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【妄想爆発】チラシの裏【大上等】

1名無しさん:2012/07/23(月) 20:55:39 ID:FfmC0Dnw
勝手にスレを立てさせて頂きました。

薄汚い妄想だろうが職人のSSにも満たない話など、何でも良いから書きたい事は此処に書け!

Q、何か書きたいけど投下する勇気が持てない…
A、恐れるな! 勇気と誇りを持って書きこもう! 我々はアブノーマル! どんな話(餌)にも食いつくのだからぁッ!

182適当:2012/11/23(金) 11:06:00 ID:z4YPwsi.
試練3 若葉

DAY5
俺が、朝目を覚ますと…もう言う必要はないだろうか。そう、わかっている通り何一つ部屋に備え付けられているものは変わっていない。毎日、確実に変化するのは、食事ルームから漂ってくる匂いだけだ。それともう1つ寝起きで変わった事は、手元に置いてあるバッチが青色の“β”から紫色の“θ”になった事ぐらいである。俺は、紫色の“θ”のバッチを手に握るも、もう一つ重要な事(雌には気にする必要はない、雄特有の事である。)を確認する為、自分の寝ていた場所と下腹部の粘り気を確認した。

「ふう…。何とか夢精(だ)してはいないな。」

別に夢精(だ)してしまっても悪い事ではない。発情期を向かえている男(雄)なら誰しも経験した事はないだろうか。異性の事に興味を持ち始めると、たとえ好きな女性(雌)はいなかったとしても、成長過程で得た性的な知識や、興味本位でパソコンや携帯電話でこっそりとみた“そっち系”の動画を見ることにより、寝ている内に自然に雌と性交(し)ている(もしくは、前戯)夢を見てしまい、現実に目を覚ますと、つい“あちゃ”と呟いてしまう程、下腹部が取り返しのつかない事になっていたという経験だ。俺が言うのも何だが、“そっち系”の妄想をしてしまっても、女性(雌)のように下腹部が簡単に濡れずに、真正面からの見た目を隠せばいいから、男(雄)の方が楽だ!!と思って油断してはいけない。俺も学生時代の頃は、その意識を持って過ごしていた。だが、高校3年の春に“綾”と出会ってデートを重ねていく内に、度々朝起きたら“やっちゃったな…”とか“あっ!!はぁ…”とため息がつく程下腹部を汚した事があった。思春期を迎えた雄に“異性とのいやらしい行為を想像せずに日常生活を過ごせ!!”と言われてもほぼ不可能な話だ。雄は生殖機能が発達すると、“子孫を残したい”と本能に基づいた意識が、理性を押しのけて脳内を支配し始める。世の中でよく言われる“できちゃった婚”とあるが、それは雌と付き合う雄が本能に抗えずに…言い方は悪いが、犯してしまったと言えるだろう。本能に抗え、理性を保ちやすいという点では、実は雌の方が優れていると言えるのではないだろうか。俺と闘った淫乱な雌達の事はまず忘れて欲しい。雌は必ずしも雄に興味を持たない為、性欲を満たさなくても食欲と睡眠欲を満たすだけで、ある程度やっていけるからだ。

183適当:2012/11/23(金) 11:11:02 ID:z4YPwsi.
おっと、こんな性に関してのくだらない話はもうやめにして現実に話を戻す事にする。スーツを脱ぎ下腹部に粘り気がないのを確認し、安心して“ほっ”と一息ついた所に、腹が“そんなくだらない事考えてないでさっさと何か口に入れろ”と言いかけるように腹が鳴ったので、食事ルームから漂ってくるいい匂いを辿り食事ルームへと歩を進めた。

「今日は…トーストにスクランブルエッグにベーコンにサラダ…そしてドリンクは…何か白いが…牛乳でいいんだよな?」

食事のトレーに盛りつけられていたのは、バターの香りを放つ食パンのトースト2枚(2切れ)に卵焼きを砕いたようなスクランブルエッグに“普段この長さでは焼いて食べないだろう”と思える程のベーコン2切れに、ドリンクはほぼ無臭の牛乳のような液体だった。俺が“牛乳”と決めつけてしまったのは、“何の飲み物かはわからない”というままでは、怖くてなかなか口に含めない。なぜなら、監禁されている上での食事だからである。俺は絶対にこんな所で死ぬわけにはいかない。“綾”にも会いたいし、何よりも長年憧れだった父と同じような現場で働けるからだ。と言っても、PIA(アメリカのポケモンによる諜報機関)にスカウトされたので、エージェントになるか、特殊部隊に配属されるかはまだわからなかった。他にもいろんな部門があるが、俺は工学の知識技術は持っていないし、医療技術もさほどのものではない。その為、俺にはこの2種類のどれかに配属される事はわかっている。俺の希望をあげるなら、エージェントというスパイ活動に配属される事だ。父のように“戦前”に立ちたくないという訳ではなく、一人で敵地に潜入し、緊迫される状況の中で任務を無事遂行させた時の達成感を味わってみたいからだ。エージェントは特殊部隊よりも遥かに知識が多く武器の扱いも長けていなければならない。故に、特殊部隊よりもエージェントの方が難易度が難しいと言えるだろう。俺は、“毒殺されるかもしれない”という事から“死にたくない理由(ワケ)”を振り返りながらあっと言う間に食事を終了させた。残るは謎の白い液体だけとなり、俺はしばらく飲む事を躊躇していた。

184適当:2012/11/23(金) 11:17:36 ID:z4YPwsi.
「毒ではないよな…?」

そう呟き白い液体の入ったグラスを鼻に近づけても何の臭いも感じ取れない。目を閉じ神経を集中させて嗅ぐが、やはり何の臭いもない。俺は“情報”が全く得られない事に不審感を抱き、しだいに脳内が恐怖に支配されていった。

「くっ…ギャンブルか。くそっ…。」

俺は深呼吸をして、今度は液体の粘度と浮遊物がなんであるかを調べる為、にグラスを覗き込み、グラスを傾けた。が、そこからも何も“情報”は得られない。俺は死の縁のギャンブルをやらされるハメとなってしまった。

「殺されるとすれば、俺がこの施設を知りすぎた時だ。落ち着け…。」

俺はトレーにグラスを置き1日前からの記憶を辿っていた。青色の軍服を着たシャワーズとの戦闘、紫色の軍服を着たエーフィとの戦闘。入手したアイテム、入手した軍の情報、使われた技、勝因など全てを思い出した。すると、卑猥な事で次第に恐怖にかられた。俺は二匹とも性交(俺が望んだわけではないが)をし二匹とも膣(ナカ)に俺の子種を植え付けている。もしも、この2匹が自らの性欲を満たすというのは全くのデタラメで、俺の遺伝子だけを取ってこいと命じられているだけだとすればどうであろうか。さらに、俺を見ると他の雌達も性交を求める可能性があり、雌達をこれ以上はらませない為に俺を始末し、遺伝子採取を終わらせるという事もあり得る。だが、これはあくまで俺の行き過ぎた妄想であり事実ではないかもしれない。故に、そう言える根拠が見付からない。もう俺の頭に残っている“情報”を絞り尽くしたので考えることを止め、ついに俺はグラスに手をかけた。

「飲まないという選択肢もあるが、ここ以外では水分を摂取する方法はない。」

俺は意を決して震える手で口に一口液体を含んだ。味は、牛乳の味は全くせず金属と酸味のある味がした。“しまった…毒だったかもしれない…。”後悔してももう遅い。俺の脳内は絶望、死という二つの言葉に支配されその他には何も考えられなかった。

185適当:2012/11/23(金) 11:23:09 ID:z4YPwsi.
「ここで死ぬのか…くそっ…。」

気が付くと俺の頬には涙が伝っていた。せっかく愛する雌を手に入れ、憧れの職業に就けるというのに、その旅の途中に監禁され、無理矢理死闘を強いられ、挙げ句の果てには“邪魔になったから殺す。”運命の理不尽さと神を深く恨んだ。“俺が一体何をしたと言うんだ!!何故こうも残酷な運命を突きつける!?”と神に向かって問いかけていたその時、俺は体にある異変を感じた。

「あれ?死なない…。それどころか…体の筋肉が変化している気がする…。」

“やった!!助かった!!殺さないでくれてありがとう!!”と思いつつも効果がわかったので、その液体を一気に飲み干した。すると、同様の変化が倍となって返って来た。俺はある可能性があることに辿り着いた。

「新しい技が撃てそうな気がする。しかも、かなり強力な技が。」

関係ない話だが、実は白い液体を飲んでいる最中に綾との性交でのある一部分を思い出していた。俺は自分の自宅のベッドで裸になり綾が俺へのフェラチオを終わった時に、「見てこんなに出たよ。」とか言って口を開けて俺が出した白いドロドロの液体を見せつけてきた事があった。俺は顔をしかめて「気持ち悪いから、早くそいつを吐き出すかどうにかしてくれ。」と要求すると綾は「仁君のはおいしいから出さないよ。」とか言い返して来て、綾自ら俺の精子(モノ)を全て飲み干した。ここまでは、普通のあり得る性行為の光景だ。だが、問題はこの後だ。その後に綾は「ねぇ、キスしよう?」と問いかけてくるのだ。俺は、それが嫌になり思わず「どうして?」と非常識かつかなりムードをぶち壊す返答をしてしまった。彼女は涙ぐんで、「愛し合っているのに理由なんかいるの?」とせがんで来たので、俺は仕方なく「わかったから泣くな。」と言って嫌々ながらもディープキスを行った。気づく男(雄)は気づいたかもしれないが、俺がキスをすると嫌でも自分のモノから出た精子(モノ)の味を体感しなくてはいけなくなるからだ。よく雌は、「おいしいから大丈夫だよ。」というような内容で返答して勘違いをしている。よく考えて欲しい、自分の汚い所から出した精子(モノ)なんて味わいたいと思う雄がいるだろうか?同性愛者の雄以外は全員が全員ハッキリと“いやだ”と答えるハズだ。それを分かっていない雌達は、ディープキスの前にうっかりとフェラチオを優先してくる。

186適当:2012/11/23(金) 11:28:53 ID:z4YPwsi.
“順序が逆じゃないのか?”と怒って問いかけたかった所だが、綾は普段から可愛らしく、涙ぐんでいる姿に鉄槌はおろせないので、もうこっち(俺)が折れる(受け入れる)しかない。雄は、雌の涙に弱い。さらに、可愛らしい見た目が加わっているので、これは交渉の材料としてはかなり反則…いやイカサマとも言えるのかもしれない。さて、【死→最低な話題についての俺の意見→可愛い雌+涙=イカサマ】論を繰り広げた所で話を現実に戻すことにする。俺は体に感じる新しい感覚から一つの可能性を試す為に中央へ行き、特に強化されたと感じた部分を思いっきり振った。

シャン…シャン…シャン…
「あ!!これはいつも尻尾を振る時の音じゃない…。何か尻尾に刃物をつけて思いっきり振ったみたいだ…。」

振る度になる金属音に俺は感動していた。今までこんな経験はなく尻尾は武器にはならないとばかり思っていた。だが、この刃物の重低音を聞くと新しい武器を手に入れたという喜びが湧き上がって来た。

シャン…シャン…シャン…シャン…
「すごい…。何回振っても同じ音だ。完全に、思いっきり振った時の音が変化している。」

数回振った所で満足したので、この尻尾を使った攻撃技に名前を付けることにした。いいネーミングはないかと必死に頭を振り絞ったがなかなか出てこない。

「う〜ん。金属、もしくは刃物のような尻尾…そうだな、ブレードテイルにしよう。アイアンでは安直過ぎるからな。」

金属というと、一般的には鉄だ。金や銀や銅という選択肢もあるが、俺はそこまでお金持ちじゃないし、そんな物が尻尾を強化するハズはない。体を構成している主な金属は【ナトリウム・カリウム・亜鉛・鉄】だ。技名を選ぶとしたらこれらから文字って付ける訳だが、仮に【ナトリウムテイル】や【カリウムテイル】などと名付けた場合、何かすごくダサく感じないだろうか。それに【ナトリウム】も【カリウム】もそんなに強い金属ではない。次に亜鉛だが、これはもう技名として使うのはおかしい。最後に残った鉄=アイアンが必然的に最終候補にあげられる訳だが、俺はどうも納得がいかなかった。

