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Key Of The Twilight

1イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。

現在、参加者の募集はしておりません。

623ジル ◆wxoyo3TVQU:2016/10/20(木) 00:24:52
【虚空城】

「兄さま・・・」

いくつかの任務を終え久しぶりに本拠地へ戻ると、目敏くジルを見つけたフェミルがいそいそと近づいてきた。
ジルがその姿に破顔し身を屈めると、広げた腕の中にすかさず収まってくる。

「ただいま、僕の可愛いお姫様。いい子にしてた?」

「フェミル、いい子。メルのこと、ちゃんと見てた。」

メルフィ。その名を聞いてジルはふと視線を奥へ向けた。
顔だけを覗かせこちらの様子を伺っている少女と目があった。闇の王子と吸血鬼の姫の血を引く少女は、あらゆるものを解く鍵として利用できるらしい。最近一つ目の封印を解くため連れ出されていたが、どうやら戻ってきていたらしい。

ジルは少女へ優しげな表情を向けた。

「メル、君もおいで。」

名前を呼ばれるとは思っていなかったのか、メルフィはビクリと身を震わせる。

「大丈夫、怖くないから。抱きしめてあげる。」

言われ、メルフィもおずおずとしながらも近づいてきた。
遠慮がちに抱きついてきた少女を、ジルは笑顔で受け止めながら頭を撫でてやった。

「お仕事、ちゃんと出来たんだね。よく頑張ったね。偉いよ。」

「メル、偉いですか?」

「偉いよ。こんなに小さいのに、ちゃんと務めを果たしてる。」

ご褒美、と言っておでこに口付ける。するとフェミルもせがむので、彼女には頬にしてやった。
可愛い妹たち。出来ればこのままずっと一緒にいたいが、悲しきかな、またすぐに出なければならない。

最近任務を立て続けに申し付けられて溜まっているのだ。二人の警護もその一つだが、これだけを遂行していることは許されない。

「兄さま、またお出かけするの・・・?」

「妖精さんを迎えにいくんだ。今度は可愛いお姉さんが来るよ。」

「妹の次・・・姉さま。フェミル、家族がいっぱい。」

「うん、いっぱいだね。」

虚空城に常にいるのは今までゼロとフェミルのみだった。最近メルフィが増えて、フェミルにとっては家族が増えたようで嬉しいようだ。
立て続けに少女を攫う命を受けている自分には堪ったものではないが。

(フェミル、お前のためなら何だってする・・・)

妹に不自由をさせないため身を穢した。妹に安心出来る居場所を与えるために、ゼロに下った。妹が黄昏の花嫁に選ばれたことは誤算だったが、このまま渡すつもりもない。
ゼロがユニに興味を持った。ゼロの望む未来を手に入れるために必要な存在であるとしか聞いていないが、上手く行けばフェミルを解放できるかもしれない。花嫁を交代できれば、フェミルを助けることが出来る。

フェミルを救えるのなら、他の何が犠牲になってもいい。

胸の奥に感じる痛みはきっと気のせいだろう。
ジルは自分の中に潜む幽かな罪悪感に目を背け、気づかぬふりをした。

【因みにジルの声は柿原徹也です←】

ヤツキ>>
【うん、動きやすい(*ˊૢᵕˋૢ*)

アブセルvsジル、いいね!やろう!!←勝手に決める

おけ!GO出たら迎え行くわ(笑)】

624サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/20(木) 19:34:44
【冥界】

「ついてって良いの?」

リトと共に敷地内を散策した後、ようやくアンヘルという少年を発見した。
また客人が来るらしいとのことを少年の口から聞いたサンディは、少し考えて笑顔で答えた。

「ここがどういう仕組みになってるかちょっと興味あるし、お言葉に甘えようかな」



【ヤツキ>こっちもどうやってサンディを戻そうか迷ってたので、是非お願いします!

リマ>自分もアブセルvsジルやりたいです!

ナディアやリトほどの美形なら自覚もするでしょう(笑)

柿原さんかぁ…最初うーんって思ったけど、ジルの台詞で脳内再生してみたら、ぴったりだった!⬅

マジでギャグアニメだったのかww空とぶの見たいww
本当みんな何であんなにヒロイン好きなんでしょう?(笑)男達にされるがままでヒロイン可哀想w10曲作れとか完全に過労死させる気だしww
でもやっぱり歌は上手いしカッコいいですね、画面見ると何か笑ってしまうけどww
何気に二話も見ましたが、藍ちゃんのグループ仲悪すぎてびっくりしました(笑)そして嶺二がいい人過ぎて涙が…⬅


召したら二度と戻ってこれないから駄目です(笑)
リトは相変わらず素直じゃないw因みにナディアはアブセルにとってもヒーローで憧れらしいです⬅
ジュノスも幼少時代まともな教育受けてないから色々おかしいんですw

男女平等w素敵だww

いい子ではないんじゃないですかね(;´`)恋に恋してるだけですし、自分のことしか考えてないし。なので容赦なくやっちゃってください⬅
リトは…これからですよ(笑)これからそういう人を沢山つくってけば良いんですよ^^

了解です!それでいきましょう(´∇`)

625リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/10/20(木) 23:16:50
イスラ>>

【やりましょうやりましょう!

え、マジで?(笑)でもナディアはナルシストですけどリトはナルシストではないんですよ?ナルシストではないのに男にも好かれる顔って分かってるとか凄くね?←

台詞wwwじもジルの台詞打ってる時いつの間にか頭の中でカッキーの声で再生されてました(笑)

えっとですね、空飛ぶのは前作レボリューションの伯爵回です!←アバウト
何話かは忘れました←藍ちゃんの当番は3話なんですけどね、藍ちゃん以外興味無いので把握してません(´>؂∂`)←

あれをギャグアニメと言わずして何と言うか←
と言うかあのヒロインにそんな多くの男を虜にするような魅力を感じない←
社長は過労死させる気満々ですが、あの子ものの数分で曲作っちゃうんで頗る元気です←

笑わないでwww他のユニットはいいけどカルナイは笑っちゃダメ!!←
あのカルナイの映像見て「か・・・カッケェ・・・」ってなった私は既にうたプリ脳なのだろうか・・・←

カルナイめっちゃ仲悪いっすよwww蘭丸パイセンとカミュが敬遠の仲ですねwwwレイジと藍は心友だし、レイジと蘭丸は悪友な感じで何だかんだ仲良いし、蘭丸と藍は兄弟って感じの仲だし、藍とカミュも付かず離れずで良好な関係築いてますが、蘭丸とカミュがねぇ・・・(2度目)ただレイジを虐める時だけは息が合うんですよあの二人←
てか二話も見たんですねwww因みに私あの二話にずっと一言物申したくてウズウズしてたので折角なので言わせてください。
・・・藍ちゃん悪くなくね!?ただひたすらレイジに「何とかして」って訴えてただけじゃんwww何で藍ちゃんも怒られたのwww 寧ろ頑なにレイジに話しかけててめっちゃレイジ大好きっ子の構ってちゃんじゃん!あそこはレイジ、藍ちゃん置いてくんじゃなくて藍ちゃんの腕引っ張って一緒に逃亡するところでしょ?!一家のお母さんが末っ子だけ連れて実家に帰っちゃうみたいにさ!!←

何故泣くwwwレイジはもともとイイ人ですが、昔、自分のことを優先したことで大事な親友を亡くして(生きてるけど)しまったので(因みに本人がそう思ってるだけでレイジの責任じゃない)、それがトラウマで自分より相手を優先する癖がついちゃってるんです( •́ .̫ •̀ )
鬱で病んでたレイジに希望を与えたのが今のユニットなので、誰よりも大事に思ってるっぽいです。多分←
因みに親友の生き写しである藍ちゃんのことは誰よりも幸せになって欲しいし、幸せにしたい相手だそうです。ゲームしてないので詳しくは分かりませんが←


えー、面白そうだからやってみたい←
え、ナディア超ヒーローじゃないですかwwwヨノにとってもヒーローですよ←
いや、でも変態教育は受けてないはず←

素敵でしょ?でも好感度MAXにするのは難しくて無理でした( •́ .̫ •̀ )

マジか、了解しました←
恋に恋してるって、ジルじゃないんかいwww

いや、まともな人が周り殆どにいないんですよ( •́ .̫ •̀ )←

それでよろしくお願いします(*ˊૢᵕˋૢ*)】

626アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/21(金) 23:44:35
【黄昏の塔】

「………ッ」

落ちる。

支えを失った恐怖。重力に縛られた身体はまっ逆さまに下へ下へと落下していく。
だがアグルの闘志は衰えるばかりか、むしろ強くなる一方だ。

代々一族の当主は四神トールの神子の証、黄金の大翼を担い、空を自在に駆け抜けたと言う。

「ユーリ…」

不意にアグルの身体から電気が迸る。
それは闇を照らす一つの光となり、身を纏う輝きは彼に二対の翼を持たせ、握る槍は巨大な聖槍へと姿を変えた。

「俺を舐めるなッ‼」

アグルは勢いよく翼を打ち空中で身を翻す。
落ちた距離を一瞬で上り、ユーリのいる壁面目掛けて巨大な槍を突き立てた。

627DD ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/21(金) 23:47:00
【森】

「キャーッ!!!」

湖面から出てきたヴェントに、それに向けて非難の言葉を投げるマゼンダ。
突如その背後から黄色い声が上がる。

「やっだーっもう!ダーリンってば大胆すぎィー!
そんな格好を見せて一体アタシをどうしようって言うの!?」

フィアの背後に隠れて両手で顔を覆い、何やら一人で騒いでいるらしいDD。
しかし彼の方が身長が高いため隠れきれていない上に、指の隙間からもばっちり視界を確保している。

「早く服を着てダーリン‼じゃないとアタシの心臓がもう持たないわ!
ああ…!でも急がなくて良いのよ!?ゆっくり上がってきて、その格好のままアタシをぎゅっと力強く抱き締めてからでも遅くないのよ!?」

あまりの興奮についつい本音と建前が混合してしまう。
一体彼は服を着て欲しいのか欲しくないのか、どっちなのだろうか。

628フロン ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/22(土) 00:26:03
【霊園】

虚空城を出て行ってから一体何日が経過しただろうか。
近頃、黄龍と一部の人間達が世界をかけて大々的に戦争を始めたとのことらしいが、フロンにとってはどうでも良い話だった。

ただあの人のことが心配だった。
あの人の元を飛び出してから、ずっと捜していた。

捜して捜して捜して…、そしてついに見つけた。愛しい人。

「ジルさん!」

そこは名も知らぬ町の霊園だった。彼の匂いを頼りにここまで辿り着き、そしてとある墓石の前で佇む彼の背中に向けフロンは呼び掛けた。

「あの…あの…、待ってくださいジルさん…。
私、貴方に謝りたくて、貴方のことをずっと捜していたんです…!」

言って深々と頭を下げる。

「あの…、以前は…すみませんでした…。私、たまに正気を保てなくなっちゃうんです…。
その…ジルさんはもう気づいていますよね…?私に変な力があるってこと…」

依然フロンは顔を伏せたままだ。
自ずと両手を胸の前に当てる。肩が小刻みに震えだした。

「私…定期的に能力者を食べ……食べないと頭がおかしくなっちゃうんです…っ。
こんなの気持ち悪いですよね…!?自分でも嫌なんです!でもどうすることも出来なくて…っ。
こんなこと知られたら絶対ジルさんに嫌われちゃうって思って…!
…だからずっと隠していました。ごめんなさい…」

629フロン ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/22(土) 00:35:23
リマ》リトは旅中も男女問わず沢山声かけられてそうだし、「君かわぅいーねー」とかって言われれば何となく自覚もするでしょう。セナは言われても気づかなそうだけど⬅

何か柿原さんの飄々とした感じの声がジルの雰囲気と合ってるんですよね^^

アバウトww了解しました(笑)
え!?春ちゃん可愛いじゃないですか!「他の人が書くって考えるとやきもち妬いちゃいます」って!何てええ子なんやと思わずトゥンク…ってしちゃいましたよ⬅

いや普通に見ればカッコいいのかもしれませんが、ニコ○コで見てるからコメントのせいで笑ってまうんです(笑)彼らが歌い出すと必ず歌詞の空耳コメが流れるしww
でも歌的にはヘヴンズが一番好きかもしれない、「天国に行かないか」って出だしの歌が何か一番耳に残ってるw

へー、彼らよくグループ組んだなぁ(笑)
てかレイジが母ちゃんかww
藍ちゃんはレイジに任せっぱなしだったから怒られたんじゃないですかね?
ほら皆がお母さんに甘え過ぎてた感あるから、お母さんも疲れて育児放棄しちゃうんですよ(笑)

彼も色々苦労してるんですね(-_-;)何かそう言う話(レイジと藍ちゃんの関係)聞くとヒロインまじ空気だな…って思いますね(笑)

やめろww
みんなナディア大好き過ぎwwあの子らはナディアって支えがあったからこそ、今まで元気にやってこれたのかもしれませんね^^
えwいやまぁ…それはその通りですがww

何でそこで諦めるんだよぉっ!⬅

好みがない訳ではないですが、ぶっちゃけ好きになる相手は誰でも良いのかもしれません⬅恋してる自分に酔ってる的な
取り合えずジルが両親の墓参りしてるってシチュエーションで絡み文を投下させて貰いました(勝手に申しわけ;

630ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/10/22(土) 14:57:00
【黄昏の塔】

眩く輝く光の翼と、聖なる槍。
突き立てられたそれはいとも容易く壁面を穿ち、一拍の間を置いた後に壁面へ大穴を開けた。

しかし、そこにはユーリの姿は無い。
複腕と粘着性の糸により高速で上方へと昇るユーリは、ゆっくりと目を細めた。

「その翼、槍……いつかの一族の者か。」

アグルの背を照らす光翼とその手に握る聖槍に、ユーリは見覚えがあった。
暗殺稼業から足を洗う為、弥都を出、シンライジ一族から逃れる為に。

「俺にとっての最後の仕事、とある一族の抹殺……生き残りか、遠い血筋か、はたまた別か。
まぁ良い……その雷光、咬み砕いてやろう。」

細めた目でアグルを見据え、身に纏う魔装が蠕動。
全身の筋肉が膨張し、堅牢な甲殻鎧が内側から軋む。

そして、壁面の破砕音は置き去りに。
音速を遥かに超える速度で跳ぶユーリは、刃を握る数多の複腕をもって、アグルへと襲い掛かった。

631リト ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 14:27:08
【冥界】

「生を全うして正式に死した者であれば、ちゃんとしたルートを通って直接裁きの間に行けるんだけど・・・」

歩みを進めながらアンヘルは説明する。
あらゆる次元の現実世界とこの冥界を繋ぐ道があり、本来であればそこを通って途中いくつかの審判を受けながら最後にこの場に辿り着く仕組みとなっている。
たまにサンディのように不安定な魂が迷い込む事があると以前説明したが、サンディのように自力で辿り着いた者は更に珍しいと、彼は述べる。

「君は運が良かったんだ。大抵、そうした魂は出口の分からない暗闇で宛もなくさ迷ってる。今回のように。」

生界と死界の狭間に堕ちているのだと言う。その狭間は次元の歪みのようなものでとても不安定な場所だ。早く対処しないとそのまま魂ごも消滅してしまうとアンヘルは表情も変えずサラリと恐ろしい事を言った。

「良かったな、消えないで。」

リトがサンディに向けたその言葉で、サンディが危機的状態であった事を明確にした。

632リト ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 14:27:56
境が明確ではないがいつの間にか敷地内を出ていたらしい。一同は木々の茂る森の中を歩く。
そして辿り着いた場所は大きな泉の広がる静かな場所。
アンヘルはその泉を挟んだ向かい岸を指しながら言った。

「あっちは天界。天界と地界へ続くゲートは屋敷にあるんだけど、実を言うと直接行ける。行ってもいいよ?死ぬけど。」

無礼講を申し出て以降、アンヘルの言葉選びが極端になった気がする。たしかに間違いではないが、直接的過ぎる。
リトのそんな戸惑いも知らず、アンヘルは淡々とした表情で「この周囲に実ってる果物は食べない方がいい」と述べた。食べたら「戻れなくなる」らしい。

「道と道を繋げるにはいくつかの方法がある。誰にでも出来る有名な方法と言えば合わせ鏡かな。あと、道を繋げる媒体があっても行ける。今回はこの泉。」

此処は二つの次元が重なる場所であるため、迷い人のいる場の歪みとまでは行かないが、多少の歪みがあるのだそうだ。
そんな中、媒体となり得る泉を利用することで一時的に道を繋げる事が出来るのだと言った。

「で、あとは迷い人の魂を見つけて引き寄せる必要があるんだけど・・・」

アンヘルがそう言いかけたところで三人のもとへ新たな人影が現れた。
人影・・・たしかに人影なのだが、デカイ。
こちらに近づくにつれて影が規格外の大きさになってくる。

「はぁい!少年♪こんな所に来るなんて珍しいじゃない。」

規格外にでかい影の正体は異様な大きさの男であった。そして現れるまで気づかなかったが、その大男の肩に小柄な少女が腰掛けていた。

「叔母さま」

「お姉さまとお呼びなさい、糞ガキ。」

「イヴは自称ルイの妹だから、アンヘルの言葉は間違ってはいない。」

「お黙り」

少女は大男を小突き、ヒョイっと地に降り立った。

「道を繋げてほしい。」

用件を述べるアンヘルへ、少女は「どうせそんなことだろうと思った」と面白くなさそうに唇を尖らせる。

「私に会いたくなったから、とかさ。もっと可愛げのある用事がいいなー。」

「早くして。」

「可愛くなーい!」

用件のみをこなし、無駄話は許さない。実に父親にそっくりである。などと少女は頬を膨らませながらアンヘルへ不平を述べるが、申し出は聞き入れるようだ。
何やら不機嫌にブツブツいいながらも片手を泉に向けて無造作に凪ぐ。
途端、辺りに風が巻き起こり、泉が水柱となって立ち上がった。

「彼女は冥界への扉を守る番人。時空、空間、ありとあらゆる場所に道を繋げることが出来る。もっとも、この力を使う必要があるのは今回みたいなイレギュラーな時だけだけど。」

「見つけたよ。」

少女の声に促されそちらへ目を向ければ、水柱の中に人影が浮かび上がってきた。
アンヘルは"向こう側"の人物へ向かって声を上げる。

「この声が聞こえるか?閻魔の意のもと"こちら側"への訪問を許可する。その身を朽ちさせたくなければこの声に従いまっすぐ進め。」



ヤツキ>>
【てなわけで冥界へようこそー←】

633ジル ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 21:36:35
【霊園】

人気の少ないとても静かで小さな町。
ここにはジルの大切な二つの魂が眠っている。

墓標に百合を1輪据えて、ジルはふと過去を思い返す。

(お父様・・・お母様・・・)

事故の後息つくまもなく父の弟に財産を取られ、二人の葬式すらあげてもらえなかった。それどころか遺体の身受けすらしてもらえなくて、まだ幼かったジルは成す術なく途方に暮れた。
役人に何とか頼み込んで暫く安置所へ置いてもらう約束を取り付け必死にお金を貯めて迎えに行ったが、其処には両親の姿はなかった。名も知らぬ誰かが、死後間もなくして両親をこの町に眠らせてくれたのだと後で聞いた。引き取りにきたその人も自分は頼まれただけだと言ったらしく、結局正体は分からぬままだ。ただその後も時折、両親に会いに行くと花が供えられているのを目にしていた。両親どちらかの知り合いであることは間違いない。その人にジルは感謝している。

「お父様、僕ね、二人の敵をとったんだ・・・」

「片付け」を命じられた件に奴が関わっていた為、それは偶然であったけど。憎しみの対象を殺めた。結果的に復讐を遂げたに違いない。

「けど、どうしてかな。すっきりしないんだ。」

このモヤは何か。1つ心当たりがあるのは、ヨハンの見せた最期の顔。見間違いかもしれないが・・・

「何で、ホッとしたような顔をしたんだろう」

それは一瞬であったけど確かにそう見えたのだ。
自分は何か大きな間違いないをしているのではないか、そんな疑念がジルのなかに生じてしまう。

しかしその疑問は解決することはなく、新たな来訪者により思考が途切れた。

「どうして僕に謝るの?」

それはいつぞやに姿を消したフロンだった。
ジルは彼女に振り返ることなく、ただその疑問だけを投げかける。

「君の事情なんてどうでもいいよ。そうだな、僕はこうして無事だったんだし"気にしなくていいよ"って言えば満足?此処は君の来ていい場所じゃない。さっさと消えてくれない?」

634リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 22:25:03
イスラ>>

DDwww

あー、旅で自覚しちゃった感じか(笑)男の場合、リトの辛辣さは更に相手を喜ばせただけだろうからきっとリトは苦労したでしょうね(笑)
ああ、セナは絶対気づきませんねwwwそれこそ抵抗もしないからジュノスが苦労してそうwww

違和感なくて良かった(*ˊૢᵕˋૢ*)
なんか、柿原さんの鼻から抜けるような声の感じが凄い好きなんですよね(/ω\*)
藍ちゃんの声もちょっと鼻詰まった感じだし、自分鼻声が好きなのかな?←

たしか放送の1週間後に販売される個人の楽曲がその人のお当番回の題名だから、伯爵の歌の題名調べればいいんじゃないですかね?←
たしかに、あのセリフはちょっと可愛いなとは思いましたが・・・やっぱそこまで魅力あるようには感じない←

ニコニコwwwどんなコメントなのか気になりますwww
ヘブンズの曲もなかなかカッコイイですよね(*ˊૢᵕˋૢ*)自分もカルナイの次くらいに好きです(笑)
カルナイ→藍ちゃんの歌→藍ちゃんがメンバーに入ってる歌→ヘブンズ→トキヤの歌って順番に好きですかね?てか3話見ました?トキヤとペア組んだヘブンズの人の歌が上手すぎて驚きを隠せないんです。マモの歌声に付いてこれるとか何者なのあの声優さん←

シャイニーの言葉は絶対、ですから(笑)
あと何だかんだカルナイのメンバー皆レイジお兄ちゃんのこと大好きですからね(笑)
あー、なるほど!自分で解決しないでレイジに頼ってばかりだったからいけないのかwww
ヒロイン?えぇ、空気です←
なんか、レイジの親友が自分と瓜二つってことを偶然知った藍ちゃんが、「レイジは僕じゃなくて僕を通してその人に構っていたんだ。僕をその人の代わりにしてたんだ。レイジの優しさも僕に向けたものじゃなかった」って、藍ちゃんが嫉妬しちゃうらしいんです。可愛い←
で、その言葉を完全には否定出来なかったレイジですが、「一生懸命憎まれ口をたたくアイアイが好きだ。素直になれないアイアイが好きだ。」って親友にはない藍ちゃん独自の内面が大好きって事に気付いて、ちゃんと藍ちゃんのことが好きで構ってるんだよって謝って、二人は無事に仲直りします。で、「見たことのないもの、沢山見せてあげたい。色んなこと沢山経験して、沢山思い出作ろう」的なこと言って藍ちゃんを肩に担いで連行します←藍ちゃんは「やだ!レイジと関わると禄なこと起きないんだ!バカレイジ!ばかばか!離して!!」って言いながら足をバタつかせて必死に抵抗するも、レイジお構い無しで結局藍ちゃんは誘拐されたらしいです←←あー可愛い←

