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【個】『学生寮 清月館』

548御影憂『ナハトワハト』:2021/06/15(火) 21:08:43
>>547

「そう………………かな………………?」

自分では分からない。
自分がそんな人間だと、自信を持って言える気がしない。
今だって、自分を慕ってくれる咲良を騙している。
いっそ全部打ち明けてしまえば。
そうすれば、少しは気持ちが楽になるのかもしれない。

(『情』に流されちゃいけない………………)

感情は歯車に詰まった小石だ。
思考を鈍らせ、判断を狂わせる。
だから、『使命』に不要な感情は捨てなければいけない。
こんな事を思うのは、それが徹底出来ていないからだ。
『昨夜のスタンド使い』を『真っ直ぐすぎる』と称した自分も、
結局の所まだまだ甘い。

「これから………………『買い物』行くけど………………」

          スッ

「………………来る?」

ちょうど食器類の片付けも終わった。
スマホと財布やエコバッグの入った鞄を持って立ち上がる。
残りの整理は帰ってきてからでもいい。

        ザッ

先に立って部屋を出る。
表には、『御影』の表札が出ている。
それを見返してから、正面に向き直った。

「『豆腐』と………………
 『ひき肉』と………………
 『長ネギ』と………………」

その日の夕食は――――『麻婆豆腐』だった。
咲良に配慮して、辛さは『程々』だった。
ただし、自分の皿には『唐辛子』を大量に追加して、
『真っ赤』になっていたが――――。

549飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/06/15(火) 21:38:20
>>548

「そうです!
 私にとって憂さんは『従兄』さんみたいに素敵な人です」

『ジャパニーズホラー』な外見は今でもちょっと怖いけど。それでもいい人だと思う。
少なくとも、私にとっては優しくて素敵な人だ。

「あ、はい!
 買い物行きます!」



その後は二人で買い物をして、一緒に『麻婆豆腐』を食べた。
辛かったけど、お母さんのご飯より美味しくて大人のお姉さんなんだって改めて憂さんを尊敬しちゃった。

……テレビとかで見そうなくらい、『真っ赤』な『麻婆豆腐』を食べてる姿はちょっとびっくりしちゃったけど。

今日もそんな、素敵な一日だった。

550御影憂『ナハトワハト』:2021/06/18(金) 18:54:22

    ガチャ…………

夜明け近く、『狩り』を終えて自室に戻ってきた。
その姿を誰かが見ていたかもしれない。
あるいは見なかったかもしれない。

       グラッ
           ――――ドサァッ

いずれにせよ、御影は糸が切れたようにベッドに倒れ込み、
そのまま昼頃まで眠り続けていたという。

551御影憂『ナハトワハト』:2021/06/22(火) 23:56:43

  ガチャ…………

『深夜0時』を回った頃、自室の扉を開けて廊下に出る。
第一は『夜の狩り』を行うためだ。
そして、今日は『別の仕事』もある。

     スタ スタ スタ…………

             行き先は――――『歓楽街』方面。

552赤月『サクソン』:2021/06/24(木) 23:45:06
先日から立て続けにあった『襲撃者』への対応で疲れが溜まっていたせいか
それとも、日毎に蒸し暑くなっていく日本の気候にまだ慣れていないせいか
その日の赤月はいつも以上に寝苦しい夜を過ごしていた・・・・
学生寮の自室のベッドの上で呻き声を上げながら、彼女は一つの夢を見た


夢の中で赤月が目を開くと、そこはかつて過ごしていた『家』の中であった
ふと立ち上がってみると、視線が随分と低く、昔の情景を夢で見ているのだと気づいた
鉄格子が嵌められた窓からは太陽の光が降り注ぎ、今が昼間だと知らせてくれる

ぐぅ、と唐突にお腹が鳴った
夢の中だというのにお腹が空くのか、とそのおかしさに笑いながら、
赤月は今よりもずっと小さな手を伸ばして戸棚を開けた
中には乾いて硬くなったパンがあったので、少しずつ噛んでお腹を誤魔化す事とした

兄が『仕事』に出かけてからもう2週間になる
今までも、『仕事』で長期間家に帰らない事はままある事ではあったが、
ここまで長く帰らないと流石に心配になってくる・・・・

とはいえ、『家』の扉には鍵がかかっているから勝手に出ていく事は出来ない
赤月は『本の部屋』に向かい、暇を潰す事にした

『本の部屋』には兄が仕事に使っているのであろうか、『戦闘』や『兵法』の本がたくさん置かれている
正直、あまり興味が湧く内容ではなかったが、娯楽の乏しいこの『家』で他にやる事もないため、
暇な時はずっとそれらの本を読んでいた

夕方になり、ガチャガチャと扉を開ける音が鳴り始めた
兄が帰ってきた合図だ! 一つ二つと外の鍵が解かれる音が続いたため、嬉しくなって玄関へ駆け出した
やがて、十の鍵全てが解かれ、蝶番を軋ませながら扉がゆっくりと開かれる―――
赤月はその様子を喜びに満ちた顔で見つめ・・・・・そして


兄の存在は『赤月の世界』の『全て』であった
がらんどうの部屋の中に、兄がいる時だけは生きる実感を感じさせられた
だからこそ・・・・『世界』を奪った人間は決して許さない


浅い眠りから目覚めると時刻は午前5時半であった
学校へ向かうには随分と早い時間であったが、寝直す気分でもなかったため起き上がって支度を整える
『アリーナ』の刺客が自分を狙っているという事実は、赤月の精神を確かに疲弊させていた
目の下に隈を作りながら、今日もまた学校へと向かう

553御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 07:57:27

     スゥー………………

談話室のソファーに横になっている。
昨日は『心理学』の講義に出て、
『ホラーモチーフの飲み屋』でバイトして、『ビラ配り』をした。
それが終われば、あとは自由時間。
『ナハトワハト』で不良やチンピラを数人ビビらせて、
寮に帰ってきた。
疲れてソファーに座り込み、そのまま寝入ってしまったのだ。

    「アレ乗りたい…………」

         ボソッ

    「………………来て」

      クルンッ

『寝言』を口走りながら、寝返りを打つ。
一見ソファーから落ちそうに見えるが、
器用にバランスを取っている。
『夢』を見ていた。
楽しかった思い出。
まだ『恐怖』を知らなかった頃の記憶だ。

554赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 16:13:20
>>553

「・・・・・・・・。」

学校から帰ってくると談話室で眠り込む女性の姿を認めた
いつもなら、このまま真っ直ぐに自室に帰る所であったが、
連日、気を張り詰めていた事による疲れのせいか、御影の横の椅子に座ると
そのまますぐに意識を手放してうとうととした眠りに落ちてしまう


   「ZZZ・・・・」
            ガタッ

      「ZZZ・・・・」
               ガタッ!!

器用にバランスを取る御影と違い、こちらは大分危ない姿勢だ
首が船を漕ぐ度に座っていた椅子が大きく動き、足元で大きな音が鳴る

   やがて・・・・・

 「ZZZ・・・・」
      グォ・・・
             ガッシャァァンッ!!

バランスが本格的に崩壊し、
遂には背中から崩れる様に大きく倒れ込んでしまった!

555御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:02:52
>>554

眠っていても、大きな物音は耳を通して頭に響く。
近くで寝ている人間を叩き起こすには十分な音量だった。
結果、御影の意識は、
夢の世界から現実世界に引っ張り出される。

    パチ…………

            ノソッ…………

ゆっくりと目を開け、まずは体を起こした。

            ササッ

       ササッ

変な場所で寝ていたせいで髪が乱れている。
両手で前髪を直し、髪の隙間から倒れている相手を見た。
『見た顔』だ。

「………………何してるの?」

        ボソッ

内心の考えを表には出さず、その少女に声を掛けた。

556赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 18:20:58
>>555

御影が髪の隙間から覗き込むように倒れた少女を見つめると、
先日の歓楽街で『見た顔』である事がわかる

「いたたたた・・・・・
 すまない・・・・起こすつもりはなかったんだ」

床にぶつけた背中に手を当てながら、倒れた椅子を支えにして起き上がる
中学生にしては身長が高いが、全体的に疲れたような表情を浮かべており、
目の下には隈が出来ていた

「少し、休むだけのつもりが寝入ってしまった・・・・」

そう呟くと同時に、忙しなく周囲に視線を向ける
まるで、何かを警戒しているようにも見える・・・・

557御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 18:40:23
>>556

何かを警戒している雰囲気。
理由は何となく分かる――というより、自分が理由だろう。
『尾行』は途中で中断したが、
追われる側からしたら精神を削られる事は間違いない。
それも『ナハトワハト』の強さだ。
どんな人間でも、張り詰めた状態が続けば隙が出来る。

「いいよ………………別に………………」

そして、隙を狙えば力で上回る相手も倒せる。
『ビラ』を撒いたのも同じ理由だ。
直接対峙すれば、『一般人』は『スタンド使い』に適わない。
しかし、『間接的な手段』なら、戦う方法は幾らでもある。
そのために『情報』を利用するというのが『一生』の考えだった。

「良かったら………………『うち』来ない………………?」

         スッ

「『お茶』………………淹れるから………………」

ソファーから立ち上がり、片手を上げて自室の方向を指差す。

558赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 19:01:39
>>557

「いいのか・・・・?」

普段であれば、こんな怪しい誘いに乗る事はありえない
普通の家の子でも、まともな危機管理能力があれば
知らない大人について行くなんて事はないだろう・・・・しかし

「では、お言葉に甘えよう」

連日の緊張のせいで危機管理能力がバグったせいか
はたまた、寝起きのせいで状況判断能力が欠けているせいだろうか
御影の誘いに簡単に乗ってしまう

夢遊病の様なふらついた足取りで、赤月は御影の部屋へと向かう

途轍もなく大きな『隙』だ・・・・
恐らく、一般人でも簡単に勝ててしまえるような・・・・

559御影憂『ナハトワハト』:2021/06/27(日) 22:58:15
>>558

「同じ『寮生』だし………………」

(相当参ってるっぽい………………)

「………………『いいかな』って」

相手の反応から、
かなりコンディションは良くない事を理解した。
ともあれ、頷きを返して部屋に向かう。
表の表札から『御影』という名前が分かるだろう。

     ガチャ…………

「………………ここ」

基本的な間取りは赤月の部屋と同じだ。
そこそこ物はあるが、散らかってはいない。
中央に小テーブルが置いてある。

「適当に座ってて………………」

        スッ

「………………『お茶』淹れるね」

そう言って奥に引っ込む。
部屋の隅にはケージが置いてある。
白い布が被せてあった。

560赤月『サクソン』:2021/06/27(日) 23:27:46
>>559

「ああ・・・・・」

どことなく精彩に欠ける返事をして勧められた通りに適当な床に座った
今一つ焦点の合わない目で部屋の中を見回す
ほとんど物が置かれていない自室と比べると生活感のある部屋だ

「・・・・・いけない
 少し、他人と関わり過ぎている・・・今も『奴ら』に狙われているかもしれないのに」

少しずつ、意識がはっきりとしてきた
先日の『高見盛』とのやり取りで今すぐに『攻撃』を仕掛けられる事はないと判断したが、
『歓楽街の監視者』が今も自分を見ている可能性は捨てきれない
他人を巻き込まないように、人との関わりは避けていたのだが・・・・

「私の詰めの甘さのせいだ
 御影、と言ったかな? あの人に累が及ぶ前に早くこの場を離れないと」

そう言いながら、立ち上がろうとしたところで・・・

    ふらっ・・・

「あっ」

      ガシャッ!

体調が悪い時に急に立ち上がろうとしたせいか立ち眩みを起してしまう
ふらついた足が布が被さるケージに躓く

561御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 00:33:16
>>560

『御影』――それが『監視者』の名前である事を、
赤月は知らない。

      ハラリ…………

躓いた衝撃でケージを覆っていた布が落ちる。
そこから出てきたのは『白い蛇』だった。
『サウザンパインスネーク』と呼ばれる種類だ。
急に大きな音を出されて驚いたらしく、
頭を上げて赤月を見つめている。
そうこうしていると、『飼い主』が帰ってきた。

「あ………………」

     コトッ

カップをテーブルに起き、ケージに歩み寄る。

「いい子いい子………………」

ケージに顔を寄せ、蛇を落ち着かせる。
そうしてから、赤月に手を差し伸べた。
拒否されなければ、ベッドに座らせよう。

「………………無理してない?」

「『頑張りすぎ』………………良くない………………」

具合が悪いのは誰が見ても分かる。
こんな状態では、この間のように襲われた時、
とても対処は出来ないだろう。
だから連れてきた。
御影が属する『一派』としては、利用価値がある人間だ。
簡単に倒れては困る。

「何があったか知らないけど………………」

そして、御影個人としても、何となく放っておけなかった。
危なっかしいし、
どことなく自分と似た部分もあるように感じたからだ。
『追い詰めた責任』も――ないではない。

562赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 00:57:48
>>561

部屋に上げ、休息を提供しているこの部屋の主人こそ
自身をここまで追い詰めている『監視者』本人である事を赤月はまだ知らない

「す、すまない・・・・あっ」

視線を下げる赤月に顔を合わせる様に『白蛇』が頭を上げた
爬虫類に対して苦手意識を持つ者は多い
しかし、赤月にとっては全てのものが目新しく・・・・

「綺麗だ・・・・」

「・・・・・はっ、申し訳ない、私の不注意で布を開けてしまった」

思ったまま、率直に感想を述べた
驚いた『白蛇』に何かをしてやろうかとも考えたが、宥め方がわからず
御影が差しだした手に従ってベッドの上に座った

「ありがとう・・・・ でも、このままじゃあ駄目なんだ」

御影の言葉を聞き、数秒ほどの間をあけてぽつりと呟く
視線はなんとなく『白蛇』の方をふらふらとさせていた

「すまない・・・ 何を言っているのかわからないと思うけど
 私は・・・・ 私は何者かに『監視』・・・『観察』されている」

被害妄想ともストーカー被害とも言えるような言葉ではあるが
御影にはわかるだろう・・・・目の前の少女が何に恐怖しているのかを

563御影憂『ナハトワハト』:2021/06/28(月) 09:34:45
>>562

「私は………………『御影憂』………………」

御影憂は『恐怖』を与える事を望み、
獲物を求めて夜の街を徘徊している。
それは自分にとって『食事』と同等の行為であり、
ゆえに止める事が出来ない。
しかし、決して無差別ではなく、
自らに定めた『ルール』が存在する。

「………………『大学部二年生』」

決して危害は加えない事。
人に迷惑を掛けずに生きている者は狙わない事。
その二つの『原則』を以って、
自身が憎む『邪悪なスタンド使い』になる事を、
ギリギリの所で踏み止まっている。

(ダメだ………………)

この少女は『獲物』になるべき人間ではない。
『ルール違反』だ。
このままでは、自分が憎む者達と同じになってしまう。

「これ………………」

       ソッ

持ってきたカップを差し出す。
中身は砂糖とハチミツ入りのホットミルクティーだ。
暑い時期なので、温度はぬるめにしてある。
こういう時は、
いきなり言葉で説得しようとしても上手くいかない。
まずは『感覚』に訴える事だ。

       ガシャッ

ケージを開けて、白蛇を外に出す。
蛇というと危険なイメージが付き纏うが、
それはあくまでも一握り。
全てが有毒であったり攻撃的である訳ではない。

        シュルルルル…………

白蛇は、飼い主の腕の中で緩やかに蠢いている。

564赤月『サクソン』:2021/06/28(月) 20:13:01
>>563

「あ、ああ・・・・『赤月ナカレ』だ・・・
 中等部の・・・2年生という事になるか」

赤月がここまで追い詰められてしまっている事は御影にとっては予想外だったかもしれない
心の中にやましい気持ちがあるからこそ、まったく無関係の出来事を繋げて考えてしまっている・・・
それが赤月の心の中に、存在しない『敵』を作り出してしまっているのだ

だが、双方ともにそんな不運な偶然が重なっているとは思いもしないだろう

「だから、すぐにでもこの部屋を離れ・・・・」

>「これ………………」

>       ソッ

「うっ ありがとう・・・・」

ベッドを離れ、すぐに自室に戻ろうとしたところで、カップが差し出される
お茶を用意してもらったのに、飲みもしないのは礼儀に反すると思ったのだろうか
腰が浮いたところで、また腰を落とし、カップの中の液体に口をつける

心地いい温度の甘ぁいお茶だ
ピリピリとした心が休まり、穏やかな気分にさせられる
そのせいか、すぐに部屋を離れる気分が失せていく

「・・・・随分と人に馴れた蛇なんだな
 何か、特別な訓練でもしているのか?」

565御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 00:40:53
>>564

事実、想定外の事態であった。
本来ならば、そこにいることさえ気付かせずに、
終わるはずだったのだ。
そうならなかったのは、他の二つの要因が関係している。
『サクソン』の能力、『フラジール』の襲撃、『御影』の存在。
これら三つの要素が一つでも欠けていれば、
現在の状況には至らなかっただろう。

「ちょっと違う………………」

        ボソ

「蛇を人間に馴れさせるんじゃなくて………………」

「人間が蛇に合わせる………………」

「何を考えているのか読み取る努力をする事………………」

       ボソ

「………………つまりは『愛情』」

相手の事を知り、相手に近付こうとする。
距離を縮めさせるのではなく、こちらから歩み寄るのだ。
習性や好き嫌いが分かれば、
何となく接し方も分かってくるものだ。

「………………触ってみる?」

       ソッ

カップの中身がなくなった頃合を見計らって、
腕の中の白蛇を差し出す。
蛇というとヌルヌルしたイメージがあるが、
実際の蛇はサラサラした質感を持っている。
そして、動物と触れ合えば、
少しは落ち着くのではないかと考えたのだ。
『アニマルセラピー』という療法もある。
もっとも、普通は『犬』や『猫』だが……。

566赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 01:20:32
>>565

「へぇ・・・・ なあ『白蛇』、お前は一体何を考えているんだ?」

お茶を飲み干したタイミングで、誘いの声がかかる
赤月はうん、と小さく頷くと両手を白蛇に差し出した

    シャラ・・・・

白蛇はゆっくりとした動きでこちらに乗り移る
鱗と肌が擦れてサラサラとした触感を感じる

「ふ・・・ふふふ、変な感覚だ・・・・冷たくて、さらさらしていて」

直前のアドバイスを実践するように、蛇がしたい事を考える
どうも、この蛇はそれ程動きたがらないように感じたため、蛇を両手に乗せたままじっとしている
だが、それではどうにも腕が疲れるため、やがて両手を自分の腿の上に置いた

「ふぁ・・・・・ん・・・・・・」

お茶を飲んで身体を温めたせいだろうか、
それとも『アニマルセラピー』が予想以上に効果を上げたせいだろうか
蛇を両手に乗せたまま、赤月の身体はベッドの上にゆっくりと倒れ込む

「・・・・・。」

耳を傾ければ、静かに寝息を立てているのがわかるだろう
どうやら完全に眠ってしまっているようだ
先程とは違い、警戒の解けた面立ちで、深い眠りに落ちている・・・・

567御影憂『ナハトワハト』:2021/06/29(火) 08:43:33
>>566

目の前の少女を見て、『昔の自分』を思い出す。
心に傷を負って長期入院していた頃の事を。
カウンセリングを繰り返したが効果はなく、
アニマルセラピーが行われた事もある。
転機が訪れたのは、ある夜の事だった。
その日は天気が悪く、雨が降り、雷が鳴っていた。
カーテンの隙間から窓ガラスが見え、
ガラスに映る自分の姿が、
一瞬恐ろしい怪物のように思えた。
その時に感じた『恐怖』が、過去の記憶と重なり合い、
自分の中で『何か』が弾けた。

「どーぞ………………」

          シュルルルルル…………

蛇が両手に乗せられると、
サイズに見合った適度な重みが腕に伝わる。
温厚な性質らしく、激しく動き回る事はしていない。
最初は鱗のひんやりした感覚が目立った。
しかし、徐々に鱗の下にある仄かな体温が感じられてきた。
そこにあるのは冷血さではなく、確かな『命の息吹』だ。

「――――――………………」

「ふぅ………………」

寝入ってしまった赤月を見下ろして、小さく息を吐く。
もし自分が本当に『刺客』だったとしたら、
この場で寝首を掻いている所だ。
しかし、そんな事をする必要はない。
直接的な戦闘ではなく、
『情報』を利用して『状況そのもの』を動かす。
それが『一般人』である『リーダー』のやり方であり、
『懐刀』である御影も、それに倣っている。

        ソッ

サウザンパインスネークをケージに戻し、カップを片付ける。
それから机に向かい、ペン立てからボールペンを取った。
一枚のメモ用紙に、以下の内容を書き付ける。

          サラサラサラサラサラ

  疲れた時はまた来ていいよ。
  御影さんの連絡先は→『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
  よかったらお話してね。

         スッ

折り畳んだメモを赤月のポケットに忍ばせ、
夏用のタオルケットを掛ける。
ポケットを探って、
ついでに『情報』を得ようかとも思ったが――――やめた。
『何となく』だ。
そして、借りた本を返すために図書館に向かった。
『小泉八雲著:怪談』だ。

568赤月『サクソン』:2021/06/29(火) 22:56:21
>>567

「う・・・・ん・・・・・・っ」

赤月が目を覚ました時、部屋には誰もいなかった
自分にかけられたタオルケットとポケットの中に入れられた『メモ』の存在から
どうやら、この部屋の主『御影』の世話になったという事を知る

「・・・・・・・しまった」

時計を見るとあれから数時間が経っているようだ
一瞬だけ、『敵』の存在が頭をよぎるが、すぐにその発想を打ち消す
久しぶりに不安に苛まれずに安眠したため、心に物事を考える余裕が生まれていたからだ

「違う・・・・大丈夫、大丈夫だ・・・・
 御影がいなくなったのは外出する用事があったから・・・・『奴ら』に襲われたわけじゃない」


「・・・・そうだ」

深い休息で頭が回るようになったおかげか、一つの考えが頭に浮かんだ
その考えを実行するべく、近くにあったボールペンを『仕込み刀』に変えて、自分の手の甲を切る

痛みはあるが・・・・すぐにその痛みは和らいだ・・・・
『サクソン』の能力が発動しないという事は、
この部屋に『目撃者』がいないという事だ

「クッ・・・・・! こんな簡単な事に気づかなかったなんて!
 ずっと私は・・・・・居もしない『幻影』に苦しめられていたのか・・・・・いや」

「ずっと休息も取らずに余計な気を張っていたのは私の方か・・・・
 ちゃんと休んで、頭が働いていればわかったはずの事だ
 憩わせてもらった御影には・・・・本当に感謝をしないといけないな」

改めて『メモ』を読む
簡潔ながら、こちらへの気遣いを感じさせる文章だ
赤月はそれを丁寧に折りたたむと、大事そうにカバンの中に仕舞った

「ありがとうございました」

この場にいない『部屋の主』に一礼をして
自室へと戻っていった

569一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 14:03:15
すっかり『復讐者』たちの溜まり場と化した寮。
そこに一匹の『復讐者』が帰…侵入する。
湖畔の適当な枝を切り落とした物で身体を支える少年。

「少し気怠い…家まで遠いし中で休まないと…」

『フラジール・デイズ』との戦闘で負った軽い怪我とスタンド採血で不調だ。
硝子混じりの砂の掠り傷と『反発』で吹き飛んだ際の打撲。どれも軽微だが積み重なるとキツい。

「あっ、七篠先輩に連絡し忘れた…」

杖をスタンドに支えさせながらフラフラする。
タクシーだけは駄目だ。遊部先輩に渡したタクシー代=今月の食事代で使えない。
アリーナの諸々で手にした『百万』は屋根裏にある。

「庭で座ってスタンドエネルギーを…ハァハァ…」

『チラシ』を手に適当な椅子に座って休む。
チラシに描かれた次なる敵の姿に首を傾げながら。

570ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 21:58:52
>>569

少年は寮の庭に備え付けれた椅子……ベンチに座る。


   ガシッ
                  「……ん〜」


するとベンチの下から手が伸びてきて、少年の足を掴んだ。
か細い鳴き声のようなものもかすかに聞こえる気がする。

571一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:14:55
>>570
「ホームレス…寮に…?」

スタンドで腕を掴み返してベンチの下から引きずり出す。
自然薯のように優しく折れないように(パス精:CCA)

「悪いことしないから出ておいで」

「風歌さんだったら両手を外して泣かせる」

572ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/30(水) 23:28:46
>>571

「……ん」


小さく細い腕がベンチの下から出てくる様子は、
いきなりの事であれば、幽霊か何かかと思ってしまうかもしれない。
だが少年は冷静に、優しく手をベンチの下から引きずり出した。


「うう、眩しいの……
 なんじゃ……? 誰じゃ……?」


出てきたのは、少年よりも幼い金髪の女の子だった。
サイズの合わない大人もののシャツをワンピースのように着ており、
少々薄汚れているが、これはベンチの下にいたからだろう。
ホームレスというほどではない。

573一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/06/30(水) 23:56:04
>>572
「いや、なんか足を掴まれたから掘り返してみました。
 名前は一抹 貞世。それはそうと汚いです」

スタンドでナイの土埃を落としてあげよう。
『インダルジェンス』の腕は『悪感情』の『鎮静』の効果を常に展開しているので妙な感覚がするかもしれない。

「外国人さんです?」

スタンド使い『通り魔』のチラシを隣に置く。
ウルフカットの白髪である一抹も顔立ちは外国人っぽい。
傍目から見ると外国人同士の交流に見えるだろう。

574ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 00:10:27
>>573

「わしは日差しが熱いのでベンチの下に避難しておった者じゃ。
 名前はない……」


両手で日差しから目を防御しながら、名乗り返す(?)少女。
陸にうち上げられた魚のようだ。


「お? なにか、暑さが気にならなくなってきたような気がするの。
 あ……オバケじゃ」


が、『鎮静』の効果か、少し元気になってきた。
驚きも鎮められたのか、『インダルジェンス』を見て道端に猫がいた時くらいのリアクションをする。
驚きが悪感情かどうかは知らないが……


「外国人? うーん、多分そうなんじゃないかの」


自分の出身をいまいち把握していないのか、小首を傾げながら
ベンチの下からリュックを引きずり出し、水筒を取り出している。

575一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 00:46:30
>>574
「オバケ…ナイちゃんもスタンド使いっぽいですね。
 名前が無いからナイちゃんと呼びます」

「お家も無いとか? 私の家に来ます? 町外れの教会
 の隣に建てられたデカイ家ですよ。
 私を拾ってくれた老夫婦のお家です」

さらっと人を家に勧誘する。
子供同士の会話だからか不健全さもない。
あるのは世知辛さだけだろうか。

「私も人種不明ですし、町の懐の深さに感謝です」
あっ、リュックもある。半分だけホームレスですね」

「そういえば、七篠先輩の部屋の合鍵持ってたんだ。
 無断で冷房を使ってもバレない…」

風歌やナイちゃんのように生きるには図太さが必須。
そして、劣らぬ図々しさを一抹も持ち合わせていた。

576ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:04:48
>>575

「別にかまわんが……
 お前さんはここの住民ではないのか」


懐が深い町だが、闇の深そうな住民は多い。
いや、むしろだからこそだろうか。
ホームレスのいない町は、つまりホームレスを追い出すような町なのだ。


「家はあるぞ。わしのではなく死んだ爺の家じゃが……
 レイボウというのは涼しくなるやつじゃな?
 それはついておらんが……
 わしのスタンドはオバケは無いが、氷ならいくらでも出せるぞ。飲むか?」


飲んでいた水筒を振ってカラカラと音を立てさせる少女。
中に氷が入っているらしい。


「合鍵。知っておる。好きに入ってもいいというやつじゃな?
 ここは住みやすそうじゃの。
 やはり爺の家が使えなくなったらここに住むのがいいかもしれん。
 メイドさんもおるしの」

577一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 01:38:28
>>576
「あぁ、そういえば町の住民のつもりでしたが…
 ゴミ袋にねじ込まれていた私を義父母が拾ったのです
 から一応、私も町の住民ですね」

「闇ですか? 『エクリプス』やらスタンド使いの通り魔。それに両親を殺害したい子供とか」

ナイに通り魔の情報が書かれた『チラシ』を見せる。

『○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし』

「ちなみに今さっき実物と戦ってきました。
 人間そっくりの人型ヴィジョンで不審者っぽい格好で
『遊部』なる女性を追いかけて来ました」

「力は弱く動きは人並み。再発現する度に道具を出して
 襲い掛かってきます。珍妙な『演技』をしながら」

一抹の身体には軽い擦り傷や打撲傷が複数ある。
実際に戦って生き残った証拠である。

「そうそう! 涼しくなるやつです!
 七篠先輩って方の部屋ですが、まぁ、平気かな?」

「好き勝手は駄目ですよ。定期的にひっそり入るのです
 というより爺とやらな死体はしっかり埋葬しました?」

ナイちゃんが何処から来たのか不明だが生きてるのか死んでるのか怪しい連中の潜む星見町はホームレスには生きやすいだろう。
そういった者が町を廻しているのだ。逆に逃がしてくれないぐらいだ。

「えっ、メイド? そんなのも? えぇっ…」

578ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 01:58:20
>>577

「全然知らんの……テレビでそんなのやっとらんかったし。
 いや、通り魔とやらはこの間、風歌と百目鬼じゃったか……が、なにか話しておった気がするが……
 そういえばお前さんもさっき風歌の名を出して腕を折るとか言っておったような……
 喧嘩しておるのか?」


風歌鈴音と少女は2度会った事があるが、明確に自己紹介したわけではない。
風歌と百目鬼が互いに呼び合っているのを耳にしただけだ。
なので記憶は曖昧である。


「なんと。襲われたのか。ぶっそうな話じゃの。
 あの……傷口に貼るシールみたいなやつ……いるか?」


絆創膏のことだ。
近年、その効果は疑問視されることもあるらしいが……


「合鍵を持っていたら勝手に入っていいとテレビで見たがの……
 うむ、爺か? ちゃんと庭に埋めておいたぞ。
 苦労したが、死んだことがバレると色々面倒なことになる。それくらいはわしも知っておる。
 それで、ひっそり入るのか?」


テレビで偏った常識を語りながら、リュックを背負う。
リュックから突き出た竹刀からは『こ』『う』『か』『ん』と書かれた布が垂れ下がっていた。

579一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 02:33:12
>>578
「風歌さんは悪事(ワルさ)しますからね。
 定期的に色々折らないと…」

「しっかり埋めたなら大丈夫でしょう。
 日本は屋根さえ有れば生きるに困りません。
 ここが駄目なら教会でも大丈夫です。炊き出しも
 定期的にやるのでナイさんは生きていけますね」

ふと、目にした『交換』の文字に首を傾げる。
それがナイちゃんのスタンド能力なのではないか?

「ナイちゃんナイちゃん。背中の『交換』って何ですか?」

ナチュラルに寮内部へと侵入しようとしながら聞く。
彼女から何か良いものが得られるかもしれない。

580ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 02:48:15
>>579

「風歌のお嬢ちゃんはこの間、ソバを食べさせてくれたんじゃ。
 じゃが悪事(ワルさ)か……やはり怪しいお金なのかの。
 そんな事言っておったような気がする」

「ほう。炊き出しとな。
 今度行ってみようかの」


サイズの合っていないサンダルをカパカパさせながら
少年の後について寮へ向かう女の子。


「うむ。よくぞ聞いてくれた。これは看板? いや、ノレン? じゃ。
 わしは『交換屋』をやっておる。
 さっき氷をいくらでも出せると言ったじゃろう。
 正確には水筒をいくらでも出せる……じゃがな。
 わしの『スタンド』は一度『交換』したものを何度でも出せるんじゃ」

581一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 03:35:44
>>580
「あっ、これは『アリーナ』の連中が欲しがるやつ。
『エクリプス』って組織に捕まりますよ…」

「もしも、ナイちゃんが風邪で寝込んだら危ないので
 寮の合鍵と我が家の合鍵、この2つを絆創膏と
 交換してくださいませんか?」

「咽が渇いたので水筒と氷もください。
 交換素材は抹茶ムースケーキと手作りアイスケーキ。
 私の手作りだから消えようが誰も気にしません」

一抹の図太さが爆発する。『交換』によってナイが日常で
使える物を増やそうとしている。
今年の猛暑を彼女が凌げるように七篠先輩へと作った物も『交換』していく。

「スマホとかは後が怖いから無しにしましょう。
 ナイさんオススメの綺麗な物とかありませんか?
 市場価値が無くても綺麗なら構いませんよ」

一抹は男だが光り物が好きだ。天然石だろうが価値が無かろうと美しいなら好きだ。
偽物の宝石だろうと輝くなら喜ぶ少年である。

「あっ、寮の合鍵と我が家の合鍵は交換で一つ返して
 ください。餅パンケーキとシカゴピザを…」

ナイのことが心配なのか作り置きまで『交換』してくる。
恐ろしいほどの心配性だ!

582ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 03:59:29
>>581

「お、おお……?
 ばんそうこう? あっ、傷口に貼るシールのやつじゃな。
 えーと、水筒……」


急な注文に、わたわたと対応する女の子。
寮の合鍵とは『七篠の部屋の合鍵』だろうか?
いくらでもコピーを作り出せる見知らぬ人物に合鍵を渡されてしまう
まだ見ぬ七篠氏が哀れである。


「ええと? 綺麗なもの、綺麗なもの……ふうむ?
 凄い綺麗なものならあるんじゃが、『解除』したらただの定規に戻ってしまうしの。
 残るものの方がいいじゃろ? うーん
 え? ああ、『交換』が済んだら増やせるから鍵は普通に返してもいいんじゃが、
 別のものと『交換』してくれるならそれは嬉しいが……」


嬉しい悲鳴、というやつか。
怒涛の注文に慌てている。
歩きながらでは受け渡しも難しいし、部屋についてからゆっくりやり取りした方がいいかもしれない。
(もっとも、『所有権』の『交換』であって受け渡しをする必要はないので
 口で言い合うだけでも成立はするのだが)

583一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 09:39:46
>>582
「ナイちゃんと七篠先輩のスタンドは相性が良い。
 だから仲良くなって欲しいです」

「広葉樹とか発現して強いのですから。
 いずれ、私もスタンドが成長して追いつきますが」

このナイちゃんって子のスタンド能力は弁理すぎる。
ある程度は私たちの射程内に納めたい。
それにホームレス生活だって長くは続くまい。

「そういえば、遊部ってスタンド使いには気をつけた方が良いかもしれません。証拠は半分だけですが通り魔スタンドの本体かもしれません」

「『悪感情』の『鎮静』を受けて苦しむ姿など初めて
 見ました」

そうこう喋っていたら七篠先輩の部屋に着いた。
一抹は勝手に入って冷房のスイッチを入れている…

「天然石とか鈍くても光る石は見つかりましたか?」

584七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 11:25:41
 部屋に入るとベッドが一つに勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
 壁には手のひら大の付箋があちこちに貼られている。一部の付箋からは『白い花が咲く枝』が生えていてなにやら甘い香りが漂っている。

 エアコンが音を立て、冷気を吐き出しはじめたその部屋に、焦げ茶の髪を背中に流したお姉さん――七篠がいた。

>>583

――あれ、冷房…?
――一抹さんかな、よく涼みに来るもんね。

「お帰りなさい、冷蔵庫に麦茶ありますけど飲みますか…?
 ……あれ? お友達ですか?」

 一抹と、その後ろを歩く子供を見て七篠は目をぱちくりさせている。

585ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:50:54
>>583

「そのセンパイとやらもスタンド使いということか。
 そして遊部とやらもスタンド使い……?
 色々おるもんじゃな」


勝手に部屋にお邪魔する子供2人。
冷房を入れたからといってすぐに涼しくはならない。
『交換』で渡された『水筒』の中身は『関 寿々芽』自家製のお茶だ。
味は少し独特だが、さきほど言ったように氷が入っている。
部屋が冷えるまでの間、氷を楽しむことは出来るだろう。


「石な……変わった石は時々、仕入れとして拾うんじゃが、重いからの。
 あんまり持ち歩いてはおらんし……小粒ならいくつかあるが、あんまりピカピカしたのは……
 ああ、石ではないらしいし、光ってもおらんが、綺麗なのはあるの。
 ダイアナちゃんが言うには石じゃあないらしいが」


七篠氏の部屋のテーブルを勝手に使い、リュックから出した石を並べていく。
多くは赤や緑だったり変な模様が入った石で、雲母や翡翠なのかもしれないが、
透き通ってキラキラしているということはない。
ナイが言う、「綺麗なの」はシーグラスだ。
波で洗われた曇りガラスなので、ピカピカはしないが、宝石のようではある。


「それと、さっき言ったように本当はただの定規なんじゃが、コレとか」


こちらは、『小翠 蒼輝』と『交換』した小槌だ。
本体は木製だが、金銀宝石で装飾が施されている、豪華な一品である。
ただしスタンド能力で変身させたもので、解除すると定規になる。

586ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 11:54:10
>>584

「!?」


気づかなかった……入った時は台所とか死角にいたんだろう、多分。
いかにこっそり入ろうと、すでに住民がいるなら無意味である。
そして部屋の主ならば、普通にいて何もおかしくはない。


「おおお、おるぞ。
 いや、合鍵があるならば許可されておるという事じゃからよいのか」

「……お邪魔しておる!」


ちょっと慌てたが、とりあえず挨拶した。

587一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 12:19:59
>>584
「おじゃまします。この子は凄いんですよ!
『交換』したものを無限に出せます!」

「代償として七篠先輩の部屋の鍵が一個増えます」

軽い擦り傷と打撲傷に絆創膏を貼りながら答える。
何やら不気味な『チラシ』も持っている…

「この『チラシ』の通り魔と戦って来ました。
 それでボロボロになってたらナイちゃんと会いまして」

抹茶ムースだの手作りアイスを差し出す。
そして、当然のように部屋の隅っこに座る。

>>585-586
「『シーグラス』とミニアイスケーキを交換で…」

「あっ、彼女の部屋の主です。優しい人ですよ」

と、持ってきた抹茶ムースだの手作りアイスを置きながら隅っこに行く。

588七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 12:33:23
>>585-586

――『お邪魔しておる』…。
――このくらいの子がちょっと変わった口調で話すのってなんだか可愛いよね。

「挨拶できて偉いです。
 えっと、私は『七篠譲葉(ナナシノユズリハ)』と言います、お嬢さんはお名前は?」

 勉強机に石を並べていたのを見て、ちゃぶ台を出しながら話しかける。

――『スタンド』の話してたし、こんな小さいのに『スタンド使い』なのかな?

>>587

「いらっしゃい、たくさん増やせるのはすごいですね。
 じゃあ、この子も『スタンド使い』なんですね」
「……一個増えるくらいならいいかな?
 お嬢さん、他の人にあげたらお姉さんはすこし困っちゃうのでやめてくださいね?」

 そうして話しているうちに一抹のボロボロな様子に気付いたようだった。

「一抹さん、また怪我してるじゃないですか!」

 『リルトランク』で壁の付箋に一枚剥がし、一抹の背中に貼る。
 そしてまだ絆創膏を貼っていない切り傷の近くに巻き付くように『サネカズラ』を生やす。
ttp://www.e-yakusou.com/sou/sou320.htm

「『オジロ』の怪我に使ったのと同じ葉っぱです。
 傷のところに揉んで貼り付ければ多少でもよくなりますよ」
「おやつ、ありがとうございます」

 一抹用と思われるクッションが当然のように準備されている。

589ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 12:51:50
>>587-588

「凄いじゃろう。
 名前はない。一抹ちゃんからはナイと呼ばれておるが」


褒められて得意気だ。


「そうじゃ、さっそく見せてやろう。ぬん」


二人が治療している間に、ちゃぶ台の上の上の石が、特にエフェクトもなく、
瞬時に袋詰めの大量の駄菓子やら、今交換したばかりのアイスケーキや抹茶ケーキやらに変わっていく。
まるでパーティだ。
無限に出せる、と言っても本質的に『交換』なので、石が交換素材になったわけだが……
元が石でも交換後の物に影響は無い。食べる人が気にしなければ。

590一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 13:20:02
>>588
「えへへ、『エクリプス』構成員みたい本体は逃がしちゃいましたが…次は本体を頑張って殺ります!」

外国人のような子供二人、大量のお菓子、『エクリプス』構成員殺害宣言をする子供。
普通なら怪しまれるが星見町は懐が深い。

「たまにはナイちゃんもお部屋に入れてあげてください
『交換』した分だけ彼女のレパートリーは広がります」

七篠先輩の部屋が子供たちとスイーツに占領されていく。
一抹がデザートを持ち込む度に七篠先輩は太っていくのだ…

>>589
「私が『殴打変換型』と呼ぶスタンド能力に似てます
 どんどん食べてくださーい!」

当たり前のようにクッションを手に取り食器を配る。

591七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 13:26:03
>>589

――名前はナイ、ナイちゃん。

「ナイちゃん、可愛いお名前ですね」

 おそらく天丼である勘違いをしたところで七篠は治療を終えたらしく、ちゃぶ台がおやつで埋まっているのを見る。

「わぁ、この駄菓子懐かしいです…!
 えっと、ナイちゃんの『スタンド』は『交換』するとものが増えるんですよね?」

 『リルトランク』で『みかんの実った枝』を手のひら大の付箋に生やして、付箋ごと手に持った。

「『みかんの枝』と、その駄菓子を交換できませんか?
 私の子はいろんな『木の枝』が生やせるんです。
 もし他のがよければこういうのがほしいって言ってくれれば準備できるかも…」

 子供の欲しがりそうなものとして、食べ物が成る枝を作ったが、『みかん』であることにこだわりはなさそうだ。

>>590

「……『エクリプス』?」

 七篠は悪いスタンド使いがいることがあるというのは知っているようだが、
『エクリプス』という単語に覚えがないらしく、首を傾げている。

「正直、一抹さんがよく来てるので子供が一人や二人増えようと気にしないですよ。
 ナイちゃんもこれからぜひ来てください」

 一抹の肥えさせようという作戦(?)に気付かないまま、七篠は一抹の準備した『抹茶ムース』に手を伸ばした。

592ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 13:54:37
>>590-591

「勇ましいんじゃな。わしは喧嘩はしたことないのー。
 スタンドのオバケもおらんし」


『ベター・ビリーブ・イット』にヴィジョンは無い。
『交換』物は交換元の物質と完全に同じなので、スタンド物質でもない。
よってスタンドに干渉できる方法が少ないのだ。
今ちゃぶ台の隅に置いてある小槌は数少ないスタンド物質である。


「ほう。七篠先輩ちゃんも食べ物が出せるんじゃな。よいぞ!
 食べ物も大分充実してきたの。
 欲しい枝か? ……枝……うーむ。カッコいいやつを頼む」


そういう意味では『みかんの木の枝』……貴重だ。
武器になりそうなものがあれば自衛力が上がるかもしれないが、
ナイには戦闘経験が無いこともあり、あまり思いつかないらしい。


「知っておるぞ。『エクリプス』ってあれじゃろう。新幹線のことじゃ」

593一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 21:58:48
>>591
「少し昔に来たスタンド使いの大集団で町に月を堕そうとし、考えうる悪行を成し遂げた連中らしいですよ」

「現代のナチスみたいなもので今も残党が残り、多くの
『アリーナ』所属者が死ぬほど恨んでいます。
 この前の『緒方』さんは特に…」

知らなくてもいい気もするが三回は連中絡みのせいで死んだから教えておこう。
『エクリプス』構成員を名乗っていない不審者スタンドも見つけ次第、『アリーナ』に確保させたい。

「私が関わった事件が成功したら星見町に『悪霊』が
 彷徨って適合した人は暴走スタンド使いに。
 適合しなくても武器を手にした者の殺傷事件が絶えな
 い地獄が誕生してました」

「ついでにスタンド使い7人で挑んでも軽く皆殺しに
 するのが二人。七篠先輩もスタンドに目覚めた以上
 は逃げられませんよ」

>>592
「殺し合いがしたくなくても勝手に来ますからね…
 ナイさんとか歩くドラえもんですよ。
 知ったら捕まえて良いように使いたいと考える連中
 は無限に現れるかと…」

「私も七篠先輩みたいに『慈悲の刃』を…一体型だから
 無理ですね…」

『インダルジェンス』の手の甲から二振りの刃が展開される。流石に『交換』対象とはならないだろう。
その前にナイちゃんには確たるスタンドヴィジョンが存在しない。

「ナイちゃんは世界一硬い樹の枝とか燃えるユーカリの枝とか自衛のために『交換』した方がいいですね」

と、言いつつ学生鞄からリコーダーを取り出す。
先端が斜めに斬られた竹槍コーダーだ。
地味に斬る突くが可能な武器である。

「この竹槍コーダーもオススメです。斬る突く!」

594七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 22:09:30
>>592

「格好いい枝…」

 七篠は片手に『みかんの枝』を持ったまま、もう一枚『手のひら大の付箋』を持ち悩みこんでいる。
 父親はよく家を空け、祖母と二人の時間が多かった七篠には『格好いい』がいまいちわからないようだ。
 そして、なにかを思いついたように『異様に棘が生えた枝』――『スナバコの枝』を生やした。なにやら『木の実』が生えている。

「なんだか、肩とかにトゲトゲがついてたりすると格好いいって聞いたことがある気がするので…。
 こういうのはどうですか?」
「この枝、トゲトゲしてるだけじゃなくて『散弾を発射する枝』なんです。
 強いのは『格好いい』…ですか?」

 『スナバコの枝』は見かけの厳つさに加え、種を時速240kmで周囲に飛ばすことがあるという強さもなかなか魅力的な木だ。
 もちろん、出しっぱなしで破裂してしまったら危険なので交換したものはひとまず七篠によって解除されるだろうが…。
ttps://news.nicovideo.jp/watch/nw5841807
ttps://ryusblog.exblog.jp/17191459/

――ロボットアニメが好きな男の子が『トゲトゲ』と『強いの』を格好いいって言ってた気がするし、ありかな…?

>>593

「『エクリプス』…。
 新幹線じゃなくてそんな怖い人たちだったんですね…」
「『アリーナ』の人たちと今後も関わるようなら知ってた方が良さそう…。
 一抹くん、ありがとうございます」

――とっても怖い人たちがいて、その残党が今もこの街にいるかもしれない。
――また、戦うことになるかもしれない。
――その時のために、すこしでも練習しないと。

「その話を聞いちゃうと…ナイちゃんに強い枝をあげたいですが…」
「『ユーカリ』は摩擦で発火させてるので…。
 ナイちゃんの能力で摩擦させられるなら燃やせるかもしれないですが…」
「『リグナムバイタ』は硬い分、すごく重いですし…」

 そう言いながらナイを七篠は見る。
 『リグナムバイタ』は一抹より年少の少女が持つには重すぎそうに思える。

595ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 22:29:55
>>593-594

「ふーん? 悪い奴らなんじゃな!」


リアクションは軽かった。
実感が無いのかもしれない。
月を堕とすだとか、まさしくテレビの中のフィクションでしか見ないだろう。


「それで悪い奴らをやっつけられるというわけか……
 うむ。カッコいい!
 ではこれと『交換』でどうじゃ!」


とはいえ、悪に対抗する事は乗り気らしい。
それはそれで逆に危ない気もするが。
それとも、いつになく協力的な人間に囲まれてテンションが上がってるだけかもしれない。
無意味に手を振りながら、リュックから取り出した適当なゴミから『交換』で出現したのは、
茶色い塊……『キーウィのぬいぐるみ』だ。よく見ると黄色いクチバシがある。
一抱えもあって無駄にデカい。

596一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/01(木) 22:53:33
>>594-595
「キーウィフルーツっぽい…私の抱き枕に丁度良い…」

「はい、竹槍コーダーです。ナイちゃん強化クエスト!」

年代が近いのもあってはしゃいでしまった。
そして、一抹も子供だ。疲労と眠気に負けつつある。
通り魔を撃退してスタンド採血から同世代との邂逅で疲労した一抹はボロボロだ。

「ナイちゃんさん、これ、私の電話番号…」

「あの野郎…次は滅多刺しに…」

通り魔のチラシを抱えたまま寝落ちする。
既に三回は死んだ一抹は『夢』を見ない。
静かに床で丸くなるだけだ。

597七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:01:33
>>595

――よかった、格好良かったみたい。

「『ぬいぐるみ』、いいんですか?
 でも…せっかくですから、さっきの駄菓子をいただきますね。
 『スナバコの枝が生えた付箋』と『交換』です」
「それにしても…。
 まるっこくて可愛いですね、その『ぬいぐるみ』。
 なにかのキャラクターかな?」

 七篠は『キーウィ』を知らないらしく、目を丸くして『ぬいぐるみ』を眺めた。

>>596

「あ、一抹くん…また床で寝て…」

 七篠と『リルトランク』、二人がかりで一抹をベッドへと運んだ。(パD*2)
 本人の要望通り、『ぬいぐるみ』は一抹の抱き枕になっている。

 部屋は冷房がしっかりと効いてきて、一休みするにはいい気持ちだ。
 ベッドは子供ならもう一人眠れるくらいの大きさだろうか。

598ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 23:21:52
>>596-597

「これはトリらしいの。羽は無いんじゃが」


ナイは名前は憶えていなかったが、実在の鳥だ。
キーウィフルーツは鳥のキーウィが名前の元らしいので、一抹はある意味正しい。


「おや? 一抹ちゃん? ……寝ておる」


電話番号を受け取り、少年をベッドへ運ぶ手伝いをする。
(助力になっているかは微妙だ)


「家に帰らんでいいのかの?」


一抹は教会の老夫婦に拾われた。と聞いた。
それ以上の事は知らないので、「老夫婦が待っているのでは?」
と思うのは普通の発想だろう。


「わしは一人暮らしじゃがな……ふあ」


ハシャギ疲れたのか、ナイも小さくあくびをもらす。

599七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:29:56
>>598

「トリさんでしたか、ダチョウの足が短い版…みたいな…?」

 七篠は首を傾げながら一抹の抱く『ぬいぐるみ』を見る。

「一抹くん、最近よくここで寝てるんですよ。
 冷房を求めてくるみたいで…」
「それもあって、合い鍵渡してるんです。
 これから暑くなっちゃうから、私がいないときに来たら困っちゃうだろうし…」

 そう答えながら七篠は思案気な表情を浮かべる。

――…こんなちっちゃい子が、一人暮らし?
――家庭の事情かな…。心配…。

「ナイちゃん、ナイちゃんももし冷房ほしかったりご飯が食べたくなったら気軽にここに来てね
 もう一抹くんがこんな感じで来るから、気にしないで来ていいからね」

600ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/01(木) 23:45:03
>>599

「えらく親切じゃの……」


「わしは、食べ物は種類も増えてきたし、氷も、塩飴も出せるから平気じゃ……
 まあ、冷房は……あると助かるがの……
 冷房を求めてスカイモールに行くことも……あるしの……」


「…………」


あくびはうつるというが、少年の眠気が伝染したのか、ナイも眠そうだ。
まだギリギリ意識はあるようだが。


「……!」

「…………」


寝落ちしかけた時にガクッとなって一瞬覚醒する感じの動きをしている。

601七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/01(木) 23:55:55
>>600

「お店だとゆっくりできないこともありますし、気が向いたときでもどうぞ」

――放置児童、ネグレクト…。
――放っておけないけど、あんまりつっこんで嫌がられてもよくないし…。

「ナイちゃんも寝ますか?
 一抹くんと同じベッドになっちゃうけど…」

 眠そうなナイを見て七篠はベッドを勧める。

602ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/02(金) 00:10:32
>>601

「だい……じょうぶじゃ」

「ななしの……せんぱちゃ……が
 寝るばしょなくなって……じゃろ?」

「……ましまろ……?」


何か遠慮していたようだが、
最後には完全に関係無い寝言になり、そのまま意識を失った。
まあ、夜に七篠がベッドが必要になる頃には起きて帰っていくかもしれない。

そして後には食べかけの駄菓子やらケーキやらが大量に残されたのだった。

603七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/02(金) 00:35:02
>>602

「寝ちゃった…」

――外国人の子供が二人、寮のベッドで寝てるのってなんだか変な感じ。

 七篠は二人にブランケットをかけ直してから、ちゃぶ台の上を片づけ始めた。
 駄菓子はともかく、ケーキやムースは冷やしておかないといけないだろう。

「あ、そうだ。ついでに晩御飯作っちゃお」

 そうつぶやくと二人に書き置きを残し、冷蔵庫のある寮の台所に向かった。
 灯りが落とされた部屋では寝息とすこしの寝言だけが響いていた。

┌───────────────┐
│                      .│
│  今日の晩御飯はカレーです    │
│                      .│
└───────────────┘

604赤月『サクソン』:2021/07/02(金) 22:24:32

「・・・・・・・。」

夜の学生寮・・・・談話室にあるソファに中学生が一人座っていた
まだ着替えていないせいか、服装は制服のままである
そして・・・その左腕には仰々しいほどの『包帯』が巻き付けられている

(『サクソン』の能力のおかげで『監視者』の存在がわかるようになったとはいえ、
 流石に無理をし過ぎたか・・・・痛みが続き過ぎて、これでは能力の発動がわからない
 『自傷』による『探知』は程々にして・・・・  痛ッ!?)

