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スーフィズムに関するHP

2091とはずがたり:2017/09/18(月) 22:37:41
>>2090
 アルコール飲料で言うと、一般的なビールやチューハイのアルコール度数が5%、サントリー「ほろよい」などの低アルコール商品が3%ほどです。

 ただし、しょうゆはビールのようにゴクゴク飲むものではありません。缶1本分、350ミリリットルを一息に飲み干すことは不可能に近いでしょう。

 キッコーマンの場合、妊婦や子どもへの影響に対する問い合わせには「つけたりかけたりして少量使う分には特に心配はないと思われます。とは言え、ご心配であれば過熱調理にご使用ください」と答えているそうです。

中東では「アルコール抜き」しょうゆを販売
 なので、キッコーマンはノンアルコールのしょうゆを開発。日本でも8月21日から「ハラールしょうゆ」の商品名で売り出しています。アラブ首長国連邦向けには、当初からアルコール抜きの商品を輸出していたそうです。今回の措置はなんだったんでしょうか?

 アラブ首長国連邦の当局は、朝日新聞の取材に回答をしていません。

 ただ、渡辺淳基・朝日新聞ドバイ支局長が近くのスーパーマーケットを回った限りでは、報道後も以前と同じように、シンガポール工場でつくられたキッコーマンのしょうゆが店頭に並んでいたとのことでした。

 キッコーマンも、今回の件によるビジネスへの影響は「ない」と回答しています。

 以下は推測ですが、ドバイには日本から直輸入した食材を扱う「日本食材店」がいくつかあり、日本でつくったしょうゆも売られています。当局はこうした商品を検査したのではないでしょうか。

 ただ、値段が高いこともあり、ふつうに生活していて口に入るものではありません。

 また、みそや酢も発酵食品で、日本製のものはアルコールを含んでいます。こちらは輸入禁止になったという報道はありません。

 今回の混乱は、当局の理解不足が招いたという一面もありそうです。

2092チバQ:2017/09/19(火) 22:29:09
http://www.sankei.com/world/news/170918/wor1709180033-n1.html
2017.9.18 22:14

イラク最高裁、クルド独立投票に停止命令

反応 プッシュ通知

反応


イラク北部アルビルで、クルド自治政府の旗を販売する店員。住民投票を前に売り上げは激増しているという=16日(共同)
イラク北部アルビルで、クルド自治政府の旗を販売する店員。住民投票を前に売り上げは激増しているという=16日(共同)

 イラク最高裁は18日、北部の少数民族クルド人の自治政府が同国からの分離独立を問うため25日に行う予定の住民投票を停止するよう命令した。投票手続きの違憲性の有無を判断するまでの一時的措置としている。

 一方、自治政府は住民投票を強行する姿勢を崩しておらず、直ちに命令に従う可能性は低いとみられる。投票日を前に緊張がさらに高まりそうだ。

 住民投票を巡っては、イラク中央政府のアバディ首相が違憲として最高裁に申し立てていた。国際社会も過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦への悪影響や地域の不安定化を招くと懸念を示している。(共同)

2093チバQ:2017/09/20(水) 15:19:22
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00000110-jij-m_est
「独立」投票前に衝突、1人死亡=民族間で緊張高まる―イラク
9/19(火) 19:58配信 時事通信
 【カイロ時事】イラク北部キルクークで18日夜、クルド人自治区のイラクからの独立の是非を問う住民投票実施を祝うクルド人と反発するトルクメン人が衝突し、クルド人1人が死亡、3人が負傷した。

 イラクのメディアが19日伝えた。イラクの中央政府や周辺国が反対する中で強行される見通しの住民投票を前に、民族間の緊張が高まっている。

 キルクークはイラク屈指の産油都市。2014年に過激派組織「イスラム国」(IS)の攻勢を受けてイラク軍が敗走した後はクルド自治政府が実効支配しているが、イラク中央政府も管轄権を主張し、帰属をめぐり双方が鋭く対立している。キルクークはクルド人自治区には属さないものの、8月に住民投票への参加を決めた。

2094チバQ:2017/09/20(水) 15:19:38
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00000092-mai-m_est
<エジプト>軍や警察襲撃相次ぐ ISが犯行声明
9/19(火) 20:22配信 毎日新聞
 【カイロ篠田航一】エジプト東部シナイ半島で、過激派組織「イスラム国」(IS)による軍や警察への襲撃が相次いでいる。

 11日にはアリーシュ付近で警察車両が武装勢力の襲撃を受け、ロイター通信は少なくとも警官18人が死亡したと伝えた。幹線道路を走行していた車列に爆発物を積んだ車が近付いて爆発した後、道路脇の砂漠に潜んでいた武装グループがさらに銃撃したという。ISの影響下にあるニュースサイト「アーマク通信」は事件後、ISが実行したと犯行声明を出した。

 13日にはパレスチナ自治区ガザ地区との境界に近いラファ近郊の検問所で、治安部隊と武装勢力が銃撃戦となり、武装勢力側が5人、治安部隊の兵士2人が死亡した。武装勢力の男の1人は爆発物を装着した自爆用ベルトを巻いていたという。この事件もISが犯行声明を出した。

 エジプトでは2013年7月の軍事クーデターでイスラム組織「ムスリム同胞団」主体のモルシ政権が崩壊。その後、クーデターに反発するシナイ半島のイスラム過激派が軍や警察への攻撃を強化し、14年にISに合流した。ISの拠点のイラクやシリアから戦闘員がシナイ半島に流入しているとの指摘もあり、エジプト政府は警戒を強めている。

2095チバQ:2017/09/20(水) 15:21:34
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091800386&g=int
「クルド独立」火種に=民族悲願へ住民投票-イラク


 【カイロ時事】イラク北部のクルド自治政府が計画する独立の是非を問う住民投票が25日に迫った。迫害を受けてきたクルド人にとって「独立国家」は民族の悲願で、賛成が多数を占めるのは確実。イラク中央政府や米国などは投票延期を再三求めており、投票を強行すれば、クルド問題が混迷する中東情勢の新たな火種になりそうだ。
 クルド人はイラクで全人口の約2割を占める少数派で、厳しく抑圧されてきた。特にサダム・フセイン政権(1979〜2003年)はイラン・イラク戦争末期の80年代後半、イランの支援を受けて政権と敵対したクルド人を弾圧。88年には北部ハラブジャの住宅街を化学兵器で攻撃し、最大5000人とされるクルド人が殺された。
 03年のイラク戦争でフセイン政権が崩壊した後、北部でクルド自治政府が発足。イラク全土で政情不安が続く中、自治政府は支配地域からトルコを経由した原油輸出をてこに発展を遂げた。自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」が過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で活躍し存在感を高めたことも、クルド人の民族意識を高揚させ、独立機運を一層高めた。

イラクのクルド自治政府トップのバルザニ議長=2015年5月、米首都ワシントン(AFP=時事)
 自治政府は、原油収入の配分や産油都市キルクークの帰属をめぐりイラク中央政府と対立が続き、双方の不信は根深い。自治政府トップのバルザニ議長は「投票はクルド人の願望を内外に示すためだ」と述べ、民意を盾に独立実現に向けた交渉を中央政府と進めたい考えだ。
 これに対し、イラクのアバディ首相は、投票強行で混乱が生じれば軍事介入も辞さないと警告。イラク最高裁も18日、投票は違憲審査が完了するまで中止するよう命じた。ただ、自治政府高官は取材に対し「政治的な決定で、従う必要はない」と述べ、予定通り投票が実施されると強調した。(2017/09/18-20:38) 関連ニュース

2096とはずがたり:2017/09/20(水) 22:11:01
クルド部隊、「ラッカ90%制圧」=IS「首都」攻略戦―シリア
時事通信社 2017年9月20日 18時04分 (2017年9月20日 21時54分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20170920/Jiji_20170920X770.html

 【カイロ時事】在英のシリア人権監視団は20日、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦を続けるクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)が、ISが首都と称するシリア北部ラッカの「約90%を制圧した」と明らかにした。攻勢を受けるIS戦闘員は、市中心部に追い詰められているという。
 米軍主導の有志連合が空爆で支援するSDFは、6月にラッカ攻略戦を本格化。これまでの戦闘でラッカ市内の主要な穀物倉庫なども支配下に置いた。包囲が続くラッカでは食料品などの価格が急騰しているため、市民を「人間の盾」にして抵抗するISの戦闘能力は格段に落ちているもようだ。

2097チバQ:2017/09/21(木) 20:30:35
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092100993&g=int
IS支配のハウィジャ奪還へ=軍が進攻開始-イラク

20日、イラク北部シャルカトでの過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘に備えるイラク軍兵士(AFP=時事)
 【カイロ時事】イラク軍は21日、過激派組織「イスラム国」(IS)が支配する北部ハウィジャの奪還作戦を開始した。イラク中央政府と北部のクルド自治政府が帰属を争っている産油都市キルクークの西方約60キロに位置する要衝で、2014年にISが制圧。北部モスル奪還後もイラクに残るIS占拠地域のすべてで軍事作戦に乗り出したことになり、アバディ首相は声明で「イラク全土解放という国民との約束を守る」と強調した。
 ハウィジャは、14年にイラク軍が敗走した後、自治政府が実効支配するキルクークの周辺地域でISが襲撃を行う際の出撃拠点としても利用された。ハウィジャにいるIS戦闘員は1000人以下とされ、ほかに市民ら約9万人が取り残されていると推定される。(2017/09/21-19:29) 関連ニュース

2098チバQ:2017/09/23(土) 23:38:32
https://mainichi.jp/articles/20170924/k00/00m/030/047000c
キルクーク

油田都市クルド独立に揺れ 25日住民投票

毎日新聞2017年9月23日 21時02分(最終更新 9月23日 22時40分)
【キルクーク(イラク北部)篠田航一】「混乱に巻き込まれるかもしれない。外国人は早く去った方がいい」。イラク北部の油田都市キルクークに入った記者に、住民らはそう促した。北部クルド人自治区の独立の賛否を問う住民投票が25日に迫る。投票を支持する多数派クルド人と反対する少数派トルクメン人の衝突で死傷者が発生、ライフルを持った治安要員が厳戒態勢を敷く。周辺ではイラク軍と過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘も続き、緊張した空気が「前線都市」を支配していた。

衝突頻発 住民に不安
 「21日夜も付近の路上で、男たちと警官隊との銃撃戦があった。夜は怖くて外に出られない。クルド人は投票を延期して混乱を回避してほしい」。自動車工場で働くトルクメン人フセイン・ファタハさん(54)は小声でそう話した。18日夜にはトルクメン人の地域政党本部付近でクルド人とトルクメン人の衝突があり、4人が死傷。別の男性も自分を指さして「私たちトルクメン人が狙われている。銃弾が撃ち込まれた家もある」と訴えた。

 キルクークは自治区外だが、バグダッドの中央政府とクルド自治政府双方が管轄権を主張し、クルド側が実効支配する。対立の原因は油田の存在だ。産出された原油は自治区経由のパイプラインでトルコに送られる。近辺には未開発油田もあるとされ、新規採掘を見込んで双方とも「死守」したいのが本音だ。

 住民投票に法的拘束力はないが、「独立賛成」の可能性が高いとされる。多数のクルド人を抱える周辺国を巻き込んだ混乱が生じかねず、米国や近隣のトルコ、イランなども反対する。

 市内のトルクメン人居住地域には「25日の住民投票は、1勢力による過大な要求」との投票反対の横断幕が掲げられていた。銃を構えたイラク中央政府側のアラブ人警官が検問中だ。

 アラブ人のアフマド・ガフィルさん(60)は「共存してきたのに、クルド人が独立、独立と騒ぎ出してからまた衝突が起き始めた。民族対立の火種は今も残っている」と話す。

 市内の城塞(じょうさい)にはイラクとクルドの旗が翻る一方、壁にはフセイン政権に殺害されたとされるクルド兵士の肖像画が張られていた。城塞を見ていたクルド人男性は「なぜイラクの旗も立っているんだ。ここはクルドの地だ」と大きな声で話した。根強い「反中央政府」の感情がうかがえる。

 一方、キルクークから約50キロ西のハウィジャではISとイラク軍の戦闘が続く。「逃げてくる避難民にIS戦闘員がまぎれ込む可能性もある。市内は『民族衝突』『IS流入』の二重の緊張がある」。クルド人商店主のムダレスさん(33)はそう話した。

 【ことば】キルクーク

 イラク北部キルクーク県の県都。20世紀初頭に油田が見つかり、発展した。クルド人、アラブ人、トルクメン人などが住む多民族都市。フセイン政権(1979〜2003年)下でアラブ人を移住させる「アラブ化政策」が進められクルド人が追放された。一方、フセイン政権崩壊後、クルド人によるアラブ人の殺害が起こるなど民族対立の火種が残る。14年に過激派組織「イスラム国」(IS)が侵攻しイラク軍が撤退。クルド人勢力がISを撃退し、現在も実効支配する。

2099チバQ:2017/09/24(日) 10:02:58
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/world/ASK9R0SWHK9QUHBI04Y.html
クルド独立投票は「従属か自由かの選択」 大統領が演説
09月23日 16:24朝日新聞

クルド独立投票は「従属か自由かの選択」 大統領が演説
イラク北部アルビルで22日開かれた独立賛成派の集会で、参加者に手を振るKRGのバルザニ大統領=杉本康弘撮影
(朝日新聞)
 「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人を主体とするイラク北部の自治政府、「クルディスタン地域政府」(KRG)は25日、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を行う。KRGのバルザニ大統領は22日、「首都」アルビルで開かれた独立賛成派の集会で演説。「投票は(イラク政府への)従属か自由かの選択だ」と訴え、予定通り実施すると宣言した。

 会場となったサッカー場は、約5万人の参加者で埋め尽くされた。参加者は「さようならイラク」と書かれた横断幕を掲げたり、KRGの旗を振ったりして独立の実現を訴えた。

 今回の住民投票をめぐっては、イラクを分裂させ、中東をさらに不安定にさせるとして、イラク政府、トルコやイランなどの周辺国、米国などがこぞって中止を求めている。(アルビル=渡辺丘)

2100チバQ:2017/09/24(日) 22:34:13
http://www.sankei.com/world/news/170924/wor1709240028-n1.html
2017.9.24 19:31

イラク・クルド人自治区、25日に住民投票 独立賛成多数の公算 周辺国に緊張
【アルビル(イラク北部)=佐藤貴生】イラク北部のクルド人自治区で25日、同国からの分離独立の可否を問う住民投票が行われる。実施されれば独立賛成が多数を占める公算が大きく、自治政府は独立への足がかりとする方針を示している。イラク中央政府のほか、クルド人を抱えるトルコやイランなどは国内に独立機運が波及するのを恐れ、投票が行われれば対抗措置を取ると警告しており、緊張が高まっている。

 23日、アルビル中心部の商店街には「賛成に投票を、独立にイエスを」などと書かれたポスターが掲げられていた。赤、白、緑に金色の太陽をあしらったクルド民族の旗を売る露店もある。

 「(投票を行って)周辺国が経済的に制裁したとしても問題ではない。自由は経済よりも重要だ」。商店経営のイスマイル・アブドルラハマンさん(41)が独立の意義を訴えた。

 クルド自治政府側は予算配分の増額や地方自治の拡大などを求めているとされ、中央政府と代表者同士で協議してきた。しかし、22日には、主要都市アルビルで独立支持派の集会に数万人が参加し、自治政府トップのバルザニ議長の演説に気勢を上げるなど、投票実施の流れは変わらない。

 トルコの大統領府は23日、「新たな地域の危機」を引き起こしかねないと懸念を表明。軍事演習を行って牽制してきたほか、治安維持のためには越境も辞さない姿勢を示す。

 こうした動きに対し、アルビルで会ったクルド自治政府の治安部隊、ペシュメルガの隊員(40)は、イラクでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討に部隊が大きく貢献したことを挙げ、「大国もできなかったことを成し遂げたのだから、(軍事衝突しても)当然守りきれる」と述べた。

 さらに、「われわれは他国の領土を求めているわけではない。独立の権利について問うだけだ。民主主義や人権を重視する欧州や世界に、何が問題なのか聞いてみたい」と訴えた。

 投票は中央政府とクルド自治政府の係争地である油田地帯キルクークでも行われる。米国や国連安全保障理事会まで実施に反対する中、「国家なき最大の民」とも呼ばれてきたクルド人の動向が注目される。

2101チバQ:2017/09/25(月) 21:54:12
http://toyokeizai.net/articles/-/189847
クルド人悲願「独立国家樹立」を阻む難題の山
住民投票は賛成多数になるとみられるが…
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池滝 和秀 : 中東ジャーナリスト 2017年09月25日
イラク北部のクルド自治区でイラクからの独立の賛否を問う住民投票が9月25日に実施され、賛成多数となることが確実視されている。ただ、直ちに独立につながるものではない。マスウード・バルザーニ自治政府議長は、遅くとも2年以内にはイラク政府などとの交渉を終えて独立する考えを示しており、具体的な交渉はこれから始まる予定だ。交渉次第ではイラクが解体に向かうことになるが、イラク中央政府や周辺国が独立に反対しており、軍事衝突の懸念も浮上するなど事態は緊迫化の様相を呈している。

クルド人はイラク人口の約2割を占め、民族や言語、文化などが異なる。第1次世界大戦後のオスマン帝国分割に関する1920年のセーブル条約には、クルド人の独立が盛り込まれたが、トルコ建国の父ケマル・アタチュルクが反対して1923年のローザンヌ条約で構想は消えた。

国家なき最大の民族を襲ってきた悲劇

さらに、第2次世界大戦後のソ連占領下のイラン北西部マハーバードで、「クルディスタン人民共和国」が独立したが、ソ連の庇護を失い、1年も持たずに崩壊。このように世界史の荒波の中で建国の機会をたびたび逸し、「国家なき最大の民族」とも呼ばれている。建国はクルド人にとっての悲願なのである。

こうした悲劇にとどまらず、イラク北部のクルド人はサダム・フセイン政権(当時)の激しい弾圧を受けてきた。イラン・イラク戦争(1980〜1988年)でイランの支援を受けたクルド人勢力の反政府活動に手を焼いたイラク政府は、この戦争で優位に立った1980年代後半、クルド人居住区で「アンファル作戦」という掃討作戦を実施。5万〜10万人が死亡したとされている。特にクルド人地域の東部ハラブジャでは1988年3月に化学兵器が投下され、1日で約5000人が死亡した。

作戦ではクルド人が村や町から追われたほか、新たにアラブ人を移住させる「アラブ人化政策」も同時に推し進められた。原油産出地帯にある北部キルクークなどの人口構成が人為的に変えられたのだ。クルド人側は、キルクークは伝統的なクルディスタンに位置するとして、将来的な国家に組み込む意向を示している。しかし、キルクークはアラブ人やトルクメン人らも住む多民族都市で、原油資源とも絡んで独立問題の最大の争点になりそうだ。

こうした中で、クルド人にも追い風が吹き始める。湾岸戦争終結後の1991年4月、イラク周辺国への難民流入を防ぐため、米英仏はクルド人保護のため北緯36度以北にイラク軍機の飛行禁止区域を設定したのである。これを機に、クルド人は実質的な自治を開始して、独自の軍隊や行政機構を持ち、自治政府として北部地域を統治してきた。
このような自治は約25年間続いており、イラクの他地域に比べて治安が安定し、経済的にも発展しつつある。現在では、政治以外にも社会、文化的にもイラク離れが進み、30歳以下のクルド人の9割はアラビア語を話せない。現地のクルド人は「われわれは民族的に差別されてきた。宗派対立に明け暮れるアラブ人とは距離を置き、自らの手で平和な国家を建設するときが来た」と意気込みを語る。

クルド人の識者は「クルド自治区はもはやイラクの一部ではなくなっているという現実がある。クルド人国家についての理論的な話の段階は過ぎ去り、独立国家建設の具体的なプロセスに入っている」と、今回の住民投票の重要性を指摘する。

キルクークは分割交渉か

ただ、話はそう簡単ではない。クルド自治区は独立したとしてもイランやトルコなどに囲まれた内陸国家になり、周辺国の協力がなければ、国家運営は立ち行かない。クルド人はトルコやイラン、シリアなどにも住む総人口約3200万人に上るとみられる民族で、各国とも独立機運の波及を強く警戒している。

特に1200万〜1600万人のクルド人を抱えるトルコは、イラク国境近くで軍事演習を実施して住民投票を威嚇。クルド自治政府は、トルコを経由して原油を輸出しており、トルコの経済的な協力がなければ、すぐに国家運営が行き詰まってしまう。

このほか、イランも独立に反対しているほか、米政府も過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦への影響を考慮して投票の延期を求めた。独立に賛成しているのは、イラクの解体が進めば、潜在的な脅威が減るイスラエルぐらい。クルド人国家は、敵対的な国々に囲まれた中東では数少ない親イスラエル国家になるとみられているからだ。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「自分たちの国家を持ちたいというクルド人の正当な努力を支持する」との声明を出している。

2102チバQ:2017/09/25(月) 21:54:35
イラク中央政府との交渉では、前述のどおりキルクークの帰属問題が最大の焦点になるだろう。キルクークでは2014年にISが侵攻した際、ペシュメルガ(クルド人治安部隊)がISを駆逐して現在はクルド人勢力が実効支配している。中央政府側は、キルクークを含む独立には断固反対する姿勢を示しており、専門家は「多民族都市であるキルクークについては分割という方向になるのではないか」と予想する。

また、国境線確定問題や、首都バグダッドなどに住むクルド人や中央政府で働くクルド人公務員や政治家の国籍問題、イラク債務の負担問題など難題が山積している。こうした中でも、バルザーニ議長は強気で、「すべての問題解決に向け、イラク中央政府や国際社会と真剣かつ友好的な対話に入る用意ができている。問題のすべてを2年以内に解決し、友好的に『グッバイ』と言うことができるだろう」との見通しを示している。

仮にイラク北部のクルド自治区が独立した場合にはどうなるだろうか。イラクでは2003年のフセイン政権崩壊後、多数派のイスラム教シーア派が政権運営で中心的な役割を担い、隣接するシーア派の大国イランの影響力が強まった。

これに伴って、スンニ派地域で中央政府に対する不満が強まり、ISの台頭を招く要因にもなった。こうしたイラク国内のスンニ派が、クルド人に続いて独立に向かうとの予測もある。いったんはイラクのナショナリズムが盛り上がる可能性があるが、現在の中東で続く宗派的な対立が解消されない場合は、周辺国が介入する形で、さらなるイラクの解体につながるおそれもあるだろう。

国家独立すれば中東に新たな不安も

一方、クルド自治政府内にも不安はある。2011年7月に独立した南スーダンは、日本の自衛隊が国際平和協力業務(PKO)を展開して道路建設などを行ったが、内戦状態に陥って混乱している。クルド自治区も政治的には一枚岩ではなく、バルザーニ議長のクルド民主党(KDP)とゴラン(変革)党、クルド愛国同盟(PUK)の順で3大勢力を占めている。民兵組織間の対立、自治政府による汚職や縁故人事、政府の非効率といった問題を抱えており、独立した場合には対立が深まる懸念もある。

周辺国が危惧するように、クルド人の独立機運は波及するだろう。内戦に陥ったシリアでは北部のクルド人勢力が自治を強化しており、将来的には連邦制のような議論になるかもしれない。

また、トルコ南東部と接するシリア北部では、トルコの反政府武装組織、クルド労働者党(PKK)の兄弟組織である「クルド民主統一党」(PYD)の軍事部門「クルド人民防衛隊(YPG)」がISの後退に乗じて、勢力圏を一気に拡大させている。シリア北部はPKKの拠点になっており、トルコへのテロを激化させる可能性もある。トルコがクルド人への弾圧を強めれば、クルド人が独立や自治拡大運動を強める悪循環に陥るかもしれない。

こうした地域が混乱に陥れば、弱体化しつつあるISが活動地域を得て息を吹き返すことにもつながりかねない。クルド人にとっての悲願の独立も、中東の新たな混乱要因となる可能性もあり、予断を許さない状況だ。

2103チバQ:2017/09/25(月) 21:57:06
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201709/CK2017092502000105.html
きょうクルド住民投票 経済面の孤立 不安

