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Key Of The Twilight

1イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。

現在、参加者の募集はしておりません。

693アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/20(火) 18:22:31

葬儀の場は険悪な雰囲気に包まれていた。
参列者のリトに対する言い掛かりの数々は腹立たしいが、アブセルはそれを自制する。

自分の軽薄な行いがリトの立場を更に悪くさせることは、この十年程で嫌と言うほど身に染みていた。
何故そのような無作法者を雇っているのか、使用人の教育がなってないのではないのかと、その責任の全てが別のところに向けられる。
だが、それでもセナに害が及ぶ段階まで来ると、流石に怒りを抑えることが出来なくなった。

アブセルは我を忘れてその場から飛び出した。しかしそれよりも速く祖父が動き、セナに殴り掛かろうとする相手の拳を捉えた。

「申し訳ございません」

そしてそのまま一本背負いの要領で投げ飛ばす。
その後も彼は老体とは思えぬ動きで、あっと言う間に数人の男を地に伏せた。

老人はセナの盾となるかのように彼等との間に立つと、大変な御無礼を致しました。と深々と頭を下げて言った。

「皆様の一族と長を想う気持ちは重々承知しております。ですが、ここは亡きヨハン様をお偲びする席に御座います。
長きに渡り一族をまとめ上げてきた御方の眠りが、どうか安らかなものであるように、最後まで慎ましやかにお見送り頂けないでしょうか」

祖父がセナ…いやリトを庇う姿を初めて見た。しかも貴人達に手を出してまで。
アブセルは信じ難い気持ちでそれを眺めていたが、そんな折ふいに護衛獣の阿形に呼び掛けられた。

(御主人…。あの…少し宜しいでしょうか?)

阿形は童の姿を取るとアブセルの肩の上に乗り、何やら緊張したような硬い声でヒソヒソと話し出した。

(確証がないため報告するべきか迷ったのですが…、先程ほんの一瞬だけ見慣れぬ匂いを感じました)

「見慣れぬ匂い?今日は客が大勢いるからそのせいだろ?」

(いえ、そうではないのです…。場違いな匂いと言った方が正しいかもしれませぬ。何と言うか…人を殺めることを常としている者が持つ特有の…、血の匂いです)

まさか、と耳を疑った。この敷地内に誰にも悟られることなく、殺人鬼が侵入したとでも言うのか。

「今、匂いは?」

(いいえ…今は何も。しかしいつの間にかユニ殿の姿も消えております故…)

そう言えば…。そう思い、辺りを見渡せば本当にユニの姿が見えない。

「一応見て回ってこよう、リトのことも心配だし要心に越したことはない。何もないならそれだけの話だ」

取り合えずこの場は祖父やナディアに任せておけば良いだろう。
アブセルは踵を返し、そっと斎場を抜け出した。

694リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:08:28
【冥界】

「行き先は決まったのか?」

扉の前に佇むルイへヨハンはまるで他人事のように問いかける。

「お前の望む場所へ。」

返すルイの言葉にヨハンは不敵な笑みを浮かべた。

「地獄だな。」

「お前の罪状は明確だからな。だが・・・」

言いながらルイはしばし腑に落ちないと言った表情を浮かべる。言葉を繋げあぐねているルイに代わり、傍らに控えていた女性が続けた。

「貴方の魂はとても清らかで、重ねてきた罪と相反しているのです。なので、天の王とも相談した結果、特例を設けました。」

それは地の国で幾度の苦痛や試練に耐え抜ぬことが出来たなら、天への帰還を許可すると言うもの。

「病に苦しむ伴侶を不憫に思い手にかけてしまうご老人がいるように、世の中には私欲とは異なる罪を作る者達がいます。貴方もその一人だと、私たちは考えました。」

「だが、罪は罪。犯してきた罪の分だけ償う必要はある。」

「その為の特例・・・と?」

己が犯してきた罪は到底赦されるものでない。行き場所は端から覚悟しており、特例なるものが設けられるなど夢にも思わなかった。

「罪を裁く者が・・・随分とお人好しなんだな。」

結局予想だにしていなかった判定にすぐには反応しきれず毒を吐いてしまった。この性格は死んでも治らないようだ。
しかし、対するルイは嫌味に全く動じない。

「俺の気が変わる前に早く行け。」

「言われなくても。」

行き場所が決まれば此処には用はない。ヨハンは迷いなく開かれた扉へ向かっていく。

695リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:09:35
「あ・・・」

去っていくヨハン。この扉が閉ざされれば、もう一生彼と会うことはない。

「待って・・・」

このままでは駄目だと思った。まだ二人の蟠りは完全に拭えていない。
そしてリトは気付いた。きっと、ヨハンは転生の道を赦されていたとしても、選ぶことはないと。地獄で魂が燃え尽きるまで苦しむ事が己に科せられた報いだと思っている。

ヨハンが行ってしまう。このまま行かせては駄目だ。

「と・・・父さん!」

ヨハンの足がピタリと止まる。振り向いた顔が驚きの表情を浮かべている。

「今・・・何て?」

「父さん・・・待って、まだ行かないで」

リトが思わず扉の中へ足を踏み入れそうになるのをヨハンが慌てて引き返し止める。そんな彼の腕を縋るように掴み、リトはヨハンを見上げた。

「あんたにまだ言えてない。言わなきゃいけないのに・・・」

ヨハンに恨みがないと言えば嘘になる。許してやりたいと思うのに、どうしても許せない。だけど・・・

「・・・嬉しかったんだ・・・」

これだけは伝えてやりたい。

「あんたは無意識かもしれないけど、俺の名前を呼んでくれた。俺はあんたにとって疎ましい存在だから、名前なんて知らないと思ってた・・・」

けど、知っていてくれた。そして名前を呼んでくれた。それが凄く嬉しかった。名前を呼ぶことはその者の存在を認める事だから。

「あんたのことは許せないって言った。けど、許す機会を与えないのも卑怯だと思う。"俺"が無理でも、その・・・生まれ変わった後の俺にとか、ずっと、俺が許すまで謝り続けてほしい。」

生まれ変わりとか何言ってるんだ。自分でも意味が分からなくなってきたと言うリトに、ヨハンはフッと笑みを浮かべた。
そして顔を赤くするリトの頭にポンと手を乗せる。とても優しい感触がした。

696リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:10:13

「ありがとう。お言葉に甘えて、お前が許すと言ってくれるまで何度でも謝り続けることにするよ。転生を駆使してでも、な。」

本当にこの子は優しい子に育った。顔だけでない。心まで、ミレリアにそっくりだ。

「リト、お前は私のようになるな。お前にはナディアやヨノ、そして何より母がいる。無理に大人になろうとしなくていい。お前はまだ子供なんだ。支えてくれる大人達に甘えなさい。」

その機会を奪ってきた悪い父親はもういない。

「お前はもう自由だ。・・・ありがとう、こんな俺を父と呼んでくれて。」

罪深い自分に、いずれ天へ召すことへの意味をくれて。

「・・・。」

リトはヨハンの腕を掴んでいた手を離す。ヨハンはそんなリトの頭を人撫でし、扉の中へと消えていった。
そしてリトの見守る中、あの世へと続く扉が重く閉ざされた。

-----

「知らないはずなかろう」

ただ際限なく続く道を歩きながら、ヨハンは呟く。
思い返すはリトのあの言葉。

「お前の名は、俺が考えたのだから」

生まれてくる子供は男の子だと、ミレリアは嬉しそうに言った。性別を知り、その子の行く末を知っている自分が絶望している中で、何も知らないミレリアが言った。子の名前を考えて欲しいと。
その時は何も言わなかった。すぐには思いつかないと嘘をついて。どうせ死ぬ命。名をつける必要などないと思った。しかし、自分は子の名前を考えてしまった。もしその子が死ぬ運命ではなく、自分達の子として生きていける子だったらと仮定して。書類の端に何気なく書いたその名を、いつ目にしたのかミレリアは知っていて、いつの間にか 腹の子にその名で呼びかけるようになった。そして、そのまま生まれた子に引き継がれた。

「私の尊敬する二人から取った名前・・・」

太陽のように明るく何処までも優しい妻と、自分よりも相手の幸せを優先する、強く真っ直ぐな心を持った親友。自分にはないものを持つ二人の名から、その子にもそうあって欲しいと願いを込めて。

697ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/12/21(水) 15:06:56
【黄昏の塔】

起き際の不意打ちから続く清々しいまでの話し声と、それとは真逆の苛烈な連撃。
爪牙と尾、そして刃の如き鋭さを持つ装甲でアグルの攻撃をいなし、黒狼は距離を取った。

細められた金の双眸は敵影を見つめ、閉じた顎の隙間からは冷気が漏れる。
クウラが姿を変えた黒鴉は雷を、メイヤの黒狗は炎を、そしてユーリ、黒狼は闇と共に冷気を宿していた。

先程までとはまるで違う、倍以上どころか乗算的に上がった敵の戦闘力。
それがどこから来たかは分からないが、強敵と認めるには十分以上だろう。

此方の動きを読み、ニ手三手先を見越したアグルの動き。
それは未来予知か、否。

思考とは突き詰めれば電気信号のやり取りであり、それをアグルは感知したのか。
可能性は決して低くは無く、むしろ高い。

雷神トール、四神の一角ならば充分可能だろう。
実際にそれを行ったかは判らないが、戦いのレベルは各段に上がったのは確かだ。

冷気は狼の全身から勢いを増し、咆哮と共にフロア全体の空気が一瞬にして凍結。
黒狼を中心に大小様々な氷の剣山が広がり、フロアを埋め尽くしていく。

更に、凍結した水分子が巨大化し、次々と氷の華と姿を変える。

(リミッターを失った今、時間も余裕も無い。
この姿になった以上、早急に勝負を決めなければ……!!)

そう、時間は無い。
闇を制御するリミッターを失うと言う事は、闇に呑まれ、死ぬ事と同義。

「この身が朽ちる前に、せめてこの勝負に決着を着けよう!!」

フロア全体を極寒の地へ変え、黒狼は再び敵影を見据えた。
溢れ、満ちる凍気は絶対零度に達している。

摂氏零度-273℃、それは光すら動きを停め、時間おも停める“絶対”なる数値。
爪牙が纏う滅びを凍気に、魔装の名残を氷鎧へ変え、黒狼は渾身の一撃を放つ。

それは絶対零度の渦流、死の吐息。
蒼氷たる白銀の奔流が、敵を飲み込み粉砕せんと襲い掛かった。

698リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 16:01:35
イスラ>>

行動が早いwwwあの歌いいですよね!あの声は本当素晴らしい(*ˊૢᵕˋૢ*)しょーたの歌をカラオケで歌おうとしたら声が出なかったのは秘密←

えぇ(OдO`)ヴェント逃げて超逃げて。

母親が同じです( • ̀ω•́ )✧で、セシルの父親がどっかの国王で音也の父親がシャイニング。

でしょー?藍ちゃんベリーベリーキュートでしょー?あの容姿は奇跡ですね←

つかカルナイの新曲アニメで見たけど歌自体カッコイイわ映像が本当のライブ見てるみたいでテンション上がるわでヤバかったです。藍ちゃん可愛い(*´﹃`*)

でも彼らにとっては名誉なことなので←
自分今までライブとか行ったことないです|ू・ω・` )なんつーか、ファンが怖いんですよね←

なのでレイジは自分の闇を隠して頑張ってるんですよー(笑)
本当それです。藍ちゃんが「楽屋では皆好き勝手なことしているのにレイジが時間だねって言ったら準備をし始める。バラバラなグループなのに、レイジの言葉で皆は同じ方向に動くんだ。」的な感じなことを言ったことがあって、自信のない彼に対してレイジがいなきゃダメなんだよって暗に示す藍ちゃんマジ天使。

えぇ間違いないです( • ̀ω•́ )✧
シエルは天才ですからね(笑)ただ、何か変な方向に突っ走ってる風がしてお姉さん心配です(笑)まぁ楽しそうで何よりですが(笑)

な、なんだってー(OдO`)!?
そしたら折ろうかな←

自分はリマがセナにビンタをぶっかます姿が見てみたい←

ヨハンとリトの話長くなっちゃったwwwしかもまだ終わってない←

イスラさん仕事早ぇ!!!つかイラストスゲェ!!!可愛い!めちゃヤバイ!!ありがとうございます!!
ユニの谷間が(*´﹃`*)あーイイッ(瑛一風)

そんな不気味なことをやらかすのがアブセルです←

え、うそwww

なんかハルカっていけ好かない( ・᷄ὢ・᷅ )薄桜鬼の千鶴の次に嫌いかもです←

マギやばいですよね!白龍ちゃんめちゃくちゃカッコイイし!!白龍ちゃん勇ましいし!白龍ちゃんの精神強くなったし!!!
と言うか前に友人宅でお泊まり会した時に友人のマギ読んでて(自分の読めよ)、その巻で炎兄死んじゃったかと思ってマジ泣きそうになりました←

699ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/23(金) 16:39:19
【イスラ》レックスも思いの外ハマり役かなと自分でも思うww
アグルの声はそのアニメので聴いたからホントぴったりだた!!そして本編まさかの展開……!!
了解す、とりま先のが黒狼最後の攻撃なんで、トドメを!

リマ》俺もアニメ全然見ないから聞き比べ大変だった、つべの履歴が見事に声優サンプルボイスで埋まったわ……wwww

とと、二人にちょっと相談難だけど、前言ってた吸血鬼組の話。
黄龍撃破した後、本編完結後のexステージ的なのでどうでしょう?
多分このまま平行して進めるにはキャラの絡みや伏線因縁諸々多過ぎて厳しいかと思って……


700イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/27(火) 18:57:41
リマ>マジかw自分も絶対声でないだろうなw

うふふ〜逃がさないわ〜ε≡≡ヘ(D ´∀`)ノ ⬅

なるほど、何か複雑な感じなんですね。てか国王とシャイニングを相手にするお母さん何者ww
藍ちゃんはベリーキュートですが、性格はナギの方が好きだなぁ

それ見逃したかも。カルナイのライブなら是非とも見ないと⬅
しかしどしどし新曲出すんですねw

ファンが怖いwその発想はなかったwwそう言えばテンション振り切れてる人いますよね。自分もRIP SLYMEのライブくらいしか行ったことないんですが、前列に行く勇気はないんでいつも後ろですww前の方は何か熱気が凄い気がする

藍ちゃん良いこと言いますね、それは間違いなく天使ですわ(笑)そしてレイジはぐう聖⬅
シエルさん当初の目的もう忘れてるんじゃ…、いやそもそも当初の目的とかあったのかさえも自信がない

折っちゃえ折っちゃえ!⬅

リマがセナをビンタするなんて…一体何があったらそんな事態に…(笑)

リト…、ヨハンと和解できて良かったね…(。´Д⊂)続きも待ってます(笑)

ありがとうございます^^忘れる前に谷間の約束守れて良かったwその人のイイッ!は笑うからww

そうか、それがアブセルか( ゚д゚)ハッ!

千鶴ってヒロインの人でしたっけ?何でそんなに嫌ってるの(笑)

白龍ばっかりww
炎兄死んでたら白龍絶許でしたよ、しかも早々に皇帝辞めて紅玉に丸投げとかちょっと酷くないですか?(笑)
まあ紅玉達とアリババが煌を立て直してく話がすごく楽しいから全然良いけども
てか何かアラジンがめっちゃ成長してるけど違和感しかないw


ヤツキ>凄い偶然ww
初めは二人を合体させようなんて全く考えてなかったんですけどねwご都合展開ですが許してください(笑)
って、あれ?ユーリとの戦闘もう終わっちゃうのん?笑)もう少し続けても良かったのよ?⬅

ああ、それ。自分も同じこと考えてました(笑)
今はちょっと完結に向けてのレスで手一杯で、吸血鬼組の方まで頭回らないと言うか;本編が一段落してから、ちゃんとやってきたいです(´ω`)

あ、それとヤツキングはいつ来るのかな?イスラと再開できるってことでワクワクして待ってるのにな(゜∀゜*)(*゜∀゜)⬅

701ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/27(火) 22:49:15
>>700
取りあえず一番上の見るかーボタンポチーでアニメだったんよww

予想外なんやけど熱い展開で鳥肌立った!!今までの実力が実は半分程度とかやべぇっす、めっちゃ強化されとる……
んー、これ以上はクドいかな?とか思ったんだけど、続けて良いならもう少しやりましょ!!
リマさんの返事次第だけど、吸血鬼組は先のレスの方向で……考えてるのは、ヴェントと会話中にオリジン強襲、何とか撃退で深手を負ったオリジンは暫くお休み、的な区切りで。
ヤツキングはイスラとバトルか会話させるかで迷ってて←
アグルvsユーリ終了後にでも良いでしょうか?

702リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/27(火) 23:48:32
ヤツキ>>
声優サンプルwww

exステージ賛成!折角なのにごちゃごちゃしちゃうと悲しいもんね|ू・ω・` )


イスラ>>
高い声出るって羨ましい←

怖いわwww
オカマに追いかけられるって相当怖いだろうなwww

母さん強者ですよねwwwてか何で子持ちの日本人がどっかの王国の嫁になったのよって思うけどそこはまぁうたプリだし考えるだけ無駄というか←
何ですと!?自分にとっては藍ちゃんは性格もどストライクなのにー←

見逃しちゃダメー!←
そうそう、必見ですよ!!あまり藍ちゃん目立ってないのが悲しかったけども( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )
今回の歌は何かレイジとランマルがメインって感じがしましたー。まぁ藍ちゃんはもともとダンス担当の子だから仕方ないのかな(˘-ω-˘ ).。oஇ

そうそう、熱気が凄いし勢いに押されちゃう(笑)


しかも別にレイジを元気づけようとしてるわけじゃなくて、無自覚にそう言っちゃうところがまた天使なんです←
そして何だかんだレイジの事大好きで無自覚ながらもレイジに甘えちゃう藍ちゃん超天使!!レイジの言う事素直に聞いちゃう藍ちゃんぐぅかわ!!MCやる時話題が見つからなかったら「最近どう?」って言えばいいんだよってレイジからアドバイス受けたら、収録中ずっとメンバーに最近どう?って聞きまくっちゃう藍ちゃん!超!天使!!
てかぐう聖www


でもどうやって折ろう?←

んー、ノワールとの関係がバレた時?子供の存在を知った時?
あの二人仲良すぎなんですよね←

リトは許さないらしいけどね←
ありがとうございます(♢ω♢)


谷間!きゃっほい!谷間!Fooo!!←
何か耳についてしまってwww

谷間のお礼に自分も谷間・・・じゃなかった、ナディアを久しぶりに描いてみました|ू・ω・` )
imepic.jp/20161227/838060
力尽きたので色塗りはしてません←
にしてもナディアは何故いつもピチピチした服着るんだろう?←
髪下ろしたバージョン描いたらナディアなのに誰だこいつって感じになってしまった(˘-ω-˘ ).。oஇ

そうそう、アブセルはリトに対してなら何処までもアホになれるし、狂気的になれるんです←

弱いくせにお節介で戦場に首突っ込んで、弱いからやっぱり死にかけて、結果的にその時に千鶴を庇った兵士が死んでくんです。迷惑がかかってるのに本人は気づいてないんです。千鶴がいなければ兵士さんは死なずに済むんです。
あ、因みに千鶴の双子の兄の薫は狂気的な子で天使です← 千鶴より強いのに潜在能力?的な差で千鶴だけが大事にされて虐げられてきた可哀想な子です。

白龍ちゃんも結局はツンデレなだけでしたね←
あんだけ皇帝にこだわってたのにあっさり退位しましたよねwww

アラジンすっかりソロモンに似ちゃって・・・(笑)自分店頭で成長したアラジンの表紙見て「アラジン、すっかりパパにそっくりになって・・・」って親戚のオバチャンみたいなこと思っちゃいましたwwwアラジンはちっこい方がアラジンらしいのになー

703イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/31(土) 00:54:30
ヤツキ>なるほどw
予知っていうチート能力もついたしwアグルはユーリ戦が最後の戦闘参加になるかも。
やりましょう!でもレスが思いつかないので来年まで待ってください(笑)

流れ了解です!
自分は会話を希望しますが…、ヤツキさんに任せます^^


リマ>良いですよね〜

怖いでしょうねwオカマじゃないてすが、ガチホモ(やらないか、の阿部さん)に追いかけられる無料のホラーゲームがあるんですが…いろんな意味で怖かったです(笑)

そこは掘り下げてくれないんですね(笑)
なんか藍ちゃんって何考えてるか分からないから(-_-;)

ありゃま残念(笑)また今度見てみます^^
最近どう?ww藍ちゃん素直ww

そこなんですよねー、折れる理由が何も思いつかないですww

それはやばい、凄い修羅場になりそう…(笑)ワクワク…⬅

許さない方がリトらしくて良いと思います^^

ヤッホイ!谷間!o(*゜∀゜*)o⬅
ナディア美人‼まさか描いていただけるとは…!ありがとうございます‼
自分の身体に自信がある人じゃないとピチピチな服って着れないですよねwてか髪下ろすとよりセクシーに…!

その通りだ(笑)

あー、そういうヒロインは嫌ですね…(-_-;)
お兄さんのキャラ設定はリマさんが好きそうな(笑)

結局白龍もシンドバッドさんに良いように利用されたような感じですしね(笑)
てか親戚のオバチャンwwアラジンは小さい方が良いですよねー
モルさんも何か顔つきがキリッとなっちゃったし…前の方が可愛かったのに…

704ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/31(土) 15:36:18
【んだらば吸血鬼組はexステージと言う事で!オリジン乱入させるんでちょっとだけお付き合いお願いしやす!

イスラ》え、アグルはまだラセツとのリベンジ戦が残ってますよ?←
未来予知合戦が←
了解す、アグルユーリ戦終わったらレスしまっす!