(藍ちゃん語ってたら長くなって弾かれた← 分けます←←短くする気は無い)

635リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 22:25:52
この友情エンド、とっても生で拝見したいんですけど、レイジのルートか藍ちゃんのルートか分からない上にこれを見るためにヒロインとラブラブしなきゃいけないって思うと憂鬱で結局プレイ出来ず終いなんですよねー。
あとどっかでレイジが藍ちゃんに「もう、可愛いんだからー」って言うシーンがあるらしいんですが、ゲームのシーンなのかCDなのか分からずこっちも入手出来てません←
あとカルナイ結成が藍ちゃんが13歳の時らしくて、そのシーンがあるらしいんですがどのゲームなのか分からずやっぱり入手出来てません← 美風藍13歳・・・尊い・・・・・・

やりたい|ू・ω・` )笑
ナディアがここまで人気だとは(笑)皆にとってナディアは支えですけど、ナディア自身は支えがなくて、それでも動じず強くあり続けるナディアって凄いなー←でもそんなナディアが崩れたらドミノ式に大変なことになりそう←←
変態は本質的なものか・・・←

いや、やれどもやれども好感度がビクともせず途方もない戦いでしたよwww
主人公のこと「可愛い子猫ちゃん」って言う危ない王子がいたんですけど、コイツなら落とすの楽そうって思ったのに全くビクともしないんですwww

あーなるほど。そんなフロンに目をつけられたジルは可愛そうだ(笑)
外見しか見てなかったり、そんな奴ばっかだからジルは本当に人を好きになることがないんだな←責任転嫁
ヨノが頑張ってジルの心を揉みほぐさないと← ただ、どうやって年下の男の子好きにならせようか悩む(˘-ω-˘ ).。oஇ

了解しました(*ˊૢᵕˋૢ*)】

636マゼンダ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/10/23(日) 22:38:59
【森】

「あーあー、こんなにしちゃって・・・。手拭いは?持ってるのかい?」

「無い。」

「バカじゃないのかい!?」

拭くものも持たず川に飛び込んだヴェントに呆れ、更にすぐに乾くなどと発した言葉にも呆れつつ、マゼンダは取り出したハンカチでヴェントの顔を拭ってやる。

「これ絞りながら身体も少し拭きな。ほんと、手のかかる奴だね。」

顔を拭き終わったハンカチをヴェントに投げつけると、言われた通りにし出す。
そして濡れた髪を絞りながら、ようやくヴェントはマゼンダ以外の者達へと目を向ける。その視線は先程から何やら騒いでいるDDへ。

「・・・誰だ」

そして衝撃の発言を。思わずマゼンダは吹き出した。

「あんた、人の顔を覚えないのも大概にしなさいな。私らと同じ長老じゃないかい。忘れたのかい?」

「長老・・・お前と、そこにいるフィア。ピエロでなく子供・・・最近会った奴なら覚えている。」

637メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/10/24(月) 01:16:07
【冥界】

上下左右も前後もわからず、音も光も無い世界。
不意に聞こえる微かな声へ、メイヤは左手を伸ばす。

そして、伸ばした左手の先から急激に光が溢れ出しーーーーー

ーーーーー先程とはうって変わって確かな景色に、メイヤは目を細めた。

周囲には人影。
規格外の大男に目が行くが、その近くには知った顔を見える。

「リトと……サン、ディ?」

知った顔、二人の内の片方の姿に、メイヤは思わず目を見開いた。
発作的に、手を伸ばそうとするものの、それを堪える。

「……此処は何処だ?」

そして、一呼吸の後。
もっとも簡単で、もっともわかりやすい答えが来るであろう問を大男とその傍らの少女へと投げた。

638アンヘル ◆wxoyo3TVQU:2016/10/24(月) 23:14:37
【冥界】

「これまた血の気の多そうな子が来たなぁ」

現れた人物を見るや、少女は唐突に思ったことを口に出す。
素直と言えば聞こえが良いが、単に無神経なのだろう。

「此処は冥界。一生を終えた魂が辿り着く場所。・・・で、君は死んでるの?」

死んだのかどうかなど、本人が1番知りたいだろう。
はじめこそ冗談かと思ったが、メイヤへと向ける視線は真剣そのものだった。
しかし当の本人が答えられる筈もなく、代わりにアンヘルが横から答えた。

「死んでいるのなら黄泉を抜けてくる。門番であるイヴが1番知ってることでしょ?"狭間"にいたのだから、"まだ"死んでない。」

だけど、とアンヘルはメイヤへ目を向ける。

「あなたは今とても不安定だ。どちらかと言えば"死の方に近い"。早く元の世界へ戻る方法を見つけた方がいい。」

639メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/10/25(火) 19:26:54
【冥界】

「死んではいないが、死に近い……か。」

イヴの答えとアンヘルの説明に、メイヤは頷く。
確かに、先の戦いで負った怪我は明らかに致命的なモノだった。

見れば身体には傷一つ無いが、定期的に傷と痛みが浮かび上がってくる感覚はある。
それも、段々と間隔は短くなっているようだ。

「脱出する方法、それを教えて貰えると助かる。
門番とその知り合いなら、知ってる筈だと思うんだが……」

此方を見詰めるアンヘルから、サンディとリトへ視線を向けて、メイヤは続ける。

「サンディもリトも、此処に居ると言う事は“まだ死んでない”んだろう?
二人も一緒に戻ろう、ナディアもイスラも心配している。

それに……説明は省くけど、世界の危機だ。
世界が闇に閉ざされ、滅ぶ前に黄龍を倒さないといけない。」

だから、とメイヤは更に続けた。

「四神と闇の王子、二人の存在はこれからの戦いに必ず必要となる。
……だから、戻ろう。

異界の闇を宿していた俺が、こうやって闇の王子と話すのも何かの縁かもしれない。
100年、塔で戦った二人の剣士……その血縁者がここに居るのも同じく縁だと思う。

でも、何より……因縁も、世界の存亡も。
それを乗り越えた先の世界を俺は生きていきたい。

勿論、そこにアグルやナディア、リトとサンディが居れば万々歳だ。」

640サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/25(火) 22:54:55
【冥界】

迎えに行った者が、まさか面識のある人物だとは誰が想像しただろうか。
始めこそ驚きを隠せずに目を丸くしていたサンディだったが、彼の「これからの戦いに必要になる」との言葉を耳にすれば、途端に表情を曇らせた。

「メイヤもあたしを四神としてしか見てないんだね…」

恐らくその小さな呟きは彼の耳には届かなかったことだろう。
アンヘルやイヴ達よりも後ろにいたサンディは、不意に前に歩み出ると、メイヤと向き合い、彼を睨み付けた。

「あなたがここに来たってことはまた戦いで無茶したんでしょ?
どうしてメイヤもいー兄も自分の身を顧みずに戦おうとするの?なんで自分のことをもっと大切にしないの?」

それは咎めるような口調だった。
どうしてこんなにもイライラするのか、サンディは自分でも分からなかった。

「元の世界に戻ったとしても、もう体動かせないかもしれないよ?今度こそ本当に死んじゃうかもしれないよ?メイヤは怖くないの?」

因縁も滅亡も乗り越えた先の世界…、それが叶えばどんなに素敵だろう。
だがそんな世界など本当に存在するのだろうか。そしてそれは命を懸けて護るほど価値のあるものなのだろうか。

「あたしは怖いよ…!戦うのも!痛いのも!
大切な人が目の前で傷つくのも!」

今になってこの世界に来た時、なぜ妙に気分がハイになったのかが分かった。
戦いばかりの現実から逃れることが出来て安心したのだ。

「あたしは戻らないから!また生き返らせて戦わせようとしても無駄だから!あんな怖いとこに戻るくらいなら死んだ方がマシだよ!」

そう言うと、サンディは踵を返してその場から駆け出した。

四神としての責務を放棄していることは分かってる。
でも、それならどうして自分にこの力が備わったのかと恨めしくも思う。
こんな血筋でさえなかったら、両親は死なずに済んだかもしれないのに。

641フロン ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/25(火) 23:56:56
【霊園】

ジルの言葉にフロンは口籠った。視線を落とし、たじろむような仕草を見せる。
以前までの彼女なら、ここで身を引いたことだろう。だが、今回は違った。

「いいえ、消えません」

その口から発せられた答えは拒否だった。
それは先程までのおどおどとした口調とは一変した、凛とした響きを感じさせるものであった。

「貴方に一言謝りたかった…。それは嘘ではありません。でも、私がここに来た理由はそれだけではないんです」

表情や仕草こそ気弱な少女そのものといったフロンは、ジルの目からすると一体どんな風に見えているのだろう。
フロンは一歩前に進んでジルを真っ直ぐに見つめた。

「私は…本当の貴方が凄く心の優しい人だと言うことを知っています。そして他人を傷つけて喜ぶような人じゃないと言うことも…。
そんな人がどうして黄龍なんかに従っているのかと、最初は不思議に思いました」

彼女は小さく首を振り、その理由は直ぐに分かったけど、と続ける。

「ジルさん…、貴方は可哀想な人です。籠に囚われ、ただ朽ちていくのを待つばかりの鳥のようだとさえ思います。
思い出してみてください。貴方は今まで数えきれないほどの辛い思いをしてきた筈です。
お金を得る為に何度も体を売ったのでしょう?命令に従って沢山の罪を犯したのでしょう?
…心を偽ってまで自分の身を汚してきた。その原因を作ったのは誰ですか?」

何故フロンがジルと出会う以前の彼の過去まで知っているのかは不明だが、その原因こそ妹であるフェミルにあると、彼女は暗に語っていた。
ジル一人ならばどうとでも出来たはず、妹という存在が枷となり彼の身を縛っていたのだ。

「ジルさん、貴方は妹を護ろうとする限り幸せにはなれません。
でも…私ならジルさんを幸せに出来ます。幸せにすると約束します」

フロンは再び一歩進み、ジルとの距離を縮める。
感極まったように瞳を潤ませ、懇願する。

「私は貴方を救いたいんです。お願いです。私と一緒に来てください。四霊であることも、妹も、全部忘れて私だけを選んで下さい」

642メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/10/26(水) 17:48:31
【冥界】

全部聞こえていた。
サンディの小さな呟きも、続く言葉も。

だが、返す言葉は出ず。
逃げる様に駆け出したサンディを追い掛ける為の一歩も出ない。

「……俺とリトは似ている。
産まれながらに闇と共にある事を決められ、一族に縛られ。

だけど、俺は生きる理由を見つけた。
生きたいと思った、だから。」

しかし、追い掛けなければならない。
時間が無いのは自分だけではない。

この場所に居る以上、二人にも“その時が”来る。
メイヤはリトに言葉を投げた後、アンヘル達にすぐ戻る、と言い残しサンディを追い掛けるべく走り出した。

時間はもう殆ど無い。
足跡を、匂いを追い、メイヤは走る。

そして、サンディの姿を見つけた頃には既にメイヤの身体は血塗れ、現世で負った傷が顕現していた。

「サンディ!!話したい事がある、言いたい事が、だから!!

だから……その……」

左目は見えず、左手は動かず。
傷口からは血が溢れ、鼻腔からも朱が流れる。

「……俺は、今まで死ぬのが怖いなんて思った事は無かった。
暗殺を生業にする一族に生まれ、当主の命のまま刃を振るい。

闇を宿した出生の秘密を知り、自分には何も無いと思った。
血塗れの手と、偽りの記憶。

けど、サンディ達と出会ってからの記憶は、戦いは、流した血は全部、本物だった。
何も無かった俺が、手にしたモノ。」

一言一言、口を開く度に口腔から血が溢れる。
メイヤはそれを吐き捨て、鼻血を拭い、続ける。

「俺は明日が欲しい。
いつかの日、二人でバルクウェイの街を歩いたあの時。

もう一度、あんな風に街を歩きたいんだ。
勿論、サンディと一緒に。」

巨鳥の鉤爪による傷から溢れる血は既に黒く、メイヤの身体も微震動し、消え掛かっているのが分かる。
だからこそ、それでも。

「俺は俺の為に、欲しいモノの為に戦う。
四神としてのサンディよりも、俺の隣で笑ってくれるサンディが欲しい。

戦うのが嫌なら、怖いなら、戦わなくても良い。
……我が儘なのはわかってる、けど。」

上手く言葉に出来ないのがもどかしく、焦燥感が胸の内を揺らす。
しかし、もうこれ以上の余裕は無い。

「世界の為に、四神として、とはもう言わない。
俺の為に、俺と一緒に、戻らないか?」

辛うじて動く右手を、彼女へと伸ばす。
歩み寄ろうにも脚は動かない、感覚すらない。

気取った言葉も言えない。
手を伸ばす、それがメイヤの精一杯だった。

「俺は、隣で笑う君の姿が見たい、いや、欲しい。
だから、だから……俺と一緒に、来いっ!!」

643ジル ◆wxoyo3TVQU:2016/10/28(金) 19:42:31
【霊園】

「・・・君に、僕の何がわかるの?」

必死に懇願するフロンへ、ジルは声色を変えることなく問いかける。とても単調で冷たい響きだ。

「僕の幸せって何?君なんかに何が出来るの?」

ジル1人であったなら何とでもなった。フェミルがいたからこそ、辛い道を歩むことになった。たしかに、それは事実だ。
しかし、フロンは勘違いしている。

「仕方ないから特別に教えてあげるよ。"フェミルの存在"こそが、僕の幸せだ。」

その辛い道を選んだのは、仕方なかったからではない。ジルがそうしたかったのだ。
あの時フェミルはまだ凄く小さくて、たとえば子無しの家庭の中で、あのくらいの年頃の子を望む夫婦は沢山居ただろう。
贅沢はさせてあげられなくても、ごく一般的な温かな場所で、新しい家族に囲まれて生きる。新たな居場所を与えてやることは容易かった。

しかし、それはジル自身が耐えられなかった。
残された唯一の家族を失いたくなかった。
まだとても幼かったフェミルはきっと新しい両親を本当の家族と思い込み、ジルの事なんて忘れてしまう。耐えられなかった。両親を亡くした悲しい記憶など忘れてしまった方がいい。それがフェミルにとっての最善な道であると分かっていたけど、どうしても出来なかった。

被害者はジルじゃない。フェミルの方だ。

「僕は自分の幸せの為にフェミルを縛った。」

そこでようやくジルはフロンへ振り返る。自嘲気味な表情を浮かべて。

「ゼロの所はいいよ。フェミルに寒い思いも、空腹も味合わせずに済む。あの子にとって安全な居場所。僕も変態に抱かれることも、好きでもない相手を抱くこともせずに済む。最高だ。最低限の命令にさえ従っていれば多少の悪ふざけも赦される。君に心配される必要なんてない。僕は今幸せだ。僕からフェミルを奪うなんて赦さない。フェミルを捨てて君を選べ?笑わせないでよ。」

644セナ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/10/28(金) 22:28:27
【ポセイドン邸】>>611

ユニが本来の姿を解放したと同時に、辺りの空気が精錬され、あらゆる物を浄化していくような風が流れる。
陽の氣を宿す者、それこそ四神にとっては力を増幅させる加護に成りうる存在だろう。しかし対して、闇を濃く宿すセナにとってこの空気は毒でしかなく、針で肌を刺されているかのようなピリピリとした痛みが走る。

見たところアブセルやリトに影響はないようだ。完全には力を目覚めさせていないからか。

タイミング的に、方舟の件と関係があることは間違いない。
推測に他ならないが、あの闇の解放と同時に目覚めたのだとしたら、ユニはそれに対成す存在であり、世界を救う重要な鍵を握っている。

そして、それは逆に言えば世界の破滅を目論む奴らにとって脅威であると同時に悪用の価値もあり、今後ユニに危険が及ぶ可能性は否めない。

「・・・」

アブセルに意見を求められ、セナはユニを見る。ユニも不安げに見つめこちらの答えを待っているが、しかしセナが口を開くことは無かった。
結局彼らの求める答えは得られず、セナは支度を終えるや部屋を出て行ってしまう。

セナにとっては浄化された空気が息苦しく逃れたに他ならないが、ユニ達の目には興味無い事柄に対し冷たくあしらったように見えた可能性がある。

「セナ様、冷たいです。リト様と大違いです。」

案の定、セナの事情はユニに伝わらなかった。
ユニはその場に座り込み、すんすんと泣き始める。

「アブセルさん、ユニはどうすればいいですか?ユニはユニがとっても怖いです・・・」

645サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/30(日) 01:15:20
【冥界】

…頭の中がぐちゃぐちゃで、なぜ逃げ出したのかさえ分からなかった。
一度は己自身で世界を救うと誓ったくせに、その恐怖に屈して、血からも責務からも逃げたいと思う自分が嫌だった。メイヤ達のように強くあろうと出来ない、心の弱い自分自身に腹が立った。

リトに戻れと言った。だが、それを自分が言う資格なんてなかった。

「ばかだ、あたし…。あんなの全部八つ当たりだ…」

息が切れ、サンディは途中で立ち止まる。
直後、背後で名を呼ばれた。振り返り息を飲む。

「メイヤ…、その傷…」

そこには全身を血で濡らした彼がいた。

「ずるいよ…、そんなの反則だよ…。
そんな傷だらけの人にそんなこと言われて…、放って置けるわけないじゃん…」

また逃げようかとも思ったが出来なかった。
彼の言葉に偽りはなく、また自分自身も彼の言葉に確かに喜びを感じていた。

「約束して…」

サンディは言った。目から溢れた涙が彼女の頬を濡らした。

「死ぬのは怖くないなんて言わないで…。世界やあたしの為に簡単に命を賭けようとはしないで…。
生きて…、あたしを一人にしないで…!」

その時気づいた。その恐怖の正体に。
自分は一人になるのが怖かったのだ。世界が平和になれば、もう四神は必要とされなくなる。イスラやナディア達も各々の帰るべき場所へ行ってしまう。
だが、自分には"それ"がない。未来に自分の居場所はどこにもないのだと、そんな風に思っていた。

「メイヤはあたしの明日の為に戦うって誓って…っ!あたしはメイヤの明日の為に戦うから!」

戦うのは怖い。でも戦わないければ、メイヤが人の分まで戦おうとする。人の分まで傷つこうとする。
それは嫌だ。
ならばどうする。自分が彼の隣で彼を護るしかない。

世界や人類の為ではなく、己の都合の為に戦う自分は四神失格かもしれない。
しかし今はそれが精一杯だ。世界なんてスケールの大きなもの支えきれない。身近の大切な誰かを護る。それだけの勇気しか今はない。

サンディはメイヤに駆け寄り、伸ばされた彼の手を取った。

646フロン ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/30(日) 01:17:20
【霊園】

フェミルの存在こそがジルの幸せ…。

その言葉を聞くや、フロンの様子は一変した。表情も一切の感情も消え失せ、彼女はマネキンのように凍りついた顔でジルを見る。
涙で潤んだ瞳も、今や暗い陰を落とすばかりだ。

「そう…ですか…。
では、どうあっても私の元へは来てくださらない、と…」

打ちのめされた。
今ので己の敗北を悟ってしまった。
自分がどんなに感情的に訴えかけてみても、どんな言葉を使ったとしても、きっと彼の心を動かすには値しない。自分はその程度の存在なのだ、と…。

「私は…思い違いをしていたみたいです…」

それだけ力なく言うと、フロンは別れの言葉を告げることもなく、回れ右をして脱け殻の様にふらふらと何処かへ立ち去ってしまった。

647アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/30(日) 01:19:14
【ポセイドン邸】

セナは無言でどこかに行ってしまった。彼はユニの言う通り冷たい人なのだろうか。もしくはただ単に急に催しただけか。
ともかく残されたアブセルは泣きじゃくるユニを見て、どうしたものかとため息をつく。
こんなとき、リトならどうするのだろう。どんな言葉をかけてやるのだろう。
アブセルはユニの隣にしゃがみ目線を合わせてやった。

「ユニ、お前さぁ…、考える脳みそなんてないんだから変なことで悩むなよ。
ユニはユニ、だろ。お前がどんなバケモノだって、俺もリトも今さら気にしねーよ。つーか正直興味ねぇし」

言葉は乱暴だが、一応は励ましているつもりらしい。
ユニの頭に手を置き、くしゃくしゃと髪を撫でる。

「それでも納得できないんなら…もう怖いことなんか考えんな。楽しいことだけ考えてろ」

例えば…、と言って、彼は数秒思案する。

「ほら、前みんなで遊園地行ったじゃん?あれ楽しかったよな。いつもと違うリトが見れて最高だったし。
リトが目ぇ覚ましたら、また行きたいよな。あー、あと海!暑くなったら絶対海には行かないと。そんで夜は浜でバーベキューに花火だ」

その後アブセルは、街の祭りに皆で行こうだとか、あれがしたい、これがしたいといったことをつらつらと語った。

「てか!その前にまずリトの快気祝いのパーティーしないとだよな!今まで心配させた分、派手に祝ってやろうぜ。
あ、勿論その時はお前にも準備手伝って貰うから、逃げんなよ」

648イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/30(日) 01:28:46
リマ》DDが何かよく分からないキャラになってきた…(笑)

大丈夫、その為のボディーガード(アブセル)です⬅
セナwwジュノスはその辺からセナに教育するべきでしたね(笑)

鼻声…なんか分かる気がしますw

ありがとうございます、今度探してみますね^^
えー、自分は今のところ春ちゃんが一番好きですけどね⬅
気になるならニコニコ見てみたら良いと思います^^もう大爆笑ですから⬅
3話見ました、あれが噂の羽が生える現象か(笑)
ヘヴンズの方の声優さんは知らないけど、歌上手いですね。てか今になって漸く声優陣が凄い豪華なことに気づいた…!

そして何気にダムさんの回が楽しみです⬅前知識で知ってたうたプリキャラ、レイジと藍ちゃん(リマさんの影響)とダムくらいだから(なお本名はアニメ視聴してから知った)

友情エンドなんてあるんですね、ええ話や…( ;∀;)しかしヒロインの立場形無し…ww
てかリマさんが沼にはまりかけてる…(笑)
検索したらそのシーンの動画、どっかに上がってるかもしれませんね
てか藍ちゃんってロボなのに歳とるんですか?