「くっ! 左手が・・・・! 左手が疼く・・・・!」

左手を握りしめ、言葉を発する
また、少女の目の前・・・・卓上には数十本単位でボールペンが置かれていた

605一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/02(金) 23:58:30
>>604
「うん…うん…七篠先輩のお部屋に泊まっていきます
 落ちてきた硝子の破片で打撲を…えっ、無理がある?」

「一年前から私は強くなったから平気なのですよ。
 じゃあね、切りますよ。しつこいと義母に言います」

廊下から『チラシ』を片手に少年が現れる。
外泊許可を得た少年は『チラシ』を目立つ場所に貼るらしい。

       ○月×日△時頃
    □□□ビル付近で通り魔事件発生
     犯人は身長160cm前後の若い女
       素顔を隠して行動している
       見かけた者は注意されたし
    追記:後日、湖畔にて出没。撃退。
    長距離型? 手足を切断済み。DF無し?

貼りに来たのだが身長が低すぎて貼る場所に悩み始めた。
小学生か、中1っぽいが行動力はあるらしい。

606赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 00:09:22
>>605

「うん・・・・?」

ふと、廊下の方を見ると一人の少年が『チラシ』を張る場所に苦労している様子であった
ソファから立ち上がり、少年の所へと向かう

「こんな夜分に熱心な事だ
 何のチラシかはわからないが、一つ、私に手伝わせてくれ」

こちらの身長は中学生の割に比較的高く、160cmある
頭一つ分高い位置から、ひょいっと『チラシ』を取り、丁度いい場所を探そうとするが・・・・

「む? これは・・・・ ・・・・・ッ!?
 君! この『チラシ』はいったい誰から受け取ったんだ!?」

『チラシ』の内容を読むや否や、驚きに満ちた表情で一抹を問い詰める

607一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 00:27:49
>>606
「お、大きい…! 散歩してたら通り魔に遭遇して撃退
 した後に寮まで帰る途中に拾いました」

「歓楽街の空からパラパラと沢山降ってきたもので…
 倒した後に配られても困っちゃいますね。
 おそらく本体は生きてると思いますが追記しました」

追記の部分は少年が鉛筆で書いたらしいが物騒な内容だ。
謎のスタンドの『チラシ』は多く配られたらしい。
よく見ると外国人らしき少年は手足に『絆創膏』を貼っている。

「落ち着いて落ち着いて。『インダルジェンス』」

『インダルジェンス』を発現して赤月の手を握る。
『悪感情』は『鎮静』されて落ち着いた気分になるだろう。

608赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 00:44:47
>>607

(この『チラシ』に書かれている情報は、『襲撃者』のものだ
 そして・・・・こんな情報を得られる人間なんて、私以外には『監視者』しかいない!)

「どういう事だ・・・・?」

思わず、疑念が口について出てしまう
『襲撃者』と『監視者』は同じ『アリーナ』の人間であり、共犯だと思っていた
しかし、この『チラシ』の内容は・・・・緩やかに両者が敵対関係にある事を示している

「それにしても、君は一体・・・・?
 ・・・・・ハッ!?」

頭に浮かんでいた疑念のせいで『インダルジェンス』の出現に気づかなかった
次の瞬間に、少年のスタンドが赤月の手を握りしめる

まずは表層的な感情・・・・『驚き』と『不安』が『抑制』され、落ち着いた気分になる
すぐに手を振り払わなくてもいいや、と思うくらいに・・・・そして

「あ・・・・  あああ・・・・!」

心の奥で・・・・『何か』が摩耗する感覚を覚える
『インダルジェンス』の『抑制』はあくまでも表層の『悪感情』を消すものである・・・
心の奥深くに眠る『あの感情』を『抑制』することは出来ない

だが・・・・心の奥にこびり付いた『あの感情』の表面を優しく撫でられるような・・・・
そんな感覚を覚えた時、赤月の身体は突発的に動いた!

「やめろッ!」

トレンチコートを着た人型のスタンド『サクソン』を発現!
『インダルジェンス』の手を払い、本体は真後ろに跳躍した

「何が目的だ・・・・君は!」

『感情』に触れられる恐ろしさを今更になって覚え、息を荒げる

609一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 01:06:23
>>608
「あの、落ち着いてくれませんか?
 私の『インダルジェンス』の能力は『悪感情』の
『鎮静』。失敗した様子ですが…」

「お役に立てなかったようです。すみません」

ペコリと小さな頭を赤月に下げる。
別に隙を突かれても良いのか隙だらけだ。

「騒ぐと他の先輩たちに〆られるので静かに。
 なんか纏うタイプ多いですね…」

「それにしても『チラシ』のスタンドは敵だらけ。
 消滅の間際に『エクリプス』所属っぽいことを…
 あれは『本体』を仕留めないと無駄ですね。
 きっと、スタンドが『本体』を演じる能力…」

一抹も本気で戦うとなれば、食らいつけるが感情の火薬が足りないと眠気が勝つ。
度胸があるのかスタンドも解除されている。

610赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 01:25:04
>>609

「余計な事だ・・・! 私のこの『想い』が『悪』である事は否定しない
 だが・・・・だが、決して消させはしない!」

目の前の少年の語る言葉は、恐らく彼にとっては善意の言葉なのだろう
しかし、『悪感情』にこそ、自身の存在基盤を持つ赤月にとっては
その少年の語る言葉は無自覚な死の宣告に過ぎない

「恐ろしい能力だ・・・君のその『インダルジェンス』とやらは
 私は・・・『悪感情』を消される時、恐ろしさを感じなかった!
 心地いいとさえ思ってしまった!」

『インダルジェンス』が消えた後も、警戒態勢は解かない
一抹から一定の位置を保ち、臨戦状態を維持する

「この『怒り』の風化こそが、私にとって最も恐れる事だというのに!」

611一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 02:17:08
>>610
「その反応、不審者の本体らしき存在が見せたものです
『悪感情』を『鎮静』されては困るみたいな…?」

「私も戦ってる途中に怒りを力としますが怒鳴り散らす
 のと一瞬の爆発力に使うのでは効率が違う」

「さては復讐者さんですね? 怒りがアイデンティティってことは…」

斑鳩先輩とか纏うタイプは情緒不安定なのが多い。
感情の燃費が非常に悪い。

「私は親殺し希望者ですが『鎮静』など一瞬のものです。 怒りの火は決して消えない。僅かな火種から一気に
 燃え盛るものですよ」

「この程度の力を恐れてはなりません。本当に恐ろしい
 のは自分の力の弱さ。おどおどしちゃ駄目です!」

生まれて12歳。今まで『殺意』と『憎悪』に身を焼かれてきた一抹は『仲間』を見つけて少し嬉しかった。
淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳に『憎悪』の業火を宿す。

「私たちは『お友達』です。復讐者の!」

『鎮静』の力を持ちながら『復讐』を否定しない。
『慈悲』とは様々な面を持つ。ヤバい一面も当然のように持ち合わせる。

「『怒り』が『悪感情』で結構! なよなよは駄目です!」

612赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 09:43:09
>>611

>「私は親殺し希望者ですが『鎮静』など一瞬のものです。 怒りの火は決して消えない。僅かな火種から一気に
> 燃え盛るものですよ」

「・・・・・・ッ!!」

途中まで、なんだこの少年は、というような態度で話を聞いていたが、
一抹のその言葉を聞いた瞬間に、逆鱗に触れてしまったかのように表情が一変した

「お前・・・・親を、『家族』を殺すというのか・・・・!?」

赤月にとっては『家族』とは奪われた世界そのものであった・・・

だからこそ、そんな言葉を口にする一抹に対して、
理解できない『怪物』を見るかのような視線で睨付けているのだ

「ふざけるな! お前に『友達』だなんて呼ばれたくもない」

距離を取り、『サクソン』を一度、解除する
そして、『サクソンのトレンチコート』だけを着込むように再発現した
右手に『チラシ』を握りしめる

「選べ! 口を噤んでこの場から去るか!
 それとも、ここで私と戦うか!」

激情に任せて、熱を持った言葉が口を衝く

613一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 11:15:01
>>612
「ちょっと談話室は不味いですよ…
 近くの何処かでやりましょう」

「何か良い感じに人気の無い場所とか…」

常にバーサーク斑鳩先輩のような彼女を放ってはおけない。戦って互いに見えてくるものもありそうだ。

(野バトルを承認したいのですが判定が上手く出来る気が
しないのでGMを募集してよろしいでしょうか?)

614赤月『サクソン』:2021/07/03(土) 12:25:59
>>613

「そうだな・・・・『裏庭』に行こう」

確かにこの場所でやり合えば、無関係の人間も巻き込まれるかもしれない
『裏庭』での勝負を提案する

そして、行く前にテーブルの上のボールペンを3本掴んで、
『トレンチコート』のポケットに入れておく

そして・・・・
【戦】『スタンドバトルスレッド』 その1
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049803/448-

(了解しました では、スレを移動した後、後日GMが見つかった後に再開でいかがでしょう?
 個人的にはいけるところまではセルフジャッジでもいいかとも思っていましたが、お任せします)

615一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/03(土) 12:50:36
>>614
「もし、私に勝ったら襲撃者の本体のヒントを与えますよ!」

ボールペンを取る赤月の不思議な行動に首を傾げるが『リコーダー』と『縄跳び』を手に、彼女の後を追って『裏庭』に向かう

『学生寮』から『裏庭』へ移動。

616飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 18:11:47
薄手のパジャマ姿の少女――飯田が共有スペースにいる。
どうやら髪を乾かしているようで、濡れて暗い茶色になった髪を背中に垂らしている。
しっかりと暖まった身体はほんのりと紅潮していて、普段とは違う装いもあいまって見知った相手でも別人のように思えるかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーー

ゴォオオオ…!

「お風呂って気持ちいいんだけど、髪乾かすのって面倒だよね…。
 髪の毛細いからすぐ痛んじゃうし…」

617ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 22:45:04
>>616

この寮の風呂事情はどうなっているのだろうか。
個室ごとに浴室があるのだろうけど、大浴場とかそういうのがあったりするのか。
わからないが……


「こういう場合、風呂上りには牛乳を飲むんじゃったか。
 出せんが……というかあんまり飲んだ記憶無いの、牛乳って」


なんかビショビショの小さいのが現れた。
どこかの部屋の主に風呂に入らせてもらったのか、勝手に入ったのか知らないが、同じく風呂上りなのだろう。
迷惑なことに、髪からポタポタ水滴が床に落ちていた。


   わしゃしゃしゃしゃ


一応拭く気はあるようで、持っていたリュックから取り出した、あんまり水分を吸わなさそうな布(ひざ掛け)で、
濡れた犬を拭くような勢いでぬぐい始める。

618飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:01:31
>>617

「わっ!えっと、だ、大丈夫!?」

ちっちゃい子…小学生くらいかな…?
びしょびしょ…このままじゃ湯冷めして風邪引いちゃいそう…。
さっきまで私が使ってたバスタオルだけど、使ってる膝掛けよりかは水を吸ってくれるかな…。

「こっち来れる…? 拭いてあげるから」

私は一度ドライヤーを置いてその子の近くに行って拭いてあげようとする。
共同浴室に予備のタオルとかないかな…。

619ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:14:09
>>618

小学校だとしても低学年だろう外見。
普通に考えたら寮の住民ではない。


「なんじゃ? 大丈夫じゃが?」


怪我人を見たときのようなリアクションをされても、
子供自身は別に痛くも痒くも無いので急に話しかけられて不思議そうにしているだけだ。


「自分で拭けるんじゃが……」


談話室にドライヤーを持ち込むのは私物だろうが、
言われてみれば共同浴場があるなら備え付けタオルもあるだろう。
単に知らなかったのか気づかなかったのか、この子供は持ってきていないようだが。

自分で拭けると言いつつも、かといって抵抗するほどでもないと思ったのか、のこのこと近づいていく。

620飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:24:08
>>619

「ごめんね、すごくびしょびしょだから心配で。
 タオルドライしっかりしないと風邪引いちゃうよ」

私はそう言いながらこっちに来てくれた子を拭いてあげる。
近付くと白に近い金髪に露が伝って、なんとも神秘的な……女の子…だよね?
服を着てるなら服もびしょびしょになってないかな…。

「えっと…ここの子じゃ…ないよね?
 誰かお兄さんかお姉さんのところに来たの?」

もしかしたら迷子かもしれない。

621ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/09(金) 23:36:42
>>620

子供の髪は柔らかい。
先ほどの光景を見た限り手入れは乱暴のようだが、
幼さゆえにか、特に傷んだ様子は無い。


「そうだったのか……心配をかけたようじゃの」


この年齢だとそう性差は無いが、女の子だろう。髪も長い。
服装は、夏だからか大き目のシャツを一枚着ているだけで、
確かに見て見れば多少濡れているようだった。
シャツの下には何も来ていないのかうっすら肌の色が透けている。


「いや……うーむ……まあ、そんなところじゃ。
 ここに来るまでに濡れたのでな、うろついてたらいい感じの湯があったので入ってしまった」


そもそも風呂に入る前から濡れていたらしい。
梅雨の時期だ。いつ雨が降ってもおかしくはない。

622飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/09(金) 23:50:45
>>621

「勝手に心配しちゃっただけだから」

私は髪を拭きながら言葉を漏らした。
髪質は柔らかで、しっかりドライヤーをかければふんわりと仕上がりそう。きっと可愛い。

よくよく見るとこの子の服はシャツ一枚で…いくら小さい子だからってちょっと問題がありそうな気がする。
世の中には幼い子供にしかいろいろできない変な人もいるらしいし…このままにしていられない。

「そっか、今日雨だったもんね…」
「……えっと、着替え持ってる?
 髪の毛濡れたまま出てきちゃったから服濡れちゃってるし…。
 このままじゃ風邪引いちゃうよ」

すこし、部屋にある服のことを考える。
流石に私の服をそのままは着れないと思う。あ、でも『ロングTシャツ』ならワンピースっぽく着れるかも。

「私の服でよければ、貸してあげようか…?」

623ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:07:11
>>622

「ん、服は……『記録』にないの。ふあ」


髪を拭かれて心地よさそうだ。
少し眠そうな声と共に、小さくあくびを漏らした。


「風邪になる?
 それは……確かに困るの。薬の『記録』も無いし……
 いままでは風邪になったことは無かったんじゃが……
 うむむ、迷惑でなければ頼もうかの」


『ロングTシャツ』……まあ、今の服装とそう変わらないだろう。
元々サイズの合わない大人もののシャツを着ているだけのようだ。

624飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:19:42
>>623

「迷惑なんかじゃないから大丈夫。私の部屋こっちね」

私はそう言いながらタオルとドライヤーを持って、小さい子の手を引いて部屋に連れて行った。

ベッドが一つに、勉強机、食卓として使う折りたたみ式のちゃぶ台、飲み物用の小さな冷蔵庫。
勉強机には教科書や勉強用の本、ベッドにはくまのぬいぐるみがある、いつもの私の部屋だ。

収納から『薄桃色のロングTシャツ』を取り出して渡してあげる。

「はい、これどうぞ。着替えてこれる…?
 ……あ、もしかして…下着も、濡れちゃってる…?」

流石に子供サイズの下着はないから…もしそうなら脱いでもらってドライヤーで乾かしてあげよう。

625ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 00:39:33
>>624

握った子供の手は柔らかく、儚いほど小さかった。
それこそ飯田の細腕でも力を込めたら折れてしまいそうだ。


「うむ、すまんの」


子供はその場で着替え始める。
着ているものはシャツ1枚だけだったらしい。一時的に裸になる。
外見的な性差は無いと書いたが、実は男の子という事もなく、ちゃんと女の子だった。


「髪も拭いてもらって世話になったの。
 牛乳は無いが代わりに……これは服と『交換』じゃ。あちち」


と、リュックから取り出したのは『ホットココア缶』だ。熱いらしい。
じめじめしているが、気温自体はそれほどではない。ホットでも飲めないことはないだろう。
まあ、嫌なら冷蔵庫に突っ込んでおいて後で飲めばいいのだし。


「服はええと……後で洗って返すぞ」

626飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 00:47:09
>>625

は、はだか!??
私は驚いてついじっと見ちゃった…。内心謝る。
…流石に…上はともかく下がないのはよくないよね…。
ばい菌が入ったら大変だし…。

私は慌てて収納からまだ開けていない予備の下着と、針と糸を出して下着をその子に履かせてからサイドを縫って縮めようとする。

「ごめんね、ちょっと大きいのしかないから縫っちゃうね」


「ココアありがとう。
 服は返さなくてもいいから、ちゃんと着てね…?」

本当に変な人の餌食になりかねない。
この子の保護者はどこにいるんだろう…。

627ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:01:48
>>626

「なんじゃ? うん? 危ないぞ」


突然下着を履かせられて子供は慌てるが、ヘタに動くと針が怖い。
大人しくしている事にしたようだ。
何故かホールドアップして推移を見守る。


「それではわしがちゃんと服を着ておらんようではないか。
 まあ、しかし、わしの服は爺のじゃからの……
 学校行ってる子らとは違うのは気になっておったが」


大き目の服はお爺さんのおさがりらしい。
見るとリュックも、大人ものの大きいサイズだ。
仮にこのサイズのリュックにパンパンにつめたら子供には背負えないだろう。
あと学校には行っていないらしい。

628飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 01:12:40
>>627

「急に縫っちゃってごめんね。でも、女の子なんだから。
 ちゃんと下着は履かないとこわーい男の人に連れてかれちゃうよ?」

急に変なことをしたからびっくりさせちゃったみたい。
でも、流石に女の子を『ノーパン彼シャツ』状態で放置するわけにはいかないし…。

「お爺さんと住んでるの?
 学校に行ってる子とは違うって……もしかして学校行ってないの?」

日本では滅多に見ない髪の色、細い手足、下着も着ていない、びしょ濡れ、学校に行っていない。
これまで目を逸らそうとしていたことがはっきりと浮かんできた、ような気がする。

「……もしかして…困ってることとか、ない?
 私の知り合いに『地域課の巡査』さん…警察の人がいるから、ちょっとお話ししてみない…?」

629ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 01:31:58
>>628

「なんじゃ、通り魔だの『えくりぷす』だの、怖い男だの、ぶっそうな話じゃな。
 なにかごわごわするが、これを着ておけば襲われんというなら、着るがの……
 というわけで、このケーキと『交換』じゃ。良いか?」


何が「というわけ」なのかわからないだろうが、子供の中では自明なのだろう。
リュックから『抹茶ムースケーキ』を取り出して、ちゃぶ台の上に置いた。


「いんや、爺は死んでしまっての。
 学校は行っておらん。
 警察は……なにかバレるとまずいことになるんじゃないかの?
 よく分からんが……テレビとかを見ると……
 別段困っておるというほどのことも無いしの」


日本語に違和感は無いが、金髪は染めているというわけでもなく、地毛だろう。
目の色も青い。普通に考えれば日本人ではない。
詳しい事情はともかく、テレビ由来の漠然としたイメージだが、
警察に目を付けられるとまずいのではないかとは思っているらしい。

630飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 07:17:11
>>629

「よくわからないけど…ちゃんと着てくれるなら『交換』するね」

この子の中の遊びのルール…かなにかかな…?
出しっぱなしはよくないから冷蔵庫の中に入れておく。

……聞けば聞くほど、よくない状態じゃないかな…。
お爺さんは死んでて、警察に知られたらまずいかもしれないって知識だけで今まで避けてすごしてたの…?

「警察に知られても怖くないから大丈夫だよ。
 警察のお兄さんは『市民の安全を守るのが我々の役目』って言ってたし、
 もし知られても、守ってくれるはずだよ」

外国人の子供が保護者を亡くして一人で生きてるよりは警察に保護してもらった方がマシだと思う…。
私は、クソ親父が来て家から出されて『放置子』になった時も保護してもらえなかったけど…。
以前ここに来た桐谷さんはそんな人に見えなかった。

631ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 13:35:46
>>630

「これで下着については心配はなくなったの」


Tシャツをめくって下着を確認している。
どんな下着なんだろうか……
なおこれは、後の場スレ描写の参考にするためであり、セクハラでは無い。
赦して欲しい。


「そうじゃろうか……
 でもドラマじゃと、警察が守るのは、税金を払っていて日本国民だからと言っておったぞ。
 わしは……当てはまらんような……
 これは秘密じゃが、国籍? とかそういうの、無い……ような気がする、多分……」


『市民の安全を守るのが警察の役目』なのだろう。
しかしこの女の子は、自分が市民であるかどうかという時点で自信が無さそうだ。
実際に町に住んではいるのだが、住民票はあるのか? というと、怪しい。


「わしはこの町を離れられん。
 理由は説明できんのじゃが、この町じゃないとダメなんじゃ」


それでも法治国家の警察だ。賄賂と暴力が横行しているとか、そういう腐ったことは無い。
国籍が無いとしてもそう酷い事にはならないだろう。
が、保護されるということは、身柄を委ねるということだ。
もしかしたら町外の施設に預けられるかもしれない。
この子供自身にもよくわからないが――『ベター・ビリーブ・イット』が正常に能力を発揮できるのは『星見町』限定なのだ。

632飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:03:48
>>631

「女の子がそんなことしちゃダメだよ!?」

慌ててシャツをめくる彼女を止めた。
決して、中学生にもなって『前にリボンのついた薄桃色の綿パンツ』を私が持っていたことが恥ずかしかったんじゃない。
小さいとはいえ、女の子がそんなことをするのは流石にちょっとよくないかなって…。
(下着の参考資料 これの左右を縫ってすこし縮めたもの ttps://tshop.r10s.jp/mhfield/cabinet/mh/10-2493-454-6.jpg?fitin=720%3A720 )

「国籍がないし、離れられない…?
 そっか、それで『警察にバレるとまずいことになる』んだね…」

私は考え込む。
学校に行ってないのもたぶん『戸籍がない』から行ってないことを怪しまれないのが大きいと思う。

「それなら今度、私が『知り合いの話』ってことで警察に電話かけてみようか?」
「知り合いの子供がお爺さんと住んでたんだけど、
 お爺さんが死んでしまって一人になってしまったんですがけど、
 この街で保護してもらえるところはないですか?」
「こんな感じで話して、もし大丈夫そうなら…えっと、君に伝えるってことで」

話してて気付いた。
そういえば私、名乗ってないしこの子の名前知らない!
ついでに連絡先があるのかもわからない!

633ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:17:59
>>632

「男ならよいのか? 女は色々面倒じゃな」


と無意味にへらず口をたたきながらも、素直にTシャツを下した。


「うむ……? 別にわしは今のままで困ってはおらんがの……。
 電気とか水道とか、自動引き落とし? そのまま使えるし、
 電話も、爺を勝手に使っておるが、動くし」


そう言うと、リュックからスマホを取り出す。ちょっとヒビが入っているが、使えるらしい。
色々と心配されているが、そもそも困っていないようだ。
親切心なのだろうが、保護してもらったとして、今より良くなるのか? というと絶対とは言い切れない。
いや、戸籍とか学校とか、将来を考えると今のままというのは良くないのだろうが。


「あ、爺が死んだことがバレると、なにか色々と面倒になると思って、
 庭に埋めておいたんじゃが……これは大丈夫じゃろうか?」


2人しかいない部屋の中で、無意味に耳に近づいて、ヒソヒソ話す様子は、
『凄い秘密だからこうやって話すもの』というようで、微笑ましいかもしれないが、その内容は犯罪だ。

634飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 15:39:17
>>633

「男の子もよくないけど…。
 女の子はそういうことすると怖い男の人に酷いことされちゃうかもしれないからね。
 ちゃんと下ろせて偉いね」

頭を撫でながら話す。
タオルドライだけだったけどもうかなり乾いてるしドライヤーまでは必要なさそうかな?

「今は困ってなくても、お爺ちゃんのお金がなくなっちゃったら電気も水も止まっちゃうよ?」
「お爺ちゃん、埋めてあげたんだね…。
 お墓を作ってあげるのはいいことだよ、偉いね。
 ちなみにお家ってどのあたりかな…?」

こ、子供のしたことだし、死体遺棄でも許してもらえるのかな…?
とりあえずご遺体を確認しないと…。今の時期だと腐って臭いが出てるかもしれない…。

「あ、スマホ持ってるんだね。
 連絡先交換しよっか、私は『飯田咲良(イイダサクラ)』っていうの。
 君の名前は?」

スマホを取り出して交換する。

635ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 15:49:33
>>634

頭を撫でる。柔らかく細い髪質のようだった。
完全に乾いているというわけではないが、気にならない程度だ。


「うむ。じゃから次の家候補を探したりもしておるぞ。
 家は……」


家は湖畔近く……町はずれの方にあるようだ。
少なくとも庭はあるらしいので、一軒家なのだろう。


「わしはユキシラとか、ナイとか……そんな感じで呼ばれることもあるの」


交換した連絡先によると、『雪白 権六郎』というらしい。
これは本来の所有者である爺とやらのデータだろう。

636飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:00:59
>>635

「おうちはあっちの方なんだね。
 今度寄らせてもらってもいい?」
「次のおうちかぁ…。おうちって借りるの難しそうだね…。
 子供だとどうやっても契約できないだろうし…」

考え込む、やっぱり無理っぽい?
次のおうちを見つけたくても、基本的にこんな小さい子に家を貸す人はいない。
家出人だと思われて通報されちゃうのがオチ…。

「ナイちゃん…ナイちゃん、時々ここに泊まりに来ていいよ?
 おうちだとひとりでしょう…?」

このなんとも危なっかしい生活をしてそうな子の予備の家になった方が安心かもしれない。
たぶん洗濯とかもできてないだろうし…ホームレス一歩手前…。

637ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:23:52
>>636

「まあ、よいが……結構うろうろしておるんで、居るからはわからんがの」


家は教えたものの、あまり歓迎していない声色だった。
死体を埋めた家だ。出来れば来てほしくないのかもしれない。


「おお、そう言ってもらうのは2度目……3度目? じゃ。
 ここのな……七篠先輩ちゃんにも、入って良いと言わておるんじゃ。
 爺の家には冷房が無いからの。
 知っておるか? 七篠先輩ちゃん」


そんな事を言いながら鍵を取り出す。
その鍵の部屋番号に見覚えは……あるのだろうか?
同じ寮なのだから、別に知り合いでも全然不思議ではないだろう。
それ以上の関係などこの子供が知る由も無い。

638飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 16:34:07
>>637

「『七篠』…!?
 え、えっと、待てよ私…。もしかしたら同じ名字の別人かもしれないし…」

私は早鐘を打つ心臓に手を当てて、深呼吸をする。
私の『腹違い』の『お姉ちゃん』。私がここに来た理由。追いついて、追い越したい相手。

「えっと、七篠先輩『ちゃん』ってことは…女の人…で合ってる?
 私より年上の、ちょっと背が高くて焦げ茶っぽい髪の…」

『七篠』はかなり珍しい名字でそうそう同じ名字の人はいないと思うけど、念のため確認してみる。
さっきまでのナイちゃんのおうちの問題は、私の頭の中からすっ飛んでた。

639ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 16:47:21
>>638

「ん?」


知り合いでは無いが、見知らぬわけでもなさそうな、妙な反応に首をかしげる。


「うむ。女の人じゃ。年上……? かどうかは……わからんが、
 髪も……まあ、そんな感じじゃったと思うが……」


どうもふわふわした返答が続く。
自分より年上だと全員お姉さんという認識なのか、
見た目で年齢を察するスキルがあまりないのかもしれない。


「よくわからんが、同じ苗字の知り合いがいる、というコトかの?
 七篠先輩ちゃんは、名前は……ユズリハと言っておったと思うが……」


特徴はハッキリ答えられなかったが、名前は憶えていたらしい。
背丈や髪色は変化する可能性があるが、それより名前の方が明白だろう。

640飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:09:45
>>639

「『ユズリハ』…!??」

「そ、そうなの。
 私の『知り合い』でここに越してきてるのは知ってたから…ちょっとびっくりしちゃって…」

『七篠譲葉』が『お姉ちゃん』であるということ。
そう話してもこの子にはぴんとこないことかもしれない。だから敢えて知り合いだって言ってみた。
性的なことを理解してそうにないこの子に『腹違い』なんて説明できる気が私にはしなかった。

「ちょっと、鍵をしっかり見せてね」

手にとって部屋番号を覚える。
……織姫様、彦星様、ありがとうございます。まさかこんな早く叶うなんて…。

 ┌───────────────┐
─│ お姉ちゃんに、会えますように │
 └───────────────┘

641ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:17:58
>>640

「ほう、そうじゃったか」


素直に鍵を渡す。
ここまでの飯田の態度もあり、警戒心はゆるゆるのようだ。


「では今から行ってみるか? おるかもしれん。
 いなくとも、合鍵があるということは、いつでも入ってよいということじゃし」


むん、と腕を組んで頷く子供。
そもそも常識がゆるゆるなのかもしれない。
少なくとも、まともな教育を受けていないのは確実だ。

642飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:23:37
>>641

「い、今…!?
 でも、『善は急げ』って言うし…」

流石に合い鍵で勝手に入るのはよくないけど、部屋に行って確かめるのなら…いいよね…?
確認した合い鍵をナイちゃんに返しながら立ち上がる。

「……行ってみよっか。」

643ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:30:08
>>642

「うむ」


飯田の部屋を出て、
ぺたぺたと小さな素足が音を立てながら進む。


「やっぱり廊下はちょっと暑いの。
 いるじゃろうか?
 いなかったら冷房が効くまで時間がかかってしまうの」


のんきな事を言いながら、あっという間に『七篠譲葉』の部屋の前だ。
徒歩数分もかからない。同じ建物内なので当然だが。


「おるかー?」

644飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:39:14
>>643

ナイちゃんの声と同時にノックをしてみる。
心臓の音が早くなるのがわかる。

…。
……。
………。

へんじがない。

「る、留守みたいだね。
 どこかに出掛けてるのかな…。それとも…お風呂とか…」

ちょっと早口になりながらナイちゃんに声をかける。
会いたいけど、久しぶりすぎてなんだか会いたくない気持ちもあるみたいで…。
このもやもやは…なんなんだろう…。

645<削除>:<削除>
<削除>

646ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 17:48:14
>>644

「入らんのか?」


不思議そうに首をかしげる子供。
飯田の葛藤など知る由も無い。


「わしは……どうしようかの。
 まだ雨は降っておるか……」


ナイは別段、部屋に入る事に躊躇は無いらしい。
まだ雨は降っているとなれば、濡れて帰るということもない。
となれば、七篠の部屋で休むのだろうか。
その場合、帰ってきた部屋の主に、今日あった事を話したりするのかもしれない。

あるいは飯田が誘えば飯田の部屋に泊まっていくだろう。

647飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/07/10(土) 17:59:25
>>646

「ちょっと、躊躇っちゃって…」

場所は確認した。
また来たら…今度は会えるかもしれないし…会えないかもしれない。

「ナイちゃん、もしよかったら私の部屋に止まっていく?
 狭いかもだけど、ぎりぎり二人寝れるかなって」

ナイちゃんに簡単な女の子向けの防犯について教えることを心に決めて、部屋に戻ることにした。

648ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/07/10(土) 18:08:55
>>647

「ふうむ?」


子供には世の中のことは理解できない事が沢山だ。
不思議そうな顔をしたものの、いちいち追及はしなかった。


「うむ?
 ではお言葉に甘えようかの」


ナイに誘いを断る理由は無い。
小さな手が飯田の指を掴んで、2人は連れ立って部屋へ戻っていったのだった。

649七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 09:52:11
> 「おるかー?」
>        コンコン

 …。
 ……。
 ………。

 その日、七篠は本当は部屋にいた。
 明かりもつけず、布団にくるまり部屋で一人、耳を離れない『野太い声援』と戦っていた。
 男の下卑た声が耳を離れず、そんな場所で年下の男の子が戦っていたのを見たショックで誰とも会いたくないようだった。

――男の人って、ああいうのが好きなの…?

 七篠はあの『アリーナ』の送迎の女性から『男性常連選手』が来ると聞いたことを思い出す。

――12歳の、一抹くんですらあんなことを期待されるようなところなんだから…。
――もし…何度も来てる、大人の男の人だったら…。

 七篠の知識は少ない。せいぜい『少女マンガ』程度だ。
 そんな16歳の少女にはショックが強かった。
 新たに生まれたこの『トラウマ』に七篠は立ち向かえるのか。

              ――to be continued.

650石動織夏『パイオニアーズ・オーバーC』【中3】:2021/07/13(火) 10:16:29
> 「おるかー?」

「む、誰かが俺を呼んでいる」

シャチのヒレのような頭をした少年が寮の前を通りがかった。オルカくんだ。

「……気のせいか」

そのまま通り過ぎていった。彼は寮住まいではなく、実家住まいなのだ。

651一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:32:16
>>649
「七篠先輩! 帰って来ましたよ!」

四回のノック後に合鍵で七篠先輩の部屋に侵入する。
どうせ、怒られるなら好き勝手するのが一抹だ。
インド風の伸びるアイスを手に七篠先輩に歩み寄る。

「冷房付けますねー」

652七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 14:45:47
>>651

 ドアの開く音に布団に籠もった七篠がびくっと震えた。小さく衣擦れの音がする。
 続く一抹の声にガバッと布団から出て一抹の元まで駆け寄り確認する。

――怪我…してない!

「い、一抹くん…!?
 あれ、さっきの試合で怪我して入院したんじゃ…?」

 七篠は訝しむ。
 合鍵を渡している相手だから帰ってくるのはおかしくないが、軽傷とはいえ入院した相手がこんなに早く帰ってくるのはおかしいと思っているようだ。

653一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 14:58:50
>>652
「前に教えたじゃないですか。秘密の『第五外科』
 お金を万単位で支払えば、如何なる傷も治せます」

「ただし、『夢』の中で受けた霊障なるものは不可。
 それのせいで私は『夢』を見れません」

トルコ風アイスを七篠先輩に渡して自分の分を混ぜて
遊び始める。
12歳の多感さの欠片もなく好き勝手にする。

「さては七篠先輩、最中派の試合を見てヘタレてました
 ね? 七篠先輩は分かりやすいです」

654七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 15:08:46
>>653

「そういえば…聞いたような…?
 でも、一抹くん、『オジロ』の時はしっかり一週間入院してましたよね…?
 あ、もしかして学校サボる口実に…!?」

「夢が見れなくなる、ぞっとしますね…」

 七篠は見様見真似でトルコ風アイスを混ぜ始める。食べたことがないようでひたすら混ぜている。

「へ、へたれ…。
 そうかもしれませんけど…。
 むしろ一抹くんはなんにも思わないんですか…? その…」

 七篠はあまりにいつも通りの一抹の姿にすこしばかり呆気にとられているようだった。

655一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 15:38:53
>>654
「七篠先輩は襲われる側だから怖いですよね。
 私も二回拉致されたり命を狙われること数回。
 甲乙つけがたい悩みです」

「ちなみに『オボロ』の時は純粋に忘れてました。
 今回は七篠先輩がヘタレてそうだから早目にです」

殺し合いに慣れた一抹も人の内心を察する感性はある。
頼りないスタンド使い後輩のために『十万』程度は安いものだ。

「生まれたての私はゴミ袋に入れられて捨てられてました。そこを義父母に拾われたわけですが見た目と教会暮らしが祟って迫害されるように…」

「つまり、殴られ慣れてるから何が来ても怖くありません。聖職者の息子だから炊き出しをしたり路上で苦しみ抜いた末の孤独死とか見てるので…」

幼少期から『死』は当たり前のように転がっていた。
懺悔室で富める者や病める者の後悔も山ほど聞いた。
大切なものは祖父母ぐらいしかない。

「私にとって怖いのは誰にも必要とされず役にも立てず
 無意味に死んでしまうこと」

「七篠先輩は平常運転で良いんですよ。
 そっちの方がおも…可愛らしいですから!」

『インダルジェンス』を出して七篠先輩の肩に触れさせて『鎮静』を発動。
今回はちょっと刺激が強すぎたのかもしれない。

「アイス食べたら一緒に寝ましょうね!」

656七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 16:22:34
>>655

「そう…ですね…。
 いや、流石に男の人に襲われた経験はないので…。
 拉致されたり死にかけている一抹くんの方が大変だと思います…」

 七篠は年下の先輩に想定以上にハードな経験が多いことと、どうやらこれは慰めらしいと理解して微笑んだ。
 どうやら『鎮静』が効いたようで穏やかな表情をしている。

「大丈夫ですよ、一抹くん。
 私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
 ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

「……一抹くん? もしかして『面白い』って言いかけましたか?
 酷いです!」

 七篠はすこし怒るようなポーズを取る。
 もちろん『鎮静』されているので怒ってはいない。これはあくまで怒ったフリのようだ。
 本心を話したことを誤魔化そうとしてるのかもしれない。


 七篠のアイスは練りすぎてもはや伸びるどころか溶けつつある。ストローで吸えそうだ。

――『ウツギ』が作れれば、ストローみたいに使えるのに…。

 七篠は『落葉広葉樹』のことを考えながら、どうにかしてアイスを食べ進めた。

657一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 16:55:42
>>656
「と、言っても七篠先輩の方が強いのですが…
 そこは私が上手いこと『枝』を使いますね」

「スタンド使いも死ぬ時は死ぬから運次第ですね。
 死なないために戦闘センスを磨く努力をしないと」

『インダルジェンス』で自分の口元にトルコ風アイスを運びながら『鎮静』を続ける。

「まぁまぁ怒らずに。可愛らしいということで。
 どんどん食べて肥えてくださいね!」 

「さぁさぁ、七篠先輩は疲れてるのです。
 ベッドで寝て精神的に回復しましょう」

アイスを食べ終えたら七篠先輩をスタンドで持ち上げてベッドにポイして寝かせる。
上手いこと『鎮静』が効いて眠ってくれるだろう。

658七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 17:20:20
>>657

「私なんて、全然強くないですよ。
 『オジロ』の時から一抹くんに頼りっぱなしです」
「戦闘センス…。練習あるのみですね」

「もう! やっぱり私を肥えさせようとしてたんですね!」

 七篠は怒ったフリを続けながら『リルトランク』を発現させて『インダルジェンス』に抵抗を試みる。
 …が、能力差で『リルトランク』も引きずられていった。
(『リルトランク』パD 『インダルジェンス』パB)

「……一抹くんも、一緒に寝るんでしょう…?
 今日は疲れたでしょうし…」

 横にさせられた七篠は掛け布団を軽く持ち上げ、一抹に中に入るように促す。
 『男性への恐怖』という悪感情が『鎮静』されているからか、それとも一抹が最中の『アリーナ』で行為に至らなかったからか。
 七篠は変わらず一抹のことを『恐れるべき異性』とは認識していないようだった。

――……一抹くん、すぐいなくなっちゃいそうだから『木の枝』で手錠みたいにできないかな…。
――でも『インダルジェンス』がいると『枝』折られちゃうし…。

659一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/07/13(火) 18:05:43
>>658
「大丈夫。血を流せば良くないものは出て痩せますよ!」

「抵抗力がよ、弱い…どっこいしょ…」

失礼な事を言いつつ『インダルジェンス』で七篠先輩をベッドにポイする。
『リルトランク』の非力さに寄らば、絶対に負傷不可避な技の必要性を感じる。
既にナイちゃんさんが有効活用しているかもしれないが…

「ここ最近は轢かれたり不審者を斬って赤メッシュさん
 と決闘しかけたり、最中に捕まって戦ったりと休む
 暇も無かったので隣に失礼します!」

「『インダルジェンス』で良い夢を…!」

遠慮なく隣に侵入して『鎮静』を自動発動させたまま寝る。
私は『夢』を見れないが七篠先輩は『鎮静』によって余計な要素の省かれた理想的な夢を見るだろう。

「後で、抜け出して『音仙』のところに行かなきゃ…」

660七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/13(火) 18:19:31
>>659

 七篠は一抹を抱き枕にしていい夢を見たらしい。

              今度こそ to be continued.

661うわさばなし:2021/07/13(火) 23:06:34
どこかで、2人の学生が言葉を交わしている。

「なあ、オタクに優しいギャルって実在すると思うか?」
「おめー、頭が平成初期のおっさんか? リア充オタクなんて今時普通だ。漫研の男どもは大半ワンピ全巻持ってるガチ勢なくせに彼女持ちも珍しくねー。それも、スクカ上位のな」
「じゃあ、根暗はどうよ」 
「あー、それアメ研? アメコミ同好会のオタクくんと……」
「正解、できてるって噂のギャルだよ……まだらの……」

まだらと口にした少年は、僅かに声を細めて言葉を続けた。

「パパ活やってるって噂の……」

パパ活――売春の隠語を耳にしたもう一人の少年は、呆れた顔をした。

「ツラのいい女の外見が派手ならパパ活? ちょっとおめーの良識疑うぜ。ないのは知ってるけどな」
「外見だけじゃねーよ! あの金遣いだよ!」

片方は興奮し、声を荒げる――もうひとりはうるさそうに顔を顰めた。

「カスみてーな金しか降りねーから、使うもんは自腹で買うのが同好会だ、いいか、あのまだら、出てる邦訳アメコミ『全部』買って『同好会』に寄付してんだぞ 安くても二千円の本だぞ? 毎月いくら飛ぶと……」
「バイトでもしてんじゃねーの」
「そんなキャラじゃねーよ。一人称あーしの女をどこが雇うんだよ」
「キャラ立ってるし、遊園地じゃね?、ほ?し?みランドとか、ポ……」

もう一人が二軒目の施設の名前を告げようとしたのを遮って、片方が再び声を潜めた。

「……実は、俺、見たんだよ。まだらがあの風俗ビルに入るの」

風俗ビル――滅びゆく世界の一つ。
いつか、いつかと少年たちが憧れ、時に貯めた金を握りしめて挑む桃源郷。
そのビルに入る女は――大抵が、従業員だ。
 
「ぜってーにフーゾクかパパ活だって! な!!」

興奮を強める一方とは真逆に――もう一人は、溜息を付いた。

「実はな、俺も見たんだよ」
「何を」
「その近くのジャズ喫茶でバイトしてんのな、まだら。オタクくんと」
「は!?」
「俺、場末マニアだからさ。巡るんだよ、銭湯とか、立ち食いそば屋とか。そしたら制服着た2人が駄弁ってんの見た。後で調べたら、ジャズ喫茶と風俗ビルと持ち主が同じだったんだ。おめーが見た時は、まだらは面接でもしにいったんだろ」
「……まじか」
「嘘ついてどーすんだよ。俺にあいつを庇う理由があるか?」

それを懸命に探している様子の少年に、もう一人は言葉を続ける。

「客が来ないの承知で遊びでやってる店だから、給料はかなりいいらしいぜ?、まだらとオタクくんが普段何に金使ってるにしろ、2人の『バイト代』合わせりゃアメコミ買う余裕くらいあんだろ。ウチはバイトありだし、疚しくはねーだろ」

もうひとりの言葉を受けた一方は――がくりと肩を落とした。

「つまんねーの、マジなら割引してもらおうとおもったのに」
「おめー、ホントクズだよな」
「でもダチだろ」
「一応な」

662御影憂『ナハトワハト』:2021/07/16(金) 18:58:42

風呂上り――タオルを頭に巻いて談話室に座っていた。
前髪を上げているため、顔が完全に露出している。
知り合いであっても、誰だか分からない可能性が高い。

         パラ…………

手に持っている雑誌を捲る。
ここに置いてあった星見町のタウン誌だ。
歓楽街周辺の記事を、それとなく眺める。
『ロングヘアの宿命』として髪を乾かすのは容易ではない。
そして、今は『別の問題』も抱えていた。

663円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/17(土) 03:48:03
>>662

「それじゃーまた来るね! バイバーイ!!」

――――知った声が聞こえた。

……少し離れたところから聞こえたそれは、
すぐにその主の足音に変わって近付いて来る。
とにかく、騒がしい存在だった。

制服の上に薄いパーカーを羽織っており、
学校帰りに遊びに来ていたのを伺わせる彼女は、
道順の問題か、談話室の前を通って…………

         じっ

「……あれあれーっ?」

猫のような視線を御影の方に向け、立ち止まった。
普段と異なる装いのためか、まだ気付いてはいない。

664御影憂『ナハトワハト』:2021/07/17(土) 15:58:52
>>663

『別の問題』とは『ドライヤーが壊れた』事である。
ゆえに『タオルドライ』を徹底する他なかったのだ。
しかし、『髪の長さ』ゆえに気の遠くなるような時間が掛かる。
ここで雑誌を読んでいたのは暇潰しのためだった。
『狩場』にしている歓楽街の情報も、
ついでにチェックしておこうという考えもあった。

「………………」

(あ………………ヤバ………………)

雑誌に隠れて様子を窺いつつ、平然とした態度を装う。
だが、内心は『不味い』と感じていた。
苦手な相手だ。
出来れば避けて通りたかったが、既に見られている。
どうするべきか…………。

(『どんな』だったっけ………………)

「えっと――――何ですか?」

自分でも忘れかけていた『素の声』で応じる。
御影憂は『本当の自分』を見せる事を好まない。
それは『弱さ』を見せる事に繋がるからだ。
自分は『恐怖を与える側』であり、
『恐怖する側』であってはならない。
普段の呟くような喋り方は、
ファションやヘアスタイルと同じく、
『恐怖』を煽るための『演出』。
しかし、あまりにも長く続けてきたせいで、
それが身に染み付いてしまっていた。
『元々の声』を出すために、
『演技』をしなければならない程だ。

「私の顔に何か付いてます?」

(今は………………気付かれたくない………………)

外見と相まって『別人』で通せるはずだ…………多分。

665円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 00:00:18
>>664

御影の内心を知ってか……いや、知らずだろう。
しばらくその顔を見ていたが――――

「あはーっ、ごめんネ、勘違い勘違い!
 お顔には何にもついてないでーす。
 あたしの友達に似た人いるから、
 その人が『イメチェン』したのかなーって!」

いずれにせよ見た目だけでなく、
声も違えば、セララも他人だと認識したらしい。

            トコトコ

「ねえねえーっ、それって何の本……ですかー?」

                ストン

「あ! 星見町の本ー? あたしにも見せて見せて!」

が、それがセララを退けるという結果にはならない。
躊躇いない動きで、一つ離れた席に腰を落とした。

別に知らない人なら知らない人で、
談話室にいるなら話しかけて良いと言う考えだった。

666御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 00:47:04
>>665

御影憂の素顔は、特に恐怖を煽るような印象ではない。
『眉根を寄せる癖』のせいで、
いつも困ったような表情をしているように見える。
それだけ見ると、むしろ『恐怖を与えられる側』の顔立ちだ。
顔を隠す最大の理由は『恐怖を与えるため』である。
同時に、『素顔が怖い顔に見えないから』でもあった。

「あ、そうなんですか」

そのまま話を切り上げようとした。
多分『どこかに行くのだろう』と思ったからだ。
しかし、あろう事か隣に座られてしまった。

(あぁ………………)

(セララ………………『こういうヤツ』だった)

心の中で、自分自身の『考えの甘さ』を痛感する。
御影憂と相対する者は、
一度は『恐れ』を抱かなければならないのだ。
初対面から平然と近付いてくる人間など、
決して存在してはならない。

(絶対いつかビビらせてやる………………)

                 (………………『いつか』)

だが――――とりあえず『今』を乗り切らねばならない。

       「はい、いいですよ」

            スッ

そのために『演技』を続ける。
表面上は至って自然な態度を装いながら、
広げた雑誌をセララの前に差し出す。
歓楽街周辺のスポットが紹介されているページだ。
記事の一隅に『ホラーをテーマにした飲み屋』が載っていた。
テーブルに料理を運ぶ女性店員の写真も掲載されている。
格好が『死装束』なのは、この店の趣向らしい。
写っているのは他でもない『御影憂』だった。

667円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 01:12:38
>>666

セララは、その顔に何かを言うでもない。
何も知らないからだ。

「あはーっ、ありがとうございまーす! 失礼しまーす」

              ズイッ

「えーっと、どれどれー。
 わ、大人のお店ばっかりだー。
 あたしも大人になったら行ってみたーい」

身を乗り出して雑誌を見る。
円谷世良楽は誰にでもこんな調子なのだろう。
    
「あ! うそーっ、ねえねえ見て見て……くださーい!
 この人ー! あたしの『友達』が写ってる! あはーっ」

                   ピ

目ざとく『御影』を紙面に見つけると、
その写真を指差して『知らない人』に笑う。

「先輩……あ、先輩ですよねー?
 あのねあのね、この人に似てると思ったんですよ! すごい偶然ー!
 んー、でもでも、こーやってみると全然違うかも! 髪型とか……」

違う訳はないのだが……雑誌で見る仕事中の人間と、
直接見るオフの人間、しかも装いが違えば、そう思うのも不思議はない。

668御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 01:47:19
>>667

御影の写真が使われたのは、
『最も雰囲気に合っていた』からだった。

「え、うん――――」

「『すごい偶然』――――」

「――――だね」

言う言葉が思いつかず、ただ相手の言葉を繰り返した。
『バイト先』の記事が載っていたのは予想外だった。
そういえば、少し前に『取材』が来ていたような…………。

「『友達』なんだ」

(セララで助かった………………)

「ちょっとだけ似てるかも」

そもそもセララでなければ何の問題もなかったのだが。

「似てる人は『世の中に三人はいる』って言うし」

「『その内の一人』……だったりして……」

相手はセララだ。
よほどドジを踏まない限りバレる事はない。
だが、意味がないと分かっていても、
どうしても焦ってしまう気持ちは否定できない。

「あの――『その人』って、どんな人?」

『何か言わなければならない』と考えた結果、
口から出てきた言葉が『それ』だった。

669円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 02:28:20
>>668

「ねー、ねーっ!あたしもびっくりー!
 同じ顔が3人いるって、『ドッペルゲンガー』でしたっけ。
 この前テレビでやってたかも。会ったら死んじゃうって!
 怖いよねー。先輩気を付けた方がいいですよ、あはははーっ」

ホラーな話題だが、怖れてはいないのだろう。
笑顔のままで写真を見ていたが……

「この人? えっとねー、大学部の先輩で、心理学やってるんだって!
 カッコいいですよねー心理学って!
 ほらほら、メンタリストってやつですよ! テレビに出てくる!」

以前にも聞いた事のある事を言うのは、
セララが特に心理学に詳しくないから、
それしか言える事が無いのだろう。

「それでね、すっごい面白くってさー。良い人でー。
 ファッションちょっと変わってるけど、おしゃれですし。
 あとあと、迷子の子を助けてあげたりとかするし!
 あたしのことも、いつも優しくしてくれるんですよー。あはーっ」

他意はどこにも存在しない。

           「お菓子くれたりとか、お話聞いてくれたりとか、
            あたしがいないとこで褒めてくれたりとか」

「すっごい大事なお友達ー。他の友達のみんなも、同じくらい大事ですけどネ」

深い響きもない。考えもない。単にそう思ってるからそう言ったのだろう。

670御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 03:07:02
>>669

何しろ相手はセララだ。
褒め言葉など大した意味を持たない。
どうせ考えもなしに言ってる事は分かりきっている。
単なるリップサービスでしかない。
適当に聞き流しておけばいい。

