[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
1701-
1801-
1901-
2001-
2101-
2201-
2301-
2401-
2501-
2601-
2701-
2801-
2901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が2900を超えています。3000を超えると投稿できなくなるよ。
第二裏ゲート
245
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 01:15:10 ID:xXnNuNdg
夜の帳を月明かりが照らす森。
人の立ち寄らぬ奥深く、拓けた一角に佇む一人の男。
黒いロングコートを身に纏い、束ねた長い銀髪が月明かりに煌いている。
男の前には、名前が刻まれただけの小さく簡素な墓石が一つ。
墓前に花束を添え、この地に眠る者に語りかけるように言葉を紡ぐ。
自分のこと、友人達のこと、眠る者の家族のこと。特に娘のことは丹念に話す。
返事がないことを除けば、何でもない日常会話だ。
時々、こうして話をしに来る。特に日は決めず、気が向いたときにだけ。
まるで、友人の家を訪ねるように。昔のように。
彼の生は短く、共に過ごした時もまた短かった。
しかし、真底から心許せる、唯一無二の莫逆の友であった。
死別することを覚悟はしていた。仕方ないのだと理解もしていたが、友一人救えぬ己を憎々しくも思った。
しかし、今もこうして語りかけていると、全てが嘘だったかのような錯覚に陥る。
今にも返事をしそうな、そんな気分になってしまう。
未だ完全には受け入れられていないのかもしれない。
彼の家族は全てを受け入れ、強かに生きているとういのに。
──情けないな。
自嘲気味に小さく笑い、立ち上がる。
ここに来るとどうにも感傷的になってしまう。
それでも自然と足が向くのに、悪い気はしないが。
「さて・・・そろそろ行くとするか。じゃあな、また来る」
一頻り近況を話し終えると、物言わぬ墓石にそう告げ、墓前を後にする。
秋の乾いた風が一陣走り、頷くように草木が揺れた。
FO
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板