そんなにアブセルを殺したいか!(笑)
うわー…それは恐ろしく鬱展開になりそう…、ナディアが折れないことを祈ってます;
はい、残念ながら⬅

マジかwwそれもうエンディング見せる気ないでしょ;
てかやりとげた人マジ勇者w

ヨノも小さい頃からジルのことが気になってた、とかは?実は二人とも両想いだった的な

649シデン ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/04(金) 21:00:35
【虚空城】

「何故上位の存在である我らが、人ごときの都合を尊重せねばならない?
黄龍様のお考えは世界の総意だ。それに比べれば人の意思など如何ほどの価値があろうか」

フロア一体にシデンの冷たい声が響く。
直後、床や壁一面に這い回る炎蛇が、何かに捉えられたかの様に動かなくなった。
かと思えば、それらは一際大きく炎を燃え上がらせて霧散した。

「人の意思ほど移ろいやすく、信用できぬものはない。かつては神獣として人界に属し世を導いてきた俺も、愚かな人間共には幾度となく裏切られたものだ」

不意にイオリの体が鉛のように重くなった。
重力…いや、磁力だ。電子化したシデンの一部がイオリの体内に侵入し、磁力を発しイオリと地面とを引き寄せている。

「いい眺めだな」

気づけばシデンは実体を表していた。
足下に這うイオリを見下ろし、無造作に彼の喉元に剣先を突き付けた。

「どうした?命乞いでもしてみるか?」

650メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/11/05(土) 15:51:26
【冥界】

それは優しい約束でも、誇り高き誓いでも無い。
言うなれば相互依存、危うい繋がりだ。

だが、メイヤはそれを受け入れ、繋がった手を引き寄せる。
確かに感じる温もりを、引き寄せ、抱き締めた身体の熱をしっかりと確かめ合うように。

「誰かと約束するのも、何かを誓うのも。
こうやって抱き締めるのも、初めてだけど、悪い気はしないな。」

溢れる血は朱から漆黒へ。
左の眼窩から流れる闇が悪鬼の面となるも、それとは真逆の表情をメイヤは浮かべる。

「誓うよ。
俺は、俺と、サンディの明日の為に戦う。」

そして、メイヤはゆっくりとサンディへと顔を近づけ。
溢れる闇が二人を包み、黒い球体の形を成して、収縮。

黒曜に輝く宝玉となったソレは、微振動を続けた後に、消えた。

ーーーーー

闇の巣の中でも、最も闇が濃く、冥界へと続く大渦。
そこを見詰める大烏は、紅の瞳を細めた。

その様子からは嫌悪感が見て取れ、巨鳥が一鳴きすると同時に、大渦が揺らいだ。

重低音と共に渦から漆黒の光が溢れ、黒曜の宝玉が飛び出す。
そして、飛び出した宝玉は急速回転しながら徐々にその大きさを増し、停止と同時に爆散。

大渦を、闇の巣を揺らす程の衝撃波が巻き起こした余波に叩かれ、大烏は怒りを露わに咆哮を上げた。
咆哮を上げ、大きく羽ばたく巨鳥の視線の先。

半壊した橋桁の上、サンディを降ろしたメイヤが、悪鬼の面で大烏と姿を変えたクウラへ剣を向けていた。

「確かに、お前の言う通り俺の中に異能の力は在った。
けど、それは闇の力じゃない。」

切っ先を向け、メイヤは続ける。

「命を、心を蝕む悪神を宿して尚、俺が死なずに戦えた理由。
それは、この炎だ。」

話し続けるうちに、メイヤが纏う闇はその色を黒から白へ、そして、紅蓮へと変え。
漆黒の闇は紅蓮の炎へ、バルクウェイで悪神を内側から破ったその力が姿を現した。

「鳳凰は二羽一対の神なる鳥。
死して尚、その灰から産まれ出流る不死なる神焔鳥(かえんちょう)
受け継がれる四霊の力……これが、俺の新しい翼、そして、力だ!!」

それは、四霊の一角、鳳凰の力。
雌雄一対、雄鳥である鳳の力。

巨鳥へ向ける刃を鞘に収め、メイヤは居合いの型を取った。
その姿を見、大烏は闇の大翼に漆黒の雷を孕ませ、上昇。

「知ってるか、鳥は一対の翼を持ってして、初めて空を飛ぶんだ。
俺の片翼、それはもう此処に居る。」

天を貫く嘶きと共に、八咫烏は黒雷の群を引き連れ急降下。
メイヤへ向かい、突撃した。

そして、対するメイヤはその背から紅蓮の焔翼を燃やし、燃え盛る神焔がサンディを包み、鳳と天照が同調。
二人の背に燃える焔翼が大きく羽ばたき、同時に。

「……ーー神斬り、“迦楼羅焔”」

抜き放たれた真白の刃から神焔鳥が顕現し、神焔と共に大烏へと激突。
神焔が黒雷を灼き、 迦楼羅焔が闇の巨鳥を浄滅させていく。

一片の灰すら残さずに大烏は消滅し、神焔鳥もまた、その姿を華焔と変え闇の巣を照らし、消えた。

「俺の、勝ちだ。」

【て事でメイヤvsクウラはこれにて決着っす。】

651ジル ◆wxoyo3TVQU:2016/11/06(日) 20:44:47
【霊園】

しつこく言い寄られるかと思ったがフロンは案外あっさりと引き下がった。

その姿が見えなくなるのを確認し、ジルは糸を切ったようにその場に座り込む。

「最悪・・・」

こみ上げる吐き気。フロンのせいでおぞましい過去の記憶がフラッシュバックしてしまった。
何故彼女が黄龍に下るまでのジルの行動を知っているのか。

「失望した?でも、後悔はしていないよ」

両親の墓の前でとんでもないことを暴露されてしまったものだ。
しかし、自分の行いに対し両親に言い訳する気もない。

「約束・・・か。」

それはフロンが口にした言葉。久しぶりに聞いた気がする。"約束"なんて言葉ほど信用のならないものはない。

「約束なんて大嫌いだ。」

あの日は自分の誕生日だった。母親は息子の誕生日に夫婦同伴の仕事が入ってしまったと申し訳なさそうにして、父親は目に見えて絶望する母親に苦笑を浮かべ、そしてジルには笑いながら頭を撫でて「すぐ帰るよ。」と言ってくれた。

"プレゼントは何がいい?"
"何でもいいよ、お父様とお母様がくれるものは何でも嬉しい。"
"欲のない子だね。たまには我儘を言いなさい。"
"そう、ジルはいい子すぎるのよ。"
"ジルはフェミルのお兄ちゃんだけど、僕達の子供であることを忘れてはいけないよ?たまには子供らしく甘えて欲しい。そうだね、せめて誕生日くらいは自分が兄であることを忘れなさい。フェミルに遠慮しないで。"
"・・・じゃあ、一つだけお願いがあるんだ。"
"何でも聞いてあげるよ。"
"今日はお父様とお母様と、一緒に寝てもいいかな?"

恥ずかしそうに口にしたその言葉を聞いて、両親は互いに顔を見合わせて、そして吹き出した。
ムッとして撤回しようとしたジルに謝りながら、両親はジルと指切りをした。

"分かった、一緒に寝よう。今日はジルが僕達を独占していいよ。"
"ほんと?"
"ジルが真ん中ね。手を繋いで寝ましょう?"
"うん!約束だからね?''
"約束するよ"

約束を交わして笑顔で送り出した両親は帰ってこなかった。
自分の我儘はおろか、早く帰ってくるとの約束すら守ってくれなかったんだ。

652ジル ◆wxoyo3TVQU:2016/11/06(日) 20:47:35

そういえば・・・と、ジルは記憶を思い返す。
自分も何か不履行のままの約束を交わしていた。何だっけ?あぁ、そうだ。

「金木犀・・・」

金木犀を見に行く約束をしたんだ、"あの子"と。
秋になると香ってくるあの匂いが好きだと言った彼女は金木犀のことを知らなかった。見たことがないのだと。あんなに広い屋敷で、大きな庭には沢山の花が咲いていたけど、彼女はその庭にはない素朴な金木犀の香りを好んでいた。
ジルも金木犀が何処にあるのかは知らなかったけど、図鑑でその姿は知っている。だから彼女に言ったんだ。金木犀を探しに行こうと。香りが来るなら近くにあるはず。探せば見つかると思った。
彼女は嬉しそうに笑っていた。秋になったら必ず探しに行こうね、そう二人で指切りした。

「またあそこに行くのか」

今回奪取予定の少女は現在ポセイドン邸にいる。あそこには、彼女もいるのだ。
ジルは抱えた膝に顔を埋める。

面倒だ。また会ってしまったらどうすればいい?

「ヨノ・・・」

"泣いているの?"

深海を思わせる澄んだ大きな瞳。あの目に見つめられると自分の心の奥深くまで見透かされそうで。優しい声は風のように自分の中にある黒いモヤを綺麗に掻き消してくれる。
あんな心地よさなど要らない。あの場所へ戻りたくなる。
そんな資格などないのに-----

653ユニ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/11/06(日) 23:54:03
【ポセイドン邸】

アブセルが提案する"楽しいこと"に、次第にユニの顔に笑顔が戻ってくる。

「ユニ、リト様起きたら沢山お祝いするです!リト様は果物が大好きですので、果物のケーキを準備するです!たくさん喜んでもらってギュッてしてもらうです!」

リトは自分の好きな物を他者に口にはしないため勿論ユニに好きな食べ物を話したことなどない。これもユニの言う"知らないはずなのに知っている"ことであるはずだが、リトに関する事項は気にならないらしい。
今のユニを笑顔にするのはリトの話をするのが一番であるようだ。何でも知っているユニであるが、自分の中に芽生えている感情には気付いていないようである。

と、ユニが泣き止んだのを見越したかのように部屋にノック音が響く。
リマがひょっこり顔を出した。

「セィちゃん準備出来た?あれ、いない?」

セナが着替え終わった頃だろうと思い来たようだ。
目的の相手はおらず、代わりにアブセルと共に居たのは目に涙を浮かべて笑う少女。アブセルは少女の頭を撫でている。
それを見てリマは勘違いしたようだ。

「・・・ごめん、お邪魔しちゃったかな?」

654ユニ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/11/06(日) 23:55:46
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「・・・」

葬儀用の衣装に着替え、その時間まで部屋で待機していたヨノは机に向かい思いを巡らせていた。
思い返すは数日前に再会した青年の姿。

何故母の部屋にいたのか、そもそも何故この邸内にいたのかなどは彼女にとってはどうでもよかった。

(ジル・・・)

彼は笑っていたけど、とても痛々しく見えた。泣いているように見えた。
きっと今まで、自分には想像出来ない過酷な暮らしをしていたのだろう。引き取られた先の親戚の元を抜け出し、まだ幼かった兄妹が大人の庇護を受けずに平穏に生きることが出来るはずもない。

ヨノはふと引き出しを開け、中から小箱を取り出す。小箱を開くと、小さな巾着が入っていた。巾着を手に取り鼻を近づける。

「流石にもう香らないか・・・」

これは十数年前に仲の良かった男の子から貰った物だ。
彼は器用な上にとても頭の良い子だった。金木犀の香りが好きだと何気なく言った自分に、その季節以外でも薫れるようにと、金木犀を袋の中に閉じ込めてくれたのだ。勿論、本物を入れたのではない。"企業秘密"と言って材料は教えてはくれなかったけど、金木犀に似た香りを作ってくれたのだ。
そう言えば姉が香水を作り出したのもこれがきっかけだったように感じる。男の子に作れるのなら自分にだって作れると、対抗意識を燃やしたようだった。

「忘れた事なんてないよ?」

自分を思い出してくれて嬉しいと、彼は言った。思い出すまでもない、彼のことはずっと覚えていた。
ある日一族の主であるナディアが旅に出ると言って消えてしまった。彼女はいつ帰ってくるのか、そもそも帰る気があるのか、このままではポセイドンの血筋が絶えてしまうかもしれないと一族は焦った。かと言って彼らは畏怖の対象であるリトに手を出すことは出来なかった。そこで白羽の矢が立ったのはヨノであった。
あらゆる縁談を持ち掛けられては拒否してきた。自分は結婚に、異性に興味が無いのだと思ってきた。でも違ったようだ。無自覚であったけれど、ヨノの心にはいつも、遠き日に香りをプレゼントしてくれた少年の姿があったのだ。

ヨノは自らの胸に手を当てる。鼓動が早い。

655ユニ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/11/06(日) 23:56:16


「酷い娘ね・・・」

父を亡くし、このあと葬儀も控えている。なのに、父を失った悲しみはあまり無いのだ。
リトを虐げていた恨みの方が強いのか、父に対して感情が湧かない。

父を偲ぶべき時に、自分はあろうことか、別の男のことを考えている。

再会し、抱きしめられて、鼓動が早くなるのを感じた。
彼の身をあんじていたから、安心した。違う、それだけではないのだと、気付いてしまった。

自分は彼を---

「ヨノ。」

呼びかけられてはっとする。いつ来たのか、ナディアが傍らに立っていた。

「お姉様・・・」

「どうしたんだ、ぼうっとして」

「お姉様、ジルを覚えていますか?」

「またその話か。よく此処に遊びに来てたガキだろ?年下のくせにお前に対して妙に生意気だった。」

「ジルに会ったんです。」

「外に出ないお前がどうやって会うんだよ。それいぜにあの兄妹はずっと行方不明だ。あの年齢で自力で生きていられる筈がない。」

「そんなこと・・・」

「葬儀の準備が出来た。始めるよ。」

言ってナディアは部屋を出て行く。
ジルは生きていたのに、ナディアは死んだものと認識しているらしい。
ヨノは歯痒さを覚えながら手の中の匂い袋を抱き締めた。

「ジルか・・・」

部屋を出たナディアは不意にその名を呟く。

「最近、何処かで聞いたような・・・」

何か引っかかる。ナディアはふとそう思うも、深くは気にせずその場を後にした。

656リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/11/07(月) 07:21:42
イスラ>>

DD面白いので好きです(笑)しかし何故ヴェントがダーリンなのか(笑)

そのボディガードが一番信用ならない気も・・・(笑)←
必要でしたね(笑)セナは自分の事には完全無頓着ですから(˘-▽-˘ )リマのことは敏感なんですけどね←

あれ、共感されちゃったwww

まさかのハルカwww
ニコニコ見てみますね( ・ㅂ・)و ̑̑
羽生えちゃいましたね(笑)もう藍ちゃん入れてミカエルラファエルガブリエルとでも呼びましょうか←
気付くの遅い(笑)小野Dいないなって思ってたらヘブンズの方で出てきたし、金かかってるなぁうたプリ←

逆に何故ダムは知っている(笑)てかダムと言い、うたプリファンってキャラに面白いあだ名つけますよね。レンはジャスコだし← チーム名にもセンスが溢れてて凄いなって思います。藍ちゃんとカミュの組み合わせはシンデレラなので、めちゃくちゃ可愛いなって思ってます←
自分なんてレイジの名前知る前ずっと唐揚げ先輩って呼んでました←

もうヒロインは蚊帳の外でいいです←
沼になんて絶対入らないもんね!って思ってるんですが、藍ちゃん限定ではまりかけてるのは否めない(˘-ω-˘ ).。oஇ
昨日2016冬ののAGFの藍ちゃんの画像見かけて「欲しい・・・!」ってなりましたもん。またオークションか・・・←
レイジに担がれてる藍ちゃんの画像は手に入ったんですが、動画はまだ見つかってないです(´;ω;`)
いえ、見た目は変わらないので設定上13歳です←見た目変わらないので13歳でも178cmです←あーでもフォルムチェンジすればあるいは・・・←

殺したい!(笑)←
ナディアは今のところ折れる要素ないので大丈夫だと思います(笑)
本当残念だよ(笑)

よっぽどの暇人か、かなりのファンか・・・←

イスラさんの案を貰って二人とももともと両思い設定にしました( ・ㅂ・)و ̑̑
まぁ幼い頃の綺麗な思い出の中の少年が超美形になって帰ってきたらいくら歳下でも惚れますよね← ヨノは弟で耐性ついてるので多少のイケメンには動じませんが←
昨日寝惚けながら打ってた文章読み返したら二人とも互いに激ラブじゃねぇかとこそばゆくなりました←←そして謎の金木犀プッシュ感←

657サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/09(水) 06:13:00
【闇の巣】

現実への帰還は唐突だった。
突如場面が切り替わり、サンディは崩れるようにその場に膝をついた。

(あれ?現実?戻ってきた?いつの間に?て言うかここどこ?)

己を包む焔や翼が消えた後もサンディはどこか夢現の気分でぽけーっと目を白黒させていた。

そこでふと傍らのメイヤの存在に気づく。
…少しずつ頭がしっかりしてきた。

(て言うかあたし…さっき…何か飛んでもないことを口走っちゃってたような…)

プロポーズに聞こえなくもない飛んでも発言。あれ夢だよね?そうだよね?そうだと言って誰か。
凄まじく穴があったら入りたい気分。

しかし抱き締められた温もりも感触も全てが本物で、それが現実であることを如実に語っていた。

「あわわわわわ、あのあのそのあの!やっぱさっきの無しで!あっいや!全部無し!でもないけど!
もう戦いから目を背けないってのも本当!メイヤだけに痛い思いをさせないってのも本当!
でもその他の細かい部分は全部保留で!」

火が出たように顔が熱い。恥ずかしくて彼の顔がまともに見れない。
サンディはメイヤの視線から逃れるように、両手をかざし顔を隠した。

「さっきは何か心が弱ってたって言うか!そのせいで変なこと言っちゃったって言うか!とにかく深い意味はないから!…いやっあるかもしれないけど!?
取り合えず今はないってことでっそれでお願いします!集中できないから!」

要約すると暫くは現状維持でいましょう。とのことらしい。

658イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/09(水) 06:30:41
リマ>面白いなら良かったですwDDは気に入った男性をダーリンって呼ぶ癖がありまして⬅

それは否定できない…(笑)
セナにも困ったもんですね┐(´д`)┌⬅

だって春ちゃんが一番まともな人に思えて…⬅
二番はセシルかな。始め何このカタコトの人…って思ったけど、5話見たらめっちゃいい人だった。あと鳥海さんの歌声が高くてびっくり…!
あの三人なら天使になっても違和感ないww
声優ファンとしても嬉しいでしょうし道理で人気ある訳ですねー

ダムはマジラブレボリューションズの空耳「ダムの大革命、マジ☆ダムレボリューション!」って言うのがあってそれで知りましたwその空耳が何か好きなのでダムも割かし好きです(単純

なんでジャスコにシンデレラ?(笑)そしてなんで唐揚げ?ww

はまりかけてるって言うか…、すっかりはまってるじゃないですか!(笑)
見た目変わらない13歳なんて…いいんですかそれ?そんなんでリマさんのショタ魂揺さぶられるんですか!?⬅

酷スww
良かった(笑)でもリトが死んだりしたらあのナディアも折れそうな気がする…

暇人にしても凄い根性てすよねw

ジルヨノの激ラブ感にニヤニヤが止まりませんww
そう言うロマンチックなバックボーンが作れて良いな(o>ω<o)
あ、フロンが暴走するのはアブセルVSジルの後で良いですか?途中でヨノが止めに来てくれたら、フロンが激おこで表れるから⬅

659DD ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/09(水) 18:43:00
【森】

「酷いわダーリン!アタシのこと忘れちゃったって言うの!?」

どうもヴェントはDDのことを記憶から抹消しているらしい。
長いこと人間界でバーを経営し、故郷に里帰りするのも久しぶりな為、無理もないと言えばそうなのかもしれないが…。

「うぅ…それでもアタシの頭の片隅にはいつもダーリンの微笑みが住んでたっていうのに…!
ハッ…、そうだわ…!」

たっぷりと愛情のこもった熱烈な口づけとハグをプレゼントすれば思い出してくれるかもしれない。
獲物に狙いを定める獣のごとく、じりじりとヴェントににじり寄るDDであったが、その行動の先読みをしていたであろうフィアに止められ、どうにかことなきを得た。

と言うより…、当初の目的をすっかり忘れていたのだった。

「…と言うわけでね、オリジンが現れて超大変なの!ダーリン!か弱いアタシを護ってちょうだい!」

…説明が雑になってきたが、取り合えずはかくかくしかじかと此所に訪ねてきた理由をヴェントに伝える。

660アブセル:2016/11/09(水) 20:08:24

取り合えずはユニを安心させることができたようだ。

「ぎゅっ、か…。いいなぁ…、俺もして貰いたいな…」

と、まだ見ぬ未来に想いを馳せていたその時。部屋に新たな来訪者が顔を覗かせた。
アブセルは始めリマの懸念に疑問符を浮かべるも、もしや有らぬ疑いをかけられているのでは…と慌てて立ち上がる。

「いやいやいや、違うから!ぜんっぜん邪魔なんかじゃないから!ほんとに!」

あたふたと説明を試みるも、何故こんなに必死なって釈明しているのかと自分でも疑問に思う。
ようやく冷静になった後、改めて彼女の問いに答えた。

「てか、セィちゃんさんならもう行ったけど…、途中で会わなかったんだ?」

腕時計を確認すれば、もう葬儀の始まる時間目前だ。

「うわ、うっかりしてた…。途中で迷子になってなきゃ良いけど…」

661イオリ ◆.q9WieYUok:2016/11/11(金) 21:28:56
【虚空城】

不意に重くなる身体が膝を着き、抗えない力により床に伏せられる。
無様に這いつくばったその喉元に突き付けられる刃の感触に、イオリは口元を歪めた。

「世界そのもの、そりゃあ黄龍サマからすれば人間なんてアリンコどころかミジンコかもしんねぇな。」

だが、その口元の歪みは笑みに変わり、磁力に捕らわれていた筈のイオリは無造作に立ち上がる。
片手で埃を払い、半歩、後ろへ。

「ところでシデン、キュリー温度ってのは知ってるか?
磁力はある一定の温度に達すると力を失うのさ。

熱消磁する温度、それがキュリー温度。
ざっくり言うとな、電磁力は炎に弱いんだよ。」

だが、それだけで四霊であるシデンの力を弱め、消失させる事は出来ない。
ならば何故、イオリはシデンの力を弱体化出来たのか。

その理由は、先程暴れまわった炎蛇の群にあった。
シデンの力により鎮火されたものの、蛇群はしっかりとフロア中に焦げ痕を残していた。

その焦げ痕は不規則に見えるものの、実際はとある術印となっており、鎮火された時点でそれは発動していたのだ。

「鳳凰が司るのは“平等”
それは互いを同調させ、力量を等しくする事を可能とする。

本来なら、心を許した者同士でしか使えないんだがな……炎蛇の群れによる術印式でそこは強引に通させてもらったぜ。」

半歩下がり、刀は鞘へ。
居合いの型を取るイオリの背から炎の翼は消えていた。

「で、だ。
俺とお前の力を“等しく”したんだが……俺にお前を合わせた、即ちお前の力量は俺レベルに“下方”された訳だ。

気分はどうだ?只の人間になった気分はそうだな、地面に這いつくばってる様なモンだろ?」

犬歯が覗く程の獰猛な笑みと、残虐さが見て取れる瞳を向け、イオリは刀の柄を握り込む。

「命乞い、しても良いんだぜ?
今から放つ業、今のテメェに見切れるとは思えねぇからなァ!?」

そして、シデンの返答を待たず、イオリは刀を抜き放った。
それは、彼の得意とする居合い斬り、神をも斬り捨てる神速の一刀。

ーーー神斬りーーー

「死にさらせ、デコメガネよぉ!!」

662リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/13(日) 21:07:05
【冥界】

「戻れたみたいだね。」

サンディが何処かへ駆け出し、その後をメイヤが追った数国後、不意にアンヘルが呟いた。

「元の彼らの居場所へ。次は君の番だよ。」

どうやらあの二人は冥界から出ることが出来たようだ。きっかけは全く分からないが、以前アンヘルが言っていた言葉を借りれば「現実世界への悩みが消えた。」「生きる希望が生まれた。」と言ったところか。
リトは興味なさそうにアンヘルの言葉を右から左に受け流しながら、手持ち無沙汰を紛らわせるかのように湖へ手をつけた。冷たい。

