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「集合・位相入門」輪読会★2

136Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:20
(4.2)の証明.A,B,B'をそれぞれ順序数がμ,ν,ν'である整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A∩B'=Φを満たすものが取れる.
ν<ν'であるのでB'<b>とBが順序同型になるようなB'の元bが取れる.
このとき
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A∪B'をAの上にB'を並べて作った整列集合とすると
CとC'<b>=(A∪B')<b>=A∪(B'<b>)は順序同型になる.
したがってordC<ordC'.
(A∪B')<b>=A∪(B'<b>)となるのは
x∈(A∪B')<b>⇔x∈A∪B'∧x<b⇔(x∈A∧x<b)∨(x∈B'∧x<b)⇔x∈A∨x∈B'<b>
⇔x∈A∪(B'<b>)となるからである.■

137Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:41
(4.3)の証明.A,A',Bをそれぞれ順序数がμ,μ',νである整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A'∩B=Φを満たすものが取れる.
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A'∪BをA'の上にBを並べて作った整列集合とする.
Cのいかなる切片もC'と順序同型になりえない事を言えばよい.
c∈AならordC<c>=ord{x|x∈C∧x<c}=ord{x|x∈A∪B∧x<c}
=ord{x|x∈A∧x<c}=ordA<c>.>>113よりordA<c><ordA=μ.
仮定よりμ<μ'=ordA'.(4.2)と0+μ=μ+0=μよりordA'=ordA'+0<ordA'+ordB'=ordC'.
したがってordC<c><ordC'.
c=minBならordC<c>=ordA=μ<μ'=μ'+0<μ'+ordB'=ordC'.
c∈B-{minB}でordC<c>=ordC'であるとすると,
(4.2)の証明中で示したのと同様に
ordC<c>=ord(A∪(B<c>)).
またordC'=ord(A'∪B)であるので
A'∪BからA∪(B<c>)への順序同型写像fがあるはずだが,
g=f|(A∪B)とおくとgはA∪BからA∪B自身への順序単射と見ることができるが
g(c)∈A∪B<c>となるのでg(c)<cとなる.これは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
に反する.■

138Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:35:59
なお(4.3)においては等号を省くわけには参りません.
1<2ですが1+ω=2+ωです.
実際{★}の上にNを並べて作った整列集合から,{☆,♪}の上にNを並べて作った整列集合への
写像fをf(★)=☆,f(1)=♪,2以上の自然数nに対してf(n)=n-1と定めれば,
fは順序同型写像になります.

μが順序数だとします.このときμ+1なる順序数を構成することは,
ordA=μなる集合Aの上に{★}を並べてA∪{★}なる整列集合を作ることによって,
μによらず可能ですが,μ<ν<μ+1なる順序数νは存在しません.
実際,A∪{★}の最大元は★ですのでxをA∪{★}の任意の元であるとすると
x≦★,よってord((A∪{★})<x>)≦ord((A∪{★})<★>)=ordA=μ.
即ちA∪{★}のいかなる切片の順序数もμ以下になります.
即ちν<μ+1ならばν≦μとなるわけです.
「いかなる順序数も直後の順序数はもつ」ということですね.
逆,というか直前の順序数を持たない順序数ってのはありますね.
極限数は皆そうです.

139Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 04:40:46
足し算が非可換ってのは、えらく特徴的ですね。
集合Aから集合Bへの全単射(濃度同型写像?)はいくつもありうるけど
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像はたったひとつしかない
ってのも特徴だと思ったけど。

えー。積、冪の定義が残ってますが、えらく長くなってしまったので
ここで一旦、担当終わりってことでよろしいですか?
引き続いて担当してもいいですけど、とりあえず、ここまでの内容について
質問、ダメだし、ご意見をお願いします。

140たま ◆U4RT2HgTis:2005/05/22(日) 18:14:28
詳しい解説おつです。

>>130
導入( ゚Д゚)ウマー

>>131
☆使ってるのに妙にうけたりwww

>>132
僕は「Aの上にBを並べてCを作る」っていうより、
「Aの後ろにBをくっつける」って感じでイメージしてます。
たぶんμ+νって書き方と、集合の外延的記法の影響ですね。

>>138
この辺テキストではかなりさらっと流してて、あれ?って感じでした。

この章は、(4.3)の証明やってて
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
の補題がかなり使いやすいってことに気づいて(*゚∀゚)=3 ムッハーでした。
使える補題をさらっと散りばめて、読者に練習問題で使わせるっていう本の構成は
流石だなーと最近感じまふ。

以上、僕は特に問題なしです。

141Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 19:17:38
>>140
ドモ。

>Aの後にBをくっつける
まさしくそういうイメージなのですが、「上に有界」なんて言い方があるので
上に並べるって書いてしまいました。
ええと「集合の外延的記法の影響」ってのは?

>>137の証明はやや乱暴でしたね。
あれじゃAがA'の部分集合になってるように見えてしまう。
近々やり直します。

>本の構成は流石
本当に教育的に書かれている本ですねえ。

>前スレ915
うん。この辺りの補題のありがたみが、よく分かる小節ですね。

たまちゃん、積と冪、担当する?

142たま ◆U4RT2HgTis:2005/05/22(日) 19:51:33
>>141
>ええと「集合の外延的記法の影響」ってのは?
えっと、例えば自然数全体の集合を{1,2,3,4,5,・・}って感じに書くから、
自然と要素を横に並べて考えるようになったんだろうなぁと思って。
でも、確かに人間の普通の感覚では大きいものは上で、小さいものは下って感じだし、
きっと集合論がまだちゃんと確立してなかった時代の人はそういうイメージをしたのかなぁと。
ほんでもって僕が右が大、左が小っていうイメージで理解してたのは外延的記法の影響かなぁと。

>>137の証明はやや乱暴でしたね。
それほど乱暴でもないかと。自分でおんなじような証明やってたからそう思っただけかもしれないけど。

>たまちゃん、積と冪、担当する?
んーどうしよ。ほかの人の説明も聞いてみたいけどみんな忙しそうだしなぁ。
まぁいいや、僕が担当します。経験浅いし、練習練習。

143Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/22(日) 19:56:25
>>142
ああ。左から右への横書きの習慣からってことですか。
アラビアの数学が世界標準だったら左が大、右が小ってイメージになってたかも、ですね。

144Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/23(月) 00:32:26
たまちゃん、捨てアドさらしてくれませんか?

145臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/05/25(水) 23:17:32
ただいま読解中です。もうすこしお待ちを・・・

146Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/05/27(金) 23:40:04
お待たせしました。
>>137のやり直し.
(4.3)の証明.A,A',Bをそれぞれ順序数がμ,μ',νである整列集合であるとする.
A∩B=Φ,A'∩B=Φを満たすものが取れる.
さらにA,A'はA⊂A'となるように取れる.
μ<μ'だからA'<a>とAが順序同型となるようなAの元aが取れる.
ordA'<a>=ordA<ordA'であるのでA'<a>をAと考えればよい.
C=A∪BをAの上にBを並べて作った整列集合,
C'=A'∪BをA'の上にBを並べて作った整列集合とする.
Cのいかなる切片もC'と順序同型になりえない事を言えばよい.
c∈AならordC<c>=ord{x|x∈C∧x<c}=ord{x|x∈A∪B∧x<c}
=ord{x|x∈A∧x<c}=ordA<c>.>>113よりordA<c><ordA=μ.
仮定よりμ<μ'=ordA'.(4.2)と0+μ=μ+0=μよりordA'=ordA'+0<ordA'+ordB'=ordC'.
したがってordC<c><ordC'.
c=minBならordC<c>=ordA=μ<μ'=μ'+0<μ'+ordB'=ordC'.
c∈B-{minB}でordC<c>=ordC'であるとすると,
(4.2)の証明中で示したのと同様に
ordC<c>=ord(A∪(B<c>)).
またordC'=ord(A'∪B)であるので
A'∪BからA∪(B<c>)への順序同型写像fがあるはずだが,
g=f|(A∪B)とおくと,終集合を拡張してgはA∪BからA∪B自身への順序単射と
見ることができるが,g(c)∈A∪B<c>となるのでg(c)<cとなる.これは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
に反する.■

147臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/01(水) 00:34:54
お待たせして申し訳ありませんでした。
最近ROM気味・・・

>>139
>整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像はたったひとつしかない
これってテキストおよび輪読会のどこかで証明しましたっけ?
とっさに証明法が思いつきませんでした。

>>146
>さらにA,A'はA⊂A'となるように取れる.
この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。

148たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:20:40
つづき。

濃度のときと同じように、今度は順序数μ、νの積μνを定義しましょう。
A、BをそれぞれordA=μ、ordB=νであるような整列集合とします。
(今度は必ずしもA∩B=φである必要はありません。)
目標としては、直積A×Bに適当な順序を入れて整列集合を作って、その集合の順序数ord(A×B)
をμνと定義することを目指します。
そこで、A×Bに次のような順序≦を導入します。
(a,b),(a',b')∈A×Bに対し、
 (a,b)≦(a',b') ⇔ (b<b')∨(b=b'∧a≦a')
と定義します。
念のため断っておくと、b<b'の"<"はBにおける順序であり、a≦a'の"≦"はAにおける順序です。
≦_Aとか≦_Bって書いてもいいんですが、とくに誤解が起きる恐れがないところでは、
普通に≦とかくことにします。その方が見易いんで。
ちょっと、脇道にそれましたが、先の定義は乱暴に言ってしまえば、
先にBの元の大きさを比べて、決まらなかったらAの元の大きさを比べろってことです。
このように、定義した≦がA×Bにおける順序になることは容易に示されます。――(注1)

149たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:21:00
さらに、(A×B,≦)が整列集合になることを示します。
 MをA×Bの空でない任意の部分集合とすると、
 A×BからBへの射影pr_BによるMの像
  B'=pr_B(M)={b|∃a∈A((a,b)∈M)}
 はBの空でない部分集合になります。
 (射影ってなによ?って思ったあなたは今すぐ
  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/565
  を参照しましょう。)
 Bは整列集合なのでB'には最小元b_0が存在します。
 次に、
  A'={a|(a,b_0)∈M}
 を考えると、A'はAの空でない部分集合になるので、
 最小限a_0が存在します。
 このようにa_0,b_0を定めると(a_0,b_0)はMの最小元となります。
 実際、(a,b)∈Mとすると、b∈B'よりb_0≦b
 b_0<bならば直ちに(a_0,b_0)≦(a,b)であり、
 b_0=bならばa∈A'となるので、a_0≦a
 従って、(a_0,b_0)≦(a,b)となる。 //
これで、(A×B,≦)が整列集合になることがわかったので、めでたく
順序数ord(A×B)をμνと定めることができます。
注意しておくとこの定義も、A、Bの取り方によりません。――(注2)
そして特にμ、νが有限順序数の場合は、この積は自然数(または0)の間の
通常の積と一致します。――(注3)
また、A×φ=φ,φ×A=φよりμ0=0μ=0が成り立ち
A×{1}〜A,{1}×A〜A(〜は順序同型)よりμ1=1μ=μが成り立ちます。
(実際、A×{1}からAへの射影pr_Aは明らかに順序同型写像となります。)

150たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:21:48
(注1)
反射律
 Aにおける順序の反射律より、a≦aが成り立つ。
 また、b=bなので、
 (a,b)≦(a,b)が成り立つ。 //
反対称律
 (a,b)≦(a'b)かつ(a',b')≦(a,b)とすると、定義より
 b≦b'かつb'≦b
 故に、Bにおける順序の反対称律より、b=b'
 従って、b<b'、b'<bは成り立たないので、
 b=b'∧a≦a'とb'=b∧a'≦aが成り立つ。
 故に、Aにおける順序の反対称律よりa=a'
 従って、(a,b)=(a',b') //
推移律
 (a,b)≦(a'b)かつ(a',b')≦(a",b")とすると、定義より
 b≦b'、b'≦b"――(*)
 Bにおける順序の推移律より、b≦b"
 もし、b≦b"なら直ちに(a,b)≦(a",b")が成り立つ。
 b=b"ならばBにおける順序の反射律より
 b≦b"、b"≦b
 これと(*)から、Bにおける順序の推移律を用いて
 b"≦b'、b'≦bがわかり、
 これと(*)から、Bにおける順序の反対称律を用いて
 b=b'=b"がわかる
 故に、a≦a'とa'≦a"が成り立つこととなり、
 Aにおける順序の推移律よりa≦a"
 従って、b=b"∧a≦a"が成り立つので(a,b)≦(a",b")となる。 //

151たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:22:16
(注2)
ordA=ordA'、ordB=ordB'であったとすると、
AからA'への順序同型写像fとBからB'への順序同型写像gが存在する。
そこで、A×BからA'×B'への写像hを次のように定める。
(a,b)∈A×Bに対し、
 h((a,b))=(f(a),g(b))
このように、定めたhはA×BからA'×B'への順序同型写像となる。
実際、(x',y')∈A'×B'とすればf,gが全射より
∃x∈A,∃y∈B s.t. f(x)=x',g(y)=y'
故にh((x,y))=(f(x),g(y))=(x',y')となりhは全射。
また、(a_1,b_1),(a_2,b_2)∈A×Bに対し、
(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
          ⇔(g(b_1)<g(b_2))∨(g(b_1)=g(b_2)∧f(a_1)≦f(a_2)) (∵f,g順序同型)
          ⇔(f(a_1),g(b_1))≦(f(a_2),g(b_2))
          ⇔h((a_1,b_1))≦h((a_2,b_2))
よって、hは順序単射。
従って、hは順序同型写像となりord(A×B)=ord(A'×B') //

(注3)
A={1,2,・・・,n},B={1,2,・・・,m}とすると、
A×B={(i,j)|i,j∈N,1≦i≦n,1≦j≦m}となり、
A×Bの元の個数はmn個となるので、A×Bの順序数はmnとなります。

152たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:23:18
順序数の積はまた、次のように捉えることも出来ます。

いま、(A_λ)_(λ∈Λ)を次のような集合族であるとします。
 (1)添数集合Λは順序数νの整列集合
 (2)∀λ∈Λについて、A_λは順序数μの順序集合
 (3)λ,λ'∈Λ,λ≠λ'⇒A_λ∩A_λ'=φ
このとき、和集合∪[λ∈Λ]A_λ(=Uとおく)に次のような順序≦を導入します。
 (1)∃λ∈Λ;a,a'∈A_λのときはUの順序はA_λ内の順序≦_λと一致
 (2)a∈A_λ,a'∈A_λ'でλ≠λ'のときはλ<λ'⇒a<a'、λ'<λ⇒a'<a
このように定義した順序≦は確かにU内の順序と成ります。
実際、
 反射律
  a∈Uとすると、∃λ∈Λ;a∈A_λであり、a(≦_λ)aなので、(1)よりa≦a' //
 反対称律
  a,a'∈Uとし、a≦a'∧a'≦aとする。
  もし、a∈A_λ,a'∈A_λ'かつλ≠λ'とすると、
  a≦a'より、λ<λ',a'≦aよりλ'<λが成り立つ。
  すなわち、(λ≦λ')∧(λ'≦λ)∧(λ≠λ')
  従って、Λにおける順序の反対称律より(λ'=λ)∧(λ≠λ')となり矛盾。
  故に、∃λ∈Λ;a,a'∈A_λである。
  このとき、a(≦_λ)a'∧a'(≦_λ)aとなり、≦_λの反対称律よりa=
 推移率
  a∈A_λ,a'∈A_λ',a''∈A_λ''とし、a≦a',a'≦a''とする。
  λ<λ'またはλ'<λ''が成り立てばΛ内の推移律よりλ<λ''が成り立ち、a<a''となる。
  またもし、λ=λ'=λ''であるとすると、a(≦_λ)a',a'(≦λ)a''となり、
  ≦_λの推移律よりa(≦_λ)a''
  故に、a≦a''となる。

153たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:24:05
さらに、この順序≦に関してUは整列集合となります。
実際、MをUの任意の空でない部分集合であるとします。
Λ_M={λ∈Λ|∃a∈M;a∈A_λ]
と定めると、Λ_MはΛの空でない部分集合なので、最小元λ_0が存在します。
また、U_M={a∈U|a∈M∧a∈A_(λ_0)}
と定めると、U_MはA_(λ_0)の空でない部分集合になるので、順序≦_(λ_0)に関して
最小元a_0が存在します。
このa_0がMの最小元になることが以下のように示されます。
a∈Mとすると、∃λ∈Λ_M;a∈A_λ
このλに対し、λ_0≦λであり、a_0∈A_(λ_0)であるので、
λ_0<λならば、直ちに、a_0<a
またλ_0=λであるとすると、a∈U_Mであるから、a_0≦a

154たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:24:32
これで、上に定義した順序≦に関してがUが整列集合になることがわかりました。
実は、このUの順序数はμνとなるのです。
このことは、次のようにして示されます。
 AをordA=μとなる1つの整列集合とすると、∀λ∈Λ;ordA_λ=μなのでA〜A_λ
 故に、∀λ∈Λ;∃f_λ:A→A_λ s.t. f_λは順序同型写像
 ここで、A×ΛからUへの写像fを次のように定めます。
 (a,λ)∈A×Λに対して
  f(a,λ) = f_λ(a)
 このように定めたfは明らかにA×ΛからUへの順序同型写像になります。
 実際、x∈Uとすれば、∃λ∈Λ;x∈A_λ
 f_λはAからA_λへの全射なので、∃λ∈Λ;∃a∈A;f_λ(a)=x
 すなわち、∃(a,λ)∈A×Λ;f(a,λ)=x
 従って、fは全射。
 次に、fが順序単射になっていることを示します。
 (a,λ),(a',λ')∈A×Λに対して、(a,λ)≦(a',λ')であるとすると
 (λ<λ')∨(λ=λ'∧a≦a')
 もしλ<λ'ならf(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ、f(a',λ')=f_λ'(a')∈A_λ'よりf(a,λ)<f(a',λ')
 また、もし(λ=λ'∧a≦a')なら、f(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ,f(a',λ')=f(a',λ)=f_λ(a')∈A_λ
 f_λが順序同型写像であることよりf(a,λ)(≦_λ)f(a',λ')
 f(a,λ)∈A_λ,f(a',λ')∈A_λより≦と≦_λと一致するので、f(a,λ)≦f(a',λ')
 逆に、f(a,λ)≦f(a',λ')とすると、f(a,λ)=f_λ(a)∈A_λ、f(a',λ')=f_λ'(a')∈A_λ'であるので
 λ<λ'またはλ=λ'∧f_λ(a)≦f_λ'(a')
 故に、λ<λ'またはλ=λ'∧f_λ(a)(≦_λ)f_λ(a')
 もしλ<λ'なら(a,λ)<(a',λ')
 また、もしλ=λ'∧f_λ(a)(≦_λ)f_λ(a')ならf_λが順序同型写像であることより
 λ=λ'∧a≦a'となり、(a,λ)≦(a',λ')となる。
 従って、fは順序単射。
 以上よりfはA×ΛからUへの順序同型写像でとなる。
 故に、A×Λ〜UすなわちordU=μνとなる。 //
上に述べたことは、順序数μ、νの積μνは"μをν回加えたもの"であるということを意味します。
ただ、μνは"μをν回加えたもの"であるが、"νをμ回加えたもの"ではないことに注意しなければ
なりません。実際、μ2=μ+μですが、2μは一般にμ+μと等しくありません。

155たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:25:15
順序数の積については以下のことが成り立ちます。
 (4.4) (μν)ρ=μ(νρ)
 (4.5) ν<ν',0<μ ⇒ μν<μν'
 (4.6) μ<μ',0<ν ⇒ μν≦μ'ν

【証明】
(4.4)
 ordA=μ,ordB=ν,ordC=ρとする。
 f:(A×B)×C→A×(B×C)をf((a,b),c)=(a,(b,c))で定めると
 fは順序同型写像になる。
 全射は明らか。
 (A×B)×Cにおける順序を≦_1,A×(B×C)における順序を≦_2とすると
 ((a,b),c)(≦_1)((a',b'),c')⇔(c<c')∨(c=c'∧(a,b)≦(a',b'))
              ⇔(c<c')∨(c=c'∧((b<b')∨(b=b'∧a≦a')))
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨(c=c'∧(b=b'∧a≦a'))
 (a,(b,c))(≦_2)(a',(b',c'))⇔((b,c)<(b',c'))∨((b,c)=(b',c')∧a≦a')
              ⇔((c<c')∨(c=c'∧b<b'))∨((b=b'∧c=c')∧a≦a')
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨((b=b'∧c=c')∧a≦a')
              ⇔(c<c')∨((c=c'∧b<b')∨(c=c'∧(b=b'∧a≦a'))
 従って((a,b),c)(≦_1)((a',b'),c')⇔(a,(b,c))(≦_2)(a',(b',c'))⇔f((a,b),c)(≦_2)f((a',b'),c')
 故に、fは順序同型写像になる。
 よって、(μν)ρ=μ(νρ)が成り立つ。

156たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:25:42
(4.5)
 ordA=μ,ordB=ν,ordB'=ν'とする
 ν<ν'より∃b'_0∈B';B〜B'<b'_0>なので
 ∃f:B→B'<b'_0> 順序同型写像
 g:A×B→(A×B')<(minA,b'_0)>を次のように定める。
 g(a,b)=(a,f(b))
 このように定めたgは順序同型写像になる。
 実際、B<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|(a,b')<(minA,b'_0)}であり、
 b'<b'_0⇒(a,b')≦(minA,b'_0)⇒(a,b')∈(A×B')<(minA,b'_0)>
 またb'=b'_0ならば∀a∈A;minA≦aより、(minA,b'_0)≦(a,b')
 故にB<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|b'<b'_0}={(a,b')∈(A,B')|b'∈W(b'_0)}
 従って、gは全射。
 また、(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
              ⇔(f(b_1)<f(b_2))∨(f(b_1)=f(b_2)∧a_1≦a_2) (∵fが順序単射)
              ⇔(a_1,f(b_1))≦(a_2,f(b_2))
              ⇔g(a_1,b_1)≦g(a_2,b_2)
 従って、gは順序同型写像
 故に、A×B〜(A×B')<(minA,b'_0)>となるのでμν<μν’ //

157たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:26:00
(4.6)
 見通しがよくなるよう一つ補題を用意します
【補題】
 A,BをordA=μ、ordB=νなる整列集合とする。
 このとき、AからBへの順序単射が存在するならばμ≦νである。
【証明】
 AからBへの順序単射が存在する、かつ、μ>νとして背理法を用いる。
 (注:μ<νと仮定できるのは、順序数全体の集合が全順序であることによる)
 仮定より∃f:A→B、fは順序単射
 μ>νより∃a_0;A<a_0>〜B
 故に∃g:B→A<a_0>、gは順序同型写像
 gの終集合をAに拡大した写像をg~とする
 このとき、g~(B)=A<a_0>であり、g~は順序単射である。
 g~f:A→Aを考えるとg~fは順序単射になる。
 実際、a≦a'⇔f(a)≦f(a') (∵fが順序単射)
      ⇔g~(f(a))≦g~(f(a')) (∵g~が順序単射)
      ⇔g~f(a)≦g~f(a')
 ところが、g~(B)=A<a_0>とf(A)⊂Bより
 g~(f(A))⊂g~(B)=A<a_0>
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/489より
 g~(f(A))=g~f(A)なので、g~f(A)⊂A<a_0>
 従って、g~f(a_0)∈A<a_0>={a∈A|a<a_0}
 故にg~f(a_0)<a_0
 然るに、これはhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/915
 の補題2に反する。
 従って、AからBへの順序単射が存在するならばμ≦νである。 //
これを踏まえて、(4.6)を証明します。
ordA=μ,ordA'=μ',ordB=νとします。
このときhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1110808043/115より
A'〜S_μ'なのでA⊂A'となるようにAを取れます。
補題より、A×BからA'×Bへの順序単射が存在することが言えれば(4.8)がいえたことになります。
fを恒等写像I_(A×B)の終集合をA'×Bに拡大した写像だとするとfは明らかに順序単射になるので、
μν≦μ'νとなる。 //

158たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:26:49
(4.6)において"μν≦μ'ν"の等号を省くことは一般にはできません。
例えば、1ω=2ωとなります。

また、一般に交換律μν=νμは成り立ちません。
例えば、ω2≠2ωとなります。
【証明】
 定義よりord(N×2)=ω2,ord(2×N)=2ω
 f:2×N→(N×2)<(1,2)>を次のように定める。
 f(1,n)=(2n-1,1),f(2,n)=(2n,1)
 このように定めたfは2×Nから(N×2)<(1,2)>への順序同型写像になる。
 実際、(N×2)<(1,2)>=N×{1}であることよりfは明らかに全射。
 また、i,i'∈{1,2}として
 (i,n)≦(i',n')⇔(n<n')∨(n=n'∧i≦i')
 n<n'ならば2n-1<2n<2n'-1<2n'より、iの値に関わらずf(i,n)≦f(i,n')
 n=n'∧i≦i'ならばf(1,n)<f(2,n)より明らかにf(i,n)≦f(i,n')
 逆に、f(i,n)≦f(i',n')とすると、f(i,n)=(2n-2+i,1)なので
 (2n-2+i,1)≦(2n'-2+i',1)
 ∴2n-2+i≦2n'-2+i'
 ∴2(n'-n)+(i'-i)≧0
 -1≦i-i'≦1なので
 n'≧nでなければならない。
 n'>nのときiの値に関わらず、2(n'-n)+(i'-i)≧0が成り立つ。
 n=n'のときi'-i≧0となりi≦i'となる。
 従って、(i,n)≦(i',n')
 これで、fが順序同型写像となることがわかった。
 故にω2>2ω //

159たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:27:13
また、順序数の和と積について次の'左分配律'が成り立ちます。
 (4.7) ρ(μ+ν) = ρμ+ρν
【証明】
 ordA=μ,ordB=ν,ordC=ρ,A∩B=φとする。
 このとき、C×(A∪B)から(C×A)∪(C×B)への順序同型写像が存在することを示せばよい。
 分かりやすいようにC×(A∪B)における順序を≦_1,(C×A)∪(C×B)における順序を≦_2とする。
 f:C×(A∪B)→(C×A)∪(C×B)をf(c,x)=(c,x)で定めると
 このように定めたfは順序同型写像になる。
 実際、全射は明らか。
 (c,x)(≦_1)(c',x')とすると
 (x<x')∨(x=x'∧c≦c')
 x∈A,x'∈Bのときは(c,x)∈(C×A)、(c',x')∈(C×B)となるので、
 f(c,x)(≦_2)f(c',x')
 x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、明らかに(c,x)(≦_2)(c',x')
 逆に、f(c,x)(≦_2)f(c',x')⇔(c,x)(≦_2)(c',x')とする。
 (c,x)∈(C×A)、(c',x')∈(C×B)のときは
 x∈A,x'∈Bとなるのでx<x'
 従って、(c,x)(≦_1)(c',x')
 また(c,x),(c',x')∈(C×A)または(c,x),(c',x')∈(C×B)のときは
 (c,x)(≦_2)(c',x')より明らかに(c,x)(≦_1)(c',x') //
 
注意:'右分配律'(μ+ν)ρ=μρ+νρは一般には成り立ちません。
例えば、ω=2ω=(1+1)ω≠1ω+1ω=ω+ω=ω2

160たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/03(金) 01:31:38
担当終了ー。
なんか、こまごまと書いてたら、未曾有の長さになってしまいますたw
流れだけ掴んだら、途中の細かい証明は読み飛ばしちゃったらいいと思われます。
なんていうか、自分で読み返す気にもなれないw

とりあえず質問、つっこみ、罵詈雑言などあればなんでもどぞー。

161臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/04(土) 23:42:52
たま氏すご・・・・とにかく乙です。
がんばって読みまつ

162Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:08:05
>>147
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像がf,gと二つあれば,
任意のAの元aに対してA<a>〜B<f(a)>,A<a>〜B<g(a)>.
よってf=gってのが
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/920
に.

>この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。
そうです.

163Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:08:11
>>147
整列集合Aから整列集合Bへの順序同型写像がf,gと二つあれば,
任意のAの元aに対してA<a>〜B<f(a)>,A<a>〜B<g(a)>.
よってf=gってのが
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/920
に.

>この場合だけ示せば、>>133によりA⊂A'ではない場合もOkってことですね。
そうです.

164Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:10:52
>たまちゃん
乙でした.以下コメントです.

>>148-149
おk.

>>150
>b=b"ならばBにおける順序の反射律より
> b≦b"、b"≦b
正確には「順序の反射律と「=」の対称律より」ですね.
あとは了解.

>>151
注3は、mn個からなる整列集合は順序同型を除いて1つしかないことによるわけですね.
あとは了解.

>>152-153
おk

165Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:12:31
>>154
fが全射であることの証明中の
>f_λはAからA_λへの全射なので、∃λ∈Λ;∃a∈A;f_λ(a)=x
∃λ∈Λはなくていいですね.

>実際、μ2=μ+μですが、2μは一般にμ+μと等しくありません
ω2=ω+ωで2ω=ωってわけですね.N^({★,☆}×N)の元fをf(★,i)=2i-1,f(☆,i)=2iとして
定義すれば,fが順序同型写像になると.

>>155
おk

>>156
えー.言いたいことは全部伝わりましたが,記号の書き間違いが結構目立つというか
気になりますね.

>>157
あ,「順序数全体の集合」とはケンノンな.ここは,「整列集合の比較定理
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/)
を理由にすべきでは.
あとはおk.見事な証明ですね.

166Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:13:09
>>158
ありゃ.>>154に対する僕のコメントはココにかかれたあったか.
逐次的に読んでは,コメントかいてるもので,すんません.

>>159
>全射は明らか.
はは.fの始集合と終集合は集合としては同じだから,fはアイデンティティマップ
だもんねー.

>x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、明らかに(c,x)(≦_2)(c',x')
「x,x'∈Aまたはx,x'∈Bのときは、x=x',x<x'の別に応じて,
それぞれ(c,x)(=_2)(c',x'),(c,x)(<_2)(c',x')」
かなあ.「明らか」の使用を避けるなら.
fが順序単射になってることの証明も,こんな風に書けば「明らか」は
使わずに済みますね.

さて,冪はどうしよう.三章四節の問題10と問題11を演習スレにでも貼って
五節へ進みますか.次の人が担当してもいいけど.

五節(まえせつとAかな),あるいは順序数の冪,臺地くんか裏画像氏,担当しますか?

167Мечислав(☆9) ◆QRDTxrDxh6:2005/06/09(木) 14:16:10
うー.かちゅ〜しゃがヘンだ.
書き込みしたらたったひとこと「エラー」とだけ警告が出る.
出るんだけども,実は書き込めてるみたい.
>>162-163の連書きは,このためですm(_ _)m

168たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/09(木) 18:59:48
>>164
>正確には「順序の反射律と「=」の対称律より」ですね.
「=」の対称律をどう使うのかいまいちわかんないです。
反射律よりb≦bでb=b"だから、右辺または左辺のbをb"にしてもよくて、
b≦b",b"≦bって感じで考えたんですけど。

>注3は、mn個からなる整列集合は順序同型を除いて1つしかないことによるわけですね.
そです。そういえばよかったんですね。

>>165
>>156はちょっと書き間違えがひどいですね。
きっとながなが打ってたから疲れていたんです。と、言い訳してみたりw
書き直しをはっときます。

(4.5)
 ordA=μ,ordB=ν,ordB'=ν'とする
 ν<ν'より∃b'_0∈B';B〜B'<b'_0>なので
 ∃f:B→B'<b'_0> 順序同型写像
 g:A×B→(A×B')<(minA,b'_0)>を次のように定める。
 g(a,b)=(a,f(b))
 このように定めたgは順序同型写像になる。
 実際、(A×B')<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|(a,b')<(minA,b'_0)}であり、
 b'<b'_0⇒(a,b')<(minA,b'_0)⇒(a,b')∈(A×B')<(minA,b'_0)>
 またb'=b'_0ならば∀a∈A;minA≦aより、(minA,b'_0)≦(a,b')
 故に(A×B)<minA,b'_0>={(a,b')∈(A,B')|b'<b'_0}={(a,b')∈(A,B')|b'∈B'<b'_0>}
 従って、gは全射。
 また、(a_1,b_1)≦(a_2,b_2)⇔(b_1<b_2)∨(b_1=b_2∧a_1≦a_2)
              ⇔(f(b_1)<f(b_2))∨(f(b_1)=f(b_2)∧a_1≦a_2) (∵fが順序単射)
              ⇔(a_1,f(b_1))≦(a_2,f(b_2))
              ⇔g(a_1,b_1)≦g(a_2,b_2)
 従って、gは順序同型写像
 故に、A×B〜(A×B')<(minA,b'_0)>となるのでμν<μν’ //

169たま ◆U4RT2HgTis:2005/06/09(木) 19:10:06
>>165
>あ,「順序数全体の集合」とはケンノンな.ここは,「整列集合の比較定理
>(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/)
>を理由にすべきでは.
ぉ。ほんとだ。「順序数全体の集合」って、こんな危ういことかいちゃダメですね。

>>166
>>159はちと「明らか」を使いすぎでしたね。
なんかこの辺そろそろ面倒くさくなってきてたもんで(;´Д`)

170臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/10(金) 21:24:52
>>162
納得です。

>>166
ごめんなさい一週間も経ったのにまだたま氏の分も読めてないです。。
なんとか追いつきたいですが・・・。

171臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/19(日) 21:56:01
>たま氏
遅くなってマジすみません!!謝^n

>>150推移律 
>もし、b≦b"なら直ちに(a,b)≦(a",b")が成り立つ。
b<b'ですね。

あとは理解しました。先生もおっしゃってましたが>>157の補題がすげーです。よく思いつきましたね
あと>>158の証明も感服しますた。

最近疲弊していて今週は担当ムリポです。ああなんかスレの進度が去年と同じパターソに突入している・・・
なんとか打破したいです誰か助けて

172臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:31:15
踏ん張り所!

第3章 順序集合,Zornの補題
§4 順序数
C) 順序数の演算―【整列積、冪】

本文では順序数の冪には触れていませんが、4節演習問題10番11番では取り扱っているので
ここで説明しようと思います。まずは整列集合の直積集合に順序を定義します。

(A_α)_α∈Λを、整列集合Λを添数集合とする集合族とし、各A_αはe_αを最小元とする整列集合とする。
ここで、直積Π_[α∈A]A_αの元a=(a_α)_α∈Λで、Λの高々有限個の元αを除けばa_α=e_α
であるようなものを考え、そのようなa全体の作るΠ_[α∈A]A_αの部分集合をAとする。
つまりA={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}

Aの相異なる2元a=(a_α)、a'=(a'_α)をとる。
a_α≠a'_αとなるαは有限個しか存在しないから、β=max{α∈Λ|a_α≠a'_α}が存在する。(注1)
このとき、
a_β<a'_βならばa<a'
a_β>a'_βならばa>a'
のように、写像a、a'の間に順序を定義する。

このようにAに順序を導入すると、この順序についてAは整列集合となる。(注2)

173臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:32:08
イメージがわかないので具体例を。
Λ=N、A_α={1,2,・・・,α}としてみます。e_α=1 for all αです。このとき、
A={a∈ΠA_α|card({α∈N|a_α≠1})<cardN}。
α=2,3,4に対してはa_α=α、その他のα∈Nに対してはa_α=1で写像a∈Aを定義します。
α=4,5に対してはa'_α=α^2、その他のα∈Nに対してはa'_α=1で写像a'∈Aを定義します。
このときaとa'はどちらが大きいか調べて見ましょう。
β=max{α∈Λ|a_α≠a'_α}=max{2,3,4,5}=5です。a_5=1、a'_5=25よりa_5<a'5、よってこの場合a<a'です。

注1、注2の証明とかまた後で。というか出来ないかもしれないのでその場合他の方に○投げしますw

174臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/06/22(水) 01:51:52
【定義】―整列積
上に書いたことを用いて順序数の整列積を定義する。
順序集合Λを添数集合とする順序数の族(μ_α)_α∈Λが与えられたとき、各αに対してord A_α=μ_αである
ような整列集合A_αを取り、集合族(A_α)α∈Λを構成する。これから、上のようにして作った整列集合Aの
順序数を、(μ_α)_α∈Λの整列積Π_[α∈Λ]μ_αと定義する。特に、∀α∈Λ;μ_α=μであって、ord Λ=νであるとき、Π_[α∈Λ]μ_αをμ^νと書く。これが順序数の冪の定義である。

(注3) Λ={1,2}とすると、Π_[α∈Λ]μ_αは>>148-149で定義したμ_1μ_2に一致する。

(注4) 
冪の演算に関して、次の指数法則が成立。
(4.8)μ^ν*μ^ρ=μ^(ν+ρ)
(4.9)(μ^ν)^ρ=μ^(νρ)
ただし、(μν)^ρ=μ^ρ*ν^ρは一般には成立しない。

175Мечислав(☆10) ◆QRDTxrDxh6:2005/08/31(水) 01:30:34
えー。臺地が近々つづきをかくそうです。

176臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/08/31(水) 01:31:30
本当にゴメンナサイ
9月こそ頑張る所存です

177臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/07(水) 22:38:56
>>172
(注1)
【証明】
{α|a_α≠a'_α}⊂{α|a_α≠e_α}∪{α|a'_α≠e_α}で右辺は仮定より有限集合だから、
左辺は有限集合であり、しかも整列集合Λの部分集合なので整列集合。よって>>102
操作を考えれば、左辺に最大元が存在することがわかる。

