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戦場スレpart2
1
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/07/11(水) 20:01:52 ID:Ue7B6b.Y
ロボットの戦闘シチュや、イベントの際にお使い下さい。
261
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/19(水) 06:30:48 ID:VB1Q.bzY
>>258
自分が退出した後の会話が聞こえるはずは無いが、少佐には大体の検討はついていた。
そしてそれは中尉の想定の範囲内だった。
少佐がCICに入ると、事前の指示に沿ってラウディがセットアップの手順を進めていた。
座席のヘッドレストやコンソールのキーボードを交換、月孫衛星軌道上の電子戦艦カックラキンと直通回線を開くと、大量のファイルが流し込まれる。
乗り移るために借りて着ていたパイロットスーツを上半分脱いだ少佐にシートを引き渡すと、ラウディは自機にとって返した。
>>259-260
幾つものソフトウェアを更新或いはインストールしつつ、戦況を確認。
「……ハイパーロングレンジフォトンキャノン、ね……」
呟くと、アップデート作業を一時中断。
目を保護するゴーグルをかけ、ヘッドレストから延びた光ファイバーケーブルをうなじのジャックにつないで没入(ジャックイン)。
クレマチ伍長機やクーリマン軍曹機、カックラキンからのデータを重ねてブリッジに送ると少佐の初仕事は一段落する。
対ショック防御のため復帰(フリップ)すると、わずかに笑みを浮かべた。
262
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/19(水) 18:39:12 ID:Dweys69c
>>254
~257
モニターにはゲシュペンストがバランスを取った事を示したこととグリップを掴む振動を確認した後にグリップを引き更にスロットルを大きく上げるとエクセリオンは上昇しつつ正面にブレイクフィールドを示す障壁が展開される
>「上をそのまま通過してくれ、飛び降りる!」
「任せろ!」
戦場を超音速で駆けるレオンとヒツギ
視界を流れる景色
レイナ達の姿を黙視するにはそう時間は掛からなかった
不意にファルゼンの周囲に複数の砂煙柱が立つ
エクセリオンの機首部分のマシンキャノンが火を噴いていた
「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」
【レオン、ヒツギ、レイナ達と合流】
>>260
――――その頃、味方援軍
焼き払われた各施設、人型の機動兵器、その残骸となる筈の物体から蠢く異形…
編隊を組んでファルゼン一機に上空から波状攻撃を仕掛ける機影達の姿
レギンレイヴ1「各機、戦況を報告せよ」
フリスト1「我が隊及びヒルド、スケグル隊は健在。しかし敵の数が思いの外減らない」
ゲル1「こちらゲル1。生存者の確保に成功。戦域を離脱する」
戦況は芳しくないものの救出には成果があった様だ
>「タイガー1よりプトレマイオス基地周辺に展開する全友軍へ。――
レギンレイヴ1「例の新造艦か…まぁいい。お手並み拝見とさせて貰おう」
砲撃通過予測エリアより速やかに、鮮やかに離れる味方援軍
>――てぇーっ!!」
号令の後、一切の間を感じさせずに該当エリアに光の柱が横たわり問答無用で射線上の物体を飲み込んでいく
レギンレイヴ1「…確か日本の軍需企業の開発のはずだろう…まるでEOTではないか…」
263
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/19(水) 19:05:46 ID:Gen2Vhow
>>256
>>262
レイナと焔姫のいるポイントへと合わせ、エクセリオンから手を離し重力に任せての自由落下を行う
月の大地へと着地すると、踏みつけられた白い砂が高く宙に舞った
「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」
急いで駆けつけてきたはいいが、すでに粗方片付けた後のようだ。
どうやらこちらが助けた黄色と青の機体よりも、赤の機体は戦闘力が高かったらしい
「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」
チャンネルを開いて現在の作戦状況を口頭で伝える
「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」
先ほど相手をしたファルゼンからは意思といったものは感じられなかった。
さらに今まではクラウンやシャドウストライカーのような明らかに一線を画す機体が現れていたが、その姿も見えない
となればまだどこかに敵が潜んでいる可能性がある・・・と考えているようだ
>>260
「うおっ!?」
月の白さすら覆ってしまうほどの閃光が上空を走った。
それは甲斐から発射されたバスターキャノンの軌跡、基地が既に壊滅状態ならば躊躇する理由もないということだろう
「こいつは・・・とんでもないな」
焼き払うという言葉が相応しい一撃が大地を飲み込んでゆく
その様をヒツギはカメラ越しに見つめていた
264
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/19(水) 19:23:35 ID:N7v79jn6
>>260
甲斐の主砲ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの破壊エネルギーにより、密集していた触手ゾンビ達は全て飲み込まれて行く。
こんなものを食らえば確実に再生する為の破片すら残さず消滅させるだろう。
「すごいな。遠目で見てても目がおかしくなりそうな程の光だわ。
しかし、発射シーケンスがかなり気合入っていたけれど、毎回あの緊迫感が保つかしら?簡略化すれば良いのにね」
ハンカチ(律儀)で目をごしごしと拭い、メタ視点的な何とも反応しがたい発言をするレイナであった。
>>262
>>263
【「…流石は姫。騎兵隊の到着より先に決していたとは
いや、すまない。もう少し急ぐべきだったな」】
【「レイナ!大丈夫・・・だったみたいだな」】
二人が駆け付けた時には、もう窮地を脱し腕を組んで偉そうに君臨しているアイゼルネ・ブルートの姿が有った。
「いや、こちらこそ苦労をかけた。あの赤い突撃姫が割と頑張ってくれたから。
それに……っ。アイゼルネもこんな柔な攻撃じゃ何とも無いわ」
アイゼルネのコクピット内。レイナはその指先を側にある奇妙な器機に接続する。
マシンセルを活性化させる装置の様だ。
「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」
電流に焼かれ、触手に破損させられていた筈のアイゼルネ・ブルートの深紅の装甲は、
元有る形に戻ろうとみるみる内に再生してしまった。
……しかし、その際にレイナが浮かべた一瞬の苦悶の表情の意味はまだ誰も知る余地は無かった。
【アイゼルネ・ブルートのHP回復:残りHP100%】
【「とりあえず青と黄色は既に回収部隊と合流してる、後は基地のクリアリングだけだ」「ただ気になるんだけど、こんなやつらが基地を集団で攻撃するなんて思えない。
統率の具合からして多分指揮官がいる気がするんだが・・・」】
その指揮官機こそが……ヒツギを殺す最悪の相手なのだ。どうかその事に気付いてくれ。
とレイナは懇願した。
「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」
そう淡白に告げるレイナ。
ゲシュペンストの不調を理由に出した。
もちろんゲシュペンストの出来は完璧。非の打ち所など無い。
しかし……そうまでして戦わせたく無い。死なせたく無いのだ。
今回の相手は今までとは訳が違うのだ。
265
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/19(水) 19:54:24 ID:9G.nzZuE
>>260
「おー、すさまじいな。」
その威力に唖然していた。
「あれに、巻き込まれた奴ら乙だな。」
だが、あまり戦況が、よく解らない。
「とりあえず、合流するか。」
足早に、レオンたちと合流する。
【合流完了】
>>262
そこでは、レイナ嬢が、半ば強引な嘘で、ヒツギを返そうとしていた。
まぁ、すこし手伝おうと思い。
「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」
そう、諭す。
【その隊長機を戻ってくるまでに潰せばいいんだ。】
266
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/19(水) 20:58:55 ID:faCXu6tk
>>257
マヤの怒りや恨みや憤りや、その他諸々を乗せた斬撃が、今度こそ完全にファルゼンの機体を断ち切った。
【ファルゼンE撃破】
>>259
その直後に瞬く、ハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンの閃光。
遥か遠方にまで伸長した光子チューブの内を、極大のエネルギーを孕んだ赤い奔流が駆け巡るや、
後方に居並んでいたファルゼンの群れを飲み込み、消し炭の一片すら残さずに蒸発させていった。
【F~Jを含むマップ上のファルゼン全滅】
閃光が消え入ると、辺りはただ瓦礫に埋め尽くされた、静謐とした姿を取り戻した。
陽電子の灼熱が残した、黒々とした轍の左右に広がるのは、敵味方を問わぬ夥しい残骸の山である。
その寂寥とした光景は、さながら戦いの終わりを告げるかのような苦い後味に満ちていた。
しかし、それで終わりではなかった。
甲斐のブリッジは――あるいは、レーダー有効半径の広い機体の搭乗者は、その異変に気付いただろうか。
西方に展開していた救助部隊の識別信号が、外周部から次々に消失していく。
その模様は、何か途哲もない速度を持ったものが、友軍を蹴散らしながら甲斐に迫りつつあることを意味していた。
まだ戦いは終わりではない。
何かが、来る。
267
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/19(水) 21:44:33 ID:Gen2Vhow
>>264
>>265
>「さぁアイゼルネ。思い出してごらんなさい。お前は元々どんな姿だったのか?」
傷ついていた機体が見る見るうちの元の姿を取り戻していく
マシンセルによる回復能力、損傷を受けてもマシンセルが自己増殖するというものだ
>「…ヒツギ。実はそのゲシュペンストには欠陥が有るのが判明したのだよ。
>先程は急だったから仕方が無かったが、後はもう良い。君は甲斐へ戻ってくれ?」
>「ヒツギ、ここはレイナ嬢の言うこと聞いとけ、ほら赤がまだだろ。」
>「逸機だけ、破壊されて、残念というのは、頂けないからな。一緒に回収場所まで行ってこい。」
「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」
そう、ヒツギのゲシュペンストはほぼ素のゲシュペンストととなんら変わらない。
Sタイプに変更するためのジェネレーターと武装の追加技術も失敗する可能性は限りなくゼロだ
S/B特有の高周波ブレードの追加に至っては難しい部分は何一つ存在していない・・・
さすがのヒツギでもそれを信じろというのは無理な話である
「いったいどうしたんだよ、突然」
268
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/19(水) 23:51:08 ID:N7v79jn6
>>267
【「何言ってんだよ、こいつはほぼ素のゲシュペンストの上にお手本として本物のSタイプまであるんだぜ?
そこのアルブレードみたいのならまだしも、武器もこのブレードが追加されただけだし模擬戦でも問題なく動作していた」】
「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」
いつもの様な無茶苦茶な暴論も
今に限ってはただの薄っぺらいワガママにしか聞こえない。
いっそ本当の事を言ってしまおうか?
その上で死を回避する手段を……。
「……言うことを聞きなさい」
いや、無理だ。あのヴィジョンはそんな抵抗を問題にすらしない強固な未来。
小細工。無駄。そんなものは既に何十通りも思案している。
もしや、ヒツギが前線に出る事までも何物にも止められない絶対の未来なのかも知れない。
(……駄目なのよ。行かないで!)
ならレイナが何を言おうが……正義感の塊の様な彼を止められる訳が無い。
心の中で叫ぶ。
【「いったいどうしたんだよ、突然」】
「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。
…………さもなくば!」
私の心の内も知らないで!と余裕が全く感じられない
いつもとは全然違う苛ついた様子でヒツギの事を怒鳴ってしまう。
そしてそんなレイナが次に紡ぐのは絶対に口にしてはいけない言葉。
「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」
口にしたのは離別或いは拒絶の言葉。
普通の物語のヒロインなら泣きながら震えながらに口に出し、
本当は離別を惜しんでいるのだな。と思わせる展開だが……。
根っからの演技派であるレイナは、そんな女々しい内情を絶対に悟らせない。
いつもの強気な口調に冷淡さをプラスした酷い台詞を残した。
ヒツギはそろそろレイナに怒りをぶつけても許されるだろう。
むしろこんな馬鹿な主を糾弾して欲しいとさえ思っていた
269
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/20(木) 00:07:00 ID:0VTF0EGE
>>266
「さすがはMAP-W級ね」
『後は、生存者を収容するだけですか』
ブリッジのレミー中尉と直援のラウディ軍曹はもう終わったような口をきく。
だが、上空のカックラキンからの観測データを受け取ったマデリーン少佐が警告を発した。
『各員!九時方向に敵性反応!
次々に友軍が攻撃されている……ラウディ、目視出来るか!?』
『えっ、ちょっと待って下さい、高度をとり……』
>>264-265
『……レイナ嬢?ハヤミ一等兵も無闇に同調しないで……何を言っているの?』
念動力者と予知能力者が何か言っている、その事を少佐は気が付いた……その意味までは分からないが。
>>268
「……ヒツギ君、何やったの?」
いや、そっちじゃないんです、中尉。だから“意地悪なクラス委員長”みたいな口調されても……
270
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/20(木) 00:55:23 ID:JRcHjc9A
>>268
なにやらレイナの様子がおかしい・・・彼女は確かに我侭なところもあるが決して不条理ではない
>「……ぅ。聞き分けが無いわね?私が欠陥が有ると言えば有るのよ」
>「……言うことを聞きなさい」
「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」
機体に不備があるなんて嘘は部隊全体に関わってくる話だ、悪戯で言うようなことではない・・・のはヒツギも分かっている
>「……っ。五月蝿いのよ!ヒツギ。大人しく私に従いなさい。
「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」
さっきから何か煮え切らない
今までのレイナだったら敵がさらに現れるというのなら最初からそう伝えてきていたし
誰かを助けろというのならば朧げでもその理由を話したものだ。
だが相手の口調が荒い事もあってか、ついついヒツギの語尾も強くなってしまう
>…………さもなくば!」
>「…消えてくれ。君とは契約解除だ。二度と私とは関わるな」
「なっ・・・!!」
お互いにだんだんとヒートアップしてきていたとは言えまさかそんな言葉が飛び出してくるとは思わなかったはずだ。
契約解除・・・言うなれば絶交、それほどまでのカードを切る理由すらヒツギには分からないだろう
「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」
苦虫を噛み潰したかのような表情で、内なる感情を殺しながらあくまで冷静に返す
たとえこれだけのことを言う理由があったとしても、助けを求めているものに手を差し伸べないわけにはいかない
ここ
「従えるんだったら、俺は最初から戦場にいない」
そういう性格なのだ、ヒツギ・ハヤセは
271
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 11:13:11 ID:waje.t2I
>>266
戦場を横断し、全てを破壊し尽くした死神の如きバスターキャノンは数十秒の蹂躙の後、
白と赤の光の粒子を残して徐々に細くなって消えていった。
「バスターキャノン照射終了。照準内に捉えていた敵機は全て消滅した模様」
「冷却剤注入、放熱板を全て展開。次の掃射に備えて下さい。今の砲撃を見て、敵がこちらに殺到してきますよ」
「了解」
両開きになった艦首装甲の根本から赤熱した長大な放熱板が片側三つずつ、計六本展開し、
続いて円筒形のバスターキャノン砲身から、白い蒸気が勢いよく吹き出す。
「バスターキャノンモジュール冷却中。安全温度までは100セコンドを予定」
「安全温度に到達次第、次の掃射の準備を。索敵システム、敵の様子はどうですか?」
「はい。バスターキャノン第一射を受けて、敵の動きは掃射前と比べて縮小しつつありますが……」
索敵オペレーターの歯切れが悪い。
「が、どうしました?」
「基地西側の友軍の反応が、次々と途絶えていっています。
レーダーの反応によると、それはただ一機の敵機によって引き起こされているようでして……」
「単機で……?」
「ええ。特機並みのスケールを持つ機体のようですが、速度が異常です。
友軍の反応の消え方と、レーダーの反応から、こちらに向かっているのは確実ではないかと」
「どういう立場の敵かは知りませんが、厄介な敵に変わりはなさそうです。
CIWS起動、両舷ミサイルランチャーにティンダロス2を装填。前部主砲にはX−2SAP弾を込めておいて下さい。
対空監視は厳にお願いします。敵はその一機だけではありません。ここからが本番です」
敵に「特機」というカテゴリが存在するかどうかは不明だが、他の敵機のスケール差から言って、特別な機体であることはまず疑いようもない。
それだけの大型機を止められるマシン・スペックを持つであろう機体は、残念ながら今の甲斐の部隊には存在していない。
であれば、密度の濃い弾幕によって敵を足止めし、高火力の艦砲類で仕留めるのがベターなところだろう。
…………最も、艦砲が効く相手かどうかは別問題であるが。
272
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 11:14:17 ID:waje.t2I
>>268
,
>>270
迫り来る敵の「特機」に対して臨戦態勢を整えさせたリリーの袖を、艦長席に座っている姫が小さく引っ張った。
声に出さないところを見ると、やや内密な話のようだ。リリーは黙って姫に近づき、耳打ちができる位置につく。
「……すみません、少尉。でもちょっと、様子がおかしくて」
「様子がおかしいとはどういうことですか? 確かに敵の様子は少しおかしいですが」
「いえ、そっちではなくてですね。カーマインさんとハヤセ少尉のことなんですよ」
「あの二人が何か?」
「それがどうも、本気と書いてマジと読むくらいの、険悪な口喧嘩をしているようでして……」
普段のあの二人の様子からして、にわかには信じがたい話ではあるが、ヘッドセットのチューニングを合わせてみると、
姫の言うとおり、このまま仲違いしてしまいそうな勢いの口喧嘩だ。
「これは一体何がどうしてこんなことになったんですか?」
「わかりません。急にカーマインさんがハヤセ少尉に、甲斐への帰投を……その、「本当に命令する」ような形で命じたみたいで……。
それにハヤセ少尉が反発して、こんなことに」
「カーマインさんには、眉唾な話ではありますが、どうも「予知」の力があるようですから、多分それの関係でそんなことを言ったのでしょう。
しかし、それに慣れっこのはずのハヤセ少尉がこんなに反発するということは、大した説明が彼女から為されなかったのでは?」
「その通りです。「いいから黙って言うことを聞け」って感じの、有無を言わせない命令でした」
「なるほど……」
顎に手を当てて、リリーは考え込む。
リリーが「眉唾物」と評したレイナの予知能力が存在していると仮定した上での話だが、
普段は余裕たっぷりのレイナがそのキャラを捨てる勢いで、あそこまで強くヒツギに命じているとなれば、十中八九その予知の内容はヒツギに関係しており、
更に言うのであれば、酷く悪い部類の予知内容だったのだろう。
レイナがただの狼少年で終われば、それは質の悪い冗談で済むが、もしそうでないのなら……?