「綺麗な湖ってさ。ユニコーンとかペガサスが出るんだろ?此処にも出るの?」

「どうだろう?いるかもしれないけど、彼らは純潔な乙女を好むから。・・・架空の生き物とされるのに、信じているんだね。」

「別に。何となく思っただけ。」

ただ、ふと、そういうのを見たら大喜びしそうな少女が脳裏に浮かんだだけだ。

気力無さげに水の中で手を動かす。水の音は好きだ。耳に心地よく、聞いていると安心する。

「・・・リト。」

リトが現実世界に戻る方法は分かっている。彼の中にモヤを払うこと。自分の存在を受け入れること。
本当は"互い"に話し合って分かり合う方が良かったけれど。互いに素直ではなく胸のうちを明かせるのは間違いなく難しい。
このままでは解決しない。第3者が背中を押してやる必要がある。

「君に聞かせたい昔話があるんだ。自分の愛を上手く表現出来ないまま、悲しい最期を遂げた男の人の話。」


-----

アンヘルの話を聞いたからと言って、過去の記憶が美化される訳ではない。長い間積み重んできた嫌悪感が覆されることもないだろう。
ただ言いたいことがある。今までのことの何よりも、赦せなかった。

リトはアンヘルから聞いた場所へ走る。その一言を言うために。

そして、

「あ、来た。」

リトの姿を認めたアネスが呟く。しかし当のリトは彼女の存在など気に止めなかった。
リトが捉えているのは、その少女の傍に控える一人の男。
アネスの呟きを受け顔を上げた男と目が会った。

「何で・・・」

リトは拳を握り締める。

「何でアンタが此処にいる?どうして、」

死んでるんだ。
この事実がどうしても赦せない。憎い相手でも、死を望んだ事などない。

「バカじゃないの?カッコつけて悪者演じて、結局アンタは何も得てないじゃないか。意味分かんない・・・」

とても腹立たしかった。しかし怒りを抑えながら話すリトとは対照的に、男は何故かフッと口元に笑みを浮かべた。

「お前の声を初めて聞いた。」

「は?」

「お前とは会話したことが無かった。それどころか、お前は私が何をしても声を出さず口を閉ざしていたからな。」

そうか、そんな声だったんだな。男は何が可笑しいのか、ククと笑いだした。
この男のこんな姿を見るなんて初めてだ。と言うより、まるで別人だ。死んだ事で憑き物が落ちたかのよう。

そんなリトの戸惑いに気付いたのか、男は続けた。

「なに、いざ死んでみると不思議と気持ちが軽くなってな。それに、この娘から良いことも聞いたから気分がいい。」

「良いこと?」

「お前がまだ生きていると。」

その言葉を聞いてリトは言葉に詰まった。リトの生存を喜んでいる?リトをこんな目に合わせたのはこの男自身なのに?

「お前が戻れるかは私にかかっているらしい。だからいい機会だ、少し話に付き合ってほしい。」

663アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/19(土) 17:15:24
【黄昏の塔】

襲い来る数多の凶器。
アグルは瞬時に障壁を張り、それを防ごうとするも。一時の拮抗の後、障壁は粉々に破かれアグルは衝撃で後方に吹き飛ばされた。

「…っ!」

飛び散る血飛沫。翼で衝撃を殺し空中で体勢を直す。
傷は深いものではないが、額から頬へ流れ落ちる血を腕で拭った。

相手との実力差を考えれば、力負けするのも仕方がないだろう。
だが以前までのアグルなら、ユーリの動きを見極めることも、それに着いていくことも出来なかった。
一度の敗北を経験した後のシンライジ邸での稽古。そして数々の強敵との戦いで彼は確実に実力をつけてきていた。

「お前は絶対に俺が殺す…」

アグルは再び槍を構え、先端に力を溜める。翼を打ち電光石火の勢いでユーリに突進する様はまるで一つの雷のようだ。
目にも止まらぬ速さで突きを放ち、二つの影は交差する。そしてアグルは空中で身を反転させ、再び突進。
手応えがあってもなくても関係ない。
己自身を武器にし、何度も何度も閃光を煌めかせながらユーリに連続ラッシュを繰り返した。


【もう11月だけどハロウィンイラスト描いたので貼ります(笑)
一応リト組と四神組メンバーですが…アグルとレックスはスペースが足りなかったため不在です⬅ imepic.jp/20161119/618550 】

664 ◆.q9WieYUok:2016/11/19(土) 19:10:20
>>663
が、画像が無い模様!!

665イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/19(土) 21:41:49
マジかw
http : //を頭につけたら飛べませんか?

666 ◆.q9WieYUok:2016/11/19(土) 23:03:25
着けても一致する情報が見つからないとかなんとかorz俺だけなのかな?ww

667ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/11/19(土) 23:41:11
そういや1ヶ月前位に、自キャラのCV考えてみるか〜と思って頑張って調べてた。

イオリ/河西健吾
メイヤ/梶裕貴
ユーリ/三木眞一郎
レックス/下関紘
ヴァイト/島﨑信長
クウラ・クロス/花江夏樹
ヤツキ/小野大輔
キール/小林ゆう

ゲームで梶ボイス使ってるけどかっけーな(笑)

668リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/11/20(日) 13:37:08
私の方では一瞬画像載ってないように見えたけど、下の方にカーソルしたら出てきたよ!



自分梶さんオチャラケキャラしか知らないからイケボなのかどうか判断出来ない(笑)てか小野D!小野Dがいる!!
そしてキールの声優ピッタリ!!
ユーリの声優に爆笑した←やっぱ三木さん悪役のイメージ強すぎる

てか自分も他のキャラも声優考えた!

ナディア:坂本真綾
リト:蒼井翔太
ユニ:豊崎 愛生
ノワール:田村ゆかり
ジル:柿原徹也
フェミル:花澤香菜
リマ:沢城みゆき
セナ:斎賀みつき

取り敢えずこんな感じ!即席だから異論は認める←


てかイスラさんのイラスト素敵すぎる!次はクリスマスですよ(コソッ
みんな仮装がキャラに合いすぎてウキウキしちゃいました(*ˊૢᵕˋૢ*)
アブセル何で目玉焼きぶら下げてるんだろうと思ったらガチの目玉だったwww
そしてユニの乳がデカさが目の保養・・・谷間が見たかった(ボソ
我がキャラながらナディア美人だなぁ(´ω`)

669イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/20(日) 20:34:42

ありがとうございます(^∇^)
初めはクリスマスイラストを描こうと思ったんですが、イメージ湧かなかったからハロウィンにしたんです(笑)
目玉焼きww本当だ、見えるwwじゃあ谷間はまた今度(多分)ww
ヤツキさんは…、まぁ大したイラストじゃないんで見なくても全然大丈夫だと思います(笑)⬅

てか何かCV決めると面白いですね(*^^*)あー、なるほどなー、って想像してニヤニヤする(笑)
梶さんはまじめキャラの時はイケボですよ!ww

自分みゆきちはセクシーボイスのがイメージ強いから、そっちがナディアかと思ってた⬅
でも他は皆イメージぴったりで凄い!

と言うわけで自分も考えてみましたw

イスラ、保志総一郎
ジュノス、緑川光
アブセル、木村良平
サンディ、釘宮りえ
アグル、石川界人
フロン、悠木碧
シデン、森川智久
ディンゴ、平田広明

670メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/11/21(月) 12:33:52
【闇の巣】

思えば、極めて近く限り無く遠い存在だったのだろう。
成功したか失敗作したか、言うなればたったそれだけの差。

クウラが渇望したモノ、それはメイヤが渇望したモノと同じ。
薄闇を照らし、静かに消えた焔に思いを寄せ、メイヤは短く黙祷した。

「今は無事こうやって戻ってこれた、それだけで良いさ。」

そして、隣で慌てふためくサンディに優しく声を掛ける。
クウラとの激闘で追った傷は鳳の力が顕現した事により完治し、動かなかった左手も自然とサンディの頭を撫でていた。

冥界での言葉は嘘偽りない、自分自身の本心。
それが伝わり、二人でこうして現世に戻れただけで良かった。

だが、互いの明日の為に戦うと誓った以上、再び刃を握らなければならない。
闇の巣の先、そびえ立つ黄昏の塔の上部では閃光が瞬き、遠く轟音が聞こえる。

「サンディ。
俺は君誓いを守る為に、また、戦いに行く。
だけど、サンディは残ってもいい。

塔を背に暫く進んだ先に俺達が乗ってきた飛行艇がある。
そこならそれなりに安全だ、そこで待っててもらっても構わないけど……どうする?」

671ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/11/25(金) 17:46:34
【黄昏の塔】

閃光が煌めく度に瞬く攻撃は止まる事を知らず。
繰り出される一撃一撃は光の速度と雷の威力を持ってして、ユーリを文字通り削って行く。

受け流し、防ぎ、弾き返す度に、複腕が握る刃は零れ、砕けていく。
蜘蛛の型を成す魔装も明らかに傷を負っていき、所々に赤が滲んだ。

「……捕まえた、ぞ。」

しかし、防戦一方のユーリではない。
アグルの連続攻撃を受けながらも、同時に粘着性の糸をアグルへ付着させ続け、僅かな……しかし確実にその動きを、速さを低下させていく。

そして、槍の一突きを複腕の一つを犠牲にし受け止め、槍を握る手首をユーリは掴んだ。
更に、掴むと同時にその身体を塔の壁面に叩き付ける。

何度も、何度も、何度も。
剛力でアグルを叩き付ける度に、壁面はヒビが、亀裂が、そして、陥没。

それは外壁のみならず内壁にまで達し、遂には大穴が空き、そこへアグルを投げ入れた。

「力強さ、速さ、そして体捌き。
並みの強者程度は瞬殺出来るだろうな。」

アグルを投げ入れた先、数々の朽ちた武器が床一面に突き刺さるフロアへ足を踏み入れ、ユーリは静かに口を開いた。

「だが、まだ届かないな。
俺に敗れた後、修行を積み、場数を踏んだのだろうが……その動き、シンライジ家特有の体捌きは俺に通じない。

大方、イオリに稽古を着けてもらったのだろう?
独特のリズム、体捌きは初見ではまず見切れないが、同郷の俺には見慣れたモノだ。」

そして、使い物にならなくなった刃物を床に突き刺し、続ける。

「稽古でイオリから一本取れた事はあるか?
因みに俺は幼少時代から一度も、イオリに負けた事はない。

愛する妻と自身の子の為に里を捨て様としたアイツを半殺しにし、連れ帰った時は流石に俺も深手を負ったがな。
アレからイオリは更なる強さを手にしたが、それは俺も同じ。

貴様がイオリよりも強いのなら、勝機は見えるだろう。
だが、それ以下ならば……」

見立てでは、今のアグルの実力は少なくとも自分が知るメイヤ以上。
このまま爆発的な成長を続けたならば、イオリを超えるだろう。

しかし、復讐の刃は鋭いが、薄く、脆い。
刃を研げば研ぐ程に、鋭く脆くなるのだ。

「お喋りが過ぎたな。
……こい、その槍を貴様の墓標として、この地に突き刺してやろう。」

先の戦いで破損した頬面を剥ぎ取り、捨てると同時にユーリは居合いの型を取る。
そして、その黒瞳に燐光を宿し、アグルの一手を待ち構えた。

672サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/28(月) 19:47:03
【闇の巣】

メイヤの言葉を聞くや、サンディはふと表情を変える。
唇を尖らし、じとっとした視線を向ける。

「またメイヤはそういうこと言うし…。そんなにあたしって頼りないかなぁ?」

何やら不満そうな物言いだ。
かと思えば、今度は人差し指を相手の鼻先に突き付けた。

「て言うか、むしろそれはこっちの台詞!
メイヤの方こそ疲れてるんでしょ?休んでてもいーよ!」

護られてばかりはいられない。
今度は自分がメイヤを護る番だと、サンディは意気込みながら言った。

673アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/11/28(月) 19:48:57
【黄昏の塔】

「っ…ッ」

翼で身を庇うも、ダメージ全てを防ぐことは出来ない。アグルは血反吐を吐き出しながらも痛む身体を叱咤し、起き上がる。
創傷に内臓の損傷、骨も何本かいっている。
だが、今動ければそれでいい。後のことは初めから考えていない。

(あのイオリに一度も負けたことがないだって?…化け物か)

アグルは眼前の相手を睨み、槍を構える。手が小刻みに震えた。

…いつも思う。
なぜここに残されたのが兄ではなく、自分だったのかと。

幼い頃はよく幻聴が聞こえた。
何でお前なんだ、と。俺だってもっと生きたかったのに、と兄の苛む声が耳元で恨めしく囁いた。

その後、彼が生きていてユーリに殺されたという真実を知ってからも、幻聴は止まなかった。
"復讐しろ、復讐しろ、復讐しろ。"今度はその言葉だけが頭の中を支配した。

頭がおかしくなりそうだった。いや実際狂っているのだろう。
だって自分は今笑っている。憎しみの対象を前にして嬉しくて堪らない。

「やっとあの声から開放される…。やっとあいつに許して貰える…」

…やっと安心して死ねる…。

もはや予備動作もなく、アグルは驚異的なスピードでユーリに襲いかかった。

刺し違える気だろう。
聖槍ゲイ・ボルグ。この槍に関する逸話は多々あれど、当たれば一撃必殺を誇る巨大な槍を得物に、彼は真っ正面から勝負を仕掛けた。

674ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/11/28(月) 22:59:14
【やっと画像見れた……!!イスラさんまた画力上がってますやん……!!
絵柄も変えてるし!!

そしてやっと皆のCV聴けた!
ジルセナ、アグルシデンがめっちゃはまり役だと思った(笑)
イラストだけじゃなく声もあると場面想像するのがより一層楽しくなるなぁ……

っと、ユーリキール後メイヤは聞き慣れてたからすぐ決まったんだけど、リマに受けたようて良かったww】

675リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/28(月) 23:04:15
【冥界】

長年広げてきた溝は予想以上に深く、この短時間で埋められる筈もない。
ダメ元で話を持ちかけたところ、意外にもリトはそれを受け入れた。腰掛けたヨハンの横で大人しく彼の言葉を待っている。しかし膝を抱えながら座るその姿は完全にヨハンを警戒しているもので、何気なく彼の方へ手を伸ばしたらビクリと体を震わせた。

「・・・」

殴られると思ったのだろう。無理もない。ヨハンのその手は今までリトを傷つける事しかしてこなかった。撫でてやることも、抱きしめてやることもしてこなかった。彼にとって恐怖の対象でしかないのだ。

「弁解はしない」

言い訳などする資格などないことは分かっている。実は愛していたなどと言って、誰が信じるだろうか。彼に嫌われようと選択したのは、彼を痛めつける事だった。彼を傷つけてきたのは紛れもない事実なのだ。自分の甲斐性のなさを幼い我が子に押し付けた。

「此処の奴らから何を聞いたかは知らないが、俺がお前にとって悪であることに変わりない。一族の存続と比べたらお前一人の命で片が付くのであれば安いものだと、ずっと思っていた。」

ヨハンにとって一族は何よりも優先すべき大事なものであった。愛しい家族よりも。

676リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/28(月) 23:04:55
「一族を見返してやるのが夢だった。」

ヨハンは続ける。

「俺の母はまだ少女であった時に俺を身篭った。相手は知らない。教えようとしなかったらしい。祖父母は世間にバレることを恐れ、俺が生まれる前に母を無理矢理嫁がせた。秘密を口外しない条件で、かなり年の離れた男に娘をやった。同じポセイドンの血筋ではあるが、最下層の家系だった。」

姑にあたる女は傷物の娘を嫁に貰ったとヨハンの母を冷遇した。夫に当たる男は、母がいつまでたっても心を開かないことに腹立っていた。勿論血の繋がりのないヨハンには無関心だった。やはり自分の子は欲しいのか、母に無理矢理相手をさせていたが、不思議と子宝には恵まれなかった。

「出世など出来ようもない家系だ。加え、俺達母子を見る世間の目は冷たかった。いくら秘密にしても完全には防げない。何かあると、勘づかれていたのだろう。」

そして、幼心に対抗心が生まれた。自分達を嘲笑う奴らを見返してやりたかった。母が自分を生んだのは決して不運なことではない、自分が母の誇りになりたかった。

「無我夢中で生きた。誰よりも優秀であろうとした。そして手に入れた、今の地位を。」

嘲笑ってきた奴らが自分に平伏し機嫌をとろうとする。爽快だった。復讐を成し遂げた。しかし、同時に大切なものを見失ってしまったのだ。

「・・・あんたが奥様と結婚したのは、その名誉の為?」

自分の母親を"母"と呼ぶことが出来ないのは、間違いなく自分達がリトを拒絶してきた結果だろう。
それでもヨハンがミレリアを利用したのではないかと危惧するのは、どんなに拒絶されようと、虐げられようと、母親への情があるという証拠だ。安心した。自分とは無理でも、ミレリアとの仲はこれからでも修復できる余地がある。

「お前は優しい子に育った。」

自然とヨハンの口元に笑みが浮かぶ。

「俺もミレリアも、召使の者ですらお前を蔑ろにしてきた。しかしお前が歪むことなくまともに育ったのは・・・ナディアやヨノのお陰か。」

はじめはリトとの接触は一切禁じようとしていた。リトは生まれながらにして遅からず命を落とす運命であったから、彼に情を抱けば失った後に娘達が傷つく。しかし、今となっては二人が周りの目を盗んで弟に会いに行くのを見逃していて良かったと思える。両親が与えてやれてやれなかった分、娘達がリトに愛情を向けてくれた。あの子達が自分に似なくて良かったと思う。

「たしかに、地位を求めてミレリアに近付いた。しかし、いつしか俺は彼女に心奪われていた。」

ミレリアはとても眩しくて温かい太陽のようだった。彼女と居ると心が休まった。とても愛しかった。気付けば地位とは関係なく彼女を欲する自分がいた。

677リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/28(月) 23:12:27
「そう・・・」

素っ気なく答えるリトへ目を向け、ヨハンは続ける。

「リト・・・。俺にこんなことを言う資格がないことは分かっているが、言わせてほしい。お前は生きろ。お前は必要のない存在なんかではない。お前を否定し闇の器のみを欲したのは俺だけだ。お前の母は、"お前自身"を望んでいた。」

そしてナディアも、ヨノも、"リト"を求めている。アブセルは言わずもがな。ヨハンが示すことの出来なかった感情を、他の者達は際限なくリトに向けている。そのことに気付いてほしい。

「だが俺には一族を放棄しお前を選ぶ勇気が無かった。そしていずれ失う存在ならば、情を抱くだけ無駄だと思っていた。いずれ消える運命ならば、生の喜びを与えるのは酷だと勝手に思い込んでいた。」

それでも守りたかった。・・・守りきれなかったが。
そんなヨハンの言葉をリトは静かに聞いていた。そして不器用ながらも謝罪の言葉を受け、閉ざしたままであった重い口を開いた。

「俺は・・・あんたのことが大嫌いだ。」

その言葉はこの状況で発して良いものかいささか疑問ではあったが、それでも言うべきだと思った。
この場にいる理由・・・リトが生きる意味を見つけられないように、ヨハンもまた、死を受け入れる事を阻んでいる何かがあるのだろう。そして彼の行動から、それが自分なのだと察しがついた。しかし彼は、リトに赦しを乞うているわけでもない。

「きっとこれから先も、あんたを赦すことは出来ないよ。でも、あんたがそうするしかなかった事は、理解出来る気がする。もし今同じ状況で選択を迫られたら、多分俺は自らあの穴に飛び込んだとと思う。クソみたいな一族だけど、見捨てることは出来ない。それに、その一族の中には姉様達もいるから。」

一族を見捨てれば大切な人達までも巻き込まれてしまう。守りたかった気持ちは分かる。

678リト ◆wxoyo3TVQU:2016/11/28(月) 23:12:58



「だから・・・俺は大丈夫。ちゃんと帰るよ。俺を殺したあんたが俺を生かすために必死になってるとか意味分からなすぎて正直笑えるけど、気持ちは分かったから。」

アンヘルから聞いた。ヨハンの未練はリトを傷つけてきたこと、親としてリトと向き合ってこなかったこと、そして、

「と言うか俺が未練とか気持ち悪すぎるからさっさと逝ってくれない?」

愛しているのに、愛せなかったこと。

最後は些か投げやりになったが、そんなリトの言葉を受けたヨハンはフッと笑みを浮かべた。

「可愛げのないところは俺にそっくりだな。」

途端、突如として視界が揺らいだ。
それが何であるかを理解するよりも早く、二人のいた風景が変わる。
そして、新たに視界に入ったその場所には見覚えがあった。初めてこの世界に訪れた際に通された、裁きの間だ。
しかし先程とは様子が違う。あの時はなかった二つの大きな門が目の前に立っている。

そして、その門の前で佇む男・・・ルイは二人へ向かい声をかけた。

「時間だ。」

679リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/11/29(火) 00:17:53
イスラ>>658
ダーリンどんだけいるんだwww

否定してwww1番危険なのが1番近くにいるとかwww
ジュノスが甘やかすから←

うーん、でもやっぱ自分はハルカが好きになれない←
いや、騙されてはいけません!セシル、あの子はやばいですwww5話の天草がぶっ飛びすぎてまともに見えただけですwwwあ、でもカミュと並べてもまともに見えるから・・・実際はまともなのかも?← 因みに片言なのは彼が外国人だからです(笑)そしてガチの王子様です(笑) てかOPのセシルにキュンと来たからハルカはセシルの嫁にあげてもいいかなって思ってます←
セシルの声が鳥海さんだってこと、よく忘れるんですよねー←
藍ちゃんはラファエルかな←
声優さんたちでライブやっちゃってますしね←

