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死刑制度についてひと言お願いします

3082にch炭:2012/04/05(木) 09:29:46
>>3080
>よく、存置派の人たちは廃止派の人たちに
>「なら俺たちを説得してみろ!」と仰いますが、逆に存置派の人たちの説明では
>説得できていないから廃止派がいるわけです。
どれだけ説明してもあーあー聞こえない、そんなんじゃ説得されてやんない、と言い張る人はいますね
というか私の知ってる廃止派はほとんどこれですね

3083雄峰:2012/04/05(木) 14:16:10
>>3080
御意w

>>3082
存置派も最初から廃止派の話をマトモに聞こうとしていない。お互い様。

3084にch炭:2012/04/05(木) 18:36:54
>>3083
>存置派も最初から廃止派の話をマトモに聞こうとしていない。お互い様。
聞いてますよ?
まともに聞いたうえでやっぱり廃止はだめだなという結論に至るだけです

3085ufloat:2012/04/05(木) 20:30:00
>>3082
うーむ、なるほど。
存置派の立場の方からすれば、廃止派の多くは何を言おうと「あーあー、聞こえない」と
言い張り、まともに話も通じないような人間に見えるかもしれないですね。
そして、廃止派の意見をまともに聞いた上で、存置の結論を出しているのですね。
しかし、存置派がそのように思うということは、同様に廃止派の人からしても
存置派の多くは何を言おうと「あーあー、聞こえない」と言い張り、
話が通じないような人間に見えているかもしれないですよね。
そして、存置派の意見をまともに聞いた上で、廃止の結論を
出しているのかもしれないですよね。
まずは存置派も廃止派も、互いにそういうお邪魔虫の先入観、思い込みを
捨てるところから始める必要があるのではないでしょうか。
でなければ、本来なら成立する話も、永久に成立しないでしょう。

>>3083
「お互い様」ということは、お互いに改善を模索していかないとダメですね。
互いに「自分は相手の話を聞いているが、相手は自分の話を聞かない」と
思い込んでいるとしたら、それは不幸なことと言わざるを得ませんから。

3086紫煙狼:2012/04/05(木) 23:03:53
ちょっと脇道に逸れますが…。

たとえば「冤罪で死刑にしてしまったら…。」という不安を理由に死刑廃止派という人がいます。

このスレを最初から読んでいただけるとご理解いただけるかと思いますが、
この手の廃止派に対し、存置派の答えは「死刑以外なら冤罪でも構わないのか?」という
大暴投が非常に多い。「死刑廃止派は死刑以外の冤罪は起きても構わないと言っている!」と、
非常に穿った結論に至ろうとする。廃止派の言葉に耳を貸しマトモにとりあっているとは
思いたくても思えない現状は、確かにありますよ?

どうして「では冤罪をなくす方法を考えよう」と、その不安を取り除き、気持ちよく死刑に賛成できる
方向に持って行こうとしないのでしょうね?冤罪の可能性がゼロなら死刑に賛成できる、という廃止派も
かなりの数、居るはずなのですが…。「冤罪死刑と言うのは杞憂に過ぎないよ、冤罪が起きないように、
これこれ、こんなに多くの安全装置が用意されていて、こんなに多くの保護機能が働いていて…。」と
言ってくれるだけで、ずいぶん心が休まる廃止派も居るだろうに。

そういう意味では、何十にも保護機能や安全装置が用意されているはずの原子力発電所で大事故が
起きてしまったという例があるのですから、冤罪死刑だって起きてしまわないとは限らない。
もし、私が存置派に穿った見解を持ってよいのであれば「存置派は冤罪死刑なんて発生する可能性が
低いのだから、そんな事が実際に起きてしまっても許容範囲内だと言っている」と煽るでしょうね。
これでは、落とし所を考えるどころの話ではなくなる。

にch炭さんは「死刑存置と廃止が排反である以上」と仰いますが、私は背反する対立とは思っていません。
もちろん、片方が善の繁栄を望み、片方が悪の繁栄を望んでいるのなら、完全な背反ですが、
両者とも、善の反映を望み、単に「死刑」という刑罰への考え方が違うだけですから。

もし、存置派が「殺すことに意味がある。殺したくて仕方が無い。」という人々の群れであれば…。
つまり、殺さずに済む方法があるとしても、出来る限り殺す方法を取りたいと考えるのであれば、
これまら背反することになってしまいますが、そうではなくて、できれば殺さずに済ませたいけれど、
今のところ、他によい方法が無いから殺さざるを得ないと考えての存置派であれば…。つまり、
「死刑なんか無いに越したことは無いけれど、今は仕方が無い」と考えての存置であれば、
むしろ「死刑を無くすために何をしなければならないか」一緒に考える価値はあるでしょう。

にch炭さんは、できれば殺したいですか?できれば殺したくないですか?

私は「緊急時における正当防衛」以外の殺人を全て否定する考え方です。被害の拡大を防ぐため、
他の方法が無く、仕方なく殺傷するのであれば、法的にも道義的にも違法性は阻却されます。
しかし、死刑と言う刑罰は、逮捕して・武器を奪い・自由を奪い・これ以上の被害の拡大を
防いだ後で下すのですから、「緊急」という要素はありません。緊急でないのであれば、
他の方法を考える余地はいくらでもあるのですから、殺傷するという方法は本当に正当性があるのか、
過剰防衛であるおそれは無いのか、甚だ疑問です。

3087紫煙狼:2012/04/05(木) 23:04:14
凶悪な犯罪を犯した者を生かし続けるために税金を投入するべきではない。

と言うのは、至極最もな話だとは思います。

でも、良く考えてみれば、私達は自活した上で税金を納めることまで出来ています。

つまり、凶悪な犯罪者だって、自活させて税金を納めさせれば、立派な収入源です。
死刑に値する囚人だって、集めて、自給自足の生活を送らせて、刑務官の賃金や施設料を
徴収すれば「税金を投入」しなくても済みますよね?投入するにしても、今よりはずっと
少なくて済むはずです。


「永遠かつ完璧な隔離」と言うのも、それが必要な理由を一度見直す必要があります。

「シャバに戻したら、また凶悪な犯罪を犯すのではないか?」と言うなら、
死ぬまで釈放しなければ良いだけの話ですよね?

これが人道的であるか否かは別として、脳への外科手術や、薬物を利用した洗脳によって、
絶対に二度と犯罪を犯すことの出来ない状態にすることが科学的に可能になったとしたら、
例えば、人が考えていることを感知して演算処理し、電気信号を発するような超小型コンピュータ
回路を人体内に埋め込むことが可能になって、犯罪を犯した者にはそれを強制的に埋め込む。
埋め込まれたものは、非合法な手段を考えただけで、一定時間、電気信号の制で身体の自由を
奪われる…。そういうコトが技術的に可能になっても「永遠かつ完璧な隔離」が必要でしょうか?

今はまだ、そういう方法は確立されていません。ですから、今は死刑が必要かもしれません。

でも、そういうSFチックなコトまで考えて、それが悉く実現したなら、死刑存置に拘る理由は
どこにあるのでしょうか?そして、そういうコトが技術的に可能になったとしても、
死刑を存置しなければならないとしたら、それはどのような理由によるものでしょうか?

「そんな荒唐無稽な!」なんて笑わないでください。電信が発明されるまで、
地球の裏側に居る人とリアルタイムで意思疎通を図る?そんな荒唐無稽な!と
昔の人は一笑に付していたコトが、現在では普通の事になっているのです。
「東京-大阪間が、ほんの数時間?そんなバカな!」と笑っていた時代があったのです。

過去があって、現在があって、その延長線上に未来がある。
「過去」は変えられませんが「未来」は私達にでも変えることは出来るはずです。
そして、理想の未来を実現するためのステップが「現在」です。

死刑の存在する未来を目指すのが正しいのか、死刑の存在しない未来を目指すのが正しいのか。
犯罪のおきやすい未来を目指すのが正しいのか、犯罪のおきにくい未来を目指すのが正しいのか。
未来への旅は、目的地を定めてから、道のりを考えても良いはずです。

3088紫煙狼:2012/04/05(木) 23:59:40
>>3083
ご理解いただけたようで、なによりです。

少し遡って>>3071
>殺したいから死刑にする。殺さずに済ます方法があっても殺したい。

その発想は快楽殺人鬼と何か異なりますか?

もし、その発想が雄峰さんの本音であるなら、貴方には殺人犯を嫌悪する資格はありません。
(もちろん、それが本音ではないと信じるから、こういう言い方をするのですが。)

殺したい、殺してやりたいほど憎い、でも、それは「殺してよい理由」にはなりませんよね?
顔がキモい、動作がのろい、頭が悪い、でも、それは「イジメてよい理由」にならないように。

相手が何であろうと、感情のやり場として殺生や暴力を選ぶのは絶対に避けなければいけません。

3089紫煙狼:2012/04/06(金) 02:57:18
神経が高ぶって眠れないので、いっちょ喧嘩を吹っかけようかと思う。
冗談半分に聞き流してもらえれば幸いに存じます(笑)

にch炭さんは「死刑廃止派の言うコトに耳を傾ける」ツモリはあるかもしれないけれど、
対等に話し合う気はサラサラ無いようにお見受けいたしました。

まず、死刑廃止に必要なコトとして「民意」を挙げましたよね?

なるほど、より多くの人が死刑廃止に賛成しない限り、死刑は無くせない。
けどね。私は「にch炭さん」個人の考えを問うている。別ににch炭さんに存置派の意見を
代弁してもらおうと思ってもいないし、私にとっては、どちらが多数派かなんてどうでもいい。
民意が廃止に傾けば、貴方も納得するのですか?それじゃぁ自分の考えは?主体性は?

私は日本の死刑廃止派最後の一人になっても、自分が納得しない限り、廃止を訴え続ける。
にch炭さんは、自分が日本の死刑存置派(復活派)最後の一人になっても、復活を訴え続けますか?
もし、貴方が事故か何かで意識不明、生死の間をさまよい続けている間に世論が変わって、
気づいたときには既に死刑が廃止されていた。さぁ、貴方は死刑復活を訴えますか?

つまり、最後に決を採る時まで、どちらが多数かなんて関係ない。
少なくとも話し合っている間は、数の論理を持ち出すのは反則ですよ。
それは既に話し合いでも議論でも何でもない。

いわゆる人権保護団体やら、人権は弁護士なんかが、死刑廃止を訴えるけれど、
どう考えても逆効果でしょう?私は彼らを「死刑廃止派」とは認めない。
あんなのは死刑存置派の送り込んだ工作員ですよ。だって、言っていること、やっていることに、
まったく納得できるものが無い。むしろ、奴らさえいなければ、死刑廃止に拍車がかかる。

だからね、私は死刑廃止派の意見を代弁することなく、あくまで自分の納得できる結論に向かって
死刑廃止を唱えている。逆に、もし、私を存置派が納得させられるなら、いつでも鞍替えする。
だって、実際、私も「今はまだ死刑が必要」と思って居るのだから。

そして「他にまだ救うべき人が」などのように言うのも好まない。なぜなら、それは裏を返せば
「死刑存廃より大事なコトが沢山ある。そんな話に付き合っていられるか!」という意味だから。
一言で言えば、死刑存廃問題を真剣に考える余裕は無い、もしくは、そこまで重要な問題だと
思っていないというコトですよ。つまり、真剣に考える気も無いのに、暇つぶしに様子を見に来て、
煽って面白がっているだけってワケじゃないですか。問題のすり替えですよ。これも反則。

極めつけ、存置派の皆さんに共通しているように、常日頃感じているのですが、
「廃止しようと言うのなら、代替案なり何なり出してみろ」と仰いますよね。
でも「死刑を存置するに当たって、廃止派が納得するような案は出していない」ですよね?
貴方が私に興味を持った点は、そのまま存置派にも当てはまるのですよ。
廃止派が気持ちよく存置派に鞍替えできるような案を考えたことはありますか?
それは、貴方が納得する案ではダメなんですよ。廃止派が納得するような案を出してくださいよ?

3090紫煙狼:2012/04/06(金) 02:57:38
ってなコトを言うと「そんな与太話に付き合っていられるか」となりますよね?
それはそのまま、自分に降りかかる可能性もあるのですよ?何かの拍子で死刑が廃止されて御覧なさい。
貴方が納得できないのに「そんな与太話に付き合っていられるか」と一笑に付されることも考えようよ。
話し合うって、そういうことだと思いませんか?少なくとも、生半可な興味本位で首を突っ込んでよい
問題ではないはずですよ。

私は「死刑存廃は背反する問題ではない」と言っているのは、目標とするモノが同じはずだという
単純な理由だけで言っているのではなく、存置派が廃止派に言っていることは、全く同じ形で、
そのまま、存置派にも言える事なのですよ、表裏一体なのですよという意味でもあるのです。

死刑を存置するにしても、廃止するにしても、他に考えなければならない問題もあるし、
そうでなくても、互いにメリット・デメリットのある話ですからね。そういう諸問題は、
おいおい、みんなで知恵を出し合って解決していくことにして、

あらゆる問題が解決されたときに最後に残る問題は何だろう?
(一番解決するのが難しい問題は何だろう?)
そして、その時、死刑は廃止するべきなのか、残すべきなのか。
残すべきであるとすれば、なぜ残さなければならないのか。

それを「腹を割って、自分の本音で、自分だけの考えで、自分の言葉で」語りませんか?


まぁ、ね。こんな話題に首突っ込んで、存置派を名乗る者が、廃止派に説得なんてされようものなら、
2chあたりで、いい笑い者にされますね。それが怖くて本腰を入れられないという人も居るでしょう。
でも、その点だけは、私は捨てるものが無いですからね。若干強みですよ。今この瞬間、充分に
笑い者にされていますから、鞍替えして笑われても大差ない。

それに、私だって、その気になれば明日から存置派の急先鋒としてやっていける程度には、
死刑存置も真剣に考えていますからね。今も自分の中で「501対499、僅差で廃止派」という状態。
意外と簡単に存置派に鞍替えするかもしれませんよ?最後のワンプッシュしてください。


以上、冗談半分にお聞き流しください(笑)

3091にch炭:2012/04/06(金) 07:55:47
>>3086
>この手の廃止派に対し、存置派の答えは「死刑以外なら冤罪でも構わないのか?」という
>大暴投が非常に多い。
冤罪を理由に死刑に反対する以上、こう聞かれるのは当然のことでは?

>どうして「では冤罪をなくす方法を考えよう」と、その不安を取り除き、気持ちよく死刑に賛成できる
>方向に持って行こうとしないのでしょうね?
これはぜひ廃止派の方にも答えていただきたいと思っています
冤罪をなくす方法を考えるのではなく、死刑のみをなくすことばかり主張する
それはおかしいですよね? ましてや冤罪を理由に死刑廃止を叫んでいるんだもの

>にch炭さんは「死刑存置と廃止が排反である以上」と仰いますが、私は背反する対立とは思っていません。
あくまで「制度としては存置と廃止は排反」ということです
なにがなんでも存置(廃止)という目的ではなく
よりよい社会にする、などの目的であれば死刑の存廃以外で重なり合う部分もあるでしょう

3092にch炭:2012/04/06(金) 08:09:55
>>3087
>つまり、凶悪な犯罪者だって、自活させて税金を納めさせれば、立派な収入源です。
>死刑に値する囚人だって、集めて、自給自足の生活を送らせて、刑務官の賃金や施設料を
>徴収すれば「税金を投入」しなくても済みますよね?投入するにしても、今よりはずっと
>少なくて済むはずです。
凶悪犯罪者より先に失業者やホームレスにこの考えを当てはめたいですね
命にはお金が必要、税金は有限
ならば私は凶悪犯罪者の命よりも優先すべき命はあると思います

>「シャバに戻したら、また凶悪な犯罪を犯すのではないか?」と言うなら、
>死ぬまで釈放しなければ良いだけの話ですよね?
そして凶悪犯罪者の生活費は税金で負担するのですね
てか、終身刑はよくて死刑はだめっていう感覚がいまいちわからん
死ぬまで閉じ込めて勝手にくたばる分には構わないと?
しかも死ぬまで閉じ込めておくのは廃止国が否定してるような

>これが人道的であるか否かは別として
人道を無視していいなら死刑存置にどうこういう理由の大部分がなくなるのでは?
それとも死刑にしなければ何しても構わないのですか?

