このほかの大統領選の主な候補者は、右派・共和党のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相、極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首、中道のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相。マクロン氏については、社会党が左傾化を強めていることが有利に働くとの見方がある。
フランス極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首は、大統領選で当選すればユーロの通貨同盟を離脱し、金融政策を国家の手に取り戻して新たな通貨を発行する計画だ。同氏の主任経済顧問が明らかにした。
アドバイザーのベルナール・モノ氏は4日にリヨンで開かれた集会に際して、ルペン氏の政策を説明。米国でドナルド・トランプ氏を勝利に導いた大衆迎合主義にならい、「金融の主権を取り戻す」ことがルペン氏の政策の重要な柱だと述べた。
4月23日に行われる第1回投票についての世論調査では、ルペン氏が支持率首位を保っているが、決選投票での勝利を示唆する調査結果はない。
ルペン氏は当選した場合、直ちに欧州連合(EU)首脳と欧州中央銀行(ECB)の会議を招集し、かつての欧州通貨単位(ECU)のような各国通貨のバスケットを採用してユーロに代えるよう要請する考えだという。
フランスの通貨は恐らく「新フランス・フラン」という名称になり、当初はユーロと等価に設定され、その後はEU通貨バスケットに対する変動幅を20%までに制限すると、モノ氏は述べた。
原題:Le Pen’s Plan to Break Up the Euro and Fund a French Revolution(抜粋)
【2月12日 AFP】フランスの極右政党、国民戦線(FN)の創設者ジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)氏(88)が、2014年に反ユダヤ主義で憎悪を扇動する発言を行ったとして訴追された。同氏の弁護士が11日、明らかにした。ルペン氏側は、発言は誤解され短縮して伝えられたと主張している。
この発言について、仏反人種差別団体「SOSラシスム(SOS Racisme)」はルペン氏が自身を批判する人々を攻撃する目的でナチス・ドイツ(Nazi)によるガス室でのユダヤ人虐殺を想起させる言葉を用いた「最も醜悪な反ユダヤ的発言だ」とし、ルペン氏の実の娘で次期仏大統領選に出馬しているFNのマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)現党首も発言を非難した。
ルペン氏は過去にもナチス・ドイツがユダヤ人をガス室で虐殺したことを歴史上の「ささいな事」と発言し、人種的憎悪扇動罪や人道に対する罪などで複数の有罪判決を受けている。さらには自身が創設したFNからも、こうしたナチス・ドイツのガス室に関する発言や、第2次世界大戦(World War II)中の親ナチスのビシー(Vichy)政権を擁護する発言が問題視され、2015年に党を除名されている。(c)AFP
2002年の大統領選では、父親のジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)氏が決選投票に駒を進め、既存の政治体制に激震が走った。とはいえ決選投票では、極右ルペン氏の当選を阻止しようと、さまざまな政治思想を持つ有権者らが、渋々ながらも保守派候補のジャック・シラク(Jacques Chirac)氏に投票した。