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Key Of The Twilight
735
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2017/02/21(火) 01:31:30
【ポセイドン邸】
「こら!暴れんなユニっ!」
もがく彼女を羽交い締めにする様を見れば、確かにどちらが悪者か分からない。
しかし今はそんな些細なことを気にしている余裕はない。
なぜなら直後、ジルの発した言葉がアブセルの鼓膜を突いたからだ。ユニや他の者を容易く屈服させたその力を、身を持って体感することとなる。
耳どころか頭にまとわり付いて離れない甘言が、脳を痺れさせる。駄目だと分かっているのに、徐々に思考が霧がかり、抗う自由を奪われる。ついには、なぜ自分は目の前の彼を敵だと思ったのだろうと、疑問を持つまでに至り――
「いだッ!?」
…かけたところで、唐突に生じた顎への衝撃が全てを吹き飛ばした。
顔だけ天井を仰ぐ形で我に返り、アブセルは暫し目を瞬かせる。顎に残るジンジンとした痛みで全てを理解した。
どうやら暴れたユニの頭が、勢い余って顎に直撃したようだ。決して意図してやった訳ではないのだろうが、結果としてジルの催眠を解いてくれたのだから、今は彼女に感謝せざるを得ない。
そしてそんなユニに対し、直後、アブセルが取った行動はと言えば…。
「クロ、頼む!」
後方へ思いっきりぶん投げることだった。先程ジルに飛ばされ退いていた黒獅子が主の真意を察し、素早く移動してその柔らかい毛皮で彼女の身を受け止める。
そのままユニの服の襟首を器用に咥え、邪魔にならない程度の場所まで移動したのを横目で確認すると、アブセルは再びジルへと意識を向けた。
「…余計なお世話なんだよ…」
低く唸るような声が喉から洩れ、その頭部からは湾曲した二本の黒い角が伸び、手も獣じみた鋭い爪が生えたものへと変わる。
「多分…て言うか絶対、お嬢達は怒ってるだろうよ。リトだって俺の顔なんてもう見たくもないかもしれない。…そんなこと言われなくても分かってる。許されなくたって、嫌われたって、屋敷を追い出されたって文句なんて何も言えないってことも…」
でも、と彼は続ける。琥珀色の双眸がジルを睨みつけた。
「自分が仕出かしたことの責任すら自分自身で取れないなんて、それこそ最悪過ぎるだろ。俺はリトを裏切ったことに対する罰なら、何だって甘んじて受けるつもりだ。例えそれが鎖つきの首輪をつけられて、二足歩行も人語も禁じられて、『返事はワンだろう?』とか『靴を舐めろこの駄犬が』とか罵られて、一生リトの犬であることを強いられたとしても!」
て言うかそのプレイはもはやご褒美でしかない。
そう熱く語るアブセルは、ふいに膝を折ると低い姿勢を取り、
「つーか、リトやセイちゃんさん達のこともなんだけど…、お嬢やヨノ姉のことまで知ってるようなその口調は何な訳?
あんたのその何でも見透かしてますよー、みたいな態度が何かすっげー癪に障るんだけどっ!」
言葉尻を上げるのと同時に地面を蹴り上げ、勢いのままジルへと飛びかかる。凶爪が空気を裂き、彼を狙って禍々しい光を煌めかせた。
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