その時の依頼は、手紙をISILの幹部に中田氏から送ってもらうこと。
しかし、その内容があまりにも稚拙でした。
後藤さんと湯川さんの殺害予告動画が挙げられた直後、外務省は「邦人殺害予告事案に対する日本からのメッセージ」 という短い文書をウエブサイトに上げていますが、手紙はその英語訳とアラビア語訳でしかなかったのです。
しかも、手紙の出だしは「To whom it may concern」(ご関係者各位)と書かれていて、まるで平時のビジネスレターのようなイメージでした。
こんな内容ではISIL(中田氏はイスラム国と呼んでいます)の司令官に送れないと、その依頼を断ってしまったのです。
米軍司令官らは、イスラム国が昨年掌握した広大な地域を奪還するため反撃に出る前に、イラク軍には組織の立て直しと装備の充実が必要だと主張している。米軍主導の対イスラム国作戦を指揮する米中央軍(US Central Command)のロイド・オースティン(Lloyd Austin)司令官は22日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)に対し、イラク軍が北部の都市モスル(Mosul)奪還のための反撃を始める準備は夏までに整うと述べた。(c)AFP
ISはこれまでにも同国で遺跡や遺物を破壊しており、専門家からは、次は国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産に登録されている2000年以上前のハトラ(Hatra)遺跡が破壊されるのではないかと危惧する声が上がっている。(c)AFP/Karim Abou Merhi and Jean Marc Mojon
ハトラ遺跡があるイラク北部ニナワ(Nineveh)州選出のモハメド・ヌーリ(Mohammed Nuri)議員は「ハトラは人里離れたところにあり、私自身は、ハトラで破壊が行われているのをはっきり見た人がいるとは聞いていない」と述べ、現時点でハトラ遺跡が破壊されたという確実な報告はないと述べた。(c)AFP/Jean Marc MOJON
ISはイラクとシリアの領土の広い範囲を掌握し、カリフが統治するイスラム国家の樹立を宣言した。今月7日にはボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者がISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者を「カリフ」と認め、ISに忠誠を誓う音声メッセージを公開。また、エジプトやリビアの過激派組織もISへの忠誠を誓っている。