2017年9月25日 朝刊


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 【アルビル(イラク北部)=奥田哲平】二十五日の住民投票に向け、イラクからの分離独立の機運が高まるクルド人自治区。自治政府のバルザニ議長は二十四日に記者会見し「最も民主的に自分たちの未来を決める」と主張した。しかし足元では、二〇一四年以降の経済危機が市民生活に影を落とす。野党の一部からは、住民投票が政権批判をかわすために利用されているとの指摘もある。
 自治区東部スレイマニヤの中心部。工事が途中で止まった建築現場が目立つ。「周辺国から締め付けられればクルドは崩壊する。投票している場合ではない」。反対票を投じるつもりの家具店経営のホスワールさん(41)はぶぜんとする。
 自治区は〇三年のイラク戦争後も治安が安定。トルコや湾岸諸国からの投資で好景気に沸いた。一二年の実質経済成長率は12%。しかし原油価格下落で石油依存の経済は打撃を受け、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦の戦費拡大が追い打ちを掛けた。平均月収は一二年から半減し、失業率は6%から13・3%に上昇。公務員の給与支払いが滞り、今年に入って抗議デモが起きた。
クルド人自治区東部スレイマニヤの家具店で、客を待つホスワールさん=奥田哲平撮影
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 主要貿易相手国のトルコとイランは住民投票に反発し経済封鎖もちらつかせる。日用品のほとんどを輸入に頼るだけに、孤立化すれば影響は避けられない。
 「バルザニ議長はクルドに新たな紛争を持ち込み、直面する内政の課題への批判から目をそらせようとしている」。テレビ局や建設会社を経営するカディル氏(39)は住民投票を疑問視。自治政府トップのバルザニ氏は一五年に任期が切れた後もISとの戦闘を理由にとどまり一五年以降は議会も休止状態だ。バルザニ氏一族は、おいが首相を務めるなど政財界を牛耳る。
 バルザニ氏は住民投票に続き、十一月に議長選と議会選を実施すると表明。自らは身を引く代わり、情報機関トップを務める息子に禅譲する思惑もあるとされる。イラクの政治評論家ハーフェズ・ビシャラ氏は「住民投票を使って選挙運動しているようなもの。一族の権力維持が本当の目的ではないか」とみる。

2104チバQ:2017/09/25(月) 21:57:17
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201709/CK2017092402000123.html
油田都市 利権めぐり対立 キルクーク イラク・クルド独立 あす住民投票 

2017年9月24日 朝刊


21日、弾痕が残る事務所前で、襲撃事件を振り返る「トルクメン国民運動」のアガオグロ事務局長=奥田哲平撮影
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 【キルクーク(イラク北部)=奥田哲平】イラクのクルド人自治区で二十五日に迫った分離独立を問う住民投票を巡り、北部の油田都市キルクーク州の行方に注目が集まっている。区域外にありながら、二〇一四年以降に実効支配するクルド自治政府が住民投票の範囲に組み込んだからだ。多数派を占めるクルド人と少数派との民族間で衝突の懸念が高まっている。
 十八日夜、市中心部にあるトルコ系住民のトルクメン人による「トルクメン国民運動」の政党事務所前に車四、五台に分乗した若者がクルドの旗を振って現れた。建物に向かって自動小銃を撃ち始め警備員が応戦、若者一人が死亡した。
 アガオグロ事務局長によると、住民投票への反対を表明する政党は、二日前にイラク内務省に保護を強めるように抗議文を出したばかり。「周到に計画され、クルドの治安部隊は彼らを見過ごした」と非難。「民族や宗派の多様性がイラクの美しさだったのに、緊張は高まる一方だ」と嘆く。
 原油利権を巡り自治政府とイラク中央政府が長年対立してきたキルクーク。過激派組織「イスラム国」(IS)の混乱に乗じ、自治政府の治安部隊が石油施設も含めて武力制圧した。独自にパイプラインを敷設し、イラク全土の17%に当たる一日五十万バレルを産出、ほとんどを輸出している。自治区の富を生み出す「戦果」で、住民投票を機に自治区内への編入を狙う。
 キルクークでは一九七〇年代、クルド人とアラブ人を入れ替える「アラブ化政策」で強制移住が行われたが、二〇〇三年に旧フセイン政権が倒れると、クルド人が徐々に帰還。クルド人にとってはもともといた土地を取り戻す動きが、排除されるとの他民族の恐怖感を高めている。
 アラブ人社会を代表する元副州知事のハディディ氏は「力で支配したフセイン政権と同じ手法ではないか」と憤る。これに対し、クルド系のタラバニ州議長は「治安が安定し、経済発展する自治政府に入る方が、全ての人にとって有益だ。われわれは共存できる」と主張する。
 イスラム教スンニ派が多いトルクメン人、アラブ人勢力が口をそろえるのは、「キルクークがクルドでも中央政府でもない特別州」として自治権を拡大すること。背景にはシーア派中心の中央政府に対する不満がある。クルド独立の是非を問う住民投票は、さらなる国家分裂の引き金になる危険性もはらんでいる。

2106チバQ:2017/09/26(火) 13:45:15
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170926-00000021-mai-m_est
<クルド独立>賛成9割超の勢い イラク首相が「違憲」


9/26(火) 10:29配信

 【アルビル(イラク北部)篠田航一】イラク北部のクルド自治政府は25日、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を実施し、選管当局は同日夜(日本時間26日未明)から開票作業に入った。公式結果は出ていないが、クルドのメディアが報じる暫定中間集計では賛成票が9割を超す勢いだ。投票率は72%前後とみられる。

 イラク国内で過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘が続く中、投票は地域の不安定化をもたらすとの懸念がある。イラクのアバディ首相は25日、国営テレビで投票を「違憲」と非難しクルド側が求める独立交渉も拒否した。クルド側と中央政府側の双方が管轄権を主張する油田都市キルクークでは25日、夜間外出禁止令が出され緊張が高まった。

 米国務省は25日、声明で投票実施に「深い失望」を表明、自治区住民に困難が生じるとの見解を示した。またクルド側と中央政府側に建設的対話を求め、暴力への反対を強調した。グテレス国連事務総長も懸念を示し妥協の必要性を訴えた。

 多民族都市キルクークでは今月に入り、クルド人とトルクメン人の衝突で死傷者が出るなど混乱が続く。キルクーク市を含むキルクーク県の知事は25日、市民に対し、祝砲を放つなどのお祭り騒ぎを控え、平静を保つよう呼びかけた。

 アラブ人主体のイラク中央政府の議会は25日、キルクークなど係争地帯に治安部隊を派遣するようアバディ氏に求めた。

 また、投票に反対してきたトルコとイラク中央政府の両国軍は、自治区に近いトルコ南東部シュルナク県で26日から合同軍事演習を始めることを明らかにした。軍事力の誇示により、クルド独立を封じる意思を内外に示す狙いとみられる。

 一方、自治区の中心都市アルビルでは25日、多くの市民が通りに繰り出して夜遅くまで気勢を上げ、投票を祝った。

2107チバQ:2017/09/26(火) 15:01:38
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170926-00000096-san-m_est&pos=1
クルド独立住民投票 油田都市キルクーク緊迫 実施強行で支配強化狙う
9/26(火) 7:55配信 産経新聞
 イラク北部のクルド自治政府による住民投票で注目を集めるのが、自治政府の実効支配下にある要衝キルクークだ。自治政府はイラク中央政府と帰属をめぐって係争中にもかかわらず、この街でも投票を実施。同国北部最大の「油田都市」では投票前日の24日、混乱を懸念する声が聞かれた。(キルクーク 佐藤貴生)

 クルド人自治区の中心都市アルビルから車で1時間半。キルクークの街が近づくと地表に噴き上げる炎が目につく。地下には豊富な原油が眠る。その配分も、自治政府と中央政府で長年の懸案となってきた。

 街中の至る所で、自治政府の治安部隊ペシュメルガが、自動小銃を持って目を光らせていた。

 街にはクルド人やアラブ人のほか、少数派のトルクメン人なども住んでおり、住民投票が近づくにつれ、摩擦も激しくなった。最近も、住民投票に反対するトルクメン系政党関係者とのトラブルで、クルド人1人が死亡したばかりだ。

 アラブ系の男性(30)は「住民投票は反対だ。投票後に何らかの形で衝突が起きるかもしれないと思うと怖い」と、人目を気にしながら小声で話した。クルド人の男性(35)は「中央政府が住民投票は違法だといっている。独立も重要だが、周辺国が厳しい態度に出るかもしれず、時期が悪い」と語る。

 2014年、キルクークはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の攻勢を受けた。撤退した政府軍に代わってそれを撃退し街を実効支配したのがペシュメルガだった。

 自治政府がこの街で投票を強行したのは、独自財源に乏しい将来の“クルド国家”にとり、石油資源の確保が欠かせないからだ。投票実施で支配の既成事実化を狙う。

 だが、一帯は安定にはほど遠い。23日には、近郊のIS支配地域付近で起きた爆発で8人が死傷した。

 キルクークを含めた独立の動きを加速すれば、中央政府も黙ってはいない。衝突や混乱を予想して日用品の買い占めに走る住民が出始めたとの情報もある。投票後の行く末は不透明だ。

2108チバQ:2017/09/26(火) 20:13:35
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092600712&g=int
クルド「独立」道険し=困難山積、封鎖で締め付けも-イラク
25日、イラク北部アルビルで、クルド人自治区の独立の是非を問う住民投票で賛成多数が確実となり祝福するクルド人(AFP=時事)
 【アルビル(イラク北部)時事】イラク北部クルド自治政府が25日、独立の是非を問うため実施した住民投票は、賛成多数が確実となっている。しかし、クルド人自治区はかつて外資導入や原油輸出をてこに遂げた経済発展から一転、原油安などによる景気低迷に苦しむ。独立に反対する周辺国が警告する「経済封鎖」が現実になれば一層苦境にあえぐのは必至で、独立の前途には幾多の困難が潜む。
 自治区の中心都市アルビルに、富裕層が多く住む「ドリームシティー」と呼ばれる一角がある。厳重な警備でしゃれた飲食店も多く、光ファイバーのインターネット網も完備。自治政府の治安部隊ペシュメルガの迎賓施設もあり、一般市民には「高根の花」だ。
 一方で、市内の所々に建設途中で放置されたビルも目に付く。地元住民に聞くと、「多くは2014年ごろから工事が止まったようだ」という。
 自治政府の財政は、中央政府からの配当収入と原油輸出が大きな柱だ。中央政府は自治政府に国家予算の17%を配分する仕組みだが、双方の対立激化も重なって14年から支払いが中断。さらに、14年秋ごろからの原油価格下落が追い打ちをかけた。
 また、14年は過激派組織「イスラム国」(IS)が北部モスルを制圧し、勢力を拡大していた時期。自治区近辺に迫ったISと対抗するため、多額の戦費がかさんだ。以降、財政難は克服できず、失業率も推計20%を超えるといわれる。

25日、イラク北部クルド人自治区の中心都市アルビルで、独立の是非を問う住民投票の締め切り後、投票用紙を数える選管関係者(AFP=時事)
 投票中止の呼び掛けが無視されたイラク中央政府は対抗策として、各国に自治政府との原油取引を中断するよう要請。自治政府からの原油パイプラインが通るトルコのエルドアン大統領は25日、「われわれが栓を閉めれば、(自治政府は)終わりだ」と威嚇した。原油以外の輸出製品に乏しく、輸入品に多く依存する自治政府にとって、周辺国との関係悪化は大打撃となる。(2017/09/26-14:30)

2109チバQ:2017/09/26(火) 20:33:41
https://mainichi.jp/articles/20170927/k00/00m/030/070000c
クルド独立

「歴史的な日だ」興奮に沸く自治区 住民投票

毎日新聞2017年9月26日 19時39分(最終更新 9月26日 20時29分)
一夜明けたイラク北部、中心都市アルビル
 【アルビル(イラク北部)篠田航一】「歴史的な日だ」「何年かかっても独立を」--。イラクからの分離・独立の是非を問うクルド自治政府の住民投票から一夜明けた26日、自治区の中心都市アルビルは、赤白緑に太陽をあしらったクルドの旗があちこちの商店に掲げられ、旗を付けた車が走り回るなど、一足早い「独立」ムードに沸いていた。投票結果に法的拘束力はないが、地元メディアは賛成票が多数を占めると伝えている。住民の間には、独立への「民意」を初めて投票の形で示したことに対する興奮が広がっていた。

 「独立まで何年かかってもいい。投票できたことがうれしい」。商店主のジャバル・ジャラさん(64)は笑顔でそう話す。タクシー運転手のボタン・サブールさん(24)は住民投票が行われた25日を「歴史的な日だ」と強調。そのうえで、「自分の国を持ちたいという当然の気持ちを表明しただけだ。なぜ外国は怒るのか。国がある人に、私たちの気持ちは分からない」と話し、投票に反対したトルコが原油取引停止に言及したことなどに反発した。

 一方、今回の投票を「違憲」として中止を求めていたイラク中央政府との対立が深まる中、今後を不安視する声も聞かれた。自治区東部スレイマニヤの無職男性(28)は「定職が何カ月もない。独立の夢に浮かれる前に、住民の暮らしを安定させるのが政府の仕事だ」と怒りを隠さない。

 クルド自治政府の収入は、中央政府からの配当と原油収入が主な柱だ。中央政府は国家予算の17%を自治区に払う仕組みだが、双方の対立もあり、2014年からは支払いが中断している。原油価格の下落もあり、若年層の失業率は2割近いとされる。自治区内には建設途中で工事が中断したビルの姿も目にする。

 「投票を終え、今は幸せだ。でもこれからどうなるのかな」。クルドの小旗を1本1000ディナール(約95円)で売っていた雑貨店の男性も、将来への懸念を口にした。クルド人を抱える周辺国は独立志向の高まりに神経をとがらせており、経済的圧力をかけてくる可能性もある。住民投票に反対していた米国務省は「地域的な通商関係や国際支援を脅かしかねない」と警告していた。

2110チバQ:2017/09/27(水) 04:13:17
http://www.sankei.com/world/news/170926/wor1709260050-n1.html
2017.9.26 19:30

クルド住民投票 「100年の夢がかなった」 “国家なき民”の悲願
 周辺国や米国などがこぞって反対したのに、イラク北部のクルド自治政府が投票を強行したのはなぜか。クルド人勢力が貢献してきたイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討に影響はないのか。クルド人がたどった歴史を振り返り、今後の行方を探った。(アルビル=イラク北部 佐藤貴生)

 ■100年の夢

 今回の住民投票には法的拘束力はない。にもかかわらず、クルドの人々の多くが「100年の夢がかなった」と意義を語った。それは、「クルド人国家」の樹立は約1世紀にも及ぶ悲願だからだ。

 第一次世界大戦でオスマン帝国が敗れたのに伴い、クルド人の国家建設を目指す動きが活発になり、連合国とオスマン帝国が結んだセーブル条約(1920年)には、クルド人国家建設の承認が盛り込まれた。

 しかし、新生トルコの誕生に伴って締結されたローザンヌ条約(23年)では、英国やフランスなどの権益分割の過程で反故にされ、クルド人居住地域はイラクやトルコ、イラン、シリアに割り当てられ、どの国でも少数派となった。

 イラクのクルド人男性は「家や土地があっても、自分の財産だと信じ切れない。日本人には分からないだろうが、それが『国家なき民』の思いなのだ」と、住民投票の意義を訴えた。

 ■飛び火を懸念

 自治政府の中心都市アルビルでは25日夜、投票結果の発表を待たずに若者らが「独立」を祝って街に繰り出し、通りでは花火も打ち上げられた。しかし、未来は決して楽観できない。

 「住民投票は憲法違反だ」とするイラク中央政府は、国家主権に関わる機能の明け渡しを求めたほか、トルコとイランの大統領は電話協議の末、そろって懸念を表明。イランは自治区との空路の往来を遮断した。

 トルコやイランの対抗措置には、自国内のクルド人に独立機運が飛び火することへの強い危機感がにじむ。特に最大のクルド人人口を抱えるトルコでは、独立を目指してきた武装組織「クルド労働者党」(PKK)のテロが相次ぎ、当局は指導者を拘束、PKKを非合法としている。

 また、イラクではサダム・フセイン政権期の1988年、北部ハラブジャで化学兵器によりクルド人ら約5000人が殺害されるなど、過酷な抑圧政策が行われた。

 住民投票を強行した理由として、クルド自治政府の高官は、「フセイン政権崩壊後のシーア派政権も、クルド自治政府などに配慮した民主的な運営をしてこなかった」ことを理由に挙げている。

 ■米国どう出る

 今回の住民投票に対し、欧米諸国が延期を求めてきた理由の一つが、「イラクやシリアで進行中のIS掃討に悪影響を及ぼす」という主張だった。

 両国におけるクルド人武装勢力はまったく別の組織だが、シリアでは米国の意に沿う武装勢力は他に見当たらず、イラク軍は進攻してきたISを前に退却を余儀なくされた経緯がある。どちらの国でもクルド人がISとの戦闘で主要な役割を果たしてきたことは間違いない。

 米国は住民投票の実施に反対する姿勢を示してきたが、ISの戦闘員との直接対決も拒まず、しかも戦況を優位に進めているクルド人勢力の力に今後も依存せざるを得ない-との見方もある。シリアとイラクのクルド人勢力と、米国との関係に変化が現れるかが今後の注目点といえる。

2111チバQ:2017/09/27(水) 20:22:01
2308 チバQ 2017/09/26(火) 15:07:33
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170926-00000057-jij-m_est

クルド「独立」道険し=困難山積、封鎖で締め付けも―イラク


9/26(火) 14:27配信

時事通信







クルド「独立」道険し=困難山積、封鎖で締め付けも―イラク


25日、イラク北部アルビルで、クルド人自治区の独立の是非を問う住民投票で賛成多数が確実となり祝福するクルド人。


 【アルビル(イラク北部)時事】イラク北部クルド自治政府が25日、独立の是非を問うため実施した住民投票は、賛成多数が確実となっている。

 しかし、クルド人自治区はかつて外資導入や原油輸出をてこに遂げた経済発展から一転、原油安などによる景気低迷に苦しむ。独立に反対する周辺国が警告する「経済封鎖」が現実になれば一層苦境にあえぐのは必至で、独立の前途には幾多の困難が潜む。

 自治区の中心都市アルビルに、富裕層が多く住む「ドリームシティー」と呼ばれる一角がある。厳重な警備でしゃれた飲食店も多く、光ファイバーのインターネット網も完備。自治政府の治安部隊ペシュメルガの迎賓施設もあり、一般市民には「高根の花」だ。

 一方で、市内の所々に建設途中で放置されたビルも目に付く。地元住民に聞くと、「多くは2014年ごろから工事が止まったようだ」という。

 自治政府の財政は、中央政府からの配当収入と原油輸出が大きな柱だ。中央政府は自治政府に国家予算の17%を配分する仕組みだが、双方の対立激化も重なって14年から支払いが中断。さらに、14年秋ごろからの原油価格下落が追い打ちをかけた。

 また、14年は過激派組織「イスラム国」(IS)が北部モスルを制圧し、勢力を拡大していた時期。自治区近辺に迫ったISと対抗するため、多額の戦費がかさんだ。以降、財政難は克服できず、失業率も推計20%を超えるといわれる。

 投票中止の呼び掛けが無視されたイラク中央政府は対抗策として、各国に自治政府との原油取引を中断するよう要請。自治政府からの原油パイプラインが通るトルコのエルドアン大統領は25日、「われわれが栓を閉めれば、(自治政府は)終わりだ」と威嚇した。原油以外の輸出製品に乏しく、輸入品に多く依存する自治政府にとって、周辺国との関係悪化は大打撃となる。

2112チバQ:2017/09/27(水) 20:22:22
2309 チバQ 2017/09/26(火) 15:09:02
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170925-00000060-san-m_est

クルド「独立2年かけ実現」 きょう住民投票 賛成多数の公算


9/25(月) 7:55配信

産経新聞







クルド「独立2年かけ実現」 きょう住民投票 賛成多数の公算


クルドの旗や自治政府トップ、バルザニ議長の旗を売る商店=23日、アルビル市街(佐藤貴生撮影)(写真:産経新聞)


 【アルビル(イラク北部)=佐藤貴生】イラク北部のクルド人自治区で25日、同国からの分離独立の可否を問う住民投票が行われる。独立賛成が多数を占める公算が大きく、イラク中央政府のほか、クルド人を抱えるトルコやイランなどは国内に独立機運が波及するのを恐れ、投票が行われれば対抗措置を取ると警告、緊張が高まっている。

 クルド自治政府のトップ、バルザニ議長は24日の記者会見で、イラク中央政府は非民主的だとした上で、独立支持が多数を占めた場合、「中央政府と協議し、2年以上かけても独立を実現する」との意向を表明した。

 主要都市アルビル中心部の商店街には23日、「賛成に投票を、独立にイエスを」などと書かれたポスターが掲げられていた。赤、白、緑に金色の太陽をあしらったクルド民族の旗を売る露店もあった。「(投票を行って)周辺国が経済的に制裁したとしても問題ではない。自由は経済よりも重要だ」。商店経営のイスマイル・アブドルラハマンさん(41)が独立の意義を訴えた。

 22日には、アルビルで独立支持派の集会に数万人が参加し、バルザニ議長の演説に気勢を上げた。

 トルコの大統領府は23日、「新たな地域の危機」を引き起こしかねないと懸念を表明。軍事演習を行って牽制(けんせい)してきたほか、治安維持のためには越境も辞さない姿勢を示している。

 また、イラン政府系メディアが24日報じたところによると、イラン当局はイラク中央政府の要請により、クルド人自治区との空路の往来を遮断した。

 こうした動きに対し、アルビルで会ったクルド自治政府の治安部隊、ペシュメルガの隊員(40)は、イラクでのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討に部隊が大きく貢献したことを挙げ、「大国もできなかったことを成し遂げたのだから、(軍事衝突しても)当然守りきれる」と述べた。

 さらに、「われわれは他国の領土を求めているわけではない。独立の権利について問うだけだ。民主主義や人権を重視する欧州や世界に、何が問題なのか聞いてみたい」と訴えた。

 投票は中央政府とクルド自治政府の係争地である油田地帯キルクークでも行われる。米国や国連安全保障理事会まで実施に反対する中、「国家なき最大の民」とも呼ばれてきたクルド人の動向が注目される。

2113チバQ:2017/09/27(水) 20:43:46
http://www.sankei.com/world/news/170927/wor1709270044-n1.html
2017.9.27 11:56

サウジアラビアで女性の運転許可へ 「世界で最後の国」、社会改革の一環で来年6月にも

 【カイロ=佐藤貴生、ワシントン=黒瀬悦成】サウジアラビアのサルマン国王は26日、女性が車を運転することを認めるよう命令を出した。来年6月にも実現する見通し。サウジは女性の運転を認めない「世界でただ一つの国」(英BBC電子版)といわれてきた。

 サウジの女性活動家らは、運転している動画をインターネット上に公開するなどして、車の運転を認めるよう政府に働きかけてきた。拘束された経験がある女性などから歓迎の声が出ている。

 命令は政府が進める社会改革の一環とみられる。サウジは今年6月に昇格した国王の実子、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子を中心に大規模な改革を進めるとしており、雇用面などで女性の社会進出を期待する声もある。

 ロイター通信によると、命令の発出を受け、国内のイスラム教聖職者らは「シャリーア(イスラム法)を曲げる」などと反発している。サウジでは女性は全身黒ずくめの服で覆うよう義務づけられている。また、男性の後見人に守られるべき存在と定められ、教育や就職、結婚から旅行に至るまで、後見人の許可が必要とされる。

 一方、米ホワイトハウスは26日、トランプ大統領がサウジ政府の決定を「称賛」したとの声明を発表した。声明は「サウジの女性の権利と機会を促進させる前向きの一歩だ」と指摘し、トランプ政権として今回のような改革を通じたサウジの社会と経済の強化を支援し続けると表明した。

2114チバQ:2017/10/01(日) 09:22:06
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00000039-mai-bus_all
<イラク>住民投票に報復、空路封鎖 クルド人自治区孤立

9/30(土) 13:25配信��
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 【カイロ篠田航一】イラク北部クルド人自治区の中心都市アルビルと東部スレイマニヤの両空港で29日午後、国際線旅客機の発着が中止された。25日に住民投票を強行し、独立への意思を鮮明にしたクルド自治政府への対抗措置として、イラク中央政府は両空港に乗り入れる各国航空会社に運航停止を求めていた。中東の近隣諸国や欧州を直接結ぶ空路が封鎖されたことで、自治区の孤立は徐々に深まっている。

 国際線停止は29日午後6時(日本時間30日午前0時)に発効した。国内線は運航しているため、空路で首都バグダッドを経由して国外に出る方法は残されているが、外国から自治区への直接の空路の往来は当面は不可能となった。