マジダムレボリューションwwwダムは純粋で真っ直ぐすぎて視聴者にとってはイジリ甲斐のある子ですからね←

なんか、レンの歌のイントロでジャスコで流れる曲っぽいのがあるからだそうです←
で、カルナイの弟組がシンデレラなのは二人のデュエット曲のコンセプトがシンデレラの王子様だからです← 因みに自分はこの曲で藍ちゃんに堕ちました←←
そしてレイジが唐揚げなのは彼が弁当屋の息子だからです←寿弁当の自慢のメニューが唐揚げ弁当なんです←

え、ハマってませんよー( ̄▽ ̄;)セーフセーフ←
他のやつは許せませんが、藍ちゃんなら全てが許せます← しかも藍ちゃん髪下ろすと見た目幼くなるんですよー(*´﹃`*)
つかショタと言えば、シエルが最近よく分からない方向に行ってて大丈夫かなって思ってます(笑)

ナディアって何だかんだリトのこと可愛くて仕方ない感じですからね。多分リトが死んだら壊れると思います←

自分だったらいくら暇でも途中で飽きます(笑)きっとEDを見たのは筋金入りの腐女子さんでしょう←

話に関係なさすぎるくせに長いから申し訳ないのですが( ̄▽ ̄;)
フロンの登場タイミング了解です( ・ㅂ・)و ̑̑ 激おこwww

680リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/11/29(火) 00:23:35
>>669

イスラ>>
マジすか!クリスマスは・・・女の子キャラ達のサンタガールとか、トナカイに扮したアブセルがサンタなリトセナに踏み潰されて昇天してるイラストとか・・・!!←ただ自分のキャラ描いてほしいだけ

アブセルなら目玉焼きぶら下げててもおかしくないかもしれない←

梶さん真面目キャラだとイケメンなのかーまだ会ったことないです残念・・・

自分の中でナディアって普段はガサツで男前な子なので、セクシーボイスって言うよりは少年みたいな声のイメージなんですよね(´ω`)FFのライトニングみたいな。
それにきっと真綾さんはセクシーボイスも出せますよ!←

そしてうたプリを見てるせいか、沢城みゆきサンはおっとりした声のイメージが強くて( • ̀ω•́ )✧勿論ムチャクチャセクシーな声も知ってますが(笑)
あれ?となるとリトリマが会話したら間接的に藍ちゃんとハルカが会話してることになる?リトがリマ好きになったら藍ちゃんがハルカ好きみたいになる?うわ、それは赦せぬ( ・᷄ὢ・᷅ )

わーいイスラ達の声優だぁ!つか保志さんwww溢れる主人公感www似合いすぎるwww
そしてアブセルの声優さんがピッタリすぎてヤバイ(O▽O`)だよねーって思いましたwww

ヤツキ>>
わざわざ皆の探して聞いたのwww凄くねwww
好きな声優さんも多い( • ̀ω•́ )✧つか皆声優詳しいなー(*ˊૢᵕˋૢ*)自分最近アニメとか見ないから近頃有名になってきた声優とか全然分からない( ̄▽ ̄;)

681メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/12/01(木) 10:00:21
【闇の巣】

「いや、そう言う訳じゃないんだ……」

ただ、傷付くサンディを見たくない、君を死地に連れて行くわけには行かないんだ。
と、続ける事は叶わず。

唇を尖らせるサンディが此方へ突き付ける指を優しく手で包み、メイヤはその手を下ろす。

「寧ろ病み上がりどころか死に上がりのサンディの方が……ってね。」

そして、彼女へ向けていた笑みを戻し、続けた。

「バルクウェイでは交わる事のなかった俺の闇の翼と、サンディの虹の翼。
今の俺の翼は闇じゃない、なら。

一緒に行こう。
塔ではアグルとイスラも戦ってる筈だ。」

ーーーーー

【バルクウェイ】

物資の積み込み、戦力の統合、再配置。
その全ての総指揮を今、レオールは採っている。

イスラ達がバルクウェイを発ってからのバルクウェイは更なる喧騒に包まれていた。
そんな中、多忙を極めつつもレオールはイスラ達の身を案じていた。

「死地に兵を、友を、ましてや師団員以外の人間を向かわせるのは慣れないモノだな。」

一大戦力となった空挺師団の旗艦、その一室でレオールはふと、息を吐く。

「闇の巣……事前に向かった偵察隊からの情報によれば傭兵団、七つの大罪の内一人が潜伏中。
その先の塔には元シンライジ家の暗殺者と、その彼が守る女性。

私達師団の者を向かわせたとしても、攻略は難しい所です。」

その隣、参謀長のバッハが茶を入れながらレオールの心中を代弁した。

「あの傭兵団には俺達もさんざ苦汁を味あわされたな。
団長のグレゴリオは竜族の血を引き、その右腕のヴァンは狼男。

闇を操るシンライジ出の兄弟と、念能力者の姉妹。
そして強大な吸血鬼、全員がウチの幹部レベル。

イスラ達が負けるとは思わないが……問題は、ユーリの方だ。」

「シンライジ分家の出でありながらも当主の影武者、そして当主おも凌ぐ実力者、ですか。」

「あぁ、俺は対峙した事がないがあのヴィカルトと互角以上に渡り合ったと聴く。」

師団を裏切り、黄龍に着いたとされるヴィカルト。
彼はレオールを持ってしても制御が利きにくい凶戦士であり、マルトやバッハと同じ幹部だがその実力は頭2つ以上抜けていた。

「マルトが同系統の能力者であるレックスへ色々と教えこんだ様に、俺もアグルへ技の一つでも……それこそ奥義を伝授出来れば良かったんだがな。」

今頃、闇の巣と黄昏の塔では激戦が繰り広げられているだろう。
かの地で待ち受ける敵の存在を考えれば考える程に、自分達が向かえば……いや、せめて幹部の誰か一人でも同行させておけば、との考えが頭を過ぎる。

「電子制御による脳神経の活性化及び神経加速と、一時的なシナプス構成から繋がる、擬似的な未来予測。
その先の光子制御までとは言わないが……」

「神経系を珪素系物質に置き換え、文字通り光速の反射と思考、そして動きを会得したヴィカルトと同じソレは、一夜漬けでどうにかなるものではありませんよ。
才能が無い訳でなく、寧ろ強さに貪欲だったアグルならばいつかは体得出来るでしょう、貴方の奥義をも。」

ただ、そのいつかはユーリとの戦いの最中であるとは言えないですが。
と、バッハは続く言葉を飲み込んだ。

「それよりも、今は遺跡で遭遇したあの敵、ラセツと名乗る者や虚空城攻略の作戦を練らなければなりません。」

イスラ達を案ずるのはわかる、しかし今は自分達がやるべき事に向き合わなければならない。
バッハの声にレオールは頷き、手の中にある戦略図に目を向けた。

682ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/12/01(木) 14:11:01
【黄昏の塔】

居合いの型を取り、手にする柄の感触。
触れた途端に感情が、思考が黒く染まっていくのが解る。

ユーリが手にする刀、それはシンライジ家に代々伝わる儀礼用の刀。
次期当主が当主の成る為の儀式、最愛の者の命を奪う時に使われてきた一本の刀。

刀身も、柄も、鍔や鞘でさえも血と怨念と憎悪で漆黒に染まるそれは、手にする者のドス黒い感情を焚き付けるのだ。
そして、代々伝わる怨念を力とし、切れ味を増す。

(この刀を手にする度に、思い出す。
あの夜の事を、イオリが里を捨て様としたあの時を。)

ーーーーー

あまりにも静かな夜だった。
水面に映る月すら揺れる事の無い、夜だ。
だからこそユーリは気付いた。
そして、気付いた時には既に遅かった。

護衛全てが仕えていた次期当主に殺害され、彼等が守るべき次期当主……イオリとその妻、身重の朱莉の姿が無い事に。
その後すぐ、追っ手として自分はイオリと朱莉を追いかけ、多数の犠牲を出しながらも二人を極北の氷海へ追い詰めた。

イオリは言った、愛する者の命を奪い、得る当主の座など要らないと。
血塗れの手でも、掴みたい未来があると。
そして、最終的には増援として送られた一族の実力者の八割を叩き潰しながらも瀕死となったイオリを庇い、身重の妻は自ら極寒の海に身を投じた。

次期当主の最愛の者、自分が死ぬ事によってイオリが当主となる条件を強引に満たし、彼の命を守ったのだ。

ーーーーー

あの時もそれからも、イオリはこの刀を手にする事はなかった。
そして何の因果か、その刀は今ここにある。
任務中に偶然出会った、自らを闇の残滓と呼ぶ女性を守る為に。
かつてイオリが欲しがった、血塗れの手でも掴みたい未来の為に、里を抜けた自分が所持するとは。

世界中の闇を一点に集めた闇の巣に、天をも貫く巨塔を建て、その頂で彼女が何を想い、何を成すのか。
ステラ、恒星の名を授けた彼女は何も話さない。
だが、ユーリ自身が何を聞くこともなかった。
血溜まりに沈み動けなかった自分へ手を伸ばしてくれた、それだけで自分は救われたのだ。

愛する者の命を奪い続けてきた刀で、愛する者を守る。
血と怨念が繋ぐシンライジ家の歴史はもうすぐ閉幕するだろう。
妻、朱莉の死から続く、闇を使役する計画も。
それら全てを知り、抱え、それでも飛ぼうとするイオリ。

そのきっかけを、終わりの始まりを封切った自分の命ももうすぐ尽きよう。
だが、命尽きるまで。
自分はあの光を、誰もが望む暖かな光を守り続けよう。

ーーーーー

683ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/12/01(木) 14:15:25

ーーーーー

予備動作は遥か後方へ置き去りに。
自分の命を犠牲にする事に迷いも後悔も無い一手。
それは今までの攻撃のどれよりも速く、鋭い。
アグル放つ捨て身の一撃、聖槍が左胸を中心にユーリの身体を貫き通し、雷が全身の血液を沸騰させ、抜けていく。

それと同時にユーリもまた、一族に伝わる必殺の一刀、居合い、神斬りを放った。
交差は一瞬。
ユーリの抜き放つ刀は真っ二つに砕け、左半身が大きく吹き飛ぶ。
瞬間的に溢れる血も焼き焦げ、異臭と共に滲み落ちた。

だが、確かなる感触はあった。
後方へ抜けたアグルの様子は分からないが、手応えはあった。
崩れ落ちそうになる身体を復腕で支え、ユーリは背後を振り返る。

「捨て身の一撃、悪くはなかったぞ。
だが……復讐の刃は、過去を斬り捨てる事が出来ても……未来へ続く道を切り開く事は出来ない。」

振り返るユーリの身体、吹き飛んだ左半身の傷から焦げた血が、闇となって溢れ出す。
溢れ出す闇は蜘蛛の型をモチーフとした魔装ごとユーリを侵食し、その姿が大きく変わる。

闇の子供達計画。
その被験者は唯一の成功例となったメイヤ以外全て、シンライジ分家の者。
勿論と分家の出であるユーリも漏れなく計画の被験者であり、アグルの一撃げ吹き飛んだ左胸にはリミッターが設けられていた。

クウラとその兄は鴉と百足、メイヤは黒狗、そしてユーリが闇を纏い変えたその姿は。
ーーーーー漆黒の狼。

所々に魔装の名残である装甲を残しながらも、狼は悠然と、どこか優雅な立ち振る舞いで、黄金の瞳をアグルへ向けた。

684イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/03(土) 09:59:56
ヤツキ>お、見れましたか良かった(^∇^)!お手数かけて申し訳ない;
絵柄はその時の気分と、その時好きな絵師さんの影響と、試行錯誤の結果でコロコロ変わりますが気にしないでください(笑)

声の効果でユーリとレックスがより一層好きになった(笑)
石川さんはキャラによって声の雰囲気めっちゃ変わるけど、取り合えずアグルは残響のテロルってアニメのナイン辺りの声のイメージです^^

あとシデンのレスは考えてるんですが、取り合えずアグルとユーリの戦闘が終わってから書き込もうと思います。ちょっと同時に進行すると、ごちゃごちゃになっちゃうかもしれないので…


リマ>
ダーリンは多分結構いると思います(笑)

え、ヤバイの?w
王子様って…マジもんのプリンスじゃないですか(;´д`)でもやっぱセシルは見た目あんま好きじゃないから、二番はナギにしとこう←
てか嫁に上げてもいい発言は一体どういった意味が含まれているのか…(笑)名誉なことなのか、それともただの厄介払いかw
自分も初めセシルの声優さん誰だか分からなかったですw
最近の声優は歌も歌えなきゃだから大変ですよね

なるほど、納得ww
てかレイジが弁当屋の息子なのが平凡で何か意外でした

どこまでがセーフでどこからがアウトなのか(笑)
そして相変わらずの藍ちゃん贔屓ww
てかシエルどうかしたんですか?

マジか、じゃあ今のナディアは結構参ってる状態なんじゃ…

いやいや読むの楽しいのでどんどんやっちゃって下さい!(^∇^)

サンタガールは描けそうな気がする…!てか今更ですがユニの瞳の色って何色でしたっけ?
あとアブセルのアヘ顔は誰も喜ばないので描きません(笑)
そう言えばリマさんはイラスト描かないんですか…?⬅

いやおかしいでしょ!ww目玉焼き引っ付けてるとかどんだけうっかりさんなのww

梶さんはワンパンマンのソニックとか格好良かった気がする

確かにそう言われれば真綾さんもぴったりな感じがします!⬅単純
キャラによって声が全然違うから凄いですよね^^
あ!あとノワールCV田村ゆかりさんとか個人的に凄くおいしい⬅
てか何故そんな思考に…(笑)そんなに春ちゃん嫌いなのん?ww

イスラの声はパッと思いつかなかったんですよね;なので好きな声優の保志さんにしました(笑)自分的にはこれじゃない感が結構あったけど合ってるなら良かったです^^
アブセルはもう直ぐ決まりましたねw

685ヴェント ◆wxoyo3TVQU:2016/12/05(月) 00:03:34
>>659【森】

DDの言葉を耳にしながら、マゼンダは「こいつがいつ微笑んだと言うんだ」と呆れ顔を浮かべる。
ヴェントは色々な事に無関心と言うか、驚く程に己の表情を変えない。彼から感情が見受けられるのはそれこそノワールが絡んだ時くらいなのだ。DDが本当に笑顔を見たことがあるのなら相当貴重だ。プレミアものかもしれないなどと、マゼンダはその場にそぐわない事をふと考える。

一方、話の要約を把握したヴェントは勝手に盛り上がるDDは受け流しつつ、と言うより眼中にない様子でマゼンダへ視線を戻す。この場にいる者の中でマゼンダかフィアのどちらかと話を通すのが早いと見越したようだ。

「ノワールは・・・」

やはり、とマゼンダは思う。
ヴェントは十字界の存続よりも、自分達の身の安全よりも、優先し気にかけるのはノワールのことだ。

「あの子は大丈夫だろ。あの坊やもいるし、ルドラも近くにいるだろうさ。」

それに、相手もいきなり世界線の違うノワールを狙ったりはしないだろう。まずは同じ世界に固まっている長老を狙うと考えるのが妥当だ。

マゼンダの言葉を受けヴェントはふと考える仕草をした。そして、


・・・分かった。俺は何をすればいい?」

意外にも早くヴェントは協力の意思を見せた。

686リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/11(日) 23:53:51
【ポセイドン邸】

ユニとの仲を勘違いしたリマへ必死に弁明するアブセルを見て、ユニはある事に気づいた。

「アブセルさん、リマ様の事が大好きですね!?」

そしてまるでクイズの正解を思いついた時のように、嬉しそうにはしゃぎながら宣言する。

「ありがとう、リマもアブくんのこと大好きだよー」

アブセルにとってはとんでもない暴露であるが、当のリマは"好き"のベクトルを別のもので解釈したようだ。ニコニコと笑いながら言葉を返す。

「セィちゃんなら大丈夫じゃないかな?いつも行き倒れることはあっても迷子になったりはしないから。」

そして、さらりと穏やかでない発言をしながら「なんか男の子って方向感覚鋭いよね。不思議」などとのんびり考えを巡らせている。

「あ、そろそろお葬式始まるみたいだよ。二人も用意出来てるなら一緒に行こ?」

-------

一族の実権を担っていた者の葬儀は壮大ながらもしめやかに執り行われた。
飛散した分家の者達も集まっているため参列者はかなりの数であるが、喪主を務めるナディアはその数をものともせずにきびきびと仕切る。自分に長は務まらない、と言うのが彼女の口癖であるが、その様は流石としか言いようがなかった。
しかし、

「どうして奴がいる?」
「一応、アレもヨハン様の子供だ。参列しない方がおかしい。」
「忌み子の呪いは本当だったのね。こんなに早く亡くなられて・・・」
「誰だ、あの悪魔を野に放った奴は。結界の中で封じて置く決まりだったろ。」
「ご遺体は酷い姿だったそうなの。もしかして、あの子が殺したんじゃ・・・」

葬儀の最中であるにも関わらず、参列者の関心は全て"リト"に向いていた。
小声で口々に毒を吐きながら、リトに扮したセナを奇異の目で見る。

リトへの悪口に耐えきれず口出そうとユニは身を乗り出すが、それをリマが止める。しかし、そんなリマも必死に今の状況を耐えているようで、ユニの腕を掴んだ手が震えていた。

「本当、人間って単純で馬鹿で扱いやすいよね。」

木を隠すにな森の中、とはよく言ったものだ。
葬儀の参列者の中に上手いこと紛れながら、ジルは悪意に包まれた現状を傍観し楽しげに笑う。
人は過半数の意見に賛同する節がある。自分が他人と違う意見である事を恐れ思っていることを中々口に出さないが、同じ意見の者が多いと知れば途端に気が大きくなり発言し始める。
ジルはそれを利用した。
ポセイドンの一族が闇の末裔を快く思っていない事は知っていた。故に、其処を軽くつついたのだ。
「死者の血筋と言えど、一族に災いをもたらし得るリトを人の目に触れさせるべきではない」・・・手始めに近くにいた者を煽ったところ、皆口々にリトへと毒を吐き出した。ジルの思惑通りに事が進む。

今回ジルの受けた命はユニの捕獲。しかし、目的の少女は今敵の巣穴にいるため歩が悪い。特にポセイドン二人や闇の王子と対峙するのは面倒だ。何とかして彼女1人を誘き出したい。だから、ちょっと細工しておいた。

687リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/11(日) 23:54:29

(そろそろかな・・・)

そして葬儀が献花に差し掛かった時、事は起こった。

「何故お前が長に並ぶんだ!」

棺の元へナディアと共にセナが立った際、一人の男が怒鳴り出した。

「忌み子め!ポセイドンに飼われた畜生のくせに!何の資格があって其処に立つんだ!消えろ!」

力任せに投げつけた物がセナの額に当たる。

「お前ら、騙されるんじゃないぞ!ヨハン様を殺しただけじゃない!今世の中に闇が蔓延して物騒な事が起きてるのもコイツが発端だって話じゃないか!殺せ!コイツが生きてる限り災いが続くぞ!」

その言葉を引き金にして周りがざわつき始める。そして、とうとう全ての敵意がセナに向いた。

「お前のせいだ!」
「殺せ!」
「消えちまえ!」

「セィちゃん・・・!」

セナを守ろうとリマが駆け寄るが、襲い掛かった男の拳が彼女に当たりそうになったのをセナが庇う。そのせいで防御の態勢が取れぬまま各々から暴力を受ける形となった。
ナディアが止めようとしても収まらない。葬儀が一変して地獄絵図と化した。

「・・・!」

そしてジルの思い通りユニがその場から離れる。彼女が斎場を後にするのを見て、ジルは口元に笑みを浮かべる。

「ゲーム開始。」

688リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/12/12(月) 12:22:29
イスラ>>
蒼井翔太にendlesssongと言う歌が最近発売されたのですが、心にクリーンヒットしたのでリトのイメージソングにしました←いきなり何だ
歌詞とか全然リトに関係ないけど曲調がリトに合ってる気がするのです(∩´ω`∩)

ダーリン沢山とかwwwその中でもお気に入りとかあるんですか(笑)?

うたプリのキャラって基本ヤバイですからね←
マジモンのプリンスですよー(笑)でも実は日本のハーフで音也の弟と言う意味の分からない設定←たしかにセシルは見た目普通ですよね(´-ω-`)たしかに、ナギは意外と常識人でしたね(笑)まぁ世界一そして宇宙一ミラクル可愛いのはナギでなく藍ちゃんですが←

厄介払いも若干含まれていますが皆ハルカを欲しがっているので名誉な事だと思います。
最近の声優さんってアイドル紛いになっちゃって、ちょっと寂しい気もします( •́ .̫ •̀ )

レイジはうたプリの中で一番平凡な家庭の出だと思います(笑)
顔だけは良いので小さい頃に子役で大ヒット→挫折→アイドル目指す→才能なしの三流アイドルだけど頑張る→才能ありの親友の失踪。再び挫折→カルナイ抜擢→新しい仲間と一緒に頂点目指す
って感じで人生波乱万丈ではあるのですが←
てかカルナイって誰にも負けない王者気取ってるけど、実際蓋を開けると欠陥だらけのメンバーなんですよね。レイジなんて後輩に対しては余裕アリアリのカリスマ演じてるけど実際は自分に自信ない病みキャラだし。まぁだからこそカルナイは尊いのですが←

本人がセーフと言えばセーフなのです←
藍ちゃんとシエルは何処までも贔屓です( • ̀ω•́ )✧
シエルねぇ、今アイドルのプロデューサーしてるんです。俺様キャラとか弟キャラとかその人物の見た目にあったキャラ付けして爆発的な大ヒット←

ナディアはきっと、今ちょっと押したらへし折れると思います←

マジですか、そしたら頑張ります!

ユニの目は金色です|ू・ω・ )
えー面白いのに←
自分最近全然描いてないですねー、ネタが思いつかなくて。つか長い間描いてないからもはや描けるかも分からない←

アブセルならありえる。きっと朝食途中でリトの姿でも見つけたんですよ←

アンパンマンかと思ったwww探して見ます!

