したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

Key Of The Twilight

640サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/10/25(火) 22:54:55
【冥界】

迎えに行った者が、まさか面識のある人物だとは誰が想像しただろうか。
始めこそ驚きを隠せずに目を丸くしていたサンディだったが、彼の「これからの戦いに必要になる」との言葉を耳にすれば、途端に表情を曇らせた。

「メイヤもあたしを四神としてしか見てないんだね…」

恐らくその小さな呟きは彼の耳には届かなかったことだろう。
アンヘルやイヴ達よりも後ろにいたサンディは、不意に前に歩み出ると、メイヤと向き合い、彼を睨み付けた。

「あなたがここに来たってことはまた戦いで無茶したんでしょ?
どうしてメイヤもいー兄も自分の身を顧みずに戦おうとするの?なんで自分のことをもっと大切にしないの?」

それは咎めるような口調だった。
どうしてこんなにもイライラするのか、サンディは自分でも分からなかった。

「元の世界に戻ったとしても、もう体動かせないかもしれないよ?今度こそ本当に死んじゃうかもしれないよ?メイヤは怖くないの?」

因縁も滅亡も乗り越えた先の世界…、それが叶えばどんなに素敵だろう。
だがそんな世界など本当に存在するのだろうか。そしてそれは命を懸けて護るほど価値のあるものなのだろうか。

「あたしは怖いよ…!戦うのも!痛いのも!
大切な人が目の前で傷つくのも!」

今になってこの世界に来た時、なぜ妙に気分がハイになったのかが分かった。
戦いばかりの現実から逃れることが出来て安心したのだ。

「あたしは戻らないから!また生き返らせて戦わせようとしても無駄だから!あんな怖いとこに戻るくらいなら死んだ方がマシだよ!」

そう言うと、サンディは踵を返してその場から駆け出した。

四神としての責務を放棄していることは分かってる。
でも、それならどうして自分にこの力が備わったのかと恨めしくも思う。
こんな血筋でさえなかったら、両親は死なずに済んだかもしれないのに。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板