 また、ロイター通信は29日、イラク国防省が隣国トルコやイランと連携し、自治区との境界にある検問所を中央政府側の管理下に置く計画を進めていると伝えた。空路に続き陸路の封鎖も検討されている模様で、自治区の包囲が進む。

 国内に多数のクルド人を抱え、イラクのクルド人自治区で独立機運が高まることで地域が不安定化することを懸念するトルコは、既に自治区とトルコ領内を結ぶ石油パイプラインの遮断を示唆しており、周辺国も強硬な対応が続く。

 米国のティラーソン国務長官は29日、「住民投票の結果は承認できない」と自治政府の投票強行を批判する一方、イラク国内で過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘が継続している現状を改めて強調し、関係当事者に「建設的な対話」を通じて事態を沈静化するよう呼びかけた。

2115とはずがたり:2017/10/03(火) 14:54:35
クルド派だけど今は各国の枠内で自治権の拡大を目指して欲しい。。

<イラク>住民投票に報復、空路封鎖 クルド人自治区孤立
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00000039-mai-bus_all
9/30(土) 13:25配信 毎日新聞

 【カイロ篠田航一】イラク北部クルド人自治区の中心都市アルビルと東部スレイマニヤの両空港で29日午後、国際線旅客機の発着が中止された。25日に住民投票を強行し、独立への意思を鮮明にしたクルド自治政府への対抗措置として、イラク中央政府は両空港に乗り入れる各国航空会社に運航停止を求めていた。中東の近隣諸国や欧州を直接結ぶ空路が封鎖されたことで、自治区の孤立は徐々に深まっている。

 国際線停止は29日午後6時(日本時間30日午前0時)に発効した。国内線は運航しているため、空路で首都バグダッドを経由して国外に出る方法は残されているが、外国から自治区への直接の空路の往来は当面は不可能となった。

 また、ロイター通信は29日、イラク国防省が隣国トルコやイランと連携し、自治区との境界にある検問所を中央政府側の管理下に置く計画を進めていると伝えた。空路に続き陸路の封鎖も検討されている模様で、自治区の包囲が進む。

 国内に多数のクルド人を抱え、イラクのクルド人自治区で独立機運が高まることで地域が不安定化することを懸念するトルコは、既に自治区とトルコ領内を結ぶ石油パイプラインの遮断を示唆しており、周辺国も強硬な対応が続く。

 米国のティラーソン国務長官は29日、「住民投票の結果は承認できない」と自治政府の投票強行を批判する一方、イラク国内で過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘が継続している現状を改めて強調し、関係当事者に「建設的な対話」を通じて事態を沈静化するよう呼びかけた。

2116チバQ:2017/10/03(火) 19:41:10
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00000065-mai-m_est
<パレスチナ>ハマスとの和解協議が本格化 分断解消目指す
10/3(火) 19:02配信 毎日新聞
 【エルサレム高橋宗男】パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスと、ヨルダン川西岸を統治するパレスチナ自治政府は3日、統一政府の樹立に向けた和解協議を本格的に開始した。2007年にハマスがガザ地区を制圧して以降、10年以上続くパレスチナ分断の解消を目指す。

 自治政府のハムダラ首相が2日にガザ地区に到着。数百人の住民に出迎えられ「我々は和解を実現するためガザに戻ってきた」と述べた。今後、自治政府への行政・治安権限の移行などについて協議する。ただ、自治政府側が求めるハマスの軍事部門の解体をハマスが受け入れる可能性は低く、和解協議が順調に進むかは不透明だ。

 06年のパレスチナ評議会(国会)選挙でハマスが圧勝。しかし、主流派ファタハが結果を認めず、07年にガザ地区で双方の武力衝突に発展し、ハマスがガザ地区を分断支配してきた。ハマスをテロ組織と見なすイスラエルがガザ地区の経済封鎖を続けているほか、この半年間に自治政府も経済圧力を強化。1日に数時間しか電力が供給されないなど、ガザの住民は苦しい生活を強いられてきた。

 ハマスは先月17日、ガザ地区の政府機能を有する「行政委員会」の閉鎖を宣言。統一政府の樹立に向けた総選挙の実施など自治政府が求める和解の条件に応じる姿勢を示した。 ガザ市の教師、ハッサン・アリさん(42)は「10年も続いた悲惨な状況が改善することを願う。時間はかかるだろうが、少しずつでも前進してほしい」と期待した。

2117チバQ:2017/10/04(水) 01:50:17
http://www.sankei.com/world/news/171004/wor1710040003-n1.html
2017.10.4 01:33

イラク・タラバニ前大統領死去 クルド民族自決に尽力
 イラクのクルド系テレビ局によると、イラク前大統領で国内少数派クルド人の民族自決を求めてきたジャラル・タラバニ氏が3日、独ベルリンの病院で死去した。83歳だった。イラク北部のクルド人自治区では9月下旬の住民投票で、独立賛成が9割を超える支持を集めたばかりだった。

 タラバニ氏は1933年11月生まれ。バグダッド大法学部卒。14歳で民族独立を目指すクルド民主党(KDP)に参加して頭角を現した。路線の違いから、75年にKDPを離脱してクルド愛国同盟(PUK)を創設し、フセイン旧政権と対立。政権崩壊後の2005年にイラク大統領に就任し、非アラブ人として初の国家元首となった。

 10年に再選を果たした後は、対立が顕在化したシーア派、スンニ派両勢力の橋渡し役を担ったほか、中央政府とクルド自治政府との交渉も仲介した。12年12月、脳卒中の発作で倒れ、ドイツに移送され治療を受けていた。

 中央政府や周辺国の反対を押し切り、住民投票を強行したKDPのバルザニ議長は投票実施前、タラバニ氏が健康であれば独立の実現はもっと容易だったはずだと語っていた。(カイロ 佐藤貴生、大内清)

2118チバQ:2017/10/04(水) 01:50:49
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017100400007&g=int
タラバニ前イラク大統領死去=クルド人、民族対立を調停



イラクのタラバニ前大統領=2011年9月、ニューヨーク(AFP=時事)
 【カイロ時事】イラクのジャラル・タラバニ前大統領が3日、療養先のドイツ・ベルリンの病院で死去した。83歳だった。少年時代からクルド民族主義運動に関与し、クルド人を弾圧したフセイン政権打倒のための武装闘争に参加。クルド人初の大統領に就任後は、イラクの宗派・民族対立の調停にも尽力した。
 14歳でクルド民主党(KDP)に入り、1961年には王制を打倒したカセム政権に対するクルド人の反乱に参画。KDP指導者のマスード・バルザニ氏(現クルド自治政府議長)との路線対立から75年、クルド愛国同盟(PUK)を創設し、クルド人地域での二大政党を確立した。
 2003年のイラク戦争を受けてフセイン政権が打倒された後、05年に移行政府大統領に就任。06年に大統領に選出、10年に再選された。在任中の12年に脳卒中を患って以降は、たびたびドイツで療養していた。(2017/10/04-01:03

2119とはずがたり:2017/10/06(金) 17:35:58
原油という共通の利害があると強いぞ。。

サウジとロシアが急接近、中東から締め出されるアメリカ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8596.php
King Salman and Putin Deals Leave the US Out in the Cold
2017年10月5日(木)19時40分
ベッカ・ワッサー(米シンクタンク、ランド研究所アナリスト) 、ハワード・J・シャッツ(同ランド研究所シニアエコノミスト)

<親米国サウジアラビアのサルマン国王が初めてロシアを訪問、エネルギー分野などで協力を強化する。これはアメリカの指導力に不満を持つ国々からのメッセージでもある>

サウジアラビアのサルマン国王は今週、サウジ国王として初めてロシアを公式訪問し、プーチン大統領と会談する。

サルマンの訪露は、2国間関係を改善する転機になる。ロシアとサウジアラビアは、内戦終結後のシリアをめぐって意見が対立しており、サウジアラビアは、ロシアが敵国であるイランに接するのを不快に思ってきた。

サルマンとプーチンの会談で、シリア情勢など差し迫った問題が議題に上るのは確実だが、何より注目すべきは、両国が締結する一連の経済協定だ。

これらの協定は、中東全体を見据えたロシアの戦略構想を反映している。ロシアは経済協力を足掛かりに中東諸国と政治的な関係を強め、低迷する自国経済を立て直したい。中東でアメリカの影響力を削ぐ、というおまけ付きだ。

これはアメリカに対するメッセージでもある。アメリカの指導力に不満を持つ国々は、アメリカ以外の国を経済的、政治的、軍事的なパートナーに選ぶこともできる、国家間の関係は移ろいやすい、というメッセージだ。

脱原油で経済的利害も一致
ロシアは欧米諸国による経済制裁が始まって以降、ヨーロッパ諸国とアメリカ以外の国々に投資を求めてきた。なかでも湾岸諸国は前向きで、国内経済は苦境でも、価値の高い投資を呼び込むことに成功している。

サウジアラビアは政府系や民間の投資ファンドを通じて、ロシアのインフラや小売、物流、農業分野に100億ドル以上を投資している。

原油依存度が高いロシアとサウジアラビアは、原油価格の下落を受けて、エネルギー分野でも協力した。原油価格を安定させるため、2016年12月に原油の協調減産で合意。サウジアラビアが加盟する石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国による15年ぶりの協調減産を主導した。

サウジアラビアは今後、ロシアのエネルギー分野に投資する計画だ。

サウジアラビアはロシア製兵器の購入にも乗り気だ。サウジアラビアは主にアメリカとイギリスから兵器を購入しているが、報道によれば、今後ロシアから35億ドル相当の武器を調達する軍事協力の覚書に署名した。

2120とはずがたり:2017/10/06(金) 17:36:11
>>2119-2120
一見、こうした取引はロシアにばかり有利なように見える。だがサウジアラビア政府にとっても、2030年までの脱石油・産業振興の道筋を示す構想「ビジョン2030」の一環として、国内の経済開発と近代化を目指すためには、またとない取引だ。

サウジアラビアがロシアのエネルギー分野に投資すれば、逆にロシアがサウジ国内での経済活動を拡大するという相乗効果も期待できる。ロシアはサウジアラビアの石油化学プラントに天然ガスを供給したり、採掘や生産にかかるコストを抑えるためにサウジ国内の労働者を直接雇用したりするからだ。これはサウジアラビア政府の「ビジョン2030」の重要目標である、サウジ国民向け新規雇用の開拓にも貢献する。

サウジアラビアにとってロシア製兵器の取引は、歴史的に安全保障を頼ってきたアメリカとの2国間関係が悪化した場合のリスクを分散させる以上の意味を持つ。覚書には、ロシアがサウジ国内での兵器製造や軍事技術の移転に協力する条項が盛り込まれており、「ビジョン2030」に掲げた軍事産業の育成が可能になる。

ロシアはサウジアラビアと経済協定を結べば、経済制裁下にある国内経済の回復に必要な資金を確保し、サウジアラビア政府指導部との関係を深められる。同時にロシアは、中東におけるサウジアラビアの最大のライバルであるイランとの良好な関係も維持している。

一連の経済協定は、欧米諸国の対ロ経済制裁の妨害にもなる。ロシアがサウジアラビアとの関係改善を図っているのは、アメリカを挑発するためでもあるのだ。

中東での影響力をアメリカから奪う
今後ロシアは中東で影響力を持ち、OPECやシリア情勢を通じてアメリカの中東政策をかき乱すだろう。

ロシアが中東で経済活動を活発化させていることは、アメリカにとって重要なサインだ。アメリカは世界貿易機関(WTO)の生みの親として、加盟国は経済的な恩恵を受けられるという前提のもと、ほとんどの加盟国が共通の貿易ルールを順守するシステムを作り上げた。

だがWTOは今回のような経済協定に関するルールは規定しておらず、サウジアラビアのような国は、ロシアと手を結ぶか、中国が進めるシルクロード経済圏「一帯一路」構想に参加するか、或いは協力国を増やしてリスクを分散させるかを、自由に選択でき、縛ることはできない。

ロシアが中東で進める経済協力は、シリアへの大胆な軍事介入と比べれば控えめだが、アメリカの権益にとっては大きな打撃であり、アメリカの長期的な中東政策が混乱する恐れがある。

(翻訳:河原里香)

2121チバQ:2017/10/09(月) 23:37:02
https://mainichi.jp/articles/20171006/ddm/007/030/064000c
遠い国家

クルド「独立」への道/上 IS撃退、治安自信 「国家としてやっていける」

毎日新聞2017年10月6日 東京朝刊
 ずらりと並ぶ顔写真に圧倒される。その数3000枚以上。9月下旬に訪れたイラク・クルド人自治区東部スレイマニヤの博物館に展示されていた。「パパ、これは誰?」「悪と戦い、亡くなった人たちだよ」。クルド人の親子が話している。

 写真は、2014年以降に過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘で死亡したクルド自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」や、シリアの民兵組織「人民防衛隊」(YPG)のクルド人兵士のものだ。若い女性も多い。

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 クルド語で「死を恐れぬ者」を意味するペシュメルガ。「彼らは血を流しクルドの地を守った英雄です。その栄誉をたたえる展示です」。博物館職員のデラワルさん(42)が説明してくれた。

 9月25日に行われたイラク中央政府からの分離・独立の是非を問う自治区の住民投票は、独立賛成票が9割以上を占めた。中央の強い反対を自治政府が押し切った背景にはペシュメルガの存在もある。14年以降、撤退する中央政府軍に代わりISを北部で撃退したのは主にペシュメルガだった。自治政府は治安維持能力に自信を深め、「国家としてやっていける」との思いを強くしたとされる。

 「対IS戦で中央政府は弱体化した。クルド側が今の時期に投票に踏み切った一因だ」。クルド問題に詳しいエジプトのジャーナリスト、モハメド・アブヌールさんはそう見る。

 兵士らの写真を展示する博物館はフセイン政権時代(1979〜2003年)の監獄で政治犯の牢(ろう)も残る。弾圧経験は中央政府への不信をクルド人に植え付けた。自治政府のマスード・バルザニ議長(71)も「イラク建国以来、クルド人は虐殺されてきた」と語る。

 議長はクルド独立闘争の英雄ムスタファ・バルザニ氏(1903〜79年)の息子だ。「親子2代の闘争を決着させたい」(自治政府関係者)と投票を強行したとの指摘もある。

 だが、中央政府や米国は反発を強める。投票が周辺国との対立を深め、各国のクルド人の独立志向を後押しして、地域の不安定化をもたらしISとの戦闘に悪影響を与えかねないと懸念するからだ。多数のクルド人を抱え投票の波及効果に神経をとがらせるトルコは、自国内を通過する自治区産原油のパイプライン閉鎖に言及。国家樹立の道のりは険しい。

 博物館の敷地内では子供たちがフセイン政権時代の戦車の残骸で遊んでいた。この子らを待ち受ける未来と「国家なき最大の民族」の現状を追った。【スレイマニヤ(イラク北部)で篠田航一】

2122チバQ:2017/10/09(月) 23:37:30
https://mainichi.jp/articles/20171007/ddm/007/030/095000c
遠い国家

クルド「独立」への道/中 異宗教、結束がカギ

毎日新聞2017年10月7日 東京朝刊
 イラク・クルド人自治区の主要都市アルビルに住むフィラス・ミルザさん(38)は2014年秋、妻子に黙って家を出た。「言えば止められる。心配をかけたくなかった」。向かった先は山岳地帯。クルド人治安部隊「ペシュメルガ」の軍事訓練に参加し、過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うためだ。

 ミルザさんはクルド系民族では宗教的少数派のヤジディー教徒。多数派のイスラム教徒が遠ざける酒はタブーでなく、酒類販売業を営む。一市民を戦闘に駆り立てたのは、ISの蛮行だった。

 「ISはヤジディー教徒の赤ん坊を焼き殺し、母親にその肉を食べさせ、『今食べたのはお前の子だ』と告げたと知人から聞いた。怒りに震えた。そして戦う決意をした」

 ヤジディー教徒はイラク国内に約50万人。イスラム教やキリスト教、火を神聖視するゾロアスター教などが混交した土着宗教で、クジャクの天使や生まれ変わりを信じる。独特の教義を「悪魔崇拝」とみなしたISは14年8月、信者が多いイラク北部シンジャルに侵攻。国連の推計では約5000人が殺され、約7000人の女性や子供が暴行・誘拐された。住民によると、レイプされた7〜8歳の女の子もいたという。

 ISの侵攻で中央政府軍は撤退。ペシュメルガも退却したが武器を整えて戻り、15年にシンジャルを奪還した。「アラブ人の中にはISと一緒に襲う者もいた」と言うミルザさん。アラブ人主体の中央政府に怒り、自治区の独立を支持する。だが独立反対派のある教徒は「ペシュメルガは最終的にシンジャルを奪還してくれたが、退却中には犠牲者が増えた。自治政府は信用できない」と話す。

 自治政府トップのバルザニ議長は「一つの国家を目指すが、一つの宗教は強制しない。ヤジディー教徒もキリスト教徒も皆仲間だ」と繰り返す。その理想は「2年がかり」(バルザニ議長)で誕生を目指す独立国家で実現できるのか。IS掃討作戦で一定の結束を見せたイラクとクルド自治政府は、混乱回避に向け知恵が試される。【アルビル(イラク北部)で篠田航一】

2123チバQ:2017/10/09(月) 23:37:52
https://mainichi.jp/articles/20171008/ddm/007/030/086000c
遠い国家

クルド「独立」への道/下 汚職体質、発展を阻害

毎日新聞2017年10月8日 東京朝刊
 中心部に城塞(じょうさい)を持つイラク・クルド自治区の主要都市アルビル。6000年以上前から人の定住が始まったとされ、アッシリア人、バビロニア人、ペルシャ人など多くの民族が支配してきた。2014年には世界遺産に登録された。

 警備員のデリヤさん(37)によると、06年まで市民が住んでいたが、自治政府が移住させた。その後、観光施設として整備され「今は1日200人の観光客が来る。独立してクルドの知名度が上がればさらに増える」。9月に実施された独立を問う住民投票の効果にデリヤさんは期待する。

 一方、城をかたどった磁石を1ドル(約113円)で売る土産物店主は、投票強行で生じた周辺国との緊張関係を心配する。「国境を封鎖されたら外国人は来ない。投票は正しい選択だったのか」

 現在、自治区には石油生産以外に大きな産業がない。経済の多様化や発展の阻害要因とされるのが汚職体質だ。「自治政府にコネを持つ人物に仕事が回る」「公的な証明書も買える」。そうした話を何度も耳にした。

 「自治政府は腐敗している」。イラク中央政府のアバディ首相は9月24日、賄賂の横行を批判。住民投票は、公務員の給与支払いが滞る現状から目をそらすためだと主張した。

 だが中央政府側も人ごとではない。世界の汚職を監視するNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」(本部ベルリン)の16年版汚職指数によると、イラクの「清潔度」は176カ国・地域中166位。「腐敗に立ち向かう意思が欠如している」と酷評されている。

 「汚職を撲滅しなければ経済発展はない。クルド側もイラク側もそれが課題だ」。住民投票を監視したNGO「シャムス」のホガー・ジャヌ事務局長(42)はそう話す。

 城塞から市街地に下りると、公務員を名乗るクルド人男性に呼び止められた。「城の非公開の遺物を見たければ、特別に見せてあげる」。ありがたい、そう返すと、男性は続けた。「100ドル(約1万1300円)でどう?」。「クリーン」なクルド自治区への道は険しそうだ。【アルビル(イラク北部)で篠田航一】

2124チバQ:2017/10/10(火) 20:03:13
http://www.sankei.com/world/news/171010/wor1710100001-n1.html
2017.10.10 14:00

サウジ女性運転解禁で高級車商戦が早くもヒートアップ 出稼ぎ運転手80万人の運命は?
 サウジアラビアが女性の運転を認める方針を表明した。法の整備などを進め、来年6月にも女性ドライバーが公道に登場する見通しだ。オイルマネーで潤ってきたサウジには裕福な家庭も多いとされ、「あなたの番です。運転席に座ってください」(独フォルクスワーゲン)などとツイッターでつぶやく外車メーカーが続出。有望な市場の誕生を見込んで早くも熱い商戦がスタートした格好だが、運転手の職を得てきた外国人の出稼ぎ者には「働き口を失いかねない」との危機感も広がりそうだ。
(カイロ 佐藤貴生)

国連も米も称賛

 サウジのサルマン国王が女性の運転を許可する命令を出したのは9月下旬のことだ。「世界で唯一、女性の運転を認めない国」といわれてきたサウジ政府の方針転換を受け、トランプ米大統領は「女性の権利と機会を促進させる前向きの一歩」だとする声明を発表した。国連のグテレス事務総長も、「正しい方向への重要なステップ」だと称賛した。

 サウジ国内で女性の「運転権」を求めて活動してきたマナル・シャリフさんは決定を受け、運転席でハンドル片手にVサインする写真をインターネット上で公開した。豪シドニーに住むマナルさんは2011年、自らが車を運転する動画をユーチューブで公開して投獄され、これをきっかけにサウジの女性たちの活動が国内外で広まった経緯がある。

 ロイター通信などによると、サウジに住む成人女性は外国人を含めて1千万人以上に上り、現在はトヨタや現代自動車、日産などの人気が高く、スポーツ用多目的車(SUV)に関心が集まっているという。

 石油資源が豊富なサウジは世界有数の富裕国。巨大な高級車市場になる可能性を秘めているだけに、外車メーカーの反応も素早かった。ニュースが流れた翌日までにはフォルクスワーゲンのほか、日産やシボレーなどが、そろってツイッターで祝福するなどした。

出稼ぎ者の憂鬱

 ロイターはサウジの中流以上の家庭について、2台ある車のうち1台は夫が運転し、もう1台は妻や子供たちの移動のため、雇っているお抱え運転手がハンドルを握る例が一般的だ-としている。英BBC(電子版)によると、海外からの出稼ぎ者80万人が、こうした雇われ運転手として働いているという。

 今回のサウジ政府の決断の背景には、女性が車を運転できるようにして移動しやすくなれば、15%前後にとどまっている女性の就業率を高まるとの期待があるとされる。女性ドライバーが多くなるようなら、出稼ぎ者の有力な働き口が急速に縮むかもしれない。

 問題はほかにもありそうだ。サウジは毎日、交通事故で20人前後が死亡しており、世界で最も事故が多い国の一つだといわれる。未熟なドライバーが増えれば、さらに事故が増加するのでは-という懸念がある。サウジ内務相は女性ドライバーが加われば交通はより安全になるとの見通しを語ったが、具体的な根拠は示されていない。

2125チバQ:2017/10/10(火) 20:03:31
「後見人制度」

 先代のアブドラ国王時代から、女性の社会進出を段階的に進めてきたサウジ。女性ドライバーの免許も男性同様、18歳から取得できるようになる見通しだ。

 6月に昇格したサルマン国王の実子、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今回の政府決定について「宗教ではなく社会の問題だ」とした上で、国民全員が支持しているわけでないことは理解していると話した。

 メッカとメディナというイスラム教の2大聖地を擁するサウジ王家は、聖典コーランを言葉通り厳格に解釈する「ワッハーブ派」に統治の基礎を置いており、コーランには、男性は女性の「保護者」であるとの一文がある(岩波イスラーム辞典)。

 この文言をどう解釈するかにはさまざまな見解があるようだが、サウジの聖職者からは今回の決定に際し、「シャリーア(イスラム法)を曲げるものだ」などと反対する声も出た。「車を持った女性は、車とともに燃やしてやることを神に誓う」と述べる動画をネットにアップした男が、当局に逮捕される騒ぎも起きた。

 サウジでは、すべての女性が男性の「後見人」を持つよう定められており、夫や親類らがこの役割を務める例が多いとされる。海外旅行や結婚、就職、銀行口座の開設に至るまで、後見人の許可を得なくてはならない。また、見知らぬ男性に会う可能性がある場所では、常に黒ずくめの衣装「アバヤ」で全身を覆わなくてはならない。

変化する“妥協点”

 女性活動家や人権団体は今回の政府の決定を歓迎する一方で、さらなる女性の自由の拡大を求めている。今回は改革の「はじめの一歩」であるという立場だ。

 インターネットにより、個々の住民が発信する情報が瞬時かつ広範囲に拡散する現代。今回のサウジ政府の決断は、その影響の大きさに国家さえも反応せざるを得ない実情を見せつけた。

 また、他に類を見ない独自の統治体制を持つサウジ政府が、どの程度までイスラム教と社会の要請とを両立させて国家を運営していけるか-という“妥協点”を探っているようにもみえる。それは社会情勢とともに時々刻々と変わっていくものであり、政府は今後も社会の動きに常に配慮し続けなくてはならない宿命にある。