その体で行けば水樹奈々も合ってるかもですが、真綾さんが好きなので(笑)
美味しいんだwwwノワールはキャラ作った当初から田村ゆかり感あったんですよねー←何

嫌いですね(´-ω-`)

保志さんは主人公の代名詞ですからね←
アブセルはまり役過ぎますね(笑)なんかジュダルと白龍ちゃん思い出しちゃった(笑)

689アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/14(水) 19:56:26
【黄昏の塔】

手応えはあった。だが…。

「く…そ…」

やられた傷も相当なものだった。
アグルは堪らずその場に膝をつき血溜まりの上に崩折れる。

(まだ…だ…。まだ、終わってない…。動け…)

目の前の転がる槍を掴もうと懸命に腕を伸ばす。しかしそれを握る力も、起き上がる力ももう残ってはいなかった。

「…………」

小さくなる心音。次第に意識が遠のき、身体の感覚もなくなっていく。
暗く、濁りゆく瞳に映るは、圧倒的な存在感を放つ仇敵の姿。その冷たく光る金色の双眸を目に焼きつけ…アグルは事切れた。


…筈だった。
そう、彼の心臓は確かに止まった。しかしその僅か数十秒後、アグルは突如弾かれた様に飛び起き、出し抜けにユーリに不意の一撃を食らわせた。

「まったく…よくもまあ俺の可愛い弟をこんなに痛めつけてくれたもんだよね」

一時的な組織の活性化と急速に行われる細胞分裂によって傷を癒やし、止まった心臓を自らの雷の力で刺激して彼は再び息を吹き替えした。

「ま、今度はそう簡単には負けないよ。なんせ次は俺達兄弟二人が相手だから。…覚悟はいい?オジサン」

一旦距離を取るべく後方に飛び退き、彼は笑みを見せる。それは先程までの狂気じみたものとは違う、どこか清々しさを感じさせるものだった。



…………

(レグナ…!?どうして…!)

これも己自身が作り出した幻想だろうか。自己という意識の中にもう一つ別の存在…兄の姿があった。
同じ顔、けれど彼の持つ雰囲気は自分とは全然違う。レグナはあっけらかんとした口調で声を上げた。

「うっわぁ〜、久しぶりだなあアグル!
お前大きくなったなぁ!」

(いや、そう言うのいいから…。俺は何でお前が俺の中にいるのか聞いてるんだけど)

「は?いやいや、昔お前が言ったんじゃないか、俺達は同一の存在だって。俺はアグルでもあり、レグナでもある。だろ?」

(誤魔化すなよ!
こっちは真面目に聞いてるんだ!)

アグルの剣幕にレグナは、そんな怒んなくても良いじゃん…と、苦笑いを浮かべる。そしてふと腕を伸ばすと彼の持つ槍を指差した。

「その槍、死ぬ直前まで俺が使ってたんだ。で、いよいよ最期だって時に、俺の持つ力の全てをそこに流し込んでおいた。
つまり今はその槍を媒介にしてお前と俺の力が融合している状態…で良いのかな?多分。正直俺もよく分からない」

いくら四神の力を受け継いでいるとは言っても、そんな嘘みたいなことが可能なのだろうか。
別の疑問を投げかけようとした時、先読みでもしたかの様にレグナが先に口を開いた。

「俺がお前の為に残せるものなんて、これぐらいしかなかったからさ。
ま、だからってまたお前と話をすることが出来るなんて想像もしてなかったけど。本当…こういうのを奇跡って言うんだろうな」

690アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/14(水) 20:00:03

軽い口調で語るレグナとは違い、アグルは気に食わないことでもあるのか、ずっと眉間に皺を寄せている。

(知ってたのか…?)

「ん…?」

(俺が生きてたこと…)

「ああ…うん、知ってた」

…やっぱり。
アグルは拳を握りしめた。感情を必死に抑えているのだろう。握った手が白くなっていた。

(知ってたんなら…、会いに来てくれても良かったじゃないか…。それが無理なら手紙くらい…。せめて一言だけでも、生きてるって報せてくれたら…)

夢に兄の亡霊を見ることもなかっただろう。苛まれ続ける幻聴に悩まされることもなかっただろう。
そんな弟の姿をレグナは黙って見やる。やがてゆっくりと言葉を返した。

「お前には何のしがらみも背負わせたくなかったんだよ。一族の因縁なんかに囚われず、自由に生きて欲しいって親父もお袋も思ってた。
それが…お前をこんなにも苦しめることになるなんて思わなかったんだ。悪かったよ…」

(………)

何を考えているのか、黙りこんでこちらを睨む彼に対し、ため息をつく。

「…取り合えずその話は後。今は目の前の相手を退けることを考えないと。
身体は俺が動かすよ。アグルは支援を宜しくな」

納得はいかないが、その発言は最もだ。アグルは言った。

(…大丈夫?あんた、身体を動かすのも久しぶりなんだろ。それにそれ俺の身体なんだけど)

「そこは問題なし。自分の身体みたいにしっくりくるよ。流石は俺の半身」

…………


かつて兄弟が切り離された時、二人の持つ四神の力も半分に分かれた。
しかし十数年の時が経った今、それは兄の意識と共に一つの完全な形となって再び彼等の元に戻ってきた。

(1秒後、左から斬撃が来る。更にその0.1秒後右から追撃。まともに受けちゃ駄目。逸らして反撃して)

「了解」

アグルは攻撃の来る方向、タイミングなどを的確に伝えて指示を出す。
それに合わせて戦うレグナの動きも鋭く速く、彼の戦闘経験の厚みを感じさせた。

(一撃目はフェイント、二撃目に注意。雷撃を飛ばして相手のコースを誘導して)

冷静に周りを観察できるようになったからか、自分で戦っている時よりも"よく見える"ようになった。
遺跡で戦ったあの女ほどではないが、相手が次にどう動くのかが何となく分かる。

黄金の気を纏うレグナは、ユーリを相手に斬り結んでいった。

691アグル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/14(水) 20:10:10

リマ>歌聴きました、格好良かったです!リトの雰囲気にもぴったりだし。しかし本当声が高くて凄い…

お気に入り…、ヴェントじゃないですかね?⬅

マジでw
あの二人あまり兄弟感ないけどそうなんですね、片親が違う的な?
まあうたプリの中ではヴィジュアル的に藍ちゃんが一番可愛いってのは納得です(笑)

厄介払いも若干含まれてるんかいww
好きな声優のライブとか行かないんですか?

本当に波乱万丈だwそしてレイジが闇キャラとか予想外過ぎて。あの人が崩れたら瓦解しそうなグループなのに…

本人が言うなら仕方ないですねw
えぇ…、シエルさんその歳で敏腕プロデューサーとか流石ww

ナディアが折れたとこ見てみたいかも…⬅

楽しみにしてます!(^∇^)ヨハンとリトの会話ももう感動的で…!

ありがとうございますイラスト出来ました。ユニとロリじゃないノワールサンタです。
imepic.jp/20161214/721590
セナリトはギャグじゃなくてまた別の形で描きたいです(笑)
そうかー残念です(>_<)

目玉焼きを引っ付けながら慌ててリトを追っかけるアブセルとか怖いww

思いますよね(笑)まあ主人公もアンパンマンみたいな格好してますし、頭ツルツルだし

やっぱ好みで人選しますよねw
あー、なんか分かります

うわ、ばっさりww

個人的には主人公じゃない保志さんの方が好きですけどね(笑)
ジュダルと白龍で思い出しましたが、最近のマギめちゃくちゃ面白くてヤバくないですか?⬅

692アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/20(火) 18:21:07
【ポセイドン邸】

「は……?」

突然のユニの激白。
いきなり過ぎてリアクションも取れない。アブセルは間の抜けた表情でぽかんと口を開けていたが、それに対するリマの「大好きだよ」との言葉を聞くや、みるみる顔を赤くした。

少し前からだろうか、心の奥底に何か引っ掛かるものを感じていた。この気持ちの正体が掴めず、悶々とした気分が続いていたが、ユニの一言をきっかけにパズルのピースが嵌まったかの様な感覚に落ちる。
それはアブセルが自分の気持ちに気づいた瞬間であったが、彼にとっては決して喜ばしいものではなかった。むしろ気づかない方が良かったのかもしれない。

「うわあぁぁあ‼違うんだリト!俺が愛してるのは間違いなくリトだから!これは浮気とかじゃないからァ!」

彼は突如奇声を発し、リトの眠るベッドにすがりつく。
自分にとってリトは特別だ。リト以外にこんな感情を抱いてしまったことが許せない。

激しく気持ちの整理がしたい。しかし時は待ってはくれないようだ。アブセルはまるで歯医者に連れて行かれる前の子供のように、行きたくないと駄々をこねながらリマに引っ張られその場を後にした。


………

693アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/20(火) 18:22:31

葬儀の場は険悪な雰囲気に包まれていた。
参列者のリトに対する言い掛かりの数々は腹立たしいが、アブセルはそれを自制する。

自分の軽薄な行いがリトの立場を更に悪くさせることは、この十年程で嫌と言うほど身に染みていた。
何故そのような無作法者を雇っているのか、使用人の教育がなってないのではないのかと、その責任の全てが別のところに向けられる。
だが、それでもセナに害が及ぶ段階まで来ると、流石に怒りを抑えることが出来なくなった。

アブセルは我を忘れてその場から飛び出した。しかしそれよりも速く祖父が動き、セナに殴り掛かろうとする相手の拳を捉えた。

「申し訳ございません」

そしてそのまま一本背負いの要領で投げ飛ばす。
その後も彼は老体とは思えぬ動きで、あっと言う間に数人の男を地に伏せた。

老人はセナの盾となるかのように彼等との間に立つと、大変な御無礼を致しました。と深々と頭を下げて言った。

「皆様の一族と長を想う気持ちは重々承知しております。ですが、ここは亡きヨハン様をお偲びする席に御座います。
長きに渡り一族をまとめ上げてきた御方の眠りが、どうか安らかなものであるように、最後まで慎ましやかにお見送り頂けないでしょうか」

祖父がセナ…いやリトを庇う姿を初めて見た。しかも貴人達に手を出してまで。
アブセルは信じ難い気持ちでそれを眺めていたが、そんな折ふいに護衛獣の阿形に呼び掛けられた。

(御主人…。あの…少し宜しいでしょうか?)

阿形は童の姿を取るとアブセルの肩の上に乗り、何やら緊張したような硬い声でヒソヒソと話し出した。

(確証がないため報告するべきか迷ったのですが…、先程ほんの一瞬だけ見慣れぬ匂いを感じました)

「見慣れぬ匂い?今日は客が大勢いるからそのせいだろ?」

(いえ、そうではないのです…。場違いな匂いと言った方が正しいかもしれませぬ。何と言うか…人を殺めることを常としている者が持つ特有の…、血の匂いです)

まさか、と耳を疑った。この敷地内に誰にも悟られることなく、殺人鬼が侵入したとでも言うのか。

「今、匂いは?」

(いいえ…今は何も。しかしいつの間にかユニ殿の姿も消えております故…)

そう言えば…。そう思い、辺りを見渡せば本当にユニの姿が見えない。

「一応見て回ってこよう、リトのことも心配だし要心に越したことはない。何もないならそれだけの話だ」

取り合えずこの場は祖父やナディアに任せておけば良いだろう。
アブセルは踵を返し、そっと斎場を抜け出した。

694リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:08:28
【冥界】

「行き先は決まったのか?」

扉の前に佇むルイへヨハンはまるで他人事のように問いかける。

「お前の望む場所へ。」

返すルイの言葉にヨハンは不敵な笑みを浮かべた。

「地獄だな。」

「お前の罪状は明確だからな。だが・・・」

言いながらルイはしばし腑に落ちないと言った表情を浮かべる。言葉を繋げあぐねているルイに代わり、傍らに控えていた女性が続けた。

「貴方の魂はとても清らかで、重ねてきた罪と相反しているのです。なので、天の王とも相談した結果、特例を設けました。」

それは地の国で幾度の苦痛や試練に耐え抜ぬことが出来たなら、天への帰還を許可すると言うもの。

「病に苦しむ伴侶を不憫に思い手にかけてしまうご老人がいるように、世の中には私欲とは異なる罪を作る者達がいます。貴方もその一人だと、私たちは考えました。」

「だが、罪は罪。犯してきた罪の分だけ償う必要はある。」

「その為の特例・・・と?」

己が犯してきた罪は到底赦されるものでない。行き場所は端から覚悟しており、特例なるものが設けられるなど夢にも思わなかった。

「罪を裁く者が・・・随分とお人好しなんだな。」

結局予想だにしていなかった判定にすぐには反応しきれず毒を吐いてしまった。この性格は死んでも治らないようだ。
しかし、対するルイは嫌味に全く動じない。

「俺の気が変わる前に早く行け。」

「言われなくても。」

行き場所が決まれば此処には用はない。ヨハンは迷いなく開かれた扉へ向かっていく。

695リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:09:35
「あ・・・」

去っていくヨハン。この扉が閉ざされれば、もう一生彼と会うことはない。

「待って・・・」

このままでは駄目だと思った。まだ二人の蟠りは完全に拭えていない。
そしてリトは気付いた。きっと、ヨハンは転生の道を赦されていたとしても、選ぶことはないと。地獄で魂が燃え尽きるまで苦しむ事が己に科せられた報いだと思っている。

ヨハンが行ってしまう。このまま行かせては駄目だ。

「と・・・父さん!」

ヨハンの足がピタリと止まる。振り向いた顔が驚きの表情を浮かべている。

「今・・・何て?」

「父さん・・・待って、まだ行かないで」

リトが思わず扉の中へ足を踏み入れそうになるのをヨハンが慌てて引き返し止める。そんな彼の腕を縋るように掴み、リトはヨハンを見上げた。

「あんたにまだ言えてない。言わなきゃいけないのに・・・」

ヨハンに恨みがないと言えば嘘になる。許してやりたいと思うのに、どうしても許せない。だけど・・・

「・・・嬉しかったんだ・・・」

これだけは伝えてやりたい。

「あんたは無意識かもしれないけど、俺の名前を呼んでくれた。俺はあんたにとって疎ましい存在だから、名前なんて知らないと思ってた・・・」

けど、知っていてくれた。そして名前を呼んでくれた。それが凄く嬉しかった。名前を呼ぶことはその者の存在を認める事だから。

「あんたのことは許せないって言った。けど、許す機会を与えないのも卑怯だと思う。"俺"が無理でも、その・・・生まれ変わった後の俺にとか、ずっと、俺が許すまで謝り続けてほしい。」

生まれ変わりとか何言ってるんだ。自分でも意味が分からなくなってきたと言うリトに、ヨハンはフッと笑みを浮かべた。
そして顔を赤くするリトの頭にポンと手を乗せる。とても優しい感触がした。

696リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 02:10:13

「ありがとう。お言葉に甘えて、お前が許すと言ってくれるまで何度でも謝り続けることにするよ。転生を駆使してでも、な。」

本当にこの子は優しい子に育った。顔だけでない。心まで、ミレリアにそっくりだ。

「リト、お前は私のようになるな。お前にはナディアやヨノ、そして何より母がいる。無理に大人になろうとしなくていい。お前はまだ子供なんだ。支えてくれる大人達に甘えなさい。」

その機会を奪ってきた悪い父親はもういない。

「お前はもう自由だ。・・・ありがとう、こんな俺を父と呼んでくれて。」

罪深い自分に、いずれ天へ召すことへの意味をくれて。

「・・・。」

リトはヨハンの腕を掴んでいた手を離す。ヨハンはそんなリトの頭を人撫でし、扉の中へと消えていった。
そしてリトの見守る中、あの世へと続く扉が重く閉ざされた。

-----

「知らないはずなかろう」

ただ際限なく続く道を歩きながら、ヨハンは呟く。
思い返すはリトのあの言葉。

「お前の名は、俺が考えたのだから」

生まれてくる子供は男の子だと、ミレリアは嬉しそうに言った。性別を知り、その子の行く末を知っている自分が絶望している中で、何も知らないミレリアが言った。子の名前を考えて欲しいと。
その時は何も言わなかった。すぐには思いつかないと嘘をついて。どうせ死ぬ命。名をつける必要などないと思った。しかし、自分は子の名前を考えてしまった。もしその子が死ぬ運命ではなく、自分達の子として生きていける子だったらと仮定して。書類の端に何気なく書いたその名を、いつ目にしたのかミレリアは知っていて、いつの間にか 腹の子にその名で呼びかけるようになった。そして、そのまま生まれた子に引き継がれた。

「私の尊敬する二人から取った名前・・・」

太陽のように明るく何処までも優しい妻と、自分よりも相手の幸せを優先する、強く真っ直ぐな心を持った親友。自分にはないものを持つ二人の名から、その子にもそうあって欲しいと願いを込めて。

697ユーリ ◆.q9WieYUok:2016/12/21(水) 15:06:56
【黄昏の塔】

起き際の不意打ちから続く清々しいまでの話し声と、それとは真逆の苛烈な連撃。
爪牙と尾、そして刃の如き鋭さを持つ装甲でアグルの攻撃をいなし、黒狼は距離を取った。

細められた金の双眸は敵影を見つめ、閉じた顎の隙間からは冷気が漏れる。
クウラが姿を変えた黒鴉は雷を、メイヤの黒狗は炎を、そしてユーリ、黒狼は闇と共に冷気を宿していた。

先程までとはまるで違う、倍以上どころか乗算的に上がった敵の戦闘力。
それがどこから来たかは分からないが、強敵と認めるには十分以上だろう。

此方の動きを読み、ニ手三手先を見越したアグルの動き。
それは未来予知か、否。

思考とは突き詰めれば電気信号のやり取りであり、それをアグルは感知したのか。
可能性は決して低くは無く、むしろ高い。

雷神トール、四神の一角ならば充分可能だろう。
実際にそれを行ったかは判らないが、戦いのレベルは各段に上がったのは確かだ。

冷気は狼の全身から勢いを増し、咆哮と共にフロア全体の空気が一瞬にして凍結。
黒狼を中心に大小様々な氷の剣山が広がり、フロアを埋め尽くしていく。

更に、凍結した水分子が巨大化し、次々と氷の華と姿を変える。

(リミッターを失った今、時間も余裕も無い。
この姿になった以上、早急に勝負を決めなければ……!!)

そう、時間は無い。
闇を制御するリミッターを失うと言う事は、闇に呑まれ、死ぬ事と同義。

「この身が朽ちる前に、せめてこの勝負に決着を着けよう!!」

フロア全体を極寒の地へ変え、黒狼は再び敵影を見据えた。
溢れ、満ちる凍気は絶対零度に達している。

摂氏零度-273℃、それは光すら動きを停め、時間おも停める“絶対”なる数値。
爪牙が纏う滅びを凍気に、魔装の名残を氷鎧へ変え、黒狼は渾身の一撃を放つ。

それは絶対零度の渦流、死の吐息。
蒼氷たる白銀の奔流が、敵を飲み込み粉砕せんと襲い掛かった。

698リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/21(水) 16:01:35
イスラ>>

行動が早いwwwあの歌いいですよね!あの声は本当素晴らしい(*ˊૢᵕˋૢ*)しょーたの歌をカラオケで歌おうとしたら声が出なかったのは秘密←

えぇ(OдO`)ヴェント逃げて超逃げて。

母親が同じです( • ̀ω•́ )✧で、セシルの父親がどっかの国王で音也の父親がシャイニング。

でしょー?藍ちゃんベリーベリーキュートでしょー?あの容姿は奇跡ですね←

つかカルナイの新曲アニメで見たけど歌自体カッコイイわ映像が本当のライブ見てるみたいでテンション上がるわでヤバかったです。藍ちゃん可愛い(*´﹃`*)

でも彼らにとっては名誉なことなので←
自分今までライブとか行ったことないです|ू・ω・` )なんつーか、ファンが怖いんですよね←

なのでレイジは自分の闇を隠して頑張ってるんですよー(笑)
本当それです。藍ちゃんが「楽屋では皆好き勝手なことしているのにレイジが時間だねって言ったら準備をし始める。バラバラなグループなのに、レイジの言葉で皆は同じ方向に動くんだ。」的な感じなことを言ったことがあって、自信のない彼に対してレイジがいなきゃダメなんだよって暗に示す藍ちゃんマジ天使。

えぇ間違いないです( • ̀ω•́ )✧
シエルは天才ですからね(笑)ただ、何か変な方向に突っ走ってる風がしてお姉さん心配です(笑)まぁ楽しそうで何よりですが(笑)

な、なんだってー(OдO`)!?
そしたら折ろうかな←

自分はリマがセナにビンタをぶっかます姿が見てみたい←

ヨハンとリトの話長くなっちゃったwwwしかもまだ終わってない←

イスラさん仕事早ぇ!!!つかイラストスゲェ!!!可愛い!めちゃヤバイ!!ありがとうございます!!
ユニの谷間が(*´﹃`*)あーイイッ(瑛一風)

そんな不気味なことをやらかすのがアブセルです←

え、うそwww

なんかハルカっていけ好かない( ・᷄ὢ・᷅ )薄桜鬼の千鶴の次に嫌いかもです←

マギやばいですよね!白龍ちゃんめちゃくちゃカッコイイし!!白龍ちゃん勇ましいし!白龍ちゃんの精神強くなったし!!!
と言うか前に友人宅でお泊まり会した時に友人のマギ読んでて(自分の読めよ)、その巻で炎兄死んじゃったかと思ってマジ泣きそうになりました←

699ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/23(金) 16:39:19
【イスラ》レックスも思いの外ハマり役かなと自分でも思うww
アグルの声はそのアニメので聴いたからホントぴったりだた!!そして本編まさかの展開……!!
了解す、とりま先のが黒狼最後の攻撃なんで、トドメを!

リマ》俺もアニメ全然見ないから聞き比べ大変だった、つべの履歴が見事に声優サンプルボイスで埋まったわ……wwww

とと、二人にちょっと相談難だけど、前言ってた吸血鬼組の話。
黄龍撃破した後、本編完結後のexステージ的なのでどうでしょう?
多分このまま平行して進めるにはキャラの絡みや伏線因縁諸々多過ぎて厳しいかと思って……


700イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/27(火) 18:57:41
リマ>マジかw自分も絶対声でないだろうなw

うふふ〜逃がさないわ〜ε≡≡ヘ(D ´∀`)ノ ⬅

なるほど、何か複雑な感じなんですね。てか国王とシャイニングを相手にするお母さん何者ww
藍ちゃんはベリーキュートですが、性格はナギの方が好きだなぁ

それ見逃したかも。カルナイのライブなら是非とも見ないと⬅
しかしどしどし新曲出すんですねw

ファンが怖いwその発想はなかったwwそう言えばテンション振り切れてる人いますよね。自分もRIP SLYMEのライブくらいしか行ったことないんですが、前列に行く勇気はないんでいつも後ろですww前の方は何か熱気が凄い気がする

藍ちゃん良いこと言いますね、それは間違いなく天使ですわ(笑)そしてレイジはぐう聖⬅
シエルさん当初の目的もう忘れてるんじゃ…、いやそもそも当初の目的とかあったのかさえも自信がない

折っちゃえ折っちゃえ!⬅

リマがセナをビンタするなんて…一体何があったらそんな事態に…(笑)

リト…、ヨハンと和解できて良かったね…(。´Д⊂)続きも待ってます(笑)

ありがとうございます^^忘れる前に谷間の約束守れて良かったwその人のイイッ!は笑うからww

そうか、それがアブセルか( ゚д゚)ハッ!

