ひげ部本田ファンクラブ

宮台真司「よのなかのルール」参考
「同じ国民だから仲間だ」などとは言われず、「仲間を殺すな」と言われても、「こいつは仲間じゃねえんだよ」という感性も存在する。
「仲間」だと感じられるのは、感情に訴えかける魅力が感じられ自分の自尊心が満たされる範囲、つまりかなり小さな範囲に縮んでいる。
こうして「仲間」の範囲が縮んでくると「おまえは在日、朝鮮人、外国人」といった表現を使っての印象操作が行われ、疎外された人に対して「外国の工作員」だの「統合失調症患者」だの「危険人物、異常者、知能がかなり劣る者」といったレッテルをはり、
「外観誘致罪や内乱罪を適用し死刑にしてもいい」「たとえ違憲でも妄想として処理できるなら令状なしの家宅捜査や私生活の見世物化をしてもいい」「心の底から軽蔑の対象とする喜劇に仕立て上げたい」「つけあがって自爆希望」
といった判断がくだされ、毎日匿名掲示板２ちゃんねるで韓国人への民族差別などを経由した過激な侮辱が行われていたりしても、
「だから何なんだよ、おまえがそれで精神的に苦しもうが俺達には関係ない」「精神的苦痛で記憶力の低下が起きた？元々DQNのおまえが知的障害者か認知症だったんだろ」
という認識も存在するようになる。
「仲間以外はみな風景」「仲間じゃなけりゃ人も野良犬も害虫も生ゴミも同じだ」とばかりに、仲間でない者に対して排他的な言論が占めることになる。
「みんな仲良く平等だ」だと内輪でモメ事が起こるから、連帯の紐帯が薄い被害者にプライバシーの軽視された生活を強制させておき、些細な異常行動も発見できるようにしておく必要があると判断する者もいるのでしょうか。

人々が他者の中に人間としての威厳を認めるならば、他者との連帯が薄い共同体とその外部をさまよう者であるためにリンチできそうな人を見ても、彼らは自分たちの優越感の誇示のためにその人をリンチしようとはしない。彼らはその人に距離をおく。彼らはその人がみずから弱点と思っているものには、あるいはその人の秘密には立ち入らない。他者へのこの尊敬をともなった距離の設定が、リンチを抑止しているのだ。
差別の快楽を求めて他者の私的領域に踏み込むことの抑制、それは異常な社会でなければ普通、社会のどの部分でも特に意識されることなく行われている。この抑制は人格の尊厳のためなどといったような格別の気負いを伴わない。しかし、この抑制がたとえ自然の状態であるかのように見えても、差別の快楽を断念せよという法が働いているのである。
スラヴォイ・ジジェク「幻想の感染」から引用改造
マザー・テレサ「生命あるすべてのものへ」参考
私たちが生まれることを望み、私たちを愛し、私たちに生命を与えてくれた両親に感謝しましょう。父母が我らを悪より救いたまえ。
本当の友達とは愛で結ばれています。
もし二人のあいだに愛情に裏付けされた真の友情があるならば、決して連帯を解除しようなどという気持ちにはならないのです。
もし友達が酷い目にあうとしたら、その人を助けるために活動するはずです。
清い心が持てるためにはどんなことをすればいいのでしょうか、それはお互いに承認を与え合うことです。
もし人が本当に他者から愛されれば自分を健全に愛する心を持つ事ができ、他者を健全に愛する事ができ、正常な連帯を築く事ができます。
人は承認を与え、承認を与えられるために存在するのです。そして自尊心を傷つけ、その人間の生命を軽視することは、それがなんであれ間違ったことであり、罪なのです。
私たちは愛がなければ生きていく事が難しいです。そして孤独な人ほど愛に飢えています。だから互いに承認を与え合いましょう。
私たちは貧しさは物理的・経済的なものだけでなく、精神的な貧しさもあることを理解するため、愛について深く学ぶ必要があります。
パンゆえの飢えだけでなく、愛への飢え・承認の供給不足、そして愛されることへの飢えがあるのです。
世界で誰も、様々なコミュニティで誰も、ひとりの男性も女性も、子供も、受け入れられないとか、愛されない、大切にされないと感じることがないように、私たちは決意いたしましょう。そして互いを尊重し合いましょう。
世界のどこでも愛と承認を必要とする人々がいるはずです。そして私たちは生命の判定者ではありえません。私達には殺す権利も生命の価値を判定する権利もありません。
友を愛する人が、心の貧しい人々の威厳と尊厳を軽視し、そのうえ、心を傷つけるとはこれこそ心の貧しい人々に対する大きな間違った行いです。そして、これはひどい愛の不足です。
望まれない人、愛されない人、大切にされない、差別的な言葉を浴びせられ正常な対話の外に放置され、
　＜生きている価値がない＞
と誰も正常なコミュニケーションに応じてくれない。
このような人々の中には精神科医療を頼りにする人もいるのです。
薬物療法ではなく承認の供給と正常なコミュニケーションが重要な解決策となる愛に飢えた人がいます。
自己愛を深く傷つけられた孤独な人は、僅かな承認の言葉を与えられたりするだけで、涙を流すこともあります。
多くの友を持つ人は、人が他者から正常な対話の相手とされず差別的言葉を浴びせられ放置され、愛されず、大切にされず、
　＜生きている価値がない＞
と言われる人の気持ちが想像する事ができるでしょうか。
これこそ、承認への飢えであり、ある種の精神的な貧困であり、愛の不足なのです。
私達にとって、まず自分自身を愛することが必要です。そのためには周囲の他者から愛されなければなりません。
愛は私たちの心を清くする一番良い純化方法です。
私たちは自分の心に愛が乏しければ愛を他の人々に与えることは難しいです。
どのような男の人も女の人も、悪人も善人も、自己肯定感が足りない人も満ちている人も、望まれず、愛されず、大切にされないことが決してないように、お互いを尊重しあえるように、正常な対話による解決の放棄を望まないように、そのような美しい決意を世界中の人が持てるようにしなければなりません。それは困難なことだと思いますが。
誰もができる一番偉大なことは、承認を与えること、お互いに尊重し合うことです。
もし人々が恐れを持って、もしかすると滅ぼされてしまうのではないか、なにか痛めつけられてしまうのではないかと恐れながら生活するとするならば、それはとても酷いことだと思います。
生命を尊び愛する心を多くの人が持てますように。

エーリッヒ・フロム「愛するということ」
孤立しているということは、他のいっさいから切り離され、自分の人間としての能力を発揮できないということである。
人間のもっとも強い欲求とは、孤立を克服し、孤独の牢獄から抜け出したいという欲求である。この目的の達成に全面的に失敗したら、発狂するほかない。
愛は、人間のなかにある能動的な力である。人をほかの人びとから隔てている壁をぶち破る力であり、人と人とを結びつける力である。
愛によって、人は孤独感・孤立感を克服するが、依然として自分自身のままであり、自分の全体性を失わない。
自分に対する愛が足りず、自分を否定する他者までも愛する者は、その心の哀しみの深さを意識レベルでは自覚していない。


◆口を整え音声に簡単に釣られないように
◆よく考えて言葉を発し書こう
◆あまり笑わないように