 サウジは国民の半数以上を25歳以下が占めており、若年層の間では32歳のムハンマド皇太子の人気は高いといわれる。経済、社会の大規模改革案「ビジョン2030」をひっさげて登場し、次期国王との呼び声も高い皇太子はどう社会と接していくのか。産油国サウジの国内動向は国際社会にとっても大きな関心事といえる。

 サウジアラビア 中東アラビア半島の大部分を占める王制国家。国名は「サウド家のアラビア」を意味する。首都リヤド。世界有数の原油埋蔵量を誇る富裕国。人口は約3200万人(2016年推定)。1人当たり国民総所得は2万3550ドル(15年)。メッカ、メディナのイスラム教2大聖地を国内に擁し、スンニ派イスラム世界の盟主を自任する。

2126チバQ:2017/10/11(水) 19:26:23
http://www.sankei.com/world/news/171010/wor1710100041-n1.html
2017.10.10 22:11

内戦下のシリア首都 戻った「日常」、変わらぬプロパガンダ体質
 内戦下の首都は一見、どこかの平和な国と変わらないようにみえた。シリア・ダマスカスの平日昼下がり、幹線道は渋滞し、学校が終わって談笑しながら帰宅する子供たちの姿があった。2011年3月の反政府デモへの弾圧から始まった内戦は今も続き、国土は荒廃した。にもかかわらず住民たちは、各地の戦火が外国のことであるかのように暮らしを営んでいた。

 隣国レバノンの首都ベイルートを早朝に車で出発して約2時間。レバノン側検問所を通過してシリア領内に入った。国境ではカラシニコフ自動小銃を提げたシリア兵が警備に当たる。

 そこから約50キロ。いくつかの検問を通ってダマスカス市街に入ると、軍服やスーツ姿のアサド大統領の顔写真が目についた。

 幹線道の両側には、古めかしい高層アパートが立ち並ぶ。道路は舗装が行き届き、日本車はもちろん、米国やイランの車も走る。中心部には砲弾の痕などもなく、無傷のように見えた。

 「悲惨な状況を想像していたろうが、ごく普通の暮らしぶりだろ。外国人はみなびっくりするよ」。シリア情報省が手配した車の運転手が誇らしげに言った。

 旧市街を歩き、住民らの声を聞いた。買い物にいそしむ人々からは「戦火のピークは過ぎた」という安心感がうかがえた。

 と同時に、市場にはいっそう多くのアサド氏の写真があふれている。ここが、あらゆる手段で国民の引き締めを図ってきたプロパガンダ(政治宣伝)の国であることに変わりはなかった。



 シリアの首都ダマスカスの旧市街にある市場は、ネックレスや指輪を品定めする女性たちでにぎわっていた。街はきれいに掃除されている。6年半を超す内戦で疲弊した住民らには「普通の暮らしが戻ってきた」との安堵(あんど)が漂う。

 「軍事衝突も収まり、活気が戻ってきた」。宝飾店を営むハッサン・ハッバプさん(61)が話した。

 ダマスカス中心部から東にわずか数キロの地区では、いまも反体制派と政府軍の戦闘が続いてはいる。「まだ危険だから」(シリア情報省)という理由で、現地取材は許されなかった。多くの人でにぎわう旧市街の中でも、あちこちで迷彩服姿の兵士が目を光らせる。

 住民たちが口をそろえて「最も危険だった年」と話す2013年には、街のすぐ東側まで反体制派が迫り、連日のように市街に向かって砲撃が行われた。

 「とにかく最悪だった。夕方になると人の姿が消えた。あのころに比べればとても安全になった」。そう話す装飾品店店員、ヘイサム・ザルアイさん(20)によると、当時に比べ、最近は売り上げが約4倍に増えたという。



 内戦の構図も大きく変わった。混乱の中でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が台頭。ISが「首都」と宣言した北部ラッカや油田がある東部デリゾールでは、米国が支援する少数民族クルド人などの部隊とISとの戦闘が続く。北西部イドリブでは、トルコの支援を受けた反体制派「自由シリア軍」が、イスラム過激派への大規模攻撃を始めている。

 アサド政権の支配するダマスカスがいま、ほぼ“無風状態”にあるのは、こうした情勢の変化が政権側に利したからでもある。

 街中での住民への取材や写真撮影の際には、同行する情報省当局者の許可を得るよう求められた。特に軍施設や兵士の撮影は厳禁だと言い渡された。外国メディアの報道に神経をとがらせている様子だ。

 「年末までには戦争は終わる。だから未来は明るい」。ザルアイさんの楽観的な言葉が本音か否かは、判断がつかなかった。(ダマスカス 佐藤貴生)

2127チバQ:2017/10/13(金) 06:02:25
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/world/ASKBD5JK0KBDUHBI01P.html
パレスチナの2大組織が「和解」 ファタハとハマス
10月12日 22:42朝日新聞

パレスチナの2大組織が「和解」 ファタハとハマス
パレスチナとイスラエルの関係
(朝日新聞)
 10年にわたり分裂状態が続くパレスチナ自治政府の主要組織ファタハとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの両代表団は12日、「和解」について合意した。合意内容の詳細は不明だが、AFP通信によると、自治政府が治安要員約3千人をガザに配置し、治安を担うことなどが盛り込まれる見通し。

 両代表団は和解仲介役のエジプトの首都カイロで、10日から協議していた。

 ハマス最高幹部のハニヤ政治局長は12日、「エジプトの支援の下で合意が成立した」との声明を発表。AFP通信によると、自治政府のアッバス議長も同日、「分裂を解消するための最終合意」として歓迎する意向を示しており、1カ月以内に10年ぶりにガザを訪問する予定という。

 自治政府関係者によると、両代表団は2011年にカイロで両者が合意した和解案を土台に協議したという。同案は、統一政府の発足と首相の指名▽1年以内に自治政府議長(大統領に相当)と自治評議会(国会に相当)の選挙の実施▽行政や治安などの権限一本化などを含む。

2128チバQ:2017/10/13(金) 06:02:51
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171013k0000m030074000c.html
<パレスチナ>軍事部門の扱い焦点に ハマス・ファタハ和解
10月12日 21:06毎日新聞

 【エルサレム高橋宗男】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと主流派ファタハとの和解合意で、10年来続くパレスチナの分断解消に向け本格的な一歩が踏み出される。ただ今回の合意では大きな問題は先送りしたとみられ、今後妥協できるかは不透明だ。

 最大の焦点はハマス軍事部門の扱いだ。自治政府のアッバス議長は今月上旬、「一つの国家、一つの武器」と述べ、同部門が統率下に入るよう要求。だがハマスの最高指導者ハニヤ氏は「(イスラエルによる)占領が続く限り武器を持ち抵抗する権利を有する」と述べ堅持方針を示した。

 2007年にパレスチナ自治区の統治がヨルダン川西岸とガザ地区で分断されて以来、ハマスとファタハの和解協議は失敗の連続だった。11年に統一政府樹立に向けたパレスチナ評議会選挙の実施を含むカイロ合意が発表され、14年にも合意履行を目指したが、いずれも破綻した。

 今回の和解協議には、周辺国の情勢変化も作用した。カタールはサウジアラビアなどとの摩擦が激化した影響でガザ支援から実質的に手を引いた。トルコも昨年7月のクーデター失敗後に欧米と対立し存在感が薄まった。こうした中、仲介役エジプトの影響力が相対的に高まった形だ。

 一方、イスラエルは何度も衝突してきたハマス軍事部門の存在は許容できない。ネタニヤフ首相は今月上旬、ハマスと自治政府の和解は▽イスラエルの存在承認▽ハマスの軍事部門解体▽ハマスとイランの関係断絶--を含むべきだと主張。パレスチナ側との将来的な和平交渉で障害になりそうだ。

2129チバQ:2017/10/13(金) 20:49:12
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00000057-mai-m_est
<クルド治安部隊>イラク北部キルクークに配置 侵攻に備え
10/13(金) 19:08配信 毎日新聞
 【カイロ篠田航一】イラク北部クルド自治政府は12日までに、イラク北部の油田都市キルクークにクルド治安部隊「ペシュメルガ」の兵士約6000人を配置した。ロイター通信などが伝えた。イラク中央政府軍がキルクークへの大規模攻撃を準備しているとの情報が11日ごろから流れており、クルド側は侵攻に備えた「自衛措置」としている。

 一方、中央政府のアバディ首相は12日、「国民に武力を行使せず、クルド人とも交戦しない」と攻撃の意図を明確に否定した。キルクークは公式には中央政府の管轄だが、2014年以降はクルド側が実効支配を続け、双方の係争地となっている。自治政府は12日、「イラク軍のクルド地域への侵入を防ぐため」として、自治区の中心都市アルビルと中央政府側の都市モスルを結ぶ幹線道路の境界を封鎖した。

 クルド自治政府は中央政府の反対を押し切り、9月25日にイラクからの分離・独立の是非を問う住民投票を強行。これに対し中央政府は自治区内の空港に乗り入れる国際線の運航を禁止するなどの制裁を発動し、「クルド封鎖」を進めている。

2130チバQ:2017/10/13(金) 20:49:41
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171012-00000005-jij_afp-int
イラク裁判所、クルド自治政府の選管トップらに逮捕状
10/12(木) 9:07配信 AFP=時事
イラク裁判所、クルド自治政府の選管トップらに逮捕状
【AFP=時事】イラクからの独立の是非を問う住民投票をクルド人自治政府が強行した問題で、イラクの裁判所は11日、自治政府の選挙管理委員会トップらの逮捕状を出した。イラク中央政府はこの問題をめぐって自治政府側への圧力を強めている。

【写真】イラク北部キルクークで、クルド人自治区独立の是非を問う住民投票の実施を祝うクルド人ら

 イラク北部のクルド人自治政府は先月末、中央政府が違法と非難していたにもかかわらず住民投票を実施。法的拘束力はないものの、圧倒的多数が独立を支持した。

 首都バグダッド(Baghdad)東部の裁判所はハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相が議長を務める国家安全保障会議の請求に基づき、住民投票を実施した選挙管理委員会の委員長ら3人の逮捕状を出した。

 同裁判所は3人について「イラク最高裁判所が違憲と判断し、中止を命じた住民投票を組織した」と指摘している。【翻訳編集】 AFPBB News

2131とはずがたり:2017/10/16(月) 00:58:48
ソマリア首都で爆発、230人以上死亡 建物が倒壊
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/world/ASKBH4TP1KBHUHBI00G.html
00:41朝日新聞

 東アフリカ・ソマリアの首都モガディシオで14日、爆発物を積んだトラックなどが爆発した。AP通信によると、231人が死亡、275人以上が負傷した。同国ではイスラム過激派シャバブによる攻撃が相次いでいる。

 AP通信によると、爆発が起きたのは、車の往来が激しい通り沿いにあるサファリホテル前。周辺にはショッピングモールや大学、飲食店なども立ち並ぶ。周辺で2回目の爆発があったとの情報もある。

 被害を受けた建物が倒壊し、閉じ込められた市民が多数いるとみられ、救出作業は15日も続いた。死者の中には援助団体の関係者や記者もいるといい、死者数はさらに増える可能性がある。

 負傷者が運び込まれている病院の医師はAP通信に対し、「死者や負傷者であふれている。過去に例がないくらい恐ろしい事態だ」と話した。

 同国では、シャバブが同様の犯行を繰り返している。今回の爆発への関与は不明だが、AP通信によると、ソマリア政府はシャバブの犯行だとして強く非難している。

 ソマリアは内戦が始まった1991年以降、国全体を治める政府が事実上なくなり、複数の武装勢力の対立が続いてきた。勢力を拡張したシャバブに対し、アフリカ連合軍が掃討作戦を実施するなどして、2005年に暫定政府ができた。暫定政府は実効支配地域を首都周辺から徐々に広げ、12年に統一政府となった。

 だが、シャバブはモガディシオのほか、隣国のケニアでもテロ攻撃を続けており、一定の勢力を維持しているとされる。(石原孝)

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2132チバQ:2017/10/16(月) 20:34:27
http://www.sankei.com/world/news/171016/wor1710160042-n1.html
2017.10.16 19:32
【クルド問題】
イラク軍、油田都市キルクークの一部地域掌握 一時砲撃応酬か
【カイロ=佐藤貴生】ロイター通信は16日、イラク中央政府とクルド自治政府の係争地域である北部の油田都市キルクークで、中央政府側が一部地域を掌握したと伝えた。イラク国営テレビは「広大な地域」を掌握したと主張し、一部地域で双方の軍による砲撃の応酬があったという報道もある。9月に自治政府が強行した独立を問う住民投票で軍事的緊張が増しており、本格的な武力衝突へ発展するか懸念される。

 英BBC放送(電子版)によると、中央政府側はキルクークの油田を含む複数の地域を占拠したと主張。自治政府の軍事機関ペシュメルガによる抵抗はなかったとしているが、自治政府当局者は否定している。

 また、キルクーク南方で、双方による砲撃の応酬があったというが詳細は不明。中央政府当局者はロイターに対し、キルクークの石油・天然ガス施設での戦闘回避で自治政府側と合意したと明らかにした。キルクークでの石油や天然ガスの生産は、通常通り続けられているという。

 キルクークは自治区外に位置するが、クルド側が2014年から実効支配。今年9月25日に自治政府が中央政府に反して住民投票を強行してからは対立が一層深まっている。BBCによると、今月12日には中央政府の軍隊や連邦警察、イスラム教シーア派民兵らが乗った車列がキルクーク方面に向かった。中央政府のアバディ首相は、周辺のイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討のためだと主張したが、自治政府高官は「脅迫」だとの認識を示していた。

 ただ、国営テレビによると、アバディ首相は16日、ペシュメルガと協力してキルクークの治安改善を図るように命じており、本格的な対立を回避しようとする思惑もみられる。

2133チバQ:2017/10/16(月) 20:34:50
http://www.sankei.com/world/news/171016/wor1710160043-n1.html
2017.10.16 19:40
【クルド問題】
バルザニ自治政府議長の“保身”が招いた危機
 イラクのクルド自治政府が実効支配する北部キルクーク周辺に同国中央政府軍が進軍し、クルド情勢は新局面に入った。9月に行われた「クルド独立」の住民投票が、国家分裂を恐れる中央政府や周辺国による圧力強化を招くのは必然だった。にもかかわらず自治政府トップのバルザニ議長が投票を強行したのは、国家樹立が「民族的悲願」であるというほかに、自身の“保身”があったためだ。

 2005年から自治政府を率いるバルザニ氏は、15年に任期切れを迎えたが、その後も選挙なしで居座った状態にある。汚職蔓延で自治政府への不満も強い。求心力の維持に向け、住民投票という目に見える成果が欲しかったとみられる。

 その上で、投票結果を中央政府と交渉のテコとする思惑もあった。

 予算の多くを中央政府からの配分に頼る自治政府は、中央での予算承認の遅れなどの影響でしばしば深刻な財政難に見舞われてきた。バルザニ氏には、投票で「独立賛成」が圧倒的多数を占めた事実を盾に中央を揺さぶり、予算増額や自治権拡大などを求める考えがあったとみられる。

 また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との戦いの過程で獲得したキルクークなどの“主権”を既成事実化する狙いもあった。将来的に独立が実現したとき、資源が豊富なキルクークは死活的な意味を持つ。

 対ISで前面に立ってきた自治政府としては、住民投票を機にキルクーク支配を確立しなくてはメンツが立たないとの事情もある。

 だが、クルド人の耳に甘く響く大衆迎合的なバルザニ氏の手法は、中央を一気に硬化させた。トルコなど周辺国からも経済封鎖を受ける中、偶発的にでも政府軍と本格交戦に至れば、地域の危機は一気に深まる。
(前中東支局長 大内清)

2134チバQ:2017/10/16(月) 20:46:17
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171016-00000027-mai-m_est
<イラク>キルクーク砲撃応酬か クルド支配地区に進軍開始
10/16(月) 11:21配信 毎日新聞
 【カイロ篠田航一】イラクからの報道によると、イラク軍は16日未明(日本時間同日午前)、北部のクルド自治政府と中央政府が帰属を争う係争地の油田都市キルクークに向け、進軍を開始した。クルド系メディア「ルダウ」は、キルクーク南部でクルド治安部隊「ペシュメルガ」とイラク軍の砲撃の応酬があり、少なくともイラク軍側の武装車両4台が破壊されたと伝えたが、詳細は不明だ。

 自治政府が9月にイラクからの分離・独立を問う住民投票を強行したことに中央政府側は反発を強め、クルド自治区での国際便発着を阻止するなどの対抗措置を取っていた。今後、衝突が本格化することへの懸念が高まっている。

 ロイター通信によると、米国防総省は両陣営に対し、「事態を激化させる追加行動」を控えるよう呼びかけた。そのうえで、「一つのイラク」を支持する姿勢を打ち出し、緊張緩和のための対話を求めた。

 キルクークは公式には中央政府側の管轄だ。しかし、2014年に過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭した際、敗走した中央政府軍に代わりペシュメルガがISを撃退し、クルド側が実効支配中だ。

 今回の進軍に際し、中央政府のアバディ首相は声明で、「キルクーク市民の保護」が目的と強調。「住民およびペシュメルガと協力して安全を確保」するようイラク軍に指示したという。クルド自治政府側はイラク軍が基地や油田を制圧しようとしていると批判。キルクーク県知事は住民に防戦を呼びかけた。

 イラク軍が既にキルクーク県の「広大な地域」を掌握したとの情報もあるが、クルド側は否定。情報は錯綜(さくそう)している。

 アバディ首相はこれまで「国民に武力を行使せず、クルド人とも交戦しない」と攻撃の意図を再三否定。だが作戦開始直前の15日、自治政府がトルコの非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の部隊をキルクークに動員していると非難し、「イラク中央政府に対する宣戦布告だ」と強い調子で自治政府を批判していた。自治政府側は、PKK部隊の存在を否定していた。

2135チバQ:2017/10/16(月) 20:47:16
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171016-00000029-jij_afp-int
イラク軍、キルクークの軍事基地など掌握 クルド人部隊が撤退
10/16(月) 17:01配信 AFP=時事
イラク軍、キルクークの軍事基地など掌握 クルド人部隊が撤退
イラク北部の油田都市キルクーク南郊で、クルド人治安部隊ペシュメルガの拠点に向かうイラク軍部隊(2017年10月15日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】(更新)イラク軍は16日、クルド自治政府が実効支配する北部の油田都市キルクーク(Kirkuk)内の最大の軍事基地を掌握したと発表した。イラク軍は同日、キルクーク近郊の複数の道路や施設を掌握したことも明らかにしていた。キルクークの「治安を回復する」作戦は進展しつつあるとしている。

 イラク軍の統合作戦本部によると、キルクーク北西部にあるK1軍事基地を「対テロ部隊」が掌握。同国のフアード・マスーム(Fuad Masum)大統領を支持する政党「クルド愛国同盟(PUK)」に忠誠を誓うクルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)の部隊が撤退したことを受けて、イラク軍が同基地を手中に収めることができたという。

 K1軍事基地は2003年に米軍が設置したもので、イラク軍第12師団の本部が置かれていた。

 ペシュメルガは、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘の末にキルクークの軍事施設や油田を実効支配。さらにその奪還を目指すイラク軍による作戦の第1目標が、この基地だった。

 同作戦本部は先に、中央政府軍がキルクークの南西に位置する橋2か所と道路2本、工業地区の他、天然ガス施設、発電所と石油精製施設、警察署などを掌握したと明かしていた。

 キルクーク周辺では、クルド自治政府が先月25日にイラクからの独立の是非を問う住民投票を強行したことを受け、緊張が高まっていた。

 イラク軍はペシュメルガがISとの戦闘の末に実効支配しているキルクークの油田と軍事施設の奪還を目指している。中央政府が「大規模な作戦」を開始すると発表した後、16日未明に市南部で両勢力が交戦していた。【翻訳編集】 AFPBB News

2136とはずがたり:2017/10/17(火) 11:17:53
早まって独立なんかいうからだ。

イラク軍、キルクーク全域制圧か=クルド撤退、対立激化も
時事通信社 2017年10月17日 09時22分 (2017年10月17日 11時15分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20171017/Jiji_20171017X124.html

 【カイロ時事】イラク軍部隊は16日、イラク中央政府とクルド自治政府が帰属を争う北部の油田都市キルクークの市街地に進攻した。州知事庁舎などを次々と掌握し、同日中に市内のほぼ全域を制圧したもようだ。キルクークを実効支配してきた自治政府の治安部隊ペシュメルガは「士気を高くして防衛する」と徹底抗戦を強調していたが、撤退を余儀なくされた。
 自治政府が9月に強行した独立を問う住民投票で深まった対立は軍事衝突に発展。独立阻止へ強硬姿勢を崩さない中央政府は軍用空港や油田、発電所など重要施設を制圧しており、キルクーク支配の奪還を内外に誇示したい考えとみられる。

2137チバQ:2017/10/17(火) 21:15:08
https://mainichi.jp/articles/20171018/k00/00m/030/063000c
イラク軍

キルクーク掌握 背景にクルド内紛?