「………………」
考え込んでいたリリーは何かを決めたような頷きをして、
「艦長、私はお花摘みに行ってきますので、少しここをお願いします」
「えっ?」
はい、とも、いいえ、とも姫が言わないうちにリリーはブリッジから出ていく。
ブリッジを出たリリーは小走りで艦橋を貫く吹き抜けの階段を挟んだ反対側の壁に移動し、きょろきょろと周囲を確認してから、そこに手をつく。
「…………誰にも見られていませんように」
そう呟いてから、リリーはそっと目を閉じる。
直後、甲斐の通信アレイの一部機能が内部からの密かなハッキングを受けて乗っ取られた。
乗っ取られた通信機能はまず、甲斐の上空を飛んでいるアカリのビルトラプターに通信を飛ばした。
秘匿回線に乗せられて送られたその通信波には、数行のテキストメッセージが添付されているのみ。
そして乗っ取られたアレイはもう一通、秘匿回線による通信を飛ばした。
宛先はレイナ。やはり短い電文が、アイゼルネに届いているはずだ。
そこには簡潔に、「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」と書いてあるだけ。
電文に従って上を見れば、旋回しながら緩やかに高度を下げているアカリのビルトラプターが見えるはずだ。
「…………よし。あとは……彼女次第です」
目的を達成したリリーは速やかに通信機能を正常に戻し、壁から手を離した。
早足でブリッジに戻ると、怪訝そうな表情の姫がこちらを見ている。まあ無理もない……そう思ったリリーはお腹をさすって、
「すみません、昨夜の無理が祟りました。やはりビールを水と同じ感覚で飲んではいけませんね」
「えっ? 少尉ってまだ……未成年ですよね?」
しまった。このジョークは失敗だった。
273
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/20(木) 11:42:51 ID:Xn7W2fZo
その時、各機のコックピット内にアラートが鳴り響き、新たな敵影の接近を告げた。
始めに視認されたものは、緑色の燐光。
翼のようなV字型に広がったそれが、地平の彼方に煌めいたのも束の間、
直後には各機のモニタ上に、燐光の基部たる巨大な双翼がありありと映っていた。
闇に溶け入るような蒼紫色をした、翼長50mの猛禽の如き巨大戦闘機。
一同を目前に捉えるや、その姿は瞬転。
四肢を備えた人型となって、虚空に静止する。
「……成程。今の砲撃を行ったのは、その艦というわけか」
オープンチャンネルを介して聞こえてくるのは、怜悧な色を帯びた男の声だった。
赤いツインアイが、見る者を射抜くような鋭い光を湛えて、甲斐とその前方に展開する者達を睨み据える。
【敵増援出現】
274
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/20(木) 12:20:56 ID:wPKz9e8I
>>270
【「機体がどうとか、そんな嘘は戦場でするような事じゃ無いだろ
聞き分けも何もそんなのにどうやって従えって言うんだよ」
「はぁ?さっきから言ってることが滅茶苦茶だ!
まるで意味が分からないし、それじゃ従いようが無いじゃないか!」】
ヒツギの言う事はもっともだ。
彼は何もおかしく無い。
悪いのは全てレイナだ。
そうなれば言い返されて当然。と自分自身でもそれは理解している。
だが、何故?心がこんなにもキリキリ痛むのだろうか?
ヒツギに否定される度に何故こんなにも痛くて切ない思いをしなければならない?
何とも今のレイナの心情は説明し難い。
【「・・・それでも従えない、俺たちは救援部隊としてここにいるんだ」】
「!!!……ああ、そうか。そうだな。君ならやはりそう言うと思っていたよ。
……私には見えていたさ」
あれだけ言った以上、プライドの高いレイナはもう後には退けない。
もし……万が一。説得出来るかも知れないとの甘い期待を持っていたが
意地悪く絆を盾にしてでも、彼を止めようとしたが、それでもヒツギはレイナを選ばなかった。
戦って皆を護る道を選んだのだ。
そもそももし正直に彼の死を宣告していたとしても
どの道、勇敢な彼は逃げなかっただろう。
「ここで契約は破棄だ。さらばだヒツギ」
アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。
……しかし、どうしても割り切る事が出来なかったレイナは
恥を忍んでレオンハルトへのプライベートの回線を繋ぎ、遂に懇願する。
唯一、真実を打ち明けると決心したのはやはり強くて頼り甲斐のあるお兄ちゃんだった様だ。
「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」
それこそ、いきなりの泣きそうになりながらの必死の頼みだった。
そこにいつもの尊大さは全く無い。ただただ等身大の少女の姿が有った。
こんな姿、誰にも見せて良いものでは無い
【アイゼルネ・ブルート:単独行動へ】
>>272
【「上を。クレマチ伍長を保険として送ります。私にできることはこれが精一杯です。リリー」】
その胡散臭いメッセージに従い、視点を上に持って行くと
ビルトラプターが確かにそこに居た。
「アカリ……また手伝ってくれるの?……フフッ。私とは違いお節介好きな娘だな、本当に。
なら突撃ばかりするうちの格闘機達をスナイピングで的確に援護してやってくれ。
私には出来ないからさ」
自身の半身と呼ぶ程に重宝しているアカリの登場に、少しレイナの気負いは減った様な気がする。
しかし、全てを手配したリリー少尉には心の内を見透かされている様でそちらに帰ったら覚えていろよ。と大人げ無い感想を胸に秘めた。
ちなみに、突撃ばかりの馬鹿共とは遠回しにユウセイ一等兵や赤い突撃娘の事を言っているのだろう事は間違い無い。
>>273
「甲斐!あいつの狙いはバスターキャノンでしょ。潰されるわよ!?
その艦首モジュールをパージでもして誘爆による被害を減らしなさい」
敵の狙いを理解したレイナは怒鳴り散らすかの様な声で武田艦長とリリー少尉のブリッジへと回線を繋ぐ。
275
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/20(木) 18:40:54 ID:Xn7W2fZo
「その巨砲……連射の効くような代物かは知らないが、そう何発も撃たれては少々面倒だ」
蒼い甲冑に身を包んだ騎士のような機体の右腕に携えられているのは、束の両端から緑のエネルギー光を錐状に噴出させている、恐らくは双頭のビームランス。
その矛先が、甲斐の艦首にて蒸気を上げているハイパーロングレンジフォトンバスターキャノンへと、真正面から向けられた。
そして、蒼い機体の前面に、おもむろに光の輪が広がる。
魔法陣のように複雑な幾何学紋様を抱えたその円に向けて、槍を握る右腕が引き絞られた。
「悪いが、ここで潰させてもらう」
勢いよく円陣に突き込まれるエネルギーの刄。
その直後、円陣は荒れ狂う嵐へと姿を変えた。
水平に吹く竜巻の如く、緑色に輝く渦は凄まじい熱と衝撃を巨大な螺旋に巻きながら、
立ち塞ぐもの全てを呑み込み、怒濤の勢いで甲斐の艦首へと迫り行く。
【シュペルター・ストームで甲斐を攻撃】
276
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/20(木) 20:09:48 ID:hmQPANXE
甲斐からの砲撃で粗方は掃討され各種レーダーには敵性の反応はない
(なんだ?この、ざわつくイヤな感じは…)
何故か警戒をやめる気にはなれない
そんな様子を余所に月面ではレイナに対してヒツギが抗弁をするという
ある種の異常事態が起きていた
いや、この場合レイナがユウセイ張りの虚言でもってのたまい、挙げ句、離別を駆け引きに使うと言う。ある意味レイナらしからぬ行動
予知を考慮するならば、それだけ必死になる【なにか】がヒツギに起こり得ると言うこと
口論が更に加熱する。流石に止めるべきか
>>270
「ヒツギちょっと」
そう言いかけた矢先にアイゼルネ・ブルートが飛び出していた
追いかけるべく機首を回す最中にプライベート回線でレイナの通信が飛び込む
>>274
「お願い……お願い。彼を……ヒツギをたすけて……。
……何度も何度も見えているの。……彼の死のヴィジョンが……
……でも、私は彼を止められ無かった」
普段のレイナからは想像だに出来ない姿に正直圧倒されてしまった
しかし、これこそが彼女のメンタルの裏打ちであり、本質であると痛感する
「…任せろ。しかし…!」
>>273
言葉を続けようとした矢先巨大なV字の燐光を目の当たりにする
「……何時の間に!?」
レイナが視たモノと関係があるのは間違いない
飛び出していった方角はズバリだ
しかしレイナで無くとも判る、あれは危険だ
「止めろ!退がるんだ!!」
>>275
そんな叫びを斬り裂くが如く
灼眼尾を引く蒼鬼の衝き出す緑の渦が遮る
その切っ先が向かう先は…甲斐
277
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/20(木) 21:13:24 ID:JRcHjc9A
>>274
>アイゼルネはヒツギやレオン、突撃姫。ついでにユウセイ一等兵にもう一目もくれずに背を向け、その禍々しい悪魔の羽を広げて単機で飛び発った。
「レイナ・・・」
アイゼルネの翼を携えた背中を見送るゲシュペンスト
その手は今にも血がにじみ出そうなほど硬く握りこまれている、それは搭乗者であるヒツギも同様だ
>>276
>「ヒツギちょっと」
「・・・どうした、レオン」
レオンからの通信に対し返答するヒツギ、何の話かはすぐに察しが着いた
憎さや悔しさ、怒りと後悔がその胸中で捩れ合う。
そのどれもが他者ではなく、自分へと向けられたものであった
彼女がそれだけのことを言う理由があったのだろうにも関わらずそれを蹴った自らへの怒り
(クソッ、俺のほうがずっと我侭じゃないか・・・!!)
>>273
>>275
互いに言葉を伝えようとした瞬間、空から光が降りてくる
翼を携えたそれは見る見るうちに四肢を持つ人型へと形を変えたではないか
「しまった!後ろに回られてたのか!!」
そのタイミングの悪さにかみ締める歯に力がこもる
ターゲットは・・・甲斐、先ほどのバスターキャノンの威力を視てそれを脅威として認識したからであろう。
だがバスターキャノン以前に艦を落とされては危険だ
「レオン、話は後だ!今は甲斐の元に向かうべきだ!!」
278
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 21:33:03 ID:AgbqJ.LY
>>274
「レイナ嬢。」
なにか、覚悟を持った。感じだった。
>>267
ヒツギに連絡を入れる。
「ヒツギ、ここからは、俺の推測だが。」
「レイナ嬢は、お前の死を阻止しようと、動いたんだと思う。」
「それを、解ってあげ………なんだあれ?」
>>266
それは、暴風、荒れ狂う暴風
「後で、ちゃんと本人から聞いとけ。まずは、甲斐を救う。」
レオンたちに、続く。
279
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 21:35:37 ID:AgbqJ.LY
ミス
×
>>266
○
>>265
280
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/20(木) 22:36:16 ID:0VTF0EGE
>>272
密かに行われた“それ”を、少佐は気が付かずにいた。どちらがよりこの艦を掌握あるいは把握しているかの差である。
>>273
『な……!?』
軍曹が絶句する。
カックラキンより最初の観測データが届く。
>>ヒツギ&レイナ
「はいはいはい、痴話喧嘩はその辺で」
『後、ハヤミ一等兵も無闇にクチバシ突っ込まない』
中尉と少佐で宥めに入った。
281
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/20(木) 22:51:23 ID:AgbqJ.LY
>>280
【だって、分かっちゃうんだもん】
と言うのを、必死でこらえ。
「了解しました。あと、ヒツギ無闇に突っ込んだり、変なことしか言えなくてごめん。」
謝る。しかも結構真剣に。
【ああ、もう。俺はいつもこうだ。アホ突撃癖何とかしないとなぁ……】
異常な後悔。
「つーか、中尉、大丈夫何ですか?そんなに、やんわりと仲裁してて。」
この、最中勝手に動くとまずい。なら
「レオン中尉、俺は、甲斐のサポートに入ろうと思います。指令室行くか、メインエンジン行くか、指示を」
レオン中尉に指示を仰ぐ
282
:
アカリ&リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/20(木) 23:50:05 ID:waje.t2I
>>274
「カーマインさんとハヤセ少尉、そして敵の動向に細心の注意を払い、必要ならば援護行動に入って下さい。
カーマインさんの言動から察するに、ハヤセ少尉にかなり良くないことが起こりそうです。 リリー」
ビルトラプターに高度を落とさせながら、アカリは先ほどリリーから届いた奇妙な電文のことを思い出していた。
リリーはあの年頃の少女としては変わっているが、こんな不吉な電文をいきなり送ってくるような人でもない。
「お願いだから何も起きないでいてよ……!」
確かにレイナの様子はおかしいし、あの口喧嘩は普通ではない。
それが裏付けになるわけではないが、アカリもどこか、胸騒ぎがしていた。
>>273
,
>>275
「敵の特機が戦域に入ります!」
「…………!」
西の空から巨大な光の翼を携えてやってきたそれは、鳥のような形の大型機体。
目視で確認できる距離にまで接近したと思うや否や、何と人型へと変形したではないか。
その姿は中世の騎士のそれに似ており、柄の両端から緑色のエネルギーランスらしきものを出力した武器を手にしている。
「あれは……騎士のロボット?」
「確かに身なりは地球的なデザインですが、今はそんなことは関係ありません。
あれは敵です。主砲しょうじゅ…………!? いけない!
バスターキャノンモジュール非常弁・隔壁全閉鎖! G・ウォールを艦首に集中! 最大展開!」
リリーが敵に主砲の狙いを合わせようとしたのと同時に、敵機の前に青い円陣が生まれる。
バスターキャノンの照射後に現れた敵の特機、投槍のような姿勢と、その前にある意味ありげな円陣。
かなり悪い予感を抱いたリリーは、咄嗟に指示を切り替えた。ブリッジクルーはリリーの様子に何事かと思いながらも、その指示に従う。
直後、槍で貫かれた円陣から緑色の暴竜のような竜巻が生まれて、まっすぐ甲斐へ向かってきた。
「被弾します! 総員、衝撃に備えて下さい!!」
竜の如き竜巻はやはりリリーの危惧したとおり、甲斐の艦首、バスターキャノンモジュールに着弾した。
艦首に集中展開されたG・ウォールは、展開面を通して見る光景がぐちゃぐちゃに歪んで見えるほどの出力で展開されていたが、
竜巻のあまりの勢いに展開面を大きく削られて展開面を割られ、それが守っていたバスターキャノンモジュールに竜巻を通してしまった。
G・ウォールでエネルギーを殺したとはいえ、ウォールを貫通した竜巻のエネルギーはバスターキャノンモジュールを破壊して余りある威力であり、
モジュールの主要機関部と左舷側の光子チューブチャンバー、艦首装甲を吹き飛ばして左舷方向に抜けていった。
「むぐ……!」
甲斐の内部はその衝撃で激しく揺れ、艦長席のコンソールに掴まっていたリリーは揺れによって投げ出され、艦長席に座る姫の太ももに顔から突っ込んでしまった。
バスターキャノン照射から今まで、シートベルトを締めっぱなしにしていた姫は着弾の瞬間に目をぎゅっと閉じ、耳を両手で塞いで着弾の衝撃と轟音に耐えていたが、
自分の膝に突っ込んできたリリーの感触で思わず息を呑むような悲鳴を上げてしまう。
「お……落ち着いてください、艦長。私です、リリーです」
「あ…………ああ、リリー少尉でしたか……大丈夫ですか?」
「ええ……投げ出された先にちょうど、良質なクッションがあったので……」
姫に助け起こされたリリーは、姫の気遣いにいつもの調子で返す。
「うっ」と赤面した姫に「おかげさまで助かりました」と謝したリリーは、コンソールに並ぶダメージ表示に目を通す。
今のでバスターキャノンは致命的な損傷を受けてしまったようだ。
だが、着弾前の精一杯の防御指示が功を奏したのか、内部に誘爆するようなものではなかったのが幸いだ。
283
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/21(金) 19:20:33 ID:b1h0P0.s
>>281
「一等兵。とりあえず、あの騎士風のアンノウンに仕掛けてこい」
284
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/21(金) 20:17:22 ID:S4W/kHOI
>>283
「•••了解、安全のため、少し離れてください。」
近接戦闘は危険すぎる。
「この、強烈すぎる念、何か信念を感じる。」
この念と50メートルは、ある大きさ。
「危険だが、近くまで接近しよう。」
あの槍の範囲外なら、回避できる。
ユウセイは、自分で槍の範囲を予想しそこまで移動する。
「T-linkフルコンタクト、コード迅速の型」
念が刃となり、迅雷に収束する。
「いけっ!」
ヴァイサーガの剣で衝撃を放つ要領で、迅雷から衝撃が放たれる。
285
:
つばめ&静香&マヤ
◆h9Hr5c.eFE
:2012/09/21(金) 21:50:48 ID:PqyHKZSw
>>275
ユウセイ機が念の刃を飛ばすのとほぼ同時に、
騎士のような蒼い機体の側面より、飛び掛っていく影があった。
そう、よりにもよって焔姫だ。
「あんたがあの気色悪い怪物どもの大将ってわけね!
