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スーフィズムに関するHP

2151とはずがたり:2017/10/22(日) 17:02:11
2月の記事

シリアで起きていることは、ますます勧善懲悪で説明できない
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6859_1.php
2017年2月1日(水)18時00分
青山弘之(東京外国語大学教授)

<ロシアとトルコの仲介によって停戦合意が発効し、アスタナで和平協議も行われたシリア内戦は、「正当な反体制派」と「テロ組織」が離合集散し、ますます勧善懲悪で説明できない状況となっている>

アレッポ市東部から反体制派が敗走し、同地がシリア政府の支配下に復帰して以降のシリアでは、勧善懲悪で説明できない事象がこれまで以上に目に付くようになっている。2016年12月下旬に始まったダマスカス郊外県バラダー渓谷でのシリア軍と反体制派の戦いと、17年1月下旬のシリア北西部での反体制派の再編がその典型だ。

首都ダマスカスの水源をめぐるバラダー渓谷の戦い
バラダー渓谷の戦いは、首都ダマスカスで使用される水道水の70%あまりを供給してきたアイン・フィージャ町(ダマスカス郊外県)の水道施設が12月22日に突如として稼働停止となったことが発端だった。その理由について、シリア政府側は、反体制派が汚染物質(灯油)を貯水槽や水路に流し込んだために水門を閉鎖したが、その後の戦闘で反体制派によって施設を占拠、破壊されたと主張した。対する反体制派は、バラダー渓谷に対するシリア軍の攻撃によって施設が破壊されたと反論した。

真相は闇のなかだ。だが、事実として確認し得るのは、水源奪還をめざすシリア軍や親政権武装勢力(ヒズブッラーなど)が攻勢をかけるなか、施設を占拠する反体制派が復旧作業チーム受け入れの条件として、シリア軍の攻撃停止を要求したということだ。そして、その結果、バラダー渓谷の住民が戦火に巻き込まれただけでなく、首都ダマスカスで暮らす住民約550万人が深刻な水不足に見舞われたのだ。

ロシアとトルコの仲介により発効した停戦合意...
バラダー渓谷での戦闘は、非アル=カーイダ系のイスラーム過激派であるイスラーム軍やシャーム軍団、「穏健な反体制派」と目されるシャーム革命家大隊、ムジャーヒディーン軍、イドリブ軍、シャーム戦線が、シリア政府との停戦に応じる流れに逆行するかたちで激しさを増した。

12月30日、ロシアとトルコの仲介により発効した停戦合意は、その文言においては2016年2月末に米国とロシアが交わした停戦合意と大差なかった。すなわち、その基本方針は、1. イスラーム国とアル=カーイダ系のシャーム・ファトフ戦線(旧シャームの民のヌスラ戦線)を停戦対象から除外し、これらに対する「テロとの戦い」を是認すること、2. 停戦を受諾した反体制派とシリア政府が政治移行プロセスに向けた協議を行うことにあった。だが、停戦の保証国となったロシアとトルコは、その適用においてこれまで以上に踏み込んだ妥協を行った。

この妥協の内容を如実に見て取ることができたのが、ほかならぬバラダー渓谷の戦いだった。シリア軍はバラダー渓谷の反体制派を「テロ組織」と断じて攻撃を続けた。こうした手法は、それ以前であれば、「穏健な反体制派」や「一般市民」に対する「無差別攻撃」との非難を浴びるのが常だった。だが、今回は、反体制派最大の支援国であるトルコが、ロシアに同調してシリア軍の攻撃を停戦違反とはみなさないとの姿勢をとり、政権移行期の米国も沈黙を続けた。

なお、バラダー渓谷の反体制派が、シャーム・ファトフ戦線に主導されていたことは、反体制系のNGO組織であるシリア人権監視団の日々の戦況報告からも容易に確認でき、その意味で、トルコ、そして米国は、シリア政府に与してこの事実を認めたかたちとなった。

反体制派が生活インフラを盾とし、「市民」団体が戦闘継続を主唱した
加えて、トルコはシャーム・ファトフ戦線が停戦対象から除外されたことを不服とする反体制派に「強い圧力」をかけて、カザフスタンの首都アスタナで開催された和平協議(アスタナ会議、1月23?24日)に彼らを参加させた。トルコの要請に応じず、バラダー渓谷での戦闘継続を主唱した主要な組織は、シャーム自由人イスラーム運動、そしてホワイト・ヘルメット(民間防衛隊)を筆頭とする「市民」団体だけだった。

このうち「市民」団体の言動は異彩を放った。彼らは、停戦が発効した12月30日の声明で、国際社会がアイン・フィージャ町へのシリア軍の攻撃を停止させれば、「復旧作業チームを受け入れるために行動する」と発表し、水道施設を政治的・軍事的な「盾」として利用する構えを示した。また、1月15日の声明では、アスタナ会議への参加の準備をめざす反体制派に停戦を破棄するよう呼びかけた。


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