>でも、そういうSFチックなコトまで考えて、それが悉く実現したなら、死刑存置に拘る理由は
>どこにあるのでしょうか?そして、そういうコトが技術的に可能になったとしても、
>死刑を存置しなければならないとしたら、それはどのような理由によるものでしょうか?
つまり現状では妄想を理由にしなければ死刑廃止にはできないと
まあ、それが分かっているから紫煙狼さんは無理やり死刑廃止を推し進めようと
するのではなく合意点を探す姿勢を取っているのでしょうが

3093にch炭:2012/04/06(金) 08:20:31
>>3089
>私は「にch炭さん」個人の考えを問うている。別ににch炭さんに存置派の意見を
>代弁してもらおうと思ってもいないし、私にとっては、どちらが多数派かなんてどうでもいい。
>民意が廃止に傾けば、貴方も納得するのですか?それじゃぁ自分の考えは?主体性は?
私が死刑存置派である理由は死刑存置のほうがメリットが大きいと思うからです
なので死刑廃止のほうがメリットが大きいとわかれば死刑廃止派になります

>つまり、最後に決を採る時まで、どちらが多数かなんて関係ない。
>少なくとも話し合っている間は、数の論理を持ち出すのは反則ですよ。
私が
>死刑を亡くすために必要な項目をあげつらってみよう。
に民意を挙げたのはあくまでも民主主義国家の日本において死刑をなくすのに
必要なものの一例を挙げただけのことです
私自身は民意があるから死刑存置派になったわけではありませんし
数の論理(具体的に何の事だかよくわかりませんが)を使った覚えもありません

>いわゆる人権保護団体やら、人権は弁護士なんかが、死刑廃止を訴えるけれど、
>どう考えても逆効果でしょう?私は彼らを「死刑廃止派」とは認めない。
>あんなのは死刑存置派の送り込んだ工作員ですよ。だって、言っていること、やっていることに、
>まったく納得できるものが無い。むしろ、奴らさえいなければ、死刑廃止に拍車がかかる。
死刑存置派の工作員以外は同意します
日本で死刑廃止がなされない原因の一つは廃止派自身の言動だと思います

3094にch炭:2012/04/06(金) 08:42:45
>>3089
>そして「他にまだ救うべき人が」などのように言うのも好まない。なぜなら、それは裏を返せば
>「死刑存廃より大事なコトが沢山ある。そんな話に付き合っていられるか!」という意味だから。
>一言で言えば、死刑存廃問題を真剣に考える余裕は無い、もしくは、そこまで重要な問題だと
>思っていないというコトですよ。つまり、真剣に考える気も無いのに、暇つぶしに様子を見に来て、
>煽って面白がっているだけってワケじゃないですか。問題のすり替えですよ。これも反則。
お前が思うんならそうなんだろうな、お前の中ではな(AA略)
としか言いようがないですね、妄想と曲解がひどすぎるので

>極めつけ、存置派の皆さんに共通しているように、常日頃感じているのですが、
>「廃止しようと言うのなら、代替案なり何なり出してみろ」と仰いますよね。
>でも「死刑を存置するに当たって、廃止派が納得するような案は出していない」ですよね?
>貴方が私に興味を持った点は、そのまま存置派にも当てはまるのですよ。
>廃止派が気持ちよく存置派に鞍替えできるような案を考えたことはありますか?
>それは、貴方が納得する案ではダメなんですよ。廃止派が納得するような案を出してくださいよ?
代案ですか?
ぶっちゃけ廃止派が何を理由に死刑廃止を訴えているのかがバラバラな以上、難しいですね
共通するのは死刑廃止という部分だけ

というかさまざまな理由で死刑廃止を訴えるわけですが
その理由で死刑廃止だとこういう矛盾や欠陥があるね、だから無理だねor死刑存置のほうがましだね、となるわけです
でも彼らは存置派に鞍替えしないでごね続ける
それは何が何でも死刑廃止、死刑が嫌だから死刑廃止、と言ってるのと同じです
そうなると妥協も何もない
だって死刑存置しながら死刑廃止なんてできないもの
死刑廃止にしてごね得が認められるような国にしたくないもの

ところで廃止派のみなさんは仮に絶対に死刑廃止できないとなったら
どのように妥協しますか?

3095雄峰:2012/04/09(月) 12:17:31
死刑廃止には賛同できないが、にch炭さんのように言っている事と
やっていることが全然違ったり、自分と同じことをされているのに
相手ばかり責めるような存置派を見ると、実際、恥ずかしい。

何を理由に死刑存置を訴えているのかがバラバラなのを棚に上げる馬鹿は
存置派を名乗ってほしくないね。痛いから。

3096にch炭:2012/04/09(月) 13:38:57
>>3095
>死刑廃止には賛同できないが、にch炭さんのように言っている事と
>やっていることが全然違ったり、自分と同じことをされているのに
>相手ばかり責めるような存置派を見ると、実際、恥ずかしい。
具体的にお願いします

>何を理由に死刑存置を訴えているのかがバラバラなのを棚に上げる馬鹿は
>存置派を名乗ってほしくないね。痛いから。
何か勘違いしてるようですね
私は死刑廃止を訴える理由がバラバラなことを責めているわけではありませんよ
その理由がつぶれたのに死刑廃止を主張し続けてることをおかしいといっただけですよw


ところで雄峰さんは議論するつもりがあるのでしょうか
今までのあなたのレスを見るに横から茶々を入れてるだけですよね
反論できないからと言って相手の態度に難癖をつけ始めるのは痛いですよw


本論で噛み付けない奴が
枝葉末節をつつくとは…。
情けない奴もいたもんだな。

3097雄峰:2012/04/09(月) 14:16:56
>ところで雄峰さんは議論するつもりがあるのでしょうか
ないよ?ただの読者だからねw

>反論できないから
反論する理由も必要性もないよ?ただの読者だからねw

あまり神経質に反応すると読者の失笑を買いますよ?

3098にch炭:2012/04/09(月) 16:42:11
>>3097
なるほど、相手に暴言を吐くけど議論からは逃げると
暴言は吐くけど聞かれたことには答えないと

相手に暴言を吐き、言い返せなくなるとただの読者だからと言い訳
失笑を買うのはどちらでしょうね

3099紫煙狼:2012/04/09(月) 16:50:21
小競り合いは余所でやってもらうとして…。

死刑のメリットを残しつつ、デメリットを無くしていく方法を突き詰めていけば、
今より良い制度になることは間違いないですよね?デメリットが減るのですから。
にch炭さんは「死刑には全くデメリットがない」とお考えですか?

過去ログを読んでいただければお分かりいただけると思いますが、
実は、私も「冤罪」が死刑廃止の根拠として正しいとは思っていません。

でも、死刑廃止の根拠として正しかろうと、間違っていようと、
冤罪の危険性を放置して良いとは思いません。死刑を廃止するにせよ、
存置するにせよ、冤罪の危険性は払拭する必要があると考えています。
まさかにch炭さんは「冤罪はある程度の確率で発生する必要がある」
「冤罪は少ない方が良いが、ゼロにしてしまってはいけない」とは
お考えじゃありませんでしょう?では、一緒に無くしませんか?
そうすれば「駄々をこねている廃止派」をも説得できますよ?

にch炭さんが、相手を論破して良い気分に浸りたいだけ人なら話は別です。
でも、にch炭さんも「より良い制度を考えた結果、存置派」なのなら、
より良い制度を生み出すための論議から逃げる必要はありませんよね?
「それは死刑廃止の論拠としておかしい」と指摘して終わりにできる話では
ないはずですよね?

私は、死刑存置の人を言い負かすことを目的とはしていません。
あくまで、より良い制度を実現することが目的です。

仮に、死刑によるデメリットも、死刑廃止によるデメリットも、
全て解決できたとしたとき、にch炭さんは存置を選びますか?廃止を選びますか?
そもそも「人間の命を奪う」ことはメリットですか?デメリットですか?

死刑存置の方々にとって「人間の命を奪う」ことはメリットを得るための方法に
すぎませんが、私にとっては「人間の命を奪う」こと自体がデメリットに思えるので、
目的地を死刑廃止に定めて考えていますが、人間の命を奪うこと自体をメリットとして
捉えることができれば、目的地は死刑廃止でなくてもかまいません。

3100にch炭:2012/04/09(月) 17:07:28
>>3099
>死刑のメリットを残しつつ、デメリットを無くしていく方法を突き詰めていけば、
>今より良い制度になることは間違いないですよね?
そうですね

>でも、死刑廃止の根拠として正しかろうと、間違っていようと、
>冤罪の危険性を放置して良いとは思いません。死刑を廃止するにせよ、
>存置するにせよ、冤罪の危険性は払拭する必要があると考えています。
そうですね

>そもそも「人間の命を奪う」ことはメリットですか?デメリットですか?
一概には言えません

>私にとっては「人間の命を奪う」こと自体がデメリットに思えるので、
なぜですか?
いついかなる場合でもですか?

3101紫煙狼:2012/04/11(水) 02:06:09
>>3100
>>私にとっては「人間の命を奪う」こと自体がデメリットに思えるので、
>なぜですか?
>いついかなる場合でもですか?

まず「いついかなる場合でも」に関しては、以前も申し上げていますように、
「緊急時に於いて人命にかかわる被害の発生・拡大を防ぐためには他の方法を考える時間がない」
ような場合は、その時に限り命を奪うことの違法性や倫理性を問うことは出来ないと思います。
しかし、それに関しても「人の命を奪うこと」を積極的に許容するものではありません。
あくまで緊急避難、正当防衛の場合のみです。

次に「なぜですか?」の部分に関しては、倫理的な側面や宗教的な側面もあり、必ずしも私の考えに
全ての人が同意するだろうとは思っていません。ですから、私が答えを出すより、にch炭さんの
奥底にある答えを引き出したほうが、にch炭さんは納得するだろうと思うので

>そもそも「人間の命を奪う」ことはメリットですか?デメリットですか?
と訊ねました。

私は常に「死刑によるメリットが他案で代替され、廃止によるデメリットも解決された」状態を想定して
「死刑は存置するべきか廃止するべきか」目的地をどちらに設定するべきかを考えています。

もう一度訊ねます。

死刑によるメリットが他案で代替され、廃止によるデメリットも解決された状態を想定して、
その状態に於いてなお、死刑を存置し続けなければならない理由があるとしたら、
それは一体どのような理由でしょうか?

逆に問われるだろうことを先にお答えします。

廃止によるメリットが他案で代替され、死刑によるデメリットも解決された状態を想定した場合、
宗教的な理由や倫理的な理由をおいて他に死刑という刑罰自体に反対する理由はありません。
ですから、にch炭さんが「特に問題がないなら殺せ」のように血を見るのが好きな宗教観や
倫理観をお持ちなのであれば、その時は…、そうですね、じっくりと宗教論争しましょう。

少なくとも、

「廃止によるメリットが他案で代替され、死刑によるデメリットも解決された状態」を実現する
ための論議であれば、歓迎されるか否かは別として、私も進んで参加したいと思います。

3102雄峰:2012/04/16(月) 00:54:36
紫煙狼氏は死刑が良い事なのか悪い事なのかだけを考えて結論を出そうとしていて、
「倫理的な側面や宗教的な側面」から悪い事だという結論にたどりついた。
だから、諸問題の解決を試みようとしている。

にch炭は死刑そのものの善悪は保留して、死刑廃止派の矛盾を突くとか論破したいだけ。
死刑存廃に関わる諸問題を解決する気は無く、廃止派を黙らせたいだけ。単に優越感に
浸りたいだけ。ありていに言うと化けの皮を剥がされたわけだ。

死刑廃止派の言動が死刑廃止を妨害しているように、死刑存置派の言動が低い人間性や
根本解決を先送りにするお役所的欠点を明るみに出しているというのも興味深いね。
本当の意味での問題解決を図ろうともせずに「ごね得」なんてねw

ただ、疑問に思ったのだが、実は紫煙狼氏も「死刑のメリットが(略)」となれば、
死刑に反対する者の方が多いはずだという思惑があるんじゃないのか?
でも、それは自分が否定した「数の暴力」とかいう奴ではないのかな?

3103紫煙狼:2012/04/21(土) 03:29:38
>>3102
>「死刑のメリットが(略)」となれば、
>死刑に反対する者の方が多いはずだ

実は、そう楽観的に考えているわけでは在りません。
むしろ、本当にそうなってしまうと、死刑廃止は遠のきそうな気もしています。

「死刑にしてもしなくても問題が起こらない状態」になれば、死刑存廃論議は
はっきり言って一般市民には「どうでも良い問題」になってしまいます。
誰も身近な問題として考えられなくなります。今以上に優先順位の低い問題に
なってしまいますから、わざわざ制度を変えるための労力を払う必要がなくなり、
死刑が存置される可能性は、むしろ高くなりかねないとさえ思います。

しかし、死刑の本質が露見するとすれば、まさに、その状態の時だと思います。

つまり、死刑にまつわる枝葉末節を全て取り除いて、最後に残るのは何か?
人々が犯罪者を憎み、命を奪うことを選ぶ本当の理由は何なのか?
自分が被害にあったわけでもない事件の加害者を、そこまで憎める理由は?

少なくとも私は、その理由が「正義と平和を愛する心」だとは思っていません。

3104タマ:2012/05/20(日) 14:44:13
以下のやりようで何か問題ありますか?
・現行犯やハッキリとした映像記録などで犯行が明らかでない限り、本人が犯行を認めない限りは刑の執行はされない
 (冤罪予防)
・執行内容に変化をつける
 (故意や享楽的な大量殺人に適応「死刑になりたかった」などというバカを量産しないようにガスや傷などで数日かけてゆっくりと死ぬ刑を導入)
・死刑囚本人が望めば臓器提供も可能
 (償いという名の社会貢献。ただし死刑囚本人が望んで自らの弁護士を通して、自分の足で病室に入ることが条件)

冤罪は廃止しえない、人間が絡む以上絶対にエラーは起こる
そうであるならエラーを排除するかエラーを受容するかしかない
しかし人を裁く以上エラーは裁かれる人にも存在し、排除はしえない(痴漢冤罪事件などでやってもいないのにその場では認めてしまうなど)
そうであればエラーを受容できる形にするしかない
考える時間が十分にあり、自らの命や家族の名誉がかかっている場で痴漢冤罪のような妥協はしないでしょう
むろん鬱で妥協する可能性もあるため、弁護士が望めば精神科への受診や投薬を行ってもいいでしょう

執行に関しては完全機械化で
執行者は機械であり、1日に数度プログラムにより作動するのみ
刑務官はその機械のメンテナンスと死刑囚を装置に取り付けることはするが、退室後いつ行われるかは分からない
死刑囚はその執行をいつ行われるかは分からない、1分後なのか12時間後なのか。ただし明日の朝日を拝めないことはわかる
もし刑務官のことを考えるのであれば、刑場は死刑終了後死刑囚を入れたまま洗車機のように丸洗いが妥当、丸洗い後仏の回収を行えば泣いて糞便を漏らしていても分からない

死刑は恐ろしいものでなければいけない
抑止力として考えると現行の死刑は効力が薄くなっている
そうであれば抑止力を維持するためには死にざまを変えるしかない
もちろん公務員による拷問の禁止はあるが、上記のような完全自動式であれば問題は少ないと考える
たとえば複数の銃口のある部屋に入れ、映像で自動的に腹部を狙うような装置を設置、小口径の銃を1発ないし2発発射した後は72時間後に炭酸ガスによる窒息死
たとえば球形の部屋に入れ致死性の低いガスを注入、48時間以内に致死性の高いガスを再注入する
たとえば手術台のような上に手足胴首を固定、執行時には天井部より太さ1㎝程度の針が下りて重要臓器を避けるように腹部や胸部を数度刺突、24時間放置後に首が締まり窒息死
このような 内 容 のみを社会に知らせておけば、「道連れがほしい」なんてことで通り魔を起こすやつも減ると考える
正気を疑うくらい残酷に思えたでしょう?
そのくらいだからこそ抑止力たり得るんですよ

代替案について
考え始めるとおそらく死刑より残酷になりそうですがいいですか?

3105タマ:2012/05/20(日) 15:04:29
代替案
死刑相当囚は一切の人間関係を断たれます
これは刑務官も該当し、すべて映像での監視、食事など生活に必要なものは幾重かの扉の向こうから自動で運ばれます
食事は味よりも栄養バランスに特化し、メニューは15日程度でローテーション。娯楽などは無し
窓はなく電灯は自分で管理。ただし1日のうちで8時間程度は自動点灯
水はホースで使い放題だが1週間の上限が決まっており、使いすぎるとトイレまで止まる
軽微な病は放置。重篤になると麻酔ガスが注入されて、寝ている間に手当てをされる
室温は厚くもなく寒くもない、だから囚人服もない
まれに部屋ごと丸洗いされる

理想は5億年ボタンです

3106無精髭:2012/05/24(木) 01:37:22
>死ぬまで閉じ込めて勝手にくたばる分には構わないと?
>しかも死ぬまで閉じ込めておくのは廃止国が否定してるような

ずいぶんとテキトーな書き方? いい加減な認識? をされる方のようですね。
そういう癖を改めないといつまで経ってもちゃんとした議論はできませんよ。

>>この手の廃止派に対し、存置派の答えは「死刑以外なら冤罪でも構わないのか?」という
>>大暴投が非常に多い。
>冤罪を理由に死刑に反対する以上、こう聞かれるのは当然のことでは?

