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Key Of The Twilight

716ヨハン他 ◆wxoyo3TVQU:2017/01/29(日) 20:04:18
【冥界】
門を潜ると真っ暗な道が続いている。
行き先が行き先だ、この道に違和感は無いと歩いていると、予想に反して開けた空間に出た。そして、予想に反した事態はこれだけではない。

(何だこれは・・・)

目の前に広がる光景に目を疑う。
木々の茂った緑豊かな場所に、川までも流れている。
それは絵に書いたような美しい風景だった。

「嘘くさいな」

しかしひねくれた性格のヨハンである。感動よりも前に胡散臭さの方を感じてしまった。
眉を潜め思わず発してしまったその言葉に、クスリと吹き出すような笑い声が帰ってくる。

「は?」

自分以外の人間がいるとは思っていなかったため、ヨハンは驚きそちらへ目を向ける。そして彼は再び自分の目を疑うこととなった。

「と・・・」

目の前で笑みを浮かべるその男は、間違いなく自分が死なせた友人。

「久しぶり、ヨハン。性格は相変わらずだね。見た目は・・・歳をとってダンディになったかな?」

軽口をたたくその様もかの人物そのもので、彼がトーマであることは疑いようがなかった。

「どうしてお前が・・・」

「君を待っていたんだ、話をしたくて。」

いってトーマは川の傍らに見つけた岩石に腰掛ける。

「あぁ、因みに此処は君の考えてる場所じゃないから安心して?此処は境なんだ。分かりやすく言えばあっちが地の国で、こっちが天の国。あの人は面白いことをするね。本当は扉の行き先は同じなのに、わざと二つ用意した。」

まぁ、そうでもしないと君たち親子は本音で話をしなかっただろうけど。
トーマは優しく微笑んだ。

「今話をしないと、君は死んでも死にきれないと思ったんだ。僕の死は自分のせいだと思っているでしょ?」

図星だった。ヨハンは口篭る。
しかし、「思っている」のではない。「事実」なのだ。

「ほら、またそんな顔をする。僕が死んだのは君のせいじゃない。気を遣って言っているんじゃないよ?君を手伝おうとしたのは僕の意思だ。リトを引き取るって話を持ち掛けたのは他でもない、僕だよ。僕は嬉しかった。その提案を受け入れてくれて。君に頼ってもらえて。」

ただ、僕達が相手にした奴らが強敵だっただけ。

「ねぇ、そこに突っ立ってないでさ。座りなよ。僕と話そう。折角時間を貰えたんだから。」


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