(注2)
以下を利用(2節演習問題2番)
【補題】
順序集合Aの元の列(a_n)_n∈Nで、a_1>a_2>a_3>・・・>a_n>・・・となるものをAにおける降鎖という。
Aが全順序集合の場合、Aが整列集合⇔Aにおける降鎖は存在しない である。

【補題の証明】
対偶:Aにおける降鎖が存在⇔Aは整列集合でない を示す。
(⇒)
Aにおける降鎖(a_n)_n∈Nが存在したとすると、Aの部分集合{a_n|n∈N}には最小元が存在しない。
よってAは整列集合でない。
(←)
Aが整列集合でないと仮定すると、Aのとある部分集合B(≠φ)には最小元が存在しない。
よって任意のBの元bに対して、M_b={x∈B|x<b}は空でないから、選択公理により
∀b∈B;Φ(b)∈M_bとなる写像Φが存在する。Bから一つの元b_0を選び、n≧1に対して
b_n=Φ(b_(n-1))でBの元の列(b_n)_n∈Nをつくると、これはAにおける降鎖である。
以上より補題が示された。

【注2の証明】
上の補題により、A={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}に降鎖が存在しないこと
示せばよい。背理法を使う。つまり、Aに降鎖a^(1)>a^(2)>・・・>a^(n)>・・・が存在するとして
矛盾を導く。注1により、{α|a^(n)_α≠e_α}(a'=eとした)には最大元が存在するが、それをα_n
とおく。するとα_1≧α_2≧・・・≧α_n≧・・・である。なぜなら、たとえばα_1<α_2とすると
max{α|a_α≠a'_α}=α_2で、α_1より大きなαに対してはa^(1)_α=e_αであるから
a^(1)_(α_2)<a^(2)_(α_2)つまりa^(1)<a^(2)となり矛盾。したがってα_1≧α_2となる。他の場合も同様。

ところが、{α_n|n∈N}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_n)は降鎖でない。
したがってあるn0∈Nが存在してα_n0=α_(n0+1)=・・・=α_(n0+n)=・・・となるしかない。
この値をα~とおく。
ここで、Aでの降鎖の存在の仮定より、a^(n0)>a^(n0+1)>・・・>a^(n0+n)>・・・であったが、
これはAでの順序の定義より、a^(n0)_α~>a^(n0+1)_α~>・・・>a^(n0+n)_α~>・・・ということ。・・・*
しかるにこれは整列集合A_α~における降鎖の存在を主張するものであるから、補題に矛盾。
したがってAには降鎖は存在しない。つまり、Aは整列集合である。(証明終わり)

178臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/07(水) 22:42:23
はっきり言って自力では出来ませんでした・・・後ろの答えを写しまくりました。
しかも*の部分はなんでかいまだにわかりません。
a^(n0)_α~=a^(n0+1)_α~であっても、α~よりちょっと小さなαで
a^(n0)_α>a^(n0+1)_αってなっていればa^(n0)>a^(n0+1)じゃないかと。
うーん・・・

179たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 00:04:20
オヒサシブリですw

>>178
>a^(n0)_α~=a^(n0+1)_α~であっても、α~よりちょっと小さなαで
>a^(n0)_α>a^(n0+1)_αってなっていればa^(n0)>a^(n0+1)じゃないかと。
ほんとだ。解答読んだとき気づかんかった。

とりあえず、自分で解いた解答を晒してみる。。

証明
MをAの空でない任意の部分集合とする。
e=(e_α)_(α∈Λ)とすると、e∈MのときはminM=eとなる。
故にe∈M^cのときにMに最小元が存在することを示せばよい。(「含まない」の記号が出ないorz)
a∈A-{e}に対してβ_a=max{α∈Λ|a_α≠e_α}と定義する。
また、Λ_M={β_a|a∈M}とおく。
Λ_MはΛの空でない部分集合なのでminΛ_Mが存在する。それをβ_0とおく。
次に、N={a∈M|β_a=β_0}とおくと、Nは当然空ではないので、
pr_(β_0)(N)はA_(β_0)の空でない部分集合である。
A_(β_0)は整列集合なので、min(pr_(β_0)(N))が存在する。
すなわち、∃b∈N s.t. pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))
このbがMの最小元となる。
実際、β_0はΛ_Mの最小元なので、∀a∈Mに対して、β_a≧β_0であり、
b∈Nよりβ_b=β_0であるので、∀a∈Mに対してβ_a≧β_bである。
β_a>β_bであれば、b_α≠a_αなる最大のαはβ_aであり、
β_aの定義より、b_(β_a)=e_(β_a)、a_(β_a)≠e(β_a)となるので、a>b
また、β_a=β_bであれば、a,b∈Nとなるので、
pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))であることからa_(β_0)≧b_(β_0)であり、
a≧bが成り立つ。 //

180たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 00:11:37
おかしい所あったら指摘ヨロ。
久しぶりだから自分のノート見直すのに時間かかった。

自分でノート書くのと自分のノートを見るのは大違いだと改めて実感しました。
この前、自分ですごい明解なイメージができた、と思って嬉々としてノートとったとこを見直したら、
どこが明解なのかさっぱり分からなくてビックリしましたw

181臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/08(木) 02:07:57
>>179
a_(β_0)≧b_(β_0)⇒a≧bは必ずしも言えないのではないでしょうか。
a_(β_0)=b_(β_0)の場合だったら、結局aとbの大小はβ_0より小さな元を調べない限り
わからないと思います。


Λ=N,e_α=1,A_α⊂N
α : 1  2  3  4  5  6  7  8
━━━━━━━━━━━━━━━━━
a  : 1  1  2  2  1  1  1  1
b  : 2  9  1  2  1  1  1  1
c  : 1  1  1  3  1  1  1  1
d  : 3  5  1  1  4  1  1  1

α=8以上の場合、写像a〜dのどれもがαを最小元1に写す。
こんな感じのΠ_[α∈N]A_αの部分集合{a,b,c,d}を取ってきます。
β_0=4、min(pr_(β_0)(N))=2です。
>∃b∈N s.t. pr_(β_0)(b)=min(pr_(β_0)(N))
に該当する写像は、上の図の場合a、bの二つがあり、さらにaとbの大小を決定する必要があります。
b_(β_0)≧a_(β_0)(ていうかともに2で等しい)ですが、この場合はα=3のときの様子よりb<aです。

この問題難しい・・・

182たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 02:19:16
>>181
あぁほんとだ。同じ間違いして他から気づかんかったんか。
もうちょっと考えて見ます。

183たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/08(木) 13:52:05
これでどうだ!文字が多すぎて分かりにくかったらスマソ。

【補題】
順序集合Aの元の列(a_n)_n∈Nで、a_1>a_2>a_3>・・・>a_n>・・・となるものをAにおける降鎖という。
Aが全順序集合の場合、Aが整列集合⇔Aにおける降鎖は存在しない である。

【注2の証明】
上の補題により、A={a∈ΠA_α|card({α∈Λ|a_α≠e_α})<cardN}に降鎖が存在しないこと
示せばよい。背理法を使う。つまり、Aに降鎖a^(1)>a^(2)>・・・>a^(n)>・・・が存在するとして
矛盾を導く。注1により、{α|a_α^(n)≠e_α}には最大元が存在するが、それをα_1^(n)
とおく。するとα_1^(1)≧α_1^(2)≧・・・≧α_1^(n)≧・・・である。

ところが、{α_1^(n)|n∈N}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_1^(n))は降鎖でない。
したがって∃n1∈Nが存在してα_1^(n1)=α_1^(n1+1)=・・・=α_1^(n1+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_1とおく。
ここで、Aでの降鎖の存在の仮定より、a^(n1)>a^(n1+1)>・・・>a^(n1+n)>・・・であったが、
これはAでの順序の定義より、a_(β_1)^(n1)≧a_(β_1)^(n1+1))≧・・・≧a_(β_1)^(n1+n)≧・・・ということ。
{a_(β_1)^(n1+n)|n∈N}は整列集合A_(β_1)の部分集合なので、(a_(β_1)^(n1+n))は降鎖ではない。
したがって∃n2'∈Nが存在してa_(β_1)^(n2')=a_(β_1)^(n2'+1)=・・・=a_(β_1)^(n2'+n)=・・・となる。
さらに注1により、{α|(a_α^(n)≠e_α)∧(α<β_1)}(n≧n2')には最大元が存在するが、それをα_2^(n)とおく。・・・(注)
するとα_2^(n2')≧α_2^(n2'+1)≧・・・≧α_2^(n2'+n)≧・・・である。
ところが、{α_2^(n)|n∈N,n≧n2'}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_2^(n))は降鎖でない。
したがって∃n2∈Nが存在してα_2^(n2)=α_2^(n2+2)=・・・=α_2^(n2+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_2とおく。

このように、∃β_kがあって、α>β_kでa_(α)^(nk)=a_(α)^(nk+1)=・・・=a_α^(nk+n)=・・・
であるような、降鎖a(n)の部分列(a_(nk+n))があるとき、a(n)が降鎖であることより
a_(β_k)^(nk)≧a_(β_k)^(nk+1))≧・・・≧a_(β_k)^(nk+n)≧・・・となる。
{a_(β_k)^(nk+n)|n∈N}は整列集合A_(β_k)の部分集合なので、(a_(β_k)^(nk+n))は降鎖ではない。
したがって∃n(k+1)'∈Nが存在してa_(β_k)^(n(k+1)')=a_(β_k)^(n(k+1)'+1)=・・・=a^(n(k+1)'+n)=・・・となる。
注1により、{α|(a^(n)_α≠e_α)∧(α<β_k)}(n≧n(k+1)')には最大元が存在するので、それをα_(k+1)^(n)とおく。
するとα_(k+1)^(1)≧α_(k+1)^(2)≧・・・≧α_(k+1)^(n)≧・・・である。
ところが、{α_(k+1)^(n)|n∈N,n≧n(k+1)'}は整列集合Λの部分集合ゆえ、整列集合であるから、(α_(k+1)^(n))は降鎖でない。
したがって∃n(k+1)∈Nが存在してα_(k+1)^(n(k+1))=α_(k+1)^(n(k+1)+2)=・・・=α_(k+1)^(n(k+1)+n)=・・・となるしかない。
この値をβ_(k+1)とおく。
すると、α>β_(k+1)でa_(α)^(n(k+1)=a_(α)^(n(k+1)+1)=・・・=a_α^(n(k+1)+n)=・・・となる。
このようにして、β_kとnkからβ_(k+1)とn(k+1)を定めることが出来る。

