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スーフィズムに関するHP
2187
:
チバQ
:2017/11/17(金) 19:05:08
◇
ここからは話がやや複雑になるが、お付き合いいただきたい。
サウジでは第2代国王サウドから現在のサルマン国王(81)に至るまでの6代にわたり、初代国王の子供たち(第2世代)の間での王位継承が習わしとなってきた。他の兄弟たちを差し置いて孫(第3世代)の誰かが王位に就けば、宮廷内の反発を招く。混乱を避けるための苦肉の知恵だった。
だが、第2世代は高齢化が著しい。いつかは第3世代に王位が渡ることは不可避であり、それをどのタイミングで、いかにスムーズに実現するかが、国家安定の肝だとみなされてきた。
2015年に異母兄のアブドラ前国王から王位を継いだサルマン国王は当初、実兄であるナエフ元皇太子(12年に死去)の息子で内務相などを歴任した実力者、ムハンマド・ビン・ナエフ王子(58)=MbN=を皇太子に指名。その次の皇太子となる副皇太子に実子のムハンマド(MbS)を据えた。
さらに国王は、実子MbSに国防相のほか、経済政策のトップである経済開発評議会議長や王宮府長官などを兼務させ、権力集中を図った。こうした人事は、国王がいずれは自分の血筋で王統を独占しようとするものだとして反発を呼んだ。
英紙インディペンデントは15年10月、王族筋の話として、当時存命だった第2世代の王子らの大部分が、サルマン国王の一族による権力独占に反対していると伝えている。
にもかかわらず、サルマン国王は今年、MbNを廃嫡し、実子MbSを皇太子とする人事を発表。それが他の王族のさらなる反発を招いたことは想像に難くない。
今回の王族らの一斉拘束は、そんな緊張状態の中で起きた。サルマン国王側が何らかの事情で、反対派を排除し、後継レースの決着を急ごうとしたのではないか、との観測が出るのも不思議ではあるまい。
「サウジ王室は、じっくりと根回しを進めた上で意志決定をするのが普通で、意見対立が表面化するのは珍しい。なのに今回は一気呵成に事態が動いた。かなり異常なやり方だ」。サウジ情勢に詳しい西側外交筋はこう語る。
◇
ネット上でサウジウォッチャーらから指摘されている事情の一つに、サウジが抱える財政難がある。
サウジは、ここ数年の世界的な原油価格低迷と、15年に軍事介入した隣国イエメンでの戦費増大などで財政が逼迫。15年秋には国際通貨基金(IMF)が、このまま赤字を垂れ流せば、「5年以内にサウジの外貨準備は枯渇する」とまで警告した。
そんな中でムハンマド(MbS)皇太子は、産業の多角化による「脱・石油依存」や財政の透明化といった改革プランを打ち出した。王族の拘束は、汚職追放と財政再建に本気であるとの絶好のアピールとなる。
皇太子が、ワリード王子が支配する世界有数の投資会社「キングダム・ホールディング」の国家接収を視野に入れているのではないか、との観測もある。同社はフォーシーズンズやフェアモントなどの一流ホテルチェーンやシティグループをはじめとする金融界、アップルやツイッターといったIT企業にも投資。仮に接収が実現すれば、サウジの資産を大きく増やすことができる。
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