毎日新聞2017年10月17日 19時36分(最終更新 10月17日 20時18分)
【カイロ篠田航一】イラク軍は16日夜までに、イラク中央政府とクルド自治政府が帰属を争う北部の油田都市キルクークの中心市街地に進攻した。2014年以来、市内を実効支配していた自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」は目立った抗戦はせずに撤退した。クルド系メディア「ルダウ」によると、イラク軍は北部シンジャルも掌握したという。

 「クルド兵が撤退し多くの人が街に出て喜んでいる。イラク軍が来てくれたのはうれしいが、クルド側が報復に出たらここは戦場になる。早く完全な治安を確立してほしい」。キルクークに住む少数民族トルクメン人の機械技師、ニアズ・アフマドさん(29)は毎日新聞の電話取材に不安を語った。一方、多くのクルド系住民は報復を恐れ、キルクークを脱出したという。AP通信によると、一部は17日に帰還した。

 衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、ほぼ1日でイラク軍がキルクークを掌握した背景には、クルド側の「内紛」があったとの見方が出ている。主戦派が多かった自治政府トップのバルザニ議長の出身母体・クルド民主党(KDP)に反発する有力政党・クルド愛国同盟(PUK)が支配地域の明け渡しでイラク軍側と協力したとの情報がある。

 イラク軍と進軍したシーア派民兵はイランの支援を受けるとされ、PUKの地盤はイランに近く親イラン派も多い。ペシュメルガ高官は「歴史的裏切り」とPUKを批判した。

 クルド情勢に詳しいカイロ大学のハッサン・ナファ教授は「クルド側が本格抗戦し内戦になればシーア派とスンニ派が結束していた」と分析。「勝ち目なし」とみたクルド側が撤退したと分析する。

 トランプ米大統領は16日の記者会見で「どちらにも肩入れしない」と述べた。

2138チバQ:2017/10/17(火) 21:16:08
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171017k0000e030166000c.html
<イラク>軍がキルクーク掌握 クルド部隊、撤退開始
10:51毎日新聞

<イラク>軍がキルクーク掌握 クルド部隊、撤退開始
(毎日新聞)
 【カイロ篠田航一】イラク中央政府とクルド自治政府との帰属争いが続く北部の油田地帯キルクーク県で、イラク軍は16日夜までに軍用空港や発電所、油田施設などの重要拠点を次々に制圧し、キルクーク市内を完全に掌握した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどが伝えた。局地的な衝突の情報はあるものの、キルクークを実効支配してきた自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」は目立った抗戦をせずに撤退を始めた模様だ。2014年以来、3年ぶりに係争地のキルクークは中央政府側の勢力圏に置かれる見通しとなった。

 クルド系メディア「ルダウ」によると、現地でキルクーク防衛に当たっていたペシュメルガ部隊幹部は16日夜、「イラク軍は数で圧倒している。ペシュメルガ兵士の命を守る」と述べ、撤退は「判断ミスではない」と主張した。イラク軍がわずか1日でキルクークを掌握できた背景について、中央政府と自治政府が何らかの取引をした可能性も取りざたされていたが、この幹部は「合意などはない」と否定した。キルクークは公式には中央政府側の管轄だが、14年に過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭した際、敗走したイラク軍に代わりペシュメルガがISを撃退。以後はクルド側が実効支配していた。

 一方、イラク軍によるキルクーク進攻の情報が流れ始めた11日ごろ以降、中央政府のアバディ首相は再三にわたり攻撃を否定してきたが、16日には「国家分裂の危機にある今、イラクの一体性を守るのは憲法上の私の義務だ」と述べ、部隊展開を正当化した。

 16日未明にはキルクーク県南部で砲弾による攻撃の応酬があり、イラク軍と共に進軍したイスラム教シーア派民兵とペシュメルガの双方に死傷者が出たとの情報もある。だがAP通信によると、イラク国内でIS掃討作戦を続ける米軍主導の有志国連合は「未明の交戦は誤解による衝突」との見解を示し、両陣営に対話を促した。

 自治政府が9月、中央政府やトルコ、イランなど近隣国の反対を押し切って強行した独立の是非を問う住民投票は、係争地のキルクークも含まれた。反発を強めた中央政府は、自治区内の空港に発着する国際便の乗り入れを禁じるなど「経済封鎖」を進めていた。

 現地からの報道によると、混乱を懸念する多くのキルクーク市民は16日、バスや車で自治区のアルビルやスレイマニヤに向かったという。

2139チバQ:2017/10/17(火) 22:03:30
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171018k0000m030108000c.html
<シリア民主軍>「IS首都」ラッカ制圧 3年ぶり解放へ
21:36毎日新聞

<シリア民主軍>「IS首都」ラッカ制圧 3年ぶり解放へ
シリア・ラッカの位置
(毎日新聞)
 【カイロ篠田航一】ロイター通信などによると、米軍などの支援を受けてシリアで活動するクルド人主体の武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)が17日、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と位置付けるシリア北部ラッカを制圧した。ISが2014年から実効支配してきたが、約3年ぶりに解放される見通し。ISは7月に隣国イラクの最大拠点モスルも失っており、これで両国の重要拠点をほぼ喪失して組織が破綻した。

 現地からの情報によると、SDFは17日、IS戦闘員が立てこもっていた市内のスタジアムと病院を制圧した。ただ周辺には地雷も多く残り、残党が潜んでいる可能性もあるという。SDFは数日前に地元の部族指導者と協議しIS戦闘員の一部の退去を認めたが、投降を拒んだ外国人戦闘員ら約200人が抗戦していた。

 ラッカの陥落で、IS掃討作戦の焦点は東部デリゾールに移る。周辺は油田地帯で、原油密輸を主な資金源としてきたISの勢力圏の一つ。内戦が続くシリアでは、ロシアが支援するアサド政権軍と、米軍やSDFが別々にデリゾール攻略を進めており、偶発的衝突も懸念される。IS撤退後の統治を巡り主導権争いが激化する可能性もある。

 ラッカ奪還作戦は16年11月に開始。SDFは今年7月、旧市街の城壁を破壊して進入ルートを確保し、市中心部に突入した。IS戦闘員は住民を「人間の盾」として立てこもって抵抗。民間人の死亡も相次ぎ、国連などが度々懸念を表明した。爆撃で市内の給水用パイプラインが破壊され、安定して水を確保できない住民が市内を流れるユーフラテス川の不衛生な水を飲み、病気になる事例も頻発した。今後は市民の安全確保に加え、衛生状況改善やインフラ復旧が急務となる。

2140チバQ:2017/10/17(火) 22:05:14
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171018k0000m030102000c.html
<シリア>ラッカ陥落、ISの壊滅状態 戦闘員は拠点移動
21:23毎日新聞

 【カイロ篠田航一】過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と位置付けてきたシリア北部ラッカが17日、約3年ぶりに解放される見通しとなった。内戦が続くシリアの混乱に乗じて勢力を伸ばし、隣国イラクにもまたがる広大な地域で疑似国家を展開してきたテロ組織は、これで両国での重要拠点をほぼ全て失い「本拠地」で壊滅状態となった。

 一方、戦闘員は既に多くが逃走したり他地域に拠点を移したりしているとされる。外国人戦闘員が母国に帰還してテロを拡散させる懸念もあり各国は警戒を強めている。

 ラッカ奪還作戦を担った主な勢力は、クルド人主体の武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)だ。アサド政権や反体制派と距離を置き、シリア北部を中心に活動。アラブ人やトルクメン人などの地元部族民も加わり、空爆などで支援する米軍主導の有志国連合とともにIS掃討作戦を展開した。

 今後懸念されるのが、クルド人勢力の伸長に伴う諸勢力間の争いの激化だ。勢い付くクルド人がトルコとの国境地帯に勢力圏を拡大すれば、トルコ国内の非合法組織・クルド労働者党(PKK)の動きを刺激する可能性がある。トルコ政府はSDFとPKKの連携を警戒しており、国境地帯の緊張激化が懸念される。さらにIS撤退後の政治的空白を利用し、ロシアやイラン、米国、クルド人勢力などが影響力確保に動けば、内戦が続くシリアの混乱がさらに長引く可能性もある。

 戦闘員の拡散も懸念材料だ。中東ではリビアやエジプト・シナイ半島への流入が指摘され、アジアでは5月に大規模な自爆テロが起きたアフガニスタンや、ISに忠誠を誓う過激派が伸長し始めたフィリピンの当局が警戒を強める。欧州各地でもISの影響を受けたとされる過激派が次々にテロを行っている。

2141チバQ:2017/10/18(水) 01:01:24
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000123-mai-int
<シリア>IS、事実上崩壊 「首都」ラッカ制圧
10/17(火) 23:25配信 毎日新聞
 ◇シリア民主軍、近く正式に解放宣言

 【カイロ篠田航一、ワシントン会川晴之】米軍などの支援を受けてシリアで活動するクルド人主体の武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)は17日、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と位置付けるシリア北部ラッカで「軍事作戦が完了し全市を制圧した」と明らかにした。近く正式に、3年に及んだIS支配からの解放が宣言されるという。ISは7月に隣国イラクの最大拠点モスルも喪失。2014年に指導者バグダディ容疑者が樹立を宣言したイラクとシリアにまたがる「国家」組織は事実上崩壊した。

 ラッカでは17日、最後の抵抗拠点であるスタジアムなどが制圧された。地雷の除去や外国人戦闘員などの掃討が続いているという。SDFを支援する米軍主導の有志国連合報道官はラッカの「90%を解放した」が戦闘員約100人が残ると述べた。一方、在英のシリア人権観測所によると、IS幹部の逃走先とされるシリア東部デリゾールも9割が制圧された。

 今後の焦点は、イラク国境地帯での残党の掃討やバグダディ容疑者の拘束だ。

 内戦が続くシリアでは、ロシアが支援するアサド政権軍と、米軍やSDFが別々にデリゾール攻略を進めていた。IS排除後の統治を巡り主導権争いが激化する可能性もある。

 ラッカ奪還作戦は16年11月に開始。有志国連合が空爆で支援する中、SDFは今年7月に市中心部に突入した。IS戦闘員は住民を「人間の盾」として立てこもり、観測所の推計では、少なくとも民間人1130人を含む3250人が戦闘で死亡した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000173-jij-m_est
ISに壊滅的打撃=「首都」ラッカ解放―市街地で戦闘終了・シリア
10/17(火) 22:09配信 時事通信
 【カイロ時事】過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称するシリア北部ラッカが17日、完全に制圧された。

 ラッカを攻略したクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)スポークスマンは、「ラッカでは軍事作戦は終了した。間もなく解放が宣言される」と語った。2014年にシリアとイラクにまたがる地域で急速に勢力を拡大し、「国家」を自称したISにとって壊滅的な打撃となる。

 ラッカは14年にISの前身組織が占拠し、イスラム教の特異な解釈で恐怖支配が敷かれていた。

 SDFによると、現在は降伏していない外国人戦闘員の捜索や、ISが市内各所に敷き詰めた爆発物や地雷の除去作業を進めているという。

 在英のシリア人権監視団によると、SDFは17日までに、IS戦闘員が最後まで徹底抗戦していた公立病院庁舎や大型競技場を制圧。既にISの旗を引き剥がすなどして、戦闘終結に歓声を上げているという。監視団のアブドルラフマン代表は「外国人戦闘員は投降した。正式な解放宣言を待っている」と指摘。米軍主導の有志連合スポークスマンは17日、ツイッターで「SDFはラッカの90%を支配下に置いた」と強調した。

 SDFは今年6月、ラッカ突入作戦に着手。有志連合も断続的な空爆で支援し、激しい市街戦の末に多くの建物が倒壊した。監視団によると、民間人1130人を含む3250人が戦闘で犠牲になったと推計されている。

2142チバQ:2017/10/18(水) 18:04:17
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000124-mai-int

<ラッカ陥落>最高指導者の所在不明 IS戦闘員は移動


10/17(火) 23:42配信

毎日新聞







<ラッカ陥落>最高指導者の所在不明 IS戦闘員は移動


シリア・ラッカの位置


 【カイロ篠田航一】過激派組織「イスラム国」(IS)の自称「国家」は17日、シリア北部の「首都」ラッカ制圧で事実上崩壊したが、他地域に拠点を移した戦闘員もおり、最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者も所在不明だ。外国人戦闘員が母国でテロを拡散させる懸念もあり各国は警戒を強めている。「IS後」をにらんだ諸勢力間の勢力争い抑止や、住民の生活再建も大きな課題だ。

【写真特集】喜ぶ「シリア民主軍」、破壊されたビル…制圧された「ラッカ」の様子

 IS戦闘員は中東ではリビアやエジプト・シナイ半島への流入が指摘される。アジアでは5月に大規模な自爆テロが起きたアフガニスタンや、ISに忠誠を誓う過激派が伸長するフィリピンの当局が警戒。欧州各地でもISの影響を受けたとされる過激派が次々にテロを行っている。

 バグダディ容疑者は死亡説も度々流れるが、9月に「勝利には忍耐が必要」と戦闘継続を呼びかける「肉声」が公開された。「イスラムの敵」殺害を正当化する過激派への影響力が懸念される。

 米軍主導の有志国連合の支援を受けラッカ奪還を主導した武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)などクルド人勢力の伸長で、諸勢力間の争いの激化も懸念される。クルド人がトルコとの国境地帯に勢力圏を拡大すれば、トルコ国内の非合法組織・クルド労働者党(PKK)の動きを刺激する可能性がある。トルコ政府はSDFとPKKの連携を警戒しており、国境地帯の緊張激化が懸念される。

 さらにIS撤退後の政治的空白を利用し、ロシアやイラン、米国などが影響力拡大に動けば、内戦が続くシリアの混乱がさらに長引く可能性もある。

 IS支配が終わっても住民の生活再建はこれからだ。ラッカから避難中の男性は毎日新聞の取材に「市内は9割が破壊され、知人も戦闘で命を落とした。医薬品などの物資がなく、けが人が自力で治療しなくてはならない。戦闘終結でも全く喜びはない」と話した。

2144チバQ:2017/10/18(水) 20:11:05
上がないけど
http://www.sankei.com/world/news/171018/wor1710180018-n1.html
2017.10.18 07:56
【混迷シリア(下)】
反体制派割拠のモザイク国家 団結強いる強権統治も「内戦よりまし」
 シリアの首都ダマスカスのカフェ「マクタブ」で、700人の客から一斉に大歓声が起きた。今月10日、サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア予選プレーオフ第2戦の開始直後、オーストラリアを相手にシリアの選手が先制ゴールを決めたのだ。

 「シリアは一つだと感じる瞬間だ」「私たちも選手と一緒に戦っているのだ」。テレビ観戦する人々は国旗を振り、シリアの団結を試合に重ね合わせた。

 カフェを出て車で10分も走ると、イスラム過激派と政府軍の戦闘が続く街外れの前線に行き着く。「先週も兵士が1人、スナイパーに殺害された」。検問所のシリア軍兵士が言った。

 国内各地で続く戦火を思えば、シリアの団結という言葉ほど空虚に響く表現はない。だが、間近で行われている戦闘をよそに、サッカーの応援に熱中する市民の姿には、内戦の苦しみを一瞬でも忘れたい、という思いがにじむ。

 シリアは最大勢力のイスラム教スンニ派を筆頭に、シーア派、キリスト教徒、クルド人など多様な宗教・民族をひとつの国民としてまとめあげた国家だ。アサド大統領の出身母体は、シーア派に分類される少数派のアラウィ派である。

 この「モザイク国家」でアサド氏は、反逆や報復を抑えるために父、ハフェズ・アサド前大統領が行ってきた他民族に対する過酷な統治を継承した。適切な法手続きを経ない処刑や拷問で死亡した人は、内戦発生後の5年間で3万人を超えるとの報告もある。

 シリアは、「恐怖による統治」という重しがなくなれば、底なしの宗派・民族対立を招いて流血の事態に陥りかねないというリスクを抱えている。同じオスマン帝国に属していた隣国イラクで、相互理解が進まず、対立構造から脱却できずにいる現状を考慮すれば、それは明らかだ。

 国民国家の概念と国境の破壊を目指したスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が、住民の一定の支持を得て台頭し、猛威を振るったことも、シリアのもろさを明示している。

 ダマスカスのハムディーヤ市場で、貴金属店を営むダーニー・ナイフェさん(40)は少数派のキリスト教徒だが、「学校では、ずっとイスラム教徒と一緒だった。友達も多い」といい、アサド氏の下での団結を支持すると話した。

 シリア情報省から派遣された者が同行している外国人記者への“模範解答”だろう。だが、こんな「団結」の宣伝など、ISや反体制各派が割拠する地方では一顧だにされまい。

 それでも「内戦よりはまし」-。ここが、6年半あまりの内戦を経てよりどころを求めるダマスカス市民と、強権統治を維持しようとするアサド政権の一致点なのかもしれない。(ダマスカス 佐藤貴生)

2145チバQ:2017/10/19(木) 03:40:01
http://www.sankei.com/world/news/171018/wor1710180042-n1.html
2017.10.18 20:07
【IS拠点陥落】
IS崩壊でシリア分裂いっそう鮮明化も 和平協議の行方混沌

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破壊されたビル跡を歩くシリア民主軍の兵士=17日、ラッカ(ロイター)
破壊されたビル跡を歩くシリア民主軍の兵士=17日、ラッカ(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】シリア北部ラッカの陥落により、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)は事実上、崩壊した。今後は内戦後のシリア統治の将来像をどう描くかが国際社会にとっての急務となる。しかし、米露やトルコ、イランなど、シリア各地で個別に戦闘に関与してきた国々が合意できるかは不透明で、それぞれの国益を背景に駆け引きが活発化するものとみられる。

 ラッカの市街をISから奪還したのは、米国の支援を受けたシリア民主軍(SDF)だ。国内少数派クルド人とアラブ人の混成部隊で、市街に進入して約4カ月の戦闘でISをほぼ排除した。市街に残る戦闘員約100人の排除などが完了した段階で、正式な勝利宣言を出す見通しだ。

 ロイター通信によると、SDFはラッカの統治を自らの政治部門主導で設置された「市民評議会」に委ねる方針だ。戦後の影響力を確保する狙いがあるが、SDFは、隣国トルコの非合法クルド人組織の実質的な傘下勢力が中枢を担っていることから、同国が反発を強めるのは必至だ。

 一方、東部デリゾールでは、政権軍とそれを支援するロシアがISを追い詰めつつある。イランの影響下にあるレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラも掃討に加わっているとみられる。これらがアサド政権維持を目指しているのは明白だ。

 昨年末に反体制派から奪還した北部の最大都市アレッポでは、「ロシア軍とシーア派民兵が治安維持に当たっている」(外交筋)との見方もある。ロシアとイランは、内戦後の影響力確保に向けて着々と布石を打っているようだ。

 今後は、アサド政権側と反体制派の和平協議の行方が焦点となる。しかし、その舞台は、国連が関与するジュネーブでの協議と、ロシアやトルコ、イランが主導するカザフスタン・アスタナでの協議に割れており、すぐに結論が出る見通しは低い。和平協議が停滞する中、各勢力がISや反体制派から奪還した都市での支配を強め、シリアの分裂がいっそう鮮明になる可能性さえありそうだ。

2146チバQ:2017/10/19(木) 12:40:37
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171019k0000e030220000c.html
<ラッカ陥落>ISの国家樹立のもくろみは打破…米が認識
10:11毎日新聞

<ラッカ陥落>ISの国家樹立のもくろみは打破…米が認識
シリア・ラッカの位置
(毎日新聞)
 【ワシントン高本耕太】サンダース米大統領報道官は18日の記者会見で、過激派組織「イスラム国」(IS)が首都と称してきたシリア北部ラッカの陥落に関して「イラクとシリアにおけるカリフ制は崩壊している」と指摘。ISの国家樹立のもくろみは打破されたとの認識を示した。そのうえで「ラッカ解放によりシリア紛争は新たな局面に入る」として、地域安定化に向けて関与を継続する姿勢を強調した。

 サンダース氏は、イスラム教スンニ派指導者による統治「カリフ制」の再興を宣言したISの壊滅は「トランプ大統領の選挙公約の核心だった」と改めて指摘した。ラッカ奪還作戦にあたり、米軍などの支援を受ける武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)の「多大な犠牲があった」と述べる一方、シリアのアサド政権については「ラッカ解放を阻み、ISの蛮行からシリア国民を救う取り組みを妨害した」と非難した。

2147チバQ:2017/10/20(金) 19:14:40
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171020-35109103-cnn-int

がれきと化したISIS「首都」、CNN取材班が現地リポート


10/20(金) 13:45配信

CNN.co.jp



シリア・ラッカ(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称していたシリア北部の都市ラッカをめぐり、米軍の支援を受けるクルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」が数日以内の完全解放を見込むなか、CNN取材班は19日、ラッカに戻り、変わり果てた市街を歩いた。

ラッカはISISに対する国際部隊の戦闘で最も激しい爆撃を受けた地域の一つ。市内の住宅や学校は、コンクリートのがれきの山や、黒焦げになり空洞化した建物に取って代わられていた。車を数キロ走らせても、色彩のまったくない風景が延々と続く。

目抜き通りに沿った建物で完全に無傷なものは一つもない。ISISが残していった地雷や仕掛け爆弾などの除去作業に処理チームが当たるなか、わき道や野原は立ち入り不可能となっている。

いかにしてラッカが再建され得るのか、想像するのは難しい。誰が資金を出すのか現時点では誰にも分からない。誰がこの街を管轄するのかすら不明だ。

クルド人部隊の女性司令官はCNNに、地上と地下の両方で作戦が継続中だと明かした。ISISは複雑な地下トンネル網を利用していた。戦闘員の一部は依然としてそこに潜んでいるとみられるという。

クルド人戦闘員の女性の一部からは、ラッカの再建が最優先事項となるだろうが、ISISなどの組織が2度と戻って来ないよう社会構造を再構築するのが一層難しい課題になるとの声も聞かれた。

非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」は、大半の家族は戻るべき場所がほとんど無いか皆無なため、今後数カ月あるいは数年にわたり劣悪な環境のキャンプにとどまることになりそうだとの見通しを示している。

2148チバQ:2017/10/20(金) 19:17:22
http://www.sankei.com/world/news/171020/wor1710200007-n1.html
2017.10.20 07:37更新


クルド自治政府 内部離反・米対応誤算 キルクーク支配権失う
 【カイロ=佐藤貴生】イラク政府は北部の係争地キルクーク周辺をわずか2日間で制圧し、実効支配していたクルド自治政府の部隊を排除した。自治政府のバルザニ議長は、独立の是非を問う住民投票を強行したことについて、「無駄にはならない」と述べる一方、中央政府との戦闘を回避する意向を表明。事実上の“敗北宣言”とも受け取れる。

 住民投票を行ったことで、2003年のフセイン政権崩壊以来歩みを進めてきた「クルド人国家」の実現は逆に遠のいた格好だ。自治政府側には2つの点で誤算があった可能性が浮上している。まずはクルド側の内部離反だ。自治区には長い歴史を持ち、独立を訴えてきた2つの主要政党がある。バルザニ氏率いるクルド民主党(KDP)と、クルド愛国同盟(PUK)だ。

 キルクークをおさえるPUKの一部勢力は、住民投票について「時期が悪い」と反対してきた。今回も中央政府軍に対し、ほぼ無抵抗のまま兵を引いた。両政党が強固な協力体制を築けなかったことが手痛い反乱を招いた。

 もう一つが米国の対応だ。クルドの部隊は14年、イラク各地を占拠したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討で、米国と連携し大きな役割を果たした。

 西側外交筋は、その貢献を背景に住民投票に踏み切ったバルザニ氏には、「最後は米国が仲介に入るという期待があったのではないか」とみる。結局、米国は最後まで中央政府との間を調停せず中立を守り、クルド側は孤立した。

 ISが7月に北部モスルを明け渡して以降、戦闘は比較的小規模な集団の掃討へと移行。米国にすればクルド部隊の“利用価値”が減少していた面もあろう。

 中央政府のアバディ首相は来春に総選挙を控え、クルド側に妥協するような弱腰をみせられない立場にあったことも見逃せない。経済面の制裁にとどめるようなそぶりを示しておき、一気に精鋭部隊を動かして失地回復を果たした。

 中央政府は奪取した周辺油田の再開発を英石油会社に依頼したほか、クルド語での記者会見を禁じたともいわれる。住民投票が双方の対立感情に火をつけた形で、遺恨は今後、長くくすぶりそうだ。

2149チバQ:2017/10/21(土) 00:05:04
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102001110&g=int
ラッカ解放を正式宣言=東部油田地帯が焦点に-シリアの対IS戦


シリア北部ラッカで、過激派組織「イスラム国」(IS)からの解放を祝うクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)の女性兵士=19日(AFP=時事)
 【カイロ時事】シリアのクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)は20日、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称した北部ラッカの解放を正式に宣言した。SDFは17日にラッカでの対IS軍事作戦を終え、約4カ月に及ぶ戦闘の末に制圧を果たしていた。
〔写真特集〕過激派組織「イスラム国」

 SDFは、ISの戦闘員が最後まで徹底抗戦したラッカ市内の競技場で記者会見し、「この勝利を全人類にささげる。われわれの勝利はテロリズムに対する勝利だ」と強調。「ラッカを奪い返したことは、ISの最終章になる」と述べ、IS打倒が近いと自信を見せた。
 ラッカの解放を受け、シリア国内でのIS壊滅に向けた今後の焦点は、IS支配地域が残る東部の油田地帯デリゾール県に移る。同県には、ラッカや隣国イラクから逃れたIS戦闘員が多く逃げ込んだとされ、SDFとアサド政権部隊がそれぞれ別方向から掃討作戦を継続している。(2017/10/20-21:05)

2150チバQ:2017/10/21(土) 20:01:14
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171021-00000502-san-m_est
「イスラム国首都」ラッカ奪還を宣言 シリア民主軍 クルド勢力圏組み込みに野心
10/21(土) 0:56配信 産経新聞
 【カイロ=佐藤貴生】シリア北部ラッカで、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦を行ってきた少数民族クルド人勢力中心のシリア民主軍(SDF)報道官は20日、「歴史的な勝利だ」と述べ、ISから街を奪還したと正式に宣言した。

 ISは2014年にラッカを占拠し、一方的に「首都」と宣言。SDFは米軍の支援を受け、今年6月から市内で軍事作戦を展開していた。激しい戦闘により、推計3000人が死亡したとされる。

 SDFは17日に大規模な戦闘の終結を宣言し、残る戦闘員の掃討や地雷除去などを行ってきた。SDFは、ラッカは「地方分権が進んだ民主的なシリア」の一部を構成する-として、シリア北部に広がるクルドの勢力圏に組み込みたい考えをにじませている。

 東部デリゾールでも、ロシアやイランが支援するアサド政権軍がISを追い詰め、市街の9割以上を制圧したとの情報がある。SDFも個別に攻略を進めており、こちらも解放後の統治の主導権をめぐる綱引きが活発化しそうだ。IS最高指導者、アブーバクル・バグダーディ容疑者の行方は確認されていない。

2151とはずがたり:2017/10/22(日) 17:02:11
2月の記事

シリアで起きていることは、ますます勧善懲悪で説明できない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6859_1.php
2017年2月1日(水)18時00分
青山弘之(東京外国語大学教授)

<ロシアとトルコの仲介によって停戦合意が発効し、アスタナで和平協議も行われたシリア内戦は、「正当な反体制派」と「テロ組織」が離合集散し、ますます勧善懲悪で説明できない状況となっている>

アレッポ市東部から反体制派が敗走し、同地がシリア政府の支配下に復帰して以降のシリアでは、勧善懲悪で説明できない事象がこれまで以上に目に付くようになっている。2016年12月下旬に始まったダマスカス郊外県バラダー渓谷でのシリア軍と反体制派の戦いと、17年1月下旬のシリア北西部での反体制派の再編がその典型だ。