いや、死刑もしくは冤罪については言わずもがな、犯罪とか司法とか刑罰とかに少しでも関心があるなら、
冤罪救済団体と死刑廃止団体の親和性、近接性についてはおのずと知れようものかと思っておりましたが。
冤罪救済団体が死刑廃止を求める声明を出しているケースや、死刑廃止派団体が冤罪者支援や冤罪問題に
ついて何らかのアクションを起こしているケースは珍しくないのです。日本国民救援会とか日弁連の活動は
有名でしょう。AIやHRWだってたびたび冤罪問題を取り上げています。死刑廃止を党是として掲げている
日本共産党も、白鳥事件での因縁がありますから、冤罪に無関心ではいられないでしょう。これと組織的に
対立している部落解放同盟が狭山事件の石川一雄氏を冤罪被害者として支援しているのは周知の事実ですが、
彼らも死刑廃止運動を行っているようですね。

したがいまして、実際に廃止派は死刑以外の冤罪問題にもきちんと取り組んでいますので、
「死刑以外なら冤罪でも構わない」なんてことは、何よりもまず「事実」としてありえません。

「冤罪を理由に死刑廃止を求めるのは全く理解できない。死刑冤罪なんて世にある冤罪のごく一部に過ぎない
じゃないか。痴漢冤罪のほうがよほど深刻なのに、なぜ死刑廃止派はそれを無視しているんだ」という批判を
目にすることがあるんですが、
http://www.amaochi.com/blog/2012/02/22351.html
んなことないだろ、と思って少し調べてみたら
http://blog.livedoor.jp/false_charge/archives/1236799.html
そこは抜かりなく支援してたようでw

(特定の)死刑廃止派団体は死刑だけを問題視するために冤罪の話を持ち出している、というのはまったくの誤解、
というか逆の理解であって、むしろ冤罪を問題視するために死刑の例を持ち出しているのではないでしょうか。

 死刑以外の冤罪だと、捜査や裁判を行う上で非常に低確率なら起きても仕方がない、
 起きたとしても補償制度があるので大丈夫などと社会が許容する恐れがあるが、
 これでは冤罪は国家犯罪に他ならないという事の重大性が見過ごされてしまう。
 しかし死刑冤罪であれば、本当に取り返しが付かないので絶対に起きてはならない
 というのが多くの人にとって共通の認識になりうると期待できるから、これを国家
 犯罪の糾弾の種として使うのは実に有効であろう。

といった具合に。

畢竟、人権団体っていうのは、死刑廃止だけに興味あるわけじゃないんですよ。人権保護を錦の御旗にして
あらゆる議論に口を出し、いろんな問題に首を突っ込むからこそ、あんなにまで評判を落としているわけでw
逆に「人権屋⇒冤罪全般に無関心」という発想の方が私には納得できないw

他の問題をなおざりにして特定の問題にだけ取り組むのは悪だ、という批判は、いわゆる人権屋とか
プロ市民の人々には全く通用しませんね。むしろ、あらゆることに対して反対、批判、抗議をする、
そのクレーマー的なスタンスこそがうざったいと多くの人々には思われているわけですし(ノイジー・
マイノリティの問題)、先述したような批判を廃止派に向けて放つ人たちも同じ感想を共有しているのでしょう? 

いくぶんまともな死刑存置派なら、廃止団体が冤罪問題に取り組みすぎている(政治利用している)ことを
知っているでしょうから、「死刑は行政の問題、冤罪は司法の問題。ごっちゃにするな」と言い返すでしょう。
それならわかる。

しかし、「他の冤罪は無視なんだな?」とかうっかり口走っちゃう自称存置派の方々は、
廃止団体やその関係団体等が死刑冤罪以外の冤罪問題にも熱心であることを知らない、そして
冤罪に無関心であるのは本当は自分たちの方だということを自ら白状していることになります。

3107無精髭:2012/05/24(木) 01:54:26
先の書き込みで二番目に張ったリンクですけど、こっちを張った方がよかったかも。
http://kyuenkai.org/shinbun/2003/20030115.html


そもそも冤罪問題に詳しければ当然その周辺事情にも詳しいはずなので、冤罪問題にどんな政治的立場・
思想傾向の人間が取り組んでいるかも知っていて当然だと思われるのですが、逆にそれについて無知
であるならば、必然的に冤罪問題に詳しくないということにならざるをえないでしょう。

つまるところ、おっちょこちょいな自称存置派の方々は、自らは冤罪問題に詳しくないのに
他人が冤罪問題に取り組む姿勢を偏向的もしくは不徹底であると難じるという愚を犯している
わけです。これでは冤罪問題全般にコミットしていないのは廃止派じゃなくて存置派のほう
じゃないか、という相手側からの非難を免れ得ないものと思われます。一部の無知蒙昧な
存置派のせいゆえに存置派全体にそれを向けるのが不当だとしても。

 (いや、さすがにこれは言い過ぎでした。ただ、私は不勉強ゆえ、冤罪救済活動を行なっている
 死刑存置派団体、もしくは、明確に死刑存置を支持している冤罪救済団体を寡聞にして知らない
 のです。もしご存知でしたら、後学のためお教えいただけましたら幸いです。)

「日本で死刑廃止がなされない原因の一つは廃止派自身の言動だと思う」とのことですが、
では逆にお聞きしたいのですが、「死刑以外なら冤罪でも構わないのか?」という疑問を
廃止派にぶつけるのが当然のことだとうそぶくにch炭さんを含む一部の存置派の方々は
(人権派的)死刑廃止派の実際の活動をちゃんと把握していらっしゃるのでしょうか。
いくら彼らの言動を受け入れることができないからといって、冤罪問題全般に取り組んできた
彼らのこれまでの功績を認めない、というのはあまりにも狭量でしょうし、挙句の果てに
「死刑冤罪以外はどうでもいいと思ってるのが廃止派だ」などと口を滑らせてしまうに
到っては、自分の無知あるいは嘘を相手へのレッテル貼りでただただ誤魔化しているに
すぎないと呆れられても仕方がないような(卑怯な)物言いではないでしょうか。


そういえば、足利事件の再審で無罪になった菅谷さんも死刑反対なんだってね。

ある死刑存置論者の方に言わせれば、死刑を廃止せよを叫び、でも無期懲役は
廃止しなくてもいいよ、とか主張すると、無期懲役に服していた菅谷さんに向かって
「死刑じゃなくてよかったね」と言ってることになるらしいのですが、
すごい暴論ですね。

・死刑廃止せよ
・無期懲役は残せ
・無期懲役冤罪の人は死刑じゃなくて良かったネ♡

強引過ぎる三段論法、というか三段論法にすらなっていない。

こんな暴論を吹っかけることでおそらく

・とにかく死刑に反対するなら無期懲役以下の刑罰にも反対せよ。
・できなければ全ての刑罰に反対するな。

ということが言いたいんだと思いますけど。

まあ、冤罪で無期懲役に服していた菅谷さんも、死刑に反対しているだけであって、
さすがに無期懲役には反対していないでしょうw なので、当の暴論は菅谷さん本人には
何の説得力も持たないでしょう。考えてもみてください。この暴論が正しいとすれば、
菅谷さんが自分の置かれていた状況を指して「死刑じゃなくてよかったぁ」というような
感慨をもらすのさえこの暴論は禁じていることになるのですから。

当然ながら、菅谷さん(を利用しようとする人々?)に対しては色々と批判があるようで。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1427139904
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1027140555
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/537ffa72a37f00ec19f09161ad3a05b0

3108無精髭:2012/05/24(木) 02:05:27
>>どうして「では冤罪をなくす方法を考えよう」と、その不安を取り除き、気持ちよく死刑に賛成できる
>>方向に持って行こうとしないのでしょうね?
>これはぜひ廃止派の方にも答えていただきたいと思っています
>冤罪をなくす方法を考えるのではなく、死刑のみをなくすことばかり主張する
>それはおかしいですよね? ましてや冤罪を理由に死刑廃止を叫んでいるんだもの

死刑廃止論について致命的な誤解があるようですが、それは後日ご説明するとして。。。

では、一部の存置派の方はどうかといえば、冤罪をなくす方法を考えるのではなく、死刑のみを
なくそうという主張をなくすことばかり主張する。死刑のみをなくそうという主張をなくす方法は、
冤罪をなくす方法を考えることの先にあるのであって、死刑のみをなくそうという主張をなくす方法を
考えることの先にはありえません。死刑のみをなくそうという主張をなくそうとしても、なくなるのは
死刑のみをなくそうという個別の主張のみであって、冤罪をなくす方法を考え出すことができなければ、
死刑のみをなくそうという新たな主張が雨後の筍のごとく出てくることは避けられません。それが道理です。

ところで、廃止派内には大抵取調べの可視化にも推進・賛同している人が多いという印象があります。
少なくとも取調べの可視化に阻止・反対している人を私は見かけたことがありません。反対に、取調べの
可視化に反対ないし慎重な人は、同時に存置派であることが多々見られるのではないでしょうか。とはいえ、
取調べの可視化に賛成の人は、死刑存廃とは関係なく多いとの印象がありますので、存置派の中にも
取調べの可視化に賛成している人の方が多いかと思われますけれども。

とにかく、有名どころの廃止団体が取り調べの全面可視化を訴えているのは調べればわかることです。
この「取り調べの全面可視化」に「証拠の全面開示」を加えた提案と死刑廃止は、彼らにとって車の
両輪のようなものなのです。これと冤罪を理由に死刑に反対することが矛盾しているなどという変な
議論も湧いてきそうですが*、そんなものはしょせん廃止派の出自について詳しくない人のたわ言に
過ぎないと思います。

 *その一例「冤罪が理由で死刑に反対するということは、言い換えると冤罪がなくなりさえすれば
  死刑に反対する理由もなくなるということだから、冤罪が理由で死刑に反対する一方で冤罪を
防ごうとするのは、自分が唱えている理由を自らの手で破棄しようとすることに変わりがない云々」

3109無精髭:2012/05/24(木) 03:09:07
にch炭さん(そういえば何てお読みすればいいのでしょうかね?)は、自分の知ってる廃止派は
どんなに説得してもまともに話を聞かない人がほとんどだと仰いましたが、たとえ廃止派が
マイノリティであるとはいえ、このご時勢、コスト問題に興味を示す人が現れないというのは妙ですね。
いや、執行費用だけでなく訴訟費用等の諸々のコストを合算して比較すると、終身刑よりも
死刑の方がコストがかかるんだと主張して譲らないことを指して、「まともに話を聞かない」
状態であると形容していらっしゃるのかも知れませんが。*

 *たとえば以下のような議論。
  http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-528.html
  http://www009.upp.so-net.ne.jp/wcr/shikei/nj_2_C.html
  http://globe.asahi.com/feature/101018/02_5.html
  http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2572851/3819120
  全て海外、しかもアメリカ、さらにはほとんどニュージャージー州の例ですけど。・・・馬鹿の一つ覚えなのかも。

そういえば、死刑存廃議論でコスト問題が話題の中心になることって、私の知る限り
あまりないですね。存廃問題の論点として数えられているものの中でも代表的な論点の
一つじゃないかと思われるのですが。コスト問題って、死刑問題に興味のない人でも
取っ付きやすそうな(食いつきそうな)トピックなのに。

とはいえ、コストについて議論を尽くしたとしても最終的に死刑の是非が決定されるわけ
でもないとは思いますが、それでも死刑問題に皆が強い関心を持つきっかけになりうるのでは
ないかとも思います。諸外国に対して日本側がこれまで行なってきた死刑存置のための言い訳が、
もうどうにも擁護しようがないほどダメダメだったのは明らかなので、
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080517

 ttp://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-435.html
 犯罪に対する日本国民の認識の甘さ加減と、そのことに無策・無放任のままである日本政府自らの
 怠慢っぷりを無邪気に国際社会に向けて曝け出してしまった、ということでしょうか。

 ttp://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/17f0524b83b4ab5e9c78ceb23746b560
 執行停止を求められたり、なぜ執行するかを聞かれたりしたら、停止できない理由や執行しなければ
 ならない理由を述べるべきだと思うのですが、なぜか日本政府は一度停止した執行を再開すると決まった
 ときのことを前提に応答しています。いや、停止した執行をなぜ再開するんですかと。一度執行停止しても
 どうせ世論の圧力で再開しなければならなくなるだろうと政府が思っているのだとしたら、あまりにも
 無責任ではないでしょうか。これではまるで執行の責任を国民に押し付けているかのようではありませんか。
 対外的に存置理由として世論を持ち出すのなら、対内的には、なぜ国家にとって死刑が必要なのか、
 外圧に対してなぜそのように対処したのか、そもそも死刑制度はなぜ行刑密行主義でなければならないのか
 (緩和された部分についてはそれまで秘密だったのはなぜか)などについて説明を尽くしてからでなければ
 なりますまい。政府の意向が民意の欲するところと少なからず不和を生じ、かつ国際情勢とも反している以上、
 今のところ死刑制度存置に対する姿勢を崩す気配を微塵も見せませんが、やはりこの国が国民と国際社会を
 天秤にかけるような危うい立場にあるのは現実であって、いつ何時諸外国に阿り(民意に背いて)死刑廃止を
 強行決断するかわからないというべきでしょう。

外交上の説明手段としてコスト問題しか真っ当な切り口がないのであれば、それを利用するに越したことはなく、
今までと比べればいくらかマシになるかと。国民の多くが、凶悪犯罪者=死刑囚のために税金を使うことに
反対しているのなら、その旨を諸外国に包み隠さず説明したほうがよいのではないでしょうか。その代わりに
苦しい言い訳を並べたところで、世界の舞台で恥をかいた上に嘘つきと怠け者のレッテルを貼られるのが
オチでしょう。

3110無精髭:2012/05/24(木) 03:15:15
>どれだけ説明してもあーあー聞こえない、そんなんじゃ説得されてやんない、と言い張る人はいますね
>というか私の知ってる廃止派はほとんどこれですね

>その理由で死刑廃止だとこういう矛盾や欠陥があるね、だから無理だねor死刑存置のほうがましだね、となるわけです

ところで余談になりますけど、にch炭さんの仰る「説明」とか「説得」って、
もしや「死刑廃止論をフルボッコに論破するというコピペ」のことですか?
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20111208/1323358337

このテンプレを暗記すれば、私も立派な死刑存置論者になれそうですね。

にch炭さんの「普段いる掲示板」というのが2chのことなら、死刑存廃論争の派閥樹形図を教えて
いただけたら(なければ作ってもらえたら)ねらー相手の議論がとてもお気楽なものになるのに。
http://wiki.livedoor.jp/niten_plus/d/%C0%D0%C0%EE%A4äƥ%A6%A5%F3%A5%B3%A4%B9%A4%EB%A4Ρ%A9
http://x28go.s12.xrea.com/mt/archives/2006/02/post_88.html

3111無精髭:2012/05/24(木) 03:33:04
さて、税金だのコストだのを問題にする人が陥りがちなこととして、以下の2点を無視して
性急に結論に至ろうとすることが挙げられるかと思います。

 (1)行刑コストを問題にするなら数値を明らかにした上で議論すべき
 (2)コスト削減することとその分生じたお金がどう使われるかは別の問題

それぞれ簡単に触れておきたいと思います。

(1)については詳述するまでもないでしょう。ただ、これにも理由が2つあります。

 (a)死刑のコストが不明ならいくらコスト効率の良い代替刑を考案したとしてもコスト面で比較できない
 (b)そもそも実態のわからないものをおいそれと受け入れるわけにはいかない(判断保留すべき)

(a)は一息で言うと、コスト問題を論点として取り上げるなら、にch炭さんのように「死刑囚を
処刑する費用の方が生かす費用よりも安いのは自明」という定性的な比較で満足するのではなく、
それぞれのコストに関して具体的数値を算定根拠とセットで挙げたうえで定量的な比較をしてから
結論を出すべきであって、むしろこういうことこそ誰にとっても自明ではあるまいか、ということですね。

コスト問題を取り上げるにしても、そもそも今の死刑制度がどれくらい費用が
かかっているのかがわからないじゃないですか。

データが公表されてないんですよ。

だから、代替刑案でどんなに詳細なコスト計算を提示しても、それとつき合わせるべき現行の死刑制度の
費用計算が不明なんだから、どっちの刑が得か(存続か廃止か)なんていう問いにもはっきりした答えが
出せるわけもない。死刑のコストがわかんない以上、コスト面で存廃を論じるのは無理がある、というのが
私の考えです。もちろん、ちゃんと死刑のコストがはっきりしたなら、コスト問題についてまともに
考えざるをえないと思います。

そりゃ、コスト問題について興味のある人は多そうだしねえ。民意は無視できないでしょ。真に受けないで聞いて
もらいたいのですが、極端な話、社会保障費よりも金がかかるのなら、そりゃあ死刑廃止なんて夢物語だと思いますよ。
(余談ですが、(絶対的)貧困率と犯罪発生率に相関があることについて異論を唱える人はまずいないでしょうから、
社会保障費が犯罪を抑えていると説いた上で、死刑囚等の凶悪犯罪者をいつまでも生かしておくよりも社会保障を
今よりももっと充実させた方が犯罪予防に繋がるだろうから、どんどん死刑判決を出して可及的速やかに執行すべき
だと主張しても異論は大して出ないのかも知れません)。

しかしながら、現行の死刑制度のコストを洗い出した上で無駄な部分と必要な部分を仕分けしたり、
死刑のコストと代替刑のそれとを比較したりするのと(また、それらについて話し合ったりするのと)、
死刑囚を生かし続けるために税金を投じるべきか否か、とか、凶悪犯罪者を生かすために使ってる金がある
ことから、逆にバンバン処刑すればその分の金が浮くことになるということを推定し、その金の使途が
どうであれ凶悪犯罪者に使うよりも社会にとってマシなはずと結論するような議論は、全く次元の違う話です。
社会の中で一等不要な人間を排除することで社会負担を少なくしようというのは、仮に行政財改革の手段の
一つとして数えられるとしても、傍流のしかも末端的発想に過ぎないのではないでしょうか。

だいたい、にch炭さんのようにあけすけな口ぶりで「誰かの生活を守るためには容赦なく他の誰かを
切り捨てます」みたいなメッセージを発してしまったら、福祉国家としての日本の面目丸つぶれじゃないかと。

3112無精髭:2012/05/24(木) 03:33:57
あと、(2)について説明するときにも書きますが、どうもにch炭さんの主張は、玄関の街灯なり風呂の換気扇なり
トイレの便座なりの電気を切る程度の節約を一年通してやるだけで車とか家を買えると思い込むのと同じくらい
空想的だと思われてなりません。

○○すれば人を救えるんじゃないかという主張は現実問題に即した考察から生まれたものでしょうし、解決のためには
応用や発展も視野に入れなければならないとすると、これに有効性を持たせるためには(その正否の判定ができるという
意味で当の主張が有意味になるためには)○○が具体的であるだけではなく、人を救えるということも具体的に定義されて
いなくてはいけませんよね。死刑囚を処刑することでコストを減らした分、敵対国の脅威から国民を守るための国防費を
増やしたとしても、それで実際に敵対国の軍事力が相対的に減じたり国民の生活が守られたりしていなければ(つまり
人を救うために何の効果もなければ)徒に軍事費を増やしただけになるわけです。○○すれば人を救えるんじゃないか
という主張に必須な具体性が欠けている場合、それを空理空論と呼ぶのは指摘するまでもないことかと。


(b)については、死刑存廃以外の政治問題であり、かつ誰もが関わるほど規模が大きく、
マスコミによって幾度も取り上げられてほとんどの人に認知されているような問題になら、
多くの人がそういうふうに考えると思うんですよね。原発(あるいは瓦礫広域処理)然り、
増税然り、TPP然り。実態のよく分かっていない制度、説明が充分になされていない政策には、
実態がつかめるまで、詳細な説明がなされるまではふつう賛同したりはしないものでしょう。

たとえば最近、与野党が議員立法で違法DL刑事罰化のための法案を成立させるべく動いているのは
皆さんご存知でしょうけど、にch炭さんとか通りすがりの名無しさんとかって、こういう動きについては
どういう考えをお持ちなんでしょうね?

