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Key Of The Twilight
714
:
ベルッチオ
◆Hbcmdmj4dM
:2017/01/27(金) 22:41:54
「毎日こんなことをやっているのか?あんなのが居たら他の町民は神殿には寄り付かないだろうに」
物乞いが立ち去った後、私はそう口にした。
彼女は哀しげな微笑みを携え「私に出来ることはこれくらいしかないから…」と言った。そして、
「それに心配しないで、他にも神殿に来てくれる子達はいるから」とも。
「神子さまー‼」
その言葉通り、またどこからか親し気に彼女のことを呼ぶ声が飛んでくる。
見れば数人の少年少女達が、夏の陽のようなキラキラとした笑顔を振りまいて駆け寄ってくる。レイシーは彼らによって、あっという間に周りを取り囲まれてしまった。
「おはよう。どうしたの?」
「あのね、今から皆でコスモスの種を植えるの!神子さまも一緒にしよう!」
それらの会話からレイシーと子供達の関係性が何となく想像できる。彼女は「まあ」と顔を綻ばせた。
「それは素敵ね。でもごめんなさい、今から朝のお祈りをしなくちゃいけないの。終わるまで少し待っててくれる?
それまでベル…このお兄ちゃんと遊んでて」
何を勝手なことを。
しかし文句を言う前に、彼女はさっさと神殿の中に入っていってしまう。子供達にしても、明らかに見知らぬ私のことを警戒しているようだった。何か不審な者でも見るかのような視線が痛い。
レイシーが戻って来るまで、この空気の中にいるのは流石に居た堪れない。私は仕方なく彼らに目線を合わせ、出来る限りの柔らかい声音で話しかけることにする。
「神子様のこと、随分慕っているんだな」
子供は素直だ。こちらが無害を装うと、取り合えずは戸惑いながらもポツポツと言葉を返してくれる。
「…えっと…うん、大人達の中には神子様のこと悪く言う人もいるけど…私は大好き」
「神子さま、優しいから!」
「お歌うたってくれるし」
「ねー」と彼らは相槌を打ち合う。
…優しい、か。
「物乞いに施しをしているようだが」
「それだけじゃないよ。神子様はよく町の皆のお手伝いしてる」
「畑仕事とかー、荷運びとかー」
思わず「まさか」と聞き返しそうになった。再三と言うが彼女は神子だ。そこら辺の村娘とは訳が違うのだ。
それが何の酔狂で、土いじりや力仕事に精を出すというのか…。理解に苦しむ。
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