首都ダマスカスの水源をめぐるバラダー渓谷の戦い
バラダー渓谷の戦いは、首都ダマスカスで使用される水道水の70%あまりを供給してきたアイン・フィージャ町(ダマスカス郊外県)の水道施設が12月22日に突如として稼働停止となったことが発端だった。その理由について、シリア政府側は、反体制派が汚染物質(灯油)を貯水槽や水路に流し込んだために水門を閉鎖したが、その後の戦闘で反体制派によって施設を占拠、破壊されたと主張した。対する反体制派は、バラダー渓谷に対するシリア軍の攻撃によって施設が破壊されたと反論した。

真相は闇のなかだ。だが、事実として確認し得るのは、水源奪還をめざすシリア軍や親政権武装勢力(ヒズブッラーなど)が攻勢をかけるなか、施設を占拠する反体制派が復旧作業チーム受け入れの条件として、シリア軍の攻撃停止を要求したということだ。そして、その結果、バラダー渓谷の住民が戦火に巻き込まれただけでなく、首都ダマスカスで暮らす住民約550万人が深刻な水不足に見舞われたのだ。

ロシアとトルコの仲介により発効した停戦合意...
バラダー渓谷での戦闘は、非アル=カーイダ系のイスラーム過激派であるイスラーム軍やシャーム軍団、「穏健な反体制派」と目されるシャーム革命家大隊、ムジャーヒディーン軍、イドリブ軍、シャーム戦線が、シリア政府との停戦に応じる流れに逆行するかたちで激しさを増した。

12月30日、ロシアとトルコの仲介により発効した停戦合意は、その文言においては2016年2月末に米国とロシアが交わした停戦合意と大差なかった。すなわち、その基本方針は、1. イスラーム国とアル=カーイダ系のシャーム・ファトフ戦線(旧シャームの民のヌスラ戦線)を停戦対象から除外し、これらに対する「テロとの戦い」を是認すること、2. 停戦を受諾した反体制派とシリア政府が政治移行プロセスに向けた協議を行うことにあった。だが、停戦の保証国となったロシアとトルコは、その適用においてこれまで以上に踏み込んだ妥協を行った。

この妥協の内容を如実に見て取ることができたのが、ほかならぬバラダー渓谷の戦いだった。シリア軍はバラダー渓谷の反体制派を「テロ組織」と断じて攻撃を続けた。こうした手法は、それ以前であれば、「穏健な反体制派」や「一般市民」に対する「無差別攻撃」との非難を浴びるのが常だった。だが、今回は、反体制派最大の支援国であるトルコが、ロシアに同調してシリア軍の攻撃を停戦違反とはみなさないとの姿勢をとり、政権移行期の米国も沈黙を続けた。

なお、バラダー渓谷の反体制派が、シャーム・ファトフ戦線に主導されていたことは、反体制系のNGO組織であるシリア人権監視団の日々の戦況報告からも容易に確認でき、その意味で、トルコ、そして米国は、シリア政府に与してこの事実を認めたかたちとなった。

反体制派が生活インフラを盾とし、「市民」団体が戦闘継続を主唱した
加えて、トルコはシャーム・ファトフ戦線が停戦対象から除外されたことを不服とする反体制派に「強い圧力」をかけて、カザフスタンの首都アスタナで開催された和平協議(アスタナ会議、1月23?24日)に彼らを参加させた。トルコの要請に応じず、バラダー渓谷での戦闘継続を主唱した主要な組織は、シャーム自由人イスラーム運動、そしてホワイト・ヘルメット(民間防衛隊)を筆頭とする「市民」団体だけだった。

このうち「市民」団体の言動は異彩を放った。彼らは、停戦が発効した12月30日の声明で、国際社会がアイン・フィージャ町へのシリア軍の攻撃を停止させれば、「復旧作業チームを受け入れるために行動する」と発表し、水道施設を政治的・軍事的な「盾」として利用する構えを示した。また、1月15日の声明では、アスタナ会議への参加の準備をめざす反体制派に停戦を破棄するよう呼びかけた。

2152とはずがたり:2017/10/22(日) 17:02:42
>>2151

バラダー渓谷の戦いは、1月19日にドイツ大使館の仲介により、シリア政府と地元の反体制派が、1. シリア政府が水道施設修復のための作業チームをアイン・フィージャ町に派遣する、2. バラダー渓谷への残留を希望する戦闘員は武器を棄てて当局に投降すること、3. 投降を拒否する戦闘員とその家族は6ヶ月以内にイドリブ県方面に退去すること、を骨子とする停戦に最終合意し、同月28日にこの合意が履行されることで幕を閉じた。

欧米諸国や日本のメディアでほとんど注目を浴びなかったこの戦いは、反体制派が生活インフラを盾としてあからさまに利用した点、「市民」団体が戦闘継続を主唱した点、そしてシリア軍の反体制派に対する軍事行動が「テロとの戦い」として容認された点など、あらゆる点でシリア内戦をめぐる勧善懲悪では説明不能だった。

任期終了間近のオバマ政権が助長した反体制派の離合集散
反体制派の離合集散は、任期終了を間近に控えたバラク・オバマ米政権がシャーム・ファトフ戦線に対する空爆を頻発化させたことでさらに助長された。

米軍の空爆は、シャーム・ファトフ戦線の幹部が乗った車輌や拠点をピンポイントで狙った正確なもので、1月19日には、アレッポ県北部のシャイフ・スライマーン村の基地を破壊、戦闘40人以上を殲滅した。しかし、こうしためざましい戦果は、シャーム・ファトフ戦線と共闘してきた「穏健な反体制派」が索敵情報を提供しているのではとの疑念を抱かせた。

1月21日、シャーム・ファトフ戦線が、イドリブ県北部のザーウィヤ山地方一帯のシャーム自由人イスラーム運動の拠点を襲撃すると、この疑念は戦闘へと発展した。国境管理の利権争いに端を発していたとされるこの襲撃の中核を担ったのは旧ジュンド・アクサー機構だった。彼らは2016年9月、米国務省によって特別指定グローバル・テロ組織(SDGT)の指定を受けたのち、2016年10月にシャーム自由人イスラーム運動との対立を理由にシャーム・ファトフ戦線に吸収統合されていた。

シャーム自由人イスラーム運動との対立を再燃させた旧ジュンド・アクサー機構に対し、シャーム・ファトフ戦線は破門を言い渡すことで事態収拾を計った。だが、戦闘は止まず、シャーム自由人イスラーム運動は1月22日、アスタナ会議に参加したイスラーム軍、ムジャーヒディーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合(シャーム戦線所属組織)と合同作戦司令室を設置し、旧ジュンド・アクサー機構の掃討に本腰を入れた。

二つのアル=カーイダ系組織を軸に離合集散する反体制派
対立はこれにとどまらなかった。1月24日、今度はシャーム・ファトフ戦線本体が、ザーウィヤ山一帯を含むイドリブ県北部とアレッポ県西部(およびアレッポ市西部郊外)で、ムジャーヒディーン軍、シャームの鷹旅団、シャーム戦線の拠点を制圧していった。窮地に立たされた3組織は、シャーム自由人イスラーム運動に支援を求め、「忠誠」(バイア)を表明した。また、イスラーム軍(イドリブ地区)、シャーム戦線(西アレッポ地区)、「命じられるまま正しく進め」連合、シャーム革命家大隊も、シャーム・ファトフ戦線の侵攻から身をまもるべく「忠誠」を表明し、シャーム自由人イスラーム運動は26日、これらの組織を吸収するとの声明を出したのである。

シャーム・ファトフ戦線もこれに対抗し、「穏健な反体制派」として知られていたヌールッディーン・ザンキー運動、ハック旅団、アンサールッディーン戦線、スンナ軍と1月28日に共同声明を出し、シャーム解放委員会という新組織として完全統合すると発表、力によって反体制派の統合を進めるとの意思を表明した。指導者には、シャーム自由人イスラーム運動の元司令官のアブー・ハーシム・ジャービルが就任し、ファトフ軍(シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる軍事連合体)を実質統括してきたサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィーらも新組織に合流した。

反体制派内部の再編がどのように決着するのかはきわめて不透明だ。だが、一連の動きから見えてくるのは、和平交渉の当事者となるべき「正当な反体制派」と「テロとの戦い」の標的となる「テロ組織」の峻別が、これまで以上に実現性を欠いた「ミッション・インポシブル」となっているという現実である。二つのアル=カーイダ系組織を軸に離合集散する反体制派は、とらえどころのない存在となっており、和平協議の当事者としての資質さえも失おうとしている。

2153チバQ:2017/10/25(水) 04:46:16
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102401212&g=int
クルド選挙、来年実施=当初予定より8カ月延期-イラク
 【エルサレム時事】イラク北部クルド人自治区議会は24日、バルザニ自治政府議長の後任を選ぶ議長選と議会選を8カ月延期すると決めた。クルド系メディアが伝えた。当初は11月1日に投票が行われる予定だった。
 イラク中央政府は16日、自治区との係争地に進軍、自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」と衝突し、緊張が高まっている。自治政府の選管は18日、選挙の11月実施は困難と判断、延期の方針を発表していた。
 ただ、混乱に乗じバルザニ議長が任期を超えて居座る事態に「何の正当性もない。今すぐ辞めろ」と自治区内の反バルザニ派から強い反発が起きていた。自治政府は9月、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を強行。猛反発した中央政府は投票の無効化を要求、経済制裁など圧力を強めており、バルザニ議長の内憂外患は強まっている。(2017/10/24-22:08)

2154チバQ:2017/10/25(水) 18:24:17
https://www.jiji.com/sp/article?k=2017102500923&g=int
クルド独立投票「凍結」=中央政府に対話提案-イラク

2017年10月25日17時04分

 【エルサレム時事】イラク北部クルド自治政府は25日、中央政府に対し、9月に実施した独立の賛否を問う住民投票の結果を「凍結」し、両政府の間で対話を始めることを提案した。同時に即時停戦も要求。中央政府との衝突を回避し、国際的な孤立状態からも脱却する狙いがあるとみられる。
 自治政府は、声明で「両者の間の紛争には勝者は存在しない。むしろ、互いの生活のあらゆる側面に大きな損害をもたらす」と強調した。

2155チバQ:2017/10/27(金) 07:09:30
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171027k0000m030101000c.html
<エジプト>新興テロ組織を警戒 「非常事態宣言」延長
10月26日 20:11毎日新聞

<エジプト>新興テロ組織を警戒 「非常事態宣言」延長
ギザ県の砂漠地帯で起きた銃撃戦で死亡した警官の葬儀でひつぎを運ぶ人々=カイロで21日、AP
(毎日新聞)
 【カイロ篠田航一】イスラム過激派によるテロが頻発しているエジプトで、シシ政権は今月、全土に発令中の「国家非常事態宣言」の3カ月間の延長を決めた。コプト教(キリスト教の一派)の教会を狙った連続テロが北部で発生した4月の発令以来、延長は2度目。過激派組織「イスラム国」(IS)に加え、イスラム組織「ムスリム同胞団」系列の武装集団を抑え込む狙いがある。

 シシ大統領は国防相時代の2013年、同胞団出身のモルシ大統領を軍事クーデターで追放し、14年に大統領に就任。その後、同胞団を非合法組織として取り締まりを強化しているが、これに反発する一部が過激化している模様だ。非常事態宣言では、当局が「安全への脅威」とみなす人物を令状なしで逮捕できる。

 当局が警戒を強めるのが、政権が同胞団系列とみなす新興組織「ハスム運動」だ。今月20日には首都カイロから南西約140キロのギザ県にある砂漠地帯で、警官隊が待ち伏せしていた武装集団から迫撃砲などによる攻撃を受け、銃撃戦となった。ロイター通信などは警官50人以上が死亡と伝えたが、内務省は警官の死亡は16人と発表。当局は武装集団の詳細を明らかにしていないが、中東メディアはハスム運動による襲撃の可能性を報じている。同胞団はハスム運動との関連を否定し続けている。

 ハスム運動は昨年ごろから警官や裁判官への襲撃を開始。今年6月には日本人が多く住むカイロのマーディー地区で道路脇の爆弾が爆発して警官1人が死亡するテロがあり、ハスム運動が犯行声明を出した。

 テロ組織に詳しいエジプト紙「バワバ」元編集長のサラハディン・ハッサン氏は「ハスム運動は同胞団との連携を公言せず、同胞団を巻き込まないよう配慮しているが、関連はほぼ明白だ。武器はリビア国境に近いエジプト西部などで調達している可能性がある」と話す。一方、使用する用語の違いなどから「ISとの関連は薄い」と分析する。

 エジプトでは東部シナイ半島で11年ごろから活動していた遊牧民主体の過激派「アンサール・バイト・マクディス」が14年にISへの忠誠を表明。その後は「ISシナイ州」を名乗り、治安当局への攻撃を強める。半島北部の検問所では10月に治安部隊と武装集団の銃撃戦で約30人が死亡し、ISが犯行声明を出した。

 シシ氏は来春の大統領選に再選を目指して出馬を検討しているとみられる。軍人出身のシシ氏にとって、テロ封じ込めの失敗は政治的な求心力低下にもつながるだけに、今後は取り締まりを一層強化するとみられる。

2156チバQ:2017/10/29(日) 15:12:40
http://www.sankei.com/world/news/171029/wor1710290010-n1.html
2017.10.29 12:14
【クルド問題】
クルド自治政府バルザニ議長 任期延長しない意向
 ロイター通信は28日、イラク北部クルド自治政府トップのバルザニ議長が11月1日以降、任期を延長しないと伝えた。自治政府当局者の話としている。バルザニ氏は議長権限の分割計画を盛り込んだ書簡を28日に自治政府議会に送付しており、議会が29日に議論する予定という。

 自治政府は9月、イラクからの独立の是非を問う住民投票をバルザニ氏の主導で強行。その後、自治区外で実効支配していた油田地帯キルクークなどを中央政府側に奪われ、バルザニ氏の辞任を求める声が野党を中心に高まっていた。

 バルザニ氏は2005年に議長に選出。15年の任期満了後も、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との戦闘を理由に議長を続けてきた。自治政府議会は24日、11月1日に実施予定だった議長選と議会選を8カ月後に延期すると決定している。(共同)

2157チバQ:2017/10/29(日) 21:24:19
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102900287&g=int
激戦地、険しい復興=内戦の深い爪痕-シリア最大都市アレッポ


シリア北部アレッポ市内=26日
 【アレッポ(シリア北部)時事】2016年12月、アサド政権はシリア内戦の「最激戦地」北部アレッポを制圧した。その後の反体制派や過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いにおける政権優位の流れを決定付ける大きな転換点だった。しかし、1年近くが経過しても「世界最古の都市」の一つと称される最大都市アレッポ復興への道のりは険しい。
 ◇車で数分、風景一変
 水たばこをくゆらせ、屋外で話に興じる人々-。壮絶な戦闘で政権軍が拠点を置いていたアレッポ西部は、連日活気に満ちている。大通りにはしゃれた飲食店や洋服店が立ち並び、深夜まで家族連れなどでにぎわう。建造物には、目立った損壊は見られない。

シリア・アレッポ東部のスカリ地区で、焼け焦げて放置されている車両=26日
 ところが、車で数分も走れば風景は一変する。反体制派が占拠していたアレッポ東部。爆撃で窓や外壁、屋根が崩れ落ち、同じ市街地とは思えない対照的な廃虚が広がる。市民の1人は「由緒ある歴史的建物が多いため、以前と同じように復元しようとすれば時間がかかる」と述べた。
 ◇がれきの中で遊ぶ
 反体制派が最後まで抵抗した場所の一つで、16年12月に政権が掌握したスカリ地区を訪れた。路上には焼け落ちた車が放置されている。建物はがれきと化し、電気も水も復旧していないが、友達と遊んでいたモハメド・サバハ君(13)は「サッカーができるようになってうれしい」とはにかんで答えた。
 政権軍は同年9月、この地区を塩素ガスで攻撃したとされる。救済活動を行う「シリア民間防衛隊(ホワイト・ヘルメッツ)」などは、体中を洗い流し、酸素ボンベを吸って横たわる子供らの映像を公開。惨状は世界に衝撃を与えた。
 無職ニダル・アガさん(54)は、空爆で一部が破壊された家に住む。地下水に依存し「今も戦時下のような生活だ」と嘆いた。制圧後に避難先の西部ラタキアから戻ってきた電気店勤務モハメド・デドクさん(33)は「政府や軍は徴兵制をやめて、国外に逃れた若者を呼び戻すべきだ。そうすれば町を再建できる」と訴えた。

 ◇特産のせっけん
 一方で、壊れた日常を取り戻そうとする人々もいる。アレッポ特産品の自然素材せっけんの製造会社社長マジーン・ザナビリさん(54)は、旧市街にあった工場が爆撃された。主原料のオリーブの産地までは危険が多く、材料調達にも苦労したという。
 それでも、アレッポ西部の自宅の一角で今も製造を続けている。他のせっけん業者の多くがアレッポから逃れた中で「世界中で有名な『アレッポせっけん』のブランドを守るには、アレッポで作り続けることが求められている」と決意を語った。(2017/10/29-14:26) 関連ニュース

2158チバQ:2017/10/30(月) 19:20:06
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171030k0000e030176000c.html
<クルド自治政府>議長が辞意表明 住民投票後の混乱で引責
10:25毎日新聞

 【カイロ篠田航一】イラク北部クルド自治政府トップのマスード・バルザニ議長は29日、自治区の議会に対し、11月1日に議長を退任する意向を表明し、議会は賛成多数で承認した。クルドのメディアが伝えた。バルザニ氏が主導したイラクからの独立の是非を問う住民投票後の混乱を受け、責任を取る形での辞任となる。

 住民投票後、独立に向けた国際的な支持は得られず、逆に自治政府が実効支配していた油田都市キルクークを中央政府に奪還されるなど支配地域を次々に失う事態に陥った。今月に入り、混乱を招いたバルザニ氏の責任を問う声が高まり、野党は辞任を求めていた。

 バルザニ氏は辞意表明後のテレビ演説で中央政府の攻勢について「計画されていたもので住民投票を口実にした」などと批判した。

 自治区では今年、11月1日に議長選と議会選が予定されていたが議会は8カ月間の延期を決め、バルザニ氏は選挙実施まで続投するとみられていた。

 バルザニ氏は2005年に議長に選出され、09年に再選された。任期は4年だが、13年以降は選挙は行われず、近年は過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘の指揮を理由に議長職にとどまっていた。

2159チバQ:2017/10/30(月) 19:22:47
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-171030X846.html
クルド議長辞任へ=独立投票後の混乱に幕引き―イラク
07:14時事通信

クルド議長辞任へ=イラク
イラク北部のクルド自治政府のバルザニ議長(写真)は29日のテレビ演説で、「いかなる条件でも議長任期を延長しない」と表明し、11月1日に辞任する考えを明らかにした=9月24日撮影【EPA=時事】
(時事通信)
 【エルサレム時事】イラク北部のクルド自治政府のバルザニ議長は29日のテレビ演説で、「いかなる条件でも議長任期を延長しない」と表明し、11月1日に辞任する考えを明らかにした。クルド人自治区で強い権力を握り、イラクからのクルド人独立を求め続けてきた議長の退任は、今後の独立運動の在り方や地域情勢に大きな影響を与えそうだ。

 バルザニ氏は、9月に強行したイラクからの独立の賛否を問う住民投票後の混乱を受け、幕引きを図った形だ。演説に先立ち、自治区議会宛ての書簡で辞意を示し、議会もこれを承認した。

 自治区では当初、11月1日に議長選が行われる予定だったが、議会は24日、投票の8カ月間の延期を決定。議長は選挙実施まで続投するとみられていたが、混乱の長期化を望まない自治区内の勢力から辞任を求める声が強まっていた。

2160とはずがたり:2017/10/30(月) 20:18:58

クルド自治政府議長が辞意表明、独立住民投票強行で批判集まる
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171030-00000000-jij_afp-int
10/30(月) 5:43配信 AFP=時事

【AFP=時事】イラクのクルド自治政府のマスード・バルザニ(Massud Barzani)議長(71)は29日、非公開で行われた自治区議会で辞意を表明した。クルド自治区をめぐっては、先月イラクからの独立の是非を問う住民投票が強行されて以来、混乱が続いている。

 AFPは、同自治区の中心都市アルビル(Arbil)の議会で読み上げられた書簡のコピーを入手。この中でバルザニ議長は、「来月1日以降、私は職務を執行せず、任期の延長も拒否する」と述べている。

 クルド独立住民投票を実施したバルザニ議長に対しては、イラク中央政府との間に深刻な危機を引き起こしたとして、反対派から批判が強まっていた。

 中央政府はこの住民投票を違憲とみなし、以後北部の係争地域でクルド人部隊が占拠してきた地域の大部分を中央政府の部隊が奪還している。【翻訳編集】 AFPBB News

2161チバQ:2017/10/31(火) 17:56:56
http://www.sankei.com/world/news/171030/wor1710300035-n1.html
2017.10.30 21:28

クルド独立運動に転換点 バルザニ議長の退任承認
 【カイロ=佐藤貴生】イラク北部のクルド自治政府のトップ、マスード・バルザニ議長(71)が任期を延長せず11月1日に退任する意向を表明し、自治政府議会は29日、賛成多数で承認した。バルザニ氏が議長の座を降りることで、イラクにおけるクルド独立運動は大きな転換期を迎える。9月下旬に強行された独立を問う住民投票を機に中央政府は自治政府への締め付けを強めており、新たな世代にとって厳しい船出となることは確実だ。

 バルザニ氏は16歳でイラク側との戦いに加わり、1970年代に父親の後を継いでクルド民主党(KDP)を率いてきた。山岳地帯での長い戦歴から「山の支配者」などと呼ばれる。クルド人独立を掲げて戦ってきたもう一つの主要政党、クルド愛国同盟(PUK)も10月、創設者でイラク前大統領を務めたジャラル・タラバニ氏が死去したばかりだ。

 クルド自治政府は現在、KDPのバルザニ氏の下でおいのネチルバン氏が首相を務め、PUK側では副議長のほか、タラバニ氏の息子のクバド氏が副首相を務める。今後はこうした面々が主導的役割を果たす見通しだが、2005年からバルザニ氏が議長に居座り続けたため、「KDP側に権力のバランスが偏った」(現地の外交筋)といわれる。

 11月1日に実施予定だった自治政府の議長・議会選は8カ月間先延ばしされることが決まっており、先の外交筋は「議長ポストは空席になる」との見通しを示す。住民投票実施を受け、イラク中央政府が自治政府の実効支配下にあった北部キルクークへ進軍した際、PUKの部隊が戦わずに撤退したことなどでKDP側との関係は冷え込んでおり、この期間に対立の火種が権力闘争に発展する可能性も否定できない。

 イラク中央政府を取り巻く環境も変わりつつある。ティラーソン米国務長官は今月下旬、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との戦いなどに加わったイランの軍事顧問やシーア派民兵について、「イランに戻るべきだ」と表明。これに対し、中央政府のアバディ首相は「イラクの機関の一部だ」と述べて反発した。

 ISとの戦いなどで良好な対米関係を維持してきたとされるアバディ政権も、来春の議会選を前に正念場を迎えつつある。自治政府との駆け引きにも影響を及ぼしそうだ。

2162とはずがたり:2017/11/02(木) 17:21:59

クルド議長辞任へ=独立投票後の混乱に幕引き―イラク
時事通信社 2017年10月30日 07時14分 (2017年10月30日 08時57分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20171030/Jiji_20171030X846.html

 【エルサレム時事】イラク北部のクルド自治政府のバルザニ議長は29日のテレビ演説で、「いかなる条件でも議長任期を延長しない」と表明し、11月1日に辞任する考えを明らかにした。クルド人自治区で強い権力を握り、イラクからのクルド人独立を求め続けてきた議長の退任は、今後の独立運動の在り方や地域情勢に大きな影響を与えそうだ。
 バルザニ氏は、9月に強行したイラクからの独立の賛否を問う住民投票後の混乱を受け、幕引きを図った形だ。演説に先立ち、自治区議会宛ての書簡で辞意を示し、議会もこれを承認した。
 自治区では当初、11月1日に議長選が行われる予定だったが、議会は24日、投票の8カ月間の延期を決定。議長は選挙実施まで続投するとみられていたが、混乱の長期化を望まない自治区内の勢力から辞任を求める声が強まっていた。

2163とはずがたり:2017/11/03(金) 22:41:55
さて,次は内戦(の出来れば収拾)だが,,

政権軍、デリゾール制圧=IS最後の主要都市―シリア
時事通信社 2017年11月3日 21時36分 (2017年11月3日 22時36分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20171103/Jiji_20171103X542.html