違法DLへの刑事罰化には慎重な人が多いと思うんですが、そんなことはお構いなしに一部の権益団体は、
違法DLとその取締りが経済に与える影響をそれぞれ数値化した上で定量的に比較考量することを怠り、
国内外の研究では違法DLによる機会損失とPR効果による利益はプラマイゼロという結果が出ているのも
全く参考にせず、違法DL刑罰化によって当初想定されていたよりもはるかに広い範囲で摘発が行われる
(処罰範囲が著しく拡げられる)可能性があり、それによる経済的損失の方が甚大であるかもしれないこと
をも無視し、売り上げ不振と違法DLの跋扈を無理やり同じ問題に紐づけて、国会議員などの有力者に
働きかけ、国民に対しては自分たちは被害者であると大きな声で訴えるだけで被害の実態について肝心の
説明はほとんどなく、なし崩しに違法DL刑罰化を実現させようと動いている、ということらしいんですけど。

http://togetter.com/li/287668
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/11j010.html
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d74c36ced9a7ab194b3685a4627281db
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/8e9e99a44ddb6566f9e8751fa58c3058

こういうケースにおいては国に賛成しなかったり刑法の謙抑性について理解を示せるのに、
こと死刑となると話が違ってくるんですよねぇ。不思議です。

3113無精髭:2012/05/24(木) 03:45:02
さて、(2)についてですが、これは言い換えると「コストを削減したからといって浮いたお金が適正に
使われるとは限らない」ということです。

これは以前から囁かれていることなので皆さんご存知かと思いますが、国家予算は前年度に使われた予算額を基準に
算定されます(増分主義)。したがって闇雲に歳出を抑えてしまうと次年度の予算が削られる可能性が出てくる
わけなので(シーリング方式)、各省庁はできるだけ予算を使い切ろうと努めます(予算の使い切り慣行)。
そういう風潮の中では無駄なコストを省こうという発想が出て来にくいでしょう(縦割り行政の弊害)。
ましてや官庁にとっては仕事�雜ヿ足靈住擦任垢ǂ蕁△海譴魍鴇閉4屬巴イす腓い海修垢譟△海侶佝颪魯Ε舛砲�
余分だからお宅に回してあげましょうなんて相互扶助の精神はありえないといっていいのではないでしょうか
(法務省であれば、死刑制度があるからその分予算は要りません、他の省庁に回してあげてくださいなんて
言うわけがないでしょう。更には、死刑制度にまつわる秘密主義の一つとして、死刑囚にいったいいくら費用が
掛けられているか計上するためのデータさえ公表されていないという点を鑑みても、法務官僚が死刑制度の
運用上で節約なんてことを考えるとは思えません)。

そもそも各省庁・各部局で剰余金が計上されても一旦国庫に返納されますので(単年度予算制。財政法11条)、
死刑執行で浮かせた分のお金の行く末は次の年にはうやむやにならざるを得ないでしょうね。しかも、
(純)剰余金の半分は国債償還費に充てなければなりませんので(財政法6条。ただし特例法を成立させれば
次期予算財源として全額利用することは可能)、ただでさえ国民を救うにはあまりに少ないであろうと
予測される額から半分引かれることで、さらに国民を救うことが難しくなりましょう。

また、年度内に経費が余ったとしても、各省庁間での資金移動はもちろんのこと、同じ省庁内における異なる名目への
費用の付け替えは原則禁止されています(流用禁止の原則。財政法32条、33条)。ただし例外規定として、修正予算における
一方の減額かつ他方の増額という形で代替的に執行するという方法があるようですが、各省庁間での資金移動を想定する
ような場合、先に言ったように官庁が自発的に予算を減額しようとする動きは制度的にも慣習的にも出てきにくいでしょうし、
そういう官僚の抵抗みたいな高いハードルを越えることがはたして政治家にできるのか、そもそも現行の内閣という
システムはそこに参じる人たちの合意さえあれば官僚たちの意思を下位に置くことが可能なように設計されているのか、
はなはだ疑問です。


―――とはいえ、以上の話を否定するような言い方になるかと思いますが、このような批判が的中していたのは実は
十年以上前の話であって、自民党(小泉政権)時代の経済財政諮問会議や民主党政権下の行政刷新会議による一定の
成果によって予算編成に関しては必ずしも官僚主導とは言えなくなってきている経緯があります。にもかかわらず
未だに官僚批判の材料として通用している言説ではあるでしょう。私が言うのもなんですが、なぜこういう古臭い
議論が一向に消えないのかというと、現政権下でも予算編成の大部分に財務省が関わっている・重要な部分を財務省が
処理していることから、予算編成は財務省主導で決まる・予算編成権は財務省にある点は昔から変わっていない
じゃないかというふうな疑念が人々の間でふつふつと湧いてくるからだと思います。民主党政権になり、シーリング撤廃
(すぐに「概算要求組み替え基準」なるものが作られましたが)、財務省原案・復活折衝の廃止、繰越予算制度の
運用改善等の政策が進められてきたにも関わらず、このような改革においてイニシアチブを示さず、あいかわらず実務・
調整は財務省に丸投げしている(まぁその点財務省が優秀なのは疑いのないことですけど)ようでは、昔ながらの批判は
やまないでしょう。

3114無精髭:2012/05/24(木) 03:50:37
長々と書いて参りましたが以上のような次第なので、もちろん無駄なコストを抑えたことによって得られたお金を
どのように使うかを次の予算案に盛り込んで国会に提出するのは内閣の仕事、ということに形式上なっているのは
確かなのですが、たとえ死刑執行によって抑えられた支出があるのだとしても、一部の民意が望むところの人たちへと
抑えた分のお金がそっくりそのまま再分配されるとは限りませんし(行政のシステム上おそらくありえないと思われる)、
現政権下・現行制度下では到底無理なんじゃないかなぁ、と思う次第であります。

にch炭さんは現行制度で満足するしかない、と仰いましたが、こと今の財政に着目すれば、にch炭さんの提案ないし
存置理由というのは非現実的なものと言わざるをえませんから、もし死刑囚を養うことは止めて他の人を救うために
税金を使うべきだという理由にこだわるのでしたら、その前にちゃんとした財政改革案を出すのが筋ではないかなぁ
と思います。

もう一つ。にch炭さんの考えに沿うとなれば財政改革と同時に死刑執行を推進していかなければ意味がないので、
現行制度のようになかなか執行されないような仕組みも変えていく必要があるかと思います。この点についても
何かしら意見を述べていただきたかったですね。


―――さて、まだまだ続きますよ?


死刑に(正確に言うと死刑囚収容費に)いったいいくらかかっているのかについては
諸説あるようですが、大体200万〜1000万辺りの額ではないかなどとネット上では
噂されているみたいです。ではその間を取って一人当たり毎年600万円かかるとしても、
死刑執行は年に数件。1977年以降の2桁執行は2008年の15件きりだそうで、その際は
9000万円の無駄を抑えたことになるのでしょうか。でも9000万円で救える命って?
生命の危機にある人たちがいったいこの国に何人いるのでしょうか? 9000万円を各人に
均等に配らなければならないとして、その数が多ければ多いほど救える命も救えなくなります。
100万円あれば命が助かる人が1万人いたとしたら、1万人の中から90人選びますか?
残り9990人の人たちのことは?

また、1万人すべての身辺を調査し、そこから優先的に90人選出するというだけで
馬鹿にならない費用がかかりそうなのは容易に想像がつきます。そういう費用も
計算に入れたら救える命の数はさらに減るかもしれません。

では、1万人に対し一人当たり9000円配りますか? でも、命が助かるために100万円
必要な人にとって、9000円ぽっちじゃぁ焼け石に水でしょう。しかも、ただ配るだけでも
相当のお金がかかるでしょうから、その額はもっと少なくなるでしょう。

3115無精髭:2012/05/24(木) 03:52:45
凶悪犯罪者を生かすお金でホームレスや失業者を救えるのではないかと仰いましたが、とりあえず
基本的な事実の確認から。

今年度の当初予算で計上された生活保護費は3兆7000億円、失業等給付は1兆7,790億円(そのうち
暫定措置として13.75%(本来は25%)を国庫負担でまかなうことになっていますが。ちなみに
2年前のニュースでは失業等給付の収支が3500億円近くの赤字の見通しでこれじゃ3年連続赤字だ、
なんてことも取り沙汰されてました)だそうですが、たかだか数千万〜数億円補填したところで
どうにかなるものではありませんし、全国のホームレス数は9576人(厚労省発表)で年々減少傾向に
あるとのことですが、そのかわり生活保護受給者は増えていて、その数は2月時点で209万7401人(厚労省調べ)、
完全失業者数は3月時点で307万人(総務省調べ)だそうで、たかだか数千万〜数億円で救えるような
人数ではないです。はっきりいって救えません。お金と同様、時間も有限なので死刑問題にかかわっている暇が
あったら、たとえば生活保護費不正受給問題に取り組んだほうがまだマシです(厚労省によれば、
2010年度に発覚した全国の不正受給件数は2万5355件(128億7425万円))。

死刑囚の数は現在132名。一人当たり1000万円掛かってるとしても13億2000万円。この額は、
この国の税収と比べても、あるいは国民一人当たりが負担する額から見ても、大したものでないのは
一目瞭然でしょう。凶悪な犯罪者とはいえ、それっぽっちのお金のために殺すのはどうかな、
と思う人もいるでしょう(無論、別の理由で殺したほうがいいと考える人は多そうですが)。


「死刑執行して浮いたお金で生活困窮者を救おう」などとただアナウンスするのは、2つの点で
誇大宣伝っぽくて問題ありですね。一つは、生活困窮者を救えるほどの額が死刑執行で浮くのか
明らかにされていない点(おそらくそんなに浮くはずがない点)。もう一つは、死刑存廃問題よりも
遥かに巨額だと思われる税金の無駄遣いとか霞ヶ関埋蔵金の件とかあるので、真剣に生活困窮者を
救いたいと感じていて、税金の無駄遣いを減らせばその目的が達成されるとも考えているのであれば、
死刑存廃問題に関わるのはそれこそ無駄というか非効率としかいえない点。

紫煙狼さんは「にch炭さんは税金の無駄遣いを批判することに関心があって死刑制度にはどうも興味ないっぽい」
と感じたのかもしれませんが、私はむしろ「にch炭さんは生活困窮者の問題とか財政のことにはほとんど関心なくて、
それと比べて死刑存廃についてはこうやって書き込むくらいだしまだ興味あるんじゃね?」という感想を抱きました。


紫煙狼さんが前に書いてるけど、存廃議論をやってる人たちの中には、コスト問題など
どうでもいいという人は少なからずいましょう。仮に存置が廃止よりもコスト高だと
証明されたとしても、明確な死刑存置団体である全国犯罪被害者の会は存置を主張し続ける
と思いますし、逆の場合でも廃止団体は廃止を主張し続けると思います。

ただ、どれくらい死刑で金がかかってるのかとにかく教えろ、という点では共闘できると思います。

ちなみに私個人の場合、コスト問題の答えが自らの死刑是非の判断を左右するかどうかは程度問題だと
思っていて、死刑廃止が財政を相当圧迫することになるとか、実は死刑存置が相当なコスト削減に
なっているとかいったことがない限り、自分の中で存置するか廃止するかを決める決定打にはなりえない
と考えております。死刑を廃止して終身禁錮刑やら仮釈放なしの無期懲役やらを導入してもコスト面で
旧制度下との差が大して出ないのであれば、コストとは別の要因で死刑存廃を決めるべきだという思いは
変わりません。仮にどちらも大してコストが掛からないとすれば、死刑を残しつつ先述した新刑罰を
導入することもありえるでしょうし。

3116無精髭:2012/05/24(木) 04:00:19
今回の連続書き込みはこれでひとまず終了ということにしますが、最後にもう一つ、今までの話よりも
スケールの大きな話題をば。よく自論の正当化根拠として多数決原理を持ち出してくる人がいますけど、
決まってそういう時に余計な一言としか思えない決まり文句を漏らしてしまうことが多いみたいですね。
「日本は民主主義だから〜」というやつですな。

死刑存廃議論でも、

・日本は民主主義なので多数決で決められたことが正しい
・死刑賛成派は多数派だ
・よって死刑賛成派は正しい

みたいな論法で突っかかってくる人というのは、日本のことを民主主義国家(社会)だと信じているのではないでしょうかね…。
だとすれば、はっきり言って、無邪気だな、と思います。日本は社会主義国家である、少なくとも実質的には民主主義国家ではない、
とは多くの識者の間でよく言われていることのようですし、庶民の間でもそれなりに流布している国家観だと思っていたのですが。

ネットでちょいと検索するだけでもこんなに記事が出てくるんですよ。

http://www.kyo-sin.net/seizi.htm
http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/kiji/minshu.html
http://tanakanews.com/120229japan.htm
http://www.genron-npo.net/world/genre/etc300/post-183.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/日本型社会主義
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1211113.html
http://news.nicovideo.jp/watch/nw190914
(最後のニコ生対談文に対するTwitterの反応を追っていくと「んなこたぁ知ってる」「何を今更」みたいなコメントがちょくちょく確認できます)

優柔不断な私からするとそういうことは口が裂けても言えないのですが、
他人の口から発せられたのを聞いても無性に落ち着かない気分になります。

「日本は民主主義」だの「民主的な意思決定の手段は多数決しかない」だのといくら言い募ったところで
上記のような批判的言説について少しも言及しないのであれば、死刑存廃問題に通じているどころか、
政治全般について浅はかな知識しか持ち合わせていないことを図らずも暴露しているというふうに
受け取られても仕方ないのではないでしょうか。そういえば以前、憲法や独占禁止法の精神は現代においては
当然なもの・所与のものとして人々の間で根付いているので、もはやその存在意義は薄れているのではないか
などとトンデモナイことを主張された方がおられましたが、このケースの場合、おそらくその方と
同じ知識上の問題を抱えている可能性が高いといっても言い過ぎではないでしょう。

民主主義国ならば物事の是非は多数決で決めるべき、という主張に対する反論としては

「多数決で決められたことが全て正しいとは限らない」

というのが今までのデフォだったと思うのですが、これでは相手の無茶な話に部分的に
同調していることになりますから、これからは

「民主主義国では物事の是非を多数決で決めるべきだということ自体決まっているわけではない」

「そもそも日本は民主主義国家ではない」

という返し方を選択肢の一つとして用意しておくことも検討しておいた方がよいのかもしれません。

3117無精髭:2012/05/25(金) 03:03:59
訂正
>>3114
9990人→9910人

>>3112
街灯→外灯



以下、死刑について考える上で参考になりそうなもの。

 京都亀岡暴走事故で3人の犯人の名前を6人分「暴い」たネットの暴走
 2012年04月27日 21:38
 松永英明
 ttp://blogos.com/article/37809/

 【追記 4/28】
 ttp://blogos.com/article/37905/

現在では事故車輛の所有者も含めて6人の逮捕者が出てますけど、
松永氏の記事の意義は失われていないと思います
(たとえネットに晒された6人と逮捕された6人が同一人物だったとしても)。

 【赤木智弘の眼光紙背】守秘義務と「加害者・被害者」問題
 2012年04月28日 07:02
 ttp://blogos.com/article/37807/

 亀岡市の無免許事故で、警察や学校が個人情報を漏洩した理由
 2012年04月27日 18:56
 凜
 ttp://blogos.com/article/37815/

 外人だけど日本人の犯罪者叩きは異常だと思う
 ttp://blog.livedoor.jp/netasaka/archives/6336067.html

上の元スレ(ログ)
 ttp://logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1335415542/

 
 森達也 リアル共同幻想論
 【第52回】 2012年3月29日
 「自分の子どもが殺されても
 同じことが言えるのか」と
 書いた人に訊きたい
 ttp://diamond.jp/articles/-/16819

 【第50回】 2012年2月2日
 “殺された被害者の人権はどうなる?”
 このフレーズには決定的な錯誤がある
 ttp://diamond.jp/articles/-/15954

 死刑否定の根本にある哲学を、ノルウェーの若者の手記に見てみる
 2011年08月21日 05:00
 秋原葉月
 ttp://blogos.com/article/10755/


>>3104
>・現行犯やハッキリとした映像記録などで犯行が明らかでない限り、本人が犯行を認めない限りは刑の執行はされない

「刑の執行はされない」とお書きになっているので、推定無罪の原則を貫くべきだということを仰りたいのではなくて、
上に挙げられた条件を満たしていないにも関わらず死刑判決を受けて確定した者に対しては、従来の運用どおりに
執行を延期し続けるか、執行手続きに着手しない(いずれにせよ閉じ込めておくだけ)という処置を取るべきだと
主張していると解釈せざるを得ませんが、こういう理解でよろしいのかな。

あと気になったのですが、「○○ない限り」が併記されてるんですけど、「刑の執行はされない」に掛かっているのは
どっちの「○○ない限り」なんですか? いや、質問を変えましょう。上記は「犯行が明らかでない限り、または
(でなければ)、本人が犯行を認めない限り」という意味の文章ですか? それとも、「犯行が明らかでない、かつ(そして)、
本人が犯行を認めない限り」という趣旨でしょうか?(まさか二つの「○○ない限り」はイコールじゃないですよね?) 

