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Key Of The Twilight
708
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2017/01/26(木) 11:34:58
…………
光も音もない。完全なる死の世界。
しかしその中で唯一、止まることなく動き続けるものがあった。
心臓だ。心の奥底から熱く脈打つものが込み上げてくるのを感じる。
ぽつりと、レグナの胸に淡い光が宿る。やがてそれは全身に広がり、理屈では計り知れないエネルギーが彼の身体から発せられた。
「…我が想いに宿りし神よ、天命に従いて今すべてを解き放て」
それは原初の光。
天地創造の先駆けの一つ。
そして物質の性質を根本から書き替える力。その力の前では、絶対零度ですら本来の性質を失う。
「我は雷神トール、聖槍を以て邪を打ち砕く、戦と変革の神なり! 」
哀しみを歓びに。憎しみを希望に。罪を愛に。
絶対零度は万物の生命エネルギーである、マナへと変わる。
(…なんてね)
レグナは密かに舌を出す。
一瞬、自分がやったのかと思った。だが、違う。これはアグルの仕業だ。
アグルが兄を護ろうとして無意識に力を開放させたのだ。
(…やっぱりお前の方が当主の器だったな)
今は大きな力の反動で意識を失っているのだろうか。アグルの声は聞こえない。
彼は頑張ってくれた。消える前に自分も少しは兄らしい役割を果たさなければ。
レグナは決意を胸にユーリに向き合った。そして言った。
「あなたの言う通りだ…。復讐の刃では未来への道を切り開くことは出来ない。
だから…俺はアグルの為にも、あなたに止めを刺すことはしたくない」
アグルはユーリを討ち取った後、自分も死ぬつもりでいたし。と頭の中で付け足す。
「放っといてもあなたは直に死ぬんだろう?ならその前に教えてくれないかな」
彼の持つ魂が、徐々に禍々しいものに蝕まれているのが分かる。
かつて自分を殺した者の死が、目前に迫っているのを見るのは何とも奇妙な気分だ。不思議と彼に対する怨みはなかった。
「ずっと不思議だったんだ、あなたが何の為に戦っているのかが。
あなたはこの塔の番人?この塔は何の為にあるのかな?そしてここで何をしようとしているのか…答えてくれない?」
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