リマ》ボイスサンプルで埋まった履歴スクショすれば良かったww

っと、お二方今年も大変御世話になりました!!
来年も何卒よろしくお願いしますー!】

705フィア ◆.q9WieYUok:2017/01/05(木) 12:51:38
>>685
【森】

全く、DDとは別のベクトルで掴みにくい男だ。
だが、その実力は折り紙付き。
内に秘めた闘志は計り知れない。
ヴェントが力を貸してくれるとなれば、激化するであろうこれからの戦いも……

「そうね、まずは……」

力を貸すと意志を表したヴェントへ、フィアは不意に氷剣の刺突を放った。
凍気を纏う切っ先は吸い込まれるかの様に、そして速く、鋭く。
躊躇いの無いその一手は、防ごうと翳された手の平を貫き、瞬時にその腕を凍結させる。
更に、だめ押しとばかりに氷の刀身から絶対零度の凍気を放った。

「現れた敵、このオリジンを抑え込むわ!!」

フィアの放った刺突を受けた手、それはヴェントの背後に突如としてして現れたオリジンのもの。
灰の髪に一房の朱、ノワールと同じ相貌の吸血鬼の祖。
現れた理由は勿論分かっている。
そして、タイミングも。

感知に長けたフィアだからこその気付きと、それに対する一手。
光すらその速さを失う絶対零度の放射、有効打にはならずとも。
仲間達が戦闘体勢に入る時間は稼げるだろう。

「メルツェルの仇討ちよ……っ!!」

706ユニ ◆wxoyo3TVQU:2017/01/16(月) 20:25:15
【ポセイドン邸】

リトが邸に戻ることを頑なに拒んでいた理由は、彼を追いかけてここまで来たことで容易く理解出来た。
両親すらリトを邪険にするのだ。それが邸の者達の態度に反映されるのは無理もない。分かってる。わかってるけど・・・

「・・・っ」

その場にいるのが苦しくなり斎場をあとにしたユニは宛もなく廊下を歩いていた。しかし、耐えられなくなりその場に膝をつき泣き出す。リトは幼い頃からずっとあの敵意の渦の中にいたのだ。あの性格だ、きっと何でもない風を装って、独りで耐えてきた。

「リト様・・・っ」

その結果が今のあの姿。リトは我慢することに疲れて現世に戻ることを拒んでしまった。リトは帰ってきてくれるのだろうか。たとえ帰ってきてくれても現実が変わらないのであれば辛すぎる。

「大丈夫?」

顔を覆い蹲っていると、何処からか声をかけられた。顔をあげると、1人の青年が気遣わしげに自分を見つめている。視線が会うと彼は人懐こそうな笑顔を浮かべる。

「こんにちは、妖精さん。どうして泣いているの?」

「あの・・・」

優しい声に柔らかな表情。この人はとても優しい人。だけど何故だろう。彼の奥にどこか薄気味悪さを感じる。

「何でも・・・ないです。」

「あぁ急に声をかけてごめん、驚かすつもりはなかったんだ。そんなに怯えないで?泣いてる女の子を見ると放っておけなくて。」

嘘だ。

「・・・あなた、嘘つきの顔をしています。ユニが泣いていたからではないですね?」

ユニは青年を見据える。ぼんやりながらも彼の心が視えた。

「ユニに・・・ご用があるですか?」

その言葉を聞き、青年は一瞬虚を突かれた顔を浮かべる。しかし、それはすぐに興味深げな好奇心に満ちた表情へ変わった。

「へぇ、分かるんだ。うん、君の言う通りだよ。お願いがあってきたんだ。」

「お願い?」

「うん、君の力が必要なんだ。一緒に来て欲しい。」

来て欲しいと言われ易々とついていくわげない。ユニが警戒していることを察したのか、はたまた最初から予想していたのか、青年はクスリと笑い続ける。

「僕は君の願いを聞いてあげられる。・・・ちょっと違うな、僕達と一緒なら、君は自分の願いを叶えられる。」

たとえば・・・

「リト・・・とか。」

その名を聞いてユニの動きが一瞬止まる。そんなユニの反応に青年は笑みを浮かべた。"引っかかった"

「君が一緒に来てくれるなら、僕がリトに自由をあげる。悪い話じゃないと思うけど。」

ユニはジルの目をじっと見つめる。・・・嘘は言っていないようだ。

「本当に、リト様を解放してあげられる?」

「うん。君が一緒にいたいって言うんなら、あの子も連れていけばいい。僕達は君たちを束縛したりしないよ。ただちょっと、手伝って欲しいだけ。」

ユニは完全にこちらの話に興味を持っている。あと一押しで、落ちる。

「リトもきっと喜んでくれるよ。」

その一言でユニの顔がパッと晴れた。成功。

「リト様喜んでくれますか?ユニのこと褒めてくれるですか?」

「うん。だって君がリトの願いを叶えてあげるんだもの。誰も叶えてあげられなかった願いを。だから・・・」

ジルはユニへと手を伸ばした。こっちへおいで。

ユニはもはやジルの言葉に疑問など持っていない。嬉しそうに、ジルの手をとるべく自らも手を伸ばした。

707アグル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 11:31:53
【黄昏の塔】

今や極寒の地へと変貌した戦場で、レグナは退路を塞ぐ氷塊を砕きながらその凍気に身を震わす。

「うぅ〜…、さぶい…」

(呑気なこと言ってんな!来るぞ!)

警告通り、それは音もなく二人へと襲いくる。もはや防ぐ術も逃げる間もない。
絶対零度の奔流は在りとあらゆる物質を凍てつかせながら、時間と空間、そして二人を呑み込んだ。

………

「アグル、まだ寝てる?」

「ううん、今起きた」

まだ二人が幼かった頃。まだ二人が一つだった頃。隣に誰かがいるのが当たり前だった。

「アグルは最近眠り姫だな」

何だよそれ、と彼が顔をしかめる。
「繋がってるから、多分僕のやる気も全部レグナの方に行っちゃってるんだ」

「…ごめんな」

「いいよ、寝るの好きだし」

アグルここのところ、一日の大半を寝て過ごしていた。起きている間もいつもダルそうにしている。
恐らくホルモンの分泌であったり、脳の神経伝達であったり、身体に異常をきたし初めているのだと思う。

「また本読んでたの?」

「うん、トール様の神話」

「聞かせて」

弟に本の内容を話してやるのが日課になっていた。レグナはトール神が人々を護る為、悪い巨人を倒しに行くという冒険譚を語って聞かせた。

「格好いいね」アグルが言う。

「 そういえば」トール様の話で思い出した。「父様がそろそろどちらが当主をやるか決めなさいって」

これは暗喩だ。分離手術でどちらが死ぬかを決めろと言うことだ。だがアグルはそのことを知らない。

「二人じゃ駄目なの?」

「当主になれるものは一人って決まってるんだ」

「じゃあレグナがなると良いよ。レグナの方が勉強熱心だし」

「いや、僕は駄目だよ」

「なんで?」

「器じゃないから」

「器?」アグルが聞く。

「例えばここに沢山のスープがあったとする」レグナは両方の腕を大きく広げてスープの量を表した。
「でもそれに対して器の大きさは、ほんのこれくらい」今度は指先を使って器の大きさを示す。
「どんなに沢山のスープを持っていたって、器が小さいと注いだうちから溢れ落ちちゃうだろ?つまりはそう言うこと」

「…?よく分からない」

当主を選ぶ話から何故スープの話になるのかと、アグルは首を捻る。

「良いんだよ、分からなくて」言って頭を撫でてやる。初めは何やら不満そうな顔をしていたが、弟はやがてあくびを一つすると再び目を瞑った。

アグルにはトール様の加護が付いていると、当時から何となく感じていた。その力の片鱗は、きっとずっと側にいた自分にしか分からないものだ。

弟を守ろうと思った。アグルは自分達には兄も弟もないと言うけれど、やっぱり自分の方が兄に向いているのではないだろうかと思う。
だって世間一般的にいえば弟を守るのが兄の役割らしいから。

708アグル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 11:34:58

…………

光も音もない。完全なる死の世界。
しかしその中で唯一、止まることなく動き続けるものがあった。
心臓だ。心の奥底から熱く脈打つものが込み上げてくるのを感じる。
ぽつりと、レグナの胸に淡い光が宿る。やがてそれは全身に広がり、理屈では計り知れないエネルギーが彼の身体から発せられた。

「…我が想いに宿りし神よ、天命に従いて今すべてを解き放て」

それは原初の光。
天地創造の先駆けの一つ。
そして物質の性質を根本から書き替える力。その力の前では、絶対零度ですら本来の性質を失う。

「我は雷神トール、聖槍を以て邪を打ち砕く、戦と変革の神なり! 」

哀しみを歓びに。憎しみを希望に。罪を愛に。
絶対零度は万物の生命エネルギーである、マナへと変わる。

(…なんてね)

レグナは密かに舌を出す。

一瞬、自分がやったのかと思った。だが、違う。これはアグルの仕業だ。
アグルが兄を護ろうとして無意識に力を開放させたのだ。

(…やっぱりお前の方が当主の器だったな)

今は大きな力の反動で意識を失っているのだろうか。アグルの声は聞こえない。
彼は頑張ってくれた。消える前に自分も少しは兄らしい役割を果たさなければ。

レグナは決意を胸にユーリに向き合った。そして言った。

「あなたの言う通りだ…。復讐の刃では未来への道を切り開くことは出来ない。
だから…俺はアグルの為にも、あなたに止めを刺すことはしたくない」

アグルはユーリを討ち取った後、自分も死ぬつもりでいたし。と頭の中で付け足す。

「放っといてもあなたは直に死ぬんだろう?ならその前に教えてくれないかな」

彼の持つ魂が、徐々に禍々しいものに蝕まれているのが分かる。
かつて自分を殺した者の死が、目前に迫っているのを見るのは何とも奇妙な気分だ。不思議と彼に対する怨みはなかった。

「ずっと不思議だったんだ、あなたが何の為に戦っているのかが。
あなたはこの塔の番人?この塔は何の為にあるのかな?そしてここで何をしようとしているのか…答えてくれない?」

709アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 12:10:42
【ポセイドン邸】

「ユニ!そいつから離れろ!」

ユニがジルの手を取ろうとした調度その時。後方から別の声が割って入る。
アブセルだ。

(ご主人!あれです!あの者から先程感じた血の匂いが致しまする!)

確かに嫌な感じがする。
しかしそれ以前に、彼の顔には見覚えがあった。いつだったか街の宿で襲撃にあったのだ。
その時はリトのペンダントを奪われただけで事なきを得たが…。

アブセルは剣を抜き、ジルを睨み付けた。

「そいつを誑かしてどうするつもりだよ。狙いはまたリトか?」

どうやって侵入したかは問うまい。悔しいが異能の力を持っているものならば、そう難しい話でもない。
それに…。

「もしかして、下の騒動もお前の仕業なんじゃないのか?一体なに考えてやがる」



【すみません、遅くなりましたが、あけおめです!
今年も宜しくお願いしますm(_ _)m

ヤツキ>未来予知合戦とかヤバ過ぎるww】

710ユーリ ◆.q9WieYUok:2017/01/27(金) 15:13:23
【黄昏の塔】

全てを凍結させる絶対なる死の吐息。
白銀の奔流は確かに、敵影を飲み込んだ。

時間すらその動きを停め、氷結した塔の一角。
その中を眩い光が照らし、停まった時間が動き出す。

それは創世の光、世界を構築する四大元素の一つ。
光は力となって、氷結し、凍てついた時間を溶かしいく。

そして、周囲に凍気ではなくマナが満ち溢れた頃。
黒狼から人の姿へ戻った後、左半身を失っていた為にバランスを崩したユーリは、膝を着いた状態でアグルを、レグナを見据えていた。

「ならば、大義の為に俺を貫け。」

魔装と闇の力を失った今、ユーリの命は後数刻しか保たないだろう。
先の言葉は強者として、悪役としての矜持か。

「俺は愛する女の為に戦った。
その女が世界を無意識の内に滅ぼそうとしているのを知りながらもな。

今思えば、俺はイオリが羨ましかったのだろう……
一族の掟と、この世界の有り方に絶望した俺とは逆。」

折れた刀を支えにし、ユーリは続ける。

「俺は翼を持たなかった、いや、切り捨てた。
全てを灼き尽くす蒼焔の翼、実にアイツらしい……」

それは独白か、一言一言続ける度にその声は覇気を無くしていく。

「この塔は時間の巻き戻しにより出現した。
その頂きに座するは闇の王女、この世界における冥府の女王。

100年前とは役者の数もその役割も違うが、目的は同じだ。
世界を闇に閉ざし、滅ぼす。

闇の残滓だった消えゆく星が恒星となった、その意味は俺には分からない。
だが、その輝く闇星は……いずれ黄龍すら呑み込む奈落の渦中となるだろう。

……行け、塔の番人を倒したお前達はこの先に進む権利がある。」

そして。

「地を這う犬に、狼にとって自由と言う名の大空は遠かった。
光輝くその翼で、世界を照らしてみせろ。」

ユーリの黒瞳から光がゆっくりと消え、それと同時にその心臓も動きを停めた。

ーーーーー

「終わったようだな。」

階下で行われていた激闘、その終わりを察し、ヤツキは口を開いた。

「ならば、次は俺達の番だ。」

轟音と破砕音から続く雷鳴と極寒の凍気。
それらが止んだフロアは、再び静寂に包まれていた。

ヤツキが声を掛けた先、その視線の先には宿敵とも好敵手とも呼べる一人の男の姿。
その名を呼び、ヤツキは腰の刀に手を置いた。

「イスラ、俺はお前を待って居た。
この世に蘇ったその意味を、全うする為にな。」

二人が居るのは最上階より一つ下、何もない伽藍の空洞。
視界に映る階段を昇れば、塔の頂きはすぐそこだ。

「だが、その前に問いたい。
100年前の俺達の戦いに意味はあったのか?

蘇ってから、しばらくの間世界を放浪した。
その間に見たのは、止まない戦争、環境汚染。

文化と技術が発展した所で、本質は変わらない様に見えた。
なぁイスラ、世界はやはり滅ぶべきだと思うか?」

最上階へと登る階段の前で、ヤツキはイスラへ問い掛けた。
その声は、低く、冷たい。

711ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 20:21:21
【過去】

当時、私はポセイドン本家当主様の命により、とある事件を調査すべく派遣された使用人の一人に過ぎなかった。
その事件というのも闇絡みであることは間違いないが、あらゆる点が特殊だったため原因究明に至るには中々に時間が掛かりそうであった。
ここ数日間も、この屋敷の主であり闇の王子の継承者でもあるユリウス様と被害に遭った街や闇の封印地に足を運んだが、望ましいような成果は上げられなかった。

…………


「お疲れさま、大事はなかった?」

ユリウス様の指示で一足早く屋敷に戻った私を出迎えてくれたのは、彼女、レイシーであった。
レイシーは手ずから淹れた紅茶を、満面の笑みで私に差し出してくる。
その晴れやかな笑顔に一瞬言葉を失った。もちろん呆れているのだ。

「…おい、何故お前が使用人の俺に茶を出しているんだ。そういうことはするなと言っているだろう」

彼女はユリウス様の一人娘であり、生粋の神子。何でも歌を通して万物の声を聞くことが出来るのだとか。いわゆる信託者だ。本来は災害の預言や啓示の伝達をするのが役目だが、魔術に代わる科学技術が発達し、反異能者の風潮が強まっている現代ではあまり重要視はされていないらしい。

…話が脱線したが、私が言いたかったのはこの娘の振る舞いだ。
彼女はやんごとなき生まれにも関わらず、平気でこういったことをする。使用人が仕事をしている横で、何か手伝えることはないかと聞く。
主従関係を理解していないのか、お友達感覚も甚だしい。私はその都度「友達ごっこがしたいなら余所でやれ」と突っぱねるが、彼女にはあまり効果がないようだ。
しかも彼女の紅茶は私が淹れたものより薫りも良いし味も良い。それが余計に腹が立つ。

「だって以前はお手伝いさんが二人居ただけだったんだもの。手が足りない時は私もお母様も家事全般は何だってやったのよ。
それが今は貴方達に全部任せっぱなしでしょう?有り難いのだけれど…、ほら、着替えくらいは自分でできるし…。落ち着かないって言うのもあるけど…いろいろと悪いでしょう?」

いくら田舎育ちのお嬢様とはいえ、彼女は腐っても神子の端くれの筈だが…。昨今の神子事情には流石に同情せざるを得ない。

「慣れろ。ご当主様のご配慮だ。それに俺達にだって面子というものがある。お前が良かれと思ってやったことも、使用人にとっては仕事と生き甲斐を奪われたも同然だと感じる者もいる」

712ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 20:23:21

事件解決に専念出来るようにと、当主様の計らいで、それなりの資金と共に本家の使用人を数人程まとめてこちらの屋敷に提供した。
大して広くもない邸宅と神殿は一日の内にピカピカになり、加えて毎食の豪華な食事と、使用人による申し分のないサービス。
彼女たち家族からしたら環境の変化に戸惑っても致し方ないが、生き甲斐という言葉を出すとレイシーはしゅんとしながらも「努力するわ」と頷いた。

「でもさすが本家の使用人さん達よね。皆優秀だわ」

「当然だ、そのように教育されている」

何が可笑しかったのか、彼女はそこで小さく笑った。

「何故笑う?」私は言った。

「ううん、ベルが面白いなあって思って。まだ若いのに凄く偉そうだし、主だ従者だって拘るくせに私には敬語も使わないし」

そこは面白がる所ではなく、腹を立てるべき所ではないのか?

「俺は出世の利益に関わる人間にしか媚びを売らないことにしているんだ」

「うん、そんな感じよね」

特に気分を害する訳でも、こちらを咎める訳でもなく、彼女はコロコロと笑う。
彼女の何が嫌かって、この独特の空気間だ。気づけばすっかり彼女のペースに乗せられてしまっている。
そしてそれが分かっているにも関わらず、毎回の如く罠に嵌まり、つい余計なことまで喋り過ぎてしまう自分の間抜けさに私は人知れず辟易する。

713ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:40:02

「護衛とかちょっと大袈裟過ぎないかな…?」

「ユリウス様の留守中にご家族に何かあっては申し開きが出来ないからな」

「すぐ側の町に行くだけなのに…」

「どこに危険か潜んでいるか解らない。
俺のことは空気か置物とでも思って、気にしなければいい」

「はぁ…」

雪のように白い肌に白い髪。血を塗ったような真っ赤な瞳。そのアルビノ特有の容姿は神秘的だと神聖視もされるが、中には忌み子やら鬼の子やらと謗り、畏怖の対象として見る者もいる。
町に行くと言う彼女に同行を申し出たのは、彼女に対してのそういった評判を耳にしたからでもあった。

「ところで…このパンと林檎は何なんだ?」

会話が途切れたのを機に、私は先程から疑問に思っていたことを聞く。彼女と私の腕にはそれぞれ、紙袋一杯に詰められたパンと林檎が抱えられていた。

「ごめんね、持って貰っちゃって。これはお裾分けなの」

お裾分け?その言葉の意味は程なくして分かった。

町の外れに行くと彼女の管理する神殿が建っている。その周りに汚い身なりをした者達が集まっていた。

「おお…、神子様がいらっしゃった…!」

その内の一人がレイシーの姿に気づき、声を上げる。その声につられ、他の者も各々俯けていた顔を持ち上げた。
一体何事だろうか。そう思っていると、彼女はつい今しがた持ってきたばかりの食べ物を紙袋から取りだし、彼らに一つずつ手渡していった。
なるほど。どうやらこの者達の目当ては、神の慈悲などではなく、レイシーの持って来る施しにあるようだ。
端から見れば野良犬や野良猫に餌をやっているように見えなくもない。神聖な建物の前でなんとも浅ましい光景だ。

しかし眉を潜める私とは違い、当の彼女は嫌な顔一つしていない。それどころか物乞いに労いの言葉さえかけている。
ボロ切れのような服を着て、手も足も垢まみれ。きっと彼らにとっては、たった一切れのパンでさえご馳走なのだろう。
まるで聖母か天使にでも出会したかのように、手を合わせ涙を流す彼らの姿を見ると、とても口を挟むような気分にはなれなかった。

714ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:41:54

「毎日こんなことをやっているのか?あんなのが居たら他の町民は神殿には寄り付かないだろうに」

物乞いが立ち去った後、私はそう口にした。
彼女は哀しげな微笑みを携え「私に出来ることはこれくらいしかないから…」と言った。そして、

「それに心配しないで、他にも神殿に来てくれる子達はいるから」とも。

「神子さまー‼」

その言葉通り、またどこからか親し気に彼女のことを呼ぶ声が飛んでくる。
見れば数人の少年少女達が、夏の陽のようなキラキラとした笑顔を振りまいて駆け寄ってくる。レイシーは彼らによって、あっという間に周りを取り囲まれてしまった。

「おはよう。どうしたの?」

「あのね、今から皆でコスモスの種を植えるの!神子さまも一緒にしよう!」

それらの会話からレイシーと子供達の関係性が何となく想像できる。彼女は「まあ」と顔を綻ばせた。

「それは素敵ね。でもごめんなさい、今から朝のお祈りをしなくちゃいけないの。終わるまで少し待っててくれる?
それまでベル…このお兄ちゃんと遊んでて」

何を勝手なことを。
しかし文句を言う前に、彼女はさっさと神殿の中に入っていってしまう。子供達にしても、明らかに見知らぬ私のことを警戒しているようだった。何か不審な者でも見るかのような視線が痛い。
レイシーが戻って来るまで、この空気の中にいるのは流石に居た堪れない。私は仕方なく彼らに目線を合わせ、出来る限りの柔らかい声音で話しかけることにする。

「神子様のこと、随分慕っているんだな」

子供は素直だ。こちらが無害を装うと、取り合えずは戸惑いながらもポツポツと言葉を返してくれる。

「…えっと…うん、大人達の中には神子様のこと悪く言う人もいるけど…私は大好き」
「神子さま、優しいから!」
「お歌うたってくれるし」

「ねー」と彼らは相槌を打ち合う。
…優しい、か。

「物乞いに施しをしているようだが」

「それだけじゃないよ。神子様はよく町の皆のお手伝いしてる」
「畑仕事とかー、荷運びとかー」

思わず「まさか」と聞き返しそうになった。再三と言うが彼女は神子だ。そこら辺の村娘とは訳が違うのだ。
それが何の酔狂で、土いじりや力仕事に精を出すというのか…。理解に苦しむ。

715ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:44:24

…………

「今日は付き合ってくれてありがとう」

屋敷への帰り道、並んで歩いていると、ふと彼女が口を開いた。日はもう暮れ始め、西の空が橙色に染まっている。
子供達の言っていたことは、決して冗談なんかではなかった。
その日レイシーは彼らと共に花壇に花を植えた後、町の者達の労働に手を貸して回っていた。
重たい荷物を運び、収穫したばかりの野菜を冷たい水で洗う。
最後の方は見るに見兼ねて私も手伝う羽目になった。

「ベルは優しいのね」

そう言って微笑んだ彼女の顔は、私に向けられたものの中では一番輝いていたと思う。

「…辛くはないのか?」

つい、そう尋ねていた。
彼女は何が?というように首を傾げた。

「奉仕活動だよ。力仕事とか水仕事とか…普通のお嬢様はそんなことはしない」

直ぐに返事が返ってくる。彼女は笑っていた。

「辛くはないわ、好きでやっていることだから。むしろ町の皆の力になれることが嬉しいくらい」

奉仕活動中の彼女は生き生きとしていた。その言葉は心からのものなのだろう。

「私、あの町が好きよ。あの町で暮らす人達も。
小さくて素朴な町。決して豊かな暮らしではないけれど、皆気さくで親切なの。幼い頃からよくお世話になったわ」

確かに町には気さくで親切な者が多かったように思う。
しかし中には彼女のことを遠巻きに、冷ややかな視線を浴びせる者もいた。それに関しては何も思わないのだろうか。
そんなことを考えていると、不意に彼女の歌声が耳に届いた。
穏やかな曲調の異国の言葉。

先程も子供達に聞かせていたが、やはり彼女の歌は耳に心地が良い。糸を紡ぐように繊細で、それでいて不思議な深みがあった。
目を細めると、音の一つ一つが浮かび上がってくるようにさえ感じられた。

私は黙って彼女の奏でる旋律に耳を傾けていた。
郷愁とも感傷ともつかない、どこか切ないような、懐かしいような、優しい気持ちが胸に広がっていく。
空には淡い白銀の月がうっすらと輝き、鮮やかな光に照らされた雲が遥か向こうの山々にまで棚引いているのが見えた。透き通った風に乗って、彼女の甘く澄んだ歌声がどこまでも飛んでいく。
はっと息を飲むほどに美しい時間がそこにはあった。
こんな気持ちも、こんなに美しい夕景にも、久方ぶりに出会った気分がした。

716ヨハン他 ◆wxoyo3TVQU:2017/01/29(日) 20:04:18
【冥界】
門を潜ると真っ暗な道が続いている。
行き先が行き先だ、この道に違和感は無いと歩いていると、予想に反して開けた空間に出た。そして、予想に反した事態はこれだけではない。

(何だこれは・・・)

目の前に広がる光景に目を疑う。
木々の茂った緑豊かな場所に、川までも流れている。
それは絵に書いたような美しい風景だった。

「嘘くさいな」

しかしひねくれた性格のヨハンである。感動よりも前に胡散臭さの方を感じてしまった。
眉を潜め思わず発してしまったその言葉に、クスリと吹き出すような笑い声が帰ってくる。

「は?」

自分以外の人間がいるとは思っていなかったため、ヨハンは驚きそちらへ目を向ける。そして彼は再び自分の目を疑うこととなった。

「と・・・」

目の前で笑みを浮かべるその男は、間違いなく自分が死なせた友人。

「久しぶり、ヨハン。性格は相変わらずだね。見た目は・・・歳をとってダンディになったかな?」

軽口をたたくその様もかの人物そのもので、彼がトーマであることは疑いようがなかった。

「どうしてお前が・・・」

「君を待っていたんだ、話をしたくて。」

いってトーマは川の傍らに見つけた岩石に腰掛ける。

「あぁ、因みに此処は君の考えてる場所じゃないから安心して?此処は境なんだ。分かりやすく言えばあっちが地の国で、こっちが天の国。あの人は面白いことをするね。本当は扉の行き先は同じなのに、わざと二つ用意した。」

まぁ、そうでもしないと君たち親子は本音で話をしなかっただろうけど。
トーマは優しく微笑んだ。

「今話をしないと、君は死んでも死にきれないと思ったんだ。僕の死は自分のせいだと思っているでしょ?」

図星だった。ヨハンは口篭る。
しかし、「思っている」のではない。「事実」なのだ。

「ほら、またそんな顔をする。僕が死んだのは君のせいじゃない。気を遣って言っているんじゃないよ?君を手伝おうとしたのは僕の意思だ。リトを引き取るって話を持ち掛けたのは他でもない、僕だよ。僕は嬉しかった。その提案を受け入れてくれて。君に頼ってもらえて。」

ただ、僕達が相手にした奴らが強敵だっただけ。

「ねぇ、そこに突っ立ってないでさ。座りなよ。僕と話そう。折角時間を貰えたんだから。」

717リマ ◆wxoyo3TVQU:2017/01/29(日) 22:09:25
あけましておめでとうございます|ू・ω・` )
暫く行方くらましてました、すみません(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
相変わらず亀亀しくやっていくと思われますが、今年も宜しくお願いします(>人<;)

ヤツキ>>吸血鬼の方は1回オリジン追い払う感じ|ू・ω・)??