前者の意味だとしたら首を傾げざるを得ませんが、後者の意味だとしたら心底感服いたします。

私は「犯行が明らかでない限り」の部分だけで本当は充分なのではないかと思うのですけど。

ただ、「現行犯(逮捕)ならば犯行が明らか」っていうのは、現行犯や準現行犯の定義に照らしてみると
いかに危うい発想であるかがわかります。誤認逮捕とかありますし。私人にも現行犯逮捕ができる場合が
あるのはもちろんご存知ですよね?

うむう。現行犯逮捕を重視するのでなく令状主義を今よりもっと厳守させるべきなのかも。
まあ、誤認逮捕でもその様子がハッキリと映像に記録されているなら(つまり物証があるなら)
あんまり問題ないとタマさんは仰るのかもしれませんが。私はそうは思わないですけど。

しかしながら、「現行犯やハッキリとした映像記録などで」という条件がすべて満たされたときに
「犯行が明らか」となるのだということであれば、タマさんの慎重な姿勢には心底感服いたします。

3118無精髭:2012/05/25(金) 03:28:06
>・執行内容に変化をつける

そうすると「故意や享楽的な大量殺人に適応「死刑になりたかった」などというバカを量産しないように」なるんですか?
そもそも「死刑になりたかった」などというほどのバカなんですから、「ガスや傷などで数日かけてゆっくりと死ぬ刑」も
意に介さない可能性はありませんか? あるいは、そういう刑で死にたくないが「故意や享楽的な大量殺人」を
犯したいと思う者にしてみれば、犯行直後もしくは身柄を拘束されそうになったら犯行途中で自殺すればいいわけで、
残虐刑の導入は犯人がそのために確実に自殺できるような準備を整えるのをただ促す結果になるだけなんじゃ。

>・死刑囚本人が望めば臓器提供も可能

えっ。臓器提供で死ぬことを自分の意思で選択できるなら、タマさんがわざわざ挙げて下さった、
執行内容に変化をつける案はいらないですよね。

臓器提供を拒んでまで先のような「バカ」な刑を受け入れようなどという奴の気が知れないw

>しかし人を裁く以上エラーは裁かれる人にも存在し、排除はしえない(痴漢冤罪事件などでやってもいないのにその場では認めてしまうなど)

憲法38条はご存知ですよね?

>そうであればエラーを受容できる形にするしかない

エラーを受容するしかない、という結論なら、なぜ「故意や享楽的な大量殺人」を
犯したことについてはそれをエラーとして受容しないんですかね?

>刑務官はその機械のメンテナンスと死刑囚を装置に取り付けることはするが、退室後いつ行われるかは分からない
>死刑囚はその執行をいつ行われるかは分からない、1分後なのか12時間後なのか。ただし明日の朝日を拝めないことはわかる

なぜ、刑務官にもいつ執行されるか分からなくしなくてはいけないのかが、分からない。

>もし刑務官のことを考えるのであれば、刑場は死刑終了後死刑囚を入れたまま洗車機のように丸洗いが妥当、丸洗い後仏の回収を行えば泣いて糞便を漏らしていても分からない

死刑囚に関わる刑務官の心身負担の主な原因って、執行ボタンを自分で押さなきゃいけないこととか執行の後処理ばかりじゃないと思います。

>死刑は恐ろしいものでなければいけない

死刑だけは恐ろしくなくてはならない、ということでしょうか。なぜでしょうか?

>抑止力として考えると現行の死刑は効力が薄くなっている

へ?
犯罪白書や警察白書のチェックしてます?
死刑になる犯罪の推移を見る限り、効力は
むしろ強まってると見ていいのでは?

3119無精髭:2012/05/25(金) 03:31:19
>そうであれば抑止力を維持するためには死にざまを変えるしかない

威嚇効果などという陳腐なものにこだわらなければならないのだとしても、執行方法を変える必要などなく、
単に現行の絞首刑を公開すればすむのでは? 

世間を騒がせるような事件が起こるたびに、死刑の適用範囲を拡大しようとの声がよく上がりますが、
死刑をより残酷なものにしようという話はあんまり聞かれませんよね。いや、ひょっとしたら私が知らないだけで、
そういうことが真面目に話し合われている場ってどこかにあるのかもしれませんけど。けれど、私の現状認識
からしますと、刑罰の残酷さを増す方向でその抑止力を促すことができないからこそ昨今の厳罰化は
進められているのであって、タマさんのように刑罰の残酷さを増すことについて何の懸念も感じて
いらっしゃらない方を見ると、SF的というよりスチームパンク的な雰囲気を感じ取ってしまいます。
私たちは文明の進歩を諦め、威嚇説とか心理強制説とかで残虐な刑罰の犯罪抑止効果を正当化していた
時代に戻った方がよいのでしょうか。

余談ですが、威嚇説や心理強制説がなぜ問題視され、死刑を正当化する理由から除外されてしまったのかは
個人的に気になりますので、後々片手間に考察したことを書きこむかも。

>もちろん公務員による拷問の禁止はあるが、上記のような完全自動式であれば問題は少ないと考える

憲法で禁止されているはずの残虐な刑罰が「完全自動式であれば問題は少ない」って、意味わかんないんですけど。

もしかして、死刑に関わる公務員って刑務官だけだと思ってます?
それ以外にも法務大臣を筆頭に、死刑執行手続きに関わる公務員はたくさんいまして、
そういう事務職の存在も考えたら完全自動式になんてできるわけがないです。

どうもタマさんは、死刑執行ボタンを押す行為は憲法36条の対象となりえても、死刑執行命令書に
サインする行為は埒外だと思ってるっぽい。思いっきり勘違いしてますよ。

もし死刑が残酷な刑罰であるとされ、廃止もされたとしたらどうなるか。死刑制度上の公務員による実務は
一切なくなるはずなので、刑務官のみならず法務大臣やその下の行政官や検察官の仕事はその分確実に減る
でしょう。制度を廃止したら多くの公務員に直接的な影響が出るということは、つまり制度を廃止する以前
にはその多くの公務員が問題の制度に関与していたということを意味するわけです。

あと、死刑の執行内容を残虐なものに変えるのはいったい誰なのでしょう? 公務員しか考えられないですよね。
したがって、残虐刑導入も「公務員による残虐な刑罰」に当たるとするのが妥当な解釈なのでは? 36条を確認
すれば分かりますが、別に執行(者)について限定して規定しているわけではありません。

>このような 内 容 のみを社会に知らせておけば、「道連れがほしい」なんてことで通り魔を起こすやつも減ると考える

なぜその執行改革案では処刑の様子が非公開ということがデフォになっているのですか?
死刑は恐ろしいものでなければならないというタマさんの言い分に従えば、執行方法を変えるにしろ、
公開処刑の方がタマさんが期待する抑止効果も大きいということになりはしませんか? 

現行の処刑方法である絞首刑を完全に公開する場合と、タマさんの考案された処刑方法を内容だけを知らせて
あとは完全に非公開にする場合とでは、前者の方が抑止力が強いのではないかと私は思うのですけど。

恐ろしいとか痛そうだとか惨たらしい(あるいは可哀そう)とかいった感情は、それが隠されていて伝聞でしか
知れない時よりも実際にそれを目撃した時のほうが激しく喚起されるものと思われますので。仮に前者が後者に
勝る点があるとすれば、不安や疑心暗鬼の度合い(予断の幅)くらいでしょう。

他にもこんな提案があるのですが、いかがでしょうか?
http://d.hatena.ne.jp/sugitasyunsuke/20080302/p2

>正気を疑うくらい残酷に思えたでしょう?

そうですね。「タマさんの」正気を疑うくらい「タマさんが」残酷に思えました。


>>3105
>代替案

これ、死刑より残酷なんですか?

まあ娯楽がないのはつらいかも。

理想はノルウェーの刑務所ですねぇ。

>5億年ボタン

知りませんでした。面白いですね。教えていただきありがとうございます。

3120ufloat:2012/05/25(金) 06:23:05
>>3104
無精髭さんがすでに大方反論なさっていますが、夜に大体書き上げておいたのを消してしまうのも何なので、
ほぼそのままで(無精髭さんの書き込みがなかった段階で書いたものを)投稿します。重複ありましたら失礼。

>・現行犯やハッキリとした映像記録などで犯行が明らかでない限り、本人が犯行を認めない限りは刑の執行はされない
ということは、正直者は死刑、しかも時に拷問を伴う極めて残虐なものに処され、嘘つきはそれを免れるわけですか?
浮世どころか司法ですら「正直者がバカを見る」世の中はちょっとご遠慮したいのですが。
また、
>自らの命や家族の名誉がかかっている場で痴漢冤罪のような妥協はしないでしょう
はどう考えても希望的観測以外の何物でもないどころか、拘禁のやり方によっては新たな冤罪自白メーカーとなる可能性をはらんでいます
(後述。>>3105への返信部分を参照。逆に拘禁があまり辛くないものなら、わざわざ正直に自白して拷問されて処刑される人は相当な聖人ですね)。
さらに言えば、痴漢冤罪を見るまでもなく現行犯が犯人であるとは限りませんし、「犯行が明らか」の基準も不明瞭、しかも
>犯行が明らかでない限り、本人が犯行を認めない限りは
なのですから、下手をすると「自白は証拠の女王」の時代の再来すらあり得るのではないでしょうか。

>(故意や享楽的な大量殺人に適応「死刑になりたかった」などというバカを量産しないようにガスや傷などで数日かけてゆっくりと死ぬ刑を導入)
「享楽的」とのことですから、いわゆるシリアルキラーにも適用されるのでしょうか。
絶望の中で自暴自棄となり、街中で通り魔をやって逮捕される人間には拷問を適用する一方、
人殺しを楽しんでいる神出鬼没のシリアルキラーには適用しないとすれば、どう考えても妙な話ですから。
であれば前述の通り、これではいずれ無実の人間を拷問して殺すことになる可能性が高いと言わざるを得ません。
また、やはり前述の通り、正直に自白すれば拷問されて殺され、徹底的に嘘で塗り固めればそれを免れる制度には問題がありすぎます。
さらに、決定的証拠があれば拷問されて殺されるかもしれず、決定的証拠がなければそれはほぼ免れるのであれば、
目撃者など決定的な証言者となりかねない/決定的証拠を持った者が現れた場合、犯人がその人物の口を死に物狂いで封じようとする可能性すら考えられます。

3121ufloat:2012/05/25(金) 06:25:42
あるいは、秋葉原の事件のような通り魔的大量殺人にしか適用されないのであれば、いちいち「拷問されて死刑」などと考えるほどの
余裕すらなくなっている犯人への抑止効果はないでしょうし、考えて行動する犯人が相手であれば、
「より確実に大量殺人ができて、しかも自分も確実に捕まらずに死ぬ方法」が練られるに過ぎないのではないでしょうか。
例えば刃物を銃に持ち替えるだけでも、「成功」の可能性は上がりますよね。
また、現状における死刑目的の犯人の場合は、犯行を終えた後に捕まることが目的なのでそれでおしまいでしょうが、
死ぬ覚悟はあっても捕まって拷問死刑は避けたい犯人の場合は、捕まらないための方法や手段、武器を準備したり、
万一逮捕されそうになったら徹底的な抵抗を見せて被害を拡大したり、人質を取ってでも捕まるのを回避しようとしたり、
人質を取って立てこもり、警察が踏み込むと人質と被疑者の死体が発見された、ということも発生しかねない。
もちろん、この懸念は「拷問死刑を導入すれば死刑目的の犯罪は減る」論と同じく、ただの根拠なき妄想に過ぎませんが。
それと、この場合は通り魔的大量殺人とシリアルキラー(拷問死刑を適用する境界)をどう区別するのかも不明瞭です。
「死ぬ覚悟がほしい、または社会への復讐はしたいが、逮捕されて拷問死刑は回避したい」ような犯人が増えた場合、
放火して逃げたり、爆弾や毒物を使ったり、人目のないところで殺人を犯したりする可能性が考えられますが、
これらの犯人を捕まえたら拷問死刑にすべきでしょうか。するとしたら、これらには冤罪の可能性も付随してくるわけですが。
それとも、拷問死刑だとか何だとかを考える余裕がなくなった犯人による通り魔的殺人は拷問死刑にしても、
策を練り、火や爆弾や毒を仕掛けてとっとと逃げたり、こっそり人を襲って回ったりするこれらのケースなら、「犯行が明らかでない」から捕まえても死刑執行しませんか?
徹頭徹尾矛盾している気がするのですが。

ちなみにこの問題、「司法判断で拷問死刑にするかどうか決定できる」(が、明らかな証拠なしなら死刑執行しない)のであれば最も深刻になりそうです。
そうなると理論上どんな殺人犯にも拷問死刑の可能性があるわけで、仮にとある犯人が拷問死刑は絶対回避したいと考えたら、
明白な目撃者がいたり、現行犯逮捕されれば拷問死刑の恐れ。目撃者を殺したり、捕まえようとする者を返り討ちにして逃亡すれば、
「犯行が明らかでない」からそれは避けられるかもしれない。そうなれば、犯人にとって目撃者らは殺した方が利益が大きい
(ある程度の危険を冒したとしても、積極的に殺そうとする動機づけになる)ですね。
ついでにマスメディアで「被疑者死亡のまま書類送検」という言葉を見聞きする機会が増えそうですね。
もし私が被害者または遺族ならば、きっと犯人には罪は償ってほしいし、その口で動機などを明らかにしてほしいと望むと思いますが。

>このような 内 容 のみを社会に知らせておけば
「内容のみ」?実際にはこんな運用は全く/それほどしないけど、そういう運用をしていることにしておく、ということですか?
仮にそうなら、ただでさえ密室性が指摘されている死刑をますます密室化しても、何も良いことはないと思いますが。
最悪の場合、犯人がありもしない拷問死刑におびえて死に物狂いで目撃者を殺したり抵抗したりすることだってあり得ますよね。

3122ufloat:2012/05/25(金) 06:29:57
>もちろん公務員による拷問の禁止はあるが、上記のような完全自動式であれば問題は少ないと考える
憲法三十六条のことかと思いますが。
「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」
自動式であれば残虐な刑罰が「問題は少ない」など冗談にしてもあんまりですし、そんな珍解釈は見たことがありません。
大体その理屈で言えば、完全自動式の装置を作って人を殺しても罪に問われないことになります。
「公務員が直接手を下さないからいいじゃん」などというのは、はっきり言って条文の悪用以外の何物でもない。
何のために「絶対にこれを禁ずる」とまで書かれているのでしょうか。
某百科事典であれば、「法律家ごっこ」と言われている場面です。

>>3105
正直、一体何を目的にした代替案なのかがさっぱり分からないのですが。
「死刑は冤罪の恐れがある。だから賛成できない」
「じゃあ、処刑しない代わりに死刑相当囚には毎日凄惨な拷問を与え、殺さないというのは?
それなら仮に冤罪が判明しても、死んではいないから出てくることができるし、名誉回復もできる」
自ら「死刑より残酷になりそう」と書いておられる以上、ご提案はこういうことですよね。
こんなものに同意する人が多いとは思えないというか、冤罪問題の本質が完全に抜け落ちているというか、
やはり悪い冗談にしか見えないのですが。
また、死刑廃止の際にその「死刑より残酷」な禁固を代替刑とするだけなら「論外」の一言で済みますが、
もし>>3104の案と同時にこれを適用するのならますます最悪です。
誰かを「死刑より残酷になりそう」な状況に置けば、少なくない人が「死刑の方がマシだ」と望む可能性があることは、
ご自分で「死刑より残酷になりそう」と書いているからにはお分かりでしょうから、
もはや犯人だろうが冤罪の人だろうがお構いなしに、受刑者に「自白」をさせたいのだとしか思えません。

3123ufloat:2012/05/25(金) 06:51:12
以下余談。
個人的に思うのですが、このテの主張はもはや死刑存廃問題とは独立して扱った方がよさそうですね。
そもそもこのテの主張、かの誰かサンですら「チンピラ存置派」とおっしゃる(>>2615)ようなモノで、
少なくとも、この言い分が死刑存置派の主流とは思えませんし、同意する存置派が大多数とも思えない。
であるならば、

A.死刑囚は拷問にして死刑。代替刑は死なないけど非人道的。非人道性志向。
B.死刑を存続するしないにかかわらず、必要のない非人道性は回避・軽減しようと努力する。

この両者の対立と考えた方が無難ではないでしょうか。死刑とは別個の議論として。
そして、ただ死刑存置派という理由だけでAに組み込まれる、あるいはAと自動的に共闘することは妥当ではない、と思います。

3124紫煙狼:2012/05/25(金) 13:35:26
>>3104
>冤罪は廃止しえない、人間が絡む以上絶対にエラーは起こる(中略)
>そうであればエラーを受容できる形にするしかない
「冤罪が廃絶しえないのあれば、冤罪を受容できる形にするしかない」と
言っているのであれば、方向性は2通り考えられます。
ひとつは「自分が冤罪になっても仕方がないと受け入れる思想教育」
もうひとつは「罪に問われても特段の不利益を受けない社会制度」
でも、両方とも理想からは遠ざかる結果に終わりそうです。

>考える時間が十分にあり、自らの命や家族の名誉が(中略)
>弁護士が望めば精神科への受診や投薬を行ってもいいでしょう
そこに「人間が絡む以上絶対にエラーは起こ」り得るのですよね?