187適当:2012/11/23(金) 11:49:44 ID:z4YPwsi.
「我ながらいいネーミング…。いいセンスだ。」

誰もその事をほめてくれる訳でもないのに、俺は一匹でにはしゃぎ、一匹でに口元を吊り上げていた。こうして、俺は2本の刀を手に入れる事となった。しかも、最大の利点は前からの攻撃を空中後転でかわしても相手にダメージを与えられることだ。距離はかなり近くないと成立しないが、接近戦闘に長けている俺にはこれはありがたい。さらに、スサノオを振ってかわされても、さらに尻尾で逆から挟み撃ちに出来る。これも相当な技術が必要だが、俺にはそこまで出来るという自信に満ちた“確信”というものが溢れていた。俺は、昨日と同じく中央で刀を振っていた。もちろん今度は1本じゃない。2本の刀を駆使出来るようにする為、刀を一心不乱に振っていた。

ブン…ブン…シャン…シャン…
「はっ!!たぁっ!!ふっ!!ふっ!!」
シャン…シャン…シャン…ヒュ…
「はっ!!はっ!!は!!おりぃやぁ!!」

昨日と同じく体が汗だくになった所でふと腕時計を見た。【12:30】と30分オーバーしてしまったが、丁度いいくらいだ。俺は荒げる息を落ち着かせ、刀をしまい、中央に立ったまま前を向き9つの扉を選ぼうとした時、重大な事に気付いた。

「あ…、そういえば“θ”のバッチを嵌めていなかったな。」

俺は二刀流を使いこなす事に必死だった為、時間も忘れ、ステージを選ぶ前にまずしなければならない事を忘れていた。急いで、“θ”のバッチを【光】と書かれたプレートの下にはめ込むと、【氾濫】の時と同じく、どこからかブザー音が鳴り、【光】という文字が【達成】へと変わり、ドアノブの下のプレートの表記が、【OPEN】から【CLOSE】という表示へ変わり、カシャと鍵をかける音が鳴り響いた。音のした【光】の扉の前へ行き扉を開けようとノブを回すが、全く回らなかった。【氾濫】の時と扉の仕組みが全く同じだったので、“バッチをはめると、それに対応した文字の扉は開かない”という事を完全に掌握して、ステージ選択の為に中央へ歩を進め、9つの扉を見つめた。扉は順に、【業火、達成、雷神、達成、闇、若葉、零下、伝説、幻想】となっている。俺は2つのステージ選択と同様にあごに手を添え考え始めた。

188適当:2012/11/23(金) 11:54:12 ID:z4YPwsi.
「ステージ選択は、いきなり違うステージにはしない方がいい。【光】が草原だったから、草原2の【若葉】を選んだ方がいいな。」

“似ているステージを選び、頭が混乱する事を避ける。”これが、俺が考えた“9つの扉”をクリアする為の最善の策だった。類似しているステージを選ぶことは、前のステージと同じ作戦、同じ戦法あるいは近い作戦、近い戦法を使うことが出来る。つまり、【光】のステージで使った戦法・作戦が、【若葉】のステージでも使うことが出来るという訳だ。同様に、ステージが森の【闇】と【伝説】も草原のステージと同じ事が言えるだろう。この瞬間俺の中で、9つの扉を行く順序がある程度決まった。光→若葉、闇→伝説という組み合わせだけは崩さないことを心がけた。体力が毎回完全に回復はしないので、体力の消耗が激しいステージを先にしてしまうとかなりの日数を有するだろう。俺は、【若葉】のステージへ行く扉のノブを捻ろうとした時に小さく独り言を呟いた。

「そういえば…若葉って誰と相手をするんだ?」

“若葉…。”俺がここから思い浮かべるのは、草タイプだろうって事以外は全くなかった。それ以外の事が当てはまらないかとなんとか頭を捻り出しても、“青々と茂っている→かなり若い年齢の相手”としか思い付かなかった。

「イメージは薄いが、考えていても仕方がない。」

前に考えた内容から、相手の姿・形を想像することを止め、俺は【若葉】と書かれた扉を開き歩を進めた。

189適当:2012/11/23(金) 11:58:09 ID:z4YPwsi.
爽やかな風、心地良く照りつける太陽、青々と茂る草、ここまでは【光】のステージと同じだった。【若葉】のステージを目を凝らして見ると、4か所に森が設置してある。その4か所は右端、左端の上と下に位置する。中央が広い原っぱで角は森という構成のステージだった。ステージを見渡していると向こう側から対戦相手の姿が見えた。

「こんにちわ。君が対戦相手?」
「あ!!なんなんだ…あの姿は…?」

対戦相手の姿は、黄緑色の軍服を着て耳と尻尾が葉のような形をしていて、体の色は黄緑…いやレモン色だろうか。瞳が、琥珀色をしたあどけない顔立ちの四足歩行の生き物(ポケモン)だった。俺は、初めて見る姿で名前はわからない。ただ、身に纏っている雰囲気で判断するなら、目の形、体の形がシャワーズやエーフィに似ている。“もしかして、これもイーブイ進化系なのか!?それとも似た他の生き物(ポケモン)なのか!?考えても仕方がない。俺は少女の質問に返答する事にした。

「そうだ。」
「はじめまして、お手柔らかによろしくね。」

“お手柔らかに…?”その言葉が妙に引っかかる。まさか、コイツも演技か?あどけない少女のフリをして、俺を油断させようって魂胆か…。”俺は、少女の言葉に首を傾げ聞き返した。

「君は未成年か。」
「うん、よくわかったね。やっぱりそう見える?」
「いや、俺は鼻が利くんでな。君からは大人特有の匂いよりも、まだ若い十代後半の匂いしかしないからな。」
「すごいね。私にはよくわかんない。」
「というか、さっきからタメ口だな。」
「え?…ごめんなさい。」

俺が年上に対しての口調がおかしい点を指摘すると、少女は目線を落としてしゅんとしていた。

「いや、特に気にしてはいない。ところで気になることがある。」
「なに?」
「お前は演技か?」
「どうして私が演技って思うの?」

俺が少女を見つめて“お前は本当の姿でいるのか”と訊いたが、彼女は平然として返してきた。ますます怪しい…。俺は再度訪ねた。

190適当:2012/11/23(金) 12:05:32 ID:z4YPwsi.
「俺を油断させようとしているだろう?残念ながらその手には乗らんぞ。」
「え…ええ!?ち…ちがうよ!!そんな…ダマすなんて滅相もないよ!!」
「は?いや、油断ならない。現に俺は同じような仮面を被った“エーフィ”に騙された。アイツはお前達の仲間だろう?」
「わ…私はそんなことしないよ!!フィがそうだったからってなんで私までって思うの!?」
「本当か?」
「本当だよ!!信じてよ!!」

俺は、自分の思い込みで少女を責めて化けの皮を剥がそうとしたが、どうやら違うようだ。彼女は懸命な瞳で俺へ訴えかけてきた。“ふざけてるとは思えない。言葉は少し途切れ途切れだが…。”さすがに、あんなあどけない顔の少女にそこまでは言い過ぎたと反省し、俺は口を開いた。

「わかった。疑ってすまない。」
「こっちこそ誤解させてごめんなさい。話し変えるけど、いつ始めたらいい?」
「君に任せる。」
「わかった。じゃあ…いくよ?」

俺は少女の合図を見て小さく頷いた。俺と彼女がしばらくお互いを見つめあっていると開始の合図が聞こえた。

『READY…GO!!』

“少女の特徴も知らない。姿も始めて見る。どんな技を使うかもわからないのに、いきなりアイテムなんか取ったってどうにもならない。”そう考えた俺は、少女に高速移動を使って急接近した。“草タイプならこの距離ではつるのムチは使えない。とすると葉っぱカッターを使ってくるハズ。”俺の思惑通りに少女は、葉っぱカッターを連射して来た。

ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン
「ふっ!!はっ!!ふっ!!はっ!!」
キン キン キン キン
「私の葉っぱカッターを刀で撃ち落とすんだね。」
「軌道が読めるからな。」
「じゃあ、これは?」

少女はまた、葉っぱカッターを放ってきた。“なんだ同じじゃないか…。この距離だと普通はつるのムチなんだが、どうしても俺に当てたいのか?”俺は勝手にそう決めつけて、刀を構えた。近くまで葉の刃が飛んできた時撃ち落とそうと構えたが、ここで奇妙な光景を目の当たりにした。

191適当:2012/11/23(金) 12:11:34 ID:z4YPwsi.
ヒュン ヒュン ヒュン…シュン…
「き…消えた!?どこへ行ったんだ?」
パッ…ヒュン ヒュン ヒュン
「な!?なに!?」
ザクッ ザクッ ザクッ
「ぐはぁ!!」

“目の前に急に葉っぱカッターが現れて来た…一体何なんだ!?”俺は急に目の前に現れた3枚の葉の刃に対応出来ず、体へ直撃させてしまった。一時的に地面にヒザをついてしまったが、痛みをこらえ、刺さった葉を体から抜くと…目の前に誰もいない。俺は慌てて辺りを見回した。

「は!?どこだ…どこへ行ったんだ…。」
トントン
「うわぁ!!い、いつの間に…。」

俺は後ろから肩を叩かれ振り返ると、そこには少女の姿があった。俺は意表をつかれて思わず腰を抜かしてその場に尻餅をついてしまった。後ろへ回り込んだ少女は楽しそうに俺に笑いをかける。

「ふふ、ビックリしたでしょ?これが私の特技なの。」
「特…技?」
「ふふふ、そうだよ。晴れの日は、私はこれが大得意になるの。」
「どういう意味だ?」

俺は少女の言っている事がわからず首を傾げて訪ねた。少女は俺にニコッと微笑み話しを続けた。

「“夢特性”って知ってる?」
「なんだそれは?」
「あはは、知らないんだ〜♪」
「特性は“1つ”しかないんじゃないのか?」
「ううん。それがね、私には特性と夢特性っていう“2つ”の特性があるの。」
「はぁ!?」

俺は少女の言っている事が理解出来ずに思わず驚いて目を丸くした。彼女はその様子を見てくすくすと笑っているが、特に悪いはなく純粋に楽しんでいるという感じだった。

「君の特性は?」
「“充電”だ。同じタイプの技を受けたらある程度スタミナを回復出来る。」
「私は、“リーフガード”と“葉緑素”って“2つ”の特性があるの〜。いいでしょ〜?」
「それは羨ましいな。」
「でしょでしょ〜?」

俺が素直な感想を述べると少女は自慢気に自分の二つの特性について語り出した。俺はじっとその場を動かずに、ただ耳を傾けていた。

192適当:2012/11/23(金) 12:16:29 ID:z4YPwsi.
「私はね、お日様が出ている時は状態異常にもならないし、更に体の動きがぐ〜んと上がるの。」
「状態異常にもならないのか!?って事は…はぁ…。」
「くすくすくす。羨ましいでしょ?私には、でんじははオススメしないよ〜♪」
「なる程。これは、いい情報を得た。」
「え?いい情報って…?」

俺は口元を吊り上げ少女に聞こえやすいように故意に大きな声で独り言を呟いた。彼女は、楽しそうな表情から一気にきょとんとした表情へと変わった。俺はその様子を見て腹をかかえて笑いそうだったが、彼女に敬意を表した態度で接し続けた。

「君は…敵に自分の事を喋り過ぎだ。」
「あ…ああ!!」
「あっはっはっは。おっちょこちょいだなぁ〜。」
「うう…どうしよ…。」
「さて、明日が楽しみだな。」
「ええ!?ごめん!!今のは忘れて!!お願い…。」

少女は俺を涙ぐんだ表情で見つめ、俺の手を取り懇願した。あどけない可愛らしい顔が涙によって際立ち、さらに可愛さが一層増している。俺はそれを見て娘もいないのに、まるで娘におねだりされているような感覚を覚えた。俺は立ち上がり、彼女の頭を軽く2回叩き、優しい表情で返答した。

