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スーフィズムに関するHP

706名無しさん:2015/02/22(日) 14:28:25
>>705

◆中東側から捉えたイラク戦争後の米軍による占領支配

 最後に紹介するのがトルコの人気ドラマシリーズを映画化した「イラク 狼の谷」(’06)。

 イラク戦争後の米軍による占領支配を中東側の視点で捉えた数少ない作品だ。

 米軍に過激派と間違われてトルコ特殊部隊が拘束され、そのせいで自殺した友人の将校の恨みを晴らす弔い合戦が主軸となっており、ラストは米軍代表との一騎打ちというオマケ付きだ。しかし、作中で最も強い印象を残すケルクーキ導師(ハッサン・マスード)が、自爆攻撃について「イスラムの教えに反する。ただ敵を喜ばせるだけ」と戒めるなど道理を説く面も併せ持っている。

 ノリはB級アクションといった感じだが、イラク住民の大量虐殺や民間軍事会社による破壊工作など、個々のエピソードはおおむね実際の事件をベースにしたもので、米国に対する不信感と怒りがにじみ出ている。

 中東地域の反米感情の理由を知るにはこれ1本で足りるぐらいだ。

 なかでもアブグレイブ刑務所の拷問シーンは、米国の有無を言わせない強圧的な外交、占領政策を象徴している。

 フセイン政権の崩壊と混乱が、アルカイダなどの過激派が活動できる場所を作り、ISの前身となる組織に結実したわけだが、旧フセイン政権の関係者を拘留・追放したことが不味かった。行き場のない元政権幹部や元軍人が、台頭して来たISの中核を担うことになったからだ。どちらもスンニ派であり反米で一致したのである。

 さらに米国が後ろ盾のマリキ政権は、シーア派主導でスンニ派の恩恵は少なかった。それが一部のスンニ派の過激化を推し進める結果となった。

 オバマ大統領がISを敵視して「ぶっ潰す」などと言うのは自由だが、来歴を知れば知るほど身から出たサビに振り回されている感は否めない。

 米国が地上戦の可能性を含め戦線を拡大すればするほど、過激思想の持ち主からはISが唯一米国と渡り合える強力な過激派組織に映り、ジハードの正当性があるように思えてしまう。それゆえ資金や人も集まりやすくなるのだ(※)。

 これもISの立派な戦略である。

 いずれのプロパガンダに乗せられないためには、物事の因果関係に目を向ける冷静さが必要になるだろう。

文/真鍋 厚

※2月11日、ウォール・ストリート・ジャーナルなどは米国家テロ対策センター(NCTC)の推計でISをはじめとする過激派組織へ参加するためシリアやイラクに入った外国人戦闘員が、延べ90ヶ国から推定2万人という「未曾有の規模」に達していると報じた。

日刊SPA!


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