あいつらに受けた仕打ち、万倍にしてあんたに返してやるんだからっ!!」
蒼い機体の更に上空まで跳び上がった焔姫。
そこからブルーティッシュ・ブレードのブースターを一気に噴射し、急降下。
唐竹割りの要領で一刀両断にせんとする。
「でやぁぁぁぁーーっ!!」
286
:
ラウディ他
◆E8ckRIIdug
:2012/09/21(金) 22:56:23 ID:57glVlGY
>>281
「まぁ、ゴシップがあると介入したくなるのは仕方がないけど」
レミー中尉だって分かっていないわけではない。
ただ、ヒツギとレイナの二人に頭を冷やして欲しくて、ユウセイをいじる振りして当事者達に注意しているのだ。
>>282
「うわ……」
上から見ていたラウディが絶句する。甲斐の巨砲とほぼ同格の一撃に見えたのだ。
>>283-285
『あ!救出した機体がっ!?』
『しまった、あの機体は管制下に無いっ!?』
ラウディとマデリーンが焔姫の行為に反応を試みる、が……
287
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/23(日) 19:34:01 ID:VwNXYTDQ
>>282
続け様に前方に光輪を展開させる蒼騎士様のアンノウン。
恐るべきことに、竜巻のような衝撃波は、さほどのインターバルを置かずに連発が可能なようであった。
次の一射で、艦そのものを吹き飛ばす気だ。
だが、再度の攻撃は、後方から迫るいくつかの反応によって遮られた。
>>284
振り返る蒼騎士に向けて、刃の形を成した念が飛びゆく。
アルブレードが放った迅雷・迅速の型の斬撃波だ。
「……」
騎士は事も無げに、上体の僅かな動きだけでそれをかわした。
>>285
そして、同時に上空から奇襲をかける焔姫。
バーニアの加速に乗せ、垂直下に向けて放たれる強烈な一撃。
しかし、ブルーティッシュ・ブレードが標的の蒼い装甲を切り裂くことはなかった。
両機が交錯する瞬間、降り下ろされる焔姫の両腕に、蒼騎士が左手を伸ばし、軽々とその動きを止めていた。
並外れた技量無くしては為し得ない芸当である。
「……この場に居合わせた者全てに告げておく」
メキメキと焔姫の両腕を握り潰しながら、眼下に並ぶ機体達を見据える蒼騎士。
殺気に満ちた赤い眼光は、見る者の心に畏怖の念を喚起する。
「相応の力と覚悟、その双方を持たぬ者は、俺の行く手を阻むな。
さもなくば……」
波紋が開くかのように、虚空に4つの小さな円陣が出現し、焔姫を取り囲む。
「殺す」
そして、その全てから鋭い光条が放たれ、両の腕を囚われたままの焔姫を四方から貫かんとする。
288
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/23(日) 19:50:16 ID:07kGjM2.
「危ない!」
すぐに、迅雷をしまい。ブレードトンファーを構え、
赤い姫に迫る、槍を防ぐ。
「横は、これで、前か。」
念動フィールドを展開するが。
「貫かれた。ちっ。」
若干、コックピットの横を損傷する。
「体制を立て直さないと。」
そういうと、追撃を回避し、赤い姫を後ろに蹴飛ばし、
自身も、それに続き、赤い姫の腰を抱え、全速力で、ヒツギたちの近くに戻る。
「ヒツギ、さっきのにあわせてくれ。ゲシュペンストキックでな。」
「同じ、ブレードなら、旨くいくかもしれない。」
ヒツギに連絡、頼んでみる。
289
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/23(日) 20:17:26 ID:t/QBeAnE
>>287
ヒツギの背を冷たい汗が伝った
それはある種のデジャヴュのような感覚であった
遠い昔彼に信念を植え付けた祖父の姿・・・初めて本気で拳をあわせた時の様な
幼いながらも鍛えられたヒツギには人を傷つけるだけの技術があった。
偶然にもそれを使ってしまったあの時の祖父の瞳
太ももから真っ直ぐに地面に槍を突き立てられたかのように足が動かなくなる程の
腕を出せばそのまま切り離されてしまうような圧倒的な気
「ッ・・・!!」
その体に感じた恐怖心を奥歯をかみ締めて押し殺す
>>288
「・・・分かった!!」
同じブレードなら上手くいくというよく分からない根拠は置いておいて
あの敵機を艦から引き離すことが最優先だ
「レオン、あかりん!援護を頼む!」
ゲシュペンスとは両腕を揃えて大地に向けて振り下ろした後、左腕を前に右腕を下げた構えをとる
落とした両足で白い大地を高く高く跳び上がった
「必殺!!」
空中でその体を半回転させ、その後の動きでさらに半回転させる
その動きは後方二回宙返り一回ひねり、「ムーンサルト」を月面で行ったのだ
さらに機体を小さく丸め高速回転、そのタイミングでコックピット上にはある文字が浮かび上がった
【SHOUT NOW!!】
「ゲシュペンスト!ブレードキィィィック!!」
指示に従い技名を叫ぶと、機体の回転が止まった瞬間右足に備え付けられたブレードが大きく動く
刃がスライドして開く、それは足の延長線上にブレードがあるような姿
機体をもう一度回転させて白刃を突き出し、その勢いのまま突っ込んでくる
290
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/23(日) 20:32:23 ID:q1cqr7pM
>>288
「その突撃娘をこちらへ寄越しなさい。そんなもの抱えてたら足手まといになるわ」
ユウセイ一等兵は焔姫を抱えて敵を凌いでいるのだが、それは良くない。
アルブレードの懐の赤い姫へアイゼルネの腕が絡み付き、手元へ安全圏へと引き離す。
「少しもたせなさい。今、あいつのとろうとする動きを予測してパターン化するわ」
レイナの頭の中では未来から与えられる幾つもの敵の行動パターンを何巡も何巡も繰り返し見て、学習する。
そうして最も確率のある適切な対処法を割り出しているところである。
291
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/23(日) 21:18:16 ID:07kGjM2.
「どうも、ありがとうございます。」
赤い奴を、回収後。
【勘弁してよ、ほうああ言うのは。】
「さてと、行くか。」
ヒツギが、ジャンプをしたのを確認して
「迅雷」
念が、刃に収束する。
「迅速の型!」
念の刃が居合いによって、アンノウンに一直線で放たれる。
292
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/23(日) 21:28:04 ID:4zcW5w7s
赤い機体をアイゼルネが回収し、ユウセイとヒツギが合体攻撃を試みる現状では、ラウディは上空からの観測とデータリンクの支援に徹するしかない。
ともかく敵の騎士タイプを何とか押さえ込めるとなれば、まだ見込みのある機体を修理装置で救出したり出来るのだが。
「……レスボスほどの管制支援機能は無いからなぁ。
着弾観測もままならないや」
293
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/23(日) 22:25:14 ID:k7u8AY2A
>>287
>>288
>>289
赤い機体と共に何とか彼のアンノウンから遠ざかるアルブレード
焔姫をそのギミックアームで引き戻すアイゼルネ。一先ずの問題はクリア。
「ユウセイ!お前…たまには役に立つんだな!後で一杯おごってやる」
しかし、依然として凄まじい圧力を放つ敵アンノウン
通常、あれだけのサイズの物質で目視からの回避など未来が見えなければ不可能
それともユウセイの方をあの位置に攻撃させる様に仕向けた?
どちらにせよ、判断材料が足りない
ここは慎重に、且つ大胆に仕掛ける必要がある
>「レオン、あかりん!援護を頼む!」
そう考えた先に通信が入る
どうやらモーションを視る限りではユウセイとの全力同時突撃
しかし、タイミング的には…まずい
「ああ、任せろ!」
エクセリオンの背部と脚部のミサイルハッチが開かれ自機の後部から八方を山なりにアンノウンへと向かうミサイル群
更にブレイクフィールドを形成し加速、機体を水平にロールしつつガンレイピアを展開
狙うは奴の眼
もしミサイル群を振り切る様な機動力があるとするなら、その機動に食らいつくつもりだ
せめて奴の足さえ止めれば無理矢理同時攻撃を当てる事は出来る筈
しかし、コイツの火砲が奴にとって驚異となり得る次元であるならば、のはなしだが
294
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/23(日) 22:47:05 ID:MrYwGtgQ
>>288
>>289
>>291
焔姫を救助し、アイゼルネへと受け渡したアルブレードが、地上に構えるゲシュペンストと肩を並べた。
その一連の動作が、呼吸を揃えるために存在していることは明らかだった。
やがて、ゲシュペンストが月面を蹴って高々と跳躍。
派手に回転して勢いをつけると、脚部のブレードを展開、蒼騎士に向けて一直線に襲いかかってくる。
その下方からは、アルブレードが手にした刀を鞘に納めたまま突撃してくる。
本来なら待ちの技である居合いの剣を、自ら能動的に踏み込みながら打たんとしているのだ。
そして、激突する三機。
加速を乗せたブレードが、鞘から放たれた念の刃が、蒼騎士を貫き、切り裂いた――かに思われた。
「遅い」
が、蒼騎士の反応速度は両者の技を寄せ付けなかった。
アルブレードの刃は、左腕より現れたエネルギーシールドによって阻まれた。
十字のプレートのようなその盾面は、何らかの力場によって迅雷の刀身を激しく反発させ、跳ね飛ばした。
そして、ゲシュペンストの脚部ブレードに対しては、右腕より槍撃が繰り出された。
迫り来る切っ先に、槍先が真っ向から打ち込まれる。
ゲシュペンストの全身を駆使した一撃に対し、蒼騎士はあろうことか、右腕一本でその突進力を無に帰し、一挙に打ち返してみせた。
更に蒼騎士が動く。
反動に大きく体勢を崩した両機の狭間に、驚異的な加速力で一瞬にして滑り込む。
「ぬぅあっ!!」
そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。
295
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/23(日) 23:45:53 ID:t/QBeAnE
>>294
ゲシュペンストの右足を根元から見落としていけば、刃が先端に向かうにつれ細くなりそれに反するように途中から太くなる。
なぜそんなことになっているのか・・・それは互いの切っ先同士が触れ合っているからだ
ゲシュペンストが打ち出した刃は相手の刃によって押さえつけられた
「なんだと!?だが押し合いなら・・・!!」
押し返してやろうとスラスターを全開にするが、目の前の青い騎士を一歩も動かせない
この状態は勢いを殺されたからだけでは説明がつかない、純粋にパワーで抑えられているのだ
互いの刃が弾き合い、ゲシュペンストは跳ね飛ばされた
>そして、手にした光の槍を横一文字に凪ぎ払い、一撃のもとに両機を切り裂かんとする。
「クッ!」
ヒツギはブレードを畳むとすぐさま機体の体勢を空中で整え、くるりと機体をバック転かのように回転させた
それでも着地する地点は振りぬかれた槍の間合い、後方へとさらにステップを踏み紙一重で回避を試みる
――――― 白刃の一閃
ゲシュペンストの赤く美しい装甲に一閃の名の下に大きく線が引かれる。
紙一重どころかその胸部へと生々しい切断痕が残されてしまったのだ
内部のブラスターキャノンの銃口が隙間から垣間見えるほど深く、内部の回路がスパークしている様すら確認できようか
「ぐぅ・・・っ!!」
ただ切り裂かれただけではない。
その一撃の剣圧によってゲシュペンストはよろけた
一太刀を交えただけで感じる力の差・・・なんとか膝を付くまいと持ち直して構えなおす
(コイツを抑えられるか・・・!?)
296
:
リリー&姫
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/24(月) 23:02:42 ID:SNaC7SEM
>>287
続けてもう一撃、例の竜巻を放とうとした騎士だったが、それはさすがに味方に阻まれた。
しばらくは彼らが押さえてくれるだろう、と判断したリリーはスッと立って服装の乱れを直し、ブリッジを見渡す。
ブリッジクルーも衝撃によってコンソールに突っ伏していたり、シートから転げ落ちたりしていたが、
先ほどリリーが艦の損害を確認している間に、全ての人員が所定の位置に戻っていた。
「詳細な損害報告を」
「はい、バスターキャノンモジュールの左舷側を削られました。
二つの艦首装甲板のうち、左舷の装甲板が根本から吹き飛ばされて消失。
光子チューブチャンバーと第5から第11エネルギーラインも同様に酷いダメージを受けていますが、
辛うじてダメージエリアの隔離は間に合ったようです」
艦体そのものへのダメージは思ったよりも少なく済んだようだ。そのことに、リリーは内心、ホッと胸をなで下ろす。
「ただ、攻撃の余波を受けて、第一主砲塔への電力供給に不具合が起こっています。
その影響で現在、第一主砲塔は稼働しない状態にあります」
「えーっと、では、バスターキャノンモジュールへダメージコントロール班を出動させて下さい。
こちらからのデータでは艦体へのダメージは少ないですが、思いがけないダメージがあるかも知れません。チェックは念入りにお願いします。
あと、第一主砲塔へは応急修理班を。あの特機を捉えきれるかは不明ですが、主砲の援護が必要となる場合も考慮します」
今の指示はリリーからのものではない。
そのことにブリッジクルーの面々は一様に驚いた顔をして、近くのクルーと顔を見合わせた後、指示が飛んできた方向を見る。
そこにはコンソールのダメージ表示を切り替えて各部のダメージレベルを確認している姫の姿があった。
復唱が無いことに気づいた姫が顔を上げ、自分に集中する視線に「え? ええ??」と狼狽する。
そんな中、隣のリリーはさすがに冷静なままで、ごほん、と咳払いをし、
「今の艦長の指示が聞こえましたか? 聞こえたのならば復唱を」
「は……はい! バスターキャノンモジュールへのダメージコントロール班、第一主砲塔への応急修理班の出動を指示します!」
弾かれたように慌ただしく動き始めるクルー達。
リリーからの確認があってからのその動きに、姫はやはり自分では……と落ち込んだが、
ポンポンと肩を叩かれ、振り返ると、リリーがグッと力強いサムズアップをしていて(やはり無表情ではあったが)、
「ぐっじょぶです、艦長。その調子で私を元の部署に戻して下さいね」
「え……でも、少尉の言葉が無かったら……」
「いいえ、今のはちょっと面食らっただけです。次からは皆、きちんと指示に応えてくれますよ。
だから自信を持って下さい。何なら、戦闘指示の方もやってみますか? 私としては、その方が楽で良いのですが」
「いえいえいえいえ! それは遠慮します! こっちだけで精一杯です!」
「冗談ですよ。ともかく、今の感じで艦の維持に目を光らせておいてください。それだけでも、こちらはだいぶ楽になりますから」
「……はい!」
良い仕事だった、とリリーに言われ、姫は気分の高揚が隠せなかった。
今まで、自分が座っていて良いのか? と常に疑問に感じていた艦長席の感触が、幾分かマシになった気もする。
リリーに戦闘指揮を受け持ってもらっている分、まだしっくりこない部分のある艦長席だが、今だけはそれも気にならなかった。
297
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/24(月) 23:02:54 ID:z8BJRmOU
>>293
ヒツギとユウセイの攻撃に同期して放たれたマイクロミサイルが、八方から尾を引いて蒼騎士へと迫る。
だがその時、蒼騎士の胸部から四筋の火線が走った。
機銃のように連続的に火を吹くそれは、飛翔するミサイルを次々に撃ち抜き、無為に破裂させていく。
弾幕を潜り抜けたただ一基のミサイルもまた、手にした光槍に切り裂かれ、爆発した。
「……」
そして直後、爆風を押し開くように光輪が宙に開くと共に、その中心から三条の光線が放たれる。
鋭く碧ざめたレーザーは、散り散りに弧を描くような軌道を以て、ガンレイピアの照準を定めんとするエクセリオンへと三方から襲い掛かった。
298
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/25(火) 06:15:36 ID:eTuLBQfw
>>287
,
>>289
,
>>297
甲斐の堅牢なG・ウォールを抜き、バスターキャノンを損壊せしめた敵の力に、アカリは戦慄を覚える。
先ほどの電文に記されていたレイナの予知は、どう考えてもこの機体がもたらすものに違いない。
であれば、どうにかしてこの機体を破壊、もしくは撤退させなくてはならない。でないと……『良くないこと』が起きる。
「…………っ!」
フライヤーモードのビルトラプターから、後方に向かって、強力な加速を表す青白いバーニアのフレアが伸びる。
すでに月面近くにまで降りてきていたラプターの位置は、敵機から見て右方向にあたる。
位置的には敵の側面を突けるが、タイミングを見誤ると、近接戦闘を仕掛けている味方機に被害が及んでしまうだろう。
「だからって……こうやって何もしないままっていうのも……」
敵機は既にメガ・ビームランチャーの射程内。
ロックオンも完了し、モニターにはそれを示す赤に色づいたロックオンサイトが表示されている。後はトリガーを引くだけ。
そのタイミングを計りかねていたアカリの耳に、ヒツギからの援護要請が聞こえてきた。
あの不安にさせて余りあるレイナの態度を受けてなお、戦おうとするらしい。
(まあ、それがフツーの反応よね。でも彼は「そのフツーの反応」をするような段階はとっくに越したはずだけど……。
思ったより意固地なの? レイナさんの言いようは確かに乱暴だったけどさ……)
意外な感じはしたが、今はヒツギの性格について考えている暇はない。
前衛機が援護を要請するということは、敵の動きを阻害しろ、ということだ。
先に援護に入ったレオンハルトの攻撃はミサイル群による牽制弾幕。
だが案の定と言うべきか、それらのミサイル群は胸部のバルカン砲らしき武装と槍で対処されてしまった。
目の前に前衛機複数が迫っている中、そう何度も防御で槍は使えないはずだし、体勢の関係で右方向への盾の使用は難しい。
つまり、こちらからの高出力ビームには対処しづらい状況だということ。
「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」
ミサイルの爆煙で視界が覆われている今こそがチャンスだ。
狙いは敵の頭部。非装甲部位である可能性が高いし、首から下は味方前衛機が飛び込んでくるかも知れなかったからだ。
照準を調整し、アカリはすぐさまトリガーを引いた。
大型の主翼を備えた戦闘機のシルエットを持つ機体の下部から突き出る、長大なランチャー銃から青白い高出力ビームが三発、続けざまに発射される。
ゲシュペンスト程度のものであれば、容易にPTの前面装甲を抜ける出力のビームだ。いかな特機サイズの機体とて、無視はできまい。
299
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 16:33:08 ID:nTjckGzY
「どうしようかなぁ。」
ヒツギのゲシュが抗戦してるしな。
まぁ、レオンさんはまだ全然余裕そうだし。
だが、相手との力の差は歴然。
「っ?、後ろから、敵に向かう殺気か。」
そうそれが、アカリのサポート
「下手したら、ヒツギまで被害に当たる。」
「残りのろしゅせいばーを全部使って。」
ろしゅせいばーを投げ、こちらに警戒させ、
「ヒツギ、アカリごちょうの砲撃だ。一端後退するぞ。」
全速力で、ヒツギの方に行き。後退を支援する。
300
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 17:14:55 ID:nTjckGzY
>>299
の前
「全くといって、利いてねぇ。orz」
化け物か、あの機体。
「うーん、次の手は、レオン中尉と、俺と、ヒツギでアザルトコンバットパターンとか。」
いろいろ考えていると。
「反撃か、来る。」
バカでかい、槍での攻撃、だが。
「はい、ざんねん、もっとよく狙いな。」
なんと、急上昇により回避成功。
「舐めんなよ、伊達に、弥生と一緒に入るんじゃないんだから。」
槍の攻撃のスピードは、なかなかの早さ。なぜ回避できたかのは。
弥生の存在である。【つーかコイツのせい。】
弥生は、なかなか強い殺気の持ち主+狂気の殺人者?