 【カイロ時事】シリア国営メディアによると、アサド政権軍は3日、東部の要衝デリゾールから過激派組織「イスラム国」(IS)を一掃し、市全域を制圧したと宣言した。デリゾールは約3年にわたってISが強い勢力を誇ったシリア国内最後の主要都市。政権軍はロシア軍などの支援を受けながら、掃討作戦を続けていた。シリアでなおISが占拠するのは、イラク国境近くなどごく一部を残すだけとなった。
 デリゾールを県都とする東部デリゾール県には、10月に陥落した「首都」の北部ラッカや隣国イラクからもIS戦闘員が多く逃げ込んだとされる。政権軍はISの軍事拠点だったマヤディーンなどを次々と奪い、県内で攻勢を強めている。
 米軍主導の有志連合が支援するクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)も、デリゾール県で政権軍とは別の方向からIS攻略を続けている。シリア屈指の油田地帯が広がる同県は戦略的に重要で、双方ともいち早く主導権を確保しようと画策しているとみられる。
 一方、イラク軍は3日の声明で、シリア国境地帯に残るIS支配下の町カイムへの進軍を強め、近郊の対シリア国境検問所を掌握したと発表。イラク治安部隊は既に、ISの拠点だった同国北部のモスルやハウィジャなどを制圧しており、シリアとイラクに支配領域を持つISの駆逐作戦は大詰めを迎えている。

2164とはずがたり:2017/11/05(日) 09:39:29
国際社会が使い捨てたクルド人と英雄バルザニ
トルコ・シリア・イラク・イランに散在するクルド人には広汎な自治権を与え,お互いに現在の国家主権の許で最大限自治州同士で協力し合えば良い。独立に踏み込むと全てが台無しになる。

ニューズウィーク 2017年10月31日 18時50分 (2017年10月31日 21時31分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/world_g/20171031/NewsWeekJapan_E202396.html

<アメリカとともにサダム・フセインの圧政と戦いISISも撃退したが、独立しようとしたら攻め込まれた。勇敢だがまたも悲劇に終わったクルド人の英雄の物語>

イラク北部のクルド自治政府がイラクからの独立の是非を問う住民投票を9月25日に実施して以降、ISIS(自称イスラム国)を掃討した後クルド人が実効支配していた地域にイラク軍が進攻するなど、大きな混乱が続いた。ここ1カ月余りで、最も大きな代償を払うことになったのは、自治政府の事実上の大統領、マスード・バルザニ議長(71)だ。

バルザニは10月29日、議会に書簡を送り、議長職を退任する意思を伝えた。2005年に就任し、2015年の任期満了後もISIS掃討を理由に議長職にとどまっていた。

バルザニが率いるクルド民主党(KDP)によれば、バルザニは書簡で、「11月1日以降、議長職を続投することを拒否する」と表明した。

バルザニは「ペシュメルガ(イラクのクルド人民兵組織)で活動を続ける」とも言っており、今後も独立闘争を率いる指導者として影響力を残す可能性がある。

クルド民族運動の英雄ムスタファ・バルザニを父に持つバルザニは、16歳の時にペシュメルガに入隊して以降、クルド人の自治権拡大に関与するようになった。父の死去に伴い、1979年にKDPのトップに就任した。

サダム・フセインに弾圧された

イラクの旧サダム・フセイン政権は、1988年にクルド人自治区ハラブジャで化学兵器を使用するなど、クルド人を徹底的に弾圧した。バルザニはクルド人民兵としてフセインと戦った。フセインのクウェート侵攻を機に始まった1990年の湾岸戦争でフセインと戦う米軍に協力した結果、クルド人はイラク北部で自治権拡大を認められるようになる。1992年には、自治政府の樹立を目指して初めての議会選を実施した。

だがクルド人の二大政党でライバル関係にあるKDPとクルド愛国同盟(PUK)の対立で議会は機能不全となり、1998年まで内戦状態に陥った。クルド人居住区も一時PUKが支配する南東部とKPDの北西部に分断されたが、2003年のイラク戦争でフセイン政権が崩壊すると対立解消で合意した。そして2005年、バルザニがクルド自治政府の議長に就任する。

バルザニは議長に就任して真っ先に、クルド人独立への動きを加速させた。2005年にはクルド人自治区の独立を問う非公式の住民投票を実施し、98.8%の賛成票を得た。だがクルド人独立後のイラクの治安悪化を懸念するアメリカや、自国のクルド人に独立機運が飛び火するのを恐れるトルコ、イラン、シリアなどの周辺諸国は、バルザニの動きをことごとく妨害した。

2165とはずがたり:2017/11/05(日) 09:39:47
>>2164-2165
バルザニの影響力がピークに達したのは、恐らく2014〜2016年だろう。2014年にISISが広大な支配地域を築いたイラク北部で、ペシュメルガはISISを撃退した。彼らは当時、イラクでISISを倒せる唯一の戦力と見られていた。

バルザニは「ISISの息の根を止める」と誓い、ISIS掃討作戦の行方を左右する人物として注目を集めるようになり、2014年には米誌タイムが選ぶ「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」の候補者にまでなった。最終的には選ばれなかったが、タイムはバルザニをこう称えた。「ようやく逆境から救われたかに見えるクルド人の歴史が、彼の人生に凝縮されている」

バルザニの親族は自治政府の要職に就き(息子のマスロア・バルザニもKDPの有力者だ)、その汚職や縁故主義は長年批判の的だった。一方で、ゲリラ戦闘員としての戦歴や、クルド人の利益を一貫して擁護する姿を見てきた数百万人のクルド人にとって、バルザニはまさに英雄だった。

だがクルド独立という悲願実現に突進した結果、バルザニは辞任に追い込まれた。9月の住民投票では圧倒知的多数のクルド人が独立に賛成したが、敵対するアラブ諸国はもちろん、対テロ戦争ではクルド人の力を借りたアメリカや、それまで比較的良好な関係を築いてきたトルコも反対した。バルザニはそうした反対を押し切って住民投票を強行したことで、イラク政府による激しい報復を招き、2014年にISISを撃退してから自治政府が掌握していたイラク有数の油田地帯キルクークをイラク軍に制圧されたうえ、ISISから奪還した支配地域のほとんどを失った。

絶好のチャンスが台無しに

バルザニが無謀で愚かな行動に先走ったせいで、イラクのクルド人の長年の悲願である独立実現に向けた絶好のチャンスが台無しなったと、国際社会は批判するだろう。だがクルド人の多くは、別の見方をするはずだ。クルド人にしてみれば、批判する対象はバルザニでなく、国際社会だ。クルド人を利用するだけ利用しておいて、最後に見捨てたのだから。

奇しくもバルザニが退任する1カ月前、クルド人民兵からPUKの指導者になり、2005〜2014年まで新生イラクの大統領を務めたジャラル・タラバニが死去した。対立しながらもクルド人の自治権拡大を実現した2人が政界を去り、クルド人の一つの歴史が幕を閉じた。イラクだけではない。シリア、トルコ、イランでも、新世代のクルド人に待ち受けているのは、険しく、先の見えない未来だ。

(翻訳:河原里香)
ジャック・ムーア

2166とはずがたり:2017/11/05(日) 18:35:17

サウジ、汚職対策で王子11人拘束 閣僚ら3人解任
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171105-35109867-cnn-int
11/5(日) 15:21配信 CNN.co.jp

(CNN) サウジアラビア当局は4日、新たに設置された反汚職委員会の下で王子11人を拘束した。サウジ系の衛星テレビ局「アルアラビーヤ」が伝えた。これに関連して閣僚ら3人が解任された。

サウジの国営テレビ局によると、経済・企画相、国家警備相と海軍司令官が交代する。

反汚職委員会は、「サウジの発展を妨げる問題への積極的対策」の一環としてサルマン国王が設置を命じ、ムハンマド皇太子がトップの座に就いた。

同委員会には汚職に関与したとされる人物の捜査や拘束に加え、海外渡航を禁止したり、資産を凍結したりする権限がある。

2167チバQ:2017/11/06(月) 10:08:18
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171106k0000m030036000c.html
<サウジ>王子11人拘束、閣僚ら数十人も…汚職対策委
11月05日 19:44毎日新聞

 【カイロ篠田航一】サウジアラビアで新設された「汚職対策委員会」が4日、王子11人と閣僚数人、元閣僚数十人を一斉に拘束した。サウジ資本の衛星テレビ局アルアラビーヤが伝えた。大富豪として知られる有力者アルワリード・ビンタラール王子(62)も拘束された模様だが、サウジ政府は氏名や容疑を明らかにしていない。

 ◇皇太子反対派を封じ込めか

 同委員会はサルマン国王(81)が設置を命じ、実子のムハンマド皇太子(32)がトップを務める。拘束された有力者の中には皇太子に批判的な勢力も多かったとされる。大規模な一斉拘束の背景には、高齢の国王から皇太子への事実上の権限移譲が進む過程で、反対派を封じ込める狙いもあるとみられる。

 ロイター通信などはこの他に拘束された高官として、国家警備相も兼務しムハンマド皇太子の対抗馬とも言われたムトイブ王子や、ファキーフ経済企画相ら現職閣僚数人が含まれると伝えた。海軍司令官、元財務相、テレビ局や航空会社の元幹部、元裁判所長なども拘束され、対象は軍事・司法・財界など多岐にわたる模様だ。同委員会が捜査したのは2009年に起きた西部ジッダでの洪水や、12年にサウジ国内で発生した中東呼吸器症候群(MERS)に関係する事件とされるが、詳細は不明。

 AP通信によると、今回の措置でサウジの治安関連の権限はムハンマド皇太子が押さえることになる。

 アルワリード王子はサウジの巨大企業「キングダム・ホールディングス」を率い、著名ホテルチェーンやアップル社などに投資している。経済誌の長者番付でも度々上位に名を連ねる富豪で、15年には当時選挙期間中だったトランプ米大統領がイスラム教徒の入国禁止を訴えた問題について「米国の恥。選挙戦から撤退すべきだ」とツイッターに投稿。トランプ氏が「間抜けな王子」と返し、その応酬が話題になった。

 サウジでは6月、副皇太子だったムハンマド氏が王位継承順位1位の皇太子に昇格。ムハンマド・ビン・ナエフ皇太子が解任され、国王の実子への権力集中が進んだ。

 ムハンマド皇太子は石油関連収入に依存する産業構造からの脱却を図り、従来は禁じられていた女性の自動車運転の容認を後押しするなど社会・経済改革を模索する一方、国防相としてカタールとの断交やイエメン内戦への介入も主導した。

2168チバQ:2017/11/06(月) 17:14:01
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00000001-jij_afp-int
サウジ王子、ヘリ墜落で死亡 対イエメン国境付近
11/6(月) 8:28配信 AFP=時事
サウジアラビア上空を飛行するヘリコプター(2017年8月28日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】イエメンとの国境に近いサウジアラビア南部で5日、同国の王子1人と当局者数人を乗せたヘリコプターが墜落し、王子が死亡した。国営テレビが報じた。

 ニュース専門の衛星テレビ局アルイフバリヤ(Al-Ekhbariya)によると、死亡したのはアシール(Asir)州副知事で元皇太子の息子のマンスール・ビン・ムクリン(Mansour bin Moqren)王子。

 同テレビは、墜落原因や同乗の当局者らの安否については伝えていない。

 イエメンではアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)政権とイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装組織「フーシ派(Huthi)」の内戦が続き、サウジ主導の連合軍がハディ政権を支援して介入している。【翻訳編集】 AFPBB News

2169チバQ:2017/11/06(月) 19:25:41
http://www.sankei.com/world/news/171105/wor1711050037-n1.html
2017.11.5 21:27

資産2兆1000億円の富豪で「アウトサイダーの存在」 サウジ政府が身柄拘束のワリード王子

 【カイロ=佐藤貴生】米誌フォーブスの公式サイトによると、サウジアラビア政府に身柄を拘束されたワリード王子は62歳。中東でもトップランクの大富豪で、資産は187億ドル(約2兆1000億円)に上る。

 王子が率いる投資会社キングダム・ホールディングはフォーシーズンズやラッフルズといった著名ホテルに加え、ニューズ・コーポレーションやタイム・ワーナーなどの大手メディア、イーベイなどのネット通販などに投資している。

 サウジのサルマン国王は9月下旬、女性の運転を来年6月にも解禁することを決めたが、ワリード王子はそれ以前から女性の運転解禁を求めており、自らも女性を雇っていた。

 幅広いテーマで率直に物を言うことで知られ、サウジ王家の中でも「アウトサイダーのような存在」(米紙ニューヨーク・タイムズ電子版)だった。

 同紙によると、米大統領になったトランプ氏から以前、ニューヨークの名門プラザホテルを購入した投資グループの一員だった。トランプ氏から高価なヨットを買ったこともある。

 王子は2015年、米大統領選に名乗りを上げたトランプ氏について、「共和党に対してだけでなく、米国全体にとって面汚しだ」とツイッターで批判。トランプ氏が「彼は父親の金で米国の政治家を支配しようとしている」とつぶやいて反発するなどしていた。

 王子の巨額資産の取り扱いについては現時点では不明だ。

2170チバQ:2017/11/06(月) 19:27:09
http://www.sankei.com/world/news/171105/wor1711050032-n1.html
2017.11.5 21:11

サウジ政府が王子ら数十人拘束 反皇太子派の一掃に乗り出した可能性
 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビア政府は5日までに、サウド家の王子11人のほか現職閣僚4人を含む数十人の身柄を拘束した。サウジ資本の衛星テレビ、アルアラビーヤが伝えた。拘束の理由は明らかではないが、サルマン国王は4日、実子のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)をトップとする「反汚職委員会」を設置していた。同皇太子は6月に昇格したばかりで、“国王世襲”の動きに反発する勢力の一掃に乗り出した可能性がある。

 ロイター通信がサウジ政府当局者の情報として伝えたところでは、拘束されたのは、国家警備相のムトイブ王子やファキーフ経済企画相ら。閣僚経験者も数十人拘束されたという。ムトイブ王子はアブドラ前国王の息子で、一時は国王候補の一人と目されていた。

 また、ツイッターやアップルのほか、大手メディアなどに幅広く投資している「キングダム・ホールディング」を率いるワリード・ビン・タラール王子も拘束されており、ビジネス界にも大きな影響を与えそうだ。

 欧米メディアによると、サウジで近年、これほどの大量拘束が行われた事例はない。プライベートジェット機用の空港が閉鎖されたとの情報もあり、王族や富豪らの出国を禁じた可能性も指摘されている。

 ムハンマド皇太子は最近、「穏健なイスラム」への回帰を目指すと表明し、「すぐに過激主義の残存勢力を根絶する」と表明していた。

 国防相を兼務する皇太子は経済・社会問題も担当し、石油依存からの脱却を図る経済改革案「ビジョン2030」も主導。イエメンへの軍事介入やカタールとの断交でも影響力を発揮したとされ、強気の外交を展開してきた。今後はサウジ国内でも反対勢力の締め付けが強まりそうだ。

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2171チバQ:2017/11/06(月) 19:30:06
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110400527&g=int
レバノン首相辞任=「命に危険」と演説



レバノンのハリリ首相=4月4日、ベルリン(EPA=時事)
 【カイロ時事】レバノンのハリリ首相が4日、辞意を表明した。テレビ演説で「私の命を狙う秘密の企てを感じている」と指摘。対立するイランによる介入なども辞任の理由に挙げた。地元メディアは、ハリリ氏がサウジアラビアに滞在中と伝えている。
 ハリリ氏の父親ラフィク・ハリリ元首相は2005年、首都ベイルートで起きた爆弾テロで殺害された。ハリリ氏は演説で「現在は暗殺事件前と似た状況にある」と語った。中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、ベイルートでハリリ氏の車列を狙った暗殺計画が数日前に未然に阻止されていた。(2017/11/05-00:00)

2172チバQ:2017/11/06(月) 19:30:52
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110500420&g=int
富豪の王子ら大量拘束=皇太子に権限集中へ-サウジ



サウジアラビアの著名投資家、アルワリード王子=5月11日、西部ジッダ(AFP=時事)
 【カイロ時事】サウジアラビアで、王族メンバーや現職閣僚らが大量に拘束された。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤが5日伝えた。拘束者には著名投資家である大富豪の王子も含まれる。アブドラ前国王時代の有力者が多く、サルマン国王の実子で次期国王と目されるムハンマド皇太子に権限集中を図る狙いがあるとみられる。

 サウジでは4日、汚職根絶を目指すムハンマド皇太子をトップとする新たな取り締まり機関設置が発表された。その後の摘発で王子11人、閣僚4人、閣僚経験者数十人が拘束されたと伝えられ、ロイター通信は前国王に仕えた元財務相やリヤド州知事の経験者らが含まれると報じた。
 報道では、著名投資家のアルワリード王子も拘束された。同王子は短文投稿サイトを運営する米ツイッター、米金融大手シティグループなどに出資するサウジ投資会社を経営。2015年には個人資産約320億ドル(約3兆6000億円)を慈善事業に寄付する意向を示し、話題となった。(2017/11/05-21:57) 関連ニュース

2173とはずがたり:2017/11/07(火) 13:16:53
どんな論争だ!?(;´Д`)

成人男性に「おっぱい」認める宗教令、サウジで論争
http://www.afpbb.com/articles/-/2738916
2010年7月3日 19:30 発信地:リヤド/サウジアラビア

【7月3日 AFP】保守的なイスラム教国のサウジアラビアで、成人男性が女性の胸から乳を飲むことを許すファトワ(宗教令)をある聖職者が提案し、国をあげての論争となっている。

?問題となっているファトワは、アブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdulaziz)国王の上級顧問でもあり、イスラム色の緩和に支持的といわれるアブドゥル・モーセン・オベイカン(Abdul Mohsen al-Obeikan)師が出したもので、「女性が授乳した男性は、その女性の息子とみなしうる」という内容。

?これはイスラム教の書物にみられる故事に基づくものだが、一部には、親族ではない男性と女性の同席を宗教的観点から禁じているサウジアラビアの法をかいくぐる方便だという見方があるため、国内では聖職者たちに限らず、メディアやインターネット上で国民が意見を戦わせる大論争に広がった。

?4日、聖地メッカ(Mecca)の聖モスク(Haram Grand Mosque)での金曜礼拝では、大きな影響力を持つアブドゥルラーマン・スダイス(Abdulrahman al-Sudais)師がこのファトワについて「いんちきもはなはだしい」と紛糾、「腐ったものを売りつける商人と変わらない」、国の治安さえ悪化させる問題だと強烈に批判した。

?またサウジアラビアの大ムフティー(イスラム法の最高官)にあたるアブドラアジズ・シェイフ(Abdulaziz al-Sheikh)イスラム問題相も6日、問題となるファトワを出す聖職者はやぶ医者と同じだと苦言を呈し、「コーランに依拠していないおかしなファトワの発令は止めさせなければならない」と述べ、取り締まる可能性もちらつかせた。

?サウジアラビアでは女性には車の運転免許の取得資格がなく、1日5回の礼拝の際には商店は完全に閉めることなどイスラムの教えの解釈がより厳格。政府はシャリーアと呼ばれるイスラム法に基づく司法制度をさらに強化しようともしており、ファトワを出す権限をもつ機関を聖職者たちの最高会議ひとつに絞り、ほかの聖職者たちはそれに従う体制にしたがっている。

?こうした背景の下、一見難解な宗教論争の根本には現代生活に即して、イスラム色を薄めようという動きがある。

?今年初めには、思想的に自由だという風評があったメッカの宗教警察長官アフメド・ガムディ(Ahmed al-Ghamdi)氏が、男性と女性が礼拝の場で同席することを支持する発言をして解任され、その後復帰した。このときも宗教界や世論では保守派と進歩派の間で大論争となった。(c)AFP/Paul Handley

2174チバQ:2017/11/08(水) 20:38:51
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110700212&g=int
サウジ王子、搭乗ヘリ墜落で死亡=「粛清」恐れ逃亡図る?

 【カイロ時事】サウジアラビア南西部アシル州の副知事だったマンスール・ビン・ムクリン王子が5日、搭乗していたヘリコプターの墜落で死亡した。王子は、汚職摘発を名目に王族や閣僚ら多数を拘束したムハンマド皇太子の反対派。不正行為への追及を逃れようと国外に向かっていた際にヘリが墜落したとの臆測が広がっている。
 マンスール王子は、サルマン現国王が2015年に即位した後に退任させられたムクリン元皇太子の息子。有力王族メンバーながらムハンマド皇太子から冷遇されたとみられる。国営通信は6日、王子死去の情報のみを短く伝え、墜落の詳細などは不明だ。(2017/11/07-10:20) 関連ニュース

2175チバQ:2017/11/10(金) 14:03:09
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171110k0000e030263000c.html
<シリア>IS、最後の拠点失う…政権軍、アブカマル奪還
11:34毎日新聞

<シリア>IS、最後の拠点失う…政権軍、アブカマル奪還
(毎日新聞)
 【カイロ篠田航一】シリアのアサド政権軍は9日、過激派組織「イスラム国」(IS)の国内最後の拠点とされるイラク国境の町アブカマルを奪還したと発表した。国営シリア・アラブ通信が伝えた。ISはこれで、シリアとイラクの都市部の支配地域を全て失ったことになる。残存勢力はイラク国境の砂漠地帯に逃れた模様だ。

 アサド政権軍は声明で「IS組織の崩壊を示す」重要な勝利と述べた。ISは7月以降、実効支配していたイラク北部モスル、シリア北部ラッカ、東部デリゾールなどの拠点を次々に失っており、2014年にシリアとイラクにまたがる領域での建国を宣言した「国家」は既に事実上、崩壊している。

 一方、デリゾール近郊では4日、自動車の爆発で避難民ら少なくとも75人が死亡するテロがあり、ISによる自爆テロとみられている。逃亡中のIS戦闘員は各地でこうした無差別テロに走る可能性もあり、アサド政権軍やイラク軍は今後も両国国境の砂漠地帯で掃討作戦を続ける。

 またアサド政権軍は9日、「指導者層を含む多くのIS戦闘員を殺害した」と成果を強調したが、IS最高指導者バグダディ容疑者の行方は依然として分かっていない。ISは9月、バグダディ容疑者の「肉声」とされる声明をインターネット上に公開し、「勝利には忍耐が必要」と戦闘継続を呼びかけたが、生死についての情報は錯綜(さくそう)している。

2176チバQ:2017/11/10(金) 14:19:01
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171110-00000002-jij_afp-int

サウジ粛清、201人を拘束 汚職の損失、推定11兆円


11/10(金) 7:01配信

AFP=時事







サウジ粛清、201人を拘束 汚職の損失、推定11兆円


サウジアラビアの首都リヤドで開かれた投資会議に出席したムハンマド・ビン・サルマン皇太子(2017年10月24日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News


【AFP=時事】サウジアラビアで行われた近年最大のエリート層粛清で、同国政府は9日、推計1000億ドル(約11兆3000億円)に上る横領と汚職について聴取するため、201人を拘束したと発表した。

【写真】リヤドでの経済フォーラムで発言するムハンマド・ビン・サルマン皇太子

 ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子が権力の強化を進める同国では4日、王子や閣僚、富豪を含む有力者数十人が拘束あるいは免職された。

 シェイク・サウド・モジェブ(Sheikh Saud al-Mojeb)司法長官は、同国情報省を通じ出した声明で、「これまでに合計208人が聴取を受け、7人が訴追されることなく釈放された」と発表。

「ここ3年間の捜査に基づき、われわれは過去数十年間にわたる組織的な汚職や横領によって少なくとも1000億米ドルが悪用されたと推定している」と述べている。【翻訳編集】 AFPBB News


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171110-00000035-mai-m_est

<サウジ>汚職捜査、拘束200人超え 違法流用11兆円


11/10(金) 11:00配信

毎日新聞



 【カイロ篠田航一】サウジアラビアで有力王族や現職閣僚らが汚職容疑で大量に拘束された事件で、サウジ司法当局は9日、国営サウジ通信を通じ、拘束者が200人を超えたことを明らかにした。財界やメディア関係者らも含まれており、数十年にわたる収賄や横領などの違法行為により1000億ドル(約11兆3400億円)が流用されたとしている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、サウジ政府が一連の摘発で計8000億ドル(約90兆7000億円)の資産没収を狙っているとの見方を示し、原油価格低迷で財政状況が苦しい産油国のサウジにとって「没収資産の一部でも助けになる」と伝えた。

