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Key Of The Twilight
745
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2017/03/12(日) 22:31:08
【ポセイドン邸】
「変態は余計だっつぅんだよッ!」
ジルの挑発にアブセルは声を荒げて反論する。
その性格故か、相手の売り言葉に逐一黙っていることの出来ない彼にとって、ジルはある意味で最も相性の悪い相手だといえるだろう。
しかもそれが正鵠を射たものともなれば尚更だ。
しかし実のところ、ジルに化物だとか変態だとか言われても痛いところは何もないのだ。ただそれが"リト"になると話は変わる。
この姿のことを、もちろんリトは知らないだろう。アブセル自身、これはつい先日深淵に潜った際に会得したばかりの力なのだから。
半魔化…または憑依召喚は彼の血族に受け継がれる御家芸の様なものなのだが、アブセルはこれが好きではなかった。
理由ははっきりとしている。そう、化物みたいだから。魔獣を使役するのでさえ抵抗があるのに、あろうことかそれと融合し己自身を魔と変えるなんて化物以外の何者でもない。
よって、祖父が闇の扱い方を教えると言うその都度、アブセルはそれから逃げてきた。リトを苦しめる闇の力になんか頼りたくない、と言う其の実、こんな姿を見せれば彼や彼の姉達に嫌われてしまうかもしれないという怖れがあった。
だがそれも以前までの話だ。ここ最近の騒動でリトを今のような状態にしてしまったのは、そういったことを含めた自分の弱さが原因だったと後悔し、彼を護る為なら己が持ち得る力は何だって使うと、心に決めたばかりだったのだ。…が、不意打ち気味に指摘されるとやはり何かしら堪えるものがある。
心の乱れは動揺を生み、動揺は隙をつくる。
一瞬だが全方位から襲い来る飛来物に対応するのが遅れてしまった。そしてこのような状況下では、その一瞬が命取りになるのはざらである。
身につけているシャツと下穿きの隙間から化物の片鱗が新たに顔を覗かせる。白い毛皮に被われた長い尾が勢い良くしなり、風圧で周囲の針を一掃する。
尾で落としきれない分は身を低くして潜り抜けるように躱すが、始め躊躇したのが原因か、足や肩に数本針が刺さってしまった。
だが―…
「――こんなもんが俺に効くかよっ!」
アブセルはそんなものお構い無しとばかりに、ジルに肉薄し彼の脇腹に回し蹴りを放つ。
半魔化し毒物の類いが効く難くはなっているのは確かだ。だが完全ではない。
「………っ」
蹴りの直後、体勢を直すことも儘ならず、そのまま崩れるように床に膝を付いてしまった。
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