千鶴ってヒロインの人でしたっけ?何でそんなに嫌ってるの(笑)

白龍ばっかりww
炎兄死んでたら白龍絶許でしたよ、しかも早々に皇帝辞めて紅玉に丸投げとかちょっと酷くないですか?(笑)
まあ紅玉達とアリババが煌を立て直してく話がすごく楽しいから全然良いけども
てか何かアラジンがめっちゃ成長してるけど違和感しかないw


ヤツキ>凄い偶然ww
初めは二人を合体させようなんて全く考えてなかったんですけどねwご都合展開ですが許してください(笑)
って、あれ?ユーリとの戦闘もう終わっちゃうのん?笑)もう少し続けても良かったのよ?⬅

ああ、それ。自分も同じこと考えてました(笑)
今はちょっと完結に向けてのレスで手一杯で、吸血鬼組の方まで頭回らないと言うか;本編が一段落してから、ちゃんとやってきたいです(´ω`)

あ、それとヤツキングはいつ来るのかな?イスラと再開できるってことでワクワクして待ってるのにな(゜∀゜*)(*゜∀゜)⬅

701ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/27(火) 22:49:15
>>700
取りあえず一番上の見るかーボタンポチーでアニメだったんよww

予想外なんやけど熱い展開で鳥肌立った!!今までの実力が実は半分程度とかやべぇっす、めっちゃ強化されとる……
んー、これ以上はクドいかな?とか思ったんだけど、続けて良いならもう少しやりましょ!!
リマさんの返事次第だけど、吸血鬼組は先のレスの方向で……考えてるのは、ヴェントと会話中にオリジン強襲、何とか撃退で深手を負ったオリジンは暫くお休み、的な区切りで。
ヤツキングはイスラとバトルか会話させるかで迷ってて←
アグルvsユーリ終了後にでも良いでしょうか?

702リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/12/27(火) 23:48:32
ヤツキ>>
声優サンプルwww

exステージ賛成!折角なのにごちゃごちゃしちゃうと悲しいもんね|ू・ω・` )


イスラ>>
高い声出るって羨ましい←

怖いわwww
オカマに追いかけられるって相当怖いだろうなwww

母さん強者ですよねwwwてか何で子持ちの日本人がどっかの王国の嫁になったのよって思うけどそこはまぁうたプリだし考えるだけ無駄というか←
何ですと!?自分にとっては藍ちゃんは性格もどストライクなのにー←

見逃しちゃダメー!←
そうそう、必見ですよ!!あまり藍ちゃん目立ってないのが悲しかったけども( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )
今回の歌は何かレイジとランマルがメインって感じがしましたー。まぁ藍ちゃんはもともとダンス担当の子だから仕方ないのかな(˘-ω-˘ ).。oஇ

そうそう、熱気が凄いし勢いに押されちゃう(笑)


しかも別にレイジを元気づけようとしてるわけじゃなくて、無自覚にそう言っちゃうところがまた天使なんです←
そして何だかんだレイジの事大好きで無自覚ながらもレイジに甘えちゃう藍ちゃん超天使!!レイジの言う事素直に聞いちゃう藍ちゃんぐぅかわ!!MCやる時話題が見つからなかったら「最近どう?」って言えばいいんだよってレイジからアドバイス受けたら、収録中ずっとメンバーに最近どう?って聞きまくっちゃう藍ちゃん!超!天使!!
てかぐう聖www


でもどうやって折ろう?←

んー、ノワールとの関係がバレた時?子供の存在を知った時?
あの二人仲良すぎなんですよね←

リトは許さないらしいけどね←
ありがとうございます(♢ω♢)


谷間!きゃっほい!谷間!Fooo!!←
何か耳についてしまってwww

谷間のお礼に自分も谷間・・・じゃなかった、ナディアを久しぶりに描いてみました|ू・ω・` )
imepic.jp/20161227/838060
力尽きたので色塗りはしてません←
にしてもナディアは何故いつもピチピチした服着るんだろう?←
髪下ろしたバージョン描いたらナディアなのに誰だこいつって感じになってしまった(˘-ω-˘ ).。oஇ

そうそう、アブセルはリトに対してなら何処までもアホになれるし、狂気的になれるんです←

弱いくせにお節介で戦場に首突っ込んで、弱いからやっぱり死にかけて、結果的にその時に千鶴を庇った兵士が死んでくんです。迷惑がかかってるのに本人は気づいてないんです。千鶴がいなければ兵士さんは死なずに済むんです。
あ、因みに千鶴の双子の兄の薫は狂気的な子で天使です← 千鶴より強いのに潜在能力?的な差で千鶴だけが大事にされて虐げられてきた可哀想な子です。

白龍ちゃんも結局はツンデレなだけでしたね←
あんだけ皇帝にこだわってたのにあっさり退位しましたよねwww

アラジンすっかりソロモンに似ちゃって・・・(笑)自分店頭で成長したアラジンの表紙見て「アラジン、すっかりパパにそっくりになって・・・」って親戚のオバチャンみたいなこと思っちゃいましたwwwアラジンはちっこい方がアラジンらしいのになー

703イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/12/31(土) 00:54:30
ヤツキ>なるほどw
予知っていうチート能力もついたしwアグルはユーリ戦が最後の戦闘参加になるかも。
やりましょう!でもレスが思いつかないので来年まで待ってください(笑)

流れ了解です!
自分は会話を希望しますが…、ヤツキさんに任せます^^


リマ>良いですよね〜

怖いでしょうねwオカマじゃないてすが、ガチホモ(やらないか、の阿部さん)に追いかけられる無料のホラーゲームがあるんですが…いろんな意味で怖かったです(笑)

そこは掘り下げてくれないんですね(笑)
なんか藍ちゃんって何考えてるか分からないから(-_-;)

ありゃま残念(笑)また今度見てみます^^
最近どう?ww藍ちゃん素直ww

そこなんですよねー、折れる理由が何も思いつかないですww

それはやばい、凄い修羅場になりそう…(笑)ワクワク…⬅

許さない方がリトらしくて良いと思います^^

ヤッホイ!谷間!o(*゜∀゜*)o⬅
ナディア美人‼まさか描いていただけるとは…!ありがとうございます‼
自分の身体に自信がある人じゃないとピチピチな服って着れないですよねwてか髪下ろすとよりセクシーに…!

その通りだ(笑)

あー、そういうヒロインは嫌ですね…(-_-;)
お兄さんのキャラ設定はリマさんが好きそうな(笑)

結局白龍もシンドバッドさんに良いように利用されたような感じですしね(笑)
てか親戚のオバチャンwwアラジンは小さい方が良いですよねー
モルさんも何か顔つきがキリッとなっちゃったし…前の方が可愛かったのに…

704ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/12/31(土) 15:36:18
【んだらば吸血鬼組はexステージと言う事で!オリジン乱入させるんでちょっとだけお付き合いお願いしやす!

イスラ》え、アグルはまだラセツとのリベンジ戦が残ってますよ?←
未来予知合戦が←
了解す、アグルユーリ戦終わったらレスしまっす!

リマ》ボイスサンプルで埋まった履歴スクショすれば良かったww

っと、お二方今年も大変御世話になりました!!
来年も何卒よろしくお願いしますー!】

705フィア ◆.q9WieYUok:2017/01/05(木) 12:51:38
>>685
【森】

全く、DDとは別のベクトルで掴みにくい男だ。
だが、その実力は折り紙付き。
内に秘めた闘志は計り知れない。
ヴェントが力を貸してくれるとなれば、激化するであろうこれからの戦いも……

「そうね、まずは……」

力を貸すと意志を表したヴェントへ、フィアは不意に氷剣の刺突を放った。
凍気を纏う切っ先は吸い込まれるかの様に、そして速く、鋭く。
躊躇いの無いその一手は、防ごうと翳された手の平を貫き、瞬時にその腕を凍結させる。
更に、だめ押しとばかりに氷の刀身から絶対零度の凍気を放った。

「現れた敵、このオリジンを抑え込むわ!!」

フィアの放った刺突を受けた手、それはヴェントの背後に突如としてして現れたオリジンのもの。
灰の髪に一房の朱、ノワールと同じ相貌の吸血鬼の祖。
現れた理由は勿論分かっている。
そして、タイミングも。

感知に長けたフィアだからこその気付きと、それに対する一手。
光すらその速さを失う絶対零度の放射、有効打にはならずとも。
仲間達が戦闘体勢に入る時間は稼げるだろう。

「メルツェルの仇討ちよ……っ!!」

706ユニ ◆wxoyo3TVQU:2017/01/16(月) 20:25:15
【ポセイドン邸】

リトが邸に戻ることを頑なに拒んでいた理由は、彼を追いかけてここまで来たことで容易く理解出来た。
両親すらリトを邪険にするのだ。それが邸の者達の態度に反映されるのは無理もない。分かってる。わかってるけど・・・

「・・・っ」

その場にいるのが苦しくなり斎場をあとにしたユニは宛もなく廊下を歩いていた。しかし、耐えられなくなりその場に膝をつき泣き出す。リトは幼い頃からずっとあの敵意の渦の中にいたのだ。あの性格だ、きっと何でもない風を装って、独りで耐えてきた。

「リト様・・・っ」

その結果が今のあの姿。リトは我慢することに疲れて現世に戻ることを拒んでしまった。リトは帰ってきてくれるのだろうか。たとえ帰ってきてくれても現実が変わらないのであれば辛すぎる。

「大丈夫?」

顔を覆い蹲っていると、何処からか声をかけられた。顔をあげると、1人の青年が気遣わしげに自分を見つめている。視線が会うと彼は人懐こそうな笑顔を浮かべる。

「こんにちは、妖精さん。どうして泣いているの?」

「あの・・・」

優しい声に柔らかな表情。この人はとても優しい人。だけど何故だろう。彼の奥にどこか薄気味悪さを感じる。

「何でも・・・ないです。」

「あぁ急に声をかけてごめん、驚かすつもりはなかったんだ。そんなに怯えないで?泣いてる女の子を見ると放っておけなくて。」

嘘だ。

「・・・あなた、嘘つきの顔をしています。ユニが泣いていたからではないですね?」

ユニは青年を見据える。ぼんやりながらも彼の心が視えた。

「ユニに・・・ご用があるですか?」

その言葉を聞き、青年は一瞬虚を突かれた顔を浮かべる。しかし、それはすぐに興味深げな好奇心に満ちた表情へ変わった。

「へぇ、分かるんだ。うん、君の言う通りだよ。お願いがあってきたんだ。」

「お願い?」

「うん、君の力が必要なんだ。一緒に来て欲しい。」

来て欲しいと言われ易々とついていくわげない。ユニが警戒していることを察したのか、はたまた最初から予想していたのか、青年はクスリと笑い続ける。

「僕は君の願いを聞いてあげられる。・・・ちょっと違うな、僕達と一緒なら、君は自分の願いを叶えられる。」

たとえば・・・

「リト・・・とか。」

その名を聞いてユニの動きが一瞬止まる。そんなユニの反応に青年は笑みを浮かべた。"引っかかった"

「君が一緒に来てくれるなら、僕がリトに自由をあげる。悪い話じゃないと思うけど。」

ユニはジルの目をじっと見つめる。・・・嘘は言っていないようだ。

「本当に、リト様を解放してあげられる?」

「うん。君が一緒にいたいって言うんなら、あの子も連れていけばいい。僕達は君たちを束縛したりしないよ。ただちょっと、手伝って欲しいだけ。」

ユニは完全にこちらの話に興味を持っている。あと一押しで、落ちる。

「リトもきっと喜んでくれるよ。」

その一言でユニの顔がパッと晴れた。成功。

「リト様喜んでくれますか?ユニのこと褒めてくれるですか?」

「うん。だって君がリトの願いを叶えてあげるんだもの。誰も叶えてあげられなかった願いを。だから・・・」

ジルはユニへと手を伸ばした。こっちへおいで。

ユニはもはやジルの言葉に疑問など持っていない。嬉しそうに、ジルの手をとるべく自らも手を伸ばした。

707アグル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 11:31:53
【黄昏の塔】

今や極寒の地へと変貌した戦場で、レグナは退路を塞ぐ氷塊を砕きながらその凍気に身を震わす。

「うぅ〜…、さぶい…」

(呑気なこと言ってんな!来るぞ!)

警告通り、それは音もなく二人へと襲いくる。もはや防ぐ術も逃げる間もない。
絶対零度の奔流は在りとあらゆる物質を凍てつかせながら、時間と空間、そして二人を呑み込んだ。

………

「アグル、まだ寝てる?」

「ううん、今起きた」

まだ二人が幼かった頃。まだ二人が一つだった頃。隣に誰かがいるのが当たり前だった。

「アグルは最近眠り姫だな」

何だよそれ、と彼が顔をしかめる。
「繋がってるから、多分僕のやる気も全部レグナの方に行っちゃってるんだ」

「…ごめんな」

「いいよ、寝るの好きだし」

アグルここのところ、一日の大半を寝て過ごしていた。起きている間もいつもダルそうにしている。
恐らくホルモンの分泌であったり、脳の神経伝達であったり、身体に異常をきたし初めているのだと思う。

「また本読んでたの?」

「うん、トール様の神話」

「聞かせて」

弟に本の内容を話してやるのが日課になっていた。レグナはトール神が人々を護る為、悪い巨人を倒しに行くという冒険譚を語って聞かせた。

「格好いいね」アグルが言う。

「 そういえば」トール様の話で思い出した。「父様がそろそろどちらが当主をやるか決めなさいって」

これは暗喩だ。分離手術でどちらが死ぬかを決めろと言うことだ。だがアグルはそのことを知らない。

「二人じゃ駄目なの?」

「当主になれるものは一人って決まってるんだ」

「じゃあレグナがなると良いよ。レグナの方が勉強熱心だし」

「いや、僕は駄目だよ」

「なんで?」

「器じゃないから」

「器?」アグルが聞く。

「例えばここに沢山のスープがあったとする」レグナは両方の腕を大きく広げてスープの量を表した。
「でもそれに対して器の大きさは、ほんのこれくらい」今度は指先を使って器の大きさを示す。
「どんなに沢山のスープを持っていたって、器が小さいと注いだうちから溢れ落ちちゃうだろ?つまりはそう言うこと」

「…?よく分からない」

当主を選ぶ話から何故スープの話になるのかと、アグルは首を捻る。

「良いんだよ、分からなくて」言って頭を撫でてやる。初めは何やら不満そうな顔をしていたが、弟はやがてあくびを一つすると再び目を瞑った。

アグルにはトール様の加護が付いていると、当時から何となく感じていた。その力の片鱗は、きっとずっと側にいた自分にしか分からないものだ。

弟を守ろうと思った。アグルは自分達には兄も弟もないと言うけれど、やっぱり自分の方が兄に向いているのではないだろうかと思う。
だって世間一般的にいえば弟を守るのが兄の役割らしいから。

708アグル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 11:34:58

…………

光も音もない。完全なる死の世界。
しかしその中で唯一、止まることなく動き続けるものがあった。
心臓だ。心の奥底から熱く脈打つものが込み上げてくるのを感じる。
ぽつりと、レグナの胸に淡い光が宿る。やがてそれは全身に広がり、理屈では計り知れないエネルギーが彼の身体から発せられた。

「…我が想いに宿りし神よ、天命に従いて今すべてを解き放て」

それは原初の光。
天地創造の先駆けの一つ。
そして物質の性質を根本から書き替える力。その力の前では、絶対零度ですら本来の性質を失う。

「我は雷神トール、聖槍を以て邪を打ち砕く、戦と変革の神なり! 」

哀しみを歓びに。憎しみを希望に。罪を愛に。
絶対零度は万物の生命エネルギーである、マナへと変わる。

(…なんてね)

レグナは密かに舌を出す。

一瞬、自分がやったのかと思った。だが、違う。これはアグルの仕業だ。
アグルが兄を護ろうとして無意識に力を開放させたのだ。

(…やっぱりお前の方が当主の器だったな)

今は大きな力の反動で意識を失っているのだろうか。アグルの声は聞こえない。
彼は頑張ってくれた。消える前に自分も少しは兄らしい役割を果たさなければ。

レグナは決意を胸にユーリに向き合った。そして言った。

「あなたの言う通りだ…。復讐の刃では未来への道を切り開くことは出来ない。
だから…俺はアグルの為にも、あなたに止めを刺すことはしたくない」

アグルはユーリを討ち取った後、自分も死ぬつもりでいたし。と頭の中で付け足す。

「放っといてもあなたは直に死ぬんだろう?ならその前に教えてくれないかな」

彼の持つ魂が、徐々に禍々しいものに蝕まれているのが分かる。
かつて自分を殺した者の死が、目前に迫っているのを見るのは何とも奇妙な気分だ。不思議と彼に対する怨みはなかった。

「ずっと不思議だったんだ、あなたが何の為に戦っているのかが。
あなたはこの塔の番人?この塔は何の為にあるのかな?そしてここで何をしようとしているのか…答えてくれない?」

709アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/26(木) 12:10:42
【ポセイドン邸】

「ユニ!そいつから離れろ!」

ユニがジルの手を取ろうとした調度その時。後方から別の声が割って入る。
アブセルだ。

(ご主人!あれです!あの者から先程感じた血の匂いが致しまする!)

確かに嫌な感じがする。
しかしそれ以前に、彼の顔には見覚えがあった。いつだったか街の宿で襲撃にあったのだ。
その時はリトのペンダントを奪われただけで事なきを得たが…。

アブセルは剣を抜き、ジルを睨み付けた。

「そいつを誑かしてどうするつもりだよ。狙いはまたリトか?」

どうやって侵入したかは問うまい。悔しいが異能の力を持っているものならば、そう難しい話でもない。
それに…。

「もしかして、下の騒動もお前の仕業なんじゃないのか?一体なに考えてやがる」



【すみません、遅くなりましたが、あけおめです!
今年も宜しくお願いしますm(_ _)m

ヤツキ>未来予知合戦とかヤバ過ぎるww】

710ユーリ ◆.q9WieYUok:2017/01/27(金) 15:13:23
【黄昏の塔】

全てを凍結させる絶対なる死の吐息。
白銀の奔流は確かに、敵影を飲み込んだ。

時間すらその動きを停め、氷結した塔の一角。
その中を眩い光が照らし、停まった時間が動き出す。

それは創世の光、世界を構築する四大元素の一つ。
光は力となって、氷結し、凍てついた時間を溶かしいく。

そして、周囲に凍気ではなくマナが満ち溢れた頃。
黒狼から人の姿へ戻った後、左半身を失っていた為にバランスを崩したユーリは、膝を着いた状態でアグルを、レグナを見据えていた。

「ならば、大義の為に俺を貫け。」

魔装と闇の力を失った今、ユーリの命は後数刻しか保たないだろう。
先の言葉は強者として、悪役としての矜持か。

「俺は愛する女の為に戦った。
その女が世界を無意識の内に滅ぼそうとしているのを知りながらもな。

今思えば、俺はイオリが羨ましかったのだろう……
一族の掟と、この世界の有り方に絶望した俺とは逆。」

折れた刀を支えにし、ユーリは続ける。

「俺は翼を持たなかった、いや、切り捨てた。
全てを灼き尽くす蒼焔の翼、実にアイツらしい……」

それは独白か、一言一言続ける度にその声は覇気を無くしていく。

「この塔は時間の巻き戻しにより出現した。
その頂きに座するは闇の王女、この世界における冥府の女王。

100年前とは役者の数もその役割も違うが、目的は同じだ。
世界を闇に閉ざし、滅ぼす。

闇の残滓だった消えゆく星が恒星となった、その意味は俺には分からない。
だが、その輝く闇星は……いずれ黄龍すら呑み込む奈落の渦中となるだろう。

……行け、塔の番人を倒したお前達はこの先に進む権利がある。」

そして。

「地を這う犬に、狼にとって自由と言う名の大空は遠かった。
光輝くその翼で、世界を照らしてみせろ。」

ユーリの黒瞳から光がゆっくりと消え、それと同時にその心臓も動きを停めた。

ーーーーー

「終わったようだな。」

階下で行われていた激闘、その終わりを察し、ヤツキは口を開いた。

「ならば、次は俺達の番だ。」

轟音と破砕音から続く雷鳴と極寒の凍気。
それらが止んだフロアは、再び静寂に包まれていた。

ヤツキが声を掛けた先、その視線の先には宿敵とも好敵手とも呼べる一人の男の姿。
その名を呼び、ヤツキは腰の刀に手を置いた。

「イスラ、俺はお前を待って居た。
この世に蘇ったその意味を、全うする為にな。」

二人が居るのは最上階より一つ下、何もない伽藍の空洞。
視界に映る階段を昇れば、塔の頂きはすぐそこだ。

「だが、その前に問いたい。
100年前の俺達の戦いに意味はあったのか?

蘇ってから、しばらくの間世界を放浪した。
その間に見たのは、止まない戦争、環境汚染。

文化と技術が発展した所で、本質は変わらない様に見えた。
なぁイスラ、世界はやはり滅ぶべきだと思うか?」

最上階へと登る階段の前で、ヤツキはイスラへ問い掛けた。
その声は、低く、冷たい。

711ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 20:21:21
【過去】

当時、私はポセイドン本家当主様の命により、とある事件を調査すべく派遣された使用人の一人に過ぎなかった。
その事件というのも闇絡みであることは間違いないが、あらゆる点が特殊だったため原因究明に至るには中々に時間が掛かりそうであった。
ここ数日間も、この屋敷の主であり闇の王子の継承者でもあるユリウス様と被害に遭った街や闇の封印地に足を運んだが、望ましいような成果は上げられなかった。

…………


「お疲れさま、大事はなかった?」

ユリウス様の指示で一足早く屋敷に戻った私を出迎えてくれたのは、彼女、レイシーであった。
レイシーは手ずから淹れた紅茶を、満面の笑みで私に差し出してくる。
その晴れやかな笑顔に一瞬言葉を失った。もちろん呆れているのだ。

「…おい、何故お前が使用人の俺に茶を出しているんだ。そういうことはするなと言っているだろう」

彼女はユリウス様の一人娘であり、生粋の神子。何でも歌を通して万物の声を聞くことが出来るのだとか。いわゆる信託者だ。本来は災害の預言や啓示の伝達をするのが役目だが、魔術に代わる科学技術が発達し、反異能者の風潮が強まっている現代ではあまり重要視はされていないらしい。

…話が脱線したが、私が言いたかったのはこの娘の振る舞いだ。
彼女はやんごとなき生まれにも関わらず、平気でこういったことをする。使用人が仕事をしている横で、何か手伝えることはないかと聞く。
主従関係を理解していないのか、お友達感覚も甚だしい。私はその都度「友達ごっこがしたいなら余所でやれ」と突っぱねるが、彼女にはあまり効果がないようだ。
しかも彼女の紅茶は私が淹れたものより薫りも良いし味も良い。それが余計に腹が立つ。

「だって以前はお手伝いさんが二人居ただけだったんだもの。手が足りない時は私もお母様も家事全般は何だってやったのよ。
それが今は貴方達に全部任せっぱなしでしょう?有り難いのだけれど…、ほら、着替えくらいは自分でできるし…。落ち着かないって言うのもあるけど…いろいろと悪いでしょう?」

いくら田舎育ちのお嬢様とはいえ、彼女は腐っても神子の端くれの筈だが…。昨今の神子事情には流石に同情せざるを得ない。

「慣れろ。ご当主様のご配慮だ。それに俺達にだって面子というものがある。お前が良かれと思ってやったことも、使用人にとっては仕事と生き甲斐を奪われたも同然だと感じる者もいる」

712ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 20:23:21

事件解決に専念出来るようにと、当主様の計らいで、それなりの資金と共に本家の使用人を数人程まとめてこちらの屋敷に提供した。
大して広くもない邸宅と神殿は一日の内にピカピカになり、加えて毎食の豪華な食事と、使用人による申し分のないサービス。
彼女たち家族からしたら環境の変化に戸惑っても致し方ないが、生き甲斐という言葉を出すとレイシーはしゅんとしながらも「努力するわ」と頷いた。

「でもさすが本家の使用人さん達よね。皆優秀だわ」

「当然だ、そのように教育されている」

何が可笑しかったのか、彼女はそこで小さく笑った。

「何故笑う?」私は言った。

「ううん、ベルが面白いなあって思って。まだ若いのに凄く偉そうだし、主だ従者だって拘るくせに私には敬語も使わないし」

そこは面白がる所ではなく、腹を立てるべき所ではないのか?