イスラ>>703
阿部wwwやったことはないですが、何か知ってますwww色んな意味で怖いらしいですねwwホモな阿部さんがノーマルな子達を追いかけるというwwwてかあれってホラーゲームなんですかwww

裏設定っぽいですからね(笑)
藍ちゃんは結構単純なこと考えてますよ!ロボットなので難しいこと考えるのは苦手なんです(笑)子供みたいに目の前で起こってることを色々考えて、分からないことはすぐに解決したくて其処にいる人に聞くから、何の脈絡も無く変な質問してくる不思議ちゃんってイメージになっちゃうんだと思います(笑)ある時レイジに絵の書き方が分からないって言って、レイジはそれを受けて普通に説明してて、あの二人は見ていて和むんですよね(*ˊૢᵕˋૢ*)

何かカルナイの曲一般のオリコンのめり込んじゃってアニメイトじゃない普通の店でも当たり前のように流れてて笑えるんですけど(笑)アニメでは負けたけど事実上大勝利じゃないですかwww
藍ちゃん本当素直だから可愛くて可愛くて(*ˊૢᵕˋૢ*)大変認めたくありませんが藍ちゃんルートでハルカと恋人になったあと、料理男子は需要ある的な情報仕入れてきて「彼氏なんだから彼女に何でもしてあげたい」とか言ってどう考えても食べきれない規格外なサンドイッチタワー作っちゃって本当可愛い(笑)

ナディア強い子だからなー。小さい頃から妹と弟守るため気張ってきたからそれがデフォになっちゃってるんですよね(´・×・`)

やりたい(・∀・)けど別にノワールにはセナとリマ傷つける気なんてないんですよね(´◦ω◦`)

色も塗ってみました|ू・ω・` )
imepic.jp/20170129/789250
髪の色間違えて余計誰だよ的な姿にwww

なので千鶴は大嫌いです(´-ω-`)
薫くんの設定大好物だけどそもそも薄桜鬼あんま好きじゃないんですよね(笑)
大学の時乙女ゲーム大好きな友達と絶縁して、何かその子が好きだった乙女ゲーム見るとその子のこと思い出して虫唾が走ってしまう:(´◦ω◦`):
因みにうたプリはその子のお眼鏡にかからなかったし、自分の中で乙女ゲームではなくてギャグアニメなので普通に好きです(*ˊૢᵕˋૢ*)

シンドバッドマジうぜぇ←
今のアラジンが受け入れられない:(´◦ω◦`)
モルちゃん何か見た目が逞しくなりましたよねwww
あと個人的に白龍ちゃん成長しすぎてアリババより背が高いの受け入れられない:(´◦ω◦`):ジュダルとあまり背変わらなくなっちゃったからジュダルもう白龍ちゃんの頭撫で撫で出来ない:(´◦ω◦`):

そして爺の過去話待ってました!!やばい!めっちゃ楽しい!ヨハンママ可愛い(*º∀º*)そして爺が実はクールな人だった衝撃www今の落ち着いた爺様感は何だwww

718ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/01/29(日) 23:58:39
【リマ》そうそう、今回は追い払って一旦停戦的な。
4タイ1でバトル、途中でジーナ乱入オリジン封印(時間制限有り)封印解けるまで(本編終了)各自修行してね、的な感じで。】

719ジル ◆wxoyo3TVQU:2017/01/30(月) 00:13:13
【ポセイドン邸】

「一つ正解で、一つは不正解。」

現れたアブセルに「邪魔が入った」と漏らしながら、ジルはその笑顔をアブセルに向ける。
そして、アブセルの声に反射的に引っ込めようとしたユニの腕を掴み自分の方へ引き寄せた。

「生憎今日は王子様に用はないよ。まぁ、くれるって言うなら喜んで貰うけど。僕が今欲しいのはこの子。だから君の予想の一つは不正解。」

笑顔を崩さぬままジルは続ける。
そして、正解の方は。その口をユニの耳元へ寄せる。

「人って面白いよね。ちょっと突ついただけであんなに騒ぐんだから。そして、誰が1人でも同じ意見の人がいれば右に習えですぐ強気に出る。ねぇ、ユニ。」

ここの屋敷の人は皆意地悪だよね。相手がやり返さないのをいいことに、寄って集ってリトを虐めるんだから---

ジルはそう囁き、アブセルを指さした。

「彼も意地悪だ。此処に戻ればリトがどうなるか分かっていて、あの子を無理やり連れ帰った。ユニ、彼もリトの敵だよ。一緒に彼からリトを護ろう。」

「アブセルさんもユニ達の敵・・・」

ジルの言葉は麻酔のよう。頭に自然と浸透してきて、その言葉全てが正しく聞こえてくる。アブセルがリトの敵。違うと分かっているのに、そう思えてきてしまう。

「アブセルさん・・・酷いです。」

それがジルの能力の一つであるとも知らずに。ユニのように純粋であるほど、その術にかかりやすい。

「ユニがリト様守らなきゃ・・・この人の言う通りにすればリト様を助けられる・・・」

720ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:32:45

「ベル、今忙しい?」

「忙しい」

「庭にお花を植えたいんだけど手伝ってくれない?」

話を聞け。と少しうんざりする。

朝の仕事を一通り終えた後の、午後の休憩時間のことだった。晴れた空にはうっすらと雲がかかり、雲の隙間から降り注ぐ柔らかい陽射しが、庭の緑を艶やかに縁取っていた。
レイシーと二人で町に赴いたあの日以降も、私は、調査の担当から外れた日などに何度か彼女の奉仕活動に付き合ってやることがあった。そのせいか、最近は何かとこういった具合に話しかけられることが増えたように思う。

「ベルは何をしているの?」

それでも知らん振りをしていると、またも彼女が声をかけてくる。私は言った。

「見て分かるだろう。剣の鍛錬だ」

どんなに忙しい日でも鍛錬を欠かしたことはない。とは言っても、今は相手がいないので、素振りや一人稽古くらいしか出来ないが。

「余所はどうだか知らないが、俺が勤めているのはポセイドンの本家大元のお屋敷だ。
教養の高さや家政のスキルは元より、いざという時には主君をお護りでき得るだけの能力も求められる。その中でも特に優秀な使用人が執事に選ばれるんだ」

彼女は大きな目を瞬かせて言った。

「ベルは当主様の執事になりたいんだ?」

「なりたい、じゃなくて、ならないといけないんだ。俺の家が本家御抱えの執事の家系だから。母もそれを望んでる」

「お家とお母様が…?でもそれってベルの意思はどこにも含まれていないように思うけれど?」

彼女の言い分に何となくムッとしたのは、それが本当のことだったからだろう。
私は剣を振る手を止め「じゃあお前どうなんだ?」とレイシーを見た。お前も血に縛られているじゃないか、と言外に滲ませて。

721ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:34:37

しかしそれに対する彼女の答えは、私の想像の遥か斜め上を行くものであった。彼女はまだあどけない少女の顔でにっこりと笑った。

「私はね、旅人になりたい。世界中を旅しながら、吟遊詩人みたいに沢山の人に歌を聞かせて回るの。どう?素敵じゃない?」

…思わず返す言葉を失ってしまった。
彼女らしい、と言えば彼女らしいのかもしれないが…。いや、だが結局は世間知らずの、頭の中がお花畑のお嬢様の考えることだ。現実的ではない。

「つまりは浮浪者だろ。自らそんなものになりたがる人間の気がしれん」

「良いじゃない、そういう何が起こるか分からない生活ってわくわくしない?着の身着のままで色んな処に行って、色んな人に出逢って、色んな体験をするの。…そういうの凄く憧れる」

深窓の令嬢に有りがちの、外の世界への憧れというやつだろうか。ただ彼女の場合は本当に実行してしまいそうで怖い。
しかしその直後、何事か、彼女は「あ…」と表情を曇らせた。自身の白い頬に手を触れる。
「でも私の見た目って変だから、皆気味悪がって逃げちゃうかも…」

上がったり下がったり、面倒臭い娘だ。

「知るか、そんなものに拘るのは閉鎖的な田舎の年寄りくらいだ。大きな街に行けば気にする人間なんて誰もいない」

私は内心、しまった。と思う。また彼女を調子に乗らせるようなことを口走ってしまった。
案の上、彼女はパッと表情を明るくさせる。身を乗り出してきた。

「じゃあ、その時はベルも一緒に来てくれる?」

「何故?」

「一人より二人の方が楽しいもの。音楽も一緒。私が歌を歌うから、ベルは何か楽器をやって」

「俺に音楽の嗜みはない」

「タンバリンとか簡単なので良いのよ?」

「タンバリン…?」

「もしくはダンスなんてどう?とっても盛り上がりそう」

「……………」

私はレイシーの横で、歌に合わせてタンバリンを叩きダンスを踊る自分の姿を想像する。何というか…、凄くシュールな絵面だ。
冗談じゃない。と心の中で呟く。

722ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:47:45

彼女は限りなく自由だった。何者にも囚われない風のようであった。それでいて妙に人懐っこく、気づけば心の中にするりと入り込んでくる。
花と歌が好きな彼女は、それと同じくらい故郷の町と町の人々を愛していた。
身分や貧富を問わず誰にでも優しく接し、慈愛に満ちた彼女の周りは、いつも自然と笑顔が溢れていた。
そんな彼女が羨ましかった。私にはないものを沢山持っていた。

正直に言えば、私は彼女に惹かれていた。しかもそれはここ最近、というものでもない。もっとずっと前から。そう、俗にいう所の一目惚れというやつだった。
まさかその様な不明確な現象が、我が身に訪れる日が来ようとは考えてみたこともなく、私自身驚いた。

ただ珍しくもない話ではあるが、このご時世、どこのお屋敷でも貴族と使用人の恋愛は御法度であるのが常だ。
それが本気であれ、一時のスリルを求めたものであれ、あるいはご子息ご息女の暇潰しのお相手であれ、責任を取るのはいつも決まって使用人の方だ。
今までにも危険な恋に入れ込んでしまった同僚が、屋敷から追い出されるのを実際に何度か目にしたことがある。

私の場合は自分だけの問題では済まない。母の名誉と家の名にも傷をつけてしまう。選択肢など初めからなかった。
故に私は自分の気持ちを押し殺した。その想いを気づかなかったことにした。レイシーに対する素っ気ない態度の理由がそれだった。

だが、そうしている間に徐々に辛くなってきた。
当時の私は、まだ18歳になったばかりの未熟な若造に過ぎなかった。一度抱いてしまった気持ちをなかったことにし、素知らぬ顔が出来るほど大人ではなかった。

気にしまいとするほど、彼女のことを意識してしまう自分がいた。彼女のことを知れば知るほどに、より一層その想いは膨らんでいった。
ふいに見せる彼女の、何気ない仕草に目を奪われた。目を伏せた時の長い睫毛に、恐ろしく澄んだ瞳に、陽に溶けてしまいそうなほど白くなめらかな肌に、堪らなく心をかき乱された。
彼女に触れたいと思った。抱き締めたいと思ってしまった。
まるで舵の効かない船だ。自分の心が、自分のものではないかのようにコントロール出来なかった。こんなことは初めてだった。
私はその時ほど、この身を焦がさんばかりの強い恋情に恐怖を覚えたことはない。

723ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 01:20:16

そんなある日のことだったと思う。
私はずっと以前から疑問に思っていたことを彼女に聞いた。
万物の声が聞こえる感覚とは、一体どういったものなのか、と。
彼女は少し考え…言った。

「言葉にするのは難しいんだけど…。なんだろう…、声が聞こえるって言うよりかは、感じるとか視えるって言った方が正しいのかも。
共鳴って言うのかな?目の前を沢山の色や光がピカピカ飛び交って、温かかったり、冷たかったりして…」

「全く分からない」私は言った。

「だから難しいって言ったでしょ。私はとても大きな世界の、その一部分に触れているだけなんだもの。
でも例えるなら …、緑の芽吹く歓び。大地を潤す雨の温かさ。ささめく水と木々の優しい歌声。野を駆け舞う風の祈り。天に瞬く星々の願い。
そういったものの想い一つ一つが、胸の中にゆっくりと流れ込んでくるの。
まるでこの世界に息ずく生命の、深い息吹きに全身を包まれているかのよう。夢の中にいるみたいでとても気持ちが良いの」

「ほう」

全く分からない。二度目のその言葉は心の内に秘めておいた。
彼女の語る言葉を表面的に理解することは出来ても、その感覚自体を想像することは難しい。
神子である彼女は普段、一体何を感じ、何を視ているのであろう。彼女の抱く世界は広大過ぎて、私ごときでは触れることさえ出来ない。

「それにね、何もこれは自然に限った話じゃないの。人も同じ。歌を歌うと、側にいる人の心の在り方みたいなものも伝わってくるの」

明るい口調で彼女は続けた。直後、その瞳がふと遠のいたのを見た。ここではない、どこか別の処に想いを馳せているかのような目だった。

「町の子供達の場合は、夏の風に揺れる向日葵畑の情景が浮かぶわ。透き通った純粋無垢なエネルギー。
明るくって、キラキラしてて、皆明日に希望を持ってる。すごく元気になれる」

そこまで言うと、彼女はゆっくりと視線を戻した。今度は私の方を見つめて言う。

「貴方は雨上がりの朝顔みたい。雨に濡れた緑の瑞々しい匂い。静かで少し冷たい感じ。でも優しくて真っ直ぐで、何だか安心する」

よくもまあ恥ずかし気もなく、本人の前でそのような台詞をべらべらと喋れるものだと思った。聞いているこちらの方がむず痒くなる。
しかしそこで、はたと気づいた。

先ほど彼女は相手の心を感じることが出来る、と言ったが。つまりそれは、私がひたすらに隠し続けてきた、彼女への淡い恋情すらもとっくに見透かしていた、と言うことにはならないだろうか。

もし仮にそうだとして、全て分かった上で態と、親し気に話しかけてきたり、一緒に旅に着いてきて欲しいだなどと、こちらを当惑させるようなことを言っていたのだとしたら…どうだろう。

私は探るような目で彼女を見る。その視線に気づき、彼女がにこりと微笑む。まるで花が咲き誇るかのような見事な笑顔だった。
その笑顔が全てを物語っているような気がした。途端、火が出そうなほどに気恥ずかしい想いが込み上げてきた。顔を覆いたかった。

「…とんだ悪女だ」

私は呻くようにそう言った。

724DD ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 01:31:11
【森】

不意にフィアが動いた。その視線の先を辿れば、例の人物…オリジンの姿が。
流石の感知能力に感服する。

DDは直ぐ様どこからか取り出した巨大メイスを手にするが…、しかし、その後が動けない。まるで足に根が生えたように、その場に固まってしまう。

やらなければいけないとは分かっているのだ。
だが、こんな状況にも関わらず、まだ彼を傷つけることに抵抗を感じている自分がいる。もっと言えば、本能的な何かが邪魔をしているのかもしれない。

「悪い子ねぇ…、そんなに急がなくたって良いじゃない。こっちはまだ心の準備だってしてないんだから…」

軽口を叩いてみても状況は変わらない。
先程までの威勢の良さはどこへやら、DDは青褪めた顔を引き攣らせて、ただ力なく立ち尽くすばかりであった。

725アグル ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/02(木) 23:43:12
【黄昏の塔】

大義の為、か…。

「俺は四神の一人として、その本分を全うする為、あなたを討った。そしてその屍をも乗り越えて、前に進ませて貰う…。
…なんて、流石に都合が良すぎないかな。まあ、そう言うことにさせて貰いますよ。アグルが納得するかは分からないけど」

苦笑混じりに言って、レグナは静かに言葉を紡ぐ。

「愛する者の為に刃を握る…、その気持ち、俺にも分かりますよ」

彼は己が信じる正義の為に戦った。例えそれが破滅へ向かう道だと知っていても。それを言えば、自分もアグルも同じようなものだと思う。
誰が正しくて、誰が間違っているかなんて一概に決めつけることは出来ないのだ。ただ今回はこちらが勝利した。それだけの話。

レグナはユーリの亡骸に向けて、お疲れ様です。と小さく頭を下げた。そして…

「いててて…、やっぱ無茶し過ぎたよなぁ…」

崩れるようにその場に膝をつく。
限界などとっくに通り越していた。あの力は身体への負荷が大き過ぎたようだ。全身が悲鳴を上げている。

「アグルー‼」

その時、ふと何者かの声が聞こえた。誰だろうと目を向ければ、赤髪の少女と黒髪の青年がこちらへ駆け寄ってくるのが見えた。
アグルの友人だろうか。それならば、それらしい対応をした方が良いだろう。レグナは笑顔を見せて言った。

「あー、えっと、心配かけたかな?ごめん、この通りピンピンしてるから安心して良いよ。今はもう一歩も動けないけど」

自分は何か変なことを言っただろうか。少女が驚いたような表情でこちらを見ている。

「どうしたの!?何か少し見ない間にさわやかキャラになっちゃってるけど!?さては好感度欲しさにキャラ変えを!?」

「………まあ、色々ありまして」

説明すると長くなるので、そこは一先ず置いておくことにする。

「そんなことよりさ、この塔のことなんだけど。今ここでは100年前の再現が起こってるみたいだ。
俺達はそれに選ばれた役者って訳。それらが意味するところは俺にはよく分からないんだけど、取り合えず頂上にボスがいるみたいだよ」

続けてレグナは苦笑を浮かべる。

「俺はちょっと暫く動けないと思うから、二人は先に行ってて欲しいんだ。出来れば後で合流すると思うから。無理そうだったら君らを信じて、街に帰って寝てることにする」


…………

魔物の蔓延る塔をひたすら登り、たどり着いた先は最上階の一つ手前。

未来への時間移動。黄昏の塔の再誕。
もう何が起きても驚かないつもりでいたが…、流石にこれには肝を潰した。

目の前には、もういない筈の彼の姿があった。

自分にとっては3年ほど前、この世界からすれば100年も昔…。かつてこの光景と同じものがそこにあった。

冷たく響く彼の声。
イスラは苦笑の混じった息を吐いた。

「そういうことを言うのか。久し振りの再会なんだから思い出話に花を咲かそうとか、気の利いたことは思わないのか?」

そこで彼の時間はあの時に止まったままなのだと気づく。思い出も何もないか。
そして言った。

「思うわけがない。あの戦いから少なくとも100年分の命がこの世に産まれた。その命の分だけそれぞれの人生があり、100年分の笑顔が生まれた。
もちろんそこには辛い歴史も醜い歴史もあったと思う。だがそれらを全部ひっくるめた上で今の人達がいる。
…きっと人の本質は永遠に変わることはないんだと思う。
綺麗な面もあれば、醜い面もある。強い面もあれば、弱い面もある。それが人だ。
迷い、苦しみ、時には過ち。そして笑い。皆懸命に今日を生きている。
それが生きるってことなんだと俺は思う」

726アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/02(木) 23:46:08
【ポセイドン邸】

「ユニ…?お前、なに言ってんだよ…」

ユニの様子がおかしい。どういう訳か彼女の敵意は今、自分自身に向けられていた。
しかし、その要因は直ぐに察しがついた。これが彼の能力なのだ。
先程も、ああやって参列者の不信感を煽り、不和の種を蒔いたのだろう。

「陰湿なやり方だな」

そうアブセルは毒づく。
だが、そうは言っても今のこの状況は厄介だ。ユニが邪魔で下手に手が出せない。

どうしたものかと考えていると、直後、ジルの背後から大きな影が飛び出した。そして彼に襲い掛かる。
その正体は、アブセルが吽形と呼ぶ、阿形の片割れの黒獅子だった。彼にはリトの護衛を命じ、葬儀中はずっとリトの部屋に待機させていたのだ。

(ナイスだ、クロ!)