       ソッ…………

だが、何となく顔を背ける。
別に深い意味はない――――はずだ。
ただ、ほんの少し照れくさくなっただけで。

「そういえば……歓楽街で『通り魔』があったんだって」

しかし、セララは『利用価値』が高い事も事実だ。
こちらが何を聞こうが疑問を抱く事はないし、
呆気ないくらい簡単に誤魔化す事が出来る。
そこが『サクラ』とは違う所だ。
彼女も人を信じやすい方だが、『思慮』がある分だけ、
セララほど動かしやすくはない。
ただ、個人的な感覚だけで言うと、
苦手なセララとの接触は多くしたくないのが本音だが。

「『犯人』は『身長160cm』くらいの『若い女の人』らしいよ」

「気を付けてね」

だが、一応の『仕事』は果たしておく。
『情報の流布』――
『危険なスタンド使い』に対する『プロパガンダ』だ。
戦いにおいて『情報戦』はつきもの。
馬鹿正直に正面からぶつかるだけが戦い方ではない。
『情報』を握っているという事は、
そいつの『首』を抑えている事と同義。
スタンド使いが『一人の人間』に過ぎない以上、
どんな能力を持っていようと、
『身動きを封じる方法』など幾らでもある。
それが御影憂が属する『組織』の戦い方だ。

671円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/07/18(日) 03:29:43
>>670

「えー!? 通り魔ー!? こわーい。
 そんなニュース初めて聞きましたよ、先輩って情報通ー!
 でもでも、160cmの人ってたくさんいるし気を付けづらーい!
 130cmとか、190cmくらいあってくれたらよかったのにネ。あはーっ」

疑う事や悩む事はあまりなかったが、
今回については情報が少なすぎた。
当てはまる人間は無限にいるだろう。
とはいえ、だからこそ深刻みはなく、セララは笑う。

             ―♪

「あ! 先輩ごめーん、あたし連絡来たからそろそろ行かなきゃでーす」

          サッ

ポケットに入ったスマートフォンから短い着信が鳴ると、
雑誌から指を離し、椅子からそそくさと立ち上がった。
連絡が来ること自体は、決まっていた事なのだろう。

いずれにせよ、セララは過ぎ去るようだ。

「この後ご飯だからー、パパとママが迎えに来てくれるって!
 あはーっ。ねえねえ、先輩は今日の晩御飯、もう食べました!?
 あたしは今日ねー、お寿司! 楽しみ、楽しみー!」

                「それじゃーまたネ、先輩!
                 あ! 先輩も大学部だと思うし、
                 もしあたしの友達に会ったらよろしくー!」

陽が沈めば夜が来る。髪もじきに乾くだろう。また、御影の時間はやってくる――――

672御影憂『ナハトワハト』:2021/07/18(日) 17:14:20
>>671

『情報』は強力な武器だが、
一度出してしまえばそれで終わり。
今は出すタイミングではない。
今は、まだ。

「いってらっしゃい」

「――――バイバイ」

話の大半を聞き流し、去っていくセララを見送る。
同時に、『乗り切れた』事に密かに安堵した。
何の躊躇もなく正面から踏み込んでくる。
やはり、あの手のタイプは苦手だ。
雑誌を閉じて、テーブルに置く。

      スルゥッ

           バ サ ッ

タオルを解くと、異様に長い前髪が溢れ出し、顔を覆った。

「………………」

     スッ

おもむろに指を髪に通すと、
湿り気を帯びた感触が指先に伝わる。

「まだ………………乾いてない………………」

『夜』までには乾くだろうか。
いっそ、このままというのもいいかもしれない。
新たな『演出』としては悪くない。

(でも………………髪が痛みそう………………)

          ソッ…………

一人になった後、静かに自室へ引き上げていった。

673村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/19(月) 21:44:09
パタパタパタ…
       パタパタパタ…

「こんなもんでいいかな。あとは端から済ませていこうか・・・」

寮の裏庭で『七輪』を複数持ち出し、『炭』を焚いている。

674小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 12:50:49
>>673

「何をなさってるんです? 村田さん……」

別に煙がこちらの開放してる窓に入ってきたわけで無いが、こうも多いと
流石に匂いが来て原稿に文章を埋める手も中断してしまう。

何より、最近は余り夢見が悪いと言うか、何か大事な事を眠りの中に
埋めてるようだが掘り起こす事が出来なく。つまり、簡潔に説明すれば
寝てはいるが、眠った気がせず寝不足に近い感じで目の下にも隈が少し生えてる。

「何かお手伝い出来るなら、しますが……」

少し足がふらつくものの、外靴へ履き替えて村田さんの元に赴く。

「それと、一つ話したい事が村田さんにはあったんです。
電話でなくて、直接ね……」

丁度いい。『あの時』の事について懸念を告げる事にしよう。

675村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 18:02:40
>>674

 「よお、小林か。
 じきにキャンプシーズンだ。スキレットのシーズニングでもしておこうかとな。
 何、大した仕事でもねえ。」

見れば、いくつか鋳鉄製のフライパンが転がっている。

 「奇遇だな。おれもお前にキチッと話を通しておかにゃならんと思っていたところだ。
 大方、この間のゲーセンでのことだろ?
 あの時は余裕がなかったからな。腰据えて諸々喋るには、いい頃合いだ。」

676小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 19:32:33
>>675

「えぇ、話を擦り合わせるのにはね。
電話で相談しようかとも思いましたが、万が一通話を傍受される
可能性を考えれば、こうやって偶然会える時を狙って話し合いたかった」

地面に転がるフライパンを一瞥しつつ、村田氏の隣に立つ。

「私が、あの事件で村田さんが見えない場所にスタンドを飛ばした時
気になるものを見たんです。
――『蝙蝠』
 星見町で、単に生息してるか抜け出したペットの可能性もありますが
確かに、あの時。私は、そちらより自分達を観察する意思を知った」

携行してるマスカットティーから、ビー玉サイズの水槽を発現して
手の中で転がす。無機質なブリキ金魚は手の中で回っている。

「本当なら、私一人でも行方を追うべきだったのでしょうが……如何せん
蝙蝠のスピードと私の能力では地力が競り負ける。
 もう少し違ったアプローチは出来たかも知れませんが……」

あの時、居合わせた違和感について。こちらは告白した。

「村田さんは、どのような話を?」

677村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 19:56:45
>>676

「『蝙蝠』ね…そう珍しい生き物じゃないが、お前がそう言うならそうなんだろう。
 なんにせよ、おれたちのことは向こうに割れてると思っていいだろうな。」

フライパンを一つ拾い上げて炭火にかけ、多めの油を注ぐ。

 「実はな、『刀傷持ち』のスタンド使い…過去に倒したことがあったんだ。
 言っただろ、『チンピラをシメた』って。その時の首魁が『それ』だったって訳だ。」

 「図らずも二度、おれは奴さんの企みを挫いたことになる。そしておそらく、相手も挫かれたことに気づいている。
 となれば、だ。今までと同じ手を打ってくることはないはずだ。」

678小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/20(火) 20:16:21
>>677

「『刀傷持ち』を……」

つまり、奇しくも。あの時の事件以前から村田さんの運命に絡みついてたのだろう。
その見えぬ相手と彼を繋ぎ合う縁が。

「……私は、私なりに。今回の事件を追ってみようかと思います。
そうすれば……どうも、最近。何か大事な事を忘れていると言う事を
自覚出来始めたんですよ。ですから、思い出せるなら……それがどのような事であれ」

思い出したい。そう村田さんに告白する。

「……私は非力です。リュウカさん達を追い込んだ首謀者と偶然遭遇しても
止める事は出来ないかも知れませんが……それでも、やれる範囲で
出来る事はしてみようと思います」

「その時、手を貸して貰えるのなら。村田さんにも声をかけます。
村田さんも、一人で全てやろうとは思わないでください。
 こんな取り柄の少ない私でも、多少の助力は出来るでしょうから……」ニコッ

679村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/20(火) 20:49:04
>>678

 「『追うな』と言って聴くわけもないだろうから、一つだけ忠告しておくぞ。
 このヤマは、おれたちが思っているよりはるかに底の知れねぇ話だ。
 なんせ『アリーナ』が手出しをこまねいているワケだからな。」

 「『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
 ・・・文字通りにお前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ、おれは。」

『ゲンマ』と『リュウカ』の顔に深々と走る刀傷を思い出しながら、苦々しく顔をゆがめて言い放つ。
ぶっきらぼうな物言いだが、小林のことを慮っていることはわかるだろう。

 「これは勘だが・・・今まで『黒幕』は見境なく『切って』、端から目覚めさせていたんだろう。
 『ゲンマ』も『リュウカ』も、およそ企みとか闘いに向いた性格をしていなかったからな。
 目覚めさせたスタンド使いたちが起こす事件の物陰に隠れて、何かをしようとしていたはずだ。」

 「だが、それはおれたちが挫いた。だからおそらく、今度からは『切る相手を選ぶ』はずだ。
 闘い、策謀、悪意・・・そういうのに長じた人間を狙って切り、より指向性を持たせて来る。
 なんだかわからんが、『黒幕の企み』を成就させるために。」

徐々に熱され、煙を上げ始めるフライパンと炭火を眺めながら口を開く。

 「もしかしたら、『黒羽』が何か掴むかもしれない。
 独自の情報網をもっているようだから、奴にナシをつけておくのも手かもしれないな。」

680小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 19:25:08
>>679(レス遅れ失礼しました)

>『深追い』はするな。これだけは肝に銘じておけ。
>お前の『骨を拾う』ことになるのはゴメンだぞ

「以前、子供の頃に。手痛い経験は済んでますので、安心して下さい。
村田さんにはご迷惑かけませんから」

忠告が届いてるのか、通じてないのか。依然、小林の微笑は崩れない。

「そうですね、黒羽さんなら。まだ何処かで思わぬ拍子で今回と似た話を
仕入れるかも知れません……まぁ、その時は村田さんの方にも連絡を
入れてくれると思いますよ」

彼女は聡明ですから、そう言葉を終えて。暫く次の話題に頭を巡らせてから
一つ約束していた話題を、村田さんに振る事にした。

「話を大きく変えますけど。今、粗大ゴミでも何でも構いませんか
捨てるのに困ったものとかあります?
 いえ、私の知人がゴミ処理を扱える能力者でして。人の為に役立ちたいと
言う事で適当な相手を探してるんですよ」

村田さんでなくても、知り合いで気軽に困ってる方がいれば引き受けてくれるでしょうと
友人(千草)と交わしていた約束事を彼に告げた。

681村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 21:26:15
>>680

 「・・・まぁ、分かっているならいい。
 当面なにがし波風が立つこともねぇだろうから、おれたちにも牙を研ぐ時間はある。
 『アリーナ』に預けたあいつらにも、時間が必要だろうからな。」

『タツ』はともかく、『ゲンマ』と『リュウカ』は己の牙を研ぐ理由がある。
いずれ彼らの力を借りることになるかもしれないことを考えれば、準備期間は必要だ。

 「『ゴミ』か。おれの『能力』もその辺の処理は得意だから、持て余したモノの覚えはねぇな。
 お前も見ただろうが、あのときやった『爆破』の要領でだいたいのものは・・・」

フライパンに注がれた油を新聞紙にしみ込ませ、『棒化』。
それを炭火で炙ったあと宙へ放り投げ、解除。すると・・・

 ヴォ  ワン!

『火綿』のように急激に発火し、火柱を上げて灰すら残さず消失する。

 「この通りだ。殴って壊すしか能のない力だが、こういうところだけは便利に使わせてもらってる。」

682小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 21:53:36
>>681

「なるほど、あの時の爆発は……この要領でしたのですね」

『ディズィー・スティック』 村田さんの力は今まで目にしたスタンド使い
の中でも卓越している。あり得ないが、彼と自分が戦闘するとして
直接的にぶつかっても数秒で敗北を喫するだろう。これに限っては
村田さんでなくて、別のスタンド使いでも同様の結果だが。

ジェルマン、ブルバックス。どちらに関しても自身一人では太刀打ちする術は
無理だった。前者は居合わせた善意と力を有する二人により。
 後者は手も足も出なかったのが現状だ。

「謙遜せずとも、それだけ突出していれば村田さんは容易に誰かれに
襲われる事があっても逆に相手を返り討ちに出来るじゃないですか。
 逆に、一芸どころか覗き見する以外の用途だと周りに都合の良い道具が
無ければ私は何も出来ませんよ」

微笑を苦笑の形に変えつつ、懐から前もって携行してる飲み物を入れた
『水槽』を取り出す。今日も猛暑に近い

「どれか飲みます? 前もって冷やしてる『麦茶』『ファンタ(グレープ)』
『カルピスソーダ―』が本日のラインナップですよ」

三つの水槽を手の平で転がしつつ、要望を聞いた。

「……私の能力も、液体を内包する以外で何か出来ればいいんですけどね」

683村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 22:53:55
>>682

 「『戦士』に必要な才能と、『詩人』に必要な才能は違う。
 そのくらいのことは、お前が一番よくわかってるんじゃねえのか。」

 「少なくとも、あの戦いでお前はお前にしかできないことをした筈だ。
 伴ってなかったのは力の大小じゃない。お前の『覚悟』の問題だ。違うか?
 あの瞬間、おれとお前の間に決定的な差があったとすれば、目的のためには妥協しない『覚悟』だけだ。」

先の戦いを思い出す。小林は敵を打倒する意思に欠けていた。
『リュウカ』にずいぶん入れ込んでいたようだし、彼らを敵として認識できていなかったのかもしれない。
とはいえ、最終的には小林にしかできない手段で手を下した。
もし最初からその気であれば、おれが何もせずとも彼らを制圧するに足る『能力』ではあるはずだ。

 「剣でしか倒せない敵がいるなら、詩句でしか倒せない敵もいる。
 ・・・お前のすべきことは自嘲じゃない。研鑽だ。『それ』がおまえの『才能』ならな。」

宙に浮かぶ水槽を眺めながら言う。
かつて背中を預けた男にだからこそ、あえて厳しい言葉を投げるのだ。

684小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/07/21(水) 23:26:02
>>683(宜しければ次で〆させて頂きます)

「ジェルマンと言う怪盗にも詩人と言われましたが。
そんなに、私は詩人のような体裁で過ごしてますかね?」

詩情を解するのも、唱えるのも好んではいる。
 だが、こう出逢った人物に言われると不思議に感じる。
一応、自分では普通にしてるつもりなのだが……まぁ、これについては
置いておこう。

「……『覚悟』か。
村田さんは『無慈悲』になれ、と言いましたよね。

例え、その相手が自身にとって代え難い存在と敵対したとしても……
そんな状況は、無い事こそ一番良いですが。
 それでも村田さんは…………いえ」

忘れて下さい、今の言葉は。と彼に問いかけるのを止めた。

あの時、彼の『覚悟』は十分 瞳に焼き付けた。

「了解しました、研鑽つとめます

……リュウカさん達に、また会える機会があれば。快癒した後にでも
再会を村田さんがしたら、私から、あの時は手伝えず申し訳なかった事と
お相手出来た事の感謝を告げて下さいね」

彼女からすれば、余計な事かも知れませんが……。

685村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/07/21(水) 23:59:54
>>684
 「・・・言いてぇことはなんとなくわかる。だから、言っておこう。
 おれがその無慈悲を以て守りたいのは『おれの世界』そのものだ。
 その平和を守るためなら、障害はすべて破壊する。脅威はすべて叩いて潰す。元凶はすべて排斥する。
 ・・・たとえそれが、『おれ自身』であったとしてもだ。」

 「何もかも捨てて、諦めてきたような男だ。
 今更『自分自身を捨てる』ことに、何の未練もありゃしねぇ。」

問いを止めた小林に対して、あえて続ける。
ぎらりと光る鋭い視線が小林を突き刺す。自己を顧みない過剰な覚悟が言葉から滲む。

 「『リュウカ』については覚えておく。
 だがもし、お前が『アリーナ』の『漣派』と呼ばれる連中と会うことがあったなら、『直接』伝えられるだろう。
 これもただの勘だが、彼らの口ぶりからいって『アリーナ』にも色々あるらしい。
 ・・・すこしはマシな顔した『リュウカ』が見られるだろうよ。多分な。」

686常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/04(水) 23:19:55
「うおおおおおおおおおお夏休み突入!!!」
「お坊ちゃま方…お嬢様方…宿題は進められておりますか!?!?
 いやそんな物はどうでもいい!!!!!たっぷり遊んでください!!!!」

「そしてたくさん食べてください!!!!」
「素麺を茹でましたよ!!!」
「そしてスイカを!!!!!スイカを切りましたよ!!!!!!!」

昼。食堂。
野太い声が響いている。暑苦しい雰囲気。

687氷山『エド・サンズ』:2021/08/06(金) 20:52:39
>>686

   ゆらぁりぃ・・・

―――真夏の昼の食堂
直射日光こそ遮られているものの、熱気と湿度がムンムンに籠るこの場所で
常原は背後から殺気を感じるかもしれない

   ゆらぁりぃ・・・

振り返れば、手ぬぐいを覆面の如く目元に巻き、
両手で一振りの木刀を持った少女が手に持った獲物を上段に振りかぶっていた
服装を見るに清月の高校生のようだが・・・・・これは!?

688氷山『エド・サンズ』:2021/08/09(月) 23:10:38
>>687

    パアアアァァァァァンッ!!

その少女は常原のすぐ傍を突風の様に通り抜けると
彼の背後に置かれていた『大玉スイカ』に向けて木刀を振り下ろした

   『爆発四散!!』

残骸を回収し、言葉もなく彼女は去って行った

689常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/08/10(火) 01:07:08
>>688
「ぐおおおッ  何奴!?!?」

突然のアンブッシュ。飛沫が散り白いエプロンが赤く染まる!!!!


「……………何だかわかりません……いってらっしゃい!夏休みを楽しんで!!!」

690甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/20(金) 09:13:58
真夜中の学生寮
真っ暗闇の中、蠟燭の灯りだけが部屋を照らす
百物語も佳境に入って来た
次は誰の番だったかな…

691甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/21(土) 20:57:29
>>690
???「トリは私が飾ろう」
青白く、生気の無い顔の女が語り始める

――――――――――――――――――――

???「そして医者がうっかりお腹に入れたまま忘れてしまったメスが
   体内をズタズタに切り裂いて主人公は死んでしまいました、めでたしめでたし」
あま「泣ける話だった…」

フッ

100本目の蝋燭が吹き消され、部屋は完全に暗闇に包まれた

信玄「ところで、あいつ誰だ?」
あま「知らない」
秀吉「百物語は99話目で終わるのが普通だろ、何で100話目やるんだよ」

ザッ――――
ゴロゴロゴロゴロゴロ

突然、大雨が降りだし雷が落ちて来た

信長「てめぇは…?」
???「クックック…」

その時、天井から突如大きな手が現れ、一同に襲い掛かって来た!

あま「…青行燈…!」

絶対絶命かと思われたその時だった

「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
「破ぁ!!」
その叫び声とともに青行燈は消し飛んだ行った
やっぱり寺生まれはスゴイ、改めてそう思った

おわり

692ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/26(木) 22:27:51

「びっくりしたの」


この子供、学校に通っていないし、当然寮の住民でもないが、
特に用事もなく来て、友人の部屋に(勝手に)入ったら、血まみれで荒らされていた……
ので中庭に戻ってきた。


「まあ、ええか。
 わしも自分で涼めるようになったしの」


実体化したミニチュアの『屋敷』を出現させ、中に入る……
まるでおもちゃのようだが、スタンドパワーによって冷暖房も完備だ。
もし通りかかりの者が覗き込めば、ちっちゃい金髪の女の子が窓から見えるかもしれない。

693ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/27(金) 22:17:12
>>692

ちなみにナイが見た血まみれの部屋は、七篠 譲葉の部屋である。
【場】『自由の場』 その2(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/292-350)


  バシュバシュバシュ


「ワハハ」


窓から花火を撃ちだしたりして遊んでいる。
ミニチュア状態で発射した花火が外に出て原寸大に戻るのは、中から見ると大迫力だ。

694ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『ディスタント・ラバー』:2021/08/28(土) 22:22:02
>>693

「……ふが」


暑さで目を覚ます。
どうやら寮の中庭で寝ていたようだった。
『屋敷』は快適だが、中で意識を失う(寝る)と、解除されてしまう。
結果、外で寝ていることになってしまうというわけだ。


「家じゃが住めん、というのが問題じゃの……
 帰るか……」


ふらふらと去っていった。

695七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:10:41
 『ハイエース』から女子高生ぐらいの焦げ茶の髪をした少女――七篠が降りてきた。

――ひとまず、『氷山さん』を安全なところへ…。

 七篠は手に持った『かき氷の器』ではなく『カバン』に軽く意識を向けながら『寮』の台所へと向った。

――私の部屋、一抹くんとナイちゃんに『鍵』を渡してるから…。
――部屋の冷蔵庫に置いておくと遊びに来ちゃうかもしれない。

――これは台所の冷凍庫の深いところに隠す…。
――『空のペットボトル』に『氷山さん』を移したのはあくまで応急措置。
――そのまま入れておくと誰かに食べられちゃうかもしれないし、『開封済のペットボトル』に入ってる『氷』ならわざわざ食べようとする人はまずいないはず…。

――『器』も、『かき氷』から戻る時に必要になるかもしれないから、こっちは…私の部屋に…。
――『器』だけなら…たぶん、一抹くんもナイちゃんも気にしないし…。

 真顔で考え事をしながら『冷凍庫』深くに『氷山さん』を隠す七篠。
 冷凍庫の深いところを掘るようにものを取り出している姿は異様かもしれない。

696大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 00:32:02
>>695(七篠さん)
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)がやってきました。

「くぅくぅ おなかが なりました」(↓ハスキーボイス↓)

「なんということでしょう。
 はらぺこの おおかみの とうじょうです」(↓ハスキーボイス↓)

「こんにちは あかずきんさん。
 れいぞうこに おいしい おやつを かくしているのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

七篠の悩みは知ってか知らずか、いつも通りの大神的演劇口調で話しかける。

697七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 00:44:28
>>696

「あ、お久しぶりです。大神さん」

 七篠は『氷山さん』が一番下になるようにしてから『冷凍庫』に入っていたものを慌てて戻しながら挨拶をする。

「か、隠してなんて、いないですよ…?
 ちょっと以前友達が作ったデザートをここに入れていたなと思いまして…」

 七篠はそう言うと『もっちり偽アイスプリン』を取り出し、大神に見せる。残り二つだ。

698大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 21:38:13
>>697
「ほほぅ、それはまさかの『もっちり偽アイスプリン』……しかも個数は2個」(↓ハスキーボイス↓)

「それは、つまりズヴァリ、こういうことかね、七篠くん」(↓ハスキーボイス↓)

大神のオッドアイ(コンタクトレンズです)が妖しく光る!!!

「ズヴァリ『他の寮生たちには秘密で、キミとボクの二人きりでこっそり2個の賄賂プリンを食べる秘密のお茶会をして、プリン共犯と言う名の口裏合わせの口封じを行い、プリンの証拠隠滅をしようぜ、ここには最初からプリンなんて無かったさ、お化けなんてないさ、お化けなんて嘘さ』というわけだね?」(↓ハスキーボイス↓)

ポンコツ〜ん    ←ぽんこつ探偵の擬音

699七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 21:51:05
>>698

「そ、そうですね。
 また二人だけの『秘密』が増えちゃいますね」

 七篠はなにか隠しているような焦り方をしながら『もっちり偽アイスプリン』を片方差し出し、台所の引き出しからスプーンを取り出した。

――一抹くんが置いていった『プリン』…。
――結構時間経ってるけど冷凍だから大丈夫だよね。

「あ、そうだ。『お茶会』の話題として聞いてほしいんですけど、
 この『寮』に『クリスマス』用品とかってあったりしませんか?
 ちょっと季節外れでなんなんですけど…」

 七篠は手にしたスプーンを渡しながらそう口にする。

700大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/05(日) 23:06:21
>>699
プリンを受け取る。プリンだ!イェーイ!という心は隠しておく。

「そうだよね、背徳の罪は美味だからね、しょうがないよね、ダイエットとかダイエットとか」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ、修学旅行の夜が如き、ひっそりお茶会のこっそり話とはなんだい……ってクリスマス用品?」(↓ハスキーボイス↓)

「ふむ……困ったな。
だってさ、なにぶんボクもまたこの4月に寮に来たところだから、そのあたりは詳しくないのだよ。
『寮備え付けのクリスマス用品』となるとおそらく、センパイや常原クンの方が詳しいだろうね」(↓ハスキーボイス↓)

「だが、求めているものが『ただのクリスマス用品』と言うなら……」(↓ハスキーボイス↓)

   パンッ   ←手を叩いた音

「ボクの方で『心当たり』がないこともないね」(↓ハスキーボイス↓)

大神の手の間から『☆型のクリスマス飾り』が出てきた。

「Magic Show」(↓ハスキーボイス↓)

701七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/05(日) 23:25:35
>>700

「……ダイエット…。その言葉はちょっと聞きたくなかったかもです…」

――…水着、ちょっとおなかが気になってたんだよね…。
――海でもラッシュガードで隠してたし…。
――……それもこれも一抹くんがお菓子を持ってくるからで…。
――あれ、もしかして最近の私にやってくる問題って一抹くん絡みばっかり…?

 七篠はすこし俯き、手に持ったアイスプリンに視線を落としながら考える。


「…あ、そうなんですね。
 うーん、『常原さん』という方が詳しそうな感じなんですね。お会いしたことがないです…」

 七篠が『常原』という名前をしっかりと覚えなければと決心している内に大神の手の中に『クリスマス飾り』が現れていた。

「あ、えっ!?
 この間お話しされてた『手品』…ですか?
 全然タネがわかんなかったです…!」

 七篠はそう驚いたように言った後、小さくつぶやいた。
 近くにいる大神には聞こえているかもしれない。

「……『奇術師』ってすごく『クリスマス』っぽいかも…。
 『街にクリスマスを満たす』ののお手伝いをお願いする…? でも…」

702大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/06(月) 23:14:27
>>701
「うむ?この寮にいて、常原クンを知らないのかね?会ったことがないのかね?
常原クンは『料理・洗濯・掃除が得意な武芸百般の隻眼メイドガイ』さ。
多分、姿を一目見れば分かると思うよ」(↓ハスキーボイス↓)

「おそらくだけど、あの常原クンならクリスマス料理なんかも作れるんじゃないかな。
ああ見えてもかなり器用な人なので『飾り付け』や『お裁縫』もできそうなものだが……」(↓ハスキーボイス↓)

「なので、この寮でパーティをしたいなら、常原クンを探すといいかもしれないね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクにできるのはせいぜい『上っ面のゴマカシ手品』ぐらいなものなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

   パン!   ←手を叩く音

とか言いつつ大神の手の上に『手のひらサイズのクリスマスツリー』が現れた。

「Magic Show」
先程の『クリスマス飾り』はどこかへと消えている……。

703七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/06(月) 23:54:39
>>702

「そんなに特徴的な人なら見てるのなら覚えてそうなんですけど…。うーん…?
 『武芸百般』で『隻眼』の『メイドガイ?』ってなんだかすごそうですね…」
「料理とか飾り付けもお得意だなんて本当に万能な方なんですね」

 七篠はそう言いながらまだ見ぬ『メイドガイ?』に思いを馳せているようだった。

「わっ!?」
「……今度はツリーなんて…。それにさっきまでの飾りは…?」

 七篠は思わずと言ったようにつぶやいた後、何度か頷いてからまた口を開いた。

「『手品』本当にすごいです。
 二回目なのにタネが全然わかりませんでした」

「その…ちょっと三月兎みたいに変な話なんですけど、
 今『街中』を『クリスマス』にする方法を探しているんです。
 もし、タイミングが合えばなんですが…『クリスマス』を一緒にしませんか…?」
「きっと『手品』で『クリスマスショー』みたいな感じにできそうだなって…。いえ、忘れてくださいっ!
 本当に変なこと言っちゃってますね…」

 三月兎、『アリスのお茶会』とこの『お茶会』にかけた言葉なのかもしれない。
 『夏』を『冬』にする方法を探しているという異様な話な上に、
 さらに一緒に『街中』を『クリスマス』にしようと誘っている。まさに三月兎――『気でも違えた』ような話だ。

――一抹くんがいつ『夏の風物詩』になっちゃうかわからないからって…。私、焦っちゃってる…。
――スタンド使いなら経緯を話せば協力してもらえるかもしれないけど…。
――私じゃ大神さんみたいな普通の人にうまく説明できない…。

704大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 00:09:19
>>703
大神がオッドアイ(偽)をぱちくりとさせる。

「なんだって?街中をクリスマスに?」(↓ハスキーボイス↓)
人をびっくりさせるのが大好きな大神にしては珍しく自分がびっくりしているようだ。

「アレかね。それは『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『グリンチ』のようなお話かね?」(↓ハスキーボイス↓)

「『街をクリスマスに変えよう』なんて実に大した魔法(マジック)じゃないか。
不思議な奇跡、荒唐無稽の奇妙奇天烈を起こすのはずいぶんずいぶん魔法(マジック)だ」(↓ハスキーボイス↓)

「興味深い。もっと詳しく教えてくれたまえ」(↓ハスキーボイス↓)

コポコポコポ……お茶のおかわりを入れた。

「お茶会(なんでもない日パーティ)を続けようじゃあないか」(↓ハスキーボイス↓)

705七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 00:33:40
>>704

 七篠は意外にも興味を持たれ、目をぱちくりさせてから悩んだように切り出した。

「えっと…『クリスマス』を盗む『グリンチ』より、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』…。
 いえ、むしろ『美女と野獣』や『カエルの王子様』に近いかもしれません」
「これから話すことは荒唐無稽なので…
 半分『お茶会』のジョークだと思って聞いてもらえると助かります」

 七篠はそういって言葉を切り、お茶を一口飲んでからまた続けた。

「私の友人たちが『夏の魔法』にかかってしまっているんです。
 その『魔法』を解くには『街中』を『冬』にしないといけないみたいで、私はその方法を探しているんです」
「『クリスマスソングを流す』、『モミの木の香りを広げる』、『飾り付けをする』…。
 まだこのくらいしか決まってないんですけど、
 もしそこに『奇術師が手品を披露する』が入ったらとても『クリスマス』っぽいかななんて思いまして…」

 七篠はそう言うとプリンを口に運び、お茶を飲みながら大神の様子を窺った。

706大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 20:10:11
>>705
「ふむ、まず……『荒唐無稽な点』については安心したまえ。ボクは荒唐無稽が大好きなんだ。

 なので、『クリスマスの魔法』(マジック)に、ボクが協力するのは『やぶさかではない』」(↓ハスキーボイス↓)

紅茶を飲みながら、『シルクハットをかぶったキ〇〇イ帽子屋』の大神は話していく。

「ただ、『実現の現実味が薄い』と言うのも事実だね。
 正直、『ボクらがちょこちょこ活動したところで、街中に冬の魔法をかけるなんて無理』じゃないかね?」(↓ハスキーボイス↓)

「となると必要なのは、もっと『大規模で抜本的な作戦』、

 『タネに気づかれないように、大勢を魔法(マジック)に巻き込む』ような作戦。

 僕らだけで、小規模にやっても『それ』の達成は無理だ。

 それとなく、大勢を巻き込んで、いつのまにか街中をクリスマスの魔法(マジック)にかけてしまう……

 これを、【この季節に、この街に『クリスマスブーム』を起こしなさい】みたいな問題だとすると……

 たとえば、『ラジオ局』は当たってみたかい?

 『新聞』は当たったかい? 学級新聞レベルから始めてもいい。

 つまり、『マスコミ』を使う作戦だ」(↓ハスキーボイス↓)

「大人を巻き込んだほうがいい。ボクらだけじゃ、無理だから」(↓ハスキーボイス↓)

707七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 20:46:12
>>706

「ありがとうございます。
 協力してもらえたら本当に助かります」
「……そうなんです、少ない人数でちまちまっとやっても街全体が『クリスマス』にはならないですし、
 『冬』にするにもとても足りないんです…」

 そしてふむふむと大神のアイデアを聞きながら七篠はいつの間にかカバンから取り出したらしい『手のひら大の付箋』にメモを取り始めた。

「『マスコミ』、第四の権力ですね」
「『ラジオ局』は他の人と話してるときに案に上がったんですけど、
 『街中』となると『町内放送』みたいなのじゃないと難しいんじゃないかって話になったんです。
 でも、0より1ですし問い合わせてみるのもいいのかもしれないです」
「『新聞』…。『校内新聞』ってそういえば見たことがあるかも…。
 確か学園に『新聞部』がありましたよね。
 学生から広めればそこから家族やバイト先なんかに『クリスマスブーム』が広がっていきそうですね…!」

 七篠は一つ一つメモに起こし、アイデアをまとめていく。

「お手伝いしてくれそうな大人の人が私が知る限り2人います。
 今、いろんな人が連絡して回ってくれてるみたいなので、もしかしたらもっと増えてるかもしれません。
 いろんな人の力を借りたら…『荒唐無稽な夢物語』も『現実』になるかもしれないです…!」

 七篠の言う大人の人は芦田と小石川のことのようだ。

 七篠はちらりと時計を見た。
 『寮』に到着してからだいぶ時間が経ってしまっていることに気付いたのだろう。小石川が『学校』に来ると言っていたことを考えるとそろそろ動き出さなければ待たせることになると考えているのかもしれない。
 七篠は残りのプリンをすこしペースアップして食べ始めた。
 
「あ、そうだ…。
 大神さん、もしよければ連絡先交換しませんか?」

708大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:02:17
>>707
「でもでも、それってば、逆に考えるとさ」(↓ハスキーボイス↓)

 大神はくるりと頭の上の『帽子』をひっくり返す。 大神の頭の上でシルクハットが逆立ちしている。

「その『友人』ってのは『街1つを犠牲にするに足る存在』なのかい?」(↓ハスキーボイス↓)

「魔法が解けないことで、『友人』はどう困るんだい?」(↓ハスキーボイス↓)

「右の天秤には友人、左の天秤には街中の人々」(↓ハスキーボイス↓)

 大神は頭の上で、逆さまのシルクハットのバランスを取り始めた。

「はたしてはたして、なにが正解か、どっちが正解か、どれが正解か、そもそもこの中に正解があるのか 」(↓ハスキーボイス↓)


「さてさて、ボクと連絡先交換かい。いいよ。オッケーさ」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクの真名は大神 或真(おおがみ あるま)。

 連絡先はXXX-XXXX-XXXX。

 LINE IDは[USO_800]。

 って、わけなのさ」(↓ハスキーボイス↓)

スマホを取り出し、連絡先を交換する。

709七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/07(火) 21:20:59
>>708

「『友達』が『街』を犠牲にするに足る存在か、
 なぜそれをしないといけないのか。ですか…」

 七篠はスタンド使いでないであろう大神に詳細を話すことはあまりよくないだろうと考え、また口を開いた。

「……『大切な人』のために『世界を犠牲にする』物語って時々あるじゃないですか。
 それって理屈じゃないですし、『正解』も『不正解』も関わらずそうしたいからするんだと思います」
「……私は…その『友達』にいなくなってほしくないみたいです」

「連絡先、ありがとうございます。
 前の時は名字しか名乗ってなかったですね…。
 私は『七篠 譲葉(ナナシノ ユズリハ)』といいます」

 七篠はそう言って軽く笑い、『お茶会』の後片付けをしてから『氷山さんの器』を自室に隠しにいった。
 
――……キーウィのぬいぐるみとガチャピンのぬいぐるみの後ろに隠しておこう。
――棚だったら見つかっちゃいそうだし…。

710大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/07(火) 21:34:01
>>709
「おっと、それは早計、早とちり」(↓ハスキーボイス↓)

「逆の逆。 『犠牲』と言う『ボクの口先三寸』に騙されちゃダメ」(↓ハスキーボイス↓)

逆立ちになったシルクハットを更に逆さまにする。

「こう考えてみたらどうか、ってこと。

 『街は楽しい』、『友人も助かる』、
 『どっちかが犠牲のバッドエンド』じゃなくて、『両取りのハッピーエンド』。

 やれるなら『Win-Winにしたい』とボクは思うんだよね」(↓ハスキーボイス↓)

「ボクとしては、街を楽しい魔法(マジック)にかけたいわけ、
 その上で友人の魔法が解ければ、全員ハッピーでしょ?」(↓ハスキーボイス↓)

「楽しい魔法(マジック)の方が、街に広まるのも早いだろうし、その辺りも含めて、考えたいね」(↓ハスキーボイス↓)

「じゃねー、七篠さん、プリンおいしかったよ」(↓ハスキーボイス↓)

お茶会の後片付けをして、自室に帰っていく。

711赤月『サクソン』:2021/09/14(火) 20:29:31

カナカナとひぐらしの声が遠くに聞こえる夕暮れ時
星見町の気候はまだまだ暑い盛り・・・・『残暑』が燻るように続いている

「『会場』のあてはついたとはいえ、それだけに頼っているわけにはいかないな
 草の根的に・・・・私の方でも『クリスマス』を広めておくか」

そんな中、中学校の制服を着た女子が学生寮の中の飾りつけをしていた
飾り付けるリボンの色は赤と緑、100円ショップで買った星の飾りも散りばめている
『クリスマスカラー』の飾りつけだ・・・まだまだ冬は遠く、ハロウィンさえまだだというのに・・・?

712???:2021/09/15(水) 05:03:41
>>711
生まれて間もなく受けたのは真冬に捨てられる明確な『殺意』。
見た目ゆえに義理の両親と大きく違うので橋の下から拾われたと絶えず罵倒された。
とある派閥の長は観客たちと煽動者に噛みつく彼を『鬼』と呼ぶ。
12年間も親殺しの『憎悪』を滾らせる精神性は復讐者を越えた復讐鬼に。

     バタンッ
                カタッ

学生の少ない真っ昼間の寮に『誰か』が居る。
それ自体は不思議ではない。音の発生源は台所だ。
共用スペースで『冷蔵庫』が置かれているが…

    クスクスクス…
              クスクス…

聞き慣れない少年の笑い声が聞こえた。
そして、ノートを手にした少年のヴィジョンが廊下の飾りつけの影に発現して楽し気に絵日記を書いている…
影だけで構成された少年のヴィジョンは台所を向いているようだ。

713夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/15(水) 06:30:16
>>712

『友達』に会いに来た。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/284-287
イズミンいるかな??

714赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 07:15:31
>>712

――冬はそれほど嫌いではない
『クリスマス』は赤月にとって『特別な日』だからだ
普段は『仕事』で家にいない兄も、1年に1度のこの日だけは必ず『家』に帰ってきてくれた

外の世界の光景・・・・雪で遊ぶ子供達や一緒に買い物に行く家族連れを見ていると少しだけ寂しい感じがしたけれど
『この日』だけは必ず兄が帰ってきてくれる・・・・

(だから昔は毎日が『クリスマス』ならいいなって思ったっけ・・・・)

「ん・・・・・?」

学生が少ないこの時間帯に『何者か』の気配を感じた
クリスマスカラーのリボンと星飾りを制服のポケットに納めて台所に向かう

「何だこれ・・・・・・?
『アリーナ』の刺客・・・? 『夜警』の仲間・・・? それともまさか・・・・!?」

「話に聞いた『夏の魔物』・・・・・!?」

   ――――『ズギャンッ』!!

自身のスタンド『サクソン』の『コート』だけを発現して、慌てて台所の方を向く
また、近くに『唐辛子』や『胡椒』などの刺激物があればそれを回収しておきたい

>>713

まだ気が付いていない

715大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/09/15(水) 08:39:24
>>712
するとそこへ、黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が……

※乱入してもいいですか?

……と見せかけて、ボクは寮住みなので『むしろ乱入してきたのはキミである』と言えるのではないだろうか?はてさて?

716一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 08:59:37
>>713
人の気配は無い。玄関から先に入れば会えるかもしれない

>>714
影だ。少年のような形をした影が『ノート』を手に『何か』を書いている。
明らかに攻撃が通るとは思えないヴィジョンのスタンド。
そいつの先には一抹が居た。既に『夏の風物詩』化が進んでいるのか白い肌が『煙』のようになっている。

「見つけた。リスクを誰も取りたくないから七篠先輩が
 持ったままになって、困った彼女は食べられたくない
 から別の容器に移す」

「各々がバラバラに意見を纏めずにクリスマスをする。
 だが、もう遅い。今からでは間に合わない」

『かき氷』と化した氷山先輩の入ったペットボトルを手にしながら振り返る。
冷蔵庫の蓋に映る赤月の姿を見ながら『インダルジェンス』が『ポケットショット』を構える。
既にスーパーポールが『一発』入っている。

「駅前の広場で七篠先輩の筆跡を真似た偽装工作も
 行った今、誰も寮には来ない。間に合わない」

『乱入』について。
赤月ちゃんに続いて1人だけ乱入可能です(キャパの問題)
夜まで『乱入』を受け付けます。乱入すると一抹の装備数が増えて危険な行動が増えます。
事件の中枢に近い人物、ミッションに関わったのが早い順で選ぼうと思います。

717<削除>:<削除>
<削除>

718一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 09:10:30
>>714
テーブルの上に望む調味料が置かれているのを見つけた。
走れば1レス以内に取って『暗器』化が可能な距離。

719赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 18:16:01
>>716

(間違いない・・・・・!)

『影』の視線の先に一抹の姿を確認した
鉄から聞いた通りに既に『夏』による洗脳が施され、肉体にも変化が現れているようだ

「一抹・・・・お前は・・・・・」

     バッ!

何事かぶつぶつと呟いている一抹に話しかけようとした直後、
問答無用で『インダルジェンス』が戦闘態勢に入った
手元にはオモチャのような『道具』・・・・だが!

(『ポケットショット』・・・・! 現代型の『武器』の一つだ・・・!)

自身の目的のために、『暗殺』に使えそうなものは色々と調べている
彼が持つ『それ』が危険性の高い『武器』の一つだと認識する

「『夏』に頭をやられたという話だけど本当みたいだな!
 一抹・・・・『心』を弄る『インダルジェンス』の使い手が逆に『心』をやられるなんて
 悪い冗談にも程があるぞ!」

武器をつきつけられたこの状況で下手に動くのはマズイ
『インダルジェンス』の動向を目で見つめながら攻撃に注意し、制服の『タイ』を解いて懐に納める
そして、懐から『暗器化』によって変化した『縄ヒョウ(金票)』を取り出したい

720夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/15(水) 18:25:36
>>716

「まぁ、こんなときは『アレ』だな『アレ』」

         ズ ギ ュ ン ッ

「――――『アレ』」

玄関に入りながら、
『ドクター・ブラインド』を発現する。
言うまでもないが、『超人的四感』を使う。
『音』とか『匂い』とか『床の振動』とか、
色々と感じ取れるだろう。
スタンドを出して情報収集するのは、街中でもやっている事だ。
なんかオモシロいコトがないかさがしてみよう。

721鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/15(水) 21:00:19
>>716

自転車を駐輪場へ止め、中へと入る。

「噂をすれば影が射す。いや、一抹くんは『影』に付き纏われている側だが…」

七篠さんから連絡を受けたスマホはしまっておこう。

722一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 21:40:49
『マップ』
ttps://media.discordapp.net/attachments/833903684081156127/887528987235065886/sample_nursing_home_map.jpg

17に一抹。40辺りに赤月。

>>719
「まだまだですね。『インダルジェンス』程度では心を
 操るとは言えませんよ。『本物』を目にしたらね…」

「『インダルジェンス』は本体である私の心を殺すため
 のスタンド。自分の『悪感情』を憎んでいるからこそ
 生まれたんです」

『縄ヒョウ(金票)』を取り出している間に『ポケットショット』からスーパーボールが赤月の足を狙って打ち出す(パス精密:BCA)+パスBB相当の威力。
60m先を走行していたバスの厚さ40ミリの強化ガラスをスリングショットの金属弾が貫通した東京八王子の事件。
『スーパーボール』では同じようには行かないが『インダルジェンス』のパワーと精密な動作が加われば、それに匹敵する威力が生み出されるだろう。

「いつかの約束通りに二人で納得するまでやりましょう
 しましたよね? どうだったかな?」

『ポケットショット』にパチンコ玉を装填しながら赤月に向かって走り始める。
元から軽い一抹が『白い煙』化した影響で人の域を越えないものの、それなりの速度で赤月に接近できるだろう。


>>715
>>720
妹夫婦のコロナ感染と祖父の入院などが決まって生活の余力が無いに等しいので今回は1vs1とさせてください。

723一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 21:43:52
>>719
十字架の意匠を各部に持つ、人型のスタンド。
手で触れた者の悪感情を、触れている限り『鎮静』する。
また手の甲から『刃』を伸ばし、『苦痛を伴わない』斬撃が可能。

『インダルジェンス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:A 成長性:D

スタンド能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/188

持ち物:新品スマホ、ポケットショット二つ、スーパーボール三つ、パチンコ玉七つ。

724常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2021/09/15(水) 21:46:53
掃除をしていた『大柄なメイド』が、ふと仕事の手を止めて『スマホ』を見ている。

「フム   懐かしい方から連絡が来たと思えば」
「何やら大変なことになっている様子………これは…大変ですよ!!!!!」

「……ケーキでも作りましょうか  いや 『裁縫』もいいですね」
「新しいメイド服も用立てねば!」
「すこし籠って、針仕事でもいたしますか!!急がねば!!!!」

掃除用具を片付けると、慌てて駆け出していく。
騒動には気づかない……。


(学生寮を根城とするキャラクターとしては参戦したいところですが、
乱入難しそうなので
『用事ができちゃったので気づかない』ロールだけでも。反応は不要です。)

725一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 22:00:59
>>721
まだ大きな騒音は聞こえない。
どの部屋で、何処で何をしているのかも分からない。
(キャパ限界で複数人の判定は厳しいのでお待ちを)

726赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 22:16:56
>>722

「自分自身の『悪感情』を抑えるため・・・・だと?」

やはり一々癇に障る奴だ・・・と赤月は考える
怒り、悲しみ、憎悪・・・『悪感情』に囚われる事で破滅する人間は数多くいる
だが、赤月の場合は・・・・

(『悪感情』・・・怒りや悲しみまで失ってしまったら、
 私は空っぽになってしまうじゃあないか・・・・)

『家族』を失った『悲しみ』と、失わせた相手への『憎悪』
それは今の赤月に残された唯一の『家族との絆』なのだ

「そうか・・・・それがお前の『インダルジェンス』の根幹か
 やはり、お前は私と『そりが合わない』な」

『縄ヒョウ(金票)』を懐から取り出す直前に、『ポケットショット』の弾丸が飛来する
だが、赤月は先ほどから『インダルジェンス』の動向を見つめていた
如何に凄いスピードとはいえ、狙われている位置がわかればタイミングを合わせて対処する事は出来るはず
咄嗟に両足で真上に跳躍する事で弾丸を回避したい

「だけど、同時にお前の事を少し見直した
 訳の分からない奴だと思っていたけど・・・・お前は常に自分の中の『憎悪』と戦っていたのだな」

一抹が時折見せる、理解不能なまでに苛烈な『戦闘意欲』・・・・
もしも、それこそが素の一抹貞世で、普段の彼はそれを必死になって抑えていたのだとしたら?

「気に入らない考え方だけど・・・・それだけは認めてやる!」

そして、真正面から向かってくる一抹に対して、
懐から取り出した『縄ヒョウ(金票)』を真っ直ぐに投げつけたい
縄の末端は左手で持ちながら、右手で『ヒョウ(金票)』の部分を投げつける


=============================================
『トレンチコート』を纏った人型スタンド。
 
『トレンチコート』で覆い隠した『道具』を『暗器』に変える。
実存する『暗器』の特徴を『道具』に宿し、
『道具』を『使用』した瞬間、『暗器』の本領を発揮する。
 
『暗器』による『殺傷』を『目撃』されたならば、
その者に見られる限り、その『傷』は決して癒えない。
 
『サクソン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:C(15m)
持続力:D 精密動作性:A 成長性:D

プロフィール詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/146
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/189-190

持ち物:清月学園の学生服(着装)、スマホ、財布、ハンカチ、学生手帳、クリスマスカラーのリボン、星の飾り

727一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/15(水) 23:06:12
>>726
「赤子の私が覚えているのは両親からの明確な『殺意』
 そして、教会なんて日本に馴染みのない場所の子供」

「しかし、血の繋がりが無くとも夕立先輩や氷山先輩
 たちは『憎悪』より大切な『慈悲』を教えてくれた」

『インダルジェンス』自体のスピードは人並みでしかない。距離が開いていたこともあって紙一重で避けられた。
ならば、駆け寄りながら再装填したパチンコ玉で錘を狙い落としつつ赤月の足元で『慈悲の刃』を展開(パス精:BCA)+刃の展開BC。
パチンコ玉を射出したままの姿勢で下から赤月の両足を突き刺したい。

「あの日、取り憑かれた氷山先輩を捕らえて元凶の元に
 たどり着いたのは『運命』に違いない。
 『時間切れ』を迎えた氷山先輩と偶然にも開いた日記」

「『夏の魔物』が被害者を『夏の風物詩』に変えた瞬間
 、その場に他に『夏を満喫しているもの』がいれば、
 『夏の魔物』はもう一度だけ…」

「奴が姿を消したが最後、氷山先輩の『夏の風物詩』化
 は確定する。私は迷わず二人目になった」

「今の私なら2mは跳躍可能ですが『使わない』」

728赤月『サクソン』:2021/09/15(水) 23:35:27
>>727

「『殺意』を・・・・両親・・・・家族から・・・・!?」

――――胸の奥がズキリと痛む
家族から『殺意』を向けられた経験など自分にはなかったからだ
彼の独白に思わず同情の念を抱きそうになるが、その心を奥歯を噛み締めて打ち払う

「ヒヤマって奴が何者かは知らないし、興味もない・・・・
 お前が誰のためにこんな無様な姿を晒しているのかなんて知った事じゃあない
 けど、だからこそ!今のお前の姿は見ていられない!」

『パチンコ玉』が射出され、投げつけた『ヒョウ(金票)』に接近する・・・・その瞬間に赤月は行動を起こす!

「それだけの覚悟を持って『二人目』となったお前が・・・・なぜここに来た!
 お前は一体何がやりたいんだ!一抹! 『夏』に負けたのか!?」

『縄ヒョウ(金票)』の暗器化を解除する!
その瞬間に『縄ヒョウ(金票)』は元の姿・・・『クリスマスカラーのリボン』に変化する(>>719メール欄)

今の一抹は『夏の魔物』に近い性質を持っている
つまり、『夏』を好み『冬』を嫌うという事だ

だから、赤月は一つの心理的トリックを仕掛けた
それは『縄ヒョウ(金票)』の元となった物体が『タイ』であると一抹に思い込ませる事

以前、赤月が一抹に自身の能力を披露してしまったきっかけは『最中派のアリーナ』での試合だ
その時の赤月は制服の『タイ』を能力で暗器化し、『縄ヒョウ(金票)』を振るって戦った
その事を一抹は鮮明に覚えている可能性が高い

加えてこの『リボン』は今までに一抹に一度も見せた事のない道具だ
この2点を加えて騙しにかかれば、『リボン』が現れる事を事前に察知する事は困難なはず

つまり、予想だにしないタイミングで一抹の目の前に『クリスマスカラー=冬』を出現させる事で
一抹の意識を奪い・・・・瞬間的に驚かせて不意をつく事がこの作戦の目的だ

「『夏』に負けたお前など、私は怖くもなんともない!」

一抹が『クリスマスカラー』の出現に怯んだ隙を突いて
彼の攻撃が始まる前に、カウンターのように右足を伸ばし、一抹の顔面を蹴り飛ばしたい

729一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 00:32:20
>>728
「私の目的? 敬愛する氷山先輩を奪いに来た。
『夏の衝動』からは逃げられないッ!」

「『矛盾』しているけど氷山先輩を人質にクリスマスを
 防止し、私は『白い煙』となって消えるッ!」

「『夏の魔物』は知れば知るほど強く作用してくる。
 だから、もう、私は駄目です…」

赤月は一抹の想像力を過信した。一抹にとってのクリスマスは町の木々に変な飾りつけがされたり、サンタクロースを名乗る存在が歩き回るだけだ。
何一つとして子供らしいことをしてこなかった一抹にリボンは女の子がするものという認識だ。
七篠が季節外れの『枝』を出そうが意味が分からずに攻撃するだろう。

「なんですか? それは? あぁ、季節外れ云々の…
 普通の生活してこなかったから『意味』が分からない
 七篠先輩の『枝』で季節外れの花を出されても何か
 分からないまま殴ると思います」

「冬の名物は『サンタクロース』ぐらいしか分からない」

『パチンコ玉』が赤月の額ギリギリを通り過ぎると同時に『慈悲の刃』が両太ももに突き刺さり、『インダルジェンス』がテーブル(53)に向かって赤月本体を吹き飛ばす。
『痛み』は一切なく立とうと思えば立てるはずだ。
しかし、動けば流血は激しくなる。激しく動けば意識は朦朧として気絶するかもしれない。さらに動くと『激痛』がする。

「今のは困惑しましたよ。その出血では戦闘継続は不可能だと思います。大人しくしてください」

>>713 夢見ヶ崎先輩
>>721 夕立先輩
事件の中心に関わっている方の乱入を許可します。

730七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/16(木) 00:35:46
>>729

 戦闘に決着がついたと思われたそのとき。
 焦げ茶の髪を背中に流した少女が息を切らせながら台所へと入ってきた。彼女――七篠は周囲を見渡し一抹の姿を見つけると声を上げた。

「一抹くんっ!!」

 どうやら一抹の顔見知りのようで、慌てた様子で一抹に駆け寄ると背中から抱きつく。

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

 七篠の言葉にかつてこの『寮』で七篠が口にした言葉を思い出すかもしれない。

731赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 01:20:37
>>729

「お前は・・・・そこまで・・・・っ!    ・・・・あ」

    ――ドグシャアァッ!