そのため、何人か、おそわれている。
ユウセイもその一人。
その為、斬られるのはイヤなので、ユウセイが編み出した技がこれである。
ユウセイは、なんだかんだでのいろんな特訓をした結果、殺気の方向、軸などを見られる用になったのだ。
「おめぇ、見たいな、殺気の強い奴は、よく分かるんだよ。」
301
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/25(火) 18:10:44 ID:qm3/efAw
>>297
最後に切り払われたミサイルの爆風により敵の上半身に煙がまとわりつく
(迎撃能力は並…あれは堅牢な要塞としてでは無く、あくまで本人の戦闘力を反映させる為の鎧…それでもインターフェース系は地球の技術と別次元か)
煙幕から辛うじて見える赤い尾を引く光の元である奴の目に照準が合わさる
>>298
>「こちらビルトラプター! 続けて援護行動に入ります!」
自機の左後方から青白い三つの光の帯が奴の頭部に向かって延びる
その刹那、煙幕の中心から光の輪が押し広がり煙幕が霧散していく
奴の間近を光陣が遮る形となって間も無く三つの矢が俺を取り囲もうとしている
「その誘い、敢えて乗るぜ?」
機体主翼の下部にて右腕と共に固定されるガンレイピアの先端から光が発し瞬時にその光条が延びる
包囲してくる蒼い光条。奴に対し掃射を続けつつ、そのまま加速
衝撃派をその場に残して消えたと思えば三つの蒼い追跡者達は後に残された青白くヒューキャリオスの眼前まで延びる帯を貫いていた
「ミサイルのおかわりだ!」
ビルトラプターの射線に並びヒューキャリオスの首もとをすり抜けるように飛翔していたエクセリオン
今度はヒューキャリオスの背後からすり抜け様に放たれた4基のマイクロミサイルが襲いかかる
302
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/25(火) 19:21:26 ID:NmGKeC22
>>298
>>301
煙幕を貫いて飛ぶ青白いビームの矢。
その先端が蒼騎士の頭部を右側面から射抜くかに思われた瞬間、
黒煙のスクリーンに浮かぶ甲冑のようなシルエットが、不可思議に大きく揺らめいた。
同時に、エクセリオンが放った4基のミサイルが煙幕の奥で炸裂し、爆炎の花が開く。
命中か――。
そう思われた次の瞬間、厚い黒煙を破って現れたのは、この区画に出現した際に見せた、大型戦闘機形態へと変じた蒼騎士の姿だった。
機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。
蒼騎士の操縦者は、煙幕越しにメガ・ビームランチャー発射の予兆を読み取るや、信じ難い反応速度で機体を変形、可変機構を活かして攻撃を避け、急上昇によって迫り来るミサイルをも振り切ったのである。
>>299
>>300
そのまま猛烈な加速でラプターとすれ違い、再度人型へと姿を変えつつ、180度反転する蒼騎士。
投擲されたロシュセイバーは対象を捉えることなく、追尾中であったマイクロミサイルを巻き込んで爆発させ、ロストした。
(
>>232
でファルゼンに飲み込まれたブーメランとロシュセイバーも合わせると、結構な損害といえる……)
そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。
「悪くない連携……と言いたいが、俺の命を刈り取るにはいささか手緩い」
蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。
「そろそろ終わりにさせてもらおうか」
円陣を貫く光槍。
眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。
【シュペルター・ストームでアイゼルネを除く全機体を攻撃】
303
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/25(火) 19:55:49 ID:L/yY99QA
>>302
強い・・・次元が違うといっても過言ではない。
ミサイルと遠方からの砲撃という挟撃を敵ながら見事な手腕で切り抜けたのだ
技術と機体のパワーそして鬼気迫る気迫、今のところ敵に一切の隙が伺えない
>そして、必然的に交戦中の全ての機体が、蒼騎士の眼下――攻撃範囲内に収まる形となった。
ヒューキャリオスを目視するために機体を翻す。
(あかりんへと攻撃を行うつもりか?)
機体と共に自身の体も動くヒツギ、刹那モニター横の小さな窓が視界に入り込んだ
それは既視感というべきか、それとも違和感というべきか。
「この状態は・・・まさか!!」
ヒツギは目の前の機体が何をしようと言うのか感づいた、まさに超人的な反応ですぐさまコックピット内で踏み込む
瞬間的にフルスロットルまで跳ね上がった推進器官の出力に任せ、引いていったヒューキャリオスへと翔る
>蒼騎士の前方、即ち月面に向けて、特大の円陣が広がる。
>先の光景を目にした者であれば、誰もがその意味する所に戦慄したであろう。
だが戦慄せぬ者が逆に遠方から向かってくる、むしろ戦慄したからこそ早くに動きを見せたのだろうか
1番最初に切り込んできた、槍でその胸を切り裂かれたゲシュペンストだ
青い騎士へ駆けるのは赤い亡霊、左腕に備え付けられた刃が赤輝を跳ね返す
「間に合ええぇぇぇ!!」
>円陣を貫く光槍。
>眼下に構える全ての機体を飲み込むように、
>灼熱と衝撃の嵐が吹き荒れ、月の表面を打ち据えた。
ヒツギが気づくのが後ほんの数秒早ければ結果は分からなかったかもしれない。
その叫びむなしく、刃は届くことも止めること叶わずに真正面から光に飲み込まれた
304
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/25(火) 21:26:00 ID:nTjckGzY
>>302
「本当に洒落にならなくなってきたよ。」
絶対的存在、その念を感じたのは、過去でイサム大将ただ一人。
「これは、腹を括らなきゃいけなくなるかもな。」
このままだと、確実にやられる。
【迅速の型で、槍を叩き斬る。】
そして、イザ行動に移そうとした瞬間。
イヤな予感が、頭の中をよぎる。
「まさか、甲斐をやったのと同じ技を。」
>>月面に向けて特大の円陣が発生する。
>>灼熱と爆風の嵐が月面をうち据える。
「しまった、遅かったか。」
だが、
>>303
ヒツギが、それを止めようとする。
「ヒツギっ、止めろ、ヒツギィィィィ。」
嘆きは、遅く、またユウセイも、同じく、その嵐の中に飲み込まれる。
305
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/25(火) 23:39:40 ID:qm3/efAw
>>302
先ほどの追尾弾は俺に対する牽制でさえなかった
>機首両端に据えられた四門の機銃が、ビルトラプターを狙って斉射される。
「…こいつッ!」
明らかに何かがおかしい。如何に慣性質量をこちらより克服しているとは言え行動を予測しているとしか思えない
奴の速度はマッハ3程度。エクセリオンでマイクロミサイルを近距離で撃つのは、その旋回性能のせいで時速1000km/h以下に落ち込む為に奴に振り切られるのは必然
問題はガンレイピアの射線を回避した事実
向こうは最大速度を瞬時に出せ、こちらは段階的にとは言え
少なくとも先ほどのガンレイピアでの突撃時は、その二十万倍の速さに達していたのだが…
大型の飛翔体はもっとも高い位置に居た筈のビルトラプターを下から抜けると同時に騎士の姿へと戻り甲斐とその艦載機全てを見下ろせる位置で既に光の陣を形成していた
>「そろそろ終わりにさせてもらおうか」
甲斐のバスターキャノンを穿った例の『槍』が真正面から突撃するヒツギに構わず今度はその全てを凪払わんと繰り出される
イサムとの模擬戦が頭をよぎる
高速で飛び回り翻弄して見せようとしても一太刀で捉えられてしまう
「大将。理屈じゃ無いと言うことですかねぇ」
エクセリオンの正面にテスラドライブを切り返しブレイクフィールドを形成
「俄然、噛みつきたくなってきたな!」
他が見たら気が触れた様に見えるだろうか
巨大な槍と成した光の激流の側面に自ら飛び込むと激流にあわせて、それを越える速さ螺旋を描きながら遡りヒューキャリオスの右腕に打撃を与えるべく肉迫する
306
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 00:30:03 ID:bUTclte6
一連の戦闘を、黙って見ているしかなかった。
主戦場を俯瞰し、各機と母艦のデータリンクを維持する仕事。
僚機が次々と打ちのめされている。
「……もう、いいよな……」
敵特機は今、戦闘機形態に戻ってあの一撃を再び放った。
それは、おそらく二度と来ない“隙”である。
上空から一気に高度を落とし、主戦場の、奴の後方に回った。
最大射程ギリギリいっぱいから撃てるだけのロングレンジミサイルを発射する……目標は勿論、“奴”の後背部。
【《狙撃》付きロングレンジミサイルを発射】
307
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/26(水) 08:07:23 ID:OCaNZ0nA
>>302
敵の姿はビームとミサイルが作り出す爆炎の中に消えた――――が、中から大きな鳥類へと姿を変えた敵機が現れた。
当たらなかったのか? という思考をする間もなく、敵機はこちらに進路を取り、機首の四連装バルカンを撃ってくる。
恐るべき対応の速度ではあるが、バルカン砲を使うにしては距離が離れすぎている。回避は容易。
「そんな距離から撃ったって当たるわけないでしょ!」
素早くロールを打って機体を横にスライドさせ、それらの弾幕を回避する。
その横を、凄まじい加速を見せて敵機がすり抜けていく。先ほどの狙いの甘い斉射は、自分をここから退かすのが目的だったようだ。
一体何のためにこのコースを取る必要があったのか……その意味に気づいた時には既に、敵は攻撃の態勢に入ろうとしていた。
まずい、と思った瞬間、半ば反射的にアカリは機体のスロットルを最大にまで上げる。
機体後部のバーニア全てから最大出力の巨大なフレアが噴出し、それに見合った加速をラプターに与える。
果たしてその選択は正解であった。先ほどまでラプターが居た位置を、敵機から放たれた巨大な竜巻の縁が破砕したのだ。
竜巻によってズタズタに引き裂かれ、周囲に飛散する月の岩塊を避けながら離脱していたアカリであったが、
自機の頭上に目を向けたときに、竜巻の外周部を遡りながら敵機に接近しているエクセリオン、
敵の竜巻の直撃を根本付近から受けてしまっているヒツギのゲシュペンストとユウセイのアルブレードの三機の姿がそこにあることに気がついた。
「どうしてあんなところにあの三機が!?
……って、そんなこと考えてる場合じゃない!」
頭上を押さえるように飛んできた岩塊を避けるのと同時に機首を持ち上げ、弧を描いて自機を敵機の居る高度にまで引き上げる。
エクセリオンはともかく、竜巻を受けたゲシュペンストとアルブレードが無事なはずはない。
リリーの言っていた「レイナの危惧」とはこのことか? それともまだ何かあるのか?
レイナのように予知の眼を持たぬアカリにはその判別は付かないが、あそこにいる味方機には援護が必要、というのは間違いなく言えることだ。
308
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 08:58:29 ID:D1sNuZ9k
>>303
の続き
轟く閃光がヒツギの視界全てを包み込む、それは彼が見た何よりも眩しく何よりも激しかった
「ク・・・、ソ・・・ッ」
彼が伸ばした腕は届かない
仲間への被害を抑えることはできなかったのだ
雪か羽根か見まごう塵が舞い散る月面に何かが叩き付けられる。
白い地平に沈んだゲシュペンストは前面の装甲が焼け熔け、頭部も辛うじて片方のカメラが生きているだけで原型を留めていない
何よりもその一撃を最も近くで受けた左腕は、手首から先はもちろん装甲よりも強度がある高周波ブレードすら半分が吹き飛び溶解していた
「まだ、だ・・・」
戦闘を行うには致命的なダメージを受けて尚、ヒツギは倒れてはいなかった
機体のダメージは全てがレッド、これがレイナが自分を下げようとしていた理由だろうか
「艦長・・・退・・・するべ・・・だ」
何とか甲斐へと通信をつなぐがそれは途切れ途切れなもの
しかし辛うじて何を伝えたいかは解読できる
(何か武器は・・・)
左腕の高周波ブレードはもう厳しくミサイルは先ほどの攻撃で誘爆
ブラスターキャノンは胸部に受けていた切断痕から入り込んだエネルギーの濁流で半壊
右足のブレードはまだ何とか使えるがそもそもジャンプ中しか使えない。
(ガンレイピアは・・・・・・まだ使える!)
