッキリと分かる。

「――――。」

その様子を見て直ぐに腰のガンベルトから44口径の六連装回転拳銃一丁を右手に、左手には近接用ショットガンを引き抜く、
複数体居る獣の内、面を付けた女に離れた一体の眉間、首元、眼球に狙いを付けて右の銃の引き金を「3」回。

引き金を退くの同時にに駆け出し、別の獣複数体に狙いを定め「魔力によって弾丸を一点に収束させたショットガ」ンの引き金を「二」回。
人間の腕程度なら容易く吹き飛ばす程度の威力の弾丸は、成り損ないの獣程度であれば確実に脳天を吹き飛ばすだろう

2961とある世界の冒険者:2017/03/01(水) 22:16:52 ID:wPttzLHU
≪ヴヴヴ……≫
低い唸り声を鳴らして仮面の女に近付いていた獣の成り損ない――仮にバスタード(出来損ない)とでも呼ぼう。そのバスタードは意識外からの銃撃を受け、即座に崩れ落ちる。
同じように収束したショットガンを受けたバスタード達は、次々に肉体を飛び散らせて沈黙していく。

「……!」
クォヴレーの突然の加勢に驚いたのか、ほんの僅かの間だけ仮面の女の動きが止まった。
が、すぐに切り換え、舞い飛ぶように他のバスタード共を剣槍で切り、貫き、処理していく。
そしてある程度まで周囲のバスタードの数を減らしたところで、右の掌を宙に翳した。

「おいで、皆」
くぐもった声と同時に黄と黒に彩られた召喚用の魔法陣が展開され、そこから無数の蜂型魔蟲が溢れ出し、仮面の女を取り囲む。
クォヴレーをここまで連れてきた蜂もその群れに加わったようだ。


身のこなし、蜂、くぐもってはいたが聞こえた声。そのいずれもが、クォヴレーが知る人物である可能性を濃くしていく。

2962とある世界の冒険者:2017/03/06(月) 00:32:48 ID:RSvQMrxo

「……。」

仮面の人物の正体――は、今は気にしない。
今重要なのはまだ敵が残っているという事、そして自分が救けた筈の少女のリボンが仮面の女の手元にある、ということだ。

「援護する。」
「弾丸は直線だ、難しいだろうが、極力軸線上に入らないようにしてくれ。」

そのため、端的にそれだけを告げて残る数体のバスタード目掛け引き金を引く。
会話が必要であれば、「処理」が済んでから話せば良い。

少なくとも成り損ない共が残っている中で話すよりは、そのほうが建設的だ。

2963とある世界の冒険者:2017/03/18(土) 23:43:44 ID:3e6jgJbw
「…………」
声には出さず、手でオッケーサインを作って了承した旨を伝える仮面の女性。

「(さて、さっさと片付けますか)」
召喚された無数の蜂の魔蟲達が6つの集団に別れて集まり、そのまま6匹の人間大の大型の蜂へと融合・変化。
仮面の女性の指揮の下、バスタード達に襲いかかる。

≪ギィ!?≫≪ギャガ!≫≪ゴッ……≫
蜂達もクォヴレーの射線に入らないよう巧みに飛び回りつつ、強靭な顎や鋭い尾針でバスタードを咬み千切り、貫き、駆逐していく。

「(通常の“獣”よりもよっぽど脆いし弱い……となると、元になったのは多分――)」
何の力も無い、真正の一般人。恐らくクォヴレーも同様の結論に辿り着いたことだろう。
だが、それをいちいち意に介してはいられない。自身と生き残った人々を守るためには滅ぼすしかない。その正体が何であれだ。

「(数は多いけど、それだけ。この分ならもうすぐ片付くかな)」
バスタードは一体一体の能力は大したことがない。これならまだ野良の魔物の方が手強いぐらいだ。
みるみる数も減っていっている。殲滅までもう数分もかからないだろう。

2964とある世界の冒険者:2017/03/22(水) 22:47:19 ID:PBenrSDw

「――。」

そうしてやがて、最後に残った一体の頭蓋を散弾が撃ちぬく。
魔力で束ねられた弾丸は獣――元人間の頭程度は容易く吹き飛ばす威力を持つに至っていた。


「……。」

銃を腰のベルト/ホルダーに戻し、深く息を吐きだす。
一先ずは、済んだ。 元市民であったろう出来損ない達は、その全てが――残念ながら――躯と化した。

「……。」
「他宗派であったなら悪いが……。」

手で小さく十字を切り、僅かな時間祈りを捧げる。
これで魂が報われる――とは思ってもいないが、礼儀的な物だ。

やがて、ほんの5秒程の時間にも満たないそれを終えて。

「……そのリボンの持ち主を知っている。」
「屯所に走るように促した、10前の少女だった、……彼女は?」

まず、「一番」気になっていた事を期せずして共闘することとなった女性に問いかける。

2965うさぎ:2017/11/06(月) 03:23:33 ID:a0l8AeZg
tp://ssks.jp/url/?id=1451


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板