「敵に自分の事を教えるのは、軍隊に入っている者らしくないな。」
「あ…明日負けちゃうかな私…。」
「いや、それはない。君と俺ではハナから差がありすぎる。それに、君の言っていた特性を知った所で俺がそれに対応出来るとは限らない。それに…」
「それに?」
「君のそういう所は、カワイイな。」
「ええ!?そ…そんな事…。」

俺は少女に自分自身が思っている偽りのない感想を伝えた。彼女は照れて顔を赤く染め、俺の目から目をそらし、下を俯いていた。俺はまた少女の頭を軽く2回叩いて、優しい表情で話しかけた。

「そんな事は無い。初めて君を見た時は驚いた。こんなに幼い顔立ちをした少女が、なぜ軍隊にいるのかとな。」
「むぅ〜子供じゃないもん!!高校卒業したもん!!」
「ほう、それは悪かった。という事は18か。若いな。」
「君と同じくらいだよ。そうでしょ?」

少女は俺へ“同世代なんだろう?”と問いかけてきた。“こんな幼い少女にも子供に見られるって…俺は一体どうなっているんだ!?”俺はこの少女がどういう反応を見せてくれるかを知りたくて、ため息をつき意地悪気に言い返した。

193適当:2012/11/23(金) 12:27:04 ID:z4YPwsi.
「はぁ〜あ、君も間違えるのか。俺はこう見えても“22”なんだけどな。童顔で悪かったな。」
「あ…ええ!?ご…ごめんなさい!!てっきり私と同い年って…勘違いしてた。」

少女に“お前の見る目は間違っている”と言うと彼女は目を泳がせてあわてていた。更に追い討ちをかけたらどうなるのだろうかと思い俺は真剣な表情で言い返した。

「まったくだ。もうお兄さんはすっごく傷付いたぞ。」
「ごごごめんなさい!!謝りますから許して下さい!!」
「どうしよっかなぁ〜?」
「うう…。」

俺は口元を吊り上げて少女へ意地悪気に言い返した。彼女は俺がかなり怒っていると勘違いしていたのか、上目遣いで唇をかみ今にも泣きそうになっていた。その表情に思わず心を打たれ、良心が甦ってきた俺は、“さすがにやりすぎたか。”と思い彼女の頭を優しく撫でて言った。

「あっはっは。そんなカワイイ顔されたら許さないわけにはいかないな。」
「も〜う!!お兄さんのいじわるぅ〜!!」
「すまなかった。君に敬語は似合わない。俺とは敵だが、普段通り喋ってくれて構わない。」
「ありがとう。」
「ところで…もう1つだけ頼みがあるんだ。」
「な〜に?」
「君の…名前、いや名前はいい。俺は君のような生き物(ポケモン)を見た事がないんだ。種族名を教えて欲しい。」

今までは、彼女が上目遣いだったが、今度は俺が上目遣いで彼女に懇願してみた。後々、“雄が上目遣いって気持ち悪いな…。”と思いながらも彼女を見つめたが、意外な答えが返ってきた。

「お兄さん意地悪したからもう教えな〜い。」
「それは、すまなかった。そう言わずに教えてくれないか。頼む。」

俺は片目を激しく瞑り両手を顔の位置へ持って来て再度懇願した。“彼女が同世代と間違えるのなら、俺の事は彼女から見ても愛くるしく見えるハズ…。なんか、俺って気持ち悪いな…。”と考えつつも片目で彼女を見つめた。

「お兄さんなんかカワイイね。わかった、特別だよ?私は“リーフィア”っていって、イーブイ進化系にあたるの。私にはお姉さんもいて、お姉さんは“グレイシア”っていって私と同じくイーブイ進化系にあたるの。」

“お姉さん…?姉も軍隊にいるのか?”俺はそのことが気になったが、今は関係ないだろうと思い、質問する事はやめ、少女にお礼を言って、リタイアボタンで【若葉】のステージから脱出した。

194適当:2012/11/23(金) 12:30:31 ID:z4YPwsi.
俺は真っ白い味気ない部屋へと戻ってきた。普通なら真っ白い空間ばかりが続きおもしろくないハズだが、今日のあどけない少女との会話で頭をいっぱいにしていた。

「お姉さん…。グレイシア…。一体どんな姿なんだ?」

俺は眉間にシワを寄せ、あごに手を添えて9つの扉の内【零下】と示された扉へと目を向けた。“氷タイプなのか…?見た目はあの少女と同じなのか…?いや、しかしリーフィアと名乗る少女のお姉さんが軍隊にいるとは限らない…。という事はこの零下の番人は別のヤツだな。”これ以上想像、思考するのも大変なので、用意された夕食を取りシャワーを浴びて眠りについた。

Day6

もう俺は起きた状態なんてもう言う必要はないと思っている。そんな事よりも、昨日少女がうっかり口を滑らせてしまって“棚からぼた餅”的な情報の得かたをした、少女が持つ2つの特性の対策について考えた。

「やっかいだ…。状態異常が効かないなら、動きは止められない。更に、スピードが倍になるのはかなりやっかいだ…。俺の高速移動+電光石火でも追いつけないかもしれない。」

“少女とは普通に1対1で闘っても勝ち目はない。アイテム…それなんだが、何が有効かもわからない。技に関しては葉っぱカッターの見えないヤツもある。1日闘っただけだが、確実に言える。あの少女に勝つには、俺はかなり頭を使わなければならない。”俺は、ここでとりあえず対策を練るのを止めて、用意された朝食を取った。朝食の飲み物はまたあの青い液体だった。だが、既に効果が何であるかわかっていたので、ためらわずに飲んだ。すると昨日受けた3つの消える葉っぱカッターを受けた傷がみるみる内に塞がっていった。俺はその事に何も思わず昨日と同じ【若葉】の扉へと歩を進めた。

195適当:2012/11/23(金) 12:35:50 ID:z4YPwsi.
俺が昨日の少女と闘ったステージ辿り着くと、逆の方にある扉から少女がやって来て俺が見える位置まで近づき、笑顔を向けて俺へ言い放った。

「こんにちは。今日はもう少し頑張ってよ?」
「ああ、努力はする。」

“あの少女は強い。だから、少女は俺との闘いがつまらないかもしれない。”少女に言われて、すぐに頭の中でそう描けた俺は、特に何の感情の変化もさせず冷静に少女を見つめていた。しばらくお互いの沈黙が続き、開始の合図が鳴り響いた。

『READY…GO!!』

俺は真っ先に高速移動+電光石火を使い右へ走り出した。“少女の姿など確認している暇はない。すぐに追いつかれる。”そう思った俺はアイテムが入っている箱を目指して一心不乱に走った。

「はぁ…はぁ…。よし、あった。」

俺が200m先まで進んだ所で見つけたのは青色の箱だった。中を確認し、説明書…というかいらないな。中身が耳栓だっため、説明書よりもこれを一体何に使うのだろうか。と考えながらも次のアイテムを探す為に右下の森へと足を速めた。

「意外にここは広いな…。入ってきた場所がもう見えなくなっている。」

右下の森へと足を踏み入れた俺は、歩きながらも箱がないかと見回した。しばらく辺りを見回しながら歩いていると、再び青色の箱を発見した。俺は、何も喋らずに箱を開け中身を確認した。中には、錠剤が2、3粒入った小瓶と説明書が入っていた。説明書の内容は以下の通りである。

【動体視力底上げサプリメント】
スロットで目押しが出来ない?速い球が打てない?そんなアナタにこれ!!動体視力底上げサプリメントをご提供します!!これを飲み干すだけで、見えなかった球もスロットのラインの柄も見えるようになりますよ!!

“ムカつくな…これを書いたヤツを思いっきりぶん殴ってやりたい…。”俺はそんな事を考えながらサプリメントを一錠口へ運び飲み込んだ。錠剤が小さい為水無しで飲めた。サプリメントを飲み終え、ふと後ろを振り返った。

「よし、まだきてないな…。」

俺がそうつぶやきまた森を探索しようとした瞬間に、背中に少し強い衝撃が走った。

「わっ!!」
「うわぁ!!い…いつの間に?」

少女は俺を後ろから脅かしてきた。俺は“いるハズのない少女がなぜ後ろにいるんだ?”と驚きと疑問を持ちながら、少女との距離を急いで取った。

196適当:2012/11/23(金) 12:39:56 ID:z4YPwsi.
「いつからそこにいた?」
「今さっき。お兄さんが後ろを振り返るちょうど前かな?」
「え!?」
「くすくすくす、お兄さんが驚いている時の顔ってカワイイ。」

少女は驚きを隠せない俺を見て、口に前足をあてて口を閉じたまま笑っている。俺はその時地面に生えている草を見て、少女が使った魔法がなんであるかようやく理解した。“カモフラージュか。確かに、少女は肌の色と軍服の色で草木に近い色を出している。対して俺は、白いスーツに黄色い姿とかなり目立っている。なるほど…木の幹に隠れながら行動をしなければ、少女に簡単に見つかってしまうという事か。”俺は驚いた表情を止め冷静をよそった。

「君は魔法も使えるのだな。」
「ふふ、すごいでしょ?」
「だが、今日はやられるわけにはいかない。」

俺は少女に投稿はしないという意志を見せ、刀を抜き両手で握った。俺は少女の攻撃を避けてから反撃する為に、後足で徐々に距離を取った。だが、少女は何も攻撃を仕掛けず俺へくすっと笑いかけ、尻尾を口元へ持ってきて音を奏で始めた。

トゥートゥ トゥルートゥートゥートゥー
「なんだ?リコーダーか?」

少女の突然の行動を俺は黙って様子をうかがっていた。少女の音楽は草で吹いているとは思えない程の綺麗な音だった。しばらく音を聞いていると俺の身にある変化が起きた。

トゥー トゥー トゥー トゥールートゥ トゥ…
「あ…なんだ…急に…眠気が…。」
トゥートゥ トゥルー トゥートゥートゥー
「な…ぜ…だ…。」
バタン
「ZZZ…ZZZ…。」

俺は少女の歌を聞いて、急激に眠気に襲われその場で意識を失った。

197適当:2012/11/23(金) 12:43:49 ID:z4YPwsi.
俺は目を覚ますと真っ白い空間へと戻っていた。俺の記憶は少女の奏でる音を聞いた後に途絶えている。スーツのポケットを探ってみると、耳栓と2錠の錠剤が入った小瓶があった。

「あの歌は…そうか、催眠作用があるのか!!」

“してやられた。少女は、自分が攻撃を仕掛けてこないと俺は攻撃を仕掛けてこないという俺の意図を完全に読み切っていた。俺は先生攻撃を仕掛けない事が落とし穴となり、少女の歌によって眠らされてしまった。優れた戦闘センス…あの少女は天才だ。”俺は少女の完璧な対応に関心させられていた。

「しかし…なぜ眠くなるんだ?音がなんとなく心地良いとは感じたが。」

俺は次にあの歌がなぜ催眠作用を起こすのかを考えた。“リラクゼーションというヤツか?草タイプだからあり得る。あの音は…神経を休ませ体の興奮を抑えるアルファ波に近い音波なのか?いや、アルファ、ベータどちらが有効だったかは忘れたが、恐らくそんな所だろう。とすると耳栓はその為のものか。意外にも早く結論に辿り着いた俺は、腹が減ったので、用意されている食事を摂る為、食事ルームへと歩を進めた。今夜のメニューは、カレーライスに鮭のムニエルに野菜サラダ、そして赤色の液体だった。この3つは、腹が空いていたのであっという間に平らげたが、問題はこの液体である。

「うん…一般的なフルーツではないが、若干の青臭さがある。それが何なのかはわからないが、毒というわけではなさそうだ。」

俺は液体を嗅いで、“毒ではないが、今まで通り何か効果がある。”という事を期待して、我慢して一気に飲み干した。“得体の知れない安全なドリンクは結局一気飲みか…。”俺が数日間食事ルームで飲み続けて出した結論だ。“得体の知れない飲み物はだいたいがマズイ。”その事を知った俺は、一口含んで一気に飲み干すという二度のまずさを味わう事を止めた。一気に飲み干すと、意外にもまずくはなく野菜ジュースを飲み干したという感じが口の中に残っていた。その後、体には…特に変化は無かった。