右手にガンレイピアを握りながら、何とか立ち上がろうと試みている。
だが手首から先が無くなった左腕では体を持ち上げられない、腕も姿勢維持ができず照準を合わせることすら難しい
一応を引き金を引くがまず当たる事は無い
309
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/09/26(水) 15:33:52 ID:7eCE8jiU
「畜生、きつすぎるな。」
ヒツギと若干放れてはいるが、かなりのダメージを受けている
「シールドが、ないだと。」
両肩の、シールドが、熱などで、完全に消滅、そしてだが。
「シールドは、完全に消滅したけど、そのお陰で、腕とメインカメラが守れた。」
竜巻が、発生した瞬間、とっさに、シールドとその下に、
念動フィールドそして、ブレードトンファーでの防御
その三段防御が項をそうした。
「足も、ブーストが使えない。背中のバーニアだけじゃな。」
足は、半壊、付け根が残っているだけである。
「畜生、ヒツギが危ないってのに、っ? あれは、伍長の」
ユウセイが見たのは、ビルトラフター
「クレマチ伍長、乗せてください。ヒツギを回収しに行きましょう。」
俺より、近くで、あれを受けたのだ。このままだと危険だ。
(クレマチ伍長のラフターなら。)
310
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/26(水) 19:35:10 ID:6M38yHOw
>>305
あろうことか、エクセリオンは竜巻の縁を遡るようにして蒼騎士の右腕へと接近する。
離れ業と呼ぶに相応しいその対処法と、それを可能にする技量には目を見張るものがあった。
「なかなかに面白い真似をする……だが!」
蒼騎士は動じることなく、円陣に突き刺さった槍の先端を、更に奥へとひねり込んだ。
その刹那に、竜巻が著しく膨脹し、外周に向けて一気にバーストする。
軌道を反らさねば、エクセリオンはたちまちに肥大化した渦へと飲み込まれるだろう。
>>306
蒼騎士の背後からミサイルが群れをなして襲い掛かる。
それに呼応して、巨大なウィングの基部に浮かび上がる二つの円陣。
そこから放たれた計6条の光軸がミサイルを迎え撃った。
広がる爆風。脱したミサイルは僅かに2基。
それらは蒼騎士の重厚な肩部装甲に後方から衝突し、順に爆ぜた。
【HP90%】
「俺に手傷を負わせるか……」
その一撃は歴然たるダメージにはならなかったが、竜巻による攻撃を切り上げさせる契機となった。
霧散していく緑の光。
猛威が過ぎ去ると、月の表面には深々と小さなクレーターが一穿たれていた 。
「しかし手傷は手傷。このヒューキャリオスに、なまじの攻撃は意味を成さん」
被弾箇所は黒く焼け焦げていたが、その様相が見られたのも一瞬だった。
褐色に荒れた装甲表面が、外周から蒼のインクに侵されるように色彩を回復させていく。
視覚的には些細な変化であったが、それはこの機体が持つ自己修復能力の証明であった。
【HP回復(大)発動。HP100%】
「……一人残らず生き残ったか。そのしぶとさには敬服せざるを得まい」
蒼騎士が腕を一振りすると、5つの円陣が空中に現れ、各々から3条、計15条の光線が乱れ飛んだ。
狙うはそれぞれエフゼロ、ラプター、エクセリオン。
追尾性を持った絡み付くような弾道は、大きく運動しなければ避けられそうにない。
それは明らかな足止めのための弾幕だった。
「ならば、一人ずつ殺していくとしよう。まずは……貴様からだ」
>>308
地表に降下した蒼騎士は、ゲシュペンストへと静かに歩み寄っていく。
両者の間をガンレイピアの火線が幾筋か流れたが、命中したものは一つもなかった。
「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」
やがて、蒼騎士はゲシュペンスト間近に立つや、ガンレイピアを握る右腕を思いきり踏みしだいた。
そして、その胴体の中心へと、手にしたランスの先端を突きつける。
「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」
非情な現実を知らしめるように、赤いツインアイが冷酷にヒツギを見下ろしていた。
「呪うのならば、俺と間見えた不運を呪うがいい……さらばだ」
そして、無慈悲にもその右腕がコックピットへと突き下ろされる――。
311
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 20:09:09 ID:bUTclte6
>>310
「や、やったか……っ!?」
もちろん、当たったが効いていない。
それどころか自己修復する様を見せつけられるだけだった……
「……火力が足りてない……いや、近接型二機を同時に弾き返す力量の主だ。
同レベルの戦力を、特機を主軸に据えないと……」
そこまで口にした後は、三条の歪曲ビームから逃れるための回避機動に入る。
一気に高度を上げ振り切ろうとして、三発目を振り切れず被弾。外装を大きく抉られた。
【HP残り83%】
「……くっ」
『ラウディ!修理装置はっ?』
「……少佐、それは無事ですが……誰に?」
ヒツギには届かない。
ユウセイのダメージには到底追いつかない。
なら、アカリかレオンか……或いは所属不明機のどれかか……
312
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 20:50:51 ID:D1sNuZ9k
>>310
やはりというべきかガンレイピアは当たらない、ヒツギの射撃能力が悪いという以前に全てが限界なのだ
ファルゼンの電撃を受け、さらに思い切り月面に叩きつけられたヒツギも生き絶え絶えだ
>「……あの技の予兆を見て、真正面から突っ込んできた者は貴様をおいて例がないぞ。
>その推力を活かせば、安全圏に逃れることも可能であったろうに」
「命知らずなのが取り柄なんでな。
ただそれじゃあ意味ねぇんだよ、分かってんだろ・・・!!」
奥歯をかみ締め強がって悪態を付いてみせた
『この至近距離ならいくら精度が悪くても当たるはずだ』というヒツギの考えはその時のヒューキャリオスの行動によって封じられる。
下から右腕を蹴り上げられ、握っていたガンレイピアを蹴り飛ばされたのだ
音を立てて月面に転がり落ちる、これで現状ヒューキャリオスに対抗する手段は失われてしまった
体の中心に向けられた鋭い切っ先が、元月面基地から上がった炎によってはためいている
>「……仲間を守らんとしたが故の行動か。
>だが、それを成し遂げるには貴様はあまりに非力だ」
(万事休すか・・・だが)
ただ塵芥かのように見下ろすヒューキャリオスに対し、ヒツギはまだ屈しては居なかった
「俺は『悪魔』だから呪いはしない。
その腕と槍を代償として貰っていくだけだ・・・!」
この状況で助かるなどということはあるまい
相打ちには持ち込めなかったとしても、自身の命と敵の武器(命)を交換はできる筈だ
伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――
313
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/26(水) 22:35:55 ID:520uEoio
>>312
>>伸びてくる槍に対し、ヒツギがゲシュペンストの右腕を伸ばしたその時――――
「……死ぬな」
短くそれだけを囁くと、レイナとアイゼルネは行動に出た。
まず、青騎士の視界一面を血のごとき赤が覆い尽くした。
アイゼルネ・ブルートの目眩ましブラッド・ディスチャージャーの効果である。
そして、赤霧に紛れて青を貪り尽くさんと蝙蝠型の子機ナイト・フライヤーの大群がワラワラと青騎士へと群がった。
――――
ただ、これですら決定的なダメージにはならないと解っているが
レイナは一瞬の時間を稼ぐだけで充分だった。
「……悪いけれど、この勝負はお預けよ。
ここからは悪魔の王ことこのレイナ・カーマインがお相手させていただこう」
そして本命を遂行する。
玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう
そうしてヒツギを救った後に、
「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」
このまま戦い続けては非常に良くない。
レイナはリリー少尉達に撤退を申請。もとい懇願する。
そして、レイナには単機ならばあの強敵を抑えられると言う自信が有った。
314
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/26(水) 22:41:27 ID:tAg3XG.E
>>310
ブレイクフィールドを用い量子光の激流の流れを慎重に縫って騎士に向けて螺旋状に加速する
機体内部もビリビリと振動し続けている。ほんの少しの舵のミスでフィールドで守られる左半分は吹き飛ぶだろう
奴の手元まで半分に差し掛かるのに0.01秒もかかってはいないが
この光の嵐の外側を伝って加速していた事にすら気づいていた
>「なかなかに面白い真似をする……だが!」
不意に機体の振動が大きく加えて間隔も更に短くなっていく!
激流に乗り切れずに大きくうねる乱流の外側に大きく弾き返された
「…ぐぅぅぅぅう!!!」
この激流に更なる別の流れを加える事で効果的に侵入者を排除したのだ
巡航形態から吹き飛ばされ、それを止める為AMへと可変しアポジモーターを瞬時に操作して
全身に架かる衝撃で気を失いそうになりながらもヒューキャリオスへの進行を試ようとスロットルを上げペダルを踏み込むも機体が進もうとしない景色が流れない
「…何故…進まない…!!」
鬼のような形相で歯を食いしばりながらでディスプレイを睨みつける
テスラドライブの緊急停止、及び復旧に架かる時間が示されている
この無茶な綱渡りと衝撃によるもの
「下策は…覚悟だったが…!」
最後に行った衝撃に対するカウンターによりアポジモーターも完全に沈黙している
蒼騎士の召還した光線が迫るが、もはや四肢で以て受ける他ない
「ちっ!うおおおおお!!」
光線は弧を描くものの、ほぼ最短距離でエクセリオンに向かい左腕を喰いちぎり両膝下と、頭部を吹き飛ばした
「…コンチクショウめ……」
胴体に特徴的な両肩と右腕のみを残して極めてゆっくりであるが月面へと落下しつつある(残りHP8%)
315
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/26(水) 22:56:09 ID:bUTclte6
>>314
「ま、間に合った……」
その声とともに落下速度とテスラドライブ復旧までの時間が急激に減少する。
追いついたエフゼロがエクセリオンを捕まえ、修理装置を起動させたのだ。
「……修理は……間に合え……」
とは言え完全に速度を殺す事は出来ず、諸共にハードランディングの可能性も消えてはいない……
316
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/26(水) 23:12:48 ID:D1sNuZ9k
>>313
>「……死ぬな」
覚悟していた衝撃は前からではなく後ろからやってきた、伸ばした腕はなぜか槍から遠ざかる
それもその筈だ
>玉砕覚悟で特攻隊となったヒツギのゲシュペンストへアイゼルネの伸縮自在のアームが巻き付き、手元へと引き寄せてしまう
「レイナ!?」
ゲシュペンストは後ろからアイゼルネに引っ張られていたのだ。
ヒツギは疲労などどこかへ吹き飛んでしまったかのように目を丸くする
レイナとの約束は断たれた、ここで自身を救ったとしても何のメリットもない
「何で・・・ここに・・・」
>「甲斐!!今すぐに全残存戦力を回収して撤退してちょうだい。
>プトレマイオス基地は駄目だ。放棄しなさい。このままでは誰も生き残れないわ。
>頼むわハリーアップよ。殿はこの私とアイゼルネ・ブルートに任せなさい」
「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」
ヒューキャリオスの絶対的な力はその身で体感していた
レイナが強かったとしても勝てるかどうかは眉唾物だ
だったら自分がこの場に残ったほうが生存確率は跳ね上がる
レイナから離れようと機体をジタバタと動かすが抜け出すことはできなかった
317
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/26(水) 23:28:47 ID:520uEoio
>>316
【「何で・・・ここに・・・」】
「は……そんなの当たり前でしょ。いちいち言わせないでよ」
皆がボロボロにやられているのを見て面白く無かったのだろうか。
いや、ただそれだけでは無いはず
なのだが、実際に口には出さず事をせずにはぐらかした。
【「いくらなんでも無茶だ!俺が囮になるからお前も逃げろ!」】
「ちょっと黙ってなさい。
……アカリ、我が半身よ。この煩い少年を頼むわ。甲斐へ連れて行ってあげて」
ヒツギが怒鳴るのを完璧に無視し、比較的まだダメージの少ない筈のビルトラプターのアカリへと連絡を取っている。
やはり、何と言われても自分が最後まで残る事を曲げる気は無い。
何としてでも未来を変える。
318
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/27(木) 07:08:18 ID:hzNFt6Yk
>>314
「レオンお兄様!!」
その時、青騎士の前に力尽きて月面に落下して行く大破したエクセリオンの姿を見てしまう。
いつもレオンハルトに掛けるジェネラル呼びを忘れてしまったかの様に、
思わずレイナは素の叫びを上げる。恥ずかしいからと絶対に呼ばなかったのに。
それほどに動揺させられたレオンハルトの敗北。
「く……私のミスだ」
あの時、ヒツギを助けてと泣き言を言ったばかりにこんな事態を引き起こしてしまったのか。
だとしたらレオンハルトは約束を取り違えている。
犠牲にしては意味が無いのだ。
レイナにとってはヒツギと同様にレオンハルトの事も大切に思っているのだから。
>>315
「エフゼロ……か?」
月面へ放り出された満身創痍のエクセリオンを救ったのは、ラウディ軍曹のエフゼロだった。
幸いにも彼のエフゼロは修理装置を搭載していたらしい。
エクセリオンの応急処置が行われている
「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」
丁度良い所に来た良い男へとレオンハルトの事を頼みこむ。
いつもの尊大な命令口調は少し控えめにしてのこれは心からの依頼。
319
:
◆ehmeRCjCRw
:2012/09/27(木) 18:30:46 ID:hkviyt3.
>>313
「むっ……」
突如として、蒼騎士――ヒューキャリオスの視界が赤一色に染まった。
足元に捉えていたゲシュペンストの機体は、何者かに引き摺られて深紅の帳の向こうへと消えていく。
変わって機体に纏わりつき、四肢の自由を奪わんとするのは、夥しい数の蝙蝠の大群。
まるで幻惑の魔術に包まれるかのように、騎士は赤々とした霧に覆われていった。
しばしの静寂。
その僅かな間に、ゲシュペンストはアイゼルネ・ブルートの手によって死の淵を脱した。
>>316-317
やがてレイナとヒツギが互いの主張を交わし終えると共に、赤い霧が勢いよく吹き払われた。
旋風の中心を見やれば、右腕の双槍を振り抜いた蒼騎士。
その腕によって巻き起こした、言うなれば剣気によって、群れ成す蝙蝠達を振りほどいたのだ。
【ヒューキャリオス HP90%】
「揃いも揃って、随分と情に篤い悪魔が有ったものだな」
互いを庇い合う両機体の様子に、蒼い機体の操者は冷笑する風でもなく、そう漏らした。
「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」
ヒューキャリオスが右腕を突き出し、視線と平行に、水平に双槍を掲げる。
それは構えか、あるいは礼の所作か。
何れにせよ、能動的な戦意を示す仕種と見てとれた。
「……ゆくぞ」
上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
弾丸のような加速による踏み込みから、小手調べとばかりに初撃――左の肩口を狙った突きが放たれる。
320
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/09/27(木) 20:30:43 ID:I/G1tgUI
>>317
「くっ・・・」
自分がレイナの話を聞かなかったように、レイナもヒツギの言葉に答えない。
そもそもヒツギの言葉は自分を犠牲にして逃げろと言っているのだ、喧嘩をしていなかったとしても頷いてはくれなかっただろう
「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」
顔を伏せ、しばし沈黙をすると何か諦めたかのようにぽつぽつと語り始めた
「・・・ありがとう、レイナ」
>>319
ちょうど同じタイミングで視界の端にあった赤が消滅する、どうやらナイトフライヤーの壁からもう抜け出してきたらしい
アカリがくるまで持ってくれればよかったのだがそうは上手くいかなかった
「流石に俺を抱えながら戦うのは無理だ!」
敵の戦闘力を鑑みれば抱えながら戦うのは現実的に不可能だ
ヒツギの様子から手を離しても特攻するなんてことは今のところなさそうだ
321
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:51:54 ID:SNDs4..s
>>310
五つの円陣から飛び出して、エクセリオンとエフゼロ、そして自分のラプターに向かってくるホーミング・レーザーのような動きの光線。
高速で走りながら牙を剥くそれらの光線を見て取ったアカリは、静かにパイロットスーツのヘルメットを脱ぎ、脇に置いた。
来ている。あの感覚。世界が速度を失い、自分だけが加速している、あの速度領域。
「……毎回、このヘルメット、邪魔になるわね。もうちょっと使いやすいのを陳情しようかな?」
自分を狙っているレーザーは五条。それぞれがバラバラの位置からぐにゃりとその軌道を曲げて、ラプターを貫かんとした。
もう少しで当たる。その瞬間、ラプターのバーニアが凄まじい勢いでフレアを吹き出し、ラプターは急加速。
レーザーはラプターの位置に飛び込んだが、急加速により機体の姿を見失い、あえなく空を切った。
すぐさま軌道を変えて飛んでくるレーザーを横目で確認したアカリは、ロールを打ちながら急旋回する。
「……!」
近くに居た光線のうちのひとつが、ラプターに追いすがるが、ラプターはくるりと機体を回転させながら人型へと変形、脚部バーニアで急制動をかける。
結果、レーザーはラプターの目の前を通り過ぎるだけに終わった。
それに続いて、また別のレーザーが天頂から逆落としにラプターを狙っていたが、
アカリはそれを脚部バーニアの噴射を停止させないことによるバク転によって回避。
「うっとうしいハエは落とさないとね!」
ラプターのツインアイが本格稼働に伴って一瞬だけ青く大きく輝き、ラプターは左腕の盾にマウントしていたランチャー銃を右手に備えた。
その間に、三条目のレーザーがラプターの左後ろから迫り来ていたが、もちろんそれを見逃すアカリではない。
ラプターはそのレーザーに対して盾を突き出し、レーザーを受ける。
足止めのレーザーとはいえ、特機のパワーから繰り出されたその光を受けるには、ラプターの盾は軽い。それを解っていてなお、アカリは盾を使った。
盾はレーザーを真正面から受けるようには構えられておらず、やや斜めに、受け流すように構えられていた。
受け流すとは言っても盾にショック力が掛かるのは同じ。盾を弾かれる程ではないが、強い力が盾を押し戻す。
それこそ、アカリが狙っていたものだった。盾に掛かるショック力を防御するのではなく、あえてそれに流されるように機体を動かす。
レーザーが通過し、盾がそれに引きずられるように弾かれて、機体が急速回転を始める。
