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Key Of The Twilight
721
:
ベルッチオ
◆Hbcmdmj4dM
:2017/01/31(火) 00:34:37
しかしそれに対する彼女の答えは、私の想像の遥か斜め上を行くものであった。彼女はまだあどけない少女の顔でにっこりと笑った。
「私はね、旅人になりたい。世界中を旅しながら、吟遊詩人みたいに沢山の人に歌を聞かせて回るの。どう?素敵じゃない?」
…思わず返す言葉を失ってしまった。
彼女らしい、と言えば彼女らしいのかもしれないが…。いや、だが結局は世間知らずの、頭の中がお花畑のお嬢様の考えることだ。現実的ではない。
「つまりは浮浪者だろ。自らそんなものになりたがる人間の気がしれん」
「良いじゃない、そういう何が起こるか分からない生活ってわくわくしない?着の身着のままで色んな処に行って、色んな人に出逢って、色んな体験をするの。…そういうの凄く憧れる」
深窓の令嬢に有りがちの、外の世界への憧れというやつだろうか。ただ彼女の場合は本当に実行してしまいそうで怖い。
しかしその直後、何事か、彼女は「あ…」と表情を曇らせた。自身の白い頬に手を触れる。
「でも私の見た目って変だから、皆気味悪がって逃げちゃうかも…」
上がったり下がったり、面倒臭い娘だ。
「知るか、そんなものに拘るのは閉鎖的な田舎の年寄りくらいだ。大きな街に行けば気にする人間なんて誰もいない」
私は内心、しまった。と思う。また彼女を調子に乗らせるようなことを口走ってしまった。
案の上、彼女はパッと表情を明るくさせる。身を乗り出してきた。
「じゃあ、その時はベルも一緒に来てくれる?」
「何故?」
「一人より二人の方が楽しいもの。音楽も一緒。私が歌を歌うから、ベルは何か楽器をやって」
「俺に音楽の嗜みはない」
「タンバリンとか簡単なので良いのよ?」
「タンバリン…?」
「もしくはダンスなんてどう?とっても盛り上がりそう」
「……………」
私はレイシーの横で、歌に合わせてタンバリンを叩きダンスを踊る自分の姿を想像する。何というか…、凄くシュールな絵面だ。
冗談じゃない。と心の中で呟く。
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