「俺は出世の利益に関わる人間にしか媚びを売らないことにしているんだ」

「うん、そんな感じよね」

特に気分を害する訳でも、こちらを咎める訳でもなく、彼女はコロコロと笑う。
彼女の何が嫌かって、この独特の空気間だ。気づけばすっかり彼女のペースに乗せられてしまっている。
そしてそれが分かっているにも関わらず、毎回の如く罠に嵌まり、つい余計なことまで喋り過ぎてしまう自分の間抜けさに私は人知れず辟易する。

713ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:40:02

「護衛とかちょっと大袈裟過ぎないかな…?」

「ユリウス様の留守中にご家族に何かあっては申し開きが出来ないからな」

「すぐ側の町に行くだけなのに…」

「どこに危険か潜んでいるか解らない。
俺のことは空気か置物とでも思って、気にしなければいい」

「はぁ…」

雪のように白い肌に白い髪。血を塗ったような真っ赤な瞳。そのアルビノ特有の容姿は神秘的だと神聖視もされるが、中には忌み子やら鬼の子やらと謗り、畏怖の対象として見る者もいる。
町に行くと言う彼女に同行を申し出たのは、彼女に対してのそういった評判を耳にしたからでもあった。

「ところで…このパンと林檎は何なんだ?」

会話が途切れたのを機に、私は先程から疑問に思っていたことを聞く。彼女と私の腕にはそれぞれ、紙袋一杯に詰められたパンと林檎が抱えられていた。

「ごめんね、持って貰っちゃって。これはお裾分けなの」

お裾分け?その言葉の意味は程なくして分かった。

町の外れに行くと彼女の管理する神殿が建っている。その周りに汚い身なりをした者達が集まっていた。

「おお…、神子様がいらっしゃった…!」

その内の一人がレイシーの姿に気づき、声を上げる。その声につられ、他の者も各々俯けていた顔を持ち上げた。
一体何事だろうか。そう思っていると、彼女はつい今しがた持ってきたばかりの食べ物を紙袋から取りだし、彼らに一つずつ手渡していった。
なるほど。どうやらこの者達の目当ては、神の慈悲などではなく、レイシーの持って来る施しにあるようだ。
端から見れば野良犬や野良猫に餌をやっているように見えなくもない。神聖な建物の前でなんとも浅ましい光景だ。

しかし眉を潜める私とは違い、当の彼女は嫌な顔一つしていない。それどころか物乞いに労いの言葉さえかけている。
ボロ切れのような服を着て、手も足も垢まみれ。きっと彼らにとっては、たった一切れのパンでさえご馳走なのだろう。
まるで聖母か天使にでも出会したかのように、手を合わせ涙を流す彼らの姿を見ると、とても口を挟むような気分にはなれなかった。

714ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:41:54

「毎日こんなことをやっているのか?あんなのが居たら他の町民は神殿には寄り付かないだろうに」

物乞いが立ち去った後、私はそう口にした。
彼女は哀しげな微笑みを携え「私に出来ることはこれくらいしかないから…」と言った。そして、

「それに心配しないで、他にも神殿に来てくれる子達はいるから」とも。

「神子さまー‼」

その言葉通り、またどこからか親し気に彼女のことを呼ぶ声が飛んでくる。
見れば数人の少年少女達が、夏の陽のようなキラキラとした笑顔を振りまいて駆け寄ってくる。レイシーは彼らによって、あっという間に周りを取り囲まれてしまった。

「おはよう。どうしたの?」

「あのね、今から皆でコスモスの種を植えるの!神子さまも一緒にしよう!」

それらの会話からレイシーと子供達の関係性が何となく想像できる。彼女は「まあ」と顔を綻ばせた。

「それは素敵ね。でもごめんなさい、今から朝のお祈りをしなくちゃいけないの。終わるまで少し待っててくれる?
それまでベル…このお兄ちゃんと遊んでて」

何を勝手なことを。
しかし文句を言う前に、彼女はさっさと神殿の中に入っていってしまう。子供達にしても、明らかに見知らぬ私のことを警戒しているようだった。何か不審な者でも見るかのような視線が痛い。
レイシーが戻って来るまで、この空気の中にいるのは流石に居た堪れない。私は仕方なく彼らに目線を合わせ、出来る限りの柔らかい声音で話しかけることにする。

「神子様のこと、随分慕っているんだな」

子供は素直だ。こちらが無害を装うと、取り合えずは戸惑いながらもポツポツと言葉を返してくれる。

「…えっと…うん、大人達の中には神子様のこと悪く言う人もいるけど…私は大好き」
「神子さま、優しいから!」
「お歌うたってくれるし」

「ねー」と彼らは相槌を打ち合う。
…優しい、か。

「物乞いに施しをしているようだが」

「それだけじゃないよ。神子様はよく町の皆のお手伝いしてる」
「畑仕事とかー、荷運びとかー」

思わず「まさか」と聞き返しそうになった。再三と言うが彼女は神子だ。そこら辺の村娘とは訳が違うのだ。
それが何の酔狂で、土いじりや力仕事に精を出すというのか…。理解に苦しむ。

715ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/27(金) 22:44:24

…………

「今日は付き合ってくれてありがとう」

屋敷への帰り道、並んで歩いていると、ふと彼女が口を開いた。日はもう暮れ始め、西の空が橙色に染まっている。
子供達の言っていたことは、決して冗談なんかではなかった。
その日レイシーは彼らと共に花壇に花を植えた後、町の者達の労働に手を貸して回っていた。
重たい荷物を運び、収穫したばかりの野菜を冷たい水で洗う。
最後の方は見るに見兼ねて私も手伝う羽目になった。

「ベルは優しいのね」

そう言って微笑んだ彼女の顔は、私に向けられたものの中では一番輝いていたと思う。

「…辛くはないのか?」

つい、そう尋ねていた。
彼女は何が?というように首を傾げた。

「奉仕活動だよ。力仕事とか水仕事とか…普通のお嬢様はそんなことはしない」

直ぐに返事が返ってくる。彼女は笑っていた。

「辛くはないわ、好きでやっていることだから。むしろ町の皆の力になれることが嬉しいくらい」

奉仕活動中の彼女は生き生きとしていた。その言葉は心からのものなのだろう。

「私、あの町が好きよ。あの町で暮らす人達も。
小さくて素朴な町。決して豊かな暮らしではないけれど、皆気さくで親切なの。幼い頃からよくお世話になったわ」

確かに町には気さくで親切な者が多かったように思う。
しかし中には彼女のことを遠巻きに、冷ややかな視線を浴びせる者もいた。それに関しては何も思わないのだろうか。
そんなことを考えていると、不意に彼女の歌声が耳に届いた。
穏やかな曲調の異国の言葉。

先程も子供達に聞かせていたが、やはり彼女の歌は耳に心地が良い。糸を紡ぐように繊細で、それでいて不思議な深みがあった。
目を細めると、音の一つ一つが浮かび上がってくるようにさえ感じられた。

私は黙って彼女の奏でる旋律に耳を傾けていた。
郷愁とも感傷ともつかない、どこか切ないような、懐かしいような、優しい気持ちが胸に広がっていく。
空には淡い白銀の月がうっすらと輝き、鮮やかな光に照らされた雲が遥か向こうの山々にまで棚引いているのが見えた。透き通った風に乗って、彼女の甘く澄んだ歌声がどこまでも飛んでいく。
はっと息を飲むほどに美しい時間がそこにはあった。
こんな気持ちも、こんなに美しい夕景にも、久方ぶりに出会った気分がした。

716ヨハン他 ◆wxoyo3TVQU:2017/01/29(日) 20:04:18
【冥界】
門を潜ると真っ暗な道が続いている。
行き先が行き先だ、この道に違和感は無いと歩いていると、予想に反して開けた空間に出た。そして、予想に反した事態はこれだけではない。

(何だこれは・・・)

目の前に広がる光景に目を疑う。
木々の茂った緑豊かな場所に、川までも流れている。
それは絵に書いたような美しい風景だった。

「嘘くさいな」

しかしひねくれた性格のヨハンである。感動よりも前に胡散臭さの方を感じてしまった。
眉を潜め思わず発してしまったその言葉に、クスリと吹き出すような笑い声が帰ってくる。

「は?」

自分以外の人間がいるとは思っていなかったため、ヨハンは驚きそちらへ目を向ける。そして彼は再び自分の目を疑うこととなった。

「と・・・」

目の前で笑みを浮かべるその男は、間違いなく自分が死なせた友人。

「久しぶり、ヨハン。性格は相変わらずだね。見た目は・・・歳をとってダンディになったかな?」

軽口をたたくその様もかの人物そのもので、彼がトーマであることは疑いようがなかった。

「どうしてお前が・・・」

「君を待っていたんだ、話をしたくて。」

いってトーマは川の傍らに見つけた岩石に腰掛ける。

「あぁ、因みに此処は君の考えてる場所じゃないから安心して?此処は境なんだ。分かりやすく言えばあっちが地の国で、こっちが天の国。あの人は面白いことをするね。本当は扉の行き先は同じなのに、わざと二つ用意した。」

まぁ、そうでもしないと君たち親子は本音で話をしなかっただろうけど。
トーマは優しく微笑んだ。

「今話をしないと、君は死んでも死にきれないと思ったんだ。僕の死は自分のせいだと思っているでしょ?」

図星だった。ヨハンは口篭る。
しかし、「思っている」のではない。「事実」なのだ。

「ほら、またそんな顔をする。僕が死んだのは君のせいじゃない。気を遣って言っているんじゃないよ?君を手伝おうとしたのは僕の意思だ。リトを引き取るって話を持ち掛けたのは他でもない、僕だよ。僕は嬉しかった。その提案を受け入れてくれて。君に頼ってもらえて。」

ただ、僕達が相手にした奴らが強敵だっただけ。

「ねぇ、そこに突っ立ってないでさ。座りなよ。僕と話そう。折角時間を貰えたんだから。」

717リマ ◆wxoyo3TVQU:2017/01/29(日) 22:09:25
あけましておめでとうございます|ू・ω・` )
暫く行方くらましてました、すみません(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
相変わらず亀亀しくやっていくと思われますが、今年も宜しくお願いします(>人<;)

ヤツキ>>吸血鬼の方は1回オリジン追い払う感じ|ू・ω・)??

イスラ>>703
阿部wwwやったことはないですが、何か知ってますwww色んな意味で怖いらしいですねwwホモな阿部さんがノーマルな子達を追いかけるというwwwてかあれってホラーゲームなんですかwww

裏設定っぽいですからね(笑)
藍ちゃんは結構単純なこと考えてますよ!ロボットなので難しいこと考えるのは苦手なんです(笑)子供みたいに目の前で起こってることを色々考えて、分からないことはすぐに解決したくて其処にいる人に聞くから、何の脈絡も無く変な質問してくる不思議ちゃんってイメージになっちゃうんだと思います(笑)ある時レイジに絵の書き方が分からないって言って、レイジはそれを受けて普通に説明してて、あの二人は見ていて和むんですよね(*ˊૢᵕˋૢ*)

何かカルナイの曲一般のオリコンのめり込んじゃってアニメイトじゃない普通の店でも当たり前のように流れてて笑えるんですけど(笑)アニメでは負けたけど事実上大勝利じゃないですかwww
藍ちゃん本当素直だから可愛くて可愛くて(*ˊૢᵕˋૢ*)大変認めたくありませんが藍ちゃんルートでハルカと恋人になったあと、料理男子は需要ある的な情報仕入れてきて「彼氏なんだから彼女に何でもしてあげたい」とか言ってどう考えても食べきれない規格外なサンドイッチタワー作っちゃって本当可愛い(笑)

ナディア強い子だからなー。小さい頃から妹と弟守るため気張ってきたからそれがデフォになっちゃってるんですよね(´・×・`)

やりたい(・∀・)けど別にノワールにはセナとリマ傷つける気なんてないんですよね(´◦ω◦`)

色も塗ってみました|ू・ω・` )
imepic.jp/20170129/789250
髪の色間違えて余計誰だよ的な姿にwww

なので千鶴は大嫌いです(´-ω-`)
薫くんの設定大好物だけどそもそも薄桜鬼あんま好きじゃないんですよね(笑)
大学の時乙女ゲーム大好きな友達と絶縁して、何かその子が好きだった乙女ゲーム見るとその子のこと思い出して虫唾が走ってしまう:(´◦ω◦`):
因みにうたプリはその子のお眼鏡にかからなかったし、自分の中で乙女ゲームではなくてギャグアニメなので普通に好きです(*ˊૢᵕˋૢ*)

シンドバッドマジうぜぇ←
今のアラジンが受け入れられない:(´◦ω◦`)
モルちゃん何か見た目が逞しくなりましたよねwww
あと個人的に白龍ちゃん成長しすぎてアリババより背が高いの受け入れられない:(´◦ω◦`):ジュダルとあまり背変わらなくなっちゃったからジュダルもう白龍ちゃんの頭撫で撫で出来ない:(´◦ω◦`):

そして爺の過去話待ってました!!やばい!めっちゃ楽しい!ヨハンママ可愛い(*º∀º*)そして爺が実はクールな人だった衝撃www今の落ち着いた爺様感は何だwww

718ヤツキ ◆.q9WieYUok:2017/01/29(日) 23:58:39
【リマ》そうそう、今回は追い払って一旦停戦的な。
4タイ1でバトル、途中でジーナ乱入オリジン封印(時間制限有り)封印解けるまで(本編終了)各自修行してね、的な感じで。】

719ジル ◆wxoyo3TVQU:2017/01/30(月) 00:13:13
【ポセイドン邸】

「一つ正解で、一つは不正解。」

現れたアブセルに「邪魔が入った」と漏らしながら、ジルはその笑顔をアブセルに向ける。
そして、アブセルの声に反射的に引っ込めようとしたユニの腕を掴み自分の方へ引き寄せた。

「生憎今日は王子様に用はないよ。まぁ、くれるって言うなら喜んで貰うけど。僕が今欲しいのはこの子。だから君の予想の一つは不正解。」

笑顔を崩さぬままジルは続ける。
そして、正解の方は。その口をユニの耳元へ寄せる。

「人って面白いよね。ちょっと突ついただけであんなに騒ぐんだから。そして、誰が1人でも同じ意見の人がいれば右に習えですぐ強気に出る。ねぇ、ユニ。」

ここの屋敷の人は皆意地悪だよね。相手がやり返さないのをいいことに、寄って集ってリトを虐めるんだから---

ジルはそう囁き、アブセルを指さした。

「彼も意地悪だ。此処に戻ればリトがどうなるか分かっていて、あの子を無理やり連れ帰った。ユニ、彼もリトの敵だよ。一緒に彼からリトを護ろう。」

「アブセルさんもユニ達の敵・・・」

ジルの言葉は麻酔のよう。頭に自然と浸透してきて、その言葉全てが正しく聞こえてくる。アブセルがリトの敵。違うと分かっているのに、そう思えてきてしまう。

「アブセルさん・・・酷いです。」

それがジルの能力の一つであるとも知らずに。ユニのように純粋であるほど、その術にかかりやすい。

「ユニがリト様守らなきゃ・・・この人の言う通りにすればリト様を助けられる・・・」

720ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:32:45

「ベル、今忙しい?」

「忙しい」

「庭にお花を植えたいんだけど手伝ってくれない?」

話を聞け。と少しうんざりする。

朝の仕事を一通り終えた後の、午後の休憩時間のことだった。晴れた空にはうっすらと雲がかかり、雲の隙間から降り注ぐ柔らかい陽射しが、庭の緑を艶やかに縁取っていた。
レイシーと二人で町に赴いたあの日以降も、私は、調査の担当から外れた日などに何度か彼女の奉仕活動に付き合ってやることがあった。そのせいか、最近は何かとこういった具合に話しかけられることが増えたように思う。

「ベルは何をしているの?」

それでも知らん振りをしていると、またも彼女が声をかけてくる。私は言った。

「見て分かるだろう。剣の鍛錬だ」

どんなに忙しい日でも鍛錬を欠かしたことはない。とは言っても、今は相手がいないので、素振りや一人稽古くらいしか出来ないが。

「余所はどうだか知らないが、俺が勤めているのはポセイドンの本家大元のお屋敷だ。
教養の高さや家政のスキルは元より、いざという時には主君をお護りでき得るだけの能力も求められる。その中でも特に優秀な使用人が執事に選ばれるんだ」

彼女は大きな目を瞬かせて言った。

「ベルは当主様の執事になりたいんだ?」

「なりたい、じゃなくて、ならないといけないんだ。俺の家が本家御抱えの執事の家系だから。母もそれを望んでる」

「お家とお母様が…?でもそれってベルの意思はどこにも含まれていないように思うけれど?」

彼女の言い分に何となくムッとしたのは、それが本当のことだったからだろう。
私は剣を振る手を止め「じゃあお前どうなんだ?」とレイシーを見た。お前も血に縛られているじゃないか、と言外に滲ませて。

721ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:34:37

しかしそれに対する彼女の答えは、私の想像の遥か斜め上を行くものであった。彼女はまだあどけない少女の顔でにっこりと笑った。

「私はね、旅人になりたい。世界中を旅しながら、吟遊詩人みたいに沢山の人に歌を聞かせて回るの。どう?素敵じゃない?」

…思わず返す言葉を失ってしまった。
彼女らしい、と言えば彼女らしいのかもしれないが…。いや、だが結局は世間知らずの、頭の中がお花畑のお嬢様の考えることだ。現実的ではない。

「つまりは浮浪者だろ。自らそんなものになりたがる人間の気がしれん」

「良いじゃない、そういう何が起こるか分からない生活ってわくわくしない?着の身着のままで色んな処に行って、色んな人に出逢って、色んな体験をするの。…そういうの凄く憧れる」

深窓の令嬢に有りがちの、外の世界への憧れというやつだろうか。ただ彼女の場合は本当に実行してしまいそうで怖い。
しかしその直後、何事か、彼女は「あ…」と表情を曇らせた。自身の白い頬に手を触れる。
「でも私の見た目って変だから、皆気味悪がって逃げちゃうかも…」

上がったり下がったり、面倒臭い娘だ。

「知るか、そんなものに拘るのは閉鎖的な田舎の年寄りくらいだ。大きな街に行けば気にする人間なんて誰もいない」

私は内心、しまった。と思う。また彼女を調子に乗らせるようなことを口走ってしまった。
案の上、彼女はパッと表情を明るくさせる。身を乗り出してきた。

「じゃあ、その時はベルも一緒に来てくれる?」

「何故?」

「一人より二人の方が楽しいもの。音楽も一緒。私が歌を歌うから、ベルは何か楽器をやって」

「俺に音楽の嗜みはない」

「タンバリンとか簡単なので良いのよ?」

「タンバリン…?」

「もしくはダンスなんてどう?とっても盛り上がりそう」

「……………」

私はレイシーの横で、歌に合わせてタンバリンを叩きダンスを踊る自分の姿を想像する。何というか…、凄くシュールな絵面だ。
冗談じゃない。と心の中で呟く。

722ベルッチオ ◆Hbcmdmj4dM:2017/01/31(火) 00:47:45

彼女は限りなく自由だった。何者にも囚われない風のようであった。それでいて妙に人懐っこく、気づけば心の中にするりと入り込んでくる。
花と歌が好きな彼女は、それと同じくらい故郷の町と町の人々を愛していた。
身分や貧富を問わず誰にでも優しく接し、慈愛に満ちた彼女の周りは、いつも自然と笑顔が溢れていた。
そんな彼女が羨ましかった。私にはないものを沢山持っていた。

正直に言えば、私は彼女に惹かれていた。しかもそれはここ最近、というものでもない。もっとずっと前から。そう、俗にいう所の一目惚れというやつだった。
まさかその様な不明確な現象が、我が身に訪れる日が来ようとは考えてみたこともなく、私自身驚いた。

ただ珍しくもない話ではあるが、このご時世、どこのお屋敷でも貴族と使用人の恋愛は御法度であるのが常だ。
それが本気であれ、一時のスリルを求めたものであれ、あるいはご子息ご息女の暇潰しのお相手であれ、責任を取るのはいつも決まって使用人の方だ。
今までにも危険な恋に入れ込んでしまった同僚が、屋敷から追い出されるのを実際に何度か目にしたことがある。

私の場合は自分だけの問題では済まない。母の名誉と家の名にも傷をつけてしまう。選択肢など初めからなかった。
故に私は自分の気持ちを押し殺した。その想いを気づかなかったことにした。レイシーに対する素っ気ない態度の理由がそれだった。

だが、そうしている間に徐々に辛くなってきた。
当時の私は、まだ18歳になったばかりの未熟な若造に過ぎなかった。一度抱いてしまった気持ちをなかったことにし、素知らぬ顔が出来るほど大人ではなかった。

気にしまいとするほど、彼女のことを意識してしまう自分がいた。彼女のことを知れば知るほどに、より一層その想いは膨らんでいった。
ふいに見せる彼女の、何気ない仕草に目を奪われた。目を伏せた時の長い睫毛に、恐ろしく澄んだ瞳に、陽に溶けてしまいそうなほど白くなめらかな肌に、堪らなく心をかき乱された。
彼女に触れたいと思った。抱き締めたいと思ってしまった。
まるで舵の効かない船だ。自分の心が、自分のものではないかのようにコントロール出来なかった。こんなことは初めてだった。
私はその時ほど、この身を焦がさんばかりの強い恋情に恐怖を覚えたことはない。


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