その回転がちょうど一回を数えたときに、アカリは機体に制動をかけて回転を止めた。
伸ばされるラプターの右腕。右手に構えられたランチャー銃の銃口は、今し方通り過ぎたばかりのレーザーに向いている。
間髪入れずランチャー銃のトリガーが引かれ、銃口から青白いビームが射出される。
ビームはレーザーに追いすがってその激しいエネルギーフローでレーザーを引き裂き、霧散させた。
「まずひとつ!」
次いで右方向、上下から来る二条を左足のバーニアだけに急速ブーストを吹かせた、早めの斜めバク転で躱す。
レーザーはラプターの方向に少し軌道を変更しつつ、上下からラプターの空けた空間に飛び込み、その軌道を交差させようとした。
その瞬間を狙ってランチャー銃から射出されたビームがレーザーの交差点を薙ぎ払い、一気に二条のレーザーを消滅させた。
「ふたつとみっつ!」
残るは下方向からくる二条。やや左方向から来るひとつにはランチャービームの正面衝突をお見舞いし、
その間に近くまで来ていた、ほぼ真正面からの最後の一つを、右腰から抜きはなった左手のビームソードでぶった斬った。
四散したレーザーの粒子がキラキラと光りながらラプターの装甲にぶつかって、小さく火花を散らしていく。
「……よっつといつつ!」
322
:
アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/09/27(木) 21:55:01 ID:SNDs4..s
>>317
,
>>319
高速で飛んでくる追尾性のレーザーを五つ墜とす。
前のゲシュペンストでは出来なかったであろうその芸当に、アカリは改めてラプターの性能を思い知らされた。
「……と、浸ってる場合じゃない。急いでレイナさん達の所へ行かないと」
レーザーに対応している間、ユウセイとレイナから援護要請を受けていた。
機体が動けなくなっただけのユウセイはともかく、ヒツギを確保しているらしいレイナの方は敵機に狙われていて、深刻な事態に陥っているようだ。
アカリは急いでラプターの高度を下げつつ、レイナたちの所へ向かう。
戦況モニターで確認はしていたが、ズーム機能を使って見たレイナ達の実際の光景は思った以上にひどい。
それどころか、敵機があの双槍を構えて、レイナを狙おうとしているではないか。
「レイナさん達から離れろ! この化け物め!!」
接近しながら構えられたビームランチャーの銃身部分が展開し、その部分が激しく発光しはじめる。
銃口部分からは放たれるのを今か今かと催促するように青白い光が漏れ始め、銃身部分と銃口の光が次第にその激しさを増していく。
それらが最高潮に達した瞬間、アカリはトリガーを引いた。
一般的なPTを飲み込むほどの太さを持ったビームが銃口から迸り、敵機の左半身を抉る軌道で飛んだ。
323
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/09/27(木) 22:35:24 ID:hzNFt6Yk
>>320
【「……あいつは強い。片手でゲシュペンストを止めちまうパワーもそうだが、パイロットの操縦技術も尋常じゃない
通ったのはミサイルとナイトフライヤーだけ、普通に撃っても往なされるだけだ。
その傷もすぐに回復しちまう。弱点らしい弱点はまだ見えていない・・・アドバイスも出来ない、ごめん」】
「データは集まった。後は私に任せなさい」
敵を抑える自信は有るらしい。彼女には恐れも迷いも見えない。
と言ったものも、勝つには至らないだろう。あくまで撤退する為の時間稼ぎに過ぎない
【「・・・ありがとう、レイナ」】
「何のことかわからないわね。……ほら、さっさと行きなさい」
またしてもヒツギのストレートな反応をはぐらかすと
アイゼルネは真上にゲシュペンストを放り投げた。
>>322
「頼んだわよ」
ビルトラプターが丁度こちらへやって来ていた。
流石は半身。タイミングはドンピシャだ。丁度上手くゲシュペンストを回収出来るだろう。
レイナは二機を仰ぎ、見送った。
>>319
【「王を名乗るか……面白い。
ならば娘よ。貴様に王たる器が有るか、この俺の眼で見極めてくれよう」】
「そうか。ならば、かかって来るが良い哀れな騎士公」
アイゼルネも青の騎士に対抗する様に戦略的に何の意味も無いが、
大きく悪魔の羽を広げた十字の決めポーズを取っている。
【「……ゆくぞ」】
「!!(……はやいな!?)」
>>上体を前傾させ、攻撃動作に移るヒューキャリオス。
>>その初動が視認された次の瞬間には、もうアイゼルネをその手の槍の間合いに納めていた。
「……でも、そう来ると思っていたわ」
それでもレイナは意味深にまだ余裕を見せる。
敵の踏み込む動作からの、一瞬にして突き出される槍の一撃。
その速さをカメラが捉えられたかどうかすら微妙なその神速の攻撃は
しかし、アイゼルネ・ブルートを僅かに掠める程度に終わった。
――――初手。左肩を貫く確率、80%
皆がボロボロに倒されていた間に、僅かな時間で未来視の力を借りてレイナが組み立てた攻撃予報である。
だが、敵のスピードに圧され、完全回避には至らなかった。
もし、アカリ並の反応速度が有ったなら、無敵の能力だったかも知れない……。
「そしてこれを凌いだ後のアイゼルネの行動……」
右瞳がいつもより深く濁った状態になっているレイナ。多分自分自身でも気付いていないだろう。
周りの音など聞こえていない様な緊張感と集中状態。
無意識にだろうか、ぶつぶつと自分の成すべき次の動きを唱してアイゼルネへと反撃をさせる。
「簡単には倒れてやらないわ」
アイゼルネの2倍はあるだろう敵機体。レイナはその下半身を狙う。
ヴァンパイア・クロウで青巨神の左側の脚部へと一閃。切り抜けて、背後に回り込んだ。
クロウ以外にももっと攻撃を入れてやろうかと頭をよぎるが、これで攻撃は精一杯。
打ち止めである。
敵の行動に隙が無さすぎて、攻撃の機がなかなか巡って来ないのだ。
欲張って攻撃時間を伸ばせば、それは付け入られる隙になる。
攻めいるならば、敵の決め玉を凌いだ時。ダメージを与えるにはそれを虎視眈々と待ち続け、突くしかチャンスは無い。
レイナは意外にも事を慎重に考えていた。
【アイゼルネ:残りHP80%】
324
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 22:54:24 ID:ArN3QwZM
警報と警告を告げるアナウンスが鳴り続けるコクピット内
ディスプレイにはサブカメラにより砂嵐混じりの景色と機体からの退避を指示する警告分が大きく表示されていた
>>318
>「レオンお兄様!!」
通信機から警報をもつんざく声の主はレイナ
「レディーは黙って男の帰りを信じて待つもんだぜ?…ちょっとみすぼらしくなったけどな」
>>315
このまま戦域外まで流れるかと思われたがほんの僅かな振動、砂嵐混じりの映像からは良く見慣れた機体の姿、エフゼロだ
「…ラウディ軍曹か。見事な空中キャッチだなぁ。思わず居眠りこける程の静かさだぜ…待ってろよ武器とメイン推進システムは守ってんだ!あの鉄屑を穴だらけにしてやる」
もっとも守れた武器はガンレイピアとマシンキャノン、そして翼を失った為切れ味の低下したソニック・エッジ
ミサイルは脚部そのものと背部に装備されていたウェポンバックのいずれもが敵の光線で吹き飛ばされて喪失している
コンソールとキーボードを弄る軽快なタイプ音が警報と共に響く
テスラドライブはおろか残された全身のアポジモーターは復旧しつつあるものの月の重力に引かれながら両機は高度を下げていく
>「助かったわ、軍曹。……あともう一つ、すまないのだがこの人と一緒に甲斐まで撤退して欲しい。すぐに」
それを聞いて慌ててマイクに近づき発生していた
「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」
端末を弄る速度は更に上げているが
推進系はまだ息を吹き返さない
325
:
◆NcltM1gQ/Q
:2012/09/27(木) 23:27:01 ID:ArN3QwZM
――――プトレマイオス郊外
白い大地を疾駆する巨大な黒い人影。その手には本体以上の全長の巨大な【出刃包丁】を携えて
背部の大型ブースターからは青白い巨大な炎が吹き
白い砂を吹き飛ばしながらプトレマイオスを目指し爆進する
「…戦況は…やはり、そうか…」
搭乗者はそう呟くと同時に黒い影の眼光が一層煌めきブースターの炎は
衝撃波を伴い爆音を発すると共に大きく噴き出し、ほんの僅かに、その足元が浮き上がり機体は更に加速する
「もう直ぐだ。皆、死に急ぐなよ…!」
326
:
◆zv577ZusFQ
:2012/09/28(金) 06:37:57 ID:tGjHKzYU
>>324
【「まだだ!軍曹のバックアップのお陰で直に飛べる!さっきのがマグレだって証明してみせる!」】
「わからず屋ばかり、そんな何人も要らないわ。……ラウディ軍曹、いいから行ってちょうだい」
先程、ヒツギの声をスルーしたのと同様にレオンハルトの強行もまた、絶対に認めてやらない。
早く撤退してくれとラウディ軍曹を急かすばかりだ。
「何も無理はしないわよ。私もあの巨神の隙を突いてから最後に離脱するから」
いつもの飄々とした余裕の有る様子からは想像も出来ない、明らかな無茶をしてまで戦おうとするレオンハルトのその姿。
それをレイナは自分の事を過度に心配してくれているからでは無いかと独自に考察する。
そう読解した上で、何も心配は要らないとレオンハルトに告げるレイナ。
327
:
ラウディ@エフゼロ
◆E8ckRIIdug
:2012/09/28(金) 07:28:22 ID:0q/0NDXk
空気のない月面でエアブレーキも無いものだが、低空飛行程度で収まるまではエクセリオンのテスラドライブを復旧させる事に成功したようだ。
>>318
「……お兄様……」
まず、そこだった。忍び笑いが隠せない。
「下がれと言われても……」
彼個人としては、レイナよりマデリーンの指示の方に従うようしつけられており、そちらは……
>>324
「……中尉、提案があります。
二機のブレイクフィールドを同調させて奴にぶつけるんです」
つまりはツープラトンの体当たり。
328
:
レイナ・カーマイン
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 17:49:09 ID:ycB/A4cU
月面での戦闘で殿を務めたレイナは、その役割を果たせず倒れ伏してしまった。
レイナの愛機アイゼルネ・ブルートは凄まじい再生能力により、無傷に等しい状態なのだが、それを操るパイロットの方に問題が起きたのだった。
強敵を相手に一度ボロボロにされたアイゼルネをマシンセルの急速活性で瞬時再生させる為に、コクピットの特殊システムへ左手を直に接続したその時に
突然、レイナを襲った激しい苦痛。
自身で胸を抱きながら、コクピット内で苦痛に耐え震えるレイナ。
熱を帯びた尋常では無い激しい吐息。発熱する身体。激痛。
それこそ歯を食い縛り、目尻に涙すらも浮かべそれを必死に耐えていた。
端から見ていても全く意味が解らないだろうこのレイナの突然の不調。
心配されるのを嫌い、レイナはまともに動かせすらしない震える指先で全ての通信を拒否させた。
―――ここで自分が倒れる訳にはいかない。弱味を見せる訳にはいかない。だからもちこたえてくれ。
その時のレイナの心境であるが、
結局は自身の愛機アイゼルネを動かす事は出来ずに、追撃に来た敵の攻撃を無抵抗に受け続ける。
限界を迎え、レイナが意識を手放したのはそのすぐ先の事であった。
しかしながら完全に意識を失う前に朧気ながら彼女が見た最後のヴィジョンは……。
どういう訳か、例の死のヴィジョンを完全回避したヒツギ・ハヤセの姿だった。
かくしてヒツギの死という災厄の未来は変わったと、レイナは人知れず安堵した。
そしてそのすぐ後に、実際にヒツギのゲシュペンストによりレイナとアイゼルネ・ブルートは救出される事になる。
――――――――――――――――――
……まだ死んでいない。
意識を失い、時折苦しそうにうめきながらも、レイナは必死に生きようとしていた。
レイナ・カーマインはこれまでもずっと抗っていた。
自分の身体があたかも別のモノに染まり侵食されていく様な嫌な感覚に。
その未知への侵食は時に激痛を伴い、レイナの身体の中。臓器方面に内側から負担を掛ける。
これは人在らざる身である事を忘れさせない為の戒め。あるいは呪いの様なものなのかも知れない。
しかしながら、彼女の身体の秘密は一部の人間にしか知られていない。
知られる訳にはいかないのだ。
329
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/06(土) 18:22:25 ID:BCOncwyE
>>328
「クソッ!!!」
レイナが伏せる病室の扉の向こう側で隔壁に拳を叩きつける
轟音と共に拳一つ分がめり込み、直径約50cm大のクレーターが形成されていた
「ヒツギは助かった…だが……!」
ぶっきらぼうにベンチへと座り込み天を仰ぐ
…あの時に突撃せず攪乱に徹していればレイナへの追撃は無かった
完全に初手を誤っていた
結局、例の騎士とのダメージにより飛行は出来たが左右のテスラドライブの同期率が安定せず、情けない事に引き返すハメになった
「……レイナは助かるのか?」
天を仰いだまま、イクリプスへと訪ねた
330
:
使用人
◆zv577ZusFQ
:2012/10/06(土) 19:53:02 ID:ycB/A4cU
>>329
【「……レイナは助かるのか?」】
「それは予定通り地球に降下していただけるのでしたらですね。今は抗薬が病魔の進行を塞き止めていられます。
伊豆の屋敷にお嬢様の専門医が在住しておりますので屋敷の設備へと早急に連れて行ければ、最悪の事態は回避できるはずなのですが」
優秀な使用人は、やはり緊急事態でも取り乱したりはしない。
イクリプスは冷静にレイナの状況を少々イラついた様子のレオンハルトへ告げた。
淡泊過ぎるのでは無いかと思われるイクリプスだが、彼女とレイナの間には確固たる信頼が存在する。
我が主レイナが金属細胞の浸食ごときに負ける訳が無いと主の復活を信じている。
「それからもう一つ。
お嬢様から固く禁じられているので、この病に対しての深い説明は出来かねます。
私、使用人への追求はどうかご遠慮願います」
レイナが苦しむ原因は何なのだ?と間違いなく追求されるに違いないので、
それを先読みしてイクリプスは釘を刺す。
主からの直々の口止めなのである。イクリプスは例え何を言われようが、主の許し無しに答える訳にはいかない。
331
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/07(日) 02:52:08 ID:nirygqH.
対しヒツギは顔を下に向けて腰掛けたまま、飲み物を手に落ち着いていた。
落ち着いていたというよりは疲れたといったほうがいいのだろうか、それもその筈ヒツギは既に騒ぎ終えた後だった
その結果何が分かったかといえば、この状況において何もできないということだけだ
「くそ・・・っ!!」
自分を助ける為にこうなったのだから彼女の言葉を聞いていれば変わっていたのだろうか?
自省の念がヒツギの中で渦巻く、手に持っていた紙コップがくしゃりとつぶれた
332
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/07(日) 20:24:19 ID:A944LRys
ユウセイは、ただ静かに、レオンとは違う、ベンチに腰掛け、近くの窓から空を見ていた。
【俺のせいだ、念動力者である俺なら、】
演習の時の、レイナ嬢に真相を聞けてたら、少なくともこの未来には。
【俺と同じ境遇の奴を、クソッ】
ベンチをグーで殴る。
333
:
“タケミカヅチ”
◆E8ckRIIdug
:2012/10/08(月) 22:56:58 ID:zXNwTk96
『ふむぅ、面妖な』
この、自らを神であると称する知性体は、レイナ・カーマインが被った異変を読み取ろうと思えば出来ない事も無かった。
しかし、それをしないのは不得手な領分だからというだけではない。
彼女自身が自分の介入を拒むであろう事が分かる気がするからだ。
代わりに艦内の様子を見る。
自身が収まるハードウェアの持ち主は主の復活を信じている。
三人の男たちはそれぞれのやり方で自らの責任を取る事を考えている、あるいはそのように見える。
格納庫の中では各機体の整備が進められ、ラウディや救出部隊、救出された生き残りたちも作業中。
一方ブリッジは……
『……捕まえた……これが“神様”ね……』
334
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/09(火) 22:32:09 ID:xf9iuJEg
>>328-332
「ああ、皆さん。やはりこちらでしたか」
それぞれに意気消沈する三人の青年たちと、立ちふさがるように病室の前に立っている使用人の前に、
パイロットスーツ姿のアカリを伴って、リリーが現れた。
アカリはずーんと沈んだ三人の姿を見て伏し目がちな表情になっていたが、リリーはいつもの無表情のままである。
「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
レイナとの付き合いはほとんど無いリリーだが、かといってレイナの負傷に何も思うところが無いわけではない。
だが、彼女に近しい人間が沈んでいる今、その尻を叩くのにはリリーのような「外側の人間」が適役である。
それをわかっているからこそ、リリーは直接ここに出向いたのであった。
335
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/10(水) 22:02:37 ID:TUCqxvZE
>>334
「ん・・・?」
下を見ていると廊下の色が一瞬にして暗く染まる、暗い部分と明るい部分の境がはっきりと分かるほどだ
それは長く伸びており、その形から何なのかは容易に想像がついた
顔を上げたヒツギは視線を向けると女性が二人、一人はアカリでまだパイロットスーツのままだ
もう一人はリリー、直接こちらに来たということは何か伝えたいことがあるのだろうか
>「そろそろ本艦は大気圏への突入態勢に入ります。
> ……いえ、本当はもうちょっと後なんですけど、どうも今の皆さんは腰が重そうなので、早めに言っておきたかったのです。
> 気持ちの見切りが付かないのは仕方がありませんが、ここに居たまま突入を迎えるのはお勧めしません。
> 大気制動の影響で、結構揺れますからね。自室に戻るなりして、突入に備えていただけますか?」
「大気圏突入・・・もうそこまで来たのか、ずいぶん早いな」
心労を紛らわすように深く息を吐き出すと、両の手を持ち上げた
そのまま平手で自らの顔を両端から強く挟み込んだ。
肌がぶつかる景気のいい音が廊下に響く、かなり古風な気合の入れ方だがヒツギらしい方法だ
「ありがとうリリー少尉、すぐに部屋に戻るよ
そういえばゲシュペンストの確認も忘れてたな・・・左腕を丸ごと犠牲にしちゃったからなぁ、あいつ」
レイナを救出する際、手首がなくなっていた左腕へ槍を無理やり突き刺させてそらした
その際丸ごと持っていかれてしまったのだ
336
:
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/11(木) 16:15:00 ID:ui3cWmEE
>>234
「むっ?、暗くなった。」
と、同時に此方に接近する二人を感じる。
察するに、アカリ伍長とリリー少尉だろう。
どうやら、此方の気持ちを察して早めに来てくれたんだろう。
「了解です。すみません、リリー少尉」
部屋に戻り、冷蔵庫をあさっているとイサム大将お手製のクスハ汁が有ったが。
「………ちっ。」
取りあえず、ほっとき、お茶を飲むことにした。
【アルブレード、ゴメンよ無茶させちゃって。】
337
:
レオン
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/11(木) 16:40:10 ID:jIfFvk.g
>>330
(病気…?)