勝負を分けたのは『冬』に対する感受性の差であり、それは赤月と一抹の経験の違いでもあった
赤月にとって『クリスマス』は特別な日、一生懸命に部屋を飾り付けて、家族の帰りを待った思い出の日々
一抹にとって『クリスマス』は何でもない日、子供らしく遊ぶこともなく、色合いに意味を持たない普通の日
今までに送った人生の違いが、ここに来て現れてしまった結果だ

  ドクドク・・・・

拍動するように腿から流れ出る血液を眺めながら、今になってそれを理解した
動脈の一部を傷つけているのだろうか?傷口からは止めどなく血が流れ続ける

人間は全血液の20%を失うとショック状態に陥り、30%以上の流出で死に至るという
本で読んだ知識をもとに冷静に『死』の計算を行う赤月であったが、
それと同時に冷静であり続けてしまう自分に異常を心底恐ろしいと思った

(痛みが・・・・ない・・・・!)

動物は窮地に陥った時に交感神経を更新させる事でその窮地に対処する
『Fight or Flight(戦うか逃げるか)』と呼ばれる反応だ
だが、今の赤月は致死の一撃を受けたにも関わらず・・・・痛みがまったく存在しない
理性で理解する『死の恐怖』と肉体が認識する『無痛の安堵』・・・そのギャップに脳の認識が狂わされる

『インダルジェンス』に吹き飛ばされ、テーブルに背中から激しく打ちつけられる
台所一面に血をまき散らしながら、その真ん中で床に転がっている
痛みはないものの、急激な出血に顔が青ざめていく・・・いずれは意識も混濁してしまうだろう

「ぐっ・・・・ はぁ・・・ はぁ・・・」

>>730

「誰・・・・だ・・・・?」

致命的な一撃を受けたその直後に、何者かが台所に入ってくるのを見た
どうやら、一抹の知り合いの様だが・・・・

「まあいい・・・ 血を・・・止めないと・・・・
 ふざけるなよ、一抹・・・ 私はまだ・・・・」

乱入した女性が一抹に抱き着いている間に近くを探す
見つけたいものはタオルや手ぬぐいなど・・・適度な大きさの布だ
台所であれば、近くに布巾があってもおかしくはないはず
適度な大きさの布を見つけて、両脚の傷口を強く縛り付けたい

732赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 17:58:17
>>731
止血処置の後、余力があれば鉄に向けて以下のメールを送りたい

『学生寮で一抹と遭遇した
 致命傷を受けた 動けない
 誰かがあいつを止めている』

733夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/16(木) 20:06:12
>>729

『ドクター・ブラインド』を発現した瞬間に認識した。
『争いの音』と『双方の声』と『血の匂い』。
それらを遠距離からキャッチする事で、
実際に『現場にいずとも』大体の状況を掴んだ。

      ク ル ッ

               ダ ダ ダ ッ

親交の深い『イズミン』に連絡を入れつつ、
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/380
身を翻して寮の外に回る。
足元の土を『ドクター』の片手で一掴み分確保し、
もう片方の手で小石を幾つか握る。
まず考えるべきは『治療手段の確保』だった。
『今泉未来』の『コール・イット・ラヴ』は傷を『補修』できる。
どのような形であれ、戦いが終わった後で、
誰よりも必要とされる存在だ。

(これで『キュウキュウシャ』はいらない…………)

平行して『イズミン』に頼んで、
寮の外から『イズミンの部屋』を通れるようにしてもらった。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/382
まず『イズミンの部屋』に入り、
そこを経由して『台所方面』に向かう。
無論、見つからないように姿を隠しながらだ。
『超人的聴覚』によって、『全員の位置』や、
そこに至るまでの『方向』と『距離』は全て分かる。
その情報を参考にすれば、難しい行動ではない。

(…………『ダレか』きた)

狙うのは『奇襲』だ。
不意を打った一撃を食らわせ、そのまま畳み掛ける。
『一抹の知り合い』が割って入ったようだが、
『説得』が成功するとは思えない。
これが『能力』によるものなら、
『言葉』で跳ね除けるのは不可能。
夢見ヶ崎が知る『スタンド』というのは、そういうものだ。

734鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 20:34:52
>>729

『シヴァルリー』を前に発現し、寮の中を進む。
また、バッグの中から『釘』を二本ほど取り出しておく。
ここの現状は一切把握できていないが、緊急を要する事態ということだけは理解している。

735一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 21:39:28
>>731
「そっか。赤月先輩が自分中心な理由が分かりました。
 幸せな頃があったんですね。私には分かりませんが…」

「私は要らないから『殺意』を以てして捨てられました
 ゴミ袋のゴミに声さえ出せぬよう押し込まれて。
 だから他人のために生きてないと私は…」

『冬の風物詩』は一抹に通用しない。知らないからだ。
ポインセチア? 一抹にとっては綺麗な葉っぱだ。
クリスマスカラーのリボン? 髪飾りだろう?
フユイチゴ? それも『冬の風物詩』なのだろうか。

「私は幸せだった頃なんて一切なく生きてきました。
 最中派のアリーナの連中が私を白髪鬼とか呼びますが
 復讐者やるなら復讐鬼じゃないと駄目です」

「『アリーナ』に復讐して『エクリプス』が復権する
 手伝いをしてる赤月さんは町の人々に恨まれる覚悟
 はしてますか?」

丁度良く布巾が置かれているが太ももを縛るには『サクソン』の手助けが必要不可欠。
意識がある間に血止めをしなければ出血死の恐れがある。

>>730
「あっ、〆の必殺技が…」

赤月先輩を〆ようとして必殺技の準備をしたら七篠先輩に捕獲されてしまった。
もっと早く気がつけば『パイルドライバー』で腕を切断できたのに。

「私が生きてる価値と意味なんて氷山先輩の『時間稼ぎ』以外にありませんよ」

もぞもぞと身動きしてから腕の『煙』化を始める。
と、同時に『慈悲の刃』を七篠先輩に振り下ろそうとするが直前で止まる。
『慈悲の刃』を七篠先輩に突きつけることしかできない。

「『夏の魔物』を知り過ぎた私にとって彼は友達です。
 七篠先輩は、私の『鎮静』の代わりを見つければ良い」

一抹にとって七篠先輩は守るべき対象という認識が焼きついており、『殺意』を向けられるほど喜んで斬り掛かる一抹と相性が悪い。
贅肉の無い七篠先輩に拘束されているが何をして良いか分からない。

>>733
台所方面に走っていると焦げ茶色の少女が一抹をガッチリと抱き抱えている姿が見えた。
身体が『白い煙』のようになった一抹が抜け出そうとしているが抜け出られず困惑した顔をしている。

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

『インダルジェンス』は何度も少女に『慈悲の刃』を振り下ろそうとするが止まり、刃を突きつけるだけの状態になっている。
一抹、七篠、赤月の三人の会話は寮に入る前から全て把握している。
赤月は『慈悲の刃』の餌食になったが七篠と呼ばれる少女には手出しが出来ないらしい。

>>734
「一抹くんっ!!」

「ダメです、危ないことしちゃ…。
 『夏』を満喫したら…一抹くんが『風物詩』になっちゃうんですよ…?
 言ったじゃないですか、死に急がないでって…」

     「大丈夫ですよ、一抹くん。
      私は一抹くんがいてくれて助かってますし、救われています。
      ……必要です。だから死んだり、死に急いだらダメですよ?」

台所で七篠が一抹を止めているらしく戦闘音はしない。
『殺意』を向けた分だけ『殺意』を研ぎ澄ます一抹にとって『殺意』を向けない七篠は天敵なのかもしれない。

736夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/16(木) 22:13:54
>>735

『白い煙』。
クロガネくんから聞いた『夏の魔物の影響』なんだろう。
どういう事が出来るのかは分からないが、
『一つの能力』のように使えるそうだ。
不意に予想外の事をしてくる可能性は十二分に有り得る。
警戒は怠らない。

(――――――おっとぉッ!?!?)

意外な結果だ。
ただ、自分は二人の関係を知らない。
その中で何かがあったとしても、
与り知らぬ事なのだから仕方がないだろう。
様子を見つつ、
『ドクター』の片手に持った『土の塊』を丸める。
精度を駆使し、事前に『調整』しておこう。

(でも、チンタラやってるヒマはねーぞ)

時間を掛けるだけの余裕があるなら、
自分の加勢がなくても何とか出来るかもしれない。
だが、それが難しいのも事実だ。
『ナカレ』は深手を負っていて、
今すぐにでも治療しなければならない。
求められるのは早急な鎮圧。
『イッちゃん』は『七篠先輩』とやらに動きを封じられ、
仕留め損ねた『ナカレ』に注意が注がれている。
今が『チャンス』だ。
同時に『ミス』は許されない。

(一瞬で決める)

発見されないギリギリの距離まで接近を続ける。
そして、そこで立ち止まる。
『タイミング』を計る。

737七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/16(木) 22:15:18
>>735

「必殺技なんて危ないことしちゃダメです」

 七篠はそう言いながら『サネカズラの枝』を自身の服から生やし、一抹の胴体に巻きつけるように絡めた。
 木の枝が『抱っこ紐』のようにまとわりつこうとする。(パス精CBA)
 もし仮に一抹が切断する等で解除した場合はまた改めて生やすだろう。

「時間稼ぎはもちろんありがたいですけど、
 それで一抹くんがいなくなったら私は嫌ですよ」
「正直、氷山さんより一抹くんとの方が関わりが長いんですからね?」

――ひとまず、これで一抹くんは動けないはず…。
――一抹くんはその、攻撃的だから…。必殺技とかされたらどうなっちゃうかわかんないし…。

――……鉄さんは、来れたのかな…。
――タクシーで来たから追い抜いちゃった? それとも来てない…?

 そして大声で周囲に向けて呼びかける。

「誰か! ここで倒れてる人がいます…!」

738赤月『サクソン』:2021/09/16(木) 22:19:42
>>735(GM)

「お前が・・・・ どうしてそこまで他人に気を使っているかはわかった・・・・」

思えば、『アリーナ』の時もそうだった
不自然なくらい他人に気を使い、義父からの教えと言いながらエスコートを買って出る
転校してきたばかりの私に対して『先輩』などと言うのもそのせいか

「相変わらずふざけた事を言う奴だ・・・・
 幸せな頃がないだと・・・? そんなはずはないだろう・・・・!
 お前を抱き留める彼女は? お前が畏敬を向ける夕立は?
 お前の事を想う人間がこれだけいるのに・・・・幸せでないわけがない!」

出血が続き、顔色がみるみるうちに青ざめる中で
一抹の語る自虐に真っ向から『NO』を叩きつける

(あるいは・・・・それは私も同じ事か・・・・)

「それに私は・・・・ 鬼となるつもりはない・・・・
 鬼になって、家族への想いすら忘れてしまうくらいなら・・・・この場で死んだ方がずっといい」

流石にこの状況でメールを送る暇はなさそうだ
完全に動けなくなってしまう前に『サクソン』を発現し、布巾で固く傷口を縛り上げる

(本気で・・・・ まずい状況だ・・・・)

>>夢見ヶ崎 >>鉄

台所までたどり着いたのなら、二人はそこに『血の海』を見るだろう
血だまりの真ん中では赤月が背を壁に預ける様にして倒れている
無造作に放り投げられた両脚は血に染まり、大腿の切創からは拍動するように血が流れ続けている

739鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 23:06:10
>>735

「・・・・・・・・・・」

足音を殺し、壁に背中を預けて中の様子を伺う。現在は、七篠さんが一抹くんを説得中ということか?
戦わずに済むならそれに越したことはない。
なるべく気付かれないように視線を送りつつ、万が一、一抹くんが『慈悲の刃』を
使うようなら、その『殺傷力』を奪うつもりだ。

740鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/16(木) 23:09:06
>>737-738

「・・・・・!」

床に倒れた赤月にも気付くが、飛び出したい気持ちを抑える。
このまま一抹くんから戦闘意欲が消えたなら、すぐに病院を手配しなければ。
あるいは、ここに『彼女』がいるならばその必要もなくなるが…。

741一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/16(木) 23:51:54
>>736
赤月のした失敗は『殺意』と『冬の風物詩』を使ったこと
『サンタクロース』並みに分かりやすい物を用意しないと一抹には効果が無い。
ギリギリまで近寄れたが『インダルジェンス』は『ポケットショット』を手にしている。
下手な攻撃をすれば手痛い反撃が返って来るだろう。

「誰か! ここで倒れてる人がいます…!」

七篠の声に反応した一抹が周囲を見回す。
当然のように本体と『ドクター・ブラインド』が見つかるが『インダルジェンス』は射撃をしない。

「私より赤月さんを心配した方が良いですよ。
 アリーナの敵対勢力の駒ですから…」

「七篠先輩に負ける日が来るなんて…」

観念したというより七篠の言葉に耳を傾けて『負けた』と判断したのか『インダルジェンス』が解除された。
贅肉の無い包容と『枝』の拘束で本体の一抹は七篠に拘束されていく…

>>737
七篠の言葉に渋々だが『インダルジェンス』を解除する。
『冬の風物詩』となる『枝』を使っても一抹は少しも嫌悪感を抱かないだろう。
そして、七篠は気づいた。一抹の身体が異様に軽い。
拘束したまま動いても邪魔にならないほどの軽さだ。

「なぜ、私を助けるのです? 見放しても良かったはず
 ただ、私は七篠先輩を傷つけられない…」

「何故だ…」

一抹が放心してる間に助けを呼ぶと不思議の国から出てきたような少女とスタンドが居た。
隙を狙っていたのだろうか手に『何か』を持っている。
さらに夕立先輩までも密かに近寄って来ていた。

>>738
「スタンド使いは最終的に独りですよ。
 氷山先輩は多くの人々に慕われていたけど『変貌』の
 最終段階まで誰も助けてあげなかった」

「赤月先輩も同じだ。最後は全てを裏切る宿命にある。
 私に説教をするなら『三回』死ぬほどの戦いを経験
 してからにしなさい」

「私から見れば赤月先輩は知らないことが多すぎる…
 それに誰かが都合良く動かしているようにも…」

>>739-740
「サクッと赤月先輩はやれたのに七篠先輩だけは…」

いつでも『慈悲の刃』を振り下ろし、『ポケットショット』で迎撃可能だった『インダルジェンス』が解除される
本体の一抹は贅肉の無い七篠先輩に包容されながら『枝』で拘束されていく。

「夕立先輩対策もしてたのに七篠先輩が…私は傷つけられない…」

どれだけ『夏の魔物』が精神を蝕んでも最後の一線だけは超えられなかったのかもしれない。
もし、七篠が『殺意』を持って襲っていたら赤月と同じく『慈悲の刃』の餌食にされていたはずだ。

742夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:14:22
>>738

(……………ヤバいな)

相当な出血量である事は、『現場』を見るまでもなかった。
『超人的嗅覚』で嗅ぎ取れる『血の匂い』が、
あまりにも強すぎたからだ。
だからこそ、『イズミン』に『治療』を頼んできたのだから。

(しゃべるなよ、マジでしぬぞ)

重傷を負いながらも啖呵を切る『ナカレ』を見ながら、
心の中で呟いた。

>>739

       ――――ピクッ

『足音』を殺していても、『ドクター・ブラインド』には分かる。
普通では聞き取れない音を聞き取れる。
それが『超人的聴覚』だ。

(…………『たちどまってる』)

『関係者』か『部外者』か。
さしもの『超聴覚』でも、そこまでは区別できない。
ただ、『足を止めた』という事は、
明らかに『この状況』が見えている。
そして、見えていながら立ち去らないし、
不用意に近付いてもこないという事は、
『慣れている人間』だ。
もし『味方』ならラッキーだが、
ハナから当てにするような事はしない。

>>737

(――――――『来た』)

『七篠先輩』が『イッちゃん』を拘束する様子が見えた。
彼女もスタンド使いだったらしいが、
そんな事に注目している場合ではない。
重要なのは、
『イッちゃん』が『彼女の能力に掛かった』という事実だ。

           ド シ ュ ン ッ

『ドクター・ブラインド』の片手に握った『土塊』を、
『イッちゃん』の目元を狙って投げる。
そして、それが当たるか防がれるか避けられるかする前に、
もう片方の手で『小石』を放つ。
最初に投げた『土塊』に『小石』を命中させ、
狙ったタイミングで『土』を顔の近くに飛び散らせる事で、
瞬間的に視界を妨げる事が目的だ。
あらかじめ『土塊』は砕けやすく『調整(>>736)』してある。
たとえ非力なパワーでも、間単に割る事が出来るはずだ。
同時に、『ドクター・ブラインド』を『イッちゃん』に接近させる。
射程距離は『5m』だが、
足りないようなら本体も一緒に前進しよう。

743夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:24:03
>>741

『という算段だった』のだが――――――。

          ス ッ

「おいおいおい!!いきなりブチこわしじゃねーか!!
 せっかくスキをうかがってたのによォ〜〜〜」

バレてしまったため、堂々と出て行かざるを得なくなった。
警戒は緩めないが。
『スタンド使い』というのは油断がならない。
もう諦めたように見せかけながらも策を仕込む。
これまでの経験上、そういう風に認識していた。

「『イッちゃん』、どうした??
 このまえあったときとくらべて、
 ズイブンと『しろく』なっちゃったみたいだけど。
 『コクバンけしクリーナー』でもひっくりかえした??」

「あ、『ナカレ』もおひさァ〜〜〜」

『ナカレ』に片手を振る。
しかし、おそらく分からないだろう。
あの時は『変装』していたのだから。

「『イッちゃん』。
 アリスさぁ、クイズかんがえたんだけど、だしていい??
 『イマがたのしいコ』と『イマがたのしくないコ』がいます。
 どっちがエライとおもう??どっちがスゴイとおもう??」

「セイカイしたら、キャンディーあげるよ」

本体の手でスマホを取り出して、
『イズミン』に連絡を入れておこう。

744七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/17(金) 00:28:23
>>741

「あ、スタンドが…」

 七篠は一抹が『インダルジェンス』を解除したのを見て戦う意志はないのを理解する。

「一抹くんは私をたくさん助けてくれました。
 大丈夫です、見捨てません」
「……それにしても、一抹くん…軽くないですか…?
 ちゃんと食べてますか…? まるで空気みたいです…」

 比喩ではなく軽すぎる一抹を『抱っこ紐のような形状になっている枝』で抱えたまま、周囲にいる鉄とアリス風の少女に声をかける。

>>740,743

「すみません。奥の人…赤月さん…?
 出血が酷いみたいなんです、止血をお願いできませんか…?
 私のスタンドで薬草とかも出せるので多少傷の手当てはできるんですが、
 今、この人を捕獲しているのであまり…その、加害者を被害者の近くに寄せたくなくて…」

745赤月『サクソン』:2021/09/17(金) 00:37:08
>>741

「それ・・・・・ は・・・・・」

ヒヤマ先輩って誰の事だ・・・・とか、宿命がどうだのと大きなお世話だ・・・・とか
色々と言いたい事はあったのだが、どうやら限界が近いらしい

(血を・・・・流し過ぎた・・・・)

朦朧とし始めた意識の中で、たった一つだけ言葉を残す

「人は・・・・ 独りなんかじゃあない・・・・」

この町に来てから多くの知己を得た
新しい繋がりがいつか自分の中から『兄』の存在をも過去へと押し流してしまうのではないか
その不安は常に赤月の心の中で燻り続けている

だが、それでも今更孤独だった頃に戻る事は出来ないし、するつもりもない
それだけは目の前の少年に伝えようと、最後の力を振り絞り・・・・言葉にした

>>743

(・・・・・・?)

僅かに残った意識が騒々しい声を聞く
どうやら自分の名前を呼びかけているようだが、顔がよく見えない

746夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 00:42:21
>>743

(許可していただけるなら、今泉PCを呼んで、
 赤月PCを治療してもらう事を希望します)

747鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/17(金) 00:43:26
>>741

先程、最中さんと交わした言葉を思い出す。
一抹くんは確かにそういう面もあるが、それだけの人間ではないと。
自分は間違っていなかったと、改めて思う。でなければ、七篠さんに声をかけられたとて止まりはしなかっただろう。

「・・・・・良かった、一抹くん。正直、キミと殺し合いをしたくはなかった」

『釘』をしまい、壁から出て行く。

>>742

「キミも来ていたのか。連絡先は、やはり『今泉』さんか?」

自分と同じく登場したアリスを見て、声をかけた。
彼女と今泉さんは仲が良い。そしてこの状況で、今泉さんはもっとも必要な『スタンド使い』だ。

>>744

「ありがとう、七篠さん。お疲れさまだ」
「安心してほしい、この寮には『治癒能力』を持っている『スタンド使い』がいる」
「彼女さえ到着できれば、赤月さんが亡くなることはないはずだ」

>>745

「キミも災難だったな、赤月さん。いや、二人ならば遅かれ早かれ、こうなっていたかもしれないが」
「…この出血量は、流石に心配になるか」「念のため、応急処置をしておこう」

辺りを見回して、清潔な布があればそれで患部の根元側を縛り、出血を抑えよう。
なければ『シヴァルリー』で自分の学生服を引き千切り、適度なサイズにして縛る。

748一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/17(金) 01:44:35
>>742
落ちた『ポケットショット』からパチンコ玉が3つ。
スピードでは『インダルジェンス』を上回る『ドクター・ブラインド』が本体を攻撃した場合、本体の夢見ヶ崎に撃っていたかもしれない。

「状況次第ですね。夏の衝動に気を許せば楽しくはなり
 ますが氷山先輩のようになってしまいます…」

「だから今の私は現在を楽しまないのが正解です」

   クスクス

                 クスクス


「私には『認知』出来ず『親しみ』さえ覚える『夏の魔物』。奴を知り過ぎたから私は『一回』でも楽しむと…」

「私は楽しみたいです。けど、『時間が無い』のです
 次に夏を謳歌したら氷山先輩が本当に『かき氷』に…」

遠く離れた柱の影に真っ黒い少年のシルエットがノートを片手に一抹を『観察』している。
一切の攻撃が通用しないとハッキリ分かるほど薄い影のヴィジョンが笑う。
そして、一切聞こえていない一抹の肌は『煙』のようだ。
『夏』を謳歌すれば跡形もなく『消えて』しまうだろう。

>>744
「助けたかな…どうだったかな…」

エアコン目当てにナイちゃんと部屋を占拠した思い出の方が多い気がする。
だが、それすらも今は出来ない。エアコンを使うこと自体が夏を楽しんだと認知されたら『最後』だ。
確実に跡形もなく『煙』となって消える。

「残り一回ですね。『夏の魔物』を知り過ぎたから変貌
 の速度が早いです。きっと、私も氷山先輩のように…」

>>745
「次は私に勝てる程度には強くなりなさい。
 じゃないと『アリーナ』では勝ち残れない」
 
「では、復讐を適度に頑張って」

>>746
(今泉さんを呼んでOKです。もう来ていた扱いでも…)

>>747
「一度なら私も楽しめると思いますよ。『切れ味』より
『慈悲の刃』は刺突の際の一撃が重要ですから」

「約束をしていましたが赤月さんには私が勝ちました。
 夏の能力無しで。意外と勝てるものですね」

近くに有った布巾を使って『シヴァルリー』で止血をする
『慈悲の刃』の力により痛がることはなかったが出血は激しい。

749赤月『サクソン』:2021/09/17(金) 06:27:32
>>748

(・・・・・・・・・・・・・やっぱり嫌いだ)

痛みこそないものの出血による血圧低下はいよいよ意識を昏く閉ざす
黒に塗りつぶされる意識の中で、一抹の言葉を聞く
普段であれば噛みついていたはずのその言葉でさえ、今の自分には抵抗する意思を持つ事さえ難しい

血と共に体温が奪われているのか、酷い寒気を感じる
光も音も、今はほとんど感じられない
臨死の孤独の中で赤月は己の無力さを受け入れていた

※なんらかの手段で治療されるまで、『気絶』しています
それまでレスは行わずに、『赤月は気絶している』ものとして扱ってください

750七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/17(金) 09:49:34
>>747

「治癒能力があるスタンド使い…『アリーナ』みたいな…」
「なら早く治療を…! ここからだと上手く見えないですけど…危ないように思えます…」

 七篠の脳裏に浮かぶのは白黒のスーツの女だ。
 もちろん彼女は年齢からして『寮』には住んでいないだろう。別の人間だと推察できた。

>>748

「助けてもらってますよ。
 『オジロ』の時も、『アリーナ』を見に行って怖くなっちゃったときも」

 太らせようとしてくる思い出が多かった気がするが横に置きながら答える。

「とりあえず縛っておけば多少は拘束できるでしょう…。
 ……でも、『夏を満喫』するのを妨害したら氷山さんみたいに一抹くん、暴れちゃいますよね…。
 あ、そうだ、『日記』にすこしだけ『夏の風物詩』を置いて気を紛らわせるって方法が書いてあったような…」

>『二階の部屋に、弟の【夏欲】を少しだけでも満たせるよう【ひまわりの花】を一輪だけ置いて』
>『弟は当然不満がっていたが眼前の【ひまわり】で少しは気が紛れていたようだった』

 確かにそのような記載はあった。
 だが、それはこう続く。

>『しかし、結局、弟は【民家】へと逃亡する事となる』
>『ツルをスルスルと巻き付け、二階から一階へと向かった弟』

 一抹を満喫させない程度に夏を与える方法などあるのだろうか。

751夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 21:35:20
>>750

「ダイジョーブ!!
 そのみちの『プロ』とハナシつけてあるから!!
 どんなキズでもバババッ!!っとなおっちゃうよ!!」

           グ ッ !

『七篠先輩』に向かって親指を立てる。
とはいえ、『先生』には早めに来てもらった方が良さそうだ。
『イズミン』宛てに『追加のメッセージ』を送信する。

>>745

「『ナカレ』!!しっかりしろ!!
 『キズ』は…………あさくないけど、とにかくしっかりしろ!!」

『ドクター・ブラインド』は『ドクター』だが、『治療』は出来ない。
あくまでも『移植手術』が専門だ。
応急処置は『クロガネくん』がやってくれてるし、
せめて呼び掛ける事で『ナカレ』の意識を保つ手助けをしよう。

>>747

「イエェ〜〜〜ス!!
 つーか、ひさしぶりに『イズミン』とあそぼうとおもってきたんだけど。
 たのしみにしてたのに、ヨテイくるっちゃったよ。
 フンきざみのスケジュールが…………!!」

なんでわかんだよ??
ココロのナカでもよめるのかァ〜〜〜??
ま、『クロガネくん』は『イズミン』のコトしってるし、そりゃわかるか。

>>748

「私は今まで多くのスタンド使い達と関わってきた。
 十人や二十人じゃあない。全て含めて『五十人』はいる。
 この場にいる誰も知らないような事だって知ってる」

一抹は、『説教するなら三回死ぬ程の経験をしてからにしろ』と、赤月に言った。
確かに一抹は『激戦』を経験しているのだと思う。
それは雰囲気から理解できる。
だが、それなら自分は、
一抹よりも『大勢のスタンド使いと接触してきた経験』がある。
それは一抹にはなく、夢見ヶ崎だけが持っているものだ。

「だけど私は、自分がイッちゃんやナカレより偉いとは思わない。
 私が知ってて二人が知らない事だってあるし、
 二人が知って私が知らない事だってある」

「私はイッちゃんを尊重してるし、ナカレの事も尊重したい」

752夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 21:38:26
>>751

続けて、顔馴染みの『アリーナ』構成員『金一』に電話を掛ける。
七篠のお陰で一抹は戦いを止めてくれたが、
このままにはしておけない。
『場所』が必要になるはずだ。
それを用意してもらいたい。
出てくれるかどうかは分からないが、
掛けてみるだけ掛けてみよう。

753今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/17(金) 21:52:25
>全体

呼ばれたから、返信するよりも先に来てみた。
フツーに考えて、急いだ方がいいと思うから。

「あっ! ユメミン」「と」
「うわーーー」「すっごい事になってる」
「先生、先生ーっ、出て来てくださーい」

           『スデニ』
           『出テオリマス、今泉サン』

「あはは。さっすが先生ですっ」
    
先生は『怪我してる人』のすぐ横に出て来れるから。

「それで」
「私もなにか、手伝った方がいいんですかっ?」

               コール・イット・ラウ″
            『世界はそれを愛と呼ぶ』
            『サア補修ヲ 行イマショウ』

すぐ、あの人をなおしてくれると思う。
で。その間私は何をしてたらいいのかな。って事なんだ。

―――――――――――――――――――――――――

その場に現れたのは、髪をツインテールにした少女と、
全身をマスキングテープで巻かれたような人型のスタンドだ。

――同じ『その場』でも、スタンドの方については、
いきなり『ナカレ』の側に、『発現』された。

754鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/17(金) 22:05:34
>>748-749

「一抹くんの負けず嫌いは、いっそ病的だな。そんな口が利けるなら、キミは大丈夫そうだ」

安心したように、一抹くんへ向けて微笑む。
『夏』に浮かされた状態で寮に突撃して、犬猿の仲とはいえ顔見知りを傷付けて、
しかし敬愛する友人には刃を振るえず、逆に取り押さえられてしまう。
正直、メンタルが大分やられてしまってもおかしくはなかったが。
流石は一抹くんといったところか。後は赤月さんの容態次第か。
手当もないよりマシなレベルだ。救急車でもこれは間に合わないかもしれない。

「一抹くん、キミの身体は今どうなっている?」

>>750

「彼女がこの寮内にいるのであれば、間もなく来てくれるはずだ」
「…それよりも、確かに一抹くんをどうするかは問題だな。手記にもあったように、夏に飢えた犠牲者を完全に拘束するのは難しい」

『インダルジェンス』の膂力とその刃、更に未知数の夏の力を含めると
並大抵の装備では一抹くんを拘束することはできない。
完全な夏化までまだ余裕があるならば、いっそ夏に放り出してこちらの進行に集中する手もあるが…。

>>751

「ああ、キミは最初からそういう目的だったのか。ある意味ちょうど良かった」
「それなら今泉さんは寮の中にいるということだな?…しかしアリスが、そのスケジュールとやらの通りに行動しているイメージは付かないが」

「ところでキミは、今泉さんの家庭について、何か知っているか?」

と、そこまで訊ねたところで誰かの足音を耳にした。

「いや、すまない。この話はまた後にしよう」

>>753

「こんにちは、今泉さん。それに『先生』も」「『治療』をよろしくお願いします」

そういえば、確か『先生』は自らの意志で行動するところがあるらしい。
その間に本体である今泉さんは、治療に専念しなくていいということか。
…とはいえ、特に何か必要なものがあるわけでもないが。
代わりに、現在の事情について説明しておこう。

「今泉さん、現状について説明させてもらってもいいだろうか。
 当初はまず、オレの友人である氷山さんが、とある『民家』を訪れたことによるものなんだが─────」

現在に至るまでに起きたことを説明する。

755一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/17(金) 23:02:50
>>749
『シヴァルリー』が止血をしているが『慈悲の刃』に刺された傷は深い。身体が冷たくなり意識も失われていく。
もうすぐ『治療』系のスタンド使いが来るからには『出血死』は絶対に無いはずだ。

赤月『サクソン』⇒『再起可能』『大量出血で気絶』

>>750
「氷山先輩を食べたい…」

唐突に一抹が不穏な言葉を発する。そもそも敵地に突っ込んで来たのは何故なのか?
それは一抹が赤月との戦いで『闘争本能』を解消し、氷山を喰らって『夏の衝動』を一気に解消するためだった。
『冬の風物詩』を知らないように『夏の風物詩』を知らない一抹は最後に見たかき氷が忘れられずに来たのだ。

「『クリスマス』開催の準備をやめませんか?
 皆さんが準備していると思うと苛々するッ! 」

「せめて氷山先輩を食べさせてください!」

『包容』された一抹が苛立ち始めた。
変貌の進んだ氷山が凶暴化したように『夏の魔物』に憑依された者は『夏』を邪魔する全てを憎悪するようになるのだろう。

>>751-752
「私が関わるのは町の裏側に近い人たちばっかりです。
 有事に助けてくれる人は少ないですよ」

「それに赤月先輩とは殺し合わなきゃいけません。
 きっと、この子は『エクリプス』の捨て駒です」

「ついでに思い込みが強いから利用しやすいです。
 ずば抜けて強いほどでもないから使い潰される未来
 しか見えない憐れな子ですよ」

>>753
テーブルに叩きつけられた赤月の太ももからは相当な量の血が出ている。今すぐにでも治療が必要だろう。
実行犯らしき小さな少年は焦げ茶色の髪を伸ばした少女に包容の上から『枝』で拘束されている。

  『スデニ』
           『出テオリマス、今泉サン』

赤月の側に『転移』した『コール・イット・ラヴ』が深く刺された太ももに『テープ』を巻きつけていく。
どう見ても『重傷』の刺傷の完治は『5分』ほどで終わるはずだ。

>>754
「『かき氷』になる前の氷山先輩も全身が変貌して能力
 を得て、そのあとに日野家で『かき氷』化しました」

「今の私は『真っ白な煙』になって四肢を『煙』に変貌
 させることが可能です。つまり、もう終わりが近い」

「『夏の魔物』に親しみを感じるようになったり、私も
 『冬の風物詩』やクリスマスの準備を行う人々に憎悪
 を抱き、今にも襲い掛かってしまいそうです…」

「が、私は『冬の風物詩』は分かりませんし、クリスマスの準備が木々に飾り付けをするぐらいしか分かりません」

「ここに来るまでに嫌だったのは木々に付ける金銀の
 飾り付けだけです」

『夏の魔物』の笑い声が微かに聞こえるが飾り付けやクリスマスカラーの無い位置から動かない。
逆に一抹はクリスマスカラーのリボンや靴下の飾り付けを無視してキッチンにまで侵入している。
『サンタクロース』並みの直球な存在でなければ、一抹はシカトしてしまうかもしれない。

756夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/17(金) 23:15:12
>>753

  「『イズミン』――――――」

             ダッ

          「――――――と『センセー』!!」

思わず満面の笑みでイズミンに駆け寄った。
ちゃんと顔を合わせるのは何だか久し振りだったし。
それに、今日はイズミンに会いに来てたんだから。

「イズミン、きてくれてアリガトね。
 ホントはあそびにきたのに、こんなコトになっちゃった」

「はなせばナガくなるんだけど、つまりアレがコレで」

「くわしくはクロガネセンセーがおしえてくれるって!!」

説明は丸投げしとこう。
呼び出し中のスマホを耳に当てながら、
イズミンの隣に並んで立つ。
『アイツ』でるかなァ〜〜〜??
なにしろカイショーゼロのダメオトコだからな。
『キンイチ』のヤローがでるまでハッシンぞっこうだ。

>>754

「まぁな!!アリスは『アドリブ』がウマいタイプだし!!
 なかなかワルくないチャクガンテンだとおもうぞ」

「え??なに??『イズミンのカテイカ』??」

『カレー』でもつくるのか??
きょうは『シーフードカレー』がいいな!!
いや、いっぷうかわった『ドライカレー』もすてがたい…………!!

「…………って、おい!!」

「いいかけたコトとちゅうでやめたらキモチわるいだろ!!
 なんか、このヘンがモワモワする!!」

まぁ、イマだけはゆるしておいてやろう。
ウンがよかったな。
ツギはこうはいかないぞ。

>>755

「私が心配してる事は『一つだけ』」

「『有事に助けてくれる人』に私は入ってる?」

「『入ってない』んなら今入れておいて」

>>(全体)

「――――ところで『イッちゃん』のコトなんだけど」

「『バショ』がいるんだったら、アリスに『ココロアタリ』がある。
 つーか、イマ『かけてる』トコだし」

「『アリーナ』に、ちょっとした『シリアイ』がいてさぁ〜〜〜。
 『キンイチ』ってんだけど、
 わたしの『マネージャー』みたいなもん」

「レンラクつくかどうかわかんないけど、
 もしデンワにでたら、ソイツにナンとかさせてみるよ。
 『ボンクラ』だから、やくにたつかどうかわかんないけど、
 いないよりマシだとおもう」

757七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/18(土) 07:41:42
>>753

「わ、スタンド…。『補修』…?
 もしかして、治してくれるんですか…?」

 現れたスタンドに七篠は驚いたように声を上げる。

>>755

「た、食べないでください…。
 それに『かき氷』はペットボトルに入ってるものを食べる食べ物じゃないですからね…?
 今のままじゃ食べられませんからね…?」

 ある種想定はしていた言葉に七篠はやっぱりかと思いながら答える。

「でも、一抹くんはたしか『クリスマス』ってあんまり詳しくなかったですよね…?
 大丈夫です、気のせいです。私たちは別に『クリスマス』の準備なんてしてませんよ。勘違いです」
「もし、本当に『クリスマス』を準備してたら『夏の魔物』は嫌がるかもしれないですけど…
 一抹くんは『影』を見えない…ですよね…? 嫌がってることなんて気付けないはずです」

 おそらく七篠は入ってくる直前の「冬の名物は『サンタクロース』ぐらいしかわからない」という言葉を聞いていたのだろう。
 『クリスマス』を準備していないという嘘をつき、『クリスマス』に疎い一抹をひとまず安心させようと考えているらしい。

>>754,756

「一抹くんをどうするか…。
 『リルトランク』の枝もそんなに長くは持ちませんし、
 解除する度に生やしなおしても『インダルジェンス』で切られたら終わりです。
 もうここまで変化が進んでるなら『夏』を楽しんだらたぶん…」

 七篠はそう俯きながら悩んでから続くアリス風の少女の言葉に顔を上げた。

「『アリーナ』…ですか…。
 あんなところに一抹くんを預けて大丈夫なんですか…?
 一抹くんに はしたないことをさせようとしたところに…」

 七篠は『アリーナ』がらみの依頼を一つ受けている。
 だが、その時は話に聞くだけだった『アリーナ』の実態を知ったのは先日、一抹の観戦に行ったときだ。
 つまり、実質的に七篠が知っているのは敗北した者に対し暴力を振るうように唆す治安の悪い『アリーナ』だ。
 観戦後、男性嫌悪のような状態になっていた七篠にとっては信頼度は地の底のような場所だ。

758今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/18(土) 22:10:51
>>754
>>755
>>756

「ユメミン! よかった、無事でっ……!」

               『オ久シブリ デス』『夢見ヶ崎サン』
               『ツモル話ハ “補修”ヲ 終エテカラ イタシマショウ』

「本当に、よかったです」「私」「心配してたんですよ」「本当に」
「――――遊びにはこれが終わったら行きましょうっ」「秋限定メニューとか、食べに!」

その為には、夏を終わらせないと、いけないんだよね。
治すのは先生がしてくれてるから、私はお話を聴いておこう。

「え。クロガネ……って、あれっ、鉄先輩もいたんですか!」

「とゆーかその話」
「別の人からも聞きましたよー。
 だから『町をクリスマスにして夏を倒す』んですよね?」
「そのために『アロマディフューザー』を町中に置きまくるんだーって」

小石川さんから聞いた話と同じだ。
ということは、夏の話をしてる、あの子は。

「それじゃー、あの子も『夏の魔物』にやられた子なんだ」
「なんだか怖い感じのこと言ってますけどっ」

         『夏ノ悪影響カモ シレマセン』
         『今ノ言動デ 性格ヲ決メツケルノハ 早イデスヨ』

「そうですか? まー先生がそういうなら、そういうことだと思っておきます」

赤月先輩っていうのが、この刺されてる人だよね。
この子も、この人も、お話からすると、きっとフツーじゃないんだろうな。

「とりあえず私はフツーに、人を閉じ込める場所の心当たりとかないので」
「そのあたりは、ユメミンと鉄先輩にお任せしちゃいますねっ」

二人ともスタンドの世界に、すごく慣れてるんだ。
でも、この二人はちゃんと自分のまま。私の友達と、先輩のまま。

だから、あっちの二人も、スタンド使いだから、ってだけじゃないんだろうね。

>>757

「はじめまして! 先生は集中してるので、私から紹介しますねっ」
「お名前は」

                     『コール・イット・ラヴ』
                     『“アイ”トモ 名乗ッテ オリマス』
                     『以後 オ見知リオキヲ』

「あはは、聞いてたんですね先生」
「そういうことで、一応、私のスタンドで」「能力は壊れたものを直す事!」
「消しゴムとか、割れちゃっても直してくれるんですよー」

「あ、そうそう。私は『今泉未来』って言いますっ」
         
初めて見る子にも自己紹介しておこう。
初めて見る、ってわけじゃないかもだけど。同じ学年に、こんな子、いた気もする。

759鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/18(土) 22:55:07
>>755

「そうか。『クリスマス』に疎い、その点はオレと同じで助かったな」
「何が冬の風物詩なのかは、憑依した人間によって変わるということか。
 四季のない国から来た『外国人』なら、日本の夏を経験する前であれば
 『夏の魔物』を無効化できる可能性もあるか…?」
「もし一抹くんの他にも誰かを憑依させなければならないなら、候補にはなり得るな」

一方『夏の魔物』はしっかりと『クリスマス』を認識しているようだ。
この差を活かせば、『夏の魔物』だけを一抹くんから引き剥がすこともできるか?
もっとも今重要なのは、『夏の魔物』を退治あるいは封印することであり、
引き剥がして時間稼ぎをすることは本来の目標ではないが…。

>>756

「ああいや、またこの一件が片付いた後にしておこう」

この反応だと、アリスも深くは知らないか。自分は全く知らないが。
ただ以前今泉さんと話した時から、色々と引っかかっていたことがある。
ただの杞憂で何事もなければそれで良いし、そもそも今は『夏の魔物』が最優先事項だ。
一旦その件については置いておこう。

>>757

「『アリーナ』も派閥による。…少なくとも『最中派』は、確認したアリーナの中では
 最も治安が悪く、個人的には不快な場所だ。全ての『アリーナ』がああではないよ」

「しかし『拘束』も、今の一抹くんでは難しいかもな…『雲化』とでも言えばいいか?」
「『アリーナ』にいる『スタンド使い』に、適した能力の者がいればいいが」

自分の知る『タダヒト派』のスタンド使いには、今のところ該当する人間はいない。
最悪、足を折るのが一番確実だが。自分や一抹くんはやる覚悟もやられる覚悟もあるが、
七篠さんの前でこれを口にするのはよろしくない。
幸い、アリスには心当たりがあるようだ。ひとまず彼女に委ねるとしよう。

>>758

「『アロマディフューザー』を…?スゴいな、作戦の意味はまだ理解しかねるが
 オレの知らないところでもどんどんと話が進んでいるということか」
「・・・・・最初から、知る限りの『スタンド使い』全てに助けを求めるべきだったのかもな」

三人寄れば文殊の知恵、ならば頭数はできる限り多い方がいい。
もちろん中には協力的ではない『スタンド使い』もいるだろうが。
逆に妨害をしてくる程ではないだろう。メリットが存在しないからだ。
ならば手当たり次第に声をかけるのが正解だったのだろう。
…助けを求めるのが下手な自分に、内心歯噛みした。

「すまない、今泉さん。キミの知る限りで、どんな『スタンド使い』が動いているんだ?」

760一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/19(日) 00:48:54
>>756
「あとで『連絡先』を教えてください。
 今までは夢が絶たれたり、クズの対処で交換して
 ませんでしたね」

「本当に助けを求めて良いんですね?
 私は役に立たないのに…大して強くないのに…」

>>757
「きっと『夏の魔物』はクリスマスを嫌ってますよ。
 以前と違って『冬の風物詩』を準備する人々に嫌悪感
 を抱くようになりましたから」

「未だに消滅してなかった『さんずさん』がラジオ局の
 配信に便乗して助けを呼び掛け、クズの最中がサンタ
 のコスプレをさせた女性たちを配置したり…」

「私を『仲間外れ』にして企んでるのは分かってるッ!
 見えないけど『夏の魔物』は私の友人なんです!」

「クリスマスをやめなさいッ! どうせ成功しないッ!」

氷山の時よりも『夏』を妨害する者と『冬の風物詩』を準備する者たちへの怒りが強まっている。
このままだと再び暴れ始めるかもしれない…

>>758
「傷を治せるスタンド使い…」

「みんなの手足を切断しても治されてしまう…」

少女に『拘束』される涼しく刺すような玲瓏とした風貌のあどけない少年の雰囲気が刺々しいものになっていく。
戦闘音こそ聞こえなかったが短時間で少女に深い傷を負わせた危険人物だ。
もし、『夏の魔物』が夢見ヶ崎に憑依したなら友人でも容赦なく襲い掛かるだろう。
ひと夏に一回のルールに割り込んで『時間稼ぎ』のために人柱となったのが少年ではなく夢見ヶ崎だったら…

>>759
「『3回目』は有り得ませんよ。ひと夏に最低でも二回
 が『夏の魔物』のルール」

「彼にも知性が有るから日野家ではない違う場所で被害
 を出し、これからも永遠の夏を楽しむのでしょう」

『日記』に『退治』するとまで書かれた『夏の魔物』は中途半端なことでは対処不可能な災厄だ。
一度でも取り逃がせば二度と『夏の魔物』を知る者の居る場所には姿を現さない可能性が高い。
このまま一抹を放置すると自由自在に体積を操れるようになった氷山と同じく身体を『雲』に変えるに至るかもしれない…

761夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/19(日) 05:01:50
>>757

「あぁ〜〜〜そういうのあるよね〜〜〜。
 わかるわかる。わたしも、こないだみてきたばっかだし。
 たしか『サイチュウ』ってトコだっけ??」

「まぁ、アレはアレでいいのかも。
 『ゴミバコ』がなかったら『ゴミ』いれるバショがないから」

『観戦』に行った時に、『最中派』の雰囲気は確認していた。
他の派閥も幾つか見てきたが、多分あそこがド底辺だろう。
預けようとしているのは、そこではない。

「でも、いまレンラクしてんのは『ベツのバショ』。
 『アリーナ』にも『ピン』から『キリ』まであってさぁ〜〜〜。
 『グループ』ごとに、
 『かんがえかた』とかイロイロちがったりするワケよ」

「ナニをかくそう、わたしも『センシュ』なんだ!!
 『シアイ』に『2かい』でたコトある。
 どっちも『かった』!!イェイ!!」

言葉と共に、勢い良くブイサインを突き出す。

「それいがいにも、『ようちえんみたいなバショ』で、
 『コドモのおせわするシゴト』もひきうけたコトあるし。
 ソコの『フンイキ』は、よぉ〜〜〜くしってるからさぁ。
 すくなくとも、『サイチュウ』みたいなトコじゃない」

「『ナナちゃん』もアンシンしていいぞ。
 『アリーナ』がシンヨウできないってんなら、
 このわたしをしんじろ!!」

しんじられないって??
よし、この『め』をみてみるんだ。
まるでダイヤモンドみたいにキラキラかがやいてるだろ??

「あ、ナマエしらないからしんじられない??
 わたしは『夢見ヶ崎』で『明日美』で、
 『アリス』で『ユメミン』で『アルカラ』」

「おスキなのをドーゾ」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

>>758

イズミンはユメミンのトモダチだ。
『たいせつなトモダチ』。
わたしはそうおもってるし、これからもそうだとおもう。

「おっ、いいね〜〜〜!!『モンブラン』とか!!
 『フェミレス』いかない??『フェアリー・ミトン・レストラン』。
 『オトギバナシ』がテーマになってて、
 かなりフンイキいいみせでさぁ…………」

「さすが『センセー』はシゴトがはやいですな。
 おもいっきりやっちゃってください!!」

イズミンがいてくれてホントに良かった。
これでナカレは問題ない。
あとは、イッちゃんの方だけ。

「あっちのコは『イッちゃん』。
 まえにユメミンとイッショに『ユメのセカイ』にいっちゃったコ。
 あのときはタイヘンだったな〜〜〜。
 ほら、いつだったかイズミンにきいてもらったヤツ。
 おぼえてる??」

確か、ここの『談話室』で話したはずだ。
『不思議の国』から帰ってきた後に、
イズミンと話すとホッとする。
『フツーの大切さ』みたいなものが分かる気がするから。

「で、そっちのコは『ナカレ』。
 ユメミンもナマエくらいしかしらないんだけど。
 チョットまえ『アリーナ』の『シアイ』にでてるのみたよ」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

762夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/19(日) 05:03:07
>>759

「『サイチュウ』のトコはひどいよなァ〜〜〜。
 こないだアリスも『シアイ』みにいったけどさぁ、
 わりとサイショのほうで『カネかえせ!!』っていいたくなったね。
 まぁ、はらってないんだけど」

「でも、このまえは『サスズ』のおかげでたすかったし。
 『サキュバス』のハナシしたでしょ??
 アレのとき、『サイチュウ』のヒトとイッショにいたんだけど、
 あのヒトがいなかったら、たぶんヤバかった」

「だから、アリスてきには、
 『クソだけどギリギリみどころがないでもないクソ』ってカンジかも。
 でも、ゼンタイテキには、やっぱ『クソのクソ』かなぁ」

あの場に『北落』が現れたからこそ、
『夢の世界』から脱出する方法が分かったし、
戦闘や治療のサポートもしてもらった。
それは事実だ。
『最中派』自体は『掃き溜め』同然だが、クズはクズなりに、
話が通じる人間がいない訳でもないとは思う。

「あ、ちなみにアリスがかけてるのは『ちがうトコ』だから。
 アリスが『センシュ』やってるトコでさぁ。
 『2かい』でて『2かい』かった!!」

「――――あ、デンワつながったっぽいからでてみるね??」

>>760

「もちろん。何だか随分時間が開いちゃったね」

「私が助けたいから助けるの。
 イッちゃんが助けを必要としてる時は必ず助けに行く」

「今ここにいるのだって『そのため』なんだから」

            ツンッ

『ドクター・ブラインド』の『爪』で一抹に軽く触れる。
動きを封じられているなら今なら、まず外す事はない。
これにより、『超人的聴覚』を『移植』する。
もし拘束を振り払われたら一大事だ。
万一そうなってしまえば、
一抹を助ける事が出来なくなってしまう。

>>(全体)

「みんなにオネガイがあるんだけど。
 イッちゃんがダッシュツしようとしたら、
 『おおきなコエ』でさけんでもらえる??」

イズミンは、すぐ分かってくれるだろう。
クロガネくんにも『ドクター』の『能力』は話してある。
『クロガネくん』・『ナナちゃん』・『イズミン』・『ジブン』。
この四人が一斉に叫べば、十分な音量が稼げる。
最低でも動きを止める事は出来るはずだ。

763七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/19(日) 08:45:08
>>758

「ありがとうございます。
 えと、はじめまして、私は『七篠譲葉』といいます。
 私のスタンドは『リルトランク』で、こんな風に『枝』が生やせます」

 血が溢れる惨劇とその犯人を捕まえている現状としてはこうして挨拶を交わすのはどこか異様に思える。
 七篠は『壊れたものを直せる』と聞いてすこし考え込んだように俯く。

 その……今、聞くことではないかもしれないんですけど…。
 壊れた床とかも直せますか…?