「今日は何も感じないな…。まぁ、いい。疲れたから寝るか。」

“ドリンクの効果を考えていても仕方がない。いくら考えた所で答えなんか見つかりはしない…。”俺は食事を終えた後自分自身で結論を出し、この日は眠りについた。

198適当:2012/11/23(金) 12:48:02 ID:z4YPwsi.
Day7

俺は目を覚まし、いつもと全く変わらぬ光景を一瞬目に入れ起き上がり、用意された食事を摂って昨日と同じ、【若葉】と示された扉へ歩を進めた。

俺が【若葉】のステージへと足を踏み入れると、昨日と同様に反対側の扉から少女がやって来て、俺へ笑顔を向け軽く会釈をしある言葉だけを強調するかのように言い放った。

「おはよう、“ピッカチュウ〜”のお・に・いさん。」

“なぜ、俺の種族名だけ、変な言い方をしたんだ?何か…気分が悪いな。”少女の発見に疑問と少女の嫌悪感を抱き始めた俺は、彼女へおもむろに訪ねた。

「なぜ、そこだけこんな言い方をするんだ?」
「だって、お兄さん弱いんだもん。」
「弱い?」
「くすす、そうだよぉ〜。私に訊かなくても自分でわかっているでしょ?」

“確かに。だが、そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃないか…。それは、自分の心の中でだけで言ってくれ。”俺は、少女の返答を聞いて少し気分が沈んでしまったので、彼女へ“自分に気を遣って欲しい”と懇願した。

「はぁ…。朝から、君はヒドイな。君はもしかして見た目とは違って、空気も読めない“サゲマン”なのか?“もう少し”気を遣って欲しいな。」
「あはは。お兄さんは“もう少し”頑張って欲しいなぁ〜。あれ?ひょっとして私無理させるような事言っちゃった?だったら、ごめ〜ん。謝るからゆるしてね?てへ。」
ペロ

“コイツ言わせておけば!!”俺は、少女から嘲け笑うように言われ、謝罪され、前言撤回すると言わんばかりの態度を見せつけられたが、彼女の挑発には乗らず、彼女を睨みつけて静かに言い放った。

「今日は勝たせてもらう。減らず口もここまでだ。」
「あはは、そうだと嬉しい〜。私の技をちゃんと見切ってよ?」
「見切るも何も、今日で君とは“オサラバ”だ。」
「くすっ、じゃあいっくよ〜。」

“絶対に勝たなければ!!”四足が二足に接近戦闘で勝てるワケがない。だから、催眠に頼ったり遠距離攻撃に頼らなければならないんだからな。”俺は少女へ言い返した後に彼女の合図を受け、少女を睨みつけたまま思考を張り巡らせた。数秒後、恒例の戦闘開始の合図が俺の耳へと入り始めた。

199適当:2012/11/23(金) 12:55:26 ID:z4YPwsi.
プン…
『READY…GO!!』
ゴロン
「は?」
スリスリ

“コイツ何をやっている?”目の前の少女は合図を聞くと、その場で寝転がり地面に生えている草々を愛しく思うように、自分の頬を草々へすり付けていた。俺が、首を傾げて彼女の様子を観察していると彼女は、故意と思われる満面の笑みを浮かべて俺へ言い放った。

「お日さまが気持ち…。あれ?くすっ、お兄さんハンデあげるよ。」
「ハンデだと!?」
「うん。だって、もう私の夢特性“葉緑素”は発動しているよ?言っとくけど私、お兄さんに追いつくまでに二十秒もかからないよ?」
「二十秒…だと!?ウソをつくな。」

“いくら早いとは言え、俺も脚力には自信があるし、何せここまでで200m近くある。そんな事が…あり得るハズはない。”俺は、少女の自信に満ちた返答に疑問を抱き少女へ言い放つと、少女は嘲け笑っているのか、それとも単純に俺の発言が面白かったのか、大声で笑い声をあげて俺へ言い放った。

「あはははは!!ウソじゃないよぉ〜。だって私100走、お日さまが出ている時は7秒台だもん。」
「7秒!?」
「うん。だ・か・ら、お兄さん今の内に隠れて来て。木の上にでも上ればいいと思うよ。そこから“きっしゅ〜”な〜んちゃって。てへ。」
ペロ

“木の上からコイツを奇襲する?だが…、あんな事を言われては…。やむを得ないな。脚力ではほぼ勝ち目がない事がわかってしまったからな。態度はムカついてくるが…怒るな!!冷静になれ。やはり俺は…アイテムに頼るしか道はないからな。”少女は、相変わらずの挑発する態度を取っていたが、俺は彼女の発言を信じ、思考を巡らせ、結論を出し、彼女へ言い放ち左下の森へと駆け出した。

「そうか。ならお言葉に甘えさせてもらう。」
タタタタタ…

“あれ?いつもより…体が軽い…。まるで…宙に浮いているみたいだ!!凄いぞ!!これは…これは脚力が数段に上がっている!!”俺は少女から一瞬で距離を離せている事に驚き、目的地へ向かいながら、いつの間にか笑みを浮かべてしまっていたが、自分の予想が外れた彼女は、俺を見て驚き声を上げて俺を急いで追いかけ始めた。

200適当:2012/11/23(金) 13:01:23 ID:z4YPwsi.
「ええ!?やっぱな〜し!!逃がさないよ〜だ!!」
シュン タタタ…
「くっ!!一旦怯ませるしか無い!!」
クルッ タタタ…

俺は、少女が体勢を元に戻して自分にとてつも無い速さで接近し始めている彼女へ目を向け、彼女の方へ走り出すと彼女は、またも予想が外れたと言わんばかりに驚き、再び声を上げ始めた。

「ええ!?ど…どっちなの!?逃げるんじゃな…。」
ズザザザザ…
「おりぃやぁ!!」
ドコッ
「うふぅ!!お…お腹が…。」

“この程度じゃダメだ!!コイツの葉緑素はもっと何か効果があるかもしれない!!”俺は滑り込み少女の腹をけり上げたが、懸念が出てきた為更に攻撃を続けた。

シャン
「ふっ!!」
バシン
「痛ぁ!!」
「はっ!!」
バシン
「ったぁい!!もう!!許さな…」
ドコン
「きゃあ!!」
ドサ

“はぁ…はぁ…。これだけやればすぐには追ってこられまい…。”俺は、少女の両前足を刀で打撃を与えて動きを封じ、彼女の頭を思いっきり蹴り上げた。

ムクッ…ヨロヨロ
「も〜う、許してあげない!!リーフブレード!!」
シュイーン
「な…何!?」
「くらえぇぇい!!」
フォン
「くっ!!これは無理だ!!」
スチャン
シュバッ…タン
ヒュンヒュンヒュン フッ…

“何だ今のは!?あれが…あれは本当に葉っぱカッターの類なのか!?”少女は、俺に対して巨大な葉を額の葉から作り出し、思いっきり首を振って投げつけた。俺は、彼女の放った巨大な葉を見て驚いていたが、刀を収め空中後転を行い、彼女の放った渾身と思われる技を避けた。俺は、地面へ着地し彼女の方へ再び目を向けると、彼女は表情を保ったまま次の攻撃を仕掛けてきた。

「よけても無駄だよぉ〜!!拡散マジカルリーフ!!」
シュイーン
「終わりだね。お・に・い・さん。」
シュ シュ シュ シュ…シュン
「か…拡散で見えないだと!?くっ…こうなったら!!」
クルッ タタタタタ…
「あっ!!ズル〜い!!待…待てぇ…って足が…。」

少女は再び額の葉から数枚の葉を作り出し、俺に向けて解き放った。彼女の出した葉は、放った直後に消えたので、俺は避けるのは無理であると判断し、彼女へ背を向けて左下の森へと足を速めた。

201適当:2012/11/23(金) 13:07:44 ID:z4YPwsi.
チラッ
「はぁ…はぁ…。よし、前足にダメージを与えたのが効いたようだな。」

俺は左下の森へと足を踏み入れ走る事を止めて、息を切らしつつ独り言をつぶやき、自分の背後を確認した。昨日のように、少女の姿はそこには無かったので俺は息を落ち着かせてため息をつき周囲の捜索を始めた。

サク サク サク
キョロ キョロ キョロ
「おかしい…。この森の中には何も無い?」
サク サク サク
キョロ キョロ キョロ

“本当に何もないな…。くっ…ハズレを引いてしまったか…。”俺は森の中を捜索したが、一向に何も見つからなかったので、小さく独り言をつぶやいた。

「やはり…何もない。仕方ない、この錠剤を飲んで再戦…。」
タッタッタ…ガサッ
「何!?もう追いつかれてしまったか!!」
ピョン…ガシッ
サササササ…
ピョン…スタ

“回復が早いな…。おそらく…光合成を使ったんだろう。”俺は、背後の物音に気づきとっさに近くにあった木の上へと上った。木の幹に降り立ち、木へしがみついて下を覗き込むと、少女が辺りを見回して俺の姿を探し始めていた。しばらく彼女の様子を見つめていると、彼女はため息をついて隠れている俺を脅迫するように大声で独り言をつぶやき始めた。

「あ〜あ、こんなに探しても見つからないなぁ〜?おかしいなぁ〜?」
スッ…
「もうめんどくさいから寝かしちゃお〜っと。」

“何!?またあの笛か!!くっ…万が一ここで聞いてしまったら、下に落下して間違いなく死亡してしまう!!”俺は少女が尻尾に生えている草を使って音を奏でようとしている様子を見て、焦りながらも急いでスーツのポケットから耳栓を取り出し、自分の耳へと着用した。彼女は、大きく息を吸って自分の尻尾に生えている葉を口に当てて目を閉じ音を奏でていると思われる行動を行い始めた。俺は、彼女の演奏の様子を心の中で独り言をつぶやきながら見ていた。

トゥー トゥー トゥルー トゥー トゥーン…
“吹いているよな?音が全く聞こえないからわからないな。”
トゥー トゥー トゥー トゥールートゥ トゥ…
“同じ長さか?それとも長くするか?”
トゥートゥ トゥルー トゥー トゥー トゥー

“少女は演奏をし終えて口元から尻尾を離し、口に前足を添えて、歯を見せてほくそ笑み独り言を言い放った。俺は彼女の演奏終了を見計らい、耳栓を外し、スーツに収め彼女の声へと耳を傾けた。

202適当:2012/11/23(金) 13:22:00 ID:z4YPwsi.
スッ…
「きしししし…。これで“ピッカチュウ〜”のお兄ちゃんはぐっすり眠っちゃったハズ〜♪」
キョロキョロ
「って聞いちゃったんだから、起きてるワケないよね〜。じゃあ、探しちゃお〜っと。」
スタスタスタ
「う〜ん、見つけたらどうしよっかなぁ〜?隣で添い寝も…いいかも♪きしししし…。」

“俺を完全に眠らせたと思っているな…。しかも、挙げ句の果てには添い寝!?コイツ…バカにしやがって…。だが…何か可愛かったな…。上手く行った!!って思っている時の顔も…はっ!!イカンイカン!!そんな事はどうでもいい!!早く…アイツが去った後に別の場所へ行かなくては!!俺は、少女が独り言をつぶやいた後にその場から立ち去ったのを見計らって、様々な思いを巡らせながら、ふと横を見ると、俺が乗っている木の幹に何やら金色の箱が設置されていた。“こんな所にあったのか!!”俺は心の中で叫び、箱へと近づき始めた。

ソロリ…ソロリ…
「よく折れないな…。まぁ、どうでもいいか。」
ソロリ…ソロリ…ピタ
「これだな。」

俺は独り言をつぶやき、金色の箱を開けると何やら奇妙な色の物体が入っていた袋を発見した。袋の下にあった説明書に目を通すと俺は一瞬で顔を青ざめさせてしまった。説明書の内容は以下の通りである。