あの巨大な騎士からの攻撃を受け続ければサバイバリティの高い機体でも搭乗者がタダで済むものでもない
未解明部分の多いアイゼルネのスペックを楽観視したとしてもだ
結局レイナを機体ごと回収したのはヒツギだ
或いは彼女は既にヒツギが察し、俺に伝えたと考えた上での発言にしては珍しい
それ故に彼女が「務めて」冷静で居ることを察するには充分だった
「どうやら頭を切り替える必要があるらしい」
立ち上がり医務室から離れようとした所に見覚えのある二人が大気圏突入の旨を伝える
>>334
「ああ、了解した。俺は格納庫に行ってくる。エフゼロの四肢で修復してるから調整が必要なんでな」
338
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/13(土) 22:24:23 ID:yliATAt6
「そういや俺、宇宙に上がったの初めてだな」
大気圏突入という言葉を引き金に、ふと思い出したかのように口にする。
地球生まれの地球育ちで家族もすべて地球の中で済む職についていたし、月面に旅行に行こうという話もあったがそれも一夜限りのものだった
いざ月面にいたときは病院に戦場にで実感も沸かなかったが、思い返してみればもったいない事をしたような気がする
「・・・悪い、確か大きな窓があるテラスみたいなところあったよな、どこだっけか」
場所が分からないことが少し恥ずかしいのか、照れくさそうに頭をかきながら訪ねる
甲斐の施設に1番詳しいのはリリー少尉、どうやら彼女に場所を教えてもらうことにしたようだ
>>337
イクリプスの言葉に対し疑問符を浮かべているレオンの視界の端でヒツギが微かに首を横に振った。
ヒツギの交渉術などたかが知れている、しかしその性格を考えれば何度も質問したはずだ。
そんな彼が黙っていることを考えれば、病気の一点張りで中二病以外何を患っているのかすら分からなかったと見て間違いないだろう。
339
:
リリー&アカリ
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/16(火) 19:24:23 ID:XtQSFD1w
>>335-338
そこに居あわせた、病室の前のイクリプスを除いた三人がそれぞれに腰を上げたのを確認したリリーは小さく嘆息し、
隣にいたアカリの手を軽く引っ張った。
男三人の雰囲気に呑まれて気分の下がり気味だったアカリは、リリーに手を引っ張られた瞬間はややきょとんとしていたが、
すぐにその意味に気づいてしっかりと頷きを返し、踵を返してもと来た通路を戻っていく。
騎士のような姿をした敵との戦闘の後も未だアカリがパイロットスーツのままなのは、ラプターによる前方哨戒任務に就いているからである。
レイナの状況を鑑みてそう時間をおかずにプリニウス基地を離れたので護衛艦を帯同させることができず、
加えて月面での戦闘で消耗している部隊しか艦載していなかった甲斐にとって、こうした哨戒機の存在は必要不可欠であった。
少し時間を掛ければプリニウス基地に駐屯していたペレグリン級を護衛艦として連れて来られたのかも知れなかったが、
プトレマイオス基地の救援で忙しいプリニウス基地の輸送艦艇を護衛艦として使える可能性は非常に低く、
そもそも帰路を急ぐ甲斐の巡航速度がペレグリン級のそれを上回っているために、護衛艦の有無は始めから勘定に入っていなかった、というのが実情だ。
その前方哨戒任務に就いていたアカリがここに来れていたのは、ラプターの補給のために一時帰艦していたからである。
だがレイナの容態が特に好転していないことがわかり、ラプターの補給もそろそろ完了するとなれば、アカリがここに居る意味はない。
リリーがアカリの手を引っ張ったのは、それに気付かせるためであった。
床を蹴って、無重力特有の浮遊するような移動方法で戻っていくアカリを見届けていたリリーだったが、
そんな彼女に、ふとヒツギが艦の施設について質問してきた。何でも、大きな窓のあるテラスのような場所を求めているらしい。
「大きな窓、ですか。でしたら、艦橋二階、後部にある第一展望デッキなどはいかがですか? 大型のドーム窓を備えた本艦最大の展望デッキですよ。
それとは別に、船体の左舷と右舷に第二、第三展望デッキがそれぞれありますが、あちらはどちらかというと水中展望を目的としたデッキですから、
宇宙空間の遊覧には向きませんね。
あ、それと地球重力圏までもう少しなのでやや急ぎ足になりますが、機動兵器ハンガーから直接、宇宙空間に出てみるという手もあります。
迫力はこちらが一番でしょうね。何しろ、スーツの薄皮一枚隔てた先がもう宇宙空間ですから」
ヒツギが何を求めてそういった場所の位置を訊いたかは不明だが、とりあえず遊覧だろうと判断したリリーは、それに適した場所を提示する。
340
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/17(水) 23:03:38 ID:IZsRMVJY
>>339
「艦橋2階か・・・宇宙遊泳はさすがにいいかな、十分コックピット内で体感したしさ」
確かにぶっ続けで2回も出撃したのだから無重力状態は良い意味でも悪い意味でも十分堪能できただろう。
気合を入れたからか冗談が言えるまでに切り替えられているようだ
「ありがと少尉、、じゃあ早速見に行ってくるよ。アカリンもお疲れさん」
小さくステップを踏むように前へと踏み切った、軽く手を振りながらそれぞれとは別の方向へと水平に流れてゆく
特にその姿や振る舞いはいつもと何も変わらない、だからこそ逆にその背中には違和感が溢れていた
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
いざ第一展望デッキについたヒツギは、椅子に腰掛け黒の世界に浮かぶ数多の点を見上げていた
そのまま視線を降ろしてゆくと見えてくるのは視界いっぱいを包み込む青い星。
降下が近いということもあり地球の姿を眺めるにはタイミング共にぴったりであった
「・・・・・・」
肩から力を抜き、膝に自らの肘を乗せその腕を支えとして頭を乗せた。
無気力と言えるような体勢のまま感傷に浸っていたヒツギであったが、その顔が更に下に向けられる。
今度は自らの影と足元に広がる床だけの視界。
自分の馬鹿さ加減が、弱さが悔しい。
こういう姿を誰にも見せたくないといういかにも男の子らしい考え方だ。
グッと奥歯を噛み締める彼の背中に声をかけられる人間が居ようか?
大気圏突入によって星のドームは壁に包まれてゆく
それに伴い室内が暗闇に飲まれてゆく中でもヒツギはその姿勢を維持したままだった。
341
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/18(木) 08:25:04 ID:PDgHxFYg
大気圏突破後。ユウセイは、適当に艦内を散策していた。
「むっ、アレは?」
ブリッジで見られないものを見たんで
気になって、来てしまった。
「何ですか?これって」
聞こうとした瞬間ケータイに連絡が。
「はい、ユウ」
「もしもし、アストだけどねぇ、あんたの船で、太古のOS手に入れたそうね」
「さぁ、知りませんが」
「とぼけんじゃないわよ、早く私の研究所に持ってきなさい。」
【分かんないんだけどねぇほんとに】
「あっ、それは無理です。いま重傷者がいて」
「ふーん、そうなんだ、分かった。また連絡します。」
そういい、切られた。
「レイナ嬢、のこと伝えなくて良かったかな。」
その事だけをきにしたが。
まぁいいや、で処理した。
だが、この後、ユウセイが泡を食って倒れることは、本人は想像していなかったのです。
342
:
レオンの手記
◆NcltM1gQ/Q
:2012/10/23(火) 20:51:18 ID:7/nMsm0A
――月面に駐留していた連邦軍と共に辛くも敵アンノウンからの追撃を振り切り
ほうほうの体で帰還する甲斐であったが伊豆基地への到達後に更なる衝撃的事実を知る
その最たるものは連邦軍上層部へイサム自らが月面での経緯を報告するも、その返答は
『月面での異常は見受けられない』と言うもの。
この際に出撃していた筈の味方部隊も何故か同じ証言を行っていた『らしい』
それよりも上層部は
『過酷な演習による過度の戦力損耗、現方針から鑑みて大掛かり過ぎる軍備増強への姿勢に対する説明』に対しての説明を強く求めていたとそうだ
――さて俺の機体(の損傷に対する始末書)はさて置き、実際に爪痕の大きいグルンガスト、ゲシュペンスト、アルブレード達に対する傷が『演習に依るもの』で片付けるとは…
思うべき所も多々あるが、まずは離れる羽目になったヒツギの元へ向かうべきか
343
:
エミリー
◆jclrQ5ykSY
:2012/10/23(火) 23:35:57 ID:EckslorA
>>342
「レオン、どう言う事?」
連邦軍上層部に納得していないのはレオン達だけじゃない。
私はエミリーを心配し、アメリカから日本に来たけど・・・
「月面の襲撃・・・私はそいつ等を地球に寄せ付けない為に、呼ばれてきてるのよ。」
事実、アメリカ軍もドローンやテロリストの相手で手一杯だ。
一人でも欠員を出せない状況で、応援に来ているんだ。
「上層部と局長さんのやり取りは私やアメリカ側も知ってる。
あのやり取りについて、向こうが説明を求めてる。」
私達はナイトの様な部隊に襲われたって報告を受けてるんだ。
異常は無かったじゃ、向こうが納得するはずも無い。
どんな事情があるにせよ、その事情を向こうに説明しないといけない・・・
344
:
レイナ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 07:28:41 ID:dA1bmGNE
月面から命からがら逃れて来た甲斐は、何とか無事に極東支部へと帰還する。
極東支部には既にカーマイン家の手の者だろうか、メイド達何人かと自前のヘリが床に伏せるレイナを待ち構えていた。
「ご苦労様でした。メイド隊。
では皆様。大変申し訳ありませんが、我々はこれで失礼させていただきます」
連邦軍の一同へとまだ意識を取り戻さない主に代わって頭を下げて、謝罪をしていく使用人。
それを終えると速やかにかつスマートに見た目にも明らかに衰弱した様子のレイナを((意識が有れば決して許さなかっただろう)
所謂お姫様抱っこをして艦外へと運び出し、その大きな医療ヘリへ護送した
「ではヘリを飛ばして下さい。もうしばしご辛抱くださいお嬢様。じきにカナメ様の元へ連れて行きますので…」
ヘリを操縦するのはまるで似つかわしく無いが若いメイド。
イクリプスは弱るレイナの身体を優しく抱き寄せ、母性的な介抱を見せる。
そしてヘリはバリバリバリと不愉快な騒音を立てて極東支部を一目散に飛び立ち、だんだんと視角出来ない程に小さくなって行った
345
:
レイナ&カナメ&イクリプス
◆zv577ZusFQ
:2012/10/24(水) 10:00:48 ID:dA1bmGNE
屋敷に戻ったイクリプスはレイナを抱え、すぐにレイナの病への“専門医”の元を訪れた。
「カナメ様。お嬢様をお連れしました。治療をお願いします」
レイナを搬送した先は怪しげなモノが培養液に満たされた水槽やらが存在する
まるで特撮物の悪の怪人を改造手術してしまえそうないかがわしい設備であった。
イクリプスは部屋に充満する科学薬品の混ざりあった危険な芳香に脳内で不快を示しつつも、レイナを寝台に寝かせる。
一般的な医務室と言うにはどうも混沌としたこの部屋に例の専門医とやらは存在している。
「予定より早いわねイクリプス。はやく同化を塞き止めるわよ。とりあえず最初に一本射っとくわね。
暴れ狂わない様にお嬢様をしっかり固定してイクリプス?」
桃色の髪をしたレイナとそれほど年も変わらなそうな少女がそこには居た。
イクリプスへ、治療の補助を命令しているあたり、彼女こそがレイナを治せる専門医と言う事なのだろう。
ゆったりしたネグリジェの上に白衣を羽織るというヘンテコなファッションをしている。
不自然なほど長い前髪の内からは眠そうにトロンと垂れた金色の瞳が伺える。
彼女はカナメ・ライブラ。レイナとは幼少からの幼馴染みであり、だらしない外見からは想像も出来ないが、レイナ一派のブレインである。
「かしこまりました。ではお嬢様、失礼します」
イクリプスの手により、レイナの身体が寝台にがっちりと固定される。
これから行う療法はレイナ以外には想像もしない程の苦痛を伴う。こうするのも決して大袈裟なものでは無い。
手始めの抗薬の注射。
桃色の髪の少女は鈍く光る極太針の注射器を用意していた。
この先を思えば、まだ意識が回復していないのは幸いかも知れない。
「お姉さんなんだから我慢よ。……いくわよ」
レイナの頭を撫でる桃色髪の少女は汗ばむレイナの首元。その血管へと注射器の針は無慈悲にも突き刺した。
「!!!……ぐう!……が……あぁが!?!?」
その痛みの方が勝ったのか、声にならない声を上げ反射的に目を開くレイナ。しかし、しっかりと拘束されているので身体を動かしてもがく事は出来ない。
ただただ痛々しい声が上がるだけである。
その後、吠え猛るレイナを気にかけないかの様なカナメの迷いの無い作業により、合計3本の抗薬を追加で注射した。
「毎度の事ながら恨まないでね。私には今はこれが精一杯なのよ」
「いえ。お嬢様はカナメ様に感謝こそすれ、恨んでなどおられませんよ」
「そうだと良いのだけど……ね?」
体内では抗薬とレイナの体を内から蝕もうとする金属細胞マシンセルが抗争を繰り広げている事だろう。
その体内での戦いが激化する度に、レイナの身体へも断続的に焼けつく様な激痛が加えられてくる。抗薬が憎き金属細胞の浸食を止める際の副作用だ。
「ぅぐっっぁ!!……があ!!あ!!」
抗薬の浸食への浄化はレイナが身体で感じ取れる程に効いているのだ。
プライドも何も捨て去り、のたうち回る今のレイナの姿にはもうカリスマなんてものは見られない。
しかし、今は恥辱にも何でも耐えるしか無い。これ以上、この身体の浸食を起こさせない為に。
「クク……ククク!!私……っ!このレイナ・カーマインがぁぁ!