このようにして作った(β_k)_(k∈N)はβ_kの作り方から、
β_1>β_2>・・・>β_k>・・・となるが、これはΛにおける降鎖であり、Λが整列集合であることに反する。
したがって、Aに降鎖は存在しない。すなわち、Aは整列集合である。 //


(注)注1が保証しているのは{α|(a^(n)_α≠e_α)∧(α<β_1)}が空でないときその最大元が存在することである。
 よって、{α|(a_α^(n)≠e_α)∧(α<β_1)}が空でないことを言っておかないといけない。
 背理法によってこれを示す。
 {α|(a^(m)_α≠e_α)∧(α<β_1)}=φであるようなm(>n2')が存在したとすると、
 ∀α<β_1においてa_α^(m)=e_αとなるが、
 α>β_1においてはa_(α)^(n2')=a_(α)^(n2'+1)=・・・=a_(α)^(n2'+n)=・・・となるので、
 a(m)>a(m+1)を満たすようなa(m+1)は存在しない。したがって、a(n)が降鎖であることに矛盾。
 よって、∀n>n2'に対して{α|(a^(m)_α≠e_α)∧(α<β_1)}≠φ

184臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/09(金) 00:34:26
うお。がんばって読むのでしばらくお待ちを・・・

185たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/09(金) 00:42:05
>>177の証明でα~まで引き下げて矛盾がでないんなら、もっと引き下げたら矛盾がでるだろうって方針です。

186臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/09(金) 00:52:23
なるほど。たしかにminΛまで全てチェックして整列してしまえばいいですよね。
しっかし>>177の*って結局本の解答マチガイなのだろうか。うーん間違ってるとは
思えないんですが・・・。ひさしぶりにやると全然勘が働かない

187たま ◆U4RT2HgTis:2005/09/09(金) 01:02:36
間違いでいい気がするけど、これだけ代表的な本の間違いは全て訂正されてそうだしなぁ。
まぁでも、自分を信じようw

188Мечислав(☆10) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 04:57:42
著者の間違いを発見できた臺地くん、
それを訂正できたたまちゃん、
お見事です。

順序数の族の整列積の定義には、別の流儀もあります。
いわば帰納的に定義するのですが,説明には結構字数が要ります。
数レスではすまず、二十レスくらい要りそうです。
別スレを立てるほどではないのでここに書くのが適当なのですが、
一度に書くのはチョットしんどいので、不定期連載みたいな形式に
させてもらえませんかね。実はいっぺんに書こうとしたンですが
書くほうも辛いし、読むほうだって辛かろうとおもいまして。

189Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:53:49
【整列積の別の定義】その1
まずは準備です。9ちゃんが、前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/14

    ある集合Aとものaを考えるとき、
    「a∈A または a??A のいずれか一方のみが成立し、
    両方同時に成立したり、両方同時に不成立であったりしない」場合に限って、
    Aを”集合”と呼んでよいことにします。
と集合を定義していますが,この定義だと,禁忌であった集合全体の集まりとか
順序数全体の集まりなども集合にしなくてはいけないことになります。
しかしこれらを集合のうちに含めるとおかしなことになってしまうことは
すでに見ました。
cf>http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/551,
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1110808043/130

190Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:54:21
【整列積の別の定義】その2
そこで,これら集合全体の集まり,順序数全体の集まりのような,
ある対象がその集まりに属するか否かの一方のみが成立し,両方同時に成立したり,
不成立だったりはしないが,集合と考えると不都合が起こるものにも名前をつけよう
という試みがありました。フレンケルやノイマンによる試みです。このような
数学的にはっきりしていると考えられる集まりを領域と呼ぶことにし,集合の
話のときと同じように,領域に対して,部分領域,和領域,積領域,関係,写像等の
概念を導入し,いくつかの公理を仮定しようと言うわけです。集合も領域のうちの
ひとつです。X,Yが領域でX∈Yが成り立つYが存在するとき,Xを集合とするわけです。
仮定された公理からは例えば領域Xが集合ならXの部分領域だの積領域だのも集合,
A,Xを集合としたときの族(X_α)_[α∈A]が与えられたとき,これらの和領域,積領域
も集合である,等の命題が導かれます。こうして集合論を公理的に展開しようという
わけです。その公理系の無矛盾性も問題となるのですが,それは数学基礎論の範囲です。

191Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/09/17(土) 05:54:54
【整列積の別の定義】その3
この"領域"という術語を用いると,
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/761
で苦し紛れに定義した濃度の概念も
  集合全体の領域U(←なんと「宇宙」とか‘universe’と名づけられてるそうです)
  の2つの元A,Bに対し,AからBへの全単射が存在するとき,A〜Bと定めると,
  〜はU上の同値関係であり,〜によってUを類別したときの各M(∈U)の同値類をcard(M)
  と書き,Mの濃度である
と定義したりもできます。

えー、今日はここまでにします。べつに領域などを導入しなくっても
整列積の別の流儀は説明できそうなんですけど,まあちょっとした紹介がてら
書いてみました。

>臺地
その4を待ったりせずにどんどん書き込んでくださって結構ですよ。

192臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/09/19(月) 00:53:05
>>183
まだお待ちを・・・

>>189
もともとの出発点としての集合の位置づけはそうだったのか。あらためて確認しました。

>>190
’領域’か・・・「数学的にはっきりしている集まり」って表現がいかにも扱いにくそうって感じを
出してますね。これからどう展開されるかに期待

193たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/10(土) 11:20:53
再開させようと思う今日この頃。§5からゆっくり書き始めますね。

実を言うと先に最後まで読み切りました。
問題も一応全部やったので、問題の解答集とかも暇になったら作るかもしれないけど予定は未定です。

194臺地 ◆6rqpPuO9q2:2005/12/11(日) 19:41:24
>>193
よろしくお願いします。俺は結局順序数の冪で挫折しましたorz
いろいろと忙しいはずなのに、どのように時間を見つけて読んだか教えてくだされ・・・
ついでにその気力を分けて欲しいです

195たま ◆U4RT2HgTis:2005/12/11(日) 21:22:41
>>194
実はそんなに忙しくないだけっていう・・・
実験のレポートが鬼めんどくさいのを除けば、後期は授業12コマしか出てないんで。
空いた時間に図書館でちょっとずつやりました。
気力は・・・あるのかわかんね。ゆっくりやってまふ。

196うどん ◆csFiRniTeg:2006/01/08(日) 05:30:54
こんな時間ですが質問です。

≦を<∨=で定義しても、<を≦∧≠で定義しても
どっちでもいいみたいなんですが、これは何故なんでしょう?

197たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/08(日) 23:02:10
>>196
順序として普通に定義されるの≦で、<はあくまで≦を使って定義される、すなわち≦∧≠であって、
<∨=で≦を定義してもよいっていうよりはむしろ<∨=は実ははじめに定義した≦の定義
と一致しているので、≦の変わりに<∨=を考えてもよいってな感じだと思います。
これは、
反射率より、a=b⇒a≦bが成り立つので
a≦b⇔a≦b∧(a≠b∨a=b)
  ⇔(a≦b∧a≠b)∨(a≦b∧a=b)
  ⇔(a≦b∧a≠b)∨a≦b
  ⇔a<b∨a≠b  //
より言える。というのではだめですかね?

198Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/09(月) 02:23:42
>>197
えー、おひさ。

ラメさんの>>196の問題提議は
ある公理を満たすような関係<を定義し、
それから<∨=⇔≦と定義すると
関係≦は順序になっていて、その順序になった「≦」
から<⇔≦∧≠と関係「<」を定義すると「<」と「<」は一致する。。。
という話ではないでしょうか。

↑そのことを原稿にしましたんで「て」にうpしときます。
「て」のドキュメントのなかの「演習/集合位相入門note.pdf」です。
そのファイルの*6,*7,*8あたりに≦と<のカンケーについて書いておきました。
*35でN∪{ω}に順序を入れるとき*6-*8みたいな事を考えないで
順序がはいるものなのでしょうか。。

199たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/09(月) 04:02:52
>>198
そういうことかorz
原稿の*6-*8あたり目を通しました。面白かったです。
「<」の公理から出発して順序を定義することもできるんですね。

*35はNの元a,bに対してはa≦bを通常のNの大小に従って定め、
Nのすべての元xに対してx≦iかつ¬(i≦x)であると定め、i≦iと定める。
とかだとうまくいくかな。ちょっとせこい感じがするけど。

200Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/09(月) 04:15:19
>>199
うん。そう定めておけばいいのに、
テキストではすべてのNの元xに対して
x<iとするとしかいってないので、
それだと「明らかに整列集合」どころか
順序が入ってるのかどうかすら明らかじゃない、
*6-*8みたいな議論をしなくちゃいかんように思えて。

順序ってのはもともと数の大小を抽象的に扱おうとしたわけだから
≦が<または=だってのはまあ当たり前だという気分はわかるんだけど
<を≦∧≠だと定めてしまった以上、*6-*8の議論は必要ですよねえ。

201あしぺた:2006/01/09(月) 04:45:53
なるほど!天才ですね!!
普通にその箇所読み流してました!
眼が悪いので読み流すくせがついてるわけですが
頭のなかで咀嚼することは出来たはずであります!