【神経ガス装置】
円を描くように八方に仕掛け、相手をその中に入れて、神経ガスを吸わせて気絶させる事が出来る。仕掛け終わったら、付属のリモコンを使って赤外線センサーを作動させること。

“お…俺に、あの少女を毒で冒せと言うのか!?くっ…神経ガス…。最悪死に至る危険性がある危険な兵器…。くそっ!!どうすれば…。”俺はこの時苦渋の選択に迫られていた。あどけない少女を殺してでも助かる道とこの兵器を使わず少女へ勝利し助かる道。俺が二つの選択肢に迫られていると、再び少女が俺の真下に現れ、独り言をつぶやき始めた。

タッタッタ…スタスタ ピタ
「おっかし〜なぁ〜。何でどこにもいないんだろ…。」
スクッ
ピト
「う〜ん、さっき私…何って言ったっけ?」

203適当:2012/11/23(金) 13:29:29 ID:z4YPwsi.
“マズい!!コイツがあのセリフを思い出してしまったら、すぐに見付かってしまう!!ここは…俺はこんなあどけない少女を殺す事なんて出来ない!!今は…森の中…。よし!!奇襲を仕掛けて怯ませ、隙を与えずに…決めてしまおう!!”少女がつぶやき終わり、首を傾げている様子を見計らって、俺は金色の箱に説明書を戻し、刀を抜いて彼女目掛けて下へ飛び降り、奇襲をかけた。

「確か…木にのぼ…」
シャン
ピョン
「ればいい…。」
「うりやぁぁぁ!!垂直切りぃぃぃ!!」
「へ?へぇ!?ウソぉ!!ちょっと待っ…」
バシン
「ったぁい!!」
ペタン
俺が、少女へ言い放つと少女は俺の方へ向いて、驚き慌てふためき始めた。俺は、彼女の背中へ刀を強く当てると、彼女は苦痛の声を上げてその場にうつぶせとなった。俺は、次の攻撃の準備に取りかかり彼女を高く蹴り上げて彼女が宙に浮いている間、刀の先端部分を当て始めた。

ドコン
「きゃあ!!」
「うぉぉぉ!!連続突きぃぃぃ!!」
シュシュシュシュシュシュシュ…
「きゃあああああ!!」

“結構なダメージだと思うが、まだダメだ!!”俺は少女の苦痛の声を聞くが、懸念を払拭する為まだ地面に倒れている彼女へ、追い討ちをかけた。

ドサ
「追撃ブレードテイル!!」
「いたた…ブレードってな…えへぇ!?」
ヒュン…ドゴォ
「きゃはあ!!」
ドサ

“はぁ…はぁ…やったか?いや…息をしている!!こうなったら!!”俺は、うつぶせになっている少女へ向けて高速で空中後転を行い、追い討ちをかけた。だが、彼女は仰向け状態になり苦痛の表情を浮かべながらも、激しく呼吸をしていたので、俺は倒れている彼女へ近づき、彼女の体を持ち上げて宙へ浮かせて、とびあがり更なる追い討ちをかけた。

タッタッタ
「うぅ…。」
ガシッ
「う…へ?な…何?」
ヒョイ
「え?そ…そらを…飛んで…。」
シュッ
「れ・ん・ぞ・く十字切りぃぃぃ!!」
バシンバシンバシンバシンバシンバシンバシンバシン
「きゃあああああああ!!」
ドサ
「追撃ブレードテイ…」
ガクッ
「はぁ…はぁ…、ダメだ。連続した…動作を…行い過ぎた…。」

204適当:2012/11/23(金) 13:32:49 ID:z4YPwsi.
俺は少女の腹部を数回もの十字を描くようにして刀で叩きつけ、彼女が地面へ仰向けになったところに更なる追い討ちをかけようとしたが、体が思った以上に疲弊しており、刀を杖替わりにして立ち、息を切らしながら彼女の方へと目をやった。彼女は、何とか起き上がろうしながら、強く睨みつけて途切れ途切れの発言を行った。

グググ…
「うぅ…。ゆ…油断したぁ…。」
「はぁ…はぁ…。ウソだろ…。コイツ…まだ闘(や)る気な…のか?」
グググ…
「はぁ…はぁ…。お…お兄ちゃ…はん、絶対に…許さな…はぁ…い。許さな…」
ドサッ

“ふぅ…。やったようだな。ほ…本当に…やった(倒した)よな?”俺は目の前で、少女が倒れている様子を見ながらも、疑問を抱いておそるおそる彼女へ接近し、彼女の体をゆすり、叩き始めた。

ソロ ソロ ソロ…
「すーすー。」
ユサユサ
「すーすー。」
トントン
「すーすー。」

“完全に気絶しているな。よし、勝った。不可能と思われた勝負に勝った!!だが…、こんな少女相手にやり過ぎた。傷もヒドいな。連れて行けるかどうかはわからないが、看病してやろう。”俺は、うつぶせのまま目を閉じて静かに息をしている少女の胸についていた、琥珀色の“π”のバッチを手に取り、もう片方の手を彼女の体に接触させた。数秒後、俺と彼女は姿を消して【若葉】のステージを後にした。

205適当:2012/11/23(金) 13:38:28 ID:z4YPwsi.
俺は、気絶した少女と共に、元の白い部屋へと姿を戻した。なぜ、少女に触れるだけで共にこの部屋へ移動出来たかは、考えずに彼女をその場に置いていき、自分の衣服がある白いスーツを手に入れた場所へと足を速めた。白いスーツを手に入れた場所に掛けられていた自分の白いシャツを手に取り、シャワールームへ直行シャツを濡らして彼女の元へと戻った。

スタスタスタ
チラッ
「すーすー。」

“うっ…かなり傷だらけ、血だらけだ…。俺は…なんて事をしてしまったんだ…。”

スッ…ピトッ
「すー、んっ…。」
ビクッ

“起きてしまったか!?”俺は、少女の声に驚きながらも彼女の体のところどころについている赤い液体を拭っていった。拭い終わり自分の白いシャツを見ると、薄い赤色で染められた箇所が出来ていたが、特に何も気にせず、シャワールームの近くの洗濯機の中へ自分のシャツを放り込み洗濯機を起動させた。その後に食事ルームから漂って来る匂いをたどり用意されていた食事がある場所へと歩を進め、静かに食事を摂り始めた。

スタスタスタ
チラッ
「スパゲティにサラダに…またあの黄色い飲み物か…。」
カチャ…
クルクルクル…パク…
カチャン

“これは、あの少女へと飲ませたい…。飲ませれば、傷も完治しやすくなるだろう。だが…体力を回復したら回復したで、俺へ攻撃してこないだろうか?いや…大丈夫だ。確かな根拠なんて何1つ無いが、あの少女は…攻撃はしてこない。”俺は、食事をし終えて静かに食器を置き様々な思考を巡らせ結論づけて、気絶している少女の元へ黄色の飲み物を持ち寄り、彼女を起こし始めた。

パシッ
スタスタスタ
「すーすー。」
トントン
「起きろ、起きろ。」
パチッ

俺が黄色の飲み物を持ったまま少女の体を叩くと、彼女は目を覚ましたので彼女へ真剣な表情を向けて声を掛け、持っている物を差し出した。

「目が覚めたな。すまないが、これを黙って口に入れてくれないか?」
ムクッ…チラ
「ん?な〜にこれ?そして…何で私はここに?」
「説明は後だ。黙ってこいつを口へ入れろ。君の体力が回復する飲み物だ。」
「え?うん、わかった。」

れろ。君の体力が回復する飲み物だ。」
「え?うん、わかった。」

206適当:2012/11/23(金) 13:44:08 ID:z4YPwsi.
俺が少女の質問答えず強く言い放つと、彼女は俺は指示に素直に従い、俺から黄色のを受け取り自らの口へと運んだ。彼女が飲み干したのを見計らい、彼女から空のグラスを受け取ると、彼女が何かを思い出したように小さく呟いた。
スッ…パシッ
「んぐっ…。ぷはぁ〜。あっ、これ…“オボンの実”だ。」
「オボンの実?」
「お兄ちゃん知らないの?」
「知らないな。そんな物は口にした事は無かったからな。」
「そうなんだ。ふ〜ん。」

“お兄ちゃん?俺は、お兄さんとは言ったが、何故勝手に身内を呼ぶような呼び方に変えているんだ?”俺は、少女の発言に含まれていたある言葉に首を傾げて彼女へ訪ねた。

“お兄ちゃん?俺は、お兄さんとは言ったが、何故勝手に身内を呼ぶような呼び方に変えているんだ?”俺は、少女の発言に含まれていたある言葉に首を傾げて彼女へ訪ねた。

「君…なぜ俺をそう呼んでいる?俺は君の“お兄さん”ではないのだが…。」
「くすっ、なんでだど思う?」
「さぁ?なぜなんだ?」
「教えないよ。」
「はぁ?」

“何故秘密にする必要があるんだ?”俺は、少女の返答を聞いてますます困惑し、首を傾げた。彼女は、俺の様子を見てあくびをし、俺の理由を述べた。

「ふぁ〜あ。だって私、眠いんだもん。」
「眠いからって…。」
「お兄ちゃんごめん。寝てもいい?」
「は?あ…ああ、別に構わないが俺が怖くないのか?俺を敵とは思わないのか?」
「ふぁ…。おもほわぁな…いよ。じゃ、お休み〜。」
ゴロン
「すーすー。」

“敵とは見なしてないという事か。何故だ?俺にはそういう風に思わせる強いオーラが…。ふぁ…イカン。俺も…もう限界だ。”少女は、俺に許可を申し出て俺から承諾を受け取ると、あくびをしながら俺へ合図を送り、一匹で眠りの世界へと旅立ってしまっていた。俺は彼女があまりにも無防備な気構えしていたので、疑問を抱き始め原因を追求しようとしたが、自分の睡魔とつかれに負けた彼女と同様に眠りの世界へと旅立っていた。

207適当:2012/11/23(金) 13:49:25 ID:z4YPwsi.
トントン トントン
「起きて、ねぇ起きてピカチュウのお兄ちゃん。」
「ん?ああ…。」
ムクッ…

俺は寝ている途中に少女に体をたたかれて声を掛けられたので、目を覚まし彼女の方へと目を向けた。目を向けると、彼女が下唇を噛んで何かを訴えるかのような苦しそうな表情を浮かべて俺へ、言い放ち訪ねてきた。

キュッ
「私…おしっこしたいの。」
「おしっこ?」
「トイレ…どこにあるの?」
「ああ、それならシャワー浴びる所と洗濯機の間…。ほら、あそこだ。」
ピッ

俺は少女の訴えを耳に入れると、彼女へ彼女自身の目的の場所へと指を差し返答した。すると、彼女は俺の指差した方向へと目を向け、驚き俺へ訪ねて来た。

「あっち?」
チラッ
「ええ!?ウソ…あれって…。」
「壁がない。仕切りがない。かなり恥ずかしい便所だな。」
「ホ…ホントにあそこでしてるの?」
「ああ、そうだが?嫌なら、ここで漏らすか?」

俺は、少女の質問に答え愚問であるとばかりに聞き返すと、彼女は俺の表情を見て、自分の目的の場所へと掛けだし、すぐ目の前まで接近して俺に不安気な表情を向けて要求した。

「あぅ…。」
タッタッタッ…ピタ
「ぜ〜ったい見ちゃダメだよ?いい?」
「ああ、わかったわかった。さっさと放尿(し)てこい。」
クルッ

俺は、少女の要求を受け入れ要求通りに後ろを向いて彼女から目を背けた。すると背後から小さな水温が聞こえ始めた。“結構距離があるのに、何で聞こえてしまうんだ?この部屋は、音が響く仕様なのか?”俺は首を傾げ黙ってしばらく何もない空間を見つめていると、後ろから足音が聞こえ始め、肩をたたかれて終了の合図を出された。

