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死刑制度についてひと言お願いします

3113無精髭:2012/05/24(木) 03:45:02
さて、(2)についてですが、これは言い換えると「コストを削減したからといって浮いたお金が適正に
使われるとは限らない」ということです。

これは以前から囁かれていることなので皆さんご存知かと思いますが、国家予算は前年度に使われた予算額を基準に
算定されます(増分主義)。したがって闇雲に歳出を抑えてしまうと次年度の予算が削られる可能性が出てくる
わけなので(シーリング方式)、各省庁はできるだけ予算を使い切ろうと努めます(予算の使い切り慣行)。
そういう風潮の中では無駄なコストを省こうという発想が出て来にくいでしょう(縦割り行政の弊害)。
ましてや官庁にとっては仕事�雜ヿ足靈住擦任垢ǂ蕁△海譴魍鴇閉4屬巴イす腓い海修垢譟△海侶佝颪魯Ε舛砲�
余分だからお宅に回してあげましょうなんて相互扶助の精神はありえないといっていいのではないでしょうか
(法務省であれば、死刑制度があるからその分予算は要りません、他の省庁に回してあげてくださいなんて
言うわけがないでしょう。更には、死刑制度にまつわる秘密主義の一つとして、死刑囚にいったいいくら費用が
掛けられているか計上するためのデータさえ公表されていないという点を鑑みても、法務官僚が死刑制度の
運用上で節約なんてことを考えるとは思えません)。

そもそも各省庁・各部局で剰余金が計上されても一旦国庫に返納されますので(単年度予算制。財政法11条)、
死刑執行で浮かせた分のお金の行く末は次の年にはうやむやにならざるを得ないでしょうね。しかも、
(純)剰余金の半分は国債償還費に充てなければなりませんので(財政法6条。ただし特例法を成立させれば
次期予算財源として全額利用することは可能)、ただでさえ国民を救うにはあまりに少ないであろうと
予測される額から半分引かれることで、さらに国民を救うことが難しくなりましょう。

また、年度内に経費が余ったとしても、各省庁間での資金移動はもちろんのこと、同じ省庁内における異なる名目への
費用の付け替えは原則禁止されています(流用禁止の原則。財政法32条、33条)。ただし例外規定として、修正予算における
一方の減額かつ他方の増額という形で代替的に執行するという方法があるようですが、各省庁間での資金移動を想定する
ような場合、先に言ったように官庁が自発的に予算を減額しようとする動きは制度的にも慣習的にも出てきにくいでしょうし、
そういう官僚の抵抗みたいな高いハードルを越えることがはたして政治家にできるのか、そもそも現行の内閣という
システムはそこに参じる人たちの合意さえあれば官僚たちの意思を下位に置くことが可能なように設計されているのか、
はなはだ疑問です。


―――とはいえ、以上の話を否定するような言い方になるかと思いますが、このような批判が的中していたのは実は
十年以上前の話であって、自民党(小泉政権)時代の経済財政諮問会議や民主党政権下の行政刷新会議による一定の
成果によって予算編成に関しては必ずしも官僚主導とは言えなくなってきている経緯があります。にもかかわらず
未だに官僚批判の材料として通用している言説ではあるでしょう。私が言うのもなんですが、なぜこういう古臭い
議論が一向に消えないのかというと、現政権下でも予算編成の大部分に財務省が関わっている・重要な部分を財務省が
処理していることから、予算編成は財務省主導で決まる・予算編成権は財務省にある点は昔から変わっていない
じゃないかというふうな疑念が人々の間でふつふつと湧いてくるからだと思います。民主党政権になり、シーリング撤廃
(すぐに「概算要求組み替え基準」なるものが作られましたが)、財務省原案・復活折衝の廃止、繰越予算制度の
運用改善等の政策が進められてきたにも関わらず、このような改革においてイニシアチブを示さず、あいかわらず実務・
調整は財務省に丸投げしている(まぁその点財務省が優秀なのは疑いのないことですけど)ようでは、昔ながらの批判は
やまないでしょう。


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