イチローは常々50歳までプレーしたいと語っており、今季開幕前の地元メディア(マイアミ・ヘラルド紙)とのインタビューでは「引退後は何をするつもりか」と聞かれ「死ぬだけじゃないの(I think I’ll just die)」と答えている。それだけ、最後の最後までプレーを続けたいということだろう。彼のことだ。恐らく、50歳になっても肉体は今のシャープさをしっかり維持するだろう。しかし、そのパフォーマンスはその年齢までの現役継続を可能にするレベルではないことは、残念ながら事実だ。
投球パターンは、日本人投手に多い「フォーシーム&スプリッター」だ。この場合は、高めにグンと伸びるフォーシームを投げ込んでおいて低めのスプリッターで打ち取るというのが一般的だ。しかし、このコンビネーションでは高めのフォーシームが甘く入ると(タマ筋が素直なだけに)一発被弾の危険性が伴う。悪い時の田中将大がこのパターンだ。しかし、大谷は100マイル級のフォーシームを基本的に低めに投げ込んでいる。したがって、少々甘いコースでもホームランを浴びる危険性が低い。「高め&低め」でないため、高低差で眩惑はできないが、フォーシームもスプリッターも低めなので、決め球のスプリッターを見送るには一層難しくなる。現地実況でお馴染みになりつつある「スウィンガナミス! (Swing and miss 空振りのこと)」が多いのもこのためだ。