結局、タマさんは冤罪という問題自体には最初からサジを投げていて、
「そんな議論は無意味ですよ、それより大事な話をしましょうね」と
話題を転換して「死刑の方法に強弱をつけましょう?」と言うわけですね。

でも、どちらにしても「冤罪は廃止しえない」とお考えなのであれば、
「冤罪が発生しているもの」として考えていただきたいと思います。
つまり、タマさんが考える一番きっつい処刑方法で冤罪被害者が処刑される。
それも想定したうえで「受容できる形に」と言う論法なら、
「言っている言葉は分かりますが、仰る意味が分かりません。」

3125ufloat:2012/05/25(金) 21:39:38
そうそう、冤罪と言えば

>>3107
>無期懲役冤罪の人は死刑じゃなくて良かったネ
実はある意味、その通りだと思うのですよね。
もちろん「良かった」わけはありませんが。

死刑と終身刑のうちどちらが有効なのか、あるいはどちらも同等程度の効果なのか。
これはなかなか難しい問題ですが、ここではとりあえず同等であると仮定しましょう。
そして、仮に両者が同等であるなら、万が一冤罪が発生した際に冤罪被害者のダメージが
より少なくなる方を選ぶという発想は、決して奇妙なものではないと思います。

もちろん、これは死刑と終身刑に限った問題ではありません。
例えば海外では最高刑を懲役25年程度に設定している国もありますが、
もし終身刑と懲役25年では差がないと明らかになれば、それは当然
冤罪被害者のダメージがより少なくなる懲役25年を選択する余地はあります。
そして未来、人間や犯罪に関する研究が飛躍的に進み、最高刑が懲役1年でも
懲役25年と同等の効果が得られるようになったなら、冤罪被害者のダメージが
より少なくなる懲役1年を選択することも、やぶさかではありません。
ま、その前に冤罪がなくなっていたら最高なのですが。

「死刑じゃなくて良かったネ」?「良」くはないにせよ、そうかもしれませんね。
足利事件が死刑であったなら、執行に至っていなかった保証はない。
であれば、死刑じゃなくて「良」くはないが、まだ「マシ」かもしれない。
できるだけ社会の安定を保ちつつ、冤罪被害者にとって可能な限り「マシ」な刑罰を
考えようとする行為は、全く自然なものです。

薬品にたとえれば、ある患者が薬を飲んでいる。しかしその薬は副作用の強さが指摘されている。
その場合、「作用が同等で副作用が軽減される、こちらの薬に変えてみてはどうだろう」
という意見が出ることはおかしくないどころか、自明とさえいえる。
そして、それに対する一般的な反論は
「いや、その薬では〜という理由で今の薬の代替はできない」
「代替の検討はいいが、薬を変えると何が起こるか分からないから慎重にいこう」
などでしょうか。いずれも死刑存廃問題では実際に見る反論ですし、妥当な反論です。
が、しかし。
「薬というものには必ず副作用がある。副作用があるのがダメとかいうのなら
この世に存在する薬全部をなくしてしまえ!」
これに至っては話にならないどころか、一歩間違うとコントです。

この例で考えると、
>>3108
>その一例「冤罪が理由で死刑に反対するということは〜
「この薬は副作用がより強いので、現状での使用には反対する」と主張しつつ、
薬の副作用を緩和する研究も進めることは、おかしくないどころか真面目な行為ですね。
むしろ、「副作用が強いからその薬は使うなと言いながら、その薬の副作用を
緩和する研究をするのはおかしい」と主張する意見の方が相当奇妙に感じます。

3126雄峰:2012/05/27(日) 15:25:46
だからさ、凶悪犯一人を養っていくために1円支払うぐらいなら、
凶悪犯一人を殺すために1000円支払う事を厭わないのが
普通の感覚だと思うよ?

3127無精髭:2012/05/27(日) 19:05:44
>>3126
「普通の感覚」という言葉の意味が判然としませんが、ご指摘が
太宰メソッドに当たらないと好意的に解釈した上で、「普通の感覚」
について「ほぼ全ての国民が個人単位で持つ共通的価値観」だと
仮定して考えてみました。

結論としては、私は雄峰さんのご意見には賛同しかねます。

いや、個人的な感覚からそう思っているのではなくて、一応
世論調査を踏まえた上での意見です。以下根拠を示します。

平成21年に行われた死刑に関する世論調査(該当者数1944人)によりますと、
存廃の賛否に関する三択では以下の通りの結果が出ましたが

 「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」・・・5.7%
 「わからない・一概に言えない」・・・8.6%
 「場合によっては死刑もやむを得ない」・・・85.6%

上の存置派(85.6%→1665人)に対して「将来も死刑存置か」と
問うてみたところ、以下の通りの結果が出ました。

 「将来も死刑を廃止しない」・・・60.8%
 「わからない」・・・5.0%
 「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」・・・34.2%

こうしてみますと、雄峰さんが>>3071でお示しいただいたことが
必ずしも現状に即していないのがお分かりになりませんか? 

雄峰さんが想定されているであろう、「いかなる状況下でも『死刑以外に
選択肢は無い』と考える存置派」が世論調査上国民全体を占める割合は、
実際には約5割に留まっています。この程度では「普通の感覚」をそこに
仮託するのは厳しいでしょう(「約5割」は「ほぼ全て」を意味しませんので)。

対して、「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」という
存置派に廃止派を加えた数は全体の約3割です。言い換えれば「殺さずに
済むなら殺したくないと考える人」は決して少なくないのです。

ましてや、存廃について「わからない・一概に言えない」と回答した人々や
将来も死刑存置かという質問に「わからない」と答えた人々にとって

>凶悪犯一人を養っていくために1円支払うぐらいなら、
>凶悪犯一人を殺すために1000円支払う事を厭わない

と感じることが普通であるとは、現時点では誰も断言できないことのはずです。
だいいち、先のアンケートでは死刑コストについては一切触れられておりません。

ただ、雄峰さんの例で行きますと、死刑囚に総額10兆円以上はつぎ込んでいる
計算になるかと思われますので、そうなってくると他の歳出との比較関係上、
廃止はやむをえない、でなければ少なくとも廃止を前提に熟議すべし、となるのが
国家運営のあり方としては普通だと思われるのですけど、いかがでしょう。

もしそういう国家方針にすら逆らう国民感覚が普通なのだとしても、それは
国民自らが財政破綻を企図しているに等しいので、政治家が国民をどう説得
できるかに懸かっているのではないかと。

いずれにせよ感覚を問題の中心にすえてしまうと往々にして議論にならないですね。

3128無精髭:2012/05/28(月) 00:37:48
先回のレスにも誤記がありました(恥

>こうしてみますと、雄峰さんが>>3071でお示しいただいたことが

慣れない敬語は使うもんじゃないですね...。


ところで話は変わりますが、死刑廃止派に向かって

 「タクマみたいなやつも死刑にしないんだな?」

とか、

 「何百人何千人殺そうが処刑されない国にしようって腹なんだな?」

とかいった非難を放つ人がいますが、あれってどうなんでしょうねえ?
廃止派側の返しは無論、

 「死刑廃止論ってそういうものですから(キリッ」

しかありえませんよねえ。そんなの死刑廃止論を少し勉強すれば
わかることで、わざわざ議論で相手に聞くことじゃないですよねえ。
んなことを聞くのは自分の無知とか不明を晒しているだけですよねえ。

でも、驚いたことというか困ったことに、廃止派にもその点を勘違い
している人がいるみたいなんですよねえ。

 ttp://twilog.org/tweets.cgi?id=motoken_tw&word=%E6%AD%BB%E5%88%91%E5%BB%83%E6%AD%A2

そうなのです。廃止派になるための敷居はスゴ〜〜ぉぉおおっっく高いのです。

老婆心ながら忠告しますと、なにがなんでも死刑にしたいおーって思ってる人は
廃止派と接触しようなんて時間の無駄ですからやめたほうがいいですよ。

早い話、存廃議論というのはいわば、

「死刑にせずに済むなら死刑にしないと考える人」と「絶対に死刑にしないと決めている人」

がお互いを理解しあう場ですから。そこに「なにがなんでも死刑にしようぜ派の人」
の居場所はないです(実際、ここが存廃議論の場であるかどうかは別として)。

ちなみに、死刑廃止派と死刑慎重派は議論できそうだけど、
死刑推進派と議論できそうな人はいないんじゃないですかね。

推進派は廃止派を邪魔者としか思っていないでしょうし、廃止派は推進派の考えを議論対象
(存置の論理:コンスタティブ)としてではなく救済対象(犯罪被害の叫び:パフォーマティブ)
として見ていますしね(これがまた推進派を苛立たせる要因なのかもしれませんけどねえ)。
 ttp://togetter.com/li/183517

以下、死刑推進派の存置論(といっても犯罪被害者遺族によるものばかりですが)。

 ttp://shuchi.php.co.jp/article/555
 ttp://www.moj.go.jp/content/000056302.pdf
 ttp://www.navs.jp/nl/nl_42/nl_42_02.pdf

 岡村顧問が「死刑執行命令権を法相から検事総長に移す」ことを提案した論文
 ttp://www.navs.jp/2011-10-14t.jpg

 ※ところで、リンク先で名前が挙がっている佐々木和子さんの死刑存置論ないし死刑廃止反対論
   ttp://www.sasaki-law.com/memberof/concern7.htm
  の中の「廃止国における現場射殺(=簡易死刑執行)多発説」ですが、
  廃止派・存置派の論客から相当手厳しく批判されています。
   ttp://togetter.com/li/90275
   ttp://togetter.com/li/124877

あすの会や岡村氏に対する疑義や批判も
 ttp://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7138434.html
 ttp://blogs.dion.ne.jp/akiras_room/archives/7320875.html
 ttp://togetter.com/li/105062
 ttp://togetter.com/li/105867

以上読んできますと、どうも推進派内には慎重派の居場所はないみたいですが、
それよりも私が気になったのは、法務大臣の執行権限(義務?)に関する箇所かな。
これについては次回書きます(冤罪死刑に関することは後回しになるかも)。

3129雄峰:2012/05/28(月) 09:45:41
 ゴキブリの出る部屋を家賃月30000円で借りるより、ゴキブリの出ない部屋を
月31000円で借りるでしょ?不動産屋に「ゴキブリは居ますけど、借主には
一切迷惑かけませんから」と言われてもねぇ。
 世論調査して言っているわけではないから絶対と言う自信はないですけど、
コスト比で「死刑を廃止した方が安価である」ことが分かっても、
よほど差額が大きくなければ死刑を選択するだろう人々は少なくないはずですよ。
 死刑のコストだって、執行するまでの時間を短くすれば今よりは下がるんじゃない?
再審請求していようが無視して、確定後半年以内に執行していれば下がるでしょ。
それに、死刑の犯罪抑止効果を信じて疑わない人々が納得して死刑を廃止するには
抱き合わせで新しい制度を導入なければならないでしょ?その部分のコストを足したら、
仮に死刑を残すより安価に収まるとしても、コスト差は一層縮まるよ。
 だから、死刑にすれば安上がりって勘違いを指摘するのは大事だけれど、
それが存置派の気持ちを揺るがすかって意味では疑問。

 タマみたいに残虐な刑罰導入のためにコスト増大することを厭わない人もいるでしょ?

3130無精髭:2012/05/29(火) 00:44:14
>>3129
>コスト比で「死刑を廃止した方が安価である」ことが分かっても、
>よほど差額が大きくなければ死刑を選択するだろう人々は少なくないはずですよ。

>だから、死刑にすれば安上がりって勘違いを指摘するのは大事だけれど、
>それが存置派の気持ちを揺るがすかって意味では疑問。

概ね同意です。その点については、>>3115でお書きしたとおりです。

遠回しな表現で分かりにくかったかもしれませんが、私は死刑存廃をコスト問題に
回収しようという意見には基本的に反対しておりますし、大抵の人たちもきっと
そんなことで死刑の是非を決めようとは考えていないだろうと踏んでおりました。

しかし、だからといって「コストで決めようとするのはヤメロ」なんていう資格は
誰にもないですし(言論圧殺になりますから)、実際のところコストを論点に
死刑の是非を決めることにどれほどの人が反対しているのかデータがない以上、
それが誰にとっても無駄であると決まったわけでもないので、一応まじめに
付き合わにゃならんな、と変な気を起こした次第です。まあ、かなりの部分は
余計だったかもしれません。

ところで雄峰さんから見て、にch炭さんはどのような存在なのでしょうか?
本心では凶悪犯なんかゴミかゴキブリみたいに穢れているから一刻も早く
この世から抹殺したくて仕方がないと思ってるのだけど、かといってそれを
そのまま口に出したら人間性が疑われちゃうなどと気後れを起こしたために、
「税金がぁー」とか「他に救える命がぁー」とか適当に聞こえの良いことを
言ってごまかしている、逆にそれが見栄も外聞もなく強弁を張っているように
見えてしまうところが大変見苦しい、そんな存置派の一人であるとの評価でしょうか?

一体にch炭さんに対してどんな評価がふさわしいかについて、私にはさして関心
がありません。しかし、べネフィットやらメリットやらを論拠にしているのが
誰の目からみても明白な以上は、その論旨に沿わない批判を向けるのは論点ずらし
になりかねません。

あるいは、私が行ったようなトリビアリズムの色濃い批判でも、コストを理由に
死刑に賛成する人に対しては意味があるのではないでしょうか。

にch炭さんも>>3093

>私が死刑存置派である理由は死刑存置のほうがメリットが大きいと思うからです
>なので死刑廃止のほうがメリットが大きいとわかれば死刑廃止派になります

と仰っていることですし、これが嘘であるとは証明不可能なので。

注意していただきたいのは、私は、にch炭さんの気持ちを揺るがすために
一連の批判を書いたわけではありません。そんなことには何の意味も
ないでしょう。というのも、にch炭さんのことを標準的な存置派だとは
全く思っていなかったので(それについても一連のレスにてやや婉曲に言及しました)。
にch炭さんへの批判が、よもや雄峰さんがイメージされているような存置派全体にも
当てはまるなどとは夢にも考えておりませんでした。にch炭さんが私の批判を
読んで意見を変えようが変えまいが、そんなことはどうだっていいのです。

また、どう見てもにch炭さんの廃止派批判は正当なものではありませんでしたので、
それについてはかなり厳しく指摘したつもりです。ハッキリ言って相手を・議論を・
存廃問題を舐め過ぎだと思います。

3131無精髭:2012/05/29(火) 00:53:24
雄峰さんは>>3102で書かれているような評価を下すことでご満足なのでしょう。
しかし、>>3037でも申し上げたように、私には、ネットでの匿名人物、あるいは
議論相手に対して雄峰さんが考えているように考える傾向がありません。雄峰さんと
私とでは、存廃問題に対するスタンスばかりか、議論に対する価値観や論述スタイル、
はては事実の捉え方や倫理観まで異なるようです。ちなみに、紫煙狼さんについての
評価にもだいぶ齟齬があるようです。

>死刑のコストだって、執行するまでの時間を短くすれば今よりは下がるんじゃない?
>再審請求していようが無視して、確定後半年以内に執行していれば下がるでしょ。

そういう意見は>>3128で書きました「死刑推進派」に他なりません(ちなみに世論調査で
5割いるとされた「将来も死刑を廃止しない」派にも、現状維持派とか穏健派とか、もしくは
タマさんのような改革派などが混在していると思われますので、死刑推進派の実数はおそらく
もう少し少ないかと)。そのように理想の高い人を説得することはできないでしょう。

もうすこし現実レベルの方に話を落としますと、死刑のコストで主に問題視されるのは、
判決から執行までの費用ではなく、それ以前の(再審を含む)訴訟費用の部分でして、
しかも日本の場合はその点について一切ヒミツなので何ともいえない、というのが実状かと。
が、仮に仰るような運用にした場合、その反動で司法側で死刑判決を出すのにより慎重に
なるかもしれず、その結果裁判が長引くことなどで訴訟コストが今よりかかるかも
しれませんし、もしかしたら死刑判決が減った分無期懲役判決が増えて行刑コストが
著しく下がるかもしれません。ただ、それを現在の死刑コストと比較するのは、はっきりした
ことが何も分かっていない現状では、しょせん妄想の域を出ないと思います。

>タマみたいに残虐な刑罰導入のためにコスト増大することを厭わない人もいるでしょ?