 もしも、そう聞けたら部屋の惨状をどうにかしてもらえるかもしれない。
 だが、やはりそれは今ではない。

「あ、『アロマディフューザー』の話ってそんな広がってるんですね」

 七篠は小石川と調達に出かけた『アロマディフューザー』の話がここでも出てきたことに驚いている。

>>759

「あそこの『アリーナ』が、おかしいんですか…?
 他のところを見ていないので、私は…わかりません」
「『アリーナ』ならもしかしたら拘束とかがもっと上手くて、安全にできる人がいるかもしれませんよね。
 スタンド使いがたくさんいるみたいですし」

 七篠は鉄の言葉の前半に猜疑心を抱き、後半に素直に肯定する。
 スタンド使いが多ければそれだけなにかできる可能性は広がるはずだ。
 その組織があのようなことをさせようとする場所であろうと、可能性はある。

>>760

 七篠は『夏の魔物』が一抹には見えないことを利用して口車に乗せにかかる。

「……一抹くん、『クリスマス』はオーストラリアでは『夏』の行事です。
 きっとお友達もわかってくれます。
 私たちはちょっと風変わりな『夏』をするだけですから」

 オーストラリアでは『夏』の行事だろうと星見が存在する日本では『冬』の行事である『クリスマス』。
 『スイカ』に『虫取り網』、『麦わら帽子』、『水着』、『ひまわり』や『朝顔』、『すだれ』に『扇風機』。
 『おばあちゃんち』で溢れていたのはどれも『日本の夏』だ。
 おそらく嫌う『冬』も『日本の冬』のはずだ。

「一抹くんは『夏』をやめろと言うんですか?
 私たちは一抹くんが知らない『夏』をやろうとしてるだけなんですよ」

 念のため、ルーズリーフを取り出し『リルトランク』で『サネカズラの枝』をもう一本、一抹に絡みつくように生やし拘束を強める。

 一抹は『冬』を『サンタクロース』くらいしかわからないと言った。
 もしもそれが家庭環境が元であれば、他の季節――『夏』も一般的なものはわからないかもしれない。

>>761

「そう、なんですか…。
 お二人が言うなら、そうなのかも…?」
「いろんな『アリーナ』があって、あんなところだけじゃないんですね…」

 七篠の中にはいまだに『アリーナ』への猜疑心があるが、それはそこだけの問題だと複数のスタンド使いから言われればある程度信じられたようだ。

「夢見ヶ崎さん、ですね。
 改めて、私は『七篠譲葉』といいます」
「あ、電話ですね、わかりました」

 七篠はそう言って目礼する。一抹を括り付けている関係で頭を下げることはできないようだ。

「大声…ですか? 一抹くんが逃げそうになったら…?」

 七篠は疑問を感じているようだが、実行する意志はあるらしい、頷いた。

764今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/19(日) 22:31:21
>>759(鉄)

「えーっと、これって見せていいのかな」
「鉄先輩ならいっか」「……はいっ、これですっ!」

一松くん?には見えないようにスマホ画面を見せる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
   薬師丸幸
   神原幸輔
   ココロ
   小角宝梦
   朝山佐生
   今泉未来
   成田静也
   アンジェ
   遊部玲実
   空織清次         ・・・張り紙の写真だ。

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/749
―――――――――――――――――――――――――――――――――

「とりあえずこの人たちは呼ばれてるみたいです」
「お返事したかは分かりませんけどっ」

「呼んだのは『小石川さん』って人です。鉄先輩、知り合いだったりしますか?」

>>761-762(夢見ヶ崎)

「ああっ、そうだったんですね! ……あの話の」
「それなら! 先生もますます張り切りますよ」
「ね、先生」

            『私ハ イツデモ 全力デスヨ』
            
「それもそうですかっ」
「分かりました、何かあったらすぐ叫びますよ?」

ユメミンはやっぱり、不思議の世界になれてて。
鉄先輩もだけど、すごく頼りになるなって、思う。

>>760(一抹)
>>763(七篠)

「あはは、そんな事しないでください」
「いくら治せても、フツーに痛いんですからね」

                 『…………』

あ。笑うのは違ったかも。
多分、本気で言ってるんだと、思うから。

「七篠さん」「ですねっ」
「よろしくお願いします」
「こんな時に自己紹介するのもなんですけどね」

            『コンナ時ダカラコソ』
            『互イノ コトヲ 勉強スルノハ 大事デスヨ』

「まあ、先生も、こう言ってますし」

こういう状況って初めてだから、わかんないな。

「あ、そうそう!」「アロマで解決なんて、私もびっくりしましたけど」
「一松くん?とか、他の人も大変な目に遭ってるんですよね?」

            「だったらお手伝いするのがフツーですよっ」

一松くんが暴れ出したら、すぐに大声を出せるように、見ておこう。

765鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/19(日) 22:55:51
>>760(一抹)

「あくまでそれは手記を残した者の観測情報だからな。そうかもしれないし、そうでないかもしれない」
「出来る限り一抹くんの所で踏み留めたいが、もしそうならなかった場合の事も考えておくよ」

その兄も犠牲になって、あの『民家』のどこかで夏の風物詩になっているのだろうか。
でなければ、他に『一名』だけ代わりに犠牲になることで、夏を延長できるというルールを知ることはできないはずだ。
彼の弟の為に、命を賭けられる人間が他にいたなら分からないが。

>>762(アリス)

「『夢の世界』に『最中派』の人間が…?」

すぐに思い当たったのは『自作自演』だが、アリスがそれに言及しないということは
その可能性は低いようだ。普段の振る舞いからは意外かもしれないが、彼女の洞察力は鋭い。
多少なりとも、『最中派』に対する評価を改める必要があるだろう。

「…!キミもアリーナで戦ったことがあるのか。…ああ了解した、よろしく頼む」

小さく頭を下げて、一抹くんの保護に関しては一旦アリスに任せよう。
しかし彼女も『アリーナ』の選手だったのか。
アリスの好奇心を考えれば、確かに有り得ない事ではない。…やはり少し心配になるが。
どうやら彼女は『一抹』くんに聴覚を移植するらしい。頷いて、備えておこう。

>>763(七篠)

「かつてオレの妹を襲った『通り魔』を探し、そして戦った時。彼らも利害が一致したとはいえ『タダヒト派』の人達は協力してくれた」
「組織の大きさや理念の関係で、いつでも頼りにできるわけではないが。
 この町の『治安維持機構』の一つ…と評価しても間違いではないはずだ」

とはいえ、自分もアリスの言う『アリーナ』に関しては未知数だ。
少なくとも、『タダヒト派』や『最中派』ではない。だから手放しに安全だ、とは言えない。

>>764(今泉)

「ありがとう」

今泉さんが見せてくれたスマホの画面を眺める。
彼女と朝山さんの他には、知り合いの名前はいないようだ。

「感謝する。そちらの方で動いてくれている誰かと連絡を取れたなら効率的に活動できるかと思ったんだ」

そうなると、朝山さんは一旦置いておいて、今泉さんになるだろうか─────。
そう思い視線を向けていると、そんな少女から予想外の名前が出てきた。

「小石川さんが?」
「…ありがたい、頼りになるな。後ほど彼女へと連絡を取らせてもらおう」

そしてスマホを操作する手が、ぴたりと止まる。

「申し訳ないが、小石川さんの連絡先を教えてもらってもいいだろうか…
 万が一、キミが怒られたら即座に電話番号を消すので…」

766一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/20(月) 00:23:58
>>761-762
「あのクズ女の名前は『サイチュウ』ではなく『モナカ』
 って名前ですよ…」

「『綿飴』になる前にあの女だけは殺したいですッ!
 あそこの中核となる構成員の北落さんに聞いたんです
 どれだけ負けても選手たちはケロッとした顔で帰還
 すると。きっと最中のスタンドで…」

「あの女だけは殺したいですよォォ…」

『超人的聴覚』を『移植』された一抹は最中派について恐ろしいことを口にしながら暴れる。
一抹も北落とは会ったことがあるようだ。
何をされるか分からないゆえに一抹は観客全員と『ヤミー』を敵にしてでも赤月と真金を守ったのかもしれない。

>>763
「『さんずさん』が駅前の掲示板を使ってスタンド使い
 とクリスマスの準備をしているじゃないですかッ!」

「本能的にクリスマスを準備する人々に苛々するッ!
 夏にクリスマスを行うなんて許されないッ!」

綿菓子のように軽い一抹だが暴れ始めると七篠の身体も揺さぶられてしまう。
『包容』をやめて『枝』で包んだ方が楽だろう。
ただし、そうなった瞬間に一抹は『インダルジェンス』の『慈悲の刃』で逃亡するだろう。

>>764
「大体は隠すような情報は知ってると思いますよ。
『さんずさん』の放送を聞いてから隙を狙ってました」

「完治するまで一切の苦痛を与えない『慈悲の刃』が
 有るから大丈夫ですよ。骨を斬られた感覚も無いです」

恐ろしいことを言いながら赤月に視線を向けている。
まだ戦い足りないのか一抹は不満気な表情だ。

「香りでムードを作ろうとする気でしたか。
『夏の魔物』を退治するには些か火力が足りないです」

「雪を降らせるとか市民が自主的にクリスマスを行わない
 限りは『夏の魔物』を殺せないと思います。
 奴は危険を悟れば影を伝って何処にでも逃げますから」

「最悪の場合は『供与者』を使うのも…」

>>765
「日付を無視して強引に31日目の日記を描くような奴で
 すから残暑の終わる9月を過ぎたら雲隠れしそうです」

「ひと夏に一人が普通で残暑の9月がボーナスタイム。
 私のように甘く見てると酷い目に遇わされます」

「実際に私を捕らえ損ねて負傷者も出てしまいました。
 残暑も終わりが近いです。きっと、私も…」

三人目などという甘い動きを『夏の魔物』がするとは思えない。奴は思考するスタンドのような存在だ。
本当に『クリスマス』を流行らせた程度で倒せるのだろうか?

「私は最後に氷山先輩を信じて失敗しました。
 もしも、私が甘い考えを囁き始めたら耳を貸しては
 いけません。それは確実に罠です」

特に『夏の風物詩』を知らない私も『31日』が近づくにつれて氷山先輩のようになるのだろう。
すべては『夏の魔物』の気分次第だ。

767夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/20(月) 05:40:11
>>763

「『レストラン』だってさぁ、
 マズいトコとかサービスがワルいトコとかあるでしょ??
 ナナちゃんは『マズいうえにサービスがワルいみせ』に、
 ウンわるくタマタマあたっちゃったってコト」

「『フェミレス』はウマいしサービスもいいけど」

それだけ言って、通話に集中する。
電話口の相手と交渉しているらしい。
声を聞く限りでは、どうやら話は纏まりそうだ。

>>764

「そそ、ソレソレ〜〜〜。
 ジツはサイキンも、またイロイロあってさぁ。
 きょうは、そのハナシしよっかなっておもってきたんだけど」

横からイズミンに答えて、あとは通話に専念。
知り合いらしい相手と喋っている事が分かる。
そろそろ話は纏まりそうだ。

>>765

「クロガネくんのしらない『ヒミツ』は、
 まだまだイッパイあるんだぜ??
 『あんなコト』とか『こんなコト』とかね!!」

「あ、『そんなコト』もあったっけ??」

そう言って、また通話に戻る。
『アリーナ』の人間と交渉中らしい。
聞こえる内容から判断すると、話は問題なく纏まりそうだ。

>>766

「同じ字面だから間違えちゃった。
 私『漢字』弱いから、なかなか覚えられなくて」

「あいつらの事は私も好きじゃないけど、
 今はイッちゃん達を元に戻すのが最優先」

「『泊まる場所』は予約しておくから。
 全部終わったら必ず迎えに行くよ」

明るく言ってから、通話を続ける。
電話の向こうにいる相手は知り合いらしい。
もうじき話は纏まるだろう。

>>(全体)

「――――――『ホテルのヨヤク』とっといたよ。
 『イチリュー』かどうかはわかんないけど」

そういえば『アリーナ』って『ハバツ』とかあるけどさ。
キンイチのトコって『なにハバツ』なのかしらねーな。
だいぶまえからつきあってるのに、すげーイマサラだけど。
こんどきいとくか。
つーか、さっききいときゃよかった。

「ここのバショおしえといたから、これからきてくれるって。
 とりあえず、コレでイッちゃんはダイジョーブだとおもう。
 ナニかあったら、わたしにレンラクするようにいってあるし」

通話を終了し、交渉の結果を全員に伝える。
同時にスマホを操作して、音楽プレイヤーを起動。
音量を最大にして、いつでも再生できる状態にしておく。

768七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/20(月) 07:58:08
>>764

「はい、よろしくお願いします」
「実は小石川さんにお手伝いを頼んだの、私なんです。
 お手伝いいただけるなら本当に心強いです…! ありがとうございます」

 今泉が鉄に見せてるなにかは名簿だろうか。
 今泉が『この人たち』と複数形で呼んでいるのを聞いて、七篠はかなり広範に呼びかけられているのかもしれないと思ったようだ。

>>765

「『タダヒト派』という派閥もあって、そこは『治安維持機構』みたいなところ…。
 鉄さんの言う通りなら、あそこの…『最中派』?とは正反対みたいなところですね。
 それなら安心できそうです」

 そう、鉄に返してから七篠は小声で、考え込むようにつぶやく。

「前に会った緒方さんは『大企業』みたいなものって言ってたし…
 『アリーナ』ってそれぞれ全然違う…?」

 七篠は以前、『アリーナ』からの依頼で犬を探したことがある。
 当時は『アリーナ』に派閥があると知らず疑問に至らなかったが、何派の『アリーナ』だったのか改めて疑問に思ったようだ。

>>766

「そういえば…さっきは聞き逃しちゃいましたけど…。
 氷山さんは『かき氷』になったのに『さんずさん』が動き回ってるんですか…?
 スタンドって、本体がいなくても動けるんです?」

 七篠は暴れようとする一抹を強く抱きしめたまま問いかける。
 中学一年生と高校二年生。15cmほど身長が違う上に『サネカズラの枝』2本で拘束されている。
 たとえ暴れようとある程度は押さえつけられるはずだ。
 
「……一抹くん、暴れ足りないのはわかりましたから…。
 深呼吸して、落ち着いてください。
 『クリスマス』の準備をしてるのが嫌なんですね?」

「少なくとも私は(今は)『クリスマス』の準備をしていません。
 今日は一抹くんが血で汚して壊したのをどうにかするためにシーツとかを買いに出かけていました。
 今だって『冬』の枝は出してません。これは『オジロ』の時に使った薬草の枝です」
「大丈夫ですから…落ち着いて…」

 七篠が『クリスマス』に向けてあまり動いていないのは本当だ。
 関や小石川に相談し、小石川と合流し『アロマディフューザー』の調達に同行した。
 だが、その後は寝床の確保のため、部屋を片付け、血痕と傷をどうしようかと頭を悩ませていたのだ。

>>767

 七篠は邪魔にならないように「たまたまハズレだっただけなんですね…」とだけ返して通話を終えるのを待った。
 そして、一抹の軟禁先が確定したのを聞いてほっとしたような顔をする。

「ありがとうございます…。
 これでひとまず大丈夫…ですね」
「一抹くんが氷山さんみたいに『夏の風物詩』になる前に移動しちゃいたいです」

 七篠はそう言うとはっとしたように周囲を見渡す。
 『かき氷』が溶けてしまっていないだろうか…。

769今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/21(火) 04:52:53
>>765(鉄)
>>768(七篠)

「あはは、いいですよ! 小石川さん、人集めたそうでしたしっ」
「ほら、張り紙にも連絡先書いてますし」「これ見たって言えばいいんですよ」

画面を拡大して、鉄先輩に連絡先の所を見せる。
名前がいっぱい書いてるから、分かりにくいけど。

「もし怒られたら私が無理矢理教えたってことにしてもいいですし」
「どうしても怒られたらですけど」「怒らないと思いますよ、たぶん!」

人のこころなんてわからないけど、小石川さんは、そういう人な気がする。
それにしても。

「へえ〜〜っ、そうだったんですかっ!? 初耳ですっ」
「私も」「心強いですよ」

この子がけっこう、事件の真ん中の方にいるのかな。
小石川さんも誰かから聞いた感じだったし、そうなのかも。

「そうやってちゃんと捕まえとけるような能力って、先生にはないですし」

            『アクマデ 先生ハ 先生デスノデ』
            『暴レル ヨウナラ 対応ハシマスガ』

「あは、先生に捕まえてほしいとは思ってないですよ〜」
「なんでもできるわけじゃあないんですよね、スタンドって」

それで、出来る事は出来るのがスタンドだ。
説得って、効かない気がするんだ。むしろ刺激しちゃうんじゃないかなあ。

でも、そうするのがフツーなんだろう。お話からしたら、市松君?の友達みたいだし。

>>766(一抹)
>>767(夢見ヶ崎)

「へーっ、痛くないんですかっ? すごいですね〜」

            『……痛ミガ ナクトモ』
            『負傷スルコト自体ガ 負担ニナリマス』
            『治セバイイ トイウカンガエハ 禁物デスヨ』

「あは、やだな先生、分かってますよ」  

血が抜けたりするし、あんまり、いい気分はしないだろうしね。

「私も、アロマだけじゃ効かないんじゃないかなーって」
「フツーに思ってたりはするんですけどね〜〜〜」

「……それでも」
「やれることがあるなら、やったほうがいいですから」

冬の匂いっていう感覚はわかるんだ。
でも、それがモミの木の匂いかは分からない。

「私達以外も、何かしてるかもしれませんしね」「邪魔しちゃだめですよっ?」

それでも、『足りない』火力の『足し』になるなら、フツーに、やった方が良いよ。

「あ、しちゃだめっていうか、出来ないかもですね。あはは」
「ユメミン、ほんと色んな世界を知ってるんだなぁ」「また後で、お話聞かせてくださいね」

現実が不思議の世界になってる今、本当に頼りになって、すごい。憧れるってコトなのかも。
私に出来ない事が、ユメミンには出来る。だからユメミンに出来ない事を、私がしに来たんだ。

770鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/21(火) 19:09:54
>>766(一抹)

「ああ、次はないという気概で臨むつもりだ」
「胸に留めておくよ。もっともアリスの所属する『アリーナ』のやり方次第では、
 事件が終わるまでもう接触することもなくなるだろうが…」

出来ればその方がいいだろう。
もし自分が逆の立場なら、両手両足を折ってでも止めて欲しいと思う。
一抹くんも、普段の精神に戻ったならそう思うはずだ。
だがそうせずとも『拘束』できる手段があるならば、その方が良い。

>>767(アリス)

「『ホテル』か。場所はどんな場所でも構わないと思うが、『拘束』に関しては問題ないのだろうか?」
「『インダルジェンス』の戦闘力に加えて、『雲化』の自由自在さ。
 一箇所に留めるのは決して容易くはないだろうが…。いや、その知人を信じる他はないか」

『アリーナ』の人間ならば、決して一抹くんを低く見積ったりはしないだろう。
『スタンド』というものを日常的に取り扱っている、いわば彼らは『スタンド』のプロだ。
頷いて、あとはその人物に一抹くんを引き渡せばまずはひと段落か。

>>768(七篠)

「あぁ、『緒方』さんは知っているのか。ならば話が早い、彼女も『タダヒト派』の一人だ」
「彼女と実際に言葉を交わしたのならば、その人となりは知っているだろう?」
「あくまで推測だが、恐らく彼女も『最中派』とはそりが合わないだろうな」

自分も彼女と接した回数は多くないが、己の成すべきことに実直で、誠実な人という印象だ。
『エクリプス』が関わった際だけは、感情を露わにするが…これは別に伝える必要はないだろう。

>>769(今泉)

「…ありがとう。これで彼女と協力して動きやすくなる」
「残る唯一にして最大の問題は、一般人の協力をどれだけ取り付けられるかだ。
 この現象、『スタンド使い』には簡単に説明できるが、
 一般人に説明をしても殆どは理解を得られないだろうからな」

自分もこうして『スタンド』に関わる前だったなら、
【人命がかかっているので、真夏だからクリスマスをしてほしい】などと言われても
新手の詐欺か、あるいは何かの販促としてまともに取り合わなかったかもしれない。

「小石川さんならそんなことはないとオレも思う。だが、念の為にな…」

そして小石川さんの電話番号を手に入れた。後は一抹くんの迎えが来てくれたなら、ひとまず安心だろうか。

771一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/21(火) 21:57:14
>>767
「うぅっ…私も氷山先輩みたいになるんです!」

「もし、『夏の魔物』が31日目を強引に書いて綿飴化」
 してしまったら美味しく食べてください」

問題は迎えが来ても下手なスタンド使いでは更迭中に脱走する可能性がある点だ。
『インダルジェンス』自体は平凡なスタンドでしかない。
しかし、本体の一抹が強烈な闘争本能を持つので油断ならない。
赤月に致命傷を与えた一抹が萎えてるのは『殺意』の無い七篠が捕まえているからだ。
気絶させれば、その場は凌げるが…

>>768
「今の氷山先輩は仮死状態だから暴走しているのでは?
 独立した意思の強い『さんずさん』だからこそ好きに
 動ける状態になってしまった…」

「クリスマスをやめないなら返しません…」

『かき氷』と化した氷山の入ったペットボトルは一抹が抱えていた。完全に溶けてはいないが微妙に溶け始めている。

>>769
「腕二本刺しと顔面手術から首斬りに頭刺しやら腕両断
 で赤月さんの太もも二本刺しで人体は斬り尽くしました
『悪感情』の『鎮静』も併用するから安楽死です」

「赤月さん、復活してくれないかな…血が足りないから無理ですか…」

傷の癒えてきた赤月に期待を寄せては残念そうに再戦を諦める一抹。
『悪感情』の『鎮静』と『無痛の刃』のスタンド能力を持つらしいが、そうとは思えない精神性の持ち主だ。

「『アリーナ』の各派閥を使えば、多少は強引に飾りも
 付けたりは出来るでしょうが民衆にまで浸透しないと
 無理だと思います」

「『広報』と『雪景色』が足りません。無駄です。
 それに捕まっても『脱獄』してやります…」

『夏の魔物』の意思を代弁するように断言する。
同じく離れた柱の影から少年の形をした影のヴィジョンが同意するように笑う。

      クスクス

                  クスクス

>>770
「以前に私も安心しきったところを突かれたのです。
『夏』を満喫せずとも勝手に『変貌』は進むはず」

「『残暑』の終わりも近い今こそ油断ならない時です。
 氷山先輩とは違う私の身体の到達点なら…」

以前に一抹が交戦した氷山は全身の体積を操っていた。
同じく一抹が全身を『煙』に変えて脱走しようものなら黒服では止められない。

「クリスマス実行日に『脱獄』したら『さんた』さんを
 〆て、町中の飾り付けを破壊してあげます!」

「どれがクリスマスの飾り付けか分からないので町中
 の電線を切断してイルミネーションも消しますから」

772夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/21(火) 22:45:13
>>768

「そういうコトもあるんじゃない??
 イズミンの『センセー』だって、
 ジブンでかんがえてジブンでうごいてるんだから。
 その『サンズサン』って、
 センセーとおなじようなのでしょタブン」

「あと、ホンタイがセイギョできてないスタンドとかさ。
 さっきいった『コモリのシゴト』で、そういうのみたコトあるよ」

『コール・イット・ラヴ』は『自動操縦型』。
本体が操作していなくても動く事が出来る。
実際に自立行動するスタンドがいるのだから、
さほど不思議な事だとは感じなかった。
もっとも、『サンズサン』については全く知らない。
だから、特に確証がある訳でもないのだが、
そういうものだと思っておけばいいだろう。

>>769

「ついこないだ、また『ユメのセカイ』にいっちゃってさぁ。
 しかも『3かいめ』なんだ。
 わたしもビックリしたんだけど」

また戻ってこれて良かった。
アリスは帰るまでがアリスだから。
戻れなかったら、『次の世界』に行けなくなる。

「いや、そんなにビックリしなかったか??
 もうダイタイなれてるし。
 『ユメミガサキ』っていうだけのコトはあるな!!」

次の世界に行く前には、
感覚を『ニュートラル』に直さなきゃいけない。
常に新鮮な驚きや感動を得るためには、それが必要だ。
つまり『フツー』に触れるという事。
イズミンがいてくれると、そこがフツーなんだって感じられる。
だから、安心できるんだと思う。

「『アイちゃんセンセー』??
 ここスゴいコトになっちゃってるんですけど、
 センセーってコレもキレイにできるんだっけ??」

床の上を指差す。
『コール・イット・ラヴ』の能力は『補修』。
何となく、掃除は入らないような気がするから。

>>770

「バショは『チカトーギジョー』。
 『スタンドつかいのハンザイシャ』を
 とじこめるヘヤをヨウイしてもらった。
 『カンシ』もつけるってさ」

「ま、ヘーキでしょ。
 『キンイチ』はアホだけど『ベリル』もいるし。
 『ベリル・ストック』――
 『センケツのリョウケン』ってリングネームでさぁ」

「アリスと『シアイ』したんだけど、
 フダンは『ワルいヤツら』をあいてにしてるっぽい。
 なかなか『やりて』だから、まかしといてイイとおもう」

「『ホテルだい』はアリスがはらっとくから」

言いながらウィンクして見せた。
しかし、慣れていないらしくヘタクソだ。
ただ片目を閉じただけみたいになっている。

「まぁ、ベツに『ショゾク』してるワケじゃねーけど。
 『ツキアイがある』ってだけで。
 『ほかのアリーナ』にも、ちょくちょくカオだしたりしてるし」
 
「アリスは『ひとつのセカイ』にはしばられない!!
 だって『いろんなセカイ』をみてみたいからさぁ〜〜〜」

会話しながら、さりげなく『メッセージ』を送る。

[フッフ〜〜〜ン]

[アリスはココにくるまえに『アイディア』もかんがえといたぜ。
 『クリスマス』をイッパンジンにひろめるアイディア]

[こないだ『バレンタイン』のハナシしたでしょ??
 ソレをオウヨウするワケよ]

[どんなのかしりたい??]

773夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/21(火) 22:48:12
>>771

「絶対ならない!!いいや、させない!!」

「連絡先を教えるって言ったでしょ。
 それが出来ないままお別れなんて絶対にさせない」
 
「助けるって言ったら助ける。約束したからね」

「だから――――今だけは休んでいて」

迎えが来たとして、大人しく連行されはしないだろう。
『七篠のスタンド』が外れたら、
また暴れ始めるのは目に見えている。
だからといって、七篠が一緒に行く訳にはいかない。
一抹には一旦眠ってもらう必要がある。
そのための『仕込み』は出来ている。

>>(全体)

「ナナちゃん、なんだかしらないけどさぁ」

          チラ

『ソレ』、とけたらヤバそうなんでしょ??」

一抹が抱えている『謎のペットボトル』を一瞥する。

「みんな、『さっきいったヤツ』おねがい。
 リハーサルどおりにたのむよ??」

     スゥゥゥゥ………………

「 『 ユ 』 ! ! ! ! 」

      「 『 メ 』 ! ! ! ! 」

            「 『 ミ 』 ! ! ! ! 」

                  「 『 ン 』 ! ! ! ! 」

腹の底から声を出し、思いっきり『叫ぶ』。
同時に、音楽プレイヤーの再生ボタンも押す。
『超聴覚』は移植済み。
スマホの音量も『最大』に設定してある。
『四人の声』と『大音量の音楽』を合わせ、
『音の攻撃』によって一抹の意識を飛ばす。

774七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/21(火) 23:02:51
>>769

「スタンドそれぞれで、できることとできないことがありますよね。
 治したりできるのすごいと思います」

 七篠はそう言いながら『先生』と赤月の方を見やる。
 そろそろ治ったりしていないか心配しているようだ。

>>770

「『緒方』さんは『タダヒト派』の人だったんですか。
 真面目そうで、行動で示そうとするいい人だったので…
 あの人がいる『タダヒト派』なら信頼できそうです」

 七篠の脳裏に浮かぶのは自分から犬の首輪をつけ、安全を証明してみせる『緒方』の姿だ。
 『アリーナ』は『最中派』だけではない、それを理解してほっとしている様子だ。

「鉄さんはいろんな人とお知り合いなんですね」

>>771

「『さんずさん』が特別…ってことなんですね」
「あっ、『氷山さん』っ!」

 七篠はそう口にしてからしまったと思ったのか一度止まり、一抹の様子を窺う。

――『かき氷』が入ってるペットボトルってだけで、一抹くんには確信が持ててなかったはず…。
――でも、私が言っちゃったから…バレちゃった…。
――今出してる『枝』は2本、『インダルジェンス』じゃなくて一抹くんが持ってるならまだ…。

 七篠は『リルトランク』で一抹の手元を突くように『樫の枝』を伸ばそうとしたが聞こえてきた夢見ヶ崎の言葉に動きを止める。

>>772

 七篠は夢見ヶ崎の大きな声を出すようにという指示を思い出し大きく息を吸って一抹の耳元で力いっぱい叫んだ。

「一抹くんのー!! ばかー!!!」

 『かき氷』になった氷山のようになってもいい、『クリスマス』をやめろ。
 自分を救うなと言うようなそれらの言葉に七篠は多少感じるものがあったらしく、大声を出すようにと言われて思いついたのはそんな言葉だった。

775『フーヴィアン』:2021/09/22(水) 00:36:05

 ブルルル……キキィ

『夢見ヶ崎』が、選手としてのスポンサーの『金一』に連絡してから
30分ほど経過してからだろうか。シルバーのワゴン車らしい車が
学生寮に到着し、一組の男女が降りるとインターホンを鳴らす。

ベリル「アルカラ、待たせたな。話は凡そ聞いてるが、抜けがあると
困るから私からも聞かせてくれ。夏の魔物とかに、その子(一抹)が
憑依されてる……お前たち、いや他の街のスタンド使いが総出で
冬のイベントを広めて追い出すって話で合ってるな?」

あと、他の者にも自己紹介しておく。ベリル・ストックだ……と
赤色の髪をした、落ち着いた空気の中に放(ひり)つくような闘士の気配を
入り混ぜた女性は名を名乗った。

アルキス「俺はアルキス……アルキス・グレクだ。
スタンドに憑依された子を護送するとなると、俺の能力が適任なんでな。
……準備が出来たら、それを食べさせてくれ」

そう言って、彫りが深い顔立ちの黒髪の男性は。服のポケットから
『ビスケット』を1枚取り出す。それは『ナマケモノ』の形をしていた。

アルキス「……俺の能力だ。食べれば動きが鈍くなる代わりに
殆どのエネルギーの代謝が低くなる……本物のナマケモノのようにな」

スタンド能力で出来た、お菓子のようだ。
 能力は、彼の言う事が本当なら動物当然の能力を獲得出来る感じか。

2人は、一抹の身支度。周りが短いながら別れを告げるか他に何か
やり残した事が無いかどうか確認終わるまで待ってくれるようだ……。

776今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/22(水) 00:56:01
>>770(鉄)
>>772-773(夢見ヶ崎)
>>774(七篠)

「そうですね〜。説明されても最初、何それって思いましたしっ」
「よっぽど信用できる理由が無いと、手伝ってもらえない」「かも」

小石川さんが言う冗談とは思わない。
だから、話を聞いてみたんだ。

「……え!」「また行ったんですかっ!?」
「ユメミン、ほんと、夢見……」「あは。先に言われちゃった」

ユメミンの話は、あとでちゃんと聞かなきゃ。
また大変なことがあったんだろうから。

「先生、どうなんでしたっけ」「これは『できる』の方でしたっ?」

              『私ハ “補修”スルダケデスヨ』
              『“壊レタ”モノヲ ナオス コトハ 出来マスガ』
              『オ掃除ハ 皆サンガ 自分デ スルコトデス』

「ですよねーっ。床が傷ついてるところとかは、直してくれると思いますけど――――」

              『自分デ オ掃除スルコトデ 汚サナイ 意識ガ育チマスカラ』
              『コノ場合 ココデ戦ッタ 御二人ガ 片付ケル ベキデショウ』

                          『――――夏ガ 終ワッタラ デス』

「それまで放置ってわけにもいかないですけどねっ。後で私たちで片付けますか?」

>>771(一抹)

「えー」「そんなことしない方が良いと思いますけどっ」
「私とかユメミンとかは、やさしいけど」

一抹君を助けたい人が全員なら、こうやって捕まえるだけだろうけど。

「フツーに倒す気で何人も襲ってきちゃったら、一抹くんも危ないですよ?」

町を荒らしたりしたら、フツーにそうなるんじゃないのかな。
いくら強くても、そうなったら、よくないんじゃないかな、って。

「……」「って言っても、やりたくなっちゃうんですよね?」
「自分がどうなっても」「夏を楽しむ邪魔はさせない、って」

「そういう、スタンドなんですもんね。フツーの話だけじゃ、無理ですよね」

                「ごめんね」
      「わ」

         「あああああああああああああああ」

                
   「あああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!」

ユメミンが先に言ってくれてた通り、大きな声を出して、一抹くんを攻撃する。

       もしこれで一抹くんのことを、動けないように出来ないなら。
       ……最悪の場合、私はユメミンがしない事をする。
       べつに。先生は直すしかできないけど。私はそうじゃないから。

777鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/22(水) 21:04:42
>>771(一抹)

「どうだろうな。『アリーナ』の拘束はどのような『スタンド』を用いるのか分からない」
「もしキミが不安なら、この場で四肢を折っておくが・・・」

確かに気体というものは、何よりも捉えにくい。それが意思を伴うともなれば尚更だ。
万が一、クリスマス当日に脱走して彼の言葉通り暴れ出したら大惨事だろう。
流石に『アリーナ』の影響力を持ってしても、隠蔽は不可能か?
もしそうなってしまっては、例えその後に『夏の魔物』を倒したとしても
一抹くんはしばらく表舞台に戻って来られないだろう。

>>772(アリス)

「『スタンド使いの犯罪者』を捕える施設か!成る程、これはありがたい」
「『鮮血の猟犬』・・・・・・・・・・中々カッコ良い二つ名を持つ友人がいるんだな。
 頼りになるというのは分かったが、キミはそういう人間と戦ったというわけだ」
「キミの好奇心を止めるのは不可能だとは思っているが、それでもあまり無茶はしないようにな」

ふう、と息を吐く。
興味の結果、そこの『アリーナ』で戦闘をすることになったのであって、
『アリーナ』で継続的に戦うことを目的としたわけではない。それは予想通りだ。
しかし、裏を返せば必要のない戦闘にも衝動的に自ら飛び込んでしまうということ。
自分の知るタイプの『アリーナ』なら、やはり治療手段があるのだろうが…。
と、そこでメッセージに気付く。
念のため、そこでアリスの顔を見るようなことはせずに静かに返信する。

[もちろん、タノむ。ジブンのナカでは、やはりアレにはシキンとエイキョウリョクが
 ヒツヨウということになって、モホウするのはフカノウかとオモったんだが…]

と、送信した辺りで一抹くんの方を見る。いつの間にか、『かき氷山』さんを持っていたのか。
剣道の試合の時のように、腹に力を込め、一抹くんに向けて裂帛の気合を放つ。

「ぃやあああぁぁぁぁッ!!!」

>>774(七篠)

「結果的にそうなったんだ。とある一つの『事件』を通して、色々な『スタンド使い』と知り合ってね」
「だが、特に今はそのありがたみを感じるよ」
「『繋がり』は力だ。そのおかげで、オレも復讐を果たすことができた」
「…とはいえ、現状を見るとその点に関しては七篠さんの方がよく分かっているかな」

そう言って苦笑する。
すぐに大勢の人に救援を呼びかけたのは、他ならぬこの少女だ。
それがこうして、今泉さんを含めた多くの人に助けられているのだから、わざわざ言うまでもないだろう。

>>775(『フーヴィアン派』)

現れた二人へと向けて、一礼をする。

「ベリルさん、アルキスさん、よろしくお願いします。自分は鉄夕立(くろがね ゆうだち)と申します」
「その認識にも間違いありません。現在も洗脳は解けておらず、
 隙を見て逃げ出す恐れがあるので、アリス…アルカラのスタンド能力で『無力化』中です」

>>776(今泉)

「恥ずかしながら、自分はあまり人付き合いが得意な方ではない。
 初対面の人間に頼み事をしたことなんて、そうそうないからな…」
「もしオレがコミュニケーション能力に長けた人間ならば、人間の心理を活かして何か思いつけたかな…」

現状、アリスの作戦を頼りにさせてもらうしかない。
凝り固まった自分の頭と違い、柔軟な彼女ならばあるいは誰も思いつかないような案が出てくるかもしれない。

778一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/22(水) 21:19:35
>>772-774
>>776-777
「ウグッ…絶対にッ…私は『脱獄』を成し遂げるッ…!
『クリスマス』なんて絶対に許さない…!」

「絶対にッ! 帰って来てやるゥゥゥ!!」

四人の叫びに逆らうように『インダルジェンス』を発現し、耳に向けて『慈悲の刃』を突き立てようとする。
誰よりも自分自身を憎む力の一つで聴覚を切り捨てようとするが意識を保てずに『インダルジェンス』が解除されていく。

一抹 貞世『インダルジェンス』⇒『気絶』

>>775
二人の姿を見た『夏の魔物』が姿を消す。
白髪の幼い少年が焦げ茶色の髪をした少女に拘束されている。

「ウグッ…絶対にッ…私は『脱獄』を成し遂げるッ…!
『クリスマス』なんて絶対に許さない…!」

聴覚を切り捨てようとスタンドの刃を突き立てる寸前だったが意識を失っていく。
既に戦闘後なのか太ももに『テープ』が巻かれた少女の周辺は血の海と化している。
あとは、集まった学生たちから少年を受け取り更迭するだけだ。

779夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/22(水) 22:38:49
>>774

「わたしの『ドクター・ブラインド』は、
 『めがみえない』かわりに『ほかゼンブ』スゴい。
 『チョージンテキ4カン』っていうのをもってるワケ。
 でも、まぁソレが『ジャクテン』になるトキもあってさ」

「さっきは『チョージンテキチョウカク』を、
 イッちゃんに『イショク』した。
 だから、イッちゃんは、
 『ものスゴいオト』でキゼツしちゃったってコト」

自分の能力を軽く説明する。
同時に、『ペットボトル』を取り上げて渡しておく。
何だか知らないけど、スゲー大事そうだったし。

「おてつだいサンキュー!!いいコエだった!!」

>>775

「ベリル、おひさァ〜〜〜。
 さっきウワサしてたトコでさぁ」

「みてのとおりバタバタしてたけど、
 とりあえずかたづいたから。
 あとヨロシク!!」

現れたベリルに片手を振る。
もう一人は知らないけど、
一緒にいるって事はベリルの仲間だろう。
そっちにも手を振っておく。

「『ジジョー』はソレでいいよ。
 だいたいはキンイチのアホからきいてるとおもうけど」

「『アルカラのトモダチ』だから、
 テーチョーにあつかってあげて。
 なるべくでいいからさ」

アルキスの能力は確かに護送向きだ。
ベリルの『シンプリー・レッド』は『嘘を見破る』能力。
こういう状況には、ちょっと向かないだろう。

>>776

「あ、やっぱそうなります??
 じゃ、『おそうじとうばん』は、
 『イッちゃん』と『ナカレ』ってコトで」

「でも、ほっといたらヨゴレがしみちゃうからさ。
 イズミンのいうとおり、
 とりあえずウチらがやったほうがよさそう」

「あなたのおへやをピカピカに!!
 ユメミン&イズミンサポートサービス!!
 いつでもオデンワください!!」

治療してもらっただけでも十二分の働きだ。
『これ以上』を望むというのは、いくらなんでも贅沢すぎる。
ここは、ひとまず自分達で立て替えておくとしよう。

「イズミン、てつだってくれてありがとう。
 こういうトコにイッショにいるのってハジメテだよね??
 なんかフッシギぃ〜〜〜」

イズミンとは何度もお喋りしたり遊んだりしてるけど、
こういうのは今までにない経験だ。
普通と不思議が同じ場所にある。
こんな状況だけど、何だか嬉しい気もしていた。

「――――そろそろ『ナカレ』もなおったかな??」

780夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/22(水) 22:41:12
>>777

「うんうん、すばらしいコエだ!!なかなかイケてたぞ」

         「――――――で」

              クルッ

    「わたしをよんどいてよかっただろ??」

ナカレは治療され、イッちゃんは眠り、ベリル達が到着した。
それを見届け、ここぞとばかりに得意げな顔をしてみせる。
治療したのはイズミンだし、
イッちゃんを拘束したのはナナちゃんだ。
『天敵』であるクロガネくんの存在も、
強力な牽制になったと思う。
だが、自分が果たした役割も小さくないはずだ。
今くらいは自慢してもバチは当たらないだろう。
音楽を切り、気を取り直して『続き』を喋る。

「『さっきのハナシ』だけどさぁ」

「いろんなおみせに、
 かたっぱしから『といあわせ』しまくるの。
 『クリスマスしょうひんはおいてないか』って。
 デンワでもメールでもいいし、
 てんいんにチョクセツきいてもいい」

「ヒトツフタツくらいだったらコウカないだろうけど、
 それが『メチャクチャおおかったら』どうよ??
 ダンダンきになってくるとおもわない??」

「おみせは『ジュヨウがある』ってかんがえるでしょ。
 で、『クリスマスのしょうひん』をおくようになる。
 それをみた『おキャク』も、
 『きせつハズレのクリスマス』にキョーミをもちはじめる」

「それをドンドンひろげていって、
 マチじゅうに『クリスマスブーム』をひろげるってサクセン。
 サイアクでも、みせがわのニンゲンに、
 『クリスマスをイシキさせる』にはジューブン。
 みせどうしはアンテナはってるから、
 『あっちがやってるならウチも』ってなる」

「これが『アリスのアイディア』。どうよ??」

『問い合わせ』するだけなら費用は不要だ。
電話でもメールでもいいし、直接店員に尋ねてもいい。
『売る側』に『クリスマス』を意識させれば、
連鎖的に『買う側』にも意識させる事が出来るだろう。

>>778
                   メガボリューム
「『Doctor Blind』――――――『Megavolume』」

        「お休み、イッちゃん」

意識を失った一抹の様子を見て、肩を撫で下ろす。
事前に仕込んでなかったら間に合わなかったかもしれない。
成功を見越した行動ではあったが、
紙一重だった事も確かだった。
しかし、『本番』はこれからだ。
一抹が発した『最後の言葉』を記憶に留め、
『必ず助ける』という決意を新たにする。

781赤月『サクソン』:2021/09/22(水) 22:56:05
>>一抹さん

「う・・・うう・・・・・・」

血の海の中心で倒れる赤月が呻き声を上げる
『治療』が行われた事で容態が安定したのかもしれない

※そろそろレスを再開しても大丈夫でしょうか?

782七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/22(水) 23:04:59
>>776

「え、『床』直せるんですか…!?」

 七篠は>>763で考えていたことの答えが不意に現れ驚いたように口に出した。

「あ…すみません…。
 実は…私の部屋、一抹くんが床を壊しちゃって…どうやって直したらいいか悩んでたんでつい…」

 そう事情を説明し、急な反応をしてしまった理由を今泉に伝えた。

>>777

「いろんなスタンド使いと出会うなんて…きっと大きな事件だったんですね…」

「『繋がりは力』…。
 そうですね、いろんな人に知り合っていなければこうして手伝ってももらえなかったと思います。
 私よりも知り合った人たちがすごかったんですが…」

 七篠が呼びかけたのは『二人』だ。
 だが、その二人がそれぞれ知り合いに声をかけ、更にその知り合いへと話が広がっていった。
 この街のスタンド使いが人との繋がりを大切にした結果なのだろう。

>>778

 七篠は気絶して力が抜けた一抹を咄嗟に支えきれずにすこしよろめき、そのまま一抹ごと座り込んだ。

「一抹くんが言うと本当に『脱獄』してきそうで怖いんですけど…。
 大人しくしてくださいね…」

>>779

「それで一抹くん、気絶しちゃったんですか…!
 スタンドって本当にいろいろです…」

 七篠は一抹が倒れた理由について納得がいった様子で驚いている。

「あ、ありがとうございますっ!
 この『ペットボトル』の中身、『夏の魔物』にやられてしまった被害者で…。
 溶けちゃったらどうなるかわからないので心配だったんです」

 七篠はルーズリーフを取り出すと『パルサの枝』を『リルトランク』で3本生やし、ペットボトルを覆うことで保温しようとし始めた。
 一抹を引き渡すまでは離れることは難しいと考えたようだ。

>>775

 七篠はやってきた二人へ鉄に続き、挨拶をする。

「えと、一抹くんを迎えに来てくれた『アリーナ』の人ですよね。
 ベリルさん、アルキスさん、ありがとうございます。
 私は『七篠譲葉(ナナシノユズリハ)』といいます。一抹くんをよろしくお願いします…」

「……一抹くん、気絶しちゃってるんですが…口に入れてしまえば大丈夫でしょうか…?
 それとも飲み込まないといけませんか…?」

 七篠はそう言うと脱力している一抹を見た後に台所にあるミキサーに目をやる。
 砕いて溶かして流動食のように流し込めばもしかしたらいけるのだろうか、そう考えていそうだ。

783一抹 貞世『インダルジェンス』:2021/09/22(水) 23:40:11
>>781
目覚めて見えたのは四人全員が一抹に叫びを浴びせる姿。
七篠に抱えられた上で『枝』を使って拘束されている。
さらには別派閥の『アリーナ』勢力が来ているらしい。

「――――そろそろ『ナカレ』もなおったかな??」

『慈悲の刃』の傷も癒えてギリギリだがスタンドを発現して動かせる状態だ。
死ぬ寸前の出血をしたせいで強烈な眩暈と吐き気が襲ってくる。下手に動くと倒れるかもしれない。

784赤月『サクソン』:2021/09/23(木) 00:19:00
>>775(『フーヴィアン』)
>>776(今泉)
>>777(鉄)
>>778(一抹)
>>779-780(夢見ヶ崎)
>>782(七篠)

>「 『 ユ 』 ! ! ! ! 」

>      「 『 メ 』 ! ! ! ! 」

>            「 『 ミ 』 ! ! ! ! 」

>                  「 『 ン 』 ! ! ! ! 」
>「一抹くんのー!! ばかー!!!」
>「あああああああああああああああああああッッッッ!!!!!!!」
>「ぃやあああぁぁぁぁッ!!!」

    ビクッ!!

「・・・・・・ッ!? ごほっ ごほっ! 私・・・・は・・・・?」

周囲を取り囲む4人のスタンド使い達が、突然大声を出した事で目が覚めた
大腿の傷は完治したとはいえ、血を失いすぎた・・・・目が霞み、全身が泥のように重い
生あくびを繰り返しながら、目を擦り、周囲の状況を確認した

「私はまだ・・・・・・生きて・・・・・いる・・・・?」

そう言いながら、腿を手で擦る
不可思議な『テープ』が張り付けられているものの『無痛の傷』が消失している事に気付き、安堵する

「君達は・・・・鉄の仲間なのか・・・・?
 ぐっ・・・・ すまない・・・・ 来てくれて助か・・・・   ・・・・・っ!?」

周りの状況を観察するにつれて、徐々に倒れている間の会話が思い出してきた
学生寮に似付かわしくない年齢の『赤い女性』・・・・周囲の会話から彼女が『アリーナ』の人間である事を悟る
その事実に気付いた時、一瞬だけ心に湧いた『激情』を歯を食い縛って抑えこんだ

「・・・・・私は部屋に戻る
 一抹が倒れた今・・・・私はもう必要ないだろう・・・・」

自分の表情―怒りや悔しさがないまぜになったそれ―を見せないように、顔を背けて立ち上がる
極度の貧血で足元が崩れそうになる所を両手で膝をつくように支えた
そのままふらふらとした足取りで自室に戻ろうとする

785今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/23(木) 13:37:47
>>775(フーヴィアン派)
>>778(一抹)

「凄い、プロって感じですねっ」
「ユメミン、こういう人たちと知り合いなんだ〜」
「……あ、私は今泉っていいます」

鉄先輩に遅れて、自己紹介はしておこう。

「なんていうか」
「怖い感じ、ですから。しっかり閉じ込めといてください」

          「人を襲ったりしたら」
          「この子自身も、危ないと思うので」

どんなに強くても。
今この子が怪我してないのは、みんなが優しいからってだけだ。

>>777(鉄)

「あは、鉄先輩のことそんな風に思った事はないですけどっ」
「ほんとにユメミンは」「『コミュニケーション能力に長けた人間』ですもんね〜」

「凄そうな人たちとも知り合いみたいですしっ?」

私の知り合いで一番、そうなんじゃないかな。
それでも人のこころの全部は、分からないだろうし。分かるわけないんだから。

>>779(夢見ヶ崎)
>>782(七篠)

              『ソレガ ヨロシイカト』『デスガ』
              『応急処置ヲ シテオクノハ 良イコトデスネ』

                        コール
「あはは」「そうですね〜っ。イズミンはお電話一本で駆け付けますっ」
「駆け付けてほんとによかった。ユメミン、いつもこういう事してるんですもんね」

私は笑う。

「私だけがここにいたら、多分、フツーに何も出来なかったと思うし」
「不思議の世界なら、ユメミンにお任せですねっ」

              『デハ床ノ補修ハ 私ガ行イマショウ』
              『ソレバカリハ ゴ自身デハ 難シイデショウカラ』
              『一末君ニハ 治ッタ後デ 謝ッテ イタダキマショウネ』    

「ですって。先生、それじゃあお願いしますっ。このあとお部屋行きますね」

>>784(赤月)

「あっ! 起きた起きた、先生、ユメミン、起きたみたいですよっ」

              『御無事デ ナニヨリデス』
              『傷ハ スッカリ 補修デキマシタヨ』

「あ、でも、治ったからってもうちょっとゆっくりした方が……」

              『エエ』『急ギ デナケレバ デスガ』
              『出血ガ ナカッタコトニナッタ ワケデハナイノデ』

786『フーヴィアン』:2021/09/23(木) 14:33:11
>>776-785

アルキス「いや『ビスケット』に関しては、気絶から目覚めてからで
問題ない……無理に意識を失ってる間に摂取させて喉を詰まらせては元も子もない」

ベリル「安心しろ。アルカラ、お前も知ってる通りだ
移送中に目を覚まして苦しんでる振りをしても見抜けるし
暴れてもアルキスの奴は十分抑え込める実力だ。
 ただ、無力化してくれた全員には感謝を告げる。私達が余り手を出しても
余り上は良い気をしな……そっちの子に、誰か付いてやったほうがいいんじゃないか?」

そう『赤月』が室内へ戻ろうと歩く姿を見て、ベリルはそちらに意識を向けつつ
告げる。『赤月』は、自身の過去の復讐に関連する相手に赤か黒い感情を向けて
見た時、偶然だと思うがベリルと視線が合わさった。
 その抱いた感情を悟ったのか不明だが、少しベリルは貴方の只事ではない
視線に微かに片方の眉を上げ反応したようだ。


そして、アルキスが一抹を背負い車の後部座席へ乗せて自身も隣に座る傍ら
ベティは、この中で一番縁が深い夢見ヶ崎ことアルカラへ告げた。

ベリル「アルカラ……長くて『一週間』程度だ。拘束の期間はな」

ベリル「今回、彼を拘束するのは私達の属するアリーナ全体の意思ではなく
私がお前と個人の親交ゆえの依頼だ。彼を拘束する事情は私とアルキス
そして私達のアリーナ『フーヴィアン派』のリーダーと、あの銭の亡者(金一)
だけだ。信頼出来る部下となる他二名(ミゾレ・メゾ)にも話を通しておくがな」

ベリル「世間体を過剰に気にするような組織でも無いが、未成年の少年を
長く拘束する程の権限を発動するとなれば組織全体の力を使う。
だが、私達の秩序は ただ一人だけに全体の力を注ぐ事は出来ない。
そうすれば威信は崩れ、他方にもつけ入られる隙となる。
 勿論、彼を安全に隔離するのに手は抜かないし、持てる限りのリソースは
全て使うが……それでも何が起きるか分からない未来(さき)を確約は
私はしてやれない。嘘はつきたくないんでな」

彼(一抹)を一週間、保護者から引き離す言い訳は、お前達に任せるぞ。

そう告げて、アリーナの戦士 深紅の猟犬ことベリル・ストックは車を走らせる。

入道雲らしき、荒れる兆しかも知れない空の先へ。



(※一抹PCが脱走を行うとした場合。アリーナのフーヴィアン派
ベリルが発言したリーダー以外の誰かが一抹PCを鎮圧しようとしますが
成功するか失敗するかは未知数です。重傷を負えば、こちらのNPCは撤退しますし
その時点でアリーナの地下闘技場から逃げおおせると考えて貰って問題ありません。

一抹PCも、現在は特殊な立場に置かれてますが板の活躍するPCである事は
間違いないですし。xデーを失敗させようと行動させようと奮闘する意思を
阻害する権利はこちらに無いので、その旨だけは此処で告げておきます)

787鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/23(木) 20:00:25
>>778(一抹)

音に対抗しようと『インダルジェンス』が動くが、流石に速度は音の方が早い。
過敏になった聴覚に強烈な刺激を与えられて、一抹くんは気絶したようだ。

「…お疲れ様、一抹くん。二度目になるが、またゆっくりと休んでくれ」

氷山さんに加えて、一抹くんもこの怪現象のせいで振り回された被害者だ。
これ以上、加害者に回る前にゆっくりと休んでほしい。

>>779(アリス)

「アリス。勿論キミのことは最初から頼りにしている。今回も助かったよ、ありがとう」
「…キミの力を疑った事はないよ。ただオレが、人の力を頼るのが下手なだけなんだ。すまない」

アリスの振る舞いに、じっと彼女の顔を見て、何となく言葉を足してみる。
自分の思い過ごしならいいのだが、自分の過去の行動が、知らずの内に彼女を傷付けてしまっているかもしれない。
続いてアリスのプランに耳を傾けて、驚いた。

「成る程…需要を作り出すことで、社会全体を煽動するわけか」
「最近は『SNS』などで、民間の需要がより視認しやすくなっている。
 ましてや直接の問い合わせが何件もあれば、企業側としても無視はできないだろう」

もし問い合わせに引っかかったなら、実際に買いに行こう。その際の費用は全て自分が持つ。
本当に購入されたとなれば、尚更『クリスマス』に対する意欲を感じるだろう。
仲間の数が増えてきた今ならば、実行可能なはずだ。

「素晴らしいアイデアだな。これから仲間たちとも連絡を取って、打診してみよう」

>>781>>783(赤月)

「おや、起きたか。身体の調子はどうだろうか?」

今泉さんに実際に治療された人を見たのは、今日が初めてだ。
こんなに短時間で治療ができる『スタンド』は、今のところ他に見たことがない。
かなりの出血をしていたが、傷口は塞がっても貧血になったりはしないのだろうか?