スタスタスタ
トントン
「終わったよ。」
クルッ

俺が少女の方へ振り向くと、彼女は元のあどけない可愛らしい表情を浮かべていた。俺は彼女の表情を見て安心し、ふと腕時計を見ると【18:00】となっていた。“そんなに長い間眠っていたのか。”俺が時計の表示時刻を見終わって彼女の方へ目を向けると、彼女が俺に訪ねて来た。

チラッ…スッ
「ねぇ、今何時だったの?」
「6時だ。」
「6…もしかして…朝?」
「いや、夕方の6時だ。」
「なぁ〜んだ、よかったぁ〜。」

少女は、俺から真の答えを聞き安堵の息を漏らした。食事ルームからは、いまだに匂いが漂ってこないので、俺は彼女にはぐらかされた質問を訊ねた。

208適当:2012/11/23(金) 13:55:06 ID:z4YPwsi.
「君、どうして俺を“お兄ちゃん”と呼んでいるんだ?」
「え?その方が呼びやすいからだよ。」
「俺にあんなにヒドイ事をされたのに、やたら警戒心が薄いな。」
「だって、お兄ちゃんがそういう事をする為に私を連れて来たんじゃないってわかるもん。何っていうのかなぁ〜?その…雰囲気が優しくて、落ち着く感じ。」

“確かに、その為に連れて来てはいない。オーラがないというワケではなかったようだな。何か…“綾”と初めて会った時に言われたセリフと似ているな。コイツもそれを感じ取っているのか?”俺は、少女の心を試すように質問を投げかけた。

「君が俺といて落ち着くと言うのなら、君の事を教えてくれないか?」
「私の事?」
「ああ。とりあえず…名前とかだな。年は…言わなくてもいい。」
「私は“フィア”って言うの。」

“フィアか。名字を明かさないのは何故だ?まぁ、どうでもいい。”俺は、少女の答えを受け取り次の質問を投げかけた。

「そうか。じゃあ君は、軍隊のどの位置にいる?」
「え?う〜ん、ブラッド少尉の…すぐ下。」
「下?」
「うん。何匹か兵士を連れているよ。えっと…10匹だったっけ?」

“なかなかすごいな。という事は、俺が戦っているのは、全て隊長格って事か?”俺は、3つ目の質問を投げかけた。

「すごいな。そこにある扉のバッチに、“α〜ω”とあった。それらは全て君と同じもしくは、それ以上の位なのか?」
「そうだよ。“α〜μ”までが私と同じ位?あ、でも“λ”だけは違うかな。この中での位は、一番がω(オメガ)、二番目がχ(カイ)、三番目が…ラム…ダ?だったっけ?うん、だと思うよ。」

“随分喋ってくれるな。これは、もしかして…もしかするとコイツを味方に出来るんじゃないか?”俺は少女に自分が必要な情報に関しての質問を投げかけた。

「そうか。じゃあ、それぞれの扉の番人の“種族”を教えてくれないか?」
「しゅ…ぞく?」
「ああ。ダメだったら、言わなくてもいい。」
「くふっ、そんな事ないよ。じゃあ、言うね。」
「ああ、頼む。」

俺が少女へ返事を返すと、彼女は呪文を唱えるように次々と言い放った。

209適当:2012/11/23(金) 14:03:01 ID:z4YPwsi.
「“α”スターって名前のブースター。“β”シャーズって名前のシャワーズ。“γ”サンって名前のサンダース。“θ”フィって名前のエーフィ。“λ”ブラッド少尉って名前のブラッキー。“π”は…言わなくてもいいよね?だって、おしっこしている時胸にバッチが無いのを見ちゃったもん。」
「あっ…すまない。」
「あはは、いいよ。だって私負けちゃったし。続けるね?」
「ああ。」
「“μ”は私のお姉ちゃん。シーアって名前のグレイシア。“χ”はショーン中尉って名前のジュカイン。そして最後に“ω”は…、カオス少佐って名前のゾロアーク?」

“なぜ最後だけ疑問形なんだ?”俺は、少女におもむろに訊ね返した。

「どうして最後だけ、自信が無いんだ?」
「だって、会った事無いんだもん。“ショーンおじいさん”から聞いただけで。」
「そうか。ん?おじいさん?って事は、ジュカインだけ…。」
「うん、年が65歳のおじいさんだよ。」

“65だと!?な…なぜ、若いヤツらよりも結構位が上なんだ?マズイな…、という事は相当の実力者だハズ…。というか、二匹を除けばかなり強者揃いじゃないか!!”俺は、少女の話を聞き終えた後、さまざまな思考を行い結論を出して、彼女へ反応を示した。

「中尉の下が、イーブイ進化系って…。はぁ…。大変な闘いになりそうだな。」
「くすっ、そうだね。」
「笑い事じゃない。俺はここへ誘拐され、監禁され、レベルの差がある闘いを無理矢理やらされているんだからな。」
「知ってるよ。だって会議で言ってたもん。」
「会議だと?何と?」

俺は少女の不可解な発言を訊いて思わず訊ねた。すると彼女は、ためらいを見せずに俺の質問へと答え始めた。

「レベル30の“ピッカチュウ〜”の実験データを取るからって…。」
「はぁ!?実験だと?」
「あっ…これ言って良かったのかな…。」

“実験されている!?俺を一体どうするんだ気なんだ?だが…もう喋ってくれそうにないな。”俺は、少女の更なる不可解な発言に関して質問をぶつけたくなる気持ちを抑え、彼女が不安気な表情を浮かべている事に気を遣って、彼女を安心させ始めた。

210適当:2012/11/23(金) 14:09:13 ID:z4YPwsi.
「実験体か…。ありがとう。これで謎は解けたな。」
「え?もういいの?」
「喋りすぎると、君まで命が危ない。俺は、君を殺す為にここへ来たんじゃない。治療とする為に連れて来たんだからな。君からの情報は、単なるオマケだ。

「ふ〜ん、じゃあもういい?」
「ああ。もうこれ以上喋るな。君を“裏切り者”としたくないから。」

俺が少女へ情報の暴露を抑止するように呼びかけると、彼女は耳を動かして、俺の発言のある言葉に関して、不安気な表情を浮かべて独り言をつぶやき始めた。

「そうなんだ…。私ってもう裏切っちゃったんだね…。みんなを…。」
「は?いや、それはわからないだろう?たかが、これだけで裏切りとは思えないんだが…。」
「ううん、ショーンおじいさんが言ってた。“あのピカチュウ君なかなかの腕前じゃぞ?って。」

“は?なぜ別の部屋の情報がわかるんだ?って事は…まさか!!俺は、少女の発言に不審感を抱き彼女へおもむろに訊ねた。

「待て!!君は、俺の闘った様子をどこまで聞いている?」
「う〜ん、シャーズを倒してフィを倒したって所まで。」
「なんだって!?これじゃあ、まるで…まるで俺の闘い方が筒抜けじゃないか!!」
「え?そうなるの?」

“コイツ鈍感だな…。って事は、この部屋も…まさか監視されている!?”俺は半ば呆れ始めたがすぐに強くなり、少女へおもむろに訊ねた。

「そのおじいさんからは他の事を聞いたが?」
「そうだね。部屋にいる間は、刀を振ったりして頑張ってるって。」
ガクッ
「はぁ〜。何てこった…。全部…見られていたなんて…。」

俺が少女の返答を聞いて、その場で膝をついて頭を抱えて落胆し始めると、彼女は俺を気を遣ってか、俺に激励の言葉を掛けた。

「くすっ、元気出してピカチュウのお・に・いちゃん。」
「ああ、そうだな。もういい。当然だ。“実験体”にされているワケだからな。」
「はぁ…、自由気ままでいいな君は。」
「だって、しょうがないじゃん。私、オボンの実のジュース飲んだだけで、お昼ご飯食べて無いんだし。」

211適当:2012/11/23(金) 14:13:07 ID:z4YPwsi.
“それも、そうだな。俺は動いていないから、食べなくてもいいな。”俺は、少女に告げられて腕時計を見ると【7:00】となっていた。“そろそろではないだれうか?”俺は推測し鼻を動かすと、自分の予想通りに、食事ルームの方から匂いが漂って来ていた。俺は、少女を誘導し食事ルームへと歩を進めると、食事を盛りつけてある皿には、ビーフシチューと思われる物と、サラダと青い飲み物が置かれていた。“どうしてだ?フィアの話によると、監視しているなら傷も何も負っている事を知っているハズ…。それなのに、この体力を回復させようとする魂胆は一体何なんだ?まさか…、フィアの裏切りを承知しているのか?いや…そんなハズは…。”俺が食事のメニューに関して不審感を抱いていると、彼女は待ちきれなかったのか食事を摂り始めていた。“どうする?フィアにあの青い飲み物を与えるか?それとも…。”俺が更に思考を続けていた矢先、彼女が驚くべき行動を取り始めた。

カチャ…スクッ
パク
モグモグモグ
ゴックン
カチャ…パシッ
ゴク…
「あ!!」
「え?どうかした?」
「いや…。何でも…ない。気にせず食べてくれ。」
「ふ〜ん、わかった。」

“しまった!!飲ませてしまった!!頼む…どうか、どうか毒だけは入っていないでくれ!!俺は、少女が食事を進めていく様子を心配そうな表情を浮かべて見守っていると、彼女は奇妙な行動わ取り始めた。彼女は、なぜだかそれぞれの皿に盛りつけられた物を半分だけ残すという行為を行っていた。俺は、彼女が特に苦しみ出す様子も無かったので、安心しつつも首を傾げて彼女へ訊ねた。

「君、どうして半分だけ残しているんだ?俺に気を遣っているのか?」
「うん。」
「だったら、遣わなくていい。全部食べろ。君は昼食を抜いているのだからな。」
「ダメだよぉ〜。お兄ちゃんも食べなきゃ〜。」
「君は昼食を抜いているんだぞ!?だから君が食べ…。」
「あっ、それとも変な事考えてる?私と“間接キッス”するからっ…て。」

“間接キスだと!?キ…今フィアに従えば…。はっ!!イカンイカン!!何を考えているんだ俺は!!だが…せっかくわざわざ俺に気を遣ってくれたんだ。その考え抜きで食べるか。そうしよう。”俺は少女の指示を従って残りの食事を平らげ、食器を置くと、彼女がいたずら気に微笑み俺へ訊ねて来た。

212適当:2012/11/23(金) 14:22:42 ID:z4YPwsi.
パク…カチャ
「くすっ、お兄ちゃんどう?今の気分は?」
モグモグモグ
ゴックン
「はぁ…。何がだ?」
「何って…。私と“チュー”したじゃん。」
「していない。これはキスの類に入らない。君は何を言っている。」

俺は、少女の質問に対し“何も知らない。何も感じない”という風に返答すると、彼女は俺を試すかのように質問を投げかけて来た。

「ふ〜ん、どぼけているの?」
「は?」
「ねぇ、お兄ちゃん。私は“チュー”して貰ってないんだけどなぁ〜?」
「はぁ!?君…どうしたんだ!?青いヤツを全て飲んでしまっておかしくなってしまったのか!?」

俺は少女の発言に驚き、彼女へ“正気に戻れ”と言わんばかりに言い放つが、彼女は俺を誘惑するかのように可愛らしく笑い、俺へ許可を求めて来た。

「ふふぅん。おかしくなってないよぉ〜。ただ、お兄ちゃんと“チュー”してみたいだけ。だから…接吻(し)てもいい?」
「は?いや待て、君はおかし…。」
ドン…バタン
「ぐわぁ!!」
「おかしくない〜。じゃあ、いただきま〜す。」

俺が少女へ反論しようとすると、彼女は俺をいきなり押し倒して自分の意見を通し自分の唇を俺の唇へと接触させた。その後すぐに彼女は、俺の口内を自らの舌で貪り始めた。俺は、彼女の舌を彼女の思うがままに受けて消極的な態度を取っていると、彼女が俺から口を離して、少し怒った表情を浮かべて俺へ言い放って来た。

スッ…
「ぷはぁ!!はぁ…はぁ…。ねぇ、何でお兄ちゃんのお口の中で、私の“ベロ”を撫でてくれないの?」
「はぁ…はぁ…。え?」
「私と“チュー”するのがイヤなの?」
「いや…そうゆうワケじゃ…。」
「じゃあ、ちゃんとしてね?もう一回行くよ?」
「は?あ…ああ。」