要は、タマさんみたいな方がどれくらいいるか、ですね。廃止派より少ないかもしれませんし。

3132無精髭:2012/05/29(火) 01:08:20
ちなみに、懲役囚のコストについてはこれがすごく参考になりました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1122710291
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1454578839
案外安いでしょ?


さて、余計なことをしゃべったついでに個人的なことも少し話しますか。

私が存廃議論をするのは自分のためなんです。断じて人のためではない。

存置派だろうが廃止派だろうが、相手の信念まで変える気にはならんですね。
ハッキリ言って、この手の説得はめんどくさいに尽きる。

私が相手に求めるものがあるとすれば、それは結論の変化ではないんです。
同じ結論でも構わないからもっと熟慮してほしいんです。
簡単に殺すとか言わないでほしいんですね。

私が相手に求めるのは熟慮した上での決断です。それさえあればいい。

3133無精髭:2012/05/29(火) 01:26:09
今回書いたことをわかりやすくまとめます。


雄峰さんが言いたいことっていうのはたぶん二つあって、

一つは

代替刑は税金の無駄無駄無駄ァァァッーーーってしつこく言ってくる存置派に向かって、
いやぁ死刑のコストとそんな変わんないですよー、とか、運用次第では死刑よりも安上がりですよー、
とかバカ正直に反論しても、実はその存置派は先の理由とは別の理由で死刑を存置すべきだと
考えているから意味がないよね?

って話でしょう。

いや、私は上記のような存置派を説得したり論破したりしたかったわけではなくて、廃止派とか、
死刑存廃に興味はないが税金の使われ方には大いに関心がある人を説得するにはそんな杜撰な
やり方では無理だよ、ってことを言いたかったんですね。

あと一つは

雄峰さんがイメージされているような存置派が主流だとして、それを説得しないことには
廃止は無理だよね?

ということかと思うのですが、この問題は難しいですねぇ。

雄峰さんは勘違いしてますよー、あなたの思ってるような存置派はほんの一部で、
ほとんどの存置派は廃止論にも理解を示すことができる人たちですよー、
ってことをできるかぎりたくさんの実例を挙げ、充分な説得力を以って論じられたら、
雄峰さんの疑問は退けられるかと思われますが、とても難しいことですね。

あるいは雄峰さんの認識が真実だとすれば、もうどうしたらいいのか皆目見当もつきません。

ただし、たとえ廃止への道に「主流存置派」の説得という壁が立ち塞がっているのだとしても、
死刑存廃問題を考える上で(存廃議論を行う中で)、ただただその多数派を説得するためだけに
リソースを割くっていうのもどうかなって気がします。

一方で、データ上でいうと先の存置派の半分くらいの人数ですけど、話の分かる存置派って確実に
いますからね。廃止派にしてみれば、そういう人たちを相手に議論するほうが有益なのかもしれません。

死刑廃止については主流存置派の合意を得なければ無理でしょうけど、代替案を成立させるのは
別に立場を超えてでもできることですし、必ずしも国民の5割を超えなければならないわけでは
ないです。廃止派としては、推進派の要求に無理に従うよりも、慎重派と関係を強めたり議論を
重ねたりすることを優先すべきなのかも。

3134紫煙狼:2012/05/29(火) 01:38:40
雄峰さんは「凶悪犯を死刑にするためなら1000円出すのも惜しくない」の
ようなことを言いましたよね?これはあくまで例え話だったとしても、
「処罰のための増税は受け入れる」という意味で捉えさせてもらいます。

でも、それを被害者や遺族の救済のために使ったほうが良くないですか?

なのに、どうもタマさんや雄峰さんの気持ちは加害者処罰のほうに向いている。
これは何故なのか、って考えました。そして、実際は違うかもしれないけれど、
私なりに考えた結論は、タマさんも雄峰さんも、被害者や遺族の気持ちを考えて
処罰を求めているわけではない、って事です。

では、誰の気持ちを代弁しているのですか?
誰の変わりに怒りを覚えているのですか?

そこを教えていただきたいと切に願います。

3135無精髭:2012/05/30(水) 02:00:26
>>3131

>(上略)もしかしたら死刑判決が減った分無期懲役判決が増えて行刑コストが/著しく下がるかもしれません。

と書きましたが、「上がる」としたほうが(文の流れから見ても)分かりやすかったかも。ただ、その後のレスで
紹介した懲役刑のコストを念頭に置いておりましたから、期待値もこめて、著しく下がるんじゃね? と書いて
みました。しかし、下がるかどうかはともかくとして、死刑囚なんて刑事施設収容者全体の0.2%弱しかいません
から、その大半が無期懲役囚になる可能性を鑑みても、大きな影響はないと考えるのが妥当ですね。「著しく」
なんていうのはさすがに言いすぎでしたね。申し訳ありませんでした。

無期懲役求刑の裁判の方が死刑求刑のそれよりコストが低いだろうということをも考慮した場合、無期判決の
増加で(行刑コストではなく)訴訟コストが下がるのはまあご納得いただけるのではないかと。しかし
行刑コストを比較するとなれば、先回私が不用意に書いたような結果が出るとは一概に言えないですね。
現在の判決後における死刑運用と無期懲役運用とでは期間が長くなるにつれてその差は小さくなっていく
でしょうし、ある時点で死刑のコストが無期懲役のコストを上回る可能性が高いかと思われますので。
とはいえ無期懲役囚とは違い、判決から執行までの死刑囚の生活にかかる費用については何度も言うように
憶測でしか語れませんので、どちらの行刑コストが高いかについても決定的なことは何も言えないという
ことに変わりはありませんが。

ちなみにこういう記事を見つけましたが、
http://blog.goo.ne.jp/koyakikaku/e/e32f7411e31cdaf4aa30a3c27fd7f857
今では厳罰化によって死刑の行刑コストが下がっていないだろうことは
厳罰化後の死刑確定と執行の推移を見ても明らかではないでしょうか。
2003年末の厳罰化以来、死刑確定数が執行数を上回った年は2008年だけです。
未決囚の増加は顕著ですが執行はなかなか追いつかない、というのが現状でしょう。

3136無精髭:2012/05/30(水) 02:03:45
シェンさんのレスで、そもそも今回の議論の発端となったテーマは
「加害者の被害者に対する償い」だったことに気がついた...。

タマさんや雄峰さん宛てにレスを書いているときは意識していなかったのですが、
にch炭さんを批判するのにあれこれ考えているときには「失業者とかホームレスより
被害者とか遺族を救おうという発想が出てくるのが自然じゃないか」とも思いました。

もしにch炭さんがそういう提案をしていたら、中嶋博行氏の提案
http://takapan.nobody.jp/hon/h_tumitobatu.html
http://www.wafu.ne.jp/~windtown/books/b040925.html
をぶつけて相対化してみようと考えていました。

ただ、紫煙狼さんがすでに>>3056-3059を書かれていた後では、中嶋博行氏の提案を
紹介したところでほとんど意味がなかったかもしれません。

さて、シェンさんが疑いの視線を向けている雄峰さんの言動についてですが、加害者処罰の
ための増税を厭わないと仰っているだけで、被害者(遺族)救済のための増税を厭わない
とは一言も仰っていないので、シェンさんに対しては「とうぜん被害者や遺族のための
増税もすべきだと思うよ?」と反論なさって終わりなのかも知れません。もしそう来られた
際には、無論シェンさんとしては、「いや、加害者処罰の増税分も被害者(遺族)救済に
回すべきじゃないですか?」と仰りたいところでしょうけど。

あと、先に触れたように直近のやり取りにおいて刑罰と償いを分けるとの話の流れがあったので、
タマさんはともかく、雄峰さんが償いについて言及されなかったのはいたしかたなかったのかなとも。
ただ、雄峰さんからの応答がない時点でいちいち口を挟むべきことではないかもしれませんが、
雄峰さんと数度やりとりして見えてきたのは、どうやら雄峰さんには、被害者や遺族を含む
一般市民は、甚大な被害をもたらした犯罪者に対し厳罰(加害者の死)を望むのが当たり前
というかなり強力な前提があるらしいということです。代弁しているというよりも常識を
説いているという自覚が強いのではあるまいかと。

私は、死刑存置派にも様々なグラデーションがあるのと同様、犯罪被害者や遺族にも色んな
人がいるでしょうし、犯罪被害にも様々なケースがあると考えますから、雄峰さんのように、
自分はこうだ、大半の人はこうだ、(例外的な事例についても)こういうふうに考えるのが
普通だ、という観点から物事を効率よく評価し処理していくのはどうも肌に合いません。

また、私はシェンさんとは違い、雄峰さんが結局のところ誰の・どんな特定の集団の主張
なり感情なりを代弁しているのか、そもそも代弁なんてしているか、には興味がありません。

ですが、雄峰さんが真面目で正直な方であるとの印象は受けましたので、こちらも
礼を尽くすなり真剣に助言するなりの行為を怠ってはならないでしょう。なので、何度も
繰り返しますけど、雄峰さんのような存置派が自らの理想を実現したいのであれば、
廃止派や慎重派とやり取りするよりも、もう少しご自身と考えや立場が近い存置派と
やり取りするほうが実利的かと思います。

3137無精髭:2012/05/30(水) 02:34:46
そういえば、新美南吉の「ごんぎつね」の話が出てましたけど、
対抗して(?)宮沢賢治の「ツェねずみ」なんてどうですかね?
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1949_18526.html

いや、冗談のつもりはなくて、以下の記事を読んだからなんですけど。
http://unkar.org/r/newsplus/1199160252
言葉が出ません。

償いについては今のところこういう方向で制度づくりを目指すのが順当ではないかと思ってます。
http://www.news30over.com/archives/2572335.html
まあ、考えとか配慮の足りない人が多いようで落胆頻りですが。
でも、良心的な意見やちゃんと制度の意義を理解したコメもあって
救われる気持ちもします。

3138無精髭:2012/05/31(木) 08:12:35
>>3135未決囚

裁判中、あるいは判決が確定していない者の他に、判決を受けてから
刑が執行されるまでの期間拘禁されている者も含んだ、広く多様な
意味を表す総称だと誤解しておりました。どこかでそのように使われて
いたのを記憶していたのですが、後者の意味に限定するなら「未執行者」
「(死刑)確定囚」あるいは単に「死刑囚」とすべきでした。ちなみに
前者の意味をもつ呼称には「未決死刑囚」「死刑未決囚」「死刑判決
未決囚」などがあり、特にこれと定まっているわけではないようですね。

3139雄峰:2012/05/31(木) 23:26:20
おれ自身は、聞く耳があると言いつつ、聞く姿勢が出来ていない
にch炭やタマと話すより、無精髭さんや紫煙狼さんと話すほうが
何倍も分かり合えるって感触を持っていました。

おれの立ち位置は結構紫煙狼さんに近いと勝手に思っていて、おれも
死刑存置をまじめに考えるほど、多くの死刑存置論者のいい加減さが
ハナにつくというか、口先だけの存置論にイラついています。

このまま死刑を存置するにしても、慎重に適応すべきなのは大前提で
みだりに適応範囲を広げたり、より残虐な方向へもっていくのは
バカの考えることだと思います。だから、死刑制度を真剣に考えて
結論が廃止だった人たちには「もっと考えろ」と求めておきながら
自分は判で押したようなテンプレートをくりかえすだけでいっぱしの
廃止論者を気取っているヤツが多すぎます。

毎日のように新しい観点からの死刑廃止論者が生まれているのに、
大昔からずっとお題目を繰り返すだけで何の進化も無い存置論?
存置論者は廃止論者を論破した気分になって調子こいているけど、
でも実際は論破できていなくて、耳を貸していないだけじゃないか。
ってか論破って考え方じたいが題意にそぐわない。

でも、おれはやっぱり存置論者で、紫煙狼さんの言う諸問題を
解決してなお、残すべきだと思っています。次に書き込むときは
おれの考える「残す理由」を書きます。

3140紫煙狼:2012/06/06(水) 00:13:48
>>3139
急がなくても構いません。
続きの投稿を楽しみにお待ちしております。

3141トリム:2012/06/07(木) 22:08:53
私は死刑はあって当然だと思いますけどね〜。
普通に考えて、被害者にとって凶悪犯罪の加害者は殺しても殺したりないほど憎いし、出所したらまた犯罪を起こすかもしれないと思うと、とても外に出す気にはなりません。
死刑廃止派の人は家族や自分がもの凄い残虐な方法で殺されたりしても、相手を生かして許せるだけの広い心をお持ちなのかしらと純粋に不思議に思います。

3142紫煙狼:2012/06/08(金) 13:35:56
>>3141
>被害者にとって凶悪犯罪の加害者は殺しても殺したりないほど憎いし、
被害者や遺族の被害感情「殺しても殺したりない」のために
死刑を残すとすれば、被害者や遺族が「殺してくれて好都合」と
思っている場合はどうしましょう?

少なくとも、国家が国民の名の下で死刑を執行するのであれば、
それは「極めて一部の人々の感情」のために行う物であっては
いけないのではないでしょうか?

>出所したらまた犯罪を起こすかもしれない
死刑にせずとも「出所させない」という選択肢は残されませんか?

>死刑廃止派の人は家族や自分がもの凄い残虐な方法で殺されたりしても、
>相手を生かして許せるだけの広い心をお持ちなのかしら
私個人の感情で話をすれば「絶対に許さない」と思いますよ。
広い心だなんてとんでもない。むしろ、とてつもなく狭い心なので、
犯人がどのような償いをしようと、犯人が残虐な方法で処刑されようと、
絶対に許さないし、これっぽっちも気持ちにケリはつきません。

逆に…。

死刑存置派の人は家族や自分がもの凄い残虐な方法で殺されたりしても、
相手が死刑になるなら許せるだけの広い心をお持ちなのかしらと純粋に
不思議に思います。


感情面を優先して死刑の要不要を論じるのは危険です。

3143紫煙狼:2012/06/08(金) 14:11:02
あくまで個人的な感情の話ですが、私にはとても憎んでいる人が居ます。

今、私が呼吸している空気の中に、そいつの呼気が数兆・数千兆分の1でも
含まれているのなら、むしろ、窒息死も辞さない、というほど憎い相手です。
思い出すのも虫唾が走る、できる事なら、宇宙の遠くに隔離して欲しいほどの
憎い相手です。

でも、私がそいつを憎んでいる、ということと、そいつの命を奪う事が許されるか、
ということは全く別次元の話です。「国家がそいつを処刑してくれる」または、
「私がそいつを殺しても情状酌量される」のに必要なのは「私がどんなにそいつを
憎んでいて恨んでいるか」という事実より「そいつが何をやったか」です。
(まるっきり、逆恨みって場合も考えられますからね?)

つまり、死刑制度を肯定するにしても、それは被害感情に根差す理由を主に据えて
考えるべきではないのです。「許せる・許せない」の問題ではなく、
「社会のために必要不可欠か・否か」と考えて「死刑以外に手段がない」場合にのみ
「やむを得ず」選択されるものでなければならない、そう思います。

3144無精髭:2012/06/11(月) 02:41:47
自己レス>>3135
>現在の判決後における死刑運用と無期懲役運用とでは期間が長くなるにつれてその差は小さくなっていく
>でしょうし、ある時点で死刑のコストが無期懲役のコストを上回る可能性が高いかと思われますので。

 現在の判決後における死刑運用と無期懲役運用とでは[後者の]期間が長くなるにつれてその差は
 小さくなっていくでしょうし、ある時点で“無期懲役のコストが死刑のコストを”上回る可能性が高い

とでも書くべきでした。なんかこれよりもずっと複雑なことを書こうとして失敗した感じです。
たとえば以下のようなパラメータをぶち込んでみようとしたり。

・判決から執行までのコストと一生涯続くコスト(仮釈放中の保護観察のコスト、他にも生活保護を支給する可能性等を含む)
・死刑判決が減った分、無期懲役判決が増えるとした場合の行刑コストへの影響
・死刑コスト単体(部分)と無期刑コスト単体(部分)の比較
・死刑コスト全体と無期刑コスト全体の比較
・無期刑の方が安くても長引けば無期刑の方が高くなる可能性(算術級数的なコスト増加)
・実は最初は死刑の方が安いが長引けば死刑の方が高くなる可能性(幾何級数的なコスト増加)
 etc.