その隙に、アブセルはユニに近寄る。

「ユニ!来い!」

彼女の腕を掴み、無理やりに引き寄せた。

727ベルッチオ(過去) ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/02(木) 23:55:49

私が闇の調査に関わってから既に半年が経過していた。その間、例の闇による被害は四件にも上った。

相変わらず調査は捗っていない。
分かっていることと言えば、私達が追っている闇はこれまでのものとは全く別種のものであるということだけ。故に我々は、そこから生み出される魔物を亜種と呼ぶことにした。

亜種が他の魔物と違うのは、人間や動植物、水や大地に至るまで、あらゆるものの生命活動の根元である、マナエネルギーを奪い取る所にある。
目撃者の言葉によれば、亜種が触れた所はたちまちにマナが消失し、朽ち果ててしまう。
そしてそれは皆が寝静まった夜深く、煙のようにそこに顕れたかと思えば、一晩その地で暴れ続けた後、朝日と共に姿を消したのだそうだ。

私も被害にあった街に実際に足を運んだが、それは酷いものだった。もはや調査するべきものが何も残されていなかった。
そこにあるのは、ただ一面に広がる荒野のみ。人が暮らしていた痕跡も、人の歩んだ歴史も、その一切が消え失せていた。
私達に出来ることは、ただその地に残った穢れを祓うことだけだった。

こういったことがあるから、また異能者に対する風当たりが強くなるのだとユリウス様は言った。
特に闇と、それを囲うポセイドンの一族の沽券に関わるとあっては、早々に解決したいのが本音だろう。ユリウス様も目に見えて、お疲れになっているのが分かる。

「何とか次の出現場所だけでも予測できれば良いのですが…」

「出現するポイントに偏りはあるが…周期はまちまちで、予測するのは難しいな…。各地の守衛に警戒を強めて貰うよう言っておこう」

こればかりはレイシーの信託も、専門外であるらしい。

本来であれば、闇の継承者がきちんとした形で闇を管理している現在、魔物が出現すること自体が考え難い。私達の知らないところで、何かが起ころうとしている気がしてならない。

728ベルッチオ(過去) ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/02(木) 23:58:15

その日は非番だった。私が神殿に赴くと、ちょうど彼女が夕方の祈りを捧げているところだった。彼女は祭壇の前に恭しく膝をつき、胸の前で手を結んでいる。美しい歌声が静謐な空間に満ちていた。
そこで私はふと、その頬に涙が伝っていることに気づいた。

「…何故泣いている?」

びくり、と細い肩が揺れ、歌が止んだ。私が来たことに気づいていなかったのだろうか?彼女は驚いたふうに顔を上げ、濡れた瞳を私に向けた。

「違うの、これは私の涙じゃなくて、この世界そのものが流している涙」

慌てて言う彼女に、私は、どういうことだ、と眉を潜める。

「今…私、この星の想いと繋がってたみたい…」

彼女は言った。

「胸が締め付けられるようだった…。
痛い、苦しいって…。すごく哀しい悲鳴が響いてた…。それを感じていたら独りでに涙が溢れてきて…」

私は彼女に歩み寄った。その涙を指で掬うようにして拭った。

「星の声が聞こえるのか?」

彼女は頷いた。

「なぜ星は苦しんでいるんだ」

更に私は聞いた。

「人間が星を穢すから、星のエネルギーを奪い続けているから。だから今、この惑星のマナ自体が枯れかけちゃってるの」

私が返事に窮していると、彼女は続けた。

「知ってる?闇ってね、本当は惑星の意志の力なんだよ。
多くの人が闇は穢れや呪いの力ってだって嫌がるけど…、本当は星の生きたいって想いの力なの。
魔物には人を襲う本能があるけど、あれは病気を直そうとして悪い菌を退治する抗体の働きと同じようなものなの。
でも今はその闇さえ人間の…今は私のお父様の管理下にあるから、星は自分の身を護ることさえ出来ない状態で…」

その話を聞いて驚いた。私の認識している闇の知識とは全く違うものだったから。

遥か昔、世界に顕れた闇を四神が封印した神話は有名だ。
人々を救った四神が英雄であることは間違いないが…。その話が本当なら、解釈の仕方が根本から変わってくる。
頭が混乱しそうだ。

「人間は悪なのか?」私は聞いた。

「星にとっては、そう…」

「このままでは星のエネルギーは枯渇し、いずれ死ぬ。そう言うことか?」

彼女は目を伏せ頷く。

「全ての人間を地上から排除すれば、星が滅びることはなくなるのか?」

「そうだと思う…。完全に元に戻るには時間がかかると思うけど」

「そのこと、ユリウス様には言ったのか?」

「うん…、でも他の人には言わない方が良いって…」

「そうだろうな…」

他の人間に言ったとしても、とても受け入れられるような話ではないだろう。なにせ近い内に世界は滅び、その責任が我々人間自身にあるともすれば、誰だって認めたくはない筈だ。私でさえまだ半信半疑なのだから。
それに不用意な発言は、彼女自身の身も危険に曝してしまう恐れがある。
頭のおかしい奴だと言われるだけならまだいい。しかし、やり場のない不安が怒りとなり、人々の非難の的にさせられ得ることも考えられるのだ。
その話を事実として証明する術がない内は、黙っているに越したことはない。

729イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/03(金) 00:48:55
リマ>
なぜ知ってるww一応ホラーゲーム(掘らアッー!ゲイム)らしいですww

そう言えば藍ちゃんロボットだったwそのロボット設定いるぅ?(笑)⬅確かにあの二人のエピソードを聞くと、仲良さげでほっこりしますね^^

マジか(笑)カルナイ凄いなww
てかサンドイッチタワーww誰が藍ちゃんに常識的なものを教えてあげて(笑)

そうですよねー…
あ、あれだ、ナディア過労で倒れる、とか⬅

ノワールはセナに対してちょっかい出してるように見えなくもないけど…?(笑)

色も塗って下さるとは!ありがたや…(人´∀`)一気に華やかになってふつくしいです!そしてナディアの目は翠だったのか

虫酸wwでもその気持ち何となく分かります
うたプリのアニメはギャグですよね(笑)ゲームもあんなノリなんですかね?w

シンドバッドは敵になっても全くブレないから大好きですよ!⬅
アラジンは同じくww白龍は…べつにどうでも…(笑)個人的に紅覇がめっちゃ成長してて、誰やお前ってなったw

Σ待ってたのかっ、遅くなってすみません(^-^;そして無駄に長くてすみませんwあと半分くらいは続きそう…、残りはもうひたすら堕ちてくだけですが⬅多分展開的にも何だこりゃ、みたいな感じになってくと思います;
若い時の爺の性格はヨハンに寄せたところがあります^^今はもうあんだけ歳食ってますからね、嫌でも落ち着くんでしょう(笑)

730メイヤ ◆.q9WieYUok:2017/02/05(日) 20:11:27
【黄昏の塔】

視界に広がる激戦の痕、ヒヤリと肌を刺す冷気。
息を切らし登り詰めた塔の一フロア、膝を着き話すアグルの姿にメイヤは安堵の息を吐いた。

シンライジ一族きっての実力者、当主のイオリをも超えると噂されるユーリとの戦いは、アグルの勝利に終わった様だ。
だが、アグルの勝利が意味するのはユーリの敗北であり、彼の死をも意味していた。

アグルの口調とソレに対するサンディの声掛けに、アグルの様子がおかしい事に気付くも、今はそれどころではないようだ。
どうやら事は予想以上に悪い方へ進んでいるらしい。

しかし、それでも。
アグルへの返事もそこそこに、メイヤは動かなくなったユーリの元へと早足で歩いて行く。

そして、膝を着きその顔へと手を出すも触れる事はせず、開かれた手は握り拳へ。
一度だけ、その拳を足下へ打ち付け、メイヤは目を伏せた。

思えばユーリも知っていたのだろう、自分の出自を。
イオリの弟ではなく、実の息子であった事を。

だが、記憶にあるユーリは自分をイオリの弟、弟弟子として見て居てくれていた。
それが植え付けられた偽りの記憶だったとしても、メイヤにとってユーリは頼りになる兄弟子であり、兄の様な存在だったのだ。

短い黙祷を捧げたメイヤは、目元を手の甲で拭い立ち上がる。
そして、振り返ってアグルへ声を掛けた。

「……アグル、くれぐれも無理はしないでくれ。
ただ、塔が崩壊する様な事になるなら、早めに動いて欲しい。
合流するにも、撤退するにも。」

その声は、硬い。

「サンディ、俺達は先に行こう。
今は感傷に浸る時間も惜しい。」

その声掛けと同時に、塔が再び大きく揺れた。
それは戦いの合図、急がなければ……

731ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/02/05(日) 20:13:36
「……全く、イスラらしい答えだな。」

問い掛けに対する答えからは、言葉通りイスラの性格を、本質を感じ取れる。
生真面目な正確はそのままに、多少年を取った彼の姿に、ヤツキはふと、笑った。

「語れる程の思い出話も無く、俺とイスラの間にあったのは戦いの記憶だけだ。
だが、いつかどこかで……酒を飲みながら語り合うのも良いだろうな。」

浮かべる笑みは柔らかく、100年前では見せなかった表情だ。
目に宿る光も暖かく、先程の冷たい声と視線とは真逆である。

「俺は世界に絶望し、希望をイスラへ託して死んだ。
預けた希望を、返して貰うぞ。」

刀に手を置いたまま、ヤツキはイスラへ歩み寄る。
そして、握り拳でイスラの胸元を力強く叩いた。

「俺達が100年の時を遡り、蘇った意味。
それは、今この時の為。

夜の闇を照らすのは月の光。
そして、月を照らすのは太陽だ。

俺とイスラ、月読と天照の力で再び闇に包まれつつある世界を、未来を。」

そして、柄にも無くお喋りが過ぎたと笑みを苦笑いへ、そして表情を真剣なモノに変える。

「行こう、俺達の命を全うする為に。」

ーーーーー

塔の麓、闇の巣とは真逆。
黄昏の塔の最上階の更に上、その頂上の空気は驚く程澄んでいた。

塔の最上部は地上を包み込みつつある外郭を突き抜けており、頂上部分は星明かりに照らされている。
冷たく澄み切った空気は高揚する気を引き締めた。

「あの時とは役者の数も役割も違う。
だが、やる事は同じだ。

世界を闇に閉ざそうとする者を倒し、世界に光を取り戻す。
その後の事はこの時代の者に任せれば良い。

100年前の残滓は、100年前の者が振り払う。
それが、俺達が今の時代に蘇った意味だろう?」

星明かりに照らされる頂上で、ヤツキは隣のイスラへ声を紡ぐ。
視線の先には闇の王女、恒星の名を頂く女性と巨大な黒獅子。

「闇の王子、セナ。
そのスペアプラン、第二候補として選ばれたスピカとレグルス。

二人は安定性に欠けていた、総合的に見ても、セナの方が器としての素質は遥かに高かった。
だが、可能性、適応性、伸び代はスピカとレグルスの方が上。

目の前のアレはその二人の完成系だ。
100年前の結末は知らないが、闇に纏わる誰かしらと戦っただろう?

ソレと同等かそれ以上。
だが、俺達ならばやれる、いや、やらなければならない。」

ヤツキは刀を抜き、構える。

「太陽と月、その光は決して交わらない。
だが、もし、交わる事があるならば。

奇跡だって起こせる筈だ!!」

そして、刃を一閃。
剣閃と共に結晶の華が咲き乱れ、流星となってステラとレグルスへ駆け抜けて行く。

「行くぞ、イスラ!!」

732ジル ◆wxoyo3TVQU:2017/02/12(日) 23:06:34
【ポセイドン邸】

(しま…っ)

迂闊だった。背後から襲いくる式神の気配に気付くのが遅れた。
付け焼き刃で発した突風で辛うじて式神を弾き飛ばす。しかし鈍い痛みが。目を向ければ、奴の爪が腕を微かに抉っていた。

「大事な商品に何してくれてんの・・・」

ジルは呟く。それが冗談なのか本気なのかは分からないが、その顔からは確かに苛立ちのようなものが伺えた。

「君って本当野蛮だよね。お姫様を奪還するにも、もう少し綺麗なやり方があるんじゃないの?ほら、その子嫌がってるよ?」

アブセルの元に戻ったとしてもユニは述に掛かったままだ。そのには必死でアブセルの手から逃れようとするユニの姿があった。

「これじゃあどっちが悪役か分からないね。」

軽口を叩きながら、しかしジルは思う。

(最悪・・・)

今のこの状況は自分が僅かに隙を見せたのが原因だ。本当はもっとスマートに行動出来たはずだ。
あの時、自分には迷いがあった。ユニを連れていくことに?・・・いや、もっと前。ヨハンを手にかけた時から、何かモヤのようなものが自分の中から消えずにいる。
しかし、今はモヤの原因を探している場合ではない。ジルは何とか本来のペースに立て直そうと、アブセルに笑みを向ける。

「ねぇ。今葬儀に出てる彼、君の王子(リト)じゃないでしょ?」

自分の不調を悟られぬように。

「可哀想に。折角抜け出せたのに、リトは君のせいで地獄に戻されて、そして今生死をさ迷っている。君がリトを不幸にしたんだ。」

態とアブセルの心を抉りつつ、そして甘い言葉も忘れずに。

「リトが奇跡的に目覚めても、もう君のことを赦してはくれないだろうね。でも、その子(ユニ)を渡してくれるなら、君が彼に嫌われないよう手助けをしてあげてもいいよ。彼だけじゃない。ナディアお姉さんも、ヨノも、本当は内心君に怒ってる。本物の闇の王子様やポセイドンのお姫様だって君に呆れてるかもね。僕は君が何を恐れているか知っている。皆に見捨てられないよう、僕が手伝ってあげるよ。」

それがどう転ぶかは分からないが、やらないよりはマシだろう。

733ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/02/15(水) 01:29:10
【めちゃんこ久し振りに気合い入れて絵描くぞい!とりま下書きー!

imepic.jp/20170215/051760】

734アグル、イスラ:2017/02/21(火) 01:22:20
【黄昏の塔】

亡骸の前で黙祷を捧げる彼は、ユーリの親族か何かだろうか。アグルと違って、その辺の事情は全く理解していないのだが、彼の所作を見ればそれが並の関係でないことぐらい推測することができる。
レグナは僅かな罪悪感に苛まれるが、謝るのも何か違う気がして、メイヤの声にただ頷くのみであった。

一方サンディも、そんな二人の様子に気がついたようで、
「ラジャー」と、おどけた調子で敬礼をしてみせるものの、それとは反して表情には隠しきれない緊張の色が滲んでいた。


…………

塔の頂。この地に立ち入るのは二回目だ。
吐く息は白く、冷たい空気に身を包まれながらイスラはヤツキの視線の先を辿る。

そこに存在するものを視界に捉え、僅かに息を呑む。無意識に「なるほどな」と小さく声に出していた。

いつかの光景が脳裏に甦る。幼い女の子の幕切れを決した生々しい感触が、まだ手に残っている。
あの勝利は決して喜ばしいものなんかではなかった。
胸に残るのは、ただただ後味の悪い気持ちと、遣るせなさ。
しかし…。

「やるしかないんだろうな…」

苦い表情を顔に宿し、イスラもまたヤツキに続き刀を構える。そして、

「お前が横にいると心強いよ」

渋面を苦笑いに変え、彼の掛け声に合わせるように一閃。
赤に彩られた炎の斬撃が、熱波と光の渦を生み出し大気を駆け抜けた。


【ヤツキさんのイラストめっちゃ久し振り!そしてめっちゃかっけぇ!完成を楽しみにしております!(^ω^)】

735アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/02/21(火) 01:31:30
【ポセイドン邸】

「こら!暴れんなユニっ!」

もがく彼女を羽交い締めにする様を見れば、確かにどちらが悪者か分からない。
しかし今はそんな些細なことを気にしている余裕はない。

なぜなら直後、ジルの発した言葉がアブセルの鼓膜を突いたからだ。ユニや他の者を容易く屈服させたその力を、身を持って体感することとなる。
耳どころか頭にまとわり付いて離れない甘言が、脳を痺れさせる。駄目だと分かっているのに、徐々に思考が霧がかり、抗う自由を奪われる。ついには、なぜ自分は目の前の彼を敵だと思ったのだろうと、疑問を持つまでに至り――

「いだッ!?」

…かけたところで、唐突に生じた顎への衝撃が全てを吹き飛ばした。
顔だけ天井を仰ぐ形で我に返り、アブセルは暫し目を瞬かせる。顎に残るジンジンとした痛みで全てを理解した。
どうやら暴れたユニの頭が、勢い余って顎に直撃したようだ。決して意図してやった訳ではないのだろうが、結果としてジルの催眠を解いてくれたのだから、今は彼女に感謝せざるを得ない。

そしてそんなユニに対し、直後、アブセルが取った行動はと言えば…。

「クロ、頼む!」

後方へ思いっきりぶん投げることだった。先程ジルに飛ばされ退いていた黒獅子が主の真意を察し、素早く移動してその柔らかい毛皮で彼女の身を受け止める。
そのままユニの服の襟首を器用に咥え、邪魔にならない程度の場所まで移動したのを横目で確認すると、アブセルは再びジルへと意識を向けた。

「…余計なお世話なんだよ…」

低く唸るような声が喉から洩れ、その頭部からは湾曲した二本の黒い角が伸び、手も獣じみた鋭い爪が生えたものへと変わる。

「多分…て言うか絶対、お嬢達は怒ってるだろうよ。リトだって俺の顔なんてもう見たくもないかもしれない。…そんなこと言われなくても分かってる。許されなくたって、嫌われたって、屋敷を追い出されたって文句なんて何も言えないってことも…」

でも、と彼は続ける。琥珀色の双眸がジルを睨みつけた。

「自分が仕出かしたことの責任すら自分自身で取れないなんて、それこそ最悪過ぎるだろ。俺はリトを裏切ったことに対する罰なら、何だって甘んじて受けるつもりだ。例えそれが鎖つきの首輪をつけられて、二足歩行も人語も禁じられて、『返事はワンだろう?』とか『靴を舐めろこの駄犬が』とか罵られて、一生リトの犬であることを強いられたとしても!」

て言うかそのプレイはもはやご褒美でしかない。
そう熱く語るアブセルは、ふいに膝を折ると低い姿勢を取り、

「つーか、リトやセイちゃんさん達のこともなんだけど…、お嬢やヨノ姉のことまで知ってるようなその口調は何な訳?
あんたのその何でも見透かしてますよー、みたいな態度が何かすっげー癪に障るんだけどっ!」

言葉尻を上げるのと同時に地面を蹴り上げ、勢いのままジルへと飛びかかる。凶爪が空気を裂き、彼を狙って禍々しい光を煌めかせた。

736ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/02/21(火) 21:12:27
【黄昏の塔】

冷え切った夜気を切り裂き、飛翔する結晶の流れ星。
その後ろを追うのは熱波の火渦だ。

迫るそれらを黒獅子は一瞥し、咆哮を上げる。
咆哮は黒き波動となって流星と火渦を飲み込み、更にはヤツキとイスラへ迫って行く。

しかし、既に二人の姿はそこには無い。
左右に分かれた二人、黒獅子の左側へとヤツキは疾走。

黒獅子がその姿を視認したと同時に、ヤツキは刀を一閃。
振り上げた黒獅子の左前脚を神刀が斬り裂いた。

一瞬の間で距離を詰め斬撃を放ったヤツキへ、黒獅子は横殴りの一撃を放つも、ヤツキは後方へ跳躍し回避。
着地と同時に刀を床に突き刺し、その切っ先から結晶の波濤が生まれ、黒獅子へと向かって行く。

迫り来る波濤へ、黒獅子は再び咆哮を上げる。
闇の波動となったそれは結晶の波濤と激突し、互いに相殺。

砕け散り、舞い散る破片と闇の残滓の間を縫う様にヤツキは再度黒獅子へと疾走。
しかし、黒獅子は距離を詰められるのを嫌ってか、眉間に皺を寄せて唸った。

逆立つ鬣が揺らぎ、その動きが止まると同時に針弾となって射出。
横殴りの雨の如く撃ち出されるそれらは舞い散る破片や闇の残滓に着弾すると起爆し、瞬く間に周囲を爆炎で染め上げた。

(流石にコレは近付けないが……イスラ、今だ!)

ヤツキは咄嗟に結晶の壁を張り、周囲を染め上げる爆炎から身を守る。
挟撃と見せかけた一方的なヤツキの攻勢は、黒獅子の気を引く為のモノ。

速度と手数の裏手、本命はイスラによる大火力の一撃だ。
不意打ちとして叩き込めば、少なからずのダメージを与える事が出来るだろう。

737マゼンダ ◆wxoyo3TVQU:2017/02/26(日) 15:46:14
【森】

「DD!何やってるんだい!」

その場を動けずにいるDDの横に並び、金属刃が幾重にもつらなった扇子を掲げたマゼンダが叱咤する。

「奴を殺らないと私らが死ぬんだよ!足で纏いになるくらいなら失せな!あんたのせいで犬死にするのはごめんだよ!・・・ヴェント!」

そしてその片手間に地に置かれた槍を拾い上げ力任せに宙へ投げる。ヴェントはそれを掴み取ると同時にオリジンへと切り込んだ。


ヤツキ>>
【おっけー(๑•̀ω•́ฅ)

ヤツキの絵相変わらず勢いあって好き(*ˊૢᵕˋૢ*)】

738ジル ◆wxoyo3TVQU:2017/02/26(日) 16:25:55
【ポセイドン邸】

「へぇ・・・」

ジルの言葉はアブセルを刺激するには充分だった。しかし同時に紡いだ催眠は効かず、むしろ逆効果になってしまった様子。
作戦は失敗。致し方ないか。
切りかかって来たアブセルの鋭い爪をダガーで受け止めながら、ジルは興味深げにその変貌を眺める。

「獣?面白い風格をしているね。」

片手でアブセルの動きを阻止ししながら、自由の効く方の手で新たに取り出したナイフでアブセルの体躯を切りつける。当然アブセルは避けたが、距離を取るのが 目的であったため問題ない。

「その姿をリトは知っているの?バケモノだって罵られてるあの子より、よっぽど君の方が化物だ。・・・変態だしね。」

リトに家畜扱いを受け罵られたいなどと謎の性癖を暴露され、ふざけているのか本気なのか全くもって分からない。ジルは呆れた表情を浮かべながらチラリとユニを一瞥する。
黒獅子がユニを遠くへ連れて行ってしまった。しかし、あの距離であれば"当たらない"だろう。

「オーケー、仕方ないから君と遊んであげるよ。」

懐から取り出す小箱。それを開けたかと思えば数え切れぬ程の針が宙へ浮かび上がった。

「僕のお手製ハズレ無しのクジさ。一つ一つに痺れ薬や睡眠薬やその他もろもろ・・・色んな効能をもった薬が入ってる。どれが当たるかお楽しみ。」

無邪気な顔でニッコリと笑う。

「逝っちゃえ」

その言葉と共に針が一度にあらゆる方向からアブセルへ向かい放たれた。

「この数、全部避けられるかな?」

739リマ ◆wxoyo3TVQU:2017/02/26(日) 17:56:24
イスラ>>729
カッコ内の字www
大学1年の時に友達だった子が腐女子気味の子で面白いゲームがあるって教えてくれたんです。実際やったことはないですが(笑)

藍ちゃんはシャイニング早乙女の投資で作られたロボットなので、シャイニングの莫大な財産を知らしめる為にその設定が必要だったとか?←適当
藍ちゃんルートは感情を知らない子が人の心を学ぶ事をコンセプトとしているので生身の人間で人の心が分からないとかただのクズでしかないからロボット設定にしたんじゃないでしょうか←
ところで藍ちゃんってシャイニングが求める理想のアイドル像を具現化した姿なんですよね。
レイジが良いお兄ちゃんっぷりを発揮してますからね(*ˊૢᵕˋૢ*)10も違うから藍ちゃんが可愛くて仕方ないのでしょう。実際何かのCDで藍ちゃんに「もぅ!可愛いんだからぁ!」って言ったらしいです←藍ちゃんは藍ちゃんで何だかんだレイジに甘えてるから可愛くて可愛くて←

まぁカルナイライブ抽選券が入ってたので大量買いした人らが数しれずいたのも原因ですがね←
てか聞いてください。今度カルナイが二手に分かれてデュエソン出すらしいんですが、そのジャケ?の藍ちゃんが堪らなく可愛いんです。蘭丸パイセンの肩に肘置いてる奴です、是非検索してみてください← 何この勝気な笑顔、生意気で可愛い。あ、見てたら鼻血が・・・←←

藍ちゃんに常識を教えるのはレイジの役目・・・と思ったんですが、レイジはふざけ始めるのでダメですね。常識を教えるのなら蘭丸兄貴の役目でしょう。

疲労かぁ・・・ナディアって疲れるのかな←

ノワールはあれです。自分の容姿と魅力に絶対的な自信を持っているので、その自分を前にして全く靡かなかったセナのことが気に入らなくてムキになってるんです。しかもそんなセナの心を動かしたのがリマみたいなチンチクリンなので余計に自尊心が傷つけられて腹が立って仕方が無いのです。
そして自分、リマとセナのどちらがより相手を好きかを考えてみたのですが、セナはリマのためとあらば殺しだろうが何だろうが顔色一つ変えずにするでしょうし、たとえ突然変異してリマが男になったとしても動じないでしょうから勝負にならないと気づきました←

ナディアは翠です。髪は赤茶です。何か希望の色ありました?変更可ですよ←

どうでしょうwwwただ、ゲームだと動きがないからあんなギャグを醸し出せないかもしれない(;・∀・)

シンドバッドは味方な時も好きになれなかったので・・・←
どうでも良いだと・・・!?個人的に白龍は前髪アシンメトリーの時の方がカッコよかったのに真ん中分けに戻っちゃって残念です。
マギのキャラって実際成長するから凄いですよね(笑)


続きも楽しみに待ってます(*ˊૢᵕˋૢ*)
なるほど!たしかに爺さんになってもあの性格だと嫌ですね(笑)

