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死刑制度についてひと言お願いします

3111無精髭:2012/05/24(木) 03:33:04
さて、税金だのコストだのを問題にする人が陥りがちなこととして、以下の2点を無視して
性急に結論に至ろうとすることが挙げられるかと思います。

 (1)行刑コストを問題にするなら数値を明らかにした上で議論すべき
 (2)コスト削減することとその分生じたお金がどう使われるかは別の問題

それぞれ簡単に触れておきたいと思います。

(1)については詳述するまでもないでしょう。ただ、これにも理由が2つあります。

 (a)死刑のコストが不明ならいくらコスト効率の良い代替刑を考案したとしてもコスト面で比較できない
 (b)そもそも実態のわからないものをおいそれと受け入れるわけにはいかない(判断保留すべき)

(a)は一息で言うと、コスト問題を論点として取り上げるなら、にch炭さんのように「死刑囚を
処刑する費用の方が生かす費用よりも安いのは自明」という定性的な比較で満足するのではなく、
それぞれのコストに関して具体的数値を算定根拠とセットで挙げたうえで定量的な比較をしてから
結論を出すべきであって、むしろこういうことこそ誰にとっても自明ではあるまいか、ということですね。

コスト問題を取り上げるにしても、そもそも今の死刑制度がどれくらい費用が
かかっているのかがわからないじゃないですか。

データが公表されてないんですよ。

だから、代替刑案でどんなに詳細なコスト計算を提示しても、それとつき合わせるべき現行の死刑制度の
費用計算が不明なんだから、どっちの刑が得か(存続か廃止か)なんていう問いにもはっきりした答えが
出せるわけもない。死刑のコストがわかんない以上、コスト面で存廃を論じるのは無理がある、というのが
私の考えです。もちろん、ちゃんと死刑のコストがはっきりしたなら、コスト問題についてまともに
考えざるをえないと思います。

そりゃ、コスト問題について興味のある人は多そうだしねえ。民意は無視できないでしょ。真に受けないで聞いて
もらいたいのですが、極端な話、社会保障費よりも金がかかるのなら、そりゃあ死刑廃止なんて夢物語だと思いますよ。
(余談ですが、(絶対的)貧困率と犯罪発生率に相関があることについて異論を唱える人はまずいないでしょうから、
社会保障費が犯罪を抑えていると説いた上で、死刑囚等の凶悪犯罪者をいつまでも生かしておくよりも社会保障を
今よりももっと充実させた方が犯罪予防に繋がるだろうから、どんどん死刑判決を出して可及的速やかに執行すべき
だと主張しても異論は大して出ないのかも知れません)。

しかしながら、現行の死刑制度のコストを洗い出した上で無駄な部分と必要な部分を仕分けしたり、
死刑のコストと代替刑のそれとを比較したりするのと(また、それらについて話し合ったりするのと)、
死刑囚を生かし続けるために税金を投じるべきか否か、とか、凶悪犯罪者を生かすために使ってる金がある
ことから、逆にバンバン処刑すればその分の金が浮くことになるということを推定し、その金の使途が
どうであれ凶悪犯罪者に使うよりも社会にとってマシなはずと結論するような議論は、全く次元の違う話です。
社会の中で一等不要な人間を排除することで社会負担を少なくしようというのは、仮に行政財改革の手段の
一つとして数えられるとしても、傍流のしかも末端的発想に過ぎないのではないでしょうか。

だいたい、にch炭さんのようにあけすけな口ぶりで「誰かの生活を守るためには容赦なく他の誰かを
切り捨てます」みたいなメッセージを発してしまったら、福祉国家としての日本の面目丸つぶれじゃないかと。


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