実際は頭の中で観念を弄り回していただけでしたけど。

3145無精髭:2012/06/11(月) 02:43:48
このスレでも何度か話題に上っている、死刑執行命令書に署名しようとしない
法務大臣の問題について、これから書きます。

シェンさんも過去に何度も取り上げていらっしゃいますが、一応復習も兼ねて
事実確認からさせていただきますね。

法務大臣が死刑執行命令を下さないのは法律違反だ、と巷ではよく言われているようですが。

 http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2007/10/post_7718.html
 http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/c21720af15d8c4a02611ff9b538c30b1
 http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-625.html

要は、刑訴法475条2項は判例や法務省の見解からいって訓示規定にすぎないから法務大臣が
死刑執行命令を下さないとしても法的に何ら問題はない、ということです。

なるほど。でも、まだ納得できません。「少なくとも職務怠慢とか職務不履行とかには
当たるんでない?」という疑問が出てきますよね。

 http://d.hatena.ne.jp/snowdrop386/20080622/p2

行政は司法から刑事的措置に対する許可、言い換えるとその正当化根拠をもらうために訴訟を起こす、
そういう決まりがあるだけなんですね。

ところで、冤罪は司法の問題であって死刑存廃に絡めるのはおかしい、という意見がありますが、
上記の考えを当てはめれば、行政府にとっては司法府は単に自分たちが行うことの言い訳を考えて
くれるだけの存在でしかないですから、せいぜい司法府に期待できるのは誤って無実の人を有罪に
して死刑判決を下さないように努めてもらうことくらいでしょう。間違って無実の人を死刑囚として
拘留し執行しちゃうリスク管理まで司法府に丸投げしようなんて趣旨の発言をすることのほうが、
行政府の失態・怠慢を許すことに繋がるかと思われます。冤罪問題全体を司法の責任に帰するなんて
いくらなんでも無責任すぎます(苦笑)。

さて、話を元に戻す前にもう一つだけ重要なことを。

死刑存廃問題について考えたい・議論したいといっても何の知識もないのにできるわけがありません
(いや、できると思うのは勝手なのですが、ただ、それに付き合わされる人には少なからず迷惑が
かかるでしょうから、少しは自分で調べたり考えたりしたほうがよいです)。

死刑議論ってどんなもんだろ? とネットをちょっとでも散策すれば、存置派を名乗る人たちと
廃止派を名乗る人たちが実に賑やかにやり取りしているのを簡単に見つけることができるでしょう。
しかし、それを見て、あぁ廃止論(存置論)ってこんななんだ、などと悟ってはいけません。
廃止論を知らず、その本質が何たるかを少しも理解していない自称廃止派、廃止派批判をして
存置論を説いた気になっている自称存置派、死刑存置の主体が自分たち国民ではなく国家であるのを
まるで分かってなく、その国家について実にお粗末な理解しかしていない(上で挙げた、日本は
民主主義だー、という類)自称廃止派と自称存置派、こういう輩の話にいくら耳を傾けても
得られるものはほとんどありません。

とはいえ、死刑存廃に関する言説はネット上にいくらでも転がっていますが、なかなかよいものが
見つからないので、えてして安直なものをつまみぐいして中途半端に知識を固めていく、という
ことになることが多いのかもしれません。

3146無精髭:2012/06/11(月) 02:48:53
法務大臣の件について私が色々調べた限りでは、以下の二つのブログで示されている見解が
大変参考になりました。

 http://lucius.exblog.jp/3713988/
 http://lucius.exblog.jp/3783677/

上記によれば、法務大臣は法務行政を執行する行政機関であると同時に、内閣の一員として法務省所管の
法令を立案する役割を持つし、裁量権も認められている、と。

公職者が個人的な思想、信条、宗教観を職務上の義務に優先させることは許されないのは確かなのですが、
死刑を廃止または停止するための立法権の行使と、それを実現するまでの間、裁量で執行を一時差し控える
といった行政権の行使を兼ねている場合に限り、法務大臣が死刑執行命令書に署名しないというのは
充分裁量権の範囲内にあると解釈できるとのことであって、そういうケースにまで職務怠慢だの不履行だの
といった批判を向けるのは不当であるという説ですね。

また、死刑廃止論者であれば死刑を廃止するために具体的な努力をすべきであって、それができなければ
辞任すべきである、と。

あと総理大臣の立場にある者としては、廃止論者を法務大臣として任命する以上、死刑執行はありえない
ということを心得ておくべきかと思うのですが、たとえ廃止論者でも法務大臣として任命された以上は
職務を果たすべきなどといった、ある意味で「甘い」認識に立っているのであれば、そういう点での自らの非は
さっさと認め、死刑執行命令書にサインしない者をとっとと罷免して、自らの任命責任について釈明なり何なりを
すべきでしょう。

ちなみにこのブログには死刑存廃議論のやり方についてやさしく解説している記事もあり、
そういうところも気に入っています。ただ惜しむらくは五年以上更新されていません。

次に挙げるのは死刑廃止論者の言説。

 http://blog.goo.ne.jp/kobashm/e/b396a8203eafd2386171fa84029a8dc9

上記と同様、法務大臣が個人的な信条から死刑執行を命じないことには職務上問題があるということを
概ね認めつつも(執行命令を出さないのであればなぜ出さないのかについて説明責任を負うべきである
としつつも)、憲法19条の思想・良心の自由は公職者であっても保障されるべきであろうし(ただし、
国務大臣のような政治職に伴う説明責任の存在によって、思想・良心の自由に含まれる「沈黙の自由」は
一定の制約を受けてもおかしくないのだそうですが)、また死刑執行命令は法務大臣の数ある職務の一つにすぎず・
しかも例外的な職務といえることから、自らの私的信条に反する職務を拒否したとしても、法務大臣としての
適格性までが損なわれることはない、とします。

ちなみにこの死刑廃止論者のブログは、私が知る限りネット上の死刑廃止派関連のもののうち最良のものだと
思います。死刑廃止論について体系的に勉強したければウィキペディアやアムネスティなどよりも先に
このブログを読むべきです。特に「死刑廃止への招待」と「犯罪と非処罰」の連載が必読。
 
 http://blog.goo.ne.jp/kobashm

3147無精髭:2012/06/11(月) 02:55:03
私見では、法務大臣の役割について議論する先に死刑存廃が見えてくることはなさそうです。

たとえば刑訴法475条2項を削除するだけだったら廃止派にとってはむしろ好都合ではないかと。
執行命令を出すのを渋る法務大臣に対して文句を言ってた人々にとっては論拠がなくなっちゃう
わけですから、早い話、法務大臣のプレッシャーが解消されますよね。一方で推進派にしてみれば、
どうせ削除するなら475条全文削除したいんじゃないですかね。それさえなければ同法472条が
死刑についても適用されることになるでしょうから(上で挙げたあすの会の主張がこれで実現する
ことになります)。

ただどちらも法務大臣問題、刑訴法問題について新たな規定を設けたり法改正で対処しようという気は
おそらくないのでしょう。死刑廃止を国家主導で行うにしても(というか、日本の場合は国家主導*でしか
ありえないと思いますが)、たぶんフランスのように実現する見込みは薄いかと。

 *正確に言えば国家主導ですらありえないかも。外圧の影響で国家が死刑廃止を
 主導するのではなく、外圧を原因に国家が死刑を廃止しそうなので。

ですから私は、法務大臣の件を死刑存廃問題に紐付けて論じるのには反対、というか
全くの無駄だと思っています。少なくとも廃止派がやるべきことではないです。

この件をきっかけに国民が死刑存廃に関心を持つんじゃないか、だからこの件を取り上げるのは
死刑存廃問題を考える上でも意味があるんじゃないか、といわれそうですが、私としてはそんな
時代はもう終わりましたと強く訴えたいですね。だって、ほとんどの国民は法務大臣の個人性と
未執行死刑囚が溜まっていることの関係くらい、もう知ってますし。なのに、国民の死刑への
問題意識や関心は深化しているとはいえません。いつまで経っても国内の議論は現状のままで
時間だけが無為に過ぎているのです。死刑が執行されるたびに存廃議論が再燃する*、それには
意義があるのでは? といわれそうですが、言うまでもなくそういうこととは別のことを
私は主張しています。

 *http://togetter.com/li/280630

もう少し続けたいので視点を変えてみましょう。

・死刑判決は増えている
・廃止派は減っている
・そもそも再審請求中執行しないのは単なる慣例*
・法務省は慣例であることすら公式には否定しているらしい*

 *再審請求中は死刑執行せず? 小川法相、対象者選定で異例の発言 
  http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120406/trl12040615190004-n1.htm

・死刑推進のための条件はそろっている
・しかし死刑執行数は伸びない

となれば、もはや死刑推進派はおそらく何十年も前からしてきたように、
死刑がなかなか執行されないのを法務大臣一人のせいや廃止派・反対派
(による抗議や圧力)のせいにすることはできないはずです。

廃止派が弱体化・弱小化し、法務大臣にも執行義務などないということが明らかである以上、
厳罰化の波に乗って死刑推進を目指す途上で、執行命令を出さない法務大臣を批判したり、
逆にバンバン執行する法務大臣に抗議する廃止派を論破しようとしたりするのはもはや戦略的に
おかしいわけで、いつまでも同じことを繰り返している当の存置派が自ら死刑執行の遅延化を
防ぐために動くべきでしょう。自分たちの思い通りにいかないからといって、それを廃止派や
反対派のせいにすることはできません。

この国、特に政界でトップがコロコロと替わるのは法務大臣の場合でも例外ではありません。
なので、新しく就任した人にしてみれば、死刑執行に関しても前の大臣のやり残した仕事を
引き継ぐことにもなるわけで、「『最終チェックお願いします!』とかみんなに詰め寄られても
自分の就任前のことだから知らんがな」とか突っ撥ねることもできないのは辛そうだなーと。
就任前にはほぼ出来上がっていた仕事のほんの軽い仕上げ程度のことしかできず、「自分の
就任中の出来事じゃないから」という理由で死刑執行手続きを一からやり直させたりだとか、
いつまでも執行されない(執行手続きの進まない?)死刑囚に対しては恩赦を検討する閣議を
開くように働きかけるとかできない、というかやりにくい空気があるのは何なの? という
感想を懐きます。どうも他のことでは法務大臣の足を引っ張るような状況があるのが否定できない
のに、死刑執行命令の件にだけ法務大臣の背中を押すような空気が濃厚なのは納得いきません。

3148無精髭:2012/06/24(日) 00:20:07
法相の「背中を押す」というより「尻を叩く」といったほうが正解でしたな。

さて、ご存知でない方はいらっしゃらないと思いますが、死刑執行について新たに公開された
以下の情報について言及しておいた方が、これまでの流れにも適するでしょうし、問題をより
深く理解する上でもよいかも知れませんね。

 死刑執行:決裁は2ルート 手続きの詳細判明 
 http://mainichi.jp/select/news/20120601k0000m010122000c.html
 毎日新聞 2012年06月01日 01時26分(最終更新 06月01日 08時16分)

 死刑執行文書開示:死刑順序 基準は闇
 http://mainichi.jp/select/news/20120601k0000m010137000c.html
 毎日新聞 2012年06月01日 02時50分(最終更新 06月01日 08時21分)

死刑執行起案書の決裁手続きについて従来の説明では法務省刑事局から同省矯正局へ、そして保護局へという流れがある
とされてきましたが、実際はそのように一本化されてはいない、みたいですね。

決裁ラインは二つあるそうで、

・「死刑事件審査結果」という文書が刑事局を経て法務大臣官房へと移されるルートと、

・「死刑執行について」という文書が矯正・保護局内で回されていくルート

がある、とのこと。

関与していたのは、矯正・保護局ルートでは

・矯正局長、矯正局総務課長、成人矯正課長、保護局長、保護局総務課長、保護局恩赦管理官の6人で、いずれも押印

刑事局ルートでは

・法相、副法相が署名、事務次官、官房長、秘書課長、刑事局長、刑事局総務課長の5人が押印

意外だったのは、上記二つの文書の手続き後に作成される死刑執行命令書についてで、実際法相は署名も押印も
しておらず、秘書課長の指示を受けた部下が大臣の公印を押していたにすぎないという事実です。記事を読む限り、
命令書に法相が署名しなきゃいけないなんて定めは刑訴法にないから大丈夫、というのが法務省の言い分らしいですが、
これまでメディアは誤報を伝えていたことになりますし、国民はそれを信じるしかなかったわけで、国民の間で誤解が
蔓延していたことについて当然国は把握していたでしょうから、その点どのように考えていたのかについて納得のいく
説明をすべきでしょうし、もし単にこれまで事態を放置していたのだとすればその責任は重いといわざるをえません。

以上のほかにも分かったことはいくつかありました。

・死刑確定からその判決を出した裁判所に該当する検察庁の長が法相に上申書を提出するまでの過程は、刑訴法475条2項で定められた期間内に収まっているそう(だから何? という感じ)

・上述の起案書、審査文書、決裁文書に加え、死刑執行命令書とこれに対して検察庁が送り返す受領書の日付はすべて同日

・死刑執行は刑訴法476条にある通り5日以内に行われている模様

さて、死刑執行手続きのプロセス全体の中でえらく時間がかかっている部分はあえて指摘するまでもないことですが、

・法務省刑事局が上申した検察庁から取り寄せた膨大な資料を総務課でチェック&刑事局付きの検事が審査する段階

ということで決まりでしょう。今回の公開ではこの部分は全て黒塗りでした。

前の書き込みの繰り返しになりますが、今回の公開以後は、正当な理由もなさそうなのになかなか死刑が執行されない
ケースについて責任追及をしようとする場合、法務大臣ひとりの個人的な判断やら怠慢やらを槍玉に挙げるのはもはや
お門違いだということを国民はしっかりと認識したほうがよいのではないでしょうか。責任追及の対象として選ぶべきなのは、
そんな非効率な制度を一向に改善せずいまだ充分に公開すらしない法務省という組織であるべきでしょう。

ちなみに、この段階で冤罪が疑われる場合死刑執行が回避されることがあるようですが、だからといって恩赦の対象に
なるわけでもないようです。というか、一番最近に恩赦になったのは1975年の特別減刑が一件だけで、これ以降恩赦が
行われたことは一度もなく、いったい法務省内部、あるいはその所管の施設で恩赦制度がどのように運用され、具体的に
恩赦出願がどのように取り扱われているのかはまったくの不明です。これについても情報公開が必要ですね。

3149無精髭:2012/06/24(日) 01:31:52
1975年に個別恩赦で無期刑に減刑されたのは石井健治郎元死刑囚です。
あの有名な福岡事件の実行犯ですね。
http://fukuokajiken.komusou.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/福岡事件
http://yabusaka.moo.jp/hukuokagosatu.htm
http://homepage3.nifty.com/tetuh/103.html

3171ポン:2012/08/16(木) 20:20:16
殺人犯は大量生産されてる人間の中の不良品。
不良品は処分するのが一番ローコスト。

勿論冤罪は無いという前提ですがね。

3172雄峰:2012/09/27(木) 09:32:05
>>3171
こういう話もあるね。
http://gigazine.net/news/20120924-5-reasons-you-should-fix-your-gadgets/

3175boro:2012/10/14(日) 18:13:50
紫煙狼さんへ。

>>3143

>あくまで個人的な感情の話ですが、私にはとても憎んでいる人が居ます。

↑前から気になっていたのですが、もしよければさしつかえない範囲で
どうして憎むようになったのか教えてください。無理にとは言いません。

では。

3176紫煙狼:2012/10/15(月) 09:51:37
>>3175
えー?憎んでいる人、いっぱいいますよぉ。
私は恨みがましくて人を許すことのできない性分ですから。

でも、極めて強烈に憎んでいる相手の事なら
>>2266-2267
あたりかなぁ。

3177boro:2012/10/15(月) 20:46:31
紫煙狼さんへ。

>>2266-2267

これ、ちょっとさらっと読めないと思って
読むのを途中でやめた投稿でした。
後でじっくり読むつもりでそのままにしていました。
で、さっきじっくり読んでちょっと落ち込みました。
紫煙狼さんにとっては辛い経験ですね。。。
そういう話だったとは知らず、
思い出させてしまったようで申し訳ないです。。。

3178紫煙狼:2012/10/15(月) 23:32:25
>>
あ、どうぞ、お気になさらずに(笑)

なにしろ氷山の一角ですから。恨んでいる人、他にもいっぱいいますよぉ(笑)
あるていど共感していただけるような恨みから、逆恨みまで、不自由しません。
(だいたい、オンナがらみなんですけどね(笑))

3179boro:2012/10/16(火) 08:07:38
>>3178

>なにしろ氷山の一角ですから。恨んでいる人、他にもいっぱいいますよぉ(笑)

「氷山」という漢字を見て「永山(則夫)」と読んでしまう。ヤバイ。。。

>あるていど共感していただけるような恨みから、逆恨みまで、不自由しません。
(だいたい、オンナがらみなんですけどね(笑))

「不自由」「オンナ」という言葉から

「オンナには不自由しない」という結論を導き出しました(笑

紫煙狼さんって、もてるんですね。。。

まっ、恨むような人ができてしまうのは残念ですけど

暇なときにでもその「恨み話」のひとつ書いていただければ幸いです(半笑

3180紫煙狼:2012/10/16(火) 09:23:25
>>3179
オンナに不自由しちょるから恨み言が増えるんじゃい ┌(`Д´)ノ)゚∀゚ )

3181減二:2012/10/18(木) 16:56:19
横レス失礼致します。
防ぎようがなかったのか。
どちらにしても、他者を傷つけることは許しがたい行為で、
我々は、どんなにひどい事を言われようが、なされようが、
我慢して生きているのです。
その我慢が出来なければ、犯罪者になるかもしれません。
悔しいから次世代に用意していると考えれば、「選んでいる問題」
が少しは理解できると思います。
置かれる場所、社会的地位、生まれた子の将来の生き方まで決められてしまう状況が、
犯罪者になる人物、どのように犯罪を犯すかまで決められていたとしたら、
(犯罪を犯すように、地域、社会、人間に洗脳されていたとしたら)
法的に裁かれたとしても、犯人を責める事はできません。
より良く、一人の為にという考えや行動が現実の社会に言ってはいるけれど
理解できないから、
多くの犯罪が起こるし、人を抑制する為に戦争が起こるとは思いたくないですが、
種の保存のため人口を抑制しなければならないから、
或いは戦う目的で人類が生存しているんでしょうね。
犯罪と同様ですが、なぜか解決ができないと思います。
強姦しても女性は恥ずかしくて、めったに警察に届けないとの事。
目には目を歯には歯を、いくら判断が付かなかったとはいえ、
同じで良いのではないでしょうか。
被害者にどんなに残酷なことをしても、優遇されて丁重に弔ってもらえるそうです。


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