740フィア ◆.q9WieYUok:2017/03/02(木) 00:32:33
「いやー、間に合って良かったよ。」

741ジーナ ◆.q9WieYUok:2017/03/02(木) 00:34:09
「いやー、間に合って良かったよ。」

そして、焦りを見せない声と共に姿を現したのは、十三人の長老が一人。
異端の長老、ジーナだった。
爆砕し、焼失し、それでも尚、ごく当たり前かの様に蘇るオリジンの姿から目を離さずに、ジーナは長老達へ声を掛ける。

「ホントは出て来るつもりじゃなかったんだけど、状況が変わってね。
ここは僕が……いや、私がヤる。

皆は障壁を張って、防御姿勢を!」

そう言うや否や、ジーナは今まで見せなかった力を全開に。
オリジンが放つ蛇鎖の群れを空間ごと圧縮し、粉砕。
続いて放たれた重力波の渦を、手にする魔導書の背表紙で受け止め、その場で360度水平回転。
重力波をそっくりそのままオリジンへと返し、その姿がフェードアウト。

「……!!」

迫る重力波の渦へオリジンは手を翳し、術式が発動。
純白の翼がその背から伸び、羽ばたくと同時に舞い散る羽が龍となって渦を飲み込んだ。
そして、ジーナの姿を探すオリジンの背後。
姿を現したジーナは抜き手を放ち、オリジンの胸元を貫く。

口腔から溢れる赤に肌を染め、オリジンは目を見開いた。
だが、動きを止めたのは僅か一瞬。
背後から胸元を貫くジーナの腕を掴み、爪を食い込ませてジーナへの侵蝕を試みるが、ジーナの狙い目はソコだった。
抜き手とは逆、空いた左手が魔導書を……“原典”を開く。

開かれた“原典”はその殆どの項を術式符へ姿を変え、オリジンへと殺到。
少女の様な、少年の様な姿を埋め尽くさんとばかりに舞い、貼り付いていく。
そして、その小柄な身体が術式符で埋め尽くされたと同時に、術式が発動。
広がる術式印が極彩色に輝き、色鮮やかな蛇鎖がオリジンを縛り上げた。

更に、呼吸すら封じられたオリジンを、開かれた虚空が呑み込み、その姿は消える。

「……ふぅ、思ったより早く終わったね。
一応は私の術式で封じ込めたけど、力の大半を使っての封印だから、私は暫く動けない。」

殆ど背表紙だけになった魔導書を閉じ、ジーナは大きく息を吐く。
赫々と輝いていた瞳も今は暗く、その表情からは疲労が見て取れた。

「さ、後はちょろちょろっと説明と指示を。
今、この十字世界と表裏一体の表側、現世が黄龍とその他諸々によって滅びかけてるの。

表側が滅びれば、当然裏側も同じ。
そして、表側を救うにはノワールや闇の王子の力が必要。

なので、ノワールと闇の王子には表側を救う方に回って貰います。
その間、裏側の長老達は各自修練とオリジンを倒す策を。

勿論、オリジンを倒すかどうにかするにもノワールと闇の王子が必要なので、表側を救った後には裏側へ戻ってもらって……
その間、オリジンは私が封じ込めておくので。」

以上かな?と、ジーナは一度言葉を切り、長老達の返事を待った。

742フィア ◆.q9WieYUok:2017/03/02(木) 00:37:24
【森】

この期に及んで未だ迷うか。
躊躇いを見せ、動きを止めたDDへとフィアは思いっ切り舌を打つ。
戦闘態勢を取るマゼンダと斬り込むヴェント。
二人のコンビネーションは流石だが、時既に遅し。

僅かな一瞬、DDが見せた一瞬の迷いが致命的な“間”となって、長老達へ襲い掛かる。
フィアの絶対零度を圧倒的な熱量で相殺し、揺らめく大気を斬り裂くヴェントの一撃を指先で受け止め、オリジンは幼い顔を笑みを浮かべた。
無機質な笑みとその瞳は長老達を睥睨し、その足元からは夥しいまでの蛇群が這いずり、長老達を束縛していく。
それはこの世界には存在しない術式の一つであり、如何に長老達であっても破る事の出来ない縛鎖。

ギリギリとその身を縛り上げる蛇鎖から逃れる様にフィアは身を捩るも、抜け出せる気配は無い。
その身に宿す絶対零度も、吸血鬼としての剛力と空間転移能力も発現せず、フィアは顔を歪めた。
見慣れない所かこの世界に存在しないその術式は、長老達の力を封じ込め、吸収していく。
脈打つ蛇鎖がそれを如実に現しており、オリジンは笑みを深くする。

だが、不意にその笑みが物理的に割れ、オリジンの頭部が爆砕。
続く小柄な身体が燃え上がり、足元から伸びる蛇鎖も焼失していく。

743 ◆.q9WieYUok:2017/03/02(木) 00:39:14
くおお投稿ミスった、レス前後してます申し訳ねぇ

744イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/03/12(日) 22:29:41
【黄昏の塔】

熾烈を極める攻防戦を横目に、イスラは燃ゆる翼をはためかせ上空へ上がる。
不思議なことに、言葉を口にせずともお互いがお互いの役割を自然と心得ているようだった。

塔の最上階よりも更に上。下の様子が手に取るように分かる距離まで来ると、イスラは眼下を見下ろし、黒獅子と相対するヤツキの姿を瞳に映した。
久しぶりに見る彼の剣筋は嘗ての頃と一切の遜色なく輝きを放っている。いや、むしろそれ以上のものか。
状況が状況である為、ゆっくり観賞できないのが残念だ。…などと、こんな時にもそのような考えを巡らせていることが仲間達に知れたら「剣術バカ」と呆れられるかもしれない。

沸き上がる感慨も程ほどに、白い息と共に雑念の全てを吐き出し、イスラは一撃に集中する。
額に日輪の印が浮かび上がるのと同時に、刀に宿る力の全てを解放。神刀の目覚めに呼応するように大気が打ち震え、刀身は神々しいまでの輝きに包まれた。

直後、イスラは勢い良く翼を打つ。落下とも下降ともつかない体で一気に中空を疾走する様は隕石の如く。
巻き起こる爆炎ごと、空気も音も斬り裂いて、燃やし尽くして、黒獅子の首筋へ最大火力の一撃をお見舞いした。

「―その首、貰い受けるっ‼」

745アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/03/12(日) 22:31:08
【ポセイドン邸】

「変態は余計だっつぅんだよッ!」

ジルの挑発にアブセルは声を荒げて反論する。
その性格故か、相手の売り言葉に逐一黙っていることの出来ない彼にとって、ジルはある意味で最も相性の悪い相手だといえるだろう。
しかもそれが正鵠を射たものともなれば尚更だ。

しかし実のところ、ジルに化物だとか変態だとか言われても痛いところは何もないのだ。ただそれが"リト"になると話は変わる。
この姿のことを、もちろんリトは知らないだろう。アブセル自身、これはつい先日深淵に潜った際に会得したばかりの力なのだから。

半魔化…または憑依召喚は彼の血族に受け継がれる御家芸の様なものなのだが、アブセルはこれが好きではなかった。
理由ははっきりとしている。そう、化物みたいだから。魔獣を使役するのでさえ抵抗があるのに、あろうことかそれと融合し己自身を魔と変えるなんて化物以外の何者でもない。
よって、祖父が闇の扱い方を教えると言うその都度、アブセルはそれから逃げてきた。リトを苦しめる闇の力になんか頼りたくない、と言う其の実、こんな姿を見せれば彼や彼の姉達に嫌われてしまうかもしれないという怖れがあった。

だがそれも以前までの話だ。ここ最近の騒動でリトを今のような状態にしてしまったのは、そういったことを含めた自分の弱さが原因だったと後悔し、彼を護る為なら己が持ち得る力は何だって使うと、心に決めたばかりだったのだ。…が、不意打ち気味に指摘されるとやはり何かしら堪えるものがある。

心の乱れは動揺を生み、動揺は隙をつくる。
一瞬だが全方位から襲い来る飛来物に対応するのが遅れてしまった。そしてこのような状況下では、その一瞬が命取りになるのはざらである。

身につけているシャツと下穿きの隙間から化物の片鱗が新たに顔を覗かせる。白い毛皮に被われた長い尾が勢い良くしなり、風圧で周囲の針を一掃する。
尾で落としきれない分は身を低くして潜り抜けるように躱すが、始め躊躇したのが原因か、足や肩に数本針が刺さってしまった。
だが―…

「――こんなもんが俺に効くかよっ!」

アブセルはそんなものお構い無しとばかりに、ジルに肉薄し彼の脇腹に回し蹴りを放つ。
半魔化し毒物の類いが効く難くはなっているのは確かだ。だが完全ではない。

「………っ」

蹴りの直後、体勢を直すことも儘ならず、そのまま崩れるように床に膝を付いてしまった。

746ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/03/24(金) 18:53:55
【黄昏の塔】

好敵手として刃を交えたからこそわかる、その強さ。
口にせずとも伝わる意図に頷くヤツキは、自身の連撃から続くイスラの会心の一撃に拳を強く握った。

彗星の如く夜闇を、空を切り裂き。
連続する爆発ごと全てを吹き飛ばす一刀。

その威力は凄まじく、結晶障壁が砕け散る程。
拳を握った手を顔に翳し、ヤツキは噴煙が止むのを待つ。

そして、噴煙を吹き飛ばす咆哮に僅かに顔をしかめた。

(……あれ程の一撃でも倒せないだと!?)

翳した手を下ろし、構えた神刀の切っ先。
頭部損傷、右半身消失、瀕死どころか即死してもおかしくないダメージを受けながらもその動きを止めない黒獅子の姿があった。

咆哮を上げるその姿は、後方に浮かぶ恒星の女神から供給される闇の力によって、秒刻みで再生している。
そう、ここは闇の巣に聳え立つ黄昏の塔。

闇を操る者にとっては、無尽蔵に力を奮える場所なのだ。
女神から黒獅子へ、逆もまた然り。

「どうやらニ体同時に倒さないといけないらしいな……」

しかめたい顔を、目元を歪めてヤツキは黒獅子を睨んだ。
だが、睨むだけで動きはしない。

否、動けない。
イスラと同時に全力の一撃を放てば、どちらか片方は確実に倒せるだろう。

しかし、片方を倒した所でもう片方が再生、蘇生させるのは目に見えている。
ならばどうするか……考える暇は、ない。

足元に落ちる影、それは瞬く間に広がり、破砕音と共に瓦礫の飛礫が舞う。
一拍前まで自分が立っていた場所には、飛びかかって来た黒獅子の姿。

後方へ跳び、着地と同時にヤツキは疾走。
抜きはなった刃と、黒獅子の爪牙が幾度とぶつかり合い、闇と結晶が戦いを彩る。

考える暇は無い、しかし考えなければならない。
矛盾を刃に乗せ、閃光が瞬く。

ヤツキの背から伸びる結晶の翼が羽ばたき、黒獅子が巻き起こす闇の大渦を相殺。
彗星の如く舞い降りる剣士の一閃が黒獅子の半身を斬り捨て、同時に放たれた黒獅子の豪腕が剣士を捉えた。

747ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/03/24(金) 18:55:10
ーーーー

全く、当主が行方をくらましたおかげで一族は衰退、盛り返す為に上層部が手を出したのは制御しきれない“闇の悪神”
アンタ……いや、テメェのせいで一族は滅茶苦茶、俺の息子も弄くりまわされた。

まぁ、今となっちゃあ過去の事だがな。
あぁ?謝るのは許さねェ。

テメェは諦めたが、俺は諦めねェ。
一族最後の当主として、きっかり責任持って一族を滅ぼしてやんよ。

今更話す事もねぇしな、だが、これだけは渡しておく。
俺はもう会えねェが、アンタは“塔”で必ず出会う筈だ。

その時、渡してやってくれ。
そんで一族を捨てた事はチャラにしてやるよ。

頼むぜ、逃げ出したとは言え、アンタは未だ歴代最強の当主として謳われてるんだからよ。

ーーーー

振り抜かれた豪腕の一撃は、見に纏った結晶の鎧を薄氷の如く、薄紙の如く砕き、引き裂いた。
渾身の一刀に対するカウンター、互いに防御を省みないソレは致命傷をもたらす。

しかし、無尽蔵に闇が溢れるこの場所では、黒獅子への生半可な攻撃は意味を成さない。
すぐさま回復し、再生するその様に対して、ヤツキは無様に吹き飛び、転がっていた。

辛うじて受け身を取るものの、左脇腹は大きく抉れ、肋骨の数本は身体を内側から突き破ってその白さを露わにしていた。
刀を支えに立ち上がるも、足元には朱が広がる。

傷口を結晶が被い、塞いで行くもあくまでも応急処置。
たったの一撃、されど一撃は重い。

(啖呵を切ったが、これじゃあ様にならないな……)

血溜まりに目を落とし、ヤツキは小さく息を吐く。
思い出すのは弥都で会った男の言葉。

彼に託されたのは、“二本”の神刀。
手にする月読とは別、腰に刺さるもう一本のソレを、ヤツキは片手で抜き放った。

「神刀“火之迦具土神”
迦具とは輝くの意、即ち輝く火の神が封じられし神器。

あの男……今世の当主は言っていた。
二本の神刀が重なりし時、叢雲の剣が生まれると。
だが、本来ならば天照と月読が重なる事で生まれる剣。

ならば、 神刀火之迦具土神の存在意義は……神器となった月読と、神魂となった天照が重なり合う為の依代。

神器と神魂ではなく、神器と神器。
俺が今から生み出すのは、叢雲の剣ではない。」

小さな呼吸は心身を落ち着かせる為。
抜きはなった二本の神刀を、ヤツキはゆっくりと重なり合わせる。

「出でよ、神刀。
荒々しく雄々しき嵐の神刀、“凄王”!!」

748ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/03/24(金) 18:57:11

「出でよ、“凄王(スサノオ)”!!」

重なり合う二本の神刀は共鳴し、共振し、光が溢れ出す。
眩い光は夜の闇を、溢れ出る闇を切り裂き、その周囲を青白く染めた。

そして、光がその明るさを絞ると同時に。
新たに生まれた神刀を手に、ヤツキは猛々しく声を上げた。

その声は大気を震わせ、闇を相殺し、塔をも揺らす。
蒼を基調にしたトリコロールに蒼碧の宝玉が鍔元を飾る神刀は、絶え間なく振動し、それによって発生する結晶の波動がヤツキを包んでいる。

「仕切り直しだ……行くぞ!!」

言葉尻は後方へ置き去りに。
煌めく光の尾を引き、飛び出す姿は彗星の如く。

黒獅子が放つ闇の大渦へと真っ向から衝突し、蒼白の光が大渦を斬り裂いた。
裂け目からは結晶が噴出。

闇渦を抜けたヤツキは、これは危険とばかりに後退する黒獅子に肉薄し、勢いそのままに刺突を繰り出す。
神刀が宿す燐光が、身を捩って回避しようとする黒獅子の左半身を消し飛ばし、続く結晶の刃嵐が、残る半身を斬り刻んだ。

更に、すぐさま再生し回復する黒獅子へとヤツキは攻撃を畳み掛ける。
神刀が煌めく度に、生まれる結晶刃嵐と蒼白の奔流。

一撃一撃はイスラの全力に及ばないが、連撃となれば話は別。
再生し、回復するよりも迅く。

荒ぶる蒼白の神刀が、黒獅子を肉片一つ残さず、この世から消滅させた。

749DD ◆Hbcmdmj4dM:2017/03/30(木) 21:34:37
【森】

オリジンの脅威はジーナの手によって辛くも防がれた。
そのことに安堵の息を吐くも、しかし、彼の表情は晴れない。

「ありがとう、ジーナ。アナタが来てくれなかったらどうなっていたか…」

先程の自分は明らかに皆の足手まといだった。
オリジンに手を下すのを躊躇したばかりに、仲間達を危険に晒してしまった。
その事実に、DDは自分自身への嫌悪感と罪悪感で胸が一杯になる。

「ごめんなさい、皆。アタシ…次までには確り気持ちを固めてくるわ」

言って、DDは一同に背を向けると、ふらふらと頼りない足取りでその場を後にした。



リマ>
ああ、なるほど。心のない人形やロボットが徐々に成長していく話って何か良いですよね^^
てかレイジと十歳もはなれてるのか…!歳の離れた兄弟みたいですね

マジか…(゜ロ゜;自分にはとても真似できない(笑)金銭的にも情熱的にもw
鼻血ww検索してみました、確かに可愛い(笑)でもそれよりカミュ…だっけ?の色気にときめきました(笑)

疲れないとか、どんだけ超人なのナディアww

あー、ノワールっぽいですねぇ(笑)超かわいい⬅圧倒的かわいい⬅
てかセナの愛が深すぎて凄い(笑)性別変わったら流石に気にしようよw

いえ、そういう訳じゃないですwただイラストで髪色とか分からない場合、いつも適当に塗っちゃてるのでごめんなさい、的な(笑)

確かにwwリマさんゲームの方はしないんですか?

シンさんもシンさんで色々頑張ってるじゃないw
ああ…、何か白龍ダサくなったな、とか思ってたら、そうか髪型が変わってたのか⬅
子供ぽこぽこ産んでますしね(笑)

750イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/03/30(木) 22:20:04

【レイシーとじじいの過去話考えるに当たって、何かこの世界の設定的なものも自分なりに考えてみたので、ちょっと聞いてもらっても良いですか?⬅

なにぶん世界の意志(黄龍、ユニ)がお二人のキャラなので、勝手に考えるのは不味いかな〜とか思いつつ…止まらんかったよね!⬅
まぁただの一案なので、不都合があるようなら言ってください^^


まず、この世界を構成する核が二つあります(核の中に宿っている意志が黄龍とユニ)
ある時その内の一つが何者かによって破壊されるんですが…

【応龍さんの場合】

核の一つが破壊されたことで、惑星のセキュリティシステム的な役割の闇が世界に溢れ出す。

闇と神々の戦争が勃発。
まだ顕在の頃の四神が闇を封印する。

しかし闇の大元である核も一緒に封じられ、惑星のマナを作り出す機能が完全に停止する(マナはマギで言うところのルフみたいなものです。多分)

ただ惑星自体のシステム(エネルギー循環、生命の創造、各生態系の維持など)は起動したままなので、マナの供給を失った星は、一方的に生命力を削られることになる。

生命は星の意志とは外れたところを一人歩きすることになり、混沌の時代が訪れる。星はゆっくりとだが、確実に弱っていく。

セナ達の時代、黄昏の塔での一波瀾で、やっと黄龍さん封印から解放される。

結論「っべーわ、一度世界を壊して、システム組み直して作り直さないと、マジべーわ」⬅今ここ



【ユニさんの場合】破壊された方の核

依り代である核を破壊されたことで、そこに宿る星の意志も消滅の危機に瀕する。
その前に適正のある人間(黄昏の花嫁)の中に宿って、一先ずそれを依り代とする。

闇で荒んでしまった世界を正しい方向へ導くため人々に尽くす。が、裏切られて散々な目に合う。
器自体は人間なので寿命は短い。輪廻転生を繰り返す度に多くの悪意に触れ、人間に絶望する。

黄昏の花嫁であるレイシーに宿る。(ユニ、ふて寝中)なんやかんやあって中身だけバロンの手に渡る。

ユニ(絶賛、記憶喪失)今の肉体はバロンが造ったホムンクルスみたいなものだと思う。
現在の黄昏の花嫁、フェミル(ユニの核になる存在、ユニの辛い記憶は多分ここにある)



…みたいなことを勝手に考えてたんですが…どうですかね?(´ω`;)
頭の悪そうな説明ですみません;

レイシーの過去話でやりたいのは、ユニの過去やバロンの手に渡るまでの話です。
あ、初めの方で惑星の核破壊したのは多分、バロン…かなあ?

もちろん、「その設定はちょっと困るわ〜」とかあったら正直に言ってもらって構わないので!
もし二人が考えている今後のネタとかに支障をきたすようなら不味ですし…、独り善がりの考えなので、とりま意見交換お願いします^^】

751ジル:2017/04/02(日) 22:00:18
【ポセイドン邸】

「痛いなぁ・・・」

蹴りを受けた腹を抑え、ジルはアブセルを睨む。が、彼の目に入ったのは膝を付き動かなくなったアブセルの姿だった。
毒針を受けてもなお動くことに驚いたが、毒針は着実にアブセルの身を蝕んでいたようだ。

「よかった、バケモノでも人間と同じ毒にやられるんだね。」

言いながらふと視線を後方へ向ける。逃げ出さないようにか、未だアブセルの式神に加えられたままのユニは諦めたようにその場に留まっている。

「・・・」

式神はアブセルの氣で動いているはずで、つまりは主である彼の息の根を止めれば、自ずとユニも手に入る。

「早くカタを付けよう」

ジルの周りの空気が固まり、大きな刃の形を模す。
標的は暫く動けない。狙いを定めるのは簡単だ。

"意味を成さない妬みなんて持ってないでさ、君がこの子を護ってあげなよ。"

遠き日に一度きり出会っただけの少年の言葉など、アブセルは覚えてはいないだろう。
しかしその言葉はアブセルの心を少なからず動かしたようだ。くだらない嫉妬心から奉公先の子の身を危険に晒したあの時の少年は、今はその子を必死に護ろうとしている。

こんな形で再会などしたくなかった。

「ごめんね」

具現化した刃がアブセルへ勢いよく放たれた。

しかし、

「!!」

真っ直ぐに放たれた刃は寸での所でアブセルから狙いをはずしあらぬ方向で爆ぜた。
アブセルの方へ駆け寄る人物の姿が目に入り、驚いたジルが瞬時に方向を変えたのだ。

「何・・・してるの?」

ジルが気付かなければ刃は彼女諸共貫いていたはずで。
ジルは普段の彼から検討も付かぬ苛立ちをその顔に浮かべた。

「危ないじゃないか、ヨノ。」

アブセルとジルの間に立ったヨノは負けじとジルを睨みつける。
彼女は葬儀場にいたはず・・・騒ぎを聞きつけやって来たにしろ、この中に割って入るのは無謀過ぎる。

「死にたいの?」

「ジル・・・、貴方こそ何をやってるの?」

何をやっているのか、それは一目瞭然だろう。
両者は睨み合ったまま暫し時が止まった。

「アブセルちゃん」

先に動いたのはヨノのほうだった。あろう事かヨノはこの状況下でジルへ背を向けて、アブセルの身を案じたのだ。

「大丈夫?」

そこはポセイドンの血筋なのか。毒にやられてると察した彼女はアブセルへ治癒を施そうと手を伸ばす。
しかしそれは叶わなかった。

「!?」

ヨノの周りを風が舞い、ふわりと彼女の身を持ち上げたのだ。

「邪魔しないで」

ヨノはもがいて抵抗を謀るが、彼女が動くとより風は彼女を強く拘束する。風はそのまま彼女を攫い、近くの壁に縫い付けた。

「ジル!これ嫌・・・放して!」

ヨノは訴えるがジルは聞き入れない。
彼女が現れてからというもの、明らかにジルの様子がおかしい。
彼は明らかに苛立った様子で無理作った笑顔をアブセルへ向けた。

「命拾いして良かったね。」

752ヴェント、マゼンダ:2017/04/02(日) 23:05:14
【森】

ジーナが話を進めるにつれヴェントは人知れず眉を潜めていく。その気配を察したマゼンダは「ヤバイな」とふと思う。

「・・・ノワールは今、闇の王子と一緒なのか?」

やはり彼が気にしたのはそこか。

「落ち着きな、ヴェント。」

「そいつはノワールを孕ませた相手だろう?」

違う、と否定したかったが、ヴェントの言葉を受け悪戯な笑みを浮かべたジーナを見て、マゼンダはまさしくその相手であることを悟る。しかしヴェントに知られては面倒だ。

「何言ってるんだ馬鹿。ノワールがあっちの世界に行って一体何百年経ってると思ってるんだい?あの時の王子はとっくに逝っちまってるよ。ジーナが言ってるのは力を受け継いだ子孫の事だろう。」

「別に女を作ったと?」

「あーもう、ノワールの事になると面倒だね。ノワールとそいつはクールな関係なのさ。目的は二つの異種なる力を継ぐ子供を作ること。そこには何の感情もないんだよ。」

とにかく、今はジーナの言うと通り各々力を養うしかない。
余計なことは考えるなとヴェントを叱咤しながら、マゼンダは彼を引っ張るようにして部屋を出ていった。

753ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/03(月) 00:47:22
設定と過去話練ってくれてありがとっす!