少女は俺に条件を突きつけて、俺に合図を送り先程と同じ行為を続けだした。俺は彼女の舌の感触を味わいながらも、彼女の条件を呑むことを、半ば躊躇していたが、ついに吹っ切れて彼女の条件を呑み、彼女の舌へ自分の舌を絡ませ、彼女の舌を押し込み、逆に彼女の口内を貪り始めた。俺は行為を続けている内に、いつの間にか彼女の後頭部へと手を回して、まるで“自分の物だ”と示すように行為を行っていた。やがて、長いような短いような俺と彼女の行為は終了を告げ、彼女は俺から自分の口を離し、息を切らしつつも、俺へ感想を述べた。

213適当:2012/11/23(金) 14:27:51 ID:z4YPwsi.
「はぁ…はぁ…。お…お兄ちゃん激しすぎ。け…結局自分から…接吻(し)てるじゃん。」
「はぁ…はぁ…。な…なんだ?嫌だっ…たのか?」
「そ…そんな事…ないよ。」
「だ…だったら…いいじゃ…ないか。」

俺が少女へ返答したが、彼女は呼吸を整える事に集中しており、俺へ返答をしてこなかった。俺も彼女と同様に、呼吸を整える事に集中し始めた。しばらくしてお互いの呼吸が整った時、俺はどこからか本能に直接訴えかけるような匂いが存在している事に気付いた。俺はその匂いが何であるかは大方予想がついたので、彼女へ次の行為を行うかどうか訪ねようとした時、彼女自らその行為を求め始めた。

「ねぇ、お兄ちゃん。私さっきの“チュー”のせいで、お股が濡れて気持ち悪いの。」
「ふっ、そうか。で?どうして欲しい?敵の俺に“クンニリグス”を求めるのか?」
「ふふっ。うん、そうだよ。」
スクッ…ゴロン
スッ…
「お願いしま〜す。」

俺は意地悪気に少女へ訪ねると、彼女は肯定の意を示し床に仰向けとなって、自らの最も恥ずかしい部分を俺に晒し始めた。俺は彼女の要求通りに、彼女の下腹部に顔をうずめ彼女の割れ目を舌でなぞり始めた。

ググッ…ピチャ
「ひぁ…。」
ピチャピチャピチャ
「ひぅ…。んっ…。き…気持ち良いよぉ…。」
ピチャピチャピチャ
「ひはぁ…。はうっ…。お…お兄ちゃん…上手い。」

“上手いか…。俺は任意では“綾”にしか愛撫(や)った事はないんだがな。”少女は、俺に行為を受けている最中に感想を漏らし始めた。“こんな事やってていいのだろうか?”俺は疑問が思い浮かぶも、彼女へ行為を続けた。

ピチャピチャピチャ「ふぁっ…。はふぅ…。お…お兄ちゃん…何か出そう…。」
ピチャピチャピチャ
「ひふぅ…。はへぇ…。ご…ごめん。もう限…界。」
プッシャアアア
「はぁ…はぁ…。きゃあ〜出しちゃったぁ〜。恥ずかちぃよぉ…。」

“遅く愛撫(や)ったつもりだが、結構な量だな。もしかして…コイツ相当溜まってたんじゃないか?”少女は快感に飲まれ、自らの割れ目から大量の透明な液体を俺の顔目掛けて噴射した。俺は彼女の発言から彼女の真意を読み取れたので、顔についた液体を拭って口へ含み、いたずら気に微笑み彼女へ意地悪気に訊ねた。

214適当:2012/11/23(金) 14:33:45 ID:z4YPwsi.
ススッ…パク
「あっ…私のエッチな…お汁…。」
「おいしいぞ。とっても。」
「ええ!?そ…そんな…。」
「フィア、で?次はどうする?もう終わるか?」
「ううん。お兄ちゃんのが欲しい。」

少女に訊ねると、彼女は首を左右に振って否定の意を示し、すかさず俺へ別の要求を言い放った。俺は口元を吊り上げて彼女へ言い放った。

「敵のを求めるのか?全く…君は、あのエーフィと似て“淫乱”だな。」
「ああぅ、そんな事言わないでよぉ〜。私は、フィよりエッチじゃな〜いもん。」
「監視カメラで見られているかもしれないぞ?それでもいいのか?」
「うん、いいよもう。おしっこしている所も、お兄ちゃんにお股舐められている所も写ったと思うし。それに、私も…。」
「セックスしたいのか?」
「あはっ、わかっているじゃん。じゃあは〜や〜くぅ〜ぬ〜い〜で。私に“おちんちん”ちょ〜らい。」

“もういいか。俺ももう限界だ。“綾”すまない。俺は、最低の雄だ。これは、俺の自己意志。きっと…フィアが求めなくても、最後までやってしまっていると思う。だが、君を愛している気持ちは変わらない。俺の愚行を…どうか許してくれ。”俺は少女の強い要求を聞き入れ、心の中で精一杯の謝罪を行い、自ら服を全て脱ぎ彼女の目の前に立って自分の反りたつモノをさらけ出した。彼女は、“待ってました”と言わんばかりに積極的に俺のモノをくわえ、ぎこちない舌使いで、俺のモノをほふり始めた。

チュプチュプチュプ
「あっはっは。どこを舐めている?それで、俺のを得るつもりか?」
チュプチュプチュプ
「あ〜あ、完全に貞操だなフィアは。君、彼氏いないだろう?すぐにわかるぞ。」

俺が少女の行為について批判をとばすと、彼女は一旦俺への行為を止めて、俺に“方法”を訊ねて来た。

チュパハァ
「はぁ…はぁ…。じゃあ、どうすればいいの?お兄ちゃんの言うとおり、私エッチした事ないもん。」
「さぁな、自分で考えろ。」
「イジワルぅ〜教えてよぉ〜。」
「ダメだ。甘えるな。」
「うぅ〜、絶対にお兄ちゃんのをゲットしてやるぅ〜。」

215適当:2012/11/23(金) 14:41:09 ID:z4YPwsi.
“さぁて、どう出るか。”俺は少女の返答を聞き、彼女の反撃を楽しみにしていると、彼女はよっぽど悔しかったのか、それとも躍起になってしまったのだろうか、俺が予想もしていなかった行為を行い出した。

パクッ
チュプチュプチュプ
「あっはっは。何度愛撫(や)っても無…」
シュコシュコシュコ
「だはぁ!!は…はぁ!?ちょっと待て!!君、それは無…」
シュコシュコシュコ
「いい!!だはぁ!!ろほぉ!!い…一度に二つも技をやるなぁぁぁ!!」
チュプチュプチュプ
「うっ…はぁ!!くっ…もう限界だぁぁぁ!!」
ビュク ビュルルルル…

俺は少女に自分のモノをしごかれるという行為を付け足されて、快感に飲まれて長い時間にわたって、彼女の口内へ自分の精子(モノ)を射精(だ)してしまっていた。俺は息を切らして、彼女へ目を向けると、彼女は満面の笑みを浮かべて感想を述べた。

「はぁ…はぁ…。」
チラッ
ゴックン
「くふふ、お兄ちゃんのおいしい〜。いっぱい射精(だ)してくれてありがとぉ〜。」
「はぁ…はぁ…。君、“手コキ”と“フェラチオ”は流石に“ズルイ”じゃないか。」
「だって、私下手くそだも〜ん。しょうがないじゃん、欲しかったんだし。」
「だ…だからって…。」
「お兄ちゃんが悪いんだよぉ〜?あっ、そうだね〜。だってお兄ちゃんは、私のおまんまん“ペロペロ”しながら指で“いじいじ”出来ないもんね〜。だったら謝るね。ごめんちゃい。てへっ。」
ペロ

“おまんまん?雌の性器をおちんちんみたいに呼ぶ感じか?まぁ、いいか。俺も満足させてもらえたんだし。そろそろ終わった方がいいな。フィアを…裏切り者としたくはないからな。声が聞こえなければ、俺に強要された様に写ったハズ。”俺は少女の舌を出して可愛らしい仕草を見届け、彼女へ笑みを向けて終了の合図を送った。

「ふっ、君は本当にカワイイな。」
「えへ?そ〜お?」
「ああ。よし、もう終わろう。傷は完全に回復したな?今日はもう遅い。君は部屋へ帰る事が出来ないから、シャワーを浴びるなりして寝てくれ。俺も明日の闘いに備えて寝…」
「う〜ん、イヤだ。まだ寝たくないもん。」

“眠く無いではなく、寝たくない?って事は…、当然最後までって事か…。”俺は少女が不満気な表情を浮かべて発言した事に対して、呆れた表情を浮かべて彼女を説得し始めた。

216適当:2012/11/23(金) 14:47:16 ID:z4YPwsi.
「はぁ…。フィア、いい加減にしてくれ。君と俺はレベルが違うんだ。監視カメラに君と俺がセックスしているのが、写ってしまったら、君は敵の子を宿した者と見なされて、裏切り者扱いされてしまうぞ?」
「いいよ、それでも。」
「はぁ!?君、何を言って…。」
「それとも、私とエッチするのはイヤ?」
「いや…嫌ではないが…。」
「くすっ、じゃあ決まりね。私の初めて…奪って下さい!!」
スクッ…ゴロン
パカ

“くそ、どうすればいいんだ?ここでフィアとセックスしてしまったら、フィアを殺してしまうようなものだ。俺は…こんな年端もいかない娘なんか殺したくはない!!”俺は少女が何かを期待して目を輝かせて仰向けになっている様子を見るが、真剣な表情を浮かべて彼女に諭し始めた。

「フィア、俺は君に裏切り者になって欲しくないんだ。だから止めよう。君は、俺と性交(す)るべきじゃ…あっ。」
「ぐっす…ひっく…。」
「フィア…どうして泣いているんだ?」
「だって…お兄ちゃんの事が大好きなんだもん!!」
「俺の…事が?」

少女は大粒の涙を浮かべて俺に強く訴えてきた。俺が自分を指差し彼女へ訊ねると、彼女は涙を流しながら俺へ真実を述べた。

「ぐっす…。もう正直にいうね。私が…お兄ちゃんって呼んでいるのは、呼びやすいから…ってだけじゃないよ。ピカチュウのお兄ちゃん格好良くて、強くて、素敵だった。それに、私は闘ってて楽しかったんだよ?」
「強い?弱いって言っていたじゃないか。」
「ううん。ごめんね。私はレベル50台でお兄ちゃんはレベル30台。負けて当たり前だよ。それでもお兄ちゃんは、私に勝つ方法を考えて私に挑んできてくれていた。私ね…あんなに強い雄と闘ったのなんて、お兄ちゃんが初めてだったんだよ?」
「俺が…初めて?」

俺は少女の発言に驚き彼女へおもむろにに訊ねた。彼女は何の躊躇いもなく俺の質問に答えた。

217適当:2012/11/23(金) 14:51:17 ID:z4YPwsi.
「ぐっす…。ぞうだよぉ。“草笛”を使った後に、お兄ちゃんが草むらの中で寝ていない事に私ビックリしちゃったもん。それに、私をひるませたのはお兄ちゃんが初めて。」
「あれは、催眠効果があるってわかっていたからな。君の草笛の音を聞いて、すぐに耳を塞いだんだ。」
「そうだったんだ…。あれ?でも、どうして森の中にもお外にもいなかったの?それに…私の演奏が終わるっていつわかったの?」

“あっ…確かにな。もう正直に言おう。フィアは、対戦相手で唯一俺に優しくしてくれたんだからな。”俺は、少女の涙を自分の手で拭ってあげ、彼女の質問へ答えた。

スタ スタ
スクッ…ススッ…
「え?お兄…ちゃん?」
「あっはっは。すまないな。俺は、君の真上にいたんだ。君が入って来る音を聞いて、すぐに木の上に上って、君が立ち去るのをずっと待っていたんだ。
「へぇぇ!?」
「でなきゃ、奇襲はおかしいと思わないか?“何で自分に見つからずに、木の上からとび下りて、いきなり刀を当てられたんだろう?”ってな。」