「・・・・・今はゆっくりと身体を休めるんだ。この先何をするにも、それは必要だろうから」
「お疲れさま、赤月さん」

手を貸そうかと思ったが、いくら中学生とは言えど、男が自室にまで付いてこられるのは、良い気分がしないだろう。
一抹くんとの戦闘の勝敗に加えて、『アリーナ』の者が助けに来たこの状況。
彼女の精神に、少なからず影響を与えるだろう。赤月さんはこれからどう動くのだろうか。

>>782(七篠)

「ここまで大事になるとは思わなかったがな。…『スタンド』というものは
 その特異性からか、想像以上の事件に繋がることもある」
「大したことのないように思えても、『スタンド』絡みの案件に関わる時はある程度覚悟をした方が良い」
「勿論、関わらないならそれに越したことはないが」

あくまで自分と『通り魔』のみの対峙だと思っていた捜索は、『タダヒト派』や『ファム・ファタール』、
犯罪者グループの『タカウジ』たちなど多数の人間が関わることになった。
結果として得たものも数多いが、それだけの危険を伴ってきた。
必要がない限り、同じ体験は二度としたくはない。

>>785(今泉)

「そういう今泉さんも、友人は多いと勝手に思っているが。二人合わせれば、学校中の人間と知り合いでもおかしくはないんじゃないか?」
「まぁ確かに、所謂フツーじゃない知り合いはアリスの方が圧倒的に多そうだが…」

ふと、これからの作戦に使えそうな情報をこの子ならば知っているか?と思った。

「今時の子は、どういうところで買い物をするんだろうか?
 いや、それこそフツーに『スカイモール』とかなのかもしれないが、念の為に聞いておきたい」

>>786(『フーヴィアン派』)

「ありがとうございます。自分が言うまでもないでしようが、
 万が一彼が脱走した際は、アルカラに連絡を下さい。自分たちもその方が動きやすくなりますので」

そして、一抹くんを連れて行った二人の背中を見送る。
『アリーナ』の人間に気遣われるのは、赤月さんには堪えるだろう。彼女らに悪気はないだろうが。
二人が迅速に立ち去ってくれたのが、せめてもの救いか。



「・・・・・さて、そろそろオレもお暇するか」

788夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/23(木) 21:10:21
>>782

「ほうほう、そりゃタイヘンですな〜〜〜」

「でも、ワザワザそんなコトするより、
 さっさとレイゾウコにつっこんだほうがはやいとおもうぞ」

「――――『ソレ』、かして」

『ペットボトル』を渡してもらい、
『ドクター』で素早く正確に冷蔵庫を開け、中にしまう。
そういや、まだ土と石を握ったままだっけ。
もういらないからそのヘンにすてて……はマズいから、
とりあえずポケットにいれよう。

「ナナちゃん、『レンラクサキ』こうかんしようぜ!!
 ナンかあったときのために」

「あ、さっきのサクセンどう??
 ダイジョーブそうなら、ヒマなときにてつだってもらいたいし」

>>784

「『赤月ナカレ』――――また会いましょう」

背中を向けたまま、立ち去る後ろ姿に一言だけ声を掛けた。
同時に、『アルカラの連絡先』を書いたメモを、
『ドクター』の手でナカレのポケットに忍ばせる。
今の状態では気付く事もないだろうが、
後で何か手伝える事もあるかもしれない。

>>785

「じゃ、『ソージ』してから『コージ』するってコトで!!
 ユカのコージ。『ユカちゃん』ってさぁ、
 『コージ』と『ソージ』どっちがスキなんだろうね??」

じつは『フタマタ』かけてたコアクマのユカちゃん。
いままでウマいコトやってきたが、
ウッカリおなじジカンにデートのヤクソクをしてしまった!!
『コージ』と『ソージ』どっちをとるか??
そりゃあ、リョウホウとるしかないでしょ!!
じかい、『エンジェルorデビル』にゴキタイください!!

「わたしは『ケージ』とかスキかな。
 キリッとしててカッコいいし。
 でも、いがいとカワイイどうぶつがスキだったりしてさぁ。
 そういうトコもいいよね〜〜〜」

『ケイジのケージ』は、
もと『ドウブツエンしいくいん』というイショクのケイレキをもつ、
カタやぶりな『こせいはケイジ』。
だが、あるとき『テキのワナ』にはまり、
ジショクにおいこまれてしまう。
バッジをうしなったカレは、
かつてのナカマである『ドウブツたち』のきょうりょくをえて、
『ハンター』のようにハンニンをおいつめるのだった……!!
スタイリッシュガンアクションハートフルアニマルクライムサスペンスきょへん!!
キンジツこうかい!!

「じゃ、わたしもつきあっちゃお!!やるコトないけど!!
 ユカちゃんのテンケンでもしようか??」

『超人的聴覚』や『超人的触覚』を駆使すれば可能だ。
問題があるとすれば『必要ない』って事だけど。
センセーの『ホシュー』はカンペキだから。

「ユメミンのサクセンどうかな??
 『バレンタイン』をサンコウにしてみたんだけど。
 イズミンのイケンききたいなぁ〜〜〜」

789夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/23(木) 21:10:58
>>786

「『イッシュウカン』か。しかたねーなァ〜〜〜」

           ゴソッ

一抹の『監禁料』として『七万円』をベリルに渡す。

「ま、そのあいだに『カイケツ』すればイイってコトだし。
 ジューブンジューブン。ケイビしっかりたのむぞ」

「あぁ、『ナカレ』はイロイロとワケありみたいね。
 いや、アルカラもくわしくはしらないんだけど」

「アルカラにわかるのは、
 『カラダはなおったけどココロはなおってない』ってコト。
 むしろ、ヒトリにしてあげたほうがイイとおもう。
 アタマひやすジカンもひつようでしょ」

あとでナンかさしいれとくか。
『チ』のたしになるような…………。
トマトジュースとか??

「つーか、『フーヴィアンは』っていうのか。
 ハジメテきいたぞ。
 キンイチのアホにききそびれたから、
 チョウドよかったな〜〜〜。
 ナイスフォロー!!」

「それと、あのタコにもいっといたけど、
 もしナンかあったらわたしにレンラクしてね」

必要な事は言ったので、
一抹を護送するベリルとアルキスを見送る。

>>787

「ベツにクロガネくんをせめてるワケじゃないよ」

「『キョウリョクしたい』っていうキモチが、
 『クチだけじゃない』ってわかってもらいたかっただけ」

それだけ言って、短く深呼吸してから大きく頷く。

「そーいうコト。『おしてダメならひいてみろ』ってね。
 できるだけイロんなヒトがやったほうがイイとおもう。
 『ネンダイ』とか『セイベツ』とか」

「『はばひろいジュヨウがある』ってなれば、
 もっともっとコウカがでるとおもうからさぁ〜〜〜」

「クロガネくんがイマいった『スカイモール』とか、
 『いっかしょ』にしぼるのもイイかも。
 そのほうが、みじかいジカンでセイカだせるとおもう。
 『ひとつのおみせ』でブームになれば、
 『ちかくのおみせ』もノってきそうだし」

「アリスも『シリアイ』にあたっとくよ。
 クロガネくんもヨロシク!!」

クロガネくんが引き上げるんなら手を振って見送ろう。
『アレ』や『ソレ』やあるだろうし。
マジメなカオしてスミにおけないヤツだな!!

790七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/23(木) 21:38:06
>>784

「あっ……。大丈夫ですか…?」

 七篠は先ほどまで倒れていた少女が去っていくのを一抹に巻き付けていた『枝』を解除しながら見送った。

――一抹くんが戻って来たら、あんな酷いことしたの謝らせないと…。
――今泉さんがいなかったら大変なことになっちゃってただろうし…。

>>785

「いいんですか?
 ありがとうございます…。
 修理とかどうしたらいいかわからなくて、途方に暮れていたので本当に助かります。
 この後、お願いします」

 七篠は頭を下げ、ほっとしたように返事した。

>>786

「一抹くんをよろしくお願いします。
 あの感じだと脱獄しそうだとは思うんですが…」

 七篠は一抹を渡し、フーヴィアン派の二人が去っていくのを見ながら考える。

――一抹くん、前も入院して一週間サボってたし、普通に受け入れられそうだけど…。
――一抹くんのおうち…。あ、そういえば町外れの教会がおうちなんだっけ…。
――……そしたら、電話したらなんとかなるのかも…。

>>787

「そう、ですね…。
 スタンドに関わって、こんなに大きな事になるなんて想像もしていなかったので、
 本当に勉強になりました」
「氷山さんを追いかけて森を走ったのがもう遙か昔みたいに思えます…」

 まさしく今回は想定以上の大事になってしまったパターンだ。
 七篠は息を吐きながら言葉を続ける。

「次は、きちんと覚悟して関わります」

>>788

 ペットボトルを覆った『枝』を解除し、夢見ヶ崎へと手渡す。
 冷蔵庫ではなく冷凍庫の方が安心だが、あとで移しておくだろう。

「ありがとうございます。
 これで、一安心です…。あ、連絡先ですね。是非」

 七篠は連絡先を交換しながら夢見ヶ崎の案について考えを巡らせる。

「いろんなところに『冬』関係の問い合わせをするんですよね。
 わかりやすくブームを作れそうですし、いいと思います。私もやります。
 ただ…いたずらだと思われないようにいくらかは購入した方がいいのかもしれません」

791赤月『サクソン』:2021/09/23(木) 21:57:25
>>786(『フーヴィアン』)

「・・・・・・。」

自らを『フヴィアン派』と名乗る『アリーナ』構成員達
彼女らの存在を確かに認識しながらも、赤月はそれを無視する
『タダヒト派』でも『最中派』でもない別の派閥・・・彼らに対する情報は少なく、
『容疑者』の一つであるからだ

平時であれば、もう少し物を考えて『探り』を入れる事も出来たかもしれない
だが、今は・・・・『身体』にも『心』にも余裕がない

>>785(今泉)

「その言葉・・・・傷を治してくれたのは君達か・・・・」

この場を立ち去る前に彼女らの語る『補修』という言葉が耳に入った
一度立ち止まり、頭を少し下げる

「ありがとう
 でも、すまない・・・・今は少しでも早くこの場を離れたい気分なんだ・・・・」

>>787(鉄)

「・・・・・・最悪の気分だ」

その言葉に一切の嘘がない事が彼女の語調からもわかる
喉元から振り絞る様な声であり、何かを堪えているようにも聞こえる
一抹に敗北した事実は彼女の身体だけでなく、心にも強いダメージを与えているのだろう

肩を震わせながら、重い足取りで鉄の前を通り過ぎる
その時ですら、赤月が鉄の方に顔を向ける事は一切なかった

>>788-789(夢見ヶ崎)

「・・・・・・? また・・・・」

結局、最後まで赤月が夢見ヶ崎の正体に気付く事はなかった
しかし、後で『アルカラの連絡先』をポケットの中に見つけた時、
彼女の正体・・・・いや、あの時『アリーナ』で会った『彼女』の正体に気付く事になるだろう

>>790(七篠)

「大丈夫・・・・・だ
 すまない・・・・私に構わないでくれ・・・・」

七篠の言葉を振り払うようにして、この場を去ろうとする
お互いにすれ違うその瞬間、七篠は彼女の顔が見えた
一抹に生死の境まで追い込まれたその少女は今にも泣きそうな顔をしていた・・・・

そして、赤月は去って行く
血の海となった戦場を離れて、自分の部屋へと・・・・

792今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/23(木) 23:10:47
>>786(フーヴィアン派)
>>791(赤月)

「それじゃ、よろしくお願いしますっ」

事情とか、よく分からないけど。
長くは拘束しておけないのは、フツーだ。
この人達なりに出来る事を、してくれるんだなって。

「『気分』なら、しょーがないですけど」
「気を付けてくださいねっ。廊下で倒れたりとかしないように」

           『精神的状態ハ 私ニモ 補修デキマセン』
           『御礼ハ イリマセン。ゴユックリ オ休ミクダサイ』

それから、怪我してた人のことも見送る。

なんていうか、この場は収まりつつある、って事なんだろうね。

>>787(鉄)

「あは、どうでしょうっ?」「うーん」
「先輩の知り合いは、少なくはないですけど」

謙遜するのがフツーなのかな。
でも、今はそういう状況でもない気はした。

「3年くらい離れてる学年だと、
 ほとんど知り合いはいないんですよね」
「大学部の先輩とか……中等部の子とか」
「あと、一番知らないのは小学部の子ですよね」

人脈なんて立派なものじゃないけど、
高1〜高3なら結構知ってる人は多いと思う。
スタンド使いの人は、多くはないけど。

「あは、今時の子って!」「えーっと、女子のことですよね?」
「まーそうですね」「やっぱりスカイモールが一番楽しいですけど」

「歓楽街の方にも、ちょっとオシャレなお店があったりとか」
「あとはまあ、大通りですかねーっ、フツーに」

>>785(七篠)
>>788(夢見ヶ崎)

「フツーにいいですよ〜。減るもんじゃないですし」
「先生は疲れるかもですけど」

            『床ヲ 直スクライハ 大仕事デモ アリマセン』
            『業者ノカタ ノ 仕事ヲ 奪ウヨウデハアリマスガ』
            
「まあまあ。ほら、自分達でやれる事はやるのがこの寮ですしっ」

それに、先生は能力使うのがかなり好きなんじゃないかな。

            『相変ワラズ 素敵ナ ユーモア デスネ』

「あはは、そうですねっ」
「私だったら」「『オージ』様とか、好きかも」
「今どき白馬に乗って来られてもフツーに困りますけどねっ」

ユメミンの話はやっぱり、面白いと思う。
言葉を使うのが、上手いっていうのかな。
きっと皆笑っちゃうよね。

「作戦って、電話で聞くって話ですよねっ?」
「私はそれ、面白いと思いますよ」

            『懸念ガアルトスレバ』
            『悪戯ダト 思ワレル 事デショウ』
            『勿論 人命二関ワル以上 私ハ 悪戯トハ思イマセンガ』

「うーん、でもまあ実際買いたい人はいると思いますし?」
「私達以外にも多分、クリスマスの動きって広まってますよねっ?」

            『確カニ 幅広ク 情報ハ拡散サレテイマス』
            『需要ハ 作戦抜キデモ 生マレテイルカモ シレマセンネ』

「そういう人たちのグッズを買う場所も作れて、
 一石二鳥だと思います! やりましょう、ユメミン」

793鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/09/24(金) 00:22:20
>>789(アリス)

「断じて、キミを『口先だけ』と思ったことなど一度もない」

静かに、だがハッキリとした口調で言い切る。
これは彼女を慰めるだとか、人間関係を円滑にするだとか、そんなものは一切関係ない。
ただ誤解されたくはない、それだけのことだ。

「アリスにはオレにはない物事の捉え方ができるし、機転が効くのも知っている。
 ついこの前、キミの『スタンド』には重宝すべき能力があるのも知ることができたしな」
「あくまでオレが、自分で解決できることならそれで。不可能でもなるべく
 少人数で達成したいと思ってしまうだけだ。これは性分だからな。直すべきだとは思っているが」
「…それと、キミが女性であるのも無関係ではない。これも男女差別でよろしくはないんだろうが…」

指でこめかみをかく。恥ずかしながら、欠点というのは一朝一夕で直るものではないようだ。

「とにかく、必要な時にはまた力を貸してほしい。そして逆に、困った時はすぐに呼んでくれ」

とりあえず、これで互いに齟齬はなくなっただろう。彼女とはこれからも良い関係でいたいものだ。
早速、その名案の内容を突き詰めていこう。

「幅広い年代なら、知り合いの知り合いまで含めればそれなりに数が多いと思う。連絡を取れば、何とかなるだろう」
「分かった。手当たり次第に幅広くよりは、ある程度的を絞るべきか。
 確かに数多くに手を出しても、相手が需要を感じない程では意味がないな…。
 それにああいったタイプの店舗なら、アリスの言う通り近くの店が
 『クリスマス』を仕掛けてくるなら他の店も、否が応でも目につくだろう」
「後は、効果は然程ではないかもしれないが…店が『クリスマス』を前に出すようになったなら、
 妹に『インスタ?』とやらで宣伝を頼んでみる。しないよりはマシだろう」

>>790(七篠)

「そうやって巻き込まれるタイプに関しては、避けようがないので何とも言えないがな…
 ただ、オレは正直七篠さんがいて助かったと思っている」
「その『リルトランク』…民家にいた時から思っていたが、極めて強力な『スタンド』だ。心強いよ、ありがとう」

礼を述べ、頭を下げる。
自分はこういった物事に積極的に関わっていく姿勢であるから、一向に構わない。
でなければ、この街の『警察官』にはとてもなれないだろう。

>>791(赤月)

「・・・・・・・・・・」

何も言わずに、彼女の姿を見送る。
命があるから復讐はできる、死ななかっただけまだマシであると。
自分がそんな風になけなしの言葉を取り繕うよりかは、彼女が立ち上がるのに任せる方がマシだろう。
敗北は事実だ。それを糧にできるかどうかは、彼女次第だ。
しかし、これをキッカケに彼女が復讐を止めることはないだろうから。
どうか、無事に立ち直ってくれることを祈るばかりだ。

>>792(今泉)

「成る程。大学生や小学生に声をかけるならば、また別の人を探しておくとしよう」
「幸い、年下の子にも知り合いはいる。その子に声をかけて、知り合いに当たってもらおう」

今泉さんの言葉に頷く。

「了解した。手始めに『スカイモール』、その次に『歓楽街』や『大通り』か」「参考にさせてもらう」

女性の心理が分からない自分には、こういう話はありがたい。
しっかりと心に留め、その場にいる皆へと視線を向ける。

「この度は重ねて感謝を。何かあれば、また連絡をして欲しい」
「一抹くんが拘束された事で、一旦は危険がなくなったが…彼の言う通り、脱走の可能性もある。努努気を付けてくれ」

そう言って、寮を去る。早速スマホを取り出して、小石川さんと連絡を取ろう。

794夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/24(金) 00:47:42
>>790

「そんなにきにしすぎなくてもイイとおもうよ」

「『カクゴ』ってコトバは『サイゴのサイゴ』でつかうものだから」

二人の会話を横で聞きながら、一言だけ口を挟んだ。

「『イタズラですまないレベル』にしちゃうんだよ。
 とにかく『だいきぼ』にする。
 もちろん、『しょうひん』がならんだら『かう』。
 ジッサイ、イマひつようなワケだから」

          ピッ

「――――よし!!
 ナナちゃんのレンラクサキをゲットしたぞ!!」

>>792

「『オージさま』とはイッポンとられた!!
 さすがイズミンは『イイかえし』をしてくるな〜〜〜。
 ホットケーキひっくりかえすのもウマそうだし!!」

「『ウマ』はのりかたしらんしね。
 『パールホワイトのポルシェ』とかだったら、
 のってやってもいいぞ」

『うんてんせき』にな!!
ムメンキョだけど。
でも、『おおがたトラック』うんてんしたコトもあるし。
ユメのなかで。
そのあと『クロコゲ』になったのはバチがあたったからか??

「いや〜〜〜『センセー』はイイとこついてくるよね。
 ズビシッ!!ってカンジで」

「かんがえたタイサクとしては、
 『イタズラ』っておもわれないくらいイッパイやる。
 あと、できるだけハバひろいヒトにやってもらう。
 ガクセイだけじゃなくて、
 オトナとかもいるとセットクリョクでるとおもうし」

「とりあえずウチらでやりながら、
 たのめそうなヒトにもたのむってカンジかな??」

>>793

「そういわれるとナンかアレだな!!
 ベツに『そういうアレ』でいったワケじゃないし」

「アリスの『イシヒョウジ』っていうか、
 『ケツイヒョウメイ』っていうか、
 ようするに『そーいうヤツ』だから」

「ま!!つーワケで!!これからもヨロシク!!」

          ポンッ

クロガネくんの肩を軽く叩く。

「そのヘンはジョーキョーにおうじてやるのが、
 イチバンじゃないかなぁ。
 サイショは『イッテンシュウチュウ』で、
 タブンよさそうなきがするけど。
 『ブーム』がひろまってきたら、
 もっとハンイをカクダイしていくカンジで」

「またナンかおもいついたらレンラクするから。
 クロガネくんもナンかあったらおしえてね」

「――――そんじゃ、また!!」

クロガネくんに手を振って、立ち去る姿を見送る。
長く掛かったが、ようやく『約束』を果たせそうだ。
口には出さなかったが、
その事が嬉しかったのは事実だった。

795七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/24(金) 07:10:39
>>792

「床を直すのが大仕事じゃない…。
 先生さんはすごいスタンドなんですね」

 七篠は感嘆の声を上げる。
 そして一抹が収容され、被害者である少女も消え、場の雰囲気が解散に近付いているのを理解したのだろう、そのまま言葉を続けた。

「あの、それじゃあここを片付けたらそのまま私の部屋に来てもらえませんか…?
 一応、私の部屋は荒らされた後片付けは済んでいるので床だけなんです…」

>>794

「覚悟は最後の最後で…?」

 七篠はわかったようなわかっていないような表情でオウム返しに言う。経験の浅さからかまだはっきりとイメージできていないようだ。

「そっか、そうですね。入荷したら買っちゃえばいいんですね。
 『冬』のものはいくら買っていても今回の場合は使い道がありそうですし!
 もしも余ったりしたら本当のクリスマスで使ったらいいんですよね」

 七篠はそう言いながら掃除ロッカーを開け、掃除道具を取り出した。
 戦闘の後片付けをするつもりらしい。

>>793

「私も、鉄さんがいてくれて助かりました。
 知識も行動も、しっかりされていて…」
「『リルトランク』は便利なスタンドですけど、使ってる私がまだまだで…」

 七篠は正直まだ男性には恐怖がある。
 だが、鉄はそれに気付いた上で気を使ってくれるいい人だ。七篠の警戒心はほぼ解けていた。

「急にここに呼びつけてしまって、頼んでしまってすみませんでした。
 本当にありがとうございます」

 七篠はそう言って頭を下げると、帰っていく鉄を見送ってから掃除にかかった。

796今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/24(金) 22:50:10
>>793(鉄)

「あの子がいきなり襲って来たりしたら」
「私と先生だけじゃ、どうしようも無いですしね」

            『私ハ 戦イノ 先生デハ アリマセンカラネ』
            『何モ出来ナイ ワケデハ アリマセンガ』

「あはは、本当ですかっ?」
「本当なんでしょうけどね〜。相手は刃物ですから」

「危ないことがあったら、頼りにさせてくださいっ」
「あ」「でも、鉄先輩も、気をつけてくださいね」

鉄先輩だって刃物相手は怖いと思うけど。
でも、こういう時は、先輩を頼りにするのがフツーだよね。

>>794(夢見ヶ崎)

「あはは、ポルシェでも良いですけどっ。
 今だと外車に乗って来てくれるくらいが、
 一番、フツーにいいのかもしれませんね」

ユメミンが。
運転して来てくれるって事かと思っちゃった。
そういう話じゃないよね。

「あ! ホットケーキ、最近たまに焼くんですよ〜」
「バター乗せて、メープルシロップかけて」

       『今泉サン ソコハ 本題デハアリマセンヨ』

「そうでしたそうでした。
 ですね、とりあえず私達と……出来たらもっと、年が違う人?」

「おじさんとかおじいさんに頼めたら、ギャップありそうですけどね〜」

>>795(七篠)

       『オ褒メイタダイテ 私 光栄デス』

       『デスガ 私ニハ 木ヲ生ヤス事ハデキマセン』
       『偶然 直ス事ガ 私ノ 能力ダッタダケデスカラネ』

       『勿論 ソレヲ 最大限 活用ハ サセテイタダキマスガ』

「適材適所っていうやつですよねっ」
「それじゃーこの後、先生と一緒に行きますね」

この子の部屋の床だけ直したら、
そのあとは、ユメミンと合流して作戦開始だ。

797夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/09/24(金) 23:40:10
>>795

「しょっちゅうつかってると『カチがさがる』ってコト。
 であうヒトみんなに『アイしてる』っていうワケじゃないでしょ??」

「まぁ、ボチボチわかってくるとおもうよ。タブン」

適当なアドバイスをした。
実際、こういうのは口で言ってもなかなか伝わらない。
自分自身が納得できる形で理解するのが一番だと思う。

「よし!!わたしもてつだうぞ!!」

         ササッ

掃除道具入れから雑巾を取り出して、
『ドクター・ブラインド』の両手に持たせる。

「みよ!!これが『ゾウキンにとうりゅう』だ!!
 みがきぬかれたワザでピカピカにみがいてやろう!!」

    バババババババババババババッ

               バババババババババババババッ

両手に持った雑巾で、床の拭き掃除を開始する。
『外科手術』を思わせる高速かつ精密な動きだ。
手早く後始末を進めていく。

>>796

「あ〜〜〜そーいうシリアイかぁ〜〜〜。
 いるっちゃいるけど、いないっちゃいないかなぁ〜〜〜」

熱中症で倒れた時に助けてくれた人とか。
救急車呼んどいて逃げた人。
あの人もスタンド使いっぽかったけど。
『ブラック・アンド・ホワイト』だっけ。
でも、連絡先が分からないからどうしようもない。

「ま!!ナイものねだりしてもしかたないしさ。
 みんなでやれるだけやってみよ!!」

「コレがおわったら、みんなでホットケーキたべるのもいいし!!」

「――――ね!!」

とびっきりの笑顔でイズミンに笑い掛ける。
ひとまず掃除を終わらせた後は、
『センセー』が床を直すのに付き合おう。
それから『問い合わせ』だ。
なかなか忙しい。
色々あったせいで、
イズミンに『夢の話』をするのを忘れてしまい、
それは『また今度』という事になったのだった。

798七篠 譲葉『リルトランク』:2021/09/24(金) 23:50:26
>>796

「適材適所…。あの、もし私でできそうなことがあったらお手伝いしますので…!
 と、とりあえずさくっとここをなんとかしますね」

 七篠はそう言うと夢見ヶ崎と共に落ちた物を片付け、床を掃き清めていった。
 どうやら七篠はしてもらうことに対して、返せることが今は思いつかなかったらしい。

>>797

「『覚悟』の価値…。考えてもみませんでした…」

 七篠はそう言うと目を丸くした。
 まだまだ『覚悟』についての理解が足りていなさそうだ。

「いつか、理解できるように覚えておきます」

 七篠はそう言うとこの場を片付けていった。
 荒れているとはいえ、見た目よりかは被害は少なく、手早く終わりそうだ。
 二人であればすぐだ。

799今泉『コール・イット・ラヴ』:2021/09/25(土) 01:02:56
>>797
>>798

「そうですねえ〜、私も」「ちょっと、いないかな」
「フツーに、出来ることをやっていきましょうっ」

             ニコ…

「ホットケーキミックス、まだあったかな」

フツーじゃない事が起きてはいるけど。
それは、フツーに戻るものだし、戻すものだ。

「自信あるんですよ」「本当に」

         『私ハ味ハ分カリマセンガ』
         『見タ目ノ 良サハ 保証シマスヨ』

「あはは、先生もこう言ってますから!」
「早く全部終わらせて、全部フツーになった皆で、食べましょう」

          ・・・出来ることをやろう。

800赤月『サクソン』:2021/09/25(土) 10:03:44

血で血を洗うような激闘が幕を閉じ、関係者達が現場の掃除にいそしむ頃
赤月は重い足取りで歩を進め、ようやく自室へと辿り着いていた
だが、それが体力の限界。部屋に入ると同時に倒れるようにして床へと蹲る

「・・・・・・・う」

どろどろとした血が肌に張り付くような不快感を感じる
それを追い払おうと、床が汚れるのも構わず血に塗れた衣類を脱ぎ捨てた
スタンドの手でタオルを濡らして、未だに肌にこびりつく血を拭っていく

「うぅ・・・・・・」

・・・・やる事が一段落ついてしまった

「ううう・・・・ぅああぁ・・・・・!」

堪えきれなくなった涙が溢れ出す

「ああぁぁ・・・・・! ああぐっ・・・・ふ・・・・!」

涙の原因は『彼』に負けたからではない
敗北や死は勝負の常として既に覚悟している

「あああ・・・・・!」

情け容赦の無い『彼』の言葉のせいでもない
そもそも『彼』の言う事は滅茶苦茶であり、その言動は明らかに『夏』に狂わされている

「ああああああ・・・・・・・っ!」

――――認めてしまったからだ
自分自身の甘さ・・・・『殺意』の未熟さを・・・・

「私は・・・・・! 私は・・・・・・っ!」

『彼』を止めるため、赤月はなるべく彼を傷つけない方法を取ろうとした
しかし、『彼』は最初から全力で『刃』を振るう選択を取った・・・・
『殺意』の差が勝敗を分けた・・・・・それは確固たる事実だと、赤月は認識した

フローリングの床の上で胎児のように丸くなる

「『殺意』も・・・・『覚悟』も・・・・アイツに届かなかった・・・・!」

思えば、『歓楽街の夜』もそうだった
命を脅かす敵に対して、暗器の『刃』を向ける事が出来なかった

それに、『アリーナでの一戦』もそうだ
確実に勝負を決めるには拳で殴った方が早かったはずだ
なのに、彼女を必要以上に傷つける事を恐れて生ぬるい結末を選択した・・・・

本当の意味で赤月が敵に『殺意』を向けた経験など一度もなかった
自分が口ばかり達者な未熟者である事に気付き、その情けなさが心に突き刺さる

「『甘さ』・・・・人間性が残ってるせいで負けたんだ・・・・!
 『殺意』を研ぎ澄まして・・・・余計な『情』を捨てないとアイツには勝てない!
 『獣』に・・・・『鬼』にならないと・・・・」

そう言うと、地を這うようにして部屋に置いた『冷蔵庫』へと向かう
中には作り置きした食品といくらかの食材、飲料水が保存されていた

「血を取り戻せ・・・・」

保存していたカレーを貪るように食べ尽くす
調理前の生卵を飲み、生のタマネギに齧り付く
胃が拒絶反応を起こして戻しそうになった所を、水で無理に流し入れる
そしてそのまま床の上で眠りに就き・・・・起きたときには深夜になっていた

身体は本調子には程遠いが、無理をすればなんとか動く事も出来るか

「ここに居たら・・・・『甘さ』に絡め取られてしまう
 ・・・・・・・・・・さようなら」

鉛の塊のように重い身体を引き摺り、赤月は学生寮を離れた
向かう場所は夜の街・・・・『情』を捨て、『殺意』を研ぎ澄ますために・・・・越えなければならない一線がある

801赤月『サクソン』:2021/09/27(月) 01:22:59
>>800

「結局・・・ここに戻ってきてしまったか
 二度とここへは戻らないつもりでいたのに・・・・少し恥ずかしいな」

東の空が暁光に白み始める明け方・・・・街から一人の少女が戻ってきた
ふらふらとした足取りで顔は青白く、見るからに生気が乏しい風体であるが、
その瞳はここを出た時よりも輝いている

両手には近くのコンビニで買ってきた食料が大量に袋に詰め込まれていた
重い荷物を引き摺るようにして自室に戻る

「だけど、もう迷わない・・・」

誰彼構わない『殺意』はただの『獣』だ
歓楽街で出会った少女、真白の『強さ』を見て、
『殺意』を振りまく事は決して『強さ』などではない、という事を学んだ

「アイツの境遇を聞いて・・・私の刃は迷いを帯びていたようだ」

幼い頃からの家庭環境の違い・・・・
一抹が語る『家族』からの仕打ちに赤月は少なからずショックを受けていた
『家族』が、親が子に対して酷い仕打ちをするなど・・・・赤月の『世界』には存在しなかったからだ

「だけど今は違う・・・・私はアイツの事を少しだけ知った
 だから今度は迷わない・・・・標的も間違えない・・・・」

アイソトニック飲料を飲み、血を失って脱水気味になった身体に水分を補給する
今日は恐ろしく多くの事が起こり過ぎた・・・・

「一週間後・・・・アイツは必ず『動く』はずだ
 それまでに身体を回復させて・・・・彼を・・・・・止め・・・・る・・・・・」

そのままベッドの上に横たわり、決意を新たにすると
電源が落ちたかのように眠りに就いた

802夢見ヶ崎&三枝:2021/09/30(木) 01:07:06

『三枝千草』の自室にて――――。

       ガチャッ

「よ!!ラッコのチョーシどう??」

「ラッコさんは元気です。
 ただ……『問い合わせ』の方が芳しくありません」

「なぁにぃ〜〜〜??」

「まず単純に『数』が足りません。
 それから、流行らせるためには、
 もっと『爆発的な何か』が必要になると思います」

「なるほど…………。
 まず、この『ロセン』じたいはタブンまちがってない。
 もっと『ハデ』にするヒツヨウがあるな…………」

「いや、まてよ…………ひらめいた!!
 バクハツてきに!!ラッコいるよね??」

「はい、奥の方に。今は眠っている所ですけど」

「よし――――あとは『メディア』だ。
 そのフタツをリヨウしてやろう。
 クロガネくんには、わたしからレンラクしとく。
 チグサは、いつでもラッコをだせるようにしといて」

「分かりました」

803飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/03(日) 19:57:51
 明るい茶髪を二つ結びにした女子が談話室の机の前に座っている。
 目の前には『眠たげなサンタの陶人形』が置かれ、それを指でつついているようだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「慌てん坊の、サンタクロース」

 サンタをつつきながら小さな声で口ずさんでみる。
 この間フリーマーケットで買ったけど、やっぱり今の時期に『サンタ』は早すぎるよね?

「うーん…このままクリスマスまで押入にしまっとく?」

 いじってたらうっかり爪で弾いちゃった。
 ちりんって小さく音が鳴って『サンタさん』が倒れそうになって……。

804赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 18:20:48
>>803

――――ちりん。
ころ・・・・  ころころころ・・・・

                ぽろっ

机の上に置かれた『サンタの陶人形』
指で弾かれたサンタは机の上をころころと転がり・・・・端から地面へと転がり落ちた

「危ないっ!」

あわや地面に衝突するその瞬間、床と人形の間に手の平が差し込まれる
黒い髪に赤いメッシュを入れた少女だ・・・・野球でゴロを拾うような姿勢で屈みこみ、陶人形をキャッチした

「・・・・・間に合ってよかった」

805飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 19:02:10
>>804

「あっ…!」

 落っこちちゃった『陶人形』を追いかけようとお尻を上げて、赤月さんが受け止めてくれたのに気付いた。

「赤月さん、ありがとう。
 買ったばっかりなのに壊れちゃうところだった…」

 私はふうと息を吐いて、笑いかけた。
 陶器だから壊れやすさは折り紙付きなわけだけど、だからってすぐ割りたくないよね。
 『眠たげなサンタさん』が赤月さんを見つめてるみたい。赤と赤でなんだか似合ってる気がする…?
 私は赤月さんとサンタさんを見比べるように見てみる。

806赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 19:28:51
>>805

「珍しいね、こんな時期にサンタクロースの人形だなんて」

キャッチした右手を上に上げて、人形を持ち主に返す
赤い服を着たサンタと髪を赤く染めた赤月・・・・言われてみれば合っている感じもしないでもない

(それとも、夕立達の『作戦』が咲良たちの所まで広まってきてるって事か
 例の『作戦』を成功させるためには一般層への・・・・)   「くっ!」

考え事をしながら立ち上がろうとしたところ、急に頭を上げたせいで立ち眩みが起きてしまった
先日の大量出血の影響でここ最近貧血が続いているせいもあるだろう
顔色を青白くしながら、ふらっと足から力が抜けてしまい・・・

    バンッ!

「はぁ・・・ はぁ・・・」

机の上に左手をつけて身体の支えにした
そのまま顔を俯かせた状態で荒くなった息を整え始める

807飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 19:46:55
>>806

「だよね。
 なんだか歓楽街でいろんなお店にサンタさんがいたり、フリーマーケットで冬物売ってたりして珍しくって…」

 私はそう話したところで赤月さんが顔を青くしてふらついてることに気付いた。

「だ、大丈夫!?
 ……座れる? なにか飲む??」

 とりあえず私が座ってた椅子を譲って座ってもらおうとする。
 学校には保健室の先生はいても、『寮』にはいない。スマホを取り出して119するか悩みながら背中をさする。

808赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 20:13:04
>>807

「だ、大丈夫だ・・・・落ち着いていればじきに良くなる・・・」

椅子に座って落ち着きを取り戻す
取り出されたスマホに対しては、救急車は必要ないという事を示すために掌を向ける

「驚かせてしまって、すまない
 この前、ちょっとした『トラブル』があって血をたくさん失ってしまったんだ」

思い出すのは学生寮で起きた襲撃事件
『クリスマス』に対して敵意を燃やす『彼』の騒動・・・・・

(『クリスマス』・・・・?)

ふと、机の上に置かれた『サンタ人形』を見つめる
もしも、『彼』が『クリスマス』に対して無差別に敵意を向けるとしたら、
『サンタ人形』を持つ彼女もまた・・・・

「忠告したい事が一つだけある
 近く、この町で『クリスマスのイベント』が起きると思う」

じりじりと真夏の様な日差しが差し込む中で何を言ってるのか、と言った感じではある
しかし、鉄達が動いているからには、たくさんの一般人を巻き込んだ大イベントになるだろう

「それが始まったとしても、君にはサンタクロースの恰好をしたり、サンタのグッズを持ち歩いたりしないで欲しい」

謎めいた発言だ

809飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 20:23:34
>>808

「トラブル…。
 病院行って輸血してもらうとか、できない?」

 どう見ても具合が悪そうで、止められはしたけどやっぱり病院に行った方がいいんじゃないかって考えちゃう。
 そういえば学校でも具合悪そうだったかな? ちょっと思い出してみる。



「あ、それでサンタさんがたくさんいたんだ。
 『クリスマスイベント』に向けた準備だったんだね」

 『女性ばかりのミニスカサンタ大会』みたいな感じかな?
 歓楽街で見たの、女の人が多かった気がするし。楽しそう。

「……どうして?って聞いてもいい…?
 サンタを持ち歩くとなにか悪いことでもあるの…?」

 もしそうならなんで歓楽街の人たちはサンタ姿になったりしてたんだろ…?

810赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 20:39:41
>>809

「輸血・・・・その手があったか
 でも大丈夫、最初に比べたら大分良くなってきたから・・・栄養をちゃんと取れば治るさ」

座って休んでいるうちに顔色は随分と良くなってきた
『サンタの陶人形』をじっと見つめる

「『ミニスカサンタ大会』・・・・やっぱり、この国の主流はそういうサンタなのか」

『ミニスカサンタ』という言葉を聞いてそう呟く
コスチュームショップで『サンタ衣装』を購入した時は、自分の知っているサンタとの違いに驚いたが
一般人である彼女が言うのなら、恐らく間違いではないのだろう

「これは・・・・あまり他の人には伝えないで欲しい事なんだけど・・・・
 今、この町ではとある『スタンド』を倒すために『クリスマスブーム』が起きようとしている
 その『スタンド』は『冬の雰囲気』に弱く、そいつに憑りつかれた人間は『冬』に対して無尽蔵の『殺意』を抱くらしい」

「私も・・・・そいつに襲われて怪我をしてしまった
 今こうして血が足らなくなっているのもそのせいだ・・・・」

「だから頼む・・・・君が『サンタ』を持っているとソイツに襲われるかもしれないんだ」

811飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 21:22:17
>>810

「それならいいけど…。
 ……あ、鉄分のサプリが部屋にあるけどいる?」

 月の物の対策として私の部屋に置いてあるサプリを思い出した。
 料理が下手で『ほうれん草』や『レバー』から上手く鉄分を摂れない私には欠かせないアイテムだ。

「うーん、主流ではないと思うけど宣伝とかで女の人が『サンタコス』するのは多い気がする…?
 テレビとか絵本とかだと男の人のサンタさんが普通だけど…」

 私は首を傾げながら答える。
 赤月さんは外国にいたから『ミニスカサンタ』って存在にびっくりしてるのかもしれない。異文化交流って感じがする。



「……怪我!?
 大丈夫…? それならなおのこと病院…」

 赤月さんへの心配と一緒に、友達の身体に傷を負わせたその人にすこし怒りが沸く。
 私は怪我の痕を探して赤月さんの身体を見回して、ふとメッシュに目がいった。
 もしかしたら赤月さんが『赤い』から『冬』っぽいって勘違いされて怪我することに…?


「……危ないスタンドがいるんだ…。わかった。
 『サンタ』とか持ち歩かない」

「ねぇ、今回のスタンド使いは『お兄さん』のこととは関係ないんだよね?
 それなら、赤月さんもまた襲われないようにサンタ持ち歩いたりしない方がいいと思うんだけど…。
 赤月さんはその日、どうするの?」

 『アリーナ』に関することなら赤月さんが怪我してしまうのも仕方ないと思う。
 それが赤月さんのやりたいことだから。
 でもそうじゃないなら、わざわざ危ない目に遭いにいく必要はないと思う。

812赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 21:45:37
>>811

「・・・・・欲しい」

確かに食べ物だけでは補いきれない栄養もある
ここは厚意に甘える事とした

「怪我の事なら心配はない
 彼に襲われた時に、たまたま別のスタンド使いの助けを得て、治してもらったから
 こんな感じに・・・・」

スカートの裾を少しだけ持ち上げる
微かに覗かせた腿は雪花石膏のように白く、傷一つ無い

「傷一つ残っていない
 ・・・・・元々は刃物で思い切り腿を刺されて、湧き水みたいに血を流したのにね」

傷が残っていない事は望ましい事だ
だが、『彼』に負けた話をする時、眉間に皺をよせ眉を顰めた
自分が負けた事実を人に語るのが恥ずかしいからだ

「この件は・・・・・『兄』の事とは関係ない・・・・まったくの無関係だ」

「だけど、『スタンド』に憑りつかれた少年は私の知り合いだ
 だから憑りつかれた『彼』の事は嫌いだけど・・・・本っ当ぉ〜〜〜〜〜〜に!嫌いだけど!
 放っておくことは出来ない」

ガサッと音を立てて近くに置いていた袋を手に取る
それは駅前の雑居ビルにある『コスチュームショップ』の袋だ・・・・中には『サンタの衣装』が入っている

813飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 22:25:19
>>812

 話が一段落したらサプリを取りに行こうと考えてから赤月さんの足を見る。
 本当に怪我してたとは思えないくらい綺麗。
 ……でも、それは治してくれたスタンド使いがいたからで…。

 私は静かに赤月さんの言葉を聞いた。
 赤月さんが『放っておくことは出来ない』って言ってて、『コスチュームショップの袋』の中身がもし『サンタ服』なら…。
 それは『襲われにいく』ってことなんじゃ…。

「…赤月さんがやろうとしてることはなんとなくわかった…。
 赤月さんがやりたいってこともわかる」

「ね、赤月さん。
 また怪我して、今度は周りに誰もいなかったらどうする?
 死んじゃうかもしれないよ、すごく血が出たんだよね…?」
「私なら、『シスター・ゴールデンヘアー』なら、
 襲われてる赤月さんを遠くから、助けにいけるかもしれない」

 大人の男の人並の力で赤月さんを背負って、バイクみたいな速さで逃げ回る自分を考えながら、私はそう言った。
 赤月さんに『シスター』の詳細は話してなかったと思うけど…協力するなら話すべきかな。

814赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 22:41:32
>>813

「・・・・・・駄目だ」

飯田からの申し入れを聞きながらも、それを冷たい口調で拒絶した

「『彼』は・・・『冬』に関わる者だけを襲うわけではない
 自分に対して『敵意』を向ける者全員に敵意を向け・・・・刃を振りかざす」

「私だって、アイツを殺そうなんて思ってなかった
 アイツを取り押さえて、どうにか止めてやろうと思っただけだった・・・・
 そんな微かな『敵意』にさえも、彼は反応してしまう
 君が彼の前に出たら・・・・私を護ろうとするその意思にさえも刃を向けるかもしれない」

両手をぐっと握りしめる

「一切の『敵意』なくアイツに近づける人間なんてそうそういるものじゃあない
 それこそ、あの日『七篠』と呼ばれていたあの女性くらいなものだろう・・・・」

815飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 23:08:49
>>814

 『七篠』…。
 赤月さんからお姉ちゃんの名前が出て、たぶん私は驚いた顔をして…それから顔を伏せて考え込んだ。
 お姉ちゃんを越えるなら、同じようにできないとダメだ。

「……『その人』にできるなら、私もやれる。やりたい。」

 顔を上げて、赤月さんの方を見ながら言う。
 冷たい口調でも、拒絶されてても譲りたくない。

「もしものとき、赤月さんの逃げるのを手伝うだけだから、
 戦おうとしないし、もしも赤月さんが危険な状態になったときに、
 『護る』ために背負って逃げるだけだから、やらせて」

 私はそう言いながら『シスター』を発現させた。

「私の『シスター』ができることは片道通行の『瞬間移動』なんだけど、
 襲われてる人を見たときにその人を『護りたい』と思ったら『シスター』を纏ってその人の近く…2mくらいに移動できる」
「纏ってる間は大人の男の人みたいな力持ちになれるし、
 バイクみたいに速くなれるから…いざとなったら赤月さんのところまで『瞬間移動』して背負って逃げれると思う」

「敵意を向けないで逃げるだけだし、『その人』にできるなら私だって…!」

 気付いたら私は赤月さんの手をぎゅっと握りしめてた。

816赤月『サクソン』:2021/10/04(月) 23:21:42
>>815

「い、いや・・・・しかし!」

予想外の彼女の反論に慌てて言葉が乱れる
どうにかして諦めさせようとするも、今までにないくらい強い口調の彼女に次第に圧されていき・・・・

「・・・・・・・・・わかった」

両手を握りしめられると同時に諦めの言葉を口にした
ここまで食い下がる人間を説得する言葉を赤月は持っていない

「だけど、約束してほしい・・・・憑りつかれた彼・・・『一抹貞世』は危険だ
 遠巻きに見守っているだけなら大丈夫かもしれない・・・・
 でも、君が能力を使って私の傍に来た途端に、彼は君の事も殺しに来るかもしれない」

「協力関係にある以上、私や彼の能力についても教えておこう
 私の『サクソン』は『トレンチコート』の中に隠した物を『暗器』に変える
 そして・・・一抹の能力『インダルジェンス』は両手に隠した刃を凄い力で振るい、
 スタンドに触れられると心に干渉され、感情を抑制される・・・・まったく忌々しい能力だ」

苦虫を嚙み潰したような表情で語る

「ところで・・・・違っていたら申し訳ないけど
『七篠』という女性の事を君は何か知っているのか?
 彼女の話をした途端に・・・・その・・・・君の表情が変わったような気がして」

817飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/04(月) 23:43:47
>>816

 赤月さんが『わかった』って言ってくれて、お姉ちゃんと競うための切符をもらえたみたいですこし嬉しくなる。
 赤月さんが危険な目に遭うかもしれないのに嬉しいなんて変かもしれないけど…。

「赤月さんは『暗器使い』でその人は『刃物使い』…。
 だからそんなに血が出ちゃったんだ…」

 『刃物』なら刃が届かない距離にいればなんとかなるはず…。
 私より早かったらどうするかは念のため考えないといけない…。

「『感情の抑制』がどんなのかわかんないけど、
 とりあえず『刃物』が届かない距離にいるようにする。約束する」

 その後に言われた赤月さんの言葉で、私はちょっと悩んでから話し出した。

「たぶん、その『七篠』って人、私のお姉ちゃんなんだ。
 すこししか似てないし、名字も違うけど」
「私はお姉ちゃんを超えたくてここに来たから、
 お姉ちゃんができることをできないって認めたら私はここに来た意味をなくしちゃう…」
「だから、手伝わせてくれて…ありがとう」

 そう言って頭を下げる。

818赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 00:05:59
>>817

目の前の少女が『七篠』という女性に対して、闘争心を燃やしている事を赤月は知らない
自分の迂闊な言葉遣いが、彼女の心を焚きつけてしまった事も・・・・

「ありがとう・・・・
 うん、君が見守ってくれていると思うと凄く心強い」

とはいえ、斬られ方によっては彼女の救援が間に合わない可能性も高い
心構えは変えず・・・・命を賭けて相対しなければならない

「え・・・・?」

『七篠』と飯田の関係性を聞いた時、赤月はぽかんと口を開けていた
姉がいるという話は聞いていたが、それが『七篠』であるとは気づかなかったからだ
苗字が違うせいもあり、まったくの寝耳に水といったところだろう

「そうだったのか・・・・それなら、私に止める理由はない
 だけど一つだけ忠告させてくれ
『七篠』が無事だった理由は、彼女が極めて『敵意』を抱きにくい人間だったからだ
 だけど咲良は・・・・その・・・・・」

彼女もまた極めて善良な人間である事はわかる
しかし、姉の話になった途端に見せた『闘争心』・・・・
赤月にとっては好ましく思える性分ではあるが、それが一抹に対しては逆効果となる可能性が高い