とと、実は一応イオリ辺りにちょろちょろ喋らせてた世界の根幹設定がありまして……
長くなりますが、イスラさんの案を取り込んで更に設定加えつつ説明しまっす!

前提として、元々この世界自体が欠陥品なんです。
とある世界AのコピーA”が破壊、再構築されたのがa”(この世界)

欠陥部分を埋めてa”をA”にする(出来る)因子を保有するのは、現世四神組+メイヤ+アブセル+リト+ノワール+ジル

理由としては、現世四神組+リト=100年前に開かれた“闇”(世界Aから来た闇を含んでいる)に触れた前四神組の血縁者であるから。
アブセル=その場にいたジュノスの血縁者
メイヤ+ノワール=Aに生きる人物の血縁者

世界Aに生きる(生きていた)人物、Aから来た人物=ルイ+ジーナ+Mr.K
A”を作った者=シン(雷使い)=新雷寺の始祖

因子が濃いのはリト(ルイの加護)ノワール(ジーナの血縁)メイヤ(新雷寺の者)

てな具合で、ジルもまたポセイドンと闇の王子の家系(やんね!?)なので因子持ちと。

二つの核=陰(ゼロ)陽(ユニ)は実は欠陥品の為に完全に機能しない、いつかはシステムエラーを起こす。
バロンが核を壊した=実はシステムエラーが発生しており、壊れた様に見えた。

核と同等の存在物質=魔玉
核に成り得る存在=ジル(核であるゼロが姿を模した故に、ゼロをジルと誤認識する)

とかどうでしょう?自分としては世界は欠陥品で、元々あった世界のコピーの……を前提条件として置いてくれれば因子云々後はお任せで良いかな、と思ってます。

754リマ:2017/04/03(月) 00:50:40
イスラ>>
【しかも藍ちゃんには出生の秘密があるもんだから、心が芽生えたが故に自分の運命に苦しむことになって、嶺二の優しさも信じられなくなって、兎に角涙無しにはプレイ出来ないそうです。
因みに自分、藍ちゃんの歌も中の人の歌も買い漁ってますがただ一つ、藍ちゃんの歌のwinterblossomだけはどうしても聞けないんです。藍ちゃんの遺言書みたいなものなので、聞いてるうちに悲しくなってマジで涙が込み上げて来て最後まで聞けてないんです。結末は知ってるんで藍ちゃんは無事ってことも分かってるんですけどどうしても聞けないんです。(大事なことなので3回も言いました)

まさにそんな感じですね、ダメダメな兄貴としっかり者の弟。弟はいつも兄貴の世話をやいちゃう苦労人だけど、それでも困った時には真っ先に頼っちゃう。可愛い←
ついでに他三人皆成人してる中で1人だけ15歳混ざってるの最高に可愛くないですか←成人に混ざって意味を理解してるのかしてないのかエロい歌詞歌ってるのめちゃくちゃ可愛くないですか←
15歳のいたいけな少年に「跪きなよ」とか歌わせる事務所最高に変態じゃないですか←

自分も同じもの何枚も要らないので買う気はしないです。しかし、この前久しぶりにあった友人にそのライブてっきり行ったかと思ったと言われて、え?ってなりましたwww
え、まさかのカミュwwwまぁあのジャケのカミュが何気にイケメンなのは認めますが・・・自分の中のカミュはお笑い担当なので← やっぱり藍ちゃんが可愛くて一等賞です←

きっとナディアは適当に手を抜いて生きてるから疲れないんです(笑)
てか話逸れますが、ナディアの初恋の相手はトーマと言うどうでもいい設定思いつきました←

圧倒的可愛いとかwwwイスラさんどんだけノワール好きなんですか(笑)
セナは色々無頓着なので←リマを女として好きというより、多分「リマ」が好きなんだと思います(笑)

ゲームはハルカと恋愛させなきゃいけないので・・・←

えーでもやっぱヤダ←
髪型って重要ですね←←
何処かでストックしてくれないとオッサンになっちゃう←


イスラさんの設定の説明が面白すぎて(笑)
自分は大賛成です!その設定のおかげでキャラ達に新たな設定が浮かびそうです(*´罒`*)
ただ、核を破壊したのがバロンとか、今自分の中でバロンが悪いヤツになってる・・・(笑)そしてユニの体がバロン作と知って、あの乳はバロンの趣味なのかと面白くなってます(笑)

何はともあれそんな大規模な設定思いつくイスラさんすごい←】

755リマ:2017/04/03(月) 02:38:04
おお・・・!ヤツキの案でさらに壮大な設定が・・・!!

うんとね、ジルは四神側の血縁ではないんだけど、黄昏の花嫁の血縁ではあるよー。
もともと黄昏の花嫁はレイシーだったってイスラさんの話聞いて思いついたんだけど、歴代の黄昏の花嫁をね、レイシー→ミレリア(リト母)→フェミルにしようかなって。
黄昏の花嫁は純潔な少女である。神の花嫁とされることから、人間の男と婚姻することは許されない→レイシーは爺と関係を持ったことで資格がなくなった→レイシーの血筋であるミレリアが次の器に。しかしミレリアに恋をしたトーマ(ジル父)が彼女を手に入れたいが為に何らかの方法でミレリアから花嫁の資格を奪った(方法は未定)。その際に黄昏の花嫁を生み出す血筋がトーマ側へ移る→フェミル誕生。素質申し分なく、黄昏の花嫁へ。

黄昏の花嫁も世界構築の因子だから、ジルも因子であることに代わりはないのかな?

取り敢えず二人の設定は大賛成です!自分全然思いつかないんで本当すごいなって尊敬しちゃいました(/ω\*)
またまたイメージが膨らみそうです(๑•̀ω•́ฅ)

756ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/03(月) 21:23:45
ジルさんリトナディアの異母(異父)兄弟かはとこ従兄弟辺りだと思ってた、申し訳ないorz
ジルも因子持ち(レミリアが持っていた花嫁の力と一緒に因子も移動した)で良いかな?
因子云々okでたらだけど……

後A”を作った人物=シンは間違いで←
A”を作った人物はa”にてシンライジと名乗った(由来は件の人物のライバル、雷使いのシンと言う人物から)

本編アブセルvsジルが熱かった、是非ともリト+アブセルコンビvsジルも見たいっす←

あ、取り敢えず前下書きした分一応完成したんで投下!
デジタルむずすぎぃ!
imepic.jp/uploaded/20170403/763520/8Frv

757イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/04(火) 01:25:43
二人ともありがとうございます!(^ω^)お二人のおかげでイメージが固まってきました!

なるなる、了解です。
どのみちシステムエラー発生するんなら、バロンが手を出す必要もないかなぁ

ちょっと仮定の話として聞くんですが…
もしバロンが悪役になった場合(この世界を自分の都合の良いように作り替えたいが為、邪魔な黄龍を始末しようと四神組を誘導)、何か不都合とかあります?

いや別段、悪役にしたい。って訳でもないんですが。こういう流れも有りかなーって思い付いたので確認程度に…。

あと黄龍自身は、この世界がコピーの欠陥品であることとか、欠陥部分を埋める為の因子のこととか…は知ってて動いてる感じですかね?


リマ>
そうなのん?そんなこと言われたら、その歌ちょっと聞きたくなるじゃないですか(笑)

まぁ他が成人してる中一人だけ若い子いたら、可愛がりたくなる気持ちも何となく分かりますね
最高に変態ww何を言っているんだ君はww

あれ?リマさんライブ行かなかったの?⬅
え、あの人お笑い担当なんだ?(笑)

(оωо;)マジか、自分の父親と同い年の人を好きになるなんて……、いい!ですね!歳の離れた恋愛好きですよ!⬅

だって、プライド高い子が残念な扱い受けてて、結果としてアホの子みたいに見えるんですよ?ノワール最高じゃないですか⬅
ああ、何か納得(笑)

あれ?そう捉えちゃうの?(笑)
ギャルゲとか乙女ゲーって普通、主人公を自分の分身として見て、疑似恋愛を楽しむものじゃないっけ?(笑)

良かった、賛成してもらえて安心しました^^
バロンは場合によっては悪い人になるかも…
乳に関しては妥協しない男、バロン⬅


ヤツキ>おおぉ!すごい!流石の勢いです、格好いい!
てか今回はデジタルなんですね、次回もお待ちしてますよ^^⬅

758ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/04(火) 13:58:29
イスラ》黄龍は気付いて無いパターンで、死に際とかに「そうか、元より壊れていたのだな…」と言った風な最後を考えてました。
が、闇落ち(?)バロンに真実を突き付けられて絶望とかも面白そうです←

今の所欠陥品云々を知るのはイオリのみで、シデンさんも戦闘中に会話して知るかも?(寧ろもう話した気もする)

悪役バロンの件は俺は良いと思います、終盤でのドンデン返しとか面白そうかと!

いやー、アナログ最強っすわ、タブレットじゃ絵描いてる感覚になれないorz

759ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/04(火) 14:07:53
あ、欠陥品云々因子云々はジーナとルイも知ってる(設定的に)ので、ルイ経由でリトやナディア辺りも知るかも……?で!
この辺はリマさんに任せます。

欠陥品云々の尤もたる所は、四神(本来ならば青龍朱雀白虎玄武)がトールフレイヤポセイドンアマテラス……となっている、で。
この辺も上手く話に使えたらなーとかとか!

760リマ:2017/04/04(火) 21:10:26
ヤツキ>>
いやいや、関係者が身近にいすぎてこんがらがるのも仕方ない(笑)むしろややこしくてごめん(;・∀・)


おお!やっぱヤツキの絵は勢いがあってカッコイイ(*゚∀゚)
デジタルデビューしたんですね!
自分最近書いてないなぁ(;´д`)

おお、ルイは知ってるんだね(*゚∀゚)
じゃあうまいことリトにチクっちゃお←


イスラ>>
凄く綺麗な歌ではありますよ。ただ、「僕は君の中で生き続ける」とかもう泣くしかない←

でしょでしょ?他のメンバーも何だかんだ藍ちゃんのこと可愛がってると信じてます←
いや、変態じゃないですか?いたいけな可愛い美少年に跪きなよって、罵られたい下心の現れじゃないですか?あわよくばそのまま踏まれたいとか←
しかもそれまで楽曲はネット配信のみで顔も公表していなかった謎の天使もとい純情派アイドルを公式の場に初お披露目していきなり跪きなよって←もう跪くしかないじゃないですかや←

行かなかったですよ!wwwチケット当てなきゃいかないし。
ただ、DVDは買おうかなぁって思ってます。

だってあの人初登場でステッキから氷出して地面凍らせたかと思ったらそのままそこをスケートしだしたんですよ←

いいんだ(笑)
なのでナディアは始めから実らない恋なので一生独身なんです←

あーなるほど、たしかにそう言われると可愛そうで可愛いかもしれない(笑)

納得しちゃうんだ(笑)
ただなんでそんなにリマが好かなのか生みの親である自分が分からないんですよね←

さすがバロン、エロ男の鑑←
自分バロンはあのぬいぐるみのイメージしかないんで、例え敵になっても一蹴りで勝てる気がしてならない(笑)←

てか核はユニの体にあってもとの記憶はフェミルにあると考えると、もとはその二人は一つってのことで、そうなると最終的にユニの意思はフェミルに還るの?ってふと思って、つーことはユニであったころのリトへの想いはフェミルに引き継がれるわけだけど、あくまで心はフェミルであってユニでないし、だけど人格はユニになってるからフェミルでもないし・・・って訳わからないこと考えて頭パンクさせました。←
あくまでフェミルとユニは別人という事にします。
ただ実際黄龍だかバロンだかがフェミルとユニを一つにしようとして一悶着あっても面白いかも←

761イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/05(水) 10:50:52
ヤツキ>
そのパティーンか…、了解です。黄龍さんめっちゃ可哀想ですね…

そういえば会話したような…、後で確認してきます(笑)あ、シデンのレスはヤツキ達の戦闘が終わった後にでもしますので、すみません;
あと、次のイスラのレスは恒星の女神をボコる感じのレスで良いんですかね?⬅

ありがとうございます^^バロンついてはまた考えてみます

そうかぁ(笑)まぁ人それぞれですよね、自分はもうデジタルじゃないとイラスト描ける気がしません(笑)


リマ>
自分も頭こんがらがってきた(笑)まぁ記憶云々の話はただ、こうしたら面白いかも。位のノリで考えただけなので、リマさんのお好きなようにしちゃって下さい^^

てかリマさんの「黄昏の花嫁は純潔を失えば力も失う」って話で思い付いたのですが…

爺はレイシーの花嫁の資格を無くす為に、レイシーの純潔を奪った、ってことにすれば良いんじゃね、とか思いました(笑)

取り合えず過去話の魔物騒ぎは、シデンが花嫁の資格ある者を探して起こした感じで。それに勘づいたポセイドンや政府やらも資格を持った人間を捜し始める。

このままじゃいつレイシーの素性がバレて、連れていかれるのも時間の問題と思ったレイシー父は、爺に彼女との共寝を頼む。

レイシーは爺と父親以外の誰に知られることもなく資格を喪失。
ただレイシーの歌の力は彼女が花嫁である所以の力だったので、資格を失うと同時に声も失うことに。

割とむりやり純潔を奪われた上に、大好きな歌も歌えなくなって傷心のレイシー。
この出来事の一切を口外しないという約束の元、爺は罪悪感を抱えたまま本家に戻って以前と同じ生活に戻る。
(多くの人を欺く為にも、爺とレイシーが親しい間柄であったことは隠したかった。
あとこの時代やっぱり身分の違う結婚は難しかったらしい。父親は二人の間に子供が出来ても下ろすつもりだった)

……みたいな。
今自分が考えてる別の案、長いし分かりずらいしで、こっちの方がよっぽど分かりやすいし、しっくりくるんですよね(笑)

762ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/05(水) 11:29:30
リマ》言うて中々絵描く暇ないんだけどね、俺も(笑)
それはもう盛大にチクって下さい、チクる所かネタバレしてやって下さいww←

イスラ》そして最後の最後に自我が芽生えるも死ぬパターン……一期のラスボスは迷いなくラスボスとして散ったから、二期は逆で行こうと思って。
シデンvsイオリ了解す、ステラはフルボッコでお願いします!

763リマ:2017/04/06(木) 22:49:06
ヤツキ>>
どんな感じにチクろうかなぁ(笑)ルイは色々話してくれるタイプじゃないからなぁ(;´д`)

だよねー、前は色々描いてたのになぁ(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)


イスラ>>
おぉ!イスラさんの案面白そう!是非そんな感じでお願いします(*゚∀゚)

最初の案も気になるけど(笑)

しかし爺、そんなことしておいて他の女と結婚したのか( ・᷄ὢ・᷅ )ドクシンツラヌケヨ
そしてヨハンは如何にして生き延びたのか←

トーマはどうやってミレリアから力奪ったことにしましょうかね(๑•́ω•̀๑)爺と同じ方法をとる性格でもないし:(´◦ω◦`):多分トーマとミレリアってリマセナの次に清い関係なんですよね(笑)めちゃくちゃ余談ですがリトユニの方が一線超えるの早いと思います(笑)あー悩む←

764イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/09(日) 01:16:41
【黄昏の塔】

月下に舞い散るは、闇の花と紅き剣閃。

相対するは暗夜を掻き抱く、恒星の女神…スピカ。

無尽に沸き上がる闇は脈打つかの如く。繰り広げられる破壊行為は息をするかの如く。
上下左右、間断なく放たれる闇の猛襲、その一つ一つが壮絶な破壊の奔流となってイスラの命を脅かす。

吹き荒ぶ闇の刃が。
炸裂する闇の砲弾が。
蹂躙する闇の波濤が。
死を孕む黒き魔手が。

殺意も敵愾心もない。ただただ純粋に目の前の命を壊すことだけを求めるそれに、イスラは灼熱を以て迎え討つ。
流し、受け、斬り返す度に、傷が増え、鮮血が飛ぶ。だがそれでも走る刃に迷いが生じることはない。

空気も、色も、重みも、全てが冷たく暗い漆黒に沈み、息苦しいほどの圧迫感が周囲を満たす中。イスラが刃に乗せるもの、それは剣士としての誇りと…願いだ。

………

剣を握る度に思う。今の自分の生き様はあの時の誓いに添えているのだろうか、と。

全てを救う。何と無謀で欲深い願いだと、聞く者は笑うだろう。だが、その想いを軽々しい気持ちで口にしたことなどなければ、ただ向こう見ずに刃を振るってきた訳でもない。
胸に刻んだ誓い、それこそがイスラの永遠の願いであり、永遠の理想なのだから。

例えその道が、どれほど険しく果てしないものだとしても、自分はそれを果たした先の、向こう側の景色が見たいのだ。

…だから、戦う。

「願わくば」

…だから、前へ進む。

「汝に安らかなる眠りが訪れんことを」

――……

ひとたび上空へ飛翔すれば、燃ゆる暁の出現を祝福せんばかりに、イスラの手の内の二振りが歓喜に打ち震える。

鮮やかな炎が爆ぜ、月明かりの下、天を割るように曇りなき白い刀身が真に顕現する。
天叢雲剣…、まさしくその姿だ。

そして同刻、イスラの背後に並び立つ八つの宝鏡が、ひとえにそれを映し出し…、

「出でよ―…、八岐の大蛇 」

鏡面に映る神刀に、宝鏡が姿を写せば、八つの天叢雲剣が圧倒的な存在感を放ってそこに佇む。
その姿、八つの首を持つ巨大な蛇の如し。

今も尚その勢いや激しく、大挙する闇の猛襲を斬り裂いて、八つの鎌首が女神に振り下ろされる。

そしてその数瞬後、イスラの持つオリジナルが一刀両断に振り抜かれ…、
炎と風が逆巻いて、無音の元に天叢雲剣が宵闇に軌跡を描いた。

765アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/09(日) 01:22:24
【ポセイドン邸】

苦しい。息が上手く出来ない。
頭は熱に浮かされたように働かず、視界は狭まり、聴覚は水の中に潜っているが如く濁っている。

だが、それでも目の前で何が起こっているのか位は理解できる。

二人の間に割り込んで自分を庇うヨノ。そんな彼女にアブセルは、こっちに来ては駄目だ、逃げてくれ、と回らない舌で必死に訴えようとする。

しかしそれを言葉とする前に、彼の思考は空白に染まった。
耳朶を突いたもの。ヨノが口にした名に、意識が奪われる。

ジル、と。

途端、怒りで燻っていた感情が、一瞬にして霧散した。頭から血の気が抜け、呆然と目を見開くアブセルの脳裏に懐かしい色の記憶の断片が集められる。

蘇るのは、もう顔も定かではない、しかし名前だけは忘れたことのない、記憶の中の少年の姿。
幼い頃に一度だけ出逢った、少し意地悪で優しい、そんな少年と交わした過去の出来事。

…誰が知るだろうか。幼き日、倒れたリトの傍らで恐怖と罪悪感に震えていたあの瞬間、手を差し伸べて腕を引いてくれた彼の存在にアブセルがどれだけ救われたか。その手がどれだけ心強ったか。

誰が知るだろうか。その少年の言葉が、誰かを信じることを恐れ、たたらを踏んでばかりいた小さな背中を押して、一歩前に歩ませてくれたことを。その言葉が今も心の根幹を支えていることを。

誰が知るだろうか。リトを助けてくれた少年に、そして友を作るきっかけを与えてくれた少年に、アブセルがどれだけ感謝しているか。どれほど感謝の想いを伝えたかったか。

不明瞭な視界に映る青年の姿が引き歪み、幼き日の少年の姿と重なる。その優し気な髪の色も、アメジストの瞳も、纏う雰囲気も、かつて感じたものと同じだ。

「嘘…だ……」

アブセルは混迷に瞳を揺らして、青年を見上げていた。震える唇が空虚な音を生む。

何故。何で。彼が目の前にいて、自分を殺そうとしているのか。ユニを、ヨノを、そしてリトを、大切な人を傷つけようとするのか。

信じられない想いと、信じたくない想い。
目の前の青年と、かつての記憶の中の少年との差違に、アブセルの心は千々に乱れ、

「恩人の兄ちゃ―…」

刹那、視界の外から放たれた光弾がアブセルの側頭部を打った。

その衝撃に、彼の身体が大きく傾く。
何か固いもの同士がぶつかるような音がして、根本から折れた角が血を飛ばしながら、カラカラと床を転がる。
アブセルは地面に崩れたまま、動かない。そして、

「…邪魔者は排除しましたよ」

直後、上がる声。
アブセルを倒した張本人…フロンが廊下に佇み、その顔にたおやかな笑顔を浮かべていた。

一度はジルの元を離れた彼女が、何故また戻ってきたのか。
答えは言わず、フロンは壁に縫い付けられた状態のヨノの側へゆっくりと歩み寄る。

「珍しいですね、ジルさんが任務に手こずるなんて。いつもはもっと無情に残酷に、上手にやってらっしゃるのに。…何か理由があるのでしょうか?」

何が言いたいのか、彼女は意味あり気な笑みをジルと、そしてヨノに見せる。かと思えば、その相好をくしゃりと砕けたものへと変えた。

「なんて、調子が悪い日もありますよね。私も手伝いますから早く済ませちゃいましょう?あまり時間をかけると人が集まって来てしまいますよ」

フロンはその言葉の通り、邪魔者であるヨノを始末しようとする。
手に握る短剣をヨノ胸元に這わせ、それを大きく振り上げた。

766アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/09(日) 01:56:29
ヤツキ>黄龍さんがラスボスなんです?自分的にはコピーの世界が破壊された理由が気になって…、てっきり別に黒幕がいるのかと想像してた⬅

てか黄龍さん死んだらバッドエンドくない?(世界再生できなくない?(笑)


リマ>
それなら良かった^^
でももう口頭で説明したから、文章化はしません(笑)何か生々しくなりそうだし⬅

本当にね(笑)まあ後継ぎやらの問題で、母親が決めた女性と強引に結婚させられた感じです。
因みに割りと早い段階で離婚してます⬅
一人娘もいて後継ぎにしようと躾てましたが、反発されて家出同然に出ていかれました⬅
そして娘はアブセルをつくって爺に押しつけました⬅

ヨハンは…レイシーが下ろすの拒否ったんじゃない?


