その時の依頼は、手紙をISILの幹部に中田氏から送ってもらうこと。
しかし、その内容があまりにも稚拙でした。
後藤さんと湯川さんの殺害予告動画が挙げられた直後、外務省は「邦人殺害予告事案に対する日本からのメッセージ」 という短い文書をウエブサイトに上げていますが、手紙はその英語訳とアラビア語訳でしかなかったのです。
しかも、手紙の出だしは「To whom it may concern」(ご関係者各位)と書かれていて、まるで平時のビジネスレターのようなイメージでした。
こんな内容ではISIL(中田氏はイスラム国と呼んでいます)の司令官に送れないと、その依頼を断ってしまったのです。