俺は少女に真実を話し、真実とは異なった行動を行った場合の矛盾点を指摘すると、彼女は俺の話に納得したのか、はっとした表情を浮かべて、俺へ相槌を打って来た。

「あっ…あー!!確かにそうだよ!!私の演奏が終わる瞬間をずっと見ていたんだったら、音を聞くタイミングも間違えないから…。」
「当然、森の中で寝ているワケないよな?」
「あぅぅ…。悔しい〜!!お兄ちゃんに一本取られたぁ〜!!」
「君の“アドバイス”のおかげだ。“おっちょこちょい”のフィ〜ア?」
「ああ〜!!もう、言わなければ良かったぁ〜!!私のバカぁ〜!!」

“何かカワイイな…。何か、俺もフィアとセックスしたくなってきたな。”俺は少女が悔しがる表情を浮かべて声を上げている様子に心を動かされ、彼女の頭を優しく撫でて、優しく笑みを向けて、彼女の望みを“叶えてやる”と言い放った。

218適当:2012/11/23(金) 14:56:09 ID:z4YPwsi.
ポン ナデナデ
「あっはっは。このカワイイヤツめ。俺は、バッチを手に入れた。今更返す気はない。その代わり、君の願いを1つだけ叶えてやる。何がいいんだ?」
「バッチ返さないんだったら、私とエッチして。」
「よし、わかった。だが始めに言っておくが、処女膜を破られたらかなり痛いぞ?それは、わかっているよな?」
「うん。高校生の時お友達から聞いた。とって〜もイタイって。でも私頑張る。だけど、泣いちゃったらごめんね?」
「そうか。覚悟があるなら、俺のモノを君の膣(ナカ)へ挿(い)れてやる。行くぞ?」

俺は少女の返答を聞いて彼女へ合図を送り、彼女の秘所へ自分のモノをうずめ始めた。俺はついに彼女の初めての証へぶつかったので、彼女へ合図を送り彼女の初めての証を一気に突き破った。彼女は意外にも表情を崩さないどころか、ますます口元をゆるませていたので、俺は疑問を抱き、彼女へおもむろに訊ねた。

ジュブブ…ピリッ
「あはっ、お兄ちゃんが挿入(はい)ってくるぅ〜。」
「あれ?フィア、痛くないのか?」
「うん。なんか…おまんまんの膣(ナカ)に、大きなセロテープが貼って会ったような感じ。」
「セロテープ!?」
「もう、いいじゃ〜ん。は〜や〜くぅ動いてよぉ〜。あれ?それとも、もう無いの?お兄ちゃんのミ・ル・ク。きゃはっ、だったらごめんね?謝るから許してね?てへ。」
ペロ

“コイツなめやがって…。貞操のくせに、経験者を挑発するとはいい度胸だな!!”少女は舌を出して可愛らしい表情で俺を嘲け笑って来たので、俺は彼女へいたずらに微笑みかけ、彼女を脅迫し、彼女の合図を待たずに自ら腰を動かし始めた。

「ほ〜う。君、俺を挑発してただで済むと思うなよ?」
「きゃはっ、私をめちゃくちゃにするつ…」
ジュブジュブジュブ
「もほぉ!?りひぃ!!なの…、って合図くらいして!!いきなりはズ…。」
ジュブジュブジュブ
「ルふぅ!!いひぃ!!よほぉ…。お兄ちゃん!!私、初めてだよ!!もっと手加…減してよ!!」

“気持ち良さでうろたえているな。よし、コイツを壊してやろう。”俺は完全にスイッチが入り、少女の訴えを無視してとんでもない返答と行動を取り始めた。

219適当:2012/11/23(金) 15:00:50 ID:z4YPwsi.
「何?もっと速く動いて欲しい?しょうかないなぁ〜。お望み通り速く動いてやる。ほれ、行くぞ?」
「へぇ!?私、そんな事言ってな…」
ジュブジュブジュブジュブジュブ
「はぁぁ!?いい!?よぉ!!は…速すぎるよぉ〜!!い…絶頂(い)っちゃうから止めて〜!!」

少女は予想も出来なかった俺の激しい行為に、喘ぎ混じりの声で、俺へ抑止をかけた。俺は、自分で速く動いてしまっているので、当然の如く快感に襲われるが、彼女へ勝利の笑みを浮かべて言い放った。

「ふはぁ!!はぁ!!た…たいした事ないな。もう終わりか?トドメを刺してやる。」
ジュブジュブジュブジュブジュブジュブ
「はへぇ!?ひゃう!!ひゃあ!!んへぇ!!こ…こうなったらお兄ちゃんも道ぢゅれだぁ〜!!」
「はぁ…はぁ…。道連れ?一体何をする気…。」
キュウウウ…
「だはぁ!!う…うわぁ〜!!ち…ちくしょうがぁぁぁぁ!!」
ビュク ビュルルルルル…

俺が少女だけ絶頂を味わせて何とか射精をこらえていると、彼女が大声で叫び、俺のモノを膣壁で強く締め上げたので、俺は耐えきれずに叫び声を上げ、彼女の膣(ナカ)へ自らの精子(モノ)を射精(だ)してしまっていた。俺が悔しそうな表情を浮かべて彼女と反対方向に仰向けになって息を整えていると、どこにそんな体力があったかは知らないが、彼女が起き上がって息を整えながらも、俺の顔を覗き込んで嬉しそうにはしゃぎ出した。

220適当:2012/11/23(金) 15:03:26 ID:z4YPwsi.
バタン
「はぁ…はぁ…。くそっ…。」
ムクッ
「はぁ…はぁ…。あはは、お兄ちゃんも道連れだぁ〜!!」
「はぁ…はぁ…。くそっ、こんなにキツく締めやがって…。反則だぞ、君は。」
「え…へへ。う…うるさはぁ…い。お兄ちゃんだって…速くした…。」
クラッ…バタン
「うほぉ!!お…おい!!フィア、大丈夫か?」
「ご…ごめん…。私もう…限…か…い。お兄ちゃんの上で…寝かせ…」
カクッ
「すーすー。」

少女は俺に反論する途中で体勢を崩し、俺に体を預けた。俺は彼女の体を受け止められずに、彼女の顔が自分の腹部へと直撃してしまったので、少しの痛みに耐えつつ、彼女へ声を掛けた。彼女は弱々しく、うつろな目をして小さな声で俺に謝罪し、俺の腹部に顔を伏せたまま静かに寝息を立て始めた。俺は彼女がやむを得ずに取ってしまった体勢だと推測し、彼女を両手で持ち上げて自分の胸元に彼女の頭を持ってくるように移動させた。その後、俺は彼女を寝かしつけるように、優しく頭を撫でながら、彼女の可愛らしい寝顔を堪能していたが、自分も次第に眠気に襲われてしまったので、彼女を抱きながら、彼女に続いて眠りの世界へと旅立った。

221適当:2012/11/23(金) 15:09:29 ID:z4YPwsi.
トントン トントン
「起きて、ねぇ起きて。」
パチッ…
「…ん?」
「朝だよぉ〜。お・は・よ。」
「あ、ああ…。」

俺は少女に声を掛けられ体を叩かれて目を覚ますと、彼女は俺に抱かれたままの姿勢のまま、前足を俺のほほに添えて微笑みを向けていた。俺は起きても尚、自分の上に乗り続けている彼女を見つめて彼女へ理由を訊ねた。

ジー
「君、何でどかないんだ?起きているなら、普通どくだろう?」
「くすっ、何でだと思う?」
「さぁ?知らないな。どいてくれないか。」
ギュウウウ…
「うわぁ!!って君…。」
「や〜だもん。お兄ちゃん暖かくて気持ちいいから、どかな〜い。」

“はぁ…、カワイイが厄介だな。敵である俺にこんなに甘えてくるとはな…。”俺は少女の要望を聞き入れふと腕時計を見ると、【6:30】と表示されていた。“そうか、まだ朝食は出てこないな…。”俺はただ朝食を待っているのも退屈なので、彼女の頭を優しく撫でながら彼女へ質問をぶつけた。

ポン ナデナデ
「ふわぁ…、気持ちいい…。また眠っちゃおっかなぁ…。」
「寝るな。君、どうして敵の俺にこんなに甘えてくるんだ?処罰が怖くないのか?」
「“裏切り”のって事?」
「ああ。もうこれはどう考えても、どう見ても君から求めてきている。軍の連中は、君をただじゃおかないハズだ。」

俺が心地良さそうな表情を浮かべている少女に、厳しい現実を告げると彼女はそのままの表情を保ちつつ、俺に相槌を打ち、俺から離れて何かを叫び出し、後ろ足を曲げて頭を下げ出した。

「くすっ、そうだね。じゃあ、保険でも打っておこうかなぁ〜。」
「保険?」
ピョン
スタ スタ スタ
「元帥様ぁ〜!!聞こえますかぁ〜?私は、ピカチュウのお兄ちゃんの味方になったワケじゃありませ〜ん!!私の愚行を…どうか許して下さぁ〜い!!もう二度と、こんな事はしませんからぁ〜!!」
スクッ ペタン
ググ…ペタン

“あっ…土下座をして許しを得ている…。そうか、やっぱりフィアも怖いんだな。軍のボスからの処罰を受けるのが…。しかし…どうしてこんなにも必死なんだ?訓練が多くなるとかその程度ではすまされないのか?”俺は少女が不安気な表情を浮かべて懸命に過去の行いを謝罪している様子に、同情しつつ疑問が湧き出てきたので少女へ訊ねた。

222適当:2012/11/23(金) 16:50:49 ID:z4YPwsi.
「フィア、どうしてそんなにも必死なんだ?そんなに怖いのか?」
「…。」
「どうした?聞いちゃいけなかったか?」
コクリ

“よっぽどの事なんだな…。うん、これはもう訊くのは止めた方がいいな。フィアは味方に出来ない。俺の味方になってしまえば生きる道なんて保障されない。あんなに…必死に謝ったんだから、きっと…許してもらえるハズだ。俺は少女が表情を暗くして黙ってうなずく様子を見て決断し、少女へ別れを促した。

「フィア、それならもう戻った方がいい。君は…俺の事が大好きなんだろうが、早めに別れないと俺と手を組んでいると勘違いされてしまうからな。」
「そうだね。くすっ、お兄ちゃんありがとう。私、お兄ちゃんに会えて良かった。」
「ふっ、俺もだ。さぁ、もう戻るんだ。そこの…【若葉】の扉からな。」
「うん、わかった。でも1つだけ…。1つだけお願いがあるの。」
「お願い?」

俺は少女の頼みを聞こうと少女へ訊ねた。少女は笑みを浮かべて自分の要求を言い放った。

「“サン”っていうサンダースはお友達なの。だから、優しくしてあげてね?」
「友達?わかった約束する。」
「それから…お姉ちゃんには厳しくしてもいいよ。」
「は?どうして?」

“友達には優しく…だけど、何故姉には冷たいんだ?”俺は少女の性格に似合わぬ発言に首を傾げ、おもむろに訊ねた。すると、彼女はいたずら気に微笑み【若葉】と示された扉へ駆け出し、俺の方へ振り向いて理由を述べ、別れの言葉を告げた。

タッタッタ
「は?おい、フィア待て。俺の質も…」
クルッ
「だって、お姉ちゃん私を子供扱いするからキライなんだもん!!」
「子供…扱い?」
「くすっ、そうだよ!!だから、う〜んと痛めつけてね?じゃあ、お兄ちゃんバイバイ!!生きてたらまた…ぐっす…また会おうね!!」
ガチャ…バタン

“生きていたらだと!?”この時俺は少女の言葉を聞いてその場にひざをつき愕然としてしまった。途端に自然に涙が頬を伝っていくのを感じた。そう、俺は彼女の発言・表情で全てを理解してしまったのだ。“逆らえば…殺される”という事を。俺はしばらく涙を流しながら彼女が去っていった【若葉】と示された扉を見つめ続けていた。

試練3 【若葉】 完


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