「君が『七篠』を超えるためには・・・・『敵意を捨てる事』以外の方法を取った方がいいかもしれない
 流石に『七篠』と同じ方法は・・・・見ていて心配になるから」

あの日の光景を思い出す
『インダルジェンス』が今まさに人間を切り裂き、刃からは新鮮な生き血がだらりと流れていた
そんな『危険な状況』で『七篠』と呼ばれた彼女は無防備に一抹の身体を抱き留めた
一抹がほんの少しでも気を変えれば、そのまま首でも腹でも刺されて死んでいたというのに・・・・

「だから、いざその時がきても、自分の身を護る事を優先してほしい」

819飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 00:29:17
>>818

「私が出来るのは逃げるところまでだから、逃げた後は病院に頼ることになっちゃうけど…。
 できるだけ頑張って赤月さんを『護る』から」

 私はそう言ってまた手を握った。
 戦いの主役はもちろん赤月さんで、私はもしもの時のお手伝いだけど、できるかぎりのことをしたい。

「……どうやったら、お姉ちゃんを越えられるのか、
 私もわかんないけど、赤月さんに心配されないような方法を考える」

「うん…たしかに、『敵意』は…私にはたぶん捨てられない。
 お姉ちゃんを越えたいのは私の根っこだから、『敵対心』を捨てたらきっと私は私じゃなくなっちゃう。
 できそうなのはその一抹?って人に向けないようにするだけ」

 お姉ちゃんと私は近いようで近くない。
 環境の違いがたぶん大きいんだろうけど…お姉ちゃんにできて私にできないことは多い。
 だからこそ、越えたい――認めてもらいたいんだと思う。 


「私の身を護らないと赤月さんを『護れ』ないから気をつけるね」

 私はたぶん赤月さんの求めてる答え――いざとなったら赤月さんを置いて身を守ってほしい――から逃げるようにそう言ってから、
 思い出したように近くにある『紙の包み』を手にとって声を上げた。

「あ、そうだ!
 赤月さんに『プレゼント』があるんだけど…」

 そう言って『紙の包み』を見せる。
 中に入っているのは『赤いシクラメンの陶器』だ。

820赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 00:45:47
>>819

「ありがとう・・・・」

『護る』という言葉に少し複雑な表情を浮かべながら感謝する赤月
護られる事は純粋に心強いが・・・彼女を危険に巻き込むことに負い目があるのかもしれない

(やっぱり・・・咲良は私と似ている・・・・)

抱えている思いは全然別物だし、そもそも性格が似ているわけでもない
しかし、魂の奥底に仄暗い『負の感情』を抱えている彼女に、共感の念を覚えた
あるいは、彼女と仲良くなったのもそういう共通点があったからかもしれない

(『負の感情』・・・・『悪感情』か・・・・
 一抹のスタンド『インダルジェンス』は『悪感情』を何もかも消してしまう
 私達みたいに・・・・『それ』が魂の源泉になっている人間もいるのに・・・・)

>「あ、そうだ!
> 赤月さんに『プレゼント』があるんだけど…」

「ん・・・・? プレゼント!?
 何だろう、開けてみてもいいかな?」

考え事をしている間に目の前に『プレゼント』が置かれた
突然の出来事に驚くも、期待に目を輝かせながら包みを開けようとする

821飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 00:58:21
>>820

 開けてもいいかって確認してくる赤月さん。
 授業中も思ったけどやっぱりしっかりしてるよね。

「うん、どうぞ。
 これね、燃えるような赤が赤月さんみたいで思わず買っちゃったんだ」

 私はそう言いながら近くにあるもう一つの包みを見せる。

「で、こっちは私の分。
 こういうののペアってちょっと変かもしれないけど…」

 って言ってから自分の分も包みを解いていく。
 私のは『緑のシクラメンの陶器』。
 ……あ、これも『冬の花』だから『殺意』を抱かれちゃうのかな…。

822赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 18:05:55
>>821

包み紙を開き、納められていた『シクラメンの陶器』を見た途端、
ぱぁ、と輝くような笑みを浮かべる

「これ・・・・・っ!」

手触りを確かめるように両手で握りしめる
『兄』以外の人からプレゼントを受け取ったのは初めてだ
嬉しさに顔を綻ばせながらも、なかなか言葉が出てこない

「それも・・・・っ!」

お揃いだ、と率直に思った
赤月の人生において友達付き合いの経験は乏しく、
こんな時に上手い事を言えるような情緒には不慣れである
だから、思った事をそのまま言う事にした

「凄い嬉しい!ありがとう!」

823飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 18:59:37
>>822

「よろこんでもらえてよかったぁ…」

 正直ちょっぴり不安だった、喜んでもらえて本当に嬉しい。
 まぶしいくらいの笑顔でつられて私も笑顔になってるのを感じる。

「その『サンタ』と同じ人が売ってたんだ、綺麗だよね。
 赤月さん、部屋になにもないって言ってたから、お揃いの花があったら楽しいかなって思って」
「あ、これも『冬』の花なんだけど…。
 外に出してたらその人に壊されちゃうかな…」

 私はそう言って周りを見る。
 近くにその『少年』がいないか念のため確認しとかないと…。

824赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 21:19:19
>>823

「あ・・・・ん、んん・・・・多分その心配は大丈夫だと思う
 アイツは『冬』に関する知識・・・・というか、季節感が薄いから
 この『花』が冬に咲くものだなんて発想も多分ない・・・・と思う」

んんん、と頭を悩ませながら答える

「ああ・・・・思い出すだけで腹が立ってきた!
 聞いてくれ!アイツはさ、本っ当〜〜に訳のわからないやつで、
 赤と緑の組み合わせ・・・『クリスマスカラー』が何なのかも知らないんだ!
 『冬』に関するものは『サンタクロース』くらいしか知らないなんて言って・・・・おかげで酷い目にあった!」

いかにも怒り心頭な様子で愚痴を溢し始める
どうやら、その『少年』に色々と思う所がありそうだ・・・・

「ああ、ごめん、ついアイツの事を思い出してしまって・・・・
 でも良いね、この花・・・・」

赤いシクラメンを両手で翳してまじまじと眺める

「部屋に帰るのが楽しくなるよ、ありがとう」

825飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 21:34:00
>>824

「え、『クリスマスカラー』もわかんないの?
 その人、秘境にでも住んでたのかな…」

 クリスマスは流石に人里であればどこかしらで見ると思うし、その期間にあちこちでクリスマスカラーになるのはどうやっても目に入っちゃうと思うけど…。
 私の頭の中で『秘境で生まれ育ったターザン』みたいな『切り裂き魔』のイメージができる。……逃げきれるかな…。

「ねぇ、それならこの『サンタさん』なら誘導に使えるんじゃない?
 『サンタ』くらいしかわかんないならきっとこれ見たらどうにかしようって寄ってくる気がするんだけど…」

 そう言いながら赤月さんにさっき拾ってくれた『眠たげなサンタの陶人形』も渡してみる。


「そっか、赤月さん帰ってきたら一番にこの『シクラメン』を見るんだ…。
 なんだか嬉しいけど…こそばいみたいな変な気持ちだね」

 私はちょっと照れが混じった顔で笑った。

826赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 21:53:32
>>825

「・・・・・確かに。この人形なら、誰が見ても『サンタ』だってわかるから囮役には最適だ
 だけど・・・・いいの? 私がこれを持っていくと・・・多分、戦いに巻き込まれて壊れてしまうかもしれない
 せっかくの可愛い人形なのに・・・・?」

陶人形の眠たげな顔を撫でまわしながら言う

「こっちの『シクラメン』は部屋で大事に取っておくよ
 ・・・・・・・・・・例え私が帰れなくなっても、残るように」

827飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 22:07:31
>>826

「壊れちゃうかもしれないけど…私は『人形』より赤月さんの方が大切だから。
 『囮』があれば赤月さんがすこしでも楽になる…よね?」

 正直、もしもの時は赤月さんを抱えて逃げるつもりだけど、もしもがないのが一番だから。
 作ってくれたお姉さんには申し訳ないけど、友達の安全のために壊れたって言えば許してくれそうな気がする。なんとなく。

「……赤月さん、だめだよ。
 ちゃんと帰ってこなきゃ」

 じっと赤月さんの目を見て言う。

828赤月『サクソン』:2021/10/05(火) 22:46:04
>>827

>「……赤月さん、だめだよ。
> ちゃんと帰ってこなきゃ」

「う・・・・・はい・・・・」

釘を刺されてしまった
大人しく、彼女の言う事を聞く事にする

(しかし・・・・)

だが、同時に赤月は考える
『今回』は一抹を止め、出来る限り傷を負わずに帰ってくる事を目的とした作戦だ
彼に勝てなくても、安全策はいくつか用意している・・・・『決死行』ではない

(でも、いずれ私は・・・・)

考えているのは『終わり』の事だ
この町で調査を繰り返し、『アリーナ』の中に仇を見つけた時
『復讐』を終えて生きて帰る事は出来るだろうか・・・・いいや、それはないだろう
『復讐』を果たしたとしても、『アリーナ』の組織力は決して赤月の存在を許さない・・・・『この場所』に変える事は決してない

再び目の前の少女の顔を見る
さっき彼女が言った言葉が頭の中で残響となっていた

(いいや・・・・それは、それこそ先の話だ
 この国のことわざでは確かこういう時・・・・『鬼が笑う』というのだったな)

『慈悲の刃』を構えた一抹が笑う姿を想像してしまった

(気味が悪い・・・・・怖すぎるぞ!)

「ごめん、ありがたく使わせてもらうよ」

陶人形をポケットの中に納めた

「大丈夫、私は必ずこの場所に帰ってくる
 だから・・・・その時が来たら、よろしく頼む」

「さて、それじゃあそろそろ戻らないと
 咲良・・・・今日は色んなものをくれてありがとう
 このお返しは、『クリスマス』が無事に終わった時にお返しするよ」

そう言いながら、自室へと帰って行った

829飯田 咲良『シスター・ゴールデンヘアー』:2021/10/05(火) 22:52:11
>>828

>「大丈夫、私は必ずこの場所に帰ってくる
> だから・・・・その時が来たら、よろしく頼む」

「約束だからね」
「うん、お返し楽しみにしてるね」

 赤月さんと『帰ってくること』と『もしもの時の逃亡の手伝い』を約束して、私も部屋に戻った。

 その後、赤月さんの部屋のポストに『鉄分のサプリ』を入れておいた。…これでよくなってくれたらいいけど…。

830赤月『サクソン』:2021/10/11(月) 22:57:29

「そろそろか・・・・」

『Xデー』直前、赤月は自室にて改めて自分の恰好を確認する
全身を包み込む赤と白の色調、光沢のある天鵞絨にもこもこのフェイクファー
頭にはよれよれとした円錐状の帽子を被り、両肩はケープで覆われている
最近歓楽街でよく見かける客引きと同じ装束・・・・女性用サンタ服である

「大丈夫・・・・今度こそ・・・・」

身体の震えを深呼吸で鎮めると右手に抱えた袋を握りしめる
サンタが持つには似つかわしくない・・・・それは『ゴミ袋』であった

「使うしか・・・・ないか」

これを『彼』に突き付ける事については最後まで悩み続けた
しかし・・・・『彼』は強い。それこそ手段なんて選ぶ余裕が無い程に・・・・
胸が苦しくなるが、使うしかないだろう

「鉄分の摂取は万全だ
 失った血は補えたし、事前に備えられる事はたぶん全て備えた」

部屋に置かれた『シクラメンの陶器』を撫でる
少しずつ部屋に増えてきた色彩の一つであり、この部屋に帰る楽しみの一つだ
絶対にここに帰る・・・・そのための勇気を奮い立たせる

「いくぞ・・・・・!」

『彼』と戦うため、赤月はこの部屋を発つ

831甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/30(土) 09:57:04
ハロウィンの夜

ハロウィンとはケルト民族由来の祭りであり
あの世から戻って来る悪霊から身を守るために、魔物に扮するのだが
昨今では趣旨を忘れられただの仮装大会となっている

だがあま公の仮装はちゃんとハロウィンに関するものだった

「…」

包丁を持った鬼女カリアッハベーラ
ハロウィンになると復活し、大地を凍らせ冬を齎す冬の創造神であり、病の神だ

>>832のお部屋に突撃するあま公
多分友達の部屋だと思うが…
知らない人だったらやばすぎるだろ

832甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/10/31(日) 18:21:12
>>831
ドンガラガッシャーン

マリア「おい、何の騒ぎですこと!?」

バタン

あま「…」
マリア「あら、あま公じゃありませんの
    さっき凄い騒音がしてませんでしたか?」
あま「そこの部屋でハロウィンパーティしてた」
マリア「あら、そうでしたの
    うるせぇから次から気を付けてくださるよう伝えておいてくださいまし」
あま「ごめん、分かった
   そう言っておく」



マリア「…あの野郎、一体どこから出てきやがりましたの?
    こんな所に部屋なんて無かったはず…」

    ___l~l____
  // /  | ヽ \ \
 ./ /  /|   |  |\ ヽ ヽ
 l l /   |  |  |   \|  |
 i l  ̄| ̄  △  ̄| ̄ |  |
 ヽ,| l~~l_l ̄ ̄l_|~~| l /
  ヽ, ヽ         / l/
    ゝ、ゝ_l ̄l_/ ノ
     `ー─── '"´
    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

833赤月『サクソン』:2021/11/28(日) 17:40:14
>【ミ】『ソウル・ダンジョン・ストーリー』【他】より
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1631985077/319-320

   ・
   ・
   ・
   ・

「あ・・・・」

沈黙に満たされた暗がりの中で赤月は目を覚ました
首を動かして周りを見ると、ここが自室である事がわかる
どうやら、誰かがここまで運んでくれたようだ・・・・

「一抹・・・・は・・・・?」

時刻は深夜3時
『Xデー』は終わり、恐らくは全ての決着が着いた頃だろう
入道雲と化していた彼が人の姿を保っているかどうか、確認する術は今はない

「傷が・・・・」

『インダルジェンス』の刃にやられたお腹に手を伸ばす
痛みはない・・・・思い切ってぐっと押してみても血が流れる様子はない
どうやら傷跡一つ残らず傷が消えているようだ・・・・
学生寮で会った彼女・・・・それとも別の人間の能力だろうか

「また・・・誰かに貸しを作ってしまったみたいだ
 あの場には『ユメミン』がいたから・・・・またあの・・・・あ・・・・っ」

自分で言った名前に記憶が想起される
『ユメミン』・・・・一抹を救うために現れた彼女はその目的を果たすために彼と戦い・・・・そして・・・

「あ、あああ!ああああああ――――――ッ!!」

入道雲と化した一抹が放った『雷撃』
落雷の如きその一撃をまともに受けて、崩れ去る『ユメミン』
通常、人間は自然の猛威には勝てない・・・・もしもあの一撃が落雷と同等の出力を持っていたとしたら・・・

『ユメミン』が語る言葉には『希望』が満ちていた
『狭い世界』から出て『広い世界』へ目を向けるその言葉に・・・・赤月自身も期待をしてしまった
それが・・・・ただ一度の落雷と共に崩れ去るとも知らずに

『ユメミン』・・・希望の言葉を口にする彼女は一抹の凶行を受けて死・・・・

「いや・・・・違う!
 あの時・・・・最後のあの瞬間、一抹に殺意はなかった!
 もしもあいつが殺意をもって私を攻撃したとしたら・・・・既に私の命はないはずだ!」

最後の瞬間、彼の攻撃は腹を浅く切るに留まっていた
彼がもしも本気で人間を殺すつもりだとしたら、迷うことなくこの胸を一突きにするはずだ
それをしなかったのは、最後の最後に彼は『殺意』を・・・・

「結局・・・・最後の最後に自分を曲げてしまったのは私だけ・・・という事か
 あいつの両親にも頼まれていたのに・・・・私は、アイツに『殺意の刃』を向けてしまった
 アイツの事はともかく、アイラトと和世に謝りに行かないと」

「明日になったら、何が起きたのか確認しないと
 明日になったら・・・・ それまでは・・・・ 休息を・・・・」

傷は治ったものの全身を包み込むような疲労・倦怠感は変わらない
布団のぬくもりに包まれながら、意識が闇の中に溶けていく

「咲良にも・・・・ お礼・・・・」

その右手には『サンタの陶人形』がしっかりと握りしめられていた
返り血に塗れ、衝撃で塗装の一部が剝れかけながらも、あれ程の激闘を経てなお形を保っている
その感触の中に友の想いを感じながら、赤月の意識は再び闇の中へと戻っていく

834宗像征爾『アヴィーチー』:2022/02/27(日) 22:22:24

一人の男が寮内の『台所』にいた。
カーキ色の作業服を着た姿は、
学校や学生寮の関係者には見えない。
腰のベルトに吊られた道具袋には、
様々な工具類が収めらている。

       ――――ガチャッ

シンク下の収納スペースは、既に開かれていた。
男は配管を一瞥し、おもむろにレンチを手に取る。
何らかの『作業』を行っているようだ。

835ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/03/01(火) 22:26:08
>>834

「……ン」


金髪の子供――と言っても小学校低学年程度の外見で、寮の住民にしては幼い――が、
通り過ぎて、それから後ろ歩きで戻ってきた。


「なんじゃ?
 隠し扉か?
 こんなところに遺跡(?)が?」


男性の股の間から興味深そうに開け放たれた収納スペースを覗き込む。

836宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 00:26:28
>>835

開かれた収納部には、
調理器具などの雑多な道具が収められていた。
その奥に『配管』が設置されている。
扉の先が何処かに通じている訳でもなく、
これといって珍しい物は見当たらない。

「悪いが、後ろに下がってもらえないか」

不意に現れた『子供』を見下ろし、声を掛ける。
寮で暮らす生徒かとも思ったが、
ここで見かけた寮生との年齢が合わない。
恐らくは、誰かの知り合いだろうと考えた。

「そこにいられると、『仕事』を進められなくなる」

『学生寮』を訪れたのは、学校側から依頼を受けた為だった。
目的は『排水管の修理』だ。
よく見ると、管の一部から水が漏れているのが分かるだろう。

837ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』:2022/03/02(水) 01:02:31
>>836

「おお、すまんな」


曲解しようのない言葉に、しぶしぶ数歩下がる子供。
しかしどうにかよく見たいのか、そこから横に回り込んでみたりウロチョロしている。


「仕事? 探検するのか?」


珍しい物は無い……まあ配管工には見慣れたものだろうが、
子供にとってはどうだろうか。
少なくとも、まだ奥に入れるのではないかと思っていそうだ。

838宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 01:29:59
>>837

「いや――」

         ギュッ

空いている手で『止水栓』を閉め、一時的に水の流れを止める。

「『修理』だ」

         カチャッ

簡潔に答えながら、『モーターレンチ』を握る腕を持ち上げた。

「この学校に通っているのか?」

         グッ

排水管を接続している『ナット』を緩めながら、
横に回り込んだ子供に問い掛ける。

「君が生徒なら、一つ聞きたい事がある」

配管から視線を外さずに、言葉を続ける。

839ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 01:55:09
>>838

「遺跡潜り人じゃなく、封印の一族ということか」


排水管修理を子供なりに解釈したらしい。
そもそもの前提が間違っているが。


「なに……?」

「……」

「うむ、まあ、聞くだけ聞こう。なんじゃ?」

「ニャーン」


配管に集中しているので姿は見えないと思うが、
何か少し動揺した雰囲気が伝わってきた。

840宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 02:28:46
>>839

        ――――――スッ

『鳴き声』を聞いて無意識に手を止め、
その方向を見やった。
『例の一件』以来、
『猫』を見ると『カーバンクル』を思い出す。
猫には詳しくないが、
少なくとも『違う品種』である事だけは分かる。

「『アビシニアン』ではないな」

独り言のように短い感想を口にした後、再び作業を始める。

「君が知っていればいいが――」

一度『共に戦ったスタンド使い』――『青山流星』は、
人知れず『命』を落としていた。
具体的な年齢は聞かなかったが、
恐らくは『学生』だったのだろう。
『青山の死』について知った時、脳裏に浮かんだのは、
一人の少年の存在だった。

「『一抹貞世』という名前に心当たりはないか?」

何故、一抹の事を思い出したのか。
俺が出会った中で、
『青山と近い世代のスタンド使い』だからかもしれない。
あるいは、『共闘した経験があるから』とも思える。
明確な理由は、俺自身にも分からなかった。
ただ、青山の最期を知った時、
『一抹の生死』が気に掛かった事は確かだ。

841ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 02:42:37
>>840

「あびにゃん?」

「ニャーン」


振り向くと、子供がリュックを床に置き、そこから半分体を出した猫を撫でていた。
灰色でちょっと長毛気味の猫。多分雑種だろう。


「なんじゃ、一抹ちゃんなら知っておるぞ!
 ああ、いや、でもやっぱり学校の事とか聞かれたら困るがの……」


学校に行っていないので、学校の事を聞かれても困る子供だったが、
たまたま知り合いの事だったのでホッとした。
とはいえ一抹の学校での事は知らないことに変わりない。
まあ、子供が学校に通っていたとしても、学年が違うので大した情報はなかったかもしれないが。

842宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 03:05:16
>>841

尋ねはしたものの、『知っている』とは予想していなかった。
今回は運が良かったようだ。
そういう事もあるのだろう。

「『知り合い』だったか」

      ガチャ

配管の一部を取り外し、
『レンチ』から『ドライバー』に持ち替える。

「そちらの事情は知らないが、『学校』については聞かない」

      キュッ

床のプレートを固定するネジを緩めて外していく。

「一抹は元気か?」

他人の日常を詮索する気はない。
本人自身が語らない事に踏み込もうとは考えていない。
ただ、『生きているかどうか』を知っておきたかった。

843ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 03:22:28
>>842

「う、む……元気……
 あんまり元気じゃないかもしれん」

「オバケに呪われて……その後どうなったんじゃったか。
 死んだのは別の人だったと思うが……」

「そういえば最近見んが……
 みんなで囲んでボコボコにするとか聞いた気もするから、
 生きてても入院とかしてるかもしれん」


うんうん唸りながら、自信なさげな声が聞こえてくる。
曖昧なわりに内容がひどい。


「ナン」


悩みで気がそれた子供の手から解放されたのか、猫が宗像の近くに寄って来た。

844宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 03:49:33
>>843

聞かされた断片的な言葉から、
正確な内容を推測する事は簡単ではなかった。
だが、俺の知らない所で『何か』が起こっていたらしい。
『青山の場合』と違うのは『命はある』という事だ。

「――そうか」

『排水プレート』を外し、
床に通じる『排水管』を両手で引き抜く。

「『生きている』ならそれでいい」

知りたい事は分かった。
同時に、近付いてくる猫に気付く。
今は『仕事の邪魔』になるが、生憎ちょうど動きが取れない。

         ズズズ

僅かな逡巡の後、傍らに『アヴィーチー』を発現した。
右腕に『鋸』を備えた人型スタンドが、
猫の前方に立ちはだかり、その歩みを止めようと試みる。
『ただの猫』であれば、
『見えない壁』に突き当たったように感じられるだろう。

845ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 04:05:59
>>844

「う、うむ? よいのか……
 もし間違ってたらすまんが」


予想より薄いリアクションに逆に困惑気味の子供だった。
そもそも生きているとは明言していないのだが……
まあ、この子供の認識だとオバケに敗北=死、だが、実際は(一抹の場合)『雲』になるだけなので、
本当に死ぬパターンは、助けるために無力化しに行った人たちが勢い余って殺した場合くらいだろう。


「ニン…」


猫は『アヴィーチー』に阻まれて、その場をうろうろした。
五感共有型なら、猫の毛でくすぐられる感覚や尻尾で叩かれる感触が楽しめるだろう。
気が散るだけかもしれないが。


「機械式封印か」


さらに問答が終わったからか、子供まで寄って来た。
こちらは横から回り込んで見ているだけだが。

846宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 19:03:40
>>845

『アヴィーチー』で猫の進行を阻みながら、
寄って来る子供の姿を視界の端で認めた。
ここが『下水道』なら別だが、
屋内の修理は危険な作業でもない。
『質問に答えてもらった』という事も、理由の一つとしてある。

「俺に近付きすぎると君が汚れる」

取り外した管を床に置き、
胸ポケットから『L型ライト』を取り出す。

         カチッ

スイッチを入れて配管の先にある『暗闇』を覗き込み、
異常がない事を確認した。

「見物するなら、『程々の距離』にした方がいいだろう」

そう言った時、『危険に近付きたがる女』が脳裏を掠める。
青山が命を落とした経緯は知らない。
しかし、特に『危険』を好む種類の人間ではないように見えた。
だが、死んだ。
この世界は『個々の希望』に合うようには出来ていないのだろう。

「よければ、もう一つ聞きたい」

排水管の『パッキン』を交換しながら、子供に問い掛ける。

「この町の『クリスマス』は『夏の行事』になったのか?」

『防空壕』の仕事を終えた後の入院中に、
その噂話を耳にした。
『夏のクリスマス』の話だ。
意識して気に留めてはいなかったが、奇妙ではある。

847ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 22:12:50
>>846

「汚れるのは困るの。
 服はシャツしか出せんからな。……浴衣もあるか」

「フナス」


チラッと再度子供を見ると、大人ものの服を無理やり着たような姿をしていた。
わりとボロいところもあり拾ってきた服感もある。
ところどころにシールが貼ってあるのはオシャレだろうか。
視覚は作業に、聴覚で子供の声を聴きながら、触覚は猫が『アヴィーチー』をパンチしているのを感じるだろう。


「『夏のクリスマス』?
 そんなことないんじゃないかの。もが。
 あれは特別に1回だけだと思うが……
 うまくいってなかったらもう一回やるかもしれんな」


床に寝そべりながら、どこからか取り出したクッキーを食べる。
ぽろぽろと欠片が散らばった。

848宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/02(水) 23:24:34
>>847

男の両手は革の手袋で覆われている。
排水管を扱った事で、その表面は薄汚れていた。
それを気にする様子もなく、汚れた手で作業を続ける。

「『特別』か――」

言葉を返しながら、
『アヴィーチー』を叩く猫に違和感を覚えた。
俺の知る限り、スタンドに触れられるのはスタンドだけだ。
先程はこちらから接触したが、
今は向こうから触れてきている。

「そいつも『普通』とは違うようだな」

         ガシャッ

排水管を元に戻し、
正しい位置に収まっている事を確かめる。

「似たような猫を見た事がある」

かつて依頼された仕事で、
『スタンド使いの猫』の殺処分を引き受けた事がある。
その猫は『災いの種』となる可能性を孕んだ存在だった。
『カーバンクル』がそうであったように、
『動物のスタンド使い』というのは、
ある意味で『人間のスタンド使い』以上の脅威に成り得る。

「『アビシニアン』だ」

最初に取り外しておいた部品を脇に退ける。
管の途中に配置され、
『S字』にカーブした『排水トラップ』と呼ばれる部分だ。
排水管には必須の仕組みであり、
これとパッキンが経年劣化していた事が、
漏水の大きな原因だった。

       ギュッ

劣化した排水トラップを脇に退け、
新しい物に付け替えてナットを締める。

849ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/02(水) 23:38:01
>>848

「?」


『アヴィーチー』を見れば、猫パンチされたところに肉球の跡がついているのがわかるだろう。
だから何というわけでもないが。


「あびしにゃん?」

「知っとる猫に似てるのか? まあ、猫なんて皆同じようなもんじゃが」

「ミン……」


小首を傾げて猫を見る子供。
言いたいことはあまり伝わっていないようだ。
異種族の見分けはつきにくいというが、猫は動物の中でも個性が分かりやすいほうだろうが……


「これは壊れた封印か?
 もういらんのか?」


クッキーの袋でつんつんと『排水トラップ』をつつく。

850ヤジ『一般人』:2022/03/02(水) 23:42:34
>>847-848(乱入するぜ、無視しても構わない)

クッキーを食べながら談笑するナイと作業をする宗像。その『台所』へと
忙しない足音と共に、1人の青年がスマホを耳にかけつつ入り込んでくる。

「あぁ、だからバス数台で向かってくれ。あと、リーダーの出雲さんは?
どう頑張っても現地にはやはり向かうのは難しいって?
 何度も繰り返すが『夏の魔物』は他の奴等を変化させてるから最悪
先行隊の方も取り込まれて傀儡化するかも知れないんだ。とにかく
雪降らせとは言わないから、ツリーでも出せるか作れる奴等向かうよう
準備してくれ。本当頼むぜ」 pi

「出雲が出張れないとなると、万が一が起きたら危険だな。ジョー達も
頑張ってるだろうし、信じてるが…………『一抹』」フゥ……

溜息をついて、彼は冷蔵庫の飲み物と棚の自前らしい携帯食を背負ってる荷袋に
押し込んで出ようとする。焦ってる所為か、君ら二人を意識外に置いてるようだ。

851宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 00:26:54
>>849

全ての部品の取り付けを完了し、再び『止水栓』を開く。
それから、シンクの蛇口を捻った。
水は普段と同じように流れ出ている。

「似ていると言えば似ている」

『アヴィーチー』は本体と視覚を共有しない。
改めて猫の方を向いた時、初めて『跡』が視界に入った。
ダメージがないという事は、
逆に言えば『ダメージ以外の何かがある』と言える。
以前、体内から『爆破』された経験があった。
その時も、実際に起爆されるまでは、
ダメージらしいダメージは受けていない。

      ――――――ズズゥッ

収納スペースの扉を閉めて、『アヴィーチー』を解除する。
『狙われる理由』に幾つか心当たりはあるが、
『これがそうだ』とは思っていない。
これ以上の何かをする気があるなら、
とっくにやっていた筈だ。

「ああ、もう必要ない」

端的に表現するなら、
『排水トラップ』は曲がった金属製の管だ。
劣化している為に、本来の用途には使えない。
それ以外の使い方というのも、普通は難しいだろう。

「欲しいのか?」

子供の言動から、そのように感じ取った。

>>850

近くに子供と猫がいた事で、
新たに現れた人間に気付くのが遅れた。
他人の通話を聞く気がなかった事もあり、
その内容も多くは聞き取れなかったが、
『聞き覚えのある名前』は自然と耳に入ってくる。
通り過ぎていく姿を一瞥したが、それだけだ。

「――『そういう事』か」

青年が立ち去った後で、静かに呟いた。

852ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 00:42:44
>>850

「ん?」

「プムス」


子供と猫が通行人を見送る。
子供も猫と同じくらい何も考えてない顔だった。


>>851


『アヴィーチー』を解除すると、近づいてくるでもなく急に毛づくろいをしだす猫。
敵意のようなものは感じられない。


「うむ」

「汚いのも……それはそれで何かの役に立つかもしれん。
 お菓子と『交換』でどうじゃ? 飲み物の方がいいか?」


リュックからビニール袋を取り出す子供。
お菓子がぱんぱんに詰まっているようだ。

853ヤジ『一般人』:2022/03/03(木) 00:49:40
>>851-852(通り抜ける。お目汚し失礼した)

「さっさと向かわねぇとな……ジョー、無理するなよ。
『一抹』が何かあれば悲しむんだからな」

そのまま二人に対して気付く事なく台所から嵐のように突然現れ
突然去って行った……。

854宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 01:08:24
>>852

「なるほど――」

          スッ

「そういう事もあるのかもしれないな」

排水トラップを拾い上げ、シンクの水道で洗い流す。
大体の汚れは落ちた。
少なくとも、かなりマシにはなっているだろう。

「欲しければこのまま渡すが、
 『交換したい』と言うならそれでも構わない」

水に濡れた排水トラップを作業服で拭き取り、
リュックの中身を見下ろした。

「『飲み物』をもらおうか」

見るともなしに見つめながら、子供の行動を待つ。

855ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 01:25:06
>>853

「ナーン」


>>854

「いや、だから汚れたままでよかったんじゃが……まあいいか」


駄菓子がつまった袋に手を突っ込むと、にゅっと瓶が出てきた。
青っぽいくびれたような形の特徴的な容器。ラムネ瓶だ。


「これでどうじゃ? ……炭酸飲めるか?
 ココアもあるが……」

856宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 02:00:21
>>855

「手が汚れるのは良くないと思ったが」

持ち歩きに不都合な汚れは落ちている。
しかし、経年劣化を起こす程の部品であり、
単純に洗っただけで元には戻らない。
長年に渡って使い込まれた事による薄汚れた印象は、
客観的に見ても消えようがなかった。

「――悪かった」

排水トラップを差し出し、代わりに『ラムネ』を受け取る。
いつだったかは覚えていないが、
飲んだ事はあったように思う。
おぼろげな記憶に従い、ビー玉を瓶の中に押し込む。

「頂戴する」

         グイッ

一礼してから瓶を傾け、中身を一気に飲み干す。
覚えのある味が広がると同時に、
忘れかけていた光景が脳裏に広がっていく。
この世に『馨』という女が生きていた頃の記憶だ。

「ご馳走になった」

         カラン

空になった瓶の中で、ビー玉が軽い音を立てた。

857ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 02:13:25
>>856

「『交換』した時の『状態』が重要なんじゃ。
 まあ、わしも汚いのが好きなわけではない。
 そうじゃな……とりあえずこれで、こうじゃ」


ビニール袋をさかさまにしてリュックの中に駄菓子を移動させると、
カラになったビニール袋に『排水トラップ』を入れた。
そしてにおいを嗅いでみたりする。やっぱりくさいんだろうか。


「シャッ」


ビー玉に釣られてか、猫がパンチを繰り出してくる。


「封印はこれで終わりかの。
 それで、何が封印されてるんじゃ?」

858宗像征爾『アヴィーチー』:2022/03/03(木) 02:45:14
>>857

「どうするのかは知らないが、何かの足しにしてくれ」

当然ながら無臭ではない。
まず金属特有の臭いが感じられ、
排水管の一部だった事を想起させる臭いも残っている。
耐えられない程ではないが、気分が良くなる事はないだろう。

「ここでの『仕事』は終わった」

レンチとドライバーを腰の道具袋に収め、
空いたガラス瓶を持って歩き出す。
先程の青年が出て行ったのと同じ方向だ。
ちょうど動き始めたタイミングだった為に、
今度は猫に触れられる事はなかった。

「――『色々』だ」

台所から立ち去る間際、背中越しに言い残した。
排水管を通っていくのは水だけではない。
その中には、管にとって好ましくない物も含まれている。
それらが蓄積し、問題の原因となる場合も少なくない。
つまりは、『そういう理由』だ。

859ナイ『ベター・ビリーブ・イット』『D・L』猫『マシュメロ』:2022/03/03(木) 03:11:52
>>858

「臭ゅっぷしっ」


鼻が刺激を感知したためか、くしゃみをした。
ビニール袋を閉じ、ぐるぐるとねじって密閉する。


「ふうむ?」


台所に座り込んだまま、一仕事終えて立ち去る宗像を見送った。
猫を掴み、小脇に抱えて立ち上がる。


「何かクールな男じゃったな」

「ナーン」

「しかし一抹ちゃんはどうなったのかの……
 ん!?
 さっき通りかかったヤツ、一抹ちゃんの話してたような?
 ううむ、聞き違いかの……」

「ニン」


猫を抱えて去っていった。

860リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2022/03/16(水) 02:12:01
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1607077443/838-851からの続き。


人気のない『夜の歓楽街』で、両者は出会った。
『心を持たない人間』と『心を持つ人形』。
その中で、人間である『遊部玲実』は、
人形の『リトル・メリー』の『懐柔』を試みた。
『人間のスタンド使い』は、
様々な要因で『心変わり』を起こす。
『人間ではないスタンド使い』に目をつけた遊部の考えは、
非常に合理的で的確であった。

    シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ………………

薄暗い空間で、『西洋人形』に『魂』が戻る。
そこは、どこかの『部屋』らしい。
『リトル・メリー』を名乗るビスクドールは、
中央に置かれたテーブルの上に座っていた。

「すっごくビックリしたわ」

「だって」

「『憂ちゃんと同じような子』がいたんだから」

     ガチャ…………

鍵を開ける音の後にドアが開く。
ここは『学生寮』。
『清月館』だ。

「………………ただいま………………」

帰宅した『部屋の主』が、リトル・メリーを見やる。
奇しくも『遊部と同じ事を考えた人間』は他にもいた。
そして、遊部よりも早く、
リトル・メリーの存在を確認していたのだ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/668)

「『DVD』………………借りてきた………………」

それこそが『御影憂』であった。
『フラジール・デイズ』と極めて近い能力を持つスタンド使い。
あるいは、それも一種の『引力』だったのかもしれない。

「ウフフフフ、今日は何を見せてくれるの?」

「………………『事故物件:恐い間取り』………………」

「とっても楽しそうね、ウフフフフフフ」

御影に『シンパシー』を感じたリトル・メリーは、
彼女と『友達』になった。
そして、時折こうして自室を訪れていたのである。
『御影憂』と『リトル・メリー』。
『ジャパニーズホラー』と『ゴシックホラー』。
『ナハトワハト』と『メリー・バッドエンド』。
『闇』と『影』。
この二者を結びつけたのは、いわば『魂の共鳴』。

(そろそろいいかな………………)

(『連れて来い』って言われてるし………………)

       ――――――『それ』は、また別の物語になる。

861大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/04/01(金) 23:05:29
今日はエイプリルフール。
そしてまだ時間は午前中ということにしておきましょう。

さてここは学生寮。
おやおや。なんでしょう。
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が学生寮の廊下をウロウロしています。

「せっかくの年に一度のエイプリルフールなのだからウソをつかなければ」
大神さんです。

「ちなみにボクの誕生日でもある」
とりあえず大神さんはあてもなく学生寮の廊下をふらふらとして嘘の相手を探すことにしました。

ふらふらふらふら……

862大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/04/04(月) 19:47:42
「帰ろ」
大神さんは部屋に帰っていきました。

863登良悠『ニルズブランク』:2022/08/26(金) 17:39:13
「病院ほど綺麗じゃなさそうかな」

「人間の気配、みたいなのはよく感じるけど」

ぼんやりと廊下を歩いている。
つい先程荷物を部屋に置いてきた。
事故で長期入院してきたが、今日からこの学生寮の世話になる。

「どこに何があって誰がいるかな」

864猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 00:08:41
>>863
ポリ……ポリ……


しばらく廊下を歩くと、少し広い部屋に出た。
寮の共同スペースである食堂だ。


ポリ……ポリ……


食堂といっても今は食事時間ではなく、閑散としている。
置かれているテレビがバラエティ番組の笑い声を空虚に響かせていた。
それ以外ではひとつだけ音がしている。


ポリ……ポリ……


ひとつの席にひとりの少年が座り、芋けんぴを食べながらボーっとテレビを見ていた。
赤い髪をして活発そうに見えるが、妙に細身で虚弱そうとも見える、中学生くらいの男の子だ。

865登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 07:40:24
>>864

(音がすると思ったらテレビか)

(ここ、ご飯食べるところかな。お菓子を食べてる人もいるし)

食堂を見渡して、そんなことを考える。
人の動きを感じない。
今は利用時間でもないのだろう。

(……じゃああの人は何をしてるんだろ)

「……隣、いいですか?」

866猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 13:47:32
>>865

  コクリ


口の中に食べ物が入っているからか、少年は黙って頷く。
そして芋けんぴを慌てて飲み込んだ。


「兄ちゃん見ない顔だね。新しく入ってきた人?
まあオレもちょっと前に来たばかりだけど……芋けんぴ食べる?」


芋けんぴを一本差し出し、話しかけた。

867登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 14:47:24
>>866

「今日からお世話になるんだよね」

「あ、もらうよ。ありがとう」

そう言って芋けんぴを手にして椅子に座る。

「貴方はいつから?」

「あと、この寮ってなにかルールとかあるのかな」

868猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/28(日) 18:29:19
>>867
「そっか」

芋けんぴを渡した。
袋をテーブルに置いて広げてみせる。

「暇だからおやつ食べてたんだ。
芋けんぴって一本一本チマチマ食うと暇つぶしになるだろ?
一本といわず食べていいよ。新しい暇つぶしが見つかったからね」

もちろんそれは君のことだ。

「一年になるかならないかかな。病気で入院しててさ。
原因がよくわかんなくて、心霊スポットの廃墟で遊んだ後のことだったから
悪霊に取り憑かれたとか言われたこともあるんだけど。結局謎のまま治っちゃった」

「ルール……『屋根に登らない』とかかな……
あ、ゴメンゴメン普通は言われなくてもしないよね」

869登良悠『ニルズブランク』:2022/08/28(日) 23:51:57
>>868

「あぁ、入院。おそろいだね」

「とはいっても、一年リハビリだったけど」

ポリポリと芋けんぴを食べている。

「心霊スポット、なんでそんなところに」

870猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 00:19:40
>>869
「そうなんだ!イエーイ仲間〜〜〜〜」

平手を差し出してハイタッチの構えを取る。

「オレは結構入院してたな……おかげでガリガリになっちゃってさ。
若い頃はブイブイ言わせてたんだぜ?ってオッサンかよ!
小学校の頃はもっと元気だけが取り柄!みたいな感じだったんだ」

「探検が趣味でさ。なんかあるかなーと思って。
なんもなかった……と思う……実は記憶がアイマイなんだけど。
家に帰ってからフラッときてヘロヘロになっちまって病院送り。
なんだったんだろー」

「にーちゃんはなんの病気?」

871登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 00:53:59
>>870

「いえーい」

間の抜けた声でハイタッチ。
タッチした後どうしたらいいのかとくっつけたままになっているが。

「事故だよ、車で旅行中にほかの車が突っ込んできたんだって」

「記憶も全然もないんだけどね」

口では軽く言う割に冗談ではない状態らしい。

「おかげさまで両親も亡くなって、この寮に流れ着いたわけさ」

872猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 01:12:25
>>871
「そ、それは……だいぶ深刻じゃんか。
記憶喪失って……!」

ハイタッチの手はこちらから離れる。
おずおずと所在なく半握りの手が空を掴んだ。

「なんというか……
ただの自業自得のオレとはぜんぜん違うじゃん!
強く生きようぜ!ホラ芋けんぴもっと食べて!
身体は何ともないんか?」

元気づけようとして芋けんぴを大量に差し出す。

873登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 01:21:35
>>872

「いやぁ、覚えてないから悲しいともあんまりも思わないかな……」

「結局親のこともあんまり思い出せてないから感慨ないしね」

本人はあっけらかんとしてる。
強がっているとかではなく、本当にそう思っているのだろう。

「いや、そんなに芋けんぴいらないけど……」

「まぁ、体は何とかなったよ。なんとか日常には復帰出来てるしね」

874猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 01:40:07
>>873
「そっかぁ……」

悲しそうに袋へ戻される芋けんぴ。

「ウチの親みたく気味悪がって寮付きの学校にほっぽり出されるよりマシなのかな。
でもなぁ、悲しくないとしても親がいないってこと自体が普通よりメンドクサイんじゃねーか?
例えば……金とか」

「まっお互い頑張ろうな!
オレはダイキ!猿田大輝、中等部の2年生だ!」

875登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 01:59:09
>>874

「まぁお金はね。そこは大変かも?」

「遺産があると言ってもね」

そういうと腕を組んで考え始めた。
今まで頭になかったのだろう。
それなりに考える必要があると思ったのかもしれない。

「登良悠、高等部三年。19だけどね」

876猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 02:10:33
>>875
「お金は欲しいよなぁ。
オレもこないだユーチューバーになってひと儲けって思ったら
ジャーナリストのおっさんに止められちまった。
あんまり『能力』は人に見せびらかすもんじゃない……って」

「高等部かぁ。じゃ学校では会うことはないか。
でも寮では仲間だ!これからもよろしく!」

877登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 08:15:08
>>876

「なにそれ」

「ジャーナリストに止められるっていう状況がかなり謎ではあるけど」

「まぁ、忠告されたのなら仕方ないとは思うけど」

指先で髪をいじくりつつ。

「あぁ、よろしくね」

878猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 20:40:22
>>877
「オレの動画をたまたま見てるところに出くわしたんで感想聞いたって感じ。
そうしたらたまたま自称ジャーナリストだっただけなんだけど」

『山百 次言』から貰った名刺を見せる。

「これ、その人から貰った名刺。
なんか、スタンド……あーいや、特殊な力をもつ人の情報を集めて商売したいんだってさ。
乗っかると『ウィンウィン』らしいよ?ヘンな話だよね」

載っているのはそのジャーナリストを名乗る人物の名前と連絡先だ。
どう思うか、覚えるかは君次第だが。
少なくとも猿田は『ちょっと面白いことがあった話』として雑談のつもりで言っているだけだ。

「じゃ、なにかわかんないことあったら聞いてよ。そろそろ部屋に戻るからさ」

879登良悠『ニルズブランク』:2022/08/29(月) 21:34:32
>>878

「あぁ、さようなら」

「もう少しここにいようと思うよ」

「ここにいたら誰かに会えそうだしね」

そう言って手を振る。

「商売ね……」

そうひとり呟いて。

880猿田大輝『ザ・ライフライン』:2022/08/29(月) 22:25:38
>>879
「おたがい元気で!」

こちらも手を振って別れ、自室に帰っていった。

881赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 20:57:25

「はぁ・・・・! はぁ・・・・!」

学生寮の一室、自室のベッドの上
平日の昼間という、普通であれば学生たちが学業に励む時間・・・・
にもかかわらず、ここに一人の女子生徒が残っていた

「(熱い・・・・・・!)」

彼女の名前は赤月ナカレ。現在の体温は『39.8度』
間違いなく、彼女は風邪をひいていた

「み、ず・・・・・・。」

ふらり、とベッドを這い出て部屋の外に出る
水筒に汲んでいた水は既に空になっている
全身はしっとりと汗に濡れ、カラカラになった喉が水分を求めていた

「(やはり・・・・無理をし過ぎたか・・・・)」

体調を崩した原因には心当たりがある
『昨日の試合』。薄着のまま行われた死闘。ぐちゃぐちゃに崩れた自尊心。
フィジカル・メンタルの両面で、限界まで力を使い果たした事が原因なのだろう

「わ、たしは・・・・・・」

熱にうなされた頭で昨日の出来事を思い返す
『勝利』は得た・・・・だが、それ以上に恐ろしい思いをしたあの出来事を・・・・


 ふらり

             ふらり

     ふ
        
         ら


       り

   ふ
 
       ら

 
     ふ

          ら
  
            ・

              ・
 
            ・

・・・・・・・・・・・・・・・・。


気が付くと赤月はどことも知れない場所に倒れていた
どうやら、夢見半分に歩いているうちに学生寮の外に出てしまったらしい
着の身着のままであったため、服装は寝間着としていたパジャマだ
裸足のままの足が地面の硬さに痛めつけられて赤くなっている

さて、ここはどこだろう?

882大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 21:49:18
>>881
>さて、ここはどこだろう?

なんとここは学生寮横のゴミ捨て場、年末大掃除で出た沢山のダンボールの上だ。
オリンピックの選手村でも使われたダンボールを惜しみなくふんだんかつ豪勢に使ったベッドでございます。
もう少しで粗大ゴミとして運ばれてしまったかもしれない。
実に危ないところだった。

「あっ、しまった。目覚めた。
今から年末年始に向けて猟奇的大奇術人体切断ショーを練習するとこだったのに」(ハスキーボイス)

その傍らで赤い赤いマジ赤いサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)が猟奇的なノコギリのようなもの(ダンボール製)を振りかざしている。

883赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 22:39:14
>>882

「お、前は・・・・・・」

ガンガンに頭痛が響く中、やっとの思いで目を開け、声の主を見る
しかし、熱で頭がぼんやりとしているためか、視線も焦点もふらふらとして合わない
赤月がようやく判断できたのは、目の前にいる相手が何らかの『長い刃物』を持っている事だけだった

「お前は・・・・『小石川・・・・文子』・・・・!」

「やめろ・・・・! やはり、私を始末しに来たのか・・・・!?
 来るな・・・・!! 来ないでくれ・・・・・!」


        ガサッ

               ガサガサ!

記憶に新しく、印象が深く心に根付いた者の名前が出たのは偶然ではないのだろう
だが・・・・・これはどういう事か
赤月がその女性の名前を叫んだ直後、ゴミの中を這い潜る様にダンボールを掻き分ける
まるで・・・・その女性から逃げるように
大神が知っている赤月の姿からは想像も出来ないくらい、何かに怯えるように・・・・

884大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 23:16:27
>>883
「はてさて……?
予想以上のビックリドッキリぶり…
『あの小石川さん』に殺されかけるなんて、赤月くんはいったい何をやったんだい……」(↓ハスキーボイス↓)

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/575-
↑大神さんは小石川さんと知り合いなのだ!

「どうにも面白そうだから、ひとつ悪ノリをしてやろうじゃあないか……」(↑悪そうな笑顔↑)
大神さんが顔に手をやると……

   グニャッ!グネッ!グネグネッ! ゴキッ!ゴキゴキッ!

「小石川さんに披露したやつでもあるが…」
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/588
(↑小石川さんへの披露)

大神の顔がグニャリと『のっぺらぼう』に変わったかと思うと…

「本人にあまり似ないが……
 『マスク』を作れるんだ、ボクは」
ビミョーに小石川っぽい顔へと変化を遂げる。

「もちろん『衣装』も」

『大神さんの顔』は『小石川にビミョーに似てるマスク』に
『サンタの帽子』は『小石川がよく被っている帽子』に
『サンタの服』は『小石川がよく着ている服』に……。

「どうにも今のキミってば夢見心地みたいだからさあ……
さらに夢を見てもらおうかあ……」(↓ハスキーボイス↓)

……

「逃げないでください、赤月サァン……」(ビミョーに小石川を真似た大人っぽい声)

ビミョーな小石川(偽)が刃物(偽)を持って、赤月に迫る……!

能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/174-175

885赤月『サクソン』:2022/12/28(水) 23:29:22
>>884

「来るな・・・・ やめろ・・・・っ!」

風邪の影響で赤くなっていた顔が真っ青になる程に血の気が引く
迫りくる小石川の偽物を見て、赤月は観念したかのように大神へと振り返る

いつの間にか、赤月の身体は『トレンチコート』によって包まれていた
『サクソン』が身に纏う『コート』の部分発現だ!

「それでも・・・・こちらに来ると言うのなら・・・・」

ぷつん、と胸元の第一ボタンを外す
その直後、パジャマに縫い留められていた第一ボタンは『羅漢銭』に変化した

「お前を・・・・・殺す・・・・・ッ!!」

『羅漢銭』を右手に握りしめて、振りかぶる
大神に投げつけようとしているようだ

886大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/28(水) 23:53:01
>>885
「おおお、落ち着きたまえぇ赤月くぅん!気をたしかに!」(キョドった声)

 大神さんは怖くなって刃物(偽)を投げ捨てた!(ポイー

「ジョーダンだよぉ、ジョーダン。マイケルくらいのジョーダン!」

 ポポポン!

『偽の毛皮』の『化けの皮』が剥がれて、元のサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)の姿に戻った。

「ウウッ……
ゴミ捨て場に捨てられた赤月くんを見つけて、
必死で看病したボクがこんな最期を遂げようとは、
世界とはなんと残酷で不条理なのだ……ラブ&ピースはどこにある……ヨヨヨ……」(真っ赤な嘘)

まあ嘘なんですけどね

887赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 00:07:41
>>886

   グオオオォォォォ・・・・

常軌を逸した赤月の様子にびっくりして変装を解く大神
しかし、『羅漢銭』を構えた赤月の動きは止まることなく・・・・・


   ガクゥゥゥッ!

                  ブオンッ!

           「あっ・・・・」

熱の為か、はたまたそれ以外の要因か、脚の力が抜けて膝から体勢が崩れる
それとともに投球のフォームが変わり、見当違いの方向に『羅漢銭』が飛んで行った

「あっ・・・・ うわっ・・・・・」

それだけではない
体勢の崩れが全身に影響し、前方に向かって倒れ込む・・・・
つまり、大神に向かって倒れる事となった

誰も受け止める人間がいなければ、そのまま顔面を地面にぶつける事となるだろう

888大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 00:18:06
>>887
「はわわ」(はわわ)

  フワッ…

とっさに大神さんは『偽の毛皮』を多重に張って、倒れる赤月を受け止めるのでした。(暗器を投げられたら『この毛皮』で防ぐつもりだったのだ)

フワッフワの毛皮に包まれるがよい!

889赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 09:42:59
>>888

     「うっ」


  ふ
      わ

           っ

倒れこんだ瞬間、『偽の毛皮』によって作られたふわふわのクッションに包まれた
しばらく、手足をばたつかせてもがいていたが、やがてその体力も失ったのか動きを止めた
閉じられた両目は固く引き締められ、悪夢を見ているようであった

「『アリー・・・・ナ』・・・・・」

寝言だろうか?
毛皮に包まれながら、何かを呟く

「殺してやる・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!」

しばらく、うわ言のような言葉を呟いたのち、赤月の両目が開かれる
先ほどよりは大分正気を取り戻した目。しかし、体力が落ちているのであろうか
普段の彼女にはあったはずの力強さが失われていた

「アル・・・・マ・・・・?」

どうやら、ようやく正常に君の事を認識し始めたようだ

890大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 11:45:36
>>889
赤月が目を覚ますと……

「ねんねこ ねんねこ ねんねこよー
 ねんねんころりよー おころりよー
 ねーむれー よーいーこーよー
 ねーむれー ねーむれー ボークーのーむーねーにー」(ズンドコズンドコ ヘイッ!ヘイッ!)

大神さんが子守唄をサラウンドで唄っていた。
ついでに寝てる間にダンボールをソリにして引きずって移動したのか、ここは『学生寮の1階共有スペース』だ。
あまり屋外で騒いでは近隣住民のご迷惑だからな……。

 ハムスター&ハト ↑ポンピロポンポンプーペンポンペー↑(キーボードの上を駆け回っている)
 しかも大神のペットのハムスターとハトが子守唄の伴奏なのか共有スペースのキーボード(楽器)を駆け回っている……

「おや、やっと起きたかね、眠り姫くん」(↓ハスキーボイス↓)

「大神サンタさんもまさか人間をダンボールソリで運ぶとは思わなかったゾイ」(↓ハスキーボイス↓)

赤い赤いマジ赤いサンタコスの緑髪・右青目・左赤目の大神少年(16歳 女子)が赤月の顔を覗き込んでいる。

891赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 12:32:40
>>890

「・・・・・・・・??????」

眼を開けた瞬間に流れ込む情報の奔流に困惑の表情を浮かべる
はたして、これは一体なにが起きているのか? 
いつの間にかサンタの国にでも連れて来られたとでもいうのか!?

「は、はは・・・・なるほど。これは夢か
 いつの間にか・・・・サンタの国に来ていたとは」

困惑の果てに選んだ答えは『現実逃避』だ!
この光景が現実のものであると考えるのはやめた

「君はサンタクロースなのか・・・・?」

892大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 13:06:33
>>891
「えっ……」(困惑した声)

大神さんの頭に『やばーい、こいつまだサンタ信じてるよー』という思いがよぎりました。

ですが、大神さんはこうも思いました。
昔々の偉い人がこう言っていたのを、思い出したのです。


  『サンタクロースをいつまで信じてた?』なんて……
  ふざけるな!
  いつから居なくなったんだよ!?
  いいか?サンタの心を受け継いで、
  これからは君たちがサンタになるんだよ!
  『サンタなんか実際いないよ』なんてことを
  まるで自分は知識人・常識人である風に言うヤツには
  正面から向かって目を見て言ってやれ!
  俺がサンタだと!
  私がサンタなんだと!
  みんなサンタになろうよ!
  でかい……でかいサンタになれ!
  子供たちの夢を叶えさせてあげる立場にドンと座るんだよ!
  大人を逃げるな!
    by S本和彦


大神さんは『赤月くんのサンタとなること』を決心しました。
その瞳には決意の光(偽)が宿っています。
しかし大神さんはカラコンをつけているので決意の光の真贋・有無は他人からはさっぱり見えないのもまた事実なのでありましょう……。

「フフフ、メリークリスマス赤月くん。
 今年もいい子にしていたようだね。
 さぁ(売れ残りの)ケーキをお食べ」(非実在サンタの声)

大神サンタはそう言うと寮の共有冷蔵庫にあった(売れ残りの)クリスマスケーキ(スタンダードなイチゴショート)を、赤月の前に差し出しました。

(重篤な患者の言うことは否定・肯定しないほうがいいらしいしな……)

893赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 14:14:52
>>892

目の前の人間が、『サンタとなる決意』を固めた事など知る由もなく
熱に浮かされた瞳でそちらを見る

やはり・・・とか、うむ・・・・とか、何かを納得している様子だ

>「フフフ、メリークリスマス赤月くん。
> 今年もいい子にしていたようだね。
> さぁ(売れ残りの)ケーキをお食べ」(非実在サンタの声)

 「・・・・・・・・・・ッ!?」

              しゅっ!!

だが、大神がその台詞とともにケーキを持ち出した時
瞬間的に赤月の眼がギラリとした輝きを見せる!
次の瞬間には彼女の手刀が大神の喉元にまで伸びていた

「お前は・・・・・誰だ・・・・・?
『サンタクロース』は『良い子』のところに現れる者だ・・・・」

「私は違う!!」

剣呑な気配がにじみ出る!

894大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 14:30:44
>>893(893! オオ見よ神秘的な獣の数字893!)

「落ち着きたまえ、赤月くん。
そして気づきたまえ。
そんなことを気にする時点で『いい子ちゃん』なのだ、キミは。
生粋の悪い子はそんなことを思わないし、悩まないものだ」
大神サンタさんは素知らぬ顔で答えました。

「ボクにはわかっているぞ」(後方彼氏面)

そしてクリームのついたイチゴをフォークに刺し、赤月の口元に差し出しました。

「We wish you a merry Christmas
 We wish you a merry Christmas
 We wish you a merry Christmas
 And a happy New Year」

(楽しいクリスマスをあなたに
 楽しいクリスマスをあなたに
 楽しいクリスマスをあなたに
 そして幸せな新年を)

895赤月『サクソン』:2022/12/29(木) 15:19:00
>>894

「なにぃっ!?
 私が・・・・・・『良い子』だと・・・・・・!?」

突き付けられた驚愕の事実にぽかんと口を開き、愕然とする
そして、そこに・・・・・・


            「もがっ!」

クリームのついたイチゴが口内へと突っ込まれた!
急速に吸収される糖分・ビタミン・水分・・・・・・そして、いくらかの電解質ッ!!

   しょり しょり しょり・・・・


              ごくり

                      ・・・・・・・・・ばたっ

肉体が、不足している栄養素を得たと判断したのか
それとも、色々と動き回って疲れてしまったのか
口内に突っ込まれたイチゴを飲み込むと同時にばたりと意識を落して眠りについた

深い、深い眠りだ
当分は目覚める事がないだろう

896大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』【高1】:2022/12/29(木) 16:15:55
>>895
眠った赤月を見て、やれやれ、という顔をする。

「そんなことを言うキミがいい子なのは、当たり前ではないか。
現代のサンタは『それを信じた子供がいい子になる』ようなシステムだもの。
『悪いことをした子供』が『自分はいい子じゃないからサンタが来ないんだ』って思うことはまさに『それ』さ。
反省・自省をさせるシステムなのさ」(後方保護者面)

一人ぼやきながら、眠る赤月を共有スペースのソファに移し、共有の毛布をかける。

「やれやれ。
こんな年末までオオカミサンタをする羽目になるとは思わなかった」(モシャモシャ)

そして、大神さんは残ったケーキとチキンをモシャモシャするのであった。

897大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』@共有スペース:2022/12/29(木) 16:31:55
……というわけでここは学生寮の共有スペース。
ただでさえ多くの価値観を持つ学園関係者が出入りする寮という空間な上に、
時期的にクリスマス年末年始がまとめてやってきているので、
色々なあれそれが入り交ざった奇妙な空間となっている。

そんな共有スペースで、サンタコスの緑髪・右青目・左赤目の男装少年(16歳 女子)がペットのハムスターやハトと一緒にワチャワチャやっている。
どうも今は大掃除で出たダンボールを用いたAR『ニ○テンドーラボ』を共有スペースの巨大ディスプレイで遊んでいるようだ。遊ぶのに広い空間が必要だしな…。

なお、ソファの片隅に毛布にくるまった物体(>>895)があるが、よく寝ているようなので放っておいて問題ないだろう。
近くで騒いでいれば目覚めることもあるかもしれないし……。

898大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2022/12/31(土) 13:26:09
ゲームに飽きて年末年始の街を見に出かけた

899三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2022/12/31(土) 13:46:43
>>898

「――――『或真さん』?」

街に出かける姿を遠目に見かけ、ふと立ち止まる。
『少年』とも『少女』とも取れる姿の小柄な生徒。
『大神或真』の『従兄弟』である『三枝千草』。

「『同じ学校』だったなんて初めて知りました」

去っていく大神を見つめ、そのように呟いた。

900三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/27(月) 21:57:56

少年とも少女ともつかない小柄な寮生が、一つの部屋の前で立ち止まった。
生徒の名前は『三枝千草』、部屋の主の名前は『小林丈』。
ここを訪れるのは『初めてではない』。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647077/318-330)

     コン コン コン

はやる気持ちを抑えてドアをノックする。
どうしても確かめたい事があった。
もし応答がなかったとしても、三枝は開けようとするだろう。

施錠されていたなら――『それでも中に入る』。

(『小林先輩』……)

『小林の死』を知ったのは、『呪いの小屋』から戻った直後だった。
以前と同じように声が聞こえ、変わりない姿を見せてくれる事を期待している。
しかし、それが叶わなかった時は、『部屋を調べる』つもりで来た。



(>>ノエPL:大変お手数ですが、この行動に対する判定をお願い致します)

901『殻の部屋』:2023/02/27(月) 23:48:42
>>900

 部屋から物音はしない、耳が痛くなるような静寂さだけが
君の耳に返って来るだろう。
 
 ドアノブを回すと、呆気ないほどに簡単に開いた。

部屋の中……最近は、殆ど使用してないようだ。

冷蔵庫……中は空だ。

クローゼット……小林らしい制服や私服がそのままだ。
半分ほど、彼のかは不明だが衣類の幾つか持って行った形跡が見えた。

学習机……少し、埃が被っている。引き出しが、少し開かれた形跡がある。

902三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 00:45:15
>>901

しばらくの間、室内からの返事を待っていた。
1分かもしれないし、5分かもしれない。
もしすると10分間も立ち尽くしていたようにも思える。
しかし、いくら待っても応答はなかった。
顔を俯かせ、意を決して部屋の中に踏み込む。

     ガチャ…………

室内を見渡し、最初に調べたのは『冷蔵庫』だった。
中身は『空っぽ』。
その事実は、既に住人がいない事を物語る。

       …………ガタッ

次に、『クローゼット』を開けてみた。
一切の躊躇いはなかった。
衣服が持ち去られた形跡を見て、すぐ一つの可能性に思い至る。
『小林の親友』。
何度か会った事もあった。

「…………?」

最後に『机』が視界に入った。
一部だけ埃が落ちているように見えたのだ。
おもむろに手を伸ばし、引き出しを開ける。

903『殻の部屋』:2023/02/28(火) 13:00:27
>>902

君は、学習机の引き出しを開いた。

小林 丈は、元は小説家を志していた。君も、耳にした事はあったであろう。

中には、まだ書きかけらしい原稿用紙やネタ帳らしいスクラップブック等が
収められてたが、一つだけ種類が異なると思えるものが目に留まった。

……『日記帳』のようだ。

 開いてパラパラと中を捲ると、一つのページに
幾つかの水滴が落ちたような跡のある部分に着目する事になる。

内容は↓と言ったもののようだ。
>ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1587792748/108

そして、全ての文章に目を通した後。一つだけ全く違う筆跡で
少し大きめに、こう書き納められいた。



    ばかやろう

 おれは   おまえを ゆるさない

904三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/02/28(火) 14:54:59
>>903

震える指先でページを開いた三枝は、一心に目を通し始める。
『遺言』とでも呼ぶべき文面を読み終えた後、計り知れない衝撃を受け、
危うく日記帳を落としそうになった。
信じたくない。
だが、認めざるを得なかった。
やはり、あの話は『事実』だったのだと。

「小林…………先輩…………」

『小林先輩は死んだ』。
もし相談してくれていれば…………。
いや…………そうされたとして何が出来ただろう。
きっと何も出来はしなかった。
自分は無力な人間なのだから。

      グッ

日記を握る手に、無意識に力が込められる。

「…………『スワンプマン』…………」

ふと、その言葉を思い出していた。
『一度死んで作り直された』――――三枝千草は『小林丈の秘密』を打ち明けられた事がある。
『小林の死』に直面して、その記憶が鮮明に蘇ったのだ。
『生き返った存在』なら、『死』を超越する事も可能なのでは。
『死を恐れる精神』と『小林の秘密』という二つの要因が、
他の者には辿り着けない発想に至らせたのだ。

       ジッ…………

もう一度、『最後の文章』に目を留める。

「千草は…………何が出来ますか…………?」

「『秘密』を打ち明けてくれた先輩の為に…………何が…………」

閉じた日記帳を胸に抱き、誰もいない部屋で呟く。
少なくとも、ここですべき事は終わってしまった。
他に何も見つからなければ、日記を持ったまま自室に帰っていくだろう。

905『殻の部屋』:2023/03/01(水) 09:44:29
>>904(こちらからのレスは以上となります。お付き合い有難うございます)

小林は死んだ。

噂程度でしか無かった話は、この『日記』によって信憑性が高まった。

君に出来る事。

模索すれば、幾らでもある。例えば、この日記に書かれてた人物。

『村田』 『北落砂錫』 そして、『夏の魔物討伐の同行者』

小林の真相について、更に真相の鍵を握る人物が居るかも知れない。
何せ、小林は死んだと流布されてるようだが、未だに話だけで物的証拠は
君の知る限り無い筈だからだ。

『真実』は、まだ君の手の中には無い。だが、『足掛かり』は手に入れた筈だ。

君のアイデンティティの起源は、ある場所で遭遇した『死体』だった……ならば。

――君は、『小林』に、真実が如何に悲しくても残酷でも対峙しなければいけない
時がきっと来るのだろう。

 日記を持って、君は自室を去る。誰も、君の歩みを邪魔する者は無かった。

906三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2023/03/01(水) 17:04:27
>>905

手の中にある日記帳に視線を落とす。

(ここに書かれている通りなら…………)

(小林先輩は――――自分の『最期』を予期していた?)

(もしかすると…………本当に…………)

三枝の心の中には、未だ不安が残っている事は否定できなかった。
単純に消息が分からないだけなら、ここまでの事態にはなっていない。
やはり、既に『この世にいないのではないか』と考えてしまう。

(だけど…………)

三枝千草は『理想の最期』を求め、それを実現する為に『功徳』を積む事を、
『人生の目標』として定めている。
しかし、それは結局の所『妥協』なのだ。
『死ぬのは怖い』が、『死なない方法』が見つからないから、
せめて『安らかに死にたい』と考えているに過ぎない。
もし『死を回避できる手段』があるとしたら、そちらを選んでいただろう。
当然、そんな都合のいいものがある筈はない――――。

(あなたに『生きていて欲しい』)

万に一つの可能性があるとしたら、それこそ小林が語った『スワンプマン』なのかもしれない。
三枝が小林丈を気に掛け、その存在に思いを馳せるのは、
優しい先輩だからというだけではなく、彼が『一度蘇った人間』だからなのだろうか。
だからこそ、ある種の『憧れ』を感じているのかもしれなかった。

       …………ガチャ

ドアを開け、誰もいなくなった部屋を振り返る。
その姿に『死』を象徴するヴィジョンが重なった。
『シャベル』を携えた『墓掘人』。

「――――…………」

ほんの一瞬、『部屋の主』の幻が見えたように感じられた。
何か言おうとして、思わず口を開く。
だが、言葉が出てくる事はなかった。
その代わりに、自身の視界が霞んでいく。
まもなく気を取り直して目元を拭い、日記帳を手にして歩き去っていった。

907赤月『サクソン』:2023/03/10(金) 21:41:51

――――とある休日の夕方。

「ん・・・・ いいぞ! 何ッ!?」

談話室に響き渡る少女の声
年頃は中学生程、黒髪に赤のメッシュを入れた少女が
テレビを前にして、両拳を握りながら歓声をあげていた

           『イクゾッ!!』

     『ヘシンッ!!』

               『ウオオオオオオオッ!!』

テレビに映し出された映像は『特撮ヒーロー物』の番組だ
CGの作りがやや粗く、この番組が十数年前の物だと判断できるかもしれない
彼女の目の前、テーブルの上にはこの番組のDVDケースが開かれたままの状態で置かれている

どうやら、彼女はDVDでこの番組を見ているようだ

「おおっ!?」

そんな光景が朝から続いている・・・・・
もう8-9時間もずっとこの調子だ

908赤月『サクソン』:2023/03/12(日) 21:14:51
>>907

日が暮れるまでそうして鑑賞会を続けていたが、
やがて時計を確認し、自室へと帰って行った

909真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 16:10:00

買い物をしに部屋から出て、
『談話室』の横を通る時、その中を見た。
人影があったから――かもしれないし、
何かしら物音が気になったのかもしれない。

>>910しだい、という意味だ。

910リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 19:58:17
>>909

談話室には誰もいない。
ただ、『妙な物』が一つあった。
『人形』だ。
赤いドレスとボンネットを纏った『西洋人形』が、ソファーに横たわっている。
その両目は閉じられ、まるで眠っているように見えた。

     ……………… ……………… ………………

          ――――――誰かが置き忘れていったのだろうか?

911真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 21:18:58
>>910

「…………」

人影に見えたのが小さな人形だった得心は、
すぐに『なぜそこに?』という疑問に変わる。

「………………」

         キョロ

悪い目つきで周りを見渡すが、
置いたものがここにいないのはすぐにわかった。

       ……人形を愛でる趣味は特にない。


「……」

せっかく談話室に入ったので、何かしよう――
そう思って『ケトル』の置いてある方に歩く。

……ちょうど、『西洋人形』には背を向ける形になるだろう。

912リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 21:51:21
>>911

寮生なら、普段から置いてあるものではない事は分かる。
人形は古めかしく、いわゆる『アンティークドール』に含まれるのかもしれない。
目立つ汚れや破損はなく、保存状態は良さそうに見えた。

       ………………コトッ

背後から物音がした。
今のように静かな環境でなければ気付かないくらい小さく軽い音だ。
位置的には『人形があった場所』の付近だろう。

    倒れたりする物は特になかった――――はずだ。

913真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 22:03:43
>>912

ケトルにまだお湯が残っているのを確認し、
淹れ直すのも面倒だったのでスイッチを入れた。

         カチ

「…………」 

>       ………………コトッ

自分が鳴らした音ではないし、
人が部屋に入った気配もない。

「今お湯触ってるから……ドッキリは危険ですの。
 思わずわたくし、全部ぶちまけちゃうかもしれないですし」

誰もいないとは思いつつ、チラッと後ろを見ながら忠告した。
もちろん、今のところぬるま湯程度でしかないのだが。

914リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/28(火) 22:20:50
>>913

振り返ってみても、やはり誰もいない。
先程までと同じく、そこにあるのは人形だけだ。
しかし、何もかもが変わらないかというと、そういう訳でもなかった。

     ……………… ……………… ………………

『人形が起きている』。
両足を伸ばした姿勢で、ソファーの上に座っていた。
『起きていた人形が倒れる』のは、それなりに有り得そうな事だ。
では、その逆は?
おそらく滅多に起こるものではないだろう。

       ジッ

大きく開いた両目。
青く透き通った硝子の眼球が、真横田を見つめている。
もちろん『そう見えるだけ』だ。

         ――――――普通なら。

915真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/28(火) 23:33:56
>>914

「……………………………ふーん?」

人形に歩み寄り、明るい紅色の瞳で見つめ返す。
真横田ニケは『知らない物がある』事を『知った』

        スッ

「どっかでご覧になってるんでしょうけどね。
 こーいうことがお愉快だっていうのは、
 わたくしも、ご理解してさしあげられなくはないし。
 ええー、100歩譲ってしてさしあげるだけ」

          ・・・手を伸ばす。

「まー、手の込んだドッキリに敬意を表して、
 せっかくなので、お付き合いして差し上げますの」

『人形を動かす何か』を仕掛けている。
そしてここが学生寮の談話室であり、
自分はここを偶然訪れただけな以上、
単なる『いたずら』くらいの意味だろう。

そう考えたから、対応するために行動した。

「幽霊の正体見たり――――」

もちろん…………『リトル・メリー』の正体は、知るはずもない。

916リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 00:22:13
>>915

倒れていた人形が独りでに身を起こしたように思わせる。
本気でやろうと考えたなら、決して不可能ではないだろう。
ただ、一見したところ、仕掛けらしいものは見えない。
もしイタズラなら、なかなか巧妙に仕組まれているようだ。
確かに『手が込んでいる』。

「――――――『幽霊』じゃないわ」

指先が人形に触れる直前、真横田だけの談話室に『声』が聞こえる。
幼い少女に似た声色。
そんな人間は、ここにはいない。

  「ビックリさせないように、そっと起きたの」

     「『熱いお湯』って危ないものね」

    「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

どこか底知れない笑い声が響く。
ソファーの上――――『真横田の正面』から。
そして、そこにあるのは『人形だけ』。

917真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 21:57:29
>>216

「ッ!?」

         バッ

           「………………………なっ」

突然の声に飛び退き、『それ』を凝視する。

「……えへえっ、なんですか! 手が込み過ぎですの。
 どこかに『マイク』でもお付きになってます?
 しかもイタズラのくせに気遣いバッチリって、
 それとも………………………」

         キョロッ

周囲を見渡す。

「…………もしかしてですけど、
 いや、別に全然……あり得なくはないですね」

やや離れたまま、再び人形の顔を覗き込んだ。
そもそも『イタズラ』でここまで仕掛けをして、
しかも来るかも分からない人間を狙うよりは。

「人形のお嬢様……あなた、『そういう能力』ですか?」

あり得る可能性はもっと高い…………『スタンド能力の産物』なら。

918リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/29(水) 22:34:05
>>917

現代の機械は『小型』かつ『高性能』。
人形が動いたように思わせる事も出来る。
喋っているように見せかける事だって可能だろう。

「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

そうだとしても、手間を掛けるには相応の理由がいる筈だ。
偶然やって来ただけの相手を引っ掛ける為に、ここまでする人間は稀にしかいない。
有り得ないとは言い切れないが、それと同じくらいか、
それ以上に有り得る『別の可能性』も存在する。

      「『能力』?」

極めて自然な動作で、人形が小首を傾げた。

    「――――分からないわ」

考えるような仕草の後、短く言葉を返す。
『メリー・バッドエンド』の能力は、『魂』を移す事。
だが、この西洋人形そのものは、『魂を移した対象』ではなく『本体』なのだ。
そして、『自分が何者であるか』は本人さえも知らない。
おそらくは、誰にも分からないだろう。

「わたし、『リトル・メリー』」

         スウッ

『名前』を名乗りながら、ソファーの上で人形がスムーズに立ち上がる。

919真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/29(水) 23:10:21
>>918

「ふぅん…………わからないならしょうがないです。
 わたくしもよく分かってませんからね。
 『無知の知』ってヤツ?」

自然な動きを見せる『リトル・メリー』に、
どちらかといえば警戒より関心が勝る。

「わたくし『ニケ』です。
 よろしく、メリーさん」

頭などは下げずに挨拶を済ませると、
隣に座って目線の高さを近づけた。
立ったまま話すのも疲れるからだ。

「ハタから見たら今のわたくし、
 お人形さんとお喋りするイタい女ですの。
 それ込みのドッキリじゃないでしょうね」

          キョロ

「まー、そんな事はないですか。
 普段はお見かけしないけど、あなたどこから来たんです?」

誰かの私物なのだろうか――?
真横田ニケは現状、これを『何』とするか判断に迷っている。

920リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 00:21:38
>>919

「『ニケちゃん』――――」

「ウフフ、覚えたわ。
 メリーは人の『顔』と『名前』を覚えるのが得意なの」

「『絶対に忘れない』から」

どことなく意味深長な言葉と共に、青い目がニケを見上げる。
光を受けて美しく輝いているものの、そこに『生命』は宿っていない。
人間の意思によって創造された『理想的な瞳』があるだけだ。

「わたし、『船』に乗って来たの」

「『ずっとずっと前』に」

質問の意味を少し誤解したらしく、そのような答えが返ってきた。

「それから『学校』にいたわ。
 もうなくなってしまったけれど」

リトル・メリーは『親善大使』として日本に贈られ、当時の学校に寄贈された。
まだ西洋の人形は珍しく、子供達から愛され、良き遊び相手となっていたのだ。
しかし、それは永遠には続かず、
あの学校も戦火で焼けてしまい、面影さえ残っていない。

「今は町外れの『教会』にいるのよ」

『鷲津ヨハネ』という『修道女』と出会い、
何度か遊びに行く内に、いつの間にか居着く形になった。
何となく『居心地』が良かったのだ。
『教会を訪れる人間の心』に興味を抱いたというのもある。

921真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 18:58:35
>>920

「ちゃんでもサンでもいいですけど、
 忘れない方がお得ですからね。
 わたくしは、わたくしを買ってくれる方に、
 『勝ち』を分けて差し上げる予定なので」

根拠の無さそうな自信を浮かばせ、人形に答えた。

「はあー、しっかりしてますの」

聞いた話への返答にはややズレているが――
内心はこうだ。『設定がしっかりしている』。

「そうなるとわたくしよりずっと、人生の先輩なわけですね。
 まあ、だから敬うというわけではないですけど……
 えっへっへ、ご重厚な人生経験を、お頼りにさせてください」

真横田ニケは『知らない物がある事』は知っているが、
その領域の『スタンド』という名前を知ったからこそ、
純粋なオカルトの領域からは目が逸れていた。

――――『生ける舶来人形』をそのまま受け取る下地は無い。

                   ・・・ カチ

「ああ、お湯が沸きましたわ。
 あなたは食べ物とかは食べるんですか?」

ケトルの方に歩いて戻りながら、首だけ振り返って尋ねる。

922リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 19:30:38
>>921

スタンドを持つのは人間に限らない。
それ以外の生物であっても発現の余地はある。
しかし、『生物ではないスタンド使い』は、極めて少数だろう。

「メリーはね、『お食事』しないのよ」

人形なら、まぁ当然ではある。
『そういう体裁』だったとしても自然だ。
『食べなくても死なない』というのは、『永遠の命』と呼べるのだろうか?
そもそも『命がない』という方が正しいのかもしれない。
『魂』と『命』の明確な違いは、メリー自身も良く分からなかった。

「ニケちゃんはどこから来たの?」

       ゴソ

ケトルに向かうニケを眺めながら、
真紅のボンネットを脱いで、そこから『何か』を取り出す。
折り畳まれた紙のような物だった。
かなり古い代物らしく、経年劣化で変色している。

923真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:04:45
>>922

「ええー、そうだろうとは思いましたの。
 省エネで大変よろしいとも思います」

人形に『口』も『消化器』も無いだろうし、
それくらいの設定を間違える、とも思えなかった。

「わたくし東の方から来ました。
 こういう寮生活に憧れてましたし、
 高大一貫校に入りたかったので」

            コポポポポ

「あなたみたいに、お海の向こうではないですけどね。
 新幹線にでも乗れば、すぐ帰れる距離です」

カップにコーヒー粉と、お湯を入れる。
こだわりはないが、コーヒーが好きだった。

「……それは? お買い物のメモって訳でも、
 あなたのおトリセツって訳でもないんでしょうね」

席に戻りながら、視界に映る謎の『紙片』に視線を落とす。

924リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 20:35:31
>>923

コーヒーで満たされたカップを見て、それからニケに視線を戻す。

「今は、ここがニケちゃんの『おうち』なのね」

「ここに来れば、ニケちゃんに会えるかもしれないのね」

「ウフフフフフフフフフフフフフフフフ」

         ソッ

愉しげな笑い声を交えた相槌を打ちながら、メリーの手で紙片が開かれる。

  「これはね、とっても『大事なもの』なの」

     「船に乗る前にもらったのよ」

そこには『英字』で綴られた文面が整然と並ぶ。
真っ先に目に入るのは『VISE』と『Passport』の単語だろう。
どうやら、これは『ビザ兼パスポート』らしい。

           「見て」

          スッ

  「ここの所に『スタンプ』を押してくれたの」

小さな指で示した場所には、確かに『押印』がされていた。
『小道具』に気を遣っているのも『演出』の一環だろうか?
『こだわり』がある――――のかもしれない。

925真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 20:54:49
>>924

「ええー、会える時は会えるでしょうね。
 わたくし学生ですから、
 平日とか、いない時はいないですけどね」

真横田ニケはどちらかと言えば外出が多い。
必要なものは、外にあるものだからだ。

「見せていただいていいんですか?
 大切なものなのに。
 まあ、見せてくれるなら遠慮しませんけど」

          ズイ

無遠慮に紙を覗き込む。
さほど英語力が高いわけではないが……

「ヴィ……アイ、エス……ヴィセ?
 パスポート…………ああ、『ビザ』! えっへへ」

       「どう見るか分かりませんけど、
        たしかにとっても大事ですの」

『ビザの見方』を詳しく知るわけではないが、
それが偽物にはなんとなく見えなかった。

「お海の向こうではあなた、どんな暮らしをしてたんです?
 わたくし、海外での暮らしにもちょっとは興味があります」

ずっと前海外から来たのは,部分的に本当なのだろう。
『メリー』の親か、そのまた親なのか――

・・・あるいは、もう少し非現実を現実として捉えるべきなのか。

926リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 21:38:31
>>925

ニケの問い掛けを受けて、記憶を辿るように頭を揺らす。

「メリーは大きくて広い場所にいたわ。
 わたしと似てる子が大勢いて、そこで順番を待ってたの」

思い出せる範囲で、最も古い記憶は『工場』だった。
『メリーを送り出した団体』が、そこに人形を発注したからだろう。
その頃から『魂』があったのか、
あるいは人形に何らかの形で保存されていた情報が、
魂が宿った後で記憶として蘇ったのか。
詳しい原理は分からない。
ただ、メリーの認識としては『そう』なのだ。

「メリーはね、みんなと『友達』になるために生まれてきたんですって。
 『親善大使』っていうの」

    「『お父さん』が、そう言ったのよ」

メリーが『父』と呼ぶのは、人形を製作した会社ではない。
人形を『友好の架け橋』として、先入観のない子供の内から、国同士の信頼関係を築く。
その計画の発案者であり、その為に人形を発注した人物が、メリーにとっての『父』だった。

927真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/30(木) 22:22:23
>>926

「……へえー? そうなんですの。
 言っちゃえばあんまり想像がつかないですね、
 お人形が作られる光景っていうのは……」

            ズズズーッ

「職人さんが一体一体手作りで、
 というのはマンガなんかで見ましたけどね」

コーヒーを啜りながら、相槌を打ち。

「生まれた意味がハッキリしてるなんて、
 人間だったらそうそうないですけど」

           トン!

軽くなったカップを置いた。

「『親善大使』だなんて偉い立場じゃないですか。
 それで、今も人間の教会に馴染んだり……
 こうして人間とお話をする役目を果たしてる、と」

         「大層、ご立派ですの」

事実、それが『設定』なのだとして、
貫徹するための努力は並々ならないだろう。
少なくとも『趣味』とか『ドッキリ』とか、
そういう域を超えた『こだわり』を感じる。

「わたくしも親に言われましたよ。
 『誰にも負けない女になりなさい』……って。 
 まー、『誰にも負けない』なんて無理ですけどね」

ふと、時計を見る――別段急ぎの予定ではないが、
単に談話室には立ち寄っただけだ。

「これを飲み終えたら、そろそろ行く時間ですね。
 お話できてわたくしのためになりました。どうもありがとう」

928リトル・メリー『メリー・バッドエンド』:2023/03/30(木) 23:08:01
>>927

「メリーはね、たくさんの『お友達』を作りたいの」

リトル・メリーは、明確な『使命』を授かって、この国に送り出された。
だが、結果的に役割を果たせず、その事を残念に思う気持ちがある。
だからこそ、数十年の時を経た今も、
『自らが生まれた意味』を全うしたいと考えているのだ。

『愛情』と『憎悪』が入り混じり、『歪な形』に変わってしまった後も。

「だから、ニケちゃんもメリーの『お友達』よ。
 これからも仲良くしてね」

        「ウフフフフフフフフフフフフフフ」

やや一方的ではあるが、言葉を交わした事で『友達』として認識されたらしい。
『友達』は『裏切らないもの』。
『友達を裏切る者』は『友達ではなくなる』。

         ゴソ

『ビザを兼ねたパスポート』を、大事そうにボンネットの中にしまった。

「メリーは、もう少しここにいるわ。
 『他の子』に会えるかもしれないから」

      ストン

「ニケちゃん――またメリーとお話してね」

ニケとは反対に、ソファーに座り直し、小さな手を振る。

  「『青い眼をしたお人形は』」

          「『アメリカ生まれのセルロイド』」

    「『日本の港へ着いた時』」

          「『いっぱい涙を浮かべてた』」

      「『わたしは言葉が分からない』」 

           「『迷子になったらなんとしよう』」

     「『優しい日本の嬢ちゃんよ』」 

         「 『仲良く遊んでやっとくれ』」

談話室を立ち去るであろうニケの後ろから、人形が口ずさむ『歌』が聞こえる。
『青い眼の人形』という童謡。
戦前に流行し、戦時中は『敵国の歌』として、歌う事を禁じられていた。
メリーは、この歌が好きだった。
おそらくは、ニケがいなくなった後も、その歌声は静かに続くのだろう――――。

929真横田ニケ『エンジェル・ウィッチ』:2023/03/31(金) 00:06:50
>>928

「種族人間じゃなくても……
 人間関係は『力』になりますからね。
 友達が多くて損は何もしないでしょうね」

       「こちらこそよろしくですの」

友達になるのに重い決意はいらず、
友達同士は力を貸し合える物だ。
得体の知れない存在であっても。

「『談話室』はおしゃべりの部屋ですからね。
 待ってれば出会いはあるかもしれません。
 わたくしも、ここでメリーさんを見かけたら、
 なるべく話しかけましょうかね。ええー、なるべく」

「それじゃあ、また」

そうして、カップを洗って元の位置に返すと、部屋を出て行った。

930御影憂『ナハトワハト』:2023/09/02(土) 07:09:34

学生寮――――談話室。

          「――――――………………」

白いロングワンピースの女が、床に這い蹲ってソファーの下を覗き込んでいる。
その前髪は異様に長く、顔の大部分を覆い隠してしまう程だ。
同じ寮生なら、姿を見た事があるかもしれない。

     女の傍らは『空っぽのケージ』が置かれている。

931御影憂『ナハトワハト』:2023/09/05(火) 11:41:11
>>930

    ゴソ………………

一通りの確認を終えて、おもむろに立ち上がる。

        カチャ………………

『ケージ』を持ち上げ、歩き去っていく。

            スタ スタ スタ………………

932甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/24(日) 12:28:10
12月24日 >>933の部屋
本日はここでクリスマスを過ごすようだ

自由の場が埋まってるからここを使っているだけで
別に学生じゃなくても良いし部屋じゃなくても自宅でも良い

933甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2023/12/25(月) 20:06:32
>>932
エッグノッグ、シャンメリー、コカコーラ等
みんなバラバラの飲み物を飲みながら話をする
クリスマスは何の映画を見るかについてだ

阿部マリア「だから、クリスマスはホームアローンだって言ってるじゃありせんの!!!」
クリス「ホームアローンは金曜ロードショーでやっただろ、ダイ・ハードを見るべきだよ」
マリア「クリスマスにダイ・ハードを見るべきなんて科学根拠はないだろうが!!!」
あま「ジングル・オール・ザ・ウェイでしょ」

意見もバラバラだが、食べるケーキは一緒だ
ネットで注文したケーキを開封するあま公達だったが…

マリア「おい、ケーキが崩壊してるじゃありませんのッッッ!!!」
クリス「うわぁ、これは酷い…」
マリア「どこの店に注文したんですの貴様ら!?」
クリス「高島屋…」

高島屋のぐちゃぐちゃのケーキを見てどうしたものかと悩んでいると

りん「こんな事もありうかと思って、作っておいたよ〜」
マリア「おぉ!気が利くじゃありませんのりの字!」
クリス「いや、それって…」

りんの作ったケーキをホール毎手掴みで食らうマリア

マリア「おぉうめぇ…う…」
マリア「うげ…げ…」

りん「あっ、ごめん」
クリス「やっぱり鈴蘭ケーキだったか…」

クリス「まぁ今はケーキを食べよう」

高島屋のストロベリーフリルショートケーキを食べるあま公達

りん「うん、ちゃんと美味しいね」
クリス「まぁ食えなくはない」

マリア「……」ピク ピク
あま「これは?」
クリス「後で病院に連れてこう」

           ★
            [~] ))
          (( [~~]
          [~~~~~]
  ∧__∧    [~~~~~~]
 (;`・ω・) [~~~~~~~~~]
 /    O━━━━━
 しーJ
               ミ ★
              ミ [~]
               [~~]
       アッ !  [~~~~]
  ∧__∧て  [~~~~~~~]
 ( ´ ゚ω゚) [~~~~~~~~~]
 /   O━━━━━
 しーJ

   ∧__∧ 
  ( ´・ω・) /~~ヾ
c(__U__U /~~~~ヾヽ★

              終
            制作・著作
            ━━━━━
             ⓃⒽⓀ

934雑賀 王城『候補生』:2024/05/25(土) 17:46:09

「―――――――さて、っと」
 

            ピンポーン


インターホンを鳴らし、入館する。
学生証を持っている事もあるので、
特に止められるようなことも無いだろう。

(『猿田君』の話では、ここに『魔法使い』か、
 その『関係者』…・・『者』? がいるらしいが。
 ま、早々都合よく見つかりはしないにせよ、だ)

       ザッ

(策無く町を歩き回るよりは見込みがあるからな。
 まァ、それでこの前上手くいったのはあるんだが)

『寮生』ではない生徒の出入りは、
珍しくはないとはいえ目立つものだ。

周囲を見渡している『雑賀』のような様子は特にだろう。
もっとも、声をかけられるためにそういう仕草をしているのではなく、
『魔法』らしき現象でもないか、という視線ではあるわけだが……

―――――――――――――――――――――――――――――――
●『魔法の呪文はおこのみで!』関連の活動です。
  対応いただける方は、以下の詳細を確認の上よろしくお願いいたします。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/319

935一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/25(土) 23:18:03
>>934
「はーい」

中から出てきたのは涼しく刺すような玲瓏とした風貌のあどけない少年。透き通った肌は血管が薄く見えて、淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳。
ウルフカットの白髪。総じて生命印刷コピーの失敗と言える奇妙な外見だ。
そして、その少年にどこか傲慢なところのある、明王様に似た顔つきの自尊心が強そうな強面の老人が殴り込むが…
全身に十字架の意匠があるスタンドに指一本で止められている。

「もうスタンドに関わるのはやめなさい!」

「いや、スタンド使いである限りは無理だよ。それ」

修羅場が発生していた。

936雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 00:29:30
>>935

       「はッ!?」

(……おいおいおいおいおい、どうなってるんだ?
 いや、本当にどうなってるんだ!?
 親子喧嘩……ッてことでいいんだろうし、
 こんな所でそれはそれでどうかと思うがッ)

        (『スタンド』!
         間違いなく『魔法』だッ)


「…………………あ、ああ、どうも。
 開けてくれてありがとうございます。
 しかしまァ、その。まずい時にお邪魔しましたかね」

      フッ

内心の動揺を顔に出さない努力をしつつ、
インターホンに応じてくれた『少年』を見る。

(白い肌だ。『アルビノ』か。
 こーゆー感想も失礼に当たるんだろうが、
 個人的には…………)

「なんでって、何せ……ぼくも。
 『スタンド』に関わろうとする人間なものだから」

           (『美しい』ものだな。
            おかしな意味じゃあなく)


『あえて』修羅場に飛び込むことにした。
これを避けて『魔法使いを探す』というのは、
あまりにも『逃げ』の姿勢といえる。
成功者は『君子』であってもいいだろうが、
これから掴む成功は『虎穴』の中にあるものだ。

「それ……『十字架』のそれが、貴方のスタンドですか?」

光景を見たら『そりゃそう』なのだが、
『雑賀』の口調にはあまり『確信』がない。
『人型スタンド』を見た経験がまだ無いからだ。

いずれにせよ……『殴りかかられる』くらいの覚悟はしたつもりだ。

937一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 01:10:02
>>936
彼の父親らしき人物は必死に殴り掛かるが近距離型……それも相当、高い精密動作性とパワーを兼ね備えたスタンドに指一つで押さえられている。

「あ、アンタもスタンド使いなのか! 頼む!
 この子をスタンド絡みの事件に巻き込まんでくれッ!!」

だが、スタンドを発現するアルビノの少年は諦観を滲ませながらあしらう。
これがスタンド使いと非スタンド使いの差だと言わんばかりに。

「私は二十人も人を斬ってきた。スタンド使いとスタンド使いは
 引かれ合う宿命。スタンド使いにとっての呪い」

「この間の事件で学んだんだ。街のために命を使うと…」

少年のスタンドが老人の頭に触れると彼は項垂れ身体全体の力が抜けて倒れてしまった。
一般人には修羅場だが能力まで見れるという好奇!
上手く少年を丸め込めば…?

「お騒がせしてすいません。中一の一抹貞世というものです」

「見えてる…? 私の『ディヴァイン・インダルジェンスが…?』」

「あぁ、これは義父が私を心配してのものですから。
 ちょっと『鎮静』しているだけです」

相当な修羅場を経験しているのか、フレンドリーなのか…
意図せずに『スタンド名』とスタンド能力について情報が知れた!

938雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 01:44:15
>>937

「…………いいや、残念なことに。
 ぼくはスタンドを『使えない』状態でしてね。
 『見えるだけ』なんです。だから『止められない』」

       (…‥呪い、命、か。
        この年で随分な話だが、
        『志』に年は関係はないか)

「『スタンド使い』は『スタンド使い』でしか。
 ……だからこそ、宿命と言われるのでしょう。
 貴方の懸念は、恐れはもっともです。
 ですが『自分がやらなきゃいけない』と、
 そう思う気持ちの方が…………ぼくは強く分かる」

倒れゆく『父親』らしき男に視線を向け、
可能であれば崩れ落ちるその身を支え、
倒れても問題がなさそうな場所に横たえる。

間に合わない可能性の方が高いだろうし、
体躯に恵まれ、それなりに鍛えた雑賀でも、
相当に手こずるのは間違いないだろうけど。

「『高三』の『雑賀 王城』だ。よろしく。
 それで……あー、お父君は問題ないのか?
 『鎮静』って言い方からするに、
 問題無いッてことなんだろうが」

     ディヴァイン・インダルジェンス
      (『神与贖宥状』とはな……
       『そのもの』のような名付けだ)

                チラ

「相当手慣れてるようだね。『スタンド』の使い方ッてやつに」

『事件』というワードや、彼の父の様子から、
『修羅場』……『一抹』にとってのそれは、こんな次元じゃあないと分かる。

939一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 02:21:59
>>938
「スタンドが見えるのに使えない…?
 そんな状態が…知らなかったです…」

「あぁ、これはですね。私のスタンドは『悪感情』を『鎮静』する
 のですがーーーーその先の『安息』という能力です」

「対象の精神を『完全安息』にする。完全安息の対象は痛みや苦しみを忘れ、また、ありとあらゆる感情が抑制され、さながら起きながら眠っている状態となるんです」

彼の義父はスタンドが頭を鷲掴みにして立たせている。
この一抹貞世という少年は二十人も人を斬ったという。
しかし、雑賀に相対する一抹は物腰の柔らかい少年だ。
それに彼のスタンドには『刃物』など一切無い。
この『ディヴァイン・インダルジェンス』にはまだ『何か』ある。

「いや、スタンド使いはスタンド使いでしか倒せないけど…
 まるで『引力』でも働いてるように引かれ合うんです」

「そう、私と貴方が偶然にも出会ったように
 これを知らないとは…もしや、スタンド使い歴は長くない…?」

何だかスタンド使いを珍しいものでも見るような雑賀に違和感を覚えた。
何も知らないならある程度の知識は教えねば…

「はっきり言って『インダルジェンス』は戦闘向けじゃないし、
 能力もサポートと言うには中途半端」

「それでも私は戦ってきました。この『慈悲の刃』で」

『インダルジェンス』の手の甲から『20cm』の長さの刃が音もなく突き出た。
何も知らなければ突き刺され手足を斬り刻まれるだろう。

「刃の傷は『無痛』で耐久性も大したことない隠し刃です」

「ところで『アリーナ』『エクリプス』『供与者』という
 言葉に聞き覚えは…?」

940雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 03:21:49
>>939

「なるほど……そりゃあ、すごい能力だな。
 ん? ああ、そうだ。これは相当『特別な状態』でね。
 ぼくも、ぼく以外で『こう』なヤツはほぼ知らないな。
 もっともスタンド使い自体もほぼ知らないんだが……
 学園とは逆で、君はぼくの頼もしい『先輩分』というわけだ」

『スタンド』について語ってくれる一抹に対して、
雑賀は特に嘘偽りのない言葉を返していく。

「あァ確かに――――スタンドが見えるようになってから、
 急激に何人ものスタンド使いに会うようになった。
 『気づいてなかっただけ』とする事も出来るだろうが、
 より自然なのは『引き合ってる』って解釈のほうだ。
 ついでに、より『イカしてる』解釈でもあるだろうな。
 『引力』……詩的な言い方だな。嫌いじゃあない」

       フフッ

「そうなると、ぼくら一人一人が『星』のようなものか」

その反応から、一抹はこの貴公子然とした先輩が、
スタンドについては素人同然なのはますます見抜けるだろう。

「『慈悲の刃』ね……」

         (戦いに向かない……物は言いようだな。
          確かに『戦闘向け能力』じゃあないが、
          この武器! そしてメンタルケア。
          『戦場』にいればどれだけでも活躍するだろう。
          ……恐らくこの彼の『戦いぶり』もあってな)

「なるほど、そりゃあたいそう慈悲深い性質だ。
 いや、教えてくれてありがとう」

『ディヴァイン・インダルジェンス』については、
これまでに得たスタンドの情報よりも数段『深く』理解できた。
彼から感じる『戦闘経験』への自負と共に、内心畏怖を覚える。

「……いいや、どれもいまいち聞きなじみはないな?
 少なくとも『そう』名乗ってる人間には会ったことがない。
 ああ、『道具屋』とかいうのは聞いたことはあるが……
 不勉強で悪いんだが、もしよければ教えてくれないか、『先輩』?」

941一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2024/05/26(日) 05:04:39
>>940
「そうかな? でも、様々なスタンドを見てきたけど『精神干渉』に
 関するスタンドは『インダルジェンス』しか居なかったです」

「この『引力』がまた恐ろしいもので『供与者』と親善試合で
 手足雑巾絞りにされるわ、夢の世界でスタンド殺人鬼たちの
 野望を阻止に行ったら毒だのバジリスク操るスタンド使いに
 顔面陥没やら刺されたりして…」

「友達の助けに行ったら『エクリプス』最盛期の幹部が悪霊に
 なってて、片方はウィンクで束縛したり瞬間移動してスタンドが
 純粋に強いわ、私が相手したのも槍が止まらない限りは全てを
 弾く意味不明な強さのスタンド使いで腹を刺され…」

「他にも色々ありますが省略しましょう…
 スタンド使いになるということは一年中死ぬ目に遭う。
 これは呪いです。あなたが本格的にスタンド使いになれば…」

この一抹という少年。嘘でなければ全身に怪我を負わない場所が無いほどの修羅場にぶち込まれている。
雑賀もスタンド使いになれば一抹の如く死ぬような目に…?

「あと、えっと、この街にはスタンドを与える『音仙』『欲の部屋』
 というスタンドを一般人に与える三人のスタンド使いがいます」

「この街にはかつて『エクリプス』という悪逆の限りを尽くした
 スタンド犯罪集団がいて、この街の裏を取り仕切る『アリーナ』
 の逆鱗に触れとんでもない大戦が起きたようです」

「『エクリプス』構成員は皆殺しにされたようですが『悪霊化』や
 裏でこっそりと生き残ってる残党も少なくないとか…」

「『アリーナ』は基本的に裏社会に何かしたり金にならないことは
 しないようです。治安維持は最低限しますが金のためです。
 普段は裏闘技場というもので稼いでますね」

「一方で『供与者』たちは手に負えないのか『アリーナ』は無干渉
 『道具屋』『欲の部屋』。彼らと戦いましたがスタンドを自由自在に
 取っ替え引っ替え使うトンデモない方々でした」

「さて、『アリーナ』も一枚岩ではありません。私が知る限りは3つ
 『エクリプス』を狩りまくり影響力と鉄火場度合いでは一番の
 『タダヒト』派。あっ、連絡先ありますよ」

「一時期悪しきスタンドに憑かれた私を保護した『フーヴィアン派』」

「最後は『アリーナのド底辺』にして汚点、『最中派』
 負けた女性ランカーを凌辱するカスでクソみてぇな派閥です」

「石柱をぶん投げる相手と戦って勝利!!
 と、思ったらいつの間にか私が『最中派』所属にされていたのです」

「と、この街の歴史はこんなものでしょうか?
 不安なら信頼できるスタンド使いの連絡先を教えましょうか?」

この小さな身体でどれだけの体験をしたらそんな知識を得られるのかというほど街の裏事情を語った一抹。
二十人斬ったというのも本当かもしれない…?

942雑賀 王城『候補生』:2024/05/26(日) 13:06:06
>>941

『一抹』からの丁寧な説明を、
細かく相槌を挟みつつ聞いていた『雑賀』。

      「…………………なるほどなァ」

(『作り話』…………にしちゃあ『精巧』すぎる。
 後々どこかで裏をとる必要はあるだろうが、
 全く……『魔法』の世界も一筋縄じゃあいかないな)

「あー、なんだ。まずは礼を言わせてくれ。
 多分だが手慣れたスタンド使いの中でだって、
 ここまで色々知ってるヤツは多くないだろう。
 修羅場に突っ込まないと知り得ない話もあるし……
 そこで得た『コネクション』もあるわけだからな」

この『一抹』少年は、相当『深い所』にいるようだ。
少なくとも『猿田』や『エリー』とは少し違う。
彼らが『至らない』というわけではないのも、
彼ら自身の『スタンドへの慣れ』から伺える。
『一抹貞世』が、ある種の『特異点』なのだろう、と。
  
     (『二十人斬り』……
      それも『イメージ』じゃあなさそうだ。
      だが同時に随分世話焼きなヤツでもある。
      危なっかしい……と取ることも出来るな)

「深く聞きたいところは色々あるわけだが……
 一つだけ宣言させてもらうとすれば、
 『呪い』は当然、試練として受け入れるつもりだ。
 ぼくは『スタンド』を使って成したいことがある。
 あぁ、もちろん進んで他人と争う気はないんだが……
 そういう機会が来ることは、元々織り込み済みだ」

      「『体験』していない以上は、
       泣いて後悔するかもしれないが……
       泣きながらでも進みたい道がある」

『一抹』の心配にだけは、返答をしておく。

「連絡先は……ありがたい申し出じゃああるわけだが、
 そうだな、一旦『一抹君』の連絡先だけを教えてくれないか?
 コミュニティに加わるのは、ぼくが『一人前』になってからで遅くはない」

     (……『魔法集め』にはうってつけだが、
      広げ過ぎるリスクもあるからな……
      例えばその中に『美作くるみ』や、
      『朝山』がいたとしたら妙なことになる。
      ……強く勧めてくれるなら、断れはしないが)

「今のぼくは、ギブは出来てもテイクが出来ないから、ね」

それから、連絡先交換のありがたい話にもだ。
スタンド使いを大量に知ることが出来れば『試験』において有利だが、
『未知のリスク』を大量に背負うことになるだろう。

もっとも、固辞するほど危惧しているわけではないのだが……


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