202うどん ◆csFiRniTeg:2006/01/10(火) 00:33:47
>>199
元はといえば先生からの問題提起でして、俺がよく理解できてなかったため
誤解を生む質問の仕方をしてしまったようです。スマソ・・・

203Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/10(火) 01:28:07
「て」にうpした原稿、三章二節B、切片と超限帰納法の部分追加うp。
徐々に追いついて、整列積の別定義ができたころに、テキスト版うp
することにしよう。

204あしぺた:2006/01/10(火) 04:42:38
超限帰納法:
P:整列集合の部分集合
小さな元全部Pに入ってるならその元も入ってる
ときに
全部の元入ってる


整列集合とは限らない集合に関して超限帰納法の一般化を考えてみましたが、
良い案が浮かびません


ところで
実数体での整列順序を入れる具体例が分かれば、
超限帰納法が使えるので、
実数に関する命題を証明するのに役立つかな
と思ったのですが、
そういった具体的構成を発見するのは恐らく不可能とのことです

205Je n'ai pas de nom!:2006/01/15(日) 01:31:16
>>200
改めて考えて思ったんですが、テキストの定義にi≦iだけ補えばちゃんと順序集合になるんじゃないでしょうか?
えっと、実際テキストではiはNのどの元とも異なる元と定めると書いてあるので、
任意の自然数nに対してn<iと定めるってのは、任意の自然数nについてn≦iと定めるって意味で書いてると解釈して。

実際、任意のN∪{i}の元xに対してx≦iと定めれば
まず任意のx∈N∪{i}に対してx≦x
x≦yかつy≦zとすると、x,y,zがすべて自然数の場合は当然x≦z
z=iのときは、iの定義よりx≦z
y=iであるとすると、i≦zという関係が定義されているのはz=iのときだけであり、このときi定義よりx≦z
x=iなら同様にy=i,z=iのときしか定義されておらず、このときx≦z
また、x≦yかつy≦xとすると、x,yがともに自然数ならば当然x=yで
xまたはyがiならば、x=y=iのときしか仮定は定義されておらずこのときx=y
よって、N∪{i}は順序集合となる。

206たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/15(日) 01:35:30
>>205は僕です。途中で書き込み押してしまったorz

えっと、>>204に書いた見たいにうまくいくんじゃないかと思いました。
この場合、先生の<から定義した順序との違いは、
<からの定義ではx∈Nに対して¬(i≦x)が成り立つが、
204の定義では¬(i≦x)が成り立つかどうかは考えていないってとこです。

どうでしょ?

207たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/15(日) 01:37:18
ああー、2行目と3行目は204じゃなくて205ですねorz
最近注意力散漫だ。

208Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 17:21:15
なるほどi≦i追加で順序になりますね。
順序になるんだったら線形順序になるから
x∈Nに対して¬(i≦x)もおkじゃないですか?
xとiはx≦iでx≠iだからx<i、よって¬(i≦x)ってわけで。

209たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/21(土) 21:09:17
>>208
あーほんとですね。確かに。
うーんと、これ考えてたらまたちょっと気になることが。
i≦iを追加して順序にした体系で¬(i≦x)が成り立つのは"≦が順序である"っていう性質によるじゃないですか?
ていうのは、実際i≦xを示すには、i≦xを仮定して、x≦iと合わせると、推移率よりi=xとなりi≠xに矛盾するってやるわけで。
でも、≦は確かに順序の公理を満たしてはいるけれど、ただの関係であると思ってしまえば、i≦xを仮定したみたところで、
それがどうしたの?って感じですよね。だって、推移率が使えるのは≦は順序の公理を満たす関係であるっていう性質を使っている
わけだから。
そう考えると、ある関係≦が順序の公理をを満たしているってことと、ある関係≦が順序である(あるいは、ある関係が順序の公理を
満たすような関係である)ってことの間にはギャップがあると思うんです。
で、このことを踏まえると、具体的に関係を入れて順序集合を構成しようと思うときはやっぱり、先生がやったように、
<∧=を順序にするのが論理的にギャップがなくていいのではないかと思いました。
テキストの順序の定義では「ある関係Oが順序の公理を満たすとき、Oを順序と呼ぶ」と書いてありますが、これも細かいですが
「順序の公理を満たすような関係Oを順序と呼ぶ」と書いたほうがいいのかなと思いました。

うーん、これでうまく伝わるのかなぁ(;´Д`)

210Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/21(土) 22:08:54
>>209
「ある関係Oが順序の公理を満たしている」…(1)

「ある関係Oが順序の公理を満たすような関係である」…(2)
の間にギャップがあるという主張ですか?

えーっと、(1)と(2)の違い、もう少し詳しく言ってもらえないでしょうか。

集合AにA上の関係Oが与えられて、そのOが順序の公理を
満たしているということ(3)と
集合Aと順序の公理をみたすA上の関係Oをセットで考える(4)
ということにはギャップがあるってことなのかな。

(3)の段階で(A,O)を順序集合といってしまうのは少々乱暴で、
(3)の状況下はOは順序の公理を満たしているから
改めてAとOの組を順序集合と呼ぶと宣言しなければ
(4)と同じにならないってかんじなのかな。

211たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/21(土) 22:50:19
>>209
4行目の推移率は反対称率の間違いです。

>>210
えーと、(3)と(4)の差を言ってるんじゃなくて、(1)と(2)の差のことです。
まず(2)の場合、つまり「ある関係Oが順序の公理を満たすような関係である」ときに
aObかつa≠bが成り立っているとします。
このとき、¬(bOa)が成り立つのかどうかという問題を考えます。
このときは、bOaを仮定すると「Oは順序の公理を満たすような関係である」ので、
反対称律よりa=bが成り立ち、a≠bに矛盾する。
よって、¬(bOa)が成り立つことになります。これは通常の推論ですね。
一方、(1)の「ある関係Oが順序の公理を満たしている」ときは
bOaを仮定すると、ある関係Oが順序の公理を満たさない関係になるだけであって、
そこまでの話です。なので、¬(bOa)が成り立っているかどうかは判断できないとわけです。

こういう風に考えると、ある関係Oが順序の公理を満たしているときに、
「Oが順序である。」っていってしまうことは(1)だったものを暗黙のうちに(2)と見なすことになり、
ひとつのギャップを超えることになると思うんです。
この点が気になるんで、先生の定義を採用する方がいいかなぁと思ったんです。

212Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/21(土) 23:18:51
>>211
(1)の下では
aObかつa≠bがなりたつなら
bOaとすると(順序の公理を満たしているはずの)Oが順序の公理をみたさなくなってしまう

がいえるだけだっていってるわけですか。

やっぱりよくわかってないなあ。
>>209

>≦は確かに順序の公理を満たしてはいるけれど、ただの関係であると思ってしまえば

ってのがよく分かってないのだとおもう。
≦が「確かに順序の公理を満たしている」なら「ただの関係」じゃなくて「順序」だろう
っ思ってしまうところに私の解釈のマチガイが隠れているとは思うのですが。。

213たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/24(火) 00:15:56
>>212
やっと解決しますた。関係の認識があやふやでした。
この問題を考えていく中で、A上の関係RはAの元の組(a,b)に対して、
"aRbが成り立つ"、"¬(aRb)が成り立つ"、"未定義"の三つの状態があるとして
考えるようになっていたのがそもそもの諸悪の根源でした。
実際には、数学的な議論の対象になりうるために、関係Rには
Aの組(a,b)に対してaRbが成り立つか¬(aRb)が成り立つかがはっきりするしている、
すなわち、aRbまたは¬(aRb)のいずれかか一方のみが必ず成り立つ
ことが要請されなければならないみたいで、他のテキストなんかを見るとそのような
記述がありました。 排中律を認めているんだからこのようなことを要請するのは
当然といえば当然なんですが、今までそのことにきづきませんでしたorz

214たま ◆U4RT2HgTis:2006/01/24(火) 00:16:12
えと、何が疑問だったかって言うのを簡単に(一般化して?)述べると、
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1078049875/684
に書かれてある
「Aにおけるひとつの2項関係を定めることは,結局A×Aの1つの部分集合を与えることと本質的に異ならない」
ってことが本当に正しいのかどうかてことで、もう少し正確に言うと、
R(G(R))=Rが本当に成り立つのかってことでした。僕は2項関係は上で書いたように
aRbが成り立つ"、"¬(aRb)が成り立つ"、"未定義"の三つの状態があるとみなしてしまっていた
ものだから、G(R)を考えることで、(a,b)∈G(R)または(a,b)∈G(R)の二つの状態しかないことに
なってしまい、すなわちR(G(R))は"aRb"と"¬(aRb)の"二つの状態しか考えないこと
になり(もっといえばRで未定義だった部分をすべて¬(aRb)で置き換えてしまうことになり)、
R(G(R))=Rは成り立たないんじゃないかと思っていたんです。

で、特にこの場合では、"関係Rが順序の公理を満たす"っていう状況下では、Rは"未定義"の
部分を含んでもいいけれど、"関係Rが順序の公理を満たすような関係である"という状況下では
Rの反対称律の性質のために、"未定義"だった部分が¬(aRb)で置き換わってしまい、
ギャップがあるのではないかと思っていたんです。

でも、最初に述べたようなことが関係Rに要請されていればこのようなことが起きずに、
「Aにおけるひとつの2項関係を定めることは,結局A×Aの1つの部分集合を与えることと本質的に異ならない」
とおもってよくギャップが解消されるのでめでたしめでたしです。
ちょっと深入りしすぎたみたいだ。。

215あしぺた:2006/01/24(火) 16:38:13
深煎りしすぎです!www

深い理解を求めようとする態度が素敵ですよ!

216Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/05(日) 02:05:47
「て」にうpした原稿、三章二節C、「整列集合の順序同型」の部分追加うp。
http://groups.msn.com/61m4frk8dd99uihb3fbshibfu7/page.msnw
よりどぞ。

217臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/13(月) 17:38:04
復帰します

問.>>172のAが整列集合であることを示せ。
【証明】
任意のB⊂Aを取る。minBの存在を示せばよい。Aの定義(a_α≠e_αなるαは有限個)より、
どのBの元もあるαより先では(e_α)と同じはず:
   ∃α_m∈Λ;∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α  ★1
このようなα_mは一つではないが、Λは整列集合だからその中で最小なものを選べる:
   α_m=min{α_m|∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α}
Λ<α_m>が無限集合とすると、a_α≠e_αなるαが無限に存在することになり、Aの定義に反するので
Λ<α_m>は有限集合。よって小さい方から順にΛ<α_m>={α(1),α(2),・・・,α(M)}(Mは自然数)とおける。
なお、α(M+1)=α_mとおくとこれはΛにおけるα(M)の直後の元である。

ここで次のように集合B_(M+1)⊃B_M⊃・・・⊃B_1を帰納的に定める:
(i)B_(M+1)=B
(ii)k=1,2,・・・,Mのとき、B_(k+1)まで定まっているとする。各a∈B_(k+1)のα(k)成分の集合
{a_α(k)|a∈B_(k+1)}(⊃A_α(k)で、整列集合)の最小元を与えるa∈B(一つ以上はある)
からなる集合をB_k(≠φ)とする:
   B_k={b∈B_(k+1)|b_α(k)=min{a_α(k)|a∈B_(k+1)}}

このとき、
∀k=1,2,・・・,M;∀a,b∈B_k;a_α(k)=b_α(k)  ★2
∀k=1,2,・・・,M;∀a,b;(a∈B_k∧b∈B_(k+1)‐B_k)⇒a<b  ★3
なぜなら、★2は、a,b∈B_kならばB_kの定義と最小元の一意性から、a_α(k)=b_α(k)=min{a_α(k)|a∈B_(k+1)}となることよりわかる。
★3は、a∈B_k∧b∈B_(k+1)‐B_kならば、★1と★2よりα(k+1)以降はa=b:∀α∈Λ;α≧α(k+1);⇒a_α=b_α。
さらにa_α(k)<b_α(k)から、max{α∈Λ|a_α≠b_α}=α(k)であって、a<bとなることよりわかる。

すると★1と★2によりB_1には一つしか元がなく、しかも★3によりそれがB_(M+1)=Bにおける最小元となることがわかる。
以上より示された。□

218あしぺた:2006/02/13(月) 22:47:39
たしか一年生でしたね
立派です!


略証明


Aの元 a = (a_α) に対し a_α が e_α でないαの集合を Λa とかこう
Aの部分集合Bを任意にとる
∪[a∈B]Λa の最小元をmとおく
このとき a_m ≠ e_m なるBの元 (a_α) がある
そうした (a_α) のうち最小なもの(Amの整列性ゆえ存在)がBの最小元 ■

219あしぺた:2006/02/13(月) 22:53:09
ああ違うね

もう少し複雑な証明が必要のようだ

220Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/13(月) 22:55:31
>>218
かれは受験生のころからこれ読んでますよ。われわれと一緒に。

221臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/13(月) 23:32:15
>>217>>172の続き
以上の事実を用いて順序数の整列積を定義することができる。すなわち、整列集合Λ
を添数集合とする順序数の族(μ_α)_α∈Λが与えられたとき、各αに対してordA_α=μ_αで
あるような整列集合A_αをとる。これから>>172のようにしてつくった整列集合Aの順序数を
(μ_α)_α∈Λの整列積Π[α∈Λ]μ_αと定義するのである。

・冪の定義
特に、全てのα∈Λに対してμ_α=μで、ordΛ=νであるとき、Π[α∈Λ]μ_αをμ^νとかく。

・例
Λ={1,2}のとき、Π[α∈Λ]μ_αはC)>>148-149で定義した積μ_1μ_2と一致する。
この確認はまた後日・・・

これで冪が定義できたのでちゅうぶらりんな状態は脱したかと思います。
演習問題11とかたま氏の証明を読むとかいろいろ残ってはいますが・・・
てか>>172が6月だから8ヶ月も放置してたんですね・・・ごめんなさい
これからは心を入れかえてがんばれればいいなー。とりあえず明日の数学のテストで優を・・・!

222Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/02/13(月) 23:35:13
>>221
お!がんがれー。
コメントはおいつくまで少々おまちを。

223あしぺた:2006/02/13(月) 23:41:29
どうしてあるαがあってそこから先ではって言えるの?


たとえば整列集合をNで考えBとして一点だけ1の値をとるもの全体を考えると?


あとなんでべきなのかわからない
集合A、Bのべきとは写像A→Bの全体


整列集合の任意個の直積が添え字集合に整列順序が入ってるなら自然に整列集合になるということを言おうとしたのかな

224あしぺた:2006/02/13(月) 23:44:10
ごめ
ちゃんと整列積って書いてるね


べきはこれから定義するとこだったんだね

225あしぺた:2006/02/14(火) 00:06:17
AはΠA_αより小さい集合だから
整列積というのは整列集合の直積の順序数ではないんだね
何かスッキリしないなあ(笑)

226たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/14(火) 02:15:41
>>217
復帰してるっ!僕も続き書くとか言いつつ書いてなかったですねorz
テスト終わったし、また頑張ります。

>∃α_m∈Λ;∀a∈B;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α  ★1
証明の1,2行目から言えるのは
∀a∈B;∃α_m∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α
じゃないかと。
各aに対してはα_mが取れるけど、Bすべての元aに対してα≧α_m⇒a_α=e_αを
成り立たせるようなα_mはとれないのでは?
例えば、BとしてA自身を考えて、a_α≠e_αなるαが一つしかないような元を考えればわかりやすいかも。
このようなαはどんどん大きくしていけるから、★1は成り立たないと思う。

>Λ<α_m>が無限集合とすると、a_α≠e_αなるαが無限に存在することになり、Aの定義に反するのでΛ<α_m>は有限集合。
例えばΛ=(N∪{ω})とするとき、
Aの部分集合Bとして、B={a|a∈Aかつa_ω=e_ω}を考えれば、α_m=ωとなりΛ<α_m>=Nで無限集合となりますよ。

227たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/14(火) 02:27:54
217の後半の発想は使えそうな気がする。
別証考えて見よっかな。

228臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:12:52
>>223>>226
仰るとおりですね。α_mはaに依存してとるしかないか・・・(なんかこの辺実数とかで出てくる一様〜性に似てますね)
ならば、∀a∈B;∃α_m(a)∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_(a)⇒a_α=e_α。
α_m(a)は一個じゃないかもしれんけど、そのなかで最小なものを取ることにする。
で、α_m゜=min{α_m(a)|a∈B}とおいて以下>>217の代わりにα_m゜を用いればいけるとみた。
これなら>>226後半もクリアできると思う。α_m゜から先のαでは、e_αばっかりになるようなaを考えれば、
Λ<α_m゜>は有限集合じゃないといけないはず。

229たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/15(水) 00:35:27
>>228
ちょっと違った。
∀a∈B;∃α_m∈Λ;∀α∈Λ;α≧α_m⇒a_α=e_α
はいえない。
Λ=(N∪{ω})として、Aの部分集合としてB={a|a∈Aかつa_ω≠e_ω}を考えてみると。

あと、α_m゜が取れる場合も後半はクリアできないと思う。
Λ=(N∪{ω_1,ω_2})を考える。ここで、∀n∈Nに対して、n<ω_1<ω_2で順序を入れる。
Aの部分集合としてB={a|a∈Aかつa_(ω_1)≠e_(ω_1)}を考えると、α_m゜=ω_2
Λ<α_m゜>=N∪{ω_1}で無限集合となる。

別解考えてみたけど、やっぱり降鎖の考えが本質的な気がする。
違う考え方するときも何らかの形で選択公理使わないと難しいんじゃないかな?

230臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:37:30
ああほんとだ・・・考え直し。

231あしぺた:2006/02/15(水) 00:56:27
思ったより難しいですね(笑)


ちょっと今日はもう寝ます(笑)

232臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/02/15(水) 00:59:01
>>225
あ、それ俺も感じました。きっと直積全体だと大きすぎて整列集合のクラスを超えちゃうんでしょうね。

233あしぺた:2006/02/15(水) 08:46:37
整列化定理によると
任意の集合には整列順序が入れられるので
整列集合のクラスという言い方は曖昧に思います

234たま ◆U4RT2HgTis:2006/02/15(水) 09:05:51
>>233
曖昧というか先に順序を入れてるんで、その言い方はまずくないですか?
一応>>183で解答を提出してるんですけど、どうですか?

235あしぺた:2006/02/15(水) 09:57:47
判読に苦労しましたが良さげですね
論理の構想力が素晴らしいです!(笑)


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