たかが金属細胞ごときになぁ!屈するものかああ!」
しばらく暴れ狂っていた叫ぶだけのレイナだったが、ようやくニンゲンの理解できる言葉を口に出した。
それは心の底からの屈託の無い全力での勝利宣言。
―――――――――
今回も打ち勝った。親友の作り出した抗薬が浸食を完全に塞き止めた。
峠は完全に越えた様だ。勝利宣言の後、スイッチを切られた玩具の様にすやすやと寝息を立て、今度は何の苦しみも無さそうに意識を手離す。
安心したイクリプスは寝台とは別のふかふかベッドへレイナを移す。
「ふわああ。……ああ、ご苦労様ね、イクリプス。もう大丈夫よ。状況をメイド達に教えてあげて」
寝息を立てるレイナにつられたのか、気の抜けた大あくびをするカナメ。
机に突っ伏し、心底眠そうに目蓋をショボショボさせている。これがニュートラル時のカナメ・ライブラである。
「ありがとうございます。ではお嬢様が目を覚ますまで、お願いしますカナメ様」
レイナの監視をカナメに任せ、イクリプスは通常の職務へと戻る。
不気味な悪の秘密結社の実験室の様な部屋にはレイナとカナメ。二人が残された。
「何だか気持ちが良さそうね……私も眠くなっちゃうわ。まだまだ10時間しか寝てないしね」
と、しばらくたった時には二人分の寝息が聞こえて来るのだった。
346
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/24(水) 17:02:06 ID:oDLCGsUo
レイナ嬢が、マシンセルに打ち勝ったとき、ユウセイは、アルブレードの損傷ぐわいを調べていた。
「やっぱ、あれじゃあな、」
あの、戦闘のことを、ぼやいていると
基地に、helicopterが来た。
誰のだろうって、考えてると、
中から、アスト博士がでてきた。
「あっ、ユウセイくん。居たんだ。大丈夫?」
ユウセイは、とっさに、逃げようとした。
「逃げたら、DCの資料見せてあげないわよ。」
「絶対に、見せてくれるなら、手伝ってもいいです。」
二人は、大国魂のあるところまで、行く。
「これね、太古のOSと言うのは、」
「はぁ、自分はよく知りませんが。?!」
この、感じ、奈良であった。
「どうやら、奈良のと」
「同じのようね。さっ、ちゃっちゃとやるわよ。」
二人で問答無用で、解析を始める
「ところで、重傷者って。」
【ここで、一人になっても困るしな。】
「どうしたのよ、早く教えなさいよ。」
「えっと、レイナ嬢みたいなんです。」
アスト博士の手が止まった。
が、
「そう、なら大丈夫ね。」
「良いんですか?、行かなくて。」
「大丈夫よ、あの子なら。」
叔母の感なのかな?と思いながら手伝っていく。
347
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:03:18 ID:Vz4rmHU6
>>346
「はじめまして、アスト・カーマイン博士」
そこに加わったのはマデリーン・エッシェンバッハ少佐。
ざっと自己紹介してから、解析作業に参加する。
その横でラウディが手伝わされている。
彼女らがいる甲斐の一室は、もう、何というか、近寄り難くて。
348
:
◆E8ckRIIdug
:2012/10/25(木) 00:11:50 ID:Vz4rmHU6
>>342-343
その不可解な処置を、伊豆にいたのなら説明出来たであろう人物、即ち河嶋大佐は伊豆にいない。
甲斐が戻ってくる前日からジュネーブに召喚され、連絡が付かないのだ。
「それはもう、酷い顔で出ていきましたよ」と言ったのは、物資搬入のため伊豆に来ていたヴィルヘルム・エッシェンバッハ。
マデリーンの夫にして予備役少佐、重工業メーカー・ローランド社の社員である。
なお、夫婦の再会の挨拶は“タケミカヅチ”解析を優先するために省略された。
349
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/25(木) 01:25:26 ID:JDqcDK46
腹の置くまで深く息を吸い込み、ゆっくりとした体の動きに合わせ少しずつ吐き出してゆく。
床はフローリングでも絨毯でもなくイグサを何十にも編まれて作られた畳
極東支部にそんな場所は一箇所しかない、それに合わせてヒツギの服装は胴着になっていた
「フゥ・・・」
突き出した右腕を引き戻し、左腕の肘を曲げてその角度のままに前へ持ち上げてゆく。
左手の指を一本ずつ伸ばす、その体のこなしは戦闘というよりは型を確認しているという方が近い。
精神統一のために行っているとみて間違いない。
ふと視線に入り込んだ道場の窓をヘリが横切るのが見えた、珍しいことに軍用のものではない。
結局極東支部についてもレイナの姿を見ることはできなかった
到着してすぐ、近くの医療施設に搬送されるのかと思ったが屋敷に戻る為の迎えが来るという話だった
キュッとヒツギの口元が強く締められるが、すぐに口を薄く開き同じように一定の長さで息を吐き出し始めた
しかし入り込んだ雑念をどうしても振り払えないのか、ぴたりと動きが止まってしまった
「あ゙あぁぁぁぁ!」
それを追い出さんと、謎の叫び声を上げながら自らの頭に両手を置いて掻き毟る。
両腕をだらりと下げると共に、ため息を吐いて道場に座り込んだ。
「・・・ハァ、少し休憩しよう」
350
:
ユウセイ&アスト
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/25(木) 21:50:02 ID:J7bAB7RM
「っ?だれ?」
「マデリーン少佐です、ほら。」
片手は、化け物のスピードで操作しながら、ipadを取り出す。
「あぁ、どうも。」
ニコニコしながら、喋っているが、常人の10倍以上のスピードでPCを操作している
351
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/10/26(金) 17:05:55 ID:CNCX7O4Q
皆がそれぞれに四半舷休息状態を過ごしている中、アカリとリリーは伊豆基地から離れ、最寄りの駅で電車を待っていた。
パーカーにプリーツ付きのキュロットスカートという動きやすそうな服装のアカリと、
それとは対照的なワンピースにカーディガンという大人しい服装のリリーがホームで並んで立っている様子は、
どこかの姉妹のようであり、二人が軍人であることなど思わせないものであった。
見た目がそうであるならば会話の内容も同様で、手帳に挟んでおいた路線図を眺めるアカリと、
携帯端末で周辺の情報を調べているリリーが今日一日をどう過ごすかを話し合っている。
「どうします、少尉? 基地の人たちは大体、遊びに行くとしたら熱海か、少し足を伸ばして小田原に行くらしいですけど」
「せっかく一日乗車券を買ったんですし、小田原から攻めてみましょう。小田原城を見てみたいですから」
「日本の古城に興味が?」
「ええ。今まで日本に来ることはあっても、そういう歴史的な建造物を見る機会は全くありませんでしたからね。
……そんなことより「アカリさん」、基地の外で「少尉」は止めて下さい」
「えっ? ……ああ、はい。でも何と呼べば?」
「普通に呼び捨てにしてください。そうですね、年の離れた従姉妹、という体で行きましょう」
「従姉妹ですか……じゃあその、ええっと、リリー?」
「はい、それで結構です」
二人は尉官と下士官という階級の大きく離れた関係であるが、それを無視して呼び捨てにしろ、とはまた、言うことが大胆だ。
アカリは少し意外に思ったが、よくよく考えてみると初めに会った頃ならともかく、
上下関係に余り頓着しないダウナーなキャラクターとしての馬脚を現しつつある今となっては、それほど不思議ではないことに気付く。
そんなことを考えていると、リリーがふと、周囲を見回し始めた。アカリもつられて周りを見る。
平日の昼間だからだろうか、ホームには自分たちと同じように電車を待っている客が離れた場所にちらほら立っているだけで、他には特に何もない。
それをアカリと共に確認した形となったリリーは小さく頷いて、
「……それにしても、うちの部隊、少しきな臭くなってきましたね」
「きな臭くなった、とは?」
「今回の件に関するカイオウ大将の強引なやり口、聞いてないんですか?
大将は月面での「あれ」、演習だったなんてゴリ押しているらしいですよ。関係者の口もそういう名目で統一させているらしいです」
「え!? い、いくらなんでもそれは無理がありすぎじゃないですか……?」
「ええ。高い確率で破綻するでしょう。きな臭いと言えば、カーマイン家の方達もそうです。
今回のことで発覚した、レイナ・カーマイン嬢の「持病」もきな臭いと言えばそうなのですが、
この部隊の意志決定には、彼女らが大きく関わっているらしいではないですか。
アカリさんも疑問に思ったことはありませんか? 民間の、一資産家が、連邦軍大将の直属部隊に影響を与えていることに」
「それは……ありますけど、でも、レイナさんたちは悪い人たちじゃないと思うんです」
「ええ、それは私も思います。しかし、それとこれとは話が別なのです。
悪い人でなければ、していることも悪いことではない? いいえ、それは違います」
「………………」
「私は自分の飼い主は連邦軍だと思っていますし、今でもそう思っています。
しかし今回の一件で、私に今、引き金を引かせているのは一体誰なのか、という疑問が生まれました。
……アカリさん、あなたの飼い主は誰なのか、少し考えておいた方が良いかもしれませんよ」
そこまで話してから、アカリの気持ちが沈んできていることに気がついたらしいリリーが、「なーんて」と(やはり無表情で)おどけて見せた。
「そんなこと言ってますけど、上司に言われるがまま引き金を引くのが私達のお仕事ですから、考えたところでどうこうなることでもないとは思いますけどね。
すみません、アカリさん。人と出かけるのなんて何年ぶりかなので、少しテンション上がりすぎてたみたいです。
陰謀論者さんオッスオッスの精神で流して下さると助かります。でないと黒歴史にまたひとつ、項目が増えることになりそうなので」
「……あはは、それなら逆に流さないでおきましょうか? 黒歴史と枕を抱いてばたばたしてもらうというのも、面白そうですから」
「鬼畜キタコレですね」
そうやって会話をいつものものに戻していっている間に、電車がホームへと入ってきて、それを合図とするかのように部隊の話は二人の間から消えた。
だがそれは小さな、しかし確実なしこりとなって、アカリの胸の中に残った。
352
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 07:51:14 ID:cBhN.PqI
>>349
【「・・・ハァ、少し休憩しよう」】
「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突然、ヒツギしか居ない筈の静かなその空間に、ハキハキと透き通った女性の声が乱入する。
ヒツギが息を正すそのタイミングを見計らった様に、道場には一切の穢れも無いしゃきっと正された純白の制服を纏う黒髪ストレートの華奢な少女がやって来た。
明智ライト大尉。乱れを許さない真面目を絵に書いた様な少女である。
月面基地で本来のホーム欧州へと出戻ったはずのライトが、何故またしても極東支部へと訪れたのか?
ただ遊びに来ただけなんて事は彼女に限って絶対に無いだろうが。
「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
どうやら、欧州支部からのメッセンジャーをさせられている様だ。
欧州支部と言えば軍内でも一握りのエリートだけを揃えた正に一流部隊である。
その待遇は厚く、将来的に見てもそれは大きなステータスとなるだろう。
ヒツギにとってもこの案件はメリットの多いものだろう。
それともう一人。ヒツギ用の資料の他に、あのハヤミ・ユウセイ用の資料もライトは用意しているのだが、上層部は本気なのだろうか?狂言なのか?
などと、ユウセイ曹長(ライトは階級が二等兵になったのを知らない)のふざけた奇行を実際に見てきたライトは困惑気味だ。
353
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 14:00:35 ID:YNLU6b4M
>>352
>「そうですか。なら少し私に付き合ってもらえませんか、ハヤセさん」
突如として後ろから投げかけられた声に体を跳ねさせすぐさま後ろへと振り返る。
そこにいたのは何度も話したことのある顔見知り、記憶している限りだと彼女はヨーロッパの方へ向かったと聞いていたのだが
「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」
胸を撫で下ろしながら再会したことに対しての言葉を投げかける。
その表情を見るにまったく気づいていなかったらしい。
後ろに人が立っているのに気がつかないほど集中していたのか、逆に気が散っていたのかのどちらかだ
レイナの情報はライトにも届いているだろう、どちらに転んでもヒツギがそれを気にしていることは明白だった
>「欧州への技術協力とあなたへのスカウトのお話ですよ」
「へ?」
きょとんと目を丸くしてかなり間の抜けた声をこぼすヒツギ。
ルーキーであるヒツギにとって、どこかからスカウトが来るなんてまず思っていなかったことだろう
ぽかんとしていたヒツギだったが、我を取り戻したのかそのことについて聞きなおそうと口を開いた。
が、自分の格好と話している場所のことをすぐに思い出す、見知った相手とはいえ女の子と話すのに汗臭いのは頂けない
・・・それに気分転換もしたいところだった
「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」
この時ライトは思っていなかっただろう。
この「外の空気が吸いたい」という言葉、屋内から外に出たいと言う意味ではなく、基地から外に出たいという意味だったことに
354
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 15:07:17 ID:cBhN.PqI
>>353
【「ビックリした、あけっちか・・・久しぶり」】
「だからですね。その、あけっちと呼ぶのはやめて下さいと/////」
いつの間にか名付けられ、しかも周りに浸透していた愛嬌のあるその呼び方へと律儀にツッコむ。
本気で嫌がってはいないのだが……何だか気恥ずかしいのだ。
【「話の内容が気になるけど、外の空気が吸いたいからちょっとだけ待ってくんないか?
急いでシャワーを浴びて着替えてくからさ」】
「ふむ?……ああ、確かにそうでしたね。場所を改めましょう」
ライトとしても男男したこの様な空間で話をするのは、あまり好ましく無い。
ヒツギの提案は二つ返事で承諾する。
施設のカフェにでも行ってと考えた。素直に話を聞いてくれそうで何よりである。
「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
シャワーを浴びに行こうとするヒツギを僅かに引き止め、ユウセイ二等兵の居場所を聞こうとするライト。
あまり気は進まないが、もう一つの目的を同時にこなしておくつもりだ
355
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 18:57:05 ID:YNLU6b4M
>>354
ヒツギからしてみればライトも立派な仲間である。
欧州と極東の仲が悪いことなど彼が知る由も無い、そういうことには疎い・・・というよりはそういう不用意なことは伝えていないのだろう。
>「あとですが。ハヤミ・ユウセイ曹長は呼べますか?この件について、あの人にもご同行願いたいのです」
「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」
ユウセイも同行というのは非常に珍しい話だが、自分がシャワーを浴びている間に捕まえてくるということか
「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
研究棟とこっちを行ったりきたりするよりは早いし、出入り口なのだから当たり前だが外に出るにも近い
時間効率が的にもこれがベストな待ち合わせ場所のはずだ。
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」
356
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 19:26:18 ID:cBhN.PqI
>>355
【「ユウセイ?だったらOSがどうとか行ってたし研究棟じゃないかな
多分アスト博士も一緒のはずだから、そっちの居場所調べたほうが早いかもな」】
「研究棟ですか。ではアナウンスで呼び出して貰います」
ライト自らがユウセイの元へと向かうつもりは、そんなに無いのでむしろこちらへ召喚する形になるだろう。
それに何やら厄介事に巻き込まれてしまいそうな乙女の勘が働いた。
【「分かった、じゃあ1階の受付前で落ち合おう」
「そういうわけでよろしく、俺は急いでシャワー浴びてくるよ」】
「わかりました。速やかにかつ丁寧に身を清めて来て下さい。
では今から私はハヤミ曹長を呼び出しますので」
ライトはその間に係の者に頼んで、研究棟で作業に没頭しているらしいユウセイを呼び出して貰う事にした。
“30分以内に1階フロントへ集合せよ”と
357
:
ユウセイ
◆JryQG.Os1Y
:2012/10/27(土) 20:04:22 ID:NVxKcMG2
>>356
アナウンスが鳴りユウセイが呼び出される
「ああ、呼び出しか。まだ、0、00045%しか終わってないのに。」
ガックリする、ユウセイ
「後は任せて、素直に応じなさい。」
諭す、博士
「了解、後は任せます。」
自室に戻り、シャワーを浴び、適当な服に着替え
ウィーダーインゼリーを一気飲みする。
「さてと、」
ユウセイは、フロントに向かう。
「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」
ちょうど、30分経った
358
:
マデリーン
◆E8ckRIIdug
:2012/10/27(土) 21:23:13 ID:soLvNY.w
>>350-357
「あら残念」
なかなかに良い速度で打ち込むので少しは使えるかと思い始めた矢先だったので。
タイピング速度で言うならキーボード二つ同時に壊してからが本番とか言う世界と比べちゃいけません。
「まぁ仕方がない、ユーティライネンの力を借りるわ」
もう指揮系統を気にせず独断で軌道防衛艦隊を呼び出す。
ライトあたりが知ったらどうするとか全く気にしない人たちである。
そして、そんなならず者たちに良いように弄ばれるタケミカヅチ。
神様の立場、絶賛大暴落。
359
:
ヒツギ
◆zwG.6Bg2jY
:2012/10/27(土) 21:27:45 ID:YNLU6b4M
>>356
>>357
「ギリギリセーフ!!・・・か?」
30分から1分ほど遅れてヒツギもやってきた、しかしその服装は制服ではない
シャツの上にデニムのライダースを羽織り下はスリムなチノパン・・・と、どう見ても私服である。
服にあまり拘りがなさそうな性格からそのままに、年齢相応といえばその通りの非常にシンプルなものだった
「とりあえず歩きながら・・・」
ここで察しが着くだろう、外の空気が吸いたいという言葉は文字通り敷地の外に出たかったということに。
確かにまだ日は高く外に出るには絶好の時間だろうが・・・
「あ、それともユウセイとの話はここで終わらせたほうがいいのか?」
ユウセイの様子からまだ忙しいということを察したのか、外に連れて行くか否かで立ち止まる
解析作業があるのであれば連れて行くことも無い。
どこかに座って話を進めればいい話だ、その後で外出すれば良い
「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」
となれば1番ベターな選択肢は最初からカフェに向かうことだろう。
その趣旨を切り出し、2人尻目に歩き出した。
360
:
明智ライト
◆zv577ZusFQ
:2012/10/27(土) 22:28:03 ID:cBhN.PqI
>>357
>>359
【「お待たせしました。明智大尉、ご用件は。」】
【「ギリギリセーフ!!・・・か?」】
「二人ともアウトです。完全に。常に5分前行動を心掛けて下さい。
私は遅刻なんて一度もした事が有りませんよ?雨の日も風の日もお腹痛くてもそれは何故かといu……ぶつぶつぶつ」
ビシッとフロントの掛け時計を指差す。たったの1分ほど遅れてしまったらしい。
それすらも規律を重んじる彼女は口うるさく注意する。
遅れたヒツギはともかくとして時間ぴったりに来たユウセイにとってはとんだとばっちりだろう。
「あ。ところで、二人は何故私服ですか?」
しかし、長々と続くと思われたお説教も、ヒツギのラフな格好へのツッコミへ移行する形で終わりを迎える。
【「とりあえず歩きながら・・・」】
「えっ?これって……外へ?」
何だか妙な予感が乙女の脳裏を過った。
若い男女が二人っきり(ユウセイも居ます)で外へ。これって俗に言う……。妙な考えを持ち出した。
そんな事を考えたライトは途端に白かった顔色を耳の先まで紅潮させている。
その後にヒツギがユウセイがうんたらとか言っていた気がしたが、完全に聞き逃してしまった様だ。
【「とりあえず立ち話も何だからカフェで座りながら話そうぜ」】
「そそ、外へ出るんですか??」
平常時とは違い言葉をどもらせ、そわそわした様な期待する様などっちともつかない様子で訪ねている。
いったいどうしてしまったのだろうか?
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