 一斉拘束は今月4日に始まり、サルマン国王の実子のムハンマド皇太子が率いる「汚職対策委員会」が捜査。これまでに208人を事情聴取し、このうち7人は「証拠不十分」で釈放したが、残る201人の拘束を続けている。関係する約1700の銀行口座も凍結したという。

 サウジ政府は「拘束者の法的権利を守るため」として、氏名や容疑の詳細を明らかにしていない。中東メディアによると、拘束されたのは世界的大富豪の投資家アルワリード・ビンタラール王子のほか、アブドラ前国王の息子で一時は国王の後継候補と目されたムトイブ前国家警備相らの名前が挙がっている。

 王族利権にメスを入れる大規模な捜査は異例。横行する腐敗に不満を持つ国民からの支持を集める一方、ムハンマド皇太子の政敵を一斉に「粛清」する狙いもあるとみられる。

2177チバQ:2017/11/10(金) 14:19:27
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171110-00000064-jij-m_est

サウジ・イラン対立が波及=レバノンやイエメン混乱深刻化


11/10(金) 14:14配信

時事通信



 【カイロ時事】中東の2大国サウジアラビアとイランの対立激化に伴い、両国の影響力が強い小国のレバノン、イエメンで混乱が深刻化している。

 サウジの実力者ムハンマド皇太子は王族らの汚職摘発を進めるなど「次期国王」の地盤固めも念頭に、国内外で強硬路線に傾く。「代理戦争」が波及する各国では、干渉を強めるサウジへの不信感が強まっている。

 レバノンのハリリ首相は4日、「暗殺される危険がある」と滞在先のサウジから突如辞任を表明した。サウジと関係が深いハリリ氏だが、昨年12月発足の新内閣では、イランが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラとの融和も模索。レバノン政界では、ヒズボラを敵視するサウジの不興を買い、辞任を迫られたとの見方が大勢だ。

 レバノン側はハリリ氏の帰国を促しているが、サウジに自由行動を制限されているとの情報もある。サウジ政府は9日、レバノン在住のサウジ国民に即時出国を促し、渡航自粛も勧告。両国関係の悪化は必至だ。

 一方、イエメンでは4日夜、イランを後ろ盾とするシーア派系武装組織フーシ派がサウジの首都リヤドの国際空港に向けて弾道ミサイルを発射した。ムハンマド皇太子は「イランによる直接の軍事侵攻で、戦争行為と見なすことができる」と警告。イランのロウハニ大統領は「イランを敵と見なすのは誤りだ」と反発し、非難の応酬が続く。

2179チバQ:2017/11/10(金) 15:11:48
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201711/CK2017111002000243.html
サウジの拘束者201人に 汚職11兆3000億円

2017年11月10日 夕刊


写真
 【カイロ=奥田哲平】サウジアラビアが汚職容疑で王子や閣僚らを多数摘発した問題で、中東の衛星放送アルアラビーヤは九日、当局に拘束されている容疑者が二百一人に上ると報じた。組織的な汚職や横領などの総額は数十年間にわたって計一千億ドル(約十一兆三千億円)という。
 ムハンマド皇太子が率いる「反汚職委員会」メンバーの司法長官が声明で明らかにした。サウジは四日に王子十一人と現職閣僚四人、数十人の大臣経験者らを拘束し、捜査対象をさらに拡大させているもようだ。
 ロイター通信によると、中央銀行の要請を受け、国内金融機関は既に千七百口座を凍結。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、関係者の話として、サウジ政府が計八千億ドル(約九十兆円)の資産没収を狙っていると伝えた。金融当局は、凍結されたのは個人口座で、企業の経済活動に影響はないとしている。
 反汚職委員会は四日、国家警備相を解任されたムトイブ王子や世界的な投資会社代表のワリード王子らを拘束。今年六月に解任したムハンマド・ビン・ナエフ前皇太子や親族の銀行口座も凍結したという。ナエフ氏はムハンマド皇太子が昇格するまで王位継承の最有力候補で、欧米メディアは、現在は自宅軟禁下にあると報じている。

2180チバQ:2017/11/10(金) 15:13:11
http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/171107/clm17110705020002-n1.html
【産経抄】拘束された改革派の富豪王子 11月7日
2017.11.7 05:02
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 中東のサウジアラビアは、世界で唯一女性の車の運転が禁じられてきた。女性が自由に外出するようになると、男女関係が乱れる。これが社会で大きな影響力を持つイスラム教の保守派聖職者の主張である。

 ▼ところがサルマン国王(81)は今年9月、来年6月までに運転を解禁するよう命令を出した。サウジは近年、原油価格の低迷によって財政難に苦しんでいる。国王の息子のムハンマド皇太子(32)は、石油に依存しない経済改革を進めている。運転解禁も女性の社会進出を促すという意味で、皇太子の意向が強く働いた。

 ▼この決断に誰よりも大きな拍手を送ったのが、ワリード王子(62)であろう。女性運転手がいないサウジには、すでに女性パイロットが誕生している。飛行士を夢見る少女を隣国ヨルダンの飛行学校に留学させたのは、王子である。免許を取得すると、私有するジェット機の操縦士として採用した。宮廷政治を否定するような発言も注目を集めてきた。

 ▼そんなサウジから不穏なニュースが入ってきた。政府が王子11人を含む数十人の身柄を拘束したという。そのなかに、改革への志は皇太子と共通しているはずのワリード王子も含まれている。

 ▼王子は米国留学を経て、父親から借りた3万ドルを元手にビジネスを始めた。米シティバンクやアップルなどへの投資が成功して、今では世界有数の資産家である。かつて、トランプ米大統領から高級ヨットを買い叩(たた)いた。そのトランプ氏とは、イスラム教徒の入国禁止をめぐってツイッターで激しい非難の応酬を繰り広げた。

 ▼約5000人いる王族のなかで、とびきりのやり手であることは、間違いない。権力の集中を進める皇太子にとって、目障りな存在ということか。

2182チバQ:2017/11/11(土) 10:06:48
こんな感じか

アブドルアジズ初代国王
   アブドラ前国王 2015年1月死去>>586
      ムトイブ国家警備相 拘束中
   ムクリン元皇太子 >>807>>810 2015年5月退位
      マンスール王子 >>2174 ヘリ墜落

   【スデイリ閥】
   サルマン・ビン・アブドルアジズ国王
      ムハンマド・ビン・サルマン皇太子
   ナエフ元皇太子 2012年死去
      ムハンマド・ビン・ナエフ前皇太子>>586 第3世代初の皇太子だったが・・・
       >>1966にて解任

★アルワリード・ビンタラール王子(投資家)

2183チバQ:2017/11/13(月) 19:24:51
http://www.sankei.com/world/news/171113/wor1711130009-n1.html
2017.11.13 18:00

イラン地震の死者300人超 生き埋め多数、救出急ぐ 山岳地帯、被害拡大恐れ
 イラン西部のイラク国境付近で発生した地震の被害が13日拡大し、医療当局によると、イラン側の死者は328人、負傷者は2530人に達した。震源は山岳地帯で、被災地には簡素な造りの建物が多いとみられ、多数の住民ががれきの下に生き埋めになったもようだ。イラク側でも少なくとも7人が死亡し、300人以上が負傷した。

 救助当局が生存者の捜索と救出を急いでいるが、大規模な停電や道路事情の悪化で作業は難航している。

 被災地からの映像によると、道路沿いの多くの建物が倒壊し、車が下敷きとなってつぶれていた。病院には次々と負傷者が運び込まれている。

 被害が特に激しいイラン西部ケルマンシャー州の副知事は、国営テレビに「がれきの下にまだ住民がいる」と窮状を訴えた。

 地震は12日夜(日本時間13日未明)に発生。米地質調査所(USGS)によるとマグニチュード(M)7.3で、震源はイラク北東部ハラブジャから南へ約32キロの山岳地帯、震源の深さは23.2キロだった。(共同)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171113-00000047-jij-m_est
イラン地震、死者300人以上=一夜明け被害拡大―イラク国境地帯
11/13(月) 14:20配信 時事通信
イラン地震、死者300人以上=一夜明け被害拡大―イラク国境地帯
13日、イラン西部ケルマンシャー州サルポレザハブで、がれきの山を捜索する救助隊員。
 【カイロ時事】イラン西部のイラク国境地帯を震源に、12日に起きたマグニチュード(M)7.3の大地震で、イランのメディアは13日、国内での死者が328人、負傷者は約4000人に達したと伝えた。

 被害が大きかったケルマンシャー州などイラン西部は山岳地域が多く、被災地に向かう道路が土砂崩れなどで寸断。一夜明けた13日も救援活動は遅れており、イラク側の犠牲者と合わせ、死傷者の数はさらに大きく増える恐れもある。

 イラクのクルド系メディアによれば、イラク北部クルド人自治区でも少なくとも7人が死亡、300人が負傷し病院に搬送された。

 米地質調査所(USGS)によると、イラン西部では大地震の後、M4以上の余震が断続的に続いている。れんがなどで造られた耐震性の低い建物や家屋が相次いで倒壊。被災地では停電や通信途絶が発生していると伝えられ、被害の全容は判明していない。イランの赤新月社は、被災者7万人以上が緊急の避難先を必要としていると指摘し、迅速な救援が必要だと訴えた。

 イランのタスニム通信によると、ケルマンシャー州では救助隊員や機材が不足しており、各地でがれきの撤去などが進んでいない。このため依然がれきの下に取り残されている人々も少なくないとみられる。 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111300837&g=int
山岳地帯、各地で地滑りか=「救助隊、村に送れない」-イラン



13日、イラン西部ケルマンシャー州サルポレザハブで、大地震によってつぶれた自動車(AFP=時事)
 【カイロ時事】大地震が襲ったイランとイラクの国境地帯は、乾いた大地と草原が入り組む山岳地帯だ。現地から徐々に伝わる情報では、各地で地滑りが起きている。テヘラン発のAFP通信は13日、被災地の様子について「土砂で道という道がふさがれている。道が寸断されているから村に救助隊を送れない」と訴えるイラン当局者の言葉を伝えた。
 地震が起きたのはイラク時間で午後9時すぎ。大半の家々で就寝の準備に入り、すでに就寝していた家もあったとみられている。地滑りが村を襲えば、家ごと犠牲になった恐れもある。
 被災状況が比較的早く外部に伝わったイラン西部ケルマンシャー州では「少なくとも三つの緊急避難施設を設営中だ」と語るイラン当局者の話が報じられた。家を失った人々が大勢いる様子が伝わってきた。
 山岳地帯に入るほど、家々はもろいれんがで造られている。地震には弱い。各地で停電が起きているとみられ、通信も途絶えがちだ。余震が続き、建物の外で一夜を明かした住民も少なくない。11月は冷え込みが激しい。健康悪化も心配されている。(2017/11/13-17:34)

2184チバQ:2017/11/16(木) 18:44:25
http://www.sankei.com/world/news/171116/wor1711160023-n1.html
2017.11.16 10:03

レバノン首相、フランスへ 「生命狙われている」とサウジで辞任表明 仏大統領、亡命は否定 

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 【ジュネーブ=三井美奈】フランス大統領府は15日、4日に辞任を表明したレバノンのハリリ首相とその家族を招聘(しようへい)したと発表した。ハリリ氏はサウジアラビア滞在を続けており、イランが支援するレバノンのシーア派民兵組織ヒズボラとの対立が指摘されていた。

 仏大統領府の発表によると、マクロン仏大統領はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と協議した末、招聘を決めた。マクロン氏は14日、訪問先のドイツで「ハリリ氏はフランスに亡命するわけではない」と主張した。数日中にフランスに到着の見通しだという。

 ハリリ氏はイスラム教スンニ派。サウジで辞任表明し、その際に「生命が狙われている」と発言した。ヒズボラと関係が深いレバノンのアウン大統領は「ハリリ氏は身柄拘束されている」としてサウジを非難した。マクロン氏は9日のサウジ訪問でムハンマド皇太子と会談し、レバノン安定の重要性を主張していた。

2185チバQ:2017/11/16(木) 22:24:58
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20171116k0000e030225000c.html
<レバノン大統領>「首相をサウジが拘束」非難 軟禁状態か
10:03毎日新聞

 【カイロ篠田航一】レバノンのアウン大統領は15日、訪問先のサウジアラビアで4日に突然の辞任を表明したまま帰国しないハリリ首相について「現地で拘束されている。人権侵害だ」と述べ、サウジを非難した。ハリリ氏は14日に「私は自由だ。数日以内に帰国する」と述べていたものの、実際にはサウジで行動を制限され、軟禁状態にあるとの見方も出ている。

 一方、ロイター通信は15日、ハリリ氏が近日中にレバノンの旧宗主国フランスを訪れ、マクロン大統領と事態について協議すると伝えた。

 辞任劇の背景には、中東各地で覇権を競い合うイスラム教スンニ派の盟主サウジと、シーア派大国イランとの対立がある。レバノンは多宗派が混在する「モザイク国家」で、サウジに近いハリリ氏はスンニ派、イランに近いアウン大統領はキリスト教マロン派だ。

 ハリリ氏は昨年12月の組閣の際、イランが支援するシーア派組織ヒズボラの出身者も閣僚に登用するなどして「国内融和」を模索した。だがイランの影響力増大を警戒したサウジが、ヒズボラに融和的なハリリ氏に辞任を迫ったとの見方が出ている。

 ハリリ氏は今月4日、「私の命を狙う秘密の計画がある」と述べ、身の安全を優先するとの理由で辞任表明。これに対しアウン大統領は「直接理由を聞くまで辞任は受け入れない」として早期帰国を求めている。

2186チバQ:2017/11/17(金) 19:04:43
http://www.sankei.com/world/news/171117/wor1711170001-n1.html
2017.11.17 17:00
【中東見聞録】
サウジで宮廷粛清が始まった 初代国王が危惧した権力闘争の行方は?
 アラビア半島の大部分を支配し、1932年に現在のサウジアラビア王国をうち建てた初代国王、アブドルアジーズ(1875〜1953年)には生前、大きな気がかりがあった。自分の死後、息子たちが後継者の座をめぐって争い始めるのではないか-。

 だが、安定的な後継システムを確立できないまま、アブドルアジーズは病を得てしまう。死の床で初代は、決して仲が良いとはいえなかった年長の2人の息子、サウド(1902〜69年)とファイサル(1906〜75)に手をつながせ、こう厳命した。

 「私が死んだら、2人で協力していくと誓うのだ。もし意見を違えるときは、必ず私的な場で言い争うようにせよ。ゆめゆめ、争う姿を外の世界に見られてはならぬ」

 アブドルアジーズの脳裏にあったのは、建国に向けて各地を駆け回っていた時代、自分も、父と5人の兄弟を排除して権力を掌握した記憶だったに違いない。アラブ世界では一般的に、息子たちが等しく相続権を持ち、必ずしも年長者が「家督」を継ぐとは限らない。アブドルアジーズが一族を束ねる権威を得るには、誰もが納得し、そして恐れるだけの力をみせる必要があったのだ。

 王位継承権を持つ王子たちが反目し合えば、周囲を巻き込んだ熾烈な「お家騒動」に発展するのは目に見えている。特にアブドルアジーズには、国内統一のためにライバル部族などから迎えた妻が二十数人おり、この時点で存命する息子は30人以上もいた。権力闘争の種はすでにまかれていた。

 ちなみに、第2代国王に就いたサウドが異母弟のファイサルと和解することなく、一時は内戦寸前といわれるほどに軍事緊張が高まった。浪費癖もあって国王として不適格とみなされたサウドは64年、国政に影響力を持つ宗教界の支持を固めたファイサルの宮廷クーデターによって王座を追われている。初代国王の“遺言”は、本人が期待したほどには機能しなかったことになる。



 そのサウジではいま、初代国王がさらに嘆くであろう権力闘争が進行している。

 初代の息子の1人であるサルマン現国王。その実子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)=名前の頭文字からMbSと略されることが多い=がトップを務める「反腐敗委員会」が今月4日以降、王位継承権を持つ王子11人や閣僚、有力ビジネスマンらを含む少なくとも200人を汚職などの疑いで拘束したのだ。

 拘束された中には、世界有数の大富豪で「アラブのウォーレン・バフェット」と称される王族投資家、ワリード・ビン・タラール王子も含まれる。皇太子とはいとこの間柄だ。

 一連の動きがムハンマド皇太子の王位継承に向けた権力基盤固めを狙ってのものであることは間違いない。中国の習近平国家主席が「反腐敗」の名の下に政敵の粛清を進めているのと同じ構図だ。

 サウジでは王族がビジネス界と政府の“橋渡し役”を務めることが多く、王族が地位を利用して甘い汁を吸うことも珍しくないとされる。同委員会は勅令により、汚職疑惑に絡む個人や団体などの捜査や逮捕、資産凍結など「必要なあらゆる手段を講じる権限を持つ」と規定されているから、皇太子は実質的に、国内の政敵に対する生殺与奪権を与えられたに等しい。

2187チバQ:2017/11/17(金) 19:05:08


 ここからは話がやや複雑になるが、お付き合いいただきたい。

 サウジでは第2代国王サウドから現在のサルマン国王(81)に至るまでの6代にわたり、初代国王の子供たち(第2世代)の間での王位継承が習わしとなってきた。他の兄弟たちを差し置いて孫(第3世代)の誰かが王位に就けば、宮廷内の反発を招く。混乱を避けるための苦肉の知恵だった。

 だが、第2世代は高齢化が著しい。いつかは第3世代に王位が渡ることは不可避であり、それをどのタイミングで、いかにスムーズに実現するかが、国家安定の肝だとみなされてきた。

 2015年に異母兄のアブドラ前国王から王位を継いだサルマン国王は当初、実兄であるナエフ元皇太子(12年に死去)の息子で内務相などを歴任した実力者、ムハンマド・ビン・ナエフ王子(58)=MbN=を皇太子に指名。その次の皇太子となる副皇太子に実子のムハンマド(MbS)を据えた。

 さらに国王は、実子MbSに国防相のほか、経済政策のトップである経済開発評議会議長や王宮府長官などを兼務させ、権力集中を図った。こうした人事は、国王がいずれは自分の血筋で王統を独占しようとするものだとして反発を呼んだ。

 英紙インディペンデントは15年10月、王族筋の話として、当時存命だった第2世代の王子らの大部分が、サルマン国王の一族による権力独占に反対していると伝えている。

 にもかかわらず、サルマン国王は今年、MbNを廃嫡し、実子MbSを皇太子とする人事を発表。それが他の王族のさらなる反発を招いたことは想像に難くない。

 今回の王族らの一斉拘束は、そんな緊張状態の中で起きた。サルマン国王側が何らかの事情で、反対派を排除し、後継レースの決着を急ごうとしたのではないか、との観測が出るのも不思議ではあるまい。

 「サウジ王室は、じっくりと根回しを進めた上で意志決定をするのが普通で、意見対立が表面化するのは珍しい。なのに今回は一気呵成に事態が動いた。かなり異常なやり方だ」。サウジ情勢に詳しい西側外交筋はこう語る。



 ネット上でサウジウォッチャーらから指摘されている事情の一つに、サウジが抱える財政難がある。

 サウジは、ここ数年の世界的な原油価格低迷と、15年に軍事介入した隣国イエメンでの戦費増大などで財政が逼迫。15年秋には国際通貨基金(IMF)が、このまま赤字を垂れ流せば、「5年以内にサウジの外貨準備は枯渇する」とまで警告した。

 そんな中でムハンマド(MbS)皇太子は、産業の多角化による「脱・石油依存」や財政の透明化といった改革プランを打ち出した。王族の拘束は、汚職追放と財政再建に本気であるとの絶好のアピールとなる。

 皇太子が、ワリード王子が支配する世界有数の投資会社「キングダム・ホールディング」の国家接収を視野に入れているのではないか、との観測もある。同社はフォーシーズンズやフェアモントなどの一流ホテルチェーンやシティグループをはじめとする金融界、アップルやツイッターといったIT企業にも投資。仮に接収が実現すれば、サウジの資産を大きく増やすことができる。

2188チバQ:2017/11/17(金) 19:05:32


 財政難の一因であるイエメンへの軍事介入は、15年1月に国防相に就いたムハンマド皇太子(当時は副皇太子)が主導した。

 イエメンではこれに先立ち、クーデターによってシーア派武装勢力「フーシ派」が実権を掌握。フーシ派の背後には、域内での勢力伸長を図るシーア派大国イランがいる。スンニ派各国の盟主を自任するサウジにとっては、「裏庭」ともいえるイエメンにイランが影響力を持つことは看過できない事態だ。サウジのイエメン介入は、スンニ派とシーア派の覇権争いという側面がある。

 と同時に、当時から中東のメディアや外交筋の間でささやかれたのは、軍事介入によって、若く実績に乏しいムハンマド皇太子に“箔”をつける狙いがあるのではないか、との見方だった。初代国王が実力で周囲を黙らせたように、アラブでは力は権威と支配の源泉なのだ。


サウジのアブドルアジーズ初代国王(左)と、2代目を継ぐことになる息子のサウド=撮影日時不明(AP)

 ただ、2年以上が経つ今も介入策は十分な効果をあげておらず、サウジの出口戦略も見えてこない。泥沼化で戦費負担も増大している。

 一方で、若いムハンマド皇太子は国内の若年層から高い人気を保つとされるものの、高齢の父王が死去すれば、反対派からの反撃を受ける可能性も否定できない。

 今回、サルマン国王やムハンマド皇太子が、「反腐敗運動」の名の下で一気に宮廷内の粛清に乗り出したのは、こうした事情が絡み合う中での大勝負だったのではないか。



 現地からの報道などによると、今回摘発対象となった王子やビジネスマンらは、数日前にムハンマド皇太子主催の大規模な経済会議が開かれた高級ホテルで身柄を拘束されているという。同会議への参加者も多かったとみられる。

 このニュースに接し、思わず連想した故事がある。

 イスラム教の預言者ムハンマド(570年ごろ〜632年)の死から1世紀余りの紀元750年。イスラム最初の世襲王朝であるウマイヤ朝に反旗を翻したアッバス朝の創始者アブーアッバスは、「和解の宴」を開くと偽ってウマイヤ家の主立った者たちを一堂に集め、殺害した。ウマイヤ家側による反攻の芽を摘むためだった。この凄惨な事件のために、アブーアッバスは「サッファーフ(血を注ぐ者)」という二つ名で呼ばれることになる。

 アッバース朝はその後、とにもかくにも750年以上にわたって存続し、イスラム史上、最も繁栄した時代も築くことになったが、さて、権力集中を進めるサルマン国王とムハンマド皇太子の親子はどのような王権を築くのか。陰謀が渦巻くアラブの権力闘争である。
(外信部、前中東支局長 大内清)

サウジアラビアと王室 サウジの国名はアラビア語で「サウド家のアラビア」を意味する。初代国王アブドルアジーズには少なくとも36人の息子がいたが、中でも有力一族スデイリ家出身の妻との間に生まれた息子7人は「スデイリ・セブン」と呼ばれる有力閨閥を形成。スデイリ・セブンには第5代ファハドや、現在のサルマン国王、元皇太子のナエフ王子らが含まれる。サルマン国王の即位でスデイリ閥の優位は確立されたとはいえ、今後、国王が実子のムハンマド皇太子に王位を継承させれば、同閥内でも不満が高まる可能性がある。

2189チバQ:2017/11/17(金) 23:15:10
http://www.afpbb.com/articles/-/3150979?cx_position=6
IS、支配地の95%失う 米主導の有志連合発表
2017年11月17日 6:18 発信地:アンマン/ヨルダン
【11月17日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦を行う米主導の有志連合は15日、ISが2014年に「カリフ制国家」の樹立を宣言したイラク、シリア両国内の支配地のうち、これまでに95%を失ったと発表した。

 有志連合の米国特使を務めるブレット・マクガーク(Brett McGurk)氏は、ヨルダンでの会合出席後の同日夜に出した声明で、「2014年に有志連合が組織されて以来、ISIS(ISの別称)はイラクとシリアでかつて支配していた地域の95%を喪失した」と指摘。これまでに750万人以上がISから解放されており、ISの財政は「過去最低水準」にあるとも明らかにした。

 ISの国家設立という夢が相次ぐ敗戦により崩れ去ろうとする中、西側諸国の関心は、帰国した外国人戦闘員による襲撃事件の阻止へと移ってきている。マクガーグ氏は、シリアへのIS外国人戦闘員の流入は「ほぼ停止」したと強調。国境通過の際に拘束される過激派メンバーが増加していると述べている。(c)AFP


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