それなー、自分も良いアイディアが思いつきません(--;)ちょっと考えてみます
リトは何だかんだで、ちゃんと男の子してますもんね(笑)


最初の案は、もう既にレイシーと爺はヤっちゃってるのが前提です⬅(だからもうレイシーは資格を失いかけてる状態)んで…、

そうとも知らず、レイシーの故郷に魔物+シデンが襲来する。

シデンはレイシーの中に眠っているユニを目覚めさせようとしますが、それをレイシー父が阻みます(ユニが目覚めたらレイシーの意識が消滅する為)
レイシーを爺に託して二人を町から逃がす。

爺は追いかけてきた魔物からレイシーを庇い奮闘するも、魔物に囲まれてボロボロになる。
レイシー、寄り代になる決意をし、力を解放する。

が、既に花嫁の資格を失ってるので、解放される力の負荷に堪えきれず、力が暴発する。
このままではレイシー自身を含め、周囲一帯が消し飛んでしまい兼ねない、と思った爺はレイシーの暴走を止める為、声帯に呪いを刻む(ユニとレイシーの意識を繋いでいるのが歌の力なので)

取り合えず沈静化。二人が気を失ってる間にバロンがレイシーの中からユニを回収。

後日談。
レイシーは無事でしたが、爺の呪いのせいで声を失う。しかもその呪い、徐々にレイシーの身体を蝕んでいくタイプです。術者が近くにいるほど進行速度も早くなるので爺はレイシーの元から離れざるをえない。
(因みに爺にもレイシー父にも呪いの解除は出来なかった。よくてレイシー父が進行を留めておくことができる程度)
二人はお別れします→【完】


…色々割愛しましたが、大体こんな感じです;
そしてこっちの方がまだ爺が綺麗です…よね?(笑)
どっちのパターンが良いですか?⬅

767ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/09(日) 10:55:56
リマ》現世に戻る際に土産話を聞かせてやろう、的なのはどうかな?
元々はパレワから続く世界、パレワのコピー世界を再構築した世界だし、パレワの最終戦が世界が産まれる大元となったと言えない事もないしね。

いやはや描こう描こう思っても中々手が動かんよね、仕事もあるし(笑)

イスラ》今の所黄龍がラスボスで、それ以上は考えてなくて、exでオリジン編もあるし……後単にネタがもう無いww

黄龍死亡で陰の核消滅しても、誰かが新しい陰の核に成れば……その為のゼロの姿はジルを模倣した設定です←
もしくは魔玉持ちのリトとか?リトユニで新たな陰陽の核とか?
もしくはジルフェミル?この辺は俺の一存で決めれる部分では無いんで、お二人と相談しつつ……

もしくは世界再生不可→一回消滅させて一から作り直す(ベースはゼロが目指した新世界)
因子が足りないから世界は不安定だったけど、四神組+αが因子持ってるので新しい世界は安定する(その代わり全員生まれ変わる感じで)
自分としてはこっちの終わりが良いかな〜とは思ってます。

コピー世界辺りの説明は……。

まず元々前の板組のオリナリスレでやってた話があって、その舞台が所謂世界A。
話の終盤で、ラスボスが世界を滅ぼす為に世界そのもののコピー(A”)を作って、AとA”をぶつけ合って対消滅させようとしたんです。

それを防ぐ為に主人公達は世界Aを救う為に世界A”を壊した。
壊した世界A”は流星群となってAに降り注いだけれど、大半は行方不明に。

その行方不明となった部分が集まって出来たのがこの世界aと言う訳で。
因みに件の主人公達は吸血鬼編頭で出たMr.Kと長老のジーナ、リトの居る冥界の主ルイで、彼等と戦った件のラスボスの直系の血筋がシンライジです。

……長くなるけどこんな感じです。

あ、そう言えばジーナがラディックにお願いした依頼の内容、もう決まってますか?

768ジル:2017/04/09(日) 23:15:30
【ポセイドン邸】

予想だにしない事態にジルは目を見開く。
それは一瞬の出来事だった。自分がヨノに気を取られているうちに、アブセルが吹き飛んだ。
正直、突然の事で何が起きたのかをすぐには理解出来なかった。アブセルを始末するつもりではあったものの、あまりの事に言葉を失う。

何故この女が此処にいるのか。それすらも考えることを許さずに事が進んでいく。

「・・・やめろ・・・」

フロンの標的がヨノヘ変わった。刃を向けられたヨノは恐怖で言葉が出ないよう。
彼女は関係ない。巻き込みたくない。

短剣がヨノヘ振り下ろされた。

「っ!」

ジルは鎌鼬をフロンに向かって放つ。彼女を貫くギリギリのところで、幸いにして命中したそれが刃を弾いた。

拘束していた風が解け、ヨノは地面へ膝ついた。

「早く行って。」

ジルが退避を促すがヨノはその場を動かない。驚きと恐怖で力が抜けてしまったようだ。

「アブセルちゃん・・・」

そしてアブセルの姿に震えだした。

「ヨノ!」

呼びかけても反応がない。もはや自力で逃げることは無理だろう。

ジルは柄にもなく舌打ち、再び風を起こしヨノを包む。
そして彼女の身を包みこむと、自分の背後へ運び、下ろす。

「ジル・・・アブセルちゃんが・・・」

「死んでないから黙っててくれない?君のせいで面倒なことになった。」

決して彼女に当たりたいわけではないが、彼女が邪魔さえしなければ任務は完結し、おそらくフロンが出てくることも無かったと思うと無性に腹が立つ。
何より、彼女に他人を平気で傷つける汚い自分の姿を見せたくはなかったのだ。

「お願いだからそこで大人しくしてて。・・・どうせ動けないと思うけど。」

自分の背後にいればヨノの安全は保証できるだろう。ジルはヨノにこれ以上邪魔をするなと釘をさし、その鋭い視線をフロンへ向けた。
そこにあるのは完全な嫌悪感。先日の一件からフロンには悪い感情しか浮かばない。
それでも気持ちを抑えながら、なるべく優しげな声色で彼女に語りかけた。

「僕には関係のない人を巻き込む趣味はないんだよ。僕のことを見てたなら分かるはずだけど?君のおかげでその子(アブセル)はもう動けない。任務完了。だから引いてくれない?」

769リマ:2017/04/10(月) 01:02:40
ヤツキ>>
なるほどなるほど。ありがとう、そんな感じにしてみるよ!

新しい核候補にうちのキャラ使ってもらうんは全然いいよ!
ユニがホムンクルスなら、また核持ちのホムンクルス作るのもいいかも?核は魔玉で代行出来る気がする!

みんな生れかわるのはちょっと悲しいなぁ・・・:(´◦ω◦`):二人がそっちが良いって言うなら構わないけども(*º∀º*)


だよねー、学生ん時は授業の時に描いたりしてたけど、さすがに仕事中は描けない(笑)


イスラ>>
生々しいwwwたしかにwww

あー、なるほど!爺も辛かったのね(;´д`)
娘wwwアブセルの母親の方が血筋だったんですね、てっきり父親の方かと思ってた(笑)
てかジュノスの家系ろくなモンいないな(笑)

半ば無理やりでも爺の事は好きだったからヨハンも大事なのか(笑)
そう言えばヨハンって爺が父親って知ってたっけ?

トーマには一体どんな力があったんだ←
でも仮に黄昏の花嫁を無効化させる能力があったとしたらジルにもその力があるはずだからまた物語が進んでいくような気がします(。 ー`ωー´) キラン☆

リトはほんと、何気男の子してますよね(笑)セナとは大違い←

あー!それも面白そうっっ
でも自分はゲス爺が好みなので、新しい案の方で←

770イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/10(月) 02:18:09
二人>そういえばすっかり忘れてた(笑)
セナとノワールの子供にメルフィって子がいたけど、その子も因子に含まれるんですかね?


ヤツキ>そういう話なら核キャラ持ちのリマさんの希望に添おうかな。まぁまだ先のことなので、ストーリー進めながらゆっくり決めてきましょう^^

皆生まれ変わるエンドは綺麗な終り方だけど、自分も何か寂しいです(´・д・`)笑

あー、なるほど。別のスレの話だったのか。二人の会話でちょいちょい、もしかして…って思うことはあったけど(笑)
それはもう完結してる感じなんですよね?

別の舞台の話から繋がるストーリーとか熱いですね!
とりま理解しました!
そして依頼の件はまだ全く考えてないです(笑)


リマ>なんか藍ちゃん消滅でもしそうな曲ですね⬅
踏まれたいとかww
うーん、藍ちゃんが女子だったらなぁ、膝まづいてたかもなのに⬅

ガチ勢はライブ行った上でDVDも購入するんでしょうね(笑)

スケートwwそれは笑うわww

マジか
ナディアって意外と一途なんですね…

そうでしょう?毒吐いてもセナリマには気づいて貰えてない感好き(笑)

えw何か壮大な理由があるのかと思った(笑)

バロンは次登場する時には多分、人形になってますから(笑)

爺も片親ですしね、ジュノスの一族は幸せな家庭を築く能力がないのかもしれない(笑)
ヨハンは爺が父親なの知らないんじゃないかな?
取り合えず爺の口からは教えてません

良いですねぇ、妄想が広がります^^

リトは女の子に抱きつかれたらちゃんと照れるしね(笑)

自分もゲス爺のが好みです(笑)じゃ、それでいきましょう


…余談ですが、ポセイドン家は何故リトを政府に引き渡さなければならなかったか、を考えてみました。

レイシー父が今回の件(魔物騒ぎや、私情でレイシーを花嫁として覚醒させなかったこと)に責任を感じて、何とか衰退する世界を救う方法がないものかと、政府直属の研究機関に相談、協力を要請する。

世界の核を正常に起動させる方法を研究したり、闇の王子の継承者として、自ら人体実験に志願したりする。(レイシー父は公では事故死として片付けられたが、実際は人体実験の末に命を落とした)

レイシー父の死後も研究は続けられる。
ただ途中でワヅキの介入などがあって、当初進めていた研究から、どんどん方向性が違うものになる。

当時レイシー父が政府と交わしていた「闇の管理者は政府の研究に全面協力する」という契約があった為、後任(リト)が産まれたら政府に引き渡すようにと、ポセイドン家に指示が入る。

一応は世界と人類を救うという大義名分の元、行われていた研究ですので、ヨハンも逆らえなかった…ってことで、どうですかね?(--;)

771ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/10(月) 16:08:12
メルフィすっかり抜けてた……リトノワの子だから因子持ちであるけどどうしよう、exオリジン編に回します?

とりま許可頂けたんで、代替もしくは新規の核が必要になった時はリマさんの持ちキャラ達でお願いしまっす!

言うてお話は終盤入った(よね?)位でまだまだ続くし、終わり方も含め案出しつつ進めて行きましょ〜

リマ》パレワで思い出しけど、そろそろ知り合って10年位じゃね…?ww

いやホントにね、次どうレスするか位しか考えられないし、仕事終わって帰っても大変よな(笑)
でも久々にリマのカラーイラスト見たい←

イスラ》正直根幹設定まで出張るつもりもなかったし、イスラだけが知らない話とか申し訳ないな……と思ってたけど、ここまでくればもうやり切るしかねぇ、と(笑)

件の物語は無事完結しとります、三年掛けて9スレ使っての大円満エンドっす!
過去ログ残せてないのがめちゃんこ辛いけど。

ラディックへのお願い、丁度良い具合の思い着いたんで、お願いして良いですか?
黄昏の塔頂上へどうやってナディアリト組に来てもらおうかと思ってたんだけど、空間跳躍出来る吸血鬼、特に長老やその側近なら大人数でも余裕やん!?と……

772フロン ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/16(日) 22:30:26
【ポセイドン邸】

ジルの行動に驚くでもなく、また弾かれた短剣を一瞥することもなければ、フロンはゆるりと首を動かし、真っ直ぐにジルを見据える。

「…ええ、もちろん分かってますよ。私、ジルさんのことずぅっと見てましたから…」

ジルの言う「分かる」とは、どこかニュアンスの違う響きを感じさせて、フロンはその顔に暗い笑みを浮かべている。そして…

「だから、その人(ヨノ)はジルさんには似合いません」

はっきりと言い放った。

ずっと彼のことを見ていたから分かる。
確かにジルは無関係の人間を巻き込むような人ではない。しかしだからといって、その人達を積極的に庇うかと言えば、それも違う。
彼が自身の労力を惜しみなく発揮する時、それは決まって妹のフェミルが関わる時だけだ。

なのに今、ジルはフロンの知らない一面を見せている。上部だけ取り繕ってはいても、焦って、苛立っているのは明らかで、本来ならばその感情の起伏を可能にする人物こそフェミルである筈なのだ。そうでなければおかしいのだ。

しかし今目の前にいるのは彼女ではない。ジルの背に庇われる、あの娘をおいて他にいない。
…あの女は一体なんなのだろう。

フロンは静かにその場から足を踏み出した。

「以前…ジルさんとお話しましたよね?その時に気がついたんです。…やっぱりジルさんは私にとって特別なんだって。今まで好きになった人の中でも一番だって」

一歩一歩、揺るぎない足取りでジルの側へと歩みよる彼女に、引く気など更々ないようで。
フロンは熱の籠った瞳でジルを見つめて、

「ねえ、ジルさん。フェミル様にもその人にも、ご自分のこと、何も話してないんでしょう?
私だけですよ。ジルさんの汚い部分を知っているのは。知った上でそれを含めたあなたの全てを愛しているのは」

息のかかる距離。そこまで来ると、何気なく手を伸ばす。何か繊細なものにでも触れるかのように、ジルの頬にそっと掌を添えた。

「だってそうでしょう?他の誰があなたの汚らわしい本性を愛せると言うんですか?まして自分の父親を殺した男のことなんて…」

そうして狂気染みた笑顔を見せる、それこそが彼女の本性か。フロンは小首を傾げると、二人の反応を楽しむかのように、態とらしい口調で追い討ちをかける。

「うふふ、そうですよねぇジルさん?その女の人のお父様、あなたが殺したんですものねぇ?」

773フロン ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/16(日) 23:08:28
ヤツキ>自分はオリジン編に回しても良いかと思います

今ジュノスとルドラが一応メルフィを捜索すべく動いてる感じなので、隙を見て虚空城からメルフィを救出。…するも何かごたごたがあって三人とも十字界に転移するはめに(不慮の事故的な)

世界に起こる異変のせいで、十字界と元の世界の行き来が不可能になる

そのため世界の問題が解決するまでジュノス、メルフィは十字界で待機〜…みたいな感じで、黄龍編とオリジン編、ごちゃごちゃにならないように線引きでもしときます?
ノワールとメルフィの再会もオリジン編でー、みたいな?

てかジュノスなんですが、今ヤツキとイスラがいる場に参上させようか、どうしようか迷ってるんですが、どうしましょう?三人で軽くお話しでもする?(笑)


9スレとかマジか(笑)そのスレ見たかったかも
過去ログはなぁ…(--;)残念ですよね;

おー、良いですね。了解です^^

774ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/17(月) 11:07:56
んだらば、ラディックルドラの力で一旦塔頂上に全員集合→
虚空城へ転移→
力場的な影響で虚空城の各地に皆散る→
各自フラグ回収なりバトル(ルドララディックジュノスはメルフィ救出の流れで)
後はイスラさんの言った具合に黄龍編とオリジン編の組で分ける、
で行きましょ!

先代組と今代組と全員顔合わせはしたかったんですよね、特に黒十字組とか。

イスラ》正直もうお話忘れてる部分合ったりで辛いっすorz
此処もどこかに過去ログとして置いときたい所……!!後欲言えば併設wikiも(笑)

775イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/18(火) 03:01:44
りょ(^ω^)
シデンの次のレスで世界中に魔物をバラまくつもりなので、手隙の人はそっちを抑えても良いですし


確かに世界観とか各キャラの設定まとめたものとか見たい(笑)
キャラも増えたし、ちょっと忘れてる部分もあるしw

776ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/20(木) 01:12:12
【黄昏の塔】

停まることない恒久の破壊衝動。
闇とは本来、この世界の防衛プログラムである。

言わば闇の巣とはその中枢である。
かつての黒十字を背負う者達は世界の防衛プログラムに殉じたとも言えるだろう。

無尽蔵に溢れ出る闇を使役する恒星の女王と、それに従う黒き獅子。
今やその片割れは神刀により斬り伏せられ、闇を持ってしても蘇る事は無い。

恒星の女王……ステラは目を見開き、迫る光刃の軌跡がその瞳を照らす。
逆巻く疾風と火炎、鎌首をもたげ、姿を現す大蛇の数は八つ。

その全てが牙を向き、ステラの身体を斬り刻むのは僅か一瞬。
障壁も、闇の鎧もまるで無かったかの様に。

僅かに聞こえた風切り音と共に、四肢を、下半身を、首と胸元だけとなったステラは地に落ちた。
生々しい音を立て落ちた身体からは漆黒が溢れ、傷の断面からは触手が這いずり回る。

半開きとなった口腔からは呪詛が漏れだし、闇が呪印を象っていく。

「まだ、死ねない……約束を、あの時交わした約束を……」

しかし、その呪印は叢雲の剣とは別の神刀により切り捨てられ、闇霧となって霧散した。
霧散しても尚、再び形を成そうとする闇は結晶となりその動きを停め、黒水晶が月明かりに輝く。

もがき、呪いにも聞こえる言葉を紡ぐステラの眼前には、神刀を手にしたヤツキの姿。

「大丈夫だ、独りで逝かせはしない。
第二候補、スペアプラン……闇の王女。

流星の双子、スピカとレグルス。
二人の魂は我ら黒十字と共に。

恒星となって輝いた命の意味は、しっかりと此処にある。
だから、安心しろ。」

所謂達磨となったステラを片腕で抱き上げ、ヤツキは言葉を紡いだ。
その声は静かで、優しい。

「俺達が100年の時を越え、この世界に蘇った意味。
それは、今この時の為。」

見れば破壊衝動の塊と化していた周囲に満ちる闇はその動きを弱々しいものへと変え、段々と黒水晶へ姿を変えている。

「俺は彼女の魂を連れて行く。
だから、“お前達”はそれぞれの役目全うしろ。」

777ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/20(木) 01:13:33
振り返った視線の先。
イスラの後方には、塔を昇ってきた二つの影。

赤髪の少女と、自分と同じ濡れ羽色の髪を持つ青年。
二人の持つ雰囲気は、イスラと自分と似通っている。

「話は聞いている、今代の天照と……シンライジ家の者。」

世代的に曾孫に当たるだろう二人が並び立つ様に、ヤツキはどこか満足そうな笑みを浮かべた。
決して交わる事なく、刃を交えるしかなかった自分達とは違い、共に並ぶその姿は感慨深い。

太陽と月。
天を照らすその光は闇を裂き、必ずや未来を指し示すだろう。

ヤツキは神刀凄王をメイヤへと投げ渡し、彼へと頷く。
言葉は要らない、刀に込められた想いが伝われば良いのだ。

頷き返すメイヤの視線を受けた後、ヤツキは自分の足元へ瞳を移した。
ステラを抱き抱え、立つその足元はゆっくりと、しかし確実に光の粒子となって消えていくのが見て取れた。

もう、時間は無い。
時を越え蘇った身体を動かしていた現世に存在しようとする力、ソレが枯渇したのだ。

視線を足元からイスラへ、イスラからサンディとメイヤへ。
そして、その更に後方へ。

空間を跳び越え、この黄昏の地へ降り立った一団の顔触れに、ヤツキは再び頷いた。
闇の王子と黒十字の幹部、ポセイドンと彼等の血縁者達。

懐かしい顔触れと、見知らぬ面々。
イスラと自分、サンディとメイヤの様に彼等も“そう”なのだろう。

778ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/20(木) 01:16:39
「久し振りだな。
だが、思い出話に花を咲かせる時間は無いらしい。」

既にヤツキの身体は膝下が光となって消え、肩先や末端部分も粒子となりつつあった。
言葉通り、時間はない。

「聴いていただろうが、俺は役目を全うした。」

100年前は敵対した者達が、今はこうやって同じ地を、仲間として踏み締めている。
時を越え、世代を越えた力と想いがあれば。

ーー必ずや、上手くいく。

「世界の免疫力とも言える闇が集まり、溢れるこの闇の巣と黄昏の塔。
闇を管理し、使役していたステラが逝くとならば、誰かがその任を継がなければならない。

今はまだ抑え込まれているが、ステラと言う制御系を失えば、この無尽蔵の闇は世界を食い尽くすだろう。
だが、適性を持った誰かが、闇を使役し、この塔諸共地中深くに沈めてしまえば……」

ーージュノス、後は任せる。

「一時的にだが闇は活動を停止する筈だ。
強度と高さは問題無い、沈み込めば地殻を超えて核へ届く。」


ーーセナよ、今こそその力を発揮する時だ。

「幸い、今この場に闇の素養を持つ者は数多く居るようだ。
話し合って、決めるといい。

……素養が無い俺は剣を振るうしか出来なかった。」

闇の素養を持つ者、闇の王子であるセナとリト。
二人に仕えて来たジュノスとアブセル。

吸血鬼であるノワールと、異界の闇を宿していたメイヤ。
人柱になれ、と言うしか無いのは辛いが、今はそうするしかないのだ。

「そろそろ、時間か。」

視界に映る面々を見、ヤツキは静かに目を閉じた。
そして、抱き抱えるステラと共に、その身体は光に包まれる。

その様は淡雪が舞い、溶ける様に夜空へ散り、月明かりがそれらを照らして輝いた。

ーーイスラ、悪いが先にいく。
ーーお前と共に戦えて……




ーーステラ、いや、スピカ。
お前は一人じゃない、大丈夫だ。
俺が居る、だから、安心して眠ろうーー

779ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/20(木) 01:22:32
てな訳で、リト達アブセル達一段落着いたら塔頂上に集合でお願いします、行き方はラディックルドラの空間転移で。

かなーり強引な集合の仕方かつ確定ロルになって申し訳ないorz

780イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/21(金) 02:32:23
ヤツキさん、レスありがとうございます^^

ちょっとこのスレのまとめWikiみたいなものを作ろうかと割りと本気で考えているんですが…、作ったら二人とも参加してくれます…?

取り合えずここの三人しか閲覧、編集できないようにしてー…
世界観とか用語とかキャラクター紹介とか、ストーリー上では説明しきれなかった部分も多分あると思うので(自分はあるw)
まぁそうゆうのも含めて、自由にまとめちゃってください的なページ(笑)…いかがです?

781ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/04/21(金) 11:31:07
>>780
自分は賛成っす、ログもそこに残せたら完璧じゃないすか!
勿論参加しますよー、裏話的な沢山あるし…(笑)

782ジル:2017/04/22(土) 00:19:49
【ポセイドン邸】

フロンはわざとヨノに聞こえるよう、彼女の父親を殺した事実を告げる。
それはヨノを傷つけようとしてるのか、はたまた、彼女を傷付けたくないと願うジルへの当て付けか。

背後で息を飲む気配がした。事実を知ったヨノが衝撃を受けているのだろう。
・・・あぁ、また失った。

「そうだよ。」

フロンはジルの、どんな表情を願っているのだろう。どのような反応を求めているのだろう。
相手の呼吸を感じとれる距離。ジルは取り乱した様子もなく、ニコリと微笑んだ。そして不意にフロンを抱き込んだ。

「君が初めてだよ。こんなにも僕の事を理解してくれているのは。君は僕がどんな人間か知っている。」

そしてその背に鋭い刃を這わせる。

「だから、分かるよね?」

かと思えば、そのままフロンへ押し付けた。鈍い感触がジルの手に伝わった。

「僕は簡単に人を殺せるって。いい加減目障りなんだ。」

愛してる?今まで何度もその言葉を聞いた。寒気がする。

「僕を怒らせないでよ、ほんと疲れるんだ。」

783ジル:2017/04/22(土) 00:20:20
はーい、参加します( • ̀ω•́ )✧

784イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/22(土) 18:53:03
二人ともありがとうございます^^

まだ基本操作とか把握していませんが、取り合えず作るだけ作ってみました
seesaawiki.jp/key-twilight/

このサイトのアカウントを作って、ページ右上の、メンバー募集ってとこをクリックすれば参加申請できるみたいですので
まぁ気の向いた時にでもぼちぼち編集してください^^

あ、多分PC版じゃないと編集できないと思います

785リト、ルイ:2017/04/24(月) 12:23:35
【冥界】

「いつまでそうしているつもりだ?」

痺れを切らし、ルイはリトへと声をかける。
ヨハンが扉の奥へ消えてからずっと、彼は閉ざされた扉の前に座り動かない。ただじっと扉を見つめていた。

「父親が消えて哀しいか?」

「・・・いや・・・」

正直よく分からない。ただポッカリと胸に穴が空いてしまった、そんな物足りなさはある。

「混乱はしてる・・・かも。散々痛めつけてきたくせに、本当は大事だったとか意味わかんない。」

「人間の考えなど予測出来るはずもない。この世の生き物で一番不可解な存在だ。」

ルイは頬杖をつき溜息を漏らす。自分にも思い当たる者がいた。愛するが故に苦しめたい、殺したいと言ってのけた者が。

「・・・なぁ。」

扉を見つめたまま、リトはふと気付きルイへ声をかけた。

「一応父親とは和解した・・・と思う。実際あの人は逝っちゃったし。だから、俺も帰れると思うんだけど・・・」

思い残すことがなくなればあるべき場所へ還るはずだ。何故自分はまだこの場所にいるのだろうか。

「戻りたいか?」

「勿論」

このまま黄泉へ行けとでも言うのか。ルイの問いに若干不審感を抱きながらリトは応える。

「アンヘルに俺はまだ生きてるって聞いた。」

「間違いない」

「なら、戻れるはずじゃないの?」

「お前を思い留める枷が父親の存在では無かったということだろう。」

「は?」

それはどうゆう・・・

訳が分からない、リトは眉を潜め、そして漸くルイへ向き直った。
ルイは再び溜息をつくと、今度は真剣な表情でリトを見据える。

「どちらにせよお前は思い違いをしている。お前の担う役目は世を滅ぼす為の道具でも、闇を管理することでもない。以前教えたはずだ、世界は元来複数存在し、今その均衡が乱れていると。」

言われてリトは思い返す。たしかに聞いた。ルイは手を出せない為、リトに役目を託すと。

「あんたが手を下すと歪みが酷くなるって言う・・・?」

「いい機会だ、特別に全て話してやる。・・・お前にとっては酷な話になるやもしれんが。」

言ってたルイは立ち上がる。

「お前には荷が重いと言うのであれば、このまま生を終わらせるとの選択もある。全て知った上で選べ。」

786フロン ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/25(火) 00:26:34
【ポセイドン邸】

ふいに身を抱き竦められ、フロンは息を呑んだ。
しかしその直後、背に突き刺さる鈍い痛みに彼の行動の意味する所を知る。

「くふッ…」

口から漏れるのは、苦悶とも愉悦とも取れる声。
フロンは唇の端から血の零れる顔を上げ、ジルの瞳をじっと見つめて言った。

「…あなたのこんな姿を、その女の人は見たかったでしょうか…?」

でも。

「私にとっては期待通りです」

あの日ジルと話して確信した。何をしても、どんなに言葉を尽くしても、自分が彼の心の中に入り込むことなど不可能なのだと。

そもそもフロンにとって恋とは、その相手を食べることで成就するものである。食べるとはまさに本当の意味で、肉を貪り、骨を舐り、血をすすって臓物まで自らの体内に取り入れること。
愛しい余りに手にかけるのではない。
愛する者の血肉を喰らい、彼らと一つになることで、彼らの存在はフロンの中で永遠に生き続けるのである。
そしてそれこそがフロンの究極の愛の体現であった。

もちろん、ジルにも同じことをするつもりだった。
しかし、彼は今まで好きになった男達とは違った。
フロンの正体を明かした時も驚かなかったし、彼を咀嚼しようとした時も、悲鳴も上げなければ命乞いをすることもなかった。
元より彼はフロンのことなど眼中になければ、関心を抱いてさえいなかったのだ。言ってしまえば、どうでも良かったのだ。

男の恐怖する反応を期待していた部分もあった為、彼女はその時ほど肩透かしを食ったこともない。
そしてどういう訳か、それがフロンの琴線に触れた。

次第にただ食べるだけでは満足できなくなった。
彼にも自分の存在を覚えていて欲しいと思うようになった。
彼の存在をフロンの中で永遠にするのではなく、彼の中でフロンの存在を永遠にして欲しかった。

だからフロンは彼の記憶に残る為にここにきた。

「…あなたは自分で思っているほど悪人になりきれている訳じゃありません。人を殺めれば少なからず罪の意識を覚えるし、大切な人を失えば傷つきもします」

言ってフロンはジルの胸に頭を、体重を預ける。

「あなたはこの刃の感触を忘れない。その胸の痛みを忘れない。
…私のことを忘れない。この先、あの女の人のことを思い返す度に、私への憎しみを思い出してください」

フロンの目的はジルの心に傷をつけること。そして彼の手で最期を迎え、その傷に自分の存在を刻み付けること。ヨノはその出しに利用したに過ぎない。
まるで呪いか何かのように…それしかジルの記憶に残る術を、フロンは思いつかなかった。

「ねえ、ジルさん…」

そしてフロンは新たな呪言をジルに与える。

「フェミル様を殺した…って言ったら、…どうします?」

嫌って欲しい。憎んで欲しい。愛して貰えなくたって、無関心でいられるよりは、そっちの方がずっとマシだと思える。
どんな形であれ、少しでも彼の心に残ることが出来たのなら、それ以上のことはない。

「ジルさん…、大好きです…」

そしてフロンは偏執的なまでの愛を囁いて、自らの血で赤く染まった唇を、ジルのそれと重ねた。



【リマ>フロンはもう殺してしまって構いませんよー。首とか落とせば流石に死ぬので(笑)
因みにフェミルを殺したってのは嘘です。最後の揺さぶりです。


二人>Wikiの方に相談用の掲示板つくりました!】

787ジル:2017/04/26(水) 14:17:00
【ポセイドン邸】

(・・・は?)

フロンの言葉にジルの思考が止まる。
何を言っているのかと、理解を拒んだ。

この女は今、何と言った?
聞き返す間も与えず、フロンはジルの同意もなく言葉を阻む。
鉄の味が口内に伝ってくるが、そんなものジルにはどうでもよかった。

そして、そんなフロンの行動を遮ったのはジルではなく。
彼の背後で終始を目の当たりにしていたヨノが、気付けば二人に割って入りフロンを突き飛ばしていた。

「あ・・・私・・・」

ジルの背が死界となりフロンがどんな状態であるのかまでは把握していなかったのだろう。
仰向けに倒れたフロンの体から絶え間なく滲み出る赤に思わず口を覆う。

「・・・殺してやる・・・」

思わず意識が遠のきそうになったが、耳についたジルの低い声に正気に戻る。
恐る恐る振り返ると、表情が「無」とかしたジルが血に染まったナイフを握りしめブツブツと呟いていた。
しかしその声はやがて大きくなっていき・・・

「殺してやる!!」

ナイフを振り翳しフロンに襲いかかろうとしたところを、ヨノは必死で押さえた。

「ジル!駄目!!」

「放せ!フェミルを殺した!殺してやる!」

「落ち着いて!お願いだから!!」

「フェミルが!フェミル!死・・・僕のフェミル・・・っ」

気が動転し、感情が昂り、このまま行けば最後には、

「フェミ・・・ゲボっ・・・うっ」

案の定、過呼吸を起こした。
ヨノは自分の服が汚れるのも構わずジルを抱き寄せる。

「落ち着いて、いい子だから」

自分の体にしがみつくジルの手の力が強く痛みを感じる。
彼の背を擦りながらヨノは胸を締め付けられるような気持ちになった。
この子は今までどんな暮らしをしてきたのだろう。きっと、想像を絶するに違いない。

「ジル、ごめんね」

貴方のことを早く見つけてやれなくて。

ジルの体は抑えの限界に来たようで、やがて糸が切れるかの如く意識を手放した。
その体をそっとその場に寝かせ、ヨノはフロンの元へ歩み寄る。
傍らに膝をつき、静かに口を開いた。

「傷が深い・・・ごめんなさい、私の癒しの力は姉より強くはないから、貴女を助けてあげることは出来ない。」

とても冷静で、聞きようによっては冷たく感じるかもしれない。
ヨノは咎めるような、しかしどこか哀れむような目で見据えてそう伝えた。

「最期に教えてくれないかな?フェミルを本当に殺したの?」

死を目の前にした人の前で何の手も施さず、また、その人の身を案じることもなく別の事を気にかける。
自分の知らない汚い面を見た気がした。自分は今、目の前にいる少女を見殺しにしようとしている。

・・・けど、彼の横に並ぶには、ここまで汚れた方が良いのかもしれない。

「ジルの事好き・・・よね?あんなことまでしたのだから。なら傷つけないで。このままだと貴女も楽になれないと思う。本当のことを教えて。」

788リマ:2017/04/26(水) 17:37:09
ヤツキ>>771

10年・・・もうそんなになるのか|ू・ω・` )
そう言えば初めて会ったとき自分はまだいたいけな高校生だった気が(遠い目)
あぁ懐かしき制服・・・てかあの頃勉強そっちのけで話の内容考えてたわwww

うーむ・・・カラーイラスト久しぶりに描きたい気もする。
でもネタが思いつかぬ(๑•́ω•̀๑)


イスラ>>770
実際藍ちゃん消滅仕掛けたんです(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
なんか藍ちゃんと藍ちゃんの元になった人物は実は繋がっていて、藍ちゃんが観るもの感じるもの全てソイツに伝わるようにしてあったんです。ソイツ植物人間ナウで、藍ちゃん作った博士はソイツの叔父なのでソイツを目覚めさせたいがために藍ちゃんを利用してた的な。で、その頃藍ちゃんはレイジが自分とソイツを重ねて見てたことに気付いて傷心中だったので、「皆は本当は僕自身を見てくれてない」「僕は利用されてるだけ」「どいつもこいつも!」ってな感じでブチキレてソイツと繋がっていたプラグ的なのぶち抜いちゃって。そしたら藍ちゃんの命になるマザーコンピュータ的なのが壊れちゃって、一ヶ月後には機能停止するとのまさかの余命宣告。一ヶ月後はライブ?あり。僕死んじゃう。でもハルカの歌歌いたい。→藍ちゃん涙。
で、最期の力を振り絞って当日に歌ったのがその歌なんです。なので遺言書。
その歌、藍ちゃん主演映画「人魚の涙」(だっけ?)の主題歌で、人魚の王子様たる藍ちゃんはその日以来消息不明になりました。

藍ちゃんに踏まれるなら本望・・・いや、藍ちゃんロボットだから見た目に反して激重だった。踏まれたら死んじゃう。←
えー、女子を所望ですか。ではカマテットナイト・・・じゃなかった、是非とも藍ちゃんの女装を検索してみてください。公式で女装した事あるんで。生意気な女子高生姿でカワユイです(笑)

生意気といえば昨日読んだcomicoのマンガ「ロヂウラぐらし」でイスラさん好みのロリ娘ましろちゃんのおめかしした姿に、リマ好みの主人公"にーたん"が照れながら「似合ってますよお嬢様・・・なまいき。」って言ったのが最高にツボで心臓ぶち抜かれました。なまいきって何ぞ?なまいきって何ぞ!?

どこからそんな金が湧き出るのか・・・←

伯爵様はキャラ濃すぎです。コーヒーの中に角砂糖山盛り入れるし。

他にイイ男がいないのも理由の一つですけどね(笑)
幼いながらにトーマに「愛人でもいい」と言ってのけた恐ろしい子です←

ノワール不憫だ・・・(笑)

特に全く理由はないです←

良かった、ぬいぐるみのままだったらどうしようかと(笑)

ある意味呪われた一族ですね(笑)

喜怒哀楽の激しいアブセルが近くにいたお陰でリトはちゃんと情緒を身につけることが出来たんですね・・・(ホロり)
リトの誕生日にエロ本をプレゼントしてたナディアの苦労も報われます←

余談了解しました( • ̀ω•́ )✧
結局爺の業が最後まで響いてるんですね・・・(笑)


あ、フロンどうトドメ刺そうか悩んだんだ結果、上手く表現出来なくてあんな感じにしちゃいました(>人<;
何かフロンの思惑通りになるのも癪だったので← チューされたし←←そのせいでヨノさん激おこですよ←

789フロン ◆Hbcmdmj4dM:2017/04/29(土) 12:35:38
【ポセイドン邸】

血溜まりに沈むフロンは怒りに息を荒げ、傍らに膝をつくヨノに鋭い視線を向ける。

「どうして…邪魔をしたのですか…?あともう少しでジルさんの手で…ッ」

しかし言葉の途中で喀血し、大きく咳き込んでしまう。
どうやら思ったよりも傷が深いらしい。
血を失い過ぎたことで身体も動かせず、最後に憎き女を手にかけることも出来ない自分に情けない気分になる。

…彼女を侮っていた。
父親がジルに殺された事実を伝えれば、彼を拒絶するだろうと思っていた。
これはヨノのことを軽視していたフロン自身が招いた結果でもある。

だが、ジル自ら止めを刺して貰うことこそ叶わなかったものの、彼の憎しみは十分に植え付け、その思惑の半分は達成したと言える。

どうせ自分が死ぬことに変わりはなく、ジルが虚空城に帰還すれば分かることだと、フロンは天井を見上げたまま息も絶え絶えにヨノの望む答えを提示する。

「フェミル様は…生きています。殺そうかと思いましたが…今、あそこには入れない、から…」

フェミルが居る虚空城には強固な結界が張られ、フロンでも浸入することが不可能になっていた。

「でも…遅かれ早かれ、あの子の存在が消えることに変わりはありません…。そう言う…運命、ですから…」

彼女の言う運命とは、フェミルの黄昏の花嫁としての役目のことを指しているのだろう。
そうして兄妹の悲惨な末路を想像し嘲笑うフロンは、口元に笑みを携えたまま、静かに息を引き取った。

790ナディア他:2017/05/09(火) 00:02:39
【ポセイドン邸】

「爺・・・」

どんなに最低な相手で理不尽な態度を取られようと、従者として身分を弁え決して無礼な行動をとらない爺。その彼が、暴動を起こしそうになった一族を次々と力で押さえつけている。
彼らより位が上であるナディアやセナを優先しての行動か、それにしても・・・

「爺、大丈夫か・・・?」

父を静かに見送ってくれと頭を下げる爺の肩は震えていた。実の子ですら彼の死に対し感傷に浸ってやることは出来ないのに、爺は悲しんでいる。父親としては最低な人だったが、上に立つ者としては信頼における相手だったのだろう。貧しい家庭に生活の援助をしていたし、身分に関係なく能力のある相手を迎え入れ仕事を与えていた。リトへの態度ばかりに目がいってしまっていたが、思い返せば他の面では尊敬出来ることが沢山あった。

(ごめん、父さん・・・)

相手に目を向けていなかったのはナディアも同じだったのだ。

「・・・」

子を先に失くす気持ちとはどのようなものだろう。
棺桶にいる人物に僅かに残っていた氣の残滓と、自分を庇い目の前で頭を垂れる男の氣から同じものを感じ取り、セナはこの二人が親子であることを悟る。恐らく公にはされていない事柄だ。
自分も巷では死んだものとして扱われた。唯一の肉親であったらしい父は自分を亡くし、どのような思いでいたのだろうとふと考えを巡らす。リマはとても悲しんでいたと言っていたが、正直良く分からない。父は亡骸が息子の背丈と同じだからと我が子であると信じて疑わず、子の死を受け入れたのだ。本当は生きていたのに。簡単に自分を諦めた父に、果たして悲しむ資格はあったのだろうか。

「セィちゃん・・・?」

どこかぼんやりしているセナに気付き、リマは気遣わしげに声をかける。
リマの声を聞いて同じくその様子に気付いたナディア。具合が悪いのか。休息を促そうと彼の肩に手を伸ばす。

その時だった。

ベルッチオの行動に一時は静まりかけた斎場が再びどよめきだした。
皆入口の方へ顔を向けている。

「え・・・」

何事かとナディアも視線の先に目を向けた。そしてその目に驚愕の色を見せる。

「・・・リト?」

開け放たれた扉の前に立つ人物、それは現在眠り続けているはずの弟の姿で。

(目覚めたのか?いや、と言うか今来られたら・・・)

案の定、周りはセナとリトを交互に見て混乱の色を見せている。
斎場がどよめく中、しかしリトは真っ直ぐに奥へと足を進める。そして、その後ろを白百合を咥えた黒猫が続く。

その様子を見計らったかのようにセナは何も言わず、リトとは逆に出口へ。
すれ違い様にリトはセナを見るも、対するセナは何の反応も示すことなく斎場を出ていった。リマが慌ててその跡を追った。

「リト、あんた・・・」

爺の側を過ぎナディアの横に立つ。無言で棺桶の中を見つめるリトに、ナディアは何か言わなければと考えるも、言葉が思いつかない。

「ホントに死んでたんだな」

そんな中、リトが先に口を開いた。
彼は何処か嘲るように言葉を紡ぐと、連れた黒猫から白百合を受け取り、ヨハンの亡骸に沿える。

「間に合ってよかった。あんたにまだ言い忘れてたことがあったんだ。」

許すことは出来ないけど、理解は出来ると言った。
いつか必ず生まれ変わって、もう一度自分に謝罪し、許す機会を作るよう伝えた。

「約束、守ってよね」

ヨハンの亡骸はなぜだかとても穏やかだ。今まで彼が抱えていた闇から解放された安堵感が伺える。彼も苦しんでいたのだ。

「生まれたことは後悔してない。安心して逝って。さよなら、父さん」

791リマ他:2017/05/12(金) 07:47:31
【ポセイドン邸】

「セィちゃん待ってっ」

斎場を後にするセナを追い呼びかけるが、彼はリマの声に振り返ることなく歩みを進める。

「待っ・・・ひゃっ」

彼が足を止める気はないのだと悟り、ならばと駆け出すも自分の足に躓き転びそうになる。態勢を崩したリマの体をそれまで反応のなかったセナがすかさず受け止める。

「ありがとう」

笑いかけるリマにセナは困惑の色を浮かべた。

「・・・何故、お前はいつも追ってくる?」

「傍にいないと不安なの。セィちゃん、消えちゃいそうで・・・」

幼い頃、セナがいるのが当たり前の日常で、突然彼はいなくなってしまった。
今のセナは何となく、あの頃のセナよりもとても脆く儚く感じるのだ。目を離したら消えてしまう、そんな不安に駆られる。

何を言っているんだ、と思ったが、リマの表情を見ると本気なのだと分かる。
縋るように掴む彼女の手に自分の手を重ね、セナは彼女を見つめた。

「いかない、何処にも。お前が望む限り。ただ・・・」

言いかけ、止まる。

なんだ・・・?

それまで何もなかったはずが、突如、プツンと糸が切れるように、異様な空気が流れ込む。

血なまぐささと、死臭と、異能の気配・・・

(結界が張られていた・・・?)

なんと高度な。セナですら気付かなかった。
しかし驚いている場合ではない。
この異様な気配の渦の中に、見知った氣をいくつか感じるのだ。

「セィちゃん・・・?」

「・・・お前には・・・」

衝撃が強すぎるかも知れない。しかし彼女の力が必要な場合も・・・

セナは苦渋の決断とばかりにリマの手を取ると、そのまま気配の方へ向かった。

-----

予想通り・・・いや、予想以上か。

「・・・っ」

あたり一面に飛び散った血。そして血溜りの中に倒れる少女に、その傍らでドレスを赤く染め呆然と座り込むヨノの姿。
傍には見知らぬ青年が倒れており、その更に奥には・・・

「アブくん・・・!」

同じく血溜まりを作り倒れるアブセルと、嗚咽を漏らすユニの姿を見つけ、リマは駆け寄った。

「アブくんしっかり・・・!」

「ユニのせいです・・・っユニのせいでっアブセルさんがっ」

「大丈夫、まだ息がある」

虫の息だが、辛うじて感じる生命の灯火にリマは安堵する。
生きていれば、助けられる。

リマが手を翳すとあたり一面に光の粒子が現れ、アブセルの体を包み込む。
そしてその光が消えた其処には傷が見る影もなく消えているアブセルの姿があった。
そしてリマはアブセルの口を少しあけ、手で皿を作る。彼女の手皿の中に泉のごとく水が湧きあがり、それをアブセルの口に流し込んだ。ポセイドンの生み出す癒しの力、命の水だ。

「アブくん、起きて。私が分かる?」

792ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/05/12(金) 12:26:45
【ポセイドン邸】

出過ぎた真似をしてしまったばかりか、よもや当主にいらぬ気遣いまでかけさせてしまうとは。
ベルッチオは下げていた頭を上げると、申し訳が立たないとばかりにナディアに目礼で応じ、今だ震えの止まらぬ手を背後に回し、脇へ下がろうとする。
…丁度その時だ。
突如として広間の扉が押し開かれ、直後、斎場にどよめきが走る。

「…リト…坊っちゃん……?」

扉を潜って現れた人物に、ベルッチオは信じられない想いを抱いた。
他の参列者と同様に、リトとセナを交互に見比べては、その顔に動揺の色を浮かべている。
ただ平静を取り戻すのも早かった。それは彼がこの屋敷に長年仕え、そこに住まう人物の性分を少なからず把握していたからこそだろう。

屋敷に戻ってからというもの、アブセルが何やらこそこそとしていたことは気づいていた。
どのような術を用い、そこにどんな真意があるのかは定かではないが、恐らくはナディア達と一緒になって悪巧みでも企てたのだろう。
そしてこうして見比べてみれば、たった今現れた彼がリトだと、そう確信が持てる程には思うものもあり、
むしろなぜ気づけなかったのかと、恥じ入るばかりだ。

そんなベルッチオの脇をリトが通り過ぎる。

棺の中の父親と向き合うリトに、その口から発せられた言葉に意識を奪われる。
彼がヨハンを父と呼ぶのを初めて聞いた。いや、そもそもリトが一度だってヨハンと言葉を交わしたことがあっただろうか。
父親の死を静かに受け止めるリトの横顔は、湖の水を湛えているかのように澄みきっていて、何故だか全く知らない人のようで…。

不意にベルッチオはその顔を見ていて、思わず泣きそうになった。
今までに抱いたこともない感情が込み上げてきて、堪えきれず瞼の奥に熱いものが集まってくる。
何故そんな風に感じたのかは分からない。何故こんなにも胸が熱くなるのかも。
ただ強く目を閉じて、その波が過ぎるの必死に待った。

…この子はこんなにも堂々としていただろうか、こんなにも吹っ切れたような表情をしていただろうか。

ベルッチオの眼にはいつだって、部屋の片隅で一人、積み木を弄っていた幼子の姿が残っている。
死を待つばかりの儚い存在。もちろん可愛く思わない訳がない。
だがそんな子に下手に情でも抱いてしまえば、"その時"が来たとき、居ても立ってもいられなくなる。

故にずっと目を逸らし続けてきたのだ。
見ないようにして、見ないようして、真実からも現実からも背を向けて。
その間に彼はこんなにも美しく、立派に成長していたというのに。

その母親によく似た顔立ちの中に、確かに宿るヨハンの面影を垣間見て再び心が揺さぶられるのを感じた。

「…最期に、旦那様とお話されたのですね」

彼は努めて平静を装うと、静かな声でリトに語りかけた。
まさかそれが死後の世界でなど、想像にもしないが。

ただヨハンは最後に自身の想いをリトに伝えたのだろう。
だから、リトは今ここに、こうして立っているのだ。

「………」

何を思ったのか、ベルッチオはリトに向けて粛々と頭を垂れた。

言うべきことは沢山あったと思う。謝るべき言葉も、伝えるべき言葉も。
果たしてそれをする資格が自分にあるのかどうかも分からない。だがそうせずにはいられなかったのだ。

道具として生まれ、その存在を隠匿され続けた幼少期。そしてその存在が明るみになるや、今度は悪しきものとして害されることとなった彼の生を、17年という時を経て、ようやく表だって歓迎できることに…

「…お帰りなさいませ、坊っちゃん」

老人は溢れんばかりの感謝の想いを胸に、最大の敬意を込めてリトを迎え入れたのだ。


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